【文化の】著作権総合スレッド・第5条【発展】

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693無責任な名無しさん
>>688
(2)債権者の主張1について
 債権者は,本件映画の本来の保護期間が平成15年12月
31日午後12時までであって,平成16年1月1日午前零時
と同時であるから,本件改正法の施行の際,現に改正前の著
作権法による著作権が存していた旨主張し,文化庁長官官房
著作権課も,同様の見解を表明している。
 確かに,本件映画の保護期間の満了を「時間」をもって表
現すれば,平成15年12月31日午後12時となる。しか
しながら,著作権法54条1項及び57条の規定は,「年によ
って期間を定めた」(民法140条)ものであって,「時間
によって期間を定めた」(同法139条)ものではない。
年によって期間を定めた場合は,「期間は,その末日の終
了をもって満了する。」(同法141条)とされるから,あ
くまでも,保護期間の満了を把握する基本的な単位は「日」
となるというべきである。
 そして,本件改正法附則2条の規定は,この法律の施行期
日である平成16年1月1日において,映画の著作物の著
作権の存否を問題とするものである。本件改正法が同日午前
零時から施行されて効力を有するとしても,著作権の存否を
「年によって期間を定め」,「末日」の終了をもって満了す
ることを前提とする限り,本件映画について,平成16年1
月1日まで著作権が存続していたということはできない。
 そもそも,本件改正法の附則中に,映画の著作物の著作
権の存否を問題とするに当たって,一瞬を指す意味の「時間
」の単位でとらえるべきであるとする文理上の手がかりはな
い。また,本件改正法が平成16年1月1日午前零時の瞬間
から施行されるとしても,「施行の際」との文言によって,
その施行の一瞬を切り取るべきものでもない。