文字にすると、アレだけど。記憶の範囲で。
被告:50半ばの痩せた男。
弁:国選のかなりくたびれた爺さん。
検:若手の生意気な盛り2人。
長:普通は人定質問をするのですが、氏名不詳とは私も初めてだな・・・
一応言っておきますが黙秘権が〜
冒頭
検:上野のデパート多慶屋で窃盗したものであり〜
額は多くないものの常習で5年以内に2回も同様の罪で服役〜
ケーキ250円、きなこ棒200円、キャンディー255円、ビスケット90円、計795円〜
被告人は取調べで私は刑務所に長く入れた方がいいなどと刑務所に入りたい
旨を申した上〜(長、苦笑い。このあたりから雰囲気がかなり妙になってくる)
弁:同意します。
被告人質問
長:被告人質問の時間は?
弁:1,2分でいいです。
長:えっ・・・、時間はありますよ。
被:時間の無駄です。
被告人質問検察側
検:被告人、あなたはどこかからだが悪いところがありますか?
被:あたまが悪いです。
(3秒くらい、場内が固まる)
検:あなたは平成13年までは前科前歴がないわけですから、それまでは普通に生活できて
いたわけですから、決して頭が悪いと思えません。
取調べに出所したらまた再犯すると言っていましたが・・・
被:出たら、またやる。間違いない。
検:本当は、働けたら働くつもりなんでしょ?
まだ3回目だし、すぐ死ぬわけじゃないし、更生するつもりはあるんでしょ?
以前の罪で、こんな求刑じゃ軽いと発言して自分の人生を投げてしまって・・・。
こんどは変わろうと思ってるんでしょ?
被:あなた、弁護士みたいだね。
(場内一同笑う。)
検2:万引きは悪いと思いますか?
悪とはなんですか?
被:禅問答みたいだな。おれは人を傷つけたことはないし、今回も罪の意識はない。
確かに悪いこととは認識はしているが。
それよりも水戸の警察官の万引きはー、悪だね。俺が言うのもなんだが〜
(以降、誰も止められずに大熱弁。)
裁判官から被告人質問。
長:まともになろうって気はないの?(居酒屋でおっさん同士が会話している調子。)
仕事がないからすぐに盗みにはならないんじゃないの?
被:今度は2年でしょう。年を重ねるだけだし、無理。出たらまたやります。
検察官もあなたも変ですよ。
長:裁判の目的は、これから再犯を起こさないように更生しようとしているんだから
検察官もあなたを何とかしてあげたいんですよ。
常習累犯窃盗では最低の3年を求刑。
長:意見は?
弁:また再犯の可能性はありますが〜(30秒ほど)。
終了後、被告が退場する際に検察官と会話。
検:こんどこそ良くなるといいですね
被:ありがとうございました。(深く一礼)