いまでは、OCDは脳の生物学的なはたらきに問題がある(ブレイン・ロック)ことがわかっています。
脳の主要な四つの機構がロックされてしまい、間違ったメッセージをおくりはじめてしまいますが、
当人はそれがまちがっていることに気がつきません。
OCDの患者は脳の信号処理中枢の尾状核(思考と行動を効率的に調整)と被殻(体の動きを制御する)で脳の前部からのメッセージがここで滞り、次の思考へのシフトが行われません。
これは脳のギアが動かなくなるという状態で、「手を洗え」とか「鍵を確かめろ」というメッセージが何回も送られ、
本当は必要ないのにまた手を洗ったり、鍵を確かめたりしてしまいます。手が汚いのではないか、鍵がかかっていないのではないか、
という不安が追い払えないのです。
この本にはブレイン・ロックをはずし、脳の機能を正常に働かせるための行動療法がのっています。その行動療法を応用すれば、
こうした想念や衝動への対応を変化させられるし、脳の働きもへ変化します。
某医学部の患者は、問題は脳の生物学的アンバランスにあるのだと教えられたとき、、
ぱっと表情を輝かせ、「わたしではない、OCDがさせるのね」という名文句を吐いたそうです。