1 :
無責任な名無しさん:
こんな記事が、今日の朝日新聞の夕刊に載ってました。
《移転できる?学内神社 信州大、高裁指摘で検討始める》
信州大学(長野県松本市)のキャンパスの片隅に、小さな神社がひっそりと立っている。
国と特定の宗教との結びつきを禁じた憲法上どう考えるべきかと、
近所の私立大学教授が疑問を抱き、国に移転を求める裁判を起こした。
敗訴に終わったが、裁判所は「学内へ置いたままの姿勢は憲法の精神に反する」と指摘。
大学は一転、神社の今後の取り扱いについて検討を始めた。
(中略)
一審では4ページの判決文で訴えを退けられた。
二審の東京高裁でも昨年7月、「原告の信教の自由が害されたとは言えない」などとして敗訴した。
ところが、この判決の傍論で、「神社を大学構内に存置したままにしている姿勢は、
(特定の宗教への公金支出などを禁じた)憲法89条の精神に
明らかに反する行為と言わざるを得ない」という指摘があった。
2 :
1:05/03/03 05:08:32 ID:p9ICjg1L
約50年前、再び医学部の出入り業者でつくる団体が中心となって学内に戻した。
信州大学によると、現在は同団体が実質的に管理し、費用面も含めて大学の関与はないという。
ただ、「移転となると、そう簡単ではない」(大学幹部)らしい。
移転させるにしても、まず引き受け手が必要になる。
仮に見つかったとしても、移転費用がかかる。
大学が負担すれば、それこそ高裁が指摘した
「特定の宗教への公金支出」になる。ではだれが負担するか――。
高裁判決から半年以上たったいまも、神社の将来について結論は出ていない。
大学は「移転を含め、扱いについて多角的に検討していく」(渡辺裕・同大学理事)と慎重だ。
学内からは「どこかの神社が、移転先として名乗り出てくれればいいのだが……」と期待の声も漏れる。
法学部のなかった信州大には今春、法科大学院が開設される。
藤原さんは「法学生や法律の専門家が大学に出入りすれば、
憲法上問題があると指摘された神社をどうするか、学内での議論が活発になると思う。
どんな結論になるのだろうか」と話している。
(03/02 11:49)
さてさて、これからが問題です。
3 :
1:05/03/03 05:09:17 ID:p9ICjg1L
「政教分離の原則」というよりも、「国有財産の適正な管理」の問題です。
国立大学の敷地(=国有地? 独立大学法人所有地?)に、神社(他人の所有物)が存在している・・・
したがって、不法占拠は間違いなく認められるでしょう。
では、信州大学は、誰に、何を請求できるのでしょうか?
一般論としては、(たぶん目的外使用許可はなされていないので)
不法占拠者に対して、所有権に基づく土地返還請求(建物=神社の収去と土地の明け渡し)を、
求めることができると思います・・・・
じゃあ、不法占拠者(=被告)は誰なのか?
一般論としては、
不法占有物件の所有者=不法占拠者=返還請求の被告
だと思います。
でも、本件において、不法占有物件=神社の所有者は誰なのか?
この辺から、わからなくなってきます。
一般論としては、神社の建築主が、最初の所有者で、
その後は、相続人も関係してくると思います。
しかし、神社の所有者って・・・
4 :
1:05/03/03 05:10:22 ID:p9ICjg1L
宗教法人ならば、所有関係が明瞭でしょうが、
誰が所有する宗教施設かわからない場合って、
けっこうあるんじゃないでしょうか?
新聞記事によると、
管理は、大学の出入り業者が行っているようです。
国立大学医学部の出入り業者????
=薬品メーカー?? 医療機器メーカー?? 癒着のにおいプンプン・・・
でも、管理を行っている団体が所有者とはいえないでしょう。
では、いっそのこと、大学が所有者というのは・・・
これは、上記高裁判決の趣旨からダメ・・・
さて、不法占有物件の所有者がわからない場合の
所有権に基づく返還請求権って、
どうなるんでしたっけ?
5 :
1:
これは、物権的請求権の性格の問題でもあり、
訴訟法上の当事者の確定の問題でもあるような気がします。
しかし、信州大学が、いくら神社の所有者を探しても
見つからない場合、
何の手も打てないというのは、はっきりいっておかしい。
でも、自力救済禁止の建前から言っても、
裁判に訴えて、債務名義を得ない限り、
信州大学はどうしようもないのか?
被告がわからなければ、裁判に訴えることもできないのか?
・・・・・・・
ひとつの解決法として、
不法占拠者(=神社の所有者)が判明するまでの、暫定的措置として、
とりあえず信州大学のお金で、神社を撤去し、
所有者が判明した時点で、
所有者に対して、本来負担すべき額を請求する、
というほうほうも考えられます。
しかし、これこそ、政教分離違反で訴えられそうです。
ということは、信州大学は、すでにドツボにはまっており、
いかなる解決法もないのか。