関係証拠を検討すると、当時の被告人の言動は、
「ちかん加害者」と 誤解された者の 為すべき行動とは、必ずしも不自然とはいえない。
被告人の行動について、これを不自然とする【原判決】の<認定>は、
失当である、と 当裁判所は考える。
6.事実認定の結論
【要旨第3】
以上 検討してきたように、被害者X供述には、その根幹たる部分に 看過しがたい疑問点があり、
他方で、被告人の<否認 供述>を 排斥するだけの 合理的理由も見出せないほか、
そのほかには、被告人と 犯行を結びつける 何らの証拠も 存在しない
のであるから、本件については【犯罪の証明】は【ない】ものと いわなくてはならない。
論旨は、理由が「ある」。
第三.破棄自判
よって、
刑事訴訟法397条1項、382条により、原判決を破棄し、
同法400条但し書きに従い、本事件につき、さらに判決をすることとする。
本件 公訴事実については、関係証拠を検討しても 「犯罪の証明」はなく、
刑事訴訟法336条に則り、
http://www.houko.com/00/01/S23/131A.HTM#336 被告人に対して 無罪 の判決を為すべきである。
よって、主文のとおり 判決する。
2004年11月09日
大阪 高等裁判所 第1刑事部
裁判長 裁判官:瀧川義道
裁判官:竹田隆
裁判官:増田周三