状況証拠の積み重ねによる裁判

このエントリーをはてなブックマークに追加
394渡部保夫弁護人より:拳銃事件弁論(1)
「 それでは、以上の 弁護人弁論を下にしまして、
わたくし個人の 意見陳述を させていただきます。

 真実発見のため、われわれ 弁 護 団 は、仔細に、証拠を検討いたしました。
 たとえば、元最高裁判所判事、谷口正孝氏は、
記録を丹念に読み、当事者の主張を敷衍(ふえん)することの重要性を説いておられますし、
 
 平田・元判事が、司 法 研 修 所 
  において述べているところによると、
 『証拠についての 合 理 的 な 推 論 を誤ったりすることの無いように、
  裁判所は、可能な限り、事 実 認 定 の規範に 忠実でなくてはならない』ということです。

さて、本 件 公 訴 事 実 においては、残念ながら、検察官は、具体的な共謀の内容
を示されることはなかつたのであります。

さきほども少し述べましたが、われわれ弁護団は、証拠の徹底的な分析 をしたのですが、
本 件 に お い て は、被告人にとって不利益な証拠、
 たとえば、大阪府警察の警察官証言など、
については 虚 偽 である、ということであります。
395渡部保夫弁護人より:拳銃事件弁論(2):2006/05/16(火) 22:58:51 ID:13bQkzaq
本件での主要な争点は、被告人が代表者を務める「山口組系 芳菱会(ほうりょうかい)」
の構成員のs、およびtによる 拳銃所持につき

●被告人が、それを認識・認容していたのか?どうか?

であります。この前提として、 ××会による襲撃について 現実的な危険性がなくてはなりません。

しかるに、この前提につき、検察官側から、「合理的な疑いを超える」立証は、ついに、
為されなかったのであります。

合理的な疑いとは、
・中野次雄・元判事によれば、「何らかの、根拠のある疑い」とされていますし、
・通説では、 証拠上、何らかの適当な説明のできる、疑い
とされております。

ところで、本 件 に お い て は、
 ・証人への 反 対 尋 問
 ・本日に提出された「 最終弁論 」における、証拠分析

によつて、合理的疑いが 多数 存在 致します。
396渡部保夫弁護人から;拳銃事件弁論(3):2006/05/19(金) 23:31:05 ID:Nw1HKAK0
簡潔に示しておくと、

浜松市から神戸市までの、東海道新幹線を利用した移動に際して、
「実行犯」sは、被告人に命じられて 注射薬一式の箱
を持たされ、
「実行犯」tは、被告人に命じられて、現金7500万円の「札束」の入った
 ボストンバック を持たされています。
 このような、「重くて厄介な」荷物を持たされていた2人に、
 ××会の襲撃に、咄嗟に対応できるワケはなく、

このことは、とりもなおさず、××会による 被告人襲撃の「危険性」など
なかった、という 有力な証(あかし)なのであります。

しかも、被告人は、
 (1)大阪市において、ふぐ料理店を利用したり、( ⇔ >>221
 (2)大阪市中心部で、夜、地下街をぶらぶらと歩くなどしており
 (3)ホテル利用時は、いつも、 実 名 で 宿泊していました。
397 渡部保夫弁護人から;拳銃事件弁論(4):2006/05/19(金) 23:31:39 ID:Nw1HKAK0
さらに、
 (4)tとsの2名による本件所持が「発覚」
  する直前、ホテルにおいて被告人は、マッサージを利用し、
 長時間にわたり、ドアを開け放していましたし、
 
(5)sとtの逮捕「当日」の朝、
  ルームサービスで朝食を頼んだ被告人は、ワゴンが入ってきやすいように
  あらかじめ、ドアを 全開 にしていたのです。

これら5点の事実は、まさに、「危険性」が「なかった」ということを
ハッキリと表しているのです。

これらはまさに、『証拠上、何らかの説明ができる 疑い』なのであります。

理論的には、合理的疑いが『 少しでも 』あれば、無罪にならなくてはなりません。

しかしながら、本件においては、 このほかにも 多数の
合理的な疑いが存在するのであつて、
    これは、本件が、まったくの 『 えん罪 』事件 だからではないか?
    ということを 強く推認させるのであります。 」