連続テロに対する報復戦争の国際法的な正当性

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1無責任な名無しさん

連続テロに対する報復戦争の国際法的な正当性は成り立たない

加藤尚武

1、国際法上の「戦争」とは、単に軍事行動が行われたという時点では成立せず、
主権国家もしくはゲリラ団体が戦争の意思表示をすることで成立します。ゆえに、
今回の連続テロは犯罪であって、戦争ではありません。犯罪として対処すべきです。
21:01/09/24 03:42 ID:D51ds93k
2、国際法では、いかなる紛争にたいしてもまず平和的な解決の努力を義務づけ
ています。ブッシュ大統領が、連続テロの今後の連続的な発生の可能性に対して、
平和的な解決の努力を示しているとは言えないので、新たな軍事行動を起こすことは
正当化されません。
31:01/09/24 03:42 ID:D51ds93k
3、国際法は、報復のために戦争を起こすことを認めていません。したがって、
たとえ連続テロが戦争の開始を意味したとしても、現在テロリストが攻撃を継続
しているのでないかぎり、報復は認められません。
41:01/09/24 03:43 ID:D51ds93k
4、連続テロに対する報復戦争が正当防衛権の行使として認められるためには、
現前する明白な違法行為に対しておこなわれなくてはなりません。予防的な正当防衛は、
国際法でも国内法でも認められていません。連続テロに対する報復戦争を正当防衛権の
行使として認めることはできません。
51:01/09/24 03:43 ID:D51ds93k
5、国家間の犯人引き渡し条約が締結されていないかぎり、犯人引き渡しの義務は
発生しないというのが、国際法の原則です。「犯人を引き渡さなければ武力を行使
する」というアメリカ大統領の主張は、それ自体が、国際法違反です。

以上の理由によって、私は連続テロに対する報復戦争は正当化できないと判断します。
このアピールのいかなる形の転載にも同意します。

9月19日 加藤尚武(鳥取環境大学学長、日本哲学会委員長)
6:01/09/24 04:01 ID:D51ds93k

……これってどうなんですかね。
国際法ってそんなに拘束力あるんでしょうか。
ご意見をお聞かせ下さい。
7:01/09/24 04:08 ID:D51ds93k
8無責任な名無しさん:01/09/24 12:26 ID:v/JGAaUo
age
9無責任な名無しさん:01/09/24 14:31 ID:7wrZe4LQ
報復は正当化されるのか?
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=shikaku&key=1000535883&ls=50
法律ではラディン引渡し要求は正当なの?
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=shikaku&key=1000988332&ls=50
10無責任な名無しさん:01/09/24 14:58 ID:D4Fm9WjI
大体今の国際ナントカって全て白人社会の白人の価値観や考え方で
出来上がったものでしょ。今回の事も自分たちが今までやってきた事は
棚に上げて相手の事を非難するだけ。でも誰もアメリカには逆らえない。
武力では平和は手に入らないって事は皆わかってる事。それとも
学習能力ないのかしら?
もう、人間にはこの地球に生きる価値さえないのかも。。。
とにかく、今回の報復戦争は愚の骨頂でしょう。
私は静かにその時を迎えたいと思います。
11無責任な名無しさん:01/09/24 23:52 ID:cbHf510I
age
12無責任な名無しさん:01/09/25 13:42 ID:OQi5Ap2g
age
13無責任な名無しさん:01/09/25 13:42 ID:8vhFVPdw
国際法というよりも、やくざの事務所に発砲事件があってガラスを割られて
抗争になったということでしょ。
14無責任な名無しさん:01/09/25 14:27 ID:2kXFPiu2
15無責任な名無しさん:01/09/26 01:58 ID:WJcDbQJA
司法試験板では議論が進んでおります。どうぞご覧下さいage。
167743:01/09/26 16:05 ID:PpC3JSDU
>>10
> 大体今の国際ナントカって全て白人社会の白人の価値観や考え方で
> 出来上がったものでしょ。
 イスラムの価値観で言っても「目には目を 歯には歯を」だよ。

> 武力では平和は手に入らないって事は皆わかってる事。それとも
> 学習能力ないのかしら?
 この点には同意しますけどね。
17・・・・:01/09/26 17:44 ID:egMOZii6
哲学会の人に国際法の議論をされても・・。

>1、国際法上の「戦争」とは、単に軍事行動が行われたという時点では
>成立せず、主権国家もしくはゲリラ団体

国際法で今や戦争という概念は陳腐化している。テクニカルタームでの
"戦争"は確かに宣戦布告があってという国際慣習法があるが、
国連憲章始めとする現代の条約は用語として"戦争"(war)とはあまり
用いず、他国に"武力攻撃"(armed attack)を受けた場合、被害国は
自衛権を発動できる・・(国連憲章51条など)という文言になっている。
 空爆・ミサイル先制攻撃、もしくはゲリラ作戦が中心となっている現代の
戦乱において、宣戦布告を要件とする"戦争"というのはほとんど意味を
成さない。
18・・・・:01/09/26 17:47 ID:egMOZii6

米国やNATOの自衛権の発動も国際法では発動に"急迫性"の要件
を求めるのが普通で、ビル爆破からこれだけタイムラグがあると、
国連安全保障理事会の強制措置(国連憲章7章)に求めるべき。

テロ組織もあくまでも国際法上は私人であって、国際法上の責任は問わ
れない。もちろん、テロ犯の所在する当局は国内刑法に基づいて、
もしくは犯人の国籍国は刑法の国外犯等で処罰すべき。
19・・・・:01/09/26 17:48 ID:egMOZii6
米国やNATOの自衛権の発動も国際法では発動に"急迫性"の要件
を求めるのが普通で、ビル爆破からこれだけタイムラグがあると、
国連安全保障理事会の強制措置(国連憲章7章)に求めるべき。

テロ組織もあくまでも国際法上は私人であって、国際法上の責任は問わ
れない。もちろん、テロ犯の所在する当局は国内刑法に基づいて、
もしくは犯人の国籍国は刑法の国外犯等で処罰すべき。
20・・・・:01/09/26 17:56 ID:egMOZii6
ただ、テロ犯に、訓練、資金、人員その他で国家的支援がある場合は
正規軍に準じて見なされて、ビル爆破は"国家による武力攻撃"ともなる。
 ただ、もっと詳細に見ていくと、タリバンのように仮に反政府団体もしくは
内戦で、政府的な力を持つ軍事活動団体が同一国内に複数あって、
それにテロ犯が支援を受けている場合は、米軍が自衛権を発動すると、
無実のほうの政府の国家主権も問題になる。
 また、テロ犯支援国がテロ犯の本拠地の隣国の場合も主権問題が
ややこしい。

公平性(形だけかも)を整えるには、国連の強制措置でやったほうが後々
良いのでは?政策としてもね。米国民からは非難轟々だろうが・・。
21無責任な名無しさん:01/09/27 23:12 ID:p4AemZ6c
22氏名黙秘:01/09/28 15:43 ID:yZyoMEAo
23 :13 :01/09/26 15:06
国連憲章51条によれば、自衛権が行使できる要件は
「武力攻撃が発生した場合(if an armed attack occurs)」となっている。
この「武力攻撃」とは、「陸海空軍その他これに準ずる軍事手段を用い
国境線を超えて行われる組織的な軍事行動」とされる。
武力行使のなかでも最も重大な方式をいう。
国境警備機関の突発的な衝突や外国民間機の領空侵入といった程度
の実力行使は含まれない。
したがって今回のテロは自衛権行使の対象とはならない。

また自衛権の保護法益は、主に国家の領土保全とされる。
それを拡張して、一定の在外権益も自衛権の保護法益になると
する見解もある。
いずれにせよ今回のテロはアメリカの領土保全を侵害する
ものではない。

結局、テロに対する報復として、自衛権を援用することはできない。
[参考文献:山本草二「国際法【新版】」(有斐閣、1994)、733-736]
武力行使が認められるのは、安保理決議が
武力行使容認決議を出した場合に限られる。

現行国際法が想定していない事態だから、国際法を忠実に
守らなくてもいい、という意見には賛成できない。
(コソヴォ紛争のNATO空爆はまさにそういう事例だったが。)
そういう場面でこそ法解釈の腕前が問われている。
「法とは何か」を考え、適用可能な法規を見つけ出し、
自分達の利益を守るための抗弁を何とか考え出す。
事態をパワーポリティックスに委ねてしまうのではなく、
国際関係における「法の支配」をどこまでも貫かなくてはならない。

司法試験で出てくる国内の紛争解決も同じ。
現行法の十分に想定していない事例に対しても、
一般条項や拡大解釈・類推解釈を駆使して
何とか法的な解決を試みる。同じことが国際紛争にもいえる。
23氏名黙秘:01/09/28 15:44 ID:yZyoMEAo
24 :氏名黙秘 :01/09/26 23:24
>>23
>国境警備機関の突発的な衝突や外国民間機の領空侵入といった程度
>の実力行使は含まれない。
>したがって今回のテロは自衛権行使の対象とはならない。

民間機の領空進入のレベルを遙かに越えていると思うが。
24氏名黙秘:01/09/28 15:45 ID:yZyoMEAo
26 :氏名黙秘 :01/09/27 00:54
>24
憲章51条の「武力行使」とは、たとえばクウェート侵攻ぐらいの規模の
領土への侵略をさす。今回のテロは「武力行使」に該当しない。

ただ、国連憲章51条の自衛権以外にも、一般国際法上の自衛権が
別枠で存在する。こちらでテロに対する報復の武力行使を論じる
余地はある。諸説がこみいってて難しいからもう書かないけど。
ただ、アメリカのような大国は武力行使に安易に訴えがちなので
こういう場合こそ法的な裏付けが厳格に問われなくてはならない、
と自分は考えるのだ。
                                    オワリ

27 :26 :01/09/27 00:56
> 憲章51条の「武力行使」とは、たとえばクウェート侵攻ぐらいの規模の
> 領土への侵略をさす。今回のテロは「武力行使」に該当しない。
「武力攻撃」に訂正
25無責任な名無しさん:01/09/28 15:49 ID:yZyoMEAo
28 :16 :01/09/27 01:33
>>24

いや、>>23-26-27
が正統的な解釈だよ。

ただこれって極限事例なんで・・。
結局今回はアメリカもNATOも自衛権行使
という形式を取るみたいだからね。
しかも世界の大半の国がこの方式を追認。
もしかすると解釈が変更されるかもね。

ちなみに、
武力攻撃は
@国境警備機関の突発的な衝突や外国民間機の領空侵入といった程度
の実力行使は含まれない。
また
A「間接的な武力行使」
(他国の反乱団体に対する武器の提供と兵站上その他の支援が合体したもの)
は含まれないというのが正統的な解釈なんだが・・。

今回の民間機による特攻ってのは
@Aのいずれにも該当しないんだよね。
25-26氏があげておられる事例が@Aに
該当しないのは明らかなんだけど、
今回の事例はどうなのかなあ?

これを自衛権行使に近づけて考えるか、
あくまでも制限的に考えるかは価値観かなあ・・。
超大国の自衛権濫用の防止か
テロ防止に対する実効的手段の確保か
という結構微妙な判断を強いられるね。
法解釈って難しいね。

ちなみに、
前回、記述を単純にするため武力行使に含めたけど、
「武力行使に至らない程度の違法な実力行使」
であるとの認識に立ちながら
リビアのテロ行為に対して自衛権行使を主張した
事例も存在するからね。
(ただし、このケースは在外自国民保護の事例。
今回の本土攻撃の事例とは異なるという解釈も可能。)

これからすると武力攻撃自体を必然的に自衛権行使の要件とは考えない。
もっと正確に言うと憲章51条の「武力攻撃」という文言を
もっと実質的に考えようという立場が存在し得るね・・。
まあ、結構争いがあるところなので色々ですな。

まあ、我々学生レベルで別に法解釈を放棄したりする必要はないけど、
実際は政治の世界が絡み、しかも慣習法の要素が強く、明文化が遅れている
国際法の世界の話である以上
>>25氏の感想もまあ、確かにって気がする。
悩ましいね・・。
26氏名黙秘:01/09/28 15:50 ID:yZyoMEAo
29 :16 :01/09/27 01:39
>>28
>ちなみに、
>前回、記述を単純にするため武力行使に含めたけど、
>「武力行使に至らない程度の違法な実力行使」

ここの武力行使って文言「武力攻撃」の間違いだよ・・。
訂正。
鬱だ氏脳。
27無責任な名無しさん:01/09/28 16:16 ID:rgSVrAHA
ところでタリバンのテロリストの身柄が拘束された場合
彼等はジュネーブ条約のなんちゃらで保護されるのか?
それとも正規兵ではないということで勝手に死刑や拷問してもOK?
28無責任な名無しさん:01/09/29 11:25 ID:lMWqQiP.
age
29・・・・:01/09/30 13:31 ID:3oGYODII
22,24が言っているところ、
>「武力攻撃」とは、「陸海空軍その他これに準ずる軍事手段を用い
>国境線を超えて行われる組織的な軍事行動」とされる。武力行使の
>なかでも最も重大な方式をいう。国境警備機関の突発的な衝突や
>外国民間機の領空侵入といった程度の実力行使は含まれない。

これは教科書どうりの解釈で同意だが、

>憲章51条の「武力行使」とは、たとえばクウェート侵攻ぐらいの
>規模の領土への侵略をさす。今回のテロは「武力攻撃」に該当しない。

国連憲章始めとする諸条約でも条約自衛権発動の保護法益が
領土保全とか書いてあるので、クウェート侵攻のような陸軍的な人海
行動で明らかに""軍隊が攻めてきた!""状況じゃないと武力攻撃
にならないと思っているようだが、現代戦争は、イラク軍数万の兵士よりも
ミサイルの一撃の方が沢山の死者を生み出す技術もあるということ
わからないのかなあ?そういう意味で、各国は仮想敵国のミサイルの
弾頭に何が詰まれているか(核、細菌等)を調査するのに腐心している
状況だ。それによって、武力攻撃程度の攻撃か、それに至らぬかを
判断するからね。そこで先制的自衛という理屈も出てくる。
30・・・・:01/09/30 13:35 ID:3oGYODII
第一撃で5000前後の死者(消防士等二次被害は除く)はものすごく
多いよ。あとはテロ犯が私人として行動したか、ラディン氏等、軍事的
or国家的支援の下に行動したかによって武力攻撃認定が国連で
安保理で下される。今回のテロ犯のように軍事的支援を受ける程度に
よっては正規軍に準じて見なされ、ビル爆破=武力攻撃となることに
ついては
国際司法裁判所のニカラグアの"軍事的及び準軍事的活動事件"
で証明されている。どのときは米国がラディン氏のような立場だから
皮肉だけどね。
 
31無責任な名無しさん:01/09/30 13:36 ID:3oGYODII
どのとき→このとき
32無責任な名無しさん:01/10/08 06:13 ID:TygIUz1A
正当化もくそも、しちゃいましたアメリカ! イギリスも一緒です。
33無責任な名無しさん:01/10/08 15:16 ID:OQPqqJl.
つーか、なんで氏をつけて呼ぶんだろ。
容疑者とかアルカイダのラディンメンバーとか呼べよ。
34無責任な名無しさん:01/10/08 15:19 ID:BcqVRMpw
カブール空爆を教唆したとされるブッシュメンバー
35無責任な名無しさん:01/10/08 17:19 ID:lWWrKhm2
「アメリカが攻撃しているんじゃない、
これはタリバンによる攻撃も同じ」
は無理有りすぎだと思う
36無責任な名無しさん
所詮この世は説得力のある理由を言った人が正義なのだ。