「人のせいにせず立ち直れ」司法試験失敗被告に保護観察
東京高裁の高木俊夫裁判長は10日、脅迫や建造物損壊の罪に問われた
群馬県太田市の無職倉上哲史被告(36)に対し、懲役3年執行猶予
5年とした一審・東京地裁判決を破棄し、懲役3年、保護観察付きの
執行猶予5年の判決を言い渡した。司法試験の失敗を恨み、98年から
99年にかけて、複数の法務省幹部宅に脅迫状を投かんしたり、洋弓
銃を発射したりした。
高木裁判長は「自力の更生に期待するのは難しいが、妄想性人格障害の
通院治療を受けており、実刑よりも社会内で更生の機会を与えるのが
妥当だ」と述べた。言い渡し後、「だれが司法試験で差別しますか。
人のせいにばかりしないで、医師の指導を受けながら立ち直りを図って
ください」と諭した。
http://www.asahi.com/national/update/0710/011.html