六法より愛をこめて

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1林俊夫
この男は確かに実在する!!

「六法より愛をこめて」
林俊夫(慶應義塾大学)

一、はじめに
 ぼくは、五六年度版の模範六法である。ぼくの所有権者である彼は、
大学院を卒業してから五年間かかってやっと司法試験に合格し、今その
合格体験記を執筆しているが、すでに原稿用紙を一〇〇枚も使っている
のにはじめの一年分ぐらいしか済んでいない。さらに、偉そうに基本書
の解読法などを書くつもりでいる。これでは何時になっても完成しない
ので、ぼくが筆をとることにした。その方がより客観的で赤裸々なもの
になるし、ユニークな合格体験記としてかえって読者の参考になると考
えたからである。
2林俊夫:2001/07/01(日) 23:12
二、真法会一年生
 ぼくがはじめて彼に会ったのは、五年前の秋である。彼は本屋でかな
り悩んだあげく、やっとぼくを買った。なんでも受験勉強を本格的に始
めるので、真法会という権威ある答練へ行くために六法を買ったらしい。
ぼくは、司法試験ならこの最新版の判例付六法にまかせなさい、と胸を
はって彼の部屋に行ったのだが、少し驚いてしまった。論文集や専門雑
誌が多く、受験生らしい本が少なかったからである。基本書も現代的な
ものが多く、さすが大学院卒だと思ったが、少なくとも短答式で苦労す
るだろうと直感した。(続く)
 
3林俊夫:2001/07/01(日) 23:16
案の定、何とか真法会の入会試験にはパスしたものの、当時の答練では
短答式による足切りがあったため、かつての長島選手のプロ野球のデビ
ューよろしく、はじめの四回は短答式で空振りだった。彼にとってこれ
は大変なショックだったらしく、一点差がほとんどだったが、一点の重
みを痛感したようだった。
 そして、大反省して基礎からやり直しをするために、基本書も大幅に
変更した。憲法は佐藤功『憲法概説』、刑法は大塚『概説』、民法は我妻
『ダットサン』とした。基本書を読むときは、まず項目を書き出し、次
に僕をジロジロ見て考え込みながら該当条文をそれに書き入れてから内容
を読んだ。それから過去の短答式問題をやり、それを基本書でチェックし
ていった。さらに、毎日のようにそれまで済んだところの項目、条文、ポ
イントを確認していた。
 この頃の彼は、電車の中などいたるところでぼくを広げてくれて、ぼく
も大満足だった。このようなやり方をすると、体系的理解が可能となる
ばかりでなく、条文にも強くなり、問題も生き生きとしたものとなり、
何よりも法的思考力がつくようになって、目の前の法律の世界が広がる
ような雰囲気で、彼の目も輝いてきた。基本書は入門的なものが多かった
が、それがかえって基礎力を養うのに最適だったようである。特にダット
サンについては、彼は「この本には法的センスをつける何かがある」など
といって、ぼくと一緒にはなさなかった。
 この結果、自然と真法会の鬼のような短答式にも通るようになり、成績
も何とか良好者の末席をけがすことができた。これに気をよくした彼は、
以後最終合格まで、方法論的にはこの基本姿勢は変えなかった。
 こうして、真法会の一年目は彼なりに充実していたため、本番の短答式
試験にはふられたが、すみやかに勉強を続けた。ぼくも、来年は大丈夫だろ
うと思った。
4林俊夫:2001/07/01(日) 23:20
三、真法会二年生
 夏は、某予備校の論文ブリッジに出て、秋からは真法会と平行して択一ブリッジに通った。この年の彼はかなり燃えているのが、ぼくにもわかった。一日一二時間以上勉強し、ぼくも真っ黒にされたからである。
 基本書は全科目、基礎的なものから標準的なものへ大転換した。
憲法は、その年に出たばかりの佐藤幸治『憲法』と芦部『演習』を
併読した。以前から二先生の崇拝者であった彼は、この二冊をバイブ
ルとしてしまった。民法は、ダットサンをより詳しくしたような松坂
『提要』とし、刑法は大塚『概説』は変えなかったものの、大塚『基
本問題』を追加した。商法は、理論的にしっかりしている鈴木先生の
もの、民訴は、燃える三ケ月先生のものとし、国際私法は、沢木入門
から江川先生のもの、心理学は要論とした。ぼくも一瞬危機を感じたが、
何故かぼくだけは変えなかった。ともかく、この年で全基本書が決まり、
彼はそれを何十回と読んだ。
 予備校の択一ブリッジは、毎回一五問のテストがあり、彼は、基本書
と合わせ短答式問題を消化していったが、半年で一万題近くやったよう
である。その解き方をマスターしたほか、テストの直前三〇分前は、ぼ
くをにらむように読むという形式もこの頃できあがった。このテストは、
50回以上あり、新傾向を取り入れたかなりの難問が多かったが、彼は
前回受けて平均一三・五点という驚異の成績を上げ、自信をつけた。こ
の素晴らしいテスト形式がその年を最後に予備校では廃止されているの
は残念だが、最上位の彼が落ちたのが原因かも知れない。真法会でもグ
ーンと成績アップして、良好者の上位となった。
少なくとも短答式に関しては、今からみても最高の実力であった。また、
ものすごい努力もしており、一切の無駄を省いた生活をしていたので、
ぼくも合格を信じていた。
 そして短答式の本番だが、恐ろしいことが起こった。(以下次号)
5氏名黙秘:2001/07/02(月) 05:05
warata!
6氏名黙秘:2001/07/02(月) 07:53
続きよみたい。
7氏名黙秘:2001/07/02(月) 09:52
ヲマエラいいかげんにしろ。ホンモノの林俊夫氏が迷惑してるんだから。

http://www.okaben.or.jp/map/member_H/111.html
8氏名黙秘:2001/07/02(月) 09:55
弁護士過疎問題にも取り組んでおられる。

http://www.nichibenren.or.jp/news/312/10.htm
9氏名黙秘:2001/07/02(月) 12:20
御主人様の受験歴

択一 ××○×○
論文 −−×−○

2回目の択一は当日朝電車が止まり、
4回目の択一は勉強のし過ぎで直前に目が見えなくなった(六法談)。

サショウサショウ
10氏名黙秘:2001/07/02(月) 13:59
続きを熱烈キボンヌ!
もしくは、元ネタ読めるところ教えて!!!
11氏名黙秘:2001/07/02(月) 14:51
>>7
その林俊夫じゃねーっつの、ヴァーカ。
12氏名黙秘:2001/07/02(月) 14:54
岡山の林俊夫と名前がカブるので、森圭司を名乗
ってるのか、セミナーの林俊夫は?
13氏名黙秘:2001/07/02(月) 15:15
これが有名な森KGの実名小説か。。。
いいところで続くになってしまった。
14氏名黙秘:2001/07/02(月) 15:42
論文の森期待あげ
15氏名黙秘:2001/07/02(月) 15:51
論文の森と森けいじは何の関係も無いよ。
16氏名黙秘:2001/07/02(月) 15:58
>>15 そんな誰でも知ってることわざわざ言われても・・・
萎え
17氏名黙秘:2001/07/02(月) 16:19
岡弁の林俊夫とセミナの林俊夫は、どちらが優秀ですか?
18氏名黙秘:2001/07/02(月) 21:10
>13

あなたは誤解してます。
その小説はまた別にあります。
ぜひぜひ読んでみましょう!
19氏名黙秘:2001/07/02(月) 21:55
青い六法です。
名作です!マンセーマンセー
20林俊夫:2001/07/03(火) 00:34
 そして短答式の本番だが、恐ろしいことが起こった。彼は完璧な準備を終え出発
したが、なんと電車がとまったのである。カバンの中にいたぼくも彼同様この時の
ことを思い出すのは嫌だが、付近のタクシーは満車で、一般の人に頼んで車に乗せ
てもらうのに四〇分以上かかった。それで合格すれば楽しい思い出にもなりそうだ
が、とてもそんな雰囲気ではなく、まさに地獄を見た感じだった。やっとの思いで
会場に駆け込んだときは、試験開始五分前。彼は真っ青で、始めの二〇分ぐらいは、
エンピツを持つのがやっとだった。終了した時、彼は、しばらく立てなかった。
 このときの彼の精神的動揺はものすごく、しばらく後に、あまり体調が悪いので
医者に行くと、何とその時でも血圧が一八〇にもなっていた。それまでの疲労も一
気に出たらしく、元来健康優良児の彼の病院通いが続き、病院のベッドで点滴を受
けている姿を見ると少しかわいそうだった。彼は、あまり不合格の言い訳はしなか
ったが、「運」というものを強く感じたようだった。(続く)
21氏名黙秘:2001/07/03(火) 12:05
>彼は、あまり不合格の言い訳はしなかったが

自分では言い訳しなくっても、六法に言い訳させる彼って・・・
昔から変わってねえんだな (w
22氏名黙秘:2001/07/03(火) 12:35
>>20
マンセーマンセー
続き熱望!
合格するまで書いて!
23氏名黙秘:2001/07/03(火) 20:48
は、はやくつづきを・・・
も、もうまてない・・・
24林俊夫:2001/07/03(火) 23:21
四、真法会三年生
 それでも健康が回復すると、彼は予備校の前期論文講座に出た。短答式は
さすがに勉強したくなかったらしく、しばらくは論文中心となった。基本書は
大きな変更はなく、その理解度の充実に努めていた。ただ、伊藤正己『憲法』
や、前田『手形入門』は感心したように読んでいた。そして、主要三科目以外の
科目にも重点を置き、論文の問題集も多くやったので、論文講座でもかなりの
成績をおさめ、真法会でも何とか努力賞となった。
 短答式は、直前はかなりの量の勉強をしたが、ほとんど前年の力で楽に通った。
年が明けてからの論文は異常な勢いがあり、得意科目では冗談で予告ホームラン
をすると、ほんとうに一番をとったのでぼくも驚いた。真法会でもラストの
憲法などはそれだった。そんな訳で、初めての論文も、比較的好調だったが、
三日目の民訴だけは、今でもよくわからない難問で、お手上げだったらしく、
その結果不合格となった。ただ、成績は民訴がEであとほとんどAだったので、
彼は、次回はこれ以下はありえない、と信じこみ翌年の合格へ向けダッシュした。
25林俊夫:2001/07/03(火) 23:23
五、真法会四年生
 この年は、彼は法務省の成績を謙虚に受けとめ、民訴に重点を置いた。
もともと民訴ゼミの出身なので、真法会でも簡単に一番をとったり、受
験新報に最高得点答案として載ったりした。ぼくからみて彼がおそろし
いのはやれば必ず成績がアップすることである。真法会でも努力賞の上
の方となった。
 ただ、困ったもんで、彼は極限状態までがんばるので、今年は合格す
るんだとばかり、一月からかなりの追い込みに入ったが、あまり勉強を
やりすぎたため、短答式直前に眼の病気となってしまい、またしても短
答式に失敗してしまった。ぼくは、張り詰めた弦では良い音色は出ない、
という宮本武蔵の小説を思い出した。
26氏名黙秘:2001/07/03(火) 23:48
わーい
マンセーマンセー
明日もたのしみー
27林俊夫:2001/07/04(水) 23:17
六、真法会五年生
 彼は、気分転換するかのように、夏はタイへ旅行に行った。ぼくも初めて
彼と一週間会わなかったが、彼は真っ黒になって帰って来た。また、秋から
は、基本書のマンネリ化を防止するために、全科目についていろいろな本を
補充した。中でも、福田『刑法総論』、四宮『民法総則』、平井『債権総論』、
新堂『民事訴訟法』、山田『国際私法』、『心理学の展開』などは、とても
気に入ったようだった。
 さらに、一月からは予備校の自習室を勉強場所に選んだ。彼は、今年ダメな
ら海外留学等の方向転換を真剣に考えていたようである。朝六時に起き、七時
まで高田馬場へ行って良い席を確保した。朝一時間ぐらい戸外で待たされる間
に、ぼくを読んでくれた。この自習室では、かなり勉強がはかどり、彼の受験
勉強の集大成が可能となった。
28林俊夫:2001/07/04(水) 23:20
 このような結果、予備校の論文講座では総合で二位となったし、真
法会でも優秀賞となり、短答式も全国模試などで成績優秀者となった。
いろいろなところで彼の名前が出たので、友人達からは賞金稼ぎとか、
予備校荒らしなどと言われたりした。
短答式では、当日、アタッシュケースの取手がとれるというハプニン
グが例によってあったが、今までのことから見れば大したこともなく、
終了三〇分前には全問題が解き終わっていた。あまりに易しすぎたの
で、彼はかえって不気味がっていたが、合格した。
 論文式試験は、大きな失敗もなく普段通りできたので、彼は、最後
の科目を書き終えると、合格したという顔をしていた。帰宅する途中、
本屋に立ち寄ったので、ぼくは何か雑誌でも買うのかなと思ったら、
買ったのは平野『刑事訴訟法』で、受験生の悲しい性を感じた。でも、
彼は、この本に感動したらしく、一晩で一気に読み、翌日は松尾『刑
事訴訟法』を買ってきたのには驚いた。(続く)
29氏名黙秘:2001/07/04(水) 23:33
>友人達からは賞金稼ぎとか、
>予備校荒らしなどと言われたりした。

いたのか? 友人って…
30氏名黙秘:2001/07/04(水) 23:36
>>29
小説(≒ネタ)なんだから、真に受けるなよ。
31氏名黙秘:2001/07/04(水) 23:36
いいぞいいぞご主人様
このまま一気に合格だー
マンセーマンセー!!
32氏名黙秘:2001/07/05(木) 00:00
>>30
これは実在する資料だよ。
「受験新報昭和56年5月号」

あ、MKGの合格体験記自体が「ネタ」というわけ? スマソ
33氏名黙秘:2001/07/05(木) 00:03
あれ、今晩は来ないのかな。楽しみでこのスレお気に入り入り(藁
34氏名黙秘:2001/07/05(木) 00:49
まるで本人が書いているかのように詳しいね。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/05(木) 14:20 ID:slu37uk2
ageyou
36名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:15 ID:eIj3HlRc
このスレ好きなんだよね。続きキボーン
37名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:16 ID:yubOEw0o
kyouha,oyasumi?
38林俊夫:2001/07/06(金) 00:27 ID:e/fEudCk
 夏はバイトに明け暮れ、ヨロン島へ遊びに行ったりしたが、九月に
入ると合格を確信していたらしく過去五年分の口述問題集を全部やっ
ていた。そして、予想通り論文に合格した。口述試験は大変という人も
いるが、彼はかなり楽しんだようだった。この体験記は別に受験新報
に掲載される予定なので、ここでは省略する。口述試験が終わった日
は、やはり、菅野『労働法』を買って帰った。すでに法律が趣味になっ
ており、困ったもんだと思った。
 最終の合格発表の当日は、さすがに彼も喜んだが、驚くほどの感激
はしなかったらしい。ぼくも少し長すぎたという感じがした。

(今日はお終い。続きはまた明日。)
39名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 00:28 ID:yubOEw0o
Arigatou!!
4036:2001/07/06(金) 00:52 ID:???
おお、続きが載っている。ありがとう、六法君。
41名無しさん@お腹いっぱい。:2001/07/06(金) 09:18 ID:diUP8K.o
konnya mo yoroshiku.
4236:2001/07/06(金) 18:53
合格の年の記述はあっさりしているな(藁)。
43林俊夫:2001/07/07(土) 00:07
七、終わりに
 司法試験では、短答式が八〇パーセントの重要性をもつ、と故向江先生
が言ったことがあるが、彼のこの五年間の受験生活は、まさにその言葉が
当てはまる。彼は、論文に関して悩んだことはなかったが、短答式には精
神的に苦労した。それを乗り越えることができたのは、真法会で鍛えた精
神力と、予備校で養われた実力のお蔭である。ぼくも、あの真法会の答練
の厳格な雰囲気が大好きである。特に、日野先生の精神訓話は、分かって
いても、やはりためになった。彼も、バイトの関係で講義は聴かなかった
が、日野先生の話だけは努めて聞いていた。この体験記の項目も、彼が五
年間お世話になった真法会を中心に立てている。
44林俊夫:2001/07/07(土) 00:09
 ところで、彼は、週の、二、三日は、塾のバイトをしていた。中学
から高校のほぼ全科目を生徒に教えていたので、まわりからは、もう
一度医学部でも受験した方が良いのでは、などと言われたりした。
また、おこがましくも、塾の講師の研修係をやり、そのビデオ講座な
どを作ったりしていた。したがって、前に述べた受験生活は、概して
週の後半の四、五日のものである。
 なお、彼の合格は家族等周辺の人々の協力なしには不可能であり、
彼も一生頭が上がらないだろう。
45林俊夫:2001/07/07(土) 00:12
 標題は、彼の好きな映画の題名からとったが、今まで述べたように、
彼は六法より基本書を精読しつづけたので、ぼくからの若干の嫉妬の
意味もこめられている。でも、受験用六法を解けば、この五年間ずっと
ぼくを愛用してくれた感謝の気持ちからである。彼の書き込み、手垢で、
ぼくは真っ黒になり、もうぼろぼろに近いが、六法としての使命は全う
したと思う。本棚の奥ででも眠らせてもらう。こんな拙いぼくの文章を
最後まで読んでくれた、やさしい読者の方々の一日も早い合格を祈り
つつ……。(了)
46氏名黙秘:2001/07/07(土) 00:29
泣けた!
4736:2001/07/07(土) 01:17
有り難う、感動した!!
48氏名黙秘:2001/07/07(土) 01:34
これは面白い!!!!!!!!!!!!
49氏名黙秘:2001/07/07(土) 01:39
>「受験新報昭和56年5月号」

ずいぶん古いけど、どこに行ったら原文を入手できる?
50氏名黙秘:2001/07/07(土) 01:51
授業では自分は論文読んだり学者と議論したりしてたなんて
受験時代の自慢してるけど、これ読むと
結構オーソドックスな勉強してんだね。
ここ見てる森信者のみなさん、目を覚ましてくださーい。
51氏名黙秘:2001/07/07(土) 02:00
>>49
早稲田に行く機会があれば、早大法学部読書室にいきゃあ入手できるよ。
別に早稲田に限らずとも、大学図書館ならたいてい置いてあるはず。>受験新報

>>50
残念だけど、無理と思うよ。
いまだにオウムの麻原を信奉してるヤツ、伊藤真を信じてるヤツ、
小林よしのりに共感してるヤツ
いくらでもバ○はいるもんだ。
52森ヲタ:2001/07/07(土) 02:11
>>49
林俊夫は昭和60年度合格者だから「昭和61年5月号」だと思うよ。
53氏名黙秘:2001/07/07(土) 05:55
完結祝いあげ
54氏名黙秘:2001/07/07(土) 06:08
朝だ
55氏名黙秘:2001/07/07(土) 12:52
56氏名黙秘:2001/07/07(土) 12:52
http://www.asobiplanet.com/spice/quiz/turmeric/canton/canton.html
副業でシェフもやってまーす。
57氏名黙秘:2001/07/07(土) 12:53
http://www.mesh.ne.jp/osaka/present/tousen5.htm
「好っきゃねん大阪!」ステッカーも当たりました!
58氏名黙秘:2001/07/07(土) 13:27
このスレについて各界の反応:
内閣総理大臣/小泉純一郎さん 「素晴らしい。感動した。おめでとう!」
自由党党首/小沢一郎さん 「(事務所を通じて)これで名実共に竹下支配は終わった」
東京都知事/石原慎太郎さん 「日本人としての誇りを感じるスレだ。いいじゃないの」
日銀総裁/速水優さん「このスレが景気回復に貢献するのは間違いない」
横綱/貴乃花さん「こんな人がお兄さんに欲しかった」
白鴎大学教授/福岡政行さん 「この人はは政治屋とは違うなと国民に知らしめた」
日本共産党委員長/志位和夫さん「このスレは、国民の暮らしを守るためのたたかいにおける重要な一歩だ」

マルチタレント/大橋巨泉さん「こんなすごいやつがいるなら日本に戻ってもいい。」
新しい教科書を作る会/西尾幹二さん 「このスレが(教科書)採択に予断を与えるというのは間違いだ」
前国連難民高等弁務官/緒方貞子さん「世界中の貧しい人たちに勇気を与えた。今後も一緒に活動してほしい」
女優/広末涼子さん「こういう人がいる日本って、やっぱりすごすぎると思う」
プロデューサー/テリー伊藤さん「もしこの人が巨人にいれば、今頃優勝していたと思う」
法政大学教授/田嶋陽子さん「これで女性の社会進出もすすむと思う」
外務大臣/田中真紀子さん「このスレに反対する人はお陀仏してほしい」
59氏名黙秘:2001/07/07(土) 16:01
>>57 ワラタ よくある名前なんだね、森KGって
60氏名黙秘:2001/07/07(土) 19:00
彼の書き込み、手垢で、
ぼくは真っ黒になり、もうぼろぼろに近いが、六法としての使命は全う
したと思う。本棚の奥ででも眠らせてもらう。

に感動あげ。
61まとめてみました:2001/07/08(日) 00:31
昭和60年度
司法試験合格者体験記
    ●●●喜びと戦跡を語る

「六法より愛をこめて」
      林 俊夫(慶應義塾大学)

一、はじめに
 ぼくは、五六年度版の模範六法である。ぼくの所有権者である彼は、大学院を卒業してから
五年間かかってやっと司法試験に合格し、今その合格体験記を執筆しているが、すでに原稿用
紙を一〇〇枚も使っているのにはじめの一年分ぐらいしか済んでいない。さらに、偉そうに基
本書の解読法などを書くつもりでいる。これでは何時になっても完成しないので、ぼくが筆を
とることにした。その方がより客観的で赤裸々なものになるし、ユニークな合格体験記として
かえって読者の参考になると考えたからである。
62まとめてみました:2001/07/08(日) 00:32
二、真法会一年生
 ぼくがはじめて彼に会ったのは、五年前の秋である。彼は本屋でかなり悩んだあげく、やっ
とぼくを買った。なんでも受験勉強を本格的に始めるので、真法会という権威ある答練へ行く
ために六法を買ったらしい。ぼくは、司法試験ならこの最新版の判例付六法にまかせなさい、
と胸をはって彼の部屋に行ったのだが、少し驚いてしまった。論文集や専門雑誌が多く、受験
生らしい本が少なかったからである。基本書も現代的なものが多く、さすが大学院卒だと思っ
たが、少なくとも短答式で苦労するだろうと直感した。
 案の定、何とか真法会の入会試験にはパスしたものの、当時の答練では短答式による足切り
があったため、かつての長島選手のプロ野球のデビューよろしく、はじめの四回は短答式で空
振りだった。彼にとってこれは大変なショックだったらしく、一点差がほとんどだったが、一点
の重みを痛感したようだった。
 そして、大反省して基礎からやり直しをするために、基本書も大幅に変更した。憲法は佐藤功
『憲法概説』、刑法は大塚『概説』、民法は我妻『ダットサン』とした。基本書を読むときは
、まず項目を書き出し、次に僕をジロジロ見て考え込みながら該当条文をそれに書き入れてか
ら内容を読んだ。それから過去の短答式問題をやり、それを基本書でチェックしていった。さら
に、毎日のようにそれまで済んだところの項目、条文、ポイントを確認していた。
 この頃の彼は、電車の中などいたるところでぼくを広げてくれて、ぼくも大満足だった。こ
のようなやり方をすると、体系的理解が可能となるばかりでなく、条文にも強くなり、問題も
生き生きとしたものとなり、何よりも法的思考力がつくようになって、目の前の法律の世界が
広がるような雰囲気で、彼の目も輝いてきた。基本書は入門的なものが多かったが、それがかえ
って基礎力を養うのに最適だったようである。特にダットサンについては、彼は「この本には法
的センスをつける何かがある」などといって、ぼくと一緒にはなさなかった。
 この結果、自然と真法会の鬼のような短答式にも通るようになり、成績も何とか良好者の末
席をけがすことができた。これに気をよくした彼は、以後最終合格まで、方法論的にはこの基本
姿勢は変えなかった。こうして、真法会の一年目は彼なりに充実していたため、本番の短答式試
験にはふられたが、すみやかに勉強を続けた。ぼくも、来年は大丈夫だろうと思った。
63まとめてみました:2001/07/08(日) 00:33
三、真法会二年生
 夏は、某予備校の論文ブリッジに出て、秋からは真法会と平行して択一ブリッジに通った。こ
の年の彼はかなり燃えているのが、ぼくにもわかった。一日一二時間以上勉強し、ぼくも真っ黒
にされたからである。
 基本書は全科目、基礎的なものから標準的なものへ大転換した。憲法は、その年に出たばかり
の佐藤幸治『憲法』と芦部『演習』を併読した。以前から二先生の崇拝者であった彼は、この二
冊をバイブルとしてしまった。民法は、ダットサンをより詳しくしたような松坂『提要』とし
、刑法は大塚『概説』は変えなかったものの、大塚『基本問題』を追加した。商法は、理論的に
しっかりしている鈴木先生のもの、民訴は、燃える三ケ月先生のものとし、国際私法は、沢木
入門から江川先生のもの、心理学は要論とした。ぼくも一瞬危機を感じたが、何故かぼくだけは
変えなかった。ともかく、この年で全基本書が決まり、彼はそれを何十回と読んだ。
 予備校の択一ブリッジは、毎回一五問のテストがあり、彼は、基本書と合わせ短答式問題を
消化していったが、半年で一万題近くやったようである。その解き方をマスターしたほか、テ
ストの直前三〇分前は、ぼくをにらむように読むという形式もこの頃できあがった。このテスト
は、五〇回以上あり、新傾向を取り入れたかなりの難問が多かったが、彼は前回受けて平均
一三・五点という驚異の成績を上げ、自信をつけた。この素晴らしいテスト形式がその年を最
後に予備校では廃止されているのは残念だが、最上位の彼が落ちたのが原因かも知れない。真法
会でもグーンと成績アップして、良好者の上位となった。少なくとも短答式に関しては、今か
らみても最高の実力であった。また、ものすごい努力もしており、一切の無駄を省いた生活をし
ていたので、ぼくも合格を信じていた。
 そして短答式の本番だが、恐ろしいことが起こった。彼は完璧な準備を終え出発したが、な
んと電車がとまったのである。カバンの中にいたぼくも彼同様この時のことを思い出すのは嫌
だが、付近のタクシーは満車で、一般の人に頼んで車に乗せてもらうのに四〇分以上かかった
。それで合格すれば楽しい思い出にもなりそうだが、とてもそんな雰囲気ではなく、まさに地
獄を見た感じだった。やっとの思いで会場に駆け込んだときは、試験開始五分前。彼は真っ青で
、始めの二〇分ぐらいは、エンピツを持つのがやっとだった。終了した時、彼は、しばらく立
てなかった。
 このときの彼の精神的動揺はものすごく、しばらく後に、あまり体調が悪いので医者に行く
と、何とその時でも血圧が一八〇にもなっていた。それまでの疲労も一気に出たらしく、元来
健康優良児の彼の病院通いが続き、病院のベッドで点滴を受けている姿を見ると少しかわいそ
うだった。彼は、あまり不合格の言い訳はしなかったが、「運」というものを強く感じたよう
だった。
64まとめてみました:2001/07/08(日) 00:34
四、真法会三年生
 それでも健康が回復すると、彼は予備校の前期論文講座に出た。短答式はさすがに勉強した
くなかったらしく、しばらくは論文中心となった。基本書は大きな変更はなく、その理解度の
充実に努めていた。ただ、伊藤正己『憲法』や、前田『手形入門』は感心したように読んでいた
。そして、主要三科目以外の科目にも重点を置き、論文の問題集も多くやったので、論文講座で
もかなりの成績をおさめ、真法会でも何とか努力賞となった。
 短答式は、直前はかなりの量の勉強をしたが、ほとんど前年の力で楽に通った。年が明けて
からの論文は異常な勢いがあり、得意科目では冗談で予告ホームランをすると、ほんとうに一
番をとったのでぼくも驚いた。真法会でもラストの憲法などはそれだった。そんな訳で、初めて
の論文も、比較的好調だったが、三日目の民訴だけは、今でもよくわからない難問で、お手上
げだったらしく、その結果不合格となった。ただ、成績は民訴がEであとほとんどAだったので
、彼は、次回はこれ以下はありえない、と信じこみ翌年の合格へ向けダッシュした。
65まとめてみました:2001/07/08(日) 00:35
五、真法会四年生
 この年は、彼は法務省の成績を謙虚に受けとめ、民訴に重点を置いた。もともと民訴ゼミの出
身なので、真法会でも簡単に一番をとったり、受験新報に最高得点答案として載ったりした。ぼ
くからみて彼がおそろしいのはやれば必ず成績がアップすることである。真法会でも努力賞の上
の方となった。
 ただ、困ったもんで、彼は極限状態までがんばるので、今年は合格するんだとばかり、一月
からかなりの追い込みに入ったが、あまり勉強をやりすぎたため、短答式直前に眼の病気とな
ってしまい、またしても短答式に失敗してしまった。ぼくは、張り詰めた弦では良い音色は出
ない、という宮本武蔵の小説を思い出した。
66まとめてみました:2001/07/08(日) 00:36
六、真法会五年生
 彼は、気分転換するかのように、夏はタイへ旅行に行った。ぼくも初めて彼と一週間会わなか
ったが、彼は真っ黒になって帰って来た。また、秋からは、基本書のマンネリ化を防止するた
めに、全科目についていろいろな本を補充した。中でも、福田『刑法総論』、四宮『民法総則』
、平井『債権総論』、新堂『民事訴訟法』、山田『国際私法』、『心理学の展開』などは、と
ても気に入ったようだった。
 さらに、一月からは予備校の自習室を勉強場所に選んだ。彼は、今年ダメなら海外留学等の方
向転換を真剣に考えていたようである。朝六時に起き、七時まで高田馬場へ行って良い席を確保
した。朝一時間ぐらい戸外で待たされる間に、ぼくを読んでくれた。この自習室では、かなり勉
強がはかどり、彼の受験勉強の集大成が可能となった。
 このような結果、予備校の論文講座では総合で二位となったし、真法会でも優秀賞となり、
短答式も全国模試などで成績優秀者となった。いろいろなところで彼の名前が出たので、友人達
からは賞金稼ぎとか、予備校荒らしなどと言われたりした。
 短答式では、当日、アタッシュケースの取手がとれるというハプニングが例によってあった
が、今までのことから見れば大したこともなく、終了三〇分前には全問題が解き終わっていた。
あまりに易しすぎたので、彼はかえって不気味がっていたが、合格した。
 論文式試験は、大きな失敗もなく普段通りできたので、彼は、最後の科目を書き終えると、
合格したという顔をしていた。帰宅する途中、本屋に立ち寄ったので、ぼくは何か雑誌でも買う
のかなと思ったら、買ったのは平野『刑事訴訟法』で、受験生の悲しい性を感じた。でも、彼
は、この本に感動したらしく、一晩で一気に読み、翌日は松尾『刑事訴訟法』を買ってきたの
には驚いた。
 夏はバイトに明け暮れ、ヨロン島へ遊びに行ったりしたが、九月に入ると合格を確信してい
たらしく過去五年分の口述問題集を全部やっていた。そして、予想通り論文に合格した。口述試
験は大変という人もいるが、彼はかなり楽しんだようだった。この体験記は別に受験新報に掲載
される予定なので、ここでは省略する。口述試験が終わった日は、やはり、菅野『労働法』を
買って帰った。すでに法律が趣味になっており、困ったもんだと思った。
 最終の合格発表の当日は、さすがに彼も喜んだが、驚くほどの感激はしなかったらしい。ぼ
くも少し長すぎたという感じがした。
67まとめてみました:2001/07/08(日) 00:36
七、終わりに
 司法試験では、短答式が八〇パーセントの重要性をもつ、と故向江先生が言ったことがある
が、彼のこの五年間の受験生活は、まさにその言葉が当てはまる。彼は、論文に関して悩んだこ
とはなかったが、短答式には精神的に苦労した。それを乗り越えることができたのは、真法会で
鍛えた精神力と、予備校で養われた実力のお蔭である。ぼくも、あの真法会の答練の厳格な雰囲
気が大好きである。特に、日野先生の精神訓話は、分かっていても、やはりためになった。彼も
、バイトの関係で講義は聴かなかったが、日野先生の話だけは努めて聞いていた。この体験記の
項目も、彼が五年間お世話になった真法会を中心に立てている。
 ところで、彼は、週の、二、三日は、塾のバイトをしていた。中学から高校のほぼ全科目を生
徒に教えていたので、まわりからは、もう一度医学部でも受験した方が良いのでは、などと言
われたりした。また、おこがましくも、塾の講師の研修係をやり、そのビデオ講座などを作っ
たりしていた。したがって、前に述べた受験生活は、概して週の後半の四、五日のものである。
 なお、彼の合格は家族等周辺の人々の協力なしには不可能であり、彼も一生頭が上がらない
だろう。
 標題は、彼の好きな映画の題名からとったが、今まで述べたように、彼は六法より基本書を
精読しつづけたので、ぼくからの若干の嫉妬の意味もこめられている。でも、受験用六法を解け
ば、この五年間ずっとぼくを愛用してくれた感謝の気持ちからである。彼の書き込み、手垢で、
ぼくは真っ黒になり、もうぼろぼろに近いが、六法としての使命は全うしたと思う。本棚の奥で
でも眠らせてもらう。こんな拙いぼくの文章を最後まで読んでくれた、やさしい読者の方々の
一日も早い合格を祈りつつ……。(了)
68氏名黙秘:2001/07/09(月) 17:41
これは永久保存版なので…age
69氏名黙秘:2001/07/09(月) 17:48
六法君、文がうまい。泣かせてくれた。
70氏名黙秘:2001/07/09(月) 19:03
わたしの六法も、いつか六法くんみたいに、本棚で休めると
いいな。って思った。。。
六法が愛しくかんじた。
第2弾が読みたい・・・・。
71氏名黙秘:2001/07/10(火) 02:32
アーティクル連載中の「青い六法」も毎月楽しみに
読んでいます。実話に沿ってストーリーが展開するなら
お母さんはもうすぐ急逝することになるのでしょうか?
かわいそうすぎる。寝たきりでもいい、痴呆でもいいから
命だけは取り留めてください。先生、お願い!!
72氏名黙秘:2001/07/10(火) 23:55
森も純情なころがあったんだなあ。しかし、自慢したがりは相変わらずだ。
73氏名黙秘:2001/07/15(日) 02:03
森先生は今でも純情だよ。
恋人は六法って感じだもんな。
74氏名黙秘:2001/07/15(日) 02:14
つーか、今と全然変わらない感じがするのですが。この文を読んでると。
75氏名黙秘:2001/07/25(水) 23:06
青い六法もよろしく
76氏名黙秘:2001/07/26(木) 00:12
おおっ、初めて読んだが面白い!
口述体験記は見つからないの?
77氏名黙秘:2001/07/29(日) 23:46
age
78氏名黙秘:2001/07/30(月) 06:29
2ちゃんって、案外知られてるんだよねー。もちろん受験界での
評判は限りなく良くない。
79氏名黙秘:2001/07/30(月) 06:46

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80氏名黙秘:2001/07/30(月) 12:48
>>78 このスレ書いたの林氏本人?
81氏名黙秘
つまらないよ。ばいばい。