782 :
氏名黙秘:
芦部は、比較衡量を裁判官が仲裁者的立場で判断する場合にのみ
使うことができるというが、判例はもっと多くの場面で使うよね。
その理由づけはどうしたらいいか?
783 :
氏名黙秘:2013/06/03(月) 22:41:23.10 ID:???
芦部は比較衡量の問題点として
@比較の対象設定が非対称
A比較の基準設定が不存在
B比較の判断結果が国有利
の3つを挙げている。これを撃破しないといけない。つまり、
(1)人権と公益の比較衡量は可能であり実際的必要性もある。
(2)基準が無くても判断過程を緻密にすれば外在的批判が可能なのでそれでよい。
それに事実上の裁判官の拘束にもなる。審査基準によって裁判官の判断を拘束する
という理屈は有益ではない。
(3)比較衡量という判断方法と公益重視という判断結果とは必ずしも直結しない。
さらには、薬事法判決にもあるが、
(4)比較の対象の多面性・多様性は審査基準の設定による判断にはなじまないし、
審査基準を使うなら、ごく一部の判断に使用すべきであろう。
よって、個別的比較衡量による判断で行く場合の理由づけとしては、
あ)判断対象の多様性からすれば、審査基準より比較衡量のほうが判断方法として適切
い)判断過程の多面性を確保すれば、比較衡量でかまわない。結論の不当性批判は
審査基準の採用によって克服すべきものではなく、判断の決め手を開示する判決文を
書くかどうかにかかっているのである。
どう?
784 :
氏名黙秘:2013/06/03(月) 22:43:45.98 ID:???
憲法ガールを読んでみたが、よくできているね。面白かった。
でも23年の解説で、判例重視の姿勢はいいのに、判断枠組み
に関してどうして、そこだけ判例ではなく芦部にひよったの
だろうか?まるで議論のパッチワークになってしまっているのが残念。