検察修習の途中で、
あなたに、はっきり「妻がいる」と聞かされるまで
やっぱり。あなたのことがすごく好きだった。
好きだから、会っていた。
会っちゃいけない、と薄々思いながらも、会っていた。
好きな気持ちが勝っていたから。
あなたの背後にある家族に対して目をつぶっていた。
私は、あなたと会うためにたくさん時間のやりくりをしたし
睡眠時間を限界まで削った。
家族のもとへ帰るより、あなたと会うことを選んだ。
あのとき、私は、私の家族を裏切っていた。
自分の、あなたに対する気持ちを優先していた。
性欲解消の対象だけではなく
好きな人とくっついていたかった。
すごく、幸せだった。