皆様こんばんは。日々のお仕事そして勉強と御疲れ様です。
上のほうに今年の論文試験合格基準点が132点とある。
これについて私がどう思うか?といった趣旨の御質問がありましたが、
誠に申し訳ございませんが、私はあいにく今年の問題を解いておりませんので
コメントは控えさせて頂きます。問題をじっくりと検討してもいないのに
皆様を混乱させるような無意味且つ無責任な事を書きたくはありませんので、
何卒御容赦頂きたく存じます。
ただ、前にも記したことがありましたが、個人的には新司法試験受験者のみならず
旧司法試験受験者のレベルも(少なくとも私が受験生だった1980年〜90年代末
当時の受験生と比較して)落ちている。これは確かであろうとは思いますし、
ロースクール卒新司法試験受験生を優遇するため、或いは皆様旧受験生をローに
これから入らせるために意図的に人数を減らしているだとか、採点基準を操作しているとか、
そのようなことは法務省は行っていないと思います。
なぜならば、彼らはそんな面倒くさいことはしないですよ。目の前にある仕事をただ々
淡々と事務的に処理するだけですから。それどころか、後でみるように、彼らはとんだしっぺ返し
を裁判所や身内であるはずの検察庁、また弁護士会から今食らっているのです。
「なんで俺らがこんな文句言われなきゃいけないんだ?」というのが偽らざる本音でしょう。
私は、皆様旧試験受験生よりも来年以降の新司法受験生、こちらのほうが問題はより
深刻であると考えます。ロースクールに転向する方は私は注意したほうがいいと思いますよ。
すなわち、旧試験は勿論のこと、来年以降は新試験も合格人数の削減シフトが一層
進むことは確実だと思われます。法務省は政策を転換したということです。
これは、ずばり新60期の問題が要因であります。従いまして、年間合格3000人とかいう
夢の構想は消えたと考えて結構ですし、今の流れでいくと予想外の人数削減が今後行われる
可能性が極めて高いと私は思料しています。
伝え聞くところでは、最近、各法曹関係者から法務省に大要以下のようなクレームが
度々寄せられ、法務省サイドも対応に困っているとのことです。 (続く)
曰く、
『修習生が増えすぎてもう面倒見切れませんし、こちらの負担も少しは考えて下さい。
いい加減合格人数を絞ったらどうですか?!』
『実体法の知識がお粗末で基礎学力に劣る修習生があまりに多すぎる。一体、
彼ら(修習生)はロースクールで何をやってたんだ?そして彼らを合格させたおたくらにも
責任がある。少しはよく考えて修習生を選抜してくれ!?』
『もう彼らの就職の世話をする自信がないし限界だよ。これからもこんな状況がずっと続くのかい?
もう勘弁してくれよ。法務省の考えはどうなんですか?!』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、こういった批判や要望を寄せるのは何も法曹関係者だけではなく、
今やロースクールの教員達からも怨嗟の声が噴出しているとのことです。
例えば、私が知るロー教員(裁判官経験者)は、ローから高給を貰う身でありながら、謀反を決行。
ウラでは新司法試験合格人数削減運動の急先鋒として活動しています。
動機は、やはり学生の質だったそうです。こんな連中を合格させたら先々大変なことになるからだと明言しておりました。
旧司法試験が厳しいというので、ローに転向することを決断又は思案中という方々がここにもおられるでしょうが、
よく考えたほうが私はいいと思います。来年以降どんどん新司法試験が難化することはほぼ確実で、
皆様がこれからローに行くとなると、新司法試験受験は数年後の話となりますよね?ということは、ちょうどこの
難化トレンドという荒波と見事にぶつかってしまうことになる。確かに旧司法試験のように合格率1%とか2%の
世界では勿論ありませんが、新司法試験は来年は合格率が30%台を割り込むと喧伝されており、以後25%→20%
・・・と低下していったらこれは大変な試験になります。なぜなら、5年以内3回という厳格な回数制限があり、科目も
行政法プラス選択科目追加と膨大な量に膨れ上がります。
旧司法試験より受かり易く楽だと思ってわざわざ高い学費を払ってローに入学したのに、実は大誤算だった
ということになりかねません。制度の過渡期というのは決断が実に難しいものです。ただ、旧だろうが新だろうが、
これから益々大変なのは両方とも同じだと私は感じますが。そう甘いものではありません。 (続く)
だったら、司法書士という別の法律専門家はどうか?というと、これまた問題があります。
20年以上も前から数多くの司法書士転向者を実際にこの目で見てきた私としては御勧め出来ません。
だいいち、司法書士試験も非常に難関です。そう簡単に受かるものではありませんよ。
前スレでしたかね、秋から司法書士に転向なさって翌年一発合格した司法書士転向者の方がおりましたが
(おめでとうございます。頑張って下さい。)、そのような方はほんの僅かです。稀有な例と言っても過言ではないと思います。
大多数の転向者は転向後2〜4年、下手したら5〜7年もの受験期間をまた通過しなければならないのです。
−出来ますか?ですから、私は司法書士業務、特に登記実務に感心があるのでしたら転向しても構わないと
考えますが、別段これといった興味が湧かないというのであれば転向すべきではないという考えです。
登記法はとても技術的な法律で、司法書士試験自体が特殊な試験ですから、本当にこの分野の仕事に就きたい
と思えるのでなければ最後まで行かずに又挫折してしまう危険性がかなり高くなります。
私の周りの転向者のうち大体6割ほどはこのパターンでした。司法書士に転向しても肝心のモチベーションが続かず
途中で放棄してしまうのですね。
長くなり誠に失礼致しました。とにかく焦らずじっくりと熟考することです。
自分の素直な気持ちを客観的に観察してみることが重要ですね。
今一度御自身が本当に法曹になりたいのか?どういう法曹として将来活躍したいのか?なぜ自分はこの試験を始めたのか?
こういった根本部分を確認してみて下さい。ではご健闘をお祈り致します。失礼致します。
追記です。論文試験に見事合格された方へ。
最後の関門である口述試験を全力で突破して下さい。
もうここまで来たら全力で『駆け抜ける』のみ。
私にとって口述はそんなイメージでした。
この口述も実に手強い試験である以上は
『おめでとうございます』とは私はまだ言いません。
頑張って下さい。