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氏名黙秘:
毎日新聞 2007年(平成19年)7月5日東京朝刊
●法科大学院:文科省、全校を調査 答案練習会の実態など●
新司法試験の出題と採点を担当する考査委員を務めていた慶応大法科
大学院の植村栄治教授が試験前に学生対象の答案練習会を開催してい
た問題で、文部科学省は全法科大学院74校を対象に答案練習会の実
施状況など教育内容の実態調査を始めた。練習会の講師に考査委員が
含まれていたかどうかも調査しており、新たな不正が発覚する可能性
もある。法科大学院に対する文科省の緊急調査は今回が初めて。
調査は法科大学院の教育内容が新司法試験の受験指導だけに偏らず、
省令で定められる法科大学院の教育課程(カリキュラム)を実施して
いるかどうかを把握することが目的で、答案練習会の実施形態や開催
時期、回数などのほか、練習会の実施教員と考査委員の有無を調べて
いる。
また、答案練習会で配布した資料の提出も求めており、新司法試験の
実際のテスト問題と照合することも検討。類似した問題が配布される
など不正が疑われるケースが判明した場合、法務省と連携をとりなが
ら対応策を考えていく方針だ。
法科大学院の教育課程では、法律基本科目▽法律実務基礎科目▽基礎
法学・隣接科目▽展開・先端科目の各授業科目を開設する必要がある。
一部には、「予備校的」に試験対策を実施している法科大学院もある
と言われている。文科省は「法科大学院は4科目のバランスが必要」
と指摘した上で、「今回の調査は、受験対策に偏っていないかを調べ
ている」と説明している。