新司法試験を現に受験している人は、ここ数日、毎日、「ああーっ、また間違った。」と本試験でのミスに相当悩んでいることでしょう。
その一方で、ロースクールを卒業したにもかかわらず、今年、受験しなかった
「受け控え」
の人は、そういう苦しみとは無縁の生活をしています。
ニュースを見る限り、相当受け控えの人がいるようですが、ここで、私が
受け控えの人は、苦しまなくて良かったね。
と言おうとしているのでは「ない」ことは、私のブログをよく読んでいる皆さまなら分かることでしょう。
はっきり言って、今年、受け控えをしたのは
★★『最悪の選択』★★
です。
私は、ロースクール生をたくさん知っていますから、ロースクール卒業生の中に
新司法試験に合格するだけの力を身につけていない人が山のようにいる
ということは知っているつもりです。
しかし、力のあるなしにかかわらず、
受験すれば、合格する可能性はあり
受験しなければ、合格しない
というのは、絶対に否定できない真実です。
特に、これから年々合格率は下がるのですから
受け控えをすればするほど、あなたの合格は遠のく。
というのも、また紛れもない事実です。
「合格できる自信がつくまで、受験しない」
という人は、一生、受験しないことになるでしょう。
なぜなら、どんな実力者であっても、合格できる自信なんて、生まれてこないからです。
嘘だと思うのなら、最高裁裁判官にでも、検事総長にでも、弁護士会の会長にでも
「今、司法試験を受けて、合格する自信がありますか?」
と聞いてみればよろしいと思います(笑)。
たくさんの科目について択一と論文を短期間に集中して解く難しさは、何年勉強しても、完全に克服することはできません。
三振が怖いのはわかります。
あなたに実力がないのも分かります。
でも、私は、そんな弱気な受け控えに対しては
ロースクール卒業まで2年も3年もあったのに
択一に合格する実力すら全く身につけられなかった貴方が
どうやって来年までに実力をつけるのですか?
と言ってやりたくなります。
3年間、まじめにロースクールに行き卒業できたのに、実力がつかなかった人こそ
新司法試験を実際に受けてみて、自分のロースクールでの勉強が、どの程度役にたったか
もしくは、どれほど役にたたなかったか
を思い知るべきです。
そして、ボロボロに傷ついて、自分が
いつまでに、何をやれば、新司法試験に合格できるのか
を真剣に考えるべきです。
また、本試験を受験すれば
本番直前の勉強スケジュールの立て方
本試験だけが持つ独特の雰囲気
それらの中でのみ発揮される驚異的集中力
合格発表までの不安を抱えながらの勉強法
を経験することができます。
この経験が、「これからの勉強」に、どれだけ重要なことか。
択一と論文を同時に実施する新司法試験で最大の難問は
一年間のスケジュールの組み立て方とその遂行
であり、受け控えた人は、それを身をもって知る大切な機会を失ったのだから、本当にこれから1年間は相当苦しい戦いになるでしょう。
受け控え 百害あって一理なし
変な川柳みたいになりましたが、今年、受け控えをした人は
自分が大きな過ちを犯した
ということを認識して、その過ちを挽回するためにどのような方策を取るべきか、今から真剣に考えないと、
永遠に受け控えてしまう
ことになりかねませんので、くれぐれもご注意ください。