★都がメディカルスクール創設検討 “医は心”育成目指す
臨床能力に優れた医師の養成を目的に東京都が、文系など医療分野以外の学部卒業生が入学できる4年制の医師専門職大学院「メディカルスクール」の創設に向けた検討に入ることが19日、分かった。
米国の制度にならうもので、幅広い教養を身につけ、人間的にも成熟した医療人の育成を目指す。
卒業後は、医学部生と同様に国家試験を経て医師になることが想定されている。
同制度は文部科学省で議論が続けられているが、自治体レベルで検討に乗り出すのは初。
都では「2016年の東京の都市像」(仮称)を策定。日本が人口減少社会になることとは対照的に、東京では約50万人増加すると予測した。
その結果、65歳以上の高齢者も急増することが見込まれ、医療費抑制が国の優先課題となる中、実践を重視する質の高い医師の養成の検討が急務と判断した。
都が構想するメディカルスクールは、受験戦争を勝ち上がった“偏差値エリート”よりも「人」を診るために豊かな教養と目的意識を備えた人材を育成することが主眼。
具体的には、首都大学東京への併設のほか、都立病院や医療系大学との連携を視野に具体的な検討を重ねるとしている。
石原慎太郎知事は就任後、「東京発医療改革」を掲げ、一部の都立病院で24時間診療が可能なER(救急診療科)を設置。
来年度からは、医師不足解消や高度な専門医を養成するため、都立11病院の医師を統一的なカリキュラムで育成する新たな研修制度「都立病院アカデミー」(仮称)をスタートさせる。
メディカルスクールは国レベルでは中央教育審議会大学院部会などで議論されており、文科省では「米国との学校制度の違いを念頭に置いて、
(全国の医療系大学で実施する)学士編入制度による学生の追跡調査の評価を踏まえながら、慎重な検討を行っていくことが必要」としている。
産経新聞 (2006/12/20 02:51)
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/061220/wdi061220001.htm