・弁護士にはなったけれど働き口が見つからない。来年はこんな事態が起きるかも
しれない。従来の司法試験(旧試験)合格者と、法科大学院修了者が対象の新試験
合格者の司法修習終了が重なり、弁護士志望者が今年の倍近くになるとみられるからだ。
日弁連はプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、就職先確保に躍起となっている。
司法サービス向上を目的にした弁護士の大量増員は「2007年問題」と呼ばれる。
現在修習中の旧試験合格者約1500人と今秋に初の合否発表がある新試験合格者
900−1100人は、いずれも来年秋に修習が終わり、裁判官、検事への任官者を
除く約2300人の弁護士の卵が誕生、今年より1000人程度増える見込み。
「大量の就職浪人が出かねない」と危機感を抱いた日弁連は「弁護士業務総合推進
センター」を今年6月に発足させ、就職問題のPTも編成。全国約1万1000の弁護士
事務所に採用計画などを聞くアンケートを送付し3割弱から回答を得た。結果を集計、
分析し求人需要の喚起に取り組む。
ほかにも(1)地方での採用倍増(2)企業や官公庁に採用を尋ねるアンケート実施
(3)求人、求職情報の全国ネット構築−を検討。勤務形態や年俸など、どのような
条件ならば勤務弁護士の採用が可能かも探っていく。
今月1日現在の全国の弁護士は計約2万2000人。来年以降も志望者の増加傾向は
続くとみられ、「分かっていたことだが、目の前に突き付けられるとインパクトは大きい。
アンケートも厳しい数字が出るだろうが、悲観的にならず、若い人が活躍できる舞台
づくりを進める」と日弁連幹部。
都内の大手事務所に勤務する若手弁護士は「職にあぶれる人も出るだろう。登録しても
弁護士としてではなく、普通の会社員として働くケースも増えるのではないか」と予測している。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006080736.html