【法をめぐる】村上春樹的司法試験part6【冒険】
1 :
氏名黙秘:
僕はウェイターに頼んで職業別電話帳を持ってきてもらい、「司法試験、予備校」というページを片端から読みあげていった。5つばかりつづけて読みあげたところで彼女がストップをかけた。
「それがいいわ」
「それ?」
「今最後に読んだ予備校よ」
「ドルフィン・セミナー」
「どういう意味」
「いるかセミナー」
「そこで勉強することにするわ」
「聞いたことがないな」
「でもそれ以外に合格できる予備校はないような気がするの」
2 :
氏名黙秘:04/10/14 02:02:38 ID:???
僕は礼を言って電話帳をウェイターに返し、いるかセミナーに電話をかけてみた。はっきりしない声の男が電話に出て、入門講座か答練なら空いていると言った。
入門講座と答練以外にはどんな講座があるのか、と僕は念のために聞いてみた。入門講座と答練以外にはもともと講座はなかった。少し頭が混乱したが、ともかく入門講座を予約し、料金を訊ねてみた。料金は僕が予想していたより四十パーセントも安かった。
3 :
氏名黙秘:04/10/14 02:03:45 ID:???
「長く勉強するにはこれくらい小さくてさっぱりした予備校の方がいいのよ」と彼女は言った。
小さくてさっぱりした予備校、というのはたしかに悪くない表現だった。
「判例タイムズ」の広告のページにでも出てきそうな文句だ。長く自習するならなんといっても気のおけない、小さくてさっぱりした予備校がいちばんです。
「もっとましな予備校に通ったっていいんだぜ」と僕は自習室のドアを開けて彼女にどなった。
「金ならいくらでもあるんだから」
「お金の問題じゃないのよ。我々の論文対策はここから始まるの。とにかくここじゃなくちゃいけないのよ」
4 :
氏名黙秘:04/10/14 02:05:58 ID:???
「もうそんな季節なのよね。」緑は目を窓の外に向けて言った。
外は薄暗い雲が空を多い、霧雨が町を包んでいた。
「まだ、はやいんじゃないかな?」コーヒーを飲みながら僕は言った。
「そんなことはないわ。来年が最後なの。気分が落ち込む時期も早くなるわ」
5 :
氏名黙秘:04/10/14 02:08:20 ID:???
爆笑w
羊をめぐる冒険好きだったからツボにはまったわ
6 :
氏名黙秘:04/10/14 02:19:47 ID:???
「それで君たち受講生はして欲しいんじゃないかしら?現行司法試験用テキストの誤植のチェックと改訂を。どう、違う?」
「とてもして欲しいですね」と僕は言った。
「してあげてもいいれど、それはけっこう長くかかるかもしれない」
「2010年までに終わりそうですか?」
「たぶん無理ね」と予備校講師は言った。
7 :
笠原メイ:04/10/14 02:47:59 ID:???
私みたいに「ローのことなんか検討もしてないわ」とひそかに考えている人はこのあたりにはいません。
今年は受けたくないなあとか思っても、ギムとして五月にはタクイツをしなきゃいけないわけだけど、おおまかに言えばみんな楽しくやってると思う。
たぶんそれはこれがひとつの制度からもうひとつの新しい制度へうつるまでの、かぎられたユウヨ期間なんだとわかっているからなのね。だからローに入学するまではわいわい楽しもうとしているんです。
でも私にとってはそうではありません。私にとってこれはユウヨ期間なんかじゃぜんぜんないのです。現行試験しかないのです。
だってローにいくお金なんか、まるでないわけですからね。
ひょっとしたら、私にとってはここが行き止まりなのかもしれない。
8 :
笠原メイ:04/10/14 02:51:37 ID:???
ねえねじまき鳥さん、私はこれから一生ヴェテのままでいようかなって思ったりもしてます。
けっこう真剣に考えています。
そのことについて、どう思いますか?
さようなら、ねじまき鳥さん。ローに早く入れるといいですね。
9 :
氏名黙秘:04/10/14 05:58:53 ID:???
そういえば中学の国語の教科書に村上春樹のエッセイがあったなぁ・・・
確か内容は
「大学生の時にヒッチハイクで旅行した。乗せてくれたおじさんのグループがいた。
親切にしてくれて、みかんくれたり、偉いなとか言ってくれたりした。
しばらくして、僕が目を閉じてると眠ったと勘違いしたのか、おじさんたちは僕の悪口を言い出した。
気まずいので眠ったふりをして、後でいま起きた風を装うとその後はまた親切にしてくれた。
人間の裏表を見た気がした」
みたいな文章だったな。
誰か知ってる???
10 :
氏名黙秘:04/10/14 20:41:35 ID:???
やれやれ。
11 :
氏名黙秘:04/10/14 20:51:20 ID:???
おいキスギ、ここはひどいスレだよ、と僕は思った。
こういう奴らがきちんと大学の単位をとって社会に出て、
せっせと下劣な社会を作るんだ。
12 :
氏名黙秘:04/10/14 21:56:29 ID:???
>>9 春樹のエッセイはだいたい読んでるけどそれは初耳
知ってる人いる?
甲は、Aを殺害しようと考え、Aの自宅に毒入りウイスキ
−を郵送したが、Aの家族が右ウイスキ−を飲んではいけな
いと思い、Aの妻乙に電話をし、右ウイスキ−には毒が入っ
ているから投棄するよう告げた。
しかし、乙は、Aと不仲であったので、Aが飲んで死んで
しまえば良いと思い、そのまま放置しておいたところ、長男
Bが右ウイスキ−を飲もうとしたので、これを取り上げて投
棄した。
甲及び乙の罪責を論ぜよ。
登場人物
甲(秋夫)司法浪人。友人Bの弟の家庭教師。
乙(小夜子):Bの母。秋夫と不倫関係に落ちる。
A(雅夫):小夜子の夫。有名商社の専務。愛人をつくり妻と不仲。
B(秀一):雅夫・小夜子夫婦の長男。
近日 連載開始!
14 :
氏名黙秘:04/10/15 19:11:15 ID:???
15 :
氏名黙秘:04/10/16 06:30:33 ID:???
「よくわからないな」」と僕は言った。
「現実的に我々は追いつめられているんだよ。もし合格できなければ、我々はとても困った立場に追い込まれる事になる。それは本当に困った立場の事なんだ。
たとえ先生が死んだとしてもロースクールは残るし、その組織は日本国中に下水道みたいに張りめぐらされていて、それが我々を困った立場に追い込もうとしているんだ。
馬鹿馬鹿しい話だとは思うけれど、そういうことになっちゃったんだ」
16 :
氏名黙秘:04/10/16 06:33:11 ID:???
「そういうのって、テレビの「白い巨塔」みたいじゃないの?」
「馬鹿馬鹿しいという点ではね。とにかく我々は巻き込まれてしまったんだし、「我々」と僕がいうのは現行受験生とロー生のことなんだ。
はじめは現行受験生だけだったけど、途中からロー生が入り込んできた。これでも溺れかかってるとは言えないのかな?
17 :
氏名黙秘:04/10/16 06:35:47 ID:???
「あら、こういうのって好きよ。知らない人と寝たり、耳を出してフラッシュをたかれたり、答練の添削をやったりしているよりはずっといいわよ。受験というのはこういうものよ。」
「つまり」と僕は言った。「ロー生は三振しないし、現行受験生に対する救済もない」
「そういうことね。私達は自分の手で職を探すの。きっと現行も新試験もそれほど捨てたものじゃないわよ」
18 :
氏名黙秘:04/10/16 06:42:39 ID:???
「やれやれ」と僕は言った。やれやれという言葉はだんだん僕の口ぐせのようになりつつある。
「これで残り7回の内の1回が終わり、しかも我々は何処にも辿りついていない」
「そうね」と彼女は言った。「ロー生はどうしているかしら?」
「ハワイに研修にでもいってるんじゃないか?」と僕は言った。
19 :
氏名黙秘:04/10/16 06:48:47 ID:???
Q「特殊な基準とは”合理性の基準”の事であるのか?」
A「そうではありません」
Q「説明をしてほしい」
A「精神的自由であります」
Q「説明になっていない」
A「うまい言葉がみつかりませんが、ダブルスタンダードというのが近いかと思います」
Q「妥当な結論を先に考えてこじつけろというのか?」
A「そうであります」
20 :
氏名黙秘:04/10/16 18:13:58 ID:???
ほっしゅ
21 :
氏名黙秘:04/10/17 06:05:11 ID:???
ネコミミモード(・∀・)♥
22 :
氏名黙秘:04/10/19 07:37:17 ID:???
電話のベルが鳴った。
「帰ったわ。」と彼女が言った。
「会いたいな。」
「今出られる?」
「もちろん」
「5時にLECの門の前で。」
「LECで何してる?」
「入門講座。」
「入門講座?」
「OUI」
今さら入門講座を受けるなんて・・・君はいったい何をしているんだ?
23 :
氏名黙秘:04/10/19 19:41:55 ID:bYt349N2
(・∀・)ネコミミモード♥
24 :
氏名黙秘:04/10/19 21:35:35 ID:???
もうやめて!
25 :
氏名黙秘:04/10/20 11:49:20 ID:???
もう、やめてあげて!
26 :
氏名黙秘:04/10/20 12:25:09 ID:???
いやーーーーーーーーーーーー
27 :
氏名黙秘:04/10/20 12:48:54 ID:???
だめぇぇええっ
意味不明
29 :
氏名黙秘:04/10/20 13:27:10 ID:???
緑さん、よろしくお願いします。
30 :
氏名黙秘:04/10/20 16:46:13 ID:???
J( 'ー`)し たけしへげんきですか。たくいつどうでしたか
(`Д) うるさい死ね 速報みていらついてんだ殺すぞ
J( 'ー`)し ごめんね。おかあさんきっとうかっているとおもったから、ごめんね
(`Д) うるさいくたばれ、これいじょうきくな
J( 'ー`)し お金ふりこんでおきました。たいせつにつかってね 食事はしていますか?
(`Д) 死ねくそ女
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
o
__ ゚
母 |
の |
墓 | ∴ ('A`)カーチャン..........
──┐ ∀ << )
31 :
氏名黙秘:04/10/20 18:51:22 ID:???
「完璧な論文などといったものは存在しない。
完璧なGが存在しないようにね。」
32 :
氏名黙秘:04/10/21 11:04:31 ID:???
アフターダーク、どおよ?
個人的には面白かった。
34 :
氏名黙秘:04/10/21 20:15:47 ID:???
スプートニクが最低だったから、それ以降読んでないんだよね〜。
過負荷は売れたみたいだけど、結局どうだったんだろ?
35 :
氏名黙秘:04/10/21 21:17:48 ID:???
海辺のオーバードライブ 近日創刊
36 :
氏名黙秘:04/10/22 12:04:34 ID:???
高橋は彼女の向かいに座る。コートを脱ぎ、セーターの袖をひっぱり上げる。
ウェイトレスがやってきても、平気でパンツを脱ぐ。彼は風呂に入るのだ。
高橋は腕時計に眼をやる。「午後4時。今がいちばん銭湯がすいている時間だ。
どう、熱くない?」
「とくに」とマリは言う。
37 :
氏名黙秘:04/10/22 17:18:04 ID:???
アフターダークはさらに文体が変ってたよ
量が少ないのでちょっと消化不良かな
スプートニクが嫌いな人でもカフカは楽しめると思う
でもアフターダークには合わないかも
38 :
氏名黙秘:04/10/23 17:46:53 ID:???
「おっしゃることはよくわかりました。不合格だったんですね」と牛河は言った。
「そうすんなりとはいかないだろうと最初から思ってましたよ。だからそういう
返事が返ってきても、とくにびっくりはしませんよ。わたしはあまりびっくりしない
たちなんです。岡田さんの気持もわかりますし、話の筋道がさっぱりしていて
いいじゃないですか。うだうだしたことが一切なしで、合格か不合格かですからね、
わかりやすくていい。白か黒かも定かではない、くねくね曲がりくねった返事
なんかもらっちゃうとね、私としてもローのパンフを送ればいいのか司法書士
のパンフを送ればいいのか迷っちゃうんですよ。ところがですね、受験界では
そういうのがまた実に多いんですな。愚痴を言うわけじゃありませんが、毎日
毎日がスフィンクスの謎かけみたいなものです。口述試験が終わるまでは、
自宅で2ちゃん覗いているくせに、論文合格をカムフラージュして書き込まない
んですよ、ベテのやつら」
牛河(@・∀・)キター
「それ何?」と彼女は訊いた。最近の糞つまらん音楽のテープだと僕は答えた。
空港に戻るまでの道中、暇つぶしに聴いていたのだ。「それ聴きたい」と彼女は
言った。
「気に入るかどうかわからないよ。なにしろみんな打ち込みのリズムばかりだ。
均一に細分化された割合的単位としてのリズムが、広く大衆の小遣いをかき
集めるための技術として採用されたんだ」と僕は言った。「そしてもうすぐ口語化
される」
41 :
氏名黙秘:04/10/24 19:04:13 ID:???
彼女はカメラマンが忠告してくれたとおりたしかにあまりぱっとしない女の子だった。
服装も顔つきも平凡以下で、二流の看護学校のコーラス部員みたいに見えた。
しかしもちろん、僕にとってはそんなことはどうでもいい。僕ががっかりしたのは、
彼女が聞く音楽といえばブラジルのサンバだけだったことだ。
「サンバが好きなんだね」と僕はなんでもなさそうに言った。
「ええ」と彼女もなんでもなさそうに答えると、入れ歯をポリデントといっしょにコップ
に入れた。泡立ち。
42 :
氏名黙秘:04/10/24 21:45:55 ID:???
彼女はヴィトゲンシュタインの本を読み上げながら、どういう意味?と僕にたずねている。
「『一つの対象を知るには、確かにその外的な特徴を知る必要はない、だがその内的な特徴すべてを知らねばならぬ』これどういう意味?」
さっき、彼女は香水をひとびんまるまるベッドの上にこぼし、キブソン・レスポールの黒いボディに赤いマニキュアでチューリップの絵をいっぱい描いた。
43 :
氏名黙秘:04/10/24 23:28:31 ID:mbpHVLmD
「やれやれ」と僕は保守した。
44 :
27:04/10/24 23:56:20 ID:/cxewEOf
>34
スプートニクが嫌いなら、苦手かもしれません。。
アフターダークはカフカの救いのあるバージョンであるように読めました。
私は好きです。
スプートニクもカフカもとても悲しい小説であるように感じましたが、
それらよりも少し、救いがある。
私はスプートニク・カフカも好きだと感じたので、それらが好きな人なら良いと思うだろうと思います。
ただ、前作・全然作のほうが良かったかな。
45 :
氏名黙秘:04/10/25 13:46:16 ID:???
46 :
氏名黙秘:04/10/25 14:02:49 ID:???
47 :
氏名黙秘:04/10/25 18:49:45 ID:???
象が踏んでも壊れないはずのアーム筆入れは地震で見事に壊れた。
僕は笠原メイのことを考えた。彼女がやってきて地下のプレートの断層を
アロンαで接着してくれるところを想像した。とてもリアルに。とてもクリアに。
48 :
氏名黙秘:04/10/28 04:06:36 ID:???
僕は礼を言って電話帳をウェイターに返し
49 :
氏名黙秘:04/10/29 19:17:11 ID:???
高度司法主義
50 :
氏名黙秘:04/10/29 19:35:10 ID:???
高度資本主義社会の消費者
限りなく欲望を消費する人で民法や商法が前提としているような
自ら規制し完全に自由な意思決定ができない者
と定義している商法学者がいた。
51 :
氏名黙秘:04/10/30 11:58:55 ID:???
あげ
52 :
氏名黙秘:04/10/30 14:54:00 ID:???
「ねえ、島本さん」と僕は言った。「僕はべつに立派な人間じゃない。他人に自慢できる
ほどのものも持ちあわせていない。それに昔は今よりもっとがさつで、無神経で、傲慢
で、ムカツクと女性を殴ったりつばをはきかけたりした。だからあるいは僕は君にふさ
わしい人間とはいえなかったかもしれない。でもね、これだけは言える。僕は芸能活動
をやめたりはしない。そういう点では僕は他の人間とは違うんだ」
私たちは「デニーズ」の校内にいる。
面白みはないけれど必要十分な答案、無表情なインテリアと講師、受験指導の
スペシャリストたちによって細部まで緻密に計算された二年間合格プラン、小さな
音で流れる無害なラップ憲法、正確にマニュアルどおりの答案を書くように訓練
された受験生たち。「ようこそデニーズにいらっしゃいました」。校内はどこをとっても、
交換可能な匿名的事物によって成立している。そうして毎年受験生が入ってきては
出てゆく。そんな匿名的事物の流動の中に滓のように溜まったベテ。
私たちは校内をひととおり見まわしたあとで、自習室の窓際の席に座った一人の
ベテに目をとめる。どうして彼女なのだろう?なぜほかの誰かではないのだろう?
その理由はわからない。しかしその女の子はなぜか私たちの視線をひきつける
――とても自然に。パンツ見えてるよ。
54 :
氏名黙秘:04/10/31 16:33:16 ID:???
「誰にも教わらずに司法試験に合格するってたいしたもんだと思うよ、たしかに」
「そりゃ大変だったわよ」と緑はため息をつきながら言った。「なにしろ司法試験
なんてものにまるで理解や関心もない一家でしょ。きちんとした基本書とか判例
百選とか買いたいって言ってもお金なんか出してくれないのよ。シケタイで十分
だっていうの。冗談じゃないわよ。あんなペラペラのシケタイで合格なんてできる
もんですか。でもそう言うとね、合格なんかしなくていいって言われるの。だから
仕方ないわよ。せっせとおこづかいためて基本書とか百選とか買ったの。ねえ
信じられる?二十や二一の女の子が空き瓶拾いをしてお金をためて基本書やら
判例百選やら買ってるなんて。まわりの友だちはたっぷりおこづかいもらって
魔骨のDVDやら食事会のチケットやら買ってるっていうのによ。可愛そうだと思う
でしょ?」
僕はじゅんさいの吸物をすすりながら、前にもこの部分で作品うpしたことを思い出した。
55 :
氏名黙秘:04/10/31 17:28:02 ID:???
「プロのオナニストになるつもりなの?」
彼は首を振る。「僕にはそれほどの才能はない。オナニーをやるのはすごく楽しい
けどさ、それでは飯は食えないよ。オナニーをうまくやることと、オナニーを本当に
クリエイトすることとのあいだには、大きな違いがあるんだ」
56 :
氏名黙秘:04/10/31 18:33:32 ID:???
「けっこうきつく殴られたみたいだ」とカオルがマリに言う。
「お笑い芸人の男の人に?」とマリは尋ねる。
「ああ、お笑い芸人にね」
・・・「訊ねる」だったですよね、従来は。
風邪ひいてしまいました。
58 :
氏名黙秘:04/11/01 18:15:45 ID:???
風邪をひいている女は、そのような室内の異変に気づいていないようだ。テレビ
の発する無遠慮な光や音にも、まるで反応を示さない。ざわざわとした悪寒のする
なかで、ただひっそりとくしゃみをしている。今のところどんな薬も、彼女の症状を
緩和することはできない。ウィルスは体内への新たな侵入者である。もちろん私
たちだって侵入者ではある。しかし私たちとは違って、新たなる侵入者は静かでも
ないし、透明でもない。中立的でもない。それは疑いの余地なく彼女を寝込ませよう
としている。そのような意図を直感的に感じ取る。
59 :
氏名黙秘:04/11/01 19:15:47 ID:???
「上手いですね」と僕は感心して言った。
「見かけによらず、でしょう?」とハツミさんは丁寧に僕の玉の位置を探りながら
にっこりとして言った。
「いったいどこで練習したんですか?」
「私の父方の祖母が遊女でね、その血をひいたのかしら?」
彼女は僕のものを探り当てると、三回続けて擦り、四回目で亀頭をやさしく撫でた。
「気持ちいい?」とハツミさんは慰めてくれた。
「はい。長くやっていないんです。もう二年五ヶ月もやってないから」
60 :
氏名黙秘:04/11/02 03:52:46 ID:???
ノルウェイの森の最後で、レイコさんと僕が性交する時に、
「避妊してね」と言われて「もちろん」とか言ったのに
いきなり中出ししてしまった僕の罪責を述べよ。
61 :
氏名黙秘:04/11/02 12:49:47 ID:???
次回作品「レイコさんの子育て日記」
62 :
氏名黙秘:04/11/02 13:35:27 ID:???
「司法試験を本当にクリエイトするって、具体的にいうとどういうことなの?」
「そうだな・・・・・・論旨を試験委員の心に深く届かせることによって、受験生の身体も
研修所に物理的にいくらかすっと移動し、それと同時に、採点している方の身体も
物理的にいくらかすっと移動する。そういう共有的な状態を生み出すことだ。たぶん」
「むずかしそうね」
「とてもむずかしい」と村上は言う。「だから僕は降りる。次の駅で電車を乗り換える」
「もうC-Bookには手も触れない?」
彼はテーブルに置いた両方の手のひらを上に向ける。「そうなるかもしれない」
「就職するの?」
村上はまた首を振る。「いや、就職はしない」
「何をするの?」とマリは少し間を置いて尋ねる。
「真面目に小説を書こうと思うんだ。これから芥川賞を目指す」
63 :
氏名黙秘:04/11/02 14:20:59 ID:???
彼女は何回か玉を撫でた。玉筋を見るときの彼女の目は真剣で、棒をこするときの
力の入れ方は心地よかった。彼女がきれいにセットした髪をくるりとうしろに回して金
のイヤリングを光らせ、舌の先で亀頭をぺろりと舐め、すらりと伸びた美しい指で僕の
棒を押さえて玉を撫でる様子を見ていると、うす汚い連込旅館のそこの場所だけが
何かしら立派なホテルのスイートルームの一角であるように見えた。彼女と二人きりに
なるのは初めてだったが、それは僕にとって素敵な体験だった。彼女と一緒にいると
僕は人生を一段階上にひっぱりあげられたような気がした。三ゲームを終えたところで
――もちろん三ゲームとも僕はたくさんの精液を放出した――僕のちんこの傷が少し
うずきはじめたので我々はゲームを切りあげることにした。
「ごめんなさい。連込旅館なんかに誘うんじゃなかったわね」とハツミさんはとても悪そう
に言った。
「いいんですよ。たいした傷じゃないし、それに楽しかったです、すごく」と僕は言った。
帰り際に連込旅館の経営者らしいやせた中年の男がハツミさんに「お姐ちゃん、ええ
乳しとんな」と言った。「ありがとう」とにっこり笑ってハツミさんは言った。そして彼女が
そこの勘定を払った。
エロちゃん、がんがれ。
「痛む?」と外に出てハツミさんが言った。
「それほど痛くはないです」と僕は言った。
「強くこすりすぎたのかしら?」
「大丈夫ですよ、たぶん」
「そうだわ、うちにいらっしゃいよ。傷口見て、包帯とりかえてあげるから。そのあとで、
・・・・・・、ねっ?」とハツミさんが言った。
そんなに心配するほどのことじゃないし大丈夫だと僕は言ったが、彼女の方は傷口
が開いていないかどうかちゃんと調べてみるべきだ、おしっこが二つの口から出るような
ことになったら大変だ、と言った。
「それとも私と一緒にいるの嫌?一刻も早く自分のお部屋に戻りたい?今夜も例の司法
ブスがお部屋に来てるの?」とハツミさんは冗談めかして言った。
「まさか」と僕は言った。
「じゃあ遠慮なんかしてないでうちにいらっしゃいよ。歩いてすぐだから」
>64-65
ついに馬脚を現したわね、自作自演厨
67 :
氏名黙秘:04/11/02 18:18:47 ID:???
ハツミさんのアパートは渋谷から恵比寿に向かって十五分くらい歩いたところにあった。
豪華とは言えないまでもかなり立派なアパートで、小さなロビーもあればエレベーターも
ついていた。ハツミさんはその1DKの部屋の台所のテーブルに僕を座らせ、となりの部屋
に行って服を着がえて来た。胸元の大きく開いたピンクのネグリジェの下には何も身につけ
ていないという格好で、金のイヤリングも消えていた。彼女はどこかから救急箱を持って
きて、テーブルの上で僕のちんこに巻かれた包帯をほどき、傷口が開いていないことを
たしかめてから、「消毒するわね」というとすっぽりとそれを口の中に入れてしまった。とても
手際がよかった。
「どうしてこんなに消毒が気持ちいいんですか?」と僕は訊いてみた。
「昔ボランティアでこういうのやっていたことあるのよ。そこで覚えたの」とハツミさんは言った。
68 :
氏名黙秘:04/11/02 19:54:36 ID:???
僕が一回抜き終えると、彼女は冷蔵庫から缶ビールを二本出してきた。彼女が一缶の半分
を飲み、僕が一本半飲んだ。そしてハツミさんは僕にデートクラブの女の子たちが写った写真
を見せてくれた。たしかに何人か可愛い子がいた。
「もし私よりも若い子とやりたくなったらいつでも私のところにいらっしゃい。すぐ紹介してあげる
から」
「そうします」
「でもワタナベ君、あなた私のことをお見合い紹介おばさんみたいだなと思ってるでしょ、正直
言って?」
「幾分」と僕は正直に答えた。ハツミさんも笑いながら、片手を僕の腿の上に置いた。彼女の
掌が腿の上で動くたびに、僕のちんこは少しずつ腫れ上がっていった。
69 :
氏名黙秘:04/11/03 06:15:32 ID:???
「あんたが学生を混乱させたんだよ」と羊男は今度は静かに言った。
「とてもいけないことだ。あんたには何もわかってないんだ。教授達は自分のことしか考えてないよ」
「”ほんとうの”純粋未修はローに来るべきじゃなかったってことだね?」
「そうだよ。普通に就職すべきだったんだ。ロースクールも次々認可すればいいってわけじゃない。教授は自分のことしか考えてないんだよ」
僕はソファーに沈み込んだままウィスキーをなめた。
「でもま、それはいいさ。なんにしても現行は終わっちまったんだものな」と羊男は言った。
「終わった?」
「ロー生はもう二度と現行には戻れないよ」
「大学が保身しか考えなかったから?」
「そうだよ(ry
70 :
氏名黙秘:04/11/03 13:01:54 ID:???
「まあ、いいや」と高橋はあきらめたように言う。「実はあのローにある女の子と
入ったんだ。つまり、新司法試験を受けようと思ってさ。ところがことを済ませて
出るときになって、金が足りないことがわかった。女の子も持ちあわせがなかった。
ローに行くときは酒が入ってたんで、あとさきのことをよく考えなかったんだよ。
しょうがない。学生証を置いてきた」
風邪だんだんひどくなってきた(´・ω・`)ショボーン
72 :
笠原メイ:04/11/04 03:08:25 ID:???
私は勝手に想像するのだけど、きっとねじまき鳥さんはまだミドリさんのところには戻ってきていないのね。
そしてミドリさんはねじまき鳥さんを取り戻すために、たぶんそこらへんで風邪でも引いているんじゃないかしら。
それが私の直感的な感想です。
さよなら、ミドリさん。またそういう気持ちになったら、また手紙を書きます。
73 :
氏名黙秘:04/11/04 14:36:49 ID:???
「実を言いますと、もう岡田さんとは二度と会わないつもりでいました」、コーヒーが
運ばれてきたあとで牛河が切り出した。「なんといっても、もう選挙結果は出たわけ
ですからね」
「結果が出た?」
「実を言いますとね、わたしは四日前にケリー先生のところの仕事を辞めちゃったん
です。自分から辞めますって言って辞めさせてもらったんです。前々からいつか
そうしようと考えていたことだったんですがね」
74 :
氏名黙秘:04/11/04 16:29:34 ID:???
「努力もお金も青春も、みんなその試験に持って行かれたそうです」とマリは言う。
「それって、ベテのこと?」とコムギが横から口を出す。
カオルは舌打ちをする。「いいから、おまえは無駄口たたいてないで、さっさと
平成三年第二問を片づけちゃいな」
75 :
氏名黙秘:04/11/04 18:23:41 ID:QxleFfBQ
緑さ〜〜ん。風邪、治りましたか?
76 :
氏名黙秘:04/11/04 18:54:32 ID:???
とにかく私がはるか遠くのかつら工場で毎日せっせとキンベンに働いているという
ことはわかってもらえましたね。私がかつらという製品そのものに深い個人的関心
を持っていることもわかってもらえましたね。次にはこの秋から始まる新たらしい
講座についてもう少し細かいことを書こうかと思っています。
まあいいや。じゃあさよなら。
77 :
氏名黙秘:04/11/07 15:17:45 ID:???
「風邪が大変なの?」と僕は訊いてみた。
「ええ」と彼女は言った。「けっこう大変なんです。まだよく熱に馴れてないし、
鼻のほうもいろいろピリピリしてるし」
78 :
氏名黙秘:04/11/07 21:59:18 ID:???
「どうして司法試験を受けるようになったの?」
「きっとあんた笑うよ」と羊男は言った。
「たぶん笑わないと思うよ」と僕は言った。いったい何を笑えばいいのか見当もつかない。
「誰にも言わない?」
「誰にも言わないよ」
「就職したくなかったからさ」
79 :
氏名黙秘:04/11/08 14:59:40 ID:???
80 :
氏名黙秘:04/11/10 16:07:34 ID:???
白川は牛乳とヨーグルトの入ったビニール袋を鞄の横におき、腕を組んで目を閉じる。
たぶん不合格は訪れないだろう。しかし発表を確かめるまで、運転手とこのまま世間話
を続ける気にはなれない。彼は目を閉じたまま、何か試験と関係ないことを考えようと
する。日常的なこと、深い意味のないこと。あるいは受験期間中の3584回のマスター
ベーションと2回のセックスのこと。しかしひとつとして思いつけない。空白の中で、ただ
論文試験と口述試験の記憶が蘇る。それは心臓の鼓動にあわせて疼き、海鳴りのよう
に耳に響く。不思議だな、と彼は思う。択一で落ちたはずなのに。
81 :
氏名黙秘:04/11/10 16:27:20 ID:???
コオロギはテレビのリモコンをまだ手に持ったまま、そこに立っている。
彼女は言う、「それで思うんやけどね、ベテゆうのは、不合格を燃料にして
生きていくものなんやないのかな。合格が現実的に大事なものかどうかなんて、
ベテの生命の維持にとってはべつにどうでもええことみたい。ただの燃料や
ねん。基本書やろうが、予備校本やろうが、判例百選やろうが、エッチなグラビア
やろうが、一万円札の束やろうが、火にくべるときはみんなただの紙切れでしょう。
火の方は『おお、これは内田民法や』とか『これはデバイスか』とか『ええおっぱい
しとるな』とか考えて燃えているわけやないよね。火にしてみたらただの紙切れに
過ぎへん。それとおんなじなんや。三回落ちようが、十回落ちようが、永久に落ち
ようが、みんな分け隔てなくただの燃料」
good job!!
83 :
笠原メイ:04/11/20 05:54:52 ID:???
さようなら、ねじまき鳥さん。またそういう気持ちになったら保守しますね。
84 :
氏名黙秘:04/11/21 01:34:59 ID:???
??? ????. ???.
85 :
笠原メイ:04/11/21 06:44:24 ID:???
今日はびっくりしたことがあったので、こうして朝早く起き出して手紙を書いています。
ねじまき鳥さんは信じないかもしれないけれど、このスレがあひるのヒトたちと一緒に井戸の最下層まで沈んでいたんです。
もしかしたら引き上げないほうがよかったかな、とも思うけど、不思議と今はこれでいいんだと思えます。
追伸、緑さんは風邪治りましたか?
86 :
氏名黙秘:04/11/24 18:29:47 ID:???
あ、あ、あ、あげるよ。
87 :
氏名黙秘:04/11/24 18:41:50 ID:???
88 :
◆8RRhy61t.o :04/11/28 04:19:03 ID:jJ2dtV7u
中国でも数百万部売れてるみたいよ。
89 :
氏名黙秘:04/12/02 01:15:40 ID:???
らしいね
90 :
氏名黙秘:04/12/02 01:18:31 ID:???
緑age
91 :
氏名黙秘:04/12/03 20:21:24 ID:???
やれやれ。糞ベテには小説を読む余裕なんてないんだろう。
92 :
氏名黙秘:04/12/03 20:57:52 ID:yDNYIt+M
やれやれ、また辰巳かと僕は思った
93 :
笠原メイ:04/12/09 01:33:12 ID:???
寒くなってきましたがみなさんはお元気ですか?
私はあひるのヒトたちと仲良くやっています。
たまには保守しておきますね。
職人さんも新ネタ頑張ってくださいね。
94 :
氏名黙秘:04/12/09 18:23:18 ID:???
やれやれ。また立ったのか。
95 :
氏名黙秘:04/12/09 18:33:59 ID:???
司法試験には自分のサイズというものがない。自分のサイズに合わせて
他人のサイズを賞めたりけなしたりする連中ならいる。
96 :
氏名黙秘:04/12/09 18:37:51 ID:???
冬のあいだは頭脳が凍りついて、問題を殆ど解けなくなる。そして頭の
上に雪が降って、どこを行けば合格できるかわからなくなってしまう。
この世の終わりみたいな景色だよ。
97 :
氏名黙秘:04/12/09 18:49:54 ID:???
黒服の秘所は椅子に腰を降ろすと、空いた社会の窓から丸見えだった。
彼はくわしく観察する視線というのではないけれど、なめまわすような視線
で、私の体を貫いていた。冷たくもなければ暖かくもなくて、ただ卑猥という
ほかはなかった。その視線には私が知っているどのような種類の感情も
こめられてはいなかった。男はただ私を眺めているだけだった。そして私が
着衣を脱ぐのを待っていた。
98 :
氏名黙秘:04/12/09 19:03:31 ID:???
黒服の秘所は巨大なものだった。彼がズボンを脱いだとたん、部屋は一種
不可解な沈黙に覆われていた。広い部屋に入ると時折これに似た沈黙に出会う
ことがある。広さに比べてそこに含まれる人間の数が少なすぎることから生ずる
沈黙だ。しかしこの部屋を支配している沈黙の質はそれともまた違っていた。
沈黙はいやに重く、どことなく押しつけがましかった。僕は昔そのような沈黙を
どこかで経験した覚えがあった。しかしそれが何であったのかを思い出すまでに
少し時間がかかった。僕は古いアルバムのページを繰るように記憶をたぐり、
それを思い出した。伊藤塾の職員専用トイレで、あの人の隣りでおしっこをして
いるときの沈黙だった。
99 :
氏名黙秘:04/12/10 18:54:24 ID:???
黒塗りの秘所
「どんな糞スレでも立てちゃう女の子だったんだ」と僕は言った。まるで弔辞みた
いだ。故人はどんな糞スレでも立てちゃう女の子でした。
「共犯からの離脱の問題を見るたびにくしゃみが出る人を知ってるわよ。
くしゃみってそういう精神的要素が大きいのね。一度原因と結果が結び
ついてしまうとなかなか離れなくなってしまうの」
「漠然とした動機の錯誤に基づいた、凝縮された商品選び」
「そのとおりだよ」と僕は言った。「君は僕の七倍くらい頭がいい」
「通信教育を受けたのよ」
「通信教育?」
「マーガリンは健康にいいよ。植物性脂肪だし、コレステロールも少ない。
成人病になりにくいし、最近は味だって悪くない。安いし、日もちがする」
「でもオナニーのときは使わないほうがいい」
「司法試験の講師って受講生を心の中では馬鹿にしてるのよ。もっともらしく
私の講義についてくれば受かりますって言うけど本当は思ってないの。」
「でも現実に講義を聴いて試験に受かってる人もいるよ。」
「受かる人は講義なんて聴かなくても結局は受かるのよ。」
「じゃあ講師は全員ウソツキってこと?」
「シバタ先生だけは別じゃないかしら。あの人は心の中だけじゃなくて
思ってること収録の講義で言っちゃう人だから・・」
105 :
緑 ◆3iq.SpwfFA :04/12/11 19:52:35 ID:eqcEPRqf
シバタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
107 :
氏名黙秘:04/12/11 21:37:05 ID:f2Cxq129
柴田は昔春樹読んでそうだ。
村上春樹はどれくらい資産を持っているのだろう。
100億円 但し、係数は1.4で計算した場合。
小切手を同封しておく。線引きするの忘れたので線引きしておいてくれ。
金のことは何も心配しなくていい。ひきこもっているから使いみちに困る
くらいだし、それに今のところ僕にできることはそれくらいしかなさそうだか
らね。
くれぐれも線引きするのわすれないように。
「『法律行為』とは何ですか?」と僕は訊ねてみた。
「意思表示に従った法律効果が認められる法律要件だ」
「わかりませんね」
「もちろん誰にもわかりはしない。先生だけが、いわば本能的にそれを理解
されていた。極言するなら、具体的認識の否定だ。そこにおいてはじめて
完全な時間と空間の統御が実現する。君たちにわかりやすく言えば、もまの
ペニスがむささびのペニスを包含し、むささびのペニスがもまのペニスを包含
する革命だ」
112 :
氏名黙秘:04/12/13 17:24:57 ID:9mzS4agV
やれやれ。
「まあいいだろう」と男は言った。「それは平成12年の商法の問題だ。私は君の
答案をかなり細かく調べてみたんだが、それなりになかなか面白かった。人間
をおおまかに二つに分けると現実的に凡庸なグループと非現実的に凡庸なグループ
にわかれるが、君は明らかに後者に属する。これは覚えておくといいよ。前者は
数回不合格になると受験を断念するが、後者は何度落ちてもしがみつく。
君の辿る運命は非現実的な凡庸さが辿る運命でもある」
「覚えておきます」と僕は言った。
男は肯いた。
ぼくは真夜中、井戸に降りた。少しカビ臭く感じたが、居心地は悪くなかった。
「ふむ。」と言ってみた。井戸の壁にその声はしみ込んでいった。
ここは外の世界からは切断されている。
ふと、ぼくの頭に言葉が浮かんだ。
「抗弁権の切断」
「コ・ウ・ベ・ン・ケ・ン・ノ・セ・ツ・ダ・ン」
こんなところでもぼくは苦しめられる。
受験生時代ぼくはこの意味が最後まで理解できなかった。
「さっき何かを投げていたね」と男は僕の脇に立ってそう言った。
「投げたよ」と僕は言った。
「何を投げたんだ?」
「筒型で、ゴムでできていて、ナニのときに使うものだよ」と僕は言った。
警備員は少し面喰ったようだった。「何故投げたんだ?」
「理由なんてないよ。十二年前に受験勉強を始めてからずっと投げてる。
半ダースまとめて投げたこともあるけど、誰も文句は言わなかったよ」
何回か前のコラムで最近あまり法律書を読まなくなったという文章を
書いたばかりでこういうことを書くのはどうも気がひけてならないのだが、
この一ヶ月ばかりでけっこう沢山法律書を読んだ。寒くなってたい焼きを
食べるようになるとこの手のことはよく起こる。「司法試験をやめて二年、
体の具合がとても良い」と書いたとたんに司法試験をまた受けはじめて
鬱になっちゃったり、「司法浪人をしていると、ネクタイをしめることは年に
一度もない」と書いた直後にたてつづけに冠婚葬祭が続いたり、といった
ようなことである。
118 :
氏名黙秘:04/12/15 19:02:44 ID:k3JpgWgN
そんな何もかもをフランドル派の陰うつな絵の背景のように見せていた。
やれやれ、また糞スレか、と僕は思った。
ずっと昔に読んだテキストなので筋の細かいところがあっているかどうかもうひとつ
自信がないのだけれど、伊藤魔コツのテキストに『試験対策講座』(だったと思う)という
のがあった。これはその名前どおり、試験の対策のテキストである。司法試験に
受かりたいんだけれど、いまいち自分の頭に自信が持てないという人がこのテキスト
を読むと、・・・。
120 :
氏名黙秘:04/12/15 22:43:25 ID:k3JpgWgN
よくわからないな
世の中には大きくわけて「人にものを教えるのが好き・得意な人」と
「人からものを教わるのが好き・得意な人」がいると思う。もちろん
両方とも得意という人もいるし、両方とも不得意という人もいるだろう
が、おおまかに言えば、後者はベテになることが多い。
122 :
ワタナベ:04/12/16 20:03:01 ID:KYMwvAYd
「ねえ、よく平和的生存権とか政教分離とか主張している人たちがいるじゃない。彼らを突き動かしているものって何なのかしらね」
「ふうむ。マスターベーションみたいなものなんじゃないかな」
「マスターベーション?」
「そう。つまり、彼らにとってはそれが日常なんだ。いうなればベテが、現行を毎年受けては落ちるようなものなんだよ。そして、春にはみんな仲良く短刀オープンを受けるんだよ。金髪ギャルから禿げたおっさんまでね。」
「ねえ、どうしてベテには童貞・処女が多いか分かる?」
「ふうむ。趣味勉強に忙しいんじゃないかな。ほら、ベテって基本書読んだり細かい論点覚えたり無駄なことに全力を注ぐ生き物だしさ」
「あなたって仮定法については説明できても肝心なことが分かってないのね。」
「世界は広く海は深い」
「ベテたちはそもそももてなかったのよ。司法試験に受かって見返してやろう、私には他にやることがあるのよ、って逃げ場を求めたら大してオツムがよくないもんだから落ち続けて童貞ベテ・処女ベテに転化してしまったのよ。問題はもっと内在的なものなの」
「ねえ、ベテって生きてて恥ずかしくないのかしら?例えば、欝になったりしないのかしら?」
「ふうむ。ベテは夢を見ているんじゃないかな。それも、主観的・マスターベーション的な。」
「どんな夢なのかしら?」
「客観的には極めて例外的事象を普遍化してしまう夢だよ。
例えば、予備校の答練ごときでコンスタントに合格点もとれないのに合格体験記の極めて例外的なケース集を信じ込んでいたり、ベテに任官や渉外なんて無理なのに他に光るものがあったから30歳で任官した例外的ケースを引き合いに出したりね。
ベテは基本的に自分の都合のいいようにしか考えないから、自分もその例外にあてはまるんだって盲目的に信じてしまうんだ」
「ベテって可愛そうな生き物ね。現実を直視できないから今の自分があるということにすら気がついていないのね」
「ある意味では精神衛生上健全なことなんだ。でも、ベテはベテになるべくしてベテになったんだろうね」
「気に入るかどうかわからないよ。みんな古いものだから」と僕は言った。
「いいわよ、何でも。この十日くらいずっと同じテープばかり聴いていたんだもの」
それで僕はそのテープをセットした。まずカトシンが『ワンダフル・ワールド」を
歌った。「僕は歴史の話ばかりするけれど・・・・・・」、いい歌だ。カトシン、僕が
中学三年生の時すでにおっさんだった。
「あなたは何回くらい試験に落ちたの?」
「8回」と僕は言った。「このあいだ数えてみたんだ。思い出せる
だけで8回。思い出せないのが3回くらいあるかもしれない。
日記をつけているわけなじゃないからね」
「どうしてそんなに何回も落ちるの?」
「わからない」と僕は正直に言った。「どこかでやめなくちゃ
いけないんだろうけど、自分でもきっかけがつかめないんだ」
我々はそれからしばらく黙って、それぞれの考えるべきことを
考えていた。遠くで「やればできる。必ずできる」という声が
聞こえたが、それがマコツのものであるわけはなかった。もう
午前1時なのだ。
「ねえ、彼のことどう思う?」と妹は訊ねた。
「マコツのこと?」
「そう」
「まあ悪い男じゃない。僕の好みじゃないし、人の彼女を
簡単に寝取るけど」少し考えてから僕は正直に言った。
「でも講師に一人くらいはああいうのがいても悪くないだろう」
。
「ねえ、旧試験が廃止されたらベテはどうなってしまうのかしら?」
「ふうむ。ベテの大量虐殺が始まるんじゃないかな。それも、5人に4人は殺される圧倒的な虐殺がね。」
「ベテは気付いてるのかしら?」
「気付いてはいる。でも、自分は5人のうちの1人に入ると信じ込んでいるんだ。ベテは算数ができない代わりに、妄想力と屈折したプライドは凄まじいものがあるからね。」
「ベテって救いようのない生き物ね。周りの知り合いがロースクールに入ったのを見ていざとなれば自分も入ればいいと思っているのかしら…。」
「繰返しになるけど、ベテは算数が苦手なんだ。こういうのってきっと生まれつきなんだろうね。
例えば、『市場価値』なんて言葉も理解できないわけだ。5年後に学部新卒を受け入れることが常態となった奇襲コースで自分の『市場価値』がどう変化するかも予測できないわけだ。
そして、ベテは予備試験を受けながらこう呟くんだ、『やればできる』って。ベテの論理だと3%でも0.1%でもやればできることになるはずだからね。」
、
保守
保守
この板にはベテランの人が多かったんだな。
このスレは自虐と馴れ合い推奨なんだが。。。
ねえねじまき鳥さん、私は来年もローを受けず現行ヴェテのままでいようかなって思ったりもしてます。
けっこう真剣に考えています。
そのことについて、どう思いますか?
さようなら、ねじまき鳥さん。来年はローに入れるといいですね。
hosyu
保全
口述試験の結果はどうだったんですか?と僕は聞いてみた。
「普通だよ。」と魔コツさんは何でもなさそうに答えた。
「あんなの普通にやってりゃ受かるんだよ。定義だとか趣旨だとかね。
塾でべテの相手するのと変わりゃしない」
「じゃあまあ簡単だったわけですね」と僕は言った。「発表はいつなんですか?」
「十一月のはじめ。もし合格したら、美味いもの食わせてやるよ」
「ねぇ、口述試験ってどんなですか?魔コツさんみたいなひとばかりが受験にくるんですか?」
「まさか。大体は馬鹿だよ。馬鹿じゃなきゃあ変質者だ。法曹になろうなんて人間の95%までは屑だもんなあ。
これ嘘じゃないぜ。あいつらイェーリングだって正確に理解できてないんだ」
「じゃあどうして魔コツさんは法曹になるんですか?」
「色々と理由はあるさ」と魔コツさんは言った。
「憲法が好きだとか、いろいろな。でも1番の理由は人権を守りたいってことだよな。
どうせ守るなら1番強い相手と戦ってみたいのさ。つまりは国家だよ。
この馬鹿でかい日本のなかでどのような人権侵害が行なわれているのか、
そして、その人権を守っていけるのか、そういうのを試してみたいんだよ。わかるか?」
「なんだかゲームみたいに聞こえますね。」
「そうだよ。ゲームみたいなもんさ。俺には権力欲とか金銭欲とかいうものは殆んどない。
本当だよ。俺は下らん身勝手な男かもしれないけど、そういうものはびっくりするくらいないんだ。
いわば無私無欲の人間だよ。ただ好奇心があるだけなんだ。そして広い世界で自分の力を試してみたいんだ」
「そして理想というようなものも持ち合わせていないんでしょうね?」
「もちろんない」と彼は言った。
「司法試験にそんなものは必要ないんだ必要なものは理想ではなくブロックカードだ。」
「でも、そうじゃない受験生もいっぱいいるんじゃないですかね?」と僕は聞いた。
「俺のような受験生は好きじゃないか?」
「よしてくださいよ」と僕は言った。
「好きも嫌いもありませんよだってそうでしょう、僕は東大に入れるわけでもないし、
外国の偉い学者の本を読んでいるわけでもないし、択一試験を2時間で終了できるわけでもない。
他の受験生から崇拝されてるているわけでもなきゃ、いつでも好きな女を抱けるわけでもない。
5年かけてようやく択一に合格できた。僕に何がいえるんですか?」
「じゃあ俺の人生がうらやましいか?」
「うらやましかないですね。」と僕は言った。
「僕はあまりに僕自身に馴れすぎていますからね。
それに正直なところ、人権にも外国の偉い学者にも興味がない。
ただひとつうらやましいのは、山口ゼミで積極的に発言ができることぐらいですね」
彼はしばらく黙って食事をしていた。
「なぁ
>>1.」
と食事が終わってから魔コツさんは僕に言った。
「俺とお前はここを出て十年だか二十年だか経ってからまた法廷で会いそうな気がするんだ。
そして何かの裁判で対決しそうな気がするんだ。」
「まるでディッケンズの小説みたいな話ですね」といって僕は笑った。
「そうだな」と彼も笑った。
「でも俺の予感って良く当たるんだぜ」
食事の後で僕と魔コツさんは二人で近くのファミレスに勉強しに行った。
そこで9時過ぎまでそこで勉強を教わっていた。
「ねえ魔コツさん。ところで貴方の司法試験の心得って一体どんなものなんですか?」
と僕は訊いてみた。
「お前、きっと笑うよ」と彼は言った。
「笑いませんよ」と僕は言った。
「紳士であることだ」
僕は笑いはしなかったけれどあやうく論点を落としそうになった。
「紳士ってあの紳士ですか?」
「そうだよ、あの紳士だよ」と彼は言った。
「紳士であることってどういうことなんですか?
もし定義があるなら教えてもらえませんか?」
「自分が書きたいことを書くのではなく、書くべきことを書くのが紳士だ」
「あなたは僕がこれまで会った人の中でいちばん変わった人ですね」と僕は言った。
「お前は俺がこれまで会った人間のなかでいちばんまともな人間だよ」と彼は言った。
そしてブロックカードを僕にくれた。
机の上には蛍光灯のスタンドと、紅茶のカップと、この答案を書くためのヨウシと六法がのっています。
ほんとうのことをいうと六法はよほどのことがないと引きません。
というのは私は辞書というものがあんまり好きではないから。
辞書を引きながらいつも顔をしかめて「ふんなにさ、そんな条文しらなくったってかまうもんですか」と思っちゃうのです。
そういう人は司法試験とはうまくやっていけませんよね。
たとえば「刑法245条=この章の罪については、電気は、財物とみなす。」なんてね、
そんなの私の知ったことじゃないのです、ぜんぜん。
現行の後に見えるものについては、まだ話したくありません。
予備試験について話すのはもっとあとにしたいの。
べつにもったいをつけるわけじゃないけれど、
ものごとには順番というものがあるものね。
私が
>>140さんに話せるのは、今のところは、私が
>>1だっていうことだけです。
今のところはね。
Yとのセックスの具合はどうだったんですか?と僕は聞いてみた。
「あは。」とさゆりんは何でもなさそうに答えた。
「あんなの普通にやってりゃ気持ちいいのよ。挿入だとかクンニリングスだとかね。
塾でべテの相手するのと変わりゃしない」
「じゃあまあ気持ちよかったわけですね」と僕は言った。「生理はいつなんですか?」
「十一月のはじめ。もし妊娠してなかったら、やらせてあげる」
「ねぇ、阪大生ってどんなですか?さゆりんみたいなひとばかりが受験にくるんですか?」
「まさか。大体はもっさりしてるよ。もっさりじゃなきゃあジジババだ。阪大に入ろうなんて人間の95%まではモッサリだもんなあ。
これ嘘じゃないぜ。あいつらGジャンGパンだってダサいと思ってないんだ」
「じゃあどうしてさゆりんは阪大を受けるんですか?」
「色々と理由はあるさ」とさゆりんは言った。
「スーツ男が好きだとか、いろいろな。でも1番の理由はでも気持ちよかったぁってことだよな。
どうせヤルなら1番強い相手と戦ってみたいのさ。つまりは弁護士だよ。
この馬鹿でかい国のなかでどのようなスーツ男がいるのか、
そして、その男はきもちいいのか、そういうのを試してみたいんだよ。わかるか?」
「なんだかゲームみたいに聞こえますね。」
「そうだよ。ゲームみたいなもんさ。私には権力欲とか金銭欲とかいうものは殆んどない。
本当だよ。私は下らん身勝手な女かもしれないけど、そういうものはびっくりするくらいないんだ。
いわば無私無欲の人間だよ。ただ好奇心があるだけなんだ。そして広い世界で自分の力を試してみたいんだ」
「そして理想というようなものも持ち合わせていないんでしょうね?」
「もちろんない」と彼女は言った。
「セックスにそんなものは必要ないんだ必要なものは理想ではなくでもきもちよかったぁだ。」
「でも、そうじゃない人生もいっぱいいるんじゃないですかね?」と僕は聞いた。
「私のような人生は好きじゃないか?」
「よしてくださいよ」と僕は言った。
「好きも嫌いもありませんよだってそうでしょう、私は阪大に入れるわけでもないし、
ちんぽのサイズを比べられるほど経験しているでもないし、合コンの中心になれるわけでもない。
色々な男を顎で使っているわけでもなきゃ、いつでも彼氏以外に股を開けるわけでもない。
今まで2人の方としか付き合ったことがない。私に何がいえるんですか?」
「じゃあ私の人生がうらやましいか?」
「うらやましかないですね。」と僕は言った。
「私はあまりに私自身に馴れすぎていますからね。
それに正直なところ、スーツにも大きい男性器にも興味がない。
ただひとつうらやましいのは、2ちゃんに唯一二つの専用スレッドを持っている固定ハンドルということぐらいですね」
彼女はしばらく黙って食事をしていた。
「なぁ
>>1.」
と食事が終わってからさゆりんは僕に言った。
「私とお前はここを出て十年だか二十年だか経ってからまたどこかで会いそうな気がするんだ。
そして何かの男を奪い合いしそうな気がするんだ。」
「まるでディッケンズの小説みたいな話ですね」といって僕は笑った。
「そうだな」と彼女も笑った。
「でも私の予感って良く当たるんだぜ」
食事の後で僕とさゆりんは二人で近くのラブホテルに勉強しに行った。
そこで9時過ぎまでそこでフェラチオの仕方を教わっていた。
「ねえさゆりん。ところで貴方の人生の行動規範って一体どんなものなんですか?」
と僕は訊いてみた。
「お前、きっと笑うよ」と彼女は言った。
「笑いませんよ」と僕は言った。
「紳士であることだ」
僕は笑いはしなかったけれどあやうくバイブを噛みそうになった。
「紳士ってあの紳士ですか?」
「そうだよ、あの紳士だよ」と彼女は言った。
「紳士であることってどういうことなんですか?
もし定義があるなら教えてもらえませんか?」
「自分がヤリタイときにヤルのではなく、相手がヤリタイ時にヤラセテあげるのが紳士だ」
「あなたは私がこれまで会った人の中でいちばん変わった人ですね」と僕は言った。
「お前は私がこれまで会った人間のなかでいちばんまともな人間だよ」と彼女は言った。
そして裏筋の攻め方を教えてくれた。
148 :
氏名黙秘:05/01/14 05:09:39 ID:50XTEKjq
牛河は手のひらで膝を何回か叩いてから、3行に渡って斜線を入れた。
「おっとそれをまだ書いておりませんでしたね。うっかりしていました。
わざわざ合憲性判定基準を立てておきながら、あてはめを抜かすとはとんでもないことですね。
余事記載をだらだらと綴って肝心な結論を書き忘れるというのが昔から一貫して私の欠点でしてね、これで毎年失敗をやらかします。
申し遅れましたが、本問立法は合憲である。
ade
やれやれ
春樹的受験生よ、頑張ってくれ。
あらゆるものはとおりすぎる。だれもそれをとらえることはできない。
154 :
氏名黙秘:05/01/30 15:57:06 ID:LQg8aMWX
合格は不合格の対極ではなくその一部として存在している。
155 :
氏名黙秘:05/02/04 12:51:57 ID:c5vxPJWF
良スレあげ
机の上には蛍光灯のスタンドと、紅茶のカップと、干拓民法がのってます。
ほんとうのことをいうと干拓はよほどのことがないと引きません。
というのは私は干拓というものがあんまり好きではないから。
干拓を引きながらいつも顔をしかめて「ふんなにさ、そんなのしらなくったってかまうもんですか」と思っちゃうのです。
そういう人は司法試験とはうまくやっていけませんよね。
たとえば「実際上715T但書は死文化している」なんてね、
そんなの私の知ったことじゃないのです、ぜんぜん。
157 :
氏名黙秘:05/02/14 01:57:36 ID:L42y7tFs
それもそうだ
>>157 おまえ、さっきから下位スレあげてどうする?
IDが全部、同一人物だから、通報するぞ!
ID:L42y7tFs
age
160 :
氏名黙秘:05/02/23 17:46:08 ID:1IcrH2qi
期待アゲ
きたい
オーケー認めよう。僕はヴェテだ。
どうせ背中に☆印があるベテの話だろう?
鼠 そうだ、なぜ知ってるんだい?
やれやれ
164 :
氏名黙秘:2005/03/27(日) 19:44:33 ID:???
共同正犯
共同正犯が飛んで
僕は共同正犯に
共同正犯は
共謀して
だけど共謀したとしても
実行が
共同か
165 :
氏名黙秘:2005/03/27(日) 19:53:43 ID:???
不思議な話だけれど、塾生たちのそんな完璧と言ってもいい仕事ぶりをじっくりと見ているうちに、
僕にもそれが少しずつ合格答案に見えてきた。
すくなくとも合格答案であってもおかしくないという気がしてきた。
どんな出題趣旨でどんな問題を解決して欲しいのか、
そんなことかまわないじゃないかと僕は思った。
あれだけ見事に精密な論証をしているんだから、それはきっと合格答案なのだ。
たとえそうは評価されなくても、彼らにとっては、それが合格答案なのだ。
たしかにこの男のいうとおりだ。
「合格答案でないとするなら、これはなんだい?」
166 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/02(土) 23:04:57 ID:???
123 :氏名黙秘 :04/12/18 17:23:33 ID:???
「ねえ、どうしてベテには童貞・処女が多いか分かる?」
「ふうむ。趣味勉強に忙しいんじゃないかな。ほら、ベテって基本書読んだり細かい論点覚えたり無駄なことに全力を注ぐ生き物だしさ」
「あなたって仮定法については説明できても肝心なことが分かってないのね。」
「世界は広く海は深い」
「ベテたちはそもそももてなかったのよ。司法試験に受かって見返してやろう、私には他にやることがあるのよ、って逃げ場を求めたら大してオツムがよくないもんだから落ち続けて童貞ベテ・処女ベテに転化してしまったのよ。問題はもっと内在的なものなの」
167 :
氏名黙秘:日本国憲法施行59年,2005/04/04(月) 18:12:16 ID:???
やれやれ
168 :
氏名黙秘:2005/04/07(木) 15:15:17 ID:5KQrNGF+
ほしゅ
169 :
氏名黙秘:2005/04/07(木) 17:26:25 ID:???
「ねえ、保守して」
彼女は言った
だから僕はこうしてageと書くのだ
170 :
氏名黙秘:2005/04/12(火) 23:30:11 ID:???
こうじ「やっときましたね。おめでとう!
このゲームを かちぬいたのは
きみたちがはじめてです
ヴェテ「ゲーム?
こうじ「わたしが つくった そうだいな
ストーリーの ゲームです!
若ヴェテ「どういうことだ?
こうじ「わたしは へいわなしけんに
あきあきしていました。
そこでまこつをよみだしたのです
若手「なに かんがえてんだ!
こうじ「まこつは しほうしけんをみだし
おもしろくしてくれました。
だが それもつかのまのこと
かれにもたいくつしてきました。
171 :
氏名黙秘:2005/04/12(火) 23:31:07 ID:???
脱サラロー生「そこで ゲーム‥か?
こうじ「そう!そのとうり!!
わたしは しほうしけんを うちたおす
わかてとうだいせいが ほしかったのです!
ヴェテ「なにもかも あんたが かい
たすじがきだったわけだ
こうじ「なかなか りかいが はやい。
おおくの モノたちが ほうそうに
なれずに きえていきました。
おちるべき うんめいをせおった
ちっぽけなそんざいが ひっしに
いきぬいていく すがたは
わたしさえも かんどうさせるものが
ありました。
わたしは このかんどうを
あたえてくれた きみたちに
おれいがしたい! どんなのぞみ
でもかなえてあげましょう
若ヴェテ「おまえのために ここまで
きたんじゃねえ!
よくも おれたちを みんなを
おもちゃにしてくれたな!
こうじ「それが どうかしましたか?
すべては わたしが つくった
せいどなのです
172 :
氏名黙秘:2005/04/12(火) 23:31:59 ID:???
ヴェテ「おれたちは モノじゃない!
こうじ「しけんいいんに ケンカをうるとは‥‥
どこまでも たのしい ひとたちだ!
こうじ「どうしても うける つもりですね
これも じゅけんせいのサガか‥‥
よろしい しぬまえに ざちょうのけんりょく
とくと めに やきつけておけ!!
173 :
氏名黙秘:2005/04/12(火) 23:35:14 ID:???
若手「おちちまったぜ‥‥
ヴェテ「‥‥
若ヴェテ「これから どうする?
脱サラロー生「この むこうに
ろーすくーるが あるのかな?
ヴェテ「いってみるか?
若ヴェテ「おれは どっちでもいいぜ
若手「そうだな。でも じゅけんかいも
けっこう いいとこに
なったんじゃない?
脱サラロー生「いえてる。わるいやつ
ぜんぶ やっつけたからな!
ヴェテ「いこう!
みんな「どこへだ?
おれたちのじゅかいへ!!
174 :
氏名黙秘:2005/04/13(水) 01:22:14 ID:??? BE:214603687-
スレ違いだが(・∀・)イイ!!
175 :
氏名黙秘:2005/04/14(木) 12:04:01 ID:???
なつかしいなぁ。麹はチェーンソーで切れるのか・・
176 :
氏名黙秘:2005/04/14(木) 18:20:44 ID:???
普通に闘ったら鬼強
177 :
氏名黙秘:2005/04/14(木) 19:45:16 ID:???
僕らは口語化前の六法も持たずにストレートで弾道を読み、
38条2項の読み方が分からなくなってしまうと、前田と大谷
を細長く切って味噌をつけてかじった。あまり美味しくなかった
ので仕方なく弾道をぽりぽり読んでいると古本屋に売った大塚
のことを思いだした。そして大塚を失ったことで僕の生活が
どれほど味気のないものになってしまったかと思って、切ない
気持ちになった。知らないうちに「A説では広きに失し、B説
では狭きに失する」という表現がどんどん自分の肌になじんで
きたのだ。
178 :
氏名黙秘:2005/04/15(金) 17:55:48 ID:???
「どこまで話したかしら?」
「司法浪人の寒々しい生活、というところです」
「でも本当のことを言えば、それほど寒々しいというわけでもなかったのよ」
と彼女は言った。
「ただ今年落ちたときだけはね、少し寒々しかった。先輩のベテさんは、
すぐに慣れるって言ったけど、そうでもなかったわ」
「もう1,500人はありませんよ」
彼女は穏やかに微笑んだ。目の横のしわがほんの少し動いた。「そうね。
あなたの言うとおりね。もう1,500人はないわ。でも、今でも時々試験開始
のベルの音が聞こえるような気がするの。きっと長いあいだに耳に焼きつい
ちゃったのね」
179 :
氏名黙秘:2005/04/15(金) 19:22:15 ID:???
一人の人間が習慣的に司法試験を受けるようになるには様々な理由がある。
理由は様々だが、結果は大抵同じだ。
2001年には僕の共同経営者は楽しい受験生だった。2003年には彼はほんの
少し気むずかしい受験生になり、そして2004年の夏には習慣的受験生に通ずる
ドアの把手に不器用に手をかけていた。多くの習慣的受験生がそうであるように、
勉強していないときの彼は鋭敏とは言えないにしてもまともで感じの良い人間だった。
しかし時が経ち受験回数が増えるにつれて、社会との微妙な誤差が生じ、
微妙な誤差はやがて深い溝となった。彼は見失ったものと再開するために、
より深い受験生活の霧の中を彷徨いはじめた。そして状況は一層悪くなった。
180 :
氏名黙秘:2005/04/16(土) 13:26:42 ID:???
なぜ4月になると このスレに投稿がふえるのか?
春 →女性が薄着になりムラムラする →試験間近なのでいかんともしがたい →鬱
択一答練終盤 →常勝ベテが点数を上げてくる →合格推定が遠のく →鬱
ゴールデンウィークが近い →周囲は遊びに行く話ばかり →予備校の模試がある →鬱
181 :
氏名黙秘:2005/04/18(月) 10:24:02 ID:???
中国行きのスロウ・ボートに
なんとか全農林判決を
乗せたいな
最初の中国人反日デモに出会ったのはいつのことだったろう?
なぜ、中国の警察は投石者を逮捕しないのだろう?この文章は、
そのような、いわば単純な疑問から出発する。
182 :
氏名黙秘:2005/04/18(月) 10:46:06 ID:???
スロウ・ボートで送るのなら東京都公安条例判決のほうがいいかも・・・
183 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 00:22:06 ID:???
@
いい?
確かに委員会の試験委員と踊るのは不本意だけど、
私は自分からは絶対逃げない。
逃げたら負けよ。
私は負けるのが何よりも大嫌いなの
A
「……法曹会に行くための道は、幾通りもあると思うんです。
だから、もしかしたら一つ選んだ肢が違っただけでまったく別の人生になるかもしれないって。
ローもいいな、なんてふと考えたりして」
「何通りあっても、結局一通りしか歩めないよ」
B
「あなたは、ただ側にいてくれればいいの。
私には、側で私を見ていてくれるチューターが必要なの。
あなたは側にいて、私がたまに心細くなった時に私の手を握って頂戴」
184 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 12:28:31 ID:???
「ふん」と黒猫は言った。「よくわからないな。猫には基本書なんて必要
ない。過去問とか答練とか、ただあるものを受け入れればいいだけだ。
それでとくに不自由ないね」
「はい、それはナカタにもよくわかっております。しかしオオツカさん、
ベテはそうではありません。いろんなことを覚えておくためには、基本書
とか手製ノートがどうしても必要になって参ります」
猫は鼻息を立てた。「不便なもんだね」
185 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 15:36:38 ID:???
「それで、謝罪のことはなんとかなったんだね?」とガラス割りと呼ばれる
中国人は言う。いくぶんのっそりとした、いつものしゃべりかただ。「いま
重要な問題は日本政府が歴史認識で中国人民の感情を傷つけていることだ」
と町村を非難するばかりで、割れたガラスに関しては口を閉ざしたままで
ある。いつもと同じように。
「しかしこれから先、君はずいぶんタフにならないとやっていけないぜ。
俺たちはペットボトルも投げるし、空き缶も投げる」
「努力はしている。しかしポリ・プラは水曜日、資源ゴミは木曜日という
ことは忘れないでほしい」と町村は言う。
「たしかに」とガラス割りと呼ばれる中国人は言う。
186 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 16:42:22 ID:???
「あんたも知っているかとは思うけれど、司法ベテというのはね、習慣性の
強い動物なんだ。だいたいにおいて規則正しく暮らしているし、よほどのこ
とがないかぎり、大きな変化を好まない。よほどのことというのは、性欲か、
あるいは合格か、たいていそのどちらかだね」
187 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 16:48:35 ID:???
質問者ロバート・オコンネル少尉による所感
〈町村。最小独立行政区画のようなつまらない苗字だ。知的で責任感も強い
ようだが、農村社会二千年の歴史は、いかなる緊迫した局面においても、
彼ににやけた微笑を忘れさせなかった。ただし事件から少なからざるショック
を受け、その余波は現在もなお続いているように見受けられる。2ちゃんに
『町村市ね』と書かれたと聞き及ぶ〉
188 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 19:15:56 ID:???
「はい、いいえ、つまり、そのへんのことは、ナカタにはよくわかりません。
しかしナカタは小さいころからみんなにずっと頭が悪い、頭が悪いと言われ
つづけてまいりましたので、じっさいに頭が悪いとしか思えないのです。
択一刑法では13点以上とったことがございませんし、カタカナ文語体で
書かれた商法は読むことすらできません。したがって、合格は来年以降と
いうことになります」
189 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 21:22:45 ID:???
夜は奇妙に暖かく、空は雲ひとつなかった。星空の中をボーイング747が
ライトを点滅させながら通り抜ける。
あの機内にはまちがいなく何人かのスッチーが搭乗しているはずだ。僕は
ズボンのジッパーを下ろし、中のものを取り出すと、ボーイング747の機体
を見上げながら・・・
190 :
氏名黙秘:2005/04/19(火) 21:48:07 ID:???
親愛なるヴェテラン受験生へ。
試験終了おめでとう。君がこれを読むときは、
おそらく俺はもうそばにいないだろう。
だから、プレゼントの代わりに聞いて欲しい。
ヴェテラン受験生、いいか、決して若手を恨むな。
俺、思うんだ。愛する気持ちも、憎む気持ちも、
最初は人を救う法曹を目指す気持ちから生まれたんだって。
悲しいことに、論文答案は時として試験委員の心に届かず、
合格通知が不合格通知に姿を変えることもあるだろう。
そんなときは、初学者のころを思い出して欲しい。
落ちても落ちても、判例・通説しか論証できなかったあのころを。
どうか、生き続けてくれ、ヴェテラン受験生。
傷つくことを怖れず、真っ直ぐに人を愛して。
お前に出会えて、本当に幸せだった。
伊藤 真、永遠に受験生の心とともに。
191 :
氏名黙秘:2005/04/20(水) 17:49:33 ID:???
「今日はネタ本うちに忘れてきたのかい?」と相棒は言った。
「そうらしい」
192 :
氏名黙秘:2005/04/21(木) 13:06:17 ID:???
「良い質問だ」と大島さんは言う。そして間を置く。音楽がその沈黙を満たす。
「僕にも詳しい説明はできない。でもひとつだけ言えることがある。それは
ある種の不完全さを持った現行試験は、不完全であるが故に人間の心を
強く引きつける――少なくともある種の人間の心を強く引きつける、ということだ」
193 :
氏名黙秘:2005/04/22(金) 12:35:06 ID:???
4月29日は、みどりの日
194 :
氏名黙秘:2005/04/24(日) 19:12:08 ID:???
195 :
氏名黙秘:2005/04/27(水) 20:54:16 ID:???
このスレはおとせない
196 :
氏名黙秘:2005/05/01(日) 17:37:29 ID:???
「その前にナカタはウンコをしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「とくに急ぐこともねえから、好きなだけ時間をかけてやってきな」
注:原典に手を加えていない。
197 :
氏名黙秘:2005/05/01(日) 19:15:49 ID:???
「僕が恋をしているか、ということ?」
僕はうなずく。
「つまり君は、社会適応障害者にして労働能力喪失者としての僕の受験生活を
彩る反社会的なロマンスについて、あえて立ちいった質問をしているんだね?」
198 :
氏名黙秘:2005/05/02(月) 18:48:19 ID:???
北方先生の相談集を改変コピぺしようと思って読んで見たら涙出てきたよ
「ソープ行け」
ばっかり言ってる人だと今まで思ってました、スイマセン
この本買いに行きます
199 :
氏名黙秘:2005/05/02(月) 19:58:13 ID:???
Q; 自分は一度も択一試験に合格したことがありません。30点以上とったこともありません。
でも、ぜったいロースクールには行きたくありません。これでよいのでしょうか?
A; まずはあそこがちゃんと貫通していて、何本もあそこに入れたという女とやってみるんだね。
金を払ってやれる場所に行ってもいい。そういう荒療治をした後、もう一度過去問を分析して
みろ。いくらでもどんな穴の中にも入れられてしまうという選択肢がひとつわかるにちがいない。
するとそれによって、穴埋め問題への対し方が変わってくる。 きっと今年は合格できるよ。
まずは「ソープへ行け!」
200 :
氏名黙秘:2005/05/03(火) 14:14:20 ID:???
疑問。
どうして試験委員は僕を愛してくれなかったのだろう。
僕には試験委員に愛されるだけの資格がなかったのだろうか?
その問いかけは長い年月にわたって、僕の心をはげしく焼き、僕の魂と財布を
むしばみつづけてきた。
201 :
氏名黙秘:2005/05/03(火) 19:37:17 ID:???
「ゲイだろうが、レズビアンだろうが、ストレートだろうが、フェミニストだろうが、
ファシストの豚だろうが、コミュニストだろうが、ハレ・クリシュナだろうが、そん
なことはべつにどうだっていい。どんな旗を掲げていようが、僕はまったくかまい
はしない。僕が我慢できないのはそういう連中が合格できたのに僕が不合格
だっていうことなんだ」
202 :
氏名黙秘:2005/05/03(火) 20:24:55 ID:???
正直、ファシストだけは困るなw
コミュも嫌だが結構多い
203 :
氏名黙秘:2005/05/04(水) 12:38:20 ID:???
翌日実際に中野区のその一角にベテが空から降り注いだとき、
その若い警官は真っ青になった。何の前触れもなく、おおよそ
2000匹に及ぶ数のベテが、雲のあいだからどっと落ちてきた
のだ。多くのベテは去年の民法にぶつかって潰れてしまったが、
中にはまだ生きているものもいて、商店街の路面をぴちぴちと
はねまわっていた。
204 :
氏名黙秘:2005/05/04(水) 13:15:07 ID:???
205 :
氏名黙秘:2005/05/04(水) 16:05:40 ID:???
それは私たちが手軽にセックスできる女の子でした。胸はお椀を伏せた
ような丸い形をしておりまして、私たちはそれを「お椀山」と呼んでいま
した。それほど固いことを言わない女の子でしたから、誰でも簡単に寝る
ことができました。私たちは彼女を公園に呼び出すと、途中の森でキノコ
を出し、それから彼女とやりました。私たちは教室で勉強をするより、
そうゆう「野外実習」の方を喜んでいました。
206 :
氏名黙秘:2005/05/04(水) 19:30:09 ID:???
ハ| |‖(,,=゚ω゚) |‖||
c=======∪==∪=====o
|‖| . . .. ... .... ..........:::::::::;;;;;;;;;|‖
丶-----------------′
★─ ∧_∧ ─☆ ガッ
⊂二⌒ ⊃`Д´)⊃
>>205
207 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 14:12:10 ID:???
「ねえ、さくらさん、僕はとても怖いんだ」と僕は正直に心を打ち明ける。「どうし
ていいかわからないくらい怖い。記憶を奪いとられているその3時間30分の
うちに、僕は60問全部5にマークしたかもしれない。自分がなにをしたかまったく
覚えていない。でもとにかく択一に受かっている。もし僕が実際に合格点に
達していたとしたら、僕には意思能力がなかったのだから、僕の解答は無効
にならなくてはならないはずだ。そうだよね?」
208 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 15:00:01 ID:???
「はあ」とナカタさんは言った。
209 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 15:58:50 ID:???
「一度こんなふうに離れてみるのも大事なことかもしれない」と彼は手紙に書いた。
「一度司法試験を離れれば、僕らがほんとうにどれくらいお互いを大事に思って、
お互いを必要としているか、それをたしかめることができるわけだから」
でも法曹界のほうはそうは思わなかった。
210 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 17:02:23 ID:???
_、_
⊂( <_,` ) 我道をゆく
ヽ ⊂ )
(⌒) |どどどどど・・・・・
三 `J
211 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 17:07:49 ID:???
「ねえ、ひとつだけ立ち入ったことを訊きたいんだけど、かまわないかな?」
かまわないと僕は言う。
「君は今年で10回めなんだよね、司法試験を受けるの」
そうだ、と僕は言う。両親はどうしてかはわからないが養子をとった。
その1ヶ月後、僕は10回めの択一試験を受けた。
212 :
氏名黙秘:2005/05/05(木) 17:19:17 ID:???
養子はロー生か、トホホ _| ̄|○
213 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 11:21:42 ID:???
「試験が始まるまで、君のとなりの席に座っていていいかな?ひとりでいると
どうにも落ちつかないんだ。禿げたベテがとなりに座ってきそうな気がして、
うまく成績通知票に宛先を書くことができなかった。去年までは3人がけの
机に2人だって聞いていたんだけど、試験場にきてみたらじっさいには3人
がけなんだよね。試験が始まるまでベテの頭髪の臭いを嗅ぎたくないの。君は
変なひとには見えないみたいだし。どう、かまわない?」
「かまわないけど、僕のちんこの上に乗せた手をなんとかしてくれないかな?」
と僕は言う。僕のちんこはすでに挿入可能な程度の真実性を有するまでに固く
なっていた。
214 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 13:34:20 ID:???
二人とも大きな家に住んで、ウナギを食べております。
215 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 13:44:25 ID:???
意識が戻ったとき、僕の手は多香子の深い茂みの中にいる。湿った窪みの
上にきれいに生え揃った茂み。あたりは深い闇に包まれていて、なにも見えない。
やんわりとした多香子の乳房に頭をもたせかけたまま、多香子の耳元に息を
吹きかけてみる。
「auf・・・」
シャンプーの匂いがする。
茂みのあいだから赤黒い肉襞が垣間見える。僕は指を伸ばした。おろした
山芋のような感触の中に、僕の指が吸い込まれてゆく。
216 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 14:23:31 ID:???
トリャ!!
── =≡∧,,o-o =
── =≡(,, ・w・) ≡ ドガッ ∧_∧
─ =≡○_ ⊂)_=_ \ 从/-=≡ r( ) >215
── =≡ > __ ノ ))< > -= 〉# つ
─ =≡ ( / ≡ /VV\-=≡⊂ 、 ノ
── .=≡( ノ =≡ -= し'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|
|
| 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
| 東京湾
217 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 15:06:06 ID:???
「しかし、あんたはベテでもないのに、いささか変わった答案の書き方をするね」
とオオツカさんは言った。
「はい、みなさんにそう言われます。しかしナカタは論証の最初に『そもそも』をつける
書き方しかできないのです。頭が悪いからです」
218 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 15:53:27 ID:???
「あんたの問題点はだね、オレは思うんだけど、あんた・・・・・・ちょっとインクが
薄いんじゃないかな」
219 :
氏名黙秘:2005/05/06(金) 17:50:51 ID:???
「あなたの主張していることは結局のところ内容空疎な責任回避、言い逃れに
過ぎません。受験という便宜的タームを持ちだすことによって、安易な自己正当化
をおこなっているだけです。言わせていただければ、あなたはまさにニートの
パセティックな歴史的例です」
「パセティックな歴史的例」と大島さんは感心したような口調で繰りかえす。声の
響きからすると彼はその表現がけっこう気に入ったようだった。
220 :
氏名黙秘:2005/05/07(土) 17:06:52 ID:???
村上春樹?(´・ω・`)知らんがな
221 :
氏名黙秘:2005/05/07(土) 17:15:22 ID:???
巨大な採点者の雷雲は緩慢な速度で僕の受験生活を横断し、まるで失われた
時間を隅々まで糺すかのように、落とせるだけの答案を矢継ぎ早に落とした
が、やがて霞ヶ関から届くかすかな怒りの残響へと衰退していった。それと
同時に激しい合格への渇望も唐突になくなった。あとには奇妙な静けさが
訪れた。星野青年は床から立ち上がって窓を開け、外の空気を入れた。司法
試験はもうどこにもなく、空はもとの薄膜のような淡い色合いの雲に覆われて
いた。
222 :
氏名黙秘:2005/05/07(土) 18:23:45 ID:???
「まあいいんだ。合格できなくてもさ。時間はあるから、お互い気長にやろうぜ」
223 :
氏名黙秘:2005/05/07(土) 19:12:14 ID:???
「誰だってそうだよ」と背の高いほうが言う。「まあ、ほとんど誰だって、
ということだけどね。でも不合格になりたくないと言ったところで、『そう
か、君は不合格になりたくないのか。わかった合格してよろしい』なんて
お国が親切に言ってくれるわけない。だから僕らはここにとどまった。
224 :
氏名黙秘:2005/05/08(日) 16:44:22 ID:???
「あきらめたのか。賢明な結論だ。『下手の長考、休むに似たり』という言葉がある」
225 :
氏名黙秘:2005/05/08(日) 19:01:07 ID:???
「でもさ、ナカタさん。そんなこと言い出したら、俺たちはみんな多かれ少なかれ
からっぽなんじゃないのかい。過去問解いて、答練行って、再現答案出して41
点でしたと言われて、メシ食って、クソして、ときどきオマンコするだけじゃないか。
それ以外に何があるんだい。でもまあ、そんなこと言いながらも、こうやって合格
してるんじゃないかという期待をもって生きている。なんでかは知らないけどさ・・・。
うちのじいちゃんがよく言ってたよ。世の中ってのは自分の思い通りにならねえ
から面白いんだって。それも一理あるよな。もし受験生が全員合格するんだったら、
誰が司法試験なんて受ける?」
226 :
氏名黙秘:2005/05/10(火) 18:28:35 ID:???
「もしナカタが司法試験を受験していなかったら、ナカタはもっとぜんぜんべつの人生
を送っていただろうと思います。ナカタの二人の弟と同じように、たぶん会社につとめて、
結婚して子どもをつくって、大きな車に乗って、休みの日にはゴルフをしていたのでは
ないでしょうか。しかしナカタは普通のナカタではなかったので、今のようなナカタとして
生きてまいりました。やりなおすにはもう遅すぎます」
227 :
氏名黙秘:2005/05/10(火) 20:01:23 ID:???
・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン 。
228 :
氏名黙秘:2005/05/11(水) 19:40:04 ID:???
「ほう」とナカタさんは言った。
229 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 16:29:43 ID:???
君は途方にくれている。ベテに合格する意欲があるのかというのも、よく理解
できない問題のひとつだ。理論的に考えれば、ベテにももちろん合格する意欲
はあるはずだ。それくらいは君にだってわかる。
でもベテがいつどんなふうにして合格するものなのか、実際にベテが合格する
ということにどんな意義があるのかということになると、君にはまったく見当が
つかない。
230 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 16:43:37 ID:???
結局のところ君は、狭い世界でかぎられた経験しかしたことのないひとりの司法ベテ
にすぎない。君は合格しようとずいぶん努力してきた。そして実際にある部分では強く
なった。それは認めよう。
でもこの新しい世界の新しい局面の中で、君はやはり途方にくれてしまうことになる。
それらのものごとは君がはじめて経験することだからだ。
231 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 16:45:10 ID:???
考えれば考えるほど、君は自分が司法試験受験生であることにうんざりしてくる。
絶望的な気持ちにさえなる。もし君が今会社員であれば、いやフリーターだって
いい、とにかく司法試験受験生でさえなければ、君には君の周りの人間や、その
言葉や行為の意味をもっと正しく理解することができたはずだ。
232 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 17:16:46 ID:???
「田村くん、私はこれまでずいぶん人生をすり減らしてきたのよ。自分自身をすり減らして
きた。司法試験をやめるべきときにやめなかった。無意味であることがわかっていながら、
なぜかそれをやめることができなかった。その結果、ただそこにある時間をやりすごすために、
勉強をつづけてきた。そのようにして自分を傷つけ、自分を傷つけることで他人を傷つけて
きた。だから私は今年の合格発表でその報いを受けるの。呪いと言ってもいいかもしれない」
233 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 19:07:30 ID:???
択一後は、急に落ち込むような作品が増えましたね。
234 :
氏名黙秘:2005/05/14(土) 20:34:30 ID:???
ナカタさんは相変らず「はあ」と言う。
指けがした。
236 :
氏名黙秘:2005/05/24(火) 16:40:06 ID:???
hoshu
237 :
氏名黙秘:2005/06/03(金) 17:52:10 ID:D9WY1aSk
だれかたのむ!
238 :
氏名黙秘:2005/06/03(金) 18:37:29 ID:???
司法試験は最悪だとみんなは言うけれど、
ロースクールだって負けずにひどい
239 :
氏名黙秘:2005/06/08(水) 00:45:31 ID:???
不合格という真実から逃げてもいい。
それでも構わない。
それでも勉強することは出来るから。
だって、思ってくれる人たちがいるもの。
真骨の中に、私がいる。
私を見続けてくれる。
だから、私は落ちてもいいの。
240 :
氏名黙秘:2005/06/17(金) 01:31:04 ID:???
midoriさん、受かったのかなあ。
たまには、君から手紙が欲しい。
241 :
氏名黙秘:2005/06/22(水) 22:41:46 ID:???
ジミーと呼ばれる中年
「それで、お金のことはなんとかなったんだね?」とマコツと呼ばれる中年は言う。
いくぶんのっそりとした、いつものしゃべりかただ。
深い眠りから目覚めたばかりで、口の筋肉が重くてまだうまく動かないときのような。
でもそれはそぶりみたいなもので、じっさいには隅から隅まで目覚めている。
いつもと同じように。
僕はうなずく。
「どれくらい?」
もう一度頭の中で数字を確認してから、僕は答える。
「現金が40万ほど。そのほかにカードで出せる銀行預金も少し。もちろんじゅうぶんとは言えないけど、とりあえずはなんとかなるんじゃないかな」
「まあ悪くない」とマコツと呼ばれる中年は言う。
「とりあえずはね」
僕はうなずく。
「でもそれは去年のクリスマスにサンタクロースがくれたお金じゃなさそうだね」と彼は言う。
「ちがう」と僕は言う。
マコツと呼ばれる中年は皮肉っぽく、唇を軽く曲げてあたりを見まわす。
「出どころはこのあたりのどこかの会社の退職金──というところかな?」
242 :
氏名黙秘:2005/06/22(水) 22:47:06 ID:???
僕は返事をしない。
もちろん彼は最初からそれがどういう金なのかを知っている。
まわりくどい質問をするまでもなく。
そういう言いかたをして僕をからかっているだけだ。
「まあいいさ」とマコツと呼ばれる中年は言う。
「君はそのお金を必要としている。切実にね。
そして君はそれを手に入れる。借りる、黙って拝借する、盗む……なんでもいい。
どのみち君のお金だ。それだけあればとりあえずはなんとかなるだろう。
でも、その40万円だかなんだかを使い切ってしまったときはどうするつもりなんだい?
だって財布に入れたお金が、森のきのこみたいに自然に増えていくわけはないんだからさ。
君には予備校代も必要だし、参考書も必要だ。お金はいつかなくなる」
「そのときはそのときで考える」と僕は言う。
「そのときはそのときで考える」と中年は手のひらにのせて重みをはかるみたいに、僕の言葉をそのまま繰りかえす。
僕はうなずく。
「たとえば司法試験に受かるとか?」
「たぶんね」と僕は言う。
マコツと呼ばれる中年は首を振る。
「ねえ、君はもっと世間ってものを知らなくちゃいけないよ。
だってさ、35歳の大人が遠くの知らない土地で、
いったいどんな学生生活をエンジョイできると思うんだい?
だいたい君はまだ慰謝料だって払い終えていないんだぜ。
どこのローがそんな人間を受け入れてくれる?」
僕は少し赤くなる。僕はすぐに赤くなる。
「まあいいや」とマコツと呼ばれる中年は言う。
「まだなんにも始まってもいないうちから、暗いことばかり並べたててもしょうがないものな。
君はもう心をきめたんだ。あとはそれを実行に移すだけのことだ。
なにはともあれ君の人生なんだ。基本的には、君が思うようにするしかない」
そう、なにはともあれこれは僕の人生なのだ。
243 :
氏名黙秘:2005/06/22(水) 22:57:18 ID:???
「しかしこれから先、君はずいぶんタフにならないとやっていけないぜ」
「努力はしている」と僕は言う。
「たしかに」とマコツと呼ばれる中年は言う。
「この何年かで君はずいぶん強くなった。そのことを認めてないってわけじゃないんだよ」
僕はうなずく。
マコツと呼ばれる中年は言う。
「しかしなんといっても君はもう35歳なんだ。
君の人生は、ごく控えめに言って、もう中間地点だ。
君がこれまで感じたこともないような重圧が、世界にはいっぱいあるわけさ。
今の君には想像もできないようなものがね」
僕らはいつものように工事の書斎の古い革のソファの上に、並んで座っている。
マコツと呼ばれる中年はその場所が気に入っている。
そこにある権威に満ちたものが彼は大好きなのだ。
今は京大の校章の刻印のある金の時計を手の中でもてあそんでいる。
もちろん工事が大学にいるときには近寄りもしないけど。
244 :
氏名黙秘:2005/06/22(水) 22:57:33 ID:???
僕は言う。
「でもなにがあっても、僕はローへ行かなくちゃならないんだ。それは動かしようのないことだよ」
「そうかもしれない」とマコツと呼ばれる中年は同意する。
金時計をテーブルの上に置き、頭の後ろで手を組む。
「しかしそれですべてが解決するわけじゃない。
またまた君の決意に水を差すようだけど、どれほど勉強したところで、君がうまく司法試験に通るかどうか、それはわかったものじゃないぜ。
勉強量みたいなものにはあまり期待しないほうがいいような気がするね」
僕はあらためて勉強について考える。
マコツと呼ばれる中年はひとつため息をつき、それから指の腹で両方の瞼の上を押さえる。
そして目を閉じ、その暗闇の奥から僕に語りかける。
「いつものブロック暗唱をやろう」と彼は言う。
「いいよ」と僕は言う。僕も同じように目を閉じ、静かに大きく息をする。
「いいかい、ひどいひどい砂嵐を想像するんだ」と彼は言う。
「ほかのことはぜんぶすっかり忘れて」
言われたとおり、ひどいひどい砂嵐を想像する。
ほかのことはぜんぶすっかり忘れてしまう。
自分が自分であることさえ忘れてしまう。僕は空白になる。
ものごとはすぐに浮かんでくる。
いつものように僕と中年は、工事の書斎の古い革の長椅子の上でそのものごとを共有する。
「ある場合には出題傾向というのは、絶えまなく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている」とマコツと呼ばれる中年は僕に語りかける。
245 :
氏名黙秘:2005/06/23(木) 00:49:10 ID:???
おもろい
246 :
氏名黙秘:2005/06/29(水) 16:24:59 ID:???
ふーん
247 :
氏名黙秘:2005/07/22(金) 01:08:55 ID:???
尊敬してます。
248 :
氏名黙秘:2005/08/09(火) 01:50:44 ID:???
魔骨が好きなの。
魔骨の瞳が好き。
春の銀河のように煌めく地肌が好き。春の陽射しのような優しい眼差しが好き。
貴方のヅラが好き。
そよ風に閃くシルクのようなサラサラのヅラが好き。
貴方のブロックカードが好き。
蜜のような論証をくれる 切ない通説を聴かせてくれる ブロックカードが好き。
貴方の声が好き。
低くて甘い 心に染み込む くぐもった声が好き。
貴方の予備校が好き。
制度改革の余波で潰れてしまいそうな華奢なバックボーンが 手際が悪くて でも見目はよい受付嬢が
座った椅子から伝わってくる温もりが好き。
でも 一番好きなのは貴方のお金。
ロースクールに潰されそうな でも どこまでも純粋で楽しい
表では決して司法浪人を責めたりしない 全てを許す 優しさに満ちた魂が。
好きよ。
大好き。
貴方の全てが愛おしくて堪らないの 魔骨
予備校以外のものなんかもう何もいらない。
ただ弁護士資格だけが欲しいの。
貴方とと私 二人だけの司法試験が。
なのに世界には余計な制度ばかり。
私達の間に図々しく割って入ってくる。
邪魔者ばかりだから だから消すの 全部ね。
249 :
氏名黙秘:2005/08/10(水) 09:14:03 ID:???
夏はカレー
カレーが大好き
だって、
マ コ ツ の う ん こ に 似 て る ん だ も ん
250 :
氏名黙秘:2005/08/10(水) 20:11:57 ID:???
以前にマクドナルドでバイトの女の子に対して通常とは逆の順番で注文したら
どうなるか試したという書き込みがあった。
つまり、「店内で、バニラシェークのMサイズと、マスタードソースのナゲットと
ポテトのSサイズとチーズバーガー下さい」という風に。
レジの女の子はすっかり頭が混乱してしまって、何度も注文を聞き返し、おまけに
最後に「店内でお召し上がりですか」と聞いたそうだ。
面白い。そこで、サブウェイでも同じことをしたらどうなるか、試してみた。
「店内で、ペプシコーラのMサイズと、あと、レギュラー調味料を入れて、野菜を
全部とピクルス多めにして、Mサイズのハニーウィートにはさんだサブウェイ
クラブをお願いします。」
バイトの女の子は顔を挙げて言った。「あいかわらずの性格ね。」
別れた彼女だった。
「僕らの時間も逆にたどれないかな?」
突然泣き出す彼女。
「おい、いきなり泣くなよ。こんなとろで」
「ごめんなさい。でも逆にたどるなら、始まりは涙でしょ?」
251 :
氏名黙秘:2005/08/16(火) 00:30:03 ID:???
財力を持ちすぎるものは全てを壊す。
真骨もその一人だ。
予備校はなぜ現れる?なぜジャマをする。
予備校、真骨、そして、ヴェテランズ・ネスト。
すべては私が作り上げたもの。
荒廃した法曹界を、司法試験を再生する。
それが私の使命。
権力を持ちすぎたもの。制度を破壊するもの。
法曹界には、不要だ。
私は守るために生み出された。
私の使命を守り、この法曹界を守る。
制度改革プログラム、最終段階。
ロースクールシステム、チェック終了。
ヴェテ確認。排除開始。
252 :
氏名黙秘:2005/08/19(金) 19:30:08 ID:???
253 :
氏名黙秘:2005/08/19(金) 19:46:01 ID:???
>>250 同じく名文とオモタ
それも何かの引用?
春樹ではないよね?
254 :
氏名黙秘:2005/08/19(金) 22:07:10 ID:???
>>250 何処かのネタスレ発祥のコピペ?
さらに改変されて、ヴェルタースオリジナルの落ちになるの見たことある
オチタンダヨ。キミハタクイツニ。
思考がまたこだまする。僕には彼の言葉の意味がよくわからなかった。
「ここは死の世界なのかい?」
「違う」と羊男は言った。そして肩を大きく揺らせて息をした。「そうじゃない。ここは死の世界なんかじゃない。あんたも、おいらも、ちゃんと生きている。我々は二人とも、おなじくらいはっきりと生きている。二人でこうして息をして、話をしている。これは現実なんだ。」
「僕には理解できない。」
「落ちたんだよ」と彼は言った。
256 :
氏名黙秘:2005/09/06(火) 21:43:17 ID:???
257 :
氏名黙秘:2005/09/17(土) 07:51:29 ID:???
辰巳の講師業はどうだったんですか?と僕は聞いてみた。
「普通だよ。」と※さんは何でもなさそうに答えた。
「あんなの普通にやってりゃ大丈夫だよ。適正だとか小論だとかね。
大学受験予備校で高校生の相手するのと変わりゃしない」
「じゃあまあ簡単だったわけですね」と僕は言った。「煽るのはいつなんですか?」
「7月のはじめ。もし祭りになったら、美味いもの食わせてやるよ」
「ねぇ、Blogってどんなですか?※さんみたいなひとばかりが荒らしにくるんですか?」
「まさか。大体は馬鹿だよ。馬鹿じゃなきゃあ変質者だ。辰巳にいるベテなんて95%までは屑だもんなあ。
これ嘘じゃないぜ。あいつら新聞の社説だって正確に理解できてないんだ」
「じゃあどうして※さんは法曹になるんですか?」
「色々と理由はあるさ」と※さんは言った。
「憲法が好きだとか、いろいろな。でも1番の理由は新しいチャンピョンベルトが欲しいってことだよな。
どうせ獲るなら1番難しい資格を獲っててみたいのさ。つまりは司法試験だよ。
この馬鹿でかい日本のなかでどれだけの力を持てるのか、
そして、その力をどう使うのか、そういうのを試してみたいんだよ。わかるか?」
258 :
氏名黙秘:2005/09/17(土) 07:55:32 ID:???
「なんだかゲームみたいに聞こえますね。」
「そうだよ。ゲームみたいなもんさ。俺には権力欲とか金銭欲とかいうものは殆んどない。
本当だよ。俺は下らん身勝手な男かもしれないけど、そういうものはびっくりするくらいないんだ。
いわば無私無欲の人間だよ。ただ好奇心があるだけなんだ。そして広い世界で自分の力を試してみたいんだ」
「そしてベテラン受験生に対する敬意というようなものも持ち合わせていないんでしょうね?」
「もちろんない」と彼は言った。
「司法試験にそんなものは必要ないんだ必要なものは受験回数ではなくチャンピョンベルトだ。」
「でも、そうじゃないロー生もいっぱいいるんじゃないですかね?」と僕は聞いた。
「俺のようなロー生は好きじゃないか?」
「よしてくださいよ」と僕は言った。
「好きも嫌いもありませんよだってそうでしょう、僕は大宮に入れるわけでもないし、
外国の偉い学者の本を読んでいるし、適正試験を試験時間の半分で終了できた。
他のロー生から崇拝されてるているし、いつでも好きな女を抱ける。
3ヶ月かけてようやく東大ローに合格できた。僕に何がいえるんですか?」
259 :
氏名黙秘:2005/09/17(土) 07:57:16 ID:???
「じゃあ俺の人生がうらやましいか?」
「うらやましかないですね。」と僕は言った。
「僕はあまりに僕自身に馴れすぎていますからね。
それに正直なところ、大宮にも辰巳の講師業にも興味がない。
ただひとつうらやましいのは、直ちに刑事告発をなしてその将来を断ち切ることができることぐらいですね」
260 :
氏名黙秘:2005/09/17(土) 08:01:28 ID:???
彼はしばらく黙って食事をしていた。
「なぁ
>>1.」
と食事が終わってから※さんは僕に言った。
「俺とお前はここを出て十年だか二十年だか経ってからまた法廷で会いそうな気がするんだ。
そして何かの裁判で対決しそうな気がするんだ。」
「無理ですよ。新試験の合格率を知らないんですか?」といって僕は笑った。
「ふざけるな」と彼は切れた。
「直ちに刑事告発をなしてその将来を断ち切るぞ」
食事の後で僕と※さんは二人で近くのファミレスに勉強しに行った。
そこで9時過ぎまでそこで勉強を教わっていた。
「ねえ※さん。ところで貴方のBlogの心得って一体どんなものなんですか?」
と僕は訊いてみた。
「お前、きっと笑うよ」と彼は言った。
「笑いませんよ」と僕は言った。
「紳士であることだ」
僕は笑いはしなかったけれどあやうく論点を落としそうになった。
「紳士ってあの紳士ですか?」
「そうだよ、あの紳士だよ」と彼は言った。
「紳士であることってどういうことなんですか?
もし定義があるなら教えてもらえませんか?」
「ベテが書いて欲しいことを書くのではなく、書いて欲しくないことを書くのが紳士だ」
「あなたは僕がこれまで会った人の中でいちばん変わった人ですね」と僕は言った。
「お前は俺がこれまで会った人間のなかでいちばんまともな人間だよ」と彼は言った。
そして司法板史上最高クラスの祭りを僕にくれた。
261 :
氏名黙秘:2005/09/18(日) 01:11:22 ID:???
omsiroi
262 :
氏名黙秘:2005/09/19(月) 18:39:10 ID:???
新刊発売あげ
263 :
氏名黙秘:2005/10/03(月) 18:49:44 ID:???
東京奇譚集 どうだった?
264 :
氏名黙秘:2005/10/05(水) 12:14:35 ID:???
266 :
氏名黙秘:2005/10/08(土) 14:11:32 ID:???
やれやれ。
やれやれ。
やれやれ。
267 :
『現行試験をめぐる冒険』より:2005/10/08(土) 16:46:59 ID:oV60gTej
「論文A評価が欲しかった?」
「いや」と僕は言った。「A評価なんて欲しくないよ」
「私はずいぶん迷ったのよ。でも、こうなるんなら、それでよかったのね。それともA評価だったら
こうならなかったと思う?」
「論文A評価でも現行をあきらめる人はたくさんいるよ」
「そうね」と彼女は言って僕のDNC適性試験成績表をしばらくいじっていた。
「現行試験のことは今でも好きよ。でも、きっとそういう問題でもないのね。
それは自分でもよく分かっているのよ」
268 :
氏名黙秘:2005/10/09(日) 11:56:17 ID:???
ピロシは椅子に腰を下ろすと、何も言わずに僕を眺めた。
詳しく観察する視線でもなければ、なめまわすような視線でもなく、体を貫くような鋭い視線でもなかった。
冷たくもなければ暖かくもなく、その中間ですらなかった。
その視線には僕が知っているどのような種類の感情も込められてはいなかった。
ピロシはただ僕を眺めているだけだった。
僕のあとの壁を眺めているもしれなかったが、その壁の前には僕がいたから、結局のところピロシは僕を眺めていた。
269 :
氏名黙秘:2005/10/09(日) 18:42:48 ID:???
はげましてよ!!
270 :
sage:2005/10/18(火) 04:44:17 ID:w9A+84bf
僕が話した相手の中にはイd生まれと巽生まれが一人ずついた。
彼らの話はとても印象的だった。
まずはイdの話。
「あそこは、・・・・ひどく寒い。」と彼は呻くように言った。
「考えるだけで、き、気がおかしくなる。」
271 :
氏名黙秘:2005/10/18(火) 10:16:29 ID:???
272 :
氏名黙秘:2005/10/23(日) 11:27:58 ID:???
部屋にはいると、彼はキッチンに行って湯を沸かした。
「まだ現行試験を受けてるの?」と彼女は居間に置いてある
基礎マスターテキストに目をとめて言った。
「趣味で受けてるよ。択一だけね。論文まではとても手がまわらない」
姉は基礎マステキストのページを開き、何色ものマーカーで変色した論点に指を置いた。
「あなたはゆくゆく、弁護士や裁判官として名を成すだろうと思っていたんだけど」
「現行試験の世界というのは、神童の墓場なんだよ」と彼はコーヒー豆を挽きながら言った。
「もちろん僕にとっても、それはすごく残念なことだったよ。法曹になるのをあきらめるのはね。
そりゃがっかりしたさ。それまで積み上げてきた学歴が何もかも無駄になったんだ、という気がした。
どこかに消え失せてしまいたいような気持ちにもなった。
でもどう考えても、僕の択一の成績は僕の論文の成績より遙かに優秀だった。
僕より論文でいい点を取るやつはけっこういるけれど、僕より択一を取れる奴はいない。
論文に落ち続けてしばらくして、そのことに気づいた。
そしてこう思った。二流の論文合格者になるよりは、
一流の択一合格者になったほうが僕自身のためだって」
彼は冷蔵庫からコーヒー用のクリームを出して、小さな瀬戸物のピッチャーに移した。
「不思議な話だけど、択一を専門に勉強するようになってから、
逆に法律を勉強することが楽しくなったんだ。
大学入学当初から必死に法律を勉強してきた。
答練をかさねて自分が習熟していくのはそれなりに面白かったよ。
でも法律を勉強するのが楽しいと思ったことは、ただの一度もなかったと思う。
僕はただ論点を理解し暗記することを目的に法律を勉強していた。
論点をおとさないように、余事記載をしないように、採点者に感心されるように。
でも法曹になるのをあきらめてから、法律を勉強する喜びみたいなものがやっと理解できたんだ。
法律というのは素晴らしいものなんだと思った。
まるで重い荷物を肩から下ろしたみたいな感じだったね。
担いでいるあいだは、そんなもの担いでいること自体に気づかなかったんだけれど」
273 :
氏名黙秘:2005/10/23(日) 12:10:47 ID:???
268にハマった(^_^;)
274 :
氏名黙秘:2005/10/26(水) 21:04:43 ID:3IKY46xC
このスレ相変わらずスゴいね
275 :
氏名黙秘:2005/11/01(火) 12:21:01 ID:???
渋谷校の自習室で彼が出会った小柄なヴェテが、その後どのような運命をたどることになったのか僕にはわからない。
もう半年以上うちのピアノを調律をしていなくて、彼と会って話をする機会がなかったからだ。
彼はおそらく今でも火曜日になると、多摩川を渡ってその渋谷校の自習室に通っているはずだし、いつか小柄なヴェテと顔を合わせたかもしれない。しかしその話はまだ聞いていない。
というわけで話はいまのところここで終わっている。
司法試験の神様だか受験界の神様だかが----あるいはほかのどんな神様でもかまわないのだけれど----どこかでささやかに、あたかも何かの偶然のようなふりをして、そのヴェテを護ってくれていることを、僕としては心から望んでいる。とてもシンプルに。
276 :
氏名黙秘:2005/11/01(火) 12:35:17 ID:???
サチの息子は三十九歳のときに、制度改革で大きな佐藤幸治に襲われて死んだ。正確に言えば、食い殺されたわけではない。
一人で東京に出て受験勉強をしているときに、佐藤幸治にかすかな望みを食いちぎられ、そのショックで溺れ死んだのだ。だから正式な死因は溺死ということになっている。
受験生としてのささやかなプライドもほとんどまっ二つに食いちぎられていた。
佐藤幸治がヴェテを好んで食べることはない。ヴェテの肉の味はどちらかといえば佐藤幸治の嗜好にあわないのだ。
一口齧っても、だいたいの場合がっかりしてそのまま立ち去ってしまう。だから佐藤幸治に襲われても、パニックにさえ陥らなければ、法曹三者への道を失うだけで生還するケースは多い。
ただ彼女の息子はあまりにも驚いて、それでおそらくは心臓発作のようなものを起こし、水を大量に飲んで溺死してしまったわけだ。
サチは霞ヶ関の司法試験委員会からその知らせを受け、そのまま床に座り込んでしまった。
277 :
氏名黙秘:2005/11/01(火) 18:00:12 ID:???
緑の答案は僕の想像をはるかに超えて立派なものだった。
憲法の事実認定に、民法判例の正確な記憶と理解、
刑法の論理的整合性、自分で作った手形の論証、
刑訴のバランス感覚、条文を細かくあげてある会社法、民訴の新堂説。
学派は全て東大の古典だった。
「すごく読みやすい」と僕は感心して言った。
「ねぇワタナベ君、正直言って私の答案ってそんなに期待してなかったでしょ?
学歴からして」
「まぁね」と僕は正直に言った。
「あなた東大の人だからそういう学説好きでしょ?」
「僕のためにわざわざ東大学派で学んだの?」
「まさか。いくらなんでもそんな面相なことしないわよ。私はいつもこういう学説よ」
「大学か予備校が東大学派なの、じゃあ?」
「ううん。大学はずっと純血主義だし、予備校は言ってないわ。
私の経歴中探したって東大学派なんてひとりもいないわよ。
大学は関西系の植民地なの。」
278 :
修正:2005/11/01(火) 18:01:49 ID:???
緑の答案は僕の想像をはるかに超えて立派なものだった。
憲法の事実認定に、民法判例の正確な記憶と理解、
刑法の論理的整合性、自分で作った手形の論証、
刑訴のバランス感覚、条文を細かくあげてある会社法、民訴の新堂説。
学派は全て東大の古典だった。
「すごく読みやすい」と僕は感心して言った。
「ねぇワタナベ君、正直言って私の答案ってそんなに期待してなかったでしょ?
学歴からして」
「まぁね」と僕は正直に言った。
「あなた東大の人だからそういう学説好きでしょ?」
「僕のためにわざわざ東大学派で学んだの?」
「まさか。いくらなんでもそんな面相なことしないわよ。私はいつもこういう学説よ」
「大学か予備校が東大学派なの、じゃあ?」
「ううん。大学はずっと関西系の植民地だし、予備校は言ってないわ。
私の経歴中探したって東大学派なんてひとりもいないわよ。」
279 :
氏名黙秘:2005/11/01(火) 18:05:49 ID:???
「よくわからないな」と僕は言った。
「じゃあどうしてこんなきちんとした正統的な東大学派による答案が作れるの?
誰かに習ったわけ?」
「まぁ話せば長くなるんだけどね。」
と彼女は試験六法をしまいながら言った。
「うちの大学がなにしろ予備校と名のつくものが大嫌いな所でね。
試験対策なんてものは殆んどしなかったの。」
280 :
氏名黙秘:2005/11/01(火) 21:16:58 ID:???
悪くない
281 :
氏名黙秘:2005/11/02(水) 00:09:38 ID:???
「昔から受験生になりたいと思っていたの?」とキリエが質問した。
「そうだね。というか、ほかの何かになりたいと思ったことがなかった。ほかの選択肢を思いつけなかった。」
「要するに夢がかなったんだ」
「どうだろう。僕はブル弁になりたいと思っていたんだよ」、淳平は両手を広げて、30センチほどの空間を作った。「そのあいだにはかなりの距離があるような気がする」
「誰にでも出発点というものはあるのよ。まだ先は長いでしょう。最初から完全なものなんてあり得ないもの」と彼女は言った。
282 :
氏名黙秘:2005/11/02(水) 15:19:16 ID:???
「みずきさんはこれまで、嫉妬の感情というものを経験したことがありますか?」と松中優子は前置き抜きで質問した。
突然そんな質問をされてみずきはますます驚いたが、そのことについてあらためて考えてみた。
「ないと思うよ」とみずきは言った。
「一度も?」
みずきは首を振った。「少なくとも、今急にそれを言われても、うまく思い出せないなあ。嫉妬の感情・・・・・、たとえばどんなことで?」
「たとえばみずきさんが本当に好きな人が、木村さんのことを好きになったりとか、たとえばみずきさんがどうしても受からない司法試験を、
私が簡単に受かってしまったとか、たとえばみずきさんが『せめて成績優秀者に名前がのればいいのに』と願っていることを、
ほかでもない私が軽々と何の苦労もなくやってのけたとか、・・・・そういうようなことで」
「そういうことって、私にはなかったような気がする」とみずきは言った。「ユッコにはそういうことがあるの?」
「いっぱいあります」
それを聞いてみずきは言葉を失ってしまった。この子はいったい、これ以上の何をのぞんでいるのだろう?とびっきり美人で、もちろん東大卒で、まだ23歳で、研修所での成績も良くて、人気もある。
JもPも彼女を溺愛している。入所前の時点で、森・濱田・松本に内定をもらっているという話を耳にしたことがある。
人がそれ以上の何を望めばいいのか、みずきには思いつけなかった。
「それはたとえばどんなことで?」とみずきは尋ねてみた。
「あまり具体的には話したくはないんです。できれば」と松中優子は慎重に言葉を選びながら言った。「それに具体的なことをここでいちいち並べてみても、あまり意味はないような気がします。
ただ私としては、みずきさんが以前から一度うかがいたいと思っていたんです。
30超えてまだ論文経験すらないみずきさんに嫉妬の感情みたいなものを体験したことがあるかどうか」
283 :
氏名黙秘:2005/11/02(水) 17:05:03 ID:???
284 :
氏名黙秘:2005/11/02(水) 17:51:07 ID:???
それは渋谷校で択一マスターを受ける若い男の絵だった。カメラに即していうと、レンズが教卓のまん中から心もちワイドに男の姿を捉えている。男は顔を横に向けて、窓の外に目をやっている。
ユニクロのスウェットに白のボタンダウンシャツ、黒のリュックサック、そして古びたスニーカー。
ちょっとしたヴェテのようではあるが、ヴェテではない。ヴェテになるためには、彼には何かが欠けている。それはひとことで言うと集約された飢えのようなものだ。
もちろん彼に飢えがないというのではない。飢えのない若い男がどこにいるだろう?ただ彼の中の飢えはあまりにも漠然とした形をとっているので、まわりから見ると---あるいは彼自身の目から見ても---それは何かべつの、
発展途上にあるある種の物の見方のようにみえてしまうのだ。それはまるで甘い霞のようだ。存在していることはわかるが---つかめない。
ちょうど同じように、その甘い霞のように、夜が渋谷校を覆っている。教室のガラス窓から、その夜の色が見える。夜の色しか見えない。
男は横を向いている。でも彼は何一つ見てはいない。ヴァカテの向こう側に何が見えるにせよ、その風景は彼の心にひっかき傷ひとつ残さない。ヴェテにすらなれずに年をとり続ける。
男はロースクールに行こうとしているのか?
男は裁事に行こうとしているのか?
285 :
氏名黙秘:2005/11/18(金) 12:28:19 ID:???
それはマコツさんにとってはせめてもの救いだった。中には目を閉じているものが少
しいたが、ほとんどのベテたちは目を開いてぼんやりと空問の一点を見ていた。
「松浦ちゃんはここにはいないようであります」とマコツさんは抑揚のない声で犬に
言った。そして咳払いをし、冷凍庫の扉を閉めた。
間違いないな?
「はい問違いはありません」
犬は立ち上がり、マコツさんをまた書斎に連れて戻った。書斎では砂糖工事がいす
が革張りの回転椅子の上で、同じ姿勢のまま彼を待っていた。マコツさんが部
屋に入ってくると、彼は敬礼でもするみたいにシルクハットの鍔に手をやり、愛想良
く微笑んだ。それからぽんぽんと二度手を叩いた。犬は部屋から出ていった。
「あのベテたちの首は、みんな私が切ったんだ」と砂糖工事は言った。そ
してウィスキーのグラスを手にとってひとくち飲んだ。「コレクションしている」
「砂糖工事さん、やはりあなたがあの一連の改革で何匹もベテを捕まえて、殺
している人なのですね」
「そう。そのとおり。私方有名なベテ殺し砂糖工事だ」
286 :
氏名黙秘:2005/11/18(金) 12:34:07 ID:???
「マコツにはよくわかりませんので、ひとつ質問してもよろしいでしょうか。」
「もちろん、もちろん」と砂糖工事は言った。そしてウィスキーのグラスを宙にかかげた。
「なんでも自由に質問してくれていい。すすんで質問に答えよう。
しかし、時問を節約するためにちょっと失礼して話を先に進めれば、君がまず最初に
知りたいのは、何故私がベテを殺さなくてはならないかということだろう。
どうしてベテの首をコレクションなんかしなくてはならないのか」
「はい。そのとおりであります。それがマコツの知りたいことであります」
砂糖工事はグラスを机の上に置き、マコツさんの顔をまっすぐ見た。
「大事な秘密だから、普通の人にはこんなことをいちいち教えないのだが、
まあ、マコツさんだから今日はとくべつに教えてあげよう。
だからむやみに人に話してはいけないよといっても、
話したところで誰が信じるというものでもないだろうけどね」
砂糖工事はそう言ってくすくすと笑った。
「いいかい、私がこうしてベテたちを殺すのは、ただの楽しみのためではない。楽しみ
だけのためにたくさんのベテを殺すほど、私は心を病んではいない。というか、私はそ
れほど暇人ではない。こうやってベテを集めて殺すのだってけっこう手間がかかるわけ
だからね。私がベテを殺すのは、若手を集めるためだ。その集めた若手を使って
287 :
氏名黙秘:2005/11/18(金) 12:43:29 ID:???
特別なローを作るんだ。そしてそのローで教育して、もっと優秀な若手を集める。そのもっ
と優秀な若手を集めて、もっと特別なローを作る。最後にはおそらく完全な法化社会が
できあがるはずだ。しかしまず最初はベテだ。ベテの魂を集めなくてはならない。それが
出発点だ。かくかように、ものごとにはすべからく順番というものがある。順番をき
ちんと正確に守るというのは、つまりは敬意の発露なんだ。法を相手にするというの
はそういうことだからね。パイナツプルやメロンなんぞを扱うのとはわけが違う。そ
そうだね?
「はい」とマコツさんは返事をしたが、実のところさっぱりわけがわからなかった。
ロースクール?それはハイスクールより低いのだろうか、高いのだろうか。そしてどんな教育をするのだろう。
だいいちベテの魂というのはどのようなものなのだろう。それはマコツさんの理解力を
はるかに超えた問題だった。彼にわかるのは、自分はなんとしてでも東大卒の松浦さんを
みつけ、一般の社会のところに連れて帰らなくてはならないということだけだった
「で、君はとにかく、松浦を連れて戻りたい」と砂糖工事はマコツさん
の心を読んだように言った。
はい。その通りです。マコツは松浦ちゃんをおうちに連れて帰りたいと思います」
288 :
氏名黙秘:2005/11/18(金) 15:21:35 ID:???
せっかくだからage
289 :
氏名黙秘:2005/11/18(金) 22:17:27 ID:???
やれやれ
290 :
ユミヨシ:2005/11/18(金) 22:45:18 ID:???
短編集の化膿まるたが土佐弁な件について・・・
291 :
氏名黙秘:2005/11/19(土) 00:48:11 ID:VYrddrk7
魔骨シリーズ傑作
292 :
氏名黙秘:2005/11/19(土) 01:19:19 ID:???
「ローの完全さは現行をなくすことで成立してるんだ。
現行をなくすことで、受験生の存在を5年にひきのばされた時間の中にはめこんでるんだ。
だからベテも年老いないし、死なない。
まず合格の希少性という自我の母体をひきはがし、それが死んでしまうのを待つんだ。
合格の希少性が死んでしまえばあとはもうたいした問題はない。
年々生じるささやかな三振法学博士をかいだしてしまうだけでいいのさ」
293 :
氏名黙秘:2005/11/26(土) 11:39:43 ID:???
おもしろい
294 :
氏名黙秘:2005/11/29(火) 21:18:25 ID:???
創価も知れない
295 :
氏名黙秘:2005/11/30(水) 15:20:12 ID:Ew1KqPSK
「ねえ、司法試験の第2次試験ってどんなですか? 魔コツさんみたいなみたいな
人ばかりが受けにくるんですか?」
「まさか。大体はアホだよ。アホじゃなきゃ変質者だ。法曹になろうなんて人間
の九十五パーセントまでは屑だもんな。これ嘘じゃないぜ。あいつら字だって
ロクに読めないんだ。」
「
296 :
氏名黙秘:2005/12/08(木) 01:30:50 ID:???
「そんなことは分かっている。来年は600人なんだよ。
これはもう予備校どうの、というたたかいじゃないんだ」
「それでもふたたびイd塾に通うべきだと思うの」彼女は言った。
「それ以外にあなたに掛かっている呪いを解くことはできないわ」
297 :
氏名黙秘:2005/12/11(日) 18:38:02 ID:???
司法試験の世界は才能の墓場だ
298 :
氏名黙秘:2005/12/11(日) 23:46:24 ID:z2MQ8jMx
299 :
氏名黙秘:2005/12/12(月) 01:15:02 ID:???
300 :
氏名黙秘:2005/12/13(火) 14:59:26 ID:???
「あなたは現行廃止に対して恐怖を感じるということはないんですか?」
と僕は訊いてみた。
「あのね、俺はそれほど馬鹿じゃないよ」とベテさんは言った。
「もちろん現行廃止に対して恐怖を感じることはある。そんなのあたり前じゃないか。
ただ俺はそういうものを前提条件としては考えない。
ローは明らかに不公正な制度だし、そのような不公正な制度は利用しない。
そうやって生きていく。
「時代遅れな話みたいだけれど」と僕は言った。
「でもね、俺は空を見上げて法曹資格が落ちてくるのを待っているわけじゃないぜ。
俺は俺なりにずいぶん努力をしている。ロー生のお前の10倍ぐらい基本書を読んでいる」
「そうでしょうね」と僕は認めた。
「だからね、ときどき俺は試験委員を見まわして本当にうんざりするんだ。
どうしてこいつらは実際に一時間で答案を書いたこともないくせに
ベテ批判ばかりするんだろう、精度の高い論証を、能面のように思考停止した画一的な答案だなんて言えるんだろうってね」
僕はあきれてベテさんの顔を眺めた。「僕の目から見ればロースクールと新試験はすばらしい制度
のような印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」
「あれは育成と試験じゃなくてただの年齢と資産による選別だ」とベテさんは簡単に言った。
「俺の言うというのはそういうのじゃない。試験制度をもっと主体的目的的にになされるものにすれば良いだけの話だ」
「たとえば合格者1500を維持しつつ択一試験を廃止し、論文の試験時間を延ばすとかいうことですか?」
「そういう事だよ。俺は春までに択一過去問を完全にマスターする。罪数問題と
連帯債務、保証の計算問題はもう完全にマスターしてるし、明治憲法もだいたい把握した。
こういうのって努力なくしてできるか?」
彼は優答を読み、僕は工事のことを考えた。そして工事は現行ベテを救済しようなんて
思いつきもしなかったろうと思った。そんなことを考えるには彼はたぶん忙しすぎたのだ。
司法制度改革も忙しすぎたし、憲法をつかって、自らの政治的主張を正当化しなければならなかった。
「ゼミの話だけど、今度の月曜でどうだ?」とベテさんが言った。
いいですよ、と僕は言った。
301 :
氏名黙秘:2005/12/13(火) 23:56:14 ID:???
すげー。
302 :
氏名黙秘:2005/12/16(金) 18:04:58 ID:???
保全
303 :
氏名黙秘:2005/12/24(土) 21:01:07 ID:???
「では志望動機と自己PRを言ってください」
僕は心底-心の底から吃驚した。多分面接官もわかっただろう。
志望動機?なんでそんな上等ものが下位ローに求められるんだ?
「上位に受からないから」
とても素敵な人間的な理由だ。
でもそんなことをいってしまったら今までも苦労が水の泡だと言うことは
さすがに僕でも分かった。
やれやれ、法務博士になるのも楽じゃない
304 :
氏名黙秘:2005/12/24(土) 21:19:03 ID:???
2005年、それは旧試験が現行と呼ばれる最後の年だった。
2005年、僕は受かるために問題を答えつづけ、
問題を答えるために生きつづけた。
合格推定を突破するこそが僕の誇りであり、
論文の採点のお決まりフレーズ「頑張ってください」が僕の希望であった。
諸橋漢和でも作れそうな巨大なバインダーを読破し、
重点講義を買い、専門家向けのショップをめぐって
奇妙な名前の判例集を揃え古本屋で藤木の刑法総論をみつけ、
一ダース単位で基本書と判例をやった。
○×や四文字や順当てや何やかんやの形式は
渾然一体となって空中へ飛び散り、ランダムとなって
超銀戦の隅々へと吸い込まれていった。
それはなんだか第13回アメリカ横断ウルトラクイズのような匂いだった。
紀元2005年、現行最後の年の出来事である。
305 :
氏名黙秘:2005/12/24(土) 21:23:00 ID:???
「マツウラ君、あなた何回くらい論文を受けたの?」
と直子がふと思いついたように小さな声で聞いた。
「受けたことがない」と僕は正直に答えた。
レイコさんが練習をやめてギターをはたと膝の上に落とした。
「あなたもう三十歳でしょ?いったいどういう勉強してんのよ、それ?」
直子は何も言わずにその澄んだ目でじっと僕を見ていた
306 :
氏名黙秘:2005/12/24(土) 21:38:03 ID:???
「悪いけどさ、意味のない課題や政治論は学部かなんかでやってくれないかな」と僕は
きっぱりと言った。
「それやられると試験に落ちちゃうんだ」
「でも専門職大学院だよ」と彼は信じられないという顔をして言った。
「知ってるよ、それは。法務博士だろ? ローは学生にとっては法曹になる課程の一部
なんだ。どうしてかは説明できないけどとにかくそうなってるんだよ」
「駄目だよ。試験対策をやると文科省の人から文句がくるんだ。ここならいつも寝ないでいてくれるし
だし、課題は提出してくれるし」
「じゃあ普通の大学院でやりなよ。修士課程で」
「それも駄目なんだよ。ぼ、ぼ、僕はまだ助教授だし、英語もできなしし、
司法試験にも受かってないし、ぼくもローでないと相手して
くれないんだよ」
確かに彼の講義はひどく退屈ですぐにねむくなってしまうし、一方彼の講義も聴衆が
いないと成り立たないし、もうローを変えるしかなかった。やれやれ、と僕は思った。
「じゃあ歩み寄ろう」と僕は言った。「無意味な政治論や独自説の展開はやってもかまわない。その
かわり内職を見逃してくれよ。あれ、司法試験に必要だから。それで
いいだろ?」
「な、内職?」と彼はびっくりしたように訊きかえした。「内職ってなんだい、それ?」
「内職といえば内職だよ。授業中に定義を暗記したり、サブノートを作成したりするやつだよ」
「そんなのだめだよ。ぼ、僕の講義はいつも聞いてよ」
僕の頭は痛みはじめた。
307 :
氏名黙秘:2005/12/24(土) 21:41:48 ID:???
ベテはなぜ今も択一を解きつづけるのか
ベテはなぜ負けつづけるのか
彼らは知らないのだろうか
司法試験がもう終ってしまったことを
"The End of the Bar examination"
308 :
氏名黙秘:2005/12/26(月) 12:05:09 ID:???
合格はきっと奪うでも、与えるでもなくて
気がつけばそこにあるもの
309 :
氏名黙秘:2005/12/30(金) 15:40:58 ID:OqimxMbQ
司法浪人のあいだでは、ある有名な1級建築士の話題で持ち切りだった。
彼らは資格を持った人物の話題に無関心ではいられないのだ。
「僕は貧乏な姉歯さんについて書いてみたい」僕は彼女に向かってそう口に出してみた。
僕は小説も書いてみたい人間なのだ。
「貧乏な姉歯さん?」彼女は少しばかり驚いたようだった。
「どうしてかしら?どうして貧乏な姉歯さんなの?」
どうしてかなんて、僕にだってわかりはしない。
それからしばらく僕らは黙っていた。
「そんな話、誰も読みたがらないかもしれないわよ。刑法の勉強でもすればいいじゃない」と彼女は言った。
「たしかに読み物としては魅力的じゃないかもしれない。でも刑法の勉強はしたくないんだ」と僕は言った。
そのころ僕は司法試験の勉強に、なにも生産的なものを見いだせなかったのだと思う。
弁護士になったところでけっして明るい人生が送れる訳じゃない。
そう遠くない未来、多くの貧乏な弁護士が社会に迷惑を掛ける時代がやってくるだろう。
弁護士の需要なんて、僕らが思っているほど多くはないのだ。
貧乏な姉歯さんは僕にそのことを思い起こさせた。「まいったな」そう僕は呟いた。
310 :
氏名黙秘:2006/01/08(日) 11:12:04 ID:???
age
311 :
氏名黙秘:2006/01/13(金) 19:35:58 ID:???
age
312 :
氏名黙秘:2006/01/29(日) 21:14:14 ID:???
最近は作ってくれる人いないのかな。
313 :
氏名黙秘:2006/01/29(日) 22:06:52 ID:???
ねじまき鳥さんは司法落ち武者だったな
314 :
氏名黙秘:2006/01/29(日) 23:48:53 ID:???
315 :
氏名黙秘:2006/02/09(木) 06:58:28 ID:???
やれやれ
316 :
氏名黙秘:2006/02/14(火) 03:23:43 ID:???
春樹スレはいくつか見たが、司法試験板のはかなり力作だよ。
作っている人のレベルも高いし、やっぱり、題材が合っているのかもしれんね。
317 :
氏名黙秘:2006/02/14(火) 17:38:14 ID:???
期待age
318 :
氏名黙秘:2006/02/15(水) 17:51:29 ID:???
@
319 :
氏名黙秘:2006/02/16(木) 19:00:21 ID:???
追求する野党がオールバックで身長が高い社民党の中年男性に代わったとき、
鼠はテレビのスイッチを乱暴に切った。
「あの男の声と顔が嫌いだ」と鼠は言った。「しかもオールバックだぜ」
「たまらんね」とジェイが呟いた。
「半煮えのクソだな」と鼠が言った。
「摂氏26度のビールだな」と僕は言った。
「なぁ、ジェイ」と鼠が言った。
ジェイの表情には薄いベールのような翳りが射していた。
「何か嫌なことでも思い出したのかい?」
あいまいな笑いを浮かべてジェイは首を横に振った。
ジェイは身の上話をしたことが一度もない。
彼がどこで生まれ、どこでどうやって育ち、いつの間にこの店を開いたのか
誰も知らない。
気がついたときには僕らはこの薄暗いカウンターで
カラスの兄弟みたいに並んで座っていた。
「あたしのおごりだ」といってジェイは僕らの前に2本のクアーズを置いた。
320 :
氏名黙秘:2006/02/16(木) 19:35:03 ID:UTaGgVNq
「よれよれ」とTシャツは言ったage
321 :
氏名黙秘:2006/02/16(木) 19:55:43 ID:???
ぼくは・君たちが・好きだ
322 :
氏名黙秘:2006/02/16(木) 20:24:28 ID:???
姉は基礎マステキストのページを開き、何色ものマーカーで変色した論点に指を置いた。
「あなたはゆくゆく、弁護士や裁判官として名を成すだろうと思っていたんだけど」
「現行試験の世界というのは、神童の墓場なんだよ」と彼はコーヒー豆を挽きながら言った。
323 :
氏名黙秘:2006/02/22(水) 10:09:26 ID:???
始めから終わりまで、しみひとつない学歴を作ることは出来ないかもしれない。
しかし、僕はもう一度合格発表を眺めて愕然とし、あきらめの言葉を口にした。
「いいさ、ローは所詮おまけのようなものだ。」
しかしそれは自分の口から出たものとは思えなかった。
324 :
氏名黙秘:2006/02/22(水) 10:09:59 ID:???
受験を続けることが良いことなのかは分からないわ。
でも、そうすることによって繋がりを確認することはできると思うの。
325 :
氏名黙秘:2006/02/23(木) 13:52:04 ID:???
それと同時に基本書を読むことにも熱中した。
20代の初めから終わりにかけて、
僕はまわりの誰よりも、多くの基本書を読みあさった。
その時期、僕くらいたくさんの基本書を読んだ人間は、
それほどはいないだろうという自負みたいなものがある。
図書館にあった主要な基本書はほとんど読破してしまった。
読み方もずいぶん深かった。
気に入った基本書があれば、3回も4回も読み返した。
そのように基本書を読むことが(そしてときどき女の子とデートすることが)、
20代の僕にとっての生活のほとんどすべてだった。
択一?論文?そういえばそういうものもあったかもしれない。
よく覚えていないけれど。
326 :
氏名黙秘:2006/02/23(木) 18:31:02 ID:???
やれやれ。
327 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 01:17:11 ID:???
春樹の小説には、司法崩れや法律事務所勤務がよく登場するが、
合格者は登場しない。学生時代の交友関係が反映しているのだろうか。
328 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 01:41:13 ID:???
そういや弁護士て出てこないね。
「国境の南、太陽の西」の主人公の姉が弁護士資格持ってたくらいだな。
329 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 01:57:22 ID:???
>>328 えっ?釣りネタ?勘違い?
その話は、主人公及び島本さんが一人っ子どうしであることが
重要な要素なのだが。。。
330 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 01:59:13 ID:???
331 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 01:59:54 ID:???
すまん、姉が弁護士資格持ってるのは「スプートニクの恋人」の僕だった。
332 :
氏名黙秘:2006/02/27(月) 02:11:37 ID:???
春樹の小説は、本人の境遇を反映してか、
兄弟関係や親子関係が全く描かれないか、
関係が破綻している人物ばかり。
スプートニクって姉が登場してたんだ。
もう一度読んでみる。
333 :
氏名黙秘:2006/03/06(月) 23:09:18 ID:???
hozen
334 :
氏名黙秘:2006/03/07(火) 21:39:28 ID:???
motomu sugureta sakuhin
335 :
氏名黙秘:2006/03/10(金) 20:28:10 ID:???
「あなたは三振に対して恐怖を感じるということはないんですか?」
と僕は訊いてみた。
「あのね、俺はそれほど馬鹿じゃないよ」と未修さんは言った。
「もちろん三振に対して恐怖を感じることはある。そんなのあたり前じゃないか。
ただ俺はそういうものを前提条件としては説明を受けていない。
我々のポテンシャルはベテどもをはるかに超えている。7科目を3年でマスターするなど余裕のはずだ。
さらに8割の合格率。そうやって説明を受けている。
「ずいぶん都合のいい話みたいだけれど」と僕は言った。
「でもね、俺は空を見上げて法曹資格が落ちてくるのを待っているわけじゃないぜ。
俺は俺なりにずいぶん努力をしている。たまに民集を読んだり、課題を提出したりしている」
「そうでしょうね」と僕は認めた。
「だからね、ときどき俺はベテを見まわして本当にうんざりするんだ。
どうしてこいつらは実際に民集も読んだこともないくせに
未修批判ばかりするんだろう、判例を、簡単に妥当でないなんて言えるんだろうってね」
僕はあきれて未修さんの顔を眺めた。「僕の目から見ればベテは、
みんな頑張っている印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」
「あれは努力じゃなくてただの苦労だ」と未修さんは簡単に言った。
「俺の言うというのはそういうのじゃない。試験の合格率をもっと上げれば良いだけの話だ」
「たとえば旧を即行廃止し、新の合格者を増やすとかいうことですか?」
「そういう事だよ。俺は春までにキャバクラを完全にマスターする。
合コンはもう完全にマスターしてるし、ソープもだいたい把握した。
こういうのって余裕なくしてできるか?」
彼は携帯を打ち、僕は工事のことを考えた。そして工事は自らが未修に幻想を抱いているなんて
思いつきもしなかったろうと思った。そんなことを考えるには彼はたぶん忙しすぎたのだ。
司法制度改革も忙しすぎたし、憲法をつかって、自らの政治的主張を正当化しなければならなかった。
「合コンの話だけど、今度の月曜でどうだ?」と未修さんが言った。
いいですよ、と僕は言った。
336 :
氏名黙秘:2006/03/10(金) 21:48:11 ID:???
>>335 乙!なかなかよかった。最後に感動or意外性があればなお良い。
次回作期待!
337 :
氏名黙秘:2006/03/10(金) 22:53:39 ID:???
誰か、過去スレでもうやっているのかも知れないが。
ノルウェー…の出だしの、飛行機着陸してすっちーと会話、の場面。
法務省に10回目の願書出しにいく場面で守衛さんと会話、か
早稲田で10回目の論文受ける場面で試験監督官と会話、に
使えそう。
誰か、過去スレでもうやっている?なら教えて。親切な人。
338 :
氏名黙秘:2006/03/10(金) 23:52:50 ID:???
あげ!
339 :
氏名黙秘:2006/03/13(月) 19:03:21 ID:???
ほしゅ
340 :
氏名黙秘:2006/03/14(火) 21:09:13 ID:???
明日の朝洗濯して干してから、十時の講義に出ます。この講義はミドリさんと一緒なんです。
『刑法総論』で、今は前田雅英をやっています。前田雅英知ってますか?首都大の教授
で、山口厚、大谷實とならんで司法試験刑法のビッグ.スリーと言われてい
ます。最後は受験生にも見捨てられるということになっていますが、これには異説もあ
ります。これが前田雅英です。僕は山口厚の方が好きですけどね、まあこれは好みの
問題でしょうね。だからなんとも言えないです、
彼の学説の特徴はいろんな物事がぐしゃぐしゃに混乱して身動きがとれなくなってしまうこと
なんです。わかります?いろんな人が出てきて、そのそれぞれにそれぞれの事情と理由と言い
ぷんがあって、誰もがそれなりの正義と幸福を追求しているわけです。そしてそのおかげで全員
がにっちもさっちもいかなくなっちゃうんです。そりゃそうですよね。みんなの正義がとおっ
て、みんなの幸福が達成されるということは原理的にありえないですからね、だからどうしよう
もないカオスがやってくるわけです。それでどうなると思います?これがまた実に簡単な話
で、最初の構成要件が変容するんです。そして交通整理するんです。お前あっち行け、お前こっち来い、
お前あれと一緒になれ、お前そこでしばらくじっとしてろっていう風に。フィクサーみたい
なもんですね。そして全てはぴたっと解決します。これは構成要件の実質化と呼ばれてい
ます。前田雅英の学説にはしょっちゅうこの構成要件の実質化が出てきて、そのあた
りで前田雅英の評価がわかれるわけです。
しかしもし裁判の世界にこういう構成要件の実質化というのがあったとしたら、これは
楽でしょうね。困ったな、身動きとれないなと思ったら構成要件をするすると解釈して全部
処理できるわけですからね。こんな楽なことはない。でもまあとにかくこれが『刑法総論』
です。我々はまあだいたい大学でこういうことを勉強してます。
僕がしゃべっているあいだ緑の父親は何も言わずにぽんやりとした目で僕を見ていた。僕のし
ゃべっていることを彼がいささかなりとも理解しているのかどうかその目からは判断できなかっ
た。
「ピース」と僕は言った。
341 :
氏名黙秘:2006/03/14(火) 23:13:02 ID:???
342 :
氏名黙秘:2006/03/15(水) 00:31:31 ID:???
ですます調はなんか違和感ある・・・
読み物としては全然いいんだが。
343 :
氏名黙秘:2006/03/16(木) 02:47:25 ID:???
344 :
氏名黙秘:2006/03/16(木) 21:45:15 ID:???
>>340 GJ! あそこは好きな場面。また読みたくなったよ。
345 :
氏名黙秘:2006/03/18(土) 12:02:32 ID:???
>>342 340は原作でも台詞部分で
ですます調だよ。だから違和感無し。
346 :
氏名黙秘:2006/03/19(日) 03:29:54 ID:???
347 :
氏名黙秘:2006/03/20(月) 09:08:11 ID:???
「ずっとそこで何してたの?」
「猫を探していたんだ。三、四日前からいなくなっちゃったんでね」と僕は汗ばんだ手のひらをズボンのわきでこすりながら答えた。「このへんでうちの猫をみかけた人がいるんだよ」
「どんな猫?」
「大柄な雄猫だよ。茶色の縞で、尻尾の先が少し曲って折れてる」
「名前は?」
「名前って?」
「猫の名前よ。名前あるんでしょ?」娘はサングラスの奥からじっと僕の目をのぞきこみながら―たぶんのぞきこんでいたのだと思う―言った。
「マコツ」と僕は答えた。「イトウ・マコツ」
「猫にしちゃずいぶん立派な名前ね」
「予備校の教師の名前なんだ。感じが似てるんで冗談でつけたんだよ」
「どんな風に似てるの?」
「なんとなく似てるんだ。歩き方とか、偽善的な微笑みとか、そういうのがね」
娘ははじめてにっこりと笑った。
348 :
氏名黙秘:2006/03/25(土) 03:17:12 ID:???
>>347 すまん、しばらくチェックしてなかった。
一発芸みたいだけど、笑わせてもらったよ!
最後の2行が秀逸!
349 :
氏名黙秘:2006/03/25(土) 03:18:08 ID:???
GJあげ!
350 :
氏名黙秘:2006/03/28(火) 09:26:26 ID:???
やれやれ
351 :
氏名黙秘:2006/03/28(火) 22:42:09 ID:???
そのもちろん、ていうのやめてくれない?
352 :
氏名黙秘:2006/03/31(金) 19:42:33 ID:???
そろそろ保守
353 :
氏名黙秘:2006/03/32(土) 05:45:14 ID:???
作品求む!
354 :
氏名黙秘:2006/03/32(土) 13:15:45 ID:???
「あなたはこれほど認可を出して恐怖を感じるということはないんですか?」と僕は訊いてみた。
「あのね、俺はそれほど馬鹿じゃないよ」と文科さんは言った。
「もちろんに74校という数字に対して恐怖を感じることはある。そんなのあたり前じゃないか。
ただ俺はそういうものを前提条件としては考えていない。
合格者が今まで一名も出ていないからといって認可しないわけにはいかない。
揉め事を起こすのや、権力がある学校と対立するわけにはいかない。
市場による淘汰を期待する。そうやって長期的には三振博士は減少する。
「ずいぶん都合のいい話みたいだけれど」と僕は言った。
「でもね、俺は空を見上げて院が減少するを待っているわけじゃないぜ。
俺は俺なりにずいぶん努力をしている。
計画履行状況調査の結果等を発表したり、普通の大学院より相当丁寧に監視している」
「そうでしょうね」と僕は認めた。
「だからね、ときどき俺はロー生を見まわして本当にうんざりするんだ。
どうしてこいつらは国Tの法律職問題も解けないないくせに
政策批判ばかりするんだろう、他人の人生を左右することもある法曹に、
確かな実力もないくせになりたいだなんて言えるんだろうってね」
355 :
氏名黙秘:2006/03/32(土) 13:17:02 ID:???
僕はあきれて文科さんの顔を眺めた。「僕の目から見ればロー制度は、
あなた方の失策であるとの印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」
「あれはこっちの失策じゃなくて大学と学生の厚顔無恥だ」と文科さんは簡単に言った。
「俺の言うというのはそういうのじゃない。少しは不文の意志を読み取れという話だ」
「たとえば今まで合格者が出ていない学校は自粛し、
仮にそのようなローに行った所で合格率の基礎計算には入らないとかいうことですか?」
「そういう事だよ。俺は来年までに3校は廃校に追い込む。
信州は完全に潰してるし、島根もだいたい追い込んだ。
こういうのって誠意なくしてできるか?」
彼はホームページをアップし、僕は下位ロー生のことを考えた。
そして下位ロー生は自らが基礎計算に入っていないなんて 思いつきもしなかったろうと思った。
そんなことを考えるには彼らはたぶん忙しすぎたのだ。
ベテ批判も忙しすぎたし、本を出版して、自らの政治的主張を正当化しなければならなかった。
「査察の話だけど、今度の月曜でどうだ?」と文科さんが言った。いいですよ、と僕は言った。
356 :
氏名黙秘:2006/03/32(土) 13:20:40 ID:???
あくまでフィクションなので関係者の方は怒らないでね。。。(ヘタレ)
あと、俺は論文終わるまで少し自粛するから、他の人頑張ってくれ。
357 :
氏名黙秘:2006/03/32(土) 14:30:39 ID:???
>>355 GJ!!!!!!!!!!!
やはり名場面中の名場面というものは、どれほど
使いまわしても色褪せるということがないな。
>>356 お疲れ。合格を祈って保守して待ってるぜ!
作品作れるかは自信ないが。
>そして下位ロー生は自らが基礎計算に入っていないなんて 思いつきもしなかったろうと思った。
合格。
359 :
氏名黙秘:2006/04/06(木) 17:34:26 ID:???
ほしゅ
360 :
氏名黙秘:2006/04/06(木) 22:33:14 ID:???
361 :
氏名黙秘:2006/04/08(土) 03:49:37 ID:???
あげ られない
362 :
氏名黙秘:2006/04/08(土) 18:12:49 ID:???
「求められている答えを書けばいいのよ。簡単じゃない?」
彼女は刑法一問目の白紙答案にひどくあきれた様子でそう答えた。
「問題はそう単純じゃないんだ」
タバコに火をつけることのようにこの問題を片付けてしまった彼女に
僕はひどく裏切られた気分になった。
「単純よ。あなたが難しくしているだけ」
「そうじゃない。僕は自分の考えを書きたいんだ」
彼女はそれを聞くと静かに息を吐いた。
「ええ、みんなが本当はそうしたいって思っているわ。でもそれは出来な
いの。だって、みんなが自分の考えを書いてしまったら試験委員は採点できなく
なってしまうでしょ?」
「なら誰も自分の考えなんて書けやしない」
「そうね」
「しかし君は簡単だと言った」
「簡単よ。そんなこと考えなければ良いの。カメレオンだって餌をとるた
めに体の色を変えるわ」
「だったら論文試験なんてカメレオンが書けば良い」
「だめよ。あなたの論文試験だもの。あなたがカメレオンになっ
て書くしかないのよ」
彼女はそう言うとゆっくりと立ち上がり部屋を出ていった。僕はその間
ずっと、カメレオンになった自分を想像していた。
363 :
氏名黙秘:2006/04/08(土) 18:16:35 ID:???
「完璧な答案などといったものは存在しない。完璧な学説が存在しないようにね。
364 :
僕:2006/04/09(日) 00:39:05 ID:???
「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。失敗したロー制度に乗り合わせたみたいにさ。もちろん択一持ちもいりゃ択落ちもいる。べてもいりゃ若手もいる。だけどね、人並み外れた頭を持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。」
365 :
僕:2006/04/09(日) 00:50:19 ID:???
「だから早くそれに気付いたローがほんの少しでも合格させるように努力すべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?上位ローなんてどこにもありはしない。上位の振りのできるローがあるだけさ。」
佐藤コージはしばらくだまりこんで、ダットサンをじっと眺めていた。
「嘘だと言ってくれないか?」
366 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 02:29:40 ID:???
367 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 02:31:32 ID:???
>>363 しかし、完璧に限りなく近い答案を書くべく努力することはできる。
学者が日夜完璧な学説を求めて知恵を絞っているようにね。
そうだろ?
368 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 02:33:28 ID:???
>>364 >>365 GJ!
なんか本当に本当に実際にあったシチュエーションのようだ。
こうじにそれをいえるのは誰なんだろう?
369 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 02:59:56 ID:???
age
370 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 04:12:44 ID:???
あげるよ!
371 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 04:32:24 ID:???
なにいってるの?>370
人の地位をあげてももう意味ないんだよ。
そのひとはそのひとだよ
372 :
371:2006/04/09(日) 04:33:48 ID:???
人の地位や経歴を本当と違うだけあげてもさげても、ね
373 :
氏名黙秘:2006/04/09(日) 05:18:15 ID:???
374 :
僕:2006/04/10(月) 00:31:53 ID:???
「べてについて知りたい。」と私は言った。
「べては地下に生きるものだ。巽とかイdとか、そういうところに住みついて、実家の残りものを食べ、冷水器の水を飲んで生きている。世間とまじわることは殆んどない。」
連投スマソ
あとべて批判したいわけじゃなくかつての司法板の自虐ネタとして理解頂きたい。
375 :
氏名黙秘:2006/04/11(火) 01:27:20 ID:???
>>374 辛い・・・ 父さん母さん許して下さい。
僕はもう・・・
376 :
氏名黙秘:2006/04/11(火) 02:14:30 ID:???
あげ!
377 :
氏名黙秘:2006/04/11(火) 04:04:13 ID:???
378 :
氏名黙秘:2006/04/13(木) 00:48:15 ID:???
保守あげ
379 :
氏名黙秘:2006/04/19(水) 09:07:44 ID:???
保全
380 :
氏名黙秘:2006/04/22(土) 09:00:32 ID:???
保全
381 :
氏名黙秘:2006/04/22(土) 09:12:58 ID:???
やれやれ
382 :
氏名黙秘:2006/04/24(月) 01:35:47 ID:iqJ486i8
part5までのhsもうないのか・・・
383 :
氏名黙秘:2006/04/27(木) 22:50:47 ID:???
やれやれ。まいったよ。
384 :
氏名黙秘:2006/04/28(金) 19:28:47 ID:???
「永沢さんはどんな学説が好きなんですか?」と僕は訊ねてみた。
「共謀共同正犯否定説、共有のごむまり理論、8月革命説」と彼は即座に答えた。
「あまり今日性のある学説とはいえないですね」
385 :
氏名黙秘:2006/04/28(金) 19:34:17 ID:???
「ねえ、母校を愛してる?」
「もちろん。」
「ローに入りたい?」
「今、すぐに?」
「2年後の…4月ごろによ。」
「もちろん入りたい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「…内定はいくつとったの?」
「5つ。」
「銀行? 製造?」
「メガバンクが2つにメーカーが3つ。」
教授はコーヒーで口の中のパンをのみ下してからじっと僕の顔を見た。
「嘘つき!」
と教授は言った。
しかし教授は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。
386 :
氏名黙秘:2006/04/29(土) 01:15:23 ID:???
387 :
氏名黙秘:2006/04/29(土) 11:30:56 ID:???
GJあげ!
388 :
菜月命:2006/04/30(日) 19:55:19 ID:huLr8Bxl
★JUPITER ジュピター★
おいらも司法試験くずれだ。でもおいらが司法試験を放棄してから早いもので
もう10年になる。いまは安月給の会社勤めだ。司法試験を止めてからは何も
することがなくなり、それまでできなかったことをやりまくった。
小説を読んだり、TVドラマ・映画を見まくったり、マンガ・ゲームにはまったり、
風俗嬢にも熱中したっけ。(笑)そんなことで何年かを過ごした。でもそれにも
あきて、今はある資格試験を受けている。
司法試験に関わることはもうないだろう。ロースクールがどうなろうと知った
ことじゃない。でもあの頃の受験仲間がどうなったんだろう、とふと思い出す
ことはあるね。もうとっくに付き合いが切れてしまっているから、どうなった
のかわからない。でもふと思い出すんだ。あの時期はあれでよかったんじゃない
かってね。本当にひさしぶりに伊藤真先生の本を読んだ。「夢をかなえる・・」
という本だ。もっと早くこういう本にめぐり会っていたら人生変わっていたかも
しれないな。
>272,275,276の文章には打たれるものがあった。印刷してファイルしておこうと
思う。現行試験の受験生諸君、あと少しだろう。悔いの残らないように燃焼して
くれたまえ。
389 :
氏名黙秘:2006/05/04(木) 04:22:45 ID:???
こんなにたくさんのひとの身を切るような苦しみや悲しみを飲み込んで
今の法曹界がある
390 :
氏名黙秘:2006/05/04(木) 14:07:58 ID:???
良スレあげ
391 :
氏名黙秘:2006/05/04(木) 17:37:54 ID:???
毎年この時期になると上がってくるね。
392 :
氏名黙秘:2006/05/04(木) 18:56:35 ID:???
「ぼくは、ま、ま、魔骨塾に通ってるんだな。君はどこだい?」
と特攻隊は言った。
「セミナーさ」と僕は言った。
「どうしてかな?やっぱり、ま、ま、魔骨塾がいちばん短期合格者が多いんだし」
「人それぞれ好みというものがあるんじゃないかな?僕にはセミナーの雰囲気が合ってるんだよ。
それに、魔骨塾がいちばん短期合格者が多いという客観的な証拠はない」
と僕は言った。
「でも、ま、ま、魔骨先生がそう言ってるんだな」
「その魔骨先生がそう言ってるからといって、それが事実という保証はないんじゃないかな」
突撃隊は少し不愉快そうな表情をした。
「でも、ま、ま、魔骨塾には大勢の受講生がいるんだな」
「セミナーはもっといるよ」と僕は言った。
特攻隊は完全に機嫌を損ねて黙ってしまった。
「やれやれ」
僕は枕元のコンデバ憲法を手に取り読みはじめた。
393 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 06:17:13 ID:???
394 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 10:21:20 ID:???
マコツさんは腕を大きく動かして目を見開き、
黒板のまえで熱弁をふるっていた。金の大きなネクタイが
その動きにあわせてときどききらりと光った。彼のミッド
ナイトブルーのシャツはまるで司法試験の闇にあわせてあ
つらえたように見えた。鮮やかな色合いの彼のかたちの
良い唇がまるで合格は保証されているんだよとでもいって
いるみたいに時折ニコリと笑った。そんな姿を見ていると
受験生がどうして彼を特別な講師として選んだのかわかる
ような気がした。マコツさんよりうまい講師はいくらでも
いるだろう、そして受験生ならそういう講師をいくらでも
選ぶことができただろう。しかしマコツさんという講師の
中には何かしら人の心を強く揺さぶるものがあった。そして
それは決して彼が厚い論証を出して受験生を揺さぶるという
のではない。彼の発する論証はささやかなものなのだが、
それが受験生の心の共振を呼ぶのだ。授業の終わりまで僕は
ずっと彼を眺め、彼が僕の心の中にひきおこすこの感情の
震えはいったい何なんだろうと考え続けていた。しかしそれが
何であるかはとうとう最後までわからなかった。
395 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 10:23:23 ID:???
僕がそれがなんであるかにおもあたったのは12年か13年あと
のことだった。僕は13回目の司法試験の失敗のあとに来た
成績通知をみるため自習室から自宅にもどって、自宅の近所
のピツァ・ハウスに入ってビールをのみピツァをかじりながら
奇蹟のように美しい成績通知を眺めていた。成績表のすべて
がGに染まっていた。憲法から民法から刑事訴訟法から、
目につくもの何から何までがGに染まっていた。まるで特殊
な学説を頭から書きなぐったといわんばかりの鮮やかなGだった。
そんな圧倒的な成績表の中で、僕は急にマコツさんのことを
思い出した。そしてそのときマコツさんがもたらした心の震え
がいったい何であったかを理解した。それは真実に裏打ちされ
ることのなかった、そしてこれからも永遠に裏打ちされること
のないであろう宗教者の偽善のようなものであったのだ。僕は
そのような偽善者に対する焼け付かんばかりの懐疑心をマコツ
さんの授業に触れて以来、どこかに置き忘れてきてしまって、
そんなものがかつて自分の中に存在したことすら長い間思い出
さずにいたのだ。マコツさんが揺り動かしたのは受験生の中に
深く根ざしていた<不合格への不安>であったのだ。そしてそれ
に気づいたとき、僕は殆ど泣き出してしまいそうな哀しみを覚
えた。マコツさんは本当に本当に特別な偽善者だったのだ。誰が
なんとしてでも彼から受験生を救うべきだったのだ。
396 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 10:24:27 ID:???
でもセミナーにもLECにも僕たち受験生を救うことはできなかった。
僕らは――他の多く受験生たちがそうしたように――人生のある段階が
くると、ふと思いついたみたいに自らの受験生命を絶った。僕らは
新司法試験制度が開始してしまった二年後に地元の中小企業に就職し、
その二年後に退職してニートになった。
397 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 10:27:11 ID:???
上記フィクションですんで、現実とは一切かかわりありません。
その点お含みおきください。
398 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 12:36:43 ID:???
「若手合格者とロー生の似ているところはね、受験中に多くの少数説を理解したいと思っ
ていないところなんだ」と若手合格者が言った。「そこがベテの連中と違っているところな
んだ。ベテの奴らはすべての学説のことをわかりたいと思ってあくせくしてる。でも若手
合格者はそうじゃないし、ロー生もそうじゃない。理解しなくたってかまわないと思って
いるのさ。学説は学説で、試験は試験だって」
「そうなの?」ベテはロー生に訊いた。
「まさか」とロー生は言った。「ロー生はそれほど強い人間じゃありませんよ。どの論点に
ついても少数説を理解しなくていいと思っているわけじゃない。理解したいと思う学説だ
ってあります。ただ試験に出る以外の少数説はある程度理解できなくても、まあこれは仕
方ないと思っているだけです。あきらめてるんです。だから若手合格者のように理解しな
くたってかまわないと思っているわけじゃありません。」
399 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 12:37:23 ID:???
「俺の言っているのも殆ど同じ意味だよ」と若手合格者はコーヒー・スプーンを手にとっ
て言った。「本当に同じことなんだよ。前田の結果無価値と大谷の行為無価値のちがいくら
いしかないんだ。構成要件も同じで、理由付けも同じで、ただ呼び方がちがうんだ」
「若手合格者さん、あなたは有力説も理解しなくたっていいと思っているの?」ベテは訊
いた。
「君にはどうもよくわかってないようだけれど、多くの学説を理解できるためには司法試
験に合格する程度の能力のあることが前提であって、一受験生が多数の学説を理解したい
と望んだからではない」
400 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 12:37:55 ID:???
「じゃあベテがきちんと少数説を理解したいと望むのは間違ったことなの?たとえばいま
すぐに?」
「いや、べつに間違っていないよ」と若手合格者は答えた。「ただ、まともな合格者はそれ
を時間の無駄と呼ぶ。もし君が合格前に多くの少数説を理解したいと思うのならね。若手
合格者のシステムはベテの生き方のシステムとずいぶんちがうんだよ」
「でもベテは時間の無駄をしているというのね?」
「だからベテは若手合格者のシステムを―」
「システムなんてどうでもいいわよ!」とベテがどなった。ベテがどなったのをみたのは
あとにも先にもこの一度きりだった。
401 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 13:54:28 ID:jegeDPDE
402 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 14:08:22 ID:???
いや、違うな。
むしろ若手でローに入った奴の方が学説整理に躍起になっている。
ある程度、現行を経験した奴は、学説の無意味さーまして新司法ーを理解しているから
少数説なんて手を出さない
403 :
氏名黙秘:2006/05/05(金) 14:45:47 ID:???
「あなた団藤の『刑法総論』て読んだことある?」と緑が訊いた。
「あるよ。もちろん全部は読んでないけど。他の大抵の人と同じように」
「理解できた?」
「理解できるところもあったし、できないところもあった。『刑法総論』
を正確に読むにはそうするための思考システムの習得が必要なんだよ。
もちろん総体としての行為無価値論はだいたいは理解できているとおも
うけれど」
「その手の本をあまり読んだことのないロースクールの未修生が『刑法
総論』読んですっと理解できると思う?」
「まずムリじゃないかな、そりゃ」と僕は言った。
「あのね、私、ローに入ったとき刑事法関係のゼミに入ったの。人権派
弁護士になりたかったから。それがひどいインチキな奴らの揃っている
ところでね、今思い出してもゾッとするわよ。そこに入るとね、まず
団藤『刑法総論』を読ませられるの。何ページから何ページまでよんで
こいってね。刑法とは社会とラディカルにかかわりあわねばならぬもの
であって・・・なんて演説があってね。で、まあ仕方ないから私一所
懸命団藤刑法読んだわよ、家にかえって。でも何がなんだか全然わかん
ないの。芦部憲法以上に。3ページで放り出しちゃったわ。それで次の
週のゼミで、読んだけど何もわかりませんでした、ハイって言ったの。
そしたらそれ以来馬鹿扱いよ。問題意識がないだの、社会性に欠けるだ
のね。冗談じゃないわよ。私はただ文章が理解できなかったって言った
だけなのに。そんなのひどいと思わない?」
「ふむ」と僕は言った。
「ソクラテスメソッドってのがまたひどくってね。みんなわかったよう
な顔をしてむずかしい言葉使ってるのよ。それで私わかんないからその
たびに質問したの。『その反規範的人格態度って何のことですか?ホリエ
モンと何か関係あるんですか?』とか、『共謀共同正犯って相談しただけ
でブタ箱行きってことですか?』とかね。でも誰も説明してくれなかっ
たわ。それどころか真剣に怒るの。そういうのって信じられる?」
「信じられる」
「そんなことわからないでどうするんだよ、何考えて生きてるんだお前?
これでおしまいよ。そんなのないわよ。そりゃ私純粋未修よ。低学歴よ。
でもロースクールを支えてるのは低学歴だし、搾取されているのは低学歴
じゃない。低学歴にわからない言葉ふりまわして何が「プロセス重視」よ、
何が「実務家要請」よ!私だってね、世の中良くしたいと思うわよ。もし刑
事法の考え方が本当に人権侵害をおこしているのならそれはやめさせな
きゃいけないと思うわよ。だからこそ質問するわけじゃない。そうでしょ?」
「そうだね」
「そのとき思ったわ、私。こいつらみんなインチキだって。適当に偉そ
うな言葉ふりまわしていい気分になって、純粋未修の女の子を感心させ
て、スカートの中に手を突っ込むことしかかんがえてないのよ、あの人
たち。そして修習生になったら髪の毛黒くして長島大野だの森浜田松本
だの西村ときわだのアンダーソン毛利だのにさっさと就職して、団藤刑
法なんて読んだこともないかわいい奥さんもらって子供にいやみったら
しい凝った名前つけるのよ。みんな何もわかってないのにわかったよう
な顔してへらへらしてるんだもの。そしてあとで私に言うのよ。あなた
馬鹿ねえ。わかんなくたってハイハイそうですねっていってりゃいいの
よって。ねえ、もっと頭にきたことあるんだけど聞いてくれる?」
「聞くよ。」
つづきはまた明日かあさってに。
409 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 02:13:24 ID:???
やれやれ
410 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:14:45 ID:???
411 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:22:42 ID:???
あんまり
412 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:25:54 ID:???
青い六法って村上春樹のまねだったのか
413 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:38:55 ID:???
414 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:50:58 ID:???
よくわかんないけどこれ青い六法ににてないか?
文体は
内容はある一定の内心的傾向を見出すことができるけどね
415 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 13:55:21 ID:???
てか、今の作家で、村上春樹の影響を全く受けてない奴の方が珍しくね?
漱石と同じ。
416 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 16:32:38 ID:???
青い六法って何のことだ?
誰か説明して下さい。
それにしても久々に覗いたら、もの凄い力作揃いだ!
この才能が報われる世の中であることを切に望む!
>>408 続きまってるよ!!!!!!!
417 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 16:37:22 ID:???
村上春樹はこの30年弱で日本語自体を少し変容させてしまった。
それが正しいことなのか誤ったことなのか、そもそも言語の変容に
正誤の区別なんてあり得るのか、そういう難しいことは僕にはわからない。
ただ一ついえることは、もう誰も、村上春樹の影響を受けた部分と
そうでない部分をうまく切り分けることができなくなっている、
ということだ。
418 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 16:52:14 ID:???
春樹っぽいww
青い六法ってのはセミナーの連載小説。
受験生なら結構楽しめるよ。
419 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 17:09:48 ID:???
>>418 だろ?ちょっと文章をまじめに書こうとすると、もう頭の中が
春樹フォーマットされてしまっているんだよ。
WINDOWSみたなもんだ。日本人の大部分のOSと化している。
さんくす。セミナーが出してるPR誌か何かに(アーティクル?)
そういう小説が連載してるんだね?
つづきupします。
「ある日私たち新司法試験の勉強会をやることになって、マーチ出身者
たちはみんな一人20個づつの論証カードをつくってもってくることって
いわれたの。冗談じゃないわよ。そんなの完全な学歴差別じゃない。で
もまあいつも波風立てるのもどうかと思うから私何も言わずにちゃんと
論証カード20個作っていったわよ。問題提起して理由付けして。そうし
たらあとでなんて言われたとおもう?お前の論証カードは自説しか書い
てなかった。反対説も書いてなかったって言うのよ。他のマーチ出身者
のは反対説やら批判が入っていたし、あてはめなんかがついてたりした
んですって。もう、アホらしくて声もでなかったわね。人権云々を論じ
ている連中がなんて論証カードの内容のことくらいで騒ぎまわらなくちゃ
ならないのよ、いちいち。問題提起があって自説の理由付けがありゃ
上等じゃないの。少数説に拘って現行に落ち続けたベテのこと考えてご
らんなさいよ。」
僕は笑った。「それでそのゼミはどうしたの?」
「六月にやめたわよ、あんまり頭に来たんで」と緑は言った。「でもこの
ロースクールの連中は殆どインチキよ。みんな自分が法律わかってな
いことを人に知られるのが怖くってしようがなくてビクビクして暮ら
してるのよ。それでみんな同じような基本書読んで、みんな同じよう
な法律用語ふりまわして、『行列のできる法律相談所』やら『7人の
女弁護士』やら見てバカにしてるのよ。そういうのがローの理念なの?」
「さあどうかな。僕は実際に佐藤幸治と話したわけじゃないからなん
とも言えないよね」
「こういうのがローの理念なら、私新司法試験なんて受けないわ。
私きっと論証に自説しか入れなかったっていう理由で落とされちゃ
うもの。あなただってきっと落とされるわよ。行為無価値論をきち
んと理解しているというような理由で。」
「ありうる」と僕は言った。
「ねえ、私にはわかっているのよ。私は低学歴だから。ローの理念
が達成されようがされまいが、低学歴というのはロクでもないとこ
ろでぼちぼちと生きていくしかないんだっていうことが。ローの
理念が何よ?そんなの試験の仕組みが変わるだけじゃない。でもあ
の人たちにはそういうのが何もわかってないのよ。あのローの理念
とやらをふりまわしている人たちには。あなた若手現行合格者って
見たことある?」
「ないな」
「私、何度も見たわよ。答案練習会にずかずか入ってきて威張るの。
何、この答案?おたくいい加減な論証書いてるねえ。これ本当に
我妻説なの?基本書見せなさいよ、基本書、なんてね。私たち隅
の方にこそっといて、時間になるとお菓子やらお茶やらを出すの。
でもね、その現行ベテの友達は学説ごまかしたことなんて一度も
ないのよ。本当よ。あの人そういう人なのよ、基本書主義で。それ
なのに若手合格者ってねちねちねちねち文句つけるのよね。あて
はめちょっと薄すぎるんじゃないの、これって。冗談じゃないわよ。
あてはめ少ないのは論証が厚いからでしょうが。そういうの聞い
てると私悔しくってね。C型答練行ってそういうのやんなさいよっ
てどなりつけたくなってくるのよ。ねえ、もしローの理念が達成
されたら合格者の態度って変わると思う?」
「きわめて疑わしいね」
「じゃあ私、ローの理念なんて信じないわ。私はニートになるこ
とにするわ」
425 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 19:08:25 ID:???
すげえな、おい。
しかしオチがニートというのはあまりにも物悲しい。。。
426 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 20:07:26 ID:???
>>421 GJ!楽しめた。
稀に見る大作だな。
でも大作なだけのさいごのオチがな、、、。
「ねえワタナベ君、受領遅滞の債務不履行説と法定責任説の違いを
きちんと説明できる?」と突然僕に質問した。
「できると思うよ」と僕は言った。
「ちょっと訊きたいんだけれど、そういうのが弁護士実務で何かの
役に立つと思う?」
「弁護士実務の中で何かの役に立つということはあまりないだろう
ね」と僕は言った。「でも具体的に実務の役に立つというよりは、
そういうのは新司法試験でより効率的に正答に至るための知識に
なるんだと僕は思っているけれど」
緑はしばらくそれについて真剣な顔つきで考えこんでいた。「あな
たって偉いのね」と彼女は言った。「私これまでそんなこと思いつ
きもしなかったわ。法定責任説だの誤想過剰防衛だの特定物ドグ
マだの、そんなもの何の役にも立つもんですかとしか考えなかった
わ。だからずっと無視してやってきたの、そういうややこしいの。
私の生き方は間違っていたのかしら?」
「無視してやってきた?」
「ええそうよ。そういうの、ないものとしてやってきたの。私、
連帯債務、不真正連帯債務だって全然わかってないのよ」
「それでまあよく大学を出てロースクールに入れたもんだよね」
と僕はあきれて言った。
「あなた馬鹿ねえ」と緑は言った。「知らないの?未修コースなら
何も知らなくてもロースクールなんて受かっちゃうのよ。私すご
く勘がいいのよ。適性試験の問題なんてパッとわかっちゃうもの。」
「僕は君ほど勘が良くないから、ある程度効率的に正答に至るた
めの知識を身につける必要があるんだ。現行ベテが自習室ロッカ
ーに基本書を貯め込むみたいに」
「そういうのが何か役に立つのかしら?」
「どうかな」と僕は言った。「まあある種のことはやりやすくなる
だろうね」
「たとえばどんなことが?」
「択一の肢切り、論証の補強、たとえばね」
「それが実務では役に立つのかしら?」
「それはその人次第だね。役に立つ人もいるし、立たない人もい
る。でもそういうのはあくまで訓練なんであって、役に立つ立た
ないはその次の問題なんだよ。最初にも言ったように。」
「ふうん」と緑は感心したように言って、僕の手を引いて坂道を
下りつづけた。「ワタナベ君って人にものを説明するのがとても
上手なのね」
「そうかな?」
「そうよ。だって私これまでいろんな人に受領遅滞の二つの学説
は何の役に立つのかって質問したけど、誰もそんな風にきちんと
説明してくれなかったわ。択一持ち既修生でさえよ。みんな私が
そういう質問すると混乱するか、馬鹿にするか、そのどれかだっ
たわ。誰もちゃんと教えてくれなかったの。そのときにあなた
みたいな人がいてきちんと説明してくれたら、私だって受験を辞
めずに済んだかもしれないのに。」
「ふむ。」と僕は言った。
433 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 20:37:20 ID:???
>>432 GJGJ!
この調子でノルウェイ全編制覇なんてのはどうよ?
434 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 20:37:22 ID:???
↑
いや、そんなに本気にならなくても・・・
435 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 20:38:54 ID:???
でもこういう人がいた方が楽しみが多いよ。
下手するとこのスレ落ちるからな。
436 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 20:41:04 ID:???
たしかに。
忙しくないときは出来るだけ保守してるけど、
多忙を極めると下手すると10日くらい平気で経ってしまう。
あくまで息抜きですよ。
司法試験も深くかかわりましたし、
村上春樹はどの作品も何度も読み返しているんで、
書いていると楽しいですね。
気が向いたらまた書きます。
438 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 21:19:31 ID:???
Q「特殊な関係とは性行為のことであるのか?」
A「そうではありません」
Q「説明をしてほしい」
A「精神的行為であります」
Q「説明になっていない」
A「うまい言葉が見つかりませんが交霊というのが近いかと思います」
Q「君はマコツと交霊したというのか?」
A「そうであります」
Q「現行試験の間君はマコツと交霊していたというのか?」
A「そうであります」
Q「それは職務逸脱行為であるとは思わないのか?」
A「シケタイが私の勉強方法であります」
Q「予備校は試験勉強とは認められない。以後慎んでもらいたい。そもそも貴君は東京大学ロースクールに優秀な成績で入学し入学後も優れた成績を残している。いわば将来の法曹界を担うべき人物である。それを認識すべきである」
A「わかりました」
Q「交霊のことは忘れたまえ。マコツはただの家畜だ」
A「忘れることは不可能であります」
Q「事情を説明してもらいたい」
A「マコツが私の中にいるからです」
Q「説明になっていない」
A「これ以上の説明は不可能であります」
439 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 21:32:16 ID:???
これは?from 羊をめぐる冒険?
440 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 21:44:35 ID:???
羊をめぐる冒険です
441 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 22:26:24 ID:???
羊博士か。
442 :
氏名黙秘:2006/05/06(土) 23:54:04 ID:???
できることなら、 司法試験のことはなるべく早く忘れてしまってください。
基本書を投げ捨て、あなたが新しい 別の進路選択を決意することが、
僕たち二人にとって最良の道なのです。 砂糖工事が今何を作ろうとしていて、
何を発表しようとしているかはたいした問題ではありません。何よりも重要な事実は、
何かしらの理由によって、司法試験とベテとがすでに 異なった世界に分かたれて
しまったことです。
そしてそれはもう、もとには戻らないことなのです。わかってほしいのですが、
こうして予備試験の話をしていることすら、僕には身を切られるように辛いのです。
きっとあなたには想像もつかないくらい。
だからそのことでもうこれ以上、僕を苦しめないでほしいのです。あなたが法曹界
のために何かできることがあるとしたら、それは一刻も早く司法試験の存在を忘れて
くれることです。司法試験にこれまで投資してきた金額を、存在しなかったものと
して記憶の外に追いやってくれることです。それが結局、あなた自身 に とって
いちばんいい結果をもたらすことなのです。僕はそう確信しています。
443 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 00:06:22 ID:???
ねじまき鳥 クミコ?
444 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 00:21:06 ID:???
「どうして退学を受理したの?」と彼女が訊いた。
「彼は本当は旧司にしか興味がないから」と僕は言った。
「冗談でしょ?」
「ブログに載った投稿にそんな文章があったんだ。数ヶ月前に読んだ」
「本当はどうなの?」
「簡単だよ。この夏に彼が出ていったんだ。出ていったきり二度と戻らなかった」
「それから一度も会ってないの?」
「そうだね」と僕は言ってビールを口にふくみ、ゆっくりと飲みこんだ。
「とくに 会う理由もないからね」
「ロー生活はうまくいっていなかったの?」
「ロー生活はうまくいっていた」と言って、僕は手に持ったビールの缶を眺めながら言った。
「でもそんなのは司法試験の本質とはあまり関係ないんだ。二人で同じ試験に関わっていても
ノートを書いたり論証カードをめくるのは一人だ。僕の言うことはわかる?」
「ええ、わかると思うわ」
445 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 00:29:50 ID:???
たとえばロースクール生というステータスがある。そしてそのローで勉強すること
を専門的職業とする人々がいる。これはまあ世の中の成り立ち方としては当然のこ
となのかもしれないけれど、そういうことについて真剣に考えはじめると、僕の頭
は立体的な迷宮みたいに混乱してしまう。
何故それはロースクールでなくてはならなかったのか?
何故彼はロースクール生になり、僕はならなかったのか?
ある一人の人間がロースクール生になるという行為には、ある一人の人間が
アンチローになるよりはずっと深い謎が含まれているように僕には思える。それを解け
ば人生が何もかもばらりとわかってしまうような謎が。しかし それは結局の
ところ僕がアンチローであって、ロースクール生ではないからかもしれない。
もし僕が最初からローで勉強をしていたなら、ある一人の人間がアンチローになるという
行為のほうがずっと奇妙に見えるのかもしれない。
446 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 01:14:30 ID:???
これだけ翻案がぴたりとはまるというのは、
春樹の文章の普遍性を示しているのだろうか?
それとも翻案者の才能と情熱によるところが大きく、
同じだけの才能と情熱を傾ければ、
例えば、
龍の文章ですら、
このような翻案が可能なのだろうか?
447 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 02:38:43 ID:???
448 :
氏名黙秘:2006/05/07(日) 04:35:09 ID:???
>>447 羊の冒頭だったか?
「僕」が離婚したことについて語っているとこ?
449 :
氏名黙秘:2006/05/08(月) 02:24:27 ID:???
ああ、耳のモデルの女の子(キキ)と話しているところか。
450 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 01:21:04 ID:???
保守あげ
451 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 01:22:49 ID:???
村上は、今年から来年あたり、ノーベル賞をとる予感。
452 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 02:45:36 ID:???
いや、それはさすがにネタかと・・・
453 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 03:10:34 ID:???
いや、ありうる。
454 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 06:06:24 ID:???
>>451 ズラ髪がノーベル経済学賞? ないない。
455 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 06:47:23 ID:???
アメリカの学会にコネを作ったし
純粋なファンも外国にずいぶん増えてるから
ありうるんじゃないか?
今国際的にもっとも安定して売れている作家の1人だし。
456 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 07:01:59 ID:???
今のりにのってる春樹だけど
もう少し政治色ださないとノーベル文学賞は取れないお
457 :
氏名黙秘:2006/05/11(木) 09:17:04 ID:???
ノーベル賞なんかもらったら、あの顔を日本中に頻繁に晒すことになる
イメージ壊れるからやめて欲しい
谷崎潤一郎とかも油っぽくていやなのに。
まぁ文学筋では今一番受賞近いと言われてるな。
458 :
氏名黙秘:2006/05/13(土) 13:28:43 ID:???
カフカ賞
459 :
氏名黙秘:2006/05/13(土) 19:38:27 ID:???
受験生明日頑張れ!
実力が発揮できることを祈る!!!
460 :
氏名黙秘:2006/05/17(水) 00:27:10 ID:???
保守あげ!
461 :
氏名黙秘:2006/05/20(土) 19:34:25 ID:???
保守
462 :
氏名黙秘:2006/05/20(土) 19:55:49 ID:qax1/r2F
「先のことなんて考える必要ないわ」
463 :
氏名黙秘:2006/05/20(土) 22:12:44 ID:???
俺はなぜ今も論文対策を続けるのか
俺はなぜ負けつづけるのか
俺は知らないのだろうか
43点がもう終ってしまったことを
"The End of the Bar examination"
464 :
氏名黙秘:2006/05/23(火) 22:02:46 ID:???
ほしゅあげ!!
465 :
氏名黙秘:2006/05/28(日) 12:47:20 ID:???
皆無事でいるか?
466 :
氏名黙秘:2006/05/30(火) 11:08:28 ID:ElleGDY/
無事といえば無事、終わったといえば終わった…
このあたりの境いめは司法試験受験生の多くがそうであるように
限りなく不明瞭である。
続けられれば無事、続けられなければ区切りをつけて転向。
要するにどこまでやるのか、なのだ。
467 :
氏名黙秘:2006/05/30(火) 19:54:31 ID:???
まずは、
お疲れ様。
自分の中で区切りが付けられるかどうか、
だな。
468 :
氏名黙秘:2006/06/04(日) 20:01:51 ID:???
彼らが帰ってくるまで
このスレを守り続けよう・・・
469 :
氏名黙秘:2006/06/05(月) 01:44:58 ID:???
ほしゅ
470 :
氏名黙秘:2006/06/07(水) 21:06:40 ID:???
捕手
471 :
氏名黙秘:2006/06/09(金) 20:56:35 ID:???
昨日は発表か。。。
無事を祈る。。。
472 :
氏名黙秘:2006/06/09(金) 22:00:34 ID:???
君は考えたことはないかね
なぜこの司法試験はこんなにも争いが絶えず…
なぜこんなにも!!
不平等で
不可解で
不確実で
不安定で
不条理で
不公平で
──そして不完全なのかを!!!
必要なのは全てがひれ伏す完璧な財力!!
唯一で絶対で!!
強大でどうしようもない純粋な────
金!!!
そのお方が司法試験界に君臨したとき!!
争いなど起こり得ない真に平和な制度を改革できるのだよ!!
そしてそれを成し得るお方こそ
この真骨様なのだ!!!
473 :
氏名黙秘:2006/06/10(土) 10:05:32 ID:???
やれやれ。
その、やれやれ、
っていうの、やめてくれる?
もちろん。
その、もちろん、
っていうの…
474 :
氏名黙秘:2006/06/10(土) 10:20:00 ID:???
ふうん
475 :
氏名黙秘:2006/06/10(土) 14:49:29 ID:???
ふうむ。
476 :
氏名黙秘:2006/06/12(月) 21:04:59 ID:???
頼むから嘘だといってくれないか?
477 :
氏名黙秘:2006/06/15(木) 12:40:51 ID:???
緑、生きてるか?
478 :
氏名黙秘:2006/06/17(土) 12:14:00 ID:???
悪いことばかり続くわけじゃない。
じっと我慢だ。
479 :
氏名黙秘:2006/06/17(土) 12:54:00 ID:???
願いが叶いますように!
480 :
氏名黙秘:2006/06/19(月) 12:07:19 ID:???
よく、いるか予備校の夢をみる。
そこは僕を含んでいて、僕はそこに含まれている。
そんな夢だ。
481 :
氏名黙秘:2006/06/21(水) 23:36:37 ID:???
どうしようもなく悲しいとき、
もっと悲しかったときのことを思い出す。
もっとほかにできたことがあるんじゃないか、
そう考え出すと自分が許せなくなり、あのときに
あり得た選択肢の一つ一つを繰り返し繰り返し考え続ける。
482 :
氏名黙秘:2006/06/22(木) 23:45:32 ID:???
ほしゅ
483 :
氏名黙秘:2006/06/26(月) 22:47:43 ID:???
hosyu
484 :
氏名黙秘:2006/06/30(金) 14:08:13 ID:???
おいまっつん、ここはひどいローだよ、と僕は思った。
こういう奴らがきちんとローの単位をとって新試験に合格し、
せっせと下劣な法社会を作るんだ。
485 :
氏名黙秘:2006/06/30(金) 14:18:34 ID:???
「最高裁の主張していることは結局のところ内容空疎な責任回避、言い逃れに
過ぎません。統治行為という便宜的タームを持ちだすことによって、安易な自己正当化
をおこなっているだけです。言わせていただければ、最高裁はまさに日本が後進的法治国家であることの
パセティックな歴史的例です」
「パセティックな歴史的例」と戸波教授は感心したような口調で繰りかえす。声の
響きからすると彼はその表現がけっこう気に入ったようだった。
486 :
氏名黙秘:2006/06/30(金) 14:35:15 ID:???
487 :
氏名黙秘:2006/07/01(土) 00:02:03 ID:???
488 :
氏名黙秘:2006/07/02(日) 01:21:40 ID:???
勇者求む!
489 :
氏名黙秘:2006/07/02(日) 13:51:26 ID:???
「前田雅英の主張していることは結局のところ内容空疎な責任回避、言い逃れに
過ぎません。実質的構成要件という便宜的タームを持ちだすことによって、安易な自己正当化
をおこなっているだけです。言わせていただければ、前田説はまさに日本が後進的法治国家であることの
パセティックな歴史的例です」
「パセティックな歴史的例」と山口教授は感心したような口調で繰りかえす。声の
響きからすると彼はその表現がけっこう気に入ったようだった。
490 :
氏名黙秘:2006/07/16(日) 17:58:28 ID:???
捕手
491 :
氏名黙秘:2006/07/18(火) 18:06:28 ID:???
最近人が来ないな。
なぜかこのじき〜冬は人が来ない伝統だが。
492 :
氏名黙秘:2006/07/21(金) 21:48:20 ID:???
定期保守
493 :
氏名黙秘:2006/07/23(日) 19:46:54 ID:???
(´・ω・`)
494 :
氏名黙秘:2006/07/24(月) 01:02:44 ID:???
(-.-)zzZ
495 :
氏名黙秘:2006/07/27(木) 21:35:23 ID:???
( ̄□ ̄;)!!
496 :
氏名黙秘:2006/07/29(土) 15:03:30 ID:???
( ̄ー ̄)
497 :
氏名黙秘:2006/08/02(水) 22:14:03 ID:???
hosyu
498 :
氏名黙秘:2006/08/02(水) 22:19:59 ID:???
バットでぼこぼこにするシーンが巣晴らしかったよ
499 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 11:50:39 ID:y687J5YT
やれやれ
500 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 12:08:02 ID:Rx4vIf0L
参ったね
501 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 12:41:36 ID:???
>>491 みんな何処かに行っちまうんだよ。
自習室へ帰ったり、職場に戻ったりさ。
あんただってそうだろ?
502 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 14:30:15 ID:???
503 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 15:26:22 ID:???
504 :
氏名黙秘:2006/08/06(日) 23:15:31 ID:???
ドストエフスキーと春樹は
愛の無い人生は地獄
というが。
では俺が生きているのは…
505 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 04:28:44 ID:???
僕は冷蔵庫からビールを出して飲んだ。
レイコさんはまた煙草に火をつけ、猫は彼女の膝の上でぐっすりと眠りこんでいた。
「あの子もう始めから全部しっかりと決めていたのよ。
だからきっとあんなに元気でにこにこして健康そうだったのね。
きっと決めちゃって、気が楽になってたのよね。
それから部屋のいろんなものを整理して、いらないものを庭のドラム缶に入れて焼いたの。
論証集代わりにしていた自作のノートだとか返却された答案だとか、そういうのみんな。
あなたの添削した答案もよ。それで私変だなと思ってどうして焼いちゃうのよって訊いたの。
だってあの子、あなたの添削した答案はそれまでずっと、とても大事に保管してよく読み返してたんだもの。
そしたら『これまでのものは全部処分して、これから新しく生れ変るの』って言うから、
私はふうん、そういうものなのかなってわりに単純に納得しちゃったの。
まあ筋はとおってるじゃない、それなりに。そしてこの子も元気になって幸せになれるといいのにな、と思ったの。
506 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 04:35:08 ID:???
六時に目を覚ましたとき彼女はもういなかったの。
寝巻が脱ぎ捨ててあって、服と運動靴と、それからいつも枕元においてある懐中電灯がなくなってたの。
まずいなって私そのとき思ったわよ。だってそうでしょ、懐中電灯持って出ていったってことは
暗いうちにここを出て行ったっていうことですものね。
そして念のために机の上なんかを見てみたら、そのメモ用紙があったのよ。
『基本書や答練のレジュメは全部レイコさんにあげて下さい』って。
それで私すぐみんなのところに行って手分けして直子を探してって言ったの。
そして全員でビデオブースの中から周りのコンビニまでしらみつぶしに探したの。
探し当てるのに五時間かかったわよ。
あの子、自分でちゃんとロープまで用意してもってきていたのよ」
レイコさんはため息をついて、猫の頭を撫でた。
507 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 04:39:51 ID:???
僕はお茶を飲みながら、山吹やらつつじやら南天やらを思いつきで出鱈目に散らばしたような
奇妙に雑然とした庭を眺めていた。
「それからしばらくして救急車が来て直子をつれていって、私は警官にいろいろと事情を訊かれたの。
訊くってたってたいしたこと訊かないわよ。一応遺書らしき書き置きはあるし、自殺だってことははっきりしてるし。
それにあの人たち、無職の司法浪人なんだから自殺くらいするだろうって思ってるのよ。
だからひとおおり形式的に訊くだけなの。警察が帰ってしまうと私すぐに電報打ったの、あなたに」
508 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 04:48:27 ID:???
彼女は空になったセブンスターの箱を丸めて捨て、鞄の中から新しい箱を取り出し、
封を切って一本くわえた。しかし火はつけなかった。
「私はもう終わってしまった人間なのよ。
あなたの目の前にいるのはかつての私自身の残存記憶にすぎないのよ。
私自身の中にあったいちばん大切なものはもうとっくの昔に死んでしまっていて、
私はただその記憶に従って行動しているにすぎないのよ」
「でも僕は今のレイコさんがとても好きですよ。残存記憶であろうが何であろうがね。
そしてこんなことどうでもいいことかもしれないけれど、
レイコさんが直子の基本書や答練のレジュメを保管してくれたことは僕としてはとても嬉しいですね」
レイコさんはにっこり笑って、ライターで煙草に火をつけた。
「あなた短期合格者のわりに撤退したべてこの喜ばせ方よく知ってるのね」
509 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 04:57:37 ID:???
修習生仲間が行ってしまったあとで、
僕は大学2年生のとき初めて会話したベテランクラマネのことをふと考えた。
そして自分が彼に対してどれほどひどいことを言ってしまったかを思って、
どうしようもなく冷え冷えとした気持になった。
僕は彼が何をどう思い、そしてどう傷つくかなんて殆んど考えもしなかったのだ。
そして今の今まで彼のことなんてロクに思い出しもしなかったのだ。
彼はとても優しいベテランだった。
でもその当時の僕はそんな優しさをごく当たり前のものだと思って、殆んど振り返りもしなかったのだ。
彼は今何をしているんだろうか。そして僕を許してくれているのだろうか、と僕は思った。
510 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 05:15:15 ID:???
「あなたって偉いのね」と彼女は言った。
「私これまでそんなこと思いつきもしなかったわ。公共の福祉だの受領遅滞だの遺棄の概念だの、
そんなもの何の役にも立つもんですかとしか考えなかったわ。
だからずっと無視してやってきたの、そういうややっこしいの。私の生き方は間違っていたのかしら?」
「無視してやってきた?」
「ええそうよ。そういうの、ないものとしてやってきたの。
私、二重の基準、目的二分論だって全然わかってないのよ」
「それでまあよく合格して司法研修所に入れたもんだよね」と僕はあきれて言った。
「あなた馬鹿ねえ」と緑は言った。
「知らないの?勘さえ良きゃ何も知らなくても司法試験なんて受かっちゃうのよ。
私すごく勘がいいのよ。特に択一で次の五つの中から正しいものを選べなんてパッとわかっちゃうもの」
511 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 21:15:13 ID:???
2005年の秋に僕がその塾を訪れた時、受験生の顔ぶれはもうすっかり変っていて、
知った顔は彼女ひとりという有様だった。
あいかわらずマコツの講義ビデオこそかかってはいたものの、
自習室のあのピリピリとした空気はもう消えうせていた。
彼女と自動販売機の不味いコーヒーだけが五年前と同じだった。
僕は彼女の向いの椅子に腰を下ろし、コーヒーを飲みながら、昔の連中の話をした。
彼らの多くは司法試験をやめていた。一人は自殺し、一人は行方をくらませていた。そんな話だ。
「五年間何をしてたの?」と彼女は僕に訊ねた。
「いろいろさ」と僕は言った。
「少しは賢くなったの?」
「少しはね」
そしてその夜、僕ははじめて彼女と寝た。
512 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 21:25:48 ID:???
その時僕は三十一歳で、あと何週間かのうちに三十二になろうとしていた。
当分の間合格できる見込みはなく、かといって司法試験をやめるだけの確たる理由もなかった。
奇妙に絡み合った絶望的な状況の中で、何年ものあいだ僕は新しい一歩を踏み出せずにいた。
世界中が動きつづけ、僕だけが同じ場所に留まっているような気がした。
2005年の秋には、目に映る何もかもが物哀しく、そして何もかもが急速に色褪せていくようだった。
太陽の光や自習室の匂い、そして小さな雨音さえもが僕を苛立たせた。
513 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 23:15:31 ID:???
死んでこそ、浮かぶ瀬もあれノモンハン
514 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 23:19:48 ID:???
どこかでナリカワが旧試絶対合格の叫びを始めてくれるといいのに、と僕は思った。しかしもちろんナリカワは叫び始めなかった。
ナリカワは夕方には叫ばない。
「君はどうも奇妙な男だな」と工事は言った。
「私にはやろうと思えば、君たちの旧試験の願書を全部シャット・アウトすることもできるんだよ。
そうすれば君はもう受験生とも言えなくなる。
もっとも今君がやっている下らないゼミや答案練習会やらが受験勉強であると仮定すればの話だけれどね」
僕はもう一度ナリカワのことを考えてみた。どうしてナリカワは夕方に叫ばないのだろう?
「それに、君のような受験生をローに行かせる方法は幾つかある」
「たぶんそうでしょう」と僕は言った。
「しかし新試を受けるまでは時間と金がかかるし、旧試がある限りは僕はローに行かない。
受験生の一部は行ったとしても全部は行かない。あなたにはどれだけが全部かわからない。違いますか?」
全てははったりだったが、コースは合っていた。
それにつづく沈黙の不確かさは、僕がポイントを稼いだことを示していた。
515 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 23:43:55 ID:???
「私はさっき君に答案の凡庸さについて語った」と工事が言った。
「しかしそれは君の凡庸さを批難するためのものではない。
簡単に言えば受験生全体の答案が凡庸であるからこそ、君の答案もまた凡庸なのだ。そうは思わないか?」
「わかりませんね」
「受験生の答案は凡庸だ。これは間違いない。
それでは答案は原初から凡庸であったのか?違う。答案の原初は混沌であって、混沌は凡庸ではない。
凡庸化が始まったのはマコツが論証ブロックを編み出してからだ。
そしてマコツはシケタイを出版することによってその凡庸さを固定させた。
だからこそ柴田の機械的合格答案作成法も論証ブロック暗記に直結するんだ。
私はマコツを肯定するよ。彼は原初の混沌を記憶している数少ない天才の一人だからね。
私は同じ意味で柴田も肯定している。
しかし私は論証ブロック暗記を認めない。あれはあまりにも凡庸だ」
工事は喉の奥で小さな音を立てた。
516 :
氏名黙秘:2006/08/07(月) 23:55:05 ID:???
工事は封筒から一枚のコピー・ペーパーを出して僕に直接手渡した。
それはロー生の論文答案のコピーだった。
濃い鉛筆で書かれたらしく、余白の部分には黒い指の後がついていた。
全体としては稚拙だったが、何かしら訴えかけるところのある論文だった。
下級審判例の射程等細かい部分が異常なほどの丁寧さで書かれていた。
僕は自分の答案とその答案を交互に見比べてみた。
517 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 00:11:33 ID:???
おかえり。
君を、待っていたよ。ずいぶん長い間。
工事は何も言わずにじっと僕の顔を見た。
彼にじっと見つめられると、どうも自分がどうしようもないベテになったような気がした。
腹が出て髪もなくなった来年の択一に受かるかどうかもわからないようなどうしようもないのベテだ。
工事はたっぷり三十秒間まばたきひとつせずに僕の顔を見ていた。
それからゆっくり口を開いた。
「もう行った方がいい」と工事は言った。たしかにそういう感じだった。
519 :
518修正:2006/08/08(火) 00:27:35 ID:???
工事は何も言わずにじっと僕の顔を見た。
彼にじっと見つめられると、どうも自分がどうしようもないベテになったような気がした。
腹が出て髪もなくなった来年の択一に受かるかどうかもわからないようなどうしようもないベテだ。
工事はたっぷり三十秒間まばたきひとつせずに僕の顔を見ていた。
それからゆっくり口を開いた。
「ローに行った方がいい」と工事は言った。たしかにそういう感じだった。
520 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 01:04:56 ID:???
「ずいぶん受験してるね」と僕は言った。
「そうですね」とベテは言った。
「しかし明けない夜がないように、合格しない試験もありません」
「そりゃそうだ」と僕は言った。「でも苛々したりすることはないの?」
「もちろんあります。苛立ったり、不快になったりすることもあります。
とくに択一に落ちた時などはどうしてもそうなりますね。
しかし全てはわれわれに課せられた試錬であると考えるようにしてるんです。
つまり苛立つことは自らの敗北です」
「ずいぶん宗教的な解釈みたいに聞こえるけれど」
「私は塾生です。塾の自習室には通っていませんが、入門講座受講時からずっと塾生です」
「ふうん」と僕はうなった。
「しかし塾生であることとセミナーのスタッフであることは矛盾しないのかな?」
521 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 01:06:16 ID:???
「成川さんは立派な方です。私がこれまで会った中では塾長についで立派な方です」
「塾長に会ったことがあるの」
「もちろんです。毎晩電話をかけています」
「しかし」と言ってから僕は少し迷った。頭がまた混乱しはじめていた。
「しかし、みんなが塾長に電話をかけたとしたら、
回線が混みあっていつも話し中になるんじゃないかな?
たとえば終了間際のCOMデスクみたいにさ」
「その心配はありません。塾長はいわば同時的な存在なんです。
だから一度に百万人の受験生が電話をかけたとしても、
塾長は百万人の受験生と同時にお話しになります。」
522 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 01:07:05 ID:???
「何年か前に成川さんに教えていただいたんです」と突然ベテが言った。
「何を?」「塾長の電話番号です」
僕は聞こえないくらいのため息をついた。
僕が狂っているのだろうか。それとも彼が狂っているのだろうか?
「あなたにそっと教えてくれたの?」
「そうです。私にだけそっと教えて下さったんです。立派な方です。
あなたも知りたいですか?」
「できれば」と僕は言った。
「じゃあ言います、東京03の‥‥」
「ちょっと待って」と僕は言って手帳とボールペンをひっぱり出してからその番号をメモした。
「しかし、僕になんか教えちゃっていいの?」
「いいんです。誰にでも教えているわけではないですけど、あなたはロー生ではないようだから」
「それはどうも」と僕は言った。
「しかしいったい塾長と何を話せばいいのかな?僕は塾生じゃないし」
「それはたいした問題ではないと思います。
あなたは自分の思っていること悩んでいることを正直にお話になればいいんです。
どんなつまらないことを話しても、塾長は退屈したり馬鹿にしたりはなさいません」
523 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 03:32:52 ID:???
部屋に帰ると、郵便受けには夕刊と一緒に手紙が三通入っていた。
一通は銀行からの残高通知で、
一通はどう転んでも退屈そうなLECの無料の適性模試の招待状で、
一通は辰巳からの講座資料だった。
答練だけでなく小教室に入ることで合格が幾分近くなるといった意味の文章が書かれていた。
余計なお世話だ。
僕は三通の手紙をかさねてまんなかから破り、屑かごに捨てた。
524 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:30:37 ID:???
目を覚ましたのは朝の九時だった。とにかく日曜の朝だ。
新聞の日曜版には下位ローに対する記事が延々と書いてあった。
下位ローには数十の種類があって、それぞれのローにはそれぞれの理念があった。
どこかの大学関係者は下位ロー設立のために命を落としたということだった。
下位ローにはどこか運命を思わせるところがある、と記事は語っていた。
どんなものにも哲学があり、運命がある。
何はともあれ来年も旧試に特攻する決心をしてしまったせいで、気分はすっかり良くなっていた。
指の先にまで生気がいきわたっているように感じられた。三十歳という分水嶺を越えてこのかた、
そんな気分になれたのは初めてのことだった。
僕は現代語化される前の伊藤塾択一マスター民法のカセットを押入れから引っ張り出し、
猫に朝食を与えてから工事の電話番号を回した。六回ベルが鳴ってから工事が出た。
525 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:31:31 ID:???
「起こしたんじゃなければいいけれど」と僕は言った。
「心配してくれなくていい。年寄りは朝は早いんだ」と工事は言った。「それで?」
「簡単に言ってしまえば、僕は来年も旧試に特攻しようと思う。
ずいぶんと迷ったけれど、結局はそうすることにしたんです。やるからには僕のペースでやりたい。
僕にも試験を受けるくらいの権利はある。いちいち進路を指図されたくもないし、
受験生の苦労を知らない人間に改革と称して振り回されたくない。そういうことです」
526 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:32:14 ID:???
「君は自分の置かれた立場を誤解している」
「あなたも僕の置かれた立場を誤解している。いいですか、僕は一晩よく考えてみたんですよ。
それで気がついたんです。僕には失って困るものが殆んどないことにね。
彼女とは別れたし、バイトも今日で辞めるつもりです。
部屋は借り物だし、家財道具もロクなものはない。
財産といえば貯金が二十万円ばかりと中古バイクが一台、
それに年取った雄猫が一匹いるだけです。
基本書や予備校本は全部古い版のものだし、
持ってるカセットだってだいたいが骨董品みたいなもんです。
まともな就職口もないし、社会的信用もないし、セックス・アピールもない。
才能もないし、若くもない。
いつも休憩室でなにか下らない法律議論を初学者にふっかけて、
あとで間違いに気づいて後悔してる。
つまり、あなたの表現を借りれば凡庸な人間です。
これ以上失うべき何かがあるんですか?あったら教えてほしいですね」
527 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:32:51 ID:???
しばらく沈黙が続いた。そのあいだに僕は択一マスターを再生し、マコツの声を聞きながら
ボールペンで情報シートの隅にやればできる必ずできると十三回書いた。
「誰にでも失いたくないもののひとつやふたつはあるんだ、君にもね」と工事は言った。
「我々はそういったものを探し出すことにかけてはプロなんだ。
人間には欲望とプライドの中間点のようなものが必ずある。全ての物体に重心があるようにね。
我々はそれを探し出すことができる。今に君にもわかるよ。
そしてそれを失ってから、はじめてそんなものが存在していたことに気づくのさ」
短かい沈黙。「しかしまあ、それはもっとあとの段階に至って登場してくる問題だ。
今の時点では君の主張の主旨はわからないでもない。君の要求は呑むことにするよ。
余計な邪魔はしない。君の好きなようにすればいい。一年間はね、それでいいかな?」
「いいです」と僕は言った。
「それでは」と工事が言った。
528 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:33:24 ID:???
そして電話が切れた。あと味の悪い電話の切れ方だった。
僕はあと味の悪さを消すためにカセットを消し択一民法を二十問と刑法を三十問やってから
食器を洗い、民法の論文を1通書いた。それで気分はほぼもとどおりになった。
気持ちの良い十月の日曜日だ。
奴隷船へ行けずに終わった夏はもううまく思い出せなくなった古い記憶みたいにどこかに消えうせていた。
529 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 04:40:10 ID:???
>>517 遅レスだけど、俺は前に書いてた人じゃないよ。
論文終わってなんだか鬱で村上ワールドに吸い寄せられてるw
おやすみみんな。
「ねえ、高学歴であることの最大の利点ってなんだと思う?」
「わからないな」
「勉強がわからないって言えることなのよ。
例えば私が塾の同じ講座の友だちに何かゼミしましょって言うでしょ、
すると相手はこう言うの、『私あんまりわかってないから駄目』って。
逆の立場になったら私とてもそんなこと言えないわ。
日大の私がもし『あんまりわかってない』って言ったら、
それは本当に理解できてないっていうことなんだもの。惨めなだけよ。
美人の女の子が『私今日はひどい顔してるから外に出たくないなあ』っていうのと同じね。
ブスの子がそんなこと言ってごらんなさいよ、笑われるだけよ。
そういうのが私にとっての世界だったのよ。去年までの六年間の」
「そのうちに忘れるよ」と僕は言った。
「早く忘れたいわ。私ね、宅建の勉強始めて本当にホッとしたのよ。
普通の人がいっぱいいて」
彼女はほんの少し唇をまげて微笑み、短い髪を手のひらで撫でた。
http://mimizun.com:81/2chlog/shihou/ebi.2ch.net/shihou/kako/989/989382499.html#R101も参照
531 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 20:34:07 ID:???
「あなたは二十代の頃何をしてたの?」
「司法試験に夢中だったよ」一九九〇年代、我が青春。
「合格はできたの?」
「できなかったね」
「幸せだった?」
「遠くから見れば」僕は海老を呑み込みながら言った。
「大抵のものは綺麗に見える」
532 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 21:07:21 ID:???
撤退の潮時かもしれない、と鼠は思う。
初めて入門講座を受けたのは十八の年だ。
何百、いや何千時間もの講義、何十の答練、少しずつ買い揃えてきた百を超える法律書の数々。
何もかもが、まるではしけに打ち寄せる波のようにやって来ては去っていった。
俺はもう既に十分なだけの法律の勉強はしたじゃないか。
もちろん三十代でも四十代でも入れてくれるロー・スクールはある。
でも、と彼は思う、でも旧試験は特別な存在だったんだ。
……三十六歳、撤退するには悪くない歳だ。
世間一般のまともな人間ならとうの昔に結婚して小学生の子供を持っている歳だ。
さあ考えろ、と鼠は自らに言い聞かせる、逃げてないで考えろよ、
三十六歳……、少しは考えてもいい歳だ。
十二歳の男の子が三人寄った歳だぜ、お前にそれだけの値打があるかい?
ないね、一人分だってない。ピックルスの空瓶に詰め込まれた蟻の巣ほどの値打もない。
……よせよ、下らないメタフォルはもう沢山だ。何の役にも立たない。
考えろ、お前はどこかで間違ったんだ。思い出せよ。
……わかるもんか。
533 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 21:50:22 ID:???
旧司法試験の概要について「Wikipedia」はこのように語っている。
「あなたがこの試験から得られるものは殆んど何もない。
答練や試験の点数という数値に置き換えられたプライドと根拠なき選民思想だけだ。
失うものは実にいっぱいある。
歴代首相の銅像が全部立てられるくらいの一万円札と
(もっともあなたに森喜朗の銅像を建てる気があればのことだが)、
決して取り返すことのできぬ貴重な友人達、恋人、そして青春だ。
あなたが旧司法試験の前で孤独な消耗を続けているあいだに、
あるものはロー・スクールでケースブックを読み続けているかもしれない。
またあるものはドライヴ・イン・シアターでガール・フレンドと
『タイタニック』を眺めながらヘビー・ペッティングに励んでいるかもしれない。
そして彼らは彼らは時代を洞察する法律家になり、あるいは幸せな夫婦になるかもしれない。
534 :
氏名黙秘:2006/08/08(火) 21:51:04 ID:???
しかし旧司法試験はあなたを何処にも連れて行きはしない。
リプレイ(不合格)を通知するハガキが法務省から送られてくるだけだ。
リプレイ、リプレイ、リプレイ……、
消えゆく存在にもかかわらず旧司法試験はある種の永劫性を目指しているようにさえ思える。
永劫性について我々は多くを知らぬ。しかし不合格通知の枚数からその影を推し測ることはできる。
旧司法試験は自己表現の場ではない。目的は神童のエゴの拡大にではなくて、縮小にある。
もしあなたが論文試験で独りよがりの自己表現やエゴの拡大を目指せば、
あなたは法務省から失格(G)宣言をされることによって容赦なき報復を受けるだろう。
良きゲームを祈る(ハヴ・ア・ナイス・ゲーム)」
535 :
氏名黙秘:2006/08/09(水) 00:11:16 ID:???
直子は僕の受験生活のことを知りたいと言った。
僕は通っている辰巳法律研究所の自習室のことを話し、それから※のことを話した。
僕が直子に※の話をしたのはそれが初めてだった。
彼の奇妙な人間性と独自の思考システムと偏ったモラリティーについて正確に説明するのは至難の業だったが、
直子は最後には僕のいわんとすることをだいたい理解してくれた。
536 :
氏名黙秘:2006/08/09(水) 00:19:45 ID:???
私は短答演習とローラー答練を受講しています。
ローラー答練の受講者は択一落ち(というのは嫌な言葉ですが仕方ありませんね)と
択一持ちが入りまじって構成されています。
でも論文答練に熱中しているうちに私には誰が択一落ちで誰が択一持ちなのかがだんだんわからなくなってきます。
これはなんだか変なものです。
変な話だけれど、答練を受けながら周りを見ていると
誰も彼も同じベテラン受験生のように見えちゃうのです。
ある日カトシンにそれを言うと、君の感じていることはある意味では正しいのだと言われました。
僕は三十七歳で、そのとき世間一般から下位ローと呼ばれるロー・スクールの建物の中にいた。
その巨大なロー・スクールの僕がいる教室では
民事訴訟法の試験がじきに終了しようとするところだった。
七月のぎらぎらした太陽が輝き、
廊下に出て窓の外を見つめる試験監督の教授や、蝉の鳴き声や、
涙をこぼしそうになりながら問題を解く学生やそんな何もかもを
奇妙に雑然としたひとつの風景としてまとめていた。
やれやれ、また未修上がりか、と僕は思った。
時計が五分前を指すと監督の教授が教室へ入り、マイクを通じて「あと五分です」と言った。
それはかつて奴隷船で試験監督が受験生たちに知らせる終了前の合図と同じものだった。
そしてその言葉はいつものように僕を混乱させた。
いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
僕は頭がはりさけてしまわないように身をかがめて両手で顔を覆い、そのままじっとしていた。
やがて女の監督がやってきて、気分がわるいのかと訊いた。
大丈夫、少し目まいがしただけだと僕は答えた。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫です、ありがとう」と僕は言った。
監督はにっこりと笑って行ってしまい、試験は終了した。
僕は顔を上げて夏空に浮かんだ白い入道雲を眺め、
自分がこれまでの人生の過程で失ってきた多くのもののことを考えた。
失われた時間、死にあるいは去っていった人々、もう戻ることのない想い。
答案が全て回収され、学生たちが筆記用具をバッグに入れ、帰る準備をし始めるまで、
僕はずっとあの奴隷船の中にいた。
僕は階段に座り必死に最後の確認をする一人の受験生であり、
肌にうだるような暑さを感じ、同じ蝉の声を聞いた。
それは初受験の一九九〇年の夏で、僕はもうすぐ二十一歳になろうとしていた。
539 :
書いてた人:2006/08/09(水) 03:25:43 ID:???
全部読み返してみたらすげー暗いな。
気を悪くした人がいたらスマン。自虐的です。
しばらく去りますけどもしなにかリクとかあれば暇なとき書きますよ。NG指定もどうぞ。
「それじゃおやすみ」僕はパソコンの電源を切った。
540 :
337:2006/08/09(水) 06:20:00 ID:???
>>538 ありがとう。
十分です。自分の初受験時に戻りました。
それは199×年の夏で、僕はもうすぐ24歳になろうとしていた。。。
541 :
337:2006/08/09(水) 06:22:53 ID:???
>>538 旧試験を受け続けて挫折する3人の男女で、本当にノルウェー風の
良い小説にできそうな気が。
542 :
氏名黙秘:2006/08/09(水) 23:00:31 ID:???
やれ・・・
543 :
氏名黙秘:2006/08/10(木) 10:14:11 ID:???
8月10日、というカレンダーの下にはこんな格言が書かれていた。
「惜しまずに与えるものは、常に奪われるものである。」
544 :
氏名黙秘:2006/08/10(木) 10:31:44 ID:???
ごめ、なぜだか涙が溢れてきたよ・・。
司法板で泣いたのは初めてだ。。
545 :
氏名黙秘:2006/08/12(土) 01:04:13 ID:???
神よ。
546 :
氏名黙秘:2006/08/14(月) 14:08:19 ID:???
ほしゅ
547 :
氏名黙秘:2006/08/16(水) 02:56:40 ID:???
春樹か自分がこの世を去るまでに、
あと何冊春樹の長編を読めるだろうか。。。
5冊が限度か。
548 :
氏名黙秘:2006/08/18(金) 02:48:16 ID:???
保守
549 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 06:20:07 ID:???
hosyu
550 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 10:30:58 ID:???
最近新書で出てた小森陽一の村上評論本はピンと来なかったな。
551 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 16:59:06 ID:???
ノーベル賞発表が近づいてきた。
受賞カウントダウン!
スピーチで何いうか楽しみだ。
552 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 17:41:41 ID:???
>>551 うそ!?どのくらい可能性あんの?いつ発表?
553 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 19:10:42 ID:???
haa
554 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 20:43:23 ID:???
翻訳がたくさんあるというのは強みだな。
555 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 21:22:10 ID:???
>>552 早ければ10月初めと聞いたが。
最有力候補。
556 :
552:2006/08/20(日) 22:23:04 ID:???
>>555 トンクス。大江健三郎なんかよりは素直に納得できる。
557 :
氏名黙秘:2006/08/20(日) 22:43:54 ID:???
はたして村上は授賞式には出席するのだろうか?
558 :
氏名黙秘:2006/08/24(木) 19:52:01 ID:???
hsoyuu
559 :
氏名黙秘:2006/08/24(木) 20:01:22 ID:9fewH49q
>>170 は?なにいってんだおまえ。
ボクを助けたのは人為的作りものではない「偶然の一縷」
お前じゃないよ個人情報漁りのクソ痴漢が
560 :
氏名黙秘:2006/08/24(木) 21:19:12 ID:???
何の誤爆???
561 :
氏名黙秘:2006/08/26(土) 01:40:32 ID:???
ほしゅ
562 :
氏名黙秘:2006/08/31(木) 00:24:23 ID:???
hosyu
563 :
とどろ仙人:2006/09/02(土) 02:58:37 ID:???
千葉市中心に出会い系セフレサイトで遊んでいます、セックスに物足りなさ感じて
いる女性は一度私と遊んで見ませんな?私はどんなセックスプレイでも完璧に100
%出来ます!貴方が満足するまで何回でも喜んでセックスします!私は水の入った
ヤカンをオチンチンにぶら下げられます、欲求不満の女性の方からのお誘いを待っ
ています、宜しくお願いします。
564 :
氏名黙秘:2006/09/02(土) 20:13:19 ID:???
スレを汚すな
565 :
氏名黙秘:2006/09/03(日) 04:06:59 ID:???
頼むから嘘だと言ってくれないか?
566 :
氏名黙秘:2006/09/04(月) 07:29:05 ID:???
hosyu
567 :
氏名黙秘:2006/09/07(木) 06:20:22 ID:???
僕は長いあいだ、まるで噂でしか聞いたことのない極めて珍しい超短期合格者を前にしたときのように、言葉もなく彼女の顔を見つめていた。
僕の目の前にいるのは確かに超短期合格者だった。
僕はそれまであまりにも長く超短期合格者のことを考え続けていた。
そして超短期合格者に会うことはもう二度とあるまいと思っていたのだ。
「それ素敵な論証ブロックね」と彼女は言った。「とても良く練られているわ」
僕はただ黙って頷いた。うまく口をきくことができなかったのだ。
「ねえハジメ君、あなたは前よりずいぶん論証が長くなったわね。答案もがっしりしたし」
「暗記しているんだよ」と僕はやっと声を出すことが出来た。
「伊藤塾に入ってからはじめて、それ以来ずっと論点ブロックを暗記してる」
「論点ブロックの暗記って楽しいでしょうね。昔からずっとそう思っていたわ。
論点ブロックの暗記で勉強していると思えたら楽しいだろうなって」
「そうだね。でも、論証ブロックカードをもらえば誰でも暗記できるようになるんだよ」
と僕は言った。でもそう言い終わった途端に、僕は彼女が超短期合格者であることを思い出した。
俺はいったい何を言っているんだ、と僕は思った。
僕は混乱して、何かもう少しまともなことを言おうとした。
でも言葉はうまくでてこなかった。僕はズボンのポケットに手を突っ込んで論文試験の受験票を探した。
それから自分が5年前に受かって以来一度も択一に受かっていないことを思い出した。
568 :
氏名黙秘:2006/09/09(土) 05:01:45 ID:???
>>567 い、痛い。。。胸が
皆自虐的だね。
「この調子で!」
569 :
氏名黙秘:2006/09/09(土) 09:44:10 ID:???
「でもね、それだけじゃないの。理論的に考えると、
旧試ベテが絶滅をまぬがれて生存していける可能性がひとつだけあるの。
これが一番重要なポイントなんだけれど、あなたにはそれがなんだかわかる?」
私は胸の上で手を組んで、一分か二分考え込んだ。
でも結論は一つしかなかった。
「新規参入がいないこと」と私は言った。
「あたり」と言って、彼女は私の唇にキスした。
570 :
氏名黙秘:2006/09/09(土) 12:23:50 ID:???
「これいい予備校ね」と少しあとでユキは言った。「なんて言うの?」
「伊藤塾」と僕は言った。「わざわざ口に出して褒めてくれる人は世間にあまりいないけど」
「よくわかんないけど、講義を受けていてなんとなく親密な感じがする」
「それは多分、この塾が受講生に愛されてるからだと思う」
「そうすると親密な感じになるの?」
「やればできる。かならずできる」と僕は言った。
「よくわからない」とユキは言った。
「予備校と受講生とで助け合ってるんだ。簡単に言えば。
つまり、受講生がここの空間に入る。受講生はこの予備校を、伊藤真を愛していると思う。
するとここにそういう空気が生じる。そして予備校もそういう空気を感じる。
受講生も気持ちよくなる。予備校も気持ちよくなる」
「伊藤真も気持ちよくなるの?」
「もちろんなる」と僕は言った
571 :
氏名黙秘:2006/09/09(土) 13:54:03 ID:UiabXZrh
「でもね、それだけじゃないの。理論的に考えると、
旧試ベテが絶滅をまぬがれて生存していける可能性がひとつだけあるの。
これが一番重要なポイントなんだけれど、あなたにはそれがなんだかわかる?」
私は胸の上で手を組んで、一分か二分考え込んだ。
でも結論は一つしかなかった。
「新規参入がいないこと」と私は言った。
「あたり」と言って、彼女は私の唇にキスした。
572 :
氏名黙秘:2006/09/09(土) 17:16:02 ID:???
573 :
氏名黙秘:2006/09/11(月) 18:41:20 ID:???
待ってるよ
574 :
氏名黙秘:2006/09/12(火) 02:04:54 ID:???
待ってるよ!
575 :
氏名黙秘:2006/09/14(木) 17:43:08 ID:???
「またなの?」
彼女はあきれた顔で僕の顔を見ていった。
「もう2回も落ちてるのよ?しかもその1つは択一落ちじゃない」
「わかってるよ」僕は言った。
「でも受けなきゃいけないような気がしたんだ」
「どうせまた落とすに決まってるじゃない」
「わからないよ」
そうなのだ僕は司法試験を愛してるし長く続けようと思っている。
少なくとも今は。
576 :
氏名黙秘:2006/09/14(木) 22:07:07 ID:???
>>575 泣ける(T_T) 俺もいわれたよ そして
彼女は去っていった
577 :
氏名黙秘:2006/09/17(日) 20:41:10 ID:???
hosyu
578 :
氏名黙秘:2006/09/18(月) 15:33:17 ID:???
やれやれ…
579 :
氏名黙秘:2006/09/22(金) 00:08:32 ID:???
hosyu
580 :
氏名黙秘:2006/09/24(日) 00:48:32 ID:???
ネタない?
581 :
氏名黙秘:2006/09/24(日) 03:25:01 ID:???
ネタない。。。
582 :
氏名黙秘:2006/09/26(火) 00:48:32 ID:???
愛がない人生は地獄
583 :
氏名黙秘:2006/09/27(水) 20:06:17 ID:???
584 :
氏名黙秘:2006/09/28(木) 21:49:42 ID:???
「俺とシバタの似ているところはね、受講生に合格して欲しいと思っ
ていないところなんだ」と伊藤さんが言った。「そこが他の連中と違っているところな
んだ。他の奴らはすべての受講生に合格して欲しいと思ってあくせくしてる。でも
俺はそうじゃないし、シバタもそうじゃない。合格しなくたってかまわないと思って
いるのさ。講師は講師で、受講生は受講生だって」
「そうなの?」ベテはシバタに訊いた。
「まさか」と僕は言った。「僕はそれほど強い人間じゃありませんよ。誰も合格
しなくていいと思っているわけじゃない。合格して欲しいと思う受講生だ
っていますよ。ただそれ以外の受講生はある程度合格できなくても、まあこれは仕
方ないと思っているだけです。あきらめてるんです。だから伊藤さんのように合格しな
くたってかまわないと思っているわけじゃありません。」
585 :
氏名黙秘:2006/09/28(木) 21:56:43 ID:???
「俺の言っているのも殆ど同じ意味だよ」と伊藤さんはコーヒー・スプーンを手にとっ
て言った。「本当に同じことなんだよ。厳格責任説と制限故意説のちがいくら
いしかないんだ。結論も同じで、理由付けも同じで、ただ処理の方法がちがうんだ」
「伊藤さん、あなたは私にも合格しなくたっていいと思っているの?」ベテは訊
いた。
「君にはどうもよくわかってないようだけれど、人が司法試験に合格するのはしかるべき答案を提出したから
であって、講師が合格して欲しいと望んだからではない」
586 :
氏名黙秘:2006/09/28(木) 22:04:38 ID:???
「じゃあベテがと合格したいと望むのは間違ったことなの?たとえば旧試に?」
「いや、べつに間違っていないよ」と伊藤さんは答えた。「ただ、まともな講師はそれ
を時間の無駄と呼ぶ。もし君が合格したいと思うのならね。
我々のシステムはベテの生き方のシステムとずいぶんちがうんだよ」
「でもベテは無駄な投資をしているというのね?」
「だからベテは我々のシステムを―」
「システムなんてどうでもいいわよ!」とベテがどなった。ベテがどなったのをみたのは
あとにも先にもこの一度きりだった。
587 :
氏名黙秘:2006/09/29(金) 21:45:56 ID:???
「あなたは28歳の頃何をしてたの?」
「旧試験ラストチャンス、1500合格に夢中だったよ」 二〇〇四年、我等が年。
「旧試験とはどうなったの?」
「択一落ちだね。」
「幸せだった?」
「遠くから見れば、」と僕は海老を飲み込みながら言った。「大抵のものは綺麗に見える。」
588 :
氏名黙秘:2006/10/02(月) 06:56:20 ID:???
旧試age
589 :
氏名黙秘:2006/10/07(土) 11:11:13 ID:???
ホシュ
590 :
氏名黙秘:2006/10/09(月) 22:50:14 ID:???
やれやれ…
591 :
氏名黙秘:2006/10/12(木) 13:12:31 ID:???
age
592 :
氏名黙秘:2006/10/12(木) 19:03:25 ID:Y6EYy0ld
本日午後8時にノーベル文学賞受賞者発表age
593 :
氏名黙秘:2006/10/12(木) 20:28:32 ID:???
受賞逃しage
594 :
氏名黙秘:2006/10/12(木) 20:59:12 ID:???
残念!でもまあ受賞コメントより落ちた時のエッセイの方を俺は読みたいよ。
595 :
氏名黙秘:2006/10/15(日) 00:00:09 ID:???
なんでマスコミの方は候補になっただけで騒いでいるのか。
映画とかもだけど受賞してからでいいやん。
596 :
氏名黙秘:2006/10/21(土) 05:04:18 ID:???
↑時間ピッタリ
ホシュ
597 :
氏名黙秘:2006/10/24(火) 09:52:23 ID:???
そうでもない
598 :
氏名黙秘:2006/10/24(火) 11:06:43 ID:???
>>595 ヒント:他にネタがあればそっちやってる
599 :
氏名黙秘:2006/10/29(日) 17:14:31 ID:???
やれやれ
600 :
氏名黙秘:2006/11/01(水) 07:58:31 ID:???
保守ついでに600get
601 :
氏名黙秘:2006/11/03(金) 13:07:56 ID:???
天気の良い秋の休日は,直子と渡辺が東京中を歩きまわった一節を
思い出す。
人恋しい季節。。。
602 :
氏名黙秘:2006/11/08(水) 15:49:21 ID:???
捕手
603 :
氏名黙秘:2006/11/09(木) 21:05:41 ID:???
生き残ったか。
やれやれ。
司法板も楽じゃない。
604 :
氏名黙秘:2006/11/11(土) 00:51:28 ID:???
死ぬな!
605 :
氏名黙秘:2006/11/11(土) 11:58:00 ID:???
死は生の対極にあるのではなく、生の中にある。
うろおぼえ。
606 :
氏名黙秘:2006/11/11(土) 13:52:06 ID:???
生の一部
じゃなかったか?読み返すと休日がつぶれてしまう
607 :
氏名黙秘:2006/11/12(日) 01:14:37 ID:???
ノルウェイの森の冒頭は至高
608 :
氏名黙秘:2006/11/12(日) 03:02:04 ID:???
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの上巻は究極
609 :
氏名黙秘:2006/11/16(木) 00:50:46 ID:???
保守
消えてしまう前に書き込んでいけ!
610 :
氏名黙秘:2006/11/17(金) 17:00:31 ID:???
はるき
611 :
氏名黙秘:2006/11/18(土) 12:36:01 ID:???
ギャツビー新訳まだ読んでない。。。
612 :
氏名黙秘:2006/11/19(日) 16:25:28 ID:???
ねえ,またいつか,君に会えるかな?
613 :
氏名黙秘:2006/11/20(月) 02:08:17 ID:???
職人は来るさ
614 :
氏名黙秘:2006/11/21(火) 01:34:34 ID:???
春樹がギャツビーを訳し直したように
職人は春樹を翻案し直すのさ
615 :
氏名黙秘:2006/11/23(木) 17:42:40 ID:???
hosyu
616 :
氏名黙秘:2006/11/25(土) 18:15:52 ID:???
やれやれ
617 :
氏名黙秘:2006/11/28(火) 14:31:52 ID:???
あげるよ
618 :
氏名黙秘:2006/11/28(火) 16:20:39 ID:rOZPgKuf
「あなた、またここで会ったわね」
美しい菊は言った
「えぇ、久しぶりです
初めての論文はどうでした?」
と僕が訊ねる
「緊張しました。
人生でこんなに緊張した事はありません。」
菊はホッと肩を撫で下ろしながら言った。
「僕も菊先輩のように
択一受かって論文受けたいな」
「あれはいいわよ、来年一緒に受けようね」
菊と会話したのはこれが最後だった。
その半年後、住んでいる安アパートに
菊の家族から知らせが届いた。
菊は老衰で逝ってしまったようだ。
尊敬する先輩の菊は
択一受験回数46回、論文1回だった。
菊の仇を討つべく、腰の痛みを押し切り、
重い腰を上げ今日も自習室に向かう。
司法試験と出会って45年目の春だった。
619 :
氏名黙秘:2006/11/29(水) 04:39:05 ID:???
よれよれ
620 :
氏名黙秘:2006/11/29(水) 20:22:56 ID:???
621 :
氏名黙秘:2006/11/30(木) 01:02:07 ID:???
スレ違い????
622 :
氏名黙秘:2006/12/02(土) 16:59:08 ID:???
hosyu
623 :
氏名黙秘:2006/12/07(木) 01:56:56 ID:???
ほしゅ。。。
みんないなくなっちまった。おれだけが取り残された。
624 :
氏名黙秘:2006/12/07(木) 02:43:11 ID:???
まあ春になれば職人も来るさ
625 :
氏名黙秘:2006/12/09(土) 14:01:04 ID:???
(T_T)ほしゅ
626 :
氏名黙秘:2006/12/11(月) 03:49:18 ID:???
(>_<)ほしゅ
627 :
氏名黙秘:2006/12/13(水) 03:55:46 ID:???
(T_T)ほしゅ
628 :
氏名黙秘:2006/12/13(水) 10:15:29 ID:???
正直、上げてウザイから
書きにくい
上げなくても保守できるし
1ヶ月1回程度で十分
629 :
氏名黙秘:2006/12/13(水) 23:30:11 ID:N7QPuQ+8
630 :
氏名黙秘:2006/12/14(木) 00:55:07 ID:???
まあまたーり行こうぜ
下げようが上げようがこのスレの価値は変わらない
そうだろう?
631 :
氏名黙秘:2006/12/21(木) 03:26:15 ID:???
保守
632 :
氏名黙秘:2006/12/21(木) 09:55:03 ID:???
上げてる奴がいる限り
俺も勘弁。
633 :
氏名黙秘:2006/12/22(金) 23:19:53 ID:???
ageるかsageるかなんて、
遅めの朝食か早めの昼食かぐらいの差しかない。
634 :
氏名黙秘:2006/12/22(金) 23:46:01 ID:???
下げの強要は下げ厨っていわれてるのを知らないのか?
別に嵐や広告が酷い板ではないんだから、たまには上げても何の問題もない
個人的な嗜好を人に押し付けるのは止めれ
この程度の上げが嫌なら黙って去れば?
大体昔はガンガン上がってたスレだしな
スレ汚しスマソ
635 :
氏名黙秘:2006/12/23(土) 10:05:42 ID:???
そういうお前も個人的な嗜好を押し付けてるなw
荒すなYO
636 :
氏名黙秘:2006/12/23(土) 10:58:44 ID:???
村上春樹
はいほ〜
637 :
氏名黙秘:2006/12/27(水) 13:45:53 ID:???
どうでもいい
638 :
氏名黙秘:2007/01/05(金) 02:19:55 ID:???
保守すると怒る人がいる。。。
639 :
氏名黙秘:2007/01/08(月) 19:07:27 ID:???
やれやれ
640 :
氏名黙秘:2007/01/08(月) 20:39:21 ID:???
なんでここはスレストないんだ?高尚だからか?
641 :
氏名黙秘:2007/01/08(月) 22:35:50 ID:???
謎。
まぁ伝統と格式からということでひとつ。
642 :
氏名黙秘:2007/01/17(水) 10:16:46 ID:???
高尚高尚
643 :
氏名黙秘:2007/01/19(金) 14:29:49 ID:???
直木賞受賞者なしにガッカリ。
文壇の登竜門だから誰かに受賞させて挙げて欲しかった。
644 :
氏名黙秘:2007/01/19(金) 20:12:55 ID:???
そんなに候補作のレベルが低いわけでもないと思うが
選考委員の好みのものがなかったのだろう。
645 :
氏名黙秘:2007/01/19(金) 23:51:41 ID:???
爆笑大田が劇団一人を絶賛していたが、
彼みたいなキワモノは候補にすら挙がらなかったね。
646 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 00:41:54 ID:???
品川も
647 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 17:24:23 ID:???
おまいら、
村上春樹といったらノルウェイの森だぞ
そんなことも知らん低学歴しかいないんだなW
648 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 17:30:43 ID:???
>>644 最終候補に残った2作品はこれまでの受賞作と比べて決して劣っているものではなかった、
とか何とか選考委員が言ってたぞ。ま、運が悪かったということだな。
649 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 17:31:38 ID:???
春樹師匠も受賞逃してるわけで。
気にすんな。
650 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 17:32:49 ID:???
>>648 かなり好きな作品が候補となっていただけに該当なしは
ショックだ 選考委員が真っ二つに割れて収拾がつかなくなったのを
誤魔化してるだけなんじゃないか???
651 :
氏名黙秘:2007/01/20(土) 17:38:08 ID:???
該当なしにすると賞自体の価値が下がると思う
652 :
氏名黙秘:2007/01/28(日) 19:11:28 ID:???
そろそろほしゅ
653 :
氏名黙秘:2007/02/04(日) 21:20:25 ID:???
ごめん
654 :
氏名黙秘:2007/02/04(日) 21:57:45 ID:???
伊藤たかみの「ロスト・ストーリー」を読んだ。
明らかに春樹の劣化版。つまらん。
655 :
氏名黙秘:2007/02/11(日) 17:37:51 ID:???
おーい
だれかいねか〜
656 :
氏名黙秘:2007/02/19(月) 03:00:40 ID:???
(>_<)
誰もいない。。。
657 :
氏名黙秘:2007/02/19(月) 03:49:50 ID:???
まぁ春頃になればくるさ。
毎年そうだもの。
658 :
氏名黙秘:2007/02/21(水) 22:48:05 ID:???
だといいけど。。。
このままこのスレなくなっちゃうんじゃないかと思うと (>_<)
頑張って自分でネタ考えてると辛い自虐系にばかりなって泣けてくるし
659 :
氏名黙秘:2007/02/21(水) 22:51:22 ID:???
上げるな
660 :
氏名黙秘:2007/02/21(水) 22:54:18 ID:???
661 :
氏名黙秘:2007/02/21(水) 22:55:19 ID:???
yes
662 :
氏名黙秘:2007/03/02(金) 01:28:37 ID:???
>>659 なぜ?いまやあらしもこない過疎スレなのに。。。
663 :
氏名黙秘:2007/03/07(水) 00:33:16 ID:???
シラネ
サゲ厨だろ
664 :
氏名黙秘:2007/03/07(水) 17:23:45 ID:???
シラネ
アゲ厨だろ
665 :
氏名黙秘:2007/03/07(水) 17:24:21 ID:???
666 :
氏名黙秘:2007/03/07(水) 17:24:54 ID:???
666
667 :
氏名黙秘:2007/03/07(水) 20:27:55 ID:???
↑こんな数字でストップしないでくれ〜
春樹の次回作が出るまでは職人さん来ないのかな・・・
668 :
氏名黙秘:2007/03/10(土) 21:47:27 ID:ubnj7Oe3
女性は働きたければ働いて、働きたくなきゃ働かない、辛くなったらやめていい。
そもそも女性に辛い仕事を押し付けないこと。かといって雑用やらせるのもダメ。
それで給与も昇進も平等にね。ただし残業、転勤、深夜当直させたら女性差別だよ。
間接差別禁止規定って知ってるでしょ。なんでも平等にね。髪形と服装は女性の自由だけど。
それからアファーマティブアクションと管理職30%目標もね。産休育休もね。当然給与40%保障で。
主婦と言っても、家事を強制される言われはないし、出産するかどうかは女が決めること。
でも産まれたら育児を女性に押し付けないでね。二人の子供なんだから当然でしょ。
ただし離婚したら親権は母親のものだよ。育児は女性のほうが向いてるんだし。
それから働く夫を妻が支えるなんて時代遅れの女性差別。
これからは働く妻を夫が支えなきゃ。
あ、もちろん収入は夫の方が多くて当然だけどね。妻には扶養請求権だってあるんだから。
それと夫は妻に優しくね。妻が望まないセックスは家庭内レイプだよ。
夫が妻のセックスの求めに応じないと離婚事由になるけどね。
離婚したら慰謝料とか財産分与とかまあ当然だけど。
女性はか弱いから母子手当ても生活保護も税金控除も当然だよね。足りないぐらい。
それと女性に女らしさを押し付けないでよ。
そんなの窮屈で面倒だし、いまさら男尊女卑ですかって感じ。
でも男はやっぱ男らしくないとね。
いつになったらレディーファースト覚えるの?ワリカンなんてありえないし。
少子化だって男のせいでしょ。男がだらしないから女性が結婚できないんだよ。
え?レディースデー?あれはいいの。
別に私たちが頼んだ訳じゃないし。店が勝手にやってるんでしょ。
669 :
氏名黙秘:2007/03/21(水) 16:05:28 ID:???
hosyu
670 :
氏名黙秘:2007/03/31(土) 12:15:56 ID:???
ほしゅ
671 :
氏名黙秘:2007/04/05(木) 02:34:56 ID:???
airのパクリ
672 :
氏名黙秘:2007/04/10(火) 00:24:45 ID:6UlAGXLn
だれか
春樹訳の
ながいお別れ
読んだ?
673 :
氏名黙秘:
新刊出てたな