◆◆◆司法受験生のホロっとくる話◆◆◆

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63氏名黙秘
ふと、友人伝手に、この様な場所がある事を聞いて、
10年位前の私の最初で最後の恋の話でも書こうかなあと思ってます。

私はとある大学に、附属校からという形で入学した。
高校が男子校という事もあって、女の子をどうしても意識してしまう面があった。
そんな中、ふとしたきっかけでサークルの女の子と仲良くなった。
そんなに可愛くはなかったが、その気さくさ、周囲への優しさに僕は惹かれた。
どうしても彼女にその思いを伝えられず、悶々としていた入学後3ヶ月位たった日。
サークルの飲み会で、隣に座って飲んでいて、
舞い上がった私は、いつもの限度より遙に多い量を飲んでしまったのだ。
当然私は酷くよってしまい、彼女に飲み屋を出た後、
近くの公園で付き添いをしてもらってしまった。
そこで彼女が「どうしていつもよりそんなに沢山飲んだの?
心配だから、あまり無茶はしないで欲しいよ。」と私に告げた。
(正直ここは酔ってて曖昧で、正確な会話は違うと思う)
私はなぜか悲しくなって「××ってみんなに優しいよね」って返してみた。
「そんなことないよ。多分彼氏とか出来たら、きっとその人ばかりになっちゃうんだろうなあ。」
と彼女の声。
私は、その彼氏になりたいと心から切に願った。
そして思い切って私は、
「その彼氏、俺がなりたいなあ。俺みたいな馬鹿じゃ不満かもしれんけど」
と彼女に告白した。
彼女は一瞬の間を置いて、
「うん・・・。」
と、まだ酒が抜けない私を優しく見つめてくれていた。
64氏名黙秘:04/04/01 22:03 ID:???
私は幸せだった。大学に来て自分の好きな勉強が出来て、
そしてその隣には、自分の彼女の××がいつも傍にいて。
彼女は、弁護士を目指していた。
私も、彼女と同じ法学部生だったが、全く始めは司法試験なんて物に興味はなかった。
ただ、遊んですごして、適当に企業に就職できたらいい。
そんなことを考えて、彼女と居る事ばかり考えてた。
ところが彼女と同じ授業を取りたい。そんなことを思ってるうちに、
何時の間にか彼女とともに法曹を目指す自分の姿があった。
そして、付き合って暫くして、私は彼女とHがしたいと思うようになった。
ふとしたきっかけで、それを彼女に話してしまった。
今までHの経験はおろか、異性との交際がなかった二人。
それでも彼女はうつむいて、
「○○なら良いよ。ううん、○○じゃなきゃ私は嫌だよ。」
といってくれた。
そして、彼女の19歳の誕生日。
私の部屋で、私は彼女を抱いた。


初めての彼女は痛がったけど、それでも止めたいなんていわなかった。
私のやめようかという提案にも、彼女は今日じゃなきゃ誕生日にした事にならないよといってくれた。
僕もそんな彼女が愛しくて、ベッドの中で、
「二人とも、司法試験通ったら、結婚しようか。」
なんて夢見たいな事を言った。
彼女は、「今の言葉忘れないからね。とても嬉しかったんだよ。」
といってくれた。
65氏名黙秘:04/04/01 22:04 ID:???
それからも僕らは交際を続けた。
傍目から見ても、相当に仲が良かったと思う。
僕は彼女におんぶに抱っこに近い状態で、
法曹の試験の勉強をしていた。
今思うと、本当に鳴りたかったのか疑わしいくらいにやる気がなかった。
本当になりたいわけでなく,彼女の近くにいたいだけで、
やってた事で、周りの人間もそう思っていたと思う。
彼女だけは、それでも一緒に頑張ろうって言ってくれていた。
しかし幸せは長くは続かなかった。


私の両親が、交通事故によって帰らぬ人となってしまった。
突然の事だった。
あまりのことで呆然とする私に、彼女は、葬式の手伝いやらを、
ずいぶんしてくれた。
そして、残った遺産で私は今まで住んでいた家を売り、
大学の近くの小さなアパートを借りて移り住んだ。
こうでもしないと、私は大学を卒業する学費がまかなえなかったのだ。
移り住んでも、厳しい生活が続いた。
それでも法曹を目指すなら、学費を稼ぐため、法律予備校の学費を稼ぐため、
あまり丈夫でない私は人一倍アルバイトをしながら、勉強しなきゃいけなくなった。
私は法曹の夢を捨てようと思った。
それならどうにか生活出来て、卒業までの学費の心配も要らないからだ。
それを彼女に伝えた。彼女はただただ俺のために泣いてくれた。
66氏名黙秘:04/04/01 22:05 ID:???
そして次の日、移り住んで間もないアパートに彼女がやってきた。
私は全く以って彼女とHすることしかその日は頭になかった。
もう、何度その時までに抱いた事だろう。
初めてのときよりずっと、いろんな事を覚えたし、
彼女も私が望めば、恥ずかしいといいながらも、
いろいろな事をしたし、してくれた。
事の後、彼女は私に、
「私、出来る限りの事は手伝ってあげるから、もう一度、弁護士目指そうよ。」
といってくれた。
何も私は答えなかった。答えられなかった。
「初めてしたとき覚えてる?あの時、弁護士に二人でなったら、
結婚しようかって言ってくれたんだよ。
私の勝手かもしれないけど、こんなことになっちゃったけど、
まだ私は、あの約束ずっと有効だと思ってるよ。
これ以上辛い思いするのは本当に嫌だと思うかもしれないけど、
それでも私は、二人で頑張って目指したいよ。」
もう一度彼女はいった。
そして僕と彼女の、厳しい生活は始まった。
67氏名黙秘:04/04/01 22:05 ID:???
体が丈夫でなかった私は、それでも死ぬ程バイトを始めた。
出席を取る授業と、法律科目以外の授業は全て当日のテストのみで単位を取り、
普段はその時間は、鬼のようにバイトを入れ、学費、生活費を稼ぎ、
そして法律予備校に通った。当然のように睡眠時間は減っていった。
彼女は、私のために、毎日昼飯を作ってきてくれた。
「一人分も二人分も変わらないから気にしないで」と。
夜、アルバイトから帰ると、いつも彼女の作った晩飯が私のアパートにあった。
どうして、そこまでしてくれるのだろう。私は正直そう思って、
彼女に聞いてみた。そのままの言葉をぶつけて。
ただ笑ってこう答えてくれた。
「二人で頑張るって決めたんだよ。私は絶対二人でで弁護士になれるって
信じてるよ。だから、苦しかったら二人で助け合って頑張ればいいんだよ。
・・・それにね、あの日の約束、一日も早く実現させたいからね。」
彼女が昔言ったとおり、本当に彼女は私ばかりだった。
そんな彼女の助けもありながら、辛い日々は少しづつ過ぎ去っていった。
私は、それでも体調を崩す事が度々あった。
その度に彼女は、家にも帰らず、友達の家に泊まるからと親には言って、
私の看病をしてくれた。
苦しいながら、私にとって幸せな日々が続いた。
68氏名黙秘:04/04/01 22:06 ID:???
そして両親が交通事故で亡くなってから、4度目の夏、
私と彼女は、ついに論文試験を突破し、
残す所、後は口頭論述試験だけとなった。
口頭論述試験は、9割程度の人が通る難しくはないものである。
来年からは研修を経て弁護士だと、そう二人とも思っていた。
そして試験の日はやってきた。
私と彼女は連れ立ってアパートを出て、試験会場へ向かった。
しかし、そこで彼女に異変が起こった。
彼女が突然倒れたのだ。明らかに辛そうな彼女は私に、
「先に行って、必ず後から行くから。」
私は首を縦に振らなかった。
「もう一年、あんなに辛い思いをしたいの?私は大丈夫だから。」
正直な話、私は迷った。
でも、そんな私ばかりを見ていた彼女を放っておく事なんて、私には出来なかった。
私は、行き先を病院に変えて彼女を連れて行った。
69氏名黙秘:04/04/01 22:06 ID:???
彼女は酷く無理をしていたため、倒れてしまっただけと、
彼女から病院で聞かされた。
ただ内臓に酷く負担があったらしく、退院するまで3ヶ月も掛かった。
私は毎日彼女の病室へ通った。毎日寂しくないようにと。
彼女の親は、残念ながら、大学に在学中に亡くなってしまっていて、
彼女の周りには私の他には友達が数人くらいしか周りには居なかったのだ。
彼女は私が来るたびに喜んでくれた。
だから、雪が降り、電車が止まってしまった日も、
一駅歩いて、私は彼女のも元へと通った。
そして、ある晴れた日、彼女は退院した。
今年こそは二人で弁護士になれるねと、二人で笑いあって。
そして5度目の秋、私達は晴れて最終試験を通り、
1年半の研修の後、弁護士になることが出来るようになった。
研修中は、給料が出る。二人とも地獄のような日々から開放された。
しかし、全てが上手くいった訳ではなかった。
70氏名黙秘:04/04/01 22:07 ID:???
研修で、二人は同じ場所には行けなかったのだ。
私は大阪、彼女は名古屋に行く事となった。
少なくとも、半年は帰れなくなってしまう。
研修に行く前の最後の夜、私は彼女を抱いた。
いつもよりずっと優しく長い時間をかけて抱いた。
彼女の優しさを、ぬくもりを、忘れずに半年我慢しようと。
半年を待てば、後は約束を果たすだけなのだから。
辛かった日々の分だけ幸せを感じられるのだから。
彼女も暫しの別れが辛いのか、
Hした後、布団の中でずっと私の顔を見つめていた。
ずっとまぶたに焼き付けておくんだって言って。
そして、次の日、私と彼女は暫しの別れをした。
71氏名黙秘:04/04/01 22:07 ID:???
しかし、その別れは、暫しではなく永遠のものになってしまった。
彼女が事故で亡くなったのだ。
奇しくも私の両親と同じように。
彼女は車に乗っていて、飛び出してきた子供を避けようとして、
そして、帰らぬ人となったと聞いた。飛び出してきた子は幸いに無事だった。
ただ、その時はその子供を殴ってやりたかった。
ただ、そんなことをしてもしょうがない。
彼女は帰って来ないんだ。そう思ってただ泣いた。
そして、研修は終わった。
72氏名黙秘:04/04/01 22:08 ID:???
私は今一般企業で働いています。
私は今でも引きずっているのかもしれません。あの日の約束を。
だから、私は弁護士として働けません。
弁護士として働いたら、彼女が戻ってこないと思いながら
暮らさなきゃいけない気がして。
きっと彼女が生きていたら僕にきっと、
「せっかく弁護士になったんだから、いい人見つけて、幸せに暮らしてね。」
というでしょう。
私は最後に抱いたあの日の忘れずにいようとした、
彼女の優しさを、ぬくもりを、決して忘れはしないでしょう。
もし忘れようと思っても忘れる事なんて出来ないでしょう。
だから、その思い出を大切に生きていきたいです。


本当に長くなってしまい申し訳ないです。
人には話せず、時々辛いというようなこともありましたが、
匿名という形ではありますが他人に話すことが出来て、
本当に良かったです。この場所を教えてくれた友人にも、
感謝したいと思います。

以上、コピペでした。