No40の契約の拘束力の問題を解き終えたところで、僕は女性監督員に向かって挙手
した。グリーンのミニのワンピースを着た若村麻由美に似た女性だった。残り時間は
105分。女性監督員をトイレでレイプしても、十分に刑法20問を解き終える時間だ。
「やれやれ。早漏がこんな時に役に立つとは」
麻由美が、僕に席を離れるように促した。
「強姦罪?確か挿入した時点で既遂だったな。ということは、射精は不可罰的事後行為?」
低声で呟いたつもりだったのに、受験番号11005が僕を一瞥した。
麻由美のハイヒールの発する音が、廊下にこだました。30mばかり歩くと麻由美は
トイレの前で立ち止まり、こちらを向いた。
「あなたが今なにを考えているか、当ててみましょうか」
麻由美に分かるだろうか。僕は今、No38の譲渡担保の対外的効力の正答率を予想し
ている。
「去年の受験生の中にも、あなたのような人がいたわ。その人、『ドアロックが壊れ
て、外に出れない』とか言って、あたしを呼び寄せたの」
欺く行為は強姦罪の構成要件要素ではない。
「そして、あたしがドアの前に立つと、突然引きずりこもうとしたのよ」
実行の着手ありだな。
「それから、彼が何て言ったと思う?
『漏れ、辰巳の総択2回とも合推超えてるよ』っていうの。それって、そんなに価
値があること?そんなこと自慢すれば、女の子がセックスさせてくれるとでも思っ
ているの?」
「女の子はどうだか知らないけど、辰巳は価値があると思っているだろう」
「それなら、その辰巳とやらとセックスすれば?」
「総択はセックスではなくて、オナニーなんだ」
どうして僕の思惑を麻由美が見抜いたのか、僕にはわからなかった。しかし見抜
かれた以上、愚策を弄して麻由美をレイプすることはできない。時間が気になった。
残り時間100分。正攻法でいくしかない。麻由美を10分で口説けるだろうか?
性交じたいは過去の経験から3分あれば十分であるということを僕は熟知していた。
やれやれ、まるでウルトラマンの地球上での活動時間じゃないか。
「君とセックスがしたいんだ」
「試験中でしょう?馬鹿なこといわないで」と麻由美は言った。
「今でなきゃ、駄目なんだ」僕は、麻由美を男子トイレに引きずり込んで、ドアロック
をかけた。
「ちょと待ちなさいよ。こんなの犯罪じゃないの。あなた自分が何をしているのか分
かっているの?」
「大きな声を出すわよ」
「いいよ」僕は抵抗する麻由美のワンピースに手をかけた。
「あなた、本気?冗談にしては、度が過ぎていると思わない?」麻由美が、からだ
を捩じらせながら言った。
僕はワンピースの下から手を入れた。
「や、やめてよ。本当に大きな声を出すわよ」
麻由美のワンピースは下からへそのあたりまで、たくし揚げられ、白いパンティ
が見えた。僕はからだを押し付け、空いている手で麻由美の局所を掴んだ。
「頼む、3分ですむから」僕はパンティの中に手を差し入れ、直接、麻由美の大事
な部分に触れた。やわらかい。人差し指を入れてみた。ほんのりと濡れている。
ひと目見たときから、麻由美は清楚な風貌に似合わず、多情な女だと睨んでいたが、
僕の想像に違いはなかった。麻由美の表情の中に僅かではあるが、快感が反応して
いることを読み取った。
ひと思いにパンストとパンティとをずり下ろした。それから、僕もベルトをはず
しズボンを下げる。トランクスの下でペニスが突起していた。
「こういう場合は( )を早く埋めた方がいい」という先輩ベテの言葉を思い出した。
それはある穴埋め問題の解法に関するものではあったが、今の僕には大変参考になった。
とりあえず挿入した。思ったとおり麻由美は声を上げなかった。麻由美の口を僕
の口で塞いだ。麻由美は唇を開こうとしなかったが、唇の筋肉は僕の腰の動きが活
発になるに従って弛緩してきた。もう麻由美のからだを強く押さえ込む必要もなかった。
僕は両手を麻由美のからだに回した。麻由美の唇も完全に弛緩した。舌を入れた。
麻由美が自分の舌をからめてくる。僕は腰の動きも止めた。そうすると麻由美の方が
腰を使ってきた。上手いものだ。
からだに回した右手で乳房を掴んだ。ほんものの若村麻由美よりも少しおおきめだ。
ブラをはずして直接掴んでみた。張りのある乳房だった。乳首を口に含んだ。麻由美
が微かな喘ぎ声を上げる。その腰はさっきよりも激しく動いている。
僕は少しづつ高揚してきた。自分でも腰を使った。
「ha,ha,・・・unn,・・・ah――」
麻由美もその瞬間に近づきつつあることがわかった。さらに僕の腰は動きを加速した。
「uu――――nn,aaa―――,fuu−.いっちゃう、もう、いっちゃう」
同時に果てた。
時計を見た。4時10分。ちょっとヤバいかもしれない。
PS 諸君の択一合格を祈る。 作者