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氏名黙秘:
OCRで読み取ったから誤字があるかもしれん
「入学先は決まりましたか」。法科大学院の開校まで一週間に迫った先週二十五日、山梨学院大のスタッフはこんな電話をかけ続けた。
全国六十八校の一つとして国から法科大学院の認可を受けた同校は、四十人の定員に対し、九十四人を合格とした。しかしふたを開けてみると併願校に続々と流出。入学辞退者が相次いだ。
先週時点で残った合格者は定員ギリギリの四十二人。中には住所が遠いのに引っ越してくる気配がなく、入学する気があるのかはっきりしない合格者も数人いた。
「初年度に定員割れし、来年度以降イメージダウンするのだけは避けたい」。担当教授の上条醇は追加合格に踏み切ることを決断。二日間で受験者約十人に声をかけ、まだ決まっていなかった五人に合格を告げた
だがさらに辞退者が出ない保証はない。「入学式まで安心できない」。事務方は気をもむ。
四月一日、全国各地で開校する法科大学院。「理論と実務の架け橋」など高い理想を掲げる一方で、多くの大学は入学者数を確定できない不安を抱え当日を迎える。合格者の辞退率など過去のデ−夕がないのが痛い。
「ほかはどこを受けましたか」。立命館大は受験生に、併願校の合否や志望順位を尋ねる異例のアンケートをした。「苦情も覚悟でやった」という調査をもとに、定員百五十人に出した合格者は三百三十五人。
「おかげで最後はほぼ定員通りに落ち着きそう」と担当者は胸をなで下ろす。