±? 学者系演習書についての千考察 ±?

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717氏名黙秘:03/07/20 17:11 ID:???
>冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw氏

刑訴得意なようですね。
田宮・田口の違いってわかります?
718冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/21 00:09 ID:???
>>717
すまんです。田口は使ってないでガス。
田宮の方は憲法に適合していて、さらに捜査機関の暴走を抑制するための
理念系って感じですかな。
イデオロギー的にもしっくりくるから使ってます。

まあ刑訴の場合は、捜査構造論と取調受認義務、違法収集証拠、
伝聞例外と非伝聞あたりがややこしいだけで、
あとは読みやすい物を選べばいいかと。

ちなみに刑訴は得意じゃないです。
論文試験受けられなくてむかついていたので、気合い入れて勉強してるだけです。
719氏名黙秘:03/07/21 00:13 ID:???
>>718
どうも、かとしん読み込み使いました?
かとしんに触れていたので。

現状では田宮かとしん+田口田口(辰巳)でバラ感テープ(絶版)をやろうと思っています。
補充で対話の予定です。
720冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/21 00:26 ID:???
>>719
カトシンは田宮読込みを3年ぐらい前の、まだ刑訴の右も左もわかってない時代に聞きましたね。
今はこのスレと並行して去年の商訴答案特訓講義を聴いてます。

対話はいいですね。S2君と一緒になって口述のつもりで答えたりしてます。
答案もいいですよ。頭のきれる実務家が書いたなって感じを受けますね。

あと、個人的には光藤口述が学説の対立点を明確に論じているので
争点をさぐるにはいいような感じもします。
721ひとこと助言を:03/07/21 06:43 ID:apypZuFy
じゃまして済みません。 刑訴の勉強法についてひとこと助言を。
折れ刑訴独学でやってますが、一度田口何も予備知識なく通読したが頭に残らん感じだったので、
講義聴く代わりにと思って光藤口述(上2)(中)を六法片手に読んでいます、今(中)の途中です。
Q1> 何となく刑訴の筋が分ってきましたが、これ基本書にはちょっと大部だし口語でなり難いですか?
Q2> 計画では光藤読破の後に、田宮か田口のいずれか基本書に決めようと思っています。
田宮はカトシンを/田口は本人の辰巳テープ聴かないと、光藤を事前に読んだ程度では
やっぱ独学でこれ等を読解して使いこなすのは難しいでしょうか? 余りお金が無い人なので、
できるだけ高価なテープとかは買いたくない(≒買えない)のですが、無謀ですかね??
(高価なテープ類以外に何か役に立つ雑魚本があればそのご教示でも良いですが・・・)
((あいまにちょこっとだけanswerして頂ければ嬉しいです。m(_ _)m))
722氏名黙秘:03/07/21 09:15 ID:???
>>720
光藤ですか、候補にしときます。
723冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/21 10:55 ID:???
>>721 漏れのアドバイスがどの程度役に立つかわからないけど、簡単にレスします。
プチベテの物量作戦だからくれぐれも鵜呑みにしないでね。
(A1)
 光藤口述は講義録であるが故の読み易さが活かされているよ。
普通なら起承転結で自分のもっていきたい結論への関連性の順で、承なり転なりで他説を
取り入れて支持したり、批判したりして、余計なものは注にぶち込むのだが、光藤の場合は
講義前にあれやこれやと自分で模索した過程を文面に著しているから各説の対立点が明確になっている。
こういった流れで書かれているので、見ようによっては『刑訴の思考方法』ともいえるのだが、
いかんせん下巻が出てない点(どうせ上訴再審まではみんな進まないだろうに!)、中巻の改訂が
なされてない点で立ち読みの時点で敬遠されるのが現状だろう。
他方で、淡々と読んでいくと著者の思考形式に侵されることもあるから注意を要する。
この点、漏れはある程度実力がついたところで、答練と並行して読み込んで自分なりに次回読む必要が
ないところや、要点をノートに書き取った部分には本の上部に△をつけて、復習用に省力化を図って、
さらに同意できない部分は「不同意!∵・・・」みたいに書いて次回読んだときは見出しで記憶が
喚起できるようにしている。換言すれば、入学して間もない頃に書いた学説天こ盛りのレポートを
添削して文章全体を締めていく作業かな。カトシン風に言えば、「要するに」のべき乗作業を行って
出た結果をノートなり本の片隅なりに書いておき、次に見た際に意味が判らなければ
「もっと言いましょうか」の作業をするために該当部分を読み直すことになると思う。
例えば、713の図は口述上の第6章を半日かけてまとめたのだが、ここに書き込んだエピソード記憶と
相まって6章を読むことはまずないと思う。
724冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/21 10:56 ID:???
>>721
(A2)
 漏れは田口は読んでないからコメントできないな。基本書スレの過去スレに検索をかければ何か
出てくるかもよ。田宮の方は前に書いたような印象で、ドイツに未練を残しながら書かれている
光藤より近代的で理念的な印象を受けるけど、文章が抽象化されているので、自分の頭で行間を
埋める作業が結構大変かもしれない。このあたりの思考のヒントをくれるのがカトシンなんだけど。
講義テープはヤフオクを使えばかなり安く上がるよ。
あとここもね。http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1058313013/

というわけで、漏れは光藤と田宮を足して2で割ると日本が出てくるのではないかと思ってつかってる。
しつこいようだけど、くれぐれも鵜呑みにしないでね。  スレ主敬白
725氏名黙秘:03/07/21 11:06 ID:???
いやいや参考になりました。
思考方法はいいホンだよね。
726氏名黙秘:03/07/21 11:22 ID:???
>>724
ところでかとしん、
相変わらずペース配分めちゃくちゃでした?
内田はさいご、ハイペースですた。
72790:03/07/21 22:31 ID:???

【安冨演習講義18】
本判決は無罪判決を下していが、
検察官の一部起訴が適法であれば、判決は378条3号の控訴理由に
該当し、正当な判決ではないということになる。
そこで
一罪の一部起訴の適法性が問題となるl

この点公訴不可分の原則や実体的真実主義に反するとして
否定する見解もある
しかし当事者主義の現行法の下では審判対象は訴因
法は起訴便宜主義起訴独占主義を(247,248)を採用し
訴追裁量が与えられていることからすれば、実体的真実主義もその限度で
後退することを予定している、
そこで一部起訴は原則的に適法と解する。

もっとも公益の代表者であるから、覊束裁量。
そこで、著しく実体的真実主義に反する場合や
親告罪など特定の制度趣旨に反する場合は、
例外的に違法となる。

本問では致傷は致死の一部であり、上記除外事由にも該当しない
ゆえに適法な一部起訴であった。
以上より、無罪判決をした判決は絶対的控訴理由(378条3号)にあたり、
正当な判決とはいえない。
728冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/21 23:10 ID:???
>>726
さすがに3年前なので覚えてないですわ。
論文受験者が戻ってきてるでしょうから、カトシンスレで聞けば情報が集まるでしょう。
729721です:03/07/22 06:42 ID:a+53EBvn
冷シャブ様、丁寧なレス感謝です参考に致します。ただ講義テ-プ無しだと光藤→田宮or田口でも難しい
というnuanceですね。 んー-困った・・・とても講義テ-プ買えないビンボー受験生です。
でもグチっても仕方ないので、光藤(中)まで読破して田口か田宮(現時は薄い前者?)にします。
PS(お返しのinformation):光藤(下)<上訴〜>は原稿は書上っており今は内容を精査している
段階だそうです。たぶん近いうちに刊行される予定、ただ御高齢なので直ぐは難しいかも・・です。
(中)改訂の予定は漏れも知りません、あっても御高齢だからもうダメポっ。。
でも講義聴けないビンボー香具師には光藤口述(上2)(中)はほんと有り難いです。
730氏名黙秘:03/07/22 07:15 ID:???
>>728
そうですか、どうもどうも。
参考になりますた。
731冷シャブdecidendi ◆JQD98yPegw :03/07/22 09:34 ID:???
>>729
いや、ヤフオク使って、中古購入→再出品を繰り返せばほとんど金は要りませんよ。
それに今日から論文向け講義の出品量は増えて、相場は下がるので狙い目ですよ。
(ちなみに漏れは中古講義カセットの頒布権は消尽しているとの解釈をとります。

基本的に択一期には相場が下がっている論文向けの講座を購入して、
択一後はそれを売るんですよ。
それで論文後は完全に買い手市場になるので、多少見越しでいろいろな講座を買っておき、
後期答練の進行科目に合わせてまた出品するんですよ。

これでほとんど送料+振込手数料+飯1日分の出費で済みますし、
物によっては意図せずして利益が出てしまいます。
732Sマスター:03/07/22 21:47 ID:lX4TWRNC
光藤読んだのなら,後は演習でも良いかもしれない。
光藤自体が講義みたいなもんだし。ただ,冷シャブさんがかかれてるように理解した
気になってても以外にかけないのが刑訴なんで・・・。

光藤読んだなら,バランス感覚っていう本なんかでテクニック的なもんを磨くのも
良いかも(答案は荒い気がするが)。
733氏名黙秘:03/07/22 21:57 ID:???
板橋の判例で書く珪素はどうなのでしょうか?
734氏名黙秘:03/07/22 22:48 ID:???
バラ感は光藤の冒頭のレジュメで記憶喚起し、
用意した問題、解答を覚えて本試験へ逝ったそうだ。

735734:03/07/22 22:48 ID:???
著者曰く。
736721です:03/07/23 07:18 ID:fXiKWlTr
えー皆様レス有難うございます。一応当初予定通り光藤口述(上2)(中)を講義テープ代わりにして
田口か田宮を読んでみます、で答案書けるか過去問検討してみます、あと百選の事案判旨潰しも
してみます。(民訴もいきなり上田読んでさっぱり頭に入らなくて困ったんですが、大先輩に
無理矢理勧められて谷口の口述民訴を{旧法ダッタのでビビリましたが(>_<)}譲ってもらい(¥100(^-^))
読んだら民訴の勘所が分って上田や演習書を結構読めるようになったので、刑訴も光藤でと思ってました)

どうしてもダメなら講義テ-プも考えます、そうですねヤフオクですか。でも漏れビンボーなので
自分名義のクレジットカードありません、で買ったり売ったり出来ますか?ネットは口座振落しでやってまつ。(-_-;)
(何とか年末ぐらいにはみなさんの議論を理解出来るレベルになりたいです。今回は親切なレス本当に感謝です)
737氏名黙秘:03/07/23 07:19 ID:???
光江タンの演習書買った俺はバカでつか?
738冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/23 11:31 ID:???
>>736
たぶん銀行口座でもできますよ。
あと、このスレは少なくとも来年秋までは続くと思うので、
過去レスで気になったことがあったらいつでも蒸し返してください。

>>737 そうでもないみたいよ。
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1055258116/
739氏名黙秘:03/07/23 12:01 ID:???
>>737
1刷りならハズレ。2刷りならok。
740冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/23 12:27 ID:???
>>739 煤i゚Д゚;)

>>727
本試験の刑訴は思いっきり外してしまいましたね。まあ受けなくて良かったのかも。
我々は心で泣きながらも、涼しい顔して続けていきましょう。
傾向としては、マニアックな論点ではなくて、基本論点をとんでもない角度から聞いてくると
いったところでしょうかね。

さて、本問ですが、これは良問ですね。
一部起訴は大抵P側からの問題点か、裁判所の訴因変更命令が多いようなのですが。
この角度は記述に気を遣いますわ。
いろいろ考えたのですが、一部起訴の是非がどう影響するのかという点と
裁判所の役割からどうすべきだったのか点の二つを争点として捉えて、前者によって後者が
変わってくることを意識してみました。
741冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/23 12:28 ID:???
(740に続く)
1. (一部起訴)
Pの一部起訴は違法じゃないか?→違法なら棄却だろ!
論証同じ→適法*1
2. (審判範囲)
証拠から致死がでてんだから実体的真実主義(1)に反し不当ではないか?
審判範囲が問題→いつもの論証→訴因が範囲。
だから訴因の範囲で実体的真実を追求→P主張事実が致傷なんでその範囲にとどめるべき。
戦前じゃないんだから裁判所は余計なことすんな!(勧告で十分*2)→致死認定は無理。
3. (訴因の包含関係)
それなら致傷であるはず。なんで無罪なんだ?
審判範囲内なのにまともに判決してないじゃないか!378条3号の控訴理由になるぞ!
致傷を含む→・・・致傷罪とすべき→本判決は不当

*1:百選の41の11時間というは意外と味噌みたい。
つまり、わずか11時間で一罪性は強く(木谷)、一部起訴を正当化する理由の
やや乏しい事案(光藤上P224)だから、2時間ぐらいで死んで、起訴する直前に
検事に連絡が入って(警察の怠慢)、起訴状書き直すのがめんどくせーって事情ぐらいあれば
不当な一部起訴になるんかも。
ただ、この事案は担当検事が意地になって命令に応じなかったとの噂を聞いたことがある。
*2:証拠の明白性と重大性が認められる場合には例外的にその義務があるが(最判S43・11・26)、
本件はそれにあたらない。

(以下余談)
百選P87の左下を読んでいて思ったのが、現場共同強姦の非親告罪って問題じゃなかろうか。
処罰の必要性からS33年に刑180Uに新設されたのだが、メディアの発達した現代社会を
考えると、二次被害を加速させるだけだと思うのだが。スーフリ事件を聞いて考えてしまった。
憲法の問題にできそう。
742冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/23 20:53 ID:???
【安冨演習講義23】
小問1
(1)本問は検察官の主張した公訴事実における訴因と裁判所が認定した罪となるべき事実に
  開きがあり、審判範囲を逸脱しているのではないか問題。
(2)即ち、当事者主義→(論証略)→訴因が審判対象。被告人の防御の範囲も画する。
  後者の目的からすれば、法律構成だけでなく社会的・法律的意味における重要な
  変化が生じた場合、訴因変更すべきであるからである。
(3)では、本問の・・・訴因と・・・罪となるべき事実に・・・の変化が認められるか以下検討。
 まず、過失犯においては、いわゆる開かれた構成要件として規範的部分が
 広範となっているので(*1)、訴因は@注意義務の発生根拠となる具体的状況、
 A注意義務の内容、B注意義務違反の態様、C事故および死傷の結果、
 D過失と結果の因果関係(*2)に分けられ、これらの各要件に変化があった場合、
 基本的に重要な変化といえる。  (←これでいいのかな〜?)
 そして、これについて本問をみると、他は問題ないもののBについて
 P:「前車の・・・・・・踏みはずした」
 裁:「ブレーキをかけるのを遅れた」
 となっており、態様が変化している。
(4)よって、
743冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/23 20:54 ID:???
小問2
(1)上記のように訴因が被告人の防御の防御の範囲を画するという目的からすれば、
 被告人はブレーキ操作の誤りを自ら認めており、そもそも訴因変更の必要性は
 ないともいえる。
 しかし、それでは訴因という基準が不明確になり、被告人が防御活動を
 行う際の力点を意識することができず、実質的に不意打ちになってしまうことも
 ありうるから、依然訴因変更を必要とすべきであり、本問の場合も違法である。
 (↑うまい理由付けが無いので適当に書いた)

*1:民訴でいうと、>>658におけるAといえようか。
*2:構成要件該当性でいうと、@規範を導く前提、A規範、B規範違反(実行行為)、
 C結果、D因果関係。(刑法の体系図を思い出すといいかも。
 なお、判決書について、刑法講義案p134が参考になった。

基本的に全て実務型で書いた。
2はつながっているので、問題提起文は省いた。
744氏名黙秘:03/07/24 00:48 ID:???
割り込んですみません。
プロブレム・メソッド(小林)と、
ケースで解く会社法(弥永)の評価教えてください。
745冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/24 11:18 ID:???
>>744
小林の方は論点の網羅性、他学説や関連判例の情報も抜群。
コンセプトは基本書と演習書のいいとこ取りで、問題を解きながらも裾野が広めの理解が
できるようになっているが、問題数が94と多いために各解説が簡潔になりすぎている感がある。
司法試験に出にくい問題や過去に出た問題を除くと、80問ぐらいになる。

弥永はわかりまへん。
746冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/24 21:41 ID:???
(742を訂正)
>D過失と結果の因果関係(*2)に分けられ、これらの各要件に変化があった場合、
> 基本的に重要な変化といえる。 

→D過失と結果の因果関係(*2)に分けられ、
特にBは過失行為の内容たる認定事実そのものを異にする結果となるのであるから
基本的に重要な変化といえる。
74790:03/07/27 01:53 ID:???
【安冨演習講義24】

小問1a

訴因である窃盗罪は非親告罪だが心証の器物損壊罪は親告罪である。
この点、心証を基準に訴訟条件の存否を判断すれば
公訴棄却すべきであるから、訴訟条件存否の判断基準が問題となる。

そもそも、審判対象は訴因。そこで訴因を基準に判断。
とすると、窃盗罪の証明が無い以上無罪判決すべきかにみえる。


もっとも、検察官は訴因変更権を有するし裁判所も釈明を行使できる。
そこで本問では裁判所は釈明権で訴因変更を促すべきか。

思うに、親告罪につき告訴が無い以上、裁判所には、不適法訴因への
訴因変更命令を出すことはできないが、検察官の訴追意思を
明らかにするためにも釈明権の行使はできる。
そしてこれにより、訴因変更するなら、これを許すべきである。
確かに変更後の訴因は不適法訴因であるが、
訴因変更は検察官の権限であり、再起訴できない無罪判決よりも
公訴棄却判決を得て、後に、告訴を得て再起訴に備えることも濫用的なもの
でないかぎり適正な刑罰法令の適用実現のためにも合理的理由があるからで
ある。

本問では訴因変更しなければ、無罪判決すべきである。

74890:03/07/27 01:54 ID:???
小問1b

公訴事実の同一性がある。
変更後の訴因についても親告罪だが
告訴が得られている以上。
適法。
よって裁判所は訴因変更を認めるべき


ここは、何を問題にすればいいのか良く分からない・・・


74990:03/07/27 01:55 ID:???
小問2
訴因を基準に判断すると致死罪の管轄は地裁にあるが、心証を基準だと
簡裁に管轄があることになる。
訴訟条件の存否は小問1と同様、訴因を基準にすべきだが、
小問1と異なり、致死と致傷は縮小関係にあるから、本問で、検察官に予備的
黙示的訴追意思があるならば、訴因変更を経ずして、縮小事実として致傷罪を
認定し、心証を基準に訴訟条件存否判断をすることも可能である。
なぜなら、この場合
訴追する当事者の意思に反しないし、
被告の防御を害することにもならず訴因の機能を害さないから。

では、本問ではどうか
縮小関係にはあり被告の防御は及んでいたといえる。
しかし軽過失致傷罪は親告罪であり、告訴がないのに、
親告罪で訴追するという検察官の予備的黙示的訴追意思は通常認められない。
よって縮小認定できない。
そこで、無罪判決すべき。

かりに、釈明の結果、訴追意思があった場合はどうか。(※)
管轄違いの裁判か、告訴がないことから公訴棄却の裁判の
いずれをすべきか。
そもそも、軽過失致傷罪の管轄は地裁にない。
そこで管轄違いの裁判をすべき。


※「かりに、」以下を本番で書くのは非常に迷うところ。
通常なら、無罪判決で終わらせるが。
問題文がいかにも、最後の論点を聞きたい感じなので
軽く触れてみた。
750冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 16:42 ID:???
>>747
>もっとも、検察官は訴因変更権を有するし裁判所も釈明を行使できる。
>そこで本問では裁判所は釈明権で訴因変更を促すべきか。

趣旨からの論証という意味では、
実体的真実主義に資するため、裁判所は後見的立場から
といった趣旨の文を入れると良いかと。

>そしてこれにより、訴因変更するなら、これを許すべきである。
公訴事実の同一性があれば、許さなければならない(312T)
の方が適切でしょう。
751冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 16:43 ID:???
>>748
>※ここは、何を問題にすればいいのか良く分からない・・・

ここはP178L3の記述からしても、aとbで訴因変更について、
@求釈明すべき・A釈明義務あり・B勧告義務あり・C命令義務あり
という段階について審理経過等を含めた形で意識できるかという点がポイントではないかと。
特に平野と田宮を、(検察官が国家の訴追官という点を捨象して)
「裁判所からの自由」という観点から比較した場合、平野がかなり強い裁判所の
職権介入を認めるのに比して、田宮はどちらかといえば純粋な当事者主義に
近いような気がしますので、このあたりの学説認識で答案のニュアンスが変わってくるように思います。
他方、判例をみるならば、リーディングケースは百選52になりますが、
争点は(1)変更すべき訴因の重大性(社会契約違反の程度が大きく検察官の裁量に任せきれない)と
(2)証拠の明白性(社会契約違反の明確性)から上記@ABの射程を決めていくことになると思います。

私見では、aの方が訴因変更したところでどっちにせよ有罪にできず、
実体的真実主義に資することにもならないので、検察官の裁量に任せれば良いと考えますが、
bの方は、被害者の訴追意思があることから、もはや検察官の裁量を超えて
裁判所がもう少し強く介入すべきということになると思います。
また訴訟経済という観点からも妥当でしょう。
ただ本問は上記(1)の点が弱いので、Aでとどめるべきとしました。
この点、H12年2問目小問2の優秀答案等と比較すると、abとも@で止めるのが穏当ですが、
百選52判例について「審理の具体的状況によっては、裁判所は検察官に訴因変更について
釈明を求める義務か又は訴因変更を『勧告する』義務を負うだけであることを判示した点でも
注目してよいでしょう。この理は、『犯罪の重大性』がさほどでない場合にも
及ぼしてよいでしょう」(光藤上P313)という評価を加味すれば、
ここは一発、告訴権者の訴追意思に鑑みて、盗塁しておく場面のような気もします。
ただ、心の中ではちょっと通説からはバランスを欠いている感はもっています。
(なお、対話刑訴P139右側S1君発言以降参照。
752冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 16:43 ID:???
>>749

>被告の防御を害することにもならず訴因の機能を害さないから。

>>743にも書きましたが、防御権を害することはないまでも、
やはり訴因を前提に防御方法を考えるでしょうから、
防御活動の力点の置き方が変わることから、防御権を害する虞はあるような気がします。
もっとも問題の量との兼ね合いでこのように割り切って書くことは適切だとは思います。

>※「かりに、」以下を本番で書くのは非常に迷うところ。
>通常なら、無罪判決で終わらせるが。
>問題文がいかにも、最後の論点を聞きたい感じなので
>軽く触れてみた。
余事記載気味なんで、本番ならたぶん書かないでしょうね。
裁判所法を開いている時間も無いでしょうし。
まあ親告罪が絡まない管轄違いの論点の勉強だと思っておきましょうか。

で、公訴棄却(338)と管轄違いの裁判(329)の競合ですが、
これは実体法を重視するか、手続法を重視するかの違いでしょうかね。
前者なら犯罪認定の「Tb-Rw-S→犯罪成立→告訴の有無」順に適合することに
なるでしょうし、後者なら手続法上の違法の程度からみて高田卓説ってことでしょうか。
(つーか、ここは深堀しても意味無いな・・・明確性でいいか・・・

ところで管轄の話だと、01年12月日練で白取が、縮小認定できない放火と失火の例を出していますが、
採点者の評価をみると随分できが悪かったようです。
(漏れの当時の答案は縮小認定の問題すら触れていなかった。今読み返して赤面。
まあ、口述過去問にも登場してないですし、告訴不可分の原則とともに
ヤマ格付けは落とした方が良いかもしれませんね。
753冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 16:55 ID:???
>90
えーと、そろそろ来月用の【分析と展開TU】の問題を選んでおいてもらえますか?
問題数は各7問で14問を考えております。
民訴のときに感じたのですが、同じ科目を1ヶ月以上やってるとさすがに飽きますので
この程度で良いかなと。

なお、今後の予定について当方からの希望を次レスに掲示しておきます。
もちろん押しつけるわけではないので、なんなりとご意見をどうぞ。
754冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 16:56 ID:???
8月
 民法 【分析と展開TU】第2回 両方から14問
 手形 【丸山演習講義】第2回 4問
9月 
 刑法 【佐久間演習講義総論】第2回 9問(刑法の理論はやはり夏向きかと)
    【佐久間演習講義各論】第2回 7問
10月 
 憲法 【浦部事例式】第2回 12問
 民法  親族・相続(解釈ゼミナールor争点ノート) 8問
11月
 会社  (なにか改訂版が出ると思います)10問ほど
 総商 【稲田演習ノート】第2回 3問
 民訴 【井上実践】第2回 10問
12月
 刑訴 【安冨演習講義】第2回 16問(改訂版判例教材刑訴の読み込みをしたい)
1月〜3月
 民法 【基礎演習財産法】第2回 30問(択一対策もかねて。択一答練期はペースを落とす)
5月〜7月
 刑法 【木村演習】第1回 ヤマを20問ほど
 会社  14問ほど
 民法 【分析と展開T】第3回 
    【分析と展開U】第3回
    【基礎演習財産法】第3回 12問
8月〜10月  残存問題

理論面が強く記憶が飛びにくい順に手形・刑法総論・同各論・憲法としました。
【基礎演習財産法】については、択一問題の正答率の低かった問題対策に有効かと思うので、
択一期に答練と並行して使うことを考えています。
【木村演習】はここ10年ぐらいの判例を振り返り、もって本試験に出やすい事案を理解するとともに
規範的解釈やあてはめのトレーニングを積むには最適かと。それにこの本なら使用者も結構いるので、
外野から物言いがつきそうでよろしいかと。
755冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/27 20:10 ID:???
>90
【安冨演習講義】につき、外すものを訂正します。
まず15は今年出ましたので外しまして、
20、21、22についてはよく見たら微妙に論点が違いましたので含めたいと思います。

なお、4に関して、
最判H14・9・4が出ています(受験新報628、重版は未確認)。
ポイントとしては、殺人の嫌疑と重いのですが、
9泊でその間断続的に取り調べがあり、被疑者が外国人女性であったことなどで違法としています。
どのあたりで違法となるかというあてはめの射程を見極めるには必見かと思います。
756 :03/07/28 07:41 ID:M1YYWhp4
外野からつまみ食い参加アリですか?
1)浦部事例式・分析と展開・木村演習・安富演習までまぁ普遍的で○(モレ蔵)としても、
2)親族相続(解釈ゼミナールor争点ノート)・丸山演習・井上実践・稲田演習あたりは?
3)あと佐久間演習と基礎演習財産法はマァマァ(モレ未蔵)ですが・・2)はかなりMANIAですね
757冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/28 09:50 ID:???
>>756
蟻ですよ。
90氏はリーマン受験生なので何とも言えませんが、
漏れの方は過去にやった問題ならいつでも反論(弁解)できる用意はあります。

新規の問題は、、、気分が向いたらですね。

まあだれかが答えるんでないかと。
758冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/29 08:37 ID:???
>>756
>2)親族相続(解釈ゼミナールor争点ノート)・丸山演習・井上実践・稲田演習あたりは?

まあ使っている人が少ないという意味ではマニアですな。
ちなみに稲田演習は90氏の方が漏れより先に買ってます。

親族相続については、今年の択一と論文の問題、さらには実務での必要性を考慮に入れると
代表的論点はある程度こなしておく必要があるとおもうのですわ。
もちろん演習書の問題全てはこなしませんけどね。

丸山演習は合格者で評価している人がちらほらいますね。
まあこの本は佐久間演習と並んで、理論面が強めの本ですから鍛えられはしますね。
もっとも商法においての手形は既に学者の論理展開の楽しみだけになっている感があるので
現行試験のように重きをおくことは実際的ではないでしょうし、
今後は総則・商行為が徐々に出始めてくると予想しています。

井上実践は著者の興味が出過ぎなので、解説は注意して読む必要がありそうです。
本当は有斐閣選書の演習を使った方が新堂の問題意識が出ていて良いのですが、
古いので躊躇しています。

稲田演習は出にくい問題を除くと20問ぐらいにおさまるかと思います。
ただ、どちらかといえば学部試験用なので多少は関連する判例を読んで
補充しておく必要はありそうですな。
759冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/29 08:39 ID:???
朝日新聞になにやら現行試験の動向についての情報が載っているみたいですな。
尻に着いた火が独立燃焼してきました。

【安冨演習講義28】
小問1
 挙証責任とはある要証事実の存否が不明なときに、これによって不利益な判断を
 受ける当事者の法的地位、負担をいう(*1)。
 そして刑事訴訟においては、無罪推定の原則(k31)から、挙証責任は検察官が
 負担することになる。
小問2
  刑230の2は・・・・・・と規定する(*2)が上記趣旨との関連で問題となる。
  これについて、上記挙証責任の趣旨を徹底すれば、訴訟追行の不手際による被告人の
 危険回避の意味も含めて、依然挙証責任が転換されているとはいえないいえる。
 しかし、これでは検察官にあまりに酷であるから、一定の合理的理由をもって
 例外的に転換OK。
  具体的には、
 @被告人の挙証事項が検察官の挙証するその他の部分から合理的に推認されること(*3)
 A被告人が挙証する方がむしろ便宜な部分であること(*4)
 Bその部分を除いても適正なものとして処罰が肯認されること(*5)
  @---検察官の主張する構成要件該当事実から
  A---確かに被告人の方が事情をよく知っているはず
  B---真実であっても依然成立の場合あり
 よって、転換
760冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/29 08:39 ID:???
(759に続く)
*1:形式的挙証責任については縦の関係(裁判所と検・被)の問題なので省いた。
*2:違法性阻却なのか処罰阻却なのか明確にせず書くのが吉か。
*3:訴因→挙証事項についての事実上の合理的関連性ってことかな?
さらに、明確性の理論も暗に含まれているとみるべきか?
ひっくり返すと230の2の規定がもう少し漠然不明確ならこの要件は欠落するかも。
*4:松尾は@Bだが、田宮はAを入れる。要するに証拠の偏在を考慮するようなもんか。
*5:公共の利害、公共目的が充たされた場合は、故意阻却を除いて
結局犯罪の成否に影響するから、あまり重要なファクターとは思えないのだが、、、まっいいか。

関連過去問はH2年2問目で、正当防衛の違法性阻却事由という規範的要件に関して扱っているが、
名誉毀損の真実性の証明は条文に顕れた記述的要件に近いので記述に差を設ける必要があるかもしれない。
予備校答案の大半は争点形成責任あるいは証拠提出責任として、一方無罪推定よりになっていた。
試験対策としては本問と207条の同時傷害の処理を押さえておけば十分だろうか。

小問3
「挙証責任の転換」規定とは、法律上被告人に挙証責任が転換されていることをいい、
「推定」規定とは、ある前提事実から他の事実を推認されることが規定されていることをいい
後者は反証をもって推定を覆すことができる。
では、このような規定の合憲性はいかなる要件をもって担保されうるか、
上記無罪推定の原則との関係から検討する。
両者は当事者主義的訴訟構造から検察官の挙証の負担を軽減する目的をもつものであり、
目的の正当性は認められる。次に効果の側面からみると、被告人の負担
転換>推定 ∴これに合わせて基準の厳格度を変えるべき。
転換:上記@ABで妥当
推定:上記@Aで妥当 ∵Bを要求することは余りに酷すぎる。

全体に関連する過去問ではS52年1問目だが、純学問的問題が出されていた時代の名残みたいで
近年の本試験ではでにくい気がする。
もっとも訴訟構造と無罪推定をじっくり考えるには良問といえるので、夏用としては最適か?
761氏名黙秘:03/07/30 11:21 ID:hBBL/qRE
同時傷害の特例に関する曽根「刑法の重要問題[各論]」の記述について、
疑問があるので、差し支えなかったら、少し教えてほしいのですが。
同書にはこう書いてあります。

(1)訴訟法的意義
まず、自己がその傷害を生ぜしめたものでないことを立証しない限り、傷害の罪責を負う
としている点で、207条は法律上の推定ないし因果関係の擬制を規定したものである、
と解する立場がある。しかし、本条が「…ときは皆傷害の責を負う」と規定しておらず、
暴行という前提事実だけではなく、傷害の有無・軽重といった要証事実についても証拠調べ
が必要とされている点で、法律上の推定(ないし因果関係の擬制)を規定したものと解する
ことはできない。少なくとも、検察側において、暴行が当該傷害を生ぜしめる程度のもの
であることを立証しなければならず、証拠調べをした結果、それにもかかわらず裁判所が
証明ありとの心証を得られなかった場合に初めて本条が適用されるのである。本条は、
被告人の側において自己の行為と傷害の結果との間に因果関係のないことの証明ができない
ときに、共犯の例によって不利益を受けることから、訴訟法的にみた場合、被告人に因果関係
についての挙証責任の転換を認めたものと考えるべきである。
762氏名黙秘:03/07/30 11:21 ID:hBBL/qRE
(2)実体法的意義
次に、挙証責任の転換を前提としたうえで、「共同(実行)者でなくても、共犯の例による」
としている点について、意思疎通の推定を認めたものと解する立場がある。しかし、「共同
(実行)者でなくても」という文言からみて、207条は、共同実行者であることが立証され
なかった場合だけではなく、共同実行者でないことが立証された場合にも共同正犯と同様に
扱う趣旨を解すべきであるから、本条を意思疎通を推定した規定と解するのは妥当でない。
実体法的には、二人以上の者の間に意思疎通がない場合にその擬制を認めたものを解すべき
であって、本条が適用されるためには、そこに少なくとも共犯類似の実態が存在していなけ
ればならない。すなわち、「二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合」といえるためには、
二人以上の暴行行為の間に時間的・場所的近接性ないし機会の同一性が認められなければ
ならないのである。
結局、207条は、「意思疎通についての法律上の擬制」を用いることによって、「因果関係
についての挙証責任の転換」を規定したものと解することができる。
763氏名黙秘:03/07/30 11:22 ID:hBBL/qRE
そこで、疑問なのは、(1)について、

しかし、本条が「…ときは皆傷害の責を負う」と規定しておらず、暴行という前提事実だけ
ではなく、傷害の有無・軽重といった要証事実についても証拠調べが必要とされている点で、
法律上の推定(ないし因果関係の擬制)を規定したものと解することはできない。

とありますが、因果関係の推定としてもよいのではないかと思います。なぜ推定と解しては
いけないのか、分かります?
764氏名黙秘:03/07/30 12:20 ID:???

本スレは危篤に陥りました。
つきましては761のネタを最後に新スレへの移行をお願いします。

±? 学者系演習書についての千考察―巻之弐 ±?
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1059534969/
765冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw :03/07/30 17:29 ID:???
>>761-763
メチャメチャ難しいですね。
せっかくなので、漏れの分析結果を掲示します。
ちなみにほとんど推論です。

>しかし、本条が「…ときは皆傷害の責を負う」と規定しておらず、暴行という前提事実だけ
>ではなく、傷害の有無・軽重といった要証事実についても証拠調べが必要とされている点で、
>法律上の推定(ないし因果関係の擬制)を規定したものと解することはできない。
>
>とありますが、因果関係の推定としてもよいのではないかと思います。なぜ推定と解しては
>いけないのか、分かります?

結論からいうと、可能だと思いますし、現に小野は推定規定だとしています
(概論p151だが、原典にはあたっていないので詳細不明)。
ただ、刑法の体系との平仄からすると、挙証責任の転換といえると思います。
766冷シャブdecidendi ◆vCK8.7oLaw
(765に続く)
つまり構成要件該当性の要件から考えると、暴行という「実行行為」と傷害という「結果」が
まず必要で、その間をうめるのが「因果関係」ですが、これを前提に行為無価値的視点を踏まえて
207条を推定規定だとすると、
前提事実たる傷害の実行行為性(「当該傷害を生ぜしめる程度のもの」)の証明があれば、
推定結果たる傷害を証明しなくて済むはずなのに、「傷害の有無・軽重といった要証事実に
ついても証拠調べが必要とされている点」でおかしいじゃないかということだと思います。
しかし、この点は「傷害の実行行為性と傷害の結果」を前提事実と捉えて、これが証明されれば
因果関係が推定される(ないしは擬制される)と考えることもできるでしょう。
ただ、このような推定過程はある事実から構成要件事実を推定し、あてはめるのではなく
いきなり犯罪成立が推定されてしまうのですから、一般的に使われる法律上の推定の意味からは
乖離するというそしりは免れないでしょう。

端的にいえば、立法によって検察官の挙証責任から「因果関係」の要件だけ例外的に取り払われて、
被告人に転換されているということでしょう。

まあ司法試験的には「個々の暴行と傷害の因果関係を推定することにより挙証責任を被告人に
転換したものである」(西田各論P48)のように折衷的な(せこい?)表現なんかが
よろしいんじゃないかと。

・・・8割ぐらいしか理解せずに書いていますけど、趣旨は伝わりましたか?
ちなみに佐久間演習講義各論の2をやると理解が深まりますよ。
最近の司法試験には出にくい「視点の」問題だとは思いますけどね。