◆◆◆2002年ネット受験生論文合格予想vol.4◆◆◆
小問1
1本問において、EはBに対し手形金請求出来るだろうか。
本問において検討すべきは、Bの使用人Dが無断で手形の満期日記載を
書き換えている点、及び同様に使用人DがCに手渡さずEに譲渡している点である。
2まず、Dは手形を権限なく書き換えているので変造にあたるが、Bは「変造前ノ署名者」
となるのが原則である。(69条)。
もっとも、DはBの使用人であり、BはDの活動によって利益を得ている以上、
Dの行動についても責任を負うべきである(報償責任)
よって、取引安全の観点から、Eが当該事情につき善意である場合に限り、Bを
変造後の署名者と同視すべきである。
3しかしながら、Bが変造後の署名者と同視されたとしても、使用人DはBに無断で、
Bの予定したCではなく、Eに譲渡している。よって、EはBに手形債権を取得せず、
Bに対して手形金請求できないのが原則である。
しかし、かく解すると、手形面上の記載を信頼して譲り受けたEに酷であり、一定の場合に
Eを保護すべきである。
→権利外観理論
4以上より、Eが上記2つの事情について善意であった場合に限り、EのBに対する
手形金請求は認められる。
小問2
1EはDに対し手形上の責任追求する事が出来るか。この点、DはBに無断で
自らの名を署名し、Eに譲渡しているので、BからDに有効な手形移転はない。
もっとも、手形行為独立の原則の適用があれば、EはBに手形金請求なしうる。
ここで、手形行為独立の原則とは、〜(7条)
また、裏書にも適用可能。
2もっとも、取得者の善意悪意に関わらず適用があるか?
→善意のみ。
以上、この場合にのみEはDに責任追求可。