【論文本試験】民訴 第二問【問題別スレ】

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230再現君 ◆6WZtQ.MY
再現答案民訴2問です。
忌憚のないご意見をお願いします。

一 本件訴訟は氏名冒用訴訟に当たるが、この場合の当事者は誰か。当事者の確定基準が問題となる。
当事者に対して訴状の送達を行う必要があるので(101条)、当事者は訴訟の開始時から
確定されている必要がある。そして、当事者に対して既判力が及ぶので(115条1項1号)、
その基準は明確なものである必要がある。
よって、訴状の当事者欄の記載(133条2項1号)を基礎として、請求の原因や理由など
から総合的に判断すべきである。
本件では、当事者欄の記載は乙であり、請求原因は乙に対する所有権移転登記請求なので、
当事者は乙といえる。
ニ 小問1(1)について
本件では、丙の氏名冒用が判明している。
そして、丙は乙の授権をえていないので、無権利者に当たる。
よって、裁判所は補正を命じ、授権をえることを求めることになる(34条1項)。
しかし、丙が甲と通じている以上、乙の授権がえられるとは思えない。
よって、裁判所は不適法なものとして訴えを却下すべきである(140条)。
231再現君 ◆6WZtQ.MY :02/07/25 10:47 ID:KXE7MKed
続き
三小問1(2)について
1判決の既判力が「当事者」に及ぶので、本件訴訟の既判力が乙に及ぶことになる。
しかし、既判力が認められるのは手続保証の用件が充足したことによる自己責任による
ものである。
そして、本件では乙は手続保障の要件を充足しているとはいえない。
そこで、乙としては判決の更正を求めることになるが、控訴機関が経過しているので
控訴をなしえない。
では、再審請求をなしうるか、338条1項3号の「授権」を経ていないといえるかが
問題となる。
2 338条1項3号が再審を認めたのは、手続関与の機会を与えられなかったものに
手続関与の機会を与える趣旨である。
そのため、無権利者による訴訟追行も「授権」がなかった場合といえる。
3本件では、無権利者たる丙による訴訟追行がなされており、「授権」がなかったといえる。
よって、乙は再審請求をなしうる。
四小問2について
本件では、「当事者」たる乙が死亡している。
そのため、訴えの利益を欠くものとして訴えが却下されるのが原則である。
しかし、それが看過されて判決が確定している。
そのため、口頭弁論終結後の承継人たる丁(115条1項3号)に既判力が及ぶことになる。
しかし、前述の通り丁には手続関与の機会がなかった。
よって、上述と同様に338条1項3号により上訴をなしうる。
以上