303 :
再現君 ◆6WZtQ.MY :
再現答案商法2問です。
忌憚のないご意見をお願いします。
一 小問1について
1EからBに対して遡求権(43条1号)を行使するためには、遡求権は手形上の二次的・従属的な
権利なので、Eが形式的資格を有し、実質的にも無権利でないことが必要である。
では、Eはこの要件を充たしているか。
2まず、形式的資格を有するか、本件手形には裏書の連続が認められるかが問題となる。
裏書の連続とは、受取人から最終の被裏書人にいたるまで、各裏書の記載が間断なく
続いていることをいう。
そして、裏書の連続を要求した法の趣旨は、裏書の連続により権利移転効力を認めること
により手形の流通を促進することにある。
そのため、裏書の連続の有無に関しては、できる限り要件を緩和すべきである。
そのため、白地式裏書でも裏書の連続が認められると解する。
3では、Eは実質的権利を有するといえるか。
まず、BはCに手渡すべくDに本件手形を託したのであり、かかるDから譲り受けたEは本件
手形上の権利を承継取得し得ない。
そこで、Eが手形上の権利を善意取得(16条2項)しえないかが問題となる。
善意取得は、手形の外観を信頼したものを保護し、手形の流通を図る趣旨である。
そして、手形の満期後においては手形の流通を図る必要がない。
本件手形は、Aが5月31日を満期として振り出したものであるが、Eが取得したのはDが満期を
7月1日と書き換えた手形である。
そこで、Eが期限後裏書(20条1項)を受けたことになるのではないか、本件手形が
変造手形(69条)に当たるのではないかが問題となる。
304 :
再現君 ◆6WZtQ.MY :02/07/25 10:44 ID:KXE7MKed
続き
変造とは、手形債務の内容を決する手形面上の記載に無権利者がほしいままに変更を
加えることをいう。
そして、手形の満期は手形債務の内容を決するものといえる。
よって、手形の満期の書き換えは手形の変造に当たる。
よって、変造前のBとの関係では、本件手形の満期は5月31日のままということができ、
6月10日に裏書を受けたEは期限後裏書を受けたことになる。
よって、Eの裏書は期限後裏書ということになり、16条2項の適用はない。
4よって、Eは善意取得しえない。
よって、EはBに対して遡求権を行使しえず、手形上の権利を行使し得ない。
ニ 小問2について
1では、Dに対しては遡求権を行使しうるか。
2変造者たるDは、変造後の所持人といえる。
そのため、Dとの関係ではDは変造後の文言に従って責任を負う。
よって、Dとの関係では本件手形の満期は7月1日であり、Eの裏書は期限後裏書には
あたらないことになる。
3よって、EがDの無権利につき善意無重過失であれば、Eは手形上の権利を善意取得しうる。
4よって、EはDに対して遡求権を行使することができ、手形上の責任を追及しうるといえる。
以上