414 :
再現君 ◆6WZtQ.MY :
再現答案うpしてみます。
忌憚のないご意見お待ちしています。
一 A市図書館運営規則に基づくCによる閲覧禁止処分により、Aの知る権利が害されないか。
知る権利が何条で保障される権利か、そして保障されるとしてその権利に対する制約とし
て本件処分が適切なものかが問題となる。
ニ 1知る権利は明文ないが、21条1項で保障されると解する。
なぜなら、21条1項が保障する表現の自由は、表現行為により自己の人格を成長発展させる
自己実現の価値と、表現行為を通じて民主政の発展に資するという自己統治の価値を有するところ、
現在では表現の送り手と受け手の分離・固定化が進み、一般国民は受けての側に固定され
ているので、受け手の側から表現の自由を再構成する必要があるからである。
そして、本件のAの権利は、知る権利のうち自由に情報を受け取ることを妨げられないという
知る権利の消極的側面の問題であり、上述の知る権利の意義からは最大限の保障を要する。
2ただ、知る権利も無制約に保障されるものではなく、人権相互の矛盾・衝突防止原理である
公共の福祉(12条・13条)による内在的制約に服する。
そして、その制約としては、知る権利の重要性から、規制目的が重要であり、規制手段が
規制目的と実質的関連性があるものであることを要すると解する。
415 :
再現君 ◆6WZtQ.MY :02/07/25 10:27 ID:KXE7MKed
続き
三 本件処分の目的は、少年法61条の趣旨である少年の可塑性への期待とそのための少年の
プライバシーの保護にある。
そして、プライバシー権は明文ないが、自己の人格的生存に不可欠な権利なので、新しい
権利として13条により保障される。
かかる重要な権利であるプライバシー権を守るという本件規則に基づく処分の目的は重要である。
次に、手段だが、すでに本件雑誌は一般に対する発表済みのものである。そして、少年の
プライバシーについても、無制約に保障されるものではなく、その表現行為が社会の正当な
関心事であり、表現目的や方法が社会通念上妥当なものであれば、その表現行為により
プライバシーが侵害されたということはできない。
なぜなら、少年法61条が罰則を規定していないことは、必ずしも実名報道などを一律に
排除する趣旨ではないからと解されるからである。
本件では本件雑誌の表現がいかなるものかは不明だが、上記要件によりプライバシーの
侵害があるか否かに関わらず一律に閲覧を禁止することは、上述の知る権利の重要性から
考えるとプライバシー保護という目的と実質的関連性があるとはいえない。
四 よって、本件処分は違憲である。
以上