952 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :
【基本書中心主義について―16―】
生きていくうえで最も重要なのは「勘」ではないだろうか
と最近思うのだが、その時のぼくの勘は果たして正しかった
のだろうか。
「伊藤先生の講義にしよう!!」
一度も会ったことがないのに、すでに心は決まってしまった。
「一番人気は伊藤先生」と教えてくれた受付の女の子に深々と
頭を下げて感謝した。
2日後、ぼくは伊藤真の無料ガイダンスに出席した。
岩崎先生のガイダンスの時も満員だったが、今回はそれ以上だ。
「そこ、詰めてくださーい!!」レック社員の声が会場に響く。
3人掛けの机に3人。
隣の人と肩が触れるぐらいギュウギュウ詰めだ。
岩崎先生の時と比べると、出席者の目つきが真剣に見える。
会場担当者の数も多い。
「やはり、大御所なんだろう」期待は膨らんだ。
そして、会場がシーンとなった。ついに現れた!!
(続く)
ほう
円取りします
待っていたヨーン!
11:41
957 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/03/22 11:46 ID:PqeuAGNu
【基本書中心主義について―17―】
「みなさん!こんにちは!!」
スラッとした体格と爽やかな笑顔。そして何よりも声がイイ!!
マイクがいらないぐらい、教室全体に響きわたる声。
その明快な語りは、とにかく説得力があるとしか言いようがない。
周りの学生たちも身を乗り出して聴いている。
まるで、吸い込まれるようだ。すごい!すごい、すごいっ!!
ぼくは一瞬で彼のトリコになってしまった。
迷いはすべて吹き飛んだ。
新興宗教にハマル瞬間というのは、こういうものかもしれない。
伊藤真がマイクを持ってから、まだ10分ぐらいだろうか、
ぼくは話の終わりを待たずに教室を出た。
ダッシュだ!!
「まだ間に合うだろうか?定員になっていないだろうか?」
ハラハラしながら5階から2階への階段を一気に駆け下りた。
そして、即行で申し込んだ。
予感は的中した、やはりすごい講師だ!(と思った)
「伊藤先生は、ぼくの人生を変えてくれました」
合格体験記にはそう書こうと誓った。
そのとおり、本当に人生を変えてくれたのだ。
(続く)
958 :
氏名黙秘:02/03/22 12:00 ID:1MiwMGou
959 :
イラ坊:02/03/22 12:02 ID:5Cd3jGMZ
はやく続きをっ
960 :
氏名黙秘:02/03/22 12:20 ID:6iJ0nSBm
961 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/03/22 12:24 ID:PqeuAGNu
【基本書中心主義について―18―】
「みなさんは、そこに座っているだけでいいんです!」
伊藤真は口癖のように言っていた。
予習は効率が悪いから不要と言った。
講義ではよく、「ここは出ません!」と言い切った。
まるで、自分が試験問題を作っているかのようだった。
論点については格付けをした。
「これはAランク… いや、うーんと…Bプラスぐらいかな…」
いま思えば「おいおい」という感じだが、当時はそう思わない。
消しゴムで消す音が教室中に響きわたった。
伊藤真の講義を聴いて、言われたとうりにしていれば受かる。
彼の言うことすべてが合格のための「法」だった。
だから、彼の一言を聴き逃すことは許されなかった。
ぼくは、クラスリーダーに見つからないようにカセットに録音した。
自宅に帰って板書を書き直し、不明なところはテープで補充。
「ここは、ブロックです!」と言われたところは「ブロック化」した。
C型答練に合わせて暗記した。いつも25−28点だった。
こうして、ぼくのレック1年目はあっという間に過ぎた。
(続く)