250 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :
【論点ブロックカードについて―30―】
優秀答案とはいかなる答案か―。
ぼくのような択一止まりの受験生でも考える疑問だ。
論文8連敗のベテランSさんにとっては、もっと深刻だった。
彼はいつも悩んでいた。「G科目が毎年違う」からだ。
足を引っ張る致命的な科目が毎年、違う。
昨年は民法で落ちた、今年は刑法で落ちたという具合だ。
彼は、平成2年の刑法の問題(間接正犯の実行の着手)で、
間接正犯概念を否定したらしい。
答案の内容について詳しくは聞いていないが、
彼は「説得力があった」と言う。しかし、G。
これで、その年は落ちたらしい。
(続く)
251 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/02/20 11:08 ID:7Vwg4LMi
【論点ブロックカードについて―31―】
当たればホームラン、外れれば空振り三振という答案を書く
通称・実力者、別名ベテランは意外に多いと思う。
そういう人たちに対してこそ、ブロックカードは有効なのかもしれない。
司法試験の勉強を始めたばかりの自称・受験生が手を出すモノではない、
ぼくはそう思う。
具体的に言おう。
伊藤真は昭和56年に司法試験合格後、
レックで「黒木正爾」という名前で講師のアルバイトをしていたらしい。
アルバイトの時期が司法修習と重なっていたかどうかは知らないが、
当時を知る大ベテランの話によると、
「黒木講師」の名は全国にとどろいたらしい。
驚くべきことは、黒木講師の信者は長年論文に落ち続けている
「ベテラン」たちだったという事実だ。
決して、若手受験生を相手に短期合格をうたう講師ではなかった。
おもしろいものを次に紹介しよう。
(続く)
252 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/02/20 11:26 ID:7Vwg4LMi
【論点ブロックカードについて―32―】
かつてレックでは「起案例百撰」という論証集のようなもの
を出版していた。
レックの答練で受講生が書いた答案の中から
論点の部分を抜き出して掲載した。
主な基本論点はほぼ網羅してある。
論証はそれぞれ罫線で四角に囲まれ、最後に<評>として、
伊藤真がコメントを記している。
「流れのある、迫力のある答案」とか、
「前半で―と書いて、後半で―と書くのは論理矛盾」といった具合だ。
出来のいい論証だけでなく、いま一歩のものも収録してある。
これが発展して「論点ブロックカード」になったのかは知らないが、
いろいろな書き方があって、今読むとおもしろい。
近年の「金太郎飴」答案とは一味違って興味深い。
長年の「悩み」がにじみ出ているからだ。
そんな「起案例百撰」のはしがきを紹介しよう。
(続く)
253 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/02/20 11:32 ID:7Vwg4LMi
【論点ブロックカードについて―33―】
は し が き
「新起案例百撰」E型ノート実例集を、上梓する。
本書の旧版において、我々は、次のように記した。
☆ ☆
万巻の論点レジュメも、1片のE型ノートの答案には
及ばない。
その気迫をこめて編集したのが、この「起案例百撰」
E型ノート実例集である。
論文合格に向けて日夜勉学に勤しむこと久しくなると、
また、各種答練において似たような問題の答案を数多く
書く訓練を積むと、繰り返し出題され、したがって確実・
迅速に書き上げなければならない原理原則そして論点が、
次第にみえてくる。
それまでには、「長い長い」論点つぶしの「年月」がある。
(続く)
254 :
35歳独身 ◆rC3OxWVw :02/02/20 11:35 ID:7Vwg4LMi
【論点ブロックカードについて―34―】
私達の編集した本書の実存価値は、かような「長いトンネル」
から、今まさに抜け出そうとしている受験生の方々にある。
すなわち、本書は、論文合格に必須の原理原則・主要論点を、
かのリーガルマインドの手法で推敲し、本試験用にそのまま役立
つように完成させたものであり、本書を熟読吟味して、なおその
真価を感得しえない方は、現在の論文合格の実力が、いささか
不足気味である、と自覚されることを希望する。(中略)
我々は、本書が、茫洋とした司法試験砂漠において、滋養に満ちた、
清澄なオアシスたらんことを願う。
昭和59年10月10日 司法試験問題を考える会編
代表 伊藤 真