Z金髪プリンセス

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7リィナ・貞淑なりし ピース2
「ははは、私は貴方の教育をしにここに来ましたから、恥ずかしがらないでください」
そう言ってグレミーは言葉を継ぐ
「そも、教え子と教育係の間には、恥ずかしさなどが残っていては、正しく伝えられぬ事もあるのです、ですから・・・・・」
つらつらと考えを述べるグレミーに圧倒され、リィナは、はぁ などと生返事をしてしまう
・・・・まぁ、あんまりこっち見てこないし、いいかなぁ?
そう思って、リィナは浴槽に腰をおろす
「ところで、リィナさん?」
グレミーは、ふっと話を打ち切ると、手で浴槽の水を一掬いし
「昼間もそうでしたが、先程も何かお悩みだった様子、私で良ければ話していただけませんか?」
そう言ってリィナの瞳をジッと伺う
リィナはハッとジュドーの事を思い出し、グレミーから視線を反らす
・・・お兄ちゃん・・・
また、リィナの心に切ない気持ちが湧き上がる
・・・・逢いたいな・・・・
「お兄ちゃんの事・・・・思い出しちゃって・・・・それで・・・」
自然と目の奥が熱くなる
「今ごろ・・・どうしてるかなぁって・・・思ってたん・・・です」
そう言ってリィナは俯き、口を閉ざす
「前に話してくれた、ご家族の事だね?・・・確か、戦場に居ると言う」
「はい・・・・・・・」
「ふぅぅむ・・・・・」
ぴちゃ・・・・・ぴちゃ・・・・・
二人は黙り込み、波の音だけが広い浴室に響き渡る
・・・・・ぴちゃ・・・・・ぴちゃ・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・くいっ
「あっ」
グレミーが、リィナの顔を引き寄せる
そこには、湯の痕では無い、涙の筋が光って見えた
「健気な・・・・・・リィナさん、やはり君はレディに相応しい」
そう言うと、グレミーは手を絡めながらリィナを抱き寄せ
そっとキスをした