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黒林:
第二話 はるかなる愛にかけて
キラ、アスラン、メイリンの三人の漂流者によってエルフの村は救われた。
キラ達はエルフの村を後にし、近くの帝国軍基地へと向かうことにした。
その基地では帝国に異を唱えたものが不当に収監されており、もしかしたらこちらの世界に飛ばされたシンやルナマリアと会えるかもと踏んだのだ
村長はこの辺りに詳しいエルフの少年をつけてくれ、アスランは自分好みのエルフを意識しすぎヒトコトも喋らない。
「ねぇ、シン兄ちゃんは前の世界ではどんな人だったの?」
頭の後ろで手を組みながらエルフの少年が歩きながら口にする。
「私達のヒーロー的な存在でした!次から次へと攻めてくる敵をあっという間に撃破して味方に的確に指示を出して、大きな声で命令された時は私もうびっくりしましたよ!」
「へぇぇ」
「静かにしろ」
アスランの言葉に一同がピタッと足を止める。
辺りには虫の鳴き声と滝が流れる音が響き渡る中アスランがごくりと唾を飲み込み小さな声で口にした。
「近くに誰かが居る。」
ついさっきまで楽しく会話を交わしていた一同に緊張がはしり雰囲気が急変する。
「滝のふもとだ…俺が見てくる。」
「僕も行くよアスラン」
「駄目だ!二人だけを残すのは危険だ。俺に何かあった時は二人を頼むぞ」
「うん…」
アスランは木に身を隠し滝のふもとを監視する。
男が三人が会話をしていた。
一人は銀色の長髪、髪をくくっており、体格はがっちりしており絵に描いたような軍人であった
残りの二人は金髪で、物凄く対照的だった。
一人はシャツにジーパンというすこし地味な格好で、
もう一人は真っ赤な派手な服だ。
「ほう…どうやらこの森でガンダムを発見したという情報は嘘ではなかったようだな」
MSのビームライフルと思わしきものが落ちており、彼らはそれを取り囲むように立っている。
それにガンダムという言葉にアスランは聞き覚えがあった。
キラがよく口にするGのOSの頭文字を縦につなげたもの
ということはこいつは…俺達と同じ世界からの漂流者か廃棄物…