黒い旋律後編
「エルフ弓隊配置完了しました」
アスランはエルフの長に配置命令を下していた
家の屋根の上、路地の裏など中々反撃を受けないような場所に配置し
自分達が囮になることでエルフへの死傷者を抑える
「よし、警戒を怠るな」
エルフやアスラン達が警戒を続ける中ピアノの音楽があたりに鳴り響く
その音を聞いたエルフやアスラン、キラ、メイリンは地面に足をつき苦しい表情を見せる
アスラン「身体が…重い…」
「どうだいアスラン?これが僕の廃棄物としての能力
ピアノの音を周りに発することで聞いた人間に様々な影響を与える」
地面に膝をついたアスランに剣撃を加えるニコル
アスランは苦しみに耐えつつナイフを構えそれを弾く
「今だっ!キラ」
「はぁあああああああ」
アスランの背後に居たキラが構えた銃から何発もの銃声が響き渡る
「そんなもので僕を倒せると思ったか?」
ニコルはその全てを剣で叩き落とししたり顔で告げた
「トゥトゥへアー!!」
アスランのナイフがニコルの顔をかすめニコルの頬には大きな切り傷ができて
血がたらりと零れ落ちる
「何故だ?何故動ける?」
しかしアスランはその問いに答えずに攻撃を繰り返す
ニコルはナイフを剣で受け流す
「そうか…さっきの銃は僕への攻撃が目的ではなく
間近で銃声を聞かせることでアスランの耳を一時的に聞こえなくさせ
僕のピアノから逃れるのが目的だったというわけか
だが…それも一時的なもの」
「メイリン!」
アスランの指示と同時に村中に弦楽器の音が響き渡る
「何?エルフ共が演奏を始めただと!エルフを村全体に配置したのは守備のためではなく…
僕のピアノの音を打ち消すためだったのか…」
「ニコル もう手詰まりだ」
「これで有利になっただなんて思うなよアスラン!ただ互角になっただけじゃないか
攻撃隊は何をやっている なぜエルフを止めにいかない というか今まで何をしていた!」
ニコルの怒鳴り声を聞いた攻撃隊が四方に分散しエルフを止めに向かう
「後は任せたぞキラ 俺は奴らを追う」
「うん!アスランも気をつけて