機動戦士ガンダムSEED DESTINY PHASE-214

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396通常の名無しさんの3倍
「なに、言って、るの?」
震えそうになる喉を、必死に叱咤して声紋を発する。

「ねぇキラ」
「どうしたらお前は俺の傍にいてくれる?」
「俺だけを見てくれる?」

「俺を、愛してくれる?」

痛みをこらえるかのように歪められた顔。自嘲するかのごとく上がった口角。それでもただひたすら真っ直ぐに見つめてくる瞳。

ああ、そうか。
何故だか唐突にキラは理解した。

『これ以上僕らは一緒にいてはいけない』

「ねぇ、キラ」
抵抗をやめたキラにアスランはいぶかしむ事もなく、むしろそれすら気づかずに、行為を進める。キラを纏っていた布を破るように剥ぎ取る。あらわになった肌の艶かしさにアスランはゴクリと喉を鳴らした。
上半身を撫でる指の感触がどこか遠いところのできごとのようだ、とキラは思った。確かにその感覚もあるのに、認めたくはないが快感だって感じるけれど。
それ以上に胸を占めるこの痛みにかき消されてしまいそう。

「でも、」
「愛してるよ、キラ」
「愛してるんだ……」
「だから、」
「キラも、」
「俺のことを、」

愛してよ

小さく囁かれた言葉。言の葉にもならぬかすれた悲鳴。彼の胸の裡。