機動戦士ガンダムSEED DESTINY PHASE-214
「っあン!……っ…ぁ…」
絶望的な状況で、それでも扱けば素直に反応を示す。
自らしか触れることのない場所を他人に曝け出され触れられることに
強烈な刺激がキラを襲った。
びくりびくりと、痙攣を起こしたように快楽に染まるキラを面白く見つめながら
柔らかい茶色の髪に顔を埋める。
キラが悪いんだよ…
2年前の戦争で、壊れたキラ。
オーブで廃人のように暮らしていたあの頃のキラ。
煌めく紫水晶はその輝きを隠し、何を見つめるでなく虚空を漂っていた。
それでよかったのに。
クレタ沖で久しぶりに会ったキラは、強い意志を持ち合わせていて
“あのキラ”じゃなかったんだ。
『うん……知ってる』
『っ…!』
キラの心を壊す筈の言葉も、意味をなさずに消え失せた。
お前の瞳が万人を映すならば、何も見えなくていい。
俺がもう一度、お前を壊してあげる。