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880ユーラシア兵 ◆fhWVlI7Zkg
エンデュミニオン基地を巡る戦闘は、まず本隊に先行して出撃した仮設輸送艦より発艦したスナイパーライフル装備の
ジン長距離強行偵察複座型で構成される特殊偵察隊と迎撃に出動したメビウス隊との戦闘によって
その火ぶたが切って落とされた。

この偵察隊は、エンデュミニオン基地を取り巻く様に設置された監視衛星の破壊を目的とした
部隊であった。
彼らの攻撃目標である監視衛星群は、エンデュミニオン基地の防衛システムの索敵システムとしての
役割をもっており、これを破壊することは、基地制圧の陸戦隊を乗せたシャトルや仮設輸送艦を
エンデュミニオン基地に輸送する為には必要不可欠なことであったのである。

ナスカ級やローラシア級のような本格的戦闘艦を撃沈しえない攻撃でも民間機を転用した
シャトルや輸送艦を撃沈するのには十分であった。

直後、進軍してきたザフト軍のナスカ級、ローラシア級の艦砲射撃の掩護を受けた
ザフト軍MS部隊がエンデュミニオン基地の周囲に展開する地球連合艦隊に向かって突撃した。

この時、出撃したMS部隊は、少数であったが、全機精鋭とシグーやジン・ハイマニューバで構成されていた。
この部隊の目的は、対艦攻撃ではなく、対艦攻撃部隊に先行して艦艇の対空火器や自動攻撃衛星や
艦艇の護衛を務めるMA部隊の撃滅であった。

これは、これまでの戦訓から従来の対艦攻撃装備と通常装備の混合では、
通常機に比べて鈍重な対艦攻撃装備機は、護衛のメビウスの一撃離脱戦法で撃墜される
ことさえあった上、MAを撃墜すべき、通常装備機も行動を制限されてしまう
というケースがあった為、まず高機動の精鋭による通常装備部隊により
宇宙艦艇を護衛する連合側MA部隊を撃滅し、その後に対艦攻撃部隊を
投入するという戦術によるものであった。

まず、護衛機を撃破した後に対艦攻撃部隊を投入することで攻撃隊の犠牲を局限する
という戦術は、日中戦争期日本軍が行った戦闘機隊を先行させて敵戦闘機部隊を
撃滅し、制空権を確保後に爆撃隊を突入させるという制空隊の宇宙版と言えた。

この戦術を提案した人物は諸説あるもののプラントの公式発表では、この戦いにジン・ハイマニューバの試作機
で出撃したラウ・ル・クルーゼであったとされている。