【もしも】種・種死の世界に○○が来たら12【統合】

このエントリーをはてなブックマークに追加
556923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/21(土) 20:55:03.11 ID:???
「くそ…!やはりこの戦力差ではどうにもならんか!!」

必死に《ジン》に追いすがるムゥは照準に敵を捉えると、
ガンポッドを展開して行く。

「ちい!あのメビウス・ゼロは厄介だ!」

緑服のオロール・クーデンベルクはメビウス・ゼロの性能をよく知っていた。
そして相手は指揮官のラウ・ル・クルーゼと幾多も死闘を繰り広げ、
未だに生きているあの『エンデュミオンの鷹』が乗っているという事も知っていた。

オロールはその難敵をなんとか振り切ろうとするが、
ムゥに完全に捉えられていた。

「そこだ!!」

グリップのボタンを押すと、
展開していたガンポッドから放たれる鋼弾が火を吹き、
《ジン》の右腕を完全にもぎ取る。

「しゃあ!!」
「くそっ…!!離脱する…!」

オロールはなんとか《ジン》の体勢を立て直すと、
母艦のヴェサリウスへ帰艦して行ったーーー。

ヴェサリウスのブリッジではオペレーターが
オロールからの通信を受け取っていた。

「オロール機大破、緊急帰投。
消火班、Bデッキへ。」
「オロールが大破だと!?隊長、一体どういう事でしょうか?
イザークの奪ってきた機体も損傷していましたし…」

外ではオロールの《ジン》がやられ、
中ではイザークの持ち帰ったガンダムまでダメージを負って帰ってきたとなれば、
アデスにとっては不測の事態と言わざるを得ない状況だったーーー。
「ふん…どうやら外ではいささか五月蠅い蠅が一匹…
中では野良犬が数匹紛れているようだ。」

アデスの言葉にクルーゼは慌てる様子もなく、ただ冷静に戦局を見つめていたーーー。
と、その時
「ミゲル・アイマンよりレーザービーコンを受信。エマージェンシーです!」
オペレーターがそう報告すると、クルーゼの表情が少し硬くなった。
「なるほど…ミゲルが機体を失うほどに動いているとなれば…
最後の一機も、そのままにはしておけん。」
557923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/21(土) 21:00:45.02 ID:???
終わりです……長すぎますねw

SS倉庫には前編、後編に分けて記載してみようかと思います。
誤字、脱字、改行がおかしい部分などありましたら、教えて下ちい
558通常の名無しさんの3倍:2013/12/22(日) 00:57:48.38 ID:???
久しぶりに覗いたら
一気に来ているではないか!
ええことや
559通常の名無しさんの3倍:2013/12/22(日) 03:14:35.27 ID:???
クロスがΖのみなら
もしカミーユ、Zキャラが種・種死世界に来たら18
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1374047654/
で投下する手もあるよん
隠し玉があるならここで問題なし!
560通常の名無しさんの3倍:2013/12/22(日) 03:16:02.16 ID:???
×ここで問題なし
○ここのままで問題なし
561923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/22(日) 19:15:00.94 ID:???
>>558
どうもです。
>>559
あくまでも
スタートがZ系というだけですので、
こちらで続けさせて頂ければと思います。
562通常の名無しさんの3倍:2013/12/22(日) 21:17:54.45 ID:???
カオスの予感……!


あ、例の単位のほうじゃなくてね
563923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/22(日) 22:03:41.05 ID:???
>>562

はい、かなりカオスな事になって行くと思います。

ですので、なんとか矛盾点などが出ないように
慎重に作って行こうかと思っています。
564923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:26:21.48 ID:???
923です(´・ω・`)

投下開始します。
最初のヘリオポリス編はあと2話で終わります。

ではどうぞ。
565923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:30:27.97 ID:???
第7話_「ラウ・ル・クルーゼ」



「ラスティの件は仕方あるまい。
赤服が生きていただけでも良しとしよう。」

クルーゼはヴェサリウスのブリーフィングルームに
ガンダム鹵獲作戦で負傷したラスティ・マッケンジーを覗いた、
アスランやイザーク達を集めていた。
クルーゼの皮肉にも聞こえる言葉に、皆が一様に口を噤んでいた。

クルーゼは沈黙する彼らに向けて、
ミゲルより渡された《ストライク》との戦闘データを記録したソフトを手に、
淡々とした口調で話を続けるーーー。
「ミゲルがこれを持って帰ってくれて助かったよ。
でなければいくら言い訳したところで、
ナチュラルを相手に機体を損ねた我々は、大笑いされていたかもしれん。
オリジナルのOSについては、君らも既に知っての通りだ。
なのに何故!!
この機体だけがこんなに動けるのかは分からん。
だが我々がこんなものをこのまま残し、
放っておく訳にはいかんと言うことは、はっきりしている。
捕獲できぬとなれば、今ここで破壊する。」

彼の言葉にアスランが驚きつつも、上官であるクルーゼに意見を述べる。
「隊長…まさかコロニー内でもう一度戦闘をするつもりですか…!?」
「…無論だアスラン。」

クルーゼの言葉はハッタリや嘘ではなかった。
この言葉に血の気の荒いイザークですらも驚きの表情を見せている。
そして尚も「しかし…!」と言ってアスランはクルーゼに食い下がる。
「彼らはエゥーゴです!!エゥーゴとの戦闘行為は本国からの承認なしには…!」
「だが先制攻撃を仕掛けたのはあちらなのだろう?
そうだろうイザーク?」
566923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:34:21.60 ID:???
「………は…。」
イザークはクルーゼからの問いかけに、
表情を曇らせながらも応えるとクルーゼが続ける。

「エゥーゴなど所詮は叶いもしない理想主義を押し付けるだけの、
連邦の一組織に過ぎん。
そして我々の敵は連邦だという事を忘れるな。
やつらとて所詮はナチュラルでしかないのだよ。」

クルーゼはそう言うとオロールとミゲルに
発進の準備に取り掛かるように指示を出していた。


ーーー


「誰か!誰か居ないのか!……はぁ…くそっ!…生き残った者は!?」
「バジルール中尉!御無事で!」

「ノイマン少尉か!…他に生存者はいないのか!?」
「三人の下士官がいます…他の生存者を探させていますが…」
「そうか…他に生存者がいないと判断したら、
アークエンジェルのブリッジへ集まるんだ。」
「はっ!」


ーーー


ほとんどの民間人達は、シェルターへの避難をしていたため
市街地はゴーストタウンと化していた。

ブライトやフレイやエルの母親は必死に彼女の名前を呼び続けた。

街が静かになった事で、エルにも彼女らの呼ぶ声が聴こえていた。
間も無くブライト無事にエルを見つけ、
その小さな手を引いて母親と引き合わせた。
567923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:37:17.82 ID:???
「ああ…エル……良かった…」
「ママ痛いよぉ…」

母親は強く娘を抱きしめていた。
エルは自分が迷子になったのではなく、
迷子になった母親を探していたつもりでいたらしい。
将来は強い子に育つな…。
そう思っていたブライトは母親とエルを見ていると、
家族の顔が頭に浮かんで来て無性に会いたくなっていた。

「あ、あの…早く避難したほうが良いんじゃないですか?」

フレイが感動の場面に水を刺す事に気まずそうな表情で言うと、

そうだったーーー!!
ブライトは慌てて、彼女達を連れてエレカに乗り込んだ。

「あの…よろしければお名前を教えて頂けますか?
娘を見つけてくれたお礼をしたいと思いまして…」

後部座席に乗る彼女がエルを大事そうに抱き抱えながら、
ルームミラーに写るブライトの顔を覗き、たずねて来た。

「ブライト・ノアです。訳あって今日ここに来たのですが…
とんだ災難に巻き込まれました。」

彼はハンドルを握ってルームミラーにチラと目を配らせ、
さらりと自分の名前を名乗って色々と説明するが、
それを聞いていた彼女達が顔を見合わせていた。
フレイはとんでもない有名人…
というより英雄が隣の運転席にいる事に緊張していた。

そんな状況に気付かないブライトは、
第5ゲートの港を目指しエレカを飛ばした。
568923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:42:31.72 ID:???
ーーー


戦闘を終えたカミーユ達は、
クワトロ達と合流をすることが出来た。

37工区での銃撃戦で負傷した兵士達が、
仮設の救護所で手当てを受けており、
その中にはラミアスやトール達を
庇って負傷したヘンケンの姿もあった。

「ブレックス准将、申し訳ありません……。
守りきれたのはたったの1機のみでした。」
ラミアスは俯き加減にそう言いながら、
ストレッチャーから身体を起こしてブレックスへ頭を下げる。
「仕方あるまい。ザフトにしてやられたと今回は割り切るしかないだろう。」
「ですが…ハルバートン提督の悲願であったガンダムが敵の手に落ちたとあれば……」

ラミアスはショックが隠せないのか、
ブレックスの言葉に対しても後ろ向きな言葉を並べてしまう。

しかし、彼女の心情を察してかブレックスは彼女を決し責める事なく、言葉を続ける。
「ハルバートンはこんな事で下を向くような男ではないぞ大尉?
そして、下を向くような部下を育てたつもりもないんじゃないか?」
「……申し訳ありません。准将にそのようなお言葉を頂けるとは…」


《ストライク》が停止しているその近くには、
トールやカズイが感動して目を輝かせて見ていたーーー。

「うわぁぁぁ…」
「す…スゲぇ…」
《ストライク》の横に並ぶようにカミーユ達の乗って来た《ガンダムMk-U》と
《リック・ディアス》を二人はまじまじと見ていた。

ついさっきまで《ストライク》を見てはしゃいでいたが、
それとは比べ物にならないくらいの反応で食い入るように見ている。
569923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:45:23.03 ID:???
どうやら《ガンダムMk-》や、
特に《リック・ディアス》には妙に男のロマンを感じるという事だそうだ。
クワトロにはそれがよく分からなかったが、
《リック・ディアス》の開発に関わった自分として
そんなに悪い気はしていなかった。

しかしミリアリア曰く、
《ストライク》の方がイケメンでカッコいいという事らしい。

こんな時にそんな呑気な会話が出来るのも
ここに住んでいた影響なのだろうなと少年達を見ていると、
アポリー達がクワトロに話しかける。

「大尉、すみません。
ザフトを逃がしてしまって。」
「仕方あるまい。
コロニーの事を考えれば正しい判断だった……
とにかくヘンケン艦長をアーガマへ連れていけ。
ここはカミーユと私が残る。」

クワトロはアポリーの肩をポンと叩きそう言うと。
クワトロはカミーユを呼んで、
ヘンケンとラミアスのいる救護所へ歩いて行く。

「ヘンケン艦長…大丈夫ですか?」
「…ん?…カミーユか…」
まあな、腕が折れたくらいだ。
と怪我をした包帯で巻かれた腕に目を見やり言う。
怪我は左腕の骨折と肋骨に亀裂が入った程度に済んだが、
今後の航海に支障が出るのは間違いなかった。
570923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:51:21.59 ID:???
「私と向こうにいるトールを守ってくれて怪我をしたんです…本当に感謝してます。」
その横でラミアスの手当てを手伝っていたミリアリアがカミーユに言うと、
その場にキラが入ってくる。

「あの…クワトロさん。僕に何か用でも…?」
「ああ、すまんな急に呼び出して。
カミーユ、彼はキラ・ヤマト君。
君と同じように、始めてモビルスーツに乗って敵を撃退した。」
クワトロはなぜか、カミーユとキラを引き合わせて紹介をしている。
言っている内容にも驚くが、クワトロが何を考えているのか
カミーユはまったく分からなかった。

「え…はあ。……カミーユ・ビダンだ。よろしく……。」
戸惑いながらも、彼はキラに握手を求めると、
キラはその握手に応じる。

「よ、よろしくお願いします…カミーユさん。」

そして二人はしばらく握手をかわしたままだったが、
クワトロが二人に問いかけてきた。
「何か感じたか?」

「は?」ーーー。
カミーユとキラは同じタイミングで言うと、クワトロがさらに問う。
「何か見えなかったか?」

カミーユもキラも互いの顔を見合い、
「何も?」と首を横に振るとクワトロが二人に
ありがとうとだけ言って二人を引き離した。

カミーユが「どうしたんです?」と声をかけても、
クワトロは腕を組み、ただ黙って考えて混んでいた。

そこへクワトロがブレックスやヘンケンのもとへとやって来た。
ブレックスはラミアスと一旦話を終えて
アーガマとの連絡を取っていたようだ。

「准将、いかがでしたか?」
「ああ、少々面倒な事になった。」
「面倒な事?」
571通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 20:53:23.45 ID:???
クワトロ大尉何か空回り中支援
572923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 20:54:51.80 ID:???
クワトロとヘンケンがブレックスにそう聞くと、
《アーガマ》のもとへグリーンノアの避難民が押し寄せて来たという事だった。
乗って来たシャトルの港は閉鎖されており、
2ブロック先のドックにあるシェルターを目指したが、
シェルターはすべて満員となっていた為に、
アーガマへ救助を求めたという事らしい。


ーーー


ムゥはオロールの《ジン》を撃墜したものの、
撤退もしなければ、こちらに敵を差し向ける事もしない
ヴェサリウスとガモフを警戒していた。
「やつら…なぜ撤退しない…?」

新型モビルスーツの鹵獲という任務を達成したにも関わらず、
20分以上経ってもその場を動かない事にムゥは困惑していた。


《アーガマ》の停泊するドックでは
グリーンノアからの避難民の収容がようやく終わった。
艦外での作業にあたっていたアストナージは
視線の先に見えた扉が開いたのに気付く。
扉が開かれたそこには連邦軍の服を着た男と女の子を抱えた女性と少女がいた。
彼らは駆け足で近寄り、アストナージに声をかける。

「君たちはエゥーゴだな?私はブライト・ノアだ。
ここにグリーンノアの避難民が来ているはずだ。」
「私達、逃げ遅れちゃって!
それでブライトさんに助けてもらったんです!」
「え?…ブ、ブライト・ノア?…ぇ…?ちょ…ちょっと待って下さい!」

ブライトはフレイとエル親子を連れて第5港まで到着したが、
港は既に閉鎖されておりなんとかここに辿り着いたらしい。
アストナージは慌ててブリッジに連絡を取りに行く。
573通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 20:56:46.93 ID:???
( ´∀`)つ旦
574通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 20:57:43.68 ID:???
 ,.-、  ,.-、
(,,■) (,,■)
575通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 20:59:12.86 ID:???
0===。El
  (・∀・ ) 俺にメビウスのスラスターくっつけたら格好良くならね?支援
 >┘>┘
576923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:01:16.25 ID:???
ブライトはフレイとエル親子を連れて第5港まで到着したが、
港は既に閉鎖されておりなんとかここに辿り着いたらしい。
ブライトは《アーガマ》を見て、すぐにエゥーゴだと気付いたが、
もともとティターンズを毛嫌いしていたブライトにとって、
心強い味方が目の前にいる感覚だった。
一方でアストナージは慌ててブリッジに連絡を取りに行っていた。

しばらく話をしているとアストナージが
ブライト達の前に戻ってくきてブライト達は
《アーガマ》の中に通された。
すると、レコアが彼を出迎え敬礼をする。

「ようこそいらっしゃいましたブライト・ノア大佐。
レコア・ロンド中尉であります。
現在、艦長が上陸中の為私がここの代理艦長です。」

レコアはブライトへ敬礼を済ませると、
避難民の確認をしてからフレイやエル親子は
居住ブロックへの移動を促した。

「ブライトさん。本当にありがとうございました。」
「おじちゃん、ありがとう。」
「ありがとうございます。」
フレイらがブライトにお礼を言うと船務員に連れられて行く。
エルは自分の姿が見えなくなる最後まで
こちらにその小さな手を振り続けていた。

「ブライト大佐。色々とお話がございますのでこちらへ…」
レコアはブライトと共にブリーフィングルームへ向かって行った。
577923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:09:23.62 ID:???
ーーー。


「6番コンテナだ!ジンにD装備を!」
作戦開始、0100時、発進機は順次、待機位置へ前進しーーー
《ヴェサリウス》艦内のモビルスーツデッキは
アナウンスやメカニックマン達の声があちこちで響き渡り、
油で汚れた男達が忙しなく動きまわる。
モビルスーツデッキを見降ろす事のできる休憩所ではドリンクを片手にイザーク、
ディアッカ、ニコルらが下のモビルスーツデッキを見ていた。
「ミゲルの《ジン》…D装備だってよ。」
「拠点制圧用装備とはな…」
「でも、そんなことしてヘリオポリスは…!」
コロニーは間違い無く崩壊する…三人は全く同じ事を考えていた。
「……今度こそぶっ壊れちまうかもな。」
「ああ…クルーゼ隊長の言うように、確かにエゥーゴは連邦には変わりはないが……」
「……」
あの時のアポリーの言葉が彼らの心に引っかかっていたのは間違いなかった。
国と国との間に問題はあっても、
民間人には何の罪もない…確かにそうだーーー
だがそれはここだけの問題だ…
民間人が全員ナチュラルだけなら躊躇などしないはずだーーー
そんな彼らの様々な葛藤はより深くなっていくのだった。


オロール機発進準備完了。ミゲル機、左舷カタパルトへーーー。

モビルスーツデッキはさらに活気付く。
オロールのD型装備の《ジン》とミゲルの同じく
D型装備のパーソナルカラーである橙色の《ジン》が全ての準備を終えて、
カタパルトでの発進態勢に入る。
578通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 21:09:37.79 ID:???
y=ー( ・ω・)カチャ
:y=-( ゚д゚)・∵;; ターン
579通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 21:14:19.11 ID:???
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら13【統合】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1387800827/
580923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:19:31.55 ID:???
「システム・オールグリーン。
カタパルト射出準備OK、進路クリアー、発進どうぞ!!」
ヴェサリウスのブリッジオペレーターの指示に従い、発進準備が整うーーー。
「ミゲル・アイマン、《ジン》出るぞ!」
「オロール機、発進する!」

そしてミゲル機とオロール機が発進して行くと
突然奪取した《イージス》が動き出す。
「お、おい!これも出るのか?」
「聞いてないぞ!!」

カタパルトのスタッフ達が慌てふためいている間に
《イージス》はカタパルトを使用して出撃して行く。
この報を受けたアデスが慌てた様子で大声を上げる。
「なにっ!?アスラン・ザラが奪取した機体でだと!?
呼び戻せ!すぐに帰還命令をーーー。」
アデスが言いかけた時に、
通信からコックピットシートに座るクルーゼが割り込んで来る。
「行かせてやれ。」

「……は?」

アデスはクルーゼの言葉に一瞬考えていると
クルーゼが不気味な笑みを浮かべて続ける。
「データの吸い出しは終わっている。かえって面白いかもしれん。
新型モビルスーツ同士の戦いというのも。」

クルーゼがそう言うとアデスは、少し不満の残る表情で、
了解。とだけ返事を返した。
「アデス、私の留守中はくれぐれも艦を頼んだぞ?」
「は…!ご武運を…隊長。」
581923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:23:41.77 ID:???
《ヴェサリウス》から隊長機である、
白銀の躯体を輝かせる《シグー》が発進して行く。

ヴェサリウスより発進したモビルスーツ部隊をムゥは捕捉していた。
「来たか!…これはっ!?」
ムゥは目の前に何かが弾ける感覚を覚えた。
彼が感じたものの先にはクルーゼの操る《シグー》が見えた。
「私がお前を感じるように、…お前も私を感じるのか?
不幸な宿縁だな、ムウ・ラ・フラガ!」
互いに感じ合う存在でありがらも、
互いが理解し合う事のない存在。
クルーゼは憎しみにも似た感情でムゥの《メビウス・ゼロ》に襲いかかる。
シールドにマウントされた28mmバルカン砲を
《メビウス・ゼロ》に向けて連射して行く。
「……んっ!?
くそ…!やはりラウ・ル・クルーゼかっ!」
ムゥは引き合うその感覚によって、
敵がクルーゼだと本能的に分かっていた。
「お前はいつでも邪魔だな!ムウ・ラ・フラガ!
尤もお前にも私が御同様かな!?」
ムゥも《シグー》に対して、ガンバレルを展開して応戦する。
機体をロールさせてリニアガンを放ちながら、
四方を取り囲むように《シグー》を狙い撃つが
なんなくかわされ《シグー》の右手に持つ
76mm大型マシンガンの迎撃により
一瞬のうちにガンバレル3基を失う。

さらに、ミゲルやオロールの《ジン》。
アスランの《イージス》が次々と港口の隔壁を破壊し、侵入して行く。
「っ!?ええーい!ヘリオポリスの中にっ!」
ムゥは慌てて、侵入して行く3機を追って行くが、クルーゼの邪魔が入る。
「もう少し私に付き合ってもらうぞ、ムゥ・ラ・フラガ…」
「ち……クルーゼ…!」




戦場は再びヘリオポリスの大地となるのであったーーー。
582923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:27:37.10 ID:???
第7話終了です。

前半から詰め込みすぎで話が中々進みませんね…
これからはもっと端的にやれていければと思います。
583通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 21:37:18.61 ID:???
投下おつー

でもその詰め込んだのが見たいという欲望もありますからね
どう折り合いを付けるか、ですね
584通常の名無しさんの3倍:2013/12/23(月) 21:37:29.77 ID:???
投下乙です。ところでベースが宇宙世紀ならG兵器どころかメビウスレベルまで核融合炉搭載機ですよね?
技術力のザフトがビーム兵器持っていないのはどうしてなのでしょうか?
585923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 21:37:30.69 ID:???
>>571
>>573
>>574
>>575
>>578

支援ありがとうございます!

これからもちょくちょく覗いて見て下さい。
586923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/23(月) 22:15:44.42 ID:???
>>583
頑張ってみますw

>>584
自分的設定としてはビーム兵器はプラントでは既に出来ています。
ではなぜクルーゼ隊が実弾しかないのかと言うと、
そもそもこの作戦を失敗しない。
敵がいるわきゃない。
相手は雑魚兵器だし。
とタカをくくっていた為に携行可能なビームライフル
やビームマシンガンを用意しなかったわけです

最初のミゲル・アイマンとキラの一騎打ちで、
ビームマシンガンにしようと思ったのですが
FS装甲を最新技術的な演出にするためにボツったんです。
587通常の名無しさんの3倍:2013/12/24(火) 00:04:45.41 ID:???
ああ、ハイマニューバ2型のビームカービンみたいなのが前倒しですか
588通常の名無しさんの3倍:2013/12/24(火) 02:28:10.53 ID:???
てゆうか、基本は宇宙世紀だからとっくにビーム兵器あるんだろう
それをコロニー内でぶっ放すのは馬鹿のやる事

でもザフト軍人って全員馬鹿だから・・・
589923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/24(火) 08:35:56.88 ID:???
>>587
そんな感じですね〜

>>588
そうですねぇw
第3話-崩壊の大地じゃミゲルがデカいビーム砲を
撃ちまくってましたねw
590通常の名無しさんの3倍:2013/12/24(火) 12:39:08.27 ID:???
そもそも種の軍人はナチュラルは皆殺しとか青き正常なる世界の為にとかヴェイガンは殲滅するとかしか言わないし
591通常の名無しさんの3倍:2013/12/24(火) 22:30:24.12 ID:???
>>590
おい、最後
592923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 09:22:01.76 ID:???
>>590
ヴェイガンwwwwww
593923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 09:25:58.17 ID:???
13時に仕事なんでそれまでに第8話_「決着の時」
仕上げます!!
転載は12時過ぎに行えるようにしてみまぁす!

今回もクワトロ大尉にはお休みしてもらってます!
アーガマ戻るまで我慢我慢!
594923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:26:04.00 ID:???
923

投下開始〜_φ( ̄ー ̄ )
595923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:28:30.65 ID:???
第8話_「決着の時」



この肌がザラザラとする感覚ーーー。
不愉快だ…クワトロは何かの存在を感じていた。
アムロ・レイではない……
この感覚はもっと黒くて禍々しいものだ…
そう感じたクワトロはすぐさまカミーユ達に指示を出す。

「アポリー!ロベルト!ザフトが来るぞ!!」
「えっ!?」

クワトロがそう叫ぶと周りにいた全員が驚き、辺りを見回す。
ロベルトとアポリー、カミーユはヘルメットを被り発進準備に取り掛かる。

「准将、ヘンケン艦長を《アーガマ》へ連れて行くのは中止です。
あの少年達も連れて安全な場所へ。」

ブレックスが分かったと言うと、
トールやサイ達も一緒になってヘンケンの体を支えて
その場を離れる準備をする。

すると、どこからともなく空気を切り裂くような轟音が遠くから聞こえ始める。
モビルスーツだーーー。
アポリー達はその音がすぐにスラスターの噴射音だと気付くと、
腰の位置まで下ろしていたノーマルスーツを着直し、
駆け足で自分達の機体へと向かう。

ヘンケンの隣に寝ていたラミアスも起き上がると
クワトロ大尉へ不安げな表情で話しかけて来る。

「クワトロ大尉…もしかしてあの《ストライク》をお使いになるのですか?」
「ラミアス大尉、冗談はよしてくれ。
あのOSでは私に操縦など出来ん。
君は彼の隣で見ていたのだから分かるだろう?」
「えっ…!?」
596923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:31:30.24 ID:???
ラミアスは驚いていた。
そういえばクワトロ大尉はまったく《ストライク》を調べていなかった。
むしろ、調べようという気配すらならかったと言えばよいのだろうか…
もしかしてこの人は何か分かっているのではないか?
そう考えていたラミアスにクワトロがラミアスに顔を近づけ耳元で囁く。

「あれは既にコーディネイターのキラ・ヤマトにしか動かせない状態なのだろう?」

やっぱりだわーーー。この人は最初から分かっていた……。

コーディネイターが構築するOSのモビルスーツの操縦は
どんなに優れたパイロットでも対応するのが難しいと言われている。
一年戦争時、連邦軍に所属していた当時は天才と呼ばれていた、
コーディネイターのモビルスーツパイロットは、
量産機故の非力さを補うべくOSの調整を徹底的に行っていたらしい。
そのOSには優秀な技術スタッフも手が出せないほどと言われており、
彼らの乗るモビルスーツはワンオフ機並の能力を発揮していたと言われている。

「クワトロ大尉…彼は民間人でまだ子供です…」
「…」

ラミアスの言葉にはクワトロも納得はしていた。
だが《ストライク》をこのままにしていたら、
奴らに奪われるか破壊されるだけだというのは分かっていた。
すると、ヘンケンやブレックスらと避難をしようとしていたキラが足を止めるーーー。

「お、おい…キラ?どうしたんだ?」
サイがキラに気付くとキラは覚悟を決めたような表情で彼らを見て言う

「サイ…みんな…ごめん!先に逃げて!!
僕はあれに乗って戦うから!」
キラはそう叫ぶと《ストライク》に向かって駆けて行く。
僕が戦って友達を守るんだ…
それにどうしても確かめなきゃいけない事があるーーー。
彼は…アスランは絶対に僕に会いに来るから……。
キラは心の中で恐怖と戦いながら、
モビルスーツと戦う決心をする。
597923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:34:54.64 ID:???
その様子を見たクワトロとラミアスがキラの前に立ち
「君のサポートは我々エゥーゴがしよう、キラ・ヤマト君。」
「……あなた…大丈夫なの?」
そう言ってクワトロとラミアスはキラに気遣うと、
キラは力強くコクリと頷き《ストライク》に搭乗する。

ラミアスは《ストライク》に乗る彼を見ると、
部下のメカニックマン、ブライアン伍長に指示を送る。

「ブライアン!ソードパックの用意をして!」
「え!?は、はい!!」
ブライアンが慌てながら、
トレーラーに向かってコンテナハッチを開く。

「ラミアス大尉、これは?」
「《ストライク》用に開発されたバックパック換装用兵器です。
あれは接近戦向けで、コロニーへのダメージを考えれば
近接戦闘武器が一番だと思います。」

なるほど…技術士官の割には
戦術レベルの事もしっかりと考えている優秀な人間のようだ。
クワトロはそう感じながら、悠然と立ち並ぶモビルスーツを見上げた。


ーーーーー
598923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:38:23.81 ID:???
ナタルやノイマン達は無重力ブロックの中で浮遊する瓦礫や
死体の中を掻き分けようやくアークエンジェルまで辿り着いていたーーー。
「無事だったのは爆発の時、
艦におりましたほんの数名だけでした。
とはいえほとんどは工員ですが…」

アークエンジェルの艦外にいた生存者はナタル、
ノイマンと部下の三名だけだった。
彼女たちは艦外の生存者の捜索は諦めて、
アークエンジェルに着いており、
中にはメカニックマン達が数名ほどが生きており、
ナタルはノイマンらを連れてブリッジへと到着していた。

「状況は?ザフト艦はどうなってる?」
「…分かりません。
私どももまだ周辺の確認をするのが手一杯で…」

ナタル達ははブリッジの計器類やCIC席に目をやって
各部のチェックをして行く。
……流石はアークエンジェルだな。
これしきのことで沈みはしないか……
とナタルはこの新鋭艦の頑丈さに感心しながらも、
港口は瓦礫で崩されて身動きがとれない状況に苛立つ。
ナタルは色々と考えながらも各部の計器類をチェックし、
センサーに電気が通りるとセンサーの表示した物に目を見開く。
「これは…!ザフトのモビルスーツか!?
奴らの狙いはモルゲンレーテということか!」
索敵用のセンサーにはモルゲンレーテの工場に向かう
ザフトのモビルスーツ隊の機影をハッキリと捉えていた。

「え!?」
ノイマン達は彼女の言葉には驚き、
センサーの周りに集まってそれを確認する。
「なんてことだ……しかも1機は《イージス》だ!
あちらの状況は…!?ガンダムはどうなったのだ…
とにかく急いで各部を立ち上げるぞ。」


ーーーーー
599923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:40:31.56 ID:???
隔壁を破壊してコロニー内部に突き進むザフトのモビルスーツ隊。
ミゲルの乗るオレンジの専用カラーの《ジン》には、
拠点制圧用兵器のD装備
ザフトではバルルス改・特火重粒子砲と呼ばれる、
いわゆるビームキャノンを右手に抱えている。
もう1機のオロールの乗る《ジン》は、
両手には大小、計4発の大型ミサイルと
両の脚部には三連装ミサイルポッドを装備している
まさに強襲用と呼ぶに相応しい武装だった。

「アスラン、おまえ無断出撃なんだって?」
「………ああ。」
ミゲルはアスランの無断出撃を出撃後に知らされていた。
しかし彼はそんなアスランの無断行動を、
責める事もなくアスランに声をかける。
「……ヴェサリウスに戻ってから様子がおかしいが…
無理矢理ついて来た根性見せてもらうぞ!」
「ああ…分かっているさ…!」

アスランとミゲルが話していると、
センサーのアラートがコックピット内に響く。
「目標を発見、2時の方向!!
エゥーゴのモビルスーツも一緒だ。」
先行していたオロールからの通信が入ると、
ミゲルとアスラン達に緊張が走る。
「よし、散開して挟み込むぞ!」
600923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:46:40.44 ID:???
「来たぞ!!数は5機!みんなわかってるな!?」
「大袈裟な武装してるのもいやがるな!!
俺はあの坊主の《ストライク》をフォローする!」
アポリーはキラの支援をしながら戦う事を選び、
ロベルトはカミーユとコンビを組み、
左翼に展開するオロールのD装備型《ジン》と
通常の2機の《ジン》の計3機を相手にする事になった。
「カミーユ!くれぐれもビームとバズーカは使うな!?」
「分かってます!バルカンとサーベルだけって言うんでしょ!?」
「そうだ!だからって泣き言は言うなよ!?」
そんな事誰が言うかよーーー。
カミーユは少しイラっとしながら、
前方に見える3機の《ジン》に向かってフットペダルを思い切り踏み込む。

「キラ・ヤマト!バルカンで牽制しながら距離を詰めろ!!じ
ゃないと好きなように撃たれるぞ!?」
「は、はい!」
アポリーがキラにアドバイスを送ると、
キラはグリップのボタンを押して頭部のバルカン砲で相手の射撃を止める。
「よし…このタイミングか!」
キラはほんの少し手応えを感じ、
レバーを前に押し出して
フットペダルをいっぱいに踏むと、
一気に距離を詰めてシュベルトゲベールを
ミゲル専用の《ジン》に振り下ろす。

「っうお!」
ミゲルは紙一重でこの一撃をかわすが、
《ストライク》が両手に持つその大きな獲物を見て、
ミゲルはゾクリとするーーー。
これを胴体にでも食らえば、一発であの世行きだ……
ミゲルにジワリと嫌な汗が滲み出す。

「く…だが、当たらなければ意味は無い!!」
ミゲルは《ストライク》の横にまわり「落ちろ!」と叫ぶと、
ビームキャノンを《ストライク》の至近距離から放つ。
601923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:50:41.13 ID:???
「うわっ!?」

キラは直撃をさける為にとっさにミゲルの攻撃を回避する。
「な…こんな距離を避けるだと!?」
ミゲルは《ストライク》の異常な反応速度に驚愕の声を上げる。
しかし、キラもコックピットの中で焦っていた。
「コロニーが壊れる…どうしろっていうんだ…!」
「慌てるなキラ!隙を見つけるんだよ!」

アポリーはそう言うと、《イージス》にバルカンを放ちながら、
ビームサーベルを構え《イージス》に向かって直進する。
「あのモビルスーツ…来るか!」

アスランはビームサーベルを引き抜くと、
《リック・ディアス》とビームサーベルをぶつけ合う。

「坊や!また会ったな!」
「…くっ!……!!」

アポリーが接触回線を通して、アスランに話しかけるが、
アスランは何も言い返さない。

「なんだ?だんまりかよ!!」
そう言うと《リック・ディアス》は少し後ろに下がり、
横一閃にビームサーベルを振ると《イージス》がこれを躱す。

「アスラン!?…食らえよ!」
ミゲルが押され気味のアスランを援護しようと、
《リック・ディアス》にむけてビームキャノンで狙い撃つ。
不意を突かれたが、アポリーはなんとか躱すものの、
それにより被害は拡大して行く。
602923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:54:24.23 ID:???
コロニーの港口部分から内部へと突き進みながら、
ムゥの《メビウス・ゼロ》が最後の残ったガンバレルを《シグー》に向け、
撃つがあっさりと躱され撃ち落とされる。

「くっ…!こいつはどうだ!!」
ムゥは苦し紛れにリニアガンを撃つがクルーゼはシールドであっさりと防ぐ。

ドッグファイトを繰り広げながら突き進む2機は、
やがてヘリオポリス内部に到達する。

「なっ…!モビルスーツ戦だと!?」
コロニー内部に始めて入ったムゥは、
中の光景を見て驚愕し、
クルーゼは広がるコロニー内部の被害を見て口元を吊り上げて笑っていた。


「そこっ!」

《ガンダムMk-U》が《ジン》の胴体に
ビームサーベルを突き刺すと空中で激しい爆発をおこす。
ロベルトもバルカンでもう1機の《ジン》のメインカメラを破壊すると
一気に胴体を真っ二つにする。
するとロベルトは《メビウス・ゼロ》と《シグー》の存在に気付く。
「ん!?まだいたのか!」

ムゥの《メビウス・ゼロ》は全てのガンバレルを失い、
コロニー内部の状況に驚きつつも、
目の前のクルーゼに追いすがる。
「くっそぉ!!」
「そろそろ死んでくれるとありがたいのだがね!」
《シグー》はビームサーベルを引き抜くと
《メビウス・ゼロ》に向かって突進をかける。
「ちいっ!やらせるかよ!!」
「ムッ!!……しぶといヤツめ。ならばこれはどうだ!」
603923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 11:58:32.28 ID:???
《シグー》は《メビウス・ゼロ》に向けて、
大型のマシンガンを持ち替えて狙い撃つと
《メビウス・ゼロ》の機体後部に命中する。

「エンジン部分損傷…!?もうダメってことかよ!!」
《メビウス・ゼロ》はぐんぐんと高度を下げて、
機体の腹から地面に叩きつけられた。


「くっ…ヤツらめ…落ちろ!!」
オロールは僚機の《ジン》があっさりとやられると、
一気に距離を離して三連装ミサイルポッドからミサイルを発射する。
ミサイルは《ガンダムMk-U》と
《リック・ディアス》目掛けて撃ち放つとすかさずバルカンで迎撃をするーーー。
しかし、撃ち漏らしたミサイルがコロニーの表層部に直撃すると、
大きな爆発が起きて、コロニー全体が激しく揺れる。


「落ちろっての!!」
「ちっ…!」

アポリーはミゲルの攻撃をすれすれでかわす。
しかし、躱し続ける事によりコロニー内部のダメージがどんどん広がって行く。
アポリーは焦りの色を隠せずにいた。
慌てたキラはミゲルを狙うがアスランの《イージス》が割って入る

「キラ…!キラだろう!?」
「アスラン…!?…なぜ君が…」
604923 ◆cehD7uPtpU :2013/12/25(水) 12:01:25.46 ID:???
アスランの呼びかけにキラとアスランは互い機体を止めたその時、
コロニーの鉱山区付近の表層部に大きな爆発が起きた。

全員がその爆煙の上がった方へ目をやると、
砂煙を突き抜けて巨大な船体が現れる。
その光景を見ていたラミアスは思わず声を上げる。

「アークエンジェル!!無事だったの!?」
歓喜と驚きが混じる上ずった声を上げるラミアスの表情に安堵の色も伺えた。
「あれがアークエンジェルか…」
クワトロはアークエンジェルのその姿を見て、妙な懐かしさを感じていた。


「開口部を抜けました!コロニー内部に進入!」
「モルゲンレーテは大破!ストライクがザフトのモビルスーツと交戦中!」
「…コリントス、発射準備。レーザー誘導、厳に!
フェイズシフトに実体弾は効かない、
主砲、レーザー連動、焦点拡散!」
「は!」
アークエンジェルのブリッジにはナタル中尉が
生き残ったノイマン少尉やトノムラ曹長ら数名と共に
アークエンジェルをなんとか発進させていた。

「あれは…連邦の新造艦…?ちっ。仕留め損ねたか…!」
クルーゼは沈めたと思っていた想定外の相手の登場に毒づいた。


ーーーーー
605923 ◆cehD7uPtpU
ドックの《アーガマ》でもコロニー全体の激しい振動と衝撃を感じていた。
「ブライト大佐…本当によろしいのですか?」

レコアは少し不安げな表情でブライトへそう言うと、
ブライトは鋭い目つきに変わり、レコアへ言う。
「ザフトの母艦を叩けば、中で暴れまわるヤツも引き揚げるはずだ。」

「確かにそうですが…大佐は我々に協力するおつもりですか?」
「今は避難民もいる緊急自体だ。それは終わってから話そう。」

そう言うと、充てがわれたノーマルスーツのヘルメットを頭に被る。
ブライトの判断により、《アーガマ》はコロニーの外へと出ようとしていた。
ルナツーの監視が厳しいサイド7とあらば、
艦隊戦を行えばたちまちティターンズや
ルナツーの駐留部隊に捕捉される可能性はあったが、
ザフトの母艦を《アーガマ》で追い詰め、
相手の撤退を狙うという強引な策で、
コロニーの崩壊というリスクを背負うならばーーー。
というブライトの判断だった。

「レコア中尉、おそらくだが
外にザフト艦がいる時点で遅かれ早かれティターンズは、
ここの騒ぎを嗅ぎつけて来る。
最大船速で《アーガマ》の有効射程圏内に入り次第、
ザフト艦への攻撃を開始。
一点突破でザフトの撤退を誘う。
勝負は一瞬で決まるはずだ、集中するんだ。」
ブライトは椅子に座らずに艦長席に座るレコアへ
細かなアドバイスを送ると、大きく頷く。
「分かりました。両舷全速前進!《アーガマ》発進。」


ーーーーー