総集編および再放送に容量オーバー狙いも兼任して再びSS投稿したいと思います
XXXX年6月
大天使学園付属高校の野球部専用グラウンド
煌はそこで練習をしていた
煌「ラスト1球!」
煌が放ったボールはミットに吸い込まれものすごい音をたてる
モブキャッチャー「今日もいい調子ですね」
モブのキャッチャーがマスクを外しな煌に歩み寄る
煌「そうだね 2年間のブランクは全く感じない」
モブキャッチャー「けど無理は禁物ですよ まだ怪我だって完治したわけじゃ…」
煌「うっ」
モブキャッチャーが言いかけたところで煌がその場に倒れこむ
モブキャッチャー「先輩!」
-----回想----
2年前の甲子園予選決勝
大天使高校は2-1で敵チームに対しリードしていた
9回裏2アウト
あと一人のところで煌は崩れフォアボールを連発
たちまち満塁になり押出の一点
同点になり4番の強打者羅裏 狂を迎えてしまう
流裏 狂「知れば誰もが望むであろう君のようになりたいと」
煌「違う!人はそんなものじゃない!」
煌の渾身のストレートが流裏 狂に向かって顔面デッドボール確定コースに放たれるが間一髪で回避をする
煌「力だけが僕の全てじゃない!」
羅裏 狂「それが誰にわかる!誰にもわからんさ!」
羅裏 狂「エースで四番誰もが憧れるポジション努力もせずに校長の娘に媚びその座を獲得した君に!」
煌「違う!」
煌のストレートが羅裏 狂の髪をかすめる
羅裏 狂「何が違う!なぜ違う!」
煌「僕は…それでも僕は…守りたい世界があるんだぁあああああああ」
煌のストレートが放たれる
羅裏 狂「アハハハハハハハ、もう止められない、誰にも!」
羅裏 狂がそれを捉え強打しその打球は不運にも煌の頭部に直撃
煌「ぐっ」
煌は意識が薄れつつもボールを手に取りそれを
羅裏 狂に向け投げつける
送球は矢のように放たれ塁審のアウトが高らかに告げられた
-----回想終了----
煌「はっ」
目を覚ました時そこはベッドの上だった
夕暮れ、窓から見えるグラウンドには誰の姿もなかった
「あら、気が付きましたのね」
女性の高く透き通る声が室内に響き渡る
煌「理恵…」
理恵「はい」
彼女の名前は理恵 校長の娘にしておっとりとしたお嬢様
タレ目とピンクの髪が特徴的で学園のアイドルだ
煌「僕は練習中に倒れて…イテテ」
理恵「ダメですよまだ安静にしていないと」
煌「どうして僕がこんな目に…ううっ」
理恵「全てはあの男のせいです けれど今は泣いていいのですよ煌」
煌は理恵の胸の中で泣き続けた
次の日
同じ地区の弱小高校と練習試合が始まった
マリュー「皆、相手は甲子園出場回数0のカス高校よ
公立だし戦力も低いでしょう だからと言って油断をしてはいけません
私からの指示は異常です」
ナイン「はい!」
返事をしベンチを飛び出し守備につく大天使ナイン
試合開始の花火がつげられ煌の1球が投げられあたりに小さな衝撃波が起きる
ボールは吸い込まれるようにミットに入りミットからは煙が立ち昇る
その衝撃的な1球を見た周りは沈黙、主審は口をあけっぱなしで硬直していた
キャッチャーは主審の膝を肘でつつき言葉を仰ぐ
「ス、、、ストライーーーーク!」
審判の宣言で数万人の観客から歓声が湧き上がる
「お…おい今のボール音があとから来たぞ?」
「ってことは音速すら超えるボールなのか?あんなの打てるわけがねぇ」
その一球を見た敵チームは戦意喪失
あっという間に三者凡退
大天使高校の攻撃にかわった
宗男「お願いします!」
宗男が礼儀正しき斜め45°の綺麗なラインで礼をしバッターボックスに入る
バッターボックスに立った宗男は常に目を閉じている
異常に勘がいい宗男はボールや相手のフォームを見ずとも
相手の球種、コース、速度などが全てわかってしまうのである。
宗男「カウント稼ぎの変化が小さいスライダー 甘いぜ!」
宗男が打った球はスタンドに入りスコアボードに1の数字が記される
相手チームの投手は愕然としマウンドに膝をつく
この試合 大天使高校は41対0で大勝利した
練習試合に勝利した大天使高校は既にお祭り状態だった
モブ「うおおおおおおおおおおおお」
エースの復帰に歓喜するモブキャラ達
大して実力もない彼らがここまで強いチームになれたのは、煌という絶対的なエースが存在したからだ
ワンマンチームではあるがワンマンチームのメリットは
その選手一人の活躍でチームの流れをがらりと変わることだ
このチームはそのメリットを最大限に使用した最強のワンマンチームである
マリュー「皆よく頑張ったわ」
あまりの選手の優勢っぷりに安著しねていたマリューが起きてグラウンドに出てくる
モブA「煌の復帰で今年こそは甲子園に行けそうだな」
モブB「ああ!」
ナインがグラウンド整備しながらはしゃぐ中煌は一人でロッカールームへと向かった
そこにはロッカールームで煙草を吸う宗男の姿があった
宗男「坊主か」
煌「宗男さん、ちゃんとグラウンド整備手伝ってください」
宗男「いやぁ〜おっさんは腰が痛くて動けないからこういうのは若いものにやらせようと思う」
頭を掻きむしりなっがら笑ってごまかす宗男
煌「そうですか…」
宗男「ところで…まだ腕は痛むのか?」
急に宗男の表情が変わり深刻な顔をする
煌「とくに変わりはないですね」
宗男「痛みをかくして投げてるのは知っている
そんなことを続けていると二度と投げられなくなる」
煌「流石ですね宗男さん」
宗男「まぁ何にしても無理はするな
お前はプロでも十分通用する選手だからな」
練習試合終了後 大天使高校ナインは専用グラウンドへと向かった
マリュー「宗男から見て今年の新入生で使えそうな生徒はいます?」
宗男「いや〜どいつもこいつもさっぱりですよ」
マリュー「この2ヶ月でどれほど新入生が育ったのか見てみたいです
紅白戦をしましょう」
こうして大天使高校野球部は紅白戦をすることとなった
煌一人に控え及びベンチ入りもしていない選手で構成されたAチーム
スタメンで構成されたBチームにわけられた
その日大天使高校の紅白戦が行われた
ピッチャーは煌、対するバッターは宗男
煌は投球練習もせずに主審にプレイするようにと申告した
宗男は自分の投げる球が全て読まれている
少しでも時間を与えればそれだけ相手に作戦を練る時間を与え不利になる
宗男への対策はとにかく考える時間を与えずテンポよく投げることだ
主審「ストライーク!」
煌の放った速球は音があとからやってくる音速を超えた直球だ
まともなバッターでは捉えることが困難で宗男もわかっていても手が出ない
宗男「ははっいい速球だ」
2球目 バットをかすめるような鈍い音がしボールがキャッチャーの前に転がる
宗男のセーフティバントだ
宗男が猛スピードで1塁めがけて走るがキャッチャーがボールをすぐに拾い宗男に向かってなげつける
ボールは間一髪のところで宗男にぶつかりアウトという審判の声があがる
宗男「いいかお前ら 初級は振るな とにかくあいつに球数を多く投げさせるんだ」
宗男の声がグラウンド内に響き渡るが…
カィン!
煌の投げたボールはミットに収まらずバットにあたり小フライになる
煌はストライクを放らずにバッターボックスに立つバッターが握ったバットにわざとあて
それで1球でアウトをとり相手の戦術を逆手に取り逆に崩しにかかった
3番も同じようにアウトになり攻守交代となる
「1番…ファースト、閼伽井 才」
眼鏡をかけ髪を茶に染めいかにもスポーツマンらしくない外見の選手がバッターボックスに立つ
大天使高校で目立った活躍もなくずっと控え選手で影が薄い彼に油断した控えピッチャー洲角 和は
コースが甘めのカウント稼ぎのシンカーを投げる
「え?」
そのボールを才が真芯でとらえ観客10万人を超える満員の観客スタンドにボールを叩き込む
先頭打者ホームランだ
一斉に観客が湧きあがる
その歓声の中高らかに握りこぶしをあげダイヤモンドを一周する才