もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら51

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1通常の名無しさんの3倍
次スレは>>950を踏んだ方か480KBからお願いします。
スレは、基本的にsage進行です。

もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら50
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1289360511/
【考察】CCAアムロin種・種死【雑談】part21
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1278076546/

過去スレはまとめサイトを参照してください
【まとめ】http://ifcca.x0.com/seed/index.html
【Wiki(ウィキ)】http://arte.wikiwiki.jp/
2通常の名無しさんの3倍:2011/02/18(金) 01:32:21 ID:???
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2011/02/18(金) 02:25:40 ID:???
乙!
4通常の名無しさんの3倍:2011/02/18(金) 08:29:01 ID:???
or乙
5通常の名無しさんの3倍:2011/02/18(金) 22:31:56 ID:???
古いの埋めた方がよくない?
6通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 11:18:38 ID:???
1000 :通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 11:16:42 ID:???
1000なら今日のん兵衛氏降臨
7通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 11:30:59 ID:???
いあ!いあ!あるこぅる!
8427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:02:49 ID:???
とりあえず、前スレの預言に従ってみます。427です。
これから出かけるので、15分くらいしか投下できませんが、前半部分を投下したいと思います。
・・・弁明しますと今週意外に忙しくて完成度は半分です。
まずは、前スレ末に投下した冒頭部分から投下しようと思います。よろしいでしょうか。

失いし世界をもつものたち・31

混沌とした戦況下、私は部下と歌姫を救出するために、陸戦隊と共にランチに乗り込みコロニー内に突入した。
自ら現場に出向いたのは、ザフト側の行動の不自然さに疑問を持ったという気持ちもある。
目前には赤茶けた大地が広がり、テキサスコロニーを思い起こさせる。ランチの高度が下がると、重力を感じはじめた。
そこに後方から6機のMSが駆けつける。

「司令!!こちらオター1、ハンター大尉!!参謀長の命令により、これより陸戦隊直掩に入ります!!」
「了解した、よろしく頼む」

トゥースとメランが心配したのだろう。さすがに申し訳ない気持ちが湧く。

「さすがにお目付がつきましたね」

警備主任のヴィーコ大尉が苦笑いする。大尉も内心同じ思いなのだろう。

「仕方あるまい、前回のプラントの件もあるからな。
クワトロ大尉が先行しているとは言え、それにアムロたちが到着するまで、まだ少し時間が必要だろう。MSに遭遇したら洒落にならん」

そのクワトロ大尉はコロニー反対側の港湾部でザフト側の増援と戦闘している。アムロとレーンは最前線からこちらに戻っているので、もう少し時間が必要だろう。
そこで本体の直掩を担っていた、ラー・キェムの機動部隊が臨時の近衛部隊となったわけだ。

「艦長!!前方よりザフト軍確認!!数は10!!新型もいます!!」

ふむ、予想よりも戦力が多いな。外でタイラントが指揮するリゼル隊が艦隊と交戦している以上、それほどこちらに戦力は避けないだろうと考えていたが。
ザフトはラクス一党を殲滅することに何故そこまでこだわるのだろうか。
私の疑問はり醸造される。たが、その疑問に対する答えを出すには目前にある危機を避けてからだ。

第31話「少年の真実」
9通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 12:08:09 ID:???
支援だ!
10427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:08:53 ID:???
・・・すみません、少し早くでなくてはならなくなりました。
本来ならば、皆様をお待ちするべきですが、投下を続けさせて頂きます。
途中で終わったら、夜までお待ち下さい。本当に申し訳ない。


私はランチのインカムで指示を出す。

「オター1!!迎撃しろ!!曹長!!回避行動任せるぞ!!!」

前方の敵機から、一斉に射撃が開始された。
ランチがジェットコースターのような動きで回避をはじめ、オター1こと、エリアルド・ハンター大尉が迎撃を開始する。

「アンリ!!着地して支援砲撃!!連携を切り崩せ!!俺が上から仕掛ける!!
クレアはルイージとファンで牽制してくれ!!ヘンリエッタはランチから離れるな!!」
「了解!!隊長、無理はしないで下さい!!」
「わかっているよ、クレア!」

中心が終わると、オター1は急上昇し、オター5は降下して砲撃体制に移る。
そしてオター3以外が、速度を上げて敵機に向かう。数で不利だというのに、分散するのは危険ではないか。そう考える間に、オター5が岩の台地に着陸する。

「オター5!!これより支援開始します!!」

重装型ジェガンが、腰を据える体制をとってビーム・キャノンを発射する。すると、ザフトの編隊は一度分散して、隊列を組み直す。
そこへ重装型は牽制を加え続けて編隊を攪乱させた。ザフト側は、支援装備をしたジンが重装型へと反撃をしようとするが、上空からオター1が強襲する。
11427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:11:39 ID:???

もちろん、その攻撃に対してザフト側は手をこまねいているわけではなかった。
ザフトの指揮官機と思われる新型機が、後方支援隊に重装型を狙わせようとしている。
攪乱されつつも残りの部隊を半分に分け、一方をオター1に対し、残りをオター2の率いる正面に対応させようと動いた。

私にはエリアルド・ハンターの行為が、やや危険なように感じた。
どうにも、彼は普段から積極的に危険を引き受けようとする傾向がある。
死に急いでいるわけでもないからこそ、もう少し慎重になってほしい。

「自分は、仲間と部下には何があっても生き残って欲しいだけです」

エリアルド・ハンター、ティターンズの旗のもとで自らの正義を信じて戦った男は、グリプス戦役の最終決戦にも参加していた。
つまりは私の指揮する部隊と交戦していたのだ。
彼との出会いは、私にティターンズの全てがバスク・オムやジャマイカン・ダニンガンのような連中では決してなかったことを、改めて思い起こさせた。
彼がロンド・ベルに参加したときのことを思い出す。
12427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:14:07 ID:???
「もちろん、恩人であるモリス中佐があのような人事を受けたことが、大きな理由である事は確かです。
事情は既にご存じでしょう。体制に刃向かいすぎた末の島流しという奴です。
けれども、司令、自分はロンド・ベルへと赴いたもうひとつの思いがあります。
あのときエゥーゴは勝者として、敗者であるティターンズの正義も背負ったのです。
それをシャア・アズナブルは踏みにじった。対して司令はロンド・ベルを率い立ち向かう。
そうするならば、自分は再び前線でパイロットとなります。自らが信じる正義のために」

そう語る彼をまっすぐに見る。その青い眼は、未だに輝きを失ってはいなかった。
正直に言えば、その時の私に、その目は少しばかりまぶしいものに感じた。少しばかり意地の悪い言い方で問うたかもしれない。

「・・・きみにとっての正義?」

エリアルドは、私の様子に気付かずにはっきり答えた。

「自分はティターンズが過ちを犯したことを背負います。自分自身は、常に自らの正義と職務に忠実でありました。
そうすることが地球連邦をよりよくする事になると信じていたのです。しかしながらあの戦いで自分は、多くのものを失いました。
そうしたものを持つからこそ、やるべき事があると思うのです。私はそれを背負います。
生き残った人間として、この世界に対して責任があると思います。だから自分は戦うのです。
失礼を承知でお聞きしますが、司令もエゥーゴに正義があったからこそ、あの戦いに参加されたと思います。これでは、答えになりませんか?」
「・・・君のような人物が、我が隊に入隊してくれることに感謝する。君とこうして話せてよかった」

アムロ・レイを失ったその時の私には、よどんでいた気持ちが、少し、ほんの少しばかり晴れたように思えた。
そして彼との対話は、第2次ネオ・ジオン戦争やラプラス戦役、月面破壊未遂事件を通して体制にうんざりし、引退してレストラン屋の親父になろうと考えていた私に、考え直す機会を与えた。
単に世界に埋没するのではなく、ジオン・ダイクンの二番煎じとしてやれることがあるのかどうか、考える機会としての市民生活を考えさせた。
ハサの事で、そのような考えも吹っ飛んでしまったが。しかし今や異世界とはいえ、私はこうして政治に深く関わってしまっている。皮肉なものだ。
13427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:15:56 ID:???
私の思考をよそに、エリアルド・ハンターは、コロニー中央の低重力を利用して攻撃を回避する。

「やらせらないさ!!!」

エリアルドのジェガンは、シールド・ミサイルを2発発射して最も近くにいたジンの左手を武器と共に破壊し、ビーム・ライフルは正面の新型機を撃ち抜く。
そしてスラスターをふかして減速し、急上昇した相手の上空にかわして背後から射撃する。

「これで!!!」

急旋回しようとしたジン2機をライフルで火球にする。
さすがに腕がいい。大地に背を向けハンター大尉に対して、そこを狙う敵機を部下たちが牽制する。

「隊長の顔に傷など付けさせませんよってね!!!」

ハンター大尉は、部隊内でも女性士官から人気だという話を何とはなしに思い出す。
後ろの兵士の一部が、どことなく暗い表情をしている。ジェガン隊は一斉に射撃を加えて、迎撃部隊をひるませる。
我々のランチに攻撃を与える隙も与えない。それでも数は多い。オター6がシールドを左手ごと吹っ飛ばされる。
これはパイロットの腕と言うよりも、シールド・ミサイルを発射しようとしたときに、別方向からの射撃が運悪く着弾したためである。

「くっ!!こんな事で!!」
「ファン!!無理はするな!!!ルイージ!!アンリ!!サポートしろ!!」
「「了解!!!」守ってやります!!!」

どのような状況でも数の差は、精神的にも嫌な影響を与える。

「ちっ、数が多いと・・・」

ハンター大尉が毒づいたその時、新型機からロケットアンカーが発射され、インコムのように彼の機体を囲い込む。

「「隊長!!!」」

1機でいたため、不意を突かれたか。私にも焦燥感が湧く。
14通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 12:16:41 ID:???
ブライトさんとハンターの会話いいな〜
支援!
15427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 12:19:11 ID:???
「甘いな!!!」

一閃、ビームが新型機を撃墜する。クワトロ大尉のガンダムが飛来してエリアルドを狙う新型機を撃破したのだ。彼はさらにインコムで背後から、数機のジンを撃破する。
これを受けこちら迎撃しにきた部隊は後退を始める。彼の後方には、ケーニヒ准尉のコスモグラスパーが続行してきた。フラガ少佐の支援のためである。

「クワトロ・・・大尉・・・」
「君が私を嫌う理由はわかるつもりだが、礼くらいはいってもいいだろう?」

一瞬、ジェガンとガンダムに硬直に近い間が生じる。エリアルドがシャア・アズナブルに抱く感情は想像に難くない。
ある意味ではボティと同じ気持ちを共有しているかもしれない。余談ではあるが、エリアルドとボティは独特の親交を深めている。
立場は違えどもグリプス戦役を戦い抜いたという思いからだろう。
そして、2人ともキラ・ヤマトよりレーン・エイムと大尉の一件を聞いて色々と思うところがあったという。
ともあれエリアルドは、大尉に対してむしろ自分の気持ちを恥じたようだった。

「申し訳ありません大佐、いえ大尉。助かりました」

クワトロ大尉は苦笑いで応じる。

「かまわんさ、それが私の業だと思っている。ブライト艦長!エターナルの不時着まで先導する。遠くに見たが、さすがに1機で向かうわけにはいかないからな。きてくれるか?大尉」
「もちろんです。大尉、先任として指示願います」
「ブライト艦長、よろしいか?」
「任せる、それとオター6はランチの護衛にまわってくれ」
「了解!!」

こうして、我々は迎撃を払いのけ、エターナルの着底ポイントへと向かっていった。

もう少しありますが、すみません出かけてきます。ではまた。
16通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 12:20:43 ID:???
乙でした!
気をつけて行ってらっしゃいませ!
17通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 14:10:19 ID:???
コスモグラスパーってロンド・ベル持ってた?
支援投下乙です
18通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 16:21:07 ID:???
コスモグラスパーはPMP社が開発したはず。
PMP社がアズラエル系企業で有ればロンドベルに搬入されていても可笑しくはない。
19通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 17:01:13 ID:???
前話を読み直しな。アルテミスに配備されてたのをEEFが供与したとあるよ。
ともあれ、投下乙でした!再開を全裸で待機します!
20通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 17:36:15 ID:???
おー、のんべぇ氏来てる。ばんじゃーい

早速ですが
>>10
>中心が終わると、オター1は急上昇し、オター5は降下して砲撃体制に移る。
通信が終わると
前後の文からすると、ですよね?
21通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 17:58:16 ID:???
乙です

ジェガンはやっぱりコストを抑える為に
ガンダリウム合金を採用しなかったのが痛いな…
若干の撃たれ弱さを感じる
22通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 18:58:28 ID:???
乙!
23通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 21:15:01.76 ID:???
乙カツカレー

さすがに離れてる住人多いか
24427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:32:53.37 ID:???
いやはや、13時集合で今まで飲み続けてきました。
これから完成している前半部分を投下しますがよろしいですか。
問題なければ、5分後を目安に投下を始めます。
25通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:38:09.23 ID:???
たまたま見たらなんというタイミング、支援だ。
26427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:39:52.59 ID:???
トリアエーズ投下しようかと思います。

※※※

エターナルが着底している場所では、カオスともいうべき戦闘が繰り広げられていた。
ザフトのMSが同型機同士で撃ち合い、地上では岩場や遮蔽物を利用して銃撃戦が行われている。
機動兵器がその支援を使用にも、互いに必死にそうはさせまいと妨害する。

そこへ、我々の到着である。

「状況は?」
「はいっ、エターナルは着底し対空戦闘中の模様、また所属機は12、いや11機です!!」

先任曹長の脇で、臨時のオペレーターをしていたシンが報告する。続けてきた報告も読み上げる。

「艦長、ケーニヒ准尉からです。ザフト側は先ほど撤退した部隊と併せて22機とのことです!!」
「かなりの戦力ですね」

ヴィーコ大尉の指摘に同意する。

「それほど連中が都合の悪い連中なんだろう。実際、我々が来なければこれで全滅だったろうな」

状況はラクス一党に不利であったが、我々の参加は明らかに形勢を逆転させた。さらに反対側の港を突破してきた、アムロとレーンが飛来する。
27通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:41:37.09 ID:???
おお!投下が始まってる!支援だ!
28427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:41:45.42 ID:???
「ブライト!!キラたちは!?」
「まだわからん!!!シン!!!エターナルと通信は取れないのか!!!」
「すみません、どうやら外でミノフスキー粒子の濃度が上がっているようです!!」
「だったら接近するしかない!!曹長!!!」
「打ち落とされますよ!!!」

言い合う間に、交戦中のザフト正規軍の一部が我々に襲いかかる。対してペーネロペーがランチとザフト部隊の真ん中に割り込む。

「フンッ!!!その機体じゃあ無駄だって言うんだよ!!!!」

レーンが腰のメガ粒子砲とミサイルを放ち、左右に展開していたジンを数機も撃破する。それを皮切りに混戦状態に突入した。
戦力的には、ラクス一党と我々の機動戦力を足してようやく互角の数である。けれども、連携は望めずかえってパイロットらには混乱を招いたようだった。

「どちらが味方なのかわかりにくいって!!!打ち落とされても文句言うなよ!!!」

オター4が毒づく。ラクス一党との意思疎通が不十分だったための混乱と言えよう。こうなると解っていれば、あそこまでぞんざいに扱わなかったかもしれないな。
少しではあるが、混戦状態を作ったことに迂闊さに唇をかむ。アムロは飛来するジン部隊を撃破しつつ、エターナルの艦橋に手を置き、お肌の触れあい回線で語りかける。

「エターナル!!!そちらの部隊は直掩するか、地上で戦っている歩兵部隊の支援に集中してくれ!!!こちらが混乱する!!!それと、フラガ少佐とヤマト少尉はどうした!?」

何を話しているか聞き取れない。艦橋で静止するアムロを狙い、ジンが大型砲で攻撃してきた。
アムロはエターナルの影響を考え、シールドを犠牲にして防ぐと、自身も空中戦に参加した。私はどことなく地球で始めて見せた空中戦の光景を思い起こした。
29通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:43:03.23 ID:???
支援射撃開始!
30427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:43:53.45 ID:???
「このぉ!!!」

ガンダムは、バーニアを全開にふかして上昇すると、戦闘空間の頂きからビームを雨のように乱れ撃つ。
アムロの狙いは、撃墜よりも混乱させて味方に仕留めさせようとするものだ。それでも流れ弾に近い形ではあるが、2機のジンと新型機を1機撃墜する。

「さすが!!」

兵士やパイロットが思わず感嘆の声を漏らす。

「まぐれさ、一気にたたみ掛けるぞ!!!シャア!!エリアルド!!!」
「わかった!!!」
「了解!!各機続け!!!」
「「「「了解!!!」」」」

混乱するザフト部隊をクワトロ大尉とラー・キェム機動部隊は容赦なく追い詰める。アムロの駆るガンダムはライフルを投げ捨て、サーベルを右手に急降下して接近戦を仕掛けた。
これもまた牽制の意味合いがあったのだが、脅しではなく確実に撃墜するために接近し攻撃する。最初にその犠牲となったのが、最も上空にいたジンである。
ビームの雨は回避していたが、アムロの急降下を利用した袈裟切りによってコクピットまで切り込まれて機能停止する。続いて下から仕掛けてきたジンには、左手からダミーを落として対応する。
ダミーには機雷が仕込まれており、頭部を爆破されて墜落した。そこに実体剣を持って接近戦で勝負してきたジンが襲いかかる。
アムロが正面から斬りつけると、ビームサーベルは実体剣を切り取りし、さらにもろともジンを撃墜した。ザフト側にしてみれば悪夢の光景であろう。
この間わずか1分、上昇してビームの雨を降らせたところから計っても、5分かかっていない出来事だった。もっとも、彼はかつてその記録を遙かに上回る3分で12機のMSと艦艇1隻を撃墜した事があるが。
31427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:45:46.37 ID:???
ザフト軍も反撃を試みるが、アムロに気を回すと背後からクワトロ大尉のインコムを用いたオールレンジ攻撃、ないしレーンの高速移動攻撃にあえなく撃破されてしまった。
さらに、この恐怖のトリオに向かわなかった連中も、オター小隊の連係攻撃の前に撃退される。
確かに混戦状態であるために、いくらかの損傷は受けたが、ザフト側はその戦果を得るために機動部隊全滅の憂き目にあったのである。

もはや大勢は決したな。私がこの戦場での優位に自信を持つと、アムロから連絡が入る。

「ブライト!!!あの施設にクルーゼがいるそうだ!!!」
「何だ、どういうの?」

いきなりの内容に思わず言い返す。俺はニュータイプじゃないぞ。その時、ようやくエターナルと通信が繋がった。
画面には、アンドリュー・バルトフェルドが映る。彼は、私の顔を確認するとやや驚いたようだった。

「ブライト司令!!?自らの援護に感謝します!」
「バルトフェルド艦長、自力で浮上できるのか?」

外から見る限り、装甲にかなりの被害が認められる。バルトフェルドという男は率直だった。

「残念ながら難しいですね。実のところ艦内への進入も許している有様でして」

それはいよいよ深刻な事態だな。私は重要人物の安否を確認した。

「ラクス・クライン君はどうした?」
「副官のダコスタに任せてあの施設に待避させています。最悪の場合は、あの研究所の地下から外壁沿いにそちらに逃がそうと思いましてね」

32通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:46:09.95 ID:???
たった5分で!?化物か?支援
33427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:47:52.44 ID:???
なるほど、それでクルーゼが自ら施設に突入しているのか。いや、実際のところはキラによって追い込まれたところが大きいかもしれない。外で銃撃戦を行っていたザフト側の歩兵部隊も施設にラクス追討の増援に行くというよりは、機動部隊全滅を受けて待避していくようである。
一方、ラクス一党側の残存歩兵部隊は、7割をラクスの救援のために正規軍の追撃を行い、残りをエターナル艦内の救援に向かわせている。
私はエターナルの損傷を中破程度と見積もる。そして、案外にエンジン部分が被弾していない点に注目した。

「艦長、上昇が無理なことは解ったが、その状態で宇宙空間での航行は可能か?」
「艦内を安定させてからではないと、正確にはわかりませんが、航行する程度ならできると思います」

そうだろうな。私はひとつの提案をする。

「バルトフェルド艦長、提案がある。浮上が無理なら仕方ない、エターナルを強制的に宇宙へ出させよう。
コロニーの外壁から砲撃を行い、エターナルを強制的に宇宙に放出する。どうか?」

エターナル艦橋の面々の顔が、青ざめる中でバルトフェルドは残された手を以て顔を撫でて思案すると、面白そうに笑顔を作る。

「やってみましょう!!!このままでは新鋭艦が鉄くずになりますからな。ですが、こちらとしては、ラクスの安全を確保したい」
「いいだろう、どのみちキラとフラガ少佐を助けるついでに確保しよう。緊急非難的措置としよう」
「感謝します」
34通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:47:58.28 ID:???
相手がバッテリー機じゃ大した手柄じゃねーな
35通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:48:17.52 ID:???
支援薄いぞ!なにやってんの!
36通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:50:48.12 ID:???
アムロやブライトの活躍見るのは凄い楽しい 支援
37通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:51:27.87 ID:???
さるったかな?支援
38通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:54:48.74 ID:???
駄目そうだね。支援
39427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/19(土) 23:55:42.82 ID:???
私はインカムを取り、上空を旋回するトールに指示を出す。

「ケーニヒ准尉!!ラー・カイラムへ伝令頼む!!!外壁から指定ポイントを砲撃し、外壁に穴を空け、エターナルを宇宙へ逃がす!!」
「了解しました!!」

次に、ランチを施設の前に着陸させようとすると、アムロが同行したいと言ってくる。

「俺も行く、キラとムゥを助けたい」
「しかし、ガンダムはどうする?」
「オター小隊に任せる。エターナルは格納庫が安全な状況ではないしな。攻撃予定ポイントから離れたところに下りる。エリアルド、すまないが頼まれてくれるか」
「もちろんです」

そこにレーンも同行を主張する。

「自分も行きます!!」

ふむ、2人の感覚をあてにしたいところではある。私は2人の意志を承認すると共にオター小隊に指示を出す。

「ハンター大尉、エターナル機動部隊と共同で周辺を確保してくれ。
それとクワトロ大尉も来てくれ、ラクス側とある程度交流がある貴方の力が必要かもしれない」
「了解!」
「了解した!!」

私は後ろへ振り向いて部下たちに檄を飛ばす。

「よし、これより我々はフラガ少佐とキラ、そしてラクス・クラインたちの安全を確保する!!研究所内へと突入する!!!聞いての通り、あそこにはラウ・ル・クルーゼもいるという、心してかかるぞ!!!」

ヴィーコ大尉も怒鳴る。

「各員準備しろ!!運のいいことにあの仮面野郎のケツに鉛玉をぶち込む機会だ!!!戦友の敵を取る機会を逃すなよ!!!」
「「「応!!!」」」

見渡すと、気合いと活力に溢れた表情を見せる。特に陸戦隊の目には並々ならぬ闘志が宿っていた。

とりあえず前半終了です。この後酒の勢いに任せて書き綴ってみます。ではまた。
40通常の名無しさんの3倍:2011/02/19(土) 23:58:49.70 ID:???
取り合えず乙です!
それにしても、10時間ものみ続けられるとは、下戸の身ではかんがえられまんなw
この調子だと早い再開が期待できますかな?全裸でまってます。
41通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:03:16.22 ID:???
これでラクス一派が鈴が協力体制に入ったとか勘違いしてチョーシづくんじゃね?
42通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:22:19.52 ID:???
そりゃ実際協力体制になったんだから調子づくだろうな。それが何か?
43通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:26:32.06 ID:???
ヒャッハー!後半へ続くだぁ!
44通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:26:37.99 ID:???
どっちが上か下かで言えば、鈴が上だしそんなにバカなお願いは出来ないんじゃない?

借りがあるわけでなし。
45通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:33:05.91 ID:???
タコスケあたりは相当チョーシづきそうだから、生き残った場合には
改めてぶっといクギを刺しとく必要はあるだろうな…
ハルマ父さんにかなりの死相が出てる気がしてならないので
身代わりにできれば一石二鳥なんだが。
46通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:37:01.62 ID:???
なんだかんだ適当に理由付けないでラクシズが嫌いなのでボコボコにしてくださいってはっきりと言っちゃえばいいんじゃないの?
47通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:47:12.23 ID:???
ラクシズが嫌いというより、あの宗教じみた環境からラクスを引き離して
ロンデニオンで一市民としての勉強と生活をさせた方が本人のためって事だな。
まだ無印種の時期で、またTVと異なり旗上げと同時に最強クラスの武力を手にして
一気に舞い上がってしまったわけでないこのラクスにはまだ救いの余地があるから。
48通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:52:06.91 ID:???
取り巻きがすくなってアスラン達プラント穏健派の求める広告塔になりやすいじゃないかな?
49通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 00:59:29.90 ID:???
いずれにせよシーゲル信者たちとは一線を画した方がいいって事だな。
種死やアフター系二次ではお花畑なラクシズの中で殆ど唯一虎が
ある程度現実を見据えるポジにいる事が多い(もっともキラクス他を
抑えられるかというとアレだが)が今回の場合虎も信仰に漬かってる節があるし。
50通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 01:00:05.98 ID:???
飲兵衛先生乙!
ラクス嬢にはブライトさんのお説教タイムが必要だと思う。
51通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 01:05:48.87 ID:???
お酒の勢いで後半に取りかかられるという事は、
わりと早いうちに続きを拝読できるものと期待していいんでしょか。
楽しみにしてます乙。
52通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 02:13:59.01 ID:???
陸戦と言わずそこは白兵戦と表してくれた方がとは思ったけど
何はともあれGJ!胸熱っ
wktkして待つ
53通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 09:36:54.94 ID:???
飲兵衛先生乙でっす
ちょっと前の方ですが>>13 冒頭の「やらせらないさ!!!」 →「やらせないさ!!!」だと思います
続きも楽しみですな!
54通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 13:03:10.12 ID:???
クルーゼ、味方の護衛部隊いなくね?殺られるか?
55通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 14:24:29.15 ID:???
うかつだよなぁ
戦場で前に出過ぎだ
56通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 15:29:44.69 ID:???
>>30
>3分で12機のMSと

細かい事だとは思うけど、とりあえず
撃墜スコア内訳
アムロ×9、カイ×1、セイラ×1、ホワイトベース×1
アムロ一人で落とした訳でも、相手した訳でもないんで
57通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 15:43:59.78 ID:???
あそこはアムロはともかく敵もセイラ辺りに一発で落とされてんなよと思ったなあ
もうちょっとこう
58通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 16:05:48.71 ID:rpY6l72t
>>57
たしかTV版だとガンダムのバルカン食らってモノアイが割れたドムをカイかセイラが落としてたはずだけど
59通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 16:13:41.66 ID:???
>>57
たしかTV版だとガンダムのバルカン食らってモノアイが割れたドムをカイかセイラが落としてたはずだけど

手元に映像ないからチェックできん
60通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 16:45:52.38 ID:???
>>56
ハヤトの立場がない件についてw
61通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 17:11:17.35 ID:???
後にカラバの前線指揮官として活躍したトコを見ると
ハヤトはパイロットよりも指揮官タイプだったんだよ。

それはそれで良いじゃないか
62通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 19:23:32.48 ID:???
なんか飲んべえ氏、二日酔いでいびきかいて寝てるよーな気がしてきたぞW
63通常の名無しさんの3倍:2011/02/20(日) 19:47:54.21 ID:???
64通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 01:38:19.38 ID:???
もしオター部隊に預けたガンダム二機が
こっそり侵入してきたザフト特殊部隊に奪われたらどうなるかな。
65通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 01:58:11.27 ID:???
>>54-55
プラント動乱の際のクルーゼの行動があまりにも無理筋過ぎて
色々な事情を承知の上でそれでもなお勝算アリと判断しての事か
単にロンド・ベルを見下してるだけの事か、それともヤケを起こしてたのか
どうにも判断がつきかねていたが
(一人称文体作品のネックであり、同時に怪しい相手の心中を容易に
 悟らせないテクニックでもある…本作の場合は無論後者だろうけど)
来たる後半でやっとその辺が明らかになるんだろうかね。
TVではウヤムヤになったムウとの因縁、また自分のカリカチュアの
そのまた一変種を目の当たりにする事になるだろうシャア、
あとクルーゼのスパコディ論にキラの父親として何を思うかのハルマパパと
wktkが止まらんですな。
66通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 05:44:24.43 ID:???
>>64
プラント本国に送られてロンドベルの唯一の外交手段喪失
ロンデニオン共和国は滅んだ
67通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 12:01:52.12 ID:???
>>66
そもそもνはとくにアームレイカーで操作方法が違うからあり得ないな

68通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 13:15:54.31 ID:???
触りなさんな、前スレ末期のクズだ。
埋めついでにお情けで相手してもらえただけだってのに勘違いしてくさる。
69通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 13:36:22.66 ID:???
直接操作しなくても運び出すだけならいくらでも手はあるでしょ
エターナルを宇宙に出す手を、敵も使わないとは誰も言えないし
そうでなくても何も知らない素人でも動かせるのがUCMSなわけだし

多少の足枷にはなるかも知れないけど
有り得ないとか絶対無理なんて言葉、あんまり使わない方がいいよ?
70通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 14:06:38.36 ID:???
UC105年にロンドベルに配属されてるジェガンってD型かな
UCで一番長く運用された主力量産機だけにロンドベル仕様とかありそうだ
エコーズ仕様なんかもあるんだし
71通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 16:03:47.01 ID:???
U.C.0105だとロンドベルは発展的解消されて第13独立艦隊とかになってなかった?
ジェガンDか、グスタフカール、あるいはwikiにある一般兵使用のドーラカールとかがあるそうだけど
72通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 16:30:07.07 ID:???
BHDの特殊部隊vsソマリア民兵並の格差やな
73787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:09:10.39 ID:???
飲兵衛先生乙でした、後半も楽しみに待っております!

そしてみなさんこんばんは、787です。
主菜である飲兵衛先生の後半投下前に、お通し代わりの23話を投下しようと思います。
今回はこれまで以上に意味不&オリな内容が含まれておりますので、
気に入らなかった方はスルーorあぼ〜んプリーズ

次から投下します
74787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:10:31.21 ID:???
一つ、星が光ったように見えた。

シャア・アズナブルは、ベルリンの空を見上げて、
またクィン・マンサのメガ粒子砲が天へと放たれるのを見た。
高熱を孕んだ粒子のビームは、収束せずに拡散させている。
これから先、奴と連合のMAに接近するのは至難の業であった。
だが、これ以上放置しておけば町の損害がどんどん増えていくばかりである。
シャアは、ガズウート部隊にこの地点を確保、死守するよう命じ、
バクゥ部隊とレイ・ルナマリアには身を隠しつつ、前進を再開し敵MAの背後に回るよう言った。
そしてシャアはハイネのグフに近づいて、
「シンとアスランの姿がないのが気になる。
 ノエミは空で粘っているようだが、キラ君もいないとなれば心配だ」
「俺に探しに行けってか……」
「頼む……」
シャア個人としては、あの三名がまだ生きているという確信があった。
先程クィン・マンサのビームが走ったあたりで、
爆発的にふくらむプレッシャーを感じ取り、
それがアスランであると直感で認識していた。シンも恐らくそこにいるであろう。
ただ、キラの気力・活力と形容すべきものの存在が朧気で、
安否が危ぶまれる状況にいることに間違いはなかった。
ハイネは少し渋るような様子を見せたが、
忽ち目の前の建物へ飛び乗ると持ち前の機動力で、
みるみるうちに火花の飛び交う空へと消えていく。
シャアはそれを見るや、目線を地上へと戻し、レイとルナマリアの後を追った。
頭上を、ガズウート隊の一斉射したバルカンと対艦ミサイルが通過していく。
その殆どが、混迷を極める連合勢へと吸い込まれて行き、陸戦部隊の道を切り開く。
ブレイズバクゥハウンドが、ブースターで強化された突進力で街道を突き進み、
街道を駆け抜けウィンダム達の目を引きつける。
ガナーを装備したバクゥが地面を滑り、
建物から顔を出しビームキャノンをMS群へ撃ち込み、身を隠す。
シャアはベルリンの建物の上を駆け抜けながら、
上空から向かってくるダガーの攻撃をかわしつつ、
バズーカをがら空きになったボディへ撃ち込む。
彼は一度飛び上がって、ディンと交戦していたダガーの背中を切りつけながら、
其奴が爆散する前に蹴りつけてさらに飛び上がるという空中戦をやってのけ、
一歩一歩着実に黒いMAへと近づいて行く。
レイとルナマリアも、シャアが心配する必要は無いようであった。
レイは極力背中のビームキャノンを使わず、空から落ちてきたディンのアサルトライフルや、
ダガーのバズーカを現地調達で補いつつバクゥ部隊の援護を行い、
時にやられかけた味方を襲うダガーに撃ち込みながら、確実に敵MAへと近づいて行く。
ただ、あのMAに乗っている人物の波動を感じ取ったのか、
怒りに近い感情を持って向かっていることに一抹の不安を感じてしまうが。
ルナマリアはというと、スラッシュのビームガトリングを搭載したバクゥ部隊を連れて、
彼らに牽制のビームを撃たせつつ自ら空中へ飛び上がり、
チームから離れたウィンダムを一機一機葬っていく。
空中で重量のある格闘兵装を用いながら、バランスを修正し体勢を整える見事なAMBAC術は、
ジブラルタルで目覚めた後さらに磨きがかかったように見える。
75787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:11:41.94 ID:???
常時『彼女』が表に出てきたのかとヒヤヒヤしながら見ていたが、その傾向はないようだ。
シャアが加えて気になったのは、空中でディンとバビ部隊をまとめているのがノエミであることだ。
彼女は今現在群がるダガー部隊を退けるので精一杯であり、攻勢に転じる余裕が感じられない。
数の差が圧倒的なので仕方がないと言えば仕方がなかった。
加え、アスランとシンがいない中戦線を維持していることはほめてやって良い。
彼女は目下に地上部隊が到着したことを悟ると、
シャア機を見つけ、器用にもMSで手話を行った。
〈テキノゲタ、ゼンポウ200ニアリ。ロカクノノチエンゴモトム〉
「……『ベースジャバー』か」
手話を読んだシャアは一個先の建物を越えると、
目下にかつてティターンズの用いたSFSが放置されていた。
幸運なことに、クィン・マンサとの戦闘時にパイロットが不要と判断したらしい、
「『ドダイ』の方が使い勝手が良いのだが……、贅沢は言ってられんか!」
シャアはその上に飛び乗り、ベースジャバーが起動したままであることに感謝した。

※※※※※※※

「ステラ……?」
レイ・ザ・バレルは、
彼にとって理解できない現象のまっただ中にいた。
ほんの短い間、一秒か、それすら立っていなかったであろうが、
はっきりと、あの黒く大きなMSの中に少女が座っているイメージが、
克明に浮かび上がったのである。彼は、愕然となった。
レイは、天にむかって呪詛の言葉をはいてやりたい衝動に駆られる。
なぜ彼女をアレに乗せた!
なぜ彼女を戦場へ引きずり出した!
そしてその彼女は今、上を向いている。
MSの頭部ビームキャノンをディン部隊めがけ横薙ぎに放ち、
地上のバクゥ部隊へ腕部ビーム砲をまき散らし、
まるで大切なモノを目の前で壊された子供のように、
がむしゃらになりつつある攻撃を見、
彼は悔しいのか悲しいのかわからない複雑な心境になる。
ふと、上空にマゼンダのウィンダムが現れ、レイの身体が沸騰したように熱くなる。
「貴様ぁあああ!」
背を向けていた其奴は彼の存在を肌で感じたか、
振り返って彼を視認し、此方へ向かって突撃してきた。
互いの刃を互いのシールドで受け止める形になり、
バチバチとあがる火花に照らされる顔同士をぶつけ、
「何故また彼女を戦いに巻き込んだ!
 彼女は、もう戦いをするべき人では無いはずだ!」
「それが許せんと言うなら間違いだ、白い坊主君。
 戦争が無ければ、ステラは長く生きていられなかった」
マゼンダの機体に乗っている、〈あの時〉の仮面の男の声が聞こえる。
レイへ向けたものに聞こえるが、自分に言い聞かせようとしている風もあった。
「それは理屈だ!」
レイはウィンダムを力任せに突き飛ばすと、腰のラッチに手をかけ、
マゼンダの奴は殺気を感じ取ったかふっと横の街道へ消える。
76通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 18:12:18.24 ID:???
支援!
77787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:13:00.84 ID:???
ソレが狙いだった。
レイはその一瞬を見逃さずに大地を蹴り、建物の上へ飛び出す。
「チィ……フェイクか!」
後手に回ってしまった事を奴は悔やんでいたが、
レイは振り返ることなく黒いMSの下へと駆けて行った。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第23話


「やだ……やだぁ……お姉ちゃ……」
ステラ・ルーシェは、止めなく流れる涙で顔を汚しながら、
自分が慕っていた姉、セリナ・バークレイが、
フリーダムと共に閃光へ呑み込まれて行くのを見、
羽を失った堕天使のように地表へ落ちて行く二つの物体を見て、
とうとう彼女の心は恐怖に染まった。
目の前のもの全てが、自分の大切な人たちを襲うモノに見える。
空を飛び回っているモノ、地上を走り回っているモノ。
それら全てに当たり散らすように、彼女は操縦桿のスイッチを押し続ける。
頭部ビームキャノンの赤い奔流が、ディン数機を巻き込みながら雲を裂く。
胸部ビーム砲三門から発射される光が、地表をなぎ払い、
遠目に見えたガズウート部隊に直撃する。
次に目をやったのは、ネオのウィンダムを押しのけた白いザク。
彼女は、デストロイの腕部を切り離し、白いザクを取り囲むように、前方の建物めがけ飛ばす。
白いザクを囲むトライアングルが完成し、彼女はトリガーを引こうとした。
しかし、予想していなかった事が起きる。デストロイの右腕が、突如爆発したのである。
いや、突如ではない。彼女は、一瞬反応が遅れたのだ。
空中から、右腕に何かが投げつけられたのである。
ザクに標準搭載されている、ビームトマホークであった。
投げつけられた方向にいる奴をモニタに映した彼女は、
それが色違いの赤いザクであることに気が付いた。
ベースジャバーに乗り、味方を次々とサーベルとバズーカの餌食にし、
こちらへトマホークを投げつけた赤い奴。
……あいつも、自分の大切な人を傷つける悪い奴!
そう思った瞬間、白いザクがすでに目の前にまで迫り、
スティングとアウルの攻撃を避けながら、此方に近づいてくる。
ふと、彼女の頭の中で言葉が走った。
〈ステラ!〉
「……!?」
聞いたことのある、声だった。ネオの顔が一瞬頭に浮かぶが、違う。
白く明るい場所で、暖かな感情がこもっていた声。
ネオやにーにーのように、人間としてステラを見てくれた人……。
「待って! スティング! アウル!」
「はぁ? 何言ってんだ! コイツは……」
彼女は恐怖の中から抜け出して、デストロイの左腕を戻し、白いザクに近づく。
78通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 18:13:54.32 ID:???
支援
79787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:14:11.76 ID:???
「レイ……?」
白いザクの姿や自分を取り囲む計器類が消え、まるで宇宙空間のような、
煌めきに包まれた不思議な光景の中に、金髪の少年の姿が見える。
自分の身体のようにデストロイが動き、
白いザクの動きも、機械としての動きからより一層人間らしい、
ゆっくりとした動きで右腕を差し出した。
「何なんだ、こりゃあ!?」
スティング・オークレーとアウル・ニーダは、
自らに起きた魔何不思議な現象を理解しようと思っても、出来なかった。
もやもやしたような、訳のわからぬ空間に引き出されたかと思えば、
自分たちの十数メートル先で、ステラと、金髪の男が向き合っている。
……ネオにそっくりだと思った。
だが、違うと背丈格好ですぐわかる。ZAFTの赤服だ。
金髪の青年が、叫ぶ。
〈もう、君を作ったような連中の為に戦う必要なんて無いんだ!
 俺たちが、君が戦うことのない、MSに乗る事のない世界を造る! だから……!〉
まるで大きな洞窟の中のように、何度も何度も頭の中を言葉が走る。
スティングは、これが現実に起きているのではなく、
お互いの心と心が、一事的に繋がり合っている状態なのだと勘づいた。
今聞こえたのは、金髪の青年……『レイ』の本音なのだとも。
何時の間にか、あの金髪の名が『レイ』であると知り、
向こうも、ステラだけでなくこちらの名を知ってしまっている。
ステラを介して、名前が伝わったのか、
それとも自分も奴と繋がっているのか……。
「ふざけるな!」
思わず口から言葉が出ていた。
『強化人間』『生体CPU』〜MSに乗りコーディネイターを殺すことを運命付けられ、
生き残りをかけた訓練の中を生き延び、
敵を討つ事でしか己の存在意義を見いだせない。
そんな自分たちがMSに乗らず、どうやって生きる意味を見いだせばいい?
スティングがそう叫んだ瞬間、四人は現実の世界へと引き戻された。
瞬き程度の、一瞬の時間だったようだが、
それが一時間にも感じられるほど、奇妙な時間であった。
スティングは悟った。コイツは俺たちに敵意は持っていない。だが、
「てめぇの言うことの方がよっぽど理想論だ!
 歯の浮く台詞で俺たちを惑わすな!」
スティングはサーベルを抜いて、白いザクののど元に突きつける。
ジリジリと装甲が焼ける音がして、
「スティング!」
「お前もだ、ステラ! 敵と戯れるな!」
ちょっとだけ白いザクから意識を逸らしたとき、その隙を奴はついてきた。
両膝を曲げ、機体のバランスをくずして視界から消えた奴は、
軸足を曲げて屈み、右足をカオスの足めがけ振るった。
足下をすくわれたカオスを見たアウルが、ランスを構えて白いザクへ突貫する。
止めて、止めてと、ステラが叫んでも効果はなかった。
スティングもアウルも、レイをもう自分たちを脅かす者としか思っていない。
強化人間の事情も知らずただわめくだけの気に入らない奴と。
80787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:15:17.43 ID:???

そして、運命がどんどん悪い方向へと転がりだした。

ステラは見た。此方めがけて突進してくる三機のMSと、
その後ろから追いかけてくる緑色の怪物を。
赤いGと、白いG、そしてオレンジのグフは、
それぞれ損傷を負いながら緑の怪物へ振り向き様攻撃を仕掛けるが、
怪物にビームは通用しない。近づきたくても、奴もサーベルを持っている。
パワーバランスが違いすぎ、ウィップは意味をなしていない。
彼女は知っていた。
あの三機が、何度も自分たちと刃を交えたMSであることを。
彼女は知っていた。
あの緑色の怪物が、自分たち全員を葬り去る力を持っている事を。
最後に、セリナ機の最後を思い出した彼女は、悟った。
あの怪物を葬り去らなければ、みんながどうなるかを。
「……ダメぇええええ!」
彼女はデストロイを前へ踏み出させていた。
左手でレイのザクを壊さぬようビルへ押しつけ、
巨体でカオスとアビスを反対側へ下がらせる。
あの三機が、此方を認知した瞬間彼女は頭部ビーム砲で、
彼らを一度引き離した後、彼女の視界は緑色で埋め尽くされた。

※※※※※※※

〈〈〈 ステラぁあああ! 〉〉〉
シン・アスカ、そしてアスラン・ザラは、
頭に響くレイ、そしてカオスとアビスのパイロットの叫びを聞いて、
目の前を通過した緑の怪物が突き刺した、黒いMAのパイロットが誰か悟った。
知っている感覚だとは思っていた。
フリーダムを落としたとほざいたパイロットに対する怒りが、
考えさせてくれなかったのである。
考える余裕がなかった、と言っても良い。それは、戦闘に入ってから悟った。
情報より連合軍の数がごっそりと減っていたのは、コイツのせいだと。
時間をかけて、チャンスを見て攻勢に転じるつもりが、こんな結果を招いたのである。
二人は、愕然となった。
ディオキアで出会い、ついこの間までミネルバに収容されていた、
強化人間の少女の名が聞こえたのだから。
「ウソだろ……?」
奴は黒いMAの胸部ビーム砲の砲塔に、深々とサーベルを突き刺していた。
しかしステラから発せられる感覚は、攻撃された事への恐怖ではなく、
「……!? よせ!」
彼女の意図を悟ったハイネが叫んだ。
黒いMAは、レイを押しのけていた左手で、怪物をぐっと抱きしめたのである。
ほんの10m程度の違いであったが、左手を右バインダーを囲うようにし、
バインダーの角を掴んで、
〈みんな離れて!〉
シン、アスラン、レイ、ハイネ、スティング、アウル、そして周囲のMS達に声が聞こえた。
81787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:16:22.98 ID:???
アスランとハイネは一瞬悔しさに唇を噛んだが、冷静さを取りもどすと、
二体の怪物の足下へと飛んで行き、
「…ぁ……ぁあ」
呆然となっているレイのザクを抱え込んで、天高く飛び上がる。
「は、離してくれアスラン! ステラが!」
「もう遅ぇ! 諦めろ! 彼女は……」
レイは我を取りもどすと、彼女を救わんとし、
諫めるハイネのグフとセイバーの手を振り払おうとするが、
二機はなおも空へと上がり、ふとカオスらの方へ目をやる。
彼らも、必死で暴れていたが、『ギャプラン』や『マラサイ』らに抱えられ空域から離脱していく。
緑の怪物は、自分より大きなMSに押さえつけられながらも、なお動く。
「化け物が……」
アスランは、結局奴に決定的なダメージを与えられなかったことを思い出し、
キラになにも報いてやれなかった事を悔やみ、これで全て終わってくれればと願った。
デストロイの身体から一つ、また一つと光が走り、
辺り一面がどんどん明るくなって行く。

〈サヨナラ……〉

声が、聞こえた。

そしてベルリンの町を閃光が支配した。

「あぁあああぁぁぁぁ!」
通信機越しに、レイの悲痛な叫びが聞こえ、
アスランは居たたまれない気持ちになる。
シンも、胸からこみ上げてくるものを必死で押さえつけようとしていた。
ディオキアの海で出会い、一時であれ楽しい時間を過ごし、
衝撃と共に再開し、生まれ育ちの不運に心を痛め、
幸せを願ってレイが向こうへ返した少女を思い浮かべながら。
そして、気持ちを切り替えるべくヘルメットを脱ぎ頬を叩く。
ハイネはと言うと、一人冷静に閃光の走った方向を見つめていた。
ズズ…ンッ
辺りを衝撃波が揺らし、窓が割れ、煙と瓦礫が巻き上げられる。
黒煙が、ステラがいた場所一帯を覆い尽くし、どうなっているかの判別すら付かない状況だった。
ノエミのカオスが、MAの破壊によって混乱し出した連合軍を突破し近づいてきた。
「……ハイネ、レイは!?」
彼女の声にシンは、無言でセイバーが抱える動かぬザクを示し、
ノエミは言葉を失った。状況から見て、あのMAに乗っていたのは、
「ステラちゃんが……」
「ああ。あのアンノウンもろとも……!? 危ねぇ、避けろ!」
ステラの死をノエミに伝えた瞬間、ハイネは、
背中を駆け上がるゾワゾワとした感触に鳥肌が立ち、
直感で、彼女のいる場所に攻撃があると察知して、彼女のカオスを突き飛ばしていた。
そして1秒かそこらで、二人の間を一条の光が駆け抜けていた。
見る見るうちにグフの左腕が、触れてもいないのに熔けて行く。
ハイネはゾッとなった。
82787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:17:38.63 ID:???
下から、斜め上へ撃ち抜かれた。と、言うことは……
ハイネのみならず、シンも、アスランも、レイも、ノエミも、
ここへ来ていたZAFTの部隊皆が、おそるおそる、
立ち上る黒煙へと目をくれ、煙の中から出ている一本の腕を見つけた。
腕の手首当たりには砲塔らしきものが見え、それは此方に向けられていた。
「嘘だ。ステラは、自分を犠牲にしてまで。
 …………何故だ! 何で傷一つ……くそぉ!」
レイが、怒りにまかせて天にほえる。

そして黒煙の中から、クィン・マンサがその巨体を露わにした。

ベルリン市街に流れる長い沈黙を破ったのは、
いずこからか発射された巨大なビーム、そして数多のミサイルであった。
ハイネは煙の中で仁王立ちする‘奴’から目をそらし、そちらへ目をやった。
「ミネルバか!」
空へと舞い上がる幾条もの光の奔流を見、
異常事態であると察したタリアがミネルバを発進させてきたのだと気づく。
艦首砲から発射されたミネルバの切り札は、真っ直ぐ‘奴’めがけて飛んで行く。
これがダメなら…………。
その場にいる誰もがそう感じていた。
‘奴’は動く気配すら見せずジッと飛んでくる光を見つめ、
またフィールドを張ってそれすらはじき返してしまう。
「どうやって勝てってんだよ……」
圧倒的な絶望感が、彼らの心を支配し、もう操縦桿を動かす気力も奪っていた。
そして奴の胸が光り、閃光が辺りを覆い尽くす。…死ぬ。ハイネはそう感じ目を閉じた。
しかし、時が経っても、自分たちに光が襲ってくることはなく、
不思議に思って目をおそるおそる開けてみる。
「…………?」
‘奴’の姿は、消えていた。単なる目くらまし?
だとすればその意図が余計わからない。ここで自分たちを殺さずして、どうしようというのだ?
特にシャアとハイネは、奴のバックにいるであろう『彼女』が、
何を考え、何のために奴を投入しつつも自分たちを殺さないでいるのかが図りかねる。
しかし、悲しみと屈辱にうちひしがれながら、
彼らは向かえに来たミネルバからの帰投命令に聞き入るしか、
もう選択肢は残されていなかった。

※※※※※※※

「おい、聞こえるか!
 バークレイ中尉! 返事をしろ!」
ファブリスはステラの死を悟りつつも、無く暇を与えられることはなかった。
ネオも同様で、生き残っているウィンダムとダガーをまとめつつ、
ホアキン隊に彼らとカオス、アビスを連れて撤退するよう指示している。
奴の目がZAFTに向けられている間を狙っての、屈辱の退却だった。
ファブリスは、連中とは反対側の建物の瓦礫に埋もれたウィンダムを見つけ、
それがブラウンのカラーである事から、セリナ機であると悟って、
せめて彼女には生きていて欲しいと願いながら瓦礫をどかす。
83787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:19:57.63 ID:???
瓦礫から出てきたウィンダムには、頭と左腕が半分ほど融解し、
左足が完全に焼け落ちていた。
ジェットストライカーも原型がほとんど無く、
よく誘爆しなかったものだと思いながら、抱き起こそうとする。
すると、
「……わたしが……守……る…から…」
通信機越しに、うわごとのようにその言葉を繰り返す彼女の声が聞こえる。
守るとはどういう事だ?
そう思いながらウィンダムのボディを抱きかかえ……
「これは……!」
MSの胴体が、ウィンダムの右腕に抱き抱えられていた。
細いビームであったことが幸いし、この機体にも左腕と頭だけが残っている。

ただ、この機体は、『フリーダム』だ。

この機体に、誰が乗っているのだろう?
十中八九、ZAFT寄りの人間がパイロットであることは間違いない。
それが誰であるにせよ、彼女がこうして守ろうとした人間である。
ファブリスは、近くに寄ってきたネオ機にむかって手を振り、
セリナの無事と、一つ持ち帰るモノがあることを報告し、セリナとフリーダムの回収を急ぐ。
ステラの敵は、いずれ討つ。そう心へ刻みつけながら。
通信機越しに、ネオの声が聞こえる。
「……すまない、ステラ。 今はまだ仇は討てん。
 だが、いつかきっと墓前で胸を張れるようにする。
 だから、俺たちを導いてくれ、な」
ネオがフリーダムの胴体を抱え、ファブリスは一度地へ下り、
向こうがまだ先頭には入れるような状況でないことに感謝しつつ、
セリナ機から彼女を救出し回収した。
そして空へと飛び上がり、煙と炎にまかれるベルリンの空を去って行くとき、
二人の頬を一筋の涙が流れ落ちた。

※※※※※※※

84787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:26:36.45 ID:???
「想像以上だったなぁ、コイツ」
ベルリンから北へ百数十q地点を、大型輸送機が飛び、
ソレにつり下げられるようにして、NZ-000はその巨体を休めていた。
キラツーは、輸送機内に宛われた自室のベッドにその身を横たえ、
ベルリンで大暴れできた事に満足げであった。加えて、
「まさか『オリジナル』が来るなんて……ク、ク…」
彼奴を排除できた事が、嬉しくて溜まらなかった。
胸部のビーム砲に巻き込まれる形であったが、ラッキーだった。
ウィンダムっぽい影が通った気がするが、あの熱量だ。無事では済むまい。
「それにしても、『ミネルバ隊には手を出すなって』……。
 ラクス様の命とは言ったって、意味わからないな……」
実はフリーダムを見てハイになっていたおかげで、
キラツーの頭から少しの間消えていたが、ラクス直々にそう命じられてもいたのである。
彼女の意図するところは、彼にはわからないし、理解しようとも思わなかった。
自分は彼女の手足になれればソレで良かったし、
今回オリジナルがいなくなったおかげで、
自分が堂々と『キラ・ヤマト』として彼女の隣に立つことが出来る。
「そう、ソレで良いんだ」
キラツーは天井を見上げて、ぼやく。
そう、自分はラクスのためにしか働けないのだから、難しいことは考えなくてよいのだ。
憎み続けたオリジナルが、どんな奴だったのか少し気にしながら、
キラツーは眠りの世界に入っていった。

※※※※※※※

〜東アジア共和国・南京

南京の大街道を進む大統領専用車の中で、ツァオ・フェンは、
すこし強めの風が吹いている中少し車窓を開けた。
「……嫌な風だ」
一言そう呟いた。妙に肌触りの悪い、ゾワゾワとした感触がする。
これから東アジアを巻き込む動乱が起こると予感しているのか、
この地で行っていることの恐ろしさを想像しているのかは、彼自身にもわからなかった。
南京を訪れた『獅子の娘』には、良い返事を返すことを匂わせたまま帰国させておいたが、
それが有効に働く好機が到来した事を、ヨーロッパに忍ばせておいた間諜のもたらした情報で知った。
……自然と、頬が綻んでしまう。
ブレイク・ザ・ワールドで多少の被害が出た時、
大西洋の思惑に乗らず、腰を上げないで、
なるべく犠牲を抑えてきた甲斐があったというものだ。
「大西洋が自ら墓穴を掘ってくれるとは。
 これで、我々が堂々と勝者側に立って動けるというもの。
 短気なジブリール君には感謝しなければいけないな……」
車内に設置された専用のタッチ式モニタをいじりながら、
彼は行政部からあがってきた書類等にザッと目を通し、
間諜からもたらされた新たな情報に付いての機密文書を思い出す。
スーツの懐へ入れておいたそれは、蝋で封をされた跡のある極めて古典的な物であったが、
データ化されてハッキングを受ける危険性を考えれば、此方が明らかに安心できる。
85787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:27:34.90 ID:???
「それにしても、ジブリールは‘いいもの’を拾ったらしい。
 それを教えてくれないとは、つれない奴よ……」
文書には簡潔ではあるが、彼にとって重要な情報がいくつかあった。
・月の連合軍基地、連合と言っても実質的にはファントムペインの巣窟であるが、
 その地下に都市が埋もれていた事が発覚し発掘が進んでいること。
・MSや戦艦が『発掘』され、そのどれもがオーバーテクノロジーを用いた性能を持っている事。
 それらは当地の研究者間では、失われた文明の産物としての見解が濃厚。
失われた文明に関しては、ツァオにとってはどうでもいい話である。
過去の歴史など、現代に生きる自分にとって無縁の長物でしかなく、
自分たちにとって役に立つか立たないか、その一点のみが重要なのだ。
そして、ファントムペインが手にしたと知っても、彼は危機感を覚えてはいなかった。
「欲しければ奪い、こちらも作るまでだ。まぁ、デッドコピー程度にはなろう」
一機奪って、解析して、複製・修復できる部分のみ抽出して、
現代の技術と融合させ量産化を図る。
これまでやって来た事をそのままやってしまえばいい話だ。
すでに、月には細作を放ち奪取する手はずを整えさせ始めている。
今になって、オーブのお姫様と繋がりを持ったことが、これ以上ない幸運としか思えなくなってきた。
彼はほくそ笑み文書の二枚目、三枚目へ目を通し始める。
「天運我にあり。貴様等はどう思っているのかな?
 デュランダル、ジブリール、それとあの姫様もな」
二枚目の文書は文面でなく図面が一緒であった。

〈モルゲンレーテ・大東亜重工業公社による機動兵器合同開発資料〉

と上段に書かれ、江蘇州・蘇州市ですでに行われている合同開発の概要が描かれていた。
蘇州は国内の巨大経済と、国際経済の玄関といえる上海とを繋ぐ要所であり、
現在は上海との出入りは厳重な警戒の下でしか出来ないようになっている。
もし、万が一敵の諜報員が進入したとしても、
この計画がばれる頃にはもう趨勢は変わっているはずだ。
この計画の中でとくに重点を置かれているのはMS開発である。
陸・海・空の内、空はすでにムラサメをオーブから購入する段取りを進めており、
当面の課題となったのは陸と海である。
この間の地中海戦で苦汁をのんだとはいえ、相手が相手。
ムラサメがウィンダム以上に空戦に強いMSであるという認識は変わっていない。
実は、東アジア共和国軍にはまだウィンダムが搬入されておらず、
陸ではストライクダガーが今だ主力という、軍備の面では貧弱極まりないものであった。
それも、兵器開発側である大西洋連邦が自軍に優先的に配備させている途中の段階であり、
今現在の動向から見て、此方に手を回すことなどもうあるまい。
そしてアジアとオーブ両者の間で意見が一致したのは、水陸両用MSの新開発という点であった。
もし大西洋やZAFTを敵にする事となった場合に際し、
最も脅威なのは空では無く、海中からの不意打ちにある。
現在、太平洋上の制海権は、
フォビドゥンヴォーテクスやディープフォビドゥンを多数擁する大西洋連邦にあり、
なんとしてもコレを覆さねば、離反したところで本土上陸されるだろう。
ならば、前もって制海権を大西洋からアジア・オーブ二国のものとしてしまえばいい。
その発想の下に開発されることとなった、
新型水陸両用MS・MAの図面が今ツァオが目を通しているそれであった。
86通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 18:30:46.33 ID:???
支援
87787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/21(月) 18:34:19.35 ID:???
「外見がほぼZAFT系ではないか……」
設計部で出た意見の一つに、
水中で人型である必要が無いというものがあり、
ソレに賛成する者が多かったそうだ。
加え、センサーなどの繊細・敏感な機器が頭部に集約するのは望ましくなく、
頭部に設置するにせよもっと装甲で補強してやる必要がある。
結果として、連合系の人型から、ZAFT系の丸い形へと変更されたらしい。
『ズゴックE』・『ハイゴッグ』・『アッガイ』・『カプール』
開発陣によるネーミングも、不思議な事にしっくりとなじんで聞こえる。
まるで、遺伝子の中に記憶されていたかのように。
特に、このアッガイなるMSは女性パイロット陣の受けがよさそうだ。
そんなことを考えながら三枚目へ映り、手が止まった。
今回の計画の目玉にして、両国に一機ずつ作るという、
デストロイに対抗するという特別な意味も込めた巨大MAの図面である。
『シャンブロ』
MHDとゲシュマイディッヒ・パンツァーを組み合わせた無音推進装置と、
併設されたホバーによって陸海双方で尋常ならざる高機動を実現しているという、
ツァオ・フェンは、こらえきれなくなったのか高笑いをし始めた。
これからアジア圏は、とうとう西洋を超え世界の頂点となる。
そんな幻想を抱きながら、彼は宮殿に着くまで笑い続けていた。
そして数日後、クィン・マンサの存在について一切語られることなく、
大西洋を除く各国のメディアが、デストロイの悪行‘のみ’をあげつらい糾弾することとなる。

……何者かが敷いたレールの上を走るように。


第23話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。完結させる(キリっと見えきって結局あっさり終わったよ(・ω・;`)ゥゥ…
それと投下しておいて早速修正orz
 >>85のツァオの台詞「貴様等」とありますが「彼ら」にしてください、繋がりがおかしい。
クィン・マンサに関しては「ラクスがそこで手を引けと言っておいた」という形でしか収集つけられなかった。ごめん。
よくよく考えたらシャアやアムロがいても、ウィンダム・ザクフやインパルス・セイバーでどうにかなる相手じゃなかった。

次はもっと考えて、もっとうまく書けるようになりたいなぁ・・。ではまた今度お会いしましょう(・ω・)ノシ ソレデハ!
88通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 18:34:42.25 ID:???
支援
89通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 18:35:34.44 ID:???
乙です
90通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 19:01:27.34 ID:???

MHDあるんならミノ粉の膜あるし、ゲシュなんとかいらなくね?
91通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 19:04:53.39 ID:???
>>90
MHDって電磁流体誘導推進ユニットってだけであって
ミノ粉関係ないだろ?
9291:2011/02/21(月) 19:07:40.56 ID:???
忘れてた。787氏乙でした
93通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 21:54:17.94 ID:???
お疲れ様です。

生きていてくれたか、キラは。
94通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 21:55:51.37 ID:???
>>69
お前馬鹿だろ
ただでさえ戦艦のラインでしかないうえに二年間たんなるエンジニアしてたマリューにフルボッコ食らうようなザフト特殊部隊がジェガンの護衛つきに勝てるとおもってる時点でお前のがよっぽど希望的観測だろ(笑)

運びだせばとか(笑)馬鹿にもほどがある
95通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 22:13:39.86 ID:???
787氏乙カレー
内容がシリアスだっただけにアッガイがすげー浮いてらwww
96通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 22:15:43.94 ID:???
>>90
MHDは電磁誘導推進だからべつにミノ粉膜形成するユニットじゃないど

ゲシュマイもミラコロ粒子を機体に固着させたり、ビームサーベルに形成したりする磁場形成技術から生まれたとてれつるから
機体周辺磁場形成して水流の乱れを押さえるんじゃないの?
97通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 22:53:53.09 ID:???
いやなぜ女性パイロットにアッガイが人気なのかわからんwww
98通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 22:59:58.64 ID:???
だってアッガイって両腕両足なくしたらシルエットがチンコじゃん?
99通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:09:07.90 ID:???
それ言ったらカプールなんてローターそのままだよw
100通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:13:52.84 ID:???
アッガイって何気にカッコイイよな
101通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:17:16.21 ID:???
カレン機の頭部を破壊した凶悪なMSですが何か?
102通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:18:20.61 ID:???
おお、フレイが前話で動きが無いと思ったらキラを助けてたか。
しかし、ステラはさすがに無理か。ただ、原作よりフォウに近い感じだったな。
103通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:19:13.43 ID:???
ハマーン様が乗るともう最強。
ZZより強いんじゃね?と思った。
104通常の名無しさんの3倍:2011/02/21(月) 23:50:46.28 ID:???
>>97
実はベアッガイ
105通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 00:14:54.67 ID:???
それでも強い、強すぎる
106通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 00:32:00.68 ID:???
GJ!
107787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/22(火) 00:55:42.70 ID:???
また自分で誤字ハケーンorz
おかしいな・・めからあったかいものがたれてくるよ・・
>>82
無く暇を与えられることはなかった → 泣く暇を与えられることはなかった
です、サーセン
108通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 01:27:02.98 ID:???
し、しかしクロス物もずいぶん作られまた読んできたけど、
CEにおいては大抵オーパーツにして反則的に強い異世界製機動兵器が
ほぼ全て悪玉側ばかりで運用されてるというのも珍しいよね。
もはや仮にサザビーを完全復活させたとしても追いつかないレベルだろうし
ミネルバ隊というかギル政権の勝ち目が絶望的に想像できない…
109通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 08:12:42.18 ID:???
一度見た作品だと「異世界の機動兵器の方がいいからイラネ」とダガーが量産され無かったり、主役級のMSも開発されずクロス先の機体ばかりになったのがあったな
110通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 10:09:50.91 ID:???
綺麗汚い問わず、キラが窮地=戦死が多い中、キラが助かって安堵する日が来ることになるとは……
111通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 11:05:09.75 ID:???
助かってて……これどう見てもカーウァイ・ラウみたいに無茶苦茶な改造されてまう展開としか……
112通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 11:38:52.51 ID:???
>>109
種の時なら
ストライカーパックとフォルテストラに技術投入で105ダガー(実質スローターダガー)やデュエルダガーの底上げ
マスドラは壊れたけど13部隊はミノ粉環境下仕様で無事
そんなクロスオーバー出来るのにもったいないな
113通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 12:31:51.11 ID:???
Iフィールド搭載機に対抗するにはサイコミュ兵器で内側から攻撃するか貫通力重視のヴェスバーを使うしかないな。
114通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 12:34:18.85 ID:???
>>113
Iフィールドにヴェスバーって通用すんのか?
鋼鉄7人での右手左手戦でも、フィールドの張られてない背中狙ってたし。

結局ジェネレータの出力勝負かな
115427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 14:06:38.32 ID:???
ども、久々にオフですの427です。オフと言っても本業に従事しようと思っています。
けれどもその前に、後半部分を投下しようかと思いやってきました。
最後の部分を書いているので、これから飯を食べ、順調なら三時を目標に投下しようかと思います。

まずそうならば夜にでも投下します。では後ほど。
116通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 14:26:27.84 ID:???
ktkr!
全裸待機開始!
117787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/22(火) 14:28:19.21 ID:???
お待ちしております、雪中全裸で!
118通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 14:34:25.98 ID:???
サラリーシーフ、スタンバイ
119通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 14:44:35.57 ID:???
フラゲ失敗したから悔しいので焼き鳥買って来た。
鳥皮とねぎまは塩、豚串とつくねはタレ
120通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 14:46:05.48 ID:???
>>119
誤爆…orz
121427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:03:45.29 ID:???
カレーだけじゃ何だと料理していたら、時間がかかり終わりができていないorz
ともかく宣言はしました手前、できているところまで投下しますね。

(後編)※※※

施設に突入すると、その入り口にあるフロアは静寂に包まれていた。
我々は直ちに待ち伏せを警戒する。そのことを少年兵は率直に尋ねる。

「待ち伏せされているのでしょうか?」

私の代わりにレーンが、シンのメットを叩いて言う。

「そうだよ、おまえもメット越しに殺気くらい感じろ」
「いてっ」

頭をさするシンを見て笑みを浮かべつつ、ヴィーコ大尉に問う。

「何人いると思うか?」
「おそらく、ここでできるだけ持ちこたえたいでしょうからね。アムロ中佐がエターナルから得た情報をまとめると、20人くらいはいると思いますが」

こちらと概ね同じか。だが、この後詰めの先にラクス・クラインの救援に向かった連中が30人いる。
さらにラクスの護衛やフラガ少佐にキラもその先にいる。何とか合流する必要しなければならないが、ミノフスキー粒子で連絡を付けることは絶望的である。
また、ザフトが一体どれくらいの歩兵を突入させていたかも解らない。ここで手間取るわけにはいかないだろう。
122427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:07:23.92 ID:???
「時間がない、ここはMSにフロアを吹っ飛ばせさせよう。シン、オター1に伝令しろ。
攻撃するタイミングはこちらから指示を出す」
「はいっ」

敬礼すると、シンが外へと駆け出す。

「艦長、我々はどうします?」
「ぞろぞろと出ていってもばれるだけだ。二手に分かれて、そこの遮蔽物で待機しよう」

フロアの入り口には、受付の他に応接や歓談に使われるテーブルが、バリケードにされていた。おそらくダコスタも最初はここで迎撃させていたのだろう。
銃痕も目立つ。まずはヴィーコ大尉と2分隊を左手のバリケードに向かわせる。

「バリケードへの移動を支援する。1分隊、make ready!!!」

一斉に重火器の金属音が生じる。私はヴィーコ大尉に頷く。彼も一度頷くと2分隊にハンド・シグナルを示す。部下たちが頷いたところで、大尉は親指を立てた。

「よし、行け!!!」

大尉らが警戒しながら、左手のバリケードへと歩き出す。先頭集団がバリケードまで到着したところで、2階の踊り場から伏せていたザフト兵が攻撃してきた。

「牽制しろ!!!」

各艦から再編された、新生第1分隊が支援射撃をする。向こうからの迎撃を見るに、正面に5人、左右に10人というところか。
こちらが相手の配置を把握する一方で、こちらもその攻撃を防ぐべく牽制する。
前回と異なり、こちらの陸戦部隊は白兵専用のノーマル・スーツを装備している。
もちろん無敵というわけでもないが、生身よりかは安全である。実際、最初の射撃でひるんだガル二等兵に命中したがダメージはないようだ。
彼をクレイル二等兵が強引に引っ張り、バリケードへと避難させる。

続けて我々も右手のバリケードへと向かう。殆ど同様の行動で移動が完了した。先ほどの配置を見ても、簡単には突破することは難しい。
時間がないので気の毒だが、MSで無力化するしかない。

それにしても、いったいここは何の研究施設なのだろうか。
作戦前の資料を読む限りでは、せいぜいコーディネーターに関する研究だろうとくらいにしか考えていなかったが、このバリケードを見て妙な疑問が生じている。
つまり、一般の施設であれば、ここまでテーブルに防弾できるほどの強度など必要されない。想像していたよりも重要な施設だったのかもしれない。
考えてみれば、周辺が荒廃しながら何故この施設だけ機能がまだ生きているのも不思議な話だ。そう考えはしたが、根拠もなく何か考えても仕方ない。
ともあれ、目前の相手をしなければと頭を振る。
123427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:09:53.00 ID:???
しばらく互いに牽制の銃撃を続けていると、入り口からシンが有線の通信機を投げてきた。

「ブライト艦長、オター1から射撃ポイントの指示を都のことです!!」

私が先のポイントを指示すると、フロアの吹き抜けからバルカンの斉射が行われる。
バリケードに隠れていても、ものすごい衝撃である。全く対人兵器としては恐怖そのものだな。こちらも、そして引き金を引く味方もいい気分ではないことはわかりきっている事だ。
けれども味方の命がかかっている。悪く思わないでくれ。

斉射後に見渡すと、寂れたフロアは廃墟と化している。ヴィーコ大尉は先任曹長と数名を先に進ませる。全くリアクションがない。
生きていても戦闘に耐えられる状況にはないだろう。本来であれば、確認などをすべきであるが、ここは先にキラたちの確保を優先することにした。

「よし、突入するぞ!!!」

※※※

狭い通路を進むと、どちらに属しているか不明であったが、ザフト兵の遺体が横たわっていた。さすがに目の前に倒れる遺体は敬意を払って扱う。
それは人として守るべきの最後の尊厳であろう。あとで、バルカン斉射で倒した兵も弔わなければな。
実際のところ酸素のある場では衛生上の問題もあるが、心情としては偽善としても払った方がマシだろう。
シンが、何番目かの遺体の損傷に耐えられなくなり嘔吐する。それを見てクワトロ大尉が諭す。

「見ておくといい、戦争とはこういうものだ。宇宙で戦争しようと、目の前で殺し会えばこうもなる。君もこうなるという覚悟で、その銃を握らなければならない」

一通りはき出したシンが、青い顔で大尉を見上げる。

「はい・・・」
「そして、忘れるな。人を殺めるという行為の業というものを、君にはマシーンになってほしくない」

アムロ・レイは、そういうシャアの表情をじっと無言で見つめる。レーンも意外そうな表情を作って大尉を見た。端から見れば、私も同様だったろう。
彼はどこか解脱したような雰囲気を醸す時がある。それが今後の我々にとって希望なのか、判断することはできなかった。
124427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:12:28.45 ID:???
※※※

回廊を抜け、しばらく進むと前方の階段を確認していたプール先任曹長が叫ぶ。

「艦長!!階段したから銃声です!!!」

慎重に階段を下りてその先に進み、十字路の先より音は大きくなってきた。十字路の先を慎重に確認すると、地下に向かうハッチの周辺で銃撃戦が行われていた。
どうやら、ラクス達が包囲されているが、さらにその後ろから救援部隊が到着したというところだろう。
目の前にいるのが味方かどうか、念のために、遮蔽からクワトロ大尉が声を掛ける。彼は向こうに解りやすい名前で述べたので、妙な名乗りになった。

「私はロンデニオン共和国軍ロンド・ベル、シャア・アズナブル大佐だ。かつて、シーゲル・クライン前議長のところで世話になっている。そちらはクライン派の部隊か!?」

数名の兵士が銃を構えて振り向くが、兵士の1人が仲間を押さえて応答する。

「自分は、ヘルベルト・フォン・ラインハルトです!!お察しの通り、クライン派であります。ロンド・ベルには先ほどよりご助力感謝します」

エターナル陸戦隊と合流すると、そのフロアの向こうでダコスタが指揮していることが確認できた。
けれどもキラとフラガ少佐がいない。さらに気になることに、クルーゼの姿も確認できなった。

私はこの場をヴィーコ大尉とクワトロ大尉に任せ、アムロとレーン、ヤマト中尉、シンそしてクレイル一等兵とガル二等兵、ウォルフ二等兵を率いて戻ることにした。
ラインハルトによると、ラクスを追撃した連中はここにいるのが全てだという。残りは戦闘で互いに消耗したそうだ。ならば、クルーゼの動向が気になるというものだ。

先ほどのエターナル兵士に渡された、この施設の地図を確認しながら戻る。一体どこにいるのだろうか。
ふと先ほど通過した回廊の窓の向こうより、照明が点灯するのが見える。

「ブライト、あれだろうな。この状況で他に人がいるわけもない」
「そうだな、ガル、クワトロ大尉に伝言頼む。ラクスを確保した後こちらに来るようにとな」
「Ay sir!!!!!!」

ガルは直ちに来た道を戻っていく。私は残りの連中を見渡して頷く。

「よし!!いくぞ!!!!」
125通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 15:14:25.36 ID:???
支援
126通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 15:17:11.30 ID:???
>>119
ねぎまはタレだろ支援
127通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 15:18:51.91 ID:???
>>126
ちびっこ先生支援
128427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:22:09.44 ID:???
※※※

我々が照明のついた部屋に入ると、血痕を確認した。誰かが負傷している可能性があるな。
私が嫌な予感に苛まれていると、レーンが声を上げる。

「こいつは・・・なんです?」

声の方を振り向くと、何か筒状の機械が大きな部屋に並べられている。
そして、機械の上には、何か胎児の情報らしき画像が浮かんでいる。
一体何だろうか。しかし、詮索している暇はない。

「調べるのは後にしよう。ともかく、先を急ぐ必要がありそうだ。見てくれ、これを見る限り、誰かが負傷しているようだ」
「そうだな」

アムロが同意する。シンも辺りを見回す。

「先に行く道はどこにあるのでしょうか」

そこにハルマ氏が声を上げる。

「司令!!!銃声です!!!この階段の下からです!!!!!」
「中尉!!!わかった全員で行く、そこで待っていてくれ!!!」
「・・・ッ!!!どうやらクルーゼにキラたちが追い詰められているようです!!!先行します!!!」
「待て中尉ッ!!!くそっ!!全員続け!!!」

我々は急ぎ彼の後を追って階段をと下へと降りていく。
129427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 15:31:58.54 ID:???
※※※

階段でハルマ中尉に追い付き、彼にきつく自重を求める。父親としての気持ちはわかるが、無茶はして欲しくない。
改めて階段を降りると、甲高い声が聞こえてきた。忘れもしない、ラウ・ル・クルーゼである。

「私にはあるのだよ!!!!!!!!!!宇宙でただ1人、人類の全てを裁く権利がなぁ!!!!!」
「ふざけるな!!!バカヤロー!!!!!」

フラガ少佐の声に、多少のつらさが聞き取れる。負傷しているのは彼なのか。そこにクルーゼが再び発言する。

「覚えていないかな?ムゥ、私と君は遠い過去、まだ戦場で出会う前に一度だけ会ったことがある。」
「何だと?」

どういうことだ。我々もようやく到着し、援護のタイミングを計る。だが、私にはクルーゼの独白をもう少し聞きたくなってきた。

「フフフ、私は己の死すら金で買えると思った思い上がりの愚か者、貴様の父、アルダ・フラガの出来損ないのクローンなんだからな!!!」

何だと。フラガ少佐だけではない、キラやアムロ、私たち全員が絶句する。しかし、フラガ少佐はすぐに頭を振り、怒鳴り返す。

「親父のクローンだと!?そんな御伽噺、誰が信じるか!!!」
「私も信じたくはないがな!!!だが残念ながら事実でね!!!!そもそも、御伽噺と言えば、君達の方がよほどファンタジーだろう!!!
大富豪の家に生まれながらも没落し、軍人として成功を収めた貴様!
キラ君は最高のコーディネーターとして人工子宮から作られた!!そのうえパラレルワールドからきた連中と仲良しこよしで建国までしている!!!!!
おかげで、どれだけこちらの計画が狂わされたと思っている!!!!」

キラ・ヤマトの出自にそんな事情があったのか。驚きを隠せない一方で、彼の発言が引っかかる。計画とは何だ。やはり彼がプラントの件で動いていたのか。
130通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 15:35:54.29 ID:???
>>そもそも、御伽噺と言えば、君達の方がよほどファンタジーだろう!
>> そのうえパラレルワールドからきた連中と仲良しこよしで建国までしている!

ですよねーWW
131通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 15:56:23.36 ID:???
猿?
支援
132通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:09:05.88 ID:???
なんだなんだ?
支援
133427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:10:48.00 ID:???
どうやらモデムの電源が取れかかり切断状態になってしまっていたようです。では続きを。

「特に最悪だったのは、こないだの来訪だ!!!わざわざ焚きつけた議長閣下が現実路線を採用しようとされたのだからな!!!!
私はこの憎たらしい世界を破壊したいのだよ!!!!それをご丁寧に関係修復になど来るとは、心底困ったよ!!!
本来ならば君らをあの時に始末できればよかったのだが・・・、認めよう。君らは予想以上の存在だったよ!だが、修正はできた!!
君達の頑張りすぎが、この世界を滅ぼすのだ!!悪意だけではなく、善意すら人を滅ぼすと知るがいい!!!」

まさか、こいつは個人的な感情だけで、政府の中枢で戦争を焚きつけたのか。
利害や主義主張でもなく、単なる破壊衝動でこんな事をしてきたのか。唖然とする我々の中でフラガ少佐が言い返す。

「せこいこと言っているんじゃねー!!!テメーのそのCockなひがみ根性でメチャクチャされてたまるかよ!」

クルーゼはその言葉の何かに触れたのか激昂する。

「おまえはいいさ、元々あったものを失ったのだから!!!キラ君は羨ましいよ、人工的に作られ、悲劇的な存在でありながら、偽りの家庭とはいえ、失うものもなく育ったのだから!!!
だが私はどうだ!!!失うものがはなから無い私が、どうやって世界を愛せと言うのだ!!!!!!!」

彼の主張には大儀もクソもない。その言い様はアムロとレーンの瞳に怒りが宿る。
いや、彼だけではない、今私と共にいるもの全てが、あの男の言い回しに明確な怒りを覚えていた。
134通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:13:00.87 ID:???
支援

これって録音されてたらまずくね?変態仮面が
135427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:14:47.17 ID:???
「だが、私は計画を修正できた。間もなく最後の扉は開き、人類は自らの業で滅びるだろう!!!!
欲望に塗れた人類に裁きの鉄槌が下る!!!私がその扉開くのだ!!!その前に、貴様だけはこの手で殺して・・・」
「・・・ムゥさぁん!!!」

キラが飛び出し、何かの破片を拾い投げつける。

「そんなことさせるもんか!!!!」
「フン!!」

だが、わずかにそれ、キラは体勢を崩してしまう。クルーゼがキラに銃を向ける。
いくらコーディネーターといえど、あの体勢ではまずい。私が支援射撃を指示する前に、ハルマ氏がその間に飛び出した。
少年の目が大きく見開かれる。

「父さん!!!!」
「ぐっ!」

彼も白兵用のノーマル・スーツを来ていたおかげで、拳銃は彼に肉体的な衝撃を与えるに留めた。キラが駆け寄る。

「父さん!!!」
「中尉!!!くたばれ仮面野郎!!!!」
「このぉ!!!」
「うむぅ!!!」

レーンがクルーゼに向けて発砲する。
さらに、キラと同じように足下にあった破片をシンが投げつけると、仮面に命中した。結果として彼の素顔があらわになる、フラガ少佐は今度こそ呆然とする。

「・・・親父・・・」
「ムゥ!!!死にたいのか!!!」

アムロが体当たりするように抱きつき、少佐を押し倒す。クルーゼは、一瞬、憎しみの感情を濁流のようにあふれ出させる。少なくとも、私にさえ、ほの暗い感情を読み取れた。
レーンに続けて、クレイルや私が我に戻って発砲する。クローンを自称する男は顔を隠すように遮蔽物へと隠れた。我々はハルマ氏の状態を確認する。

「大丈夫か?」
「ええ、さすが白兵専用ですね」
「ウォルフ?」
「打撲にくらいにはなりますよ。ですが、命に別状はありません。むしろフラガ少佐の方がよほど重傷です。とにかく止血しますよ!!!」

ハルマ氏の手当には対して時間を割かず、フラガ少佐の傷を見る。クルーゼが出てこないこともあり、奇妙な間が空く。状況を確認すると、キラがいつも以上に呆然として、父親に近寄る。
136427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:18:52.02 ID:???
「父さんは、僕の父じゃないって・・・それに 僕は実験が・・・」

明らかに精神状態がまずい。父親は、そんな彼の肩に優しく手を置いた。

「キラ・・・。いつかは話そうと思っていた。こういう形になるとは思わなかったがな。だがよく聞いてくれ。家族とは、血が繋がっていなくてもなる事は出来る。
父さんと母さんに血の繋がりはないだろう。親子だからといって、血が繋がっていなくとも、相手への思いと絆があれば、家族だ。
少なくとも私はそうして、おまえに接してきた。キラ、おまえは私の息子だ!!!何も後ろめたく思う事はない!!!」
「・・・父さん」
「キラ、確かにおまえが私たちの実の子どもではない。だが、それがどうした。今伝えた思いに嘘はない。そして出自に他の人とは違うものがあったことも事実だ。
だが、それがどうしたというのだ!それが人生を豊かに過ごしてはいけないという事の理由にはならない!!あの男の言うことはただのひがみにしか過ぎないッ!」

私は場違いにも、彼が父親としての責任を果たしていることに羨望とわずかな嫉妬を覚える。だが、私以上に嫉妬に苛まれる男が叫んだ。

「美しいドラマを見せてくれてありがとう。最も貴様が彼を生き残らせた罪は万死に値するがね!!!!」
「貴様が、人類に恨みを持とうが知った事か!!!私が息子を守ることは、そんな理屈と何の関係もない!!!!」

そのとき、大地全体が大きく揺れた。おそらくラー・カイラムが外壁を攻撃したのだろう。私は体勢を立て直すと、彼に勧告する。

「観念しろ!!!ラウ・ル・クルーゼ!!!もう増援も来ない、投降しろ!!!」

その場にいた全員が遮蔽物へ銃を構える。
137427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:21:09.41 ID:???
「冗談ではない!!!私が何も考えないでここに来たと思うのか!!!ここは私にとっても故郷なのだ。ある程度の勝手は知っている!!!」
「何だと!?」
「耳を貸すな!!!奴のブラフだ!!!」

しかし、この状況においてもそういえる根拠があるのか。
我々は徐々に遮蔽物へと接近する。クルーゼの独白は過熱していく。

「だが、君達異世界人であっても体勢というものは変えることは出来まい?
フフッ、人間というものは、いつまで経ってもおもちゃを手放せないからな!!」

何を言っているのだ。この男は。

「それに貴様たちには今時大戦で死んだ人間を考えれば、この憎しみの渦をどうにもできまい!
とんでもないイレギュラーだったが、最早時計の針は戻らん!!!
君達との対話は非常に楽しかったよ!!私の思いを知る人がこうも多くなると興奮してくる!!!だが、時間が来たようだ!!!」

対話と言うより独演じゃないか。突っ込みを入れようとも思ったが、その直後、部屋全体が揺れ、天井が崩れてくる。

「うお!!!」
「いかん、崩落する!!全員下がるんだ!!!」

崩れた天井から、デュエルガンダムが着陸してきた。何という無茶をする。

「隊長!!!ご無事ですか!!!連絡を受け取り参りました!!!」
「イザークか!!助かったよ!!!」
「アデス艦長から伝言です。もう無理であると!!!」
「よろしい、残念だが作戦は失敗だ!!撤退するとしよう!!」
「はっ!!」

クルーゼは、そう叫ぶとデュエルガンダムへと走り出す。

「逃がすかよ!!」

レーンが発砲するのを見て、シンも怒りにまかせてライフルを構える。

「おまえが・・・おまえが、そんな自分勝手な考えで戦争を始めたせいで、父さんや母さんわぁ!!!!!」

2人の突撃に私は怒鳴る。

「待て!!!無理はするな!!!」
138通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:23:18.58 ID:???
支援だ、とにかく支援するんだ
139427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:23:19.35 ID:???
腕に乗るクルーゼが、指示を出す。

「斉射しろ!!!」
「はっ!!」

いかん、これではシンが撃たれる。私は思わず走り出し、シンに体当たりする。二度と子どもを失うわけにはいかん。

「艦長!?」
「ブライト!!!!」

顔を上げると、デュエルがにわかに、射撃体勢に入る。そしてクルーゼが、歓喜の笑みを浮かべていた。しかし、そこに上空の攻撃が降り注いできた。
デュエルはそれをシールドで防ぐ。最もそのシールドはかなりのダメージを受けその機能を失う。おそらくオター小隊だろう。

「イザーク、やむを得ん。後退しろ!!」
「了解しました!!ロンド・ベルが開けた穴から出ます!!!隊長もコクピットへ!!」

そういうと、デュエルが急上昇して脱出する。そして、その余波で崩落が加速した。様々なものが落ちてくる。

「いかん!!全員階段まで下がれ!!!」

各々が階段目がけて走り出す。私はシンを立たせて走り出し、フラガ少佐はウォルフとクレイルが担がれ、アムロとレーンは落下物に留意しながら急ぐ。

その時である、私とシンの前を走るヤマト親子に大きな固まりが落下してきた。あれはまずい。誰かが注意を喚起して叫ぶ、それを理解した父親は何も言わずにキラを蹴飛ばした。
振り向き様に回避しようとするが、その崩落物はハルマ・ヤマトの左腕を背後から押しつぶした。

「ぐわぁっ!!!」

全員が言葉を失う。そして、その落下物を最後に崩落は静まった。
140427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:28:21.82 ID:???
「なんてこった・・・」
「ウォルフ!!!!」

衛生兵が駆け寄り、負傷の状況を確認する。他の連中は、キラを除いた全員で崩落物をどかす。そして、彼の怪我が致命傷であることを誰もが理解した。

「父・・・さん・・・」
「はじめて・・・おまえに暴力を・・・ふるってしまったな」

ウォルフが懸命に止血している。

「喋らないで下さい!!!クソ!!!ルイス!!!メットを外してくれ!!」
「わかった!!」

ハルマ氏は急速に呼吸を荒くしていく。

「艦長!!!直ちにハサン先生のところへ!!!緊急手術が必要です!!!」
「わかった、直ちに引き揚げよう。レーン、クワトロ大尉に伝令頼む!」
「了解です!!」

そこに、クワトロ大尉がラクス・クラインを引き連れてやってきた。状況見て大尉だけでなく、ラクス・クラインも言葉を失う。

「これは・・・」
「話は後だ!!!脱出してラー・カイラムへ戻るぞ!!!!」

とにかく彼を助けなければならない。我々はラクス一行との会話もそこそこに、脱出の途についた。
141通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:36:10.83 ID:???
支援が足りない。少しだけ足りない
142427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:44:22.26 ID:???
※※※

我々が研究所を出ると、既に空の色に異変が現れていた。空気が流出しているからだろう。

「いそげ!!エターナルが出た穴から外に出るぞ!!君達もまずはランチに乗ってくれ!!入れない奴は外側に!!!」

各々がランチやMSに乗り込む。また、ザフト兵の一部は、ランチの外部にとりつく。

「よし、発進させろ!!!オター小隊は本機を直掩し、アムロたちは先行して宙域を確保するんだ!!」

私の命令は速やかに実行に移され、各自行動に移る。我々の乗るランチは、上昇すると直ちに流出する気流で大きく揺れ動く。
苦悶するハルマ氏の応急手当をするウォルフが叫ぶ。

「誰か中尉を押さえるのを手伝って下さい!!!あまり動かすと危険です!!」
「・・・私がやります!!」

ラクスがキラの父親をしっかりと支えようとする。
それを見たダコスタや他の兵士も彼を揺らさないよう固定した。もちろんキラも、そしてシンも協力する。

「もう少しで、外に出ます!それまでは踏ん張って下さい!!!」

プール曹長が叫ぶ。そこにがくんと、機体が揺れ、体に浮遊感が生じた。宇宙空間へと出たのである。
周辺に戦闘の影はない。そしてラー・カイラムとエターナルを確認できた。

「早く通信回線を開け!!向こうからも来てもらうんだ!」

ラー・カイラムに繋がるとメランが、こちらの用件も聞かずに報告してきた。

「ご無事でよかった!!!艦長!!!EEFの第3艦隊が到着しました。ザフトは撤退していきます!!!
ただ、艦隊が作戦計画より多いのです。確認下さい!」
「作戦計画に記されている艦艇数よりもはるかに多い?どういう事だ!?」

ラー・カイラムからの情報がパネルに表示され、60隻以上の大艦隊が整然と艦列を並べ進軍してきている。
不可思議ではあったが、まずはそれよりもハルマ氏の手当である。私はメランにその旨伝え、急ぎラー・カイラムへとランチを向けさせる。
それまでに戦況の確認をするが、ガルシア艦隊は壊滅しつつあり、各コロニーの制圧も完了しつつある。作戦は成功だな。
143427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 16:47:03.34 ID:???
ようやくラー・カイラムに着艦しようとしたとき、再びメランから通信が入る。

「艦長!!!第3艦隊からです。先方が至急連絡したいそうです!」
「わかった。回線を繋いでくれ。大尉!!着艦したら直ちにハルマ氏を搬送させろ!」
「了解!」

気無いが慌ただしく動く中、シンが叫ぶ。

「回線来ました!」
「わかった」

画面には、精悍な顔をしたアジア系の男が映った。

「EEF第3艦隊司令本多総一郎です。よろしく」
「ロンデニオン共和国軍、ロンド・ベル司令のブライト・ノアです。慌ただしくて申し訳ない」

互いに敬礼し合う。

「いえ、こちらこそ、遅れて申し訳ない。しかしながら、事情がありましてね。それをご説明したく連絡いたしました」

続けて、彼の口からは驚くべき発言が飛び出したのである。

「実は、計画に変更がありましてね。
当初の作戦に加え、我々は大西洋連邦軍宇宙艦隊と合同し、ジェラード・ガルシア少将を捕縛するように指示を受けている。協力願いたい」

一体今度は何が起きたんだ。私は目まぐるしい事態の変遷に思考が追い付かなくなっていた。

第31話「少年の真実」end.

「あたしはキラが好きっ!」 

第32話「憎悪と愛情」
144通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:49:01.00 ID:???

これフレイ合流フラグか?
145通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 16:51:27.16 ID:???
乙です

>あたしはキラが好きっ!
そういえば、ナデシコの天然ボケ艦長と声が同じだったなw
146427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 17:03:26.59 ID:???
酒の勢いで書いた。実は目標にしていた50スレに間に合わなかったことを反省している。

ご無沙汰しています。思えばだいぶお待たせしてしまいました。全く申し訳なく思っています。
また、温かく迎えてくれた紳士の皆様には感謝に堪えません。
この半年間は某上条さんと同じくらい不幸だと叫びたい状況でした。
もちろん、上条さんみたいにフラグなどありませんがね('A`)

さていつものコーナーです。

新キャラ
ロンド・ベル
テッド・ジル二等兵 第1分隊

ザフト
ヘルベルト・フォン・ラインハルト クライン派 SEED.D

拡大ユーラシア連邦軍
本多総一郎中将 元東アジア共和国軍 連合軍第5艦隊司令 →EEF第3艦隊司令

さて、次回ですが本業とか、3月にイタリアに調査旅行に行く事になったので、毎度の事ながら何とも言えません。
私もテンションあがりましたが、UCの新作やGジェネの新作など見ながらお待ち頂ければと思います。

ではまた。
147通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:14:46.65 ID:???
乙です!

Gジェネやりながら待ってます!
148通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:18:47.94 ID:???
おつおつですた〜
>>145
それだと「キラはあたしが好きっ!」になるなw
149通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:22:59.30 ID:???
大西洋連邦宇宙艦隊と合同?一体何が、ロクでもないことになってなければいいけれど……
イタリアですか、それもまた旨い酒がありそうですなぁ。お気をつけて。
150通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:23:27.46 ID:???
>>148
一応最終話のラストシーンでやっと自分から、好きだといってるよ。
151通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:25:11.02 ID:???
>>150
それ「私はアキトが大好き!」で……まぁいいやww
152通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:30:36.58 ID:???
ラインハルトって誰かと思ったら、ドム三人組のメガネか

153通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:31:59.05 ID:???
>>151
空気読めずにスマン orz

最終回間近で次回はお嬢様な桑島声のキャラが告白となると
どうしてもあのキャラ思い出すんだ。

しかし二人がより戻ったら、ラクスが暴走しそうだけどまあいいかw
154通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:38:11.99 ID:???
> 「だが、私は計画を修正できた。間もなく最後の扉は開き、人類は自らの業で滅びるだろう!!
これはフレイのNJCかな?
155通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:45:09.23 ID:???
ところで、『大西洋連邦と合同してガルシアを捕縛』ってことは
やはりクルーゼに唆されての独断専行だったんだろうなぁ……
156通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 17:49:23.39 ID:???
ガルシアは尻尾切りで見捨てられた可能性は?カナードはよくて特務隊Xで離脱か、悪くて捕縛かな

大西洋側で多少なりとも内部変革が起こったか、ジブリールの排斥が起こったかのどっちかだろう
つかこれでNJCも本編通りには流れなくなったぽいな。アレだけはそのままだと思ったのに。
157通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 18:49:48.60 ID:???
>>153
正史ラクスED以外はフレイが生存し、カガリが正史ルートでしかルージュに乗れない(カガリEDのサブパイ以外は政治家)同人ゲーのED後のEX「キラ争奪戦」思い出した。
アスラン戦死ルートだとフレイ(ルージュ・ノワール)VSラクス(最大強化フリーダム)のガチバトルをキラがジンで止めて、フレイ&ラクス「で、どっち?(ゴゴゴゴゴゴ…)」で終わる
ちなみにアスラン生存ルートだとカガリまで加わり「一番の障害はオマエダ!!」と1対30のアスランハード
158通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 19:05:13.63 ID:???
>>157
フレイ「キラとアスランが話してると会話に入らないのよ!」
ラクス「私達がどれだけ涙を呑んだか思い知りなさい!」

こんなの夢小説であったな
よりによってヤキン戦前のこれは魔乳やミリ×ディアな告白タイム!なシーンの〆がアスランでグダグダギャグになりこれは無いと思った。
159通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 19:13:01.89 ID:???
>>157
なにそれ?気になるw
160通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 19:27:38.38 ID:???
のんべえ氏がせっかく投下したのに関係ない話するバカなんなの?

のんべえ先生お疲れさまでした
ご自愛を・・・
161通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 19:32:19.63 ID:???
一行目だけ余計だな。
162通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 19:43:32.36 ID:???
このスレに紳士などいない・・・
163通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:00:49.23 ID:???
またお前か、
投下があったのがそんなに悔しいかカス
164通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:03:13.90 ID:???
>>160
なんかもう、のんべえ氏に無駄なプレッシャーかけて、
のんべえ氏をつぶそうと思っているようにしか見えなくなってきた。
165通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:10:48.04 ID:???
GJッス
何かにとり憑かれるように280均一の鶏料理屋に入ったけど、鳥皮は塩が美味かったッス
166通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:13:13.96 ID:???
別にのんべえ氏を潰したいわけじゃなだろ
ただの自治厨
167通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:18:22.37 ID:???
大西洋連邦も過激派から手を切ったのかな。
それにしちゃ、正規軍のドミニオンの行動が分からんな
168通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:31:21.68 ID:???
クロススレはいくつかあるけど、ここの住民が一番なっていない
特に自治厨の声が一番でかいって時点で、もうね・・・
169通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:34:59.76 ID:???
その自治厨をスルー出来ない奴も問題だ。
170通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:38:05.22 ID:???
のんべえ氏GJです
どの作品もそうだがどうも「ラクス」が出ると言うだけで身構えてしまうww
続きも楽しみにしてます
171通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:39:30.56 ID:???
>>158
恋愛要素が強い
172通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:47:36.91 ID:???
ZZ見直して気が付いた

17話のハイメガ砲が廃棄コロニーに直撃するシーンって直撃した部分を機転に真っ二つなったような記憶があったんだけど
映像みなおしたら…オニール型コロニー全部が粉々に吹き飛んでて吹いた(笑)

大気のあるコロニーなら許容以上のダメージで気圧差をうけとめられなくて崩壊ってなるけど、大気の抜いたコロニーをバラバラに崩壊するってとんでもないな

173通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 20:51:59.21 ID:???
誤爆乙
174通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 21:07:04.54 ID:???
ラインハルトって読んで閣下!?って思った奴テヲアゲロ
175通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 21:11:00.14 ID:???
チェック・・・メイト。
176427 ◆ZSVROGNygE :2011/02/22(火) 21:55:00.46 ID:???
コメントの数々ありがとうございます。修正点です。また、大変遅れましたが787氏乙です。

修正点

@中心が終わると、オター1は急上昇し、オター5は降下して砲撃体制に移る。
→通信が終わると、オター1は急上昇し、オター5は降下して砲撃体制に移る。
A「やらせらないさ!!!」
→「やらせないさ!!!」

とりあえずこんなところかと、前回はうろ覚えなので、そのうちに。
また他の職人まとめサイトの方におかれては、お忙しいようですがご健勝をお祈りします。
そして紳士たる住人の皆様にも幸がありますように。ではまた。
177通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:01:32.97 ID:???
>>175
アイゼナッハ乙
178通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:07:42.25 ID:???
>.174
ギクッ
179通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:08:40.30 ID:???
>>174
閣下といえばストフリ
180通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:12:33.21 ID:???
そういえば昔Gジェねで市長を閣下と呼んでいてスゲー違和感があった。
閣下って大臣以上、将軍以上の呼称のイメージなんだよな。
181通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:19:07.92 ID:???
エアーズ市の市長なら退役将校だし、あれはシンパのヨイショ的ナニカだから変じゃないでそ
センチネルは我が青春

>ラインハルト
獅子帝かなぁやっぱり
182通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:20:27.38 ID:???
あぁ、以前の役職繋がりで閣下と呼んでいたのか。
それなら納得。
183通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:31:43.68 ID:???
なんか今回、関係ない話するばっかでまともな感想少ないなあ
それだけ離れてる人多いのかね
184通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:38:38.75 ID:???
内容ぶつ切りだったもんで…

クルーゼ「俺かわいそう」キラ「僕って、何」
キラパパ「我が息子!」
ブライトさん「ハサ…」
一同「ふざけんなクルーゼ!、ヌッコロヌ」
という流れなんでその、
185通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:43:10.82 ID:???
>>183
そういうおまいは感想書いたの?
186通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 22:58:58.04 ID:???
元々この話(45話相当)は回想シーンとか戦闘シーンがないとこんなもんじゃないか
・・・つか原作だと45話に相当するところまで来ていたのかw
187通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:02:44.43 ID:???
>>176
お疲れ様です。
今回もいいところで終わりましたねw
次回予告を見ますとなんかフラグが幾つも立ちそうですね!
次回も楽しみにしています。
イタリアにお出かけなさるとのこと、本場のキャンティを飲みながら、プロシュートを摘んでるのを想像しましたw
お早いお帰りをお待ちしてますw
188通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:04:21.25 ID:???
クルーゼの修正ってNJC以外にも他に何かやらかしたのかな
189通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:22:59.70 ID:???
>>187
そろえているから縦読みか何かと思ってしまったw
45話の回想といえば、以後繰り返されるコーディ死亡シーン集の先駆けだったな
190通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:35:10.89 ID:???
>>そもそも、御伽噺と言えば、君達の方がよほどファンタジーだろう!

クルーゼも大変だ
そりゃイレギュラーにもほどあがる(笑)
ものすごいバタフライ効果おこしたしな
抑制剤じゃなくて胃痛で胃薬のんでそうだ
191通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:40:50.69 ID:???
乙です
次回はフレイが登場してくれるんでしょうか?はたまた、メアリー曹長再登場の機会は訪れるのでしょうか?

>>121
>さらにラクスの護衛やフラガ少佐にキラもその先にいる。何とか合流する必要しなければならないが、ミノフスキー粒子で連絡を付けることは絶望的である。
消し忘れでしょうか?(俺の場合普段のカキコでこれ良くやるんよね)
何とか合流しなければならないが、

>>137
>「だが、君達異世界人であっても体勢というものは変えることは出来まい?
大勢っすかね?


こんなに早く続きが読めるとは思っていなかったので出遅れた
192通常の名無しさんの3倍:2011/02/22(火) 23:41:51.11 ID:???
投下乙でした
しかし大西洋も分裂か
やはりクルーゼがジブ公と組んでジェノサイドを図るのだろうか
193通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 00:01:22.03 ID:???
遅ればせながら飲兵衛氏乙です。
キラパパ死亡フラグ折りまくっててこのままいくのかと思ったら…やっぱりこうなるか。
そういえば今回は父親絡みの部分が多い話だった。
しかし改めてみるとクルーゼの自己中っぷりがひどい…
194通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 00:14:56.09 ID:???
ガルシア閣下は変態仮面とつながってたのがばれたんだな
195通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 00:26:40.92 ID:???
ガルシアとクルーゼがなんで繋がってんだ?
196通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 00:29:29.82 ID:???
そもそも繋がっているのか?捕虜の引き渡しぞんざいだったぞ
197通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 00:32:17.16 ID:???
そもそもガルシアが今回の戦闘に介入する意図自体が分からん。

ドミニオンいる以上正規軍との繋がりはあるんだろうが
198通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 02:41:28.96 ID:???
クルーゼはラクス一党を助けた件で和平論封殺でパトリック火病化出来れば
後はジェネシスで地球を潰したら天帝でプラントのミラー壊して回ればいいやレベルの思考なんだろう
ただ、大西洋側の意図が全くわからない

流石にこの段でクルーゼのどうしてこうなったダンスは無いだろうがw
199通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 02:51:07.46 ID:???
大西洋がなんかキナ臭い情勢なのも
クルーゼがジブと裏でなんかやったんじゃないか

「オモチャ」発言を考えるに
ダイダロス基地のアレが…は流石にまだ早いか
200通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 03:02:11.70 ID:???
>>192-196
以前ゴルゴ13で、南アフリカの白人至上主義者と黒人ゲリラ最強硬派とが
人種間の共存を拒否するというある意味盲点な共通点のもとに一時手を組んで
マンデラ政権を倒そうとする話があったのを思い出すな。
201通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 10:04:33.15 ID:???
>>200
そういえば、そういう話あったね
あれ読んだときはそういう考えもあるのかとある意味感心したがw

まあもともとクルーゼってコーディじゃないわけだし
信用させる事は出来なくもないか
202通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 11:01:00.70 ID:???
つかこれでロンドベル側にクルーゼの本音がバレたんだよな。

向こうはフレイのNJCで大西洋連邦がかましてくれると思ってたんだろうけど
それもこんかいの動きを見る限りあまり功を奏しているとは言い難いな。

逆にプラント大使館に報告されたらさいたま乗る前にクルーゼやばそうだな
203通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 11:02:08.76 ID:???
おもちゃ云々はNJCしかなくね?
204通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 11:15:16.87 ID:???
人類を絶滅する。ロンド・ベルと戦う。
両方やらなくちゃならないのが『悪役』のつらいところだな。
覚悟はいいか? オレはできてる。
205通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 11:28:15.46 ID:???
ザラパパが発狂せず、クルーゼの策が裏目だともうスパロボL版サトーとか極右とユニウス落としするしか手がないな
206通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 11:35:14.22 ID:???
憎しみの渦は強行派との繋がりなんだろうけど、ザラパパはどーだろ
プラント来訪の一件でまた疑心暗鬼に陥ってそうじゃね
207通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 12:21:23.60 ID:???
というかザラパパに関しては
現実路線に目を向けたとしても一時的だったんじゃないかな?
上手い事ロンド・ベルもしくはその技術を取り込んでから改めて戦争開始とか

ただそれだとクルーゼは自分の生きてる間に人類滅ぼせなくなるかもしれんから焦ったと
208通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 13:27:53.94 ID:???
クルーゼプラン

鈴訪問の一件で身動き取れないので、取り合えずガルシアに今回のEEFの作戦を漏らす。
亡命したガルシア手柄ほしいので飛びつく
ラクス討伐とのタイミングを見計らってNJC持たせたフレイ大西洋連邦側に返す
核兵器復活した大西洋側暴走

こんな感じか?
209787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:17:52.99 ID:???
飲兵衛先生、投下乙でありました!
そしてみなさんこんにちは、787です。これから30分後を目途に24話を投下します。
今回もまたオリ解釈や展開がありますので、気に食わぬ方はあぼんorスループリーズ!
210787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:41:46.96 ID:???
ではいきます

〜旧ドイツ首都・ベルリン

辺り一面が一本の草もない焦土と化したベルリンに、
ZAFTのみならず周囲の無事だった地域・街から、救援物資や、
ボランティアで救難活動に参加する人々が集まってきていた。
よくよく見ると、ZAFT軍人と地域の大人達が、
MSを駆使し協力して瓦礫を持ち上げ、中にいたはずの人の名を呼び、
共に協力して活動に当たる姿は、後にあるべき時代の姿を現しているように見える。
わが子の名を叫びながら、瓦礫に抱きつき離れようとしない母親。
自分を放り出し瓦礫に潰された父の血を、呆然と見つめる少年。
冷たくなり動かない弟を抱き、死んだことを受け入れず話しかけ続ける幼い姉。
彼だけ遠出していたのだろう……、家族全員の名を叫びながらフラフラと歩き回る青年。
二機の怪物によって焼き尽くされ、破壊の大盤振る舞いが行われたかつての大都市は、
悲惨という言葉すら当てはめられないほどの状況になっていた。
その惨状の中、焼け野原になったかつての大公園の真ん中にミネルバは巨体を休めている。
ミネルバのハンガーは先ほどの戦闘で負ったMSの修復でてんやわんや。
また戦場で散乱した味方の残骸が、ジャンク屋のハイエナ共に回収される前に回収すべく、
ミネルバに積載されていたトラックも何台か出ては戻ったりしており、外とあまり喧噪は変わっていない。
アスラン・ザラ、レイ・ザ・バレルらミネルバのパイロット達は、
復旧作業の合間を縫って、ベルリンのある一画へ足を運んでいた。
連合のMA‘デストロイ’が自爆した跡が残る、クレーターの中と、
アスランの友人であり、短い間であれ言葉を交わした青年、
キラ・ヤマトがアスランとシンを身を挺して守った箇所に。
その二箇所に土を持って墓所とし、木材で組んだ簡単な十字架を立てた。
ここに入るべき遺体は、もう残っていない。
墓前には、残っていたフリーダムとデストロイの装甲の欠片と、一人一人が一本ずつ選んできた、
イチョウ・紫のオダマキ・オミナエシ・スノーフレーク・キンセンカ等の花を置く。
鎮魂・勝利への決意・約束を守る・穢れ無き心・別れの悲しみ。
それぞれが皆の心の中にある彼、彼女への思いや誓いの全てが込められている。
ステラ・ルーシェの墓へはレイが、キラの墓にはアスランが代表として花を添え、
それを最後に二人は泣くことはなかった。
「戻りましょう……」
キラの墓前で立ち上がったアスランが隊長、シャア・アズナブルに言う。
言葉にはかつての頼りなげな部分が無く、
父パトリックのように言葉に重みが加わって、迫力が増した。
親友の死によって、彼の中で何かが確実に変わっていた。
「ミネルバはそろそろ、ベルリンでの役目を終えます。
 ジブラルタルへの帰投命令が出るまでは時間の問題でしょう」
アスランの予想は、当たった。ミネルバへ彼らが到着し数十分で、
トラックらがディン、バビの残骸を回収し帰艦。
連絡のとぎれたミネルバへジブラルタルから、
直接命令書を携えたディンが着艦したのは約二時間後のことであった。
スティーブンズを初めとする地上部隊がそのまま、
ベルリン駐留軍として復興作業に当たる事となり、
ミネルバは巨体を浮かせて、船首を南西へと向けた。
211787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:42:38.53 ID:???
そして、ミネルバがフランス南部アキテーヌ地域圏へ差し掛かり、
ピレネー山脈を望む中、ミネルバのブリッジで、
「艦長、東アジア共和国が全世界へ向けて声明を!」
メイリン・ホークが驚きに目を見開いて、艦長タリア・グラディスへ報告する。
ブリッジのクルーは驚愕し彼女を振り返り、
タリアは彼女にそれを艦内モニター全てに映すよう命じた。
メイリンが回線を艦内大型モニターに接続し、
レクルームやハンガー、ロッカールーム、個室のモニタ全てに、
東アジアの紋章をバックに、今どきの政治家と言うより、
古の覇者とも称すべき威圧感を放つ、黒髪の男が立つ。
『この放送をご覧の、世界に住まう方々全てに申し上げたい。
 私は、東アジア共和国大統領、ツァオ・フェンであります』
(やっと、密林から猛虎が出てきたか)
ジブラルタルの執務室にいる男や、太平洋の島国の男女。
宇宙の要塞でモニタを眺める二人の男女が、奇妙なことに考えることが一致していた。
『地球連合各国と、プラントとの戦闘状態が解決せぬまま、
 不躾な声明をお送りすることをお許し願いたい。
 各国政府による情報統制により、今だ知らぬ方々がいると承知の上で語りたいのです』
そして、モニタに映し出されたのは、‘デストロイ’であった。
ミネルバクルー、特にパイロット達の息が、少しの間止まる。
ベルリンの映像では、なかった。
ワルシャワとプラハの伝統ある町並みが、
デストロイの手で焼き尽くされていく映像が流される。
『昨日、欧州東側から欧州中央部にかけ、
‘大西洋連邦’の新型巨大兵器が侵攻したことは、皆重々承知の事と思います。
 宣戦布告や降伏勧告も無く、あっても受け付けず、はねつけ、
 各都市を軍人のみならず、民衆ごと焼き尽くしていきました』
ワルシャワやプラハで今なお続く救助活動と、泣きわめく人々の映像、
そして、ぼかした上で凄惨な死体の映る現場等を次々と映していく。
『この巨大兵器はベルリンにまで食指を伸ばしたとの事ですが、
 聡明なるギルバート・デュランダル議長らの指示の下、
 勇敢なZAFT軍の精鋭達がこれを撃破したとの情報が入っています』
ここに至って、レクルームにいたシャアとハイネは気づいた。
クィン・マンサのバックにいるであろうラクス・クラインが、
なぜああも大量のミノフスキー粒子をばらまいたのか。
ミノフスキー粒子の影響下ではデジタル式のカメラの撮影に影響が出て、
デジカメだと思えないくらい写りが悪い時がある。
恐らく、クィン・マンサを撮影したであろう電子機器には、十中八九悪い影響が出ているはず。
アンダーグラウンドでフィルムやビデオカメラの映像が出回る頃には事態は進展しきっているはずだ。
そして、民衆が次第に冷静になりつつある時に、
“ZAFTでも連合でもない別の勢力が、「悪魔の兵器」を破壊した”
という認識に切り替わるように。
呆然となった二人を余所に、モニタに映るツァオは続けた。
『今回の惨劇を起こしたのは地球の国家であるはずの大西洋連邦であり、
 被害を被ったのは同じ地球の人間であります。
 この時大西洋連邦は何と言ったか、皆さんはご存じか?
‘ZAFTの高圧的支配からの地域の開放’と宣ったのです!』
212787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:43:19.43 ID:???
いつ、彼らが高圧的にヨーロッパの民衆に接した?
開放するにせよ、もっと別の方法だってあったはずでは?
そう画面の向こうで投げかけるツァオの言葉に、
周囲のクルー達がどんどん引き込まれて行く。
シャア、ハイネ、アスラン達あの場にいたパイロットだけが、
何とか“ツァオの領域”に踏み込まず、一歩外に立っていられた。
『ZAFTの軍人達が開戦から今まで何をしてきたかを、良く思い出して頂きたい。
 我々も無論、その中に入っているのでありましょうが、
 連合国からの分離・自治独立を目指す地域や国、無意味な戦いから手を引いて、
 平和に暮らしたい人々に、彼らはずっと手をさしのべ続けてきた。
 一部のコーディネイターによって引き起こされた、
 ブレイク・ザ・ワールドで悪名を着せられながらも!』
次に映ったのは、主に東アジアとオーブのメディアが撮影した映像である。
連合の悪行を罵り、ZAFTを賞賛する内容が殆どであった。
画面がツァオに戻ったとき、彼は顔を俯かせ、
演説台に顔を下げ身体を震わせていた。まるで、怒りに震えているかのように。
『我々は、かの災害の被害が少ないことを良いことに、
 ZAFTとの戦闘へも参加せず、傍観を決め込んで参りました。
 しかし私はここに至って、コレは罪以外の何者でもないと、確信したのであります!
 我々は、傍観し続けた我々自身を許さない!
 大西洋の暴虐を止めようともしなかった、第二の強国ユーラシア連邦を許さない!
 そして、平和を求める同胞に『裏切り者』のレッテルを貼り付けた、大西洋連邦を、決して許しはしない!
 私は、この場に置いて『世界安全保障条約』を破棄し、
 大西洋連邦並びにユーラシア連邦へ、宣戦布告することをここに宣言します!』
メディアによるフラッシュの嵐の中、ツァオ・フェンが壇上から降り、
東アジア共和国の放送は終わりを告げた。ミネルバ艦内は、
船の後方のエンジンの音がハッキリと壁を通して聞こえるほどに、
皆が凍り付き、語る言葉を失っていた。
地球連合内において、第三の強国にして東洋最大最強の国家が、
公然と地球連合第一と第二の国家に牙をむいたのである。
これにオーブが賛同していて、水面下で事がすでに起きているなどと、
この時は誰も想像していなかった。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第24話


〜大西洋連邦・旧ハワイ州・オアフ島

真珠湾。旧世紀、日本軍によって奇襲攻撃を受けた事で知られるこの地は、
現在もなお、大西洋連邦軍・太平洋艦隊の駐屯地として活用されている。
そして今また、一本のビームによって、
かつての真珠湾攻撃を彷彿とさせる光景が繰り広げられようとしていた。
以前と違うのは、そこにMSの姿があることと、
攻めてきたのが日本人に限っていないという所であろうか。
213787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:44:16.49 ID:???
「くそ、くそ、くそ! 何なんだ、何なんだよ、あれはぁ!?」
基地防衛隊のストライク装備のダガーLが、岩陰に隠れ、
海岸線に横たわっている鉄くずへと目をやった。
それは先程まで共に、敵の来るはずが無い暇な海岸線警備の任にあったダガーの残骸だった。
海中から発射された一本のビームが、その胴体を焼き尽くし一つの命を易々と奪ったのである。
ダガーのパイロットは、恐怖に震えた。
こんな僻地で戦略的意味合いがもう無くなっているはずの島に、何故敵が来る?
なんで、基地のソナーで感知できなかった!?
入り乱れる思考の中で、彼は必死になって海の中へと目をこらす。
太陽の光のせいでよく見えない。彼は一歩だけ、岩場から足を踏み出し、
……彼のダガーを、背後から大きなクローが貫いていた。

これは、ツァオの宣戦布告からわずか5秒後の出来事である。

真珠湾全体が、サイレンのけたたましい音に包まれ、
ハンガーから次々とウィンダムとダガーが出撃していく。
彼らにストライカーを装備している暇は無く、
早朝訓練に出ていた部隊しか装備していないという有様であった。
彼らにとって不幸だったのは、訓練の行われている地点が、
すでに敵性アンノウンに襲われているという点だ。
「くそ、あり得ねぇ、なんて早さだ! あんな、寸胴型の癖に……」
ウィンダムのパイロットが、アンノウン達の常識はずれの機動性に圧倒され、一歩一歩後ずさる。
アグニの砲塔からくり出されるビームの奔流が、悉くかわされる。
それも、ZAFT系水陸MSの特徴である動きの鈍さなど微塵もなく、
全身のスラスターで高い機動性を発揮しながら、
クローと、ミサイルと、腕部ビーム砲で次々と仲間を屠ってゆく。
ソード装備のダガーが、腕の長いタイプに斬りかかった。
シュベルトゲベールと呼称される対艦用兵装が、アンノウンを切り裂かんとしたが、
実体剣部を腕ではじき、胴をクローで貫く。
そして、とうとうウィンダムの後ろに音もなくグレーの水陸MSが姿を見せる。
アッシュとグーンを足し、よりマッシブにすればこうなるだろうか?
そうおもわせる外観を持つ其奴が、腕部を背に押し当て、ビームを発射した。

※※※※※※※

ツァオの宣言から一時間後。
速度を上げたミネルバがジブラルタル基地のドックに入ったとき、
基地内モニタで続いていたニュースが、速報を流し始めた。
プラントでは知られたキャスターは、渡された一枚の紙に目を通し、
驚愕に目を見開いて、しばらくの間声を出せずにいたが、
『…………!? し、失礼いたしました。
 た、ただいま入った情報に寄りますと。
 ハワイの大西洋連邦軍・太平洋艦隊基地が、
 東アジア・オーブ連合軍によって陥落したとの事です。繰り返します……』
キャスターが全てを言い終える前に、ジブラルタル基地はどよめきに包まれた。
ここまで早く、言ったことの斜め上を行くとはと、皆が驚きを隠せない。
そんな中で、手に持っていた飲み物の缶を取り落とした青年が、一人いた。
シン・アスカである。
214787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:45:02.70 ID:???
彼の後ろにいたアスランも、取り落としはしなかったものの、眼はかっと見開いていた。
二人が反応したのは他でもなく、たった一つの単語。
「今、『オーブ』って……?」
「ああ、確かに言った。
 オーブはすでに東アジアと結託していたか……」
「何で……! 何でアンタはそう落ち着いていられるんだ!」
アスランが思いの外冷静に言い切ったので、
シンは頭に血が上り、彼の胸倉を掴み挙げていた。
シンの異常に気づいたルナマリアとレイが止めに入り、ノエミがアスランを引きはなす。
「オーブが、また外に仕掛けたって事じゃないか!
 ニュースじゃ、アスハに非難の声が挙がってすらいないって」
「そういうことなら、そういうことだ、シン。
 オーブの国民も大西洋連邦に反感はあったろうし、
 より強い国として世界に名乗り出るためと納得した上で、決めたんだろう」
アスランも内心、カガリとユウナの二人が、
ギリギリの路線で梶を切っていることに危機感は感じている。
しかし、ツァオ・フェンの一件によって、
大西洋連邦とユーラシア連邦の影響力が落ち始めているのも事実。
大国から大国へ、オーブという小国が生き残るにはああする他無いのだ。
「オーブの人間達が苦悩の末出した決断で、狼狽える訳にはいかんさ。
 それに俺たちには基地司令部から、
 速やかにとの追伸付きで出頭命令が出ているんだぞ?」
アスランはそう言って、ミネルバ近くに停車していた軍のハンヴィーに飛び乗る。
シンは渋々と彼の隣に座り、レイ、ルナ、ノエミが続く。
ジブラルタル基地は、綺麗な基地であった。
掃除が行き届いているとかそう言うわけではない。
右側にそびえるザ・ロックと、左に見える海と、太陽の光が入り交じり、
人工物の間を走っていることを、しばらくの間忘れさせてくれる。
しかし、時間が経つにつれて……、
「ねぇ、基地司令部って、中央管制塔の近くだよね?」
「そのはずだが?」
「じゃあ、さっき通り過ぎたあそこは何?」
ノエミが、レイに聞いた。
彼女の言うとおり、基地司令部が置かれているのは、
まさしく彼らが通り過ぎた建物の中であり、
自分たちが全く違う方向、さらに先のハンガーブロックへ向かっている事である。
「間違いはありませんよ。
 司令部は皆さんを12番区へお連れしろと……」
運転手が、不審に思っていたノエミ達に言い、彼らは不思議に思いながらも口をつぐむ。
12番区と言えば、基地内で最も奥にありかつ最も大きなハンガーの集合区域ではないか。
そう思いながら、彼らの乗る車が、厳重な検問の間を通過して行く。

……ますます、変だ。

何故、軍の中でさらにこうして層を作るように検問を行う必要が?
この先に一体何があると言うのだろうか?

215787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:46:11.92 ID:???
その12番区の入り口で、四人の男女がすでに顔を合わせていた。
「あなた自らが紹介されるおつもりですか、議長」
「そう厳しく言わないでくれたまえ、シャア隊長。
 それにハイネも、隊長職から外してしまったとはいえ、
 楽しくやっているようで安心したよ」
「いえ。弟や妹が増えたと思えば、楽しい所ですよミネルバは」
「ねぇ、アスランはぁ?」
シャア、ハイネ、そしてデュランダルとミーア・キャンベルが、
ここへ来るであろう少年達を待っていた。
デュランダルは、シャアがミーアに対し警戒心を抱いていることに、
無視できぬ疑問を感じていたが、それが軽微なものであることに少し安心していた。
ブルルルとエンジンの音が聞こえ、彼らがその方向へと目をやると、
二台のハンヴィーに送られたシン達が、ちょうど降り立つ所であった。
「失礼いたします! アスラン・ザラ以下、ミネルバMSパイロットをお連れいたしました!」
「うむ、ご苦労だった。君は持ち場へ戻り休んでいると良い」
デュランダルは運転してきた兵二名をねぎらい、
「到着早々呼び出して済まないね」
「いえ、お気になさらず。
 不躾ではありますが、ご用件とは?」
サッと横一列に並び敬礼する中、アスランは答える。
ずしりと、デュランダルやミーアの心底にのしかかってくる響きがあり、
デュランダルは、少しの間で彼に何が起こったのか、すこし気になった。
ミーアはと言うと、一段と立派になったアスランに見惚れ、
ポーッとなって彼の顔を見つめている。そして、彼の下に近づいて行く。
ふと、ピリリとした感覚が彼女を襲う。何事かと列を見れば、
それがシン・アスカとレイ・ザ・バレルの二人から発せられていると知った。
二人は、彼女を射殺さんばかりの眼をしており、彼女は訳がわからずオロオロとし始めた。
「……!? ああ、そうだ。
 君たちをここへ呼んだのは他でもない、
『ここ』の中を見てもらおうと思ってね。こっちだ」
ソレを察したデュランダルは、パイロット達を連れてハンガーへと入っていった。
薄暗く広々とした空間の中は、少し肌寒く、
足場を歩く各々の足音が響き渡り、何とも不気味な音色を作り出している。
二列で進む中、ミーアはアスランの腕にべったりとひっつき、
アスランは何故彼女がこうも震えているのかがわからずにいた。
だんだん、暗さに目が慣れてきて、広いハンガーは円形状に作られていて、
取り囲むようにMSが居並んでいることに気づく。
影だけを見ても、従来のMSより一回り意大きく作られていた。
ちょうど真ん中にあたる場所にコンソールがあり、
その前に立ったデュランダルは、大きな赤いスイッチを押し込んだ。
「これは……!」
パッとライトが点いた瞬間、シャアとハイネを除いて、
全員が目の前に広がる光景に度肝を抜かれた。
「「MS? これが…!?」」
シンとレイが同時に声を上げた。
目の前に立っているMS群は、ベルリンで遭遇した緑の怪物のように、
自分たちの知る『MS』というカテゴリに入れるべきかどうか定かでない、そう言う代物だった。
216787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:47:56.36 ID:???
「これらが、今度からミネルバで運用される新しい機体。
 どれもが、従来のMSとは別次元のものとなるだろう」
別次元と言うところに少し含ませた言い方をしたデュランダルは、
「左端から、名称だけ言おう。
 Gタイプは、『デスティニー』と『レジェンド』……シン、レイ。君たちの機体だ」
デュランダルは一機一機指し示しながら説明していく。
デスティニーは、ヴォワチュール・リュミエールと呼ばれる新たな駆動システムを採用し、
ムーバブル・フレームと間接部のコーティングによって、機動性が格段に向上。
戦闘面に於いては、インパルスの特性を引き継いだ後継機とも言える。
レジェンドは、前大戦で猛威を振るった『プロヴィデンス』の正当な後継機であり、
デスティニーと同じ駆動系にコーティングを施し、
ドラグーンのパーツに新機軸のパーツを盛り込んだらしい。
それは後のお楽しみだと、デュランダルは微笑して、ギラ・ドーガへ移る。
「このギラ・ドーガは、ザクやグフの到達点とも言うべきMSだ……。
 これには、ハイネ、ルナマリア、ノエミ君等に乗ってもらう」
出力、機動性、火力、追従性。全てにおいて高い水準でバランスを保つ化け物。
デュランダルはギラ・ドーガをそう称する。
表現に難があるように思えるが、シャアは何も言わず、彼の後ろ姿を見、
右の方に見える赤い機体へもチラリと目をやった。
「さぁ、いよいよとりだ」
彼はそう言って最後の二機、赤い巨体を誇るMSへと一同の目を向けさせる。
(久しぶりだな……)
シャアは、一方の機体を見上げ郷愁に近いものを感じる。
数ヶ月前までコレに乗り、地球を亡ぼそうとしていた。
それが、何年も前のことのように思える。
「デスティニー・レジェンド。そしてこの二機こそ、
 今後のZAFTを牽引するフラッグ・シップとなるだろう。
『サザビー』……そして、『シナンジュ』。シャアとアスランに乗ってもらうものだ」
色のせいだろうか?
最後に議長が挙げた二機のMSの存在感は、
威圧感・存在感を伴ってシン達の眼に入ってくる。
サザビーは従来のMSより一回り大きいデスティニーやギラ・ドーガよりも、
さらに一回り大きい体躯を持ち、威圧感はこの中で最も大きかった。
全身に設けられた小型スラスターと、大型のビームライフル。
肩にあるドラグーンらしき武器と、腹部のジェネレータ直結式のビームカノン。
武装は奇抜なものよりシンプルなものを純粋に強化したものが多いようだ。
シナンジュは、そのサザビーをよりスマート・スタイリッシュに仕立てたような印象がある。
サザビーがオールレンジ攻撃可能なタイプだとして、シナンジュはソレを廃した替わり、
サザビー以上に機動性へ力を割り振っていると見受けられる。
武装も至ってシンプルで、ビームライフル・サーベル・バルカン・シールドの神器が四つ。
そしてシールド裏にはグレネードと、サーベル以上の威力を持ったアックスを搭載。
それらを、呆然となってシン達は眺めており、
横顔を見て満足そうに頷いたデュランダルの後ろに、
事務官が近づいて耳打ちする。
「……うむ、来賓室で会う事にしよう。
 大使にはそこで待っていてもらってくれ、私もすぐに行く。
 各々、機体についての説明は基地の担当員に聞いておいてくれたまえ」
217787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:49:06.48 ID:???
そう言って去るデュランダルを、パイロット達は敬礼し見送っていたが、
半分以上が半ば無意識のうちにそれをやってのけており、
デュランダルが去るのを見るや、各自自分にあてられた機体の下へダッシュしていった。

「え!? コクピットなのか、これが!?」

シナンジュのコクピットハッチを開いたアスランが、叫ぶ。
シンも、レイも、ルナも、ノエミも、同じようにハッチの前で固まっていた。
中にあるコクピットは、自分たちが知るそれとは大きく異なり、
球状の空間の中に、シートが浮かんでいる。
そう言う印象を与える構造になっていた。
「『全天周囲モニター・リニアシート』と、我々は呼んでます。
 パイロットにかかるGも軽減され、
 戦闘時の状況確認もしやすくなっているはずです」
アスランは、半信半疑で球体の中へ入って行く。
座り心地はともかくとして、想像以上に中は広々としていて、
従来と変わっていないのはスラスター用の足のパネルくらいだろうか。
操縦桿も、レールに固定されていた従来のタイプに手を加え、
手首でもう一段階複雑に動かせるように作られている。
「『アームレイカー』という新設計の操縦桿だそうです。
 気に入らなければそこだけ元の操縦桿に戻せますが?」
「いや、使ってみないことにどうこう言えないよ。どれ……」
試みとして、アスランは整備用の機動スイッチを入れる。
エンジンに灯が入り、ディスプレイ部が下からせり上がる。
真ん中がメインのマルチディスプレイで、
右には、他機の型式番号が映っていることから通信装置だろう。
左がには、壁が映っているところから見るに、後方警戒用のモニターだ。
そして、ただの壁であった周囲のモニターに映像が映し出されて行き……、
「うわぁ……」
アスランは感嘆の声を上げた。右に連綿と居並ぶMS達はおろか、
先程まで自分たちが立っていたキャットウォーク、
見下ろせばMSの足下とメカニックマン達までくっきりと見える。
上を見上げても天井が見えるし、まるで自分が宙に浮いているかのような気分になった。
余韻に浸りながら一度アスランはコクピットから出てみると、
向こうのデスティニーやレジェンド、ギラ・ドーガでも、
彼らが自分と同じ事をやっているのを見て苦笑する。
ここしばらくは皆でシミュレータづけの日々だな……。
そんな事を考えながら、アスランは彼らの所へ向かっていった。

だが彼は知らなかった。
最初のシミュレータ訓練で、シャア以外全員が、
全天周囲モニターの『映像酔い』で胃の中身を戻す事になるなどと…………。

218787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 14:50:10.59 ID:???
一方、当のシャアはコクピットの使い心地が依然と変わらないことに安心しつつ、
先程デュランダルが言った『新機軸』という言葉が、
U.C.の技術を指しているのだと察しを付ける。
皆の興奮度合いから見るに、ギラ・ドーガ以外も全天周囲モニター式になっているのだろうし、
間接にはマグネット・コーティングを施し、ムーバブル・フレームを採用しているはず。
気になったのは、デスティニーとレジェンドだ。
……色が最初から付いていたのである。
「君、一つ聞くが、あのデスティニーとレジェンドというMSには、PS装甲を採用していないのだな」
「ええ。装甲材にはチタン系の新しい素材を使っています。
 ギラ・ドーガやこのサザビーほどの硬度はありませんが、軽さならほぼ同等です」
少し前まで、この若い技師は本国でずっとネオ・ジオン系MSの解析に携わっていた人間らしい。
シャアの事もあらかじめ聞いていたそうで、先程から二人の会話は小さめの声で行われている。
そして、彼は、言いにくそうな表情になる。
「どうした?」
「あ、その、ですね。 違うのはそこだけでなく、
 アクシズ追跡時に回収した戦艦、そこで発見したパーツも使っているんです」
嫌な予感しかしない。
今のシャアの心境を一言で現すなら、こうなる。
「サザビーのコクピットブロックに使用されているのと、 全く同じ素材が発見されたのです。
 人の精神波を感知・増幅する装置が、粒子レベルで金属に封じられている奴です。
 それが、相当数出てきまして……」
シャアは一瞬目の前がふらつき、シートに身をもたげ、
おでこに手を当てて、デュランダルの悪戯小僧めいた表情が目に浮かぶようであった。
「それを、双方並びにシナンジュのコクピットブロックに埋め込み、スラスター制御等に回線を繋ぎました。
 結果として、三機の追従性は当初の数値を大幅に上回る結果を叩き出しています。、
 レジェンドのドラグーンシステムも、あのフレームを基準にしたものへと仕様を変更しています」
用は量子通信で行われるはずのドラグーンを、
ファンネルと同じ脳波制御にした上で、通信方法までもそちらに近づけたということか。
そう結論づけたシャアは、ふぅと一息つく。
その『サイコフレーム』はサザビーの予備品だったのだろうか、
レウルーラやムサカ級の格納庫に眠っていた代物が、今になって使われるとは……。
因果めいたものを感じながら、シャアは此方へ向かって走ってくる少年達へと目を向ける。

アムロの時のように、サイコフレームが彼らに人の心の光、
人の可能性を見せてくれることを、切に願っていた。

219787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 15:00:19.02 ID:???

※※※※※※※

〜旧ロシア・ウラジーミル州

青年は重い瞼を開け、目の前に広がる白い空間に一瞬戸惑った。
「知らない天井だ……」
病室のようであった。
微かに残る薬品の臭いと、隣の棚におかれた花の香り、
そして、仄かに漂ってくるオレンジの香り。
ゆっくりと身を起こし、まず視界に入ったのは、
自分の寝ていたベッドの皺と、隣にあるもう一台のベッド。
オレンジの香りはそこから漂っているようだった。
それにしても、
「何で僕、こんな所にいるんだっけ?」
全くと言っていいほど、思い出せない。
断片的にではあるが、ヘリオポリスのカレッジ、ストライク、アークエンジェル。
一つ一つのワードが、朧気に出てくるくらいだ。
デュエル、バスター、ブリッツ、イージス。
「……あぁ……あ……」
その段階で、頭の中に鮮明に浮かんでくる映像があった。
《お前がニコルを! ニコルを殺したぁぁ!!》
猛攻を仕掛けてくるイージスと、あの男の声。
そして、傷つくストライクと、イージスの盾が飛ぶシーン。
「…ト、トール……」
大粒の涙がボロボロと頬をしたたり落ちる。
《今まで、守ってくれてありがと》
あの時、宇宙で守れなかった小さな少女も頭に浮かぶ。
ため込んでいたものをはき出すように、青年はむせび泣き、
ベッドの上を苦しみと悲しみのあまりのたうつ。
心の中にどす黒い蛇がとぐろを巻き始めているのを、彼は感じ始めていた。
平穏な学生生活を壊し、戦争に巻き込み、
あの少女の命を奪い、果ては親友の命をも奪われた。
その時に必ずそこにいた、かつて親友と呼んだ男の名を、
グラグラと煮立つ心境の中、彼はひねり出す。
「ア…ス…ラン……ザラぁ!」
青年は思いっきり拳を握りしめ、ベッドを力任せに叩きつける。
鉄製のフレームがひしゃげ、鈍い音が部屋に響き渡った。
すると、その音に反応したのか隣のベッドの住人がうめき声を上げ、彼は其方に目をやった。
一瞬、青年の頭は思考という行為を止めていた。
長く伸びた美しい赤い髪の毛に、忘れようもないその横顔。
「フレ…イ…?」
自分の腕に巻き付いた点滴のチューブを引きちぎり、
彼はベッドから出て、彼女が横たわるベッドに近づく。
「……!? あぁ……」
彼女の顔をのぞき込んだとき、彼は愕然となった。
美しかった彼女の顔の右側は、痛ましい火傷の跡が広がっており、
心なしかその辺りの髪の毛も少し短かった。そして彼はまた思い出す。
220787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 15:03:29.07 ID:???
彼女の頬は温かかった。彼は、ポタポタと彼女の顔に自分の涙が落ちていることに気づき、
慌てて手でソレを拭うと、彼の手を掴む手が現れる。彼女の、手であった。
うっすらと目を開けて、彼の顔をジッと見つめる少女、フレイの顔は、
今まで彼が見たことのない、優しく慈愛に満ちた顔であった。
「キ…ラ…」
「フレイ!」
もう、限界だった。彼は流れる涙を止めようとせず、
彼女の胸に顔を埋め泣き叫び、彼女はそれを拒むことなく、
そっと青年=キラ・ヤマトの頭を抱きしめた。
そんなマジックミラー越しに映る男女の様子を、ジッと観察する人影が三つあった。
「こんなの趣味じゃねぇんだけどな……」
ネオ・ロアノークは思わずそう漏らしていた。
うら若い男女のささやかな幸せを、こうしてのぞき見るのは、
正直野暮な気がしてならない。
「仕方ありませんよ、大佐。
 あの青年に加えた‘調整’がうまくいったのか見なければなりませんし」
「と言うけどよ、お前はどうなんだ、大尉」
研究員の言葉を聞いたネオは、傍らに立つファブリスに向き直る。
彼も、ネオ同様苦い顔をしていた。
「気分良くはないですね。でも仕事ですから」
彼らが何のためにこんな事をしているのかというと、
ベルリンで回収したフリーダムのパイロットが、
元々は大西洋連邦のMSパイロットのコーディネイターだという事が先日判明。
上層部から、この『キラ・ヤマト』と呼ばれる青年を、
‘調整’するようにという命令が下ったのである。
具体的には、ZAFTに対する好意的な感情を全て抹消し、
連合パイロットとしての自覚を持たせただけなのだが。
「一体何やってるんだか、俺たち」
ステラは泣いてるかもなぁ、そう胸の中で呟くと、
ネオとファブリスは見ていられなくなり、部屋を後にした。


第24話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。当初のプロットからどんどん外れて行く(・ω・;`)ウゥ…
独自路線に入ってきた事でどんどん難しくなっていきますが、
頑張っていきたいと思います。ではまた今度お会いしましょう(・ω・)ノシ ソレデハ!

221通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 17:48:00.07 ID:???
この流れはストライク系列のフリーダムのフラグか?
222787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 17:51:56.54 ID:???
文章抜けてたorz
>>219>>220の間に

今さっき憎しみを込めて名を叫んだ男と共に戦った事。
剣山を背負ったようなMSと、『ラウ・ル・クルーゼ』という忌々しい名前。
彼の手に掛かって、彼女はこのような傷を負うことになってしまった。
青年は、震える手で彼女の顔に手を伸ばし、火傷の跡へ手を触れた。

を追記します。申し訳ない。
223通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 17:55:15.88 ID:???
投稿乙でした!
しかし「優秀な」コーディネータが映像酔いとは意外な弱点でしたねw
224通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 19:47:25.06 ID:???
GJ

ある意味予想通りといえばそうなんだが、キラはやっぱりゆりかご送りされたか……
その一方で、ギラ・ドーガが実戦投入できるようになったのは大きいな
225通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 19:49:39.41 ID:???
オオッついにミネルバ側にも宇宙世紀機体が…!
読む限りサザビーとシナンジュはオリジナルとほぼ同等と見受けられるし、
運命と伝説はそれぞれの皮を被った別のナニカ…ぶっちゃけν並のフレームに
各装甲&武装(しかも恐らくガンダリウム製)を着込んだバケモノという事に…?
ファースト水陸両用機の東アジア・オーブ連合、主にティターンズ機のPP、
第一次ネオジオン機のラクシズに対してやはりかなりのアドバンテージになって
巻き返しと行けるかな?
226通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 20:09:36.18 ID:???
誤字指摘ですが「関節」が「間接」になってますね。
227787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/02/23(水) 20:19:28.37 ID:???
>>226
ΣΣ(゚д゚lll) 発見しました。
>>216>>218
間接→関節です
ウワァアアアン!
228通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 20:35:00.89 ID:???
ハイネはギラドーガをオレンジにするのだろうか
229通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 20:42:49.78 ID:???
キラの乗機はストライクE+I.W.S.P.かな。
対艦刀部分を射撃兵装に変えれば、ほぼフリーダムと同じ使い勝手になるし。
230通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 20:53:38.71 ID:???
ストライクEもいい機体ですがやっぱ死を告げる黒き妖精に乗って欲しいかも・・
キラならNT−D常時発動でもいけるか?
231通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 21:17:35.86 ID:???
>>230
そりゃあ無理だろ(笑)
どうがんばっても、生物だと血流がG負けるポイントがある以上心肺能力以上のことはできんからな
それにあんまりGが高いと脳細胞がブチブチ逝っちまうと毛細血管が(笑)

強化のベースにしてもプルシリーズのがはるかにキツい遺伝子操作がされてて体の骨格構造と人間にはない臓器とかもってるからな…ナチュラルに紛れて生活できるコーディネイターでは素体としては弱い

一回の出撃でパイロットを使い捨てる
くらい強化やらないと常時NT-Dは無理だろ
232通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 21:21:07.09 ID:???
それって、バンシィの事?
いくらなんでもソレは無理だと思う。
常人が五分間しか耐えられない程の変態機動をするんだし…
233通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 22:25:48.28 ID:???
>>227
乙です!
ただ、確か全天周囲モニターって、画面酔いを防ぐために外の映像をダイレクトに映さずにCG加工したものを映すようになっていて
酔うことは殆どないとおもったのですが?
234通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 22:36:55.49 ID:???
>>233
酔わないようにCGに「できる」だけなんじゃなかったっけ?
最初からCGに出来るけど、鮮明にも出来たはず。
だとすればミネルバ組がアホの子みたいだがwww
235通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 22:48:33.27 ID:???
話かわるけど、のん兵衛氏の最新作読み返して思ったんだけど、最新作の予告であった台詞が作中にでてないんだけど?
236通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 22:50:59.41 ID:???
>>233
酔わないってことはないよ

酔いを誘発したり、リアルな映像映すとシートだけ空間に浮かんで見えるから戦闘時にパイロットが不安に駆られやすくなる。
それをふせぐためにパイロットにより任意選択できるようになってる。
237通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 23:06:02.37 ID:???
どちらにせよ、いきなり酔うというのは無理があるな。シャアもレクチャーをしないわけないし
238通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 23:21:12.19 ID:???
そこはまぁ、あれだ
コーディだから酔ったりしない!→やっぱり酔っちゃったよ・・・
みたいな所だろ。シャアも当たり前すぎて忘れてたとか
239通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 23:38:13.11 ID:???
体質的なものだし、レクチャーすれば酔わないってもんでもないだろ
240通常の名無しさんの3倍:2011/02/23(水) 23:58:26.51 ID:???
映像酔いはUCMS乗りの誰しも通る道なのかもしれないし
241通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 00:12:24.76 ID:???
三面モニターに近いタイプのものから球形タイプモニター+リニアシート

シートがモニターなかに浮いてる状態で、コクピットブロックの中でシートが動くから…
感覚的がちがうから機種転換訓練みたいなので慣らさないとくるんじゃね(笑)

242通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 00:21:01.45 ID:???
み、みとめたくないものだな、自分自身の若さゆえのあやま…おげぇぇぇえ〜。
243通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 00:36:17.64 ID:???
>>239
連邦宇宙軍は伝統的に上手な吐き方を教える事が重要らしい
酔うより吐くのに失敗するのが宇宙では危険らしい
244通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 00:39:58.53 ID:???
吐しゃ物が気管に詰まるとアウトだわな
245通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 00:48:42.22 ID:???
>>243
宇宙じゃ嘔吐物で窒息しかねないもんね…

宇宙で初めてシャワーつかった飛行士は入浴に40〜50分かかった上に…からだに付着した水は表面張力でまとわりいて窒息しかけたって話があるし…

ゲロにまとわりつかれて窒息死じゃ洒落にならんな
246通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 02:26:51.95 ID:???
はからずも御両所とも「きれいな本物キラに愛の手を(ノД`)・゜・。 」
状態になってるのが興味深い。
もっとも飲ん兵衛氏のは、ハルマ父さんが万一という事になってもまだ
本当の理解者や仲間が居てくれるが787氏のだと現状では全く救いが無い。
まさか鳴り物入りで出撃するだろうアスランinシナンジュもしくは他の誰かが、
「ZAFTに対する好意的な感情を全て抹消し」た状態の遠慮無しの強さを示す為に
初陣で撃墜とかないだろうな…
247通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 09:20:05.25 ID:???
俺たちでいう3Dテレビすげぇ、パネェ・・・オロロロオォェェ
って感じかw
248通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 20:27:08.52 ID:???
>>240
ハサ、クェス>全く問題ない上、二機撃墜
映像酔い、あるんだろうか?
249通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 20:48:17.94 ID:???
それはその2人が実は超絶凄かったというさりげない描写なのです
…とかな
250通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 20:56:30.54 ID:???
二人ともNTじゃないさ、シャングリラの奴らも映像酔いなしだったから微細でも酔わないんじゃね
251通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 21:33:48.72 ID:???
映像であるかないかにかかわらず、全天360
252通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 21:39:23.70 ID:???
途中で送っちまった…
全天360度見えてしまうリニアシートはさすがに
ゼロから慣れるまでは精神的に堪える面があるんじゃないか?
253通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 21:45:55.40 ID:???
というより、俺ら無敵のミネルバ隊。フルスペック描画でもへっちゃらさ!
っていきがって失敗した…ってオチじゃないの?
254通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 23:05:27.11 ID:???
クィンマンサに対抗するための幻肢痛の新型は何になるんだろう?
ガンダムmkX、ゼク・ツヴァイ、ゼク、バーザム、バーザム、バーザム辺りか
255通常の名無しさんの3倍:2011/02/24(木) 23:59:28.06 ID:???
その機体じゃ無理な気が…
センチネルならEX-Sガンダムの方が相性良いような?
Iフィールド持ちで高推力てファンネル振り切れそうな気がするし
256通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:00:39.78 ID:5CPVMOdw
バーザム党かよw
クインマンサと張り合うならサイコガンダムとかバウンドドッグあたりが必要じゃね?

・・・・・・金色相撲とかターンAやターンX・・・・・・
257通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:02:03.80 ID:???
クインマンサにバウンドドックで張り合えるのか?
258通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:04:32.51 ID:???
ターンシリーズとか下手したら波動エンジンのヤマトとも張り合えるんじゃないのか……
259通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:05:32.04 ID:???
>>257
ティターンズMSで他に使えそうなのあったっけ?
260通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:09:46.02 ID:???
デンドロビウムはどうだろう?
Iフィールド持ちでビーム対策はオッケー
マイクロミサイル全弾発射でファンネル対策(イボブルの鬼畜弾幕みたらあれをファンネルで迎撃は無理な気が…)
261通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 00:11:27.06 ID:???
ファンネルには散弾ミサイルで対抗(スタークジェガン的に
262>>260:2011/02/25(金) 00:12:13.07 ID:???
>>259とは関係ないよ。
263通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 01:06:09.37 ID:???
ミンチドリルで削るかか、ロケットパンチを装備して股座に撃つしかない
264通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 01:11:55.94 ID:???
主題歌のアレンジ版?かっけぇ!
板尾だからてっきりコント映画だと舐めてたが…本気でザボーガーやる気か?
265通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 01:15:03.70 ID:???
すまんスレどころか板間違えた
266通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 02:11:27.72 ID:???
ジェムズガン&ジャベリン「俺たちなら役に立ちますよ、猿わ……幻肢痛さん!」
267通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 02:42:00.26 ID:???
>>254
王李「そこまで言っておきながらなぜバージムと言えないんだ!」
268通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 04:27:53.30 ID:???
**月の発掘現場からν、胚ν、レプリカν、量産ν、遺産戦艦ガンドレイが発掘されました**
269通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 06:58:41.63 ID:???
そこはプランのみで終わった設定なのをいいことにHGUCのインスコでかましたHWSの発掘品をファブリスにだな(笑)

機体内装のフルサイコフレーム化、誘導可能なサイコミュ・グレネードだのIフィールドも検討されてたとか
やりたいほうだいつくしたから
実機つくってたら厨機まちがいない
270通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 09:12:13.44 ID:ydZvhptb
イタリアとかwwwめっちゃ良いっすねw俺も行きたいっすww

飲兵衛氏の今回の話し、めっちゃおもしろかったです。
キラパパは死ぬのだろうか?というか60隻もの大艦隊は何のために来たのか…
次回作が今からwktkしか止まりませんwww

では、次回作までお元気で!裸でずっと待ってますwww
271通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 12:43:34.79 ID:???
ロンデニオン経由で大使館員にクルーゼのこと話したら、急増してる胡散臭く思ってる連中はさすがに行動を起こすんじゃないか
272通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 14:50:51.47 ID:???
>君達の頑張りすぎが、この世界を滅ぼすのだ!!
>悪意だけではなく、善意すら人を滅ぼすと知るがいい!!!

この台詞が気になるんだよな
素直に考えるとブライト達が今まで取った行動
その中にはクルーゼにも利益になることがあったというふうに取れるんだが
273通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 14:57:22.99 ID:???
フレイ救出のことじゃね
274通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 14:58:14.01 ID:???
フレイはともかくナタルは何とかロンデニオンに引き抜けないもんかな。
つか次回予告からしていまフレイが戻って来ても修羅場の種にしかならん気が…
…待てよ、まさかNJCこそ巨大な囮の餌でそっちこそがクルーゼの本命でわ
275通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 17:44:44.94 ID:???
亀だが787氏乙!
787氏のキラとフレイが何に乗るのか地味に気になるな
ストフリ隠者は可能性薄いから本編に出た中で彼らが乗るなら
デルタプラスかジェガンか、胸が熱くなるな・・・・
276通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 20:47:24.41 ID:???
>>275
フラットとかウォドムだったり
277通常の名無しさんの3倍:2011/02/25(金) 22:20:21.05 ID:???
専用機もらえないハイネw相変わらずだなw色はもちろんオレンジだよね
キラとフレイは上にもあったけど
キラ→デンドロビウム
フレイ→ガーベラテトラがいいな
278通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 00:36:34.04 ID:???
最強もしくは最凶あるいは最恐カップルたり得るという観点から
一気にリグ・コンティオとゴトラタンなんてどうよ
279通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 01:28:38.43 ID:???
やめろ!そんなことをすればシュラク隊が全滅して、男達が血の涙を流す!この世の冬がくるぞ!
280通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 04:04:07.77 ID:???
>>277
キラがゴトラタンをフレイのアレの色に塗ろうとしてフレイ半殺しにされるわけですね(笑)
281通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 08:56:58.83 ID:???
コンティオとかコンマオとかいやらしい話はやめてください><
282通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 15:08:56.02 ID:???
ところで俺のカイラスギリーを見てくれ、こいつをどう思う?
283通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 15:20:39.70 ID:???
ジュンコさんに触らせた途端爆発するなんて早漏過ぎます
284通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 15:45:36.32 ID:6EIB9CHN
キラ>ユニコーン
ファブリス=アムロ>νガンダム
フレイ>?
キラのはアスランのシナンジュに合わせて
ファブリスは中の人に合わせて
285通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 16:27:39.43 ID:???
>>284
ファブリスはHWS仕様のために再生産されたフルサイコフレームのνだな

フレイはレッドゼータ(笑)
286通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 16:44:59.77 ID:???
>>282
ビッグキャノンとはよく言ったもんだが・・・
287通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 17:14:05.75 ID:???
フフヘハハハハハハ!!!
ビッグ・キャノンである!!!!!
288通常の名無しさんの3倍:2011/02/26(土) 19:22:27.85 ID:???
>>284
ユニコーンじゃなくてバンシィかもしれんだすな、キラの洗脳的に
289通常の名無しさんの3倍:2011/02/27(日) 09:28:20.23 ID:???
>>287
発掘された繭の中でコンボイ化してた御大将Xが787氏のCEを暴れまわる絵面が…(笑)

290通常の名無しさんの3倍:2011/02/27(日) 19:09:23.92 ID:???
test
291通常の名無しさんの3倍:2011/02/27(日) 20:50:40.14 ID:???
>>289
子安声のコンボイ出したらギャグにしかならないかららめぇぇぇ!w


玄田声の初代も大概アレだけどw
292通常の名無しさんの3倍:2011/02/27(日) 22:47:23.59 ID:???
ユニコまででてくるとちょっとおかしいかなって思う
293通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 01:37:47.81 ID:???
>>284
フレイ用の赤系のMSとして、ディープストライカーも捨てがたいな。
294通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 02:24:52.75 ID:???
>>293
おっきいジムもあるよ
295通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 06:13:10.93 ID:???
ヌーブラ・ジムVが寂しそうにこちらを見ている
296通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 15:06:23.94 ID:???
>>295
ヌーベル・ジムV「…………( #^ω^)ピキピキ」
297通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 20:18:20.20 ID:???
ネモを踏み台にし、ジェガンに踏み台にされた子か・・
298通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 21:04:50.95 ID:???
ジェガンと言えばUCの冒頭8分よかったな。ネェル・アーガマのハイメガ砲をこの年で見れるとは感無量だ
本編が待ち遠しいぜ

そして新作のGジェネは失いしのロンド・ベルを実現できるのがいい・・・重装型以外(ボソッ
299通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 22:26:33.95 ID:???
>>298
重装型「…………。・゚・(ノД`)・゚・。」

300通常の名無しさんの3倍:2011/02/28(月) 22:50:21.77 ID:???
ガン消しにもなっているのに、何故重装型はこの扱いなのか…
301通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 17:51:38.58 ID:???
種死チェックして思ったが

デストロイって場面場面の描写で全長が50〜200mくらいで変動してるようにみえるな…原哲夫の漫画バリに(笑)

302通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 17:53:02.26 ID:???
>デストロイって場面場面の描写で全長が50〜200mくらいで変動してるようにみえる
なんというエヴァンゲリオンw
303通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 18:06:45.78 ID:???
>>298
ハイパーメガ粒子砲って小型コロニーレーザーがコンセプトだっけ?
あの威力ならロンディニオンの抑止力として申し分ないな
304通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 18:38:13.90 ID:???
初めてこのスレにきてみたが種とは思えない大人臭にむせる
さて、最初のほうから覗いてみよう
305通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 19:21:44.00 ID:???
このスレの住人は30歳以上のオッサンばかりだろ?
306通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 19:43:53.70 ID:???
>>303
アーガマのですらZZで改造されたハイメガ砲で廃棄コロニー粉々にする威力みせてるからね

小さいってもネェルが小さくみえる規模の小惑星相手にあの威力ならコロニーの二、三個はぶち抜きそうだ(笑)

ZZ17話みるかぎりアーガマのでもコロニーが肉眼で見えないような(試射しようとしたときはセンサーの拡大映像をつかってた)距離から撃って破壊してるから、射程も数千kmはいけそう


CCAの設定上、ネェルは改修のためアナハイムにいたことになってるが、ネオジオンにロンド・ベルの情報が筒抜けだったことからして、ネェルがロンドベルを離れた隙をついて決起してるよね(笑)
ハイメガ砲のあの威力だと遠距離からアクシズのエンニジンの二〜三機はやすやす潰しそうだし(笑)

307787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:38:21.77 ID:???
どうもみなさんこんばんび、787です。
第25話が出来たので、だいたい10分後を目途に投下したいと思います。
気にくわない方はあぼん&スルー推奨です。次から投下開始
308通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 21:39:23.75 ID:???
>>305
最近はだいぶ年齢下がった
309787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:45:26.79 ID:???
ではいきます

〜ジブラルタル基地・第二ドック・ミネルバ格納庫内

「おお、ヨウラン。酔ってしまうとは情けない」
「シン、どこぞの王様みたいな言い方止め(ry…! うぇ…」
シン・アスカは、咄嗟にポケットからエチケット袋を取り出して、
球状のシミュレータから出てきたヨウラン・ケントに手渡した。
ミネルバに新しく搬入された機体の数々は、忽ち艦内に広まり、
こうしてシミュレータ使用を求める人間が現れ始めていた。
その大半が、三面モニターから360°画面への変化に慣れず、
今のヨウランの様になる者が殆どだった。
例えるなら、ごく普通のアナログTVから大画面のデジタルハイビジョンTVへ買い換え、
最初に電源を入れて画面を見た時、新しい画像に眼がチカチカする感じである。
別の言い方をするならば、自分の廻りにハイクオリティの映像で、
空中に浮かんだような感覚と、MSの高機動によるGが加わるのである。
……初見では吐くなと言う方が無茶である。
それこそ、訓練されたコーディネイターであるという自信を持っていただけに、
最初はCG映像で徐々に慣らすべき所を飛ばしたのが失敗だった。
わかっているがプライドがそうさせないらしい。
……全く馬鹿馬鹿しい限りだ。
シンはヨウランの背中をさすりながら、そう思った。
「でもまぁ、新しいものばっかりだし、仕方ないけどさ」
ミネルバクルーにとって、全てが新し過ぎたのである。
コクピットはもちろんのことであったが、
装甲は高価なチタンをベースに作られた合金製。
フレームは従来のジン・ザクのようなモノコック構造ではなく、
骨格となるフレームありきで成り立つムーバブル・フレーム。
何より技術陣の度肝を抜いたのは、関節部に塗布されたコーティングにあった。
磁気を帯びたコーティングを行うことで摩擦を少なくし、
反発する力と引きつけ合う力により駆動速度が大幅に向上。
難題であった重量の改善に加えた新技術の導入により、
性能は一世代どころか二世代先へ行っている感があった。
一番泣かされることとなったのは、目の前でゼイゼイ息をしている、
ヨウランたちメカニックマン達である。
整備の仕方がまるで違う機体が一斉に搬入され、それら全てを覚えなければならないのだ。
彼らにとって唯一ありがたいのは、
マグネット・コーティングによって関節の摩耗が少なくなり、
切り落とされたりしない限り、交換が殆ど必要ないことぐらいだろう。
ヨウランの背をさするのを止めたシンは、喧噪に包まれているハンガーを見渡す。
すっかり様変わりしたなぁ。そう思っていた。
最初、このミネルバに配備された頃は殆どのクルーが実戦未経験の新米ばかり、
平和条約が結ばれて、戦争が起きるとしても先のことと、
雰囲気もどこか緩いものがあった事は否定できなかった。
それが変わっていったのは、何時の時からだったろう?
思い起こしてみてシンはふと、
(ああ、隊長が来てからだ……)
隊長、シャア・アズナブルが来た時が転機であった。
310787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:46:07.37 ID:???
彼が来て少し起った頃、アーモリーワンの強奪事件があって、
ブレイク・ザ・ワールドが起きて、戦争が始まって……。
そうやって、大きな物事で考えると悪い方向のように思えるが、
(でも、隊長がいたからって時も、あったよな……)
もし彼がいなかったとすれば、デブリ帯でどうなっていたろう?
東南アジアで囲まれたとき、どうなっていたろう?
ガルナハンで彼が暴徒になりかけた民衆の間に壁になってなければ、
連合の人たちはどうなっていたろうか?
隊長だけではない、自分やレイ、ルナマリア、ノエミ。
タリア艦長に、アーサー、メイリン。ヨウラン、ヴィーノ、マッドの親方。そして、アスランとハイネ。
誰か一人欠けていれば、今こうしていなかったかも知れない。
わからないものだよな、と、デスティニーへ向かいながら思う。
「‘運命’か……、まさかな……」
デスティニーの巨躯を見上げて、シンはそんなことを考えた。
ミネルバに集まり、今まで戦ってきて、多くの人に出会った。
東南アジアやガルナハンで、コニールをはじめとした弱者の立場にいる人々。
キラという、自分とっては憎むべき家族の仇。
それが、自分の同僚であり友であるアスランとは親友だった。
今まで幾度も刃を交えたステラたちは、強化人間という時代が生んだ不幸な存在。
こうして、この数ヶ月の中に、十何年分の何かが詰まっているように思えて、
それはすべてこの機体の名前が表すように、出会うことが『運命』だったのではないだろうか?
と、そこまで考えて、シンはがらでもない事をと頭を振って、
デスティニーの調整のためコクピットへと向かう。
すると、コクピットハッチがすでに開いていることに気づき、
中をのぞいてみると、彼のよく知る人物が、パネル状のものをモニター後部、
リニアシートの根元あたりでいじっているのを見つけた。
「受信の調整はこのあたりでいいか……。
 ん、シンか、どうした?」
シャア・アズナブルであった。
基地のハンガーにいた技師が一緒で、
どうやらデスティニー、レジェンド、シナンジュらの調整にも顔をだして、
……というより大いに関わっているように見える。
「この全天周囲モニターには慣れたか?」
「いえ、まだ若干の気持ち悪さは残ってます」
馬鹿馬鹿しいと先ほど思ったばかりだが、
CGに切り替える気になれなかったのはシンも同じであった。
2、3回と繰り返しシミュレータに乗り続け、ようやく酔わないようになった段階である。
「でも、あと1、2回で慣れきって見せますよ」
「ならばいい」
そう言って、シャアが頬をゆるめる。
この人も丸くなってきてるよなぁ、シンはそう感じていた。
アーモリーワンで初めて会ったときは、抜き身の日本刀のような、
何人たりとも自らの心の領域に踏み入れさせない氷の心を持っていた。
実際、怖い人だと思っていたし、冷酷非情な印象が強かった。
だが、それも今になっては勘違いだと気づく。……彼は、不器用なまま大人になっただけなのだ。
まだ子供でしかないシンが思うのもおかしな話だが、そういう気がするのである。
思わず、シンはクスクスと笑ってしまい、とたんにシャアは不機嫌そうな顔を見せる。
311787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:47:48.78 ID:???
「……なんだ?」
「い、いえ! なんでもありません!」
「…デスティニーの動作チェック等は自分でやっておけ」
シャアはぶすっとした顔のまま、デスティニーのコクピットを出て行き、
シンは、彼が怖いのだけは相変わらずだと言うことを再確認した。
射すくめられる眼光は和らぐどころか逆に迫力が増した気がする。
そそくさと、シンはデスティニーの武装チェックに取りかかっていった。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第25話


「わかっていたとはいえ、やはり凄いものですわね」
ベルリンにおけるクィン・マンサの戦闘記録を眺めながら、
ラクス・クラインはその圧倒的な攻撃力、防御力に舌を巻いた。
地球軍の核攻撃隊を襲撃させた際は、相手が貧弱すぎて評価のしようがなかったが、
今回の相手はファントムペインの秘蔵っ子であったデストロイ、
加えてミネルバ隊の精鋭達にフリーダムである。
前大戦時は無敵を誇ったフリーダムすら、幸運とはいえ易々と破壊しうる攻撃力。
デストロイのビーム、そしてミネルバの艦首砲すらも防ぎきるだけの防御力。
切り札としか言いようのない力があると改めて再認識した。
今現在彼女がいる所はかつて、アクシズの主が使用していた絢爛豪華な設えの部屋。
薄紫のネグリジェを着ソファに身を預け、バローロを一口含んだ。
プロシュット・ディ・パルマを一切れ口へ放り、噛みしめる。
仄かな肉の甘みと適度な塩加減が、彼女の頬をゆるませる。
……素晴らしい至福の時だと、彼女は感じていた。
緩やかなクラシックの音色を聞きながら、最高のワインと生ハムを食し、
自らの旗下である最高峰のMSによってもたらされた戦勝報告に耳を傾ける。
これ以上身が火照ることがあろうか?
彼女は、オーガズムへと達さんばかりの快感すら感じた。
「そういえば……」
ふぅっ、と熱い吐息を漏らした彼女は、
間近に置いてあった小テーブル上の端末をいじり、
大西洋連邦とユーラシア連邦に残された数少ない地上の拠点、
スエズ運河に建設された基地の飛行場を映し出す。
宇宙から降下されたHLVより降ろされる、一個大隊規模のマラサイ、大方35機くらいだろう。
その姿勢があまりに必死すぎて、逆に哀れに思えてしまいそうだった。
ガルナハン周辺のゲリラに加え、アフリカ共同体からの攻撃に晒されているそこは、
もはや陸の孤島と呼ぶに相応しい状態となっていた。
ラクスは画面の映像を確認している時、古風な作りの電話機のベルが鳴る。
部屋全体、家具の装飾について異論を唱える者は多いが、黙らせている。
この古くささのすばらしさが、何故部下はわからないのだろうか?
コール音がして数秒後、彼女は受話器を取った。
「……私ですわ」
「夜分に申し訳ありません、ラクス様」
「リンドグレンですか、何の用です?」
312787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:48:34.48 ID:???
男の声は緊迫した様子であり彼女は興が冷め、
凍てついた顔つきへ変貌し、威圧感溢れる声で応答した。
東アジアの動きであれば、もうすでに耳に入っている。
ハワイを陥落させたことで、太平洋上の制海権はすでに東アジアとオーブのものとなった。
さらに、東アジアは国境線を越えてユーラシア各地の反ユーラシア勢力と手を組み、
オーブも赤道連合の混乱平定を名目とした軍駐留を推し進めているとも。
ヨーロッパ圏で大西洋に残されたのはもはやグレートブリテン島とアイルランド、
そしてグリーンランドとアイスランドのみであり、ユーラシア大陸上での連合は、
もはや風前の灯火と形容するに相応しいものであることを。
「月に潜り込ませた細作の一方にて、
 月基地で開発が進んでいる新兵器の全容が見えつつあるとの情報が」
「……! 至急私の端末に送りなさい!」
心の奥で引っかかっていたジブリールの切り札の一つ、
是が非でも手に入れねばと考えていた情報の、
極一部が手に入ったとなれば、ゆっくりくつろいでいる時間はない。
『Loading』の文字が点滅する時間すら惜しく、
コツコツと指でテーブルを叩きながら、彼女は画面を見つめる。
その後、パッと画面が切り替わり、図面と文章で埋め尽くされた資料が現れた。
「これが、『鎮魂歌』ですか」
「はい。ダイダロス基地の設営がそもそもこの基地のためだそうです」
「それと、例の月基地の防衛のためでしょうね。
 月基地と発掘途中のMSの情報は入っていますの?」
「申し訳ありません。
 そちらは依然として尻尾を掴む事が出来ません。
 もう少々お時間をいただきたく……」
厳重なまでの監視の下行われているため、情報収集が容易でないのは、
ラクス本人もわかっている故、それに関しては不問にした。
ただ、彼女の頭を悩ませるのは、この大量破壊兵器の存在である。
これでは、こちらが要塞や新型MSを用意しても主導権がジブリールのもののままだ。
しかし……
「構いませんわ。ジブリールが新型を用意しようが、
 おそらくソレを投入する頃は趨勢は変わっています。
 出したところでどうもならないでしょう。それに、『窮鼠猫を噛む』といいますから、
 彼の最後の一噛みを許してやっても良いはずです」
追い詰めた猫をネズミが噛めば、猫とて驚き動きを止める、
ならば、猫もネズミも丸ごとその場で食してやればいい。
「報告ご苦労様でした、リンドグレン。
 ……貴方、『本業』の方は大丈夫ですの?
 そろそろ、デュランダルとツァオが近づく頃ですから、そちらもお願いしますね」
「お任せ下さい」
そう言って、向こうは通話を斬った。
彼女は、シャンデリアを見上げながら、
少しずつ、確実に両者が傷ついてゆく事を実感し、
また火照る感覚と共にバローロを飲み干した。

※※※※※※※

313787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:49:42.83 ID:???
「長い間本国を開けることになる。
 私が本来目を通すべきものが、其方にも廻って来ているはずだ。
 その時は頼むぞ、エリオット」
「了解です、議長」
ギルバート・デュランダルは、内政事務次官エリオット・リンドグレンとの通信を終え、
執務室の机の上で手を組み、頭を預ける。睡眠時間を削りすぎているせいか、身体が重い。
先日、東アジア共和国大使が、わざわざこのジブラルタルに足を運んできたとき、
こういう形になるやもとは薄々思っていた。ツァオ・フェンからの言伝で、
『ぜひともプラントと東アジアの友好関係を深めていきたい』
簡単な話が、同盟関係を結ぼうと持ちかけてきたわけである。
デュランダルとしては、宣戦布告の5秒後に攻撃を敢行するという、
獣心剥き出しの姿勢をとりかつタイミングを見計らい、
勝者の側に便乗する姿勢が見え見えの東アジア、そしてツァオという男を好かない。
だがそれは個人の話で、東アジアの海軍力はハワイ制圧の速さから見て明らかであり、
手を組むことにデメリットは少ないともいえる。
まだ大西洋には地球上で最大級の『ヘブンズベース』が存在すること。
加えて、スエズ基地の軍備が増強されたという情報が入り、周囲の親プラント勢力の被害が増加。
ジブラルタルに救援要請が入った事も、東アジアとの同盟が魅力的に思える一因になっていた。
日増しに存在感を強大化させてゆく東アジアに内心脅威を抱きつつ、
それを表に出さず、彼は今度はミネルバの動向について思慮を巡らせる。
先に挙げたヘブンズベース攻略は、彼らの存在無くして実行は不可能。
しかし、スエズを先に叩いておかなければ、
宇宙からの援軍というバックアップを得ている連合を中東地域からたたき出せない。
だとすれば……と、彼は心を固めると基地司令部、並びに本国中央政治局との通信を繋いだ。

「東アジア出向部隊との合同作戦だぁ!? 正気かよ!」
一週間後、シン達ミネルバパイロットは、
基地司令部より出頭命令を受け、ジブラルタル基地の巨大なミーティングルームへと向かっていた。
何でも、スエズ基地の防備がこれ以上厚くなる前に、
今の内に叩いてしまおうというのだ。そこまではいい。
しかし問題なのは、これが東アジア共和国との合同作戦であるという事にあった。
シンの文句に対してアスランが、
「シン、それは仕方ないだろ。
 東アジアの存在は、プラントにも無視できない。
 彼らからの申し出を無視するわけにはいかない立場にあるんだ」
「ですが、気が引けますよ。
 あのハワイ侵攻だって、ほぼ奇襲作戦だったじゃないですか」
宣戦布告から5秒で攻撃。
その直前まで地球連合に属し、大西洋連邦とも良好な国交を続けていただけに、
あの奇襲攻撃は賛否両論であった。
「だが、あれにより大西洋連邦は南北アメリカの西海岸から外海へ出てこれなくなった。
 これで、彼らも我々も的を絞ることが出来る。
 結果的には、俺たちのメリットにもなったわけだ」
「それはそれ、これはこれです!」
アスランの物言いにシンは反発したが、
すでに命令として発布された以上、それには従わねばならない。
シン、アスラン、レイ、ルナマリア、ノエミ、ハイネら六名が乗ったエレベータが、
基地第一会議場の存在する階に到着した。
314787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:50:22.96 ID:???
下りた先の廊下には、巨大な窓と、その向こうに広がる地中海が見え、
ふと、ハイネは目下に見えるジブラルタル基地の入り口付近に、
東アジアから出向してきた艦隊がその威容を見せつけているのが目に入り、
空母二隻の間に、何やら赤く巨大な影が見えることに気が付いた。
「……何じゃありゃあ!」
彼の叫びに皆が反応し、見下ろす先にある物が何であるかを視認すると、
全員が眼をカッと見開いて驚愕する。
空母の間にあったのは、約80mはある巨大なMAであった。
ベルリンのデストロイも十分な大きさを誇っていたが、
目下のアレは、デストロイすら超える大きさである。
よくよく見てみれば、巨大MA以外に東アジアが引き連れてきたと思われるMS群は、
そのどれもが彼らの知らぬ形状でありながら、かつZAFT系の意匠を持った水陸用MSであると気づく。
黒を基調とした造りが印象的な、アッシュをより大型化かつ強靱にしたようなMS。
水色を基調としたカラーを持ち、ゾノを彷彿とさせる長大なクローが特徴的なMS。
今までの水陸MSとは特徴を一新した、球形のボディで、先程の水色のMSをデフォルメしたMS。
そして、一際目を引くのが、MSとは思えないほど、癒し系のオーラを放つ茶色の水陸用MS。
「いつの間にあれほどの数をそろえていたとは……」
レイが皆の心中を代弁するかのように、呟いた。
彼らがジッと水陸MS達を見下ろす事数分後、
彼らの背にピリリと感触が走り、一斉に振り向いていた。
「ひっ!」
ビクッと身を震わせたのは、連合軍の制服を着込んだ、彼らとほぼ同年代の少女であった。
襟章には少尉を示す星が、そして上腕部に東アジア所属を示す紋章がある。
第一印象としては良く整っている顔で、漢民族の中でも細身の方だった。
まだ軍という特殊な環境には不慣れらしく、オロオロした様子である。
「あ、あの……、ZAFTの方、ですよね?」
「ああ、そうだが。そう言う君は……」
「ジョウ・インチェン少尉です。今時の作戦に私も参加しますので」
お声をかけた次第です。そう言って、彼女はまだぎこちない敬礼をした。
この子もパイロットなのだろうか?
そんな気がしない分だけ、一同は不安になった。
(まさかこの子が? いや、そんなはずは……)
シンは、モヤモヤとした心中の霧が晴れないまま会議場へ向かい、
会議場に足を踏み入れると、すでに別部隊のZAFT軍人や、
東アジアからの出向組が出向いていた。

「これより、ZAFT並びに、東アジア共和国国軍による共同作戦、
 スエズ基地攻略作戦についてのブリーフィングを行う」
シャア・アズナブルがZAFT側の軍人代表という形で、会議場の大型モニタの前に立つ。
会議場は薄暗くなり、モニタに鮮明な地図が映し出された。
スエズ運河〜アジア圏とヨーロッパの物流を結ぶ、海上の要衝である。
それを挟むほどの規模を誇る基地が、スエズ運河北方に設置されている。
「ガルナハン基地が陥落し補給が滞っていたはずのスエズ基地であるが、
 月の地球軍からの救援もあって、今だねばり強く抵抗を続けている。
 ヨーロッパ圏の趨勢が決まってきた今、ようやく後顧の憂いは消え、
 スエズ攻めに集中できるようになった。しかし……」
シャアはモニタの一部を指し棒でタッチする。
315787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:52:15.75 ID:???
すると、モニタに数枚の映像が現れた。それには、ぼやけてはいるがMSらしき影が見える。
アスラン、そしてハイネの二名だけ、その写真に驚愕の表情を現す。
赤くZAFTのザクに似た形状を持つ『マラサイ』と呼ばれるMSの姿である。
「敵も愚かではない。月基地から新型が降下されており、
 防衛網は以前以上に厚くなったと考えて良いだろう。
 相手が憔悴していると思わず、各々注意して作戦に望んでもらいたい」
そこまで言ってシャアはZAFT側の座席前列に座り、
今度は東アジア国軍の男が立ち上がり、モニタの前まで歩み出る。腕章には、大佐を現す星があった。
「ZAFTの軍人方には、お初にお目に掛かる。
 ここから先は私、ルゥ・フェンシャンが説明させてもらおう。
 我々並びにZAFT艦隊は、明日午前〇六〇〇ジブラルタルを出立。
 エーゲ海沖にてディオキアのZAFT艦隊による給油を受けた後、
 そのままスエズへと向かう……」
地図上に、ZAFTとアジア艦隊の航行予定ルートが表示され、
粛々と作戦内容についての通達が行われる中、アスラン達は一抹の不安を隠せなかった。

※※※※※※

〜旧アイスランド

かつては『常備軍を持たない国』と言われたこの北方の島国。
ここは、その呼び名を信じられなくなる光景が、島全体に広がっている。
旧アイスランドは八つの地方で分けられていたが、
そのうち『西部フィヨルド』『西アイスランド』『南西アイスランド』、
そしてアイスランド最大の都市レイキャヴィークを含む『大レイキャヴィーク』を除いた地域。
約八万平方qもの広大な地域全体が巨大な軍事施設と化していた。
この基地は、『ヘブンズベース』。
天の御国を意識したかのような名称を持っていた。
その基地の敷地内、ミールダルス氷河の上では、今現在激しい戦闘が行われていた。
戦闘と言っても、本物のではなく模擬戦だ。
しかし、模擬戦とするには激しすぎるとしか言いようが無く、
氷河脇に存在するMSハンガーの入り口、並びに地区基地のモニター前には、野次馬達が押しかけている。
二機のMSが、冬でありながら珍しく雪の降らぬ青天の中で、
激しく火花をまき散らしながら、その武威を見せつけ合っていた。
片方は、ホアキン隊所属のスウェン・カル・バヤンが搭乗する『ギャプラン』であった。
先のベルリン戦で‘奴’と交戦した際、装甲や頭部が損傷を受け、
ゼダンの門から送られてきたパーツで修復したものである。
外見の印象が替わり、所々が白い装甲板に変更されており、
以前スウェンが搭乗していた『ストライクノワール』の流れを汲んだ二丁のビームピストルを装備。
頭部の印象も以前のZAFT系から、連合のGに近いデュアルアイへ換装されている。
もう一方は、殆どの人間がヤキンのフリーダムを連想するであろう、そういう外見であった。
全体的なシルエットもほぼ似通っていて、Gタイプのヘッドに腰のカノン砲と、
それに装着されているビームサーベルも、フリーダムと一致していると言って良い。
唯一違うのは、背部ウイングの構造とライフルのみであった。
プラズマキャノンと冷却装置、そして強力な推進装置であったフリーダムのウイング。
それとは違いこの機体のウイングはより細身で、
何らかを格納する部位と見られる金色のフレームから青い光が走っていた。
316787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:54:21.91 ID:???
そして、二丁のライフルは連結できるようにも設計されているようで、
腰の後ろにマウントラッチが設けられている。
二機ともして、常識はずれの機動性を発揮しながら、
互いに互いの首を飛ばさんばかりの殺気を放ち、
サーベルを一合二合と打ち付け合う。
それが三〇合目にさしかかった時、今回の模擬戦は終わりを告げた。
お互いのサーベルが、互いの首元を寸前捉えていたのである。
「君、やるね……」
「……貴様もな」
ギャプランのコクピットに、彼と同じ年頃の青年の声が聞こえる。
キラ・ヤマト中尉。
彼は、近日ロアノーク隊に配属される事になった、
大西洋連邦所属の復隊したパイロットだと軍内部では公表されている。
MS戦闘の技量は凄まじく、今現在同軍内で最強と目されている、
ファブリス・アナトール・ロワリエ大尉、ネオ・ロアノーク大佐。
その両名に迫る技量を持っているとさえ言われている。
背中を預ける男として相応しいかどうか、
こうして勝負を挑んだわけだが、それがうなずける強さであった。
基地のハンガーに機体を戻し、昇降機を下りて行くとき、
スウェンは彼へ抱いていた疑念を解いていた。
以前北ヨーロッパで交戦したフリーダムと似た操縦だと、
ふと思っていたのであるが、奴のような躊躇めいたものは無かったのだ。
ミューディ・ホルクロフトとシャムス・コーザらが駆け寄ってくる。
二人とも、スウェンの実力を知っているだけでなく、
ギャプランが化け物じみたMSであると確信していただけにショックだったらしい。
スウェンは憤る二人を抑え、キラというパイロットの顔を再び見に行った。
ハンガーに収められた機体のコクピットから、茶髪の青年が出てくる。
その傍らに、赤毛の少女が駆け寄るのを見たスウェンは、
それがロアノーク隊のセリナ中尉……、
いや、今は名を変え、『フレイ・アルスター』と名乗っている少女だと気づく。
彼女がキラにタオルを手渡すのを見、ふぅと軽いため息をすると、その場を黙って去っていった。

「キラ、お疲れ様!」
「ありがとう、フレイ」
キラ・ヤマトは、コクピットを開けフレイの満面の笑みに迎えられながら、
ヘブンズベースMSハンガーのキャットウォークに足を下ろした。
ヘルメットを外して彼女の差し出したタオルを受け取り、顔中に垂れている汗を拭き取りながら、
あのギャプランとか言うMSのパイロットの腕は相当高いと確信していた。
一度じっくり話をしてみたいなぁと思いながら、彼は自らに与えられた機体を見上げる。
〜ストライクフリーダム(以下Sフリーダムと記載)
全体戦時、ZAFT軍虎の子のMSとして開発された、
地球連合のGATシリーズを模倣かつ「我々の方が」という誇示も込められたフリーダム。
それを元に、「ZAFTへ絶望を振りまくため」という皮肉を込めて造り上げた、
大西洋連邦、つまり『ファントムペインのフリーダム』である。
317787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 21:56:30.57 ID:???
月で解析が続けられているロストテクノロジーも流用して設計されている。
エンジンにはNJC搭載の核分裂ではなく、開発者不明の核融合エンジンを搭載。
新世代MSの基盤といえるムーバブルフレーム。
新機軸のコクピットとされている『全天周囲モニター』には、
月で発見されたという特殊フレームも採用されているらしい。
そして、関節部に施されたマグネット・コーティング。
ヴォワチュール・リュミエールを用いた推進装置。
宇宙で搭載される予定のオールレンジ兵器。
そして、チタンを用いたPS装甲より軽く強靱な装甲板。
色々な要素が詰め込まれ、機体も従来より3m程大型化している。
全てに置いてあのフリーダムを超えるフリーダム、その自信が彼らの間にはあった。
「フレイの方は終わったの?
 何だっけ……確か、『デルタプラス』って言うMSの調整」
そう言って、キラはハンガーの奥の方へと目をやった。
ダガーをより強靱かつ大型化させた機体が数機並んでいる。
キラが言ったデルタプラスは二機あり、グレーから塗装されている最中である。
一機はマゼンダ、もう一機はブラウンに、だ。同じように目をやった彼女は胸を張って、
「ええ、もうあのコクピットにも慣れたわよ?
 操縦中に吐くなんて、女として絶対に許せないわ」
「ハハ……」
苦笑しながら、彼は彼女と共にロッカールームに向かう。
各々シャワーを浴びて汗を流しきった後、厚手のカーテン一枚を隔てて、
軍のインナーを着込みながら、ふとフレイは思ったことを口にする。
「そういえば、キラは慣れたの?
 うちの指揮官二人、結構なじみやすいでしょ」
「ん? ……まぁまぁかな。
 ファブリスさんとは結構話が合うんだけど…」
「ああ、あんた機械好きだったわね」
「いや、好きって言ったって僕はソフトの方だよ。
 あの人の専門はどちらかって言えばハード系だから」
だからこそ、わからないことをやりとりして逆に話が弾んだりして、
彼とは結構早い内にうち解けることが出来た。
スティング、アウルらとは、ほぼ同年代という事もあってそう時間は掛からなかった。
基地内のレクリエーションフロアでバスケに興じる事も多くなってきている。
ただ、スポーツでは彼らに勝てないこともしばしばである。
ビデオゲームでは絶対負けない自信があるのだが……。
「ふうん。で、大佐とは?」
フレイのこの言葉に、キラは少し引けた表情になる。
「ロアノーク大佐は……なんだろ。
 懐かしい感じがして逆に気が引けちゃうって言うか……」
「『懐かしい』? 会ったことあるの?」
「そうじゃないんだ。
 なんかこう、前に会った人とそっくりて感じで」
「でも思い出せないんでしょ、その人のこと」
「うん……」
そう、その辺りがモヤモヤと霧が掛かっていて、
誰とそっくりだったのかわからないが故に、ネオとの接し方がよくわからなくなっているのだ。
318通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 21:58:22.13 ID:???
キター
319通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 21:58:42.88 ID:???
ド支援
320通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 21:59:25.86 ID:???
0===。El
  (・∀・ ) 足なんて飾りです!
 >┘>┘
321787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 22:00:11.58 ID:???
「ごっそり抜け落ちちゃってるんだよね」
「忘れてるって事は、その程度って事よ。
 気にしない方が良いわ」
フレイはそう言って、カーテンをひろげる。
軍服はスカートからズボンに替えてあり、トレンチコートを小脇に抱え、
トートバッグを腕に下げていた。
「私たち今日の午後はオフのはずよ。早く行きましょ。
 レイキャヴィークでご飯と買い物に付き合ってくれるって約束、覚えてるわよね?」
「う、うん。勿論覚えてるよ!」
‘覚えてる’の辺りに異様に力がこもっており、
拒否したらどうなるかを0.2秒の間で考えた彼は背筋が寒くなり、
二つ返事で外出の準備のために自室へ駆けていった。
空模様が怪しくなり、白い雪がハラハラと降り始めた頃、
キラは軍の車両を一台借りて、レイキャヴィークへ向けて車を走らせていた。
「そう言えば、ネオってカレーとナンが大好きなのよ、知ってた?」
「大佐が!?」
「そう。スティングがカレー好きで、それが感染ったの。
 けっこうキモイわよ、歌いながら大鍋でカレー煮込んでたんだもん」
いつかきっとカレー風呂に入るに違いないわ!
そう確信を持って言い切る彼女を余所に、
キラはあの仮面の大佐がカレーをたっぷり入れた風呂の中で身体をこするのを想像し、
こみ上げてくるものを必死で押さえ込んでいた。
「歌はね、こんな感じなの。
『にんじん、じゃがいも、たま〜ねぎ〜♪』って!」
「まさかそんな……」
そこまで言いかけたキラは想像し一瞬爆笑しかけ、
ハンドルミスをしそうになり、背筋が凍る思いであった。
「……以後この話題禁止ね」
「……うん」
そう言いつつも、キラは幸せな気分であった。
またこうして彼女と、それもより仲良く笑顔で話せるなどと、想像だにしていなかった

この感覚が何時までも続けばいいのに、キラはそう思った。
あと数週間で、ここも戦果に呑まれることになると、薄々予感しながら。


第25話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。東アジア系でまたオリキャラ増えてしまったのは反省している。
あそこ出身の公式人物を知らないのは大きい。アストレイに出てたりするかな?
それと、ストフリの設定を根本から変えてしまったことはここで謝っておきます、ごめんなさい。
次はスエズ戦を頑張って書いてみるつもり、では、また後日お会いしましょう(・ω・)ノシ
322787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/01(火) 22:02:10.51 ID:???
しまった、早速修正orz
>>321
フレイの台詞の中
「ネオ」→「大佐」
さっきまで大佐って言ってたのに呼び捨てだよ!
ちくしょう!
323通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 23:05:26.49 ID:???
乙津乙津お

キラとフレイ、あまりにも悲しい二人ですな
互いの記憶が欠損しているからこその平穏
カミーユとフォウのデートみたいな悲しさがあります
ラクス、本来の主がみたら「失せろ俗物!」と言われそうだ

閣下と運命がUC技術とのキメラみたくなってるのがおもしろい

次回待ってます
324通常の名無しさんの3倍:2011/03/01(火) 23:34:56.55 ID:???
投下おつおつお
さらにカオスなことになっていってるな……クロス物の醍醐味だわ
325通常の名無しさんの3倍:2011/03/02(水) 06:32:58.34 ID:???
787さん乙

デルタプラスか…

高高度迎撃&空戦できるMSって地球に超大国が複数あるCEだと重要な気がする
種&種死本編だと空戦は雲の下〜下層雲に到達するか(数百m〜よくても2000m)ていどで地表スレスレの高度空戦しかしてない
CEで高高度迎撃戦が可能なのは、ムラサメやレイダー系、セイバーとか空戦用可変機とスカグラとか戦闘機くらいだし

熱核ジェット/ロケットのハイブリッドで莫大な航続力を出せて、成層圏上層部での戦闘が可能なギャプランやデルタプラスはかなりの戦力になるね
UCで高高度戦闘能力ないとガルダ級のような成層圏上層部を高速巡航する成層圏プラットフォームの迎撃や護衛に使えないしな
326通常の名無しさんの3倍:2011/03/02(水) 07:05:02.80 ID:???
投稿乙でした。
誤字指摘ですが「全体戦時」→「前大戦時」でしょうか。

ストフリはある意味「失いし」でも出てきそうなスペックですね。
しかし自分も物は試しと二次創作書いてみたんですが(もちろん投稿なんぞしてませんがw)しばらくして見直したらいやはやこっぱずかしい^^;
結局1時間でゴミ箱行きでした。多少の誤字なんて気にしないでください。
327787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/02(水) 07:55:11.25 ID:???
おはようございます。>>326氏、ありがとうございます!
 >>316
 全体戦時→前大戦時
あと、自分で発見しました
 >>321
 戦果→戦火
ですね、くそう・・・・orz

328通常の名無しさんの3倍:2011/03/02(水) 20:21:49.94 ID:???
>>326
さぁ!!記憶を掘り起こして投下する作業へ!!
   , -‐  二___ニ` ‐- 、
              /   ,  ´       ` ‐- 、 `ヽ
              {  /  ,  -‐一─‐- 、   `ヽ、}
              ヽ ノ  /   (,><,)   `ヽ   ノ
               `ー} ., -‐─'=''ー‐- 、 {- '´
                 レ'二二二二二二ニ≧,j
                 |'´  ,ィz≦, ;::,z≧、 ::;ii
                r-ヽ   ィzェュ;゙ ::;i: ィッュ :.::i´゙i
                {r',..    ´,ノ .: :::ヾ、 ` ::.:::i .j
                  '.,ヽ,    ´ .: ,j;::::}  .:.:::::j,ソ
                 `T  /;;`フ;゙u゙;``‐、;:;イ´ .,,
                `ヾ二´ ;;;;;≧-'一≧、;;;;二;ソ
                  `〉、´ヽ `ヽ'´´~.ノ゙::,イ
                r‐v':ヽ`ー=、 `:.::.:ノ_,.´)ヽ
                ノ  ト、:::\ ``~ ̄}:.::/ /
              /`ヽj\::::::::\   i::/  iヽ
            _ノヽ   `'ヽ`yー、:::``ヽ-'‐'フヽ::ト..、
         /::.::.::./{  ` ‐- 、__}  }:.:..: :. ::ヽ::{
        // :.:::.ノ/` ‐ 、_  /`‐、`´ “WANTS
       ノ :.::./,人 /  `‐ィー,-'
      / }.::/∠__ `-―,''''´.:::}       YOU”
     / ,ノ/'"´´~ ̄ ̄´:.::::::::/
329通常の名無しさんの3倍:2011/03/02(水) 23:02:26.21 ID:???
このAAの元ネタの写真ってキッチナー将軍だっけ?
330通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 00:32:38.16 ID:???
元帥の募兵ポスターでしょ、キャラの濃い御方だったそうだからポスターになったそうな
しかし宇宙世紀ガンダムで元帥号持っている人いないよな
と、思っていたが近頃オリジンでまさかのゴップ元帥が爆誕
331通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 10:12:04.93 ID:OO8p9QAH
中身がHi-νなストライクフリーダムですか・・・
フレイはデルタプラスで確定だし
ファブリスはνガンダムHWS仕様かツインフィンファンネル仕様か
332通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 11:28:37.82 ID:???
ファブリスの新MSはリ・ガズィだったりして
そしてサザビーに凹られ撃破、今度はキラとともにまたνを短期間ででっち上げることになったりして
333通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 13:06:55.98 ID:???
最近保管庫更新されてないよね。・・・ごめん、俺はそういう技能ないからできないんだけどね
334通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 14:25:24.08 ID:???
確かにハード、ソフトの面で情報交換てことでν作りそうだね
当事者のνがないってのもなー、ぶっ壊れたサザビーは完璧で飛んできたのに
335通常の名無しさんの3倍:2011/03/03(木) 14:34:00.38 ID:???
一話から見直すと、飛んできたって言うより復活したって感じだな
多分νもまだ基地の奥で修復中かきっと調整中だろうよ
・・・ただ仮に、髭が絡んでるとすれば
アムロもシャアもまんま「猿の惑星」じゃね?
「元の世界」じゃなくて「元の時代」ってことになる
キラも救いよう無いかんじだけど、アムロもシャアもこれじゃあ救いよう無いぞ?
まぁ、元の所へ戻ったって幸せかと言われりゃどうかと思うけど
336通常の名無しさんの3倍:2011/03/04(金) 10:40:43.99 ID:???
>>335
一年戦争のあと能力を危険視されて軟禁だからなぁ

NTとしてのアムロのだけじゃなく、サイコフレームが人の思いを吸い上げた結果だったとしてもあれだけの奇跡を起こした中心人物だし
結果NT-Dシステムを生み出してるからアムロが帰還しても連邦に幽閉されそうな気がする
337通常の名無しさんの3倍:2011/03/04(金) 15:52:37.96 ID:???
そこでどこぞの教会の助力で南米に脱出して独裁者と友人になるんですよ
338通常の名無しさんの3倍:2011/03/04(金) 19:03:06.05 ID:???
で、どこぞの会社に頼まれて新型MSの設計のアドバイスするんですね。

1 操縦性にクセが有ったら殺す
2 ビームガンの一発や二発で動かなくなるようなヤワい機体はお断り
3 弾とエネルギー一杯つめて長く戦えるようにしとけ
4 火器管制とかぶっ壊れても手動で撃てるようにしとけ
5 墜落時のために飲料水と浄水器も多くしとけ
6 いざという時に脱出出来る様に手動でコックピット開く様にしとけ
339>>260:2011/03/04(金) 19:29:39.63 ID:???
そのネタをするならジオン軍人の方が合っているような・・・
340通常の名無しさんの3倍:2011/03/04(金) 19:30:23.07 ID:???
名前欄のアンカーは関係ない、無視してください。
341通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 04:43:54.87 ID:???
おいぃ、なんかルーデル混ざってんぞwwww
342通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 06:08:53.44 ID:???
まあどう考えてもアムロはルーデルの再来としかUCでは認識されてないだろうがなw
343通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 15:32:44.43 ID:???
そういやルーデルの機体って特別な物でもなんでもない普通の奴の上に、対戦車用にクソ重い機関砲積んだせいで攻撃力は上がったけど機体の性能自体は下がってるんだよな。
ガンダムで例えるならジムでジオン相手に無双するようなモノ。
もしA10神(ガンダム)に乗っていたらどれだけの戦果を残したのやら。
344通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 17:01:44.52 ID:???
>>343
あれはジムっつーよりもガンキャノンかフルアーマーガンダムじゃね?
で、A−10はνガンダムって感じで

アクシズの代わりに鉄のカーテンを押し戻したりしそうだなルーデルw
345通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 18:48:34.06 ID:???
サイコフレームが共振して周囲の兵士たちまで
朝起きて牛乳のんで出撃して朝飯喰って牛乳のんで出撃して、をやらかすようになる
346通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 18:56:19.42 ID:???
>>338
そんな感じで設計したのが極論するとジェガンにサイコミュのせただけなνガンダムなんだけどね
そりゃ個々のパーツはいいもの使ってるだろうけど、ほとんど量産機らしいからな、あのガンダム
347通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 19:30:44.24 ID:???
>>346
たぶん一年戦争の時、補給に苦労したからなんだろうな。
ガンダムって実験機だから、マチルダさんが補給に来てくれないと詰んでた印象だし。
348通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 20:51:29.34 ID:???
>>346
開発期間を短縮するためにできうる限り連邦規格の部品を使用したって設定だな。
349通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 21:06:08.86 ID:???
>>348
下手するとリ・ガズィの方がコスト高いのかもな
350通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:08:17.02 ID:???
ユニコーンエース読んでて知ったんだけど、デルタプラスって逆シャアの時点でロールアウトしてたのな。
351通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:40:11.04 ID:???
>>348
連邦から予算もらうために時期量産機のテストヘッドとして承認させたってのもあるな



>>346
実験機のF91も性能実験機だけあって部品の消耗激しかったみたいで、出撃の度にガタツキがひどくなっていったようなこといってただからな
ZZのころのアーガマのMSのカオス度からしたらアストーナジにとっちゃ天国かもしれんが(笑)
352通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:44:23.47 ID:???
>>348
ふと思ったんだが。
ガンダム作品という「お約束」部分を考慮しなかった場合。
アムロが「ガンダム」で有ることに拘った理由ってなんだったんだろう。
極端な話「サイフレーム&フィンファンネル搭載型アムロ仕様ジェガン」でも良かったはず。
見映えはせんだろうけど。

>>349
あれは一応量産前提だからなぁ……
部材的にはZ+あたりの部材が使えただろうしνがサイコフレーム使ってる分の費用いれるとトントンでは?
353通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:49:57.46 ID:???
>>351
どうだろう。
アストナージ的にはZZのアーガマ&ネェル・アーガマの方がやりがいを感じていたかも知れないし。
354通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:50:37.81 ID:???
>>352
そりゃ、思い入れが一番の理由なんじゃね?
RX-78は自分の親父が開発、そして最後まで頑張って、そして自分を救ってくれた機体なんだし
Zで軟禁から脱出された直後のやさぐれてた頃でもガンダムに拘ってたし

まあ、ひょっとしたらあの頭部(ツインアイとV字アンテナ)の方が色々と優れてたというのもあるかもしれんけど
355通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:51:03.44 ID:???
>>352
フルスペックサイコミュ機な分νのが高い気もしないでもないが

νはジェガンと共通規格がおおいぶん、予算獲得の名目どおりノウハウはジェガンにフィードバックされてるはずだし、マクロな視点ではではリ・ガズィより元は取れてるとおもう
356通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:51:32.29 ID:???
×軟禁から脱出された
○軟禁から開放された
orz
357通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 22:55:55.57 ID:???
一応量産型νガンダムがあるしな
きっとブライトさんとかが量産型νのプラン持って

ブライト「ほらっ!量産できるよ!だからνガンダム作ろっ!今すぐ作ろっ!」

とか言って政治家たちへロビー活動しまくったんだろうな
358通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 23:00:34.12 ID:???
>>352
ベルチルだとアナハイムがすすめてたガンダム開発をブライトがロンド・ベル赴任の手みやげにもってきて…それにアムロが設計したサイコミュシステムを載せてνガンダムにしたてあげた…とかだったな

劇場版は基礎設計にアムロがかかわってるから、アナハイムのスタッフがアムロが乗るならガンダムだと気を利かせたとか(笑)
359通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 23:12:04.30 ID:???
>>358
アナハイムが空気読めなかった場合ガンダムヘッドのジェガンが爆誕した可能性があるな。
360通常の名無しさんの3倍:2011/03/05(土) 23:23:58.48 ID:???
そのジェガンも実はバイザーの下がモノアイだったり、脛がザク系列だったりするんだよなぁ・・・
361通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 00:37:18.75 ID:???
今日からユニコーンの先行上映だったけど、のん兵衛氏は見ることができたのだろうか?
362通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 00:38:24.24 ID:???
1st小説版だとツインアイよりGM系の方がメインカメラとしては優秀ってくだりなかったっけ?

まぁ、それからMSの技術革新がすさまじいから巻き返していてもおかしくはないが
363通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 00:56:23.08 ID:???
戦後にアナハイムの下請けに入ったオリバー・マイが恩師の遺志を継ぎモノアイ研磨職人になったんだろう
364通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 01:01:56.35 ID:???
小説は小説で別で考えるべきだな

ツインアイ(デュアルセンサー)は時代が下ると量産機に採用されるようになる
CVMSの優れた点の一つに上げられてる
昔の設定なんで今どうなってるのか知らんが
365通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 01:08:32.21 ID:???
>>362
落ち着け、メインカメラは額の方だ
あとGMのゴーグルの下はしっかりデュアルセンサーになっとる
366通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 03:21:01.65 ID:???
更に下ったジャベリンもツインアイだったしなぁ
367通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 05:57:31.87 ID:???
ゴーグルの下がツインアイ…
某凶鳥を思い出した
368通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 10:28:54.24 ID:???
フッケバイン、フッケバイン、フッケバイン・・・
369通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 10:47:24.01 ID:???
それは文字通りのバニシングトルーパーの方かい
それともぱんつはいてない方かい
370通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 11:53:44.56 ID:???
いや、ピーター・N・ビーグルの異名だろう
371通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 11:53:49.82 ID:???
ナチがUFO捕獲しようとして失敗したときの証拠隠滅キーワード
372通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 12:01:06.02 ID:???
まあ中身がモノだろうがツインだろうが外装はジム的ゴーグルで事足りる所を
わざわざガンダム顔を作り続けるのにはやはりイメージ戦略やプロパガンダもある訳で。
してみると、マークUがある意味期待外れに終わった後、
ティターンズはその粗暴で幼稚なメンタリティからして正統性アピールのために
意地でも更なる専用新型ガンダムの開発に固執してそうなもんじゃないかと思うんだが。
それともサイコが安定した戦果を挙げていればそっちを大々的に宣伝してたかな?
373通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 12:09:26.73 ID:???
やはり全部バーザム頭で
374通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 12:53:22.41 ID:???
>>372
つRX-121
375通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 13:08:52.16 ID:???
>>372
それはツインアイ=NT=スペースノイドを想起させるからじゃないだろうか
NTとして警戒するアムロの名が余りにも有名になりすぎた上にマークIIはNTに奪われて攻撃してくるわ
これでツインアイを積極的に導入する気は起きなくなるんじゃなかろうか
376通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 21:20:02.98 ID:???
>>365
>>落ち着け、メインカメラは額の方だ
いわれてみればそうだったww

あれ?じゃあなんで小説版でGM乗った時、GMの方が優秀って判断したんだ?
すでに手元ないから確認もできん・・・
377通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 22:09:54.31 ID:???
>>376
インファイトになった時の正面方向の視野がGMのほうが広かった
それ以外は無駄に高出力なガンダムが圧倒とかそういう表現
378通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 22:43:19.75 ID:???
>>377
ども。
GMのスプレーガンの射程を意識したらそっちの方がいいわな。
小説版はそこまで考えられていたのか…読んでいた時多分理解していなかったな…
再度読み直すと新しい発見がありそうだ

となると、全天周囲モニタになってる以上、優位性とかの意味合いは無くなってるんだろうね
379通常の名無しさんの3倍:2011/03/06(日) 23:55:10.56 ID:???
全周天モニターもカメラのフォローがないと死角が出来る
つギャプラン
380通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 00:17:13.17 ID:???
UC見てきたが、いよいよ次回は確実にロンド・ベル司令登場だな
427氏が狂喜しているのが目に浮かぶw
381通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 02:10:21.68 ID:???
ブライトさん代役誰になるんだろうな
382787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:36:16.43 ID:???
みなさんこんにちは!
「ハイブリッド4コマ大戦線U」のZ・逆シャアパートで、
大学の成績発表時にカフェオレ吹いた787です。

まぁ、自分田舎暮らしなので見に行けない故、BD発売待ちですけどorz
第26話のアバンを、ユニコ公開記念がてら投下します。
毎度の事ながら、気に食わぬ方・オリ要素嫌いな方はスループリーズ!
383787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:37:01.07 ID:???

〜イオニア海・海上

ジブラルタル基地を出立して丸一日。、
旧ギリシアの大地が望めるあたりになって、シン・アスカはミネルバの甲板へあがった。
ミネルバは、ZAFT側を代表するほどにまで声望が高まっていたそうで、
自ずと先頭を走る形となっており、東アジア艦隊の旗艦であるMS運用母艦『天龍』が、
ミネルバの三時方向、つまり南側を併走している。
彼はミネルバと天龍からのびているケーブルの先で牽引している、
赤い巨大MA『シャンブロ』へと目をやって、ベルリンやプラハ・ワルシャワを、
灰燼に帰すデストロイを運用した大西洋を声高に糾弾しながらも、
このようなMAを同じように開発するという東アジア政府のあざとさを、
彼はその身でヒシヒシと感じていた。
すると、背後でカツカツと音がして、振り返る。
ルナマリア・ホークが、そこに立っていた。
「何だ、ルナか。何の用だよ」
「何だって何よ。私も見ておきたかったの、東アジアのMA」
そう言って、彼女はシンと同じようにフェンスに身を任せる。
二人はしばらくの間無言のまま、地中海の心地よい風を味わい、
人間同士の争いなど気にしていないかのような、
母なる地球の大地と海、そして青天の美しさを眺めた。
「……胸、大丈夫なのか?」
シンは、思わず口を開いていた。
このところ、ルナマリアと落ち着いて相対することが出来ずにいる。
基地の医療部によれば、もう変貌の心配をすることは無いとの事だが、
今でも、あの歪んだ醜い顔が頭に浮かんできてしまうのだ。
彼女はというと、いつものように天真爛漫な笑顔を見せている。
それが何時ああして壊れてしまうのかが、彼は怖かった。
「ん、時々痛むけど、問題ないわ。
 それに、医師達も言ってたじゃない?」
「そうか、そうだよな」
「大丈夫よ、シン」
ルナマリアはシンの肘に手をそっと乗せた。
彼女の温かい体温が伝わってくる。シンは、彼女の顔を正面から見つめた。
「私は私のままでいるから、安心して」
「……! ルナ、お前気づいて……!」
「そりゃあ気づくわよ、あの手術の頃からみんな少し余所余所しいんだもの。
 自分で調べたの、モニターの記録とかでね」
彼女は、ジブラルタルで目覚めた後、ロドニアのあたりから何も覚えていないことと、
それ以降の皆の対応が変化したことで、疑問を持ったのだという。
そして記録を調べて、知ったのだ。皆に対し下品で卑猥で耳障りな言葉を並べる自分を。
「……実はね、ガルナハンで‘そうなった’のは覚えてるの。
 目の前でショーンが死んで、ショックだった。
 その時よ、まるで暗い空間に引き込まれるかのように、廻りが暗くなったの」
前の風景は見えるのに、身体が自由にならない恐怖を味わい、
その後の自分の蛮行をまざまざと見続けなければならなかった事は、
誰にも言い出せなかったのだという。
384787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:38:29.38 ID:???
「怖かったのよ、自分の事もそうだけど、
 私が、戦いのせいでおかしくなったなんて……」
彼女はなるべく笑顔でいようとしている。そう、彼は感じた。
手がわずかながら、震えている。目の奥に、翳りが見える。
自らの肘に乗せられた手を、優しく握り返す。
「大丈夫だよ、ルナ。
 お前がそうやって元気でいれば、みんなすぐにわかってくれるさ。
 どれだけ一緒にいると思ってるんだ」
「シン……」
「もう一人のお前。誰なのかは俺にはわからないけど、
 其奴がまた現れたら、俺がお前を取り返す……絶対に!」
シンは、ルナマリアの手を引いて、抱きしめた。
彼としては、彼女を落ち着かせるつもりで、だ。
彼女の心拍がどんどん早くなり、体温が上がって行く。
でも、放さなかった。
(そうだ、ルナが変わったって、俺が……)
そう、彼は心の中で誓っていた。

だが、彼は知らなかった。
デュランダルが行った手術の、本当の目的を。

※※※※

〜ジブラルタル基地・格納庫区域

基地全体のMSデータ、並びに補修用のパーツ。
重要な機器の収められている、基地の地下保管庫。
そのまた更に奥の部屋に、例の人形は収められていた。
「……ん? おい、また彼奴勝手に目明けやがったぞ」
「気味悪ぃな、人形の癖に。
 まぁ大丈夫だろ、強化ガラスで囲ってあるんだからよ」
二人の兵士が、交代で人形の見張りを行っている。
人形はと言うと、強化ガラス製のシリンダーに収納され、
さらにシリンダー内部は液体で満たされ、センサー付きの呼吸器を装着、
異状があれば彼らに伝わる仕組みである。
「よくもまぁ、良い造りにできたもんだ。作った奴の頭調べたいぜ」
彼らには、義手足の実験用自動人形だと言い含めてあり、
生体結合部の腐食を防ぐ措置であるともいってある。
それ故、彼らはあの人形の中にあるモノを知らずにいた。
見張りと言っても、時たま機器の不調か身体の一部が動く、
気味の悪い人形の入った容器の廻りをウロウロするだけ。
一見すれば、面白みのない任務であるとも思えようが、
役得と言えば役得かもしれない。人形に、服は着せていないのだ。
「本当、うまそうな身体してるよな、コイツ。
 モデルになったやつの身体も拝みてぇよ」
「全くだ…」
下品な笑いをあげる男共を余所に、部屋の中でブザーが鳴る。
「お、交代時間か」
385787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:39:43.77 ID:???
男達はその音と共にのびをし、欠伸をしながら部屋を後にしようとした。
そして、部屋の自動扉が閉じた瞬間、人形の目が……大きく見開かれた。
扉の向こうで、ガラスの割れる音が聞こえた男達は、
サーッと血の気が引き、部屋の中へ再び飛び込んだ。
交代要員の兵士二人も、続いて部屋の中へ入ってきて、唖然となった。
金属バットで殴りつけようと壊れることのない強化ガラスが、
内側から破壊され、液体が床へと散乱していたのである。
勿論、中にいたはずの人形の姿もなかった。
「さ、探せ! 何としても見つけ出すんだ!」
彼らにとって不幸だったのは、
この部屋の中に緊急警報装置が設置されていなかったことだろう。
扉一つ向こうの、保管庫入り口にあったのである。
元々、危険物などを入れる為の箇所ではなかったし、
指定したデュランダルからすれば、独房の奥底に入れておきたかったのである。
しかし、人形であり人ではない以上そこへ入れるわけに行かなかった。
MSでは無いことから、ハンガーの格納庫もNGだったのである。
「ヨハンは入り口の警報を……!? ヨハン、後ろだ!」
駆けつけた警備兵の一人が、仲間に指示をしようとし、
彼の方向を振り向いたとき、彼の後ろにいるモノの存在に気が付いた。
しかし、遅かった。其奴はヨハンと呼ばれた兵士の背後から手を回し、
首をひねり、鈍い音が部屋中に響き渡る。

…ゴキンッ…

骨が粉砕される音と共に、さっきまで生きていたはずの人間が、動かなくなった。
其奴は、ブラリとなった死体をしげしげと眺めた後、
興味を無くしたかのように放り投げ、人間のようで人間でない顔で、笑った。
「ば、化け物がぁああ!」
三名の兵士達は各々悲鳴を上げながら、手にしていたライフルの銃口を奴に向けた、と思った。
「あ…れ…天井? なん……れ……」
其奴は、一瞬身を屈めたと思ったら、正面の兵士に飛びかかり、
さっきまでやらしい目線を向けていた顔に、思いっきり蹴りをかましたのである。
兵士の首は折れ、後ろにへんな形で曲がり、絶命すると共に身体は後ろへ倒れた。
着地したと思えば、其奴は後ろへ飛んで、左側にいた兵士の頭に蹴りを打ち込む。
顔面にめり込んだまま、保管されていたコンテナにぶつかり、兵士の頭がつぶれ中身が周囲に飛び散る。
其奴は、鋭い眼光を残りの一名に向けて、飛びかかろうとした。
「ま、待ってくれ! 出口を教える!」
兵士は、必死になって叫んでいた。其奴は振りかぶった拳を眼前で止めて、
「へぇ……」
兵士の顔に手を当てて、ジッと顔をのぞき込む。
顔の作りは美人であり、兵士は息を呑んだが、美しい顔は忽ち歪んで、
「……いいよ、もう知ってる♪」
其奴はもう片方の手も顔へ当て、一気にひねりあげる。
身体が持ち上がり、ビクビクとけいれんし顔が青ざめ、
白目をむく様子を眺めながら、人形は残忍な笑みを浮かべていた。
「さて、と。音がしてたし、ハンガーはすぐそこかな……」
人形は死体から軍服と銃・弾薬を奪い取ると、暗闇の中へ消えて行く。
386787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:40:49.15 ID:???
十数分後、ジブラルタル基地格納庫よりバビが一機強奪される事件が起き、
破壊された格納庫の中でパイロットの無惨な死体が発見される。
保管庫の一室で四人の遺体が発見されるのはその調査中の事で、人形の紛失も確認された。

カメラに映る犯人の顔は、ルナマリア・ホークに生き写しだったという。

※※※※※※※

〜地中海・スエズ沖

ZAFT・東アジア連合艦隊は、スエズ基地を囲むように海上に展開し、
30分ほど前に行った降伏勧告の返答を待っていた。
その勧告が実質形だけであることは承知の上で、
すでにZAFT・東アジア双方共に臨戦態勢へ入っている。
コンディション・イエローの発令と共に、パイロット達は搭乗機内で待機となっており、
シャア・アズナブルは、久方ぶりのサザビーのコクピットで出撃前の最終チェックを行っていた。
「サイコミュ受信調整、終了。
 索敵、駆動も問題無し……いつでも出せるぞ」
『了解です、アズナブル隊長』
「メイリン、シャアでいいと前から言っているだろう?」
『あえ!? で、でもぉ……』
この子と言い、姉と言い、何とも戦場の緊張感とは殆ど無縁な空気を漂わせる姉妹である。
その存在が、クルーの間で良き清涼剤になっているのは確かであるが、
年上の人間をさん付けするくらい簡単だろうに。
顔を真っ赤にして嫌々と頭を振る少女に首をかしげつつ、彼はシートに身をもたげた。
彼はモニタの一部に、スエズ基地の遠景を映し出して、
この空間越しに伝わる殺気を感じながら、戦端が開かれるのは近いと感じていた。
ふと彼は、シートから身を乗り出して振り返り、
デスティニー、レジェンド、シナンジュの姿を見、少年達に何か無いか心配になる。
デュランダルが何を思ったかはわからないが、
彼らが乗っている機体には‘サイコフレーム’が搭載されている。
どの程度かに問わず、彼らに何らかの影響は出るだろう。
それが、もし悪い方向に働いたのなら、彼らはどうなるか。
そう考えたとき、彼の背筋を何か寒い感触が駆け抜けた。
ブスブスと燻っていた何かが、とうとう引火して燃え上がり、
ばらまかれた油の上を這いながら拡散し続ける。
「隊長……」
「アスランか?」
シナンジュからの通信で、アスランの顔がモニタに現れる。
顔には、初めて不気味なモノを見た子供のような、
理解に苦しむ何かを見た人間の顔があった。
「隊長は感じますか?
 何か、どす黒くて、ザワザワしたモノが、その……」
「お前も感じるのか」
「……!」
シャアは、内心はやはりそうかと思いつつ、
自分も初めて感じているかのように彼には返事をした。
(ハイネには笑われるかもしれんな)
387787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/07(月) 13:43:25.11 ID:???
そう同時に感じながら、
「おそらく、コレはあの基地の兵士達の『殺気』だろう。
 人間の心が放つ力の一端かもしれん」
「憎しみの力、ですか?」
「もしそうなら、この黒い感覚こそ人の目を濁らせ、
 誤った方向へと導くモノだ。だが、お前も気を付けておくといい。
 戦場は生き物だ。いつ何時、我々がコレに呑み込まれるかは解らん」
「……ません」
「……?」
ズンッ…と、シナンジュを取り巻くプレッシャーが重みを増す。
サイコフレームの影響で増幅された感情が漏れ出ている。
それは、悪い感覚ではなかった。アスランは一度俯き、顔をまた上げる。
『覚悟』・『確信』、そう呼称すべきものが、そこにはあった。
「ありませんよ、決して。俺も、シン達も」
目が澄んでおり、濁りが一切見られない。
逆に、シャアは自分がその目に元気づけられたような、
何とも言い難い複雑な気分になる。それと、安心した。
彼らなら、もしや死者に呑まれず、道を誤ることは無いかも知れない。
「そうか……」
先程の不安が、シャアの胸中で再び起こることはなかった。
その時、メイリンがコンディション・レッドの発令を艦内放送で通知。
黒い感情が向こう岸で爆発し、ミサイル群が空中へと放たれ始めた。
向こうでは、その黒い感情に混じり、困惑や絶望に似たものもある。
(基地の兵士達が己の感情に負けた、か)
サザビーを固定している装置が、右舷カタパルトへ移送され、
同時に、左舷カタパルトへはシナンジュが移送される。
脚部固定装置の規格に合わぬ足であるため、
スターティングブロックのように装置が傾き、
シャアとアスランは足を乗せ、身構える。
『シャア機、アスラン機、発進どうぞ!』

「シャア・アズナブル、サザビー、出るぞ!」
「アスラン・ザラ、シナンジュ、出る!」


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第26話


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これにて終了です。誤字脱字は見直したつもりですが、
発見された方はお教え頂ければ幸いであります。
進行方向がどんどんオリへと突っ走っていってますが、どうかおつきあい下さい。
後半はでき次第投下する予定ではありますが、
バイトもあるので来週までには何とかしたいです(・ω・)ノシ デハマタ!
388通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 14:27:54.20 ID:???
389通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 20:44:35.26 ID:???
乙です。

な…なんだ、この、つのの生えた女の子がいろんな意味でスプラッター
な某ハートフルボッコ漫画的展開は
390通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 20:56:41.11 ID:???
にゅうちゃん乙

すご〜くいや〜んな展開になりそうだのう
391通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 21:08:09.38 ID:???
サイコフレームの影響でアスランの感覚が刺激されてますね…
これはNTのレベルまで目覚める人物が現れるのか…

392通常の名無しさんの3倍:2011/03/07(月) 22:48:28.26 ID:???
人造人間18号(ただしトランクスが生まれ育った時間軸の極悪非道な方)
並のやっかいなバケモノが野に放たれてしまったか…
キラへの怨みもあるようだが、そのキラもいまや自分を失っているわけで
それぞれの感情がかみ合わないまま混迷の度が深まっていくばかりだが、
先読みや類推が通じないのも新鮮でいいものです。続きにwktk
393通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 01:41:31.92 ID:???
遅ればせながら787氏乙でした

外見はルナマリアだもんな・・中身もルナマリアと同じものを一体俺に・・
いや、なんでもないです
394通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 16:49:01.20 ID:???
アスランは精神的に脆いから壊れそうだけど
395787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:51:14.65 ID:???
どうもみなさんこんばんび、787です。
後半ができたのでこれから投下します。
気に入らぬ方はあぼんかスルーをお願いします
396787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:51:55.43 ID:???

機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第26話(後半)


蒼天の中へと飛翔した瞬間アスランは、
新たな機体シナンジュが自らの身体であるかのように、
文字通り『吸い付く』ような機動を見せることへの驚きが隠せなかった。
このリニアシートによってGが軽減されているからなのだろう。
身体にかかる負担も軽く、これまで以上の速度が出せそうだった。
アスランはペダルを踏み込んでみる。
背部バーニアの膨大な推進力が、シナンジュのボディを前へ前へと押し出して行く。
横を見ると、自分についてこれているのが、サザビーとデスティニーのみであると気づく。
シンも、デスティニーの莫大な推進力に舌を巻いていた。
サザビーやシナンジュとは別の視点から高い機動性の確保を目指し、
高い格闘性能と標準的な射撃兵装を備える特殊なMS、デスティニー。
ヴォワチュール・リュミエールの生み出す推進力は、まだ限界を見せていない。
二人の要求の斜め上を軽く飛んでいく出来の機体達であった。
「シン、アスラン、我々ミネルバ隊は先んじて上陸。
 基地上空到達後その空域の攪乱に当たる。地上施設を制圧する味方の突入口を開くぞ!
 海堡の心配はするな。東アジアMS部隊に鎮圧は任せてある」
「「 了解! 」」
そして彼らの後方に、空気を吹き飛ばすような爆音をあげ飛んで行く、
三機のMSを見つめながら、レイのレジェンド、そして三機のギラ・ドーガが追従して行く。
シナンジュ、デスティニーのような高速は出せないものの、
従来機とは比べものにならぬ能力は十分に備えている。
ギラ・ドーガは、ザクの後継機のような印象を与えつつも、中身は全く別物の、
それこそ、フリーダムやジャスティスのような伝説級MSに匹敵する代物である。
実際はそれどころではない開きがあるのだが、彼らにはそう受け止められていた。
見る見るうちに、スエズ基地のポートが見え始め、
防衛のため陣取っているダガーLや105ダガーが居並んでいるのが見える。
連装無反動砲やアグニ装備のような砲戦使用や、フォルテストラ装備。
バスターダガー、ソードカラミティなど、多種多様な種の機体が、
ZAFT並びに東アジア艦隊を迎え撃たんと、殺気を剥き出しにし待ち受けていた。
マラサイの姿はまだ無い。恐らく、基地本部施設の防衛にあたっているはずだ。
アスランは、まとわりついてくるような、どす黒い彼らの殺気を感じ、
シナンジュを一気に急降下させ、ビームや砲弾のカーテンをやり過ごす。
海面ギリギリまで機体を降下させて、基地のポートまで迫る。
デスティニーは、更にデスティニーを加速させて前へと突っ込みつつ、
上空からMS部隊へと強襲をかける。すでに、背中の対艦刀は抜かれていた。
サザビーはシナンジュ同様、海上を滑りながら海面を蹴って左右へ機体を小刻みに動かし、
飛んでくるビームの光やキャノンの砲弾を避け続け、確実に第一防衛ラインへと迫って行く。
どの動きもなめらかで美しくすらあり、それを見る味方の目も多かった。
アスランは、防波堤を蹴り上げて一度空中へと飛び上がると、
新型ライフルの銃口を、デスティニーの横腹を狙うランチャーダガーに向ける。
引き金を、引いた。
397787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:52:37.90 ID:???
かつて無い熱量を孕んだ光の奔流が、銃口から放たれ、
ダガーのボディめがけて吸い込まれて行く。
シュッと、音が聞こえたような気がした。
アスランは、ライフルなのにこの威力なのかと内心驚愕しつつも、
シールドのグレネード・ランチャーで対空砲の密集している区域を潰す。
そして地上へと降り立つと、膨大な推力でホバー式に機体を浮かせたまま、
ライフルを腰のラッチに収納すると、滑るように敵機の間へと割り込んで行く。
前腕部のサーベルを手に持つことなく、前腕部のアームに着けたまま、
まるで波の中を流れる木の葉のように、敵MSの間を持ち前の機動力ですり抜ける。
〈 く、来るなぁぁぁ! 〉
一瞬、敵ダガーから、新兵のかん高い悲鳴が響いた。
『聞こえた』のではなく、『感じた』のである。
それを認識したときはすでにその懐に深々とサーベルを突き刺していたときであり、
それが敵兵の魂の拡散と共に発せられた波動だと認識するまで、さして時間は掛からなかった。
「俺の中に、『人間』が入ってくるだと…………!?」
そう表現するしか、他に言い表せようがなかった。
人の思いが、機体を通して自分の心の中に踏み入ってくる。
悲しみ、痛み、憎しみ。押し潰さんばかりの重さをもって、のしかかってくる。
アスランは、振り払おうと一瞬だけ考えた。
しかし、すぐにやめた。
この思いを振り払ったら、何のために自分はここにいるのかわからなくなる!
そう思ったのである。元をたどれば、安定した世界を望む点においては同じものをもった者達。
目の前で自分に銃口を向け、弾丸を放つその姿は、
‘恐怖と迷い’を自分に向けてぶつけてくる。
もしそうやって、自分に思いをぶつけてくるならば、
……自分は、それを全て受け入れてしまえばいい。
自分は……平和を望む彼らの思い、怨念を体現する『器』になればよいのだ。
「残念だ、俺は君たちを殺さなければならない。
 デュランダル議長の作る新たな世のために、俺は徹底的に貴様等を叩く。
 だが君たちのその‘思い’は、このアスラン・ザラが引き継ぐ。安心しろ!」
自然と、姿勢が前のめりになる。
この気持ちの高揚が使命感なのか闘争本能なのか、解らなくなる。
そのどちらであるにせよ、心地よい感覚であることに変わりはない。
自分は死者に呑まれるのではなく、死者を呑み込む。そう言う立場であればいい。
アスランはサーベルを再び振るって、
一度に二機を切り下げると基地の奥へ奥へと突き進んでいった。

一方、ハイネ・ヴェステンフルスは、
シュツルムファウストを敵ハンガーにたたき込みながら、
その場で上記であるオレンジのギラ・ドーガをを一回転させると、
背中に回り込んでいたソードカラミティを振わんとしていた対艦刀ごとサーベルで切り裂いた。
「凄いな、こりゃあ……」
シャアから聞いていただけでは解らない実感が、
操縦桿だけでなく機体全体を通して彼を刺激していた。
核融合エンジンから生み出される膨大なエネルギーは、
従来機とは一線を画した圧倒的なパワーを見せつけ、ねじ伏せる。
「……!? 『勝って兜の緒を締めよ』だ、ハイネ・ヴェステンフルス!」
ハイネは頭を振って、一瞬心に生まれた慢心を振り払う。
398787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:53:22.55 ID:???
これだけの機体を預かったのなら、ソレ相応の働きに、
相応の心根と姿勢を見せねば、特務隊の名折れである。
それに、過剰な力に呑まれた人間がどうなっていったかを、
二年前に嫌になるほど見てきたではないか。
ハイネは肺に溜まっていた空気を一気にはき出し、もう一度空気を吸い、
ペダルを踏み込んで別の建物の上へ飛び乗り、蹴っては飛び蹴っては飛びを繰り返しながら、
対空施設や停泊している巡洋艦のブリッジに残りのシュツルムファウストを打ち込む。
そして、少し離れた箇所で乱戦を繰り広げている二機のギラ・ドーガに目をやった。
スラッシュザクのアックスをそのまま用い、段違いの出力からなる威力の大斧と化している。
無論、耐熱処理もより高度な処理を施してある故に高価であり、
マッド・エイブスには壊すなと念を押されている代物であった。
ノエミはと言うと、ガナーを彷彿とさせる大型のバックパックとビームキャノンを用い、
彼女の進む先に入る連中への牽制に徹しており、息のあったコンビネーションで敵を葬っていた。
「見事な太刀筋だ、ルナマリア。ノエミもいいセンスだ」
「ハイネっ!? 隊長達は……」
「彼奴等はもう奥の軍事工廠付近だよ。レイも行っちまった。
 そろそろ東アジアの連中も上陸する頃合いだし、俺たちも続くぞ」
「わ、わかった!」
「合点、任されて!」
進行方向を南の司令部付近へと変えた彼らの後ろで、
爆音と共に巡洋艦や空母が次々と船体を切り裂かれ、真っ二つになりながら沈んで行く。
東アジアの切り札『シャンブロ』が、海中から姿を現す。
特撮怪獣がそのまま機械化したような印象すらあり、
スエズ防衛軍はその大きさに竦み、動きを止めていた。
「……来たか」
「大西洋にも水中MSはあるのに……」
ハイネは悔しげに呟く。
ZAFTの対地攻撃部隊はやっと基地上空に達し、攻撃を開始したばかりであり、
このMAが巨体に見合わぬ素早さを持って、スエズの海堡を潰してきたと見るべきであろう。
そして、奴の頭部がまるで生き物のように開き、
口腔の置くに見える砲塔が姿を見せ、エネルギーが収束して行くのが解る。
『前方のZAFT機へ、これより敵MS群を掃討します。
 待避行動をお願いします……!』
「この声って……」
「あの子、アレのパイロットだったんだ」
ジブラルタルで会った、東アジアのジョウ少尉の声である。
予想外の事ではあったが、彼らは咄嗟にギラ・ドーガを飛ばし、
建物を蹴って急加速すると、シャンブロの斜線上から飛び退いて、
そのままシャアらが向かった基地の奥の方へと向かっていった。
後方で、閃光が走った。
巨体から生み出される莫大な出力を用いた拡散ビームが、
基地沿岸部を守備していたMS部隊を直撃し吹き飛ばしてゆくのが、
レーダーから光点が次々と消えて行くことから解る。
残った光も、海から次々と湧いて出てくる東アジアの水陸MSに、
芽も残さず刈り取られて行く。
「ハイネ…」
「振り返るな!」
ノエミが何かを言おうとして、彼はそれを押さえつける。
399787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:54:03.36 ID:???
言った言葉は、彼女へ向けたものでもあり、自分に向けたものでもあった。
ジョウ少尉はともかくとして、東アジアのMS乗り連中は、新型の力に‘酔っている’。
動きなどにそれらが現れていて、二年前のコーディネイター至上主義者共に通じる吐き気を感じ、
そんな連中のただ中に立てば、気が狂ってしまう気がして、
ハイネは一刻も早くシャアやシン達と合流したいという気持ちに駆られていた。
「……!? 言葉が走った?」
対艦刀を一閃し、ウィンダムのボディを両断したシン・アスカは、
一瞬だけ、向こう側でアスランの言葉が聞こえた気がした。
彼の気配がどんどん前のめりになって行くのも同時に感じ、シンは危機感を感じた。
アスランは良い奴であるが、馬鹿なくらい正直で純粋な男だ。
一端こうと決めたら、よほどのことがない限り曲げることはない。
すこし心配になりながら、シンはモニタの端に赤いMSが現れたことに気づく。
シルエットはザクに似ていながら、禍々しさがより強くなったフォルムを持つ、連中の新型機であった。
「あれが隊長の言ってた『マラサイ』か。
 ……でも、負けられないんだ。ルナの為にも俺は!」
アスランの事も心配だが、もっと心配なのは後方にいるであろうルナマリアであった。
心理的負担からいつ変わってもおかしくないと思っているシンは、
彼女により負担をかける訳にはいかないと奮起し、
五機前後の小隊で攻め掛かってくるマラサイ部隊に向けて、
背部の長射程ビームキャノンを掲げ、チャージが終わるや真ん中に向けて放った。
避けられることは最初から想定済みだ。
驚くほど軽やかな動きでビームを避けたマラサイ達は、取り囲むように散開し、
「もらったぁ!」
シンは左腕部にキャノンを抱えたまま三時方向に飛ぶと、
不意を突かれたマラサイの腹部に右掌を押しつける。
「このデスティニー、見くびってもらっては困る!」
デスティニーの掌が、光る。
〜パルマフィオキーナ
ゼロ距離からのビーム攻撃という破天荒な発想の元に誕生した兵装であり、
不意を打つ事においては他の追従を許さない兵器が、炸裂した。
ジェネレータ直結式による膨大なエネルギーが、掌の砲塔から放たれ、
密着していた装甲を溶かし、パイロットを焼き尽くして貫通する。
ブスブスと煙を上げながら倒れ込む機体を横へと放り、
残りマラサイは仲間が討ち取られた怒りに燃えて、
ビームライフルをシンめがけ雨あられと浴びせかける。
シンは、この間の実機訓練から感じていた不思議な感覚が、
またやって来ていることに気づいていた。
(敵の攻撃が……読める……!?)
正確には、殺気を感じ取り、その矛先がどうなっているのかが解るのである。
機体を通して、機体から発せられる殺気がどこに向いているのかを把握し、先に行動する。
そして、ゾワッとした地点を弾丸やビームが通り過ぎるのである。
同時に、敵パイロット達が強烈なまでの憎悪を持って、
自分を殺そうとしている事、そして恐怖心までもが、機体を通して伝わってくる。

(…………気持ち悪い!!)

受け入れがたい感情が流れ込んでくるような不思議な感じに、シンは身体が一瞬強ばる。
400787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:54:54.48 ID:???
ヴォワチュール・リュミエールの高機動によってマラサイの攻撃をかいくぐりながら、
一機一機、確実にボディへ一撃を入れて行く。
ライフル、キャノン砲、対艦刀を使い分け、その都度相手の断末魔が頭を走って行く。
だが、彼は全力でそれを右から左へと流していった。
彼らの怨念を背負いきれるほど、自分はまだ出来た人間ではないし、
自分は怨念を映し出すようなマシーンにもなりきれない。だから……、
「これ以上、俺にまとわりつくな! 重いんだよ!」
対艦刀を振りかぶり、最後の一機となったマラサイを唐竹に切り下ろした。
デスティニーの背後に灰色の機体が近づき、
シンは咄嗟に切っ先を向けようとしたが、対艦刀を抑えたその手はレイのレジェンドの腕であった。
「シン、心が乱れているぞ。
 何かあったかは聞かんが、平静になれ」
「レイ……? 悪ぃ、取り乱してた」
荒くなっていた呼吸を整えつつ、レジェンドの援護射撃の下、
一度引き返し、工廠だった建物の陰に隠れる。
ようやく呼吸が落ち着いてきた段階になって、
シンはレイにひとまず感謝の言葉を言い、
「沿岸部の戦況は?」
「途中でハイネ達が気になって引き返したが、殆ど終わってるだろうな。
 東アジアのMAとMS群が鎮圧しているはずだ」
「そっか……、俺等もうかうかしてられないな」
「待て、シン!」
レイは、また再び急いた心のまま前線へ戻ろうとするシンを引き留めていた。
「何すんだレイ、俺は大丈夫だって!」
「大丈夫じゃないから言ってるんだ。お前は何にそんな急いでいる」
「急ぎもするだろ! 俺がやらなきゃルナは!」
「……はぁ、そういう事か」
レイは内心、シンの真っ直ぐなところが裏目に出ていると呆れつつ、
何かの影響で、それが前へ引き出されているのだと察しを付ける。
そしてまた、その考え方に疑問を抱いた。
「お前は、同じ艦の人間を信用していないのか?」
「……どういう、事だよ」
「基地で、エトムント医師と医療部の医者が言っていたはずだ。
 ルナマリアが‘あの状態’になることはもう無いと。お前のその態度は彼らへの侮辱だぞ」
「でも、ならないって保証あるのか!」
「ないな。だが、そこだけに囚われて他が見えてなければ、何の意味も無い」
「そりゃあ、そうだけど……」
シンは何も言い返せなかった。
ルナマリアはもう変貌する事はないと、確かに医療部の人間は言っていた。
だが自分はソレを信じられず、彼女に負担をかけまいと懸命になりすぎ、心の余裕を失っていた。
敵パイロット達の怨念を振り払おうと必死になったのも、おそらくそのせいかもしれない。
「ルナマリアに何かしてやりたいなら、お前は‘寝床’になってやれ」
「寝床……?」
「彼女が何か悩んで、苦しんでいるとき、お前が安息の場所になってやるんだ。
 今のお前は、お互いを傷つけて、その傷の手当てすらしないようしている」
レイはそう断言した。
401787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:55:35.50 ID:???
彼女をどうこうしようと動けばシン自身が消耗し、彼女を傷つけるし、
その結果ブーメランのようにシンの心にもダメージとなって帰ってくるにすぎない。
「俺、どうすればいいのかな……」
シンは、少し沈んだ声で言う。
レイは、レジェンドを建物の影から乗り出させて前線の様子を窺うと、
「お前がすべきは、生きて帰って、彼女と楽しく過ごす事だ。
 それが彼女のためになる。無理して何かをしようとすれば失敗するだけだ」
「そっか、そうだよな! ありがとう、レイ!」
ヘルメットのバイザーを開き、二度頬を叩くと、シンはいつもの気力を取りもどす。
レイは、少々単純な彼の思考を危ぶみつつも、羨ましく感じていた。
彼は何もかも難しく考えすぎる。……アスランもそうだが。
ふと、同時に自分がジジくさい言い方をしていることにも気が付いた。
(……あとどれだけ残っているかわからんが。
 俺に出来るのは残された時間を精一杯生きてやる事だ)
その発想が、そうさせてるのかも知れない。
レイは苦笑しつつ、前線へと飛んで行くデスティニーの後を追った。

ちょうどそのころ、シャアはビームショットライフルを拡散モードに切り替え、
周囲を囲みつつあるマラサイ部隊を相手取っていた。
アスランのシナンジュと背中合わせに、サーベルとライフルを駆使しながら、
一機一機確実に葬っていっているものの、見積もって後20機はいる。
さすがに数ヶ月乗っていないせいか、自分の腕もすこし鈍っている。
シャアは心の中でそう愚痴りつつ、シナンジュと入れ替わるようにしてサーベルを突き出し、
互いに互いを斬ろうとしていたマラサイを貫いていた。
「やるな、アスラン」
「隊長こそ……!」
あと18機。ダガーやウィンダムならまだ希望的観測も出来たが、
マラサイが相手でありかつ頼れる味方は自分たち二機。
時間稼ぎといきたいが、相手もそれは承知の上であり、むしろヤケクソな部分を感じ取れる。
東アジアとZAFTの対地部隊も到達していたのだが、
マラサイに良いようにやられるものが出始めており、突破どころではない。
加えて、連中は自分たち二機が強敵であると認識し標的を絞ってきており、
生き残ったダガーやバスターダガーもこちらに向かっているとの情報も入っている。
こめかみを流れる汗にも気づかず、二人はジリジリとマラサイと一定の距離をとり続ける。
その時、マラサイ部隊めがけて巨大なビームが二本駆け抜け、
二機ほどのマラサイが避けきれず爆散する。シャアは、この武器に心当たりがあった。
レーダーに映る機体番号から見て、察する。
「‘ランゲ・ブルーノ砲’と、デスティニーの長射程ビームキャノン……シンとノエミ達か!」
モニタの端に映った影が、味方機であると確認すると、
形勢が逆転した事を確信し、マラサイ部隊に銃口を向けた。

※※※※※※※

402787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 18:56:30.42 ID:???

〜月面・地下

「……スエズが落ちたか」
『はい、先程ヘブンズベースのロアノーク大佐がそのように』
「残ったのはそこと本土だけだな。
 ……ツァオめ、あのようなタイミングで裏切るとは!」
ロード・ジブリールは、月面のさらに下にある月面都市‘だった’所に作られた仮宿舎の中で、
ゼダンの門の副官からの通信でスエズ基地が陥落したことを知った。
彼は、月面調査団から入った秘匿通信の内容に興味を惹かれ、ここへやって来た矢先の出来事だけに、
東アジアとオーブのあの掌を返すような裏切りに怒り心頭であった。
「まぁいい、奴等にはいい気になったところで、
‘天の火’を喰らわせてやるとしよう。それよりも……」
呼吸を整え、ジブリールは秘匿通信で示された地点に向かうため、宿舎を出る。
送りの車が待機しており、かれはその後部座席に乗り込んだ。
高級車でなく、軍のジープであるのは不満であったが、
この空間の空気がふんだんに吸えた事で、それを洗い流す。
この月面下に広がる都市は、コペルニクスに似たような雰囲気を感じる。
だが、長い間人の手に触れずにきたことからか、空気は非情に澄んでおり、
ジブリールは少しの間だけ、穏やかな気分でいられた。
彼は、調査団が言っていた施設がこの建ち並ぶビルの中にあるのだろうと思っていたが、
車は彼の予想を外れ明後日の方向へ進んで行く。
「あの『フォン・ブラウン』とかいう街では無いのか?」
「いえ、閣下をお連れするのは、少し離れた施設の方になります」
少々疑問に思いつつも、彼らは信頼する部下である。
その言葉に従い、彼はトンネルを抜けた先にある光景を見て、
「これは……」
あの月面都市とはまた趣を異にする施設であった。
形状からして、今現在の地上でも見ることが出来る施設とよく似ている。

〜プラネタリウム

それとよく似た施設の門をくぐり、待っていた研究者陣と合流すると、
彼らに導かれるまま、中央のドーム室まで案内される。
「あれが発生装置なのか!?」
ジブリールは、部屋の真ん中にキノコのような形をした機械があることに気づく。
タッチパネル式のようであり、今の時代には見られない代物であった。
403787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 19:01:22.48 ID:???
研究者達は、それに幾つもケーブルを繋いでいて、
先程まで修復作業を行っていたのだと窺わせる。
「閣下にお見せしたいものがありまして、お呼びした次第でございます」
主任がおずおずと近づき、彼を真ん中へと誘う。
ドアが閉まり、薄暗く光る装置を残し、部屋が暗黒に包まれる。
ジブリールは、全身があの機械と関わっては行けないと信号を発しているような気がしていた。
手足が震え出す。
ジブリールは、とっさにそれを押さえつけようとする。
研究者達は、それを滑稽とは思わなかった。自分たちも、震えていたから。

そして、暗室に『映像』が映し出され始めた。

ジブリールが憔悴しきった表情で部屋を後にしたのは、
それから数時間後のことである。うわごとのように、

「歴史を書き直す力……なぞ、信じぬ、信じぬぞ、私は……」


第26話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これで終了です。長く書く予定がけっこうあっさり終わってしまった(・ω・`)ショボン
それと、シンやアスランの心理描写が少し弱いなぁと後から気づいてショック。
次はもっと上手に書いてみせる(キリッ といいつつ、今回は終わりにします。
誤字脱字あればどしどしご指摘をば、ではまたお会いしましょう(・ω・)ノシ
404通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 19:14:20.76 ID:???
更新乙であります!
なんだかラクスさんが∀ガンダムにのってシャア達に立ちふさがりそうだ
405通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 19:50:46.22 ID:???
やっぱお髭かXがくるのか!?
さすがに小物なジブリールじゃあつかいきれそうにないしピンク魔神がくるのか

406通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 19:54:20.10 ID:???
更新乙!
フォン・ブラウンって、アナハイムが丸ごと?
それを手に入れれたら、失った地上の拠点を補って余りあるな
407通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 20:23:41.48 ID:???
∀<文明埋葬と聞いて(ガラッ
408通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 20:35:12.98 ID:???
Nジャマーを除去しようとしたら文明埋葬してしまったでござるの巻
409通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 20:46:37.69 ID:???
投稿乙です。

誤字指摘ですが>>402「非情に澄んでおり」→「非常に澄んでおり」でしょうか。

410787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 20:55:44.95 ID:???
>>409
発見しましたorz
>>402の半ば
「非情に」→「非常に」ですね、すみません
411通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 21:13:14.95 ID:???
誤字っていうか気になったところだけ

>>396の下から8行目
デスティニーは、更にデスティニーを加速させて前へと突っ込みつつ

デスティニーは、ってところは、シンは、だったりしますか?
なんだかしっくりこなくて変な感じがして…
412787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/08(火) 21:16:00.59 ID:???
おかしいな、めからあふれてくるものがとまらないんだ・・・・

>>396
「デスティニーは、更にデスティニーを加速させて前へと突っ込みつつ」

「シンは、更にデスティニーを加速させて前へと突っ込みつつ」
二箇所もあるなんてぇ!
413通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 21:34:00.63 ID:???
とりあえず落ち着いてコーヒーでも一息、書き込む前に確認だな。
414通常の名無しさんの3倍:2011/03/08(火) 22:49:41.64 ID:???
乙です。

やっぱり髭がでてくるのか!
415通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 01:22:24.60 ID:???
ひげ出てきたら・・・

これなんてGジェネw
416通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 04:29:16.58 ID:???
髭建造はCEより後だから
アーキタイプのターンXのほうか?
ジブ公が髭建造とかやったらそれはそれで面白いがw
417通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 07:33:00.40 ID:???
>髭建造はCEより後だから

とりあえずソース出せ
418通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 07:35:06.97 ID:???
>>416
時が未来に進むと誰が決めたんだ
419通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 07:49:15.10 ID:???
まあ、フラットは確実にCE後だろうね
ソニックシールドの技術は種実体盾の技術の発展系らしいし
420通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 08:11:31.44 ID:???
プラネタリウム云々の行で、D.O.M.E.を思い出した。
421通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 12:54:00.70 ID:???
白の宮殿まで・・・
422通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 13:18:36.11 ID:???
>>417一応、月の繭とかいう漫画では、冒頭でCEが黒歴史の中に挙げられていた。
ゴーグルをした量産型を引き連れた髭の絵が書かれていたのが印象的。
ま、この漫画あくまで公式ではないけど。
423通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 13:45:37.95 ID:???
787氏は書き慣れてきた感じだな
正直最初はイマイチだったが最近の投下分は面白い
424通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 14:05:27.19 ID:???
何様のつもりか知らんが2行目はわざわざ書く必要あったのか?
425通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 14:16:46.63 ID:???
CCAがCEにきたらってレベルを越えてるんだが
スレチのような気もしなくもない
426通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 14:17:01.82 ID:???
>>416
∀の開発って外宇宙から流れてきたターンXみっけて
外いった奴らマジパネェって作られたもんだからその表現は少し違うな
427通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 15:49:13.30 ID:???
>>423
そういう事書くと作者が増長するから書き込無なよカス!
787なんて厨二全開のオナニー糞作品だろうが!
面白い?
一度病院で脳ミソ診てもらえよwww

>>424
一行目もいらねえだろwww
428通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 16:10:42.15 ID:???
また、すごいな
429通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 16:16:13.63 ID:???
   ;'   /                    ゙; 
  ;'   /                      ゙、
  ;' /          ,.-ー、 ,.r‐'''' -、       ゙、
 {, '         ./,.. ------- 、.._ ヽ.        ゙、
 /         ,:'"´         ``l       ゙;   そんな事より、私、ムルタ・アズラエルから諸君に話があります。
 |/           /               j         }  このスレは今やかなりの人気スレとなっています。
 l|,       /             ,ノ ,ノ     ;'   なので荒らしや厨が流入しやすくなっています。
  ゙|     | ./''=;;、、_        ;;=ニ- ''ノ'     /   彼等は何よりも誰かに構って欲しいのだから、
  ゙、  l    N'¬;;ェyミ-: . .   -彡ry;T'ー-彡_,ィイ'   人気のスレがよく狙われてしまうのです。
   ゙、、 ヽ.  ゙、ヽ- 二-': : : : .    -:ニ -': : :.7` ノノ    
   ヽヾ-ヽ、 \   ´ . : : : |        ;'//     諸君は彼等にけっしてレスをしてはいけません。
    ` 、`゙、 ``゙`    .: : : |           ;'_/      どんな痛烈な罵倒もそれは彼等を喜ばせるだです。
      ``゙、         : : |, '      /         訓練されたブルーコスモス構成員たる諸君は
         ヽ    _   -      ,:'         当然導入済みであろう専用ブラウザの機能を活用し、
         〕:、    ̄ ̄ ̄ ̄   ,イ|         荒らしとそれに反応する者のレスを全て透明あぼ〜んしてさっさと忘れるようにしましょう。
        ,/:| \      ̄    /  |\   
      _/  |.   \       /   |  \ 
   ,.. - '"/    |    `` ;==、´      |    ;ヽ、
''''"´   /    |     /  ヽ.     |   `、 `ヽ.、
     /.     |     ∧   ∧   |    ゙、    ``ー-、._

 そしてスレで誰かに絡まれて不愉快な思いをしても、すぐ忘れちゃいましょう。
 ここは2chなんですから善人も悪人もいます。君の個人的な感情でスレの進行を乱し、
 皆に迷惑をかけることのないよう、常に務めてください。
 そうしてもらえると非常にうれしいですね。
430通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 16:31:19.65 ID:???
この冷静さは、もしかしてあなたはside Aの盟主ですか
431通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 16:33:58.76 ID:???
髭の建造時期は黒歴史のうちの何処かってだけで、実は良く分かっていない
ミノフスキー物理学とDG細胞の技術が使われているので、UCとFCよりは後って事くらい

432通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 19:05:24.61 ID:???
「∀本編はすべてのガンダム物語の最後に位置する」という定義はまだ有効だっけ?
CEもOO西暦も、いずれ出てくるだろう更なるアナザー暦も自動的に
黒歴史の一部に組み込まれるという解釈でいいのかな。
個人的には∀ガンダムはそれぞれの歴史が行くとこまで行った時点で覚醒し
月光蝶で無に帰してはまた眠りにつくというのを繰り返してきたんじゃないか
というイメージなんだが…
433通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 20:45:18.03 ID:???
おそらくそれで正解の近似値だろね
だとすると、あれだけ綺麗に終わった00に対してすら呪いとして作用する
富野おそるべしだにゃー
434通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 20:54:29.59 ID:???
00も軌道エレベーターやELSのコピー能力、外宇宙殖民など
∀に繋がる要素があるんだよね
まあそのへん意識してる可能性も高いけど
435通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 21:12:50.38 ID:???
小物は言うに及ばず例え誰であっても∀は絶対にどうにも出来ない物だからねえ……
436通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 21:44:01.86 ID:???
福井「ユニコーンは∀の時代でも解析できないオーパーツ(キリッ」
437通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 21:46:20.73 ID:???
ターンXのコピー能力はELSのソレとかね
まるで意思をもつかのような共鳴は∀とターンXの中枢にあるELSの共鳴とか

つじつま合うから困る
438通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 21:49:28.56 ID:???
ワンオフ品のオカルト現象なんて気味悪いシロモノ再現したくもないんじゃねーの?
∀もUCも両方すきだけどにゃー
439通常の名無しさんの3倍:2011/03/09(水) 22:03:33.76 ID:???
意志を持つコンピュータは宇宙世紀にある
つALICE
440通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 00:18:10.26 ID:???
劇中で月を破壊して髭への繋がりを全否定するガンダムを待っている
441通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 00:37:10.03 ID:???
月が破壊されたら地球も滅茶苦茶になるけど?
442通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 00:43:33.78 ID:???
宇宙世紀で吹き飛んでるシドニーが、他作品で元に戻っている時点でお察しだと思うがな
443通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 01:01:36.64 ID:???
コスモクリーナーを持ち帰って一年で地球が元に戻ったヤマト的な感じで何とかなってるんだよ、うん。
444通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 01:22:39.03 ID:???
歴史リセットのたびに
ガクトガンダムの地球再現データベースで修復してるんだよ
多分
445通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 01:57:14.42 ID:???
>>444
結局エクストリームの立ち位置ってどんなん?
ガンプラだとUC扱いだけど、ターンタイプとはまた違う別格な機体って事でおK?
446通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 04:10:02.60 ID:???
誰かこのサイトに飲兵衛氏の31話載せといてくれないか?
自分で載せようと思っても載せ方知らないもんで…情弱でスマソ

http://ifcca.x0.com/seed/list/427/index.html
447通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 15:20:05.61 ID:???
セイラ・ブライト・ノリス・ドズルに引き続きガイアまでもが…
448通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 19:28:27.16 ID:???
>>433
刹那帰還前と帰還後に描かれてない戦争があるとか
449通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 20:14:51.90 ID:???
パエッタ提督・・・
450通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 23:36:08.27 ID:???
>>441
月が壊れたならアイドルの出番だなww
451通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 23:38:44.66 ID:???
月に代わっておしおきよ!
452通常の名無しさんの3倍:2011/03/10(木) 23:52:18.13 ID:???
シャア「マリュー艦長もアムロも自分の年を考えたらどうかね?」
453通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 09:45:40.78 ID:???
>>451
月に代わってって…あ、中の人が同じなんですね。魔竜さんと。
454通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 12:32:14.09 ID:???
>>452
ああ、総帥がミンチよりひどい状態に・・・
455通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 13:14:47.77 ID:???
(´・ω・`)・・・・冗談ではない
456通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 17:05:30.96 ID:???
・・・地震関係だが
のんべえ先生無事か?

先生、どうかマジで生存報告を・・・
457通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 17:11:35.33 ID:???
今頃海外じゃなかったっけ?
458通常の名無しさんの3倍:2011/03/11(金) 20:01:19.20 ID:???
>>397
上記→乗機
459427 ◆ZSVROGNygE :2011/03/12(土) 00:05:41.02 ID:???
427です。ご心配して頂きありがとうございます。
私は幸い無事です。部屋はめちゃめちゃになりましたが。ようやく後片付けが終わり、PCを付けたところです。
この場ではありますが、住人だけでなく、他の全ての人々の無事を祈っています。
460通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 00:37:10.73 ID:???
787氏も大丈夫だろうか?心配だ
461通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 05:50:43.13 ID:???
のん兵衛先生・・・
無事でよかった…

787先生も無事でしょうか・・・
462787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/12(土) 18:22:34.13 ID:???
トリ大丈夫だろうか?
どうも、携帯から787です。自分秋田住まいなので、地震直撃です。
ネットワークがパーなので、しばらくの間は投下できません、申し訳ない
463通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 18:35:09.72 ID:???
御無事でなにより。
何を言っていいかわからないけど、とにかく気をつけて。
464通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 18:42:10.13 ID:???
秋田は風向き的にフォールアウトがヤバいんじゃないか
2人ともお気をつけて
465通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 19:18:54.32 ID:???
職人2人が無事で本当に良かった
俺も仙台で被災したが、現実感がまるでないな
466通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 19:25:57.23 ID:???
下手すりゃチェルノブイリの再来になりかねんぞ…
467通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 19:28:18.26 ID:???
そういやミノフスキー博士が核融合炉の開発したのって原発事故がキッカケらしい。
468通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 19:38:03.20 ID:???
核融合ってのはその状態を維持するのが大変で、高温を維持できなくなったら止まっちゃうものだからな
勝手に進む核分裂を無理して制御するのとは全然違う
469通常の名無しさんの3倍:2011/03/12(土) 19:50:12.61 ID:???
>>467
チェルノブイリ付近がミノ博士の故郷で、子供の頃に例の事故が起きて一族共々故郷を離れる……って設定だったやつか
宇宙世紀の歴史が順調に繰り下がってるんでもう公式化は絶対にありえないネタだな
470通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 04:26:40.72 ID:???
サイバーコミックスは元々非公式で自由にやるアンソロだから
471通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 16:49:31.22 ID:???
やっと復旧した
みんな無事か?
472通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 19:38:14.25 ID:???
誰だか存ぜぬが無事でよかった。
幸いにも全く別の地方で被害は無いけどそれだけに職人方や
当該地域のおまいらが心配だったよ。
やっぱ同じSSにワクテカしてた同士には息災でいてもらいたいもんな…
473通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 20:13:10.43 ID:???
心折れそうだから、糧が欲しい、、、、
474通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 22:55:23.64 ID:???
3日以内にM7以上の余震がある確率が70%あるらしい
怖い
475通常の名無しさんの3倍:2011/03/13(日) 23:00:49.18 ID:???
こちらは九州だが、津波による避難勧告が出たり引っ込んだり・・・
476通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 01:48:33.86 ID:???
しかし98氏や400氏といった他の職人たちは大丈夫だろうか
ともあれ紳士のみんなも身の安全を第一にしような
477通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 20:58:05.26 ID:???
停電もやるやる詐欺か
カップラーメンはいずこ
478通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 21:26:05.05 ID:???
>>477
中の人が頑張った結果じゃないか。

個人的には停電してもよかったと思うけどね。
479通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 21:32:14.93 ID:???
電気足りないから停電するよ!
停電するなら仕事せずに電気使わないでおくよ!
電気足りたよ!

だからな
しかしこのインフラ破壊っぷりはプチAFC状態かね
480通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 22:02:33.04 ID:???
これがきっかけで核融合開発が盛んになったりして
481通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 22:19:07.34 ID:???
鉄道を止めるくらいなら、停電してもよかったよ
今日の都内の混乱は悲惨だった。これは明らかに人災だったわな
もちろん東北の人々に比べれば些細なものだろうけどね
482通常の名無しさんの3倍:2011/03/14(月) 22:51:28.31 ID:???
お前ら頑張れ!すっごい頑張れ!四国在住の俺も頑張る!
483通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 05:57:42.83 ID:???
それよりも東西の周波数統一をだな…同じだったら西からの
供給も容易に行えたろうに。
484通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 07:28:01.62 ID:???
なんで別々の国から発電機輸入したんだろ?
485通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 13:43:16.60 ID:???
>>481
停電したら該当地域の電車も止まるけどな
486通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 15:27:49.93 ID:???
>>483
今後はそうなる流れじゃね?
487通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 17:29:19.58 ID:???
じりじりと50Hzに統一していければいいな。
30年くらいかかるだろうけど。

明日から定常業務だけど、そのおかげで電気足りなくなっちゃいました
な落ちは嫌だな…
488通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 20:47:26.37 ID:???
やっとこさ繋がった…ぜ

避難所生活の俺が携帯でやってきましたよ
津波こええ…建物にぶつかってあがった水しぶきが風に流されて煙のようにあがるのな…

助けて!!とかおーいとかさけばれても無理なのこれが…
ながれついた人をたすけるのが精一杯だった…おかげで津波にさらわれた人の声が耳から離れん

避難するために消防車にものったしな
手回し充電で、なんとかこのスレにきたよ
489通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 21:00:52.23 ID:???
>>488
あえて言わせてもらうよ。無事でよかった
節電と募金でしか貢献できないが、いつかスレ住人同士の飲み会で飲み明かそうぜ
490通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 22:10:23.65 ID:???
>>488
なんと言えばいいのか分からないけど、本当に生きてて良かった。

491通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 23:04:41.14 ID:???
>>488
まずは死地からの生還おめでとうと言わせて頂く!

だが、本当に苦しいのはこれからだと思う
本当に取り戻すのは、失う前の自分自身だ
あの毎日馬鹿をやっては笑えていたあの時間だ
それを取り戻した時初めて本当に笑える日常に生還したと言えるだろう
今苦しんでる人達に向かって頑張れなんて無責任で無神経な言葉は、口が裂けても送れない

だがこれだけは言わせてくれ!
これからどんなに苦しい目に遭うとしても絶対に諦めるな!
手を指し延ばしてくれる人も周りに沢山いるはずだ!
そして諦めた瞬間、今一番欲しいと思ってるあの日常は手に入らなくなるんだよ!
だから絶対諦めたりするんじゃないぞ!

いいか、後に仮設住宅で孤独死なんて末路だけは絶対に回避するんだ!
これからの山のような苦しみを乗り越えた時、初めてあの日常と同じものが取り戻せるんだからな!

絶対だ!
絶対に取り戻せるものなんだあああああっっ!!



ひぐらしネタでスマソ
492通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 23:21:35.44 ID:???
人の声が聞こえたってことは津波って意外と静かに迫ってくるんだな
爆音鳴らしてくると思ってた

うちは海から離れてるため津波被害は避けられたが、放射能がヤバい
493通常の名無しさんの3倍:2011/03/15(火) 23:36:45.63 ID:???
>>488
生還おめでとう。お疲れ様。
まずはゆっくりと休んでください。

>>492
デマ情報に踊らされないよう冷静にね。
間違ってもイソジンのうがい薬は飲まないように。
効果がないうえに腹壊すから。
494通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 00:27:03.66 ID:???
種で例えると
ブレイクザワールドでNJが全て故障してNJスタビライザー照射された気分
495通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 01:08:11.85 ID:???
そういや、種の世界でも血のバレンタインのあとの報復で地球の原子炉止まっちゃってエネルギー不足になっちゃったんだよな・・・
エイプリルフールクライシスだっけか
こうやってその側に立たされると、コーディネイターうらまれるのも当然だって思っちゃうな・・
496通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 01:14:22.23 ID:???
>>437
少し無理やりかもしれんが
ツインドライヴシステム:2基のGNドライヴを連動させることで二乗のパワー
∀の動力:2基の縮退路が搭載されていること以外不明
ってのもあるんだよな・・・2基搭載となると邪推しちまう
497通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 01:19:14.18 ID:???
>>488
助かってよかった
おまえさんはよくやったと思うよ
特例として全裸待機は免除するからがんばれ!
498488:2011/03/16(水) 05:48:26.13 ID:FRHmhES3
>>492
自宅にいて海から2kmくらい離れてたから、津波は届いたけどもの凄い濁流って感じだったから音はそれほどでもなかった
残骸とか漁船とかが流されてきて、それで何人か助けられてた

津波が海のそばの集落あたりに到達したときは凄い轟音だった、波が崩れた音が雷が鳴ったような感じで響いて

家は高台の下のほうで、結構ギリギリだった…家の真下ちかく、麓から高さ2〜3mくらいまで水没したかな…
499通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 06:35:34.49 ID:???
心配するのをやめ、寝る事を決めた。
500787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 08:37:05.75 ID:???
みなさんおはようございます。物資が入ってこないと言うことで、
近所のスーパー・コンビニががカオスな事になっていて、
食料・紙が入手できなかった787です。
とりあえず生存報告を兼ねて27話アバン投下しますね。
皆さんを元気づけられるようなものではありませんが、微力になれば幸いです
誤字脱字は突っ込みを、気に入らない方はスルーをお願いします
501787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 08:38:26.70 ID:???

〜ゼダンの門・VIPルーム

ロード・ジブリールは、部屋の大展望から見える、青く美しい水の惑星の姿を眺めていた。
全身を襲ってくる脱力感と戦いながら、彼は今まで自分が学んできた、
『歴史』そのものを根本から覆す真実を頭の中で反芻していた。
以前マラサイやギャプランを見、ジェガンやデルタプラスの存在を知ったとき、
一度は科学者陣や彼の中で浮かんだ説が、まさしく的中する結果となった。
プラネタリウムのような施設で見た映像は、鮮明に思い出すことが出来た。
 ・ストライクと同じトリコロールのGタイプが、ザクに似たMSを指し貫く瞬間
 ・オーブのムラサメをより強化したようなGタイプが、マラサイを切り裂く瞬間
 ・額にビームキャノンを備えたGタイプの重MSが、大型のビームサーベルを振るう瞬間
 ・大型バーニアを方に装備したGタイプと、核兵器搭載のGタイプが切り結ぶ瞬間
 ・陸戦系のGタイプが、グフ系のMSと肉弾戦を繰り広げる瞬間
 ・花のような形状の赤い巨大MAが、分身する小型のGタイプと戦闘をしている瞬間
 ・光の羽を広げたGタイプが、天使のわっかのような施設に向かう瞬間
 ・神々しく輝くGタイプと、悪魔のように巨大なGタイプが対峙している瞬間
 ・Gタイプが月の光のエネルギーを糧に、尋常でない規模のレーザーを放つ瞬間
 ・天使の羽のようにしなやかなウイングを持つGが、禍々しいGタイプと切り結ぶ瞬間
 ・緑色に輝く粒子をまき散らすGタイプと、赤い粒子をばらまくサムライのようなMSが切り結ぶ瞬間
 ・現在はヘブンズベースに配備中の『νガンダム』が、赤い鬼のようなMSと激戦を繰り広げている瞬間
様々な映像が、信じがたいリアリティをもって彼につきつけられた。
かつて人が住んでいたものが、天から飛来し地を焼き尽くす時や、
ある科学者が希望を込めて造り上げたものが、一部の者の野望で悪魔と化する時。
そして、人を超えた存在であると増長した者や、果ては宇宙から飛来した地球外生命体。
今の彼に、それら全てを理解しまとめ上げる気力は残っていない。
加えて、現実としての問題の処理も彼には残っていた。
大西洋連邦並びにユーラシア連邦政府が、ロゴスと実質的に距離を起き始めている事。
これについてロゴスの古老どもが騒ぎ始めているし、
地球における拠点はスエズが陥落した今、
大規模な施設はヘブンズベースしか残されていなかった。
今朝方届いた情報に寄れば、ZAFT側が投入した新型によって、
虎の子であったはずのマラサイも敗退している事実。
東アジアの水陸MSには善戦したらしいが、それは慰みにもならない。
ただ一つの幸運と言うべきは、宇宙要塞アクシズがようやく姿を現したことであろう。
L2宙域、すなわち『鎮魂歌』を設置しているダイダロス基地、
そしてあの『地下の月面都市』にほど近い宙域にアクシズが出現し、
現在L2宙域駐留軍と睨み合いになっているとの噂もあるが、正確なところはまだ伝わってはいない。
しかし、危機的状況といえどもジブリールは、現状に焦ってはいなかった。
想定外の事実を知ってしまったショックは大きいし、地上の拠点が減っていることは確かに厳しい。
だが、当初の自分の目的からは別に外れてはいないのである。
「いくら損害が増えようが、最終的に勝者になればそれでよし」
アクシズには、今まで引っ込んでいた分だけ働いてもらうつもりである。
此方の『鎮魂歌』という切り札はきっていない故、ちらつかせて動かすのは簡単だ。
それに、謎の第三勢力の出現はプラント並びに裏切り者共の動揺を誘うのに効果的であるし、
このまま混沌とした情勢が続けば、死者はますます増えて行くだろう。

……それでいいのだ。
502787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 08:39:11.20 ID:???
どんどん戦って、どんどん憎しみが広まれば、人間には余裕が無くなってくる。
前大戦以前から続くナチュラルとコーディネイターのいざかいなど、
考えようとも思わなくなる期間が、きっとやってくる。
ぶつくさ言いつつも金魚の糞のようにくっついているロゴスのジジイ共も、
人々が余裕をなくし、戦争する気も起こさなくなれば黙っている他はない。
人が少なくなれば、食糧問題も深刻化しないし、統治するには都合が良い。
そして結果的には、緊迫した情勢を維持し続け、適度に爆発させ続ければいいのである。
ふくらませしぼませ、ふくらませてはしぼませ、繰り返し、繰り返し。
「安定したまま発展し続け、その果てに『埋葬』があるならば、
 私は常に後退し続けるようにすればいい。簡単な話ではないか……」
鋭く濁った眼光は変わらぬまま、尖鋭化した発想を胸中に抱え、
ジブリールは青き地球の姿を目線から外すと、鎮魂歌の視察のために部屋を後にした。

※※※※※※※

〜旧トルコ・アンタルヤ

かつてはトルコ屈指の観光地として知られたこの地域の港に、
ZAFT戦艦ミネルバと中心とするZAFTの潜水艦艦隊と、
東アジア艦隊空母天龍を初めとした連合艦隊がその巨体を休めていた。
観光地であった頃の名残は今だ強く、各地にトルコ料理のレストランが居並び、
日が傾き駆け至る所で街灯に火がともされて、街を明るく照らし出している。
飲み屋や歓楽街には、ZAFTの制服や地球軍の制服が入り交じり、
なんとも不思議な光景が広がっている。
タリア・グラディス艦長を中心に、ミネルバのクルー達も、
作戦成功を祝う席を、街の一画にある宴会場で設けていた。
食卓にはすでにラクと呼ばれる食前酒と、ベヤズ・ペイニルやウスクルム・ドルマスが並び、
酒と肉とが織りなす芳しい香りが部屋に満ち始めていた。
音頭を取ったのは無論艦長のタリアであり、
艦内に溜まっていた疲れや陰気を全て吹き飛ばすつもりで、という締めくくりで宴会は始まった。
シャア・アズナブルは、一番隅っこの席でラクを一口すすりスィミットをかじりながら、
宴会場の中心でクルーから立役者と称賛をあびるシン達を眺めていた。
周りの連中の中にはもう酒が回り、半ば叫んでいる者もみられるが、そこは酒宴に付きものであろう。
「ルナマリア、歌いまぁ〜す!」
ルナマリア・ホークが、軽やかな足取りでステージに上がる。
赤らんだ頬が妙に色っぽく、前列の男共のヒートアップ具合は凄まじい。
カラオケのリモコンをいじり、穏やかな曲が流れ始めて、ルナマリアは深呼吸すると、
〈 君が流す涙 拭うためだけに〜 〉
「ほぅ……」
意外な一面を見た。シャアはそう感じていた。
酒宴の席に歌う曲かと聞かれれば首をかしげざるを得ないが、
ルナマリアの歌声は綺麗で、心穏やかな素敵な声音であった。
「何かお腹に入れた方が良いですよ、シャアさん」
「メイリンか、んっ、ありがとう」
メイリン・ホークが、そっとシャアの隣に座る。
一人で離れた場所に座っていた彼を心配してか、キョフテの乗った小さな皿も持って。
メイリンからフォークを受け取って、口に放り噛みしめる。
503787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 08:39:51.80 ID:???
肉の仄かな甘みが口の中に広がって行き、穏やかな心地になった。
「結構歌うの上手でしょう、お姉ちゃん」
「……ああ、確かに上手だな」
「なぜお一人なんですか? こういう時くらい、シン達と一緒の方が」
「こういうときは、若者同士の方が盛り上がるものさ。
 私のようなオジンが混ざっても面白みがない」
「そんなこと……」
ないですよと言いかけて、メイリンは黙っていた。
ふと当人達に目をやると、ルナマリアの歌う姿をジッと見つめているシンやレイ。
ハイネと談笑しているアスランなどの姿を見、
「……言ったろう?」
「そうですね」
メイリンは、そんな彼らを温かい目で見ているシャアの横顔を見る。
彼女は最初、ミネルバに来た頃は心を開かない冷たい人間のように思っていた。
比べて現在は、色々な経験を積んできた『大人の男』として周囲と接している
最近気づいた事であるが、大人をやりつつも子供っぽい所を捨てきれない『弱さ』も持った人であるとも。
酒が廻ってきたメイリンは、そのシャアの左腕に身をもたげる。
頭がふわふわして、瞼が重い。不安は感じず、むしろ安心している。
父親の腕に抱かれていた小さい頃のような、何とも温かい気持ちに包まれる。
「メイリン、おい。……参ったな」
シャアはと言うと、メイリンが自分に身をもたげて、
すやすやと眠ってしまったことに少し焦りを覚えていた。
作戦の疲れがどっと出たのも解るし、コーディネイターとはいえ16才だ。
しかし、場所を考えて欲しいものである。
かといって起こすわけにもいかず、彼女の寝息を聞きながら酒を飲んでいた。
酒が廻って火照ったその寝顔はなんとも扇情的で、グッと来る何かを必死で押さえつけながら。
……酒の席が続くに連れ、皆の別の一面が現れ始めている。
ルナマリアが歌が上手い事もそうだし、ハイネも同様に抜群の歌唱力を発揮していた。
〈 乱れ立つ夢の 互いの刃が吠える〜 〉
と、今の混沌とした情勢下に良く合っている内容の歌を。
一方のレイは普段の冷静さが消し飛んでおり、
いやがるヨウランとヴィーノを捕まえて、メイドのすばらしさについて延々と語っている。
504787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 08:42:04.42 ID:???
アスランはと言うと、一見して理性を残しているかのように見えるが……、
「歌はいいねぇ」
「……は?」
「歌は心を潤してくれる。人の生み出した文化の極みだよ。
 そう感じないか、シン」
何を思ったのか隣にいたシンの手を握り、驚いたシンが手を振り放すと、
「一時的積極を極端に避けるね、君は。
 ……怖いのかい? 人とふれあうのが」
「ち、近寄るなぁ!」
アスランは酔っぱらっているはずなのに、何とも爽やかな笑顔を浮かべている。
シンは酔いが一気に醒めたようで、顔は青ざめて椅子から転げ落ち後ずさりし、
アスランは微笑んだまま彼へ近づいて行く。ハッキリ言って、気持ち悪い。
そんな一時を、当事者がどう思っているか関係なしに、シャアは楽しんで眺めていた。
明日には、こんな楽しみとは無縁の環境に戻るのだと考えると、止める気にもならなかったのである。
ギルバート・デュランダルとツァオ・フェン両者の公式会談が、
ジブラルタルで行われたのは、ミネルバ一行が出港した数時間後のことであった。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第27話


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。被災地の皆様にはご無事をお祈りするとともに、
東北地方でなく静岡でも震度6を観測したそうですので、
他の地域の方々もどうかお気を付けになってください。
ではまたお会いできることを楽しみにしております。
505通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 09:21:58.22 ID:???
メイリン裏切り死亡フラグがたちました、お疲れ様です。
506通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 09:29:19.55 ID:???
凄まじい状況ですが投稿おつおつお
アスランワロタ

静岡は地震に慣れてますから大丈夫ですw
実家周辺が震源地だったんですが、まぁなんとか無事でした
507通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 10:50:13.19 ID:???
とりあえず乙です
アスラン握り潰されるぞ全くw
508通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 11:08:18.97 ID:???
787氏、乙でした

気がついたところだけ指摘させていただきます
>>501
ザクに似たMSを指し貫く瞬間→刺し貫く
大型バーニアを方に装備したGタイプ→肩に装備
ではないでしょうか
509通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 16:22:08.22 ID:???
アスランが使徒になってしまったw
そしてレイはある意味でブレないなw

最初の映像は、1stなのか0080なのか……多分、後者だろうけど
510通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 17:04:19.95 ID:???
 地球連合軍、強襲機動特装艦アークエンジェルのフライトデッキ
 そこに白と黒の、所謂パンダカラーに塗り分けられた、一機の巨大な人型兵器
通称モビルスーツが降り立った
 この艦の中枢を司る、首脳部の面々が警備班員を従え、彼らを迎えようとしている
 その光景を、整備班が遠巻きに見守りながら、興味深げに人型の兵器に視線を注ぐ
 MSを見慣れた者達だったが、その機体は通常のMSを圧倒する程の、異様を振りまいていた
 大きさもさる事ながら、背中に背負った、折り畳まれた巨大な鳥の翼のようなもの
 そこから長く延びた二本のプロペラントタンクだろうか
 それらの存在も、MSの異様に上乗せされていた

 やがて、その白いMSのコクピットハッチが、上にスライド収納される形で開き、二人の人影が姿を現す
 始めに姿を現した人影が中に手を差し伸べ、もう一人の比較的小柄な人物に向けて、まるでエスコートをするように差し伸べていた
 ようやく二人目も姿を現す
 よく見ると、二人の着ている宇宙服の形が違う
 一人は動きやすさに重点を置いたようなデザイン
 もう一人の身に着けているものは、安全性を重視したタイプの物のようだ
 そこから、前者がこれを動かすパイロットなのだろうと、容易に伺える

 彼らはすぐさまデッキの床へ、二人揃って降り立った
 随分と無重力の環境に慣れている
 二人の身のこなしから、始めに抱いた周りの印象はそれだ
 そこから当然のように連想されるのは、コーディネイターと言うキーワード
 その場にいたほぼ全ての者に、緊張が走るのだ

 無事に首脳陣の前に降り立つ二人 被っていたヘルメットを外し、首の後ろに固定させた
 パイロットらしき男は、随分と人好きのする、柔和な顔立ちをしているが、纏う雰囲気は厳しさを面に出していた
 そしてもう一人、こちらはパイロットより小柄な理由が分かった
 ボリューム感のあるスーツのせいで気付かなかったが、その人物は女性だった

「改めて、地球連邦軍参謀本部直属、ロンド・ベル所属のアムロ・レイ大尉」
「同じく、大尉専属の担当メカニック
 チェーン・アギ少尉です」
「この度は部下共々拾って頂き、深く感謝する」
 全く事情を知らされていない者達の口から、疑問符の付いたどよめきが、そこかしこから立ち上るのだ
511通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 17:17:35.44 ID:???
>>509
アレックスはトリコロールカラーじゃないから、1stでアムロのガンダムがデニムのザクを刺し貫いたシーンじゃないかな?
512787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/03/16(水) 17:32:48.42 ID:???
>>508
ありがとうございます。
確かに>>501
指し貫く→刺し貫く 方→肩
ですね、サーセンorz

そして>>501氏乙でした。
状況的には「月のアナハイムから向かう途中に転移」
と考えてよろしいのでしょうか?
そして、申し上げにくいのですが一つ突っ込みを。
νガンダムのカラーなんですが、黒ではなくミッドナイトブルーですよ。
細かくて申し訳ないm(_ _)m
513通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 17:45:34.22 ID:???
νガンダムの色についての表現はどっちを選ぼうといいと思うけどね
黒と言う人、ミッドナイトブルーと言う人どっちもいるんだし
514通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 18:54:41.12 ID:???
酒を呑むと本質が現れになると言うがアスラン…
515通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 19:31:45.04 ID:???
ミッドナイトブルーとか黒でいいだろ、細かすぎる。
516通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 20:33:48.64 ID:???
ガンプラの黒に近い部分はたいがいミッドナイトブルー
517通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 21:22:57.38 ID:???
大変なときに投下乙です。
中のひとたちって、考えてみると色んな時空を超えてますね。

…酒精が入ると「中のひと」の異次元スゥィッチがオン…
518通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 22:54:41.73 ID:???
スーパーファミコン時代のνは濃紺だったよな。
でも何故か年々黒が多くなって、最近はもうν=白黒ってイメージが強すぎる気ガス。

俺の中では今でも黒ではなく濃紺。
519通常の名無しさんの3倍:2011/03/16(水) 23:10:48.97 ID:???
基準はアニメ版だろ?
スーパーファミコン時代とか言ってるやつはなんなんだ?
520通常の名無しさんの3倍:2011/03/17(木) 08:55:33.60 ID:???
>>517
シャアの中の人にはビキニの戦闘服を着たJKを追っかけている人のスイッチが入って欲しい…

って若いヤツはこんな作品しらんだろーなー
521通常の名無しさんの3倍:2011/03/17(木) 10:50:42.42 ID:???
もしかしてプロジェクトA子か?
と思ったがこれか

ttp://www.youtube.com/watch?v=8hyAqzq5fBo
522通常の名無しさんの3倍:2011/03/17(木) 21:17:16.09 ID:???
取り敢えず、
ジブリールはサークレットを装備したようです(違)

遣ろうとしてる事は灰色の魔女だよね?
523通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 06:40:42.59 ID:???
>>522
「一族」再び、って感じだね
524通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 08:24:19.16 ID:???
まさかターンAどころかOOとかも出てくるんじゃないだろうな?
525通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 10:07:10.56 ID:???
>>524
クアンタが触れた所がお花畑になります。

ジブたんの頭がお花畑(ジブたん本体)に・・・
526通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 10:29:51.23 ID:???
ジブが初春化するのかw
527通常の名無しさんの3倍:2011/03/18(金) 10:31:12.02 ID:???
>>525
ELSのメタリックな花が咲いたり
528通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 18:41:01.44 ID:???
何となくジブリールをお絵かきしていて、気がついたら救急車に運ばれ喘息で入院する事になったでござるの巻
529通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 20:40:07.47 ID:???
>>528
スゲー毒性ジブリール恐るべしだなwww

お大事に
530通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 22:56:19.18 ID:???
>>528
推察するに(ジブリール+魔界天使)+(初春+メタル)=一見で入院の毒性か…
魔界天使の時点で呼吸困難になる俺はヤバいな
531通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 22:58:41.97 ID:???
あの扉絵にメタルな花輪…もはや兵器だなw
532通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 23:07:40.21 ID:???
>>528から531
なにそれ?
どうか詳しく
533通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 23:17:41.95 ID:???
>>532
「魔界天使ジブリール」という18禁ゲームがありまして、
そのヒロインの変身後のコスチュームをロード・ジブリールに着せてるというブラクラ級の絵が存在していまして。

そのブラクラ絵をよりパワーアップされる、ということでしょう。
534通常の名無しさんの3倍:2011/03/20(日) 23:19:13.61 ID:???
>>532
君はXDISTENY(綴りこれであってたっけ?)をぐぐってもいい、ぐぐらなくてもいい



















自己責任でお願いします!
535通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 09:19:41.80 ID:???
>>534
それでググったら
中学生のお菓子、ッてページしか、ないんだけど・・・

これは、俺は助かった…と言うことかな?
536通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 10:17:31.01 ID:???
スペルはxdestinyだな
興味本位で見るには危険すぎるから気をつけて
537通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 11:04:18.93 ID:???
えっ緑の粒子を放つGタイプ・・その機体が出てくると人々の意識が共有されるのか?
538通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 13:48:59.67 ID:???
それ、違うシリーズの事だからw
539通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 15:49:50.78 ID:???
>>536
………










うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ
福島が会津若松でチェルノブイリがトロトロなんだよ〜ーーーーーっ!!!!





ゲファアッ!!……(バタッ!!、ピクッピクッ……)
540通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 15:55:10.17 ID:???
>>539がやられた!

メディーック!メディーック!
541通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 17:38:40.00 ID:???
ちょっとw不謹慎でしょ!

自分も見たけどそもそも元ネタ知らないせいか何とも思わなかったぜ・・・
542通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 18:38:49.01 ID:???
あまりの破壊力でスパイラルカオススレに誤爆した
543通常の名無しさんの3倍:2011/03/21(月) 23:45:09.97 ID:???
次は4のキャラで戦国天使だって
544通常の名無しさんの3倍:2011/03/22(火) 00:39:27.98 ID:???
>>543
シリーズ続いてたんだ…
545通常の名無しさんの3倍:2011/03/22(火) 09:48:01.43 ID:???
>>543
もう普通の触手ネタでは勃たんから
雑兵達に三穴ヒャッハー!!…なネタ満載にして欲しいわ

>>539
・・・また犠牲者が…
トータル何人逝った?w
546510:2011/03/22(火) 13:04:32.48 ID:???
気が向いたから続き投下しようとしたら規制ディスと!?
orz
547通常の名無しさんの3倍:2011/03/22(火) 22:24:31.39 ID:???
548通常の名無しさんの3倍:2011/03/22(火) 22:34:38.41 ID:???
>>546
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/10411/#1
クロスオーバー倉庫 SS避難所

↑に投下できれば代理投下もできますよ。
549通常の名無しさんの3倍:2011/03/25(金) 02:19:27.89 ID:???
テス
550通常の名無しさんの3倍:2011/03/25(金) 20:19:59.74 ID:???
保守
551通常の名無しさんの3倍:2011/03/28(月) 23:29:52.62 ID:???
全裸待機中
552通常の名無しさんの3倍:2011/03/29(火) 19:57:47.81 ID:???
全力で全開で全裸で全霊で待機中
553通常の名無しさんの3倍:2011/03/30(水) 23:24:52.11 ID:???
まとめ見てきたがアムロが種世界に来るという条件を満たせばなんでもありって感じなんだな
俺も短編書いてみようかな
554通常の名無しさんの3倍:2011/03/31(木) 01:14:56.37 ID:???
>>553
期待してるよ
555通常の名無しさんの3倍:2011/03/31(木) 21:26:07.22 ID:???
レイアム「家のアスランがシャアに∞正義取られてから一人オセロを続けて一週間」
556通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 01:18:41.29 ID:???
こんばんは、呑ん兵衛氏にお届け物でーす
http://ifcca.x0.com/seed/joyful/img/160.jpg
拡大ユーラシア宇宙軍第二艦隊、ロンドベル第三戦隊を添えて。
秋田も中々揺れましたなぁ。
557通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 01:22:32.44 ID:???
さりげなく種シールド持ちのGM2が居るw
558通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 04:06:47.62 ID:???
こうしてみるとサラミス改は線が多いな・・・
種系戦艦も線を増やすと種とUCの混合部隊という違和感が消える希ガス
559通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 04:08:34.89 ID:???
サラミス級はUC150年どころか200年ぐらいまでつかわれていたんじゃあないかなぁ?
後継艦のクラップ級の後継たる艦ができてないから結果的にずるずるとサラミス級つかっているそうな予感が
560通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 04:27:47.80 ID:???
あんまり憶えてないがガイアギアやGセイバーでの艦船の類ってどんなんだったっけ…
561通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 04:48:16.08 ID:???
どっちも量産型は出ていない
562通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 05:21:00.41 ID:???
>>559
スペースアーク級(改クラップ級)は普及せんかったのかな

リーンホースとブレイドウッドがスペースアーク級らしいけど

クラップ級自体サラミスとの置き換えのために開発されたのに…ケチってるな連邦(笑)
563通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 08:04:26.04 ID:???
スペースアーク級は練習艦だから
主力にはならんだろ
リーンホースだって余ってたの駆り出された状態だし
564通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 09:34:31.37 ID:???
>>562
どこぞの国の自衛隊と一緒だよ
財政難で後継機や後継艦を開発しても十分配備できないのさ
565通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 11:33:01.34 ID:???
>>562
サラミス級が150年代でも使われているし
多分150年代でも新造艦があると思われ
566通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 13:37:22.41 ID:???
>>562
>>565
MSが小型化されたから取り回しの良いサラミスの価値も相対的に上がったのかも知れない。
それにサラミス級の設計思想は古くても堅実で拡張性が高そうだからきっと地味にVer.UPはしていると思う。
装甲材とか、内部機材、エンジンなんかはきっとZ時代の改あたりとは全く別物に成っているはず。
567通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 13:53:18.06 ID:???
>>566
クラップ級のエンジンとかレーダー系の一部は流用されていても驚きはしませんけどね>サラミス改
568通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 13:56:05.89 ID:???
Vガン時代のサラミスは
空も飛べるし
ビームシールドもある
569通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 14:00:36.77 ID:???
改サラミス級が優秀すぎるだろうと思った。
どんだけ拡張性能あるんですか(汗)
しかもこれが宇宙世紀に入ってからのほんの60年ぐらいで生み出されただし
570通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 14:06:35.49 ID:???
思うも何もバリュート無しで大気圏突入した上、圏内飛行までやってる時点で
0087時のラミ改にんな真似は出来ん

所でブースター無しでリンホ引っ張り上げたのもラミ改じゃなかったか?
571通常の名無しさんの3倍:2011/04/01(金) 16:34:59.71 ID:???
>>570
サラミス改一隻で引っ張り上てる
本当は三隻で引っ張り上げる予定だったけど、バイク乗りに離水するまえたたかれてクラップとサラミス改がやられてる。
572通常の名無しさんの3倍:2011/04/02(土) 09:43:32.55 ID:???
マゼランどころか
ペガサス級やアーガマ級を上回る長寿艦になるとは
誰も想像できなかっただろうな
573通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 03:06:05.85 ID:???
そもそもサラミスってどこ製だろ?
アナハイムかな?
574通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 03:20:12.53 ID:???
アナハイムもライセンス生産していだろうけど、アナハイム製ではないと思う
575通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 03:52:51.18 ID:???
元は連邦軍謹製じゃないの?
ジャブローからも飛ばしてたみたいだし。
576通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 04:17:36.90 ID:???
設計開発は連邦軍で
ヴィックウェリントン辺りも船体の建造を請け負ってたんじゃないだろうか

アナハイムの台頭で大艦巨砲主義と共に消え去るかと思いきや
ラー・カイラムの開発で大逆転した企業らしい
577通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 05:03:20.58 ID:???
誰かココに飲兵衛氏のまとめ載せるの宜しく

http://ifcca.x0.com/seed/list/427/index.html
578通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 10:31:03.38 ID:???
セイラさんの実家のヤシマ重工が作ってなかったっけか?
579通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 13:18:17.93 ID:???
>>577
誰かまとめてって馬鹿がいい加減ウザイから指摘するけど
誰かも何も、「まとめサイトの持ち主」しか更新できないのにどうやるんだよ
WIKIと勘違いしてるだろ

結論としては新まとめを別の場所に一から作り直すほうが早いので>>577君がまとめサイトを造れ
580通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 14:07:01.22 ID:???
>>578
セイラさんじゃなくてミライさんだろ。
581通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 16:39:00.44 ID:???
セイラさんの実家だともれなく赤い変態が付いて来る・・・

つまりアナハイムか!
582通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 19:42:01.15 ID:???
護衛空母やスプルーアンス級駆逐艦のように、一つの造船所に大量発注ってケースもあるけど
サラミスに関しては基本仕様を共通にいろんな造船会社や造船所で作ったんじゃないか?
583通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 20:28:29.14 ID:???
>>582
ハイザックとかがホビー化してるんだし、民間仕様とか客船仕様とかもあったりしてな
584通常の名無しさんの3倍:2011/04/03(日) 21:23:46.93 ID:???
節電と全裸待機同時進行は死ねるな
寒い…
585通常の名無しさんの3倍:2011/04/04(月) 01:20:04.42 ID:???
>>583
ブレイウッドが居る以上、あってもおかしくはないな。フジからさらに砲塔をとっぱらったみたいなのとか。
海賊やジオン残党も居るんだし、砲塔撤去すらしてないかもしれない。
586通常の名無しさんの3倍:2011/04/04(月) 03:24:39.62 ID:???
>>585
ブレイウッドも名目上は非武装の民間船舶だけど、海賊対策でちゃっかりメガ粒子砲隠しもってるしね(笑)
587通常の名無しさんの3倍:2011/04/05(火) 00:23:52.55 ID:???
Gジェネで戦艦はラーカイラムとネェルアーガマでリゼルとジェガンDの戦闘演出見ながら待機

MSマイスター、ナナイ&カガリマジ過剰労働
588通常の名無しさんの3倍:2011/04/06(水) 14:16:14.28 ID:???
営業部部長に昇進!!
ただし給料据え置きのたった1人の営業部だけどな!

そんなとてもワッケインな気分になる雰囲気だな
589通常の名無しさんの3倍:2011/04/06(水) 16:54:31.72 ID:???

【北朝鮮】俺たちの金正男が福島の被災地に来て救援物資を配ったらしいぞwww
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news7/1290948938/
590通常の名無しさんの3倍:2011/04/06(水) 23:20:10.43 ID:???
>>589
ブラクラ
591通常の名無しさんの3倍:2011/04/07(木) 10:26:02.07 ID:???
>>587
シャアはレベル1
ナナイはレベル99(総レベル制だと9999レベル以上)
592通常の名無しさんの3倍:2011/04/07(木) 21:35:07.91 ID:???
最初のマスターユニットはCCAシャアだった……
593通常の名無しさんの3倍:2011/04/08(金) 09:19:49.55 ID:???
CCAアムロだったな
ベーシックやオリ機使わない縛りなのでGMに乗せてた
594通常の名無しさんの3倍:2011/04/08(金) 11:51:00.65 ID:???
エコーズジェガン
 色を塗り替えたら
  ジェガンD型

595通常の名無しさんの3倍:2011/04/08(金) 19:15:23.81 ID:???
>>594
さては、ふたば模型裏のあのスレを見たな!?
596通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 01:53:22.21 ID:???
ハロ「ボークラハミンナー、イーキテイルー」
597787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 14:57:54.83 ID:???
皆さんお久しぶりす、787です。
今回もまた秋田は停電。一日で復旧したので、被害は軽いほうです。
宮城の親との連絡がまだ微妙で心配でしたので、しばらくの間活動できませんでした。
無事も確認でき、何とか時間が作れたので再開したいと思います。

>>592
自分も同じくCCAシャアをマスターにして始めましたよ。
一番艦がミネルバで自分のSS通りの面子で。
ハイネがスカウト出来ない(多分中の人関係?)のはすこぶる残念で、ZAFT系の人員でそろえてます。
二番艦にアムロとキラ、新三馬鹿、ネオとスウェンで……と、脱線はそのくらいで。
久方ぶり故、またヘタになってるかもですがしばしの間おつきあい下され。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第27話


〜地中海・海上

数日後、ミネルバはジブラルタル基地に向けて出港し、
その途上においてアスラン・ザラは、レクルームのソファに身をもたげ天井を見上げていた。
レクルームに設置されているTVには、ジブラルタルに集結しているZAFTと東アジア、
そしてオーブの艦艇が居並ぶ映像が映し出され、同時に彼の知る女性の姿も見えた。
(カガリ……)
オーブ首長として、デュランダルとツァオの隣に立つ彼女の姿を見、
アスランはもう彼女が、自分が隣に立てる女性では無くなったのだと悟る。
ずっと隣で守っていたかった…と、そう考えている自分がいる。
そして同時に、最初から自分たちは叶わぬ恋をしていただけなのかも知れないと、
諦めている自分がいることも否定できなかった。もう良き思い出でしかないのだと。
また同時に、再開が成ったとしても、彼女も自分も変わりすぎている。
数ヶ月の間で、彼女は大きくなった。自分は……どうだろう?
「シナンジュ……か」
素晴らしいMSだとは思う。
圧倒的な出力に機動性等、従来のMSのはるか上を行っている。
しかし、彼には一つだけ引っかかる事が残っていた。
先のスエズ基地攻略戦において、機体を通して敵パイロットの意思や感情が把握できたり、
それすら超えて吸い込むように自分の中に流れ込んできたりと、理解不能な現象が起こったこと。
そしてまた、自分が自分でなくなった瞬間があったことを。
後で基地の技術者に問いただすつもりでいるが、
あの機体は、確実に他者の魂や思念を吸い上げる機能が搭載されているのではないだろうか?
戦う気持ち。闘争本能が前のめりになってゆくのを肌で感じた。
ウィンダムやダガー、マラサイを切り裂く瞬間、高揚してゆく自分のを自覚し、
同時に操縦していたパイロットの無念や怨念が自分の中に流れ込んでくるのも明確に感じ取って、
その瞬間、アスラン・ザラと言う人間が変容していくような、
不気味で、冷たく何も見えぬ闇が、自分を押し包んでいくのを、確信した。
598787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 14:58:35.49 ID:???
闘争本能の赴くままに、敵を切り伏せてゆく時、快感を覚えていた自分がいる。
そう考えるだけで、アスランは背筋がゾッとなる……はずだった。
「やっぱり変わったな、俺も」
この間までの自分なら、そんな自分に吐き気すら覚えたろうが、
今はソレすらも受け入れている。あの基地だけでない。
アーモリーワンで、決意を新たに国のために働こうとしていた若者達が死に、
ユニウスセブンで、今までの人生を否定された戦士達が怨念を露わにして死に、
今まで受けた弾圧を跳ね返し、自由を手にしようと藻掻く人々もいる。
それら全てが、目指す極致には平和な世界があることに変わりはないはずであった。
彼らの理想と希望、無念と絶望。その全てを体現する『器』になる。
アスラン・ザラが、それをやってみせる。
こう考えるのは正直言って、悪くない気がする。
あのシナンジュなら、成し遂げることも出来るのではないだろうか?
だがアスランは、そこから先に踏み出す気に、まだなれなかった。
このまま変わってしまえば、多分、シン達との心の距離も開いてしまう気がしていた。
十中八九、シンやレイ、ルナマリア達は先のマシーンのような人間は嫌うに違いない。
「何か考え事か、アスラン」
「隊長……」
その時、レクルームに入ってくる影が一つあった。
その方向を彼が見ると、シャア・アズナブルが、そこにいた。
シャアは自販機のスイッチを押して、コーヒーを二杯取り出すと、
アスランにそっと手渡した。
「砂糖はいらないんだったな」
「ええ、ありがとうございます」
シャアはそっと、アスランの隣に座る。
ソファに身を任せている彼の心は揺らいでおり、ふと心配になった。
「この間の宴会のことは気には……」
「そっちじゃありませんよ!
 まぁ、シン達と少し距離が出来たのは気になりますけど、
 今考えていたのは別のことです」
「別?」
大方見当は付いている。先の戦闘の時、アスランが纏っている雰囲気が、
シロッコやハマーンのようなプレッシャーを内包しつつ、
かつての自分が持ち得なかった『冷徹』さを兼ねたものになっていたことだ。
恐らく、シナンジュのサイコ・フレームによって尖鋭化された闘争本能のなせる業であろう。
そして、アスランはそんな自分を受け入れかけていた事に恐怖を感じている。
「スエズでの自分自身がおかしかった…とでも言いたそうだな」
「……否定はしません。あの時、俺はああやって戦っていることに、
 どんどん気持ちが高揚していくのを確かに感じてました。
 それに、冷静に敵を切り倒した時に相手の『魂』を吸い込んでいくんです」
まるで空虚な『器』になったように、と、アスランは目元を手で抑えた。
シャアは、そんなアスランの様子を見、少しの間床を見てから、アスランの肩を軽く叩いて言う。
「それは君が機体に呑まれたんだ。
 機体を操っているつもりが、いつの間にか操られていた。
 こういうのもおかしな話だが、シナンジュはソレをやってしまう機体だと思っている」
「……人を操る!? 機械が!?」
「そうだ。シナンジュだけではない。
 シンのデスティニーも、レイのレジェンドも、そして私のサザビーもだ。
599787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 14:59:17.22 ID:???
 『サイコ・フレーム』……人の意思を吸い込む装置が組み込まれている。
 信じがたいだろうが、人の意思を吸い込んで、 物理的精神的エネルギーを発現させる事も可能かも知れん」
「そんなオカルト、機械に出来るはずがありません」
「私は一度だけ、アレが奇跡を起こす瞬間を見ているんだよ。
 理解してくれとは言わないがね」
シャアはそこまで言うとコーヒーを一口含んで、舌の上で転がして味わう。
アスランは、シャアの横顔から僅かながらの寂しさを感じて、
「何で……」
「……ん?」
「何で俺は、ああして機体に振り回されたのかって。
 シンやレイは、私のように急激に気持ちが変わったわけでもないし……」
「それはな、アスラン」
シャアはアスランに面と向かうように姿勢を直した後、
アスランの胸元に指を突きつけて、
「君が、この艦の誰よりも……。
 シンやレイにルナマリア、ハイネとノエミ、
 艦長や副長、メイリン、そして私以上に、
 物事を深く考えて受け止める『情』がある人間だからだ」
「情……」
「純粋過ぎるんだ、君は。
 正直で真面目で、馬鹿らしいほど真剣……。
 だから、簡単に振り回されがちで、機体に操られる」
「では、俺にあの機体に乗る資格は……」
「逆だ。その『情』が無い人間がああいうMSに乗ることほど恐ろしい事は無い。
 物事を真剣に、真面目に対面して解決しようとする君の心。
 それこそが、今この世界において最も必要で価値のある考え方なんだ」
シャアは一気に残りのコーヒーを飲み干すと、
立ち上がり、アスランの目を見据えて、
「私は、君やシン、議長達に会えなければ破滅していた人間だ」
「……!? 何を言い出すんですか!」
アスランは驚愕しシャアの空いた手を掴む。
自然と力がこもる。アスランから見て、シャアという人間ほど、
このミネルバの中で大人で、自分という存在を確立した人間はないという印象を持っていただけに。
そんな表情を見せる彼にシャアは微笑んで、返す。
「私も、物事について深く考え過ぎる上、事を急く質をもっている。
 それ故、一度身を滅ぼした。
 ……私は生き返ったんだ、アスラン。
 もし、君らの隊長という立場に立っていなければ……。
 君らが成長して行く姿とそれを見る喜びが無ければ、きっと私の『情』は壊れて死んでいたかも知れん。
 そう言う意味では、私は君らを頼っていると言って良い」
「……隊長」
「だから、君ももっとシン達や議長を頼れ。
 一人で抱え込もうとすれば、いつかきっと私のようになる」
それだけは避けろよ。
シャアはそう言い残すと、アスランの手を放してレクルームを後にしていった。
アスランは、シャアのその言葉に一抹の不安を感じつつも、
自分もまたレクルームを後にした。
600787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 14:59:59.19 ID:???


※※※※※※※


〜ジブラルタル基地

ZAFT、東アジア国軍、そしてオーブ軍。
三つの勢力が有する艦船が一堂に会し、
C.E.史上最大規模の威容を見せる大艦隊の姿が、そこにはあった。
ギルバート・デュランダル並びに、カガリ・ユラ・アスハは、
艦隊の威容さとは裏腹に、一皮むけば呉越同舟の集団である事に気が付いていた。
ZAFT側からすれば、アジアの両国は勝ち馬に乗ってきたキツネ同然と見ていたし、
オーブ軍人の中には、プラントに賛同する者反発する者と様々であるし、
東アジアから見れば、MS開発において両国に遅れをとり続けたという劣等感がある。
傍目には一つの目標に向かう大きな人間の集団に思えても、
その実は互いの国家の利益のみ追求した形で手を組んだだけでしかない、極めて脆く崩れやすい集団といえよう。
「……それにしても、驚きました。
 姫……いや、代表が先だって大西洋から手を切る手はずを整えておられたとは」
「その物言いは感心しませんね、議長。
 我々とて国民の利益と安全を最優先しなければなりません。
 ……父の二の鉄を踏む訳にはいきませんから」
この二人の間にも、アーモリーワンの時のように、喚く子供とあやす親のような雰囲気は無い。
父親すら食ってしまいそうな獅子の子供と、猛虎が対峙しているかのような、
間に立てば忽ち肉塊に変えられんばかりの緊張感が室内に張りつめ、
侍従達の中には冷や汗を垂らしている者も少なくなかった。
デュランダル自身、今こうして平静を保っているが、内心は驚愕していた。
男児三日会わざれば刮目して見よと言うが、
(この場合男児ではないものの)その言葉通りの人間が目の前にいる。
オーブの理念をあえて切り捨て、国民の大半をその行為に納得させた。
これだけでも相当な手の早さを持っていると考えて良いし、
大西洋が不利に転じたと見るや即座に掌を返した所から見ても、
当方が不利になれば、銃口を此方に向けることに躊躇はすまい。
(油断すれば此方が食われる……か。父君は喜んでいるのか悲しんでいるのか……)
デュランダルはそう思いつつ、カガリにも次週決行予定の作戦について簡単に説明し始める。
 〜 ヘブンズベース攻略作戦 〜
恐らく、今大戦において最大規模になるであろう作戦には、
ZAFTの地上艦隊だけでは足りず、
東アジアの艦隊を足してもまだ心許なかっただけに、
オーブ軍艦隊の作戦参加は何としてでも行わなければならなかった。
何せ、ヘブンズベースは中東の要であるスエズすら超える規模を誇る、
大西洋……いや、そのバックにいる‘ロゴス’の勢力が集結した一大拠点であり、
アイスランドのほぼ3分の1が軍事施設という前代未聞の基地なのだ。
かねてより潜入させている諜報員によれば、基地中央部、
ちょうど山岳部のあたりに殲滅兵器が、そして島の反対側にマスドライバーの存在も確認。
さらには宇宙から『マラサイ』意外にも新型が配置され始めているようで、正直、彼の心中は不安に満ちている。
敵は今だ相当な戦力を蓄え、味方と言っても獅子身中の虫に近い。
601787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:00:40.64 ID:???
「怖がっておいでか? 冷静で知られた議長らしくもない」
カガリは口元に笑みを浮かべ、タカのような眼光のまま、
デュランダルを見据える。彼は斬って返すように、
「私が怖がる? まさか。
 ならば今すぐ貴女のタケミカズチを沈めてもみせようか?」
自然と挑戦的になる。行けないと解っていても、血気がはやる。
デュランダルは、自らの闘争本能が滾っていることに気が付く。
それは向こうも同じらしい、戒めるように、
奥歯を噛んでいることを察すると、無理矢理笑みを造り、
「……いや、冗談はこのくらいにしよう、アスハ代表」
「そうですね、我々は寡兵ですから」
そんな張りつめた空気の中、ZAFT軍の基地司令部から来賓室に通信が入り、
スエズを陥落させたミネルバと天龍が帰港したとの一方が入り、
目の前の女の顔に、かつての少女の顔が、一瞬だけ戻る。
「解った。私自ら出迎える、四輪を司令部前へ……。
 それから、アスハ代表もご一緒するとの事だ」
そう言って彼は通信を切り、カガリの顔を見る。
彼女は顔では乗ってやると言いたげであったが、目はそう言っていない。
デュランダルはカガリを先に出るようにと促し、共に来賓室を出で、廊下を進む。
用意されていた豪奢な車に乗り込んで、軍港へと向かい、
出迎えの兵が居並ぶ中に、東アジア共和国大統領、ツァオ・フェンの姿が見える。
(古狸め……)
自分より一回り年上の男を見たデュランダルは、
二人がこうして出向くのを知っていたかのように待っていた男に内心毒づく。
危険視すべきは、カガリもそうだがこの男もだ。
すでに世間では、『非道なる大西洋と、それに抵抗するプラントと東アジア』という構図ができあがっている。
(最初は傍観を決め込んでいた癖に……)
そういう気持ちがプラント側ことごとくの軍人達にはあった。
「我が国の空母が基地を落として来たのです。
 私が出向かずして、兵等の士気は上がらんのでな」
ちょっと目を離せばすぐにゆるんでしまうのでね。
そう言い切った彼の台詞に拳を後ろで握りしめるが、
デュランダルはグッとその気持ちを抑えつけていた。

ミネルバのタラップを下りながら、シン・アスカは、
ミネルバがこの数ヶ月の間で、普通の戦艦なら考えられない程、
数々の戦いをくぐり抜けて来たのだと改めて認識した。
補修によって取り替えられたところは勿論の事、装甲板の各所に傷があり、
皆を乗せて頑張って来てくれた証にも見え、今まで以上に頼もしく感じられる。
本来なら、確か月の周回軌道の警護が任務だったはずで、
こういう風に苦難を強いることもなかったろうに。と、艦長も以前ぼやいていた気がする。
だがそれも、終わらせるのは近いと、シンは感じていた。
基地でミネルバと天龍を出迎えるZAFT、東アジア国軍、そして気にくわないがオーブ軍。
それらの威容を前にすると、後々の作戦も上手く運びそうな、そんな気がしていた。
シンを始め、ミネルバブリッジクルーとパイロット達は、
わざわざ出迎えに来ていたデュランダル、以前TVで見たツァオ、
そして、カガリ・ユラ・アスハの前へと並ぶ。
602787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:01:24.53 ID:???
シンは、ふと違和感を感じた。カガリから感じるものが、違う。
以前の綺麗事を並べていた姫君のソレではない。
二年前、TVで同じような綺麗事を言っていた彼女の父親のものでもない。
むしろ、圧迫感が増して、眼光もすでに以前とは別人と言っても良い。
(そうだ! アスランは何とも思っていないのか?)
シンはふと心配になってアスランの横顔にチラリと横目をくれるが、
アスランはすでに覚悟を決めていた顔で、動揺もせずまっすぐ彼ら三人の姿を見つめている。
その表情に少し安心感を抱きながら、シンはねぎらいの言葉をかける議長を見、
隣のツァオという男に目をやった。
一言で正直に言い表すなら、『怖い』……この言葉に尽きる。
デュランダルのように、威厳に加え親しみやすさを持っているような政治家ではない。
生まれながらにして政治の世界にいて、地球圏で最も人口の多い国の中で頂点に上り詰めた男の、
冷徹なまでの思考と手腕、そして獰猛な肉食獣から発せられる殺気。
抜き身の刀のような感覚を覚え、自然と手が震える。
この先大丈夫なんだろうか?
先程の軍勢の威を見た時の安心感がハリボテなのではないか?
シンの胸中に芽生える拭えぬ不安と、この極めて不安定な協定の下に、
史上最大規模の作戦が行われるのは、もう間近と迫っていた。

※※※※※※※

〜ヘブンズベース

ZAFT・東アジア艦隊にオーブ軍が加わったというニュースは、
このヘブンズベースにも知らせられ、ギルバートデュランダル、ツァオ・フェン、
そしてカガリ・ユラ・アスハらによる共同声明が出されるのも間近となり、
基地の内部は喧噪に包まれていた。
宇宙の新要塞『ゼダンの門』から送られてきた新型であった『マラサイ』も、
スエズ戦に於いてZAFTが投入した『ミネルバ』の新型の前に敗れ去ったという情報が入り、
大丈夫なのかという不安が将兵の間で充ち満ちている。
しかし、この基地にはマラサイだけでない新型が配備されており、いくらか心の余裕はある。
特に基地の将兵が頼りとしているのは、ネオ・ロアノーク大佐の部隊であった。
ミネルバに苦汁を嘗めさせられ続けているものの、
この基地の中で連中との戦い勝手を知っているのは彼らだけであり、
大佐と旗下のファブリス大尉の実力はすでに基地中に知れ渡っている。
加えて、新たに配備された機体のスペックを見ても、装甲、機動性や火力など、
あらゆる点に於いてマラサイ等を凌駕しており、基地の誰しもにZAFTが来ようと安心だと思わせてくれた。

・『RGM-89S スタークジェガン』
ダガー系列と思わせる外観と、より屈強な体躯を持ち、増加装甲とスラスターによって機動性と防御能力を確保。
武装の換装が可能で、途中装備をパージしても自動的にベストな推力調整がされるようになっているらしい。

・『RGZ-91B リ・ガズィ・カスタム』 ・『MSN-001A1 デルタプラス』
オーブのムラサメの様な可変タイプのMSで、
通常の飛行可能なMSが行けない、さらに高々度の空域までの上昇、並びに空中での高速戦闘を可能にしている。

そして……基地の将兵が一際目を引かれたのは、二機のGタイプであった。
603787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:02:06.47 ID:???
・『RX-93 νガンダム』 ・『GAT-X10AF ストライクフリーダム』
前者は白、紺、赤、黄の四色で彩られたGタイプで、
何を元にして開発されたのか等の由来が、全くもって定かでない「謎のMS」である。
放熱板に見える六枚のフィン状のパーツは、宇宙から派遣されてきた技術者に寄れば、
ZAFTのドラグーンに似たオールレンジ兵器で、
『サイコミュシステム』と言う、脳波による制御によってなめらかな機動を可能にした新兵装との事だ。
以前はこの兵装は撃てばそれで終わりという状態だったそうで、
詳しいことは知らされていないが、月基地の立ち入り禁止区域で改修された結果、
背部のユニットを換装し、エネルギーを再充填できるようにしたらしい。
そして、後者は前者のGタイプの特色を色濃く受け継いだ使用となっており、
パッと見て、『師匠と弟子』のようにも見える。
ZAFTのフリーダムを踏襲し、『目には目を、フリーダムにはフリーダムを』などという、
笑えない冗談のようなデザインのMSである。
こちらにも、宇宙での宙間戦闘時にはオールレンジ兵装を装備させるそうだが、
ウイング部のフレームが剥き出しで、将兵の間ではあそこを被弾したらなどという不安も生まれていた。


そんな不安を余所に、キラ・ヤマトは栄養ゼリーを一口すすり、
アウル・ニーダのスタークジェガンの調整を手伝っていた。
「へぇ、凄いね。こんな完成されたOS初めて見たよ」
「だろ? でも誰も開発者とか知んねーってんだから、ソッチがびっくりだわ」
「誰も!? まさかぁ、月の人たちとかなら知ってるんじゃないかな」
「……いじるなよ?」
「……や、やめてよね!
 い、いじるわけないじゃない!」
「現に指がワキワキ動いてる訳だが……」
触りたいですいじりまわしてみたいですと、全身ですでにアピールしてしまっているキラに対し、
アウルは若干冷ややかな目で睨み、キラはすごすごとコクピットを出る。
「お前のMSはもういいのか?」
「……フリーダム?
 うん、後は戦闘前に最終チェックすれば何とか」
「羨ましいよ、ソフト得意な奴」
「でも、僕の出番なんてほとんど無かったよ?
 OSも怖いくらいカンペキだったし、武装のコネクトに難があるくらいで」
「コイツもそうだけどよ……それって、まずくね?」
「……マズイよねぇ」
アウルやキラの機体だけでなく、ロアノーク隊、そしてホアキン隊など、
新型MS群の欠点が二つほど目立っていたのである。
・実弾はともかく、従来のビーム兵器を使用する際、月から送られた互換アダプタを付ける必要があること
・可変タイプ以外のMSは、地上を滑るように移動できる変わりに長時間飛べない
という所である。
月の技術者陣の努力のたまものである互換アダプタはまだ数が少なく、
ロアノーク隊やホアキン隊など実力のある部隊に優先的に廻されているのが現状。
それも、武器に着けなければならないので、もし失えばPS装甲持ちに対抗する術が限定されるし、
それでなくとも実弾兵器の威力が新型MS群は抜群に高い事もあって設置が進んでいない。
二人は頭を抱えた。もしこの基地にZAFTが攻めてくるとなれば、十中八九『ミネルバ』がいる。
連中との戦闘で武器の一つ二つ失うのは覚悟しなければならない。
604787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:02:54.35 ID:???
「ちょっと技術主任に頼んでくる」
キラはアウルにそう言うと、立ち上がって昇降機のワイヤを掴む。
アウルは、そんな後ろ姿を見て、彼とどんどん慣れていく事に少しうれしさを感じもしたし、
寂しさが胸中にこみ上げてくるのも同時に感じていた。
彼奴ならステラとも仲良くやれたろうな。そういう気持ちが生まれている。
自分たちが、場合によっては捨て石にされかねない存在であることは、
廻りの将兵連中の態度からみて察しは付いているが、
彼やセリ(ry…フレイの姉貴に、ネオの奴、ファブリス兄ぃは、
気にすることなく仲間として接してくれている。
こういう事に感謝を感じている事を、アウルは少し恥ずかしくなり頭を振る。
後ろを一々振り返るような、情けない真似はステラの前では出来ない。
スティングも、アウルと同じように意気込んで機体のチャックにいそしんでいるし、
姉貴も、初めての可変機という事もあってシュミレータと格闘中。
ファブ兄ぃに至っては、メカニック顔負けの手つきで機械をいじっている。
(……失ってたまるか。もう誰一人死なせやしない!)
「頼むぞ……」
コイツとならできる。アウルはスタークジェガンの顔を見上げ、そう言って心に刻みつけた。


※※※※※※※


605787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:03:37.62 ID:???

〜アクシズ宙域

黄色い巨体が、周囲に漂うデブリの間を縫うように駆けている。
MSと言うよりMAとも呼ぶべきシルエットを持つそのMSは、
重量が90t近くもあるとは思えないほどの敏捷性と機動性を持っていた。
それもそのはずで、全身に小型のスラスターを搭載し、
その一つ一つが一機のMSに匹敵する推力を有しているのだ。
全身をAMBAC能力に特化させていると言っても過言ではない。
脚部も空間戦闘を前提にした設計が為されており、スタビライザ等の機動ユニットと言った方が良く、
地球の重力下における戦闘は可能ではあるが、歩行能力は高く作られていない。
特筆すべきは、その推進装置全てが、搭乗者の思考で操る仕組みになっている事に尽きよう。
加えて、武装にも搭乗者の考え方の変化が顕著に表れていた。
ビームサーベルとビームライフルのみ。Simple is the bestを地で行く装備である。
恐らく、搭乗者の過去を知っている人間の大半は、この発想の変化に違和感を拭えぬはずだ。
過剰な火力を有したMSを率いた人間でありながら本人は、
MSに必要なのは搭乗者の操縦を正確に反映し得る高性能なハードウェアとソフトウェア。
そして何よりそれに耐えうる堅牢性と高い白兵戦闘能力にあるとしている。
当の搭乗者は、デブリを易々と回避し、自らの思う方向を向き、
思うところへ忽ちたどり着くこの機体の力をおおいに堪能していた。

『PMX-003 ジ・O』

神の意志を現すその名称からは、彼女の最終目的を匂わせているのか、
それとも従来のようなMSの名付け方なのかは解らない。
しかし、圧倒的な存在感はアクシズ宙域の警護に当たっているMSパイロット達の目を惹きつけ、
自分たちの指導者が絶対的な力を得た事への喜びと心酔が感じられる。
搭乗者、ラクス・クラインは機動試験を終えると、
MSハンガーにその巨体を預け、酸素のあるフロアに入ると、
恭しく差し出されたタオルを手に取り、ヘルメットの下の汗を拭く。
最高の出来だ。
彼女は素直にあのジ・Oを心中で称賛した。
アレにはオールレンジ兵器の搭載も一度は考えたが、
そんなものを搭載せずともという気持ちがあり採用しなかった。
正解だった。その分のエネルギーも機動に廻すことでこの機動性を実現したのだ。
地球ではそろそろ、ジブリールの手勢とデュランダルの手駒、
そしておこぼれにしがみつくハイエナ連中がぶつかり合う頃だ。
地上のゴタゴタは早い内に片づいてくれた方が、こちらも動きやすい。
彼女は、彼らが早く宇宙に上がって来ないものかと待ちこがれていた。
それが、自らの目的を達成するためなのか、
『彼』にもう一度一目会いたいという気持ちなのかは、彼女しか知らない事であった。


第27話〜完〜


606787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/09(土) 15:06:52.84 ID:???

これで終了です。
この段階で何話も前の奴で訂正をば。
20話前頭部において、ラクスが『PMX-004』と言ってますが『003』です。004だとタイタニアだし(汗)
あの機体も好きで彼女にはよく似合うと思いますが、あの機体よく知らないので書けませんm(_ _)m
ストフリの型番も厨二と言われようが気にしない事にして勝手につけてみました。
ストライクとフリーダムを文字通り足して2で割り、融合(Fusion)のFを足して完成といった具合です。

以前よりヘタになっている自覚もありつつ、さらに厨が混じっていますが、
おつきあい頂きありがとうございます。また後日お会いしましょう(・ω・)ノシ
607通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 17:15:26.16 ID:???
お疲れ様です。

融合しちゃってるなら「X105」と「X10A」の融合で「GAT-X105AF」だったらと考えてしまいました。
608通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 17:25:07.69 ID:???
787氏 乙です。

我が愛するνがぁ…

次回まで全裸待機しときます。
609通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 17:31:15.61 ID:???
>>607
いっそのことGAT-X110105AF(イイオトコア○ルファ。ク)
610通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 17:53:27.17 ID:???
投稿乙でした。

しかしカガリに何が付いた・・・まさかミネb いやオードリーか?
611通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 20:40:16.88 ID:???
>>609
それ原型機と何が違うねんww
612通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 21:25:27.22 ID:???
投稿乙でした。νがやっと搭乗ですか
文章見た感じ見た目はHi-νになってるとすれば氏のストフリと併せてHi-ν二機相当?

ギル政権の勝ち目が薄すぎてオラハラハラしてきたぞ
613通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 21:57:56.77 ID:???
ザフト兵「宇宙じゃないからドラグーンは怖くない!」

数秒後、三点バースト撃ちで
小 隊 全 滅
614通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 23:24:19.01 ID:???
>>613
フェブ兄さん「一つ、二つ、三つ…」
ステラ「4つ!」
アウル「5つ!」
スティング「六つ!」
キラ「七つ、八つ、九つ…」
フレイ「一つ足らない
 それは…お前だぁ!!」
ザフト兵「ウボァー!?」

こんな悪夢か
615通常の名無しさんの3倍:2011/04/09(土) 23:25:20.91 ID:???
>>614
ネオ「…え?」
616通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 00:30:36.51 ID:???
投下乙であります
νが出てキターと……ザフト側に駒が足りない。まだ隠し玉がありそうですなw
次回を楽しみに待っておりますっ

んでは、誤字の確認をば少々…

603の4行目 技術者に寄れば → 依れば
  10行目 受け継いだ使用 → 仕様

…な、漢字な感じでは?
617787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/10(日) 00:37:09.93 ID:???
>>616
こ、これが連邦のMSの威力なのか…?
>>603
寄れば→依れば
使用→仕様
ですね、確認しました。
何か毎度恒例になりつつあって辛いorz
見直してるのになぁ……やっぱり一回印刷して推敲すべきか……
618通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 01:28:39.27 ID:???
投稿乙です。
カガリに一体何が・・・。

>>600
『マラサイ』意外→『マラサイ』以外
ですね。
619787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/10(日) 01:38:59.87 ID:???
>>618
俺、この戦いが終わったら結婚するんだ!
>>600
『マラサイ』意外→『マラサイ』以外

         orz
620通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 08:52:00.84 ID:???
乙です!

二の鉄→二の轍

でしょうか?
オーパーツの大量進出ではたしてどう決着がつくのか・・・
621通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 11:16:02.21 ID:???
なんだ、飲兵衛氏じゃないのか…
622通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 11:24:15.10 ID:???
あ、Fは融合の意味だったのか。
てっきり、AntiFreedomの略でAFかと思いましたわw
なんにせよ、787氏乙でした。
623通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 12:25:11.61 ID:???
>>621
いい加減しつこいぞお前
624通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 12:32:08.81 ID:???
>>621
ここはお前の日記帳じゃないんだ
半万年ROMってろ(AAry)
625通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 14:13:09.44 ID:???
たった20文字以下の書き込みでこんだけ食いついてくれるんだもの
やめられませんよなぁ?
626通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 14:22:19.19 ID:???
アムロ、キラ、フレイの小隊をシャア、アスランで抑えるって無料ゲーじゃないか?
627通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 14:32:34.18 ID:???
>>626
ネオはレイで抑えてもジェガンとギラだとギラドーガの劣勢は否めないからシンを回すとホアキン隊が怖いお
628787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/10(日) 17:26:08.73 ID:???
>>620氏、感謝です。今確認しました。
二の鉄→轍ですね。
次からは一回印刷して明るいところで見直してからにします。
やっぱり夜にやるもんじゃありませんね(汗)

あと、飲兵衛先生もどうか息災でいてください つ【バルバレスコ】
629通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 18:25:52.76 ID:???
>>626
マテ、タダゲーになってるぞw
630通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 20:07:42.77 ID:???
>>627
アンリ・ザ・グフクラッシャー、DQNカップルが参戦すれば…!
631通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 22:06:24.53 ID:???
>>621
バーカ
もうそんなスレじゃないんだよw
632通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 22:27:07.15 ID:???
>>631
そういうお前が一番スレの品位を下げてる事に気付こうか?

なんで人様こき下ろす時に限ってスレが進むのか・・・・
633632:2011/04/10(日) 22:32:31.04 ID:???
優先することを忘れてた
787氏GJです。ザフトの勝ち目に疑問が残りますし
桃色姫もパプテマス様かハマーン様か解らないカオスっぷりでwww
次回が楽しみです
634通常の名無しさんの3倍:2011/04/10(日) 23:32:13.45 ID:???
>>630
グフクラッシャーの人はフェイスだからいいけど
アベックの方は役にたつイメージが湧かない
635通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 02:02:30.55 ID:???
>>632
ヒント:自作自演

しかし、ジオン以上に数のないプラントが、こうも叩き落されかねない相手とはもう涙目ってレベルじゃないな。
にしても、直接戦闘力の高いラクスってのもなかなか珍しいよねと今更思った。
636787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:23:41.09 ID:???
やはり地震の事もあって、被害の少なかった秋田でも、
知人達が少しずつ荒れてきていることを実感してて少し悲しいです、787です。

>>621
飲兵衛先生でなくて申し訳ない。しかし先生を待っている者同士、
互いに先生の息災と奮起を願って頑張りましょう。

話を変えて、28話のアバンパートを投下したいと思います。
ヘブンズベース戦に入る前に、今までの話であぶれた部分とか色々補完してからにしたいので、
今回も戦闘シーンは殆ど、と言うか無いです。すんません
637787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:24:33.31 ID:???

〜ジブラルタル基地・第5ポート

「お久しぶり、カガリさん」
「マリュー・ラミアス、息災そうで何よりだ。ミリアリア・ハゥも、無事だったか……」
カガリ・ユラ・アスハは、知人との久方ぶりの再開に喜びを露わにし、
先程までミネルバクルーやデュランダル達に見せていた、
もはや獅子と敬称すべき峻厳な姿はなりを潜め、以前の素直な少女の顔を見せている。
マリュー達と会ったときに、必ず聞かれるであろうと覚悟していた、
今回の大西洋への離反については事情を察してか、彼女らは何も言わない。
ありがたいと言うべきか心苦しいと言うべきか、複雑な気分である。
ふと、一番今会いたかった顔がここにいないことに彼女は気付く。
「ところで、キラとラクスはどこだ?
 アンディ……バルトフェルドの姿も無いが?」
地雷を踏んだ。彼女がそう気付くのに時間はいらなかった。
先程まで喜色を見せていたのが、実はギリギリの所で作っていた顔だと解る。
見る見るうちに、マリューやミリアリアの顔が暗くなってゆく。
カガリは、温度が忽ち冷え、悲しみと悔しさに満たされ始めた基地の客間の中で、
自分にとって唯一と言って良い肉親と友人達が、どうなったのか察しを付ける。
「そうか……三人とももう……」
「三人じゃないわ……」
二人よ。マリューはカガリが言いかけていたところを止め、そう言った。
「二人? どういう事だ」
「いなくなってしまったのは、キラとバルトフェルド隊長だけ。
 ラクスさんは、多分大西洋連邦だと思う」
「……馬鹿を言うな」
カガリは、マリューの肩を掴む。
顔が先程まで見せていた猛獣の顔に戻り、マリューは、
この顔が彼女が精一杯の力で造り上げた仮面なのだと理解する。
少しでも、自分に降りかかる危難を和らげ、相対する強さを心中に沸き上がらせるための。
なおもカガリは、目を合わせようとしない彼女に苛立ちを感じながら、揺さぶる。
キラとバルトフェルドがもういないのだと全身で語る彼らのその言葉は信じがたく、
そうありつつも、異様なまでの実感を彼女に与えた。
「オーブで襲われたとき、最初はZAFTの特殊部隊では無いかって疑ったわ。
 アッシュ……ZAFTの正規軍に配備され始めだったMSだし。
 あの時は慌てていたから。そして、すぐに出港することにしたわ。
 MSの爆発で国防軍が来る事と、何よりその時の私たちはセイラン家を信用してなかった」
よく考えれば、今のプラント政府にラクスや自分たちを襲うメリットなんて存在しない。
それ故に、その説についての信憑性はすぐに疑われ始めた。
また、ラクス・クラインの行動についても、
マリューはぼそりぼそりと一言ずつ、まるで恐怖談を語るように言う。
アスハ家別邸地下にMS整備工廠を設営しフリーダムを作り直していたこと。
セイラン家を信用するなと真っ先に言い出し、反論を出るのも待たずに出港を急いだこと。
あれだけの騒ぎの後、出港するまでの間近所の人が動く様子が、誰一人として無いこと。
出航後、すぐにスカンジナビアに向かうことをせず、一度旧カナダ領に身を寄せ、
バルトフェルドを連れていずこかへ出かけていったきり帰ってこないこと。
「帰ってこなかった? 何故待たなかった」
「キラ君なのよ、彼女を待たずにスカンジナビアに行くべきだって言ったのは!」
638787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:25:17.04 ID:???
「キラが!?」
カガリの頭は混乱し始めていた。
自分の見知っている人間の中で、ダントツにラクスを信用しているはずのキラが、
その時一番ラクスを信用せず、マリュー達に訴え出たと言うのだ。
「出港して海に潜ってからだけど、停泊していた入江はすぐに襲撃されたそうよ。
 だから私たちはその時察したの。バルトフェルド隊長は戻ってこないって」
「ならば、どうしてラクスがそんな動きをしていることを、彼らには言わないのだ」
「カガリさん! その言い方をやめて!」
カガリが怒気をさらに強めたとき、客間のドアが開いた。
「失礼します、ラミアス艦長」
カガリは、今の今まで心の奥底で聞きたいと願っていた男の声が背中でしたことに、
電撃が走ったように振り返り、その男の姿を眼に入れた。
アスラン・ザラ。数ヶ月前まで自分の傍らに立っていた、
どこか頼りなげであっても常に自分を守ってくれていた青年。
それが今、かつての生やさしさが消えた、それこそミネルバで出会った『隊長』のような、
峻厳な軍人の放つ気を纏わせて、開いた戸と部屋の間に立っていた。
カガリは今すぐにでも飛びつきたい衝動に駆られるが、グッと押し殺す。
「もしや聞き耳か?
 デュランダル議長旗下の部隊にしては、
 ずいぶん不躾な真似だな……アスラン・ザラ」
「これはご無礼を。ですが、聞き耳は立てておりません」
カガリはあえて、そうやって突き放すように言うことで、無理矢理自分の心を彼から引き離す。
そうでなければ、自分を抑えられそうになかった。
知り合いしかいない空間においてなお、
その物言いをしたカガリを咎めようとしたマリューを目で制して、
カガリはアスラン・ザラに部屋へ入るよう促した。
アスランは一歩だけ、部屋に踏みいる。彼の後ろで戸が閉まり、部屋の圧迫感が強まる。
「……用件は何だ?」
「アークエンジェルの処遇について、東アジアから回答がありました。
『アークエンジェルについては二年前、条約通り地球連合、
 東アジア共和国に返還されていた艦船であり、
 昨年度オーブへと払い下げられたものである』……と」
「……何ですって!?」
アスランのこの言葉に驚いたのはマリュー達であった。
カガリは眉一つ動かさずに、
「そういう事だ。すまない、艦長。
 私としたことが取り乱して言うのを忘れていたようだ」
ただ、東アジアが一方的に貸しを押しつけてきたような形であったばかりに言い出せなかったのも大きい。
どんどん、東アジアに物言いが出来にくくなりつつある。
あのツァオという男、あらかじめ知っていてオーブに『貸し』という名の楔を打ち込み始めてきた訳だ。
ただ、アークエンジェルがそもそも条約違反の存在であったという大問題が立ち消えになり、
これからは大手を振って前大戦の英雄艦が表舞台の壇上に上がれるようになったというのも事実。
行動に逐一あの国が絡んでくるのを覗けば、大天使という強力なカードを切れるようになったのだ。
しかし、その艦にいるべき剣はいない。
「そしてもう一つは、私の私用で。
 ラミアス艦長、これを……」
アスランは、持っていた封筒から一枚の写真をマリューに手渡した。
「今はこの情勢ですから、攻めて写真だけでもと思いまして」
639787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:26:02.03 ID:???
「……………!」
マリュー、そしてミリアリアは写真の中のものが何であるのかを察すると、口元を手で抑えた。
嗚咽が、彼女達の手の間から漏れる。押さえつけていた涙が滂沱とあふれ出す。
ソファのマリューは実を屈め、ミリアリアは膝をついた。
「……“カガリ”」
カガリは、アスランから久しぶりに名を呼ばれた事に、
深刻な現実がその中にあるのだと察しを付け、
「大丈夫、ここのモニタとマイクは切ったよ」
彼がそう言うや、カガリはマリューの手にあった写真を取って、覗く。
こんもりと盛られた土の真ん中に、木の十字架が立てられている。その真ん中には……
『Kira・Yamato』
そう刻まれていた。もう、限界だった。彼女は、自分が泣いているのだと気付く。
写真を抱いて、先程までの虚勢も剥がれただ一人のカガリ・ユラ・アスハという人間、
いや、この場合弟を失ったカガリ・ヒビキと言うべきか。
肉親を失った一人の少女が、そこですすり泣き、
その姿を誰にも見せまいと、アスラン・ザラはサッと部屋を出て、鍵をかけた。


史上最大の作戦。
旧世紀の時代、ノルマンディー上陸作戦がそう呼ばれていたが、
それらをゆうに超える規模の作戦が、明日決行される。
アスラン・ザラは、カガリ達の部屋が防音である事に感謝しながら、
かつて顔を合わせたことのあるオーブ軍人達の複雑な視線の間を抜けて、オーブの宿舎を出た。
自分の部屋が割り当てられている軍の宿舎まで歩いて行く中で、
今日の天気は、まるで死地に向かう戦士達を祝福するかのように、太陽がその姿を現していることに気付く。
太陽の光と、海から流れてくる涼しい風の心地よさを肌で感じながら、
彼はミネルバの皆が入っている宿舎のロビーに入った。
その時、背後から何者かに突撃され、彼は床に鼻っ面を打ち付ける寸前までになる。
咄嗟に前受け身で顔は守ったものの、肘が痛い。
背中に感じた絶妙なまでの柔らかさからその正体を察し、
「……何をするんです、‘ラクス’」
起きあがって振り返り、公ではそう呼んでいる少女に目をやる。
「だって、せっかく基地に帰ってきたのに、
 アスランってば構ってくれないんだもの……」
頬をふくらませて抗議するミーア・キャンベルに、
アスランはこのような情勢下でこうも明るく振る舞える事に若干うらやましさを感じつつ、
周りの目があるので早々と彼女の手を引いて自らの居室に連れて行く。
「や、やだ。いくら婚約者だからって私にも心の準備が……」
「こんな時に戯れないでくれ!」
はぁ、と彼はため息をついて部屋の一人用ソファに座り込む。
「全く、何で君はいつもそう陽気でいられるんだ?」
アスランはその時顔に腕を当てて目を閉じていたために、ミーアの表情の変化を見ることはなかった。
一抹の寂しさや悲しみを抱えた少女の顔を一瞬見せていたミーアは、またいつもの顔に戻る。
しかし彼は感じた。先程まで陽光の如き明るさを放っていた心の下にある、
ほの暗い水のそこのような、冷たく何も見えないモヤモヤとした部分が現れたのだ。
彼は、ニコニコと笑顔を浮かべたままのミーアの顔をジッと見つめる。
「だって、私は『ラクス』なんだもん。
 みんなの前ではいっつも笑顔でいて、みんなに元気をあげるのが仕事なの」
640787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:27:17.78 ID:???
そう言って、彼女はソファの肘掛けに腰かけて、足をブラブラさせながら天井を見上げる。
しかしその言葉は本意ではない。アスランは直感でそう思う。
さっきのカガリと同じだ。自分の露わになる心を見せるのが怖くて、
そして耐える強さもない本当の部分を覆い隠す仮面。
カガリはああやって峻厳な政治家となる事で本来の素直な少女を覆い隠しているが、
彼女は、ミーア・キャンベルは、皆の前で明るく振る舞う歌姫という、
彼女の今の生き方そのものが仮面なのだ。まるで、現実から逃げるような逃避の念すら感じる。
「…ミーア」
アスランは、前々から言おう言おうと思っても言えずにいたことを、
二人になった今、直に聞きたいと思った。
彼は彼女の手に手を乗せて、眼の奥にある部分を正面からじっと見つめ、
「ずっと前、君は俺に言ったよな?
 『自分はバックアップ』なんだって……」
「……!」
恐怖の色が、目の奥に現れる。きゅっと、彼女の手に力がこもる。
優しく、握り返して、彼はそっと聞いた。
「今聞きたいんだ。君は、何を怖がってる?
 何が君をそうまでして縛ってるんだ。議長にも秘密にしてるんだろ?
 今こうして俺に会いに来ているのも、そうなんだろ?」
あの時、彼女は自分にしか聞こえない声で言ったのだ。
自分に、助けて欲しいと言っていたのではないか?
彼は今になってそう感じ、彼女の唇が震え出すのを見、
「私……私は……」
目の焦点がぼやける。顔だけでなく、手が、足が、全身が、震え出す。
落ち着かせなければ、彼は周囲を見回したが、役立ちそうなものは無い。
とっさに、彼は行動に出た。彼女の唇に自分の唇を押しつけたのだ。
ちゃんとした形でなく二度もというのは、彼としては本意ではなかったが、この際仕方がない。
彼女の荒い鼻息のテンポが、時間と共に落ち着きだし、
全身のふるえが、少しずつ収まってくる。アスランは、そっと顔を放す。
「……これで落ち着いたろ」
「……ぇぅ」
話してくれるか?
そう言って彼はソファを下りて彼女を座らせ、
自分は下から見上げるようにし、彼女の顔をのぞき込む。
彼女はうなだれたまま、心を静めようと必死になっていたが、
やがて、言葉が口から紡がれ始める。衝撃と共に。


「私は……ラクス様の『変わりの身体』……クローンなの」
「……え!?」


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第28話

641787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/11(月) 12:33:57.18 ID:???
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以上です。カガリとかミーアとか、あとユウナもですが、
序盤で出しておきながらあまり書けなかったキャラクターについて、
この後書いていこうかなと思っております。
その関係で突っ込みどころが多いどころじゃなくなると自覚してますが、
どうか皆様にはご容赦をお願いしたい。

飲兵衛先生、次回作を楽しみして待っております。
ではまた、皆様後日お会いしましょう。(・ω・)ノシ
642通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 12:55:25.52 ID:???
投下乙です

>「私は……ラクス様の『変わりの身体』……クローンなの
ええええええ!?
この展開は読めなかった
643通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 13:11:42.32 ID:???
いや、クローンとかは別スレで散々見たから今更だと思うが
まずは787氏乙でした
644通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 13:19:41.27 ID:???
787氏乙
自分はこういう展開も面白くてありだと思います

それに、ミーアは実はラクスクローンで元は違う顔だったのはコーディネート失敗とか
偽の記憶を植え付けられただけで元から顔は同じみたいなネタは前からあったし
最近じゃカーボンヒューマンみたいな設定がある時点で…
種は視聴者の予想の更に斜め上を行く設定だらけだよね
645通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 14:06:28.30 ID:???
787氏、お疲れです。

ミーアにレイのような症状が出ない事や、UCでマリーダの体に先天的な問題(後天的には…)
が特にないことを踏まえると、ミーアのクローン技術はUCのプルシリーズのそれが入っている
のか?
実はUC、遺伝子操作技術に関してはCEの上を行くのかもな…。
646通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 14:44:20.06 ID:???
ラクスの受精卵からの分割クローンの可能性もあるし、
生まれたてのラクスの体細胞からのクローンだったら、クルーゼやレイのようなテロメアの問題はないに等しいし。
(クルーゼやレイの場合は元のアル・ダ・フラガが高齢だったから)
647通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 16:00:58.48 ID:???
クローンであの身体とは・・・。
後天的に何かいじったか?
648通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 17:25:40.44 ID:???
世界征服を達成したあと、脳移植でミーアの肉体を奪うつもりと見た。
無論体形が変わった事に関する言論も完全に統制した上でね。
まあMSを操縦するには今の平板エグレの方が適してはいるk…ウワケサマラナニモノダナニオ
649通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 18:49:13.91 ID:???
連続飽和攻撃的投下!!乙!!です。
まったく先読できない… ガクブル オールドタイプの気持ちw

えー、では「赤ペン先生」いきまーす。

>>638の下から6行目 絡んでくるのを覗けば → 除けば
650通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 18:50:51.82 ID:???
>>645
地味にプルシリーズの遺伝子操作はかなりヤバいからなぁ…
体の構造をかなり自在に操作して、自然には存在しない内臓保護臓器だの、血液循環用の心臓補助器官を付加したりしてるし

GREAT MECHANICSで下村が語ったはなしだとコーディは基本的にネガティブに働く因子(病気になりやすいとか肥りやすい)を排除していくことで、遺伝子がポジに発現しやすくする…みたいな感じなんで
作中でもエリカとかは(自分の旦那にまで)コーディネイタだというのを隠して出産しても…医者にばれないくらいにナチュと差がないし


強化人間といいかなり非人道的なことやってるぶん、密かにUCのが進んでるってのはありえるな
651通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 18:58:09.57 ID:???
>>647
きっと『武蔵野牛乳』を飲んでいるに違いないw
ムッサシーノミルク、グゥレイトとか言って腰に手を当てて飲むキャラが出てくる?
652通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 21:14:43.49 ID:???
>>650
ちょいとツッコミ
エリカは一応結婚前に旦那にだけは隠し通せないと思ってカミングアウトしてる
653通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 22:12:42.23 ID:???
>>650
出生率以外の不安材料でマラリアや飢餓に対応するネガティブ因子のメリットも削ってるから
一部の環境のナチュラルには平気だけどコーディネーターには死病になる病気が出る可能性とかあとがきであったけど本編には無かった。

インフルエンザが再流行したコロニーへのチキンレースは外伝にあるけど
654通常の名無しさんの3倍:2011/04/11(月) 22:31:27.27 ID:???
牛乳ときいてアンサイクロペディアのルーデルの項を見にいってしまった
まだ加筆され続けてるのか
655通常の名無しさんの3倍:2011/04/12(火) 10:21:30.47 ID:???
ルーデルとシモ・ヘイヘは魔神だからなあw
656通常の名無しさんの3倍:2011/04/12(火) 11:00:08.07 ID:???
投下乙ですの

この辺りの過程を描かず結果の描写だけだと、
容易に「どうしてこうなった」(AA略)になってしまいますのことよ


あ、添削モードですが

×変わりの身体(変身的な意味で)
○替わりの身体(スペア的な意味で)
or
△代わりの身体(代理的な意味で)

でせう、言葉の意味的に
657787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/12(火) 12:48:41.28 ID:???
>>649氏、>>656氏どうもです、確認しました

>>638
覗けば→除けば
>>640
変わり→替わり
ですね。『代替品』って書いてみれば確かにそうですた(汗)

あと、過程をを描かずと言いますと・・・・

     \バァァァ〜ン/
   「私はクローンだ!」

っていきなりやらかした事っすか?Σ (゚Д゚;)
あれはその、あれっす。……………インパクトっすよ!ヽ(=´ω`=)ノ 大事ですよね?
658通常の名無しさんの3倍:2011/04/12(火) 19:12:11.27 ID:???
投下乙です
ミーアまさかのクローンで今後の展開も気になるところ。

ところで、>>638のラスト
>「今はこの情勢ですから、攻めて写真だけでもと思いまして」

攻めて⇒せめて
ですかね?
659787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/12(火) 23:26:37.57 ID:???
>>658
Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
昼間に……昼間に描いたのに、見直したのに、俺の馬鹿!

>>638
攻めて→せめて
です。ほっぺのあったかいものはなんだろう?
660通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 00:25:38.07 ID:???
ドンマーイっ787氏乙。
あっしらも、古くはワープロで、今PC…変換ミスは数知れず orz
インパクト大事は確かです。つかみバッチリ☆で……

次回もし種「クローンの涙」ミーアの真実にアスランは応えることができるのかぁ!?
的なナレーションを千葉繁ふうにww(まずい、北○の拳だったw)
661通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 17:32:25.54 ID:???
ガンクロWikiに787氏のうpした奴、
勝手に行間空けたりしてたから直した
どういうつもりだ?
662通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 18:15:39.36 ID:???
>>661
本人も善意でやってる訳だしやってもここで言う必要ないだろ
663通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 18:25:11.89 ID:???
>>662
いや、もの凄く重要
これが気に入らなくて全作品を削除して撤退した作者がいる
それ以降、行間といえども勝手に弄るのはタブーとされてきた

はっきり言おう
善意とは見做されない
無意識な悪意だ
664通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 18:41:05.27 ID:???
>>663
確か、改竄は止めて下さいと明記されていたはずだよね
665通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 18:56:09.11 ID:???
787氏に悪意を抱いている人物がこのスレに常駐しているのも確か
嫌がらせだろうな
666通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 18:59:21.52 ID:???
このように過剰反応する輩も居るから荒れるんだよなあ

というか、手直ししたいなら雑談スレあたりに意見出せばいいのに
無断でやるのは良くないと思うぜ
667通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 19:04:07.10 ID:???
悪意があるから無断でやるんだろ
668通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 23:33:20.49 ID:???
さすがに過剰反応
神経質すぎて気持ち悪いわ
669通常の名無しさんの3倍:2011/04/13(水) 23:35:38.75 ID:???
相談も無く勝手にやったから悪意があると思われても仕方ないだろ
670通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 00:02:59.33 ID:???
正直ここまでくると贔屓の引き倒し狙いというか、ルールに厳格!(キリッ
…を装ったアンチの成りすましにも見えてくるな。
こう書くとまた五分以内にスッ飛んで来そうだが。
671通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 01:31:51.25 ID:???
では話題を逸らそうか
787氏の作中にもジェガンが出てきた記念にジェガンについて語ろう
とりあえずHGUCの通常、スターク、エコーズ仕様を並べた時の格好良さは異常
672通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 11:38:04.75 ID:???
もうエコーズ仕様ジェガン出てたっけ?
673671:2011/04/14(木) 12:36:23.58 ID:???
出てたよ、バイザーのはまり具合が微妙だったけど(俺のだけ?)
専用バズーカも良し、胸部装甲板などでズッシリ感も・・・
新旧ロンドベルと新旧ネオジオン(CCAとUCね)でMS並べてみたがヤバイ、いろんな意味で

スレ違いになりかけだがorz
674通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 13:39:46.70 ID:???
とりあえずエコーズ仕様ジェガンでググってみたら
確かにかっこいいけど、それ以上にD-50C ロトが気になる俺
これってF-91に出てきたR-44の試作型みたいなもんなのかしら?

なんとなくフロントミッションとかアーマードコアに出てきそうなデザインだw
675通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 14:37:35.04 ID:???
R-44の意味は、「館長のロイが44歳の時にレストアした」って意味のR-44だから、
正式な形式じゃないんだよね^^;
変形機構とか似てるから、レストア参考元ではあるんじゃないかねえ。
676通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 14:43:22.59 ID:???
胴体以外をスタークジェガンに替えたらずっしり感が半端無い
677通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 14:54:24.36 ID:???
以外とスカートアーマーの有無は気になるな
678通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 18:13:05.81 ID:???
>>675
これもロトの存在で設定が固まったようなもんだ
装甲材質が不明だし、ひょっとしたら縮小レプリカの可能性もあった
679通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 20:09:19.33 ID:???
しかしユニコーンは渋い大人が多いですな。
オットー副長wもいい味出してるし、ダグザ中佐も負けず劣らずだし。
ダグザ中佐が准将に特進したのは悲しい事でしたが・・・
680通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 20:25:54.04 ID:???
博物館ネタつながりでZでハヤトが館長やってた戦争博物館のウォーカー・ギャリアっぽいのも
連邦でもグフ飛行試験型と似たようなもの考えてましたってなあたりで正式な設定が作られないかね?

681通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 22:48:10.16 ID:???
>>680
つコルベットブースター
682通常の名無しさんの3倍:2011/04/14(木) 23:12:47.08 ID:???
>>680
多分ワークスマシンなんじゃあない?>ハヤトがいたところ
683通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 01:43:19.39 ID:???
>>680
ライトライナーつうのもある

コルベットブースターはゴツいジェットストライカー…というかジェットストライカーとGファルコンの中間的なサイズ

設定では特に技術的な問題点はなかったみたいだが、SFS以外にも使えるドダイ系のコストパフォーマンスにまけたからなのか…まあ普及しなかった

ライトライナーは、一言でいえばMS用ホモアビス(笑)
そこまでして飛ばすならば戦闘機でいいだろうと…あれは緊急展開用なんだろうか

684通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 02:09:09.66 ID:???
ここの人はこのスレッドの趣旨とは少し違うけど小説家になろう!の主人公が種の世界に転生して
ザフトの士官になるSSは読んでるのかな?
685通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 02:16:09.73 ID:???
その種?
686通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 02:36:25.88 ID:???
それそれ
687通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 03:20:08.67 ID:???
アムロが出ないものに興味はないからなぁ
688通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 04:00:40.35 ID:???
>>677
ジェガンが好きなのかジムが好きなのかの差だな
689通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 09:58:44.16 ID:???
なろう故致し方なし
あんまりなろう好きくないし
690通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 12:15:51.93 ID:???
転生とかオリ主とかそういうワードだけでもうページ閉じるなw
691通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 15:16:08.29 ID:???
でもアズラエル憑依物は中々読めたぜ
キラがストライクノワールに乗ってハイネのジャスティス撃墜したり、フレイの立場に釣り合う様に戦果挙げたりする奴
タイトル忘れたけど
692通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 15:21:34.80 ID:???
時系列とか少々勘違いして、以下の面子転移の展開考えたけど考えただけだった。
種:アムロ、クエス、シャア、後半にバナージ、リディ
種死:続投+半壊マフティー、タウりんINアウーラ、ガンドレイ
693通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 16:42:28.52 ID:???
>>691
青の軌跡かな?
694通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 18:13:15.82 ID:???
>>692
>半壊マフティー

695通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 18:52:41.40 ID:???
ビームネット喰らって死に掛けのマフティーが転移してくるんじゃね?
696通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 19:24:27.81 ID:???
>>690
あとチート
検索ページを開いた時、1ページが丸々転生チートオリ主作品だった時は本気で頭痛がした
697通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 20:00:58.92 ID:???
>>696
後は作者とキャラの対談(笑)とかかw
698通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 20:17:41.52 ID:???
神様からチートもらって転生先のヒロイン寝取ってしたり顔上から目線で的外れな説教
なにこの既視感w
699通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 20:55:14.12 ID:???
>>690>>696-698
「なろう」のクロスSSの定番だよな
最近じゃ理想郷もそんなのばっかしだけどさ
700通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 21:01:39.42 ID:???
転生でも必然的に血反吐を吐いて未来をつかみ取るようなのなら嫌悪感はほとんど無いけどね。
701通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 21:14:32.23 ID:???
>>698
多重クロスもつけるぜ、大抵の場合捌ききれてないw
702通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 21:20:18.94 ID:???
正直アムロが転生するなら喜んで読む…いや、どうだろう
見た目も言動もそっくりだけどアムロじゃないとかややこしいっつーか
「だったらアムロで良いだろ」と思うわなw
外見変わったら余計アムロじゃないし。
アムロ本人が飛ばされてくれるなら、ガンダムじゃなくてスーパーロボット物でも
リアル近代史でも三国志でも戦国時代でも読むけど。

いや三国・戦国は流石に無理があるかw
呂布とアムロが出会っても話膨らみそうもないw
703通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 21:37:46.29 ID:???
それなら騎士アムロの出番ですよ
704通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 21:43:34.03 ID:???
>703
生身でバーサル騎士やるチートは勘弁してくれw
705通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:03:28.47 ID:???
なんでもかんでもチートって言うのもあの界隈の特徴
706通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:34:39.00 ID:???
アムロがストライクに転生するSSはいつの間にか消えたなそういや
707通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:38:31.21 ID:???
ただまぁユニオン族のHPがだいたい3桁なのに、
平然と4桁行く騎士団長アムロはどっかおかしいw
708通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:40:48.00 ID:???
そもそもナイトガンダムの素のHPが800なのに2000までUPしているあたりバーサルナイトの鎧になんかの仕掛けがあるんじゃあない?
709通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:47:53.84 ID:???
転生モノはギャグ系なら喜んで見るが、真面目系だとちょっとな……アニメのような能力を持ったら現実ならどう反応するか。っていう意味では面白いが

個人的に一番疑問なのは転生や憑依とセットでTSする場合かな
なぜTSしたのにいろいろしないんだ。普通性欲溢れていろいろするだろ……
710通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:48:18.63 ID:???
後のHPバブル考えると、MS族にHPの上限はなさそうだしなぁ
騎士団長アムロは上限が高かったんだろうか
711通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:53:14.59 ID:???
CCA、UC、ムンクラ、閃ハサだけでも扱える気がしない
712通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 22:54:37.00 ID:???
それに比べてシャアときたら・・・
713通常の名無しさんの3倍:2011/04/15(金) 23:03:00.37 ID:???
>>712
シャアには巨人の崩玉とぬこの呪いと言うアイデンティティが…

ボンボン版ではアレックスの最期にインパクトは負けるけど…
ゲームだと空気同然でアレックスの相手はクィンマンサでクリティカル出たら瞬殺され一人だけ合流出来ずクリアしたけど…
714通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 01:13:18.99 ID:???
>>697
あれの寒さは異常
「」の前にキャラ名書いて台本形式のキャラ対談とか絶対零度の寒さで読む気無くすなんてもんじゃない
715通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 08:17:56.56 ID:???
>>709
投稿先がエロ投稿出来るか否か、という大前提忘れんなww
あと、大抵の場合、物心ついたあとで思い出したり気付くってパターンが多いような希ガス
716通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 13:48:42.71 ID:???
SDはかなり買い込んでたけど改めて電ホのストーリー読んだらアレ?と思う事がある。

717通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 16:54:55.26 ID:???
>>697
まぁ待て、あかほりをこれ以上いじめるなw
718通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 19:15:23.22 ID:???
プロの人がやる分には良いんじゃねw素人がやるから寒いんであってw
719通常の名無しさんの3倍:2011/04/16(土) 22:56:57.68 ID:???
>>717
そこは神坂一だろw
720通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 01:27:42.68 ID:???
庄司卓の悪口はそこまでだ!
以下
竜堂兄弟座談会批判でお願いします
721通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 01:43:28.00 ID:???
そういえばヤマモト・ヨーコは全部揃ったのかね
ちゃんと完結したら買おうかと思ってたが

聖刻1092もそんなこと思ってて、結局どうでもよくなったが
722通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 01:47:24.11 ID:???
>>721
まだ刊行途中じゃあない?>ヨーコ
723通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 02:02:53.95 ID:???
種じゃないけどリボンズにアムロ憑依すればいいよ
724通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 02:08:19.34 ID:???
中の人ネタかよ
タキシード仮面に憑依した方が良いと思うぞ
ネタ的には
725通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 02:27:08.63 ID:???
>>721
新書サイズで刊行中
726通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 04:28:36.71 ID:???
そういやフォーチュンクエスト完結したんだってね
長かったなぁ…
727通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 04:31:29.26 ID:???
>>726
マジっすか!?
てか…続いてたのを今知った(笑)

728通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 05:04:11.04 ID:???
スレが90年代同窓会になっとるw
729通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 06:32:07.76 ID:???
ガルディーンは…
カズマシリーズは…
ラグナロクは…
トリニティ・ブラッドは…
730通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 11:25:15.49 ID:???
>>726
完結したのはデュアン・サークの方じゃないか?

>>729
他の作品は作者が放置してるだけだから
完結の可能性はあるけど、
トリニティ・ブラッドは
作者が亡くなられてる以上無理だろ…・
731通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 12:19:52.98 ID:???
>>729
ドリルランスと油圧式盾の枢機卿はジンクスや種ドムやF2000の改造の参考にしたな〜
732通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 12:21:58.99 ID:???
アニメはCSで全部見たけどイマイチ覚えて無いから「そんな人居た?」と言う気分
733通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 14:37:11.78 ID:???
途中からキャラデザがFSSをインスパイアしだして
ログナーやらサリオンやらが出てきて引いてたら、作者しんじゃった…
もっとちゃんとみてやりゃよかった
734通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 16:48:53.38 ID:???
>>732
壊滅騎士ブラザー・ペテロ
名台詞「それがしを踏み台にした!?」

どうみてもドムトゥルーパー原型機のパイロットのイメージに違いありません、ありがとうございました。
735通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 16:52:57.33 ID:???
>>734
あのショタロンゲか、いやしかし思いだすだけで懐かしいなあトリブラ
デビュー作とか次のゾンビ新撰組のやつとかもクロスネタとしてはアリなんかなあ?
736通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 22:32:34.98 ID:???
>>727
続いてるというか最初からやり直しみたいなもん。
737通常の名無しさんの3倍:2011/04/17(日) 22:37:00.67 ID:???
>>736
で、どうせ完結しないんでしょ?
そうやって何度騙されてきた事か!
738通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 05:50:37.99 ID:???
>>600
敵は今だ→敵は未だ
739通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 05:54:20.99 ID:???
>>604
廻りの将兵→周り
チャック→チェック
740通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 05:57:14.85 ID:???
>>603
技術者に寄れば→因れば
武器に着ける→付ける
741通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 05:59:41.01 ID:???
>>602
目を引かれ→惹かれ
742通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 10:07:08.13 ID:???
誤字指摘は結構だが、ひとまとめにして何か一言言わないと印象悪いぞ?
743通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 13:26:03.74 ID:???
別に印象とか関係ねーし
馴れ合いキモッ
744通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 13:46:37.31 ID:???
何? 孤高気取ってんの? こいつキモwww
745通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 13:55:47.48 ID:???
子供にわざわざ構ってやるなよ
746通常の名無しさんの3倍:2011/04/18(月) 14:02:20.16 ID:???
   ;'   /                    ゙; 
  ;'   /                      ゙、
  ;' /          ,.-ー、 ,.r‐'''' -、       ゙、
 {, '         ./,.. ------- 、.._ ヽ.        ゙、
 /         ,:'"´         ``l       ゙;   そんな事より、私、ムルタ・アズラエルから諸君に話があります。
 |/           /               j         }  このスレは今やかなりの人気スレとなっています。
 l|,       /             ,ノ ,ノ     ;'   なので荒らしや厨が流入しやすくなっています。
  ゙|     | ./''=;;、、_        ;;=ニ- ''ノ'     /   彼等は何よりも誰かに構って欲しいのだから、
  ゙、  l    N'¬;;ェyミ-: . .   -彡ry;T'ー-彡_,ィイ'   人気のスレがよく狙われてしまうのです。
   ゙、、 ヽ.  ゙、ヽ- 二-': : : : .    -:ニ -': : :.7` ノノ    
   ヽヾ-ヽ、 \   ´ . : : : |        ;'//     諸君は彼等にけっしてレスをしてはいけません。
    ` 、`゙、 ``゙`    .: : : |           ;'_/      どんな痛烈な罵倒もそれは彼等を喜ばせるだです。
      ``゙、         : : |, '      /         訓練されたブルーコスモス構成員たる諸君は
         ヽ    _   -      ,:'         当然導入済みであろう専用ブラウザの機能を活用し、
         〕:、    ̄ ̄ ̄ ̄   ,イ|         荒らしとそれに反応する者のレスを全て透明あぼ〜んしてさっさと忘れるようにしましょう。
        ,/:| \      ̄    /  |\   
      _/  |.   \       /   |  \ 
   ,.. - '"/    |    `` ;==、´      |    ;ヽ、
''''"´   /    |     /  ヽ.     |   `、 `ヽ.、
     /.     |     ∧   ∧   |    ゙、    ``ー-、._

 そしてスレで誰かに絡まれて不愉快な思いをしても、すぐ忘れちゃいましょう。
 ここは2chなんですから善人も悪人もいます。君の個人的な感情でスレの進行を乱し、
 皆に迷惑をかけることのないよう、常に務めてください。
 そうしてもらえると非常にうれしいですね。
747通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 01:00:16.24 ID:???
きれいなアズにゃん乙
748通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 06:55:54.93 ID:???
>>746
アズターレ乙
749通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 07:31:44.89 ID:???
>>746
AZにゃん兄貴オッスオッス!
750通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 23:04:47.54 ID:???
なぜだろう、無性におでんが食べたくなってきたような
751通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 23:15:46.90 ID:???
完結してない作品で思い出したんだが、園田英樹の小説も完結してないな…
ヤツの脚本はVガンダム以降見てないんだが、まだこの業界にいるの?
752通常の名無しさんの3倍:2011/04/19(火) 23:39:22.46 ID:???
完結してない作品といったら

小説版メロウリンク 小説版シュラト

が浮かんだ。

打ち切りでの短縮だと

魔獣戦記ネオ・ヴァルガー(秋津透・作)

がそうだと聞いた。
753通常の名無しさんの3倍:2011/04/20(水) 00:10:53.29 ID:???
ガンダム診断で出たネタで俺ガンSSを書こうとして書けない俺は何も言えない…
「ドムで無双して故郷からの「結婚しました」の手紙で「有り得ないんだぜ!」と全身から吹いてショック死する」程度の内容なのに
754通常の名無しさんの3倍:2011/04/20(水) 00:57:34.27 ID:???
徳光乙。
755通常の名無しさんの3倍:2011/04/20(水) 01:58:04.50 ID:???
>>753
某登録制なり茶サイトで専用機はMMP二丁のガンカタな茶色のリックドムU
戦績はルウムでガトルに乗りサラミス2隻、セイバー6機撃墜とか、第二次降下作戦ではドップでヤザンのコッドと空中戦大立ち回り
容姿は銀髪でモノクル愛好家な大尉をやってた黒歴史を思い出して寝れない
756通常の名無しさんの3倍:2011/04/20(水) 09:59:11.04 ID:???
待機
757通常の名無しさんの3倍:2011/04/20(水) 14:48:08.16 ID:???
全裸がまた寒くなったな
758通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 00:04:28.90 ID:???
せめてそこはRPGマガジンの読者参加ゲームの戦歴とかにしておくれよ
759通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 09:05:13.67 ID:???
>>758
つゲームぎゃざ読者参加型企画「G-st」
忘れてるぞ?
760通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 10:08:21.42 ID:???
>>759
懐かしいなハイドラクス
761通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 11:05:03.23 ID:???
>>760
アパラタスがdisられたと聞いて
762787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/21(木) 12:19:52.55 ID:???
>>738~741
確認しました。返事が遅れて申し訳ない。
>>600
今だ→未だ
>>604
廻り→周り
チャック→チェック
>>603
寄れば→因れば
着ける→付ける
>>602
引かれ→惹かれ

あと、投下はまだ先になるかと思います。28話投下は黄金週間前にとは思ってますが、
黄金週間と夏休み中は岩手のボランティアに行ってくる予定ですので、たぶんこれまで以上にまばらになると思われます。
申し訳ない・・・・
763通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 12:31:47.59 ID:???
>>762
つ敬いエネルギー
764通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 12:35:17.83 ID:???
>>762
つ新車のシートカバーへのそれと匹敵する敬いエネルギー
765通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 12:38:08.80 ID:???
>>762
いらっしゃーい!
766通常の名無しさんの3倍:2011/04/21(木) 20:57:58.28 ID:???
>>751
劇場版ポケモンとかを中心に脚本を書いてたはず。
私の中だと園田英樹といえばライジンオーだな。
767787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:40:58.39 ID:???
みなさんこんばんは、と言ってもこの時間誰もいないかな?
どうも、787です。先週土日、父が仕事で大船渡に引っ越したのでその手伝いに行ってきました。
道中陸前高田を通りました。・・正直言って想像以上でしたよ。
何も残っていないというのは、恐怖を感じるものと思ってましたが逆なんですね。
恐怖を感じないことそのものに恐怖を感じたのははじめてです。
それと、現実を受け入れる自分とそうでない自分もハッキリ感じました。

と話を戻して、だいたい50分頃を目途に投下したいと思います。
28アバンも指摘して頂いた誤字訂正(他にあるかもです)版で再投下します。
誤字脱字はどんどん突っ込みを、気に入らなければスループリーズです
768787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:47:22.64 ID:???

〜ジブラルタル基地・第5ポート

「お久しぶり、カガリさん」
「マリュー・ラミアス、息災そうで何よりだ。ミリアリア・ハゥも、無事だったか……」
カガリ・ユラ・アスハは、知人との久方ぶりの再開に喜びを露わにし、
先程までミネルバクルーやデュランダル達に見せていた、
もはや獅子と敬称すべき峻厳な姿はなりを潜め、以前の素直な少女の顔を見せている。
マリュー達と会ったときに、必ず聞かれるであろうと覚悟していた、
今回の大西洋への離反については事情を察してか、彼女らは何も言わない。
ありがたいと言うべきか心苦しいと言うべきか、複雑な気分である。
ふと、一番今会いたかった顔がここにいないことに彼女は気付く。
「ところで、キラとラクスはどこだ?
 アンディ……バルトフェルドの姿も無いが?」
地雷を踏んだ。彼女がそう気付くのに時間はいらなかった。
先程まで喜色を見せていたのが、実はギリギリの所で作っていた顔だと解る。
見る見るうちに、マリューやミリアリアの顔が暗くなってゆく。
カガリは、温度が忽ち冷え、悲しみと悔しさに満たされ始めた基地の客間の中で、
自分にとって唯一と言って良い肉親と友人達が、どうなったのか察しを付ける。
「そうか……三人とももう……」
「三人じゃないわ……」
二人よ。マリューはカガリが言いかけていたところを止め、そう言った。
「二人? どういう事だ」
「いなくなってしまったのは、キラとバルトフェルド隊長だけ。
 ラクスさんは、多分大西洋連邦だと思う」
「……馬鹿を言うな」
カガリは、マリューの肩を掴む。
顔が先程まで見せていた猛獣の顔に戻り、マリューは、
この顔が彼女が精一杯の力で造り上げた仮面なのだと理解する。
少しでも、自分に降りかかる危難を和らげ、相対する強さを心中に沸き上がらせるための。
なおもカガリは、目を合わせようとしない彼女に苛立ちを感じながら、揺さぶる。
キラとバルトフェルドがもういないのだと全身で語る彼らのその言葉は信じがたく、
そうありつつも、異様なまでの実感を彼女に与えた。
「オーブで襲われたとき、最初はZAFTの特殊部隊では無いかって疑ったわ。
 アッシュ……ZAFTの正規軍に配備され始めだったMSだし。
 あの時は慌てていたから。そして、すぐに出港することにしたわ。
 MSの爆発で国防軍が来る事と、何よりその時の私たちはセイラン家を信用してなかった」
よく考えれば、今のプラント政府にラクスや自分たちを襲うメリットなんて存在しない。
それ故に、その説についての信憑性はすぐに疑われ始めた。
また、ラクス・クラインの行動についても、
マリューはぼそりぼそりと一言ずつ、まるで恐怖談を語るように言う。
アスハ家別邸地下にMS整備工廠を設営しフリーダムを作り直していたこと。
セイラン家を信用するなと真っ先に言い出し、反論を出るのも待たずに出港を急いだこと。
あれだけの騒ぎの後、出港するまでの間近所の人が動く様子が、誰一人として無いこと。
出航後、すぐにスカンジナビアに向かうことをせず、一度旧カナダ領に身を寄せ、
バルトフェルドを連れていずこかへ出かけていったきり帰ってこないこと。
「帰ってこなかった? 何故待たなかった」
「キラ君なのよ、彼女を待たずにスカンジナビアに行くべきだって言ったのは!」
769787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:48:04.14 ID:???
「キラが!?」
カガリの頭は混乱し始めていた。
自分の見知っている人間の中で、ダントツにラクスを信用しているはずのキラが、
その時一番ラクスを信用せず、マリュー達に訴え出たと言うのだ。
「出港して海に潜ってからだけど、停泊していた入江はすぐに襲撃されたそうよ。
 だから私たちはその時察したの。バルトフェルド隊長は戻ってこないって」
「ならば、どうしてラクスがそんな動きをしていることを、彼らには言わないのだ」
「カガリさん! その言い方をやめて!」
カガリが怒気をさらに強めたとき、客間のドアが開いた。
「失礼します、ラミアス艦長」
カガリは、今の今まで心の奥底で聞きたいと願っていた男の声が背中でしたことに、
電撃が走ったように振り返り、その男の姿を眼に入れた。
アスラン・ザラ。数ヶ月前まで自分の傍らに立っていた、
どこか頼りなげであっても常に自分を守ってくれていた青年。
それが今、かつての生やさしさが消えた、それこそミネルバで出会った『隊長』のような、
峻厳な軍人の放つ気を纏わせて、開いた戸と部屋の間に立っていた。
カガリは今すぐにでも飛びつきたい衝動に駆られるが、グッと押し殺す。
「もしや聞き耳か?
 デュランダル議長旗下の部隊にしては、
 ずいぶん不躾な真似だな……アスラン・ザラ」
「これはご無礼を。ですが、聞き耳は立てておりません」
カガリはあえて、そうやって突き放すように言うことで、無理矢理自分の心を彼から引き離す。
そうでなければ、自分を抑えられそうになかった。
知り合いしかいない空間においてなお、
その物言いをしたカガリを咎めようとしたマリューを目で制して、
カガリはアスラン・ザラに部屋へ入るよう促した。
アスランは一歩だけ、部屋に踏みいる。彼の後ろで戸が閉まり、部屋の圧迫感が強まる。
「……用件は何だ?」
「アークエンジェルの処遇について、東アジアから回答がありました。
『アークエンジェルについては二年前、条約通り地球連合、
 東アジア共和国に返還されていた艦船であり、
 昨年度オーブへと払い下げられたものである』……と」
「……何ですって!?」
アスランのこの言葉に驚いたのはマリュー達であった。
カガリは眉一つ動かさずに、
「そういう事だ。すまない、艦長。
 私としたことが取り乱して言うのを忘れていたようだ」
ただ、東アジアが一方的に貸しを押しつけてきたような形であったばかりに言い出せなかったのも大きい。
どんどん、東アジアに物言いが出来にくくなりつつある。
あのツァオという男、あらかじめ知っていてオーブに『貸し』という名の楔を打ち込み始めてきた訳だ。
ただ、アークエンジェルがそもそも条約違反の存在であったという大問題が立ち消えになり、
これからは大手を振って前大戦の英雄艦が表舞台の壇上に上がれるようになったというのも事実。
行動に逐一あの国が絡んでくるのを除けば、大天使という強力なカードを切れるようになったのだ。
しかし、その艦にいるべき剣はいない。
「そしてもう一つは、私の私用で。
 ラミアス艦長、これを……」
アスランは、持っていた封筒から一枚の写真をマリューに手渡した。
「今はこの情勢ですから、せめて写真だけでもと思いまして」
770通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 01:48:34.99 ID:???
支援
771787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:48:44.63 ID:???
「……………!」
マリュー、そしてミリアリアは写真の中のものが何であるのかを察すると、口元を手で抑えた。
嗚咽が、彼女達の手の間から漏れる。押さえつけていた涙が滂沱とあふれ出す。
ソファのマリューは実を屈め、ミリアリアは膝をついた。
「……“カガリ”」
カガリは、アスランから久しぶりに名を呼ばれた事に、
深刻な現実がその中にあるのだと察しを付け、
「大丈夫、ここのモニタとマイクは切ったよ」
彼がそう言うや、カガリはマリューの手にあった写真を取って、覗く。
こんもりと盛られた土の真ん中に、木の十字架が立てられている。その真ん中には……
『Kira・Yamato』
そう刻まれていた。もう、限界だった。彼女は、自分が泣いているのだと気付く。
写真を抱いて、先程までの虚勢も剥がれただ一人のカガリ・ユラ・アスハという人間、
いや、この場合弟を失ったカガリ・ヒビキと言うべきか。
肉親を失った一人の少女が、そこですすり泣き、
その姿を誰にも見せまいと、アスラン・ザラはサッと部屋を出て、鍵をかけた。


史上最大の作戦。
旧世紀の時代、ノルマンディー上陸作戦がそう呼ばれていたが、
それらをゆうに超える規模の作戦が、明日決行される。
アスラン・ザラは、カガリ達の部屋が防音である事に感謝しながら、
かつて顔を合わせたことのあるオーブ軍人達の複雑な視線の間を抜けて、オーブの宿舎を出た。
自分の部屋が割り当てられている軍の宿舎まで歩いて行く中で、
今日の天気は、まるで死地に向かう戦士達を祝福するかのように、太陽がその姿を現していることに気付く。
太陽の光と、海から流れてくる涼しい風の心地よさを肌で感じながら、
彼はミネルバの皆が入っている宿舎のロビーに入った。
その時、背後から何者かに突撃され、彼は床に鼻っ面を打ち付ける寸前までになる。
咄嗟に前受け身で顔は守ったものの、肘が痛い。
背中に感じた絶妙なまでの柔らかさからその正体を察し、
「……何をするんです、‘ラクス’」
起きあがって振り返り、公ではそう呼んでいる少女に目をやる。
「だって、せっかく基地に帰ってきたのに、
 アスランってば構ってくれないんだもの……」
頬をふくらませて抗議するミーア・キャンベルに、
アスランはこのような情勢下でこうも明るく振る舞える事に若干うらやましさを感じつつ、
周りの目があるので早々と彼女の手を引いて自らの居室に連れて行く。
「や、やだ。いくら婚約者だからって私にも心の準備が……」
「こんな時に戯れないでくれ!」
はぁ、と彼はため息をついて部屋の一人用ソファに座り込む。
「全く、何で君はいつもそう陽気でいられるんだ?」
アスランはその時顔に腕を当てて目を閉じていたために、ミーアの表情の変化を見ることはなかった。
一抹の寂しさや悲しみを抱えた少女の顔を一瞬見せていたミーアは、またいつもの顔に戻る。
しかし彼は感じた。先程まで陽光の如き明るさを放っていた心の下にある、
ほの暗い水のそこのような、冷たく何も見えないモヤモヤとした部分が現れたのだ。
彼は、ニコニコと笑顔を浮かべたままのミーアの顔をジッと見つめる。
「だって、私は『ラクス』なんだもん。
 みんなの前ではいっつも笑顔でいて、みんなに元気をあげるのが仕事なの」
772787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:49:26.04 ID:???
そう言って、彼女はソファの肘掛けに腰かけて、足をブラブラさせながら天井を見上げる。
しかしその言葉は本意ではない。アスランは直感でそう思う。
さっきのカガリと同じだ。自分の露わになる心を見せるのが怖くて、
そして耐える強さもない本当の部分を覆い隠す仮面。
カガリはああやって峻厳な政治家となる事で本来の素直な少女を覆い隠しているが、
彼女は、ミーア・キャンベルは、皆の前で明るく振る舞う歌姫という、
彼女の今の生き方そのものが仮面なのだ。まるで、現実から逃げるような逃避の念すら感じる。
「…ミーア」
アスランは、前々から言おう言おうと思っても言えずにいたことを、
二人になった今、直に聞きたいと思った。
彼は彼女の手に手を乗せて、眼の奥にある部分を正面からじっと見つめ、
「ずっと前、君は俺に言ったよな?
 『自分はバックアップ』なんだって……」
「……!」
恐怖の色が、目の奥に現れる。きゅっと、彼女の手に力がこもる。
優しく、握り返して、彼はそっと聞いた。
「今聞きたいんだ。君は、何を怖がってる?
 何が君をそうまでして縛ってるんだ。議長にも秘密にしてるんだろ?
 今こうして俺に会いに来ているのも、そうなんだろ?」
あの時、彼女は自分にしか聞こえない声で言ったのだ。
自分に、助けて欲しいと言っていたのではないか?
彼は今になってそう感じ、彼女の唇が震え出すのを見、
「私……私は……」
目の焦点がぼやける。顔だけでなく、手が、足が、全身が、震え出す。
落ち着かせなければ、彼は周囲を見回したが、役立ちそうなものは無い。
とっさに、彼は行動に出た。彼女の唇に自分の唇を押しつけたのだ。
ちゃんとした形でなく二度もというのは、彼としては本意ではなかったが、この際仕方がない。
彼女の荒い鼻息のテンポが、時間と共に落ち着きだし、
全身のふるえが、少しずつ収まってくる。アスランは、そっと顔を放す。
「……これで落ち着いたろ」
「……ぇぅ」
話してくれるか?
そう言って彼はソファを下りて彼女を座らせ、
自分は下から見上げるようにし、彼女の顔をのぞき込む。
彼女はうなだれたまま、心を静めようと必死になっていたが、
やがて、言葉が口から紡がれ始める。衝撃と共に。


「私は……ラクス様の『替わりの身体』……クローンなの」
「……え!?」


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第28話


773787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:50:11.30 ID:???

〜ヘブンズベース・MS演習場

一機のMSが、建築物に見立てた障害物の間をすり抜けながら、
標的にビームや弾丸、砲弾を撃つテストを行っていた。
ガンダムタイプで、以前ここで戦闘を行ったSフリーダムに似た印象を持っている。
『νガンダム』〜ロアノーク隊に与えられた新鋭機である。
片方は放熱板にも見える兵器を両肩のラックに三基ずつ搭載し、
右腕にはバルカンがあり、肘のあたりでマガジンを交換できるようになっていた。
武装は至ってシンプルで、ビームライフル、バズーカ、そしてシールドである。
シンプルと言っても威力はそうではなかった。
月から運ばれてきたこの‘謎の機体’のライフルは、
本来『ビームCAP』という新機軸の技術が使われていたらしい。
だが、それは圧縮した粒子をライフルに溜めておかねばならず、その肝心の粒子が作れないというのだ。
結果として、従来のMSと同じくジェネレータに繋ぐ方式が採られた。
ただそれだけ言われると威力が下がったように聞こえるかも知れない。
しかし、この機体のジェネレータは核融合式であり、
その有り余るエネルギーから生み出されるビームの熱量は尋常ではなかった。
連合MS標準採用の耐ビームコーティングが施されたシールドを易々と融解させ、
ラミネート装甲のサンプルも熱量が高すぎてその意味をなさず、
実際の戦艦ならばともかく、部位によっては遠距離からでも貫通できるとみられる。
個々の武装がシンプルにまとめられている分、その居職の底上げが図られていた。
ワンオフ系MSによく見られる強力で奇抜な固定武装や内蔵武装は、
珍しいことにこの機体にはほぼ無いといっても良かった。
目立った火力、決戦兵器としての面は持っていないと言う言い方もできれば、
そんな火力など必要ないという、“MSとしての”最高の働きが出来るよう作られているとも言える。
ただ一つ目立つ欠点と言えば、スタークジェガンやマラサイ同様、長時間の飛行には適さないという所か。
その点はMAへの変形が可能なデルタプラスやリ・ガズィカスタムと組む事で解消するしかない。
モニタの中でビームの熱で溶け、砲弾の爆発と弾丸の雨に壊れて行く的の姿を見、
機体が自分の操縦、思った方向に吸い付くように動いてくれる感触に、ファブリスは懐かしさを覚えた。

『アムロ・レイ』〜本当の自分の名前と記憶

それは、今はまだ大事にとっておこう。
全てが終わって、皆と平穏に生活できるようになったら、全てを話そう。
そう彼は決めていた。
それまでは、ファブリスという仮面をかぶり続けようと。
今になって、仮面を付け別の名を名乗り続けた『あの男』が少しだけ理解できた気がした。
ステラを失ってからというもの、スティングとアウルの操縦は少しずつ変わってきている。
スティングは以前の無鉄砲なまでに突っ込んでくる癖はなりを潜めてきたし、
アウルの、時折MS本体が無防備になるほど攻撃に集中することは無くなった。
反応速度はさらに上がった気もするし、格闘戦や射撃の能力もさらに向上を見せている。
ただ、危なっかしいのだ。精神的な意味合いの方が強い。
気持ちが死へと傾いて、死者に引っ張られている感じ。
ステラを意識するあまりに、自分を犠牲にしてまで廻りを守った彼女に‘なろう’としている。
そう言う感じがするのだ。ひっきりなしに機体に降りかかる吹雪を見、
耐寒加工を施した関節を眺めながら彼はそう思った。
もしかすれば、自分の身も顧みず敵に突貫するかも知れない。
774787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:51:01.31 ID:???
それだけは避けなければならなかった。
それこそ、死したステラが最もいやがる事であると、彼は信じていた。
「……俺にも『守るべき人』ができたよ」
彼は曇天の中に少しだけ現れた蒼天を見上げながら、
脳裏に浮かんだ女性の顔を思い浮かべて、そう言った。

※※※※※※※

〜ジブラルタル基地・第五ポート

「カガリは今どこに?」
『は。代表は現在、知人の方々と面会中でありますが……』
「なるほど、大天使の面々か。まぁ、少しの間休ませてあげないと辛いよね」
ユウナ・ロマ・セイランは、軍港に身を休めるタケミカズチの脇に浮かべている、
自らが搭乗するMAの調整のためコクピットの中にいるところであった。
本来ならば数人で制御するシステムなのだが、彼は現在自分一人で全てをこなせるよう再調整していた。
水陸両用MSの予備機はすでに何機か用意してあるし、
今オーブのMS部隊編成に穴を開けるわけにはいかない。
そして今、カガリがいないこともあって彼女の代理で報告を聞く事も兼ねていた。
システムをいじりながらでは内容が素通りするので一度手を休め、
事務官の報告を一言一句聞き取ってゆく。
事務官の言うことには、ヘブンズベース基地攻略作戦に於いて、
ZAFT・東アジア・オーブ連合艦隊の侵攻経路が決まったらしい。
「オーブ艦隊の上陸予定地点は?」
『南アイスランドのヴェストマン諸島を制圧し、
 そして最寄りのクヴェラゲルジを制圧して頂きたいとの事で』
「海堡を潰して次は地熱地帯か……」
基地の機能低下から始めるつもりのようだが、
よく考えればあの場所は基地のすぐ向こうが山岳地帯。
そこには火山も多く、開発部や司令部など重要施設は北アイスランド、
そして一番の標的であるマスドライバーは東アイスランドに集中。
南アイスランドは、基地最大規模のMSハンガーや軍事工廠・演習場などが密集した箇所だ。
そこから考えるにあの基地の山岳部には、
司令部以上に何か守るべき施設が設置されているのだろうか?
それが存在するならば、地熱地帯を潰す理由は……!
「なるほど、そういう事か」
『司令官殿?』
「ああ、すまない。報告はソレで終わりかい?」
『……あ、はい。本日はこの一件意外にご報告することは特にございませんが』
「ありがとう。明日は作戦決行だろう? 君も今日は休め」
『了解しました』
ブツッと通信が切れて、少し広めのコクピットの中一人残ったユウナは、
モニタに映る艦隊の風景と、ポートの中を駆け回るオーブ軍人、東アジアの軍人達を見やって、
「彼らや僕ら全員を‘囮’にする気か。デュランダルめ……」
ユウナは確信した。南のMS工廠区に攻撃を敢行するのは何も、
‘基地を陥落させるためにMSを減らす’わけでも、
‘北から回り込んで司令部を落とす’わけでもない。
基地北部からMS部隊を南へ全て引きつけ、その隙を突き宇宙空間から奇襲をかける腹づもりだ。
775787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:51:48.56 ID:???
当然基地の連中もそれは想定済みで、恐らく基地内部に上空を攻撃する兵器が存在すると見て良い。
デュランダル議長は、ZAFTの諜報部ツテでそれを知り、ZAFT側の降下作戦前に兵器を潰す気なのだ。
加えて、そうまでしてMSで守備せんとしているなら、放たれれば戦況が一変する兵器であるに相違あるまい。
「だけど、短時間の内にそこまで突破できるMSは……ミネルバ隊か」
ふと、アスランの顔が頭に浮かび、ユウナは頭を振った。
スエズ陥落後にジブラルタルへ帰港したミネルバの出迎えに、自分は行かなかった。
ZAFTでどんどん存在感を増してきている彼に比べて、自分はどうだ?
今なおオーブ艦隊の司令官という立ち位置に立っているものの、エーゲ海では失態を犯した。
オーブをより強い国へと昇華させんとしているが、
大国の影に収まる事でしかそれを実現できない現実が、目の前にある。
アスランに顔向けできない……そう感じていたのである。
そして今は、先陣を切ってオーブ軍人の犠牲を減らす役割を担っている。
どんどん、自分の思った方向から外れていく。
それが現実なのだと、何度自分に言い聞かせただろう?
「もう何も考えるな、ユウナ・ロマ!」
彼は自分の顔を殴りつける。唇を切った。
口に少しながら流れ始める血をなめ、彼はシステムの書き換え作業を終わらせる。
彼が操縦する巨大MAの名は、『シャンブロ』。
東アジアとの合同開発の新型ながら、以前から知っていたような感覚も存在する。
遺伝子の中の『記憶』というべきモノなのだろうか?
どちらにせよ、
「お前となら、カガリを守れるかな……?」
武装システムのリンク状況を確認しつつ、ユウナはそっと、そのモニタを撫でた。
こうやって力をもってでしか大切な人を守る術がない、
悲しさや虚しさが、彼の心を襲っていた。

※※※※※※※

「クローンって……どういう事だ」
アスランは想定外の回答に一瞬考えることを停止して、ミーアの両肩を掴む。
彼女は、言いたくなかった事を言っただけに、目元にはすでに涙がにじみ出て、
彼はそれに気付くと肩から手を離して、彼女の手の甲を撫でる。
「ごめん……」
アスランは場違いながら、涙目になっている彼女の顔が一時妖艶に見え、
ドキドキと高鳴ってくる心臓の鼓動を聞いて、空気を読まない自分の心の一部を避難した。
「今言ったのは本当よ。私は、ラクス様に何かあった時の‘代替品’なの」
「まさか、そんな事って。第一、人のクローンは……」
「‘禁止されている’?
 ……フツーの人間ならそうなるよね。でも、私は違った」
人間って言っても、ラクス様だったから。
彼女は右の髪の毛をかき上げ、ちょうど後頭骨に当たる部分を露わにする。
彼は彼女のそこに、ある入れ墨を見つけた。
「『トレス(tres)』……これって、君の?」
「うん、『3番目』。
 多分、私は‘あそこ’ではそう呼ばれてたんだと思うわ。
 ミーアって名前、議長がつけてくれたのよ。そんな製品みたいな名前はかわいそうだって」
あの人にそういう面があったのか、とアスランは驚きつつ、
彼女が一体どういう前半生を送ってきたのか、想像するだけで鳥肌が立った。
776787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:52:35.60 ID:???
彼女がうっすら覚えてるのは、液体みたいなものの中にいたこと。
自分以外にも、殆ど同じ外見を持った少女達がいたこと。
自分が失敗作呼ばわりされていた事だけだったそうだ。
‘肉体の成長が本物と違う’ただ、それだけのことで。
「あの白い服の人たちは、直接殺したくなかったんでしょうね。
 私は何も知らぬまま、放り出されたわ。のたれ死ぬかと思ったけど、あそこは研究所が多かったから」
「議長に拾われたのか……!」
「そう……」
ミーアは、本当に幸運だったのだ。
今となっては、あの一帯の研究所は全て閉鎖され、MS開発や兵器工廠と化しているそうだ。
その施設にいた人間を捜し特定するのはほぼ不可能だった。
デュランダルによれば、あそこにあった遺伝子関係の施設は多すぎて、
見つけ出すにせよ数年かかると聞かされたとき、彼女は絶望の淵に立たされた気分だったらしい。
「でも、もういいわ。私は、今あの人の役に立ってる事が嬉しいし、
 この戦争が終わったら、全部打ち明けるつもりよ」
いつの間にか、アスランはミーアの顔を凛とした、
過酷な生まれながらも光明を見つけ出し生きる『ミーア・キャンベル』という、
強くたくましい女性の顔として認識するようになっていた。
ラクスのそっくりさんなどでは無い、別の魅力を持った顔。
アスランは、その先何も言うことはなかった。
黙したまま彼女を抱きしめる。自然と身体が震えていた。
「アスラン……泣いてるの?」


ヘブンズベース攻略戦まで……あと一日


※※※※※※※


〜アクシズ・ラクスの間

ラクス・クラインは、夢を見ていた。
久遠の闇とも称すべき暗黒の中に浮かぶ、彼女の知らぬ光景。
それは、夢と言い切るには現実感に溢れ、現実と言うにはあまりに荒唐無稽。
彼女の知っている概念や倫理の通用しない、何物にも交わらぬ純然たる空間。
この空間の向こうには何があるのだろう?
彼女は幼少の頃から見続けてきたこの夢の中で、常にそう思ってきた。
夢は見るたびに違う姿を彼女に見せてくれた。
ある時は、表面積が地球の約6倍ほどの星の中で、多種多様な生命体が活動している光景だった。
ある時は、土地が命を持っているかのようにうごめき、空中には不思議な面晶体が浮かんでいる光景だった。
ある時は、彼女の知る『日本』の古代を見ているかのような光景だった。
ある時は、肥沃な自然と穏やかな夏が終わりを告げない平穏な光景だった。
ある時は、世界そのものが都市でできている信じられない光景だった。
ある時は、世界に存在するモノ何もかもに金属が含まれ、黒き油に浸食されつつある光景だった。

そして夢の最後には必ず、池の前に立っている。
777787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 01:53:50.17 ID:???
その空間は彼女の知る限り彼女の心が最も落ち着き平穏でいられる場所であり、
物心のある時にすでに始まっていた、ナチュラルとコーディネイターの争い。
終わることのない地上の争いなど、嫌なことは全てこの池の前に立っている時だけは忘れていられた。
現実の中で悲しいことがあると、この池の畔に少年が立っている事があった。
黒髪の少年だ。最初会ったときは、自分と多分同じくらいだったと思う。
「戦争は避けられないのですか?」
「……無理だね」
彼女は少年に必ずこう聞いた。思えば、この時の自分はまだ清らかな少女のままだった。
きっと、夢の少年は現実を見据えている自分の心なのかも知れない。
彼女はそう思いながら、会うたびに少年の言葉に聞き入る。
ナチュラルとコーディネイターの対立が深刻化した後に起こるであろう戦争。
その時、コーディネイターは必ず打開策を発案し、長引くであろう事も、
結果として大勢が死に、憎しみを残したまま一端は閉塞するであろう事。
「その後はどうなるんですの?」
「僕には解らないね、きっと、英雄が立ち上がって人々を導くんじゃないかな?」
「英雄……?」
「人間はちっぽけな存在さ。どうしようもなく愚かで脆く凶暴な無味たる生き物。
 だからこそ、それらには導き手が必要なんだ」
「でも、それって差別ですわ」
「悪いことではないよ、ラクス。生まれつき生命体は皆違っているものだ。
 差別と言う言葉は人間が勝手に作った枠組みに過ぎない。
 そして、むやみやたらと感情をむき出しにして生きるのも人間。
 よりよく導く絶対的な存在が必要なんだよ。……例えば、君のような」
「……私が」
「君の中には英雄の血が流れているのを知っているかい?」
少年は彼女の頬に手を添えると、ピッと頬を掻いた。
ラクスは驚いて少し後ずさった。痛かったのだ。
夢なのに何故と考える間もなかった。
少年の鋭い爪の先についていた彼女の血が、姿を変えていく。
一滴程度だった血がふくらんで行き、煮えるようにぶくぶくと泡をたてながら宙へ浮かぶ。
どんどん、それが人の形に見えてくる。朧気で顔はハッキリと見えないが、
たくましい男性と、凛々しい女性だということだけは確認できる。
『しろっこ』『はまーん』と言うらしい。
君は世界を導くべき存在として生まれたんだ。と、少年は言った。
純粋で清らかな瞳に見つめられて、胸の奥底を何かが叩く。
ほおが赤くなる。何故だろうと考えたとき……夢は一度終わった。
ちょうど8才くらいだったろうか?
その日の朝は夢の話を父に言った。
母は普通の母親と同じように、「あらそうなの?」と言っていたが、
父は普通の目をしていなかったのを今でも良く覚えている。
そして普通に幼年学校に行って、帰ってきたとき、自分の人生は変わった。
父は何かを決意した顔をして、出かけると言って自分を連れ出した。
車の中で、当時の自分は遊園地なのかな、公園かなとワクワクしていたものだ。
だが違った。連れて行かれたのは、白く大きな建物……プラント研究地区の施設の一つだった。
中で見たのは、たくさんの『私』だった。
たくさん並んでいたパソコンの画面には、『宇宙クジラ』が映っている。
DNAのらせんが同時に映っており今思うとあれはきっと、『あの二人』を『私』に宿す作業だったのだろう。
「お前は王になるべき人間なんだ、ラクス」
778787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 02:00:05.40 ID:???
父は私にそう言った。
父の目は尋常でない狂気に支配されているように感じていた。
家やTVではナチュラルとの融和をと主張し、
尊敬していた父が一番ナチュラルを意識していたのだ。
ラクスは悟り、その時から父を父と認識しなくなった。
父は彼女を幼年学校から引き離して、独自に英才教育を受けさせるようになった。
ラクスはそれ以降一層、少年に会いたくなった。
少年の言葉は真実だった。自分に流れるものが世界を導くべきだと。
夢を見、池の畔に立つたびに、少年を捜して廻った。
だが、会えなかった。久遠の闇の向こうに行ってしまったのだろうか?
今日もまた、彼女は池の畔に立っている。
「あの闇の向こうに行くことは出来ないのでしょうか……」
シャアに抱いた思いは、この身体に流れる『ハマーン』という女の血が為すものだと解っている。
だが此方は違う。正真正銘、ラクス・クラインという人間が抱いた思い。
『初恋』……そう呼ぶべきなのかどうかは今となっては解らない。
だが、もう少しで自分がこの世界において絶対的な導き手となるときが近づいていることも確かだ。


「その時は、向かえに来てくれるのでしょうか……?」
少年の名は、彼女も知らない。


第28話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これで終了です。
色々な人間について書こうと思ったら小刻みになってしまいました(・ω・`)ショボンヌ
あと突っ込みどころは満載になりつつあるなとは自覚していますが、
後に引くわけにはいかないのでこのままつっぱしろうと思います。
多分CCAスレ作品で一番オリ臭強いの私かも知れない。もちろん悪い意味で。
ちなみに言っておかねばなりませんが、夢の少年はオリキャラではありません。
嫌だと思われたら即座にあぼ〜んして欲しいですね。特にごく一部の方々には


それでは黄金週間後の29話投下目指して頑張ります、また後日お会いしましょう(・ω・)ノシ


779通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 02:26:42.51 ID:???
>>773
個々の武装がシンプルにまとめられている分、その居職の底上げが図られていた。

個々の武装がシンプルにまとめられている分、その威力の底上げが図られていた。

でしょうか?
780787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 02:40:21.02 ID:???
>>779
>>773
居職→威力

やっちゃった! またやっちゃったぁ!

( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
 _, ,_
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

(((( ;゚∀。)))アヒャヒャヒャヒャ
781通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 03:02:26.83 ID:???
ラクスクラインは『歩む者』の夢を観る…か
782通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 06:14:28.82 ID:???
ラクスはプレインズウォーカーだったのか・・・
出てきたのはドミナリア、ゼンディカー、神河、ローウィン、ラヴニカ、ミラディンかな
知らない人は絶対わかんないネタだぞこれwww
783通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 13:29:06.18 ID:???
ふと見つけた
アムロのテスト中の所で、「片方」とあったけど、いらないですよね?
784通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 13:57:17.24 ID:???
>>774
はこの一件意外に→はこの一件以外に

では?

ユウナにも中に別の人が・・・!!?
そして、トレスということは2番目がいるということですね。
773に関しては既に挙がってるのでスルーで。
785787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/22(金) 14:22:03.26 ID:???
>>783>>784
毎度毎度本当にすみませんm(_ _)m
>>773
片方は→‘削除’
>>774
意外→以外
ですね。

後、>>775
避難した→非難した
でした、申し訳ない。どうして自分で見直すとこう見落とすんだろうか?
教えてつかーさいエロイ人
786通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 14:24:22.01 ID:???
音読してみるとか?
787通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 14:58:54.17 ID:???
一度プリントアウトしたのを読んでみるとよくねぇ?
第三者視点で見れるので結構誤字脱字を発見できるよ
788通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 15:16:17.46 ID:???
ジムV発売決定で夏の一人旅止めて中隊買いするは
789通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 19:49:40.56 ID:???
>>788
ジェガンとギラドーガとνも買って、1/144アクシズを支えてくれ
790通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 20:53:33.96 ID:???
>>788
それマジで言ったん?ソースあんならすぐ出せ
マジなら2ちゃんねら総力を上げて買うが
791通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 20:55:03.67 ID:???
ヌーベルジム3とジム改CRコンパチ機だしてほしいなぁ
792通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 20:58:44.74 ID:???
793通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 20:59:02.05 ID:???
>>790
ほれ、個人のブログにあった早売り情報だ
ttp://suezochiba.blog96.fc2.com/blog-entry-122.html
794通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 21:07:57.86 ID:???
何でプラモスレでやらんのお前等?

>>785
787氏乙&ドンマイです
ラクスの夢に関してはモノホンなのかただの夢なのか気になりますね
次回楽しみに待っちょります
795通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 22:25:13.30 ID:???
ジムUならのんべえ氏の再現に使えたし
ジムVよりスタークジェガンの方が出番がゲフンゲフンッス

それはともかく、ミネルバは対空虹色砲は阻止出来るのか?次回が楽しみッス
796通常の名無しさんの3倍:2011/04/22(金) 23:37:32.26 ID:???
逆シャア的にはジムVは重要だけどこのスレではグスタフより日陰者だな
797787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:28:01.80 ID:???
どうもこんばんび、勢いにまかせて29話アバンを書いてみました、787です。
ヘブンズベース戦に本格的にはいるのは後半になると思います。
プリントアウトのアドバイスありがとうございます>>787氏・・自分にレスしてるみたいで妙ですね(汗)
誤字脱字は無いと信じていますが、多分あると思います。
あったらどしどし突っ込みプリーズ!
そして気に入らない方はスループリーズ!

次から投下しますね
798787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:28:42.68 ID:???

何で自分は泣いているんだろう?

少年と少女が考えていたことはソレであった。
頭の中は至って冷静なのに、身体が言うことを聞いてくれ無い。
かつてZAFTが造り上げ前大戦で猛威を振るった『フリーダム』に似た機体を駆る少年。
ブラウンに染め上げた機体を駆る、愛しい少年を我が手に取りもどした少女。
二人は今、自分の肉体が泣き叫びながら目の前にある物体に、
幾度もサーベルを突き刺し続けている光景を認識する他になかった。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…………何度も。
炎を上げながら海に沈み行くその船は、『裏切り者の艦』のはずだった。
白きその巨体は本来連合のために働くはずだったのに、抜けだし、
主たる連合に刃を向けなおも英雄扱いされる忌々しい不沈伝説を残す艦。
それを自分は仕留めたのだ。それなのに、何でこうも悲しい?
止めどなく涙が溢れてくるのは何故だ!?
理解できないことへのイライラが募り、さらに艦に刃を突き立て、
またモヤモヤが溜まって、イライラして、ぶつけての繰り返し。
「「誰か教えて……助けてよぉ……何で……こんな……」」
白い艦は、かつては少年と少女を乗せ、少年が守ろうとした船である。
だがその微かに残る懐かしさ、少年が守ってきた人たちの命。
それら全てを手ずからつみ取ってしまったことの認識は、もう少年には出来なかった。


※※※※※※※


〜旧アイスランド・ヘブンズベース沖

ZAFT軍旗艦・ミネルバ
東アジア共和国軍旗艦・天龍
オーブ軍旗艦・タケミカズチ
そして前大戦の英雄艦・アークエンジェル
四隻の巨艦が巨躯を並べる姿は、ただそこにいるだけで全将兵の士気を鼓舞する効果があった。
シン・アスカは、艦内にコンディション・イエローが発令され、
戦闘が間近であることを知ると、デスティニーのコクピットの中で目を閉じていた。
この作戦が無事に成功すれば、地上における大西洋連邦の大規模な軍事拠点は無くなり、
宇宙の月基地に目標を絞ることが出来る。加えてZAFTの地上駐留軍が、
ベルリンや中東地域での復興作業に集中して取り組む事ができるようになる事も、
シンのモチベーションを上げるに十分であった。
この基地は何としてでも落とし、戦争の早期終結を。
それはシンだけでなく、ZAFT軍人、オーブ軍人全員に存在する願いでもあった。
シンは閉じた目の奥に、今までミネルバがくぐり抜けて来た激戦を思い浮かべ、
同時に、自分たちが味わい、また失ったモノの重みと大きさを噛みしめた。
アカデミーに在籍してミネルバに配属された頃は、
戦争がまたこうして始まるなんて意識していなかったし、
戦争だと理解はしていながら、人間が易々と命を失う事があるという現実を、
何のために自分は軍に入ったのかを再認識しなければならない時は何度もあった。
大国の趨勢に乗ることしか生き延びる術を持たぬ小国の人間の苦しみも、理解できなくはない。
799787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:29:33.35 ID:???
またステラ・ルーシェという少女。レイの人間味溢れる一面を初めて見た事ももちろんだが、
自分は『生身の人間』と戦っているのだと実感したのは再び彼女を見たときであった。
この時初めて、自分が撃ってきたMSの中に人間が乗って、各々の正義を胸に戦ってきた事を悟る。
そしてベルリン戦とスエズ戦。
あの時ああやって魂の最後の叫びが自分の心に叩きつけられて行くのは、
当時は気持ち悪さしか感じなかったが、今思うと別のモノもあったのではないかと感じる。
死んでいった者達の無念と、成し遂げたかった平穏な世界の構築。
それが、そう長くないうちに構築されようとしているのだ。
「期限まであと二時(ry……! 何だ!?」
シンはモニタの端を見て、基地に行った降伏勧告の期限があと2時間を切ろうとしている事に気付き、
同時に、周囲から感じる殺気がふくれあがるように増えて行くのを感じた。
咄嗟に彼はデスティニーのコクピット入り口近くにいた、
整備スタッフ連中に離れるよう怒鳴りつけると、
コクピットハッチを閉め、コンソールをいじって機体に灯を入れた。
シンだけではない、レイ・ザ・バレルも、
アスラン・ザラも、そしてシャア・アズナブルも、同じようにコクピットに飛び込んだ。
コンディションがイエローからレッドへ変わるのは、それからそう時間は掛からなかった。

「間諜からの報告は間違いないのだな!」
「間違いありません!
 敵エネルギープラント、並びに基地内部に熱源!
 敵部隊、先頭は位置にすでに着いているとの事です!」
ミネルバの展望ブリッジにおいて、ギルバート・デュランダルは、
国家元首自らが先陣に立つ事で将兵の士気を鼓舞するという、
極めて前時代的な行為に出て、ヘブンズベースに潜ませていた間諜の急報を耳にした。
基地に残された司令部連中はそう出るだろう。
デュランダル始め軍上層部はあらかじめ相手方が勧告を断る前提でいたため、
すぐさまコンディションをレッドへと即座に引き上げ、MS部隊の展開を急がせた。
ベルリンに現れたという連合製の巨大MAの出現も想定し、
第一波はZAFT東アジアの水陸両用MS部隊による海中からの奇襲と、
バビ・ディン、東アジアのウィンダムで構成された空中戦用MS部隊の爆撃。
第二波にZAFT潜水艦所属MS部隊による陸上上陸による追い打ち。
海堡を潰し後顧の憂いを絶ったオーブ軍が別地点から同時に攻撃を敢行する筋書きであった。
「よし、天龍ブリッジのツァオ大統領にもその件を通達しろ。
 彼らにも動いてもらわねばならん」
「了解!」
忌々しい。デュランダルは内心そうぼやいた。
大西洋連邦中心で組み上けられた地球連合内部の組織体制を改正することは、
地球圏の平和を取りもどす事にあたって必ず成し遂げねばならない事の一つ。
にもかかわらず、最も変えねばならない旧態依然とした、
強力な一件集中的権力体勢を持つあの東アジアは、彼にとって味方でありながら最大の障害であった。
戦後の政治家達にソレは任せるとして、彼は必死にその不快感を押し殺し、
東アジア側に要請をするようメイリンに命じた。それと同時に、
「宇宙のジュール隊の動きはどうか」
「順調です。降下予定ポイント到達後の作戦行動に問題は無いかと」
「当面の課題は例の兵器だけか……」
『ニーベルング』〜これがその兵器の名である。
巨大なレーザー砲であり、上空からの敵の来襲を想定して設置された対空掃討砲。
800787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:30:13.62 ID:???
山一つを用いてその姿を隠すという用意周到さであったが、
その点は危険も顧みず潜入任務にあたってくれた間諜に感謝しなければなるまい。
だが破壊するには、ヘブンズベースのMS工廠・演習場区画のど真ん中を突破する以外に無い。
ソレが出来得るパイロットと機体は、デュランダルの思い当たる所は三名しかいなかった。
シン・アスカ、アスラン・ザラ、シャア・アズナブル。
特にこの任に最適と思われるのは、シン・アスカであった。
ローエングリンゲート突破作戦において実績を出していたし、
何よりデスティニーの装備する対艦刀は、施設破壊に適した装備である。
「全ZAFT軍MS部隊に再度通達!
 今回の作戦は、地球上における秩序の回復、並びに、
 二度とこのような大規模な争いの起こることの無い世界を造る要となる作戦である!
 各々、己の役割を忘れず奮起する事を期待するとな!」


※※※※※※※


「ニーベルングのエネルギー充填状況はどうか」
「はっ、10分後にチャージ開始の予定であります」
ヘブンズベース基地司令部。ちょうどMS格納庫の存在する、
南アイスランド北部地域とは真逆の、北アイスランド南部に設置された司令本部に於いて、
ロード・ジブリールは陣頭指揮を行っていた。
ゼダンの門から指揮を行うには電波状況が悪かったため万一指揮系統に滞りが出れば、
基地に勤める数千もの職員と兵士達をZAFTと東アジアの砲火の中に放り出すようなもの。
戦力をなるべくここで連中に消耗させ、出来るだけ被害を抑え宇宙へ待避させる事が急務であり、
自分を初めとする『ロゴスメンバー』への大西洋連邦とユーラシアの信頼は断ち切られ、
情報がリークされてしまう可能性もある。それだけは何としても避けなければならなかった。
だからこそ、こうしてトップの人間である自分までもが、
身を危険にさらさなければならなくなったと言うわけだ。
ジブリールは基地指令が立つべき場所に立ち、目下に見える司令部職員達を見下ろす。
「基地に残る全ての者に告げる! この基地の命運は最早長くはない。
 戦略的において最たる愚作である基地放棄を、諸君等に強いらねばならぬ我らの無能をどうか許して欲しい。
 しかし、これはまだ我々の敗北ではない! 諸君等は覚えていよう!
 エイプリルフール・クライシスを! ブレイク・ザ・ワールドを!
 卑劣なコーディネイター共によって、幾千幾万もの同胞達が非業の死を遂げたことを!
 ……目の前を見よ」
ジブリールは広大なスペースを持つ基地司令室の大型モニターを指し示していった。
画面には、基地を取り巻くように布陣するZAFT、そして東アジアとオーブ艦隊が映っている。
彼はその一隻一隻を指し示すように手を動かしながら、
「……地球上で涙を呑み悲しみをこらえ苦痛に耐える同胞達を、
 姑息に裏切り、自分たちだけ生き延びようともくろむ卑劣感度もがあそこにはいるのだ!」
彼が特に強調して示したのは『天龍』であった。
かつては連合内において下風に立っていたに過ぎぬ国家。
そして、最悪のタイミングで裏切り、自分たちのみが甘い汁を吸わんとするその狡猾な心底。
煮えたぎる怒りを内包している基地職員に対し、ジブリールは、
「ここで我らの意地を見せつけてやろう!
 自分たちの事しか考えず地球を浸食するだけの裏切り者共へ!
 そして、世界が望みもせぬ中生まれ出でた、宇宙の怪物共へ!」
801787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:30:55.45 ID:???
その言葉に差し掛かった段階で、司令室にいた職員達の戦意はヒートアップし、
各々から発せられる雄叫びは戸をこえて廊下に鳴り響き、基地全体へと反響していく。
そして各所で守備に当たっている兵士達にもそれは感染し、
ヘブンズベース基地将兵の殺気は頂点に達さんばかりであった。
それを煽っておきながら第三者であるかのように冷ややかに見据えたジブリールは、
近くにあった通信機器で現在ニーベルング付近の山岳部に設置された、
高々度射出型のMSカタパルトデッキに繋ぐ。
そこには、ロアノーク隊を配置してある。ニーベルング守護のためではない。
ヘブンズベースを取り囲まれた時点で、
ジブリールはニーベルング発射の成功率が極めて低いことに察しを付けていた。
スエズを陥落させた部隊の中で一番の働きをしたというミネルバ隊、
十中八九、デュランダルは彼らの中でも特に優秀な連中をここにぶつけてくるに相違ない。
ソレを防ぎきるにはロアノーク隊を割く必要があったが、
ホアキン隊と合わせて叩くとすれば南部の首尾が手薄になる。
それに、彼はすでにニーベルングは『撃てれば儲けもの』程度にしか思っていなかった。
すでに、基地守備隊の中でも精鋭と言われる連中はマスドライバー周辺の守備に廻し、
正面へぶつけて目を引かせるのは強化人間や孤児出身者を中心とした、
ロアノーク隊やホアキン隊ほど特別に運用させる価値もない『捨て石』にさせるつもりだ。
(わざわざデストロイを五機も廻したのだ、
 精鋭達と我々を逃がす時間くらいは稼げよう……)
「私だ」
『閣下、何かございましたか?』
「此方は万事問題はないよ、大佐。
 そちらの戦闘準備に抜かりはないだろうな?」
『勿論です。失態は必ずや返上して見せますよ』
「……首尾はすでに部隊に伝えているだろうが、諸君らはミネルバ隊と因縁が深い。
 若い強化人間は特に彼らと戦いたがるだろうが我慢させろ。ベルリンの欠陥品のような失敗はさせるな」
ギリリ……と、拳を握りしめる音が聞こえてくる。
ジブリールは、正直ネオ・ロアノークがなぜあれほど強化人間の子供達に執心するのかが解らなかった。
ゼダンの門で再調整するか?
そんな事を考えながら、最後通告とも言うべき言葉を発する。
極めてシンプルでありながら、もっとも重みを込めた言葉を。
「……わかったな?」
『了解しました』
低い声で向こうは答えると、通信を切った。
ロアノーク隊はデストロイとMS部隊、そしてニーベルングに目が向いている間に、
高々度飛行可能な可変MSと組ませた『ガンダム』二機を、旗艦の上空へと投入する。


「基地の一つなどくれてやろう、デュランダル。
 だがミネルバも、天龍も、大天使も、その時は道連れよ」


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第29話

802787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:34:15.22 ID:???
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これにてアバン終了です。
ここから先、ちょっと長くなるかもしくは端折るかで難儀してますので、後半はけっこう後になるかもです。
誤字脱字については、指摘して頂いた分を次回の本ちゃん投下で一気に直した文で再投下しますです。
ではまた後日お会いしましょう(・ω・)ノシ
803787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/23(土) 01:37:21.31 ID:???
サーセン!
>>798
くれ無い→くれない
です、m(_ _)m 見直したって公然と言ってこれだよorz
804通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 02:09:27.01 ID:???
お疲れ様です。

誤字と「こうしたほうがいいのでは」ですが、

>>799
期限まであと二時(ry……!→期限まであと二時k……!

>>800
基地指令が立つべき→基地司令が立つべき
最たる愚作→最たる愚策
卑劣感度もが→卑劣漢共が
805通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 03:20:17.70 ID:???
連続投下乙ではありますが…キラにフレイ、一体ナニを…!
806通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 10:39:00.07 ID:???
>>799
先頭は位置にすでに着いているとの事です!
→戦闘配置にすでに着いているとの事です!

かな。
807通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 15:07:38.35 ID:???
遅ればせながら乙
ここまでキラに救いが無いSSも稀ですな
808通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 16:00:26.51 ID:???
毎回指摘されてるのに誤字が一向に減らないのなんでだろ〜
809通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 16:29:16.86 ID:???
他人の誤字は気付きやすいが、自分の誤字は気付きにくいもんだ
書き終わったら少し時間を開けてから再チェックすれば多少気付きやすくなる
これ、俺の経験則な
810通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 17:03:51.78 ID:???
一日置いてチェックしてからの方がいいかもしれない。
811通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 17:08:46.01 ID:???
でも、誤字の無い787氏ってのも物足りないな…
812通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 17:55:50.76 ID:???
乙です
確かにある意味ではキラに救いが一切無いよな……ラクシズ枠として扱われていないだけに尚更

>>811
お前は787氏を何だと思ってるんだw

まあ何にしろ、自分のSSの誤字ってマジで気付かないよね
813811:2011/04/23(土) 18:06:44.88 ID:???
『先を読ませないカオス展開』と『誤字脱字を探せ!』という
二つの楽しみを一気に与えてくれるある意味面白い職人だと認識してる
814通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 23:00:03.72 ID:???
投稿する前にある程度段落分けしたり一行開けたりして
見やすくしてから見直せば誤字脱字は減るかな?
815通常の名無しさんの3倍:2011/04/23(土) 23:05:41.93 ID:???
音読マジオヌヌヌ
黙読だと脳内補正しちゃうからな
816通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 01:50:37.10 ID:???
ここまで言われて減らなかったら本物のアホってことで。
817通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 02:00:36.21 ID:???
>>815
音読でも意外と脳内保管するんだよねぇ
他者に添削を頼むのが一番いい気がする
818通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 02:00:43.02 ID:???
と、アホがのたまってる
819通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 02:13:42.18 ID:???
>>816>>818
自演乙
820通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 03:41:23.39 ID:???
三■目認定
821通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 11:59:46.22 ID:???
だが、確実に数は減ってきてるし、作品そのものもよくなって来てる。
ま、このスレの住人も本人も誤字脱字を探すの楽しんでるみたいだし、いいんじゃない?
無論、無い方がいいけどさ。
822通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 12:24:09.87 ID:xfAgLpr+
三■目は職人を潰す為にありとあらゆる誹謗中傷を行った
誤字脱字を切り口に職人の人間性そのものを攻撃するのは常套手段だった
823通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 12:43:44.31 ID:???
誰だよ知らねえよ
824通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 12:49:50.25 ID:???
>>822
同感だがsageろよ
825787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 18:00:36.97 ID:???
みなさんこんにちは、アホの子の787です
後半は想像以上に長めになりそうなので、誤字脱字については再投下でなく今やります
>>804氏、>>806氏、ありがとうございます!
>>799
先頭は位置→戦闘配置
>>800
指令→司令
愚作→愚策
卑劣感度も→卑劣漢共
ですね。後半については今日中を目指しておりますが、
なにぶん明日は学校なのでどうなるかは解りませぬ
826787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:40:32.19 ID:???
 | \
   |Д`) ダレモイナイ…トーカスルナラ イマノウチ
   |⊂
   |
どうも、787です。誤字脱字は………もう言うまい!
あったらアホだと罵ってくれ!
次から29話後半いきま〜す!
827787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:41:17.67 ID:???

機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第29話


ミネルバのモニタに映っている、ヘブンズベース沿岸守護の艦隊から、
幾条と数えるのも馬鹿らしくなるほど尋常でない数の白い帯が天へと放たれ始める。
アーサー・トラインはそれらを見た瞬間、
それが今の今までミネルバで見慣れてきた物体であることに気付く。
彼だけではなく、戦闘ブリッジにいた誰しもが始まったかと腹をくくり、
バート・ハイムはその数と方角から敵基地のミサイル発射管の数・位置を逆算し始め、
チェン・ジェン・イーはCIWS並びに対地対空ミサイルの安全装置を外して行く。
弧を描いて此方に飛んでくるミサイルに、各艦隊のCIWS並びに対空ミサイルが飛んで行き、
広い範囲にわたって炎の絨毯ができあがる。美ながらも忌々しい光に見えた。
「敵MS部隊の展開状況を知らせ!」
艦長席に座るアーサーはバートに叫ぶ。
本来この席に座るべき人物は、現在上の展望ブリッジで議長の隣にいる。
不思議と声が張る。いつもなら、このように気持ちを済んだ状態に保っていられることが少なかった。
「水中にフォビドゥンが多数! 30機以上はいます!」
「30…!?」
「狼狽えるな、あそこの規模からすれば、何が出てもおかしくないぞ」
メイリンがあまりの多さに声を上げるが、マリクがそれを諭す。
「水中だけか?」
「いえ、空中にウィンダムとダガー部隊を展開しつつあります。数は……」
言わなくてもモニタを見れば解る話であった。
ユニウス条約によって定められたMS保有数を最初から無視し、
空を埋め尽くすほどのウィンダム、そしてダガー。
その向こう、地表に最後の防衛戦と思しきMS部隊があり、
そこにはスエズで見た敵の新型、マラサイの姿が見える。
厄介すぎると、アーサーはそう思った。彼は自然と口を動かしていた。
「……ブリッジのデュランダル議長に、タンホイザーの使用許可を要請しろ」
「タンホイザーをですか!?」
「こちら側のMS部隊の負担を減らし、そのまま敵の港も潰す!
 早くしろ、間に合わなくなるぞ!」
アーサーは展望ブリッジの返事が来るまでの間、
出撃を開始したMS部隊の背を見送って、自分も彼らと共に立ちたいという気に駆られる。
それが自分自身の闘争本能だと気付いたとき、アーサーはそれを恥じた。
もって当然の気持ちであるが、自分はミネルバという何百の人間が乗る艦の副長なのだ。
(俺はあくまで兵士だ、戦士じゃない!)
「副長! 許可がおりました。一発のみとの事ですが」
「十分だ。バート、タンホイザーを起動させろ。
 メイリンは各MS部隊に斜線軸から離れるよう通達を!
 艦内総員、耐ショック体勢を取れ!」
「了解。プライマリ兵装バンク、コンタクト。チャージ開始」
「ZAFT軍MS部隊各員、これよりタンホイザーを敵基地へ発射します、ミネルバ前方の部隊は……」
ゴウン……とエンジンがうなりを上げているのが、
振動で伝わってきて、ブリッジのクルーはグッと拳を握りしめる。
828787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:42:21.28 ID:???
「エネルギー充填、20……37……46……」
ミネルバの艦首が開き、巨大な砲塔が姿を現す。
砲身に、一つ一つ光が点っていき、照準を基地の最も大きなMSデッキに定める。
(ここなら敵レーダーのレンジ外。うまくいけば……)
配備されているであろうと予測されている、ベルリン戦時の巨大MAをあわよくば殲滅できる。
アーサーは僅かながらの期待が叶うよう祈りつつ、エネルギー充填完了の音がなるや、叫んだ。
「タンホイザー、てぇー!」
一瞬、ミネルバの展望・戦闘ブリッジ双方のモニターと天窓が閃光に包まれる。
轟音を上げながら、凄まじい熱量を内包した光の渦が敵めがけて飛んでゆく。
距離があったがあえて照射角をひろげ、なるべく多くのMSを巻き込むように設定したおかげか、
対応に遅れたウィンダムやダガーがどんどんタンホイザーの光に呑まれ蒸発していった。
海上に展開されていた連合製MA『ユークリッド』。
デストロイやゲルズゲー、ザムザザーと同じビームバリアを搭載していた虎の子のMAであったが、
レンジ外からの射撃にはさすがに対処できず、その大半が欠片ものこさず塵と化した。
ZAFT軍前方に展開されていた機動兵器群の三割は巻き込めたのではないだろうか?
タンホイザーから発せられた光はそのまま、
バートの照準通り基地のMS発進口へと命中し、ハッチが融解。
マラサイも数機巻き込み、貫通したビームはその向こうにあったデストロイを爆発させる。
出撃目前だっただけに周囲の被害は甚大であり、爆発が爆発を呼び、
デストロイだけではなくさらに十数機のウィンダム部隊を炎の中に呑み込んでいった。
「よしっ。ここからだ……」
此方からは敵の被害の程を正確に把握は出来ないが、モニタの向こうで起こった大爆発から見るに、
MSデッキに存在する出撃前だった第二波の連中は殲滅できたに相違ない。
「ミネルバはしばらくの間動けん、各員索敵警戒を怠るなよ。
 この先敵を押し込まなければ意味が無くなるんだからな」
「「「 了解 」」」

「ミネルバがやった、か……」
機体を上空に滞空させて、シン・アスカは黒煙が上がる基地の一区画に目をやり言った。
上空のMS部隊は基地に一撃を加えられたことで、一定の空域から前へ出辛くなっている。
そして敵MS部隊と基地職員の目がタンホイザーの放たれた方角、
着弾した箇所の黒煙に向いた瞬間、東アジアの水陸両用MSが水中から敵艦隊に攻撃を敢行した。
敵のフォビドゥン部隊はすでに海の藻屑となったのだろう。水中から彼らに襲いかかる機影はもう無い。
あまりに早い。シンは東アジアの水陸両用MSが内包する戦闘能力に驚嘆した。
ハイネ・ヴェステンフルスが、連中は力に酔っていると称していたことを同時に思い出す。
もしかすれば、後の日には敵になるかも知れない部隊。
彼は背筋に少し寒気を覚えつつ、デスティニーを基地の混乱している場所へと向ける。
前方には、すでにバビが先手を打たれた向こうの連中を分断する為ビームの雨を上空から降り注ぎ、
ディンとウィンダムがミサイルとマシンガンで銃弾のシャワーを作っている。
ミネルバのMS部隊は本来、地上部隊の上陸と同時に出撃する第二波に配置されているのであるが、
シンだけは別の任をデュランダルから直々に下されていた。
ただ、標的は敵MS部隊でも、前方に見える施設でもない。
更に奥、小高い山の向こうにある『兵器』の破壊こそが、彼の任務であった。
戦況を覆しうる大量破壊兵器の存在。
ただそれを聞いただけで、シンの戦闘意欲は高まっていた。
ZAFT宇宙軍の降下部隊が予定している降下時刻はあと一時間と少し。
その時間内に必ず、敵はその兵器を起動させるはずだ。
大型の兵器ならチャージも時間が掛かる故、こちらが行動を起こす前にすでに発射態勢は整え始めているだろう。
829787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:43:01.96 ID:???
「これ以上好きになんかさせるか。
 もう、ブレイク・ザ・ワールドやベルリンの悲劇は繰り返させない、絶対に!」
そう言って彼はデスティニーを、スカフタフェットル国立公園跡へと向かわせる。
上層部によればその機動兵器は『クヴァンナダルス・フニュークル』の、
おおよそであるが周辺に設置されている可能性が高いという。
クヴァンナダルス・フニュークルはアイスランド最高峰であり、基地内において上空を一気に見渡せる箇所だ。
その付近に対空兵器を置いているとすれば、防備は厚いはず。
ただ、上層部の判断は違った。知られたくない物の周りに兵を置くはずがない。
置いたとしても一個から二個小隊までが限度のはずであろうと。
『……ガガ……ベルリ……MA……三機……』
ジャミング弾をばらまいたのだろう。ベルリンであった電波障害とは程遠いが、
通信機の具合が悪くなっている。ただ、聴き取れた単語は……
「あれが……三機も……!」
一瞬、戻りたい衝動に駆られるが、シンは必死にそれを押さえつける。
自分が為すべきなのは戻って敵MAと相対するのではなく、
この後戦局を好転させる味方の増援を守ること。
それに、あっちにはアスランやレイ、ルナマリア。
ハイネにノエミ……そして隊長がいる。大丈夫だ、心配ない。
シンはそう自分に何度も言い聞かせて、デスティニーの『翼』を開く。
ヴォワチュールリュミエールによる圧倒的な加速。これこそ、デスティニーの真骨頂であった。
さっさと敵の秘密兵器なんて潰して、みんなと合流する!
シンは目下に見えるマラサイから放たれる砲火をくぐり抜けながら、
前方にふさがるウィンダム部隊を見やり、
「どけぇっ!」
背の左側に背負ったロングレンジビーム砲を掲げる。
背中のコネクタからジェネレータに繋がっているそれは、通常のライフル数発分の威力を誇っている。
一発、たったの一発を、連中のど真ん中に放つ。
ビームは真っ直ぐシールドを掲げたウィンダムのそれに直撃し易々と融解させた。
〈……た、‘大尉’のと同じ!? うぁあ!〉
ウィンダムのパイロットの『声』が聞こえる。
断末魔の叫びと共にウィンダムが一機光に呑まれた。だが、それだけではない。
ビームが纏っていた細かい雷状の光が数機のウィンダムを掠めた。
ただそれだけで、ウィンダムの胴が熔け誘爆する。
『奴のビームはサーベルを纏っているのか!?』
敵の動揺を感じ取ったシンは、即座にデスティニーを前面へ急加速させると、
方のフラッシュエッジを手に取り、サーベルを出現させて二振りする。
最後に残ったウィンダムも両断され地面へと落ちて行き、シンは振り返ることなく直進した。
やがて、MSの機影がレーダーから消えてゆく。
予定ポイントまで約五q地点まで差し掛かり、シンは一区切りつきそうだと内心思った。
その瞬間、彼の背中をゾッとした何かが駆け抜ける。
殺気だ。それも練りに練り込まれて尖鋭化した、禍々しいまでの。
上空だと気付いたのと、デスティニーを横へ滑らせたのはほぼ同時であった。
じゅうと音を立てて目下の雪と地面が熔けて行く。通常のMSのビームではない。
それは、デスティニーが左腕部に装着していた通常規格のシールドを見ても明らかだった。
先程のウィンダムと同じだ。熱量の高さに耐えきれず表面が焼けただれ、
そんな威力を持つビーム砲を装備した難敵がここに来たのだと悟る。
「……誰だ!」
そう叫び上空を見上げる。
830787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:43:42.75 ID:???
太陽光でよく見えないが、MAらしき影が此方めがけて急降下してくることに気付く。
白いMAであった。印象として、ベルリンでみかけた深緑のMAに似ている。
感じる物も、あのMAのパイロットと同じだ。
あの時、空中MS部隊に多大な損害を与えた奴だという事は覚えている。
『ベルリンの奴』の印象が強すぎたせいで色あせて見えるが、奴も十分脅威と言える存在である。
MAめがけ、権勢がてらバルカンを放つが、
それをスルスルとかいくぐってきたMAはデスティニーの眼前で、
「げぇ!」
MA形態での加速した状態の中で、MS形態に可変する。
機体と中のパイロットに掛かるGは尋常ではないはずだった。
しかし、平然と奴はデスティニーにつかみかかってくる。
意表を突かれたためシンは避けきれず両肩を奴につかまれる。
Gタイプにも似ていながら、ZAFT系の印象すら与えるモノアイは、シンに不快感を与えた。
だがそれを長く考える間もなく、彼は雪原の上に叩きつけられる。
「ぐぅっ」
『これまでだな、コーディネイター!』
シンはその時になって、コイツがマラサイと同系のエンジンを採用していると改めて再認識する。
デスティニーは従来のMSの追従を許さないパワーを持っているMSである。
通常のMSなら押し合いで負けることはまず無いのだが、コイツのソレは尋常ではない。
「……誰が!」
だがシンは咄嗟にデスティニーの翼を用いて、
生み出された推力でデスティニーをワザと乱機動させる。
白い可変機を振り払ったシンは、一度其奴から距離を置く。
そして機体の全体像を初めて見渡してみた。
以前の深緑の機体の基本シルエットはそのままに、
両肩にサブ・アームを加え、手にはピストルが新たに追加されている。
「何でそんなに殺したいんだ。お前達は!」
『それを貴様等が言うのか!
 地上にユニウスセブンを落としておきながらよく言えたものだ』
「アレは一部の馬鹿な連中の仕業だ。
 自分たちの境遇を受け入れず逃げて、何も考えず暴力に走ったお前等と同じ連中がな!」
『貴様等などと一緒にするな!』
憎んでいる存在と同列に見られたことに激昂したか、
白い可変機はサーベルを抜いて接近戦を挑まんと突進してくる。
しかし……
「お前に構っていられるか!」
シンはとっさに足のスラスターを空ふかしして雪を巻き上げ、
熱で一気に水蒸気へと変化させてその場を白一色で覆い隠す。
相手と真剣に戦ったとして、負ける気はしなかったが短期で勝てる気もしない。
自分が優先すべき事は他にあるのだ。
デスティニーを天高く飛び上がらせると、シンは向かうはずであった場所へ一気に加速させた。
当然、彼の行動を察した奴も飛んで追ってくる。
不思議な感覚だった。後ろから攻撃してくる奴の攻撃の弾道が、読める。
スエズの時も確かに感じていたものだ。この機体の特殊な機能なのか?
そう思いつつ、凄まじい殺気を浴びせてくる奴のビームをかわしながら、
シンはモニタの先で動く物を見つけた。
「……なんだ!? 山が動いている!?」
山そのものを丸ごと発射口のハッチにしていたのか!
831787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:44:23.30 ID:???
シンは悟るとその大規模な施設を造り得る連合の底力に驚嘆し、
同時に、これに掛かった費用が何処に流れ、誰のものになっているのかを考える。
沸々と、彼の心の中で怒りが煮えたぎってくる。怒りを覚えることを悪いことだとは、もう考えていない。
目の前の行為に怒りを覚えたなら、それが戦う理由なのだ。
シンはアロンダイトを抜いて、ヴォワチュールリュミエールの出力を最大にまで上げる。
「させるもんかぁあああああああ!」
シンの頭の中で、何かがはじけた。
白いMAを駆るパイロットは、その一瞬の隙を突いてビームを放った。
パイロット=スウェン・カル・バヤンは、勝ったと心中確信していたが、
それはすぐさま打ち砕かれることとなった。
『……なんだと!』
分身したのである。いや、分身したように見えたと言うのが正しい言い方であろう。
残像を残して、デスティニーが消えたのである。
消えたと思ったその時には、デスティニーは遙か先の箇所にいた。
しかも、レーダーは対象が速すぎるせいか正確な位置表示が出来ず、
まるで、本当に分身したのか、質量をもった残像を残しているようであった。
当の本人は、機体が摩訶不思議な現象を引き起こしている事などに気付くことはなく、
目の前に映っている巨大な砲塔を切り倒す事しか考えていなかった。
もはや反射で後ろからのビーム、そして、
兵器の守備部隊から放たれる砲弾とビームの雨をくぐり抜けている。
すでに、反射板にビームを照射する装置に灯がともっており、光が充満し始めている頃であった。
間に合え! 間に合え! 間に合え!
シンの頭の中でその言葉が連呼し、デスティニーはさらに速度を上げる。
常識はずれのGが身体をシートに押しつけ、
肺がその圧力に悲鳴を上げ始め、身体が動かし辛くなる。
だが、シンは前進を止めなかった。
デスティニーが腕を振りかぶり、機体が反射板で埋め尽くされた広い箇所に出る。
滑るように反射板の上を飛びながら、砲身に真っ直ぐ向かって行く。
すでにMAを大きく引き離し、その場にいるのはシン一人であった。
「おりゃぁああ!」
砲身の根本に、スッとアロンダイトが吸い込まれる。
巨大な砲身にとって蚊に刺された程度にも見えるが内部では、
すでにビームの刀身から放たれる高熱で誘爆が始まっていた。
刺したまま刀身を返し上空へ飛び上がり、円を描くように周りながら、砲身を切り裂いて行く。
目下ではすでに切り傷から爆発の炎が上がり、発射せんとため込んでいたエネルギーが噴きだし始める。
シンは下を見ることなく、上空へどんどんどんどん切り裂いて行き、
頂点まで達すると、先っぽを蹴りつけ、反動で方向転換する。
あっと言う間の出来事だった。
目下で大爆発を起こす巨大兵器を見やりながら荒く息をついていたシンに、
これを自分がやったんだという認識が後からやってくる。
「ハァ…ハァ……」
これで、宇宙から降下してくる味方は円滑に作戦行動を取れるはず。
シンは少しだけ安心したが、まだやることはある。
自分を取り囲み始めたMS部隊を突破し、味方がまだ戦闘を繰り広げている空域に戻らねば、
対MSでは取り回しが悪いアロンダイトを背中のラッチにしまい、
フラッシュエッジを抜きはなって、立ちふさがり始めたウィンダム達に突貫した。

832787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:45:04.35 ID:???
「シンがやってくれたか!」
アスラン・ザラは、砲戦仕様のダガーの腹に深々と突き刺したビームサーベルを抜きながら、
山の向こうで起こった大爆発を見やり、シンが見事に任をやり遂げたことを悟った。
第一波の、東アジア水陸両用MS部隊はその戦闘力を遺憾なく発揮した。
従来の水陸両用MSの欠点、特にZAFTのグーンとゾノは、
地上での機動能力がいささか悪く、二年前の大戦でもそれは顕著に目立っていた。
連合のフォビドゥン系MSも似ていて、TP装甲による圧倒的な防御力とは裏腹に、
PS装甲共通の弱点である『重量』が大きく足を引っ張っていた。
だが、目の前のMSはどうだ?
新たに開発された合金製の軽くて丈夫な装甲により、PS程とはいわずとも堅牢な防御力。
そしてその軽さによって実現した機動能力は驚異的で、
新型のバッテリー搭載による機体の大型化も気にすることのないものだった。
彼らの活躍もあって、第二波であるアスラン達ZAFTのMS部隊の上陸も円滑に進んだ。
アスランはシナンジュを有り余る推力で浮かせると地表を滑るように移動し、
AMBACを駆使しながら敵MS小隊の後ろに巧みに回り込んで、
一番後ろのダガーをアックスで両断する。
ふと、モニタの中に、シナンジュと同じ真紅の巨体が映る。
シャアのサザビーであった。鈍重そうな外見からは想像できぬ機敏な動きで、
ウィンダムの横を駆け抜けたと思ったときには、すでに機体は二つ三つに分断され、
ジェネレータにケーブルで繋がれた腹部のビーム砲は、一気に数多のMSをなぎ払って行く。
凄い。素直にそう感じていた。
長年の経験がなければあそこまでなめらかな挙動は出来まい。
そう考えた段階で、ふと思った。……『長年の経験』?
MSが実戦投入されてまだ数年である。
ふと沸き上がった疑念を振り払い、彼はシャアの背後に回り込もうとしたマラサイに突撃する。
建物と建物の間に立っていた奴は、シナンジュの姿を捉えるとサッと後ろに飛び退く。
ゾワッとした感覚が、背中を駆け抜ける。
アスランは咄嗟に機体を急停止させると、目の前をビームの雨が駆け抜けた。
マラサイのビームライフルだと気付いた頃には、両側から伏兵のマラサイが二機現れる。
「……しまった!」
奥歯を噛みしめた。最初からシャアではなく自分狙いだったのである。
シナンジュめがけサーベルを構えて突っ込んでくるマラサイが、
アスランの目にはゆっくりと映っていた。
よく、危険が迫ったときに周りがゆっくり見えると言うが、本当のようだ。
アスランはシナンジュに身をひねらせると、マラサイの内一機の手首を掴み、
脇に抱え込んで身を一回転させながら、もう一機のマラサイに其奴をぶつける。
味方のサーベルに貫かれる様子を見ながら、アスランは前腕のラックからサーベルを取り出し、
掌の上で一回転させると脇に抱えていたマラサイの胸部に突き立てる。
そして、自分を誘い込もうとしていたマラサイに目をやると、
奴もすでに何物かに背後から貫かれていた。
サーベルを引き抜かれ崩れ落ちた向こうには、オレンジのギラ・ドーガが立っている。
「ハイネ……」
「お前らしくもないな、アスラン」
「ほっといてくれ。それより、ノエミ達はいいのか?」
オレンジのギラ・ドーガはマニピュレータで、
器用にクイクイと別の方向を親指で指し示し、彼は其方に目をやった。
サザビーの動きに気を取られていたため気付かなかったが、
ルナマリアとノエミら女性陣の戦いぶりも見事の一言に尽きる。
833787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:45:59.10 ID:???
ザクが用いていたビームアックスを高出力に対応させ、
ザムザザーの足を紙切れのように寸断する赤いギラ・ドーガと、
ランゲ・ブルーノ砲を掲げ、照射モードのビームを使って横一線になぎ払う、黒いギラ・ドーガ。
ノエミの用いるソレはまるでギロチンさながらであり、少し背筋が寒くなった。
その時、基地全体が揺れる。正確には、南側のみが。
「何だ!?」
アスランは、基地の破壊されていないハッチが開いていくのと共に、
凄まじい邪気と殺気を放つ存在が、その巨体を露わにしようとしている事に気付く。
そちらに目をやったアスランとハイネ、そしてルナマリアとノエミは、身を凍らせた。
ベルリンで遭遇した、黒きMA『デストロイ』。
その同型機が三機、表舞台に現れたのである。
場所はちょうど、東アジアMS部隊が攻撃を敢行している地区にあたり、
彼らの動揺を誘うには十分すぎる効果があるように思われた。
しかし、思いの外彼らの対応は冷静だった。その理由も、すぐにわかった。
海上から轟音と共に水の柱が現れ、その中から、赤い巨体が出現する。
「『シャンブロ』……!」
東アジアとオーブが一機ずつ保有している二国の切り札。
決戦兵器同士が相対する中、何故かアスランは一瞬だけ、
某特撮映画シリーズの『南海の大決闘』に搭乗する二匹の生き物を思い出していた。
ただそれは、東アジアの紋章は入っていなかった。
オーブ国軍の紋章と、操るパイロットを示すマークが入っている。
あのマークはに、アスランは見覚えがあった。
「ユウナが乗っているのか!?」
シャンブロは搭載している拡散ビーム砲を用いて、デストロイめがけて攻撃を開始した。
デストロイにビームバリアが搭載されていることは、すでにユウナ・ロマ・セイランも知っている。
だが、奴に設置されたバリアは、頭上のドームを守る大型のものと、
マニピュレータに搭載された小型のみである。彼はそこを突いたのだ。
拡散ビームを本体でなく足に集中させた。
奴は咄嗟にマニピュレータのバリアで防ごうと試みたが、
少し展開が遅れ、足への直撃を避けることが出来なかった。
シャンブロのビームはデストロイの両足を奪い去り、
デストロイのバリアをアテにしていたMS群を巻き込んでいく。
傘にも見えるドームに飛行ユニットを内蔵しているため、
デストロイ本体は倒れることは無かったが、MS形態への変形が不可能になった。
そこを、東アジアのMS達が見逃すわけがなかった。
デストロイは遠距離への火力が高いかわりに、
ベルリンで示したとおり近距離の攻撃に対応するにはMS形態にならねば難しいものがあるのだ。
自らのボディに群がり、啄むようにクローを突き立ててくるアジアのMS達を、
必死に振り払おうと藻掻くデストロイの姿は、あまりに哀れに見え、アスランは思わず目を背けた。
ゾウを引き倒すアリのように、デストロイの巨体を地べたに引きずり下ろし、
上に次々と乗っかって各所をつつき、引き裂き、焼き切って、
嬲るかのような光景が繰り広げられた。
仲間がやられた怒りなのか、それとも忌々しい存在を見つけたからなのか、
別のデストロイがMA形態を解除し、巨大なGタイプの姿に変貌し、
彼らが群がる箇所に向かって胸部のビームキャノンを放とうとする。
だがそれも叶わなかった。ユウナのシャンブロである。
ホバーによる高機動と重装甲により、建築物をなぎ倒してデストロイの懐に滑り込んだシャンブロは、
隠していた巨大なクローをエネルギーの集中していた胸部に突き立てたのである。
834787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:47:05.84 ID:???
膨大なエネルギーが行き場を失い放出し始め、ユウナはそこへ拡散ビームを至近距離からたたき込む。
上半身が吹き飛ばされ崩れ落ちる巨体に見向きもせず、シャンブロは西のクヴェラゲルジに存在する、
基地最大のエネルギープラントを破壊すべく進路を変える。
「……ユウナ」
アスランは、あっと言う間にデストロイを葬り去ったシャンブロに驚きつつ、
その後ろ姿から、ユウナが泣いているようにも、焦っているようにも見えて、
何がそんなに彼を前へ前へと駆り立てているのかが解らなかった。
カガリを守るためとはいえ、暴れすぎだ。アスランはそう感じていた。
だがそう考えている余裕も少ししかない。
シナンジュに追いすがろうとするダガーやウィンダムはまだいるし、
マラサイは未だミネルバ隊以外のMSには優勢な展開を続けている事に変わりはないのである。
シャアがZAFT地上部隊の援護にまわる旨を告げると、
ソレにしたがって各機は宙へ飛び上がって建造物の上をはね回り、
弾丸をかわしながら敵MSのボディにビームや弾丸を撃ち込んで行く。
ハイネの撃ったのシュツルムファウストが、マラサイのボディを捉え爆発する。
ルナの振るったアックスが、盾ごとダガーを唐竹割にする。
ノエミのギロチンビームが、地上にいた砲戦MS達をなぎ払う。
そして上空で空戦MSと戦闘を繰り広げていたレイのレジェンドも駆けつけ、
地上の趨勢はZAFT側に一気に傾いた。


※※※※※※※


「‘ニーベルング’とデストロイが!? そんな簡単にか!」
ネオ・ロアノークは、ZAFT・アジア連合軍の第二波部隊上陸に合わせ、
山岳部カタパルトで高々度空域にまで一気に上昇した後、
基地司令部から入った通信に度肝を抜かれた。
立った一機のMSが、あのギャプランを駆るスウェンを振り切って、
発車寸前だったニーベルングへ刃を突き立てたのだという。
それと同時期に、長距離から放たれたビームを免れたデストロイ三機の内二機も、
オーブが投入してきた新型に葬り去られたとの情報が入り、
ロアノーク隊が集結しているカタパルト付近の将兵の意気消沈ぶりは凄まじかった。
「……やむを得まい、エイマス中尉!」
ネオはこの区画を担当する技術士官を呼び出し、
区画の全将兵を直ちに東区域のマスドライバーに向わせるよう指示した。
このあたりも、自分たちの出撃後ZAFTに狙われるのは時間の問題。
それに、この場所に戻ってくる気はないことも告げた。
『いけません! それでは大佐や大尉……それにあの子達が帰ってくる場所が!』
「俺たちなら心配するな。
 機体の事を俺たちより知ってるはずだろ?」
『り、了解しました』
そして、プツッという音と共に通信は切れる。ネオは、彼らが生きて宇宙に上がれる事を内心祈った。
この戦いは完全に、悲しむ者もいない哀れな『捨て石』達を囮にする無駄な戦だ。
それを思うと、万全な訓練もさせてもらえぬまま、
ウィンダムやダガーに押し込められたエクステンデッドや孤児の少年少女が、
ネオはどうしてもステラ達と重ねてしまい、今頃司令室の皆を煽り、
必要な精鋭達を宇宙に上げる準備を進めているであろう『上司』の顔を浮かべ、怒りに震える。
835787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 21:47:58.67 ID:???
あの男にそう言う感情を抱く資格は自分にはないことを知りつつも。
「大佐、どうされたのです」
「ファブリスか。いや、エイマスに今の内に逃げおおせろって言ったんだ。
 南で命張ってる連中を見殺しにしてな……」
「彼らの死を無駄にしない為です、大佐。
 ここでためらっては真の意味で彼らを見殺しにすることになる」
マゼンタのデルタプラスに乗っかるようにして、νガンダムも同行していた。
右方70m辺りには、セr……フレイ・アルスター中尉のデルタプラス、
二機搭載型のベースジャバーには、スティングとアウルのスタークジェガン。
そして彼らの機体を守護するかのように追従するのが、キラ・ヤマト中尉のSフリーダムであった。
彼らには、みながすでに脱出用シャトルに移動し始めたという話は聞こえていない。
言うつもりもなかった。いずれ退却時に指定ポイントとして示せばいい話である。
彼らが今現在向かっているのは、包囲している敵大艦隊の南端。
つまり、旗艦が集合している地点を高々度からの強襲をかけるという、
言葉としてはシンプルながら、死地に飛び込むような任であった。
ネオはもう一度、右方の四機を見やる。
誰しもが、敵への殺意を露わにしており、
闘争本能を理性で押さえつける気がないように思えた。
特に、Sフリーダムのキラに対し、ネオは少々哀れさを感じていた。
上層部の保有するデータによれば元々連合のパイロットとして、
アークエンジェルに所属していた少年だった。
これから向かう先に存在する四隻の艦の内一隻は、そのアークエンジェルなのである。
‘調整’でアークエンジェルに所属していたという事は忘れ、
フレイと共に別の部隊で二年前から戦っていたパイロット……という事になっている。
過去の経歴を全て洗われ、あのアスラン・ザラと旧知であることが知れるや、
『上司』=ロード・ジブリールはソレを利用しろと命じたのである。
『信頼していたはずの人間に友人を殺された』という記憶を強調せよ、と。
……これは真実である。
実際、前体戦時トール・ケーニヒという少年兵が、
イージスに殺害されたという記録が残っていた。
そこに手を加えたのだ。
彼とフレイら2名はオーブのカレッジに‘留学’していた時、
トール・ケーニヒ、サイ・アーガイル、ミリアリア・ハゥ、カズイ・バスカーク。
彼らと知り合い友人となってから一年以上経ち、戦端が開かれた。
実際の記録にあるヘリオポリス脱出からオーブに一度寄港した辺りまでは殆ど記憶はいじっていない。
『ある男』に関する記憶は抹消したらしいが、ネオはそれが誰なのかは知ることが出来なかった。
そこをどうしても知りたいという欲求はあったが、時間がなかったのである。
そこから先は大いに手を加えられた。砂漠の虎を沈めたという勲章ものの功績をあげた事で、
彼はオーブにおいてアークエンジェルを離れた事になった。
フレイもその時下りていたこととされ、共に別の戦線に投入されていた事にも。
そして、アスランの存在をおおいに利用した箇所とは、その後の部分である。

〜オーブを出港したアークエンジェルを襲撃したのは、
 アスラン・ザラ率いるZAFT軍部隊であり、友人達はイージスの一撃により死亡した〜

という記憶を刷り込んだのである。
ご丁寧にも、残った焼けこげた遺品を花だけが詰まった棺桶に入れる光景までも用意して。
(同情するよ、坊主。そのMSの腕が無けりゃ、別の人生もあったろうが……)
836787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 22:00:17.80 ID:???
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さるったうえに訂正だよ! こっぱずかしいよ!
>>835
「そこから先は大いに手を加えられた。砂漠の虎を沈めたという勲章ものの功績をあげた事で、
彼はオーブにおいてアークエンジェルを離れた事になった。
フレイもその時下りていたこととされ、共に別の戦線に投入されていた事にも。」


削除ぉお!

乗ってない事にしておいて離れたって矛盾しすぎwww
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
837787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 22:01:35.06 ID:???
あの『ヤキンのフリーダム』を縦横無尽に操ることが出来る人材と、
人間の頭の中を都合良くいじることの出来る設備。
その二つが揃っているときに権力者がやることと言えば一つしかない。
内心吐き気すら覚えたとき、目下に広がる雲の間に、
追い続けた戦女神の名を冠する艦の姿が映る。
彼らにとって幸いだったのは、相手方の連中が攻め手hが我らにありと踏んで、
高々度を飛べるMS部隊も基地の爆撃や低空からの援護に廻したことにあった。
「いいな、我々の目標は四隻の艦船のみ! 他の連中は必要以上に相手をするなよ!」
「「「 了解! 」」」
「へいへい、解ったよ」
「任されて! そぅら!」
真上に差し掛かった段階で、先陣を切ったのはスティングとアウルであった。
ベースジャバーを飛び降りて、天龍の頭上をマークし、
今頃気付いた向こうの連中が放ってくるCIWSをくぐり抜ける。
ロアノーク隊は幸運だった。旗艦ら四隻を囲む艦船はすでに前へ出てしまっており、
もし今彼らの強襲に気付いたとしてもすでに手遅れと言って良い。
天龍に残っていた守備隊のズゴックE二機の攻撃を全てをよけきって、
スティングが、甲板めがけて一発携行していたバズーカを放つ。通常弾ではなく、散弾であった。
途中で細かい金属片に分列すると、ズゴックEのモノアイや関節部にそれらが飛散し、
機体の各所で小さな爆発が起き、機体は甲板に崩れ落ちる。
そして、二人は三連装ミサイルポッドを全段甲板にたたき込む。
オーバーキルと言うに相応しい威力であった。初弾が甲板表面を引き裂いて、
二発目が内部装甲を粉砕し、三発目で追い打ちをかける。天龍は胴の真ん中を完全に破壊される形となった。
両端の甲板を除き殆どが吹き飛び、予備の戦闘ヘリは悉くが海中へと落ちて行き、
生き残っていた護衛MSは、上空からの二人の追い打ちに対応できぬまま胴を上から撃ち貫かれる。
スティングとアウルは、ブリッジに当てなかった。
東アジアのトップと言われている男がどんな奴か、見ておこうと思っていたのである。
だが、拍子抜けした。政治屋と呼ばれる連中が発する威圧感は、彼にとって何の興味もないものでしかない。
戦士としての威圧感のない、彼にとって嫌悪すべき発想しか生み出さない存在にしか見えず、
アウルが、ブリッジに拳をたたき込んだ。


※※※※※※※


東アジア共和国大統領ツァオ・フェンは、
目の前で起こった現象を現実として受け入れることを、脳が本能的に拒絶していた。
先程、大西洋連邦の切り札を我々アジアの秘密兵器が易々と葬ったという報を聞き、
それがオーブ軍側であることに多少の抵抗感はあるものの、
それと同じ兵器を此方も保有しているという事実。それだけで愉悦を感じていた。
なのに何だ……何で私の目の前にMSが立っているのだ?
知らない機体であった。宇宙でジブリールが手に入れたという新型なのだろうか?
そういえば、何者かがジブリールに機体を供与したらしいという噂も聞いていた。
もっとそれらに興味を持って調べさせるべきであったと、今になって彼は後悔した。
レーダーのレンジ外、超高々度からのMSによる奇襲。
まるで、桶狭間の今川義元になった気分であった。
「我々アジアの……私の……地球圏の主の夢は……」
そこまで言って、彼の意識は鋼鉄の塊が迫る光景を最後にとぎれた。
838787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 22:02:18.02 ID:???
「天龍、シグナルロスト! 搭乗者の生存は絶望的です……」
戦闘ブリッジから送られたメイリンの悲鳴に近い報告を、
デュランダルは驚愕と喜びで二分割された感覚で聞いていた。
天龍の索敵装置は前時代の代物だったらしい。
新兵器開発に力を注ぐあまり其方を見落としたとは!
上空の敵を察知し対空体勢と脱出の準備を、
一足先に調え始めていたミネルバにとって、呆れる他無い内容である。
ただ、天龍があっけなく撃沈されたという事は、残った敵の矛先が此方に向くと言うことだ。
MS部隊はすでに十数q先の基地で戦闘状態に入っており、
メイリンが緊急通信をそちらに送ったらしいが、間に合うまい。
「艦内の総員に脱出命令を出せ!
 戦闘ブリッジの人員も、大半の退去完了次第脱出しろ。
 ……如何であるが、ミネルバは放棄する!」
デュランダルは、モニタに映っている、
天から降下してくるGの姿を見て即断した。
濃紺と白、黄色のカラーリングを持つGタイプ。
デュランダルだけが、この場の人間でその名を知る唯一の人間であった。
『νガンダム』……かつてシャアがいた世界に於いて『白い悪魔』と呼ばれた存在
デュランダルは悔しさに歯噛みした。
ありとあらゆる状況を考えなければならないはずなのに、
勝利によって判断を見誤った事を今更になって再認識したのである。
νガンダムはビームライフルの銃口を、
まずミネルバ左右後方のメインブースターに向ける。
ラミネート装甲を打ち抜けるはずがないと、デュランダルを除く人員は考えていたが、
「総員、耐ショック体勢!」
展望ブリッジでデュランダルが天を見上げて叫んでいた。
何故なのか考える間もなく、衝撃が彼らを襲う。
貫かれたのである。そして、現状を確認する暇すら彼らに与えられることは無かった。
一発、二発、三発。
νガンダムはあの高々度から正確に、
メインブースター、ウイング、主砲トリスタン、副砲イゾルデを撃ち貫く。
続いて、メインカタパルト双方も次々と潰され、対空砲であるCIWSも潰されて行く。
勝利しか経験したことのないと言うことが、ここで裏目に出ていた。
初めて経験すると言っても良い決定的な敗北。
その恐怖と、空から降ってくる悪魔に対する絶対的恐怖を前に、
展望ブリッジや艦内のクルーは恐慌状態に陥った。
デュランダルやタリアの周りにいた将兵達も、軍人として守るべき人間の存在すら忘れて、
ブリッジから直接ハンガーに繋がるエレベーターへ駆け込み始め、
ミネルバの各脱出口からは、ランチが次々と海上へ非難し始める。
よせと最初は言おうと思ったが、奴はランチには一切手を出そうとはしなかった。
戦闘ブリッジからの通信も消えた。きっと、アーサーが全員脱出させたに違いない、
その段階になって、デュランダルは立ち上がった。
「タリア、君も脱出しろ」
タリア・グラディスは、彼の目の中にある種の覚悟が出来ている事を悟った。
……彼は、ここで死ぬ気だ。
「脱出用シャフトはあと個人用一つだけだ。
 私の判断が甘かったよ……」
デュランダルはそう言うと、ブリッジの前に行こうと彼女の脇を通り過ぎようとしていた。
839787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 22:04:59.88 ID:???
ただ、ここで彼はまた一つ判断を誤っていた。
タリアは彼の後ろに立って彼の首筋に手刀を打ち付けたのである。
「タリ……ア……?」
一瞬、彼は何が起きたのか理解できなかった。
消えゆく意識の中で、彼女が自分を担ぎ上げたところまでになって、彼の意識は闇に消える。
「相変わらず馬鹿なまんまなんだから……。
 貴方がここで死んだら、プラントはどうなるの」
彼女は力の抜けた彼を担ぎ上げ、個人用エレベーターに彼の身体を放り込む。
扉の開閉スイッチを、彼女は躊躇せず押した。
下で扉が開けば、きっと自分の役割を忘れていた馬鹿な男共が彼を回収するだろう。
そして彼女は、振り返る。天窓の向こうに、悪魔が立っていた。
圧倒的な存在感を目の前にしても、今の彼女は心穏やかであった。
不思議な感覚だ。これから死ぬのだと解っていても、安心していられる。
それは、悪魔の背の向こうに、彼らが来ていたからだ。
運命の名を冠する希望、再びZAFTに舞い戻った英雄、そして赤い彗星。
「あの人をお願いね、みんな…………」
ミネルバのブリッジを、サーベルが一閃した。


「来たか、シャア!」
「アムロぉおおおおおおお!」


歯車が、かみ合う音がした。


第29話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これにて29話終了です
ホアキン隊の二人を出せなかったことは本当に後悔してます、申し訳ない
次回は多分黄金週間過ぎると思うので、その時またお会いしましょう(・ω・)ノシ
誤字脱字……あるかないかについてはもう胃がキリキリ言ってますが(汗)
840通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 22:50:11.90 ID:???
GJ
しかし、まさかここでツァオ退場・女神轟沈とは一体この先どうなるんだ?
841通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 23:01:21.40 ID:???
気になったのは>>837
>相手方の連中が攻め手hが我らにありと踏んで
のタイプミスくらいッス
842通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 23:05:44.66 ID:???
GJ

……嘘だと言ってよバーニィ!
こんなタイミングであっさりと退場なんて、予想できるわけが無い
843787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/24(日) 23:07:21.30 ID:???
またやっちまったい・・・・アホの子と罵ってくれorz
「攻め手hが我らにありと踏んで」

「攻め手は我らであると踏んで」です。

アニメケロロ軍曹の某話で「夜のケロロ」なる話がありましたが、
あれのアスラ(ry……サブローの言葉は本当のようです
844通常の名無しさんの3倍:2011/04/24(日) 23:23:00.07 ID:???
戦女神はアテナと言うイメージで違和感を持つ俺はロストキャンバスしか見たこと無いと言う
845通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 00:01:04.14 ID:???
乙でした。ここでミネルバが沈むか・・・
ネェルミネルバでも用意してるのかねぇ・・・

いつもなら、このように気持ちを“済んだ”状態に保っていられることが少なかった。

いつもなら、このように気持ちを“澄んだ”状態に保っていられることが少なかった。

かな?
846787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/25(月) 00:24:08.49 ID:???
>>845
m(_ _)mカクニンシマシタ コンナノッテアリカヨ!
>>827
済んだ→澄んだ
847通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 00:59:35.19 ID:???
>>846
ま、いつもの事だ。
職場でも身内の書類は誤字脱字はよくある。
あんま気にするな。

それより、GWは被災地にボランティアだっけ?がんばってこい!
848通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 01:38:00.84 ID:???
>834
>発車寸前だったニーベルングへ刃を突き立てたのだという。
発射

849通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 04:58:11.21 ID:???
> ……如何であるが、ミネルバは放棄する!」
遺憾
850787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/25(月) 08:00:33.24 ID:???
>>848>>849
il|li(つω-`。)il|li
>>834「発車」→「発射」
>>838「如何」→「遺憾」
モウハッキョーシソウダヨオッ!!
851通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 08:18:49.19 ID:???
書きあがったら7回音読しろってばっちゃが言ってた
852通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 09:31:12.25 ID:???
さすが白い悪魔、やれる時にやる
ようやく二人とも本気で戦えるのか、燃えるぜ
853通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 09:44:09.21 ID:???
>>850
つレジスタ飴
頭脳労働には当分!
854通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 09:49:58.82 ID:???
>>853
「糖分」だなw
855通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 10:48:05.45 ID:???
>>845
ミネルバに近いもの…って手っ取り早くいうと「ミネルバもどき」(笑)

なんかいっきにネェルアーガマがパチモン臭くなった(笑)
856通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 10:58:44.66 ID:???
そういやミネルバは落ちたわけだけど、
この後宇宙に上がるとするならば、レウルーラがあるんだよな

でも、このまますんなりと宇宙に上がるとも思えないし、どうなる事やら
857通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 11:13:01.45 ID:???
予想外の展開と予想を超える誤字で二重に楽しませてくれる787氏乙です
858通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 11:15:07.51 ID:???
>>856
WBとかザンジバルとかが発掘されてたりして
859通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 12:39:48.45 ID:???
むしろ最精鋭のロアノーク隊が宇宙に上がる機会が無くなってないか?
860通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 12:48:27.12 ID:???
突然なぜかドミニオンが出てきてロアノーク/ホアキン隊を回収して脱出するという斜め上的展開を予想
861通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 15:49:33.13 ID:???
突然なぜかサイクロプスが起動しガウに乗ったガルマとジオン地上軍が現れると言う七転八倒な展開を予想
862通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 16:49:24.09 ID:???
突然オーブ軍がAAに向かって砲撃を始めそれを退けたらミスターブシドーwithアロウズが現れるという世界が破壊される展開を予想
863通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 17:14:41.17 ID:???
突然光の柱からユニコーンとバンシィが戦いながら現れ更にΞとペネ、プルトニクスとグランジオングまで現れる展開を予想
864通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 19:24:31.83 ID:???
その辺にしとけ貴様等w
しかし…各国の旗艦のうち、アバンの事も含めるとAAも確実に
(おなじみのブリッジクルーの大半の命も含めて)沈められ、良くても
タケミカズチが生き残るかどうか程度にまでなろうとは。
ヘブンズベース攻略戦と言えばデスティニーの公式初陣投入もあり、
後のレクイエム事件やDP導入宣言も控えてる事からたいていの二次創作でも
サクサク陥落させてきたもんだが、ここでここまで逆に追い込まれるのは初めてかも。
しかも宇宙にはシロッコとハマーンのチャンポンというかキメラなラクスが
いまだ無傷で控えているわけで…ホントどうやったら勝てるのこの状況?
865通常の名無しさんの3倍:2011/04/25(月) 19:53:56.59 ID:???
そういや裏ルナマリアも確かどっかに逃げたんだよな……先が全く見えん

つーか、デュランダルの近くにも既にラクスのスパイがいるんだっけ
連合もここでダメージは受ける(名付きも何人か死ぬかも?)だろうけどレクイエムがあるし、何と言う無理ゲー
866通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 02:41:13.81 ID:???
だが敵が強大なほど燃える
867通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 06:53:05.83 ID:???
誤字の大半が既に挙がっているので、それらは抜きにして
>829
>方のフラッシュエッジ
肩のでは?
868通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 08:41:36.23 ID:???
AAよりもタケミカヅチの方がやばいだろ
ただの水上空母なんだから

しかし各国のフラッグシップが軒並み沈められたら大変なことになるな。
AA位は残しておいてくれアムロ
869通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 08:54:53.65 ID:???
>>868
つアバン
「白い艦は、かつては少年と少女を乗せ、少年が守ろうとした船である。
 だがその微かに残る懐かしさ、少年が守ってきた人たちの命。
 それら全てを手ずからつみ取ってしまったことの認識は、もう少年には出来なかった。」

どう見ても沈められました。だとすればもうキラが気の毒すぎる・・・・
種死クロスSSの中でもかなり綺麗なキラだったのに
870通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 09:02:00.55 ID:???
>>858
ザンジバルってミノクラついてないの大気圏内飛べる謎仕様なんだよなぁ
もしかし既に発掘されて、AAやミネルバの飛行技術に応用されてんじゃね。

アッシマーといいザンジバルといいリフティングボディは魔法の言葉だな(笑

871通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:09:45.62 ID:???
AAやミネが沈んでもラーカイラムとかクラップ級とかがどこからか出てくるんだろ
872通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:19:46.59 ID:???
0080〜0090年代あたりの機体ばっかり出てくるのもヘンだからここであえて改装型のスペースアーク級とか
ラー・カイラム級でもジャンヌ・ダルクタイプでビームシールド付きで大気圏離脱も突入も自在とか
873通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:29:48.51 ID:???
アルマイヤー級とかウィルゲムとかだったら胸圧だ
874通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:30:11.73 ID:???
いや、そもそもここCCAアムロスレだし
90年代だからZとかZZ・ユニコの機体はまだ納得できるが
さすがにそれから先はやりすぎだしスレ違いだと思う
787氏のSSがクロスしまくってるから感覚マヒるのもわかるけどな

氏をディスってる訳じゃないぞ?
Gジェネっぽくて好きだし、厳格すぎるのは俺も嫌いだ
でも限度ってものがある、氏もわかってるはず・・・・
875通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:38:00.90 ID:???
まあガランシェールまでで我慢するかw
とはいえ種の戦艦では最高性能のAAとミネルバが沈んだら残りはたいした艦が無いんだが

ジャブローの跡地からホワイトベースやアルビオンでも発掘されないと話進まないかもしれんね
876通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:49:38.32 ID:???
>>875
アーガマ改「よく寝たけど寝過ぎて体が痛いから整備してよ!」
877通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 12:54:11.91 ID:???
アーガマは大気圏内飛べないじゃん
878通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 13:00:06.41 ID:???
>>865の裏ルナマリアがウラマリアに見えた俺ってorz
879通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 13:07:48.24 ID:???
>>875
斜めでキマイラ
880通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 13:31:24.95 ID:???
>>877
Zの時はしらんがZZでは飛んどる、というかダブリンにむかうとき地表どころか高高度付近を飛んどるぞ
でブースターつけないと宇宙に上がれんだけだな


ハイメガ砲つけたいがいの改装はしてないはずだが
881通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 13:33:58.75 ID:???
>>877
飛べるよ?
ミノクラつけてるから
882通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 14:46:26.24 ID:???
>>877
ZZディスっているのか?
つかみんなZZを前半のコメディで切る奴多いけど、惜しいと思う
883通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 15:09:35.76 ID:???
議長「実は大半は起工したばかりだが、予定された運命の数だけミネルバ級の建造を進め、内一隻がエターナル級の二番艦と共に最終偽装中なのだ」
884787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:19:08.86 ID:???
みなさんこんにちは、787です。
30話アバンができたので投下しようと思います。
ちなみに、アムロ達の絡みは後半で書こうと思ってます、すみません

>>867
カクニンシマシタ、モウシワケナイ
>>829
方の→肩の
です
885787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:19:51.87 ID:???

〜アクシズ・謁見の間

「私のような紛い物を拾うて頂いた上、居場所まで。
 ……感謝の言葉もございません、ラクス様」
「顔を上げよ、ローランドの娘」
玉座で足を組み、漆黒のドレスに身を包んだラクス・クラインが、
数段下で跪く赤髪の女の謁見を許したのは、
ヘブンズベース攻略戦が開戦する一時間ほど前の事であった。
ヨーロッパに忍ばせた細作の所へ、二年前に死んだ人間である、
ローランド・ホークのコードで通信があったのがつい一週間ほど前。
ジブラルタル基地であったという怪事件の数日後の事だ。
ローランドの娘と名乗った目の前の女は不思議な名を名乗った。
「確か、ルナマリアという名だったかな?」
「はい。ローランドが一子、ルナマリア・ホークと申します」
確か、ミネルバに所属している女性パイロットも同じ名を持っていたはずだ。
今現在ヘブンズベースにいるはずの人間の名を目の前の存在も名乗っている。
「なるほど、確かにローランドの面影がある。
 それに生き生きとしている。それが人工の顔などとは俄に信じがたいが」
上げた顔を見たラクスは、内心驚きつつ興味を惹かれた。
目の前の存在は確かに人間。そして人間でありながらにして肉体から開放された存在であった。
精巧に作られた目玉は本物の目玉のようでありながら、濁りのないガラス玉にも見え、
髪の毛は皮脂のぎらつきがない美しい髪であったが、それが作り物感を強調し、
肌は傷一つ無いなめらかで真珠のような輝きを持つが、どこか金属質なモノを感じる。
ラクスは玉座を降り、目下の‘ルナマリア’と名乗った‘人形’の足下に歩み寄る。
自分を前にして、この‘人形’は緊張している。
作り物でありながら目下のそれからは感情を感じ取ることが出来た。
「……素晴らしい」
ラクスはそう呟いていた。穏やかな顔つきで侍従の制止を聞き流し、
彼女は屈んでルナマリアの手を取りそのなめらかな手の表面を撫でる。
「……皮膚は貴様の祝福されし心の牢獄。
 肉体など、完成されし者の前では俗物共の城塞にすぎん」
肉体。時にそれは持ち主の精神を束縛し、操りもする存在である。
どんなに高貴な人間でも、勇気溢れる人間でも、慈愛に満ちた人間でも、
肉体に与えられる『痛み』の前には、頭の中を『痛い』という言葉に支配される。
遙か昔、それから脱却するためにはどうすればいいのか、考えたことがある。
あらゆる苦痛と強靱な意思を屈服させうる強固な精神と、
この世界の何者にも負けることのない圧倒的な力と、
精神と力を進化させる最大の妨げ、『痛み』を克服した完成された身体。
それらをそろえれば、絶対的指導者となるに相応しい存在として、
『彼』も夢の中に再び会いに来てくれるかもしれない。そう考えたことがあるのだ。
「参れ、ルナマリア」
「……はっ、直ちに!」
ラクスは跪くルナマリアに共をするよう命ずると、近衛兵を連れて謁見の間を出る。
宮廷を出で、眼前に用意されたキャデラックに乗り込んだ彼女は、
客人の席に座るようルナマリアに促す。
きっと、自分に対し畏敬の念を持っているのは父の影響だろう。
献身的な部下だった事をうろ覚えだが思い起こす。
886787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:20:52.21 ID:???
名前を聞いて初めて思い出す程度であり、
ローランド・ホーク本人はそれほど重要な人間ではなかった。
だが、目の前の娘と名乗る‘人形’は別だ。
その存在そのものが異質であり、内包する力は……使える。
ラクスは、内心嫉妬した。
力の衰えを自覚しなければならぬ『老い』も、
肉体は精神の枷としか思えなくなる『痛み』も存在しない身体。
彼女のソレを感じ取ったのか、一瞬ルナマリアは乗り込むのをためらった。
「何をしている? 乗らぬのか?」
「い、いえ……」
貴女様から殺意を感じたなどと、彼女の今の状況で言えるはずがなかった。
「乗らぬならこの場でジャンクにしてやってもよいのだぞ」
ラクスは右手をサッと動かした。
ただそれだけで、その場の空気が塗り変わる。
(あら、‘人形’も恐怖を感じるのですね……)
ルナマリアが、はじかれたようにサッと車に乗り込んで、
近衛兵がルナマリアの両脇を固め、ラクスの前にはバローロの注がれたグラスが捧げられる。
「私は素直でない人間は好かんよ」
「申し訳ありません」
「よい。主は何もかもが始めてであろう?
 ならば私は何も言うまい」
通り過ぎて行く岩肌と、人気のまだ少ない街道を横目で見ながら、
ラクスはグラスを傾け、口の中に広がるブドウの香りとその余韻を楽しむ。
ルナマリアの前にも、同じものが差し出される。
ありがたき幸せと、彼女はそう言って一口口に含む。
「ルナマリアよ……、『時』が近づいてきている」
「『時』……と言いますと?」
「衝合(conflux)…………。
 プラントと大西洋連邦……いや、変革を目指す者と停滞を望む者。
 デュランダルとジブリールとの戦いが一抹の終結を向かえようとしている」
「…………」
「断片へと別れし国々、人々が再び一つへと衝合し、世界は再誕する。
 その時こそ、私の悲願・計画が成就する時でもある」
そしてキャデラックは、アクシズ工廠区画へと入る。
ルナマリアはその段階になって、周りを見回す余裕が生まれた。
見たことのないMSが並んでいた。肉体のルナマリアの『目』を通して、
二年前から色々と学んで来ているが、こんなMSは知らない。
ガザシリーズ、ガ・ゾウム、ドライセン、ドーベン・ウルフ。
そして、クィン・マンサ。
艦船も、彼女は初めて見るものばかりであった。
その中でも一際度肝を抜かれたのは、
約600mはあろうかという超大型戦艦の姿だった。
シャア・アズナブルがこの場にいたのなら、その艦船の名を口にしていただろう。
『グワダン』
ガザシリーズなら内部に100程を搭載可能な、アクシズの開発した超ド級戦艦である。
工廠区画のハンガーの一つ、その前にキャデラックを駐車させ、
ラクスは侍従の開いたドアを降り、彼女を招き寄せてハンガーの中へと入って行く。
薄暗い空間の中に佇む大きな影を見る。MSだと、ルナマリアは思った。
887787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:21:37.37 ID:???
パッとライトアップされ、ルナマリアは思わず目を窄めるが、
目が慣れてくると、目の前にある巨体を見て驚嘆の声を上げる。
「これは……!?」
「美しかろう?
 貴様のために用意させたものだ、ルナマリア。
 『∞ジャスティス』
 かつてアスラン・ザラが駆ったジャスティスを、
 このアクシズの技術で再設計させた機体だ」
「これを私に! 身に余る光栄にございます、ラクス様」
「事を上手く運ぶためには、貴様のような優秀な者が我が下には必要なのだ」
ルナマリアが、再びラクスの足下に跪く。
ラクスはそっと手を出して、ルナマリアはその手の甲にキスをした。
「偉大なるラクス・クライン。
 栄光ある貴女様の配下にこのルナマリア・ホークを」
「歓迎しよう、ルナマリア。我が忠実なる僕よ。
 そして貴様が身の程を知る人間であったことにも感謝しよう。
 身の程を知らぬ者は惨めでむなしい最後を向かえるものよ、あの男のように」
そう言うとラクスは、ジャスティスの佇んでいるハンガーの端に転がる肉塊を指して言った。
ルナマリアは、あまりにズタズタに引き裂かれたソレを見て、背筋を悪寒が走り抜ける。
同じようなことを基地の将兵にやった覚えはあるが、あの時は暗かった。
ただ一つだけ、あの肉塊が原型をもう少し止めていたのなら、
『サトー・エヴァレット』〜自分の叔父のなれの果てであったことに気付いただろう。
「……あの男は?」
「ただのテロリストよ。 戦士として生きる才能は無くとも、
 我に使われる価値だけはあった男だ。だが死すべき時に死ねず、
 あまつさえさらなる力を求めよったのでな、もの言わぬ肉塊にしてやったのだ」
かつて、失敗した彼を始末しろと部下に命じたが、その部下が旧知の人間だったらしく、
もう一度チャンスをとしきりに言ったので一度会ってみたのである。
だが、彼女にとってもうサトーは不要の人間でしかない。
ナチュラルに対する復讐しか考えられない低能を蜂巣にしてやっただけのことである。
「確かに、身の程知らずとは恐ろしいもの。
 このルナマリア、肝に銘じておきまする」
「そう、それでよい。貴様はあの男のような失態は曝してくれるな。
 貴様は、この正義の剣で私に仇成す者を殺し尽くせばよい」
「御意。全ては貴女様の御心のままに」
喜びにうちふるえるルナマリアの処遇を旗下の艦隊司令に一任すると、
ラクス・クラインはハンガーを出で、キャデラックに再び乗り込み宮廷へ戻る。
また優秀な手駒が一つ増えたことも喜ばしいが、
今は居室の大モニターで、ヘブンズベース戦を早く鑑賞したかった。


※※※※※※※


「此方に上空から二機、接近するMSがあります!」
ミリアリア・ハゥの悲鳴が、アークエンジェルのブリッジに響き渡った。
カガリの同情しているタケミカズチから、ムラサメとM1アストレイが次々と発進して行く中で、
マリュー・ラミアスは、接近してくる殺意の塊の中に、覚えのある懐かしさを感じていた。
888787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:22:34.29 ID:???
そこにいながら居場所を探しているような、
己の存在そのものに苦しみを抱いていたあの少年に似ている。
対空砲火が、始まる。
CIWSの弾丸が、接近するブラウンの機体と純白の機体に向かってばらまかれる。
だが、その悉くをスルスルとかわしたその二機は、
ライフルで確実に此方のCIWSを潰し、周りを観察するように飛び回りながら、
ゴッドフリートを、バリアントを、そしてミサイル発射管までも破壊していった。
衝撃がブリッジを揺らし続ける。恐怖が、皆の心に浸食してゆく。
モニタに映る純白の機体の全体をハッキリと見たとき、
マリューも、ミリアリアも、アーノルドも、
そしてタケミカズチのカガリやアマギ達でさえも、
これは何かの冗談か悪夢に違いないと、そう感じていた。
此方のMSを圧倒的な力で葬り去り、天使の羽をもぎ取って行く悪魔の姿は、
かつて大天使を守護し天を舞った『ヤキンのフリーダム』に酷似していたからである。
ムラサメがライフルを向ける前にその殺気を読み取って、
そのライフルごとムラサメを撃ち貫き、アストレイに肉迫すると腕部を掴んで振り回し、
もう一機のアストレイに叩きつけると、一気にサーベルで切り下げて爆散させる。
力の差がありすぎた。こちらの命運が危ういと悟ったのか、
すでにタケミカズチは陥落させたヴェストマン諸島への待避を開始していた。
「カガリさん……! 仕方がないわよね……」
マリューは心の内でカガリを罵ろうかと思ったが、
きっと一番辛いのは彼女本人であることも察しをつける。
一番泣きたくて、一番のこりたいであろうに、彼女の立場はソレを許さない。
その時、マリューの心は決まっていた。
「アークエンジェルは、タケミカズチの盾になります!」
マリューのその決定に、異を唱える人間はいなかった。
アークエンジェルが、前に出る。フリーダムに似たMSとブラウンのMS、
そして可変型のGタイプが、アークエンジェルを追って降下進路を変えた。
最後のCIWSが、破壊される。
ブリッジの眼前に、三機のMSが降り立った。
先頭のフリーダムが、サーベルを突きつける。

『覚悟しろ、裏切り者共……』

889通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 15:22:59.60 ID:???
同情× 同乗
のついでに支援
890787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:26:16.70 ID:???
「「「 …………!? 」」」
パイロットの声が、聞こえる。マリューも、ミリアリアも言葉を失った。
死んだと思っていた人間の声が聞こえたのだ。奴がサーベルを振りかぶる。
いざ殺されようとしているその時、マリューの意識は拡散した。
死の間際に、神が見せてくれた残酷な幻覚だと思った。
相手パイロットの姿が、ハッキリと見ることが出来たのである。
ヘルメットのついていない、生の顔を。
「キ、キラ? フレイ?」
ミリアリアが、泣きそうな顔でその名を口にする。
自分たちを命がけで守ってくれた少年と、二年前いなくなってしまった少女。
そして…………マリューにとって受け入れがたい現実。
「ム、ムウ……?」
フレイ同様、二年前に自分の下からいなくなった、愛しい人。
三人とも、自分に向けて殺意を向けている光景がある。
「ま、待って! 三人とも……」
「私たちが解らないの!?」
『……黙れ!』
サーベルが振り下ろされ、彼女たちの意識は、そこでとぎれた。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第30話(アバン)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。アムロパートは後半まで待っていただきたい
と、同時に、誤字脱字があったら


ヤァイヤァイ! アホノコ! アホノコ!
  Λ_Λ  \\
  ( ・∀・)   | | がっ!
 と    )    | |
   Y /ノ    人
    / )    <  >_Λ∩
  _/し' //. V`Д´)/
 (_フ彡        / ←アホノコな俺

してください、ではまたお会いしましょう(・ω・)ノシ
891787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/26(火) 15:26:59.31 ID:???
>>887
同情→同乗

ナンテコッタイ・・・・
892通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 16:03:22.65 ID:???
グワダンにメカマリアの∞正義にドーベン他アクシズ系にAAまでもが轟沈…
もう記憶が戻らず撃墜されガス雲の方が優しく感じる
893通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 16:55:55.05 ID:???
GJ、後半のアムロ戦に期待だな

戦局自体は優勢なのに、主力艦がここまで一方的にボコボコにされるってのも珍しいな
タケミカヅチはこのまま逃げ切れそうだが、敵陣に突っ込んだユウナは生き残れるか……?
894通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 17:21:06.52 ID:???
ラクスが龍師範な件についてwww
わかる奴少ないだろうな。別の板ならともかく…
895通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 17:46:08.68 ID:???
今月のバンデシネのシナンジュ並みにアスランが動ければどうにかならないか?
896通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 18:42:38.76 ID:???
キラやアムロ相手じゃきついな。
宇宙ならともかく大気圏内だと飛行可能かどうかが影響するし
宇宙ならストフリやνがフルスペック出せるし
897通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 19:31:03.65 ID:???
>>895
アスラン、シン、レイVSキラ、フレイ、ネオ
ルナ、セイナVSスティング、アウル
シャアVSアムロ
としても避けた後がこわいなー
898通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 19:54:40.55 ID:???
お疲れ様です。

「こうした方がいいのでは」で。
>>885
ヨーロッパに忍ばせた細作の所へ→ヨーロッパに忍ばせた間者の所へ

何かの誤字かと思ったのですが、
漢和辞典で調べたら「細作(さいさく)まわし者。スパイ。間者」とちゃんとありました。

「間者」の方が分かりやすいかと思います。
899通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 20:00:41.28 ID:???
>>898
細作という言葉を知ってる人間が間者という言葉を知らないとは思えない
あえて細作を使ってんだろ
てか、誤字脱字ならともかく使用する単語に難癖つけるのは流石に余計なお世話だろう
900通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 20:01:19.33 ID:???
>>896
OO系でも出さないとヤバくない?
901通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 20:09:11.02 ID:???
>>892
とりあえず三人は洗脳解けたら死より苦しい胸の激痛でキラ泣きや「俺を裁いてくれ!?」状態は避けれない
902通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 20:12:16.79 ID:???
>>896
ビームコンフューズ技能かユニコーンさえあれば…
903通常の名無しさんの3倍:2011/04/26(火) 23:16:14.46 ID:???
>>899
そうですね、誤字指摘が当然になってしまい
無神経になっていました。大変失礼しました
904通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 00:58:17.81 ID:???
そろそろGジェネスレでも立ててそっちでやれとか言ってみたりしちゃったり
905通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 02:09:13.44 ID:???
失せろモリーゾ
スレ主をなんだと思ってんだ
906通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 02:12:49.98 ID:???
立てるとしたらガンダム統合スレになるんじゃあねぇ?>Gジェネ立てろとはいわないが
907898:2011/04/27(水) 02:27:00.08 ID:???
>>899
正直に「細作」という言葉を私が分からなかったのは事実です。
このことを正直に出しすぎたのは反省すべきだったかと思います。

>>903
勝手に私になりすまさないで下さい。
908通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 03:19:00.58 ID:???
キャラはほとんどCCAだし機体は何出してもスレ的に問題ない気もするけどなあ
909通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 06:42:52.95 ID:???

             _,.-'" ̄ ̄ ̄ ̄``ー-、
              r'′           ヽ
             .|                ',    そんな事より、私、ロード・ジブリールから諸君に話がある
            |      z-、__,..._   l    このスレは今やかなりの人気スレとなっている
            .|   ,ィー' ̄       ̄'‐|: !    にもかかわらず、最低限のルールが未だ定まっていないことは
           |   /             |: |    スレ民を困惑させ職人にも身勝手な
          /ニ:、,' -`==-、__i  、_,.;;=≡|/    俺ルールを押しつける荒らしをのさばらせる事になる!
          {ヘ.ノl!  ヽtッ=‐   =tッニア.k}
          .ヾぃ       .::: i     /′   「CCAアムロが来たら」?
            `l1            /      なら、彼が出てきちんと活躍しているならそれで良いではないか
           ┌l\.    ___'__   /       脳内宇宙の荒らしどもは何よりも誰かに構って欲しいのだから、
            .ト、_`ー、    ‐‐ , イ        訓練されたロゴス構成員たる諸君は当然導入済みであろう専用ブラウザの機能を活用し、
            .|  `ヽ、\_   /./|        けっして奴等にレスをしてはならん、全て透明あぼ〜んしてさっさと忘れろ!
          _,.-‐'^ー、  \ ヾ¨ア / ト、_
     _,.-‐'´/    `ヽ、 ヽ V / /  ``ー-、_

 スレで誰かに絡まれて不愉快な思いをしても、すぐに忘れるのだ
 ここは2chなのだから善人も悪人もいよう。諸君の個人的な感情でスレの進行を乱し、
 皆に迷惑をかけることのないよう、常に努めるのだ。
 
910通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 07:43:13.17 ID:???
アズにゃんだと納得できるのに、何でコイツだと納得できないんだ?
911通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 08:11:31.96 ID:???
フサフサでモキュモキュでザフトパックンチョなジブ猫なら納得
912通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 08:16:26.43 ID:???
>>911
それはIFスレSUN値チェック作品の二番バッターのキュウ支配者
913通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 08:22:06.60 ID:???
頭に花咲き乱れた初春状態の魔界天使ジブリたんの言うことだからなあ
914通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 09:12:22.28 ID:???
遅ればせながら787氏乙でした
最悪の主従が揃ったシーンはMTGのアラーラブロックですね?
ギル側の存続がヤバイ感じで心配です
キラはもう・・・・見てられない
915通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 16:41:32.42 ID:???
赤き英雄と白き英雄と桃色の髪の女帝が激突するとき、金色の魔獣の門が開き、邪悪なる神々が現れ世界の終焉が始まる。
って本に書いてあった。
916通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 20:00:35.34 ID:???
ラクスのセリフがハマーン様の声で脳内再生されたwww
917通常の名無しさんの3倍:2011/04/27(水) 22:44:09.16 ID:???
ルナマリアを見て思い出した

お前「電」だろ、銃夢の
918787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:55:54.59 ID:???
みなさんこんばんび、787です。
30話後半は出来たので投下したいと思います
誤字脱字があったら「ガッ」してくれ、アホノコと罵ってくれ(ハァハァ
そして気に食わないならスループリーズ!

次から投下します
919787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:56:39.81 ID:???


機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第30話


「アムロ、これ以上はやらせん!」
シャア・アズナブルは、またしてもアムロにしてやられたという無念で満ちていた。
サザビーのビームサーベルを最大出力でνガンダムに叩きつけ、
ファブ(ry……いや、アムロ・レイも、サーベルの出力を上げてそれを受け止める。
ミネルバだったものの上で、バチバチと火花をあげながら二機は相対する。
その姿は、何者の介入も許さぬプレッシャーをひしひしと感じさせるものであった。
「貴様は……またしても、貴様は……!
 衆愚の塊でしかない連中の為にその力を使うのか!」
彼の心中は煮えたぎっていた。
愛着がわき始めていたミネルバを沈められたことは勿論であったが、
それをやったのがアムロであるという事と、
彼が未だなお地球圏の癌でしかない『旧体制』の兵士として戦っている事が、
彼の中に長年燻り続けた『アムロ・レイ』に対する憤りを加速させていた。
「貴様こそ、未だ夢しか見ていないインテリに組しているだろ!
 俺は、俺の守りたい人の為に戦うだけだ!」
アムロとてこの世界における地球連合上層部の連中が、
これ以上ないほど腐りきっている事くらい承知している。
だが、彼も引くに引けなかった。自分は勝ち続けなければならないのだ。
彼の守りたい少年少女の命は、『連中』が握っているのだから。
アムロはサーベルを押してはじき返すと手首を返し、サザビーの横っ腹めがけてサーベルを振るう。
サーベル同士の激しい応酬が繰り広げられる。斬りかかり、受け流し、打ち付け、払う。
はじけたビームの残りかすが、ミネルバやお互いの装甲表面を焼く。
一瞬の出来事だった。ガンダムが斬りつけてきたところを狙って、
シャアはそれをただ受け流すのではなく、後ろから押すように払ったのである。
自らの勢いが弱まるどころか強くなったことで、νガンダムの姿勢が崩れる。
だがサザビーの大きなボディにも隙が生まれ、アムロはそこを突きサザビーにタックルをみまう。
衝撃に数歩後ろへ後ずさったシャアは、咄嗟にサーベルを前腕部に格納し、
体勢を調えるやライフルをアムロのいた方向へ向ける。しかし、νガンダムはそこにはいない。
「……!? くっ……」
νガンダムは身を屈めてサザビーの足下にいた。
ぬかったと、シャアは感じた。
以前の、自らの知るνガンダムでは無かったこと、
奴に新たに与えられた武装=右腕のバルカンを見落としていた。
奴はそれをサザビーに突きつけていたのである。
バルカンから砲弾とも言うべき弾丸が放たれ、シャアは身をねじった。
サザビーの頭部を掠め、背筋を寒いものが駆け抜ける。
再びライフルを構えようとしたが、ライフルの銃身にバルカンの弾が撃ち込まれていた。
「ちぃっ、やってくれる」
左腕のサーベルを足下のガンダムに振るったが、奴は甲板を蹴り後ろへ後退する。
シャアはその隙を突いて、トマホークを奴めがけて投げつけた。
奴が握っていたライフルを両断し、甲板に突き刺さる。
920787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:57:20.42 ID:???
心が、痛む。あの場所は、シン達やアスラン、ハイネと話をした甲板だった。
グラグラとこみ上げてくる闘争心を押さえ込む。本能の赴くままに戦って、勝てる男ではないのだ。
互いにサーベルを構え突撃しぶつかり合う。
応援に駆けつけたディンやバビも、遠巻きに見ていることしか出来なかった。
軍の人間として味方の援護に廻るのは当然の事であったが、
ああも距離が近くては撃てなかったし、行けば瞬く間に自分たちが殺されると生存本能が訴えていたのである。
互いに互いのサーベルを持った腕部を空いた手で掴み、
純粋な押し合い状態となって、シャアは上空の部隊に気付く。
「……私はいい。早く生存者の回収と、他の敵MSを逃がすな!」
「くそっ……、やらせるか!」
シャアが彼らに通信を開いて指示した瞬間、
アムロはνガンダムに思いっきり頭突きをさせた。サザビーの首下にヒットし、
「ぐおっ!」
コクピット付近で会ったが為にサザビーのコクピットは揺さぶられ、一瞬シャアはひるんだ。
沈没していく天龍から離れて無線で呼び出したベースジャバーに、
軽々と飛び乗っていたジェガンタイプに、ディンとバビ、ムラサメの群が追いすがる。
初めて見るジェガンであった。アナハイムからリークで手に入れたデータの中に存在した、
特務使用機のジェガンの草案によく似ている。
そして……νガンダムが、飛んだ。
ディンは真下からGタイプが飛んできた事に驚愕し、マシンガンを向けて放つ。
弾幕を左右に機体をふって交わしていく中、左肩に弾丸がヒットした。
だが、ディンの装備するマシンガンの弾丸ではνガンダムを傷つけられなかった。
ディンの足を掴んで引きずり下ろすと、アムロはディンを斬りつけて、
背中に乗り上げて蹴りつけ、ジャンプする。
爆風がガンダムを押し上げて、更に高い場所へと機体を運んだ。
そのやり口で、飛べないと思っていた機体が思いもしなかった方法で空中戦をやってのける事実に、
ZAFTやオーブ軍人達は対処できず、落とされては踏み台にされる者が続出して行く。
またνガンダムに気を取られた連中も、
新型SFSにまたがるジェガン二機からの弾幕の中に消えて行った。
「待て、アムロ!」
サザビーも追わんとしたが、なにぶんサザビーはνガンダムより重く、
飛ぼうにも味方を踏みつける訳にはいかない。
その時、シャアが何をしようとしているか悟った人間が、サザビーのコクピットに通信を入れてきた。
ZAFTの軍用通信であり、発信元は、ミネルバから脱出したランチからであった。
『聞こえますか、隊長!?』
「ヴィーノか! 無事だったか……」
『僕らのことは構わずに! それより、ミネルバのハンガー脇、
 カタパルトの入り口あたりにグゥルがあるはずです!』
「グゥルだと……」
『脱出するときロックを外してきたんです。
 傾き始めてますから、そのあたりに出てきてると思います!』
彼は、サザビーがνガンダムに斬りつけたとき、
乗っていたグゥルを海に乗り捨てていたのを見ていたのだ。
彼は彼らのランチが巻き込まれずにいたことを天に感謝し、
ミネルバのミネルバの閉じていたカタパルト入り口を……切ってこじ開けた。
「許せ……」
ハンガーの中に無理矢理入り、転がっていたグゥルを起こし、
壊れていないかどうかチェックをする。時間はどんどん過ぎて行く。
921787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:58:01.15 ID:???
逸るシャアはそれをカタパルトから担いで出し、上へとまたがる。
ふと爆音が聞こえた。モニタのレーダーの中で、戦艦を示す光点がまた一つ、消える。
半分が海に沈みかけた天龍と、向こうで爆煙を上げ始めた白い戦艦を見やる。
アークエンジェルのブリッジが、潰されていた。命が消えていく音が聞こえる。
信頼を寄せていた者の手で殺されるという無念が、飛散する。
シャアの脳裏に、地中海で出会ったアークエンジェルのクルーの顔が浮かび上がる。
「アークエンジェルまでもが……おのれ!」
そしてシャアはグゥルを起動させ宙へ浮き上がると、
味方の退路を切り開かんと、次々にディンやバビを鉄くずに変えていく、
νガンダムと重装備のジェガンのもとへ向かった。
しかし、一つ引っかかるものがあった。
アークエンジェルにとどめを刺したあのガンダムタイプのことである。
νガンダムのコンセプトを色濃く受け継いでいる兄弟機に見えるが、
問題はそこではなく、パイロットから感じるものにあった。
「これは……『あの少年』?
 ……!? アスラン、よせ!」
シャアはアークエンジェルの上に立つMSと空中のジェガン、
並びにνガンダムを撃破せんと向かって行くデスティニー、レジェンド。
そしてデスティニーの後ろ姿を見て直感で悟った。
彼らを引き合わせてはならない! あの白い機体のパイロットは……!

「嘘だろ……?」
「まさかこんな……事が……。
 ミネルバ……アークエンジェルが……」
シン・アスカとレイ・ザ・バレル、そしてアスラン・ザラは、空中に機体を滞空させていた。
目の前に広がる光景を現実のものであると受け入れることを、すでに脳が拒否反応を起こし始めている。
何故アークエンジェルのブリッジが無い?
何で天龍がその身を海水に浸している?
何で、自分たちのミネルバがああもボロボロなんだ……!?
ミネルバの船上でグゥルを用意していたサザビーを見やり、
黒煙を上げる天龍から飛び立ち、
上空のディン達を撃ち落としているダガー系のMSを見る。
アークエンジェルの武装を潰していった二機の可変型MSを見やる。
そして、二機のGタイプを見た。
片方の紺と白を基調とした、一角獣の紋章を持つGは、
自分たちですら見事の一言でしか言い表せないほど、素晴らしい挙動を見せていた。
取り囲まれているのは其奴なのか、大多数のディンが逆に一気に絡め取られているようにも見える。
『一騎当千』とは、まさしくあの機体のパイロットに与えられるべき称号であろう。
「アスラン、レイ。俺はあのダガーっぽい奴らをやる。
 アークエンジェルの連中を頼む!」
「シン、一人でやる気か!」
「大丈夫だよ、レイ。
 俺がそう簡単にやられる男に見えるか?」
シンはそう言い残すと、止めようとしたレジェンドを振り切り、
巧みにSFSを操りバビやディンとムラサメを相手取って、
押されるどころか翻弄し続ける『ダガーっぽい奴』めがけて飛んで行く。
追っている暇などありはしないことくらい、二人にも解っていた。
922787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:58:41.89 ID:???
今ここで残ったタケミカズチや生き残ったクルーを助けられるのは自分たちしかいない。
周りに戦艦はいるにはいるが、船……特に大型の船舶というのは、
旋回して向きをかえるのに時間が掛かるものであり、
指揮系統が一度途切れたことで旋回しようにも出来ない状況であった。
「……仕方がない、行くぞ、レイ」
「了解……」
アスランとレイも、アークエンジェルの破壊を続ける三機のMSめがけて、機体を降下させた。
思いの外、感情を表に出さずにいることが出来たのは大きい。
ただ、三人とも心中ははらわたが煮えくりかえり、
目の前にあるMSをズタズタに引き裂いても足りないぐらいの怒りを内包していた。
アスランは、グッと奥歯を噛みしめ、グリップを握る手に力がこもる。
(キラ、すまない。お前の守ろうとした船、俺達は守れなかった……)
キラは、この戦争が始まってからというもの、逃げ続けていた。
彼は自ら語ろうとはしなかったが、逃げようとしていたものが巨大な恐怖であり、
常に彼を押しつぶそうとしているのだと言うことは、薄々察しが付いていた。
相談にもっと乗ってやるべきだった。
こちらから、もっと何か聞くべきだった。
友達として、やるべき事を何一つ……してやれなかった。
だからこそ、彼の守ろうとしたあの船は守らねばと思っていたのだ。
だが甘かった。自らの愚かさを後悔し、彼は唇を切った。
超高々度からの急降下による奇襲攻撃。想像だもしなかった……十分考えられる事なのに。
レイも、同様に悔しさを滲ませていた。
キラ・ヤマト。自分たちを踏み台にして生まれた最高のコーディネイター。
ずっと、憎み続けていた存在だった……この間までは。
そのキラに会って、誰もが誰かに大切に思われて生きているのだと自覚して、
自分たちのような『技術の被害者』が生まれる必要のない世を作るのだと決意した。
キラ・ヤマトとは、その世の到来を共に見たいと思った。
だからこそ、彼にも生きていて欲しかった。でもいなくなってしまった。
だから、彼の守ろうとしたあの艦を守り、あの艦は太平の世の中で退役させるべきだと思っていた。
だが、アークエンジェルは沈められた。二人はグラグラとした心を示すように、叫んだ。
「「 貴様等は、ここで落とす! 」」
後続のハイネとルナマリアとノエミを待っている心の余裕は無かった。
アスランはシナンジュの両前腕部に搭載されたサーベルを取り出し、
「ぬえぇえええい!」
白いGタイプめがけて振り下ろした。
事前に二人の殺気を感じ取っていた三機の内、
可変タイプは変形して一度飛び上がり、シナンジュの横をすり抜け、
シナンジュではなくレイのレジェンドを取り囲む。
目の前のGタイプが、振り向くのと同時にサーベルを避けた瞬間、
アスランはその機体がある機体と似通っていることに気付く。
「フリー……ダム?」
似ているが、細かいところが違う。
まず第一に腹部になにやら開閉式のハッチがある。
第二にウイングの形状が違う。……でも、似ている。
奴が、腰のレールガンからサーベルを外す。
はっとなって、アスランは右手の一本で横薙ぎに斬りつけた。
奴は逆手でサーベルを抜いて、受け止める。
フリーダムの外見に違わぬ抜きの速さであった。
923787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 00:59:22.35 ID:???
『敵の新型? くそっ、くそっ、次々とよくも……』
「……!?」
涙声が、聞こえた。
涙を流しながら、殺意を剥き出しにして艦を沈めたMSから聞こえた声は、
アスランが先程まで心中で謝り、かつ何とかしてやりたかったと願っていた少年と同じ声で……。
「……キラ。キラなのか、それに乗っているのは!?」
『お前は……』
信じられなかった。この声は、間違いない。
正真正銘、本物のキラ・ヤマトの声だ。
アスランは、訳が解らなくなった。
キラ自身が、守ろうとして必死になっていたアークエンジェルを手ずから沈めた!?
「キラ、貴様! 自分が何をやったのか、わかっているのか!?」
『……アスラン・ザラ? ……アスラン・ザラぁああ!』
「ぐぁっ……!」
フリーダムの中で、殺意が爆発した気がした。キラが自分に対して、
狂気的なまでの殺意をぶつけてくる目の前の現実を受け入れる間もなく、
アスランのシナンジュを衝撃が襲う。
フリーダムが、シナンジュを蹴りつけたのである。
無秩序で、暴力的で、破壊のみを目的とした蹴りを。
『お前、お前さえいなければ僕はぁ!』
「やめろキラ! ちぃっ!」
キラはなおも、攻撃の手を緩めることはしなかった。
驚愕を隠せぬまま、キラの振るうサーベルという名の殺意の塊を避け続ける。
アークエンジェルの装甲版を掠めた瞬間、その場所が融解し蒸発していく。
「なんて出力だ……」
アスランは冷や汗をかいた。あれが直撃すれば自分がどうなるか。
それを考えた瞬間、なりふり構っていられないと確信し、
シナンジュのサーベルでもう一度フリーダムのサーベルを受け止める。
「一体何を連中にされたんだ!
 お前は、この艦をあれだけ守ろうとしていたじゃないか!」
『守る? ふん、笑わせるな!
 この艦は二年前、大西洋連邦をを裏切ったあげくオーブに逃げ込んだ艦だ。
 あまつさえまた牙をむいた。これはその報いだ!』
キラは押しつけていたサーベルの手を急激に緩め、
勢いを逸らされたシナンジュが姿勢を崩した瞬間を狙って斜め一文字に切り上げる。
シナンジュの肩のアーマーが持って行かれる。
この段階になってアスランは、キラがこの間までのキラで無くなっていることを悟る。
それと同時に、以前ミネルバで収容した強化人間の少女を思い出す。
(キラは‘調整’されたのか……!)
繰り広げられるサーベルとサーベルの激しい応酬の中で、アスランは悟った。
「キラぁああああ!」
『アスラぁああン!』
その段階になって、アスランは自分が泣いていることに気付く。
かつての親友が、もう取り返しのつかない所に遠のいていってしまった事への理解と、
彼を殺さなくてはならなくなった自分の立場を、再認識したのである。

「『 お前は、俺が殺す! 』」
924787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:00:02.84 ID:???
シン・アスカは、目の前のMSが尋常ならざる敵であることを、
相対して刃を交えて悟った。ダガー系なぞではない。
根本的なところが別次元であり、圧倒的な力の差があると確信する。
かたや飛行可能な新鋭機、かたや二機でSFSに乗っているMSという、
何も知らぬ人間からすれば何をしているのだと言われかねない状況だが、
お互いにして力量を見極めることが出来たが為に、迂闊に動けずにいたのである。
目の前の二機はもちろんのこと、絶対的な力量を見せつけたあのGタイプのおかげで、
周囲の空戦部隊はもはや壊滅状態と言って良かった。
自分がこうして目の前の二機だけに集中していられるのは、
シャア隊長がグゥルに乗ってGタイプを引きつけていてくれたからだ。
彼はというと、降下せざるを得なくなったGが、
空戦部隊の中にいたザクからグゥルを奪っていったのを追って、
現在互いのSFSのつぶし合いを繰り広げている。
狙いが明白であるが故に、互いの攻撃が当たらないという現象が起きていたが。
だがこれ以上皆を気にする余裕を与えてくれる相手ではない。
「さぁ、次はどう来る?」
冷や汗をかきながら、シンはグリップを握る。
背負っていたロングレンジ・ビームキャノンを失っていた。相手の砲弾が散弾だったのだ。
通常以上に細かくばらけた破片に貫かれた砲身はもはや使い物にならない。
シンは迷わずそれをパージして捨て去っていた。
おかげで少しは早く動けるが、相手の次の手はまだ解らない。
動いたのは、むこうだった。片方が、空中へと飛んで此方に突貫してくる。
向こうは空になっていた肩のミサイルポッドを外すと、
此方に向かって投げつけてくる。
そしてバルカンで撃って、デスティニー付近で爆発させた。
「煙幕のつもりかよっ!」
引っかかるもんか。そう思いながら、上昇した。
相手は飛べない機体だ。だが、彼の発想は甘すぎた。
太陽の光が一瞬遮られ、シンは自らの愚を後悔した。
上空に、SFSがあった。二機、その上に機体が乗っている。
一度飛び出したのはフェイクで、爆発はそれから目を逸らさせるためだったのだ。
シンは最初、飛び出した一機が煙幕を作って、SFSに残った一機が横か下から攻撃してくると踏んだのだ。
降下していってしまう味方を回収すると考えればそうもなろうが、
煙を作り出した瞬間、回収して上昇すれば……。
今度は二機が、デスティニーめがけて飛び出してきた。
「くそっ、うわぁあ!」
両方をフラッシュエッジで迎え撃たんとしたが、さすがに二機相手では分が悪すぎた。
相手のサーベルがボディに直撃することは免れたものの、左腕を切り裂かれてしまった。
SFSを誘導して乗り込んだ二機のMSは、なおも此方にライフルによる攻撃を敢行し、
残った右腕のシールドでやり過ごしたシンは、反撃の機が来るのを待った。
そして、救いの神が降りたのは、彼らではなくシンの方であった。
二機のMSめがけて、ビームの雨が襲いかかったのである。
強力なビームが一条と、ビームマシンガンによる弾幕が張られ、
二機のMSは一転して不利な状況に陥ったことを悟ると、
その場から転進し、ビームをかいくぐりながら撤退して行く。
「シン、大丈夫!? 遅れてごめん!」
「危ないとこだったわね……」
「ルナ、ノエミ!」
925787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:01:26.54 ID:???
シンは、味方が来てくれた事への喜びと、
何故もっと早く来てくれなかったのかという憤りが同居するという不思議な感覚に陥る。
ふと向こうを見てみると、ハイネのオレンジのギラ・ドーガ、
そして宇宙からの増援部隊と思われる、白いギラ・ドーガと黒いギラ・ドーガが目に入る。
黒と言えばノエミの機体も黒だが、向こうには角がある。
彼らの攻撃すら易々とくぐり抜ける、驚異的なSFSであった。
「嘘、ミネルバが……」
「ね、ねぇシン! メイリンは!? メイリンは無事よね!」
改めて、ミネルバが撃沈されたという事実を目の前にして、
少女二人もそれを受け入れがたいという声をあげ、ルナマリアは妹の安否を知りたがる。
シンも気になり始めた。ミネルバの方向へ目をやると、
ランチが次々と浮上してきた戦艦に回収されてゆくのが目に入り、
ひとまず安心する。しかし、まだ止まっていられるわけがなかった。
「そうだ! アスランとレイが……」
シンは傷ついたデスティニーをアークエンジェル上空へ向けようとして、ノエミに止められた。
「あんた馬鹿? そんな状態でまともにやり合える訳ないじゃない」
「じゃあほっとけって言うのかよ!」
「……何のために私らがいるの!
 傷ついたMSでどうにかなる相手?」
「ノエミっ!」
「今、コイツは私たちを信用しなかったの。うぬぼれ過ぎ」
ギラ・ドーガをアークエンジェルで激戦を繰り広げる、
シナンジュとレジェンドの方へ向けると、
「守ろうとしてくれるのは嬉しいけど、私だって戦えるんだから」
ノエミはルナマリアに、シンを制圧が完了したヘブンズベースの区画へ、
急いで運ぶよう指示するとアークエンジェル上空へ飛んで行く。
シンとルナマリアは、彼女の背中から‘死’の臭いがして、
ふと不安な気持ちに駆られたが、ただそれを見送ることしかできなかった。


※※※※※※※


「よりにもよって、あの‘白い坊主’だとは……」
ネオ・ロアノークは、撤退予定時刻が刻々と迫ってくる中で、
ビームの弾幕で通せんぼを敢行するグレーのMSを見やり、
機体から感じるパイロットの気配から、相手が誰だかを悟った。
ミネルバの白い坊主。一度だけ、会ったことがある。
地中海で、息も絶え絶えだったステラを届けに来たZAFTのパイロットである。
あの時、お互いをしてああして通じ合う境遇にあることと、
ステラに抱いていた感情もあって、不思議と敵意は感じなかった。
だが今は違った。白い坊主は、自分に向けて怒りと殺意を露わにしライフルを撃ってくる。
フレイが援護に廻ってくれていたことは本当にありがたかった。
今の自分なら、迷いが手元を狂わせて被弾していたかも知れない局面が何度か会ったからである。
『貴様だけは、落とす!』
「それは出来ない相談だな、坊主!」
ギャーンと音を上げてリ・ガズィ・カスタムの脇をビームが轟音を上げて通り過ぎ、
旋回すると、こちらも負けじとビームライフルとビームキャノンの弾幕を造り、また離脱する。
926787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:02:15.31 ID:???
らちがあかないと思った。このままでは延々とこの繰り返しであり、
体力勝負では若い向こうに軍配が上がってしまう。
加えて、このリ・ガズィ・カスタムもデルタプラスも、空中での長時間の飛行が出来ない。
MS形態での空中戦を仕掛けても向こうが優勢のまま変わらない。
だとすれば、アークエンジェルの死闘に決着が付くまで待つしかないが、
彼はいち早くこの空間から脱出したかった。
(俺にまとわりつくな……!)
アークエンジェルを沈めてからずっと続いているこの悲しみにも似た不快感。
拭えぬ苦しみが胸中に沸き上がっており、いつもの調子が出ない。
フレイも同様で、先程までは泣きじゃくっていた。
何でここまで自分たちが苦しまなければならないのか、
今の彼にはもう見当が付けられなかった。
ファブリス大尉には、感謝しなければならない。
この状況下で、空戦用MSを壊滅させる腕前には仲間でありながら恐怖すら感じるが、
彼のおかげで白い坊主一人に専念できるというものだ。

そして、代わり映えのしない空中戦がひとしきり続いた後、戦況が…動いた。
アークエンジェル上の戦いに、乱入者が現れたのだ。

『アスラン、今援護するわ!』
『……!? 来るな、ノエミ!』
「何だよ、何なんだよ、お前等はぁ!
 何で僕を放っておいてくれないんだぁ!」
Sフリーダムの腹部に搭載したビーム砲のチャージの完了まで後少し。
キラ・ヤマトは、目の前にいる忌々しい赤い機体に攻撃を続ける中で横槍を入れられた気分であった。
何が親友だ。二年前散々僕たちを追い回して、友達を……トールを殺しておいて!
ただ平穏に過ごしていたかっただけなのに!
フレイと一緒にいたかっただけなのに!
どうしていっつもいっつも僕の邪魔をするんだ……どうして!
裏切り者を倒したのにこんなに悲しいのも全部コイツのせいだ!
今こうして、自分が苦しい気持ちにならなければならないのも、
フレイしか旧知の人間がいなくなってしまったというこの現状も、
全部この『アスラン・ザラ』のせいだ!
視界の隅に入ってきた黒い奴も、アスランの仲間なんだ。
なら…………殺さなきゃ。
キラは気を逸らしたシナンジュを突き飛ばすと、
黒いZAFT系の印象を持ったMSに斬りかかる。
さすがに、上からちょくちょく邪魔してきたディンのような奴ではない、骨のある敵だった。
自分のいた場所に何か棒のようなものを放り、
一秒後に戦端にくっついたモノが発射される。
グレネードか何かだと察したキラはSフリーダムを宙へ浮かせて、
ギリギリのラインでそれをやり過ごすと、スルリと黒い奴の側面に回り込む。
『……へっ?』
今のを避けたのかと、自身ありげだった目の前の黒い奴に、
ビームサーベルの二刀流をおみまいし、四肢を切断し達磨にしてやった。
コイツが自信家で助かった。先程の動きから見て、
エースが乗れば並大抵のことでは落とせない相手だと思った。
良い機体だ。でも乗り手がな!
927787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:02:56.53 ID:???
キラは黒い機体だったものの胴体を左腕で抱えて、
右手で電源を切ったサーベルの柄を突きつける。
「……動くなっ!」
してやったり。キラは内心そう思った。
作戦時間、つまり敵のまっただ中であるこの場所から待避して、
敵の目を逃れてヘブンズベース内部の、
東アイスランドに設置されたマスドライバー区画まで逃げ込む。
難度の高すぎる作戦だと最初は思ったが、敵がこうもユルユルだとは思っても見なかった。
フレイやネオの可変機、そしてこのSフリーダムの足なら振り切れる。
その自身があった。だが、そのためにはまず目の前の赤い忌々しい存在から少しでも離れなければ。
「動いたらコイツを殺すぞ……?」
『くっ……』
なんだ、仲間には優しいのか。
キラは内心毒づきながら徐々に空中へと飛び上がって行き、無理矢理道を開く。
「……ロアノーク大佐、こちらフリーダム。離脱の準備よろし」
奴がジャンプしたとしても届かない距離まで上昇したとき、
キラはネオに通信を送り、了解の意を込めた閃光弾が後ろで炸裂する。
彼は、振り返った。グレーのGタイプが、落下していく。
閃光を目の前でまともに浴びたか。
彼はそう察すると、離脱して行くネオとフレイの後を追うべく其方へ機体を向け、
下へMSの胴体を放る。シナンジュが、拾わんと海上へ飛び出した。
それを見て、ほくそ笑む。腹部のビーム砲がチャージ完了を告げていた。
「僕の味わった苦しみ、お前もとくと味わえ…アスラン!」
ビームを、撃った。
それは機体の胴体を掴もうとしたシナンジュの目の前で、
機体のボディを焼き尽くし、海水を蒸発させる。
こちらに、先程の奴とよく似た、オレンジの奴と白い奴、そして角つきの黒い奴が迫ってくる。
一々相手をするのも面倒だ。キラは機体を翻すと、その空域を離脱していった。

胸の苦しみは、まだ続いていた。
だがもう、彼にその理由を知る術は残されてはいなかった。


※※※※※※※


〜勝利と敗北〜

その双方を、三ヵ国は味わうこととなった。
ミネルバ、天龍、そしてアークエンジェルが撃沈され、
ギルバート・デュランダルはかろうじて何を逃れたものの、
東アジア共和国の最高指導者、ツァオ・フェンが死亡するという結果を招いた。
鎮圧が完了したヘブンズベースの岸は、勝利を祝う者は誰一人として存在せず、
失った存在の大きさがどれほどのものかを想像する余裕も残されてはいなかった。
シャア、アスラン、シン。
レイ、ルナマリア、ハイネ。
アーサー、メイリン、チェン、バート、マリク。
彼らにも、ミネルバが沈んだ事、仲間を失った悲しみを噛みしめる時間は与えられなかった。
928787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:03:44.38 ID:???
未だ続いている北アイスランドの鎮圧は、もうMSを必要としない段階に進んでおり、
東アイスランドの調査は未だ始まる気配などなかった。
見なくても解る。その方角の空には、数えるのも嫌になるほど多数の雲が伸びており、
それら全てが、マスドライバーによって宇宙へ逃げていった大西洋……いや、『ロゴス』の兵達。
まだ戦いは終わらないという現実が突きつけられて、
厭戦気分が漂い始める部隊も出現し始める始末であった。
「これは勝ったとは言わないな……」
宇宙から降下し、南アイスランドの敵MS部隊に強襲を敢行した部隊の筆頭、
イザーク・ジュールは、その惨状を見渡して一言だけ呟いた。
全体から見れば、壊滅状態になった部隊は逆に少ないとすら言える。
だが、その失った部隊が問題だったのである。
「よりにもよってミネルバが沈むとはな」
「……残念なのは解るけど、俺たちの仕事だって残ってるんだからな?」
「わかってる! つべこべ言うな!」
後ろに立つディアッカ・エルスマンも、いつもの元気は見られない。
当然であった。
彼らが向かっている先は、そのミネルバの生き残りが一度集められている箇所なのだから。
そこに、デュランダル議長も一緒にいると聞いたのである。
ミネルバの艦長との関係は、アングラでは結構な噂になっていただけに、
彼がそこにまだいたがっている心情は理解できる。
イザークからすれば、まだそっとしてやってほしいくらいだった。
だが、最高評議会の判断は極めて冷静かつ冷酷だった。
『議長とミネルバのクルーには、いち早く本国へ戻っていただきます』
内政事務次官のエリオット・リンドグレンはそう告げた。
昨今の戦闘におけるミネルバの活躍は確かにめざましいものであるが、
今回の作戦での議長、並びに軍本部の作戦に見通しの甘さが招いた結果であると。
よって、一度ミネルバ所属のクルーは本国で再編成をする故、
ジブラルタルのマスドライバーから搭乗機と共に直ちに帰国せよと。
議長に関しては今後の進退も問わなければならないと、
エリオット・リンドグレンはすました顔で言い切ったのである。
イザークは、電源が切れた後モニタを思いっきりたたき割った。
やがて、緊急で張ったテントが見え始め、意気消沈した面々がそこにおり、
イザークはかける言葉を模索したが、なかなか出てこなかった。
女性達は泣きじゃくっている者が半数以上、男連中もほぼ全員が俯き、
見た目で平静を保っているのが、
デュランダルとミネルバのMS隊長シャア・アズナブルのみという状態であった。
イザークはゆっくりデュランダルの下へ向かうと敬礼して、
「議長、今回の作戦……我々もかける言葉がございません」
「いや、その気持ちだけで嬉しく思う。
 ……基地制圧の進行状況は?」
「はっ、北部司令塔の制圧に少々手こずっておりますが、
 鎮圧にはさほど時間はかかりません。ですが……」
「東側だろう?」
「……はい。
 東側に調査が入ったのはつい20分ほど前でして、
 其方については詳しい報告はまだ……」
「うむ、解った。ジュール隊は基地制圧を続行してくれ。
 私は、先程聞いた帰国命令の手続きもしなければならん」
929787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/28(木) 01:04:41.05 ID:???
「了解しました」
イザークはもう一度敬礼してその場を離れようとしたが、
少し離れたとき、ディアッカが彼の袖をクイクイと引っ張って、
「……なんだ?」
ディアッカは黙って、テントの端で天を見上げている男を指さす。
アスランの姿がそこにあった。
放心して、何も考えていないようにも、
そもそも考えることを拒否しているようにもみえた。
イザークは、彼の所へ近づいて行き、
「……アスラン」
「……んぁ? ……ああ、イザークか」
イザークを視認して、誰かと認識するまで数秒。
これだけでも、深刻だと解る。イザークは近寄っていって、隣に座る。
「いつもの減らず口はどうした、貴様らしくもないぞ」
イザークには、こういう言い方しかできない。
真剣なかおつきで面と向かって喋ろうと思えなかった。
深く掘り下げていくのは野暮な気がした。
だが、イザークなりの気遣いを察したのか……
アスランは、その場でイザークに身をもたげてきた。
一瞬、ゾッとした。イザークは引き離そうと思ったが、
直後に耳に入ってきたものを聞いて、その気は失せた。

アスランは、大粒の涙を流して泣いていた。
イザークには、そっと肩に手を乗せてやることしか、その時は出来なかった。


第30話〜完〜


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで終了です。どんどん書くのが難しくなっていくorz
書いて行く内にどんどん一人歩きしていった結果がこれだよ(泣)
もう一度言わなければ…………!
誤字脱字あったなら『アホノコ!』と罵って『ガッ』してくれ!

次回は多分黄金週間過ぎてからになると思います。
ではまた、後日お会いしましょう(・ω・)ノシ


930通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 01:16:25.80 ID:???
ナンテコッタ、パンナコッタ、ヾ( TДT)ノ゙ ケルゲレェェェン!!
931通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 01:44:22.56 ID:???
前に出過ぎたんだ……
932通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 02:39:12.11 ID:???
もうキラは戻れても戻れないな
933通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 17:39:16.04 ID:???
最近の氏SSはSAN値下がる内容だなあ……
934通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 17:59:15.61 ID:???
>>915
黒富野の御大が目覚めてザクレロゲートが開きザクレロ猫ことジークジオンが登場ですね
935通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 18:13:00.40 ID:???
しかしハマーンはたしかに一代の女傑ではあるが、ここでのラクス憑きほど
「悪辣」であったかと言われると少々首をかしげる。
シロッコ分の影響、あるいは後付けも含めて肖像〜Z本編のシャアが情けない事や
ZZでの散り際が比較的綺麗だったこと等から評価が甘くなってるのかな?
936通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 18:20:53.30 ID:???
>>935
あれだ、コーヒーにミルクを少し足しても完全なミルクの味にはならんだろ?
きっと基になっているラクス(コーヒー)が濃すぎて
エッセンスであるハマーン(ミルク)やシロッコ(ガムシロップ)が
全くと言っていいほど薄くなってると考えれば・・・・解り辛えorz
937通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 18:37:52.53 ID:???
近藤和久のボンボン版Zの最終回だと、満身創痍の百式がキュベレイを捕らえて
「お互い古い血はここらで絶たねばならん」と発射されたグリプス2の光の射線上に
飛び込んでいってたが、これはひょっとしてZZ製作が決定する前、Zで完結させた
場合の退場・決着案かなんかだったのだろうか?
938通常の名無しさんの3倍:2011/04/28(木) 20:58:16.82 ID:???
ノエミには「実は…」的なもう1エピソードあると思ったから意外だ
939通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 01:59:26.90 ID:???
787氏GJでした
残念ながら誤字が
923 装甲版→装甲板
925 弾幕を造り→作り
あと、突貫は吶喊だと思います
940787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/29(金) 06:59:18.42 ID:???
>>939氏どうもです、確認しましたm(_ _)m

>>923
装甲版→装甲板
>>925
造り→作り
確かにこうでした、サーセン

「突貫」は工事だしorz
以前にうpした話でもこうなってる可能性大なのでWikiの方はだれか訂正して頂けると幸いです

この後9時のバスで駅に行って盛岡行きの新幹線に乗り現地のボランティアに向かう予定なので
この後の返答はたぶんケータイからになることから遅くなる上、31話も遅くなります
お詫びばかりに「ラクス」「裏ルナ」パートでの‘(アクマデ)脳内’BGMあげ
ttp://www.youtube.com/watch?v=hU__XtmeXB8&feature=related
ttp://www.youtube.com/watch?v=N0njcFoE3JU&feature=related
ttp://www.youtube.com/watch?v=OLx7JvYsUWY&NR=1&feature=fvwp

ではまた、黄金週間後にお会いできれば幸いです(・ω・)ノシ
941通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 09:42:30.28 ID:???
>>937
ZZを描く予定がなかったからなんじゃないの?
近藤絵のギャグテイストなんて恐ろしいものを世に出しては駄目だw
942通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 11:23:39.79 ID:???
一日遅れだが787氏乙でした
ラクスがドミナリア最古の悪に加えファイレクシアwww
最終的には「完成へようこそ」
って感じで人間やめてそうwwww

新シャアで解る奴少なそうだ
943427 ◆ZSVROGNygE :2011/04/29(金) 12:17:04.19 ID:???
どうも、ご無沙汰しています。震災5日後に出国という非国民的行動をしました427です。
空港で生まれて初めて被爆検査を受けまして、海外が神経とがらせていることを実感しました。
帰国後は全く忙しい状況でしてたが、昨日少し書き始めることができ、おそらく黄金週間には投下できるのではないかと思います。
(酒飲めばもう少し早いかも知れませんw

さて、その前に前回予告したセリフを入れ忘れるという大ボケをかましてしまいましたので
その修正を投下して、またしばらくお待ち頂ければと思います。

修正
@「美しいドラマを見せてくれてありがとう。
 もっとも貴様が彼を生き残らせた罪は万死に値するがね!!!!」
「貴様が、人類に恨みを持とうが知った事か!!!
 私が息子を守ることは、そんな理屈と何の関係もない!!!!」

そのとき、大地全体が大きく揺れた。おそらくラー・カイラムが外壁を攻撃したのだろう。
私は体勢を立て直すと、彼に勧告する。

「観念しろ!!!ラウ・ル・クルーゼ!!!もう増援も来ない、投降しろ!!!」

「美しいドラマを見せてくれてありがとう。
 もっとも貴様が彼を生き残らせた罪は万死に値するがね!!!!」
「貴様が、人類に恨みを持とうが知った事か!!!
 私が息子を守ることは、そんな理屈と何の関係もない!!!!」

父親の叫びに呼応するかのように、キラもきっと目に力を入れて声を上げる。

「ッ・・・!いい加減にして下さい!!!僕は貴方と違って、人類に絶望していません!!
たとえ、僕がどんな存在であろうと、人は互いにわかり合おうとしてくれる!僕それを知ったんだ!!!貴方のような人とは違う!!!!」
その言葉に、我々は驚きキラを見る。最も驚いていたのは、ラウ・ル・クルーゼであった。
彼は右腕で顔を隠しながらも、その少年の発言に憎しみの感情を向ける。そう、ニュータイプでなくとも明瞭に感じ取れる。
そのとき、大地全体が大きく揺れた。おそらくラー・カイラムが外壁を攻撃したのだろう。
私は体勢を立て直すと、彼に勧告する。

「観念しろ!!!ラウ・ル・クルーゼ!!!もう増援も来ない、投降しろ!!!」

944427 ◆ZSVROGNygE :2011/04/29(金) 12:18:02.84 ID:???
もう一点
A我々が研究所を出ると、既に空の色に異変が現れていた。空気が流出しているからだろう。
「いそげ!!エターナルが出た穴から外に出るぞ!!
 君達もまずはランチに乗ってくれ!!入れない奴は外側に!!!」
各々がランチやMSに乗り込む。また、ザフト兵の一部は、ランチの外部にとりつく。
「よし、発進させろ!!!オター小隊は本機を直掩し、アムロたちは先行して宙域を確保するんだ!!」

私の命令は速やかに実行に移され、各自行動に移る。
我々の乗るランチは、上昇すると直ちに流出する気流で大きく揺れ動く。
苦悶するハルマ氏の応急手当をするウォルフが叫ぶ。
「誰か中尉を押さえるのを手伝って下さい!!!あまり動かすと危険です!!」
「・・・私がやります!!」
ラクスがキラの父親をしっかりと支えようとする。
それを見たダコスタや他の兵士も彼を揺らさないよう固定した。もちろんキラも、そしてシンも協力する。
「もう少しで、外に出ます!それまでは踏ん張って下さい!!!」

我々が研究所を出ると、既に空の色に異変が現れていた。空気が流出しているからだろう。
「いそげ!!エターナルが出た穴から外に出るぞ!!
 君達もまずはランチに乗ってくれ!!入れない奴は外側に!!!」
各々がランチやMSに乗り込む。また、ザフト兵の一部は、ランチの外部にとりつく。
「よし、発進させろ!!!オター小隊は本機を直掩し、アムロたちは先行して宙域を確保するんだ!!キラ!!酷かも知れないが、君はオター小隊と共にランチを守ってくれ!!」
「ッ・・・、了・・・解!!!」

キラは、うめくように応答する。父親のこともあり、前線に投入などできまい。かといってMSパイロットの任務を放棄しろとも言える状況ではない。
ともかくも私の命令は速やかに実行に移され、各自行動に移る。
我々の乗るランチは、上昇すると直ちに流出する気流で大きく揺れ動く。
苦悶するハルマ氏の応急手当をするウォルフが叫ぶ。
「誰か中尉を押さえるのを手伝って下さい!!!あまり動かすと危険です!!」
「・・・私がやります!!」
ラクスがキラの父親をしっかりと支えようとする。
それを見たダコスタや他の兵士も彼を揺らさないよう固定した。もちろんキラも、そしてシンも協力する。
「もう少しで、外に出ます!それまでは踏ん張って下さい!!!」

ではまた、次の回で。
945787 ◆x0o.lpJmC2ij :2011/04/29(金) 12:36:40.21 ID:???
おお! 飲兵衛氏お久しぶりです
そして乙でした
946通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 14:06:38.95 ID:???
ご両所とも乙でした。
容量ギリギリなので次スレ建立に挑戦したもののムリと出たので、
以下の内容でどなたかよしなに。

もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら52

次スレは>>950を踏んだ方か480KBからお願いします。
スレは、基本的にsage進行です。

もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら51
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1297946928/
【考察】CCAアムロin種・種死【雑談】part21
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1278076546/

過去スレはまとめサイトを参照してください
【まとめ】http://ifcca.x0.com/seed/index.html
【Wiki(ウィキ)】http://arte.wikiwiki.jp/
947通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 15:15:17.11 ID:???
948通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 16:23:19.57 ID:???
<<947

飲兵衛氏も帰国され、787氏もいいテンポで投稿している。次スレは胸が熱くなる展開になりそうだ。
949通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 18:39:15.71 ID:???
>「ッ・・・!いい加減にして下さい!!!僕は貴方と違って、人類に絶望していません!!

うぉおおおおおおキラかっけーーーー!
これだ、これが本編で見たかった
お前みたいに怨みつらんで他人を疑うことしかできないキ印と一緒にしないでくれとな!
950通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 20:15:09.36 ID:???
82 :名無し三等兵:2011/04/29(金) 16:12:22.14 ID:???
ほむほむvsストライク・フリーダム
ワルプル夜vsストライク・フリーダム

83 :名無し三等兵:2011/04/29(金) 16:25:57.76 ID:???
ほむほむの場合:時間止めてC4ぺたぺた→チュドーン
ワルプルの場合:ATフィールドで攻撃通らない→決着がつかない
951通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 21:41:28.27 ID:???
まどマギ信者キモwww
SFにFTもってくるとか頭弱いんじゃないwwww
952通常の名無しさんの3倍:2011/04/29(金) 21:45:07.43 ID:???
うめついでに
メガライダーにアルテミスの傘をつけてジムを運んだらかなりつかえそうだなぁと
953通常の名無しさんの3倍
雑談スレでもネタに上げたのだがこっちのが人が多そうだしそろそろ一杯の様なので埋めついでにひとつ
427氏の世界で戦後ラー・カイラム級の設計コンセプトを参考に主砲による砲戦能力と、MS運用能力を両立した新造艦がEEFや連合で設計、建造されるだろうか
個人的には現実世界の準弩級艦のような、言ってみるなら準カイラム級のような艦が出てくると思うのだが