1乙
いちもつー
第43話「オペレーション・プランタジネット」
幸運な事故により、スレイ・プレスティの胸部に実る、未だ誰の手も及んだことのなかった2つの果実を鷲掴みにする結果を引き起こしたシンが、
スレイによる的確な急所攻撃を受けて男固有の苦しみに悶え苦しんでいた頃、
ダイゼンガーとアウセンザイターの2機による必殺技、竜巻斬艦刀の一太刀により斬り裂かれ、その衝撃によってテスラ研上空へと天高く巻き上げられた物体があった。
巨大なクローがついた金色の腕。グルンガスト参式やスレードゲルミルを苦しめ続けたガルガウのアイアンクローである。
ゼンガーのグルンガスト参式、ウォーダン・ユミルのスレードゲルミルをあと一歩というところまで追い詰めた凄まじい戦闘力を秘めたガルガウの腕。
この凶悪強大な力を秘めた腕はダイゼンガーと参式斬艦刀の最初の餌食となってやがて地面へと落下する運命を辿ろうとしていた。
だが、その運命は新西暦世界に迷い込んだイレギュラーの1つによって変えられることとなる。
ハガネやテスラ研のレーダーにも捕らえられることなく静かに上空に現れた赤い影。
その頭部には天を突く2本の角、赤色の全身の肩・胸・腰・脛の部分には黒の意匠が描かれ、さらに脚部には青、胸部には紫色の龍を連想される意匠の増加装甲がある。
「………」
それが音もなくガルガウの腕を掴むと、その金色の腕は、光り始めた赤鬼の左腕の中に飲み込まれていく。
そして、まもなく光の中から再び現れた赤鬼の左腕には、中央に鉞を思わせるような刃が備わった金色に輝く増加装甲が装備されていた。
そして、新たなる力を得た赤鬼は何らの音も、声も発することなくどこか別の空間へと姿を消した。
その数日後、北米ラングレー基地では、インスペクターとの決戦作戦オペレーションプランタジネットがそのファイナルフェイズを迎えようとしていた。
インスペクターの重点的な迎撃の矛先がヒリュウ改やハガネの方に向いていたために、先にラングレー基地周辺に到着したのはノイエDCの側であった。
その旗艦と護衛につくライノセラスには容赦のない砲撃が加えられているが、ノイエDCの側もひるむことなく反撃の砲撃を基地へと加えている。
ノイエDCの切り札的な部隊であるオーバーレイブンズは決戦に向けての補給を終え、搭載している夥しい数のミサイルをインスペクターの部隊に対して豪雨のように浴びせていく。
辛うじて難を逃れることができた機体も、2門のフォールデリング・ソリッド・カノンやヘビィ・リニアライフルの餌食となって鉄屑へと変わっていく。
点というよりも面で押していくオーバーレイブンズの大火力を活かした戦術によりインスペクターの防衛ラインは後退を続ける一方である。
もともと持っていた重装甲重火力と背部飛行ユニットという翼を得たことによる高い機動力、これらを兼ね備えた15機の蝶達を相手にすることは、幹部機体を欠くインスペクターの部隊にとっては重荷であった。
レイブンの名を持つ重戦車がこの戦場に2機しかいなかった本来の歴史であれば、ノイエDCの部隊は苦戦を強いられていたのだが、
シンやレイ、ラクシズの面々が転移してきたことにより新西暦の世界には徐々に大きな変化が生じ始めていたのである。
十数機のバレリオンが弾幕を張り巡らせてオーバーレイブンズの行く手を阻もうとするのだが、
先陣を切る黒いラーズアングリフは、一見すると鈍重そうな機体からは想像しがたい軽やかな回避行動を取りながら手にしたへビィ・リニアライフルの銃口を立ちはだかるバレリオンに向ける。
「貴様らに俺達を止めることなどできんっ!」
ユウキが力強くトリガーを引いて放たれた銃弾は、厚い装甲を持つバレリオンの数少ない弱点の1つ、レールガンの銃口に精確に打ち込まれると、
AM屈指の防御力を誇る機体は続々と爆発へと姿を変えていった。
そしてラーズアングリフ・レイブンに引き続いて14機のランドグリーズ・レイブンがラングレー基地中枢に向けて進撃を再開する。
とはいえ、ここまでは快進撃を続けていたオーバーレイブンズであったが、彼らが基地の敷地内へと到達しようとしたところで、状況が変わり始めた。
基地内からインスペクターの増援部隊とともにその幹部機体が地下格納庫からとうとう姿を現したのである。
汎用人型決戦兵器の如く地下からせりあがってくる青と金色の2機については、隊長のユウキには見覚えがあった。
金色の機体は、テスラ研防衛戦でダイゼンガーにより受けた傷の修理を終えて新しい腕を付けたガルガウ、青い機体はそのガルガウを連れて撤退していったグレイターキンに他ならない。
そして、それとほぼ時を同じくして戦場には2隻の戦艦が姿を現していた。その戦艦からは総計10機以上のPTや、AM、そして特機の数々が出撃していく。
ユウはその中でも青と黒のカラーリングに赤いマントを背負った西洋の騎士のような機体に目をやって静かに笑みを浮かべた。
言うまでもなく、彼が時に激しい命の奪い合いをし、時に肩を並べて戦ってきたシン・アスカ駆るヴァイサーガである。
「フッ…遅かったな、シン・アスカ」
「相変わらずアンタも素直じゃないな。大物はちゃんと残しといてくれるなんて」
「気を引き締めろ、ここからが正念場だ。何としても奴らをこの地球から叩き出すぞ!」
「ああ、テスラ研での借りはここで返してやるさ」
そう言ってシンはヴァイサーガのブースターを一気に踏み込んだ。
その視線の先にいるのは、先日の戦闘で決着を付けることが出来なかったインスペクター四天王の一角たるメキボスのグレイターキンである。
ヴァイサーガが鞘に納まっている五大剣の柄を握り、それを一気に引き抜くのと同時にシンは叫びを上げる。
「地斬疾空刀ッ!」
鞘から刀身が解き放たれたのと同時に、刀身が纏っていたエネルギーの斬撃が大地を切裂きながらグレイターキンへと襲いかかる。
それをグレイターキンは機体を飛び上がらせて回避するとともに、高周波ソードでヴァイサーガに斬りかかった。
対するヴァイサーガも手にした五大剣で迎え撃つべく上段から刃を振り下ろす。2つの刃が交錯して火花が散ると、続けて両機による力比べが始まった。
「今度は随分と大人数でご来場だな、シン・アスカ!」
「お前らインスペクターとの決着をつけてやる、今日…!ここで!!」
「俺の名前はメキボスだって前にも言ったろ、シン・アスカ?」
「人の名前をいちいちっ!馴れ馴れしいんだよっ!」
剣を交えた力比べが数秒続いた後、それを嫌がったのはシンの方であった。いったんヴァイサーガは後方に下がり体勢を整え直す。
続けてもう一撃を見舞うべくヴァイサーガは剣を振り下ろすが、正面からの攻撃は当然ながら高周波ソードによって阻まれてしまった。
しかし、攻撃を受け止められた次の瞬間にはヴァイサーガは、シールドのないグレイターキンの右へと回り込むと同時に次の攻撃の準備を整えていた。
「水流爪牙ッ!」
剣を離したヴァイサーガの左腕の先端から鋭い鉤爪が瞬時に飛び出して、ヴァイサーガはそれを一気に振り下ろす。
鉤爪はグレイターキンの右肩から伸びる金色のウィング数枚の先端を斬り落とすことに成功したものの、
対するメキボスもインスペクター四天王の肩書きは伊達ではなく、ただで終わるような真似はしない。
グレイターキンは左腕のシールドでヴァイサーガの顔面を殴りつけると、ヴァイサーガは地面に叩きつけられてコックピットのシンにも大きな衝撃が伝わる。
現状として、両機の戦いは一進一退を繰り返す互角のものが続いていた。
他方で、シンとメキボスが一進一退の戦いを繰り広げているほかは、現状は概ね連邦・ノイエDC軍優位で戦闘は行われていた。
インスペクター側の増援がヒリュウ改・ハガネを押さえ込んではいたものの、ノイエDC側のオーバーレイブンズをガルガウ1機で十分に押さえ込むことができずにいたためである。
そんな中でタスクはジガンスクード・ドゥロで後方から支援砲撃を行ないながら、根拠のない不安感を覚え始めていた。
敵側の防衛戦力は不自然といえるほどに不十分ではないものの、ほとんどが自分達に有利に戦況は推移している。
しかし、勝ちすぎのときこそ気を付けろという、キョウスケと賭け事に興じているときの自身の教訓が何か警鐘を鳴らしているように感じられていた。
基本的にキョウスケをカモにしていることが多いタスクではあるが、キョウスケに土壇場でどんでん返しを起こされて結局はトントン程度になってしまうことが少なからずあったのである。
それを思い出したタスクは砲撃を継続しながらも、ジガンスクードをハガネ、ヒリュウ改のいる方へ下がらせ始める。
戦場に動きがあったのはそれから少ししてのことであった。転移反応を捉えたハガネの側面すぐ近くに、シャドウミラーによって奪取され、今は敵艦となったシロガネが姿を現したのである。
タスクの感が悪い方向にずばり的中してしまう結果となったのだが、ハガネの艦橋付近に狙いを定めていたシロガネの主砲からハガネを守ったのもタスクであった。
ジガンスクード・ドゥロはシロガネの前に立ちはだかると、両腕を広げて機体の周囲にG・テリトリーを展開させる。
そしてシロガネから放たれた連装衝撃砲は、ジガンスクードに真っ直ぐに向かっていったのだが、その手前でエネルギーの障壁に阻まれ、消え去ってしまう。
しかし、史実とかけ離れ始めた世界は戦士達をまた新たな運命へと誘おうとしていた。
一方、メキボスのグレイターキンとの一騎打ちを続けていたシン、そしてその周辺でオーバーレイブンズを率いてガルガウと交戦中であったユウキの目には、
予想外の出来事と彼らにとってはシロガネ以上に不吉な存在の登場が映っていた。
旗艦であるバンのライノセラスの後方から戦場に侵入してきていたアーチボルト・グリムズのライノセラスが、突如としてバンの艦に対して攻撃を開始し、
さらにアーチボルドの艦からシンも、ユウキもよく知るところである鶏冠を戴いた赤色の忌むべき機体
―CEの覇王の無限の正義を象徴するラクシズの主力機の一角たるインフィニットジャスティスが出撃してきたのである。
シロガネの出現とアーチボルドの反逆に浮き足立っていたノイエDCの軍勢を尻目に、インフィニットジャスティスを駆るアスランは
一直線にオーバーレイブンズのいる方向へ向かってジャスティスのブースターを全開にさせていた。
そして間もなくジャスティスの照準がオーバーレイブンズのランドグリーズを捉えると、その背部に連結されているファトゥムが切り離された。
ミネルバのボディをいとも容易く貫いた刃を先端に備えるファトゥムは、速度を上げるのと同時に、マシンセルの力によって巨大化を続けていく。
しかし、オーバーレイブンズの面々にとってジャスティスは味方機という登録がなされており、まさかファトゥムの照準が自分達に向いているとは思ってはいない。
付近にいた者の中でジャスティスとアスラン・ザラを信用できない相手だと認識していたのはシン、実際に命の奪い合いを繰り広げたことのあるユウキとカーラのみでありこのことがこの直後の惨劇を招く。
「いけっ!!」
アスランの指示に応えてファトゥムの大きさが通常のAMサイズにまで巨大化したところで、その巨大な刃が背後から一機目のランドグリーズを貫いた。
「!?」
シロガネ出現、アーチボルドの造反という連続した突然の出来事に、ノイエDCの精鋭部隊であるオーバーレイブンズのパイロット達もわずかに狼狽していたのだが、
CE世界では最強のパイロットの一角を担っていたアスラン・ザラがこのわずかなチャンスを見逃すはずはない。
大火力を以って隙間のない攻撃を実現するためにフォーメーションを組み、固まって行動をしていたランドグリーズ達はそんなアスランにとっては格好の的であった。
貫かれたランドグリーズが爆発へと姿を変えた直後に、2機のランドグリーズはファトゥムに新たに追加された、左右両端のビームの翼によって真っ二つにされてしまう。
反撃を試みようとした1機のランドグリーズが手にしたリニアライフルを向けるのだが、既にジャスティスが最も得意とする戦闘レンジである近接距離内にまでアスランの接近を許してしまっていた。
ジャスティスのビームサーベルがリニアライフルを中央から切裂き、続けてビームサーベル発生機が内蔵された左脚の先端がランドグリーズ頭部にあるコックピットを直撃する。
直撃を食らって主を失ったランドグリーズは、頭頂部から左右に両断され、力なく落下を始めた後に爆発へと姿を変えた。
その傍らで、散開を試みながら5機のランドグリーズが、少し遅れてインフィニットジャスティスを敵と判断し、
リニアライフル、ツイン・リニアカノン、マトリクス・ミサイルを巨大化して大きな的となったファトゥムに向けて放つ。
ほぼ全ての攻撃が格好のターゲットとなったファトゥムに命中すると、ファトゥムは爆煙に包まれて姿を消してしまう。
かつてのユウキとアスランの戦いやラクシズに関する情報が統制されず、広くノイエDC内に行き渡っていれば、これでカタがつくなどと思う者はいなかったであろう。
しかし、ファトゥムの攻撃能力、再生能力を知らされていなかったオーバーレイブンズのパイロット達はここで動きを鈍らせてしまっていた。
自己の修復を行いながらすぐに煙を突き抜けてきたファトゥムは、3機のランドグリーズを横一文字に切り裂き、それとほぼ同時に煙の中から飛び出してきたジャスティスは
2機のランドグリーズの懐に飛び込むと、左右の手に握ったビームサーベルでそれぞれのランドグリーズの頭部を貫いた。
わずかな短時間のうちに9機のランドグリーズ・レイブンがジャスティスによって撃破された一方で、シロガネの攻撃をなんとか凌いだ直後のハガネに新たな危機が迫ろうとしていた。
艦橋を狙った奇襲攻撃を阻まれてしまったシロガネはいったん距離を取るためにヴァイスセイバー、ソウルゲイン、スレードゲルミルなどの艦載機を出撃させながら後退を始めていた。
史実では奏功していたシャドウミラーの奇襲であったが、徐々に生じ始めていた変化によって失敗に終わってしまっている。
しかし、シンやラクシズらの転移により産声をあげ始めた変化は新たな出来事、異なる運命を生み出そうとしていた。
シロガネが後退を始めた直後、ハガネのブリッジではさらなる転移反応が捕捉されていた。だが、反応を捕捉しただけではどこに何が出てくるのかはわからない。
その直後、ハガネの直上に1隻の艦が姿を現した。それは、艦全体を戦艦とは到底思えないような桃色で塗りながらも、
その存在だけで戦場にいる者達に無言のプレッシャーを与えてきた、天空に聳えるCEの覇王の居城エターナル。
そして、その覇王の自由かつ最強の剣たるキラ・ヤマトの駆るラピエサージュが、エターナルとほぼ同時に、ジガンスクードがいるのとは逆側のハガネ側面に出現した。
さらにキラのラピエサージュは既にエターナルから射出されたG・ミーティアとのドッキングを済ませており、ハガネの各所へのロックオンを完了させている。
「エターナル!それにフリーダムッ…!聞こえるかハガネ、気を付けろ!そいつは…!」
「…」
届いたシンの声が最後まで伝わる前に、キラ・ヤマトが声もなく静かにトリガーを引いた。
それと同時にG・ミーティアの各部に搭載された夥しい数のビーム砲やミサイルが発射されてハガネに襲いかかる。
防御フィールドを展開させつつ、迎撃のための弾幕を張ったハガネではあったが、突然の出現と距離の近さ、攻撃の数の多さのせいで十分な防御をすることができなかった。
いくつものビームが船体を焼き、ミサイルが砕き、艦のいたるところで大小問わず多くの爆発が起こる。
「ハガネっ!大丈夫か!?応答しろ、ハガネっ!艦長っ!副長っ!!」
「シン!今日こそ俺達と来てもらうぞ!」
「いい加減に人の名前を気軽に呼ぶな、インスペクター!」
「錯乱しているのか!?俺だ、アスランだっ!」
アスランとメキボスの声を聞き間違えたシンのところにインフィニットジャスティスが迫ってきた。ヴァイサーガも強引にグレイターキンから距離を置き、五大剣を構えなおしてジャスティスに斬りかかる。
「どういうつもりだ、アスラン!なんでインスペクターなんかと!?」
「お前はそんなことを考える必要はない!とにかく俺達と来ればいい」
「アンタ達の頭がいくらおかしいからって…!ここまで…!」
インフィニットジャスティスはファトゥムを切り離して前面に押し出すと、その先端にある対艦用ブレードで五大剣を受け止め、ファトゥムの陰から回り込んできてビームサーベルを振るう。
しかしヴァイサーガは、ファトゥムの下側に潜り込んで攻撃を避けると同時に、無防備となったファトゥムの腹に五大剣を突き刺し、そのまま一気に剣を振り下ろした。
この斬撃はファトゥムを両断することはできなかったものの、そのボディを貫き大きな爆発を生む。
そして、ヴァイサーガは振り下ろしたついでに手元で剣を構えなおし、再び上方のインフィニットジャスティスに向けて剣を振り上げる。
「もう俺に前に姿を現すなぁぁぁっ!!!」
振り上げられた刃は、ジャスティスのサーベルがヴァイサーガに到達するより早く正義の両の手首を斬り捨てた。
ここまで容易にジャスティスに手傷を負わすことができたのは、シン自身の戦闘能力がCEにいた頃と比べて飛躍的に高まっているという理由もある。
しかし、ジャスティス自体がマシンセルによる飛躍的なパワーアップを遂げたということがあったとしても、元が全体的な技術としては新西暦世界に劣るCEの機体であり、
機体同士の相性がよくなければ、そのアドバンテージはあっという間に失われてしまう。
砲撃戦用の機体であるランドグリーズに接近戦を挑むのと、近接距離戦闘に特化されている特機であるヴァイサーガに戦いを挑むことは同義とは到底言い難い。
「ぐっ…またジャスティスが…!シンンンンンっ!!」
そう言ってアスランはジャスティスをひとまず下がらせてヴァイサーガとの距離を取る。すぐにマシンセルによる修理・再生が始まるが、両手の完全回復が即座にできるほどの力はさすがのマシンセルにもない。
そのため、アスランは自分の置かれた状況の速さを瞬時に把握すると、ジャスティスはエターナルのいる方向へ向かって後退を開始した。
ヴァイサーガは修復が終わる前に攻撃を仕掛けるべくジャスティスの後を追うが、そこに再びファトゥムが間に入ってくる。
「逃がすかあぁぁぁ!」
ヴァイサーガのツインアイが真紅に輝くと、鞘に収められた剣が高速で振り抜かれる。
これによって生まれた空気の流れは、まるで渦のような気流を生み出すと。正面からシンを遮ろうとしているファトゥムを捉えてその身動きを封じてしまった。
速度を増しつつインフィニットジャスティスを追うヴァイサーガは、自由を奪われたファトゥムめがけて一直線に向かっていくと、鞘の中で蓄えられたエネルギーを纏う五大剣を一気に振り抜いた。
「必殺…風・刃・閃ッ!」
横一文字に振り抜かれたヴァイサーガの斬撃がその名の如く風の刃となって煌く。
アルトアイゼンやヴァイスリッター、オーバーレイブンズのランドグリーズやかつてのラーズアングリフ、果てはレイのペルゼイン・リヒカイトすらも苦しめ続けた、
無限なる正義の絶対防御の象徴たるファトゥムは、この一撃によって上下に斬り裂かれてしまう。さらにヴァイサーガは剣を振り上げると、今度は縦一文字に刃を振り下ろしてファトゥムを4つに分断した。
断面付近で小さな爆発が連鎖的に発生し、力なく地上への落下を始めたファトゥムには目もくれずシンは、インフィニットジャスティスを睨みつけていた。
しかし、ヴァイサーガがジャスティスの追跡を再開するより先に、シンの耳に聞き覚えのある声が入ってくる。
「そこをどけっ!シン・アスカ!」
声の主をシンがきちんと認識するより早く、1つの影がヴァイサーガの脇を通り抜けていった。猛スピードでインフィニットジャスティスの後を追うのは、黒死の蝶ラーズアングリフ・レイブンに他ならない。
かつてアーチボルトやイーグレットの謀略によりマシンセルの力を検証するためにインフィニットジャスティスと戦って敗れただけでなく、その戦いにより多数の部下を失ったことをユウキは忘れてはいない。
そして、今回も対インスペクター用特殊部隊であるオーバーレイブンズの仲間がアスラン・ザラの手にかかったのである。
普段は常に冷静でいることを心がけるユウキではあったが、アスラン・ザラを許すことはできなかった。歯を喰いしばり、その瞳はじっとインフィニットジャスティスを捉えている。
しかし、ここで珍しく怒りによって冷静さを欠いてしまったことがユウキにも不幸をもたらしたのはすぐ後のことである。
どういう訳かメキボスのグレイターキンはいったん後方に下がって追撃をしかけてくる様子もないので、シンもユウキに続いてアスランの追撃を始めたのであるが、
いったんは地球軍側有利になりつつあった戦況は、シロガネとエターナルの登場によってだいぶ変わっていることに気付く。
マスタッシュマンことソウルゲインはアルトアイゼンと、スレードゲルミルはダイゼンガーと、ヴァイスリッターも見たことのない砲撃戦用の機体との交戦の真っ最中であった。
SRXも金色の大怪獣ことガルガウとの戦いをしている他、アウセンザイターやアンジュルグ等はシロガネやエターナルから出撃してきた別のラーズアングリフや大量の量産型アシュセイバーとの戦いを繰り広げている。
他方で、ハガネに大きな損傷を与えたキラ・ヤマトの、G・ミーティアと合体したラピエサージュはタスクのジガンスクード・ドゥロによってそれ以上の攻撃が阻まれ続けてしまっていた。
そのためキラ・ヤマトは攻め方の変更を考え始めていたのだが、そこにエターナルの方へと後退してきたアスランのインフィニットジャスティスから通信が入ってくる。
「キラ!すまない、ファトゥムがやられた。お前のG・ミーティアをこっちに回してくれ!」
「うん、わかった!ドッキングまではこっちでコントロールするけどいい!?」
「ああ、了解だ」
アスランの要請を受けG・ミーティアはハガネへの攻撃を中断し、G・テリトリーを展開しながら、後退してきたインフィニットジャスティスと合流すべく移動を開始する。
他方でシロガネやエターナルから現れた増援部隊からハガネやヒリュウ改の防衛するために、G・ミーティアを追撃する余裕は地球側にはなかった。
G・ミーティアのビームの弾幕を張り巡らせながらラピエサージュはアスランのインフィニットジャスティスと合流すると、G・ミーティアを切り離す。
ストライクフリーダムのドラグーンと同様に、空間認識能力を持たない者であっても扱うことができるG・ミーティアは、ドッキングしていなくても「それなりの」戦闘を行うことができる。
また、軽微な損傷であれば搭載しているマシンセルの働きによりすぐに回復することができる上に、試作型にも備わっていたG・テリトリーも健在なのである。
そしてインフィニットジャスティスはG・ミーティアとすぐにドッキングを完了すると、今度はアスランがG・ミーティアをハガネ、ヒリュウ改の方へ向けた。
ジャスティスを追ってユウキのラーズアングリフ・レイブンもハガネ、ヒリュウ改の方へと向かっていくのだが、このとき彼はドッキングを解除したラピエサージュをほとんど気に留めることはなかった。
ラピエサージュのパイロット、キラ・ヤマトについての情報をユウキはほとんど持っていなかったことを踏まえればそれは仕方なかったのかもしれないが、
アスラン・ザラへの怒りでいつもの冷静さを少なからず欠いていたために、ラピエサージュがどれだけの戦闘能力を秘めているかの考察を怠ったことは端的に言えば迂闊であった。
その頃、5機編隊でインスペクターの部隊と交戦を続けていてわずかに余裕のできたカーラは、いったんオーバーレイブンズの隊長を務めるユウキと合流すべく
その後を追っていたのであったが、その途中で運悪くキラ・ヤマトのラピエサージュと鉢合わせをしてしまった。
「何さ!たった1機であたし達全員と戦う気なの!?」
現在のラピエサージュは、SRXのブレードキックにより大破した機体を修復した際に、キラ・ヤマトの希望により接近戦用のカスタマイズを施されている。
具体的にはO・Oランチャーを排除すると同時に、特機との接近戦にも十分耐えうるようにパワー、装甲、各部間接部分を徹底的に強化し、接近戦用の武装を追加した。
現状のスペックとしては、スレードゲルミルやソウルゲインとの接近戦すら可能な程度にはなっており、全体的に一回り大きなものとなって、レモン曰くまるで別の機体、という状態である。
とはいえ、インスペクターの幹部機やスレードゲルミルのようなシャドウミラーの化け物じみた特機でもないのに、
単機でも高い戦闘能力を持つランドグリーズ・レイブンを5機も相手するというのは、いささか無謀なものとカーラは感じていた。
対するキラとしては、オーバーレイブンズの機体をここで相手にすべきかを考えていた。
カーラ達の機体は、ハガネやヒリュウ改の機体でこそないものの、敵軍の中でも大火力と高い機動力を兼ね備えた、覇王の軍勢にとって間違いなく厄介な存在である。
その評価が優先的に排除すべき存在であるという判断につながると、キラは静かに意識を集中させて種子が割れるようなイメージを浮かべながら、真っ直ぐにランドグリーズ・レイブンを見つめた。
覇王やそのしもべの1人であるマルキオがSEEDと呼ぶ、限られたコーディネーターしか使うことができない力。キラの他にアスラン、そしてシンもこの力を使うことはできる。
しかし、意識的に力を発動させて思うままに使いこなすことができるのはキラ・ヤマト(と覇王に作られてきた彼のクローン達)だけである。
そして、カーラはこのとき感じたことのない寒気を感じていた。
発動されたSEEDと言われるキラの力、そしてその背後にそびえ立つCEの覇王の尋常ならざる強靭な意志をカーラの念動力が感じ取ったのである。
少なくともここにいるオリジナルのスーパーコーディネーターキラ・ヤマトに念動力の類は備わっていない。しかし、彼の持つ戦闘能力と彼を背後から意のままに操る覇王のプレッシャーによってカーラが気圧されている一方で、そのために動きが鈍っていることをキラは察する。
ラピエサージュが腰部から脇差ほどの実体剣を取り出すと、その持ち手の部分が一気に延びる。手にした脇差はすぐに一本の槍へと姿を変えた。
この槍こそ、ラーズアングリフの強化改造計画のもう1つのプランで予定されていた主要武装たるゴッドランスである。
クエルボ・セロが提案した伸縮する槍というアイディアを、スレードゲルミルの斬艦刀からヒントを得て
レモン・ブロウニングとイーグレット・フェフが知恵を出し合ってマシンセルによる制御という形で実現したのである。
しかも、将来的にはもう1本の槍を製造して2本槍を装備させることでラピエサージュをさらに接近戦用に特化させることが計画されてすらいる。
「はああぁぁっ!」
キラがブーストペダルを一気に踏み込んで、ラピエサージュをランドグリーズ・レイブンの編隊へ切り込ませる。
これに対して迎撃のためにカーラ達はシールドを構えさせつつ機体を下げるのと同時に、ミサイルとリニアライフルをラピエサージュに向けて放った。
しかしキラは5機による火線のわずかな隙間を瞬時に見つけてラピエサージュを突っ込ませる。放たれる弾丸は1つたりとも命中することはなく、またラピエサージュの足を止めることも敵わない。
そしてラピエサージュはとうとうゴッドランスの間合いの内にランドグリーズの1機を捉えると、振り上げられた槍はリニアライフルを持つ腕を切り落とす。
これによって動きをランドグリーズが鈍らせると、すかさず両腕で携えた槍から片腕を離してその先端にあるマグナムビークでランドグリーズのコックピットを貫いた。
「まず1機…!」
さらにキラは続けて次のランドグリーズに狙いを定めると、再びラピエサージュを突っ込ませる。
「いっけぇぇぇっ!!」
しかし、今度はゴッドランスの間合いに相手を入れるより早く、ラピエサージュは背部からソリッド・ソードブレイカーを射出した。
砲台と直接攻撃が可能なブレードを備えた小型の飛行物体は、四方八方に拡散してランドグリーズに襲いかかる。カーラを始めとするオーバーレイブンズのパイロット達は、
ソードブレイカーをミサイルの類だと判断してランドグリーズに搭載されたジャマーを起動させるが、ソードブレイカーはパイロットの意を受けて動く。
そのため4機のランドグリーズは回避運動を取るのが遅れてしまい、機体の各部にソードブレイカーの直撃を受ける。
そこにゴッドランスを携えたラピエサージュが切り込んでくると、槍がその最も近くにいたランドグリーズのボディを貫いた。
「よくも…でもこの隙は見逃さないよっ!」
槍が突き刺さって瞬時に引き抜くことはできないと判断したカーラ達は、ゴッドランスを持ったラピエサージュに対して一斉にリニアライフルとミサイルを放つ。
だがピンチなはずのキラは慌てることはなかった。とっさにラピエサージュは突き刺さっているゴッドランスでランドグリーズを持ち上げ、そこに蹴りを打ち込んでゴッドランスを引き抜いた。
そして持ち上げられていたランドグリーズは、ようやくゴッドランスから逃れられたものの、そこは弾丸とラピエサージュの間であった。
直後にリニアライフルから放たれた弾丸が、ランドグリーズの機体を蜂の巣に変える。ラピエサージュの盾代わりにされた2機目の犠牲者が生まれる。
「そ、そんな…!」
信じがたい光景を目の当たりにしたカーラの口から驚きの言葉が漏れる。今現在、彼女は間違いなく生命の危機を感じていた。
それはかつてエアロゲイターの侵略によって弟を失ったときと同じような、相手との絶対的な力の差からくるものであった。
だがラピエサージュの攻撃はまだまだ終わってはいない。先ほど放たれたソリッド・ソードブレイカーは残された3機のランドグリーズを容赦なく襲い続けている。
カーラは、ランドグリーズの厚い装甲、そして飛行ユニットとともに新たに備わった大型シールドのおかげでなんとか致命傷を避けてはいたが、このままいけばジリ貧なのは確実であるとわかっていた。
ソードブレイカーによる攻撃のせいで大きな隙を作ったランドグリーズは新たなゴッドランスの餌食となってコックピットを貫かれ、
別のランドグリーズは、ソードブレイカーから放たれた光弾の直撃を肩部に受けると、その爆発は肩部に搭載されたミサイルの誘爆を招き、ランドグリーズ内部で始まった誘爆は間もなく機体全体を飲み込んだ。
そしてキラは、残り1機となったカーラにゴッドランスの切っ先を向ける。
いまだに続く、嬲るようなソードブレイカーの攻撃によってカーラのランドグリーズも大きな損傷を負っている上に、いつ搭載しているミサイルの誘爆に飲み込まれるかも知れない。
しかし、一人目の、オリジナルのキラ・ヤマトは覇王により生み出されてきた彼のクローンとは異なり、相手へのトドメを躊躇するようなことはしない。
向かってきたラピエサージュにシールドを向けるカーラであったが、それより早くソードブレイカーがランドグリーズに数発の光弾を見舞い、そのコックピットの近くでも爆発が起こった。
支援
「きゃああぁっ…!」
思わず上がる悲鳴が上がった。そして、この悲鳴とともに生じたカーラの念の乱れを、
G・ミーティアとドッキングしたジャスティスとの戦いを始めていたユウキがようやく察知して、残されていた仲間の現状を把握する。
「しまった!?急いで下がれ、カーラ!聞こえないのか、カーラ!?」
自称とはいえパートナーの危機を知り、慌てるユウキであったが、どれだけ問い掛けても返事はない。
コックピットは失われていないことから、意識を失っているという可能性もあるが、敵を目の前にしていればそれは死とイコールといっても過言ではない。
「カーラ!!」
強く問い掛けるユウキであったが、動きを止めたカーラのランドグリーズにトドメをさすべくゴッドランスを携えたラピエサージュが猛スピードで迫る。
そして、ラピエサージュはランドグリーズ頭部のコックピットに向けてゴッドランスが繰り出した。一方、ユウキの心は絶望と後悔によって支配されようとしていた。
仲間を失ったことで冷静さを欠き、その仇だとしてアスラン・ザラにこだわった結果が今、モニター越しにではあるが、ユウキの前で生まれようとしていたのである。
「くっそおぉぉぉぉっ!!!」
ユウキの叫び声を背景に繰り出された槍の先端がランドグリーズのコックピットに迫る。
しかし、槍の先端はコックピットに到達する寸前で、横から繰り出された斬撃によって大きく弾かれてしまった。
「やっぱり僕たちの邪魔をするんだね?」
「そう簡単に…思い通りにいくと思うなあぁぁっ!!」
ラピエサージュの前に立ちはだかってゴッドランスを弾いた機体。大剣を手に、真紅のツインアイとマントを持った蒼い特機の正体は言うまでもない。
キラ・ヤマトやアスラン・ザラとの間に、CE世界からの数々の因縁を持つシン・アスカの駆るヴァイサーガである。
「アスランといい、アンタといい…インスペクターを倒さなくちゃならないってのに…!アンタ達は一体何なんだあぁぁぁ!!!!?」
つづく
相変わらず間があいてしまってすいません…やっと魔装機神が…
11氏投下乙であります。
戦力配置が違えば展開も変わってくるのは当然のことながらタイテツ艦長の生死が気になりますな。
もつ
修学旅行スレとここのラクシズは絶対悪の権化そのものですな、原作通りなんだけどw
>>1 スレ立てお疲れ様でした。
また11さんも投下お疲れ様です。キラと同じ戦場に立っていると、アスランも気合が入るのかデッドヒートしてますね。
オーバーレイブンズとシン+ヴァイサーガのノイエDC・ヒリュウ・ハガネ隊の戦力増加と、ラクシズが加わったことによるインスペクター・シャドウミラー側ではどちらの方が上か。
ただ原作での展開を考えると続きはいささか鬱な内容になってしまいそうですね。これからも頑張ってください。一読者として応援しております。
GJでした
話は変わるが避難所の総帥の作品、転載しないの?
避難所に投下した前回分です。頭から投下しなおします。
ディバイン SEED DESTINY
第四十七話 ディスの心臓
広大な格納庫の中、特機用に合わせて作られた巨大な拘束具で四肢を束縛された四体の超機人達が、不意に一斉に伏せていた顔を上空へと向ける。厚い岩盤と幾十層もの防壁に覆われた天空の先に、恐るべき『ナニカ』の存在があると気付いたがために。
青龍、白虎、朱雀、玄武と古の幻獣を模した超機人たちのみならず、その操者達もまた突如全身の細胞を捉えたおぞましい気配を感じて、顔面に驚愕の表情を張り付けていた。
龍王機にはクスハ・ミズハ、虎王機にはブルックリン・ラックフィールド、雀王機にはリョウト・ヒカワ、武王機にはリオ・メイロン。
はるか天空にて死者の怨念、憎悪、憤怒とありとあらゆる負の感情を力と変えるモノが、その存在を自ら知らしめた事によって、強制的に彼らは知覚させられていた。
空を覆い尽くす暗雲に嵐の到来を予感するように、自分達にとって天災にも等しい何かがすぐ傍に現れた事を。
東アジア共和国有数の指揮官セルゲイ・スミルノフの指揮下に組み込まれ、超機人のパイロットとして頂武に転属されていた四人は、全員がパイロットへの転向に納得していたわけではない。
しかし背筋を貫く悪意の風に生存本能が危機を伝える警鐘を打ち鳴らし、戦わねば死ぬという現状を無理矢理にも魂が理解していた。
脳波測定用の器具を内蔵した特別なパイロットスーツに身を包んでいたクスハは、龍王機と自分自身が感知した気配に、顔色を青く変えてひどく冷たい汗で頬を濡らしていた。
「やだ、なん……なの、この感じ。龍王機、貴方も感じているの?」
数千年の眠りから目覚めた人界の守護者は自ら選んだ操者に答える余裕もないのか、主動力機関である五行器を猛々しく唸らせて、全身に力を漲らせていた。
龍王機が炎の海の真ん中に放りだされ、一縷の望みを胸に抱いて脱出路を探しているかのような焦燥感に突き動かされている事を共感し、クスハは自分達に襲いかからんとしている脅威が、予想をはるかに超えたものである事を悟る。
それはクスハだけではない。
あの発掘現場で偶然にも生き残り、四体の超機人に選ばれた他の三名もそれぞれの超機人達が焦燥に急かされて、急速に鼓動を速めている事を理解していた。
虎王機の操者ブルックリン――ブリットも、クスハにはやや劣るが優れた強念者として素養から、まるで青空が鉛と変わって自分達を押し潰そうとしているかのような重圧に歯を食いしばりながら、現状をどうすれば打破できるか、必死に頭を巡らして考えていた。
「中佐はこのまま待機しているようにと言ったが、このままここに居ても何もできない!」
ブリットの意思に呼応するかのように、虎王機が自らの意思で伏せていた状態から立ち上がり、四肢を拘束していた拘束器具を引き剥がし、ひしゃげ、千切れた器具が辺り一帯に散らばり始める。
四体の超機人の中ではその気性から先陣を切る事の多い虎王機に続けとばかりに、武王機が、次いでその対となる雀王機が、さらにやや遅れて龍王機も立ち上がろうと動き始める。
「勝手に動いたら命令違反になるよ!?」
ブリットを制止したのはリョウトである。やや気弱で自己の意思を表現するのに気後れしている所のあるリョウトには、セルゲイの待機命令を破る形になるのが不安なようであった。
軍規違反に抵触する行為であることは紛れもない事実だ。
もともとは整備兵であったという事もあり、超機人のパイロットになる事にもっとも難色を示したのもリョウトであった。とはいえこの場でのリョウトの反応も致し方ないというよりも極正常なものである。
一度も戦闘を経験しておらず戦闘能力は未知の上に、現行の技術から成る新型機どころか数千年も昔の遺失技術によって作られ、ほとんど解明も出来ていない機体で戦場に出た所で一体どれだけの事が出来るのか、保障するものは何もないのだ。
理由も根拠も何も分からない不安感や焦燥感に駆られて命令違反を犯してまで、地表の戦闘に乱入しても戦力となるかは不明で逆に足手まといになるかもしれないとあっては、行動に移る事を躊躇するのは当然だろう。
「だからってこのままじゃ、まずいわ。なにが拙いのか分からないけど! とにかく」
「それは僕にもわかるけれど」
躊躇するリョウトをリオが叱咤するも、言葉にできない焦燥感によって自分自身が冷静ではない事を自覚しているのか、リオの言葉は彼女にしては珍しく力がない。
死線を幾度もくぐり戦士としての経験と覚悟、矜持を抱いていたならばともかく、この場に居る四人はまだ実戦の場をくぐっていない新兵も同然であり、沈着なる態度を望むのは難しい。
そして、事態は四人の迷う間にも進展していく。
頂武基地上空、セルゲイや四人の超兵達が襲い来るメギロートやエスリムを相手取り猛火の応酬を繰り広げるのを見下していたヴァルク・バアルの胸部から溢れる光は、よりその禍々しさを増していた。
知的生命体の暗黒面に落ちた霊魂。天文的な数に及ぶそれらを多次元宇宙全体から吸収し、自らの力と変えるディス・レヴの力の極一端の開放に過ぎなかったが、総量からすれば匙の一掬い程度に過ぎない力でさえ、天地が鳴動し大気をどよもす絶大な脅威である。
「ディス・レヴの鼓動、確かに届いているはずだが、まだ眼を覚まさぬか。それとも怯え、足が竦み動く事さえできなくなったか? いずれにせよ、もうお前達を待つのは止めだ。四神の超機人よ、操者と共に滅するがいい」
因果律の番人の保有するディス・レヴとはことなり、赤黒く輝く光を荒れ狂う龍のごとく四方八方に発していたヴァルク・バアルの中枢に設えられたディス・レヴはその光を、前方の空間一点に集中させる。
ディスの心臓とも呼称されるディス・レヴを保有するディス・アストラナガンは並行世界より力を酌み取る機能を持つティプラー・シリンダーとの併用によって、対象を存在しなかった時間軸にまで逆行させる現象を可能としている。
ディス・レヴ単体では時間軸に干渉して対象を消滅させる事は極めて難しいが、ティプラー・シリンダーに対応する動力機関として、量子波動エンジンを搭載した事によって、ヴァルク・バアルもまた時間逆行現象を引き起こす事が可能となっていた。
「人界の守護神を詐称する骨董品共よ。存在し得なかった時まで遡り、この宇宙の因果より抹消してやろう」
ヴァルク・バアルの周囲を赤雷の世界と変えていたディス・レヴの鼓動が唐突に収縮し、前方の空間の一点に複数の光球を形成する。
ひと際大きな光球を中心に軌跡が円を描く回転運動を始めれば、それは因果律や時間軸への干渉能力を有さぬ限り、防ぎようのない必殺の一撃となる。
現行のザフトやDC、地球連合の戦力では前大戦時に姿を現したディス・ヴァルシオンやポゼッション状態のサイバスター、ネオ・グランゾン辺りでもなければ抵抗することさえできまい。
頂武の基地ごと超機人らを葬るだけの力を蓄え終え、キャリコはわずかに人差し指を動かしてトリガーを引こうとし、ヴァルク・バアルの周囲を囲むように発生する空間の歪曲に気付いて注意を逸らした。
「重力場の異常、か。この前といい、横槍の多い事だ」
正体不明の何物かの出現という事態を前にしてもキャリコは慌てた様子を見せず、闖入者への苛立ちをかすかに冷笑の端に浮かべて、ヴァルク・バアルの前方に発生させた中性子の群れを、いままさに現出しようとしている何ものかへと放出する。
「ふ、まずはこいつらから消すか。さあ、因果の果てへと消え去るがいい!! アイン・ソフ・オウル、デッドンエンドシュート!!!」
厳重に絡みついていた鎖から解き放たれた猛獣のように、負の思念を周囲へと伝播させながら、赤光の群れはようやく具現化しようとしはじめていた何か達へと容赦なく襲いかかり、着弾地点を中心として旋回をはじめる。
赤い光の球体達は空間それ自体を食料とする異界の魔物であるかのように、転移してきた骨の様な異形達数十体を空間ごと抉り、次々とその姿をこの世から消し去ってゆく。
眼で追うのも困難な速度で餓えた狼の群れのごとく白骨の異形達へと襲い掛かる球体達は遂には異形達の姿を完全に消し去り、最初から異形達などまるで存在していなかったよう。
ほんのわずかにディス・レヴと量子波動エンジンの力を解放した程度に過ぎないが、数十体の異形を葬るのには十分以上の力であったと見える。
新たに手にした力に暗い愉悦を噛み締めながら、キャリコは時間軸から抹消した異形ではなく、自身の背後に忍び寄っていた別の気配へと言葉の槍を向けた。
「なるほど、この世界のアインストどもが動き出したというわけか」
いつ転移を終えて忍びよっていたのか、胸部装甲を閉ざしてディス・レヴを収納する最中であるヴァルク・バアルの背後に、赤い鎧をまとった骸骨の様な人型――ペルゼイン・リヒカイトが現出し、鬼蓮華と銘打たれた白刃を突きつけていたのである。
「……貴方は、一体何なんですの?」
ペルゼイン・リヒカイトの胸部に存在する球形の物体の中で、唯一人型のアインストとして創造され、自由意思を獲得した特別な固体であるアインスト・アルフィミィが、あどけなさを残すかんばせに畏怖の色さえ浮かべてキャリコに問いかけた。
アルフィミィが唐突にこの場に空間転移を行って姿を現したのは、アインストの首魁であるレジセイアの命によるものだ。
もともとアルフィミィは地球圏で徐々に勢力を拡大しつつあるルイーナと、破滅の王を打倒するために、古き地球の守護者たるガンエデンと盟約を結び、かつ古代地球人の生み出した超機人をルイーナ打倒の剣と目して、陰から力となるために地球に派遣されている。
そのため超機人に対しては常に監視の目を行き届かせていたのだが、キャリコが頂武基地に出現するのに前後して、キャリコの手に入れた力を超知覚によって感知したレジセイアが、早急に超機人援護の命令をアルフィミィに下したのである。
そして、レジセイアの末端であり同時に分身でもある他のアインスト達を引き連れたアルフィミィが目にしたのは、億千万や兆、劾といった単位を超え、無量大数に迫ろうかという負の思念を力とするディス・レヴを有するヴァルク・バアルの姿であった。
ある人間の女性を素体としたがゆえに、人間的な感情の素地を有するアルフィミィは、ディス・レヴの発する『死』という現象そのものの、あるいは死んだ後に陥る負の感情に塗れて落ちた亡者たちの思念に、元より白磁のごとく透き通った顔色を一層青いものに変えていた。
いつでもヴァルク・バアルの胸を背中から貫ける位置に鬼蓮華の切っ先を突きつけられながら、キャリコの唇に浮かんでいるのはおのれの絶対的な優位を信じて疑わぬ勝者のソレである。
たしかに精神的な立場に置いて、ディス・レヴの脅威に大きな戦慄を覚えたアルフィミィと、ディス・レヴの力を振るうキャリコとではさもあらん。しかし現実を見れば明らかにキャリコの命は、アルフィミィの手の中にある。
それでなお余裕をたたえるキャリコは、慢心を越えたなにか背筋にうすら寒いものを走らせる不気味な雰囲気を纏っていた。
「おれが何か、か。くだらん事を聞く間があれば、ヴァルク・バアルに一撃を加えればよいものを」
「え!?」
「もっとも、貴様では一撃入れる事もできんがな」
唐突に、何の前触れもなくアルフィミィは横殴りの衝撃に襲われて、思わず目をつぶり小さな体を揺らす衝撃と振動に耐えなければならなかった。ペルゼインの20m超の巨体が数百メートルも吹き飛ばされて、空中を弾丸のごとく飛翔する。
何が起きた、という疑問をねじ伏せたアルフィミィはすぐさま半身であるペルゼインの体勢を立て直し、悠然と王者の風格を纏ってこちらを振り返るヴァルク・バアルに警戒の眼差しを向けた。
「ただ殴られただけ? そんな、まるで見えませんでしたの」
キャリコの配下による不意打ちを受けたのか、と思案したアルフィミィであったが、ヴァルク・バアルが空の左手を突きだすかのように伸ばした姿勢であったことや周囲に、キャリコ配下のメギロートやエスリムの姿がない事から、その結論に行き着いた。
ペルゼインの機動兵器としての性能、そしてアルフィミィのパイロットとしての資質は決して低くはない。むしろ異世界からの来訪者を含めて現行地球圏の中でも、上位に食い込むだけの能力がある。
アルフィミィのアインストと呼ばれる異形の存在と同じ物質で構築された強靭な肉体に、超能力に類する超知覚能力による未来予知めいた直感力。
そしてまた半身であるペルゼインの操作にはなんらタイム・ラグはなく、自身の肉体の延長上として扱う事が出来る特性はインターフェイスや操縦システムを突きつめた究極形だろう。
さらに機動兵器としてはサイズこそPTやMSのやや大型機程度だが、ペルゼインは上位の特機とも真正面から戦う事の出来るパワーと装甲、高速の自己修復能力を兼ね備えている。
そのペルゼインとアルフィミィを、まるで蠅をはらうかのごとく一撃したキャリコとヴァルク・バアルは、かつて彼を倒したαナンバーズの者たちが知れば、もはや別人、別の機体と評しただろう。
「呆ける暇はないぞ?」
からかうように告げるキャリコの一言。ヴァルク・バアルのウィング・バインダーが展開し、そこからテスラ・ドライヴの吹き零す翡翠色の粒子が乱舞し、黒金の機神は黒き禍津風となってペルゼインへと襲い掛かる。
「速い――速すぎますの!」
ぞり、と音を立てながら剃刀の刃で直接骨を削られる様な悪寒に突き動かされて、アルフィミィは反射的にペルゼインを動かしていた。
振り上げられたショット・シザーの切っ先を、かろうじて振り上げた鬼蓮華が受け止めも、わずか一瞬の拮抗を作るのみで、両方の機体の圧倒的という他ない力の差によって、ペルゼインは大きく鬼蓮華を弾かれて無防備な姿を晒す。
遊びのような軽いショット・シザーの一振り一撃で、ペルゼインとヴァルク・バアルの性能差をはっきりと認識させられて、アルフィミィは自分でも知らぬうちに細い喉を鳴らしていた。
雷光の速度でアルフィミィの指示が伝達されたペルゼインは、弾かれ鬼蓮華の切っ先を翻してヴァルク・バアルの左頸部に鬼蓮華を叩き込む。
おそらくはヴァルク・バアルとキャリコと比較した場合に操縦の手間を介する分、ペルゼイン・リヒカイトとアルフィミィの方が、パイロットの指示が機体に行き渡る速度に関しては勝るだろう。
標準的な特機の装甲も斬り裂く鬼蓮華の刃は、しかしヴァルク・バアルの左手によって簡単に掴み取られ、呆気ないほど容易く刃の動きを封じられる。
逆にアルフィミィのいるペルゼイン胸部の球体を狙って突きだされる刃の脅威に、冷や汗を一粒浮かばされる。
アルフィミィはそれでもあくまで思考と操縦は冷静にペルゼインの上半身をねじり、ショット・シザーに空を突かせる。
「お返しですの。マブイタチ」
「ふん」
鬼蓮華の自由を取り戻すため、あわよくばヴァルク・バアルの左手を破壊するために、鬼蓮華の刃から衝撃波が発生する。大地に長大な斬痕を刻む一撃を、刃を掴んだ掌の内側から受ければ、ヴァルク・バアルといえども左手首から先を失っていただろう。
ディス・レヴの力を得たためか、あるいはそれ以外の何かゆえか圧倒的な自信と余裕を持って構えるキャリコにも、それは歓迎せざる事態の様で素直に鬼蓮華を掴み止めていたヴァルク・バアルの左手を解放する。
流れを掴まれ勢いに乗られては一気に押し込まれる。
アルフィミィは、かつて幾度も戦ったガンドール隊が勢いに乗り戦意を迸らせた時の怒涛の攻めを思い出す。それだけの脅威をキャリコに抱いているという事の証左であった。
「反撃の隙は与えませんの」
淡々とした物静かな言葉の中にも、キャリコとヴァルク・バアル、そしてディス・レヴという巨大な脅威に対する大きな警戒心が、アルフィミィの攻撃を苛烈なものへと変える。
ペルゼイン・リヒカイトの両肩を守るように浮いて追従していた真っ赤な鬼の面が、ふわりと左右に浮かびあがって、ヴァルク・バアルを囲い込む動きを見せる。
オニボサツとアルフィミィが呼ぶその鬼面は、巨大な腕と骨だけの翼を持った異形のアインストと変わり、くり抜かれた面の口の様にがらんどうの口腔を開き、そこに膨大なエネルギーを集束させる。
「ヨミジ」
敵機動兵器の配置次第では十数機、いや、数十機を一射で破壊し尽くす先制広域攻撃だ。強力な防御フィールドであるディフレクトフィールドに加え、自己修復機能を備えるヴァルク・バアルといえども、直撃を受ければ修復に数分を有するであろう。
とはいえ、高性能のテスラ・ドライヴに加えてバルマー帝国と新西暦世界の地球の軍事技術の粋を結集して開発されたヴァルク・バアルである。
その機動性、運動性は極めて高く、またキャリコが戦闘用人造人間であるバルシェムの指揮官モデルという事と、オリジナルである人物の高い能力も相まってパイロットとしての技量、素養は非常に優れている。
その動きはあらゆる勢力のパイロット候補生たちの見本としたいほどに完成されている。
迫りくるヨミジを前にしてもキャリコが何ら脅威を感じず、冷静なまま操作した事もあり、ひらりと風に踊る蝶の様な優雅さで回避して見せる。
ヴァルク・バアルは至近を過ぎ去るヨミジの光に、漆黒と金で彩られる装甲を煌々と照らされるだけで、損傷と呼べるだけのダメージはいっさいない。
ヨミジを回避したヴァルク・バアルの機動を読み取っていたアルフィミィは、居合の達人の動作を真似るが如く、左腰に見えない鞘があるように鬼蓮華を納刀する動作をし、そこから一息に刃を加速させて振り抜く。
「どんな装甲だろうと切裂くのみですの」
一太刀のみではない。斬撃の軌跡を塗りつぶす様にさらに一太刀、更に二太刀、三太刀と重ねられて、鬼蓮華の刃から飛翔するマブイタチの衝撃は烈風の激しさでヴァルク・バアルを刻むべく襲い掛かる。
マブイタチの刃が襲い来る軌道を正確に認識したヴァルク・バアルは、マブイタチの連続刃のほとんどを回避したが、そこに加えて上下左右前後から放たれるオニボサツのヨミジの射線に阻まれて、時にはディフレクトフィールドで受け止める場面も見受けられた。
しかし、一分、二分と時間が経過しても、オニボサツ二体とペルゼイン・リヒカイトによる完璧な連携攻撃を重ねても、ヴァルク・バアルに有効打と言えるだけのダメージを与える事は出来ない。
徐々にアルフィミィの神秘的な印象を受ける大粒の宝石の様な瞳には焦燥の色が濃くなっている。
「これは、なかなか上手くは行きませんのね」
アルフィミィの呟きはその言葉面だけをとらえるのならばどこかのほほんとした感のあるものであったが、実際には自身の能力とペルゼインの性能を最大限に発揮してもなお、のこの現状に表には浮かばぬ驚きと焦りを覚えていた。
アインストが最も警戒しているのは地球のみならず、この宇宙すべてを滅ぼす事の出来る破滅の王と、その手足たるルイーナの軍勢であった。
しかし単宇宙のみならず次元の壁を越えて並行宇宙全域に及ぶ負の無限力を力と変える目の前の存在と、その背後に存在する勢力に対しても、警戒を要するとアルフィミィは強く認識させられた。
仮にあのディス・レヴと呼ばれる動力機関が量産されでもしたら、この宇宙のみならず近隣の次元に存在する別宇宙に至るまでその脅威が及ぶのは、そう遠くないことだろう。
なんとかここで討ち取りたい、とアルフィミィは考えていたが、共に連れてきたアインスト達が、出現と同時にヴァルク・バアルの一撃によって一掃されてしまった事による戦力低下の誤算が、徐々に大きく響き始めていた。
*
頂武指揮官セルゲイ・スミルノフは上空で戦端の開かれた謎の機動兵器同士の戦闘に、背中あわせになりながら基地に降下したエスリムと銃火を交えていた。
その最中、思わぬ所で最も厄介な敵指揮官機を足止めしてくれている、まるで、経済特区となり東アジア共和国の参加に収まっている日本国の昔話に出てくる鬼のような機体に、不信と不審と困惑の視線を向ける。
行動の意図や戦略的な目的などは一切不明であるが、その行動がこちら側に取っては利となっているのだから、迂闊に手を出す愚挙を置かすわけにはゆくまい。
次々と襲ってくる緑色の人型や、上空を高速で飛び交う白い甲虫――バグスにさんざか滑空砲の超高初速徹甲弾やビームを食らわせて、それなりの数を減らしているはずなのだが、一向に減った気配はない。
いや、仔細に上空を観察すれば、空間に波紋が立ったと見えた次の瞬間には新たな人型とバグスが出現している。センサーも彼らが出現する直前に異常な反応を探知している。
「やはり空間転移技術! なんということだ。これでは現行の地球圏の軍に確たる対抗手段など……」
セルゲイの背後に陣取り、桃色のティエレン・タオツーを駆り、頂武副官ミン中尉のティエレンと肩を並べ、恐ろしいほどの勢いで撃墜スコアを伸ばしていたソーマが、敬愛する上官に指示を仰いだ。
「中佐、基地の被害が大きすぎます! このままでは」
セルゲイ達が出撃したことで統制を取り戻して積極的な反撃に打って出た頂武部隊であるが、撃墜しても撃墜された分を補って有り余る物量で攻めてくる敵を前に、基地の被害は増すばかりであった。
撃墜されたMSこそまだ数は少ないが、基地建造物の被った損害はすでに尋常ではないレベルであり、このまま戦闘が継続されればもはや修復は困難、新たに基地を作りなおした方が安くつくのは目に見えていた。
ましてやこの基地に集められた人員はあらゆる分野に置いて、東アジア共和国軍でも高い能力と、経歴に問題の無い貴重な人材達が選抜されている。物的な被害以上に、人的被害の方が共和国軍の被る被害は大きいだろう。
頂武最精鋭であるハレルヤ、アレルヤ、ピーリスと合流できたとしてもこの現状を打破するのはほぼ不可能であろう。
上空でセルゲイをしても唸らせる高機動大火力戦闘を繰り広げている敵指揮官機が、謎の赤い機体を降してこちらの戦闘に加われば、もはや頂武という部隊は壊滅という結末を迎えるしかないだろう。
「セルゲイ・スミルノフより、各員へ通達する。誠に遺憾ながら我々頂武は現時刻を持って基地を放棄。敦煌基地への脱出を試みる。データや設備の最低限の破棄後、人員の脱出を最優先にする。反論は認めん。また、責任はすべて私が負う。皆、命を惜しめ!」
責任を負う、というセルゲイの言葉と有無を言わさぬ強い意志の込められた言葉に、反論を述べようとしていたパイロットや、基地の研究者たちや各人員達も、喉まで出かかっていた言葉を呑みこんだ。
セルゲイが最後に口にした命を惜しめ、という言葉も功を奏したのだろう。
ミンは従順なほどにセルゲイの言葉を首肯したが、背後のソーマは超兵としての自身の性能に矜持を抱いているために、いささか躊躇う様子を見せたが、それでもセルゲイには逆らわなかった。
セルゲイとしてはハレルヤが素直に自分の言葉に従うかどうか、という事に一抹の危惧を覚えないではなかったが、今のところハレルヤの反論の言葉は届いてこない。あるいはそんな余裕がないほど忙しく戦闘に追われているのかもしれない。
セルゲイの知る限り、MSパイロットとしては東アジア共和国で一、二を争う技量と身体能力を有するハレルヤをしてそのような状況に追い込まれているのだ。敵機の殲滅よりも、自軍の被害をどうやって最小限に抑えるかということこそ考えるべきであろう。
「中佐、地下の超機人は、いかがいたしますか?」
斬りかかってきたエスリムの刃を右にかわし、懐に一歩踏み込んでカーボンブレイドを突きこみながら、ミンがセルゲイに問う。
共和国軍上層部から念に念を重ねて扱うよう命じられた超機人を放棄してゆけば、セルゲイの軍人生命も危ういものとなるかもしれない。
それに対し、セルゲイはほとんど迷うことなく答えた。
「遺憾ながら超機人は破棄する。可能であれば爆破、だが最優先はミズハ少尉やヒカワ少尉達の脱出だと、すぐに伝えろ!」
「はい」
自身の保身を考えずにそう答えるセルゲイだらこそ、ミンは全幅の信頼を置いていた。ミンのみならず頂武に籍を置く者たちは皆そうだ。しかし幸か不幸かセルゲイの指示は果たされることはなかった。
ミンが超機人達が格納されている地下ケージかへ連絡を繋ごうとした矢先に、メギロートやエスリムによって散々に破壊された基地の一角が、地下から出現しようとした巨大質量によって、大きく弾け飛ぶ。
「あれは、超機人! 少尉達が起動させたのか、それとも彼ら自身の意思で動いたとでも言うのか?」
クスハ達が証言した、超機人には意思がある、というオカルトめいた証言が脳裏をかすめ、セルゲイはまさか、とは思いながらもそう口にせずにはいられなかった。
一方で、四神の超機人のコックピットに収まる四人の少年少女達も、敵機襲来の警報が鳴りだしてから、わずかな時間で悲惨な様相を呈している基地の様子に言葉もない状態だった。
「ひどい」
か細くリオ・メイロンの口からようやく、その一言が紡がれる。
基地のあらゆる場所が紅蓮の炎の海に飲み込まれ、整然と並び立っていた多くの建造物は瓦礫とは変わり果てて崩れ落ち、戦闘の余波に巻き込まれて消し炭と変わった人間の残骸がそこそこに転がっている。
いまも基地に降り立った一機のメギロートが辺りを構わず口腔らしき部位の顎を開いて、リング状のレーザーを乱射して破壊の版図を広げている。
状況がかような窮地に陥っていれば、いかに弱気と取られるほど温和な性格のリョウトや、クスハといえども戦わない、という選択肢が存在しない事を即座に悟る。
ましてや正義感が強く、知人や家族をはじめ自国の人々を戦火から守りたいという軍人としてプリミティブでもっとも普遍的な動機から、いまの職を選んだリオやブリットからすれば、戦意の焔は怒りという名の薪をくべられて猛々しさを増すのは必定であった。
全身を瞬く間に貫いてゆく烈火のごとき感情に身を任せ、超機人達に戦いを命じようとした四人であったが、上空から放たれた暴力的な圧力に打たれた事で、指先が凍りついたように動きを止め、一斉に上空へと視線を動かした。
主と共に上空を睨むように見つめる超機人達の瞳に映ったのは、一瞬の停滞もなく天空を飛び回り、雷と光の線を繋げあい、互いを消滅させん超常の魔戦を繰り広げるヴァルク・バアルとペルゼイン・リヒカイトの姿であった。
クスハ達強念者達と超機人達を畏怖させた、まるで空そのものが落ちてくるような圧倒的な圧力を放つヴァルク・バアルと、まがりなりにも互角の戦いを見せる赤い鬼の様な機体の姿に、数瞬、ブリット達の意識は惹きつけられる。
「あの黒い機体、あれがさっきの感覚の正体か!」
いまだ体の六十兆を超す細胞に巣食う鉛の様に重い悪寒に蝕まれながら、ブリットは己の精神を振い起し、絶対に相容れる事はないと直感的に理解できた相手を凝視する。
「さっきの感覚は収まっているけど、それでもまだ、すごく、嫌な感じが残っている」
つっと形の良い顎のラインに氷のごとく冷たい汗を流しながら、クスハはペルゼイン・リヒカイトの猛攻を、余裕を持って凌ぐヴァルク・バアルを見ていた。
ヴァルク・バアルの胸部装甲を閉じられ、ディス・レヴをフルに使用しているわけではないようだが、それでもなお負の無限力を全身に行き渡らせたヴァルク・バアルは、すでに存在それ自体が一個の超常現象に相当する超越存在であった。
持てる力を最大限に――いやありとあらゆる並行宇宙に蓄積された血的生命体の負の想念を駆使する以上、最大という概念が意味を為さぬ無限の力故に、上限など存在しない以上、理論的には単一宇宙の破壊でさえ砂山を崩すのと大差のない些事であったろう。
もっとも、現実を見れば力の根源こそ負の無限力という究極的な代物であっても、それを捻りだす蛇口が、無限の力を放出する事の叶わぬ極めて微細な物の為、ヴァルク・バアルでは惑星破壊でさえ望めるかどうか、という低次元の力しか振るえない。
その程度の力しか持たぬヴァルク・バアルでさえ、現在の地球にとっては手に余る存在ではあったが。
ヴァルク・バアルの秘めるこの宇宙の根幹に関わる力を知覚出来てしまうがゆえに、肉体のみならず精神を加速度的に摩耗させて行くクスハ達を現実に引き戻したのは、セルゲイから繋げられた通信の音声であった。
一応、東アジア共和国及び地球連合で使われている通信機器やレーダー器具などが、超機人のコックピットにはすでに増設されている。
「ミズハ少尉、ラックフィールド少尉、メイロン少尉、ヒカワ少尉、聞こえるか?」
「スミルノフ中佐!?」
四人それぞれが異口同音に答えた事に、セルゲイは小さく安堵の息を吐く。声の調子からして、全員体のどこかに怪我を負っているような事はないようだ。
「全員無事だな。あまり時間がない、要点だけを述べる。我々頂武は基地を放棄し、人員の脱出を最優先に敦煌基地を目指す。貴官らは速やかに超機人を基地から退避させろ。超機人は今後の地球圏の騒乱に対し大いなる力となる機体ということだからな」
「しかし、中佐、自分達だけおめおめと」
「これは命令だ。既にハプティズム少尉達が退路を確保すべく交戦中だ。迅速D16ルートから脱出しろ。反論は認めん!」
食い下がるブリットを有無を言わさぬ強い語意で斬って捨て、セルゲイは通信を切る。輸送用のトラックや小型の陸船艇に乗って、生き残った基地の人員達――幸い頂武の秘匿性から民間人の出入りはなかった――が脱出を始めている。
セルゲイは殿を務め、他のMSや人員の脱出を見届けてからこの場を引くつもりであった。もっとも苛烈で危険な立場に部下ではなく自分を置くセルゲイの覚悟と意思は固く、ブリットはそれ以上食らいつく言葉を持たなかった。
了解、と四人の内の誰かが口にしようとした時、そこに割り込む声があった。
「悪いが、お前達を逃がすつもりは、おれにはないぞ?」
「!?」
超機人達の行く手を阻むように、ヴァルク・バアルが半ば廃墟と化した頂武基地へ、ゆったりとウィンヴ・バインダーを折り畳みながら降下してくる。
その背後に、四肢を破砕されたペルゼイン・リヒカイトが、轟音を立てて落下し、小さなクレーターを作り上げた。
クスハ達がセルゲイの指示を聞いていた間に、かろうじてヴァルク・バアルとペルゼイン・リヒカイトの築かれていた均衡が破られ、ペルゼイン・リヒカイトは大きな損傷を負わされていたのだ。
ペルゼイン・リヒカイトの修復能力を考えれば、たとえ四肢を破壊されようとも直に傷一つない両腕と両足を再構築するだろうが、それでもその間、ペルゼイン・リヒカイトを守るアインストの同胞もなく、無防備な状態を晒すのは間違いない。
「不覚、ですの」
まだ十代前半の幼い顔立ちに悔しさを浮かべながら、アルフィミィは至近でディス・レヴの波動を浴び続けた所為か、疲労の色が濃い。
ショット・シザーを地面に垂直に突き立て、ヴァルク・バアルは不動の姿勢を取った。キャリコの言葉通り、今回ばかりは超機人達を見過ごすつもりは皆無なのだろう。
超機人達が地下と地上を隔離する装甲板をぶち抜いた地区は、セルゲイ、ミン、ソーマが戦闘を繰り広げている地区とちょうど真反対に位置し、三人が超機人の援護に入るのには群がる敵機の排除を考慮すれば、数分を要するだろう。
ヴァルク・バアルの漆黒の威圧感に気圧される自分達を理解しながら、リョウト達は臍を噛みつつも退く事の出来な状況に追い込まれた事を理解していた。
龍王機、虎王機、雀王機、武王機それぞれが咽喉から低い威嚇の唸り声を零しながら、身を伏せ、あるいは翼を広げて、即座に攻撃と回避、防御に対応できるよう臨戦態勢を整える。
幸いにして超機人達の昂る戦闘の意思はそれぞれの操者達にも伝播し、ヴァルク・バアルを前にしてもクスハ達が恐怖に飲まれる事はなかった。
戦う姿勢を崩さぬ超機人を前にして、キャリコの浮かべる冷たい嘲笑は深さを増すきり。
「最悪、脳髄と超機人のコアさえあればいい。早々に諦めて降伏すれば、まだ五体くらいは残してやるがな」
初陣を迎えるクスハ達にとって、戦力的にも、また精神的にもあまりにも凶悪かつ冷酷な相手であった事は、彼らにとって最大の不運であったかもしれない
つづく
アルフィミィはインパクト仕様なのでムゲフロほど愉快ではありません。
皆々様乙
>アルフィミィはインパクト仕様なのでムゲフロほど愉快ではありません。
くぅ・・・早くアクセルなりレイなりいっそラウとでも合体してしまえば・・・
ATXの新刊出ましたが
あっちの枷イングラムがキャリコ調になってますな、影というか、光の反射?が仮面風味
劇場版機動戦士ガンダム00公開記念短編
ディバイン SEED DESTINY風
機動戦士ガンダム00 ― A wakening of the Trailblazer ―
注意
DSD本編及び劇場機動戦士ガンダム00の盛大なネタバレを含みます。
ご覧になられる場合はその点を考慮してお読み進めくださいますようお願いします。
正直に申し上げてトンデモ系のネタ話です。私という人間の作風を考えればどうなるか御推察いただけるかと思います、では、どうぞ。
C.E76。
三年前のヤキン・ドゥーエ戦役、さらにその一年半後に勃発した地球全土に戦火の及んだ、人類の未来を占う戦役の終結より約二年の歳月が流れた。
ユーラシア連邦、大西洋連邦、東アジア共和国から成る地球連合。
プラントの有する自衛組織ザフト。
そして大洋州連合、ウィルキア王国、日本帝国、赤道連合、南北アフリカ統一機構、南アメリカ共和国らを束ねるディバイン・クルセイダーズ(DC)。
上記三大勢力を中核にし、地球外、いや、異世界から招来された異邦人達の思惑をも孕んだ、さながら黙示録に語られる終焉の来訪かのような破壊と鮮血の戦いは、多大な犠牲と訓戒を引き換えに終結を見る事となる。
戦後、経済、物資、文明、人命と文明社会を構成するあらゆるものを多数消耗した地球圏は、プラントを含んだ一つの勢力として融和が図られることとなった。
地球連邦政権の誕生である。
ナチュラルとコーディネイターという二種の対立のみならず旧来の宗教観、経済、民族対立などを理由とする紛争の火種は、連邦発足後も世界中に無数に存在していたが、それでも世界は薄い硝子の様な平和を表面上は維持していた。
かつての大戦の勃発の様な薄紙の様に危うい平和の続く生活に対し、ようやく人々が濃密な猜疑心を薄れさせ始めた頃、地球圏を騒乱の渦に叩き落とす事件が起きた。
かつて木星探査計画の果てに破棄されたとある巨大探査船が、突如として地球圏へと進路を向けて動き始めたのである。
原因こそ不明であるが、全長一キロに及ぶ巨大質量が地球に落下した際の影響を危惧した連邦軍は、即座に探査船の破壊を決定。
当初、想定よりもはるかに頑強であった探査船の破壊には、多少手古摺ったものの探査船の破壊それ自体は成功した。
しかし、ここで一部の連邦軍人や連邦オブザーバーから、根拠を伴わない破片の回収の意見が寄せられるという少々奇妙な事態が生ずる。
一般的な組織であったならば、そのような少数の人間の確たる証拠の無い意見など一顧だにされぬのが通例である。
だがその意見は結果として採用される事になる。
なぜならば、探査船への危惧を告げたのは、地球連邦に所属する強力な念動力者、真なる進化した人類イノベイター、奇跡を起こす武道“念法”の剣士達だったからだ。
現状の地球圏の技術では解明しきれていない不可思議な超感覚を有する彼らの進言通りに、破壊地点で回収された探査船の破片から未知の物質が発見されることとなる。
それは一種の金属生命体である、と地球連邦の研究員たちは結論付けた。
在る程度質量を分割され、細分化されると生命としての機能を停止するその銀色の鉱物状の姿をした金属生命体は、人間の発するある種の脳波――脳量子波を感知し求める特性が発見される。
その鉱物の解明に血道が挙げられる中、さらに新たな緊急事態が起きた。
コロニーを改造した巨大船や、ファースト・コーディネイター、ジョージ・グレンの設計した木星探査船が目指す木星に、重力場変動が突如として発生したのである。
大赤斑と呼ばれる木星の大気の渦に発生した局所的重力場の突然の異常は、これまでの宇宙の物理法則に対する常識にそぐわず、民間、軍事を問わず多くの科学者たちに混乱を困惑とヒステリーをプレゼントした。
大赤斑を中心に木星をぐるりと囲む小隕石群が瞬く間に吸引され、微細な分子や更に小さな原子にまで分解され、更には衛星であるイオとガニメデまでもが吸引されると、圧力に耐えかねて自壊してしまう。
太陽系の星系図を書き換える一大事を前にして、未知への恐怖と警戒に震える人々が多数を占める中、それとは異なる者達もまた存在した。
前述した念動力者をはじめとした異能の力を持つごく少数の人間達と、DC総帥ビアン・ゾルダークをはじめとする異邦人達である。
彼らは、彼ら自身の多くが異なる世界からこの世界へと招かれたという事もあってか、局所重力変動場の先から、ナニモノかが来る事を予測し、そしてそれは確信の領域にあった。
彼ら異邦人が唐突に前触れもなくこの世界にやってきたように、ナニモノかが来るのだと。その存在が、地球圏に新たな騒乱の風を巻き起こす事になるだろうと。
そしてその予測を証明するかのようにして、大赤斑の彼方から銀色の光沢を持つ金属質の何かが無数に姿を現したのである。
戦闘機ほどの大きさを誇る両刃のナイフを思わせるもの、それよりは血さな馬上槍の様な鋭い円錐形をしている小型のもの、さらに数百メートルクラスの前方に向けて四本の爪を伸ばす楕円形の大型のもの。
大小の機動兵器に相当するナイフとランスタイプ、母艦に当たるであろうクラゲタイプ。総数数千、数万などという数ではなかった。
地球連邦の総戦力を嘲笑うほどの圧倒的物量を露わにするそれら金属異星体――通称エルスは、人間の想像力の限界に挑むように更なる脅威を示したのである。
木星の異なる宇宙空間へと繋がる出入り口となった大赤斑から、実に月の半分にも達する直径三千キロメートルの巨大な、金属製の木の根が絡み合い球形を為した様なエルスが、大群を伴って出現したのである。
はるか古代より地球に寄り添っていた姉妹星月の半分にも達する巨大物体の出現と、明確に地球圏を目指して進路を進めるエルスの大群を前に、戦火再びと地球人類は悲嘆に暮れながらも迎え撃つべく行動し始めた。
既に事前の大小の衝突から、エルスが接触した物体を無機物有機物を問わず同化する特性を持ち、それが同化によって他者を理解し、膨大な情報を一つの群体として共有している、という推測がなされていた。
エルスが知性を持ち、なんらかの目的を持って地球圏を目指している事は明白であったが、地球人類が取りうるアクションの選択肢は決して多かったわけではない。
数十万か数百万か数千万か。
小国の人口にも匹敵しよう大群が、数万単位の艦船と直径三千メートルの巨大衛星を伴って地球圏へと襲来する。
この前代未聞の事態を前に、融和政策を推し進め対話による紛争解決を目指していた地球連邦は、ビアン・ゾルダークの地球人類に逃げ場なし、という意見もあり地球の全戦力で持って迎え撃った。
地球圏の各コロニーや地球上の一般市民は地下に設けられたシェルターに避難し、掻き集められたありったけの戦力は、エルスの予測軌道コース上に布陣されることとなった。
ウィンダムやザクシリーズ、エルアインスといった旧世代(といってもほんの二年前まで主力だった機体だが)も惜しみなく投入された機動兵器の数は、MAや特機を含めた総数は約二万弱。
内訳は旧世代機が三千、バルキリーの最新鋭機VF−25メサイアが千機、メサイアの登場までVFシリーズ主力機の座を担っていたVF−21Aエクスカリバーが三千機。
さらにアヘッドの後継機であるノーヘッドが三千機、ジンクスシリーズの最新型であるジンクスWが三千機、主力PTゲシュペンストMk−U改が二千機。
エルスの特性上、特機からは肉弾戦を得意とするグルンガストタイプは艦艇の護衛に配備され、ジガンタイプも機動性の低さからグルンガストタイプ同様に艦艇の護衛に回されている。
グルンガスト弐式とジガンスクード、ジガンスパーダ、またメガ・グラビトンウェーブと歪曲フィールドが標準装備されたヴァルシオン改Mk−Uが各々五百機ずつで合計二千機。
またヨーロッパを中心に配備されていた魔装機であるが、宇宙が戦場となる以上精霊との契約を行っている機体は本領を発揮できない関係上、後方の最終防衛ライン近辺に配備されている。
性能を精霊に左右されない超魔装機デュラクシール、エウリードが五十機ずつの百機に、主力魔装機であるガディフォールも四百機ほどが地球の最後の守りについている。
作戦指揮は旧ユーラシア連邦のカティ・マネキン准将が執り、前線の機動兵器部隊の士気は旧東アジア共和国のセルゲイ・スミルノフ大佐が担う形になっていた。
二万弱の機動兵器の指揮を執り、補給や整備の面で支え、その火力でもって支援を行う堅固な砦となるのはスペースノア、ミネルバ、アークエンジェル、マクロスクォーター、ゴンドワナ級からなる地球連邦宇宙軍の主力艦隊である。
これに加えネピー・イーム級要塞三基と外宇宙航行艦ソレスタルビーイング級五隻、機動要塞メサイア、マクロス級二十隻、最後の審判者セプタギン八機が、その威容を青い地球を背後に知らしめながら、エルスと対峙している。
二度の大戦当時と比較しても膨大な地球連邦軍の戦力であったが、それでもエルスとの戦力比は推定百対一と絶望的な戦力差が広がっていた。
そして地球連邦軍の最先鋒の中核を担い、またこの決戦を勝利に導くための中核とされる部隊が存在していた。
かつて地球と宇宙の広がる戦乱の中で、突出した戦果を残し、戦乱の終結に大きな役割を果たしたとされるDC総帥親衛隊ラスト・バタリオン所属特殊任務部隊『クライ・ウルブズ』である。
旗艦スペースノア級壱番艦タマハガネのデッキからカタパルトで射出される巨大な人型が一つあった。
作戦開始時刻を間近に控え、すでに布陣をほとんど終えた友軍機や艦隊、迎撃用の人工戦闘衛星などが、無数にひしめき合う中を悠々と飛んでゆく。
現在地球圏最強のMSパイロットの一人に数えられ、また生身で特機を破壊する地球最強の生物と畏怖されるシン・アスカ中尉の愛機デスティニーガンダムセブンソード/Gである。
アロンダイト、シシオウブレード、ガーディアンソード、零式斬艦刀、獅子王斬艦刀、参式斬艦刀、斬艦刀の七振りに、出力二百万TWを誇る掌のパルマ・フィオキーナ二門と頭部の60mm対空ビーム砲塔が全武装である。
真紅の翼からツイン・テスラドライブの光の粒子を零しながら、全身に七つの刃を纏うデスティニーのコックピットの中で、シンは目的の相手を見つけ、その傍らに愛機を寄せるべく相対速度を瞬時に調節する。
そしてシンは、自身同様に地球圏最強の一角を担う戦友に声を掛けた。
人類初の進化種イノベイターとなった刹那・F・セイエイ。
イノベイターの存在と定義に関しては、進化した人類を自称するプラントのコーディネイター達がひどく反発したが、それはこの際後に置いておく。
エルス本隊の出現前に、先遣隊と思しいエルスとの接触に置いて、彼らの叫びを感知し敵対行動を最後まで取らなかったこの少年が、今回のエルスとの戦い――あるいは対話に置いてもっとも重要な鍵を握っているのだ。
たった一人の人間が背負うにはあまりにも重すぎる負担を、刹那に背負わせてしまっている事への罪悪感を感じながら、シンはデスティニーを刹那の機体の横へと動かした。
つい先日ロールアウトしたばかりの刹那専用のMS。
刹那の求めた理想を体現したガンダム。
GNN−0000+GNR−010/XNQ『オーナインクアンタザンライザー』。
刹那の前機体であるダブルオーライザーによって蓄積されたツインドライヴシステムを発展させたナインドライヴシステムによって駆動する、現時点におけるGNドライヴ駆動機の究極系だ。
通常のGN粒子生産量の二の九乗倍もの粒子生産量を誇り、また異世界とこの世界で蓄積された機動兵器開発技術の粋も凝らされている。
機体の基本骨格となるフレームは全てフルサイコフレーム、パイロットを補佐するバイオコンピューターをはじめ、気力を力に変えるマルチトレースシステムやラプラス・デモン・コンピューターに至るまで搭載されている。
両肩、両肘、両膝、腰後部に各二基ずつで八基、さらに背中に一基と全九基ものナインドライヴ前提の対消滅機関内蔵新型GNドライヴを搭載し、量子ジャンプによる恒星間転移や重力操作、空間干渉を可能としている。
機動兵器としての性能は既にMSの領域を超えて、ネオ・グランゾンやアストラナガンのレベルに至った超絶の機動兵器である。
また09クアンタの背中に接続されているザンライザーUも、元はダブルオーライザー用の支援ユニットであるが、09クアンタの開発に合わせて再設計と回収を施したものに変えられている。
形式番号が示すQは09クアンタ用に再設計がなされたことを示し、またXNもXNディメンションを意味している。
XNディメンションは基本的に通常空間や閉鎖空間を切り裂いて空間転移を行う技術であるが、09クアンタの量子ジャンプとザンライザーUに搭載されたフォールドブースターによって、用途が多様化している。
パイロット達の間で俗に御肌の触れ合い通信と言われている接触通信で、シンは案の定浮かない顔をしている刹那に気付く。
「なんだよ、刹那。眉間に皺が寄っているぞ」
デスティニーの接近にも気づいていなかったのか、刹那は声をかけられて初めて気づいた様子だった。
進化種であるイノベイターもやはり完璧とはいかないようだ。
「シンか」
「刹那が戦う気になれないってのは前から聞いていたけど、なにか予感でもしているのか?」
「エルスが木星から現れてから、ずっと彼らの叫びが聞こえている。その叫びが何を訴えているのか、それが分からない。それさえ分かれば、彼らと戦わずに済むかもしれない」
「その鍵は自分が握っている、だからなんとしてでも対話しなければ、か?」
「……そうだ」
幾分かの間を置いて、刹那は首肯する。今現在、地球ではイノベイター候補とされる人々が複数確認されているが、完全に覚醒するまでに至っているのは刹那を含めて二人きりだ。
刹那がそれを自覚し、強い責任感に襲われていても不思議ではない。ただ、数年来の付き合いで、刹那の表情からその責任感だけがあるわけではないようだと、シンは推察する。
それくらいはクライ・ウルブズの同僚たちなら誰でもわかるだろう。
おそらくはエルス達の発する叫びを理解できない事への困惑が、刹那の胸中に深く根を張っているのだろう。
世界を変える。自分が変える。未来を変える。その為に刹那は生きている。
まさに宇宙の彼方よりやってきた異種との遭遇は、刹那が刹那自身に課した存在意義の問われる時であるだろう。
「この二年で少しは刹那も丸くなったかと思ったけど、また昔みたいに無愛想になってるぞ。刹那が戦うつもりはないってのは分かるけどな。おれはイノベイターじゃないけど少しだけエルスの叫びは聞こえたから」
「そうだったな。シンだけでもなかったか」
「ああ、他にも念動力のある人達にも、刹那ほどじゃないにしろ何かしら叫びが聞こえていたんだから、少しくらいは刹那の助けになれる」
シンの言葉がまだ鼓膜を震わせているうちに、刹那は09クアンタXRのホロモニターを操作し、周囲の友軍機を見回す。
地球連邦最強最精鋭部隊であるクライ・ウルブズを中核に、刹那を球状巨大エルスの中心部に届けるために、精鋭中の精鋭たちが集結している。
アレルヤ・ハプティズムとマリー・パーファシーのガンダムハルートL、ハレルヤ・ハプティズムとソーマ・ピーリスの乗るガンダムハルートR。
ロックオン・ストラトスのガンダムサバーニャL、ライル・ディランディのガンダムサバーニャR。
ティエリア・アーデのハイパーキャプテンガンダム、リジェネ・レジェッタのラファエルガンダム。
スティング・オークレーのスペリオルカイザー、アウル・ニーダのファイナルフォーミュラー。
テンザン・ナカジマの大暗黒帝デラーズ、リュウセイ・ダテがメインパイロットを務めるSRXアルタード・バンプレイオス。
この決戦に際し、DC総帥の席を辞したビアン・ゾルダークが乗るスーパーヴァルシオン、伴侶のごとくその傍らに立つミナシオーネR2。
レントン・サーストンとエウレカの乗るニルヴァーシュType2、エペソ・ジュデッカ・ゴッツォのグレートズフィルードカイザー。
マサキ・アンドーのサイバスター、テューディ・ラスム・アンドーのイスマイル・レイ。
レオナ・ガーシュタインのズィーガーリオン、タスク・シングウジのジガンスクード・ドゥロ。
クスハ・ミズハとブルックリン・ラックフィールドの龍虎王、リョウト・ヒカワとリオ・メイロンの雀武王などなど
挙げればきりがないほど無数の機体がひしめき合い、未知の異星種との対峙を前にして緊張しているのが手に取るように分かる。
たとえイノベイターとしての能力がなくとも、だれしもそれくらいは分かることだろう。逃げ場を失った人類の守護の剣たらんと、誰しもが不退転の覚悟を腹に据えている。
「みんなやる気マンマンだけど、ちゃんと刹那が話をしてからってのは分かっているからさ、肩から余計な力は抜いておけよ。刹那を送り届けるのがおれ達の役目、エルスに話しをするのが刹那の役目。どっちも助け合ってかないとな」
「そうだな。少し、肩に力を入れ過ぎていたかもしれない」
「こういう時はまた会いたいって思う人を思い浮かべるといいんじゃないか? ほら、アザディスタンの皇女様とか」
「マリナとはそういう関係じゃない」
間を置かぬ刹那の返事に、シンは容赦ないな、と苦笑した。そういった男女の恋愛的な事に関して、イノベイターになった戦友はまるで進歩が見られない。
単にそれが刹那の性格や育った環境のせいであるのならまだ改善の余地はあるが、刹那自身が、自分にそういった幸福や自由を許していないのであれば、根が深い問題だと一夫多妻の環境に在るシンは思う。
ただ、それを言うと刹那ばかりでなくマリナ皇女の方も同じように思える。まあ、男女の関係が必ずしも恋愛的なものが全てというわけではない。
刹那がマリナに見ているものは、一人の人間としての好意以上に、もっと大きく深い愛なのかもしれない。
そんな事を大っぴらに言えるほど、シンは自分を大した人間だとは思っていないので、誰にも告げたことはなかったが。
「そろそろ時間だな」
今日の天気を告げる様なごく自然な口調でシンが呟いた。
数える事が馬鹿馬鹿しくなるほどの層をなして高速で地球に迫りくるエルスの大群が、メインモニターの向こうで巨大な壁の様になって蠢いている。
刹那個人はエルスとの戦闘を望んではいなかったが、刹那と09クアンタXRを球状巨大エルス中枢に送り届けるためには、多数のナイフ、ランス、クラゲエルスを撃破して突き進むしかない。
地球人類側の先制の第一砲は、ソレスタルビーイングや各マクロス級の主砲の一転集中砲撃により、球状巨大エルスまでのコース上に存在する小型エルスの一掃からだ。
その後、熱核弾頭や反応弾、マイクロディメンションイーターを搭載した近接信管式長距離ミサイルによる一斉発射が行われる。
人類の保有する強大過ぎると危惧された絶大な火力は、壮大で華麗な戦果を宇宙の闇に煌々と描きだして見せた。
数々の砲撃はエルス達が展開した各種のフィールドの干渉を受けて威力を減衰しながら、それでも多くのエルス達を飲み込んで、一ミリほどの欠片も残さず完全に消滅させる。
近接信管に切り替えた各ミサイル群もその処置が功を奏し、次々とエルスの群れにぽっかりと大きな穴を穿ってゆく。
地球を丸ごと埋め尽くす事も出来る様なエルスの大群を前に、大なり小なり萎縮していた地球連邦のパイロット達も、友軍の圧倒的と見える戦果を前に士気を高揚させる。
三千隻以上の戦闘参加艦艇の砲撃とミサイル攻撃の支援を受けながら、無数の光点が迫りくるエルス達へと向かい、彼我の間に光の雨を降らす。
戦線の最先端を飛翔するのはVF−21AエクスカリバーとVF−25メサイアからなるバルキリー部隊三千機と、グラハム・エーカー少佐の率いる次期主力採用候補機ブレイヴ三百機である。
戦端を開いた彼らの中でも特筆すべきは、現在地球連邦で使用されている太陽炉のほぼすべてが翡翠色の粒子を放出する純正太陽炉に換装されていることだろう。
DCの重力操作技術によって、木星と同じ環境を再現する事が可能となったことで、この二年間で莫大な数の純正太陽炉が製造されている。
エルスとの長期戦を考慮すれば、永久動力機関である純正太陽炉の搭載は有効な手立てであるだろう。
特に、サバーニャ、ハルート、グラハム少佐の搭乗する指揮官用ブレイヴはツインドライヴシステムを採用しており、他の太陽炉搭載機と隔絶した性能を保持している。
さらにグラハム・エーカー少佐の率いるソル・ブレイヴスのブレイヴは徹底的なカスタマイズが施されている。
ツインドライヴシステムはもちろん、プロジェクトTDで培われたツイン・テスラドライヴ技術や、VFシリーズの熱核タービンやピンポイントバリアなどの技術が採用されているのだ。
これは旧DC所属のとある科学者の、
「プロジェクトTDとVFシリーズとフラッグ系の技術をまとめればすごくね?」
という発言の元、再設計強化されたブレイヴは、ソル・ブレイヴと命名されて、数機が先行量産されていた。
MDE弾頭と反応弾をばら撒き、エルスの先陣数千体を舐めるように葬った高機動部隊は、味方同士でフォローしあえる位置を心掛けながら、刹那の為の道を切り開くべく縦横無尽の活躍を見せ始める。
日本帝国の戦略航空機動要塞を宇宙仕様に改装した戦略航宙機動要塞XG−70ds凄乃皇・四型宇宙式一個大隊も、主砲である荷電粒子砲や2700mm/120mm電磁投射砲、VLSをフル稼働させている。
旗艦タマハガネを中心に、クライ・ウルブズの全機動兵器部隊も先鋒の矛が穿った穴が塞がれる前にと、蓄えに蓄えた力を爆発させるべく吶喊を始める。
前述した強力極まる機動兵器に加え、この二年の間に新たに加わった新人達も、このとてつもない戦場の中を、臆する様子も見せずに戦い始める。
タマハガネの甲板上では、あろうことか宇宙服も何も纏っていないセクシャルな装いの、青い髪と白皙の美貌の少女と、全く同じ美貌に白い髪と褐色の肌の二点で異なる少女とが背中合わせになって、近づくエルスを次々と撃ち落としている。
少女達は何もない空間からガトリング砲や拳銃を取り出すと、宇宙空間に生身を晒しながら、片方は無表情に片方は残酷な笑みを浮かべて次々とエルス達の活動を停止させてゆく。
なにやら険悪な空気の漂う少女たちであったが、なにやら二言三言交わし合い、それぞれ豊かなラインを描く乳房を張ると、それぞれの胸部の前方に青と黒の球体が生じる。
凄まじいエネルギー量を誇るそれらの球体が放たれてエルスに触れると、少女達はそれぞれナイフ状の物質を投げ、額当ての瞳を思わせるクリアパーツに手をやり、球体を炸裂させる。
相転移現象を発生させて超絶の破壊をまき散らすそれは、本来なら恒星さえも破壊可能な相転移砲であったが、乱戦状況ゆえに威力と効果範囲を絞ったものだった。
「行くぞ、刹那!」
「ああ、行こう。エルス達のもとへ、対話の為に、戦いを止める為に!!」
連邦軍の精鋭たちが切り開いた血路をデスティニー7S/Gと09クアンタXRが全推力を傾けて、一挙に飛翔する。
その周囲を全長三百メートルを超す巨大なMA部隊が囲った。
GNMA−Y0002V『ガデラーザ』。
本体後部左右に直列型ツインドライヴ三組と、予備として中央部に一基のオリジナルGNドライヴを搭載し、機体に七基の純正太陽炉を持つ。
武装は機首に超大型のGNキャノン一門、左右の足元に十機の小型ファングを内蔵し、太陽炉を一基ずつ搭載する大型ファングを十基収納している。
計百五十四基のファングにミサイルポッド、普段は収納しているGNクローにはGNビームマシンガンを内蔵しており、遠近両方に対応している。
刹那に続く人類二人目のイノベイター、デカルト・シャーマン大尉の搭乗する最新鋭のイノベイター専用MAである。
エルスの放つ脳量子波が膨大な情報量でもって、脳量子波を扱う者達に苦痛を及ぼすことを考慮し、脳量子波遮断措置を重点的に行っている。
銀色の髪に顎を覆う短い髭と下唇の下に刺したピアスが特徴的の、二十代後半ほどの男がデカルトである。
先にイノベイターへと変革した刹那が好待遇を受けていた事もあって(クライ・ウルブズの独特な部隊性もあるが)、デカルトもイノベイターへの希少な変革例ということで彼もまた好待遇を受けている。
今回はデカルトのガデラーザを筆頭に、約七十メートル前後の大型MAレグナント一個大隊が続いている。
ややシニカルなものを含んだデカルトの顔が刹那とシンの前に映し出される。
「私も付いてゆきますよ。イノベイターの先輩がどうするのか、個人的な興味もありますのでね」
「好きにすればいい」
デカルトに答える刹那の声は淡々としている。同じイノベイター同士ではあっても、普通の人間同様に必ずしも馬が合うとは行かないようで、人間というものはそうそう上手く出来てはいないようだ。
「一気に行くぞ。トランザムの使いどころは間違えるなよ」
これはシンである。既に意識は戦闘モードに移行しており、永いこと愛用していた斬艦刀をすでに抜いている。
エルス相手に接近戦を挑むのはほとんど自殺行為であるが、シン・アスカに限れば地球連邦の誰からも文句は出ない。
下手な特機なら生身で破壊する正真正銘の化け物なのだ。旧人類どころかイノベイターに覚醒したデカルトでさえも、シン相手に文句をつけるつもりにはなれない。
「来るぞ!!」
刹那の声が通信をつなぐ者達すべての気を引き締めた。イノベイター二人の発する脳量子波に引き寄せられた小型・大型のエルス達が、続々とこちらを目指して突撃してくる。
「久しぶりの正念場か」
だが、いつだって戦い抜き、くぐり抜け、そして生き残ってきた。今回もそうするさ、とシンは身重の妻たちの待つ地球を守るべく、愛機と共にエルスの群れのまっただ中へと飛翔した。
おしまい
DSD本編終了後にしようかいま書くかで迷いましたが、旬が大切と思い、今回投下させていただきました。
本編終了後に書いていれば地球人類の戦力がもうちょっとマシだったんですけれども。
また本編には出てこない機体も多数含まれています。少女二人はムゲフロにでたゲストキャラです。EP3終了後拾って直したら、なんか二人に分裂したのでした。
00二期で三個艦隊の戦力がMS108機、映画では九個艦隊とのことなので324機。エルスとの戦力比が一万対一と考えると、324万機MSがないと互角には持ち込めないわけですね。
まあ、宇宙怪獣に比べれば赤ん坊みたいなものですし、悪意はないわけですからね。比べるだけ無粋でしょうか。
ゼントラーディ基幹艦隊を壊滅させた要塞型ズフィルード一機でも勝てる……んでしょうかね?
暇つぶしにでもなれば幸いです。では、お邪魔しました。
誤字訂正
> 09クアンタの開発に合わせて再設計と回収を施したものに
→09クアンタの開発に合わせて再設計と改修を施したものに
> 気力を力に変えるマルチトレースシステム
Gガンダムのエネルギーマルチプライヤーシステム?
にしても
> 本編終了後に書いていれば地球人類の戦力がもうちょっとマシだったんですけれども
何dでもねえこと書いてるんですかあーたwwwwww
>>36さま
ご指摘どおりでした。どうもうろ覚えで書いたようです。トホホ。
本編の最終戦力はイデオン・ガンバスター・ディストラこみのαナンバーズと結構いい勝負できるくらいが目安ですので、とりあえずこれくらいでないと……。
あー、アレらがいると戦力大爆発ですしねぇ……つかゲームシステムに拘束されないと戦力バランスがその3機に偏っちゃいますね>αナンバーズ
真ゲッターはあれ以上強くなると火星へ飛んでっちゃうそうですし
ティエリアとハイパーキャプテンが凄く気になる
SDなのかリアル等身なのかSDのまま巨大なのか
でもってMS扱いのキャプテンにティエリアが乗るのか
それともデータ人間ティエリアの体がキャプテンなのか
総帥乙です。
ノーヘッドが三千機とか……きっとOO世界のテラオカノフが見たら涙を流して喜ぶに違いない。
後、ゲシュMk−II改はもうMk−IIIを名乗ってもいいんじゃないかな?(アルトから目を逸らしつつ)
後、一夫多妻とか重の妻たちの待つとか言われてるシンは7剣爆発しろ
>アロンダイト、シシオウブレード、ガーディアンソード、零式斬艦刀、獅子王斬艦刀、参式斬艦刀、斬艦刀の七振りに、
ええと、MSのサイズでこんだけ長物をどっちゃり持たせられるんだろうか、武器を磁石で砂鉄のようにくっつけたみたいな姿しか浮かばないw
ビアン総帥が例によって国民的機神妖怪蒼狸の装備品を参考に開発した四次元鞘を全身に仕込んであるとか?
>41
そういえばそうだ。なぜか全然気にならなかったw
デスティニーの羽に仕込んでるとか?
でも、この七振がデスティニーの周りをフヨフヨ追尾しるのを想像してしまった。
この運命にはベクタートラップが搭載してあるんだよ、きっと
実際この世界のDCなら十分実用化にこぎつけてそうだ
>>43 ベクタートラップが実用化されている=メタトロンがあるなら、当然独立型戦闘支援システムもある訳で……
そう考えると中の人繋がりでディステニーにはADAが搭載されている=プライベートだけでなく、戦闘中もキャッキャウフフ……
でも、江原→ジョージ→小杉なラスボスもオマケに付いて来そうだなw
アホセルが種死の世界に来たら〜ってのを無性に書いてみたい気がする俺ガイル
>>46 おk
機体は前半がアシュセイヴァーで、自爆後がソウルゲインで。
で、ラクシズとシャドウミラーが手を組んだりしてな。
とりあえず第一話を書いてみた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY A
第一話 異邦人
「うう……レモ……ン……」
宇宙空間の中、男は失っていた意識を取り戻す。
「う……ここは……なんだ?残骸だらけ……戦場かよ!?
俺は……うっ……俺は……誰だ!?どうしてこんな所に……?」
男はどうやら、自分が何処にいるのか、そして自分が何者なのかすら解らない様だ。
「ちっ……落ち着け。まずは情報を整理するんだ。
俺が乗っているこいつはロボット……人型兵器か?」
男は自分が乗っているものが、所謂ロボットである事を理解する。
目の前のディスプレイには、「ASK-AD02 Ash Saviour」という文字が浮かび上がっていた。
「この『アシュセイヴァー』とやらが機体の名前か。燃料……弾薬……、結構消費してんな。機体自身にも若干の損傷、と」
そして男はモニターから周囲を見回す。
「ということは、周りの残骸は俺がやったものなのか?それとも、俺の仲間……仲間!?」
男は苦悶を顔に浮かべ、頭を抱える。
「くそ……思い出せない。記憶喪失という奴か!?ちっ……シャレにならんぜ。一時的に記憶が混乱しているだけだと思いたいが……」
「チャ−リィよりアルファへ! アンノウンを視認、6時方向!」
「各機、アンノウンを追尾。逃がすなよ」
「了解。しかし、あの機体は何だ?ザフトの新型か?」
「わからん。だが、俺達を見られた以上、撃墜するしかない」
「各機、仕掛けろ!」
49 :
48の続き:2010/10/04(月) 22:35:23 ID:???
アシュセイヴァーの周囲で爆発が起こる。
地球連合軍のダカー系と思しきMS隊が攻撃を仕掛けてきたのだ。
「なんだ、戦闘!?くそ、状況が把握できねえ!……こっちに来る!」
MSの1機が急接近してくるのが、モニターにはっきりと映し出される。
男は操縦桿を握り、落ち着いた表情となる。
(操作方法は……わかる。何から何まで忘れたわけじゃないらしい……やってみるか)
接近してきたMSが、ビームサーベルを抜刀し、アシュセイヴァーに斬りかかってくる。
「くらえ……うわぁぁーっ!!」
斬られたのはアシュセイヴァーではなく、襲い掛かってきたMSの胴体だった。
「……結構斬れるぜ、こいつは!」
アシュセイヴァーがレーザーブレードを抜き、敵MSの胴体を横薙ぎに一刀両断したのである。
「1機やられただと?ええい、取り囲め!」
「了解!」
敵MS隊の隊長が、アシュセイヴァーを包囲するフォーメーションを取れと命令を下す。
それを受け、各機がアシュセイヴァーを取り囲む動きを取る。
しかし、アシュセイヴァーはそれに合わせるかのように、右手にライフル型の武器を握り1機、また1機とMSを撃墜していく。
「狙いはバッチリなんだな、これが」
あっという間に包囲をしかけたMSは壊滅状態となった。
敵MS隊の隊長はアシュセイヴァーの戦闘力に恐怖を感じた。
だが、恐怖に怯える間もなく新たな脅威の出現という現実が訪れたのである。
「各機、警戒しろ!この宙域へ大型艦が侵入してくる!」
「艦影1、MS3機の出撃を確認!識別信号はザフト!」
50 :
49の続き:2010/10/04(月) 22:36:46 ID:???
突如この宙域に出現した大型艦、そしてそこから出撃したザフトのMS3機。
「レイ・ザ・バレルよりミネルバへ。全機、出撃完了」
「レイ、アンノウンへコンタクトを試しなさい」
「了解」
白い一つ目のMSのパイロット、レイ・ザ・バレルは母艦からの指令を受け、
アンノウン=未確認の機体へのコンタクトを試みる。
「何だ、あの機体?ザフトの機体には見えないな」
「連合系の機体でも無いみたいね。それどころか、モビルスーツなのかもわからないわね」
その後では、白い二つ目のMSと赤い一つ目のMSのパイロットが、アンノウンを見て呟いていた。
(あの白い二つ目の機体……見たことがある……!?)
白い二つ目のMSを見た男は、どうやらその機体に心当たりがあるようだが、記憶が失われていて
肝心なことは思い出せない。
「アンノウンに告ぐ。こちらはザフトのレイ・ザ・バレルだ。聞こえていたら、所属と姓名を名乗れ」
(どうする……こいつらは敵か味方か……?でも、敵だったら攻撃してきそうなもんだしな)
「おい、黙ってないでなんとか言えよ。アーでもウーでも」
応答の無いアシュセイヴァーのパイロットに対して、白い二つ目のパイロットが苛立ったように通信を出す。
「ああ?」
「ケンカ売ってんのかよ、あんた!」
男の返答に対して、二つ目のパイロットがいきり立つ。
「何でキレてんのよ、シン、落ち着きなさいよ。見た所、損傷しているようだし……無理は言えないでしょ」
そしてそれを赤い一つ目のパイロットの少女がなだめるのであった。
「返答は?」
「大丈夫だ、聞こえている」
「へぇ〜、結構いい男じゃない。さっきのはご愛嬌かしら?」
「繰り返す。所属と姓名を名乗れ」
「名前か……思い出せん。記憶喪失と言う奴らしい……」
「き、記憶喪失!?」
記憶喪失という言葉を聞いて驚くシン。
だがその直後、男は何かを思い出したような表情をした。
「ちょっと……待ってくれ。そうだ……アクセル……アクセル・アルマー」
「それが……あなたの名前?」
「そうらしい……良くわからん。それ以外はさっぱりだ」
男は自分の名前がアクセル・アルマーである事を思い出した。
しかし、それ以外の記憶は蘇ってはこない。
51 :
50の続き:2010/10/04(月) 22:38:10 ID:???
ザフト所属の宇宙艦・ミネルバのブリッジでは、アシュセイヴァーに関するデータの照会が行われていた。
「アーサー、照会は済みましたか?」
「はっ、機体コードはASK-AD02『アシュセイヴァー』。マイウス市で開発された機体とのことです」
「マイウス市?モビルスーツには見えないわよ」
「ですが、単独行動テストのプランがザフトに提出されています。それによりますと、テストパイロットはアクセル・アルマーとなっています」
「……辻褄は合っているというわけね。念のため、マイウス市に確認を取りなさい」
「了解」
照会が終わった後、ミネルバ艦長タリア・グラディスは出撃させた3機のMSに指令を出す。
「各機へ。その機体はプラントの試作機です。連合軍を掃討した後、保護しなさい」
「了解。シン、ルナマリア。あの機体を保護する。ぬかるなよ」
「ああ」
「まかせといて」
ザフトの3機のMSが、アシュセイヴァーを保護すべく残存している連合MSの掃討を開始する。
(このまま何も思い出せずに死んでたまるか……。実戦の中で、記憶が戻るかもしれないしな。さて……)
52 :
51の続き:2010/10/04(月) 22:53:33 ID:???
アシュセイヴァーとザフトMS隊が戦闘を終えた。
「索敵範囲内に敵影無し」
ミネルバのオペレーターが、敵機が完全に掃討されたことを確認する。
「警戒態勢に移行。試作機を回収し、危険物処理室で機体の調査を行いなさい」
「了解」
「それから、マイウス市とコンタクトは取れた?」
「はい、既に先方を待たせております」
「では、回線をこちらに回しなさい」
モニター越しに、タリアがマイウス市の開発者にアシュセイヴァーとアクセルについての説明を求める。
「ええ……確かにASKカスタムアシュセイヴァーはマイウス市で開発した機動兵器です」
「何故、機密扱いに?」
「アシュセイヴァーは次期主力量産機のトライアルに提出する予定でして……他に情報が漏れるのを防ぎたかったのです」
「では、テストパイロットのアクセル・アルマーについては?」
「彼の経歴は、お送りした採用時の信用調査資料の通りです。記憶喪失は想定外でしたが」
「了解しました。では、速やかに機体とパイロットのお引取りを」
しかし、ここで開発者は首を横に振る。
「それなのですが……マイウス市議会の意向で、各種データ取得のため、アシュセイヴァーとアクセルを貴艦に同行させて頂けませんか?」
「本艦は現在作戦行動中であり……」
「まあいいではないか、タリア」
タリアの背後から、長い黒髪の男が現れる。
「議長……」
そう、彼こそがプラントの最高評議会議長、ギルバート・デュランダルである。
「セカンドステージ奪回のためにも、今は少しでも戦力が欲しい所だしな」
「しかし、疑問が拭えないような機体とパイロットを本艦で引き取るのは……」
「万一の時には私が責任を取ろう。それで良いかな?」
「……わかりました。では、アシュセイヴァーとアクセル・アルマーは本艦でお預かりします。但し、機密保持と機体の安全保証は出来ませんのでご了承を」
「それは重々承知致しております。では、何卒よろしくお願い致します」
デュランダルのお墨付きが与えられたことにより、ミネルバはアシュセイヴァーとアクセルを同行させる事となったのである。
53 :
52の続き:2010/10/04(月) 23:12:55 ID:???
ミネルバのブリーフィングルームでは、MS隊のパイロットであるシン・アスカ、レイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホークの三人が、
急遽試作機を同行させることが決定したことについて話していた。
「なるほど、私達で面倒を見ろってのね?」
「ああ」
「二人とも、アシュセイヴァーの調査結果聞いたか?」
「いや、まだだ」
「かなりの高性能機らしいんだけど、ジェネレーターや武装等、不明な点が多いんだってさ」
「あれって、トライアル提出用の機体なんでしょ?新技術や企業秘密が満載なのは当たり前じゃない?」
「そんな言葉だけで片付けられはしないよ。どう見たってあれ、MSとは似てるようで違うみたいだし、本当にプラントの機体なのかどうか……」
「どうも!」
ブリーフィングルームに、突然赤毛の20歳前後の男が入ってきた。
「……って、お邪魔だったかな?」
「!」
突然の来客に驚くシン。
それと対称的に、レイは冷静に問いかける。
「随分、気楽なものだな。自分が何者なのか解らなくて、不安は無いのか?」
「ん〜、まぁしょうがないっしょ。不安になったからって記憶が戻るわけじゃないし……名前がわかっただけでももうけもんさ」
「おたく、前向きねぇ」
ルナマリアが呆れたような顔をする。
「そういうこと。もちろん、戻るに越したことは無いけど」
「名前以外、何も思い出せないの?」
「う〜ん……君のような美人がキスしてくれたら思い出すかもな」
アクセルはまるでイケメンのような顔をしてこう呟いた。
「え?もしかして口説きのつもり!?」
目を丸くするルナマリア。
「なんてな、冗談だ。自分が何者なのか解らないのは本当だけどね」
「もう、笑えないわよ」
「ではシン、彼に艦を案内してやってくれ」
「な、何で俺が!?」
「一つの社会勉強だと思って、やれ」
「……反応があっただと!?」
「ええ、アーモリーワンの近くの宙域でね。工作員から報告があったわ」
「こちらへ来るタイミングと転送ポイントがかなりずれているが、大丈夫なのか?」
「どうかしら。転移時のエネルギー数値が、予想されていた限界値を遥かに超えている……」
「……失敗ならば、すぐに次の手を打たねばならん」
「そう慌てないで。機体の転移そのものは成功しているし、根回しも上手くいったみたい。ただ……」
「ただ?」
「パイロットの生命に異常はないかもしれないけど、精神に障害が出る可能性があるって所ね」
「奴ならば、生きていさえすれば問題あるまい……」
「あら、珍しい。あなたが人を信頼するなんてね」
「……人間を真似た人形などよりはマシ……ということだ」
「あの娘は……あれはあれで使えるんだけど。任務遂行の確実性は彼より上よ」
「……奴がしくじったら、考えればいい」
(……アクセル……無事でね)
第一話 完
投下おつおつ
この流れだとアホセルが「がんばってねえん」をレイとルナにやるわけだがどんなシチュだww
乙、GJはもっと様子見てからにするけど
で、何とお呼びすれば良いのかな、新人殿
56 :
アホセルの人:2010/10/05(火) 22:58:50 ID:???
>>55 とりあえず、「アホセルの人」とでも呼んでください。
今後の展開としては、ユニウスセブン落下シーンを『A』の宇宙ルートの
コロニー落としに見立てて描こうと思います。
その途中にアホセルとシンの絡みも描いておかないといけませんが。
h
誤送信スマソ
新作者ktkr続きが楽しみだ。
そういえばまとめに総帥と11氏の作品って全部フォローされてる?
アクセルの人乙
アニメ化でまた人が増えてくれれば嬉しい
そういう意味では11氏もいい時に帰ってきてくれた
後はスムーズにOG3が出てくれれば
アホセルかぁ・・・
向こう側は一体どんな世界なのか、向こうもCEなのか
ところで、三輪長官の傍にいたテーンとやらが
W10だったらと想像したらシュールで噴出したが
このお話に出てくるんですかね、ナンバーズ
続きを楽しみに待ってます
61 :
アホセルの人:2010/10/12(火) 00:13:39 ID:???
皆様どうもありがとうございます。
現在第二話執筆中です。
一応ゲシュペンストとかも出していく予定ではあります。
しかしよく考えると、ラクシズも戦うことでしか物事を解決できない連中だから
シャドウミラーとは共通しているんじゃないかと思ったり。
戦争を止める為の戦いを繰り返すラクシズと戦争を続けるための戦いを繰り返すシャドウミラーですからなぁ。
思想は真逆でもやってることは大差ないというw
00ACE参戦オメ
ほす
>>62 あの馬鹿代表の信望者の台詞を借りれば
「でもそれって根本的な解決になってないですよね」だな
正直、わざとやってるんじゃないかというか
戦いでしか解決できない、裏返すと戦うことで解決できると言う思い込みは問題だな
もう、アレだ
別スレに相応しい方向になりそうだが、伝説の巨神でも呼ぼう
綺麗サッパリにしてもらおう
もしくは宇宙の静寂と平和を守るコンピュータードール
あとはガリアン宇宙のイレーサーとか
ゲッターは欠かせないな。
宇宙正義の使者ことウルトラマンジャスティスに断罪してもらおうぜ
皮肉にも負債が「こっちは天下のガンダムだぞ」とバカにしたウルトラマンが
一番嫌いそうな世界だしなCE
保守
保守だぁね
71 :
通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 00:36:18 ID:cHQzQNva
age
ゲシュペンストキックってやっぱり音声入力システムだったのか
壁際の人のコールゲシュペンストに燃えて、「SHOUT NOW」に吹いた
Lはシンとキラが協力してデストロイとめるらしいね
今回は確かにクロスオーバーしっかりしてるし
随所で見かけた良作評価も信頼できそうだが
カガリ誘拐とかは相変わらずなのな
ゼロシステムでコレを予想した上で炊きつけたのかヒイロ・・・
一応あの世界の設定だとWのガンダムはちょっとした英雄みたいなもんだし
その英雄に守りたいものは守れ、お前の感情に従って行動しろ、それが一番正しい
って言われたら行動も起こすさ
その後しっかり虎とカガリに叱られてたけど
今回は珍しくTVの話にも触れてるな
カーンズなんて名前久しぶりに見た気がする
ビッチの裏切りは種死を再現する以上必要なものだと思ってたけど
実はそうじゃなかったんだな
むしろあのハゲさえ常識的に動けば
おのずと他もマトモに動くんじゃないかと最近思えてきて・・・
今回はキラがステラ救出に協力ということで
シンと決定的なわだかまりが出来るのを避けるどころか肯定的なほうにもっていったり
うまいこと運んでるね
アスカ家のアレは・・・オルガがジャンプしてたんだということにしておこう
それを抜きにしても結局はオーブっつかアスハの避難体制と防衛策がずさんだったから
アスカ家の悲劇が起ったわけだしなぁ…
盟主王からご丁寧に攻撃開始時間を伝えられてるくせにあんなギリギリでの避難になるとかありえんぞ
>>78 ハゲっつーより、今回の影の功労者はディアッカ・Lスマンだからな
奴がいなければシンとキラの和解は有り得なかった
つーか、その点については凸は一つも役に立たなくて空気だし
凸って何も考えてないからな、そんな気遣いと無縁だろう
悩んでそうな時は頭が動いてない時だし
スパロボLクリアしました! なのでディバ種で頑張ってラスボスを出すことにしました! あれは使える、とピンと来ましたので。あとアンドロイド勢が可愛かった。
Lやったりよそ様で獣カーンもの書いて浮気したりしていましたが、今週の土日に本編の続きを投下できるよう努力します。よろしくお願い致します。
総帥来た! これで勝つる!!
例え遅れても待ってますから、慌てずご自分のペースで作品を仕上げてください。
まったく総帥はとんでもねえスパロボ馬鹿だ(褒め言葉)
Lはやってないけど、総帥の手腕に期待させてもらいます
ディバイン SEED DESTINY 第四十八話 四神覚醒我ラニ敵ナシ
鋼の翼を広げて舞い降りたヴァルク・バアルを前に、四体の超機人はわずかな怯えを含む猛烈な闘志を発していた。
古代中国の歴史が存在を物語る神獣を模した超機人達は、その全身から降り注ぐ陽光さえも燃やす苛烈な炎を発しているかのよう。
常人ならモニター越しの光景であっても、肌を打つ剛体の質量を持った気迫を受けて、全身を硬直させてしまうだろう。
ならば、龍王機、虎王機、雀王機、武王機の敵意の集中を針の筵の上に座らされたように浴びせられてなお、余裕と自信が形作る嘲笑を浮かべるこの男は如何に形容するべきであろうか。
「ただ唸るだけなら誰にもできる。人界の守護者を自負するならばこのおれに敵と認められる位の気概と力を示すがいい」
ヴァルク・バアルの右手に携えたショット・シザーを、武将が握る軍配のごとく掲げると、超機人の周囲をメギロート、ゼカリア、エスリムの三機種が取り囲む。
十重二十重に円陣を組み、威容を誇る超機人達を前にしても無人機ゆえになんら恐れる様子もためらう動作も見せず、ずん、と重く響く足音を立てて歩を進める。
「人形どもを蹴散らし、気力を貯め込み、戦意を高め、血を滾らせろ。震える体を抑え込み精神を振るいたたせろ。萎縮しきった雑魚を踏み潰した所で、なんの感慨もない」
一糸乱れる事もなく、ゼカリアとエスリムはそれぞれライフルとスピアの切っ先を突き出し、メギロートは甲虫のモノに酷似した翼を広げて重力の鎖を引きちぎり飛翔する。
大地をゼカリアとエスリムが、空をメギロートが埋め尽くしたことで超機人達に逃げる場所はない。
ヴァルク・バアルとそこに宿るディス・レヴ、さらにその両方を完璧に把握して使いこなすキャリコの放つ、無色不可視の絶望の重圧。
物理的にも精神的にも超機人達とその主たちが諦めの境地に身を置いていてもなんらおかしくはなかった。
そしてキャリコは、ひどく愉快なものを見たとばかりに、嘲笑の中に極僅かながら愉快気な成分を混入する。
「ほう?」
ライフルを構えていたゼカリア数機が一斉に爆発し、またダカル・スピアを構えて突撃を仕掛けんとしていたエスリムが、鋭い爪牙によって無惨なまでに引き裂かれ、噛み砕かれ、踏み潰されたたからだ。
人間の可聴領域をはるかに超えた超振動波と機動兵器の装甲も容易く融解させる超高熱の火炎によって、十機近いゼカリアとエスリムを破壊したのは雀王機と龍王機。
猛々しい咆哮と山そのものが崩れたかのような迫力で襲い掛かり、装甲をものともしない爪と牙、そして超重量による体当たりで破砕せしめたのは武王機と虎王機。
気性荒く誇り高き白虎を駆るブリットは、虎王機と共にキャリコへと吠えた。
「お前はいったい何様のつもりだ! これだけの事をして、なにが目的だ」
ブリットに続いたのは彼同様に強い正義感と怒りを燃料にして、激しく感情を燃焼させているリオだ。
大山のごとく重厚な威圧と共にヴァルク・バアルを睨む武王機も、主と変わらぬ意志を抱いているのは明白であった。
「これ以上の非道は私達が許さない!」
自身の機体を激しく旋回させて巨大なドリルのごとく突貫する虎王機に合わせ、リオの乗る武王機も手足を甲羅の中にしまいこみ、超機人達の中でも一際目立つ巨体に横回転を加えて突撃する。
数世紀前の怪獣映画で主役を張っていた亀の大怪獣を彷彿とさせる武王機の巨体に対し、キャリコは焦る調子を一欠けらも見せることなく、下方から上方への縦一文字を描くショット・シザーの一振りで、呆気なく弾き飛ばす。
陸上艦艇なら駆逐艦どころか戦艦級でも一撃で船体をくの字にへし折られるだろう、武王機の超重量を最大限に生かした攻撃を、これほど容易く弾くヴァルク・バアル。
パーソナルトルーパーの系統に近い機体デザインと20m級のサイズを考慮すれば、これは同サイズのスーパーロボットクラスをも上回る馬力を誇っているのは間違いない。
「きゃあああっ!!」
「そんな悲鳴を挙げるとは、幾ら強がろうが所詮女だな」
嘲笑というよりは淡々と事実を語る口調のキャリコに、武王機とわずかにタイミングをずらした虎王機が横合いから襲い掛かる。
いかに機体性能を劇的に向上させたヴァルク・バアルといえども、振り上げたショット・シザーを振り下ろすのが間に合うはずもない絶妙のタイミングであった。
ごく短期間の付き合いであるブリットとリオが行ったと考えれば、なかなか見事なタイミングでの連携といえよう。
武王機よりも重量では劣るが激しい旋回運動と高速を活かしての一撃の攻撃力は、けして劣るものではない。
タイミングとしては悪くないブリットと虎王機の不意を突いた一撃であったが、であるがゆえに、そのタイミングを計る事は今のキャリコにはそう難しい事ではなかった。
ヴァルク・バアルの左側から渦を巻いて襲い来る虎王機を、あろうことかヴァルク・バアルはその左手で、牙をむき出しにして大顎を開く虎王機の顔面を掴み止め、わずかに機体を後退させるだけで、猛る白虎の突撃を押し止めて見せたのだ。
「な、なんてパワーなんだ、こいつ!?」
「チャージ(突撃)などさせん」
どこか楽しげにつぶやくキャリコの唇が冷たい三日月の形に歪むのと、虎王機の頭が高速で大地に叩きつけられ、激突点を中心に巨大な蜘蛛の巣状の罅が大地に広がったのはほぼ同時であった。
特機に分類されるであろう超機人達の重装甲なればこそ粉砕は免れたが、これがMSやPTの類であったら、原形を保てぬほど粉々に砕けていたのは間違いない。
「ぐああああっ」
「頑丈さだけか、取り柄は?」
大地に叩きつけられたダメージがどれほどのものであったか、あるいは人間で言う脳しんとうを起こしたのか、虎王機の意識は稲穂の様に呆気なく刈り取られて。巨大な白虎は身じろぎ一つする様子もない。
更に一撃を加えれば虎王機の機能に大打撃を与える事が出来ただろうが、キャリコはヴァルク・バアルにディフレクトフィールドを展開させた。
ヴァルク・バアルをめがけて襲い掛かったのは、武王機と虎王機それぞれの対となる超機人、雀王機と龍王機の放った超音波の弾丸と超高熱の火炎だ。
並みの機動兵器ならば十機くらいは簡単に破壊して見せる同時攻撃に、流石に万能の防御壁たるディフレクトフィールドも抗しえたのはものの数秒。
ガラス片が砕かれるのとよく似た崩壊現象を起こして、ヴァルク・バアルを守護していたエネルギー障壁が砕け散り、紅蓮の焔と不可視の超音波が容赦なく黒と金で飾った魔人へと襲い掛かる。
そのディフレクトフィールドの崩壊から着弾までのわずかもないと見える隙間を、金色を散らばせた漆黒の風――ヴァルク・バアルが駆け抜ける。
防御壁の無い状況で受ければヴァルク・バアルも無視できないダメージを負う攻撃をまるで恐れる素振りもなく、ウィング・バインダー内部に搭載したテスラ・ドライヴのスロットルを一気に引き上げる。
地を舐める様な軌道で飛翔していたヴァルク・バアルが、鋭く角度を変えて空に翼を広げていた雀王機と龍王機へと襲い掛かった。
友人機としては有りえないといってよい鋭角的な動きは、テスラ・ドライブの恩恵があるとはいえ搭乗者の臓器や骨格をスープの様に変えてもおかしくないものだったが、キャリコにはまるで堪えた様子はない。
第三者からすれば、天空の支配者たるに相応しい悠然たる威容を誇る二体の超機人へと挑む様は、太陽を目指して地に墜ちたイカロスのごとく、次の瞬間には叩き伏せられているものと思えたことだろう。
超機人達に比して標準的な人型機動兵器に留まる大きさのヴァルク・バアルでは、あまりに無謀な行いとしか見えないものだからだ。
しかし、この戦場に置いてもっとも残虐なる支配者足り得る力と、言い知れぬ迫力と重圧を纏っているのは、紛れもなくこのヴァルク・バアルとそのパイロットであるキャリコ・マクレディに他ならない。
古より人類を守り続けてきた超機人こそ強力であるが、まだパイロットとしての経験がまるでないクスハとリョウトは、リオとブリットを一蹴したキャリコがこちらに迫りくる恐怖に飲まれて、数瞬もの間反応を遅らせた。
装甲を透過してコックピットの中にまで放射されているかのような、ヴァルク・バアルの放つ目に見えない圧倒的な凶の気配。
霊的な面を存在の根幹に備える超機人の操者となったことで、感覚を鋭敏化されたクスハ達にとっては、ディス・レヴを搭載したヴァルク・バアルは初陣で戦うにはパイロットとしての力量差と彼我の戦力差以上に不運な相手と言えた。
クスハとリョウトが認識したのは、自分達の身体を横殴りに襲い掛かってきた強烈なGであった。
わずかな虚を突かれ、ヴァルク・バアルが手にしたショット・シザーによって雀王機と龍王機、それぞれの翼の根元に深い斬痕が刻み込まれている。
――そんな、まるで
――見えなかった!?
リョウトとクスハが異口同音・異心同考に陥らざるを得ない、視認不可能なヴァルク・バアルの圧倒的な速度に反応する事が出来るとするなら、まずはSEEDを開花させたキラ・ヤマトやアスラン・ザラ。
同じくSEED保持者でパイロットとしても生身の人間としても人外の化け物になったシン・アスカ、将来的に潜在能力を開花させた刹那・F・セイエイ、サイコドライバーとしての覚醒を迎えたリュウセイ・ダテらといったごく一部だけだろう。
咽喉の奥から零れる苦痛の声を堪えて超機人達が、全身に走る痛みに襲われながらそれでもなお瞳に戦意の炎を燃やして、翼を広げてやや上空で滞空しているヴァルク・バアルを睨みあげる。
龍王機と雀王機は決して鈍重な機体ではない。天空の支配者たるに相応しい威厳溢れるその姿に相応しく、大型MA並みの巨体でありながらその運動性能は、生物的な外見に見合った多様性と優秀さを誇る。
加速性能や最高速度では現行の戦闘機を上回り、運動性能では現実の鳥獣以上と、世界中の機動兵器に関係している技術者たちを発狂させかねないものだ。
であるからこそこれほどの性能を誇る超機人達を、操者が機動兵器戦闘に置いて素人とはいえ、こうも簡単に一蹴してのけるヴァルク・バアルとキャリコこそが異常極まりない存在なのである。
自分の足元で這い蹲る四体の超機人達を傲然と見下ろすキャリコの口からは、ひどく冷たい笑い声が零れ始める。
もし地獄に落ちた事のある人間がこの場に居たなら、地獄で罪人を責め苛める獄卒が挙げる笑い声を想起したかもしれない。
それほどにキャリコの心には他者に恐怖を抱かせる何かが満ちているのだと分かる笑い声であった。
「ふははははは、人界の守護者と大言を吐いてこれか。開花しなければどんな才能も無駄でしかない。五行器と貴様らの脳髄だけあれば十分。貴様らの無用な肉体から摘出したのち永久機関も人工魂魄も強念の力も“私”がその真価を引きだしてやろう」
貴重な実験動物を目の前にした科学者の暗く残酷な愉悦。
純粋な興味と探求心に突き動かされ、それを抑える理性が存在しないためにどこまでその手を血に染める事が出来る、この上なく罪深い人種の瞳をキャリコはしていた。
そしてそれは決してキャリコ・マクレディの浮かべる笑みではなかった。
単なる実験動物程度にしか見られず、敵とさえ認識されていない事を理解した超機人達は、それぞれの矜持を傷つけられた怒りに震え、動力炉たる五行器を激しく回転させ、損傷を厭わず打ちすえられた巨躯を起こす。
超機人達の衰えぬ闘志に操者であるブリットやリョウト達も強大に過ぎ、凶悪に過ぎる敵を前にして怯え竦む心をなんとか鼓舞し、ある種の宗教的な祭壇を思わせるコックピットの中で、自分達を嘲笑するキャリコの悪意へ立ち向かおうとしていた。
根性、気合い、闘志、不屈――諦めに屈せぬ彼らを支えるのはそういった脆くも儚く、しかし爆発的な力を生む精神的な力である。
だがそれもさんざん見飽きたと言わんばかりにキャリコはショット・シザーの切っ先を再び、超機人達へと向ける。
人間ならではの弱者を甚振る残虐な遊びにも飽きが来たのだろう。キャリコは戦いを、や、彼にとっては戦いというには及ばない遊びを終わらせる事に決めたようであった。
処刑宣告を告げるキャリコの言葉は、しかし、彼の唇から零れる事はなかった。代わりに戦場に響き渡ったのは――
「てめえが死ねえええ!!!!」
自らを縛る鎖を引きちぎり、獲物の喉笛に食らいつく獰猛な獣を思わせる蛮声と、それと共にヴァルク・バアルめがけて降り注ぐ無数のミサイルと連射される超高初徹甲弾。
一見乱雑に見えるそれらが、あらゆる方角に逃れても着弾を免れ得ぬ計算され尽くした包囲網を形成している事に咄嗟に気づけるのは、一流以上の実力を持つベテランかエースパイロットくらいのものだ。
放たれた銃弾やミサイルの源を辿った先には、太陽を背にしたあらゆる箇所が奇妙に痩せ細った有翼の人影を見つける事が出来ただろう。
先日、軍本部から頂武から回されてきた、東アジア共和国軍が誇る最新の機動兵器ミロンガが、その人影の正体であった。
頂武所属のMSパイロットである超兵ハレルヤ・ハプティズムがテストパイロットを務める、多少いわくつきの機体である。
頂武人員の脱出路確保のために、空間転移による奇襲を図ってきたゼカリアやエスリム、メギロート部隊の掃討に奔走していたはずのハレルヤ・ハプティズムの駆るミロンガは、ちょうどヴァルク・バアルを足元に見下ろす位置にあった。
敵機掃討を終え、基地の地下から出現した超機人達の苦戦を目にしたハレルヤが、以前決着を着けられなかったヴァルク・バアルと、再び相まみえる為に駆け付けたのである。
そして、ハレルヤはミロンガの機動兵器としてほとんど最低限の頑強性だけを備えた華奢な右腕に構えたストレイトマシンガンと、両肘をはじめ機体各所に内蔵した小型ミサイルを超機人に意識を集中させていたヴァルク・バアルに雲霞のごとく見舞った。
おそらくはハレルヤに超機人とそのパイロット達を助けるという意図があったとは思い難いが、結果的には少なくとも超機人達の寿命をわずかなりとも先延ばしにする事は出来たと言えるだろう。
ひとつひとつの威力はごく小さいものとは言え数を伴って降り注ぐミロンガの火器を前にして、キャリコが抱いたのはわずかな苛立ちであった。
夕暮れの路地で行く先に渦を巻く雲霞の群れを前にした人間の反応、と言えばよいか。
「稚拙な技術が生み出した欠陥品か」
機動性を重視したがために装甲を犠牲にし、パイロットに多大な負荷を強いし、大した火器を運用する事も出来ないミロンガと、東アジア共和国が独自に生み出した強化人間であるハレルヤ双方への、淡々とした侮蔑の言葉である。
超機人達に対して振り下ろすはずだったショット・シザーに下弦の月を描かせて、その刃先からエネルギーの刃を放出し、キャリコは自分に襲い掛かる銃弾とミサイルの事ごとくを原子レベルにまで分解させ、崩壊させる。
「手品師か、てめえ」
Eフィールドや重力障壁での防御はともかく、かような方法での攻撃回避は想定していなかったのか、ハレルヤの寧猛な瞳には警戒の色がうっすらと滲んでいた。
「戦闘用AIの基幹データとするにも、貴様はムラが有り過ぎる。私には不要だ」
超機人達がいまだダメージからの回復に手間取っている事を確認し、キャリコは第一に落とす対象をハレルヤとミロンガへと移す。
超機人の有する再生能力を考慮すれば、二分か三分ほどで決着を着けなければまた面倒を見る事となるだろう。
それを厭う程度の人間的な感性は、まだキャリコの中にも残っていた。
「上等!」
ミロンガとヴァルク・バアルの間に通信回線が開かれているわけではなかったが、なんとなくヴァルク・バアルのパイロットが不快感を抱いている事を察し、ハレルヤは警戒の成分を残しつつも凶悪な形に唇を吊り上げて挑みかかる。
最低限の装甲しか持たないため積載量が多いとは言えないミロンガであるが、火器の弾薬の小型高性能化に成功したことで、それなりの数を内蔵することに成功している。
東アジア共和国が開発に成功した新型テスラ・ドライヴの性能を最大限に発揮し、ミロンガの放出する光の粒子が、空中に美しい軌跡を幾重にも織り重ねて描き、多量のミサイルを発射しながらヴァルク・バアルとの距離を見る間に近付けてゆく。
NJやミノフスキー粒子、GN粒子の登場によって電波障害の度合いが悲惨を極めた昨今、旧来の誘導兵器の類は完全に絶息したも同然である。
DCで採用されたプラーナ感知式の様な魔術的な側面を備えた特殊なタイプならまだしも、ミロンガに搭載されているミサイルは直線の軌道を描くものと予めプログラミングした軌道を描くものの二種である。
キャリコは直線と曲線を描きながら迫るミサイル群に対し、曲線型のミサイルはハッキングによってプログラムを即座に書き換えて、ミロンガへと目標を変えさせる。
直線の軌道を描くミサイルに関しては、回避機動を取って悠々と左右に動くだけで事足りる。わざわざ迎撃のために弾薬やエネルギーを無駄に消耗する事もないという判断であった。
重量など欠片もないのかと錯覚しそうなヴァルク・バアルの動きを正確に追い続け、ハレルヤはストレイトマシンガンの銃口を、ぴたりとヴァルク・バアルに張り付けた様に追従させる。
ミロンガの性能にさして目を魅かれる所もなかったキャリコであったが、超機人達に多少時間を掛け過ぎた様で、ヴァルク・バアルのセンサーがミロンガ以外の機体からの砲撃を感知して警告を発する。
ハレルヤと同じく基地員の脱出のために奮闘を重ねていたはずのアレルヤのティエレンタオツー、ピーマ・ソーリスのタオツー、マリー・パーファシーのタオツー、セルゲイ・スミルノフのティエレン高機動型指揮官機の四機による砲撃だ。
部隊員の脱出をセルゲイの副官であるミン中尉に任せて、クスハ達の救出に駆けつけたのである。
各ティエレンが装備したビームライフルの照準は、それぞれのパイロットの高い技量と相まって、ヴァルク・バアルの至近へと着弾を重ねてゆく。
「ミズハ少尉、ヒカワ少尉、メイロン少尉、ラックフィールド少尉、全員無事か?」
東アジア共和国有数の技量を誇る超兵であるアレルヤ達の集中砲火を浴びても、至近弾こそあれ被弾の無いヴァルク・バアルに、内心脅威の念を抱きながらセルゲイは素早く超機人のパイロット達の安否を問う。
「こ、こちらブリット、虎王機も自分もまだ戦えます」
「武王機もまだ動けます。この程度なら!」
ブリットとリオがセルゲイに返答するのにわずかに遅れてクスハとリョウトも、機体共々無事であることを告げる。
超機人達には外から見た限りでは大したダメージは見られなかったが、パイロットの方も問題はないようだ。
セルゲイは自身もビームライフルの引き金を引き続けながら、ヴァルク・バアルの動向に要警戒の眼差しを向ける。
超兵専用にチューンされている三機のタオツーが脳量子波を用いた、迅速な連携によって絶え間ない光の矢を放ち続け、その隙間を縫ったハレルヤがミロンガの機動性を活かしたヒットアンドアウェイを繰り返す。
常に全方向に対して警戒の意識網を広げるキャリコは、常人どころか並大抵のエースではものの十数秒ほどで撃墜されてしかるべき超兵達の連携攻撃の中心に居ながら、焦る様子も見せずに機械的に捌き続けていた。
「脳量子波か。意識拡張を果たしたニュータイプや強化人間とはまた異なる方向へのアプローチ……。思ったよりも優秀だったかもしれんな」
鞭の様にビームの刃をしならせて大上段からヴァルク・バアルの左頸部をめがけて振り下ろしてきたミロンガのビームサーベルを、ヴァルク・バアルはその発信基部を内蔵した柄を握るミロンガの右手を掴んで止めて見せる。
「多少の欠陥に目を瞑っても運用するだけの価値はあると、訂正しておこう。しかし、それでもまだ力が足りんよ。貴様らではな」
紙をくしゃりと握り潰すのとそう変わらぬ要領で、ヴァルク・バアルに掴み取られたミロンガの右手は、ビームサーベルの柄ごと握り潰されて外装と内装をまとめて砕かれる。
脳量子波の感知したキャリコの悪意に加えて生物的な直感に突き動かされて、ハレルヤはミロンガに残るミサイルをありったけ吐きだしてその場を離脱する。
一刻でも一瞬でもはやくヴァルク・バアルから遠ざからなければならない。理屈を超越した予感が、ハレルヤの身体を支配していた。
「こいつ!?」
「ハレルヤ!」
半身の危機に真っ先に反応したのはアレルヤであった。ミロンガの右手を握りつぶしたヴァルク・バアルのツイン・アイが凶暴に輝くのを見た瞬間に、その頭部めがけて電光石火の速さで照準を合わせてトリガーを引き絞る。
いかに人知を超越した力を得たキャリコとはいえども、流石に光の速さには反応しきれず、放たれたビームは見事にヴァルク・バアルの頭部を貫く。
だがアレルヤの瞳は強敵を倒した事への安どではなく、不理解による驚愕に開かれていた。
頭部をビームによって貫かれたはずのヴァルク・バアルは水に溶いた絵の具の様にその姿を薄めるや、陽炎の様に消え去る。
「なに……ぐああ!?」
驚愕の言葉は背後から襲ってきた衝撃によって遮られ、アレルヤは痛みに眉を顰め、自分が背後に現れたヴァルク・バアルによって一撃を与えられた事を理解する。
「センサーには実体としか映らなかったのに!」
さしずめ質量をもった分身といった所だろうか。あるいはタオツーをハッキングしてセンサー類に欺瞞を施したのかもしれない。
重厚なタオツーの背部装甲が深く抉られて、一瞬、アレルヤの制御の手を離れる。堅牢さに関しては随一を誇るティエレン系列のタオツーは、それでもまだ戦闘能力を維持していたが、一撃を受けた隙を逃すほどキャリコが温い相手であるはずもない。
「そう簡単に行くと思うなあ!」
「アレルヤはやらせない」
止めの一撃を加えるべくショット・シザーを振り上げるヴァルク・バアルを左右に挟み、マリーの赤いタオツーとソーマのピンクのタオツーがビームサーベルを挟みの刃のように交差させて振るう。
回避する間もないはずの挟撃であったが、今度もまたヴァルク・バアルの前には通じず防がれる結果に繋がる。
マリーとソーマのタオツーそれぞれをヴァルク・バアルの左拳と右足が容赦なく叩き、大きく弾き飛ばしたのである。
あまりに早すぎる挙動。既に斬撃のモーションに入っていたタオツーより後に動き出したにもかかわらず、先に一撃を見舞う異常な速さ。
タオツーとヴァルク・バアルに用いられている機動兵器開発技術の差は、決して小さくはないが、それを考慮してもあまりに違いすぎる。
挟撃こそ失敗に終わったが、アレルヤがその場から離脱するだけの時間を作る事には成功し、アレルヤ達のタオツーはヴァルク・バアルから距離を置きながらビームライフルを連射して、ヴァルク・バアルの足を止める。
右拳を失ったミロンガもセルゲイのティエレンもただ傍観するだけには終わらず、絶妙なタイミングを狙って援護のビームやミサイルを放っている。
地球人類全体を見回しても上から数えた方が速い面々の、息の合った連携攻撃はあらゆるものを洗い流す奔流の様に激しく絶え間なかったが、どれだけ攻撃を重ねてもヴァルク・バアルに有効打を与えるまでには至らない。
救援に現れたセルゲイ達とキャリコの戦いを目に映しながら、なんとか体勢を整え直していた超機人とそのパイロット達は、いまのままの自分達ではあの漆黒の機体に勝てないという無力感と事実に臍を噛む思いであった。
超機人達の秘める力を引き出す事が出来ず、むざむざと地を舐め去られて仲間達が紅蓮の炎に飲まれる様や、苦戦しているのをただ指を咥えて見ている自分達の不甲斐なさが、クスハやリオ達の心を苛む。
自分の無力を呪うリョウト達の脳裏に、超機人達の声が響く。
――汝ら、力を欲するや? 力を欲するならば念じるべし。
――されど留意せよ。我らは人界の守護神。
――我らが守護せしは人界そのもの。道を誤りし時、汝らが我らの力を得る事叶わじ。
――心せよ。強き力にはそれゆえに重き枷と使命がある事を。
そして四体の超機人達は唱和し、クスハに、ブリットに、リョウトに、リオに問いかける。
――人界を守る意思、強き力を手にし、世界を背負う覚悟あるならば唱えよ。
強い意志を求める超機人達の声は、クスハ達に迷う事を許さぬ威圧感を伴っていた。一時の感情に流されて、安易に手にするには超機人達の力は強大に過ぎる。
使い方によっては戦局をも左右するほどの強大な力。それを手にする機会を与えられてクスハ達は一瞬、キャリコの存在を忘れた。
ごくり、と誰かが生唾を飲む音がひと際大きく響いた。
「私は、戦います」
一番最初に答えたのは、リオでもリョウトでもブリットもなく龍王機のパイロットであるクスハだった。
普段はおとなしく内気な所もある少女であったが、芯の強さは折り紙つきで一度決めた事は頑なに貫き通す面もある。
意思を表すのは最後になるかと思われていたクスハが真っ先に覚悟を示した事に、他の三人達は大なり小なり驚きの味を噛み締めていた。その間にもクスハの言葉は続く。
「もう目の前で知っている人たちが死んでゆくのをただ見ているだけなんて嫌なの。もし私に誰かを助ける力を手に入れる事が出来るのなら、私はそれを望みます。どんなに強い力も誰かを守るために使って見せます!」
凛と告げるクスハの言葉を受けて、超機人達の意識に暖かなものが灯った。
恐怖はあろう。大きな力を手にする事への恐怖。それを振るい誰かを守るために別の誰かと戦い傷つける事への恐怖。傷つけられる事への恐怖。戦うこそそれ自体への恐怖。
どれだけ正義と大義を掲げる言葉を並べ立てて、理性を納得させた所で本能的に根差す死と闘争への忌避感。
それらを確かに胸の中に抱きながらもなお、力を手にし戦う事を宣言するクスハの強さを、超機人達は肯定しているのだ。
クスハの言葉を受けてリョウトやブリット達も吹っ切れた様に笑みを浮かべて、同じく超機人という強すぎる力を手にする事を受け入れる言葉を口にした。
「クスハにばかり重荷を背負わせるわけにはゆかないな。虎王機、おれもお前達と共に戦う! おれもお前達も一人じゃない。道を誤まればそれを正してくれる仲間が居る。それはお前達も同じだろう。おれは、おれ達は力に振り回れたりはしない!」
「私もよ、武王機。私の信じる正義の為に、人々を苦しめる悪を断つための力を私に貸してちょうだい。貴方達が人界を守る守護神だというのなら、私は人々を苦しめる悪を断つ力となる」
「行こう、雀王機。世界を守ることを使命とする君がぼくを選んでくれたというのなら、ぼくはその期待に応えたい。戦いなんてない方がいいけれど、それでも戦う力が必要な時もある。いまがその時なんだ」
――是。汝らの覚悟しかと見届けたり。汝らに我らの力をいま与えん。我らと汝らはこれより共に在り、共に生き、共に戦い、共に死せん。汝らの志高く清くある限り我らは、汝らの友となり、刃となり、盾となる。唱えよ。
――必神炎帝。
「必神炎帝」
――天魔降伏。
「天魔降伏」
――龍虎合体。
「龍虎合体」
――雀武合体。
「雀武合体」
それは誓いの聖句。
人が生み出した魂を持つ造り物の機神と正しき心持つ人とが交わす契約。
魂と魂とが交感し認め合い信じあう事によってのみ成立する盟約。
四体の超機人の足元に巨大な光の陣形が浮かび上がり、続いて虚空に乱舞する無数の呪符と光といずこからともなく出現して、超機人の巨体を球形に包み込む。
光と呪符とが作り上げた光の卵殻に包まれた超機人達の姿に、激化の一途を辿っていた戦いの手を休めて、キャリコとセルゲイ達が言い知れぬ力の波動を放つ超機人達の姿をモニターに映し、目を奪われる。
セルゲイ達は未知の現象を起こす超機人とそのパイロット達の安否を案じ、キャリコはようやく本領を発揮せんとする超機人達に、三日月の様に鋭く冷たい笑みを浮かべる。
超機人達を中心に清浄な気配とでも言うべきものが溢れだし、ディス・レヴとキャリコの悪意によって穢されていた世界が、瞬く間に本来の清廉さを取り戻してゆく。
戦闘によって生じた黒煙や異臭は消えなかったが、それでも無数の死の集合体の発する名状しがたい負の気配は払われて、在るべき正の世界へと戻る。
そして光の卵殻は無数の光輝く破片へと砕け散り、秘めていた人造の機神達の姿を露わにする。
蒼き鱗を纏い刃のごとく鋭い羽を背から伸ばし、胸には猛る白き虎を抱く東方の守護龍神。
「龍虎王!!」
天を舞う陽の色に染まった翼を広げ、この世で最も堅固な甲羅を纏う亀と蛇を胸に抱いた南方の守護鳥神。
「雀武王!!」
それまでの幻想の霊獣を模した姿から、対となる四神の同胞と合体を果たして人型の武神へと姿を変えた超機人達は、ただそこに在るだけで世の邪悪を払うかの如き神聖な雰囲気を纏う。
古の神話から突如現実の世界へと飛び出してきたような存在を前にして、セルゲイやアレルヤ達は言葉を忘れ、キャリコはこれから本番の開幕と少しばかり心地よい緊張感を纏った。
強力な念動力を持つ操者を得た事で、五行器は激しくしかし完全に制御されて唸りを挙げて回転し、龍虎王と雀武王の四肢に行き渡り、コックピットに居る四人のパイロット達の心身に新たな活力を与えてゆく。
細胞の一つ一つがまるで生まれ変わったかのように力に満ち溢れ、覚悟と決意を固めた心はより堅固な意思に支えられてゆく。
「これ以上貴様の好きにはさせない!!」
「スミルノフ中佐、私達がアンノウンを押さえます。後退してください」
気炎を吐くブリットに触発されてか、セルゲイと通信を繋げたクスハは常になく言葉に力を込めていた。
「行くよ、リオ。一気にここで決着を着けるんだ!!」
「任せるわ、リョウト君。武王機も私も本当に怒っているんだから」
武王機の尾であった蛇の変化した黒蛇刀を片手に、リョウトの駆る雀武王もまた40mを超す巨体より目に見えぬ闘神のごとき気迫を立ち昇らせている。
遂に合体を果たし人界の守護神としての真の力を発揮した四神の超機人達。古より数多の災いから人類と地球を守り抜いてきた守護神を前に、ヴァルク・バアルは背の翼を広げて急速に上昇する。
「まだ操者こそ未熟だが、覚醒を果たした超機人相手ではさほど手は抜けんか。出でよ」
低く告げられたキャリコの命に従い、ヴァルク・バアルは再び胸部の装甲を開き、その奥に隠し抱いていた白い闇を纏う忌まわしき心臓を露わにする。
「呪え、ディス・レヴ」
オオオおおおおおおおおおをををWOWOWOWOWOOOOOおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお大丕おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお000000000000000000000――――――――――――――
ディス・レヴは歌う。
空間を越え、次元を越え、時を越え、因果地平の果てまでも届く呪いの歌を。生ある者すべてを憎み、呪い、忌み、妬み、嫌う死者の叫びを、亡者の怨嗟を、負の感情に塗れた悪霊の咆哮を。
世界は再び暗く黒く汚れた。
続く
短くてごめんなさい。遅くなってすみません。
誤字脱字などありましたらご指摘いただけるとありがたいです。
ところで雀武王とかって○○超機人のような称号は公式に設定されていたましたでしょうか? 調べてもわからなかったので名乗る時に乗せなかったのですが、もし設定されているようでしたら無知な私めにお教え願えませんでしょうか。
すっかり冷え込んできましたが、皆様風邪などひかぬようお気をつけ下さい。それではあらいがとうございました。
乙!
雀武王は漫画版でも薬でラリったまま合体しちゃうから、○○超機人・××朱雀とかって名乗り上げないんだよねw
95 :
通常の名無しさんの3倍:2010/12/06(月) 16:31:01 ID:IoAh6tOF
総帥乙!
キャリコ、お前は何処の煎餅屋だw
久々に見に着てみれば乙
大統領は悲しくも良いキャラでしたね
原作ラインバレルの天児との対話を思い出したのは俺だけではあるまい・・・
死人としてこっちに来るなら綺麗な大統領が見れるのを期待していいのかしら
一鷹がスパロボOGに出るとしたらトウマと絡みそうだな。
どっちも『特殊能力の無い民間人』だし。
まさかのヴァイサーガ乗換だったな
ゴッドマーズとボトムズとグレンラガン一緒に出すならいっそトップ2とイデオンとも出せば良かったのに
しかし問題はハードがPSPだという事だ
ちゃんと声は収録できるのだろうか・・・・・
アルトとグラハムの掛け合いに期待
今、レンタル屋にないから仕方なくダイ・ガードの動画を見たんだけどなにこれ凄く面白くない!?と思ってしまった。
2010年代でも十分に通用するクォリティーだと思う発売が超楽しみになった。
昔レンタルで序盤だけ(しか置いてなかった)観たっきりだったが、
「手続きが面倒くさいから」「予算がかさむから」なんて出撃を渋ってた重役たちが、
会社の目の前に敵が現れたとたん必死こいて書類に判子押しまくるシーンは笑った。
実を言うとダイ・ガードって記憶があやふやになっていたせいかかなり低い評価をしていたのですが、あらためてみると十分なクオリティーがあるのに驚きました。
というかむしろアクエリオンよりも自分としては面白く思ってしまった自分は問題があるのでしょうか……。
俺も壺ってたから無問題。
つかアレは隠れた名作。
そういやSRCで種死・ダイガード・パトレイバーが共闘してるの無かったけな
ストーリーダイジェスト見る限りだと、赤木がシンの良き兄貴分で、香貫花が厳しい姉貴って感じだった
なぜGガンダムがハブられてるんだ……。
メイン食っちゃうからだろw
111 :
通常の名無しさんの3倍:2011/01/09(日) 14:01:45 ID:7LHqgOUy
Zの設定だとZガンダムやWと設定が噛み合わないからな・・・・・
地球とコロニーの設定が逆転していたし
時空崩壊だから何でもアリよ
というか、この参戦ラインナップは前作の直接の続きかどうかも怪しい
仮に直接の続きなら
多数の仲間の離脱とミムジィがどうなるか・・・
タルホさんは作品そのものが入れ替わったから問題ないとしても
SPDの続きになるとしたら、それよりリセットしてほしいしね
ステラもレイもいない続編なんていらねぇ!!
orz
参戦メンバーが凄すぎて一体どういう展開になるのか全然予想がつきませんwwww。
ただ後編で神谷竜馬VS石川竜馬(本当は新ゲの方がぴったりでしょうけど)との対決もありうるかも……ゲッターを肯定するものと否定するものの宿命の対決があるきがして仕方ないです。
ただ個人的には仮に完全版が出るとしたらPS3ではなく3DSも十分にかんがえられると思います。
3DSカードは2層DVD並の容量を持たせることも可能らしいのです。
避難所投下来てる
獣戦機隊&チームD「「「「「「「「「「やぁぁぁってやるぜ!!」」」」」」」」」」(声付き)
とかあったら嬉しいですね。
シン総合クロススレを宜しくお願いします。
スパロボのクロスオーバーもあります。
今、あたらしい住人を募ってるんで、気軽に覗きに来て下さい。
勿論職人様も気軽に投下して下さい。
保守
120 :
11 ◆Qq8FjfPj1w :2011/01/23(日) 15:12:58 ID:gys1Ys0f
あけましておめでとうございます
今日夜10時からの本編終わったら44話投下します
待ってました
ATXさんのもこっちに転載しなくていいのかな
第44話「混沌のラングレー」
「アスランといい、アンタといい…今はインスペクターを倒さなくちゃならないってのに…!アンタ達は一体何なんだあぁぁぁ!!!!?」
空気を読まずに、いつも通りに破壊活動を開始するという、ラクシズの行動。
インスペクターとの決戦の場であるにもかかわらず、そのあまりにもいつも通りの荒唐無稽な行動。
これまで何度も歯痒い思いをし、何度も見てきたものではあったが、怒りに震えるシンの叫びは、銃声と爆音が鳴り響く戦場に飲み込まれた。
連邦軍・ノイエDC側が優位に立っていた状況は、乱入したシャドウミラーとラクシズがインスペクター側に加担する、という予期せぬ事態のために、もはや跡形もなくなっていた。
戦場にあるのは、もはや混乱だけであった。
スレードゲルミルはダイゼンガーと斬艦刀で切り結んでいたし、アクセルのソウルゲインはキョウスケのアルトアイゼンと、
レモンのヴァイスセイバーはエクセレンのヴァイスリッターとの戦闘を始めていた。
フォローに入ろうとしたラミアのアンジュルグはエキドナのラーズアングリフにより抑え込まれていたし、
他の機体も転移してきたゲシュペンストMk−U、エルアインス、量産型アシュセイバーの相手をするのに手一杯な状況であった。
そんな中、キラ・ヤマトのラピエサージュの前に立ちはだかったシンの下に通信が入ってきた。
声の主はさきほどまで戦闘していたアスランを振り切り、中破したランドグリーズ・レイブンを抱えて後退を始めていたラーズアングリフ・レイブンのパイロット、
これまでノイエDC側のパイロットとして何度もシンとの死闘を繰り広げてきたユウキ・ジェグナンであった。
「シン・アスカ…礼をいう」
ユウキは、率いていたオーバーレイブンズをキラとアスランの2人によって壊滅させられて激昂し、冷静さを失ってアスラン・ザラとの戦いに意識を向けすぎた結果、
自称とはいえパートナーであるカーラまでも傷付ける結果を招いてしまっていた。シンのおかげで最悪の事態こそ免れたものの、精神的に受けたダメージは小さくない。
「早く行けよ、アイツと因縁があるのはアンタだけじゃない」
「借りは返す。必ずな…!」
シンは返事代わりとばかりに、五大剣を構えさせてラピエサージュに切り込んでいく。振り下ろした剣はラピエサージュのゴッドランスでガードされるも、
ヴァイサーガは左右から連続して斬撃を繰り出して攻撃を続ける。
しかし、鳴り響く金属音とは裏腹に、正面から普通に繰り出した攻撃が最高のコーディネーターが駆る、ラクシズとシャドウミラーの技術を結集させて生まれ変わったラピエサージュに届くことはない。
ラピエサージュは手にするゴッドランスで全ての攻撃を弾くと、ヴァイサーガのわずかな隙を見つけてボディに蹴りを見舞った。
「ぐっ…!まだだぁ!」
内部のシンにも大きな衝撃を与えた蹴撃によってヴァイサーガは後方へ弾き飛ばされ、そこへ追い撃ちをかけるべくラピエサージュはゴッドランスを構えなおしながらその後を追う。
「はああぁっ!!」
これまでのクローンとは異なり、攻撃時に掛け声を上げながらキラはヴァイサーガに狙いを定める。
ラピエサージュは体勢を崩したヴァイサーガにゴッドランスを向けつつ、ヴァイサーガとの距離を詰めると、そこから連続して攻撃を繰り出す。
ヴァイサーガはダイレクト・フィードバックシステムによりシンの思考を読み取り、突き出される槍の軌道をギリギリのところで剣で反らして攻撃をしのぐが、
いつまでも避けきれると思える甘い攻撃は一撃たりともなかった。
これまでシンは、キラ・ヤマトと呼ばれるパイロットと幾度も刃を交えてきた人間の1人であるが、今日のキラ・ヤマトに対して、これまでとは異なる違和感を覚えていた。
目の前にいるキラ・ヤマトは、いままでとは別人としか思えないほどに強い
繰り出される一撃一撃に急所を鋭く狙ったものであり、そこには確信的な殺意が込められていた。
CEの世界にいたときも含め、新西暦の世界に転移してきた後も続けてきた、可能な限りコックピットを狙わないというこれまでの戦闘スタイルの面影は、今のキラ・ヤマトには欠片もなかった。
コックピットを狙った攻撃が1つたりともなかった、というわけではないが、それでもほとんどなかったことは間違いない。
そして、前回の戦闘時と同様に、攻撃に対する反応がまるでこちらの動きを予期したかのようなものばかりであり、決定打がなかなか繰り出せないでいた。
しかし、攻撃をしないことには決定打を与えることもできないことは確かであり、ヴァイサーガは五大剣でゴッドランスを持ったラピエサージュを力任せに後方へ弾き飛ばしてその刃を振り下ろす。
ラピエサージュはゴッドランスでそれを受け止めるが、それと同時にヴァイサーガは左腕を五大剣から離すと、腕部の鉤爪を伸ばしてピエサージュに向ける。
「水流爪牙ッ!!」
だがこの攻撃もゲイムシステムによって予想されていた。ラピエサージュがマグナムビークで突き出された鉤爪を受け止めると、あたりに耳障りな金属の接触音が鳴り響く。
「!?」
そして、間髪置かずにがら空きとなったヴァイサーガのボディに再びラピエサージュの蹴りが入って今度はヴァイサーガが後方へと弾き飛ばされる。
だが、弾き飛ばされながらもヴァイサーガは腰部にセットされた列火刃を手に取り、ラピエサージュに向けて投げ付ける。
だがヴァイサーガが列火刃を投げ付けたのと、相対するラピエサージュが腕部にセットされたマシンキャノンを発射したのはほぼ同時であった。
マシンキャノンの弾丸は次々と列火刃を撃ち抜き、さらにその先にいるヴァイサーガへと降り注ぐ。
ヴァイサーガは背部のマントでこれを防ぐが、結果として投げ放たれた列火刃は、ラピエサージュに到達する前に全て撃ち落されてしまい、ダメージを与えることはできなかった。
「こいつ…本当にキラ・ヤマトなのか…?」
コックピットの中で、肩で息をしながらシンが呟いた。機体のダメージこそまださほど大きなものとはなっていない。
しかし、精神的には徐々にではあるが、確実にシンは追い込まれ始めていた。以前のラピエサージュであればまだ力押しでいけば、と思えるところがあったが今は違う。
特機クラスのパワーを得たラピエサージュ、そして初めて目の当たりにしたキラ・ヤマトというパイロットの実力にシンは恐怖を感じ始めていた。
だが、そんなシンの心情とは関係なく、コックピットのモニターに映った映像が彼の視線を奪った。
モニターに映った機体、マスタッシュマンと呼ばれるシャドウミラーの特機ソウルゲインは、
墓標代わりにと奪ったアルトアイゼンの右腕を手にしながら、トドメを刺すべく一歩一歩アルトアイゼンの下へと近付いていた。
「さすがの貴様も、もう動くことはできないようだな」
ソウルゲインの最強技、麒麟によって既に機体には大きなダメージがあっただけでなく、パイロットのキョウスケも重傷を負っており、アルトアイゼンは動くことができない状態であった。
だがアクセルにはこれで手を緩めるつもりは微塵もない。ここで確実にキョウスケの息の根を止めなければならないという決意は揺らいでいなかった。
極めて近く、限りなく遠い世界で発揮していた尋常ならざる力をこの世界のキョウスケは持ってはいなかった。だが、それはあくまで「現時点では」ということに過ぎない。
それゆえに、息の根を止められる時にそうしなければならないとアクセルは考えていた。
闘争が日常となった世界を望むアクセルではあるが、彼は単なる戦闘狂ではない。相応に考えた上での決断をし、シャドウミラーの一員として戦っていた。
そして、これを阻み、存在を否定しようとしたのが限りなく近く極めて遠い世界のキョウスケだった。
アクセルなりに自分達のことのみならず、世界の行く末というものを考えていたからこそ、転移直前に、ただの博打と自身で評した戦い方をとってまでゲシュペンストMK−Vとの決着に拘ったのである。
「ケジメというやつだ、これがな。終わりだ、ベーオウルフ!!」
DMLシステムによって、コックピット内のアクセルの動きに対応してソウルゲインがいったん右の拳を引く。
そして拳が高速回転を始めると、ソウルゲインは渾身の力を込め、極めて近く、限りなく遠い世界から転移してきたのと同じように、その拳を繰り出した。
放たれた玄武剛弾は真っ直ぐにアルトアイゼンに迫る。これまでの因縁を断ち切るため、キョウスケ・ナンブという存在が「あの世界」のような化け物になる前に葬り去るために。
シャドウミラー、インスペクターそしてラクシズの機体を一度に相手にしている連邦軍・ノイエDCには、もうそれを阻むことができる者はいない。
「キョウスケ中尉っ!」
シンをはじめ、ハガネ、ヒリュウ改の面々の脳裏を最悪の事態がよぎった。
だが、連邦、DC、シャドウミラー、インスペクター、ラクシズ以外の勢力が今のこの世界にはいることを戦場にいる誰もが忘れていた。
戦場の各艦で重力震反応が捕捉され、アルトアイゼンとその周辺だけでなく、基地全体を覆いつくすように空間が突如として歪む。
全身のほとんどが骨でできたようなもの、植物を思わせる形状をしているもの、全身が鎧で覆われたもの、アルトアイゼンを思わせる形状をしたもの。それらがいっせいに基地周辺に姿を現した。
そして、アルトアイゼンのそばの黒く歪んだ空間からロボットとも生命体とも分からない存在が姿を現したのである。
そして、キョウスケへと迫る拳は姿を現した来訪者らの刃によって弾き飛ばされて、主であるソウルゲインの下へと戻っていった。
アクセルを阻んだ刃の持ち主、それはペルゼイン・リヒカイトの名を持つ2体の赤い鬼であった。
片方は、ほとんどが骨と甲冑で構成されているような姿をしている、レッドオーガと呼ばれるアンノウン。
もう片方は、頭部に天を衝く2本の角を持ち、日本に伝わる昔話に出てくるような姿をした、アカオニと呼ばれるアンノウンである。
「アインスト!?それに…あれは…」
シンにはソウルゲインの前に立ち塞がった2体の赤鬼を両方とも知ってはいたが、特に彼を驚かせたのは後者の鬼の登場であった。戦場に現れたもう一体のペルゼイン・リヒカイト。
それはこの新西暦において幾度もシンの危機を救ってきた機体であり、そのパイロットはCE世界でシンとともに連合、そしてラクシズと戦ってきた戦友レイ・ザ・バレルであった。
「レイ!俺だ、シンだ!レイ!」
「…」
だが、問い掛けに対する答えはない。そして、そんなシンに目もくれずにヴァイサーガの横を猛スピードでラピエサージュが通り過ぎていく。
「!?」
ペルゼイン・リヒカイトの出現を受けて、キラ・ヤマトはこの上ない不快感を覚え、頭の中に鈍重な痛みが走り、心拍数が突然上昇を始めていくのが自分でもわかった。
彼の心に深い傷を与えた、ヤキンドゥーエにおけるクルーゼとの最終決戦でのやりとりに関する記憶は、覇王による「調整」の結果、ほとんどは抹消されている。
しかし、クルーゼと戦ったこと自体の記憶、そして3人目、4人目と呼ばれる自身のクローン達がレイ・ザ・バレルと戦ったときの記憶は移植されて、オリジナルのキラ・ヤマトにも残っている。
結果としてあやふやとなっている記憶、原因不明の不快感とプレッシャーから、レイとペルゼイン・リヒカイトの存在自体が気になって仕方ない状態となっていた。
そして、そんなキラとラピエサージュを追うべくシンもヴァイサーガをペルゼイン・リヒカイトの下へと向かわせようとするが、ヴァイサーガは後ろから突然押さえつけられた。
シンがコックピットのモニターに目をやると、そこにはヴァイサーガを押さえつける虎龍王の姿が映っている。
「シン!撤退命令だ、気づいてないのか!?」
「離せブリット!レイが、俺の仲間がいるんだ!」
「落ち着け!アカオニはアインストと一緒に出てきたんだ、あのアカオニがお前の仲間とは考えにくい!」
「だけどもしアイツだったら…!」
「キョウスケ中尉をこのままにはしておけないだろ!ハガネだって!」
「くそっ!くそっ!…レイィィィィィィィッ!!!」
レイが乗っていた機体と思しきアカオニを目の前にしながら何もできないままに撤退することは、シンとしても、到底納得のいくものではない。
だが、すぐ近くのアルトアイゼン、ハガネがともに深手を負っており、なおかつシャドウミラー、ラクシズに加えてアインストの大軍が出てきた今、撤退の指示が出た以上、それに従わざるを得ない。
やむを得ず、ヴァイサーガは虎龍王とともにアルトアイゼンの下へ駆け寄り、その機体を担いで後退を始める。
「逃がすものかっ!」
それを阻むべく、アクセルはシン達の後を追おうとするが、その両手に何本もの蔓が巻き付いてソウルゲインを絡め取る。
「ええい、邪魔をするなぁっ!」
ソウルゲインは力任せに蔓を引きちぎり、蔓の元であるアインストグリート数体を強引に手繰り寄せ、渾身の蹴りを容赦なく叩き込んでいく。
砂となって崩れ落ちたアインストには目もくれずにアルトアイゼンの後を追うソウルゲインであったが、その前にはいったんは振り切ったはずのペルゼイン・リヒカイトが再び立ちはだかった。
殴り飛ばすべくソウルゲインは右の拳をペルゼイン・リヒカイトの顔面に向けて繰り出すが、ペルゼインの両肩付近で浮遊している赤い仮面がその攻撃を防ぎ、
その隙にペルゼイン・リヒカイトは手にした刀を振り下ろす。ソウルゲインはこの斬撃を鋼の拳で弾き飛ばし、カウンターを見舞うべく今度は蹴りを繰り出したのだが、これもまた仮面によって妨げられた。
「ふふ、キョウスケのところにはいかせませんの…」
「そこをどけぇぇぇっ!!」
アルフィミィの余裕がこもった笑い声と、怒りの火に油を注がれた形になるアクセルの怒号が響き渡る中、放たれたトロニウムバスターキャノンの反動を利用してハガネとヒリュウ改は戦場から急速に離脱していく。
さらに、ハガネ離脱の後しばらくして、いまだに次々と現れ続けるアインストとの戦闘が消耗戦になることを危惧した覇王もアスランとキラに撤退の指示を出した。
既にシャドウミラーも撤退のために転移準備を進めており、ソウルゲイン、スレードゲルミルらもシロガネへの帰艦を始めている。
レイのペルゼイン・リヒカイトとの鍔迫り合いをしていたキラ・ヤマトも覇王の命令に従い、エターナルへと後退を始めた。
そして、ラクシズが撤退の準備を終えたのとほぼ同じタイミングで戦場となったラングレー基地の上空の空間が再び歪み、また新たな乱入者が姿を現す。
黒い仮面をかぶったような頭部、仮面の奥から鈍く輝く光を放っている目、禍々しく広がって背部を覆う黒と薄茶色のボディを持った、生物とも機械とも判別が難しいその巨人は、
あえて例えるのであれば悪魔のような姿をしている。
かつてオペレーションSRWの最終局面において初めて「この」新西暦世界に姿を現し、インスペクターと交戦中であったシュウ・シラカワと対峙して以来姿を消していた新たな因果律の番人。
アナザー・タイムダイヴァークォヴレー・ゴードンとディス・アストラナガンが、連邦軍、ノイエDC、インスペクター、シャドウミラー、アインストそしてラクシズが入り乱れる戦場へと舞い降りた。
混沌とした戦場で彼の目にまず入ってきたのは、見覚え、否、かつてまつろわぬ者の王ケイサルエフェスとともに戦ったこともある桃色の戦艦エターナル、
次いで彼が知っているミーティアとジャスティスの面影を残したG・ミーティアとこれとドッキングしているインフィニットジャスティスであった。
「エターナルとジャスティスか?そんな馬鹿な…!?」
さらにそのエターナルへと着艦しようとしていたトリコロールカラーに青・赤・黒というカラーリングが施されたラピエサージュがクォヴレーにZGMFX−10Aフリーダムを想起させる。
ようやく察知することができたアストラナガンのかすかな反応を追ってここラングレー基地へと至ったが、彼の視界に入ったのは予想だにしなかった、見覚えのある船と機体であった。
そして、すぐにエターナルは以前に回収した「ブラックボックス」とシャドウミラーから供与を受けた転移技術を用いて戦場から姿を消した。
「この反応…まさか!?」
かつて世界を、全宇宙を救ったときにともに戦ったラクシズは、また異なる世界であるCE世界においては、世界を統べんとするまでになった上に、
ここの世界にもさらなる混沌と破壊をもたらすまでになっていたが、どうしてクォヴレーが知っているラクシズとは大きく異なる存在にまでなったのか、彼は知り得なかった。
ニュータイプと呼ばれる者達、プリベンター、マジンガー、ゲッターロボ、超獣機神、戦国魔神、金色の破壊神など挙げればキリがないほどの抑止力が、
目の前にいたラクシズのいた世界には何一つ存在していなかったが故に覇王の野望を阻むことを誰もできなかったのだと知る術は、いくら新たな番人であってもない。
目の前で転移していったエターナル、そこから感知されたアストラナガンの痕跡、わからないことだらけの現状の中、彼の瞳には増え続けるアインストとそれに徐々に押され始めたインスペクターだけが映っていた。
つづく
次回予告
シン「アニメのペルゼイン・リヒカイトの仮面が思った以上にモモタロス顔でびっくりしたけど、それ以上に、まさかのグラビリオン…俺じゃなくてよかった…声的に」
レイ「あとなんかサイバスターの出番とクオリティが優遇されてるような…」
ブリット「いやそんなことよりも、俺はいつ虎龍王に乗れるんだ?」
タスク「総帥の方で出番あるからいいじゃねえか、お前は」
リョウト「タスクなんてそっちでも第一部から出番あったじゃないか」
ユウキ「エクスバインなんて新型に乗れてるお前が言えたことか。俺なんてまだガーリオンだけだぞ」
エクセレン「さて若い子どうしのドロ沼は置いといて、教頭先生による次回のお話よん。しばらく意識不明で手術中だからばっちりお願いね」
キョウスケ「ダイテツを失って悲しみに暮れるハガネ・ヒリュウ改。そんな中で初めてゆっくりと顔をあわせるシン、ブリット、ユウキ。そして姿を消したエクセレンを追って艦を飛び出した
シン達の前にオウカとゼオラを連れたノイエDCが姿を現す。第45話『オウカ』をよろしく頼む」
つづく
GJ&保守
GJ。確かにサルファのラクシズは周囲がトンデモ人間ばっかであんま目立つ存在じゃなかったしな〜
理想郷の某作品でもキラが自分完璧人間なんかじゃないって悟ってるし。
例えば
・MSの技量…アムロ等歴戦のNTに及ばず
・単純な肉体スペック…プロトデビルンや十傑集等に及ばず
・ハッカー技量…凱の気合いハッキングに及ばず
・頭の良さ…スパロボ世界のチート博士方に及ばず
・料理の腕…謎の食通やギャリソンに及ばず
クルーゼに対して「自分どこがスーパー人間だよw馬鹿じゃねーのwww」と悟るのはワロタw
そして今回の第2次Zにおいては今川超人や、不死身の男キリコ、石川竜馬までいるんだからもう滅茶苦茶wwww。
コレに勝てる面子は想像できませんwwww。
インベーダーに寄生されて復活するクルーゼが今川ノリで暴れだす可能性があるぞww
129の面子に加えてサンドマン様と不動GEN(絶対登場するでしょう)でしょう?
どう考えても敵側に勝てる要素がありませんよ……。
ラ・クースと決着をつけるときが来たようだな
もしかしてモモゼインってクライマックスフォーム完成してない?
ATX氏のを転載しようと思ったんだけど改行が多すぎてはじかれてしまった
期待する展開
サンドマン「グランナイツの諸君……」
S,F,「チームD……」
サンドマン&S,F,『超重/超獣合神せよ!!』
F・S
>>133 シャドームー…もといキンタロスポジがまだのハズ
そういえばまとめwikiに42話だけまとめられてないのなんでだ?
総帥が理想郷で一発ネタ投下しましたよー。
ソウルゲイン△
>>137 43話でガルガウの腕吸収してなかった?
143 :
139:2011/02/07(月) 12:38:44 ID:???
しかもさっき覗いたら続きまであった。
理想郷のはスパロボ成分ありませんよ〜。
今度の三連休の間に投下します、とだけ生存報告を。
>>144 シンが好きで久保が好きな俺には総帥の投下はご褒美ですw
投下全裸待機してますね!
避難所に投下確認。俺は今は代理無理なんで誰かたのむ。
誰も居なかったら明日代理する。
>>146 任せろ! 月ごとふっ飛ばしてやる!
706 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:36:53 ID:mzdtagOY
規制に引っかかっていたのでこちらに投下します。
ディバイン SEED DESTINY 第四十九話 因果の紡ぐ縁
それは視認することさえ出来るほど圧倒的な気配であった。
ヴァルク・バアルの開かれた胸部から覗く赤黒い光は、物理的な圧力を伴った漆黒の波を全方位へと放ち、取り囲むセルゲイやハレルヤ、クスハやリョウト達に世界が闇に覆われたのかと錯覚させる。
非科学的な、と嘆きたくなるような出鱈目な現象が続いていたが、ついにその現象も終わりだ、とセルゲイに強制的に意識させた。
それは自分達か目の前の敵かどちらかが終わるのだ、という意識の故であった。
「行くよ!」
対峙する両者の間に満ちる空気を変えたのは、高まった戦意のままに吠えたリョウトの一声。雀武王は左手の武鱗甲という武王機の甲羅が変化した盾に内蔵されている黒蛇刀を抜き放ち、ヴァルク・バアルへと紅の疾風と変わって襲い掛かる。
全高五十mはあろうかという巨躯と天を翔ける朱雀を模した雀武王であったが、大地を踏みしめて疾駆するその姿は、地上に置いてもその武威が欠ける事はないと保証していた。
雀武王に合わせて龍虎王も動きを見せ、クスハは龍虎王から直接精神に伝えられる知識と技術に従って、龍虎王の保有する術式の中から攻撃的なものを選択する。
ヴァルク・バアルの倍近い雀武王の巨体から振り下ろされる黒蛇刀を、悠と構えたショット・シザーで受けた。
展開された胸部装甲から露わになったディス・レヴから放出される漆黒の波動は、先ほどまでのそれよりもはるかに暗く冷たい。
その波動を纏うショット・シザーは黒蛇刀の一撃を受けても刃毀れ一つする様子もない。
「ふん」
キャリコは淡々と一つ呟いて、ヴァルク・バアルのウィング・バインダーの装甲の一部を展開し、内蔵されていたミサイルを雀武王へと一斉に発射する。
至近距離でのミサイル攻撃は自機への被害を招きかねないものであったが、キャリコにとってはそれはなんら問題となりえなかったのであろう。
刃を交わしていた黒蛇刀を突っぱずして後方へ跳躍し様に、雀武王の黒蛇刀がその名の通りに生ける黒蛇の様に代わり、こちらを追尾してくるミサイルを残らず薙ぎ払う。
ミサイル迎撃の隙を突くだろうヴァルク・バアルに備え、超機人の中でも最硬を誇る武鱗甲を構える。
雀武王を操るリョウトの予想通りに追撃を考えていたキャリコであったが、ヴァルク・バアルの周囲を取り囲む紅蓮の火炎に気付き、踏み込む一足を止めていた。
龍虎王とクスハが発動させたマグマ・バサールの、物理法則に左右されぬ龍のごとき火炎流が、雀武王への進路を阻み灼熱の牙をヴァルク・バアルへ煌々と向ける。
MSに使われている複合装甲のみならずスーパーロボットクラスの装甲の耐熱限界を超えかねぬ超高温の火炎だ。飲み込まれる事は地球の核か太陽に突っ込むのと、そう大差のないものだ。
「行って!」
人差し指と中指を揃えた剣指を縦に振り下ろし、クスハの意思に従う火炎流は容赦なくヴァルク・バアルを大顎の中へと飲み込む。
触れる大気を焼き舐めた大地を融解させ、空間に満ちるエーテルさえも灼熱させ、黒と金に彩られたヴァルク・バアルさえも霊的な炎は焼き焦がすかと思われた。
いや、術式を発動させたクスハも、それを見守るブリットも、リョウトも、リンも、そして超機人達も、思ってはいなかった。目の前の魔人を倒せたなどと。
とぐろを巻く蛇の様にヴァルク・バアルを燃やす火炎に、一筋の銀光が走る。目にも捉えられぬ、光かと見間違う斬撃。
銀閃に沿って二つに割れ始める火炎を、更に銀閃の後を追う様に発生した漆黒の光が数百万の炎の花弁と変えて散らす。
やはり、という他ないだろう。
ヴァルク・バアルの装甲表面にさえ熱による損害は見受けられず、焦げ目一つ見受けられない。
「さあ、そろそろ“私”も力を入れて行くとしようか」
顔の上半分を覆う金属製の仮面から零れるキャリコの青い長髪が、根元から眩い銀色に変わっていた。冴え冴えと天空に座す月よりも冷たく美しい銀色に。
ヴァルク・バアルのウィング・バインダーが悪魔の備える蝙蝠の翼の様に広げられ、内蔵されるテスラ・ドライヴが出力を一気に最大値へと跳ねあげる。
テスラ・ドライヴ特有の翡翠色の粒子に加えて、ディス・レヴの波動を取り込んでか、漆黒の粒子が混じっている。
707 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:37:42 ID:mzdtagOY
「来るわよ、リョウト君、みんな!」
優れた念動力に加えて武道を嗜む者として研ぎ澄まされた直感によるものか、ヴァルク・バアルの始動のタイミングを最も早く把握したのはリンであった。
動く――動いた。ヴァルク・バアルの姿は、武鱗甲と黒蛇刀を構える雀武王の背後に!
ヴァルク・バアルとの戦闘が始まってから、何度も味あわされた視認不可能な常識外にある機動。
流石に何度も目の当りにされた事によって驚きはなかったが、それでもなお反応できない事実は、超機人を駆る四人の若者達にとっては屈辱でさえあり、苛立ちを招くものだった。
ショット・シザーによる一撃が雀武王の背に浅くはない斬痕を刻み、すかさずフォローに入った龍虎王を、ヴァルク・バアルは既に視認していた。
攻撃速度も機体速度もパイロットの反応速度もなにもかもが彼らの理解を超えている。
「気付かれたからって!」
「行け、クスハ!!」
尾の先に持っていた龍珠が変化した龍王破山剣を振り上げて、闘気を迸らせる龍虎王に怯む事もなく、キャリコは小さく呟いた。
「来い、ジュデッカ」
ヴァルク・バアルの首に龍王破山剣の刃が食い込む寸前に、何の前触れもなく虚空から伸びてきた何ものかの黒い腕が、龍虎王の腕を掴み止める。
これ以上ないほど大きく冷たい氷の針に首筋を貫かれて、クスハとブリットは一瞬、息をする事さえも忘れた。
不意に腕の伸びる先に目をやれば、そこには巌のごとく険しい人を模した顔があり、赤色の瞳が龍虎王を睨み据えている。
不意に瞳が交差した時、クスハとブリットのみならず龍王機と虎王機もまた全身が氷に変わるのに気づいた。五行器と心臓を氷の手で握り締められている様な恐怖とおそましさが、体中の細胞に広がる。
クスハ達が声にならぬ悲鳴を咽喉の奥から、そして心から発するのと同時に、ヴァルク・バアルのショット・シザーが龍虎王の胸部へと紫電と変わって突きこまれる。
ちょうど龍虎王の胸部に位置する虎王機の顔面へと突きこまれるショット・シザーの切っ先を、偶然の要素が強いがかろうじて虎王機がかろうじて咬み止めて、龍虎王は串刺しの運命を逃れることに成功する。
「いい反応だが、予想の範囲内。ましてや以前戦った貴様らよりも未熟とあってはな」
虚空から招かれたジュデッカの腕が大きく振りあげられて、龍虎王はそのまま大地に叩きつけられる。大地との激突で生じた破砕音は誰が聞いても、惨状を予想するに値するものだった。
直径百m以上のクレーターを造り上げ、クレーターの中心であおむけに倒れたまま動けぬ龍虎王の腕を、手放したジュデッカはいつまにかヴァルク・バアルの後方へと伸びている。
「なり振りは構わんか。それ位でなくてはな」
そこには黒蛇刀を構える雀武王の姿があった。刃を大地と平行に倒して、矢をつがえるようにして構えており、切先の黒蛇が大きく口を開けて刀身内部に莫大なエネルギーを貯め込んでいるのが見てとれる。
雀武王の砲撃“五行獄”を放つ体勢である。近接・砲撃兵装どちらをとっても雀武王の技の中では、最強を争う威力を誇る。
708 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:38:46 ID:mzdtagOY
後方へと伸ばされたジュデッカの腕は、その黒蛇刀の開こうとしていた口を掴み止め、更に新たな腕を出現させる。
巨人の手と見えたジュデッカのものと異なり、瞳のない巨大な蛇の頭を思わせる腕であった。いや、実際に腕ではなく地獄の底から顕現した異形の蛇の頭部であったとしても、おかしくはない。
「くっ、あと少しで撃てたのに!?」
「ジュデッカの動作がわずかに遅れてはいるが、許容範囲内か。受けるがいい、雀武王。第一地獄カイーナ」
「ぐっぐあああああ!!!」
新たに出現した蛇頭のジュデッカの腕の口腔が開かれて、そこから並大抵のスーパーロボットでは一撃で戦闘不能に追い込まれるほどの莫大なエネルギーが雀武王へと叩きこまれる。
勢い激しく数百メートルを、巨躯から黒煙を吐きながら雀武王は吹き飛ばされて、思い切りよく蹴り飛ばされた石ころの様に大地を転がり回る。
キャリコ――キャリコの顔を被った何ものかは、雀武王への攻撃の成果を観察し、予測通りの結果に終わったことを確認する。
予測通りの結果が出た事は喜ばしいかもしれないが、予測とまるで外れることがないというのも、いささか興の冷める所がある。
思いがけぬアクシデントというものも刺激として必要なものだ。
もっとも足元で蹲っていた龍虎王がこちらの不意を突いて龍王破山剣を振るう程度の事は
「刺激にもならんがな」
龍王破山剣の斬撃の動作の出掛りを、ヴァルク・バアルの足で龍虎王の右腕の付け根を抑え込んで容易く止める。
「どうした? 前回のお前達はもっと歯応えがあったぞ。いや、ゼントラーディやSTMC共との戦いを経験していないのなら無理もない」
キャリコの侮蔑を隠さぬ声と共に龍虎王の付け根を抑え込んでいたヴァルク・バアルの左足が、龍虎王の顎を蹴りあげて空中に浮かび挙げて、拳を握り込んだヴァルク・バアルの左腕が龍虎王の腹部を殴り飛ばして、先ほどの雀武王同様にはるか彼方へと殴り飛ばす。
「さてどちらから息の根を止めるか。脳髄の摘出と保存、五行器の摘出と凍結、どちらも十分もあれば終わる。なるべく形を残しておくべきだが…………さてどういうつもりだ?」
龍虎王と雀武王を見比べてどちらから手に掛けるかを思案していたキャリコの前に、ようやく修復を終えたペルゼイン・リヒカイトが立ちはだかっていた。
おどろおどろしく青い炎を纏う鬼菩薩を従え、白刃を手に傷ついた超機人達を守るべく、アインストに生み出された出来そこないの少女は、頑として動こうとはしない。
「今更お前達の力で私に何かできると思うのか。アインストがどのような思惑で超機人に肩入れしているのか私の知った事ではないが、邪魔をするのであればお前達の思惑など構わずに踏み潰すぞ?」
「それはとても怖い事ですのね」
答えるアルフィミィの声は、普段と変わらぬ愉快そうなものではあったが、場合によってはキャリコが言葉通りの事を実現するだろう、という確かな思いもあった事は否定できない。
709 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:40:38 ID:mzdtagOY
ディス・レヴの波動を機体の全身に纏い、更にその背後に漆黒の影を切り抜いた様な巨大な影が浮かび上がっている。
下半身は巨大な蛇であり、上半身には左右二本ずつ、計四本の腕を持っており、右の上
腕は雀武王に一撃を浴びせた蛇頭の形状をしたものだ。
目の前のヴァルク・バアルもその背に存在している謎の影のどちらともが、アルフィミィに言葉にするも恐ろしい重圧を与えている。
本来であればアインスト達が最も警戒しているのは、南極に眠る破滅の王の完全な形での顕現であるのだが、いざ目の前に対峙すればキャリコとヴァルク・バアルらもまた決して破滅の王にひけを取らない存在であるように感じられる。
ペルゼイン・リヒカイトの胸部に在る球形状のパーツの中で、アルフィミィは常と変わらぬ神秘的な微笑をこそ浮かべていたが、その胸中では言い知れぬ恐怖の波に襲われていたのである。
「あまり女の子を脅かすものではありませんのよ。珠のお肌がストレスで荒れてしまいますの」
「二度と気にする必要がない様に存在を消し去ってやろう」
「まあ、怖い事を仰られますのね。か弱い女の子の私では貴方にとても勝てそうにありませんの」
「実力の差が分かるのなら、さっさと退く事だな。アインストが人間を模して作り上げた貴様は興味深いサンプルでもある。この場で確保する予定はなかったが、そうしても良いのだからな」
「ええ。貴方達が超機人を見逃すと言うのならそうしても良いのですけれど、そうも行きませんでしょう? ですから私、貴方と互角に戦える人をお招きいたしましたの。正確には、こちらへの入口を開いただけですけれど」
「なに? いや、そう言う事か、アインストの力ならば!」
にっこりと笑むアルフィミィは悪戯が成功した子供の顔そのものだった。キャリコは龍虎王や雀武王、目の前のペルゼイン・リヒカイトさえも意識から外して、自らの上空の画像をモニターに表示する。
アルフィミィの言葉にやや遅れてヴァルク・バアルのセンサー系が、一斉に次元境界線の変化と重力異常を伝え始める。
深い紫色の電光が上空で激しく乱れ始め、空間そのものが歪んで周辺の光景を異常なものに変える。
「来るか。因果律の番人、イングラムの使命を継ぎし残り滓が」
忌々しさを交えながらも、キャリコはどこか愉快気に唇を吊り上げて、いよいよ空間の歪みの向こうから、こちら側の世界に存在を定着させたソレに視線を注いだ。
ああ、歪んでいた空間は砕かれた硝子の様に陽光に輝きながら砕け散り、世界の向こう側から現れたソレを、煌びやかに照らし出す。
ほう、とキャリコの唇を借りて、キャリコを支配する者は嘘偽りのない感嘆の吐息を零した。
0 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:41:21 ID:mzdtagOY
キャリコの記憶から、その姿と性能は知識として得ていたが、いざ目のあたりにすればイングラムがこの世に残した存在の凄まじさは認めざるを得ない。
体を覆うのは砕けた空間が歪曲させている光を浴びながらなお、その光をも吸い込んでしまいそうな無窮の闇を思わせる漆黒の装甲。
その隙間から覗く黄金の関節部位が形成す四肢はどこか歪で背に折り畳んだ翼は天界に弓引く魔王の背に在るのが相応しいもの。
瞳の部分だけをくり抜いた漆黒の仮面を被っているかのような頭部の意匠は、無機質な存在であるはずのなのに、明確な意思の様なものを感じさせる神秘的な雰囲気を纏っている。
そしてなにより、出現した瞬間から世界のすべてを新しく塗り替えてしまう様な、圧倒的な存在感があった。
この機体だけで世界すべてと同等以上の存在の密度があるかのような、そんな存在感である。
無残に大地に倒れ伏していた超機人達とアルフィミィが見つめるその先で、漆黒の悪魔王のごとき威容を誇る機体は、背に折り畳んでいた翼を大きく広げ、デスマスクを連想させる頭部の瞳を、足元のヴァルク・バアルへと向ける。
「その機体、キャリコ・マクレディか。それに、ディスの心臓だと?」
若い少年の声が漆黒の悪魔王――ディス・アストラナガンより外部に広がる。いささか鋭すぎるきらいのある瞳に、ウェーブがかった柔らかな髪質の銀髪を持った少年は、クォヴレー・ゴードンに相違ない。
「久しぶりだな、アイン。そして初めましてと言っておこう。クォヴレー・ゴードン。イングラムの残影よ」
答えるキャリコの声には怨敵を前にした負の感情はなく、ディス・アストラナガンを前にしてもなお余裕ある態度を崩しもしない。
アインと呼び、クォヴレーとも呼ぶキャリコ・マクレディを、クォヴレーは訝しさを隠せぬ顔を浮かべて見つめていた。
この男は本当に自分の知るキャリコ・マクレディなのかどうか。わずか一言を交わしただけで、その疑問をクォヴレーは抱いていた。
次元と次元の狭間で何重にも自分とディス・アストラナガンを待ち構えていた無人機の大群と、次元断層や次元隔壁を仕掛けたのもおそらくはキャリコかその背後にある組織、ないしは勢力なのだろう。
おそらくはシヴァー・ゴッツォが創設し、キャリコが隊長を務めていたゴラー・ゴレム隊かゼ・バルマリィ帝国系の敵とクォヴレーは想定していたが、はたしてそれだけなのか?
ゆっくりとディス・アストラナガンを地上へ向けて降下させながら、クォヴレーは攻撃を仕掛けるにしても受けるにしても、即座に対応できるように警戒の意識を引き上げながら、キャリコに問いかける。
既にヴァルク・バアルの背後に位置していたジュデッカの姿はない。まだ本調子ではないのか、長時間呼び続けることはできないのだろうか。
ディス・アストラナガンに興味をそそられて、キャリコは仔細にその姿を観察していた。
711 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:42:03 ID:mzdtagOY
「アストラナガンに比べて余計なものが混じったせいで機体の性能それ自体は低下している様だが、ディス・レヴの搭載による出力強化もあってか、総合的には互角といったところか」
「貴様は、本当にあのキャリコ・マクレディなのか?」
眼差し鋭く問うクォヴレーに、キャリコは何と愚かな事を聞くのかと言わんばかりに淡々と答えた。
「器はな。貴様もイングラムの映し身ならばその意味が分かろう?」
からかうようなキャリコの言葉に、クォヴレーの眉がぴくりと動いて反応し、端正と言っていい顔立ちに苦い感情が濃密に広がる。
「“どの世界のお前”かは知らないが、イングラムとSDFに敗れたからと言って全てのお前が因果地平の果てに消え去ったわけではないのが、道理か」
「ふ、そもそも因果地平の果ては、決して戻ってこれぬ場所ではない。もっとも二年前に貴様が現れた時にお前が私に気付いていたなら、私に対抗する術はまだなかったがな。
そういう意味ではいまここで私とお前が対峙しているのはお前の落ち度だな、クォヴレーよ。それともアインと呼んだ方が良いか?」
「……好きに呼ぶがいい。おれの落ち度というのなら、この場でお前を処断して取り返す事としよう」
クォヴレーの戦闘意欲の発露に応じて、ディス・アストラナガンはショットガンと一体化した巨大な鎌を虚空から取り出す。
ディス・アストラナガンとヴァルク・バアルの対峙が生み出す途方もない重圧と緊張感に晒されて、アルフィミィやクスハ、リョウトらは言葉を発する事も出来ずに息を呑んでいた。
「私に関する限りは性急な所はイングラムと同じだな。だが生憎と私の方の準備が整っていなくてな。お前との因果に一つの決着をつけるのはこの場ではない」
「おれが逃がすと思うか」
「思いはせん。だが結果としては逃がすことになる。お前達は自分以外のものを優先するからな」
ヴァルク・バアルのウィング・バインダーが幾重にも展開されて、同時にヴァルク・バアルの放出するエネルギーが急速に高まる。
「このヴァルク・バアル……そうだな、ディス・ヴァルク・バアルとでも名付けるか。これにはアストラナガンをはじめとした機体のデータを新たに組み込んである。アストラナガンで複数の敵を同時に攻撃する時ならば、T−LINKフェザーか」
「貴様!」
「修復の終わったアインストはともかくそれ以外の者達は耐えられんぞ? ちゃんと守ってやる事だ」
712 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:42:44 ID:mzdtagOY
言うや否やディス・ヴァルク・バアルの背からは念動フィールドを固定化し、更にディス・レヴの供給するエネルギーを加えた無数の光の羽が、瞬く間に数百の単位に変わって上空に放物線を描いてから、一斉に降り注いだ。
T−LINKフェザーの着弾と同時に多量の砂埃と爆発の光とが、辺り一帯を分厚く覆った。
地形を変えるほどの圧倒的なエネルギーの暴虐は十秒間続き、その結果として膨大な数の小規模なクレーターが重なる様にして造られて、つい先ほどまでそこが東アジア共和国の基地であったことを証明する建造物は何一つ残ってはいなかった。
天井を破壊された地下施設が一部を崩落させた状態で、青空に晒されているが地上施設は地盤ごと破壊されて、赤茶けた土を露出させている。
T−LINKフェザーの着弾と同時に、キャリコは姿を消していたようで、土煙の中にはディス・ヴァルク・バアルの機影はなかった。
ディス・アストラナガンならば十分に助けられるように調整されたT−LINKフェザーの猛攻の跡地には、ディス・アストラナガンのほか二体の超機人達も、健在な姿を晒していた。
ディス・ヴァルク・バアルの攻撃を受けていたとはいえ、流石の超機人であるから十分に戦闘は可能な状態であったし、念動フィールドを展開して防御していたのである。
更にディス・アストラナガンの自律攻撃ユニットであるガン・スレイヴ六基が、放たれたT−LINKフェザーの迎撃と、間に合わなかった場合には盾となって可能な限り超機人達への被弾を防いでいた。
ディス・アストラナガン本体はZOサイズの柄側にあるラアム・ショットガンの連続発射や、ディフレクトフィールドの広域展開を持って降り注ぐ破壊の翼に抵抗していた。
センサーとモニターを確認して超機人達の無事を確認して、クォヴレーはかすかに安堵の吐息を吐いた。
こちらの世界では何の縁故もない者たちではあるが、別の世界で見知った者たちでもある。彼らの身を守れた事に対して安堵を感じるのは確かであった。
戦闘区域から離れていた東アジア共和国の機体が、戦闘の終息を見計らってこちらに接近しつつある事に気付き、クォヴレーは離脱しようとディス・アストラナガンを動かそうとし、そこにアルフィミィから通信が繋がれた。
「お待ちくださいですの」
「お前は、この世界のアインストもお前を創造したのか」
「あら? 貴方は私とどこかでお会いした事がありますのね。でも少しだけ間違いですの。私を創造したのはこの世界のアインストではありません。私を拾って、傷を治してくださったのは、この世界のアインストですけれど」
「なるほど。お前もまた別世界からの来訪者という事か。それでおれに何か用があるのか」
「はい。貴方のお力をお借りしたいんですの。今現在の私の主たるレジセイアとイルイ・ガンエデンも貴方との友誼を結ぶことを望んでおりますの。貴方にとってもアインストとサイコドライバーの助力を得られる事は有益であるはず」
確かに人類種の監視者たるアインストと、宇宙に刻まれた運命アカシックレコードにアクセスできる最高の念動者サイコドライバーの力と情報を得られる事は、こちらの世界に来たばかりのクォヴレーには実のある話だ。
わずかな思考の後に、クォヴレーはアルフィミィの申し出を受け入れて、ペルゼイン・リヒカイトと共にバラルの園へと転移した。
後に残されていたのは膝を屈し倒れることを拒絶していた超機人達と、無残な破壊の痕跡ばかりであった。
713 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:43:44 ID:mzdtagOY
東アジア共和国の精鋭部隊“頂武”がキャリコ・マクレディによって大きな打撃を受けている間、ディバイン・クルセイダーズとそこに所属するシン・アスカはといえば、こちらもいまだ闘争の渦中に在った。
三輪艦隊との熾烈極まる戦いを繰り広げてからわずかな休暇を与えられて以降、クライ・ウルブズは母艦タマハガネの修理を待たずして、新たな戦線に投入されていた。
東アジア共和国に属していたウィルキア王国の独立宣言およびDCや大洋州連合、赤道連合などとの同盟の宣言によって、開かれた対東アジア共和国との戦闘に、クライ・ウルブズの姿があった。
地球圏全土に鳴り響く現行最強とされる戦闘能力をいかんなく発揮し、ウィルキア王国の投入した超兵器と呼ばれる異形の戦闘兵器群の力もあって、戦闘は時を経るにつれてDC・ウィルキア王国側が優勢なものとなっている。
およそ一ヶ月の間、地球圏一、二を争うウルトラエース、シン・アスカはおおむねこのような日々を過ごした。
朝起きて牛乳飲んで出撃して朝メシ食べて牛乳飲んでステラのスカートの中に頭を突っ込んで出撃して昼メシ食べて牛乳飲んで出撃してセツコの胸に顔を埋めて風呂入って出撃して夕メシ食べてシャワー浴びて木刀振って寝る。
というようなものだが、ステラとセツコに関してはそのほかいろいろな事を、シンは不本意ながら行っていた事を付け加えねばなるまい。
トイレのドアを開いたらステラが居たとか、ガンルームに向かったら着替えの途中だったセツコが居ただとか、廊下の曲がり角でぶつかって倒れそうになったステラを助けようと思ったらお尻を揉んでいたとか、躓いて思わずセツコを押し倒したなど。
とかくラッキースケベの称号に相応しい行為を毎日繰り返したのだが、それ以上に共闘したウィルキア王国の諸兵や、DC一般兵を驚愕させたのはやはりシンの人外としか形容のしようがない戦闘能力と戦果であった。
DC謹製のプラズマ・リアクターやTCGジョイントをはじめとした挑戦的なシステムを数多搭載したインパルスガンダムを駆って、縦横無尽の大活躍を見せた。
他人が乗ると一歩歩く事さえおぼつかない機体で、戦闘車両、飛行機、MS、MAを目に映る端から斬って斬って斬って斬って斬りまくり、一ヶ月の間に上記した兵器を二百以上破壊しつくしたのである。
ウィルキア王国・DCと東アジア共和国との戦闘に投入された機動兵器の、実に四分の一がシンの手によってクズ鉄へと姿を変えたのである。
日本列島における東アジア共和国との戦闘を終えて、現在は朝鮮半島に橋頭保を築くべく、ウィルキア王国の超巨大氷山空母ハボクックや超兵器水上要塞ヘル・アーチェを日本海に投入している。
シン達もセプタ級を母艦代わりにして日夜機体を駆って出撃していたのであるが、とりあえず日本列島とウィルキア王国とのシーレーンの確保に成功した事もあって、別の戦線に投入される事となったのである。
超巨大強襲揚陸艦デュアルクレイター、超巨大双胴戦艦ハリマ、超巨大レーザー戦艦グロースシュトラール、ウィルキア王国の航空戦力ハウニブーシリーズとアヘッド、カプルからなるハワイ攻略部隊の出港を、シンは夕暮れの横浜港から見送った。
紫水晶の塊と見えるセプタ級『シリニーグ』とスレイプニル級ドック艦二番艦『メイマイ』が、現在のシン達クライ・ウルブズの仮母艦となっている。
テンザンのガンキラーを加えたが、それ以外には特に戦力的な増強は行われなかったが、連日連夜の戦闘によって所属員達の戦闘技術や経験値が、見る間に上昇していったのは確かである。
714 :660 ◆nZAjIeoIZw:2011/02/12(土) 19:46:00 ID:mzdtagOY
白波の航跡を残しながらハワイへと向かうウィルキア・DC合同艦隊から視線を外して、シンはブリーフィングルームへと向かった。休む間もなく新たな任務に赴かねばならない。
ブリーフィングルームには既にシン以外の隊員が顔を揃えていて、MS部隊の隊長を務めるアルベロと補佐役に就いたジニンとが正面大型ホロモニターの前で、全員の到着を待っていた。
指定の時刻に遅れたというわけではないが、シンは一礼してから空いていたステラの左横の席に腰かける。
シンの到着を待って、アルベロはやや時間は早かったが、ブリーフィングの始まりを告げた。
「では全員揃ったな。まずこれまでの東アジア共和国との戦い、ご苦労だった。お前達の働きだけが戦闘の結果に繋がったわけではないが、お前達の奮闘が少なからず戦果に繋がったのも確かだ。だがその事に驕らずにこれからも己の職務に励め。
さてこれから我々クライ・ウルブズは東アジア地域中央部を抜けてユーラシア地域で活動中のサイレント・ウルブズとの合流を図る」
ホロモニターにインド洋側から上陸してそのまま内陸部を一気に突きぬけて、現在は地中海近辺でユーラシア連邦と交戦中の、サイレント・ウルブズとの合流を図る進路が表示される。
友軍勢力であるアフリカ大陸を経由してではなく敵地を強行突破しての、自殺願望があるのかと言いたくなる進路選択である。
あるいは一度宇宙に上がってから軌道上を移動して地上に降下する選択肢もあるのだろうが、十中八九敢えてこの強行軍を選択したのだろう。
新人組であるレントンや刹那辺りが質疑を投げかけるかとシンは考えたが、流石にクライ・ウルブズの流儀と扱われ方に馴染んだのか、特に何かを言う様子は見られなかった。
全員が黙ったまま話の続きを待っていることを確認して、アルベロは説明を再開する。
「この進路は、おれ達が一種のデコイとなって東アジア共和国側の動きを誘導し、日本海側から侵攻するウィルキア・DCを動きやすくする為でもある。おれ達クライ・ウルブズは既に地球連合にとって無視できない戦力だからな」
アルベロの言う事ももっともである。先の三輪艦隊でのヴァルシオン改を相手にした激戦での戦いぶりもさることながら、ヤキン・ドゥーエ戦役の頃から地球連合にとっては厄病神のごとく戦果をあげた部隊なのだ。
「おれ達が動けば否応なしにおれ達を警戒せざるを得ん。その為に戦略的価値の低い大陸中央部におれ達が向かい、連合側の動きを牽制しつつユーラシアまで向かう。ルート上および近辺に存在する地球連合の軍事基地は全て攻撃対象だ。
途中でタマハガネ及び補給物資を受け取る手はずになっているが、基本的には友軍からの支援や補給を受けないものと思え。メイマイの艤装が終わり次第、出航する。予定では三日後となっている。それまで各自英気を養い体調を整えておくように」
世界の裏側で真実を知る者達の戦いが激化するのに比例するかのようにして、地球の表側の戦いもまた徐々に激しさを増し、終息へ向けて加速し始めていた。
しかし、世界にはまだ表に出ていないだけで地球人類にとって途方もない脅威となりうる存在が、いくつも存在しているのだった。
地球圏が戦から遠い静謐を取り戻すのは、まだはるかな未来の事であるだろう。
つづく
クスハ達とキャリコではスパロボ的にレベル30くらい違うのでまだまだ勝ち目はありませんのです。
総帥乙でした!
ユの字憑依キャリコ&ディス・ヴァルク・バアルwithジュデッカの強さとかっこよさに心が震えた。
様子がおかしいと思ったらやっぱり乗っ取られてたんですか、キャリコ……
ウィルキアの超兵器部隊も活躍中のようで何より。 摩天楼は建造中か温存してるんですかね?
後、シンは爆発するかドイツの破壊神に取り憑かれろ。
GJ!
シンがルーデル閣下になっとるw
後に超高速斬撃とか書くのかwww
もうシン君がうらやましすぎるwwww。
第2次の発売日までにボトムズとOOを復習せねばPVのせいでテンションが上がりまくっています。
ふむ、ラキスケにもレベルアップが存在したか
死にたい連合兵士お勧めの「ラッキースケベ」シン・アスカ
・偵察機なら大丈夫だろうと思ってたらナマス切りにされた。
・シンの機が見えて1分後の戦場には必ずMSが真っ二つになって転がっていた。
・上空からの偵察中、地面が真っ黒なので良く見てみると全部真っ二つにされたMS・MAだった。
・30回以上女性の胸を(不本意で)もんだ。と言うかこれからも増えていく。
・連合のものならなんだって斬撃し、MSも「特機」もあらゆる物を斬りまくった。
・自室からMSのコックピットにたどり着くまでの間にシンにラッキースケベな出来事が必ず起きる。
・シンのラッキースケベのキャリアの2/3が艦内、しかもステラやセツコばかりが強調されるから実は「モブキャラほど危ない」
・「今はクライウルフズが近くに居ないから危険な訳が無い」と言って投入された新型MSが翌日、真っ二つの鉄くずと化していた。
・「MSじゃなきゃ襲われるはずが無い」と走っていた軽戦闘車両やトラックは漏れなく真っ二つの鉄くずと化した。
・シンの居るタマハガネから半径200kmはシンの斬撃を喰らう確率が150%。一度斬撃を受けて、後退している所を更に斬りかかられる確率が50%の意味
・対東アジア戦線における一ヶ月間の出撃回数は数百回以上、その間、シンが連合に与えた損害は戦線に投入された全機動兵器の四分の一。
なんか戦歴に関係無いの入ってるけど気にしない。
二つ名がラッキースケベかい!w
ボトムズも楽しみですが、しかしキリコは凄いな色々いますがキリコひとり入れば大丈夫でしょうとネットで言われる始末です。
といかキリコいたらゼロレクイエムも完全に崩壊する姿しか思い浮かびませんwwww。
>>160 その内シンと戦ったMS・PT・特機パイロットで女性だけ高確率で生き残るようになって
対シン専用の女性部隊とか誕生しそうだなおい
(機体トラブルで双方不時着、全員にラキスケ展開も…)
今日、マクロスフロンティアのサヨナラノツバサを見ましたが、凄かった!!
でも「コレを」第2部でほぼ間違い無くシナリオにとりこむスタッフさんたちは気の毒です……並の苦労じゃすみませんな。
でも映画よりもより良き方向に行ってほしいのでやっぱり第2部登場して欲しいですな。
そして第2部にはやはりGガンとロム兄さんを……スゲーいい味出すと思うのででもサンドマン様と不動GENは三人揃って一緒に「待ってい!!」をやりそうな気がして仕方ないです。
>>164 マクロスフロンティアの劇場版は確か機体のみ参戦ではありませんでしたか?
すいません、映画を見たテンションで忘れていました……。
でも第2部でもフロンティア勢は出て欲しいです。
大使とトレーズ様が共演となると、Gジェネウォーズの一場面、
『トレーズ様に向かって放たれたリーブラの主砲をアルヴァトーレのGNフィールドが弾く』
シーンが再現されるんかね?
一瞬「大阪トレーズ様」に見えて
そこから大阪トレーズ様を必死に想像しようとした自分が少し今川ってると感じた早春の昼下がり
保守
マジで生存報告が欲しい件
こんばんわ。職場から十時間ほど掛けて帰宅しました。
幸い家族も無事でした。
皆さんはいかがでしょうか。新シャア板を覗けるのなら大丈夫かとは思いますけれども。
被災された方々と現地で救助活動に勤しまれている方々のご無事をお祈り申し上げます。
それはなにより
生きてます
ってか明日は仕事いかないと帰れない(泣)
避難所にATX氏投下
シュウの真似をしようとしてクールになりきれないシンが微笑ましいw
エリオス帝国の名前がギシンやガルラと同列にされてるのが気になった
単にザールと間違えたんじゃなくて伏線っぽい感じがする
ジ・インスペクター終わっちまったな〜
まあアニメ・ゲーム共に次回作への伏線張らしてたけど。
Z破界編のあとなんかあるかな。
>>175 まぁエリオスもクローン人間の扱いとか相当裏側はドゲスだからな
ドルメンは大儀こそ失ったが、その怒りは共感も理解も出来るものだった
単なる復讐ではなくクローンの権利を得るための革命であったなら彼の行動は正しく正義だったろうに・・・
やっぱクルーゼが絡んでくことになるのだろうかな
保守
避難所ー
敵の作戦をほぼ読みきってたり、チェスが鬼強だった原作の五飛ならともかく
スパロボのごひには無理のある設定だw
αシリーズだとだんだん兜博士に近づいてたよね甲児
ウィンキー時代は最後までアレだったけどw
ごひが博士やってるのって初めて見たぞw
確かに小説版EWで文武両道の天才児とは出てたけど。
スパロボでの正義バカっぷりやナタクのファクターの印象が強すぎて
甲児以上に誰だお前状態すぎるwww
外伝漫画で描かれてた少年時代を考えると
とても正義なんて信じてるようには見えんのは確か
義務で正義の戦士やってるという考察は意外と正解かも
五飛に限らずW勢はUC勢と違って外伝や小説からのネタを使われないよね
トロワが本当に名前がないとか、カトルとマグアナック隊の関係とかも拾われてないし
W好きのスタッフはいないのかも
デバッカーに出演者がいるから優遇されてるけどw
トロワの名無しに関してはWかLであったと思うぞ
デキム・バートンとの関係性聞かれて自分は名無し=本物のトロワ・バートンじゃないって
五飛の嫁ネタもLであったし以外と外伝や小説ネタある方だと思う
ディバインSEEDDESTINY 第五十話 極東戦線
現在地球上に存在する人類国家の内、最大の領土を保有する東アジア共和国の統治下にある旧中華人民共和国領内に、東アジア共和国からの独立を謳うウィルキア王国、日本国、さらに両国を支援するDCの連合軍が侵攻を加えていた。
DCから供与されたリオン、ガーリオン、バレリオンといったAMを空戦戦力として、地上には日本国が独自開発した機動兵器がその巨躯を並べている。
この独立戦争で日本国が密かに宗主国東アジア共和国に内密に開発量産していた大小二種の機動兵器は、それぞれが戦術歩行戦闘機略して戦術機、ナイトメアフレームと開発者やパイロット達の間では呼ばれていた。
戦術機は従来のMSやMAと比べてもそうサイズの変わらぬ人型機動兵器で、かねてより東アジア共和国からの独立を水面下で願っていた日本国が独自開発したものである。
ジンやストライクダガーなどが基本的に人体を模した五体であるのに、これら戦術機はほとんどの機種に置いて肩や大腿部が異様に巨大で、一般的なMSとは異なるシルエットを有している。
戦術機はプラントがMSを開発し実戦に投入する以前から研究開発が進められており、先の戦役では大西洋連邦が供与としたストライクダガーの存在と、いつか来る反攻の日の為に秘匿されていた兵器だ。
今回の独立戦争に投入された戦術機は、第一世代から第三世代まで開発されており、ほとんどの世代の機体が戦場に顔を並べている。
第一世代は防御力、耐久性能を追求した仕様となっているが、戦闘の激化に伴うMSの火力水準の異常なほどの向上や戦術機の装甲基準ではどうした所で防ぎ得ぬ火力の特機の存在から、コンセプトの変更を余儀なくされた経緯がある。
第二世代ではMSから得られた戦闘データや多勢力のMSやAMのコンセプトに対応し、機動力向上を目指した仕様が基本となっている。
さらに最新の世代である第三世代では第二世代の設計思想を更に発展させるものとなっており、新素材や複合素材による機体の軽量化や機体のスリム化、柔軟性、即応性を発展させている。
日本国の投入した戦術機は撃震、瑞鶴、不知火、不知火・弐型となる。また一部の選抜に選抜を重ねたエリート部隊には武御雷と呼ばれる超高コスト高性能機も、その雄々しくも凛々しき威容を陽の下に露わにしている。
洋上の艦隊や陸上戦艦などの遠距離大火力砲撃支援と各種バレリオンタイプの砲撃が、地上を疾駆する戦術機部隊の頭上を真っ赤に染めるほど濃密な砲弾や破壊エネルギーの流星群となる。
流星群の降り注ぐ地平線の彼方からも迎え撃つ火線が放たれて、降り注ぐ流星群を撃ち落としてゆく。
いつ止むとも知れぬままに降り注ぐ流星群が絶えるや、テスラ・ドライヴの翡翠の噴射光を舞い散らせてAMおよびエクスカリバーF型によって構成されるAVF部隊、さらにウィルキアのハウニブー部隊が制空権を得るべく飛翔してゆく
百単位の航空戦力を見送り、それに続けとばかりに地上の戦術機部隊も長距離移動用に増設したタンクの中の推進剤を贅沢に消費して加速する。
しかしながら日本国の先陣を切ったのは戦術機ではなく、DCから供与された特機をベースに日本国が研究開発し、さる高貴な血筋を引きながら古き慣習ゆえに身分を隠さねばならなかったあるパイロット用に調整した特機であった。
およそ全高五十メートル前後の特機としては標準的なサイズで、外見的には数百年前の侍が着こんでいた甲冑の様に見える。
ましてや一見した時にはっきりと分かる武装がその手に携えた巨大な日本刀一振りである事が、余計に侍の印象を強めるのだろう。
また世界各国の特機が時に人間の顔を模す事があるが、その場合にはほとんどが男性の顔を模すのに対して、日本国の特機はあきらかにうら若き美しい少女の顔と豊かな肢体を模している。
また後頭部からはポニーテールを思わせる用途不明のパーツが伸びているが、これは全て放熱装置と衝撃拡散緩和装置を兼ねた特殊繊維を束ねたものである。
DCから供与されたのはDGG−XAM−XX試作型ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンの基本フレームや最新の人工筋肉ほか専用OS“JINKI”、新型プラズマ・リアクター、実体剣用液体金属などなど。
それらに日本国独自の技術と設計思想を組みこみ、完成させたのがこの通称“武神装攻ダイメイヤー”である。
重厚な鎧を纏った武者姫のごとく勇壮でありながら、どこか可憐さと高貴さをともなう美しさを兼ね備えた、兵器というよりもある種の芸術的な美しさを備えている機体だった。
その巨大な機体に相応しいサイズの日本刀の形状をした72式近接戦闘用斬艦刀を振り上げつつ、ダイメイヤーは放たれるビームになんら怯む様子を見せずに、スラスターを全開にして真正面から斬り込んでゆく。
ダイメイヤーの周囲を真紅の武御雷を筆頭とする武御雷数機と不知火・弐型からなる戦術機部隊が、援護の為に固めて個々に備えた火器を的確に濃密に、一つの生き物の様に意思の通い合った動きで展開して不用意に近づく敵を尽く鉄屑に変えてゆく。
戦術機およびダイメイヤー、航空部隊が数と質を揃えた正攻法の戦い方で正面から東アジア共和国部隊と撃ち合い斬り合いの応酬によって戦力を削り合う中で、戦術機以外の日本国独自の兵器群もまた異なる戦場で戦果を上げていた。
ナイトメアフレーム(KMF)。
全高おおよそ5、6メートルほどの小型機動兵器で、MSの平均サイズから考えれば三分の一ほどであり、もとはMSの登場以前戦場で活躍していたパワードスーツを源流としている。
こちらもまたMSの台頭によって陽の下を歩む時を失した機動兵器であったが、日本の富士山地下から発見された新資源サグラダイトを動力として、陸上基地攻略などを主目的とする形で開発が再開されて現在完成に至った。
戦術機部隊や航空部隊とは別に、海底を潜んで東アジア共和国国内に接近していた潜水艦部隊から次々と出撃したナイトメアフレーム部隊三百機及び、支援戦闘車両、パワードスーツなどを装備した歩兵部隊五個師団が陸上基地に侵攻していたのである。
ナイトメアフレームの開発には大西洋連邦をはじめ世界各国の亡命科学者や、スカウトしてきた科学者が関与しており、当初日本語で徹底的に埋められていたナイトメアフレームの装備関連の単語は現在の形に落ち着いている。
主力ナイトメアフレームは月下と呼ばれる機体で、まるで一つ目の鬼のような外見をしており、超振動実体剣や外腕部に装着する三連銃身のオクスタン式機関砲やバズーカなどで武装しており、狙い所を考えればMSも撃墜可能である。
この時代の機動兵器にしては珍しくナイトメアフレームは、高速での地上走破性能に特化しており、ランドスピナーと呼ばれるホイールを装備してかつて陸戦の王者と呼ばれたバクゥやランドリオンを上回る機動性と速度を誇る。
戦術機と違ってナイトメアフレームは機種が少なく、主力となっているのは月下単種のみであり、その中に指揮官用にカスタマイズした機体こそあれ、月下以外に大量生産されている機体は無い。
その代わりに三機ほど毛並みの事なる機体がフォーメーションを組んで、MS相手にも凄まじい戦果を築き上げている。
一機は猫背のようにやや斜めに曲がりぎみのフレームを有し、鉤爪の様な頭部と異様に巨大で宗教画に描かれる悪魔の様な右腕を備えた真紅の機体“紅蓮弐式”。
白い装甲を持ち中世の騎士を思わせる優美なラインを描き、機体の各所に内蔵した有線式のスラッシュハーケンと呼ばれる装備や、可変式のライフル、振動式の実体剣を駆使して敵を翻弄する、裏切りの騎士の名を持つ機体“ランスロット”。
そのランスロットの同型機らしく良く似たシルエットを持ちながら、青い頭部からは大きな角が生え、また左腕は紅蓮の右腕と同じように異形の“ランスロット・クラブ”。
紅蓮、ランスロット、ランスロット・クラブの三機はその性能が月下を上回ることもあるが、それ以上に天才的というよりも天才としか言いようのない操縦技術を有するパイロットが登場している事と、卓越した連携を見せている事が最大の理由だろう。
そこかしこで爆発の炎と煙を噴き上げる東アジア共和国の軍事基地の中で、奇襲から立ち直った共和国のMS部隊が、半ば倒壊したMS格納庫から出撃し、旧式のダガーL部隊が、三分の一ほどの大きさのKMFめがけてビームカービンの狙いを向ける。
歩兵の携行火器ならばともかくMSサイズの武装が相手では、KMFの装甲は薄紙の様なものだ。
まだ指揮系統の混乱の見えるダガーL部隊であったが、小隊単位で迎撃行動を取る事は出来ており、共和国も前大戦からの一年半近い時間を安穏と過ごしていなかった事を証明している。
しかし機動性では並みのMSをはるかに上回るKMFである。特に前述した紅蓮弐式、ランスロット、クラブの三機は、赤、白、青の三色の地を這う鋼の風となってダガーL部隊の隙間を縫うように疾駆し、目で追う事さえ出来ない。
懐まで飛び込まれればその圧倒的機動性と小型である事から、MSではKMFに対して効果的に対処することはきわめて難しい。
空戦能力を持つ現行の主力MSならばともかく、ジェットストライカーを装備していないダガーLでは、接近を許した時点でKMFの餌食となる運命は決まったも同然であった。
ましてや並みのKMFとパイロットではない。
規格外のKMFと尋常ではない技量のパイロットと入り込む隙のない連携の組み合わせなのだ。
単独で迎え撃つには、現状地球圏最強の機動兵器パイロットであるシン・アスカと最高峰のMSであるDCインパルスクラスでも持って来なければ、一分とて保つまい。
ランスロットが二振りのメーザーバイブレーションソード(MVS)をすれ違いざまに振るえば、両ひざの関節部位を狙われたダガーLは回避する動作さえ見せることなく膝から落ち、そこに猫科の猛獣のごとく紅蓮弐式が跳躍。
異形の右手を崩れ落ちるダガーLの胸部へ押し当てるや否や、紅蓮弐式の異形の右腕に内蔵されたマイクロ波誘導加熱ハイブリッドシステム『幅射波動機構』が起動し、極短サイクルで高周波が直接照射されて、ダガーLに膨大な熱量を与える。
ぼこり、と音を立ててダガーLの装甲が内部から膨れ上がり瞬きする間こそあれ、ダガーLは機体の内側という想定外の箇所から破壊されて、腰から上を爆発させる。
幅射波動を照射直後、爆発に巻き込まれない様に即座にその場を離脱する紅蓮弐式を狙って、残るダガーLがビームカービンの銃口を動かすのを阻止したのは、残るランスロット・クラブである。
腰だめに構えていた可変アサルトライフルの対MS装甲貫通徹甲弾を、ビームカービンの銃口とトリガーに添えられている指へと集弾させて双方を破壊する。
紅蓮弐式を狙ったダガーLへの着弾を確認するのと同時に、ランスロット・クラブは、可変アサルトライフルを腰裏に懸架し直して、ランドスピナーを激しく回転させて一気にダガーLの懐へと飛び込む。
ランスロット・クラブは右手に握った柄尻を接続させたツインランスモードのMVSで、ビームサーベルをバックパックから抜こうとしていたダガーLの左肘から先を斬り飛ばし、紅蓮弐式の右腕と酷似した形状の左腕をダガーLの頭部へと押しつける。
ランスロットと同型機であるランスロット・クラブであるが、優美な人型のラインが左腕だけが異様な形状をしていた。
紅蓮弐式の幅射波動機構内蔵式の右腕の先行試作型を、ランスロット・クラブは左腕として備えていたのである。
先ほど紅蓮弐式がダガーLを屠った光景を巻き戻して再生したかのように、ダガーLの上半身が内部から泡立つように膨れ上がって、爆発を起こす。
ランスロット・クラブがダガーLを撃破する間も、紅蓮弐式とランスロットは後続の月下、戦闘車両、パワードスーツ部隊との連携を計りながら敵戦力を次々と沈黙化させている。
紅蓮弐式、ランスロット、ランスロット・クラブの戦果は凄まじいが、後続の指揮官用月下とそれに続く四機の月下も、先行した三機のKMFに負けず劣らずの錬度と技量を見せて、ダガーLをはじめとした旧世代MS部隊を瞬く間に撃墜せしめてゆく。
戦術機を本命とした日本機動兵器部隊と別行動を取ったKMF部隊の指揮を任されたパイロットの乗る指揮官用月下を中核に据えて、KMF部隊は東アジア共和国が疎かにした足元を、誰に阻まれるも事もなく蹂躙して行った。
そしてランスロット・クラブのパイロットは、かつてこの世界で眠りから目覚めたライという名の少年であった。
こいつがあればDCの連中なんざ屠殺場の豚さ、と軍事基地から出撃する際に整備士の一人に笑顔で告げて出撃した東アジア共和国のある兵は、自身が乗るMAゲルズゲーが陽電子リフレクターごと縦一文字に二つにされた事実を、死と引き換えに認めた。
ずるり、とゲルズゲーの蜘蛛の下半身とストライクダガーの上半身をもった異様な巨体が二つに分かたれて、オイルや推進剤が血潮のごとく噴出してからしばし、ゲルズゲーは青い空を汚す爆炎花となって有終を飾った。
対陽電子砲防御に特化しているとはいえ、対MS戦にも有用な陽電子リフレクターと装甲を真っ二つにしたのは、高出力のビームサーベルなどではなく金属細胞マシンセルによって形成された全長二十メートルの実体刃“斬艦刀”である。
剣速の圧倒的な速度から粘着性の高い推進剤やオイルは刃に一滴も付着しておらず、本来ならあるであろう血振りの動作を省いて、シンは愛機である飛鳥インパルスのレーダーレンジの中に移っている次の敵に意識を動かしていた。
最強にして最高の好敵手であったウォーダン・ユミルより託された斬艦刀は、DCの技術によって改良が加えられて、MSに扱いやすいように二十メートルほどにサイズを縮小して現在は固定されている。
東アジア共和国戦線に投入され、戦況がある程度DC・ウィルキア・日本側に優勢となった事もあって、ユーラシア大陸を突っ切って欧州方面へと向かうクライ・ウルブズは、目下進路上に存在する敵性勢力と交戦に交戦を重ねている。
一隻の戦闘母艦と二十機前後のMSやAM、特機だけで通常編成の二個師団と同等かそれ以上の戦闘能力を誇るクライ・ウルブズの動向は、誇張ではなく真実戦局を大きく左右する要素だ。
東アジア共和国はDC側が睨んだ通りにクライ・ウルブズの動向に否応なく警戒せざるを得ず、少なくない戦力を割り振る事となり、しかも投入した戦力が尽く壊滅させられるとあって、ますます戦況を悪化させる事態に陥っている。
ことにシンとインパルスは、一機当千とまでは行かずとも一機当百の戦闘能力を開花させて、ティエレンを主軸に据えた東アジア共和国の機動兵器部隊を次々と斬り散らしている。
斬艦刀の切断力とシンの技術があればもはやPS装甲さえ薄紙も同然となった今、例え重装甲を誇るティエレンといえども振るわれた刃に抗う術は無い。
ティエレンの頭上に掲げられたカーボンブレイドと機体に真っ向唐竹割りの一撃が迸るや、股間部までをやすやすと両断した斬艦刀は振り下ろしきった状態から飛燕のごとく軽やかに舞い踊り、空中に白銀の軌跡を描く。
目に鮮やかな残像を刻みつける斬艦刀の軌跡は、背後を取っていた別のティエレンの腰を横薙ぎにし、鏡の様に研ぎ澄まされた断面を晒しながら、ティエレンが左右にずれてから爆発を起こす。
一連の剣戦は敵味方共にテスラ・ドライヴ搭載機である為、慣性さえもある程度制御したうえでの空中戦である。
これまで地球連合軍に対してたった一機の機動兵器というにはあまりにも多すぎる被害を与えて来た飛鳥インパルスは、当然その戦闘パターンは研究に研究を重ねられて、対処マニュアルもそれなりの完成を見せている。
当然クライ・ウルブズの進路上に配置された東アジアの部隊も、対クライ・ウルブズ用の戦闘マニュアルに沿って戦いを進めているのだが、それがまるで意味を成さないのは、机上のデータと実物との差が大き過ぎた為だ。
相手の呼吸、気配、視線さえも機体の装甲越しに感知し、全方向に知覚網を広げるシンからすれば、過去の自分の戦闘パターンに合わせてくる敵部隊は、赤子の手を捻る様にあしらえる鴨に過ぎない。
滑空砲の実体弾、赤外線誘導式の多弾頭ミサイルの混合雨の中に、飛鳥インパルスは躊躇う素振りさえも見せずに正面から飛び込む。
専用パイロットスーツに身を包んだシンは、呼吸による血流操作で全身の細胞を最大限に活性化させて、丹田に溜め込んだ気が溶岩のごとく熱い塊となって五指を満たす感覚に、かすかに目を細める。
密度の濃い砲弾の嵐の中のどこに進むべき場所があると見えたのか、飛鳥インパルスは風に靡く柳のごとくしなやかに前へ前へと飛翔する。
砲弾も、ミサイルも、銃弾も、どれだけトリガーを引き絞り、ロックオンサイトに捉えても、装甲に掠ることさえしない現実を目にして、恐怖に顔を強張らせて自分達が幻か幽霊でも相手にしているのかと狂乱していた。
目の前の複数のパイロット達の恐怖の思惟を感じながら、シンは飛鳥シルエットと機体の二基のプラズマ・リアクターのエネルギーを斬艦刀へとバイパスを連結させて、一気に大量のエネルギーを流し込む。
「斬艦刀・電光石火!!」
斬艦刀が有する数少ない遠距離攻撃手段である電光石火は、想定された以上のエネルギー供給を受けて、一筋の雷光という枠を超えて黒雲を裂いて暴れ狂う雷龍のごとく青い空を焦がしながらティエレン部隊に光の牙を突き立てる。
青い光の中に飲み込まれたティエレン部隊が分子の結合を崩壊させて壊滅するのを、感覚で理解したシンは、続けて地上から火線を無数に引くドッペルホルンを装備したダガーLやバスターダガーといった旧式部隊へと目を向ける。
触れれば我が身に訪れるのは斬殺の運命のみ。触らぬ神に祟りなし――なら、向こうから触れてくる死神には、どうすることで災いから免れる事が出来るのか。
二個小隊六機の砲戦装備のMSのど真ん中に降り立って飛鳥インパルスが、片膝を着いた姿勢から一度左脇下に固定した鞘に納刀した斬艦刀をを抜き放った瞬間、地上に眩い銀の満月が描かれる。
恐るべきは刃圏の外にあった機体さえもが、刃に乗せられたシンの剣気と超音速の斬撃が放つ真空の刃によって、機体を真っ二つにされた事だ。
機体のみならず周囲の木々を巻きこんで両断し、再び静かな鞘鳴りの音を立てて斬艦刀を鞘に納めた時、東アジアに属するすべてのMSが二つに分かたれて極東の空に鋼の骸を晒す。
林崎夢想流居合“天車引留”。かつて一太刀で周囲を取り囲む凶漢複数名の首を刎ねたと言う秘剣である。
インパルスに搭載されたカルケリア・パルス・ティルゲムが増幅する思念の知覚網に感じられる敵残存部隊が撤退を始めた事に気付き、シンは鞘に納めた斬艦刀の柄に添えていた飛鳥インパルスの右手を離す。
そろり、と蝋燭の灯を消す事も出来ないような小さな吐息を零して、シンは飛鳥インパルスに飛翔を命じ、鋼の骸が点々と転がる鬱蒼とした森林地帯を抜けて、赤道連合から提供されている軍事基地へと機首を巡らす。
これまでの極東戦線におけるシンの戦果は、ゲルズゲー三機、ダガーL九機、ウィンダム十二機、バスターダガー五機、ストライクダガー十七機、ティエレン四機、新型七機、スカイグラスパー二十一機、戦闘車両三十三輌。
単独で軍事基地数か所分を壊滅させた戦果としては、まあ上出来と言えるだろうか。
通常五機撃破の戦果でエースと言われるが、五十機撃墜でエースと呼ばれるクライ・ウルブズのトップエースならば、これ位は当然と評価されるのだから、シンとシンの所属している部隊の異常さがわかろうものである。
未来予知じみた直感とセンサー類に警戒の意識を裂きながら、シンは腹が減ったなあ、などと考えてコックピットシートの下に設置されている収納スペースに手を伸ばした。
長時間の戦闘を考慮してコックピットスペースが広く取られ、私物を置けるように設計されているのが、DC系統の機体の特徴の一つだが飛鳥インパルスもこの例に漏れず、標準で置かれている医療キット、非常用キットの他にシンの私物がある。
今時珍しい紙媒体の読みかけの雑誌や小説、肌着や下着の予備や木刀“阿修羅”、そして腹が空いた時にちょっと摘む為に購入しておいた賞味期限の長い食料品などである。
ほどよく醤油の染みたおかかのおにぎりをむしゃむしゃしながら、シンは他の皆は無事だろうか、と社交辞令的な心配をしていた。
ごくり、と咽喉が音を立てて良く咀嚼した米粒を胃に運び込む。
シンはやや飛び抜けすぎた戦闘能力の持ち主だが、シン以外のクライ・ウルブズの隊員達もほぼ全員が一流の水準を超える才能と経験と胆力を併せ持った傑物揃いである。
まだ機体の性能に任せる傾向のある刹那や、新兵であるセツコにレントン、技量はあるがやや経験の不足しているエウレカを除けば、誰もがどこの部隊でも頼りにされるベテランかエース揃いなのだ。
機体の性能と常軌を逸した戦闘能力からシンは単独での行動を許されていたが、他の面々は最低でも三機編成の小隊単位で作戦に従事しているから、四倍か五倍の戦力に囲まれなければどうとでもなるだろう。
鬱蒼と生い茂る森林地帯を越えて、海岸線沿いに建設された赤道連合の軍事基地からの誘導に従ってシンは軽やかに指定された滑走路に愛機を着地させる。
赤道連合がライセンス生産しているリオンやランドリオンが待機状態でずらりと並ぶ中、シンはクライ・ウルブズ用に確保されている大型格納庫へと機体を落ち着かせる。
他国向けにも量産しているグルンガスト弐式が少数だが配備されている為、特機も格納できる大型の格納庫が三つほど建設されている。
アサルトバスターやクロスボーンシルエットもいいけど、一番しっくりくるのは飛鳥シルエットだなあ、とシンが一人ごちながらインパルスのコックピットから、ラダーを使って降りると不意を着いて抱きついてきた人影があった。
一キロメートル先からの狙撃くらいなら直感の働きで余裕を持って回避できるシンであるから、気づいてはいたのだがもうとっくに慣れた恒例行事だったので、気に留めずに抱きとめる。
「シン! おかえりなさい!!」
ふんわりと柔らかな金髪が自分の鼻先をくすぐり、シンはこそばゆさにくしゃみを堪えながら、抱きついてきたステラの背中に腕を回してそのぬくもりを全身で感じた。
ぎゅうぎゅうとパイロットスーツを来ていてもはっきりと分かる二つの乳房を押しつけながら、ステラがシンの首に腕を回して頬ずりをしてくる。
ほのかに香る女の子の匂いとステラの体の柔らかさに、シンはいい加減慣れてもよさそうなのに、と自分でも思いながらどぎまぎとする心臓を抑えつけて、表面上は笑顔を浮かべるだけにとどめた。
いい匂いだな、パイロットスーツ越しなんだけどなんでかステラの身体って温かいんだよなあ、とシンは戦闘の余韻に昂っていた精神が落ち着くのを実感する。
「んん、あははは。ただいま、ステラ」
ステラは修復の終わった弐式でグローリー・スターと同行し、ティエリア・刹那・ロックオン・デスピニス、アルベロ・レオナ・タスク、ジニン・スティング・アウル、テンザン・エウレカ・レントン、といった部隊分けが行われていた。
格納庫の中にはすでに三機のバルゴラと弐式が鎮座しており、シン同様に敵部隊の索敵と撃破の任務を終えて来たようだ。
流石に出会ってから今日に至るまでの約二年間でステラとのスキンシップに慣れたから、シンはステラと抱き合った姿勢のままで、頬ずりを止めたステラと鼻と鼻がくっつく位の距離で向き合う。
「シン、怪我してない?」
「んー、いつも通りだよ。ステラも……怪我とかはしていないな、よし」
少しだけステラと距離を離し、ステラの頭のてっぺんからつま先までちらりと視線を巡らせて、ステラに一切負傷した様子が見られない事を確認する。
もっとも怪我などしていたら、シンの帰還に合わせて格納庫で待っているようなことはできないだろう。
「ん」
と言うやステラは自分の頭をシンの方に向ける。以心伝心という言葉通りにステラの意図を読み取ったシンは、差し出されたステラの頭の上に手を置いて動物の子供を可愛がるように、ゆっくりと優しく撫で始める。
「今日もお疲れ、ステラ」
「ん〜♪」
日を追うごとにステラがペットみたいになっていくな、とシンは思ったがまあ今更なので、深くは考えずにステラの頭を撫でる作業を続けていると、困った顔をしてこちらを見ている長い黒髪の美女の姿が視界に飛び込んでくる。
パイロットスーツから黒色を主とした、膝上二十センチはあるんじゃなかろうかというミニスカートに着替えたセツコだ。
少なくともステラはパイロットスーツから着替えられる程度の時間は、シンのことを待っていた様だ。
セツコが目の前の一体何度目になるのか、軍とは思えない光景とステラの幸福の塊と化した姿から、何と声をかければいいのか分からない様子。
シンはステラとこうして抱き合うなり頭を撫でるなりするのが当たり前になってはいたが、他人が自分達を見たらどう思うか、を考える能力がほんの少しは残っていたから、自分からセツコに声を掛ける。
「セツコさん、お疲れ様です。ステラが迷惑かけませんでしたか?」
手の掛る妹を持った兄の台詞である。シンに声を掛けられたセツコは、いくらか迷う素振りを見せたが、うん、と自分を納得させるように一度頷いてから、ステラと抱き合い頭を撫で続けているシンの方へと歩を進める。
「そんな事は無いよ。ステラちゃんは私なんかよりもずっと長く戦っていたし、準特機乗りだからむしろ頼りにしているくらい」
なおグルンガスト弐式の準特機というカテゴリーだが、これは一応パーソナルトルーパーに含まれる。
ヴァルシオン改との戦闘で、両腕部損失という惨憺たる姿に変わったステラの弐式だが、廃棄寸前の機体を修復する事にはすっかりと慣れてしまったクライ・ウルブズ整備班の努力の甲斐もあり、すでに傷一つない新品同然の姿に戻っている。
「はは、それは良かった。ステラはちょっと熱くなりやすいですからね。おれやスティング、アルベロ少佐は付き合いが長いから、それでも合わせられるんですけど、セツコさん達は三人で一チームだからちょっと気になっていたんですよ」
グローリー・スターという単位で出来上がっているセツコ達であるから、独走しやすいステラと弐式では色々と苦労したでしょう、と語るシンの瞳にセツコは苦笑を浮かべて答える。
確かにいささかステラが突出したのだが、ベテランのデンゼルが上手くフォローした為、なんとか拙いなりに連携らしい事も出来たので、まあ及第点を出せる結果と言えるだろう。
バルゴラ三機とも被弾は無かったし、弐式も数発の被弾こそあれ準特機の厚装甲とEフィールドが、大きな損傷を防いでいる。
「そう言えばシン君、気付いた? 東アジア共和国の部隊の中に見た事のない新型が混じっていたんだけど」
「ああ、いましたね。なんか白くて細っこい奴。あれ、気配が感じられませんでしたし、生体反応もなかったから無人機ですね」
センサーを用いた生体反応の有無はともかくとして、気配で感じるというのはクライ・ウルブズの中でも、シンくらいのものだがセツコもシンのそう言った感覚的な物言いには慣れたので気にする様子はない。
如何せん車両や施設に仕掛けられている爆発物でさえも、残留している悪意から看破するシンである。シンが警戒の意識を尖らせている戦時ならば、一ヶ月も一緒に居ればシンのオカルト的なセンスに慣れようものである。
「うん。新型なんだろうけどそんなに性能が突出しているわけでもないし、ティエレンとかウィンダムの方がずっと手強かったかな」
セツコの感想にはシンもほぼ同意である。高性能のテスラ・ドライヴを搭載している様ではあったが、性能を十分活かしきれていると言えるほどの動きはなく、さして警戒するほどの相手ではなかった。
並みのパイロットではそれでも新型の運動性に手古摺ったかもしれない。しかしながらまだ新兵であるセツコでさえも、激戦のみの戦闘経験と周囲の一級パイロット陣のコーチを受けて、劇的に技量を上げているから十分に対応できた。
現在のセツコの技量はDC最精鋭部隊に所属している為に埋もれてしまっているが、既に実戦に出て半年未満という期間を考慮すれば驚くほど高い。
自身が軍人に向いていないのでは、という迷いを抱えている為に精神的な脆弱性があるものの、訓練は真面目に取り掛っているし、丁寧な操縦技術という長所も伸びている。
シミュレーターでシンと同機体でやり合えば、開始十秒以内で撃墜されているので、セツコに自身の操縦技術に自信を抱けと言うのも無理な話ではあるが。
ちなみにバルゴラ三号機と飛鳥インパルスでやり合うと、気付いたら目の前に飛鳥インパルスがいて、あ、と思った瞬間にはバルゴラが真っ二つにされているのでおおよそ一秒ほどで撃墜される。
実際シン一人を突っ込ませるだけでザフトのカーペンタリアや、地球連合が再建したアラスカが陥落するのではないか、という噂さえDC軍内部では囁かれている位だが、これはいささか過剰にシンを評価しすぎだろう。
たっぷり休養を取ったシンを飛鳥インパルスに乗せて突撃させても、精々カーペンタリア、アラスカ級の大規模軍事基地が対象では、八割か九割の戦力を壊滅させるのが限度であろう。
「東アジアの強みは地球圏随一の国民の数とそれに支えられた工業力ですけど、あんまりそれを感じないんですよね。やっぱり日本との戦闘に注意を惹かれているんですかね」
局所的な物の見方しかしてこなかったシンであるから、東アジア共和国全体の動向について語る時はどうしても自信の無い調子になる。
たとえば実際に戦場に出てそこに戦略級兵器が隠匿されているなどと言う場合――前大戦のジェネシスや核ミサイルなど――であれば、現在の成長したシンの第六感なら十中八九気づけるのだが、戦場を離れるととんとだめだ。
「大西洋連邦はヴァルシオン改を切り札にしていたし、ユーラシア連邦もなにか新しいタイプの機動兵器を開発しているって言うから、東アジアもなにか用意していてもおかしくはないんだけど……」
セツコの言うとおり元より一枚岩ではなかった地球連合は、主要構成三大国家が戦後を見据えて他国のアドバンテージを握るべく、独自の兵器開発に力を注いでいる。
既にDCも戦場で何度か遭遇している大西洋連邦のフラッグ、東アジア共和国のティエレン、ユーラシア連邦のイナクトなどがそれにあたる。
う〜ん、とセツコとシンが鏡合わせの様に揃って首を傾げて頭を捻っている間も、ステラは変わらずシンに頭を撫でて貰って終始ご機嫌な様子であったが、外が騒がしくなった事に気付いてそちらに目をやる。
ステラが意識をシンの手から外に移した事を察してシンも、つられてそちらに視線を動かし、それからセツコもシンにならって格納庫の外に星色の瞳を向ければ、そこには三機の機動兵器の姿があった。
一機は前大戦時オーブの主力MSとして開発され、ビアン・ゾルダークの横入りでその座を追われたM1の五機存在する原型機の一つ、アストレイ・グリーンフレーム。
世にも珍しい機体であるがDC戦争後のプラズマ・ジェネレーターやTC−OS、テスラ・ドライヴの普及で、第一線を張れるほどの性能ではない。
シンの意識はグリーンフレームからすぐさま他の二機の機体に奪われた。一機はMSの倍近い大きさで、シンがデータ上で目にした事のある火の魔装機神グランヴェール。
欧州に出向いているテューディ・ラスム・アンドーが出向先で完成させた残る二機の魔装機神の片割れだ。
機体が搭乗者を選ぶという性質上、正規パイロットに誰が決まったのかシンは知らなかったが、よもやこの極東の地で目にする事になるとは。
まさに天を焦がすかのような勢いで燃える火が人型に変わった様なグランヴェールの威容であったが、その背後に佇む百メートルはあろうかと言う機体もまた随分と特異な外見をしている。
なにか獅子や羊、蛇といった動物の特徴を兼ね備えた異形の体を成しており、両腕などはドリルだ。ドリルである。ぎゅいんぎゅいんと唸りながら回転し、あらゆるものを掘削する為の武装だ。
しかしながらその太くて鋭くてご立派なドリルも含めて、機体のあちらこちらに損傷を負っており、ジャンクと見間違えてもおかしくはない姿だ。
「たしか、現地のゲリラの代表者の人達だよ。あの機体」
「ゲリラ、ですか」
セツコの言うゲリラという言葉に、シンはかすかに顔をしかめた。
現在東アジア共和国との戦闘区域になっているこの地域には、連合にもザフトにもDCにも阿らない現地の人々が組織した戦力があり、少数ながら旧式のMSを所有して反攻の動きを見せている。
DC側はこの勢力との交戦を避ける為に連合の勢力を排除した後は、該当地域の統治を現地の人間に任せると言う甘い蜜を差し出して交渉を行っている。
基地を訪れたのは現地ゲリラの少年、グランヴェールのパイロットを務める“拳神”バリー・ホー、そして異形の特機レムレースを駆るのは……。
今日この日、シン達にまた新たな異世界からの来訪者との出会いが待っていた事を、神ならぬシンには分かる筈もなかった
<続>
これほど間を置いてしまうとは、申し訳ないです。お久しぶりです。
現在第二次Zやりつつなのでさらに時間が掛かりました。
まだクリアはしていないですが、連タゲ補正が鬱陶しいですね。キュリオスのGNシールドはとり損ねたのかいまだ使えないし。
ちょいちょい誤字脱字がテキスト内に見受けられますが楽しんでおります。皆さんはいかがでしょうか?
ただひとつだけおい、と思ったのはGNブレイドが厚さ三ミリのEカーボンを云々、と第二次Zでは言われていましたが、そこは三メートルだろ、でした。
ではではまた続きにて。ありがとうございました。
おつでしたー。
なんか、他版権作のネタが増えてきてますね。
やりすぎると首を捻ってしまう、匙加減の難しい要素なので少し心配。
まぁ、既に充分カオスかもしれませんが。
W00ギアスあたりのキャラ関係がおよそ予想当たりまくりでニヤニヤが止まりません。
ガンダムになれとかロイヤルファミリーな人達とかジ・エレガンツとかとかとか。
コロニーのコの字も関係なく自爆し、予備パーツで次のシナリオには直るウイングガンダムはどうよと思いましたが。
サブオーダーのやり方(最後に一番下の実行を選ぶ)をきちんと把握してなくて、15話分くらいのオーダーをパァにしました俺阿呆。
絶賛やり直し中。
GJ!
タイムリーなネタでニヤニヤが止まらないw
俺もPSPあれば第二次Zできるのに…
>>196 JoshinWebでたまに入荷してるぞ
俺も買いたい。でもPSPがない……
マブラヴ吹いた
DGGのテストフレーム供与って事はダイアスカ路線になるんだろうか
メカフェチな人がダイメイヤー×ダイアスカ本を書いて一波乱とか……流石に無いか
シンがムラタの剣を使うとは
師匠達やウォーダンだけでなく、あらゆる剣士との出会いが血肉になってここまでシンを強くしたんだな
ところでキュリオスのGNシールドはさみはイベント戦闘以外には
トランザム攻撃のとどめ演出でしか使わないとか・・・
武装すくねぇ・・・
第二次ではシンがセツコの事で色々やるらしいな
気になるが今金無いしNGP買ったらデータ買おう……
マジで? シン×セツコ再燃焼かw
あったらいいなと思っていたシーン
トレミーの食堂にて
刹那「……………………」
ヒイロ「……………………」
ティエリア「……………………」
トロワ「……………………」
デュオ(頼む……頼むから誰か何か喋ってくれぇっ!!)
貧乏くじデュオ
キリコ「・・・・・・・・・・・・・・むせる」
保守
みんな第二次Zに夢中すぎだろ…
今回のロックオンの最後は普通に生きてそうな感じだったから
フラグさえ立てれば生存してる展開もみたいなー
トロワの代わりに記憶喪失になってサーカスにいそうだw
いつの間にか避難所に投下来ててヒャッホーウ! してたら生殺し状態。
リアルの関係だから仕方ないけど、続きが気になるなぁ
>>209 ハルートみたいに複座の鯖にゃん
「狙い撃つぜぇえええ」&「乱れ撃つぜぇえええ」
こうですか?
狙撃と早撃ちの融合とな?
勝てる気がしねぇw
サバーニャもツインドライブにして
腕も四本増やして
ライフルビットもハロも二倍
ELS相手に狙撃する必要はなさそうだから
六本の腕全部速撃ちに切り替えたり
逆に六本腕を二本一組の計三組にしてスナイパーライフルで乱れ狙い撃ちしたり
使えるのか微妙になってきた
どんな阿修羅カスタムw
セラヴィーとセラフィムみたく任意で分離・合体するとか
リボガンみたく変形で機体特性が変化するとか?
コマに分離するアシュラガンダムがGにあってな
避難所に投下あったけど急用で書き込み中断だそうな。
PS3で第二次OG
イングとジョッシュにフリッケライガイスト、龍人機やサーベラス
ジョッシュにリアルヴァーチェバロスwwwww
うーん、PS3なのか。個人的には携帯機で来て欲しかったな。
上の記事でアルテリオンが出てたってことはアイビスは負け犬モードか?
サーベラスにエール・シュヴァリアーか
なぜリアル系なんだ?
一人の主人公に対して機体を複数用意するから・・・
青いのがジョッシュ機なら
黄色のはリム機かなー
フォルテギガスはラキとウェントスに乗ってもらおう。
この記事だといまいちパッとしないな。
エクスバイン改造機に乗るやつってマシンナリーチルドレンの生き残り?
それともパルシェムシリーズ?
スパロボマガジン買ってた奴なら分かるがマシンナリーチルドレン。
多分記憶喪失状態だと思う。
そうなのか、サンクス。
しかしマシンナリーチルドレンで念動力持ちで銀髪赤眼とか
どこの厨二オリ主なんだよって設定だなw
OGがPS3で出るとなるとWSのCOMPACT2がPS2でIMPACTとして出たように
PSPで出た第2次Zをまとめて増量したものもPS3で出る気がしてならない。
>>229 あの打ち切り漫画か
まあ漫画と言うか雑誌自体がなくなったんだが
第二次ZでZEUTH各機体の最強武器が使えないのはアストナージがいないからだろうか……。
>>233 なぜか納得できてしまう、そして第二次Zプレイした際セツコの話題の時に絶対シンがいてくれて嬉しかった
シナリオで絡むならバジュラに今までの武器が効かないって話で
いきなり最強武器使いそうだけど
参戦作品からしたら、バジュラ以外でもあり得る件
後はムガンぐらいかな?
ルート分岐で解禁か
第二次Z第二部のラスボスってどうなるんだろうな?
アンチスパイラルがいるからどうしてもそれと比べて比較的しょぼくならざるを得ないが。
>>238 アンスパ超える強さのOGボスが出るだけじゃね
アンチスパイラルという存在を作り出しのは私だ
ですね!
作り出したけど手に負えなくなった
とかをカッコイイ言い方で言っちゃったり
OGは最後は久保がでて美味しいところを掻っ攫って終わるという予想が立てられますが、
第2次Z第2部のラスボスはアンスパ以上のは考えられませ……いやゲッペラー(声は神谷明さんで)かならいけるか!?
合体のたびにビックバンのエネルギーが生じている化物ですから……。
でも第3次があるとするならどう決着を付けるのだろうか……。
でも大きさ的には
アンスパ>>>>>銀河内に収まる壁>>>>>ゲッペラー
だしな・・・・・・・
アンスパさんは普通にビッグバンクラスのエネルギーで攻撃していたし
アンスパが瀕死のところでラスボスが吸収なんてどうだろう
今Z2の二週目でSPIGOT使えるようになるとこで
シンとアイム戦ったら最悪の嘘かましやがった・・・
一方で戦闘中には「あなたの悲劇的な運命には同情を禁じえません」と
白々しいことをのたまう・・・
こいつって実は嘘が力になるんじゃなくて他人の怒りを力に変えてるんとちゃうかい
>>244 俺は直後に迷わずシンで撃墜してやった。
ちなみにアイムVSシンの戦闘台詞な……後にもう一度あるんだぜ?
>>243 腐っても宇宙一つを支配してる相手だしそれ上回るとなるとデモベのニャル様くらいじゃね?
>>246 デモベはクトゥルフがベースになってるから全体的に強さがイかれてるよなぁ
宇宙?ゴメンそれ俺の見てた夢だわwレベルの存在がラスボスだったり
因果律に縛られた存在を殺す事すら可能なトラペゾとか…
銀河を投げるアンチスパイラル
5000億もの銀河を内包してる全宇宙の悪意集合体ズール皇帝
まあスパロボ的にはメタスの攻撃でもとどめ刺せるから問題ない
249 :
通常の名無しさんの3倍:2011/06/05(日) 00:03:47.29 ID:KmnS7hXL
>>247 >因果律に縛られた存在を殺す事すら可能なトラペゾとか…
殺すんじゃなくて封印だぞー
殺すより惨いだろうなアレは。
アザトースと永遠に一緒とかとんでもない。
ひょっとしたら完璧オヤジの中身が別の形で再登場というのは手抜きすぎるかな……。
OG2があるからありえないか……。
つっても完璧親父は存在の質自体がハンパないからな
イデの反存在たるケイサルエフェスでさえ銀河に介入するのが精いっぱい
しかしアレは存在が顕現するだけで宇宙が崩壊するレベル
例え欠片であっても地球潰してお釣りが来そうだが…
確かにそこに「存在するだけ」でその宇宙が崩壊って……クトゥルークラスですよ……。
多分、Dででてきたのはつま先の部分位でしか無いと思うので。
実際に滅んでないのだから……Zシリーズのラスボスで出しても個人的には十分にありだと思います。
>>250 螺子が飛びまくった猟奇殺人者といえ、人類に属するメンタリティで
あの庭に放り込まれたティベリウスにはほんの少しだけ同情する
まぁ、 ど う せ い つ か は 壊 れ る し
あとボタン一つ?で時空間構造体を全部ぶち壊すアゾエーブは人類が開発した中では最大級のトンデモ兵器
2OGには出そうにないが、元ネタ的にOGならナシムの首で滅びの歌を歌うのかしら
新しいガンダム来たねー
SDじゃない子供向けらしいけど
公式発表される前から葬式ムードになってる・・・
シナリオにレベル5の日野社長が関わらなければなんとかなる。
関わったら新スパロボの社長シナリオを超える惨事になるな。
ところがどっこい
シ ナ リ オ 協 力 レ ベ ル 5
助けてママン
確かに新ガンダムはちょっとドン引きしました……。
Gガンは兵器なのになぜだ!?
Gガンだって発表当初はそりゃ非難囂々だったさ
結果がアレだったからある意味受け入れられたが
つか
Gガンは第一話から予想外にシリアスでビックリした
ゲストキャラの刑事の視点でFC世界の問題点を浮き彫りにする構成
ガンダムを呼ぶシーンと必殺技があること以外はさほど違和感なかった
>>258 『テッカマンじゃねーかっ!?』
大使「カッコイイだろう!?」ギャキィ
保守
活気ないなこのスレ
OG延期だってねー
OGは割とどうでもいいから再世編早くだしてほしいなー
ゼウス組は多くが最強武器・技が使用不能状態だけれども
再世篇で解禁されるのだろうか・・・
単に機体の不調が直りましたーで解禁よりはイベントを経て欲しいものだが・・・
フルウェポンコンビネーションとかリアル等身にしてくださいよぉぉぉぉ
月が出てているステージが少ないためにガロードとDXが…
ほかのユニットのように捏造技か、本編では使われなかった武器とかあってもいいじゃん
Gハンマー、ロケットランチャーガン、ツインビームソード、ビームジャべリンだが地味だな。
バジュラに攻撃が効かない!
なら封印されていた最強武器で攻撃だ!
イベントでバジュラ撃破!やったね!
次のマップでは普通に効かない武器でもダメージ通ると
マキシンガル合金ェ…
そういえばダブルエックスにディバイダー装備させたのあったっけ
あれはガンダムウォーだっけかな
本編でも一瞬だけやったことがある。
二次でなら運命Xでだな。
アストナージ、ウリバタケに続く第三の万能メカニックは出てこないもんかね。
>>273 Xのキッド
破界篇では出ていないけど、原作的には例に上げている二人以上の万能メカニック
キッドは修理とかだとそんなに早くはないけど魔改造させたら天下一品だからなw
イアンも中々
二期のガンダムは趣味が出てるとか何とか
>>276 修理とかが早くないのは、一人で行っているからじゃないか?
チームはいるがAWの世界観的に物資がない
だから元通り戻すのが困難
逆にUCにおけるEz−8みたいにありあわせのもので元のスペック以上に使いやすいものを作れる
歩く戦略兵器のXを万能型に変えたディバイダーが最たるものか
大規模な技術革新がなかったとはいえ15年前の機体を現代の一級品機体と
ほぼ同等のスペックまで改造するとかとんでもねぇよな。
UCで例えるとファーストガンダムをZZ辺りで運用するようなもんだぞアレ。
個人的な意見だけど、もともとAWのMSは基本設計がしっかりしてて性能バランスが良いので
改造しやすくて、よほどの下手糞や無茶をしない限り性能の向上も容易というイメージがある
ディバイダーのみならず火力に特化したレオパルドの水中戦仕様とか、後のバースト、デストロイ
あたりはさすがにキッドをはじめとしたフリーデンメカニック達の腕があればこそだけど
なんつうか高性能にも納得しやすい理由があるからな
MSレベルで戦略兵器級のエネルギーを扱うのは難しい→外部からエネルギー供給
外部から高エネルギーを照射するなら相応の耐久力が必要→重装甲化
XのみじゃMS戦不利→重火力のレオパルドと高機動型のエアマスターでフォロー
283 :
280:2011/07/25(月) 13:02:29.92 ID:???
wiki見たら初代ガンダムは総合性能上はZ時代でも戦えるとかあったしorz
後付け設定とはいえ初代様の貫録パネェ
避難所でATX氏が更新してる。
>>283 wikiに書いてある事なんぞ信じるなよ。
ネタ的な意味でなく本当に淑女なエク姉というのはいいな
コンパクト・インパクトやOGでああなったのはアインストの影響かよw
>>273 もしかしたらグレンダイザー終了後の甲児もいけるかも。
メカニックってか博士ポジな感じするが。
>>283 初代の性能はゲルググと同等
Z時代にはやっていけないよ
非公式だけどZガンダムハーフって漫画じゃ78-2の予備部品と新造のパーツで組み上げた同等性能のレプリカは
リミッターカットしてなんとかmk2とやり合えていた程度だ
因みに0083のGPシリーズはエンジン出力と推力はZガンダム以上だったり
RX-78-2(TV版)、G-3はマグネットコーティングで関節部の駆動が良くなっている以外はあまり機体自体は弄っていないんだよな
装甲がZ時代初期だったらギリ大丈夫程度で、それ以外は骨董品クラスじゃないか?
学習型コンピュータはコアファイターが乗り捨てられたから、Z時代では使われてない可能性高いし
一年戦争時MSでZ時代でも運用できるのはアレックスくらいじゃね?
スカルハートのお猿仕様ザクもあるぞ。
実際に使用されてたガルバルディとアクトザク
あれは基礎設計が同じでも中身が別だろ
ジャブローにあったジムキャノンとグフとか、
ジュピトリスの中にあったザクキャノン
ジャブローのグフって飛行試験型だっけ
ZZではザクTも出ていたし、Gの影忍では主人公機がG-3ガンダムのカスタム機だしな
タイガーバームの仁王ザクならリファインしたホビー機の可能性が高いんだが
つい最近までゼオルートの流派が不易久遠流でシュメルの同門だと思ってたが、実際にはゼオルートが不易久遠流だとは何処にも書いてなかった
ゼオルートの流派って結局何なんだろう?
保守
hosyu
最近スパロボクロス読み始めたけど他のクロスと違って、
作品ごとにキャラの立場とか結構違うから戸惑うわー
テスト
投稿来るのか?
>>304 すまん
このスレ見た後で酉テストをどっかでしようと思って間違えてそのままこのスレで
レスエディター開いちゃった
面白すぎて一気に読んでしまったぜ…ビアンSEED
★壁殴りガイオウ代行始めました★
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} (.,/ ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.' i
,ハ', ii { 入__ _ノ.__,ノ | ∨ ,{
i : v リ /、 { ゚ ´,| | |, }
{ Y, ,' ィ‐‐-ミ、_`', リ } ,' ヽ
iヽ ! ,' : ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y ,}
}. ∨ ./ ノ / ∨' ,. _,./ ! `''"i ', {ノ'′
', `ヽ_,..{,' ノ i /´ 、 ヽ、.__ ,〉 ト,)
', r‐ヤ ' 人ノ >‐‐イ / ` }
ヽ、∨ /`ヽ、 / ハ , /
y' ,' ; / `{ ,/-‐ /
i i' /' ,/ ,.. ´
i ,リ /-'" ,. '´
>>307 おwまwえw
DSD全部読破して、なおネタバレ?のSSを見たときは戦力自重しろよww
と思ったw
あれなら宇宙怪獣にもガチンコで殴りあえそうで…怖い。
あの某霧野郎がいなくて一安心。
反応弾で蒸発されただと思いたいです。
>>299 阪田によるWEB小説の「ラングラン戦記」だと、ランドール(マサキじゃなくてゼオルートの祖先の方)は「無窮流」という流派の使い手だった
ラングランの古流剣術で、その名の通り、決して窮めることなく状況に応じて千変万化し常に進化し続ける流派だとか
作中だと、機関銃を生身で避けたり、魔術攻撃を相殺したりもしてたな
凄い勢いで過疎ってるね…
総帥〜!戻ってきてくれー!
理想郷で00クロスとかオリジナルとか書いてるし、当分ないんじゃないか……
Gガンダムとゴーダンナーって相性よさそうに思えるんだが、どうだろうか?
ゴーダンナーはどうも主要キャラが好感に欠けるんだよな
ある意味ではリアルで人間くさいんだけど、作風とあってないというか
AGEの戦艦だけど、カラーリング的にWのヴァルストークよろしく
ガンダムと変形合体しそうな気がするのは俺の気のせいか。
同士発見
自分もあのデザインやパーツ構成見てるとガンダムと変形合体する妄想が頭から離れない
つーか是非やってくれ
まさかのコンパチヒーロー新作とか
>>312 Gガンのガンダムファイト周りが難しいかな
コロニー周りは地球無視してスル―決め込んでたって事にしても良いかもね
>>317 擬態獣の出現でただでさえボコボコになってる地球で必死になって戦ってるダンナーパイロット達をよそに、ガンダムファイトでさらに地球を荒廃させようとするコロニー国家郡とガンダムファイター達とか鬼畜すぎるな
ドモン達とゴオ達が和解できる道が見えない
つ
ttp://srwmx.dip.jp/srw_mx_img/img/mx_img_10025.jpg 884 :それも名無しだ:2011/10/26(水) 09:47:54.76 ID:A1iPzbfy
▼PSP「魔装機神II リベレイション オブ イビル ゴッド」2012年1月12日発売
01月12日発売■PSP:「魔装機神II リベレイション オブ イビル ゴッド」
01月12日発売■PSP:「魔装機神I & 魔装機神II」
15年振りのシリーズ最新作がPSPで発売決定。
サイバスター、魔装機帝ゼルヴォイド、ヴァルシオーネR、グランヴェール、
ガッデス、ザムジード、ディアブロ、などが登場。
キャラクターと声優陣は以下の通り。
・マサキ・アンドー(緑川光)
・リューネ・ゾルダーク(日高奈留美)
・エラン・ゼノサキス(神谷浩史)
・ホワン・ヤンロン(井上和彦)
・テュッティ・ノールバック(井上喜久子)
・ミオ・サスガ(かないみか)
・プレシア・ゼノサキス(こおろぎさとみ)
初回限定生産商品として、前作との2本パックも発売。
DSで発売された「魔装機神」をベースに、
グラフィックの大幅強化や新たな魔装機の追加などが施されている。
予約特典は「魔装機神」シリーズのオリジナルサウンドトラックCD。
PVは11月1日に第1弾が発表予定。
価格は通常版が6280円、限定版が10480円
総帥もこれでネタが補給できたら久々に投下してくれるかもしんないね(`・ω・´)
そうでない可能性の方が高いだろうけど(´・ω・`)
気長に待つにしても総帥が魔装機神2を完全攻略、もしくは設定資料集を買わない限りは無理なんじゃないかな…
とは言うが本当楽しみにしてます!
再世編は本当にどうなるんだろう……全然情報が出ない……。
来年なのは間違いないだろうけど……。
PV2今更見たけど普通にガルちゃん出るのね
お陰で義兄妹合体攻撃オルタネイト・デュエルがPS3で見れる可能性が出て来たと思うと胸熱
ガルちゃんっていうと、どーしても塩沢兼人声の歌って踊ってベタも塗れる方を……
hosyu
age
保守
ワイが聞いた情報によると、もうじき中国はバブルがはじけて昔の貧乏な中国に戻るらしいで
もう経済は破綻してて、取り戻すのは無理なんだそうや
その世界ではごっつい有名な政府関係者筋から聞いた確かな情報やで
まあお前ら頭の良い連中には、今さらなくらいのネタやな、
お前らからすればもう常識的なくらいの知識やろ?
hosyu
保守
ho
332 :
通常の名無しさんの3倍:2012/01/15(日) 14:32:04.32 ID:2Q7NTIrR
もう誰も……
ELSが超合金Zとか取り込んだらどうなるんだろうな。
334 :
通常の名無しさんの3倍:2012/01/18(水) 19:22:11.27 ID:qgwUzGoR
▼PSP「第2次スーパーロボット大戦Z 再世編」4月5日発売決定
2部構成が発表されていた「第2次スーパーロボット大戦」の後編が発売決定。
タイトルは「再世編」で、シリーズ最多の40作品が登場する。
価格はパッケージ版、ダウンロード版ともに7330円。
【参戦作品(☆はスパロボ初参戦)】
無敵超人ザンボット3
無敵鋼人ダイターン3
無敵ロボ トライダーG7
宇宙大帝ゴッドシグマ
宇宙戦士バルディオス
☆太陽の使者 鉄人28号
六神合体ゴッドマーズ
戦闘メカ ザブングル
装甲騎兵ボトムズ
装甲騎兵ボトムズ ザ・ラスト・レッドショルダー
装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ
装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ
超時空世紀オーガス
機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
新機動戦記ガンダムW
機動新世紀ガンダムX
∀ガンダム
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
☆機動戦士ガンダムOO
超獣機神ダンクーガ
獣装機攻ダンクーガノヴァ
マクロス7
☆マクロスダイナマイト7
マクロスF
☆劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜
真(チェンジ!!)ゲッターロボ〜世界最後の日
真マジンガー 衝撃!Z編
地球防衛企業ダイ・ガード
THEビッグオー
OVERMAN キングゲイナー
超重神グラヴィオン
超重神グラヴィオンツヴァイ
創聖のアクエリオン
コードギアス 反逆のルルーシュ
☆コードギアス 反逆のルルーシュR2
天元突破グレンラガン
劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇
☆劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇
交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい
※『機動戦士ガンダム00』は『2ndSeason』が新規参戦です。
※『劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は機体のみの参戦です。
どうせ後編にはシオニーちゃんが出ないんでしょ
> ☆太陽の使者 鉄人28号
なん・・・・だと・・・・?
トランザムバースト時にバサラの歌が流れたらどうなってしまうんだ……。
>>333 どっちかっていうとゲッター線を浴びるとか、そっちの方が凄そうな……
>>338 ゲッター線は気に入った奴はとことん弄くってくけど
気に入られないと悲惨な事になるぞ
そもそもゲッター線は極度の人類厨なので、ELSとか絶滅させる対象でしかないだろう
ゲッター線にとってELSはハ中人類と同レベルか……
バサラにはギアスもアンチスパイラルの幻覚も効きそうにない気がするんだが気のせいだろうか。
>>340 だがちょっと待って欲しい、人と共存を望むならゲッターはなにもしないんじゃね?
>>343 爬虫人類はその人類が生まれる何千万年も前にゲッター線に滅ぼされかけてるぞ
古生物学の学説の変化で中生代「爬虫類」が地上を支配していたゲッター世界や
スパロボ世界はパラレルワールドになってしまったw
恐竜が爬虫類かいなかの問題と思われ…
今は爬虫類より鳥に近いとされてるから
説1 恐竜、翼竜、クルロタルシなどの主竜類は爬行しないから爬虫類とは言えない
説2 爬虫類という分類自体が古い物として解体されつつある
保守
再生編の公式サイト見てきたけど、クロウ全然載ってねぇな……。
まさか初っ端からリタイアかましてエスターに主人公交代か?
350 :
通常の名無しさんの3倍:2012/03/25(日) 14:33:13.09 ID:BTWAcSfl
エスターで始まってクロウはあとから出てくる
実はエスターとクロウは同一人物、てんびん座だけに
なんてな
再生編もいいが第二次OGはどうなったんだろう
急に仕様変更になったとか聞いた
ヴィータでも出してデータのシェアするらしい
第二次Z2発売で、またシンとセツコの話が増えそうでワクワクしてきた!
355 :
通常の名無しさんの3倍:2012/04/05(木) 02:18:15.06 ID:yTRmR/3i
それはまたシンセツテイネイな
>>355 シンとセツはわかる
ティとネーナってなんだよ!クソッ!クソッ!
どっちもヴェーダさわれるから?
357 :
通常の名無しさんの3倍:2012/04/07(土) 19:46:16.56 ID:FE22wqdM
某所でこんなの拾った
(」・ω・)」いくぞブラスタEs(/・ω・)/にゃああああ!
揺れる天秤のスフィアはマジでクロウの金運と引き換えに力を引き出しているのでないかと思う今日この頃
猫の○○さんには触ってあげるな。見てると予想外なキャラだったけど
ほ
保守
猫と言えばアタシだろぅ、猫目のキャラだよ!
避難所の外伝ドクターウエスト編ってこっちに転載されてたっけ?
保守
第二次OG発売日決定
保守
第2次OG出ればちったぁこのスレも活性化せんかねぇ……
待たされすぎ
このスレのSSじゃなくてOGの話ね
もつろん待ちに待った人も多いだろうけど
待たされすぎて冷めちゃった人も多いんでね
解消されない伏線張り続けるのはやめてほしい。
デモベ参戦はよ
ho
第二次OGで完璧親父ことペルフェクティオを倒した記念に「SRW-SEED_660氏_ディバインSEED DESTINY」読みに来たんだけど、完璧親父出るか出ないかで更新停止してたの忘れてた…(´・ω・`)
376 :
通常の名無しさんの3倍:2013/05/27(月) 13:48:41.69 ID:TMssOO7I
yjg
保守
378 :
通常の名無しさんの3倍:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:IZRad8il
tgtdgd
第3次Z(´∀`∩)↑age↑
age
381 :
通常の名無しさんの3倍:2014/04/26(土) 22:02:38.64 ID:2mMjprPw
榊原真輝
age
AGE
あげ
ほ
ほ
387 :
通常の名無しさんの3倍:2015/03/05(木) 01:42:34.74 ID:Ku/0dKIsO
GONG鳴らせ!