ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXXVIII

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1通常の名無しさんの3倍
ガンダムSEED DESTINYで主人公の座を追われたシン=アスカが
今度こそまっとうな主人公として返り咲く!

シン主役の種死アフターについて語り合い、SSを投稿し、職人をGJ!するスレです。

荒らし煽りは徹底スルー、職人さんへの敬意を忘れずに。

前スレ
ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXXVII
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1268841709/

まとめページ:
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
ttp://arte.wikiwiki.jp/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10411/1230163812/

新規職人さんも随時大歓迎です。
2MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/07/06(火) 23:58:45 ID:???
遅れましたが、>>1乙です。
3通常の名無しさんの3倍:2010/07/07(水) 22:16:19 ID:???
乙であります。
4代理:2010/07/11(日) 02:31:02 ID:???
避難所に投下があったので代理投下します


276 :名無しさん:2010/07/10(土) 21:49:12 ID:qW.g89Zk0
ゴーストが囁いた気がしたのでちょっとネタ書いて、いざ初投下しようとしたら規制中というorz
とりあえず、次から

277 :名無しさん:2010/07/10(土) 21:49:54 ID:qW.g89Zk0
某企業、某研究室。
いかにもマッドエンジニア、といった外見の男が二人、ソファーに腰掛けている。
「いやぁ、流石元ブルーコスモス盟主の部下だった方とですね。目の付け所が違う」
白衣を着た銀縁眼鏡の男が、前で足を組む研究員風の男に笑いかけた。

「いえいえ、そちらこそ……貴方の協力なしには為しえなかったことです、これはね」
そういって、研究員風の男もまた唇を吊り上げる。
白衣の男と同じ、自分の趣味に命を懸けた男がするような、同種の笑み。

はっはっはと愉快そうに笑う彼らの間に置かれたテーブルに置かれた何体かの模型。
三十センチほどの大きさのそれは、モビルスーツと同じように四肢を持ち、モビルスーツと同じようにショルダーアーマー、
バックパックなどの外装や、ビームライフルやマシンガンなどの手持ちの兵器を持っている。
コレだけの説明だと、まるでプラモデルのように思われるかもしれない。
事実、それらは合成樹脂などで形作られていたし、実在する機体に似たものが多かった。
両手の指先からビームの刃を伸ばし、真紅の翼を背負った黒いものや、赤いボディにハンマーや万力のような武装を外付けしたもの。
最初の黒いものと似た外観だが灰色がメインカラーになっているものやジャスティス系列機のように見える装備をしたもの。
メインカラーが黒で両手が鋭い刀のように磨き上げられているものに蟹股で副腕のようなアームで巨大な対艦刀(のように見えるナニカ)をぶら下げたもの。
銀色の腕を持ったアストレイのような機体...etc.etc...

だが――それらはみな、一様に兵器と言うにはあまりにも丸みや曲線が多かった。
具体的にいって言いのなら、主に胸部や腰部後方。
ある意味では“漢の浪漫”的な部分と言うべきだろうか。
5代理:2010/07/11(日) 02:32:38 ID:???
278 :名無しさん:2010/07/10(土) 21:51:09 ID:qW.g89Zk0

「しかし素晴らしいアイディアですよねぇまったく。そちらが先に思いつかれたようですけど、どうやって考えたんです?」
興奮でずり下がった銀縁の眼鏡を押し上げて、白衣の男が言う。
「変態企業に勤めるが故、思いついたことですよ――」
ふっふっふと不気味に笑い、きらーんと目を輝かせて、研究員が答える。
「――このスレッドで登場した機体とヒロインを組み合わせたコレクションアイテムを作ろう、と思い立ったのはね」
そう言う研究員の脳裏に浮かぶのは、「思い立ったが吉日」とばかりに上司に、上申した日のことが思い起こされる。
一蹴され五分で引いた図面を足蹴にされ、暗転した部屋でバックブリーカーを叩き込まれた日のことが。
挙句巨大機動兵器のロケットパンチで吹き飛ばされ、途方に暮れながらピサの斜塔にぶら下がっていた所を同じように吹っ飛ばされてきた
白衣の男に助けられた日のことが。

今、ここにあるのは割と簡単に作ることができた。擬人化のときキャラクターが描写されていたので
その娘にそれぞれの元の機体の装備を付ければ良いだけだったり、全体的にナイスバディなのが多かったことも良かった。
また、デスティニーUにに至っては義体があったのでそれを参考に作成したのだ。
モビルスーツの装備以外の部分が共通して胸が半分以上露出していたり学校指定の水着のようなデザインだったりライダースーツのようなピッチリした
デザインだったりするが、それはご愛嬌というものだろう。多分。

しかし、擬人化系のものを作った直後、問題に行き当たった。
某社社長のAや某衛星の武装組織の長であるM(ロリ仕様)、某国女王のSやガルナハンの元ゲリラで“小さい”ほうのC。
K.YのクローンであるKなどの俗に言う“貧”な人物のデータが出揃っていなかったのだ。

―故に、彼らは思案の末、ある計画を実行に移した。
6代理:2010/07/11(日) 02:34:09 ID:???
279 :名無しさん:2010/07/10(土) 21:52:10 ID:qW.g89Zk0
「……さて、そろそろかな」
ふいと研究員が腕時計に目をやった。
それとほぼ同時、机の端に置かれた通信端末たちが一斉に音を立て始める。
『こちらA班。DT本社機密ブロックに侵入完了』
『B班、アメノミハシラ情報エリアに進入成功』
『C班。マンチェスター英国政府王室記録棟に侵入した。指示を』
『D班です。ガルナハンの病院の資料室に潜入』

―彼らが属する組織の暗部で、彼らの案に賛同した者たちをそれぞれの資料が存在する場所に潜入させるという、無謀で危険な計画を。

「よし、各班情報を収集しろ。周囲には十分警戒してな」
『了解!』
研究員の言葉に一斉に返事が返り、カサカサと紙が擦れる音やカタカタとキーボードを叩く音が聞こえ始める。
にんまり、と白衣の男が笑った。

『こちらC班。王室の成長記録と思われる文書を発見!』
『A班、データベースを確認した……豊胸の方法とか書き込まれてるから間違いないな』
『D班、資料見つけました。コピーして持ち帰ります』
『Bだ。情報収集率75パーセント。あと二分で完了する』
続々と入る吉報に、マッドエンジニアたちの笑みが深くなる。
“―勝った”とばかりに、今にも悪役然とした高笑いを始めそうなほどにニヤついている。

「…ふ、ふふ、うまくいきましたね」
「ええ、これで我々の趣味もますます―」
7代理:2010/07/11(日) 02:37:22 ID:???
280 :名無しさん:2010/07/10(土) 21:56:21 ID:qW.g89Zk0
サムズアップとハイタッチを決めようとしたマッドエンジニアたちを、通信端末から聞こえてきた音が止めた。
C班と通信している端末から聞こえてきた、銃声と絶叫が。

『こ、こちらC班! 筋肉が! 髭ダルマの群れがこっちに! 馬鹿な、奴ら小銃の弾丸をはねかえsくぁwせdrftgyふじこlp――ブツッ』
続けて、D班のものから。
『主任! 助けてください!D班です! 主任! 助けてください!。アフロがこちらに迫ってます回避来ません助けてくだspぉきじゅhygtfrですぁq――ブツッ』
B班のものからも。
『なぜだ! 俺達は訓練を真面目に受けてきたはず! なんでこいつら『粛清でソキウス皆殺しでソキウスフルボッコでソキウス』――ブツッ』
そして、A班。
『嫌だ!俺は故郷に婚約者がいるんだ! マリーのところに生きて帰らなくっちゃ『戦場でなァ,恋人や女房の名前を呼ぶ時と言うのはなァ,
瀕死の兵隊が甘ったれていう台詞何だよォ!!……コホン。貴方たちの居場所はわかっています。逃げても無駄ですので、覚悟して置いてください』――ブツッ』

研究員と白衣の男が、真っ青になった。
心なしか、地響きが近づいてくるような気が、した。


以上であります
…職人の皆様、実に申し訳かったです
土下座してから、逃げます
8代理:2010/07/11(日) 02:38:46 ID:???
乙でした! 最後のアズ子安に吹いたw
9名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 03:44:03 ID:???
これは逃げられないw
10名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:30:36 ID:???
いきなり何というネタをwww
てか、アレ○ヤさん!アズ子安相手にそんなセリフはらめぇ!!

しかし、アズ子安に全く違和感を持たなくなってしまった自分は、全力でGカイザーから逃げr(ry
11通常の名無しさんの3倍:2010/07/12(月) 22:32:23 ID:???
A班の愚か者がホントにア○ルヤかどうかはともかくとしてだ、
リア充の身でありながらこんな作戦に参加するなんざ
お嬢様inGカイザーに手ずから仕置されるのも当然ではあるな。
お怒りのレベルの格が違うよ格が…ン、雨だけじゃなく風も強くなってk





12通常の名無しさんの3倍:2010/07/14(水) 20:02:49 ID:???
無茶しやがって…
13通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 00:27:27 ID:???
偶にGカイザーがゴッドカイザーになってたりしそうで……
14通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 11:39:33 ID:???
ところで種死の『悪夢』での自由串刺しシーンを見て思ったんだが
あれを富野監督が演出・脚本したらZのラストみたくなるかな?

インパルスの周りにフレイやナタルにステラの魂が見えて、シンが「女達の元に帰れェーッ!!」と特攻
キラが串刺しになって絶命する前に「……フレイ? そこにいるの?」と呟いて自由爆発とか
んで次の話からラクスが自らMSに乗って戦う、凸は脱走後強化手術でw
15通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 12:59:58 ID:???
いや、昔ならともかく「後期三部作」を経た白冨野なら誰も殺さないでしょう

ぼっろぼろになったキラが傷ついた腕を押さえ、片足を引きずりながら歩いてるところに
ふわりと現れたラクスが肩貸して「生きている、それ以上の幸せなどないでしょう」

そして二人寄り添いながら歩いていく後姿、でendマーク
16通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 16:08:23 ID:???
白御禿でも殺す時は殺すよ
キンゲでもダイヤのオカマとか死んでるじゃん
17通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 20:07:17 ID:???
>>14
>インパルスの周りにフレイやナタルにステラの魂が見えて
種死最終話辺りの精神状態のシンなら、マジでありえるかもなあ…
で、フリーダムにはラクスの生霊的な何かが纏わり付いて見えるとか
18通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 20:34:29 ID:???
運命にバイオセンサーを搭載すれば凸に勝てるか?
なんか隠者のビーム弾いて真っ二つにするけど、それでもしぶとく生き残る凸が想像できるw
19通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 20:56:37 ID:???
>>18
まあさすがに最終話シンは精々、1stブライトとかカイレベル(素養あり程度)だと思うけどな
20通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 22:52:13 ID:???
>>18
運命ラスト近くのシンの精神状態だと、誰かに引き摺られなくても自我崩壊しちゃいそうじゃね?
なんというか、あんなになってまで色々とアレな欠陥機に乗って最前線で闘っていた時点で頑張りすぎだったし
21通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 23:26:33 ID:???
>>15
命と意識に別条はないものの重傷の後遺症ででもうMSを操縦できなくなったキラと
一見五体満足だが喉を傷めて(歌)声を出せなくなったラクスとが寄り添って
ひっそり余生を…なんてどうかと思ったが、フト『複座式新フリーダム』とか
『おしどり右京捕物車』なんて単語が脳裏を走ったのは気のせいだろうきっと。
22通常の名無しさんの3倍:2010/07/15(木) 23:59:15 ID:???
久しぶりにきたが
良く38まで続いたな
23通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 00:46:33 ID:???
「なんだか嬉しそうだねラクス…」
「嬉しいですわ、これでもうキラは戦わなくていいんですもの」
「でもこの腕はすぐ治る、そうすればまた僕は戦うよ」
「そうしたら本当に腕を切ります。」
「それでも僕には目がある。」
「目を潰します。耳も切ります。舌も抜きます。
 単なる足でしかなかったわたくしがあなたの全身になれる日まで…」
「…………フ、フフフ…アッハハハハ………」
24通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 12:49:56 ID:???
何故かこのスレには強烈すぎる愛情の女性キャラが良く馴染むなw
25通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 13:20:15 ID:E1JafuLI
ヤンデレ怖い
26 [―{}@{}@{}-] 通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 13:22:31 ID:???
シン「勘弁してくれ……」
27通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 13:42:20 ID:???
ヤンデレなロミナママンとかご褒美以外のなにものでもないなw
28通常の名無しさんの3倍:2010/07/16(金) 23:55:45 ID:???
ヤンデレとは一途に相手を求めすぎるからそうなる。
ならばこちらからも一途に求めれば良いのだ!
29通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 00:06:13 ID:???
時はC.E.75年……
戦争に勝利し、議員となり、議長になってなおラクスは不満を持っていた
自身にたった一つ、足りないものがあったからである

その手に入れられないもののために、日々心的負担がかかり、徐々に精神を蝕んでいた
そこに……"いつもの主人公(転落経験あり)"が現れる……

悪魔の言葉を携えて……


「脂肪がつかなければ、筋肉つければいいじゃない?」


――― プラントに激震走る ―――

「皆の者!私はっ!巨乳になってっ!戻ってきたぁー!!
 見よっ!この素敵な 乳 揺 れ をぉぉ!!」
「ラクス!戻ってきて!それ乳揺れじゃない!大胸筋!
 筋肉の動きだからね!?後、性格変わりすぎ!?」

――― 大惨事"地球−プラント"間戦争始まる ―――

「あなたは、死んだ筈のアズラエル!?」
「貴方達みたいな不自然な生まれ方のコーディネイターが、この素晴しき清き正常なる筋肉の世界に割り込むのはおかしいんだ!
 見てみろっ!母親から自然に貰った素晴らしき 肉 体 美 をぉぉ!」
「うわぁ……二体とかストレスで髪が……倍速で……」

――― 俺はただ、冗談のつもりだったのに ―――

「これ以上の戦争は地球を、プラントを滅ぼします。
 そこで、両陣営から素晴しき肉体美を持つ者たちどうしで、筋肉限定戦争を提案いたします」
「……じゃ、じゃあ何でこんな事に普通の俺が巻き込まれてるんですか!?」
「あら、貴方が私にこの体の素晴しさを教えてくださったではないですか。
 ―――シン・アスカさん?」
「お、俺って人はぁ―――!?」

機動戦士 Gundam Seed Destiny After -The Macho-
今度の戦場は、リングだ

C.E. 2010年秋、公開                     できるか

疲れてるときに書くもんじゃないよね、うん
30通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 13:18:29 ID:???
>>25
ヤンデレよりもドロデレ怖い…
31通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 14:54:00 ID:???
>>30
ドロレス(ZOEのな)デレだと?!
なんというご褒美だ!
32通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 16:53:21 ID:???
赤鬼「女の子人格AIの!」
レッドアイ「デレと聞いて!」
赤々「「 飛 ん で き ま し た ! 」」
33通常の名無しさんの3倍:2010/07/17(土) 22:21:26 ID:???
>>32
RB『ドライバー、ちょっとそこに座れ』
34通常の名無しさんの3倍:2010/07/18(日) 00:01:32 ID:???
前スレ>>870>>871が、Gカイザーに踏まれてミンチより酷い事に・・・全くお嬢様のモウソウタレナg(ry
35通常の名無しさんの3倍:2010/07/18(日) 00:32:29 ID:???
>>32
エミュ子で我慢しとけや
36通常の名無しさんの3倍:2010/07/19(月) 22:58:15 ID:???
なぜADAとドロレスが出てキャナルが出ないんだ!
姿があって尚且つ触れることができるAIなのに?!
37通常の名無しさんの3倍:2010/07/20(火) 00:14:56 ID:???
>>36
逆に考えるんだ。
実体があるって普通のキャラと一緒じゃんとかえってAIスキーの琴線に触れないと考えるんだ。
ADAもドロレスもKITTもアスラーダもレイ(フォロン)が姿なし派閥で、KOS-MOSやフェイ・イェンやアイスドールは姿ある派閥みたいな
38通常の名無しさんの3倍:2010/07/20(火) 00:36:01 ID:???
だが…だがなぁ! 95.58.92のナイスボディなんだぞキャナルは!
おぜうさまやエミュ子なんか足元にもおよb




39通常の名無しさんの3倍:2010/07/22(木) 00:12:41 ID:???
毎度おなじみストリートピザやフリカッセなんかは置いといて、だ。
今週の某魔法先生の「因果関係を無視した出来過ぎな幸せの幻影」というのを
読んで19氏のロミナママン生存ルートを思い出し久々一気に読み返したが、
実にクライマックス寸止めの状況で中断してるんだな…
シンがあの人のもとへ還るラストがやはり読みたい…何とか再開を!
もちろん害虫駆除業者編や姉司れ…もとい議長の遺産(仮)編もぜひ。
40通常の名無しさんの3倍:2010/07/22(木) 11:32:51 ID:???
>因果関係を無視した出来過ぎな幸せの幻影
特異点の位相をずらして事象の発生確率の密度をゆがめることで偶然が多発するという電波が頭に浮かんできたw

……実はこの種世界は、ラクスの手によって自由と和田の内部に仕掛けられた特異点のせいで
彼女達に都合の良い偶然が多発する世界だったんだよ!
41通常の名無しさんの3倍:2010/07/22(木) 14:27:54 ID:???
早急にビムラーとシラカワ氏を用意するんだ!
42通常の名無しさんの3倍:2010/07/22(木) 14:30:16 ID:???
>>41
ドスドスドス
「こんな都合の良い世界を作ったのはだれだぁ!女将を呼べぇい!」
43通常の名無しさんの3倍:2010/07/25(日) 11:51:34 ID:???
寂れてるなぁ……

みんなが選ぶ、個人的に復活して欲しい職人って誰よ?

俺は19氏のロミナママとライオン氏かな。
44通常の名無しさんの3倍:2010/07/25(日) 22:23:36 ID:???
選ぶとか僭越な事は言わん、連載中の方にはみんな続きをやって頂きたいが、
不況やら何やらで実生活や表稼業がそれどころでないというケースも
多々あるんだろうと思う…
自分で新作をものすような才能も無くただ待つしかない身が辛いわorz 
45通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 01:33:32 ID:???
>>44
以前は下手すると週一とかで来てたのに今は月に何回か投下があるかないかだからなぁ
書く気持ちがあるなら、小ネタでも良いから何でも書いてみると良いんだぜ?
46GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 10:04:05 ID:???
ご無沙汰しています。新しい話ばかり思い付く&皆さんの需要に応えられる内容かどうか解らない、という
理由で投下を控えていましたが、最近は職人の方々がお忙しいようで寂しいですね。職人さん達が戻られるまで、
お茶濁しというか余興というか、細々と続けようと思います。よろしくお願いいたします。
47通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 12:57:56 ID:???
おおおおGSC氏だああ!!
>新しい話ばかり思い付く
だがそれがいい!!いや連載分も続きを拝読したいですけど
>皆さんの需要に応えられる内容かどうか解らない
>お茶濁しというか余興というか、細々と
何を謙遜なさっておいでやら、毎日常に一日千秋の思いで待ってるんですよ。
ご都合がつく時にはいつでもお願いしますッッッッ
48GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:51:20 ID:???
 コズミック・イラ74年5月、プラント最高議長ギルバート=デュランダルが倒され、
ラクス=クラインとその一派がプラントを掌握した時、多くが大戦の予兆であると考えた。

『テロリストが権力を簒奪しただけの、暫定政府ですらない無法の状態。暴徒の集団』
『彼女に政治や経済などわからない。幼稚な思想による地球への介入が始まるだろう』

 彼らの憶測は一部間違っており、一部正しかった。ラクス達の勝利はクライン派の支援
によって実現したものであるが、そのクライン派は地球連合やオーブの有力者によって支
援されていたのである。彼らには戦後の計画があり、そしてラクスは彼らの考えた通りの
政治を行った。急激な軍縮によって財政を圧迫していた戦費を削減し、地球の企業を次々
に誘致する事でプラントを、設立された当初の目的へと強引に軌道修正させたのである。
 二度の戦争によって疲弊していたプラントの人々の生活水準はたちまち回復し、それと
引き換えにプラントは政治上の発言力を急激に失っていった。ラクスは名君として讃え
られながらも次第に政務から離れ、ライブコンサートやチャリティ活動に勤しむようにな
った。
ラクス達は、権力など求めていなかった。自分達にとって不愉快な出来事が無くなれば、
それで構わなかったのである。
 しかしデュランダルが倒れてから半年後、自分達の政府に何が起こったか気付いたプラ
ントの人々は一斉に売国奴ラクスとその一派の抹殺を叫んだ。信じて裏切られたゆえの怒
りと憎しみは凄まじく、イザーク=ジュールを筆頭とした反クラインの勢力は瞬く間に勢
いを増した。言葉も歌も、もはや用を為さなかった。

「いけません、キラ!」
 アプリリウス・ワンの専用ドック。メンテナンスベッドに横たわるストライクフリーダ
ムに覚束ない足取りで歩み寄ったザフトの白服を着た男が、桃色の髪を持つ女性に引き留
められた。振り返ったキラ=ヤマトは、落ちくぼんだ目をラクス=クラインに向けた。彼
の肌は張りを失っており、髪は枯れ葉のようだった。
「でも……僕が行かないと。僕が行けば、彼らの注意を引き付けられる!」
 言葉とは裏腹に、ラクスの力にすら抗えなかったキラは彼女の腕の中で崩れ落ちる。彼
の身体は今、放射線の過被曝によって引き起こされるありとあらゆる症状に蝕まれていた。
キラの乗るフリーダムがシン=アスカのインパルスによって撃墜された折、キラは爆発寸
前のエンジンを停止させて核爆発を防いだ。しかしコクピット付近にレーザー対艦刀を突
き立てられた事によって放射線防護が一部破損し、キラの肉体は汚染されたのである。
 スーパーコーディネイターの頑健さをもってしても治療の施しようもなく、メサイア戦
の後、病状は悪化の一途を辿っていた。
「ラクス……これは責任なんだ。僕は、此処で……」
49GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:52:25 ID:???
 ドック全体が揺れ、遠くで部品が崩落する音が響いた。イザークの率いる部隊が、アプ
リリウス・ワンの議事堂まで押し込んできたのだ。
「全ての責任は、このわたくしにあります! どうしても行くなら、このわたくしも……!」
 背後の足音が2人の言葉を遮った。少年の面影を残す男は黒髪、紅の瞳、白い肌の彼は
無表情のまま、キラとラクスの横を通り過ぎる。
「生き延びろよ」
 その男シン=アスカは、彼らの方を見ずに言葉を発した。視線はメンテナンスベッドに
横たわるもう1機のモビルスーツ、インパルスに向けられている。
「アンタ達が持っている全てを捨てて、生き延びろ。ストライクフリーダムもエターナル
も此処に置いていけ。1隻だけシャトルが残ってる……それで逃げるんだ」
「シン……?」
「オーブにだけは逃げ込むなよ。アスランはジュール側についたからな。俺は時間を稼い
でやる。さっさと行け」
「待ってくれ!」
 静脈が浮き出た右手で、キラがシンの肘を掴む。シンはその手を振りほどき、弱りきっ
たキラの身体はタイルに叩きつけられた。惨めなその様子を嘲笑する。
「ざまを見ろ。……どうしてこんな短い時間で此処まで追い込まれたと思う? アンタ達に
忠誠を誓うクライン派はどこへ行った? アンタが戦えない身体になったのが悪いんだよ、
キラさん。ジュールがいきなり動き出したのは、俺がアンタの不調を教えてやったからさ」
「僕がっ……君の家族を、殺したからか? あの女の子も、殺したから……っ?」
 胸を打ったのか、激しくせき込みながらキラが訊ねる。笑いと共にシンが肯定した。
「俺は今、すごく良い気分なんだ。アンタの力に媚びへつらってた馬鹿共が、無力なアン
タを罵って自分達が正義だとわめいてる! そしてアンタはもう長くない。そこのピンク
女を残して死ぬ! 家族に死なれた俺のように! ステラに死なれた俺のように!!」
 キラを助け起こしたラクスが、青ざめた表情のままシンの言葉を聞く。紅の瞳に危うい
光を宿したシンが、2人に背中を向けた。ヘルメットを被り、バイザーを下ろす。
「……必ず生き延びるんだぞ。良いな」

 議事堂前の戦闘は終息していた。同盟国内の治安介入という名目で派兵されたオーブ軍
は完全にイザーク側へ付き、キラが最早戦える状態ではないと知った防衛部隊も続々と投
降あるいは寝返ってかつての仲間を追い散らしていた。まるで半年前のメサイア攻防戦を
彷彿させる光景だったが、疑問を唱える者は誰もいない。
 赤く塗装されたルナマリア=ホークのスラッシュウィザード装備のザクウォーリアが
ビームアックスを構えて周辺を警戒し、3機のドムトルーパーが崩壊した市街地をホバー
で走り回って残党が潜んでいそうな場所をランチャーで吹き飛ばしていく。ディアッカ=
エルスマンの乗る黒いガナー装備のザクウォーリアが、長大なオルトロスを肩にかけた。
50GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:54:11 ID:???
『よし、議事堂の地下へ突入するぞ。キラ=ヤマトとラクス=クラインは、出来れば……』
『ジュール隊長! D5ハッチからモビルスーツが1機発進しました! インパルスです!』
『俺の指示を待て! 攻撃するな! シン=アスカかもしれん!』
 白いグフイグナイテッドに乗るイザークがそう命じたと同時に、廃墟となった議事堂に
フォースシルエットを装備したインパルスが着地して地響きを起こす。舞い上がった埃の
中で、緑のツインアイが淡く光った。その場に集まったMS隊が、一斉に武器を向ける。
『……イザーク=ジュール。随分派手にやりましたね』
『シン! ……おい、武器を下ろせ!』
 白いグフがビームソードの切っ先を地面に向けると、他の機体も次々とターゲットロッ
クを解除した。ルナマリアの赤いザクも長柄の斧を下ろす。コクピット内でその様子を眺
めていたシンが、不思議そうに首を傾げた。
「どうしたんです? イザークさん。俺はアンタ達の敵でしょう?」
『ハッ、馬鹿を言うな! お前の情報が無ければ、ここまで上手くいっていたかどうか……
戦争は物量が重要というが、象徴となるエースの存在は無視できん。ザフトでは特に、な』
 イザークの言葉を聞き、シンは空を仰ぎ見た。スクリーン投影された青空を、ディンや
MA形態のムラサメが飛び交っている。ザフト機の中にはパーソナルカラーのMSもあり、
シンはそれに乗るパイロットも幾人か知っていた。皆ラクスとキラに忠誠を誓い、自由と
平和のために戦う筈だった者達ばかりだ。視線を正面に戻す。
「そうですね。キラ達に心酔していると自称していた連中も、ストライクフリーダムが
出られないと知ったら、次々に逃げ出していきましたし」
『ああ。お前は敵どころか功労者だよ、シン。よく屈辱に耐えてくれたな……ヤマトとク
ラインを拘束あるいは始末した後は、望むままの地位に就くと良い。勿論実力は問うがな、
軍事関連の職位なら、誰もケチはつけん筈だ』
「ハハ……本当ですか。有難うございます」
 イザークの小さな笑い声に、シンも笑い返した。
『シン、無事で良かった。またこれで、一緒に戦えるね』
「……ルナ」
 赤いザクに乗るかつての戦友の言葉に、シンは目を細める。そして、おもむろに彼女の
機体をロックしてトリガーを引いた。インパルスの右腕が跳ね上がり、ビームライフルの
銃口が光を放つ。間一髪のところでコクピットへの直撃を避けたザクが、右腕ごとビーム
アックスを失って後ずさった。
「良い回避だ。いつのまに腕を上げたんだか」
『し、シン! どうして……っ?』
『何のつもりだ!?』
 狼狽したイザークとルナマリアの声に、シンは低く笑う。再び自分に向けられるMSの
武器を見て笑みを深めた。
51GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:55:22 ID:???
「何のつもりって、それは無いでしょう……イザークさん、アンタはこれで自分の欲しい
物を手に入れた。デュランダル議長を裏切った時から、ずっと欲しがっていた物をね」
『あの時、俺は!』
「言わなくて良いですよ。プラントの為にやったんでしょう。信じてます」
 笑いながら手を振り、シンは一度口を噤んだ。言葉を探すように視線を彷徨わせる。
「ま、プラントの為ってのが俺にはピンと来ないんですけど。とにかくアンタは自分が
正しいと思ったことをした。此処に集まった人達もそうでしょう? 俺もそうなんですよ」
『……本気、なんだな』
 シンが頷いて、笑みを消した。平和をもたらす一助となるデスティニープランを提唱し
たデュランダルの為に戦い、負けた後はオーブの慰霊碑の前でキラ達の為に戦うと言い、
彼らの幻想を打ち砕く助けをして自分なりの復讐を遂げ、彼らの敵に銃を向けるこのシン
=アスカは、こういう形でしかケリをつけられない男なのである。
『全機!シン=アスカのインパルスを撃墜しろ! ……また会おう、シン』
 通信が切断され、ロックオンアラートが鳴り響く。大量の赤い三角形がレーダーに映し
出されたメインモニターの前で、シンは呟いた。
「はい、必ず」

 上空のムラサメ隊から放たれたミサイルをかわし、ドムトルーパーのギガランチャーを
ビルの残骸で防いだインパルスが、スラスターを全開させジグザグに動きながらビームラ
イフルを連発する。シールドを構えた白いグフが猛然と突き進み、ビームを受け止めなが
らソードを振り下ろした。バックステップでその斬撃を避けたインパルスの左肩を、黒い
ザクによるオルトロスの砲撃が掠めて装甲を溶かす。
「そうだ……これが、俺の望みだ」
 ザウートの砲撃に足を取られ、姿勢を崩したところにゲイツRのレール砲を右膝に受け、
PS装甲が一部ダウンして片足が灰色になった。空中を飛び回るディンの機銃掃射を受け
てシールドに弾痕が刻まれ、ビームライフルを撃ち返す。1機が墜ち、2機目の左腕が爆
ぜたが、トドメを刺す前に白いグフが射出したスレイヤーウィップにライフルを絡め取ら
れた。爆発四散する武器を捨ててビームサーベルに持ち替え、インパルスが後ずさる。コ
ロニーの内壁を背負った状態で追い詰められ、サーベルの切っ先を自らの敵に向けた。
「皆を痛めつけて……大勢殺して。復讐も……」
 2発目のオルトロスが、インパルスの足元を狙って放たれる。アスファルトを削り高速道
路の支柱を粉砕する光の奔流をサイドステップでかわし、跳んだ先にギガランチャーの砲
弾を3発撃ち込まれて、右足が故障し転倒した。立ち上がろうとするも、雨あられと叩き
込まれるビームと実体弾に再度打ち倒されて頭部の半分を破壊される。壁にもたれながら
構えたシールドがあっという間に弾幕で削り取られ、どこからか撃たれた長距離ビームで
左腕ごと持っていかれた。片方だけ残ったカメラアイが弱々しく瞬く。
52GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:56:39 ID:???
 連続した被弾に、コクピットは赤い警告灯で染め上げられた。衝撃と機内の煙に視界が
ぼやける中、シンは無表情で青空を見上げる。スクリーンに映った偽りのそれ。まばゆい
太陽の光は再現できない。澄み切った青と、白い雲。
「俺は……幸せ、だ」
 赤いザクの両肩に装備されたビームガトリングの掃射を浴び、壁に押し付けられたイン
パルスの機体が穴だらけにされてのたうち回る。関節部分や破壊された箇所から黒煙を上
げ、フェイズシフトダウンしたインパルスが崩れ落ちた。
『あー……無力化したっぽいぜ、イザーク』
『パイロットの死亡を確認する。ディアッカ、援護しろ』
 右手部のドラウプニルをスクラップになったインパルスへ向け、白いグフが近づく。
オルトロスの狙いを定めつつ、黒いザクが続いた。突如周囲に閃光が満ち、一瞬の轟音と
共に内壁に巨大な破口が生まれる。高速道路の残骸や地面を構成するプレートが剥ぎ取ら
れ、宇宙空間に吸い出されていった。
『全機後退しろ! くそ、何が起きた!』
 内壁の破壊部分に艦砲が撃ち込まれたか、大爆発が起きて視界が完全に塞がれる。緊急
用のシャッターが降り減圧が収まった時、インパルスの残骸はどこにも見つからなかった。

「彼は、目標を達成したと考えています」
 輝く地球、月、デブリ海そしてプラントコロニー群の3次元映像が浮かぶ以外は全く光
源のない部屋に、女性の声が響き渡る。黒い人影が、ほっそりとした指先を宇宙に浮かぶ
砂時計に向けた。
「彼は、自らの役目は終わったと考えています」
 その指先から新たな光が生み出され、中空に浮かぶグリッドとなる。紅の瞳で射殺さん
ばかりにこちらを睨みつける、黒髪と白い肌の男が映し出された。
「彼は、倒すべき敵も守るべき友もいなくなったと考えています」
 男の映像の隣に、モビルスーツの姿が表示される。翼も長大な武器も持っていない簡素
なデザインだが、インパルスではない。その両手に、生身の人間が持つアサルトライフル
に似た銃器が携えられた。
「彼は、間違っています」



――機動戦士ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ――


53GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/26(月) 17:57:50 ID:???
今回は此処までです。内容に関するリクエスト等あれば、可能な限り答えていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
54通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 18:18:12 ID:???
投下乙です
相変わらず凸は凸だなw
遺作も訳分からんし、プラントの住人達はアホだし

あとキラとラクスがまともに見えるのはどうしてだろう?
55通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 18:21:52 ID:???
GSC氏お帰りなさいませ
相変わらず引き込まれました
あと気になったのですが、初めの軍縮は軍拡ではないでしょうか?
56通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 18:25:32 ID:???
急激な軍縮をする事で、財政を圧迫していた経費を削減したってことじゃね?
57通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 18:45:13 ID:???
あ、なるほど
そういうことでしたか、すみません
58通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 22:42:25 ID:???
>>53
オオッ読み切りかと思えば新シリーズ第1話ですか?GJです。
願わくば倉庫登録時の必要上、タイトルをご提示いただければと。
59通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 23:11:25 ID:???
ちょ!GSC氏キテルー!!投下乙です

ラクスとキラが、ピエロというかいいように使われていたってのは中々面白いですね。色々あって二人とも白くなってるし

しかし、シン・・・男らしすぎるだろ。ホイホイ勝ち馬に乗る凸やら、手のひら返ししまくる面々に対して堂々と自分を通す姿は格好いいけども、
寂しいものもあるな。他のキャラ達があまりにも裏切り上等すぎて・・・

続きの投下も楽しみにしております〜



それにしても、一言も台詞ないルナアワレ
60通常の名無しさんの3倍:2010/07/26(月) 23:24:22 ID:???
>>59
よく読むようにw
61通常の名無しさんの3倍:2010/07/27(火) 11:06:06 ID:???
しかしGSC氏の作品のキラとラクスにしては珍しく、
自分達が恨まれるだけの事をしているという自覚はあるのね
62GSC ◆2nhjas48dA :2010/07/27(火) 20:38:54 ID:???
>>58
ちょっとタイトルが思いつきませんでした。考えます……というか、今書いてるのを
登録しても良いものなのでしょうか。
63通常の名無しさんの3倍:2010/07/28(水) 22:22:52 ID:???
GSC氏お久しぶりです!相変わらずいい感じですな。続きが気になるしだいです
64通常の名無しさんの3倍:2010/07/29(木) 11:21:46 ID:???
・・・・・あー、おぜうさま
できれば作品世界の枠を乗り越えてシンを救った挙句独り占めってのは
ヒンシュク買う行為ですので控えた方がよろしいかと

しかしただ一話だけなのにこんなにワクワクするのは何故なんだろう
65通常の名無しさんの3倍:2010/07/29(木) 12:57:42 ID:???
久々に来たがアズ子安ネタがまだ生きてたのに驚いたわ
66通常の名無しさんの3倍:2010/07/30(金) 05:53:19 ID:???
プランAやエミュ子もたまにでてくるしな
6758:2010/07/30(金) 22:14:10 ID:???
やっと規制解除されたみたい
>>62
せっかくの新作、登録しないでなんとします。
続きおよびタイトルご考案をお待ちしております。
68GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:13:58 ID:???
 人間、死んでも病院には行くものらしい。それが、目を覚ましたシン=アスカが最初に
考えたことだった。辺りに薄く漂う消毒剤の匂い。白く磨かれた壁と天井。幾つもの光源
を持つ真上のライトが眩しく、小さく呻いた。自分が横たわっているベッドは固く、寝心
地が良いとは言えない。管や手術器具などに繋がれていないことを確かめ、起き上がった。
「あ、痛……」
 身体を起こすと、節々が軋む。寝過ぎた時の気だるさを何倍にもしたような不快感に眉
を寄せ、ぐったりとしたままベッドから降りた。そして何気なく自分の右腕を見た時、着
用しているアンダーウェアがザフト兵のものである事に気付く。
「おい、俺は死んでもザフト兵なのかよ……」
『そうではありません』
「ッ!?」
 どこからか聞こえた女性の声に、シンは癖で腰に手をやる。拳銃を掴もうとする手が空
振って苦笑いを浮かべた。寝かされていたベッドへ戻るも、武器になりそうな物はない。
『もっとも、此処へ運ばれて来た時の貴方は生きているとはいえませんでした。残った部
分よりも壊れた部分の方が多かったですから。そこまで治すのは一苦労でしたよ』
「そりゃ迷惑かけたな。ところで、此処が宇宙ステーションかコロニーならエアロックの
場所を教えてくれないか。ああ、気密スーツは要らないよ。ちょっと死に直したいんだ」
 シンの言葉に、マイク越しの女性が低く抑えたような笑い声を上げる。医務室らしき部
屋のドアが空気の抜ける音を立てて開いた。
『通路のガイドに従って進んでください。詳しい状況を説明しましょう』
「断わる。俺は色んなものに愛想が尽きた。何が来てもどうでも良い」
『貴方の復讐を完結させる為でもあるのですよ』
 シンの目に活力が戻ったのはその時だった。無言のまま、ぼんやりと通路の先を見遣る。
『まずは話を聞いてください。ああちなみに、今日はコズミック・イラ75年10月2日
です。321日と7時間ぶりの現世はいかがですか?』
 部屋を出て直線通路を歩きながら、シンは呟くように言った。
「最低だ」

 シンの予想通り、彼のいた所は宇宙ステーションだった。展望窓から見える星の海を一
瞥し、ラウンジと思しき場所に入ってくる。手近なソファに身を沈め、光を灯したままの
ディスプレイに目を向けた。
「そもそも、アンタは何者なんだ? どうして大事な話をする時に顔を見せない?」
『リスクが高く、必要がないからです。私はエージェントに過ぎません』
「ふん……まあ良い。アンタが俺にやらせたいんだろう仕事の話よりも先に、色々教えて
くれ。プラントと、オーブの現状が知りたい」
 ディスプレイが瞬いて、砂時計型コロニーの群れがCGモデル化されて表示された。
69GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:15:22 ID:???
『クライン政権が打倒された後、最高議長にロミナ=アマルフィが選出されています。地
球連合やオーブとの関係は概ね良好で……』
「ちょっと待て、イザーク=ジュールは? 反乱の首謀者はどうしたんだ?」
『ジュール母子は復権を果たし、マティウス市の代表とプラントの防衛司令官に就任しています。
アマルフィ議長との不和などは伝わっていません』
 唖然としながらも、シンは頷いた。彼の記憶に残っているイザークは非常に明け透けな
男で、クラインを追い落とすかキラ=ヤマトをMS戦で負かし、ぜひともジュールの名を
再び輝かせたいと公言して憚らなかった。
 誰に対してもその野望を隠さなかったので、逆に本気と思われず誰からも睨まれていな
かったのだが。
「ルナマリア=ホークについて、何か分かるか?」
『イザーク=ジュール直属の部下と結婚しましたが、依然としてMSに搭乗し任務につい
ています。ちなみにジュールの反乱の後、貴方についてのコメントを発表しています』
 ディスプレイの映像が切り替わり、ザフトの白服を纏うルナマリアの姿が現れた。
『シン=アスカは力以外の全てを信じない人でした。非常に暴力的で、傲慢で……彼が
クラインを盲信したのは当然です。彼女こそ、力の源だったのですから』
 苦虫を噛み潰したような表情で、シンは溜息をついた。彼は以前もこのコメントを耳に
したことがあったのだ。メサイア戦の後、クライン派のザフト兵からこぞって『ラクス様
のお考えを理解できず、デュランダルを盲信していたずらに人命を散らした愚か者、血に
飢えた狂犬』と罵られ続けてきたのである。
「どいつもこいつも……オーブはどうなっただろう?」
 再び映像が変わり、南太平洋に浮かぶ群島が映し出された。
『コズミック・イラ75年に入って間も無く、カガリ=ユラ=アスハ代表首長が急病で倒
れ、政務を行える状態ではなくなりました。後継者もなく、君主制から議会制への移行が
なされています。小規模な武力衝突が起こりましたが、アスラン=ザラ准将の手腕によっ
て鎮圧されました』
「急病ねえ」
『ちなみに、貴方に対し最も同情的な意見を持っているのがザラ准将で、頭が弱いだけで
悪人ではないと、非公式にですが発言しています』
「あの野郎……」
 据わった目のままシンは組んだ指に力を込めた。白い肌がいっそう白さを増す。
しかし、ふと思い当ることがあって身体の力を抜く。今の情報が信頼に値するかはまだ
解らない。確かに説明された状況は大いに『ありそう』で、信憑性が高い。しかし相手が
どれだけ正直であるかを量るには、相手の意図も確かめねばならないはずだ。
「有難う。じゃあそろそろ、アンタの目的を教えてくれ。俺に何をさせたいんだ?」
70GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:16:44 ID:???
 シンの問い掛けに、ディスプレイの光が消えて室内が暗くなった。しばらく間を置き、
女性の声が短い沈黙を破る。
『ラクス=クラインの『希望』を、探し出して頂きたいのです』
「……なるほど。あの女も俺をコケにしてたって事か。一体何が残ってるんだ?」
『詳細は不明です。我々は、X5と名付けられた宇宙ステーションにそれがあるという事を
突き止めました。座標を……』
「X5なら知ってるよ。座標もな。植物の研究をしていた研究所だ。汚染か何かが起きて、
5年以上前に閉鎖された……ってアカデミーで教えられた。まあ嘘だとは思ってたけど」
 ディスプレイに映し出される廃墟の映像よりも先に、シンは口を差し挟む。放置するに
は小型で、しかもプラントに近い。解体もしくは完全な破壊が妥当な処置の筈だった。
「で、何を探すか分からないがそいつを見つけて、粉々にしてやれば良いんだな?」
『3メートル四方に収まる、卵型をした装置という所までは掴んでいます。これが映像……
そして、破壊は待って頂きたいのです。確保し、持ち帰って下さい』
「どうしてだ? 俺の復讐を完結させると言ったじゃないか」
『こちらにも事情があります。それに、色々な形の復讐があるでしょう? 貴方もキラ=
ヤマトを殺さなかったではありませんか』
 しばらく無言のまま、シンは映し出された装置を見つめていた。一度死ぬまで、彼に残
された望みは、キラ=ヤマトへの復讐だけだった。しかし今こうして生き返り、明らかに
後ろ暗い人間に後ろ暗い仕事の話を持ちかけられれば、違う感情も生まれてくる。
 つまり、もう少し色々と望んでも構わないのではないかということだ。シンの口元に、
薄っすらと笑みが浮かんだ。
「わかった……引き受けよう」
『素晴らしい。準備が出来次第、部屋の隅のインターコムで呼び出してください。貴方の
モビルスーツは何時でも発進可能です』
「そりゃ凄い。俺はいつでも準備出来てるよ。ああ、そうだ……肝心のキラ=ヤマトは、
今どうしてる?」
 女性の声に含み笑いが混じった。
『スカンジナビア王国に亡命し、ラクス=クラインと暮らしています。重度の放射線症を
負っての闘病生活は、さぞ辛いことでしょう』
「良いね。出来るだけ長く苦しんで貰いたいもんだ」

 遠くに響く轟音。時折近くで爆発が起こり、頬の左側が熱風でちりちりと痛んだ。車が
壊れ、家族と共に山道を走っている。避難先である港が、森の木々の合間から見えた。
肩から提げていたポーチのカバーがほんの少し開き、ピンク色の携帯電話がそこから飛び
出した。道から逸れて、坂を転がっていく。視線がそれを追った。
『あーっ!マユの携帯電話!』
71GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:18:45 ID:???
 幼い声が叫ぶ。甲高く耳触りで、未熟で、何も考えていない声。母親が自分の手を掴み、
港の方へ引っ張った。その腕にぶら下がるようにして抵抗する。
『そんなの良いから!』
『嫌ぁ!』
 パーカーを着た少年が駆け出し、小さく跳んで坂道を滑り降りていく。そして空が真っ
赤に染まり、衝撃と熱、右肩の激痛が身体を貫いた。驚愕した表情のまま凍りついた母親
の身体、自分を抱え込んで守ろうとする父親の身体が、爆発の中で歪み、捻じれ――

「ァァ……ッ!!」
 個室のアラームと共に少女が目を見開く。骨のような右腕の義手が天井のライトを掴む
ように伸ばされ、濃い紫色の双眸からは後から後から熱い雫が零れ落ちた。左手でタオル
を取り、顔を埋める。しばらくした後、呼吸と鼓動は徐々に落ち着いて涙も止まれば乱暴
に顔を拭い、ベッドから降りた。
すぐ傍の鏡を覗き込んだ。頬に赤い跡が残る以外は至って普段通り。顔は勿論、殆ど全
身に刻み込まれた傷痕は、とっくの昔に見慣れた。ロッカーを開け、義手の肩と肘にプロ
テクターを付ける。
隻腕の少女の為にデザインされたパイロットスーツを手早く着込んだ。携帯端末を開け
てスケジュールを確認する。殆ど一秒足らずで目を通し、スーツのポケットに滑り込ませ
た。ベッドサイドに置いた写真を一瞥する。父と母、そして兄。自身の場所だけは切り取
っていた。
 あの日、落とした携帯電話を無視していれば、何事も無かったように走っていれば、港
まで辿り着けたかも知れない。怪我くらいはしたかもしれない。それでも誰も死なず、無
事に避難出来て家族皆で暮らせたかもしれない。父と母が死んだのは、死にかけていた自
分が、非合法の人身売買業者によって地球連合軍の研究所に売られたのは、兄がプラント
に渡って、こともあろうにザフトへ加わった挙句ラクス=クラインを守って死ぬという結
末を迎えたのは、全て自分の責任だと少女は考えていた。たった一度の過ちで、かけがえ
のない家族を滅茶苦茶にしたのだ、と。
 少女はダークブラウンの髪をパイロットスーツの後ろに詰め込み、ヘルメットを左脇に
抱えて部屋を後にした。擦れ違う兵士や将校に対し、義手の右手で敬礼する。通路の突き
当たりにあるエレベータに乗りこみ、格納庫の階を指定した。
 第三世代型の生体CPUの中で最も優れたMS操縦技術を持つマユ=アスカに課せられ
た任務は、極秘の調査だった。プラント領内の奥深くに存在する廃棄された宇宙ステーシ
ョン『X5』に潜入し、クライン派の希望となり得るらしい装置を回収する。破壊すれば
良いのではないかという疑問は当然抱いたものの、それ以上気に掛けはしなかった。クラ
イン派が地球連合の一部勢力によって支援されていたというのは、最早公然の秘密だから
だ。そして、疑問を抱いても任務の成功率は向上しない。
72GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:20:45 ID:???
 エレベータが停止し、マユは駆け足で自分のモビルスーツに近づいた。黒一色の機体。
頭部はザフトの隊長機を思わせるブレードアンテナと、スリットのように細いバイザー式
のカメラアイが装備され、右腕には長銃身の狙撃銃が携えられている。キャットウォーク
からコクピットに入り込み、ヘルメットを被りハッチを閉じてシステムを起動させた。バ
イザーが青白い光を放ち、格納庫内の照明が落ちると共に減圧が始まる。
 黒いモビルスーツがメンテナンスベッドから離れた。背負っていた翼のようなユニット
が稼動し、マントのように機体を包む。カタパルトデッキに両足を固定した。
「マユ=アスカ、ルイン、行きます」
 淡々とした口調で告げるマユ。モビルスーツ『ルイン』の各所から伸びていたケーブル
が外れ、カタパルトが起動して姿勢を低くした機体を加速させる。ガーティ・ルーの同型
艦から飛び出したルインは、足裏と右肩から数秒間だけスラスターを噴射して進路を修正
し、黒々とした凍える宇宙へ消えていった。

「なんかこう……デスティニーを思い出すな。特に頭」
 格納庫の中で自分の機体を見上げるシンが、渋い顔で首を捻る。青とグレーで塗装され
たその機体の頭部はV字アンテナにツインアイを持っていた。そればかりでなく、目の所
には涙のようなラインまで刻まれている。赤色を抜いたデスティニー、というのがシンの
抱いた第一印象だった。しかも、右肩には大型の銃器を背負っている。
「あれ酷かったなぁ。機体の名前がデスティニーだし。まるで俺が、器用貧乏なやられ役
で終わる運命だったみたいな……またでかい武器持ってるんだな」
『専用のマシンガンは両手で持つサイズになった分、威力、精度、連射性能全てにおいて
高い水準を維持しています。要塞の固定砲台を持ち歩いているようなものです。そして、
懐に飛び込まれた時には腰にマウントされているビームガンで応戦可能です』
 メカにはそれほど明るくないらしく、女性の喋り方はまるでパンフレットを読み上げて
いるようだ。確かに左右の腰部に射撃武器がついてはいるが、拳銃にしては長大だ。形状
も大口径のリボルバーを思い起こさせる。
 ぶつくさと文句を垂れながらも、無重力の格納庫内を漂ってコクピットに入った。入る
と同時にシステムが立ち上がり、シン=アスカをパイロットと認める旨のメッセージが表
示された。ハッチを閉め、ヘルメットを被って気密状態を確認する。
「これ、名前はあるのか? どうせ非合法な機体なんだろうけど……」
『開発中はデザイアと呼ばれていました。型式番号は機密扱い、だそうです』
 貨物搬入口が開き、遠くの恒星からの光が減圧された室内に差し込んできた。遥か彼方
に映る灰色のおぼろげなシルエットは、砂時計型コロニーの集まりである。
「デザイア……か」
 格納庫の床を蹴って宇宙空間に滑り出したデザイアは、背部のスラスターを点火させて
一気に加速する。青白い光の尾を引いて、高密度のデブリ帯へと向かった。
73GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/02(月) 17:21:29 ID:???
今回は此処までです。相変わらずタイトルが決まらないorz
74通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 18:14:17 ID:???
乙です
確かデザイアって欲望とか願望という意味だったよーな

オッサンな自分にはとあるNTR要素ありでどう転んでもバッドエンドなエロゲが真っ先に脳裏に浮かんだw
75通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 20:26:08 ID:???
GJ
デザイアか…若本のアレを思い出すw
76通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 21:43:41 ID:???
GSC氏乙です
ルイン=ruin=破滅、荒廃
デザイア=desire=願望、欲望
かな?
デザイアは漫画のジエッジからなんだろか

シンの周囲にいた人間は皆シンを見下してたのか・・・
アスランのコメントが一番まともに見えるという。
逆襲の際のカタルシスはこういう状況のほうが高ぶりますな。
戦後のシンは酷く捻くれてるのが似合うなー
77通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 21:58:55 ID:???
しかしカガリはどうなったんだろ?
監禁されてるのか?

あと凸の世渡りの上手さは異常w
78通常の名無しさんの3倍:2010/08/02(月) 22:50:37 ID:???
規制解除&第二話ktkr!

投下乙です。どいつもこいつも腐ってやがる・・・ここまで行くと、シンもそうだがピンクとキラも不憫に思えてきてしまうわ
そしてマユ生存!マユ生存!!マユ生存!!!急げシン!!!!

次回もマターリお待ちしております〜
79通常の名無しさんの3倍:2010/08/03(火) 01:56:06 ID:???
シンの貶められっぷりは、かつての一部媒体のネガキャンに通じるものがあるな
しかし言ってる奴らが揃いも揃って自分たちの事を棚上げしてるのが度し難い。久しぶりに逆襲らしい逆襲になりそうな予感。
80通常の名無しさんの3倍:2010/08/03(火) 13:45:51 ID:???
ところでルナマリアの結婚相手ってまさか・・・痔?
81通常の名無しさんの3倍:2010/08/03(火) 14:56:28 ID:???
その発想はなかったw
あっちもミリアリアに振られてたからお互い傷の舐めあいで引っついちゃった可能性はあるな
(ルナからしてみれば、あの時切りかかられたのは裏切られたように思えたのかもしれんし)

そういえば元AAクルーはどうなったんだろ?
あの連中もアレだけど凸のようにあっさり掌返しするほど節操無しじゃないから
カガリと一緒に監禁されてるか最悪始末されたか
82通常の名無しさんの3倍:2010/08/03(火) 15:19:38 ID:???
敵を庇うというのは立派な裏切り行為だという自覚は無いんだろうか?
まあ現状は謎の女が言ってるだけだから真実でない可能性もあるが
しかしシンは素で不当に貶められてるのは現実も似たようなもの
ここからの逆襲に期待。
83通常の名無しさんの3倍:2010/08/08(日) 13:18:13 ID:???
プロットだけは頭に浮かんだりするんだけど
書き出す表現力と文章力がないんだよなぁ〜
ワード開いても最初の一文字で詰まるwww
84通常の名無しさんの3倍:2010/08/08(日) 19:43:12 ID:???
>>83
本文書く前にプロットを箇条書きしてみて、それに肉付けして見たらどう?
この板の創作関係者スレで見たんだが、思いついたシーンや書きたいシーンを先に書いて繋げる様にすれば案外すんなりかける……らしいぜ?  
85GSC ◆2nhjas48dA :2010/08/09(月) 18:36:24 ID:???
>>83
お待ちしています。
86通常の名無しさんの3倍:2010/08/12(木) 06:22:26 ID:???
遅れたけどGSC氏GJ!
以前の作品の続きを読みたい気持ちもあるが、今は新作だろうと作品を投下してくれたことが何より嬉しいです
次回も期待しています
87通常の名無しさんの3倍:2010/08/13(金) 23:25:39 ID:???
規制解除
88通常の名無しさんの3倍:2010/08/14(土) 23:10:08 ID:???
ヒーローは、ただの人間が、自分自信の力と意志で、血を吐きながら人を守る為に人でない何かに生まれ変わったものだ。
89通常の名無しさんの3倍:2010/08/15(日) 01:37:19 ID:???
最近そういうヒーロー居ないな。
苦しい生き方ってのがオタや腐が中心な視聴者にウケないからだろうけど。

シンが連中に人気がなかったのも頷ける。
自分が傷付いても守ろうとする生き方を理解できないんだろう。
90通常の名無しさんの3倍:2010/08/15(日) 07:42:42 ID:???
>>88
絢爛舞踏乙
つまりシンを無記名世界放り込めって事ですね
91通常の名無しさんの3倍:2010/08/15(日) 10:52:31 ID:???
ここのスレ住人は石ノ森作品とか好きそうだな
俺も好きだけどw
92通常の名無しさんの3倍:2010/08/15(日) 14:07:13 ID:???
♪ さーんーばんめがー よくにーあーうー
  しゅやくーじゃなーいーとー ひーとーのいうー
  だが我々は議長のためー 出番を失う ひとーのーためー
  なみだでわたる血のたーいがー ゆめみてはしる死のこーうやー
  コーディネイト戦士 誰がー為にーたたーかうー
93通常の名無しさんの3倍:2010/08/15(日) 14:23:14 ID:???
>>89
最近だと同人での展開になっちゃったが、ヒーロークロスラインなんてどうだろう?
ミュータント系、改造系、魔法少女系など色々揃ってるぞ

しかも元からごった煮だからどんな作品だろうとクロス出来る
94通常の名無しさんの3倍:2010/08/16(月) 12:02:13 ID:???
艦橋から突如失踪したシンを隊員が探していたらトイレの掃除用具入れからペンギンの被り物をしたシンが現れた。
そして異世界の経験により家事技能がレベルアップした!
貧乳に対する友好度が−30ダウンした!
95通常の名無しさんの3倍:2010/08/16(月) 17:58:03 ID:???
>>91
仮面ライダーシン
すまない言ってみただけだw
96通常の名無しさんの3倍:2010/08/16(月) 20:45:15 ID:???
お、お嬢様!落ち着いてください!!
貧乳に対する友好度が−(マイナス)30ダウンしたということは
マイナス×マイナスで+30アップしたということに、
つまりお嬢様に対する友好度がうなぎ上り・・・
え?私は貧乳じゃない?ごじょうだnくぁwせdrftgyふじこlp;@:「
97通常の名無しさんの3倍:2010/08/16(月) 21:04:07 ID:???
○○○「次はシンをの世界へ送って下さい」
つ大吟醸

????「にゃはははは了解〜♪」
98通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 00:40:25 ID:???
シンには逆境がよく似合う。
99通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 01:58:28 ID:???
似合うってか本編が丸々逆境だからな。妙にヒーローしてるより精神すり減らしながら戦う姿の方が様になる
100通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 02:32:13 ID:???
本編でも連合に強制労働させられてた人たちを救ったり、ガルナハンの人たちを救ってたじゃないか
力の無い人たちの為に戦うシンは立派なヒーローだ

種世界じゃ目の前で虐殺が起こっても、もっともらしい事言ってスルーするのが正しいらしいがそんなのはヒーローではない。
101通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 09:46:29 ID:???
>>95
シンが白兵戦で敵の首を引っこ抜くのは想像した。

>>100
明日の希望を取り戻す。強く今を生きる人間の腕に。
心に愛があれば未来はいつも君がヒーロー。

見えない明日を照らすんだ。お前が希望。
と言ったところか。
102通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 12:37:36 ID:???
シン・・・ハカイダー
キラ・・・ミカエル
ラクス・・・グルジェフ
103通常の名無しさんの3倍:2010/08/17(火) 14:09:23 ID:???
種世界にやってきたCBにシンを放り込む
104通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 00:08:46 ID:???
>>103
シン「再生の為の破壊なんて、この星には必要無い」
105通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 01:45:05 ID:???
>>103
シン「此処はアンタ達のいるべき世界じゃない! 出て行けぇーッ!」

クロスでふと思ったんだけどさ
このスレ、突発的なリレーや本来の書き手さん以外の書いた無許可クロスはあっても本来の書き手さん達が書いた逆シン同士のクロス物ってないよね?
倉庫で、同じスレ内のクロスがあるんで珍しいと思って見てたら、無かったんで意外だった
書き手さん達の都合で難しいだろうが、ちょっとみてみたいな
106通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 02:01:41 ID:???
GSC氏なんかは単独クロスオーバーでも面白そうだw
本家GSCでの無私無欲なシンと、ガンバレシンチョーガンバレのがめついシンとか。

核ミサイルだ! 弾頭部分だけを切り落とせば…
シン1(人々を救える!)
シン2(NJC売ってボロ儲けだ!)
107通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 05:19:12 ID:???
独裁者シンの続きも見てみたいな
108通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 09:45:01 ID:???
時空振動弾でもぶっ放すか?
109通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 12:03:07 ID:???
最後に自分達同士で撃ちあってENDですね、わかります
ケーシー・ランキンのOP・EDが最高だったよ
110通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 12:25:02 ID:???
あの戦い以降もアスランに悩まされ続け
アスランを感知したら忍者の如く姿を消すスキルを会得したシン
111通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 13:57:33 ID:???
>>105
スペエディ直後の絶望に塗れたシンならCBに傾きそうな悪寒。
112通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 15:38:03 ID:???
シンとCBは相容れないだろう。武装した上での中立を保てるような性格じゃない
113通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 16:48:34 ID:???
考え自体は似てるけど、第二、第三の自分を産みだしてるということに気付いたら・・・?
114通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 18:56:52 ID:???
既にザフト兵なんだし、戦災孤児を出すかもしれない事は悩んでないだろう。基本的に、
敵にも家族はいるんだなんて思ってる人はモビルスーツ乗ったりしないってw周囲に被害
出しまくる兵器なんだから
115通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 21:06:37 ID:???
種死はクライン派同士の世界を巻き込んだ内ゲバ
00はCB内部での世界を巻き込んだ内ゲバ
こんな茶番に二度も付き合わされたら、シンもいい加減ウンザリするだろう
116通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 21:19:28 ID:???
そこにリボンズが来てデスティニーにリボガンみたいなツインドライヴ装着か…
おっと、シンも乙女座だった
センチメンタルリズムを感じずにはいられない
117通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 22:07:46 ID:???
>>103
シンはアーサーと再就職の面接に小さな運送会社に行った
面接には即日で採用され
気がついたら沈んだはずのミネルバのブリッジに居て死んだはずのタリア艦長、レイ、デュランダル議長が今はCE71年だと告げられる
シンはジェネレーション運輸二番艦ミネルバ(旗艦はトレミー)MS部隊に配属されレプリカのインパルスを任される事態に!
118通常の名無しさんの3倍:2010/08/18(水) 22:10:41 ID:???
>>117
シン「もうノベンタ道場もごひ道場もタイヤ狩りも嫌だお」

こうですか?
119MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:51:40 ID:???
どうもお久しぶりです。
25話後半が出来上がりましたので投下させていただきます。
さるさんに引っ掛ったら解除後投下を再会させていただきます。


機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request25後編

漆黒の宇宙を切り裂いて、十を超える閃光が奔る。
ダークブルーの機体色は闇の中にありながら闇を拒絶するような色だった。

『出遅れたが、此処までやられて逃がす訳にはいかんな』
『殿はたった一機だと? 舐められたものだ』
『しかし、相手は鬼神シン・アスカです』
『臆するな、戦い方は体に叩き込んである。 フォーメーションDで仕掛ける。 遅れるな』
『『『Rog!』』』

ザフト マティウス1駐留MS教導中隊 サンドグラス隊


『警告、戦闘レンジ内に接近多数。 IFS照合……ザフト機と確認。
 機数12。 デルタフリーダム6、ナイトジャスティス6。 会敵までおよそ3分』

RBの警告と共に、至近距離まで迫った敵がモニターに拡大される。
機体全面をダークブルーに塗り替え、円形状の盾に描かれた砂時計のエンブレムが全ての機体の左肩に描かれていた。
フォーメーションは前面にナイトジャスティス、後衛にデルタフリーダムを展開した手堅い横隊編成。
「砂時計のエンブレム……マイウスの教導隊か」
砂時計のエンブレムを注視したシンは苦々しく呟く。
『ふん、たった一機相手に教導中隊が出撃とは、大層な事だ』
かつてのレイを思い起こさせる冷笑をするRB。
「それだけびびってるんだろ? それにしても、フリーダムにジャスティスとは……嫌がらせか?」
RBとの会話にシンは僅か表情を緩ませる。
『ドワッジよりマシだからだろう。 気にするな』
「だといいんだけどな。 ……行くぜRB」
鼻を鳴らし、表情を引き締めるとシンはフットバーを深く踏み込んだ。
『了解だ。 ドライバー』
RBの返答を合図としたのか、インパルスエクシードはスラスターを最大出力で吹かした。
120MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:52:51 ID:???


『ジャスティスを前面に押し出し、フリーダムを後方に置いたシフト……さすが教導隊。 教本通りの素晴らしい手際だ』
「嫌味だな。 それじゃまぁ、突っ込むか」
RBの言い方に鼻を鳴らしたシンは皮肉そうな表情のまま言った。
『それは、いくらお前でも……ついに気でも狂ったか?』
「違う! 至近距離での乱戦に持ち込んで、フリーダムの砲撃力を殺すんだ」
心底心配そうなRBに、シンはコンソールを拳で叩き反論する。
『成る程。 ならシルエットは小回りの効くクロスフォースに変えるか』
「分かってるじゃないか、相棒。 まぁ、念のためドラグーンフライヤーの遠隔操作準備くらいはしておいてくれよな」
説明に納得したRBに、シンは笑みを浮かべる。
『了解だ。 すぐに換装するぞ』
インパルスエクシードの各部からヘッジホッグブラストシルエットのパーツが外れ、代わりにクロスフォースのパーツが装着されて行く。
「OK、換装完了だ。 さて、始めようか殿……戦場の華って奴をさ!」
シルエットの換装が完了し、機体各部のバッテリー、コンデンサーが限界まで充電される。
全ての準備が整ったのを確認すると、シンは獣の如く吠えた。

XFインパルスエクシードは宇宙を一直線に駆ける。
「無策で突っ込んで来るだと……? いくら時間稼ぎとは言え、奴は自殺志願者か?」
怒りと失望の入り混じった声で6機のナイトジャスティスの中、右端のサンドグラス11番機が呟く。
「油断するな。 フリーダム隊、フルバーストで先制を……」
フリーダム隊の中央右側に位置している1番機、教導隊隊長は教導中隊の中で最も若い11番機を叱責し、部下に指示を出そうとした。
「だが、遅い」
敵の目前から一気に加速し、目の前にいるジャスティスの懐に飛び込んだシンは、XFインパルスエクシード両腕のカタールを生成すると同時にバツの字に切り裂いた。
「サンドグラス10が! おのれっ!」
「待て! この距離では味方を巻き込む。 フルバーストもドラグーンも使えん。 通常火器で応戦しろ」
目の前のジャスティス、サンドグラス10を撃墜された4番機が激昂し、フルバーストを放とうとするのを左側の副隊長サンドグラス2が静止する。
シンは動きを止めた教導隊の隙を逃がさず、ビームカタールを発生させたまま、残骸と化したナイトジャスティスを蹴り飛ばし、反動で後方に飛び退く。
後退したXFインパルスエクシードはジャスティスが一足では踏み込めず、フリーダムがフルバーストやドラグーンの撃てない絶妙な距離を保つ。
『脆いな。 所詮は量産型か』
「中身もな。 アスランなら……いなして、間髪入れずにカウンター決めて来たよ」
冷笑するRBに同意しながら、シンは思い出したくないのか、僅かに表情を歪めながら言った。
『アレと比べるのは酷だろう。 性格と悪癖以外が無ければ間違いなく世界でも指折りのパイロットだ』
RBの言う悪癖とはしょっちゅう女性と陣営を変える事。 
まぁ、女性が常に変わるのは邪神の祝福、と言うよりも呪いとでも言うべき物なのだが。
121MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:54:14 ID:???


「クソッ! 一斉射撃だ。 距離を取って仕留めろ!」
サンドグラス1の号令を受け、11機全てが手持ち火器全てをXFインパルスエクシードへと指向する。
「あ、やべぇ」
間の抜けた声を上げたシンは、XFインパルスエクシードの両腕のシールドを掲げたまま後方と飛び退く。
着弾の瞬間、閃光と爆炎がXFインパルスエクシードを覆い隠す。
「やったか?」
「油断するな。 全機、センサー感度を上げろ! フリーダム隊、前に出るぞ。 ジャスティスとツーマンセルを組み、散開する!」
僚機の歓喜の声も意に介さず、サンドグラス1は素早く指示を出した。
「しかし隊長。 あの砲撃では……」
「奴が誰か忘れたか! 奴はミネルバの鬼神。 ヤキンのフリーダムを堕としたシン・アスカだぞ! この程度で墜ちるものか!」
サンドグラス11の疑わしげな言葉を遮り、隊長機が怒号を上げる。
「……正解だぜ、隊長さん」
サンドグラス11の言葉に、シンは口元に見る者を震え上がらせるような残酷な笑みを浮かべる。
「くっ! いつの間にシルエットを!」
爆煙を切り裂くように姿を現したインパルスエクシード、その肩とサイドアーマーはクロスフォースシルエットのスラスター付き増加装甲とレールガンのままだ。
だが、背にはガルム、ケルベロスIIのヘッジホッグブラストシルエットを背負っていた。
言うなれば簡易ブラスト仕様とでも言う形態だった。
『全機照準完了─ターゲットオールロッククリア─いけるぞ、ドライバー』
「ブラストインパルスエクシード、フルバースト! 行けぇええ!」
レールガンが、ガルムが、ケルベロスIIが、胸部機関砲が教導MS中隊を襲う。
「全機後た……いや、前に出ろ!」
直前で判断し、部下に指示を飛ばすと、隊長機サンドグラス1はフットバーを蹴り飛ばす様に踏み込んだ。
後退すれば当たるように放たれた偏差射撃を見切ったサンドグラス1の怒号で、凡そ半数がフルバーストを回避する事に成功していた。
だが、前衛にいたナイトジャスティスの内の何機かがケルベロスIIの直撃を受け、半身を吹き飛ばされ、巻き添えを食う形で形で後方にいたデルタフリーダムが吹き飛ぶ。
『流石だな、直前で前方に移動したのが何機かいる。 甘く見すぎていたか』
「行儀の良い操縦しか出来ない奴らかと思ったが……出来る奴がいるな」
RBの冷静な分析に同意しながら、シンは表情を引き締め、追撃をかけるべく、ガルムを構えた。
「損傷機は後退しろ、足手纏いだ。 第1、第2分隊、ならびに5、7、8、12番機は私に続け。 それ以外は周囲を包囲、増援が来るまで待機しろ」
損傷機を後方に退かせ、手持ちの中から最良の人員を選び編成するとすぐさま態勢を立て直す。
密集した横隊からフリーダムとジャスティスがペアになり分散した。 三組の分隊が三角形に陣形を整えインパルスへと向かう。
『来るぞ、ドライバー』
「分かってる! さぁ、どこからでも掛かって来い相手になってやる!」
態度とは裏腹にシンは恐ろしい程冷静だった。
RBに言われるまでもなく、残存した敵機の把握に移っていた。
インパルスエクシードと正面から対するのは隊長機サンドグラス1のデルタフリーダムとその僚機であるジャスティス。
その後方に別のペアが二組控える。 
122MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:56:16 ID:???

先導する隊長機が牽制に手持ちのライフルを連射、距離を詰める。
後方の4機も援護射撃を開始、レールガンやハイパーフォルテスがインパルスへと放たれる。
「甘いぜ、堕とすつもりがあるなら本気で来い!」
避けながらインパルスが垂直に下方へと降下、教導隊との距離を離す。
(熱くなっているかと思ったが……かえって冷静だな 自分の中の戦術を徹底している)
「やはり……いや、奴は嘗てよりも危険だ。 奴はこの場で始末する!」
意を決した様に呟くサンドグラス1はインパルスエクシードを追う。
「よし、着いて来ているな。 RB、撤退完了の予定時刻までは後居どれ位だ?」
モニター上部に映った後方視界用カメラの映像に、シンは口元に笑みを浮かべる。
『大体10分は掛かるな。 ……後方より砲撃来るぞ、弾着までカウント20』
RBの概算に頷きながら、機体を左右に振り、ロックをずらす。
「死ね、裏切り者!」
「仲間になった覚えは無いけどな」
飛んでくるビームを避けながらシンは軽口を叩く。
「ここらで反転する。 姿勢制御頼むぞ」
『了解、好きにやれ』
「そいつは有難いね!」
シンは投げやりにも聞えるRBの言葉に、皮肉な笑みを浮かべ、インパルスエクシードをその場でターンさせる。
「全機散開、十字砲火で仕留める!」
8機全てが別々に散り、インパルスエクシードの上下左右を囲む。
「全機火器制限を解く、最大火力を持って殲滅するぞ」
サンドグラス1の号令にフリーダムはフルバースト、ジャスティスも全火器をインパルスへと集中する。
「……ちっ!」
シンは飛来する十字砲火に舌打ちをすると肺から息を吐きだす。
AMBCAのみで砲火を避けると、火線の弱い場所へケルベロスを狙いも付けず撃ち込む。
砲撃が止まったのを確かめ、インパルスエクシードをその方向へと奔らせた。
だが、その隙を逃がさんとばかりにすかさず飛んでくるビームにシンは思わず唾を飲み込んだ。
(直感で無闇に突っ込むだけでは駄目だ。 やり方を切り替えろ)
深呼吸で肺胞に酸素を満たすと、頭部を傾け敵の陣形を頭に叩き込む。
シンの意志とは無関係に発動しようとするSEEDを押さえ込みながら、意識を集中する。
123MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:57:21 ID:???

先導する隊長機が牽制に手持ちのライフルを連射、距離を詰める。
後方の4機も援護射撃を開始、レールガンやハイパーフォルテスがインパルスへと放たれる。
「甘いぜ、堕とすつもりがあるなら本気で来い!」
避けながらインパルスが垂直に下方へと降下、教導隊との距離を離す。
(熱くなっているかと思ったが……かえって冷静だな 自分の中の戦術を徹底している)
「やはり……いや、奴は嘗てよりも危険だ。 奴はこの場で始末する!」
意を決した様に呟くサンドグラス1はインパルスエクシードを追う。
「よし、着いて来ているな。 RB、撤退完了の予定時刻までは後居どれ位だ?」
モニター上部に映った後方視界用カメラの映像に、シンは口元に笑みを浮かべる。
『大体10分は掛かるな。 ……後方より砲撃来るぞ、弾着までカウント20』
RBの概算に頷きながら、機体を左右に振り、ロックをずらす。
「死ね、裏切り者!」
「仲間になった覚えは無いけどな」
飛んでくるビームを避けながらシンは軽口を叩く。
「ここらで反転する。 姿勢制御頼むぞ」
『了解、好きにやれ』
「そいつは有難いね!」
シンは投げやりにも聞えるRBの言葉に、皮肉な笑みを浮かべ、インパルスエクシードをその場でターンさせる。
「全機散開、十字砲火で仕留める!」
8機全てが別々に散り、インパルスエクシードの上下左右を囲む。
「全機火器制限を解く、最大火力を持って殲滅するぞ」
サンドグラス1の号令にフリーダムはフルバースト、ジャスティスも全火器をインパルスへと集中する。
「……ちっ!」
シンは飛来する十字砲火に舌打ちをすると肺から息を吐きだす。
AMBCAのみで砲火を避けると、火線の弱い場所へケルベロスを狙いも付けず撃ち込む。
砲撃が止まったのを確かめ、インパルスエクシードをその方向へと奔らせた。
だが、その隙を逃がさんとばかりにすかさず飛んでくるビームにシンは思わず唾を飲み込んだ。
(直感で無闇に突っ込むだけでは駄目だ。 やり方を切り替えろ)
深呼吸で肺胞に酸素を満たすと、頭部を傾け敵の陣形を頭に叩き込む。
シンの意志とは無関係に発動しようとするSEEDを押さえ込みながら、意識を集中する。

思い出せ、あの技を、あの老人の動きを、あの亡国で学んだ全てを。
──────ご老人、貴方はここで何を?
動きを見逃すな。 足りない部分は推測し、思考しろ。 
──────墓を守っている。 妻と息子と娘、友と恩人。 そして今は無き亡き祖国の墓を。
敵の位置を、その装備を、そこから割り出される射線を読みきれ。
──────では貴方は墓守?
そして導き出した火線を避け、イメージ通りに機体を動かせ。
──────いや、聖職者だ。 嘗てはな。

シンに従い、インパルスエクシードは目まぐるしく動きを変える。
ある時はステップを踏み、ある時は闘牛士がマントを翻すように華麗に反転し、又ある時は猛火の如き激しく攻め立てる。
一見、まるで無関係のように見えながら確かに繋がった一連の動きは、まるで武術の演舞のようにも見えた。
124MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 20:59:52 ID:???


「数で勝る我々と互角に渡り合うとは!?」
ハイパーフォルティスの返礼に飛んできたケルベロスIIを辛うじて避けたサンドグラスがその顔を引き攣らせながら呟く。
「性能も驚く程の差は無い筈だ。 それなのに……!」
8対1と言う絶望的ともいえる状況で、シンは十二分にサンドグラス隊と渡り合っていた。

これには無論理由がある。 一つはシンがMS操縦の基礎をザフトで学んだ為だ。
地球連合に対し、数で劣るザフトは複数を相手にした戦闘が多い為、アカデミーの教本にも対複数戦闘のマニュアルが存在している。
ミネルバ時代では分断された戦闘を強いられていた事もあったが、後は単純に突出しがちなその性格から単機戦闘を好む傾向にあった。
また、シンが傭兵になった事も影響していた。
基本的に傭兵を雇うのは、正規兵の数が足りない劣勢の側、もしくは戦力の無い小さな共同体である事が多かった。
正規軍に比して装備や数で劣る傭兵の基本戦術は大凡2つ。
伏せて待ち側面を突くアンブッシュ、這って進み後背を襲う浸透戦術。
シンやカナード、叢雲劾のような正面からの突撃によって撹乱、分断した所を確固撃破する戦術を取る方が珍しい。
その中で更に異端とも言えるのが、シンである。
多数を相手にする場合、カナードならXの仲間と共に、劾ならイライジャとバディを組み戦うのが普通だ。
だが、シンは基本的に単騎での戦闘が多い。 と言うよりも殆どの戦闘が単機対複数と言っても良い。
あらゆる戦闘距離に対応可能なスタンドアローンでの対複数戦闘に特化したワンマンアーミー、それがパイロットとしてのシン・アスカであった。
つまり、シン・アスカは多数圧倒的多数との戦闘時にその真価を発揮する。

シンは挙動と思考を並列して行いながら、思考を更に加速させる。
数瞬前に頭に叩き込んだ敵の隊形から現在の位置を推測。
その射線から機体を退避させながら、自らの射線を確保する。
飛来する攻撃の速度が人の反応速度を遥かに超える空間戦闘では、撃たれた事に気付いた時には既に宇宙の塵となっている。
一瞬の挙動の遅れが、思考の停滞が死を招く。
荒くなった呼吸で脳に酸素を送り込み、操縦桿の、フットバーの動きをインパルスエクシードの動きとリンクさせる。

ガルムを敵の一群に向け撃った時、ビームがインパルスエクシードの肩を掠める。
『ドライバー、今のは近かったぞ!?』
「大丈夫だ、悪くない」
僅かに焦りの色を見せたRBの声にシンは平然と答える。
シンの中のイメージと現実の敵の動き、インパルスエクシードの挙動がかなりの精度で重なり、一致して行く。
「下方150。 ビームが2……いや、3か?」
インパルスエクシードがスラスターを吹かし、上昇すると同時にすぐ先ほどまで居た場所をビームが三条通り過ぎる。
『……大当たりだ。 ドライバー、一体どんな魔法を使ったんだ?』
「種も仕掛けもある手品みたいなもんさ」
驚きの隠せないRBの言葉さえ軽く流し、シンは戦闘を継続する。
(馬鹿な、未来予知だとでも言うのか。 SEEDも使っていないのに? ……まさか、敵の動きを推測し、先読みしているのか!?  
 だとすれば……! どこでこんな技を? いや、それよりも、シン。 お前はこの技術の連度を上げる為一体どれ程の修羅場を潜って来たんだ!?)
「避けただと?」
RBと同じ、いや、おそらくそれ以上にサンドグラス1は驚きを隠せなかった。
余りの呆けた声に部下達が通信を切っていた事に感謝した。
(違う……此方が狙いをつけた時には既に回避を始めていた。 先読みしているとでも言うのか)
サンドグラス1はその背中に冷たい何かが走るのを感じ、同時に言い様の無い感情が胸からこみ上げて来るのを覚えた。
125MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:00:59 ID:???

「知らなかった、こんな奴が居たのか。 ……面白い」
自らの見識の無さに恥じながらも、知らず知らずにサンドグラス1は口元が吊りあがる。
それは愉悦か或いは歓喜か。
戦いの中で始めて覚えた感情に心を震わし、サンドグラス1はデルタフリーダムのサーベルを引き抜いた。
「隊長!?」
部下の声にも耳を貸さずただ一つの目標を目指し、フリーダムは突撃する。
『ドライバー、フリーダムが一機突撃してくるぞ!』
「なんだって!? っ! ……くそっ、まだ未熟だな、俺は」
予想だにしないサンドグラス1の行動に、シンの集中が一瞬途切れる。
この程度の事で集中が途切れ、いまだ敵勢力を殲滅できない事に、いまだ自身の技術が未完成で未熟な事に苛立ちを覚えた。
「貰った!」
その為に、左上方から切り掛かってきたデルタフリーダムに対し、シンの反応は完全に遅れていた。
「クッ……!」
シンは咄嗟にガルムを掲げ、致命的な一撃を防ぐ。
だが、ビームシールドを張る間もなかったガルムは飴細工のようにあっさりと溶断された。
『ドライバー、上半身を切り離すぞ』
「……まだ、大丈夫だ。 まだ!」
RBの言葉を遮りシンは叫ぶ。
インパルスエクシードは残ったガルムを柄を棍棒の様に叩きつけ、オマケとばかりに腰のレールガンを放つ。
「逃げてばかりとはな、臆病者が! 鬼神の名が泣くぞ!」
レールガンの反動で吹き飛ばされた機体を立て直しながらサンドグラス1は叫ぶ。
「誰がそんな安い手に乗るか」
シンはサンドグラス1の罵倒を鼻で笑い飛ばし、ガルムの残骸を投げ捨てるとビームカタールを展開。
『時間稼ぎだからな。 相手の挑発に乗る必要は無い』
「そういう事だな」
RBの言葉に頷き、シンは周辺を見渡す。
仕切り直しとでも言うのか、デルタフリーダム周辺に集結し始めていた。
「ま、乗りはせんだろうな……なら、乗させるだけだ。 サンドグラス7、8後退した連中を追え」
そうすると分かっていたのか、部隊の態勢を整えたサンドグラス1は次の命令を下す
デルタフリーダムとナイトジャスティスが一機ずつインパルスエクシードを大きく迂回し、飛び去って行く。
「っ! RB、スリー中尉達の予測位置は!!」
分派された敵の動きの意図に気付いたシンは焦りの色を見せ、RBへと問いかける。
『一寸待て……未だに圏内だ』
数秒の後、計算された位置をディスプレイに表示される。
内容を端的に言えば、分派された分隊は5分もあれば撤退した挺身部隊に追いつけると言う事と隠密裏に長距離行軍を敢行し、襲撃まで行い消耗した挺身隊は殲滅される可能性が高いと言う事の二つ。
「派手にやりすぎた……!」
苦虫を噛み潰したように表情を歪めたシンは思わずサイドモニターを殴り付けた。
『状況は悪いが、最悪でも致命的ではない。 挽回は可能だ』
「はぁ…………分かってる。 ここから本番だ」
RBの言葉を聞いたシンは、心を落ち着かせるため深呼吸をする。
シンは叩き付けた拳を緩め、操縦桿を握り締めると、フットバーを踏み込みインパルスエクシードを反転加速させた。
126MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:03:39 ID:???
サンドグラス本隊は攻める事もなく、シンの動きを静観していた。
シンがこの場に止まれば、分派された部隊が襲撃隊を殲滅し、追うならばキラ・ヤマト、アスラン・ザラ亡き今最も強力な個人戦力であるシン・アスカを挟み撃ちにし、討ち取れる。
サンドグラスからすれば、シンがどう動こうとも得にしかならない、ある意味では理想的な布陣だった。
「追ったか、追撃に移るぞ!」
インパルスエクシードが動いたのを確認したサンドグラス1はすぐさま追撃には移り、インパルスを追う。


幾重もの光芒が去って行く中、それを見詰める影があった。
ミラージュコロイドを解除し、その艦影を僅かに見せる。
その艦影はミネルバ級に酷似しており、鋼色に見えた。
「隊長、色々と動きがあるようですが……?」
艦橋で司令官席に座る男に、傍らに居たザフトの黒服を着た男が話しかける
「一先ず様子を見よう……我々には情報が不足している」
「了解。 潜行し、追跡するぞ。 ミラージュコロイド展開。 微速前進」
ミネルバに酷似した艦影は黒服の男の声と共に闇へと消えた


「ったく、歯痒いな!」
後方からの射撃に、スラスターを小まめに吹かし、機体を左右に振りながら狙いをずらす。
『接敵まで90秒…・…ところで何か手は考えているのだろうな、ドライバー?』
モニターに相対位置とカウントを表示し、RBはシンへと問い掛ける。
「先行してる奴等を追い抜いて、反転、ケルベロスで一網打尽だ」
『緻密かつ繊細だったり、大味でアバウトだったりと良く分からん男だな』
自信満々に拳を握り締めるシンに呆れ気味にRBは呟く。
「……さて、そろそろか」
サンドグラス1の言葉を合図としたかのように、先行していたナイトジャスティス二機が反転、必然的に挟み打ちの形になった。
『やはりそう来るか』
先行した部隊の反転を確認した、後方からの射撃の密度が上がる。
反転したナイトジャスティスもまたインパルスエクシードへ銃口を向ける。
「ですよねー! って笑い事じゃないんだけどな」
同士討ちを避けるためか、僅かに射線のずらした射撃に横方向へとスラスターを吹かし回避。
「その動きは読んでいるぞ」
「この連撃……避けられるか!」
インパルスが跳んだその先に待ち受けていたのは二機のナイトジャスティス。
おそらくは、後続部隊から先行させ、待ち構えていたのだろう。
二機のジャスティスは左右からは挟み込むように右のナイトジャスティスは連結形態のサーベルを、左のナイトジャスティスは脚部に仕込まれたグリフォンでインパルスエクシードへと襲い掛かる。
「RB、出力をカタールとライトニングエッジに回せ!!」
左から迫るジャスティスに右踵部ライトニングエッジのビームソードでグリフォンを受け止め、逆足のライトニングエッジを蹴り上げる様に投擲。
右のジャスティスのビームサーベルをカタールで連結サーベルをいなし、無理矢理上体を捻り胸部機関砲の射線を確保するとCIWSと共に連射した。
数発に一発混ぜられた曳光弾とライトニングエッジが光跡を描き、二機のジャスティスを襲う。
「この程度、金で動く薄汚い傭兵が舐めるな! 志ある我らに勝てるか!」
左のジャスティスは正面から来るライトニングエッジに正面のバックスラスターを吹かし、後方へと飛び退いた。
尚も追尾するライトニングエッジにパッセルを投げ迎撃。
127MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:05:15 ID:???
「志の為に戦うのが、殺すのがっ……そんなに偉いのかよ! 
 所詮、どこまで行っても人殺しだ。 俺も、あんた達もッ!」
迎撃されたライトニングエッジをその場で受け止め、感情を込め、吐き捨てるようにシンは叫ぶ。
「権力の犬が何を吠える!」
機関砲を難なく避けた右のナイトジャスティスのパイロットが叫び返す。
「わん! と吠えれば満足するなら幾らでも吠えてやる!」
『そんな事じゃ、満足出来ねぇぜ……』
「……一寸黙ってろ」
「貴様っ! ふざけるな!」
シンとRBの軽口に激昂したサンドグラス4番機が再び突っ込む。
「そう熱くなるなよ」
背筋が凍り付く様な冷たい声でシンは言った。
振り下ろされたサーベルを冷静にビームカタールで受け流すとカウンター気味に胸部機関砲を打ち込む。
ナイトジャスティスに撃ち放たれた徹甲弾はPS装甲に弾かれた。
「だが、折り込み済みだ」
頭部のCIWSがジャスティスのカメラアイを打ち抜き、一瞬ジャスティスの動きが止まる。
「デュランダルの懐刀でありながら魂までラクス・クラインに売り渡した飼い犬め!」
罵り声を上げたジャスティスに牽制射撃を加えるとカタールを振り上げ片腕、フォトゥムを切り落とす。
片腕とフォトゥムを失い、バランスを崩しがら空きになったコックピットへ右膝を叩き込む。
刹那、瞬間的に音速を超える速度で射出された特殊合金製の杭がPS装甲を打ち抜き、胸部に大穴を開けた。
糸が切れた操り人形のように四肢から力の抜けたジャスティス。
「もう聞いてないだろうが、言っておく。 犬呼ばわりは構わない。 けどな、首輪をつけられた覚えはない……それと」
『シン・アスカは反体制派の英雄ではないし、魂を誰かに売り渡した事はない。 地獄に行っても忘れるな』
啖呵を切ったシンの言葉を継ぎ、RBは言った。
「……ったく、人が言いたかった事全部言っちまいやがって」
『ふ、何か文句でも?』
「ま、良いさ。 ……先ずは目の前を片付けるぞ!」
『了解だ、ドライバー!』
愉快そうに、人間であれば鼻を鳴らしたであろうRBに、シンは口元を緩め微笑んだ
「シィィィィィィン・アスカァァァァッァァ!」
瞬時に反転したインパルスエクシードは激昂し、切り掛かるナイトジャスティスに先ほど撃破したナイトジャスティスの残骸を蹴り込む。
「うおっ!」
思わず受けて止めててしまったナイトジャスティスに、シンは距離を一気に詰めた
「RB、レールガン弾種変更。 対PS装甲二重弾頭成型炸薬弾。 何度でも言ってやる、遅い!」
ケルベロスIIでリフター推進部を狙い撃ち、がら空きになった背部にレールガンを叩き込んだ。
音速を超える速度で放たれた弾丸はPS装甲に若干のダメージと過負荷を与えたに過ぎない。
だが、それは砲弾の先端にすぎず、砕け散ったがその役目は果たした。
中身の整形炸薬弾は残された推進力でナイトジャスティスの装甲へと到着し、過負荷によりダウンしかかったPS装甲は、メタルジェットにより穿孔され、内部に高温の燃焼ガスをぶちまけた。
それはパイロットに致命的な一撃を与え、サンドグラス3は最後の役目を果たすべく、最後の力で通信機のスイッチを入れた。
128MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:07:13 ID:???

「隊長、、後は……」
「サンドグラス4、7……貴様らの献身は無駄にはせん。 沈め、シン・アスカ!」
サンドグラス1は部下の末期の言葉に僅かに眉を吊り上げると、連結ライフルでインパルスエクシードの両肩のジョイントを正確に撃ち抜いた。
『両肩部ジョイント破損、両腕は使い物にならん! パージするぞ』
RBの言葉と共にインパルスエクシードの両腕が切り離された。
「ちっ! 予備パーツをよこせ! クロスフォースシルエットに換装する。 RB、誘導頼む!」
切り離された両腕に苦い過去を思い出し、シンはRBに指示を出し、機体を後退させる。
『今、射出した。 10秒だけ耐えろ』
「了ー解、長い10秒になりそうだ」
シグナルを受け取ったステルス状態のドラグーンフライヤーはインパルスへとミラージュコロイドで覆われた不可視のパーツを射出する。
「この機を逃がすな! 全機一斉攻撃!」
シンの後退を撤退し始めたのと見たのか、逃がすまいとサンドグラス隊残存4機がインパルスエクシードへと襲い掛かった。
「コイツはインパルスだ! デスティニーと一緒にするなよ!」
シンは両足のライトニングエッジを投擲しながら、切り離した腕へ胸部機関砲を撃つ。
「小癪なっ!」
仕込まれた自爆用火薬と弾薬に着火した腕部が爆発し、サンドグラス隊の目を眩ます。
『腕部、シルエット到着までのカウント3・2・1・エンコード!』
到着までの過程でコロイド粒子の剥がれ落ちた両腕部とクロスフォースシルエットが引き寄せられる様にインパルスエクシードへと接続される。
『両腕部、シルエットの接続を確認。 調整を開始する』
「インパルスなら、こういう戦い方が出来る!」
ライトニングエッジを回収したシンは手持ちのロングライフルで反撃を開始する。
「何っ!? そうか、ステルス状態のキャリアにシルエットを……!」
「これはまさか、リジェネイトと同じ……」
「や、奴は不死身なのか!?」
驚愕しながらも、各々違った反応を見せるサンドグラス隊。
「サンドグラス2、港にいる部隊が出撃できるまで時間はどれくらいだ?」
サンドグラス1は傍らの僚機、ナイトジャスティスに乗った自身の副官へと問い掛ける。
「後五分も掛からないと思われます。 増援が来る頃になれば迎撃機も戻ってくるでしょう」
「……そうか。 ここまで、とはな。 始めてかも知れん……対等以上の相手は、こんなに楽しいのは」
副官の報告に頷いたサンドグラス1は誰にも聞えないよう呟くと口元を緩めた。
「はっ?」
サンドグラス2、サンドグラス隊副隊長はサンドグラス1の言葉に首を傾げる。
「サンドグラス1よりサンドグラス各機へ。 もう、ここまでで良い。 
 残存している者は次の決戦に備え撤退しろ。 教導MS中隊隊長として命令する。 
 教導中隊サンドグラス残存機は一時後退、包囲し、増援の到着を待て。 私は増援到着までの時間を稼ぐ」
「隊長!」
「止めるな。 私は死に場所を見つけた!」
(そう、これこそが、私の求めたモノだ!) 
サンドグラス1のフリーダムはその蒼い翼を広げインパルスエクシードへと一直線に向かった。
129MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:09:20 ID:???
『フリーダムが一機突撃してくる。 このパターン、隊長機か?』
「隊長機が? 迂闊すぎる」
デルタフリーダムの動きにシンは目を細め、ロングライフルとミサイルポッドで迎撃に移る。
「迂闊で結構。 この老いぼれの命と貴様の命が引き換えならば十分釣りが来る」
「こいつ……死兵か! RB、出し惜しみは無しだ。 全力で行く!」
鬼気迫るサンドグラス1の表情と声色にシンの表情が変わる。
装備された全火器で弾幕を張り、正面から撃ち合おうとした。 
だが、優位な砲撃戦にも拘らずデルタフリーダムは撃ち合いには応じなかった。
それどころか、そのまま減速する事無く弾幕へと突っ込む気配を見せる。
『馬鹿な、自殺でもするつもりか』
「ここだ、行けっ! ドラグーン!」
サンドグラス1は弾幕手前でドラグーンを射出、反動とバックスラスターで無理矢理急制動をかけた
弾幕の網目に引っかかったドラグーンが次々と爆発していく。
だが、運良く弾幕を潜り抜けた物もあった。
『3基抜けたぞ』
RBの警句にシンは機体を後退させながらライフルを連射する。
しかし、3基のドラグーンはビームが見えているかのように軽々と避けていく。
「何だ? 人が乗っているような動きを?」
シンは訝しげな表情を見せると動きを止めたデルタフリーダムへと牽制射撃を放った。

デルタフリーダムに搭載されたドラグーンは第二世代スーパードラグーンではなく第三世代の試作品だった。
ドラグーンの操作を簡略化した事は普及、量産化に成功したが、その分動きが大味になり、撃破され易くもなっていた。
精度と難度の両立と言う難題にザフト統合開発局が出した答えは、ドラグーンにオーブ製パイロット補助AIを改良した物を積むことだった。
ドラグーン自体にある程度の自己判断能力的を持たせる事とパイロットの操作を合わせる事で旧世紀のミサイルの目標認識システムを上回る柔軟性を得る事に成功した。
又、AIの反応と直結した動作は人の反応速度を遥かに上回った。

『おそらくはAI搭載型の新型ドラグーンだ』
「動きに妙な癖が合ってやりにくいな。 ……何か良い手ないか?」
データをディスプレイの片隅に表示したRBに、シンは眉を歪め問い掛ける。
『残念ながら現在アーモリー1で対策を立てている途中だ。  
 だが、小回りと反応速度で勝っているとは言え所詮は小型の機動砲台。 
 速度の自由度なら此方が上だ。 ま、予測位置くらいは出せるから、後は気合と根性で頑張れ』
「何だそりゃ? まぁ、いいや取り合えず予測頼む」
呆れ半分、怒り半分と言った表情でシンは溜め息混じりに言うと操縦桿を傾けた。
その動きに連動してインパルスエクシードが上体を捻り、上方からのドラグーンのビームを避けた。
同時に側転し、ライトニングエッジを投擲するも難なく回避される。
『警告。 7カウント後に左右から来るぞ』
「どこから来るか、分かっていればさ!」
左に旋回するとレールガンで片側のドラグーンを撃ち落し、残った側から撃たれたビームを右腕のビームカタールで防ぐ。
「これで二基」
そのまま右手に持ったライフルで撃ち落し、周囲を見渡す。
『正面、ロックされた!』
「間に合うか!?」
シンはコックピットに響くアラームにすぐさま機体を上昇させる。
ビームが爪先を掠め、コックピットの衝撃が走る。
130MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:11:12 ID:???
『これで終わりか?』
「いや、まだ……上だっ!」
最後のドラグーンを落としたシンは、上方からのサーベルをビームカタールで受け止める。
「ほう、今のを防ぐか?」
サンドグラス1はシンの手練に感心しながらも、攻めの手は緩めはしない。
すぐさま距離を取ると腹部のカリドゥス複相ビーム砲を放つ。
「くっ……」
とっさに掲げたビームカタールで防ぐ、シン。
ビーム同士の衝突で、シンの視界が閃光に覆われ、インパルスエクシードはデルタフリーダムから更に距離をとる。
「やり方がセコいぜ、隊長さんよ」
「君もな」
皮肉めいた口調のシンに、サンドグラス1もまた皮肉で返す。
デルタフリーダムは後ろを振り返りもせず、後方から回り込むように右足から放たれたライトニングエッジをサーベルで叩き落とす。
(小細工は増やして誤魔化してはいるが、明らかに動きが先程と違う……一騎打ちに弱いという情報は本当のようだな)
「ならば、攻めの一手だ」
口元に笑みを浮かべると、サンドグラス1はデルタフリーダムの腰からライフルを引き抜く。
『ドライバー、来るぞ』
「分かってる。 わかってはいるが、どーもタイマンは苦手だ」
RBの警告に頷きながらも、シンの表情は暗い。
『そんな事を言ってる場合か。やらなければ、殺られるだけだぞ』
「分かってるよ、そんな事は」
RBの言葉を聞いて不機嫌そうに鼻を鳴らしたシンは、インパルスエクシードに真横にステップを踏ませ、レールガンを放つ。
「どうした、シン・アスカ? 貴様の力はそんな物か。 今更、出し惜しみはするな。
 ヤキン・ドゥーエのフリーダムをも撃破したという力を、SEEDの力を見せてみろ!」
デルタフリーダムはレールガンを軽々と避けると、ライフルを連結しカウンター気味に撃ち込む。
「見せろと言われて、素直に手の内を見せる奴がいるか!」
全身のスラスターをフルに使い、ビームを回避すると、デルタフリーダムの後ろへと回り込む。
ロングライフルで牽制射撃を加え、機動を制限すると、ビームカタールで斬り込んだ。
「そうだ、この感覚だ! 血が沸き、肉が踊り、魂が震える!」
デルタフリーダムは連結ライフルから支えていた左手を離すと逆手でサーベルを抜きカタールを受け止める。
「なんだと!?」
デルタフリーダムの背中を蹴り飛ばしサーベルの射程から離れると、ロングライフルを連射。
「貴様も分かるだろう! 貴様もこの愉悦の為に戦いの中に身を置いているのではないか?」
連結ライフルを腰にマウントすると右手でもサーベルを握り、二本のサーベルで次々にビームを切り払った。
「違う。 アンタと一緒にするな」
(近距離でサーベル、中距離ではレールガンとライフル、遠距離ではカリドゥスと連結ライフル。 シンプルな戦法と技量の高いパイロットの組み合わせがこんなに厄介だとは)
『シンプルだが、それ故に強いな』
「ああ、付け入る隙がない」
RBと会話を交わし、今一度ライニングエッジを投擲し、苦し紛れにベルゼルガを放つ。
「当たらんよ、そんな物は! それに完全に違うといえるのか? 戦いの中で高揚を味わった事が、強敵との戦いで、心が喜びに打ち震えた事が無かったと言い切れるか?」
サンドグラス1はライフルでライトニングエッジを撃ち落し、ベルゼルガを難なく避けると、シンへと疑問を投げ掛ける。
「もう良い、黙れ!」
残った二本のライトニングエッジを投擲し、ロングレンジライフルでコックピットを狙い撃った。
「っ! ……やはりやる。 搦め手は効かんか」
ライフルで乱射しライトニングエッジを撃ち落すと、ビームを左手で直撃を防いだ。
使えなくなった左腕を、右手で抜いたサーベルで肩から切り落とす。
「良い性格してるぜ……腕もな」
デルタフリーダムとの距離を推し量りながら、シンは素直に感嘆する。
131MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:12:31 ID:???
「お褒めに預かり光栄だ。 ……さて、御喋りは此処までだ。 そろそろケリをつけようじゃないか」
デルタフリーダムはライフルを投げ捨てると、右手のサーベルを正眼に構える。
「それは良いな。 あんたの顔も見飽きたとこだ」
シンもまたライフルを腰後部にマウントすると、両腕のカタールを展開した。
『斬り合いに応じるのか?』
「このまま行っても手詰まりだ、なら一気に決めたほうが良い」
RBの疑問に答え、シンンは操縦桿を握り直し、唾を飲み込む。

何が合図だったか、それは当人達にしか分からなかった。
もしかしたら、合図など存在しなかったのかもしれない。
だが、対峙している者のみが感じる何かを切っ掛けに、二機の鉄騎はどちらからともなく動き、激突した。

あれほど長い間互角の勝負を演じてきた二機の幕切れは一瞬だった。
先手を取ったインパルスエクシードの左腕のビームカタールがデルタフリーダムの頭部を切り落とした瞬間、腹部のカリドゥス複相ビーム砲がインパルスの左上半身を吹き飛ばした。
残った右腕のカタールがデルタの右腕ごと胸部を引き裂き、トドメと言わんばかりにクロスフォースへと懸吊されたマイクロミサイルと胸部機関砲を叩き込んだ。

「……勝った、のか」
シンはデルタフリーダムの原子炉が機能を停止し、灰色のディアクティブモードへと変わっていくのを見ながら搾り出すように呟く。
「ミネルバの鬼神。 やはり伊達では、なかったか。 寒い。 ……ははは、そうだ。 私はこれを、望、んでぃ……」
耳を澄まさなければ聞えないような擦れた声でサンドグラス1は一人、誰に言うでもなく口を開く。
通信機のスイッチが入り放しになっている事にさえ気付かず、これから死に行く者とは思えない程、満足そうに笑うと、通信は途絶えた。
「これが望み? これで、こんな最後で満足なのかよ……」
『敵性機体の活動停止を確認。 周囲にも動体反応はない。 此方の勝利だ』
サンドグラス1の最期の言葉に苦虫を噛み潰したかのように顔を顰めたシンに、RBは淡々と状況を報告する。
『了解。 ドライバーシン、気にするな。 私は気にしない』
「……はぁ、そうだな。 RB後退しよう」
暫く表情を硬直させていたシンは、RBの言葉に溜め息を付くとインパルスエクシードを合流地点へと向ける。、
『了解した。と言いたい所だが。 ドライバー、残念なお知らせだ』
「あー、聞かなくても大体分かるけど、一応聞いとく」
RBの相変わらず淡々とした声に、シンは半ば諦めたような諦観さえ感じさせる声で答える
『作戦タイムオーバーだ。 回収時刻を過ぎた。 これ以降は自力での帰還になる』
「残りの推進剤とバッテリー残量は?」
『バッテリーはドラグーンフライヤーの残存電力があるから大丈夫だが、推進剤はギリギリだな』
「まぁ、このままなら何とかなるか?」
シンの楽観的で気楽な発言はコックピットに響くアラームに遮られる。
132MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:15:33 ID:???
『……このままと言う様にはいかない様だ。 残念な知らせは続くな、MS部隊接近中。 本隊に向かっていた部隊が戻り、控えていた迎撃機出たようだ』
シンの表情が引き攣ったまま硬直し、RBが無常にも状況を告げる。
『前門の虎後門の狼と言う奴か』
「行くも地獄、退くも地獄か。 最っ高だよ! 一息付く間もないのか……涙出そうだ」
『嬉しくてか?』
「……馬鹿言うな」
ヤケクソ気味に大笑いするシンに、RBは皮肉めいた冗談を言い、シンは眉を顰める。
『敵機接近、交戦距離到達まで凡そ30秒といったところか。 しかも周囲は包囲されているときている』
「Собачье говно!」
『い、いきなりなんだ?』
最悪の状況に、思わず口をついた出たシンの罵り声に、RBは驚きの声を上げた。
『良いから取り合えず落ち着け、すぐに敵が来るぞ』
「結局、こうなる運命か……来るなら来い! 全てを破壊してやる!」
最早目視出来るほど近づいてきた無数の敵機に、シンは絶叫にも似た叫び声を上げた。

混乱の収束したアプリリウス1から出撃した追撃部隊は三中隊、45機。
大半はドワッジだったが、小隊隊長機にはターミナルのファクトリーにて極秘裏に増加生産されていたドライセンやデルタフリーダム、ナイトジャスティスが配備されていた。

「ヴァンピーア5よりヴァンピーア1、前方より、教導MS中隊サンドグラス隊が後退してきます」
「なんて奴だ、単機で教導中隊を壊滅させやがった……」
部下の報告に前方を見たドライセンのパイロット、ヴァンピーア1は四肢を欠損し、敗軍であるかのように遅々と後退して行くフリーダムやジャスティスの姿に思わず喉を鳴らした。
「隊長機、サンドグラス1のデルタフリーダムがいない。 撃破されたのか?」
追撃隊と入れ替わる様に、すれ違った教導部隊残存を横目に見ながらドワッジのパイロットの一人が感嘆と畏怖が入り混じった声で呟く。
「中隊潰し、フリーダム堕としの再来か」
「フリーダムは分かりますが、中隊潰し?」
ドライセンのパイロットがふと漏らした言葉に、ドワッジのパイロットが首を傾げる。
「シン・アスカは旧ミネルバ隊時代、ファントムペイン指揮下のウィンダム30機をほぼ単機で撃墜した。 そこから付いた2つ名だ」
「ふん、それがどうした?」
ヴァンピーア1の説明に、デルタフリーダムに乗った別の小隊長が口を挟む。
「ナチュラルの木偶人形……MSモドキをいくら落とした自慢にもならんさ」
コーディネイター至上主義のその男は鼻を鳴らし、ナチュラルへの侮蔑の言葉を吐いた。
「オーブ生まれの安物が30機落とせるなら……そうだな、俺なら……」
自分が如何に優れたコーディネイターであるか周囲に喧伝しようと口を開いた瞬間、デルタフリーダムは飛来したビームに貫かれ、胴部から真っ二つに裂けた。
「スコットォー!」
「全機、小隊単位で散開!」
その後も飛来し続けるビームに、各部隊長は小隊ごとに別れ、インパルスを目指す判断を下した。

破損したパーツを交換し、体勢を整えたインパルスエクシードは暗幕をマントのように纏うと身を隠しながら、遠距離からの狙撃を行っていた。
『一機撃破、デルタフリーダムだ』
「一機だけか?」
戦果をシンは残念そうに再確認する。
『そうだ。 だが、この距離で当てた上に撃破しただけでも大した物だぞ?』
「だが、数が違いすぎる。 接近する前に少しでも戦力を削らないと拙い」
RBの言葉に浮かない顔で頷くと、ロングライフルを狙撃モードから通常モードへと戻すと、すぐさま位置を変える。
幾重ものビームや弾丸が、先程までインパルスエクシードのいた場所を覆い隠す。
『大した量だな。 ぞっとするよ』
他人事の様な感想を述べるRB。
133MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 21:17:43 ID:???
「残りはどれ位か分かるか?」
『今の攻撃からの大雑把な推測だが、40は堅いと思うぞ』
「うへぇ、ドンだけしつこいんだよ……」
RBの推測を聞くとうんざりとした顔でシンは言った。
『それだけ恨みを買っているんだな』
「逆恨みされても、困るんだけどな!」
フットバーを蹴り飛ばし、スラスターで回避するとマイクロミサイルを放つ。
『マイクロミサイル残弾0。 胸部機関砲、レールガン残弾数少。  気を付けろ!』
「インパルスシステムでも流石に実弾までは補充できないからな。 帰ったら局長に陳情、だな」
口元に皮肉めいた笑みを浮かべ、シンはXFシルエットに懸吊したマイクロミサイルポッドをパージする。
『馬鹿言ってる暇はないぞ』
「わかってるよ!」
苦言を呈したRBに答え、インパルスエクシードは暗幕を翻した。

ステルス状態で姿を隠していた所属不明艦のブリッジでも動きがあった。
「隊長、アプリリウスの部隊が動き出しました」
ブリッジに三人目、赤服の男が足を踏み入れる。
「今更かい? いや、消耗した所を狙うのか」
司令官席に座る白服が眉を顰め、周辺宙域マップを広げる。
「Gタイプが一機残り足止めをしているようですが、状況は芳しくありませんね」
傍らに立った副官がインパルスエクシードの位置を指差す。
「美しくないな、僕のポリシーにも反する」
「確かに卑劣で外道じみた最低の行為だが、戦術的には正しい」
赤服の男の不愉快そうな発言に、副官がすかさず言い返す。
どうもこの二人は以前からの付き合いらしい。
「気に入らないのは、私も一緒だよ。 多数の暴力で一人を嬲るなど……まるで暴漢だ」
顔を顰めた白服、隊長は司令官席から立ち上がる。
「出られますか?」
「情報収集はどうするんです?」
正反対の反応を見せた赤服と副官の様子が妙におかしく白服の男は顔を綻ばせる。
「あのGタイプを助けて聞けば良いさ」
「相対しているのは正規のザフトですし、あのGタイプが味方では無い可能性も……」
「例え、本物のザフトだとしても、降伏勧告もせずに、相手を一方的に嬲るような事をするような連中を味方とは認めないよ」
黒服の副官の言葉を途中で遮ると、白服の男は歴然とした態度で言い放つ。
「君たちはどうするね?」
「「……貴方に従いますよ、隊長殿」」
白服の言葉に、思わず顔を見合わせた二人は揃って肩を竦めた。
134MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 22:00:52 ID:???
「戦闘開始してからどれ位経った?」
『出撃してから数時間。 襲撃してから凡そ一時間。 後退し始めて数十分と言った所か』
「もう、いい加減見逃してくれても良いんじゃないかな?」
『私に言うな、相手に言え。 何なら通信を繋いでやろうか?』
後退開始から数十分が過ぎ、インパルスエクシードは既に満身創痍の状態だった。
予備パーツを使い切り、シルエットは消耗し、弾も殆ど有りはしない。
左手首は吹き飛び、右肩はスラスターを潰され、左足は臑から先が溶解している。
飛び道具も、ライトニングエッジは右足に一本を残し、左足にベルゼルガ、手持ちのロングライフルとCIWSが少々残っている位だった。
『下方、250。 ドワッジが単騎』
「貰った……!? 弾が出ない!」
RBの警告に従い、機体を傾けたシンは、AMBACを駆使して後方に回り込み、トリガーを引いた。
だが、ロングライフルの銃口は僅かな光を放っただけでビームが出る事はなかった。
反射的に膝、ベルゼルガを叩き込み、撃破、難を逃れる。
『粒子加速機が焼き切れたか』
診断プログラムを奔らせ、システムチェックをしながらRBは言った。
結果、それはロングライフル内部の粒子加速器の欠損を見つけ、エラーを弾き出した。
「嘘だろ、オイ!」
頭を抱えながら、ライフルを投げ捨て、ビームカタールを展開する。
「なあ、今から逃げ出して逃げ切れると思うか?」
『十中八九無理だろうな。 だが、もう少し戦力を削り、本体を囮にコアスプレンダーで脱出すれば万が一の可能性はある』
ふとシンの漏らした弱気な問いに、RBは理路整然と答える。
「……やってみるか」
僅かに考え込んだシンはポツリと呟く。
『良いのか?』
「何もしないで死ぬよりも余程良い……知ってるか? 良い傭兵ってのは生き残った傭兵だけなんだぜ」
聞き返したRBに、シンはこの状況で笑みを見せた。
『お前がやると言うなら、私はそれに付き合うだけだ』
「頼むぜ、相棒。 さあ、もう一踏……ん? ミラージュコロイドディテレクターに反応?」
RBの言葉に気力を取り戻したシンが、気合を入れ直し再び戦いの場に向かおうとした時、コックピット内に警報が響く。
ミラージュコロイドの反応を探知したセンサーが大質量の物体の出現を告げる。
『……ちょっと待て、この質量にコロイドの粒子量。 戦艦クラスだ』
「ボギー1(ガティ・ルー)級じゃないだろうな」
モニターに表示されたデータにシンが身構えた時、それは現れた。

艦全体を黒鉄色に染め、艦艇部に姿勢制御用のウィングスラスターを携えたザフト艦
各部のシルエット、主に陽電子砲の搭載されていた脚の部分にこそ差異はあるものの、それは間違いなくミネルバ級だった。
「黒鉄色のミネルバ? アーテナー級か?」
見慣れたミネルバともミネルバIIとも違う艦形に、シンはジュール隊の母艦、青と銀で彩られたアーテナー級二番艦アーレスを思い出していた。
『データ照合……改ミネルバ級試製艦アラハバキ。 マティウスシティ駐屯艦隊旗艦だな』
「マティウスの部隊がなんでここに?」
シンの困惑など無視してアラハバキのカタパルトから次々に青灰色のMSが飛び出して行く。
それをMSと言って良いのか、シンは一瞬判断に迷った。
何故ならそのMSには頭部が存在しなかったのだ。
より正確に言うなら、胴体に頭部がめり込む様な形で一体化されていた。
通常のMSであれば首の付け根があるべき場所にモノアイ式のメインカメラをはじめとするセンサー類を設置していた。
腕部が三本爪のクローになり、その背にコンテナ状の兵装、そのずんぐりむっくりとした形状と合わせて、シンにグーンやゾノ水陸両用MSを思い起こさせた。
『ガッシャブレイカーか』
135MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 22:03:05 ID:???

水陸両用MSを設計した元クラーク設計局の技術者とグフクラッシャ設計チームの主導の下、マティウスシティで開発された次期主力量産機の試作型である。
ザフトの地上撤退に伴い職を失い掛けた水陸両用MS乗りとその設計者達がグフ設計チームと手を組み、そのノウハウと情熱、休業状態だった生産ライン全てを注ぎ込んで作り上げられた。
区別としては大出力重装甲高火力の対艦対大型MA用攻撃型MSと言える。
コストの高さや汎用性の低さからガルバルディとのコンベンションに敗れたものの、汎用型のガルバルディにはない大型MAとも単機で渡り合えるパワー、火力と重装甲。
現在ある操作性が近い為、水陸両用MSからの転向が容易である事、水陸両用MSの製造ラインを流用できる事が評価され、次期主力量量産機として採用されたガルバルディβの支援機として少数生産が決定していた。 
その背景には、ザフト海軍系派閥の強い後押しや一部の基地を除く地上撤退により、
行き場を失った水陸両用MS乗りたちの救済措置と地上にいくつか残っている基地防衛用に海戦用MSの製造ラインと技術の確保を行っておきたいと言う政治的事情も絡んでいるのだが、その性能が文句のつけようが無い物であった事は確かである。

「マティウス駐留艦隊アンリ・ユージェニーだ。 そこのGタイプ加勢させてもらうよ」
「味方? ありがたい!」
集結した12機のガッシャ、その隊長機からの通信にシンは歓喜の声を上げる。
『信用するのか?』
「もう、敵以外ならなんでも良い。 いざとなったら逃げればいいし」
『……やれやれ』
半ば投遣りなシンにRBは呆れたように呟いた。
「決闘を終え、傷付いた勝者に不意打ちとは……見過ごせないな!」
両肩を金色に染めたガッシャが先行して敵部隊に向かう。
「ルドルフ、あまり前に出過ぎないでくれよ」
「美しくない! 美しくないぞ!」
アンリの言葉に耳も貸さず両肩が金のガッシャを駆るルドルフは手近なドワッジへ突撃する。
両肩の兵装コンテナから拡散ビーム砲を展開、迂闊に近づいた機体を蜂の巣にしていく。
「はははっ! どうした? この“麗雄”ルドルフ・ヴィトゲンシュタインに傷一つでもつけられる奴はいないのか!?」
(どうでもいいが、あの肩すげぇ色だな……)
獅子奮迅の活躍を見せるルドルフ機を見ながら、その肩の金色に目を取られていたシン。
「アレック、ルドルフは何とかならないかい?」
ルドルフの様子を横目に見ながら、アンリは兵装コンテナのミサイルランチャーを撃つ。
「アイツは放って置きましょう、良い囮になります。 ガッシャの装甲なら早々やられません。 その方が精神衛生上良いです」
アレック・ラッドはルドルフ機を白い目で見ると背負ったハンマーランチャーを装着し、ドライセンへとハンマーを叩き付ける。
「……あの機体、なんだか親近感が沸くな」
『それはお前だけだ』
ガッシャのハンマーに目を輝かせるシンにRBの冷静な指摘が入る。

「ガッシャブレイカー……。 マティウス3のアンリ・ユージェニーか!」
ガッシャを見たドライセンのパイロット、ヴァンピーア1が苦々しく叫ぶ。
「シン・アスカに受けた被害もバカにならんぞ」
ナイトジャスティスに乗った別の部隊長がヴァンピーア1へ通信を繋いだ。
「だが、撤退は許されん。 上とターミナルがそれを許さんだろう」
「戦場に出た事も無いターミナルの連中は口だけは巧いからな……後退信号か」
飛来してきたミサイルを撃ち落しながら二人は接触回線のみで話し合う。
「良いタイミングだ。 全機撤退するぞ!」
全火器を乱射し、目晦ましをすると、追撃部隊が後退して行く。
136MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/08/19(木) 22:04:22 ID:???


『敵が後退して行くな』
「はぁ……疲れた」
周囲に敵反応がないと分かると、シンは体重をシートに預けた。
「ふははっは! 僕に適わぬと知って恐れをなして逃げ出したか!」
「ルドルフ、周囲の警戒に行くぞ」
テンション高めなルドルフ機を引き摺る様にアレック機が移動すると、何機かのガッシャが分散する。
「Gタイプのパイロットの人、聞こえますか?」
そんな様子を見ていたシンに通信が入る。
「あ、はい。 聞こえてます」
「通信で聞えたかもしれませんが、私はザフト、マティウスシティ駐留艦隊に所属しているアンリ・ユージェニーと言います。
 君が何者かは知りませんが、見た所色々と事情がある様子。 
 助けた恩を返せと言う訳ではありませんが、兎に角詳しい話をする為にも取り合えず我々の母艦まで来ていただけませんか?」
「了解しました。 そちらに従います」
ザフトの隊長クラス、と言うよりもコーディネイターにしては珍しい非常に温和な口調と丁寧な態度に、シンは素直に従う事にした。
アンリ・ユージェニーの名には聞き覚えもあった事も大きい。
「ああ、すみません。 何か飲み物があれば嬉しいんですが」
「用意させて置きましょう」
冗談めかしたシンの言葉に、アンリ・ユージェニーは優しげな笑みを浮かべた。



以上です。
ご感想、ご批判等何か有りましたらよろしくお願いします。
137通常の名無しさんの3倍:2010/08/19(木) 22:05:28 ID:???
>>135
金のガッシャとなw
138通常の名無しさんの3倍:2010/08/19(木) 22:33:37 ID:umwCp5oo
ヒーハー!MOR氏投下乙です!

シン頑張り過ぎ&RBナイスツッコミw
ラストには、また面白そうな面々も出て来たし、次回が楽しみですわ〜
しかし、ガッシャとはまた渋いチョイスだw
139通常の名無しさんの3倍:2010/08/19(木) 22:35:26 ID:???
sage忘れてもうたorz

てか、PCの書き込み解除マダ〜?
140通常の名無しさんの3倍:2010/08/20(金) 01:54:16 ID:???
乙です
141通常の名無しさんの3倍:2010/08/20(金) 19:30:44 ID:???
ガッシャがガッシャガッシャ歩く
142通常の名無しさんの3倍:2010/08/20(金) 19:34:11 ID:???
満足しようぜ!
143通常の名無しさんの3倍:2010/08/21(土) 17:55:39 ID:???
>>132
シンのセリフ,仮面ライダーディケイドの主人公のセリフかよwww
144通常の名無しさんの3倍:2010/08/22(日) 13:11:47 ID:???
金色のガッシャとな

得意なのは電撃と出版社との喧嘩
145通常の名無しさんの3倍:2010/08/28(土) 19:21:56 ID:???
保守
146通常の名無しさんの3倍:2010/08/30(月) 13:06:48 ID:???
19氏の「とある害虫駆除業者〜」の元ネタの一つでもあった
仮面ライダーWが終わってしまったが、新番組オーズでも
「その日の1日分の食料と小銭、パンツがあれば生きていけて、
 職無し宿無し文無し趣味も無し、およそ私欲というものに縁が無いが
 なぜか人助けには真剣にこだわる、どうやら何か悲しい過去が…?」
という、なんだかこのスレでありがちなシン像に近い主人公らしい。
またやけにシンクロ率の高いSSに期待したいとこだけど、規制がなあ…
147通常の名無しさんの3倍:2010/09/03(金) 20:12:31 ID:???
何か最近静かだな。
規制ラッシュか?
148通常の名無しさんの3倍:2010/09/04(土) 23:30:31 ID:6DiEhXpH
規制化どうかテスト
149通常の名無しさんの3倍:2010/09/05(日) 01:48:06 ID:???
>>147
夏前の選挙辺りからズっと規制続きだね。
ここ2ヶ月の間、投下は小ネタ除けばGSC氏とMOR氏くらいか
他の書き手さん達も戻ってきて欲しいなぁ
150通常の名無しさんの3倍:2010/09/06(月) 17:04:18 ID:???
規制は未だに続いてるのか……
151通常の名無しさんの3倍:2010/09/12(日) 19:48:15 ID:???
保守
152通常の名無しさんの3倍:2010/09/16(木) 15:41:59 ID:???
テステス
153通常の名無しさんの3倍:2010/09/16(木) 15:51:55 ID:???
お、書き込めた
>>146
オーズの主人公はウルトラマンネクサスの姫矢にも似てるな
つか回想シーンがほぼ一緒だった
154通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 16:35:57 ID:scIivOs9
age
155通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 21:24:45 ID:???
テスト
156通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 21:26:37 ID:???
お、規制解除キタ!
157通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 23:06:56 ID:e2uu/axB
テスト
158通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 23:09:57 ID:???
試してみるか!
書き込めたら小ネタ書く
159通常の名無しさんの3倍:2010/09/24(金) 23:53:48 ID:???
ホントデスカ?
160158:2010/09/25(土) 00:07:59 ID:???
では小ネタというか、嘘予告のような物を投下します。


────────────それは一つの可能性。
「がああああぁぁぁ!!」
荒涼たる灼熱の荒野で男が声にならない叫びを上げる。
二人を守るためか覆い被さる様にその身を横たえる紅の騎士の下、愛する女性を腕に抱え、仲間の遺骸に囲まれ、自身は炎に焼かれる。
恋人だったモノを優しく地面に横たえ、遥か天空の機体を睨む。
白と青と金の悪魔が空を駆ける。
ガリッ!
己の爪で顔を、喉をかき毟り、拳を地面へと叩きつけた。

また……またお前は俺から全てを奪うのか……。
父を、母を、妹を、恩師を、親友を、愛した人を、安息の場所を、全てを! 全てを!
ならいいさ……今度は俺の番だ。
今度は、俺が貴様の全てを奪ってやる。
俺にしたように、父に、母に、マユに、議長に、艦長に、レイに、ヴィーノに、ヨウランに、アスランに、ステラに、ルナにしたように……
天に輝く星でいられるのも今の内だ。
貴様が天に輝く星だと言うなら、俺が全ての星を叩き落としてやる!
「今日と言う日を忘れるな、俺を殺し損なった事を後悔させてやる。 忘れるな、フリーダム。 キラ・ヤマト!」
161158:2010/09/25(土) 00:09:03 ID:???

CE74年
全てを失い、名を、声を、顔を失った男は……
英雄となりえた、世界の守護者となりえた、救世主となりえた、最強の傭兵となりえた資質を持った男は……
復讐の為だけに生きる獣へと成り果てた。


コズミックイラのそらに未だ夜明けは見えない。


機動戦士ガンダムSEED 逆襲のシン
復讐者の記憶

「珍しいですね。 こんな辺鄙な所に人が尋ねてくるなんて」
「マダムに御用ですか? え、私にも? はい、確かに私はアビー・ウィンザーですが」

「あの男の事を聞きたいの? ええ、構わないわ。
 そう、あの男は同志であり、歳の離れた友人であり、復讐者だった……そして最後の瞬間まで一人の人間だったわ」
 
「ジェス・リブルさんだったかしら? 全てを話す代わりにお願いがあります。
 『赤目の復讐者』シン・アスカの真実を世界に伝えて欲しいの。
 ……必要なら私の名を、アイリーン・カナーバの名前を使っても構わないから」

俺の名はジェス・リブル。 フリージャーナリストだ。
俺は今『赤眼の復讐者』を追っている。……いや、追っていた。というべきか。
彼を追う内、私は彼をよく知る人間をあのベルリンで見つけた。
これは世界を震撼させたテロリスト『赤眼の復讐者』の真実を追った私の取材結果の全てである。

「悪魔に魂を売る覚悟はあるか。 だって? ……残念だが、この体は既に売約済みだ。 その悪魔って奴にな」
「ならば話は早い。 貴様の覚悟とその最後、見届けさせてもらおう」

以上です。 思いつきなんで続きは勘弁な!
162通常の名無しさんの3倍:2010/09/25(土) 00:58:35 ID:???
乙!
何か色々と続きが気になるじゃないか……
163通常の名無しさんの3倍:2010/09/25(土) 01:06:56 ID:???
おもしろい乙です
164通常の名無しさんの3倍:2010/09/25(土) 01:57:37 ID:???
他の面々はわかるとしてもだ、アスランまでも
「仇を討ってやるぞ」という犠牲者リストに加わるとか
一体どういう非道をやらかしたんだこの場合のキラ(とラクス)…
ゆっくりでいいですからぜひ続きを。
165通常の名無しさんの3倍:2010/09/25(土) 09:56:42 ID:???
まあよく考えたら、機体バラバラにした時とかさ
いくら敵とはいえ普通は以前に共に戦った仲間相手にそこまでしないよなぁ…

というか『ここまでやったら死ぬかもしれない』とかキラは考えてなかったのだろうか?
可能性としては
@凸だから大丈夫だろwとか考えてた(流石に凸が不憫ではある)
A頭に血が昇ってたんでそこまで考えてなかった(とはいえその事を後悔したような描写はなかったし)
Bとにかく敵とみなした相手には問答無用でそれが知り合いでも『正義の為だから仕方ないよね』
  で自分の都合の良いように受け止める精神構造になっちゃってる(この辺が妥当かなぁ)
166通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 06:33:28 ID:???
>>165
BでFAだろうな。ラクスが悲しまないダルマ量産、超クール!て感じで
167通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 09:20:28 ID:???
不殺=相手は無傷で100%帰還できる、とか考えてるんじゃ?
戦い止めたんだからみんな感謝するはずとかも
168通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 09:35:25 ID:???
アスランが宇宙にずっと放置されてて、やっと見つけたらすでに死んでいた
なんてこともあるのか
169通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 10:48:40 ID:???
>>168
アスランはスーパースターマン並みの耐久性、再生力だから死なないだろう
ブラックホールに吸い込まれようが、天体ぶつけられようが生きてそうな気がする
170通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 10:56:46 ID:???
運命のコアの耐久性もほめてください
171通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 11:39:39 ID:???
運命にほめる所があるのか?
どっかダメージ食らえばパイロットにも確実にダメージ行くし
機体武器共にいつ機能停止するかわからないのに
172通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 11:48:02 ID:???
好みとか抜きで言ったら単純な性能やらは褒めるところはほとんどないんだよな
カタログスペックは高いんだろうけど・・・みたいな機体だし
173通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 14:26:10 ID:???
携帯の規制は解除されたが…PCがどうしても解除されない。
いや他の板のはだんだん解除されて旧シャアでも書けるようになったのに
(自分が立ち寄る範囲ではだが)新シャアだけがしぶとく規制のまんまだという…
何の怨みか陰謀かとか愚痴りたくもなる、どうなってやがんだorz
174通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 21:51:29 ID:???
>>173
それは、花園規制って奴の仕業なんだ。
花園規制ってのは「専門板」と「それ以外の板(花園)」にわけて、花園だけ規制っていう規制の事で、シンシャアも花園に入ってるんだよ
175通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 22:01:36 ID:???
なんとなくだけど、

中国へのヘタレ対応見てると今の日本の民主党政権って、サハク家に乗っ取られたオーブみたいだな
176通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 22:37:05 ID:???
サハクの政治はようわからんからなんとも言えない
新しいゲームの発売日いつかなぁとしか
177通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 23:26:44 ID:???
>>171
しかも結局はワンオフ機でなくエース用の高級量産機という後付けが…
まあそのせいでキラが超ワンオフ機に乗っといて先行量産機にやられかけた雑魚ということも出たがw
178通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 23:34:08 ID:???
>>177
ま た 後 付 け か 
にしても、キラさんってば後付の度に酷い事になっていくなぁw

運命はアロンダイトが主武装でなけりゃもう少しなぁ
インパの技術があんだからオプションで使い分けりゃ良いだろうに
179通常の名無しさんの3倍:2010/09/26(日) 23:43:22 ID:???
核エンジンにしたせいで分離はできなくなったけど出力はめっさ向上してるよ!
基本性能でも優秀だけど各シルエットへの換装もできるから相対的に格段にパワーアップだよ!

ド素人でも普通こう考えるよな
180通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 00:04:50 ID:???
>>178>>179
そもそも運命開発計画の発端が、
1.シン以外のパイロットがインパルスシステムに対応できない。
2.扱いきれないならいっそ一纏めにしちゃえって統合兵装のデスティニーシルエットを開発。
3.インパルスじゃ出力もパワーソースも足りねぇ……でも装備自体は優秀だから手を加えて核乗せて新型作って、そいつに乗せるか。
4.運命完成……あれ? やっぱり扱いにくくね?
って流れだからなぁ。 
新型ならもっとインパルスのコンセプト突き詰めて、ヴィクトリーみたいにシルエットや四肢は消耗品と割り切ってリジェネイト寄りにすれば良かったんじゃなかろうか。
武装潰されようが、腕脚潰されようが構わずに突っ込んできて何時の間にか腕やら武装やらを装備してるMSって怖くね?……ロボアニメの主人公の戦い方ではないがw

>>179
181通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 00:51:36 ID:???
>>180
腕とか潰されようが構わず突っ込んで…って、それ自由倒したときのシンそのものじゃね?w

せめてアロンダイトで盾破壊できるか、あるいは盾にできるくらいの耐久度があればなぁ…
あれなら普通に長くて高出力なビームサーベル(極端に言えばデンドロみたいな奴)を持ったほうがよかったんじゃないかと
182通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 02:45:21 ID:???
いっそのことヘカトンケイルシステムでも導入して腕6本足27本のインパルスなんてどうだい?
183通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 18:22:47 ID:???
>>180
技術開発における積み重ねが本当にないよな。
試行錯誤というよりパクリとかいきあたりばったりというしかない。

インパルスのシルエットシステムも百式のメガバズーカランチャーや
スパロボのヒュッケバイン>ブラックホールキャノンみたいに武器運搬用の
ウエポンキャリアーとしてミネルバ運用の機体に適応するとか(一応エクスカリバーをレジェンドに渡したけど)
AOZのヘイズルみたいにインパルスが段階的に強化されていくかすれば面白かったのに。
184通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 19:51:07 ID:???
@pumptom 和解するといいですよね。でも、かがりはきっと許してると思います。シンの言うことには一理ありましたと。
http://twitter.com/s_strikefreedom/status/25592788655

福田のツイッターより
185通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 20:26:54 ID:???
>>183
話数が根本的に足りんし、バンダイの許可が出るとも思えんが……
それ以前に、そんな脚本書く能力無いだろ
186通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 21:53:09 ID:???
運命ってそんなに駄目な機体か?頭の悪い機体なのは確かだけど、その頭の悪さが何か好きなんだけど
187通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:08:52 ID:???
散々言われてることだけど、大剣も大砲も1対1のMS戦に使うようなものじゃなかっただけのこと。
188通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:25:24 ID:???
まだ運命シルエットみたいに通常サイズの対艦刀とビーム砲それぞれ二個ずつだったらよかったんだよ
特にこれのビーム砲は手で構えなくていいから手を失っていても撃てるし
189通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:38:34 ID:???
>>184
dogezaしているカガリの頭をおもいっきり踏んづけてグリグリしまくった末
「あの世で俺の家族(以下略)に詫び続けろぉ! カガリ・ユラ・アスハァァァァァ!!」
と、ナイフぶっ刺すシンの姿がちらつく…
190通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:38:42 ID:???
Xは手で構える→両肩に固定だったのにな。
それともあれか?
手で構えるから射程範囲広いよ!!
ってことか?
191通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 22:59:24 ID:???
>>186
その頭の悪さが通用する世界観では無いのが問題なのよねぇ
00とかの何かしら不思議パワーがあるとか、そんなの関係ねぇ!なGとかなら有りだけどさ

高機動がウリの機体にデッドウェイトな大物武器を持たせるとか愚の骨頂
……まぁ、そこが浪漫なんだがなw
192通常の名無しさんの3倍:2010/09/27(月) 23:03:15 ID:???
一応通常のサーベル(ブーメラン)にライフル、パルマで近接戦闘も出来るはずなんだがなぁ…
どこぞの嫁さんがフラッシュエッジ使わせてくれないから
サーベルをパルマで受け止めようとするから
サーベル脚にキックしかけたりするから

>>189
それ死亡フラグですから!
193通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 08:22:40 ID:???
ACERだな、それ
フラッシュエッジが通常格闘だった
アロンダイトの隙のでかさはヤバかった
194通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 08:24:53 ID:???
中途半端に不思議世界だからな、種って。
運命って何かアストレイででるはずが間違えて本編に出てきたみたいな機体だし
いやああいうの好きなんだけど
195通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 09:44:52 ID:???
>>184
何故カガリに許されなきゃならんのだ
立場が逆だろうが!
196通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 10:49:07 ID:???
カーペンタリア技術陣「フラッシュエイジが人気だから、黄悪魔ボディーに頭部に沢山フラッシュエイジ付けてみよう」
197通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 16:11:40 ID:???
>>195
やたら譲歩して国家元首殴った事
198通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 22:51:32 ID:???
暇だからSS書いたけどGSC氏のとモロ被りしちまった。それでも投下していいならチェックを終えてから投下してみたい
199通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 22:55:00 ID:???
神は言っている。今は投下するべきだと
200通常の名無しさんの3倍:2010/09/28(火) 23:28:41 ID:???
乾いた大地にはよく水が染みる
201通常の名無しさんの3倍:2010/09/29(水) 01:47:20 ID:???
シンシャダイ

議長「そんなデスティニーで大丈夫かね?」

シン「大丈夫です、問題ありません」

出撃

ストフリにボコられる

背後とり射撃しようとするもENダウン

ストフリフルバ

神は言っている。ここで死ぬべきではないと
202通常の名無しさんの3倍:2010/09/29(水) 17:06:33 ID:???
>>195
シンが許す必要はない
むしろマンパワー(>>189)で赤と白の絨毯を作って…
203198:2010/09/29(水) 22:46:53 ID:???
チェックついでに補足やら何やらしてたらえらく長くなってしまった。なので二、三回に分けて投下します
>>199
こんなSSで大丈夫か?

この感覚が「S.E.E.D」と呼ばれるものであることは、二度の大戦を経た後にマルキオ導師から聞いた。ただ、自分は他のS.E.E.D因子保有者と違って、自分の好きなタイミングでS.E.E.Dの発動ができることができた。しかし、その理由を深く考えたことはなかった。

「キラさん、そっち!」
「任せて!」

レジスタンスの機体を捉えた双眸の奥で「種」が弾ける。
マルチロックオンシステムがゲイツRを幾重にも捉えるその一方で、常人より遥かに拡大した視野の片隅には、愛機が改修中のため、アンドリュー・バルトフェルドから借り受けたガイアを駆ってレジスタンスのシグーをねじ伏せるシン・アスカがいた。

「……これで!」

ストライクフリーダムの砲腔が輝き、トリガーにかかった指に力がこもる。あとたった数ミリ、トリガーを押し込めば全てが終わる。そのはずだった。

「……?!」

不意に、全身に緊張が走った。「何か」いる。この宙域にではない。自分の中に、である。

「? キラさん?」

違和感を感じたシンのガイアが、バーニアを潰され、両腕を切り取られたシグーを放ってストライクフリーダムに近付く。
砲腔から輝きは失われ、急に動きを止めた自由の天使に不審がりはしたものの、レジスタンスのゲイツRは当然のように手にしたライフルを差し向けた。

「キラさん?!」

ストライクフリーダムとゲイツRの間に割って入ったガイアのシールドが、辛うじて放たれたビームを受け止める。自身もライフルを抜いて続けざまに発砲したが、命中弾はない。シンは焦りもあらわに怒鳴った。

「キラさん、何をやってんですか!動いてくださいよ!」

鳴り響くアラームも、シンの声も耳に入らない。ただ、意識が分割され、徐々に自分ではない何かが自分の頭の中を占めていくことだけは理解できた。そして最後に、昔どこかで聞いた、懐かしい声を聞いた気がした。

(自分がどうして自由自在にS.E.E.Dを使えるのか、考えなかったのか?)

「……わか……らない…………よ……」

朦朧とする意識の中、辛うじてそれだけを呟いた。

(そうか)
204198:2010/09/29(水) 22:49:24 ID:???

「えっ?キラさん、なんですか?!聞こえないです!」

(最後に教えてあげよう、私がいつも君のS.E.E.Dの発動を手伝っていたのさ。わかったかな?では、さようならだ、キラ・ヤマト。そして――)

あたかも霧が晴れるかのように、意識が覚醒する。ヘルメットを脱いでゆっくりとコクピットを見回し、ふとバイザーに映った自身の顔を見た。

「こんにちは、キラ・ヤマト。よろしくな」

にやりと笑って、マルチロックオンが再び作動。静止状態から最高速度へ、ストライクフリーダムが劇的に機動する。レールガンの砲口が跳ね上がって照準。
ロックオンを外そう滅茶苦茶な機動をするゲイツRのコクピットを狙い、直撃。命中を確認すると同時にドラグーンが背中の発着ステーションから発進。バーニア光で宇宙を細切れに切り裂いて、八機のドラグーンが動かないゲイツRに殺到した。

「ち、ちょっと、キラさん!」
「何?」

一斉砲撃を始めようとしたその寸前、ピタリ、とドラグーンがゲイツRを取り囲んだ状態で停止する。

「何?戦闘中だよ?」
「な、何って……や、やり過ぎなんじゃ……」
「やり過ぎ?どうして?彼らはレジスタンスだよ?ラクスの、僕たちの敵じゃないか」
「でも、いつものキラさんなら不殺で終わらせていたじゃあないですか。なんで、今回に限って……」

小さく舌打ちをして、「キラ」は煩わしげにガイアを見、続いてコクピットの潰れたゲイツRを見、鬱陶しいと言わんばかりに口元を歪めた。

「ああ、そうだね。じゃあ、戻ろうか」

ドラグーンを戻し、くるりとストライクフリーダムを翻すと、コロニーへの帰還ルートを取る。
その時シンの脳裏を掠めたのは、ベルリンでデストロイを撃墜し、飛び去ったフリーダムの後ろ姿だった。シンがキラと面識がなく、機体名で呼んでいた頃の後ろ姿。大切なものをことごとく奪っていった、自由を謳う死神。
後にキラとシンが和解した際、家族のことやベルリンでのことをシンの口から聞いたキラは、その場で深々と頭を下げた。
そのキラと、目の前のキラがどうしても一致しない。気が付いた時には、ライフルを保持したガイアの右腕が持ち上がり、ストライクフリーダムに狙いを定めていた。

「……何?」
「……待てよ」

自由の天使にライフルを向ける深紅の猟犬。ストライクフリーダムのコクピット、通信画面に映ったシンは顔にうっすらと汗を浮かべ、やや浅い呼吸を繰り返している。
205198:2010/09/29(水) 22:51:03 ID:???

「誰だ、あんた」

ほんの僅かに虚を突かれたような表情をした「キラ」が、次の瞬間笑った。しかし、その顔は完全にキラ・ヤマトの顔ではなかった。

「意外と早く気付いたな、シン・アスカ?随分と鼻が利く」
「……ッ、だ、誰だって聞いてるんだよ!キラさんはどうした!」
「私がキラだよ。……というのは冗談だ。私はユーレン・ヒビキ。正確に言うならばキラ・ヤマトが製造された際、肉体が成熟期を迎えた時に取って替わるよう仕込まれた、ユーレン・ヒビキの人格と言うべきか。
人格交替のトリガーはS.E.E.Dの発動になっている。彼がS.E.E.Dを自在に発動できたのは私が発動の補助の役割を果たしていたからだが、彼がS.E.E.Dを発動させる度に私の人格の支配する領域は広がり、今日めでたく交替を果たしたわけだ」

長口上を終えて、ゆったりと微笑む。

「わかるかな?つまりこの交替劇は既定事項であり、君が口を挟む権利などないのだよ。むしろ、この交替劇のためにこそキラ・ヤマトは生み出された存在だ。私が創ったのだから、私のものなのは当然だろう?」
「な……な……何を……あんたは、言って……」

再びヘルメットをかぶり直し、「キラ」――ユーレンはフットペダルを踏み込む。ビームサーベルを抜いて、すれ違いざまに一閃。反射的に体を捌いたシンのガイアは、ビームライフルを真っ二つにされただけに留まった。

「残念だが、キラ・ヤマトがキラ・ヤマトでなくなったと世間に知られるのは都合が悪いのだよ。君にはここで消えてもらう」
「何だと?!……やれるもんならやってみろ。俺はあんたをふん捕まえて、キラ・ヤマトを取り戻す!」

犬歯を剥き出して歯を食い縛ったシンの目が座り、S.E.E.Dが弾ける。ストライクフリーダムのフルバーストを変形してくぐり抜け、再び変形してビームサーベルを抜く。フットペダルを限界まで踏み込んで、背部のバーニアが最大点火。

「家族の仇だけど、ステラの仇だけど、いけ好かないなよっちい奴だけど、それでも今の世界にあいつは必要なんだ!」

背中のドラグーンを捨て、ヴォワチュール・リュミエールの翼を瞬かせ、ストライクフリーダムが逆手にビームサーベルを握る。

「だから、返せ!!」
「無理だな」

鮮やかな深紅の機体が力強く宙に舞う。しかし、やがてなすすべもなく斬り伏せられ、くすんだ灰銀になって散った。
206198:2010/09/29(水) 22:58:59 ID:???





「…………ぁ…………」
「シン?目が覚めたの?!」
「……ル……ナ……?」

見慣れない天井だった。しかし、そこに見慣れた赤毛。お互い依存し合う関係を卒業したばかりのルナマリア・ホークがそこにいた。

「シン、良かった……」
「ルナ、ここは?……そうだ、キラさん!キラさんは?!」
「ここはナスカ級ヘルダーリンの医務室よ。落ち着いて、シン」

ベッドから跳ね起きたシンの肩を掴んで押し戻したルナマリアだが、シンは大人しくはしない。肩にかかった手を掴んで、怒鳴るように問いかけた。

「ルナ、今何が起きてるんだ?!説明してくれ!」
「もうちょっと安静にしていなきゃダメよ、シン!あんた自分がどれだけ酷い怪我してるのか――」
「もういい!自分で確認しに行く!どけ!」
「わかったわよ、わかったから、説明するから大人しくして!傷口が開いたら大変なんだから!!」

ルナマリアから言質を取ってようやくシンは大人しくなった。それを見たルナマリアは物憂げな顔のなる。どこから話せばいいのか、と呟くと、

「全部」

と赤い瞳が訴えた。

「そうね……結果から説明するのであれば、ストライクフリーダムとストライクフリーダムの率いる無人MS部隊がザフトを壊滅させたわ。旗艦エターナル及びゴンドワナは出撃することなく轟沈。真っ先にその二艦が狙われたわ。
更に、ちょっとでも軍事利用されているコロニーは全て破壊されてしまった。一般市民が住んでいてもお構いなしに、よ。死者及び行方不明者の数すらはっきりしないわ。ラクス様の消息すら掴めていないらしいから。
残存戦力はこのヘルダーリンを含めたナスカ級が七隻、ローラシア級が三隻、及びその艦載MSだけ。
……完全に不意を突かれた。まさかストライクフリーダムが今更敵になるなんて思ってもみなかったものね」
「じ、十隻?!残りはたったの十隻だけだってのか?!いや、それになんでストライクフリーダムがザフトとコロニーを?!」
「知らない。たったの十隻って言うけど、エターナルとゴンドワナが沈められた直後に、ジュール隊長が指揮を執って下さらなかったらもっと減っていたでしょうね」
「ジュール隊長が?……そのジュール隊長は?」

ルナマリアは目を伏せた。

「壊走しそうになる部隊に何度も檄を飛ばして味方を支え、撤退の段取りを整えて私たちを逃してくれたわ。その後も殿としてボルテールと共に奮戦して……」
207198:2010/09/29(水) 23:03:20 ID:???

伏せた目の奥で、イザークの声が、その姿がフラッシュバックする。

『これよりザフト全軍の指揮はイザーク・ジュールが執る!ザフト全軍は非常態勢をとれ!』
『勝手に退くな!!敵前逃亡する者は俺が斬るッ!撤退の態勢が整うまで、一人でも多くの仲間を守るため、例え相手がストライクフリーダムであっても背中を見せるんじゃあないッ!』
『ルナマリア・ホーク、貴様たちも逃げろ!ここはジュール隊が引き受ける!プラント市民を守るためにはお前たちの力が必要だ!……貴様の相手は俺だ、キラ・ヤマトーッ!』
『貴様が守るんだ……プラントを……。ザフト兵なら…………わかるな…………』

頭部の半分と右の肩アーマー、左手と左足、そしてテンペストを半ばから失い、コクピットに膝蹴りを受けて血返吐を吐きながら、それでもストライクフリーダムに向かって行く姿。
そこまで再生された所で、堪えられなくなったルナマリアの伏せられた目からみるみる内に涙がこぼれ始めた。その涙を見ても、シンは希望を捨てられなかった。生きていてくれ、と、ともすれば口を衝いて出そうなほどに強く願った。

「……最後はストライクフリーダムにコクピットを貫かれて……死、死ん……で……」

最後は涙声になってよくわからなかったが、イザーク・ジュールが死んだという事実を認識するには充分過ぎた。直立したまま肩を震わせるルナマリアの辛さはよくわかったが、彼女を受け止める余裕はシンにもなかった。
まだ十代の彼らの心は、見知った人間の死を受け流せるほど渇いていなかった。

「ユーレン・ヒビキ……キラさんの体でジュール隊長を殺したのか……」





地球衛生軌道上では、プラント及びザフトの非常事態を察知したオーブ宇宙軍が展開していた。そして、その中には「正義の騎士」を駆るアスラン・ザラの姿もあった。

「ザラ一佐、情報はかなり錯綜しているようです。あのキラ様がザフトを襲った挙句コロニーを沈めたなどという情報まで流布しているようで」
「キラがそんなことをする訳がない。引き続き情報を集めてくれ」
「了解しました。……ザラ一佐、所属不明のMS部隊が接近中です。ご注意を」
「所属不明?」

アスランは眉をひそめた。一機ならともかく、隊伍を組んで行動する所属不明のMS群などこの状況では怪しすぎる。
208198:2010/09/29(水) 23:06:13 ID:???

「数と機種は?」
「お待ちください。……何だと?」
「どうした!」
「……数は41機、ザク、グフ、ドムの混成部隊です。しかし、先頭の機体はストライクフリーダムであると確認いたしました」

アスランは耳を疑った。所属不明の怪しいMS部隊の先頭の立っているのはキラ・ヤマトであるという。いや、コクピットの中にいるのがキラだという情報を得た訳ではないが、ストライクフリーダムのパイロットと言えばキラ以外にいようはずもない。

「……会敵までの時間は」

アスランは沈着を装った。自分の動揺は部下にダイレクトに伝わる。敵性認定はまだされていないが、アスランは敢えて会「敵」という言葉を使った。

「あと二分です。……三度目の警告にも応答ありません」
「……そうか。ならば当該部隊を敵性と判断。艦砲射撃で敵部隊を攻撃」
「……了解いたしました。各艦、一斉砲撃開始!」

エネルギーの奔流が伸びて、宇宙に鮮やかな炎の華が咲く。

「先頭の機体が加速!一気に接近してきます!」
「艦隊は下がれ!先頭の機体は俺が迎え撃つ!」

キラなのか、と通信機に向かって叫びたいのを堪えて、「先頭の機体」に向かってインフィニットジャスティスが加速する。やがてモニターに大映しになったその機体は、紛うことない自由の天使だった。
209198:2010/09/29(水) 23:07:34 ID:???
とりあえず今回はこの辺で。続きはまた明日
210通常の名無しさんの3倍:2010/09/30(木) 00:04:35 ID:???
おおGJ!これまた続きが楽しみな。
追って倉庫へも登録させて頂きたく思いますので願わくばメインタイトルもご提示頂ければと。
211通常の名無しさんの3倍:2010/09/30(木) 09:47:25 ID:???
GJ!
ヒャッホー久々の投下だー! GSC氏と被るってこのネタだったのか。 
シンは重傷だし、アスランはなんか覚悟完了してるっぽいし、キラはユーレンだしで続きが楽しみだ
212通常の名無しさんの3倍:2010/09/30(木) 17:25:18 ID:???
乙です
GJ!
213通常の名無しさんの3倍:2010/09/30(木) 22:54:22 ID:???
ユーレンキター!
悪役っぷりがパないな。さすがは、スパコ製作なんて考えるドグサレだな
214通常の名無しさんの3倍:2010/09/30(木) 23:37:25 ID:???
そろそろ投下来る頃かな?
裸待機するか……
215198:2010/10/01(金) 00:52:22 ID:???
もーちょいお待ちを。リアルが忙しかったんで今から投下分チェックして、終わり次第投下します
216198:2010/10/01(金) 08:38:56 ID:???
寝落ちしてました。申し訳ない。ではいきます

「シン、無事か?」
「ヴィーノ!よく無事で……」
「話は後だ。シン、動けるか?」

赤いメッシュのメカニックが医務室に入ってくるのを見るなり、一瞬ルナマリアが咎めるような顔をしたが、シンが力強く頷くのを見て諦めたように首を振った。

「無重力だからって無理しちゃダメよ?」
「わかってる。ヴィーノ」
「ああ、ハンガーに来てくれ。脱出前に何とかお前の機体を回収できた」

ハンガーに着いて、シンはすぐに床を蹴ってとあるMSに取り付いた。大きな赤い翼に身の丈ほどもある大刀、一機のMSとしては破格の威力を持つ大砲に金色に輝くV字アンテナ、そして目元の小さく切れ込んだ赤いライン。

「デスティニー……」
「改修は終わってる。装備に変更はないけど、各武装とヴォワチュール・リュミエールの出力とかモーションだとかを少々変更した。あと、ヴォワチュール・リュミエールの発生機である翼の稼働域も広がったから、柔軟な機動ができるぞ」
「わかった」

その時、艦内放送がけたたましい音と共に警報を鳴らした。

「地球衛生軌道上にて、オーブ軍とストライクフリーダムが交戦中。本艦を含むザフト全軍は直ちに当該宙域に急行し、オーブ軍と協力して目標を撃破します。コンディションレッド発令。繰り返します、コンディションレッド発令――」
「ここから近いな。オーブ軍か……アスラン、いるのか?」

体の怪我を完全に無視してデスティニーのコクピットに体を滑り込ませる。ガイアよりもよく馴染んだコクピットは、体の不調を忘れさせてくれた。

「シン、無茶しないでよ!」

通信画面にパイロットスーツ姿のルナマリアが現れ、シンはひらひらと手を振った。無茶をしないつもりなど微塵もないのである。

「ストライクフリーダムが相手なら、無茶しなくっちゃあ勝てないよ」

当然と言わんばかりのシンにむっつりとルナマリアは黙り込んだ。てっきり猛烈な勢いで反論されると思っていたシンは、気勢を削がれる。何か話さなければ、などと考えている内に、気付けば沈黙が支配していた。

(アスランがいるなら、やれる。俺とデスティニーのコンビと、アスランとジャスティスのコンビが手を組めばキラさんに……ユーレン・ヒビキにだって勝てる。ただし……)

「アスラン、迷ってないといいけど」
217198:2010/10/01(金) 08:41:20 ID:???

ルナマリアの声に、シンはハッと顔を上げた。状況に流されこそしたものの、シンはストライクフリーダムを倒す覚悟を固めている。しかし、ユーレン・ヒビキのことを知らないアスランはどうだろうか。

「迷う、だろうな。アスランだし」
「うん、アスランだし」

二人して軽く声を上げて笑ったところで、通信機のスピーカーがヘルダーリンのオペレーターの声を吐き出す。戦いの時が来たのだ。

「戦闘宙域まで300を切りました。MS隊はスタンバイをお願いします」
「了解。シン・アスカ、デスティニー、カタパルト接続します」

その時、シンにとっては懐かしい声が響いた。

「シン」
「トライン……副長?でいいんですか?お久しぶりです。無事で良かった」

通信画面に見知った顔が映る。ミネルバが沈められたメサイア戦役が終結して以来、シンはアーサー・トラインとまるで顔を合わせることがなかった。

「君もね。士官の数が足りなくて、ヘルダーリンでも副長をやることになったんだ。それよりシン、作戦を説明するよ。
本艦を含むザフト全軍はストライクフリーダムに制御を乗っ取られた無人MS部隊だけに的を絞って戦う。君とルナマリアには、ストライクフリーダムを何とか抑え込んでほしい」
「わかりました!」

アーサーが苦笑いした。通信画面越しにブリッジの喧騒が伝わってくる。もう、話している時間はあまりない。

「……アーモリーワンの時から、いつもいつも辛い役回りばかり押し付けてすまない。この戦いが終わったら、一杯奢らせてくれ」
「すいません副長、俺酒は飲めないんで、飯を『いっぱい』奢ってください」

二人が笑う。アーサーはまたも苦笑い、シンはニヤリと会心の笑み。すぐに真顔に戻ったアーサーが右手を挙げ、胸から上だけの敬礼を画面に映して、通信は切れた。

「MS隊、発進どうぞ!」

耳慣れないオペレーターの声で紡がれる耳慣れた出撃の合図。今再び照星の瞬く戦場へ、その身を、魂を踊らせる。

「さあ、仲間の弔い合戦よ!」

気合いの入ったルナマリアの声に、心を燃え立たせる。操縦捍を握り締め、射出のGに備えてやや前傾姿勢。

(ごめんなさい、キラさん。先に謝っときます。……今度こそ、あんたを殺さなきゃいけないみたいです)

「シン・アスカ。デスティニー、行きます!!」
218198:2010/10/01(金) 08:43:12 ID:???

射出。鮮やかな薄紫の翼を広げ、デスティニーが加速。背後にはルナマリアのインパルスが付くが、それさえ置き去りにするかのようなスピードにルナマリアが焦る。

「ちょっとシン!速度合わせて!」
「いや、先行してストライクフリーダムを探す!見付けたら全隊に通達するから!」

言い捨てて、光の翼が膨張。完全にインパルスを置き去りにして、デスティニーが銃火の中に飛び込んだ。

(俺とアスランのコンビなら勝てる。けど、アスランが先にやられていないとも限らない。急がないと)

通信機のチャンネルを弄って全方位にセットし、叫ぶ。

「アスラン、いるんなら応答してください!ユーレン・ヒビキ、お前が殺し損なった男がここにいるぞ!」

応答はない。しかし、無人のドムとザクがデスティニーに気付いて接近する。

「邪魔だ!」

ペダルを踏み込む。バーニアと連動して光の翼を大きく噴射。
ザクがビーム突撃銃の照準を合わせたポイントより遥かに前に飛び出したデスティニーが、武器を持たない左手をザクの胸部に押し当て、トリガー。派手に発光することはなく、指向性と集束率を高められたビームが掌から発射され、ザクの胸部を貫いた。

「光らないのか?」

ドムがギガランチャー下部のビームマシンガンを連射するのを、ドムの相対的下方に回り込んで避ける。すぐにドムに向き直り、手にしたライフルを三連射。二発目までを避け、三発目をスクリーミングニンバスで防御する。
それを見たシンは背中のビーム砲を引き出させ、構え、放つ。スクリーミングニンバスに正面から直撃し、過負荷に耐えきれなくなったスクリーミングニンバスが一時的に消滅した。

「そこだっ!」

ビーム砲を格納し、アロンダイトを抜く。素早く引き伸ばし、突進。右肩に構えたギガランチャーの射角を避けて加速し、袈裟懸けに斬りつけるとドムが真っ二つになった。

「モーションが早い?いや、武器を出して、攻撃するまでの流れが凄く滑らかになってる」

いける。
そう呟いたシンの進路を塞ぐ機体がまた一機。見覚えのある意匠に慌てて機体の足を止めると、それは痛ましいほどに破壊されていた。頭部、腰、肩、背部、四肢。そして、胸部コクピットは真っ黒に焼き切られている。

「そ、そんな……」

ワインレッドだった装甲は灰銀色にくすみ、鶏冠型のブレードアンテナは溶解して原形を留めていない。

「ジャスティス…………アスランッ!!」
219198:2010/10/01(金) 08:53:44 ID:???

あのアスランが、自身をあっさりと打ち破ったアスラン・ザラが、コズミック・イラ最強パイロットの一角を担う男が、こうも機体をボロボロにされ、コクピットを貫かれて殺された。
いや、アスランだからこそここまで機体をボロボロにされるまで粘れたのだろう。ガイアに乗った自分は十分と持たなかった。
そこまで考えて、シンは気付いた。デブリと化したジャスティスを挟んで向こう側の宙域に、キラリと光る薄青色の羽根。

「ストライクフリーダム……ユーレン・ヒビキ!」

そして気付いた。光り輝く薄青色の羽根は、こちらに向かって加速していると。

「ルナ!ルナマリア!ストライクフリーダムを見付けた!」

それだけ叫んで、アロンダイトを抜く。フットペダルを限界まで踏み込み、背部を主として、肩、肘、腰、膝裏、足の裏の補助スラスターの全てが点火され、フルバーニア。更に深紅の翼から光が溢れ、ヴォワチュール・リュミエールが最大稼働。
一機のMSには巨大すぎる推力をまっすぐ前に、薄青色の羽根に向ける。

「来たか、シン・アスカ」
「ユーレン・ヒビキ!なんでザフトを攻撃した!あまつさえコロニーまで!」

デスティニーが真正面から斬りかかる。それを逆手に握った二本のビームサーベルで受け止めたストライクフリーダムの腰のレールガンが跳ね上がり、砲口の照準機に光を灯すより早く発砲。
コクピットへの直撃は何とか防いだものの、大きく弾き飛ばされたデスティニー。一方のストライクフリーダムはサーベルを仕舞って両手にビームライフルを持ち、連射。
持ち前の高機動性で逃れたデスティニーのその避けた軌道を前もって予測し、狙いすましたタイミングでカリドゥスを放つ。

「ぐ……ッ!」

それすら身を捩って避けたデスティニーだが、また更にそれすら予測したユーレンがデスティニーの背後に回り込んでライフルを連結させ、避けた直後のバランスを崩した瞬間、デスティニーの背面から発砲。
今度こそ回避不能、と見たユーレンだったが、あわや、というところでシンがデスティニーの片翼のみから光の翼を伸ばし、真横に機動して回避した。

「ならばマルチロック、完了」

しかし、その時には連結ライフルを切り離したストライクフリーダムがフルバースト態勢に入り、即座にトリガー。

「馬鹿なっ……!」

アスランがやられるわけだ、とシンの頭のどこか冷静な部分が暢気に考えると、次の刹那には全身が熱くたぎる。
220霧屋 ◆R4tmh3EKwA :2010/10/01(金) 09:02:03 ID:???
何故だ・・・何故>>205を見てメタルギアソリッド4を思い出したんだ?
221198:2010/10/01(金) 10:02:04 ID:???

(そうだ、アスランはこいつに殺されたんだ……)

理想的な上司と部下の関係にはほど遠かったが、確かに心を通わせた瞬間があった。それが、無惨に殺された。

(やられるわけにはっ)

S.E.E.Dが弾ける。どこまでもクリアになった頭は瞬間的に完全な回避は不可能と判断し、被害を最小限に抑えるための体勢を一瞬にすら満たない時間で整えた。

「ぐっ!!」

デスティニーの右足が膝上からもぎ取られた。コクピットを激震が襲うが、その震動も受けるダメージとして計算の内に入っており、精神的にも余裕を持って耐えられた。

「ほう。やるな、シン・アスカ。アスラン・ザラほどではないが、上出来だ。ご褒美をくれてやろう」
「……」

無言でライフルを引き出すなり早撃ちしたシンだが、ビームシールドによって防がれる。チッ、と舌打ちして背中のビーム砲に手をかけたが、ユーレンが動かないのを見て、その手を止めた。

「ご褒美?」
「ああ、知りたくはないのかな?なぜ私がザフトとコロニーを攻撃したのか……」

操縦桿にかけた手から力は抜かず、辺りを見回しながらシンは頷いた。

「答えは簡単だ。この体は、キラ・ヤマトはそのためにこそ生み出されたのだよ……!」
222198:2010/10/01(金) 10:03:33 ID:???
今回は以上です
223通常の名無しさんの3倍:2010/10/01(金) 20:07:24 ID:???
おおおGJ!
224通常の名無しさんの3倍:2010/10/01(金) 21:56:09 ID:???
アスランェ………
しかし、ストフリの中の人のそのまた中の人がユーレンだったことは
冥土の土産に知らされたのか、それとも最期まで乱心してしまった親友を
止めて救うつもりという一人道化芝居を演じさせられたに過ぎなかったのか
ちょっと気になる。
225198:2010/10/02(土) 00:55:39 ID:???
どうも。今回で最後の投下です。では行きます

ザフトが壊滅した。プラントのコロニーが破壊され、何十万という罪のない人間が死んだ。

「そのために……?そのために生まれてきただって……?」

デスティニーの光の翼が膨れ上がり、機体の全長を優に越えるほどになった。左手にかかったまただったビーム砲を素早く引き伸ばし、撃つ。シンの不意打ちに再びビームシールドを張ったストライクフリーダムだが、高出力のビームに機体が押され、弾き飛ばされた。

「何を言ってんだお前はぁ!!」

ビーム砲を手早く畳み、背中のウェポンラックに戻す。と同時に加速して距離を詰めつつ、ビームライフルを抜いて続けざまに発砲。すぐに体勢を立て直したストライクフリーダムが回避に回るも、かわしきれずに一発をビームサーベルで弾いた。
両肩のフラッシュエッジを抜いたデスティニーが、その間隙を縫って最大加速。

「人を殺すために生まれてくる奴なんているか!」
「いるのだよ!この体の前の持ち主がそう運命付けられ、私がその運命を引き継いだのだ!」
「意味がわからないんだよ!」

フラッシュエッジの光刃が伸び、ビームサーベル大の長さになる。
右腕を振り上げ、加速のエネルギーごと大上段からフラッシュエッジを叩きつけた。ストライクフリーダムは同じく右手のビームサーベルで受け、空いた左手でがら空きの胴を狙おうとサーベルを抜く。

「甘いな。それでは私を倒すことは……」

その時、ユーレンは違和感を抱いた。デスティニーは確かに両肩のフラッシュエッジを抜いたはずだが、デスティニーが持っているフラッシュエッジは右手の一本のみ。

(もう一本は?)

すると、デスティニーの機体が若干相対的下方に下がった。

「何っ?!」

突如として、デスティニーの背後からフラッシュエッジが現れる。
ユーレンがシンの射撃をビームサーベルで弾いている隙を突いて、シンは左手のフラッシュエッジを投擲していた。そして、それを驚異的な加速で追い抜いたデスティニーの体で隠し、タイミングを見計らって避けたのである。
さすがに反応が間に合わず、ストライクフリーダムの右肩に突き刺さったフラッシュエッジ。それは、建造されて以来の初めての被弾だった。

226198:2010/10/02(土) 00:58:12 ID:???

「おおおおっ!!」
「食らえぇぇぇぇぇっ!!」

右手のフラッシュエッジを捨て、空いた右の掌にエネルギーが集中し、突き出す。対するストライクフリーダムは、両手のビームサーベルをデスティニー目掛けて突き込む。
パルマフィオキーナと二本のビームサーベルはぶつかり合い、一瞬拮抗したが、出力で上回る二本のビームサーベルがすぐに押し勝ち、デスティニーの右手を貫き、行き場を失ったエネルギーと共に大きく爆発した。

「この私に、スーパーコーディネイターに勝てると思うな!」

勝ち誇るユーレンの視界を覆う爆煙から、突然腕が現れる。デスティニーの残って左腕がストライクフリーダムに突き刺さったままのフラッシュエッジを抜き取り、光刃が伸びる。

「くっ?!」

爆発で溶解し、濁ったツインアイが爆煙の中で鈍く輝く。全身をバネのように躍動させたデスティニーが左手一本で斬りかかり、反応が僅かに遅れたストライクフリーダムの左肩から腕を切り落とした。

「ええい!」

ストライクフリーダムが前蹴りを放って距離を取る。気付いた時には息が上がっていたシンは、乱暴にヘルメットを脱ぎ捨てた。ダメージレポートに斜め読みで目を通し、まだ余裕がある、と踏んだシンは、ユーレンの言葉の理解できなかった部分を問い質した。

「さっき人を殺すために生まれてきた、とか言ったな」
「……」
「どういう意味だ。人類の滅亡でも目論んでんのか」
「……馬鹿め」

お互い機体を静止させた状態で、しかしいつでも反応できるよう身構えて、両者はこの質疑応答の隙に体力を回復させることに努めた。何しろ凄まじい高機動戦闘である。体力の消耗は著しい。

「スーパーコーディネーター・キラ・ヤマトが生み出された目的はたった一つ。…………コーディネイター共が武力を持ってナチュラルに対抗しようとした時に、コーディネイター共を始末するためだ。そしてそのために、私はキラ・ヤマトの中に私の人格因子を埋め込んだのだ」

一瞬、シンは呼吸することすら忘れた。

「化け物を倒せるのは更なる化け物。コーディネイターを殲滅するのはスーパーコーディネイター。キラ・ヤマトはプラントが武力を持ったその時には、親友であるアスラン・ザラを含む全ての軍事に携わるコーディネイターを殺す定めだったのだ」
「…………そんな」
227198:2010/10/02(土) 00:59:41 ID:???

あまりの衝撃に、その言葉だけを絞り出すのが精一杯だった。シンの動揺した隙を突いて、ストライクフリーダムが突進する。降り下ろされるビームサーベルに慌ててフラッシュエッジを合わせるが、そちらに気を取られて他への注意が疎かになる。
ストライクフリーダムの腹部の砲腔が輝き、発射体勢。気付くのが遅れたシンのデスティニーが何とかかわそうとするが、左の脇腹を抉られ、深紅の翼も左翼の下半分を失う。しかし、シンはそれでもまだ戦闘に集中できていなかった。

(キラさん……あんた、ステラと同じだ。コーディネイターと戦うことを強要されて、おまけに自分じゃ自分の酷い運命にこれっぽっちも気付かない。あんまりだ……酷いよ。そんなの、酷い)

光の翼を再度広げたデスティニーが、相対的下方に落ちていく。それを追いつつ、ストライクフリーダムが雨のように砲撃を降らせる。振り返ったデスティニーが構えた長大なビーム砲はストライクフリーダムのライフルに撃ち抜かれ、爆発する寸前に切り離された。

(ステラを苦しめていたのは連合だった。だから、俺は連合を倒すって決めて、戦ったんだ。じゃあ今、キラさんを苦しめてるのは?)

目の前のモニターに映るのは、躍動する自由の天使。コズミック・イラ最強のMS、ストライクフリーダム。キラが操縦していた時とは違う、生き生きとした、まるで獣がその攻撃性をあらわにしたような姿に、シンは悲しみすら感じた。

(わかりました、キラさん。そのMSと、あんたの中にいる「そいつ」を殺せばあんたを守れるんですね)

コクピットをライフルで殴りつけられ、シンの視界が一瞬真っ暗になる。しかしすぐに持ち直し、同じようにライフルで殴りつけようとして、ライフルを捨てたストライクフリーダムのビームサーベルに切り払われ、デスティニーのライフルが爆発した。

(だから、)

爆煙に乗じて後退し、右手を無くしたために抜けなくなったアロンダイトをパージ。振り返ってアロンダイトの柄を握り、乱暴に振って伸ばす。

(キラさん、あんたを殺します。殺して、あんたを守ります)

「逃げるのか、シン・アスカ?」

爆煙を突き抜けて、ストライクフリーダムがビームサーベルを振り上げる。そこへ、低く腰だめにアロンダイトを構えたデスティニーが突っ込んだ。
228198:2010/10/02(土) 01:03:39 ID:???

ストライクフリーダムが跳ねるように右足を振り上げ、アロンダイトの実剣部分を力強く踏みつける。上からの強い衝撃に、デスティニーがアロンダイトを取り落とした。

「終わりだ!」

ユーレンが叫び、サーベルを降り下ろす。しかし、デスティニーは更に加速。袈裟懸けに降り下ろされたビームサーベルを胴体に食い込ませながらストライクフリーダムに激突し、ビームサーベルがデスティニーに食い込んだまま両者が離れる。

(ステラ、君と「同じ」人を助けたいんだ。力を貸してくれ!)

ストライクフリーダムがカリドゥスをチャージし、デスティニーは掌のパルマフィオキーナにエネルギーを集束させる。ユーレンはカリドゥスを確実に命中させるために、シンは近付かなければパルマフィオキーナを命中させられないために、両者は再び突進した。

「死ね、化け物!!」
「ステラ!!」

デスティニーの手がストライクフリーダムのコクピットに押し当てられた瞬間、両者がトリガーを引く。光が溢れ、シンの視界は真っ白になった。





(ステラ、俺は守れたかな?君と「同じ」、あの人を……)
(ううん、また会えるよ。シンとは、いつでも会えるから……)

ふわりと金色の髪が揺れ、今度こそ何も見えなくなった。





ぬくもりを感じる。真っ暗な宇宙に星々と信号弾が輝き、帰るべき場所へ帰って行くMSの光の尾が幾筋も見える。ふと、自分を優しく包み込むぬくもりの主が誰か気になった。

「……ステラ……?」
「……馬鹿」

ヘルメットの中いっぱいに涙を浮かべたルナマリア・ホーク。
ふと周りを見ると、そこがインパルスのコクピットだとわかった。デスティニーはどこだろう、とぼんやりと目線を泳がせると、武装のほとんどと四肢の半分を失い、コクピットのすぐ横を抉られ、灰銀色の装甲を焼け焦げさせたデスティニーの姿があった。
そのすぐ近くには、デスティニーほどではないが全身に傷を負い、コクピットを撃ち抜かれたストライクフリーダムが漂っている。

「……ルナ……」
「そうよ。……二度も間違えないで」
「……ごめん」
「次間違えたら、インパルスで踏み潰すわよ」
「……はは……名前、呼ぶのも……命懸けだ……」
229198:2010/10/02(土) 01:06:39 ID:???

動けないシンの体を優しく抱いて、ルナマリアはインパルスをヘルダーリンへ向かわせる。ヘルダーリンに戻って、プラントに帰って、怪我を直して、復興のための作業を手伝って……と、この先やることは山積みである。けれど、その前に。

「……ごめん、俺、疲れたからちょっと寝るよ……」

優しく頷いたルナマリアに笑いかけて、目を閉じる。

「おやすみ……」

ルナマリアに、ステラに、キラに、ストライクフリーダムに、デスティニーにそう告げて、シンは優しい眠りの世界に落ちた。



230通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 01:07:06 ID:???
支援
231198:2010/10/02(土) 01:11:19 ID:???
このSSはこれで終了です。みなさん、お付き合いいただきありがとうございました。
良かったらまた書いて投下したいと思うので、ストーリーや文体、描写などに関してもっとこうしたらいいんじゃないか、など改善点がありましたら指摘していただけると嬉しいです
232通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 01:14:10 ID:???
>>229
GJ!でした!
こういう未来に希望を見出す終わり方は大好きだ!
ルナがマジヒロインなのも>中身氏以来是で新鮮だったぜ!
気が向いたらで良いんで又投下してくれると嬉しいな
233通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 01:23:16 ID:???
GJです
いい終わり方ですね
ありがとうございました
234198:2010/10/02(土) 01:25:42 ID:???
>>210
ありがとうございます
タイトルは「Raison d'etre」でお願いします
235198:2010/10/02(土) 01:42:22 ID:???
肝心のラストで投下ミスorz



>(ステラ、俺は守れたかな?君と「同じ」、あの人を……)

以降の部分を、

(ステラ、俺は守れたかな?君と「同じ」、あの人を……)
(ううん、シンは守れなかったよ)
(ステラ?……そっか、また守れなかったのか、俺は……)
(うん。でも、守れなかったのはシンのせいじゃないよ。シンはステラのことも守れなかったけど、ステラを救ってくれた。だからステラ、すっごく安心して眠れたんだよ)
(ステラ……)
(あの人も同じ。守られなかったけど、シンが救ってくれた。だから、安心して眠れたと思う)
(……うん。ありがとう……ありがとう、ステラ……)
(お礼を言うのは、ステラの方……ありがとう、シン。またね)
(ステラ?もう行っちゃうのか?)
(ううん、行っちゃうのはシンの方。でも、また会えるよ。シンとは、いつでも会えるから……)

ふわりと金色の髪が揺れ、今度こそ何も見えなくなった。



というようにお願いします。最後の最後でやらかしたぜ……
236通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 01:47:53 ID:???
シン…おまえまた死者と会話して…
237210:2010/10/02(土) 03:41:20 ID:???
>>234
GJ乙でした、
早速登録させて頂きたました。
キラとステラ達がある意味同質の存在だというのは目から鱗でしたね。
次回作も楽しみしています。
238通常の名無しさんの3倍:2010/10/02(土) 21:01:20 ID:???
GJ 他人のエゴによって作られた存在という点では同じだなキラと強化人間は。
種世界で言えばキラに限らずコーディネーター全般に言えるが
この世界は業が深い。
239通常の名無しさんの3倍:2010/10/03(日) 09:33:41 ID:???
キラは(本人は知らないが育ての)両親に「何故僕をコーディにしたのか」とたずねそうになり、
アズラエルは両親に「何故僕をコーディにしてくれなかったのか」とたずねたことがきっかけで
コーディへの歪んだ憎しみを抱きだした。

ここらへんちょっとつつくだけでいくらでもいいエピソードが作れそうなもんだけどねぇ。
本当にスタッフは何をしてたんだろう。
240通常の名無しさんの3倍:2010/10/03(日) 21:07:13 ID:???
ダブル主人公とか言うならナチュラルとコーディネーターのコンビとかライバルだよなぁ
241通常の名無しさんの3倍:2010/10/03(日) 23:03:10 ID:???
つゲボ不味スープの缶詰め
242通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 01:41:11 ID:???
>240
シンとレイで最後まで行っていれば……
政治的にはラクスとカガリでだろうか?
ラクスが雲隠れしないでそっちに進んでたら見れたのかな。
243通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 15:54:20 ID:???
>>242
シンとレイで
「永劫に続く宇宙創世の業火に焼かれ、DNAの一片まで完全消滅するがいい!!」
と、ラクシズ全滅&オーブ滅亡ってEDですね。わかりまs
244霧屋 ◆R4tmh3EKwA :2010/10/05(火) 21:36:40 ID:???
>>160とACE COMBAT ZEROのトレーラー見て妄想が膨らんだ俺が通りますよw
内容としては>>160を別角度から見たような感じですw

あいつか
ああ 知っている
話せば長い
そう 古い話だ

知ってるか?
エースは3つに分けられる
強さを求める奴
プライドに生きる奴
戦況を読める奴

この3つだ
あいつは―

彼は『赤目の復讐者』と呼ばれた傭兵
故・デュランダル議長の懐刀だった男

「よう隊長 いい眺めだ」
「ここから見れば どの国も大して変わらん」

私は『彼』を追っている
あれは雪の降る寒い日だった

「ミネルバ隊へ 撤退は許可できない」
「だろうな 報酬上乗せだ」

「こちらジュール隊のディアッカ 可能な限り援護する」
「落ちるなら 俺の見えないところで頼む」

メサイア戦役には謎が多い
誰もが勝者となり
誰もが敗者となる
そして誰が被害者で
誰が加害者か

一体『正義』とは何か

「連合軍MS部隊接近 全機撃墜し 制空権を確保しろ」
「玄関でお出迎えだ」

エリアB7R―通称『円卓』
エースたちに与えられた舞台
245霧屋 ◆R4tmh3EKwA :2010/10/05(火) 21:37:28 ID:???
「ヤキンのフリーダムだ!油断すんな」
「フリーダムがなんだ 俺がやってやる!」

「戦争にルールは無い ただ敵を殺すだけ」

この戦いはどちらか死ぬまで終わらない

人は彼を『赤目の復讐者』と呼んだ

「受け入れろ シン これが戦争だ」

変化する世界
変わる運命

「連合の犬が!」

変われない人

交戦規定は唯一つ
「生き残るぞ! レイ!」
”生き残れ”

続きは勘弁ですorz
246通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 22:08:57 ID:???
んーよく分からん
247通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 22:10:13 ID:???
エスコンだな
248通常の名無しさんの3倍:2010/10/05(火) 22:30:38 ID:???
エスコンといえば、最後親友が敵対するやつもあって創作するのに参考になるぜ?
249通常の名無しさんの3倍:2010/10/06(水) 00:29:18 ID:???
>>248
それってZEROじゃないの? 3だったらスマン
エスコンといえば、MOR氏が作中にちょいちょいネタ入れてたな。 台詞とか名無しのエースの元ネタだったり
250霧屋 ◆R4tmh3EKwA :2010/10/06(水) 21:50:03 ID:???
>>249
よし、今度見ようw
それからもしよければ俺のも保管庫送ってくれw
251通常の名無しさんの3倍:2010/10/07(木) 23:56:38 ID:???
テスト
252通常の名無しさんの3倍:2010/10/08(金) 12:53:15 ID:???
……自分で保管してみるとか考えないのか?
253通常の名無しさんの3倍:2010/10/08(金) 13:53:09 ID:???
自分で保管するのは何かと恥ずかしいのさと代弁してみる
ちなみに自分はこの板では書いてないので余計なことだったらすまん
254通常の名無しさんの3倍:2010/10/08(金) 14:54:43 ID:???
あれって自由に保管できるページなのか?
255通常の名無しさんの3倍:2010/10/08(金) 19:07:03 ID:???
地元のガンプラ大会に出品された作品の中に
全体的にオーラバトラーみたいな生物的なフォルム、ガトリングとアイアンネイルの付いた異様にでかい銀色の腕と金と黒に塗られた運命腕、背中はヴァーダント風棺桶型スラスターの付いた異様なガイアインパルスがあった。
256霧屋 ◆R4tmh3EKwA :2010/10/08(金) 20:45:01 ID:???
>>254
それが分からないんだよorz
念のために頼んでみたんだ。
257生存報告@960 ◆xJIyidv4m6 :2010/10/08(金) 22:40:43 ID:???
どうも、お久しぶりです。しばらく執筆もままならない状態でしたが、来月には何とか投下できそうです。その際にはまたよろしくお願い致します
258通常の名無しさんの3倍:2010/10/08(金) 23:00:10 ID:???
>>256
普段登録をさせて頂いてる者ですが、タイトルはどうなさいますか?
>>257
おかえりなさい!楽しみにしてますよ。
259通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 00:12:01 ID:???
>>258
いつも登録お疲れ様です。
>>244の人なんですが、人の投下中にコテハンで書き込んでか雑談でもトリ外してませんし、内容自体人のネタに乗っかったただの改変コピペだったりしてますし、登録しない方がよろしいかと思われます。
……軽くコテでググルと、ちょっと触らないほうが良い分類の人かと思われます
260258:2010/10/09(土) 00:43:36 ID:???
>>259
あらら…これはまた何とも…
261通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 12:30:08 ID:???
俺もググってみたが…このスレいざこざに巻き込まれたりしないよな?
262通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 12:52:53 ID:???
巻き込まれたら巻き込まれたで、相手にしないで、
守護神様をあがめ奉るか、いつもの様に自ら進んで血溜まりになってれば良いのさー
263通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 14:18:46 ID:???
とりあえず面倒だ、通常の流れに戻してスルーすりゃあいい
264通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 14:49:56 ID:???
ヒンニュウバンザイ
265通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 20:40:14 ID:???
プランAの量産計画はどうなっている?
266通常の名無しさんの3倍:2010/10/09(土) 23:00:49 ID:???
>>265
股間のアームに、アロンダイトを持たせるかガーベラ・ストレート持たせるかで意見が真っ二つに割れてしまっている!
ええい!誰だあんなデカいポン刀作ったのは!!
267通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 00:18:03 ID:???
乳揺れMSに行き詰まってたら、ネットが出来なくなってしまい、気が付いたらスレタイネタが出来ていた。
全部じゃないですが、勝手にネタ元にさせて頂いた作者様方にフライング二分の一捻り土下座をしつつ、
場つなぎ用に投下

【エビと思ったら】連合の新型を予想するスレ50【シャコだった】(485)
安価で上司に逆襲する3(564)
偽のMS作ってZAFT釣ろうぜ32(1001)
やあ、ようこそコーヒーハウスへ86(102)
歌姫にイラついたらDSSDに寄付してやろうず94(874)
偽のMS作ってZAFT釣ろうぜ32(50)
【ついでに】IDで新造艦の建造資金を稼ぐスレ【設計も】(301)
偽のMS作って連合釣ろうぜ!31(315)
アカツキに獅子頭付けた奴ちょっとこい(106)
【神装甲?】オーブの新型を予想するスレ27【ティッシュ装甲!】(36)
年末特番がアフロだらけなんだが(961)
年始特番もアフロだらけなんだけど…(794)
プランAはカメラに映ると強制モザイクって本当?(111)
黒髪赤目の傭兵に依頼したいのですが…(47)
MS開発設計研究所79(416)

元上司の自爆コードを長くしたら一発で当てられた件(232)

1:種を持つ名無し:2010/10/09(土)25:29:40 ID:???
ちなみに

現上司の名前×136回
268通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 19:39:08 ID:???
俺、この書き込みが成功したらSS投下するんだ…
269通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 19:44:03 ID:???
投下よろしくおねがいしますね
270通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 19:44:59 ID:???
>>268
無茶しやがって……もとい、無茶するんだな?
271通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 19:48:15 ID:???
>>268
期待しているぞ職人!
272268:2010/10/10(日) 19:48:42 ID:???
(゚Д゚)アルェー

………少々お待ちを(汗
273268:2010/10/10(日) 20:12:29 ID:???
お待たせしました。小ネタ(?)投下いきます。


青……青い世界
この色は好きだ
すごく暖かい気持ちになる

白……白い世界
この色を見てると、何故か切なくなる
でも嫌いじゃない

黄……黄色い世界
この色が一番好きだ
暖かくて、切なくて、愛おしい…不思議な色

青、白、黄色、青、白、黄色――
変化していく色、ぐるぐる回る世界
その世界の中で「僕」は漂っている

何故こんなところに居るのかは分からない…
でも不快ではなかった
寧ろずっとこうやって漂っていたい
この青と白と黄色の世界で、ずっと眠って居たかった

(何だ?)

だけど、そんな「僕」の願いは打ち砕かれる

『黒』
黒い点の様な物が突然に眼の前に現れる。

(止めろ)

黒い点はどんどん大きくなり“色”を飲み込んでいく

(止めろ!)

青も、白も、黄色も、全ての“色”を塗りつぶしていく

(止めろよ!あれには「   」が!!)

黒が「僕」の世界を壊していく

(止めろぉーーーーー!!!)
274268:2010/10/10(日) 20:15:21 ID:???
「はっ……!?」
唐突に彼は目を覚ました。
被っていたブランケットを跳ね飛ばし、上半身を起き上がらせる。
「……はぁ」
部屋の壁に取り付けられている時計を見て彼はため息をつく。
普段起床する時間まで、まだ半刻もあった。
(“また”か…)
寝汗でびっしょりになってしまった肌着に眉をひそめる。
彼は、また“いつものこと”が起こった事を悟りベッドから起き上がると、寝汗で不快になった体を洗い流すためにバスルームへと足を運んだ。
バスルームの前に置いてされている籠の中に寝間着代わりに身に着けていたアンダーシャツを放り込む。
(何なんだろう、いったい…)
生まれたままの格好になった彼は勢いよく噴出すシャワーの水を頭から被り、先ほどの出来事のことを考える。
何の前触れも無く突然眠りから覚醒させられるこの現象。これは2年ほど前から一定の周期ごとに起こっていた。
しかもその周期は月日を追うごとにだんだんと短くなり、2年前は2ヶ月に1〜2度程度だったのに対し、現在は10日に1回はこうして不快な目覚めをさせられている。
医者に診て貰おうと考えたこともあるにはあるが、正直そこまでするのは面倒に感じ実行に移していなければ、誰かに相談したこともない。
ひどい寝汗を掻いていることを察するに、恐らく酷い悪夢か何かを見ていると思われるのだが、肝心の夢の内容はまったく覚えていなかった。
(まぁ、こうして汗を流し終えれば、特に問題ないんだけど…)
覚えていないということは、それほど重要なことじゃない…そう判断した彼は思考を切り替える。
そうでなくても、自分にはやらなければいけないこと、覚えなければならないことが沢山あるのだ。こんな些細な事を何時までも悩んでいるわけにはいかない。
こうして彼の疑問は“いつもの事”として、彼の頭の中から急速に霧散されていった。
シャワーを浴びて身支度も終えた彼は、洗面所にある鏡の前に立つ。
そこには、軍服を纏った少年と青年のちょうど中間ぐらいの容姿をした男の姿が映し出させていた。
「やっぱ、似合わないよなぁ」
鏡に移る自身の姿に苦笑する。
コーディネーターとしてはもちろん、ナチュラルだったとしてももう直ぐ成人を迎える年齢なのだが、鏡に映るその姿からはまだ子供っぽさが抜け出していない。
平均的な同年代の男性に比べると小さい身長、それなりに筋肉は付いているが細身に分類されるであろうシャープな体つき、女性にも劣らない綺麗な白い肌。
腰の辺りまで伸びた黒髪は後ろの部分でポニーテール状に束ねられ、それ以外の部分は手ぐしで無造作に整えただけ。
それらも彼を幼く見せる1つの要因だったが、それ以上に彼のその顔立ち、その眼に問題があった。
彼の持つ紅い瞳。
その瞳から放たれる眼光は優しく儚げで、ひいき眼に言っても男らしいとは言えない輝きを放っていた。
もう少しでもその眼が鋭ければそれなりに大人びて見えるかもしれないが、残念ながらその兆しは見受けられない。
(まぁ、こればっかりはなぁ)
仕事場の都合で仕方なく軍服を着ているが、そもそも自分は“軍人”ではないのだ。
軍服が似合わなくても何も問題ない。
275268:2010/10/10(日) 20:18:54 ID:???
「よし」
そう心の中で自分に言い聞かせた彼は自身の姿におかしな所が無いことを確認すると鏡の前から移動し、仕事場へと向かう為に部屋の扉を開ける。
「あっ…!」
「あら?」
すると部屋の前では、今まさに彼の部屋のチャイムを押そうとしている彼と同じぐらいの年齢、同じ軍服を身に纏った赤髪の女性の姿があった。
予想外の対面に驚きの声を上げる彼。とっさの事で次の言葉を紡ぐことができない。
「珍しいわね、私が起こしに来る前に部屋から出てくるなんて〜、おはよっ!」
そんな彼に対し女性は軽く首を傾げたが、直ぐに笑顔になって朝の挨拶を告げる。
「お、おはよう…ございます、ルナマリアさ――」
「こらっ!!」
「――へっ?」
慌てて挨拶を返そうとした彼だったが、言葉の途中で行き成り遮られてしまい眼をパチクリさせる。
対するルナマリアと呼ばれた女性は腰に手を当て、唇を尖らせながら彼の顔を睨み付けた。
「その“さん付け”は止めなさいっていつも言ってるでしょう?あと“敬語”も!」
「で、でも、ルナマリアさんは僕からしたら一応年上ですから…」
「ダ〜メッ!!」
「ひぃ!?」
あまり気が強いほうではないらしい彼は、怯えた様に声を上げながら縮み上がる。
「“さん”も“敬語”も“僕”も、私の前ではぜ〜んぶ禁止!!分かったわね!?」
「わ、分かったよ、ル…ルナ」
「んっ!それでよし!」
軽く涙眼になりながらコクコク頷く彼に対し、ルナことルナマリア・ホークはニコッと笑いかける。
「改めておはよう、シン!」
「…う、うん!おはよう、ルナ」
ルナマリアの変わり身の早さに驚きながらも彼『シン・アスハ』は、彼女の眩しい笑顔につられる様に優しく微笑んだ。


逆襲のシン・アスカ 『Select of Destiny』


276268:2010/10/10(日) 20:26:07 ID:???
C.E.74

プラント最高議長ギルバート・デュランダルの提唱したデスティニープランに対し、異を唱えたオーブ軍とスカンジナビア王国、そしてクライン派の混合軍との戦い…後に「メサイア攻防戦」と呼ばれるこの戦争はプラント側の敗北、デュランダル議長の死亡という形で幕を閉じた。
その後世界は、世論から圧倒的な支持を受け就任したプラント最高議長ラクス・クライン、メサイア攻防戦において混合軍戦力の大半を占める軍事力を提供したオーブ首長カガリ・ユラ・アスハ、2度の戦争を止める立役者となったこの2人に任されることになる。
二十歳にも満たないこの少女達が世界の代表となることに不満や不安を持つ者も存在したが、それ以上に過去2度に渡る戦争により疲れ果てていた人々は圧倒的な武力とカリスマ性を備えたこの少女達に世界のこの未来を任せる事を『選択』したのだ。
結果から言うと、人類の選択は正しかった。
元々友好関係を築いていたこの2人がプラントと地球の代表となったことにより、両者間の蟠りが急速に緩和されていった。
そして前戦争で図らずも世界を掌握する力を持っていることを世界に示したにも関らず、2人の姫は武力による世界の管理をしなかったのも大きい。
軍隊を自国の護衛最低限のみ設置し、地球上に存在する諸外国との交渉をあくまで話し合いのみで解決するスタンスを取り続けた。
その行動が人々からの支持に拍車をかけ、各国の代表は彼女達の真似をするように次々と別国に派遣させていた自国軍を撤退させる結果となる。
その際各国の軍備縮小に伴い大幅に増加した盗・海・宙賊達の問題に対し、彼女達は通常では考えられない対策を編み出した。
どこの国にも属さない中立地帯や自衛の術を持たない小国の警護を、ロンド・ミナ・サハク率いるミハシラ軍、叢雲劾やカナード・パルス等の傭兵部隊、ロウ・ギュール達の様なジャンク屋等「対宇賊専用の非正規武装組織」に一任。
自国の軍を派遣する事無くその組織の支援・援助を積極的に行ったのである。
無責任とすら受け取れるこの決定だったが、これが思いもよらぬ効果を上げることになった。
新たに宇賊となった人間のほとんどが職を無くし、生きるため仕方なく宇賊になるしかなかった元軍人である。
最低限の衣食住さえ約束されれば元々力の無い人々を守るために軍に居た者達が平和を乱す宇賊から人々を守る傭兵へと職を変えるのは時間の問題となり、宇賊達の規模は年々縮小されて行ったのである。
また、寄せ集めの傭兵部隊と言うのはその性質上コーディネーターとナチュラルの混合軍となる。そんな彼らが世界各地に派遣されると言うことは、それだけコーディネーターとナチュラルの境はなくなるという結果になった。
自分達を理不尽な暴力から守ってくれた人間に対し、ナチュラルだコーディネーターだと下らない確執を持つ者は少ない。
無論、これらが長年続く宇宙と地球の間に存在する巨大な溝を埋める直接の要因になるとは考えづらい。

しかし、C.E.77
メサイア攻防戦から約2年と半年、人類はゆっくりと…しかし確実に平和への道を歩み始めていた。
そう、あの時の人類の判断は正しかったのだ。
少なくとも今現在の時点では……
277268:2010/10/10(日) 20:29:04 ID:???
「それにしてもホント珍しいわよね〜シンが一人で起きてくるなんて…今日、MS(モビルスーツ)でも降って来るんじゃない?」
「な、なんでそこでMSになるのさ。せめて雪でも降るって言ってよ」
「オーブやプラントだと、雪よりMSの方が現実味があるのよ」
「いらないよ!そんな嫌な現実感、縁起でもない…」
「まぁ、そんだけあんたが一人で起きてくるのが意外だったって事よ」
「いい加減にしてよルナ。ぼく…じゃなくて、俺だって自分で起きられる日ぐらいあるよ」
「はいはい。それにしても…」
今や地球の中心と言っても過言ではないオーブ政庁官邸。
その中の無駄に横幅の広い廊下を、シンとルナマリアは他愛も無い話をしながら並び歩いていた。
2人は揃ってオーブの軍服を身につけており、その周りでは同じ服装をした彼らの倍…下手をしたらそれ以上の年齢をした大人達が慌しく歩き回っている。
その者達をルナマリアは横目で眺めながらため息をつく。
「相変わらず忙しそうね〜オーブのお偉いさん達は」
「しかたないよ、今のオーブは地球連合の中心なんだから。“カガリ様”も毎日大変そうだし…」
「っ………」
彼女の言葉に苦笑しながら応えるシン。
しかし彼がカガリ・ユラ・アスハの名前を口にした瞬間、ルナマリアの形の整った眉が歪んだことには気が付かなかった。
「……ていっ!」
ゴスッ!
ルナマリアは一瞬で表情を元に戻すと、シンの側頭部に向かって軽くエルボーを打ちかます。
「イタッ?」
「こ〜ら、シン!」
横からの想像もしていなかった攻撃にヨタヨタと姿勢を崩すシンに対し、ルナマリアはピッと指を立てた。
「そのカガリ“様”ってのも止めなさいって、カガリさんから言われてたでしょう?」
「えっ?そうだったっけ…?」
「そうよ!」
「じ、じゃあアスハ代表で…」
ゴスンッ!!
「アグッ!?」
今度は頭頂部に降って来たチョップをまともに受け、悶絶するシン。
278268:2010/10/10(日) 20:32:25 ID:???
「余計ダメじゃない!」
「な、何が…?」
「カガリさんはねぇ、そういう他人行儀で呼ばれるのが嫌なのよ?“カガリ”って呼び捨てにするぐらいじゃないと」
「む、無理だよ!相手はオーブの代表だよ?」
「その前に“家族”でしょう!?あんたカガリさんから“アスハ”の名前を貰ったんだかr――」
「わーわーわー!!」
ルナマリアが言葉を言い終わる前に、両手をブンブン広げながら言葉を遮るシン。
慌てて回りを見渡して側に誰も歩いていないのを確認すると、先ほどとは打って変わって小声で話し始めた。
「ま、不味いよルナ。ここ(政庁)でその事を話しちゃ…」
「なんでよ?別に隠すことじゃないでしょ?」
「僕は唯の身寄りがない民間人だったんだよ?そんな僕がカガリ様の温厚だけでアスハの名前を貰い受けた、なんて知ったら誰も良い思いはしないよ。そうじゃなくても、何で僕が“代表補佐”なんて役職に就いているのかみんな疑問に思ってるんだから…!」
あっけらかんと話すルナマリアに対し、小声ながら早口で捲くし立てるシン。
一人称が何時の間にか「俺」から禁止されていた「僕」に直っていることからも、彼に余裕が無いことが見てとれた。
そのせいなのかは知らないが、ルナマリアは「ふーん、まっいいけど」と深く追求することなく言葉を収める。
「ふーんって…」
「それより代表補佐さま?こんな所で油を売ってて大丈夫なのかしら?」
「えっ…ああっ!?」
ルナマリアの言葉にシンは身につけていた腕時計を覗き込み、次の瞬間大きく仰け反った。
時計の示す指針が、彼が仕事場に着いていなければいけない時間に限りなく近い時刻を示していたからだ。
「ま、マズイ!」
「廊下は走っちゃダメよ〜、シン」
暢気な声をかけるルナマリアに対し、そんな事言ってる場合じゃないですよ!!と言い返しながら慌てて走っていくシン。
遠ざかっていく彼の後姿に手を振るルナマリア。
「……シン・“アスハ”か」
その姿が完全に見えなくなった事を確認したルナマリアは、ため息混じりに呟いた。
彼女の顔には先程までの笑みは無い。
空ろげな、しかし何かに後悔しているような悲しい眼をしながら、ルナマリアはシンが走っていた方向を見つめる。
「シン……」
279268:2010/10/10(日) 20:36:28 ID:???
「あの…どちら様でしょうか?」
これがメサイア攻防戦後、約7日間に渡って意識を失っていたシン・“アスカ”が、目覚めてから初めてルナマリア達の顔を見た時の第一声だった。
彼が目を覚ましたのはオーブ内にある政府御用達の特別病棟のある一室。ザフト軍FAITHでありレイ・ザ・バレルと共にデュランダルの腹心であったシンは、デュランダル亡き後プラントのスケープゴート
……言い方を変えれば生贄に仕立てられる可能性があり、それを恐れたアスラン・ザラやカガリ・ユラ・アスハ達の配慮によって、シンは意識の戻らぬまま極秘で彼の祖国であるオーブへと運び込まれたのである。
それに同行する形でルナマリアやその妹メイリン・ホークは一時オーブにその身を寄せており、彼が目を覚ましたと言う病院側からの報告を受けた時、皆真っ先にシンの眠る病室へと駆けつけていた。
「ちょ、ちょっと何言ってるのよシン!?」
その彼らがシンの第一声を聞いた時の衝撃は強く、特に月面でアスランのインフィニットジャスティスに墜とされ、デスティニーのコックピットに収まったまま意識を取り戻さないシンをインパルスで救出して以降、
片時も彼の側を離れようとしなかったルナマリアの取り乱しぶりは尋常ではなかった。
形振り構わない様子でベッドに駆け寄り、彼の肩に手を伸ばす。
「私が誰か分からないの!?ルナ、ルナマリア・ホークよ!?」
「えっ?あ、あの…?」
しかし、ルナマリアに詰め寄られたシンは怪訝そうに眉を顰めるだけで彼女の問いかけには応えない。
「お、お姉ちゃん!」
「止めろルナマリア!!」
そのままガクガクと彼を揺さ振ろうとするルナマリアを慌てて止めるアスランとメイリン。
それでもなお止まりそうに無い彼女の様子に、これ以上ここに居るべきではないと判断したカガリが一度この病室から退出する様、指示を出す。
何とか宥められながら病室を出て行くルナマリアとそれに同行するアスラン達の後姿を、シンは困惑した表情で見つめていた。

「それで…シンにいったい何が起こったんだ?」
シンの病室から退出し、別室に通されたルナマリア達。
先程まで取り乱していたルナマリアも何とか落ち着きを取り戻し、今は力の抜けた様子でメイリンに付き添われている。
そんな中、代表して口を開いたカガリは、目の前に座る医師に尋ねる。
「恐らく、記憶喪失かと思われます」
記憶喪失。ある時を境に、自分の過去に関する記憶が思い出せない状態。
医学的見解からは全生活史健忘という言葉を用いる疾患である可能性が極めて高い事が判明していたが、シンの担当となった医師はカガリ達に分かり易く伝える為あえてそう表現した。
「記憶喪失…?ドラマや小説に良く出てくる奴か?」
「はい。カガリ様達が来られる前にある程度の検査を行った結果、彼は知り合いや家族の事は愚か、自分が何者なのかという事すら忘れているようです」
「なんだと…!?」
驚くカガリ達の顔を見ながら、医師は固い声で言葉を紡ぐ。
「唯一覚えているのが、自分の名前が“シン”であると言う事だけでした」
「そんな…」
医師から告げられた内容に言葉を失うカガリ。
280268:2010/10/10(日) 20:39:03 ID:???
「お、俺のせいですか!?」
次に言葉を発したのはアスランだった。取り乱した様子で医師に詰め寄る。
シンをモビルスーツで撃墜したのは彼であり、その際の怪我が元でシンが記憶喪失になってしまったのでは…と考えたのだ。
「俺がデスティニーを墜としたせいで……」
「いいえ、検査の結果、頭部への損傷は見受けられませんでした。恐らくこれは、外傷性のものではなく心因性のものかと…」
「しんいんせい…?」
聞きなれない言葉に首を傾げるメイリン。
「心因性。つまり、心的外傷やストレス等心に受けた強いショックが原因という意味です。何か忘れてしまいたい出来事、消してしまいたいと考える過去が彼の中に蓄積された結果、自身の心を守るために彼の脳が行った、いわば防衛本能に近いものと考えられます」
「忘れたい……出来事」
「…………」
呟くように紡がれたアスランの言葉に、病室が静寂に包まれる。
シン・アスカの消し去りたい過去……考えるまでもなかった。
「―――ですか?」
そんな中、掠れた様な声が部屋の中に響く。
皆が声がした方に顔を向けると、そこには青白い顔をしたルナマリアが医師の目を見つめていた。
「シンは……直るんですか?」
震える声で尋ねるルナマリア。
そんな彼女に対し、医師はゆっくりと首を振った。
「分かりません。心因性の記憶喪失の場合、その症状は原因となった心的外傷がどの程度の大きさだったかに拠る所が大きいです。一晩で記憶が戻ることがあれば、一生そのままという可能性も…」
「だ、だったら、俺達がシンの過去を教えてやったら良いんじゃ…!?」
「確かにそれも1つの手段です。ですが、もしこの記憶喪失が彼にとって自身の防衛本能だったとしたら、無理に記憶を思い出させようとするのは帰って逆効果になるかもしれません」
「それって…?」
「下手をしたらもう1度気を失い、もう2度と目を覚まさないかも知れません」
「そんなっ!?」
メイリンの悲痛な声を聞いた医師は、目の前に右手の人差し指と中指を立てる。
「今、カガリ様達が選べる選択は2つあります。1つは今言った、積極的に記憶を取り戻す手段を模索すること……もう1つは彼が自然に記憶を取り戻すのを待つことです」
「……自然に治るのを、待つ?」
「…これは、一概にどちらの手段を選んだほうがいいと言う物ではありません。もちろん、どちらを選んだとしても当院は全力でサポートさせて頂きます」
ですが、と医師は言葉を続ける。
「彼には身寄りがいないそうですので、“選択”するのは皆様になります。いかがいたしますか?」
281268:2010/10/10(日) 20:42:07 ID:???
「ッ……!!」
ガァァン!!
思わず壁を殴りつけるアスラン。
「ルナマリア…だったな。お前が決めるべきだろう、これは…」
唇を噛みながら呟くカガリ。
「お姉ちゃん…」
不安げにルナマリアの顔を見つめるメイリン。
「…………」
皆が固唾を見守る中
「私は……」
ルナマリアはゆっくりと口を開き1つの“選択”した


シン……あなたはきっと、私を許さない
許される資格も無い
もしあなたが私を許したとしも、私が私を許せない
だけど今は、
せめてあなたに“その時”が来るまでは――

「あなたの側に居させて下さい…シン・アスカ」

C.E.77

人類が平和への道を歩み始めることを“選択”した世界

唯一人“選択する機会”を失い、取り残された男

彼に『選択の時』が訪れるのは、もう少し先の話である

282268:2010/10/10(日) 20:44:08 ID:???
以上です。
単なる思い付きな為、続きを投下するかは未定(オイ
283通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 21:39:40 ID:???
>>282
乙ですたい
284通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 21:49:00 ID:???
285通常の名無しさんの3倍:2010/10/10(日) 23:19:46 ID:???
乙です。これからシン・アスハが、どうシン・アスカに戻って行くか楽しみにしてますぜ

しかし、ルナ切ないな・・・
286通常の名無しさんの3倍:2010/10/11(月) 00:49:01 ID:???
簡単に平和になるとは思えんがな、鳥頭二匹がトップで

まあスルー
287通常の名無しさんの3倍:2010/10/11(月) 01:53:47 ID:???
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm11544497

本編でもこれくらいやってくれればなぁ
288通常の名無しさんの3倍:2010/10/11(月) 02:05:33 ID:???
>>267
乳揺れMSという事は…ひょっとして貴方は逆襲日記さん?
>>268
GJです、シンの様子が変だったのでてっきりIF系も兼ねてるのかと思いきや
記憶喪失とはありそうで案外なかったパターンかも。
ゆっくりでもいいですからぜひ続きを。
289通常の名無しさんの3倍:2010/10/16(土) 22:16:52 ID:???
>>280
「お,俺のせいですか!?」と叫んだアスランを見て『何を今さら(ケッ)』と思ったのは俺だけじゃないと思いたい…
290通常の名無しさんの3倍:2010/10/17(日) 01:23:40 ID:???
ぶっちゃけ心因性のものだとしてもお前のせいだとw
291通常の名無しさんの3倍:2010/10/18(月) 14:58:52 ID:???
自分のせいだと認識出来ただけ、十分マシだがなw
292通常の名無しさんの3倍:2010/10/20(水) 21:36:17 ID:???
胃に穴開いててもおかしくないような気がした
そこから続けて張り詰めすぎたせいで最終的には磨耗しない「人類種の守護者」になっちまったのとか「発狂」したのとか…割と悲惨なことになるシンも多いよな

…そういや生身の格闘技術だとどのあたりのシンが強めなのかな
「英雄」とか「狂人」のシン、あとは傭兵の面々(鍛え上げたスーパーコーディのカナードと相打ちとか単身で敵部隊半壊させて人質救助したりとか)は結構いけそうだけど

293通常の名無しさんの3倍:2010/10/25(月) 02:03:03 ID:uSxrjPd8
あげ
294通常の名無しさんの3倍:2010/10/27(水) 16:44:33 ID:???
晒しage
295通常の名無しさんの3倍:2010/10/29(金) 19:56:19 ID:???
>>292
どうだろうね。体格的にはデッカくなってるらしいRed Eyesのシンも強そうだ。
296通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 00:32:17 ID:???
おいおいなに言ってんだ?
筋骨隆々褌一丁アフロ頭な首領・アスカに決まってんだろうが(笑)
297通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 12:01:36 ID:???
>>296
それはぬけさく先生を殺せる奴はいないからぬけさく先生が最強といってるようなもんだw
298通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 13:27:14 ID:???
>>297
ここのシンも色々いるけど、常に一人だけギャグ補正がかかってるもんなw
299通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 15:45:19 ID:???
>>297
ハイドラクスと同じくシャア板では誤解されやすいワードだなw

ところでシンの戦訓が元にMS作るとしたらどういうのになる?
無論、プランA以外で
300通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 21:11:35 ID:???
>>299
プランB
301通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 21:13:53 ID:???
>>299
突進速度を最優先したブースターユニットと前面に対ビームの増加装甲
本体側はオーソドックスな仕様、PS装甲とビームシールド装備
で、強度を上げた対艦刀

シンの得意技である特攻突きに特化してみました
302通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 22:20:42 ID:???
とりあえずシンが激務で無い時間を使い何ヶ月もかけて自分好みに改修したMSを「ようやく完成した!試し運転は明日にして寝るか」と格納庫を後にした直後に
変態超絶技術者集団がスペースランチで到着しシンが寝てる間に別物に全面改修される展開はデフォだな
303通常の名無しさんの3倍:2010/10/30(土) 23:13:02 ID:???
魔改造。それは耐え難き誘惑・・・

しかと見よ!股間にそそり立つアロンダイトを!!
304通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 01:50:32 ID:???
ああ…
すぐに折れたり、無くなったりするアレな。
305通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 02:03:10 ID:???
そこは中華キャノン張りに股関にローエングリンだろ(笑)
306通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 08:37:25 ID:???
結果的に赤ズワース(聖戦士の剣装備)が完成した。
307通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 12:25:07 ID:???
>>306
レプラカーンかガドラムが良くね?
308通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 12:44:01 ID:???
設定段階でのビアレスはマジ股間に隆々とした剣の鞘が装備されていた
309通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 14:43:12 ID:???
股間にオーラキャノンじゃなかったっけ?
310通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 15:57:47 ID:???
股間といえばプランAのアロンダイトは折れるんだろうか
311通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 16:01:23 ID:???
守護神の象徴が折れるなんて、首領が死ぬくらい有り得ないから大丈夫
312通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 18:22:58 ID:???
過疎ってるなあと思ってたら急に賑やかになってきたな。
313通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 19:27:06 ID:???
日曜だしね
折れるとしたら…ピンクの髪みたいな放熱帯装備したガンダムか爪先が殺人ブーツ見たいな形状のガンダム(擬人化)に蹴られたら傾ぐか?
314通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 22:06:28 ID:???
過疎というより、PC規制が痛過ぎるorz
315通常の名無しさんの3倍:2010/10/31(日) 22:23:45 ID:???
俺も引っ越してようやくだもんなー…つか創作スレで大半の職人が投下できなくなるような規制って…
316通常の名無しさんの3倍:2010/11/01(月) 22:01:34 ID:???
>>310
折れず曲がらずな柔軟かつ強靭なモノでできてるんだろう
317通常の名無しさんの3倍:2010/11/01(月) 22:21:04 ID:???
この流れでふと思って調べてみたが、偉大なる守護神がこのスレに生まれ落ちてざっと3年以上になるのか

………………マジで?
318通常の名無しさんの3倍:2010/11/02(火) 11:10:17 ID:???
実際問題、PC規制がこんなに酷いならいっそのこと避難所を新たに本スレとしたほうが
人が集まるんじゃないか?
あっちなら規制も何もないし
319通常の名無しさんの3倍:2010/11/03(水) 17:39:20 ID:???
あんまり拡散すると、勢いが散ってしまう
職人が避難所に書いて、代理人がここに貼るって感じがいいんじゃないか?
完全封鎖じゃないんだし、誰かしら書ける奴はいるだろ
320通常の名無しさんの3倍:2010/11/03(水) 23:44:50 ID:???
>>318>>319
今過疎ってるのは、書き手さんが居ないせいなんだから、避難所を本スレにしてもあんまり意味はないと思う。
今現在の避難所の様子を見れば分かるけど書き込みも少ないし、投下もされてない。
忙しいのか飽きたのかは分からないけど、とりあえず職人さんを待つか自分で核しかないよ
321通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 00:02:16 ID:???
むしろ今が新規参入のチャンス、とも言えるね
さあ頑張れ俺以外!
322通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 00:31:29 ID:???
>>321
おいw

このままの流れなら、週末にでも時間作って投下してみようかのぅ
323通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 12:23:49 ID:???
>>322
ぜひとも♪
324通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 16:14:55 ID:???
>322
全裸待機して待ってるぞ
そろそろ全裸待機用のオコタを出すべきか……
325通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 18:41:56 ID:???
ショック
リバのサイト閉鎖してる
326通常の名無しさんの3倍:2010/11/04(木) 21:26:13 ID:???
>>325
wikiはまだ生きてるぞ
つーかまとめサイトの方はインフォシークが10月末でサービス終了したのが原因だと思う…
327通常の名無しさんの3倍:2010/11/05(金) 12:09:42 ID:???
種死初出キャラ組に暖かく優しい世界を、のモットーで知られた
「新キャラだけでDESTINY学園開校スレ」のまとめ過去ログもやられたorz
こないだ何となく、一番気に入ってた「救われた未来」を久々に読み返して
自分用に保存しといたんだがありゃ虫の知らせか何かだったのか…
328通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 18:11:06 ID:???
さて、>>322なワケだが、ざっくりとプロローグだけ書いてみた。
投下しておkかい?
329通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 18:38:48 ID:???
おkかい?と聞いた時にはっ! 既に行動は終わっているッ!!
330322:2010/11/06(土) 18:41:43 ID:???
おk。投下した!なら使って良いって事だな
では、不慣れだが、お付き合い頼む
331322:2010/11/06(土) 18:45:06 ID:???
暗闇の中、デブリに囲まれ二機のMSが交戦している。
否。
それは戦いと言うには余りに、一方的に過ぎた。
追い詰められている機体はゲイツR。
スラスターを全開で噴かし、必死に逃走を図って居る様は無様ですらある。
確かに、あの戦争から三年を経た現在においては型落ち機と言われても仕方がない機体ではあるが、それでも整備状況、武装は万全だった。
パイロット自身も元ザフトレッド。
並のパイロット相手なら例えザクMkUであろうと、問題なく撃破あるいは逃げ切る自信はあった。
だが、ソレが単なる過信であったことを、彼は目の前の敵にその身をもって思い知らされていた。
「……畜生」
既に左腕と右脚が欠損し、武装は手元にあるマシンガンとCIWSのみ。
敵機体には未だ一発の直撃すらない。
六機でかかったにも関わらず、だ。
共に仕掛けた残りの五機は一撃も当てることなく既にジャンクとなり、敵部隊に回収されていた。
殆どが、接触と同時に突貫してきた、交戦中のこの一機、隊長機であるその一体に瞬く間に撃破された。
開戦からここまでわずか三分程。
彼我の機体の性能差を考えても、明らかに異常なタイムだった。

「この、くそったれがぁ!」

機動性が特徴であるゲイツRさえも上回る圧倒的な速度で迫る敵機にマシンガンを撃ち込む。
発射された三発の弾丸は掠ることさえなく虚空に消えゆくが当然、それは予測済み。
敵機が回避するその先を読み弾丸をばらまく。
タイミングは悪くはなかった。
相対速度から考えても、この距離で避けきれるハズなど無い。
だが、

「更に速く!?」

予想外の更なる加速を持って敵機は全ての弾丸を置き去りにし、一気に肉薄。
咄嗟にトリガーを引くが、弾丸が繰り出されるよりも早く、ヒートブレードの一閃がバレルを両断。
次の瞬間には右腕が断裂。
メインカメラにナックルガードが映り、ソレを最後に映像は途絶。
万事休すである。

「強すぎるだろ……」

悲嘆に暮れながら、彼はサブカメラに映る憎き敵機を眺める。
そこに映るのはザク。
白と黒で塗り分けられ、赤のラインがソレを彩る、深紅のモノアイが特徴的な機体。
前面を厚い装甲で覆い、各所にスラスター、ブースターの類が増設されている圧倒的な機動力と加速力に特化した前時代的なカスタム機。
装備も簡素、かつ中近距離特化仕様という、まともなパイロットならナンセンスと断言するであろう、あまりにもパイロットを選ぶ、無茶な仕様のザク。
それは紛うことなく、純粋な意味での現ザフト最強を誇る部隊の隊長、「死にたがり」の専用機体、ザク・ハイヴェロシティ。
332322:2010/11/06(土) 18:47:02 ID:???
『素直に投降すれば、待遇は保証する』

接触回線で通信が入る。

『……分かったよ。この状況であんたに勝てるわけがねぇからな』

彼は諦観の言葉と共に、両手を投げ出した。

専用機である以前に、アレを乗りこなせるパイロットなどもとより一人。
恐らく、MS乗り、開発者、整備士、あらゆるMSに関わる人間にとって、この世で最も高名と言って良いパイロットの一人以外に有り得ない。
その男相手にここまで保ったこと自体、彼にとってはある意味、誇らしいことであった。

『そうか。……ズール1より各機へ。任務完了。周辺警戒の後、全機帰投せよ』

彼の返答を聞いて、その男は周辺の僚機へと通信を入れる。

『イエッサー!』

接触回線を介し、鬨の声が聞こえた。
白黒のザクにそのまま機体を固定される。
微かな振動と共に、モニタに映る星空が後方へと流れていく。
向かっていく先にはボズゴロフ級の戦艦が見えた。

「……流石、勇名は伊達じゃないな。特殊部隊スカーレット。これほどとはな」

諦めの境地とも言うべき、穏やかな心境故か素直な賞賛がふと口をついた。

『……あんた、やけに素直だな』

「ま、あれだけ、実力差見せつけられたんじゃ、諦めもつくさ。それにあんたと戦えたことはある意味光栄だよ」

その言葉に嘘はない。
非核動力機単騎での核動力機の撃破という偉業。
しかも、あのフリーダムを、キラ・ヤマトを、だ。
その上、前大戦の嚇々たる戦果。
戦争には敗れはしたものの、その後も、上のやっかみのせいだろうが、決して高機能とは言えない機体で常に前線を駆け、決死の戦場においても友軍に先駆け、その被害を軽減し、圧倒的なスコアを叩き出し続けた。
常に誰よりも速く、早く、突撃、突貫する、その戦闘スタイルから親しみと賞賛とを込めてつけられた渾名が「死にたがり」。
現ザフトにおいて、戦場に生きる人間からは、誰よりも支持を集め、最強の名を欲しいままにする、伝説のレッド。
その名は、

「なあ、死にたがりのシン・アスカ?」

333322:2010/11/06(土) 18:49:16 ID:???
―The scarlet treasoner
プロローグ「偽りの終わり」

「今回も、いつも通りお手柄だったらしいね、シン」

そうにこやかに語りかけてくる白服が一人。

「ええ。素晴らしい活躍だったと聞いています」

その言葉を受け、柔らかく微笑み言葉を紡ぐ議長が一人。

「別に、いつも通りですよ。お二人からそんな言葉をいただく程じゃありませんって」

そう困った様に頭をかくのはシン=アスカ。
ココは陽光の差すクライン邸の庭園。
先日の武装海賊の拿捕を含む一連の任務をこなして、プラントに帰還したシンを待っていたのは、現在のプラント及びザフトのトップ二人からの招集であった。

「さて、さっそくですが本題に入りましょうか。キラ?」

「うん」

瞬間、白服の顔が変わる。
手持ちのバックから取り出される、分厚い封筒。
ご丁寧に機密事項の印を押して、封がされている。

「君には、いよいよオペレーショントロイを実行してもらう」

現状において、厳しい状況に置かれているプラント並びにオーブにとって、起死回生の策だと言う事で、ことさらに厳粛に告げる様は実に滑稽に映る。
334322:2010/11/06(土) 18:50:33 ID:???
「ついに、ですか」

「ああ。今までの君の働きから判断して、もう十分だろうと戦略局も判断した」

戦略局が聞いて呆れる。
どれ程の節穴揃いだというのか。
内心の侮蔑をおくびにも出さず、シンは厳粛にその言葉を受け止めている様に振る舞う。

「来週をもって、君たちスカーレットには地球に降りてもらう。作戦プランは事前に打ち合わせした時と変わらないよ。ただ、漏洩は困るから、計画書はプリントアウトしておいた。改めて目を通して置いてくれ」

「分かりました。自宅で確認させていただきます」

手渡された封筒を鞄へ。

まだだ、まだ早い。

気を抜けば緩みかねない頬をどうにか引き締め、再び白服へと向き直る。
「すまないね。シン。こんな危険な役目を任せてしまって」

「構いませんよ。この任務に最も適した人材が俺だってことは誰よりも俺が理解してますから」

その通り。
なぜならば、彼自身、未だにそう思っているからだ。

「ああ。それにも関わらず、君は良く尽くしてくれた」

そうして、彼を労う様な表情と声色で白服は言葉を紡いでいく。

「本当は不安もあったんだ。君が憎しみを断ち切って、僕たちと共に戦ってくれるかどうか」

「ま、そりゃそうでしょうね」

共に戦う気なんて端から無いんだから。

「でも君は強かった。僕たちが思ってたよりずっと、ね」

その表情はもう止めてくれ。
割と切実に、腹と頬の限界も近い。

「…………」

だが、そんな内心とは裏腹に、彼の表情は粛々とその言葉を受け止める様な貌を造る。
ここで、不審がられてはこの三年の全てが水泡に帰す。
この三年で磨き抜いた演技力の全てを余すことなく発揮し、彼は粛々と下知を受け止める一兵卒の演技を続ける。
335322:2010/11/06(土) 18:51:26 ID:???
「君がこの任務を果たして、無事帰ってきたなら、その時は「FAITH」に任命するよ」

「FAITH……」

有り難くもない申し出の上に、そもそも帰ってくる気なんて毛頭無い。
更に言えば、そんな任務に送り込む時点で殺す気満々だろうが、ド畜生。

「ああ、それが僕たちの君に対する信頼の証だと思ってくれ」

「はい。ありがとうございます」

彼は恭しく頭を垂れ、

「では、そろそろ失礼します」

その糞ったれな会合の場を後にした。
見えぬ様に、貌に薄い笑いを浮かべながら。
336322:2010/11/06(土) 18:52:37 ID:???
――――――――――――――――――――――――

「いよいよ、「トロイ」か。どんだけストレートな名前なんだか」

自室で端末を叩きながら独りごちる。
トロイの木馬という物語があるが、要するにそういう作戦だ。

「ったく、妙なとこだけ気を回してわざわざプリントアウトしてくるとか、有能なのか無能なのか……」

わざわざデータの打ち直しをしなければならないのだから面倒この上ない。
だが、時が来たという悦びを前に、その程度の面倒など意味を持たない。

「あとは今まで通り当日まで振る舞えば良し、か」

仮面を被り続けた三年間を振り返る。
ソレを思えば、これからの数日など物の数ではない。

『じゃ、そろそろこっちも出るから、またあとでな』

そう最後に「文言」をメールに付け加えて送信する。
堆く積み重なった様々なジャンルの専門書に膨大な量の資料。
擦り切れたサンドバック。
散らかるトレーニング機器。
ただ純粋に己を高めるためだけの部屋の中で、彼は拳を握りしめる。

「さて、いよいよか……」

胸に去来するは、内から湧き出る怨嗟の声。
その真紅の瞳に昏い炎を宿し、一人の男は、反逆を開始する。
337322:2010/11/06(土) 18:54:46 ID:???
と言うわけで、プロローグなので、今回は此処で終了です。

ちょいと相談ですが、皆さん。
「おっぱいなお姉さん」と「スレンダーな姐さん」だったらどっちが好きですかね?
え?俺はもちろん……ってひんぬーなんて一言も言ってないのに窓の外になn
338通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 19:06:11 ID:???
早い仕事乙GJ!
ところで一般兵が目立ってたり、ニアデスなあたり川上信者とお見受けいたすが

どっちもいいと思うの! キャラクターの魅力はキャラ付け次第だと思うの!
ネタとしてはおっぱいお姉さんの方が新鮮で作りやすそうではある。
339通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 20:25:42 ID:???
GJだ!
そう言えば、最初から逆襲する気満々のシンって意外とこのスレに少ないよね

おっぱいは正義!
あ、窓の外が明るく……
340通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 21:01:46 ID:???
GJ・・・久方ぶりの・・・潤いだ・・・
暗黒全開なシン・・・タマラン・・・
・・・きょぬーは、正義・・・

>>339
確かに・・・プラントとかオーブにいて殺されかけたりガルナハンとかで幸せに暮らしてたのぶっ壊されたりして参戦とか
傭兵業で依頼とかが結構多いし
・・・雪が降るらしいのになんか蒸しあt
341通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 21:12:08 ID:???
GJだな!
ムラケンが主人公を演じてる作品のヒロインって巨乳が結構多いよね
つまり、ここは先人たちに倣って巨乳ヒロインで行こうでは無いか

さて、このシンの逆襲計画はどんなものになるのだろうか
…ん、レーダーにアンノウンの反応だと?
342通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 21:16:05 ID:???
シンがラクシズを憎むのは分かる
大切なものを悉く奪われたから
しかしそれ以上に平和を人一倍望んでいるのも事実。

このシンの望むものは何か
とりあえず復讐優先なようだけど。
続きが気になる GJでした。
343通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 22:47:26 ID:???
でも、真っ黒なところから、白くなっていくのも正義の味方らしいと思うの

まぁ、個人的にスレンダーな姐さんも捨てがたいが、やはりおっぱい
タートルネックのセーターにおっぱいと言う個人的に超破壊力の萌兵器の季節だし
ああ、お迎えがやって来たか……
344通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 23:19:04 ID:???
>>337
乙です。今後の展開が楽しみです。
種死本編ではスレンダーな姐さんはいなかったので、スレンダーな姐さんの方で。
というか、ひn…、誰か来たようだ。こんな時間に誰だろう?
345通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 23:34:36 ID:???
懐かしいなぁこのスプラッタな光景。
346通常の名無しさんの3倍:2010/11/06(土) 23:59:52 ID:???
ハハハ、なに他人事みたいに言ってるのかな?

にしても、投下があれば、規制中とは言え一気に人が増えるな。そして、もちろん出血量も
うん、ちっぱいって素敵だとおm……
347通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 00:09:05 ID:???
>322
乙&GJ!
なんだかウザヤカなキラだな。
企んでる黒シンも珍しいか?


スレンダー=ひんぬう
じゃないぞ。痩せてるって意味なんだから。

と言うわけで、スレンダーなきょぬうでおk
虚じゃないぞ。巨だからな。
348通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 00:19:11 ID:???
フッ・・・、オレはボインちゃんが大好きでね。
349通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 00:59:18 ID:???
GJです。
「ちっぱいなお姉さん」と「スレンダーな姐さん」の二択ならどちらもご褒美です
350通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 12:32:50 ID:???
>>348
貴方はゲッターとのクロスで、女は巨乳しかチームに加えてない神司令じゃないですか!
351通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 15:45:41 ID:???
>>349
それ、結局ひんぬーな年増ってことじゃないですか! やd(ry
352通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 16:00:09 ID:???
投下乙です
凄い続きが楽しみですが誤植がひとつ
ボズゴロフ級は潜水艦なので正しくはナスカ級かローラシア級かと思います
353322:2010/11/07(日) 16:51:03 ID:???
……げ。そこは適当に読み替えておいて下さい

にしても、やっぱりみんな好きネー
354通常の名無しさんの3倍:2010/11/07(日) 23:10:34 ID:???
おっぱいが嫌いな男など(ry。ともかく潰される前にGJ

にしても、あれだな、ほぼ一ヶ月ぶりの投下なんだな。皆様規制なのかえ?
嗚呼、なんかこう耳に馴染むバーニア音が聞こえてきた……
355通常の名無しさんの3倍:2010/11/09(火) 11:50:45 ID:???
久しぶりに覗いたら新作に大量虐殺とか…
何と言う嬉懐かしい光景だ……


見た目スレンダーな女性パイロットが実はサラシで無理矢理押さえつけてて
スーツのジッパー下ろした途端に解放されたモノが揺れるってのも素敵だと思うんだ
……あれ、おかしいなこんなに晴れてるのに急に陰がry
356通常の名無しさんの3倍:2010/11/09(火) 18:43:23 ID:???
傭兵氏の、ハンドレッドブリッツ殺戮パーティーもとい実戦テストを
やってのけた際のロミナママン総帥ですねわかります
あの艶姿には何度お世話になったことか…

…ん、な、なんだなぜ体が急にふくrA



                             
                             あわびゅ

357通常の名無しさんの3倍:2010/11/09(火) 23:47:46 ID:???
ほ・・・北○シン拳!?
358通常の名無しさんの3倍:2010/11/10(水) 00:08:53 ID:???
グングニール!?
359通常の名無しさんの3倍:2010/11/10(水) 17:40:22 ID:???
いや、サイクロプスかも知れん
360通常の名無しさんの3倍:2010/11/10(水) 20:11:24 ID:???
職人さんがた〜! もどってこぉぉぉ〜い!
逆シンスレはいいとこだぞぉ〜! もどってこぉぉぉ〜い!
361ジャスティス!:2010/11/10(水) 20:34:55 ID:???
月に要と書いて「腰」
人の体を意味する【肉月】に、物事の最も大切な部分を表す【要】の組み合わせ。
肉体において『腰』がいかに重要であるか分るというもの。

どれほど乳房が巨大であろうと、クビレのない腰の持ち主をして巨乳と讃えられようか?
否、それは只のズンドウであり、ドラム缶である。あえて言おう、それはデブ以外の何者でもないと。

たとえ片手ですっぽりと覆われてしまう胸の所有者と言えど、それが即ち幼児体型であり女性としての魅力を備えていないと言えるだろうか?
否、キュッと締まった腰のライン、それこそが成熟した女性の証であり、男を魅了してやまないシルエットを形づくる重要な部位であるのだ!

お嬢様のパイロットスーツ姿を見たとき、諸君は何を考えたか?
「胸が無い」? 「貧乳」?
そうかもしれない。しかしその肢体をして「男」と判断したものはいやしないだろう。

それはなぜか?

髪を結い上げるために持ち上げた腕。その脇の下から腰を通り太ももへと続く曲線。
女性にしか持ち得ぬそのやわらかなラインこそが、それこそが女体の魅力の本質ではないのか!

巨乳など必要なし! 締まったウェストこそヒロインの必須条件!!


あ、その……、いやいやいや、みなたまのボディには無限の可能性と夢が詰まってらっしゃいますから!
本当ですって、本気でそう思ってますって!

そんな事ありませんから落ち着いてくださいお母様!
母性というのは一朝一夕で身につくものでは無いですから、ええ、ええ、そうですそうです。
男ってのはいくつになっても母の愛に弱いものなんです。ニコルという優しい少年がお母様の愛情の深さを証明してますよ。


ふう……。
あの方の依頼も果たしたし、ユニオンジャックな筋肉達磨達とか190の大女に捕まったらジャス子にさせられるので……。
これにておさらb  ターン( ゚д゚)・∵. ・. .

(頭部がない、狙撃されたようだ)
362通常の名無しさんの3倍:2010/11/10(水) 22:54:06 ID:???
>>361
アンタって人はwww
まあ確かに細い腰って言うか均整のとれた身体ってのは素晴らしい
キュっと締まった身体が描くS字のラインはまさしく芸術品という他無い
だがあえて言おう、ボンキュッボンもいいしスベキュッスベも素晴らしい、だが、だが!
発展途上にある少女(YESロリータNOタッチ!)のシルエット、すなわちあの特有の寸胴、もしくはまな板体形もまた素晴らしい物であると

つかぶっちゃけ巨乳って悪じゃね?
悪の女幹部って大抵際どい衣装に巨・爆・魔じゃん
カガリとかラクスが正義とは無論言わんが
363通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 00:50:43 ID:???
顔や体型、性格に致命傷が無い限りポニーテールさえあれば逆転可能
364通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 01:49:59 ID:???
ガルナハンの中心部より少々離れた位置に存在するとある酒場。
茶色の髪をポニーテール状に結った、まだ年若い褐色肌の美少女が健気に切り盛りする店として、ガルナハンでもそれなり有名な酒場なのだが、
有名さ故にか太陽もようやく頂上を下り始めたばかりだというのに、既に一人の少年がカウンターの席を陣取り、健気な美少女に語りかけながら一杯引っ掛けていたりしていた。

「マスター。もう一杯お代わり」
「ふざけんな。お前まだ勤務中だろ? さっさと仕事に戻れよ。
あと、マスター言うな」

耳元を隠す程度にまで伸びた黒髪に、そこらの女性であれば間違いなく羨むであろうほどの真っ白い肌。
そしてなによりも目を引くのが、その特徴的な真紅の瞳。血のように紅く、夕日のように儚く、ルビーのように輝いていた彼の瞳。

「別にいいだろ、マスター? 俺の今現在の楽しみなんて、ここでマスターの顔見ながら飲むぐらいしかないんだからさー」

そう、輝いていた。輝いて『いた』のだ。
所詮は過去形。今は昔。子供がサンタを一目見ようと瞳を輝かせ夜通し一生懸命起きていたら親がプレゼントを枕元に置くシーンを目撃してしまったかのように、
赤ん坊はキャベツ畑で生まれてコウノトリが運んでくるのだと頑なに信じていた子供が保健体育で性教育の授業を受けてしまったかのように、
彼の『昔は』キラキラギラギラ輝いていた瞳は、今は見る陰もなく淀みに淀みまくっていた。
ああ、世界はいつだってこんな筈じゃないことばっかりだ、とは誰の言葉だったか。
かつては『フリーダム墜とし』だの『デュランダルの懐刀』だの言われていた姿は最早見る陰もなく、場末の酒場で牛乳を煽る毎日を送る、ガルナハンの駐在軍人こと『シン・アスカ』
何が彼を変えてしまったのか、メサイア戦役より約一年後。
今だ世界から争いの火種は消えることなく、弱者はむしられ強者はむしり、弱肉強食世はまさに世紀末といった有様の、C.E.75年の一幕だった。

しん・かうんた〜・あたっく
プロローグ「駐在軍人シン・アスカ」

目の前で牛乳を煽るシンを見つつ、呆れた顔で溜息を吐く健気な美少女ことコニール・アルメタ。
一応とはいえ戦争も終わり、自身も生きる為にと死んだ両親が経営していた酒場を継いで何だかんだと奮闘していたところに、ザフトから治安維持の名目でただ一人ガルナハンに左遷されてきた目の前の駄目人間ことシン・アスカ。
365通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 01:51:26 ID:???
生意気な奴だと思ったこともあったが、ガルナハンを救ってくれた恩人が来てくれるとあって、
シン本人には照れ臭くて言えないもののかなり喜んでいたのだが、戦争後のザフトでの風当たりが余程酷かったのか、やって来たシンは荒みに荒みまくっていた。

「お前、前に彼女いるとか言ってたじゃないか。戦争中に出来たって。
その彼女と電話なりなんなりすれば良いだろ。あと、マスター言うなつったろ」

ガルナハンに来た当初のシンは、常にイライラして余裕がなく、決して大人しい性格とは言えないコニールと何度も何度も喧嘩になったりしていたのだが、
基本的に世話焼きな部分があるコニールは何度喧嘩になってもシンを放っておくことができず、恩返しという意味も込みで世話を焼き続けていたりもしたものだ。
何かと絡んで話しかけてみたり、時に飯を作ってあげてみたり、また時には日が暮れるまで喧嘩してみたりと日々日々世話を焼いていたら、
段々とシンの刺々しさも消えていき、そして何故か毎日牛乳飲みながら酒場に入り浸られるようになっていた。
現在は、最早来た当初の荒みっぷりはカケラも見られず、毎日だらだらだらだらと酒場でコニールと会話をするシン。
打ち解けられたのは構わないのだが、昼間は定食屋としても開いているこの酒場。長時間居座られるのは正直邪魔だ。
その上、腐ってもかつてガルナハンを救ったことがあるためか、客に人気で居座っていても苦情が来たりしないのが始末に悪い。
正当な苦情の一つでも来れば、それを理由に酒場に来るのを少し控えてもらうのに。

「あー…ルナねぇ。もう大分前に別れた」
「…はあ? 別れたぁ? あの荒みまくってたシンとも別れず、何かと心配してくれてたとか言ってたのに何で?」
「まあ、所詮は傷の嘗め合い的に始まった関係だからな。一応連絡は取り合ってたけど、最後に直接会ったのが半年以上前だし、それだけ会ってないとお互いに段々と冷めてきちゃって、まあ自然消滅的に…さ」

特段恋愛経験のないコニールは、ふ〜ん。そんなものなんだ、と曖昧に相槌を打つ。
十五と十七。二つしか歳は離れてない筈なのに、やけにシンが大人びて見えたのは少し癪だったりした。

「だ・か・ら・さ、今はコニールと駄弁りながら一杯飲むのが唯一の楽しみなんだよ」
「そうかそうか。それは光栄だな。だが、駐在所に帰って仕事しろ」
366通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 01:56:34 ID:???
「おいおいコニール、このザフトの爪弾き者に何の仕事があるってんだよ。
俺の仕事はガルナハンの平和維持。一応給金は出ているが、特に報告なんてしなくてもいいんでさっさと死ねと言外に言われてるんだぜ?」
「威張って言うことじゃないだろ」

打ち解け過ぎたためか荒んでいた反動か、やけにフランクな態度を取るようになったシンに、コニールはまた一つ溜息を吐く。
しかしながら、シンの発言は的を射ている。今や時の権力者となったラクス・クラインや、カガリ・ユラ・アスハによる、プラント、地球連合双方の無理矢理とも言える軍縮。
それによって、軍を首になった人間や軍から離反した人間などが、日夜テロ活動に励んだり、盗賊紛いのことをしたりと悲惨な有様なのに、ガルナハンに居る軍人はシン・アスカただ一人。
しかも…

「せめて旧型でも良いからMSの一機でも回してくれたら、それの整備とかで仕事が出てくるんだけどなぁ」
「上に申請してみろよ」
「無理無理。余裕がないだの何だの言って、断られるのが目に見えてるよ」

派遣一人。体一つ。あからさま過ぎる嫌がらせである。
だが、そんな嫌がらせを受けながらでも、シンにとってはそれでも今の生活は気に入っているのだ。
ガルナハンの人達は温かく、荒んでいた自分ですら受け入れてくれ、時に馬鹿見たいに飲んだり食ったりと騒ぎまくれ、そして何より口では邪魔だ邪魔だと言いながらも付き合ってくれるコニールがいる。
家族が死んだあの時から、ここまで心に余裕を持てたことはなかった。家族と過ごしていた時とはまた違った形の平和だが、それでもシンは今のこの平和を享受しているのだ。
だからこそ、例えMSが無かったとしてもこの平和を守ろうとシンは心に決めている。
だからこそシンは、

「というわけでコニール、牛乳お代わり」
「どういうわけだよ…」

今日もまた、おつまみを食べながらコニールが注いでくれた牛乳を飲む仕事を始めるのだった。

ヒャッハーーー!! 特に意味無く思いついた駄文をゲリラ投下だぜーーーーー!!
ああ、何故だろう。真っ赤な光が迫って――
367通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 02:28:33 ID:???
いやいやまっことGJだ!
このスレのおかげでコニール大好きになったぜ。
こんなにも魅力的なキャラをレジスタンスA程度の役回りにしたのは誰だぁ…
368通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 11:43:10 ID:???
なるほど確かに「『カウンター』アタック」でつね、誰美味(牛乳的な意味で)GJ!
ところで続きの予定はおありでしょうか?
倉庫登録にあたり長編と短編のどちらのコーナーに配置させていただきましたものかと…
ご一報いただければ幸いです。
369通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 16:40:06 ID:???
>>368
遅れてすいません。わざわざありがとうございます
取り敢えず暇な時間使って続き書こうかなとか考えてるので予定があるかないかと聞かれたら多分恐らくきっと有ると答えておきます!

はい、すいません。お嬢様に貧乳と叫んでくる作業をおこn
370通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 20:10:50 ID:???
これだからこのスレはたまらないw
規制の上に、常にジェノサイドに晒されてるってのに、人材豊富すぎだろjk

まぁ、ジェノサイドっつーか、スーサイドだがwって、何も言ってn
371通常の名無しさんの3倍:2010/11/11(木) 23:34:18 ID:???
GJ このシンはそのうち万事屋でもやりそうだなあ
372通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 02:02:06 ID:???
シン・アスカ…ザフト特務隊FAITHのパイロットであった。
彼はある時何者かの恐るべき罠に嵌められ、同僚のアスラン・ザラを射殺してしまう。
シンにとってアスランは同僚であったばかりでなく、恋人ルナマリアの義弟でもあった。
四面楚歌の中軍を去ったシンは愛するルナマリアと訣別し、事件屋として生まれ変わったのだ。
人呼んで『傭兵くずれ』。
だが彼の唇に不敵な笑みが浮かぶ時、凶暴な悪人どもがその牙によって葬られるのだ…!
373通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 09:01:44 ID:???
>>372
それなんて白い牙?
しかしシンはホント四面楚歌状態のが輝くよな
374通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 13:03:41 ID:???
>>372
嵌められたんじゃなく、自分の意志で殺したんじゃないのかw
正直その時一緒ににルナを殺しても、おかしくは……
375通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 13:18:35 ID:???
>>374
元ネタ的には凸が不正に関わっててシンを殺そうとして返り討ちにあったんだろう
376通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 14:51:53 ID:???
ふと思いついたネタ

夜空の星が瞬く影で悪の笑いがこだまする。地球とプラント又に駆け、哀しみ背負って悪を討つ。
銀河疾風RD!お呼びとあれば即参上!(RDはレッドデスティニーの略)
レイ「悪党共に情けは無用!」
シン「よしきた!いくぜルナ!コニール!」
ルナ&コニール「「OK!」」

スパロボNEOのやりすぎか・・・。
377通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 18:59:06 ID:???
何故だろう、金田パースのシンと仲間達が乗り込んだ
インパルスのコアスプレンダーが巨大化変形して手の部分が鍵爪のデスティニーになる映像が浮かんできたw

んでミネルバから切り札の長射程砲ならぬデスティニーキャノンが射出されるとwww
378通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 20:17:43 ID:???
>>372ですべての合法的な抵抗を封じられて、最終的に死刑覚悟のテロで倒す黒幕、
また>>376-377で木星を破壊して新世界を築かんとする狂気の教祖は
ラクスかジブ公かそれともマルキオか…
379通常の名無しさんの3倍:2010/11/12(金) 20:25:18 ID:???
ジブさん味方につけて猫がマスコットとか
盟主王指令ポジションに抜擢してえヴぉりゅだーとか
380376:2010/11/12(金) 20:32:48 ID:???
そんな感じ。
あらすじ
種死後、ザフトでの風当たりも強く表面上は落ちぶれ、やる気も誇りも失ったかつての英雄となっていたシン・アスカとルナマリア・ホーク。しかし彼らには裏の顔があった!
生きていたレイに呼び出され、はみ出し野郎共とハチャメチャガールズがチームを組んで、法で裁けぬ悪を討つ!銀河疾風RD!ご期待通りただ今出動!

ブルーコスモス、プラント過激派との闘い。オーブの悪徳企業の始末。謎の隻腕少女の登場、ジャンク屋連合やサーペントテールとの共闘。
そして彼らは謎の存在、マルキオ道師の企みに巻き込まれていく・・・。

あ、デスティニーキャノンはリ・ホームだと思います。
キラは・・・。RDを必要悪としてあえて見逃し、最終回できれいなラクス、カガリ、高山版アスラン、ユウナ、アズラエルらと共に高飛びするRDを見送る役。
381通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 00:21:53 ID:qCFBJNCE
あげ
382通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 11:50:14 ID:???
ふと別スレの書き込み見て思ったんだが、シンって歳くったらどんな風になるかな?
383通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 12:12:24 ID:???
幸せを前提にするなら、娘(仮)にデレデレの親馬鹿なのが真っ先に浮かぶかなぁ
このスレの諸作品の様な、無私のヒーロー的な生き方に行き着くのが最もありそうではあるが
なんつーか、こう、おっさんになってる姿が想像出来ないというか、早死にしそうだよね

……嗚呼、なんか色んなお方が出没しそうな発言をした気がしてならない。だが、私は謝らない
384通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 12:38:09 ID:???
ヘイトネタだが、ラクシズ全滅&オーブ滅亡後、復興したガルナハンの郊外で
独り身のまま、植樹作業している初老のシン(公式では死亡扱い)てネタが
385通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 13:11:33 ID:???
戦争を無くすには政治家になって変えてけばいい!という事でプラント議員になった話とか。
キララクはプラント落ち着いたので木星の移民船団にでも志願して地球圏去ってる。
凸はオーブ軍を依願退官。同時期にメイリンもザフトを辞め二人で行方不明。
東アジア辺りで会社起こして社長と秘書やってて正体隠してシンに献金してる。
軍に残った元恋人ルナマリアからは軍縮に対してや昔の事を愚痴られたり、
外交で行ったオーブで昔の態度をほじくられ気まずい思いしたりなどの奮闘記。
386通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 13:46:56 ID:???
>>382
・「世界で最も危険な男」風になってる
・大塚ボイスの「伝説の傭兵」っぽくなってる
・筋肉ムキムキマッチョマンの(ry
・枯れた美中
さあどれg
387通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 20:57:16 ID:???
全部、蛇さんやないかwwww!
388通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 20:58:59 ID:???
んじゃ片手に銃を仕込んでピチピチタイツの二枚目半な欝ブレイカーでw
389通常の名無しさんの3倍:2010/11/14(日) 22:36:44 ID:???
重力に喧嘩売ってるマフラーをつけ、興奮すれば目が渦を巻き、敵には一切容赦しない鬼畜ヒーローっぽいんだけど実はわりとお人好しな正義の味方で。
もちろん精神的には恐ろしくタフでどんな危機でも跳ね返す。「運命だぁ?んなもん、オレの知ったこっちゃねえ!」

もしくはJ9みたいに必殺仕事人。
390通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 02:15:40 ID:???
某エロゲ業界のコラボが産んだ最萌中年のように死期を悟って後継者に

「子供の頃、俺は昔正義の味方に憧れていたんだ」

なんて遺言をして死んでしまうイメージがある。
391通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 10:24:27 ID:???
もし戦争がなかったら

シン・・・オーブで普通に営業辺りの仕事しながら生活。
マユの結婚式で酔っ払って新郎に殴らせろと言いながら号泣。

キラ・・・フリーのプログラマーとして気が向いたら働く半ニート。

凸さん・・・親父の跡を継ぎつつラクスとあんまり愛情のない夫婦生活。
その後秘書のメイリンと浮気発覚。ラクスは笑顔だが髪がますます抜ける日々。
392通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 12:11:26 ID:???
>>391
その話聞いて1つ思った…

戦争起きて一番得したのアスランじゃね?
シンやキラは戦争に巻き込まれなかったら、それなりに人生謳歌出来てそうだし;
393通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 12:40:07 ID:???
ママンが生きてるだろ!
394通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 12:44:59 ID:???
顔しか出てこなかったレノアさんはどういう人だったんだろう?
生きてれば凸もまだ真っ当な性格になったんだろうか?
395通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 14:27:04 ID:???
少なくとも父親との確執はなかっただろうな>アスラン
戦争起きて得ってどういう意味?
アスランも何一つ得してないだろ
そういう表現はやめようぜ
戦争あってもなくても遅かれ早かれ髪は後退してる
396通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 17:37:11 ID:???
カガリは普通におかざり主席として国民の人気を独占しつつ、
実権はユウナに握られているという状況になるだろうな。
397通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 17:42:19 ID:???
>>395
サハク派の軍事クーデター勃発で処刑じゃね?
で、セイラン親子は亡命か、何とかサハク姉弟に取り入って一定の地位を確保
良くも悪くもオーブの一政治家として人生を終える
398397:2010/11/15(月) 17:44:53 ID:???
レス間違えついでに、

>戦争起きて得ってどういう意味?
>アスランも何一つ得してないだろ







ピンクの悪魔と一緒にならずに済んだという、最大の幸運がw
399通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 18:07:38 ID:???
>>398
> ピンクの悪魔と一緒にならずに済んだという、最大の幸運がw
ラクスだって戦争起きなきゃずっと猫被って「うふふ。〜ですわ」とか言ってたんでね?
それに初めは愛が無くとも一緒に暮らすうちに愛なり他の情が芽生えるだろう
アスランの毛根は生える前に死滅しそうだが
400通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 18:17:33 ID:???
見える、朝起きてずっと新聞見てるアスラン
ラクスが「お茶いれましたわ」、とか言ってアスランが「あ、あぁ」
で、会社行く
しかし、髪は頭から抜け落ちる毎日
その頃シンは…就職してるか?
401通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 20:05:51 ID:???
シン「アスさんもキラさんもなかなかイケる口っすねえ!」
キラ「シンちゃんも!」
アスラン「オレはプラント前議長の息子だぞ〜!図が高〜い!」
シン&キラ「「は〜は〜っ!」」
キラ「って偉いのはアスランじゃなくてパトリックおじさんじゃないの〜!?」
シン「ここじゃあカチョーもシャチョーもギチョーも関係ないっすよ〜ん!」
アスラン「ああ、そうゆう事は言わないで〜!親の七光り、頭に映える〜っと!」
三人「「「アッハッハッハ!!!」」」

戦争してなかったらという話から釣りバカ日誌を読んで想像した。
402397:2010/11/15(月) 20:30:16 ID:???
>>399-340
ラクス自ら世界征服のための戦争起こすとか…
出自から「生まれてきたこと自体が罪」とも言えるし
同じことがキラとカガリにも言えるが
403通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 20:34:03 ID:???
安価が酷い事になってるぞw
404通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 22:00:24 ID:???
本編中のシンのモノローグから考えると戦争が無ければシンはプラントは勿論、オーブにさえ行くことはなかったんだよなぁ
って事はレイやルナマリア、ヴィーノをはじめとするプラントに住んでる奴らと出会う機会はなく、コニールやMSV、アストレイ組なんて一生関わり合いにさえならないだろうな
……あれ? ひょっとして戦争が無ければマユ大勝利?
405通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 22:10:50 ID:???
完璧に戦争が無いと考えると、
負債補正無しの盟主王やら議長やらミナ様辺りが、
なんやかんやで上手い事世界を回してくれそうな気がしないでもない

うん、ねぇな
406通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 22:30:38 ID:???
>>404
ただ歴史には修正力があるという説もあるからねえ。
戦争の起きなかった平和な世界でも何らかの形でルナやレイ、議長、キラ、アスラン、ステラ、コニール、ハイネ達と出会ってる可能性もあるよ。
んでその延長線上にあるのが>>401とかなんじゃね?

逆襲を終えて今際の際にそんな平和な世界の夢を見るシンとかもいいかも。
407通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 22:34:34 ID:???
戦争が無いってよりプランと連合が冷戦状態になってると思う
で十何年かしたところでソ連みたいにプラントが崩壊する

シンは地球生まれのコディだから盟主王のとこに就職すれば良いんじゃね
あの人、自分の会社でコディ雇ってるし使えるならちゃんと評価してるしな

議長やミナの出番は無いんじゃね、一研究者と一族長では無理でしょ
二人とも戦争だから頭角を現した人だと思うし
408通常の名無しさんの3倍:2010/11/15(月) 23:34:21 ID:???
議長は地道に研究してテロメアの件を解決し、レイとクルーゼ他クローンを救い
コーディの出生率うんたらも解決してタリアとイチャイチャしてればいいよ
サハクさんちはわからないけど姉弟仲良く暮らせてるといいね
喧嘩はいかんよ
409通常の名無しさんの3倍:2010/11/16(火) 01:10:52 ID:???
>>382
シンの外見って「アニメでここまで黒いって珍しいぐらい黒い髪」「女キャラより白い肌」「真紅の瞳」と、何気に種キャラの中じゃかなり厨二っぽいんだよな
戦争がずっと続いてギラついたまま生き続けてると、外見・空気共に吸血鬼そのままっぽくなりそうだ
410397:2010/11/16(火) 11:51:57 ID:???
>>403
うげぇぇぇぇ! 書き込み終わってから気付いた!
たびたびすみません

>>407-408
クズミとバカガリの屑っぷりに匙投げたセイラン他に担ぎ出されて
アスハ派誅滅しねーかな
411通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 12:17:49 ID:???
>>396
戦争がなきゃウズミが生きてるから一応はオーブも安定はしてるだろう
カガリは普通にユウナと結婚させられるかもしれんが、あの脳筋が大人しく従うとは思えんし どうなるのやら。
412通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 12:33:45 ID:???
冷戦状態ならオーブは死の商人で稼げるから
ミナもセイランも離反する理由無いし
カガリはウズミが決めたみたいだし凸とも会わないから結婚するだろね
でお飾りに収まると、多分オーブにとっては一番良い展開だと思う
413通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 12:48:50 ID:???
戦争がなかったら、そもそもキラ&カガリは生まれ(作られ)なかったんじゃ?
微妙だがラクスも?
414通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 13:31:56 ID:???
エゴの塊のようなユーレンとアルの事だから戦争関係なしに 作られたと思う。
ピンクは二世代コーディだから普通に産まれてるだろう。
415通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 13:48:35 ID:???
戦争なくて最も幸せになれそうなのはファントムペインらかな
でも孤児とか、誰にも見向きされなかった子供達だろうし苦労するかもな
いや戦争がなければ孤児にならなかったかも?
が、回想シーンの年齢と合わない気がする
回想のはかなり幼く見えた
416通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 15:56:48 ID:???
PPの子供たちはおそらく戦争前のテロで親を失ってる子供だと思う
戦争だと年齢合わないからな
でも戦争が無ければ親を失ってはいても単なる孤児院の子供で済むから
ブーストやエクスは勿論、兵士にならないしマシなのは確かだろね
幸せとはいえないだろうけど
417通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 17:25:42 ID:???
>>412
戦争が起こらなかったら例え冷戦状態でもオーブは死の商人で稼げない
戦争が起こらないとNJ投下による世界的な電力不足が発生しないから
オーブが死の商人に足り得たのは世界が電力不足の中地熱発電だかのお陰で生産力に余裕があったから
418通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 17:30:04 ID:???
ロウはジャンク屋やってるだろな。
419通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 18:52:58 ID:???
戦争がなかったらジャンク屋の存在が認められるか危ういけどな
420通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 19:00:20 ID:???
ジャンク屋はあるだろ
自転車とか冷蔵庫とか集めるんだよww
421通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 21:13:13 ID:???
レッドフレームの代わりにダブルフェイクのDガンダムみたいのを
フルスクラッチで作り上げてたりとかね。
422通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 23:38:10 ID:???
戦争無かったらMSも無いだろ
423通常の名無しさんの3倍:2010/11/17(水) 23:44:38 ID:???
どこまで設定通りに進むかによってだいぶ変わる話だな
424MOR ◆wN/D/TuNEY :2010/11/18(木) 00:14:22 ID:???
「待ってくれ!! マユ! レイ!」
意識の曖昧な、夢と現実の狭間を漂っていたシンは、殆ど寝言のような言葉を叫ぶとベットから飛び起きた。
――――?
傍ら寄り添っていた女性は、シンの青ざめた顔を見ると心配そうに声を掛けた。
「……夢を、夢を見ていた」
荒げた呼吸を整えたシンは髪をかきむしると、溜め息混じりに口を開く。
――――?
「ああ、夢だ」
首を傾げる女性に、シンははっきりとした口調で答えた。
「戦争がなかった世界の夢だ。
 俺はオーブに行く事も、プラントでアカデミーに潜り込む事もなく、MSに触れる機会さえ無い世界だよ」
――――。
シンの話に頷き、女性は水の入ったコップを渡す
「ありがとう。 その世界で俺は、普通に学校を卒業して、普通に就職してた。
 マユが結婚して、嬉しいて悲しくて……その内、俺も見知らぬ誰かと恋をして、結婚して子供も生まれてた」
――――。
「……怒るなよ、夢の話だって」
女性の言葉の端に僅かな怒りを感じたシンはそっと女性を抱き寄せた。
――――。
「なんかさ。 急に悲しくなったんだ。
 ここには俺が知ってる人が一人もいないって事がさ。
 ははは、何言ってるんだろうな、一寸夜風に当たってくる」
シンが部屋から出て行くのを目で追いながら女性は祈る。

きっと貴方は、もう争いから身を退くことは出来ないのでしょうね。
でも、でもこの一時だけはせめてもの安息を……


戦争の無い世界と聞いてふと思いついたネタ兼生存報告。
年末までに一本投下出来ると良いんですが……ガンバリマス
――――と最後の独白には好きな台詞とキャラを入れて下さい。……そう言って置かないと後がこw
425通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 01:18:54 ID:???
>>424
GJ、本編に期待

シンの相方になる人は支えてくれる人だと思うが、ここのキャラだとそういうタイプは少ないような・・
426通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 17:58:40 ID:???
やはり包容力があるナイスバディな年上の女性だろ、ロミナママンとか
427通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 20:56:52 ID:???
>>426
ロミナさんっつっても何人かいるわけだが
その内の半分以上はヤバイ感じになってるわけだが
428通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 20:59:53 ID:???
大半のヒロインはヤバイ人ばかりだから、どうせならオッパイが大きい方が(ry
429通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 21:11:31 ID:???
>>428
胸が小さくともまともだったり癒し系なら問題ない
・・・と思ったんだが該当者いるのか?
430通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 22:37:59 ID:???
まともや癒し系だけなら探せば居るだろうが、ひんぬーと明言されてるとなると……

このスレはぶっ飛んだ奴ばっかりだから感覚が麻痺ってて、まともの基準が良く分からんね
例えば懐かしのベル子や7子辺りはまともな部類と判断して良いよな?
431通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 22:38:29 ID:???
????「ガルナハンに居ます」送信っと
432通常の名無しさんの3倍:2010/11/18(木) 23:50:18 ID:???
容姿が決まってないから自由にできて死なないから永遠に一緒にいられる某AIとかどうですか
433通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 02:23:07 ID:???
>>430
該当者確認
ミハシラのMと、大ブリテン島のS
434通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 02:59:45 ID:???
>>432
いやぁ、田中理恵声のポニテ隠れMなツンデレAIのラスボスは強敵でしたね。
つーか属性がニッチすぎr(ry
435通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 21:41:08 ID:???

時に、C.E.86年。

二度目の大戦の終結より十二年が経過し、戦場になった地域も森林や砂漠などは段々と元の姿を取り戻しつつあった。
だが、国家に残った傷跡はロゴスの崩壊や各国本土へのザフト系テロリストの活動もあり、癒える所か悪化の一途を辿る。
そんな中“偶然にも”テロリストの標的とならなかったオーブ、プラントは経済と軍の強大化を推し進める。
C.E.76年、弱体化した地球連合の解体と、全ての国家を自らが主導する「新地球圏政府」への統合をオーブ・プラント政府が共同で宣言する。
全力で抵抗する地球連合諸国に対し、オーブ・プラント両政府は武力による強制解体の実行を通達。
実質的な宣戦布告の結果、三度地球圏に戦火が立ち上がった。

C.E.78年の新地球連合本部の陥落により一時はプラント・オーブの勝利に終わったかに見えた。
が、ロゴス狩りを生き延び、再編された企業連合体の助力を得て新型MS、MA、艦船を開発し地球連合軍は各地で抵抗を続けた。
それをプラント永世議長ラクス・クラインの下、虱潰しにして回る「歌姫の騎士団」。
両者ともに大きな決定打が無いまま時間だけが過ぎて行った。


泥沼の戦いは、未だ終結の兆しを見せない。

436通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 21:43:08 ID:???

夕刻に差し掛かった太平洋上。
海面から300メートルほどの高さに浮かぶ流線型の艦影が3つ。
最新鋭のガーティー・ルーV級に比べると、多少型落ちになるだろうか。

『コンディションレッドが発令されました。パイロットは所定の機体にて待機してください。コンディションレッドが発令――』

その内の一つ、中央の艦。
警報と艦内放送を背景にMSデッキに入った男が、タラップを駆け上がって搭乗機のコクピットに潜り込む。
シートに腰掛けてパスワードを入力。
ロックの解除とOSの起動を確認して、ハッチを閉じる。
一瞬コクピットの中が暗闇になるが、外から聞こえる低い唸りとともにモニターに、コンソールに次々と光が灯り、機体に火が入ったことを告げた。
パイロットシートの頭頂部から伸びたケーブルの先端を、ブーステンデット用のパイロットスーツの胸に備え付けられたジャックに差し込む。
ダガー系とGAT-X系の中間のような頭部のバイザーの下で、赤いツインアイが閃く。
『敵部隊急速接近。フェイズ02から07まで省略だって。いける?』
モニターの右下に表示されたオペレーターの少女に向かって顔を上げるパイロット。
「ああ、いけるさ」
その言葉に笑みをこぼすオペレーターの少女。
歳相応の、普通ならジュニアハイスクールに通っているくらいの少女に相応しいものになった表情を慌てて引き締め、灰色の髪を整えて咳払いを一つ。

『GAT-012Eケーニッヒダガー、全システム起動確認。発進シークエンスを開始します』
「了解」
ゴウンと音を立てて機体が横に滑り、カタパルトへとセットされる。
収納されていくキャットウォークから、整備班の誰かが手を振った。

437通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 21:44:00 ID:???

『APUオンライン。カタパルト、接続』
後ろから伸びてきたワイヤーがストライカーの下部に嵌め込まれる。
「出撃準備完了。発進許可まで待機」
一時的にシステムがいくつかダウンし、発進の時を待つ。
カタパルトの照明が、赤と黒を基調にした機体を照らし出す。
そのシルエットは、ダガータイプの発展系でありながらどこかデスティニーに似ていた。
両肩に装備されたビームブレードや、大型のウィングバインダーを搭載したバックパック、トルーパーストライカーが余計にそう見せるのかもしれない。
ケーニッヒダガーと名付けられたその機体のコクピットで、パイロット―シンが大きく息を吐いた。

『システムオールグリーン、進路クリアー。一番機、発進どうぞ』
「了解、ケーニッヒダガー、出る」
装甲の表面に、光の筋が走った。

カタパルトに押し出され、機体が一気に加速する。
伸びきったワイヤーが外れ、火花を散らす。
一瞬光が広がり、次の瞬間には機体が空の中にあった。
水平線の彼方に沈みかけた夕日が、機体を照らす。

『会敵まであと三十秒――パパ、がんばって』
「無論だ」
オペレーター、いや、“娘”からの激励に頷くと、シンはケーニッヒダガーを加速させた。


『続けてフォビドゥン隊、後部ハッチより順次発進――』

『コンディションレッドが発令されました。パイロットは所定の機体にて待機してください。コンディションレッドが発令――』

その内の一つ、中央の艦。
警報と艦内放送を背景にMSデッキに入った男が、タラップを駆け上がって搭乗機のコクピットに潜り込む。
シートに腰掛けてパスワードを入力。
ロックの解除とOSの起動を確認して、ハッチを閉じる。
一瞬コクピットの中が暗闇になるが、外から聞こえる低い唸りとともにモニターに、コンソールに次々と光が灯り、機体に火が入ったことを告げた。
パイロットシートの頭頂部から伸びたケーブルの先端を、ブーステンデット用のパイロットスーツの胸に備え付けられたジャックに差し込む。
ダガー系とGAT-X系の中間のような頭部のバイザーの下で、赤いツインアイが閃く。
『敵部隊急速接近。フェイズ02から07まで省略だって。いける?』
モニターの右下に表示されたオペレーターの少女に向かって顔を上げるパイロット。
「ああ、いけるさ」
その言葉に笑みをこぼすオペレーターの少女。
歳相応の、普通ならジュニアハイスクールに通っているくらいの少女に相応しいものになった表情を慌てて引き締め、灰色の髪を整えて咳払いを一つ。

『GAT-012Eケーニッヒダガー、全システム起動確認。発進シークエンスを開始します』
「了解」
ゴウンと音を立てて機体が横に滑り、カタパルトへとセットされる。
収納されていくキャットウォークから、整備班の誰かが手を振った。

438通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 21:45:02 ID:???
すまん↑の後半ミスったorz


時に、C.E.86年。
嘗てシン・アスカと呼ばれた男は、地球連合側についていた。
緑服に降格されてもへこたれずに「今の立場で、今の自分の見える範囲の物だけでも守ろう」と決意した矢先、クライン派から差し向けられた刺客によって
「任務中の事故」として戦友と上官を殺害されたのが十一年前。
そのまま自身も殺されそうになったところで死を装って脱走、そのまま混乱の最中にあった地球に逃げ込んだ。
殺されかけたときに顔の半分に火傷を負った上にショックで髪が半分白くなったのをいいことに名前を変えてフリーランスの
傭兵をやっていたところで地球連合の外人部隊に乞われて参加し、そのまま戦い続けること早十年。
今のプラント・オーブの上層部には何の恩も義理もないし、態々殺されに戻ることもないだろうと思いながら戦っていたら、十年が経過していた。、

その中でプラントが地上で秘密裏に推し進めていたとあるプロジェクトの実験体を拾った後に上層部の許可を得て“娘”としたり、
地球連合の崩壊で艦一隻、MS数機で二月ほど彷徨う羽目になったり、親連合側の企業に部隊ごと拾われたり、戦闘部隊の上官が段々戦死していって
気が付けば部隊長を任されていたり、異様な程の適性を見せた“娘”が専属オペレーターに納まっていたりしたが。
娘関係の事以外は大して気にすることではない、とシンは思った。

すれ違いざまに先頭の敵機―量産型フリーダム――を左手に握ったビームブレードで真っ二つに切り裂き、続けて迫ってきた機影に右手のビームマシンガンをお見舞いして叩き落しながら。
439通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 21:48:13 ID:???
>>437の後半間違えたけど投下終了
とりあえず思いついたのを練り上げて書いてみた
続きは気が向いて体力があったら書くかも

ついでに一言 “娘”将来性普通と思われまs
440通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 22:01:08 ID:???
>>439
シンの娘は黒髪赤目なのかどうかkwsk

GJだが一つだけ… 「ブーステンデッド」って。混ざってるから!!
ブーステッドマン → オルガシャニクロト。薬中
エクステンデッド → スティングアウルステラ。ブロックワードとゆりかご
多分後者だろうけど。
441通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 22:13:22 ID:???
>>440見る→読み返してみる→orz
すまん、素で間違えてたっぽい

“娘”は拾い子なんで黒髪でも赤目でもなかったり
髪は灰色で目は金色だったりする 描写に盛り込めなかったけどね!
442通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 22:18:21 ID:???
あ、>>440であってるって書くの忘れてた 度々すまん
443通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 22:26:34 ID:???
444通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 23:28:24 ID:???
>>439
投下乙。
娘はステラ似だと勝手に想像してしまったw
そしたら胸はd(ry

一つだけ突っ込ませてくれ。
種の世界で「コンディションレッド(グリーン、イエロー、オレンジ)」はザフトの戦闘配置だと記憶している。
地球連合、オーブは「第一種戦闘配置」みたいな表現のはず。
そこだけ違和感があった。
間違ってたら指摘してくれ>住人のみんな。

あとはできれば「コテハン+トリップ」をつけてくれるとありがたい。
まとめwikiに登録する際に助かる。(自分はアップしたことないが…)
コテハンは題名でも良いし、最初に投稿した番号(435?)でも良い。
トリップは http://find.2ch.net/faq/faq2.php を見ると分かるはず。
まあ、作者本人であるという担保みたいなものだ。

「娘」とかいろいろ楽しそうな設定があるので続きを楽しみにしている。

445435 ◆Bo5/5/xD9I :2010/11/19(金) 23:39:43 ID:???
>>444
ありゃ、そうだったっけ?
まとめ見ると結構どっちも使って多様な気がする…まずったか

コテトリつけてみた
こんな感じかな?
446通常の名無しさんの3倍:2010/11/19(金) 23:51:07 ID:???
コテトリはそれでよろしいかと。また結局
×「ブーステンデッド」
○「エクステンデッド」
で間違いないのですね。
あと登録にあたりましてタイトルは何となさいますか?
447通常の名無しさんの3倍:2010/11/20(土) 00:06:11 ID:???
>>444
け、結構設定細かいんだな…
過疎だし書いてみようと思ってたが、気をつけてしっかり調べないとな

言われてみれば確かに、連ザでマリューさんは「第一種戦闘配置」、タリアさんとめーりんは「コンディションレッド発令」だったなぁ。
448444:2010/11/20(土) 00:11:46 ID:???
>>445
細かい指摘で申し訳ない。この辺の設定は気になる方で…。
自分も戦闘配置の呼称については記憶だけなので、種死の本編(種は持ってない)を見て確認してみるよ。
地球連合はファントムペインが出張ってくるPHASE-16、オーブについてはPHASE-27〜28あたりを見れば
良いかなと思ってる。ザフトは前半では主役側だからついでに確認してみる。
コテトリはそれでおk。
449435 ◆Bo5/5/xD9I :2010/11/20(土) 00:17:57 ID:???
>>446
それで間違い梨です
タイトル…考えてなかったorz

450435 ◆Bo5/5/xD9I :2010/11/20(土) 00:19:15 ID:???
>>446
やべ、途中送信
お任せ、っての大丈夫ですか?
451446:2010/11/20(土) 00:34:57 ID:???
>>450
ではとりあえず仮題として
「逆襲のシン・アスカ〜C.E.86〜(仮)」
というのではいかがでしょう。
改めて思いつかれたら差し替えるということで。
452435 ◆Bo5/5/xD9I :2010/11/20(土) 00:41:15 ID:???
>>451
それでお願いします
ありがとうございました
453通常の名無しさんの3倍:2010/11/20(土) 01:05:05 ID:???
>>439

十二年後ってことはシン28か9か?
その歳で中学生の娘・・・許せる!
454通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 00:41:24 ID:???
召喚
455444:2010/11/23(火) 00:52:10 ID:???
だいぶ時間が経ってしまったが、種死本編を見て戦闘配置の発令について確認した。
ザフト:「コンディションレッド発令」
地球連合:「第一種戦闘配置」or「第一種戦闘配備」
オーブ:「総員、合戦(かっせん)用意」

オーブは間違えて記憶していた。申し訳ない。アークエンジェルとごっちゃになってたのかな…。

おまけ…アークエンジェルの艦内でミリィやナタルがよく言ってた「距離500、オレンジ14
マーク23、アルファ」というのもちゃんと設定があるそうで、詳しくは下記URLを見て下さい。
http://www.xg-seed.net/special/column2/column_06.html
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1345339983
456通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 09:18:55 ID:???
>>455
なるほど、逆シンに限らず種系の話書くときの参考になるな
457通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 14:28:56 ID:???
なんかオーブだけ浮いてるな
いつの時代だよw
458通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 14:48:04 ID:???
オーブって日本語が使われているみたいだけど、文法がおかしいしな
「永久に忘れん」とかww
459通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 15:07:32 ID:???
一応、未然形に、ぬの撥音便だから否定形ってことにはなるんだろうが、
別の解釈が出来る表記にわざわざすんなよって話だなw

まぁ、兵器名とか見ても、日本人のセンスじゃないしな
八咫鏡なんてゲーム内ならまだしも兵器につけるわきゃねぇw
460通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 17:41:40 ID:???
設定上、日本は東アジア共同体で
オーブはオーストラリア近くの諸島だから、かなり離れてるんだよなw
ちょっとズレた日本観の人ばかりが集まった国なんだろう。

きっと日本では科学者が才能の無駄遣いして、ヴァルシオーネとかフェイイェンみたいな独自MSの開発をしているに違いない
OSは実際に会話が出来るMEたんな。
461通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 18:19:29 ID:???
>>460
ライゴウ作ってなかったっけ?
アレも十分変態兵器だがw

個人的には人体に有害な緑色の輝きを放つ粒子を使用した超高速人型兵器とかほっといても増える
巨大昆虫とか作ってて欲しいが
462通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 18:21:50 ID:???
>ほっといても増える 巨大昆虫
キラが開発途中で放棄したのを
ラクスとの娘が完成させて北海道に放流するのか
463通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 18:28:06 ID:???
>人体に有害な緑色の輝きを放つ粒子を使用した超高速人型兵器
オクレ兄さんが水没しちゃうからヤメテあげてw

もういっそゼロシフトして、ベクターぶちかましちゃおうぜ
464通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 20:12:24 ID:???
??「ADA! エミュ子! 俺だ! 結婚してくれ!!……あ、RBは呼んでないんで」
465通常の名無しさんの3倍:2010/11/23(火) 20:40:53 ID:???
>>464
このスレにはDELPHIもいたりしてだな・・・
466朱 ◆NaPp2aS6cI :2010/11/24(水) 17:48:05 ID:???
しん・かうんた〜・あたっく第一話「燃える燃えるよガルナハン」

「は、はは…」

崖の上からガルナハンの町並みを見下ろし、口から渇いた笑い声を漏らすガルナハンの駐在軍人さんことシン・アスカ。

「ははは…」

同じく渇いた笑い声を漏らす、元レジスタンスの一員にして現場末の酒場のマスター兼看板娘兼健気な美少女ことコニール・アルメタ。

「はははは…っ、オイ見ろよシン。ガルナハンが見事なまでに燃えてるぞ?」
「ま、町並みが紅に染まって本当に綺麗だよな、コニール。でも、ガルナハンよりもコニール方がもっと綺麗だぜ?」

渇いた笑い声を上げながら、隣に立つシンにガルナハンを指差して語り掛けるコニールに、引き攣りまくった笑顔を顔一杯に浮かべたシンが、気が動転しているのか現状にそぐわなさ過ぎる口説き文句を口にする。

「ありがとうシン。お世辞でも嬉しい――っとでも言ってもらえると思ったのか!? 燃え盛るガルナハンと比べられたって、カケラたりとも嬉しくねーよ!!
つーか、ガルナハン燃えてるぞ!? どーすんだよこれ!?」

見事なまでのノリツッコミ。伊達に毎日シンにツッコミを入れてないとばかりに、シンの胸倉掴み上げてツッコミを浴びせるコニール。
それに対して動転していたシンも声を荒げ、

「俺だって知らねーよ!! 燃えちまったもんは仕方ないだろ!? 可能な限りガルナハン守ろうと精一杯頑張ったよ、俺は!!
つーか、ついさっき牛乳飲みながらニヒルにこの平和を守ろうとか決心してたのに、たったの数十分でこの様とか一体どんな罰ゲームだよ…」
「それこそ知るかーーーっ!! そもそも飲んでるもんが牛乳な時点で、カケラたりともニヒルに決まってないわ!!」
「いくら何でも知るかはないだろ!! これでも結構責任感じてるんだぞ!! それにコニールには話したろ!? 俺がどんだけ『守る』って言葉に決意とトラウマ持ってるか!!」
「ああ聞いたよ聞いたさ聞かされたさ!!
家族は戦争で殺され、守るって約束してラブロマンス繰り広げた敵兵の少女も殺され、ついでに元カノとは別れたんだろ!?
でも別に今回はせいぜい軽傷な奴がいるくらいで、死人は一人もいないしちゃんと守れたんじゃねーの!? MS二十機相手にその戦績は誇っていいと思うし、あたしも褒めたたえて酒場で好きなもん何でも奢ってやっても良いと思うくらいさ!!
まあその酒場は無くなっちゃったんですけどねー!!」
467朱 ◆NaPp2aS6cI :2010/11/24(水) 17:49:55 ID:???
「え、なにこれ俺今責められてんの? それとも励まさてんの?」
「シンのせいじゃないのは解ってるしシンが精一杯頑張ったのも知ってるけど、酒場燃やされて他の連中みたいに身寄りがないあたしは、
これから先どうしようという不安をシンに理不尽に叫ぶことで解消しようとしてんだよ!!」
「なんだよそれ、八つ当たりかよ!?」
「お前がトチ狂って糞寒い口説き文句吐いたりしなきゃ、一人で整理つけるか普通にお前に相談するかなりして解消したんだろうけどな!!」

叫ぶ叫ぶ叫び続ける。互いに互いの額を突き付け、今にも唇が触れ合いそうな距離で、理不尽な現状への怒りを最大限に込めて怒鳴り合う。
ここ最近は頻度が減ってはいたものの、シンが荒んでいた時は毎日のように喧嘩していた二人だ。周囲にいたガルナハンの住人達も慣れたもので、逃げる時に持ってきた最低限の荷物を抱えて、遠巻きに生暖かい目で二人を見守る。
決して、この非常時にイチャついてんじゃねーよボケ、といったような蔑む目ではない。蔑む目ではない。

さて、それはともかくガルナハンが何故燃えているのかについて簡単に説明すると、
@牛乳を飲んでたシンの元にMSが二十機ほどガルナハンに向かってきていると報告が入る
Aシンとガルナハン自警団(コニール含む)が様子を見にいく
B近頃噂の巨大な盗賊団だと判明
Cトラップだとかなけなしの武器だとかでシンと自警団(コニール含む)が時間稼ぎをし、住人を崖上に避難させる
D無人のガルナハンを盗賊団に蹂躙される。シン達はそれを見ながら、情報を入手したオーブが救助隊を派遣したらしいので救助を待っている。
といった変遷を経て、現在ガルナハンが真っ赤に燃えているのだ。
ちなみに、MSに火炎放射器を装備させるのは正直どうかと思う、というのがガルナハン住人一同の見解だ。

「ハァ…。ったく、ほんとどうしてこんな羽目になったんだか…」

疲れからか現状への諦めからか、シンとの罵り合いを打ち切り、額を押さえてぼやくコニール。
両親が戦争で死に、レジスタンス時代では昨日まで共に励まし合った仲間が目の前で死んでいき、戦争が終わった今ですら町が焼かれる。
これまでの人生の苦労の数々を回想したところで、何気なく空を仰ぎ見、ポツリとコニールは呟く。

「ああ、きっと――この世界が悪いんだろうなぁ――」

それは、ただの愚痴でしかない。
468朱 ◆NaPp2aS6cI :2010/11/24(水) 17:50:57 ID:???
恐らく大半の人が一度は思ったことがあるだろう愚痴。
このまま何もなければ、その呟きは風に乗り消えていき、コニールはまた今日を生きるために前を向いて歩き始めていたのだろう。
しかし、幸か不幸か…いや、確実にコニールにとっては不幸なことに、その呟きはシンに耳に届いていた。

「そ れ だ !!!」

あの、最近色々と面倒な性格になってきてしまっているシン・アスカに届いてしまったのだ。

「はあ?」
「いや、だからそれだよコニール! 全てはこの世界が悪いんだ!」
「そんなことわざわざ力強く言われなくても知ってるよ」

度重なる軍縮や意味の解らない政策などのお陰で、世にはテロリストや陸海空宙問わず賊の類が横行闊歩しているのだ。
その上、ガルナハンを始めとした僻地には、まともな護衛も置かれず、自分の身は自分で守らなければならない現状。
これで「良い世の中だよねー」などとほざく奴は死ねばいいとコニールは常々思っている。

――それなのに、何を今更当たり前のことを言っているのだろうか?

そうコニールが思考したところで、これまで幼いながらに幾度となく戦場に出て鍛えられた、コニールの「第六感」といったものが、全力で警報を鳴らし始める。

「し、シン…? お、お前、一体何が言いたいんだ?」

唇が震える。顔が青ざめる。嫌な汗が全身を濡らす。
コニールの脳裏に響く警報は今だ衰える様子はなく、これから死刑を執行される罪人の気分で、コニールはシンに問い掛ける。

「俺達は帰るべき家を失った。身を寄せる場所もない。これからどうするか決まってすらいない」
「お前はザフトに戻れよ、な?」
「何が悪い? 何が俺達をこんなにも苦しめる?」
「あたしは現在進行形でお前に苦しめられてるけどな」
「そう! 世界だ!! 三年前に俺の家族が死んだのも、一年前に様々なものを失ったのも、そして今帰る場所を失ったのも!!
全てはこの世界が悪いんだっ!!!」
「無視かよオイ」

コニールの話を全て華麗にスルーして、与太話を繰り広げるシン。
周りにいたガルナハンの住人達が、先程よりさらに距離を取っているのも気にせず、コニールに向かって演説を続ける。

「復讐だ!! 報復だ!! 革命だ!! 改革だ!! 散々俺達を苦しめてきたこの世界に『逆襲』だ!!
コニール、俺と一緒にこの世界に『逆襲』してやろう!!」
469朱 ◆NaPp2aS6cI :2010/11/24(水) 17:53:19 ID:???
悪い予感が見事に的中した。シンの演説を聞いて、コニールはまずそれを思う。
そして同時に…

「断る。一人でやってろよ」

一刀両断でシンの提案を切って捨てる。
確かに、コニールにも今の世界の現状に対する不服も不満も不平もあるが、しかし彼女にとって重要なのは今日を大切な人達と共に生き抜くことだ。世界への逆襲なんてやりたい奴が勝手にやってればいい。
一年前にレジスタンスに参加したのだって、自分の大切な人達が直接的に傷つけられていたからであって、世界をどうこうしたいなどと考えた覚えはない。
皆無事に済んだ現状、わざわざ世界を敵に回すなどといった危険に首を突っ込むつもりもない。
これからどう身を振るかについて考える方がコニールにとって遥かに重要なことだし、最優先して行わなければならないことなのだが、だがしかし、シンはそんなコニールの発言も華麗にスルー。

「行くぞコニール!! まずは足の確保からだ!!」
「は? …ってオイ馬鹿やめろ!? あたしはやらないって言ってるだろうが!! 無理矢理人を巻き込むんじゃないっ!!」

コニールの腕を無理矢理引っ張り、世界への『逆襲』の為に駆け出して行くシン・アスカ。
コニールは悟る。先程のシンの発言は、問い掛けではなかったのだ。彼の中ではコニールの参加は決定済みで、ただ口にだして決意を表明したに過ぎない。
しかし、それを理解したところで決して納得など出来るはずもなく、だからといってシンを振りほどけるほど力強くもない。
だからコニールは…

「ふ、ふざけんなぁああああああああああああああああああああ――!!」

せめてもの抵抗にと、この理不尽に対する自身の怒りを声に乗せて叫び、世界に響き渡らせるのであった。

ちなみにガルナハンの住人達は、そんな騒がしい二人を生暖かい目で見守りつつ、巻き込まれないように無駄なく華麗に優雅にスルー。
470朱 ◆NaPp2aS6cI :2010/11/24(水) 17:57:28 ID:???
一話目書いたんでコテもつけて投下してみた
他の人達がシリアスなSSを書いている中、こんなアホみたいなSSを投下していいものかと戦々恐々です

さて、では今日も元気にロミナさんの前で●増と叫んできまs
471通常の名無しさんの3倍:2010/11/24(水) 18:44:09 ID:???
オイ、なんだこの冒頭から銀魂テイスト溢れる馬鹿SSは(←惜しみない賛辞)

朱さんは次回サイボーグ朱になって舞い戻ってらっしゃるであろう日を
心待ちにしてますぜ
472通常の名無しさんの3倍:2010/11/24(水) 19:34:22 ID:???
ここのシンは銀さん+高杉÷2って感じだなあ
しかし今までにない展開GJ、続き期待してます。
473通常の名無しさんの3倍:2010/11/24(水) 21:33:26 ID:???
声的にはバカイザーなんだろうけどな
474通常の名無しさんの3倍:2010/11/24(水) 22:04:24 ID:???
投下乙です。何と分かりやすいあらすじ込みの開幕!だが嫌いじゃないw
このシンは、間違なくない首領とは違ったネジがトンだ方向へ突っ走ってくれる!w
475通常の名無しさんの3倍:2010/11/25(木) 01:05:03 ID:???
>>466-470
投下乙です♪
いや、腹捩れるほど笑わせて頂きましたw
次回が楽しみです♪
476322:2010/11/28(日) 13:56:05 ID:???
さて、この流れで投下しても良いものか、ちょっと悩み
と言うわけで、お久しぶりの>>322です

投下した!ってことで良いかえ?
477322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:23:35 ID:???
用事が出来てしまったので、投下した!ってことで、ここはお一つ
トリはこれで良いのかな?
478322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:24:38 ID:???
少年は摩耗していた。
家族を失い、仲間を失い、友を失い、恩人を失い、故郷を失い、欲した力さえも失い、残されたモノはその身ただ一つ。
信じた理想も、内に抱き続けた信念も何一つ叶えることはできず、喪失と失意に彩られた終焉。
その艱難辛苦に耐えきるには少年は余りに幼すぎた。
齢は僅かに十の半ば。
未だ壊れずにいること自体、賞賛に値する。
ソレを鑑みれば、自らの手で討とうとした故国で、その家族の墓前で、泣き言を漏らすことを非難する者は居ないだろう。

だが、運命は彼に退廃に堕することを許しはしなかった様だ。
家族の墓前で立ちつくす少年。
そこに、彼らが現れた。
有り体に言ってしまえば、少年に彼らに食ってかかるほどの余裕は無かった。
家族の、守りたかった人の仇、裏切り者にして友の仇。
その憎むべき相手を前にしても、何ら心が動かない程に、彼は弱り切っていた。
ともすれば、彼らの甘言さえも受け入れてしまいかねない程に、彼は限界だった。
しかし、その男は、彼の前で、こう言い放った。

「いくら吹き飛ばされても……僕らはまた花を植えるよ、きっと。」

ソレは、彼の心に再び炎を灯すには十分すぎる言葉だった。
失った者達を何ら鑑みることの無い傲慢な言葉。
失われた人々を軽視する傲岸な言葉。
失った者であり、失われた人々をこそ守りたかった彼にとって、決して容認できない、容認してはならない言葉。
そして、灯った苛烈なる炎の元、綻び欠けていた心が再び一つの目的のために紡がれる。
熱を失った体に、急速に力が満ちる。
停滞していた思考は、目的を果たすために何をするべきなのか、ソレを全力で模索する。
479322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:25:34 ID:???
「それが、俺達の戦いだな……」

裏切り者が何かをほざいている。
だが、そんなものに意識を割く必要など無い。
今、少年は自身の身一つ。
それ以外何もない。
もとよりただの一兵卒である少年に、彼らの様なコネもなく、このままでは目的を果たすのは極めて困難だ。
否。
その結果だけを再現するなら今この場で実行するのも容易い。
だが、その結果だけが手に入って、それで自身は満足するのか。
否。
ソレだけで許せるはずがない。
思い出せ。俺は何を奪われたのか。
奴らが何を奪っていったのか。
その奴らに、死という結末をもたらすだけで許して良いのか。
否。
奴らにはそれ以上の責め苦を。
俺以上の喪失を。
俺以上の失意を。
俺以上の絶望を。
ならば!

「一緒に、戦おう」

……その屈辱すら甘んじて受け入れよう。

差し出された右手に、手を伸ばす。
ソレは数多の仲間の命を奪ってきた手。
家族の命を奪った手。
ソレは、彼女の命を奪った手。
涙が流れた。
一時的にとは言え、奴の手を取る。
その屈辱だけではない。
ここでこの男の手を取るしかない己の無力、未だにこの男を生かしている己の無力、この男から彼女を守れなかった己の無力。
あらゆる、自身への怒り、その発露だった。

「はい……」

そして、少年は悪魔の手を取った。

―The scarlet treasoner
第一話「離反と邂逅」
480322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:26:41 ID:???
CE77。
あの戦争からおよそ三年。
世界は転換点を迎えつつあった。

あの戦争ののち、世界の実権は、ラクス政権の発足したプラントとアスハにより再び牛耳られたオーブによって握られた。
エイプリルフールクライシス、ブレイクザワールド、そして二度の大戦を経た地球は完全に消耗仕切っており、プラント・オーブ連合に対抗する国力を持つ国は無かったのである。
もっとも、それはプラント側も同様ではあったのだが、一体どこから資金、資源を調達したのか、量産型フリーダム、ジャスティスが瞬く間に配備され圧倒的戦力をもって平和のごり押しを行ったのだった。
一騎当千、伝説のMSの量産機体であるそれらの前では、ウィンダムやダガーシリーズなど恐竜の前の蟻に等しい。
しかも、それらが配備されたのは、ザフト、オーブ軍の選りすぐりのトップガンによって構成される新設独立部隊なのだから、始末が悪い。
余談だが、彼らは後に「歌姫の騎士団」と呼ばれることとなる。

そうして、世界各地にザフトの基地が建造され、武力統制による平和がもたらされていたのだった。
一概に「武力統制による平和」とは言っても、前述の様に、もとより戦争を仕掛ける余裕のある勢力など存在せず、散発的なテロ、レジスタンス活動がある程度であったため、確かにソレは紛れもない平和ではあったのだ。
しかし、二度の大戦、二度の大災による壊滅的な被害を被った地球に住む人々が、プラントによる支配に納得などするわけがない。

考えても見ればいい。
100億中の10億以上、被害には偏りがある以上一概には言えないが、親戚や近隣の親しい人々の内、一人は犠牲になっていると考えて良い数字である。
もしこれが、核などによる被害ならまだ救いがあっただろう。
苦しむ間もなく一瞬で消滅できたなら、どれ程楽だっただろう。
だが、この被害はNJ投下によるエネルギー、通信障害による犠牲なのだ。
餓死、凍死、渇死、その死体の処理もできぬ状況での感染病。
苦しみ、死に怯え、去っていった者ばかりなのである。
その悪辣な悪鬼羅刹を体現するが如き所業に加え、ブレイクザワールドによる圧倒的な破壊。
それだけの被害、有史において最悪の人災を僅か四年のうち被った。
それを果たして人々は許すことができるだろうか、いや許せるはずもない。
その宇宙(そら)へと向ける正統なる憎悪、正しき怒りの前にはナチュラルもコーディネーターも関係はなかった。
皮肉にも、プラントの行動により、地上における反コーディネーター感情はいつしか反プラントにすり替わり、地上に限っては、彼らは長年の軋轢を越え、ただ一つの感情の元に手を取り合っていた。
481322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:28:26 ID:???
そして、武力によって押さえ込まれた彼らの鬱憤が破裂したのがおよそ一年前。
世界各地で反プラント・オーブ勢力が一斉に反旗を翻したのである。
ラクス政権発足直後から、各国は水面下で同盟を結び、二年の年月をかけ、極秘に統一規格の量産機を十分な数を配備。
世界同時の電撃作戦をもって、主にユーラシアからヨーロッパにかけての、地上ザフト基地のおよそ半数を占拠。
その後、歌姫の騎士団と両軍による奪還作戦も行われたが、戦域は地球全土である。
如何に規格外の戦力を集中させた歌姫の騎士団とて、即座に地球の裏側に救援に向かうことなど出来はしない。
かといって、戦力を分断させては、疲弊、消耗等という段階ではなく根本的な国力で劣る以上、地球側の数の暴力の前に対抗できなくなってしまう。
ある種、ジリ貧の様相を呈しながら一年。
奪還した基地数は、新たに占拠された基地数を大きく下回り、地球連合の勢力は中東、アフリカまで広がっていた。

そして、今、追い詰められた、プラント・オーブ連合は起死回生をかけ、最強の切り札、鬼神シン=アスカにその作戦を実行させようとしていたのだった。
482322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:30:20 ID:???
『あのGタイプ、とんでもねぇ腕ですね』

『ああ、アレ、隊長くらい強いんじゃないッスか?』

通信機から暢気な部下の声が聞こえてくる。
あの「Gタイプ」とは、量産型ジャスティス、ジャスティスアンプリファイ3機を引きつけ、一歩も退かずに渡り合っている、トリコロールカラーの機体のことである。
あの機体が戦場のまっただ中で、ジャスティスAを引きつけているため、歌姫の騎士団を含んだ、艦隊は攻めあぐねている状況だ。
かといって、そのGを野放しにすれば、開戦時と同様に、多くの戦力が海の藻屑になるのだから、現状を崩すわけにはいかない。
また後方での支援砲撃に徹するはずの、フリーダムスプレッドも敵機の性質、並びに敵陣を切り崩す役目を負うジャスティスAの苦戦とが相まって手をこまねいている。
それならそれで、色々と取れる戦略の幅はある程度には戦力があるのだが、力を過信した歌姫の騎士団ではその「力」によるごり押しに固執してしまっているようだ。

「さてな。……そろそろ潮時か?」

で、何故にこんなにものんびり観察出来ているのかと言えば、シン率いるスカーレットは戦場の遥か後方で待機しているのだ。
歌姫の騎士団様方が、

「あの男の居る部隊の力何ぞ借りてたまるか!」

とのたまりやがってくれやがった所為である。
その下らない見栄とプライドの挙げ句が、この戦況なのだから、情けないことこの上ない。いつかの戦争の赤雑魚なる不名誉な字も言い得て妙か。
例の作戦に関しては、上層部とこの部隊のごく一部以外には完全に秘匿されているので、この扱いも仕方ないものではあるのだが、そろそろ招集がかからないと不味い。
何故なら、このままでは出番がないままこちらが負けることになる。
つまり、トロイを発動する機会さえも訪れないのだ。
トロイが一応名目上は成功しなければ、またしばらく機会を待たざるを得ない。
そろそろ仮面を被るのも限界だ。
と、その時である。

『聞こえるか、死にたがり!』

「がならなくても聞こえてますよ、騎士殿」

それは正しく天の声。

『今すぐあのGを潰せ、貴様らの命に替えてもだ!』
483322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:31:44 ID:???
「了解」

相当に逼迫した声。
笑いを堪えるのすら苦労する。
たかだか一機のMSに何を手こずっているのか。

「と言うわけだ。聞いてたろうが、改めて。ズール1より各機へ!今この時よりスカーレットは戦場を駆け抜ける!さぁ、命知らずの糞ッタレ共!小綺麗な騎士団様に本当の闘争って奴を見せつけるぞっ!」

いつも通りの糞ッタレな檄を飛ばす。
だが、

『……………』

返事がない。

「おい……。どうした?ぶっちゃけ、恥ずかしいぞ……」

旧世紀のどっかの軍曹さんの様に素面でそう言う台詞を連呼できる程、彼はまだ至っていない。

『……隊長。俺たちは何も言いません。ただ、一つだけ』

副隊長、ズール2からの通信。
それが合図であったかの様に、一様に部下の機体が右手を掲げマニュピレーターが一つの形を作る。
「グッドラック」
ただ、指の形だけでそう告げる。
それだけで十分だった。
共に幾多の死線を駆け抜けたのだ。
全てお見通しと言う訳らしい。
そして、何もかも分かった上で、こうして、示してくれているのだ。

「……行ってくる。再び出会わないことを祈ってくれ」

現状で告げられる精一杯。

ただそれだけを餞に、死にたがりは部下「だった」パイロットの乗る機体を連れて戦場へと舞い降りる。

『来たか。死にたがり。あのGはお前らに任せるぞ。ラクス様のために死んでこい』

フリーダムSに乗る、騎士団の何某は、わざわざお肌の触れあい回線が出来る程に接近したこちらの意図にまるで気付いては居ないらしい。
484322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:32:27 ID:???
「ま、任された任務は果たしてきますよ」

そう返事をしつつ、ずらりとヒートブレードを引き抜き、起動させる。
事前に確認して置いたフリーダムSの配置は、目前に隊長機、その傍らにもう一機、ちょうど予定のルート上に一機。
流石に全機を射程内に収めることは出来ないが、予想できる範囲ではおあつらえ向きの配置であった。

『ふん。さっさと行ってこい』

「ほんと、愚鈍だな。じゃあな」

腰から真っ二つに切り裂かれる機体。
そのまま、事情を飲み込めず棒立ちしているもう一機を薙ぎ払う。

「オペレーショントロイ、発動!」

全域通信で咆吼。
そのままブーストを全開に吹かし、敵陣へと突貫。
開けっ放しの通信が様々な言葉を拾うがそんなものは関係ない。
眼前に迫る、一機のフリーダムSを目掛けてただ剣を振り上げる。
肩部、腰部から放たれる四条の砲撃も気に懸けず、強化装甲に任せた無謀な全速機動からの振り抜きで両断。
最強の離反、フリーダム三機の喪失に直面し浮き足立つプラント・オーブ連合軍を尻目に、シン=アスカの駆るザクHVは敵陣を突き進む。

オペレーショントロイ。
トロイの名に現れる様に、表向きには、ザフトを離反したシン=アスカによる内部からの敵深部への致命的打撃を目的とした、いわゆる潜入作戦である。
シン=アスカであるならば、敵も離反に疑問を持たぬだろうという判断、そしてその技量ならば、十分に目的を遂行できるという判断からの人選。
だからこそ、作戦の決行までに時間を要した。
シン=アスカ自身が逆スパイとして本当に離反する可能性は否定しきれなかったからだ。
それを払拭するために、シン=アスカはこの三年抑え続けてきた、昏い怨嗟の感情を。
笑顔と従順という名の仮面を被り、偽りで自身を覆い尽くし、彼は全ての眼を欺き通した。
そんな彼にとってオペレーショントロイは実におあつらえ向きの任務だった。
そして、今、仮面を脱ぎ捨てたシン=アスカは感情の赴くまま、眼前の「敵」を薙ぎ払い突き進む。
485322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:33:51 ID:???
「邪魔だっ!」

左腕アームガンを撃ち続けつつ、右のヒートブレードを縦横無尽に振るう。
混乱する「敵陣」を駆け抜けるのは実に楽な作業だった。
そして、指定のポイントに辿り着き、そのまま一閃。
肩口から斜めにジャスティスAが割れ、爆散する。
残るは二機のジャスティスAと、「味方」のGタイプ。

「聞こえてるな、Gのパイロット。基本的に手筈通りだ。一機は俺が引き受ける。そっちは任せた」

『了解』

そのまま散開。
ジャスティスAとザクHVの性能差は相当なモノがある。
だが、しかし、HVはジャスティスAには無い、圧倒的な強みを有している。

『お前なら何時か裏切ると思っていたぞ、シン=アスカ!』

耳障りな声。
どうやら、目の前の機体のパイロットはどこぞのお花畑白服やピンクの電波、ついでに禿蝙蝠より俺の事を理解しているらしい。
さて、長期戦は不利。
慣れた動作でリミッターを解除。
「ハイベロシティ」の字が伊達ではない事を思い知らせてやろう。

『だがな、旧世代のザクでこのジャス……がぁっ!?』

前面の装甲の厚さと圧倒的な推力にモノを言わせた、単純な突進。
旧世代だろうがなんだろうが、「人」が扱える機動には限度がある以上その推力は、大して変わる事はない。
瞬間的に自身が耐えられるGの限界ギリギリの機動でぶち当たり、そのまま、ボディの装甲の隙間に、対戦車ダガーを突き立てる。
以上で戦闘終了である。
安定しない機体状態で有りながら、装甲の隙間を縫い、ダガーを直接突き立てるその神業。
この無茶に楽に耐えきるためにこれまで地獄の様な戦いを続けてきたのだ。
この程度の条件で、ジャスティスA如き一撃で葬れなければ、目的を果たす事などできまい。
余談ではあるが、セーフティシャッターはこの3年でさらに高機能化したので、パイロットは無事だろう。
ボディの内側から爆破され、爆散するジャスティスAへ目を向けることなく、彼はトリコロールに向き直る。
視線の先では爆散するもう一つのジャスティスA。
これで、大勢は決した。
主戦力である、歌姫の騎士団の大半を失ったプラント・オーブ軍が現状でこれ以上の交戦をするわけがない。
もともとコーディネーター中心の構成であるため、その種族性故に、脆弱で打たれ弱いメンタルの持ち主集まりなのだ。
そうして、続々と「味方」となった機体が帰投する中、トリコロールのGはザクHVと向かい合う。
486322 ◆AZrtuWBJqs :2010/11/28(日) 14:35:23 ID:???
『聞こえるかい、シン=アスカ』

Gからの通信。
モニターにその姿が映し出されるが、カラーバイザーで顔を見て取れないため、細身の男である事しか分からない。

「ああ、聞こえてる」

『ここまでは手筈通り良くやってくれた。予想以上の活躍だと言って良い』

「ま、俺も驚いてるよ」

騎士団様のあまりの不甲斐なさに、な。
しかし、この声。
どこかで聞き覚えが有る様な気がする。

『ひとまず、最後のテストだ。この機体と全力で戦って貰おう』

「まだ、信用されてないってことかい?」

『いや、僕に負ける様では戦力として要らない、だそうだよ』

眼前のGの強さは先刻の戦闘で良く分かっている。
ジャスティスA三機と互角に渡り合うのは機体性能だけでも、パイロットの腕だけでも無理だ。
その両方を兼ね備えた、超一級の相手。
試金石に調度良い。

「成る程な。……殺す気で言って良いのか?」

『当然。性能差は言うまでも無い。そのザク如きで何処まで出来るか見せて貰う』

「分かった。……じゃ、行くぜ!」

そして、戦場であった空域で、モノトーンとトリコロールが激突する。
487通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 14:40:09 ID:???
支援
488322:2010/11/28(日) 14:44:50 ID:???
さるったので携帯から

今回以上です

次回あたりみんな大好きお姉さん登場予定
虚か巨か。はたしてこのスレの明日はどっt
489通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 14:57:15 ID:???
GJ!
次回はお姉さん登場とか期待せざるを得ない
一番いいおっぱいを頼む


どうやら俺の命もここまでのようd
490通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 15:22:04 ID:???
GJ
やっぱりプラントってメンタル面は脆いのなー
Gタイプ…ファーストとかOを想像して古谷ボイスで再生された俺はどうすれば(ry
まあやっぱり巨乳d
491通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 19:55:04 ID:???
>>476
「投下する」・・・そんな言葉は使う必要がねーんだ
なぜならオレやオレたちの仲間はその言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際にSSを投稿しちまって
もうすでに
終わってるからだッ!
だから 使った事がねェ───ッ
オマエもそうなってるよなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
オレたちの仲間なら・・・わかるか?
オレの言ってる事・・・え?
『投下した』なら 使ってもいいッ!

322氏投下乙!!

「投下する」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!








お姉さんキャラは虚で構いませんよ。
その分、妹キャラをお願いします。もちろんバインバインのナイスバd
492通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 21:08:47 ID:???
>>471
乙っした!
復讐まっしぐらのシンってやっぱいいなぁ…

ところで、私>>268なのですが、22:00ぐらいから投下させてもらってもいいだろうか?
>>491氏はこう言ってるけど、チキンな私には「投下した!!」とはとてもとても…
とりあえず、規制テストもかねてww
493通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 21:24:51 ID:???
>471
乙! 色々含みがあってドキドキするな。

>492
よし、ならば全裸待機だ。
でも寒いからマフラーはしてもいいよな?
最近は投下が多いから、様子見してるとタイミング逃すと思うぞ
494SOD 第2話:2010/11/28(日) 21:55:01 ID:???
こんばんは、>>268です
時間近くになりましたので、逆襲のシン・アスカ Select of Destiny(以降SODと記載)の続きを投下させてもらいます
支援は必要ない……と思いたい
495SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:00:35 ID:???
「ま、まずい…!」
時々すれ違う者から「今日は寝坊か?坊主」と笑い混じりにかかる言葉への返答も程ほどに、シン・アスハは仕事場へと続く廊下を駆け足で走り抜けていた。
(なんで此処ってこんなに広いんだろ?)
自身が勤めるオーブ政庁の、その無駄に豪勢で無駄に広くさらに無駄に長い廊下に心中で悪態をつくシン。しかし、彼の考えには些か誤解があった。
政庁とは国の政治、国全体の今後の方針について話し合いがされる場所……すなわち、その国の中心となる場所である。
そのような重要な役割を果たす建物がみすぼらしい外観では、そこに働く国のトップ達は国内外からの信用を勝ち取ることなどできない。
まったく同じ電化製品でも正式な店舗で売られている品と道端の露店で売られている品、どちらがより安全で故障しなさそうかを問われた際、大多数の人間が前者を選ぶのと同じ理屈だ。
ましてやここは、もはや国どころか世界の中心といっても過言ではないオーブの政庁である。別に伊達や酔狂でこのような広く豪華な作りになっているわけではないのだ。
……前言撤回になってしまうが、正直伊達以外の何物でもないし、そのような政治上の事情などシンには知る由も無い事だが。
「すみません、遅れました!」
数分後、仕事場へとたどり着いたシンは扉を開けるなり大慌てで頭を下げる。
その先には大型の机に座り、その上に積み上げられた大量の書類に目を通す1人の女性の姿があった。
無駄の無いスレンダーな体を朱のスーツで包み、背中あたりまで伸びる金髪は綺麗に整えられている。整った顔立ちの上にうっすらと化粧を施したその女性の顔は、見るものに清楚な印象を与えるだろう。
「いや、勤務時間まであと2分ある。ギリギリセーフだぞ」
「ホントですか!?よかったぁ…」
しかし書類からシンへと視線を移した彼女が発した言葉は、やや攻撃的とも取れる乱暴な言葉遣いであった。
そんな女性の見た目と言葉遣いのギャップにも特に気にすることなく、シンは大きく安堵の溜息をつく。
「…って、すみません。ノックもせずに」
そしてついた後、自身の行動を省みて慌てた様子で再び頭を下げるシン。
「気にするな。ここは私だけじゃなくてお前の仕事場なんだからな。改めておはよう、シン」
「は、はい!おはようございます、カガリ様」
女性の名はカガリ。今は亡きウズミ・ナラ・アスハの意思を継ぎ僅か17歳という若さで国家首長となったオーブの姫、カガリ・ユラ・アスハ。
前大戦においていち早くギルバート・デュランダルの野望に気づき、ラクス・クラインと共に人類を救ったことから『プラントの歌姫』と共に『大地の女神』と人々から称された女性である。
といってもこれは政治を知らない民衆からの評価であり、2年前に世界の政治家から彼女に付けられたあだ名は『お飾りの姫』という大地の女神とは正反対のものであった。
『オーブの理念』とやらの理想に囚われ、ラクス・クラインの言いなりとなっている愚かな娘……
それが政治に関わっている者達からの彼女の総評であり、カガリ・ユラ・アスハが地球連合の実質頂点に納まってしまった以上地球はいずれプラントの属国となる、嘆かれてすらいたのである。
ところが、そのような政治界にその様な風潮が流れたのは僅かな期間だけであった。
オーブ代表就任直後、気持ちだけが先行し政治に関してあまりにも無知だった頃とは違い、諸外国との外交に置いて彼女は徹底的に「理」に積めた外交を行ったのだ。
相手国の言いなりになるわけでもなく、だからと言って無理やり我を通すわけでもない。例え外交相手がプラントだろうが弱小国であろうが、徹底的に論じ、理解を深め、双方が納得できる答えを導き出す。
国内の政治に置いても同様で、どのような細かい事であろうと必ず目を通し、自分が納得できないことは決して許さない。
一種の独裁者に近い統括の仕方ではあるが、彼女の意見は正しい、正しくない、に関わらずすべてが『理』に叶っていた。
彼女の理とは『オーブの民を守る』その1点である。
自らの保身や利益などには目もくれず唯その1点のみにすべてを費やした彼女の統括手法は、ある意味理想的な政治運営として深く評価され、現在カガリはかつてのウズミの名を継ぎ『新たなるオーブの獅子』と政治家達から敬意を込めて呼ばれていた。
496SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:05:51 ID:???
「『様』は付けなくて良いって言ったはずだぞ?」
「す、すみません、カガリさm…あっ…さん」
「ははっまぁいいさ、そのうち慣れてくれれば」
「は、はい」
ころころと表情を変えるシンの様子が可笑しかったのか、カガリは笑いながら再び書類へと指線を落とした。それを合図にしたかのように、シンも急いで自分に割り当てられたデスクへと移動する。
「シン、先日頼んだ調査結果はもうまとまっているか?」
「はい!今から集計データをそっちに送ります」
「ん、頼んだ」
カガリからの問いかけに力強く頷いたシンは、今日も課せられた仕事に取り組むべくデスクの上に設置された端末の電源を入れる。
「やはり、この計画(プラン)をこのまま推し進めるには少し無理があるか?」
「そうですね、計画に割けられる予算にも限度がありますし……議員からは福祉予算を減額し、その分をこちらの計画に上乗せするよう提案が…」
「却下だ。力のない市民を苦しめて成立させてなんの意味がある。議員には、計画自体の縮小化の案を提出するよう指示を出しておこう」
「判りました」
シンの仕事とは代表補佐、有体に言えばカガリの秘書の様なものである。
今朝方、シンはルナマリアに対して「自分が何故代表補佐なんて役職に就いているのか皆疑問に思っているだろう」と言っていたが、それには間違いがあった。
確かに働き始めた当初、彼の仕事は雑用に近いものであったし、そのことに対して疑問の声を上げる者は多数存在した。
しかし勤勉な彼の性格と元々の要領の良さが相まったのか、見る見るうちに力を身に付け重要な仕事を任されるようになり、わずか1年半という短い期間で『カガリ様の右腕』とまで噂されるほどの実力を身に付けているシン。
そんなシンに対して、先の様な疑問を持つ人間は本人のみ、というのが実状であった。
(それにしても、変な運命だな…)
仕事の手を休むことなく、シンはなんとなく自身の境遇を振り返る。
といっても振り返える事ができる自身の過去はわずか2年の間だけで、それ以前の記憶はまったく思い出せないのだが…

『ここ……何処?』
2年前。シンの記憶は、見覚えの無い病室と嗅いだ覚えの無い薬品の匂い、そして聞いた覚えの無い自身の声から始まった。
ここは何処なのか?何故自分は病室にいるのか?そもそも自分は何者なのか?
自分の年齢、出身、親の名前、兄弟の有無、何ひとつ思い出せない。
唯一覚えていたのは、自分の名前が「シン」だという事のみ……。
しかし不思議な事に、自身の過去をまったく思い出せない状態だというのに不安に思ったり取り乱したりはしなかった。
数分後に部屋に入ってきた医師に自身の症状について説明を受けた際も、まるで赤の他人の病状の説明を聞いているかのように自分は冷静であったことを覚えている。
後に医師から聞いて知ったことだが、これらは決して珍しいことではないらしい。
記憶喪失になった患者が始めて意識を取り戻した際に起こす反応は大きく分けて2種類あり、1つは過去の記憶が無いことが酷く不安で仕方なく、どうにかして記憶を取り戻そうとパニックになる場合、
もう1つは自身の過去に対して関心を示さず、現状をあるがままに受け入れる場合だと言う。
2年たった今でも特に過去の記憶を思い出したいとは思わないことから、自分は後者のタイプだったのだろう、そうシンは結論付けていた。
驚いたのはその後だ。
497SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:10:49 ID:???
『シン!!』
医師からの説明を聞く途中、突然来訪してきた1人の男と3人の女性達。
その中の1人の女性が、自身が唯一覚えていた自分の名前を叫んだことから彼女達は自分と何かしら交流のあった人物なのだろう事は判断できたが、残念ながら4人の顔に身に覚えはない。
(あの時は、ルナに悪いことしちゃったな)
必然的にシンは4人が何者なのか尋ねる事になったのだが、シンはその事を強く後悔していた。
自分の言葉を聞いたルナマリアは取り乱したようにこちらに近づき、自分はルナマリア・ホークだ、と叫びながらこちらの体を何度も揺すった。
しかし、その時の自分にとって彼女は初対面の人物でしかなく、ただ困惑しながら叫び続ける彼女の顔を見つめる事しかできない。
仕方が無かったとはいえ他の者達に連れられて部屋を出て行く際にルナマリアが見せた、ひどく傷付いたような表情をシンは今でも克明に覚えていた。
次にシンが彼女達に会ったのはその翌日。
再び部屋を訪れた彼女達に対し誰なのか思い出せない申し訳なさと、再び傷つけてしまうのではないかと心配するシンの心中とは裏腹に、ルナマリアは落ち着いた様子で自身達が何者でシンとどのような関係だったのかをゆっくりと説明し始める。
そのおかげようやくシンは自分の過去についておぼろげながら知ることができた。

シン・アズサ 17歳 コーディネーター 出身地オーブ
幼い頃に両親を失い施設で育ったが、2年前の戦争の影響で単身プラントへと移住。
学校に通う傍ら車の修理やコンピュータプログラミング等の日雇いの仕事で生計を建てながら生活していたのだが、突如ZAFTの新型MSが連合軍の兵士に強奪される事件に巻き込まれる。
その際たまたま同じ場所に居合わせたオーブ代表カガリ・ユラ・アスハと共に一時的にZAFT軍の戦艦・ミネルバに救出され、人手不足からそのまま臨時のメンテナンス人員として働く事となった。
そのまま終戦間際までミネルバに乗り続けのだが、最終決戦の途中ミネルバが攻撃を受けた際、なんと壁に生じた亀裂から宇宙空間に投げ出されたらしい。
ノーマルスーツを着ていた為死ぬことは無かったが、救出された時にはすでに意識が無く、酸素ボンベの中身もほとんど空だったという。
すぐに病院に搬送される予定だったのだが、敗戦国であるプラントの病院は人で溢れかえっていてとても搬送できる状態ではなく、元々オーブ出身という過去とカガリ・ユラ・アスハの計らいで、4日前に意識の戻らないままオーブの病院へと運び込まれ、現在に至る……

なんという波乱万丈な人生なのだろう……
アニメや映画の登場人物でもここまで最低な半生を送ることはなかなか無いだろうな、とシンはルナマリアから知らされた自身の過去に半分呆れながら反芻し、
そしてここまで教えて貰ってもまったく思い出せないどころか、思い出そうという気すら起きない今の自分にさらに半分呆れる。
しかし、呆れてばかりもいられなかった。
幸いと言っては何だが、シンは自身に関する記憶はまったく覚えていないが、世間一般常識に対する知識や思考力、判断力は欠乏していない。
その為シンには、自分が今どういう状況にあるのか直ぐに理解できた。

自分には帰る所がない

498SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:15:05 ID:???
かつてオーブに住んではいたが、移住した以上自分はプラント国籍、プラントの人間という事になる。
そうなると普通に考えて自分はプラントに戻るべきだろうが、敗戦した直後である現在のプラントは混乱状態にあり戻ったとしても普通の生活を送れるとは思えない。
しかもシンには成り行きとはいえ戦時中にZAFT軍の戦艦、デュランダル元議長の切り札ともいえるミネルバに搭乗していたという過去がある。
そんな人間が敗戦後直ぐにオーブに渡っていた、と言う事実がデュランダル派であったZAFT兵の耳に入った場合「シンはオーブから送られてきたスパイだった」等とあらぬ噂を立てられ命を狙われる可能性すらあった。
少なくとも、プラントに戻るという道は断たれたも同然である。
だが、だからといってこのままオーブで暮らすにはまた別の問題があった。
確かに過去にオーブに住んでいた以上戸籍は存在するだろうが、所詮は施設で育った身。その施設自体もオーブ侵略戦の折に破壊され、そのまま廃業してしまったと先程聞いている。
人を頼ろうにも、記憶喪失では人との繋がりを求めるのは不可能だ。
それこそ、目の前に居る彼女達以外には……
深い思考の海へと入り込んでいくシン。
『それでだ、シン……もしよければ私の家に来ないか?』
『はい……』
その為か、シンはルナマリアの後に立っていた金髪の女性から投掛けられた言葉の意味を把握できず、無意識のうちに頷いていた。
『……はい?』
それが、今後の自分の運命を大きく変える選択肢だったと気付いたのは数分後、金髪の女性がカガリ・ユラ・アスハだと名乗った瞬間であった。


「シン、ちょっといいか」
「?はい、何でしょうか?」
急にカガリに呼びかけられたシンは、回想を中断し立ち上がる。
「ああ、ちょっと頼みたいことがあるんだが…」
そう言いながらカガリは机の中から白い封筒を取り出すと、隣まで移動してきたシンにその封筒を差し出した。
「悪いがこれを、『Dr.K(ドクター・ケイ)』に渡してきてくれないか?」
「Drに?手紙…ですか?」
「ああ」
カガリから封筒を受け取ったシンは怪訝そうに首を傾げる。
「何故わざわざ手紙なんですか?連絡事だったらメールでも十分なんじゃ?」
「それが、そう言うわけにもいかないんだ」
「どうして……はっ!?ま、まさか誰にも知られちゃいけない機密事項とか…!?」
「あ〜違う違う」
何やら、盛大に勘違いし始めているシンに対し、カガリはフルフルと手を振って否定すると溜息交じりに呟く。
「アイツは研究に没頭しすぎて、メールなんかで辞令を出しても読まないんだよ。前に私が直接電話をしても、平然と無視したぐらいだからな」
「は、はぁ…」
499SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:20:00 ID:???
カガリの言葉に曖昧に頷くシン。
国家首長に対してそんな態度をとることができるDrと呼ばれる人物に、驚嘆している様子だった。
「でも、それじゃ僕が手紙を渡しても読んでくれないと思いますけど?」
「いや…シンが直接持って来た手紙なら、アイツも無下にはしないだろう」
「?」
よく分からない、といった表情で首を傾げるシンに対し、「とにかく」とカガリは言葉を繋げる。
「アイツの助手達に話をつけてあるから、今から渡してきてほしい。頼んだぞ」
「わ、分かりました」
カガリの言葉に頷いたシンは、小走りで部屋から出て行く。
すると、退室したシンと入れ替わるように1人の人物が扉を開け部屋へと入って来た。
「邪魔をする」
優に190cmは在ると思われる長身を持つ人物の声は女性のものであった。
長い黒髪に朱色の瞳、紫を主体とした服の上に同色のマントを羽織ったその姿は時代錯誤もいい所のはずなのだが、彼女が着ると何故か違和感を感じさせない。
「久しいな、ウズミの娘よ」
「そうだな。直接顔を合わせるのは1年と9ヶ月ぶりになる、ロンド・ミナ」
アメノミハシラ代表 ロンド・ミナ・サハクは、部屋に入るなり皮肉気な笑みを浮かべた。
「予がわざわざオーブまで赴いてきたというのに迎えの1人も遣さないとは、さすがはアスハのお家芸、とでも言って置こうか?」
「ミナが来ている事を知っているのは私だけだからな。当然だろう」
ミナの挑発的な態度に眉1つ動かさず微笑み返すカガリ。
するとミナは面白くない、とでも言いたげな顔で舌打ちをすると「まぁ、いいだろう」と話を本題に戻す。
それに合わせてカガリも微笑していた顔を真顔に戻した。
「しかし、何のつもりだ?我が軍にオーブから戦力の支給を行うとは…」
「アメノミハシラは元々オーブの土地だ。そこの軍への支援を行うのは当然の事だし、今までにもあった事だろう?」
「確かに、情けない話ではあるがオーブからの支援があるからこそ、我らは円滑に宇賊共を駆逐することができる。しかし…」
ミナの目が鋭く光る。
「MSを直接、しかもロールアウトもされていない『はず』の新型を支給するとは、どういう風の吹き回しだ?」
今まで、オーブがアメノミハシラに行ってきた支援は、資金や食糧・MSや戦艦の修理用の部品等、直接的に戦いとは関係のない部分での支援のみに限られていた。
それはアメノミハシラ自体がファクトリーの機能を兼ねていた事と、例え元々オーブのものであったとしても、傭兵軍団の直接的な戦力の増強を好しとしていなかった事が理由にあたる。
対宇賊専門の宇賊とはいえ、所詮は同じ穴の狢……何時、その矛先が自分に向けられるか分からないからだ。
ところが先日、カガリから直接ミナの下に送られてきた通信に書かれていた内容はその前例を打ち砕く物であった。ミナが直接、カガリの真意を確かめる為にオーブへ赴くほどに…
通信に記載されていた支援物資……それは部品(パーツ)ではなく、完成されたMS・計20機。
MSを直接支給するだけでも規格外であるのに、添付されていたMSのスペック表に見覚えのあったミナは更に驚く事になった。
そこに書かれていたMSのスペックは、プラントがザク・グフに変わる新たな量産型MSの次世代機として、オーブに開発を依頼していた機体のスペックに瓜2つであったからだ。
しかも、ミナの掴んでいる情報では、現在ようやくそのMSの試作機(プロトタイプ)が完成したばかりだったはずだ。
つまりカガリは、プラントから依頼され開発したMSの完成を依頼主に偽り、わざわざ宇賊にその次世代機を引き渡そうとしているのだ。
これではミナでなくても、カガリが裏で何か企んでいるのでは?と勘繰りたくなるだろう…
それほどまでに、今回のカガリの措置は異例のものであった。
500SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:25:03 ID:???
「答えよ。これはいったい何のつもりなのだ?」
強い口調でカガリに真意を問いただすミナ。
その表情からは「嘘をつく事は決して許さない」という意志がありありと浮かんでいた。
「…………」
ミナの様子にカガリは軽く溜息を付くと徐に呟いた。
「……保険だよ」
「何?」
カガリの答えに眉を顰めるミナ。
「今でこそプラントとオーブ、言い方を変えれば地球(ちじょう)と宇宙(そら)の関係は概ね良好と言っていい。しかし、それが何時崩れるとも限らない」
3年前のようにな……そう呟くカガリは、何処か遠くを見つめるような表情をしていた。
「もし『その時』が訪れた時、プラントに対抗できる戦力(ちから)がオーブにしかない…そんな事態にならないように、ということだ」
「ほう?」
そう言葉を並べるカガリを、ミナはあざ笑うかのように口元を歪めた。

「つまり『その時』が訪れたら、貴様は再びプラントに『討って出る』という事か?オーブの理念を踏みつけて…」
「そうだ」
「あそこには貴様の弟も、友と呼ぶべき者も居るはずだが?」
「オーブの民を守るためなら、その程度切り捨てるさ」
ミナからの問いに淀みのない声で答えるカガリ。
その様子にミナの表情が消える。
「……何故、我が軍を選んだ?予が貴様を討つという可能性を考えなかったのか?」
「さぁ?唯1つ確信しているのは、例えミナが私を討とうとしたとしても、『民』を傷付けることは絶対にしないということだけだ。それだけで十分だ」
「…………」
そう言ってカガリは微笑む。
「………ふっ」
その答えを聞いたミナは先程とは違い、心から面白そうな笑みを浮かべた。
「随分と国家の主としての顔が板についてきたではないか。数年前とは比べ物にならんほどに」
「そうか?」
「そうとも。もし未だ亡きウズミの影に囚われているようならば、今この場で私が貴様に代わりオーブを我が物にしてやったものを…」
「そんな冗談を言うようになったということは、ミナも随分変わったんじゃないのか?」
「……冗談ではなかったのだが、まぁいい」
そう言うとミナは振り返り、先程自分が入って来た扉を見つめる。
「貴様を変えたのはあの男か?ウズミの娘よ」
「!」
ミナの言葉に表情を変えるカガリ。
机の上で組まれた手の平が、僅かに震えた。
「シン・アスカ……いや、今はアスハだったか」
「何故それを?」
「アメノミハシラの情報網を舐めるな、アスハよ。スーパーコーディネーターキラ・ヤマトをたった一人で撃墜した男、フリーダム堕としのシン・アスカ」
「………」
「まさか、オーブの民であったとは思わなかったが…」
「………そうだ」
搾り出すような声でカガリは応える。
だが苦しそうな声とは裏腹に、カガリの瞳はまっすぐとミナの顔を見つめていた。
「私を変えたのはあいつ、シン・アスカだよ」
501SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:30:03 ID:???
カガリにとってシンとは『罪』の象徴である。
3年前、記憶喪失となったシンに自分の家に来るよう提案したのも、の決断が彼の家族を殺してしまったという負い目があったからだ。
しかし、彼と共に生活し始めたことで、自分の認識が間違いであったと気付かされることとなった。
記憶を無くしたシン・アスカは何処までも純粋だった。
よく笑い、よく謝り、よく従う。
誰よりも素直で勤勉で、カガリの仕事を率先して手伝い、今ではカガリの右腕と呼ばれるまでになった彼を見て、これが本来のシン・アスカの姿なのだろう……とカガリは考える。
大戦中、自分の事を強い口調で責めてきた彼や、ルナマリアに聞いたアカデミー時代に問題ばかり起こしていたらしい彼の行動は、自身を守るための殻の様なものだったではないか。
家族を目の前で失い、見知らぬ地へ移住し、知る人も頼る者も無い世界で一人きりで生きていく為に作った心の壁。
その壁を作った責任が自分達にあると気付いた時、カガリは自分ではどうしようもないほどの罪の意識に苛まれることになった。
ウズミが前対戦中にあの選択をしなければ、彼の両親は死ななかった。
民ではなく、オーブの理念を優先しなければ、彼の妹は死なずに済んだ。
アスハがオーブの理念を作らなければ、彼は家族を失わずに済んだ。

『アスハ』さえいなければ……彼の心は壊れなかった

いっそ正面から断罪されたほうがどれだけ気が楽たったろうか……
シンが人懐こい笑みを浮かべながら信頼と敬愛を込めた視線を自分に向けてくる度、カガリの心は胸をナイフで突き刺されるような痛みを生じる。
笑顔であるはずの彼の瞳が、自分を責めているかの様に感じるのだ。
「あんた達のせいで、俺の家族は死んだのだ」と……
故にカガリは変わった、気付かされたというべきだろうか。
守るべきは、誓いではなく民……民の命こそが、守るべき国そのものであると。
『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに加担しない』
平和な世である限り、父が掲げたオーブの理念を破る気などカガリには毛頭ない。
だがもし平和が破られ、再びオーブの民が危険に晒されそうになった時、この理念は用を成さなくなる。
もう2度とシンの様な者を生み出さない為、迷わず、一切の躊躇無くこの誓いを踏みにじる、カガリはそう心に誓っていた。

「ふふふ…なるほど」
凛とした表情で自身を見つめるカガリの顔を見たミナは、再び面白そうに喉を鳴らした。
「やはり貴様は変わった、ウズミの娘……いや、カガリ・ユラ・アスハよ」
「!」
ミナの言葉に眼を驚いた様に見開くカガリ。
今までミナがカガリの事を呼ぶときは『貴様』や『ウズミの娘』等、決して名前で呼ぶ事はなかった。
それが覆された、しかもわざわざフルネームで呼んだと言う事は、ミナがカガリの事を『オーブを統べる者』に相応しい存在であると認めた、という事を暗に示した証拠であった。
「……ありがとう」
「…………」
数拍の間の後、微笑みながら礼を言うカガリを他所にミナはマントをなびかせながら振り返ると、挨拶もすることなく部屋から出て行く。
その後姿をカガリは、穏やかな表情で見つめていた……
502SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:35:14 ID:???
Extra Select


「ご苦労」
カガリの執務室から退室したミナは扉の前で自分が出てくるのを直立不動で待っていた側近、ソキウスに労いの言葉をかける。
ミナの言葉にソキウスは軽く頭を下げると、ミナのすぐ左隣に陣取った。
「まさか、あそこまで変わっていようとはな……」
「…………」
廊下を歩く途中、誰に話すでもなく呟くミナ。
ソキウスの返事はない。リハビリ中とはいえ、一度精神が焼き消されてしまった彼が持っている知識ではミナが何を言っているのか把握できないからだ。
「奴をあそこまで変化させられるだけの影響を持つ男、シン・アスカ……」
それを承知の上でミナは言葉を続ける。
彼女の脳裏に、先程すれ違った紅瞳と黒髪の少年の姿が浮かび上がった。
「なかなかイヂメg……もとい、見所がありそうな少年ではないか。なぁ?フォー・ソキウスよ」
ニヤリ…と口元を歪ませるミナ。
「…………」
無論ソキウスからの返事はない。
しかしそんな事はまったく意に介さず、ミナは何時に無く上機嫌にオーブ政庁内の廊下を突き進む。
その顔は、まるで新しいおもちゃを与えられた子供のような表情であった。

「へっくしっ!!…あれ、風邪引いたかな?」
同じ時、Dr・Kの下へと向かっていたシン・アスハは、突如襲ってきた悪寒に不思議そうに首を傾げていた……
503SOD 第2話:2010/11/28(日) 22:40:04 ID:???
投下終了……

ミナ様やソキウスはアストレイを見たことが無いのでキャラがよく分からなかったww
次回、オリキャラがでる予定。



……あえて言わせて貰おう、私はロリ☆コンであるt(ウリャーメッサツ!!
504通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 22:45:29 ID:???
お二方とも乙
>>322氏のラストの奴はひょっとするといわゆる一人目げふんげふん

にしてもギャグからシリアスから変化球から何から何まで、このスレはネタの宝庫だなw
505通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 22:49:30 ID:???
ドクターって言うとやっぱりあの人かな?

強いんだか弱いんだか良く判らないあの………
506通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:02:32 ID:???
>>503
GJ! よし、それなりにアストレイ見てる俺がいいことを教えてあげよう
ソキウスは語尾に「〜でソキウス」とつけるんだよ。

ミ「なぁ?フォー・ソキウスよ」
ソ「そんな事もあろうかと、シンを拉致しておいたでソキウス」
こんな感じ。
もちろん嘘だ。

>>505
医者のドクターとは思えんがw
507通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:05:51 ID:???
GJ!
カガリ相手に少々アレな態度を取れる「K」と言うと、やっぱり…
508通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:06:34 ID:???
なんかミナ様が出てくるのが凄く久しぶりな感じがするな
最近は出てこない(まだ出てきてない)作品が多いし
509通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:09:50 ID:???
SOD氏GJ!カガリが良い感じにKガリ化してるなぁ
しかしこのミナ様、交錯する運命世界のミナ様と同じ匂いがするww
510通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:34:47 ID:???
逆襲しないならスレ違いだと思うがな。
511通常の名無しさんの3倍:2010/11/28(日) 23:40:18 ID:???
まだ2話目だろww
記憶が戻ったら復讐まっしぐらだよ、きっと
512通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 01:23:34 ID:???
>>488
乙です!
部下は全部知ってるのか。 ……でもシンが裏切ったら真っ先に行かされそうな気が
Gのパイロットはネームドだったりするのかな? 僕だからお姉さんじゃないよね

>>503
これまた乙!
本当にこのカガリはKガリっぽいなぁ ミナに認められるカガリも結構新鮮だ
ミナは基本尊大な感じで良いんじゃないですかね。 っていうか本家でもときたver千葉ver戸田ver町田verで、性格とか口調や一人称が違(ry
ミハシラに居るソキウスは感情が薬で潰されてるんで、感情希薄な無口で問題は無いかと思います
513通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 02:14:44 ID:???
>>512 世の中には、「ボクッ子」と呼ばれる存在が(ry
しかし本当にバリエーションに溢れてるよな・・・無論職人の方々ならびに住人の殺害方法もバリエーションに富んd
514通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 10:34:44 ID:???
ザフト兵「何度我々を裏切るつもりだ、アスラン=ザラ!」

危うく吹いたコーラでDS壊す所だったw
515通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 13:14:44 ID:???
>>514
それ何?スパロボL?
516通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 13:56:55 ID:???
この時期にDSだから多分そうじゃないかな
確か、Zでも似たような台詞あったけど
Lは今回種死キャラ全員が良い方向にスパロボ補正掛かってて良い感じだ
キラもまともでシンも結構丸くなっててイライラしてないし、台詞も違和感ない程度に改変されてる
なんか本編の脚本家さんがシナリオの一部書いてるって聞いたからその所為かな?

そういえば最近EXVSやったんだが、台詞が高山版なんだな
声付きで聞ける日が来るとは思わなかったからすげぇ嬉しい
517通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 14:36:31 ID:???
>512
>513
”おとこの娘”という罠もある。
気をつけろ。
518通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 15:00:22 ID:???
>>514
今回のアスランの扱いは、オリ雑魚に瞬殺されたセイバーの名誉回復のためSSを書こうと決意するほど不遇
とりあえずアスランではなくハイネかMSVキャラ乗せる方向で
519通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 15:27:02 ID:???
スパロボ・・・携帯機の場合アレな出来なのと傑作が交互にくるってのは本当だったんだな
520通常の名無しさんの3倍:2010/11/29(月) 17:23:53 ID:???
エヴァ板が発狂するのがL
アレでもゾイド板では歓迎されるK
521通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 00:08:18 ID:???
逆襲日記 G月A日 晴れ局地的に猛吹雪

「ようやくアカツキも完成か。揺れるんだって? 当然爆乳だろうな? まぁ、一番はうちの嫁――」
黙れ人の肩に肘乗せるな惚気るな。あと少し待てないのかよこのオッサン。
ロックを外して格納庫の扉を開けた途端、静かになった。固まってる。ざまぁみろ。

「名前はエリカさん命名、”SDアイドル戦国伝 全天統一暁御前”だ」

「へー今度はツーピースの水着かな? 腰部装甲もヒラヒラっぽくてかわいいね」
「ええ、フリルいっぱい、花いっぱいですわね。それとない和風の雰囲気もステキですわ」

どこから湧いた。と思ったらいきなり肩をがっしり掴まれた。
「おい、坊主、これはどういうことだ? 乳揺れMSだって聞いたんだが――どう見てもまっ平らじゃね?
揺れる要素がどこにもないぞ!! 特盛りにしろよ!!」
「巨、美、と来たら小に決まってるだろ! フリーダムのサイズが計算上ギリギリいっぱいなんだから
それ以上なn「計算を越えろよ! 揺れなきゃ野郎と一緒だ「誰か嫁呼んで来い! どうでもいいやつのMSを(ry

色々面倒くさ……げっ、エリカさんが何故か燃え始めた…改修するしかないのか……余計な手間増やしやがって。
作業の間先にマニュアルでも読んどけ。って言ったらPDAに送れときやがったので黙って指をトラックに向ける。
最終鬼畜全部紙媒体マニュアルオントラック(超過)エコにも配慮したチラ裏使用。逆襲なら仕方ない。

――改修完了、システムオールグリーン総員退避返せ俺の有給休暇使わないけど返せエリカさんは振り替え休暇?
いいなぁ家族で出かけるのかうん楽しんでそういやヴィーノに教えてもらった店今度見に行って見るかな有給貰っ
たらさっさと動かせよ何チンタラしてんだあんた有給返せ今度無茶言ったら嫁と休暇合わないようにしてやる有給

ゥゥゥゥン バガッ ゴドゴドッガィィィン

胸部装甲剥離

だから言ったのに。離れてて良かった。
「巨乳じゃなくて虚乳だったか」
アスラン……またあんたか
522通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 00:20:23 ID:???
いつもの職人や新人職人さんの何かシリアスやギャグのすごい話が色々きていて、
思わずゴロゴロしてしまった。
危うく正気に戻りそうになったのと、ネット復活したので投下。

すごい遠いけど>288
>267は自分です。深夜の変なテンションとか色々でやらかした。
正直、黒歴史です。

トリ付けたほうが良いんだろうか?
でもこんなんでトリ付けるのも申し訳ない気がする…
523通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 12:13:59 ID:???
逆襲日記さん復活キター!
とりあえず、ムネオは嫁さんから月に代わってお仕置されてまえ!w
524通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 14:30:30 ID:???
今回のLの種死勢は勿論、シンの扱いも相当いいよ
レイとの決戦の時の
「俺にとってお前はラウ・ル・クルーゼなんかじゃない
 レイ・ザ・バレル 俺の親友だ!」
のシーンは普通に良いと思う
ディスティニーの性能も良いし
Zの前に出てたらえらい騒がれてたと思う
525通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 16:21:45 ID:???
おおっいつの間にか沢山投下されている!みなさん乙です!!
しかし、記憶を持たない素直なシン…これって色々と刷り込み放題って事か?
好みの女性のタイプとか……
526通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 20:29:32 ID:???
>>510-511
カガリに取り返しのつかない罪の意識を持たせ、
そこから反省と成長を促してるというのもある意味逆襲ではなかろうか。
527通常の名無しさんの3倍:2010/11/30(火) 20:29:33 ID:???
>>524
伝説さんが今回のMAP王でマジメイオーだそうだし、
シングルを安心して任せられるのが運命さんくらいだとか何とか、かなり優遇らしいな

>>525
このスレでそんな迂闊な事を言うと……オレハモチロンオジョウサマガイチバンダトオモイマスヨ?
528通常の名無しさんの3倍:2010/12/01(水) 13:05:32 ID:???
でもステラがデフォ生存するから保護欲修正で他の逆シンヒロインは…
529通常の名無しさんの3倍:2010/12/02(木) 02:16:00 ID:???
ついにステラもデフォで生存フラグ立つようになったのか…
なんかフォウとかダイゴウジガイみたいな扱いになってきたな

やっぱり正ヒロインってのは強いのかね?
530通常の名無しさんの3倍:2010/12/02(木) 02:28:40 ID:???
>>529
おっと! フラグを潰され、見せ場を消されたアホ毛ミニスカな赤い人の悪口はそこまでだ。
マクロスの声優ネタには吹いたが『一応』ヒロインなんだかr(ウラコード ビーストッ!!
531通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 09:50:56 ID:???
でも、ステラってヒロインと言うよりも妹ポジの方が近いから、やっぱりヒロインは一緒に戦ってきたルナなんじゃないかな?

「送信っと」
532通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 10:41:50 ID:???
乙女座の漢(おとこ)の恋人と言えば、ガンダムに決まっている。
そう、この気持ち…まさしくあi(ry
533通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 10:47:15 ID:???
評判の良い高山版はステラ返すときに会話あったり、自由撃墜後で気が抜けてたシンにハッパ掛けたり
凸撃墜してから笑顔の消えたシンを心配したりと良ヒロインだったんだがなルナ
534通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 13:42:24 ID:???
>>532
大尉自重し……いや、擬人化の流れにするつもりか!?
535通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 14:14:45 ID:???
エミュ子自重
536通常の名無しさんの3倍:2010/12/03(金) 17:12:56 ID:???
>>532
何故かミネルバにハイネじゃなくてあの人が配置され、ステラに撃墜されるが
悲しむシン達の前にMr.ブシドーなる謎の人物が登場という電波が脳裏をw
537通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 16:39:12 ID:???
>>532 >>536
そりゃクロススレ向きの話でんな…題材としては面白そうだけど。
むしろ逆シンだとシン自身が仮面の男である場合の方が多いんじゃないかね、
実際物理的に仮面を着けてる庸兵赤鬼にレイ・デュランダル他、
広義には首領やディルヴィングも仮面の一種と言えなくもない。
(書いてて気づいたがなんとなく氏の二作は物語自体は両極端ながら
 いずれも主役は仮面のシンだったことになるんだな)
素顔で活躍するシリーズでも面従腹背で復讐心を滾らせる、
いわば心の仮面を被っていたパターンも多いわけで…
何が言いたいかというと、新作投下中の皆さんGJ!
んで中断中の皆さんもカミバーーーック!!
538通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 17:11:47 ID:???
確かにコードネームだったり、名前捨ててたりとか、火傷てか怪我で顔変わってたりとか、そもそも英雄とか首領みたく人間やめてたりとかするしね

てか真面目に職人諸氏カムバック!


……ふと思ったんだけど、シンってアフターものだとヘイトじゃなくても悲惨な目に遭う率高くないか…?
…アレな星の下に生まれちまったからかね…
539通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 18:20:58 ID:???
>>538
作中で物理的に酷い目にあうのと、メタ的な意味で酷い目にあうのは、似てるようで違うからな
シンを真っ当な主人公として扱う場合だと、嫌でも試練としての逆境を乗り越える形になるしね(そもそもが逆境から始まったキャラだし)
540通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 18:29:42 ID:???
ラキスケ不発で医務室に搬送されるシン

不思議な事に基地の最も遠く最奥にある医務室に運ばれたとさ
541通常の名無しさんの3倍:2010/12/04(土) 23:52:32 ID:???
>>540
基地の最も遠く最奥にある医務室……だと……?
改造手術をするつもりだな、俺には分かる!
542通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 02:03:26 ID:???
>>540,>>541
え?
俺は解剖するって聞いたぜ?
主に性的な意味でwww
543通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 04:17:50 ID:???
待て待て、緑色のメガネの看護婦がってこんな時間に一体誰だ?
544通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 11:11:27 ID:???
ラインバレルのストレッチャーネタ…は研究員か
545通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 12:40:15 ID:???
>>544
研究員の場合は崖から落とすAAだろ
546通常の名無しさんの3倍:2010/12/05(日) 12:58:34 ID:???
>>543
あのヘタレ中のヘタレ、キングオブヘタレの皇帝ですら不憫に思えてくるトラウマナースのことかー!

どうせナースさんなら俺は涼子お姉さんに……はっ!?きょぬーの話題は・・・ぎゃああああああ
547通常の名無しさんの3倍:2010/12/06(月) 05:32:55 ID:???
やーめーろー、緑ナースはー!
まあリメイク版では一応緑ナースにも救済ENDが
つかヘタレ皇帝はせめて選択肢どおりに動けと
そういやお嬢様とすかいてぷるの金髪は似てい……おや誰か来たようだ
548通常の名無しさんの3倍:2010/12/06(月) 12:40:04 ID:???
>>539
シン「逆境だっ!」
549通常の名無しさんの3倍:2010/12/11(土) 20:12:25 ID:???
hosyu
550通常の名無しさんの3倍:2010/12/12(日) 12:29:40 ID:???
このスレどうにも過疎ってるしvipにスレ立てて職人募ってきていいよな?
やるおに逆襲やらせたら面白そうじゃね?wwwwww
551通常の名無しさんの3倍:2010/12/12(日) 19:00:41 ID:???
ヤメロ
552通常の名無しさんの3倍:2010/12/12(日) 19:54:42 ID:???
俺、今書いてる論文が終わったらSS書くんだ…
553通常の名無しさんの3倍:2010/12/16(木) 10:21:21 ID:???
PC規制長すぎてワロエナイ

来週はいよいよクリスマスか。シンは、今年もシングルベル中にハイネ専用運命なんて悪夢を見せつけられたりするのかしら?

さあ、そんな傷心中のシンを癒すのは誰だ!?
554通常の名無しさんの3倍:2010/12/18(土) 19:53:15 ID:???
戦闘シーンが書けないお・・・おちんちんきもちいいお
555通常の名無しさんの3倍:2010/12/18(土) 22:07:21 ID:???
おっす、
556通常の名無しさんの3倍:2010/12/18(土) 22:26:20 ID:???
こんどはキラ専用インパルスでも出るのか>>クリスマスの悪夢
557通常の名無しさんの3倍:2010/12/19(日) 21:18:22 ID:???
>>539
むしろ物理的に酷い目に遭えば遭うほどかっこよく見えてしまうシンさんマジパネェ
558通常の名無しさんの3倍:2010/12/19(日) 23:49:26 ID:???
>>557
主人公ってのは本来そういうもんだ<物理的に痛い目見るとかっこいい
だから最終回を無傷で終えたどこぞの准将は絶対に主人公じゃない絶対にな
559通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 14:19:38 ID:???
使ってる機体が無傷orDieな時点で負かす気がないのが窺える
ただシンが主人公なまま作られたら作られたで、結局シンがキラ准将化してただろう
デュランダル相手に大立ち回りしてもキラ対クルーゼ的に言い負かされるのがオチだったかも
ストフリで目立たないがデスティニーも相当アレな仕様
560通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 15:44:54 ID:???
シン主人公で考えると、やっぱボンボン版の展開がベストになるんだよな…
自分の意志をはっきり示してデュランダル側で戦い、負けるけど前向きっていうのが。

運命そこまで悪いかな?
普通の盾ならそのままぶったぎれる大剣、小回りのきくFEサーベル、隠し武器パルマ
脚本家がちゃんと使わせてくれれば、実に無難な万能機だと思う。
強いていうならパルマを射撃として使えればもっと手が増えていいか。
561通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 15:52:53 ID:???
せめて核機体なのにエネルギー切れするなんて欠点がなければまだなぁ

あとビームブーメランで∞ジャスティスの装甲が抜けなかったんだっけ?
562通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 17:26:59 ID:???
俺も何か書こうと思ったけど、戦闘シーンみんなよくあんな書けるな
そこ見て思いっきり尻込みしてしまって・・・

デスティニーは大剣取り外し出来ないの?あれはデカブツ相手にしか使えないぞ
563通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 17:41:45 ID:???
Lではフラッシュエッジが無いから序盤が使い辛いけどそれが最強コンボ武器アロンダイトを生んだ。
俺はガンファMAX、インファMAX、見切り、ガード、底力MAX、気力突破、Bセーブ、Eセーブ貢いで最高の切り込み隊長にした。

ただ、ムゥ、レイの撃墜数には勝てなかったよ…
564通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 17:43:23 ID:???
>>563
永遠のソルジャー〜渚ハード編。ですね
565通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 19:55:52 ID:???
>>559-560
ラクシズ全滅+オーブ滅亡で「デスティニー大勝利! 希望の未来へレディゴー!!」がいい
566通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 20:10:08 ID:???
>>562
まず、結果から先に考えるといいと思う
・どっちが勝つか
・どんな戦術を使わせたいか
・それを使わせるためにはどんな状況を作ればいいか
・その状況に持っていくためにはどうすれば…
って感じで。大まかな流れ・骨組みを作って、そこに色々付け足してく
あとは書き手次第、発想力とか文章力の勝負。

デスティニーのビームブーメランは、サーベルとしても使える設定があるんだぜ…
でも劇中で1〜2回しか使わせてもらえなかったんだぜ
567通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 21:05:35 ID:???
集団戦の戦術なら沢山引き出しあるんだけど、1VS1のMS戦の戦術ってちょっと思いつくのは難しいな
両方引き出しが皆無な負債はどうやってガンダムっていう作品を作り上げたんだろうか・・・
568通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 21:28:23 ID:???
ヒント:フルバースト、組み付き自爆  まぁ、夫妻だけが話考えてるわけじゃないですし。
変な話、1st時代から遠距離でライフル撃ち合って、サーベル鍔迫り合いしながら言い合いすればガンダムっぽくはあるわけで
それに、1VS1のMS戦は戦術というよりも戦法? 
劇中のシンならチェストフライヤーアタックとか、オープンインパルスとか、シールド兆弾とか……あれ? 全部インパルスだ
569通常の名無しさんの3倍:2010/12/20(月) 21:42:52 ID:???
いやいやデスティニーでも色々やってただろ
全身サーベルMSの隠者相手にキックしたり、サーベルをパルマで受け止め失敗したり…あれれ?

確かに戦法って言う方が適切だったな。
570通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 00:33:35 ID:???
>>560
運命が悪いのはコンセプトではなく、コンセプトを生かしきれない性能の低さって言うか
手持ちの武器だと隠者相手に攻撃が通らなかったり、反対に相手の攻撃にあっさり破壊されたりするよーな
そんな酷い贔屓を相手側にかけられてるところ
571通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 00:44:25 ID:???
>>570
早い話が嫁補正と。

でも隠者自体が接近戦強い機体だから、運命だと若干不利だよね
議長はレイをアスランに、シンをキラにぶつけるべきだったと思う
572通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 00:50:31 ID:???
ぶっちゃけ機体がマトモなら
相手が感知できない遠距離から亜光速ビームのアウトレンジで削っておけば、最終的に運命が相手しとめて余裕勝ちだと思う
そもそもわざわざ相手の得意分野に踏み込む時点で、全部のせであらゆるレンジに対応できる運命の長所をスポイルしてる
え? 隠者に近づかれたらどうするって? 背中の近時VLが飾りでないのなら
どう頑張っても隠者の速度じゃ付いていけないっしょ

あくまで相手の苦手分野に持ちこんで、あくまでアウトレンジ&ヒットアンドアウェイに徹して
なおかつ相手側と自分の機体に嫁補正がかかっていないのなら、むしろ隠者の純接近戦特化武装装備だと
ぶっちゃけ運命が負ける要素が無いわけで
573通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 01:17:40 ID:???
防御が固い相手ならシールドごとぶった切れるアロンダイト、
接近戦が苦手な相手なら中距離の奇襲&サーベルのビームブーメランとパルマフィオキーナ、
射撃戦が苦手な相手ならMS搭載火気としては最高峰のビーム砲、
そしてCE世界において理論上速度で並ぶもののないVL。
確かにどんな相手でも対マンなら苦手分野に引きずり落として倒せる筈の装備だな。

ただデスティニーの問題点を挙げると腕がやられると使える武装が頭部バルカン砲だけなんだよね。
その点はもうちょっと考慮すべきだと思う。
574通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 02:24:28 ID:???
全部乗せって言うぐらいだから、
デコビームキャノンがあってもいいと思うのは自分だけだろうか
575通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 06:57:50 ID:???
運命はせめて名無し砲ぐらいは手を使わなくても撃てるようにしてたほうがいいと思う
手を使うのは狙撃時のみって感じで
576通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 09:39:17 ID:???
狙撃以外のレンジだと、基本的にビームライフルとパルマがあるからなぁ
本来接近戦で名無し砲使う事自体がそもそもコンセプトに外れてると思うよ

ぶっちゃけ、腕がやられる事を前提にしてない仕様なだけだと思うよ
それくらいならまず宇宙ではあんまり役に立たない足を盾にしろ、という感じで
それならパルマ使えるしな! まっこと主人公気質な機体やでぇ…
577通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 16:54:39 ID:???
>>ただデスティニーの問題点を挙げると腕がやられると使える武装が頭部バルカン砲だけなんだよね。
>>その点はもうちょっと考慮すべきだと思う。
つMS-06MS(モンキースペシャル)バルブス
578通常の名無しさんの3倍:2010/12/21(火) 18:27:24 ID:???
>>577
猿の衛星自重しろWw
579通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 13:06:55 ID:???
せめて赤枠よろしくパワード化してりゃアロンダイトも輝いたろうに
腕を換装するだけの簡単なお仕事じゃないか
ロウが作ったわけでもない二年前の装備なら作れないことも無いだろ、あの訳の分からん技術体系の進化を見ればさ
580通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 13:12:52 ID:???
アロンダイトも嫌いじゃないんだけどあの折りたたみ構造は強度下げすぎだろと思ってしまう。
ハイパーデューとリオンでエネルギー気にしなくていいんだから、高出力の大型ビームサーベルとかの方がよかったんじゃないのかと。
581通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 14:32:41 ID:???
サーベルやガーベラストレートでビームライフルを弾くことができる一方
アロンダイトにライフルが当たるといとも簡単に折れる

いやー本当、エピオンみたいなビームソードにしたほうが良かったんじゃ
582通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 14:36:43 ID:???
ABCかラミネート処置くらいかけとけよって話だよな
583通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 15:18:30 ID:???
>>579
わざわざパワードにしなくても、VSアストレイ(種死後半の時間軸)ではパワーシリンダーの超小型化が可能になってるんだぜ……
中途半端な対艦刀を止めてレアメタル製の斬馬刀にしておけば……
584通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 18:11:21 ID:???
今更かもだがわざわざ剣にする必要あったんだろうか
シンプルに質量攻撃とかでもよかったような
585通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 18:23:06 ID:???
パイルバンカー搭載して重火器取っ払って殺人的な加速力をつければ…
586通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 18:31:00 ID:???
「ヒーローの武器は剣」というサムライの国・日本の凝り固まった思考ゆえ
ハンマー持った勇者王は実にかっこよかったが、ああいうキャラにするのは製作側にも勇気が必要だろうさ

メタ的な考えを抜きにするなら、やっぱり近接武器として取り回しやすいからじゃないかねぇ
587通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 18:36:22 ID:???
運命、伝説開発時点で最強が自由なわけだし、多少駄目な機体でもスペック差で押し切れると考えたんだろうな
常識的に考えて、和田や隠者なんてHもびっくりなイレギュラーだし
588通常の名無しさんの3倍:2010/12/23(木) 19:55:30 ID:???
>>587
デデデデストローイ
589通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 00:08:14 ID:???
え、ハンマーって鉄球のことだよな?

フリーダムのコンセプトが、高速機動機で当たったら死ぬって感じだから、
ディスティニーは当たっても押し切れる重装甲機にすればよかったのでは?
でもそうなるとVLの速度が生かされないかな…
590通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 01:30:32 ID:???
>>589
??「鉄球ハンマー最高!! ハンマーと万力さえあればデスティニーは隠者にも負けなかったんや!!」
591通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 02:27:51 ID:???
>>589
360度VL+VPS赤を採用すればよかったんや!
これなら当たっても間違いなく押し切れるんや!
592通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 03:27:30 ID:???
全部載せスローネに学ぶ運命改造指令書
593通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 05:50:09 ID:???
いっそ運命Uみたいな格闘超特化でよかったんじゃね?
ヴォワの速度とあの近接攻撃力の組み合わせは正直言って滅茶苦茶怖いぞ
594通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 12:20:33 ID:???
V-MAX発動!!
595通常の名無しさんの3倍:2010/12/24(金) 22:10:09 ID:???
REI『レディ』
596通常の名無しさんの3倍:2010/12/25(土) 03:26:55 ID:???
規制解除されてる?
結局シンは今年のクリスマスを誰と過ごしたんかね。
597通常の名無しさんの3倍:2010/12/25(土) 07:47:08 ID:???
テスト
598通常の名無しさんの3倍:2010/12/25(土) 14:20:38 ID:???
>>596
喧騒から逃れ隠れ家のこたつで1人ゆったりとしてるって聞いた。
599通常の名無しさんの3倍:2010/12/25(土) 23:56:03 ID:???
あ、598が拷問食らってる。
600通常の名無しさんの3倍:2010/12/26(日) 01:05:23 ID:???
シンなら俺の隣で満足して寝てるお(煙草プカー
601通常の名無しさんの3倍:2010/12/27(月) 13:27:47 ID:???
 ┗衝撃┓
  ┏┗  三
602通常の名無しさんの3倍:2010/12/31(金) 13:05:30 ID:???
ついに大晦日か
果たして来年こそシンは逆襲出来るんだろうか
603通常の名無しさんの3倍:2011/01/01(土) 10:05:15 ID:???
お嬢様ーーー!明けましておめでとうございまーす!!
今年こそは、緑髪の熟女巨乳に負けぬようこの豊胸体操で(大破
604通常の名無しさんの3倍:2011/01/02(日) 22:56:52 ID:???
何か書こうと思っている人は文章力の拙さを恐れずに、まずは書く事が大事なんだよね?
605通常の名無しさんの3倍:2011/01/03(月) 11:08:14 ID:???
大事は大事だが、台本形式とかメアリー・スーは勘弁な!
他にも某所からの引用だが
・自作のSSや好きな作品、好きな書き手が叩かれても話題にされなくても泣かない。愚痴はチラシの裏に。
・ROM者は冷静に、感想者は謙虚に、書き手はタフに←重要!
606通常の名無しさんの3倍:2011/01/03(月) 22:55:40 ID:???
>>604じゃないんだけど、ガンダム系SS書こうと思って色んなところ探してたらこのスレ見つけました。
避難所見たらかなりの数のSSが既に書かれてて、今さら新しいものを加える必要ないんじゃないかと
思うんですが……「こういうのが足りん」っていうジャンルってまだ残ってますか?
607通常の名無しさんの3倍:2011/01/03(月) 23:19:15 ID:???
MSでなく生身戦でラクシズヌッコロス
608通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 00:45:31 ID:???
>>606
このスレのSSで足りないとすれば…、ルナマリアがちゃんとヒロインやってるものかな…。
某FINALだとちゃんとヒロインやってるし、IFスレとかだと時々見るんだが…。
609通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 01:16:31 ID:???
>>608
中身氏のred eyesは?
610通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 10:33:28 ID:???
>>608
そうは言っても、ルナマリアは本編の中でヒロイン辞めちゃってますからねえ……
ファイナルプラスの後は多分アスランをめぐってメイリンと火花を散らしてるんでしょうし
611通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 14:34:48 ID:???
カガリの立場ねーなw
ある意味負債の被害者だ
612通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 14:47:13 ID:???
わた……俺は思うんだけど、アホ毛ショートでミニスカ、ニーソのまーや声で主人公だけが愛称で呼ぶ女性キャラがヒロインじゃない訳ないじゃない
本編でもステラ返還に出会したり、落ち込んでるシンの頭ポムポムしたり、立派にヒロインしてます!
>>608の言う通り、このスレはわた……ルナマリアヒロイン物が少ないと思う(短編除けばred eyesとMORくらい?)
そりゃ、最後は一人残されたミネルバの格納庫で溜め息付いてたけど……一騎打ちに乱入? 私の記憶には無いわね


『書き込む……と。 狙いはバッチリよ!』
613通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 14:56:17 ID:???
>>611
つーか、シンもそうなんだけどカガリもスパロボで妙に活躍(サルファでは酷かったがw)してるな
種死後半でいきなりメイリンに凸をNTRされたのを気の毒に思ったのか?

>>612
ごめん……俺、巨乳熟女が好きなんだ…と、これでいいわね。
614通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 15:22:44 ID:???
>>606
ドロドロの政治劇とか。
情報戦とか。
開発競争だとか。
そんな感じの戦闘の裏の、有る意味「見栄えのしない」、「ガンダムである必要性が疑問」な物とか。

需要があるかどうかは、果てしなく疑問だが。
615通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 16:34:54 ID:???
>>613
当然だろう! 私は砂漠でコーディネイターの砂漠の虎と戦っていたんだぞ!

>>614
俺的にそれすごく見たいわ
いっそMS戦描写ゼロとかね。
616通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 19:20:09 ID:???
>>606
足りないもの?
そりゃあヒロインとの甘〜い幸せな生活を見せつけて復讐するSSですな。
もちろんヒロインはボンッキュッボ<ザシュッ>...........((○ コロコロ
617通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 22:59:23 ID:???
新年早々、血生臭いインターネッツねぇ
618通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 23:04:09 ID:???
>>606
避難所で良さげなの何本か読んで見れば?
何か閃きが得られるかも知れない。
新しいジャンルでなくとも、独自の切り口が有れば喜ばれるんじゃないかな。
619通常の名無しさんの3倍:2011/01/04(火) 23:38:54 ID:???
シン・アスカ憑依物を書いたことがあるが……。

自分で読み返して、これは投稿できないわと思った。
よってHDの肥やしと化しているw
620通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 00:11:14 ID:???
書き進めてはいるんだけど辻褄あわせとかニ必死になって上手くいかないorz
621通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 01:23:09 ID:???
>>616
「因縁の終わり」は最初はまさにその、永遠のモグラ叩きループにはまりこんだ
ラクシズを尻目に悠々自適のシンルナ新婚生活という読み切りだったんだが
誰かが不吉なレスをつけた結果作者氏がその気になってルナ惨死からの復讐譚に
変わったものだった。
シンにその気が全くなく荒事自体から身を引いて単に平穏に暮らそうとしても
邪推からラクシズがちょっかい出してきてオジャン⇒逆襲というパターンが
あれでほぼ確立してしまったんだよな…
622通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 02:07:34 ID:???
>>621
ファイナルプラスの、したくもない握手が無駄になったんですねw
623通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 02:18:41 ID:???
まあ積極的に和を乱すようなキャラじゃないしなー
加えてラクシズは疑わしきは殲滅だし
・・・にしても、正月休み利用して一遍書き上げてやろうとか思ってたのに予定の半分も終わってないってどういうことなの・・・
624通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 12:56:39 ID:???
じっくりやってくれ
625通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 13:02:19 ID:???
>>622
因縁と光芒は握手拒否だったかと
因縁は、新婚とはまた別の読み切りだったかな?
626通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 18:39:32 ID:???
二次創作でも虐められるシンか……。
627通常の名無しさんの3倍:2011/01/05(水) 19:58:04 ID:???
桃色主義者の崇め奉りっぷりに辟易した人も多く来てるから、シンがラクシズのように
無条件でマンセーされて敵が軒並み弱体化して無傷の大勝利、みたいなシナリオは多分
受け入れられない。
628通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 02:49:46 ID:???
629628:2011/01/06(木) 02:55:32 ID:???
しまった…改めて>>625
最初に短編「最後の欠片」があり、しばらく後に「因縁の終わり」の今では
プロローグとされてる読み切りが発表された。
んでやがて本編扱いとされる復讐戦が描かれ、のちに倉庫入りした際に
「欠片」と「因縁」は続きものなのかという質問が出され、作者氏から
別々であるという回答がなされた…と確かこんな流れだったはず。
630通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 11:49:34 ID:???
>>627
ラクシズが無条件で全否定され、軒並み強化された敵に例外なく殺される、みたいなのなら
需要は……あるかもしれない
631通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 13:31:51 ID:???
>>630
あんまりやりすぎるとヘイトになるからあくまでシン主体で
書いてる作品がいいんじゃない?
632通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 13:46:12 ID:???
まあそもそも本編どおりに描写したらそれだけでラクシズヘイトになる作品だしな種って
633通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 21:55:36 ID:???
今ちょっとずつ書いているんだけど、
地球上のザフト所有の基地って、種死終了時点ではジブラルタル(マスドライバー有)、
ガルナハン、カーペンタリア(マスドライバー有)だけだっけ?
カオシュン(マスドライバー有)、パナマ(マスドライバー有)はまだ地球連合の所有?
マスドライバーがあると無いとは宇宙に出る難易度が全然違うと思うから
634通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 22:48:21 ID:???
>>633
コズミック・イラの施設
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%96%BD%E8%A8%AD
これに詳しく載ってる。wikiだけど一応参考にはなると思う。

後地球のマスドライバー基地はカオシュン、パナマ、ビクトリアにあって
種死後でも全部の施設を地球連合が所有してたと思う。
635通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 22:56:43 ID:???
地球連合って種死の場合軍的には大して被害受けたわけじゃないんだよなー
btwで人的被害は甚大だけど、基本的にザフトの最大戦力と遣り合ってたのはジブの私兵部隊のファントムペインだけだし
ロゴス戦で真っ二つに分かれる結果になっちまったりユーラシアで内戦状態になってたりはするけど、アレだけの状況から楽に復興するチートっぷりからすれば些細なもんかも知れないし
636通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 22:58:12 ID:???
確かカーペンタリアにマスドライバーがなかったから地球に閉じ込められてたんだっけ種終盤の地上ザフトって
637通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 22:59:56 ID:???
>>635
人的被害だけじゃないよ! 物理的な建造物やインフラ的被害もだよ!
前の戦争では基本的にジャミング+エネルギー生産停止で、物理被害だすのはザフトの奴等が行う破壊活動だったけど
今は物理的に上から隕石が落っこちてきて物理的に大爆発起こすのよ
638通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:13:00 ID:???
マスドライバーなしだと、HLVやキラが使ったブースターみたいなロケットを使うことになるのかな?
アークエンジェル(種死)なんかはオプションなしで大気圏離脱できるらしいが例外だろう。
639通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:16:53 ID:???
>>638
すげえ今更だけどさ・・・アークエンジェルってどれだけ魔改造されてたんだろうな?
少なくとも重力圏離脱には11.2 km/s必要なんだけど・・・温泉モドキとか潜水機能まで付けてさらにそんな大容量のスラスターって・・・
640通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:19:06 ID:???
>>639
例のレーザー核融合パルス推進でなんとかなるんでねえの?
641通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:19:23 ID:???
>>637
…水没したはずのニューヨークが後半で株価だか為替だかやるくらいまで復興してるんだぜ…?
地球連合どんだけチート入ってるんだよw
642通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:22:17 ID:???
>>640
あれ?それって確か種の戦艦全般に搭載されてなかったっけか?
マスドライバーの存在意義が(ry
643通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:29:02 ID:???
>>639
1.マードックさんが実は天才だった説。ガンダムXのキッドといい勝負できそうだなw
2.クライン派の技術は世界一! 種→死までの二年もあればそのくらいの改修は楽勝

スペースシャトルとか、あれ全長ですらアークエンジェルの8分の1だからな
それを飛ばすにも馬鹿でかいロケット必要なのに、空気抵抗受けまくりそうなAAの形&大質量でとか…
コズミックイラの科学力すげー。
644通常の名無しさんの3倍:2011/01/06(木) 23:34:35 ID:???
そりゃ負債の加護がありゃいくらでもキャパシティとかペイロードとか物理法則とか無視できるよねぇ
劇場版が本当にあったらブラックホール砲とか太陽炉もどきとか搭載したり量子化とかできたりすんじゃないの
645通常の名無しさんの3倍:2011/01/07(金) 17:00:22 ID:???
2ちゃんがオワタ状態になるっていう噂があるし、メドがついたら避難所にうpするかも
646通常の名無しさんの3倍:2011/01/07(金) 18:42:36 ID:???
>>635
ジブリールが逃げ込んだヘブンズベースは、種で自爆させたジョシュアレベルの戦略拠点だし、月もダイダロス基地は陥落してアルザッヘルも戦力ごとレクイエムでアポーンしている。
何より、ロゴスがほぼ壊滅して大西洋連邦大統領まで死んでいるんだ。

戦力的にも大損害だろう。

でなきゃ、ラクス達に連合軍有志が参加したりしないと思う。
647通常の名無しさんの3倍:2011/01/07(金) 18:55:46 ID:???
実は、クライン派はロゴスの支援を受けていた、とか。
648通常の名無しさんの3倍:2011/01/07(金) 20:32:22 ID:???
>>647
そんなネタ話聞いたことあるな
ロゴスはラクシズの財布でラクスが役に立たなくなったジブリールとメンバーを捨て駒にしたとか
議長がロゴス潰したから難癖つけて議長攻撃したとか
649通常の名無しさんの3倍:2011/01/07(金) 23:41:43 ID:???
ラクシズの財布ってとこ以外のなら俺も聞いたことあるわ
なんか後継の幹部連中が現メンバー全員老害と判断して排除したとか
・・・あれ、これなんてネオロゴス?
お嬢様とかモーゲンバーグの婆さんがくr
650通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 00:22:06 ID:???
そもそもジブ逮捕の為のオーブ侵攻に介入して事実上ジブ逃亡を幇助し、
その結果がレクイエムの虐殺だぞ?
既にいる狂信者達は別として、その後のメサイア戦の時点で寝返りが出るのは
どう見ても狂ってるだろ。
既に腐災補正で白痴化が進められてたから仕方がないが、
本来あんな自体になったら議長はネオジェネシスで遊ぶ前に、
ミーアの真相を明かした上で本物ラクスの方こそロゴスブルコスの仲間で
虐殺の共同正犯なりとはっきり演説するのが当たり前だったんでは。
651通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 00:37:07 ID:???
>>650
ミーアの正体をばらせばプラント市民の中のラクス狂信者が暴動起こすだろうし
テレビ演説でも下手な事言えばテレビスタッフや政府高官が突然襲い掛かってくるかもしれない
それを避けるためにラクスとそのシンパを武力によって一掃しようとしたんだよきっと
652通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 20:14:44 ID:???
>>650
メサイヤ戦の開始直後では名無しザフト兵が「惑わされるな!あれはロゴスの残存兵力だ!」と正しい反応をしてるんだけどな・・。
後、ミーアのバレに関しては、ラクスがミーアの演説中に電波ジャックでミーア正体バレでミーア隠居、その直後に地球軍のレクイエムによるプラント虐殺。
そのすぐ後にレクイエム強制停止・奪取&ジブリールあべし!、その後議長の刺客がミーアを囮にラクスを暗殺しようとするも失敗、ミーア散る・・・の流れなんだが。
一説では、議長はラクスもミーアも両方消すつもりだった説もあるらしいが・・。
もしそれが本当で、今までプラントの人々の心を掴んできたミーアを消した場合、それによるファン達のパニックの可能性を考えると少々浅はかな気が・・。
「我らの女神ラクス・クラインは、アークエンジェルの放った刺客に暗殺された!」とか言って済ませる気だったんだろうか。
653通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 20:38:06 ID:???
>>652
安心しろ。
あの負債がそこまで考えているわけがないじゃないか。
よって、答えなど出ようもない。
654通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 22:36:27 ID:???
地球上のマスドライバーーって、オーブが持っている「カグヤ」の他に
カオシュン、パナマ、ジブラルタルにあるのか ビクトリアってどうなったんだろう
655通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 23:03:41 ID:???
>>654
種時代に連合が奪還作成やって、自爆寸前だった所にギナとソキウス3人にエドが突入して阻止に成功してるからまだ連合が確保してるんじゃないかな?
後、マスドライバーならギガフロートにもある
656通常の名無しさんの3倍:2011/01/08(土) 23:33:16 ID:???
>>652
レクイエムで破壊されたコロニー出身で、かつメサイヤ決戦を生き残った
デュランダル派の将兵というのもごまんといるはずだが、そういう人々は戦後
怨みで叛乱とか起こせないように徹底的な冷遇とか分断とか飼い殺しとか
自殺行為的任務の割り当てとかされてたんだろうな。
もっとも「銀英伝」のヴェスターラントの遺族の暗殺未遂犯のようなのが
現れた所で、ラインハルトと違ってキラクスは平然としたものだろうが
657通常の名無しさんの3倍:2011/01/09(日) 00:48:27 ID:???
>>627の当たり参考にちょっと書いてみた。遅くなったけど気にしない。

荒涼とした砂漠。
その一角に、無数のモビルスーツの残骸が転がっている。
ありとあらゆる技術を盗用して開発された十ダース近い最新鋭量産機とワンオフ機二機を撃破し、普通ならばトウの昔にジャンクになる程の傷を受けながらも、その称号を否定し拒絶するかのように、その機体は
立っていた。

耐用度数を大幅に超える数百合にわたる斬撃の結果、ビーム発信部が完全に潰れて火花を散らす巨大な鉄塊と化した対艦刀を半身で構える赤黒い機体。
VLを搭載したウィングバインダーは損傷し骨の翼のようになり、最後の敵機を睨み付ける赤いツインアイは保護カバーがひび割れて中身が剥き出しになっている。
庇うように隠す左腕は装甲が全損してオイルと火花を血液のように垂れ流し、胴体側のアクチュエーターにまで少なくないダメージを与えていた。
その傷を負わせたΩジャスティスとアカツキ改「ニチリン」は引き換えに完膚なきまでに叩き潰されて背後の残骸の山の一部になっているが。

亀裂が入ったコクピットハッチの中で荒い息を吐き出しながら、ノイズが混じり始めたモニターを、それに映った仇敵を睨み殺そうとばかりに見るパイロット。
焦点がずれたようにも見えるその深紅の瞳は、パイロットがSEEDの発現状態にあることを示していた。
早五時間に渡る発現に心身ともに限界に近づいてなお、パイロットは能力の発動を要求する。
そうでなくては、目の前の敵を斃すことが出来ないからだ。


『き、君は、何でそこまで……!』
ドラグーンや腹部のカリドゥス位相砲で散発的に攻撃を加えながらも決して前に出て来ようとせず、結果的にほぼ無傷のαフリーダムから、珍しく引きつった声がした。
こちらの戦闘に気をとられて放って置いたエターナルと通信が取れないことに苛立っているのか、
それとも親友と元上司が予想以上にあっさりと粉砕されたことに驚いているのか、その声はひどく震えていた。

「……これが、俺の存在意義だからだ」
メサイア戦役の頃に比べて大分低くなった声に静かな怒りを乗せて、シンが答える。
人が安心して床に付くことが出来る「平和」。それを阻害すると判断されたものを依頼遂行の形で駆逐するワンマンアーミー。
裏を返せば、過去の「守れなかった」という痛みを代償によって満たそうとする矛盾した刃。
その切っ先が、改めて空中にたたずむαフリーダムに向けられる。
対応して迎撃姿勢をとるαフリーダム。

不吉そのもののカラーリングに満身創痍の悪魔のような機体。
パステルカラーと原色の青に塗られた無傷の機体。
何から何まで真逆の二機のモビルスーツが、黄昏の中で激突した。

658通常の名無しさんの3倍:2011/01/09(日) 14:13:14 ID:???
>>657
GJですよ、GJ!
勿論、続きもあるんですよね?
659通常の名無しさんの3倍:2011/01/09(日) 16:23:18 ID:???
こういう「空気」が伝わってくる文章を書きたい
660通常の名無しさんの3倍:2011/01/09(日) 17:31:57 ID:???
>>657
同じく続き、ないしは新作もぜひ。
また倉庫に登録させていただきたいので、タイトルとコテがおありでしたら
そちらもご一報くださいませ。
661657 ◆90qJUtSRVk :2011/01/09(日) 22:57:47 ID:???
>>658
後編的なのは書いてる最中
忙しくなるから投下は多分暫く先

>>660
無題でお願いできます?
衝動的に書いたからタイトル思いつかないんで
662660:2011/01/10(月) 00:17:57 ID:???
>>661
ご返答ありがとうございました。
さしあたり「無題(仮)_前編」とさせていただきました。
改めて思いつかれたら差替えますのでお知らせください。

それにしても…アカツキ改ニチリンのパイロットというのは当然ムウだとして、
逆シンだとGSC氏のようにネオ時代の責任をも取ろうとする殊勝な例を除けば
今回も含めて本文以前で撃破されてる例がほとんどで、珍しく直接描写のあった
ジオンの光芒でもシンとは直接交戦せず終いだったけど、やはり対決した場合は
ステラ達への責任も取らずのうのうとラクシズの禄を食みながら討伐者ヅラで
出てきたのを怒りを込めてブッ殺してたりしたわけでしょうか…
663通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 11:31:38 ID:???
>>662
案外、擦れまくったシンはムウも名無し敵と同じ対応したりして
むしろニチリンに乗ってるのがバカゴリだったら積極的にミンチよりひでえ
状態にするか、コクピットから引っ張り出してやっぱりミンチより(ry
664通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 17:40:09 ID:???
そういやムウが自分の子供にステラと名付けたSSってあったっけ
665通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 21:57:47 ID:???
個人的にムウはスティングとアウルに殴られてほしい、ね

・・・地獄に堕ちた大天使たち、って感じで死後の話書いてみようかしら
アークエンジェル組に限らず天国行きなんて滅多に居ないだろうけどさ
666通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 22:00:30 ID:???
>>665
天国なんてあるのかな?


ごめん、言ってみたかっただけ
サイとかカズイ、ナタルさん見たいな離脱組は行けるんじゃないかな
667通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 22:08:44 ID:???
平易な言い回しで小説書くのって難しいなあ
子供向けと子供騙しは全然違う、ってあらためて実感できる
オリキャラは出しても3人くらいだね、それ以上出すと余程の技量が無いと扱いきれなくなりそうだし
668通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 22:26:34 ID:???
種に関してはオリキャラ増えても仕方ない気がするなぁ
原作の登場人物が偏りすぎだし
669通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 23:07:04 ID:???
ちょっと気になるんだけど
オリキャラって名前出してもいいんだろうか
それとも少将とか青い目の少女みたいに肩書きや特徴とかでぼかしたほうが
いいのかな
670通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 23:14:19 ID:???
>>669
出しても問題ないと思う。エコー7とか
出さないなら出さないで、勝手にあだ名がついちゃうのがこのスレ。ベル子とか

むしろ注意すべきは扱いではないかな。愛着を持ちすぎるのは危険
671通常の名無しさんの3倍:2011/01/11(火) 23:49:31 ID:???
>>669
オリキャラはこのスレだと高祖とも言えるGSC氏の影響か、オリキャラはコードネームとか階級、肩書き、特徴で呼ばれる事が多いね。
まぁ、でもCSA氏の作品をはじめとしてオリキャラに名前がある作品も多いから、名前を出してもまったく問題ありません!
オリキャラだすなら>>670が言う様にキャラを贔屓しすぎない。 種死本編を思い起こさせるメアリー・スー状態は避けるべきだと思う。
672通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 20:13:57 ID:???
>>668
ザフトとかオーブならともかく連合のキャラ層の薄さは正直ヤバイレベル
エース級が「何故か」ことごとく戦死or脱走してるからなー・・・残ってるのって精精モーガンくらいじゃね?
・・・つか、製作の連合への扱いは悪意を感じるんだが。総合的に見れば滅亡クラスの被害受けてんのに・・・
673通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 20:32:52 ID:???
盟主王、ジブリール→死亡
常夏三馬鹿→全滅
ネオ→アークエンジェル行き
エド、ジェーン→南米行き
煌く凶星→ラクシズ行き、そもそも地味
5G強化版の連中→三名死亡、スウェンとエミリオはどうだか

これはひどい…
674通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 20:35:57 ID:???
>>673
おまけにロゴス壊滅と大西洋連邦大統領の死亡で
政治的経済的にも減退してるからかなりやばいね
BTWの復興だってまだ途中だろうし
675通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 21:14:56 ID:???
大丈夫。連合なら1年経たずに復活するさ
676通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 21:28:21 ID:???
>>672
レナ・イメリアも残ってるぞ。
677通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 21:47:43 ID:???
>>672
連邦や連合の数が多い側の方がエースが少ないのは初代MSVからの伝統で現実でも実際そうだから仕方ない
連合が悪者チックな描写されてるのも初代ガンダムからの伝統だし、連合もプラントもオーブも大概禄でもない……問題は連邦ジオンならまともな末端すらCEはヒャッハーな状態な事

>>673
種死終了後の時点だと残った連合エースはモーガン・シュバリエとレナ・イメリアか
どっちも教導や教官出身だから戦後は後進の育成に当たってそうだ
ジャンは三隻連合が解散した後はジャンク屋ギルドに身を置いてるし、漫画版だとスウェンはDSSD所属になってたなぁ
678通常の名無しさんの3倍:2011/01/12(水) 23:12:30 ID:???
レナは種死前の時点で既に現役退いて教官やってて、エドを倒す為だけに一時的に引っ張り出されたんじゃなかったっけ
679通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 17:51:26 ID:???
>>677
連邦が悪役チックって言っても「これだからお偉いさんは・・・」的な悪役が基本じゃないか?
まあティターンズとか閃ハサ時代のマンイーターとかアレなのもあるけどさ
あからさまな『演出』で悪役にしてんのなんか種くらいだと思うけど・・・
680通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 18:31:07 ID:???
>>679
へっへっへ、ノーサイドってか? レフェリーはここにはいねぇよ!

まぁあれは特殊な例というか例外というか…
バスク様とか08のイーサン・ライヤーとか、個人レベルではド悪人がいても
軍全体としては動きが遅すぎて役に立たなかったりするだけだよね。
681通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 20:57:57 ID:???
>>680
>へっへっへ、ノーサイドってか? レフェリーはここにはいねぇよ!
あれは別に「悪役」っていうより
「これだからスペースノイドに空を落とされた側の憎悪はそら恐ろしいな」って感じだわな
彼らの残虐さやいやらしさは、本編でいろいろ描写されてる分、視聴者に理解できるし共感もできると思う
『本編』でその辺ブン投げたお陰で、逆に外伝側見ないと理解できないのが種だから
初見では本編の連合下げにビビる
682通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 21:11:48 ID:???
>>681
最初から血のバレンタインにおけるユニウスセブンへの核攻撃は
何回も流すのに
エイプリルフールクライシスとかは碌に説明しないし
盟主王以下の高官がまるで悪人みたいな演出してるからね
683通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 21:38:56 ID:???
エイプリールフールクライシスについて流れたのって作中では1話と14話のみなんだよな
馬鹿にしてるよ
684通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 21:55:04 ID:???
エイプリル10億(だっけ?)に対して、血バレ20万そこそこ

これで被害者面できるんだからすげぇメンタリティだよ、マジで人間じゃねぇ
開戦直後で被害が5000倍差ってどんな戦争なんだ・・・
685通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 21:55:38 ID:???
小説書くのっていろいろ気を使うなぁ パワーバランスはどうとか、
この戦いにはこの敵が出てくるとか、新しい機体はいつ手に入るのとか
あああメモの量がすげー事になってきた
686通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:22:06 ID:???
しかし、改めて思うがX級に人死にが出てるんだよなCE。ユニウスセブンの落下も合わせれば何人死んでるんだか……
ふと思ったんだけど、ナチュラルとコーディネイターの人口比って描写されてたっけ?

>>684
撃った相手を過剰に憎む、人間の業を現してると言えなくもない。


まあだからって極端から極端に走りすぎだが。種世界の人たちはそんなんばっかか。
687通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:27:09 ID:???
>>684
エイプリルの被害者には地上在住のコーディもごまんといたのになあ。
GSC氏の「最後の50人」なんて本来TVでこういう設定を用意した
本編スタッフこそが登場させる義務のある集団だと思うんだが。
(あのつがい以外のプロだったら程度の差こそあれそういう立場のキャラを
 登場させてたと思う。)
>>685
楽しみにしてるからじっくり落ち着いて仕上げておくれよ。
688通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:34:30 ID:???
>>687
そういうキャラが出てたら話に深みが出たろうな
躊躇するキラに対して、
「プラントのコーディネーターこそ俺たちを裏切った奴らだ!奴らをぶっ殺す!!」と
容赦なく戦おうとする地球のコーディ
それを見て更に悩むキラとか
689通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:43:08 ID:???
シンと他作品のクロスオーバーを楽しみたい人はここにどうぞ!→http://jbbs.livedoor.jp/anime/5461/
宣伝です、シンSS沢山ありますよ
690通常の名無しさんの3倍:2011/01/13(木) 22:50:07 ID:???
>>686
いや、さすがにコロニー落とし乱舞で100億中99億死亡とかそういうレベルじゃないから
ちなみにUCは一週間戦争で100億中50億人(人類の半数)死亡
CEはエイプリルフールで100億中10億(一割)死亡
一応、CEが一番軽いっちゃあ軽い

ナチュラルとコーディネイターの人口比は描写されてはいないが
自称「コーディネイターのほとんどが住んでる」プラントは
100基ほどの中の一基が全滅したら20万ちょいなので
どんぶり勘定で2000万くらいだろうとは言われてる、だから
10,000,000,000:20,000,000
くらいかな?
691通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 00:12:11 ID:???
>>689
悪いがだいぶ方向性違うからそっちはそっちだけでやってくれい
692通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 00:24:48 ID:???
種死の戦後だと、砂塵吹きすさぶ荒廃した世界で、塩山絵のシンがトンファー振り回してるみたいな絵が容易に思い浮かぶから困る
693通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 00:32:08 ID:???
>>692
確かに名字もアスカで相棒がレイだけどさぁw
それだとマユが生きてて聖女と呼ばれて、サイボーグになったスティングかアウルがグフクラに乗って、シンが一期と二期の間でタリア艦長に童貞奪われちまうぞw
694通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 02:29:42 ID:???
それはそれで幸せな気がしなくもないんだが。
695通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 03:26:45 ID:???
>殺しまくったのに被害者面
逆に「殺しまくってしまった」からには
敵が悪で自分達は被害者というスタンスを取らざるを得なくなった、
とかって描写がちょっとでもあったら納得いったんだけどね。
自分の罪の意識から逃れる為に過剰に自分を正義だと思い込むってのは
人間の行動としては納得のいくことだと思うし。

しかし書いてて思ったのだが後悔とかはあっても
「罪の意識」って種で描かれたことあったっけ?
何か拙いことやって後悔ってのはともかく罪を感じているってのはなんか記憶にないんだが
696通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 10:38:13 ID:???
>>692
エイジかよww
697通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 14:12:50 ID:???
>>695
花はまた植えればいい。
698通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 15:16:37 ID:???
>>697
ラクシズが一番花を吹き飛ばしてるような気がするんだが
699通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 17:34:08 ID:???
どこかのSSであったな
「花」の意味がシンとキラ達で違てて、すれ違うっていうの。

シン→人の命
キラ→平和

で、すごい納得した覚えがある。
700通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 18:21:37 ID:???
平和だとしても
まず吹き飛ばされない努力をしろ
と言われたがな
701通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 20:44:51 ID:???
「なるほどね・・・今分かったよ
 希望を無くして絶望だけで戦う、そんなキラたちだから人類を救えなかったんだ」
702通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:15:16 ID:???
>>699
その件で思い出したが、もしキラがシンの「花」の意味を知ったら
さすがに「花を植えるよ」とは言わないだろう、いや、言うに決まっている
(なくなったんなら、また命を作ればいい的意味で)って意見があって、
後者が(圧倒的に)優勢だったような・・・
703通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:19:34 ID:???
>>702
>なくなったんなら、また命を作ればいい的意味で
なんかそれすごく怖いな
死んだ人間を自分に都合よく蘇らせる。外伝でもそんな話あったけど
なんか種死後のキラとラクスならそういうことやって
「生き返ったんだからいいじゃない」とか平気で言いそう
704通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:27:07 ID:???
都合の悪いのはちゃっちゃと処分してクローン体作成→ゆりかごで記憶と人格植えつけて・・・か
それなんて往年のディストピア系SF?
705通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:29:09 ID:???
アンタらの花は核シェルターの中で咲いてるんだろー!?ってのはどこのシンだったか…

>>703
シャレにならん…シンにクローン(的な)ステラを送りつけてよかったよかったですねわかりません
そこまでしたらアスランでもキレそうだなぁ。
706通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:37:20 ID:???
そういえばラクシズ関係者って誰がどの辺まで付いていけるかわからんよね
いくら洗脳音波があったって終いにゃ結構な数が離脱してそうだし
707通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 22:39:06 ID:???
>>705
血涙流しながらデスティニーでも何でも駆り出しそうで怖い
つか本当の意味でブチ切れたシンって止められるのか?
708通常の名無しさんの3倍:2011/01/14(金) 23:10:08 ID:???
>>706
キラやマリューみたいに主体性というか自分の考えを持っていない奴は簡単に取り込まれる
っていうか、今更かもしれんが
家族やステラの喪失とアスランとメイリンを殺した(と思い込んだ)自責の念で潰れかけていたシンが
デュランダル議長に縋るしか無かったのと
アスランと殺しあって、アスランの友人であるニコルを殺して
フレイとの不健全な交際に磨耗していたキラがラクスに取り込まれたのは
殆ど変わりない状況だよな

クルーゼという明解な敵を倒して、結果として世界を救った(かのように思える)状況に身をおいて
降りかかる火の粉”敵”に対応するだけ、というような形になったことで
キラは自分の立場に対する疑問を抱くことも無く、自分の意思で考えているつもりでも
ラクスを軸に偏った考えしか出来なくなっている

・・・アスランはシンを相手にする前に
やっぱりキラをどうにかするべきだったんや・・・
キラのほうが病の根が深いもん
709通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 00:03:03 ID:???
>>702-705
倉庫にある「いろんな意味で逆襲のシン・アスカ」がまさにそんな話だよな。
クローン再生されたのはステラでなくマユの方だが。
また毎回アバンで語られる過去編と本文の現在編の間に、ラクスと袂を分かった
キラが本気でシンの同志になってたりとか色々興味深い点も多かったものの
詳しく明かされないまま例によって長期中断中だが…これまたカムバーーック!!
710通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 01:53:40 ID:???
>>697
その台詞があまりにヤバいと思ったからか、スパロボLだとキラが「花が吹き飛ばされない世界にしたいね」とか発言してる
711通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 09:26:37 ID:???
Lは綺麗な種死のお手本になるよな
連合の正当性をことごとく排除したおかげで、ザフトが主人公側についても違和感がないという
712通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 10:29:11 ID:???
あれ、ってことはエイプリルフールとかL4虐殺にコペルニクスも無しな訳?
713通常の名無しさんの3倍:2011/01/15(土) 23:46:15 ID:???
そういや、今度PSPで出るスパロボにも種死出るんだな
F完結編以降スパロボやっとらんから今のスパロボよう知らんが、話聞いていると全体的にシンの扱いっていいんだっけ?
714通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 01:18:17 ID:???
>>713
スレチ気味だが……
スクコマ2…キラ視点なので扱いは悪い。 何もベルリンでの救助中に切り掛らせるこたぁねぇだろう。 ED後はルナマリアとプリペンダー入りして五飛の部下
スパロボZ…スゲェ良い。 作品自体は仲間割れしたりで評判はそこそこ シンちゃんマジリアル系男主人公。 条件次第でレイ、ステラ生存。
スパロボK…イマイチ。 シナリオ自体批判多。 キラ視点が多いけど早々と仲間入りする分スクコマ2よりは良い、後Kガリ。 年少組の兄貴分&ジーグの宙とシスコン連合結成 レイ、ステラは条件
スパロボL…かなり良い。 種死自体に大改変を行いみんな綺麗に。 議長やDPプランもまともになってるし、(どちらかが折れる事無く)キラとも分かり合うMVPはLスマン。 ステラはデフォ生存、パイロットになるにはレイと同じく条件あり
個人的には良い方だと思うよ
715通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 01:34:12 ID:???
>>713
PSPで出るのは、PS2で出たZの続編で
わかりやすくいえば「時空ナントカ弾で、並行世界のあらゆる世界が一つの地球になってしまったぜ!」
って世界観、時々今もどっかから世界が飛ばされてくるらしい、ぶっちゃけ
「オーガスの世界観でスパロボやろうぜ!」みたいなもん
ちなみに前作ではTV版のゲッターが出たけど、今回はOVA版のゲッターが出るらしい
ついにTV竜馬とOVA竜馬が並び立つのか、後グレンラガン


ちなみにシンは前作のZでは
「リアル系の準主役(Zではリアル系は女主人公しかいないが、その中で主役級の扱いをされてるという意味)」
「リアル系男主人公」と言われるくらいオイシイ役回りだったらしい、マユケー筆頭に取りこぼしたフラグや
成長フラグや仲間フラグをガンガンに描写してもらってたとか

なおZではラクシズは大まかには原作通りなので
http://iup.2ch-library.com/i/i0224015-1295108397.jpg
http://iup.2ch-library.com/i/i0224014-1295108397.jpg
↑ごらんのとおり途中で参戦してる作品からフルボッコ喰らう

なお途中でフルボッコ喰らった後に反省し、仲間になったけど
今までの経緯が経緯なので一歩引いてなんとなく尻込みしてるキラを
シンは最終決戦前にサッカーに誘ってたりする

Zシン「俺…みんなに会えなかったら、きっとひどいことになってた…」
鈴村「当時監督の求めていたシン・アスカと自分の中のシン・アスカがスパロボの収録で一致しました」

そしてそのまま種死の話は前作の第一次Zで終了済みでござる、いろんなことに決着付けた実に良い種死ラストだった
……良いラスト過ぎて新作スパロボの種死は、いるだけ参戦確定
716通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 01:37:48 ID:???
>>713
http://hiki.cre.jp/SRW/?SinnAsuka

ここの「スーパーロボット大戦Z」の関連項目見れば
次のPSPのスパロボのシンはだいたいわかると思うよ、PSPはこれの続編だからシンが出るならこの成長後シンが続投のはず
お勧めは「スパロボシリーズにおける名台詞」の項のZね
これ読めばだいたいどんな成長したのかが想像できる
717通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 07:54:37 ID:???
概ね、みんな言ってる通りで、総合すると可もなく不可もなく

扱い良い時はとことん扱いが良いから、外れさえ引かなきゃマジ王道主人公
2000年代作品では間違いなく一番のスパロボマジックの体現者
718通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 08:44:36 ID:???
>>http://iup.2ch-library.com/i/i0224014-1295108397.jpg
グラヴィオンとか手足単位で搭乗者のいるロボットは
キラが武装潰しのつもりでも高確率で犠牲者が出かねないからなぁ
怒るよねそりゃ
719通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 11:31:15 ID:???
やはりラクシズ全滅&オーブ滅亡でないと
人類が補完されず、イデが発動せず、Dボゥイが相羽タカヤに戻り、
バルディオスが明日を救った如く
720通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 13:26:31 ID:???
まあまあ、殲滅せんくても生きながら罪を償わせてくってのもありだとおもうぞ?
実際カガリは書き手によって大分扱いが違うし
721通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 14:31:27 ID:???
>>720
罪を自覚しないんじゃ償いは始まらない
むしろ四馬鹿は凸以外生まれたこと自体罪ともいえるから
やはり「あの世で世界に詫び続けろォォォォ!!」な結末が相応しい
722通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 17:18:06 ID:???
>>721
いやだからさ、そんなん書き手の匙加減だろうがよ
…こいつもしかしてラクシズアンチの皮被ったシンアンチか?
723通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 17:32:19 ID:???
たまーに来るから触るべからず

まぁいずれにしろZ2でもそこそこ扱い良いとイイね
724通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 17:37:35 ID:???
罪の自覚で思うんだが、キラとカガリと凸は本編でそれなりに考えて悩んでたんで
展開次第では別の生き方が出来そうな気がするんだが
ラクスはどうも悪い意味で、種序盤の時点でキャラが完成されてるような気がする
725通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 17:38:17 ID:???
>>722
ラクシズに罪を償うことなどできない
なぜなら、罪を罪と認識することがないから
726通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 18:14:52 ID:???
>>724
デフォルトで真っ黒だからなー
まあ時たまそれ以上に黒くなったシンに骨抜きにされてたり調教されてたりするけど
727通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 18:55:40 ID:???
>>726
調教だと!?kwskお願いします
728通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 19:25:13 ID:???
>>727
保管庫の単発作品のどれだったかのはず
729通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 19:41:38 ID:???
>>728
ありがとう、探してみる!
730通常の名無しさんの3倍:2011/01/16(日) 20:04:50 ID:???
>>719
スパロボではいつもそうじゃん
そもそもラクシズが結成されてなかったり、結成後にラクシズじゃなくなったりして
構成員もどいつもこいつも全員キャラ的に死亡して、人格と記憶がラクシズと同名のきれいな別人に化けてるし
オーブも似たようなもんだ
731通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 18:23:58 ID:???
今週のめだかボ読んだら
どうしようもない奴らでも救われる可能性があるのかもしれない・・・と少し思った

・・・・・・・・・・・・カガリくらいか
露悪しないだけでキラって結構球磨川チック
例のお花発言からして
オールフィクションを使えたり使える奴に出会ったら力に縋っちゃうだろうなぁ
まぁ嫁が部分的にオールフィクションしてるようなもんだが(アスカ一家爆殺とか)
732通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 19:46:24 ID:???
>>731
アスカ家殺害が無かったことにされたって言うが
上から打ち下ろすように撃たれた
七色ビーム
この描写で該当する機体ってあの場所じゃ自由しかいなくね?
3馬鹿の機体は下から上に撃ってるんだし

消すんじゃなくて別の機体が撃ちましたとかにした方がまだ自然だったのに
733通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 20:26:45 ID:???
なかったことにと言えばヘルメット
734通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 22:03:54 ID:???
>>733
あれは予備のヘルメットだったという苦しい後付があるらしいけど
後で削除されたんだっけ?
よくわからないな
735通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 22:19:54 ID:???
放映版および当時発売されたゲームの映像だと映ってるがスペシャルエディションと後期生産版のDVDじゃ削除されたっぽい
・・・物書きとしてどうなんよ、こういうのって
736通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 22:51:32 ID:???
ロックオン兄なんて見事に死んだのにな

ムウもアレで死んでれば汚名挽回せずに、ただの指導力不足の駄目兄貴キャラで済んだのに
強化人間を使い倒して虐殺に加担しながら洗脳解けたら何もかも無かったことにして勝手に汚乳弄って幸せになりやがった
いつぞや描かれたようにシンの怒りを受け止めて殴られるくらいはしてくれないと
絶対に許せやしないよ・・・

・・・本当になんで生きてるんだよ
どう見ても粉々だろ
つーか、陽電子砲喰らってコクピットに損傷受けて包帯でグルグルって
ライフル喰らって鼻血のほうがまだ信憑性あるわ!!
737通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 23:03:36 ID:???
>>735
しかしDVDBOXでは復活した
738通常の名無しさんの3倍:2011/01/17(月) 23:31:56 ID:???
>>736
そこはリオン・レーヌのように
「ステラを救えなかった罪!(中略)その命で贖え! ネオ・ロアノーク!!」だろ
739通常の名無しさんの3倍:2011/01/19(水) 00:28:30 ID:???
細かいことだけどさ
汚名挽回って既に日本語として定着してるよな
740通常の名無しさんの3倍:2011/01/19(水) 20:00:02 ID:???
確かに
でも、話の流れ的には間違ってるとは思わないからスルーしてた。
ていうか、このスレ的には大正解だろう。
741通常の名無しさんの3倍:2011/01/19(水) 20:08:52 ID:???
ジェリドェ
742通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 00:23:18 ID:???
>>736
>>強化人間を使い倒して虐殺に加担しながら洗脳解けたら何もかも無かったことにして勝手に汚乳弄って幸せになりやがった

別になかったことにはしてないだろ。
それからが描かれなかったから
ネオがステラ達のことについてどう考えてから分からないし幸せになったとも言えない。
それにステラは連合の中でしか生きられず
一人の人間の権限でロゴスに逆らえたとはも思えない。
シンの代わりにステラを連れて逃げても結局は同じ結末になってしまうし、
許されない行為でも上層部の命令に従った戦闘行為を責めようとも思わない。
シンの最大不幸はステラと出会って戦場で再会してしまったこと。
ネオの最大失態はデストロイに乗っているのがステラだって喋ってしまったこと。
そんなもんだろ。
743通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 02:24:23 ID:???
まあこのスレはその「それから」を書いたり語ったりする場所な訳だが、
ネオ時代の記憶も維持している上で
反省の色もなくラクシズの重鎮を任じているパターン(例:ジオンの光芒)と
逃げず自分の罪として受け入れているパターン(例:GSC第一部)とでは
どっちが共感を呼ぶかは過去にもさんざん語られてるでしょ。
(言うまでもないけどSSの優劣を云々してるわけじゃないよ)
744通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 03:17:28 ID:???
>一人の人間の権限でロゴスに逆らえたとはも思えない。
「たぶん逆らえなかっただろう」という推測があったとしても
ムネオのとった「だから、逆らわない」という行為が正当化されるわけでは微塵もない
それは推測するまでもなく、自分の罪を「無かった事にした」のとおんなじよ?

>シンの代わりにステラを連れて逃げても結局は同じ結末になってしまうし、
同じ結末になってステラ救えずに慟哭すればええねん、そうして初めて自分がやってきた行為と向き合った事になるねん
いや、マジにそれくらいやらなきゃあいつダメだろ

>許されない行為でも上層部の命令に従った戦闘行為を責めようとも思わない。
問題は、上層部の命令に最後まで殉じずに、途中でラクシズに寝返って、そのくせそれまでの自分の行為をまったく恥ない
ムネオの厚顔無恥さにあるのではないか

>それにステラは連合の中でしか生きられず
別にそういうわけでもないだろ、ライブリアンが持ってるカーボンヒューマンの技術さえあれば
ステラの改造前の遺伝子から、カーボンヒューマン技術で三か月くらいで
脳を含む体全体を元通りにする事とかたやすいし
いやぁ、カーボンヒューマンは万能設定ですね(棒)
745通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 04:25:37 ID:???
ムネオの描写はTHE EDGEがよく描けてたな
AAでのアスランとの会話、あれをアニメでもやってくれればと思わずにいられない。
746通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 15:38:49 ID:???
>>744何で上から目線で、人の意見全否定なんだ?
747通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 16:19:42 ID:???
>>746
>>743何で上から目線で、>>736の意見全否定なんだ?
マジレスすれば、他人に対して上から目線で意見全否定するから
自分も他人に上から目線で意見全否定されるんじゃねぇの?
748通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 16:25:20 ID:???
>>747
>>743じゃなくて>>742だったな、スマソ
まあ、つまりそういう事だ、あと>>743のいってる事は全くもっともな事で
このスレはその「それから」を書いたり語ったりする場所な訳で
「どっちが共感を呼ぶかは過去にもさんざん語られてる」わけで

そんな場所で「ロゴスに逆らえたとはも思えない(キリッ!」とか
「シンの代わりにステラを連れて逃げても結局は同じ結末になってしまう(キリッ!」とか
「許されない行為でも上層部の命令に従った戦闘行為を責めようとも思わない(キリッ!」とか言われても
それこそ上から目線で他の意見全否定してる行為にすぎないといわれても仕方ないだろ
あまつさえ、その論に対して逐次突っ込み入れられたら「なんで上から目線で俺を全否定するんだ?」って
それはひょっとしてギャグで言ってるのかい?

それとも何か、お前は自分は上から目線で他人見下して意見全否定してもいいけど
自分が他人から突っ込み入れられるのは、見下し全壊の全否定だ!って言いたいのか?
どんなダブスタだよ
749通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 18:50:16 ID:???
どうでもいい。ムネオはムカつく。それだけでいい。
状況なんざ知らん。ラクスの傀儡のキラがムカつくのと同じ理屈だ。
750通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 19:28:19 ID:???
「ネオ」にとって、シンはわざわざ手駒を返してくれた馬鹿な敵兵だし、ステラは消費期限切れかけの鉄砲玉でしか無かったわけでしょう。
エクステンデッド3人組と仲良くしていたのも、円滑に運用するためだったんだろうし。大体、そういう風に洗脳されたのでは?

ムゥに戻った後だって、一番の強者、勝者に付いて終戦を迎えたんだし、戦争犯罪の追及なんて為されなかったはず。彼自身が罪の意識を
感じているかは解らないけど。何が起きたかということと、自分がどう感じたかをごっちゃにして書き込むから、話がこじれるんじゃないかなあ。

「洗脳されてたから俺知りませーん」なムゥも、「たとえ洗脳されていたとしても俺の罪が消えるわけじゃない」なムゥも、アフター物SSでは
それぞれ価値があって違う立ち位置に置かれる。SS書きは調理法を考え、読者は出された料理を楽しむ。それだけでしょう。
751通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 19:57:38 ID:???
>「ネオ」にとって、シンはわざわざ手駒を返してくれた馬鹿な敵兵だし、ステラは消費期限切れかけの鉄砲玉でしか無かったわけでしょう。
もしかりにそうだとしたら、なおさら「ネオはクズだ!」と視聴者側から判断されても仕方がない人物ではないのでしょうか?

>エクステンデッド3人組と仲良くしていたのも、円滑に運用するためだったんだろうし。大体、そういう風に洗脳されたのでは?
記憶操作をされていた事は確定していますが、洗脳までされていたかはあいまいですし
仮に「洗脳されていた」からと言って彼の行為が許されるわけではありませんよ
されてたのなら、なおさらその罪を自覚して、償う展開があってしかるべきでしょう
なければ「クズ」という評価が固まるだけなのは、現状を見れば明らかです

>ムゥに戻った後だって、一番の強者、勝者に付いて終戦を迎えたんだし、戦争犯罪の追及なんて
>為されなかったはず。彼自身が罪の意識を感じているかは解らないけど。
そもそも彼自身が罪の意識感じてるか否かすら、ブン投げてなかった事にしてるから本編はダメだったという話
作中の周囲が「追及しないからノーカン」「勝ち組だから罪なんてねぇよ」なんて構造だから、見てる方はムカつくわけで
そのムウに対してなあなあにして終わらそうとする姿勢が、視聴者の神経を逆なでするわけで

>何が起きたかということと、自分がどう感じたかをごっちゃにして書き込むから、話がこじれるんじゃないかなあ。
何が起きたか、とそれに彼がどう感じたか、は両方とも語られるべきことですよ? 話拗らせる要素が微塵もありませんね
その上で、語られてるにしろ、語られてないにしろ、そのムウに対して「感じたこと」が語られてるわけですな

ちなみに、その辺を「ごっちゃにしてる」のは、どちらかというと
「思え(わ)ない」を多用して「鉄砲玉でしか無かったわけでしょう」「洗脳されたのでは? 」等と
作中で確定されていない物事に対して、自己の解釈を持ち出してさも事実であるかのように語り
キャラクターを評価しようとする>>742>>750の方でしょう
752750:2011/01/20(木) 20:35:15 ID:???
>>751
意見のぶつけ合いを見ていて、何か揉めているのではないかと勘違いして、>>750のように書きこんだまでです。
あとここはSSスレだというイメージを持っていたので、キャラの是非はSSで語られるものだとばかり思って
いました。

そして自己解釈を持ち出してさも事実のように語り、と仰いましたが、状況を見てそう推測したことを書いた
だけです。それが間違っているかもしれませんね。失礼しました。
753通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 22:24:24 ID:???
・・・つーかここまで読んで思ったんだがよ、もしかして例の人じゃねーのか?
754通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 22:33:05 ID:???
>>748
アンカ失敗しすぎてよく分からんことになってるが
742=746じゃないぞ
755通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 22:39:43 ID:???
投下も無いし、荒れやすくなってるのは解るけどねえ
756通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 22:54:01 ID:???
>>754
匿名の2chでどうやってそれが事実だって証明できると(ry
757754:2011/01/20(木) 23:06:04 ID:???
できないけど?
管理者側からは分かるだろうけど、
利用者からはIDもコテトリないのに個人を特定するのは不可能だろ。
できないから決めつけてレスするのは危険だし、
レスの一つ一つが別人が書いてると思ってるほうがバランスがいいと思う。

そもそも出来ないの分かってるんなら
>>匿名の2chでどうやってそれが事実だって証明できると(ry
こんなこと得意気に言う意味もないだろ…
758通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 23:21:00 ID:???
>>757
なるほど、つまり
「下手なこと書き込むと常に同一人物扱いされるリスク」
もちゃんと考えて書き込むべきだという事だな

おまえってさ、自分の脳内ルール周りに押し付けてくるよね
だからさっきから特定されやすいんだけど
759通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 23:23:34 ID:???
>>758
違うよ
754「俺は742=746じゃないけど、こいつらは別人だぞ」
こういってるんだよ

なんてせっとくりょくだ(棒)
760通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 23:27:57 ID:???
754「ハハッ安価失敗ワロスwwwあと俺を特定しようとするな!!!11!」

俺はこう受け取ったが、何か? 
で、742=746への>>744の内容について、反論や「具体的に何が全否定なのか」という釈明はないのか?
そこまでケンカ売るならさぞかしご立派な釈明をしてくれるんだよね?
761通常の名無しさんの3倍:2011/01/20(木) 23:47:33 ID:???
伸びてると思ったら何だこの流れ…とりあえず>>754、お前さんもうしばらく黙ってるか釈明するかにしな
あんたの発言色々とヤバイかんじがするからさぁ
…まあ十中八九>>753のいうとおりなんだろうけどな…


つか、キャラクターの扱いなんぞ書き手の匙加減ひとつで幾らでも変わって当然だろうが
762606ですが……:2011/01/21(金) 00:06:42 ID:???
ちょっと書いてみました。読んで頂ければ幸いです。


 C.E.77年。メサイア攻防戦から3年経った後、世界は驚くほど変わらなかった。武力に
てプラントを乗っ取ったラクス=クラインの望みは、あくまで自分の安全と利益が脅かさ
れる事のない世界のみ。ミーア=キャンベル亡き後の行動は惰性であり、戦後評議会の要
請で最高議長になったのも、自分と自分のボディガードが不自由なく暮らせる為だったか
らに過ぎない。終戦直後に予想された、恐るべき無法状態も、狂信者達による前時代的な
圧政も起きなかった。プラントの運営はそれまでと同じく評議会が行い、2度の戦争による
国力の疲弊には歯止めがかからず、長い冬の時代が訪れようとしていた。
 変わらないのはオーブも同様だった。セイラン家を排除した結果、地球連合とのコネク
ションが断たれてしまい、国を潤していた様々な利権を失った首長カガリ=ユラ=アスハ
はオーブ国防軍の規模を大幅に縮小せざるを得なくなり、それを不満に思った一部の軍人
達が海賊化して、公海の安全を脅かす脅威が1つ増えた。それだけの話だった。
 ダイダロス月面基地での戦いによって地球連合は求心力を失い、大西洋連邦とユーラシ
ア連邦の間で行われていた水面下の争いが表層化しつつある。しかし地球連合発足以来、
この二代勢力が争っていなかった事など無く、それはプラントの武装と独立を許す結果と
なった。
 世界は今、火を点けられた火薬庫と化している。そしてそれは、C.E.70年のエイプリル・
フール・クライシスから変わっていない。点いた火が、どれだけ大勢の目に触れたかどう
かの違いだった。火を消す者がいないのも、自分の近くに飛び火しないよう祈る者しかい
ないのも、変わらない。
 シン=アスカという少年がいる。コーディネイターに対する迫害から逃れる為にオーブ
へ移り住み、オーブで連合軍との戦争に巻き込まれて家族を失い、プラントに移住してザ
フトに加わってエースとなった。特務隊『FAITH』にまで登りつめ、その後クライン派が
引き起こした権力闘争の中、16歳にして全てを失った。
キラ=ヤマト、ラクス=クライン、アスラン=ザラ、カガリ=ユラ=アスハ。歴史書に
記される人物達と特に深い関係を持った彼の人生は数奇というほかなく、その急激な隆盛
と凋落は数々の逸話を生み出した。以下に紹介する物語も、その一つである。


機動戦士ガンダムSEED 
“EPISODE『逆襲のシン=アスカ』”


 プラント。アプリリウス・ワンにある議長官邸の廊下を歩くキラ=ヤマトの足取りは重
かった。若干21歳にしてザフトの白服に身を包み、最高議長ラクス=クラインに最も傍近
く居ることを許された男。オーブではカガリ=ユラ=アスハの弟としてVIP待遇を受け、
最強と名高いストライクフリーダムを乗機に持つ男。しかしキラの望みはラクスと変わら
ない。
763606ですが……:2011/01/21(金) 00:08:00 ID:???
『自分達の考えるところの』平和、である。終戦と勝利によってそれは達成されたの
だが、元のような隠遁生活に戻ることは許されなかった。自分達の行為によって新たな責
任が発生したらしいという事は薄々理解しつつあったが、それを完遂するつもりはない。
 キラに言わせれば、そもそも、デュランダルがラクスの偽物を仕立て、暗殺部隊を送り
込んできさえしなければ、平和な暮らしが続いていたのだ。他人の勝手な思惑で表舞台に
引きずり出され、身を守る為に戦って、終わってみれば収拾をつける為に居残れというの
は理不尽でしかない。しかし、ラクスがその責任を引き受けるために最高議長になると決
めた以上、ついていくしかない。彼女と共にいると、そう決めたからだった。
「どうして、こんな事に……」
 ドアの前に立つ衛兵に聞こえないよう、疲れ切った声で呟いたキラは窓に視線を向け、
人工の空を見上げた。敬礼するザフト兵に力なく答礼し、開かれたドアを潜る。歓声が飛
び込んできた。何度聞いても慣れない叫び声の洪水に、キラは小さく開かれた、外へと続
く扉の前でがっくりと肩を落とす。
「……はぁ」
 官邸前に詰め掛けたファンが、コンサート会場に向かうラクスを一目見ようと集まって
いた。白いオープンカーが官邸前に停められ、後部座席に座る桃色の髪を揺らす彼女が白
い手袋に包まれた右手を振っていた。キラはラクスの傍にいる事を望んだが、もっと静か
な場所が好きだった。深呼吸し、扉の間を抜けようとしたその時、黒服を着たSPが耳打
ちしてくる。
「キラ=ヤマト様、メッセージが入っております」
 ラクスを見ながら車へと歩み寄るキラ。SPはその斜め後ろに付き従ってくる。常と違
うその立ち位置を訝る事無く、キラは振り返ってきたラクスに笑みを浮かべた。彼女も同
じように微笑み、迎えるように手を差し伸べる。
「メッセージ?なんだろう……誰から、なんですか?」
「シン=アスカからです」
 SPの口から語られた言葉の意味をキラの脳が認識しようとした直後、オープンカーが
急発進した。ラクスの顔に浮かんだ戸惑いは、距離が広がったことで見えなくなる。
「えっ?」
 車は左側にハンドルを切り、縁石に乗り上げ花壇を蹴散らし、柵を破ってラクスのファ
ン達に突っ込んだ。歓声が悲鳴に上がる。聞こえてくる『音』としては大差なかったが。
「ラク、ス……ラクス!ラクスーっ!!」
 状況を理解したキラが、大切な人の名前を叫ぶ。車は交通整理をしていた警察官を跳ね
飛ばし、向こう側のビルに激突してけたたましい音を立てた。花壇を乗り越え、轢かれた
人々に躓きながら、キラは壊れて黒煙を上げるオープンカーに駆け寄る。
 ひしゃげた車体の下で、桃色の髪が灰色に汚れていた。白い手袋が、朱に染まっている。
「う……あ……ああああぁっ!!!」
764606ですが……:2011/01/21(金) 00:09:02 ID:???
 オーブ、ヤラファス島。連合首長国の首都にあるショッピングモール1階の広場のベン
チで、オーブ国防軍のムウ=ラ=フラガ一佐は無防備にも護衛を着けずに、私服姿で座っ
ていた。左手で、ゆっくりと顔の傷をなぞる。その視線の先に、母親の手を握る子供の姿
があった。
『なあ、ネオ!』
 かつての自分の名前が聞こえ、弾かれたように自分の右側を見る。水色の髪の少年が
連合軍の制服を着崩し、悪戯っぽい笑みを浮かべて自分の腕を引っ張っている。
「アウル……!」
『何見てんの? あ、わかった。胸のでかい女でもいたんだろ』
『おい、この馬鹿……くだらねえ事でネオを困らせんなよ』
 左側に、草色の髪を短く刈った少年がいた。着崩し度合いで言えば、こちらの方がまだ
救いがある。ネオを見たその少年は、肩を竦めてみせた。
「スティング……!」
『いや、ネオは一応俺らの上官だろ? だからさ、示しをつけるっつーか……』
『ネオ!』
 最後に聞こえた少女の声に、ムウの背筋が震える。ゆっくりと正面を向いた。やはり彼
女だった。止めろと言ったのに、アウルの余計なひと言でミニスカを履くのを止めず、ま
るで自分を父のように慕っていた少女。
「ステラ……!」
『ステラ、ちゃんと上手に出来たよね?』
「ムウ!!」
 肩を揺さぶられ、ムウは自分の連れ合いを見上げた。汗が額を伝い落ち、目は見開かれ
呼吸が浅くなっていた。揺さぶってきたその手の甲を、自分の両手で包む。
「あ……ハハ、悪いな。マリュー」
「ねえ、やっぱり帰りましょう? 昨日だって、ずっとうなされて……」
「大丈夫! 行こう! な?」
 わざと大きな声を出して勢い良く立ち上がったムウは、彼女の肩を抱いて歩き出す。ゆ
りかごによる影響から解き放たれ、ネオ=ロアノークからムウ=ラ=フラガに戻るための
治療は決して楽ではなかったが、自分の部下だった3人の子供のことは、どういうわけか
何時まで経っても忘れられなかった。
 彼らを死なせたのは、自分がネオだった時の事だから。自分には所詮何も出来なかった
のだから。自分だって犠牲者なのだから。マリューや医師からかけられる言葉は何の意味
も持たなかった。廃人同様に追い込まれた自分を復帰させるため、言い聞かせもした。
だが結果は同じだった。意識を何かに集中させていない時、彼らの姿が目に浮かんでくる。
 どこまで自分の意思で動いていたのだろうと考えると、恐ろしくてたまらない。最悪、
ロード=ジブリールの奴隷となっていたとしても、あの子供達くらい守れたのではないか。
765606ですが……:2011/01/21(金) 00:10:23 ID:???
 それとも、全て自分の意思で行っていたのかもしれない。危険極まりない私兵集団には
よくある話だった。指導者の名前を振り翳し、残忍で、異常な行為を嬉々として行う現場
指揮官。
『約束してくれ!ステラを…あったかくて優しい世界に帰すって!!』
 4人目の声に、人でごった返すショッピングモールを歩いていたムウは奥歯を噛み締めた。
あの愚かで哀れな少年。『ネオ=ロアノーク』が約束を守る筈がなかったのに、他の望みが
断たれた彼は、よりによって一番信じてはならない男に少女を返してしまった。
「マリュー、そろそろ水着新調した方が良いんじゃないのか。あんなのとか。ほら、最近
またきつくなってきたろう?」
「ば……馬鹿! 止めてよ」
 ショーウィンドウを指差してマリューの髪に頬を触れさせるムウ。顔を赤くし、叩く真
似をしながらも笑みを絶やさないマリュー。その笑顔が、幻覚と罪悪感に悩まされる
ムウ=ラ=フラガを少しだけ前に進ませてくれた。彼女がいるからこそ、なんとかしなけ
ればならない。前に進むしかないのだと、自覚できる。
 あの少年は、大切な人を守る為に手放してしまった。どんな結果となるにせよ、そうす
べきでは無かったのだと思う。だからこそ、自分は間違えない。そう決めた。
「ん、でも……ちょっとだけ、見ていって良い?」
 マリューに頷いて、ムウは彼女から手を離した。雑踏と人々の話し声で溢れるショッピ
ングモールに立ち、愛する人の背中を見つめる。不意に、声がかかった。
「ムウ=ラ=フラガだな」
「そうだが……」
 喧噪の中でもはっきりと響く男の声に、ムウは顔を動かすことが出来なかった。武器も
携帯していない。先ほどとは別の理由で、汗が滲む。本能が危険を嗅ぎ取った。
「妙な真似は止した方が良い。ここの警備は」
「シン=アスカからの伝言だ」
 指を曲げて膨らみを持たせた拍手、のような音が2度上がり、ムウは激痛と死を覚悟し
た。しかし、それはやって来ない。見つめていた背中に紅い華が咲いて、膝を折った
マリューがタイル張りの床に倒れる。
 周囲から悲鳴が上がり、ムウは愛する人の名を絶叫した。

 ガルナハン。ザフトが占拠した連合軍基地を出たその男は、薄茶色のコートの襟を立て
た。作業用のグローブを填めた両手を擦り合わせ、冷たい光を降り注がせる月を見上げた。
墨で染めたような黒髪が月光で僅かにきらめき、血の色をした目が細められる。
「シン!」
 遠くで手を振ってきた女性に視線を移し、シン=アスカは彼女の名を呼んだ。
「……コニール」
766606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/21(金) 00:11:24 ID:???
とりあえずオープニングを。そして付け忘れていたトリを最後でつけるという失態orz

ここのスレの好みに合うかはまだ解らないのですが、楽しんで頂けたらと思います。
767通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 01:44:04 ID:???
GJ!
シンが手を引いたものかは分からないが、だとすれば実にきっつい復讐だな
シンにとっての直接の仇はキラとムウなわけだし、同じ目に合わせたというわけか
今後の展開が楽しみです。頑張って書いてね!
768通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 03:53:31 ID:???
アスランの場合はメイリンとカガリのどっちが狙われるのだろう。
もっともキラが暗殺されたとかいうんでなければあまり絶叫もしなかったりしてw
769通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 10:05:15 ID:???
>>768
+ルナマリア
アスランかカガリのどっちかが、最後の仕上げに(シンが直接)殺しそうな気がする
770通常の名無しさんの3倍:2011/01/21(金) 14:37:25 ID:???
投下乙です
キラが何気に腐ってるなw

あとなんか文の区切り方のせいか若干読みづらいような
771通常の名無しさんの3倍:2011/01/22(土) 18:48:24 ID:???
遅ればせながら投下乙です。

なんというかキラのアホみたいな言い分には怒りを通り超えて呆れるしかなかったけど、ある意味では間違ってなかったのかも。
少なくともラクス暗殺未遂がなければキラもラクスもニート生活を謳歌してただろうし。
デュランダルには「触らぬ神に祟りなし」としか言ってやれない。

次に狙われるのは凸として、誰が殺されるのかが問題ですかね。本命がメイリン、その次がカガリかな。
そもそもホントにシンが実行したのか?名前を騙る何者かの仕業ではないのか?その辺もまだハッキリしてないのでこれからの展開を楽しみにしてます。
772通常の名無しさんの3倍:2011/01/22(土) 19:09:17 ID:???
>>768
>>771
ふと思ったんだが、凸本人が殺されるセンは?
カガリとメイリン(+ルナマリア?)への復讐的意味で
773A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:35:55 ID:???
ちょっと書いてみたんで投下します。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY+A3
#1選択

「これはどう言うおつもりですか…シン」
「見たままだと思います」

 間接照明が効き落ち着いた雰囲気と言えば聞こえは良いが、
ラクス・クラインの執務室は質素を通り越し殺風景で薄暗い場所だった。
 空調が効いているにも関わらず執務室の乾燥した空気が、ザフトのト
ップガンの証である赤い軍服の上から肌を直接撫で上げているような気
がして落ち着かず、最高権力の目の前に立つ緊張や過去の遺恨を差し引
いても、シンは彼女の前で話す事が苦手だった。
「除隊願いですか。シン、貴方は一体何を考えておいでですの?」
「考えた末の行動だと思ってます」
 左足を肩幅まで開き、背中で組んだ両手を腰辺りに下し、休めの姿勢
のまま、微動だにせずラクスを正面から見つめている。
 暗がりの中でシンの表情は、ラクスからは見えない。
 しかし、下手な字で書かれた形式無視の除隊願いが、彼の決意の大き
さを物語っているような気がした。
 シン・アスカは、所謂ギルバード・デュランダル派と呼ばれる兵士だ
った。
 公式、非公式問わず大戦中多大な戦果を上げシンを含め、戦後彼らは
非常に微妙な立場へと追いやられる寸前だった。
 しかし、ラクスは、そんな彼らを、大した罪にも問わず、新生ザフト
へ、ほぼ戦前と変わらぬ地位を用意し向かい入れた。
 それらのラクスの行動をプラント、地球圏の人々は、聖母の慈悲や歌
姫の慈愛と好ましく受け止めていたが、内情は地球圏全土を巻き込む大
戦で疲弊したザフトに四の五の言う余裕は無く、人材流出を防ぐ意味合
いの方が強かった。

「本当に殿方の考える事は、いつも決まって私の想像の斜め上を行きま
すのね」

 手元の端末から一時手を離し、憂いを含んだ瞳で執務室の片隅に目を
配る。そして、何か重苦しい感情を吐き出すように、視線をシンに向け
直し、机の上の除隊届けを手にとった。
 ラクスのシンを見つめる視線こそ厳しく鋭い物だったが、しかし、ま
るで、それは、出来の悪い弟を宥める姉や母親のような穏穏やかな雰囲
気を含んでさえいた。

「議長は俺の"力"だけが必要なんでしょ」

 シンは、バツが悪そうな様子でラクスから視線を切り、不機嫌な口調
のまま、つい思っている事を口にしてしまう。

「あまり、つまらない事を言っていますと、本当に怒りますわよ、シン」
774A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:36:56 ID:???
 今までの諌めるような視線では無く、怒気さえも含んだ鋭い視線だった。
 血が昇って火照った感情を冷やせば、残っているのはラクスに対しても
自分自身に対しても見当違いでお門違いな考え方だけだった。
 戦争の勝者、敗者を別としてシン・アスカはザフトの軍人だ。ザフトの
理想を胸に、力無き人々を悪意ある者達から守るザフトの剣だ。 
 だが、逆の言い方をすれば、ザフト市民の税金で養われ、お給料を貰い、
その対価として市民を守る仕事に就いていると言っても別段間違っては居
ない。
 軍人に職業意識とは妙な感じもするが、シン・アスカはザフトから給料
を貰っているサラリーマンだ。
 業務内容である市民を守り、力を振るう事は当たり前の事で、例え気に
入らない、受け入れ難い事があって不貞腐れて職務放棄とも取れる言葉を
言ってのけてしまうのは、非常に情けない行為だ
 それが最悪の場合、人の生死に関わる物ならば、尚更個人の"愚痴"は後
回しにしなければならない。
 プラントに絞れば、シンは当の昔に成人を迎えている。
 にも関わらず、言うべき事と言う必要の無い事、我慢が効かず、義務と
権利をはき違えて暴走する癖は未だに現役で、あまりに幼すぎる自分にシ
ンは、無言で目を閉じる事しか出来ずに居る。
 戦い続ける事を"望んで"今の地位に就いたのは、シンが言って良い台詞
では無かった。
 
「力が有ろうと無かろうと貴方は貴方のはずです、シン」
「分かってます。でも、」

「俺はもう」と言いかけて、シンは口を噤んだ。口腔まで競り上がった、
表現出来ない苦い感情を嚥下するのは想像以上に骨が折れた。
 信じた親友も導き手も、何が何だか分からないまま姿を消し、気が付け
ば自分は月面から伸びる桜色の光に無意識に涙を流していた。
 平和に対する思いも、力を振るう意義も、戦争と言う身体が沸騰するよ
うな悪い夢から覚めてしまえば漠然とした願いの残滓が残っているだけだ。
 強い気持ちも滾るような怒りも、今は見る影も無く也を潜め、大事な物
が抜け落ち、鉛のように押せば潰れてしまうような生温い虚脱感と今まで
殺めた人の命の重さが手と肩に重く圧し掛かり腹腔を絶え間なく痛め付け
ている。

「ならば何故でしょうか、シン」
「それは」

 ラクスは、いつも多くを語らない。静かに相手の瞳を見つめ、慎重に言
葉を選び、頬笑みを浮かべ接して来る。
 見つめられれば、心の奥底まで見透かされそうになる異常に澄んだ瞳は、
心底を丸裸にされる恐怖を覚える反面、彼女の前では自分を偽らなくても
良い安堵感も同時に覚える。
 人の意思ほど"拙く"適当"な代物は無い。
 ラクス・クラインを多角的に見つめれば魔女にも聖女にも見えるだろう。
 だが、ラクスの一番深い部分にある感情は慈愛や親愛だ。時には奇異に
映る行動も、全て彼女は誰かを想ってこその行動でもある。
775A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:38:38 ID:???
 それを人がどう感じ、どう受け取るかは別としてだが。

「何故と言っては見ましたが、既に心が決まっているのなら…殿方の決意
を止めれる程、私は強い女ではありません」

 自嘲とも後悔とも取れない弱々しい言葉を漏らし、ラクスは端末をパタ
ンと閉じた。
 機動兵器に乗り戦場を駆け戦うシンとは、また別の意味で疲れているの
だろう。
 いつ淹れて貰ったのか冷めきった紅茶を喉奥に流し込み、ラクスは、目
頭を抑え深く嘆息する。
 
「すいません。でも、俺」
「謝らないで下さいな」
 
 仕事を効率的に行おうとすれば、使っている道具は重要だ。
 ラクスが使っている事務具は、アスクルで買ったようなステンレス製の
机と長時間座っていれば背中が痛くなるような安っぽい代物で疲れが溜ま
ら無いはずがない。
 執務室のインテリアも拘ろうと思えば拘れるはずで、もっと高価で身体
に負担の少ない家具は数多くある。 
 戦後直後とは言え、一時に比べると世界の混乱も随分落ち着いた。
 世界中で戦火の火種は燻ぶり予断を許さぬ状況では有るものの、議長た
る立場の人間が執務室の体裁を整える時間と余裕くらいはある。
 自分で考えるのが面倒であるならば、総務か広報の人間に依頼すれば諸
 手を上げて率先してコーディネートしてくれるだろうし、今もその瞬間
を虎視眈々と狙っていると聞く。
 過剰な贅沢は下品だが、ザフト最高責任者ともなれば、ある意味のハッ
タリも必要だ。国のトップが貧乏臭い風貌では諸々の品格にも関わる。
 だが、決して彼女は、周囲の厚意を頑なに拒否し続けている。
 その中で唯一の贅沢なのか、それとも彼女の趣味なのか、妙に大きな水
槽の中には一匹の大きな熱帯魚が静かに泳いでいた。
 シンは、一度だけラクスに「エライ人なのに何故贅沢をしないのか」と
僅かな悪意と皮肉を含み問いただした事がある。
 帰って来た答えは、乾いた笑みと『なんとなく…ですわ』の一言だった。
シンは、それからラクスに皮肉を言うのを止めた。
 彼女とキラ・ヤマトには言いたい事が山程ある。死ぬまで恨み毎を言い
続ける自信だってある。
 だが、「なんとなく」と渇いた笑みを零したラクスを見た瞬間、シンは、
自分の中で何かが抜け落ちて行くのを自覚した。
 恨みも悲しみも不条理も全てが無へ流れ去った訳では無かったが、ラク
ス達に感じる身を焦がすような憎しみは、いつの間にか消えていた。
「やはり、止められませんのね。わざわざ、アスランとキラがオーブに行
っている時を選んで来ているのですもの。当然ですわね」
「一応"隊長"には除隊の事は伝えています」
「あら、意外でしたわ」
「俺だって不真面目ですけど、ザフトの軍人の端くれです。上官に最低限
の礼儀はあります。許可も無く勝手に消えたりしません」
776A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:40:31 ID:???
「貴方が不真面目なら、世の殿方、特にキラなど超不真面目で通ってしま
いますわよ」
「議長。俺は真剣に」
「分かっていますわ。それで、アスランは何と言っていましたか?」
 
 幾分か空気が柔らかくなり、苦虫をすり潰したような表情のシンをラク
スは苦笑しながら先を促した。

「このご時世に職を失う事がどうとか、これからどうするのとかどうとか、
力がどうとうか、艦橋で三時間くらい説教されました。その上、除隊届け
を破り捨てられました。普通預かるとか付き返すとか流れだと思いますし、
言いだした俺に原因があるのは分かってますけど、説教するなら時と場所
くらい選んで欲しかったです」
 
 人の入れ替えも多く、ブリッジクルーが何人も居るミネルバ改修型の艦
橋で三時間の説教は、普通の羞恥心の持ち主ならば顔からチリソースが噴
き出るほど恥ずかしいだろう。
 人目も憚らない過去の自分を思い返せば、シンも人の事を言え無かった
が、人前でこれからの進路の事で説教されれば、幾らなんでも恥ずかしい。
 
「それが、アスランたるアスランの所以ですわ、シン」
「隊長の性格には、もう慣れました。それに、上司が受け入れてくれない
から、その上司の上司に願い出たんです」
「そうですわね、彼はキラ以上に純粋です。そして、貴方と同じ位熱血漢
なのですから、拗らせると纏まる物も纏まらなくなりますわね…方向性と
意思が重なれば、貴方とアスランほど相性の良い人間もいないでしょうの
に」
「議長…話しが逸れてます」
「でも、肝心の事が抜けていますわね、シン。それは、女から見れば殿方
の狡いところですわ」
「議長、話が逸れて」
「アスランはともかくとして、ルナマリアさんは、どうなさるおつもりで
すか?彼女は貴方の恋人なのでしょう」
「俺はザフトを抜けるだけです。ルナとは今まで通りに」
「私は嘘は悪い事では無いと思います。嘘によって人が救われる事もある
でしょう。不器用な人間にとって拙い嘘は美徳です。ですが、脈略の無い
嘘は本人も他人も不幸にしかしません。嘘の使い所は間違ってはいけませ
んよ、シン・アスカ」

 ラクスの、責めるのでは無く諭すなような静かな口調にシンの心は萎縮
し撹拌され胸を掻き毟りたい衝動にかられた。
 声を荒立てなかったのは行幸だった。
 シンは、ラクスにザフトを除隊すると告げただけにも関わらず、シンが
最も避けておきたかった事を何の遠慮も容赦なく踏み抜いた。
 降り積もった新雪を最初に踏みしめるる何とも言えぬ快感。
 そして、雪が溶け切った後の汚れきったアスファルトのような不快な情
景。 心の奥底に仕舞い込み二度と外へ出す事を望まぬと誓った決意を暴かれ
る感触は、正直に言って不快だった。
777A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:41:14 ID:???
 だが、シンは恋人であるルナマリアに何の真意も告げず、去ろうとして
いる。
 シンは、ルナマリアの笑顔に何度も救われた。
 あれだけ縋って慰めて貰いながら何一つ返さぬまま、彼女の元を去ろう
とする自分は、恐らく最低の人間なのだろう。
 
「駄目ですよ、それ。俺とルナと一緒に居るとルナが駄目になりますから」
「だから、一人で行くと?」
「もう準備は出来てます。除隊届けが受理されれば、俺は直にプラントか
ら消えます」
「意固地ですのね」
「本当の事…言っただけです。ルナは俺なんか勿体無い女の子です」
「真剣に言っていますの?」
「俺はいつだって真剣です。俺が居るとルナの未来が濁ります」

 ラクスは「もうこれ以上の説得は無理だ」と心の奥で溜息をついた。
 ルナマリアがシンを好いているのは周知の事実だ。ラクスは、彼女と言
葉を交わした事は少ないが、ほんの僅かな期間触れ合っただけで、ルナマ
リアがシンに愛情を注いでいるのは十二分に理解出来た。
 それ程分かりやすい好意を目の前にしているにも関わらず、目の前の男
は「それは駄目だ」と頑なに拒絶している。
 女の自分からして見れば、何が不満なのかトコトンまで追求してみたく
なる衝動に駆られるが、女が男の感情の機微が本当の意味で理解出来ぬよ
うに、男は女の情熱が本当の意味で理解出来無いのだろう。
 男女の色恋沙汰は厄介だ。
 他人がどうこう言った所で本人の決意が固ければ、どんな的確な助言も
意味を為さない。
 結局は当人同士の気持ちが大事との結論に落ち着き、なるようになるし
か無いのだ。

「除隊手続きはこちらでしておきます。理由も深くは聞きません。ザフト
側からも貴方の行動に特に制約を設けるような事は致しません。ですが、
シン、貴方は"元"フェイスです。貴方のお立場の事、重々承知してこれか
らの人生を生きて下さいませ」
「俺の勝手な願いを聞いてくれて、感謝します」
「退職金も今まで使っていた口座に月末には振り込んでおきます。金額は
これから計算されますが、暫く生活に困る事は無い金額が振り込まるでし
ょう。これは貴方がこれまでプラントに尽してくれた正当な対価です。無
碍にしないようにお願いします。加えれば貴方は除隊扱いですが、即座に
復隊出来るように貴方の席も部屋も空けておきますし、デスティニーUの
生体登録もそのままにしておきます」
「議長…俺はもうザフトには」
「そうですね…きっと、私では貴方の決意を変える事は出来ないのでしょ
う。出来るのはきっと、ルナマリアさんだけ。でも、そんな彼女を貴方は
拒絶している。ですから、貴方が勝手な判断でプラントを去ると言うなら、
私も勝手な判断で貴方の今後の処遇を決めているだけです。勝手と勝手な
らば等式は成り立つはずですわ、シン」
778A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:43:42 ID:???
 シンの"最後"の精一杯の嫌みもラクスは苦笑しながら受け流す。
 シンは、もう何を言っても無駄だろうと、ラクスの厚意を素直に受け取
る事にした。
 ラクスの言葉を信じるならば、ザフトはシンの行動に制限を設けないと
言う。
 除隊が受理されなければ、逃亡生活も覚悟していただけにこれは非常に
有難い申し出だった。
 行動に制限と設けない事が、何処まで本当か分からないが、初動はこち
らの方が圧倒的に早い。
 プラントと関係が薄い国を行けば、当分は大丈夫だろう。

「思ってたよりも無茶苦茶だったんですね、議長は」
「褒め言葉として受け取っておきますわ」

 一度覚悟を決めてしまえば、男よりも女の方が行動が早い。
 ラクスはもう一度端末を開き、関係者へシンの除隊申請を通達し始める。

「それともう一つありました」

 机の引き出しから、スマートフォンを取り出し作業を止める事無く操作
する。
 ピンと無骨な着信音が鳴り、シンのスマートフォンに一通のメールが着
信された。

「空メールで申し訳ありませんが、私のプライベートアドレスです。何か
困った事があればここにメールをするように心がけて下さい」
「いいんですか?」
「構いませんわ」

 ラクスのプライベートアドレスと言えば、政界軍閥問わず、関係者まで
喉から手が出る程欲しいデータのはずだ。
 それをこれからプラントを出奔しようとする人間に気前良く渡してしま
うなど正気の沙汰では無いが、危機管理意識と"身内"を天秤にかけれると
"身内"に針が傾いてしまう。
 それがラクス・クラインと言う人間なのだろう。
 メールをシンに送ったラクスは、もうこれ以上は話す事は無いとばかり、
黙々と執務を再開させる。
 シンも"もう"これ以上は言葉は無いと、ラクスに深々と頭を下げ、踵を
返して執務室を後にする。
 執務室独特の乾いた空気をもう感じる事は無い事に奇妙な感慨を覚えて
いると、もう一度だけラクスから声をかけられた。

「シン、私は貴方が敵なる事が無いように願っています」
「それは有りえませんよ、議長」

 モビルスーツに乗って再び戦う。
それだけはこれからのシン・アスカの人生に置いて「絶対に無い」とシ
ンは言い切った。
779A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/22(土) 20:44:41 ID:???
 戦う事が無ければ、敵になる可能性も無い。
 自分の言葉から感じる妙に底冷えのする雰囲気にシン本人も驚いた。

「失礼します。御厚意感謝します。議長」
「ご機嫌よう、シン・アスカ。今後の人生に幸ある事を…」

 ラクスの視線を背中に感じながらも、一度も振り返る事無く執務室を後に
する。
 連合ロゴス派主導で行われたアーモリー・ワンのザフト新型機強奪事件から
ロゴスの滅亡、そして、当時のザフト最高責任者のギルバード・デュランダ
ルの乱心と呼ばれた戦争が終わってから、実に一年半の時が過ぎ去っていた。


終わりです。
一応続き物です。
780通常の名無しさんの3倍:2011/01/22(土) 22:45:17 ID:???
>>779
乙です
続きに期待します
781通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 00:13:26 ID:???
>>779
投下乙です。シンもラクスも色々あって対応が大人だ・・・ちょっと意固地なところなんかは似てるのかもね
アスラン相変わらずっぽいが、まああれはそうそう変わらんだろ

ピンク教祖じゃないラクスってのは何かいい感じだわ。続きを楽しみにしてます〜
782通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 13:40:57 ID:???
>>779
乙でした。
ちゃんと政治家しているラクスってのもアリかなぁと思います(前の指導者殺して今の地位を手に入れた訳だから普通はそれくらいしないといけないわけだけれどw)
どこか枯れた雰囲気をしているのは少なからず苦労してきたってことなんだろうなぁ…。

時と場所を選ばないところを見るとアスランはあんまり変わってないようですね…。
ぶっちゃけアスランは恥ずかしくなかったんですかね?シンはかなり恥ずかしかったようですが。

ザフトを抜け、モビルスーツで戦わないという選択をしたシンがどういう道を行くのか楽しみにしています。
783SOD 第3話:2011/01/23(日) 21:44:43 ID:???
オーブ連合首長国唯一にして世界最高水準の技術力を持つ軍需企業、モルゲンレーテ社。
4年前の大戦で驚異的な戦果を上げたGAT-X105ストライク等のGAT-Xシリーズ、不沈艦の異名を持つアークエンジェルの開発に携わったのがこの会社であり、
後のフリーダムやジャスティス、セカンドステージシリーズの開発に置ける基盤を作ったと言っても過言ではない。
さらに言えば、自分の人生に大きな変革を与えてくれた(主に悪い方向に)出来事のきっかけを作った、非常に素敵で愉快なクソッタレ共の巣窟である。
そんな悪魔達と一緒に働く事になるとは、やはり自分は何かを持っている(主に疫病神的な何かを)…と自虐的な思考を展開する青年サイ・アーガイルは、モルゲンレーテ社の研究員達が集まる研究施設の廊下を歩いていた。
「まったく、何で俺がこんな事…」
不機嫌な表情を隠そうともせず若干がに股気味にズンズンと突き進むその姿は『私、今イライラしてます』と書かれたプラカードを掲げながら歩いている様な物であり、すれ違う同僚の研究員は皆、怯えたように彼に道を譲っている。
確かに前大戦における数々の経験が、彼の人格に致命的な打撃を与えてしまった事は彼自身よく分かっているが、少なくとも何の理由もなくイライラしたり、辺りに八つ当たりをしたりはしない。
彼が不機嫌になるその理由、それは彼が今向かっている場所…というかそこに居るある人物に問題があった。
「はぁ…」
廊下を突き進んだ先にある扉の前に辿り付いたサイは、憂鬱そうな溜息を付く。
そして2〜3度深呼吸を繰り返した後、意を決した様に扉の先へ足を運んだ。
「失礼します。サイ・アーガイル入りま……」
軽く一礼しながら入室したサイの足が1歩目で止まる。
そして、そのまま回れ右したくなるのを懸命に堪えた。
(自動ドアを抜けるとそこは、混沌の部屋でした…)
扉の先でサイが目にした物、それは薄暗い研究室一杯に広がるゴミの山であった。
至る所に転がるMSの部品(ジャンクパーツ)、足の踏み場が無いほどに散乱したMSの物と思われる設計図、無造作に置かれた食べかけの固形食品やゼリータイプの栄養食品の容器……
まさしくゴミ屋敷と化している研究室の一角に、不釣合いに置かれた一組の布団と毛布。
その毛布がモゾリと動いたのを確認したサイは、グシャグシャと設計図の束を踏みつけながらその布団へと近づく。
「Dr、起きて下さい!」
「…………」
「Dr・K!!」
「〜〜〜ッ」
布団の真上で大声を上げるサイに反応したのか、モゾモゾと毛布に出来た山が動き出す。
「…………」
サイにDr・K(ドクター・ケイ)と呼ばれた人物は、毛布から顔だけ出すと、サイの顔を見て眉を顰める。
そして無言のまま大きく伸びをすると、毛布から身を起こし億劫そうに立ち上がった。
「おはようございます、Dr」
「…………」
挨拶をするサイを無視して再び大きな伸びをしたDrは、布団の近くにある机の上に置かれたメガネをかける。
そして、横目でサイを一瞥し一言呟いた。
「誰だお前」
次の瞬間、盛大にずっこけるサイ。
その様子を見ていたDr・Kは溜息を付いた。
784SOD 第3話:2011/01/23(日) 21:50:11 ID:???
「冗談の通じない奴だな、サイ・アーカード」
「わけわからん冗談言わないで下さい!後、私の名前はサイ・アーガイルです!」
「ああ、そうだったな、サイ・アーカイブ」
「アーガイル!!」
だから来たくなかったんだ、と頭を抱えるサイ。
(まったく、黙ってちゃんとしてれば美人なのに…)
こちらの言葉を聞こうともせず、寝癖でボサボサになった髪をボリボリとかじる「彼女」の姿につい溜息が出る。
ルナマリア・ホークとラクス・クラインの丁度中間ぐらいの濃さの紅髪、猫を思わせる橙色を携えた瞳を持つ彼女の顔は、確かに美人に該当する。
もっとも、例え万人が「美人」だと思ったとしても、「美女」だと感じる人間は少ないだろうが。
……というより「美」と「女」の間にある言葉を加えたくなるのだ。
(……犯罪じゃないだろうな)
サイはDrを「見下ろし」ながらそんな事を考える。
身長180cm近くあるサイから見ても、Drの身長はいくらなんでも小さすぎた。
良くてハイスクール、下手をしたらジュニアスクールの生徒だと言われても違和感のないその体つきは、先程から袖を通している白衣とミスマッチすぎて、とてつもない犯罪臭を匂わしていた。
これで、モルゲンレーテ社MS開発部門第一人者だというのだから、本当に色々と終わっている組織だと感じる。
オーブ特有のスクール鞄…確かランドセル、とか言ったか…一度その鞄を持って来て見ようか。身につけてくれるとは思えないが……
「?……何だ、人の顔をずっと見て」
「いえ、別に」
何時の間にか咥えている煙草……ではなく、棒状のプラスチックをピコピコさせながら、眉を潜めるDrに首を振るサイ。
「それより、この部屋の惨状はいったいなんですか?1週間前に(俺が)掃除したばかりでしょう」
「仕方ないだろう、その1週間まともな生活をしてないんだから…」
「またずっと部屋に篭ってたんですか?」
「安心しろ、シャワーとトイレには行っている」
「当たり前です」
欠伸をかみ殺しながら答えるDrにサイは溜息を付く。
「今度は、何の研究ですか?」
「いや、例の機体のバランサー調整に不満があってな。色々と模索して昨日ようやく合格ラインまで持っていけたんだ」
「ああ…」
Drの言葉にサイは合点がいったように頷く。
「例の量産タイプですか」
「そうだ……量産型は1台に充てられる予算が少なくて性に合わん」
そう言いながら、Drはゴミに埋もれかけた端末を弄り始める。
すると、部屋に設置された大型モニターに1機のMSの姿が映し出された。
メインに白と青、所々に赤を取り入れたトリコロールカラーの装甲。M1やムラサメに通ずるアンテナを持つ頭部。
バックパックには武装は無く大型のスラスターとなっており、メイン武装はビームライフルとビームサーベル、頭部のイーゲンシュテルンのみ。
思い出深い、思い出したくもないあるMSを彷彿とさせるその外観に驚いた顔をするサイを他所にDrは口を開く。
785SOD 第3話:2011/01/23(日) 21:55:15 ID:???
「量産型MS・コードネーム『マスラヲ』…今回、アメノミハシラに送る事になった新型MSの完成形だ。簡易武装ながら、セカンドシリーズにも見劣りしない性能を持っている」
「……ストライクに似ていますね」
「元々ZAFTから依頼のあった機体でカラーリングもZAFTの指定の物だ。大方『ストライクmk2』とでも呼ばれるようになるんだろう」
「………」
「もっとも、私から言わせれば駄作のMSなんだが」
「えっ?」
再び端末を弄り始めるDr。
すると、モニターの中に先程と別のMSが姿を現した。素体自体はマスラヲと大差ないが細部が全く違っている。
マスラオの大型ブースターとなっている物と違い、より翼に近い形となったバックパック。
腰部に装着された2本の対艦刀、肩部に2門装備された高エネルギービーム砲、膝部には通常のビームサーベルが装備されている。
トリコロールカラーは変わらないが全体的に赤の度合いが増したその姿は、ストライクでは無く、別のMSに酷似していた。
「なんです?このMSは」
「マスラヲの試作機(プロトタイプ)…だった物だ」
「だった?」
「そうだ。お前はMSにもっとも必要な物は、一体なんだと思う?」
「もっとも必要な物?そうですね…」
「私は『汎用性』だと考えている」
「…聞けよ、人の話」
「何か言ったか?」
「いえ、何も」
諦めた様に首を振るサイを不思議そうに眺めた後、Drは話を続ける。
「接近戦、射撃戦、高速戦、対艦戦、1対多、1対1、それらすべての状況で高水準の戦闘力を発揮できる究極の汎用性を持つMSこそ、最強のMSであるとな」
「ああ、デスティニーの様な万能機ですか」
若干熱を帯びてきたDrの言葉に、適当に相槌を打つサイ。
しかし、次の瞬間「しまった」と後悔した。
「そうなのだ!!」
サイがデスティニーと口にした瞬間、飛び付かんばかりに顔を近づけ、声を荒げるDr・K。
端末を弄ってもいないのに、なぜかモニターに写る謎の機体の横には、デスティニーのシルエットが映し出されている。
「火力、機動力、防御力、信頼性、その全ての点に於いてインパルスをも凌ぐ『最強のMS』と位置づけられた機体、ZGMF-X42S Destiny(デスティニー)!!」
「あの、Dr?」
「基本性能もさることながら、多くの武装を用いて様々な局面に対応できるそのシステムは、私の求める究極の汎用性にもっとも近いMSなのだ!!」
「…………」
上気した頬で語るDrの視線は、真っ直ぐにモニターへ映るデスティニーへと注がれていた。ウットリとしたその表情は、無邪気な子供が玩具やお菓子に向けるそれと同じである。
786SOD 第3話:2011/01/23(日) 22:00:16 ID:???
Dr・K、彼女は生粋のデスティニー信者であった。
もともと万能性こそ最強、という考えを持ちMS開発を行っていたらしいが、前大戦中にデスティニーの姿を一目見た瞬間、完全に心を奪われたらしい。
その愛は留まる事を知らず、一度デスティニーの事を話し始めたら1日中だって飽くことなく話し続けることができる。
以前その愛を身を持って体感したことのあるサイは「何時か憎しみに昇華したりしないだろうか?」と下らない事を考えながら、これから始まるであろうDrのデスティニー演説を思い、天を仰ぐ。
「この機体、マスラヲ試作発展型コードネーム『Fortune(フォーチュン)』も何を隠そう、デスティニーを参考にして設計・開発したMSなのだ!」
「いや、全く隠れていませんが…」
武装どころか、カラーリングまで瓜二つだし……開発?
何か、嫌な単語が聞こえた気がしたサイは慌ててDrの顔を見る。
「開発って…この機体、完成してるんですか?」
「長かった、フォーチュンの開発に漕ぎ着けるまで本当に長かった。マスラヲの開発費を少しずつおうりょ…もとい上手にやりくりし」
「今、何か言いかけませんでしたか!?」
「本当ならNJCを使い核エンジンを搭載させたかったのだが、許可が下りず」
「当たり前です!」
「あの石頭の脳筋娘め…何が『量産型MSの開発にNJCが必要になるわけないだろう』だ!おかげでEN消費の問題を解決するのに2ヶ月も掛かったんだぞ」
「たった2ヶ月で解決できたんですか!?」
「もっとも出力低下は否めないし最終調整もまだ残ってはいるが、この機体こそ私の運命だ!」
「言葉遣いがおかしいですよ、Dr・K!」
「ああ、しかし何と素晴らしい機体なのだ。デスティニー…」
言葉のキャッチボールをしているようで全くしていないDrとサイ。
報われないツッコミに疲れたのか肩で息をするサイを尻目に、Drの視線が再びフォーチュンからデスティニーに注がれる。
「惜しむべくは、最初から『万能機』というコンセプトで設計されていれば、名実共に『最強のMS』の称号を欲しいままにしていただろうに」
「…えっ」
Drの言葉に項垂れていたサイの顔が跳ね上がる。
「最初から…て、どういう事です?」
「何だ、気付かなかったのか?」
その様子を見て、Drはため息混じりに呟いた。
「私はデスティニーを尊敬している。崇拝していると言ってもいい」
だが、と話を続けるDrの顔が歪む。
「気に食わないが、デスティニーが『欠陥機』であったという世間の評価……それは、逃れようの無い事実だ」
「それは、まぁ……」
誰よりもデスティニーを愛するDrの口から放たれた予想外の言葉に、サイは驚きながらも首を縦に振る。
彼女の言うとおり「デスティニーは欠陥機であった」と言うのが今のMS研究者達の間で流れているデスティニーの認識であった。
ハイパーデュートリオンエンジンが搭載されているのにも関らず戦闘中にパワーダウンを起こし、オーブ攻防戦とレクイエム攻防戦に置いて1対1の戦いに弱い事が露呈されたMS。
787SOD 第3話:2011/01/23(日) 22:05:45 ID:???
「一説では、クライン派の陰謀だったという噂も流れたが」
「違うんですか?」
「ああ。恐らくデスティニーは完成直前まで機体の方向性が決まっていなかった…言い換えると、『2種類』のコンセプトを元に設計されていたのだろう」
「……と言うと?」
「デスティニーの武装、ビームライフル・対艦刀・ビームブーメラン・長射程ビーム砲……これらはすべて、デスティニーの親元とされるインパルスが所有していた武装だ」
「そうですね。そもそもデスティニーは、インパルスの各シルエットを1度にまとめる事が出来るように開発したMSですから」
「ところがだ」
モニターに写るデスティニーの2箇所が赤く点滅する。
「この掌部ビーム砲・パルマフィオキーナと光の翼・VL(ヴォワチュール・リュミエール)……この2つは明らかに異質だ。これらはインパルスはもちろん、
デスティニーの試作機として開発されたデスティニーシルエット装備型のインパルス・通称デスティニーインパルス、全3機がロールアウトされたらしいがそれらのシルエットの中にも存在しない」
「あれ、ウイングユニットはありませんでしたか?」
「Dインパルスのウイングはミラージュコロイド発生装置があるだけでVLじゃない。もっともデスティニーのVLも本物のVLとは別物だが……まぁそれは置いておこう。
つまりデスティニーには試作機にすら搭載されていない謎の武装が何処からとも無く開発され、搭載されたということになる。にも関らず、これら2つの武装が戦闘で役に立ったとは思えん」
「確かに…」
Drの説明を聞いたサイが呻る。
あまりに射程が短すぎビームサーベルとしてもビームライフルとしても使えなかったパルマフィオキーナ、D.S.S.Dが開発した物の構造とは根本から異なり、単なる目くらましにしかならなかったVL。
下手をすればデッドウェイトにしかならないこれ等の武装を、テストもせず行き成り最新鋭機に搭載するなど普通にはありえない事だ。
「しかもこれだけテンコ盛りに武装が搭載されているにも関らず、機体重量はフォースインパルスのそれと大差が無い。ブラストインパルスより軽いなど通常では考えられん。
そこで私は、デスティニーには3機のDインパルスの他にもう一機、まったく別の方向性で開発した4機目の試作機が存在した、と結論付けた」
「もう一機、ですか…」
「Dインパルスが究極の『汎用性』をコンセプトに開発されていたのに対し、恐らくもう一機が求めていたのは究極の『機動性』だろう」
「機動性?」
「そうだ。まず現在MSに搭載できる推力の中でもっとも出力が高いと言われるVLを搭載。その推進力を最大限発揮する為、装甲を犠牲に極限まで機体の軽量化を行う。更に機体バランスを保つために外部武装を尽く排除。
その過程で生まれたのがパルマフィオキーナだ。武装を機体内部に搭載してしまえばバランス調整も容易だし、本来はライフル・サーベル・シールドの3つの機能をこれだけで賄うつもりだったのだろう。
もしデスティニーがこの形で完成していたら、一般兵は愚かスーパーエース級のパイロットでも触れる事すらできなかっただろうな」
「…………」
「もっともそんな機体、1対1を大前提にして開発しているようなものだ。質より量な地球連合を相手取っていたZAFTではまったく使い物にならん」
究極の汎用性を信条とする彼女としては許せないコンセプトなのだろう、苦虫を噛まずに踏み潰したような顔でDrは呟いた。
「確かにそうですね。しかし、なんでZAFTはこんな機体を……」
「キラ・ヤマトのせいだろう」
「!」
ストライクと同じか、それ以上に思い出したくもない旧友の名前を耳にし硬直するサイ。
「ZAFT……いや、ギルバート・デュランダルはこのコンセプトで開発したデスティニーを対キラ・ヤマト用の切り札として使うつもりだったのだろう」
「…………」
無言になるサイを華麗にスルーしてDrは話を続ける。
788SOD 第3話:2011/01/23(日) 22:10:53 ID:???
「しかしパルマフィオキーナとVLの開発は難航し、時間を稼がなければならなくなった。その為に決行されたのがエンジェルダウン作戦だ。母艦がやられれば、キラ・ヤマトも迂闊には動けなくなる。
デュランダルとしてはインパルスでフリーダムを足止めし、アークエンジェルさえ撃墜できればそれで作戦は成功だったんだろう。しかし、彼にとって予想外の出来事が起こってしまった」
「……フリーダムの撃墜」
呻く様に呟くサイの言葉に頷くDr
「最強にして最悪の相手であったフリーダムのキラ・ヤマトを、あろう事かインパルスを駆るシン・アスカが撃墜してしまったのだ。これで敵方にナイトはもう居ない、残ったのは圧倒的な物量のポーンのみ。
そうなってしまうと、もはやデュランダルにとって1対1に特化した機体など無用の長物に成り果てる」
「そこでデスティニーの方向性が決まってしまった」
「そうだ。今まで行っていた最強の機動性と言うデスティニーの方向性をすべて破棄し、インパルスの発展型として開発していたDインパルスのノウハウを急遽デスティニーの素体に詰め込んだんだ。
パルマフィオキーナやVLはその名残なんだろう。突貫工事なんかするからパワーダウンを引き起こし、接近戦特化型のジャスティスに競り負けたんだ」
「な、なるほど」
「そう言う意味では、デュランダルは不幸だったな。キラ・ヤマトを超える最強のパイロット、シン・アスカを有していたせいで選択を誤った。もっとも、そのおかげで私はこのデスティニーに出会うことができたのだがな」
話は終わった、と言う様にDrは端末を弄りモニターをOFFにする。
「あっ!」
そのタイミングでサイはふっと我に返る。
ついMS研究員の立場からデスティニーの裏話に聞き入ってしまったが、そんな話を聞くためにここに来た訳ではないのだ。
「あの、Dr」
「〜〜〜(モゾモゾ」
「何、また寝る体制に入ってるんですか!」
白衣姿のまま、再び布団に潜り込もうとするDrを叫ぶことで阻止するサイ。
「ちっ何だ?」
睡眠の邪魔をされ、Drは不機嫌そうに起き上がると、口に咥えていたプラスチックの棒をゴミ箱代わりにしているビニール袋の中に放り込む。
「私は徹夜明けで眠いんだ、話なら手短に頼む」
そして徐に白衣のポケットに右手を突っ込むと、その中から先程のプラスチックの棒の先に飴玉が付いたお菓子、俗に言う「ペロペロキャンディ」を取り出した。
アンタ、さっきまで長々と演説してただろうが!と叫びたくなるのを何とか堪え、サイは話を続ける。
「あの、シン・アスカと言えばですね…」
「ん〜〜?」
話を聞いているのかいないのか、Drはサイの方を全く見ようとせずキャンディの包み紙を開くと、中から現れたピンク色のキャンディをジッと眺める。
何処と無く嬉しそうな顔をしているのは、手元のキャンディが彼女の好きな味だったからだろうか?
「実はさっき、アスハ首長から連絡がありまして…」
「ん〜〜?」
そして視覚で堪能し終えたのか、そのキャンディをゆっくりと口元へと運んでいき、
「今からそのシン・アスカが、この研究室に来るそうで「なn(ガキィ!!――らとぉ!?」……あの、今すごい音しましたけど、大丈夫ですか?」
味覚で堪能する暇もなく、キャンディは粉々に砕け散った。
789SOD 第3話:2011/01/23(日) 22:15:15 ID:???
Impossible select(職人の皆様、大変申し訳ございません)


「これ……なに?」
C.E74。シンの記憶は、見覚えの無い病室と嗅いだ覚えの無い薬品の匂い、そしてどこかで聞き覚えのある大きな爆発音から始まった。
事の始まりは30分ほど前。
医師から自身の病名に関する説明を受ける途中、突然来訪してきた『複数』の女性達。
そして、彼女達は親身に自分を励まそうとしてくれていた医師を、まるで路上に生える雑草か何かの如く踏み付け、自分へと詰めよると、口早に捲くし立てた。
曰く、貴方は自分が経営する会社の社員として働いていた
曰く、貴様は自分が代表をしている組織の一員だった
曰く、貴方は自分と2人でZAFTのトップエースとして活躍していた
曰く、お前は自分が暮らす町を拠点に傭兵を営んでいた
曰く、貴方は家族を失った自分の心の支えとなってくれていた
曰く、お兄ちゃんは自分のお兄ちゃん的存在だった
曰く、社長は自分と共にアイドルをプロデュースしていた
ETC……
もちろん、自分には記憶がない為、彼女達の言う事に身に覚えはなく(というか記憶があったとしても絶対身に覚えが無いと断言できる人もいる、特に最後の)「は、はぁ…?」と曖昧に返事をすることしかできなかったのだが、
そんな自分の態度等お構いなしに「自分が言っている事が本当だ!」と彼女達のボルテージは上がっていく。
そしてそれぞれの主張は何時の間にか言い争いに発展し、当然の如く「ならば、勝った者の言う事が真実だ!」という結論に至った。
その結果、病室の窓からは綺麗な青空にはまったく似つかわしくないMS・MAの数々が見え隠れし、小鳥のさえずりと共に雷鳴の様な轟音が絶え間なく響いている。
「なんで、みんな僕の意見は聞いてくれなかったんだろう…?」
もっとも、選択権を与えられたとしても絶対に応えられなかっただろうが…
『よく分かってるじゃないか、ドライバー』
「……これ……なに?」
何時の間にかベッドの上に置いてあった箱型の機械を眺めながら、シンは呆然とした表情で呟いた。
790SOD 第3話:2011/01/23(日) 22:17:13 ID:???
かなり遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます。
第3話、ほぼオリキャラ回となってしまいました。逆襲のシン・アスカなのにシンが出てこないってどういうことなの……

オリキャラ、Dr・Kは私の趣味の塊です。
ちなみに私はロリコン。つまり、成長過程の少女に特別な感情を抱き、成熟した女性には見向きもしない。
なおかつ被虐的で、女性に高圧的な態度を取られる事に性的な欲情を感じる。俗に言うどえm(アベシ
791通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 22:19:15 ID:???
乙! そしてお帰りなさい!
792通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 22:54:25 ID:???
おやおや懐かしいお久しぶり!
デスティニーのパワーダウンに関する考察、なるほどと唸らせられました
急拵えならしかたないな。GJでした!

作者さんによって、MSに対する考え方も全く違うのが面白い。
793通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 23:30:25 ID:???
>>790
>オリキャラ、Dr・Kは私の趣味の塊です。ちなみに〜
貴公とはいい酒が呑めそうだぜGJ!
794通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 23:35:11 ID:???
>>790
ヒャッハー!おかりなさいです〜。そして、新たなマッドDr.Kがまさかのロr(r とは予想の斜め上だったわ。おk、全く問題ナッシン!!w

しかし、こう振り返ってみるとデスティニーって本当に欠陥機としか思えなくなってくるな
VLやらアロンダイトやら、色々過積載ってのは以前から話題に出てたけど。見方によってまた変わってくるわねぇ

次回をお待ちしておりますわ〜w
795通常の名無しさんの3倍:2011/01/23(日) 23:36:20 ID:???
>>790
乙!
続きに期待
Dr・Kにもっと期待です
796通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 00:21:31 ID:???
それにしても職人さんみんなすごいな
自分も何か書いてみようと思ったことはあるけど
戦闘シーンとか文章が上手くかけない(´・ω・`)
797通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 00:25:00 ID:???
貴様等そんなにズボラで白衣のロリ眼鏡っ娘が好きかあああああああああ!
俺もだ。

798通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 01:58:43 ID:???
ロリは至高なりや
ただしYESロリータNOタッチの精神は忘れてはならない

まあようするに年増イラネってこt
799通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 09:49:24 ID:???
Drの容姿イメージがすぐにひかるちゃん@らき☆すたが固定された件についてw

デスティニーについての考察も面白かったです。コンセプトゴチャ混ぜの急造品だったらあんな欠陥も起きるわな…。
パルマフィオキーナだけでサーベル、ライフル、シールドを兼ねるって発想はGSC氏のデスティニーUに近いですね。

19◆rz6mtVgNCI氏の作品でもサイは年上の女性に振り回されてましたね〜。種死で影も形も無かったのはとても残念だったのでDr共々活躍して欲しいものです。
次回も楽しみにしてます。
800通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 13:14:03 ID:???
>>798
>ただしYESロリータNOタッチの精神は忘れてはならない
某LO読者(=即ちご同輩)乙。
だがちょっと待て。描かれてるのが外伝でなのであまり気づかれてないかもしれんが
ジオンのエンデューリングジャスティスを作り上げたのはMS技術者に転向して
一から努力を重ねたロミナママンぞ。
Dr.Kもある意味「因縁」の旧議長派技術者姐の平行世界の一人というイメージも
なくもないし、まあ何が言いたいかというと理系白衣美○女(○はフレキシブルに)
万歳って事だ。
801通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 20:12:05 ID:???
美幼女、美少女、美塾女、美老女・・・どれもありだな!
とりあえずシンはもげろ
802通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 23:04:32 ID:???
成る程、つまりはみなたま&Dr.Kのロリツートップが至高という事でソキウスね!
803通常の名無しさんの3倍:2011/01/24(月) 23:52:36 ID:???
SOD氏(仮)乙でした!
しかし、サイ・アーカードとは何とも股座のいきり立つ名前じゃないかwww

そしてまさかのろrDrとは……ペロペロさせてもらってもよろしいですk(ヒメイヲアゲロ,ブタノヨウナ!!
804606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:52:40 ID:???
改行についての指摘があったので、直してみようと思ったけど長過ぎる行があるとかで断念……
形式が前回と同じです。すみません。


 昼過ぎから急に降り出した強い雨が、オノゴロ島の国防軍司令部にあるアスラン=ザラ
一佐のオフィスの窓を叩く。吹き荒れる風が雨粒を巻き上げ、波が白く泡立っていた。
「アスハ代表と一緒に行かないんですか? アスラン」
「俺は医者じゃない。ラミアスさんの事はどうにも出来ないよ」
 先ほどまでキラ=ヤマトとは通信越しに、カガリ=ユラ=アスハとは面と向かって話し
ていたアスランは、疲れた表情で頭を振った。椅子に掛けたまま、机の前に立っているル
ナマリア=ホーク三尉を見上げる。
オーブ軍の軍服を着た彼女は、3年前にミニスカートを止めていた。穿いて見せる相手が
いなくなったからだと、冗談交じりに告げたことをアスランは覚えていた。
「クライン議長の方は、何か情報ありました?」
「いやあ……キラと連絡はついたんだが、錯乱していて何を言っているのか分からなかっ
た。ただ、シンを探さなくちゃっていう所は繰り返し言ってたよ」
「シン=アスカからの伝言、ですものね。でも、私はあいつがやったとは……」
 苦笑いを浮かべ、ルナマリアが近くのソファに身体を預ける。それを咎めることなく、
アスランは手元の書類に視線を落とした。
「可哀想な奴だ。ミネルバにクライン派の工作員がいると教えてやろうとしたんだが、奴
の性格上、仲間に引き入れるのは無理だった。随分、酷い目に遭わせた気がする。しかも
我慢するだけ我慢して……戦争が終わった後、自分の意思でザフトの一番下っ端になった」
 椅子を回転させ、アスランは雨粒が打ちつけてくる窓の方を見た。深い溜息をつく。ソ
ファに背をもたれさせたルナマリアが、天井の照明を見上げる。
「もし、シンがやったとすれば……私達の所にも来ると思いますか?」
「ラミアスさんを撃った奴は、まだオーブを離れていないと思う。メイリンには家から出
るなと言ってあるが、ラクスの乗る車に細工できるような連中が相手じゃ、完全に予防す
るのは不可能だ」
 雷が鳴って、ジェットエンジンの轟音が窓を震わせる。MA形態のムラサメが3機編隊
を組み、灰色の空へ飛び去って行った。
「ルナマリアはともかく、俺は殺されても文句は言えない。首を洗って待っておくさ」
「私だって同じですよ。後悔は、してませんけどね」
 ソファから起き上がったルナマリアは、敬礼してアスランに背中を向けた。

 ガルナハンの夜は冷え込みがきつい。ザフトの緑服の上にコートを着たシンが、白い息
を吐きながら崖の上に立ち、歯を鳴らしながら赤い光のラインが横に入った小型の装置を
覗き込んでいる。薄手のジャケットにマフラーを巻いたコニールが、水筒を開けて湯気を
立てる茶を注いだ。
 装置から顔を離したシンが、震える指先でメモ帳に数値を書き込む。ペンをコートの内
ポケットにしまった時、コップが差し出される。
805606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:54:08 ID:???
「任務お疲れ様、シン。何してるんだ?」
「有難う。ただの計測だよ」
 コップに口をつけたシンが、くぐもった声で言った後で茶を啜る。涙が出るほど熱くて
苦い酸っぱいハーブティーだが、身体の冷えには実に効いた。立ち上る香草の匂いに咳き
込みながら、飲み終えたコップを相手に返す。
「何の計測?」
「気温とか、湿度とか」
「もしかしてシン、干されてる?」
「今更何言ってんだ。3年前、ここに来てからずっと同じ事やってたろ? 俺。シミュレー
ター訓練と施設の掃除、あとこの計測。モビルスーツになんか一回も乗ってないぞ」
 ぶすっとして、シンは崖から離れ別の計測場所に歩き出す。後からコニールがついてき
た。ブラウンの髪が風に揺れて、薄褐色の肌を月光が照らす。
「……そのうち良い事あるよ」
「ほっとけ。それより大丈夫かよ。こんな夜に、ザフト兵と2人きりでさ。婚約者がいる
んだろ?」
「うん、来月結婚式」
 崖の向こう側から、MSの駆動音が風に乗って聞こえてきた。地球連合軍の基地と殆ど
隣り合わせという危険な場所ではあったが、この3年間武力衝突は勿論、領土の侵犯や睨
み合いさえ起きていない。
ガルナハンの攻略作戦は連合軍側がほぼ完敗し、投降した連合兵や捕虜の虐殺等、新た
な戦争の火種となりかねない出来事だらけだった。それゆえ彼らの沈黙が不気味だった
が、月日が経つにつれて緊張感が薄れ、警戒心が退屈に変わって、今に至っている。
「相手はどういう男なんだ?」
「知らない。会った事もないしね。街同士で決めた話だから」
「街同士って……じゃ、歳は?」
「今年で41歳だってさ……わぷっ」
 足を止めたシンの背中に、崖を見ながら歩いていたコニールがぶつかった。
「41の男と結婚って、嘘だろ!? コニールって確か……」
「17歳。でも、41って言ってたよ。父親が貿易の会社を成功させたとか、何とかって」
 事も無げに言ったコニールに、シンはおろおろしながらかぶりを振った。
「いや、コニールがそれで良いなら良いけど、俺の感覚からすると……」
「あたしがそいつの奥さんになったら、街の皆がその会社で働けるんだ。そういう話で婚
約が決まったの。この土地はザフトが守ってるけど、ザフトは食べ物とか仕事まで持って
きてくれるわけじゃないし」
 彼女の話は単純だった。単純で残酷。返す言葉が見つからず、シンはまた歩き出した。
熱い茶を飲んだばかりなのに、身体の奥が冷たかった。
806606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:55:14 ID:???
「ガルナハンの女は、さ。好き嫌いで男とくっつくわけじゃないんだよ。あたしよりも年
下の女の子が、皺くちゃの爺さんと結婚したことだってあるし。珍しい話じゃないって」
「問題は歳の差じゃない。それじゃ売られるようなもんだろ!」
「あたしが売れるなら、売れて皆が助かるなら、良いじゃないか」
 背中越しに聞こえるコニールの声に、シンは俯いた。MSの駆動音が複数、それも大き
く聞こえた。先程の装置で覗き込んでズームを最大にすると、こちらを向いたダガーLが
1機見えるが、移動はしていない。また、足音が上がって地面が揺れた。
「シン!」
 押し殺した声でコニールに名前を呼ばれ、肩を掴まれ姿勢を低くさせられた。それには
逆らわないまま、突き出した岩まで移動したシンが、切り立った崖を覗き込む。鳴り続け
ていた地響きが止んだ。
「シン、なんだか……」
 隣にやってきたコニールに、指を唇に触れさせるジェスチャーをやってみせたシンは、
暗視モードになった計測装置を使って崖下を見つめた。直後、爆音が轟く。MSのスラス
ター噴射だと理解したのは、最初の1機目が崖下を駆け抜けた時だった。
谷間の岩壁を青白い光が幾度も照らし出し、吹き上がる熱風にシンが這い蹲る。コート
から小型の通信機を取り出し、スイッチを入れて怒鳴った。
「本部! 座標F2で、武装したモビルスーツ隊を確認した! 機体構成はストライクダガー
が4機! M1アストレイが2機! ジンが3機! 兵装は不明! まず基地へ向かうルート
を高速で移動中! 迎撃準備と、民間人の避難を頼む!!」
 最後の1機が生み出すスラスターの光が消えると、シンは跳ね起きてコニールを振り返
る。顔から血の気が引いた彼女の両肩を掴んだ。
「大丈夫だ! 敵は旧型揃いで機種もばらばら! 最近増えだした傭兵崩れに決まってる。
基地にはザクやグフが置いてあるから、負けることはない。少ししたら街に戻」
「駄目だ! 直ぐに帰らないと!」
 ポニーテールを打ち振り、コニールが叫んだ。
「ザフトが基地を守ることは分かってる。でも、街は守らない!」
「そんな事は……」
「シン! あたしと来てくれ! お願いだから!!」
 その声は悲鳴に近かった。シンは、彼女の懇願に頷いた。

「MS隊を全機基地に戻せ。第1小隊のザクにはガナーウィザードを、第2小隊にはブレ
イズウィザードを装備させて、基地の防壁内から応戦させろ」
 警報が鳴り響く基地の中、白服を着たザフトがモニターを見ながら指示を出す。
「街の防衛と民間人の避難はどうしましょう」
 横から口を出した副官を肩越しに見て、基地司令は面倒そうに片手を振った。
807606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:56:19 ID:???
「両方とも必要ない。あいつらナチュラルだろ。死ぬよりも生まれてくる方が多いんだ。
重要なのはパワープラントだ。一歩も踏み込ませるな!」
「了解」
 MSハンガーに通信を繋ぐ部下の姿を見ながら、基地司令は食べかけのチキンを齧った。
「ま、楽な戦いだな」

 足場の悪い崖の上を走ることに関しては、シンよりもコニールの方が経験豊富だった。
息を殺しながら彼女に追いついたシンは、眼下の街の姿に目を見開いた。
「そん、な……」
 ストライクダガーとM1アストレイがビーム兵器を撃っている相手は、基地の防衛部隊
ではなく、建物や車、そして人だった。ビームが通り抜けた所や、その周辺が燃え上がっ
て車が爆発し、民家の窓が溶けた。悲鳴が風に乗って聞こえてきた。
ジンが担ぐ無反動砲が砲声を上げ、街の貯水タンクを破壊した。破片が降り注ぎ、子供
を抱いた母親の姿が瓦礫の中に消えた。
「部隊がもうやられた? いや、こっちの機体の残骸はない……」
 小刻みに身体を震わせるコニールの隣で、茫然としたままシンが言葉を続ける。閉ざさ
れた基地の正面ゲートには、避難しようとした街の人々が折り重なって倒れていた。
「俺の通信は、届いていた。情報はきちんと伝えられていた……コニールッ!!」
 ガルナハンの街が夜の闇の中で戦火に染まり、真昼のように輝いている。連合軍を相手
に戦っていた頃作られた、細い坂道を駆け下りる彼女を追って、シンも走り出した。
「何をする気だ!? 死ぬぞ!」
「死んでやる!!」
 怒鳴り返した彼女は、泣いていた。坂道を下るにつれ、熱気が肌に感じられるようにな
った。燃える匂いもそれに加わる。シンも良く知っている、忘れられない匂い。
「皆が死ぬのを見ているしか出来ないなら、戦って死んでやる!」
「コニール、やめろ!!」
 細い道を抜けて街の外れに出る。放棄された家畜小屋に、シンは見覚えがあった。以前、
コニールに教えて貰った、武器の隠し場所。ロケットランチャーならば、MSが相手でも
ダメージは与えられる。しかし、それだけだ。
「頼む、コニール! 止めてくれ!」
「あたしは、この街で生まれた! あたしの居場所は此処なんだ! 居場所を守るためなら
何だってする! あたしは……!!」
 道路の真ん中でコニールに追いついたシンは、彼女の腕を掴んで目立たない場所に引っ
張っていこうとする。コニールも抵抗し、涙を流す目でストライクダガーの背中を睨んだ。
突然、その機体が小型ミサイルを連続で被弾し大破する。
 ブレイズウィザードの、ファイアビー誘導ミサイルによる攻撃だった。
808606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:58:32 ID:???
 ターゲットを失い、白煙を引いた残りのミサイルが軌道を揺らめかせる。道路に着弾し、
シンとコニールの身体を吹き飛ばした。コニールを抱いたまま抉れたアスファルトに落ち、
転がったシンは腕の中の少女を覗き込む。
 こめかみから血を流し顔も髪も煤に汚れたコニールは、至近距離での爆発で聴覚をやら
れ、立ち上がれなくなっていた。シンも爆音で耳が聞こえなくなったまま、彼女をきつく
抱く。他に何も出来なくなり、コニールはシンの胸に縋って新たな涙を零した。
 クレーターの中から街を見上げたシンの前で、街に侵入した敵機は次々に撃墜されてい
った。オルトロスのビームがM1アストレイを商店ごと貫き、小型ミサイルの乱舞がジン
やストライクダガーとその周辺の建物ごと粉砕する。
「力が無いのが、悔しかった……」
 震える声で呟き、コニールを抱いたシンも目の端に涙を浮かべた。サイレンをより高く
したような怪音が大気を震わせる。冷たく輝く月を、何かが遮る。
「俺は、また……」
 蒼い光の柱がザフトの基地に突き立つのを見て、シンは意識を手放した。

 ミラージュコロイドとヴォワチュール・リュミエールが生み出す影色のケープを機体に
纏わりつかせたそのモビルスーツは、カメラアイの青白い光でV字の頭部アンテナと、目
の下の涙のような赤い溝を輝かせた。高出力砲を掴む両掌が輝き、2発目を撃つ。再び蒼い
光が基地に吸い込まれ、新たな爆発が上がる。
 小型ミサイルや赤い高出力ビームが撃ち上げられると、降下する機体はむしろ速度を上
げた。両肩に装備されたスラスターが小刻みに動いて噴射し、敵弾を紙一重の所で回避し
ながら手にした砲を更に3連射する。その後、射撃武器を背部左のラックに戻した。
衝突する寸前に姿勢を変え、右の手足を失ったガナーザクを踏みつけて基地内に着地す
る。ビームソードを起動させたグフに背後から斬りかかられた。僅かにそちらへ身体を動
かし、左手甲のビームシールドで受け止めた。灰色と群青で塗られたボディ、血のような
紅色のウィングユニットが闇の中に浮かび上がる。
 右の掌部ビーム砲が光ってグフの腹部に赤熱する穴が空いて、青色の機体が力なく跪い
て小爆発を起こした。跳躍し、ビーム突撃銃を撃つブレイズザクの側面に回り込む。ビー
ムを発生させた左手をその脇腹に叩きこみ、機体の中で腕が動き、モノアイを持つ頭部を
内側から蒼色のビームが吹き飛ばした。爆発と炎が異形のMSを舐め、鳥のように二股に
分かれた足がザクの残骸を蹴飛ばす。オイルを滴らせるマニピュレーターの先端は、鋭く
尖っていた。
 銃を捨てた2機のザクに向き直る。背部右のラックから幅広で肉厚の剣を抜き放った。
砲を撃った時と同じように掌が輝き、全長30メートルを超す巨大なビームの刃が剣から生
み出される。降伏は無意味と悟ったか、ビームトマホークを抜こうと踏み込んだ最後の2
機を、『デスティニー』が袈裟掛けに斬り裂いた。
809606 ◆fpCjfdS.vs :2011/01/24(月) 23:59:38 ID:???
2話目です。よろしくお願いします。
810通常の名無しさんの3倍:2011/01/25(火) 01:17:04 ID:???
乙…しかしこれはどういう状況なんだ?整理してみると
○ラクス・マリュー襲撃事件で犯人は「シンからのメッセージ」と称してるが
 実際に現時点のシンは関与してないっぽい?
 (それだけの組織力行動力があればこのガルナハンの状況になす術無しのはずがない)
○混成MS部隊は単なる軍人くずれの野盗?
○ザフト基地の連中はコニールの言うとおり街と市民を守る気ゼロ
○『デスティニー』はザフト基地とMSを壊滅させたが、どこの所属の誰か不明

暗殺事件の実行組織がシンを迎え入れようとでもいうのか、だとすれば
襲撃犯とはまず無関係だと思うが(街を焼いた黒幕と知ったら協力するとは思えん)
新規オリキャラ達なのか既存の人々なのかまだ見当付かないけど次回も楽しみだ。
811A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/25(火) 07:44:59 ID:???
機動戦士ガンダムSEED DESTINY+A3
#2 誰の為の言い訳なのでしょうか
 除隊届が受理され私室へ戻ったシンは、あまり多く無い私物を纏め初め始めた。
 艦隊暮らしが常のパイロットに取って、基地自室の私物は驚く程少ない。
 急な命令がかかれば、トランク一つで戦艦に乗り込ま無くてはならず、私物を増や
す暇も無い為だ。
 また、一年の殆どを戦艦で過ごす彼らにとって、基地はホテルのような物で、本当
に安らげる空間は母艦の私室なのが常識だった。
 最もシンの場合は、母艦も基地の風景もほぼ変わらず殺風景を通り越し、首輪でも
付けて居ないと、その内何処かへふらりと消えて無くなるのでは無いかと思う程私物
を持たない少年だった。
 
「これで最後か」

 アスランはオーブ近海でのザフト、オーブ軍、大西洋連合と合同軍事演習の真っ最
中だ。
 過密スケジュールの演習でこちらの動きが悟られる心配は万に一つも無い。
 そして、ルナマリアもミネルバで月周回軌道の巡回警備任務に就き、次に会えるの
は一週間以上後になる。
 これ以上、シンを止める人間はザフトにおらず、家族をオーブで失い天涯孤独のシ
ンには、行動を思い止まる家族も居ない。
 止める人間が居ないと分かっていても、なるべく出発は急いだ方が良いと部屋に戻
るなり、超特急で荷物を纏めてみると、二十分もしない内に小さななトランク一つに
荷物が纏まってしまった。
 去年の冬の賞与で買った新型の端末と映像メディアと数冊の文庫、数着の私服。
 自分自身、私物が無い人間だと思っていたが、まさか、全てが小さなトランク一つ
で収まるとは夢にも思っていなかった。

「俺って結構寂しい奴だったんだ」

 一年以上住んでいたはずなのに、物が一向に増えた様子の無い部屋はある意味異常
なのだろう。
 シンは、何故か無性に虚しくなり、ハンガーのかけたザフトの制服の皺をもう一度
伸ばし始める。細かい皺を前に無性にアイロンをかけたい気分に駆られたが、もっと
悲しい気分になりそうで、顔を引きつらせ断念した。

「そっか制服…」

 現実逃避も結構だが、制服をどう返却すれば良いのか聞くのを忘れていた。
 私物は良いがザフトからの支給品である、拳銃や制服をどうしようか困ってしまう。
 このまま置いておいても良いが、紛失騒ぎでも起きればラクス達に迷惑がかかる。
 立つ鳥後を濁さずと言うが、今更戻ってどうしましょうかと聞くのも恥ずかしい。
 総務に聞くべきか迷ったが、シンは、机の上のスマートフォンが目に止まった。

「早速使うのか…」

 果たしてこんな事で使って良い物から迷ったが、迷って時間を無駄に使うようりは
建設的だと覚悟を決め、ラクスにメールを送った。
812A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/25(火) 07:46:01 ID:???
『承知しました。
 後で係の者に取りに行かせます、
 支給品は部屋の保管庫に入れて置いて下さいまし。
 出発の前にもう一度メールを送って下れされば、
 保管庫と部屋は外部からロックします』

 一分もしない内に返信が届き、「もしかして、監視カメラでも有るのか」と周囲を
探ってみるが、今から出て行く人間が何を気にしているのかと深い溜息をつく。
 出発の前から異常に疲れた気がする。だが、これからは、ザフトやプラントの加護
を受けず生きて行かなければならないのだ。
 この程度の事でへこたれていては先が思いやられる。

「さてと…行こう」 

 トランクとショルダーバックを抱え、部屋を後にしようとするが、シンは、ドアの
前でもう一度立ち止まった。
 視線の先には、机の上に立てられたフォトスタンドが寂しそうに佇んでいる。
 アカデミー時代に撮った写真が一枚、
 任務途中のデオキアで撮った写真が一枚、
 そして、終戦時に互いの無事を喜びあって撮った物が一枚。
 最初の二枚には、金色の髪が印象的で笑み一つ零さない寡黙な少年が映っている。
 レイ・ザ・バレル。
 出会いこそ最悪な第一印象だったが、切磋琢磨し幾つもの死線を潜る内に親友と呼
べる存在になった少年。
 しかし、彼の姿は三枚目の写真には映っていない。
 そして、三枚目の写真に映ってこそ居るが、ヴィーノもヨウランもいつの間にかシ
ンの前から居なくなってしまった。
 戦争の混乱や命のやり取りに嫌気が指したのか、ヨウランは戦後ザフトを除隊し民
間企業に再就職した。
 ヴィーノもヨウランの選択に戸惑っていたようだが、ヨウランを追うように地球の
親戚を頼ってプラントから地球へと移住した。
 ルナマリアの妹であるメイリンは、オーブでアスランを助けると言ってオーブに移
り住んだ。
 シンが友達と呼び、友達と呼んだ人はシンの周りから、もう誰ひとり居なくなって
しまった。悲しく無いと言えば嘘になる。しかし、友達だからと言って彼らの未来を
縛る権利はシンは持っていなかった。
 だが、シンの周りから次々に人が居なくなっても、ルナマリアだけは常にシンの隣
に寄り添うように支えてくれた。
 そして、そんな彼女にシンは別れを告げる事無く、黙って消えようとしている。

「感傷だよな、きっと」

 戦争の思い出を"これから"に持って行くつもりは無かったが、友達との思い出を捨
て去るつもりは無かった。しかし、どうしても、持って行く気にもならず、出発を前
に置いて行くつもりだった。
 だが、いざプラントから出て行こうとすると、楽しかった日々が鈍い痛みと共に心
を騒ぎ立たせ、苦さと甘さが合わさった疼きが全身を縛った。
 これが今生の別離では無い。
813A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/25(火) 07:46:43 ID:???
 この長い人生の中で同じく位長い時間をかけるも知れないけど、いつか、きっと
あの日のように皆で笑い合える日がきっと訪れる。
現実はいつも嫌な真実を付きつける。しかし、現実がどうあれ、少なくともシン
は、そう信じていたかった。
 そして、シンが持って行くべきか最も迷ったのは四枚目のフォトスタンドだった。
 まるで、他の三枚から隠すのようにうつ伏せに置かれたフォトスタンドには、シ
ンとルナマリアの二人が映っている。
 アカデミー時代から行き付けの色気も何も無い、地元のショッピングセンターで
撮った写真には微笑を浮かべる二人が写っている。
 写真を撮った理由は忘れた。確か記念とかそんな感じの他愛も無い理由だ。
 終戦直後に二人で撮った思い出の記憶。
 だが、写真には、互いの無事を心から喜び合う表情でも、もう戦わなくて良い安
堵感でも無い儚く脆い崩れそうな微笑み"だけ"が写り込んでいる。
 それがファインダー越しとは言え、恋人と一緒に写る写真の表情では無い事くら
い、朴念仁のシンにも分かっていた。

「だから、駄目なんだよ、それじゃ…」

 項垂れベットに腰かけたまま、脳裏に浮かんだ、ルナマリアの頬笑みを消し去る
ように頭を振るう。
 戦争によって刻まれた心の傷は、大なり小なり誰しもに彫り込まれてしまった。
 感情や理性がどのような"言い訳"を考えても戦争を忌避し、関わりたく無い心の
動きを消せるはずがない。
 実際の当事者にしか理解出来ない、表現出来ない生々しい感情は、言葉では「も
う気にしていない」と強がっても、心の奥底では全く別の感情が渦巻き当事者を苛
み続けるのが常だ。
 人の感情は"0"か"1"かで表現されるデジタル信号では無い。
 最新の物理理論でも機械工学でも紐解けない複雑怪奇な信号が積み重なって創造
される感情が人の持つ心の動きだ。
 むしろ、友達で互いの繋がりが強いからこそ、当時の記憶をより鮮明に思いだし
てしまい、恐怖や怒りが病魔のように犯して行く。
 繋がりが強すぎるからこそ、相手を蝕み傷つける氷の棘。
 そして、凍った心を癒し溶かしてくれるのは"時間"でしかない。
 長い長い時間をかけて、永久凍土がゆっくりと溶けて行くように人の悲しみは消
えて行く。
 いつか、シンも戦争の傷を受け入れ、前に進んで歩んで行くだろう。
 そして、その隣にはきっとルナマリアが居てくれる。
 自分の人生を犠牲にして、シン・アスカに支えてくれるだろう。
 それが、シンは耐えられなかった。
 いつまでも過去の事に縛られ、何一つ自分で決める事も出来ない情けない男にルナ
マリアは、微笑浮かべ微笑んでくれる。
 なのに、ルナマリアに何一つ本気で向き合えない自分に、シンは真剣に嫌気が指し、
そして、別離を決意した。
 最低と罵られても罵声を浴びせかけられても良い。
 ただ、ルナマリアがこんな最低な自分の為に輝かしい未来を犠牲にする事などシン
には耐えられず、一緒に泥沼に沈む未来などもっと耐えられなかった。
 ラクスが聞けば恐らく張り手打ちをお見舞いされたであろう話しだったが、幸か不
幸かシンの苦悩はラクスに届く事は無かった。
814A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/25(火) 07:47:55 ID:???
「じゃあさ…行くよ」

 誰に告げる訳でも無く、私室のドアをゆっくりと閉め、ラクスに出発を告げるメー
ルを打つ。
 程無くラクスからの返信を確認したシンは、私室の施錠を確認し、人目を避けるよう
に歩き出した。
 これからの事も何一つ決めていない行く宛ての無い旅立ち。
 立てかけた写真を全部持って来てしまったのは、感傷以外何でも無かった。


「本当に不器用な人…」
 
 シンからのメールを確認するとラクスは深い溜息を付いた。
 こうなるであろう事は、シンがラクスの直属の部下となったあの日から漠然としてで
はあるが予感はあった。
 終戦直後、オーブの慰霊碑前でラクスは、シンと再会している。
 その時は、特に違和感を覚えなかったが、ラクスはシンとプラントで再会した時、己
の内に芽生えた違和感の正体に気が付いた。
 燃えるような赤い瞳こそ健在だったが、瞳からは弱々しい光しか感じ取る事が出来ず
傷つき、心折れ、悲嘆にくれたでは、これからの苛烈な戦いに付いて行けないと。
 そう感じさせるだけの弱々しさがシンからは溢れていた。

「私です聞こえていますか?」
『何でしょうか議長』

 秘書室への内線を鳴らすと2コール以内に彼女の副官が返事をする。
 今から彼女に命令すれば、シンはザフト軍、つまり帰る場所を失ってしまう。
 プラントの市民番号こそ残っているが、ザフト軍こそ彼の帰る故郷であり、本人が望
んだ事とは言え、オーブの事を含め彼の帰る場所を消してしまう行為にラクスは二の足を踏んだ。
 オーブでの出来事は真偽の程は定かでは無い。
 乱戦状況の戦場で確約された証拠も無い。
 あるのは当事者であるシン・アスカの証言と状況証拠のみ。
 だが、ラクスの想い人が、"シンの帰るべき場所"が消えてしまった現場に居たのは紛
れも無い事実なのだ。
 ラクスはもう一度深い溜息を付き、執務室の乾いた空気を吸い込み瞑目する。
 次に目を開けた時には、表情こそ憂いを含んだ物だったが、口から洩れた声は凛とし
たプラント最高評議会議長ラクス・クラインの物だった。

「シン・アスカのザフトでの登録と行動履歴を現時刻を持って抹消して下さい。以後の
処理は通達した通りの内容です。処理後は通達文章を物理的に破棄。護衛の方々はケー
ス37を想定して任務続行をお願いします。以後の判断は議長である私が預かります」

 ラクスの声に、副官も何かを感じ取ったのだろう。
 僅かな迷いの後、軍人の表情を取り戻した副官は平静に努めた。
815A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/25(火) 07:48:43 ID:???
『宜しいのですか、議長。言いたくはありませんが、彼ほどの技量の持ち主がプラント
を出奔したとなれば、ロゴス残党を含め、連合、非合法組織や世界に仇為さんとする者
達が接触を図るでしょう。最悪プラントや世界に弓引く存在になりにでもすれば、議長
の進退も危うくなりますが』
「構いません。以後の責任は全て私が持ちます。二度繰り返します。シン・アスカの件
は私が責任を持って預かりますと関係各省に通達をお願いします」
『承知しました。シン・アスカのザフトでの認証コードを現時刻を持って破棄します。
これより彼は、只の人間"シン・アスカ"に戻りました。彼の未来に幸運のワインを3ダー
スほど』
「急な割り込みにお手数おかけしました。感謝します」
『勿体無いお言葉です、議長』

 副官はいつもと変わらぬ声色で内線電話を置いた。
 ラクスは、内線が切れると同時に席を立ち、水槽にもたれかかった。
 水槽には一匹の魚が泳いでいる。
 照明が当たった鱗が桃色に強く発光し、羽衣のように大きく伸びた背びれが水面を大き
く揺らす。
 次いで、ラクスの迷いを見透かすように、赤黒い瞳の下の複眼が彼女をギョロリと盗み
見た。
 発光する桃色の鱗も大きく伸びたニビ色の背びれも凡そ自然界には存在しない色調だ。
 S2インフルエンザの再来を恐れたプラント医療関係者が、臨床実験の為だけに彼の遺伝
子情報を弄りし、彼をコーディネートした。
 その行動に他意は無い。
 ウイルスとワクチンの関係はイタチゴッコだ。
 薬学ノウハウが地球に比べ劣っているプラントならば、未知の病気に備えるのは当たり
前の事だ。彼が生み出されてしまった事に他意は無い。
「相変わらず可愛くありませんのね」

 機嫌が良さそうに水槽を泳ぐ"同居人"をラクスは不機嫌そうに見つめる。
 新薬配合の為品種改良され、破棄される寸前だった"彼"をラクスは技術部から無理を
言って引き取った。
 担当者に言わせれば、彼には五歳児程の知能があるらしい。
 姿は魚だが自我も感情も持ち合わせた極めて高度な知能を持ち合わせた存在だが、水を
かけたり、糞を飛ばしたり、ラクスをからかうように悪戯には、出生は気の毒だが、はっ
きり言ってムカついている。

「同居人が、これだけ悩んでいるのに、貴方は素知らぬ顔で悠々自適なニート生活ですの?
本当…世の殿方が貴方のような殿方なら、もう少し女は楽になるでしょうに」
「聞いていますの」と水槽を不機嫌そうに鳴らすと、同居人は、抗議するとばかり同居人
が水面を尾びれで鳴らした。
「貴方に言っても仕方ないのかも知れませんが…たまには愚痴くらいお聞きなさいな」
 桃色の不思議物体は、愚痴聞きもごめんだとばかり、水草が多い茂った水槽奥の自分の
寝所に戻ってしまった。後に残されたラクスは、エアーポンプ水槽に背中を預け、何も無
い執務室の天井を眺めた。
「祇園の鐘鳴る紫部の社や、さりとて我、落城の従なりて…ですわね。聞いていますか?
後悔は先に立たない。全ては後の祭り…と言う意味らしいですわ。本当、この唄は誰に向けて
の言い訳なのでしょうね」
 当たり前の話だが、魚は何も答えてくれなかった。
816通常の名無しさんの3倍:2011/01/25(火) 19:57:13 ID:???
おおう、連日の投下乙です

左遷されたシンと自ら退役したシン。それぞれにそれぞれの思いがあるだろうし頑張って欲しいが・・・周りが放って置かないのがな
それにしても、見守る立場のラクスが何かいいな。自らの立場も責任も自覚しているってのは悪くない

次回もお待ちしております〜
817通常の名無しさんの3倍:2011/01/26(水) 01:21:49 ID:???
606氏、A3氏ともGJ!

今更知ったんだが、ハイネ専用デスティニーなんてあったんだな…限定版プラモで。

地球連合との戦争末期、ザフトは最強のモビルスーツとしてZGMF-X42Sデスティニーを投入した。
長らくその存在は、シン・アスカが搭乗した一機のみだと思われてきたが、近年公開された史料から、その他にも同型機が存在することが明らかになった。
ザフトは、デスティニーを効果的に運用するための特殊部隊の構想を抱いていた。
「コンクルーダーズ」の名称を与えられるはずであったこの部隊は、各地の戦線から選抜された戦績優秀なパイロットを集め、主力MSにデスティニーを配備して編成される予定だった。
ザフトは、最強のモビルスーツとパイロットを組み合わせた部隊で連合の戦力を一蹴してその戦意を阻喪させることを企てていたのだ。
ハイネ・ヴェステンフルスはその一員に選ばれ、専用に調整されたデスティニーの製造も開始されていた。
しかし、ハイネは機体の完成直前に戦死し、部隊も実際に編成されることはなかった。
主を失ったデスティニーは、今もザフトの兵器保管庫で目覚めの時を待ち続けている。

シン機以外にも複数の運命が…これはちょっと気になる設定じゃない?
818通常の名無しさんの3倍:2011/01/26(水) 14:40:50 ID:???
あったな
去年…一昨年? のクリスマスで話題になったやつだ。

それ聞いて、色違いで5機あってもおかしくないと思ってる。
登場する度に背後で各色の爆発あったり、合体したりとかな。
819通常の名無しさんの3倍:2011/01/26(水) 19:06:42 ID:???
そういえば流石のガンダムでも5体のガンダムが合体して巨大ガンダムに!
なんてガンダムはなかったな。

と書いてる間にグランドマスターガンダムの存在を思い出した。
5体じゃなくて4体だけどw
820通常の名無しさんの3倍:2011/01/27(木) 14:53:36 ID:???
これまでいろんなシンがいたが近接戦闘じゃなくて逆に
超長距離から狙撃するシンってどうなんだろうか
821通常の名無しさんの3倍:2011/01/27(木) 15:42:43 ID:???
>>820
密かに作ったジェネシスIIIでオーブ代表官邸をピンポイント消滅ですね
分かりまs
822通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 17:58:31 ID:???
>>820
やるならアパレシオンみたいなMSが最適かな。
姿隠せて超長距離から狙撃、近距離はマシンガンで対応とシモヘイヘみたいになりそうだけどw
823通常の名無しさんの3倍:2011/01/29(土) 22:54:13 ID:???
>>819
ZZの初期案の中にはコアファイターが単体で小型ガンダムに
なるというのがあったような。
>>820
安全な距離を置いてのフルバーストで好き勝手やるキラとの対比というか、
性格的にフルコンタクトで戦って自分の手を直接血に染めてその罪を
背負っていくというイメージが強いからね。
しかしただひたすらに準備を積み重ね乾坤一擲で>>821をかますというのも
悪くないかも…あるいは失敗して「鳩に豆鉄砲をどうぞ」になるのも一驚かと。
824サイボーグ朱 ◆NaPp2aS6cI :2011/01/30(日) 16:14:49 ID:???
誰もいなさそうなので規制解除されてたらこっそり投下を始めたいと思うロミナさん最高
しん・かうんた〜・あたっく
第二話「バトル化へのテコ入れはジャンプでは良くあること」

荒野を走る一台のジープ。運転席には楽しそうな様子のシン・アスカを、助手席には遠い目をしたコニール・アルメタを乗せて、自由気ままに荒野を走り続ける。

世界に逆襲をすると崖の上で(一方的に)誓いあった彼等だが、しかし、コニールはこれから具体的に何をするのかを今だに聞いていないことに気づき、あからさまに面倒臭そうにシンに声をかけることにした。

「でー、今からどうすんのー?」

気の抜けた声になってしまったのは仕方のないことだろう。彼女にとって逆襲など、全く興味のないことなのだから。
むしろ、コニールとしては方針を聞いただけでも褒めてもらいたい気分だったりする。

「あー……これからどうしよっかコニール」
「………は?」

だがしかし、そんなコニールに対して斜め異次元な対応をするのがシン・アスカという生き物だったりするのだ。
今回も、朗らかな笑顔すら浮かべて、コニールにとって斜め異次元でしかない発言をシンは口にする。

「いや、だからこれからどうしよっか。世界に逆襲するのは良いんだけど、どうやって逆襲するかまでは考えてなかったんだよな」
「よし死ね」

ゆっくりと。ゆっくりとシンの吐いたアホな台詞の意味を咀嚼したコニールは、次の瞬間には懐から護身用にと持っていた拳銃を取り出し、シンに突き付けた。

「三秒やろう。何か言い残すことはあるか?」

そして死刑宣告。無理矢理自分を訳の分からないことに付き合わせておきながら、今後の方針が決まってないなどと間の抜けた事を言うシンに多分の怒りを籠めて、コニールは静かに告げる。

本当に撃つ訳はない。シンと同じ立場にたたされれば、大半の人間はそう思うだろうが、しかしシンは違う。
シンは知っている。今コニールが構えている銃の中身は、ゴム弾だということを。
そして思い出す。実弾入りの拳銃とは別に、ゴム弾入りの拳銃を何故携帯しているのかとコニールに聞いたら、気のない様子でツッコミ用だと言われたことを。
故に撃つ。今までの経験上間違いなく撃つ。実際何度となく撃たれた。

「こ、こんなところで俺はぁああああああっ!!」
だからシンは抵抗する。これまたこれまでの経験上、当たると死ぬほど痛いことを理解しているから。どこかの蝙蝠ハゲと違って、シンは痛いのは特に好きではないから。
人は彼をこう呼ぶ。ドS大帝シン・アスカと。嘘である。

脳裏に種子が弾けるイメージが浮かぶ。その紅い瞳からは光が消え、思考が一気にクリアになる。

狭い車の中、直ぐ真横で銃を突き付けられている現状、このままでは為す術もなく銃弾の餌食になるのは目に見えている。
故に、そんな悲惨な未来を回避するべく、シンは急ブレーキ掛けジープを無理矢理停車させることでコニールの体勢を崩させようと目論見る。

「うわっ!?」

結果は成功。急な停車にコニールは留まることが出来ずに為す術もなく体勢を崩される。

「くぅっ!!」

しかし、伊達にコニールとてレジスタンスを経て自警団をやってきたわけではなく、ついでにシンと腐るほど喧嘩をしてきたわけではない。
コニールがこれまで培ってきた経験が頭で考えるよりも早く体を動かし、体勢を崩しながらも反射的に狙いを修正して、シンに向けて引き金を引くという妙技を成し遂げる。

「チッ、外した!!」

だが、荒野に響いたのはシンの悲鳴ではなく、コニールの舌打ち一つだけ。
それなりの速度で走っていたジープの急停車とあっては、いくら狙いを修正しようと流石に完全とはいかなかったのか、シンの必死の回避も合わさって、コニールの放った銃弾は上体を反らしたシンの顔面ギリギリを掠めるに留めた。

「あ、危ねぇえええ!! 回避してなきゃ直撃してたぞ!?」
「当てるつもりだったからなっ!!」

一言吐き捨て、ジープが完全に停止すると同時にシンは転がり落ちるように車から外へと飛び出し、コニールもまたシンを追って車の外へと飛び出す。
そして、ほぼ同時に体勢を整えて、シンはザフト時代から愛用しているナイフを、コニールは先程から使用している拳銃を互いに構えながら荒野にて睨み合う。

「コニール。戦り合う前に一つ言っておきたいことがある」
「……何?」

その状態でのシンの突然の言葉。また何か下らない作戦でも思いついたのかと、コニールは訝しながら問い返す。

「運転中に発砲とか危ないだろうが。事故ったらどうすんだ」
「……ハァ」
「溜息!?」
何か必死にツッコミを入れてくるシンだが、まさか戦る前に真剣な顔でそんなことを言われるとは思っていなかったコニールは、露骨に呆れた表情で溜息を吐く。

「……だから周囲に何もない状態で撃ったんだろうが。多少ぐらついたところで事故ったりはしないよ」
「頭狙ってたじゃねーか!! 例え周囲に何もなくても、気絶しちまったら事故るに決まってるだろ!?」
「お前がゴム弾喰らったくらいで気絶するような奴なら、あたしはここまで苦労してない」

きっぱりと言い切るコニール。ああ、こんな下らない質問にわざわざ答えてやる自分は何て優しいんだという空気をありありと発している。

まあ、実際最新鋭機であるストライクフリーダムに、至近距離からレールガンを撃たれても気絶どころか怯みもしなかったシンなのだから、ゴム弾ごときじゃ気絶などしないのは事実ではあろう。
しかし、そんな風に妙な方向に信用をされているシンとしてはたまったものではない。抗議を送ろうと、コニールに向け口を開こうとするのだが、

「もういいか? それじゃあ、取り敢えず一発喰らって反省しろっ!!」

それよりも早く、コニールは牽制の意を込めた弾丸を一発、シンの顔面に向けてぶっ放した。

牽制とはいえ、何もしなければ必中コースのその弾丸。だが、それに対してシンは自身の顔面に迫るゴム弾をまるで存在しないとでも言うかのごとく、コニールに向けて真っ直ぐに駆け出す。

「こんなもん、牽制にもなりやしねえよ!!」

叫ぶと同時に、ナイフを一閃。ゴム弾を真っ二つに切り裂き、スピードを緩めることなく尚もコニールへと突き進む。

「相変わらず出鱈目な…っ」

その光景を見てコニールが思わず毒づくが、それも無理からぬことだろう。どこの世界にナイフで銃弾を切り裂く人間がいるというのだ。
いや、コニールの目の前に一人いるのだけど。

「でもなっ!!」

しかし、数えるのも馬鹿らしくなるほどシンと喧嘩をしてきたコニールだ。今更、ゴム弾を切り裂くという芸当を見せられたところで怯みはしない。その程度、既に何度も経験済みだ。

切り裂かれたと認識した次の瞬間には、二発連続で再びゴム弾を放つ。一発はシンの手前の地面に向けて、もう一発は直接シンの腹部に向けて。

「ハッ、足を止めようって……嘘だろっ!?」
余裕綽々と言った様子で腹部に向けて撃たれた弾を切り裂き、軽くステップを踏むことでペースを落とすことなく足元に撃たれた弾を回避しようとしたところで、シンは驚愕の光景を目撃した。

跳ねたのだ! 足元に向かっていた筈の銃弾が地面から少しだけ顔をだしていた岩にぶつかり、シンの顔へと向かって!

「あ、当たってたまるかぁああああああああああああああああっ!!」

魂の底から叫びを上げて、シンは迫りくる銃弾を回避せんと全力で体を捻る。

然して、銃弾はシンの頬に一筋の傷を残して、雄大なる大空へと吸い込まれていった。

「くそっ、想定してたよりも跳ねた!! 避けるなよ、シン!!」
「避けるに決まってるだろ!? というか、跳弾とか何時覚えたんだよ!? 前の喧嘩の時は使ってこなかったじゃないか!!」
「エンジェルなんちゃら作戦の話をお前から聞かされた後に、投げたシールドでビーム反射させたって奴が喧嘩の時に使えるなと思って練習したんだよ!!」
「は、話すんじゃなかったぁああああああっ!!」

自分のたわいない話から、まさか自分を倒す為の技を習得してくるなんて思ってもみなかったシンは、思わず後悔の声をあげる。
しかし、真面目に駐在軍人として仕事もしないで、毎日コニールの酒場で牛乳を飲んで駄弁っていた罰が当たったのだ。自業自得、因果応報、今のシンについての感想を聞けば、百人中六十九人くらいはそう答えること安請け合いだろう。

「だけど、これで…っ!!」

それはさておき、シンが後悔していたのもつかの間。既にコニールとシンとの距離は数メートルしかなく、コニールとの距離を詰めるべく一気に駆け出す。

「しまっ…!?」

叫んだと思ったら駆け出してきたシンの切り替えの早さに呆気にとられたコニールは、慌てて距離を詰めさすまいと、さらに二発弾丸を放つが…

「今更この程度で!」

小細工も何もない、ただただ愚直に真っ直ぐ放った弾丸は、あっさりとシンに両断されてしまう。

「これで残弾もゼロだな、コニール!!」

装弾数六発のコニールのリボルバー式の拳銃。ちゃっかり何発撃ったか数えていたシンは、銃弾を警戒する必要もないと更にスピードを速めて距離を詰め、そのままコニールに足払いを仕掛けて押し倒し、首筋にナイフを突き付けて勝利宣言を行う。

「なかなか良い線いってたけど、今回も俺の勝ちみたいだな」
829通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 16:26:11 ID:???
支援
「あーあー、はいはい。あたしの負けだよ負け」

流石にここから挽回する手もなく、押し倒されても放さなかった拳銃を手放し、悔しそうにコニールは負けを認めた。

「ああくそっ、せめて街中だったら跳弾も上手くいっただろうにさー」
「おいおい、負け惜しみかよ。まあ、確かに顔じゃなくて胴体だったら避けられなかったかもしれないけどさ。
でも、この状態の俺に銃弾掠らせただけでも大したもんだと思うぞ?」
「嬉しくねーよ。というか、それ卑怯だろ。反応速度諸々が上がるとかどんなチートだよ」
「ふっふっふっ、この状態だと気合いでビームも曲げられるんだぜ?」
「堂々と嘘つくなよ」

既に何故喧嘩をしてたのかも忘れたのか、二人はその体制のまま談笑をし始める。

ガルナハンにいたときも大体何時もこのような感じで、喧嘩をするたびにコニールも腕を上げてはいくもののシンには及ばず負けてしまい、しかし互いに全力で動いたお陰か、喧嘩を始めた原因も忘れて何時も通りの関係に戻る。
二人にとってはこんな喧嘩もコミュニケーションの一つでしかないのだ。周囲の人間には迷惑極まりないのだが…。

実際、二人の喧嘩のせいで迷惑を受けた人間が上空に一人いた。二人に接触しようとしたものの、行きなり銃弾をぶっ放し始められたせいでタイミングを逃し、今も二人の和やかな空気のせいで出るに出られない人間が一人。
しかし、何時までも見ているだけというわけにも行かず、意を決して二人に接触しようとする人間が一人。

『あー…。お二人さん、仲良さそうにしてるとこを邪魔して申し訳ないんだけど、少し話を聞いてもらっていいか? あんま遅くなると、うちのリーダーが恐ぇんだよ』

モビルスーツに乗って現れた、二人の喧嘩のせいで割を喰らった一人のその人間。
空気の読める、人の良さそうなその人間との接触が、一体シンとコニールに何をもたらすのか。
それは、その人間にもシン達にも、ましてや作者にも分からない。
「さ〜てコニール。罰ゲームの時間だぞぅ?」
「はあ!? 何だよ罰ゲームって!! 今までそんなもん無かっただろ!?」
「敗者コニール。勝者俺。そして敗者は罰ゲーム。
世界の常識だろ?」
「そんな常識捨ててしまえっ!!」
『……え? いやいやいや可笑しいだろ。直ぐ近くにMSが降ってきて気づかないなんてそんな馬鹿なことが…。
あの、聞こえてますか? 聞こえてますよね? お願いだから返事してくれませんか? ほんとお願いしますから――!!』

何故なら何ももたらさないかもしれないから。

人はシンを称してこう呼んでいる。ドS大帝シン・アスカと。嘘である。自信はない。
832通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 16:33:30 ID:???
支援
833サイボーグ朱 ◆NaPp2aS6cI :2011/01/30(日) 16:33:50 ID:???
投下完了しましたロミナさん超優しい
良SSが群雄割拠してる中またもアホなSSを投下してしまいましたロミナさんマジ天使
では、最近ロミナさんの魅力に魅了されまくってしまった朱でしたロミナさんマジ美熟じry
834通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 16:51:41 ID:???
すいません。支援ありがとうございました!
835通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 21:07:48 ID:???
投下乙! いったいどうなってしまうんだ……? このMSの人物は一体……?
836A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/30(日) 21:44:08 ID:???
3話目投下します。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY+A3
#3 新車だって言ったんだけどな

「こんな気分でプラント見たのって、きっと初めてなんだろうな」
 宇宙港を出た直後、漆黒の大宇宙に浮かぶ巨大な建造物がシンの目に飛び込んで来る。第一次オーブ戦後、
失意の底に沈んでいたシンを温かく迎え入れてくれたのもプラントだったが、失意とは別の心情を抱え見送
ってくれた相手が、プラントだったと言うのも皮肉な話だった。
 シン達コーディネーターの住む国であうプラントは、国名であるPeoples Liberation Acting Nation of
Technologyの他に居住区を示す他にProduction Location Ally on Nexas Technologyの意味もあった。
 プラントは天秤型コロニーと呼ばれ、その名の通り巨大な砂時計の形状の次世代人工居住地だ。砂時計の
中心の宇宙港を中心にコロニー両端に設けられた居住区画が回転する事でコロニー内に重力を発生させてい
る、自機その物が回転し重力を得る旧来のスペースコロニーとはタ技術水準も構造様式もは一線を画してい
た。戦中末期、ロゴス頭首であるロード・ジブリールの凶行により計六基が崩壊したが、現在は急ピッチで
復興が進められている。
 溶接の作業船の噴射光が黒い大気に鮮やかに明滅する様子は、静かな宇宙に花畑が現れたようだった。
 地球米国ニューヨーク行きシャトルは、建造途中のコロニーの間をゆっくりと周回し、程無く予定航路に
乗り始める。
 作業用に装備に換装されたジンとストライクダガーがガイドビーコンの指示に従い、宇宙空間を忙しく動
きまわっているのが印象的だった。
 後は二十時間もシャトルに揺られて居れば、シンが目指す地球に到着する。一度月基地に立ち寄る事も考
えたが、月周回軌道に居るルナマリアと鉢合わせを万が一にでも考えれば、危ない橋を渡るべきでは無く、
あまり、需要が無い地球への直通便を手配した。

『本機にご搭乗の紳士淑女の皆さま、こんにちわ。こちらは操縦席、機長を務めさせて頂きますサイ・アー
ガイアルです。本日はL5アライアンス、NorthP.L.A.N.T航空をご利用頂き誠にありがとうございます。飛
行状況のご案内を申し上げます。本機はもう間もなく地球へ初動加速態勢を開始致します。レーザー推進に
て燃料補給後、十分少々致しますと最終加速に入ります。お座席にお座りになりシートベルトの着用を切に
お願い致します。現在、目的地の地球アメリカ合衆国ワシントンDCへの到着予定時刻は、五月二日グリニ
ッジ標準時刻十五時三十七分を見込んでおります。道中何かとご迷惑をかけする事があるかとありますが、
本日はNorthP.L.A.N.T航空をご利用頂きました誠にありがとうございます』

 丁寧過ぎる機長の挨拶が済むとシンを乗せた高速艇は、地球へと艦首を向けゆっくりと動き出していた。
 機体後部の追加ブースターが荷電粒子を受け、真っ黒な宇宙に真っ白な閃光が溢れ、高速艇は最終加速へ
突入して行く。
 緩衝材が吸収しきれない僅かな衝撃が、圧力となって身体を心地よく揺らす。日々の任務と底意地の悪い
"仙人"の苛烈な訓練の日々が続き、覚悟を決めての除隊までの時間は、心身共に休まる暇が無かったが、漸
く色々な事が一区切り付いた気がした途端、普段は終ぞ感じる事が無かった猛烈な眠気がシンを襲った。
(眠い…や)
 将来の不安や今後の進退等、考えなければならない事が目まぐるしく脳裏を駆け廻ったが、今は全身を襲
う心地よい睡魔に心を預け、シンはゆっくりと目を閉じた。夢も見ない深い眠りだったが、何故か意識が閉
じる直前、出発前の空港での出来事を思い出していた。


 ザフトの宿舎は、隊員のシフトや官公庁の中心街から離れた位置もあってか、昼下がりは自然と人通りが
途切れる場所に建てられている。
 人目を避けるように宿舎を飛び出て、空港までのタクシーを捕まえる為大通りに出た瞬間、シンは思いも
よらぬ人間に出会ってしまった。
837A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/30(日) 21:45:47 ID:???
「よう…坊主久しぶりだな」
「ムゥ・ラ・フラガ少佐…」
「よせよ坊主。お前の中じゃ、俺はまだネオ・ロアノークのはずだぜ、トップガン」
 まるで、申し合わせたように街路樹の影から突然現れたムウにシンは、驚きよりも訝しげな視線を送った
が、当の本人は何処吹く風と言った様子で飄々とした態度を崩さ無い。
「何の用でしょうか」
「用が無けりゃ会いに来ちゃいけないのか?」
 シンは、ムゥの人を茶化すようなおどけた態度が昔から嫌いだった。
 こちらが真剣に話しているのに、終始道化を演じるような態度は、シンが無知な少年である事を差し引い
ても、個人的に受け付けない類の大人だったからだ。
「普通用があるから、会いに来るんでしょ」
「寂しい事言うなよ坊主。俺とお前の仲だろぉ。おっ、どうした、どうした。そんな大荷物を抱えて旅行に
でも行くのか?」
 変にフレンドリーなムウの態度にシンの眉が急激に角度を上げて行く。
 ムゥに対して言いたい事は山程ある。
 だが、こちらが必死に自制心を制御して感情を抑えているのに、こちらが作った壁を壊すのでも無く、飛
び越えるのでも無く、最初から無かった物として振る舞われれば溜まった物では無い。
 腹腔に溜まった罵声も行き場の無い怒気も拭いきれない毒素を、いっその事吐き出せてしまえばどんな楽
だろうか。
「…似たような感じです」
 だが、その半面、シンはムゥに妙な違和感を覚えていた。
 戦中から仮面越しとは言え、何度も言葉を交わしているが、彼はこんなにも常にこんな調子だっただろう
か。
 ファントムペインだったネオ・ロアノークの理知的でストイックな印象が拭えないからだろうか。最も揺
り籠で記憶操作を受けていたのだから、こちらが素の可能性は否定出来ない。ムウの性格が、地なのか作っ
ているのかシンには判断が付か無い。だが、妙に上機嫌なムウの様子にシンは違和感を覚えてしまう。
「冷たいねぇ。隠すような事か?」
「ベラベラと喋る事でも無いです」
 だが、彼にどんな違和感を感じようが、もう、シンには何ら関係の無い事だ。シンはムゥに悪い意味で特
別な思い入れがあったが、今更何を言うつもりも無い。誰にでもなるべくなら会いたくない人間は居る。ム
ゥ・ラ・フラガは、シンにとって最も会いたくも無い人間の一人だった。
「ザフトのトップガンが余裕が無い事で。そんなにカリカリしてると女にモテナイぜ」
「俺は…もうザフトじゃありません」
 苛立ち紛れについ本音が漏れてしまった。シンは「口が滑った」と後悔するが全ては後の祭りだ。シンの
突然の告白に、ムゥは表情を引き締め、急に声の調子を落とした。
「…軍を辞めたのか、坊主。
「辞めました。もう、戦うのは嫌です」
「そうか…やっぱり、そうなっちまうよな、やっぱり」
「…乗れよ坊主。何処に行くか知らないけど、送っていってやるよ」
 てっきり戦士の信念や、生き残った者の義務など、兵士となった物がぶつかる極々当たり前の壁も今のシン
からすれば、耳が痛いのと同時に兵士としての在り方など、罵声を浴びせ地面に叩きつけたい衝動に駆られる
理由にしかならない無い。
 ムゥの本心が見えずシンは益々苛立つが、これ以上面倒事はご免だと、ムゥの提案に渋々従い、トランクに
乱暴に荷物を放り込んだ。
「おいおい…これ新車なんだぜ」
「気にしないで下さい。俺は気にしません」
「やった奴の台詞じゃねえだろ、それ。で、何処に行けば良いんだ、空港か?」
「はい…」
838A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/30(日) 21:47:58 ID:???
「愛想の無い事で」
 ムゥは辟易した表情でギアを"サード"に入れ、アクセルを噴かす。電動セルモーターが高速で回転し、速度と
は対照的に驚く程の静けさでムゥの"アスラーダV"が発進した。
 空港までの道中ははっきりと言えば無音だった。
 シンは、終始不機嫌な表情を崩さないし、ムゥも積極的にシンに言葉を求めるような事はしなかった。
 淡々とした風景に目を配る中も、ムゥの運転する車は、プラント中央を横断する高速道路を疾走し、渋滞こそ
していないが、適度に"流れた"車の間を車は素知らぬ顔ですり抜けて行く。
 MSの操縦には、体力や技量、努力や才能の他に、単純に運動神経、取り分け反射神経を多く必要とするのだ
から、車の運転が上手くて当たり前である。
 シンも彼がネオの時に何度も戦場で対峙したが、何度煮え湯を飲まされたのか分からない。物凄い速度で後方
に流れて行く景色を見つめながら、シンはムゥの事を考え続けた。
(一体…今更なんなんだよ)
 シンは、本能的にムゥが苦手だ。苦手になった原因は色々ある。妙に馴れ馴れしい所や兄貴風を吹かす所が嫌
だったり、細かく上げればキリが無い。アスランは、上から目線の嫌な奴と取られる事が多いが、ああ見てて他
人の目線に沿って話そうとする努力はしてくれる。ただ、自分の経験を重視し過ぎたり、相手に真剣に接し過ぎ
るのがマイナスイメージに繋がってしまうだけだ。
 しかし、ムゥ・ラ・フラガは違う。
 年相応の他人との適切な距離の取り方を熟知し、外面を被る事に何の抵抗も厭わない、場馴れした人間の持つ
独特の雰囲気がシンは堪らなく苦手だった。 
 仕方ない。どうしようも無い。受け入れた"フリ"をして納得した"フリ"をして、何を認めるわけでも無く無味
乾燥に受け流す姿勢がどうにしても受け入れる事が出来ない。
 シンもこの世の全てが自分の思い通りになるとは思えない。
 だが、諦めにも似た乾いた感情こそがこの世の中で最も重要だとはどうしても思いたく無かった。シンは、ム
ゥを見る度に、自分が諦めに慣れる人間になりつつある事を嫌でも自覚してしまう。ムゥ・ラ・フラガは、シン・
アスカにとってステラの事を差し引いても最も会いたくない人間なのだ。
「着いたぜ…」
「…どうも」
 無言でムゥの本人に思考を張り巡らせて見れば、気が付けば空港に到着している。 シンは、表情を崩す事無く
一言謝辞を述べた。無理やりでも送って貰った相手に、失礼な態度だったが、ムゥは特に気にした様子は無かった。
「なぁ坊主…俺に時間をくれないか?」
「嫌です。もうすぐ搭乗時間なので、お断りです」
「坊主…お前シャトルの予約もしてないんだろ。少し譲歩してくれよ」
「…してますよ」
「嘘付けよ」
「…してませんよ。すいませんでしたね」
 不貞腐れ微苦笑を浮かべるムウから視線を逸らす。シンは、プラントから出る事しか考えていなかった。衝動
的に除隊届を出したのは良かったが、それから先は完全なノープランだ。ムウの言う通りシャトルの予約もして
いない。それは別として出た所勝負の性格を見透かされたような気がして悔しかった。
「なら、時間はあるだろ。五分で良いから俺に時間をくれ」
 ムゥがシンに何か思惑を持って接している事は確実だ。ただ、それが何かはシンには分からない。だが、今更
何を言われても糠に釘だと諦念で埋まったはずの胸の疼きを意図的に無視した。トランクを地面に下した事でム
ウは肯定と取ったのか、目を閉じ、慎重に言葉を選ぶように話し始めた。
「坊主…いや、シン・アスカ。お前は俺が憎いか?」
「少佐は、いつもストレートですよね。こっちの気持ちも考えずに」
 憎いと言う言葉にシンの心が波立ち、握りしめた拳が鬱血し顔が曇るのを止められない。諦念とは別の赤黒い
感情が生まれるのが止められない。
「坊主…俺が憎いか?」
「嫌いです」
839A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/30(日) 21:50:03 ID:???
 憎いでは無く嫌い。
 きっと、一言「憎い」と罵ってしまえば、老朽化したダムが決壊するように、感情が溢れ出る事を止められな
いだろ。シンがムゥを嫌いになったのはステラ・ルーシュの事以外あり得ない。あの時、ステラが死の淵で苦し
んでいた瞬間、一時とは言えシンはムゥを信じた。だが、結果は語るに及ばず、シンはムゥに裏切られた。結論
から言えばステラは、どう足掻いても助からなかった。定期的な"メンテナンス"をエクステンデットにおいて敵
の捕虜になる事は死と同義だ。プラントの技術水準は連合に負けずとも劣らずに高い。積極的に研究を進めれば、
エクステンデットの特殊性も直に把握出来ただろう。
 しかし、それでは死の淵に瀕したステラの命は救えなかった。ザフトではステラの命は救えない。連合でもス
テラの命は救えなかった。止められない運命の流れは無情にもシンを打ちのめした。いつも決まって思い出すの
は、ステラを冷たい湖に埋葬した記憶では無く、ステラをムゥに返す瞬間の時だ。シンがステラを本当に助けた
ければ、インパルスを手土産に連合に寝返っても良かったはずだ。
 敵の最新鋭機体と母艦の情報。やりようは幾らでもあったにも関わらず、シンが出来た事はムゥにステラを押
しつけただけだった。
 手前勝手な意見を敵に押し付け、人を"守り助ける"覚悟の本当の意味知らず都合の良い奇跡を望んだツケがス
テラ・ルーシュの死だった。
「暖かい優しい世界に返してやってくれ」
 今思えば、随分と馬鹿な台詞だったはずだ。幼い理屈以前に"暖かい優しい世界"と果たして何だと言うのか。
戦争が無く誰も物理的に傷つかない世界の事を指していたのか、それとも、南国にもで連れて行ってくれと頼ん
だつもりだったのか。言うのは容易い、しかし、全身を改造され、精神操作を受けたステラが暖かく"生きて"い
ける世界などあの時は何処に有りはしなかった。何もかもが稚拙で理不尽過ぎる。今だから言える。あの時、暖
かい世界に連れて行って欲しかったのは、ステラを通して亡き家族を見ていた無くシン本人だったはずだ。
「嫌いか…お前も強情だな。ステラを殺したのは俺だ。俺はあの時上司の命令に逆らえなかった。ステラを殺し
たくない心も確かにあったさ。でもな、坊主。坊主との約束を破ってステラを戦いの場に引き戻しちまったのは、
誰でも無い、俺だ。俺がステラに命令して戦わせたんだ。俺の上官と同じようにな。だから、坊主…俺を殺せ…
坊主が現役のコンクルーダーズだって言うなら、呼吸する合間に殺せるはずだ。自分の手を汚すのが嫌だって言
うなら、こんな最低な道具でも良いんだ。お前の好きにしろ」
 突きだされたオートマチックの拳銃を前にシンは頭に血が昇るのを抑えられなかった。ムゥの手には、一丁の
拳銃が握られている。MS乗りなら誰でも持っている軍の支給品。だが、弾を込め、狙いを定め、引き金を引けば
人の命を簡単に奪う無骨な鉄の塊。銃の表面が人工太陽の陽光に鈍く反射し、シンの赤い目を照らした。
「殺せ、殺せって。そんな勝手な事ばっかり言って…あんたは一体何なんなんだ!」
 お決まりの台詞が感情の津波と吐き出され、ポケットに忍ばせていた"弦"に手が伸びる。キュンと空気が裂け
る金切り音が響いた瞬間、ムウの新車が綺麗に"三等分"に裂断されていた。
「新車だって言ったんだけどな」
 分断された愛車を前にムウは抑揚の無い呟きを漏らした。ムゥの愛車は、まるで超震動ブレードで切断された
ような鮮やかな切り口を見せている。都合良く一枚の枯れ葉が舞い降り、切断面に触れると、葉は二つに別れ、
限りあるプラントの空に再度舞った。
「これがコンクルーダーズか。聞いてたのと少し違うな。気とか使うんじゃ無かったのか?」
 何の"兵器"も用いず、発泡金属を切断した人間が目の前に居ると言うのに、ムゥは顔色一つ変えず、さも当然と
言う表情でシンを見つめ言いる。
「俺は、アスランにみたいに器用じゃ無し、内家よりも外家の方が相性が良かったんです。でも、俺は…人を殺
す為に、これを学んだわけじゃ無いです。車の事すいまんせん…後で弁償します」
 自分でも制御出来ない憎しみと言う意識の空白がシンを凶行に導きかけた。後、ほんのコンマ数秒憎しみに飲
まれていたら、分断されたのは車では無く、ムゥの方だったはずだ。シンは、衝動的に力を振るった事を恥じて
いるのか、苦渋に満ちた表情のまま、決して顔を上げようとしなかった。
「気にするなよ。俺が許せないのは気持ちは、当事者なら当たり前の事だ」
840A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/30(日) 21:52:20 ID:???
「どうにも出来ないんです。ステラは死んで…俺は少佐が"嫌い"で、俺だって、いつか少佐を許せる日が来る
かも知れない。でも、それは、もっと先の事で今じゃ無いんです。俺は…今はあんたが嫌いな気分で心が膨れて
るんです」
「偉い仙人から学んだ技が人を守る技ってんなら、尚更お前は銃で俺を撃つべきだ。人を守る力で人を殺すな
。撃てよ坊主。お前には俺を撃つ理由も、撃って良い理屈もあるだろ」
「俺に少佐を撃つのに正当な理由があったとしても。それが人を撃って良い何て理由になんかなりません」
「それでもお前は俺を撃つ、仇を取る理由があるはずだ」
「さっきも言ったじゃ無いですか。仇なんて人を殺す理由になんかならないんですよ。大体仇とかそんな事ばっ
かり考えるの、俺はもう疲れました。嫌なんですよ、もう。人が死んだりとかそんな事ばっかり考えるの…だか
ら会いたく無かったんです。会えば何を言って良いのか分からなくなる。どうすれば良いのか分からなくなる。
少佐を殴っても罵っても、ステラはもう居ないんですよ。俺は少佐の自己満足とか否定しません。出来ませんよ。
俺だって自己満足の為に戦いました。戦いへの覚悟とか代償とか、自分の行動が何を巻き込むのか、何も考えず
に戦ってたんです。トリガーを引けばビームが飛び出る。摂氏数千度の熱線に当たれば人は死ぬんです。そんな
簡単な理屈も理解出来て無かった。
 "守る"なんて耳障りの良い言葉に酔っぱらって、他人の命がこの手に乗ってる事を見ようとしなかった。取り
返しの付かない罪を犯したって言うなら俺だって同罪だ。もし、どんな願いでも一つ"だけでも"叶えてくれるっ
て奴がいるなら。俺はどんな代償だって払いますよ。それが悪魔とか天使だって、魔女でも変な生き物だって構
わない。でも…俺は奇跡と魔法を望んでも…この世に存在しないって目が覚めて…しまったんです。今更、少佐
を恨めない。せめて、嫌いだって突っぱねるのが精一杯だ。どんな理由があっても、他人の命を奪う理由に何か
なりません。俺にはもう戦う意味が分からないんですよ。だから、俺はザフトを抜けるんです」
 シンは、ムゥの手から銃をふんだくり、植木の隅へ放り投げ背中を向け足早に去っていく。
 一人残されたムゥは、無残に切り裂かれた愛車に腰を降ろし、プラントの空を見つめた。地球とは違い、プラ
ントの空は低く狭い。相対停止した環境調査用のアドバルーンが人工太陽の光を反射し強く輝く横を真っ白な鳥
が群れを為して飛び去って行く。地球でも宇宙でも例え仮初の作られた世界でも、生物は力強く生きている。
 ムゥはその度に自分がとてもちっぽけな存在に思えて、無性に虚しくなるのだ。
「ムゥ…」
 どれくらいの時間呆けていたのだろう。気が付けば、ムゥは恋人のマリューに抱きしめられていた。彼女の温
かな胸に抱かれているだけで、ムウは心が安らいでいくのを感じていた。
「マリュー…坊主は行ったのか?」
「ええ、さっき、シャトルに乗ったのを見届けたわ」
「そうか、行っちまったか…あのさ、マリュー。俺、振られたよ。坊主は俺の事嫌いだってさ」
「そう…」
「マリュー。俺は最低かな。死ぬつもりだったのに。マリューに後の事まで頼んで覚悟してたのに。生き残って
心の底から安心してるよ」
「私は貴方が生きていてくれて嬉しいのムゥ。それだけじゃ駄目かしら」
「…ありがとう、マリュー」
 絞り出したように掠れた"ネオ"の声は弱々しく苦渋に満ちていた。
 誰しもが傷ついている。慙愧に堪えない発言だとしても、マリューは傷ついた恋人をずっと、抱きしめていた。
 死に至る病が絶望ならば、絶望を癒す特高薬は希望では無く、きっと、人の温もりなのだろう。
 渦中の中心に居たシン・アスカは、果たして人の温もりを欲しているのだろうか。
 マリューは、シンの生来に幾許かの祈りを捧げ、今はだた、恋人が"無事"だった事に安堵を覚えながら、宇宙港
を離陸して行く"地球行き"の定期便を静かに見つめていた。

「いい加減に車どかせよ、兄ちゃん。後ろ詰まってんだよ…」
 ムゥの車が切断されお釈迦になったとは露とも思わず、後続車のクラクションがターミナルに響いた。

#3投下終了です
841通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 22:02:26 ID:???
一つはGJ、もう一つはスレ違いだと言っておく。
スレタイくらい読め。
842通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 22:22:09 ID:???
ようやく次で話が動きそうだな
どうやって世界に逆襲するのか楽しみ。
843通常の名無しさんの3倍:2011/01/30(日) 23:18:58 ID:???
>>833
投下乙です〜
しかし、相変わらず斜め上な思考全壊なシンだな。行き当りバッタリ杉てもう。まあ、見ていて飽きないしコニールとの夫婦漫才もまたよし!w
放置されたMSパイロットさんカワイソス。次回から、どう物語が動いていくか楽しみですわね


>>840
これまた投下乙です。
ムウ(ネオ)とシンとの間の確執ってのは、中々難しいところがありますわねぇ
洗脳されてましただけで済む話でもなし、だからといってシンにも落ち度が無かった訳でもなし
本当にステラの運命って残酷だな・・・だからこそ、シンにとって重要なキャラクターだった訳だけども

一つお願いですが、出来ればもう少し改行と推敲をされるとより読み易くなると思いますので
844A3 ◆m9w7pLzbjk :2011/01/31(月) 07:54:14 ID:???
>>841
どの辺りがスレ違いが教えて頂けると助かります。
すいません。
一応聞いておかないと今後の方針に差し支えると思いましたので
845通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 08:41:34 ID:???
>>841
テンプレ10回読み直してから来いよ、アンチ野郎

>>844
いつものラクシズアンチに見せかけたシンアンチなので無視してまったく問題ありません!
846通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 08:50:02 ID:???
>>844
シンが逆襲しないならスレ違い
スレタイくらい読め
847通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 08:52:42 ID:???
最初から逆襲しなければならないってのは決まりではないし
最終的に何かに逆襲すればいいんだからまだ判断できないでしょう
848通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 08:54:14 ID:???
罪と責任を背負ったシンに比べて
ムゥなんざベルリン虐殺犯の上に無印から増長するキラ放置して女といちゃつくクズ野郎だからな

ラクシズ厨と思われても仕方ないな。
849通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 09:00:17 ID:???
ステラに関しちゃムウにとっては道具でしかなかったんだろう
約束守ろうとすらしてなかったし

ステラを人として扱ったのはシンとレイだけだった

こういう部分って一部媒体やスパロボですら無視されている から騙される奴らって多いよな。

前作の主役側キャラだからなんだろうが ムウはクズ野郎って認識すらない奴らが居るのには驚く。
850通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 11:15:43 ID:???
随分自虐的なシンだなと思うが
ステラに関しちゃシンは出来るだけの事をやったし、銃殺覚悟で行動した以上 誰にも責める事は出来ない。

ラクシズ全員に言えるが、覚悟も何も無く 他人のせいにしてばかりなのは連中の方だろうが
シンのように身一つで行動してないから連中の言葉は中身がなく薄っぺらい
ムウはその典型だろ
851通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 11:38:56 ID:???
分かったから他所でやれよ
ここはSSスレであってラクシズのアンチスレじゃないんだからさ
852通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 13:51:55 ID:???
すいません、少々書いてみたんですが
投下してもよろしいでしょうか。
853通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 14:12:32 ID:???
>>840
誤字脱字が多かったけど面白かったです。推敲がんばって!

>>852
ばっちこい!
854852:2011/01/31(月) 14:23:23 ID:???
第1話―逃亡者―

無限の闇が全てを包み込む宇宙空間、その漆黒の中を疾走する複数の光があった。
3つの光点が1つの光点をどこまでも追いかけるその様子は、余程高性能な望遠鏡で目を凝らさない限り
見えないものであり、誰も気がつくことは皆無であろう。まして、4つの光を構成する者達にとって
それは自分の将来と何よりも命を賭けた戦いであることは絶対に誰も知る事は無かった。

「何だよ、全部あいつらにはお見通しだったというわけか?ふざけんな!」
追跡される側の光点、民生用メビウスに乗る少年、シン・アスカは忌々しげに呟くと握りこぶしで
コンソールを叩く。
モニターに映る自機以外の動体は3、カメラの映像からいずれもブレイズウィザード搭載の
最新鋭機ザクRだと推測できる。
簡易ビームライフルをこちらに向けながら執拗に追い掛け回すそのザクRの目的が自機の撃墜、
即ちシン・アスカの殺害にあることは明白であった。

「こんな事なら最初からグフでも奪って脱走すればよかったかな……」
シンは2年前のメサイアでの敗北以降、ラクス・クラインの統治下にあるプラントからの脱出を計画していた。
当時デュランダル議長の指揮下でラクス率いる『歌姫の騎士団』と死闘を繰り広げた。この事実は
本来なら処断されてもおかしくは無かったがラクスの恩赦と言う形で不問にされザフト軍への残留も
認められた。しかし、それでも敗北者の汚名と蔑視はシンを真綿で首を締め上げるようにじわじわと
追い詰めていった。
彼は何度も辞表を提出したが、その度に彼の直属の上司であり、『歌姫の騎士団』の有力な構成員でもある
アスラン・ザラがそれを取り下げさせた。
「何が『お前はラクスとキラの厚恩を踏みにじるのか』だ。大体あいつが余計な口利きをしなけりゃ俺は
……」
折角罪を許されたのだから恩に報いるためにもザフトの再編と発展に貢献すべきだとアスランはシンに説いたが、
それらの言葉は返ってシンのプラントを出る決意を固めるだけであった。そもそも恩赦自体アスランがシンを許すよう
『歌姫の騎士団』指揮官のキラ・ヤマトに働きかけた結果だと知った時はアスランに対する怒りと共に
プラントから出たいという思いが益々強くなった。
そして今日この時。アスランが基地の視察か何かで席を外している隙に辞表をデスクの上に置き、あらかじめチャーターした
民間に払い下げられた連合の旧主力MAメビウスに乗り込みプラントを飛び出したのだった。
途中までは順調そのものだったのだ、追っ手が来るまでは。

民生用メビウスの用途はあくまで個人の移動と軽い荷物の輸送である。そのため前面のバルカン砲は取り外され
下部のミサイルは緊急信号弾に置き換わっている。また本来レールガン或いは核ミサイルが取り付けらていたモジュールには
荷物収納用カプセルが取り付けられ、さらにスピードリミッターが着けられているためスペック上の最高速度は出せない、到底戦闘など出来はしないのだ。
前の大戦では旋回性に劣るメビウスがジンに背後を取られて撃墜される事が多くあった。
ましてや戦闘を想定していない機体で表面のごく一部をビームで削り取られただけで済んでいるのは奇跡としか言い様が無い。
シンは今までの戦闘経験とコーディネイター特有の優れた反射神経でビームを辛うじてよけるがそれも限界に近づきつつあった。
ついに光線の1本がメインスラスターを直撃し、スラスターが煙を上げながら破裂した瞬間機体は小刻みに揺れその速度もゆっくりと落ちていく。

「……そうか、俺、死ぬんだな」
シンは握り締めていた操縦桿を離すとシートに深くもたれかかり手を組む。
不思議と恐怖感は無かった。だが、深い闇の中たった一人で死ぬ自分の人生とは何だったのかと後悔の念が
今更のように湧き上がってくる。
誰も守れなかった。何も守れなかった。全部守れなかった。いつも、どんな時も、家族のことも、戦友のことも、上司のことも、
救えなかった人のことも。そして、最早僅かな希望すら残されていない自分自身のことも。
けたたましく鳴り響く警告音がコックピットを満たす。だが、シンにはどこか遠い場所から聞こえるように感じられた。
855852:2011/01/31(月) 14:26:54 ID:???
全てを諦めてゆっくりと瞼を閉じようとしたその時――
モニターから白い閃光が映し出され薄暗いコックピットを照らす。メビウスではない、背後まで迫っていた
ザクRの1機が爆発したのだ。
残りの2機は突如起こった出来事にパイロットが事態を把握する事が出来なかったのかしばらく立ちすくんでいたが、
慌てるように向きを変えると簡易ビームライフルを構える。
こちら側へ高速で接近してくる複数の機体を確認するとビームを闇雲に乱射するが、掠りもせずそれらの機体は距離を縮めてゆく。
ただライフルを撃つ事しかしなくなったザクRに1機がビームサーベルを振り下ろしザクRを縦に裂く。
傍にいた1機はすぐさま後ろに下がるとシールドからビームトマホークを取り出そうとするが、
別の機体がすかさず背後に回りこみザクRの胴体にビームサーベルを突き刺した。コックピットを直撃したのか
ザクRのモノアイから光が徐々に失われてザクRは動かなくなった。

あっけに取られていたシンが気がついた時には、メビウスは先程の機体に囲まれていた。
それらのは良く見るとどれも種類が異なるものであった。ジン、ゲイツ、ダガーL、ウィンダム、
製造された時期も国も違う機体の唯一の共通点は全身を黒く塗装されて左の肩に白い十時マークが刻印されていたことであった。
だが、何よりもシンが気になったのは先ほどザクRを斬った1機だった。
やはり全身が黒に染まってはいたが、モノアイでもゴーグルタイプでもない、ツインアイの独自の頭部。
唯一赤色に輝く背面部のバックパック。あれはフォースシルエットではないのか。
「あの機体……まさか、インパルス?」
シンが絶句していると、通信機から声が流れてきた。
『大丈夫ですか?シン・アスカ。私達は貴方の敵ではありません。これから貴方を安全な場所まで
お連れします』

インパルスらしき機体のモノアイが点滅すると、囲んでいた機体がメビウスを左右から抱えると
先に発進したインパルスの後について行く。

シンは自分を待ち受ける出来事をまだ、知らない。

すいません、初めてのSSと投下です。
色々至らない所があるかと思いますがご容赦下さい。
感想、ツッコミは何卒お手柔らかに。
856通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 14:54:17 ID:???
アスランが信頼と実績のウザさw
白い十字ってことはサーカスの人たちかな? 楽しみだ。
投下乙! まあできればもう少し長いほうがいいかな。
857通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 16:13:12 ID:???
GJ しかし凸みたいな奴現実に結構居るよな。
本人は善意のつもりでやたら押しつけがましかったり
外面だけはいいから過大評価されてたり
凸が相応の報いを受ける事を期待する。
858通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 16:38:29 ID:???
キララクカガリ、ホーク姉妹を目の前で殺され、放逐されるとかか?
「キラ1人で効果十二分だろ」って反論は受け付ける
859通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 18:28:24 ID:???
GJ!
そういえばデュランダル議長の恩赦で許して貰ったのにその厚恩を踏みにじるっつか
糞付いた靴で踏みにじって唾吐きかけたが如く馬鹿な真似したのが凸の同僚にいましたね〜(笑)
そこんとことどうなんすか凸さん?
860通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 18:47:38 ID:???
つーか、展開的には良くあるパターン(恩人が悪い事考えてるんで止めようとするってのは)と思うけど見せ方がな…
時代劇だと、何度も説得するけど聞き入れられず捕まったりしたところを、主人公が助けに来て
もうこれしか方法がないと敵に回るって展開が王道なんだが
861通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 19:03:02 ID:???
>>860
議長が手を回すのが早かったからな。説得の暇も与えなかった
運命・伝説の受領の際、反対意見言った時点で既に銃持ったレイが待機済み
→キラと会ってた写真とかチラつかせて従うならよし、従わなければ即抹殺と。

ここまで狡猾なキャラそうはいないし
どうせなら真っ向からのガチバトルでなく、知略を駆使した戦いにすればよかったのにねぇ。
862通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 19:20:39 ID:???
抹殺も何も兵士殴り倒して勝手に逃げ出したのは凸の方だろ 脱走の前科持ちの上
独断で敵と接触して報告せず 戦果を上げた部下に暴行等
処罰される理由はごまんとあるしな
863通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 19:28:23 ID:???
名無し「ミンチよりひでえや」

凸ハゲが↑みたいな最期か、>>858みたいになったら、みんな満足なんだろ?
864通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 19:31:12 ID:???
結論、王道が作れない人間にまともな作品は作れない

…とマリオの生みの親の宮本さんもおっしゃってた
865通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 19:32:33 ID:???
>>863
凸は殺す価値すらない
周囲に見捨てられて孤立するくらいでおけ
866通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 20:11:20 ID:???
>>865
殺さないといけない理由ありまくりだろ
力だけはあって、世界の害悪にしかならないんだから

むしろ三馬鹿+α皆殺しの後、オーブ滅ぼすかクーデター起こすかして、
孤立無援の天涯孤独になったカガリに冷たくor高らかに言い放つ方が、シンの復讐の
総仕上げに相応しくね?
867通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 22:27:59 ID:???
>>866
そんなの読んで面白いか?
868通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 22:29:58 ID:???
>>867
その人ここに粘着してるラクシズアンチの皮被ったシンアンチっぽいからスルーしたほうがいいと思う
869通常の名無しさんの3倍:2011/01/31(月) 23:03:40 ID:???
>>867
書き手次第でヘイトにも痛快娯楽復讐譚にもなり得る
870通常の名無しさんの3倍
>>868
A3氏に言い掛かりつけてるのも同じ奴かどうせ同類だろうね。
まだバレてないつもりらしいのが笑えるが。
>>852
これまた続きが楽しみですGJ!
また倉庫に登録もさせて頂きたく思いますので、メインタイトルをお考えでしたら
お知らせくださいませ。