乙です
「うん、いいね。敵の脳波をサイコミュで
>>1して乙できれば、対応は速くなるからね」
>>1乙!!ゴッド・フィンガァァァァァァァァァァァァアァァァァ!!!!
「世の中を動かしてきたのは、一握りの
>>1乙だ!!」
・・・ちと無理があるなorz
やっぱスレは1本でいいと思うのよね
お前がそう思うならそうなんだろう
お前の中ではな
>>1GJ!!
>>10 誰も使わなくて維持の為に保守が必要になるまでは続行だろ?
自治厨どもがうっせーから現状維持でいいよ
自治厨がでしゃばらない状況になるように自重できればいいんだけど
それが出来ない幼稚な奴も多いんでね
1スレにまとめたらそれこそ雑談だけでスレ埋まって投下どころじゃなくなるしな
なら雑談は向こうでしてやれよ紳士どもw
スレが進んでいたら、スレに人が居てある程度人気という証明だから
SS職人が投下しやすい(また、新たな職人が誕生し易い)
ところが進み過ぎたら職人が投下しにくい
何事もほどほどが大事ということさ
要は空気読めって事だろw
こちらマリーダ、ピーマン出る!
誤爆、スイマセンでした
ピーマンいらないよ
青椒肉絲美味しいよ
ピーマンの肉詰め、YESだね。
ピーマン抜きのナポリタンは味気ないと思うんだ。
シャアとアムロの仲が良い(?)と和むなあ
なんか急に流れが止まった様な…
規制か?
紳士達が考察スレを駆使するようになっただけかと
確かに考察スレはその役目を果たしているな。
いいことじゃないか。
此れで舞台は整った。あとは投下を待つばかりだね。勿論全裸で!
花見の場所取りしつつ全裸待機!
は流石に不味いかw
もしもシリーズで完結してる作品てある?
>>37 このスレ絡みでは無かった筈。>完結作品
他のスレだと自分が知ってるのはXのが二つ(うち一つは外部移転後に完結)、Zが一つくらい。
>>38 サンクス
CCAは面白いのが多いのに完結作品がないのか…
Zは2つ Xが3つ Wがひとつ
俺が知ってるのは
ルナマリアスレで2つ完結してた希ガス
ってか、これ雑談スレでやろうぜw
side A読み直してる。
400氏早く来てくれーーーー
side Aがそのまま続いて行ってたらそのうちナタル指揮下のドミニオンに
MS部隊率いるアムロが乗り込んでくるんじゃない?とか思ったりしてた・・・
虚しいな……
45 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/03(土) 09:42:56 ID:S3xWTILL
投下こないな〜
年度末年始は忙しいからな
400氏と98氏ってどうなったの?筆折ったん?
side Aはアムロ機の新型とかクルーゼとムウのニュータイプ覚醒とかアスランの覚悟完了とか色々仕込んであって……
続き読みたいよー
どうも、787です。
突然ですが経過報告であります。全体のやっと3,4割まで到達しました。今回は思った以上に長くなりそうです。
何故だか2ch「だけ」テキストが横になっててすっごく読みづらい。PCの以上だろうか?
テキストが横の意味がちょっとよくわからない
どんな状況なの。スクショうp
ブラウザ違うの使ってみても?
グーグールクロームとかサファリとか?
>>54 私はサファリを使ってます。
そして、混乱させて申し訳ない。
漢字・カタカナ・ひらがなが全て左に九十度傾いていたんですが、
システム復旧で3月31日までPC逆行させたら
直りました・・(驚)。何があったんだろう?
同人誌をネットでDLしたのがまずかったか?
>>55 関係ないんじゃないですか?
こっちなんて五十冊以上おろしても何の異常もないし。
>>47 砂漠降下辺りで飽きるのはどの二次スレでも非常によく見られる現象
ゼロ魔二次で言うギーシュ、アルビオンか
>>56 確かに関係ないね
量じゃなくて何を、だろうから
量を増やせば危険度が上がるってだけでしかないし
>>57 つまり飽きずに書き上げた嫁はそれなり評価に値するということか
やはり素人とプロでは意識が違うと
・・・んなわけねーだろ
どんな出来だろうと最後までやり遂げるのと途中で投げ出すのなら
前者の方が評価が上に決まってるだろ
そんなことも分からんのか
とりあえずもちつけよ
ここで話す話じゃない
のん兵衛氏も規制に引っかかってるのかな?
保守
何度も申し訳ない、787です。
Safariがやはり不調なので、google chromeに変えたらちゃんとした表記でした(汗)。
今週は金曜以外バイトはなく学校もガイダンスのみ!
今週末には投下できるよう頑張りますので・・。おさわがせしました(・ω・)ノシ ソイデハ〜
あんたの日記帳じゃないんだがな…
>>66投下は作者氏の近況に大きく影響されるから、まあいいじゃないか。
まあ、投下予告も兼ねてるから俺はOKなんだけどね
土日も投下なかったのか・・・
のん兵衛氏まだ忙しいのか。
経過報告がなければ逃げたと言い、あれば文句を言うなど
これでは人としての品性を求めるなど、絶望的だな
こういう考えの奴が少数派であると信じたいな
ここまでが俺の自演
そう、自演するのもこの私!
全部貴様仕業だったのか!
お風呂を出る時、水道の蛇口で背中をゴリッとやるのも!
そうだ、小指に絶妙のタイミングで箪笥をぶつけるのも私の仕業!
じゃあ小指の爪が変色したのは貴様のせいか!
酷い荒れようだ。黙って待機しようよ。
艦首ハイメガキャノンスタンバイ!!
目標、
>>66と座標
>>73から
>>77を掃射っ!!
よーいっ!!、……ファイエルッ!!
スレと関係ない話が100レス近く続いてるのは荒れてるとは言わんのか?しかも雑談スレが他にあるのにだ。
まあ突っかかる奴が一番悪いが、787氏も少しプライベートな話を自重すべき。
パソコンの調子は投下に関係するとしてもだ。
あれぐらいいいんじゃないの
俺の書き込みで85レス目だが
100レス…だと…?
……なんて下らねえ揚げ足取りだ
>>82 >スレと関係ない話が100レス近く続いてる
そんなのいつもの事だろ
もっと続くことさえよくある
それがこの紳士達のスレ(笑)
ともかくほどほどが一番なんだけど、基準なんて人それぞれだから荒れる要因になる
言い過ぎてしまうと、職人と住人の関係にひびは入ることは明白なんだけどな
こういう時、他のSSスレでも思うのは、住人が奔放に好き放題やっているのに、職人には自制を求めるのかとは思う
ただ、職人が言いすぎると確実に荒れる危険性があることは事実なんだが
つか、毎度ながらこの流れは火を付けたがっている奴が紛れている感じだ。スルー検定開始の合図だな
真面目か
マヌケ
自治厨がすっこめば丸く収まる
スルー検定開始の合図だな(キリッ
お前その前にどんだけ書き込んだか自分のレスを見てみろよw
まぁしょうがないだろ
アスペルガー症候群なら空気なぞ読めるわけが無い
アスペルガーがアナベルガーに見えた・・・
いや単純にだな
>>66は787氏が好きじゃない
…ってのが真相じゃね?
こんなところで真相なんかわかるかアホ。
それとも何か?ニュータイプですか。
子供はみんなニュータイプ!
>>95 ああ、それは私にもそう見えた。
>>66も、スルーの魔法を使えよ な?
一人称が私とかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ま、私らにできる事は、職人諸氏が投下するのを静かに待つだけだよ。
全裸でね。
>>100 社会人なら寧ろ「私」の方が普通なんだがな
掲示板初心者のリア充なんじゃね?
まぁ学校も始まる頃だし、少しは静かになるだろう
投下予告が来るまでは、半裸待機といこうではないか
それも私だ
経過報告であります。
7話がもうそろそろ7,8割に達しそうです。
明日明後日には投下できそう。
それと、変な流れの原因はやはり僕のようで・・本当に申し訳ない。
>>108 いちいち経過報告〜とか日記帳みたいなことしてるからじゃないの?
>>109 職人さんがSS投下の機械と勘違いしてないか?
職人さんだって人間なんだから、話したいことだってあるだろ。別に長文の日記を書いているわけじゃないし
経過報告だって、報告がないと不安と思う人がいる人に対する善意と思って流せよ
しかし氏は、構ってちゃんの気があるのか?
>>109 もうおまえカッコイイ(侮蔑 の判ったから
永遠にROMれ、な?
>>111 787氏は若いのさ
そしていちいち突っ掛かる輩は
坊やだからさ・・・
だがなぁ、毎回職人に対して喋りすぎとか言う奴は何様かとは思うぞ
どこぞのだれかがいつも「職人はまだか?」とか「生きてるのか?」とか言ってるから
一言書いてくれてるのに、書いたら書いたで「いちいち書くから〜」って、気を悪くするぞ、職人さんも。
デーンと構えりゃいいものを弱気になるから付け上がってくるんだろうが
はあ…誰が弱気だって?
焼いた餅に味噌をつけて食うとウマイ
いい感じにくそったれなスレになってきたな
それは結構
それは重畳
それはなにより
idも出ない板で他人特定とかやってるうちはくそったれなままだろ
紳士紳士言ってるクセにスルーも出来ないしな
春だなぁ
出たよ春だなあ厨wwwwwwwwwwwwwww
自分よりレベルが低い書き込みを見つけたら「春だなあ」と書き込むだけの簡単なお仕事です
wを多数打ち込んだレスって、頭悪く見えるよなあ…
wは付けても3つまでだな
そもそもここの住民が待ってるのはのん兵衛氏だけだろ。
>>130 全ての職人諸氏と、未来の職人達を待ってますがなにか?
全裸で
400氏の帰還をいつまでも待ってますが
裸エプロンで
男の裸エプロンとか誰得
ロ、ローラ
>>66 >>130 は
>>95 って結論で、
他の住人は全ての職人と未来の職人を待つのみ。余計な反応は不要。
他のスレに比べてオトナが多いから大丈夫だとは思う。
職人様はアンチが沸くのも結構なことだと笑い飛ばせばよろしいかと。
職人が善意でSSを投下して下さっているという事実を、我々は認めなければいかん
我々が謙虚さを失えば、それは住民全体の増長を招き、結果的にスレが崩壊する
我々が我々のためにSSを共に楽しむには、それだけは何としても阻止する必要がある
>>135 いやでもマジでローラかわいくね?はっきり言って歴代ガンダムでも五指に入ると思う
付いてるのが非常に残念
シャアの方か
ええい、兄弟スレに帰れシャアと御曹司
だがローラはもらっていく
判らんのはどうして御曹司はローラにだけ倒錯してしまったのだろう?
なんか幼い頃に性的虐待受けてそれが影響しているらしい。
たしか小説版ターンAで見た気がする。
つまり非公式か
「アムロ→ロラン」で尻取りになってるだけでなく、“ア”で始まり“ン”で終わっていることを最近教えられた。
うわぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああああ
りつぅぅぅぅぅぅぅぅぅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううーーーーーーー
彼氏なんて嘘だと言ってよバー――ーニ―――――――――――ッ
うわああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!
誤爆でした スイマセン
…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
病院に行って見てもらって来い
頭のだぞ
>>149 か○なぎとか同○生2とかみたいに頭のおかしなことすんなよ
とりあえず回線切れば
律に彼氏でも居たのだろう
しかし露骨に萌え方向で作っといてそういう展開にするのって誰得なんだろ
オタ商売なのに反発招いていいことあるのか素直に疑問
こんばんわ。顔を出すのが少々恥ずかしいですが、787です。
第7話をこの間の宣告どおり投下します。
此度はちょっち長めですので、途中時間を空けることにしました。
次から投下します。
〜すべての誤りには三つの段階がある。
第一は、誤りが生まれる段階。
第二はそれを誤りと認めようとしない段階。
第三は、もはや取り消そうにも取り消せない段階。〜(フランツ・グリルパルツァー)
機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第7話
「アスラン・ザラ?」
シャア・アズナブルは、帰艦した直後、
血相を変えたホーク姉妹と、硬い表情をしたレイが口にした名前を、
頭のメモリーから引き出していた。
(確か、二年前の大戦で名をあげたパイロットだと聞いたが……)
今カオスから下りてきたパイロットがそうなのだという。
彼は機体の方を向いて、顔を確認すると、
「……彼が、か」
見てみれば、出撃前オーブの代表の傍らにいた少年ではないか。
合点がいったような、いかないような、何とも複雑な気分ではあった。
「間違いないのか?」
「そうですよ!
だって、ブリッジで議長とオーブの代表さんが揃って『アスラン』って!」
オーブの代表の護衛がだよ! ……と、興奮気味にまくし立てるメイリンをよそに、
シャアは即座にロッカールームへ駆け込む青年の後ろ姿をじっと見つめていた。
「それにしても、なんで名前まで変える必要があるの?」
着替えが終わり、レクルームに向かう途中、ショーンが言う。
そこまで話題にあげたがるほど、そのアスランという人間は有名な男らしい。
ただ新聞やTV、インターネットで流れている情報からは読めないイメージ、
少々新鮮だったので、黙ってその話題に耳を傾けることにした。
〜アスラン・ザラ。
先々代議長兼、A級戦犯パトリック・ザラの息子。
クルーゼ隊の一員として前大戦で活躍。
連合の開発した『ストライク』を撃破し一躍名をあげる。
しかし父親の極右思想に反発し軍を遁走後、ラクス・クラインが結成した三隻同盟に参加。
終戦後は謎の失踪。
簡単にまとめてみるとこういう経歴らしい。
支援
光速を超えた音速で支援
支援砲撃
o、 o、
キュラキュラ / /
, o , o
// //
| |(*゚Д゚)|
∩ >->_>->_
((_(∴ヽヽ\(∴
〜〜 /oヽヽ ,>─>ヽ
く。◎◎)=)__/)=)
どういうことだ・・・
まだ脱ぎたりないというか
規制くらったorz
女性陣には、行方知れずの英雄がこんな所に! という興奮があるらしい。
ただ、それほどの男が名前を変えている。
名前を変えなければならない状況に追い込まれたのか、もしくは、
「何かから逃げているのかな、彼は」
「逃げ、ですか?」
「あのアスラン・ザラが?」
シャアは先頭のシンやホーク姉妹らには聞こえぬように言い、
傍らにいたレイとノエミが彼に問う。
「いや、初対面の印象だけだが、ルナマリアたちが言うような英雄と言うより、
ただの悩める少年にしか見えなかったからな。
名前を変えねばならない状況は、国を追われ隠れ住んだり、
本人だとばれぬようにして組織に入る時だったりと、
あまり公に語りたいような内容ではない」
キャスバル・レム・ダイクンという名を、エドワウ・マス、シャア・アズナブル、
そしてクワトロ・バジーナと変えた時の状況を、彼は思い返していた。
ザビ家の手から逃れるためエドワウを名乗り、
ザビ家への復讐のため、シャアと名乗り、
そして、キャスバルとシャア。
この二つの名前に生まれた『重さ』から逃れるため、クワトロと名を変えて……。
あのアスランという少年も、そんな自分と似ているのではないか?
これは押しつけに近い憶測であるが、シャアはそう思った。
ふと、レクルームの入り口でシンらが一度立ち止まっている。
誰かいるのだろうか。シャアが彼らの後ろに立ったとき目に入ったのは、
レクルームのベンチに一人腰かけた、紺の髪の少年であった。
「……入るなら早くしろ」
シャアは突っ立ったままのシン、ルナ、ショーンの背をトンッと押し、
慌てて三人とも中へと入った。シャアと後ろ二人は少量のため息をついて後に続き、
アスランはそんな様子をじっと見つめていた。
「それにしても、こんな所で『アスラン』に会えるなんて、正直びっくりです」
ノエミがフリーメイドの自販機から取り出したコーヒーを、
アスランに手渡して問うた。彼は少々苦い顔をしているが、否定はしなかった。
ホーク姉妹ら女性陣は興味津々と言った面持ちで見ていたし、レイは何も言わないが、
こちらも興味ありげにじっと見つめている。
ただ一人、不機嫌さを隠そうともしない少年がいる。……シンだ。
「二年ぶりなんですよね? だとしたらすごいですよ、カオスをあそこまで……」
「よしてくれ、緊急だったからMSに乗っただけだよ」
「だから、もう乗らないと?」
挑発するかのように、言葉を重ねるノエミに対し、アスランも気に障ったようで、
キッと彼女をにらみつける。そこに、シンが割って入った。
「よせよ。オーブなんかにいる奴に! 何を聞いても無駄さ」
「「シン!」」
咎めるシャアとレイを見向きもせず、シンはレクルームを飛び出した。
レイがこの始末は私がと言って、即座に彼の後を追いかける。
会話するような空気から一転、重々しい雰囲気に包まれ、
女性陣も気まずそうに部屋を後にした。
「……私の部下が失礼した、すまない」
「あ、いや、気にしてないですよ」
もう一度ベンチに座り直した彼の隣に、シャアも腰を下ろした。
「彼はオーブ出身のはずなんだが……、
まさかあのような物言いをするなど」
そう言う彼にアスランは驚きつつも、平静を保って返す。
また、何かを押さえつけ、責めているような表情を浮かべる彼に、
「今回は、君に艦を助けられたな、遅ればせながら礼を言うよ。
しかし、私も解せん。君はどうして、再びMSに乗る気になったのだ?
今の君は元英雄でこそあれ、ただの部外者に過ぎん」
「それは……」
シャアの問いに彼は言いよどみ、一呼吸置いて、
「わかりません」
「……わからない?」
「ええ、デュランダル議長が薦めたからとか、クルーの期待に応えるとか、
そういうのじゃなくて。何でしょう。
……なんかこう、自らの胸中に滾るモノに押されたって言うか……」
シャアは彼の言うその『何か』に、大方察しは付いた。
恐らく彼も、気づいているのかも知れないが、口にはせず、
「自分を突き動かすその『何か』に、負けたんですよ、俺は」
そう言って、彼も立ち上がりレクルームを出る。
(……彼は自分が嫌いなのか)
強烈なまでの自己嫌悪と満足感。
まるで、MSに乗れて喜んでいる自分と、それを責めている自分が真っ向から対立し、
どう収拾を付けるべきなのかがわからない。そう言っているように感じる。
「もっとじっくり話せればいいのだが……」
シャアはそうぼやいて、彼も部屋を後にしようとした。
Pilililililili!
その時レクルームの内線が鳴り、シャアはそれを手にとって、
「こちらレクルームだ。どうかしたのか?」
「私よ、シャア」
耳に聞こえてきた声に体がこわばる。
相手は艦長であるとわかってはいるのだが、何故か脳裏に、
『私は4歳ごろのキャスバル坊やと遊んであげたことがあるんだよ。お忘れか?』
と、忌々しい顔がよぎる。そのイメージをシャアは必死に振り払い、
「艦長、何か」
「ちょうどホットラインで議長に連絡があって……」
その後彼女が口にした言葉は、彼を真っ青にするのに十分な効果があった。
トニたけの漫画のキシリアにびびりまくってるシャア思い出した
「ユニウスセブンが動いている! ……一体何故!?」
士官室の一つの中に、五人の人間が顔を合わせていた。
ギルバート・デュランダル、タリア・グラディス、カガリ・ユラ・アスハ、アスラン・ザラ、そして、シャア・アズナブル。
デュランダルの元にもたらされたのは、前大戦の開戦前、
『血のバレンタイン』によって破壊されたユニウスセブンが、地球への落下コースを取ったというものだ。
「それは此方でも調査中です。しかし、動いているのは事実なのですよ、アスハ代表」
デュランダルはいつもの表情を崩すことなく彼女に言い、この時の彼にシャアは感心した。
しかし、何とも居心地が悪い。彼女の何でという言葉が、さも自分に向けられている様な気がする。
数週間前に隕石落としを実行した張本人であるから仕方のないことであるが、
彼はこの事態が自分自身に向けられた皮肉にも感じられた。
カガリ嬢の隣にいたアスランも、動揺を抑えつつもデュランダルに、
「ですがユニウスセブンは『おそらくあと百年単位で安定軌道にある』
と言われていたはずではないですか……」
「隕石の衝突か、もしくは……」
「人の手によるものか、でしょうな」
「「「……えっ!?」」」
「………………」
デュランダルの言葉に重ねて、そう言い切ったシャアに、
カガリ、アスラン、タリアの三人は驚愕する。デュランダルは黙って、彼の顔を見た。
「人の手って、どうしてそんなことを」
「あれだけの質量ですから、まず最初は隕石の衝突が挙げられるのは確かです。
ですが、本国からコロニーが動くほどの隕石が接近したとの情報はない。
しかも、場所は本国のすぐ近くなのです。……隕石が原因という可能性はほぼゼロでしょう。
……だとすれば」
「人が動かした……と?」
「然り」
シャアの言葉にカガリは青くなり、アスランは慌てて彼女の体を支えた。
デュランダルが、何かを思い出したかのように口を開き、
「そういえば……」
「どうかしましたか? 議長」
タリアの問いに彼は、
「私が議長に就任したばかりの頃の話だが、
本国のある工廠で、試作型宙域用モーターが少しずつ消えていった事件があったな」
彼によれば、それは太陽風を利用して推進力を生み出す新型で、
大質量の物体も数があれば簡単に動かせる代物だったらしい。
少量ながら生産されたが、実用性に少々難があるのがわかりお蔵入りとなったのだという。
使用する予定もない物品であったので、調査も短期間で打ち切りとなり、あまり気にする余裕もなかった……というのが、彼の話であった。
「まさかそれが使われているとすれば、可能性は無くはない」
「そんな……」
「だとすれば、首謀者は捕らえるべきかと」
シャアの言にデュランダルも頷き、
「姫には申し訳ないが、先程私は艦の外装の応急処置がすみ次第、
至急ユニウスセブンに向かうよう手配しました。無論、本国からは破砕用具も届くはずです」
デュランダルは、カガリ嬢にまた厄介事に付き合って頂きたいと頭を下げ、
「幸い、この艦は場所も近いので。姫にもどうかご了承を……」
「無論だ! 私たちにとって……いや、むしろ此方にとっての一大事に、
其方が手を貸してくれると言うなら、喜んで」
@\ @\
\(´∀` \ >
_()二)_(/~'ー,~~7.(≦)
==ニ)]_] _迂〕 ,叉「」瓦〈‐|_|
Li 弐ノ 「ioiヲ_上.]|二|
|^ーi| | る!
◇-||◇┤
∠三0/i二i0
「地球への衝突コースって、本当なの?」
「うん、バートさんが気づいて、私にみんなに伝えなさいって」
一方、レクルームに再び集まっていたシン一同にも、
ユニウスセブンの軌道にズレがあることが、別ルートで知らされていた。
ルナマリアが髪をかき上げ、イライラを隠すことなく、
「全く、アーモリーワンじゃ新型を取られるし。
それも収まってないのに今度は何!? どうなってんのよ!」
何やら妙な雲行きじゃない? とルナマリアは続け、皆もそれには同意見であった。
直感であるが、この二つの出来事が何故こう見事に合致するのだろうと、
みんな考えていたのである。考えすぎだろうという思考も合致していたが……。
「で、そのユニウスセブンを私らはどうするの?」
ノエミの言葉に、一同は考え込む。そして、一番に口を開いたのは、レイだった。
「砕くしかない」
あっけらかんと言い放った彼。それに、ショーンとメイリンは顔を合わせ、
「「砕くって……あれを?」」
「ああ。コロニーほどの質量がある物体が、すでに地球の引力に引かれているというなら、
軌道の変更など考える余地はない。……『破壊』、それしかもう無いだろう?」
「でも、でかいよ、あれ!? そんなもの、どうやって砕くのよ」
ノエミがレイに言う。
「しかし、衝突すれば地球はどうなる? そこで暮らす生き物は……」
ごくりと、息を呑む者も中にはいた。直径数キロにも及ぶ小惑星が地球に落ちる。
もしそんなことになれば、
「何も残らないぞ?」
「何も……?」
シンが小さく呟き、この中の誰もが、シンがオーブ出身であることを思い返す。
想像するのも恐ろしい、凄惨な光景が眼下に広がることだろう。
「地球、滅亡?」
「だな……」
ヴィーノが言葉を絞り出し、ヨウランが少々他人事のように返す。
彼は肩をすくめた後、緊張を払うためなのか知らないが、
口にしてはならない言葉を言いはなった。
「でも、しょうがないんじゃない?
……これで地球とのゴタゴタが無くなると思えば案外……」
「よくそんなことが言えるな! 貴様は!」
耳をつんざくように高く大きな声が、突如レクルームに響き渡った。
ヨウランは飛び上がり、彼の言葉に絶句していた一同も一斉に入り口の方を向く。
そこに立っていたのは、瞳に怒りの炎を宿し、金の髪が逆立ち、
周囲に熱気が立ちこめるほどの怒気を放っている、カガリ・ユラ・アスハであった。
「もう一度言ってみろ! 案外、なんだと言うんだ!」
「いや……それは」
「これがどういう事態か、地球がどうなるのか、どれだけの人間が死ぬか!
ちゃんとわかっての物言いだろうな!」
ぐっ、とヨウランは言葉に詰まり、皆も返す言葉がない。
ただ約一名、皆とは逆に嫌悪の感情を急激にふくらませる者がいたことには、
気づく者は誰一人いなかった。
「……すいません」
「あれだけ大変な思いまでして、デュランダル議長の下で変わったんじゃないのか!?」
ヨウランは頭を下げた。冗談といえども、言って良いことと悪いことはある。
その分別を無視しての発言であることも、彼はわかっていたのだ。
しかし、粛々とした雰囲気をぶちこわす発言が、部屋に響いた。
「別に本気で言っていた訳じゃないさ、ヨウランも。
そんな事もわかんないのかよ、あんたは」
カガリと、その後ろに追従していた人間が顔を驚愕に染め、
レイ達同僚一同は、
(しまった!)
性格的にも、彼の経歴から見ても、この雰囲気の中彼女に噛み付きかねない男が、
この中に一人だけいたことを思考から外していたことに心底後悔した。
「シン、言葉に気を付けろ!」
シンの隣にいたレイが彼を制そうとしたが、シンはそれにすら、
「あ、そっか。この人偉いんでした、オーブの代表ですもんねぇ」
「お前!」
「落ち着いてください、代表」
無礼にも程がある態度に、頭に血が上っていたカガリも激昂し、
彼につかみかかろうと仕掛けたが、後ろにいた少年に腕をつかまれた。
少年は丁寧な言い方であったが、部下が押しとどめるというより、
むしろ少年の方が彼女に命令しているかのような印象を受け、シンもその雰囲気に押された。
しかしなおもにらみ合いを続ける両者の間に割って入った少年、アスランは、
「君はオーブが嫌いなようだな……。だが何故だ?
もし、くだらない理由で関係ない代表に突っかかるのなら……
「くだらない……? 関係ない……?」
シンの表情がみるみる恐ろしい形相へと変わり、
「そんなこと言わせるか!」
目の前の者に向けられた殺意、憎悪はその場にいた全員を一瞬硬直させた。
「俺の家族は、オーブでアスハに殺されたんだ!」
レイも、ルナマリアも、メイリンも、ショーンも、ノエミも、ヨウランも、ヴィーノも、
そしてカガリとアスランも、その言葉に凍り付く。
シンが見つめているのは、その口にした姓を持つ一人の人物。
「国を、あんた達が掲げた理念とやらを信じて。
信じていたんだ! 中立国が焼かれるわけ無いって!
でもあんた等が招いたのは何だ! 連合の総攻撃だっただろ!
俺の父さんも、母さんも、妹も…………最後の最後にオノゴロで死んだ!」
理念を守ることを優先し、国民の命をないがしろにした、あの男。
目の前の女の父親、ウズミ・ナラ・アスハを、心底憎んだ言葉。
「あんたはあの時何してた! 人がいっぱいあの時あの場所で死んでいったってのに!」
生き残ったあげく、責任も取らずその地位に居座り、
綺麗事を守って国民を守らず、一度は国を亡ぼしたくせに。
「俺はあんたを信じやしないし、オーブなんて国も信じない!
あんた達は、自分の口にした言葉で誰が死ぬかとか、真剣に考えたことがあるのかよ!?」
シンの剣幕に何も言えない一同を尻目に、彼はそう吐き捨てるとレクルームを駆け出た。
_
D_|∩|_ニニニコ
.´ .´::::ヽ
n| |:::0::| F
U8 ヽ:::::ノ/ F
[□)二二◎/ 支援砲撃いきまーす
,、-、 __
,r'´,.r.'゙二_=
/ ./ 二=ー _
/ ̄/ _,、-、二=ー
=‐ハ=- __,,.....、-=ー」´ムt.'´| __
<三/=-,、-__二_ー-,、三≡-.、.ム三≡=
/ー/ ´.//TT.>、ヾ.三三三7== / __
/ / / /.iニ(__)ニl .〉、三三´l / /三≡=
/三≡. ! ヽヾ⊥レ'/三`丶、.::l{__.ノ
l_ 'ー-、!  ̄| ̄ 三三三≡r'ム/二=
(ニ=、 ヽ=‐__!__ 三=-/三,ィ′
\ノ〉二--二`'‐.、三三!´=-
い-`==‐`ヾ人三/=-
``¨^ー'''ー⌒ー‐'′ ̄
「本国より、ジュール隊がメテオブレイカーを持って先行せりと報告が入りました!」
「うむ。……タリア、こちらもそろそろ動こう」
後部シートに腰を下ろしたデュランダルが、タリアに告げ、
ミネルバはユニウスセブンへの足を速めた。
現在、ザフト製戦艦の中で最速を誇るミネルバなら、
ユニウスセブンに到着するまでそう時間はかからないはずである。
「だが、地球軍の動きも気になります。
今になっても、月から艦隊が出港したとは聞いておりませんし」
「……今から出たとしても間に合うまい。全く、何を考えているのやら」
ブルーな気分を隠さず、デュランダルは大きなため息をつく。
「地表から核ミサイルでも撃てば事態は解決しようが、
そうなれば本国の民衆がどう動くかわからん。困ったことになった」
「我々とて、生まれたのは宇宙でも、地球は『母』も同然ですからね。
可能なことは全て、やってみなければ」
「うむ」
※※※※※※
「……カガリ、入るよ?」
アスラン・ザラは、カガリに与えられた部屋のドアを開け、中へと入る。
カガリは机の前の椅子に腰かけ肩を落とし、俯いて彼に背を向けていた。
机の上に、アスランは自販機から取り出したばかりのジュースを置き、
落ち込む彼女の前にかがみ込んで、言った。
「そう落ち込んではいられないぞ、カガリ。わかっていたはずだろ?
政治家になった以上は、自分に浴びせられる批判や糾弾にも耐えなきゃならない」
「わかってるよ、そんなこと。……でもあんなふうに、お父様のことを」
涙声でそう言って、カガリはアスランの胸に顔を埋めた。
そう、薄々感じてはいたのだ。
二年前にオーブ代表となり国内を飛び回り、政務に当たる中で。
〜アスハの名に対する反感や憎悪
〜政界の事情などこれっぽっちも知らない小娘への侮り
それは、父ウズミがとった前大戦での対応で家族を失ったあの黒髪の少年や、
オーブを支えてきた下級氏族、今は政府を実際に動かしている連中だが、
彼らのような人々から浴びせられていたものなのだろう。しかし、カガリはそれと向かい合いたくなかった。
それだと、あの父が行ったことが『悪』のように感じられてしまうから。
最後に自分をなでてくれたあの時の、父の優しい微笑みや、そのたくましかった手の感触。
それら全てを、否定してしまうものに感じられたから。だが、叩きつけられてしまったのだ。
ハッキリとした、憎悪の言葉と共に。
「仕方ないことだよ。わかってくれと言っても、今の彼にはきっと通じない。
彼も、自分の気持ちを抑えるのに必死なんだ」
アスランはカガリの頭をなでながら、彼女を落ち着かせようと彼女に優しくささやく。
「君にはわかるだろ?」
カガリは抑えていたものが決壊したかのように、彼の胸の中でむせび泣く。
彼はそれを黙って受け止めることしかできなかった。
シンは黙して格納庫を一望できる控え室からインパルスを眺めていた。
正直言って、今はルナやレイとは顔を合わせたい気分ではない。
これまで彼らにすら黙っていたことを、ああいった形で皆に知られてしまうとは、
自分の血の気の多さが悔やまれるところである。今はまだ、同情の念を向けられたくはない。
先程、カガリにぶつけた言葉は本音だ。
ウズミのとったどっちつかずの姿勢は連合の反感を呼び、結果、自分の家族はあの場所で死ぬことになった。
自分は今でも、あの時の光景を夢に見る。
〜巨木に押しつぶされた父親だったもの
〜岩壁に叩きつけられた母親だったもの
〜そして、手が引きちぎれていた妹だったもの
「う……」
シンは咄嗟に口元を抑え、襲ってくる吐き気を押さえ込んだ。
アレがいつも厳しくもたくましく優しかった父なのか?
アレがいつも暖かく自分を包み込んでくれた母なのか?
アレがお兄ちゃんと自分を慕ってくれていた妹なのか?
突如、控え室の戸が開き、シンは咄嗟に振り返ってその人物が誰か確認すると身をこわばらせた。
入ってきたのは、赤いパイロットスーツを着込んだMS隊隊長、シャア・アズナブルであった。
黙ってはいたが、その顔はシンをじっと見、なおかつ険しい。
恐らく、先の騒動を聞きつけてきたのであろう。シンは身構えて、
「隊長」
「話はレイから聞いた。困ったことをしてくれたな」
口調は予想に反して、比較的穏やかだった。
しかし、言葉の底にはいつも以上の冷たさがあり、シンは彼からプレッシャーをひしひしと感じた。
「政治家の失策を責めるのは何も悪いことは言わんが、まさか本人に直接浴びせるとは」
「それは……」
故郷といえども、今は他国の一パイロットに過ぎない人間が、国家元首に面と向かって批判や罵倒を浴びせる。
それは、一歩間違えば国際問題に発展しかねない問題。
「我慢できなかったのか?」
「はい」
その一言は、シンの心中を現したものであり、シンはそう言って俯くことしかできなかった。
「私はお前の気持ちはわからないでもない。しかし、お前の言動を肯定する気もない。
私とて、今の彼女が政治家に向いている……とは正直言って思えんさ。
彼女は、人を疑うという事、人の汚い部分から目を背けたがっている」
「汚い……面?」
「綺麗好きも過ぎれば害になると言うことだ。しかし……だ」
シャアはシンに向き直り、
「お前の言葉の矛先は、彼女ではあるまい?」
「……」
「その怒りの矛先、それは何なのか、もう一度振り返ってみることだ。
少なくともお前は、復讐に生きるべき人間ではない。
その感情に押し流されると、ろくな生き方が出来なくなるぞ。…………私のように」
「え……!?」
シンは隊長の言った言葉に驚きを隠せなかったが、その隊長本人は、
すでに腕の時計の時刻を見、身を翻して格納庫直通エレベーターに向かっていた。
「行くぞ、シン。そろそろ作戦区域に入る」
「あ、はい!」
シンは急ぎ、男の後ろに付いていく。頭の中に、先程の隊長の台詞を反芻させながら。
やだこのシャアかっこいい
尻借りたい
※※※※※※
数隻のナスカ級戦艦から、数多くのMSが飛び出し、
クラゲのようにも見える廃棄コロニーへと一直線に向かっていく。
ザクウォーリアを始め、ゲイツやジンの姿も見られた。
二機一組で、MS2,3機分の大きさを持った作業機械、『メテオブレイカー』をひっさげている。
人工の大地は広く、その各所にMS隊は散らばっていく。
その光景を、物陰から見つめる不気味な一団があった。
「おのれ、軟弱者の鎖に繋がれた犬共めが……」
顔に大きな傷のある男が、忌々しげに工作隊を見つめていた。
着込んでいるパイロットスーツは、工作隊が来ている者と同じ、ZAFTのもの。
そして、乗り込んでいる機体も、彼らと同じ、ZAFTのMS。
腰にさした日本刀に似た斬機刀と、
MS本来の機動性を強化する増加ブースターが特徴的な、黒と紫の『ジン』であった。
所属不明のジン達は、各所に散らばったMS部隊の後を追い、
その中の一機、が、メテオブレイカーの設置に取りかかったザクの後ろに躍り出る。
「油断のしすぎだ。まだひよっこだな」
顔に傷のある男、サトー・エヴァレットは、
ZAFT共通の通信チャンネルで、相手に言葉を浴びせるのも忘れなかった。
「我々は二年も苦汁をなめてきたのだ!
貴様等のような者共に、我らの理想を邪魔だてされてなるものか!」
「な、何だ! ぐわっ!」
不意を突かれたザクは何者なのか確認する間もなく、
サトーの駆るジンの刀によって背から腹まで刺し貫かれ、仲間が撃たれ動揺したもう一機の隙をつき、
貫いたザクの影からビームカ−ビンをゲイツの腹にたたき込む。
爆散していく本来友軍であった機体。各地でも、戦闘が切って落とされていることが、
爆発する光で確認できる。
「ここで散った者達の無念を晴らさねばならぬのだ。何故それがわからん!」
サトーは悲しさをこめて叫び、また次の場所へと機体を向けていた。
「ぬぇい! 戦場慣れもしとらん若造ばかり!」
彼は、此方にビームを撃ってくるゲイツの弾をかわしながら、
着実に、その後ろにある物に向かって突き進む。
此方は強化してあるとはいえ、旧式である。にもかかわらず、此方の方が優勢というのは、
サトーの胸中にある種の虚しさを呼び起こす。
彼のジンは滑るようにしてゲイツの懐に飛び込むと、
すれ違い様に右手の刀を一閃させ、左手のライフルでメテオブレイカーを射抜いた。
両断されたジンと貫かれたメテオブレイカーはほぼ同時に爆発し、
「やらせはせんぞ、今更!」
彼の足下にあるものこそ、今の彼が守るべきものであり、
それは守者を失った者達が選択した滅びの物体と化していた。
そして、本来守るべき者達に銃口と刃を向けていると、今の彼らには想像する心すら失われていたのである。
「……何だ!?」
全身をゾワリとする感覚が襲い、彼は前進する機体を急停止させた。
すると、彼の行くはずだった場所に何条ものビームが降り注ぎ、彼は身も冷える思いになった。
その方向に目をやると、漆黒の戦艦が此方に近づいてくるのに気が付く。
ビームが発せられたのは、戦艦でなく、MSだと言うことにも。そしてまた別の方向には、グレーのZAFT製戦艦が見えた。
「あれは……ZAFTの新鋭戦艦と、連合だと!? 何故だ!」
「MS発進三分前。各パイロットは搭乗機にて待機せよ。
繰り返す、各パイロットは……」
「やはり人間の手によるものだったか……」
シャアは目を閉じ、『因果』『業』という言葉が頭を走り抜けていくのを感じていた。
つい先程、ユニウスセブンに先行していたジュール隊が何者かに襲われ戦闘状態に入ったらしい。
ブリッジのメイリンが半ばパニックになって伝えてきて、
シンやレイらも動揺を隠せない様子であった。
「……なんで」
「ん?」
MSに乗る者の中で、シャアの他冷静さを保っていたのは、
カオスを一時的に預かっているアスラン・ザラであった。
「どうして、あんな物を地球に落とそうするんでしょう」
「……どうして、か。難しい質問だな」
「そうでしょうか?」
シャアがそう返したことを、アスランという少年は疑問に思ったらしい。
「人が……死ぬんですよ?」
「だからこそ落とす。という人間もいるのだよ、アスラン君」
この世界には知る人間などほぼいないが、
ギレン・ザビ、デラーズフリート、ハマーン・カーン、そして、シャア・アズナブル。
U.Cにおいて、地球に質量のある物体を落とした人間達。
その中の一人であるシャアには、これこそ皮肉以外の何者でもなかった。
(本当のお前なら、私を笑うだろう? アムロよ)
落とそうとした張本人が、今度はそれを止めようと作戦に参加する。
総帥であった頃の彼を知るものなら、きっと失笑ものであろう。
「それに、今もあれは地球へ落ちているのだ。考える事は後にするのだな」
その時、格納庫内にメイリンの通信が響く。
「ミネルバ、カタパルトオンライン! 各機、発進願います!」
「……了解した。アスラン君、君の事情はどうあれ、今回は私の指揮下に入ってもらう。
それはわかっているな?」
「ええ」
クレーンでカタパルトに運ばれていく、シンのインパルスと、ノエミのブレイズザク。
「シン・アスカ、インパルス、行きます!」
「ノエミ・ジュベール、ザク、出るよ!」
レイのザクもガナーで出撃し、ルナマリアもまたスラッシュで、ショーンのゲイツも、
インパルスを先頭にしてユニウスセブンへ向かっていく。
シャアのザクもカタパルトへ運ばれ、背部にイージーのユニットが装着される。
開かれたハッチの向こうには、着々と地球へ降下する廃棄コロニーと、
その周りでチカチカと光っては消える閃光が見えた。
「シャア・アズナブル、ザク、出るぞ!」
「アスラン・ザラ、カオス、発進する!」
「ボギーワン!? こんな時に……くそっ」
ブリッジから入った新たな情報は、シャアらの心中をかき乱す。
シン達からしてみれば、彼らは同僚を屠った敵であり、
今ユニウスセブンを落とそうとしている連中以上に、憎い存在であった。
それにくわえ、彼らは犯人だけでなく、ジュール隊にも攻撃をかけているそうだ。
「ちぃ、あいつら!」
「あの三機、今日こそ!」
案の定カッとなった、シンとルナマリア、ノエミとショーンの四人が飛び出した。
「奴らは捨て置け、シン! ルナマリア! ……ええぃ」
シャアの制止を聞かず、彼らは加速して、
ユニウスセブンの戦火の中へ飛び込んでいく。
シャアも彼らだけではと後を追い、
「む? ……! やらせるか!」
付いていこうとしたレイ、そしてアスランが地表に目をやったとき、
地表にメテオブレイカーを抱えて降り立ったゲイツが、
今まさに、紫のジンの攻撃を受けようとしていた。
ジュール隊の母艦から武器を持って来ていなかったのか、ゲイツの武装は腰の無反動砲のみだ。
ジンは悠々とそれをかわし、ビームカービンをゲイツに向けようとしている。
レイとアスランがそれに反応し、まずはレイがビームキャノンを低出力で放つ。
牽制である。ジンは即座に右へと軌道を変え、路地だった場所に身を潜めようとしたが、
「ぬえぇい!」
アスランはビームライフルでジンの左右の腕と頭部を打ち抜き、
丸腰となったジンのコクピット部を殴りつけた。
高い硬度を持った物体をぶつけられたジンの装甲はひしゃげ、
コクピットから人間が出られぬようにし、丸腰だったゲイツにジンを渡して、
「本体までこいつを連れて行ってくれ、犯人の一味だ」
「わ、わかった! ……感謝する!」
ゲイツのパイロットはそう言い残すと、ジンを抱えてこの宙域から離脱しようとした。
その時、
「うわぁああ!」
「何!?」
突如、ジンが内部から爆発し、ゲイツをも巻き込んで四散したのである。
「自爆……した?」
レイは信じられないものを見たという心中の気持ちを隠さず呟く。
それはアスランも同じで、呆然とその光景を見つめていた。
「…………」
シャアは黙したままその爆煙を見、小さく息を吐く。捕まるくらいならばいっそと自爆するその様には、
テロリスト側の意地・気概が現れている。
しかし、それに気を取られている場合ではなかった。
「……!? ちぃっ」
此方に襲いかかってくるのは、何もテロリストのジンばかりではないことを、
三人は失念していたのである。
三人めがけて、ビームの雨が襲い、かろうじてそれを避けた二人はその方向に目をやる。
ダークブルーとホワイトのカラーリング、そしてユニコーンの紋章を持ったGMもどき、
そして青を基調とした、奪われた機体の一機アビスであった。
「お前等のせいかよ、『こいつ』が動き出したのは!?」
一方アビスもビームランスを振りかぶり、カオスへと躍りかかり、
アスランは咄嗟にサーベルを抜くと、迫るランスの刀身を受け止めた。
即座にレイはアビスに砲身を向けるが、撃つのをためらった。
アビスとカオスの距離が近すぎるのだ。今ここで撃てば、確実にカオスを巻き込む。
「何故こんな物を地球に落とす!?
これでは地球が寒くなって人が住めなくなる。核の冬が来るぞ!」
あの時と違いつつも似た状況で、あの時と同じ台詞を、同一でありながら別の人間に叫ばれる。
それは、シャアの胸をキリキリと締め付け、
「これは私ではないぞ、アムロ!」
「くっ……、またしても……。
信じられるわけがないだろう! 特に貴様は!」
GMもどきが仕掛けてくるビームと、振るう刃をサーベルで受け止め、
「信じてくれとは言わん! しかし、これだけはお前にわかって欲しいのだ!」
「……何で」
「……?」
「何故貴様は俺にそこまでこだわる!? 俺は貴様の何だ!
教えろ! 貴様は、俺の何だ!?」
「……私は……貴様の好敵手〈ライバル〉だ!」
シャアはスラスターを全開にして奴をはじき飛ばすと、腰からライフルを外して、
姿勢を崩した奴めがけて、数発ビームを浴びせる。
左右に光速で動きやり過ごした彼奴は、シールドを構えて此方の様子をうかがう。
「貴様にはわかるはずだ。……『人の心の光』を見せた貴様になら……」
「『人の心の光』? ……つぅ!」
一瞬動きの鈍ったGMもどきとの距離を、シャアは詰めようとしたが、
左方から感じた殺気によって、動きを阻害された。
ゴウッ
目の前を一条のビームが通り過ぎ、足下の大地を焼く。
「くっ……」
シャアがその方向に目をやると、
ビームカービンを此方に構えたジンが、廃墟となったビルの上に立ち、
此方を見下ろしていた。
その姿と、ひしひしと感じる敵パイロットのプレッシャーは、
先程のジンとは比べようもないほど大きく、禍々しいものであった。
アビスも、其奴の存在に気づいたのか、シャア達と距離を取るように後ずさり、其奴を見上げた。
「……やらせはせん」
通信機の向こうから、壮年の男性の声が聞こえる。
その心底に、無念と憤りが見え隠れして、レイやアスランは怯み、
シャアは何とも複雑な気分にさせられた。
「やらせはせんわ、今更!」
斬機刀で八双の構えをとる、『サムライ』を意識させるジンは、
何処に隠れていたのか、引き連れた数機のジンと共に、シャア達に躍りかかった。
その言葉の中には、こうなるはずでなかったという焦りがあり、
シャアも、GMもどきに乗っているであろう(今は違うとはいえ)アムロも、
困惑と共に奴らの刃を受け止めた。
規制がひどいので、今はここまでです。
続きは少し時間をおいて投下したいと思います。
※※※※※※
一方、シン達も混沌とした状況となっていた。
「こなくそぉ!」
ショーンのゲイツが放った無反動砲の二つの弾が、ジンの腕をひしゃげさせ、ボディを砕く。
しかし、撃破したと思えば、また別のジンが出てくるという、
まるでゴキブリを相手にしている香のような気分である。正直言って、こいつらは気味が悪い。
「一匹見たら三十匹はいると思えって!? 冗談きついわ」
ノエミのザクのトマホークも、メテオブレイカーを狙うジンの姿を捕らえ、
そのビームカービンを切り落とす。
その隙を、シンのインパルスが撃ち貫き、また別の奴は、
「てぇええい!」
ルナマリアのアックスが、相手の日本刀似の斬機刀を持った手を切り落とし、
返す刃で逃げる相手のボディを捕らえた。
そんな彼らにも、別の敵が牙をむく。
緑のGと連合のものらしきブラウンのMSが、
前線で刃を振るうシンのインパルスとルナマリアのザクに肉薄し、
援護しようとしたノエミとショーンにも、一機のMSがうちかかる。
「くそ、こいつ」
ルナマリアは腰からライフルを取り出し、アックスと入れ替えると、
目の前に迫る『GMもどき』に向かって、ライフルを何発か放つ。
(隊長がそう呼んでいたので、隊の皆もそう呼んでいるが、『GM』ってなんだろう? と、最初は思ったものだ)。
当然、向こうも撃ち返してくる。ビームがお互いをかすりつつ迫り、
彼女はそれを避けつつ、目の前のGMもどきめがけてさらに数発みまうが、
一発も掠りもしない。
「こいつ……強……」
ルナは気合いを入れ直すように深呼吸すると、ライフルをまた腰にしまい、アックスを取り出した。
そして腰のグレネードに手をやり、それを自分の足下めがけて投げつける。
すると、激しい勢いで赤色の煙が立ちこめ、辺りを赤い煙が覆い尽くす。
ルナは煙が覆う箇所のうち、MSが隠れるに適した建造物の影に滑り込む。
「あら……先にいたのね」
そこには先客である紫のジンがおり、不意を突かれたそいつは慌ててビームカービンを向けるも、
ルナマリアがアックスを振るうのが早かった。
ピック状の刃でコクピットのみを貫き、爆発せぬようジンを横たえると、ルナはGMモドキが来るであろう時を待ちかまえた。
しかし、ルナマリアの予想は大きく外れ、
「……え!?」
建物の天井を、何かが貫いた。
それは易々とコンクリート製の建造物を貫き、切っ先がザクのシールドの結合部を切り落としていた。
もし、もう少し左に立っていたら……。そう思うと、ルナマリアはひやりとした感覚と共に、怒りが立ちこめてきた。
ビームガトリングを天井に向かって十数発か打ち込むと、勢いよく建物から飛び出す。
そして上を見上げると、建物の屋上に大剣を掲げたGMもどきが立っていた。
「やってくれたわね……」
「自分の思い通りに戦局が動くと思ってるの? バカもZAFTにはいるものね」
「何を……!」
ルナは憤り地を蹴ってGMもどきに斬りかかった。
みるみるうちに距離を詰めた彼女は目の前のMSに向かって右から左へ、渾身の力を込めてアックスを振り抜く。
しかし、GMモドキはそれを大剣の刀身で、まるで流すかのようにいなし、
その勢いを利用して回転すると、後ろ蹴りをザクのコクピットにかました。
「ぐふぅっ」
あまりの衝撃にコクピットは揺れ、ルナは腹に強烈な一撃をくわえられたような感覚に、
思わず吐き気がし、一瞬だけ、意識を手放した。
その隙をついたGMもどきが大剣を構え振りかぶり、ザクを両断せんと振り下ろそうとした。
それを、横から邪魔した者がいた。
「何……!?」
パイロットは不意を突かれ、横から放たれたビームはGMもどきの胸部前ギリギリを通過する。
その方向に目をやると、テロリストのジンが此方に仕掛けてくるのが見えた。
彼らからすれば、双方とも自分たちの目的を邪魔する存在でしかないらしい。
「くっ……命拾いしたね、赤いの!」
GMもどきはルナにむけて言い放つと、迫るジンに向かってスラスターをふかし、
大剣をすれ違い様に一閃させジンを両断すると、建造物の向こう側へと飛び去っていった。
ルナマリアは、コクピットの中で唇を噛みしめていた。また良いようにもてあそばれたあげく、生き恥をさらした気分である。
勝ち逃げされるのがこうも腹立たしいと言うことをルナマリアは知った。
「ちくしょう……、ちくしょう……」
胸中のどす黒いこの感情に引っ張られるように、別の何かが自分の中で息を吹き返したことを、
ルナマリアはまだ気づくことはなかった。
起動に成功し、地中に吸い込まれるメテオブレイカーを、
じっと見守るMSがいた。
ルナマリアが装着しているものと同じ、スラッシュウィザードを装備し、
全体を水色のカラーリングで染めた、ザクファントム。
その見守る先で、地が揺れ、割れ、亀裂がどんどんこの大きな塊を引き裂いてゆく。
しかし、途中でその亀裂は勢いを止め、
「くそっ……、まだ足りない」
水色ザクのパイロット、イザーク・ジュールは、
忌々しげに舌打ちする。
まだ何機か残るメテオブレイカーを、何としても守り抜かねばならない。
イザークも、傍らで砲撃をくわえる彼の相棒、ディアッカ・エルスマンも、
迫り来るジンに向けてビームを放ち、近づいて切り裂くのを繰り返す。
そんな中、一機のメテオブレイカーがまた、起動に成功した。
ギャリギャリギャリッ
耳障りなこの音も、今は心地よい音楽のようにも感じられ、
「グゥレイト! やったぜ!」
思わずディアッカが叫んでいた。イザークも、同じように叫びたい気持ちだ。
亀裂はますます広がり、轟音と共に大地がずれていく。
その向こうに、星空が覗き、このコロニーが割れたのだとわかり、
至る所で、ジュール隊の面々の歓喜の声が聞こえる。
「油断するなよ、貴様等! ……ん? あれは」
嬉しいのはやまやまだがと続けようとした彼の視界に、
白いMSと、それと格闘する緑のMSが映る。どちらもGタイプのようだった。
「……ミネルバの新型か!」
先程、母艦のボルテールからミネルバが到着したと連絡が入り、
通信でミネルバ隊のMSデータが送られていたので、
白い方が、我が方の『インパルス』で、緑の方が奪われた『カオス』だとわかる。
見る限り、どうやら白い方が劣勢のようだ。
「ディアッカ、ここを頼む」
「お、おいイザーク!」
イザークはディアッカにそう言い残し、隊の皆にもまだ作業を続けるよう通達すると、
一人インパルスの援護に向かった。
あの部隊は、どうやら機体を奪った連中と交戦中で、白いのは一機はぐれてきたに違いない。
「手間をかけさせるなよ……」
「しまった、ライフルが!」
シンはというと、焦りを露わに相手の攻撃をかわす一方であった。
ユニウスセブンが割れたことによって周囲に岩塊が飛び散り、
それが交戦中であったインパルスのライフルをはじき落としたのである。
「油断しすぎだ、インパルスのパイロット!」
「……味方か!」
カオスが放ったビームを防いだシンに、激しい気性の声が聞こえてくる。
近づいてくる水色のザクからのもので、シンはそのカラーを許されたパイロットの名を、
頭から引っ張り出して驚いた。
「イザーク・ジュール……」
ヤキン・ドゥーエの戦いで一躍名を挙げたMSパイロットで、
今回のユニウスセブン破砕任務を任された部隊の隊長。
そんな人物が、こんな端っこの場所にいる。
「貴様もさっさと破砕作業に向かえ!」
イザークのザクはカオスの攻撃をかわし、するりと前面に滑り込む。
彼の一閃したアックスはカオスのシールドを焼き切り、
イザークはそのままカオスを蹴りつける。
シンはその、流れるような戦闘に見入っていた。
「あれが、ヤキンの戦いを生き延びたパイロットの力……」
感嘆の声を漏らしつつ、シンは本来の目的を思い出し、
「……了解しました!」
ユニウスセブンに向かうべく機体を其方に向けた後でも、
シンは一部のモニターを使って、後ろの戦闘を見、
あの動きが自分にも出来るだろうかと、思わずにはいられなかった。
すると、闇の向こうにみえたボギーワンから、数個の信号弾が打ち出される。
「……?」
イザークと格闘していたカオス、ノエミとショーン相手に大立ち回りをしていたガイアが、
弾幕を張りながら後退し、一斉に踵を返して母艦に帰っていく。
ボルテールからも、帰還信号が打ち上げられ、
「何なんだ? 一体……」
そう思ったシンの問いに対する答えは、意外にも自分の母艦、ミネルバからの通信で判明することとなった。
※※※※※※
「MS収容後、艦首砲で破壊しつつ大気圏に突入?
MS隊はミネルバに帰投しろ? ……何故こんなタイミングで」
シャアは毒づき、ジンの斬機刀をサーベルでさばくと、
左手のライフルをジンの胴体に押しつけ、ためらわず引き金を引いた。
メテオブレイカーの設置は殆どが成功し、このコロニーは細かく分断されている。
しかし、そのいくつかは確実に地球に落下する高度まで来てしまっているという。
「……そこか!」
シャアは殺気を感じ取り、その方向にサーベルを振るうと、
別のジンがシールドでシャアのサーベルを受け止めていた。
「我が娘のこの墓標、落として焼かねば、世界は変わらぬ!」
「……娘?」
そのジンの懐を蹴り上げ、逆手に持ち替えたサーベルをむき出しになった胸部に突き刺しながら、
シャアはパイロットの言葉を反芻した。
「……一体何を?」
それを聞いていたのか、アスランも驚きの声を上げる。
アスランのカオスに斬りかかったジンからも、同じように、
怨嗟の込められた言葉が通信機越しに響く。
「ここで無惨に散った者達の無念、嘆きを忘れて、
撃った者らと手を取り合って、なぜ笑っていられるのだ、貴様等は!
軟弱なクラインの後継者共によって、ZAFTは変わってしまった。何故気づかぬか!
我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラのとった道こそが、唯一正しきものと!」
「え……!?」
アスランの動きが、止まった。
ジンはカオスに出来た隙をついて、ビームカービンでカオスの右腕を吹き飛ばした。
なおもジンはカオスに迫り、斬機刀を首の関節めがけ突き立てようとし、
「……何!? ビームか!」
ジンのパイロット、サトーは、斬機刀が根本から熔け落ちたことに驚愕し、
刀のような細い物体を正確に射抜いたパイロットの技量に舌を巻いた。
機体をカオスから離したサトーはビームの飛んできた方へ目をやる。
赤いザクである。それは、サトーの僚機をサーベルで貫くのと同時に、
もう片方の手に掴んだライフルでサトーのそれを打ち抜いて見せたのだ。
「レイ、アスラン君を連れてミネルバに戻れ!」
「了解! しかし、隊長は……」
「私は良い。早く行け! 間に合わなくなるぞ!」
相手がひるんだのを察したシャアは、すぐさまカオスに近寄ると残った腕をひっつかみ、
レイのザクへ放った。レイはそれを受け止めると、シャアにも撤退を促すが、
シャアはそれを一度拒んだ。
目の前の、ジンに乗ったパイロットに対して、含むものがあったから。
レイはシャアの声に無言で頷くと、呆然となったままのアスランを連れて、空域を去っていく。
この場に残るのは残り四機となった。
シャアのザク、首領のジンが向かい合い、その二機に対して、GMもどきとアビスはジリジリと距離を取り始める。
その方向にチラリと目をやると、ボギーワンと思しき戦艦が帰還信号を打ち上げたのだとわかる。
シャア個人としては、アムロとの戦闘を続行したい気持ちでいっぱいであったが、
このままでは限界高度も近い。それに、このジンを放って帰還するのはどうにも癪に障る。
あの部隊といずれ再戦するときが来れば良いと願いつつ、シャアは先程切り捨てたジンの残骸から斬機刀を二本手に取ると、
サーベルをランドセルにしまい、ライフルを腰に戻し、手に取った斬機刀を一本、首領のジンに放り投げた。
実体剣ではビームサーベルを受けられない。そう考えた彼は、あくまでフェアに勝負を付けようと思った。
フェアプレーを好むのは彼の悪癖と言えようが、指摘する者は誰もいなかった。
サトーもシャアの意図するところをくみ取ったのか、ビームカービンを放ると、
シャアの投げた斬機刀を受け取る。
「……そこまでの腕があるのなら、何故あのような者らに手を貸す!?」
シャアのコクピットに、サトーの声が響く。最早自分の計画は破綻しているというのに、妙に冷静な声音だ。
「デュランダル議長をそこまで嫌うとはな……」
「当たり前だ。あの男とカナーバは、我らの同胞が血を流して手に入れたものを、
易々と手放したのだ! ナチュラル共に屈した軟弱者共なのだよ!」
その無念は、かつてジオン共和国の面々を『売国奴』と罵った、
デラーズ・フリートの思想に通じるものがあり、シャアは眉をひそめる。
〜愛国心や信念を語りながら、やっていることはあくまで私的な憂さ晴らし
そういう印象すら、先程の台詞からは読み取れた。
「だからコロニーを落とすのか? その同胞とやらと共に、彼らを糾弾する事も出来たろうに」
「黙れ! 貴様に我らの思いが理解できるはずがあるまい!」
サトーは聞く耳持たず、構えたままジンを前方へと加速させ、シャアへと迫った。
「そうか……」
シャアはそう言い残すと、上から迫る刀の刀身をスッと、流麗な動きで避けると、刀を掴む両手に力を加え、振り抜いた。
サトーはその刃を、咄嗟に刀を回転させ受け止める。衝撃は刀ごとジンを押し返し、
降った先で突きの形に持ち替えたシャアは今度はジンの胸めがけ刀を突き出す。
サトーはそれを左に避け、読んでいたシャアは突きだした手をさっと返し、
さけた先にいるジンに追撃をかけた。サトーはそれを受け流し、胴体を回転させると、
「でぇええい!」
「何と!?」
がら空きとなったザクの頭部めがけて、斬りつけてきた。
シャアは機体をかがませ、ギリギリの所でそれをやり過ごすと、逆手に持った刀でジンの左腕を切り飛ばす。
刀を持った右手がまだ死んでいない。サトーは、平突きの構えに入り、
これが最後の一撃と、シャアのザクに躍りかかった。
しかし、如何せん片腕を失っていれば、それだけボディもがら空きになる。
「……そこだ!」
シャアはサトーの一撃をさけ宙を切らせると、左手の刀でジンの首と、残った右腕を切り落とし、
その向こうの背部バーニアをも切り裂いた。
彼は、バランスを失ったジンのボディをさらに殴りつけ、地に叩きつける。
「ぐはぁっ」
サトーの全身に衝撃が走り、彼の意識を一瞬にして奪う。
シャアは、ジンが自爆せぬ事を確かめると、GMもどきの消えた虚空に目をやり、
あの男が一刻も早く元に戻ることを祈りつつ、
「……こちらシャア・アズナブル。敵の首領格を捕獲した。これより帰投する」
ミネルバのメイリンにそう告げ、ジンの脚部をつかみ、真っ赤に染まりつつある大地を後にした。
※※※※※※
「……もう一度、言ってもらえます?」
「申し訳ありません。あの男が捕縛されるとは、想定外でして……」
「言い訳はいりません。確かに、あの男は捕まったのですね?」
「は、間違いありません。先程、『例の艦』の協力者から、報告が入っております」
子供達が孤児院の中に逃げ込むのを、茶髪の少年と壮年の男性が誘導している最中、一人の少女が、電話の前で般若の如き形相を見せていた。
子供達や、少年の前では決してみせぬ顔、その顔のまま、少女は続ける。
「……確かに、ミネルバにそれほどの腕のパイロットがいたとは想定外ですけど、
まさかエヴァレットさんともあろう者がみすみす捕虜に甘んじたのが、もっと意外でしたわね。
やはり、他者の言と威を借りねば何も出来ないお馬鹿さんだったのでしょうか?」
本来は旧式のジンだけでなく、ゲイツも渡す余裕はあったのだが、ミネルバ隊とジュール隊でちょうど殲滅できる程度の戦力しか回さなかったのも、
適度に破片を地球に落とすためであった。だが、それが裏目に出たようだ。捕らえられた彼の口から、自分たちの情報が漏れれば元も子もない。
「お気持ち、お察しいたします」
「ありがとう。『彼』についてはそちらで『処理』してくださいな。
……で、ユニウスセブンの破砕結果はどうなのです?」
「今現在、大きな断片は地球には落下せぬとの正式な見解が出ましたが、
少なくとも、連合の先進地域の何ヶ所かに破片が落下するのは確実かと……」
電話の主の言葉に、少女は少し気を許す。
それならば、きっと地球のどこかに潜んでいる過激派の土竜たちも、その腰を上げるだろう。
それに、地球市民のプラントへの反感も増し、プラント市民もそれに反発するのは必至だ。
だが、
「まだ、足りませんわね」
それだけではダメだ。その状態のまま、戦火が開かれては意味がない。
地球側とプラント側との物量差が絶望的なのは、前大戦で証明済みだ。
ならばもっと、地球側が全力を出せぬように仕向けなければ、混乱はすぐさま沈下へと向かうだろう。
そうなれば自分の出番が無くなる。それだけは避けなければならない。
「中東とアフリカ、東南アジアの協力してくださってる方々にも、発破をかけて下さいな」
中東諸国のイスラム原理主義グループや、アフリカの民族主義者達は、
かつての西暦時代ほどではないが勢力は存在し、連合内で主導権を握る国家に不満を持っている連中が多い。
「……分かりました。やってみます」
「みます、ではありません。……やりなさい」
「は……はい!」
電話の主は慌てたように電話を切り、ツーッツーッと電子音のみが受話器の向こうから聞こえ、
少女は呆れをその顔ににじませてため息をつく。
「もっと自信を持っていただかないと困りますのに……!?」
少女は、背後に近づく気配を察すると、急ぎ受話器を置き、バンと開かれた扉の前に、茶髪の少年が立っているのに気づく。
「まだこんな所にいたの!? 危ないよ! はやくシェルターに行かないと!」
その少年に少女の顔が向いたとき、それは普段の表情に戻っており、少年の顔には安堵の笑みが浮かぶ。
「わかりましたわ、キラ。……私もすぐに参ります」
元プラントの歌姫にして、今はこの孤児院で子供達の世話に励む、
ラクス・クラインの顔が、そこにはあった。
第7話〜完〜
これで第七話終了です。後半の締めがやっぱり苦手ですね(汗)。
次はもっと良い文章くめるようになりたいなぁ・・・
それと、個人的な書き込みは投下がらみでも自重します。すいませんでした(・ω・)ノシ
黒幕超こええwwww
787氏乙!
787氏GJ!
しかし… 黒っ! どす黒いなんて生易しいもんじゃない!
漆黒 暗黒なんてのが闇から浮かんでくるww
787氏乙でした。
これは本編とは違った方向へ進みそうですね
さっそく修正点発見orz
>>185の、文章のほうで24行目後半、「沈下」→「鎮火」でした。
管理人さん。お手数かけます。
つーかルナマリアといい、この作品の女性陣は黒すぎるw
787氏乙です
今後が楽しみです
ところで、177の光速はわざとですか?アムロならあり得るけど
>>193さん、ありがとうございます。気づいてませんでした(汗)。
光速→高速
ですね・・・orz
ええぃ! 完全なうpにならんとは!
黄金聖衣を纏ってペガサス流星拳ですね、わかります
>>176 「本体までこいつを連れて行ってくれ、犯人の一味だ」
本体じゃなくて本隊では?
乙。
本編もこの位黒けりゃ面白かったのに。
こーゆー"悪いオンナ"の足の裏で転がされてぇ...
>胸中のどす黒いこの感情に引っ張られるように、別の何かが自分の中で息を吹き返したことを、
>ルナマリアはまだ気づくことはなかった。
死亡フラグか、暗黒面に堕ちるのか...
勝つ為に"インパ勝手に搭乗"とかガンダムでのお約束が出るのか...
いい感じだな
乙でした。
うむ…やはり悪そうなラクスだとしっくりするw
>>148さん
あなたの嘆いている件はガセ…と言うより
「野郎じゃなかった」だそうですよ
くわしくは、きらら買えw
夏は「曽我部さん×澪」本が一杯だなw
>>196 スレ住人のお歴々にはホント感謝ばかり・・。
確かに「本体」→「本隊」ですな。
なんでこう毎度毎度・・orz
男の娘ときたらほんと見境がねえなwww
更新GJ
黒ラクスはしっくりしますね。
実際本編は「クライン家の陰謀/ラクスの天下取り」だからな
乙です
途中、アビスとカオス間違えてませんか?
シンがカオスと戦っておりますが・・・
>>204 787氏の凸はカオスの二番機に乗ってるんだが?
それに、この話のシンはアビスと戦ってないぞ?
>>205 ラストシーンってシンがフリーダム撃墜したところだよな
>>206 すみません
読み込み不足でした
カオスは予備も含めてミネルバ側だと思ってました・・・
787氏申し訳ありません
(´・ω・`)
>>208 気にすんな。この間の連中よかよっぽどマシ。
氏も笑って許してくれるだろうよ。
>>197 つ第五話のおまけ
少なくとも死亡フラグではないな・・・
>>209 え?シンがキラを撃墜足した後って機動戦士ガンダムSEED ディスティニー キラ・ヤマトの人生にかわったのんでないの?(真顔)
ラクスとその陣営があらゆるSEED二次創作SSにおいて必ずといっていいほどヒールに配役されてんのみると、少しは擁護もしたくなるが……
無理なんだよな、原作の言動を省みると。
まあ思ってもないことはいわないことだ
787氏のラクスは水銀燈の声で脳内再生してしまった(中の人同じなんだけど)
まあ二次だと、悪役敵役扱いにしても
「平和と自由を望むのは本気らしい、それはいいとして、
その実行方法がどうにも歪んでて協力できない、戦わざるを得ない」
というフォローも結構あるけどね。
あるいはギアスクロスのような完全サイコピカレスクという例もあるが
そこまで徹すればかえって清々しくさえある。(今回はそのクチかな?)
結局半端に善良ヅラしながら従わない者を壊滅させて地球圏征服した
TV版が一番タチが悪いってことだな。
>>213 気持ちはわかる。露骨過ぎると余計にね
きれいなラクスは飲兵衛氏に期待して、真っ黒なのを楽しむのもまた一興だ
98氏のなら大丈夫だと思うが、飲兵衛氏のラクスだと
タコスケはじめ狂信者にスポイルされそうな一抹の不安があるんだよな…
>>215ジャンクを作るのうまそうだからな。だからジャンク屋組合はラクシズに加担してるのか…。
今さらなんだが…種序盤でキラが拾ったのはマルキオが作ったカーボンヒューマンだったんじゃね?
マルキオはゼーレとかゴルゴムとか、あの辺の「カルト系悪役秘密結社」の首領でいいよ、もう……
ていうかすべての黒幕はコイツだろ。
>>213 クロス二次とかでクロス元のキャラの性格変えてまで批判してるのを見るとどうにもね
ラクスに「自殺しなさい」とか言い出すニュータイプヒロインとかさ
どことは言わないけどね
ティファかい?
折角
>>222がぼかしてるんだから固有名詞出してやるなよ…
もう許してやれよ
227 :
223:2010/04/10(土) 23:25:58 ID:???
すみません。
キラとラクスは、そんなにキャラ悪くないとおもう。
ただ、監督と作家が糞なだけで。
>>228 それ抜いたらどこまでがキラとラクスなんだ?
少なくとも俺は「こんなOS(ryの時点でキラが嫌いなんだが、それは監督と作家が糞だからに分類されるのか?
>>221 シャア「おのれマルキオ!シン君秘蔵のマユちゃん写真集(シャワーシーンあり)を盗んだのも貴様の仕業か!」
こうですか、わかりません!
シャア 「誰に聞いた? いや、なんでそんなことが気になる……?」
友だちが根暗なメカオタしかいないオッサンは去れ
写真集が盗まれたのも乾巧って奴のせいなんだ
それも私だ
それは私のおいなりさんだ
それはどうもご丁寧に
いつもシャアのロリコンネタ持ちだす奴いるけど、いい加減つまんねーよ
シャアのロリコンネタがつまらない奴はゆとり
ロリコンじゃないかって、ニュータイプ研究所の連中はみんな知ってんだぜ
シャア「どちらかと言えば、甘えさせてくれる女性が好みだ。」
アムロ「その歳でまだ甘えたいのか、シャア!」
シン「なんなんだ!あんた達はぁーーー!」
死人に引っ張られてるせいの誤解な様なきがしないでもない
シャアのロリコンもシンのシスコンも
それはあるかも。かけがえのない者の死によって
シャア「人類を地球から引きずり出して覚醒させなければ」
シン「戦いに巻き込まれたらひとたまりもない人達を守る力持たなきゃ」
といった強迫観念に取りつかれてるのは事実だよな。
そしてそんな自分に真っ当な恋愛なんかしてる資格があるのか…と。
いやそれは普通につきあえない事の言い訳にしてるのかもしれんが
鶏と卵どっちが先かは判断しかねる。
シャア最大の不幸
→ララァという一見包容力と母性あふれるが、その実、死後は悪霊化してシャアの人生を余計メッタクソにしてしまった究極のさげまん女と出会ったこと。
キラ最大の不幸
→一見毒まんじゅう、しかし実際は皮に山椒が振りかけられてただけのフレイを食った後に、ラクスという幻覚剤入り猛毒まんじゅうを食っちゃったこと。
流石のスーパーコーディネイター様の免疫系もこの饅頭には勝てなんだか…
なんで解毒剤飲まないの
一応のん兵衛ラクスは純粋培養の果物くらいじゃなかろうか。
でものん兵衛ラクスって、縁も所縁もない鈴に見返りなしで助けてもらおうとか考えてたんだよなぁ
>>245 キラの場合、超絶地雷姫が実の姉だった、という事も見逃せないけどねw
>>248 解毒効果はあるかは別として、そういう役割ができる筈の父親が死んでるからな
>>245 ララァとラクスを同じベクトルに持っていくのはいただけないな
ま、どっちも男をダメにしたけど
ララァは元は売春婦だったわけだし男の比較対象が低かったからシャアの悪い所もその程度と思えたとかさ情状酌量の余地はあるんじゃないかな
ま、下げマンという評価は変わらないけどさ
銅大 さんのブログの宇宙世紀三大悪女としてのララァ・スンからのパクリだけど
のん兵衛氏来ないなぁ……
投下されたのではとついつい除く習慣が出来ちまったよ
どもどもすみません。427です。新年度に伴い、やることが激増しまして忙しい日々を過ごしています。
さらにある組織(ジョッカーとかじゃないですよ)の責任者にも祭り上げられましてえらいことになっています。
お詫びにと言うわけでもないのですが、後で先日少し触れた外伝6のOPモドキ(イメージはブラスレイター前期OP)を保管庫に投下したいと思います。
気長にお待ちいただければと思います。ではまた。
気長に待ってます。
しっかしやっと書き込める・・・
>>245 俺がやらなきゃ守りたい友達全滅だ!
こっちは事実上圧倒的不利
友人が遊び半分で責任重大かつ死に易い場所に配備
ソリが合う大人は頼れない
頼れる大人はソリが合わない
気になるあの子(彼氏持ち)が擦り寄ってきた
即彼氏バレして修羅場った
久々に話せる相手が出来たと思ったら自分の手で殺した
友人が敵
友人が友人を殺した
そんな中唯一自分に優しく接してくれた毒
俺だったら間違いなく毒に逃げるね
そうやって書かれちゃうと、オレも多分毒に逃げるっつーか依存しちゃうだろうなー。
しかも一見毒ってわかんないんだし。
>>255 のんびりやってくだせぇ。
いまだにモップ氏を待ってる俺としてはいくらでも待てるぜ
飲兵衛氏がリアルブライト司令に…
とある司令の戦闘指揮
262 :
223:2010/04/11(日) 21:31:40 ID:???
とある総帥の小惑星落とし
>>262 その自己顕示欲的に名前出しっぱがうぜぇw
>>257 カルトにはまる人もいろいろ理由があるんだろうな、っていうか自分の選択でそれだから悪堕ちエンドなのかな
>>257 まずなんで毒のとこなんかに運ばれてるのかから考えようぜ
このスレも長命だなぁ
とりあえずアムロさん、ACEシリーズ皆勤賞おめでとうございます
あと…俺はいつまでも待ち続けるよ、125氏
>>255 お疲れ〜
リアル死ね死ね団DEATHネわかります
>>259 ○ッソスレですか?懐かしいなぁ。個人的にはアムロがタイムスリップも
期待したんですが、現状見る限りでは絶望的ですね
>>250 いやぁさすがに虎とかいるし、なにかしらの見返りは考えてるんじゃないか?
ザフトのコロニーあたり譲渡するとか。
別に施政者でもないラクスにそんなことできないでしょ
プラントの工作機械をダミー会社を経由して密輸、とか
実際問題クライン派側から見返りとして提供できるものって有るか?
拠点は既に確保したから当面他には必要ないし、
強いて言えばプラントの内部情報くらい?
内部内部情報すら入手できるか危ういんじゃないか?
どうやらラクス達とプラントに居る穏健派は別に行動を共にしている訳でもないみたいだし。
どち
>>272 もう戦国時代ばりにラクスをロンドベルにくれてやっちまえよ
それくらいしかないだろ
え?いらない?そりゃごもっとも
実際閉鎖環境で狂信者にちやほやさせるよりも、ロンデニオンで一市民として
下積み生活(それこそ将兵民間全員でやる予定の農業とか)させる方が
本人の為ではあるんだがなあ。
そうすりゃいずれいつか演説ブツ事になっても少しは地に足のついた物言いに
なるだろうし。
ラクス「怒ると胃に悪いぞ、胃が悪いとご飯が食べられなくなるんだ」
まるきお「だ〜いじょうぶ、むぁ〜かせなさい!」
ロボットじゃないよMSだよ
該当スレでやれ。いや、やって下さい。過疎ってるから。
>>222 >>224 そんだけあの人外の化け物を何とかするというのは大変な事なのさ……
ぶっちゃけあいつらを敵役にして決着をつけさせようとするとどうしても話が歪み始めると思う。
>>222 そのシーンは別にラクシズ批判のシーンじゃないだろ
むしろあそこのは頑張って着地させたほうだとと思うが
だな。字面だけあげつらってて、後々まで読んでるとは思えん食いつき方だ。
>>222 落し所として、あのラクスをただの人間に、ただの母親にしただけでも立派なもんだと思うが?
誰の作品の話をしてるんだ?どのスレの話をしてるんだ?
>>285 もと2chで外部移転して完結した話のだけどね。
>>222が恣意的に持ち出してきておかしくなったんよ。
という事でこの件はここまで。
いや、もっと続けよう。
らめえぇ
ひぎいぃ
関係ない話ばっかしてるとアムロがジーグブリーカーしにくるぞ
>>285 負債がラクシズでやったことと同じことをシンでやったサイト
軍勢としてのラクス陣営が勝者側にならないのはみんな
「負債がラクシズでやったのと同じ」呼ばわりレッテルとか、
あまりにもあからさまにお里と読解力レベルが知れすぎるぞ。
今の所クライン派につれない展開の飲兵衛氏にも似たようなのが付き纏いそうでチョイ心配
>>293 誰が交渉してもダメだったのがシンがいくと可愛げがとか言って一事が万事通るとかな〜w
>>295 結果的にはそうだったけどシンが通い続けた時間を無視ですか?三顧の礼なんてレベルじゃないんだぜ、なんせ見つかったら終わりのプラント在住だ
真面目な話、余所のスレの話は控えたほうがいい
>>293 お前はバカか?
お前の言う軍勢としてのラクス陣営が勝者側にならないのが条件ならこのスレ含めほとんどの二次がお前の言うレッテル貼られるわ
バカか?じゃなくてバカだよお前
いい加減ウゼェ
外部物への粘着とか知るか
種厨隔離板は民度が低いなあ
まぁ完結させた時点でこのスレの作品作者よりよっぽど素晴らしいんだがな
今度はなりすましか。
その執念どっから持続させてんだか、気持ち悪っ
レッテル貼りきましたー
きましたよー
ID出ないからねぇ、このうちどれだけが一人の投稿なんだろうか
止めろ皆、全員の心を一つにしなければZZガンダムには合体できないぞ!頭を冷やすんだ
そのとおりだな、
で、ちょっと確認したいんだが、ラブラス事件の顛末は色々表沙汰にできないだろうが
フロンタルの正体や真意とかは、UC105頃の時点で当事者以外にも公になってたっけ?
ついでにUC105時点でのバナージ、オードリーの消息も
木星にでも行ってない限り連邦政府が監視してないはずがない
まぁ、ラクシズ側がキチンと納得ができる理由を説明したうえで
原作通りの行動をする展開のクロスをかける人がいたら
それはそれで見たい気もするけどね。(ものすごく難易度は高いだろうけど)
>>ものすごく難易度は高いだろうけど
いやさすがに不可能だと思う……
>>309 いや、不可能じゃないだろ。"行動"そのものに限定すれば。
ハラの中や嫁の嗜好まで考慮しての一緒って事になれば不可能だろうけど。
高山版さえも無印が限界だろう。
運命じゃラクシズ側の内面は極力省かれてたからな。
基本的な事聞いていい?
結局フロンタルってシャアだったの?
>>312 肉体的にはシャアクローン、中身については本人がどう思っていたのか俺は良くわからんかった
>>313 クローンだっけ?
単なる強化人間だと思ってた。
フロンタルを動かしてる行動原理=無念さとかはシャアの物だと
フロンタル本人は思ってたらしいが、アクシズ時代を含め、
シャアに近い立場で見てたミネバは否定してるんだよな。
アムロが見たらなんて言ったかねえ。
シャアのクローンってすげえな
仮にアムロのクローンとか公式で出されたら嫌だなあ
フル・フロンタルとは「ふるちん」の意味だそうだが、
してみると『全裸紳士の冒険』のモデルは彼なのか…?
>>314 なんかの強化人間を洗脳してメモリークローンぽい何かを押し込んだのがフロンタルだったんでない?
で。いままでに出ていたUCキャラらしいのでジョニーライデンあたりが怪しいとか言うのを2Chでみたが
ガイア・ギアのアフランシっぽいよね
意識したんだろうか
本当だったらどんだけ不憫なんだよ、『真紅の稲妻』さんは
>>314 ミネバ程度の年端の前で腹の中全てぶちまける様な奴じゃないだろ>シャア
現実的に考えても誰だってガキの前で大人気ない振る舞いどころか自分を抑えない奴なんて底辺でもなきゃそうはいない
まあ、ユニコーンはOVAの方が正史になるかもしれないし
OVAと小説は微妙に変わるかもしれないから、今はどうにもいえないと思うな
>>320 幼少期にハマーンに担ぎ上げられそのための教育受けてきたミネバのシャア像が正しいとは思えんわなw
呼ばれた気がしたのだわ
真紅様が不人気とか許されざるし
真紅が不人気ってのはVIPのネタも含めた、プロレスでいうギミックみたいなもんだろ。
それにしてもライデンの脳内キシリアまじパネェっす……
あくまでも個人的心情だがライデンは長谷川説を採りたい所だねえ
>>320,323
ニュータイプの直感で理解してたかもしれんぞ。
つか、その自負があったからこそあれだけはっきり言い切ったんだろうし。
長谷川のは全体的にガンダムっぽくないのがなあ
ライデンがあの性格ならなにがあってもマツナガと相容れないだろうし
ちょい分からないんだが、
Z版ミネバ→本物
ZZ版ミネバ→偽物
であってる?
それともどちらも偽物?
ZZ最終話の偽ミネバのブチマケでいまいち?なんだが
フロンタルさんの正体は、シャアモドキとかいう前に『器』が正解だと思う
万人が望むものを見せる便利な器というか象徴というか・・・
それだと必死になってラプラスの箱を箱のままにしておこうとした
フロンタルの心理も頷けるんだよね。
>>330 少なくともZ最終回までは本物で、グリプス決戦直後のどさくさ紛れにシャアが連れ出した…
ともっぱら語られてるが、あの時点で最も勢力を温存してたハマーン派の中枢部から
百式も失って命からがら丸腰状態でどうやって実行したのか、という疑問は当時からある。
あの頃のアクシズ内部に息のかかった者がいたとは考えにくいし。
月で有ったあの人が連れ出したんじゃないの?
私にとっては大佐ですって言ってた人
PSZガンダムシャアディスクエンディングでも奴がミネバつれてこなかった?
真紅が不人気なのはみんな
「プロレスでいうギミック」呼ばわりレッテルとか、
あまりにもあからさまにお里と読解力レベルが知れすぎるぞ。
何が楽しくて荒らしをするんだよ! お前らのような奴はクズだ! 生きていちゃいけない奴なんだ!
なりきりとか厨臭えな
批判するのも擁護するのも自由だが、万人受けする作品なんか無いんだから、いちいち気にすんなよ……
>>332 残念ながらムンクラは黒歴史になりました
ユニコーンが「公式」だから
小説版機動戦士ガンダム「なんてこった、俺は黒歴史だったのか」
Z小説版でもカミーユ死ぬんだよな……
>>340 というか漫画媒体のガンダム作品は
最初から「サンライズ公認の非公式作品」ということで
自由にやってきた歴史がある。
だからこそ影忍や逆ギガ、CDAみたいなのが世に出てくることが出来た。
映像化された作品が公式だっけ?
例えば小説版逆シャア→閃ハサが非公式
劇場版逆シャア→OVA版ユニコーンが公式
「実はミネバは三つ子だった
ザビ家初めての三世代目なので安全上念のため公式には一人っ子と発表し、
別々の場所で育てさせるよう手配された…」
とでも後付けすれば逆ギガもUCもムンクラも同じ宇宙で成立でき……
赤い人「幼女三姉妹ハアハア」
白い悪魔とオカッパ女帝「「お前・・・」」
プルも増えたしなぁ、今更クローンの1り2り増えても別にいいべ。
どれが本物か、なんてそっちのほうが不毛だ。周囲に取って”実物”であればそれでいい。
>>349 ミネバA「私がミネバです。」
ミネバB「ミーがミネバね。」
ミネバC「ボクがミネバだよ。」
.
.
.
ミネバα「私がミネバですわ。」
.
.
.
刹那「俺達がミネバだ!」
こうでもいいんですか?
>>351 途中まで松永イラストのマッチョがミネバのコスプレしてる絵が再生されたわ
実はミネバは本物一人で影武者云々はミネバ様の名演技なんだよ
な、なんだっ(ry
真贋や歴史の白黒はともかくとして、V外伝:脱出計画編で
木星じいさんことストーク卿の傍らに年下の伴侶らしき人が見当たらないのが何となく物悲しい。
例えば先立たれでもしたのが計画実行の最後の背中の一押しとか、
太陽系への未練の切れ目だったりしたわけだろうか。
あの爺さん、これでもかと子供侍らせてたような……
大きくなったミネバとは、別れた?
奴に子供がいないのも初潮迎えたらアウトだからとか
爺さんが某赤い人みたく(ハイメガキャノン
いやいや、ジーさんの事だから何時も道理に逃げられたんだよ
ジュドーさんは割りと年下にすかれるタイプだからなんとも
そもそも長谷川の同人は公式じゃないからどうでも
認めたくないのは分かるよ、凄く分かる
でもあれ一応公式の出版物なんだよね
認めよう?空しいだけだよ?
公認だが、公式ではないって事かな?
>>363 バカなの?
出版社が出してりゃ公式とか思ってる間抜け?
同人って表現を同人誌のことだと思ったとか?
アホなの?
微妙だな・・・
言い方からすると
>同人って表現を同人誌のことだと思った
こっちだと思うんだが
正規と公式を混同してるようにも見えるし
例えば種の小説とかもサンライズの名前も入ってるし、角川から出版されてるけど非公式だしなw
長谷川は自分でオフィシャルではございませんぞ、だの、公式にBガンダム出てきたら即座に改名します、とかやってるからなぁw
SEED本編側が外伝側否定してるがどっちもちゃんとした企業が出してるぞ。
何、SEED自体が同人Lvだってそれは知ってるが。
非公式だか非公認だか知らんが世に出てて共通の話題になりうる漫画や小説に比べれば
>>362ごときの好みなんぞこそもっと取るに足らんどうでもいい話だがな。
>>370 好みの話してねーw
何脳内妄想で過剰反応してんだよw
>>362はそれこそどうでもいいってスタンスだろうがw
貶してる時点で動でも言いというスタンスではなくなっているが
どっちかっつーと自分好みの展開語りをしてたら煽り気味に突っ込まれたってように見えるがなぁ
しっかし最近定期的に荒れるなぁ
どうも、とうとう「Lost my music」がハマーン様の歌にしか聞こえなくなりました。787です。
末期症状かと思われますけども、頑張って第8話を投下したいのですが、
よろしいですか? よろしいなら次から投下したいのですが……。
と、時間的にだれもいなさそうなので(いたらごめん)いきます
〜共通の憎しみほど人間を団結させるものはない〜
(アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ)
世界中の、街という街の中から、『人間』と呼称される生命体は姿を消していた。
「繰り返しお伝えいたします。
プラント政府は、地球に迫っていたユニウスセブンの破砕は成功したと発表いたしました。
しかしまだ、破片の落下による被害の脅威はいまだ……」
人々の手にするラジオや、人のいない電気街のTVは悉くニュース番組が流され、
アナウンサーは数十分足らずで更新されていく情報を次々と流し、
時間が経つに連れて、番組はまた一つ、また一つと放送は打ち切られる。
制作スタッフやアナウンサーも避難を余儀なくされたということがそれでハッキリと分かる。
街の中にある商店街や住宅街からも人影は消え、生活感の残るその光景は悲しい。
開かれたままの商店、居並ぶ野菜や魚介類。つきっぱなしの電気、扇風機。
ゲームのデモを流し続けているTVや、まさに買う瞬間だったのか袋に入れられたままのゲーム機。
投げ出された文庫本や雑誌。廊下に散乱する中古CD・DVDの山。
キャンキャンといなくなった飼い主を呼び続ける、リードに繋がれたままの犬。
物陰の下で蹲り震える猫たちや、ショップのショーケースに置いてけぼりの子犬たち。
コトコトと音を立てるスープに、まな板の上に横たえられた包丁。
投げ出された誕生日祝いのプレゼントや、床に落ちぐしゃぐしゃとなったケーキ。
散乱したラーメン、踏みつぶされた携帯電話、聞く者がいなくとも寂しく歌うオルゴール。
その一つ一つに、それぞれの人間達の人生が込められており、
その光景こそ、今までの人生が壊された人々、生命の悲しみを表していると言える。
また、あらゆる場所で人間の心にある醜さが集約された地獄絵図も見ることが出来た。
ある国では、数少ないシェルターに入るために他の人間を殺した女性がいた。
ある国では、人で溢れる橋から投げ出された妊婦がいた。
ある国では、群がった群衆によって踏みつぶされた子供がいた。
ある国では、他人の子を自分の子だと叫びシェルターに入り込む男性がいた。
ある国では、助けを求める人間の手をはねのける子供がいた。
ある国では、人がいなくなったのを幸いに商店を荒らす人間がいた。
ある国では、騒ぎに乗じ婦女子を強姦して殺害する者がいた。
そんな悲劇も知らずに、前を塞ぐ乗用車に怒号を挙げる父親と、泣きわめく我が子をあやす母親。
乱れる人々の交通整理の職務を全うしようとする警官と、それにすら反感を持ってあたる民衆。
そんな人間達の上を、数多の熱せられ赤色に染まった岩塊が通り過ぎ、それを見上げた民衆は恐怖におののいた。
ズガァアアンッ!
頭上で、爆音があがり人々は悲鳴を上げた。まだ飛行中だった旅客機に破片がぶち当たり爆発したのだ。
「おっ、おい! こっちに落ちてくるぞぉ!」
男が叫び、女子供は泣きわめく中、ソレは炎と共に逃げられぬほど密集した人々の上に落ちてきた。
それは、飛行機の機首だった物体である。それは地に落ちるとその下にいた人々を押しつぶし、
転がる先にいる人間達をも巻き込んで、
何度も回転し、飛び跳ね、ひねりつぶし、すりつぶし、小高い山に衝突して、その勢いは収まった。
飛行機の残骸の中には、飛行機のボディだった破片に体を貫かれた乗務員に乗客。
爆発の炎に焼かれ黒こげになった人間や、体が引きちぎれ半分しか残っていない人間がいた。
…………頭部のない者も。
機首だった物体の周りには『人間だったもの』がこびりつき、地獄の底からはき出された物体にも見えた。
都市、農村、草原、湖、河、山々、海、熱帯林、砂漠、氷河。
ユニウスセブンの破片は死の天使の如く舞い降り、各地に死をもたらした。
落下した箇所は、一瞬にして火球に呑み込まれ、衝撃は周囲のあらゆる物体を吹き飛ばし、
大地は水さながら軽々とめくり上がり、かき混ぜられる。
恐怖の象徴たるキノコ雲が数多上がり、大気中に塵を巻き上げる。
海の水が、高波となって近場の陸地めがけて押し寄せる。
地表が地獄というものをのぞきこんでいる最中、ある都市の地下深くで、
一人の男が、壁天井から響くゴゴゴという音をBGMに、
ワイングラスを傾けその中身をグイッと飲み干した。
男は青ざめた顔をしているが、その目は熱気を込めて、体からは並々ならぬ気に満ちている。
巨大な書棚と、大きなスクリーンに囲まれた部屋は、まさに、男一人のためのシェルターであった。
男の名は、ロード・ジブリール。ブルーコスモスの現盟主である。
「ふん、コーディネイターめ、自ら墓穴を掘るとはな……」
地上の惨禍など気にもかけず、彼は手にした資料をみてほくそえむ。
その資料の中には、幾枚かの報告書と、MSの簡単な資料。そして……何枚かの写真があった。
中には、黒と紫のジン、そして謎のモーターらしきもの。
そして、何故かナスカ級『だけ』を移した写真や、ジンが連合製MSと戦っている映像『だけ』しか、
写真のなかには無かった。
まるで、『ZAFTがこの作戦を仕掛けたのだ』と言わんばかりに……。
「新型の開発情報だけでも良かったが、これでユーラシアや東アジアも釣れる。
ネオも素晴らしいものを送ってよこしたものだ。……クククク」
男の薄気味悪い笑いが、薄暗いシェルターの中に響いていた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第8話
「サトー・エヴァレット。元ZAFT宇宙軍突撃機動隊所属のMSパイロット。
そして過激派の急先鋒、か……」
シャア・アズナブルは、手元の経歴を見、そしてハーフミラー越しに、男の姿を見やる。
拘束衣によって椅子に座らせられている男、サトーは目を閉じ、黙秘したまま動かない。
それにしても、プラントが半分管理社会に近い社会となっていることに、シャアは少々驚いた。
一滴の血液に含まれるDNAデータは確かに膨大だが、
本国とのデータ照会はもはや神業と言っていいほど早い。
いま、ミラーを覗く暗室には、シャア、タリア、アーサーの三人がいる。
デュランダル議長は、大気圏突入前にボルテールへ移ってもらったそうだ。
「名前以外に収穫はあったの?」
タリアがシャアに問い、シャアはため息と共に資料をタリアに手渡す。
ある項目をシャアが指さすと、タリアは顔が青ざめ、
「……何が書いてあるのですか?」
尋常でない様子にアーサーも思わず声を上げ、タリアは黙ったまま彼に資料を廻す。
その項目に目を通したアーサーは、そこに書いてある名前に驚愕した。
その『親族』の欄の中に、二人の少女の名前が書いてあったのである。タリアは内線を繋ぎ、こう言った。
「今すぐルナマリアを監房ブロックまで呼び出してちょうだい」
「……本当、なんですか!?」
監房ブロックのあるドアの前で、ルナマリアがシャアに問うた。
信じられないとその目は語り、肩は震え、今にも泣き出しそうな顔で。
「本当に…………叔父さん、なんですか?」
「君には会うのを拒否する権利もある。
しかし、この件は伝えなければならなかったからな」
「いえ……隊長は、……気にしないでください」
シャアに彼女はそう帰すと、お願いします、そう言って、暗室の中へ入っていった。
彼女の姿を見たタリア達も、気まずそうに目を背け、
ルナはゆっくりとハーフミラーに近づき、サトーに目をやり、言った。
「…………間違いありません。叔父です」
タリアはグッと拳を握りしめ、アーサーは目を閉じて天井に顔を向ける。
タリアは、絞り出すかのように、
「辛いでしょうけど、話してくれるかしら?」
「……はい」
ルナは力無く答えると、ポツリ、ポツリと、彼がどういう人であったかを語り出した。
サトー・エヴァレットは、へザー・エヴァレットの弟として生を受け、
厳格なタカ派の父親の下で育った人物であった。
母親、つまり二人の祖母は穏健派の人物で、政略結婚に近い望まぬ結婚をした父親とはそりが合わず、
とうとうへザーを連れて別居状態となってしまった。
仲は良好だったエヴァレット姉弟はしばしば連絡を取り合ったり、時たま遊んだりしたそうだ。
その内、二人は大人になり、姉へザーはローランド・ホークと恋仲になり結婚。
サトーも、クリスティンという女性と恋に落ち、結婚した。
奇跡的に姉弟揃って、遺伝子適正のある人物が伴侶であったため、
お互いに子が出来たことを何より喜んだという。
しかし、姉弟はともかく、家と家の仲はそううまくは無かった。
へザーの夫にして、ルナマリアとメイリンの父親であるローランドは厳格なクライン派の人物であり、
タカ派であるサトーを次第に毛嫌いし始めたのである。
意見の衝突で娘が泣いたりすることもあって、そのうち、姉弟は外で会うようになったが、
プラントを取り巻く状況変わるにつれて、その二人の仲ですら変わってしまった。
地球連合と黄道同盟は緊張状態が続き、今にも戦争に突入しかねない関係となり、
過激派、後にザラ派と呼ばれるようになる者達は軍事活動を活発化させていき、それはサトーも例外ではなかった。
制止するへザーにサトーはナチュラルへの戦闘行為の正当性を語り、とうとう姉弟の仲は断絶した。
それ以降二人は会うこともなく、終戦後彼の消息は途絶えた。
ルナマリア一家は、彼はてっきり大戦中に死んだものと思っていたそうだ。
「……まさか、こんなことをするなんて」
優しい叔父でした。ルナマリアはそこまでひとしきり語ると、
もう限界とばかりに体の力が抜け、タリアが咄嗟に彼女の体を支える。
アーサーは拘束されたサトーを射殺さんばかりの顔で睨みつけていた。
「ルナマリア、もういい。君たちは部屋に戻ってくれ。……すまなかった」
シャアはそう言うと先に外に出で、監房ブロックの入り口付近にやって来ていたシンに、
ルナマリアを部屋まで連れて行くよう命じた。
もとよりそのつもりで来ていた彼は頷くと、彼女の下に駆け寄り、弱々しくうなだれる彼女の手を取った。
「……隊長」
「ん? ……なんだ」
「叔父のことですけど、メイリンには黙っていてくれませんか。
あの子、叔父のことを慕ってましたから……」
「…………わかった」
シャアは力強く頷いて見せ、彼女は安堵の表情を浮かべて、
シンに手を引かれ、トボトボと数十歩歩いた先で、彼女はシンにもたれかかった。
胸元に顔を埋めた彼女は体を震わせており、少年は困りつつも、優しい表情で、彼女の頭を撫でていた。
そんな様子を見ていたシャアは、難しい表情をして、また暗室へと戻る。
「艦長、あの男は……」
「無論、本国で裁判を受けさせることになるでしょうね。
どこか宇宙にシャトルを打ち上げられる施設が必要だけど……」
アーサーにタリアはそう言って、ブリッジのバートに、
「バート、本艦の位置は現在どの辺りになるか」
「はっ。現在、ニューギニア島の東、ソロモン諸島付近になります」
「……それに間違いはないの?」
バートとの通信を切ったタリアは、
「また仕事が増えたわね。……シャア、頼んでいいかしら?」
※※※※※※
一人の青年が、軍港に入港する鉄の艦を黙して見上げていた。
オーブ本国、オノゴロ島。
行政府のある本島、ヤラファス島とは大橋と地下トンネルとで繋がれた島であり、
国防本部と国営企業モルゲンレーテ本社、そしてその工廠が存在する『鋼鉄の島』である。
青年はオーブ政界に携わる身であることを示す紫のスーツに身を包み、
短い髪の毛を風に揺らし、戯けた表情を見せていた。しかし、青年の未熟さが、その目に現れていた。
その目は全く笑っていない。彼の眼光は鉄の船の船体についた傷一つ一つに注がれ、
愁いとも取れる感情を目の前の巨体に抱いている。
「カガリを運んできてくれた上、地球を救った船、なんだけどねぇ……」
青年の名は、ユウナ・ロマ・セイラン。
宰相、ウナト・エマ・セイランの嫡子で、若くしてオーブ閣僚を務める男である。
父ウナトを初めとする老人達は、今現在机と膨大な紙の束とにらめっこ中。
救援物資の手配、オーブ国防軍の派遣手続き、自国でまかなえる物資の算出とその報告。
ユウナはそれらを中断できる余裕を無理矢理つくって、首脳陣で唯一向かえにこれたのだ。
その結果丸二日寝ていないので、気を抜くと倒れそうであるが…………。
「さて、困ったことになった」
この情勢下で、このZAFT戦艦に立ち寄られるというのは、今のオーブからすれば困った事態以外の何物でもない。
(誰だってあんな写真見せられれば、反感の一つや二つ抱くだろうけど……)
つい昨日の事だが、大西洋連邦側から、数枚の画像が送られてきた。
それは、ユウナだけでなくオーブ首脳の全員を動揺させるに足りるものであったのは確かである。
黒と紫のジン。それとユニウスセブンに取り付けられ、赤い光を点滅させ作動しているモーター。
そして、新型と思われるZAFTのMS達と、ナスカ級戦艦の画像。
あんなものを見せられれば、誰もがまずZAFTの犯行を疑うであろう。しかし、
(出来レースにしか見えないね、アレは)
そう思う理由はある。
大西洋連邦があの画像を手に入れたのなら、大西洋連邦の部隊がそこにいたという事。
ならば、その部隊は破砕に参加していてもいかしくはないのに、そのテの報道は一切されていない。
その部隊が隠匿されるような部隊なら納得は行くが…………。
さらに、ZAFT『だけ』という所に、明確な悪意と恐喝がある。
にもかかわらず、老人達はそれを言及すらせず、ホイホイ頭を下げようとしている。
ユウナは拳をグッと握りしめ、奥歯を噛みしめる。
それを否定できるだけの材料がないことも悔しいし、そういう立場にしか立つことの出来ない、
今のこのオーブという国家の現状に、憤りすら覚えた。
入港を知らせるアラートが鳴り、ミネルバの船体を固定するアームが伸ばされ、
空気の抜ける音と共に、灰色の巨体はその体を休ませた。
ミネルバから橋がのび、オーブ側の作業員達が簡易タラップを接続する。
ハッチが開かれて、見慣れた金髪の少女と、護衛の少年。
そしてZAFTの人間が三人、ユウナにむかって歩いていく。
ユウナは真っ先に、少女の下へ歩み寄ると、
「お帰りなさい、カガリ。心配してたんだよ? まぁ、いつものことだけども」
「その口が余計なことさえ言わなきゃ、少しは……?
一体どうしたんだ、ユウナ。その隈は……」
「いや何、君が気にするような事じゃないよ」
「ならいいが……。それより、この大事に留守にしてすまなかったな」
君臣というよりも、長年連れ添った間柄のようにも見えて、
シャア、タリア、アーサーらは呆気にとられ、アスランは苦々しい表情を隠さない。
カガリは気が付いてないようだが、ユウナに向ける表情は心を許した親友に向けるソレと同じだ。
「被害の状況は……?」
カガリの言葉にユウナは先程のヘラヘラしたような顔のまま、カガリに耳打ちした。
「沿岸部の市街地がいくつかやられた。
オノゴロ島と本島には直撃が無かったのは不幸中の幸いだよ。
……詳しいことは行政府で聞いてくれ。ここじゃ話しづらい」
そこまで言うと彼はシャア達に目をやり、それに答えるように、タリアが口を開く。
「ZAFT軍、ミネルバ艦長、タリア・グラディスです。
こちらは、副長のアーサー・トライン。そして……」
「MS隊隊長、シャア・アズナブルであります」
「私はオーブ連合首長国が閣僚、ユウナ・ロマ・セイラン。
代表の帰国に尽力していただいた事、感謝いたします。
……寂しい出迎えで申し訳ない。何せ此度の騒動で皆てんやわんやでしてね」
目の前でそう言って、肩をすくめて良家のバカ息子らしさをアピールするユウナという男。
シャアは彼もまた、政界に入りたての人間なのだと感じた。若者特有の猛々しい気迫、それを隠し通せていない。
「いえ、多忙の中お時間をぬっていたいただけでも。
我々こそ、アスハ代表を巻き込むような形となったことは、大変遺憾に思っております」
「お気遣い痛み入ります。……まぁ、何はともあれ、あなた方とてお疲れでしょう?
この艦……『ミネルバ』でしたっけ。
外装修理の方も、モルゲンレーテのスタッフを呼んでますから、必要なら声をかけてください」
「ですが……」
「それぐらいの事はさせてもらわねば、我らの面目が立ちません」
「そういう……事なら」
デュランダル相手の時然り、今回然り、こんな時の押しに弱いのがタリアの弱点だろう。
シャアはそれが少し残念であったが、無補給のまま二連戦、
しかも岩のシャワーを体験済みというこの艦の損傷を考えると、どうも断り切れないのは彼にもわかる。
ただし、
「しかし、艦内は我々のみで。貴国の人間の立ち入りはご遠慮願いますが……」
「それは当然でしょう。此方としても、貴艦のクルーには市街地以外の立ち入りは認めません。
もし、万が一ソレが破られた場合には……」
ユウナは右手を拳銃に見立て、こめかみにそれを当てると、
人差し指を引くジェスチャーを『わざとらしく』見せた。
「コレ……ですよ?」
「ユウナッ!」
さすがにカガリが彼のその行為を咎め、彼は戯けた表情を崩さない。
「ごめんごめん。……あ、そうだ、カガリ。
父上達からもカガリに報告したいことが山とあるそうだから、
そろそろ君は行政府に行ってもらわないと」
「……わかっている」
彼はカガリの背を押し、近くに待機させていた公用車へと誘った。
彼女の後ろに付き従わんとしたアスランの姿を確認したユウナは、その隣にスッと近づき、
「君もご苦労だったね、アレックス」
「いえ」
それを見たシャアは、
おや? と内心首をかしげる。
ユウナという青年の声には、トゲというか、純粋に怒りに近いものが含まれている。
「報告書は閣議の後で僕の執務室に、……一旦君も休みたまえ」
そう言ったユウナは、シャア達に向き直り、それではこれでと言い残すと、
カガリと共に公用車に乗り込んで、アスランはそれを少し寂しげに見送った。
「一体何なんです、あの男は!」
アーサーはユウナのあの態度が気に入らないのか、顔を真っ赤にしてタリアに訴える。
彼女も面白くなさそうだ。送り届けた側として、最後の言動はいかがなものかと思っているのだろう。
シャアはと言うと、あのわざとらしく此方を怒らせるような青年の行動に一抹の不安を覚える。
口調ではバカにしているような感じでも、彼からは此方への悪意など微塵も感じず、
むしろ好意すら感じられるのに、何故あんな行動を取ったのだろうか?
これは深読みかも知れないが、彼は、
『オーブ首脳はミネルバに良い感情を抱いていない』
と言いたかったのか? 考えすぎだろうか? それとも……
渦のようにグルグルと頭の中を廻る疑問。の答えをくれる人間など、ここにはいなかった。
ふと、シャアはあることを思い出す。この国について、まず第一にやろうと思っていたことを。
「……アス……、アレックス君」
一瞬、アスランと言いかけるも、シャアは公用車をじっと見送る少年の背に声をかけた。
「何です?」
「君に渡すものがあってね。オーブに上陸したら代表に渡そうと思っていたのだが、
……たぶんむこう数日間は無理だろうから、君に預けることにした」
シャアはそう言うと、軍服のポケットからこっそりと、タリア達にばれぬように小さな長方形の物体を取り出す。
幸い、タリアはアーサーと何やら話し込んでおり此方を向いていない。
シャアはそれをそっと、アスランの掌に置き、
「コレは……」
アスランの手にあるのは、一個のUSBメモリーであった。
「御守りだよ」
「御守り?」
「ああ、君のでもあるし、アスハ代表のでもあるし、
それと、あのセイランという若者のものでもある」
彼の理解し難い物言いに、アスランは怪しみながらもそれをポケットに押し込む。
「部屋に戻ったら解凍してみるといい。その後、それをどうするかは君次第だがね」
「……一応、もらっておきます」
アスランは一礼すると、一人歩いて軍港を後にする。
その後ろ姿は見るには少々忍びなく、シャアはそれを見送った後、タリアらの方を向く。
いつの間にと思えるほどの迅速さで、
モルゲンレーテというオーブ企業の技術員がミネルバの船体周りに集まり、
タリアはそのチーフと思われる女性と話していた。
アナハイムばりの仕事の速さには、正直感心する。
(モルゲンレーテ製のMSも見てみたいものだな)
そう思ったが、その気持ちは胸の深くにしまっておくことにする。
一方アーサーはと言うと、そのチーフのふくよかな胸元に視線が釘付けである。
気持ちはわからないでもないが…………。
シャアは軽くため息をつくと、オーブ市街がある方面の空を眺めて、言った。
「ここに、いつまでいられるかな……」
その不安が的中するだろうなと薄々感じているものの、
艦長等がけっこう乗り気であることが、今の彼を悩ませた。
※※※※※※
「……どういう事だ?」
カガリは行政府に着くやいなや閣議へ引っ張り出され、
早々に掲げられた議案に一瞬、言葉を失った。
〜大西洋連邦との同盟条約締結
カガリの隣席に座ったユウナも、寝耳に水と言わんばかりである。
「この閣議は、被災地救援のため早急に開いたものではなかったか?」
怒気を含ませたカガリの言葉に、老人達を代表するウナトはしれっとした態度で、
「ええ、そうですとも。だからこそ、この条約の締結は避けられないものなのです。。
そして、これは大西洋連邦から発せられたものではありますが、
彼らだけでなく、ユーラシア、東アジアやアフリカなど、地球の国家ほぼ全てが、
この条約に調印する動きを見せております」
もうそこまで話を進めたか……。
二人、特にユウナからすれば、丸二日寝ずにオーブの民衆のために自分が骨を折っている間、
このジジイ共は『こっち』の話を着々と進めていたという事であり、今にもはらわたが煮えくりかえりそうだ。
おそらく彼らはもう連邦との接触をすませ、もうすでに条約締結までカガリの一声あれば可能と言うところまでさしかかっているはずだ。
「無論、約定の中には被災地への救護も盛り込み済みです。
大西洋連邦はこちらへの物資の援助を約束してくれておりまして……」
要するに、向こうがぶら下げたエサに食いついたという訳だ。
カガリは、連合への荷担の正当性を語るウナトに反論しようと立ち上がるが、
彼らの冷静すぎる姿勢にユウナは不安な気持ちになる。
そろそろ来るぞ、と。
カガリの言葉を待たずにウナトは手元のコンソールをいじり、
「宇宙に出ておられた代表にはわからぬかも知れませんが、
地上の被害は想像以上に酷いものです。……ご覧下さい」
パッと画面に映った映像を見たカガリは、絶句し、サーッと青ざめた。
水に飲まれた街に、業火によって焼き払われた山々と森林。
都市の真ん中に、落ちた破片によって地がえぐられつくられたクレーター。
ひっくり返ったタンカーや客船、落下し人々を巻き込んだ旅客機。
「この旅客機は飛行禁止令が発せられる前に飛び立ったもののようです。
太平洋上で進路を変更し、最寄りであった我が国に不時着しようとしたのでしょうが、
間に合わなかったようですな。さらに極めつけは……」
ウナトが次に映し出したのが、あの『ジン』であった。
「メディアの通じる地域の人間は皆、コレを知っております」
ユニウスセブンに取り付けられたモーター、そしてジン達と、ZAFTの新型MS。
「これを……何で。……!?」
カガリはその段階になって、一隻だけ、
こんな映像を世の中に出回らせる理由のある艦がいたことを思い出す。
(ボギーワンか!?)
「この映像については、プラントのデュランダル議長も大筋認めている。
代表もその場にいらっしゃった。そうでしょう?」
「しかし、デュランダル議長も、ミネルバも、
破砕作業に全力を尽くしてくれたのだ! それを、何だと思って……」
「それを……、それを、地球で痛みに耐える何千万という人間に言えますか!」
ウナトがこめかみに筋を浮かべて叫び、カガリはたじろいだ。
「酷い目にあっても、地球は無事だったからいいのですか!
これを見せられて、怒らぬものも、疑わぬものも、一人たりとていはしませんぞ!」
そこまで言い切って、彼は肩で息をしながら、
「幸い、オーブの被害は少ないですけれども、
だからこそ、我らが何をすべきなのか考えたからこその提案であることを、わかって頂きたい」
あまりの剣幕に、少女は何も言うことが出来なくなり、
ユウナも唇を噛みしめて、またも時代に翻弄されるこの国の行く先を案じていた。
モルゲンレーテの技術員達によって外の外装補修が始まっていることは、
外から聞こえるけたたましい音でわかる。
その音を聞きながら、シンは暗鬱な気分でレクルームのベンチに座っていた。
彼は、握りしめたピンク色の携帯電話を見つめ、
この胸の底から沸き上がる『郷愁』と戦っている。
〜オーブなんて信じない
そう決めて、プラントに行き軍人となり、二年間を訓練につぎ込んでも、
やはりここは自分の故郷なのだと思い知らされる。
シンはプラントという第二の故郷も勿論好きである。しかし、
(やっぱり俺、オーブの人間だったんだよな)
そうおもいながら、ふと、先程自分の胸を濡らした少女の涙を思い出す。
「ルナの奴、なんであんなに泣いて……『叔父』って言ったっけ」
このことは、誰にも、勿論レイにもあかしていない。
あの場所は尋問用の部屋の近くだった。
それに、今ミネルバが捕らえている人間と言えば、一人だけ。
正直言って、ショックだった。だが一番落ち込んでいるのは、ルナマリア本人であろう。
そう思うと、シンもどう彼女に言えばいいかわからず、悶々とした気分になる。
そんな時、レクルームのドアが開き、一人の人物が入ってきた。シャアだ。
「シン、探したぞ」
「どうしたんですか、隊長」
「ルナマリアの事だ」
「…………」
シャアの一言にシンは黙り込む。
彼女は今、自室に引きこもってふさぎ込んでおり、メイリンですら声をかけづらい状態なのだ。
「上陸許可がでたのは知っているだろう?
……シン。お前が彼女を外に連れ出してやれ」
「何で俺が……」
「ここは君の故郷だろう? 彼女はこの土地を知らない」
「……隊長だって知ってるでしょ、俺の事」
つい先日、ミネルバの中でオーブの元首の前で己の経緯を暴露した話は艦内に響き渡っており、
シャアがその事を知らぬはずがないのだが、
「ああ、知っている。だからこそ君でなければならん」
彼はそう言った。この人は一体どういうつもりなのだろう?
しかし、ルナマリアのあの姿を思い返すと、あんな思いをしたからこそリラックスは必要なのだとも思う。
シンは、立ち上がってシャアに了承を告げると、足早にレクルームを後にして、ルナマリアの部屋に向かった。
(俺でなきゃダメ? 何でさ)
シンは隊長の言葉の意味を考えながら、部屋にたどり着く。
部屋の前にはメイリンが立ちつくしており、シンの姿を見ると、
「シン……」
「わかってる」
シンは部屋のブザーを鳴らし、
「ルナ? シンだけど……」
返事はない。彼は一度大きく呼吸すると、
「……入るよ」
プシュッという音と共にドアが開き、真っ暗になっている部屋が露わになる。
シンはゆっくりと、しかし大きく部屋に踏み込むと、ベッドに大きく山を造っているルナマリアを見つけた。
彼女は頭からシーツを被っており、
「ルナ……」
「シン? 一体何の用?」
その口調は重い。シンはベッドの横まで行くとしゃがみ、彼女の肩の当たりにポンッと手を置いた。
「上陸許可がでたって。俺も外に出るけど、ルナマリアはどうする」
「行かない。今はベッドから出たくないわ」
あのことを思えばそうだろう。だがそれは口に出さず、
「……だけど、ここでこうして落ち込んでたって、何も良い事なんて無いだろ?」
ルナマリアはモゾモゾとシーツの中から顔を覗かせ、
「シンはどうなのよ。……ここで、あんたの家族も」
一瞬シンは言葉を詰まらせる。そう。この島で自分の家族は死んだ。上陸することに抵抗だって覚える。
しかしこうしていると、チクチクと針でつつかれているような苦痛を伴うのだ。
少しだけ、隊長がなんで自分にも上陸しろと言ったのか、わかったような気がした。
「俺も、少し気が乗らないとこもあるよ。
けど、なんかこう、何もすることもなく後悔しちゃったら、いやだろ?」
スルスルと、よくもまあ言葉が出てくるものだと、自分自身驚いているが、
シンはそれは顔に出さず、スッとルナマリアの前に手をさしのべた。
「……行こう」
「…………ウン」
ルナマリアは弱々しくも頷き、シーツの間から手を差し出してシンの手を掴む。
起きあがる彼女の体を支えて、シンは、
「じゃあ、外で待ってるから」
そう言い残して部屋を後にする。しかし、シンもメイリンも気が付いていなかった。
ルナマリアの瞳の中に『依存』の感情が一瞬だけ、その片鱗をのぞかせていたことに。
一方シャアはと言うと、レクルームから反転して、自分の部屋に戻っていた。
上陸許可には甘えさせてもらう事にするが、シンとルナマリアは大丈夫かと心配になる。
こう思うこと自体、彼には珍しいことで、
きっとナナイやギュネイ、アムロが見たら逆にシャア自身を心配するだろうが、
今彼はそれに気が付いていない。
彼はアーモリーワンで購入していたオリーブ色のスラックスに白のカッターシャツ。
そして茶色のネクタイを締め、部屋を出る。
「……隊長」
そしてシンとルナマリアの様子を確かめようとシンの部屋に足を向けたとき、
自分を呼ぶ声に気づき振り返った。
「レイか、どうかしたのか?」
レイが、シャアに声をかけたのだ。その後ろには、アーサーもいる。
二人とも外出の準備がすんでおり、二人で出かけるつもりだったのだが、
シャアを見かけたので声をかけたのだという。
レイによれば、シンはルナマリアの手を引いて海岸沿いを歩いていったそうだ。
海からの風を浴びながら話をするのだろうか?
「しかし、お前達は何処へ行くつもりなのだ?」
二人の手には、何やら大きなカバンが握られており、
これから大量のものを書き込むますとそれが主張している。
「「……聖地巡礼です!」」
※※※※※※
「アレックス・ディノ、入ります」
「ああ、入ってくれ」
アスラン・ザラは、コンコンと目の前の戸を叩き、
部屋の主がそれに答え、彼はドアノブをまわして部屋に入る。
閣議が一度間をおくことになって中断された後も、
カガリはウナト達や官僚達から解放されておらず、会うことはかなわなかった。
今彼が会いに来たのは、ユウナである。
アスランは、ユウナの部屋に入ったのは初めてであり、その光景に驚いた。
彼は、きっとユウナのことだから豪奢ないいとこの息子らしい部屋にしているものと思っていた。
しかし、それは大きく、良い意味で裏切られたと言ってよかった。
部屋の壁は書棚で占められ、なるべく太陽光を多く取り込むよう設計された窓の配置。
冷蔵庫と小さな食器棚があり、簡易ベッドも設置されていた。何日か泊まり込みになってもいいように置いたのだろう。
見栄もあるのか置物は鎧兜と豪華であるが、それは部屋の端に置かれ、それしか豪奢のものはない。
ユウナ本人は、部屋の中央部に置かれた事務用の机の上につまれた書類と向き合っている最中だった。
「……また一からやり直しだよ。大西洋連邦と手を組むことになってね」
山となっている書類を眺めているアスランに答えるように、ユウナは言った。
その言葉に力が無く、いつもの戯けたしぐさすら見せる余裕を無くしているようだった。
それに、彼は何と言った?
「大西洋連邦と手を組む!?」
「ん? ああ、表向きは被災地の救護援助の条約と謳ってはいるけど、
実質同盟以外の何物でもないよ、アレは」
ユウナは先程の閣議の様子を語り、
「まぁ、情勢がそう動いている以上こうなるのも見えてたけどね。
オーブだって軽微とはいえ、被害は被っているわけだし。……予想以上に父上の動きが速かった」
そこまで言うとユウナは大きくため息をつき立ち上がる。
「君は何か飲むかな……、ウイスキーは飲める? 安物だけど……」
ユウナは備え付けの冷蔵庫から『アーリータイムズ・イエローラベル』を取り出すと、
ひらひらとかざして言う。
「ええ、まぁ。しかし、今は仕事中では……」
「いいのいいの。……飲まなきゃどうもね」
彼はタンブラーグラスを棚から取り出してロックアイスを入れ、ウイスキーを注ぎ、
炭酸水の小さなボトルと一緒に机の前に置いてあるテーブルに置く。
ソファに座り、アスランに向かいに座るよう言い、アスランもそれに甘え、
「失礼」
アスランも前に置かれたグラスを手に取ると、クッと一口飲み、
それを見てユウナは、少し間をおいて切り出した。
「ただ報告しに来た訳じゃないんだろ?」
「……はい」
ヘラヘラした顔だが、アスランにもわかるほどその目は険しく、冷や汗が背を伝うのを感じる。
グッと腹に力を込めたアスランに、
「大丈夫、君が入ってくる前にここの回線は全部切ってある」
「ならば……」
アスランはグラスを机に置くと、ズボンのポケットからある物を取り出した。
シャアから手渡された、あのUSBメモリーであった。
「これを、貴方に」
「ただのUSBにしか見えないけど、これがどうかしたわけ?」
「中身をご覧いただければわかるかと」
アスランの言葉は真剣そのもので、ユウナもその雰囲気に押され、
わかったと答えると、それを事務用机のPCに差し込み起動させて、
「これは……『ユニウスセブン』!? これ、どこから……!?」
動画が、PCの画面にデカデカと映し出され、その中の物体が、
あのユニウスセブンであることがわかると、ユウナは食い入るように見つめ、
これが機体のカメラで撮られた戦闘記録であることを察した。
ゆっくりと降下していくユニウスセブンにメテオブレイカーを設置するゲイツやザク。
それを妨害し、同胞を屠っていくテロリストのジン。
その双方に攻撃をくわえる……、
「……『ウィンダム』か」
GAT-04・ウィンダム。
ユニウスセブン落下事件の数週間ほど前に、
地球連合の会議で新たにロールアウトされたことが発表された、『連合製』の新型MSである。
それは、数機のGタイプと共にメテオブレイカーすら破壊しており、どう見ても破砕を妨害しているようにしか見えない。
「これを僕に見せて、君は何が言いたかったんだ?
……閣議でこれを出して同盟をおじゃんにしろと?」
「そういうつもりでは……。
ただ、軍事的な介入だけは何としても避けて頂きたいと」
「まったく、君という人間は……」
そう言いながらユウナは懐に手を伸ばし、
「……何でヒトという生き物をそう簡単に信用するんだ?」
「……な!?」
ユウナはアスランに拳銃を向けていた。アスランは青ざめて立ち上がり、
その様子を見たユウナはクックッと笑うと、
「悪かったね、冗談だよ」
「……悪ふざけは止めてくれませんか!」
「……まじめだねぇ、君は。ま、君のそういうところは好きだけどね」
彼は机の左上の引き出しから一枚の紙切れを取り出すと、
またソファに向かい、それをテーブルに置きながら座った。
一枚のチケットであった。
「……プラント行きのチケット?」
「うん、これが多分最後の便になると思う。
……率直に言おう。君にはプラントに行って欲しい」
「…………」
ユウナの発言にアスランは唖然となって、
「これからオーブはどんどん悪い波の中に飲まれる事になる。
君は、『アレックス』の身で、その後のカガリを守りきる自身はある?」
それは正直に言うと、今のアスランにはなかった。
アーモリーワンでも危険にさらしたし、デブリでの戦闘に出張ったときもそう。
カガリを己一つの身で守ったのかと聞かれると、胸を張って「Yes」とは言えない。
「俺は……」
「自身のない言葉は聞きたくないよ、僕は。
だから、君は『アスラン』になってくれ」
いつしか、ユウナの顔はいつものヘラヘラした顔ではなくなっていた。
「言うのが遅いけど、さっきのアレはありがたく預からせてもらうよ。
提供してくれた人にも礼をいいたいけど、恩を仇で返すことになりそうだ」
アスランは黙って、ユウナの目を見返し、
「私にはZAFTとオーブの橋渡しを?」
「そうとも言えるけど、君に『アスラン』に戻って欲しいっていうのは、カガリのためだ」
「カガリの……?」
「そう、『アレックス・ディノ』には出来なくても、『アスラン・ザラ』に出来ること。
多分、君も大凡察しはついてるはずだ。僕は閣僚として、『中』からオーブを守る。
君にはアスラン・ザラとして『外』からオーブを守れるようになって欲しい。
オーブを守ること、それはそのままカガリを守ることに繋がる。そう思わないか?」
「……」
アスランは考えるように俯き、
「頼む、アスラン。
…………同じ女性を、カガリを愛する男として、どうか、僕の願いを聞いてくれ」
ユウナは出会って初めて、アスランに頭を下げた。アスランは、胸中でユウナに対する対抗心や嫉妬が熔けていくのを感じた。
目の前の、ついさっきまで嫉妬の対象ですらあった青年の言葉に嘘など微塵もなく、
心底カガリとオーブのことを考えての発言だということもハッキリと感じられる。
もし、これが縁起だとすれば、ユウナは稀代の役者であろう。
「……わかりました」
アスランは静かにそう告げると、グラスを手にとって、スッとユウナに差し出す。
ユウナは前までのにやけた笑いでなく、心の底から安堵した表情を浮かべて、
グラスをアスランのそれと打ち付けた。
チンッ……と、部屋に響く小さな音が、とても長く大きな音に、二人は聞こえた。
※※※※※※
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
「何なのだ、ここは?」
オノゴロ島の、ネオ・アキハバラ。
とある趣味の人しか来ることのない、特殊な街。
その数多ある喫茶店の一つで、シャアは目を点にして、
目の前でキャイキャイ動き回る少女達を見ていた。
レイとアーサーに手を引かれ、
ああだこうだと言っている内に連れ込まれてしまったのである。
正直言って、何でこんな喫茶店が存在するのか、何故このような喫茶店に需要があるのか、
シャアには皆目見当も付かなかった。
生まれて初めて、全く理解すら出来ない事象に出会ったような気すらする。
「……板についてますよ、隊長。慣れているんですか?」
レイは傅かれることに慣れすらあるシャアの態度に何故か感心しており、
当然だと言いかけたシャアは言葉を濁らせる。
U.C.では、こうして傅く仕事をする人間が周りにいるのが普通だった頃もあるのだ。
アーサーはと言うと、「萌え〜!」などと意味不明な単語を口走っている。
「誰か助けてくれ…………」
シャアのつぶやきは、むなしくこの異常な空間の中に呑み込まれていった。
第8話〜完〜
これで終了です。正直言って、先に進みたかったので進行を早くしたつもりなので、
若干作りが甘いところがあると思われます。
そして、投下直後の修正はなんだか恥ずかしいですが、
>>385の後ろから二行目、「書き込むます」→「買い込みます」です。
管理人さん、申し訳ない。(・ω・)ノシ ソレデハ〜
乙
ユウナはガチイケメンだしレイとアーサーがガチオタだし
ルナから依存とかなんとかヤンデレ臭までしてきたぞ
キャラ改変だいぶ激しいなwww個人的に楽しいからいいけどwww
そして安バーボンといえばアーリーイエローというところもナイスだ。美味いよね
乙です、最後が異次元だったw
お疲れ様です。
縁起は演技ではないかと思うのですが。
レイだけでなくアーサーまでが・・・(苦笑)
>>393 確かに(汗)、「縁起」→「演技」ですね・・・。
ちくしょうorz
787さん投稿お疲れさまです。
また修正が。何でこう毎回不祥事ばかりorz
>>382の一行目、「疑問。」の「。」は入らないです。
本当に申し訳ないっす(;ω;)
ミネルバのクルーでまともなのはシャアとタリアしかいないんじゃないかと思えてきたw
>モルゲンレーテ製のMSも見てみたいものだな
シャアが見たら卒倒するだろうな・・・・・・ムラサメ
議長も変態仮面もどこでレイの教育を間違えたんだwww
それぞれのキャラ考えたらあさっての方向にいきすぎだろぅwww
シンがステラを助けてアスランが迎えにくるまで二人きりなんてしれたらルナマリアがトンでもないことに・・・
ちなみにもしマユがいきていたらこうなる?
マユ「この売女!お兄ちゃんから離れて!」
ルナ「ふん、お子ちゃまがシンを満足させれないでしょ!」
シン「グハッ!(ストレス性胃潰瘍による吐血)」
なにその、ドキッ!ヤンデレだらけのヒロイン争奪戦!!はwww
というかステラもある意味病んでるから洒落にならない
お疲れ様です。ユウナが反連合なのはちょっと新鮮だったです。
最後のシャアは思わずノットトレジャーハンターの英国紳士を思い出してしまったw
>399
議長も変態仮面もどこでレイの教育を間違えたんだwww
きっと家(研究所?)からだしてもらえなかったレイはアニメしか見るものが
なかったんだyo!
>ヤンデレ
なんか例のあの携帯、マユの怨念とかこもってそうなんだよな……ただでさえ色が電波の象徴ピンクだし
まあシンも庇護対象としての女性に精神的に依存してる節があるようにも思えるし噛み合えば上手くいくんじゃ?
ムラサメならまだしもアカツキを見た日にはどんなリアクションが起きるのやら・・・
赤い人のセンスも並みじゃないから平気だろ
ほう…金色のMSか
悪く無いセンスだな
>>405 「私以外にも金色のモビルスーツに乗るものがいたとはな・・。」
その場にルナとか居たら
ルナ うわ!金ピカだ〜・・・趣味を疑いますね!。あれ?隊長?
シャア そ、そうかね・・・ルナマリア君、君はクワトロ・バジーナという名前を知っているかね。
ルナ いえ 聞いた事無いんですけど?その人ももしかしてこんな成金MS乗ってたんですか?
シャア (成金・・)昔私がエゥーゴという組織に居たときに共に闘った男だ(ちょっと!)
ルナ そうなんですが。で、その人はどうなったんですが?
シャア コロニーレーザーの中でシロッコとハマーンと闘ったのだがその後消息不明になった・・
ルナ 死んだってことですが?あまり強くない人が派手なカラーで目立つと死亡フラグになるんですよね。
シャア、シン、レイ「お前が言うな!」
いやその話し方だとルナの解釈が正しいだろw
ルナマリアの赤だって目立ちそうだけどね?
ルナマリアは、自分の言った「あまり強くない人」が自分にも当てはまるとは思っていないw
>>400 なんとなく、ラリアットで撃退されたS県月宮を思い出したwww
ほら、マユとアユって似てるから...
787さんとこのレイだと、もしオペレーション・フューリー(オーブ戦)があった時に
オノゴロ島に攻め込もうとしたザフトを殲滅しかねないな。
ネオ・アキハバラ防衛の為に。
ギル「レイ、占領後速やかに、慰問施設として活用できるポイントの設定をまかせる」(言いたいことはわかるなレイ?)
レイ「この地点の敵兵力の吸引のち確保」(もちろんですギル)
アーサー「ハッ」(エロゲの資金足りない・・・)
腐ってやがるw
宇宙空間じゃ青と黒以外はみんな目立つ色なんじゃね?
暗いオレンジ色みたいな柿色も非常に目立ちにくいとか聞いた事がある
昔の忍者も黒装束じゃなくて柿色してたって説もあるとか
赤っぽい濃いグレーが人間の目では見えにくいとか
虎の派手なしましまも実は迷彩柄。草の生い茂ったような所に隠れると実に意外だけど見事にまぎれる。
上野動物園の虎の森でも、模型を使って説明がされていたよ。…砂漠で迷彩効果があるかは知らん。
787氏のユウナならフリーダムにカガリをさらわれないだろうな、
フリーダム相手に拳銃向けて一歩も引かなそうだ
>>421 や、それって死亡フラグなんじゃ…>拳銃で立ち向かう
正直、無力化された機体の末路も想像できない人間がMSに対する人間の脆さを理解出来てるとはとても…
いいじゃないか、たとえ脂肪フラグでも
『やらせはせん!やらせはせんぞ!!』
そう言いながら銃を乱射することにはロマンがあるんだ
どうしてあの父親からあんなかわいい子が・・・
425 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 12:49:36 ID:kOgvt9PT
おつです
wikiから参戦したおれが来た
wtktしてる俺がたくさん感じるw
母親に似たor祖母に似た
でも豪胆かつ行動力あるところはパパに似ているわw
ドズルは妾の子説があるんだから、愛人にするくらいならドズルのオカンは美人だったんじゃないの?
そうするとザビ家側からの覚醒遺伝も考えられなくもないけど……
ドズルって親父のデギンにもギレンにもキシリアにもガルマにもオリジンのサスロにも似てねえなあ……
アニメのキャラなんだからそこらへんは深く突っ込まない事にしてる。
>>422 それくらいやらないとあの山猿女はなびかないだろw
>>422 ケースバイケースで無力化したんならほっとくべでほっとかれる可能性もなくはないだろうけど。
たいていの場合ここぞとばかりに減らすわなぁ
しかも相手側は逃げる味方を援護しないといけないというすばらしい落ちまでついて
なにげにキラは一番部隊に負担のかかる行為をしている
431 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 15:43:31 ID:4TDNhqt+
紳士なユウナの活躍に今後期待しますが・・・・・カガリは別にw
最後のネオ・アキバハラは面白かったです〜
432 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/18(日) 16:07:30 ID:foeyGVfi
ドズルは不細工に遺伝子操作された唯一のコーディネーターだから。
たぶん、幼少の頃のけがで崩れたんだろ
ってことにしよう
>>422 想像できないかは言いがかりじゃね
出来れば直接殺したくないからコックピット外すけど後は知らん勝手にしろって取り方も出来るし
>>433 オリジン前まではサスロ暗殺の時にバラバラになり奇跡の手術で一命は取り留め五体満足になったが顔だけはどうにもならなかった
と言うヨタがあった。
オリジンは別物だろ
劇場ZとTVZみたいに
規制中?人がいない・・・
マルチコピペで規制発動中、だそうで。
モリタポ乞食してP2使えばいいのに
更新伸びてるからのん兵衛氏かと思ったら、案の定ママちゃんかよ・・・
オマケに内容はさらに酷い・・・ネオアキバとかってなんだよ。
ほとんどのキャラは変な改変されてておかしいし、文章も拙い。
挙句、初っ端に変な引用付ける。そんなもん付けるくらいならもっとうまい文章書く努力しろよ。
こういうこと書く人って何様だろうね
就職に失敗したのかも。
>ネオアキバ
バトルテックに出てくる惑星か
マクロスFの船団内区画か
おそらくは後者だ
何が読者様だ
読みたくなけりゃアボン設定でもすりゃいいだろうに
俺はそうしてる
情報の取捨選択すら出来ない低能が文句言うな
>>445 ああ、言葉が悪かったというか足りなかった
SS界でウザがられてる「読者様(笑」だな、ああいうのは
朝起きて流れ見てそれとなく言ってみたら。
まあ俺の配慮が足らなかったんだな、スマン
>>440 気に入らないなら読まなきゃいい。
俺は787氏のSSを面白いと思ってるので、氏が書いてくれる限りは読み続ける。
上で誰かが言ってる通り、万人にウケるなんて無理なんだから、読む読まないくらいは、自分で決めろよ。
だが粘着荒らしや勝手に他人にケンカを売る信者よりは100倍マシという
>>445 流石にこの流れで
>>444も理解出来ないのは冷静さ失ってカリカリし過ぎ。
もう少しリラックスだ。
>>440 いやどっちもどっちだろ
もっと頭を空にして読めよ
ケンカするくらいなら黙って脱げよ
つうか
>>440みたいなカスに読ますSSなんか誰も書いてないわけで
みんな誰と戦っているんだ(AA略
自分と戦ってるんだよ
ならば、俺は自分を超えてやる!!
まあ氏もある種の通過儀礼だと思えばいいさ。
痛い人が粘着するのもごく普通だよ、ここでは。
お前達が本当に正義ならば俺を倒せるはずだ!
アスランの正義は自爆しました
粘着するのはここじゃなくてどこも
自爆マニアだからな凸は
真のガンダムなら我らと手を組むはずだろうがああッ!!
つうかワタリー・ギラ中尉がCEに来たら最初の三日間で三百回くらい自爆しそう。
UC0150年代の量産MSを甘く見たらヤバいもんな
ヘリが最強の根拠なのはよくわからんが
あの時代のMSが強いのはわかる
いまだにビームローターの存在価値がよくわからん。
>>467 サブフライトシステムなしで空を飛べることぐらいでない?
しかもものすごーく安価に
非常に低燃費でホバリングできるからじゃない?
ミノフスキーフライトの小型化実装が出来なかったからその代替と言う事でビームローターを搭載しているものと思われる
元々サナリィを接収した時にミノフスキーフライト技術も奪おうとしたが、サナリィの技術者が資料を持って逃走
地球侵攻作戦の遅延をこれ以上先延ばしにせぬ様代替案としてシールド一体型ローターを開発したものと思われ
>>470 しかしよく飛べるよな、アレ。
MS形態だとテールローター無しだぞ?
さすがに姿勢制御にはバーニアとかそういうのを使ってるんだろう
>>471 MA形態でもテールローター付いてたか記憶にないんだけどw
ビームローターは簡易的なミノクラだしローター
シールド兼用という特性上、飛行時に片腕ふさがるのはどうにもならんのね
頭につけるとヤバいし(小学館的な意味で)
>>475 実験的に肩につけていた機体もあったけどね。
両肩につけて腕には予備のビームシールドと背中にもつけるのが正しい運用のしかたなきがする
まあ最終的にはタイヤ無双になっちゃうんだけど。
ふと、ミーティアVSタイヤが見てみたいと思った。
>>474 お前のお陰でアノ世界の大人のおもちゃにどんな物があるのか唐突に気になった
タイヤ強かったよなあ
本体はビームコート、側面はビームシールド、機動力も抜群ってどんだけだよwww
それでもザンスカールのMSは全てエンジェルハイロウから目をそらさせる為のハッタリ兵器なんだよなあ
本体自体はつよすぎるだろう。>ザンスカール軍MS
基本がほぼ同一設計だし
タイヤ最高説に異論はないんだけど
ファンネルとか打ち落としちゃう人だとシールドの発信器打ち抜きそうで怖いなw
>>480 それは極論過ぎる。
エンジェルハイロウ自体が成功するかどうかの確証がなかった以上、
MSによる軍事的な制圧ってのも有効な選択肢だよ。
一つの開発計画がこけたら全てが終わる軍事計画って杜撰すぎるだろう。
だって超オチンポビーム砲とか作っちゃう人たちだよ?
金玉言うなww
と言うことは片玉を潰されても…!
もしやあの兵器ってお禿様のアイデアとかじゃないよな?
おティンティンのことをマグナムとか銃器に例えることがあるけど
UC世界じゃいずれ「俺のカイラスギリーが火を噴くぜ!」とか言うようになるのかね?
エンジェルハイロゥに組み込まれていた「サイキッカーの皆様方」ってのはニュータイプの素質のある人達のことだったの?
それとも富野が「ニュータイプ」に飽きて適当に作った設定?
>>487 おマンコを舐めたくなるキャラがいないとか
センチュリー(世紀→性器)カラー(色)ミリオン(万→マンコ)カラー(色)とか
劇場Zの宇宙駅弁ファックとか
もっとエグいとこ行くとサコミズ主役の方のリーンの翼とか
あの人オマンコとオチンチン大好きだよ?
>>482 ヴェスバークラスならともかく
発信器は側面から噴出してるビームの流れに保護されてるので通常のライフル程度じゃ直撃コースでも逸らされてしまって発信器に当たらない
という設定がある
ブレンパワードのOP全裸だしなぁ…
>>490 原作版リーンとかオーラバトラー戦記とかすごいよねw
こんてぃお→こんぃてお
さあ、逆から読んでみよう!
おてぃんこ・ぐり!
>>490 宇宙駅弁w
そんなシーンがあったのか・・・
ちなみに誰と誰?
劇場Zのラストシーンだな
あとは…わかるな?
実況がサエグサってオチ付きだけどな
TV版しか見て無いから判らない・・・
ラスト違ってるらしいじゃないかい?
>>494-5 なんか本当にそこから名前つけたんじゃないかと思えてきたw
コンマオを止められたのは有名な話である
シロッコとカミーユのスイカバーファック
シロッコ「私だけではイかん!」
シャアがホモのレイパーで、シロッコがスカトロマニアなSS思い出しちまったじゃねーかwww
427氏が週末か来週には投下されるぞ、皆服を脱ぐんだ!
乗り遅れたか!?
ビギナ・ギナ⇔ヴァギナも追加してくれ。
下ネタ連呼で下品だなお前らw
Vの小説かなんかで
ザンスカールのMSの名前付けてる老人(=カガチ≒御大)は頭おかしいんだ
みたいな文か台詞があって
またえらく御禿らしい自虐だなと思ったのを思い出したw
富野監督は「セイラの○首はピンクだ!」とか言った事があるらしい。
ソースはガンダムエース(どの号かは忘れた。)
猥談すると元気になるなぁ、兄弟!
UCはホントにこの手のネタに困らないな
UC以降のガンダムはお上品気味で困る
と思ったけどキラさんの数々の戦果(寝取り的な意味で)ってガンダム的にはらしかったのかな
ガロード、あんたはあたしのもんだ!
今
「おちんちん!」とかやったらPTAから苦情殺到ですから
上品にならざるを得ない
しかもゴールデンタイムちょっと前にやってるアニメですし
最近じゃコンピューターおばあちゃんとかプリキュアとかで過剰反応してるんだし
>>509 フリーダム・ジャスティス・プロヴィデンス・ジェネシス・ディスティニー・レジェンド・レクイエム
中学生の時に和英辞書に赤線引いた単語ばっか・・・
まあ、その辺は現実世界の英国兵器のネーミングセンスとかもアレだから気にしない方がw
まぁ、アークエンジャルじゃなくて「いそかぜ」とかでは中学生は釣れん
たしか戦闘機のミサイルにフェニックスとかエクスカリバーってのがあったような?
フェニックス=F-14戦闘機専用の超長距離対空ミサイル
パラディン=155mm自走榴弾砲
イージス(無敵の盾)、バルカン(火と鍛冶の神)
アルビオン…は向こうさんにとっての大和とかと似たようなもんか
ああ、あと自分の剣をエクスカリバーと呼んでた王様は居たねぇ(獅子心王)
アークエンジェルといえば、ソビエトがイギリスから借りた戦艦をそう呼んでたな
まぁ地名でもあるんだけどさ、アルハンゲリスク。
実在戦闘機にスーパーセイバーだのフリーダムファイターだのとっくに存在しとりますがな
まあ製造番号で呼ぶよりベットネームで呼んだほうがわかりやすいからな
>>517 "アークエンジェル"っていうと、俺世代的には極東に飛ばされたCIAの作戦本部長になるんだよなぁ...
そう言えば、"ホーク"も同作品に出ていたな...
何故、ドミニクとかケイトリンとか出ない...
>>518 VF-0とVF-19とか想像するとアッチもやっぱ厨ニだなぁと思うな
VF-0に関してはスターファイター2あたりにしておけばよかったものをとおもってしまう
平時だと予算確保のための議会対策が大変だから、
格好いい名前によるイメージ戦略も大事なのよ。
それだけやってもラプターは生産打ち切りでF-35は計画遅延だがな。
トムキャットはトム&ジェリーから拝借したネーミングなの?
>>527 F4Fワイルドキャットのほうが先じゃないか?
グラマン鐵工所の機体に猫のペットネームを付けるのは伝統
ワイルドキャット
ヘルキャット
タイガーキャット
ベアキャット
トムキャット
アグリキャット、と(オチが付いて終了)
つか、Tomcatって一般名詞で雄猫のこと
そもそもトムとジェリーのトムの方はジャスパー (Jasper)という名前だったんだよ
「トムとジェリー」というのも背の高い男の子と太った男の子の話が先だったし
それが紆余曲折を経て猫とネズミのドタバタ劇がトムとジェリーとして有名になったのさ
トムの本名?はThomas Cat
F-14のニックネームは、あの可変翼の動きが猫の耳に似てるからだそうな
勉強になるな
全く役に立たないけど
>>531 こまけぇこたぁイイんだよ(AAry
ただのトリビアなんだから問題無し
νガンダムをラプターとした場合、ジェガンは何に当てはまるんだろ?
>>525 VF-5000が先に設定されてるから無理だろ
>>533 F-16とかF/A-18とかか?よく知らんが
UCと現実では兵器運用・開発体制が違いすぎるので、
その例に当てはまる機体はないっす。
それこそ考察スレのネタじゃあないか?ジェガンとνは同世代の機体だしF35だと思うが。
>>537 30年も世代が違うのは流石に無理。
>>538 F35はまだどうなるかわからないでしょ。
>>533 ラプターの初期ブロック。νとジェガンは、内部の艤装品はかなり共通性があるらしい。
個人的には10日で出来上がるような物、ミニ4駆あたりで表現するべきだと思う。
売ってるフェラーリとフェラーリのF1カー
>>540 そういう言い方をされると、その急造品にフルボッコにされたサザビーの立場がないじゃないかw
544 :
980:2010/04/23(金) 17:15:18 ID:???
ども考察板で投稿した埋めSS書きです。
キリのいいところまで出来たんで、中盤までですが投稿してもいいでしょうか?
ネットにつなげられる時間がまちまちなんで、今のうちに投稿したいってのもあるんですが。
カモーン
546 :
980:2010/04/23(金) 17:17:01 ID:???
では。のん兵衛氏からのお返事にウハウハになってついつい書いちゃいました
ロンド・ベル艦隊とスペースコロニー<ヘリオポリス>を遮る、宇宙のゴミが集まって出来たデブリ宙域は
遠目から見ると、金属の塊で構築された運河の流れのように見えたが、近くで見れば『宇宙の墓場』と形容するのが相応しいだろう。
コロニーの残骸や、破壊された宇宙船やモビルスーツ……そういった宇宙のゴミが集まり、ひとつの巨大な空間を形成しているのだ。
以前はここで水(とピンク色のお姫様を)拾い、命を救ってもらった場所ではあるが、いつ見ても気持ちのいいもんじゃないね。
あの世にいけず、元の世界にも帰れず、未練たらしくここを巣にしているみたいだ。
(着いたわよ、お兄さん。さぁお仕事よ)
ここまでのタクシー代わりに、≪ストライク≫をその背に乗せて牽引してくれた≪Zプルトニウス≫という可変モビルスーツに
搭乗しているシャーリー・ラムゼイ大尉が綺麗な声で、目的に宙域に到着したことを告げた。
「ありがとさん。今度お茶でもご一緒する?」
(模擬戦でアタシを倒すことが出来たらいいわよ)
ラムゼイ大尉と軽口を叩きながら、エール装備の≪ストライク≫を自分が担当する宙域に向かって飛翔させる。
途中で、いくつも破壊されたマシンの残骸を通りぬけたが、その中にまだ真新しい大西洋連邦のネルソン級戦艦の残骸を見つけて、
これは自分たちが撃沈したものだろうかと思案した。
しかし、前回の討伐艦隊の敗北を知ったら、軍のお偉いさんどうするのかねぇ。
今の連合、いや大西洋連邦大統領閣下アダム・コートリッジは、英国の離脱やら拡大ユーラシアの出現やらで
首を絞められている状態だ。せっかくオルバーニの後をついで、華々しいスタートを切ったと思ったら、このザマだ。
自分たちを武力で取り込もうとしたとはいえ、多少は同情しなくもない。
まぁ、アラスカで俺達を見捨てた(まぁ俺は自主的に脱走したクチだが)大元のハワード・ジェファソン大元帥殿の
偉ぶった顔が蒼白になったのを連想すると、自然と顔がにやけるが。
こっちは同情なんぞしてやるものか、いいざまだ。
547 :
980:2010/04/23(金) 17:19:44 ID:???
「ムゥ・ラ・フラガの憂鬱」
拡大ユーラシアとの緊急会談の結果、軍事要塞<アルテミス>が脅威でなくなった今、
コロニー<ヘリオポリス>への最短ルートを、心置きなく進行出来るロンド・ベルと残存オーブ艦隊にとって、
最大の難所となったデブリ・ベルトは、隠れる場所に事欠かさないことから敵側にとって、最も襲撃に適している場所と言える。
無論デブリの中を突っ切るわけではないが、そのデブリ郡スレスレを艦隊が通過するので
デブリの中に潜んでいる敵に奇襲を受ける可能性があった。
もっとも、先日の討伐艦隊の手酷い敗北を知った大西洋連邦にすぐさま追い討ちをかけるほど
余裕があるとも思えないが、脱出に先んじて、大西洋連邦の部隊が隠れている可能性もある。
こういった索敵には、前回の時と同様早期警戒機を出すのがセオリーだが、デブリの中の艦艇の残骸のニュートロン・ジャマーが
誤作動を起こしているのか敵機が潜んでいるのか、正確なことはわからないが、かなり強いジャミング波が広域に渡って出ており、
警戒機だけではカバーしきれないらしい。
今更迂回ルートを回るわけにもいかず、奇襲の可能性も考慮したうえで、モビルスーツ数機による直接視認による索敵を行い
その上で艦隊を進行させることになった。そのため各艦のモビルスーツをいくつかの部隊に分け、艦隊に先んじて
このデブリ・ベルト付近を捜索する事になった。
自分、ロンド・ベル現地兵≪アークエンジェル≫所属、同艦機動部隊(といっても今のところ隊員は負傷しているトールを除いて、
自分とキラの2人だけだが)隊長権遊撃部隊副隊長こと、ムゥ・ラ・フラガ少佐もこの捜索隊に参加した。
本来なら、稼働時間があまり長くない≪ストライク≫にはこういった任務は向かないのだが
この場所には少し思うところもあり、無理を言って参加させてもらったのだ。
ちなみに旗艦である≪ラー・カイラム≫からも、アムロやレーンの坊やが別宙域を探索している。
拡大ユーラシア……大西洋連邦が中心の連合とは違い、英国が中心となった組織か。
ガキの頃、英国には両親と旅行に行ったりもしたが、実際気位の高さみたいなもんは感じたな。
そんな国が、『連合』などとは言ってもその実大西洋連邦が中心のような組織では、腹の底では納得しかねるものがあったのだろう。
俺は我が≪アークエンジェル≫の艦長殿と違い、仲間に対する義理人情はあっても
大西洋連邦に対する愛国心なんてものは正直なところ、あんまり持ってはいない。
むしろ、あんな扱いをしてくれたあんな軍隊(そう呼称するのもおこがましいと思うが)から綺麗サッパリおさらばする事が出来て
清々しているというのが本音だ。もっとも、マリューや、ハルバートン提督は、今でも少し思うところがあるようだが。
548 :
980:2010/04/23(金) 17:22:29 ID:???
自分はそんなに思い悩む事もなく、オーブにいた時に今まで着用していた連合軍の軍服を
階級章や授与された勲章もろとも、塵焼却場で燃やしてやった。
そもそも軍隊に入ったのだって、愛国心からではなく十数年前の実家騒動のゴタゴタによる遺産相続やらに嫌気がさし、
その反動で子供の頃夢見た『戦闘機乗り』になろうとした、なんとも不純な動機からに他ならない。
ガンバレル適性やらなんやらで、それなりに才能はあったらしいし、パイロットとしての熱意と努力も人並み以上に惜しまなかったから
今までの戦場でも生き残る事は出来たし、それなりの働きもしてきた。軍に対する義理は十分に果たしただろう。
ナタルには、「軍人としての心構えがなってない」とか言われそうだな。
あの常時しかめ面の元副長さんを思い出して、苦笑する。
……彼女、どうしただろうか。アラスカで≪ストライク≫やらのデータそっちのけで、ロンド・ベルの情報を根掘り葉掘り尋問され、
それから厄介払いとばかりに転任を言い渡され、アラスカから離脱する潜水艦に乗り込むところで別れたきりだ。
まぁ優秀な軍人ではあるし、彼女ならどこでもやっていけるだろうが、あのコ隠しているようで、アムロに気があったからな。
国の決定とはいえ、ロンド・ベルと敵対関係になっちまったのは内心痛いだろうな。
……まぁアムロには内縁のパートナーがいたらしいし、つらい結末になるよりはそっちの方がマシかな。
ああいったタイプは、恋愛関係で痛手を負うと、仕事もままならない事が多いし。淡い思い出に留めた方が互いのためだろう。
本人がいたら怒り出しそうな事を思いながら、既にかなり小さくなったが正面のモニタ上から
それでも青々とした海面を覗かせる地球を見やる。
それにしても、ナタルと同様に敵同士になってしまった顔見知りの戦友とか実家の元執事、
顔なじみのメイドの姉さん達に自由に会えなくなっちまったのは、辛いところだ。
ロンド・ベルに鞍替えした事を悔やんでいるつもりはないし、むしろ最良の選択をしたと思っているくらいだが、
この先、自由に会えるようになるのは長い時間がかかりそうだ。
ま、ここ数か月分の給料と、多少なりとも期待していた軍人年金も泡と消えたが、再就職の代償と考えれば安いものかもしれない。
その時、胴体部だけの≪ジン≫の残骸がモニターに映し出された。コクピット部もビームで焼かれたのか、無残に焼け焦げている。
549 :
980:2010/04/23(金) 17:26:35 ID:???
……そう、先日の連合いや大西洋連邦の討伐部隊のアーマー乗り達、≪ジン≫に乗っていたコーディネーターの傭兵達の事を考えれば
本当に安いものだ。
そのことを考えると、なんとも形容しがたい怖気の入り混じった虚無感に襲われる。
ほんの少し、運命の糸が今よりもほつれていたら、自分がロンド・ベル相手にあんな無謀な攻撃を指示されていたかもしれないのだ。
背筋が薄ら寒くなる。
もし、実際に命令されていたら?
何度か考えた事のある難問の答えはいつも同じで、「投降する」の一点張りだ。
ロンド・ベルの軍人たちと共に戦った自分だから言えるが、彼らの戦い方はザフト以上に対モビルスーツ戦に特化している。
おそらく運用している時間の差だからだろうが、アムロやジャックのレクチャーを受けている自分ですら、ようやく付いてこられるほどだ。
彼らにとって、のろくさとモビルスーツを動かすザフトや連合のモビルスーツ部隊は相当鈍くさく感じたことだろう。
どう攻略しようと考えているのかは知らないが、ザフトがロンド・ベルに対し、いまだ愚鈍なナチュラルと蔑み
地球連合と同質の存在だと考えているのなら、彼らは決して優位に立つことは出来ないだろう。
ならば瞬間的な速度に勝るモビルアーマーの方が優位かと言えば、そうでもない。
事前にモビルアーマーの弱点をレクチャーしていたとはいえ、ロンド・ベルのパイロットたちは初めて戦うはずの
万能宇宙戦闘機≪メビウス≫を、苦戦することなく撃破しているのだ。おそらくモビルスーツ以外の機種に対する戦法や運用思想も、
キチンと確立出来ているのだろう。
そういえば奇妙なことにアッチの世界にも『モビルアーマー』は存在するらしい。
対モビルアーマー戦のレクチャーを行った際、ロンド・ベルのパイロットが奇妙な顔をしていたっけ。
とにかく、先の低軌道上での宇宙戦で討伐部隊がこっぴどくやられた敗因のひとつは、ザフトに対するモビルスーツ戦術を
そのまま対ロンド・ベルにあてはめてしまったことも起因していると思う。
むろん装備や技術の違いってのも大きいが、ザフトとロンド・ベルは明確に区別し、別個に戦略を練らなければ勝つことは出来まい。
……はて、ロンド・ベルの一員である俺が、なんで対ロンド・ベル戦術を練っているんだ?
どうやらいまだ地球連合のクセが抜けきってないらしいや。
550 :
980:2010/04/23(金) 17:28:57 ID:???
しかし人一倍情報を重視するはずの傭兵や、正規兵であるアーマー乗り達が化け物じみたロンド・ベルの強さを
知らないはずがないと思うのだがな。先日の戦闘では、よくもまあ果敢に攻撃をしかけるものだと呆れを通り越し、逆に感心したものだ。
特にモビルアーマーによる攻撃は、どんなパイロットが乗っているやら、正規教本にすら載ってない無謀としか言えない攻撃や
挙句の果てにはカミカゼの如き特攻を仕掛けていた機体もあったっけか。
そりゃ自分も生き残る為には教本の規定から外れた無茶はするが、無謀な行動はむしろ命を縮める行為だ。
アーマー乗りの質の低下は、同じアーマー乗りだった自分が一番理解していたつもりだったが、正直今の軍部のことは理解できない。
……いや、あの軍の事だから敵の実態なぞ教えるわけもないか。
そういった残酷な運命の理不尽さを省みれば、自分はこの世界でいかに幸運なパイロットなのかとつくづく思う。
自分がこの≪ストライク≫で撃墜した、アーマー乗りの末路を思い起こす度に、本当にそう思えてくる。
自分と共にこの宙域を探索している、ラムゼイ大尉の≪Zプルトニウス≫が前方を横切る。
……アムロやロンド・ベルがいてくれなかったら、とも考えると、さっきのとは別の種類の冷や汗が出る。
オーブが壊滅した後も、今や大西洋連邦に匹敵する大国となった拡大ユーラシアから
一国家として認められているロンド・ベルの一員だが、そのロンド・ベルがいない状況というのも、かなり背筋が凍るというものだ。
いくらオーブの獅子とて、≪アークエンジェル≫であっても、所詮脱走兵に過ぎない自分達にコロニー1基を提供してくれたとは
とても思えない。あの破格の取引は、ロンド・ベルという規格外の存在だからこそ対外的にも対内的にも成り立ったというのは、
政治に疎い自分にも理解できた。
オーブ壊滅後は行く当てもなく、良くてせいぜいオーブと親交の深いスカンジナビア王国か
L4あたりの廃棄コロニーあたりでも目指していたに違いない。
よしんば、うまくたどり着けたとしても、それから先はいったいどんな道を歩んでいるのやら……
正直、想像もしたくない。いや、それ以前にアラスカに無事にたどり着いていたかどうかすらも危ういか。
おや?さるさんかな?
980どの
さるさんなら
避難所か考察に御一報を・・・
553 :
980:2010/04/23(金) 17:36:13 ID:???
「なら、君がヒーローになればいい」
艦艇修復の祝賀会の酒の席でそれを言ったら、冗談交じりにアムロからそう返されたが、それこそ冗談じゃない。
他に代役がいないのならやらない事もないが、ヒーローなんてのはキラあたりに任せたらいい。
俺のような凡人には、荷が重過ぎる。
「少佐殿はヒーローになるのが怖いんですか?」とレーンの坊やからはからかわれたが
人には分相応の生き方ってもんがある。あの親父がいい例だ。
キラといえば、アイツはどうしちまったんだろう。
ほぼ全壊したローラシア級艦の中に入り、内部に敵が隠れていないか、対物センサーに注意を傾けつつ、思案する。
<ヘリオポリス>から初めて≪ストライク≫に乗って、しゃにむになって生き残ろうとしていた時とは別人のようだ。
特にそれが戦闘になると顕著に現れた。決してコクピットを狙わないのだ。
別に積極的にコクピットを狙って、確実に殺せなどとブルーコスモスじみたこと言う気はないが
どんなに危機に陥っても、敵機を落とそうとしないのは不自然を通り越して何か、妙な強迫観念じみたものを感じる。
そりゃあ、殺さないで済むのならもちろんそっちの方がいいし、気が楽だ。だが、実際はそんな器用な真似を出来る人間はそうはいない。
前の宇宙戦でも、そのせいで≪ジン≫に接近されてしまった。アムロがいなかったら、結構危ないところだったな。
戦場で人を殺すことに対しては悩むのが普通だし、一切悩まない軍人などにはなりたくはないと思う
……それが理想の軍人なのかもしれないが。俺も最初敵機を撃墜した時は、艦の便所でゲーゲー吐いたり、
浴びるように酒を飲んで気を紛らわせようとしたっけな。
だが、自分達モビルスーツパイロットは、ある意味母艦の命を預かっているような存在だ。
そういった面を考慮すれば、新米モビルスーツパイロットの自分は襲い掛かって来た以上、確実に仕留める事しか出来ない。
そのことをアムロに言ったら「それが普通だよ」と言われた。レーンの坊やも、キラのそういった部分に対してはいい顔はしていない。
……上官として、俺から少し言ってやった方がいいかもしれないな。
554 :
980:2010/04/23(金) 17:37:52 ID:???
穴だらけのローラシア級の腹の中にいる≪ストライク≫の真上を、すごい速さで通過した機体の影に気がつき、
≪ストライク≫の頭部を真上に向ける。ウェイブ・ライダーと呼ばれる航空機のような形態で、高速でこっちの宙域を通過した
<Zタイプ>2機に目を奪われる。ここいらでは≪ネェル・アーガマ≫の部隊が中心だが
ラムゼイ大尉の≪Zプルトニウス≫以外にも、ああいった可変機は搭載されていたのか。
それにしても、テックスの旦那やダニエルの≪リゼル≫もそうだが、向こうの世界の可変モビルスーツはいつ見ても惚れ惚れとするな。
元々戦闘機乗りだからかもしれないが、ああいった機体で戦場に一番乗りするってのは、やはり痛快なんだろうな。
連合にも≪イージス≫やオーブでやりあった黒い鳥型といったモビルアーマー変形タイプはあるが、ロンド・ベルのそれは変形しても
格段にスマートで、個人的にはこっちの方が好みだね。無論、スマートさだけが取り柄でもなく、大気圏内外を問わずに発揮する
高度な飛行機能と突破力と、モビルスーツの多目的性を兼ね備えたこちらの機種の方が、数段優れているのは間違いないだろう。
キラのお古が嫌だ、というわけではないが、空中を自在に自由飛行で駆け、要所要所でモビルスーツ形態になる
トランス・フォーマブル・モビルスーツは、アーマー乗りの自分にとって相性が良いように思えるのだ。
何回か≪リゼル≫のコクピットのシミュレータを使って動かしてみたが、やはり自分の性に合っている機体種だと感じた。
今や大隊長であるアムロにでも頼んで、<ヘリオポリス>の施設を使って、この≪ストライク≫があぁいったウェイブ・ライダーに
変形出来るよう、改造してもらおうか。ピートのおやっさんなら、なんとかしてくれるかもしれない。
いずれにせよ、早く<ヘリオポリス>に着きたいもんだ。オーブ解放戦から大気圏離脱まで緊張の連続でさすがに参る。
長時間に渡る操縦で硬くなった肩の関節をほぐす。
先日のような、あんな大きな戦闘はさすがにないと思いたいが、予想外の出来事はいつ何時でも起こりうるものだし
陰湿なクルーゼの野郎がここで待ち構えていないとも限らない。
クルーゼのあの蛇のようなしつこさの攻撃を思い出して、顔をしかめる。
プラントの外交官を連れている以上、手荒なことはしない……とは思いたいが、名目は中立コロニーの<ヘリオポリス>を
躊躇なく襲撃したヤツのことだ。何をしでかすかわかりゃしない。ここで大使館員もろとも抹殺するくらいのことはしかねるだろう。
……ロンド・ベルを倒す事が出来れば、の話だが。
555 :
980:2010/04/23(金) 17:39:31 ID:???
その時、周りに僚機がいないのに気がつく。丁度いい頃合かな?
視界による確認だけではなく、センサーにも注意をやる。どうやら、近くに敵機もいないようだ。
よし、当初の目的を果たすとしよう。
俺はコクピット・シートの備品箱に入れておいた一本の造花を取り出すと、コクピットを解放し
眼前に広がる宇宙の墓場目掛けて、それをやさしく放った。
放った造花は慣性の法則に従い、俺の視界からすぐに小さくなり、虚空の宇宙に飲まれ次第に見えなくなった。
オーブ解放戦やロンド・ベル討伐戦で俺が撃墜した、かつての戦友たちに対するせめてもの手向けだ。
酒ビンなんかも考えたけど、デブリの衝突原因にもなりかねるし、≪アークエンジェル≫にあった造花にしておいた。
「許してくれ、なんていうつもりはないが、こっちも命がけなんでね」
懺悔とも覚悟とも取れる言葉を残し、俺はコクピットに戻った。
結局、自分の心が楽になりたいが為の行為だ。宇宙ゴミを一個増やしてまで。
はぁとため息をつく。そういや前にここで水を補給した時は、ニッポンのオリガミを手向けにしたっけな。
今度ここを訪れた時には、いったい何をばら撒くのやら。少なくとも、この妙な戦争が終わっているといいんだが。
556 :
980:2010/04/23(金) 17:41:30 ID:???
取り合えずここまでです。
……素人物書きなんで、なんか読み返したらおかしな間違いを見つけそうで怖いです
残りはたぶん来週のはじめになると思いますが、そんなに遅くはならないと思います。
では。
980さん投稿乙です。
中々面白い、というかこれだけ書ける筆力なら三次じゃなくても独自の設定で一本書けそうに思える
ちょっと試してみてはどうだろうか?
ちょっと気になった所があったので指摘。
隊長権遊撃部隊副隊長->隊長兼遊撃部隊副隊長
でしょうか?
乙です
シャーリーって一年戦争時からMS乗ってるからブライトと同世代ぐらいか?
あー、確かにムウはなんとなく可変機向いてるような気がするね
乙です。
航空機型可変機というと種死のムラサメとセイバーくらいか。
結局どちらもムウとは縁がなかったが。
可変機でファンネル持ちとかは贅沢すぎるか
つ[VF-17 ナイトメア]
980さんSS投稿乙でした〜
ロンデニオンでリゼルの生産が可能になったらムウに
ガンバレルorファンネル装備のリゼルに乗って欲しいと思ったのは俺だけじゃない筈だ
エグザスを可変機として再設計して…
なんかメッサーラみたいのが出来そうだな。
今更だけど可変機ってコスト高&整備性が高いわけじゃないから生産配備しなさそうな気がするけどな
>>567 大量生産する訳じゃないだろうけど、予備機や予備パーツくらいは用意するんでない?
ストライクにBWS被せりゃ簡易MAの出来上がりじゃない
つバビ
つハンブラビ
つエピオン
>>569 ストライカーパックにそういうバリエーションがあってもいい気がしてきた
BWS的に考えて
ストライクにナイト2000のスーパーモードみたいなモードを追加してみたり...
無論、コックピットはオープンカー...じゃなくてオープンMSタイプに。
>569
ついでにBWSにドラグーンかサイコミュシステム組み込んで
ゲーマルクのようにマザーファンネルもどきにすれば
シャアに情けないMS扱いされないようになるのかね
>>571 Gフライトか。あれは結構気に入りそうだな
>>572 キラもマイケルみたいにサイボーグ化してやってくれ
>>576 アストレイアウトフレームの飛行ユニットだよ
スパガンの飛行形態はGフライヤーでなかったか?
カツはハマーンのプレッシャー食らったシロッコを追い詰められるだけの腕はあるとあれほど
サラいなきゃ普通に倒せてたっぽいし
ここでジムUの下半身がGパーツorSガンの人工衛星足
>>578 小説版カツはもっとヤバかったような覚えがあるがなw
>>580 ラムサスかダンゲルどっちか落としてたよな、Gディフェンサーのコックピットブロックで
TV版じゃNT能力も中々だったし
ガキっぽさが消えればかなりの強キャラだよね
それはもうカツじゃないけど
昔、カミーユとカツを同格に扱ってカミーユの負担を減らして崩壊を免れた同人を読んだ事がある。
>>577 それであってる
Gフライトついでにロウが来たらどうなるやら
どもども、ベルギービールを堪能して帰宅した427です。
その酒の勢いで後半部分を書き上げてそろそろ出来上がりそうです。2時前後を目処に投下したいと思います。
よろしいでしょうか。
ヒャッハー!投下だぁ!
待ってましたぜっ!
それと遅れましたが、980氏乙です。では投下したいと思います。
(後編)※※※
既に、ここ数日の間でダービー伯との事前折衝は行われており、連邦には参加しない形で、対等な軍事同盟並びに通商協定を締結することには合意がなされていた。軍事同盟の中身は、いくつかの要素からなる。
アルテミス要塞とロンデニオンが存在するL3周辺宙域での行動に関しては、アルテミス要塞の戦力と共に共同に治安維持を行うことで合意した。
その場合はアルテミス要塞司令官兼駐留艦隊司令のアレクサンドル・ロサコフ中将と同格となる。指揮系統が混乱する危険性は内包されるが、ロンデニオン側の独立性を留意した結果である。
問題はそれ以外の軍事行動だ。L3宙域外で軍事行動を行う場合、行政上のトップないし大使の要請に応じて共同戦線を貼ることになる。受諾に関しては、相互の国は情勢を勘案して主体的に決定するという合意ができた。
但し問題になったのは、指揮系統や部隊の独立性、作戦運用の面で如何に位置付けるかという点である。
基本的には第1の案件同様に実働部隊であるロンド・ベルに独自性を持たせたいという主張に、特使はEEFの軍部が納得出来ないという理由から慎重で合意には至っていなかったのだ。
「独自性を持ちたいというのは、そちらの立場からすれば当然でしょう。けれども貴方方も軍人であれば、軍部が軍事行動に不確定要因を挟むことを好まない、という感覚が理解出来ると思う。大規模な軍事行動の場合は、なおさらにね」
侯爵は特に激しい感情を見せない。私も、淡々とこちらの主張を述べる。
「それはそうです。ですが、我々の現有戦力は貴国に比べて圧倒的に少ない。艦隊の独自行動権は確保したい。
妥協点として、L3宙域以外においては、階級上位者が全体の指揮を執る場合、EEF側の指揮下に入ることは容認します。但し、自軍戦力の著しい損失の危険がある場合など、いくつかの条件下では、独自の行動を許していただきたい」
「ふむ・・・、貴国の言い分は了解した。その問題は、協定の締結後に継続して議論を交わせばいいのではないかと思う。
明日すぐさま軍事行動をするわけでもないですからな。もちろん生存権に関わると判断した場合に、独自行動が認められるかどうかは、貴国にとっては重要でしょう。
つまり貴方方は遊撃戦力、チェスでいうところのクイーンとして扱って欲しいという事か、いや東洋的な表現で言えば持ち駒の飛車か角かな」
「閣下は将棋もされるのですか?」
「下手の横好きだよ、チェスに関してはそれなりに出来るつもりなのだがね。どうにも倒した相手が好きなときに相手の持ち駒として復活される辺りが面倒でね」
彼の苦笑に場が少し和む。
「ともかく、私もレイモンドとよく話しておこう。ご存じの通り、我が国は拡大に伴い色々とドタバタしていますからね。すぐに理想的な結論が出せる状況にない。
その中においても我が国にとって貴国との交渉は、重要な優先事項だ。大きな方向性だけでも合意に至れば、この会談は成功と言える」
彼がこちらの行動権に関して寛容なのは、彼らの目的の主眼が貿易だからであろう。我々が保有する技術に対する関心が強いことは疑いないことだ。
次いで通商条約に関する問題に移ったが、事前折衝で提起されていた、アルテミス要塞への軍事物資支援は合意に至った。だが、それ以外の問題については、すぐに合意に至らなかった。
「特許とおっしゃるが、先のオーブ政府とかわした技術の全面提供という協定がある以上は、我々の支払い損ではないか?」
アズラエル氏が、こちらの提示した案件の問題点を指摘する。
「その辺りに関しては、我々は現在のオーブ政権をクーデター政権であると認識している。正統政府ではない以上は、こちらに履行義務はない」
法務士官であるモリス中佐が述べる。彼はロンデニオン共和国における司法相を担っている。もっとも、彼以上に法務を担当出来る士官が、艦隊にいない。
「それで先方が納得しますかな?」
アズラエル氏の問いに対して、クワトロ大尉が応じる。
「仮に向こうがどう思うとしても、我が国とオーブの問題です」
「・・・まぁそうでしょうな。しかし、どのような技術があるのかは知りたいが」
「それに関しても、我々は慎重にならざるを得ません」
「それでは議論になりませんよ」
「理事、国力で言えばはるかに我々にアドバンテージがあるのだ。もう少し余裕を持ち給え」
「・・・」
首相はアズラエル氏をたしなめた後、言葉を続ける。
0===。El
(・∀・ ) 足なんて飾りです!
>┘>┘
「理事の言う事もわかっていただきたい。ともあれ、我々としては第1に核融合技術を要求したい。核融合炉さえあれば、現状で地上を脅かすエネルギー問題にけりがつきますからね」
「それについては、我が国で生産した物をリースする形でいかがでしょうか?」
「技術提供は行わないと?」
「慎重でありたいという理由の他に、単純に運用ノウハウがそちらにないという事です」
「ふむ・・・」
「今後に関しては、議論には応じると?」
理事の確認に対して私が応じる。
「それはもちろんです。対話は互いの主張を言い合うだけでは意味がありませんからね」
それを受け入れるかどうかは別にして。実のところ核融合炉も含めて技術提供問題は、ロンド・ベル内部で最後まで議論が分かれてところだった。
しかし、結論から言うと、いつか漏洩する可能性に神経をとがらせるよりも、こちらで情報の出所を管理ないし把握した方が、様々な点で対応出来るという結論に至ったのである。
よって、核融合炉はロンデニオンで製造して貸し出す、レンタル期間は使用料を払ってもらう。大まかに言えば、以上の様な運用を行うことになった。
アズラエル理事は多少不満そうであったが、ランズダウン侯は、まずは民間のエネルギー問題解決を優先したいと考え受諾し、今後の扱いについては継続的に協議をするという形になった。
もちろん、売却する機動兵器に関しても協議がなされた。ロンド・ベルにおいて使用しているものと同じMSを売却出来ないという事情から、こちらからはジムUを売却する旨を提示した。
アズラエル理事は、それを不満ながら了承した上で具体的なスペックの開示を求めた。もちろん想定の反応であったので、準備していたデータを提示する。
加えて付加要素として旧連合の運用形態にも配慮して、ジムUにストライカー・パックを装備出来るよう再設計を試みている事も提示した。ちなみにネェル・アーガマ所属整備員タクヤ・イレイ軍曹らが中心に設計している。
アズラエル氏はともかく実物がロールアウトした上で再び交渉したいという事になった。
支援
核融合炉をリースする場合でも、建造する材料は確保する必要がある。よってこちらからは、月面よりヘリウム3を輸入することを要請した。
核融合炉のリース価格やヘリウム3の金額に関しては、前者はこの世界における原子炉の相場と、我々の世界における核融合炉の値段から、後者は現状の流通量と輸送コストからはじき出した値段を提示し合う。
果たしてその値段が妥当かどうかで激しい応酬がかわされたが、一応の合意には至ることができた。ある意味では一番揉めたところだったかもしれない。
ちなみに他には生活物資をいくつか地球ルートから輸入することも合意された。
さて、ここまでならば、わざわざ首相自らが来なくてもいいだろう。外務大臣辺りにやらせればいい話だ。もちろん、互いの信義を深めるという点では一番の方策であるが。
一連の合意がなされた後で、ランズダウン侯爵の口からは予想もしない言葉が出てきた。その言葉を聞いたとき、ロンデニオン側ですぐに反応出来たものはいなかった。
「プラントでの一件を口外しないで欲しいという事ですか?」
ピレンヌ艦長が最初に立ち直り、灰色から白くなりつつある右の眉毛をくいっと上げて確認した。アズラエル氏に顔を向けると、多少眉をひそめている雰囲気だ。
「そうです、交渉の事実を否定しなくていい。要は、あの破壊的な結末になったことを伏せて欲しいという事です。なぜならば、これからは『戦後』を考えなければならない」
「どういうことです?」
ハルバートン提督が確認する。
「今回のプラントの一件が大々的に喧伝された場合、それこそカタストロフが起きるという事だ。国家組織としてのプラントが自滅する分には構わないが、問題はその後だよ。
大洋州連合やプラント占領下にある地域までが、戦後深刻な状況下に置かれることは容易に予想出来る。もちろんプラントそのものもそうだ。あの砂時計を消滅させない限り、戦後にあれを統治するにせよ、独立させるにせよね。
なにより戦後世界においてコーディネーターの扱いが悲惨なことになる」
私はアズラエル氏を見やる。表情に変化はない。
「私はアズラエル氏とは意見が多少異なるのでね。それに、これは別に彼らを取り立てて救おうなどと考えているわけではない。
重ねて言うが『戦後』の安定が問題なのだ。我が国内にもコーディネーターは多く居住している。
国内に騒動の種があからさまに残るのは好ましいことではない。加えていうならば、大洋州連合は鉱物資源国でもある。彼らの国内事情と言うよりも、経済的にあの国が不安定化することは、望ましいことではない」
ブルーコスモスの盟主を前にこうした物の言い方をする。タヌキだな。
「国内に無駄な争乱の種は不要だ。汎地球規模の経済市場を考える上で、他国、しかも20世紀とは異なり国民国家ではなく、リージョナルな枠組みとして成立している国家が社会不安を抱えることは論外と考えている。
もちろん大西洋連邦が喧伝するかもしれないが、当事国と我が国が公式に否定することで、それなりの説得力は持たせられる」
「しかし、いつかばれる話ではありませんか?」
コンタリーニ艦長が素朴な疑問を口にする。
「そうだ。だが、別に私は永遠に秘匿することなど端から考えていない。少なくとも世界が安定するくらいの間だけ、秘密が保たれてくれればいい。私が首相に就任したのは戦争の終結とその後の安定が主目的だ。そのためには必要な事をする」
強い意志を持った目をしている。アズラエル氏は半ば諦めているように肩をすくめる。
「わかりました。私としても、自分たちが原因で世界が誤った方向へと向かうことは本意ではありません。こちらから喧伝することはしません。ですが、プラント側が不当に我が国を貶めるのであれば、その限りではありませんが」
「そのときは我が国が全面的に味方になる事を約束しよう」
その後も議論及び交渉は、会食を経て深夜まで続いた。加えて翌日も午前中が協議に費やされた。これは首相一行が極秘行動だったことから、時間的な制約がないことにも起因するが、かくてトップにおいてはかなりの信頼関係を構築することができたのである。
自業自得とは言え、だから殲滅していいとか破滅していいという話じゃないもんなぁ…支援
支援する
昼食後いよいよ調印することになった。サインをする前の侯爵は上機嫌であった。
「いや、久しぶりに楽しくもエキサイティングな議論が行え、君たちが信頼に足る相手だということも理解することもできた。
それだけでも宇宙に上がってきた甲斐があるというものだ」
「ありがとうございます。私も全く同感です。
今回の会談はこの世界においてともかくも孤立した存在ではないこと、そして生まれた世界が異なろうとも人間が対話を通してわかり合えるという事を実感することができました」
「うん、この交渉が後に続く希望になってほしいものだ」
互いの文書にサインを行い、握手を交わす。既に議会工作を終えているらしく、帰国後に直ちに臨時議会を開催し承認を得る手筈だそうだ。
握手を終えると、今日の午前中に提起された案件が正式に提案された。
「さて、正式に協定が発効するのは議会で承認が得られてからではあるが、先にも話したように、来月後半から再来月初頭に双方の交易路、つまりヘリウム3の輸送路確保のため、軍事行動を提案する」
私は、先の議論を思い出しながら応じる。
「了解しました。細部の作戦計画については、正式な要請の後に詰める形で行いましょう」
※※※
「共同戦線ですか?」
ハルバートン提督が確認する。ヘリウム3の輸送に関する議論が落ち着き、小休止をした後で、既定路線のごとく侯爵が提案したのである。
ブリアン大佐に趣旨を説明させる。大佐は画面を開きデータを映し出す。つまりは既に準備していたのだ。
向こうの思惑に乗せられて動いてしまったということに、私は苦笑させられた。
全員が画面に目を向けていたので、おそらく誰も気がついていないだろう。大佐が部下のウェリントン少佐にコンピュータを任せて指揮棒で説明を始めた。
余談だが、少佐は元帥の孫で駐在武官として赴任することが内定している。このことからも相手の老練さを思い知らされる。
「L4コロニー群は、開戦後に放棄され、無法地帯と化しています。ここの安定は双方の通商上重要な問題でありましょう。
よって両国による艦隊をもって宙域の平定を行いたい。
平定後は、旧ユーラシア所有コロニーを要塞化したい上で、連邦側から1個艦隊を駐留させ、航路の安定維持を図ります。戦力は月面より再編した艦隊を用います」
確かにヘリウム3が安全に到着してくれなければ意味がない。艦隊首脳も思案顔で腕を組む。アムロが相槌を打つ。
「確かに、協定を結んでも物資が来なければ意味がない」
ランズダウン侯爵が応じる。
「その通りだ。貴国がヘリウム3を確保出来ない限り、核融合炉が建造出来ないという事であれば、当方としても航路の確保は至急の課題である。L4の制宙圏確保は両国の国益にも合致している」
「それに機動兵器を輸入する場合でも重要です。運ぶ度に海賊どもに好きにさせるわけにはいけませんからね。
ましてや砂時計ルートが使えるわけでもない。それにこうした形で軍事行動を行う事でアルテミス要塞や宇宙艦隊と貴国との間に信頼関係を醸造することもできる」
アズラエル理事が続ける。
\ |同|/ ___
/ヽ>▽<ヽ /:《 :\
〔ヨ| ´∀`|〕 (=○===)
( づ◎と) (づ◎と )
と_)_)┳━┳ (_(_丿
支援ポッド射出
「至れり尽くせりに聞こえますな」
トゥースが苦笑いをする。彼も私同様に乗せられていると感じているのだろうか。
「利益があると思って行動した方がいいという事ですよ。もちろん実益が双方にあることは疑いないことです」
アズラエル理事がにこやかに述べる。彼は昨夜の食事でも色々思うところがあったようだ。侯爵が咳払いをして仕切り直す。
「いずれにせよ、交易路の安定させるためにも、L4のコロニー群を海賊どもから奪回する必要があるかと思う。これは協定で焦点となる独自性をどう担保するかのモデルケースにもなる、数ヶ月を目処に調整していきたい」
「そうですな」
このようなやりとりから、我々は自信のライフラインの確保という名目での軍事行動を行う事になったのである。
もちろん、その後の休憩で意見のすりあわせは行われたが、結局のところ、物資を確保するためにはやむなし、という結論になったのである。
※※※
記者会見場には、首相一行の随員と、オーブ脱出時に紛れ込んだフリーのジャーナリストなどが参列している。私は正装の軍服でのぞみ、侯爵はモーニング・コートにアスコット・タイというスタイルで隣に立つ。
「拡大ユーラシアの市民並びに全地球圏の市民諸君に告げる!
私、ランズダウン侯爵ロバートは、ここに自らの世界を失いし人々たる、ロンド・ベル、いや本日よりロンデニオン共和国として独立した彼らとの間に協定を結ぶことになった!!
私は彼ら異邦人達とじっくり話す事で、彼らは我々と同様の思考のできる対話が可能な人類であると、相互にわかり合うことができた!・・・」
彼の演説を聴きつつ、私は自らの草稿を確認する。しかし、本職の政治家の後に演説をする羽目になるとはな。前列にいるアムロと目が合う。奴のにやけ顔に多少腹が立つ。
「私はそういった新しい価値観に期待したい!!!・・・」
こうして我々は、いよいよこの世界に根を張っていくことになった。それがこの世界にどのような変化をもたらすのか、私にはわかるはずもない。何より、私は今から読む演説が受け入れられるかどうかを考えることで精一杯であった。
第29話「ロンデニオン共和国」end.
「所詮作られしものか・・・」
第30話「コロニー群奪回作戦」
((∽))
∧|∧
┴(;゚Д゚)┴ 胴体どこ行った!
0===。El
(・∀・;) あれ?支援足りない?
>┘>┘
ってendかorz
乙でした
作られしもの?コーディ絡み?
酒の勢いで書いた、やたら間が空いてしまったことを深く反省している。
以上29話でした。いやいや、ともかく忙しくなりまして中々書く暇がありませんでした。
お待ちいただいた紳士の皆様には申し訳ないと思います。来月も学会で九州に行かねばなりませんし・・・
投稿するものも含め、〆切のあるものが数本ありまして・・・精神と時の部屋イキテェ・・・
本編ですがロンデニオン側とEEF側の対話は書き出すと収拾付かなくなりそうだったので、要点だけにしました。
他の対話シーンは外伝でやれたらと考えてます。
さて、次回ですが外伝をいくつか挟んでから30話へと進みたいともいます。
むしろ、外伝はライトなものも考えていますので案外早く書けたりするかもしれません。
ですがあまり過度な期待はせずまったりとお待ちいただければと思います。
修正点は前スレとか見直さないといけないのでしばらくお待ち下さい。
以下恒例新キャラです。ではまた次回か修正点にて。
新キャラ
・ロンド・ベル
・ネェル・アーガマ
タクヤ・イレイ軍曹 整備員UC
・拡大ユーラシア連邦軍
レイモンド・ウェズリー元帥(ウェリントン公爵) 旧大西洋連邦 連邦軍令部総長 イギリス貴族院議員 保守党
アレクサンドル・ロサコフ中将 ユーラシア連邦軍 アルテミス要塞司令兼駐留艦隊司令
リチャード・ウェズリー少佐(モーニントン伯爵)
ロンデニオン共和国成立に伴い、人物欄も改訂しないといけないとも考えてもいますがそれもまた次回に。
乙
乙です。核融合技術がロンデニオン共和国から地球圏にもたらされると世界情勢が一変しそうですね
もともと圧倒的に地球側が物量が豊富なのを、プラントがニュートロンジャマーで妨害してこう着状態に持ちこんでいたのもありますし
しかし、アズラエル知事がやけにまともに感じられて面白い
>>609 乙です。
しかしL4とは…これはラクシズオワタフラグか?
まあ大規模な作戦になるだろうからどこかしらから得た情報で逃げを打つかもだが。
もしかしてアズにゃんが大人しくしてたのはプラント穏健派がL4に居ること知ってて海賊もろとも始末しようと?
613 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/24(土) 07:17:43 ID:c8fRYGT0
980氏
乙ですが、
>あくまで投下された作品は、私の作品とは物語上は全く関係ない事も併せて明記して下さい
作品の頭にきちんとおまじない書いたほうが良いですよ
>>609 乙です
技術情報は漏れる前にコントロール下で開示しつつ、
(勿論開示するのは信頼関係のある勢力で)
その権利を明確化する…
ベストに近い判断ですね。
やるなブライト
飲兵衛先生乙であります!!
押さえる所は押さえた上で信頼関係を造り上げつつある勢力に技術情報を開示する。
うん、上手い手ですね。これでロンデニオンが技術の流出を上手くコントロールできるうえ権利関係が明確になっているから不当なコピーを許さないで済む。
ベストではないにしろモアベターである事は間違いないです。
L4に大規模な掃討作戦開始ですか。
確かにヘリウム3を輸入する為にはL4か、極点を通るしかないですからね。
燃料もさほど食わずに使えるL4方面の方が安全ですし。
ラクシズは下手を打つとロンドベルと拡大ユーラシアに海賊(ジャンク屋)諸共粉砕されそうだな。
427氏、お忙しい中投稿乙です
UCのタクヤまで登場とはw
さすがにバナージは出ませんよね?
彼はMSオタクでなおかつ、
技術者としてのセンスもあるからなw
後、バンシィを管理する役目&ラプラス関係での島流し措置で、
装甲素材の専門家、アーロン・テルジェフもいるかもしれない
ガザCとか輸出向けにいいと思うが再建造出来る資料がないか
建造できるほどの資料は実戦部隊にあるわけ無いだろ。
ジムUの資料があるのはまだ現役で地上の州軍等に配備されているからだし
ラーカイラムが地上で活動してた事もあるからなのに。
飲ん兵衛氏乙でした。
で、ちょい質問。
ジムUってモノコックでしたよね?
で、ロンドベルMSは全てムーバルフレーム。
ロンドベルMS郡とどの程度パーツ互換保てているんだろ?
生産は完全に別ラインになるのかねぇ...
ジムから改修できるんだからそりゃそうか。>ジムUモノコック
ムーバブルフレーム使った量産機はネモ辺りが最初か?
フレーム技術を供与したくなかったってことじゃないのか
そして既存の技術でも製造がなんとかなるから作るってことなんだろ
ストライカーパックを装備するGMUかぁ
核融合だからパワー不足とかないはず
L4宙域に拡大ユーラシアはロンデニオンと一緒に戦力を派遣するみたいですがこれって旧ユーラシアの艦隊だろうな〜。
日本や朝鮮、英国のように加盟先から離脱して新規加盟してきた諸国の戦力は旧来からの加盟国軍と違い再編が難しいでしょうし。
アルテミスの司令官が代わっていましたね。
まぁ、左遷先じゃなくなれば当然それなりの人材が来るでしょうしガルシアは更なる左遷先へ送られたのかな。
でも融合路をリースするってことはバッテリー式に再設計しないといけないのか。
>>626 リースは電力供給用の大型のものの話でMS用はまた別という可能性も。
その分値段を割り増しで売り出したりとか。
てす
>>627 GM2は普通にバッテリー仕様を輸出するんじゃないか?
核融合炉の技術を渡したくない訳なんだから大きさは関係ないと思ふ
>>627 オリジンでミノ博士が
「従来型をミノ粉使用で大幅縮小〜」
って言ってたから、そっちの従来型を貸し出すと思うな
まだミノ粉を隠し通したいだろうし。
でも先にオーブとの契約があるのに、こういったリースとか大丈夫かね
>>629 そもそもMSサイズの核融合炉なんて、提供されても今は漏洩とかが怖くて投入出来ないだろうな
ヘタにザフトやら大西洋やらに搭載機取られたら、それこそ最悪だろうし。
>>625 ガルシア閣下の行き先は…
@壊滅状態のアラスカ基地
Aアルテミスの下っ端
BL4の前線送り
どう考えてもロクなトコに行ってる気がしない。
そういや特務隊の連中どうしてるかね?
>>632 アラスカは大西洋連邦領だからありえないと思うぞ。
アルテミスの下っ端か月基地での小間使い、地上の窓際。出身州州軍の窓際族入り。
といった具合じゃないか?
ガルシア「元々ワシの管轄なのに、なんで後任の奴に手柄を譲らねばならんのだ!!
……こうなれば特務隊Xを使ってロンドベルの核融合マシンを奪ってくれる!
そうなれば、あの胡散臭い余所者相手に面倒くさい取引なんぞせずに済むからな!!」
ガルシア部下の特務Xは
いまどうなってんだろ…
ハイべりおんってもうできてたっけ?
核融合炉搭載のハイペリオン……
ある意味無敵なんじゃ?
いくらALあっても戦艦の砲撃とかを長時間受けたら耐えられなさそう。
パイロットのキラに対するアレルギー?が問題かも。
「ウチのモビルスーツに乗ればキラ君よりもよほど強くなれるよ?」とか言われたらあっさり寝返りそうw
そもそも割れると思うけど>傘
特務隊Xにしろガルシアがやりたい放題できていたのは左遷先に過ぎなかったからなんだよな。
重要拠点に成った時点で解任され、ハイペリオン試作機も接収されているだろうね。
逆らったら新規に駐留する事になったユーラシア宇宙軍主力艦隊が待っている。
ジムUなんてZ時代の骨董品だろ
そんなんで交渉できるのかよw
お前ができないと思うならそうなんじゃねーの
ジムUは逆シャアの頃でも地方では現役だったはずだが
下手したらUCの時代でも現役の機体があったかもしれない
中にはジム→ジムU→ジムVと改造されて20年以上頑張った機体もあったりして
でもミノ粉について多くを秘匿せざるを得ない現状、
関連技術から派生するメガ粒子を用いたビーム兵器は渡せない可能性が高いよな。
相対する事があった場合にロンド・ベル側の生存率を高めることになる一方、
攻撃力が大幅に低下することでダガー系列等に対しどれだけアドバンテージが残るか疑問ではある。
ファースト時にジムUを生産、輸出
と考えれば凄い事じゃないかな?
>>642 日本ですら設計が半世紀前の戦闘機がいまだ飛んでるんだ
電装とソフトのアップデートちゃんとしてりゃ二線級で余裕で使えるだろ
連邦のMS用OSの開発を一時期停滞させたと言われる
アムロデータ付ジムUならCEの完成度の低いOSを積んだMSに対して
それなりのアドバンテージがあるかもだ
>>649 でもそれソフトだけ売ってと言われたりしない?
まあまず最初にC.E.のMSの駆動系に合わせて書き換えないといけないだろうけど。
ダガーL「輸入はんたーい!」
ウィンダム「独自の進化体系を歪めるなー!」
スローターダガー「俺はOSさえくれれば問題ない」
むしろMSとセットで安価にして売って連合&ザフトのMS開発能力を削ぐ訳ですよ。
>>652 つまりロンデニオン共和国A.E化ルートか。
サナリィに相当するのが出てくるのはいつになるかな…
>>642 確かUC時点でもジムUはネモと共に現役のはずだが何か?
>>647 CEなら十分に高性能量産機として通用するよな
ストライカーパック対応ってのも大きい
>>655 ところで、例えば"エール"を装備したとしよう。
GMは...飛べるのか??
エールは滑空用
ジェットが飛行用
でも二年後の強化型エールは飛べるんだよな?
ロンドベルの技術力なら一気にそこまで持っていけるかもしれない。
名前はやっぱりジムストライカーなんだろうか
重量もストライクとGMUで20t以上違うし飛べないまでも浮いている時間は長くなる?
そこは工夫次第だろうな〜。
ランチャーのアグニとリゼルの指揮官仕様のメガビームランチャーどっちの方が威力あるんだろ。
>>662 融合炉の出力がある分、リゼルのメガビームランチャーの方が威力はあると思う
ただ、CEMSの性能を考えるとアグニで十分では?
>>654 あれは左遷用?僻地のトリントン基地だからだろうな、普通に考えてあんなとこ攻撃するバカなんている訳ないしさ。
人もMSも島流しになるような所だから古いGMUやネモ、ガンキャノンDTなんかが配備されていたんだろうと思われる。
まあ有る意味オーストラリアにある基地らしい扱われ方だな。(元々オーストラリアなんてイギりスの流刑地だしw)
>>648 F-4EJ「よんだかねぇ。後継がそだたなくってねぇ」
>>664 アフリカとかには最低でもジム3あたりが送られているとは思うがな
激戦区だろうし
>>665 F-35がまた学費ガメて放校寸前だからねぇ、おじいちゃん
バッテリーで飛行可能ってことはCEのエネルギー変換効率はUCとは比べ物にならないんだろうな
それで核融合か…凄い物ができそうだ
>>664 連邦首都であるダカールに居るのもネモとかネモV等グリプス戦争の遺物だったぞ。
ジムVが配備されている部隊は相当優遇されている。ジェガンやアクンシャ、リゼルまでいったら最精鋭部隊だろ。
>>668 ジム3自体は近代化改修できる機体ではあるからネモで十分優遇されているのでは?
初代のジャブロー戦でシャアのズゴックにやられてイメージを決定付けたあのジム、
最近だとあの辺の機体は最初期量産型であってカタログスペックをもかなり下回る
棺桶だったとかいう事にされてるらしいが、そういう機体でもCEに持ち込んだら
かなりいい線まで行くんだっけ?
流石に無理だろう
貫かれたジムは後付で指揮官機仕様ってことになったんだっけ?
うっかりビームライフルもたせちゃったからw
TES
>>672 指揮官機=ビムサ二本でビームライフルのは別のジムで突かれたのは眼鏡君のジムだったような
後付けで二次生産ジムがジム改で改修がジムスナイパーカスタム
コマンド系やストライカーに4号機以降のガンダムやフルアーマー計画はオーガスタと聞いた
>>672 刺されたのはビームライフル持ちの後ろに居たジム
とうのジムはコマに移らない速度で上方回避してた
その後ア・バオア・クーで一番乗りするもカイの前で撃墜
イチバ・ンノリィ少尉
>>674 零戦開発史の如く4号機以降のガンダムには研究用のファーストロットと前線の要求で新造されたセカンドロットが存在すると言う解釈もありG3のセカンドロットがアレックスとも言わる
ちなみにこれだけガンダム作れば陸ガン作る規格外、不良パーツが有るだろうと言う説でもある
それにしたって後付で一年戦争で生産されたガンダム系モビルスーツ多過ぎじゃね、と思う。
今後、増える事はあっても減る事はないだろうし。
連邦は一年戦争だけで何機のガンダムを生産してたんだよ! その内ガンダム28号とか出たりしないだろうな!?
しかしまあ、連邦の国力からすれば少ないかなぁ・・・とも思ってしまうわけで
連邦所属の各国が国の威信をかけて自国のガンダムを開発してました
ガンダムファイトの開幕である
なお、アムロ選手が頭部を破壊されても
「メインカメラがやられただけだ!」と戦争を続行したので
頭部を破壊されたら失格のルールが制定されました
>>677 ゲームのガンダム4号機だっけ?
一年戦争の時代だってのに1発で艦隊をまとめて吹き飛ばせる
ビームライフル持ってんの。バスターライフルじゃねえんだからよ。
スタッフはふざけてんのか?
『 機動戦士ガンダムSEED bloom 』
薄暗い執務室に声が響いた。
「これからの予定はどうなっている?」
声の主は言わずと知れたパトリック・ザラだ。
主の正面に立つのは秘書も兼務しているであろうザフト軍の制服に身を包む青年。彼は慣れた様子でスケジュールに目を通すと、落ち着いた口調で答える。
「今の所、大きな変更はありません。ただ、本日帰還予定のラクス・クライン嬢とバルトフェルド隊を乗せたシャトルが遅れている模様です」
「どの程度遅れるのだ?」
遅延報告に眉を動かす事もないパトリックは淡々と聞き返した。
「いいえ。まだ詳しくは。分かり次第ご報告いたします」
「分かった。……シーゲルは遅れる事を知っているのか?」
「第一報ですので、まだだと思われます」
「……到着時間が分かったら奴に教えてやれ」
パトリックはわずかに沈黙した後に、かつての親友の事を指して言うと言葉を続ける。
「それからだが、帰国会見の予定があっただろう。それを取り止める事は可能か?」
青年はパトリックの思わぬ発言に困惑を隠せなかった。恐らくはシャトルの遅延以外は予定通りスケジュールが進むと思っていたのだろう。
「そ、それは可能ですが発表もしていますし、このタイミングではマスコミが何と言うか……」
「ラクス・クラインに地球での会見の様な発言をされては兵士達の士気にも関わる。ラクス・クラインの体調を考慮したとでも理由をつければ良かろう。それから報道規制をかけるのを忘れるな。下がれ」
有無を言わさないパトリックの言い様に、青年将校はただ頷く以外に選択肢は無かった。
戦いの傷跡を残したままのアークエンジェルがアフリカの大地で翼を休めている。
その上空を連合空海軍主力戦闘機である二機のモビルアーマー――F-7Dスピアヘッドが通り過ぎる。そしてアークエンジェルの傍に大型のヘリと、その護衛と思われる上空にいる同型機体が二機が並んでいた。
何故この様な状況にあるかと言えば、実に単純なものだ。南アフリカ領内を航行するアークエンジェルがレーダーに引っかかった。ただそれだけの事。
同じ地球連合軍の属するとは言え、通告も無しに領内を航行していたアークエンジェルの方が一方的に悪いと言えた。
ただ、南アフリカ軍も突然の事と友軍艦アークエンジェルを発見した場所があまりにも僻地であった為、そうクラスの高い人物の派遣をして来なかった。しかし、それが彼らに幸運をもたらす。
派遣されて来た白人男性は連合南アフリカ軍の大佐。辺境の基地指令を務める将官の代理を務める代将だった。
それに対するは、アークエンジェルの責任者を務めるマリューとナタルの二人。
「ですから我々は、モビルスーツ量産のために一秒でも早くストライクを本部へと届ける事が任務となっております。ですから申し訳ありませんが、現在の状況でのご協力はできません」
「大佐殿。今、このアフリカでストライクとνガンダム。そしてアークエンジェルを失えば、我々連合はさらに追い込まれる事になるでしょう。しかし、ジョシュアにたどり着き――」
「――量産さえすれば、状況は覆せると言うのか?」
先ほどまで対ザフト戦の協力要請を求めていた大佐が、目の前の二人に対して低い声で返す。
「はい。数で勝る我々連合が圧されている理由は大佐殿もご存知でしょう」
「……今を耐え、時を待てと言う事か?」
「申し訳ありませんが任務上、そうとしかお答え様がありません」
マリューは苦い表情を浮かべながらもはっきりと答えた。
彼女と同様の表情を見せる大佐は、しばしの沈黙の後に口を開いた。
「ならば、大西洋は量産したモビルスーツを南アフリカに供給すると思ってよいのか?」
「そこまでは分かりませんが……一国のみが運用したところで効率が上がる事はありません。現状から言って、はぼ間違いなく初期稼働の機体は連合各国に供給されると考える方が妥当だと思います」
問いに対して、マリューの範疇を超えた内容ではあったが、彼女は予想しうる範囲でそれに答えた。
二人の目の前で大佐は小さなため息を吐くと、少しばかり疲れた表情で言った。
「どちらにしても連合本部の判断を仰ぐ事になる。一両日中には返事が来るはずだ。それまでは我が隊が貴艦の守備に着く。指示が出るまで骨休めでもしておく事だ」
そう言うと彼は踵を返し部屋を出て行く。マリュー達は少々疲れた表情で天を仰ぐと大きな溜息を吐いた。
後付設定の結果、ガンダムは確か七号機(+NT-1)まで今の所は有るんだよな。
仕事を終えたサイとカズイは、アークエンジェルの住居ブロック通路を自室へと向かっていた。
二人とも連合南アフリカ軍の事もあって、少しばかり疲れた表情だ。特にサイの表情は冴えず俯きがちに歩いてる。
「あれ? 二人ともどうしたの?」
ちょうど曲がり角の所でカズイが声を上げた。それに吊られてサイは顔を向けると、そこには部屋の入り口で立ち話をしていたのであろうミリアリアとフレイの姿があった。
「カズイに……サイ。……仕事、終わったの?」
振り向いたミリアリアは命令で仕事を手伝えない事もあってか、申し訳なさそうにしながらも躊躇いがちに聞いて来た。
勿論、もう一人の少女――フレイの目も彼らに向けられている。サイは心苦しさからか二人から目を背けると、同様にフレイもサイを直視したくないのか、ミリアリアの方へと視線を外した。
当たり前だが、その間もカズイとミリアリアの会話は続いていた。
「うん。アフリカの地球軍が守ってくれるから休んで良いって。……ミリアリア。どうしたの?」
ミリアリアに答えたカズイではあったが、流石に様子のおかしいミリアリアに気付いたようだ。
「ううん。何でも無いから」
「何でも無いわけ無いじゃない。この前なんて泣いてたのに。あんた達、何とも思わないの?」
首を振るミリアリアにフレイは不機嫌そうに言うと、男子二人に厳しい視線を向けた。
しかし、サイは彼女の視線を無視するように、
「……カズイ。俺、先に行くから」
と、カズイに告げてその場を離れようと歩き出した。
「えっ!? サ、サイ?」
「待ちなさいよ! あんた達、一体こんな事、いつまで続けるつもりなのよ?」
取り残されそうになったカズイが慌てて後を追おうとすると、フレイがあからさまに怒りに満ちた顔で言った。
やはりフレイに対して未練がある様子のサイは、声をかけられた事で足を止めて振り返った。
「……分からないよ。でも俺は少なくともアークエンジェルを降りるまでは、ザフト軍を倒し続ける」
「僕はアラスカに着いたら除隊するつもりでいるけど、今は死にたく無いから」
「あんた達、人殺しやってるのよ。良いと思ってるの?」
サイに続き、カズイは仕方ないと言った感じで答えると、フレイの目は厳しさを増した。
しかしサイは自分に向けられた非難を押し返すように、彼女を見据える。
「これは戦争なんだ」
「だからって――」
「――俺達だって、あのキラの友達と同じ事をしてるだけろう!」
反論しようとするフレイの言葉を遮り、サイは怒りを爆発させ怒鳴った。
フレイは思わず体を震わせる。
「……もしかしてアスランの事を言ってるの!?」
「そうだよ。さっきの戦いだってみんなが戦ってなかったら、フレイも死んでたかもしれないんだ。ザフト軍は敵で、これは戦争だから……やらなきゃやられるんだよ」
「だからって……それとアスラン個人は関係無いじゃない!」
「関係無い? そんなわけ無いじゃないか」
顔を紅くして怒るフレイに、サイが強い口調で言い切って続けた。
「あいつはザフト軍で、俺達は地球軍なんだから。それに俺らだってヘリオポリスであんな事になってなければ、今頃は平和に暮らしていたはずなんだ」
「それはそうかもしれけど、元はと言えば地球軍が――」
「――それでも、あいつら所為で俺達はこんな事になったんだ。フレイはなんであんな奴をかばえるんだよ!」
捲し立てたサイの言葉に、フレイは一瞬息を飲むと、
「……そんな事、分かってるわよ。それでも……」
フレイが俯いて呟いて言葉を続けようとしたが、サイはその言葉の続きを聞きたくないらしく再び遮った。
「そんなにあいつの事が気になるならプラントに行けばいいじゃないか。……そうじゃないなら、いい加減目を覚ましてよ」
そうしてフレイに背を向けたサイは、苛立ちを隠そうともせずに一人その場を立ち去った。それから十数メートルほど歩き、サイは通路の角で背を預けて俯いているキラの姿を見つける。
「あっ……」
「キラ……」
「ごめん……。通りかかったら……偶然……」
サイに気付いたキラは気まずそうに目を伏せた。
「……良いって。キラ。今は向こうに行かない方が良い。それじゃ俺行くから」
「うん……。あっ、サイ待って。僕に何か出来る事ある?」
「キラ。ありがとう」
呆然と後ろ姿を見送るキラだったが、思い立ったように呼び止めて尋ねたが、サイは首を振るでもなく礼だけを口にしてその場を後にした。
地球連合軍アラスカ基地その中にある地球連合軍統合最高司令部――通称ジョシュアの薄暗い会議室。
同連合南アフリカ軍より連絡を受け、数人の将官と思われる男達と、その場にそぐわない白いスーツに身を包んだゴールデンブロンドの男性が目の前のモニター見つめていた。
「ほう……。まだ生き残っていたとは」
「もうすでに撃墜されたものと思っておりましたが……」
「やるじゃないですか。あの北アフリカを脱出したのですから」
「いや、しかし……」
テーブルを囲む将官の一人が忌々しげに答えた。すると白いスーツの男性――ムルタ・アズラエルが皮肉ったように口の片端を吊り上げた。それに対し将官達はわずかに眉間に皺を寄せた。
それもそのはずだろう。アークエンジェル隊は派閥の違うデュエイン・ハルバートン准将指揮下の部隊だ。彼等からすれば拍手など送れるはずもないのだから。
ムルタ・アズラエルという男。反コーディネイター運動を自らのアズラエル財閥の豊富な資金で支える一方、反コーディネイター謳う政治団体『ブルーコスモス』の盟主であり、大西洋連邦政府、そして軍に対しても強い発言力を持つ人物だ。
その様な権力を持つアズラエルに誰が歯向かえるだろうか。少なくともこの場でそれが出来る者は誰一人としていないのは明白だった。
「デュエイン・ハルバートンの部下にも少しは使える人間がいると言う事ですね」
「……それでですが、ハルバートン及びアークエンジェルの処遇は?」
椅子に背を預けたアズラエルがこの場の全員を見渡しながら皮肉ると、この話を終わらせたいという感じで将官の一人が切り返した。
実を言えばこの時期、地球連合軍第八艦隊を指揮するデュエイン・ハルバートンの立場は実に微妙なものとなってた。主な理由は、痛み分けと終わった低軌道会戦。そして第八艦隊が母港する月の地球連合軍プトレマイオス基地が強襲を受け大損害を受けた事でだ。
本来なら基地の強襲など見抜く事すら不可能ではあるが、受けてしまった事は変えようもない事実。理不尽にも思える批判も受ける意外にはなかった。
そのハルバートンは現在、修復の進まないプトレマイオス基地に居るわけだが、アズラエルの目の前に居る将官達からすれば、すぐにでも呼出し今の座から引きずり降ろしたいのが本音だが、低軌道会戦での戦闘記録を見たアズラエルがそれを押し留めていたのだった。
「ハルバートンは折を見て召喚すれば良いでしょう。これだけのミスをしたのですから、どうとでも出来ます」
アズラエルは鼻にも掛けない様子でハルバートンの事について答えると、そのまま話を続けた。
「アークエンジェルについても現状維持で良いでしょう。エンデュミオンの鷹が居ると言う事実を差し引いたとしても、ここへ帰還したとなれば彼等は本物かもしれませんし。ただし……モビルスーツのパイロットの一人にコーディネイターが居ると言うのはいただけません」
「我々もそれは同感で」
「しかし、私がそれ以上に興味深いと思ったのは、アムロ・レイと言うパイロットの事です」
支援
将官がコーディネイターのパイロット――キラ・ヤマトの事について同意すると、アズラエルは一枚の紙を手に取ると同時にコンソールパネルを叩き、低軌道会戦の戦闘記録をモニターに再生させて彼等を見渡した。
すでに彼等も幾度となく見た画像、GATシリーズには似てこそいるが明らかにGATシリーズではない機体――νガンダムが映し出されていた。
モニターの光が各々の顔を青白く照らす中、彼等の一人がアズラエルに向かって言った。
「私にはハルバートンの作り話に思えますが」
「私も全てを鵜呑みにしているわけじゃありませんが、何よりも衛星軌道上での戦いで実績を残している。その事実は?」
「……オーブがそれなりの物を造ったと言う事でしょうか。それ以前に、このアムロ・レイなる男は連合の軍籍を有していながら経歴は全くの白紙。おかしいとは――」
「――だとしても、記録上ナチュラルの身でモビルスーツに乗り、初めて戦果を残した人物です」
アズラエルが手にしていた紙を軽く揺らしながら言葉を遮った。
「確かめろと?」
「いいえ。こちらでも調べましたが、上がって来るのは不明と言う報告ばかりでした。これ以上は時間の無駄です。いずれにしろアークエンジェルがここにたどり着けさえすれば分かる事です」
「もし本当にナチュラルであれば取り込めと?」
「本当にナチュラルであれば。ですがね」
問いに対し、アズラエルは条件付の回答を返した。彼自身、この報告が第八艦隊からの物と言う事もあって、やはり半信半疑な様だ。
「アークエンジェルは先ほど言った様に現状維持。彼等が帰って来れば真実は分かります。良いですね」
この話はこれで終わりだと言わんばかりに彼等将官達に言い渡し、アズラエルは一人席を立ち会議室を後にする。そして彼は、通路で自分を待っていた女性に目を向ける事もなく徒歩を進めながら言った。
「アークエンジェルの位置は?」
「掴んでいます」
「追尾は可能ですか?」
「衛星を使用すれば可能です。ただし、報告に若干の遅れが発生する事が予測されます」
「分かりました。私が許可します。使いなさい」
淡々と答える女性に、アズラエルは軽く頷くが歩みを止める事はしなかった。
女性は立ち止まり軽く頭を下げると彼の背を見送るのだった。
アムロは格納庫の隅に設置されたモニターを見ると、手にしたインカムを耳に当てた。
「これで終了だ」
一度、νガンダムを見上げた目を再びモニターへと戻した。
はじき出されて来る数字はアムロを基準にすれば到底足元にも及ぶものではなかったが、着実な進歩が数値として現れていた。
「……ふぅ」
νガンダムのコックピットハッチが開き、今まで中で訓練をしていたムウが下へと降りて来た。
「前に比べればだいぶ動きも良くなってきている」
「そりゃまあ、なんたって良い教師に教えてもらってるからな。だけどシャアに一撃も当てられないってのは悔しいぜ」
ムウは苦笑いを浮かべながらも、この世界にはいないシャア・アズナブル相手に負けん気を見せる彼は頭を掻き毟りながら答えた。
良くも悪くもムウの今現在の技量で言えば、宇宙世紀の一般パイロット達に比べれば、未だ足らないと言っても良い状況ではあったが、ムウの希望もあって最後にサザビーと対戦させたのだが、結果は言わずとともと言った所だろう。
元々、この世界のパイロット達はMSに対する熟練度は無いに等しい。そう言う意味では現在のムウでもMSに乗れば、やはりエースと持て囃される事は間違いないのだが、如何せん錬度が足らな過ぎた。
良い言い方をしたとしても、宇宙世紀で言えば新人パイロットと言ったレベルでしかない。シミュレーターのサザビーとは言え、シャア相手に二十秒もっただけでもマシな方だ。
「あれはシャアが乗ってた機体だからな」
「知ってる。シミュレーターとは言え、わけも分からん理由で隕石落としたりする野郎なんかに負けたんだ」
「……」
負けず嫌いのムウが苦々しい表情を見せると、アムロは何とも言いがたい表情を浮かべる。そして、わずかな沈黙との後に、額に手を当てるムウの姿を見てアムロは声をかけた。
「どうした?」
「いや、頭痛ってほどじゃないんだが……。νガンダムに乗るとなんだか頭が刺激される感じでさ」
「……サイコミュの影響か?」
口をへの字にしたムウが薄ら笑いを見せると、アムロは考え込んだように呟いた。
「でもさ。あれはニュータイプしか使えないんだろう?」
「ああ。少なくとも適正の低い人間には反応しないシステムになっている。……と言う事はリミッターが外れているのか?」
「ソフトの異常って事?」
「いや。確かめてみなければ分からないが……。どの程度のレベルとは言えないが、ムウはニュータイプの素養があると言う事だろう」
νガンダムを見上げるアムロの言葉は正に的を得ていた。
UC.0093当時、サイコミュはを扱えるのはニュータイプや強化人間と呼ばれたパイロットのみ。適正が無い者や能力が低い者達では、リミッターが作動し操作する事は不可能な代物なのだ。
とは言え、アムロ用に合わせたνガンダムがムウにフィットする訳ではない。サイコミュがパイロットに与える負荷は大きく、その副作用が頭痛となって現れたのかもしれないとアムロは考え、深刻な表情を浮かべるが、当のムウはそうは捉えなかったようだ。
「それが本当なら、俺はまだやれる。キラに負けてられないからな」
下げていた拳に力を込めたムウがνガンダムを見上げながら呟くと、隣に立つアムロは彼からパイロットのプライドや執念と言ったものを感じ取る。
「俺が言うのもなんだが、あまりニュータイプと言う言葉に囚われ過ぎるな」
「……ああ。だけどさ、自分に可能性があると分かれば少しはな」
アムロの忠告にムウは頷くと興奮を隠しきれない口調で返す。頭打ちの状態だった自分自身の更なる可能性を持っていると知れば仕方ない。
「理解出来るだろうが、たかが一人で戦況を変える事は出来ない。それはニュータイプだとしても同じ事だ」
「まあ、分かるけど……。されどニュータイプさ。アムロを見てれいば、そう思うって。まあ、俺はまだニュータイプにすらなってもいないけどさ」
ムウはそう言って笑うと護衛の為に積み込まれるスピアヘッドの為に手狭になりつつある格納庫を見渡しながらぼやいた。
「それにしても無理矢理詰め込みやがって。あれじゃモビルスーツどころか、スカイグラスパーすら出せやしないぜ」
「この辺りは連合の勢力下なのだし、こうして楽をさせてもらっているんだ。文句は言えないさ」
「だけどなアムロ。軍のお偉いさん方は、アフリカを出たら俺達に予定通り自力で帰って来いって言ってんだぜ。アークエンジェルは新鋭艦でモビルスーツ積んでるって言うのに奴等は何考えてるんだか」
同じように見渡したアムロもどうやら同意見のようだが、納得づくめのようだ。
次々と搬入されるスピアヘッドを尻目に整備班の手すきの者達は所狭しと動き回っていた。
支援
アークエンジェルの格納庫内にはスカイグラスパーに似たモビルアーマーが詰め込まれ、連合南アフリカ軍のパイロット達が各々自分の機体の調整をコックピットで行なっている。
問答無用に奥へと押し込められたスカイグラスパー両機は、ここぞとばかりにメンテナンスが行われている最中だ。
スカイグラスパーの底部に潜り込んだ整備兵が「工具を取ってくれ」と声を上げると、シミュレーターのそばでトールの訓練を眺めていたカガリが整備兵の声に気付く。
見た所、そこにいるはずのもう一人の整備兵は、彼が知らぬ間に生憎と席を外してしまっているようだ。カガリは仕方ないと言った顔をすると、機体近くにあった腰ほども高さのある工具箱へと駆け寄って行く。
「まだか? 早くしろよ」
「これで良いんだな?」
駆け寄ったカガリは工具箱の中を漁ると、それらしい工具を手に腰を落として手渡そうとした。
「そうだ。待たせんなよ……」
文句を言いながら機体の下から這い出した整備兵は、カガリを見て思わず苦々しい表情を浮かべ伸ばしかけた手を止めた。
本来ならば、スカイグラスパー二号機を乗っ取り無断で出撃と言うとんでもない事をしたにも関わらず、処罰無しで今ではレジスタンスの身でありながらトールの部下として収まっているのだ。
当然、トールが訓練を行なっていればカガリも自然と参加すると言う流れとなり、トールがいる時に限り格納庫への出入りが許可されたわけだが、彼女からの謝罪があったとは言え、彼の態度も致し方ない所だろう。
「これで良いのか?」
「……あ、ああ」
整備兵は何とも言い難い表情でカガリから工具を受け取った。
そんな彼を見てカガリは未だ溝が埋まっていないのを実感しながらも、あまり引っ張りすぎない性格もあってか納得した顔を見せた。
「私は訓練に戻る」
「……おい。ここにいた奴はどうした?」
「私が見た時にはいなかったぞ」
「そうか」
踵を返すカガリに整備兵は答えると礼こそ口にしないが、一応、手にした工具を軽く挙げて、再びスカイグラスパーの下に潜り込んで行った。
スカイグラスパー用シミュレーターの元へと戻って来たカガリは、スコアを見て思わずトールに声をかけた。
「今までで一番のスコアか。トール。やるじゃないか」
「昨日に続いて記録更新だからな。でも流石に疲れた。今日はもう切り上げないか?」
「ああ」
トール自身も満足そうに答えるとカガリは頷く。
この二日ほど、トールのシミュレーターでの成績が予想以上に伸びていた。それはまるでスポンジが水を吸い込むように……。
勿論、ムウや一般のパイロットと比べてしまえば大した事は無いが、新人としての成長率からすれば恐らく群を抜いている数値なのだ。だが、それにも理由はある。
まずは、ヘリオポリス脱出時期のキラと同様、何よりも実践の場が多かった事が上げられる。そしてもう一つ。カガリと言う一時的なパートナー得た事だ。善くも悪くも、彼女の存在がトール自身に多大なる自覚を促したと言う事だろう。
トールの隣を歩くカガリが、ストライクとνガンダムを見上げる。
「おい、やめとけ。営倉にぶちこまれるぞ」
「それくらい分かっている。それに迷惑をかけるつもりはない」
隣を歩くトールの忠告に、カガリはモビルスーツから目を背けると足早に格納庫を後にした。
支援
>>685 その後付けってZやってた頃のMSVだろ
詳細が決まってないだけで当初から8号機まであるんじゃなかったか
そして場所は――食堂。
「トールはこれからどうするんだ?」
「訓練の報告書作り。これが面倒なんだけどな」
正面に座るカガリの問いに、トールはポテトサラダを飲み込んでから答えた。
「軍人は大変なんだな。私は一度部屋に戻るが、何なら手伝うぞ」
「マジで?」
「私はキサカに要があるから、三十分後くらいに行く」
「分かった」
腕時計で時間を確かめたカガリが告げるとトールは軽く頷く。
余談ではあるが、トールはパイロットと言う事もあって、友人達と違い、キラと同様に個人部屋を宛てがわれていた。
現状、アークエンジェルは人員が少ない事もあって、思いの他、部屋が余っていると言う理由もあるが、マリューやナタル。そしてパイロット達やマードック、ノイマンなどの艦の重要な役目を担う者達には個人部屋が優先的に割り振られている状況にあった。
食事を終えた二人は席を立ち、ブリッジに通じる通路へと足を向ける。二人はそこでで別れると、カガリはキサカが居るであろう部屋に向かって通路を一人歩いて行った。
「あっ……」
「ん?」
途中、脇道から姿を現した地球軍の制服に身を包んだ少女――ミリアリアが少々驚いた様子で立ち止まるが、彼女はカガリの事を認識すると、明らかに敵意を込めた目を向けて来た。
前ほど――と、言ってもほんのここ数日の事だ。謝罪をしたカガリに対する見る目は大分マシにはなった方なのだが、やはり目の前の少女のような態度を取る者もいまだ多い。
睨む様な少女の視線にカガリは思わず不満そうな表情を見せるが、北アフリカ脱出時に自分の仕出かした事を思い出して半ば納得の想いに至った。
「……あの時は悪かった」
通り過ぎる間際にカガリが言うと、ミリアリアは振り返り呟く。
「あんたがいなければ……」
その一言にカガリは振り返るが、ミリアリアの口からは言葉の続きは出て来そうになかった。
多分、少女の口から出て来るであろう言葉はきっと作戦を失敗させた文句だろうと思い、カガリは再び背を向け歩き始めた。
そして、そのカガリからすればミリアリアは他の者達のように、名も知らぬその他大勢のクルーと同じ存在だった。
言わばカガリは、目の前の少女――ミリアリアが、未だ自分の相棒の彼女である事をまだ知らないままと言う状況にあったのだった。
***************
皆さん、お久しぶりです 98です
今回も至らない点が多々あると思いますが何卒ご了承くださいまし
本当に本当に投下が遅れに遅れて申し訳ないです
長い事悪禁巻き込まれるは…しかも今回中途半端だわで・・・orz
まだ筆折ってなかったんだな…くらいで読んでくださいw
がんがります |・∀・)ノシ デワデワ
投稿乙でした〜。
乙です
カガリが刺されそうですなw
ヤンデレは大好物だ
おお〜98氏がご降臨なさった!!
ハルバートンの立場は生き残ったものの微妙な物となっているようですね。
それでも生きていれば何とかなりそうではあります。
>>98氏
おお…古参兵の帰還だ!GJ!しかし本編が修羅場モードになりそう…
この数日は飲兵衛氏に三次の人に懐かしの98氏の投下で悶絶しそうですw
L4掃討作戦中にクルーゼ隊も潜り込んできて趣味の悪いピンクの艦を狙ったりしてな
本編よりも早くプロヴィに乗って
98氏乙!
こっちもこっちで相変わらず大変な状況だな。
こっからの進路だけど大西洋横断して南米から北米へのルートになるんだろうか?
ミリアリアも結構病んデレだからこわいぞ〜
98氏GJ!!
お帰りをお待ちしてました
いろいろ大変だろうと思いますけど頑張ってください
>>706 余所だとSO1(SFC)のフィアか東方の人並みのナイフ弾幕の人だし
98氏GJです。
ほぼ一年ぶりですか、懐かしさすら感じますな・・・・
あとは400氏だな!
98氏おかえりなさい。
待ってましたよー...といいつつ、98氏のアムロの軌跡をほとんど忘れてる...まとめサイトに行ってこよう...
それにしても盟主王、アムロとνガンダム手に入れたら、"いぃやった−"と叫ぶどころか、側近抱えて踊りだしそうだな...
おお、まずは投下おつおつおー
お久しぶりでございまするー
フレイがなんか木連から帰ってきたメグミやミナトみたいに見えますなー
南アフリカ統一機構の領海内を通っていると言う事は大西洋ルートになりそうですね。
態々インド洋周りなんてする必要が無いですし、するだけ無駄でしょうから。
南大西洋なら大西洋連邦軍・南アメリカ合衆国軍の制海権が有る程度確立されているだろうから安全でしょうし。何よりも早く着けます。
フレイがきれいになった分、ミリアリアがヤンデレッたな・・・
ガクブル
>>704 あんまり早いとプロヴィデンスは背中の亀(失礼)が無いのでは?
本来の格闘戦に特化した形に戻るという意味ではいいのかもしれないけど。
>>712 スレ違いの内容ではあるが、あの二人の言ってる事って所詮綺麗事だからなぁ
知ってる人たちを皆殺しにされたアキトの心情を少しは考えろと
所謂ストックホルム症候群って感じかなぁ
ご無沙汰すぎて前の内容おぼえてねぇw
すげえ……帰ってこられた……
お帰りなさい
お帰りなさい98氏。ここ最近で一番嬉しい出来事です。
>>715 それどころか、背負い物がなくなるor小さくなる分、ミーティア対応になる可能性も有るな。
問題はミーティアの新規生産をしてる余裕があるかどうか…
防衛戦という観点からならドラグーンよかミーティアのが向いてそう、
にもかかわらずあの時点でピンクのとこの二機以外に有ったという話は聞かないし。
つかホントいつぶりだ?98氏
こんなに期間空いてそれでも戻ってきてくれる人が他にいるだろうか!
外伝では核エンジン搭載型のミーティアが作られていたし問題ないかも。
そういえば量子通信ってミノフスキー・テリトリーで使えるのかね?
>>725 ヴェルヌだっけか、でもあれが使われたのはユニウス条約締結時の防衛戦だろ?
核動力搭載型のあれを使える状態だったならヤキン戦で出さない道理は無いと思うが。
ヴェルヌ多目的飛行モジュールじゃないのがデスティニーアストレイで出て来たんですよね。
L4に現れた変態仮面が亀なしプロヴィデンス+ミーティアで拡大ユーラシア相手に無双するかもしれんね
再生、テスタメントの本国召還
>>730 議長、クルーゼ隊の支援に新型のリジェネイトをアッシュに与えクライン派への追撃を続けますか?
Y/N
>>731 そもそもジャンク屋や情報屋に手を出さねばジェネシスαが露見しなかった事とギレン的に考えてもNO一択
おはようございます。のんべいこと427です。ますは98氏乙でした。いちファンとしてご帰還嬉しく思います。
修正点を直しながら、作業をする合間にバーボン飲みながら何となく書いていたら1話できてしまった。
もうちょい修正した方がいいかもしれない。ともかく修正点投下しますね。
まとめサイトの方にはよろしくお願いいたします。
修正点
@「言葉だけなんて使用出来ないね」
→「言葉だけなんて信用出来ないね」
Aまた、既にここまでこの世界に関わってしまっている。
いつか漏れる知識や技術であれば、それなりの覚悟を持ってこちらが出来る限り情報を把握していけばいい。そういう結論になったのである。
→また、既にここまでこの世界に関わってしまっている。各国は我々の情報を得ようと躍起になっていることは疑いない。
その状況ではおそらく完全に機密を保持することは困難であろう。ならば、自らが覚悟を持って技術の提供等を行い、情報を制御すればいい。そういう結論になったのである。
特に問題なくば、7時頃から投下します。予告通りコメディ回です。
さすがにまだみなさんいないようですね。色々やることもあるんで昼にでも。
ではでは。
お昼を心待ちに全裸で待っております。
うわっ!?
いつもより巡回遅かったために…(泣
お昼を心待ちにしとります〜
お供え
つ【銀嶺 立山】【黒造り(ホタルイカ沖漬け)】
427氏だ!427氏が降臨されたぞ
お待ちしております〜。
お、昼に来るのか
投下中は無理かもなので、気の早い支援
いや、どうもです。諸事片付けて遅くなりましたが10分後を目処に投下します。
読み返すと結構暴走している気がしないでもない。ではすぐ後に。
では行きます。
失いし世界を持つものたち外伝・7
ようやく落ち着いたと思う。ロンデニオン共和国として独立が成り、ともかくも自分たちの家を確保することができた。
けれども僕自身に心境の変化はない。艦隊内であろうと、国家として独立しようと自分の仕事に変わりはないからだ。私、レーゲン・ハムサットはそう思うのだ。
『レーゲン・ハムサットのDay by day』
仕事の本質は変わらないとは言ったものの、僕らの生活様式は大きく変わることになった。
「少佐殿!!C地区の開墾が終了しました!!」
「よし、直ちにキャベツとレタスを植える作業に入る!!各班は所定に従い作業に入れ!」
「「Ay sir!!」」
農作業は当番制となっている。全員で行うとさすがに他の業務にも影響が出ると考えられたからだ。
人はパンのみに生きるにあらずとは言うが、パン無しに生きることもまた叶わず、である。
担当者にも拠るが、概ねそれを朝方4時ないし5時近くから、朝食を挟み10時くらいまで行う。
一般兵は日中も作業し、機動部隊の指揮官がその指揮を担当する。ただ私のような司令部の幹部クラスは、さすがに市庁舎での業務のために10時には切り上げる事になっている。
家に帰ることも億劫なので、農作業の日は班の面々と共に朝食を取る。もちろん部下に任せず自分で作る。
僕はこれでもロンド・ベル美食クラブの理事だ。朝食に手を抜くわけにはいかないし、他人に任せてまずいものを食べたくない。
まずはパンを焼く傍らで、玉子を焼く。ミルクを少し混ぜスクランブルエッグをふわっとさせる。
ちなみに乳牛と卵を産む鶏は、オーブ脱出の際にいくらか確保している。もちろんEEFからは、補給物資として乳牛と鶏を大量に輸入することになっている。
ちなみに牧場はコロニーの周囲を回る農業コロニーに作られた。また、魚と水産資源のために、まるまる水がため込まれた農業コロニーもある。
後者はオーブ市民が元々島嶼国だったために整備されたものであろう。我々としても大助かりである。
一方で畜産物の整備はまだ完全ではなく、一部制限を行っている。事実上の統制であるが、食料がない以上はやむを得ない。
そして、生産も早く効率もいい農業コロニーだけではなく、こうして本土においても耕作地を作るのは、食料は多くて困らないからである。
支援
スクランブルエッグが焼き上がる。うん、自分でもうまくできた。満足出来る料理を作った日は気分がいい。
もちろん、美食クラブ所属の者も手伝っている。班のシフトに関しては自分も関わっているので、自分が農作業をする日には、何名か美食クラブのメンバーを参加させている。
「少佐、サラダが上がりました」
ラー・カイラム所属のリゼルパイロット、ゲアハルト・フィッシャー中尉がサラダを仕上げる。彼も会員のひとりである。
「よし、手の空いている兵に配膳させろ」
「了解!!」
畑の前に作られた小さな広場は、こうして作業で休息したり、食事をしたりするためにいくつも整備されている。そのため脇には簡単な厨房が整備されている。
これは耕作地整備の折、美食クラブ所属士官が強く進言したためだ。美食クラブ会長であるレディング艦長の力強い演説は、普段の慎重さはどこ吹く風かのごとくのもので、列席者は目を点にしていた。
ちなみにレディング艦長が会長であることは、彼の立場上理事、それも士官だけしか知らない。
仲が良くなった兵士によると、私など美食クラブが上官にいる班や、炊飯長らがいる班に配属されると食事がうまいために労働意欲が湧くそうだ。そしてなにより、うまい野菜や米、麦を作りたいと思うらしい。いい傾向である。
「いつもおいしい料理を作って下さる少佐殿に敬礼!!」
整備班の小島太一軍曹が、兵を代表して声を上げ、全員が私たちに敬礼する。繰り返すようだが、へたな奴に貴重な食料を無駄に使わせるくらいならば、私が共に働く兵の食事くらい作ることに苦痛はない。
それでも普段裏方に徹してあまり表に出ない自分に取って、こうして謝意を直接受ける事は嬉しいと感じる。
「では、諸君。食事にしよう。頂きます」
「「「いっただきまーす!!」」」
うん、全ての活力は食に有りだな。自分の食事に満足してくれる兵を見ると素直に嬉しい。料理をすることで自分自身もストレスの解消になる。
※※※
午前の業務を終えて一息入れ、昼食をどうするか頭の中で色々考えていると、ブライト司令が昼食に誘って下さった。
どうやら、このところ心配をかけている詫びも込められているようだ。やはり司令は心配りの出来る方だ。短気で頭痛に胃痛持ちなところが玉に瑕だが。
「君にはいつも苦労をかけている。今日はうまい飯でもおごらせてくれ」
そういわれれば、喜んでついて行くに決まっている。司令は市庁舎を出て広場を挟んだ正面に店舗を構える、ロンデニオン共和国唯一の食事処、レストラン「ビュー・ペガサス」へと入る。
ここは炊飯長が司令と彼の父親が苦楽を共にした、ペガサス級強襲揚陸艦ホワイトベースを’belle époque’として考えている事から命名されたそうだ。
本当は、belleをロンド・ベルの鈴に絡めようとしたそうだ。
ところがペガサスが男性形だから、フランス語の形容詞の特性上beauになってしまう。そこで女性名詞のベースにしようとしたけど、「ベル・ホワイトベース」じゃ語呂が悪いから止めたらしい、という噂を後で聞いた。
「それにしてもようやく落ち着けたな」
「同感です」
ふむ、このレタスとドレッシングのマッチングは申し分ない。こんにゃくをうまく使う事で、食感を堪能出来るよう配慮されている。まいうーである。
「君には、特にオーストラリア以来、苦労をかけてしまった。食事をおごるくらいでは報いることができるとは思わないが、ともかく堪能して欲しい」
「ありがたいお言葉です。思えばここにたどり着くまで、わずか半年であったのに何年も旅してきたように感じます。我々を取り巻く環境は予断を許さない状況とはいえ、『家』を確保出来たのは大きいと思います」
「そうだな。食料生産は、もう半年くらいあれば安定するだろう。もっとも、その前に帰還出来ればそれにこしたことはない。だが現状では研究する余裕もない。
まずは食い扶持や自衛のための整備をしなけりゃあならん。そもそも転移の原因については、未だによくわかっていないからな」
「そうですね。いくつか推測は出されましたが、実証出来るかと言えば困難ですし、科学者に意見も聞きたいところです。
そのことを考えると、あまりオーブをぞんざいに扱うことも考え物ですね。もちろんEEFにも研究者はいるでしょうが、オーブは少なくとも多少は調べてくれた学者がいるわけですし」
司令は、前菜を平らげると、ワインを飲み干し、デカンタから自分のグラスへ注ぐ。
「だが、彼らも決定的なことは何もわかっていないのだ。ゼロからやり直したところで、困ることはない。とはいえ、事象のデータは渡さないといかんから考えものではある、か」
私は頷いた後にワインを飲む。昼食と言う事もあり、さっぱりとした白ワインだ。ちなみにワイン等の酒類も農業コロニーにて製造中である。
幹部は貴重なコロニーで酒を造る必要は無いという意見も強かったが、補給参謀トムスン少佐の「葡萄も麦も合って困らず」、という説得力のあるような無いような意見が勝利し、一部生産物は酒の生産へと振り向かれている。
メインは鱸のムニエルだ。適量な小麦とバター、そしてソースのマリアージュ、完璧だ。さすがタムラ炊飯長である。超まいうーである。
サイコフレームもサイコミュのノウハウもないオーブ側は何も分かってないと思うな
支援
ブライト司令も満足そうだ。
「いや、うまい。私も料理の練習で何度か作ったが、やはりプロにはかなわん。ま、そのプロになろうとしていたんだがな」
司令は頭をかいて苦笑しながら、料理に舌鼓を打つ。
「司令、焦ることはありません。特に魚料理は簡単そうに見えて難しい物です。例えば(以下略、その時間経過すること15分)」
どうにも料理に関しては饒舌になってしまう。司令は先ほどとかわらぬ苦笑を浮かべている。少し汗をかいているようだが何故だろう。
「美食クラブ理事の適切なアドバイスを受けたからには、それを用いてシンとマユを喜ばせてやりたいな」
その言葉は、普段とは違う多弁なところを見せてしまっている自覚もあるので、逆に苦笑させられてしまう。
司令と食事をするとどうにも食事の話か、シン君やマユちゃんの話なる。特に後者は司令の彼らへの接し方、話し方を聞いていると胸が熱くなるときがある。
でも僕はそのことを口に出すことはない。副官として司令のメンタルに留意ことは当然なのだ。
今度メランやトゥースもおごらにゃならんか。そう話す司令の表情は、オーストラリアにいた頃よりも確実にいい方向に向かっていると思う。
ロンデニオンすげー
移住許可求む
※※※
今日の事務仕事は3時で終わりである。農作業参加者は早期帰宅ができるのだ。残業しようかとも思ったが、司令に早々に止められてしまったので、帰宅することにした。
司令に気を遣わせてしまうとは、まだまだ副官としてはなっていないな。
町を歩くと、兵士達がまだ整備中の娯楽を野外で楽しんでいる光景が目に入る。野球をしたり、カラオケをしたり様々である。
もっとも、カラオケは早く屋内でさせるべきだろう。さすがに市内の公園で歌われては周りが辟易する。
「うーわさに聞くパンチ力ーどうしちゃったーのー?」
「ルネーサンス!!情熱♪」
それにしても下手くそだな。そう思い見てみると、『がんばれ!タブチ君』を歌うはテックス・ウエスト大尉で、『ルネサンス情熱』を歌うはアレクザンダー・マレット少佐だ。
2人とも指揮官だ。なるほど、つまり「音痴だから止めてくれ」とは言えない。まさにジャイアンに付き合うスネ夫とのび太である。
マレット少佐は美食クラブのネェル・アーガマ理事で、私とは食事に関してよく議論する仲である。
まぁ、『ミスター味っ子』は『美味しんぼ』と並び我らの聖典だからな。歌いたくなる気持ちはわかる。下手くそだが。
「副官殿ー!!ご帰宅ですか!?どうですか一曲?」
マレット少佐が誘ってくる。もはや涙目に近い部下が助けてくれと、懇願する視線を私に向ける。今日は特に急ぐ用事もない。
司令も息抜きをしてくれとも言った。よし歌うとしよう。これでも私はサイド1歌自慢で入賞したことがある。
「全く、もう少し音程に併せて歌った方がいいぞ、少佐?」
「いやいや、どうしてもこう、歌いたいという思いが先走ってしまってね、あっはっは」
マレットの部下達がうなだれている。気の毒に、俺とは違い上官に恵まれていないんだな。特に用事もない私は、一曲ほど歌うことにした。
「ともかく見ていろ、歌とはこう歌うのだっ!!!」
私はおもむろに鞄からマイ・マイクを取り出す。
「では!!レーゲン・ハムサットで!!『心のPhotograph』!!」
何故全員ひっくり返るのだ?だが、歌い始めると、全員が聞き入っている。そうだろう。
「um誰だってum1人じゃなぁい♪(中略)umさけないで!」
まさに熱唱した。気分爽快だ。そして全員がスタンディングオベーションである。
「さすがです、副官殿!!」
マレット少佐はひとしきり感激している。周囲の連中も拍手を浴びせてくる。普段裏方で事務仕事をしている私には気分がいい。こういう日があっていいと思う。
気をよくした私は調子に乗って、『palore』と『tous les jour』を熱唱した。ふたつとも旧世紀においてヌーベル・シャンソンと呼ばれた曲である。
すっかり雰囲気がよくなり、その後ひとしきりマレットに歌うコツを教えた後にその場を去ろうとすると、彼に呼び止められた。
「副官殿!酒のつまみと思って作ったホット・ドックです。よろしければ」
「おっ、歌い過ぎたせいか小腹が減ったと感じたとこだったんだ。ありがとう」
兵士達の心のこもった敬礼に答礼すると、再び帰宅の途につく。うん、このホット・ドックはうまい。タマネギの分量が絶妙で、なによりソーセージが冷めてもおいしいソーセージを用いている。彼も腕を上げたな。
うむ、美食クラブとしてトムソン少佐に補給物資の内容を細かく指示しておいた甲斐があった。代わりに彼には大量の酒瓶を送ることになったが。
そのことはともかく、このホット・ドックはまいうーだ。後に耳にするが、カラオケ店舗の整備の後に、ロンド・ベルにはカラオケ・クラブが結成されたそうだ。いや、もともと水面下にはあったらしいが。
※※※
うまいものを食べ、上機嫌に未だに実質シャッター街といえる商店街の端まで歩いて行くと、アークエンジェルの学生組に出くわした。
「ハムサット少佐!」
サイ・アーガイル曹長とトール・ケーニヒ准尉、そして市民として住んでいるカズィ・バスカークだ。
「やぁ、どうしたんだ?」
「少佐は美食クラブのメンバーでしたよね?」
「ああ、なんだいきなり?しかしどこで聞いたんだ。ケーニヒ准尉?」
「レーンさんからです。ロンド・ベルには美食を追求しようとする求道者がいると言っていました」
彼は何を教えているんだ。
「それで、なんだね?」
「実は料理を学ばせたい人がいるんです!!」
私は彼らの勢いに困惑しながら答える。
「いや、わざわざ私に聞かなくとも、料理の本さえあればそこそこの物はできる。美食クラブはそのうえのだな・・・」
「これを食べて下さい」
ケーニヒ准尉が、クリーム・シチューを差し出す。見た目は、そう、随分荒い野菜の切り方だな。だがそれほどおかしなところはない。
どうやら保温の弁当箱に入れていたのか暖かい。ともかくも口に運ぶ。・・・これは。
「ウボァー」
なんだ?これは、生物兵器か?くそ、喉がちりちりする。胃に流れ込んだことが、はっきりわかるこの嫌悪感はどうしたらこうなるのだ。渾身の怒りを込めて叫ぶ。
「このシチューを作ったのは誰だぁ!!!!!!!!!」
俺はここ数年来ここまで頭に血が上ったことはない。これは食への冒涜だ。あの飯に関してはアブラムシ以下のイギリス人だって、ここまでひどかない。
若者達は俺の怒り方に若干引き気味である。
「どうしたのです?」
偶然近くを通りかかったマリュー・ラミアス中佐とフラガ少佐が何事かと走ってきた。
そういえば、彼らはどういう経緯か知らないが、男女の仲になったらしい。くそっリア充め。
「ああん!?」
「うっ!」
俺は普通に応対したつもりなのだが、何故か2人は引いている。どうしたリア充ども。
「・・・あの、どうされたのですか?少佐・・・」
ラミアス艦長が、オドオドしながら尋ねてくる。
「この産業廃棄物を作った馬鹿野郎はどこだ!!!」
どん引きするラミアス艦長とサイ、トールを尻目にフラガ少佐が、脇でカズイにシチューを進められている。リア充死ね。
「ウボァー」
「ムゥ!?」
ラミアス艦長が振り向き少佐を見やる。エロ少佐などどうでもいい、俺の怒りはフルスロットルである。
あんまりネット用語を使わないほうが……でも支援
「で、こんなもん作った奴はどこにいる!!!」
「あ、あそこです」
完全にびびったカズィが小さな店舗を指さす。あそこは、食事処を予定地だったが人員がいないので、好きに料理を作る場所として解放されているところだ。
俺は拳銃の弾数を確認すると、全力疾走した。ラミアス艦長が、フラガ少佐を投げ捨て慌てて追いかけてくる。
「しょ、少佐!!!落ち着いて下さい!!銃をおろして!!」
うるせぇ、揉むぞこら。今の俺は誰に求められないぜ。ところが部屋に突入すると、驚くべき光景が広がっていた。
なんとアムロ・レイ中佐とキラ・ヤマト少尉、レーン・エイム中尉が悶絶していたのである。
「・・・」
「どうして・・・こんな・・・ごふっ」
「うおぉぉぉ」
声を出さないアムロ中佐はさすがである。ただひたすらこめかみを叩いていたが。さすがにこの惨状を目の当たりし、自分の思考が冷静になる。
というより主力パイロットが原因不明の悶絶状態になっている事を目の当たりにし、血の気が下がって冷静になったのだ。
「これは、いったい何があった?」
「ご、ごめんなさい・・・」
そこには涙を目に浮かべた美少女が、おそらく彼らの悶絶した原因であるシチューを持っていた。
逆に考えるんだ
UCにも2chがあると(ry
※※※
事の経緯は、こうである。ミリアリア・ハゥ軍曹が料理場を解放されていることを知ったことが悲劇の始まりだった。
どうやら、トール君は彼女思いだが尻には敷かれているようで、彼女の料理の才能を婉曲にしか咎めていなかったそうだ。
そして、ミリアリア君には残念ながら彼の意図は伝わらなかったらしい。事あるごとに独創的な料理を彼と周囲に振る舞っては、周りを辟易させていたらしい。
そして、残念なことはこの事実をロンド・ベル将兵だけでなく、キラ・ヤマト少尉も知らなかったことだ。
キラ君がアムロ中佐とレーンらと農作業に精を出した後で、共有の料理場について話題に出したところ、ミリアリア君がやる気を出してしまったのだ。
その時に不運にも彼女の腕を知る、トールとサイがその場を離れていたことも今回の事態に至った原因であろう。
料理が得意であるという、彼女の主張を真に受けキラどころかアムロ中佐やレーンも彼女に料理を依頼してしまったのだ。トールとサイが戻るとすでに料理を始めていて今更止められない。
そもそもトールの手には弁当として渡されたシチューがあった。彼の話によると昨夜の夕飯の残りだそうである。つまり彼は既に2食も食べさせられていたのだ。気の毒に。
3食も食べさせられるのはかなわないと、用事を作って逃げ出すと、ちょうどそこに私が通りので、声を掛けたという事なのだ。アムロ中佐達が犠牲になるとわかって逃げるとは、案外酷いなおまえたち。
トールの告白にミリアリアはこめかみに血管が浮かんでいたが、これはトールが悪い。ともあれ、まずしなくてはならないことは明白だ。
傍目には理想的な彼女に見えただけに思わぬ欠点がww
「よし、わかった!!!軍曹!!!これから私は君を特訓する!!!」
私は自宅に今回の被害者一同を集めてミリアリアの特訓を行った。これはなにより、貴重な食料品を無駄に消耗されてはたまったものでは無いという思いからだ。
ちなみに、試食に付き合わされることに最も青い顔をしたのがトールだったのは、少しミリアリア君が気の毒だと思った。
実際のところ包丁さばきなどを除けば、彼女の基本的な問題点は香辛料の乱用と、下味の未確認など初歩的な物が多く、何故今まで誰も注意しなかったというレヴェルの物だった。
ラミアス艦長は善意から協力してミリアリアに色々手ほどきをする。母性が溢れる女性だな。それにしても、軍服にエプロンは以外にグッと来るな。
いや、ラミアス艦長の豊満の胸があればこそか。フラガ少佐が色々妄想しているようだ。顔がだらしない。・・・気持ちはわかる。
夕食は先ほどのリベンジを込めて再びクリーム・シチューである。私はその出来を心配していなかったので、すんなり口に運んだが、他の面々は私がミリアリア君の努力を褒めるまではおそるおそるだった。
トール君、君くらいは信じてやれ。そしておめでとう。悲惨な結婚生活を送らなくてすむぞ。私に感謝するがいい。
「確かにうまい!とろみといい、火の通り具合といい完璧だ!!」
レーンが顔をほころばせる。ふむ、なかなかいい評をする。今度クラブに誘ってみるか。
「ああ、それにしても少佐、うまいものだな。短時間でこうも矯正するとは」
アムロ中佐が感嘆する。さすがにアムロ中佐にそう言われるとこそばゆい。
「なんの、常識的な見地で物を指摘しただけですよ」
ちなみに翌日、ミリアリア君の両親から涙ながらに感謝された。
私は世界が変わろうとも、やることには変わりはない。
常にある状況の中で自分の意見を提示して、皆にとって自分の意見が叩き台であったり、軸になったりすれいい。
ミリアリア君にだってそれほど突飛なことはしていない。常識的な物事を少し示してあげただけだ。私にとっては平凡な日常である。
副官とは裏方なのだ。誰かにとって支えになる事ができれば、役割を全うしていると信じたい。
ちなみにこの一件の後に、たまたま兵士の会話を耳にしたことがある。私には間違ってもまずい物を出すなと言う条文が、ロンデニオン共和国裏憲法に加えられたそうだ。
なぜだろうか。
『レーゲン・ハムサットの日常』end.
ミリアリア……作った料理を君は食べないのか?
酒の勢いで書いた。これまでで最短執筆時間だっただけに、もう少し会話部分を増やしてもよかったなと反省している。
以上コメディ回でした。しばらくは何人かの視点でコメディや背後事情の話を書いていこうかと考えています。
どれから仕上げるかは未定ですが、盟主とユウナ、そして後2人くらいの外伝を予定しています。
今日みたいに突発的に書き上げてしまう事もあるので、申し訳ありませんが投下の時期は明言出来ません。
ネット用語に関しては、少佐が怒り狂って平静さを失っていると受け止めていただければと思います。
ちなみにミリアリアが料理音痴というネタは、もはや存在を忘れ去られ掛けているGBAのSEED『友と〜』から拝借しました。地味に準公式だったりします。
では、ともかく次回にてまた。
終了宣言が無い…さるさんに引っ掛かったかな?
ともあれ乙でした。
しかし面白さがヤバい、ウボァーフイタww
自分の作る料理の味には鈍感って人いるよね、実際
>くそっリア充め
吹いたwwwwww
おわっ、いきなりミスがありました。
タイトルは以外に悩んで何度も修正していたので、最後のところを直していなかった。
申し訳ありません。
修正点
『レーゲン・ハムサットの日常』end.
→『レーゲン・ハムサットのDay by day』end.
ではまた。
427氏乙です
ウボァーと美味しんぼネタで笑わせて貰いましたよw
427氏乙です。
これで98氏、427氏、787氏、そして新鋭980氏と・・・・
このスレにも光が戻ってきた!
乙でした!
シリアスな状況が続く本編に対して一服の清涼剤のような外伝、
というか思いっきりのコメディ編。楽しませてもらいました。
美食クラブの人達にまずいものを食わせると危険だなw
そういやラミアス艦長もメシマズ?
それは公式・準公式どちらにも載っていないような……。
ミリアリアはあるけど。
あれ?メシマズってのは中の人絡みのネタだったのか。
427氏GJです
もう笑った笑った!
アムロもZ小説版なら料理ができる設定なんだけどなぁ
あぁ某汎用人型決戦兵器の方のほうから来たネタだったのか。
レーゲン・ハムサット少佐、貴方の声が藤本譲氏の声で再生されましたwww
GBAのSEEDといえばカガリがキラに腕相撲で圧勝するんだよな……
同じゲームだとカガリの料理は見た目は悪いけど味は大丈夫なんだっけ?
あと、エロビデオ見るために頑張るストーリーもあるらしいが
上の元ネタ見る限り
アークエンジェルに乗る前から下手らしからな
>>760 アムロを希望
いや。一応CCAアムロだし
>「この産業廃棄物を作った馬鹿野郎はどこだ!!!」
鉢巻蝋燭に機関銃、か手押しガトリング砲、もしくは西洋甲冑、あるいは戦車ほかで
厨房に突入する少佐の姿が見えるw
「地球圏全県味修行に旅立つと先程出て行きましたが…」
今更ですが、98氏お帰りなさい!
どうも、ハイネ用デスティニーとサザビーのサイズ差に寂しさを感じています、787です。
巨匠お二方の投下後ってこんなにプレッシャーがあるのかと思いつつも、
第9話を投下して良いでしょうか?
おkカモン!支援!!
どうぞどうぞ
では行きます
「ロンドン、リヴァプール、マンチェスター、フィラデルフィア、ヒューストン、サンディエゴ。
バンクーバーにエドモントン、そしてモントリオール。
大西洋連邦だけでもこれだけの都市が被害に遭っているのです。
にもかかわらず、何故あなたはその腰を上げようとせんのだね」
地下に巨大シェルターを構えた、やたらと豪奢な邸宅の自室で、ロード・ジブリールは、
画面の向こうの顔に向かって厳かに、かつ冷徹に言い放つ。一方向こうの男は額に汗をかき、
「しかし、我らとてすぐには動けんのだ、ジブリール。
プラントは未だに協議をしたいと手を打ってきておるし、国内にも対話を望む声が挙がっておる。
第一、この同盟に乗り気でない国が相当あるのだぞ」
苦しげに言葉を発するのは、大西洋連邦大統領、ジョセフ・コープランド。
本来はプラントに好意的な政策を採っていた人物なのだが、
ロード・ジブリールを初めとする『連中』には大きな顔を出来ない人物でもあった。
「それは被害もろくに受けていない国の事でしょう?
それにそんないざこざなど、宇宙のアレさえ消し去れば全て収まりますよ」
コープランドがぐっと黙り込むのを尻目にジブリールはさらに、
「奴らが滅びた後、一体何処の誰が我々に逆らえるというのです?
あなた方大西洋? ユーラシア? 東アジア? ……なるほど、オーブですか?」
「あの国は……」
ソロモン諸島の島々のみという狭い国土と少ない人口、その変わり絶大な技術力を誇る小国、オーブ。
前大戦時、大西洋連邦はその手の銃を持ってその国土を蹂躙したことがある。
しかし、被った被害も相当なもので、攻め入るのには抵抗のある国なのだ。
「……貴方の国なら干上がらせるのも簡単でしょ、あんな豆粒のような国など」
「簡単に言ってくれる……」
そう言って苦い顔をするコープランドをよそに、
ジブリールは侍従にワインを用意させ、適度に溶かしたチーズを口に含み、一休止おいてからまた口を開く。
「世界は言ってみれば、一つの時計です。荘厳ながらも繊細で、細やかな整備が必要な大きな時計。
時が経てば錆び付き動かなくなるし、歯車が一つ狂うだけで全体が狂い、かみ合わねば動くことすらない。
……大統領。これは『手入れ』なのですよ」
グラスに注いだシャトー・ラトゥールを揺らし、窓から差す光越しにその色を楽しむジブリールの言葉を、
コープランドは黙ったまま聞き入っている。
「歯車の間を掃除して、ゴミは排除して、いびつな歯車は入れ替える。
そうすることで、時計はまた綺麗に回り出す。
それは人々の生活の時間を緩やかにして、また穏やかな日々が訪れるのです。
だからこその開戦、だからこその『核』。……今使わずして、大掃除は出来ませんよ」
喜々として自らの頭脳を廻る構想を語るジブリールにコープランドは内心寒気を覚えるが、何も言い返すことが出来なかった。
そのうち会話は終わり、画面が黒く染まった後に、ジブリールは先程の嬉しそうな顔のまま、
手元のコンソールをいじって、画面に様々な図面を写しだした。
砂に覆われた、『ダガー』に似つつもより高性能・大型の機体。月で極秘裏に発掘が進められている月面都市。
「これをもってすれば、あの『宇宙〈そら〉の化け物』を駆逐できる。
そして、私に逆らえる者も、私を馬鹿にする者もいなくなる……」
不気味に笑うジブリールを咎める者など、この屋敷にはおらず、
ただただ彼はその狂気の思考をばらまくことを考えていた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第9話
〜宇宙・L5宙域にて
これほどの艦隊が首をそろえて敵を待ち受けるという光景は、前大戦以来の壮観な眺めであり、
新兵や先輩達の士気を鼓舞するのにはそれだけで十分であった。
ハイネ・ヴェステンフルス率いるオレンジショルダー隊は、ジュール隊の面々と共に、
巨大宇宙空母『ゴンドワナ』の中で待機し、鋭気を養っている。
最早宇宙港と言った方が良いほどの広さを持った格納庫の中は、まるで火がついたような喧噪に包まれていた。
整備するMSの多さにパニック状態となる新米整備士や、そんな後輩を叱責する先輩。
中には、機体のそばでガッチガチに緊張しているパイロットの姿もあった。
実戦を始めて経験する新兵までもが数多く駆り出されており、それが現在のZAFTの台所事情を切実に現している。
そんな様子を見ているハイネはというと、格納庫を一望できる控え室のソファに腰かけていた。
彼のザクファントムは戦闘前の最終チェックがもうじき済む頃で、
オレンジの機体の足下でも、整備士がチョロチョロと動き回っていた。
彼は、そんな彼らの様子を見ながら、あの『赤いザク』の動きを頭に思い浮かべる。
「シャア・アズナブル……か」
変な男だと、最初は思った。記憶を失ったわけでもないのに、訳のわからぬ言動を並べる男だったと。
だが、その認識は即座に覆された。それは、あの『謎の機体達』を見て確信したことである。
この間ある場所にその機体を運び込んだ後、機体の判明している部分だけだが、ちょこっと見させてもらった。
ちなみに、コクピットブロックの砂の除去はこの間ようやく終了したところである。
各所の砂が固まっていて、修復作業は予想以上に困難を窮めている。
ハイネが見たものは、どれもこれもが新世界であった。何もかもが、自分の知りうる常識、技術、知識を上回っていた。
圧倒的なパワーと機動性。製造方法すらわからぬ装甲版や、常識はずれの動きを見せる、戦闘記録の中のMS達。
『ジェガン』、『ギラ・ドーガ』…………そして、νガンダム。
あの白い姿が目に入ったとき感じた恐怖は、今後忘れることはないだろう。
また、その化け物のような白い奴と渡り合う『シャア』という男。
あの男は、この世界の最新鋭機であるザクファントムも、悠々と扱って見せた。
〜美しい
ハイネは生まれて初めて、他人の操縦を美しいと感じた。しかし、それと同時に心に生まれた、モヤモヤとした感情。
「二十も過ぎたってのに、……俺って奴ぁ」
向こうは実質十何年もMSに乗り続けている大ベテランだとしても、
軍人として生きた自分、そして何より一人の男としての自分が、あの男に対抗心を燃やしている。
それに気づいたのである。
自分がコーディネイターで、あの男がナチュラルだから?
違う。そんなちっぽけな理由ではなく、黒い感情でもない。なんと言えばよいのかわからないが、気分が高揚し、
『自分もあの男のようになりたい』と、まるで少年の頃描いていた夢を見るような感じ。
子供っぽくても良い。あの男の後を追って、あのように綺麗にMSを動かしたい。もっと、よりあの男の近くに立ちたい。
「…………!?」
物思いにふける彼の思考を中断したのは、艦内に鳴り響く警報の音であった。
それを聞いた彼は跳ね起き、即座に格納庫へと向かう。
予想以上に早い。時間で言えば、他の部屋のTVでちょうど大西洋連邦の宣戦布告が行われているはずだ。
(宣戦布告の数秒後に攻撃開始だぁ? 向こうも焦ってんのか?)
道中合流したイザークらとは無言の会釈を交わし、ロッカールームでパイロットスーツを着込み、ブレイズウィザードを装備したザクに滑り込む。
ゴォン…と、いつもよりも重量感のある音と共に、ゴンドワナのカタパルトが開き、
虚空の彼方に浮かぶ月と、その手前に居並ぶ艦隊が、彼の目に映る。
「こちらハイネ・ヴェステンフルス。ザク、出るぞ!」
ゴンドワナのブリッジ管制にそう言い、グッと体に掛かるGを抜けると、オレンジのザクは宇宙空間に射出された。
それに追従するように、オレンジショルダー隊が次々と出撃し、
別のカタパルトからは、白いザクファントムが発進。方向を目の前の地球軍艦隊に向けた。
「第一派が来るぞ! 全員、安全装置を解除しろ!」
ハイネは部隊の者に叫び、彼のザクを中心に偃月の陣形を取って上方へと回避する。
その数秒後に、彼らの足下を戦艦から放たれたビームがかすめ、
彼らに向かって連合の量産MS『ダガーL』がライフルを放ちながら向かってくる。
所々でライフルやバズーカの弾丸が宙を切り、機体を貫き、微塵に砕く。
ハイネは自らに向けられるその弾丸の間をかいくぐり、迫るダガーの胴をライフルで撃ち貫き、
その勢いのまま、後方に陣取っていたネルソン級の頭上に回り込む。
彼のザクはブリッジの上部に取り付き、ライフルの他に携行していた500oバズーカを押しつけ、引き金を引いた。
弾頭はブリッジを貫通、中央部で爆発し、それに伴い戦艦の各所で爆発が起こり始め、
ハイネは戦艦の船体を蹴りつけ、その爆風を利用して加速し、近くにいたドレイク級の横に張り付いた。
ドレイク級の機関部に当たる箇所に何発も、ビームがそこに到達するまで打ち込み、また蹴りつける。
「……二つ!」
彼がザクの顔を向けた先には、背中にキャノンを背負ったダガーが十数機展開していた。
支援砲撃部隊であろう、ここで潰しておかねば味方戦艦の被る被害はいかばかりか知れない。
「俺の後ろに付け、バラバラになるなよ」
ハイネは部隊に叱咤すると同時に、腰のグレネードを一つ手に取り、ダガー部隊のほぼ中央部に向かって投げつける。
まっすぐ飛んでいったグレネードに反応した敵は総じてそのグレネードを意識し、
「今だ、撃て!」
ハイネの言葉と同時に部隊のガナーザクが一斉に高出力ビーム砲をダガーに向けて放った。
数機がそれに対応できずに呑み込まれ、もう何機かが腕や足をもっていかれる。
幸いとハイネは攻撃をくわえようとするが、突如、ゴンドワナの管制から緊急通信が入り、
その内容は彼を驚愕させ、全身の血の気を奪った。
《極軌道から連合の核攻撃部隊が接近中。至急迎撃されたし》
「此奴等は全部囮か!? ここからで間に合うのか……? くそっ!」
副官に、この空域は任せると告げると、ハイネは方向転換し、全速力で指定された座標の地点へと向かう。
残りの推進剤の事など頭から消えて、彼はペダルを思いっきり踏み込んでいた。
「……間に合え、間に合え、間に合えぇぇ!」
彼の叫びは各攻撃隊の存在を知ったZAFT軍人全ての声であった。
彼のみならず、イザークを始め、各所のZAFTの機体が攻撃隊の方向へ向かっている。
しかし、全員の心の内、半分が絶望で染まっていた。距離が遠すぎる。
また、不可解な現象が彼らを襲った。
「……何だ!? レーダーが!」
ザクの索敵機能が突如死んだのである。
レーダーは砂嵐に包まれ、迎撃するためのロックすら働かない。
「管制室! これはどういう事だ……? 応答しろ! ……くそ、通信もイカレてやがる。どうなってんだ!?」
どうやら彼だけではないらしい。彼の後ろにいたザクやゲイツ、ジン達も同じようにオロオロし始め、
先に見える核攻撃隊の動きも止まった。
そして…………ゴウッという轟音と共に、ハイネの視界を閃光が覆った。
「何だ……!?」
核攻撃が成功したのかと一瞬思ったが、この目がおかしくなってなければ、彼らはまだ核ミサイルを発射してはいないはずだった。
照射されたのは、強烈な威力のビームの雨。何物かの発射したそれが、核攻撃隊を襲ったのである。
しかし、ビームの直径やその弾幕、瞬時に大量のMS群をなぎ払うあの威力は、MSにも、MAにも、出すことは出来ない。
新鋭戦艦に搭載される艦首砲クラスでやっとと言えようが、
それを搭載した『ミネルバ』は地球のどこかだ。それに、あのビームの本数は戦艦一機では足りない。
「一体誰が…………あれは!?」
ハイネはレーダーを頼らず、己の目のみでビームが飛んできた宙域に目をこらす。
すると、闇の奥に一つだけ、緑の点があることに気が付いた。よくよく見てみれば、その胴体と手足、そして頭部。
人間をイメージしたその機動兵器は、MSと呼称されるもの以外の何物でもない。
どこのMSなのかは見当も付かないが、少なくともZAFTのものではなかった。
MSの常識から逸脱したその巨躯。
人一倍目を引く両肩のバインダー。
胸に存在する砲門らしき装置。
「何なんだよ、ありゃあ……」
ハイネは、ただ呆然と、怪物のようなMSが生き残った地球軍に襲いかかっていくのを見ることしか出来なかった。
※※※※※※
大西洋連邦所属の宇宙空母、アガメムノン級『ネタニヤフ』のブリッジは、
まさに地獄のふたを開けたような騒ぎとなっていた。
半ば成功を確信していた作戦だっただけにクルーの動揺は激しく、
「……静まれ! 被害状況はどうなっておるか!」
「わ、わかりません! 先程から索敵も通信も全て反応がありません!」
「そんな馬鹿なことがあるか! やり直せ!」
謎のジャミングにより通信は阻害され、すぐ近くの戦艦とですら通信が開かない。
レーダーは全く反応せず、先程MS部隊を襲ったビームの発生元が何なのかすら判別不可能だ。
こんな強力なジャミング兵器など聞いたことがない。しかしこの状況下におかれれば、あるのだとしか考えられない。
ネタニヤフ内に待機していたウィンダムと予備機のダガー達は、
その殆どがエールかランチャーを装備して外部の警戒に当たっていた。
「……ん? 何だ?」
その中の一機が、慌てたようにネタニヤフのブリッジに手をかけた。
いわゆる『お肌の触れあい会話』である。ごく普通の通信が可能な状況下では全く使うことのない通信方法だ。
「艦長! 早く迎撃体勢に入ってくれ!」
半ばパニックになっているパイロットに艦長は落ち着くよう諭すと、ブリッジの窓から周りを見渡してみる。
すると、周囲のMS達が総じて頭上を向いてライフルを乱射していた。それも、同一の方向の『何か』に向かって。
「一体何が……」
艦長が口に出しかけたその言葉は、最後まで紡がれることはなかった。
ブリッジは上方から注がれたビームによって焼かれ、艦長の肉体は蒸発し、ネタニヤフは火球に包まれる。
近くにいたウィンダムやダガーがその『何か』に攻撃しようとライフルを構えるが、
構えたと思った瞬間、思わぬ方向から撃ち貫かれ爆散する。
オールレンジ攻撃。
それだと気づいた者も存在したが、如何せん数が多すぎた。小さな漏斗のような物体に気づいたときは時すでに遅く、
パイロットはビームに焼かれ、周りのMS達はもはや自分のみを守るので精一杯になっていた。
怪物は、肩のバインダーらしき箇所からサーベルを引き抜くと、その巨躯に似合わぬ早さで一機のウィンダムに迫り、サーベルを横に払う。ウィンダムはシールドでサーベルを受け止めようとしたが、無駄だった。
シールドはサーベルに触れるやいなや、みるみるうちに融解し、サーベルはまるで紙を裂くかのように機体を両断する。
そこから先は、その怪物による殺戮ゲームでしかなかった。
数十もの『漏斗』によって機体を貫かれるもの。
そのサーベルに真っ二つにされるもの。
胸の砲門から放たれる光の雨に呑み込まれるもの。
「来るな、来るな、来るな、来るな、来るなぁ!」
最早最後の一機となったランチャー装備のダガーを駆るパイロットは、
泣き叫びながら、自分に迫ってくる緑の怪物に、何発も何発もアグニのビームを浴びせかける。
しかし、圧倒的な高軌道でビームは宙を切り、怪物はスルリとダガーの目前で、威圧するように制止する。
怪物の後ろに漂う、MSだったものや、戦艦だったものが、この怪物がどれほど恐ろしい存在かを物語っている。
まるで、ジュデッカから抜け出でた魔王のようにも見え、パイロットはその身をすくませる。
「……ひっ」
再びアグニを怪物に向けて、最後の一発、残りのエネルギーを使った一撃をみまうが、
それもただの悪あがきでしかなかった。
アグニの高出力ビームは、怪物の装甲に焦げ目を付ける事しか出来ず、
それを見たパイロットは絶望感に包まれ、何も言えなくなった。
バッテリーの切れる音と共に、機体全体の力が抜け、ダガーはぐったりとなる。
怪物は、その両手をひろげ、何をする気なのかダガーをガシッと抱いた。
パイロットは察した。この怪物が自分に何をする気なのか……。
「お、おい…………、冗談だろ?」
ミシミシミシミシミシ……と、辺りから聞こえてくる音。
「……た、助けてくれ!」
「何で? 僕はただ『君らを消せ』って言われただけだ」
「子供の……声?」
それが、パイロットの最後の言葉であった。
ダガーの胴体はひしゃげ、コクピットが押しつぶされ、パイロットは金属と金属に挟まれ、断末魔の叫びと共に事切れた。
※※※※※※
「核攻撃隊……壊滅……」
「す、すごい……」
モニター越しに戦況を見ていたプラント最高評議会議長執務室の面々は、
誰もが茫然自失して立ちつくしていた。ほっと息をつく者も、肩の力を抜く者も一人としていない。
ただただ、先程の悪魔の輪舞曲に圧倒され、度肝を抜かれていた。
「あれは一体何処のMSだ?」
「ああ、あの機体がいなければ今頃は……」
恐ろしさを感じつつも、そう言い放つ議員達を、デュランダルは苦い顔で見つめる。
もしもという時のために、ニュートロンスタンピーダーを用意してはいたものの、
これは運用性に難がある装置であり、新たに用意するにはためらわれる値段でもある。
使わなくて済んだのは大きいが、この者達はそれを招いた者が部外者であることを念頭に置いていないのだろうか?
まだザワザワとしている執務室の議員や軍部の人間達を見回して、彼はボソリと呟く。
「……これは国民達も、地球の連中も黙ってはいまい。困ったことになった」
状況は大局的に見れば悪化したと言って良いかも知れない。
核攻撃を行われたという事実は、プラント本国の開戦気運を上昇させるだろうし、
今回出現したアンノウンが、ZAFTの新型であると地球軍が誤認した可能性も高い。
「彼なら、知っているのかな? アレを……」
シャアの顔が脳裏に浮かび、同時に、消え去ったあの小惑星の名が頭をよぎる。
まさかとは思うが、『彼女』が関与している可能性はないだろうか?
あり得なくはないと思う。彼はため息をつくが、周りの人間からはそれが一時の安堵を示すものだと疑わない。
「これで終わるわけがない、か」
デュランダルは天井を仰ぎ、これから先に待っているであろう混乱が、
どれほどのものになるか暗鬱な表情で考えていた。
アスラン・ザラは、プラント本国アプリリウス市内に立つ行政府ビル前に降り立った。
送ってくれたタクシーの運転手に手を振り、そびえ立つビルを見上げて、自分に活を入れるためか頬をパンパンと叩く。
ブリーフケースを一旦地に下ろし、ポケットの中から小箱を取りだして、中にある物に目をやる。
シンプルな装飾の施された、小さな指輪が入っていた。
カガリに渡そうと思って購入していた物だったのだが、渡すのをためらい、機会を逃したのだ。
ユウナの言によれば、カガリは見送ると言って聞かなかったらしいが、
ウナト達の拘束は思いの外長く来ることが出来なかったらしい。
ユウナに指輪をカガリに渡してくれと頼むのは……人としてどうか思ったのでやめた。
彼に失礼極まりないし、第一そう言う渡し方はカガリは嫌うだろう。
だから、自分がプラントに行ったということだけを、彼女に伝えてくれと言い残してきた。
彼とてオーブ男児だ、抜け駆けという真似はすまい。
そして時間は過ぎて、何度目になるかわからないが、アスランは腕時計に目を落としため息をつく。
宇宙港は閉鎖、戒厳令が敷かれ報道にも規制が掛かっており、戦闘状態に入っていたという大まかな見当しか付かない。
案内されて通された客間の一室はどうにも窮屈に感じられて、思わず彼は外の空気を吸おうと部屋を出る。
廊下に出た後、その階の広間でなにか口にしようと思い、廊下の角を曲がったところだった。
「おや? 君は……」
面談を申し入れていた相手であるデュランダル本人が、ヌッと視界に現れ、
アスランは驚きのあまり全身の毛が逆立った。
「……ああ、そうだった。待たせてすまなかったね」
「あ、いえ。問題ありません」
デュランダルはちょうど後処理の仕事に一区切りがついたらしく、
面談の時間も十分取れるとアスランに告げると、執務室まで付いてくるよう言って踵を返す。
アスランはこの場は素直に彼の言にしたがった。
『繰り返しお伝えいたします。本日早朝、大西洋連邦を初めとした地球連合は、
我々プラントに対して宣戦を布告。戦闘開始から約一時間後に、
核ミサイルによる攻撃を行なわんと極軌道からプラントへ迫りました。
……しかしこれらは全て撃墜され、地球軍は月へ撤退を開始。
戦闘は一時的に停止しておりますが、両軍とも緊張した空気は変わっておりません』
画面に映るのは、プラントに迫らんとした地球軍のMS部隊。そして、それをなぎ払う閃光。
ニュースキャスターはこのビームがZAFT軍最終防衛ラインの部隊が放ったものと報道している。
「やはり、こうなりましたか」
「ああ、私とて未だに信じられんよ。二年も経ったというのに、また開戦などとは」
デュランダルはため息をついてソファに腰かけ、アスランは向き合うようにもう片方のソファに座る。
「これで、このプラントも後には引けぬ場に立たされてしまったよ。
国民の開戦気運は鰻登りと言っていい」
それは当然だろう、とアスランは思う。
しかし、この核を撃たれたプラント国民の怒りは、ユニウスセブン落下の被害に喘ぐ地球の民衆の声と同じだ。
どちらも、『何故? 誰がこんなことを?』と、口をそろえて唱えているだろう。
「議長は……」
「……ん?」
「議長は、これからどうなさるおつもりなのです?
やはり、地球側と……」
アスランの言葉にデュランダルは顔を濁らせ、
「我々がこれに何をもって返すのか……。それは確かに問題だよ。
地球への支援と言っても向こうが承知せぬだろうし、最早そのようなことを言っている状況ではない。
わかっているさ、私も。このまま暴力に暴力で応じれば、再び二年前と同じ轍を踏むことくらい」
デュランダルもアスランも、お互いの目から視線を話さずに言葉を交わす。
「アレックス君……」
「『アスラン・ザラ』です、デュランダル議長」
「……!? ほぅ」
デュランダルが何か言わんとしたのを一旦押しとどめ、彼は何か意外そうな顔をした。
「何があったのだね、君に。
……ユニウスセブンのテロリスト達の話は聞いたよ。シャアからね。
君はむしろその名前を避けるだろうと思っていたんだが」
「最初は、あの父と同じこの名を名乗るのには抵抗がありましたよ。
でも、こんな俺でも頼ってくれる人が、思わぬ所にいて……」
「その人の為に『ザラ』を再び名乗る気になった、と?」
「ええ」
アスランはいま地表で紙の束と格闘しているであろう男の事を思い、頬をフッとゆるませる。
「……良い友を得たようだね、君は」
デュランダルもアスランのその顔を見てほんの少しだけ穏やかな表情を浮かべると、
ゆっくりと立ち上がり、執務室の机へ歩み寄り、
「しかし、君はまだあまり自分の立場というものがわかっていないな」
どういう事だろうか?
自分は、プラント生まれのコーディネイターで、パトリック・ザラの息子で、
このプラントから一度は追い出された男だ。
「……君のその『ザラ』という名前は、君の思う以上に世の中を大きく揺さぶる名前なのだよ」
「どういう、事ですか?」
「ふむ……、これは愚問だが、君は『ラクス・クライン』の事はよく知っているだろう?」
「ええ、よく」
「彼女は地球ではあまり名を知られて無い、ということは?」
「え……?」
アスランは思わず腰を上げた。あのラクスが?
と顔に表れており、デュランダルは冷たい表情へと変わる。
「やはりとは思ったが……。いや、続けよう。地球では彼女は殆どの人間に知られていないのだよ。
彼女の名前と顔が通るのはこのプラントの中でのみだ。……だが君は違う。
君は『ストライク』を落としたパイロットとして、ザラ議長が地球でも大々的に触れ回ったからね、
大西洋、ユーラシア、東アジア、赤道、アラビア、アフリカ。
有名人なんだよ、『アスラン・ザラ』は。アレックスを名乗った時は何故ばれないのか不思議だったくらいだ」
その言葉にアスランは苦笑しつつも、内心は驚愕していた。
自分がどんな存在なのか。そんなこと、一度たりとも考えたことがなかった。
自分が動いて、喋れば、どれほどの数の人間がその言葉の影響を受けるのかも。
「考えたこともなかったのかい?」
「……はい」
「いや、君を責めようとは思ってないさ。ただ、知っておいて欲しかったのだよ。
君がこうしてここに来てくれたということも、少なくとも他人には影響を与えるものさ。
私や、その君の友人や、アスハ嬢とかにね」
彼が執務室のモニターを統括するコンソールに手を伸ばそうとしたとき、
コンソールが鳴った。彼の他に、この部屋に来客が来る予定があったのだろうか?
デュランダルは何か考えるような表情を一瞬浮かべ、
「入りたまえ」
ドアの向こうに立っている人物に告げると、ドアのロックを解除した。
シュッと音を立てドアが開き、その向こうから現れたのは…………。
「ラク……ス……?」
美しい桃色の長髪をたなびかせ、流れるように部屋の中へ入ってきたのは、
今地球で、彼のもう一人の友、キラ・ヤマトと暮らしているはずのラクス・クラインであった。
彼女は、部屋に入りアスランの姿を見るや、
彼が未だかつて見たことのない太陽のような笑顔を彼に向け、軽やかな足取りで飛びついてきた。
「君が……どうしてここに」
「アスランだ! ホンモノのアスラン・ザラ!」
「……へ?」
「嬉しい! ホントに貴方に会えたんだもの」
ギュッと抱きしめてくる彼女の言動が一瞬理解できず、彼は固まった。
そして、彼女に絶大な違和感を感じる。
こんなに彼女は柔らかくて、抱き心地のいい体つきをしていたっけ?
「……コホンッ」
「「…………!!」」
デュランダルが咳払いをし、彼女はそれに気づくとパッと彼から離れる……ことなどなく、
彼に抱きついたまま議長の方向を向いた。
「驚くのも無理はないだろうから、ここで紹介しておくよ。彼女は……」
「ミーア。ミーア・キャンベル! でも『ラクス』って呼んでよね」
「……そう、ミーア君だ。彼女には、今ラクス・クラインの影武者をやってもらっている。聞こえは悪いがね」
少しげんなりした様子でデュランダルが言い、どこか彼女に振り回され気味である印象を受ける。
しかし、影武者とはどういう事だ? ふと、アスランは目の前の男に疑念を抱く。
「笑ってくれても構わんさ。我ながら小賢しいまねをしていると思うよ。
だが、君に言ったはずだ。『ラクス』の名前はプラントの内部では影響があるのだと」
ああ、確かに言った。それを考えれば、この情勢下彼女が必要だと言うこともわかる。
だからといって『ニセモノ』を替わりに立てるなどとは……。
「彼女は私などより遙かにこのプラントを統治しうる存在なのだよ。
であればこそ、少しでも彼女の力を借りねばならなかった。だからアスラン……、君の力も貸してはもらえまいか」
「……?」
デュランダルはコンソールのあるボタンを押して、ある部署と一言二言会話し、
「一緒に来てくれ」
アスランにそう言い残すと執務室を後にし、アスランはそれに追従し、
何故かミーアもその後ろにぴったりと付いてきていた。
「……君は」
「何? アスラン」
デュランダルの背からミーアに視線を移したアスランは、ミーアに話しかけ、
彼女がパァッと明るい表情で此方に顔を向けると、はっとなって顔を背けた。心なしか頬が熱い。
「何で、こんな事をしているんだ、君は」
「そんなこと?」
「あ、いや、その……。君が『ラクス』の格好をしているのは」
「……ああ、その事ね」
ミーアは先程までの明るい表情から一転。悲しみを帯びた女の顔になり、アスランは息を呑んだ。
背を冷たい感触が襲う。そして、また彼女が、口をゆっくりと開いた。
その言葉の内容を、彼は理解することが出来なかった。
「…………私は、ラクス・クラインの『バックアップ』だもの」
支援
もしかしてさるさんになったのか?
支援
※※※※※※
「『NZ-000』のテスト終了。乗艦許可を」
L5宙域の外れ。デブリベルトにほど近い場所に潜んでいる二機のナスカ級戦艦。
その間に、ワイヤーであの緑の怪物が固定され、作業員達が機体の周りに群がる。
「三時間後にこの宙域から離脱する。それまでにチェックを済ませるぞ!」
メカニック班のリーダーが周りに檄を飛ばし、熱気のこもるメカニック達の間を、
怪物のパイロットがすり抜け、片方のナスカ級に乗り込む。
パイロットは格納庫を抜けロッカールームへ入ると、パイロットスーツを脱ぎ捨て、
一番奥にある自分のロッカーから取り出したZAFTの緑服を着込む。
パイロットは、少年だった。少し長めの茶髪で、華奢な体躯。よく整った顔立ちに女の子のようにきめ細やかな肌。
そして何より、その顔は知るものが見れば驚愕に値するものであった。
襟元のボタンをしめるのと同時に、ロッカールームに眼鏡をかけた白衣の女性が入って来た。
胸にある艦内通行許可証と身分証から、軍の者ではなくある種の研究機関の人間だとわかる。
女性は少年に近づき、優しく頭を撫でた。
「ご苦労だったわね、『キラツー』」
「うん。僕、頑張ったよ、『姉さん』」
第9話〜完〜
~~~~~~~~~~~
以上です。
>>796さん、そのとおり。途中さるさんにかかりましたorz
なのでニコニコで「帰ってきちゃった?SEED120%」見て時間潰してました。ごめんなさい。
そしてやっぱり書いてみて思うのは、98氏や427氏との決定的な実力差の開きです。
自分はまだまだ未熟なんだなぁとしみじみ感じますよ。
もっと上手く文章が書けるよう頑張りたいです (・ω・)ノシ デハマタコンド
乙
GJ。
まさかいきなりクインマンサ?それともクシャトリヤ?
いやそんな事よりひょっとして珍しくもUC技術が早々とクライン派の手に?
そうとう難儀な事になりそうな悪寒…
ガンダムというか御禿的に何の問題のないネーミングセンスが素敵w
お疲れ様です。
>>801 「NZ-000」だとクィン・マンサです。
クシャトリヤは「NZ-666」です。
「NZ-333」がα・アジール。
「NZ-222」がサイコ・ドーガ(ベルチルの「サイコ・ドーガ」は、「サイコ・ギラ・ドーガ(MSN-03-2)で別物)。
「NZ-444」がβ・アジール(1/550α・アジールの説明書に出てる)
注目は最終的にキラとアスランとカガリがラクスと敵対するか否かですね。
マリーダがクシャトリアと転移してきたのかと思った。GJ
キラのカーボンヒューマン?居ても不思議はないな
>砂に覆われた、『ダガー』に似つつもより高性能・大型の機体。月で極秘裏に発掘が進められている月面都市
嫌な予感しかしねえ・・・・ヒゲ的な意味で
木星辺りにはジムの神様が眠ってたりするのか
>>754 乙です
誤>うるせぇ、揉むぞこら。今の俺は誰に求められないぜ。
正>うるせぇ、揉むぞこら。今の俺は誰にも止められないぜ。
かな?
>>799 GJ
今月大勝利ですな
廃棄コロニーに捨てられてた書きくさしのノートだけで議長が抹殺される世の中だ。
ヘリウム掘りの誰かの日記帳だけ転移してきただけでも木星まで出向いて
血まみれ死神巨神の発掘に乗り出しても何の不思議もない。
もしかしたら南米のジャングルに砂に埋もれたジャブローがあったりして
ヒゲの影が……とりあえずは乙で乙
転移、か跳躍、なのか、はてさて今後に期待
月光蝶で地球圏壊滅フラグが
そこで議長がヒゲのお兄さんを持ち出してw
まさかアナハイムまで・・・
>>779 部長自重www
ところで98氏のAA、味方の高官の令嬢であるフレイが生還した現在よりも
敵の親玉の娘のラクスが居た頃後半の方が空気が良かった件について。
_ □□ _ ___、、、
//_ [][]// ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/、 誰 作 こ
// \\ // /::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ だ っ の
 ̄  ̄  ̄/ /:::::::::,,,-‐,/i/`''' ̄ ̄ ̄ `i::;| あ た シ
―`―--^--、__ /:::::::::=ソ / ヽ、 / ,,|/ っ の チ
/f ),fヽ,-、 ノ | 三 i <ニ`-, ノ /、-ニニ' 」') !! は ュ
i'/ /^~i f-iノ |三 彡 t ̄ 。` ソ ハ_゙'、 ̄。,フ | ) |
,,, l'ノ j ノ::i⌒ヽ;;|  ̄ ̄ / _ヽ、 ̄ ゙i ) を
` '' - / ノ::| ヽミ `_,(_ i\_ `i ヽ、 ∧ ∧ ∧ ∧
/// |:::| ( ミ / __ニ'__`i | Y Y Y Y Y
,-" ,|:::ヽ ミ /-───―-`l | // |
| // l::::::::l\ ||||||||||||||||||||||/ | // |
/ ____.|:::::::| 、 `ー-―――┴ / __,,..-'|
/゙ー、,-―'''XXXX `''l::,/| ー- 、__ ̄_,,-"、_,-''XXXXX |
/XX/ XXXXXXXXXX| | _, /ノXXXXXXXXXX|
少佐自重w
>>799 GJ
クィン・マンサが早速実践投入されただけでもヤバいのに、クローンorカーボンヒューマンまでw
月は月でアナハイム的な何かがあるっぽいし、何が出てきてもおかしくなさそうだ
どうも、おはようございます |・∀・)ノ 98です
各職人様方、投下乙でした
そして住人皆様方にまとめの方、久々にも関わらず暖かいお言葉を頂き感謝感謝です m(_ _)m
それにしてもこのスレが続いているのは、のんべいさんはじめとする現在を支える各職人様方と住民の皆様のCCA魂の賜物ですね
1スレ目から参加していた身としたはとても嬉しい限りです
それにしても373さんや400氏、メビウスさんとか今はどうしてんのかなぁ…
1回くらいは一緒に飲みながら、話の作り方とか話してみたかったんですけれどねぇ
いつか彼等が復活してくれる事を願わずにはいられません
>>799 787 ◆7fKQwZckPA氏
『決定的な実力差』ではなく、それは『書き慣れ』だと思いますよ
今だから言えますが、実はおいら、最初はメチャメチャ恥ずかしがりながら書いてました
自分なりに書けるようになったと実感したのも10回目くらいだったかなぁ
おいら自身、大切なのは創造力だと思っているので文章力なんて気にシナイですw
目的持って数を書けば、自分なりの書き方とかはおのずと出来るようになると思うので、気にせずガンバですよ |・∀・)b
まあ、偉そうな事書いてますが、それ以前においらの場合、誤字・脱字なんとかしようぜって感じなんすけどw
お互いがんがりましょう |・∀・)ノシ
クイン・マンサなんてどっから引っ張ってきたのかなーとか軽く読んでたらキラツーで酒吹いたwww
鼻の奥が痛いwwwwwwwwwwwww
>>817 98氏の懐の大きさに感謝 。・゜・(ノД`)・゜・。
キラシリーズwwww
キラトゥエルブを見てみたいwwww
男娼館に売られてホモのオヤジに掘られまくるのか……
>>821 ヌケサク乙w
ほんと何処でも湧くな、おめーは
いや、そこはプサババア達に逆輪姦では…
……想像したら別の意味で気分悪くなった…w、けいおん見てくる。
>>778 せっかく書いてくださってる職人様に対して口の聞き方が悪いぞ。
つか↑の人、以前から気になってたんだけど、
なんで「、」を「。」でやるんだ?
修正点発見orz
>>789の後ろから三行目、「高軌道」→「高機動」です。
管理人さん、申し訳ない(;ω;)
クインマンサにジェガンっぽいMSにアナハイムっぽい巨大施設・・・
カオスにも程がある・・・本来衝撃的ですらあるはずの
キラのクローンですら「へぇ〜」としか思えないw
この調子だと宇宙のどっかにかつて放棄されたGP03の
オーキス部分がさ迷っていたりしても不思議ではない
俺的にはボールを見たときの感想が気になるw
この雨の中4軒ハシゴしてなんとかフィギュア付きコーヒーとファイル全種確保。
コーヒーもファイルも買い占められてるとかありえんorz
誤爆orz
ただいま帰宅しました。427asのんべいです。
感想並びにご指摘の数々ありがとうございます。また、まとめサイトの方にはいつも御迷惑をお掛けして申し訳ありません。
修正点はもう少しかかりそうです。何せ本業の報告準備が終わっていない状況でしてw
また、避難所でコメントいただいた方にも、感謝申し上げます。ちゃんと読んでますよ。ご指摘を反映出来ればと思っています。
>>817 貴方にそう言っていただけるとは光栄です。いつか友人たる紳士の皆様と共に飲みましょう。
お酒がおいしい店なら任せて下さい。
>>799 僕も同感です。僕は、貴方よりも少しばかり無駄に生きているので、文を書く機会が少し多かっただけにすぎません。
学部生の頃など、文をボコボコに訂正されていましたからね。何度も書いていくうちに慣れますよ。
誤字・脱字については僕も人のことは全く言えないのですがw
徒然に書いていたら半分できてしまったので、うまくいけば、外伝も併せて週末か来週初頭には投下出来そうです(だから本業が遅れると言うにorz)。
ではまた。
832 :
821:2010/04/27(火) 20:36:17 ID:???
なんか気持ち悪いんで言っておくけど俺ヌケサクなんてコテハン付けた事無いんだけど
そもそも誰なんだそいつ
深淵を覗くときは気を付けることだ。君が深淵を覗き込むとき、深淵も君を覗き込んでいるのだから…
好奇心は猫を殺す、そういうことだ。
そのコテと同じぐらいキモい、という事だよ
>>833 何故か猫がこっちを覗き込んでくるイメージが浮かんできて和んだ
836 :
821:2010/04/27(火) 22:06:16 ID:???
そんな事で同一人物扱いされるのは心外だ
>>827 ザムザザーやユークリッドが出て来ずにAL搭載したボール軍団大量投入になったり
>>836 最近、種関係のスレに、何の脈絡もなく言いがかり付けて00の話題を振る奴が居るというだけだ。
気にせず、スルーするのが吉。
>>835 猫を覗くときは気を付けることだ。君が猫を覗き込むとき、猫も君を覗き込んでいるのだから…
和むな、うん
キチガイに触れてキチガイになったやつがキチガイを増やそうとしてるだけだ
触れてやるな
841 :
nuko:2010/04/27(火) 23:42:42 ID:???
>>839 覗く時はミルクと一升瓶を持ってきてほしいにゃ
カリカリも忘れるにゃ
ところで787氏が挙げた「SEED120%」って何?
番組っぽいけど、ようつべで見れたりするのか?
>>843 ニコニコ動画で見れる。色々な意味でオヌヌメだ
見て損をしない事は確か
>>838 それは00厨
ヌケサクはかなり前からいる荒らし
ヌケサクって787氏を目の敵にしてるヤツ?
>>843 また懐かしいものをwww
アレは見た当時吹いたなぁ・・・スネ毛議長とか、バズーカぶっ放すタリアとか
あと何回でママちゃん消えるかなwww
伏線なしで行き当たりばったりにキラコピーとかアナハイムとか出す低能だからつまんねえんだよ
相変わらず厨二臭いヘッタクソな文章以前にせめてそういう無計画なのを直せよ。
なんだ、まだヌケサク(笑)が湧いてるのかよ
いい加減2chから永久追放されてくれ、マジで迷惑だから^^;
>>848 先にお前のママに死んでもらいたいね。
そうすりゃパンツの履き替えすら一人で出来ないお前が出てこれなくなるから。
成程、他スレでもしばらくなり潜めてた気違いがまた湧いたのとほぼ同時、同一人物と言うことか
おやおや?
普段紳士紳士って言ってた態度はどこに消えちゃったのかなぁ?
流すのが一番
そういえば、別のスレでも結構クローンネタ多いよな
イージスの自爆に巻き込まれたのがオリジナルとかよく言われるけどw
バカピンクとケイ・クーロンとブラックK7は面白かった
スレが消えて完全消滅しちまったが
紳士の国では元々躾の悪い糞餓鬼や駄犬への体罰は当たり前だったわけだが。
>>856 スパコディとして設計製造する時点で失敗作の試作品やスペアパーツの用意は
付き物だからなあ。
そういう建前でスレの空気を悪くしようとしているんだね
クローンはカーボンヒューマンのおかげで技術的に問題ないことが裏付けられてしまったからな
大体、試作品としてのカナードやクローンの狂うぜとかいたしなぁ
しかしそういうのは本来悪役側の最大の種明かしなんだけどねえ、
ダルタニアスとか。
>>846 787氏には限らない。ラクシズ側が悪役になる(今回はラクスがモロ黒幕だから特に)
あるいは無印が舞台の際にキラの増長(ヤメテヨネーとか)が抑止されて
まっとうな成長を遂げそうなタイプにはとにかく粘着する。
つまりTVどおりに行かないと発狂荒らしするわかりやすいクズってとこ。
アニメしか心の拠り所がない哀れな坊ちゃんなんだからそっとしといてやれよ
そういや、スターウォーズのクローン兵はオリジナルからドアに頭をぶつけるという
悪いクセを引き継いでいるが、キラクローンはどんなクセを引き継いでいるんだろうか...
>>865 つフレイ
つラクス
・・・・寝取り癖?
略して寝癖
のんべえ氏最新話でヘリウム3の話ばかりでルナチタニウムには一切ふれてなかったけど、此れってロンデニオン国内
で精製できるんだっけ?
生きるためだけ何をするにもでもエネルギーはいるからな
金属とかはCEの素材でやり繰りはできるだろうし
ルナチタニウムの精製技術がまだ未熟なのかもしれないしな
軍に素材まで熟知した人間がいるとも思えないし
νの設計から携わったアムロとガンダリウムγをエゥーゴにもたらしたシャアが
いるにはいるわけだが、合金の精製そのものまでの役には立たないのかな。
技術師「あ、クワトロ大尉、ちょうど良いところに。装甲の素材の事なんですが、こちらの技術ですと・・」
赤い人「当たらなければどうということはない!」
技術師「・・・」
クワトロは必要以上に装甲を軽視する馬鹿野郎ではないと思います
ビーム全盛期の装甲に意味などない
ガンダニュウムじゃねぇんだ
ライフルあたりゃ即致命傷だ
などと二等兵はわめき散らしており・・・
>>873 設計と製造は全く畑違いよ
製造だって素材から組み立てまで凄まじいプロセスがあるからそれぞれの専門家は絶対に必要だし
>>869 ジェガン用のチタン・セラミック複合材で最低限の用は足りるし、
こっちはCEのオーブでも調達できることが作中で示されてる。
装甲が直撃に対するだけの用意なら、例えば小銃を防げない兵のヘルメットは意味がありませんよね?
そもそも作中で既にオーブに技術渡してる事を考えると作れるとこまではきてるんじゃない?>ルナチタ
>>866 だからフレイもラクスも自分からキラに迫ってきてるだろうと何十度
キラに自分から他人の女に手を出すような甲斐性はないよw
>>882 女の股を緩くするフェロモン放出説
肉食系女誘引フェロモン放出説
>>879 でも氏の前の話で炉心材となるルナチタニウムを輸入云々ってあるから自作は難しいじゃないのか?
>>884 ルナ・チタニウムとチタン・セラミック複合材の原料は別だろう。
つーか、どのみち輸入なしにはロンデニオンは成り立たないからユーラシアと組んだんだろ
材料の調達は技術とはまた別の話だ
月・L3、そして地球に資源地帯を抱えている拡大ユーラシアは資源供給国として有望だものな〜。
>>887 それでもNJCに使うベースマテリアルとやらは地球上で大西洋連邦領土にしかないんだっけ?
まあ大量破壊兵器の解禁はともかく電力供給は核融合炉のリースが実現すればそれ無しで解決するわけだが。
その場合も融合炉の為のヘリウム3が必要になる
生存権を掛けてプラントから航宙権をもぎ取らないとな
宇宙でもシーパワー(航路の安全を保証する力)ってのは大事なんだな
>>889 だからこそのL4宙域確保なわけで。
拡大ユーラシアの月面基地とL3のロンデニオン共和国・アルテミス要塞を繋ぐラインはプラントが信用できない以上は最重要目標。
>>889 プラントは国家として信用に値しないと見られているからもぎ取るも何も無いだろうね。
ロンデニオンとEEFが合同艦隊で以ってL4の確保を図ろうとしてるのは独自に安全な航路を確保するのが目的なんだし。
まぁ、何れにしてもここでL4の制宙権をEEFとロンデニオンが要塞を建設して確立したらアーモリー1は造られないだろうね。
あとは螺旋の邂逅のNJCイベントだけど問題はジブがプラント(クルーゼ)の情報を信じるかだよね。
そうしないと大西洋連邦にわたらないし。かといってアズにわたしてもなぁ
>>892 それどういうこと?
L4経由航路と2年後の新造コロニーにどんな因果関係が?
895 :
通常の名無しさんの3倍:2010/04/29(木) 21:02:47 ID:v8Wka8vY
>>894 アーモリー1はL4宙域にあるんだよね。
>>895 マジで?
じゃあ種死時のプラントは二つのラグランジュポイントにまたがって存在してたのか。
どさくさにまぎれて領域拡大したか、ミラクルカナーバのネ申外交手腕によるものか
>>896 種の時代にザフトが皆殺しにして殲滅したコロニー跡地に新造したはず>青森
コロニー丸ごと皆殺しってザフトは毒ガスでも使ったのか?
てことは穴あけて空気抜いた?
orガルナハン又はパナマ?
ヘリポリみたいにD装備でミサイル斉射じゃね?
>>898 そんな話あったっけ?本編でも外道でも見た覚え無いが?
種開始前の出来事だったはず、4月より前
L4が戦場になったのは新星攻防戦だから6/14〜7/12だよ
どっちにしても本編とアストレイの1話より前だな
その話が本当ならザフトはジオン並みの虐殺をやらかしたことになるな
それでいてユニウス7の件で被害者面してるのか。
だがブルコスがそのことを全く宣伝材料にしてないのはどう説明する?
>>906 そこの連中がプラントのやり方についていけなくて他の居場所を宇宙に求めたコーディだったとか?
>>907 宣伝材料にはなるだろ、同族のコーディの住むコロニーすら破壊して皆殺しにするプラントなど殲滅すべしとか
L4にあったのはアジア共和国のコロニー群と資源衛星「新星」だから普通に地球連合のコロニーだな
コーディもいたとは思うが大多数はナチュラルだろう
本編に出てこないのはAFCの惨状がほとんど出てこないのと同じ理由だとおもう
AAの航路が(自称)平和の国オーブ→アフリカのザフト勢力圏→オーブ→自爆作戦の準備で大忙しのアラスカ→
オーブ→テロ組織化だから
お話中申し訳ないです、787です。
ほとばしる妄想と構想を書き連ねていたら、短編がもうそろそろできそうです。
あと5分後を目途に投下したいのですが、よろしいでしょうか?
誰もいないのかな? では予告通り行きます
『地球に住む者は自分たちのことしか考えていない。だから抹殺すると宣言した!』
赤い鬼のようなMSが地球を指さして、自分に銃を向ける。
後ろには紺色のボディと金の装飾の入ったMSが追従しており、このMS達は自分の敵だとわかった。
しかし、何でこんな夢を? 彼にはわからなかった。自分が何を操縦しているのか。
自分が帰還した、見覚えのある艦の名前は何なのか。居並ぶダガー似のMSは何なのか。
ブリッジで自分が話しているこの男は誰なのか。
その男の声も知っているが、顔はハッキリと出て来ず朧気だ。
急に場面は変わって、コロニーの端と思しき場所で人々の死骸が目の前に広がっていた。
自分は泣いている女の子の頬をはたき、避難するように告げている。
この少女は、誰だっけ? 脇に抱えた資料は何だ?
そして、ZAFTのザクにそっくりなMSが周囲に弾丸をまき散らし、自分は横たえられたGタイプに滑り込んでいる。
宇宙にでて、そして、コロニーに迫るMSと、赤いザク。其奴はビームをかわし視界から消えて…………。
「…………!? ……かはぁ!」
ファブリスは額に脂汗を浮かべ、ため込んでいた空気をはき出しながら、
身体を覆っている掛け布団を払いのける。またあの悪夢だ。
ユニウスセブン落下事件、『ブレイク・ザ・ワールド』と呼ばれるこの悲劇の後から頻繁に見るようになった。
あの巨大な小惑星の夢も見るようになり、あの赤いザクのパイロットが言った名前も頭にこびりつく。
『アムロ』
彼はそれを振り払うように頬をはたき、起きあがって洗面所に駆け込む。
冷たい水で顔を洗い余計なことは考えないよう努めるが、やはり頭から声が消えることはない。
「ああ、くそ! 忌々しい」
不機嫌な気分のまま軍服を着込み、上に黒のトレンチコートを羽織り廊下に出た。
窓の向こうには小さいがバルハシ湖が見え、手前には軍事物資を運ぶMS達が見える。
詳しい場所は不明であるが、ここは東カザフスタンに設置されたユーラシア連合の軍事基地である。
十月に入って肌寒くなってきており、軍服一枚でいるには少々厳しい。
廊下を抜け、鉄の扉を開くと、外の風が顔や衣服に吹き付け、彼は少し目を狭める。
上着のポケットから色の合った黒い革手袋を取り出しはめ、
顔面の上半分を覆う仮面の位置を調整し、外に出た。
「おい、これで最後か!?」
「いや、まだあるってさ。全く、ファントムペインばっかり何で良いもんまわされんだよ。
こっちはテロリスト共の警戒もしなきゃならんってのに」
基地外の滑走路沿いに、VTOL輸送機が並び、
ストライクダガーや基地の兵士達が文句を言いつつも物資の積み込み作業にいそしんでいる。
荷物はウィンダムの予備パーツや武装一式が入ったコンテナ、
『フォビドゥンヴォーテクス』や『ディープフォビドゥン』のパーツも見られる。
どこからそんなものを持ってきたかという事など、基地の上層部が彼らに教えるはずなど無く、
文句を言うのも当たり前といえた。
このストライクダガーはこのユーラシア連合・カザフスタン地区軍に所属するMSであり、
僻地であるため基地には新鋭機がなかなか廻されないのだ。
良くて105ダガーが配備されているが、ウィンダムは制式量産ががはじまったばかりで、
まだ彼らの言う『良いとこ』にしか配備が決まっていない。
優先的にいいものが手に入るファントムペインへのやっかみがある。
不安なのは、そこからでる感情でこちら側の兵士と衝突を起こしたりする事だ。
ファントムペインは優秀な兵士が多いが、エリート意識が強く、少々鼻にかけた態度が表に出てしまうことが多い。
それ故大西洋、ユーラシア問わず地方の軍兵士との間に軋轢が生まれやすく、
双方のイライラによってしょっちゅう喧嘩が起き、ネオにとっても、彼にとっても頭痛の種となっている。
「あ、にーにー!」
「ファブリス、ゲンキ? ファブリス、ゲンキ?」
基地の中には、兵士達のリラクゼーション用の施設がいくつかあるが、
そのうちのストリートゴール用のコートで、少年少女達が勝負に打ち込んでいた。
1on1形式で、今はちょうど良く少年二人がお互いボールを取り合っている。
彼が来たのに気づいた少女、ステラ・ルーシェは手を振って彼に駆け寄り、
その後ろにペットロボ、アッガイがバタバタと付いてくる。
「ファブリス、ワルイユメミタカ?」
脳波を感知したのだろう、アッガイが彼を見上げ、ちんまりしたクローでトレンチコートの裾を引っ張りながら言う。
彼は大丈夫だとかえすと、ひっつこうとするステラを引き離しながらコートを横切った。
アウル・ニーダとスティング・オークレーも彼を見やると『よっ』とでも言いたげに手を軽く挙げる。
そして、彼はコートの端のベンチでぐったりと身を横たえる男のそばに立ち、
「……何やってるんですか? 大佐」
ゼェゼェと息を切らしている31才、ネオ・ロアノークに、冷ややかに声をかけた。
「ハァ…ハァ…、いや……ハァ、アウル達に誘われて。
勇んで……ハァ、彼奴等に挑んだまでは……ハァ…ハァ、良かったんだが……」
「結局、途中から体力が保たなくなったんでしょう? 全く……」
「彼らに張り合ってどうするんですか! いい年してはしゃぎすぎです!」
後ろから大声がしてファブリスは飛び上がり、後ろを見てみれば、セリナが呆れた顔をして、
その手にポ○リス○ットのボトルを持って立っていた。
ネオはゆっくりと身を起こすと、彼女の手からボトルを受け取って、グイッと一口のみ、
「……いや、まさかここまで鈍ってるなんて思ってなかったよ」
そう言って笑った。
「鈍ってるとかそう言うんじゃありません、彼らが特別保つだけですよ」
「そうは言うが、あいつらだってまだ16,7な訳だし……」
そう見苦しい言い訳をしようとするネオに、アウルが横から茶々を入れる。
「ネオは『おっさん』だもんな〜」
「お、おっさん言うな! 俺はまだ31だ!」
「え? も う 31? 十分おっさんだぜ」
「アウルぅ!」
ネオはボトルをファブリスに放り、ベンチから跳ね起きるとアウルを追いかけ始め、
アウルは笑いながらゴールポストの下やコート内を駆け回り、スティングは苦笑いしながらそれを見つめている。
ステラは胸にアッガイを抱きながら見守っていた。
「一体何歳なんだ? あの人は」
「いいじゃないですか、賑やかで」
「一応ここは軍隊なんだが……、まぁ、あれがあの人の良いところだな」
羨ましいと思った。自分にはああやって、まだ少年とはいえ部下に当たる子供達に接することは出来ない。
何かこう、『兄貴的な何か』をしてやるというのが基本的に苦手なのだ。
内向的な性格に生まれたことを恨むが、こればっかりは仕方がない。
「大尉」
ふと、セリナが自分の顔をのぞき込んでいた。
「あ、何だ? 中尉」
「一緒にしませんか? バスケ」
突然の申し入れに彼はたじろぎ、数歩後ずさるが、気づけば、ステラとスティングも、期待を込めた目でこちらをじっと見つめている。
やめてほしい。そんな目で見つめられればやりたくなってしまうではないか。
アウルはと言うと、彼らの向こう側でネオととっくみあいになっている。あそこまで行くともはやガキの喧嘩だ。
「いや、でも俺はバスケなんて殆ど……」
「じゃあ教えますから! ね!?」
「いいじゃん、兄ぃも一緒にさぁ」
「にーにー♪」
三人に腕を掴まれ、ずるずるとコートの中央まで引きずられていく。振り払うべきだとは思わない。
翌日明朝には、インド洋に向けて出立するわけで、彼らにとってもこれが一時の休息なのだ。
本当は顔を出した後、自室で別のペットロボ『ビグザム』制作にいそしむ予定だったのだが、
ここで彼らに付き合うのも悪くはないかもしれない。
「……やれやれ」
スティングがアウルとネオに向かって駆けていく後ろ姿と、
笑顔で自分の腕を引っ張る少女二人を見ながら、彼はこのほんの一時の幸福感に浸っていた。
数十分後、医務室のベッドが二つ埋まることになるのは、また別の話である。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY IF
〜Revival of Red Comet〜
第9.5話
「大西洋連邦に条約条項の譲歩をさせる!? 可能なのですか!?」
オーブ本国、アカツキ島のアスハ別邸内。ダイニングでの食事時であった。
ラクス・クラインは、目の前の金髪の少女が言った言葉に驚愕し、フォークを取り落とした。
今この別邸には、彼女と、目の前のカガリと、孤児院の子供達以外にはいない。
キラやマリュー、バルトフェルドはもう2,3時間もすれば帰ってくるだろう。
マルキオ導師はオーブ国外に出かけて今はいない。
そのカガリの言うところによれば、
ユウナ・ロマ・セイランが閣議の中で、同盟を叫ぶ老人達に猛反発したのだという。
その中には父であるウナトがいるのにもかかわらず、だ。
「それができるんだ! ユウナがある映像を提示してくれたおかげで、
あちらとも話を付けることが出来るって」
「……映像、ですか?」
「ああ。連合の新型MS、『ウィンダム』のことは……と、ラクスは知らないか……」
ラクスは知らないふりをして誤魔化したが、無論、その名前も姿形も知っている。
105ダガーに替わる新鋭量産機として生産・配備が進められている、
あの『ストライク』をそのまま量産化した機体。
「そのウィンダムが、ユニウスセブン破砕作業の妨害をしているとしか思えない映像を手に入れたんだ」
「………………!?」
ラクスは自分の息を呑む音と聞き取り、サーッと血の気が引いていくのをハッキリと感じ取った。
なぜそんなものがユウナ・ロマの手に渡るのだ?
一体誰が? どこからそんな情報を?
「……誰が」
「む?」
腹の底から絞り出すようにラクスは声を出し、
ミートソーススパゲッティを口にほおばったカガリは、
ソースをまき散らしながらそれを口にすすり込んで彼女に向き直る。
近くにいた子供が飛び散ったソースの餌食になったが、気にせずカガリはラクスに、
「どうかしたのか? ラクス」
「誰が、ユウナにその情報を渡したのですか?」
「……言わなきゃ、ダメか?」
気まずそうに視線をそらすカガリになおも、
「……聞かせてくださいな、カガリさん」
今度はカガリが青ざめる番だった。
底冷えのするような低い声、今までの彼女からは想像できない、恐怖すら感じる声。
カガリは思わず、名前を口にしてしまっていた。
「……あ、アレックスから」
「……アスランが?」
意表を突かれた。
まさか、あの臆病者がそのような大それたまねをしでかすとは思ってもいなかったのである。
「で、彼は今どこにいるのですか?」
「アスランは……今オーブにはいない。プラントに行ってるよ」
「プラントですって!?」
今度こそ彼女は勢いよく立ち上がった。
カガリのみならず、周りの子供達も、その剣幕に椅子ごと後ずさる。
「あ、あら……私としたことが。
ま、まさか、アスランがもう一度プラントに戻るなんて考えてなかったものですから」
「うん、私も最初は驚いたさ。でも、ユウナがとっても真剣な顔で言ったんだ。
『彼は彼にしかできない事をするために、君を守る為に、プラントへ戻ったんだ』って。
彼奴のあんな顔見るの初めてでさ、一瞬ドキッとしちゃったよ。
アスランの見送りもしたかったけど、ちょうどそのころ私はウナト達の所で軟禁状態だったし」
「それで……いいのですか」
「正直言うと、嫌だよ。
でも、アスランもユウナも真剣に、私とオーブの事を、
真剣に考えてくれてるんだって思えれば、また会えればいいかって思えるんだ」
幸せともとれる表情でカガリはそう言い切って、天井を見上げる。なぜか一段と、綺麗な女性に変わっているように見えた。
「今夜はもういいですわ、顔を洗ってきます」
ラクスはそう告げて、ユラリと食卓を出で台所まで歩いていくと、
先程まで自分が調理していたまな板の近くまでフラフラと近づいていき…………
ダァンッ
手に持っていたフォークを、思いっきりまな板に突き立てた。
ケヤキの木で出来たまな板をそれは貫通し、下のステンレス製キッチン表面まで貫いていた。
ギリギリと唇を噛みしめてうめき声すら上げぬようにし、フォークを握っている手からは血が流れ始めた。
「……アスランめ、余計なまねを」
予定が狂い始めた事が、無性に腹立たしい。
それも、確固とした自分の意見を持たないヘタレと、所詮いいとこの坊ちゃんだと思っていた男によって、
自分の、このラクス・クラインの計画の一端が阻害されたともなれば当然である。
「……こうなれば、何としてでも『完全な条項』の条約に調印させねばなりませんね」
一時の休止を経て、カガリがまた行政府に呼び出されたのを、
玄関先で見送ったラクスは、子供達に二階で遊んでいるよう言いつけると、
一階の固定電話をすぐさま手にとって番号を押し、カツカツとヒールを床に打ち付けながら待つ。
「……私です」
電話に出た男には名乗らせもせず彼女はそれだけを告げた。
それだけ、彼女は焦っていた。キラ達が帰ってくるまであともう少し。
それまでに、何とかしてプランを繰り上げ修正を加えなければならない。
「……!? これはラクス様。一体どのような御用向きで」
「……ヨップさん達に伝えなさい。
『計画を繰り上げる。今夜の内にこの邸宅を襲え』と」
「こ、今夜でありますか!?」
「そうです! 私を失望させないでくださいね?」
「わ、わかりました」
尋常ではない彼女の様子に向こうの男も半分おびえたように電話を切り、
彼女が受話器をおろすのと、キラ達が別邸の玄関を開けるのはほぼ同時であった。
「ただいま……!? どうしたの、ラクスさん!? どこか具合でも悪いの?」
マリューはラクスの顔を見ると、血相を変えて彼女に駆け寄った。バルトフェルドも心配そうにマリューの後に続くが、キラは最後であった。
彼女ははっとなって、今自分がどんな顔をしているのか思い出す。
眉間にしわを寄せ、顔を歪ませて、何か痛みに耐えているように見えたのは幸いだった。
「な、なんでもありませんわ。足を電話台にぶつけただけです。
ここ最近眠れないことが多かったですから……。疲れていたのでしょう」
ラクスがそう言って微笑みその場を取り繕ったので、大人二人はそれ以上何かを言うのを止めた。
キラはと言うと、玄関から少しだけ覗くことが出来る台所に見える、
突き立てられたフォークをじっと見つめていた。
黒い防弾チョッキに、ライフルと暗視スコープ。
見るからに、特殊部隊と思しき一団が、アスハ家別邸に音もなく忍び寄っていた。
『アスハ家を急襲し、使用人達の殺害並びに、標的をシェルターへ誘導せよ』
これが、特殊部隊、アラファス隊に与えられた任務である。情報によれば、別邸の周囲には警報装置をいくつか設置してあるので、玄関を密かに破った後、別働隊はそれにワザと引っかかれとの事だ。
「作戦開始。……使用人共に気づかれぬようにな」
ヨップはそう指示を下すと、自身は一隊を率いて正面玄関へ、
別働隊は散開し、警報装置が設置されている箇所へと忍び寄る。ヨップがサッと玄関の戸に近づき、ノックする。
この時間帯は皆が寝付き始める頃ではあるが、この屋敷では最低一人は起床して急な来客に対応できるようにという規範があるそうだ。
それに則って、一人の少々恰幅の良い女性が戸を開ける。
「はい、どちら……!?」
彼女の声が最後まで続くことはなかった。
ヨップは戸が開いた瞬間彼女の口元を抑え、その腹部に深々とナイフを突き刺す。
彼女は悲鳴を上げようと、犯人を引き離そうと藻掻くが、相手が悪かった。
女性の力が抜けていき、ヨップはゆっくりと、その使用人の体を床に倒した。
その女性の名前は『マーナ』。しかし、それを知るものは今夢の世界にいる。
ヨップはあらかじめリークされていた屋敷の図面から使用人用の寝室を探り出し、
部隊のメンバーも中へ滑り込む。何故使用人達まで殺す必要があるのかは、彼らはわからないが、
「……許せよ」
寝ている老若男女達の口を塞ぎ、部隊員達は寝ている彼らの首を掻き切った。
ここにいる住人の内残るのは、子供達と、モルゲンレーテの技師が一人。
顔に傷のあるコーディネイターが一人と、ナチュラルの母親にコーディネイターの息子。
そして、『我らが主』。
ヨップはペンライトを取り出し、一階の窓から外へSの字を書くように振った。
『警報装置作動』、そして『標的に目的を知られぬようにせよ』の合図であった。
支援
〈ガガ……目標は子供達と共に…ガ…武器は無し……早く仕留め……ガガ〉
崩れ落ちた黒ずくめの男が装着していたイヤホンから、衝撃的な言葉が聞こえ、
少年、キラ・ヤマトは身をこわばらせた。
バルトフェルドが密かに屋敷の周りに設置していた警報装置が作動したそうで、
マリューとバルトフェルドは銃を片手に、ヤマト親子と子供達、そしてラクスにシェルターへ行くよう言ったのである。
二階や三階の部屋から子供達を集め、建物の裏のにある階段を一階まで下りるように。しかし、容易に事は運びそうになかった。
階段を通ろうとすれば窓に銃弾は撃ち込まれるし、マリューやキラが行く先々に、武装した特殊部隊の兵士が現れる。
バルトフェルドやマリューは鬼気迫る顔でこれらを排除していく。
正直、マリューはこっちの方が性に合っている気がしたが、それは言わないでおいた。
ジリジリと、時間は掛かったが一人たりとも欠けることなく、無事シェルターにたどり着いた。
「大丈夫か?」
「ええ……、何とか」
バルトフェルドが見回して皆に尋ね、マリューは息を切らせて答える。
「相当訓練されたの特殊部隊だ。それも、正規軍の」
「……一体、何処の誰が? ZAFTのですか?」
キラは思わずそう呟いていた。それに答えたのは、
「……誰かは存じませんが、恐らく、狙っていたのは私でしょう」
ラクスが肩を震わせて言った。その目には、涙があり、何故こんな事になったのかと問う悲しみの色があった。
ホロホロと大粒の涙を彼女は流しながら、
「ま、マーナさんが、ここの人たちが……。カガリさんに、なんと言えば…………」
ラクスはキラの胸の中に顔を埋めると、声を押し殺すように泣き始め、
子供達、キラの母であるカリダ、そしてマリューもそれに誘われ涙する。
しかし、悲しんでいる暇など無い。
ゴォン、という轟音と共に床が揺れ、子供達は悲鳴を上げた。
「これは、……爆発だ」
バルトフェルドがその振動から、上の屋敷が攻撃されているのだと判断した。
「相手はMSまで投入しているというの!?」
「恐らくそうだろうな……」
キラもそうであるが、ここにいる皆の顔に絶望の色が浮かぶ。
シェルターとはいえども、MSに時間をかけて攻撃されればひとたまりもない。
「…………キラ、私、怖い」
ラクスはキラの服の襟をギュッと握りしめた。キラの中に、二年前に放棄したはずの感情が、再び燃え上がる。
「ラクス、僕は……」
「……キラ、私の話、落ち着いて聞いてくださいますか?」
「うん、何? ラクス」
ラクスが、先程からずっと胸中に抱えているピンクのハロを、
彼の前に差し出しながら、震える声で言い放つ。
「私、貴方にずっと隠していたことがあります」
ラクスはキラの後ろにある、シェルターの中に設けられたもう一つの扉へと、すたすたと歩いて行く。
バルトフェルドやマリューも、彼女の真意を測りかね、ただ彼女の後ろ姿を見つめるばかりだ。
彼女はハロの口を開け、その中から豪奢な装飾が施された黄金の鍵を取り出す。
大きな扉に開いた小さな鍵穴にそれを差し込むと、彼女はその鍵を、ゆっくりと、回した。
機械音と共に、巨大な扉が左右に響き、その向こうには、闇に覆われた巨人の姿が立っていた。
扉が開ききると共に、その向こう、格納庫に、パッと光が点った。
「「「これは…………!?」」」
十数機の奇っ怪な形をしたMSが、何発も、何発も、アスハ家別邸にミサイルを撃ち込んでいた。
『UMF/SSO-3 アッシュ』。それが、この機体に与えられた名前である。
グーンやゾノに替わって、新たにZAFTの水陸両用MSとして開発された機体である。
アラファス隊の面々は一時屋敷から身を引き、アッシュに乗り込んで再び屋敷を襲撃する。
その際、上の屋敷に残った死体や自分たちの痕跡を排除し、どうじに地下からアレが出てくるのを待つ。
これで任務は完了となるはずだ。きっと、『主』もお喜びになるだろう。
しかし、予定時間がジリジリと近づいている。これ以上長引けばオーブ国防軍に感知されてしまうのだ。
「早く……、早く出てこい、『フリーダム』!」
そう焦りの言葉を漏らしたとき、ふと三時方向の山肌から、何条もの光の束が天空へと上がった。
「来たか……!」
其方に目をやると、ビームで吹き飛んだ山肌の中から、一機のMSが空へと舞出でるのが見える。
『ZGMF-X10A フリーダム』
自由の名を冠するこの機体は、二年前の大戦でお大いにその力を振りまき、
その桁外れの機動性と火力を持って戦場を駆けた、『ラクス・クラインの聖なる剣』
これが出てくるのを待っていた。ヨップ達のこの作戦が実ったのだ。
残るは、あの機体に攻撃を仕掛けて武装を奪われること。あの機体のパイロットは、此方を殺しはしない。
しかし、此方も本気だというポーズを見せなければ鳴らない。
ヨップと部隊員達はフリーダムに向け、バルカンとビーム、ミサイルの雨あられをお見舞いするが、
奴はそれをすべてひらりと避けていく。話に聞く以上の性能だ。
フリーダムはサーベルを振るい、ライフルを撃ち込み、肩のプラズマキャノンもたたき込み、
アッシュの手足や武装を次々と葬って行く。最後に、ヨップの番となった。
右手を出せば右手が撃たれ、左手を出せば左手を撃たれ、すぐさま、ヨップのアッシュも達磨となった。
これであとは脱出し海中へ逃げ込むだけだ。海中には『主』が用意した潜水艦が控えているはず。
そう確信して、ヨップは脱出装置のレバーを引いた。
しかし、なにもおこらなかった。
「……は?」
何が起こったのか、一瞬理解できず彼は頭が真っ白になった。おかしい、何故脱出装置が作動しないのだ?
これでハッチが開き自分は外に出られるはずではないのか?
ヨップだけでなく、他の隊員のアッシュもそうらしい。
「隊長! どうなってるんですか? ハッチが開きません!」
「こっちもです、隊長!」
「落ち着け!」
とはいうものの、ヨップ自身もはや冷静な判断が出来ない。
すると、彼ら全員のモニターに、ある文字が映し出される。
『ご苦労様でした、皆さん。お礼に私からのご褒美を差し上げましょう。
《永遠の眠り》というご褒美を…………
では、またお会いしましょう。……会えれば、ね』
「そ、そんな…………。
ラクス様ぁあああああああああああああああ!!!!」
それが、ヨップの最後の言葉となった。
彼らが乗っていたアッシュ達は次々と自爆装置が作動し、中に乗っている隊員もろとも蒸発してしまった。
支援
「え? 何で? どうして、こんな……」
キラ・ヤマトは、目の前で次々と爆発していく謎の機体達を、呆然とただ見ることしかできなかった。
確か、彼らの動力部を破壊するような攻撃はしなかったはず、なのに何で?
機体を降り立ってからも、彼の頭の中はその言葉でいっぱいだ。
「キラ!」
降り立つやいなや、少女が自分の元へ駆け寄り抱きついてくる。ラクスだ。
「……怪我はない? ラクス」
「いいえ、私は大丈夫ですわ。それよりもキラは……」
「僕も、何ともないよ」
「……良かったぁ」
ラクスは安堵の表情を浮かべると共に、キラへともたれかかる。彼はそれを受け止めると、その向こうに目をやった。
子供達は瓦礫と化した屋敷の前で悲観に暮れ、母カリダとマリューは泣き崩れる子供をあやしている。
そして、難しい顔をしているバルトフェルドに気づく。
「どうかしたんですか? バルトフェルドさん」
「ん? ああ、いや、さっきのあのMSのことなんだが……」
バルトフェルドは何か気まずそうな顔をして、頬をポリポリとかく。
マリューも二人の会話に気づいたのかそばに寄ってきて、彼は続けた。
「おれも、データしか知らんから確かなことは言えないんだが……、
あのMS、『アッシュ』って言ってな、まだロールアウト直後の機体なんだ」
「それって…………!?」
マリューもキラも、驚愕を隠せず聞き入った。
「まだ正規軍にしか配備されていないはずの機体なんだ」
あの特殊部隊はZAFTの差し金ではないかという議論を交わす三人は、
そのそばで薄暗い笑みを浮かべる少女の顔に、終ぞ気づくことはなかった。
「……ヨップさん、あなた達のことは私の造る歴史の一ページぐらいには載せてあげます。だから安心してお眠りなさいな」
第9.5話〜完〜
~~~~~~~~~~~~~~
以上です。
『中途半端に黒にするより、いっそ真っ黒にした方が良いよなあ』
という天の声を聞いて書いてしまいました、後悔はしても反省はしません。
と、いうわけで次はオーブ沖戦とユウナ達をどうするか熟考中であります。
(・ω・)ノシ デハマタ〜
乙です。
何という黒さ…
しかしU.C.から流れついたと思われる数多くのイレギュラーが存在している現状、
その辺考慮に入れてないと下手すると身内に化けの皮を剥がされかねないかもしれんな。
おつおつお
>『中途半端に黒にするより、いっそ真っ黒にした方が良いよなあ』
いや最初から重力崩壊起きてるレベルの黒さじゃなかったかw
乙でした
まさかあれで黒くないとでも言う気ですか、787氏!
それにタイトルの前と後ろの落差が激しすぎwwww
>『フォビドゥンヴォーテクス』や『ディープフォビドゥン』のパーツも見られる
インド洋でミネルバ沈まないか?
さすがラクスだw
暗黒面のフォースに縛られているのかそれとも元々なのか・・・
>>926 いや、このラクスは外見はラクスだが中身はシロッコだw
女性が世界を統治すべきって思想のシロッコ
そしてこのラクス(女性)の中身はシロッコ
うむ、何もおかしいところはないなw
修正であります。
>>919の十三行目、「お大いに」→「大いに」
です、管理人さん、お手数かけます。
>自室で別のペットロボ『ビグザム』制作に
こらこらこらwww
種の最初や種死のこの回を見てると魔乳は艦長や技術士官よりも
特殊部隊の前衛とか突入要員あたりの方が適任のような気がするw
実は最初は女コマンドーだったけど婚約だか結婚を機に後方に配置転換願いとか妄想してみる
>>921 遅くなったがGJ。ラクスもこうまでくるといっそ清々しいな
それと787氏のアムロさんは小型MAでも作る気なんだろうか?
大口径ビームはオミットするのか心配だ
>>932 それだとモロ浮気にならんか?
それとも、元々ムウとは婚約者同士だったと・・・
確かモビルアーマー乗りの彼がいてその彼が亡くなっていた筈。
ムウもローエングリンで死亡の筈が腐女子ビームで何故か再生・・・
まぁ明らかにチリになったなと思われる状況で生存してるガンダムキャラなんてよくあるから何も問題はないわけだが
具体例プリーズ
ビームシールドあるとはいえコックピットに穴開いたまま大気圏突入キンケドゥ
ザンジバルの爆発に至近距離でノーマルスーツで巻き込まれたシャア
MSに乗ってるとはいえリーブラ動力炉の爆発させたゼクス
ツインサテライトキャノンと相討ちで吹っ飛んだフロスト兄弟
>>937 一番下は相討ちという状況の上にガロードが五体満足で生きてることから十分予想できたと思うが。
問題はヘルメットがぷかぷか浮いてるシーンが追加されたにも関わらず生きてることだ…
種での数少ない好きなシーンだったのに
予備のメットです!で押し通せたものを何で消しちゃったんだかねぇ
>>937 どれも生死不明を示す曖昧な演出じゃないか
ヘルメットみたいな「死にましたよ」という演出をあげろよw
漂うメットは消えたけど顔に傷が残ったムウ
キンケドゥは右目と右腕だっけか
いっそダブルオーのロックオンストラトスみたいに双子の兄弟なら何も言わないんですがね。
せめてクローンとかにしてほしかった。
>>937 シナンジェのサーベルでチリも残さず消えたと思ったら、颯爽と出てきて再度チリになった
ガエルのおっさんも忘れないで下さい…(´・ω・`)
ガエルのおっさん・・・
ド根性ガエル
具体例が凄い強運で済ませるシーンだが、種はどれもこれも生身に直撃だろwってシーンなのはいかに。
つガガ数機に密着され自爆に巻き込まれたのに無傷で生還したコーラサワー
あいつ放送直後に脱出ポッド作動してるって画像付きで突っ込まれてたぞ
ぶっちゃけた話、あいつマジンガーZのボスボロットだから死ぬとか生きてるとかってキャラじゃない
まぁ基本戦争を扱ったシリアスな作品でそれはどうよとも思わなくも無いけどね
でもコーラって度々ガンダム追い詰めてるし、実力自体はそれなりにあるんだよな
強運とネタ性で隠れてるけどな
てか模擬戦2000勝の時点で割りと…
型落ちの機体でエリート部隊に勝ってたり
野性的直感で被弾前に機体をずらして直撃避けたり
ジンクスでアヘッド不意打ち気味とはいえ落としてるからな
あの世界でも屈指のエースではある。アレだけど
コーラはニルス・カタヤイネン的エースかもしれない
もっともコーラが助かったのも偶然とはいえ外伝キャラのおかげなんだけどな
外伝キャラがいなければ1期で死んでて本編で勝ち組になんてなれなかったんだから
また千葉か……
そもそも黒田は本編に影響しないなら漫画は何やってもいいといったわけで
生きてるのが確定してるから外伝主人公に蹴っ飛ばさせたわけなんだが
>>958 作成の手順と物語内での時系列他を同一視するなんてバカなことはしないよな?
外伝キャラがいなくても生存じゃねーの
1期最終話EDにちゃっかり混じってんだし
そもそも普通にコクピット残ってた時点で回収されただろうしな
>>960 宇宙漂流になって死亡するのを助けてもらったろうがw
そろそろ次スレの季節だな。
黒田の場合、コーラが助かった事実をふまえてフォンを割り込ませたんだけ。
フォンの介入が唯一無二の助かる可能性じゃないだろうが。
>>964 可能性の話でなく実際にフォンのおかげで助かったのが公式ですのでw
00の話は雑談でやれよ
いくらスレ埋めだからってスレチの話題を長々と
そう思うならもっと早く突っ込めばよかったんじゃないですかね
埋めと言うなら次スレ立ててからにしようぜ
あとスレチは簡便な
500くらい数字が違うけど乙
972 :
970:2010/05/01(土) 00:14:36 ID:???
あ、俺950だったか、自分で気付いてなくてすまん
あと
>>970乙
>>970 乙でした。これで何時投下があってもいいね。とくにのんべえ氏は何時あってもおかしくないし。
埋めついでに、787氏のアムロさんが次何を作りそうか考えようか
アッガイ、名前だけだがビグザムで・・次は・・ザクレロか?
>>977 そういや、UCでは重機の発展型としてMS型(MS08小隊のザクタンクとか)があったりもしたが、
CEではなんかあったっけ?
>>981 レイスタだっけか? アストレイにでてたやつ
>>977よ、話に水を差すようで悪いが
ガンクロWikiで氏の作品がやたら更新されててな、例の改悪荒らしかとも思ったがどうも違うようだ
氏に許可とってんのか? 行間あいて読みやすくなってる分良いとも悪いとも言えんが
>>977 ガ○ガル
>>984 そうカリカリする必要無くないか?投下の時に何か言うだろ、文句か感謝のどっちかをさ
シビリアンだったorz
>>985 モノホンがパチモンつくってどうすんだwwww
みなさんツッコミきついなw
ume
∩_∩ ∩_∩ ∩_∩
( ´Д⊂ヽ ( ´ー⊂ヽ ( ´∀`)
⊂ ノ ⊂ ノ ⊂ ノつ
人 Y 人 Y 人 Y
し (_) し (_) し (_)
「僕は埋めてもいいのかもしれない…!」
∩_∩ ∩_∩
( ´Д⊂ヽ ( ´−⊂ヽ ∩_∩
⊂ ノ (つ ノ ( -_-). ∩__∩
人 Y . │ ││ (ゝつ⊂ノ. (-_-)
し (_) (__)__) (__)__) (∩∩)
「やっぱり僕には、埋めることなんてできないよ……」
1000なら・・・GW中作品の投稿がある
( ~~.旦
.~旦 )
(( 旦~ グラグラ
.旦
..旦~
(旦~~
/⌒ヽ みなさん ごくろうさまでした
/ ´_ゝ`)
| / 埋めるための土を持ってきましたよ
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U .U
ダシャーン
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⊂\ _,,,,,,,,__ /
\\_/ .,’'.,’:.',, .,’:.',, .,’: l .,’:.',,|[]].,’:...,
ガッ _] ).,’:.',,:.',, []] .,’:.',,.,’:.',,.,日 .,’:.',,.,’:.',, /
凵シニニ_______________,,..ノ /[]].,’:',,:',[]]/[]]\[]].,’:.',,|[]].,’:.',, _ .,’:.',,]]/ 日.,’:.',,.., . ..,,,;:[]]
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从.*・ω・) ̄´んなことより、サッサとSS作れやボケ
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(;`・ω・) |_| SSちゅくるぉ!
カタカタ c(,,_oo ┳
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从.*・ω・) ̄´ 仕方ねぇなあ、読んでやるよ
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( ) SSできたぉ!
(_,,o)
(GJだったぜ・・・)
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从.*・ω・) ̄´=3 フゥ 厨二くせーよ
/~ヽ ; i )
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( ) そ、そんなぁ〜
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从.*・ω・) ̄´
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∧..∧ _ 今度はがんばるお!
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