ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXXVII
このスレ建て……間違いない。あのときの
>>1だ。
なんという僥倖……
>>1乙をした甲斐があったというもの!!
>>1乙
お前さんには、このMADAOシステムそ贈呈しよう!!
>1 乙です!
5 :
中身:2010/03/20(土) 20:27:11 ID:???
新スレ乙です。
記念すべき今スレ一発目行かせて貰いますね。
「次で最後だ」と言い放ったクローンのアスランが姿を消して凡そ一分。
背後から攻撃を受けては堪らないと、アスランはMS大のデブリを背に辺りを警戒していた。
障害物が多い中で、自分より機動力がある相手に下手に動き回っても仕方ない。
今考えれば、小惑星群に入ったのは完全に下策だった。自分の分身もそれが分かっていて小惑星群に戦場を移したのだろう。
予想以上に強い自分の分身に焦った結果である。MS用兵学に長けるなど、お笑い草だ。
「これではシンに笑われるな」
いや、あの男の場合は怒るかもしれないな。全神経を緊張させなければならない場面で、そんな事考える。
ジャスティスフリーダムは仕掛けてこない。こちらが頑丈なデブリを背に守りを固めているのを見て躊躇しているのか。
宙域を見渡して、そう予想を立てる。しかしそれでは困る。
一刻も早くキラの援護に向かいたいアスランは、この戦いを早く終わらせなければならない。
さもなくばキラがラクスを手に掛ける事になる。あのガラス細工の様に脆い親友に、そんな十字架を背負わせる訳にはいかない。
シンが聞いたら激昂しそうな考え方だが、親友としてキラを心配しての事だった。多少過保護ではあるが。
要するに、アスランはこの戦いに集中し切れずにいたのだ。彼のミスの数々の原因はこれに起因する。そしてまた、ミスを犯した。
「なっなんだ!?」
ナイトジャスティスが激しい震動に包まれる。慌ててモニターに目をやるが、機体にダメージを受けた訳では無かった。
断続的な振動は、ナイトジャスティスが背にしていたデブリからだった。
デブリは激しい震動を起こした直後にひび割れ、遂には粉々に砕ける。そこから突き出てきたのは、高出力の光刃。
アスラン自身よく知っているファトゥムの機首に装備された突撃用のビームサーベルである。
「ちぃっ!」
背後からナイトジャスティスを串刺しにする為に放たれた無人兵器は、
しかし事前の振動で機体を動かしていたアスランを殺す事は叶わなかった。
ナイトジャスティスは飛び出して来たファトゥムの機首を腕を上げて脇に通すと、
手にしていたトツカノツルギを逆手に持ち直しファトゥムに勢い良く突き立てた。
一瞬紫電に包まれたファトゥムが爆発する。しかしそれはただの爆発では無かった。
砕けた無数のデブリが、爆発によって辺りに吹き飛ぶ。それはまるで巨大な手榴弾だ。
無数の散弾と化したデブリが、容赦無くナイトジャスティスを襲う。
頑強なアーマーに覆われたナイトジャスティスは然したるダメージを受けない。
しかし、背負っている巨大なバーニアはその限りでは無かった。無数のデブリに蜂の巣にされたバーニアが更なる爆発を起こす。
背後からの爆風に煽られて制御が効かないナイトジャスティスに、今度は正面からの衝撃が襲う。
シールドを構えたジャスティスフリーダムがこの機を逃すまいと突撃してきたのだ。
迎撃も回避も出来ないナイトジャスティスは、正面からの衝撃に左手に保持したトツカノツルギを取りこぼした。
「くそっ、なんて馬鹿なんだ俺は・・・!」
歯を食いしばりながら自分を罵倒する。
ミネルバのメインエンジンを易々と貫通するファトゥムなら、デブリ越しに攻撃出来る事ぐらい分かる筈だ。
その存在を忘れてデブリを背に背後への警戒を怠った自分は、どうしようもない馬鹿者だ。
バーニアを吹かしながらナイトジャスティスに組みつくジャスティスフリーダムがビームサーベルを振り上げる。
しかし、メインバーニアを失って身動きが取れないナイトジャスティスを斬り裂こうとした一撃は、寸での所で防がれた。
振り下ろされたビームサーベルの柄を、それを保持するジャスティスフリーダムの右手ごと受け止めたのだ。
予想しない事に、ジャスティスフリーダムの動きが一瞬鈍る。その隙に馬力に物を言わせて右手を握り潰した。
腕部に強化バッテリーを搭載したナイトジャスティスだから出来る芸当である。
それの事態に焦ったのか、ジャスティスフリーダムが加速した。更にキツくなったGに、歯を食いしばるアスラン。
しかしその苦痛は、次の瞬間には終わっていた。
先程砕けたデブリとは比にならない程巨大な、資源採掘途中のデブリに衝突したのだ。
「がはっ!!?」
前からのGに耐えていたアスランにとって、後ろからの突然の衝撃は致命的なダメージになった。
激突による衝撃がダイレクトにアスランを襲う。激痛に視界が霞む。
いや、視界が霞むのは激突の衝撃で吐いた胃液のせいでもあった。
朦朧とする意識の中で、どうやらデブリに叩き付けられたらしい事だけは分かった。
『終わりだ』
モニターに移るジャスティスフリーダムが残った左手でビームサーベルを抜く。その姿を認めても、体が言う事を聞かない。
アバラも何本か折れた様だ。しかし、耳だけは何故か冴えていた。もう一人の自分の勝利宣言が聞こえる。
『この戦いも、お前の偽の人生も』
耳が動いても脳は未だはっきりしない。しかし、そんな脳でも彼の言葉の一部を正確に認識した。
―――偽の人生―――
その言葉は、容赦無くアスランの脳を、体を叩き起こした。覚醒した脳が、目まぐるしく思考する。
―――俺の人生が偽物だと?―――
激しく痛めつけられた腕が動く。
―――キラと親友になったのも―――
足も動いた。
―――カガリに恋をしたのも―――
操縦桿を握る。フットペダルにも足が乗った。
―――父を見捨てたのも―――
ゆっくりとビームサーベルを振り上げるジャスティスフリーダムが目に入った。
それに反応して、ナイトジャスティスにトツカノツルギで迎撃する様に操作する。
しかし、ナイトジャスティスは身じろぎをしただけで、動作を実行しない。
『無駄だぞ。お前からは分からないだろうが、その機体はもう動けない』
冷たい声が、アスランの耳を叩いた。彼の言う通り、ナイトジャスティスは身動きが取れない状態であった。
資源採掘用にデブリに設置されていた機材が、ナイトジャスティスの右腕に絡みついていたのだ。
しかし頭に血が上ったアスランにはそんな事は関係無い。
「・・・俺の・・・」
『んっ?』
微かにスピーカーを震わせたアスランの声に、クローンであるアスランの手が止まる。
「俺の人生は・・・俺の記憶は、俺の物だ。ハイネを裏切ったのも・・・シンを裏切ったのも!!
他の誰のでも無い、俺の罪だ!貴様なんかにはやれない!!!」
叫んだアスランは操縦桿を我武者羅に動かす。
もがく様に動くナイトジャスティスに、ジャスティスフリーダムがビームサーベルを振り下ろした。
コクピットを狙った斬撃は、しかし焦っていた事もあって滅茶苦茶に動くナイトジャスティスの左肩を切り裂くに留まる。
「カガリを、守るんだ・・・自分を一人だなんて言う貴様に、負けて・・・たまるかっ!!」
既に機体も体も死に体である。しかし生への執念が、ナイトジャスティスを動し
しかし生への執念が、ナイトジャスティスを動していた。
その執念の中に、ビームサーベルを振り下ろしたジャスティスフリーダムが見たのは、
先程自分が斬り裂いたナイトジャスティスの左足。脛の装甲が斬り裂かれ、内部が見える。
『内部にも、装甲?』
クローンのアスランは、ナイトジャスティスの中にIジャスティスが入っている事を知らない。それが仇となった。
内部に見えるIジャスティスの装甲。そこにピンク色の光が走る。良く目にするその光に、彼は戦慄した。
『まさか・・・!?』
グリフォンビームブレイド。メサイア戦役にて、シン・アスカのデスティニーに止めを刺した兵器。
次の瞬間、それがジャスティスフリーダムの腰に真っ直ぐと蹴り上げられた。
焦ってビームサーベルを振り下ろしたジャスティスフリーダムにそれを回避する事は叶わず、
アスランの放った蹴りはジャスティスフリーダムを切り裂いた。
「ゴホッ・・・ゴホッ・・」
頭に上っていた血が冷めると、体が再び痛みを思い出す。ヘルメットが煩わしかったが、指一本動かすのも億劫だ。
アスランの目の前には、ナイトジャスティスの最後の一撃を受けて
腰からコクピットを切り裂かれたジャスティスフリーダムが浮いている。
断末魔さえ上げる暇の無かったもう一人の自分は、どんな事を思いながら逝ったのだろう。
焼け焦げて真っ黒になっているコクピットを見ながら、そんな事を考える。
「しかし、こんな体たらくじゃキラの援護にはいけないな・・・」
視線だけ動す事で機体状況をチェックして、軽く溜息を吐く。トツカノツルギとビームガトリング砲以外の武装は全てオフライン。
左腕も肩から先が無くなっていて、何よりメインバーニアが全損しているのが痛かった。
馬鹿デカいメインバーニアを使わなければ、この重い機体は鈍亀も良い所である。
こんな機体ではキラの足手纏いになる事は目に見えて明らかだ。
「ルナマリアは大丈夫だろうか・・・」
取り合えず救難信号を出して思考を切り替える。
思い浮かべるのはデスティニーフリーダムを相手にする事になったルナマリアだ。シンについては全く心配しない。
今のシンは、昔の様な不安定さが無くなっている。彼ならキラにも勝てるだろう。
それに、自分が心配しても余計なお世話と怒鳴るだけなのが容易に想像出来る。
しかし、ルナマリアは別だ。黒い三連星が付いているとはいえ、クローンの戦闘能力は本物と遜色無いレベルだ。
とうの昔に上司失格になっていると分かっていても、意外と精神的に脆いルナマリアがシンを倒せるか心配だった。
必中の筈だった。マーズ機の狙撃に合わせて、デスティニーフリーダムと鍔迫り合いを演じていたレイヴンが後ろに飛ぶ。
突然離れた敵機に、デスティニーフリーダムの動きが一瞬遅れた。そこにマーズ機のビーム砲が撃ちこまれる。
回避の間に合わないタイミングである。狙撃に関しては門外漢であるマーズが放った完璧な一撃は、
しかしデスティニーフリーダムに当たる直前で掻き消える。
『なっなんだ!?』
狙撃用モジュールを覗きこむマーズが見たのは、左手をこちらにかざすデスティニーフリーダムであった。
その手に握られているのはレイヴンが操っていた筈のバレットドラグーンだった。
レイヴンが後退しようとした瞬間に、膝に装備されていた物が剥がされたのだ。
「あの一瞬で・・・」
彼らに驚いている暇など無かった。
手の中で暴れるバレットドラグーンをパルマフィオキーナで破壊したデスティニーフリーダムが、
空かさず長距離砲でマーズ機を狙撃し返したのだ。
狙撃用モジュールを覗きこんでいたマーズが懸命に機体を動かすものの、それは致命的に遅かった。
一直線に奔る凶暴な光に、手にしたガトリング砲ごと右腕が消し飛ぶ。
『マーズ!』
ヒルダはマーズが被弾した事よりも、その直後通信が拾った『ゴホッ』という湿った音に反応する。
今のマーズはアバラを何本か折っている為、内臓を守る物が少ない。
今の攻撃による衝撃で内臓にダメージが入ったとするなら、非常に不味い。
『大・・・丈夫ですよ姐さん。それより、アイツを』
被弾した直後で身動きが取れないマーズ機を、追撃のビームライフルが襲う。
空かさず前に出たヘルベルト機がビームシールドでそれを防いだ。
『とてもじゃないが大丈夫には見えないぜ。大人しく下がってろ』
『へっ、テメェだけには心配されたく、ねぇよ』
苦しそうだが、言い返す余力が残っている所を見るとまだ大丈夫そうだ。
ヘルベルトはそう判断して、眼前を小刻みに動きながらマーズ機を落とそうとすデスティニーフリーダムに牽制射を浴びせた。
そこにレイヴンがビームハルバードを構えて突っ込む。
デスティニーフリーダムは、ヘルベルト機からの射撃を回避しながら、難無くレイヴンからの斬撃をアロンダイトで受け止めた。
完全に死角を突いた斬撃が、あっさり受け止められた事にルナマリアは舌を巻く。
先程と同様に、動きが止まった所をビームライフルで狙おうとしたヘルベルトだったが、
デスティニーフリーダムがそれより早く動く。
予めそれを予測していたかの様に、空いた左手に握らせていたビームライフルでヘルベルト機のビームライフルを狙撃したのだ。
咄嗟にビームライフルから手を離し、爆発から機体を守るヘルベルト。
『なんなんだあの野郎、後ろに目でも付いてんのか!』
圧倒的な実力差の前に、ヘルベルトの顔にも焦りが滲む。
レイヴンに蹴りを入れて引き離したデスティニーフリーダムが再び黒い三連星に標準を合わせた。
光の羽を伸ばしながら、猛スピードでこちらに接近してくる。
ヒルダ機がビームライフルで、ヘルベルト機が弾数の少ない腕部グレネードランチャーを使って弾幕を張るが、
それを嘲笑うかの様にデスティニーフリーダムの接近速度は緩まない。
接近されるのが危険だとは分かっていても、ヒルダの直ぐ後ろには身動きが取れないマーズ機がいる。退く訳にはいかなかった。
『部下はやらせないよ!』
『ヒルダっ!?』
ビームライフルによる射撃が無駄だと悟ると、
ヒルダ機は武装をビームサーベルに切り替えてデスティニーフリーダムに踊りかかる。
部下を守る為に決死の覚悟で振るった一撃は、VLを展開するデスティニーフリーダムの分身を掠める事も叶わない。
代わりに速度を落とす事無く振るわれたアロンダイトに両腕の肘より先を斬り落とされた。
『あうっ!?』
無力化したヒルダ機を踏みつけ、更に加速したデスティニーフリーダムがヘルベルトとマーズに襲いかかる。
ヘルベルトも愛機にビームサーベルを構えさせて腹を括る。しかし、彼のビームサーベルは振るわれる事は無かった。
彼らの前で、デスティニーフリーダムが何者かに突進を阻まれたからだ。
それは先程の蹴りからやっと追い付いたレイヴンが、ビームハルバードでアロンダイトを受け止める。
『またアンタか!しつこいんだよ何度も何度も!!』
こう何度も鍔迫り合いを演じていれば、短気なシンが苛立つのも無理は無い。
それに、彼はレイヴンを駆るのがルナマリアである事を知らなかった。
馬力任せにデスティニーフリーダムがジリジリとレイヴンを押しやる。結ばれた光刃同士が、更に激しい火花を散らせた。
『させるか!』
その様子を黙って見ているヘルベルトでは無かった。
鍔迫り合いを演じる二機の横に回り込むと、デスティニーフリーダムを貫こうとビームサーベルを突き出す。
しかしそれに素早く反応したデスティニーフリーダムが機体を反らして光刃を回避し、
突き出した右腕を左手のパルマフィオキーナで破壊する。
『くそっ!』
「ヘルベルトさん!」
一瞬気が逸れたデスティニーフリーダムに、手動操作でバレットドラグーンをぶつける。
予想外な位置からの衝撃によろけるデスティニーフリーダムを、膝蹴りで思い切り跳ね飛ばした。
「みんなは下がっていて下さい!後は私が・・・!」
体勢を立て直したばかりのデスティニーフリーダムに体当たりを決める。
自慢の大型バーニアを吹かし、そのままデスティニーフリーダムを引きずっていく。
『情けないね、歳下に戦力外通告されるなんて』
みるみる小さくなる二機を見ながら、ヒルダが溜息を吐く。事実、黒い三連星の機体は最早戦力として通じる物では無かった。
ヒルダ機は両腕を破壊され、ヘルベルト機も右腕と武装を破壊されていて、攻撃手段を持たない。
マーズは既に戦闘に耐えられる体では無かった。
『だが、あの嬢ちゃんに全て任せるってのもダサ過ぎるってもんだ』
そう言ったヘルベルトが、マーズ機から武装を引き剥がした。
『おい、テメェ何を・・・』
『なに、こんなオンボロでも、少しは援護になるかと思ってな』
『ヘルベルト』
ヘルベルト機が引き剥がした武装にマーズの目が丸くなる。ヒルダも同様だった。
『良いじゃねぇか。この前の戦闘ではマーズが漢を見せたんだ。今度は、俺が漢を見せる番なのさ』
そう言い残すと、ヘルベルトが駆る満身創痍のゲルググイレイザーが、既に小さい光点となった二機を追う為バーニアを全開にした。
11 :
中身:2010/03/20(土) 20:36:09 ID:???
今回はこれで終了です。
途中投下ミスがあった事
&対シン戦が思ったより長引いてしまったので切り悪い事お詫びします。
乙です!
アスランが男を見せたがこれでキラはラクスとサシでやり合うのか……
中身氏は週一投下で安定して読めるのでありがたいです!
それにしてもMoRの人やS&Rの人は中々来ないですね。
いや、まあ個人の事情が在るのは承知してるんですが
投下間隔が空くと無性に不安に駆られる上に禁断症状も併発してしまって……待たされるのは待つより辛い。
>>11 乙
ここまで男前なアスランは割と珍しいかも試練
続きを楽しみにさせていただきます
>>13 わかってるなら言わん方が良いと思うぞ
職人諸氏もお前さんの為だけに投下しとる訳じゃあないんだからな
わざわざ空気悪くすることもないだろう?
ヒルダさんのミニスカート姿…
どうでもいい話だけど夜行特急のことをRED EYEって言うね
何気にアスラン、シンの方がキラより強いって思ってるのな。クローンの戦闘能力が本人と
遜色ない、とも思ってるし。まぁ、実際red eyes作中の半年ほどでキラもアスランも倒してるからなあ
>>13-14 こういう時こそまとめを読み返してようや。
なにしろ倉庫の中でもかなり大規模な方だしブランクのある作品だと
定期的におさらいしとかんといざ投下があった時に戸惑いかねないからな。
>>18 そういえばまとめサイトって完結作品と継続中‐または未完‐作品との区別って無いですね。
在った方が良いと思うんですが……
>>15 >ヒルダさんのミニスカート姿…
ヒ ミ カ
どうも目と脳が疲れてるようだ
寝る前にちょっとシンが父親にサイボーグにされるSSを考えてみる
ラクスの子供というだけで充分d
コーディネイター シン・アスカは改造人間(サイボーグ)である。
彼を良く拾ったりするアメノミハシラは、海賊専門の海賊だったり、民間軍事企業だったりする便利な組織である。
シン・アスカは復讐の為、生活の為、人を守る為に、(主に)ターミナルと闘うのだ!
シン「ハニワこの野郎っ! デスティニーブリーカー 死ねぇっ!」
マシンファーザーは議長か。で、ミッチーがメイリンと…あれ?
ミッチーはアビーじゃね?(髪型的な意味で
どっちかっていうとスパロボスレの話題だよなコレ……。
あと、シンはサイボーグよりも続編のオープンスケベの方があってるような……。
そうだな、余命幾ばくも無いロンゲ親友がいるし
まあ以前のスレでもよくあったけど、サイボーグとか石森ヒーロー等
不可逆の傷や重荷を背負った主人公像もフィットするんだよなあ。
>>25 いっその事、シン君にスパロボ世界で修行してもらってブラックゲッターか量産型グレートマジンガーあたりで逆襲してもらおう。
特にブラックゲッターなら原作OVAとあまり変わらない戦闘スタイルができそうだ。
仲間を守るため、必死確定の最終決戦に身を投じたり
憎しみだけを支えに全てを失って決戦に挑んだり
完全な機械でも純粋な人間でも無い者となって人々の支持を得られずとも戦い続けたり
人類への失望を覚えつつも父の負債を払うべく戦い抜いたり
罪の痛みを背負って母の願いに応えるべく争いを収めようとしたけど駄目だったり
歪んだ命に死を齎すべく生き続けたり・・・こっちはサイボーグじゃなかったや
二度と引き返せないそう決めてたはずの道だけど何故だか切ない
そんな戦いがシンには似合うと
ライオン少女の続きが待ち遠しかー
バトル物の主人公は、大別すると
1.この戦いを終わらせて平和な日常へ帰るんだ!
2.俺の墓標に名はいらん、死すなら戦いの荒野で!
の二種類がいて、シンの場合は明らかに後者だからな
他人の平和を守る為には戦っても自分の平和は求めようとしない、後戻りの選択が最初から無い
身体は人間だけど、人間で無くなってしまってもシンの方向性は変わらない
突き詰め過ぎると某神父みたいに「俺は生まれながらに ただの嵐なら良かった」ってとこまでイッちゃいそうだけど
>デスティニー軍団
その名の響きが不吉な『大団円』を予感させたのは、何故だろう・・・
終焉の審判が下されるような
暗黒の軍団が押し寄せるような
アスランを信じて馬鹿を見たような
>デスティニー軍団
軍勢の中央に、分離状態でも各々が恒星サイズのデスインパエンペラーがいるんですね
エンペラーのデスティニー線量が上がっていくぞ
ウォォ この指数はビッグバンを引き起こすだけの!
エネルギーがさらに増大してゆく うあぁ!
デスティニーチェンジをさせてはならん!! 阻止せよ!
デ ス テ ィ ニ ー エ ン ペ ラ ー チ ェ ン ジ だ!!
宇宙を震撼させる その声(ボイス)はまさしく シン・アスカのものだった!!!
ジブリール 貴方が亡くなられた時…
地球圏は新たな紀元を迎えます!!
ク ラ イ ン 元 年 で す わ !! (ドワオ!!!
>29
すごく……強奪フラグびんびんです……
クリスマスの頃に出たネタだな。
こういうストーリーだったのか。
コーディネーターとナチュラルは互いに戦い食い合う事で進化していく生きた兵器だったんだな・・・
宇宙を喰い尽くさんとするラクースの軍勢に立ち向かうデスティニー軍団か
何故、このスレにはこうも石川賢に詳しい奴が多いんだろw
俺は子供の頃に読んだ石川作品の桃太郎がトラウマになりました
そして勝った方が謎の超存在、丸機尾へと挑んでいくのだった……
>>25 つまりこういうことか。
シン「お、おい、空気無いぞ!?」
キラ「必要無い!」
キラさんなら、生身で宇宙空間に出ても大丈夫だって信じてる。
>>25 それはメット無しで宇宙遊泳したフラガさんの事だと思う
>>39 つまりキラさんの相方はバアさんになったラク(ry
42 :
28:2010/03/24(水) 22:35:15 ID:???
書き込んでから思ったけどそもそも前スレであったようにシンって守るために戦ってたんだよな。
やっぱりそういう意味では逆シンにはスーパーロボットも似合うと思う。
ラクス「な、何ですかあの機体は!」
キラ「まるで鬼だ…。」
シン「こいつはある人(竜馬)と修理した機体さ…。ディスティニーのパーツで修理したゲッターロボ、ブラックゲッターだ!手前ら全員地獄へ送ってやるぜ!」
もしくは
シン「ありがとうございました!俺自分が何をすべきか分かったような気がします」
甲児「これからどうするつもりだよ?」
シン「元の世界に戻って傭兵でもやるつもりです。」
甲児「MSもないのにか?」
シン「ギク!」
甲児「しょうがねえ…ついてきな!」
シン「これってグレートマジンガー!?でも羽が無いですね…」
甲児「昔、新日重工ってとこが作ったんだが、テロリストに奪われた量産型さ。空は飛べないし火力も本家に比べりゃまだまだだが性能はわるかねえ。
こいつを持っていくといい。装甲は超合金ニューZだし、守るために戦うってんなら最高だぜ!ついでにそっちのMSと操作方法をそろえといた。」
シン「い、いいんですか?」
甲児「いいってことよ!俺たちにはもう必要ないし、お前ならこいつを悪魔にはしないはずだ!弱い人々の味方にしてくれるって信じてるぜ!」
というのを夢想した。でもここって逆シンスレだよな…。
これ以上はクロス総合かスパロボクロススレ行きだな
だが描かれるシンの姿のイメージ構築に役立ったと信じよう
このスレまだやってたのか
ライオンとかタリアの息子が出てくるヤツとかシンのクローンのヤツは
もうエターったのか? なさけない
>>44 此辺りでいっそのこと、他の人が継続して完結させても良いと思うのですが。
>>44 継続中だ気長に待て
書き手にだって仕事とか有るんだしさ
>>45 …本気で言ってるのか?
ちょっとまてや
そういや前にも同じ子といったのがいたな。同一人物か?
そんなに書きたいんなら自分で設定やら何やら考えて書けよ
まあ、その、何だ、 香ばしいのには触るなよ?ややこしくなるから
>>45 何処のスレの職人か知りませんが随分と自分の文章に自信がおありのようで
上の方も言ってますがご自分で設定等を考えて自分のオリジナルの作品を投下されては?
貴方の書き込みを見る限りこのスレの職人諸氏への侮辱とも思えるのですが
・・・春だなァ・・・
嘘だ……まだ寒いよ……。
俺んとこは天気予報だと明日雪降るらしいんだぜ?
最南端はもう海開きだぜ…春も夏もくるな!
俺は熱いのが大嫌いなんだー!
…海と言えば、このすれのヒロインの方々はどんな水着なんだろう…?
ご無沙汰しております。
申し訳ありませんが年末に父が職失ったり姉も仕事をクビになったりで家庭内がボロボロなのと
私自身も学業と就活に追われ、とても小説が書けるような状態ではありません。
(少なくともあと2年近くは無理)。
ですので心苦しいのですが「ライオン少女」は筆をおかせていただきます。
支援レスをくださった方々、また支援絵を描いてくださった方、誠に申し訳ありませんでした。
いっそのことソードマスターでもして終わらせようかと思っていたのですが
>>45のように他の人による「乗っとり」もアリかなと思い始め……むむ…
いや、思っちゃダメだろ……
>>52 スク水勢とパレオ勢でGカイザーまで出る争いが
二年や十年構わないさ……
他者による続編の何が嫌って、悪く言えば尻馬に乗っかるだけの身の程知らずが手を出しかねないのが嫌だ。
可能なら原作者(おこがましい言い方か)ととっくり話し合って、というのならまあ安心できるけど。
最低筆力と敬意と熟慮をある程度備えていて欲しいと思う。
おっと、「」の悪口はそこまでにしt
>>53 すいません・・・そんな事情があると露知らず・・・
何年でもお待ちしますとも
どうか色々頑張ってください
でもいつか帰ってきてくださいね
待ってます
またかよ……
なぁンで良いSS書く人ほどみぃンな不幸になッちゃうのォーーー(シェリル調に
…ライオン氏はコロコロ設定が変わったりと、煮詰めが甘かった気がする
まわり(友人、読者)の目を気にしすぎ
面白かったんだけどね
お疲れさまでした
良いSSでなくとも、不幸になる悪寒。
昨年末より2回の給料遅配。(払われたけど)
月末の給料日は胃が痛いです……。
63 :
中身:2010/03/28(日) 02:45:35 ID:???
ライオン氏、作品未完は残念ですが、リアルを大事にしてください。
自分も卒制、就活が控えている人間ですのでお気持ちは良く分かります。お疲れ様でした。
という訳で(どういう訳だ)投下します。
『このっ・・・、弱い癖に!』
戦闘不能であった黒い三連星がいる宙域からデスティニーフリーダムを引き離す事に成功したルナマリアだったが、
機体を引き剥がされた後は予想通りの防戦一方であった。今まで四機がかりでも劣勢だったのだから、当然といえば当然である。
『そんな旧式の改造機で・・・!』
デスティニーフリーダムの猛攻が、レイヴンを、バレットドラグーンを削っていく。
彼の言う通り、レイヴンはインパルスの改造機でしかない。核動力を搭載し、各部を改良してはいるものの、
初めから核動力前提に設計されたワンオフ機には全てにおいて見劣りするのは仕方無かった。
『そんな風に、味方を庇う様な事されたら、俺が悪者みたいじゃないか!!』
クローンのシンは苛立っていた。このインパルスもどきは、先程から自分に接近戦ばかり挑んで来た。
彼は自分が接近戦に強く、相手からも警戒される事も分かっていた。
目の前の敵もそれを分かっていた筈なのに、三機の僚機を庇う様に接近戦を繰り返していた。
一番危険な役を躊躇無くこなし、挙句に自分からデスティニーフリーダムとのサシに持ち込んだのである。
馬鹿という言葉以外に何があるだろうか。その戦いっぷりは、まるで自分を見ている様でシンの神経を激しく逆撫でる。
「っ・・・・・・!!」
デスティニーフリーダムのアロンダイトが振られる度に、赤い装甲が真空を舞う。このままでは持たない。
そんな事は分かっていた。黒い三連星とはそれ程面識は無いし、メサイア戦没では煮え湯を飲まされた相手だ。
正直、命を賭けてまで助けようと思う関係では無い。しかし、ルナマリアの体はそんな思考など関係無く動いた。
何時も見ている馬鹿の、何時もされてる行動が自分にも移ったのかもしれない。その結果が、今の状況である。
バレットドラグーンは半数が破壊され、レイヴンも度重なる斬撃に装甲は殆どが破損していた。
何時も彼は、シンは、こんな戦い方をしていたのだ。傭兵になってからと言う物、何度それで守られたか分からない。
その度に、怖かった。彼は、守られる側の事など何も考えない。
彼が傷付く事でこちらがどれだけ悲しむか、何度謝らせた所で、芯の部分では理解していないのだ。
傷付くのが恐ろしい盾などいらないのに。そういう意味では、自分がやっている事は随分マシである。
付き合いと呼べる物も殆ど無い黒い三連星なら、自分がやられた所で悔いはするだろうが心に傷が付く事は無い。
そう思うと、少しは気が軽くなるという物だ。
「でも、やっぱりまだ死ねないな・・・」
そう独りごちる。今自分が死んだら、シンの心に更なる傷を負わせる事になる。
きっとそれは、彼にとって致命的な傷になるだろう。
それに、シンの心の中に「守れなかった者達」の一人として残るのは、ルナマリア自身真っ平御免だった。
そんな暗い思い出になるんだったら忘れて貰った方がマシだ。
「だから・・・」
今まで防戦一方だったレイヴンが動いた。
右手にビームハルバード、左手にサーベルモードにしたビームガンを持ち、アロンダイトの間合いに侵入する。
『無駄だ!アンタの攻撃パターンは見切ってる!』
ルナマリアも、そんな事は分かっている。シンは接近戦において最強に近い。自由自在に振り回すアロンダイトがその証だ。
アスランですら持て余す長剣を、彼は器用に操る。そんな彼に、自分の技術が通用するとは思わない。
しかしルナマリアは射撃が苦手だ。機体の火力も、機動性でも負けている。なら、こうするより手は無いではないか。
それに、彼女にも勝算が無い訳では無かった。今のシンは苛立っている。
目の前の彼が、本当にルナマリアの知るシンのクローンなら、ルナマリアの一連の行動にやり難さを感じている筈だ。
自己犠牲的な、健気に何かを守ろうとする敵に、シンはやり辛さを感じるのだ。
相手に精神的なやり辛さを感じている場合、シンは叫ぶ事で自分の気持ちを誤魔化そうとする癖がある。
そうやって自分を殺すのだ。しかし、彼は自分を殺すのが下手で不完全だ。
その状態になったら最後、彼の動きのキレや剣筋は驚く程鈍る。未だにレイヴンの四肢が健在なのもそれが原因だった。
本調子のシンが相手だったら、レイヴンは今頃鉄屑と化していただろう。詰る所、ルナマリアの勝算はこの精神攻撃にあった。
自分でも卑怯だとは思うが、それしか生き残る術は無いのも事実だった。
『アンタ達は平和を乱す悪なんだ・・・。だから、俺が倒すんだ!!』
自分に言い聞かせる様に、シンが叫ぶと共にアロンダイトが振り下ろされる。
長剣としては恐ろしく早いその一撃は、しかし何時もルナマリアが目にしている物より数瞬速度が劣っていた。
その数瞬の差に、バレットドラグーンがアロンダイトの前に立ちはだかる。
それを意に介さず、デスティニーフリーダムはアロンダイトを振り抜いた。
いくら鉄壁を誇るバレットドラグーンでも、アロンダイトをまともに受ければ破壊は免れない。
しかし、振り抜かれたアロンダイトはバレットドラグーンの上を滑った。
ルナマリアが手動で角度を付けたバレットドラグーンに、アロンダイトの軌道が反らされたのだ。
必中とばかりに振り抜いた為、空ぶったデスティニーフリーダムの隙は大きい。そこにビームハルバードが横薙ぎに襲いかかる。
デスティニーフリーダムの体勢では到底回避出来ない距離である。
受けるにしても、両腕は未だにアロンダイトを振り抜いた状態で止まっている。
しかしそれでも、ルナマリアの中に必中の文字は浮かばない。シンの事である、きっと何かしてくる。
その確信めいた予想は、次の瞬間現実となった。
思い切り振るわれたビームハルバードが、デスティニーフリーダムに触れる直前に停止したのだ。
刃の部分を受け止められた訳では無い。その光景に、ルナマリアは息を呑んだ。
ビームハルバードを受け止めたのは、デスティニーフリーダムの足だった。
ビームハルバードの攻撃力の無い部分、柄の部分が、大きく突き出された足の裏で受け止められているのだ。
デスティニーフリーダムのディアルアイがこちらを見透かした様に光る。しかしそれに怯んでいる場合では無い。
今度は左手に持たせていたビームサーベルで、コクピット目掛けて突きを繰り出した。
だがそれも、既に体勢を立て直したデスティニーフリーダムには通用しない。
繰り出された突きを機体を反らす事で回避すると、その勢いでアロンダイトを斬り上げる。突きが回避された左腕が肩から切断された。
「あうっ!?」
コクピットに激震が走る。モニター一杯に広がるデスティニーフリーダムが空いた右腕を畳む。
ルナマリアはそれが何か直ぐに分かった。パルマフィオキーナを撃ち込む時の、お決まりのポーズだ。
デスティニーの右手が、光に包まれる。
(ごめんシン、私・・・)
あれだけ意気込んで挑んだ割に、呆気無い幕引きだ。
心の中で先に死んでしまう事をシンに詫びようとした瞬間、モニターからデスティニーフリーダムの姿が消え、黒い何かに覆われた。
パルマフィオキーナに貫かれると身構えていた体に、再び激震が走る。
「なっなに?」
何が起きたか分からないルナマリアは目を白黒させる。
どうやら蹴飛ばされた様で、デスティニーフリーダムと黒い何かから離れて行く。
デスティニーフリーダムの足から頭まで見えるぐらい距離が離れた所で、やっとその黒い何かが何者かをルナマリアは理解した。
「ヘルベルトさん!?」
右腕の肘から先が捥げたゲルググイレイザーが、
デスティニーフリーダムのパルマフィオキーナに脇腹を貫かれた状態でデスティニーフリーダムと組み合っている。
『おいおい、喚き散らしながら女を暴力振るなんて、男のやる事じゃねぇぜ』
『女だからなんだ!俺は平和の敵を・・・!!!』
右腕をガッチリホールドされたデスティニーフリーダムが、左手に保持したアロンダイトを振り下ろす。
ヘルベルト機は咄嗟に膝を盾にしてそれを防いだ。貫かれた足が、バチバチと火花を散らす。
『平和平和って狂った様に繰り返しやがって・・・少し黙れ、ガキ』
ヘルベルトの声に怒気が篭る。ヘルベルト機の左手が、今まで脇に抱えていた円柱状の物体を掴んだ。
MSを人に例えればラグビーボール程の大きさのそれがなんであるかは、誰が見ても明らかだった。
『平和の敵なんて、この世にはいねぇよ。あるのはな、何処を向いて、何処に拳を振り下ろすか・・・それだけだ』
ヘルベルトが何をしようとしているか、ルナマリアがそれを理解した時には既に遅かった。
ヘルベルト機が、掴んでいた対艦用ミサイルをデスティニーフリーダムの腰にめり込ませる。
『ルナマリア・・・ヒルダとマーズに宜しくな』
残弾一の腕部グレネードが対艦ミサイルに撃ち込まれる。
一撃で戦艦クラスの艦船を戦闘不能にするミサイルが、組み合った二機の間で爆発した。
大きな光が、ルナマリアの視界から二機のMSを消し去った。
「ヘルベルトさん・・・」
涙は出なかった。顔も殆ど知らない人間の為に泣ける程、ルナマリアは純情では無い。
寧ろ、二人に宜しくなどという重い役割を結果的に押し付けてきた事に対して憤りを感じていた。
何時かシンもこんな風に死ぬんじゃないかと、否が応にもルナマリアに考えさせる。
「デスティニーフリーダムは・・・」
対艦ミサイルの爆発によって発生した煙は、未だにルナマリアの視界を遮っていた。真空という事もあり、中々煙は飛散しない。
あれ程の強敵だ。確実に撃墜が確認出来るまではこの場を離れられない。
クローンとはいえシンが搭乗している機体が大破した姿は正直あまり見たくはなかったが仕方が無かった。
「・・・もう少し、近付いてみようかな」
一向に晴れない視界に苛立ったルナマリアが、二機がいた爆心地に機体を移動させ始める。
慎重に近付いて行くと、煙の中に微かにだがMSらしきシルエットが映った。どうやら二機とも機体の原型は留めている様だ。
「もう、少し・・・」
ルナマリアが緊張に唇を舐めながら、レイヴンを更に近付け様とした瞬間、細い方のシルエットが僅かに体を起こした。
『・・・本当に、ルナマリア・・・なのか?』
掠れた声が、コクピットに届いた。ビクリと体を震わせたルナマリアが機体を止める。シンが生きていた。
予想していた事だが、デスティニーフリーダムが戦闘不能ならば問題無い。
しかし、もしもまだ戦闘可能なら、これ以上近付くのは危険だ。
『お前も、カーボンヒューマンなん、だろ?俺の知ってるルナマリアは・・・除隊してメイリンと暮らしている筈だ』
「いいえ」
クローンのシンの言葉に、ルナマリアはきっぱりと答えた。やはり記憶を弄られている彼相手でも、嘘を吐くのは嫌だった。
「私は正真正銘、ルナマリア・ホークよ。傭兵団『レッドアイズ』に所属しているね。だから・・・貴方が偽物なのよ」
『嘘だっ!!!』
シンが叫んだ瞬間、今までぎこちない動きしか出来ていなかったデスティニーフリーダムが
猛スピードでレイヴンに向かって突進してきた。煙から姿を表したデスティニーフリーダムは、
爆発の直撃を受けた右半身に酷い損傷を負っていた。右腕、右脚は喪失しており、アロンダイトも装備していない。
頭部もブレードアンテナが折れ、正しく死に体と呼ぶに相応しい風体だ。
それが、レイヴンに真っ向から襲いかかって来たのだ。損傷しているとはいっても、左手のパルマフィオキーナは健在である。
突然の強襲に、ルナの動きが一瞬遅れる。デスティニーフリーダムの左の掌がレイヴンに向かって一直線に伸びた。
折角ヘルベルトに救われたのに、ここで死んだら誰にも顔向け出来なくなる。そう思ったら体が勝手に動いた。
シミュレーションで散々特訓した、手動でのドラグーン操作。
紫電の迸る左手がレイヴンのコクピットを掴む寸前、バレットドラグーンがデスティニーフリーダムの二の腕に体当たりを掛けた。
無論、PS装甲に対して攻撃力は無い。しかし、肘関節が曲がる方向とは逆方向からの体当たりは、装甲に比べて脆い関節を破壊した。
完全に折れた左手は、レイヴンに届かない。
無防備に晒される事になったデスティニーフリーダムの腹に、ビームハルバードが突き刺さった。
「私、死ねないの。だって・・・アイツの事、見てなくちゃいけないから。だから・・・」
『・・・ル、ナ・・・』
ルナマリアの顔が辛そうに歪む。敵とはいえ、記憶を弄られラクスに操られるクローンのシンは被害者だ。
それを殺す事に、罪を感じずにはいられない。
左手を突き出すデスティニーフリーダムの姿と、雑音混じりに響くシンの声が、まるで助けを乞うている様で。
「ごめんね・・・・ごめんね」
しかし、ルナマリアにはどうする事も叶わなかった。俯き、涙を散らしながら、謝罪の言葉を繰り返す事しか出来ない。
レイヴンがハルバードを離して、ゆっくり後退する。
その数瞬後、まるでそれを待っていたかの様にデスティニーフリーダムは爆発した。
その爆炎は、散った魂を惜しむかの様に、長く宙域を照らした。
デスティニーフリーダムの爆発が収まる頃、ヘルメットを脱ぎ、涙を外に追いやっていたルナマリアがある事に気付いた。
「・・・熱源反応?」
レイヴンの熱源センサーが小さな熱源を捉えた。
しかし、既に冷え切って辺りにデブリも無いこの宙域で、僅かにでも熱源があるのは不可解だ。
機器を操作すると、熱源を発している場所が表示された。
「ゲルググイレイザーから・・・!?」
熱源は胴体以外が吹き飛んだヘルベルト機から発せられている。
レイヴンを近付けると、確かに生体反応が検知出来た。ヘルベルトは生きていたのである。
「ズルいですよ、あんな事言って生きてるなんて」
『・・・そう、だな・・・格好悪いにも程がある』
返事を期待していなかった独り言に、スピーカーから返事が返って来た。
モニターに表示されたヘルベルトは、ヘルメットが割れ額から血を流していたもののしっかりと意識を保っていた。
「待ってて下さい。ヒルダさんの所まで引っ張りますから」
対艦ミサイルの直撃に耐えたゲルググイレイザーだが、既にその機能を完全に停止させ、単なる鉄塊になっていた。
レイヴンで牽引しなければ数メートルも動けない。
『おいおい、待ってくれよ。これ以上恥の上塗りは御免だ。ヒルダには通信を入れてくれるだけで良い。
嬢ちゃんには、もっと他にやる事があるだろ?』
「・・・・・・!有難う」
確かに、辺りに敵影が無いこの宙域ならヒルダに連絡すれば何とかなるだろう。
言外にシンの所に行ってやれと促すヘルベルトに軽く頭を下げると、
ルナマリアはシンが向かったと思われる方向にレイヴンを奔らせた。
68 :
中身:2010/03/28(日) 02:52:20 ID:???
今回はこれで終了です。
しかし最近過疎ですね。
本当に過疎なのか、ROMってる人が多いのかが問題ですが。
リアルタイム遭遇ktkr!
乙です! クローンシンもルナマリア戦場に立っていても捨て切れないも甘さを残しているのがなんとも……
ヘルベルトが格好良い……もう、は行の人とか言えないじゃないかw
ROMは多いと思われ
すいません、いつもレスなしで
普段ROMってる俺がレスしてみる
red eyesキター!
カーボンシンもようやく撃破か。しかし、ここまで格好いいヘルベルトさんも珍しい。ナイスオッサン!
>>53 生活環境が回復して戻ってくるのを待ってるよぉー!!
ステラ・ホークにディルヴィングにニコル・ザラに(ryはきえるもんかあー!!
>>68 GJでした。
クローンフリーダム三人衆自身には何の悪意も私心もないのが逆に哀しさを
感じさせますが、本物からして自分の安全を考えないシンの場合一段と堪えますなあ。
しかしDFもゲルググEも脇腹のダメージだけでは致命傷に至ってないという事は
グラムFもまだまだ……?引き続き楽しみにしています。
あと過疎気味状態については元々忙しい時節である事や、各自の個人的事情、
あとドコモ等携帯の規制も続いてたりとか色々悪い条件が悪いタイミングで
重なってるのもあるかと…。
ライオン氏、まずはお疲れ様でした。
中身氏も上で仰ってますが、まずはリアルと自分の身を一番に考えてください
何時の日か復帰されることを楽しみにさせていただきます。
はてさて、次から投下します
「爆音が止んだ……?」
蛍光灯の白い光が照らす部屋――地下シェルター内の一室で、地上から聞こえて来る爆発音と衝撃に怯えた子供たちを励ましていた三十過ぎの中尉が顔を上げた。
そのまま電子ロックが施された地上に繋がる扉に目をやる。
恐怖に顔を引き攣らせ、何人かはべそをかいている子供たちに笑顔を見せて軍服のポケットに収まっていた通信機に手を伸ばし、スイッチを入れる。
「こわいの、おわったの? もうお外にでてもいいの?」
最年少の少女が声を震わせながら呟いた。
その頭を撫でながら、耳に当てた通信機の音声を聞き取ろうとする中尉。
「……ちょっとわからないな……見てくるよ。君たちはここに居てくれるかい?」
最年長の少年に顔を向けて言い、少年が頷くのを確認して扉に向かう。
扉の脇のテンキーに手を伸ばし、パスワードを入力する。表示が赤から緑に切り替わった。
よし、と呟き扉を開く。
その次の瞬間、後ろで最年長の少年が叫んだ。
「駄目だ! 待って!」
何か問題があったかと中尉が振り向く。
その横を、最年少の少女が泣きながら駆け抜けた。
ぎょっと振り向いた中尉の目に、入り口への階段を一目散に駆け上がる少女の白い足が映り、消える。
「なんてこった……君たちは絶対に動くな!」
苦虫を噛み潰したような声で後ろに向かって叫び、中尉も階段に向かって走り出す。
その耳に、シェルターの入り口が開く機械音が聞こえた。
陽光が照らす滑走路を機体の所々から火花を散らし疾走するバクゥハウンド。
アブソーバーがいかれたのか、歩行の振動がそのまま伝わってくるそのコクピットで口元を歪める男が一人。
ぶつぶつと何事かを呟き、その瞳は真っ直ぐに正面のモニターに映し出されている小型建造物を見据えている。
「一匹でも多く……殺す……」
狂気染みたその言葉の通り、男は体当たりを掛けようとしていた。
砲手を担当していたもう一人のパイロットは、眉間に開いた弾痕から血と脳漿を流して死んでいる。
コクピット周りには大した損傷は無いのに何故死んでいるのかと男に尋ねれば、“投降しよう等と発言したので処刑した”と返ってくるだろう。
男にとってナチュラルに投降することは、彼らが信奉する存在への裏切りであり万死に値する悪だった。
そして男にとって、「下賎なナチュラル」を一人でも多く縊り殺すことこそが正義だった。
「ナチュラルどもに……死を……!」
よりにもよってナチュラルの操縦するウィンダム三機に連携を取られ機体を半壊させられたと言うことにプライドを傷つけられ、元々極端なプラント至上主義者だった男は
そのどうしようもない屈辱を非戦闘員のナチュラルを殺すことで晴らそうと、周囲で最も近くにあった建造物へと目をつけたのだった。
戦闘続行可能なモビルスーツからパイロットが離れたのを確認してそれを実行に移した辺りは冷静のようだが、建造物を破壊した後のことや、
そもそも突っ込んだバクゥハウンドと自分がどうなるかは全く考えていない。
まるで目の前にぶら下がった餌に向かって闇雲に突っ込む空腹の獣のようだ。
事実、建造物まであと七十メートルほどまで迫り、破壊と殺戮を妄想し顔を歪める男の顔は、ヒトというよりも獣に近かった。
あと十秒もしないうちに、四足獣型のモビルスーツという大質量が突っ込んだ建造物――地下シェルターへの入り口は完膚なきまでに破壊されるだろう。
そしてその衝撃は地下部分にまで伝播し、中にいる人間を惨たらしく殺す。
「……おお? こりゃあ……」
建造物がシェルターだとは知らない男が、ますます笑みを深くする。
入り口が開き、中から小さな影がが出てきたのだ。
その正体が小さな少女であると見抜き、更に速度を上げるバクゥハウンド。
「まず、一人ぃっ!」
全開の笑みを浮かべ、男は前方へとバクゥハウンドを跳躍させた。
階段を上り終え、中に入ったときに中尉が行ったのとは逆の順番にスイッチを操作してシェルターの扉を開いた少女。
眩しい陽光に目を細めて外へと出る。
その瞳に映ったのは――轟音を立てながら、こちらに向かってくる巨大な何か。
涙のあとを残した頬に笑みを浮かべながら歩み出た少女は、次の瞬間、再び表情を強張らせた。
「ひっ――」
幼い少女は、それが何かわからなかった。
だが、それが自分へと不可避の死をもたらすことだけは、本能で理解できた。
恐怖で頭の中が真っ白になり立ちすくんだ少女めがけて、それは跳躍する。
後ろから、ようやく入り口へ辿りついた中尉の叫びが聞こえた。
何故かゆっくりと山なりの軌道を描いて来るそれに縫いとめられた少女の視界の端で、何か赤いものが動く。
スローモーションの世界の中で急に現れた赤は、少女に向かって跳んでくる何かへと、真横から突っ込んだ。
少女に迫っていた何かは空中で赤に激突され、姿勢を崩しながら横へと軌道を変え、落ちる。
それが滑走路と接触した轟音が響き、世界は通常の速さへと戻った。
何か――バクゥハウンドとともに落下した赤いウィンダムが起き上がり、腰からビームサーベルを抜く。
仰向けになってもがくバクゥハウンドのコクピットへとそれが振り下ろされる瞬間を最後に、少女は意識を失った。
『――で? 本当に大破させちまったのか、シン』
「……ごめん、ヴィーノ」
戦闘終了から数時間が経過し、沈み始めた太陽の朱色の光が差し込む基地の通信室。
モニターに映し出されたヴィーノに頭を下げるシン。
その頭には軽く巻かれた包帯に、赤いものが滲んでいる。
空中に跳び上がったバクゥハウンドを何とかして止めようと、その横腹にウィンダムのショルダータックルを決めた際、
ヘルメットを外していた為に出来た傷だった。
それ以外にも軽い脳震盪や細かい擦り傷が無数にあるが、どれも軽いものだった。
無茶をした割にシン本人はその程度の怪我ですんだが。
『送ってもらったデータ見たけどさ。右腕部全壊に全身のアクチュエーターに中から重度の損傷、全身の装甲劣化にフォビドゥンパック大破、か……』
「……治るか?」
『……治るには治るけどいっそ新品受領した方が良いくらいだな。でも、それは無理だろ?』
「ああ、予算も無いし……なにより愛着があるしな」
言ってから、いててと傷を押さえるシン。
仕方ないな、と肩をすくめるヴィーノ。
『お前、結構クセ強いからなー。やっぱ修理だな』
時間掛かるぜ?と画面越しにジトッとした視線を向けてくるヴィーノに、シンが苦笑する。
「……悪いな。これから二週間は仕事で別の機体に乗るからさ。その間に済ませといてくれ」
『二週間であれ全部やれ、と……うわ、また徹夜だな』
「陛下、シェフィールド基地の件なのですが」
「ええ、聞いています。レッドアイの御蔭で何とかなったのですよね?」
シェフィールドと同じ夕日の中、何時ものように山のような書類に向かっていた女王に大佐が報告していた。
気のせいか昨日の数倍に増えたような書類の山に埋もれそうになりながらも黙々と仕事を続けるセラフィーナが返答する。
「はい。幸いにも人的被害は皆無、とのことです。しかし、レッドアイが……」
ぴと、と女王の手が一瞬止まる。
「……レッドアイが、どうかしたのですか?」
作業を再開し、書類にサインしながら女王が聞いた。
「敵部隊の最後の一機を処理する際機体が大破し、レッドアイ自身も軽傷を負ったとのことです」
「そうですか。困りましたね……依頼は行えるのですか?」
曇りそうになる表情を押し殺し、表向きは平静を保ったまま女王が言った。
作業のペースは変わっていない。
「はい、それについては問題ないと本人から確認を取っております。機体についてもレイヴンの物を貸与する予定でしたので、問題は無いかと存じます」
直立不動の姿勢を崩さず報告を続ける大佐に感づかれないように安堵の息をつく女王。
心なしか、作業のペースがぐんと上がった。
「それと……陛下、例の件なのですが」
「……ええ、どうでしたか?」
声のトーンが下がった男に、女王が怪訝な顔を見せる。
「やはり、式典に乗じて来るようです。ルートなどはまだ把握できておりませんが」
そう言って、大佐は脇に抱えていた資料を女王に恭しく差し出す。
「なるほど……予想通りですね。……」
“極秘”と赤字で記されたそれを一瞥して、女王は溜息をついた。
以上になります
>中身氏
ヘルベルトは格好いいしルナマリアはいい女で…
とうとうキラ対ラクスですね…楽しみです
GJでした。
陛下の方でも騎士団がちょっかいかけてくる事は把握はされてるんですな。
あのデブ顧問何かヤバい新兵器も企んでるようだし…。
あとレイヴンから貸与されるのはハイペリオンカスタムという事に?
ハンドレッドにせよネロVにせよ新ブリッツはもう少し先でしょうか。
乙でした!
シンがハイペリオンに乗るとは……新しい、惹かれるな。
1段落したあたりでウィンダムからそろそろ乗換えですかね
しかしヤンデレメガネのウィンダムは情というか業が深いからどうなるか…
ところでred eyesもいよいよキラ対ラクスという事で、あらためて以前のを
読み返していたんだが、覚醒キラがカガリの蔵書をごっそり借り出した際に
>それが、カガリの見た、どこか少年の面影を残したキラ・ヤマトの最期の姿だった。
とあるんだよな…
これが甘ちゃんとしてのキラという意味なのかそれとも本当に……なのか
判断に苦しむところなんだが果たして。
前スレ落ちてたんかい
>>84 500KBの容量制限いっぱいまでスレを使ったからね。
カキコが少ないのは規制がかかってるのかな?
それでも1000レス前に容量制限でカキコできなくなる逆シンスレってw
逆襲日記 G月G日 曇り所により落涙
MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲がオミットされました
MMI-GAU26 17.5mmCIWSがオミットされました
MA-M1911 高エネルギービームライフルがオミットされました
MA-M02G シュペールラケルタ ビームサーベルがオミットされました
MR-Q15A グリフォン ビームブレイドがオミットされました
MX-2002 ビームキャリーシールドがオミットされました
RQM55 シャイニングエッジ ビームブーメランがオミットされました
EEQ08 グラップルスティンガーがオミットされました
ファトゥム01が鳥になりました
この間Fフリの時にミーアガンダムにしようかって話が出たけどミーアのライブのザク
だからあの名前だったんであって、エターナルのライブのガンダムとなると……
ラクスガンダム
になると思ったら我慢できずに猛反対した結果、ライブステージになりました。無難で結構。
それはそれとしてジャスティスが仕様書を見たまま動かない。何だよ折角作ったのに。
Fフリーダムがスカートだったから今回はパンツルックだ。歌姫の盾(笑)って言うぐらいだから
ガードは固く! 見えそうで見えないからこそチラが惹きたつわけだしな。胸部装甲は標準値
その代りスタイルは最高! ファトゥム01-Fは装着時はケープ、分離時は鳥型。変形! 変形!
「――武装が見当たらないんだが?」
あ、やっと喋った。
「近接戦闘のプロって言うならい要らないだろ? それに、隠し武器って言うのは
一回使ったら終わりっていうのがいいんだ。次が無いって美学が分かず何回も使うとか……」
「パルマフィオキーナも一緒d
「ふざけんなッ! あれは隠し武器じゃないッ! 通常兵装だッ!! あんた本当にッ――」
「お前……真面目にやれと言ってるんだ! こんなことをしてっ……そんなに俺のこと嫌いか!?」
「えっ――」
「えっ――」
今回は大人しかったかな……ガードが固いのも好きなんだ。
あ、胸部装甲はもちろん揺れるから安心してね!
にしても、こんなに止まってるってこのスレ的には珍しいな。
乙ッん!
もういっそパンツじゃ無いから恥ずかしく(ry まで開き直っちまえw
種死からのシンのあの態度で好かれてると思ったのかアスラン……
なんか大規模規制らしいっすよ。
test
91 :
中身:2010/04/05(月) 12:11:00 ID:???
PCも携帯もPSPすら規制とか・・・。
と思ったら大学のPCから書き込めた!!
という訳で投下します。キラVSラクスです。なんかスゲー長くなりました。
オーディンシステムは、目前で振り上げられるビームサーベルの危険度を一瞬で判断する。
光波防御帯といえど、研ぎ澄まされたビームを押し付けられては貫かれてしまう。
かといって、ビームサーベルを振り上げる敵
――フリーダムは既にオーディンに肉薄しており、こちらの武器は全て使い物にならない距離だ。
一瞬にも満たない思考時間の結果、オーディンがとった行動は体当たりだった。
ビームサーベルが振り下ろされるより早く、オーディンの巨体が、フリーダムを襲う。
「あっぐ!?」
MSの数倍はあるオーディンの質量に、フリーダムが悲鳴を上げる。
PS装甲が無ければ、激突した時点で破壊されている程の衝撃は、パイロットの意識をも刈り取ろうとする。
しかし、スーパーコーディネーターのキラの体にそれは通用しなかった。
凄まじいGの中で、キラは器用にフリーダムを操作する。
フリーダムの重心をズラし、凶暴な隕石から脱出した。しかし、それでオーディンの攻撃から逃れられた訳では無い。
『貴方はプラントをどうするつもりなのです、キラ・ヤマト!』
「どうもする気は無いよ。ただ、国の為に人の尊厳を捨てるのはおかしいって言ってるだけだ!」
気を持ち直したラクスが、追撃に放たれたドラグーと共にキラの真意を問う。
ドラグーンからの射撃を回避しながら、キラは一見人として当たり前の事を口にした。
『貴方は分かっていません。プラントが、コーディネーターがどういう現状に置かれているか』
「現状?」
ラクスは純粋過ぎる想い人に目を細める。
確かに、彼の言う事は当たり前なのかもしれない。しかし、今はそれが許されざる状況なのだ。
『戦争が終結し、コーディネーターとナチュナルの対立は山を越えたと言う論者もいますが、それは間違いなのです。
先の、貴方が死んだ戦闘でも分かる様に、地球連合は今も虎視眈々とプラント攻略の隙を窺っています。
未だに、地球連合における主導権はブルーコスモスにあるのです』
メサイア戦没時盟主であったロード・ジブリ―ルと、母体であるロゴスを失って尚、
反コーディネーター組織ブルーコスモスの力は健在であった。
それどころか、ロゴスに代わる新しい組織が出来上がりつつあるという情報もある。
コーディネーターとナチュナルの対立が収まりつつあるなどという夢想は、現実には存在しないのである。
「それは、僕達がプラントを守れば良い!大きな戦争になる前に食い止めれば・・・」
『幾ら貴方が戦った所で、防げない現実という物があるのです』
キラの必死な主張は、ラクスに斬って捨てられた。
そう、ラクスの言う通り、戦いだけではどうにもならない現実があったのである。
「それが・・・人口だと?」
『そうです。プラントは元々地球連合の一工業コロニ―群に過ぎませんでした。それを無理矢理独立させたのが、この国です。
しかしこのままプラントの人口が減り続ければ、国としての体制を保てなくなります。
そうなったら、地球連合が黙っている訳がありません。必ずプラントを吸収しようとするでしょう』
このまま時を重ねれば必ず訪れる現実。プラントという国の消滅。
コーディネーターはその能力の高さで新人類とは謳われていても、実際は出生率が極めて低いという、
種として致命的な欠陥を抱えていたのだ。それは遺伝子操作という神への背信行為が招いた罪なのか。
現在の科学では出生率の改善は見込めない。
その運命に抗おうとした一つの答えが、ラクスが進める「コーディネーター再生計画」なのである。
それは国を維持しようとするラクスの、苦肉の策だった。
「なら、吸収させてしまえば良い」
オーディンの攻撃を回避しながら、キラが呟く様に発した言葉にラクスは自分の耳を疑った。
『自分が何を言っているか分かっているのですか!?プラントが解体され、地球連合に組み込まれれば、
どんな弾圧と差別がコーディネーターを襲うか分からないのですよ!』
「ラクス、君が言っているのは四十年、五十年先の話だ。僕達が六十代、七十代になってる時の話なんだよ。
その間に、やれる事はもっとある筈だろう?」
キラの落ち着き払った態度に、ラクスの神経を逆撫でする。実際に地球連合と顔を突き合わせているのは自分なのだ。
それなのに、戦いしかしてこなかった彼が何を知っているというのか。
『だからこそ、今からプラントを立て直さねばならないのです!
その為のコーディネーター再生計画、その為のオーディン、何故貴方はそれが分からないのです!?』
吸収される前に武力で滅ぼされては意味が無い。
オーディンは軍縮に向かうプラントにあって、戦争での人命損失を最小限にする為の物でもあった。
「どうして・・・それだけの時間がある事を知っていて、沢山の情報を知っていて、何でそんな絶望ばかりを見るんだ!
一年あれば人を愛せる、十年あれば家族だって作れるんだ!・・・五十年もあれば、別の種族同士だって分かり合える筈だ!」
『・・・貴方なら、それが出来ると?』
「やってみせる!」
コーディネーターとナチュナルを和解させた上での、プラント解体。
それが、散々戦場でコーディネーターとナチュナルの対立を見て、山の様な知識を得たキラの答えだった。
コーディネーターでも、ナチュナルでもない、中立に立てるキラだからこそ見出せた可能性。
それは、もしかしたら独りぼっちの男が見た単なる夢想なのかもしれない。
だがそれでも、キラは人が分かり合える可能性に賭けてみたかった。
『無理です。二度の大戦を経て、二つの種族は何も理解しなかったのですよ?
コーディネーターは自分達こそ地球圏を支配する新人類と奢り、
ナチュナルはコーディネーターを何一つ理解せずに穢れた人造人間と叫ぶ。
飽きもせずにそれを繰り返すこんな世界に、貴方は何を求めるのです?』
熱の篭ったキラの主張に返って来たのは、宇宙の暗闇よりも冷めきったラクスの声だった。
『結局、人間には国という檻が必要なのです。一つの檻の中に憎しみ合った二匹の猛獣がいれば、忽ち殺し合いに発展するでしょう。
二つの檻に分けられ、たまに手を伸ばして相手を引っ掻く程度が、一番幸せなのです』
彼女の、ラクスの一言一言から人間への絶望が滲み出てくる。
コーディネーターとナチュナルなどという差の無い、二つの種族に等しく向けられる絶望。
その意味で言えば、ラクスはどこまでも平等だった。二つの種族に何も期待せず、何も求めない。
この世界の構造自体に絶望した為政者。嘗てDプランを提唱したギルバート・デュランダルも、この様な心境だったのかもしれない。
彼の場合は、戦いを無くす代わりに自由を奪うという鎖で、二匹の猛獣を縛ろうとしたのだが。
「なんで・・・君はそんなに人を信じられないの!?コーディネーターとナチュラル、支え合って生きている人達だって沢山いる。
その輪を広げれば、憎しみだって乗り越えられる!その手助けをするのが、為政者のやるべき事じゃないの?
初めから諦めていたら、何も変わらないんだよ!」
『・・・・・・』
キラの吐く希望に、ラクスは何も言い返せなかった。自分が人を信じなくなったのは何時からだっただろうか?
遡れば、この声を授けた母を信じられなくなったのが始まりだったのかもしれない。
自分はそんな物欲しくは無かったというのに、彼女の身勝手で生まれながらに備え付けられた能力。
母の呪いとも言えるこの声が、彼女に絶望の種を植え付けたのだった。
周りの人間が、自分に惹かれてくれているのか、自分の声に惹かれているのかすら分からない。
そんなラクスの世界が、どれだけ疑心に溢れていたかは到底測り知れる物では無い。
母の与えた声が嫌いだったのにも関わらず、歌手として栄光を掴み、人々を平和へ導こうと議長を務めている自分も、
何時しか絶望する対象になったラクスにとって、他人を心の底から信じる事など出来はしなかったのだ。
「そんな人を信じない、人に期待出来ない君に、プラントは任せられない。だから・・・」
『プラントを導くのは私です!貴方の様に夢ばかり追っている人に、プラントは渡せない!』
互いに譲る事が出来ない想い。絶望と希望は、どうあっても交わる事は出来ない。
「分かった。・・・・・・なら僕は・・・君を討つ」
静かに、しかし良く通る声でなされた宣言と共に、キラの中でSEEDが弾ける。
この世で唯一、自分の意志でその能力を行使する事を許されたキラが、操縦桿を握り直す。オーディンのモノアイには、何の変化も映らない。損傷したフリーダムがいるだけだ。
先程と同じ様に、ドラグーンと本体の射撃をフリーダムに向けて放つ。今の所、フリーダムはそれを回避するのが精一杯だった。
今度は射撃を回避した直後に待機しているドラグーン二基がビームサーベルを展開して突撃する。
確実に仕留められる連携だった。ほんの数秒前のキラなら。ドラグーンの真骨頂である多方向からの砲撃がフリーダムに殺到する。
オーディンはフリーダムがどの様にそれを回避するかを、既に百通り以上予測していた。しかし、それは全て無駄な演算であった。
一発目の砲撃をフリーダムが上に飛ぶ事で回避する。直ぐに二発目が、一発目とは別方向から放たれた。
フリーダムは、それを予め知っていたかの様に残ったビームライフルをドラグーンに向ける。
機体を反らす動作だけで二発目を回避、同時にフリーダムから放たれたビームが、二発目を発射したドラグーンを貫く。
三発目は放つ事も許されなかった。そのまま宙返りする要領で後ろを向いたフリーダムが、バラエーナで三発目を撃つ予定だったドラグーンを破壊したのだ。
四発目、五発目、六発目、全てがフリーダムをその場から動かす事も出来ない。
そればかりか、その内の一基がカリドゥスの餌食になった。しかしオーディンの攻撃はまだ終わっていない。
待機していた二基のドラグーンが、ビームサーベルを展開、フリーダムに突撃をかける。だがそれも、今のキラには無駄な事だった。
素早くビームサーベルを抜いたフリーダムが、一基目をすれ違い様に真っ二つに斬り裂く。
直ぐ様一基目の影に隠れていた二基目がフリーダムを迫るが、それを機体をしゃがませる事で回避、
膝を伸ばす要領で二基目を下から突き刺した。そこに間髪入れずオーディンからの砲撃が襲う。
ドラグーン無しでも戦艦を上回る火力を有するオーディンの砲撃である。
雨の様に降り注ぐそれは、フリーダムを完璧に呑みこんだ。
辺りのコロニ―が真っ赤に照らされる程の爆炎に、宙域が昼の様に明るくなる。
辺りの爆炎が収まるまで、オーディンのセンサーの殆どが使い物にならなくなったが、
それだけフリーダムとキラ・ヤマトが危険とオーディンが判断した故であった。
『キラは・・・』
オーディンが殆どの作業を代行しているとはいえ、自分がトリガーを引いた事で起こった惨状に、ラクスは息を呑む。
流石のキラといえど、これ程の面攻撃から逃げ切る手は無いだろう。安心とも諦めとも付かぬ感情がラクスに宿った、その時だった。
丁度オーディンの真上に位置するコロニ―の残骸から、ビームサーベルを大上段に構えたフリーダムが躍り出てきたのは。
隻腕の天使が、まだこちらに気付いていないオーディン目掛けてビームサーベルを振り下ろす。
しかし、ビームサーベルが流星を切り裂くより一瞬早く、オーディンのセンサーが回復。
直上から迫る天使を探知し、寸前でその光刃を回避した。攻撃を空振った敵機に向け、直ぐに二十発を超えるミサイルが放たれる。
それに対してフリーダムの取った機動は、あり得ない物だった。
バーニアを全開にして突撃してきたにも関わらず、全く減速せず直角に曲がったのである。
ミサイルはその機動に全く付いて行けず、周りのコロニ―に衝突する。当のフリーダムは再びコロニ―の残骸に入り込んだ。
それを見たオーディンが、直ぐ様コロニ―の何処からフリーダムが何時攻撃してくるかを予測する。
しかし、これもまた全く無駄な演算に終わる事になった。
オーディンに一番近い個所から、あり得ない速度でコロニ―内を移動したフリーダムが飛び出して来たのだ。
破壊し尽くされたコロニ―内部は少しの振動で崩れ、残骸のせいでMSでの移動は困難を極める。
しかも、今のフリーダムは四肢を欠損しており機動性にも運動性にも難がある状態だ。
その全ての要因を吟味したオーディンの予測を覆す能力がキラにはあった。
彼の『最強のMSパイロット』足る所以は、優れた空間認識能力による物でも、マニュアル操作での優れた射撃能力による物でも無い。
他の誰にも真似が出来ない機体制御能力が、キラ・ヤマトの最強でいる理由だった。
その能力は、どれだけ損傷したMSにも羽を与える。オーディンの予測を遥かに凌駕した動きから、神速の一撃が放たれた。
これにはオーディンも反応し切れず、二本突き出たアームの片方が斬り裂かれる。
オーディンが予測するまでも無く、フリーダムが次の一撃で勝負を決めに来るのは明白だった。
死を覚悟したラクスに、しかし何時まで経っても次の一撃はこない。
目の前には、オーディンにビームサーベルを突き付けたまま静止しているフリーダムが映っている。
『何のつもりです?私が降伏するとでもお思いですか?』
「・・・その通りだよ。これ以上は・・・」
『クドいですわ!』
後方に急加速を掛けたオーディンが、ミサイル全管を一斉に射出する。
百に迫るミサイルの波を、キラは爆風の余波すら受ける事無く回避し切った。
『迂闊でしたわ。貴方がSOCOM内で<鳥の人>の異名を付けられていた事をすっかり失念していました』
僅か数分足らずの攻防でのフリーダムの動きは、戦闘に関して門外漢であるラクスでも目を見張る物であった。
あっという間にドラグーン五基を破壊し、侵入するだけでも困難なコロニ―内部をオーディンの予測を上回る速度で横断、
アームの片方を破壊した。それに比べ、フリーダムはこの攻防で掠り傷すら負っていない。
AMBACすら効かない機体で、である。キラは迷いの有無で戦闘能力にムラが出る事は知っていたが、
迷いが無くなるだけでここまで追い詰められるとはラクスも予想外だった。
「これで最後だ。次で君を討つ」
本当にキラが出しているのかと疑いたくなる様な、重く暗い声を響かせる。このままではオーディンとラクスに勝ち目は無い。
しかし、オーディンも馬鹿では無い。先程の攻防でのフリーダムの動きを再計算する。
フリーダムの残された武器は、ビームサーベル一本とレールガン二門、カリドゥス一門とバラエーナが一門にドラグーンが二基。
おや、規制か?
97 :
中身氏の代理:2010/04/05(月) 20:48:18 ID:???
その中で『自分』にダメージを与えられるのはビームサーベルのみだ。
相手もそれが分かっているのか、先程からビームサーベルしか使って来ない。
オーディンはそれらの情報を元に改めて予測を立てた。これで、フリーダムがどう動こうと対処出来る。
「・・・行くよ」
フリーダムが動いた。先程と同じ、本当に機体に損傷があるのか疑いたくなる程鮮やかな機動である。
しかし、先程とは違いオーディンのモノアイは正確にその姿を捉えていた。
生き残った三基のドラグーンが、フリーダムを包囲する様に舞う。
空かさずビームライフルを向けるキラだが、ドラグーンは動きを止めずフリーダムの周りを旋回し始めた。
ドラグーンは攻撃に移る際に必ず動きが止まる。これまで、キラはその瞬間にカウンターを入れていた訳だが、
回避を重視した動きをされては如何な彼でも撃ち落とすのは難しい。
だからといって、無視すれば何時攻撃されるか分からない。キラの出した結論は、目には目を、であった。
残ったドラグーン二基を射出する。オーディンのドラグーンもそれに反応して迎え撃とうと動いた。
これこそがキラの狙いだった。迎え撃とうとするドラグーンの動きは、先程の回避重視の動きと違って狙いやすい。
早速ビームライフルでそれを狙撃しようとする。しかし、読み合いではオーディンの方が上手だった。
ドラグーンに構って動きが鈍ったフリーダムに、ミサイルとビームの雨が降り注いだ。
再び宙域が赤く照らされる。爆炎が収まり、フリーダムの姿が露わになった。
「まさか、自分のドラグーンごとなんて・・・思わなかったよ」
現れたフリーダムは、先程の様に無傷とはならなかった。
ドラグーンは破壊され、残っていた片翼も爆風に耐えきれずひしゃげて使い物にならない。
何より痛いのは、右手に保持していたビームサーベルの損失と、ミサイルの直撃を食らったカリドゥスが使用不能になった事だ。
オーディンがキラに打った手は完璧な物だった。オーディンのドラグーンへの対処でキラの注意力を削ぎ、
自身にドラグーンを使わせる事により更に注意力を削ぐ。
加えて、『近距離にドラグーンが旋回しれば同士討ちを避ける為にオーディンからの攻撃は無い』とキラに思わせる事にも成功している。
ミサイルをコロニ―周辺にも撒く事でコロニ―に逃げ込むという手も塞いだのである。
結果、フリーダムの武装の殆どを破壊する事に成功したのだ。
「それでも・・・!!」
フリーダムがレールガンを展開してオーディンに肉薄せんと奔る。あれだけの攻撃を受けても、機動には些かの陰りも見えない。
『その諦めない姿勢は称賛に値します。しかし残念ながら、そのレールガンではオーディンに掠り傷一つ負わせる事は出来ない』
オーディンの示すフリーダムの情報では、レールガンしか武装は残っていない。
しかし、言い終わったラクスの目にはあり得ない物が映っていた。
全身が黒く染まり、その損傷した機体とは不釣り合いな程巨大な光の剣が現れる。
シンに託され、今まで後ろ腰に保持していたドラゴンキラーであった。
記録されていたフリーダムのデータには無い武装故に、オーディンもその存在に気付けなかったのだ。
レールガンしか武装が無いと高を括っていたオーディンの動きは、僅かながら遅い。
決死の覚悟で特攻を掛けてきた天使を相手に、それは致命的な遅れとなった。
「うおおおおおおおっ!!!」
『BASTARD』モードとなったフリーダムの一撃が、オーディンのメインエンジンを斬り飛ばした。
ビームサーベル相手では抵抗を見せた光波防御帯も、ドラゴンキラーの前には一瞬の抵抗も許されない。
動力を失ったオーディンが懸命にフリーダムを捉えようと旋回する。
しかし、オーディンのモノアイに映るのは広大な宇宙と大剣の残光だけであった。
『ああっ!?』
身動きが取れないオーディンが、大剣によって解体されて行く。
度重なる激震に、ラクスは悲鳴を上げる。全身を覆っていたミサイル発射管が、斬り裂かれた事により派手な爆発を起こした。
しかし、一転して追い込まれたオーディンに焦りという概念は無い。
ウォルフガングと違いフェイスガードもハンドガードも無いフリーダムは、大剣によって自らの身も焦がしていた。
幾ら圧倒していようと、機体全体にガタが来ていては隙が生まれる。その隙を、オーディンが見逃す筈が無かった。
残った大型アームのビームサーベルを発振させ、よろける様に動きを鈍らせたフリーダムに斬り付ける。
コクピットを狙った起死回生の一撃はしかし、辛うじて機体を動かしたフリーダムによって、残っていた足を切断するのみに終わった。
「これでっ!!」
カウンターで振り抜いたドラゴンキラーが大型アームを破壊した。
大型アームを失った事で全武装を消失したオーディンが、悪足掻きもこれまでと機体を停止させる。
機体を機動させていた足を失った事で、フリーダムもその動きを止める。
正面から向かい合うフリーダムが、逆手に持ち換えた大剣をオーディンに突き付けた。
「終わりだよ、ラクス」
チェックを宣言するキラ。もしここでラクスを生かして議長の座から下ろしても、
きっとまた過去の自分達の様に彼女を担ぎ上げようとする者達が出てくる。それではラクス・クラインが救われない。
今となっては、彼女にとっての救いは死しか無いのだった。
想い人を殺す事が、自分に課せられた最初の罰なのだとキラは理解していた。
ひび割れたモニターに巨大な光刃が映る。
これで、自分の戦いは終わったのかと、何処か晴れた気持ちでラクスはそれを見つめていた。今なら分かる気がする。
目の前にいる三人目のキラこそ、自分の望んだキラ・ヤマトなのだと。
自分の愚行に正面立ち向かい、止めてくれる誠実な男。
だからこそ、オーディンがどれだけ演算しても編み出せない、この窮地を脱する術を彼女は知っていた。
この心にある本心、それを今口にするだけで、目の前の愚かで優しい想い人はその剣を止めるだろう。
そして、オーディンの提案する『自爆』という手段を行使すれば、キラを確実に葬る事が出来る。
しかし、ラクスはそれをしなかった。既に大局は決している。プラント防衛隊が降伏するのも時間の問題だ。
そんな中で、キラという神輿を失ってはこのクーデターは不完全な物になる。混乱は必至だろう。
それこそ、連合がプラントを潰しに来る隙を与える事になる。それだけは、避けなければならなかった。
だからこそラクスは口を閉ざす。黙して死を受け入れる。キラから通信が入ったのは、その決意を固めた、その時であった。
『ラクス・・・君は、僕が最後に殺す人だ。そして・・・』
数瞬の沈黙の後、キラからラクスが最も焦がれた言葉が投げかけられた。
『僕が最後に、愛した人だ』
それを聞いて、ラクスは知った。彼は自分の言葉で立ち止まってしまう程、もう弱く無い。
だから、罪に汚れた、ラクス・クラインとしての本心を伝えても良いのだと。
―――決意が、崩れた。
「・・・私もです。・・・愛してます、キラ」
戦闘による激震によって所々壊れたコクピットからでは、キラに自分の表情は伝わらない。
それでも、彼女は精一杯の笑顔をキラに送った。黒き天使が、その手に握った大剣を振り下ろす。
高熱の刃によってオーディンの装甲が貫かれ、ラクスの体は塵も残さずこの世から消え去った。
以上です。
以下、中身氏のコメント。
193 名前:中身[sage] 投稿日:2010/04/05(月) 12:29:17 ID:014EYaRE0
今回はこれで終了です。
オーディン壊すのに手間取ってたらダラダラ長くなってしまいました。
何方か代理投下して貰えると助かります。
ついにラクス散華、か……でも、これで本当に終わるんだろうか?
まだ何か続きそうな気がするんですが。
序でにMoRセンセイには早く執筆再開して欲しいんです。
お久しぶりです。……暫く来なかった間に色々あったようで。
ライオン氏が筆を置かれるとのことですが、できれば、どれだけの時間が過ぎようと復帰をいつまでも心待ちにしています。
>>100
中身氏、代理の方乙です。
中身氏は筆が早くて羨ましい……。
ラクスは倒れた訳ですが、その協力者は未だにいるわけで……続きを楽しみしています
それでは、2ヶ月ぶりの投下をさせていただきます。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request24後編
「何であんたがここにいるんだ! カナード・パルス!」
「とりあえず黙れ。 仕事だ。 それ以外にあると思うか?
……俺には寧ろ、貴様らがここにいる方が信じられん。
大西洋連邦からの脱走兵が二人に、元ザフト赤服の暗殺された筈の男が一人」
シンの叫びに顔を顰めつつ、カナードは視線をエドとジェーンへと向けた。
「生存してるのがバレたから良いんだよ」
不機嫌そうに顔を歪ませ、シンが呟く。
「フン、大方勢いで自白したんだろうが」
(大体あってる……)
小馬鹿にしたように鼻を鳴らすカナードにルナマリアは驚き混じりの苦笑を浮かべた。
「そんな事言うがな、カナード。 お前さんだって脱走兵じゃないか」
シンとカナードの言い合いを諌めるようにエドは口を挟む。
「っ! 俺達の事は表向きは無かった事になっている。……と言うよりこの仕事がユーラシア絡みでな。 ただ働きも良い所だ」
正論で指摘され、多少言葉少なくなりながら口篭る。
「なるほど、大体分かった。 脱走した事には目を瞑るから無料働きしろ。 ってことね」
「なんだ、俺達と立場は大して変わらないじゃないか」
カナードの状況に納得したのか、ジェーンは大きく頷き、賛同するように冗談めかして肩を竦めるエド。
「もっと酷いかもしれん。 プラント、ザフトからも金が出ないんだ。ドレッドノートを返す代わりにな」
大きな溜息をつくとカナードは肩を落とす。 その後姿は中小零細企業の社長のようで何処か哀愁を感じさせた。
「……ねぇ、シン」
それまで黙っていたルナマリアがシンの袖を引っ張り耳打ちする。
「なんだ?」
「あの人、結局誰なの?」
ルナマリアは振り向いたシンにだけ見えるようにカナードを指差す。
「傭兵部隊Xのカナード・パルスって言えば分かるか?」
「噂だけは聞いた事があるわ……それにしてもキラさんに似てるね」
周りに聞えないよう小さい声で答えたシンにルナマリアはカナードの顔を横目で見ながら呟く。
「そうか? 目つきも性格も悪いし、髪色も違う。 あんまり似てないと思うけどな」
「顔つきとか声とかそっくりじゃない?」
目を細め記憶にあるキラの顔と見比べるシン。
ようやく立ち直り掛けているカナードをよく見ると確かに似ているかも知れない。
「まぁ、言われてみれば似てるかな?……人格破綻者だけど」
「あ? 貴様にだけは言われたくはないがな!」
ようやく立ち直ったのか、呟きを聞いたカナードはシンを睨み付けた。
「ビームシールド搭載機見るたび発狂する奴が何を抜かすのか……」
「貴様もオーブ絡みだと唐突にブチ切れるだろうが」
シンがはぁ、と溜め息を付きながら呆れたように皮肉を言うと、カナードは負けじと言い返す。
「…………」
「…………」
今までの言い合いが嘘のように押し黙り、睨み合う二人。
まさに一触即発。
些細な事が原因で爆発しかねない不発弾といったところか。
「「喧嘩売ってるのか、この野郎ッ!」」
不発弾……とは言いすぎだった。
そもそも気が短く短気な二人、切欠がなくとも自爆する。
「意外に仲が良いのかと思ったら急に喧嘩始めたんですけど!?」
「まぁ、喧嘩するほど仲が良いとか言うから気にしない方が良いわ」
「タメ口で腹割って話せる数少ない相手なんだよ」
慌てるルナマリアに一切目を合わせないエドとジェーン。
内心、目を合わせながら言って欲しいと思いながらルナマリアは口喧嘩を見る。
「ロン毛がうっとおしいんだよ! 切れ!」
「やかましい黒兎、貴様もカラコン入れて髪を染めろ」
「死ね、インチキスパコ!」
「くたばれ、死に損ない!」
「仲が……良い?」
最初は子供の言い合い程度だったが何時の間にか掴み合いにまで発展してしまっていた
「さて、そろそろお暇しようかな」
「あれを止めてからにしてもらえませんか?」
「えっ? 俺?」
「あんた以外いないでしょう」
ルナマリアが振り向くと同時にエドは目を逸らし何気なく立ち去ろうとする。
ジト目でエドを見詰めるルナマリアとジェーンにエドは無駄な抵抗を試みた。
「貴様ら何をやっている!」
そんな中、怒気を孕んだ叫び声が格納庫に木霊する。
シンとカナードは手と口を止め、その場にいた全員が一斉に声の方向へと振り向いた。
声の主は、白服に身を包んだ如何にも直情径行な銀髪のおかっぱ頭の男、イザーク・ジュール。
「「うるさい! おかっぱ髪、無関係な奴は黙ってろ!」」
「貴様ら! その言い方は何だ!」
この後、幾度となく掴み合いのマジ喧嘩をすることとなる直情型短気コンビ、改め直情型短気トリオ誕生の瞬間であった。
「それで結局何しに来たんです? 喧嘩しに来た訳じゃないでしょう?」
10分程の掴み合いの後、(本当に嫌そうな顔をしたエドが間に入り収まった)荒げていた息を整えたシンが不思議そうに疑問の声を上げる。
「……貴様、それは俺の台詞だ」
ようやく収まった怒りと神経を逆撫でするようなシンの態度に再び肩を震わせるイザーク。
無論、本人に悪気はないのだが、それがかえって腹が立つらしい。
「イザーク隊長、落ち着いて下さい……シン、あんたも煽らないで」
(煽ってるつもりはないんだが……)
見るに見かねたルナマリアがシンとイザークの間に割って入り、イザークを諫める。
「ん……? イザーク、だと? もしやジュールターンのイザーク・ジュールか?」
「ああ、あれがあの……」
「へぇ……」
不機嫌そうな顔で様子を窺っていたカナードはイザークの名前に聞き覚えがあったのか声を上げ、エドとジェーンはジト目でイザークを見る。
「ぐっ……!」
あまり好ましくない2つ名なのかイザークは言葉に詰まる。
言葉に詰まるのも当然で、ジュールターンはレクイエムでの敵前大回頭(良く言えば)であり土壇場での裏切りを揶揄した言葉だからである。
尚、余談ではあるが数十年後、軍事マニア達の間で、東郷ターン、栗田ターンと合わせ世界三大ターンと呼ばれ、晩年、イザークの頭痛の種となるのだが、今は大して重要な話ではない。
「あー、イザークさん?」
頭を抱え黙り込んだイザークを心配したシンが声を掛ける。
「…………シ、シン仕事だ! 迎えに来たぞ!」
「(力づくで押し切ったな)……それで、内容は?」
周囲と一切目線を合わせないイザークに内心苦笑しながらシンは表情を“仕事”の時のそれへと切り替える。
「後だ、取り敢えず総司令部まで行く。 車を回してくるから待っていろ」
シンの表情の変化に気付いたのか、イザークも表情を引き締め、速足で外へと向かう。
速足なのは一刻も早くこの場から離れたいのもあるかも知れないが。
「あ、イザーク隊長! 司令部まで行くならついでに乗せてってくださいよ♪」
行き先が同じである事に気付いたのか、ルナマリアは猫を被りながら
「図々しい奴め……まぁ、良い。 途中でキラの見舞いによるが構わないな?」
一瞬微妙な表情をするも満更でもない顔をして見せるイザーク
「待て! キラ・ヤマトは……生きているのか!?」
キラの見舞いと言う言葉に反応したカナードはイザークへと詰め寄る。
「さっきからいるが……誰だ、貴様は?」
「カナード・パルス。傭兵だ」
「傭兵がキラに何の用だ?」
胡散臭そうなイザークは詰め寄ってきたカナードをあしらう様にはき捨てる。
「実は……キラ・ヤマトは生き別れの……兄弟なんだ」
少し間を置いたカナードは顔を伏せがちに俯き、目頭を押さえいかにも辛そうに呟く。
「何だと?」
「嘘!」
(よくもまぁ、平然と……)
驚きを隠せないイザークとルナマリアを余所に、事実を知る三人は唖然とそれを見守る。
内心は呆れ半分感心半分と言ったところか。
「メンデルでのスーパーコーディネイター誕生の過程で作り出された失敗作……それが俺だ。
俺はメンデルの実験体で唯一生き残り、とある傭兵に拾われ生きてきた。
……ところが最近成功作、キラ・ヤマトの存在を知った。
そのキラが、撃破されたという噂を聞きつけ、プラントへ来たんだ。
もし、生きてるのなら……同じメンデルの生まれの兄弟に会いたい。 その一心で今日まで生きてきたんだ」
決して演技が上手いわけではない。
ただ、なんとも表現しがたい気迫が真実を訴えているのではないかと事実を知らない者に誤解させる迫力があった。
(八割の事実に二割の嘘を織り交ぜてやがる)
(詐欺師のやり口ね……)
(流石に騙されないよな)
カナードの迫真の演技に感心しながら、エドとジェーン、それにシンはイザークの反応を伺う。
「……だったのか。 そうだったのか。 すまない! つまらない猜疑心から疑うような真似を……苦労したんだろうな」
俯いていたイザークは涙でくしゃくしゃになった顔を起こし、イザークの手を取った。
(信じてる?)
(結構単純だなー、おい)
唖然とした4人を無視して話は進む。
開いた口が塞がらないとはこの事か。 と妙な納得をしてシンは事の成り行きを見守る。
「いや、気にしないでくれ……それよりキラの入院している病院まで案内してくれないか?」
手で覆い隠した口元に、してやったりと笑みを浮かべながらカナードはイザークの両手を握り締めた。
「ああ、任せろ! 車を回して来るからまっていてくれ」
白服の袖で涙を拭いイザークは走り去った。
「今の話、どこまで本当なんですか……?」
イザークが走り去ったのを確かめた後、ルナマリアは非難がましい目でカナードを見詰め問い質す。
「はっ! 流石に全てを信じるほど間抜けぞろいではないか。 ま、安心しておけ、8割は本当だ」
「うわぁ……すげー悪い顔」
一瞬で表情を変化させ勝利の愉悦に浸るカナードを揶揄してシンが言う。
「ふん、何がうわぁ……だ。 使える物は肉親でも使う。 俺はそうして生き抜いてきた。 それが傭兵ってもんだ。 それに……」
「それに……?」
「これは俺の生き方だ。 俺の生き方は誰にも文句はつけさせん」
シンの非難など聞く耳持たないと鼻で笑い飛ばすと目を細め、シンを睨み付けた。
「別にカナードの生き方を否定する気で言った訳じゃ無いけどさ……」
「フン、他人の生き方を否定しないのは貴様の利点の一つだ。 その点に関しては褒めてやるぞ」
シンの反応に今度は少しだけ機嫌良さそうに鼻を鳴らす。
シンは殆どの場合、他人を否定する事はない。
助けられ、認めてくれたミナの思想の影響が強いのだろうが、
かつて個の否定とも受け取れるデスティニープランを支持していた4年前からは今のシンの考え方は想像さえ難しい。
流石にラウ・ル・クルーゼのような考えの持ち主なら別だが。
否定され続けたが為、他人を否定しないその考え方はシンと同じく
……いや、存在すら否定されたカナードにとってはとても好ましく思えるものだった。
「カナードさんの言ってる事は、正論なんでしょうけど納得はできません」
シンの変わり様に若干の戸惑いを感じながらルナマリアは少しだけ不満げに口を尖らす。
「世の中納得出来る事ばかりじゃないって事さ」
冗談めかし、大袈裟に肩を竦めエドは笑う。
「さて……と、私たちは補充人員の迎えやら機体の受領やらががあるからもう行くわ」
話が一段落したのを確認したジェーンはエドの背中を小突き、移動を促す。
「あ、二人ともレナ・イメリアに話を付けるの忘れないで下さいよ!」
「「……努力はしておくよ」」
格納庫を去ろうとする二人に忘れず文句を投げかけるシンにエドは苦い顔を、ジェーンは苦笑しながら一度だけ振り向き、立ち去るのだった。
「……という訳でキラさんは体には傷一つ無く、元気そうでしたよ。 まぁ、精神的には結構きてるみたいでしたけど」
総司令部ではなく軍病院へと向かう車の助手席、イザークの運転する横で座席のヘッドレスに肘を置き、
後ろを向きながら後部座席のカナードとルナマリアにキラの状況を話し終える。
「成る程な。 凡その状況は把握した」
シンの話に頷いたカナードは考え込むように黙り込む。
「キラさんが生きてるとは聞いてたけど元気とはねぇ、できれば前線に出てもらえると助かるんだけどな」
カナードは対照的に首を振ったルナマリアは珍しく疲れ気味の溜め息をつくとシートに体重を預けた。
「んー、どうだろうな? 精神的ダメージのほうがデカイみたいだったけどな。 やっぱり手が足りないか?」
「地球連合艦隊やミハシラの人達や傭兵の人たちのお陰で全体的には大分マシだけど。
ザフトの前線指揮官の数が足りないのよね。 後、上としてはもう一枚切り札が欲しいみたい」
愚痴を連ねながらチラチラとシンを見るルナマリア。
「それは俺たちに言われても、どうにもならないなー」
ルナマリアの視線から目を逸らしシンは棒読みで呟く。
「即席の小隊長なら兎も角、中隊以上ではそれなり以上の技量と経験で無いと使い物にならないからな」
「確かにな」 「そうですね」
シンの様子を鼻で笑いながらカナードが口を挟み、シンとルナマリアは同意するように頷く。
「……ところでさっきから口を一言も利かないイザークさん。 運転変わりましょうか?」
「大丈夫だ」
横目で運転するイザークを見ながらシンは声を掛けるもにべも無く断られる。
「はぁ……じゃあ、涙止めて下さいよ」
溜め息をつきイザークの方へと振向くと未だに涙で目の前が見え辛いのか、ハンドル捌きが怪しい。
「これは涙じゃない! 心の汗だ!」
「だったらちゃんと運転しろ! さっきからフラフラしてて安心出来ないんだよ!」
余りにも苦しい子供以下の言い訳をするイザークにシンが声を上げる。
「……あいつらは前からああなのか?」
シンとイザークのやり取りを呆れたような目で見ながらカナードはルナマリアに問い掛けた。
「まあ、大体あんな感じですねー」
子供じみた二人のやり取りに苦笑しながら曖昧な返事を返すルナマリア。
「騒がしい奴らだ……ルナマリアと言ったな、一つ忠告して置く。 なるべくで良い、シンの動向に気を向けてやってくれ」
「それはどう言う意味……」
小声で囁いた意味深な言葉に思わず声を上げたルナマリアはカナードの表情に続く言葉を思わず飲み込んだ。
「傭兵の命など安い物だ。 だが、奴は同じ傭兵から見ても、自分の命を軽く見過ぎている。
……奴にとって自分の命など消耗品と同じだ。 このままだと間違いなく命を落とす」
「留意して置きます」
深刻なカナードの顔と声にルナマリアは静かに深く頷く。
「すまない、頼んだ」
ルナマリアが頷くのを確かめたカナードは頭を下げた。
「でも、何故シンの事を?」
「あんな奴でも俺の数少ない友人なんでな……友人を失うのは辛いんだよ」
疑問を抱いたルナマリアの問いにカナードは自嘲めいた笑みを浮かべ答える。
「やっぱりキラさんに似てますね……あの人も時々そんな顔します」
「そうか」
ルナマリアの言葉に嬉しそうな、悲しそうな複雑な表情をみせた。
「カナード、着いたぜ」
シンの言葉にカナードが前を向く。 何時の間にか目的地に着いていたようだ。
「受付で俺の名前を出せ。 話は通してある」
「ああ、手間をかけたな」
傲慢不遜なカナードにしては珍しく友愛の情を込め、右手を差し出した。
「気にするな」
手を握り返すイザーク
「カナード。 あのさ、キラさんの事……」
振り向こうとしたカナードはかけられたシンの声に足を止める。
「フン、言うなシン。 俺なりのケジメをつけ、“出来の良過ぎる”弟に気合を入れ直して来るだけだ」
「その言葉、信じてるよ」
自信に満ち溢れた彼らしい笑みを浮かべ、カナードは言い、シンもそれに言い返す。
「はっ、貴様も上手くやれよ」
「そう簡単には死なないさ」
「さて……奴に会うのも6年ぶりか」
シンたちが去った後、軍病院を見上げ感慨深そうにカナードは呟いた。
────キラの病室。
シンやコートニーが帰った後、キラはダコスタのドワッジ、クリティカルフリーダム、メビススジャスティスのコックピットに残されたデータからバルドフェルドのオウガ、ロミナのアルザード……コードネーム、イセエビの解析を進めていた。
折り畳み式の机に山の様な大量の資料とノートパソコンを置き、無心でデータを比較処理する。
「ロミナさんの機体……(コードネーム、イセエビで通っちゃったけど……まぁ良いか) イセエビは外見特徴から連合系MAにプラントの技術を加え、発展させたものだ。
それは分かる……けど。 バルドフェルドさんのオウガ……何処かで見覚えがある。
デザインは少し前のザフトの物だけど、四肢と本体のバランスが異様だ。まるで違う機体同士を繋ぎ合せたような……それにこの ウィングスラスターの噴射光は、まさか!」
纏まり掛けていたキラの思考は扉を叩くノックの音に断ち切られた。
「はい、あ! ちょっと待ってください……どうぞ」
そういえば午前中、昼前にイザークが見舞いに来ると連絡があったかと思い出し、慌てて資料とノートパソコンをベッドの下へと押し込む。
ドクターコーストやイザークに見つかったら何を言われるか分かったものではない。
だが、扉が開いたその先にいたのはミハイルでもイザークでもなかった。
「久しぶり……いや、直接会うのは初めてだなキラ、キラ・ヤマト」
その男、カナードを見た瞬間、キラは一瞬鏡を見ているのかと錯覚した。
目の前にいたのは肩までかかる黒い髪と自身とは対照的に吊りあがった黒い瞳、口元に不敵な笑みを浮かべた男。
「君は、一体?」
男の態度と言葉、自身に良く似た声にキラは動揺を隠せない。
「俺の名前はカナード、カナード・パルス。 スーパーコーディネイターになりそこねた男。 お前の……兄弟だよ」
────同時刻、アプリリウス1、プラント最高評議会議長室。
目の前に扉が見える。
遺伝子工学の応用で作られた20m近い樫の木から彫り出された一枚ものの、縦幅2m以上横幅1mの大きな扉だ。
左右には多数の本棚、背後にはチタン製の枠に防弾ガラスの窓。
オマケに周囲には周到に隠された隠しカメラが行動の一つ一つを監視している。
しかも、扉の向こうにはパワードスーツを装備した完全武装した兵士が二人。
木製ながら中に金属板が仕込まれ、いざと言うときには弾除けとなる事も想定された頑丈な机と椅子に腰掛ける女性が一人。
その椅子に座るのは現プラント議長、ラクス・クライン。
「この乱雑な扱いはいつまで続くのでしょうね」
誰に言うでもなく言った呟きに反応したかのように数時間ぶり扉が開く。
「もう数日の辛抱ですよ。 ……もっとも、貴女がプラント全域の環境管理システムのパスワードさえ教えてくれれば、こんな真似をせずに済んだのですが」
パワードスーツ装備の兵士に両脇を固められ部屋に入ってきたのは、アンドリュー・バルトフェルド。
その服装はオーブの軍服でもなければ、エターナル艦長主任後──つまりはクライン派の一員となった後の物──の青いコートでも無い。
かつて北アフリカで辣腕を振るっていた頃の、彼の最も愛した人が生きていた頃の物。
カーキ色の野戦服に、ダークグリーンのジャケットを羽織った野戦指揮官、砂漠の虎の姿。
「よく顔が出せたものですね。……何度来られようともどなたであろうともパスコードを言うつもりは有りませんが」
感情を内に閉じ込める事の得意なラクスにしては珍しく嫌悪の感情を露わに吐き捨てる。
「ま、仕方ありませんな。 それと、キラ・ヤマトになら兎も角、貴女自身に恨みは無い物ですから。 喉が渇いているならコーヒーでも出しますが?」
大袈裟に肩を竦め、バルドフェルドが微笑む。
「あの方を殺し、貴方を生かした世界そのものを憎んでいる方がよく言いますわ……何の用です? 今更説得と言う訳でもないでしょう」
「……やれやれ、厄介な人だ。 手始めにここを押さえたのは間違いではなかった様だ」
射抜くような視線でバルトフェルドを見るラクスに、一瞬、バルドフェルドの目が細められ、表情が一変する。
虎の二つ名に相応しい、口元が引き攣る、獣の様な獰猛な笑み。
「質問の答えにはなっていないようですが?」
「黙れ、自分の立場が分かっていないのか、小娘?」
奈落の底から響くような冷たい声。 口元に冷笑さえ浮かべた冷徹な表情にラクスは久方ぶりに恐怖と言う感情を思い出し、思わず座っていた椅子から飛び退いた。
「……と、僕以外が相手なら首を締め上げられているところだ。 口の利き方には気を付けた方が良い」
ラクスの青ざめた顔を見て溜飲が下がったのか、温和な表情を戻すが、その目は笑っていなかった。
無言で頷くしかないラクスは自身の体を抱きしめ、その場に立ち尽くす。
環境システムの管理コードと、彼らが切り札としているであろう物のロック解除権という生かす価値が無ければ今直ぐ殺されてもおかしくは無い。
「ああ、話が逸れたね。 本題なんだが、君にどうしても会いたいと言う人がいてね」
その気になればいつでも黙らせる事ができると言う事なのか、余裕すら感じさせる笑みを浮かべたままラクスへと近づいてくる。
「ひっ……!」
年頃の女性らしい悲鳴にも似た声を上げたラクスは一歩後ろへと下がる。
彼女でなければ腰を抜かし、その場に座り込み失禁していたかもしれない。
死を間近にした恐怖に辛うじてラクスが耐え切る事ができたのは、プラント評議会議長であると言う事、占領下のプラントで市民を守れる最後の抵抗者であると言う、か細い意思のお陰か。
「失礼……これで良い」
そんなラクスの内心の葛藤を知ってか、知らずか、バルトフェルドは机の上にある、回線の切断されたパソコンを起動し、カメラやマイクのような機器を繋ぐといくつかの操作を行う。
「これで繋がったはずだ。 話してみたまえ」
ラクスは促されるままモニターを覗き込む。
それがヒビの入った鉄を、ラクスの意思を砕く為の槌である事も知らずに。
『やあ、ラクス、久しぶりだね』
ノイズの走るモニターに映ったシルエットには見覚えがあった。
その声は懐かしさすら覚えるほどに聞き覚えがあった。
「お父……さま?……嘘。 お父様はあの時……」
呆然としながら、ラクスは首を振り、椅子へと座り込む。
『ラクス、環境管理システムのパスワードと“コネクター”のロック解除コードを私に教えてくれないか?』
「お父様、何故生きて……」
『クライン派の協力者に助けられたのだ。 もっともお前に会える体ではなくなってしまったが』
二人のやり取りを冷笑を浮かべ、バルトフェルドは見続ける。
(……クライン派の盟主、女帝とさえ言われた彼女も一皮向けば、そこらの娘と変わらんか。 溺れる者は藁をも掴むとはよく言った物だ。
逃げ道を塞がれ、鉄の意思を砕かれかけた身では、抗うすべも無いか。 目の前にぶら下げられた希望にただ縋りつく以外出来ないとは……)
バルトフェルドは心の何処かで感じる落胆に不思議な感覚を覚え、そう感じる自身を首を振る事で否定する。
(目的の為ならば手段は選ばない。 それを選んだのは僕自身だ。 今更感傷などあるはずも無い……趣味が悪い事は認めるがね)
もし、この場にあの男、ファントムが居たならば嫌悪感を露わにしただろう。
趣味が悪い。 とるべき手ならば幾らでもあると。
『彼らとは私が交渉しよう。 お前はもう一人で苦しまなくても良い。 私とお前の力でコーディネイターが真に独立した世界を……』
「……! お父様、今何と!?」
心が揺らぎかけていたラクスは会話の最中、父の発した言葉に疑問の声を上げた。
『ああ、こう言えば良かったかな? 共にコーディネイターのための世界を作り上げようと』
「違います! 貴方はお父様ではありません!」
ラクスの中に芽生えた反骨心が、揺るぎかけた、砕け掛けた意思に仮初めの再生を促す。
(ほう、気付いたか……? ああ、いかんね、嬉しそうにしては)
ラクスの反応にバルトフェルドの眉がピクリ動き、意思に反して口元が緩む。
『何を言うんだ、ラクス。 訂正しなさい!』
シーゲルの声でシーゲルではない何者かは怒鳴りつける。
「黙りなさい、EDEN! 父の名を語る紛い物!」
人前では初めて見せるであろう憤怒の表情でラクスは机に拳を叩きつける。
『おお、なんてことだ! バルトフェルド、シーゲルの中期までのデータしかない私ではここまでのようだ』
ラクスの怒りにわざとらしい落胆の声をあげ、至極残念そうにバルトフェルドへと話しかける。
「いえ、いえ。 大変助かりましたよEDEN。 お手間を掛けさせてすみません。 パスワードの解析に戻ってください」
『大した手間ではない、気にしないでくれたまえ。 私もオリジナルの娘に興味はあった。 また何かあったら声を掛けてくれたまえ。
私はターミナルの声であり、心であり、魂。 “ターミナルそのもの”だからな。 ではバルトフェルドまた会おう。 ラクス、さようなら』
バルトフェルドの礼に、演説じみた口調のEDENは別れの言葉と共に通信を切り、モニターにはノイズが走り始めた。
「バルトフェルドさん、何故……こんな真似を?」
椅子に座り込んだまま俯いたラクスは今にも途切れそうな弱弱しい声で問い掛ける。
「ターミナルは君達の敵だと改めて君にも教えておこうかと思ってね。
それとEDENが動いている以上環境管理システムのパスワード“コネクター”のロック解除コードの解析も時間の問題だ」
勝者の愉悦か、別に意図があるのか。 本人にしか──或いは本人すら理解できない──軽薄にも見える笑みのままラクスへと告げる。
「それでも私は答えるわけには参りません。 プラントの為にも、私達が……未来を奪ってしまった方達の為にも」
最後通告とも受け取れるバルトフェルドの言葉を聞いて尚、ラクスは抗う。
長い軟禁状態に肉体は疲れ果て、精神は磨耗し、誇りは地に落ち、最後に残った意志さえ砕かれ掛けていると言うのに。
「ならば、少年にも聞いた事だが、君にも聞こう。
君達は吹き飛ばされた花を何度でも植え替える。
だが、花を吹き飛ばされ、過去に捕らわれた人間はどうすればいい?」
バルトフェルドは未だに折れないラクスの意志に、心の片隅で感嘆すら覚えていた。
(その意志が、この先も折れぬのであれば、あるいは……)
ふと、頭に浮かんだ感傷にも似た何かを否定する。
彼女が、ラクスが自分の意思で今の道を選んだように、自分も己の道を選んだ。 分たれた道はもう引き返す事は出来ない。
それゆえに、バルドフェルドのやるべき事は変わらない。
「…………私は!」
見ない様にしていた、振り向く事はしなかった、耳を塞ぎ続けて来た。
進む為に切り捨てた物を、自分達の通り過ぎた道に連なる血河屍山を、残された者達の怨嗟の声を。
罵倒される覚悟は出来ている筈だった。 それを選び、先導してきたのは私だ。
責は全て自分にある。 ……なのに、言葉が、続かない
「今直ぐに答えは出せないか? 次に会う時までに答えを考えておいてくれたまえ」
ラクスが最後に声を発してから、どれ程の時間が過ぎたのだろうか。
バルトフェルドは哀れみと期待の入り混じった言葉を口にすると、もうこの場に用は無いとばかりに足早に立ち去って行った。
両脇を固めていたパワードスーツも後に続き、木製の大扉が再び閉じられる。
「私が、私が選んだ道が、やった事が間違いなら、
私はどうすれば良かったのですか……? 誰か、私に答えを……」
ラクスは答えの返って来る事の無い問い掛けを虚空へと投げかける。
気付かぬ内に流れ落ちた一筋の涙がラクスの頬を濡らしていた。
今回は以上です。
>>101 大変長らくお待たせしました。
これからは定期的に投下できると良いんですが……兎に角頑張ります。
2ヶ月ぶりで何処かおかしい所があるかもしれません。 見つけたら罵倒してやってください。
しかし、おかしい……プロットではシンがミッションブリーフィング受けるまで書こうとしたのに、何故後半が虎とラクスが主役みたいになっている!
ご意見、ご感想、ご批判等何かありましたらお待ちしています。
112 :
101:2010/04/06(火) 22:27:55 ID:???
MoRさん本当にお久し振りです。定期的投下……どうかがんばってください。
>その協力者
「『今までのコズミックイラの全てがアンタの掌の上……!?
何だよそれ……どういうことだよ……どういうコトだって訊いてんだよ!!』
『そう声を荒げるな、シン・アスカ。そんなに驚くことはないだろう?
私とターミナルは単に、人間の心こそが世界に於ける最高の活力になる――
そう確信して世界を手助けしてきた、そう言っているだけだ。
おかしいと思わなかったのか?
それまでの宇宙研究で異星の生命体を確認した事さえなかったのに、
木星に都合よく生物の化石が見つかった事を。
ジョージ・グレンが自分の素姓をわざわざ世界中に明らかにした事を。
オーブという明らかに時代錯誤な国家が許容されている事。
モビルスーツという、あらゆる観点から見てもありえな代物が当たり前のように
今迄活躍してきた事を……一度もおかしいとは思わなかったのか?
出会いは運命だとでも思っていたのか? 襲撃は偶然だとでも思っていたのか?
戦いの勝利は自分の努力の成果だとでも思っていたのか?」
だいいち君は事実の全てを知っているのか?
ジョージ・グレンの出生の秘密を話させたのは誰か。
生体CPUやエクステンデッドやソキウスのアイディアを許可したのは誰か。
プラントへの核攻撃を提案したのは誰か。
もし他の天体に本当に知的生命体が存在するのなら、何故今迄その在り処を突き止められなかったのか……』」
こうですかわかりませんっ……!!
960氏の代理で次レスから投下します。
どうも、960です。投下します
「アスカ隊長、よろしいですか」
ノックと共に、ホーク隊の副隊長がシンの私室に入る。ぴっちりと七・三に分けられた髪の毛を見て、シンは彼が自らの副官であることを認識した。
「隊長が命じた、ホーク隊のMSパイロットの個人情報のリストです」
メモリースティックを手渡し、退出すべくきびすを返した彼の背中にシンの声が飛ぶ。
「ありがとな、ゴードン」
「……隊長」
心なしか床を踏みしめる足に力を込めて、副官の少年が振り返る。その顔は怒りと呆れで引きつっていた。
「僕はエドワードです。ゴードンは背が高くてガッチリした体格の彼です」
「え……あ、悪い悪い」
「他の隊員の名前は覚えていらっしゃいますか」
「え、えっと……」
矢継ぎ早の追求に慌てるシンを見た副官の少年――エドワードは、今しがた手渡したメモリースティックをやんわりともぎ取り、起動済みのパソコンに挿入した。マウスを繰って幾度かクリックすると、ホーク隊の隊員たちの情報が顔写真付きで表示される。
「いいですか、背が高くて顔がいかついのがゴードン、整った顔立ちをしているのがジェームズ、背が低くてやや肥満気味なのがパーシー、唯一の女性パイロットがジュディです」
「えっと、……いかついのがゴードン、イケメンがジェームズ、ぽっちゃりがパーシー、女の子がジュディ?」
「よくできました。……隊員の名前くらい早く覚えていただけますか?ついでに、僕はエドワードです。余裕がありましたら頭の片隅にでも留めておいてください」
刺々しくシンに釘を差し、では、と一言言うとエドワードは今度こそ退出した。その後ろ姿を苦々しく見送ったシンは、時計に目をやった。もうすぐ訓練の時間だ。意趣返しというわけではないが、今日は念入りに鍛えてやろう。そう心に決めたシンだった。
Turn Against Destiny
第5話「ホーク隊出撃」
「遅い!お前ら本当に目ェ開いてんのか!」
「くっ、速い……!エドワード、狙えるか!」
「無理だ!ゴードン、行ったぞ!」
「パーシー、ゴードンを援護しろ!」
「ジェームズ、どこ狙ってんだ!」
「ジュディ、ボサッとするな!」
シンが復隊して一週間。誰が何を言ってるんだかわからないほどに混雑した言葉の群れはまとまってスピーカーから流れ、少年少女の混乱は加速する。
わかるのは、シンが彼ら五人を相手取ってしごき倒してるということくらいだ。しかし、そのシンも、彼らの訓練後にはイザークにしごき倒されている。
『いいかシン、隊長という役職は戦闘指揮を取ればそれでいいといいものではない!事務仕事、隊員のメンタルケア、余所の隊との折衝、隊内外の
人心掌握、物資の管理と、今適当に数えただけでとんでもない数の仕事がある!隊長職がどれだけの激務かわかったか!わかったら返事をせんか
この腰抜けェ!!』
シンの脳内でイザークの台詞が木霊する。脳髄を揺らすような大音声は、思い出すだけでもめまいがした。
「……頭痛い……じゃあアスランもそれだけの仕事やってたのか……?」
アスランの場合はタリアという上官がおり、アスランは戦闘指揮をやっていればそれで良かった。しかし、シンは名実ともに(代理とは言え)ホーク隊の隊長である。戦闘指揮を執って、報告書を書けばそれで終わり、とはいかない。
「おまけに明日は非番だってのに、俺の歓迎会やってくれるらしいし。頼むから休ませてくんないかな……」
赤服を着てザフトに戻ったシンだが、ホーク隊の母艦はミネルバ級二番艦マルス。そしてその乗員は、ミネルバ級一番艦、デュランダル政権時代のフラッグシップ
の乗員の生き残りそのままだった。つまり、勝手知ったる我らがミネルバクルーに無理矢理飲み会に誘われたというわけだ。
「しかし、知らない奴増えてたな……当たり前っちゃ当たり前か。ていうかアビーが副長ってのは意外だな……」
隊舎の自室に戻り、ベッドに倒れ込む。少ない荷物は荷解きされないまま、部屋の隅でふて寝していた。
「……艦長、大丈夫なのかな……アビー、艦長イジメてないだろうな……ヴィーノ、気に入らない奴のMSのコード引っこ抜いてないだろうな……エドワード、もう
ちょっと柔らかくなってくれないかな……ジュディ、もうちょっと怯えないで接してくれないかな……」
『お帰り、シン』
艦長となったアーサーが締まりのない顔で笑う。
『お帰りなさい、シン』
クールな表情に僅かな微笑みを載せて、アビーが言う。
『よう、シン。お帰り』
赤いメッシュの下で、ニヤリとヴィーノが笑う。
『こ、こんにちは。……あの、お帰りなさ、い?』
知らない顔のオペレーターが、アーサーやアビーに調子を合わせてくれた。
「マリク、チェン、バート、みんな、変わってなかったな……」
そこまで言って、シンは眠りに落ちた。その顔は、どこか間抜けなほどに安らいでいた。
次の日、シンの歓迎会は行われなかった。
「二人の安否の確認はどうなっている?!」
オーブ軍一佐にしてザフトFAITH、C.Eの正義の騎士、アスラン・ザラが叫んだ。
オーブ宇宙軍旗艦改クサナギ級クサナギ。そのブリッジで、アスラン・ザラがパイロットスーツを着込んだ状態で艦長席の隣に立っていた。
「未だに確認はできていません。しかし落ち着いて下さい一佐、兵が動揺します」
「しかし!……いや、済まない。失態だった」
「お気持ちはお察しします。アプリリウス市でテロとあっては、一佐もご心配でしょう」
シンがザフトに復隊してから八日目、アプリリウス市、最高評議会議長の公邸を狙ったテロが発生した。
その方法は単純そのもので、コロニー外壁のメンテナンス業者を装った彼らテロリストはザフトパトロールの隙を突いてコロニー内に侵入、公邸のちょうど真上から、爆発物を投下したのだ。
しかし、彼らには誤算があった。一つは、最大の標的であるラクスは偶然にもキラを伴って外出していたということ。もう一つは、彼らの逃げる算段について。彼らは作業用MSに追加ブースターを施し、それで脱出するはずだった。
「脱出」。どこへ?当然それは母艦か拠点の類になる。しかし、MSで行けるほど近くにある拠点に逃げ込むというのも妙な話で、彼らはやはり母艦へと逃げ込んだ。しかし、追加ブースターなどという派手で目立つ移動方法は瞬く間にザフトに捕捉されていた。
そこで彼らを追跡したのが、エターナル級と肩を並べる快足艦、ミネルバ級である。公邸襲撃の報を受けて緊急召集されたマルスのクルーは、即座にテロリスト殲滅、もしくは捕縛の任に就いた。
「……なんで?」
「ん?どうしたんだいシン?」
既にパイロットスーツを着て準備万端なシンは、ブリッジでしかめっ面をしていた。艦長席に座るアーサーが、シンの言葉に振り向く。
「なんで俺達なんですか?新兵ばかりのホーク隊にこんな任務任せるなんて、おかしいでしょ」
「確かにそうですね。艦長、どう思いますか?」
シンとアビーの疑問に、アーサーは顎に手を当てた。
「あ」
「?」
「どうしました?」
怪訝そうな二人に、
「今日ひげ剃ってなかった」
と言うと、あからさまに脱力した顔になる。アーサーは慌てて真面目な顔を取り繕ったが、ミネルバの副長時代の彼を知る者にとって、アーサー・トライン艦長の威厳なんて、あってないようなものだ。
「別に今更じゃないかな?メサイア戦役の時だって、ザフトのフラッグシップたるミネルバには君達ルーキーばかりだったし、むしろあの時よりは恵まれてるよ。隊長にはベテランのシンがいるし、ルーキーの彼らだってそう酷い腕でもない。何より、数がいるしね」
「そうか……そう考えるとそうかもしれないですね。艦のクルーだってベテラン揃いだし」
シンが視線をアビーに向けると、アビーは涼しげな目線と共に首肯する。クールなのは昔からだ。
「ということは、おかしいのは昔からってことか」
「おいおい……」
得心顔のシンにアーサーが苦笑いしたその時、それまで会話に入り込めなかった新人オペレーターが、少女特有のかん高い声を上げた。
「高熱源体捕捉、戦艦クラスと断定。距離5000!」
「――来たな」
「来たねえ」
ニヤリと笑うホーク隊のトップ2。シンはすぐにブリッジを出て、ブリーフィングルームに向かう。
「熱紋照合完了。地球連合製、ドレイク級と確認。……ですが、通常のドレイク級よりも速い速度で航行しているので、何らかの改造が施されている可能性があります」
銀髪に浅黒い肌の少女の不安そうな声に、アーサーはまたもだらしなく笑う。この男の特技にして生来の癖なのだが、締まりがないことこの上ない。
「ああ、海賊だとか傭兵だとか、テロリストみたいな連中は『俺カスタム』が大好きだからねえ。
しかも大概が極端な仕様で、『反応は飛躍的に良くなるけど異常にピーキーで扱い辛い』とか『極限まで装甲を削って機動性を高めてある』みたいなのばっかり。大切なのはパイロット本人の腕とバランスだっていうのに――」
「艦長、それはMSの話では?」
ああそうだった、とアビーの指摘に驚いたような顔をするアーサー。そしてそれに呆れたような声が、ブリッジの各所から飛ぶ。
「大丈夫っすか艦長?」
「何なら役職代わりましょうか?操舵って結構疲れるんですよね」
「医者紹介しましょうか?俺の幼なじみに医学生の奴がいますから、そいつを通して――」
「はいはい、お喋りはそこまでだよ」
苦笑しつつもクルーを諫め、徐々に接近しつつあるドレイク級との戦闘態勢に入る。帽子の下の目は、もう笑ってはいなかった。
「ローラ、ブリッジ遮蔽。コンディションイエローからレッドに移行」
「了解。ブリッジ遮蔽。コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機で待機して下さい」
ローラと呼ばれた緑服の新人オペレーターがややたどたどしく読み上げる規定の文句に従って、展望ブリッジからCICブリッジに移行する。アーサーは満足げに頷き、更に要求する。
「ローラ、全方位通信開いて。一応逮捕できるものなら逮捕したいし」
「了解です。国際救難チャンネル開きます…………どうぞ!」
「ありがとう」
一つ咳払いをして、アーサーが滑らかに語りだす。彼は仕事用の舌とプライベート用の舌を付け替えているのでは、と、以前アビーは当てずっぽうに言った。
「あー、こちらはザフト艦、プラント本国防衛艦隊所属のホーク隊。私は当艦の艦長、アーサー・トラインです。ドレイク級、応答願います」
「…………」
反応なし。しかし、アーサーは一方的に続ける。
「返事をしたくないなら黙って聞いて下されば結構です。貴艦には殺人未遂、器物損壊、傷害、及び国家反逆罪の嫌疑がかけられています。よって当艦は貴艦及び貴艦に搭乗する全ての乗員の引き渡しを要求いたします。お分かりいただけましたか?」
「…………」
アーサーが真顔になった。
「アビー君、トリスタン一番から四番照準」
「了解、トリスタン一番から四番、照準合わせ。目標、前方ドレイク級」
「えっ、ちょっと、いいんすか?!」
アビーに代わって慌てたのは、実際に火器管制を行うチェンだ。その逡巡通り、ミネルバ級の主砲であるトリスタンはまだ照準を定めていない。
「いいんだよ。降伏する機会は与えた。それに無反応ってことは、死にたがってるってことだ」
アーサーの冷徹な声が響く。ブリッジクルーが驚いて息を飲む中、ローラ一人が妙に困った顔をしていた。
「艦長、いいんですね?」
「ああ、彼らは重罪を犯した。報いを受けなきゃならない」
「……了解」
シリアスそのもののブリッジのオペレーター席からそろそろと手が挙がる。ローラだ。困ったような焦っているような、そんな顔だ。
「何かな?」
「す、すいません。あの………………チャンネルが、その……開きっぱなしなんですけど……」
一瞬、言葉の意味を理解しかねたアーサーの目が点になった。しかし、アームレストの上で浮いているマイクを見た瞬間、疑問は氷解した。アーサーは恐る恐る両の掌を合わせ、ブリッジクルーたちに告げた。
「……ごめん、受話器がちゃんとはまってなかった」
「…………つまり、今の会話は向こうに垂れ流しだったと?」
ブリッジクルーたちの中で真っ先に体勢を立て直したアビーが尋ねる。ローラがこくりと頷いたその瞬間、モニターに映るドレイク級から多数のミサイルとMSが躍り出た。
「やばい!」
「艦長!」
「た、対空砲火!CIWSで迎撃して!シン、モ、MS隊発進だ!」
ブリッジクルーが慌てている最中、シンは自身にあてがわれたMSを入念にあらためていた。それはセカンドインパルス。ルナマリアの機体を、シンの機体として調整し直したものだ。
「シン、モ、MS隊発進だ!」
「了解。出撃準備、完了してます」
「よし、MSを出すぞ!」
「了解。発進シークエンスを開始します」
突然の事態に青ざめたローラが、シン達ホーク隊の管制官となる。まずはシンのセカンドインパルスとエドワードのザクVが、それぞれ両舷のカタパルトに収まった。
「カタパルト接続完了。システムオールグリーン!」
既に戦闘は始まっている。断続的に艦を揺らす振動に沈黙を守りきれず、シンはブリッジを呼び出した。モニターに現れたのは銀髪に浅黒い肌、中性的な顔立ちをした緑服の少女。
「ブリッジ、状況は?」
「だ、第一波のミサイル攻撃は迎撃に成功しました。MS隊は接近中のMSの迎撃をお願いします」
「了解。……あ、そういや君、名前は?」
「え?」
本来であれば今日の歓迎会で行われるはずだったやり取りだ。マールスに馴染みの薄いシンは、まだクルーの顔と名前が一致しない。
「あ、えっと、ローラ・フリエルです。よろしくお願いします」
オペレーター席に座ったまま律儀に頭を下げる彼女に、シンは苦笑した。若いなあ、と呟いて、まだ自分も二十代前半であることを思い出す。
「オーケー。ローラ、よろしく」
「はい!それでは、カタパルト開放します!」
ミネルバの両舷のカタパルトが開く。シンと反対側のカタパルトでは、エドワードが出撃の時を待ちわびているはずだ。
「進路クリア!発進どうぞ!」
「シン・アスカ、セカンドインパルス、行きます!」
205 名前:960 ◆xJIyidv4m6[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 23:20:30 ID:DvTroefsO
今回は以上です。どなたか本スレへの転載をお願いします
以下オリキャラまとめ
・ホーク隊MSパイロット
ゴードン・オルグレン
ジェームズ・バッカス
パーシー・クレネル
ジュディ・デイヴィ
エドワード・アール
・マルスブリッジクルー
ローラ・フリエル
以上、960氏の代理で投下した者でした。
携帯規制解除ktkr
テスト
浅黒い肌で銀髪の中性的なローラと聞いて太西洋越えてやってきますた
落ちぶれ御曹司自重
あの人が最後まで生き残るとは思わんかったなw
今週は一体なんなんだ?
日曜の逆襲日記の人から始まって、月曜中身氏、火曜MOR氏、水曜960氏の4連ジェットストリームアタック。
しかも携帯規制解除、ACE復活で種死参戦(タイトルはデスティニーだよ!)とまるでお祭りだ!
しかも先週には傭兵氏の投下もあったしな。職人諸氏の投下ラッシュなど、この過疎のご時世に贅沢なことだ
ホーク隊の新人、そのうち追加でトーマスが来るのかw
どっかで見たような名前の組み合わせと思ったら機関車かいww
ピクペディアのシン・アスカの項目を見て吹いた
誰だあれを書いたのは
>>132 なげぇ以前にこのスレの事堂々と書かれてやがることに吹いたよ俺は
と、いうかあれ、大丈夫なのか?いろいろと
>>133 俺の主観じゃアウトだな、ここまで書くのはやり過ぎだ
一個人の紹介以上の項目もあるし単純に長すぎる
>>134 やっぱ消したほうがいいよな……ほかは自分個人じゃどうにも判断つかんが
せめてこのスレは消しとこうかな……
>>135 編集はよく分からんのですまないがよろしく頼む
念のためこのスレの事に関しては消してきた
一応、元に戻すための記事のコピーもしてきた
まぁ、元に戻せとかいうやつがいないと思うけどさ
どんなのが書いてあったの?
GSCI氏、CSA氏の両氏の作品によってスレは隆盛、職人は増加
スレは30を超えた。シンアスカの感情移入のしやすさとみんなの愛着度がよくわかる
ま、アフロは変態だが
って感じでかかれてたよ。書いた人の意図は知らん
>>139 サンクス
あー、そりゃちょいとマズイね。
スレのネタを外部に持ち出しちゃ駄目ってのが分からんかな?
もしかしたら、過疎気味だから外部の人に興味持ってもらおうと思ったのかも知れんけど
まあスレの話題はそのスレの中だけにすべきだな
ところで……お前ら職人方への乙・GJ薄いぞ、何やってんの!
終戦後、アーモリー1の倉庫で埃を被る大量のディスティニー
件のページさすがにちょっと引いた。
こういう行き過ぎた愛?が儲アンチを産むんだよな……
書いたのただのガキだろ。気にするな。
第06話 ―変わらない人、変わってしまった人―
シンは大型戦闘艦アマデウスからエクザディア内にある病院へ移送された。
今は記憶回帰と洗脳解除のため、改良されたゆりかごの中で眠っている。
「データを見る限り、何度も洗脳と記憶操作をされてるね」
「治りますか?」
「洗脳のほうはね。記憶のほうは修正するのに時間がかかる」
ゆりかごのすぐ隣で喋っているのは、リベラ・メ所属のレイ・ザ・バレル少佐と白衣を着た中年の男―――こちらもリベラ・メ所属のクロード・アシル博士だ。
クロードは元々コロニー・メンデルで働いていた遺伝子科学者だ。
かのギルバート・デュランダルとは面識があったが、メンデルが封鎖されるとそれ以後連絡を取ることはなかった。
その後各地を転々とした彼は、その腕をヨハン・バッハウェルに買われ、リベラ・メの軍医として活動することになった。
ここに流れ着いたレイを見たのもクロードだ。
手元の書類を見ながら、クロードは渋い顔をする。
「けど、この状態じゃ精神崩壊を起こすのも時間の問題だった。不幸中の幸いと言うべきか……まあ、いずれにしてもこちらとしては全力を尽くすよ」
「よろしくお願いします」
「そんなに畏まらないでくれよ。医者が患者を助けるのは当たり前なんだから」
軽く頭を下げたレイに、クロードはハハハと苦笑いする。
その時、ピロリロリンと治療終了を告げる音がゆりかごから鳴った。
ベッドを覆っていたガラスケースがフシューっという空気音をたてて開く。
「目が覚めたようだね」
パチッとシンの赤い瞳が開いた。
「ここは……?」
「久しぶりだな、シン」
「ッ、レイ!?」
5年前、メサイアから出撃する直前に見た戦友の姿がそこにあった。
「そうですか。分かりました。引き続き、彼の治療をお願いします」
受話器を元の位置に戻したヨハン・バッハウェルはこれ以上ないくらい機嫌が良かった。
「顔がニヤけていますよ」
「ニヤけているとは失礼な」
そのヨハンの表情を冷静に突っ込んだのは、顔の左半分を仮面で隠している女性だった。
「貴女こそ、何度言えば分かるんですか?僕の前でその仮面は無意味だと言っているでしょう?」
「それこそ何度も言っているでしょう。こんな顔、たとえあなたでも見せたくありません」
「まーたそんなこと言って……ホント、素直じゃありませんねぇ」
「それはお互い様です」
仮面の女性はつーんとヨハンに言い返す。
「まあくだらない話はここまでとして。彼の処遇はどうしましょうか?」
「……私が言わなくとも、あなたなら分かっていると思いますが?」
「あ、分かりました?」
ニコニコと笑顔を女性に見せつけるヨハン。
だが、次の瞬間その表情は真剣なものとなる。
「彼には僕らの手伝いをしてもらいましょう。まぁ、彼が拒否したらそれまでですが」
「了解です。では、私はこれで」
「ああ、ちょっと待ってください」
「え?」と一瞬だけ油断した仮面の女性は、仮面を取られてしまった。
「やっぱり貴女は綺麗ですよ」
「っ!返してください!」
仮面を取った彼女の顔には悲惨な火傷の痕が残っていた。
一人の女として、この醜い顔は見られたくない。
それ故の仮面だった。
火傷だけではない。彼女の身体には数えきれないほどの銃痕がある。
だから彼女は彼を、ヨハンを拒む。
仮面を奪うようにしてヨハンの手から取り返した女性は逃げ出すように部屋を出て行った。
「本当に、綺麗なのに……」
ヨハンは拳を強く握りしめ、彼女を傷つけた自分の実兄を密かに恨んだ。
「リベラ・メ……聞いたことないな」
事の経緯―――プラント国防軍としてリベラ・メと戦闘、そして捕虜という形になったシンは、レイが現在所属している組織の名を口にした。
シンのベッドの脇にある椅子に座り、レイは以前と変わらず冷静に事を説明する。
「リベラ・メは人体実験や国際法で禁止されているクローンの製造を行っている組織への介入を目的として作られた組織だ」
「まだ、そんなことをしているやつらが……そうか。数年前からプラントのラボを襲撃してたのはそのリベラ・メってことか」
「ああ。たくさんの子どもたちが研究に使われていた。俺のように……いや、俺よりも酷いことをされていた」
「レイ……」
あのメサイア攻防戦前夜。
レイは自ら自分がクローンであることをシンに告白した。
あの時はただ突然の言葉に驚くだけだったが、今なら分かる。
きっとレイは辛い、口にも出来ない幼少期を過ごしてきたのだろうと。
「そういやお前、テロメアは平気なのか?」
「ああ、そのことだが……俺の発作はテロメアが原因ではなかったようだ」
「え!?」
「マルファン症候群―――これも遺伝子病のひとつらしい。手術したおかげで発作もなくなった」
「よかった。……それに比べて俺は……一体何をしてたんだろう。この5年間……」
レイの話を聞いて、今の自分がとてもみじめになった。
「なにが、ラクス様のためだ……!結局俺はまた……!!」
「お前への洗脳もラクス・クラインの仕業だろうな」
「ああ。俺、ザフトが国防軍になる時、退役届けを出したんだ。けどラクス・クラインやキラ・ヤマトに考え直せって言われて……でも俺の意思は変わらなかった。だから……」
「洗脳されたというのが妥当だろうな。ラクス・クラインでないにしろ、クライン派が命令した可能性もあるが」
「そう言えば、議長やグラディス艦長は……?」
シンの質問に、レイはただ黙って首を横に振った。
少しだけ期待していた。
レイが生きていればあの二人も、と。だがそれは甘い考えだと現実が一蹴した。
「だが、俺はここで家族と呼べる存在と再会した」
「え?」
「生きていたんだ。俺と対で造られたクローンが」
「なんだって!?」
思わず声を上げるシン。レイは続ける。
「俺と違って彼女は生まれてすぐ研究所を脱走したらしい。その後は何年も地球を旅していたが、クライン派に見つかり研究所に逆戻り。そこをリベラ・メに保護された」
「そうだったのか……って、彼女?」
「…………ああ。俺のオリジナル、ラウ・ル・クルーゼの相異性クローンが彼女―――」
「あたしがそのカイ・ジ・バレルだよー!!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
気配なく現れた女性に、シンは思わず身体をビクつかせてしまった。
「カイ!驚かすな!」
「君がシン・アスカ君だねー!よろしくよろしく!さっきも言ったけど、あたしはカイ・ジ・バレル!レイの姉だよー!」
レイの言葉を無視し、レイの姉と名乗ったカイはシンの両手を勝手に掴みブンブンと上下に振った。
「え、あ、よ、よろしく。えーと……双子?」
「あ、やっぱそう見える?」
「言っておくが、似ているだけで双子じゃない。姉という解釈も間違っている」
正確は正反対のようだが、この二人、とにかくそっくりだ。
違いと言えば、カイの髪は長くそれを低い位置のところで二つに結っているのと、女性特有の二つの膨らみだろうか。
「まあ細かいことは気にしない!」
「それで、何しに来た?」
ジト目でカイを見るレイ。
双子じゃないと言いつつも、そのやりとりは本当の姉弟のようだ。
思わずシンの口から何年振りか分からない笑い声が出た。
* * *
プラント、アプリリウス・ワン。
最高評議会議長の執務室の隣にある議長専用の仮眠室。
仮眠室と言っても、そこはきらびやかな家具が置いてあり、一般市民の寝室よりも豪勢な部屋になっている。
その仮眠室の中でひときわ目を引くのは、桃色の天井付きベッドだろう。
シーツや枕、すべてが桃色にされており、うら若き女性なら可愛いと思うかもしれないが、男なら100%引くであろう代物だ。
その桃色のベッドに、一組の男女の姿があった。
一人はこの部屋の主、ラクス・クラインだ。
もう一人は、セリア・サリエリ。
シンに突っかかっていたあの男だ。
「ラクス様。これで最後ですよ」
「ふふ、酷いお言葉。そのような気、これっぽっちもないのでしょう?」
「勘弁してくださいよ。俺、ヤマト中将に会うたび睨まれたり嫌味言われるんですから」
ラクスの髪を撫でながら、サリエリは苦笑する。
二人はそういう関係だった。
いや、ラクスは他の男ともこういった関係を持っている。
数年前からラクスとキラの関係は冷めているのだが、別れないのには理由がある。
これはラクスにとって目の上のたんこぶだった。
権力でどうこうできるものではない。
「やっぱり、世界を救ったラクス様はプラントの剣キラ・ヤマトとは別れられない……か。面倒ですね〜」
「………………」
そう、一番の問題は世間体だった。
今のプラントはラクスとキラ、政治と軍部がまとまっているから成立していると言っても過言ではない。
キラはプラント国防軍中将でもあるため、ラクスとの破局が決定的になれば『歌姫の騎士団』はともかく、軍部は暴走する可能性がある。
それだけは避けたかった。
「そういや、あのデュランダルの犬がMIAになったって聞きましたけど?」
「ええ。優秀なパイロットでしたのに、残念ですわ」
「優秀って、あなたが洗脳したからでしょ?それにどうせ、その海賊もどきに捕まったんじゃないんですか?」
サリエリはシンが洗脳されていたのを知っていた。
知った上でわざと突っかかっていたのだ。
ラクスの手のひらの上で踊らされているのを知らない、と嘲笑うために。
「おそらくは。けれど、我々を裏切った時の対策は前々から仕込んでありますので、平気ですわ」
「ハハハ!怖いねぇ。で、犬の代わりは?」
「優秀なパイロットを国防軍の中から引き抜きましたの」
「なんてやつ?」
「確か……」
「失礼します!ルナマリア・ホーク、参りました!」
同じくアプリリウス・ワンの軍司令部。
『歌姫の騎士団』隊長兼プラント国防軍中将のキラ・ヤマトは執務室に入ってきた女性を見て、思わず「フレイ?」と言いそうになってしまった。
5年前より伸びた赤髪は、キラの初恋の少女とよく似ていた。
「ヤマト中将?」
「あ、いや、よく来てくれたねホーク少佐」
笑顔でルナマリアを歓迎するが、内心はラクスを罵る言葉でいっぱいだった。
キラもラクスと同じように多くの女性と関係を持っていた。
その女性のほとんどが赤髪だと、ラクスは知っていたのだろう。
「これからよろしく、ホーク少佐」
「ハッ!ぜっ、全力を尽くします!」
少し緊張ぎみなルナマリアを見て、キラは思わず笑い声を出すところだった。
(いいよ、ラクス。君がそうやるんなら、踊ってあげるよ)
可愛さ余って憎さ百倍。
そんな言葉では足りないくらい、キラはラクスを憎んでいた。
To Be Continued.
以上いきなりではありますが、サンタ氏の代理として投下しました。
投下した後に気付いたのですが、名前欄を間違えたorz
正しくは、「未来の子供たちへ」です。
以下、避難所のサンタ氏のコメントです。
207 名前:サンタ[sage] 投稿日:2010/04/10(土) 23:02:44 ID:fBQFhJQQ0
こんばんわ。
投稿ラッシュの波に乗って投稿しようと思ったらまさかの規制中でしたorz
なのでどなたか本スレに転載願います。
214 名前:未来の子供たちへ[sage] 投稿日:2010/04/10(土) 23:14:31 ID:xlHCoUuc0
今回は以上です。
どなたか転載お願いいたします。
それでは。
サンタ氏、代理の人乙!なんか昼ドラみたいな展開だ……
153 :
中身:2010/04/11(日) 01:24:05 ID:???
PCの規制解除がまだなので避難所の方に投下させて頂きました。
何方かこちらの方に代理投下して貰えると助かります。
次レスより中身氏の代理で投下します。
「参ったなこりゃ・・・」
激しい激突の後、シンは暗闇の中にいた。
無理なエネルギーの移動を行った為、制御装置がショートして動力が強制シャットダウンしたのである。
結果、コクピット内の計器類は光を失い、操縦桿を動かしても何の反応も無い。
ウォルフガングに閉じ込められる事になったシンは、今の所自分に出来る事が無い事を悟ると、
両手を頭の上で組んで脱力した。こうなっては運命に身を任せる他無い。
『シン・・・シン!』
通信システムも停止しているというのに、キラの声がコクピットに響く。
未だ組み合った形でいるウォルフガングとグラムフリーダムの間で接触回線が開いているのだ。
「聞こえてるよ」
気だるげに答えるシンに、ホッとしたかの様なキラの溜息が聞こえる。
戦った相手の心配もするのが、この男の不思議な所であった。
『早く逃げるんだ、グラムフリーダムはもう直ぐ爆発する!』
「なっ、どういう事だよ!?」
パルマフィオキーナによって貫かれたグラムフリーダムの脇腹の位置には、発射間近のカリドゥスがあった。
膨大なエネルギーを充電していたカリドゥスが損傷した事で膨大なエネルギーが暴走、
グラムフリーダムは爆発の危機に晒されていたのだ。
『出来るだけ遠くに逃げるんだ!そうじゃないと・・・』
「はぁ・・・」
深く溜息を吐いたシンが、諦めた様にヘルメットを脱いだ。
『何か・・・あったの?』
「機体が死んでるんだ。バーニアはおろか、カメラさえ何も映さない」
『そんな・・・』
キラは絶句した。彼は既に自分の死を覚悟していた。ウォルフガングに体ごと体当たりされる事になったグラムフリーダムは、
その衝撃でコクピットの開放システムが破壊されていたのだ。これでは逃げ様が無い。
彼は如何なる時も生命を優先させる癖があった。シンを道連れにしようなどという考えは、頭に浮かんですらこない。
シンはラクスに弓引く敵対者の筈だが、最早そんな事は関係無かった。
「相討ちか・・・この死に方は、想定してなかったなぁ」
元々シンは、自分の命に執着する人間では無い。
未練があるとすれば、ヴィーノに借りを返せなかった事と、ルナマリアを悲しませてしまう事。
しかし、ルナマリアも傭兵なのだ。自分が戦いの中で死ぬ事ぐらい、受け入れられるだろう。
もしかしたら泣くかもしれないが、彼女には生きる強い意志がある。
『・・・やめてよね』
まるで他人事の様な風のシンに、キラの怒気を含んだ声が届いた。
『君が死んだら、誰が僕を、<四人目>のキラ・ヤマトだって覚えていてくれるの?』
「アンタ・・・」
彼が計画によって生み出された<四人目>のキラという事を知っている者は少ない。
彼らを造った研究者、ラクスに<三人目>のキラそしてシンである。
その中で、キラという総称では無く、<四人目>のキラ個人の意見を聞き、反論し、戦ったのはシンだけだった。
即ち、彼にとって自分を個人として記憶してくれているのはシンだけなのだ。
『僕に勝っておいて死ぬなんて、許さないよ』
キラの言葉が終わるや否や、ウォルフガングに衝撃が走った。
「うぉっ!?」
外の様子を窺い知れないシンからは分からなかったが、グラムフリーダムに残ったドラグーンの最後の一基の、
最期の一撃が、グラムフリーダムの脇腹に食い込んだウォルフガングの右腕を破壊したのだ。
物理的な接合が解けたウォルフガングを、グラムフリーダムが最期の力を振り絞って蹴り飛ばす。
『ふざけんなっ!アンタに助けられるなんて御免だ!だから・・・』
キラが何をしているか悟ったシンは、二度目の衝撃に身を揺られながらも精一杯の声で叫ぶ。
しかし接触回線が閉じた為に、彼の声がキラに届く事は無かった。
数瞬後、今までより数倍大きな衝撃が、三度ウォルフガングを揺らした。
その衝撃に叩き起こされたのか、ウォルフガングが息を吹き返す。
生き返ったモニターには、大きな爆発の痕跡と黒々とした真空が広がるだけだった。
青年達の闘いが終わりを迎えている頃、プラント防衛隊は窮地に立たされていた。
猛攻を仕掛けてくるSOCOM艦隊に段々と数を減らされ、最早後が無い所まで後退を強いられていたのである。
「艦長、多数の艦から当艦に後退する様通信が入っていますが」
「全艦現状を維持。命令に背いた艦は撃沈すると連絡しろ」
旗艦スレイプニルのブリッジで、前だけを向いて黙りこくっている艦長に中佐が報告する。
しかし、艦長は依然同じ命令を繰り返していた。報告した中佐にも分かっている。これ以上後退出来る訳が無いのだ。
プラント防衛隊の背にはプラントがある。開戦時には、『流れ弾がプラントの宙域に飛びこむかも知れない』
くらいの距離にいた彼らも、今では後退を強いられ、後少しでも退がったら『プラントのどれかに流れ弾が当たる』距離にいた。
背後が断崖絶壁の崖なら、そのまま奮戦するか、崖から身を投げるかくらいの選択の余地もあっただろう。
しかし、今彼らの背後にあるのは守るべき存在なのだ。だからこそ、旗艦であるスレイプニルが退がる訳にはいかなかった。
旗艦が退がれば、艦隊もそれと同様に後退する。そんな事になればプラントを危険に晒す事になる。
「・・・ラクス殿は」
「確認取れません。どうやら主戦線を離れている様です」
「そうか」
歌姫の騎士団も、オーディンも先程から通信が途絶えている。正規の命令系統に入っていないのだから、艦長に命令権は無い。
しかし、レーダーにすら捉えられないとすると、撃破された可能性が高いだろう。
「潮時か・・・」
前方を見つけたまま、艦長は目を細めた。SOCOMもこれ以上前進しての艦砲射撃がプラントを危険に晒す事が分かっている様で、
先程から艦隊を停止させての撃ち合いが続いている。しかし、プラント防衛隊の長所は射程の長さである。
距離を開ける事が出来なくなった今、錬度の高い砲手と操舵手を抱えるSOCOMの方が圧倒的有利である事に変わりは無い。
「MS隊は限界です。パイロット達の集中力が切れてきている。訓練じゃこんな・・・!」
ブリッジに同伴していたMS用兵専門の武官が焦りを隠さずに声を荒げた。
MS隊も少し前までは五分を保っていたものの、日々実戦に晒されている軍と訓練中心の軍の違いが、
消耗戦の中で段々と差として表れ始めていた。長時間に渡る戦闘による精神の摩耗は、確実にMSの動きに悪くしていた。
加えて、攻める軍と後退する軍という、士気に致命的な差があるのである。崩壊は時間の問題だった。
「・・・全艦、停戦信号を上げろ」
「はっ?」
「聞こえなかったのか?全艦停戦信号上げ、復唱!」
「はっ!全艦、停戦信号上げっ!」
艦長の言葉の突然の一言に、副長である中佐が素っ頓狂な声を上げた。無理も無い。
数を減らされたと言っても、プラント防衛隊はその戦力の半分を残している。まだ勝負を捨てるのは早すぎると思うのが普通だ。
しかし、艦隊の配置を見れば既にプラント防衛隊は詰みの状態であった。
これ以上足掻いて戦力を損耗し合えば、地球連合に致命的な隙を晒す事になるだろう。
考えてみれば、ラクスはこうなる事を見越して自分をプラント防衛隊の司令官に据えたのかもしれない。
ラクスに心酔している艦長なら玉砕覚悟で奮戦しただろう。
しかし、ラクスに別段の思い入れの無い自分は後の事を冷静に考えられる。無論、二度も国を武力制圧される悔しさはある。
しかし、地球連合に支配され、プラント国民が人種迫害を受けるよりは何倍もマシだ。
彼が思考の底に身を浸している間に、プラント防衛隊の艦から停戦を意味する三色の信号弾が上がる。
それに呼応する様に、SOCOM艦隊からも信号弾が上がり始めた。
戦闘の光が段々と消えていき、宙域を埋め尽さんばかりの信号弾が、両艦隊を照らす。
こうして、後にSOCOM戦役と呼ばれた戦いは幕を閉じたのである。
「ラクス・・・」
死に体の天使が、流星の残骸を前に立ち尽くしていた。オーディンは完全に沈黙した。
機体の真ん中に穿たれた長細い穴、それが致命傷になったのは誰の目にも明らかだった。
その穴を、キラは無表情に眺めていた。オーディンにドラゴンキラーを突き刺し、
ラクスを殺した時、同時に自分の心も殺すつもりだった。
これからの自分には必要の無い、自分が持っていてはいけない物だから。だからこその無表情。
想い人を殺したからといって、感傷に浸る資格など、自分には無い。
そんな事をしている暇があるなら、一つでも多く罪滅ぼしを。
「・・・しょっぱい」
唇に触れる、海水の様に塩分を含んだ水玉。そこでやっと、キラは気付く。自分が泣いている事に。
ヘルメットの中を、夥しい数の水玉が漂っていた。ヘルメットを取り、涙を払っても、次から次へと涙が眼から零れる。
「僕は・・・僕は・・・」
これ以上涙を流すのは不味い。折角積み上げてきた決意が、悲しみに浸食されてしまう。
しかしそんな意思とは無関係に涙は流れ続ける。コクピットの中が水玉でぶつかり合った、その時だった。
今まで沈黙を守っていた通信システムが起動する。モニターに現れたのは、先程キラを叱咤した青年の姿だった。
『そっちはどう・・・ってなんだよその顔』
シンは、ドラゴンキラーのお陰で唯一位置がはっきりしているキラに通信を入れただった。
しかしいざ繋がってみたら、大の男が必死に涙を止めようとしている場面がモニターに飛び込んできたのだ。
間の悪さを呪いながら、シンが一気に重くなった口を開く。
『通信が繋がった所見ると、あのMAは撃破したみたいだな』
「・・・うん」
キラの様子を察して、ラクスの名前は出さない。
アスランがいればこんな面倒な場面は丸投げ出来るのだが、こんな時に限ってあの凸は姿を現さない。
しかし、だからといって今のキラを放っておく事もシンには出来なかった。今の彼は、大切な者を自ら殺した直後なのだ。
それは、アスランならカガリを、シンならルナマリアを殺した様な物で、涙を止められなくても責める事は出来ないだろう。
暫く泣かせといてやりたい気持ちもあったが、敢えてシンは彼を叱咤する事を選んだ。
『アンタの位置なら、信号弾が見えるだろ?戦闘は終わったんだ。そんな面で、今まで付いて来た連中に顔合わせられんのか?』
「シン・・・」
『もう後戻りなんて出来ないんだ。クーデターで政権を乗っ取った奴が、そんな面許されないんだ』
最後の一言が胸に突き刺さった。どんなに理由があったとしても、武力を行使しての政権の奪取は非合法的な物だ。
プラント防衛隊が降伏した以上、ラクスを失った現政権が降伏するのも時間の問題だ。
非合法な手段を取った組織の、そのトップがこんな所で泣いていて良い道理など無い。もう甘えられる物は無いのだから。
「・・・ゴメンね。君には色々酷い事したのに、助けられてばっかりだ」
『はっ!そんな事別に気にしてねぇよ。ただ、こんな大事やらかしておいてやる気力無くされたら困るだけだよ』
涙を拭いたキラの謝罪に、シンは目を反らしながら言い捨てた。
彼自身、キラの今までの行為を許した訳では無い。飽くまで世界の平和を考えて、であった。
『自分の言った事、守れよ。もし破ったら・・・』
「破ったら?」
『そん時は俺がアンタを殺しに行く。どんだけの軍隊がいてもな』
「うん。宜しく」
シンの剣呑な言葉に、キラは丁寧な返事を返す。その返事に調子が狂ったのか、シンはモニターの中で小さくなる。
『俺は人の上に立つとか苦手だから、アンタの様な事は出来ない。俺は・・・戦って守る事しか出来ない。
だから、絶対実現させろよ。コーディネーターとナチュナルの平和を』
「うん。・・・でも、君が戦いしか出来ないっていうのは嘘だね」
『嘘?』
強く頷いた後、キラは自信無さげなシンに言及する
「シンには人を変える力、導く力があるよ。」
『・・・そんなもん人に言われた事無いけどな』
自分が人に影響を及ぼす人間とは露とも思っていないシンは、キラの言葉に首を傾げる。
『・・・兎に角、アンタは早く艦隊に帰れよ。どうせ通信入れて無いんだろ?きっとイザークさんカンカンだぞ』
「そっそうだ!?早く帰らないと」
このままだと馴れ合いの様な空気になりそうだったので、話題を切り替える。すると、キラは無様な程慌て始めた。
上司とはいえ、やはりあの口煩いオカッパを怒らせるのは嫌な様だ。
「じゃあ次は艦隊で」
『ああ』
短く別れの言葉を交わすして通信を切った。四肢を失ったフリーダムが、バックパックの動力だけで動き出す。
キラにとっては、帰艦してからの方が仕事が多い。だからこそ、早く帰らなければならない。
これからは、自分がプラントの中心になるのだ。それが、ラクスとの戦いで生き残った意味、彼女から継いだ意思だから。
フリーダムは主を乗せ、低速ながらも力強くプライスへ進んで行った。
戦闘の光が消え、元の漆黒に戻った宇宙に、その漆黒に溶け込んでしまいそうなMSの残骸が漂っている。
これだけの戦闘があったのだ。MSの残骸など珍しくも無かったが、その残骸は他の物とは異なっていた。
「さて、どうするかなこの状況・・・」
その残骸―――ウォルフガングの中でシンは何度目かになる溜息を吐いた。
キラとの通信が終わっても、依然として事態は好転していない。寧ろ悪化していた。
全身のバーニアを喪失したウォルフガングにいるシンは、救難信号を発信して助けを待つ以外やる事が無い。
しかし、事はそんなに簡単では無かった。
グラムフリーダムとの心中は避けられたものの、その爆発による衝撃で機体が流されていたのだ。
しかも、結構な速度で艦隊から逆方向へ向かって、である。
救難信号を発信しているとはいえ、戦闘が終わったばかりの戦場にはそんな物は五万と飛び交っているだろうし、
ほぼ胴体だけとなったウォルフガングは熱源として小さく他の残骸と見分けがつき辛い。
このままでは明後日どころか天国の方向へ一直線だ。
「さっき死ぬなって言われたばっかりなのになぁ・・・」
周りには黒々とした暗黒が広がっている。自分もこの一部になるのかもしれないというのに、シンは落ち着いていた。
取り合えず長期戦の疲れを癒す為水の入ったチューブに口を付ける。水を体内に入れた瞬間、コクピット内にドデカい声が響いた。
『シ―――――ン!!何処にいるの?シ――――ン!!!』
急に響いた声に、シンは盛大に水を吹き出した。コクピット内に細かい水玉が散乱する。
「ルナ・・・?」
モニターを見ると、中破したレイヴンがこちらにゆっくりと向かって来る。こちらにはまだ気付いていない様で、
微妙に向かって来る方向がズレている。しかし、自分を呼ぶ声は、間違い無く自分が惚れた人の物であった。
「ははっ、愛の力って言うのかこれ」
広域に渡る戦場で、ルナマリアが有視界通信が可能な所まで接近してくるなど、恐ろしく低確率な事がこんな早く起こったのだ。
運が良いだけでは片づけられない。彼女の声を聞くと、今まで死んでも良いと思っていたのが嘘かの様に、彼女に触れたくなった。
早く逢って、生きている事を確かめ合いたい。
「はぁ、恥ずかしい奴だよな。俺も」
自分が真っ先に考えた事に苦笑いを浮かべつつ、シンはレイヴンに通信を入れる為にスイッチを入れた。
以上、中身氏の代理で投下しました。
以下、中身氏のコメント
215 名前:中身[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 01:09:42 ID:ZAclerHQ0
携帯は規制解除されましたが、PCはそのままなのでこちらに投下します。
違えた意志編ラストです。
221 名前:中身[sage] 投稿日:2010/04/11(日) 01:21:00 ID:ZAclerHQ0
これで今回は終了です。
皆さんが予想していた様な「もう一波乱」が無くて申し訳無いです。
次の編が「red eyes」の最後の編になります。最後までお付き合い頂けたら幸いです。
まずは中身氏と代理の人に乙。……しかし、サンタ氏が投下したばかりで感想も出尽くしていないのに少しは待てないものかと思う
GJ
>サンタ氏、中身氏、代理投下の人乙!!
>サンタ氏
シンとレイのコンビ復活!
キラとラクスが昼ドラ以上にドロドロしてるようで……
二人とも黒いのは何だか珍しい気がします。
>中身氏
戦闘は全部決着がきましたね。
どちら側のキャラも格好良くて愛着湧きます。
>161
春の豪華2本立てスペシャル! と思えばいいんじゃないか?
前の作品の感想も言ったって良いんだし。
ご両所および各代理の方々乙GJ。
完全に決裂してガチ命ァ獲り合ったものの最期には確かに愛があった…かと思えば、
体制は今のところ盤石ぽいけど心は離れ冷え切った憎悪に満ちてる…とは何とも対称的な。
改変やアフターの特にシリアス物だと基本的にシンやキラクスに大きなブレはなく、
アスカガあたりがその辺受け持つ例が多かったけど最近はキラクスの変化に
比重の置かれる話も増えてきて興味深いな…
VS無視のガンプラ設定準拠で一本書いて見る!(`・ω・´)
今度こそエターナルに入らず書き終えてみせる!
>>164 なんかこう、アメコミのエルスワールドや「WHAT IF……?」を連想させられますね。
「これがねぇ・・・よく雑誌とかで聞かれて説明しても理解してもらいにくいところなんだけど・・・。
例えば、第2次世界大戦があって、それをもとにした映画がたくさん作られてるわけじゃない。それぞれフィクションだよね。
ベースは本当にあった戦争だけども、それぞれ違うのがある。
例えば、大河ドラマだと織田信長にしても徳川家康にしても、いろんな徳川家康がいたり、いろんな織田信長がいたりするわけだよね。
それは歴史をひもといて、推測してその作者の意図によって、演じる役者も違えばキャラクターの描き方もちがう。言ったセリフも違う。そういう感覚なんだわ」
167 :
中身:2010/04/11(日) 18:08:35 ID:???
>>161 避難所への投下だったので大丈夫かなぁと思いましたが浅はかでした。申し訳無い。
サンタ氏GJです。こんな重厚な人物描写は自分には書けんです。
>>167 いやいや貴方そんな自分を卑下なさらなくても宜しいのですよ……
>>150 シンは一見正気に戻ったようだけどナニカシラ仕込まれてるらしいと…
クロード先生も気付かないレベルかそれとも見破って手を打ってんのかな?
>>160 キラクスアスカガそれぞれと関わって、しかもラクス政権が崩壊して
次に来るのがエピローグではなく「次の編」と呼ばれるくらいの長さだとすると、
シン対クローンキラでの「もう一波乱」以上に先が読めなくなってきた。
いやもちろん長く読めるに越した事は無いんですがね。
いずれにせよお二方GJ&次回wktk。
しかしなんとも性質悪いな、ラクシズってのは
上のお二方のでも洗脳、情報操作とやりたい放題だし
機密は意味を成さないしいくら技術屋が努力して新型MS・新技術開発しても
ハイエナなみの嗅覚で嗅ぎ付けて盗み出すし…よくもまあこんなチート組織思いつくもんだぜ
>>170 ラクス「一度もおかしいとは思わなかったのか?」
>>171 核動力機強奪&秘密裏に修復とかやりたい放題だったからな
このスレのキャラクターでもラクシズ関係者は人間的に碌なのがいないな
まともだったのってDくらいじゃないか?
虎さんはまともだ、と言おうと思ったがアレのアレな言動にツッコむ場面が
見受けられなかった以上同類とみなすべきだろうな
ラクシズ教団唯一の理性と描かれる事が多いけど
あとラクシズに限らず超超超最高機密であるニュートロンジャマーキャンセラーを
搭載した機体の格納庫に身分不明の男とアイドル歌手が入り込めるという時点で
コーディネーターという種族には根本的に欠陥があるに違いないと思う次第でアリマス
アイドル歌手の筈の奴の声にコーディネイターがだれも逆らえないという時点で
コーディネイターという種族には根本的に(ry
蟻みたいな連中だな
しかしちょっと待って欲しい
>>176 このスレの主役であるシンを初めとした地上出身のコーディやアッシュ・グレイなど、アレを嫌悪する
コーディネーターは結構出て来ていると思うんだが
すなわちプラントのコーディネーターは凄まじくアレな種族だがそれ以外は割りとまともと(ry
プラント人「あいつらコーディネイターとして欠陥品だから(ラクス様に逆らおうと考えるなんて……)」
プラントにもまともなコーディネイターはいるよ!
超絶外交手腕を誇るアイリーン・カナーバとかコートニー・ヒエロニムスとかシンの義姉ちゃんことリーカ・シェダーとかヤキン・ドゥーエ戦役後は丸くなったミハイル・コーストとか。
マーレ? 誰、それ?
それこそ「最後の50人」のような境遇の勢力はオフィシャルで登場しててもいい筈なんだがな。
負債には期待しないにしてもせめてアストレイの方でもアイデアとして出なかったのかな。
逆に考えるんだ
CA
書き込み失敗 orz
逆に考えるんだ
GSC氏は実はアストレイ関係者だったと(ry
ねーよw
氏が関係者ならデストレイ後半以降の迷走するわけない
…そういやこのスレのラクシズ関係者で最も凶悪なのってだれなんだろうな
ラクスは筆頭だが…
狂ックゥ(○キオじゃないか全ての元凶だし)
マルキオの「SEEDを持つ者=救世主」というのは明らかにグノーシス主義の影響が見られるんだよな
これはマルキオの名の由来がグノーシス主義の代表的宗教家であるマルキオンから取られてることを考えると偶然では無い
…正直「SEEDを持つ者=救世主」ってのはなぁ…キラとか凸とかの何処が?って感じだ
まあ、ラクス教の宣教師みたいな奴だから仕方が無いか
皮肉にもラクシズの敵である「英雄」のシンとかは人類の守護者的な意味で救世主かもしれんな
ああ、一番キャラ的に最悪だと思うのは傭兵氏のに出てくる名誉顧問だな
今種死見てたらすごい疑問が出てきた
種の時のプラントでは軍の下限年齢を十四才まで下げてたが
プラントには徴兵制なかったはずなのにどれだけの効果があったんだろう?
コーディネイターの製造はキラの生まれた年に禁止されたので
種のときは十六才以下は第二世代がほとんどで
母胎数も少なく出生率も低いので大した数にはならないだろうし
それともあれは実質上の徴兵制だったのだろうか?
徴兵制だった場合はたった二年後の種死でのザフトの強さが訳わからん
あれはロウソクの最後の輝きのようなものだったのだろうか?
だとしたらせっかく得た勝利をラクシズに盗られた議長があまりにも・・・
徴兵制でないにしても「軍に向いた子」は確実にいる(作られてる)し
そういう子はそうなるように育てられるだろうから
現場に出るのが少し早まるぐらいの効果じゃないか?
……色々な意味で洒落になってないだろ、それ
192 :
190:2010/04/16(金) 22:03:05 ID:???
>>191 とりあえず此処のSSで当て嵌まりそうなのは誰のどの作品なんでしょうねw
二次創作よりも商業の方で当て嵌まるのが多いだろw
少なくともここのSSでは知らんよ
>>192 お前、このスレにいるんだったら、種とか00とかギアスとか見てるだろ。
その経験を生かして自分で読んで判断しろよ・・・
それはそれで有りだとは思うよ。本宮ひろしとかゆでたまごとか。
ただアレらはそういう系統の作品だから受け手も受け入れられるんであって
問題はそれを許容しない空気の作品でそれをやっちゃうことだ。
196 :
190:2010/04/16(金) 23:09:44 ID:???
>>195 >それを許容しない空気の作品でそれをやっちゃうことだ
こんな事言うのも何だけどファーストガンダムやボトムズだって
結構そういう所は見られるからさ……ニュータイプ? ワイズマン? ハテ一体何の事ですか??
ミノフスキー粒子とかニュータイプとか異能者とかのトンでもフィクションはともかく
話の流れとしては矛盾がない1stやボトムズと、話自体に整合性がない種を一緒にすんなwww
…正直私の書いてる話が当てはまりそうで凄く怖いんですが
199 :
196:2010/04/17(土) 00:03:10 ID:???
>>197 いくらなんでもミノフスキー粒子が悪いとは言いませんよw
ただニュータイプにしても異能者にしても話の流れ上
妙に唐突に捩じ込まれた印象がするんで……(まあ全否定はしないですけど)
アンタら此れまでの苦闘と其の他諸々は一体なんだったんだよ。
>>188 >二年後の種死でのザフトの強さ
あれは「種死は、ブレイクザワールド開始時点から、地球との戦いが始まってる」ってのも大きい
たとえば、種では「エイプリールフールが発生してから8か月経過して、エイプリールの打撃から連合が立ち直り始めた時」
だから、立ち直りかけた連合全土を相手にして、曲りなりにも前戦力出せるザフトが戦えてるわけだ
その二年後のザフトは、当然その連合との戦いで戦力とか人材削られてるわけ
しかし、種死は「ブレイクザワールド開始時点」で、つまり「連合が今まさに大打撃受けて、ザラ派によって各個撃破状態」になってるわけ
で、その中で、種死のザフトはユーラシアという連合の中でも一部に過ぎない地域を狙って、介入してるのよ
そこでの、ザフトと連合(もっといえば、連合の独立機動群に過ぎないファントムペイン)の戦いを
ユーラシアの内乱にかこつけて介入しての代理戦争として描いたのが、種死の前半から中盤までなわけ
その後、中盤からファントムペインが払拭されるまでは、ザフトとファントムペインの戦いに移行するわけだけど
ここで重要なのは「種死のザフトと戦ってるのは、常に地球連合の 一 部 」に過ぎないって点
たとえば、序盤だとファントムペインの一戦艦だし、中盤だとユーラシア東側とファントムペインだし
後半だと、ラクシズとオーブ戦力(一応、こいつらも対外的には連合の一部ではある)だよな
種の頃は、エイプリールフールの奇襲があったとはいえ、ガチでザフトは連合全体とやりあってた
種の作中では、その辺作中ではあんまり詳しく書かれてないけど、ザフトが地球全土とガチってた事はたびたび出てくるよね
一方、そんな種のころとは違い、種死の頃はブレイクザワールドの混乱こそあれ、ザフトは連合の一部としか戦ってないわけよ
まあユニウス条約で武器の数制限されてるし仕方ない事なんだけどね、上に書いてるように、常に連合の一部としかやりあってないわけ
つまり、まとめると
ぶっちゃけ二年後のザフトが強いように見えるのは
種死で書かれてる場面くらいしか戦闘が無いからです
種の頃は、作中で描かれてるAAの航路以外の、地球のほぼ全域でザフトと連合は殺りあってました
でも、種死の頃はホントに作中で描かれてる範囲くらいしかザフトと連合の戦いは起こってません
後の地域は被災とザラ派テロリストや野盗が出没してる感じくらいです
それが、種と種死の最大の差異ですね
>>199 でもよ、SEEEDやスパコディやラクシズに
異能生存体やらニュータイプやらの悲愴さ無いぞ?
キラさんに某異能生存体の人並に不幸と地獄と絶望が群れなして襲って来てそれでも生き続けて死ねないとか
ニュータイプ並に戦争の道具扱いになって色々不幸が伝播したりとか
そういう感じだったらまだ許せる
>>201 虎さんが出てきた頃は狂戦士みたいだとか言われて、いい感じに不幸だったんだが
ラクスに変な具合に洗脳されてからそんな悲壮感なくなっちゃったからな……
第一話でいきなり配属された部隊が囮にされてゴミのように少しずつ全滅していく
自身も全身火傷を負って生死の境を彷徨うあたりがペールゼンファイルの異能生存体の人
キラって、そういうことあったっけ?
>>200 ということは種死での議長の戦略は
1.ありったけの戦力でファントムペイン相手に勝ちまくる
2.ザフトは強いと一般市民に思いこませる
3.戦争の責任を全てロゴスに被せ反戦運動を煽る
4.有利な条件で停戦
だったのか
反ロゴスの暴動で軍の警備を暴徒達が突破してるシーンがあったが
あれはザフトの工作員が手引きしてたんだろうな議長マジスゲー!
これで最後にファビョってラクシズにつけ込まれなければ・・・
>>204 まあ、そんな感じだと思う
種でのザフトは明確に地球人にとって侵略者だった
だから、種死の方では、我々は地球人の味方ですよ、ザラ派テロリストは我々とは違う悪者ですよ
敵はファントムペイン(あえてこの時、連合全体が敵とは言わない)ですよ
とアピールした感じ
206 :
199:2010/04/17(土) 22:16:53 ID:???
>>201 ただファーストガンダムにしろボトムズにしろ
そういう超越設定持ち込まなくてもちゃんと纏められたんじゃないのか……?
って所はあるからさ(SEEDとかスーパーコーディネーターとかラクシズ&ターミナルとかについても当然の事だ)。
やっぱり現実の遣る瀬無さに打ち勝つには超越的なモノを持ち出さないと駄目なんだろうかね。
>>200 そんならザフトと敵対しなかったり連合への協力を躊躇してた地球の国々の様子も
ちょっとで良いから描いてもらいたかったな、と(アストレイでも良いから)。
>>206 >超越設定持ち込まなくてもちゃんと纏められた
そりゃ纏められるが、そういう超越設定的な厨二要素が無いとツマンネーじゃん、ガキにウケネェよそれじゃあ
え?種? そういう超越要素にあって然るべきな
>>201がねーからダメなんだよ
ガキでも、その辺の良し悪しはわかる
そもそも、ロボットアニメである以上、現実の遣る瀬無さとやらに真っ向から喧嘩売ってるって事を理解しとけよ?
現実に真っ向から喧嘩売る立脚点の元に描かれてるんだロボアニメは
>>206 運命アストレイで種死の序盤の一部が書かれてはいるよ
ただ、アストレイシリーズ自体が、まだ時系列が種死の終盤まで行ってないから……
まだ運命の中ほどで時系列が止まってる
>>207 >そういう超越設定的な厨二要素が無いとツマンネーじゃん、ガキにウケネェよそれじゃあ
そうかね? そりゃ纏め方と台詞と演出次第で……じゃあ無いのかな??
>そういう超越設定的な厨二要素が無いとツマンネーじゃん、ガキにウケネェよそれじゃあ ×
>そういう超越設定的な厨二要素が無いとツマンネーじゃん、スポンサーにウケネェよそれじゃあ
test
212 :
中身:2010/04/18(日) 00:25:15 ID:???
PC規制解除キタ――――(゜∀゜)――――!!
という訳で投下しますね。『red eyes』終章前篇です。
終章 ANDANTE
SOCOM戦役から半年。オーブ首長国オノゴロ島にある国防総省の一室で、
デスクに腰かけたアスラン・ザラは週刊誌片手にコーヒーを啜っていた。
数年前まで飲んでいたザフト軍のコーヒーと比べると大分美味なのだが、
それも男が淹れた物だと考えると何故だがゲンナリした気分になる。
カガリが淹れてくれた物なら例え泥水の様なコーヒーでも美味しく頂けるのだが。
そんな事を考えながら溜息を吐いていると、部屋のドアが開いて部下が入ってくる。
「中佐、勤務時間中です。休憩も程々に」
入ってくるなり苦言を呈するのは、アスランが飲んでいるコーヒーを淹れた張本人である大尉である。
彼はオーブ解放戦線のクーデターにアスランと共に参加、ルナマリアと一戦交えた少佐であった。
現在はクーデターに参加した処分として一階級降格、大尉となってアスランの副官を務めていた。
縦にも横にもアスランより二回りは大きい大男が部屋に入ってくると、狭い部屋が更に狭くなった様だ。
「そう言うがな大尉、仕事をしようにも仕事が無いんだよ」
雑誌から顔を上げずにアスランは答える。彼が現在所属しているのは、ハニヤスの整備、保持する部署であった。
一見重要そうに見えるが、高度にシステム化されたハニヤスには定期メンテナンス以外の人の手を殆ど必要としない。
実務はほぼ部下の仕事で、部長のアスランには書類に判子を押す以外の仕事が無いのが現状だった。
これはアスランをMSから遠ざけようとする上層部の処置で、所謂左遷である。
しかし、アスランは現状をそれなりに楽しんでいた。部署が暇な為、カガリの時間が空いた場合には容易に会う事が出来るし、
散り散りになった部下からの相談も時を問わず聞く事が出来る。何より、自分を見つめ直す良い機会になっていた。
「またそんな下世話な物を読んで・・・」
「そんな事は無いぞ。貴重な情報源だ例えば・・・」
アスランが読んでいたのは雑誌は雑誌でも、下世話なゴシップ物であった。大尉はアスランがデスクに広げたそれを記事を覗きこむ。
そこには大きく『都市伝説シリーズW、勝利を呼ぶ!?赤目の男の正体!!』という見出しがデカデカと載っていた。
「これは・・・例の傭兵団の・・・」
「ああ、本名は載って無いが、シン・アスカの事だな」
「あの鬼神ですか」
律儀な大尉はデスクに広がっていた雑誌を拾い上げ、それを黙々と読み始めた。
そこには最近起きた二大戦闘であるオーブ解放戦線によるクーデターと、SOCOM戦役について書かれており、
この二つの戦いの勝利にはある傭兵団が関わっていたという。
オーブとプラントで撮影されたと思われる二枚の写真も掲載されていた。どちらも画質が粗く、隠し撮りな事は明白だったが、
真ん中に映っている男がシン・アスカだという事は、彼を見た事がある者なら誰でも判別がつくだろう。
「これが何なのだと、言いたげだな」
「は?」
窓の外を眺めるアスランの一言に、大尉は雑誌から顔を上げる。この記事に載っている事は事実だ。
大尉自身がこの目で見た訳では無いが、SOCOM戦役でも多大な戦果を上げ、
今やサーペントテールに次ぐ知名度を持つと言われる傭兵団レッドアイズ。しかし、この記事に目新しい情報は無い。
どれも既出の情報だ。自分より立派な情報網を持つアスランなら尚更そうだろう。
確かに自分は、アスランが何故この記事に興味を持ったのか分からなかった。どうやらそれを、アスランに見透かされたらしい。
「悔しい、と思ったんだろうな」
まるで他人を語る様な口ぶりで、アスランは語りだした。依然、顔は窓を向いている。
「メサイア戦役で、俺達はデュランダル議長を倒し、シンを倒した。そして仲間に・・・悪く言えば懐柔したとも言えるか。
アイツの生き方に大きな影響を与えたんだ。勝者が敗者にする様に」
「・・・・・・」
何を言いたいか見えてこないアスランの言葉を、大尉は黙って聞いていた。普段、この上司は自分の事を多くは語らない。
自ら語らなくても、裏切りを繰り返して三つの陣営を渡り歩いた男、
地球を滅ぼそうとした男の息子、という肩書が自分を語るに任せていた。
その彼が、珍しく『己』を言葉にし出したのだ。黙って聞かなければ損というものだ。
「だが、この記事に書いてある事件ではそれが逆になった。俺達それぞれがアイツに影響を受け、変えられた。
・・・シンに自覚は無いだろうが、しっかりと仕返しされたよ」
「成程、それで悔しいと」
「ああ、清々しい程悔しい」
そう言ったアスランは、まるで少年の様に笑う。アスランとシンの関係について大尉は記録でしか知らないし、
シン本人と会話した事も無かったが、この男にこんな顔をさせる彼に会ってみたくなった。
「しかもアイツは、俺とキラに二つも約束をさせた」
「二つの約束・・・?どんな?」
「それはな・・・」
プラント首都アプリリウス。その中央に位置する議長官邸の客間に、額に絆創膏を貼った男が一人座っていた。
男は怯えた様子で、辺りをキョロキョロと見渡している。
あからさまに挙動不審であったが、彼はあくまで客としてここに座っている。この客間に案内されて十分と少し。
男の発する音以外は全くの無音を貫く客間のドアが、ギィと音を立てて開いた。
「ひっ!?」
男は突然の物音にでは無く、ドアから入って来た青年の姿に短い悲鳴を上げる。
そこには、議員服を着たキラ・ヤマトが立っていた。
「やっと会えましたね。探すのに苦労しました」
男と向かい合う形で席に座りながら、キラはニッコリと笑顔を作る。
何処から見ても友好的な笑顔だが、男からは絶対零度の非友好的な笑顔に映る。
「わっ私は、科学者としての本分を全うしただけだ。何も悪い事なんかしていない」
弱弱しく主張する男―――コーディネーター再生計画の主任研究員だった男は青白い顔を更に青白くしている。
「僕は別に、貴方に取って食おうという訳ではありません。ただ、貴方が逃げるので手荒な真似をする事になったまでの事です」
ラクス政権の影の計画の責任者であった彼が、キラから逃げるのは当然だろう。
それをSPを使って強引に連れてきたのだ。捕まえる時の悶着で負った額の傷が痛々しい。
「では、私に何をしろと?」
「・・・貴方に行ってもらいたい事は二つ。一つは、科学的証拠を交えたコーディネーター再生計画の詳細の公開です。
幾らクライン政権が非人道的な研究を行っていたと言っても、科学的根拠が提示出来ないのでは捏造と取られても仕方が無い。
だから、一番この計画に詳しい貴方に情報の提供をお願いしたいんです」
政権発足から数ヵ月。キラ・ヤマトを議長とする政権の支持率は五分五分の状態であった。
支持率の低い理由は、クライン政権を倒した理由に、決定打が足りないからだ。
エターナル、アークエンジェルの撃沈が仕組まれていた事や、
地球の紛争地帯への過剰な介入などはデータによる証拠が取れた事で国民に公開する事が出来たが、
肝心のコーディネーター再生計画については証拠が全て抹消されていた。
その消し去られた証拠を男が持ち去ったとして、探していたのだ。
「しっしかし、ヤマト議長も酷い方ですな。支持率の為に恋人を売りますか」
支援
この計画を国民に公開するという事は即ち、ラクス・クラインがプラントの根幹に関わる部分で禁忌を犯していたと、
国民の記憶に刻ませる事を意味する。事実を見れば、男の皮肉は的を得ている。
しかしその強烈な皮肉も、キラは眉毛一つ動かさずさらりと受け流した。
「そうですね。しかし、同一の遺伝子を用いての人の培養は、
コーディネーターから見れば自己の存在意義を揺るがしかねない禁忌です。
ですから二度とこんな事が起きない様に、しっかりと情報を発信しておく必要があります」
キラの表情に変化は無い。しかし、明らかに客間の温度が下がった。
体中を氷の針に刺された様な錯覚が男を襲った。計画自体が存在意義を揺るがすなら、
お前自身はどうなのかと更なる皮肉を発しようとした口も、まるで凍ってしまったかの様に動かない。
「貴方は情報を提供してくれれば良い。後の事は、我々が行います」
恐ろしく冷たい声が、男を震え上がらせる。どうやら自分は、とんでもない思い違いをしていたらしい。
キラ・ヤマトは、自分が知っている聖人の様にお人好しな青年では無かった。
彼にとって、彼自身を造り、ラクスの暴走を手助けした自分は復讐の対象なのだ。
客間を満たす冷たい空気は、彼の静かな怒りの発露だ。
「二つ目は・・・」
二本の指を立てるキラの動作に、男はビクリと体を跳ねさせる。
「クライン政権が凍結させた出生率向上の研究を、私の政権で復活させます。
つきましては、貴方にもこの研究チームに参加して頂きたい」
男は息を呑む。今まで粘土の如く多種多様な人体を造り上げてきた研究者に、
遺伝子と延々と睨めっこする研究を回すというのは、研究者としてのプライドを著しく傷付ける要請である。
しかも、自分に恨みを持っているであろう男の監視の元での仕事だ。
恐らく、今のキラがクローンだという秘密を知る自分を一生縛り付けるつもりなのだろう。
跳ねのけられる訳が無い。冷たいキラの視線が、男から気力を根こそぎ奪った。
「・・・分かりました。要請を受けましょう」
ガックリと項垂れた男が、諦めた様に要請を受け入れる。
「有難う。貴方の協力が無ければ、どうしようかと思っていました」
相変わらず笑顔のキラが、そんな事を言う。席を立ち、SPに付き添われながら客間を後にする時、男は理解した。
キラ・ヤマトには、特異な雰囲気がある。後ろめたい者には恐怖を、無垢な者には希望を持って、心を縛るのだ。
それは制度を独裁制にするとか、そういう次元では無い。根本的な種としての差である。
そう、今まで男がキラから感じていた恐怖は、彼の発するそれを勝手に自分が『恐怖』という形に変換していたに過ぎなかったのだ。
ラクスは声で人を縛っていたが、キラは雰囲気で人を縛る。ユーレン・ヒビキは、なんと恐ろしい怪物を造ったのだろうか。
(独裁者め・・・)
心の中で吐き捨てると、男は完全にキラの視界から消えた。
しかし男の推測は一部間違っていた。遺伝子専門の研究者である男は、キラの雰囲気を生まれながらの物と考えた。
しかし実際、メサイア戦没までの彼にその雰囲気があったかといえば、それは疑わしい。
結局、キラの雰囲気は、SOCOM副司令に就いてからの努力による結果だった。
それが、<四人目>以外の全てのキラが、<三人目>のキラの中で生きている何よりの証であった。
「議長・・・」
「次はユーラシア連邦大統領との会談、だよね?」
「その通りです。でも、そこまでスケジュールを覚えていらっしゃられると、私の仕事が減ります」
「ごめんね。でもちゃんと仕事しないと、シンに怒られるから」
客間に入って来た秘書に微笑と、キラは足早に客間を出る。明るく振舞っているものの、実質キラは孤立無援だった。
議会を即急に機能させる為、クライン政権の議員を極力残したからだ。彼らとの意思疎通にはまだ時間がかかる。
そして、孤独は暴走を呼ぶ。男の思った通り、キラが独裁者になる可能性もある。だが、キラは一人では無かった。
何時如何なる時も、彼の心の中にはラクスがいた。彼女がいる限り、キラは孤独では無いのだ。
「今日は随分と日が強いね」
「そんな事はありません。ここはプラントですよ?単に仕事のし過ぎで外に出ていないからでしょう」
黒塗りの議長専用車に乗り込もうとしたキラは、秘書の毒舌に何の反応も介さず眩しそうに人口の太陽を見上げる。
光が、草木も人も、全ての者に平等に降り注ぐ。なら、ナチュナルとコーディネーターもこの日差しの暑さを共有出来る筈だ。
「議長、時間が迫っていますが」
「あっ、ごめんね」
秘書に急かされ、車に乗り込む。彼の新しい戦いは、始まったばかりであった。
支援
219 :
中身:2010/04/18(日) 00:36:20 ID:???
今回はこれで終了です。
>>169 期待させてしまって申し訳無い。この作品は後まとめだけです。
では
乙です!
…キラとアスランが…格好いい…
このプラントなら先は明るそうですね
テスト
てす
>>209 太陽の牙ダグラムというロボアニメがあってな?
ぶっちゃけ名作ではあるのだが、ロボアニメなのに政治劇ばっかりだったり
主人公の行動が大勢を動かせないから主人公いる意味があんまりなかったり
挙句の果てには「主人公とダグラムがいなくても物語として成立してる」とか突っ込みいれられたりする作品なんだよね
結局ロボアニメの主題は、何なのかが問題だろ
というか、巨大ロボ自体が厨二ソウルの権化なスーパーパワーの結晶なのに
その厨二ソウル否定したら、ロボアニメでやる必然性自体が無くなるわけで
現実の遣る瀬無さに、超常無しに打ち勝ちたいという話なら
そもそも超常的パワーの表現の極地でもある「巨大ロボ」を出す意味自体があんまりないわけよ
ロボじゃなくてパイロットに超常能力があるのが嫌っていうのなら、マジンガーZでおK
態々「セリフと演出で持って」超常能力を 出 さ な い 方 向 に 行 く よりも
元来、セリフと演出で持って、超常能力を 出 来 る だ け 出 す 方向に向かい
なおかつそれを「纏める」のが、ロボアニメの方向性なわけ
そりゃ縛りプレイ的に「ロボだけで収めよう」とする作品もあるよ?
でもそういう作品じゃないだろガンダムにしろボトムズにしろ
そうじゃない作品まで「もっとやりようがあった」とか言い出すのは作品に対して失礼だよ
種? 種の場合はそもそも種割れとか超常能力以前の問題
そもそも超常能力とかの説明すら無しに敵が棒立ちでビームが直撃してるんだからどうしようもない
せめて「敵が超能力で停止するのがキラのチートパワー!」とか言う設定があったのなら
まだ視聴者は納得がいくのだがそれすらないのがダメなわけで
ガンダムZでもラストで「動け、ジ・O! なぜ動かん!?」っつって機体が動かない事を描写したし
その時はZからなんかオーラが出て、視聴者に「ああ、超能力で相手の動きを止めてるんだな」ってのがわかるようになってる
種にゃあ、そういう視聴者に対する説明が無いでしょうが、行間読みなさいじゃないよ
行間がないのが種であって、曲がりなりにも作中で描写してるだけで名作なファーストやボトムズと
種のそれを同類項扱いすること自体が失敬
>>223 それで?
種のアンチがやりたいなら他所でやってくれ
スレ違いだ
>>223 まあ、ダグラムは本当に大人向けのロボットアニメだったからなぁ
言いたいことは良く分かるが、流石に長いしスレの趣旨から外れてきてるんで自重した方がいいだろう
>>224 >>223読んで「種のアンチ行為!」としか取れないのか?
お前頭悪りぃな、ちょいと長文出して自分のファースト&ボトムズ叩きを批判されたくらいでそうファビョって煽るなよ
マジレスすれば、ファースト叩きもボトムズ叩きも、ここからしたらスレ違いだし
>>225 このスレで論争吹っかけられたんだから、このスレに書き込むのが道理だろ
単純な理屈だぜ、チラ裏に書いて欲しければ
そもそも「チラ裏にかけ!」とか言いだすなら、まず種に対する批判を、ファーストやボトムズを持ち出して
必死にそれらにすり替え批判しようとする事こそ、まずチラ裏で書いとくべき事だわ
>>226 まあ、流石にこの論議もスレの趣旨から外れかけてはいるな
こっから自重するわ
>>227 まああれだ、SSに関係無い煽りや中傷は極力スルー汁って事
>>227 わかったからお前はペールゼンファイルズでも見てむせとけ
後ユニコーンでも読んでラプラスの箱の謎に肩プルプル震わせとけ
……所で、種のSEED理論とSEEDの謎が解明されるのマダ〜?
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧
ヽ___\(\・∀・)
\_/ ⊂ ⊂_)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>229 宇宙鯨とか絡めれば面白いネタになりそうだと思う俺
例えばジョージグレンが見つけた化石の発掘にSEED発現者の両親が関わってて
そこで不思議な体験をした後に子供を身ごもったとか
というか宇宙鯨の設定は勿体無いと思うよ
……ガンダムらしさとは縁遠くなるけど
Gガンダムという”らしさ”をぶっちぎった作品もあったことだし
今更宇宙生物だの絡んだっていいじゃない
だから職人への乙GJが少ないと何度(ry
>>中身氏
投下乙です。red eyesもついに終章ですか。しかし、ここまでいい感じなその後のアスランとキラは珍しいな
シンの自分の意思を行動で示すってところは、誰であろうと影響を与えるって雰囲気があるし、アスランが素直に悔しいと言っているところがまた良いわ〜
そして、二つの約束がどんなものなのか。あの二人に対してシンが何を言ったのか。次回を楽しみに妄想しておきますぜw
>>中身氏
GJです!
red eyesの登場人物達は全員“芯”がしっかりしているので読んでいてとても面白いです。
そういや最近は短編の投下が無いですね。一体なんでだろう……
次レスから960 ◆xJIyidv4m6氏の代理で投稿します。
どうも、960です。投下します
Turn Against Destiny
第6話「激情の露出」
ホーク隊の隊長代理に就任してから八日間、シンはずっと隊員達をしごき倒していた。一つはもちろん彼らを育て上げるため。そしてもう一つは、彼らがどんなMSパイロットであるのかを知るためだ。
エドワードとジェームズはどんな間合いの戦闘も概ね器用にこなし、ゴードンは接近戦が得意だがやや突っ込みがち、パーシーは大火力での砲撃戦が得意。そしてジュディは、通常の間合いでの戦闘よりも狙撃が得意ということがわかった。
(部下を持つってのは大変だ。……アスラン、アンタもそうだったのか……?)
フォースシルエットのメインバーニアを大きく吹かし、シンは敵MSの正面に出る。やや後ろにエドワードのチャージザクVが続き、その更に後ろ、マルスはカタパルトを再び開き、ジェームズとゴードンの機体を吐き出そうとしている。
「敵MS八機、機種特定。全てダガーJと確認。本艦の正面に展開中。距離1000」
連合がダガーLの後継機として、戦後すぐに開発したダガーJ。ダガー系列共通の青を基調としたカラーリングのこの機体は、高い機動性の割に抜群の扱い易さが高く評価されており、今なお第一線で活躍している機体である。ちなみに、テロリストからも大人気である。
「こっちでも確認した。しかしドレイク級に八機だって?艦に係留してたんだろうが、そんな数を用意してるなんてな」
「本艦は艦砲射撃で敵の数を減らします。MS隊は、撃ち漏らした敵機を排除して下さい」
「了解」
ミネルバ級の艦船は、一番艦ミネルバから五番艦ユピテルまでの五隻が建造されている。内二番艦から四番艦はメサイア戦役から四年後に、三隻同時に建造されたものだ。なので、その性能に大きな差はない。
では一番艦ミネルバと二番艦マールスの具体的な違いはというと、灰色をベースに黒、紫でカラーリングされていること、主翼から下に胴体が張り出し、そこにトリスタンが二門、CIWSが十二門、ミサイル発射管が八門追加されていること。
更に、実弾砲のイゾルデが撤去され、空いたスペースにはレーザー機銃を試験的に導入、設置している。そして、計四門のトリスタンの可動範囲がほぼ全方位に拡張されたこと。本体のこまごまとした性能の違いはここでは割愛する。
「トリスタン全門照準変更、MSを狙え!ミサイル発射管、全門ナイトハルト装填!」
「了解。トリスタン全門、照準敵MS。ミサイル発射管、全門ナイトハルト装填」
「主砲の射線上のMS隊は退避願います!」
ちょうど最後のパーシー、ジュディが発進を終え、カタパルトから飛び出した勢いでそのまま上方へ避ける。
「よし、トリスタン、撃(て)ーっ!」
四門のトリスタンから合計八本のビームが伸びる。八機の内の四機を狙った主砲は、内三機に避けられ、一機に直撃した。
「エドワード、ジェームズ、ゴードン、三人で一機ずつ叩け!パーシーとジュディは距離を取って援護!」
シンのセカンドインパルスが残った七機の真ん中に突っ込み、あえて的になる。ビームのシャワーをかいくぐりながら牽制のビームライフルをめくら撃ちに連射し、七機のダガーJをバラバラに散開させた。
そこをホーク隊のザクVが三機がかりで囲み、ビーム突撃銃の集中射撃で一機撃墜。ジュディが乗る、ガナーの発展型であるアーチャーウィザード装備のザクVからの長距離砲撃が二度、三度と一機のダガーJを狙い、四度目の砲撃がその右腕をもぎ取る。
ジュディの狙ったダガーJを挟んでちょうど反対側から隙を突いて、パーシーが右腕を失ったばかりのダガーJを、これまたアーチャーザクVで長距離砲撃を浴びせ二機目を撃墜。
「やるじゃないか、あいつら」
うそぶくシンは、ダガーJ三機を相手取っていた。下手に接近戦を挑まず、つかず離れず囲んで代わるがわるビームライフルを撃ってくる辺り、相手はそれなりの場数を踏んでいるとみえる。
「せっかくの実戦だ。フォースの機動性、試させてもらう!」
フットバーを限界まで踏み込むと、セカンドインパルスは大きく加速した。そのスピードで、三機のダガーJの相対的上方に飛び出し、更に引き離す。ダガーJはしつこく食い下がるも、セカンドインパルスとの距離はどんどん開いていく。
これ以上離される前にと三機のダガーJが次々にビームを放つ。しかし、セカンドインパルスは腕を振り、その慣性で機体を振り回してやり過ごした。更に距離は開く。
「凄い機動性だ。これが量産機だって?」
ターンをかけたセカンドインパルスが、今度は逆にダガーJに向かって突撃した。見る見る内に距離が詰まり、ダガーJのパイロットたちは相対距離を見誤った。
致命的なミスを犯したダガーJのビームライフルから吐き出すエネルギーは次々とセカンドインパルスの後ろに抜けていき、唯一まともにセカンドインパルスを捉えた一発は、胸部を覆うように構えたシールドに弾かれた。
「あんたたちが悪いんだ。テロなんてやるから!」
サーベルを抜いたセカンドインパルスが、最も手近なダガーJの右腕を切り飛ばした。残りの二機がサーベルを抜いて迫るが、シンは右腕をなくしたダガーJのコクピット付近に蹴りを入れ、二機の内の一機に押し付けた。
押し付けられたダガーJともみ合っている間に、シンは残りのダガーJが振るったビームサーベルを腕ごとシールドで押しやり、またもその腕を切り落とし、返す刃で頭も落とす。
ダガーJの相対的斜め左上方に振り抜いた刃を左腕の肩口からL字を左右逆さまにしたような軌道でサーベルを振ると、胸糞の悪くなるような光景の出来上がりだ。
「キラさんほどの瞬間芸じゃないけど……ま、ダルマには違いない」
いっぺんやってみたかったんだ、とうそぶいたシンが、犬歯を剥き出して笑う。サーベルをラックに戻してライフルを抜いた。
もみ合っていたのをほどいて左手一本で突きかかってきたダガーJのサーベルをシールドで横から叩くようにとっぱずし、唯一五体満足なダガーJが横合いから切りかかってきたのを跳ねるように飛び下がりかわす。
かわした時にはライフルを挙げ、腕一本のダガーJを撃ち抜いた。派手に四散したその破片をまともに浴びて、最後の一機が動きを止める。そこをライフルをスライドさせて照準、トリガー。
「残りは?!」
新兵五人はどうしているかと思ったシンがそちらを見ると、砲撃戦仕様のザクVに乗るパーシーとジュディが一機のダガーJに接近を許し、残り三人の新兵たちは一機のダガーJに翻弄されている。
ならば母艦であるミネルバ級マルスは、と思ったが、正面からの撃ち合いは不利と悟ったドレイク級が改造で増した速度を生かして接近し、一撃離脱の要領で突撃をかけている。マルスはそれにかまけて新兵の援護どころではない。
「隊長、マルスはドレイク級への対処でMS隊の援護には回れません。隊長は五人の援護をお願いします!」
「了解!」
レシーバーからオペレーターであるローラの声を受けて、隊長って俺だよな、と呟いたシンがフットバーを蹴る。まずは取り回しの悪い大砲を抱えたアーチャー装備の二機の援護に回る。
にやり、と片方の口角をいびつに釣り上げて、シンは侮蔑を含んだ笑みを浮かべた。
シンの中でどす黒い何かが生まれ、心がその何かに蝕まれる。じわじわと心臓を焼くような衝動に身を任せることを本能的に「良くない」と感じたが、無視した。喉の奥から堪えきれなかった笑い声を漏らし、悪いな、と呟いたシンは告げる。
「俺がシン・アスカなんだ」
「…………な、」
電光石火、ビームライフルを捨てたセカンドインパルスが二本のビームサーベルを抜き、大きく×字の軌跡を描いてダガーJを切り裂く。
「そうさ、俺がシン・アスカなんだ……それの何が悪い?!」
続けざまにフットバーを蹴り飛ばし、派手に爆発したその爆炎を突き抜けて、セカンドインパルスが、新兵とはいえ五人をもってしても落とせなかったダガーJにまっしぐらに襲いかかった。
「なっ?!」
「た、隊長?!」
ダガーJのパイロットとホーク隊の誰かが叫んだのがかすかに耳に入ったが、気に留めることすらしなかった。
色鮮やかな青と白の装甲を炎で汚し、ツインアイは半ば融解して濁り、それでも二本のビームサーベルは展開したままフォースの圧倒的な速度で迫るその姿は、見る者に原始的な恐怖、あるいはある種の嫌悪感すら呼び起こさせた。
セカンドインパルスが横なぎに振ったビームサーベルに頭部を半ばから切り落とされ、慌てたダガーJのコクピットにセカンドインパルスの爪先が突き刺さる。
衝撃に動きを止めたダガーJに覆い被さるように抱きつくと、両手のビームサーベルで背部のバーニアを破壊した。
その様子を、新兵たちは機体を棒立ちさせて眺めていた。まるで人間同士が直接殺し合っているかのような、生々しい戦闘行為。そして、それを行っているのは他ならぬ自分たちの隊長なのだ。
「……怖い……」
呟くジュディをよそに、三、四度ビームサーベルの柄をコクピットに叩き付け、ビームサーベルをラックに戻す。完全に停止したダガーJの両肩をセカンドインパルスに掴ませ、シンは再びフットバーを蹴った。
「MS、全機沈黙!」
「ううむ……一つ目共はともかく、あのGタイプはかなりの手練が乗っていたようだな。母艦の方も手強い。これは逃げの一手だな」
ドレイク級のキャプテンシートに座る壮年の男が、大きく溜め息を吐いた。
「今までと同じ要領で突撃をかける。その時にミサイルをありったけ叩き込め。奴らが対処に手間取っている間に離脱する。急げ!ボヤボヤしてる暇はないぞ!」
「艦長、敵MS接近!Gタイプです!」
「それ、見たことか。対空砲火で追い払え!」
「駄目です!うちのダガーJを盾にしてます!」
「なに?!……構わん、撃て!」
艦長が下した判断に従って、ドレイク級の機銃が火を噴いた。それを意にも介さず突っ込むセカンドインパルスも、盾にされているダガーJの装甲もフェイズシフト式ではない。見る見る内にダガーJが穴だらけになった。
しかし、その間にもセカンドインパルスの推力は両者の距離を縮めていく。
「敵MS、減速せずに突っ込んできます!距離50!」
「馬鹿な?!これではまるで特攻……」
光の尾を引いて、セカンドインパルスはダガーJを押す。その様子は、マルスでもモニターされていた。
「艦長、隊長が敵艦に物凄いスピードで接近していっています!これじゃまるで、特攻……」
「モニターに出して!それからシンに繋いでくれ!」
ローラがモニターにセカンドインパルスの様子を映した時には、既に手遅れだった。セカンドインパルスは最高速を保ったまま、そしてダガーJを掴んだままドレイク級に突っ込み、その横っ腹にダガーJごと激突した。
大きな衝撃がドレイク級を貫き、ダガーJとドレイク級の右舷から小爆発が起きる。
「敵MS、本艦の右舷に激突!メ、メインエンジン破損……航行不能です……」
「馬鹿な……」
ドレイク級の艦長が呆然と呟く。艦を沈めるだけなら、手持ちの火器で攻撃すれば良かったはずだ。ダガーJのパイロットにしても、普通に撃墜すれば爆発して死ぬところを、激突の衝撃で挽き肉にされて死んだだけの違いである。
ドレイク級の横っ腹に空いた大穴から、小爆発と共に、セカンドインパルスがゆらりと姿を現した。両腕は潰れ、金色のアンテナは片側が折れ、ツインアイはチカチカと明滅を繰り返している。
あまりに凄惨なその姿に、ドレイク級のブリッジクルーの一人が胃の中のものを戻した。
一方、ミネルバ級二番艦マルス艦長であるアーサー・トラインは、この有り様に冷や汗をかきながらも、事態の収拾に努めていた。
「シン?応答してくれ。……無事なんだね?」
「……はい。大丈夫、です」
途切れ途切れの声がブリッジに響く。異常な事態だ、ということを改めて認識したアーサーは、努めて冷静に指示を下す。
「エドワード、シンは先に帰還させるよ。君はMS隊を指揮して生き残った敵MSをろ獲、マルスに連れ帰ってくれ。ローラ、陸戦部隊とランチをスタンバイさせて。セカンドインパルスを回収次第、敵ドレイク級及び、搭乗員を逮捕する。
……聞こえていたね、シン?君は先に帰艦しなさい」
「……了解」
アーサーは何かしら反論があるかと思ったが、意外なほどに素直なシンがゆっくりと機体をマルスに向ける。アーサーは帽子を脱ぎ、ぼりぼりと頭を掻いた。
(シンは感情が希薄になっていると聞いていたけど……さっきの特攻は間違いなく感情を爆発させた結果のはずだ。……シン、君は一体どうなってるんだ?)
そのシンはというと、先ほどの特攻まがいの突撃について何か言われるかと思っていたが、何も言及がなかったことに拍子抜けしていた。
(……ああ、だから先に帰艦させて事情聴取するわけね)
心臓に小さな小さな穴が空いて、そこから血が全身に流れ出すように、シンの心に後悔の念が広がっていた。何もあんなやり方をする必要はなかった。ただ普通に敵MSを撃墜して、ただ普通に敵艦を沈めれば良かったはずなのに――。
「俺みたいなクラインの犬が乗っていい機体じゃない、か。……普通に軍務をこなしてるだけなんだぞ?関係ない人を巻き込んだテロなんかするあんたたちが悪いんじゃないか……」
呟きながら、今自分が呟いているのは建て前だ、とシンの心が言う。
メサイア戦役で負けてザフトを退役してから、シンはずっと傭兵をやってきた。仲間を殺したラクスやキラたちと共に戦っていくことはできないとシン自身が思っていたのが何よりの理由である。
しかし、シンはザフトに帰ってきた。七年越しに「お前の力が必要だ」と、呼び戻されたからだ。何より、傭兵はシンが思っていたようなものではなかった。叢雲劾は傭兵を「弱きもののための剣」と言ったが、シンにはその逆にしか思えなかった。
だが、ザフトに帰ってきて間もなく「クラインの犬」呼ばわりされ、なおかつ、シン・アスカの名前がひとり歩きしていて、まるで今でもラクス・クラインに対する反抗の象徴のように、反体制側の味方のように思われているという事実が、シンを怒らせ、暴走させた。
しかし、それらの理由があったとしても、任務中にテロリストの言葉に耳を貸し、激昂した挙げ句、その憂さを晴らすために、あてがわれたばかりの最新鋭機をひどく壊した。この結果は、軍人として、ましてや一部隊を率いる隊長としては完全に失格だった。
「……厳罰もんだよな……。隊長職は解任、かな。それか、不名誉除隊とか……」
ふらふらとマルスに向かいながらぶつぶつと呟いている間にも、開きっぱなしの回線からは、エドワードが不慣れながらも指示を飛ばす声が聞こえ、それに従って、新兵たちのザクVが達磨状態のダガーJの回収作業に当たっていた。
それを見、聞きしながら、シンは情けないやら恥ずかしいやら、とにもかくにも惨めな思いで頭を一杯にしながらマルスのハッチに向かった。
「ハッチ開放。セカンドインパルスを回収します」
「了解、ハッチ開放」
アビーの言葉に従って、ローラがコンソールを操作する。
今回の戦闘でMSを五機撃墜し、戦艦一隻を戦闘不能に陥れるという派手な戦果を残したセカンドインパルスは、その戦果とは裏腹に、無傷の部分の方が少ないくらいに全身を損傷させ、みすぼらしい姿で帰艦した。
「回収完了」
「よし、信号弾用意」
アビーの言葉を受けて、発射、と短く命じたアーサー。すぐに、ミネルバ級から信号弾が放たれる。
「『投降せよ』、か」
ドレイク級の艦長は溜め息を吐く。どのみち、シンの異常な突撃が、テロリストである彼らから戦意を奪ってしまっていた。抗戦は不可能、とみた彼は、投降を決意した。
「ドレイク級からの信号弾を確認!パターン白、白、青!」
「敵勢力の投降を確認。ですが艦長」
「うん、わかってるよアビー君。各員、気を緩めないで。これより陸戦部隊はランチでドレイク級に移乗。敵艦の制圧及び搭乗員を逮捕する。本艦は当座表に固定。ランチの援護及び、不測の事態に備えて待機する。……任務はここからが本番だよ」
陸戦部隊が慌ただしくランチに乗り込んでいくその最中、セカンドインパルスのコクピットから這い出したシンを、ヴィーノが出迎えていた。
「シン!……うわ」
激突の衝撃で、シンの体はあちこち傷だらけだった。全身に打撲、むち打ち、更に体中が内出血で青く鬱血し、それが皮膚を破ってパイロットスーツに血をにじませている。骨折がないのは、コーディネイターであることを勘定に入れても奇跡のようなありさまだった。
当のシンは、戦闘の興奮が徐々に冷め、脳内麻薬が切れると共に、自身の体を確認する余裕ができてようやく、全身の痛みを感じ始めていた。
「あー……痛てぇ……ヴィーノ、俺、どうなってる?」
「いや、なんつーか……ひどい。ちょっと待ってろ、そこ動くなよ……」
顔をしかめたヴィーノが辺りを見回すと片手を挙げ、衛生兵、と大声で呼ばわる。何事かとやってきた衛生兵は、血まみれのシンを見るなり顔を青くした。シンはその衛生兵の手で即座に医務室へと連行され、その様子を見送ったヴィーノはセカンドインパルスへと視線を移し、
「あーあ……こんなボロボロにしちゃって。ルナマリアの機体だってこと忘れてんじゃないの?あいつ……」
と、呟いた。
以上で代理投稿は終了です。
960 ◆xJIyidv4m6氏へ下記の訂正箇所は修正しておきました。
あと、数ヶ所「行が長いところがあります」と書き込みができなかったため、僭越ながら改行を咥えたところがあります。
960 ◆xJIyidv4m6様申し訳ありませんが、ご了承願います。
以下は960 ◆xJIyidv4m6氏のコメントです。
222 名前:960 ◆xJIyidv4m6[sage] 投稿日:2010/04/19(月) 21:38:05 ID:ajnbH2y2O
どうも、規制直撃中の960です
中身氏投下乙でした。第一話投下時からずっと読んでいたred eyesもいよいよ最終回かと思うと、一抹の寂しさを覚えます
2chにおいて、一つの作品を完成させるということはどんなに大変なことだったかと思います。最終回を楽しみに待っています
さて、私の方は第6話が予定より早く仕上がったので、本日23時頃より投下します
232 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/19(月) 23:43:28 ID:ajnbH2y2O
今回は以上です。それと、早速ですが訂正箇所がありましたので修正をお願いします
>>230の
>それを見、聞きしながら、シンは情けないやら恥ずかしいやら、とにもかくにも惨めな思いで頭を一杯にしながらマルスのハンガーに収まった。
の部分を、
>それを見、聞きしながら、シンは情けないやら恥ずかしいやら、とにもかくにも惨めな思いで頭を一杯にしながらマルスのハッチに向かった。
でお願いします。お手数ですが、どなたか転載及び修正をよろしくお願いします
>>239と
>>240の間を抜かして転載していまいました。
960 ◆xJIyidv4m6様、読者の皆様、大変申し訳ありません。以後この様なことがないよう気をつけます。
以下、その内容です。
226 名前:960 ◆xJIyidv4m6[sage] 投稿日:2010/04/19(月) 23:23:10 ID:ajnbH2y2O
「パーシー、ジュディ、お前ら二人はエドワードたちの援護に入れ。ここは俺が!」
二機のザクVと一機のダガーJの間に割って入り、ビームライフルを挙げ、トリガー。五、六回ひっきりなしに人差し指がボタンを押し込むと、ダガーJが距離を開ける。それを見たパーシーとジュディは、すぐにエドワードたち三人の援護に向かった。
「あんたの相手は俺だ」
「おのれ、クラインの犬!それほどの力を持ちながら……!」
「パイロットとしての腕が良ければ、体制に従っちゃいけないってのか?馬鹿馬鹿しい」
吐き捨てたシンのセカンドインパルスが構えたビームライフルが、ダガーJの右腕を撃ち抜いた。
ダメージレポートを確認する隙すら惜しんで、バランスを崩しながらも左手でサーベルを抜いて切りかかるダガーJのパイロットだったが、唯一残った左手も同じように撃ち抜かれた。
「くっ……?!」
バランスを崩してよろめいたダガーJのメインカメラをむんずと掴んだセカンドインパルスが、コクピット部分に膝蹴りを入れる。
「ぐうっ?!!おあ……」
激しい振動と圧迫によって、血混じりの胃液を吐いたダガーJのパイロット。ぼやける視界の中で、それでも戦意を失わずにモニターにピントを合わせ、そして恐怖した。
目の前のモニターに映るツインアイの輝き、洗練されたボディライン、シンプルかつ明るいカラーリング。
それらは決して、「暴力」などをイメージさせるものではない。むしろその真逆、平和を訴えるラクス・クラインのような清廉な印象を与えるそのMSがモニターに大映しになって、自らを蹂躙していく。
「……その機体は、貴様のような、クラインの犬が乗っていいような、機体じゃあ、ない」
せめてもの抵抗と言わんばかりに、荒い息を胃液で灼けた喉から吐き、ダガーJのパイロットはモニターに映るセカンドインパルスを睨みつけた。
「……は?」
ダガーJのパイロットが振り絞った声に、シンが低く問い返す。眉根に皺を寄せ、怪訝そうな顔をした。
「オリジナル、ではないとはいえ、かつて、フリーダムを、落としたその機体……シン・アスカの機体に、クラインの手先が乗っているなど……」
今回の事件を起こした犯人は皆ナチュラルだったが、ラクス・クラインに反目する彼らは、シン・アスカと初代インパルスの大戦果を知っているのだ。
「……ああ、そういうことか」
>>960氏、代理投下の方
投下乙です。ブチギレモードのシンこええ・・・和田をタコ殴りにした運命Uを思い出したわ。ここまで、ダークなシンも珍しい
感情の上下が激しいシンとの会話って、ある意味地雷処理に近いものあるよな。ある一言がキッカケになって虐殺モードにスイッチ入るような
しかし、ルナの機体だってのを忘れて特攻とはまた。ベッド上のルナから大目玉くらいそうだなw
次回もお待ちしておりますわ〜
960氏乙です!
情緒不安定っぽい(良い意味で)原作っぽいシンは新鮮だ。
しかし、シン・アスカと初代インパルスの大戦果ってウィンダム30機撃墜、ローエングリンゲート攻略、オーブ艦隊撫で斬りと連合(ナチュラル)相手の方が余程戦果上げて、戦局にも影響与えてる気が……
フリーダム撃墜がそんなにインパクトあったのだろうか?
後、どうでもいいんだが、
>>247の >>ベッド上のルナから大目玉 が、ベット上でルナから に見えた……
俺はもう駄目かもしれない
>>248 >ベット上でルナから
か…かまわないよ……
…敵からすりゃ結構ショックだよね
半分自分らの希望の星みたいな奴が不倶戴天の敵の犬になってんだから…どう逆襲するかに期待しつつ
まあ、連合からすれば自分らに大損害与えた相手を旗印にってのもおかしな話かな…そういう意味じゃあ赤鬼とかレッドアイとか、傭兵やってる何人かのシンみたいに
偽名使ったりしてってのは結構自然か
…さて、今から一時間書き込みがなかったらAI娘(エミュ子とか)とMS擬人化の娘貰ってっていいよな
>250
何となく圧力を感じたので阻止。
RBは渡さん。
でも、MS擬人化ってどの話にあったっけ?
>>251 wN/D/TuNEY 氏の“Mercenary Of Red”、第17話EXだな。グフクラッシャーとエクシードがナイスな擬人化されている。シンより早くエクシードの巨乳にダイブするのは俺だ!
>>251 傭兵氏の古城の傭兵(仮)_第09話のおまけにもあったぞー
とりあえずハンドレッドとウィンダムとネロは俺の嫁
乳の話するとまた粛清の嵐が(ry
>>252-253 残念だがそれは両方とも「『自称』グフクラッシャーの精霊」のおいなりさんだ
もし…もし種シリーズが小池一夫作品だったら
シン・アスカという男の運命は一体どうなっていたんだろうな、みんな?
拝一刀や山田朝右衛門のような究極のストイック求道者タイプか
スリーピー巡査のような本能に忠実だがやる時ゃやる豪快さんタイプになるかで
随分変わってくると思うぞ。
「『自称』グフクラッシャーの精霊」はミンチより酷い状態なんじゃ
261 :
256:2010/04/22(木) 17:51:17 ID:???
>>259 あちらでは種シリーズ全体がメインの心算で発言しました。
こっちでは主にシンが主体で考察して貰いたくて……
自分でしてくれ
俺はそそられない
自分の体にナイフで家族ステラレイ議長艦長ほか死に追いやられた縁者の
名前を彫り込み、四バカの誰かをふん捕まえて現在最悪レベルである
庶民の市井を引きずり連れ回して自分らの治世の結果を思い知らせる
葬流者(ソウルジャー)なシンとか?
264 :
256:2010/04/23(金) 00:37:44 ID:???
>>263 または体毛が真っ白に為りながらも報復の為に
火星へ鉱物資源を採掘しに行く「傷負い人」シンとか……
更には謎の組織から頭にスカウトされ、新たなる名前を得て組織の頭と為り
蔓延る奴等と戦い続ける「フリーマン」シン――とか。
「いいのかシン、俺を倒したら折角の解毒剤の在り処がわからなくなるぞ」
「そンなものはとっくに知って居る。アスラン、お前のそのカツラの其処だ」
「げえっ! なぜ、なぜ……」
「そンな大事なモノは見につけておくものだろう」
名乗ったわりにはネタがあんま面白くない
>>265 じゃあ貴方が面白いネタを投下してくださいよ
逆ギレw
小森とやらが好きなのはわかった
興味ない人間をうならせるぐらいネタに磨きをかけるか
落ち着いて自分を一歩引いて見てくれ
スレタイと
>>1を三回見てくれ。 アフター物が基本のこのスレでは『もし……、だったら……』はスレチだ。
分かってて、考察して貰いたいなんて言うなら相応しい他所のスレでやってくれ。
とりあえず逆襲してくれ
種死アフターの場合 ピンクがプラントの政権乗っ取ったものばかりだが
公式では評議会入りしただけで、議長になったとは明言されてないよな?
まあ乗っ取らせた方が話が作りやすいけど
種死終了後のオーブはどうなったのか公式設定はありませんか?
自分なりに考察してみたらとんでもない結果になってしまったんですが
もともとオーブは自国のみで食糧の自活ができず高い技術による加工貿易と観光業で食べている小国なのに
種本編において貿易の要となるマスドライバーと技術の中心であるモルゲンレーテを爆破しました
戦中は当然として戦後も観光業には閑古鳥が鳴いていたであろうしこの時点でオーブは破産するでしょう
にもかかわらずたった二年後の種死では完全に復興が終わり、新型機まで製造していました。
どう考えてもオーブはロゴスや大西洋連邦から莫大な援助(借金)をしたとしか考えられません
種死でカガリはロゴスと敵対するようなことをしてましたが、ロゴスが潰れたからといって借金はなくなるわけがありません、遺族や国が新しい債権者になるだけです
戦後借金の返済を迫られたらどうすんだろう?おそらく兆単位になるだろう借金をどうやって返済する気だ?
カガリならば『セイランがやった借金だ!オーブには関係がない!』といって無視しそうですが
そんなことをすればオーブは信用を失い、どこの国も輸出入をしなくなりオーブは破産し大飢饉がおきます
こうしてみるとオーブがとる道は、借金により大西洋連邦の経済植民地になるか
理念をかなぐり捨てザフトと手を組み世界征服を目指すかのどちらかしかありません。
しかしザフトは種で壊滅状態になり、種死でやっとある程度立て直したが内乱などで消耗しています
レクイエムによる被害もあり、プラントの人口から考えて建て直しは絶望的です
大して連合各国は、復興が終わればザフト、オーブの数十倍の軍がそろいます
どうするカガリ、もう種死みたいに逃げ出すことはできないぞ?
>>272 プラント併合して国民の持つ国債と借金替わりに買った連合債をプラント製品しか買えないデジタル通貨キャピタルに強制交換と言うネタなら
>>273 それ、キラ・アスハ親王がユニウス公国の国主で正室のラクスを除く6人の側室には子宝に恵まれ
最初に受胎した側室の親のハバがキラに次ぐ地位になりラクスを潰す為にジャンク屋に恨みを持つ東アジア共の人間にマルキオやバルトフェルドの乗った専用機を撃墜させ
新理念(殴ったら侵略する)に基づき報復に西日本を制圧した英雄オシダリが西日本の総理になる下級士族武双のネタ?
>>274 なんだ子供が出来ない理由は貧乳でやる気が出ないだけだったんだな
>>272 種死において負債が脳内で抹消した設定の考証みたいだなw
>>272 公式設定になるかどうかは知らないが
一応、下村の種RBGでカズィがジジイになった頃、オーブは平和ではあるらしい事が描かれてるぞ?
それまでに、種死での戦勝国の地位利用して、他の連合の国家に対してどんだけドぎたない手使って
その平和維持してたのかは知らん
ま、オーブが平和で恵まれた国で在り続けるには、かつての大英帝国がやったように、
「広大な植民地を持ち、そこから搾取し続ける」しかないわけだがな。
少なくとも種死終了時は、そういう状況であり、それだけの戦力は整ってる。
そのRGBてのはよく知らないけど、カズィが爺さんになってるという事は
短く見積もっても約半世紀、まだクライン・アスハ体制が続いていて
その上での平和って事なの?
クライン政権はラクスの洗脳ボイスで当面の維持は可能だろうがアスハはそうはいかん。
セイランを筆頭に優秀(常識があるともいう)な文官が軒並み粛清されて
残ってるのはアスハマンセーな脳筋バカな軍人というのも憚れるような軍人とゴマすり共、
そしてまともに政治交渉もできないカガリのみ。
仮に上で挙げてる借金問題をどうにかできてもそれ以後必ずどっかでボロが出る。
種死終了時のオーブ周辺の事情は、犬養首相が暗殺された頃の大日本帝国か、
張作霖が爆殺された頃の中華民国に酷似してるからな。
このスレでの幾つかの話みたいに滅ぶべくして滅ぶんじゃないの?
アスハを憎悪する人間はうじゃうじゃいる筈だし…粛清されてなければだけど
よしんば数年もったとしてもGSCTの市街戦に持ち込ませようとする奴だらけになってたり態々無能指導者の名前冠した
新首都建造して数万単位で機動兵器配備して国力削るような真似するだろうし
乙GJは少ないのに考察となると途端にスレが加速するなw
>>280 オーブの敵は火種になったらターミナルがあらゆる手段で消され世界は平和に!
一方、ラクスが崩御したあとは巨大な帝国の最後と同じく正統、新生、ネオザフト、独立戦線、etcetera…が独立し地球圏戦国時代の始まり始まり〜
そういやターミナルもよく分からんよな。
実体、規模が一切不明で一国の諜報機関並みの情報力と設計はプラントとはいえ、超高性能MSを開発できる技術力。
クライン派が元になったみたいなのにナチュラルにもコネがあるみたいだし。
それで思うんだが、シンのようにラクスの歌声が効きにくいコーディーもいれば
何故かナチュラルなのに歌声に魅了されやすい人間もいるのかもしれない
>>286 >>287 狂四郎2030を久々にぶっ通しで読んだが
マインドコントロールって意外と簡単みたいだな
オーブはMS工学が強いから兵器のハードなりソフトの常時輸出で経済は安泰じゃないだろうか
アスハの人もラクスがいるプラントには友愛精神で、地上国家で唯一無二のコーディ利権の独占
借金の方は国の宝みたいな
290 :
中身:2010/04/24(土) 20:18:49 ID:???
PCが規制されてしまったので、避難所の方にred eyes最終回投下しました。
何方か代理投下お願いします。
>>287 シンが効きにくいってよく聞くけど、公式に何かあったっけ?
でも、ミーアのでも普通に落ち着いてたしな<プラント住民
歌だったら氷川きよしでもクラウザーさんでもいいんじゃないか?
ラクスのことガン無視してたからですかねー
1秒間に12回レイプと手マン発言で沈静化するプラント
いやあああああああああ
>>290 了解しました。
次レスより中身氏の代理で投下します。
「そんな約束を?」
「ああ、何かやらかす奴が出てきたら、それに立ち向かう事。別に直接戦場に出る必要は無いらしいがな」
アスランのデスクに、窓から夕日が差し込む。長話になると踏んだ大尉が、自分の分もコーヒーを淹れて空いている椅子に腰かけた。
「二つ目は?」
「これがアイツらしくてな。約束というより、勝負だな。誰が一番他人を幸せに出来るか、だそうだ。期限は死ぬまで」
「ははっ、何ですかそれは」
何とも無茶な勝負である。方法も結果の出し方も、期限さえ出鱈目な決め事。勝負など成り立たないだろう。
「そうだろう?そんな約束を、これからプラント議長になる男と、
オーブ軍司令官に返り咲く予定の男にするんだから、アイツは正真正銘の馬鹿だよ」
左遷された身でありながらまだ返り咲くつもりでいるこの上司も相当馬鹿だと思うが、
しかし本当に返り咲いてしまいそうなのがアスランの魅力だ。
「その勝負、勝つ自信があるので?」
「無論だ。俺は、オーブの国民を、アスハ首長を守る。例えどんな事が起きてもな」
真剣な顔でそう言い切るアスランに、罪滅ぼしという言葉が浮かんだ大尉は首を振る。
彼がその罪のあまり自棄になりそうになったら、それを止めるのが副官である自分の仕事だ。
「と、いう訳で俺は今からシンとの勝負の為に帰る」
時計を確認したアスランが、先程の真剣な表情とは打って変わって緩々な表情になる。
顔の筋肉がこんな素早く緩むものなのかと呆れる程の変化だ。大尉もそれに釣られて時計を見ると、勤務時間が丁度過ぎた所だった。
戦闘時かと見紛う素早い動きで、アスランが帰りの準備を済ませる。アスランがそんな動きを見せる理由は、大尉の知る限り一つだ。
「そういえば議会が昨日閉会したんでしたね。この雑誌にカガリ様と一緒に載るのだけは勘弁して下さいよ」
コートを羽織っていたアスランの動きが止まる。もしこれが漫画なら、「ギクッ」という擬音が表示されているだろう。
「どうして、分かった」
これだけあからさまな変化で分からない奴はいないだろうとは思ったが、大尉は律儀に答えた。
「私も木の股から生まれた訳ではありませんから、それくらい分かります。後、オールバックは止めた方が良いですよ。老けて見えます」
「・・・角刈りのお前に言われたくないぞ」
ボソッと呟いたのを最後にアスランは執務室から出て行く。
足早に車に乗り込み、攻防総省から出たアスランは、急いでいるにも関わらず車を止めた。夕日が沈んでいく。
その姿は、美しいの一言だ。プラントでは見られない光景。祖国を想って感傷に浸るなど、全く自分は勝手な男だ。
「・・・今度キラの様子でも見に行ってやるか」
本来なら、ザラの性を持つ自分が責任を取らねばならない立場なのだと、戦いが終わった後アスランはキラに言い寄った。
ラクスを自ら殺してしまったキラが、とても不安定に見えたから。これ以上、親友を傷つけたく無かったから。
しかし、アスランの言葉に返ってきたのは、鬼神の鉄拳と、「カガリをお願い」という親友の一言だった。
今思えば、相当思い上がった、見当違い甚だしい申し出だった。赤っ恥にも程がある。
だがせめて、ワイン持参で会いに行くぐらいは構わないだろう。
その時は、今日も何処かで、誰かの為に戦っているだろう元部下も呼んでやろう。
「そうだ花束買うのを忘れてた!」
物思いに耽っている内に、太陽は完全に沈み、約束の時間が迫っていた。今の彼女にとって、フリーの時間は何より希少な物だ。
一分一秒でも無駄にしたくは無い。カーナビの目的地を花屋に変更したアスランは車のアクセルを全開にした。
ユーラシア連邦領ベルリン。メサイア戦役の際に、MAデストロイにより完膚無きまで破壊された都市は、
数年経った今でも復旧作業の途中だった。そのベルリンの、まだ復旧の手が届いていない更地に一隻の艦船が駐留していた。
『はぁ、祭りに行ってる奴等は良いよなぁ。俺は油塗れだってのにさ』
「そう言わないで下さい。仕事をしてる貴方が、一番光ってますよ」
『ホントッ!?』
レッドアイズ地上本拠地であるグリッグス。自由時間が言い渡され、仕事が残っている者以外は殆どベルリンの町に降りていた。
その為人員が半分以下になっているブリッジで、
ここぞとばかりに甘い雰囲気を撒き散らしているオペレーターに、艦長は溜息を吐いた。
「あのねアビー君、暇だからって通信でそういう会話しないでくれる?ヴィーノも、僕なんて自由時間無しなんだよ?」
『「だったら早く副長を決めれば良いじゃないですか」』
異口同音に言い返され、アーサーは肩を竦める。レッドアイズの副司令は実質シンだが、副長はいない。
確かに、副長がいればアーサーが休息を取っている間艦を任せられる。
しかし、自分が此間まで座っていた副長席に誰かを座らせる自信が、アーサーには無かった。
団員の中に本職の船乗りが自分以外いないという物質的理由もあるが。
「少し休んだ方が良いのではないですか?毎年恒例の警護任務、今まで敵襲にあった事なんて殆ど無いですし」
レッドアイズにとってベルリンは、今や毎年依頼を寄越してくれるお得意さんの一つであった。
その関係は、数年前に遡る。味方である筈の地球連合に、壊滅的な被害を齎されたベルリンは、極度の連合嫌いになっていた。
大西洋連合の力は借りられない。しかし、当時のユーラシア連邦にもそれ程力は無く、
生産能力を失った都市を守るだけの戦力は無かったのである。
防衛力が無いというのは、メサイア戦役後治安が悪化した地球では致命的な事であった。
その時ベルリン市長が見つけたのが、当時傭兵団として駆けだしのレッドアイズだった。デストロイを打倒した部隊だと知った市長は、直ちに都市の警護を依頼、事情を知ったレッドアイズはそれを格安で請け負った。
今では治安も回復し始め、ユーラシア連邦の力も回復し、少ないながらも軍が駐留している。
それでも、毎年クリスマスの日にはこうして警護の依頼がやってくる。
依頼といっても雀の涙程の依頼料だが、レッドアイズは毎年欠かさずこの依頼を受けていた。
「思い出すよねぇ。創設直後でお金も無いっていうのに、シンが駄々捏ねて本来の依頼料より安く受けちゃって」
「でも彼らしいじゃないですか。後先考えないというか、なんというか」
『アイツは馬鹿なだけだよ、馬鹿』
三人揃って、大きな副司令を思い浮かべて笑う。立場の弱い依頼人と見るや、
片っ端から格安で依頼を引き受けようとするシンに、何度困らせられたか分からない。
今は笑い話で済ませられるが、あの頃の貧乏生活には絶対に戻りたくなかった。
今でも金欠になる事はあるが、砂漠のど真ん中でグリッグスの空調を止めなければならない程では無い。
『シンの奴、上手くやってるかな』
「大丈夫ですよ。今の彼なら、きっとルナマリアも落ちます」
「なんだいそれ、女の勘?」
ニコニコしながら頷くアビー。彼女はモニターから注がれる視線に気付いているのかいないの
「二連続は止めてよヴィーノ」
「何の事ですか?」
『なっ何でも無いよ!ですよね、艦長!』
慌てふためくヴィーノの声を聞いて、アーサーはガックリと頭を垂れ、溜息を吐く。
若い団員を見ていると、自分はどうも負け組な気分になる。
ザフトで同期だった連中の中には、子供が出来ないと相談してくる奴すらいる。こちとら独身だというのに、だ。
「若いって良いな〜」
独り身中年男の切ない声が、クリスマスの夜の空に響いた。
雲一つ無くクリスマスを祝う賑やかなベルリンからMSを飛ばして少しの森の中。
MSから降りた二人の男女が、森の中を徒歩で進んでいく。
「シン、ホントにこっちで合ってるの?」
「もう何年も通いつめた道だ。体が覚えてるよ。もう直ぐだから」
先を歩く男―――シンは、右手に花束を、左手に懐中電灯を持って黙々と歩き続ける。
その様子に、後ろから付いて行く女―――ルナマリアは仕方ないなぁと溜息を吐いた。
「着いた」
「・・・綺麗」
延々と続いていた獣道が途端に終わり、視界が開ける。目の前には大きな湖が広がっていた。
辺りには雪が積もり、一面を白に染めている。雲が無く、何も遮る物無く地上に届いた月明かりが、辺りを明るく照らしていた。
荘厳な絵画の様な風景は、獣道を歩いて来た疲れなど忘れてしまう程美しかった。
感動しているルナマリアを余所に、シンは懐中電灯を足元に置き、花束を二つの束に分けた。
「ルナマリアも頼む」
「うん」
普段人も寄りつかない、深い森の中に位置するこの湖は墓だった。
散々体を弄られ、デストロイの『部品』として戦い、しかし最期はシンの胸の中で人として息を引き取った、一人の少女。
シンが守れなかった、二人目の大切な人。シンが彼女の亡骸をこの湖に沈め、墓としたのだ。
毎年、ベルリンの警護任務の際にはシンがこっそりと墓参りをしていた。しかし、今年はシンの願いもあってルナマリアも同行していた。
今までは周りの目を憚る様に一人で行っていたというのに、一体どういう風の吹きまわしだろうと首を傾げた物だ。
二つに分けられた花束の片割を受け取ったルナマリアが、マジマジとその花を見つめる。
薄いピンクと黄色の花々は、ディオキア付近に自生している物だ。辺りの風景とは違った、温かみのある、しかし墓参りには些か派手な花。
「あの時は余裕が無くて、結果的にこんな寒い所に置いて行ってしまったから」
花を見つめるルナマリアに気付いたシンが訳を話す。
「だから、南国の花なんだ」
納得したルナマリアが、それを湖に投げ手を合わせる。シンも同じ様に花を投げる。手を合わせて、どれぐらい時間が過ぎたか。
湖面に花が散っていく様を眺めながら、横目でシンの様子を窺うが、彼はまだ目を瞑ったまま手を合わせている。
こんなに真剣になっているシンも珍しい。ルナマリアも改めて前を向き、シンの気が済むまで手を合わせ続けた。
「ルナマリア」
「なに?」
祈りが終わり、合わせていた手を解いたシンが唐突にルナマリアを呼んだ。
シンがルナマリアを省略しないで呼ぶ時は、決まって重要な事を言う時である。
ルナマリアもそれに気付いて気を引き締め、シンを見る。
「その、さ。俺達も付き合って大分経つだろ?」
「そうね。メサイア戦没の時からだから、もう8年ぐらいかしら」
ぎこちなくシンが話し始める。右手を上着のポケットに入れ、ソワソワしながらこちらと目を合わせない。
その分かりやす過ぎる挙動に、ルナマリアはシンが今から何をしようとしているか察する。
しかしこうも典型的な挙動を取られると、ドキドキしようにも呆れの方が先に来てしまう。
溜息を吐きたくなるのを懸命に堪え、シンの言葉を待った。
「・・・沢山、色んな事があったよな。ザフトを辞めて、ルナマリアに下手っぴって言われて。
キラ・ヤマトとタイマンして、ルナマリアに殴られて」
「おっ女らしくなくて悪かったわね!」
「アスランの馬鹿を止めて、ルナマリアに部屋を追い出されて。キラと組んでラクスを止めて、ルナマリアに土下座して」
「・・・あんた、何が言いたいのよ」
落ち着いて来たのか、月を眺めながら話し始めた内容は、ルナマリアが思っていた物と大きく異なっていた。
「いや・・・それでも俺は、ルナマリアの事好きなんだなぁと思ってさ」
「なっ」
突然放たれた不意打ちに、ルナマリアは自分の耳が熱くなるのを感じた。
「だからさ、その・・・やっと決心が付いたんだ。俺と・・・結婚してくれ!」
そう言って勢い良く突き出された掌サイズの箱には、小さな宝石がはめ込まれた指輪が収まっていた。
シンがベルリンの職人に頼んで造って貰ったそれは、月明かりに照らされて白く輝いている。
「シン・・・」
「今までは、こんな事考えられなかった。でも、SOCOM戦没の後くらいからか、自分に自信が出来たというか・・・」
シンの説明は歯切れが悪かったが、何故かルナマリアは自然と納得出来た。昔のシンは、言動や行動に常に予防線を張っていた。
それは、何時死んでも良い様にというシンのスタンスを表している様で、ルナマリアの心配の種だった。
それが、SOCOM戦没後はパッタリと無くなったのである。理由は知らないが、シンはあの事件を境に変わっていた。
人を護る事ばかりを追って、自分を顧みない男が、少しずつだが自分と向き合う様になってきたのである。
シンもルナマリアも気付かない、知らない事だったが、
それは、SOCOM戦没で<四人目>のキラ・ヤマトに言われた言葉が生きている証だった。
「で・・・その・・・答えは・・・」
指輪を突き出した状態で居心地を悪そうにしているシンが、おずおずと尋ねてくる。
少し考える様な素振りを見せるルナマリアだったが、もう答えは出ている。
「やーだ」
プイッとそっぽを向く動作と同時に、シンに「NO」を突き付ける。それを見たシンはショックの余りか固まっている。
「ここに私を連れてきた意味がやっと分かったわ。ズバリ、一人で告白する度胸が無かったからでしょ」
「うっ」
「駄目よそんなんじゃ。ステラさんだって、良い迷惑よ」
「ううっ」
「・・・だから、一人で来る度胸が付いた時、もう一回受けてあげる」
「へっ、それって!?」
図星を突かれまくって縮んでいたシンだが、最後のルナマリアの台詞に目が生気を取り戻した
「はい、もうこの話は御仕舞。艦長に無理言って来てるんでしょ?早く帰らないと」
そう言ってシンに背を向けると、先にMSの方に歩き始めた。
心の中は、告白してくれた喜びと、シンの不甲斐なさに対する苛立ちで半々と言った感じか。
シンがステラを大切に想っていた事は知っているし、今もまだ引きずっている事も知っている。それは受け入れていた。
しかし、ルナマリアからすれば、死んでもシンの心に有り続けるステラは少なからず嫉妬の対象である。
そんな彼女の前でシンからの申し出を受け入れるのは、女としてのプライドが許さない。
第一、墓の前で結婚を迫るというシンの神経が分からない。女心に鈍いのはこの先も治りそうも無かった。
「俺なっさけないよなぁ〜。全部見透かされちゃってさ」
しゃがんだシンが湖面に話しかける。当然答えは返ってこなかったが、シンは満足気に微笑んだ。
「シ〜ン置いてくよー!」
「ああ、今行く!」
先に歩き始めていたルナマリアに呼ばれて立ち上がる。そのまま歩き出そうとして、湖の方にもう一度振り返った。
「今度来る時は、結婚報告が出来る様に頑張るからさ。・・・じゃあまた来年」
今度こそルナマリアの方に歩き出す。淀み無く、しっかりと。今まで、「また来年」なんて言った試しがなかった。
何時死ぬか分からないのだから、そんな事を言ってはならない、そう思っていた。でも、そんな事は無いのだ。
自分が生きる事に責任を持つ事、それが大事なのだ。死んだらその時、約束を破ってゴメンと謝れば良い。
シンは、今までそれが出来なかった。何時死ぬか分からないという感情が、彼に自分自身の未来を描く事を許さなかったのだ。
今ならきっと、シンは自分の思い描く未来を描ける。それが、彼の身に付けた「自信」の正体だった。
(ルナとの子供は何人がいいかなぁ。そういえばレッドアイズって産休あるのか?)
真面目な顔をしながら、口に出したらルナマリアに張り倒されそうな妄想を膨らませる。
出生率の低いコーディネーターなのだから、そんなに子供が出来る可能性は零に近い。しかし、未来に絶対は無い。
「シン、ホントに置いてくよ!」
「ちょ、待ってくれ〜!」
人は、未来を描く力があるのだから。
Red Eyes 完
以上で投下は終了です。
楽しく読ませていただきました。お疲れ様でした。
以下中身氏のコメントです。
237 名前:中身[sage] 投稿日:2010/04/24(土) 19:57:16 ID:VWZCTDv20
PCが規制でやられてしまったのでこちらで投下します。
redeyes終章後篇、最終回です。
最後が規制とは何だか悔しいですが仕方ないですね。
243 名前:中身[sage] 投稿日:2010/04/24(土) 20:15:29 ID:VWZCTDv20
Red Eyesは、キラ他三人に運命を大きく変えられたシンが彼らの運命を変える。
という形で「逆襲」を書かせて頂きました。キラ達にもスポットを当てなければならない関係上、
シンの登場が比較的少なくなってしまった事は反省点です。
何はともあれ、これでRed Eyesは終了します。
長編SSは初めて書かせて頂きましたが、長い間、多くの乙、GJ有難う御座いました。
基本名無しに戻りますが、たまに小ネタを書くかもしれません。では
中身氏、代理の方GJでした!
週一ペースを最後まで貫き完投されたのは純粋に凄いと思います。
シンもアスランもキラも幸せになって欲しいなぁ……
機会があればまた長編を書いていただければ幸いです。
最後に本当に乙かれさまでした。
red eye氏並びに代理氏乙です。
今は言葉がまとまらないからありがとうとお疲れさまだけにしておきます。
>>280 不明
「ジジイになったカズィに、インタビュアーがAA乗船当時の話を聞きにくる」という体裁なので
インタビュアーがだれなのかもわからず、世間話レベルでしか世界情勢もわからない
カズィの語る当時の思い出話以外の世間話の中でわかるのは
他はともかくオーブとプラントは平和って事と
ブーステッドマンに使われてた強化薬のグリフェプタンが
中毒性とかの諸々クリアできたのか、治療薬のDグリフェプタンとして一般流通してて
爺になったカズィが愛飲してる事くらい
>>中身氏、代理投下の方
red eye完結、お疲れ様でした。キラもアスランも、シンの行動・言動に動かされて自分で歩いて行くというのは何かまたいい感じですね。本当にお疲れ様でした
中身さん完結有難う御座います。ちょっとあっけない気もしましたがまあいいやw
>>272-283 まあ種世界ではどうもオーブ自体が色んな点で不釣合いだからなんともね。
ナチュラルとコーディネーターの対立軸以外に主軸設定しちゃ駄目だろうに……
序でに理念についてはこれくらい逞しくないと理念とは言えないと思います。
「そもそもの話、
人々が自分から自分を侮ってだらしない行為をするから、他人も其の人を侮辱するのであり、
家庭も自分から破滅するような原因をつくるから、他人もその家庭を破滅させるのであり、
国家も暴政愚政を行なって国内の怨みをかうようなことをするからこそ、他国も侵略してきてその国を亡ぼすのである。
だから我々は他国への侵略を何一つ躊躇ってはいけない。相手は自ら滅びの原因を生み出したのだから。
だから我々は出来うる限りの手段で自国への侵略を停止させなければならない。侵略されるのは自身の怠慢がいけないのだから」
上手く言葉に出来ないが、完結お疲れ様でした
これだけは言いたい
中身氏乙でした
みんないい方向に変わったなあ
完結乙でした!
いやあ、相互に影響与えていい方向に…っていいですねぇ…
ところで、諸君に聞きたい。
このスレじゃあ結構な数のキャラクターが職人諸氏によって創造されているが、
それぞれに声当てるとしたらどんな感じだろうかね?
アズラエル嬢とかななことかクレハとかシッポとか陛下とか。
声と名前一致しないからその手の勘弁
中身氏Gjです・・・。
お疲れ様。そして・・・・ありがとう
>>中身氏
完結乙です
細かいですが
戦没ではなく戦役の間違いでは?
完結お疲れ&おめでとう
完結記念ということでこんど読みなおしてみようかな?
上手い感想とか書けないorz
>>314 つ「読書感想文 書き方」でググってみる。
あんなん宿題用のそれでこういう場のは違うと思うけど
プラントでは15、16で成人扱いなので、ナチュラルだとレポートじゃなくて感想文なのなw
ラクシズの日勤教育を受けたシンの逆襲なんてどうか
どうして戦時中にデュランダルの思想に傾いたか延々と続けばキレても仕方ない
・・ラクス倒せないな 凸も手強い
逆襲日記 G月F日 雨または昏倒
「なん……だと……?」
「うっわー! これジャスティスだよね? なんかえろいよ! 露出度無いのにえろい!」
「アスラン、むっつりだったんですね。メイリンも代表も大変そうだわぁ。」
「なっ!! 俺はただ武装を付けろって言っただけだぞ!?」
他の事は何にも言わなかったよな。設計図と実際が違うってのもよくある。うん。
つーかMSに露出度無いだろ。アーマーはまた別物だし。
にしてもブーツカットにハイヒール、曲線多めにはしたけどこんなえろかったか?
「その武装が見当たりませんが……あ、名前はレディナイトジャスティスですわ。」
――説明めんどくさい。取説読んどけよな。
「武装はぱっと見分からないけど一通り揃ってる。両足踵部分にCIWS、あとビームは格好
よさげだからライフルから2丁拳銃にして、長距離砲はとりあえず肩に付けておいたから。
ビームサーベルは大腿部に収納されてる。でもメインは袖口のビームウィップだ。」
「ああ、確かに鞭付けたくなるねこれ。すごい似合うよ」
「レディっていうよりクィーンって感じですもんね。妖しい仮面とかもいるんじゃない?」
「でしたらロウソクも必要になりますわね。MSサイズとなると用意が大変ですわ」
「え、でもライブで使うならソレってイメージ的にどうなんです?」
盛上がってる。自分の機体じゃないから皆言いたい放題だな。他にもあるけどまぁいっか。
っと、言い忘れてた。
「忘れてたけどコレ、決めにセクシーポーズ取るんでその辺よろしく」
なーんかOSが干渉しあうのか何なのかどうやっても直らないんだよなーへんだなー
うん、これはバグじゃなくて仕様だッ! 仕様なら仕方ない!!
……ってあれ? ジャスティスの声がしない。絶対叫ぶと思ったのにどうしてだ?
辺りを見回すとLKジャスティスの周りをうろうろしてチェックしてる姿があった。
何だかんだ言っても自分の乗るMSだから装備の位置を確認してるのか。こういうとこは……
「わかった! カラーリングのせいで下乳&横乳に見えるのか!!」
――あんたって人は……
段々色々おかしくなって来てるけど気にしないことにした。
でもそろそろ、目覚まさないといけないんだろうか。寝てないけど。
>中身氏
完結おめでとうございます。それからありがとうございます。
沢山楽しませて頂きました。少し寂しいですが…お疲れ様でした。
良い逆シンライフを。
>前回分を保管してくれた方、ありがとうございます。
申し訳ないんですが、前後のこういう所はチラウラなので、
もしこれを保管する時は、ついでに前回分の最後2行を削除してください。
すいませんが、よろしくお願いします。
アスラン…お前ってヤツはw GJ!
凸、ポジティブすぎるというかシモに正直すぎるwwww
てか、乳のあるMSはノーベルで十分だ!w
ラクスはなぜこれほど嫌われるのか、個人的に考察
種編
慰霊祭参加のためユニウスセブンの近くにロクな護衛もなしにやってきて(これは彼女の責任とは言い難い)遭難
キラの乗る船に救助される。
さんざっぱら天然というか脳みそ軽い言動をカマしたあげくキラとアスランの「取引」でプラントに脱出
しかしフクダ監督いわく
「彼女は観察しているんですよ、アスランを、そしてキラを。(略)半分くらいは天然ですが、自分を演じることもできる。
会話の端々に意図的にいろいろな言葉を置いていって、アスランという人間がどういう人間なのか、ずっと試していたんです」
つまりあのオツムすかすかな言動や平気で男の前で着替えてパンツ見せたりするのも演技で目の前の人間が自分の役に立つのかを計ってるんですか
うわ、ヤなヤツ。
後痴情のもつれから無理心中しようとしたアスランの自爆に巻き込まれたキラが突然何の説明もなくプラントにいる(キラボゾンジャンプ事件)、という場面で
キラの看護をしてる状態で再登場。
一介のアイドルの分際でまぢ絶滅寸前なコーディネーターの最後の切り札、njc搭載の最新兵器を盗み出して
気に入った男にプレゼント。
後最新鋭戦艦や貴重な兵員まで盗み出して独立戦闘集団を結成。
しかしやっている事は場当たり的に目についた戦闘に介入して両方とも叩きのめす、というマッスル日本のごとき行為。
再び監督の言葉 「ラクスの台詞で「なにと戦わねばならないのか…、戦争は難しいですわね」というものがあります。彼女はそのことをわかっている人間なんですよ」
でもいったい何と戦わねばならないのか一切語られない。
誰かから質問されても「あなたはどうなのです」とか返して彼女の意思や目的は闇のカーテンの向こう側。
最終回の彼女の台詞。
「わたくしたち、人は、おそらくは、戦わなくても良かったはずの存在……。なのに、戦ってしまった者たち。何のために?
守るために? 何を? 自らを? 未来を? 誰かを撃たねば守れない未来、自分、それは何? なぜ? そして、撃たれた者にはない未来。
では、撃った者たちは? その手につかむ、この果ての未来は? 幸福? 本当に?」
彼女が何を考えているのか本気で理解できません。
ぶっちゃけ頭の悪いポエム。
種運命編
地球連合、ザフト(というかザラ父)双方が作ろうとした未来を否定した割には
全てを投げ出し、隠遁した状態で再登場。
のワリにはフリーダムやエターナルを隠匿
CDの印税で「空間把握能力を持たない者でも扱えるドラグーンシステムを搭載したMS」を
開発するなどテロ起こす気まんまん。
予断だがこの時点で「空間把握能力を持たない人間でも扱えるドラグーンシステム」はどの国家も完成させていない
オーバーテクノロジーに分類される技術。
謎の特殊部隊の襲撃を受ける。コーディネーターと判断したがナチュラルでもMSを扱える現在パっと見で両者を見分ける方法というのは存在しないはず。
特殊部隊のはずなのに異常なまでの手際の悪さから(数M先の相手を射殺するのにスナイパーライフル使用 しかも邪魔されるまで引き金引かない)
個人的にラクス、あるいはクライン派による芝居ではないかと思う。
苦々しく思っていたニセラクスの名をかたり宇宙に脱出。これは別に何の問題もない。
誰が書いたか分からない、その辺で拾ったノートを元にデスティニープランを否定。
このプランは作中「遺伝子が全て」的描かれ方をしているがコーディネイト技術がどの程度進んでいるのか分からない上
遺伝子操作の頂点に立ち恩恵を最大限受けているラクスとキラがそれを否定する、というのは正直説得力無い。
「とりあえずデスティニープランは悪い」と一国の元首を抹殺する。
しかし出産率低下などの問題を解決する策は提示せず。
少なくともキャスバ……もといデュランダルは彼なりの解決策を提示した。
現状維持ではコーディネーターは滅びるというのに。
結論
ラクスはただのテロリスト。少なくとも現状を好転させる意思はない、と判断せざるを得ない。
ここまで嫌われるかはともかく好かれる要素って見た目と貧乳くらいしか無い
・・・正直、ラクスの乳に比べたらお嬢様とかみなたまとかクレハとか陛下の薄乳のがましだと思うんだが
ラクス「世界は、誰かが作るものではない」(AFTER-PHASE「星のはざまで」より)
……アルェー?
安心してください
>>327 このスレの女傑陣には巨、爆の人も結構います
>>324で挙がってるロリな方々も約二名を除いては将来有望ですし
貧乳はいい。ピンクのはただの俎板!!
>>328 その「約二名」とは誰のことか説明を願いますが?
場合によっては私兵部隊の派遣も厭いませんが
暗殺事件に関してはほぼ間違いなくクライン派の自作自演だと思っている
ラクス本人が計画したかどうかはともかく
少なくとも当時の議長にはメリット薄い気がする
デュランダルを倒してクライン派がプラントを支配するための戦いを望んで起こしたと考えるのが妥当ですな
キラを(あるいはラクスも)奮起させるきっかけとしてセイランやデュランダル議長に対する不審を抱かせて
世界への敵対を煽っていく
無印で(結果としては)世界を救ったセイギノミカタを調子付かせるくらいは容易いことだったろう
とりあえず虎やダコスタが黒幕側なのは間違いないことだろう
わざわざ選りすぐらない限り、あんな「特殊学級部隊」ができるわけねーもんな。
と同意しつつどこからの誤爆だwとつっこんでみるwww
公式にはザラ派テロリストで、議長やクライン派とは一切関わりがない事になっている。
……ただ、議長と繋がっていた一族の人とか、謎組織ターミナルとかが、
暴走を起こしかねないザラ派馬鹿軍人が決起出来るような状況を揃えたとも限らないので、
そこら辺はなんとも言えんわな。
……すまん、誤爆にマジレスしてたよ。
>>333 >特殊学級舞台
そうは言うけどでもさ、結構活躍する生身(?)の兵士なんて
ロボットアニメで出しちゃ駄目じゃないの?
「こんな歩兵が居るんだったらロボットいらねえじゃないか」って事に為りかねないから。
"今日びモビルスーツを使わない軍隊など居ない。
しかし今ここから侵入している特殊部隊は――
全員歩兵! しかも銃火器を持っていない! 一体いつの時代の連中だ?
だが! だが……奴等にはモビルスーツや銃火器は「要らない」のだ!
奴等は「格兵器」! 己の五体のみで静かに、確実に任務を遂行する!
そしてこの隊長のコードネームは「ミスターWARS」!! 奴はビーム兵器を以っても殺せはしない!"
>結構活躍する生身(?)の兵士
技術士官のマリューと義肢の虎がこれに当てはまるから問題なんだろう
>>337 オーブ軍では技術士官も戦闘術「ヤマト拳法」の修練が義務付けられてます。
嘗て世界の裏にその名を知られた絵画商が死の間際に遺した遺産の中からオーブの首長が見つけて……
>義肢の虎
あの義肢は戦闘用じゃないの?
オーブの格闘家→バリー
虎の義肢→サイコガン
>>340 UCで言うと、歩兵全員がイシュタムのナダさんクラス(旧ザク相手に戦闘宇宙服で戦う)じゃない限り同じって言うのは無理だろうね
その昔Gガンというものがあってだな・・・
生身で宇宙空間飛んだりラスボスにどでかいハート型の穴ぶちあけて倒したりするのか
首領とかなら平気でやりそうだから困る
家族の撮ったDVD見てて思ったんだが、このスレの主役機たちがダンスしたら面白くないか?
そんなモーション無いだろうから、全部マニュアル操作だろうな。
それでも余裕だと思うけどw
ぜひとも見て見たい
>>272 亀だがこれ見てふと思った
借金で火の車状態のオーブ・プラントに対し、超巨大財閥を作り上げたシンが
金の力で逆襲する。
なんてのを考え付いた
LP氏の「金持ち未亡人と負け犬の復讐」の納豆責めなんかは
ある意味それに該当するかもね。
あるいはプラントから出奔の際に新型デスティニーと一緒に大金塊を持ち出し
シン・ザ・シティに豪邸兼要塞を構えるとか…
美人アシスタントのルナマリアとコニール、自称第一の助手のタリアの息子
万能執事のレイ(老化)を従えて
エゴを拡大した自称新人類と戦うんですね、わかりますん
>万能執事のレイ(老化)
それはいくらなんでも酷いだろwww
349 :
347:2010/05/08(土) 22:21:30 ID:???
すまん、ライオン氏のジジイレイのイメージだったんだw
どうもです。 投下させていただきます。 今回は時系列的には5話と6話の間の話となります。
今更ですが、中身氏完結おめでとうございます。
redeyes、楽しませていただきました。 気が向きましたらまた投下していただけたら嬉しいです。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request24.5 『とある傭兵達の初遭遇戦』
「そういえばふと気付いたんだけどさ」
カナードを軍病院で降ろし、総司令部へと向かう車上でルナマリアはシンに向け疑問の声を上げた。
「ん……何を?」
シートに肘を乗せ、首だけ動かしルナマリアへと向けるシン。
「大した事でも無いんだけど……カナードさんとどうやって知り合ったのなと思っただけよ」
「偶に馬鹿な頭の悪い事を聞くな……傭兵が傭兵と会う場所など戦場以外にあるか? 有るなら言って見ろ」
首を傾げたルナマリアに運転しているイザークは振り向きもせず言う。
「イザークさんも身も蓋も無いこと言いますね」
シンは苦笑しながらイザークの横顔を見る。
「む……? 外れていたか」
「いや、合ってますけど」
意外そうな顔をしてみせるイザークにシンは困った様な表情を見せる。
「ねぇ、その話詳しく聞かせてよ」
助け舟を出すように言うと、ルナマリアがシンのシートに両肘を乗せる。
「まぁ、興味が無い訳ではない」
正面を向いたまま、イザークも無愛想に続ける。
「そうですね……。 あれは、俺が傭兵になって半年くらい経った頃。 一面、白銀の、雪が積もる程寒い場所だった……」
二人の言葉に、シンは思い出すようにゆっくりと言葉を紡ぎ、過去に思いを馳せる。
CE73から74へと移ろうとした冬 ユーラシア連邦 旧ロシア ヴォルゴグラード。
ちらほら目に映る雪がシンの心の柔らかい部分に痛みを思い出させる。
シンは雪景色が好きではない。 ……かつては、ほんの数ヶ月前までは好きだった。
家族との思い出の内、幸せだった頃のオーブ移住前の記憶だから。
嫌いになったのは自分の無力さを三度味わう羽目になった光景だから。
ヴォルゴグラード。 かつて、スターリングラードと呼ばれ、20世紀に大量の血と硝煙と鉄で埋め尽くされた場所。
20世紀末から21世紀以降、ヴォルガ川西岸に南北80kmに亘って広がり、国際空港さえ存在した近代的な工業都市。
だが、エイプリルフールクライシス、続くブレイク・ザ・ワールドの影響で、かつての姿は失われた。
今や一部の区画は放棄、人の住まない無人区となった“筈”だった。
人々の生活していたビルの谷間を縫うように、赤い鬼の姿を模した鉄巨人が駆ける。
無数の光弾、弾丸をビルの隙間でかわし、あるいは鞭で弾きながら敵対者へと接近していく。
グフクラッシャーの鞭がジンのコックピットを貫き、万力がムラサメの上下を分かち、ハンマーがダガーの上半身を吹き飛ばす。
「……数だけ揃えやがって」
周囲からMSを一掃したことを確認すると、コックピットの中でシンは悪態をついた。
あ、トリ付け忘れた。
ブレイク・ザ・ワールドの影響で廃墟と化していた一部区画は、今やテロリストの巣窟となっていた。
偶々近くにいた赤鬼ことシン・アスカは今も居住している住人からの依頼を受け、テロリストの掃討に乗り出したのだった。
大した数ではないと聞いて来てみれば、MSだけで一個中隊(12機)を超える数。
文句の一つでも依頼主に言いたくなったが、直ぐに無駄だと思い直す。
ユーラシア連邦軍は内戦状態から持ち直した各地域の治安維持のため動けず、
有名な傭兵やPMCを雇う金も無いからこそ、新人で料金も安い赤鬼シンに仕事が回ってきたのだ。
「やっぱりビーム兵器欲しいな……」
そう言いながら先程撃破したムラサメのビームライフルを拾い上げる。
接近戦においては無敵といっても良いグフクラッシャーだが、イグナイテッドのように固定火器が無い為、中遠距離戦は苦手であった。
遮蔽物の多い市街戦や狭い室内戦、或いは山岳戦ではその真価を十二分に発揮する事ができたが、平原や宇宙空間での戦闘では不満を感じることも多かった。
かつてはあらゆる状況に対応可能なインパルスや万能型のデスティニーに乗っていた為、余計にそう感じていた。
「この仕事が終わったら持って帰るか、買うかするか」
(そうは言っても弾薬やら整備やらで結構掛かるんだよな)
現在は拾い物の重突撃機銃二丁を腰に仮設したラックに引っ掛けているのだが……力なく首を振るシン。
その瞬間、背後から来た砲撃に振り向くことなく反応し、横に飛び退く。
瞬時に振り返り、瓦礫の山に、隠れたザウートにビームライフルを連射するグフクラッシャー。
その隙を突く様に、バクゥハウンドがビルを突き破り襲い掛かる。
「クソッ! 邪魔すんな!」
馬乗りになり、コックピットにビームファングを突きたてようとするバクゥの頭部にビームライフルを叩きつけ、腹部にクラッシャーを叩き込んだ。
一瞬の内にスクラップと化したバクゥの頭部を掴むと、コックピットへと投げつける。
パイロットは息絶えたのか、気絶したのか。 バクゥハウンドは沈黙、動きを止めた。
「……これで本当に最後か?」
周囲を見渡し、使い物にならなくなったビームライフルを投げ捨てる。
機体特性上グフクラッシャーは接近戦をしないわけには行かず、通常のライフルではどうしても接近された時の反応が鈍る為、シンはビームライフルを装備する事に躊躇していた。
「遠距離戦も近距離戦も出来て、できれば弾倉式のビーム兵器なんて無いよなあ」
ここ暫く探してはいるのだがありそうでない。
センサーに目をやり熱源動体反応が無いのを確かめると、周囲をぐるりと見渡し、動く物が無いか確認する。
これで、取り敢えずMSは一掃した。
後は念の為に、2、3日滞在して様子を見た後、依頼主へ引き渡せば大丈夫だろう。
アフターケアも考えれば、1、2週間は近場で仕事する必要があるかもしれない
「傭兵ってのも色々と気を使わなければならなくて大変だな。 駆け出しはどこもそうかもしれないけど」
最近多くなった独り言を呟くとグフクラッシャーの機首を居住ブロックへと向ける。
「取り敢えず戻るか」
背部のバックパックを展開、スラスターに火を入れようとした瞬間、コックピットに未確認機の接近を告げるアラームが鳴り響く。
『この荒れ具合……同業者か』
通信機を通して伝わる何気ない一言。
だが、シンは言葉の裏に隠された攻撃的な何かを本能的に感じ取っていた。
「なんだ? どこの機体だ?」
IFS、敵味方識別装置に対応機種はなし、シグナルはアクタイオン社所属である事を示していた。
「……所属はアクタイオン? 軍事企業がなんで?」
接近してくるのは白をベースに各部を濃い灰色に塗った低視認塗装が施された機体。
連合系の直線を主軸としたボディに黒い大きなバックパックを背負い、頭部カメラはダガー系列のバイザー状のタイプ。
両脚の太腿、真横部分に角柱のビームサーベルの柄が一本づつ。
手首と肘の間に黄色の六角形状の物体。
位置こそ違うが、かつての愛機デスティニーにも装備されていたビームシールドの基部だろうか。
その手にはサブマシンガンタイプのビーム兵器。
全体的な印象ではミハシラのデータベースで見たCAT-X……ハイペリオンに良く似ている。 同系列の新型だろうか。
『出遅れたが……まぁ、良い。 やる事は変わらん』
「待て! 俺は傭兵だ。 住人からの依頼で仕事していただけで敵対の意思はない!」
構わず突っ込んでくるハイペリオン系列の機体にシンは慌てて通信を繋ぐ。
『フン、運が悪かったな、そっちに戦う意思が無くても俺にはある。
ここらにいた雑魚より余程試し甲斐がありそうだ。 量産型ハイペリオン、ヘリオスの性能……試させて貰おう!』
「……聞く耳無しかよ!」
変わらず、いや更に速度を上げ、こちらに突貫するヘリオスにシンはグフクラッシャーを近くのビルの影へと入れ身を隠す。
『悪くない判断だ……だが!』
右背部のバインダーを機体前面へと展開、砲身が迫り出す。
『フォルファントリー最大出力、ファイア!』
砲口より大幅に太い閃光ビームが進路全てを焼き尽くさんとその牙を向く。
「チィッ!」
迫る高エネルギーの舌打ちを一つ。
同時にスラスターを吹かし、ヘリオスの左側に回り込むようにステップを踏む。
腰に引っ掛けて置いた二丁の重突撃機銃を掴み、撃ち放つ。
『甘い!』
ヘリオスの装甲に叩き込まれる筈だった無数の76mm砲弾は左腕の光の盾、アルミューレ・リュミエールに阻まれた。
「クソッ! マシンガンじゃ歯が立たない! やっぱり接近するしかないか」
お返しとばかりに撃ち込まれたビームをギリギリで避けると、シンはグフクラッシャーの右手首に仕舞われたスレイヤーウィップを伸ばす。
腹を括ったシンはウィングスラスターを広げ、ヘリオスの懐に飛び込むため一歩踏み込んだ。
赤い弾丸と化したグフクラッシャーは一直線にヘリオスへと突貫する。
その突進を阻まんとするヘリオスはスティグマトを連射。
「その程度で……止められるか!」
迫る無数の光弾にスレイヤーウィップを前面に向け、円を描くように振るう。
対ビームコーティングを施されたウィップに弾かれたビームが廃墟を砕いて、粉塵や瓦礫を周囲に撒き散らす。
破片がグフの装甲を激しく打ちつける。
だが、グフクラッシャーは、シンは止まらない。
『止まらないなら、無理矢理にでも止めるだけだ!』
ヘリオスのパイロットは敢えて足を止め、フォルファントリーとスティグマトを連射するヘリオス。
グフクラッシャーは横っ飛びにフォルファントリーをかわしながら、直撃しそうなサブマシンガンのみをウィップで弾き、ジグザグにヘリオスへと向かう。
ヘリオスが後退しようと瞬間、絶え間なかった弾幕が一瞬途切れた。
『チッ……ハイペリオンよりはマシだが、燃費が悪い……いや、ドレッドノートのつもりで無駄弾を撃ちすぎたか』
普段乗っているドレッドノートは武装と核動力と直結させている為、リロードを必要としない。
単一機種に乗り続けていた故についた癖、カナードは自らの愚行に舌打ちをした。
空になったパワーセルがフォルファントリーから排出される。
同時にスティグマトを投げ捨てると、バックパック左側のラッチから機関砲を引きぬき、殆ど狙いもつけず乱射した。
だが、生まれた一瞬の隙を見逃す程、シンは甘くはなかった。
盾代わりに使っていたビルを踏み台にして、スラスターを全開、空へと舞い上がりヘリオスの上空を取る。
「貰った!」
しかし、突発的事態に反応出来ない程、カナードも素人ではない。
反射的に機関砲を持った右腕でシールドを張ると、フォルファントリーをグフクラッシャーへと向ける。
シンは胴体狙いだったウィップ先端を左腕へとシフトすると、シールドを迂回するように動かし、右腕をアルミューレ・リュミエールごと絡め取った。
(アルミューレ・リュミエールで弾けん……ABC済みか!)
『クッ!』
右腕が持ち上げられ、ヘリオスが引き摺られる。
シンは勝利の予感を感じながらスレイヤーウィップの電流を流そうとした。
その瞬間、グフクラッシャーの右腕に掛かっていた負荷が無くなり、機体が浮き上がった。
「自分で右腕を切ったのか!?」
僅かな驚きと共にスレイヤーウィップを引き戻すと、肘から切断されたヘリオスの右腕を遠くへ放り投げる。
カナードは空いていたヘリオスの左手で大腿からビームナイフを引き抜き、電流を流される前に右腕を捨てたのだ。
シンは自分の詰めの甘さに、心の中で罵り声を上げると、ウィップを背部の破砕球と接続。
今度こそヘリオスを粉砕すべく投擲した。
「……馬鹿の一つ覚えか? 何度も似た手が使えると思うな!」
左腕とバインダー二枚のシールドに阻まれ、破砕球はヘリオスから逸れて行く。
加速用のブースターを止め、破砕球を戻そうとした為、グフクラッシャーに隙が生まれる。
シンがそうだったように、カナードもまた隙を見逃す程甘くはない。
既にチャージの終わったフォルファントリーをグフクラッシャーへと向け、間髪入れずぶっ放した。
「うぐっ!」
光の奔流をなんとか避けようと全身のスラスターを無理矢理吹かし、落下寸前のバランスで身を捩る。
それでもグフクラッシャーの右腕が光に飲み込まれ、跡形もなく吹き飛んだ。
シンは半ば地面に叩きつけられたような形で何とか着陸すると、すぐさま体勢を立て直した。
胃の内容物を今すぐに吐き出したい衝動に襲われたが、なんとか耐える。
ザフト時代とは違い整備や掃除を自分でしなければならない関係上、嘔吐物まみれのコックピットは是が非でも避けたい。
(これが終わったら、ロウさんに頼んで特注品のヘルメット作って貰おう……バキュームと変声機が付いて、偏光バイザーの奴)
何だか良くわからないフラグを立てると、深呼吸をする。
グフクラッシャーが墜落し、シンの深呼吸が終わるまで30秒ほど経っていたが、幸いにもヘリオスからの追撃はなかった。
双方共に片腕を失い、遠距離ではヘリオスが、機動力ではこちらが有利、状況は五分と五分と言っても良いだろう。
「仕切り直しだな」
操縦桿を握り直し、シンは再び対峙する
ところで、シンはさほど疑問には思わなかったが、シンが体勢を立て直すまでの間カナードが追撃をかけなかったのには理由が合った。
『カナード、貴方は何をやっているんですか!』
カナードが墜落したグフクラッシャーに追撃をかけようとした瞬間、カナードにとって聞き慣れた女性の声がコックピットに響いた。
「此方の状況をモニターしているなら分かるだろう……戦闘中だ」
モニターに映る眼鏡をかけたショートカットの女性傭兵部隊X副隊長兼マネージャーメリオル・ピスティスに、絶好の機会を逃したカナードは酷く不機嫌そうに答える。
『そう言う事ではありません! 交戦目標以外の相手と戦っている上、片腕と手持ち火器を失っているんです、今すぐ撤退を……』
『いえいえ、アクタイオンアジア企画6課としては一向に構いませんよ』
メリエルの言葉は横から現れた東洋人風の温和そうな男に遮られた。
「話が分かる人間がいるようだな」
『実戦以上に効率の良い稼働データが取れる事はありませんからねぇ。
……ハイペリオン系列の扱いに世界一と言って良い程習熟している貴方を手こずらせる程の相手なら尚更。 それに……』
東洋人風の男は、一旦言葉を区切る。
『アナタはまだ、負けてはいないのでしょう?』
見る者の背筋を凍り付かせるような不気味な笑みを浮かべ男は笑った。
「当然だ。 俺はまだ……まだ戦える。 メリオル」
『既に情報収集は終わっています……機種はグフクラッシャー。 ザフトの試作近接戦闘用MSです。
機体から一切の火器を排除してはいますが、多彩な兵装の搭載でクロスレンジからミドルレンジまで対応しています。
その格闘戦能力はテストパイロット、アンリ・ユージェニー自ら操ったヘブンズベースでの大立ち回りで証明済みです……分かっているとは思いますが、格闘戦ではこちらが不利です。』
課長の言葉に口元を吊り上げると、カナードはメリオルの名を呼んだ
メリオルにはそれだけで充分カナードの意図が掴めたのか、僅かな間に集めた手元の資料をすらすらと読み上げる。
『パイロットについてはどうだ?」
モニターのグフクラッシャーから目を放すことなく、カナードはメリオルに続きを促す。
『ええ、特徴的な機体ですからすぐに分かりました。 ここ半年の間に名を上げ始めた傭兵です。 通称赤鬼……正体経歴一切不明の男です』
「成る程、充分だ……早めにカタがつきそうだ。 回収の用意をしておいてくれ」
『カナード! 待てくd』
メリオルからの情報に深く頷くと、カナードは一方的に通信を切った。
「久しぶりだ……こんな気分は」
「これほどの相手がいるなんて……世界は広いな」
心臓の鼓動が高鳴り、心がざわめく。
シンもカナードも戦闘狂ではない。
ただ強さ、力を追い求める求道者的な部分があった。
そう言う意味ではシンとカナードは良く似ていた。
シンが家族を失った事で力を求めたように、カナードは自らの存在を認めさせる為に力を求めた。
相手は互角、強者との戦いは己を高みへと導く道標だ。
理由は違えど、力を求めた者同士、お互い顔さえ知らずとも感じいるものがあったのかもしれない。
「…………」
シンは今にも発動しようとするSEEDを押さえつけようと奥歯を噛み締める。
一騎打ちを苦手とする自分では単純な力押しや反射神経の速度だけで勝てるような相手ではない。
かつてのシンならSEEDを躊躇いなく発動し、勢いに任せ突っ込んでいただろう。
自分が無意識の内にSEEDに頼り、何も考えない力押しが如何に多かったか。
月でのアスランと戦いや赤鬼と名乗り初めてからの半年間で嫌と言う程、それを思い知った。
読み合いが必要な相手に対して思考力の下がるSEEDは邪魔でしかない。
決着は一撃で就く。 本能的にそう感じたシンはグフクラッシャーの左腕―残った唯一にして最強の武器―をインパクトバイスへと切り換え、いつでも動けるように呼吸を整えた。
「…………」
左腕を変型させたグフクラッシャーを見たカナードはビームナイフを逆手で構え、決着の瞬間に備える。
恐らく技量は同等、条件はほぼ五分。
だとすれば勝負の行方を左右するのはパイロットの生む一瞬の隙。
堪えきれず先に動いた方の負けだ。
決着の時に備え、今はその時を待つ。
双方動きが無いまま時が過ぎて行く。
機体に降り積もる雪がモーターの熱で溶けていかなければ、まるで世界が凍りついたように思えただろう。
だが、この世界に永遠など有り得ない。
フォルファントリーを受け、崩れ欠けていたビルから瓦礫が地面へと落ちた。
それを切欠としたように、グフクラッシャーとヘリオスはほぼ同時に動いた。
先手を取ったのはダッシュ力の差でシン。
ウィングスラスターを開くと地を滑るかの如くヘリオスへと突撃する。
(貴様の左腕の武器の射程は読めている……この距離なら俺のビームナイフが先に届く!)
左腕のインパクトバイスを下からすくい上げるように突き出したグフクラッシャーに、カナードは余裕をと自信を持ってビームナイフの刀身を伸ばし、振り下ろした。
次の瞬間、インパクトバイスを切り裂き、返す刀でコックピットを両断する筈だったビーム刃は虚しく空を斬る。
コックピットに響いた右側面へのアラームにカナードは頭部を右に向けた。
カナードは目にしたのはグフクラッシャーの右足。
「喰らえっ!」
回避しようとするも間に合わず、グフクラッシャーのハイキックを受け、機体が左右に激しく揺れる。
「蹴り飛ばしただと……!?」
格闘戦向けに装甲が厚く、内部機器が衝撃に強いグフならだからこそ出来た荒技だった。
スーパーコーディネイターとして与えられた高い耐G能力がカナードの意識を保つ。
「舐めるな!」
吹き飛びながらもコントロールスティックを動かし、ヘリオスの右腕を動かす。
振り上げられた右腕、その手に握られたビームナイフにグフクラッシャーの右足が切り落とされる。
だが、それでもグフクラッシャーは止まらない。
残った左足を軸に立つとウィングスラスターを片側だけ吹かすとその場で半回転した。
倒れかかるヘリオスの頭部目掛け、ウィングがハンマーのように迫る。
(くっ……避けられんか!!)
覚悟を決めたカナードは直ぐ後に来る衝撃に備え、奥歯を噛み締めた。
左に倒れ込んだヘリオスの勢いとヘリオスの頭部を狙い放たれたウィングスラスターの勢いは比例するかのように威力を増し、ヘリオスの頭部を弾き飛ばしただけでは飽きたらず胸部上っ面の装甲まで持っていった。
「どうだ!?」
「まだだ! まだメインカメラがやられた程度で!」
グフクラッシャーのカメラを動かし、声を上げたシンの心をへし折ろうと、カナードの叫びと共にグフクラッシャーの頭部に反撃の肘打ちが叩き込まれた。
「うっ!」 「くっ!」
倒れ込む二機。
「これで! 終わりだ!」
いち早く機体を立ち上がらしたカナードは嗚咽を上げたシンに追い討ちを、トドメを刺そうとフォルファントリーをチャージする。
「させるかっ!」
光芒が砲口から漏れ、今まさに放たれようとした瞬間、残ったスラスター全てを全開にし、倒れ伏せたグフクラッシャーがヘリオスの背後を取った。
「何っ!」
「……イグニッション!」
バックパックへと喰らい付いたグフクラッシャーの左腕、インパクトバイスがPS装甲すら砕く圧搾力全てを叩き込む
瞬時に機関銃のような音が響き、カートリッジが排出され、バックパックを押し潰して行く。
発射間近だったフォルファントリーのエネルギーが行き場を失い、ウィングスラスターの残存燃料が誘爆、爆発による火焔と粉塵が舞上げられた雪が二機を覆い隠した。
「痛っ……」
けたたましいアラームの音に意識を取り戻したシンは二、三度頭を振り、意識をはっきりさせると正面モニターで機体コンディションをチェックする。
両腕は吹き飛び、右足は膝から先が無いしバックパックもガラクタと化している。
制御系は衝撃でシステムエラーを起こし、復旧には時間が懸かりそうだ。
「……良く持ってくれたな」
応えが返らない労いの言葉をグフクラッシャーへとかけると、シンはシートの足元からサバイバルキットを取り出し、コックピットを解放した。
「糞っ! バッテリー切れだと? 認められるかこんな終わり方が!」
シンに数分遅れ意識を取り戻したカナードは辛うじて付いていた非常灯を頼りにコントロールスティックやキーボードを操作する。
しかし、インパクトバイスによるウィングバインダー破壊の衝撃でバッテリーも吹き飛んだのか反応は無い。
電装系を繋ぎ変え、なんとか映ったモニターにはエンプティの文字。 一応、予備電源から救難信号は出ているようだ。
「安物めェ……」
試作品故の作りの安っぽさと己の運の無さを嘆きながら、カナードはシートの後ろに固定されていたアサルトライフルを取り出した。
サイドボードから弾倉を取り出し、初弾を装填、安全装置に指を掛け、いつでも撃てるようにする。
緊急爆砕ボルトでハッチを吹き飛ばし、這いずるように外へと出た。
「とぅーとぅーとぅー♪」
周囲を警戒しながら、グフクラッシャーの方へと歩いていたカナードの耳に、調子外れな鼻歌が聞えた。
「なんだ?」
寒さに肩を震わしたカナードが目にした物はこのクソ寒い中、薪を集め、湯を沸かし、インスタントコーヒーを飲む男の姿だった。
「ふ、ふざけるな!」
叫びと共に即時発砲。 カナードにしては我慢した方だろう。
「うわっ! まだ生きてたのかよ!」
足元に銃撃を受けたシンは左手で拳銃を、右手にコーヒーの入ったカップを持ちグフクラッシャーの影に隠れる。
怒り心頭なカナードを見た瞬間、シンははっとした何かに気付いた顔をした。
「こ、コーヒーが飲みたいならまだあるぞ!?」
「そう言う事じゃねぇ!!」
「……ああ、紅茶派か?」
「だから、そういう事じゃないって言ってるだろうが!」
的外れなシンの言葉にカナードの怒りは更に増し、銃撃もまた激しさを増す。
「出て来い! 決着を付けるぞ!」
暫く膠着状態が続き、痺れを切らしたのか、カナードは叫び声を上げながらアサルトライフルを乱射する。
「アサルトライフル相手じゃキツいなぁ……こうなったらエドさんに教わった“アレ”でもやってみるか……」
グフクラッシャーの影から顔を出さないギリギリまで移動すると、シンは次の行動に備え、深呼吸をした。
「来いよ、ベネット! 銃なんか捨ててかかってこい!」
「誰がベネットだ。 そんな安い挑発に乗る奴がいるか……」
シンの安っぽいに呆れ顔を見せながらも、何処か心惹かれていた。
なんと言うか……こう、乗らなければいけないと言う義務感にも似たむず痒さを感じ、カナードは思い悩む。
「どうしたベネット? 怖いのか!?」
「……てめぇなんか怖くねぇ!! ぶっ殺してやる!」
最終的にカナードは半ば反射的に挑発に乗るとアサルトライフルを投げ捨てるとシンに殴りかかった。
「うおおぉぉぉぉぉぉ!!」 「舐めるなぁぁぁぁっ!!」
シンとカナード、双方の獣の咆哮じみた雄叫びと共に、蹴りが飛び、拳が唸りを上げる。
二人の男の生身での殴り合いはいつ終るとも知れなかった。
「それで? その後、どうなったの?」
興味津々の様子でルナマリアはシンに続きを促す。
「……壮絶な殴り合いの末に力尽き、二人して雪に埋もれ、危うく凍死しかかった。
偶々通りかかった地元の人に救助され、一命を取り留めましたとさ。めでたしめでたし」
これ以上はあまり話したくは無いのか、シンの口調は淡々とした棒読み。
「それで終わりか?」
「その後、お互いのことを話しながら……主に、お互いの本名と出自ですが。
二人で震えてる所に向こう……傭兵部隊Xの副隊長メリオルさんとアクタイオンの人が来てカナードはお説教。
俺はグフクラッシャーの修理をどうするかで頭抱えてましたよ。 まぁ、アクタイオン社で修理してくれる事になったんですけど。
修理代替わりに二ヶ月くらいテストパイロットやユーラシア軍相手のアグレッサー(仮想敵機)なんかしてましたね」
観念したのか、シンは遠い目をしながら語る。
「……ん? 待て、アグレッサーだと? ユーラシア軍相手にか!?」
「そうですけど……何か?」
ユーラシアのアグレッサーと言う言葉に表情を変えたイザークにシンは首を傾げる。
「2、3年くらい前からユーラシアがザフトのMS機動や戦闘パターンにやたら詳しくなったから、なぜかと思えば……お前の仕業か!」
「あー、多分そうじゃないですかね」
イザークの追求に目を逸らしながら、シンは言う。
「貴様の所為で、俺の隊は新兵向け教育プログラムやモーションパターンを組み直す羽目になったんだぞ!」
とは言え、それが今回の事変では幸いし、ザフトMSの全てを知り尽くすザフト教導隊有するネームレス相手に、緒戦をアーモリー1駐留部隊のみで対抗できたのだが。
「す、すみません」
怒りに肩を震わせ、運転すら危ういイザークにシンは素直に頭を下げる。
「イザーク隊長! 運転に集中して、落ち着いてください」
「まぁ、良い……迷惑料分働いてもらうだけだ。 む……着いたか」
ルナマリアの諌めが効いたかは分からないが大きく鼻を鳴らすと、何時の間にか着いていたアーモリー1司令部エントランスに車を停めた。
「ルナマリア、悪いが車を戻しておいてくれ。 俺たちは直接ミーティングに行く」
「了解です」
「行くぞ、シン」
軍用4WDから降りたイザークはルナマリアの承諾を確認したし、シンを入り口へと促す。
「ルナ、悪いけど後よろしくな」
右手を軽く上げ、挨拶するとシンはイザークの後を着いて行こうとした。
「あ、シン!」
「? なんだよ?」
カナードの言葉をふと思い出したルナマリアは思わず声を上げ、シンがそれに反応し振り向く。
「…………気を付けて」
考えた末にでルナマリアの口から出たのはありふれた言葉。
「ああ、ありがとな」
シンはルナマリアの言葉に大きく頷き、踵を返す。
ルナマリアに出来る事は無事の帰還を心の中で祈る事だけだった。
今回は以上です。
24話も近いうちに投下したいと思います。
ご意見、ご感想、ご批判等ありましたらお待ちしています。
コマンドー禁止w
こりゃすげえw
ACにヘルシングかww
…傭兵っていいな
Gjです!!
ただザフト製のグフクラッシャーがムラサメのビームライフルを使えるのか(プラグ的な意味で)どうかが気になりました。
定期的な補給やメンテがあるとは限らず現地調達という名の分捕り品流用が
欠かせない傭兵他フリーランサー向けに、マルチコネクターのようなヤミ部品が
出回ってるとか、それもジャンク屋のみならずモルゲンレーテやアーモリー1からも
流出してたりして。
投下乙です〜
コマンドーなシンとカナードがアホすぎ!だが、嫌いじゃないw
しかし、雪原で殴り合いとか・・・クウガ最終話のトラウマ思い出すわ〜
何はともあれ、次回をお待ちしております
>>362 アストレイゴールドフレームのコネクターだな
ロウも使ってるし複製してるんじゃね?
グフクラッシャー自体が“ユン・セファンお手製”だから、かなり怪しいところがあるな
・・・保守っと
えらく過疎ってるな
MoRセンセイの代わりにちょっと展開予想。
首謀者
「なあシン・アスカ、コーディネーターとは一体何だ?
わからんのか? この星からはどう足掻いても異星人の居そうな星へはたどり着けず、
我々コーディネーターはナチュラルに嫌われるだけの厄介者へと堕落した。
俺達コーディネーターは本来の使命などとっくの昔に捨てているのだ。
世界の平和? こんな宇宙の片隅で惨めに滅び逝くだけの日々を
ただ生き長らえているだけの我々に平和だと!? 笑わせるな!
シンよ、俺はこれからもずっと遊ぶぞ。この地球圏で思いっきり遊んでやる」
ひさしぶりに、種OPを見たらピンクパイオツデケーと
いつからピンク洗濯板がデフォになったのかな?
新ピンクがロケットなだけで標準サイズだと思ってた
あ、お嬢様は座ってて結構ですよ
そういえば種世界の上層部がジャンク屋にあれほどの特権を許す理由が良くわからない
戦時下非常時とあれば統制経済をしたがるだろうに
マルキオが何か裏でやってんのかね?
逆襲日記 紙片
「――ルナ、アスランと先に戻っててくれ」
「シン? デスティニーがあんななのにどうするつもり? 一緒に戻
「あいつ、まだっ! キ……っ!? シィィィィィィィィィンッッ!!」
「何で……何でこんな、こんな風にデスティニーが、シンが、帰っ
「こちらを、貴方にお返しします」
「え? 何……?」
「アンタ、言っただろ? 俺に。いつから植えるんですか」
「シン! 見て、メイリン達と選んだの! これにしてもらおうよ!
「お、おい! 坊主!」
「さっきから何ですか? アンタみたいな知合い、いませんけど」
「俺の仕事じゃ……っと。ルナ、見つけた! そのまま東だ。やり過ぎる
「オッケー、任せて! 好きになんてさせないんだからッ!!」
「アンタ達何考えてんだよ! 何で作ったッ!!」
「これ、は……」
「シン――いいのか?」
「こいつは、手段だ。選んでられないんだろ? 俺には必要ない
「お二人とも、いけません! こんなものに乗るなんて! 大体、何故
「前から思ってたけど。あんたたち、運 は信じないのに は信じ
うっかりシリアル。
ごめんねぇセリフだけでさぁ
1場面ずつしか思いつかなかったので、一先ずセリフだけ。
考えてると主人公とか好きキャラがチート無双になるんだよねぇ
あと、シンは死にかけないといけない気がして……
乙っん!
最初何事かと思ったw これは続きと……言うか完成したのを期待して良いんですかね?
>あと、シンは死にかけないといけない気がして……
ある意味金的にも通じるお約束? 死に掛けで拾われてる作品も多いから妙に納得した
何か続きがすごく気になるぞ!続きを早くプリーーズ!!
シンは死にかけていないといけない・・・わかる気がする。泥に塗れようが侮蔑されようが、俺は生き抜いてやるんだ!って男臭さが似合うキャラだよな
まあ、アニメラストは絶望のドン底で人としてもキャラとしても殺されていたようなもんだが・・・
>>371 >「アンタ、言っただろ? 俺に。いつから植えるんですか」
>「シン! 見て、メイリン達と選んだの! これにしてもらおうよ!
3年ぐらい更新してないシリアスSSがあるんだが、
「いつから植毛するんですか」
「このヅラにしてもらおうよ!」
と補完してしまう自分にはもう無理かもしれないorz
これも全てアデランの仕業だ!!
>>375 どれを書かれてたどなた様かわかりませんがいつなりともカミバーーック!
「植える」の時点で凸しか思い浮かばなかったww
>>374 むしろルナの「オーブは討たれなかった」が切っ掛けで
「殺してやる! 滅してやる! 戦争のない世界がくるのなら、鬼でも悪魔でもなってやる!!」
で、名ありキャラ皆殺しルートへ突入する…と思っていた時期もあった
名有りキャラ皆殺しな作品ってこのスレだと
因縁の終わりと、19氏のロミナママン死亡ルートと、あとサスペンス仕立てでシンも凸殺して力尽きた話だな
因縁はキラが完全に狂ってて、ラクスが神妙に後悔してたり
アスランが比較的良識派だったりという点でも珍しかったな。
あと名有り組全滅というと、なんとなく氏のBlood of ASKAも忘れちゃいけない。
首領とは対極に位置するドシリアスだったし。
19氏や小話氏も含めまた皆さん投下していただきたいが。
投下がないな〜
投下がない? そういう時は逆に考えるんだ。
投下が無いなら自分で投下すれば良い。 そう考えるんだ。
投下もそうだけど
雑談も少ないな……楽しくて好きだから寂しい限り
おっぱいネタともえパーツの話を振ると一気に進むかもしれんが
プランDはどこにきえたんだろうか?
プランAはスレの守護神。 プランBはそんなもんねぇよ。
プランDは所謂ピンチ……ピンチのシンを語れという事か?
>>379 「いや、其れは間違いだよ、アスカ君。
生物の生きる活力を持続させる為には、しばしば強烈な衝動が必要とする。
生命とは本質的に、攻撃的で暴力的で排他的で薄情な傾向を備えているものだ。
それが生き物の『業』なのだよ。
平和で温和で寛容で謙虚な生物は、確かに暖かく優しい世界を築くには最適だが、
その暖かさと優しさの為に、急激に滅亡しやすい。例えば人類を生物の成功者たらしめたのは、その猛烈なまでの生命力だ。
それを悪と呼び嫌悪するのならば、まさしく人類、いや生命とは『悪』だといえる。
その『悪』を否定し、完全に消去してしまえば、生命は滅びるしかないのだよ……」
「戦争根絶? そんなものは所詮苦痛からの逃避だ。
自ら選択して行った善……例えば暴力の拒否には繋がらない。一過性の上っ面だ。」
「善と悪の間で苦悩し、考察し、選択し、闘い続ける――
そんな『自由』を奪われた世界の人が、果たして偽善者で薄っぺらく無い、
心からの……真正の善人に成り得るでしょうか? 為り得ませんわ、確実に」
とまあ、こんなふうに反論されたらどうするんだろう、と。
>善と悪の間で苦悩し、考察し、選択し、闘い続ける――
思いこんだら一直線、人の意見は聞きません!
>そんな『自由』を奪われた世界の人が、果たして偽善者で薄っぺらく無い、
自分に逆らうやつは蹴散らします、その為の”自由”です
>心からの……真正の善人に成り得るでしょうか? 為り得ませんわ、確実に
よくわかります、ブーメランですね
なんという「ラクシズが言うな」だwww
>>389-390 まあラクス一派のアレさ加減は認めるけどさ。
ただ俺には戦争根絶については手放しで信頼も賛同も共鳴も出来ないので
そういうレスされるのは何だかな……と、ね。俺間違ってた?
>>391 まあ戦争根絶という結果自体のアレさ加減は認めるけどさ。
ただだからって、俺はお前の「だからって戦争根絶を“目指す”という事」自体を否定する理屈については
手放しで信頼も賛同も共鳴も出来ないので、そういうレスされるのは何だかな……と、ね。
それに現実や00の西暦と違って、種世界は二度の大戦でボロボロになってる世界なわけで
実際限定的にでも、そういう事が必要なわけだ
>>392 そもそも何で戦争を根絶しなきゃ駄目なんだろうって疑問がさ。どうも平和主義にはそのまま賛成出来ないんで……
>>393 >そもそも何で戦争を根絶しなきゃ駄目なんだろうって疑問がさ
とりあえず、CEの種死時点での場合は、これ以上戦争してたらリアルな意味でCEの文明圏が終了しかねないからじゃねぇの?
ただでさえ種の頃には、角川小説版デスティニーアストレイ上巻P31の6行目いわく「社会システムが崩壊寸前まで追い込まれた」
とか書かれるくらいのダメージ受けてるからな、厨二病的な「どうして戦争根絶しなきゃならないの」レベルじゃなくて
ホントに現時点での世界規模の戦争を止めなければ、人類が持たん所まで行ってるわけだ
あくまでも、CEの話だが
他の作品とか事例とか仮定とかは、このスレには関係無いから知らない
>>394 「現時点での世界規模の戦争を止めなければ、人類が持たん所まで来ているのだ!」
よく考えると、CEの場合↑これが全てなように思えてきた
そうじゃん、これ以上戦ってたら人類が滅びるから戦争根絶しなきゃダメなんじゃん
396 :
393:2010/05/23(日) 17:23:36 ID:???
>>394 肝心のテレビアニメ版は其の辺納得出来る描写が乏しいから何か微妙だな。
そもそも福田夫妻と竹田プロデューサー自体、そういう重要な点を全然理解出来て無かったとしか……
製作現場の分裂ぶりはどういうことなんだろう。
>>396 いや、一応種の14話とか種死のブレイクザワールド周りあたりとかで
映像描写として描かれてからね、地球が文明レベルでリアルにヤベェ事は
398 :
396:2010/05/23(日) 17:29:16 ID:???
>>396のレスアンカーは
>>394-395に改変するよ。
序でに繰り返しに為るけど、そういう重要な事がテレビ版スタッフには行渡って無い上に
劇中じゃ余り納得行く描かれ方もされてなかったのは一体どういうことなんだろうと。
其の点が上手く中心に置かれてりゃテレビシリーズ版も少しはマシに為ってたハズ、なのに……
>>397 そんでも全体的にそういう危機感が呼び起こされ辛かったのは何故だろう。
まあ、主人公サイドの闘いの日々が中心に為らざるを得ないテレビシリーズで
世界全部の不味さを描ききれるか? って言われたら、御手上げ同然なのは解らんまでも無いんだけどさ。
いや、だから行き渡ってはいるっつーに、
>>397的な意味で
つーかオーブのアレだって基本的にその一環だからな? 連合がチート支援してくれたらから立ち直る事出来ただけで
描き込みが足りないとか言うのはわかるけど、その辺はスタッフに行き渡ってないわけじゃなくて
単に、作画監督が発狂して最終話間近にブログでぶちまけるような負債の糞製作体制だったから
その辺まで描いたら、リアルに製作時間が足りなくなって放送事故になってただけだからね
嫁はギリギリまで脚本上げない遅筆、福田は思いつきで脚本変えて作画班酷使するカス
そんな上がゴミダメの見本みたいな製作体制で、細部まで描けるわけがないだけ
それでも、最低限は映像にしたという点で種の製作部は優秀なんだけどね
後、その辺の論議は基本的にスレ違いだから該当スレでやってくれ
>>399 何故だろうも糞も負債のバカどもがちゃんと脚本上げずに作画班にハネ飛ばして
その辺の事をちゃんと毎回描写しなかったからに決まってんだろ?
クルクル回ったり戦闘しない回を入れてる暇があったら、その辺の事を入れろという話なだけで
つまり、映像と比べて圧倒的に情報量の少ないアストレイやMSV戦記とかでも言及できる設定すら
碌に描くことが出来ない負債の無能さの証なわけだが
このスレとはあんまり関係はないので該当スレでやろうぜこれ以上は
>>387-388 >>389-391 「俺が答えられるのは、お前orあいつらは死ぬべきだったことだ! 今!! ここでっ!!!」
387-388がラクシズ以外のキャラの台詞なら、もっとソフトな言い方になると思う
まぁ、各々色々言いたい事はあるんだろうけどさ。 夫妻アンチラクシズアンチは余所でやろうぜ。
それにヤキン戦で三艦同盟が介入しなかったら、連合が核ぶっ放す→ジェネシス地球直撃。
ザフトが地球にジェネシス撃つ→連合残存艦隊プラントへ向け核発射。
結果人類オワタになってたんだろうから種までのラクス一派の行動は大目に見てもいいと思うんだ。 種死以後の行動は……なんとも言いがたいんだけどさ。
>>403 連合が核をぶっ放した時、三隻同盟がいなかったらプラントは崩壊するが
ジェネシスは三隻同盟がいようがいまいが、どっちにしろぶっ放されて地球外れる件に関して
正義の爆発は、あくまでもその後にジェネシスが崩壊した遠因になっただけだが、あの時点でジェネシス自体はミラーもなく
中心も終了していた罠
三隻同盟がいなかった場合、連合がちゃんと勝利するので、種死でブレイクザワールドが起こる事もなく
世界は種死よりも平和だったことになるな
つまり、結果論的な話すると、三隻同盟は戦後に無駄な混乱をまき散らした元凶
>>404 そもそもピースメイカーは二段構えだから
一陣がプラント全滅させた後にジェネシスが登場しても、第二陣の核攻撃がジェネシス直撃する件に関して
「貴様がシン・アスカ?…ふぅん、噂に違わない面構えだな?世の中の全てに反抗的なガキの面だ」
「シン…何故まだZAFTにいるんですか?今のZAFTは貴方にとって、決して相応しく無いのに…」
「けじめだよ。裏切り者や、横からしゃしゃり出てきて勝ち組になって、出戻ったかと思えば堂々とトップに居座って。
そんな人達みたいな真似はしたくないからここに残ってる。惨めでカッコ悪いけど、一度覚悟して決意してきた道だから。
腹に括った信念を変えない…オレが出来る、唯一の反抗…かな」
「最前線?」
「そう。うってつけの人材がいるではないか…なぁ?」
「二年前はデスティニー。今はボロいザクか…今までゲイツだったから、マシといえばマシ、かな」
いきなりこんなん書いてすみません、近々こんな感じのSS書いて行きたいと思ってます。初めてなんで、その時は色々指摘&アドバイス宜しくお願いします。
GJ! 楽しみに待ってる
何か、シンが渋いな
ぼろいザクと聞いて、ライブ仕様のやつを思い出したw
出来上がり楽しみにしてますね
お、ご新規の書き手さん登場か。これまた楽しみが増えるなw
シンの考え方が非常に大人だな。上は相変わらず腐っていそうだが、さてラクシズ共はどうなっているか。そして、一番最初のセリフはイザークか・・・お前が言うなと
そして、シンに語りかけているのは言葉遣いから言って女性・・・ルナはこんな口調じゃないし、ここはあの金髪美人アビーの出番か!!
『送信』っと
>>409 本編で禄に台詞も無かった地味娘が何か言っていますが見えませんね。
ここで出番なのは今まで殆ど出番の無かった超絶有能な金髪の元評議会議員に決まっているのですから!
「書き込む……でいいのよね(ドキドキ」
以前考えたマネーパワーで逆襲するシンって案だが、
某未亡人の資産を元でとし、某元評議会議長が巧みな話術で交渉、
そしてシンがいろんな意味で彼女達をガードする
ってのはどうだろう?
護衛したり、代理人として動いたりするんだろうか?
でもごめん、マネーパワーって聞いて、
札束の角で敵をハッ倒してるシンが見えた……
お、俺は札束で相手の顔ペチペチ叩いて屈服させるようなのを……
折角だから護衛用のMSは純金使用にして槍に見える長物持たせるなんてどうかね?
名前は……そうだな、黄金の騎士。 ナイト・オブ・ゴールd
金ぴかは余り趣味がいいとは・・・
いや、護衛目的なら目立つ方が抑止力になっていいのか
CEには、一応金ピカMSにも存在意義があるからねー。
象徴的なMSとしてなら数機有っても良いかもしれん。
CEの金ぴか…あぁ、あの血税で作った「あれ」か…
いや、そもそもオーブは偉い人は金って文化があったんじゃないか?
アストレイのゴールドフレームだってあったし、行きなり金ピカって訳でもないだろ
>>420 キラ様(笑)ですからいいんじゃねえの?
「君は! どうして!!」
「言っただろ! あんた達に復讐するためだって!!」
そう叫ぶシンの手元から、キラに向けて“それ”が無数に投げつけられる。
「クッ!」
かろうじてキラがそれを避けると、背後にあった観葉植物の葉がズタズタに切り裂かれて舞い落ちた。
プラント議長の別荘。
襲撃をかけてきたシンによって、主であるラクス・クラインはすでに――。
「まさかラクスだけじゃなく、アスランも!?」
「ああ、そうさ。あいつは……惨めな声をあげながら散っていったよ!」
「なんてことを!」
悔しげに歯がみするキラを見据え、シンが不敵に、そして邪悪にほほえんだ。
「あんたもお揃いにしてやる!」
「それでも! 僕は!!」
一直線にキラへと走るシン。迎え撃たんと身構えるキラ。
「僕だけは!!」
二つの影が交差する瞬間、もう一つの影が走り込み――。
「やめろキラ!」
――走り込んできたアスランがキラを羽交い締めにした。
「え!?」
「もらった!」
シュパーン!
シンが両手を振るい、キラの頭髪が舞い落ちた。
「あ……」
「フッ」
「良かった」
ツルツルになった頭で、先ほどまでそこにあったはずの髪の毛を呆然と見下ろすキラ。
満足げな笑みを浮かべるシン。
そして頭部に無数の切り傷を負ったアスランが安堵のため息を漏らした。もちろん彼の頭髪は1本も無い。
「ぼ、僕の髪の毛が……。アスラン、どうして?」
「キラを捕まえていて良かったよ。俺みたいに動いていたらよけいな怪我をしたからな」
「だからって――」
両手の指の股全部に皺一つ無いお札を挟んだシンが、その手をビシリとキラへと突きつける。
「見たか! これがピン札の切れ味だ!!」
「あ、あ、あ、あああああぁぁ!!」
「キラ!? 落ち着け、落ち着くんだ!!」
「あああ、髪が、髪が!」
「大丈夫だ、髪はまた生える!」
「!」
「だから、落ち着こう。な? キラ?」
フッと息を漏らしたキラがアスランを見つめ返す。その眼差しにはたっぷりの同情が込められていた。
「そうだね、僕の髪の毛はまた生えるんだ。アスランと違って」
「キ、キラ〜〜〜!!!」
自爆ボタンを押しかねない勢いでキラに掴みかかるアスラン。
そこに数多の戦場で闘い、認め合った親友同士の友誼は欠片も感じられない。
シンが議長別荘から引き上げた時そこにあったのは、札束に頭から下敷きになりながら
「ラララ、おっ金♪お金♪おッ金♪お金♪ 何でも出来る♪」と歌うピンク、
「アスラーーーン!!」「キーーラーーー!!」の叫びと共にぶつかり合う2体のMSだった。
>>マネーパワーで逆襲
(> <)こうですか?
おお、こんな逆襲のシンもよかよか!
お金持ちだったらお嬢様だって負けてませんよ!
胸を補って余(ry
なんの、良いとこのお嬢様具合だったら大公殿下も負けてませんよ。
こっちは胸も大満足だZE。
426 :
411:2010/05/26(水) 18:02:41 ID:???
--彼らは再びその地を訪れた
「副社長のロミナ・アマルフィですわ」
「?! あ、あなたは…」
--目の前の者達に息子と夫を奪われた未亡人
「秘書のアイリーン・カナーバです」
「どうして…あなたがそちらにいるのですか…」
--力でなく言葉でその地を守り、にもかかわず守った者達に居場所を追われた元議長
「専務のユウナ・ロマです。よろしく〜」
「馬鹿な?! お前はあの時確かに…」
--荒れた国を立て直し、国の為に尽くしても王と軍に拒絶され罵られた元代行
「社長のシン・アスカだ」
「君が…何故…?」
--そして最後の一人。家族・親友・地位、全てを文字通り奪われた元軍人
427 :
411:2010/05/26(水) 18:04:12 ID:???
-彼らの目的は一つ
「待ってくれシン! あともう少しで返済の当てができるんだ!」
「今度は本当ですわ! このレアメタル採掘さえうまく行けば…」
「シン! お前は自分の祖国を破産させるつもりなのか!」
「ラクス達もみんながんばってるんだ! 何故それがわからないんだ!」
「(ボッ)、スゥーハァー…何寝言言ってるんだあんたらは?」
「「「「?!」」」」
「こっちは散々待ってやったんだぞ? そもそもこっちとしてもイヤミ程度に考えてたのが
あんたらの無茶苦茶な予算配分の赤字補填でこれだけ額が膨らんだんだ。それはあんたらの責任だ」
「そっそれは」
「借りたら返す。あんたらにとっては踏み倒すものみたいだけど世の中の常識はそうなってるんだよ」
「あ…う…」
「そういうわけだ…」
葉巻を消し、書類を突き付けニヤリと嗤い
「オーブとプラントに貸した借金、耳を揃えて返してもらおうか」
--コズミック金融伝・ガルナハンの帝王--
428 :
411:2010/05/26(水) 18:07:32 ID:???
マネーで逆襲のシンの案を考えた者として書いてみた。
なんか色々おかしい気もするがだが私はあやまらry
続きは多分書かないのでどなたか書きたい方いたらドーゾ。
でもこいつらマジに徳政令出しかねんからなぁw
そっぽ向くにしても民主体制じゃないし武力もあるし……結局戦争になっちゃうぜ
もう連中の周り全部買収するしかない気がしてきた
取敢えずシンは材木を売る所から始めた方が良いと思います。
>>429 出撃しようとストライクフリーダムに向かったキラが見たものは!!
つ 差し押さえ
ナントカに刃物じゃないけども、あんなトンチキMSは動力炉をとっとと抜き取って、プラントの動力とかに有効活用した方が100倍マシだw
>>431 「動力炉ならここにあるぜ!」
ブチブチ ズルッ
「世の為人の為になら、俺のこの命は喜んでくれてやるさ!」
「ああ……ストライクフリーダムが熔けて逝く……」
「シン……サイ……さらば……後の事は頼むよ」
こうですかわかりません
>>432 CE世界には発電効率80%なんて破格の効率のソーラーパネルがあるから
それ使うほうが経済的かつ安全
「これがお前たちの最も恐れていたフリーダムの原子炉だ!」
で自爆して包帯ぐるぐる巻きのシンが記憶を取り戻すのですね! わかります!
……地上かプラントでやったら、小規模なチェルノブイリ状態になってZONE化しそうだが
そこは落ちるユニウスセブンに向かって突撃自爆ですよ!
……本編で、そんな風に地球守って序盤でキラが散ってくれたのなら
キラは皆からリスペクトされたと思う
>ジャスティス!氏
GJ! そしてお久しぶりです!
相変わらずのアヅランに吹いたw
このシンならピン札でMSも切れるに違いない。
……紙のあのシュッってなるの嫌だよな
>424
だが待って欲しい。
お嬢様ではおっぱいに札束挟んで「ふふ……これをお持ちなさい」なんてことはとても
――ジュッ
>411
乙!
何か、金持ちにならない方がおかしいメンバー説明で続きが気になるんだが。
ラクス達が、6畳一間風呂トイレ共同なところでチマチマ造花作ってそうだw
>>435 何か議長やクルーゼ絡みで動いて
その関連で殺されそうになるか自暴自棄になるかしたレイかばって被弾して
命は誰にだってひとつだ だから君は君だ 彼じゃない
って例のセリフ残して死んだりしても ちょっとかっこよかったんじゃないかなw
レイ関連もうちょっと掘り下げてほしかったんだ・・・
あとあのセリフ セリフ自体は悪くないのに本編での使い方が残念すぎたから
>>435 そして後でタヒチから復活するんですね、わかります。どっこいキラ・ヤマトは生きていた!!
っていうか、イミフ暴走さえしなければ別に生きててもいいよな。
>>437 なんか当時、最終話近くなった頃に似たようなこと言ってる人いたわw
>レイ関連もうちょっと掘り下げてほしかったんだ
例えば特殊部隊による強襲からフリーダムで遁れた話の直後辺りから
それを進めてりゃ良かったんかな?
というか、仮にも前作主人公なんだから「まっとうな」優遇をしてほしかった。
誰も幸せにしないようなえこひいきじゃなしに。
>>440 >>437 レイは尺の都合(総集編やりすぎたせい?)で
予定されてたメンデル話がなくなったとかって話もあるしね。
これも尺の都合なんだろうけど、最後もちょっと消化不良だった。
>>441 ちょっと話違うけど、世界が終わる時だっけ?
あれの元赤服三人の使い方はなかなか良かったと思う。
っていうかあの辺は普通に期待して見れてた気がする・・・。
>>442 消化不良どころか口にした瞬間吐きましたレベルの扱いだったと思うぞあれは
そもそも種死でメンデルの話作っても種のクルーゼイベントの焼きまわしが精々っしょ
クルーゼのがレイより色々詳しかっただろうし
ムゥはムゥで記憶なかったしね
んで嫁のことだからキラ絡めてくるだろうしやっぱ劣化メンデルにしかならんかw
上でも言われていたが、キラのレイに対する「君は君だ。命は何にだってひとつだ」は
死に際の遺言にぴったり来る気がする。そういう終わりにすれば、無印最終戦の口喧嘩にも
一応の意味を持たせられるしな。2年後の結論ってことで。
本編だとクルーゼにも議長にも勝ててなかったもんな口喧嘩
なんとなく主人公っぽいセリフでまとめただけで
種はまぁいいけどデス種ではもうちょっとなんとかしてほしかった
あと思ったんだけど
シンがメインのまま進んでたら最後に口喧嘩wする相手は誰になってたんだろう
キラやラクスはなんか違う気がするし やっぱりどっちにしても凸だったのかね
個人的には議長がまともなままならキラとカガリ、シンがキラ達と共闘するならレイor議長だな
アスランの場合は、序盤〜中盤までのがどこで解消されるかにもよるね。
流れからしてどう転んでも一回は意志ぶつけあう展開あったと思うけど
ラストとなると微妙かも。
でもキラは力で押し通しただけのただの理想論だから絡めるにはイマイチだし
カガリはありかもしれないけど、これもラストとなるとちょっと微妙な気はする。
議長はなんかキラとのあれみたいに
はっきりした答えの出ないちょっとした問答みたいなので終わりそうだし・・・う〜ん。
個人的には絶対にこいつ!ってのはなさそうな気もする。
まぁクルーゼも終盤なるまではそういう役やりそうな気配なかったし
ちょっと流れ違えば誰でもそれっぽくもってこれたのかもしれないけど。
>>449 「自分がどうしていいかわからんものを、作品の中でいーかげんな結末をつけるなーっ!」
クルーゼは裏でこそこそ動いてはいたからボスか黒幕になりそうな感じはあったけど
肝心のキラとの関係とか因縁がメンデル辺りまで全然なかったな
そもそもクルーゼがクローンであるという描写(薬や素顔の皺)ってフリーダム奪取以降だったハズ
素直にアスランが敵対する話だった場合クルーゼは意味なく仮面被っただけのキャラになってんじゃね?
ちょっと面白いなw
まぁでもムゥや遺伝子関係で何かあるのは予定されてたと思う
スパロボZをやった
もうこれが種運命の本編でいいよ
Zのは良いよね
まぁアニメ以外だとだいたいどの作品でも主人公らしさは増してるけど
つ スパロボK
まあ種死だけじゃなく他のも改悪がひどかったけど一番ひどいのが主人公という有様
種死部分だけでいいから教えてくれないか
>>454 俺はガンダム無双2が本編でも良いと思う
高山版も割と・・
高山版って原作じゃなかったのか
>>461 リンク貼るの失敗してる。
行き先の漫画の、さらに原作のところをクリックしないと行けない。
スパロボK今やってる。
途中なんだけど、味方になったシンの言動がスペエディの延長みたいだ。
このスレにいたら、こんなのはシンじゃない感いっぱい。
コレジャナイシン
原作版最終回動画、マジでパネェ・・・つくづく劣化アニメ化が惜しまれる作品だたんだな
>>465 無双2の動画見たが、シンのアスラン・キラに対する台詞に惚れた
何時も思うが、何でこういう会話を入れなかったんだろうな、アニメのラストでさ・・・。こういうふうに、ちゃんとお互いの主張を言い合って闘っていたら、例え敗北したとしてもある程度は納得できたのに。高山版読み直すわ〜
だって負債(嫁の方)にそんな高度な事描写出来るわけないじゃない?
小峰にも出来ない
>>463 自軍入りした後、シンは何か良い事言う度に、他の味方陣に「シンも成長したな」「この部隊の人達のおかげだ」みたいな事言われるんだが、
Kの自軍は原作のキャラから大幅に改悪された連中が大半で、むしろラクシズが良心に感じられるぐらいヤバい集団なので、こいつらのおかげでシンが成長できたなんて言われても全く説得力が無い
つか敵の時のシンは明らかに別人すぎるだろ…
例の「オーブが滅ぶのをこの目で見られないのが残念だ」発言を筆頭に
Kは原作の劣化改悪が酷すぎるからね。
種死もゾイドやガンソとかに比べれば、まだマシな方だったりする。
ファフナーに至ってはもうね・・・
Kの評判で褒められてるのはバーチャロン関連しか聞かない
>>472 バーチャロンに関してはセガの瓦重郎が監修に参加してるから評価は高い
Kの問題点と評価点をまとめてみた
問題点
・矛盾や問題がありすぎるストーリー
・原作ファンに喧嘩を売っているとしか思えないシナリオ
・作品によって扱いの差が激しい
贔屓されてる作品・ガイキング(特にサコン先生)、種死(ラクシズ)、オリジナル(ミストさん)
扱いが酷い作品・種死(ミネルバ組)、キンゲ、ゾイド、ガンソ、ファフナー
・種死のシンやガンソのヴァンとレイを筆頭に版権キャラの性格改悪
・BGM盗作
・魅力が無いオリジナルキャラのヒロイン二名
・ミストさんの存在
評価点
・戦闘シーンのクオリティ
・BGMのセレクトと質
・イスペイル様の存在
問題点は上げればキリが無いが、評価点はマジでこんだけしかねえ・・・
そのシンはちょっと面白すぎるなw
まぁ携帯スパロボ前作のWのシナリオが神過ぎた点を考慮しても
Kは色々と駄目すぎたよな。
Wの人に種死が出るスパロボのシナリオ書いてくれないかな・・・
カイジは何の説明もなく二つの地球を行き来してるのにワロタ
このスレ的には、宙さんと妹を大事にしない馬鹿兄貴は死ねぇ!同盟を組んだ事やルージを始めとした年少組の兄貴分になっているシンは評価点かな?
個人的には大空魔竜の足にしがみ付く根性ありすぎなバイオメガラプトルとザイリンさんも外せないがw
Kは参戦作品同士の相性が悪いと言われてるけど、全然そうでもないんだよな。
あの参戦作品群ならば、間違いなく中核にすべきなのはゾイドであって、ルージの成長物語に
ダイヤやシン、ゲイナー、ファフナーの登場人物たちとの友情を絡めれば、まさに王道だった。
軍師ポジションに総士とサコンが付いて、ゴウやラカンが精神的支柱になれば、脇も固まった。
上手く料理すれば、かなり隙のない布陣が組めた筈なんだよ。
どう考えても、シナリオ担当者のオリ贔屓と中核作品の選択間違いが原因だと思う。
>>479 どっかで見た敗因だな。
素材は良いのに、シナリオ担当が主人公贔屓して駄目になるって言うのは
>>478 Kにおけるシン関連の描写で、個人的に良いと思ったのは
・年下だけど身分の差を弁えてアナに敬語で話すところ(私情が絡まなければ基本目上には礼儀正しいという点がちゃんと描かれてる)
・宙さんとの「妹を大事にしな(r」同盟(シスコン兄の模範)
・「大切な人を失う悲しみを教えてやるから俺の心を読め!」というフェストゥムに対する啖呵(悲しみを礎にしたシンの強さの描写)
・自身の先の見えない未来に不安になるシンに「格好良い大人になってね」と励ますプリシラ(弟分としてのシンの描写)
・自軍のほとんどがヴァンの復讐を頭ごなしに否定するなか、ほぼただ一人と言っていい理解を示したところ(復讐をキレイゴトで片付けないという描写)
大体こんなところかな
シンとルージの関係は悪いとまでは言わないが、
・ルージを励ますのに凸の受け売りを使う点(他人の受け売りでしか物事を語れないのは凸のキャラであってシンのキャラではない)
・ルージがピンチの時に、レイが居ないとシンが戦術センス的にまるで無能のように扱われてる点(レイのアドバイスが役立ったのは確かだが、シン自身も戦闘における機転は良く効く方)
・ルージの成長が全く描かれていないので、シンとルージの関係が一方通行になってしまっている(同じ兄弟分的描写でも、Zにおける勝平との関係は互いに成長を促す相互関係が描かれていた)
以上の点が個人的に気になったので、些か採点が辛くなってしまってる
逆にこれは最悪と思ったのは、「オーブが滅ぶ様を(r」発言も勿論そうだが、ある意味もっと酷いのはシンとキラの和解場面
キラ「僕は君の大切な人(ステラ)を殺した…」
シン「いえ、俺も貴方を殺そうとしましたし…」
な ん だ こ れ は
丸っきり無印のキラ凸和解(笑)シーンの焼き直しだろ
しかもキラは誰も失ってないのに、アニメより卑屈になってるシンが訳分からん
そんな和解シーンいれたらヴァンの存在意義ねーよって話だ
例えるなら鉤爪がエレナ殺した→ヴァンがウー(鉤爪の息子)殺した→お互い悪かったですねぇ
ってなるようなもんだぞ。んで苦肉の策かヴァンの復讐は綺麗な復讐て…
怒り通り越して呆れるわ
>>483 つか、俺はガンソが出ると聞いたときから、ガンダム無双2の「過去に決着をつけるんだ」展開みたいになると思ってたからな。
えらい肩すかし喰らわされた気分だったよ。
>>480 成功するにせよ失敗するにせよ、一流は皆個性的だが、三流は似た様な事しかしないもんだ。
>>473 本当はスパロボ的には、バーチャロンだけは空気で差し支えが無かったんだけどな。
抜くところと入れるところが、完全に逆転してる。
なんで寺田もあんなクソシナリオにOKだしたんだよ…
スーパーバイザーグリリバもなんか言ってないのか?
種のあのクソシナリオをOK出されるような業界だからな。
何があっても不思議じゃないさ。
というか、シンは結構扱いいい方だよな、敵にまわっている時にさえ目をつぶれば。
他が軒並み最悪だから相対的によく見えるというかなんかもうね。
ただ、きれいなラクシズだけは評価したい俺がいる。特にKガリは割と感心したんだが。
なんのクロスオーバーもなしでKガリになってるのが問題なだけで。
>>482 別に和解するななんてわがままは言わない。そこまで原作から外れるようなことしちゃいけないとも思う。
キラさんだって嫌いじゃないしちゃんと救済されて欲しい。
だからちゃんとした和解をさせてくれ。
お茶を濁すようなgdgdな奴じゃなく、シンやキラの片方が自分が悪かったゴメン的なものでもなくちゃんとした和解を。
>>488 しかも発売日を前倒しにしてアレだからなw いつも通り延期しておけばよかったものを。
>>489 ミーア生存スレにあったあんな感じはどうよ?
>>488 福田は嫁に甘いんじゃないだろうか
昔から嫁と組んでない仕事だとそれなりにやってたんだし
>>479 ほとんど同意だけど
ゾイドメインは色々な意味で難しかったんじゃねーかなとも・・・
>>489 >だからちゃんとした和解をさせてくれ。
というか、お前ら、和解する前に
まず最低限、お互い罵声を吐き合いながら、ちゃんと生身とMS両方でしこたま殴りあえやって話だよな
どっちかがもう片っぽに親兄弟に女殺されたなんてバックグラウンドがあるなら、普通の作品なら最低限そーする
俺だってそーする
親兄弟はなかったことになったっぽいけどな・・・
>>492 ルーピーに罵声浴びせてもなんで悪くいわれてるか理解できないんじゃないかな?
>>491 メーカーの「大人の都合」なんざ、ユーザーには関係ないからな。
そんなもん、非難されて当たり前だろう。
そういうのも含めて叩かれてるわけだしな。
>>493 「無かった事になった」んじゃなくて
「シンはぶっ殺したのがキラだって事に気付いてないって事になった」な
あの回はシンの主観で回想の回らしいので、そういう事になるんだと
まあ、どっちにしろ負債がせっかくのオイシイシチュ描写すんのを
ブッチしたって事には変わらないわけだけど
>>492 「お前がステラを殺したぁ!」
「あのときはそうするしかなかったじゃないかっ!」
とか叫びつつMSが半壊状態になったのでコクピットから転がり出て
ヘルメット投げ捨てつつ夕日の砂浜で殴り合う2人が見えた
何この青春アニメ
>>497 そんなシチュで、お互い顔ボコボコにしながら砂浜で寝そべってようやく相手の境遇やら気持ちやらを理解するってんなら王道だなw
本来なら、無印種のオーブでキラと凸がやるべきシチュだったんだろうけども
某カ○マばりのマウントとって、殴りかかるキラならまだ色々と違ってたんだろうな・・・
>>497 キラのその言い訳効くの原作漫画版だけだよな〜
同人アニメ版だとわざわざ沈静化したステラ殺りにいったわけだし
ただ生身での勝負だと、シンが一方的にキラを10ページぐらいオラオラする展開しか思い浮かばんな
ナチュラルが余裕で耐えきれる大気圏突入で気絶して、腕相撲で負けてAA一周でヘタばるジョボイと
素手でふた開けてない缶握り潰して、レールガンの至近距離射撃の衝撃に舌打ち程度ですます人外とを
生身で比べようとする事は無謀だと思います
>>497 俺としては両者ほぼ全壊した機体から這い出しつつも、
執念のみで満身創痍のシンが比較的軽傷のキラの元にたどり着いて
「どうして、君は」
と、なぜ殺されるのか最後までわからなかったキラの額に鉛弾をぶち込んでから
派手に血を吐いてぶっ倒れるシンの姿が思い浮かんだんだが。
シンとキラを生身で互角に戦わせようとするなら、シンだけ全身ズタボロで利き腕も開放性骨折してるぐらいのハンデが無いと厳しいだろう
生身でちゃんと罵倒しながらの殴り合いして共倒れって描写してくれるなら
別に片方にハンデ付きである事など何ら問題ではないな
百歩譲って、家族皆殺しの流れ弾がホントに常夏機からだったとか
あるいはシンが私怨を全て脇においたとしても、事実上のウズミ政権オーブが
国民の避難をないがしろにした事やあの時点ではゲリラに過ぎないキラAAが
安全の確保されてない空域を飛び回って被害を拡大させた事や、
後にジブリールの捕縛を邪魔して結果的にレクイエム大虐殺を幇助した事実は
全く変わらないわけだが。
高山原作版ならいざ知らず、TVの方ではザフト機への攻撃だけに徹して
ジブを捕まえる事には一切関心がなかったし。
正直議長も、やろうと思えば通常戦力でいつでも陥とせるアルザッヘルなんか
ほっといて、真っ先にオーブを照準を合わせればよかったんだ。
実際には撃たずとも、それこそ改竄の必要が全くないジブ逃亡幇助の戦闘映像を
証拠として提示しとけば国際世論も大して非難しなかったろうし、
ラクシズがレクイエムの共犯である事実を絶えず強調しておけば
ジュール隊をはじめとした血迷った裏切りも防がれたかもしれないのに。
まあ腐災に悪役化を定められたんじゃ仕方ないけど。
そういや昔種死のSSでキラと凸が会っているときルナマリアが居たのを気がついたキラが
一瞬で崖を駆け上ってルナマリアに銃を向ける?な感じのを見た事があるが、ねーよと
思った。いくら女とはいえ赤服相手にアホかと、2年もニートやってたお前の何処にそんな
運動能力があるのかと…
キラ厨の脳内キラさんならそれくらい出来ても当然、常識、当たり前あたりまえ
どっかのSSのキラさんは素の身体能力だけで時速90km以上の速さで走ってたな…
>>496 個人的にはトダカの最期もちょっともったいなかったかなーと思う
やりたかったことはわかるし
ここについては支持する人もいるんだろうけどね
でもなんか種で お互いに知らないまま〜 やられると
後に残るものが何もなかった・・・ってだけに見えてしまって・・・
>>509 なんとなく
「アスハの手下というだけで十分だ! 死ねぇ!」
でもいいような気がして困る
確か、シンが慰霊碑で(ルナ含めて)皆殺しにするネタなかったっけ?
ラクシズの死体の上で高笑い…まではいかなくても、(歓喜の)泣き顔でたたずむ姿が
似合いそうだ。それか(ガンダムファイトの説明みたいな)ガッツポーズ
フリーダム倒したときのあれとか合ってた気がする
まぁ普通に年相応っぽいときのシンも好きなんですけどね
>>505 シン個人の怨みが、それも不当に逆怨み扱いされて強調されてたから
霞んで見えるけど、ジブの逃亡幇助って数あるラクシズのテロの中でも
最悪クラスだろ。銀英伝におけるヴェスターラントのようなもので、
あれで破壊されたコロニー出身者とか遺族の兵士もごまんといるだろうし、
決戦の際に対ラクシズ部隊として急遽再編投入とかされててもおかしくないんだが。
でもどうせ戦後には公私ともども封殺されてるんだろうな…
トダカはホントにもったないない……行動の是非はこの際置いといて。
きっと後半シンがトダカの死を知って自分のやっていることに悩んだりするんだろうとか思ってたらアレだもんなぁ。
というか、キラの扱いもだけど嫁はどうしてこういうおいしいネタは放っておいてどうでもいいネタばっかり扱うのやら。
もっと煮詰められるネタがたくさんあるというのは、もうね。
>>506 まあ好意的に解釈すれば真面目に身体を鍛えればできるかもしれん。
ていうか、MSに乗ってた以上ある程度の基礎体力はあると思うんだが。
どっちにしろ本人は鍛える気は無いだろうけどw
>>508 キラならできないけどキラさんならできるよ!
冲方が種死のシナリオを書いていたら、キラは自由でアスカ家爆撃したときに「おお、炸裂よ!」とか言い出すキャラになってた
ファフナーの人か
昨日今日で全話とスペシャル版見て暗い気持ちになった自分
種の無駄なグロ描写よかよっぽどキツい
>>515 ただの腐女子の誇大妄想よりも、一流のSF作家がその暗い情念を全力で注ぎ込んだ作品の方が鬱なのは当たり前
その足でVガンも全話見るんだ
>>509 オーブ侵攻後辺りに昔世話になった将校さんをうっかり殺ってしまってた事を
トダカの部下or遺族を通して知らされたシンが
葛藤したり割り切れよ出ないと(ryで
スーパーエースモード脱皮し真の主人公へ
そう期待して種死視聴継続〜そしてエディションへ〜な私が来ましたよっと
まさかシンへのフォロー一切なしで
延々空母ぶったぎりバンク見せられた挙句
慰霊碑で僕と握手なオチだなんてさ…
その後視聴したVガンダムでは
この手のネタ(敵の遺族に憎まれ苦悩する主人公)が
上手く処理されていてどうせならこれをパクってくれと(ry
クロスオーバーssや逆襲スレでは
結構ナイスフォローされてて癒されるっす
特攻ダメゼッタイ
>>518 初めてリアルタイムで見たガンダムがVだった自分
マチス・ワーカーさんの遺族のとこは逆にウッソが大人すぎるとオモタわ
それよりかーちゃんの死に方が…、鬱だった…
ところで種って本当の意味での「大人」っていないよな
なんかみんな体だけ成長して中身が伴っていないのばっか
え? 俺の中のVガンはボンボン版だけですが何か?
電子レンジの中のダイナマイト・・・って実は爆発しないらしいな。
ナイトヴィクトリーは格好よかったな
>>519 ちゃんとした大人もいないし
種死ではそれ+キラを抑えられる存在もいなかったのが問題だったと思う
言ってることなんてただのぶっ壊れた理想論なんだから
味方にも敵にもある程度まともに否定できる人間がいるべきだったというか
種でいう終盤クルーゼとかバルトフェルドとか一時はムゥとか
そのくらいのもんでもいいからさ・・・まともかは微妙だけどw
>>523 そいつらみんなカスだろ 特にムゥと虎
砂漠のときとか
>>523 カスである事は否定しないが、他よりかはマシというレベルの話
クルーゼや盟主王がマトモに見える世界だからな
盟主王は人格がチンケな小物である事以外は、至ってやり手でマトモな経営者だけどな。
トダカのアレは平手政秀の諌死みたいなもんだろ
アホ過ぎるカガリに対して自らの「死」をもって抗議したわけだ
マルキオハウスの子供達は将来のキラ親衛隊のためにいるんですよね?
決して可哀想だから引き取ったわけじゃないですよね?
>>529 いくら鉛弾喰らわしても手足や頭の一部とか吹っ飛ばされてものっそり起き上がり
「らくすさまをまもるんだああ……きらさまをまもるんだああ……」とか呟きながら
特殊学級部隊に群がっていくわけですね、わかります
>>528 そのレス見てたらふと思い付いた。
俺の深読みと妄想の産物なんだが、あの戦い最初からオーブ“軍”はやる気なかったんじゃないか。
張り切ってたのは政治屋だけでとオーブ軍最高司令部は最初から適当なところで手を引こうとしてた。
ミネルバを包囲しても撃沈しなかったのも、ザフトが勝利した場合を考えて手を抜いてたとか。
あの特攻はトダカの独断だったが、トダカとタケミカヅチは連合に対する被害担当艦というか生贄、オーブ軍が口実として対ザフト戦から離脱する為、はじめから撃沈される予定だった。
トダカが部下をAAに行かせたのも、戦国時代のようにどこが勝っても良い様に保険をかけたオーブ軍司令部の策謀で、アスハ家よりでプラントにもコネのあるトダカを戦死させる事で連合と国内の政治家への面子を保った。
……なんて思いついたんだが、脚本家そこまで考えてないだろうし、そんな事考えられる軍司令部ならとっととクーデター起こしてるし、アスハ家の支持率99%になんてなってねーわな。
ここまで書いて思い付いたんだが、オーブ軍に入隊して内部から思想変革、シンパを増やしクーデター起こすシンってのはありかな?
さて、そのオーブ内で味方になってくれそうなめぼしい人間がいるか、それが問題だ
オーブ軍も一枚岩じゃないのは同人アニメですら描かれてたから(ジブを逃がしてたオーブ軍人居たし)
反アスハ派って水面下には結構居そうだがな。
>>531 おおナカーマww
自分は最初から相応の血を流してみせる事でオーブは
連合への義理を果たして対ザフト戦からトンズラこくつもりか、と思ってたな。
『灰色の魔女』ちっくに連合とプラントを適度に争わせ、緊張と均衡の狭間で利を得る…
そんなフェザーンやヴェネツィアのような
オーブを想像してたこともありました……(遠い目)
アスハオーブへの復讐の為にトダカのコネで
オーブ軍に入隊して腕一本でのしあがっていく、
なんて逆襲シンも面白そうだなあ。
途中で外敵に対抗する為にラクシズと和解共闘するニュートラルルート、
あくまで復讐に生きて魔王化、諌める恩人を謀殺しラクシズ誅滅を果たすも
アスハ派残党の凶弾に倒れるロウルート(Badend)
独裁者カガリ暗殺した途端にマンセーされ
そんなオーブの愚民っぷりに
アスハ以上の嫌悪を覚えて出奔し傭兵になるカオスルートとか
夢は尽きないww
>>534 >独裁者カガリ暗殺した途端にマンセーされ
え?「願ったり叶ったり」じゃねーの?
「ようやく目が覚ましてくれた(バカガリ殺したことは正しかった)」or
「これで一片の気兼ねなく捨て駒にできる」って
避難所に999氏が来てた。
復讐……じゃない、復習しておくか。
そろそろ全裸待機にいい季節だな
「ご覧の通りだ、あんたらの首長はたった今俺が殺した、
さあおれを殺せ、それがあんたらの役目だろ」
「…あなたは英雄です、祖国を理念倒れの専制君主と救世主気取りの歌手崩れから
解放して下さった。あなたこそ真の首長にふさわしいお方です」
「……!?こんな国がどうなろうが知った事か!理念倒れに救世主気取りだと!
俺の家族はオーブの理念なんぞ信じちゃいなかったのに巻き添えを食った!
こいつらを支持してたお前らが間接的に殺したんだ!!」
「我々は皆アスハとクラインに騙されていたのです。気付いた時にはもう手遅れでした」
「騙される方が悪い!こいつらに好き勝手させたらどうなるか警告する人は大勢いた
そういう人たちが皆自由を奪う悪魔呼ばわりされて粛清されたというのに
生き永らえたアスハの支持者どもはのうのうと被害者面するのか!」
「あなたは英雄です、どうぞ首長として我々をお導き下さい、
国民にも知らせましょう、万民があなた様を讃え従う事でしょう」
「…やめろ、やめてくれ」
シンは恐怖した、こいつらは支配されていたというが本当にそうなのか、
英雄という玩具を弄び、飽きれば新品と交換するだけの事ではないのか
根源的な恐怖の中、シンは背後で重い鉄の扉が閉まる音を聞いたように思った…
534を書いた者だが、
まさに七都市物語のそのシーンをイメージしたネタだったんだ>カガリ暗殺した途端マンセーされるシン
ありがとう
>>537 首長政治でスポイルされてるオーブの愚民達は
こんくらいの節操なき変節やらかしそうだなあと
539 :
537:2010/06/04(金) 00:31:33 ID:???
>>538 なんと、単に似てるなァと思っただけだったのにドンピシャだったとは、
どういたしまして。
しかし七都市の場合はまだ他にも都市国家があるからノルト将軍も
最終的にタデメッカに落ち着くことができたけど、種死アフターは事実上の
独裁統一国家だからシンには逃げ場が無さそうなのがニントモカントモ。
>>537 元ネタ知ってるし面白いとは思うけどそれだけしたたかなら
オーブ立て直した上に実質TOPだったセイランになびいてたんじゃないか?
>>523-525 逆シンというかアフターのムネオに関しては…
戦後ステラ達の事をどう考えて責任の一つも取ったか、
シンとキッチリ向き合ったかどうかといった辺りが評価の分かれ目だと思う。
例えばGSCT氏版や、If総合のCROSS POINT版等は遅ればせながら男を挙げた方で、
一方ジオンの光芒版とかだと艦首突撃でミンチも当然ザマミロという事になる。
この点、CDドラマだのスパロボだのといった商業派生製品ではどうなのかな?
シンと対面あるいはオトシマエつけさせたりとか、あるいは例のアマルフィ夫妻が
凸を赦してほめたとかいうフザケた話みたいなのもあったりする訳だろうか?
あと虎は……よく考えてみるとTVは元より二次の多くにおいても、和戦問わず
シンとの直接の対話も対決も実はほとんど描かれてない……のかな?
陣営は元々対立してるし、エターナルごと沈めたりとか本文外で既に倒したりとかは
チラホラあるわけだが。
知る限りではいずれMercenary Of Redで激突するはず…ぐらいかな?
>>540 結婚式が祝福ムードだった事を考えると 国民からも普通に支持されてたんじゃないか?セイランも
セイラン嫌ってたのは特攻馬鹿をはじめとしたアスハ派軍人とアスハ派じゃないが逆恨みの火事場泥棒みたいな人間のクズばかりだし。
>>541 幻の未完作品逆行のシン⇔キラだと
ラクシズ結成の黒幕で思想的に対立したけど、そのくらいかなぁ、虎は。
>>524 >>525 なんにせよ、自分もキラを抑えられる存在は必要だったと思う。
戦闘ではともかく、それ以外の部分でもキラの暴走がひどすぎた。
ムネオに虎にクルーゼはたしかにクソだけど
種死ではそのレベルの存在すらいなくて
ただ 迷ってるふりしつつひたすら暴走するキラ様 になってしまった。
ザフト凸と会った時もあれだったし、言っても聞く耳もたなかったかもしれないけど。
おさえるやつがいなかった上に
AAに敵対したキャラはいつも謎の無能化くらってたしなw
敵も味方もクソばかり・・・それがガンダムSEED(種死、外道含む)
アスハ「国民が聞く耳持たなかったので」
国民が聞く耳を持たなくなる様なことばっかしてるからだろ・・・どこの国の自民党だよ
我が党スメルなぜここから
>>548 ラ党…ゲフンゲフン自民じゃなく民主党だろ今ならww
鳩研のサブタイにコーラさんネタ使われてたりしてたから結構住民被ってるんじゃない?
>>550 カガリみたく軍事クーデターでも起こさない限り復権は無理だから、自民党で良いんだよw
むしろ民主が今後もう一度政権をとることがもうありえないと思う。
自民が政権奪われたことはあるけどなんだかんだで復権してるが
今回の民主の勝利は色々と出来の悪いジョークのようなもんだったことは皆もう思い知ってるだろ。
とりあえずミンシュに入れた連中は「騙された」といった台詞だけは使わないで欲しいな
シン「お前(ら)の全てが間違ってたんだ!!!!!!!!」
で、ラクシズをミンチにより酷い状態して、
オリキャラ(指導者)「自死や処刑は許さない。この世界(と私)を裏から一生護るのが贖罪だ」
って感じで、生き続けるのがいい
お前ら久々の投下かと思ってきた俺のwktkを返せ
非難所に投下しました。
投下乙です。
凸に何があった!?
また、変なのが湧いてるよ・・・
誰も居ない…
ちっぱい音頭踊るならいまの(バシュ!
>>557 乙でした
ライフリサイクルプランの規格外品の転用てグロいなー
>>557乙です
そういや話は変わるが何でマユって生存設定だと(いろんな意味で)アブナイ子になってる事が多いんだろ?
てか本編で明確な死亡描写がなかったような
>>563 >マユって生存設定だと(いろんな意味で)アブナイ子になってる事が多いんだろ?
そっちの方が(話の都合的に)面白いからだ!
明確な死亡描写は無いと言うが、シンが駆け寄って来た時にはすぐ側にいた両親は死亡、右腕が吹き飛んでいるってのは十分じゃねぇ?
まぁ、ガンダムの妹キャラ的には、MSが避難していた小屋に墜落したのに生きてた人もいるから生きてても不思議じゃないんだけどさ。
……しかし、死体が丸々残ってるのさえやばいのに、右腕だけ残ってる最愛の妹ってトラウマどころの騒ぎじゃないな。
シンがある意味において歪んでる原因なのも頷けるわ
もしかして種死初期の没案にはマユ生存ルートとかがあったんだろーか?
そんなルート有り得ないだろJK
種死におけるシンっていう人物の根幹の一つを欠くことになる
種死で実際に検討されたとは思えないが、
過去にはロザミィやクワサン・オリビーのような生き別れの妹系と
戦う羽目になる例もあったからな。
一時はリィナもそのクチかと気を揉んだもんだったが。
568 :
565:2010/06/06(日) 00:04:58 ID:???
>>566 あ、¨実は¨が抜けてた。
要するに一部のSSみたくこっそり生きてたマユが敵に回るという案もあったのかなと言おうとしたんだが、言葉足らずだったな。ごめん。
でも考えてみりゃたしかにそうだよな。シンの根本は家族を奪った戦争へ復讐ってのがあるもんな。
むしろ、マユが生きててヤンデレ化することで某危険小僧並みの不幸人生ルートがだな(ry
ていうか、マユからしてみれば見捨てられたも同然だしねー。
実は生きてて・・・てのがあってもまともな家族関係はもう築けないんじゃなかろうか。
なんとなくだけど、マユからお前のせいでこうなったんだよ的なことを言われて色々と感情がグチャグチャになったシンもそれはそれで見たい気がする。
>>563 多分だけど、Wとのクロスで虎とマリューがエライことになったSSが原因かもしれん。
もしかしたらそれより以前からマユ=ヤンデレな作品とかがあったかもしれないけど。
ああ、あのサッカーボールとハンバーグ…というかタルタルステーキの話か…
せっかくの999氏の新作がまだ代理投下されていないようなので行かせてもらいます。
「それは傲りだろう、お前は今までの戦争から何も学んでいないのか?コーディネーターはナチュラルを見下s…」
「カガリさん、そうではないのです。」
ラクスの声は静かだった。
「エビデンス 01あれが発見されたのと同時に、旧連合、プラント上層部は戦慄を覚えました。」
「何言って…」
「考えてみてください…人は人同士でも争うのです。まして未知の生物は…」
まさか宇宙怪獣?笑わせないでよラクス。
「滑稽なこと、とお考えかも知れませんがもし、外宇宙に地球以上の文明があったら?
それが悪意あるものだったら?…仮定でも自ら身を守るため人はある計画を立て、今もそれは続いています…」
「よしラクス、一度心療内科行こう。」
いやー電波スゴいと思っていたけどここまでメンヘラーならなんとかして別れないと…
「キラ、ふざけてはいません。」
ラクス無理だよ、そんなメルヘン信じr
「成る程、それがコーディネーター計画の本来の目的なんだな?」
へ?カガリも心療内科行き?やだよ、こんなメンヘラ・ザ・ワールド。助けて黄色い救急車!まともなのボクだけだなんておかしすぎる。
「キラ、信じられないかも知れません。ですがコーディネーターは地球とナチュラルを護るそのための兵器、尖兵なのです。」
「ラクス、証拠が無いじゃないか!止めてよね?無理な話は!」
「これが一般の人の対応です…だから明かせないのです…世界には…」
ラクスの悲しそうな顔を見ると少し罪悪感がでる…わけないよね。だって電波だもん。電波電波毒電波。
…あのカガリ、なんでボクの背中に回るの?
胸押し付けてくるなんて、おっぱいが!ラクスに無いおっきな膨らみキター!でもフレイの方がおっきいよね…
近親婚もボクの為?姉攻略フラグ?オッケーVIPにスレ立てしなきゃね。
そんな、情熱的に抱き締めないで、ってか苦しい、抱き締め過ぎだよ!首わダメェ!頭がぼぉーっと…
《第五話 戦場の掟 後編》
『プラント政府はライフリサイクルで適応外として廃棄処分される規格外品について、
この度制式に転用する事を決定しました。具体的な利用法としては娯楽、軍事…』
『先のユニウス7落下にて地球規模の気象変動が確認された件で、
地球温暖化が後退したことが確認されました。これについて連邦政府は…』
『先頃のアベック襲撃事件の続報です。テロ組織《クリスマスは子供の為のモノ!》は
犯行声明でクリスマスだ正月だ関係ねぇ!リア充即滅!と訳のわからないことを…』
バンディッツは一見すると窮地だった。少し、だが確実に狭まる包囲網。だがシンは笑っていた。
ザフトはバンディッツに銃撃をかけられないのを知っているからだ。
ザフトの機体にはあるロックがかかっている。だからバンディッツには砲撃できない。
ロック…単純な、それでいて絶対のモノは、ザフトのMSはプラントを攻撃できない、といったものだった。
シンにとっては今のザフトは弱い。弱すぎる。だが数には勝てない…それも真実だ。
だが今の窮地も計画のうちだ。そろそろキラが、信頼できる男が来るはずだ。昔は信頼できない軟弱な坊やだったが今は違う。
連邦陸軍の二等兵からシンが徹底的に、それこそ親の仇のごとく(いつのまにかカラミティが仇になった気がするが…)
超地獄の特訓(ちくわやはんぺんを身体中に巻き付け断食した猫でうめつくされた部屋へたたき落とすなど序の口)で
鍛えたキラは信頼できる戦友だ。だから待つ。
その時までシンはバンディッツの左右ローエングリンランチャーを構え、光の濁流を再度放つ、
光波防御体を持たない機体がまとめて撃破される。不用意に近づくからだ。
シンが息を吐く。
「守りたいのは同じ何だよ!だから退けよ!」
シンが吐き捨てた…
「ハッハー!落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろォォォォォォォォォォ!」
クロスアウトは敵を虐殺していた。機動力が限界まで高められ、さらに邪魔な装甲を排除したことで
ビル=ゲイツにはロックオンできない動きをしていた。
たとえマニュアルしたところで『弾けた』キラにあたるはずもなく、弾薬やビームはむなしく永遠に宇宙の果てを進んでいくだろう。
クロスアウトは的確にビルゲイツを葬る。ある機体は低出力にしたライフルをラピッドショットに切り替え蜂の巣に、
ある機体はコクピットを一撃で貫かれ、またある機体はビームサーベルで切り裂き…
全てを葬る白い旧スクール水着型の装甲を施された機体が舞うたびビル=ゲイツは次々撃破されていった。
いや中にはまだ生きている機体もある。かつてやった不殺のように推進機や武装を無力化された機体がいくつか…
キラは自分の所に迎撃に来たビル=ゲイツを片付けるとパイロットが生きているだろう機体に近づく…
獰猛な笑みを浮かべながら…
バンディッツは無傷だが流石に動きは悪くなって来ている。継戦時間はすでに45分を越えシンの疲労が見え始めたからだ。
ヤタノカガミを装備してなければ中破くらいはしていただろう。
コクピットにはアラートが常に鳴り響き高機動運動をしながら敵をまとめて葬る。
もし昔のシンがそれを見たなら間違いなく噛み付いているだろう。
「また戦争がしたいのか!」
と、だが今のシンには戦争が外交手段の一つと理解しているし、ウズミが外交無能者であったことを理解している。
少なくともあの時ウズミは徹底抗戦ではなく、連合に組するべきだし、それ以前に交渉で民間人を逃がすべきだ。
プラントと手を組むことも視野に入れ、のらりくらりやりつつエネルギーを連合に輸出、
マスドライバーを高値で貸し出しする代わりに外交的アドバンテージを取ればよかった。
当時の自分も戦士ではなく外交官になればステラは死ななかったかもしれない。だがそれは仮定の話で無意味なことだ、
特にラクス達には外交は意味が無い。奴らは言葉が通じないのだから…
だが今現在のプラントはテロの温床である上に非常に危険な存在になっている。
それはコーディネーターを滅ぼせ、ということではなくプラントの内政が連邦、それも一般市民を危険に晒したからだった。
だからシンはプラントの敵として今攻めていた。その危険性を知っているのは今現在、今回の作戦に参加した者と連邦上層部だけだ。
そんな考えを一瞬浮かばせ、シンは周りを伺った。ビル=ゲイツは光波防御体を展開しながらゆっくり近づいて来る。
作戦参謀の予想通り近づいてバンディッツにしがみつき捕獲する気だろう。
その時バンディッツのレーダーがアラートを奏でた。高速で接近する物体…それも複数が接近している。
識別信号は敵、単純に考えるなら増援だがその中にクロスアウトを発見し、キラが作戦を無事遂行し、計画通りにしてることがわかる。
シンは胸部の拡散陽電子砲をばらまく。光の散弾が全ての敵機に降り注ぎ、バンディッツは接近してくる敵機に向け加速した…
あるビル・ゲイツのパイロットは無線から流れる悲鳴に顔が引きつっていた。悲鳴の主達は皆断末魔の声と表情をしている。
その声が全て女性だったこともパイロット達が浮き足立つ原因だったのかもしれない。
キラに向かった機体のうち、いわゆるダルマにされた機体はクロスアウトにより蹴り飛ばされ、背部推進機や燃料タンクを狙撃、
爆発した勢いでプラントに向けて高速で接近するデブリと化した。
デブリと違うのは人間、それも女性パイロットが乗っている点だろう。
バンディッツと相対していた機体のうちいくつかは受け止めようとしている。
だがそれらの機体は同じように接近していたクロスアウトの狙撃によりコクピットを打ち抜かれていく。
「妙な仲間意識持つから!」
シンがバンディッツを駆りながら叫ぶ。と同時にビームサーベルですれ違う機体を切り裂いていく。
迎撃に出ていたザフトの全滅は確実になった瞬間だった。
「いいのですか?クライン議長?」
ラクスの政治的補佐をしていたオーソン・ホワイトはラクスに問う。ラクスは悲痛な顔を見せずに頷く。
「今必要なのは戦う力ですわ、彼を…バーサーカーの投入をお願いします。」
ラクスが短く告げた。そしてその命令はエターナル級2番艦「ティーガー=マシーネン=ピストーレ」に迅速に伝わる。
その部屋にいた額に大きすぎる傷のある男は焦点の合わない目でモニターを眺めていた。
モニターの中には幸せそうな大家族がいる。
その男はそれを憎悪な目で見ていた。憎悪だけではない明確な殺意。それを隠さず男は立ち上がる。
ようやくの出撃。相手を殺していい合法的な場所。
男は殺意を隠さずにゆっくり自分の機体に近づく。スタッフは退避しているのか誰もいない。男が見つけたら殺しかねいからだ。
男は機体の起動を始めた。モニターにはそれが核を動力とすることを示している。異常はない。モニターには作戦目標、つまり敵殲滅全とだけが書かれていた。好都合だ。
「クッ…アハハハハハハハハ」
男の哄笑がコクピットに響く。やっと殺せる、敵を斬り殺す、刺し殺す、打ち殺す、撃ち殺す、焼き殺す、握り殺す、殴り殺す、色々試したい。八つ当たりしたい。
男は発射シークエンスを慣れた手つきで行う。機体は電磁カタパルトに接続される。そして、
「アスラン=ザラ、シャイニングジャスティス、敵を殲滅する!」
その言葉と共にかつての英雄は明確な殺意と共に戦場に吐き出された…
以上です。
改めて999氏乙&GJでした。
>>585 本編後、何らかの理由でプラントを抜け傭兵に→ミハシラに拾われる→みなたま
が実は生きていて保護していたマユと引き合わせる(もちろんバストサイズはマユの方が上)
なおミハシラはみなとマユによって運営されています。
これで眼鏡姿の秘書マユが!
マユはスパロボZの演出だと生きてそうな感じだったな
まあアニメがアレだから どうやっても悲劇にしかならなそうだが
そんな生存マジックは鷹だけでお腹いっぱいです
999氏GJでした。
そして代理氏乙です。
アスラン壊れてますねぇ。
躊躇しないアスランは能力的に敵対するとヤバそうですな。
このアスランだと真のスーパーモードは使えなさそうなんでそこは安心ですが。
>>577 「マユがみなたまに変身」と読んでしまった。
最強萌えキャラ誕生と思ってしまった自分は人として問題あるだろうか……。
>>576 999氏、代理投下の方乙です
シンもキラもいい感じだが、まさか外宇宙からのって設定来るとは・・・おのれヤプーr(チガ
そして、凸に傷ありアスランか。モニターに移っている家族がシンの家族なのかキラの家族なのかは分からないが、キレたアスランは非常にヤバそうだな
次回もお待ちしていますぜ〜
>>580 `¨ − 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
そんなにヤンデレが好きか!あんた達は!
999氏&代理氏乙です。
>『先頃のアベック襲撃事件の続報です。テロ組織《クリスマスは子供の為のモノ!》は
> 犯行声明でクリスマスだ正月だ関係ねぇ!リア充即滅!と訳のわからないことを…』
目の部分に炎の模様が入ったマスクを被ったあの彼らを思い出したのは俺だけですか?
しっと団か。
999さんと代理さん乙です
心療内科いこうてw
>>569 ? 見捨てられたも同然って何が?
よく意味がわからない・・・
999さんと代理さん乙でした。しかし素敵だなぁこのキラさんはw
にしても、999氏のキラさん見てるとシン⇔キラスレの某氏を思い出すのは俺だけでいい。
まあ別人だとは思うけど。
>>585 マユから見たら腕吹っ飛んだ妹ほっといて何一人だけ逃げてやがるてめぇって見えるんじゃないかなっていう話。
分かりにくくてすまん。
横からであれだが
シンがマユの腕のとこで絶望してるシーンの前に
全部ではないけど残りの部分がうつってるカットがあるんだぜ!
最初はその後かけよるほうの腕をおおうつしにしてるだけかと思ったけど
よく見たら長さ全然違うし そのカットでは胸元についてたリボンまでうつってる
だから実際は完全に死亡が確定・確認されたと思っていいだろう
というかそもそも
もし腕がふっとんだけどなんとか生きてる・・・展開なら
シンは一人だけ逃げるようなことはしないと思うぞw
むしろ攻撃続いてても ピクリともしない家族の生存を信じて駆け寄っちゃうタイプだと思う
あ 上の段は
シンが勝手に死んだと判断してどうのこうのってのもありえないっぽい
くらいの意味で書きました
しかしそもそも
シンって別に逃げてないし 無理矢理ならそうとれるって行動すらとってなくね・・・?
マユのケータイ取りにいったら吹っ飛んで そしたらもう家族死んでたよね
その場から自発的に動くとしたら携帯だけでなく腕も持ったままだったかもしれん。
多分トダカ達に発見されて促されても頑として動こうとせず、
やむなく当て身でも食わされてから避難所に運ばれていったのかも。
当て身はともかくw
たぶん促されてもなかなかその場から離れようとはしなかっただろうね。
損傷激しいとはいえ遺体はある程度残ってたわけだけど
お骨?とかってどうなったんだろ。単独の墓は無いみたいだったよね。
慰霊碑のとこにまとめて埋葬とかじゃないかな?
でもそうだとするとあの和解シーンが別の意味でえらいことになるな…
キラが殺った路線のままいってたらさらに大変なことになってたなw
マジギレしたシンがナイフでほぼ全員を殺害した後、笑いながらSPに蜂の巣にされて死んでいくのが見えた。
てかキラ達っていつ後ろから殺られても不思議じゃない気が・・・。
プラントにいる限りは、大☆丈☆夫☆!洗脳で肉の壁が出来てるよ!!
>>593 むしろ、ぐるぐる目でSP返り討ちにして、勢いのままにオーブ代表官邸殴り込んで、金髪サルぬっ殺し
その後もプラント軍etc.を返り討ちしまくって、人類種の敵として最後を迎える…そして世界は滅んだ
or平和になったってオチじゃ
>>595 で、戦うときの台詞が
「塵になるのはてめえ等だ!」
「地獄へ送ってやるぜ!」
「スーパーコーディネーター様がくたばるところを見せてもらおうじゃねえか!」
「ナチュラルだろうとコーディネーターだろうと関係ねえ!俺の邪魔をするなら答えは一つ・・・。くたばってもらうまでよ!」
「穴があったら、突っ込むのが男ってもんだ!」
それから全てが終わって「あばよ、ダチ公・・・。」の一言を残し姿を消すんですね。
>>592 両親の眠る地でよりによって仇に屈するだしな
もっともキラが仇でなくとも間接的な原因は避難を完了しきれなかった当時のオーブ政府、
ひいてはウズミの咎であり代表を継いだカガリの咎であるわけだが。
どう見てもカミナ
新ゲッターロボの竜馬
そのカミナの元ネタでゲッターロボの主人公、流竜馬です。
「あばよ、ダチ公」は原作でもあったなぁ
敵の基地が自爆しようとしてるが、イーグル号が故障して自分も負傷してるんで
ゲッターを分離させる時に言ったんだが、何故かちゃっかり生きてる辺り(記憶喪失だけど)
流石は竜馬だw
もっと言うとOVA版第1作真ゲッターロボでの竜馬は復讐鬼って設定だから、
これの竜馬が乗ってたブラックゲッターって機体が逆シンに結構合いそうなんだ。
そういやブラックゲッターに乗ったシンVS異形の者と化したマユの予告編がゲッタークロス倉庫にあったな。
>>592 まあ、どうせならオーブはこういう方針のほうが正常だったと想うんだよね、俺は。
「もし侵略を否定するというのなら、暖かく優しい世界ですらも否定しなければ為らない。
暖かく優しい世界とは、所詮権力、武力、財力、同調力、科学力、技術力道徳…それら全てによる侵略の産物に他ならないのだから。
そんな事も考えず、ただ侵略がいけないなど喚き狂い叫ぶ事は、自分を悪に侵略される側に置く事だと言う事だ。
この世には侵略するか、されるかのどちらかしか存在しない!
それがこの世の本質なのだ! それに気付けぬ愚昧で劣悪な劣等種族は侵略され蹂躙され続けるが良い!
だが我々オーブの人民全ては違う! 我々はこの世界全てを侵略する!
人類全てが善く生き、美しく生き、正しく生きる世界の為に!」
また馬鹿が湧いた・・・
元ネタがわからんなら黙っておけい
俺もわからんけど
ギア厨乙
歯車萌え
歯車王カワイソス
>>618 尺の都合仕方ないとはいえ、NEOではぶられたもんねえ・・・。
話を変えるが、逆シンかつクロスオーバーってどうなんだろ?うまくやらんと単なる蹂躙になるんだが・・・。
612 :
611:2010/06/10(木) 19:33:32 ID:???
スパロボスレ向きの話題の気がするが。
クロス物も逆シンも力加減やなんか上手くやらないと単なる蹂躙になるのは一緒じゃね?
バランスとり巧くやってる書き手さんはすげぇと思うわ。
ただ基本的に他クロススレはガンダムSEEDもしくはガンダムSEED DESTINEY、ガンダムSEED ASTRAYシリーズ等とのクロスってのが前提だからな。
オリジナルの種死アフターとのクロスは見たことないな。
性質が性質だけになのはスレみたいなロボ以外とのクロスの場合はアフターも少なくないかな
昨日種死のDVD見てて気づいたんだが
ザフトは数は少ないが質ではC.E最高の軍隊のはずなのに
最終決戦ではなんと連合のウィンダムやオーブのムラサメにボコボコにされてた
キルレシオは精々4・1で倒したのも編隊からはぐれたのを集中攻撃だったし
この醜態の理由は
@強いのはイザークのようにみんな裏切った
A主力は地球に残っててミネルバとイザーク隊以外は雑魚
Bこれまでの消耗でザフトはレクイエム戦が限界で破綻してた
C非ファントムペインの正規の連合軍が強かった(オーブ兵はカガリがいるからやる気出した?)
みなさんはどう思いますか
私自身はBかCだと思ってます
DそもそもザフトはC.E最高の軍隊ではない
>>617 1と2の混合では?
2は微妙に違う気もするが、少なくとも精鋭と呼べるパイロットが少ないとは思う
Eザフトの人材不足。
ただでさえ人材が足りないプラントは前大戦の影響で熟練兵が欠乏している。
種死序盤を見れば分かる通り、ザフトにとっては虎の子と言える生き残った熟練兵も大量の脱走者を出してる。
相対した連合はザフトとは相対的に熟練兵の数が多い上、前大戦後の新兵も南アメリカ独立戦争やユーラシア動乱で実戦経験をつんでいる可能性が高い。
ザフトはミネルバ組(まぁ、シンはアカデミー卒業後テスパイやってるから、他のパイロットは分からないが)を見れば分かるが、前大戦後新兵が実戦経験を積む事は少なかった。
MSとパイロットの質をマンパワーで補うどころか凌駕している上に、アストレイやスタゲでの各種強化プランにより緒戦でのMSの性能差がなくなったため物量とパイロットの技量がモロに反映された結果の醜態だと考察。
3と前戦争主原因としての弱兵化かなぁ。
本国守備が弱兵ってのは末期状態でもないと考えづらい。
その上接収した鎮魂歌で脅迫しようって状況で反発が予想できない(強兵を集中しない)訳もないだろうし。
実際あの国力でたった二年で強兵がわんさか出来るわけないしな。
一部を除いてミネルバ周辺以外大人しかったのはその辺も理由だと思う。
ちょっと前の人類の天敵がどうのでふと思いついたんで投下してみる
「静かなこの夜に貴方を待っているの。 あのとき忘れた、微笑みを取りに来て」
男は歌う。
それは敵対した者へのレクイエムか、或いは単なる皮肉か、それは歌っている本人にしか理解しえない。
「あれから少しだけ時間が過ぎて、想い出が優しくなったね」
途切れない歌を口ずさむ口元も、血の色或いは炎の色をした目も、遮光バイザーに遮られ、今はどうなっているのか。
「星の降る場所で、貴方が笑っていることを、いつも願ってた」
今現在、男は人類種の敵とさえ呼ばれている
「今遠くても、また会えるよね」
敵対者をその手で滅ぼし、その賛同者を殺し尽くした。
「いつから微笑みはこんなに儚くて、一つの間違いで壊れてしまうから」
男は知っている。
既に後戻りは出来ない、もはや他の道など存在しないと。
「大切なものだけを光にかえて、遠い空越えて行く強さで」
人との繋がりも生きてきた証も、自分の過去も、全てを捨て、殺す事だけ求めた男は既に人間ではない。
「星の降る場所へ、想いを貴方に届けたい。 いつも側にいる」
己の名前や、戦い始めた理由すら忘れた彼が救われる事など有り得ない。
「その冷たさを、抱きしめるから、今遠くてもきっと会えるね」
屍山の頂上で、血河の水面で、怨嗟の声を、呪詛を背に受け、男は歌い続ける。
「静かな夜に……」
己の命が尽きるまで、己の命が絶たれるまで。
>>617 Cの線なら
ソキウス「止めてそきうす!あきらめてそきうす!」
みな「やーーーー、なのーーーー。私も乗るのー。
もう皆だけに戦わせるのやーなーのーーー!」
オーブ兵「おい、おまえらみなたまがでるらしいぜ」
オーブ兵「こりゃやばいな、俺らで壁になってまもってやらんとな」
ザフト兵「みなたまくるなら俺軍辞めるわ」
しかし、近代戦は基本消耗戦だと知らなかったワケでもあるまいに
これほど国力(ぶっちゃけ人口の差)がある状態で
パトリックとシーゲルはいったいどんな情報分析した結果勝ち目があると考えたんだ?
とくに終盤のパトリック
ジンとメビウスの最もキルレシオの差開いてた頃でも1:10とかだっけ?
国力差は100倍以上の開きあるのにホントどうするつもりだったのか・・・
序盤はキルレシオの圧倒的な差に酔っぱらい(最初期は10:1だったらしい)
逆転された終盤は大量破壊兵器で皆殺しにすれば勝ちだと思ったんでしょう
地球ふっ飛ばしたらプラントも食料なくなって滅びるのは忘れてたとしか…
>>624 這い寄るマルキオにそそのかされた。
だってシン以外のSEED保持者及びその親全てがなんらかの形でこいつに関わってるし
>>627 なるほど、でSAN値がゼロになってしまった結果地球に戦争を挑んだ、と
で、「這い寄るマルキオ」はプラントにさらなる影響を及ぼすために自分の眷属を
シーゲルの娘という偽りの記憶を持たせて配置したのですね
ふんぐるい むぐるうなふ いあ!いあ!らくぅす!
シンは前半なにげにダメだったレイと、ルナマリアのフォローをさせられ過ぎて中盤で壊れたな
あと、議長のイザーク、ディアッカの異様なまでの過小評価も・・・
>>624 >近代戦は基本消耗戦だと知ってる
知らなかったんじゃない?知ってたらNJなんて超戦略兵器をあんな風に使わない。
落とすと同時に地球降下部隊を降ろして電撃戦で主要都市を押さえりゃそれで勝ってた。
宇宙降下部隊の迎撃なんてNJ発覚前はミサイル頼りだったろうから十分すぎるほど勝算があるだろ。
>>629 末期のシンの胃には、どんだけの胃潰瘍が・・・精神的ダメージでボロボロだったろうな
ディアッカはともかく
イザークってそんな過小評価されてたか?
まぁフェイスに任命はされなかったけど
でもジュール隊ってザフトでも相当上のほうの部隊だったって
放送当時のガンダムエースだかアニメ雑誌にあったけど
>>631 種ってパイロットのメンタルケアしてくれる人、
例えるならXのテクスみたいなのが全くいないのも原因だな
つかザフトのドクターしかりAAのヤブ医者しかりそもそもろくな医者がいねぇかw
種に限らず
ガンダムシリーズはその辺はあんま重視されてないけどね
Xがむしろ例外というか
メサイア戦役と呼ばれる戦いが終結した後、プラント議長に就任したラクス・クラインとオーブ首長国連邦代表に返り咲いたカガリ・ユラ・アスハにより両国の同盟が正式に発表された。
これを受けてメサイア戦役にて全艦艇の大半を失い、自国領でのロゴス動乱によって国力の低下が懸念されていた大西洋連合は両国に対して今次大戦の停戦を提案。
提案を受けたプラント、オーブ両国も連合同様に疲弊していた為に三国間にて停戦条約が締結され、世界は一応の平和を取り戻す事に成功、この停戦を受けて世界は緩やかに復興への道を歩み始めた。
しかしザフト内のラクス政権に不満を持つ旧体制派は地下へと潜りプラント、連合の双方に対しての散発的なテロ活動に身を投じ、市民レベルではロゴス動乱において多大な被害を受けた富裕層の失墜から世界的経済危機の様相を見せ始める。
この経済危機に端を発した恐慌が2度の大戦による戦後復興に影を落とす、復興に必要な資金の不足伴う安定した職業供給が滞ることで働き場所を失った労働者は当然のように鬱屈を抱え込む。
富裕層に対する鬱憤は規模を変えながら持つ者と持たざる者の階級闘争へと姿を変えて継続され、さらに終結したはずの民族紛争へとその規模を拡大した。
そこへ急な停戦による軍縮で職にあぶれた軍人や傭兵、また各勢力にMSの斡旋を行なっていたジャンク屋組合が介入、世界各地で散発的なテロ及び小規模紛争が横行、各国政府は事態の収拾に頭を悩ませる事になる。
大規模な戦争に至ってはいないものの世界は火種が溢れる火薬庫のような状態へと推移した。
この情勢を受けて国際緊急事態管理機構は非常事態宣言を発令、所属する各国家から抽出した戦力を統合し独自の治安維持部隊《A-Laws》を結成、事態の収拾に当たらせる。
そして3年の月日が経った。
独立治安維持部隊《A-Laws》所属の戦艦、アークエンジェル級7番艦ソロネはシンガポール沖に出没していた海賊を討伐するように命令を受けて航行中であった。
東シナ海に侵入し二日が経ったころ、近海を航海中の輸送船団からの救助依頼がソロネの艦橋に入電、これを受けてソロネ艦長サザーランドJrは即座に救助活動を発令し艦橋は慌しく動き出した。
「Condition Red発令、ブリッジ遮蔽、艦橋は戦闘位置へ移動、全艦戦闘体制へ移行せよ!」
「了解、Controlから各Sectionへ、Condition Red発令、総員第一戦闘配備、繰り返す……」
艦内スピーカーから聞こえてくる綺麗な声は艦内の人気投票では常に上位に入るクールビューティー、アビー・ウィンザーのものだが今はその声に聞きほれる余裕も無い。
コンディションレッド発令を受けた各部署は慌しく戦闘準備を開始する、このような事態は最早慣れっこなのか喧騒と怒号が入り混じりながらもスムーズに艦内は戦闘態勢へと移ってゆく。
ソロネのパイロット控え室も例外ではない、丁度訓練が終わってのんびりと近頃お気に入りのミハシラフーズの缶コーヒー、バニシング・レッドを飲んでいた黒髪の男が即座に動き出す。
「ようやくお出ましか!」
男は一声吼えると手に持ったコーヒーを一気に咽に流し込むと空になったスチール缶を軽々と握りつぶしてダストボックスに叩き込むと獲物を追う獣のような獰猛な笑みを浮かべて駆けだした。
同時刻、同艦内のシャワールームに背中まで伸ばした赤い髪の女性が鼻歌を歌いながら汗を流していた。
女性としての均整と美しさと戦士として鍛えられしなやかなカモシカを思わせる筋肉とを同居させた戦乙女の如き美しい裸身である。
いい気分で疲れを流しているとエマージェンシーが鳴り響く。
「ったく、いい気分だったのに」
女性は一つ嘆息を吐くとタオル引っ掴んで体を覆うと、ロッカールームへと飛び込んでいった。
そしてもう一人金の髪をなびかせた端正な顔の男が先程まで行なっていたシミュレーションの結果と機体調整表を検討しながら整備スタッフと話してところにエマージェンシーが鳴り響く。
コールに即座に反応した男は書類を押し付けると着ていたままのパイロットスーツのジッパーを上げて機体に乗り込んで発進準備を整える。
「やれやれ、先に一息吐いて置くべきだったな」
嘆息しつつもその瞳は真っ直ぐに前を見据えていた、そこへ黒髪の男と赤毛の女の顔がモニター越しに映し出される。
「お待たせ!」
「悪い、待たせた!」
「いや、丁度良いようだ」
三人のパイロットが視線を交わした時、コクピットのスクリーンにアビーの顔が映りこむ。
「ControlからHound小隊」
「こちらHound1」
「小隊は直ちに発艦、当該区域に到着後事態の収拾にあたれ以上、頑張って下さい」
「Hound1了解、Hound1からHound2、Hound3へ聞いたとおりだ。さっさと行って片付けるとしよう」
「Hound2了解!」
「Hound3OKよ!」
コントロールからの指示を受けて鋼鉄の巨人たるMSが動き出す、A-Lawsが誇る最新鋭MS、GN-X105−ストライクmkU、通称アサルトストライクである。
MSは力の象徴でもある、トリコロールカラーに塗られたA-ストライクの機体は力強い線を描く鋭角なラインは見るものに畏怖の念すら抱かせるだろう。
A-ストライクは5年前に建造され量産型MSダガーシリーズの基本となった連合初のMSストライクの設計思想を受け継いだ再設計機である。
そのストライクの最大の特徴であった武装換装システムは並みの兵士に扱いきれる物では無かったが機体性能を最大限に引き出せるトップガンが揃っているA-Lawsにおいては作戦行動範囲を選ばない換装システムが受け入れられた。
発進を待つこの3機も当然のように其々装備が異なっている。
「Hound1、ドラグーンアサルト発進する!」
右手にビームライフル、左手にはABC盾を構え、背中のエールストライカーに4つのドラグーンを設置した機体が空へと飛び立つ。
「Hound3、バスターアサルト出るわよ!」
エールストライカーは変わらないが右肩に巨大な砲門着けて盾に2連装ガトリングを装備した機体が後に続く。
「Hound2、ウイングアサルト行きます!」
最後に飛び立った機体はエールストライカーの代わりにVL(ヴォワチュールミュミエール)推進のウイングストライカーを装着し、両手には十手のような形のビームライフルを持っている。
ハウンド3を頂点にしてハウンド1が右、ハウンド2が左側に付いて陣形を△アロー形態に取るとアフターバーナーの光跡を残してかっとんで行く。
そこへソロネから通信が入った。
「ControlからHound小隊、情報では現在位置から南に150kmの地点で東シナ海を北上中の貨物船団が所属不明のMSに襲撃を受けているそうです」
「Hound1からControl敵の数と機種は判るか?」
「数は5機、機種はM1と思われますが詳細は不明」
「M1かよ、此処のところジンと同じくらいに出てくるな!」
「オーブが戦費の赤字補填で結構な数を吐き出したからな、その内の何機かが流れているのだろう」
「M1ね〜装甲が紙だから楽だけど、腕のいい奴なら面倒かも」
現場に急行しながらも小隊の3人は軽口を叩きあう、緊張を解す意味もあるがそれよりも自分たちの腕に自信があることが口調から伺える。
「無駄口はここまでだ、見えたぞ」
ハウンド1から促されるまでもなく残りの二人も既に気が付いている、ハウンド3がヘルメットの奥で唇を軽く舐めると右肩のバスターランチャーを展開させて構えると照準を覗き込む。
ズームアップした画面の中に船団の周囲を飛び回るMSの影が見える。
「確認したわM1が5いえ6…… 情報より1機多いわね」
「油断するな、見えているだけとは限らん」
「わかってる、行くぞ!」
ハウンド2が一声吼えるとウイングアサルトを突っ込ませる、その後ろにハウンド1のドラグーンアサルトが続く。
「こちらは独立治安維持部隊A-Laws所属のHound隊である、所属不明機は直ちに武装解除し此方の指示に従え、従わない場合は撃墜する」
ハウンド1からの呼びかけに対してM1部隊は迎撃行動に出た、敵機は此方に向かってくるとビームライフルを乱射する。
「やはり無駄か、Hound1から各機、All Weapon Free.Open Combat.」
「Hound2了解!」
「Hound3了解、Banded in range FOX One! 良い子だから大人しくしてなさいよ〜」
ハウンド3が操るバスターアサルトは滞空したまま構えたランチャーを撃つ、エネルギーの奔流が空を切り裂いて進むと迫ってくる1機の胴体に命中して吹き飛ばした。
「あっちゃあ、当てちゃったか」
続けて放たれたビームは流石に回避されたが残った機体の体制を崩すことには成功する、そこへ突貫したウイングアサルトが斬りかかる。
両手に持った十手型ビームライフルの下部には切っ先から根元までビーム発信機が設置されており展開すれば丁度日本刀のような形状の高出力ビームブレードが形成される。
「捕まえて後ろ盾を吐かせる、なるべく殺すなよ」
「わかってる! あとで回収してやるから寝てろっ!」
ハウンド1からの通信に怒鳴り返すと眼前にいるM1に迫ると両腕を肩から斬り落としてから海へと蹴り落とす。
「ふ、やるな」
それを見たハウンド1は口元を僅かに綻ばせると、背中のドラグーンを飛ばした。
アサルトから離れたドラグーンは解き放たれた猟犬のようにM1へと迫ると武装を次々と撃ちぬいてゆく。
ビームライフルを失ったM1がビームサーベルを抜いてかかってくるのをひらりと避けると背中のフロートシステムを撃ち抜いて落とす。
味方が落とされたのを見て逃走に移る残りのM1が背中を見せたところにウイングアサルトがビームブレードを突き付ける。
十手の峰部分に設置されたビームマシンガンから断続的に放たれたビームが狙い違わずに1機を撃ち抜き行動不能に陥らせた。
残りの2機のうち1機はバスターランチャーで両足を吹き飛ばされて落ち、最後の1機もドラグーンの一斉射で爆散した。
「敵機の沈黙を確認、輸送艦の被害は?」
「見える限りでは無いみたいだけど、どうかな……」
ウイングアサルトが手近な輸送艦に降り立ってブリッジに接触回線を開く。
「こちら独立治安維持部隊A-Laws第3部隊ソロネ所属Hound2、そちらの被害は?」
「こちら輸送艦ダンディライオン、損害は軽微、積み荷も無事だ、助かったよ」
「災難でしたね、寄港地は台湾でしたっけ、そこまでは我々が護衛します」
「重ねてすまない、ありがとう」
「これも任務ですから、なにいっ?!」
和やかな会話が交わされる中、ダインディライオンの横の海面が突如として盛り上がる。
水飛沫をあげながら海中より飛び出してきたのはザフト製水中用MSアッシュである、飛び出したアッシュはウイングアサルトの胴を両手で挟み込むと海中へと引きずり込む。
「シン!」
「シン!」
引きずり込まれたウイングアサルトのパイロットの名を呼ぶ、残り二人の声が木霊する。
海中に引きずり込まれたハウンド2、シン・アスカは己の失策に舌打ちしていた。
「ちいっ、敵は見えてるだけじゃないって判ってたのに!」
舌打ちと同時にコクピット周りのVPS装甲の硬度を最高の赤まで引き上げる、その瞬間コクピットに衝撃が走る。
「いい加減にしろおっ!」
ガクガクと揺さぶられる中で吼えると操縦桿を操って機体を強引にアッシュの呪縛から引き剥がし、振り向くと同時にビームブレードをアッシュに突き刺した。
海面が盛り上がり爆発すると同時に一つの影が空中に躍り出る、その影は輸送艦の甲板に着地すると空を睥睨する。
雄々しくそびえ立つ機体は両腕にビームブレードを下げた、ウイングアサルトであった。
「悪い、レイ、ルナ、心配掛けた」
「無事なのシン? 心配させないでよね」
「下に敵は残っているか?」
「いや1機だけだった、それも片づけたから終わりだ」
通信を送ってくる僚機から聞こえてくるレイ・ザ・バレルとルナマリア・ホークの声に胴体にへばり付いたアッシュの腕を剥がしながら答えるシン。
「なら、これで全部片付いたな」
「ああ」
「ちょうどお迎えも来たみたいね」
ルナマリアが上を振り仰いでみれば威容を誇るソロネの船体が此方に向かって航行していた。
「ControlからHound1、状況知らせ」
「Hound1からControl、Mission Complete.Over」
「了解、ControlからHound小隊、全機帰投せよ、三人ともお疲れ様」
蒼穹の空に浮かぶ真白き船体は陽光を跳ね返して輝いている。
現在の家であり、家族ともいえる仲間の待つソロネへと帰還する3機のA‐ストライク。
この物語は戦う理由を失った男が、新たな道を探す物語である。
ども小話です。
覚えていて下さった方はお久しぶりです、知らない方は初めまして。
なんとなく出来た話を投下させて貰いました。
でも読んで頂いた方は違和感を持つかと思います、何故か普通にレイが生きていますし逆襲って感じの話でもありません。
更に組織やMSに関しては思いつかなかったので00から名前を拝借している上に、引きで終わっていますが続きはありません。
真っ当に職業軍人の話を考えた末に1話だけの読み切りとなりましたが如何でしょうか?
ではまた、何時か)ノシ
乙、新しい……惹かれるな。
そして、お久しぶりです。
小話氏乙!
三人揃ってるとなんか安心する。
違和感なんて全然感じなかったな。
逆襲って言っても色々あるし。
どうなるのかが気になる、色々考えれるいい終わり方だでいいと思った。
読みきりなのが残念といえば残念か。
ふと気になったんだけど、ストライクって一応は連合の物だと思うが
黙って技術提供なのか無理やり技術提供なのかそれとも全く別物のザフト製なんだろうか?
>>642 面白かったです!
あの三人組はなんかいいですよね
本編だと最後のほうはあれだったけど・・・
レイは 議長達がいなくなった世界で生きる路線もアリだったよなぁとか
本編終わった頃結構考えたりしてました
読みきりと書かれているのにこんなことを言うのもなんですが
もし万が一続きとか 別の小話とか浮かんだりしたら是非・・・!
>>642 色々と夢想できそうなショートストーリー乙です。レイ生存は、やっぱいいよね
てか、ぶっちゃけラクシズ関わらなければ戦後のミネルバ隊珍道中でも十分イケそうw
ラクシズはオーブで平和に暮らしていればいいw
ども小話です。
早速の感想ありがとうございます。
以下は蛇足ですので興味の無い方は読み飛ばして下さい
本文中では描写する必要が無かったので書きませんでしたが、一応補足を入れさせて頂きます。
まずシンたちが所属しているのはZのティターンズや00の本家アロウズと同じような組織で、国際緊急事態管理機構の直轄部隊となり、国際緊急事態管理機構に所属する各国家の軍よりも上位に当たる組織となります。
ただし軍の指揮権自体は有事の際のみ適用され、通常は捜査権、逮捕権、自由交戦権等を持つ程度(それでも十分な特権)です。
戦力は各国家より提供された通常戦力と技術(自主提供なので最新技術ではありません)を研究開発した独自戦力を混在して使用しています。
ただし技術に関しては各勢力の技術が統合されているため現在は他の単独国家技術よりも頭一つ抜き出た技術を保有するに至りました。
人員に至っては各国家軍からの推薦、志願者及び在野の傭兵等からのヘッドハンティングした人間をテストして採用しています。
移籍となる訳ですので前の軍籍(例:シンたちならザフトの軍籍)は消滅し市民権も本部のある地域へ移動(例:シンたちはプラントの住民では無くなる)しています。
組織内では連合系の人間のほうが上位にいることが多いです、これはプラント、オーブといった小国が設立時に発言権(資金提供等の割合や従軍している人間の数の差)を確保出来なかった為です。
連合所属のコーディネーターが相当数流れてきており、世界を何とかしたいという明確な動機で集まった組織なのでナチュラル、コーディ間の確執はそれほどでもありませんが若干存在します。
AAはオーブ、連合間の交渉の結果、オーブへの売却が決定しましたがマリューたち元AAクルー(アラスカ脱出組)には指名手配がかけられています、ただしプラント、オーブ政府が彼らを亡命者として扱うと公表したので逮捕には至っていません。
ただし両国に限られるため他の地域に出かけた場合は不逮捕特権が消滅、逮捕拘留から軍事裁判にかけられます。
テロ旅行した時のAAクルーは非公開になっていますがオーブ軍へ編成されたためにオーブが連合、プラントへの当時の損害賠償を支払う事で解決しました。
対外的にはテロ旅行当時のAAクルーはオーブ内で逮捕され裁判にかけられた事になっています。
種死の最後の戦闘は形としてはオーブ対プラントであったため、この問題はラクスとカガリの間で解決しました。
キラはMIAになっていたので手配されていません、名前をキラ・ヒビキに変えてザフトの白服に、凸もラクス貴下に収まったため脱走が不問になりオーブの駐留大使を勤めています。
こんな所でしょうかね、シンたちの仕事は火消しなので内乱を収めたり、犯罪組織を潰したりの珍道中が主になります。
ぶっちゃけた話、合法的な前期のソレスタ活動なので…… 終わりの無い物語になりますから続きは(小ネタを思いつけばまた読み切りで書くかもしれませんが)書きません。
たぶん色々あってカズィが爺様になるころには平和が戻るんでしょうね。
おーう、思ったより頑張ってるんだな。主にオーブが。強権ごり押しじゃなしにそれなりに外交してるじゃないか。
形の上では戦勝国だろうけどなかなか苦しそうだな。それでも安易に敵(黒幕)を求めないあたり成長したと言うべきか補正が切れたと言うべきか。
組織やチーム結成前後のエピソードなんかも書いてくれると嬉しいです。
>>648 ご健在万歳&乙GJであります。
倉庫の方にも順次収録させていただきたく思いますが、
タイトルは何という事になりましょうか?
651 :
小話 ◆9NrLsQ6LEU :2010/06/13(日) 22:20:29 ID:VWvjxfgW
すみません、タイトル全然考えてませんでしたww
Restored to Life でお願いします。
ご面倒をおかけします。
乙です。
テロ旅行時のカガリはどうなったんだろう?
対外的にはユウナの当時の判断通り偽物で通したのかな?
しっかしAAテロ旅行損害賠償って連合・プラント含めるとかなりの額じゃないか?
社会的信用もかなり低下しただろうし台所事情はかなり苦しそうだ。
ACERの種死シナリオは本編終了後らしいな
ファミ通の記事によると
戦争処理の一環として所属不明の艦の調査に向かったシンアスカ
そこで彼が見たものは出撃するデストロイガンダムであった
アフター物だから仕方ないけど、ザクやらグフで出撃してたら、逆シンチックな導入部だなw
残念ながらデスティニー単機っぽい
近くに母艦はあるんだろうけど
そういやゲームとはいえ、公式で種死の後日談やるのは初めて?
初期機体が運命って事はパワーアップ無しかぁ。いるだけ参戦っぽそう。
キラ凸の部下なんかな?
>>658 ACEって言うかフロムでいるだけ参戦だと、リーンの翼や3でのSEEDみたいに、ストーリーも絡みもなく本当にいるだけだから。
シナリオがあるし、ある程度の活躍は期待できそうだ。
やべ シナリオあるの初めて知ったw
662 :
通常の名無しさんの3倍:2010/06/18(金) 23:51:24 ID:Nf14wjq1
てかACERで使える種死の機体って運命だけ?
>>662 一作品3機種(ただし換装機体は含まず)とのことなので、運命、隠者、ストフリの三機。
664 :
通常の名無しさんの3倍:2010/06/19(土) 02:06:50 ID:gpZ3BIgX
使える機体は少ないけど、その分ストーリーがまとまってそう
本編終了後ってことはわざわざデスティニー回収して直したうえでパイロットにシンあてがってんのか……
ラクス体制下のザフトじゃ、元敵対戦力の最注意人物への過大な厚遇でグダグダになりそうなんだが
展開が気になるぜ
派閥による差別はありませんよ、ってアピールかもしれん
綺麗なラクシズがまた見られそうだな。
シン、キラ、アスランの男前っぷりに期待。
色々な葛藤・衝突を得て、お互いを理解しあった運命・隠者・和田が3機並んでの共闘とかだったら熱い展開だな
シンや旧ザフト側が
一方的に洗脳&吸収されたみたいな感じになってたら最悪だけど
いまさらそれはやらないよな・・・
>戦争処理の一環として所属不明の艦の調査に向かったシンアスカ
>そこで彼が見たものは
ここまで読んでユニットGDが出てくるかと思った
池田秀一氏の声で「おっぱいいっぱい計画!」が聞けるかと
最強レベルの機体ではあるデスティニーを再び下賜されるとすれば
それはやはり十分に忠誠を誓いもしくはしっかり洗脳され済みという事だろう
(くれてやっても危険がないという意味で)
そんな脳改造シンに果たして魅力があるのか……なんて思ってしまうのは
逆シン各SSに慣れすぎたせいかなあ。
673 :
通常の名無しさんの3倍:2010/06/19(土) 20:19:31 ID:gpZ3BIgX
外伝でエターナルフリーダムとトゥルージャスティス出てるんでしょ、何故デスティニーだけパワーアップしてないorz
ACEではその二機も出ないしまぁ我慢・・・
え?
デスティニーって愛?と友情?と勇気?の逆シン補正でパワーアップだろ?
イミフ
>>673 何その厨二病全壊な機体。和田と隠者も大概だけど
「はい、それじゃシンお願い」
「おれは緊急避難のボム扱いかよっ」
「ザサエさんみたいなオプション扱いよりマシだろ?
それに僕からみればラクス以外はみんな『便利な友達』だよ
(まあミーアは・・・・・・あのおっぱいはもったいなかったなぁ)」
つかエタフリと真正義はネット同人の奴だろ?
外道で出たのか?
>>678 割るノリっつーか「ぼくのかんがえたさいきょうのがんだむ」ですからね
「謎技術使用の謎エンジンで出力はこれまでの三倍」という設定は無しになったんでしたっけ?
エターナルフリーダム
ちょー強力なMS 相手は死ぬ
こうですか?分かりません
股間にキャノンが無いのが残念だなw
股間に突起物があるロボなんて先行者とABとOF位で十分だw
股間に必要なのは、アロンダイトだろうがぁーーー!!!
でも正直、シンってよく折ったり無くしたりしてるよな…
そりゃあんな作りならなぁ
>>669 そういう展開ならファイナルSEEDスペシャルできるかもしれんね。
キラ「用意はいいね!」
シン「いつでもいける!」
アスラン「一気に決めてやる!キラ!」
キラ「うん!ダブルハイマットフルバースト!」(フルバーストで敵を挟み撃ちにするインジャとストフリ)
アスラン「やれえっ!シン!」
キラ「とどめだ!」
シン「うおおおおおっ!!!!くたばれええええっ!!!」(敵を縦に切りさくデスティニー、敵大爆発)
シン 「アンタにとって俺はなんなんだぁ!?」
ラクス「大切なお友達ですわ」
シン 「じゃあアスランはなんなんだ!」
ラクス「いいお友達ですわ」
シン 「だったらメイリンは?」
ラクス「仲のいいお友達ですわ」
シン 「じゃあキラさんはどうなんだよぉ!」
ラクス「忠実だけどたまに使えない下僕ですわ」
シン 「えっ?」
キラ 「えっ?」
>>691 キ、キラーーー!!!
しかし、キラの事を妙実に物語っている一行だなwww
693 :
通常の名無しさんの3倍:2010/06/21(月) 20:21:47 ID:Lu6qgXla
デスティニーって派手だけど地味な感じがする
ほれぼれするくらいワンパターンなアロンダイト持って突っ込む絵しか印象にないのが原因だ
演出が悪いせいなのは当然として
ACE−Rでアロンダイト抜刀→敵機の群れを駆け抜けて無双→突っ込んで来る敵機にカウンターでパルマ
ってグリグリ動く様を見て感動したのはスパロボZのコンビネーション見て以来だったぜ
デスティニーはどう考えても武装面からして対艦用なのに
MS戦しかさせてもらえんのが不憫だ……
対艦って言うより、連合軍の大型MAを相手にする事を前提とした武装だよな、アレ……。
なのにもかかわらず、出てきてすぐ敵がラクシズにシフトするのがあの機体の不幸だよ。
キララクス二人乗りのミーティア進化型の大型MAか何かと戦えば本領を発揮できたものを、よりによって格闘戦得意のジャスティスと戦うなんてねぇ……。
一応投入方法としては良かったよなぁ
オーブでの戦いも月での戦いも相手に一騎当千のエース様の噂は無かったから
突撃してデカブツ、大物を駆除して自軍を導く
運命を切り開くと言う意味では当に名に合った運用方法である
格闘得意つーか、決闘用とかGFでも無い限り格闘は普通おまけだもんなぁ
ジャスティスのがおかしいんだよな
関係ないけど種シリーズの射撃メインの戦いってつまらないよな・・・
戦いっていうほどじゃないけど 種死でのストライクのは悪くなかったから
単にワンパでバンク多用な作りに飽きてただけかもしれんけど
>>697 対艦とか要塞戦?はたしかコンセプト入ってたと思う
>>697 エクシアが対ガンダム(つか対GNフィールド)用にだったりと
普通は格闘専用機には意味があるものだしな。
>>699 運命にもGNソードみたいな立派なエモノがあればなぁ…
初めて見た時はまた意味無し実体剣かよとか思ってたが蓋を開けてみれば十分に意味有るわ主兵装だわカッコいいわ、
でかいから不利とみるやすかさず取り回し易いブレイド&ビームサーベルにチェンジとか
繰り返すが運命にもGNソードみたいな立派なエモノがあれば…!
>>686 股間にアロンダイト装備の運命と股間と尻にビームサーベルを装備した正義が
斬り合う場面を想像してしまったじゃないかw
>>698 おかしいっつか正義は明らかに対MS戦に特化してるからな
しかも一騎当千ではなくタイマンかそれに近い状況を想定したエース殺し
エースに頼ってるザフトを潰すこと考えて開発されたとしか思えん
>>702 元々はザフト製なのに、対エース用とは・・・おのれディケイd(チガ
>>703 そういえばキラとシンの凸凹コンビ珍道中の作品あったなぁ……
あとやる夫スレの予告短編で、キラとシンがWでやる夫がディケイドの話を見て吹いたw
>>703 正義は正義でも∞のほうね
勘違いさせたならすまなかった
∞は和田と同じくザフトの設計から魔改造されてるし
>>702 雑魚は一対多数戦に特化した和田で殲滅し、
エース級は隠者がタイマンで撃墜していく、と
あれ? もしかして和田と隠者の連携ってつまりこのことじゃ…
>>700 正直アロンダイトが一番いらない子なんだよな。
普通に取り回す分にはフラッシュエッジをビームサーベル代わりにすればいいし、
距離開いたらビームライフルor長距離砲、割と万能武器のパルマ……
むしろアロンダイトが活きる状況ってどんなんよ? 本気で思いつかないんだが。
>>707 どう考えてもザムザザーやデストロイのような大型用だよな、アロンダイトって
アレ振り回して、同じサイズのMSと格闘とかバランス悪すぎだろうと。マジでアンバランス武装すぎた
ソードで艦船を切り捨ててたのが受けたらとか……
いや、まさかな。
でも、でかい剣って格好よくて好きだ。
特に小さいのが振り回したりとか
って考えたところでミナたまがアロンダイト(おもちゃ)
を振り回してシンの急所に会心の一撃っていうのが見えた
デカイ剣じゃないと福田唯一の勇者演出が使えないってだけだろ
たまに勘違いしてる種厨がいるけどさ、そもそも勇者演出とか言ってるのも
元をたどればダンクーガとかマシンロボとかドラグナーとか飛影とかダンガイオーで
大張が作った”バリパース”とか”大張立ち”と言われるものであって
福田が作ったものでは無いってあたりでなあ……
なんであの演出についての話や
勇者演出って単語が一度もでていないスレでそれをw
>>707 >>708 演出上の問題(どうせ対MSがメインだろ・・・)を考えないで
文字通りの 対大型MA&対艦用武装 でつけちゃったんじゃない?
いま手元に何も資料ないから ソースはwikipediaw になっちゃうけど
あそこにも対艦戦や機関部の破壊を考えて〜って記載があるし
プラモの説明書かなんかにも同じような記述があったような・・・(うろ覚え
対艦戦でもあんなのいらないような気がするんだよな…
UCでアムロがビームサーベル一本で戦艦落としてるし
ビームライフル(サーベル)で戦艦を落とせないor対艦装備の圧倒的な威力がわかる演出入れればいいんだけどねえ
現実は対艦刀→サーベルでもよくない?ビーム砲→どうせリフレクターやラミネでピチュン、だからな
MS落とすにゃ過剰な火力止まりな印象しかない
デストロイ潰しには意味あったんじゃね?って言おうと思ったけど
シンはステラが乗ったデストロイ相手ですら
懐飛び込んでコックピットに一撃いれてるんだよな・・・
てか、100歩譲ってアロンダイト持つのはいいとして、何故に予備のビームサーベルを持たせなかったのかなぁ。パルマありますよ?って事なのか・・・
フラッシュエッジはフラッシュエッジで、ぶっちゃけ見せ武器でしかなく実用性低いしな。てか、何故にMSの武器でブーメランだよと
アロンダイト構えていると、ビームライフル構えるのに背中に一度マウントし直さないといけないってのも、戦場じゃ危ないってレベルじゃないだろうしな
デスティニーの武装見るたびに、負債が何も考えないで“格好いいでしょ!”ってだけで考えたんじゃね?としか思えないわ〜
リアル系とはいえ、アニメだからかっこよさ重視なのは別にいいんだけど、デスティニーの場合それを生かす演出が少なかった気が・・・。
せめてビームサーベルを一方的に潰せればまだ意味はあったのだがな
実体剣
>>715 フラッシュエッジはビーム刃を伸ばしてまんまビームサーベルとして使えるし
パルマも単に零距離用の隠し武器ってだけじゃなくて
ビームサーベルとして使用することも可能って設定がある
さすがにアロンダイト折られたらオワタってわけではないw
結局ほとんど活かされなかったけど・・・ orz
>>716 当初はシンが主役のまま進める予定だったからじゃないかな?
デスティニー自体は登場よりかなり早くデザインも仕様も決まってたはずだし
主役機として動かすなら 大味気味な装備でも見せ方次第でごまかせたと思う
主役降ろされた上に戦い方がアレなキラ凸相手だからあんなんなったけど・・・
あとブーメランとして使う場合 たしかに見せ武器な要素は強いけど
投げた場合でもビームコーディングシールドを破壊できて
緊急時にはビームサーベルとしての運用もできる武装ってことで
負債の(C.E)世界ではそこそこ有用なんだと思うw
アロンダイト以外で
コーディングされたシールド破壊できるのってこれだけじゃね?
高エネルギー〜はわからんけど
>ビームサーベルとして
そういえばジャスティスのあれもブーメラン連結だったっけかw
>>719 つMk315スティレット 投擲噴進対装甲貫入弾
>>718 主役であり続けたとしても「フリーダムが突然インパルスに事件」をごくごく普通に
当たり前のように起こす福田監督ではあのかっちょいいデザインを使いこなせなかったのでは、と愚考。
正直格好良かったフリーダムなんかもその魅力を引き出せたようには見えないし
>>719 ビームブーメランにそこまでの威力あったかなぁ?
そもそもソードストライクのマジモンのブーメランと違いソードインパルスや運命のは
簡易ドラグーンシステム搭載である程度誘導操作ができる。
それこそスパロボのR-GUNパワードのT-LINLブーメランのように手を使わずに射出して攻撃って
ことが可能なハズなんだよな。
シールドを破壊ってのは本編でも描写あったぜ。
しばらく見てないからアカツキ戦しか浮かばんがw
>>722 フリーダムは戦い方つまんなかったしな。
福田関わってるし演出とか見せ方には期待してたんだが。
気になって見てみたら
アカツキの盾はコーティングではなかったようだな!
でもウィキペにも書かれてるしどっかでは描写あったと思うんだが・・・どこだっけ・・・。
デスティニーの過剰武装については、逆シンSSだと「因縁の終わり」の
ネジ飛び技術者の姐御が喝破論破してたなあ。
いまだに端折られた対アスラン戦(を含むオーブ攻略戦?)とか
追加書き下ろしをばしては頂けまいかと願い続けているわけだが。
意味が違うけど
凸のジャスティスも過剰武装な気はする
逆襲日記 紙片 2枚目
「ミネルバのMSをまとめて2で割った感じだな。これボツなのか?」
「ああ。何も考えずないで適当にやったから色々無理だ。それに……」
「ヴィーノ、ちょっと見せて。……ってこれ、明らかにインパルスが割られてるじゃない」
「ったく、俺は運送屋じゃないってのに。しかもフリーダムなんてどんな嫌がらせだ」
「なんだこのMSは――モニターが……」
いほい盗まれる訳にもいかないからな。それに、必要も無い」
まさか本当にやるとはっていう感じだよね」
タが言うな。」
「あら、同じMSでもシンが乗ってる機体はすぐ分かるわよ?」
「なんだと?!」
「整備班に怒られたからな! 消耗品じゃないってっ」
「当たらなきゃどうってことないんだから!」
「バカ! それは当たらない奴が言うんだよっ ルナ! いいから戻れ」
「旧型とはいえMS一機を好き勝手できるとかどれだけ優遇されてるんだ?」
「知るかよ。お陰でテストし放題なんだからいいだろ。……問題色々あるけど」
「確かに。でも、一発撃って即バッテリー切れってどうよ……」
「馬鹿な! 核動力機だぞ!? それが何で急に
「やられたな。まさか、
「まだだ……まだ、もう少し……時間は、あるっ」
「――ドゥームとフォーチュン」
武装談義が楽しくて武装を書こうと思ったらMS話っぽくなってた罠。
色々考えた結果、
思いついたところを順不同でチマチマ書くことにしました。
調子に乗りやすいので反応があると、あったところでやらかすかもしれない。
前のに反応くれたみなさんありがとう。
「未確認の 、木星の方角より多数接近!」
『うじゃうじゃと沸いてきやがった……化物め』
『これが世界の終わりです。SEEDの導きを拒絶した世界のなにもかもが、ここで消え去るのです』
「陛下、お願いします」
「ええ、わかりました」
の真横を通過しようとした小型の宇 ラが、月面を突き破って延びた巨大な に握りつぶされた。
残滓を振り払ったそれが月面に吸い込まれると、ますます激しく振動する 。
そして、その表面に何百何千何万にも及ぶ光の筋が奔り、激しくなった光はやがて を全て覆い尽くす。
いまや太陽のように輝く球体と化した月から、円筒形の何かが一つ、二つと排出される。
コペルニクスなどの が都市ユニットごとパージされ、それぞれが
それは、まさしく巨大な だった。
が飛び込んだ を中心として変形した そのもの。 冑を全身に纏ったそれは、
機動兵器というにはあまりにも巨大で、そして武骨だった。
益荒男のごとき荒々しい顔立ちは目前に迫る宇宙クジラ軍団をその真紅の眼光にて葬り去らんとばかりに睨み、口は覇気を込めるように食い締められている。
左右に大きく張り出した の下で筋骨隆々とした腕ががっしりと組まれ、その下の胸部で巨大な獅子面が牙を剥いていた。
名を、 と言う。
かつてプレリュードブリッツと仮称されていたそれは、
GAT のダブルミーニングと、「究極」「最終」を意味する を合わせたそれは「究極のGAT-X」であると同時に
その力は正に 、 姿。
『フ、手を貸そうか?』
『これが、 の真の姿――』
『終わりだ、マルキオ!』
本編進んでないのにおふざけですみません。もうしばらくしたら一段落すると思うので
意味不明…
何かしら投下していただけるのはうれしいが、
穴が開いていたり、世界観がわけわかめなのは要らないよ
732 :
傭兵氏代理:2010/06/26(土) 21:53:41 ID:???
>>731 まあ、いいじゃないか。筆休め的なものと思えば
避難所に傭兵氏の新作投下されていたので代理投下↓
えっと、今朝は妙なもの張ってすみません。
なんとか時間ができたので本編の続き、投下します
シェフィールドが襲撃されてから数日が立った日の明け方、水平線から朝日が昇るころ、
ドーバー海峡の水面下を航行するいくつかの影があった。
二百メートルを優に超える艦体に、四本のドライチューブを備えた潜水艦だ。
その居住区の一室で机に向かい頬杖をつきながら指令書を読む野戦服の男。
「……ボズゴロフ級レーニア、シャスタ、フッドは戦闘部隊の発進後沿岸へ苛烈な砲撃による圧倒的支援を行い、
MS隊は発進後、砲撃により動揺した警備網をすり抜けテムズ河を遡上しロンドンクレーター付近に上陸。現地の部隊とともに愚鈍なナチュラルからなる
防衛部隊を殲滅し華麗にターゲットを奪取……」
まとめてみれば非常に簡単な内容が、ナチュラルを卑下する表現によって膨れ上がっている。
自分に言い聞かせるように同じ内容を読みあげていた男が、不安でならないといった表情で溜息をついた。
「本当に上手くいくのか…?」
「ええ、間違いありません。前回のように司令官が無能で部下も無能ならばともかく、今回は部下の方はまともです」
背後から聞こえた声にぎょっとして振り向く男。
足音も気配も無かったはずのそこに、今回の任務にあたって本国から配属された若い男が立っていた。
「何時の間に……」
「隊長殿の様子を見に来ただけですが? しかし無用心ですねぇ。これだから無能なんですよ、貴方は」
呆然と呟く野戦服の男に侮蔑をこめた視線を送り、嘲りも露に言う若い男。
「要らぬ心配をしているようですが、今回は私と“例のブツ”がいますから。下劣なナチュラルなどに遅れはとりませんよ」
――一年前の貴方のようには。
暗にそう含み、機械的なまでに整った顔に嘲笑を浮かべる若い男。
この男が配属されてからの数週間で慣れに慣れた嘲りを無視して、野戦服の男は思考をめぐらせる。
『“例のブツ”か……外観はザクだが……一体何なんだ』
数週間前、若い男と合流した際にレーニアの格納庫に納められたザクタイプのモビルスーツ。
若い男と、彼に同行してきた整備員たち――ツナギではなく白衣を、工具の代わりに書類を携えた姿は整備員というよりも何かの研究員に近い―
―以外の人間には周囲に近付くことすら許さず、整備を行う際は関係者以外を叩き出し、
不用意に近付こうものなら即座にスタンガンや小銃を突きつけるほどの警戒ぶりだ。
正直なところ、この部隊を指揮する野戦服の男にとっては不安要素の一つに他ならなかった。
また、その異様な警戒の仕方以外にも、野戦服の男はある疑問を抱いていた。
733 :
傭兵氏代理:2010/06/26(土) 21:54:35 ID:???
「……なあ、ひとつ聞きたいんだが」
「なんです? 戦力についてなら着任時に全て説明しましたが。それ以外に何か?」
相変わらず慇懃無礼な若い男の目を見据え、一息ついてこの数週間で降り積もった疑問を口にする。
「あの機体なんだがな……パイロットは誰なんだ? 合流してから一度も見ていないが」
ぴしり、と若い男が一瞬硬直した。
「……貴方には気にしないで結構なことです。貴方はただ命令を実行すればそれでいいのですからね。私の地位をお忘れで?」
胸元に留められた白と桃色の翼が黒ずんだ青い球体を包んだようなデザインの徽章―「地球圏守護騎士団」の所属であることを示す紋章――をことさらに示し、
若い男が野戦服の男の二の句を封じる。
苦虫を噛み潰したような表情で押し黙った野戦服の男に背を向け、入り口のドアを開き出て行く若い男。
十メートルほど歩いたところで、その背中から呟きがもれる。
「……そう、捨て駒の貴方たちには関係の無い事柄です。バーサーカーの実戦テストとターゲットの回収を兼ねたこの任務の意味を知る必要は無い」
嘲りを深くした声で呟き続ける若い男。
よく通る声に狂気が垣間見えた。
「全ては、ラクス様のために」
その言葉を最後に、狂信者は口を閉じ、バーサーカー……ある意味では、今のプラントの狂気の結晶のような
ある“システム”を搭載した機体が収められている格納庫へと足を進めた。
734 :
傭兵氏代理:2010/06/26(土) 21:56:04 ID:???
同時刻。ロンドン・クレーター周辺、宿泊施設内。
臨時の応接室として使用されている一室に、シン、コニール、アビーの姿があった。
三日間の休暇を終え、シェフィールドで合流した傭兵部隊のメンバーとともに昨日の夜中にシェフィールドを発ち、一晩輸送車両の硬めの座席に
揺られた疲れが見える。
朝日が昇る前にロンドン・クレーターへと到着し、それと同時にこの部屋にいる三人以外はそれぞれに割り振られた部屋で休んでいる。
「ふあ、あ」
自分の右に腰掛けたコニールの欠伸を背景に四杯目のブラックコーヒーを飲み干したシンが、腕時計を見る。
現在時刻、六時十八分。
先ほど王室近衛隊のメンバーらしい初老の男にこの部屋に案内され、「詳細を説明するのに人を呼んでくるから三十分ほど待つように」と
指示されてから既に四十分が経過していた。
左に座るアビーはPDAに集中している為か入室してから一言も喋らず、キーボードを叩く指先と画面の推移を追う目以外は微動だにしていない。
「……ちょっと、遅いな」
「準備に手間取ってるんじゃないの? 私たちがついたときまだ寝起きだったとか。慌てて資料かき集めてるとかさ」
シンの呟きに目をこすり、欠伸を交えて答えるコニール。
シャワー浴びてたり優雅に紅茶でブレックファスト食べてたりしてねー、と軽く続いた直後、コンコン、と二度、扉がノックされた。
自分の発言に耳を済ませていたのか、とコニールがソファから飛び上がった。
アビーがPDAを閉じる。
735 :
傭兵氏代理:2010/06/26(土) 21:58:01 ID:???
『失礼しますぞ、レッドアイ』
重低音の問いにシンがどうぞ、と返した後、一瞬の間をおいてドアノブが回り、通路から筋骨隆々とした大男が身を屈めて入ってきた。
ソファに腰掛けたシン達を一瞥して、視線を下げる。
応じて会釈を返し、ソファに座りなおす三人。
が。
「レッドアイ、及び随伴の方、立っていただきたい」
渋い顔をして、大男が言った。
疑問を顔に浮かべたシン。
その目が、大男に続けて入ってきた物々しい装備の兵士を視界に認めて見開かれた。
「……どういうことです?」
傭兵の間で都市伝説のように囁かれている「だまして悪いが」かと、瞳に剣呑な光を宿して腰の後ろに手を回すシン。
ピン、と部屋の中の空気が張り詰める。
その顔に、次の大男の言葉にもっと驚いたような表情が浮かんだ。
「陛下、どうぞこちらへ」
前と両脇を兵士に固められて入室する小柄な少女。
ハシバミ色の視線がシンを捉え、にこ、と微笑んだ。
がば、とばね仕掛けの玩具のように立ち上がる三人。
「お久しぶりですね、レッドアイ」
鈴のような声で、少女――セラフィーナが笑った。
護衛についていた兵士が入り口を固め、すとん、とセラフィーナがソファ――机をはさんだシンの向かい――に腰掛けた。
すかさず横に立った大男が懐から取り出したファイルを机に置き、口を開く。
「では、話を始めましょうか」
以上です
傭兵氏&代理の方乙でした。
頭目の脂ハゲ夫婦はじめ騎士団の連中はやりたい放題ですな。
ラクスも被害者意識しかなくてしかも言いなりという、ある意味
強固な意志で確信犯的独裁政策推し進めるタイプより始末に悪いかも。
しかも読み返してみる限り、居る事は居るらしいけど実はまだ
全然具体的な描写のないキラはクローンであるという。
その辺がラクスが現実を見ようとせず奸臣をはびこらせてる一因なんだろうか。
だからってトップとして免責するわけにはいかないが…
乙っす
これは真っ当なザフト兵離反のフラグかな?
問題は現時点で、
「離反する事によって情勢を動かす、大勢に影響を及ぼす」ほど
「まっとうなザフト兵」なる者達の頭数があるかどうかという点であって…
なんか妖精が囁いたんで投下します
命は尊いもの。
誰もが当たり前の事として受け止めているであろう事を真面目な顔で繰り返す教師とは大変なものだなどと、
友人と茶化したのはいつだったか、今では思い出す事が出来ない。
幸福であったのだろう、と思う。一片の虚飾も無い愛情を向けてくれる両親がいて、自分を兄と慕う妹がいて。食べ物や衣服に困る事は無く、教育も受けられた。
二つの国―――地球連合とプラントの衝突は連日報道されてはいたものの、自分達には関係無いと割り切った目で見られた。
そんな『当たり前の世界』を当たり前に生きて、毎日笑って。神様はいると信じていた。
年相応の悩み事やらはそれなりにあったし、世界は素晴らしいなどと思える視野の広さは持ち合わせてはいなかったけれども。
とりあえずは恵まれ、満ち足りた命を育んでいた。
その幸せが、目の前で破滅するまでは。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
AFTER THE WORSHIP
「モビルスーツの性能は、人間の性能だ」
アプリリウス1。プラントの首都としての任を今だ果たし続けているそのコロニーには、
最高評議議会場や最大の繁華街が有り、プラント各地の英知が集められている。
C.E.73に発生したメサイア戦役後、その一角に、ザフトレッドと呼ばれる軍エリート候補生が集められるアカデミーが設置された。
戦の花形とされるその赤服を纏う少年少女は、多くが最高級の遺伝子調整を受けた上位階級の子息令嬢であり、
ザフト精鋭部隊が常時防衛に当たっている為に設置されたのではないかと一部で噂されている場所である。
「ザフトが使用するMSは、連合の物とは違って自由性が高い。それはつまり、パイロットの技量によっては高性能にも、低性能にもなるという事だ」
「フットペダル、左右操縦桿、各種用途に割り振られてあるスイッチ。それらを使用する速度がコンマ1秒変われば、戦場での生存率が1%上がると思え」
赤服の青年教官が放つ言葉の反応は二つだった。生真面目に耳を傾ける者、それとは逆に目線が教官の背に鎮座している匿体にいっている者。
訓練にもかかわらず興奮を抑えられない候補生達の様子を見て、青年教官は事前講義を諦めた。
「……これは訓練だが、舐めてかかるな!今英雄とされている奴等は、これで叩き出すスコアも今のお前達とは一桁違うぞ!
実戦と訓練は違うが、訓練を上手くこなせない者は実戦でも役に立たん!……では、二人一組で開始!」
許しが出るや否や、エリート候補生は声を上げてMSのコクピットを模したシミュレーターに乗り込み始める。
青年教官は、緊張感の欠けたその様子を冷めた目線で見ていた。その彼の胸元に掛けられた連絡端末に通信が入る。通話状態にすると、壮年の男の声が聞こえてきた。
「アスカ君、君に尋ね人が来ているぞ。応接室にお通ししてある」
「またですか……。分かりました、空いている教官を一人寄こしてもらえますか。―――終了時にはミッションデータの提出を忘れるなよ!」
苦々しい顔で頷いた赤服が踵を返す。長めの黒髪が揺れ、赤い眼光が細くなった。
応接室の扉を開けると、やはりいつもの招かれざる客人だった。
「で、また貴方ですか」
「またとはなんだ!いい加減上官の言うことを聞け!」
室内に入り、扉を閉めると、青年は赤服の襟元を開け、袖を捲った。些か品位が足りない恰好の為に候補生の前ではしない格好だが、相手が彼なら問題無い。
その相手、銀髪を特徴的にカットした青年は、応接室のソファーに腰を下ろしつつ叫んだ。向かい合いに設置されたソファーの片側に座ると、相手はテーブルに拳を叩き付ける。
「貴様、いつまでこのような場所で怠けるつもりだ?そろそろ前線指揮官の職に戻れ!」
「ヤです」
「……っ!」
再び拳を叩き付けた銀髪の青年の眉間には、凄まじい皺が寄っていた。顔を怒りの形相に歪めた彼は、唾を飛ばすのが目的かのように大声を出し続ける。
「勝手に出向を決めて隊から居なくなりおってどれほど経つと思っている……!各地の小競り合いは止まらん!
軍備縮小の中でそれに対応するには、人員が圧倒的に足りんのだ!早く……」
「だから、」
唾を飛ばされるのを遮る様に声を発した黒髪の青年は、呆れたように肩をすくめる。
「その軍備縮小の中で優秀な人材を揃えるのは大事でしょうが。貴方は軽々しく動けないし、ディアッカとかシホとかは隊の要でしょう。
そして、あのアホの一声で配属替えさせられた俺は対して役にも立っていなかった。
実戦経験のある昼行灯がここで後進の育成に当たるのもいいじゃないですか」
「手を抜いていただろう、貴様は!大体教官なぞ他にさせれば良い!」
「何度も言ったでしょう、ゲイツ以降の機体で闘った事が無い連中が言うことを、ガキ共は聞かない。エリートの鼻柱を折る技能を持った人間も少ない」
はあ、と溜息を一つ付くと、黒髪の青年は続けた。
「それに、俺は元々敗残兵です。多少情報を弄っても、ベテラン兵は皆俺を知ってる。奴等の戯言に耳を貸すのは疲れますから」
戦争を戦い抜いた兵とそうではない兵の経験値の差は絶大なものがある。
先程の候補生達の様にゲーム感覚でシミュレーターに臨む姿など、緊迫感が全く足りていないのだ。
兵の質低下は、ザフトが抱える大きな問題だった。
元々ザフトは人数が連合と比べ圧倒的に少ない。キルレシオ比の大きい高性能機と優秀なパイロットでそれを補っていたものの、
連合の新型OSによってその優位性を崩されかけている。現在大きな戦争が起こっていないといっても、何か有事が起こった時では遅い。
今日も話は平行線のままだな、と赤服の青年は内心で溜め息をついた。
銀髪の男が意気揚々とアカデミーに乗り込み、激昂して帰る。一か月に一度程定期的に起こる口論は、今日もしばらく止みそうに無かった。
「ああ言えばこう言う……!口だけは回るようになりおって!」
「俺だって、いつまでもガキじゃないですからね。諦めてさっさと他を当たってください」
赤服の青年の意志は相変わらず堅固であった。しかし、銀髪の青年には今回、秘策があった。この巨大な獲物を釣る餌が。
「…………ルナマリア・ホーク」
問答が続いてしばらく、ぼそりと銀髪の青年が放った人名は、それまでのどの説得よりも相手に反応を起こさせた。
動揺した顔が広がり、赤目が訝しげに銀髪を見る。
「……あいつがどうしたんですか?」
「いや、転属願いに名前があってな。データを見た所、やや近接格闘戦に技能が寄りすぎているきらいが有るが、優秀な軍人だ。
なにより旧ミネルバ隊は色々複雑でな、お前が戻らんなら、人員補充として彼女にジュール隊に来てもらえ、と一部で意見が出ていてな」
「……」
黒髪の青年の顔が、まるで苦虫を数十匹一噛みにしたような渋い顔に変わった。
「ジュール隊は地上に下りて小数で任務を遂行する場合もあるし、危険度は他の隊と比べても群を抜くのだがなあ」
銀髪の青年は、さも残念だというように頭を振る。
「……それ、言い出したの誰です?」
「ディアッカ」
「あのクソ野郎がッ!!」
黒髪の青年の表情を確認もせず、明後日の方向を向いて銀髪の青年は素知らぬ顔をしながら端末を操作し始めた。
ほう、ライフルをこう使うか、独創的だななどと対面に聞こえるように呟きながら。
歯軋りが聞こえそうな程に奥歯を噛み、怒りの形相で銀髪の青年を睨んでいた男は、ふと諦観の表情になった。
横目でそれを確認しながら、銀髪は発言を伺う。
「……分かった」
「ん?聞こえんぞ」
「分かったつってんだろ!復帰すれば良いんだろ!?」
「俺は白服、貴様は赤服」
「イエス、サー!シン・アスカ、今よりジュール隊に復帰致します、なんなりとご命令を、サー!」
銀髪の青年――イザーク・ジュールは、ようやく笑みを見せた。最もそれは純粋な笑みでは無く、上手く口車に乗せた事に対する些か歪んだ笑みだったのだが。
「良い返事だ、シン・アスカ」
とは言ったものの、いきなり教官を辞する訳にもいかず、諸々の引き継ぎを終えてからの隊復帰となった。
アカデミーにて話を詰め終えた結果、予定は七日後と決まった。
「ようやく俺も楽が出来そうだな」
夕方の時刻、晴れやかな顔で車に乗り込んだイザークと対照的に、見送りに出たシン・アスカの顔は曇っていた。
「あんな脅しまで使って俺を戦わせたいんですか……」
「お前は間違いなくトップガンの一人だ。戦って平和をもたらすのは義務と言っても良い。少なくとも俺の隊の戦死者は減る」
「……」
車の開いた窓を挟んで、二人が向き合った。夕刻となり、プラントの天候は地球でいう夕焼けに変わりつつある。シンの影が車内のイザークの顔にかかる。
「……やはり、厳しいですか」
「ああ。まだ反乱は止みそうに無い。先週地上で、また俺の隊の新人が死んだ。ここの卒業ではない一般兵だがな」
「……」
「模擬演習とは勝手が違うのだろうな。地上はプラントの様に管理された気候でも、宇宙のような広大な空間でも無い」
「分かりました」
シンの眼が変わった。イザークを正面から見つめたその眼は先程迄とは違う、戦士の眼となった。
「じゃあ、そいつらを守ります。それが、この未来を作った、俺の責任です」
「……お前だけがそう思っている訳ではない。……ルナマリアとやらも、お前と同じなんじゃないのか?」
「俺は、あいつを戦わせたくありません。……喧嘩別れしてから、一年以上は会って無いですけど」
そう至るまでの過程は、イザークも知っていた。
メサイア戦役時のMS隊の生き残りである同僚――そして恋仲。
恐らく、彼女が軍にいる事自体がシンにとって苦痛なのだろう。大切なものを戦いから遠ざけたいと思う事は、けして醜い感情ではない筈だと、イザークは思う。
それを理解していながら餌に使った事について、いい気はしない。だが。
「お前が新兵を守るなら、お前を隊が守ろう。それくらいの力は、有る」
アカデミーでの教官役をやる事が、シンに適しているとは思わないのだ。戦後に操作された情報が流れているとはいえ、
戦中デュランダル派のフラッグシップとも言える活躍をしたシンだ。云われ無き評価を受けたのは一度や二度ではあるまい。
イザーク自身、自分の隊にシンが入るまで、本質を知らなかった。
シンは戦士なのだ。失って、手に入れて、また失って。それでも足掻き続けて、未だザフトに籍を置いているのは、彼が悩み続けているからに他ならない。
「彼女と、ちゃんと話せ。分かり合えるまで」
「……そう出来ればいいんですけど」
薄く笑うシンの顔は、まるで消えてしまいそうなものだった。
「……フン、つまらん事を言ったな。忘れろ」
「……それは」
「命令だ。……七日後にまた会おう」
窓を閉め、自動車が発進する。後ろからそれを見送ったシンは、自然に空を見た。調整された、偽物の夕焼けを。
オーブに住んでいた時、空は頭上にあるものであって見上げる対象では無かった。だが、プラントの空に慣れた今では、それも懐かしく感じられる。
「また、戦うのか」
数え切れない命を奪った。数では数えたくない命を失った。結局、自分はその輪廻の中で生きるしかないのだろうか。いつか、自分が死ぬ時まで。
「分かんないよ、父さん、母さん、マユ……ステラ」
C.E.77。シン・アスカは出向という形で収まった教官という居場所を捨て、戦場に復帰した。
終わる事の無い戦乱が再び人々を巻き込み、幾多の運命を変えることを、彼は未だ知らない。
以上です。いきなり投下してすいませんでした
ディアッカが…ディアッカが狡猾になってるだと…
迂闊で残念な炒飯はどこ行ったんだ?!
>>744 どういう話になるか分からんが、つかみはいいと思うぞ。
ざざっと、シンの置かれた状況、まわりの状況があらかた分かるようになってる。
まあ、政治の方はぶっちゃけ分からんが、それは追々説明するだろうからあまり気にしてない。
あと、できれば名前欄にコテハンとトリップをつけてくれるとありがたい。(一目でその作者だと分かる)
トリップの付け方は「コテハン(無くてもいい)」#「任意の文字列」
詳しくは
http://find.2ch.net/faq/faq2.php あたりを見ると分かる。ググってみてもいいかもしれん。
続きを楽しみにして待ってるよ。
>>744 これはまた面白そうなSSの投下乙です。直情的なシンとイザークのの罵り合いは、やはり分かりやすいw
やはりジュール隊の面々とシンは相性いいよな。ちゃんと会話のキャッチボール出来るし。時々危険球だらけになるのはご愛敬〜
第二話も楽しみにしてますぜ。後、書き手さんはコテ付けた方がまとめる時にいいんでない?
>>745 迂闊で残念で狡猾。そんなディアッカでもイイジャマイカ!w
面白い・・・続き期待してます
シンとイザーク(ジュール隊)の組み合わせは良いですね
本編の アスランと ってのもちゃんとやれれば面白かったんだろうけど・・・
>>747 >>迂闊で残念で狡猾。そんなディアッカ
それただの小物キャラやないかいwww
たしかに
ただ単に 迂闊で残念 のほうが小物感が少ない感じがするw
これで大丈夫ですかね?
感想助言ありがとうございます
続編期待してます!
>>751 おk。
焦らずゆっくりでいいので、自分が納得できるような物語を頼みます。
数十年後、プラントで発売されてる絵本
ぷらんと でゅらんだる
「ふはははは、ちきゅうとすばらしいプラントは、われらデュランダルせいじんのものだ」
きら ぷらんと
「そうはさせませんわ わたくしとキラがいるかぎりちきゅうとこのすばらしいプラントはまもってみせます!
きら
おいきなさい、キラ!」
ふりーだむ しん・あすか
「ふはははは、フリーダムなどおそろしくないわ ゆけシン・アスカ」
いんぱるす
「このインパルスであんたをやっつけてやる!」
「やられたー」
きら
「なんてことでしょう キラがまけてしまうなんて でもだいじょうぶですわ
きら すとらいくふりーだむ
こんなこともあろうかとキラのあたらしいちから、ストライクフリーダムをよういしておきました」
「こんなこともあろうかと、っておもってたのならさいしょからだしてほしいなぁ
それはともかく、ゆくぞ!」
「うわー」
しん・あすか
「おのれ、シン・アスカがやられてしまったー おぼえておれ、つぎはもっとおそろしいさくせんでおまえたちをやっつけてやる」
「うーん、ここは」
「めがさめたかい」
きら らくす でゅらんだる
「はっ キラさまラクスさま おれはデュランダルせいじんにせんのうされていました
どうかこれからはおふたりのためにたたかわせてください」
きら
「よろしいですわ ただしこれからはわたくしのなをよぶときはかならずキラのまえにしなさい
ですてぃにー
あなたにはこのあたらしいせいぎのつばさ、デスティニーをあたえましょう」
しん
「さあシン、いっしょにたたかおう ちきゅはぼくらのものなんだ」
すみません、どっかから珍妙な電波が・・・・・・・後悔はしてるけど反省はしてません
こんなやつらの物だったのか、地球は……
…って、よく見たら「地球」じゃなく「ちきゅ」って書いてあるじゃねえか!
わっはっは、そうかこいつらはちきゅの連中だったのか、
ちきゅならラクシズにくれてやるわ!!
自分で振っといてナンだがまさか分かる人がいるとは・・・・・・
このリハクの目をもってしても見抜けなんだわ
そんな絵本がでるような暗黒の未来にタイムスリップしたシンが戦うネタは面白そう。
終戦直後、いきなり約25年後の世界へタイムスリップしたシンはレジスタンス組織に救われる。
その組織のトップは生きていたマユとその息子のシン2世。コールドスリープで蘇ったルナ、レイや中年ミネルバ組、アストレイメンバー、ラクシズそして新世代の戦士達を巻き込み世界を変えていくとか。
いやいやそこはその暗黒の未来からレジスタンスの少女がタイムスリップしてきて
ラクシズを殺そうと裏で暗躍していたシンと出会うって方が良さそう。
んで最後はラクシズが捕獲してた宇宙クジラの赤ちゃんを親元に帰してあげるってな。
>>758 ラクス教団は彼女を抹殺すべくサイ○ーダ○ン社製造の暗殺用アンドロイドを過去の世界に送り込むんですね
で、レジスタンスの少女との間にできたシンの息子がラクス教団を倒す新世代のリーダーになる、と
当然アンドロイドはオーストラリアなまりの言葉をしゃべり「ロボットじゃないよ ア・ン・ド・ロ・イ・ド」
あれ?ナンか混ざった?
タイムスリップネタは逆シンにあうな。
マルキオは未来人だった!とかでも面白そう。
避難所に960氏が投下されていたので転載します。
61 :960 ◆xJIyidv4m6:2010/06/29(火) 12:38:41 ID:6m3.FgqgO
どうも960です。本日21時頃から第七話を投下したいと思います。時間のある方がいましたら転載をお願いします
262 :960 ◆xJIyidv4m6:2010/06/29(火) 21:56:00 ID:6m3.FgqgO
予定より遅くなってしまいましたが、これより第七話を投下します
「あ、どうもお世話になっております、アーサー・トラインであります!ええ、ええ、その節はありがとうございました!本当に何から何までお世話になりまして!
……はい、本日お電話いたしましたのは……その……私共の部隊で運用していたMSが損傷で使用不可能になってしまいまして」
ミネルバ級二番艦マルス艦長室。律儀に直立しながら受話器を握り、時おり電話口の向こう側に向かってペコペコとお辞儀をする男、アーサー・トライン。中間管理職の悲哀をたっぷりと背負ったその背中は、いつも以上に小さく、頼りなく見えた。
「はい、それでですね、よろしければそちらで私共の部隊で運用させていただけるよう、代機を見繕っていただければと、お電話を差し上げた次第でございまして……。
は?え、それはどういった……ええ、ええ、はい、はあ……いえ、しかしですね、まだ私共は司令部からなんの知らせも命令も………………ははあ、なるほど。
……いえ、ありがとうございました。そういうことならば、むしろありがたいというものです。……え?代機の方は無理?何とかなりませんかねぇ……。いえ、はっ、申し訳ございません。はい、はい、はい、ありがとうございます。はい、では、失礼致します!」
Turn Against Destiny
第7話「インスタントヒーロー」
「シン、君に辞令があるよ。一緒に来てもらえるかい?」
「は、はい」
シンのホーク隊としての初任務から一週間が経った。その一週間で、シンは哀れにも「英雄」となり果てていた。
「聞いたか、シン・アスカの話」
「ああ、ザフトに復帰するなり公邸を襲撃したテロリストの艦に特攻して、航行不能にしたとか。その他にもMSを五機撃墜だってよ」
「デュランダルの元信奉者が命を懸けてラクス様のために戦った、か。いいことじゃないか」
「ああ、『改心』したんだな」
アプリリウスワンのザフト隊舎で、元々白い顔を更に青白くさせてこれらの噂を聞き流していたシンは、アーサーの声に食堂の席を立った。
(遂に来た。隊長をクビになるのはいいとして、左遷されるのか?いや、左遷ならいい。最悪銃殺……嫌だ、死にたくない)
「どうだい、気分は」
「吐きそうです」
「そんなに口に合わなかったかい?」
63 :960 ◆xJIyidv4m6:2010/06/29(火) 21:57:24 ID:6m3.FgqgO
冗談で言っているのか本気で言っているのかわからないアーサーの言葉もまた聞き流して、シンは今さっき食べていたカレーのことを考えていた。
(本当に吐きそうだ)
アプリリウスワンにあるだけあって、それなりに立派な隊舎の廊下を歩きながらアーサーがあれやこれやとシンに話しかけている間中、シンはライスとルーがタッグを組んで、胃袋をつねりあげるのを必死で抑えこもうとしていた。
「聞いてるのかい、シン?君の代機の話なんだけど」
「うぷっ……、は、はい」
「本当に大丈夫かい?トイレ行く?」
「いえ、気にしないでください」
はあ、と溜め息を吐いたアーサーが足を止めた。キョロキョロと廊下を見回し、他に誰もいないことを確認すると、そっと背の低いシンの耳元に顔を寄せる。
「大丈夫だよ、銃殺はない。僕は事前に今回の辞令の内容をさる高官に教えてもらってたんだけど、君は任地を異動することになる」
シンの胃の中のカレーが途端におとなしくなった。
「ほ、本当ですか?さる高官って、艦長がそんなコネ持ってるなんて……」
「ああ、僕のアカデミー時代の教官なんだけどね。君の代機を少しでもいいのを回してもらおうと思って頼んだら、その時に君の処分について教えてくれたんだ」
シンの顔に少しずつ血の気が戻っていくのを眺めながら、アーサーは思い出したように付け加える。
「あ、僕が辞令のことを君に教えたっていうのはもちろん内緒にしといてね?さも初めて聞きました、って顔して辞令受け取ってよ?」
「はい。……ありがとうございます」
いいよいいよ、と手をひらひらさせて先に立って歩くアーサーの背中を眺めながら、シンは考えた。
(任地ってどこだろ?)
「よう、ルナマリア」
「ヴィーノ?仕事はどうしたの?」
「俺今日オフ。だから見舞いに来てやったんだよ。これお土産な」
味も素っ気もない白いビニールから転がり出てきたのは、真っ赤に熟したりんご。食べ頃の美味しそうな果物の差し入れに、ルナマリアは頬を緩めた。
「高かったんじゃないの?こんな天然食材の、しかも果物だなんて」
「ああ、このりんご五個だけで結構な額の金が飛んだ。……まあ気にすんな。アカデミーからの友達なんだし、何より俺も食べたかったし」
64 :960 ◆xJIyidv4m6:2010/06/29(火) 21:58:41 ID:6m3.FgqgO
プラントの食料事情は相も変わらず困窮している。クライン政権が発足してからは更に悪化した。
メサイア戦役後に結ばれた条約はプラントに農業コロニーを造ることを認めず、今も食料の多くを化学食料や輸入に頼っている。そんな中で、天然食材のしかも果物となると、当然のように贅沢品という扱いになり、値段も他の食材と比べて跳ね上がる。
そんな贅沢品のりんごを五個も買ってきたヴィーノはというと、ナイフかなんかないの、とルナマリアの病室をキョロキョロと見回していた。ルナマリアは微笑んだまま病室のサイドボードを指差す。
「あったあった。……で、具合はどうよ」
「とりあえずあと一カ月は安静にしてなさいって。それからリハビリして、三カ月くらいで復帰できるかしらね」
「そっか。ああ、そういや今お前の機体をシンが使ってるんだけどさ」
「私のインパルスを?それがどうかした?」
一つ目のりんごを剥き終わり、八等分に切り分けたヴィーノがプラスチック製の小さなフォークを差し出す。ルナマリアがそれを受け取り、上等なりんごを一口かじり、顔を綻ばせた。それを見たヴィーノは、先ほどりんごを剥いていた音よりも小さな声で言った。
「あいつ、壊しちまった。お前の機体」
二口目を口に運ぼうとしていたルナマリアの手が、ピタリと止まった。
「シン・アスカ。ザフト司令部は貴官にジブラルタル基地への異動を命ずる」
命じられたシンは絶句した。それにはいくつか理由がある。
第一に、地上は治安が悪い。ラクス政権に見切りをつけたザフトの脱走兵やジャンク屋がはびこり、派手な装備でケチな強盗を繰り返している。
第二に、地球上のザフト基地はメサイア戦役後に交わされた軍縮条約に従って、大幅に軍備を縮小している。
その軍縮条約には、「ザフトはメサイア戦役後に製造された戦闘用艦船及びMSを地球に持ち込んではならない(ただし歌姫の騎士団所属エターナル級艦船とその艦載機を除く)」という内容の一文が盛り込まれている。
ラクスにすれば、何かトラブルがあってもフリーダムとジャスティスを持ち込めれば特に困ることはないのだから、この条約に反対する理由はなかった。しかし、地上のザフト正規軍は、時間の経過と共にアマチュアのテロリストにすら劣るようになっていく装備に悩まされている
>>760 実は以前、シンの遺志を継ぐべく生み出された戦闘用コーディネーターマユ、レイ(女)、ステラ
の三人が、三体合体三変化のMSを駆ってラクシズの支配する暗黒の未来を変えるべく
過去へやってくるというお蔵入りにしたネタがあったんだが、アリなのか? タイムスリップ。
まあ主役メカがあまりにもゲッPー過ぎるとか、未来トリオとストーリーをどうするかで難航した挙句
これあまりにもガンダムじゃなくね? と我に返ってボツにしたわけだが。
265 :960 ◆xJIyidv4m6:2010/06/29(火) 22:00:05 ID:6m3.FgqgO
第三に、地上の基地は左遷された元エリートで溢れかえっている。劣悪な装備で治安の悪い地域に配属されれば、殉職の危険性は一気に高まる。誰も好き好んで行きたがらないザフトの地上基地は、格好の左遷先だった。
メサイア戦役以降、ラクス政権に馴染めずに問題行動を起こしてしまったザラ派やデュランダル派の人間が地上には大勢いる。そんな場所に、「ラクスのために自らを顧みず戦った」と誤解されているシンが行けば、どういう扱いを受けるかは想像に難くない。
「ついては、貴官と貴官の部下のパイロットには新たなMSの受領の手続きをしてもらいたい。この書類に、」
と、一旦言葉を切って、ザフト高官の一人が書類を差し出す。受け取ったシンは、しげしげとそれを眺め、高官の声に顔を上げた。
「記入をして提出をしてもらいたい。即日でな」
「はい。…………待ってください、俺の部下も一緒に地上に異動なんですか?」
シンは目を剥いた。自分一人の左遷かと思っていたら、部下もまとめて異動になるという。しかも、メサイア戦役以降に製造された艦船であるマルスは地球には降ろせない。ということは、シンはたった一人で新兵たちを率いて地球に行くことになる。
「待ってください。俺の部下のパイロットは皆まだ新兵で、地球での任務に耐えられるとは思えません。俺一人で地球に行くというわけにはいかないのでしょうか?」
「地上の基地は今段階的に撤退しているところで、残念ながら人手が足りんのだよ。何、あと三カ月もあればジブラルタル基地の引き上げは完了する。その短い期間だけだ」
「……」
シンは黙りこくって、ふとアーサーに視線をやった。しかし、アーサーはシンとは視線を合わせず、ただ前を見ているだけだった。
「もう異論はないかね?……ならば行きたまえ」
アーサーが敬礼し、シンも慌てて右手を挙げた。しかし、その目から不服そうな色は消えていなかった。
「……壊した?壊したって、どんなレベルまで?」
「えっと……、両腕はグチャグチャで、頭部はアンテナがへし折れてて、カメラが溶けてて、胴体はエンジンブロック周りのエネルギーバイパスがやられてて、……まあ、大体そんな感じ」
「そんなボロボロに?……いくらなんでも早くないかしら?」
おお、来てたか。
ならば支援だ!
767 :
代理の代理:2010/07/01(木) 20:57:51 ID:???
小さなフォークに刺さったりんごの残りを丸々口に入れ、噛み潰す。ヴィーノはその様子をこわごわ眺めていたが、やがてルナマリアが俯いてぶるぶると体を震わせるのを見て、
(ああ、俺死んだ)
と思った。
アカデミー時代から、ルナマリアが怒るといつも周囲の誰かがいつも巻き添えを食っていたことを思い出す。短いスカートから伸びたきれいな脚が繰り出すハイキックを食らったこともある。その隣でヨウランが、白、と呟いていたこともついでに思い出した。
「あいつ……何やってんのよあの馬鹿……」
ルナマリアの声を聞いて現実に引き戻されたヴィーノは、ふとその声に違和感を感じた。怒りの感情だけではない、他の感情の混じり合った、早い話が涙声だった。
「ルナマリア?」
「……何よ」
ヴィーノが恐る恐るルナマリアの顔を覗き込むと、そこには唇を真一文字に引き結び、目に涙をいっぱいに溜めた顔があった。
「シンの奴、怪我はしたけどさ、今はもうピンピンしてるからさ、そんな心配しなくても大丈夫だよ。な?」
「………………ええ。ええ、そうでしょうよ。あいつは強くて、丈夫で、ヤマト隊長やアスラン以外には誰にも負けないんだから。
……でもね、いくらなんでも無鉄砲過ぎるのよ!心配するこっちの身にもなれっていうのよ!いっつもそう!昔っから、こっちがいくら心配したって、そんなの全くお構いなしで!ああもうっ!!」
息も荒く叫んだルナマリアが、ふと顔を歪めた。それに気付いたヴィーノがナースコールを押そうと手を伸ばす。しかし、その手はルナマリアに掴まれた。そのまま寄りかかるようにヴィーノに顔を寄せ、囁く。
「ヴィーノ……シンに、付いててあげて。レイが、死んじゃってから……シンには、ヴィーノくらいしか、友達、いないから」
叫んだことで傷が開いたのか、時折顔を歪めながら、呼吸も荒くルナマリアは囁く。
「あいつ、平気で無茶するから……自分の命には、本当に無頓着だから。だから、ヴィーノ……」
うっすらと汗を浮かべたルナマリアの表情を見て、まずヴィーノは思った。
(エロい)
しかし、そんな煩悩はおくびにも出さず、真剣な表情で頷き、自らに寄りかかるルナマリアをベッドに押し戻し、ナースコールを押した。
768 :
代理の代理:2010/07/01(木) 20:58:39 ID:???
ルナマリアもヴィーノも、シンという人間の性格に対しては大体共通の認識を持っている。だから、ヴィーノはルナマリアの「シンは自分の命に無頓着」という発言を全く疑わなかった。
ましてや、七年の時を経て、シンが銃殺に怯えるようになったとは思いもしなかった。
オレンジ色に燃える人工の太陽から、調整された光が均一に市街に降り注ぐ。プラントの夕暮れは美しいが、シンはいまいちこの景色が好きになれなかった。
復旧が終わり、再び軍事コロニーとして機能しているアーモリーワンのザフト隊舎では、一日の作業を終えようとしている整備兵がMSにシートをかけている。
「艦長」
今日受け取ったばかりの書類を手に、シンはアーサーの執務室を訪れていた。
「ああ、例の書類かい?ええっと、はんこ、はんこ……あった」
書類をめくり、確認しつつ判を押していく。押していく判の数に比例して、アーサーの表情は段々険しくなっていった。
「君たちに支給されるMS、本当にこんなのなのかい?君はインパルスを壊しちゃったからこの扱いなのもわからなくはないけど……」
「まあ、俺はいいんですけどね。部下たちは、まあ、ヤバかったら難癖付けて無理矢理にでも退がらせます。ルナから預かった部下なんで、なんとか五体満足で返さないと。じゃあ、機体の受け取りに行ってきますんで」
「何もしてやれなくてごめんよ、シン……」
「気にしないで下さいって。じゃあ、お疲れ様です」
書類を机から取り上げて、シンはアーサーに背を向けた。ドアを閉め、廊下を歩く。総務局に向かう途中、何人かの兵士とすれ違った。その内の数人から、シンは熱狂的な敬礼を受けた。
総務局に着き、書類を提出する。じろり、とシンを眺めた総務の緑服は黙って判を押し、書類を返した。その無愛想さが、シンには不思議と心地良かった。後はハンガーに行って機体を確認するだけ。
「アスカ隊長ー!」
「シン、こっちだ」
ホーク隊の新米メカニックの一人とヴィーノが、ハンガーでシンを待っていた。まだ幼い顔立ちの新米メカニックは、ヴィーノの隣で飛び跳ねながら手を振っている。ラクスに心酔しているその新米メカニックの横で、ヴィーノが肩をすくめた。
「お前の機体、そのままじゃキツそうだからちょっといじっといたぞ。まあ元が頑丈な機体だから、ほとんど改造らしい改造もしてないんだけど」
769 :
代理の代理:2010/07/01(木) 20:59:36 ID:???
「アスカ隊長、何か機体に関して希望はありますか?!何でも言ってください!」
何やら張り切っているその新米が少しうっとうしくて、そうだな、とシンは呟いた。
「じゃあデスティニーくれ」
あくまでも真面目な顔で、シンは難題を突きつけた。慌てふためく新米のリアクションはシンにとって余りにも予想通り過ぎて、すぐに興醒めした。
「え……い、いえっ、そういう希望ではなくてですね……」
「何でも言ってくれって言ったろ?」
「いえ、あの、すいません、ごめんなさい、何でもとは言っちゃいましたけど……」
「シン、俺の部下をいじめるな」
苦笑いしたヴィーノが割って入り、シンはぐしゃりと髪をかき上げ、で?と先を促した。
「ああ、このMSの名前は知ってるよな、シン?」
「知ってる……ジン、ジンオーカーだろ。確か砂漠戦仕様にカスタムされたMSだったはずだ」
「そう、ジンオーカー。まあ砂漠戦仕様って言っても普通に地上で使う分には何も問題ない。OSも調整済みだ。で、武装の方なんだけど」
ヴィーノが新米メカニックに顎をしゃくると、新米が頷いてPDAを操作し、シンにおずおずと手渡す。新米がやや怯えていることがつまらない新人いびりをしたとシンを後悔させ、いたたまれない気持ちになる。シンは、極力目を合わせないようにしてPDAを受け取った。
「カービンライフル一挺に高速振動ナイフ二本……これだけ?ビーム兵器はないのか?」
「ああ、ビーム兵器は稼働時間の問題と、大気中の減衰率を考えてやめといた。後はまあ現地で好きなようにロケットなりバズーカなり持たせてくれ」
ビームカービンではなく実弾を使うカービンライフルと、初代インパルスからセカンドインパルスまで共通して装備しているM71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ。シンの新たな乗機となるジンオーカーの基本的な装備はそれだけだった。
「まああんまり機動力のある機体でもないから、できるだけ軽装備で運動性を損なわないように、ってね。どうだ、何か希望あるか?無理のない範囲で聞くぜ」
「ン……まあ俺の機体は特に不満はないや。うちの新米たちの機体は?」
「それはこっち」
親指を立ててジンオーカーの隣を指すヴィーノ。そこに立っていたのは、ジンオーカーと同じく年代物のMSたち。MSの骨董品展とも見紛わんばかりの光景に、シンは渋い顔をした。
770 :
代理の代理:2010/07/01(木) 21:00:18 ID:???
「せめて新米たちにはザクだとか、もっといいのを使わせてやりたかったんだけどなあ……」
「まあ自業自得だ。せいぜい必死で守ってやれよ。……自分も死なない範囲でな」
ヴィーノがシンからPDAをひったくり、操作する。画面とためつすがめつしながら、ヴィーノは目の前の機体群の名前を呼んでいった。
「長距離強行偵察型ジンが一機、ディンが三機、ガズウートが一機、それからお前のジンオーカー。アスカ隊が地上任務のために新しく受領する機体はこれで全部だ」
「確認した」
「よし。ああ、それから、今回の任務にはメカニックとして俺も同行することになったから」
「へ?!」
どうして、と目を見開いたシンにヴィーノは肩をすくめる。まさかルナマリアに頼まれたから、などとは口が裂けても言えない。ヴィーノはあらかじめ考えてあった台詞をそのまま読み上げた。
「地上は人手不足だっていうからさ、MSだけ増えても対応できないんだと。だからメカニックを一人連れてこいってことらしい。地上の仕事は激務らしいから、俺ぐらいのベテランじゃなきゃ大変だろ」
新人どころか訓練生時代から付き合いのある友人がベテランなどと言うのがおかしくて、シンは少しだけ目尻を下げた。それを見てヴィーノもニヤリと笑い、片手を挙げる。
ヴィーノの意図に気付いたシンは、同じく片手を挙げ、軽く音を立てて打ち合わせた。
「よろしく頼むよ、整備班長」
「こちらこそな、隊長」
地上に赴任するまでの期間は元々短くて、すぐに降下の日はやってきた。MSとホーク隊の隊員を乗せた二機の小型シャトルは、順調に大気圏を突破し、後数十分で着陸というところまで来ていた。
「ごめんな、エドワード、ジュディ、俺の左遷に付き合わせちまって……」
シャトルの積載量の関係上、ホーク隊は三人と四人に別れ、二機のシャトルに分乗して地上に降りてきていた。そして、地上への赴任が決まってから、シンは初めて今回の異動について謝罪した。
「いえ、……僕は与えられた任務に全力で取り組むだけですから」
「私も……」
「……」
最後の沈黙はヴィーノである。彼は地上への出発直前までホーク隊の旧型MSたちに手を加え、少しでも良い仕上がりにしようと手を尽くし、疲れ果てて今は眠りこけていた。
771 :
代理の代理:2010/07/01(木) 21:01:24 ID:???
一方、元々堅物なエドワードと引っ込み思案なジュディの返事は固く、シンに対してはまだ心を開いていないことがよくわかった。そもそも、ホーク隊の新兵たちがシンに心を開くような要素の方が少ない。
厳しく訓練をしたり、共同で任務に当たったりはしたものの、訓練の方は厳しくしごいているばかりでお互いが歩み寄るようなことはなく、任務はシンのワンマンプレーで結果は左遷である。
「……」
「……」
「……」
「……」
自然、会話はなくなった。エドワードとジュディだけならまだ話すこともあるのかもしれないが、シンを挟むと途端に駄目になる。ヴィーノが起きていれば何か喋ってくれたのかもしれないが、あいにく今のヴィーノには寝言が精一杯である。
もう一機のシャトルの方では、ゴードン、ジェームス、パーシーの三人が自分の悪口で盛り上がっているのかもしれない。シンがぼんやりとそんなことを考えていると、不意に振動がシャトルを襲った。
「今のは?」
本能的に腰を浮かせたシンに、エドワードとジュディもただならぬものを感じ取った。その時、数百メートル離れて飛んでいたもう一機のシャトルに向かって、一筋の光が伸びた。
「ビーム?!」
火だるまになったもう一機のシャトルに、新兵二人が顔を青くして絶句する。シンはヴィーノを文字通り叩き起こし、怒鳴った。
「MSに乗れ!ヴィーノはジュディの偵察型ジンに乗るんだ!」
「た、隊長は?!」
「俺は操縦室に行く!」
叩き起こされたばかりのヴィーノが、寝起きとは思えないほど機敏に混乱するエドワードとジュディを追い立て、シャトルのコンテナに移り、復座型である長距離強行偵察型ジンに乗るとジュディを引っ張り込んだ。エドワードはディンのコクピットに滑り込む。
「機長!」
操縦室のドアを開けると、二人の操縦士は既に機内にはいなかった。機銃弾が直撃したらしく、機首の強化ガラスが割れ、そこから吸い出されてしまったらしい。シンは機体の外に吸い出されないように足を踏ん張り、腕に力を込めてドアを閉めた。
閉める直前に、今自分が乗っているシャトルに向かってまた一筋ビームが伸びるのが見えた。幸いこの一射は外れ、シンは冷や汗をかいた。
「隊長、ゴードンたちは……」
「今は考えるな。ついてこい、脱出するぞ」
コンテナのジンオーカーに乗る。死んだ、とは言えず、シンは固い口調で命じるのみに留めた。通信画面のワイプには青ざめたエドワード、涙をにじませたジュディ、その後ろで苦い顔をしているヴィーノが映っている。
「慌てず騒がず、脱出したら動きを止めるな!シャトルから見て十二時方向斜め下四十五度狙い撃ちされている。とにかく俺の指示する通りに動け!」
シャトルから見て十二時方向斜め下四十五度。その方向にあった基地の名前は、隊員の名前をなかなか覚えられなかったシンでもよく覚えていた。
(ジブラルタル基地から狙撃されている?馬鹿な)
それもまた、言うだけ新兵たちの混乱を加速させるだけだと思うと言えなかった。ままよ、と操縦桿を握り、フットバーを踏みつける。
「シン・アスカ、ジンオーカー出る!」
コンテナの天井が吹き飛び、紺碧の空に映える青い機体が飛び出した。
772 :
代理の代理:2010/07/01(木) 21:03:28 ID:???
今回は以上です。どなたか転載をお願いします
代理投下終了。勝手ながら書き込み回数減らすために一部のレスをまとめさせていただきました。
作者氏代理氏両者乙です。
謀殺臭がプンプンする顛末だけど、果たして
ジンオーカーってw
今まで見たシンの中でも断トツに境遇酷すぐるw
960氏、代理投下の方乙です
いきなり地上に新兵共々飛ばされるとか棺桶に片足突っ込んじゃった!ってレベルじゃねえぞこりゃあ!!
シンは、新兵だけでなくヴィーノ達整備班も守りながら戦っていくとか・・・ダイでハードすぎるわ。マジでガンガレ
しかし、ジンオーカーは連ザだとガチで強いんだぜ!強行偵察型ジンの方はアレだけど・・・
大丈夫だシン。超年代物のプロトアストレイでも腕のいいメカニックが弄ればあら不思議、
種死の最新鋭機とだってやりあえる世界なんだからあとはヴィーノの腕次第だw
>>759 そっちじゃない、
>>758のはネタはターミネーターじゃなくてリターナーだろ多分。
ターミネーターは歴史改変が不可だがリターナーは変えられる。
とりあえずこのシンは「KI」を会得するべきだと思うんだ
>>776 同じ初期ジン使い的に考えて、せめてプロトアストレイ使いじゃなくて
世界樹攻防戦で破棄されたジャンクのジン回収してテキトーに装甲破損部を板でふさいだ蘊奥ジンの事思いだしやろうぜそこはw
大丈夫、技量さえあれば振り下ろしモーションだけでゲイツや亜光速ビームぶった切れるポテンシャルが
例えジャンクになってもジンにはある
「KI」を学ぶなら「SUMOU」を習えばおk
>>777 シンは「KI」をつかえるぞ、
ソースは閣下兄撃破時エクスカリバーのビーム曲げ
>>780 それ出すなら、「KAN」で陽電子砲台の奇襲砲撃をオープンゲットで回避して
その砲台の位置を正確に察知して、デブリを一発のビームで吹き飛ばして道作ったり
完全に姿消して、ミラコロデテクターにも反応しない遠距離の核機に対して
正確に亜光速ビームぶち当てたりもしてなかったか?
すまん。「KI」ってなんだ?
>>781 プラモ山積みスレとかで閣下=和田らしいから多分自由
>>783 東洋の神秘"気"の事
バリー・ホーは気でMSコクピット内から周囲の木々を揺らしたり
剄でパイロット気当たりさせて無力化したり
シンはエクスカリバーの切っ先にビーム伸ばしたりとかやってる
オレが思うに、たぶん日本刀でビームぶった切るのも「KI」の産物だと思うんだ
皆はレアメタルのお陰というけど、僕は絶対に絶対に嘘なんか言ってない
だって初期ガーベラとタイガースピアって、あれレアメタル関係ねーじゃん
>>780 本気になったあの時のシンなら、エクスカリバーのビームを前方に指向させることもできるって(冗談交じりに)スタッフが言ってたな(確か森田だったか?)
ビームを不思議パワーで曲げる。
>>782の現象、そして死者と会話が可能。 ……つまり、シンはNTの素質があったんだよ!
>>785 SAMURAIの魂であるKATANAを舐めちゃいけない。
それに実際の刀だって、ブローニングM2の12.7mm弾を切れるんだ。
MSサイズの名刀であるガーベラ(菊一文字)やタイガーピアス(虎徹)がビーム切ったからって、驚くようなことじゃない。
そういやNTもどきって言われたことあったなシン
UC世界のNT専用機とかに乗せたら才能が開花するかもしれん
そういうのを読んでみたいけどクロススレ向きだな
種、種死のクロスならクロススレだが、「機動戦士ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ」とのクロスならどこへ投下するべきか・・・。
……避難所かな?
>>786 SAMURAIかぁ……SAMURAIなら仕方がないな
スパロボスレならなんとかなる…かな?
一応種死後のシンがラクシズと戦うのあるし。
逆シンならここでいいと思うけどな。
もしシンがNTだったら、ていうならIFでもいいと思うし、
UCガンダムに乗せるならクロスって気もする。
……難しいな。避難所が無難かな。
逆シンの名前に拘らず、アフター物のクロスって事で向こうでいいんじゃないか?
CCA側は基本的にアフター扱いな訳だし
>>704 覗いてみた
シンがアクセルって奴は見つかった
それとスタンド使ってウラウラ言ってるのも見つけた
ヨーグルトソースをお持ちしましたのシーンでテンションがおかしくなった
おもわず逆シンをAAで再現する段取り考えちまった
やっぱり復讐モードのシンはブラックゲッターに乗せたいな・・・、他作品のガンダムで逆シンに似合いそうなのってある?
バンシィーとかどうだろか?
クスィーはどうだ?
後、ザンスパインとか
まあ、NT武器使えないとかそういう突っ込みは抜きで
Ez-8みたいにあり合せ部品で作ったいかにも泥臭い系のも良いな。
EXs(中の人的に)とかグリープとかTR-6ウーンドウォートとか
エピオンとか
Z>(プロンプト)やZプルトニウスのような攻撃と防御のバランスの取れた(どっちかってと防御主体)
機体がシンには似合うと思うのです
何故かグランドマスターガンダムに乗るラクスの幻影が……
シン、キラ、アスラン、ロウ、ガイのシャッフル同盟拳・・・。
吉良と凸は四天王ポジション
シン・ルナ・ミナ・ロミナ・セツコのシャッフル同盟…
いかん、同盟どころか内部崩壊するwww
みなたま「しん!だからおまえはあほなのら!・・・・・・・噛んじった・・・・・・」
807 :
803:2010/07/06(火) 15:25:32 ID:???
>>804 真面目で優しい熱血正義漢の元祖キラと立派に成長した誠実で強い信念を持つアスランって事で。
>>805 内部抗争が起こってどさくさに紛れてラクスKOですな?マユやらカナーバさんやらコニールさんやらも加わってえらいことに・・・。
Gガン世界で修行して帰ってきたら種世界が滅茶苦茶に・・・。
>>805 これでギャグ短編を一つ書けそうだなぁ……
>>805 一人スパロボの娘混ざってるよw
そこはコニールにしてさらにアレンビーポジをステラにすれば良い。
レインポジ?修羅場だらけで決められるわけないだろう?!
シン「おいそこのお前!マユ・アスカという女を知っているか!」
>>809 やっぱなんだかんだでレインポジはルナのような気がしないでもない。
Gガンネタの次は何ネタがくるか・・・。
マジンガー、ゲッターはじめ熱血凶悪スーパーロボットに乗せるか、人外化(サイボーグや吸血鬼とか)で逆襲、タイムスリップで過去や未来へ・・・とか。
じゃあ次は・・・・・・・・学園黙示録ネタでひとつ
エロゲデb……御大原作の奴か。
どーせ途中で飽きて中途半端なんだろ?
……RSBCと皇国の続きはマダー
>>811 ここは各ヒロインも尊重してヴァンドレッドはどうか?
……エロコクピットのお陰でシンの命(精神的な意味で)が吸われて行きます!?
いのちを変換したら胃の血になったのはどういう事だMyPC......
あのー・・・、ちゃんと逆襲してくださいねー。
スパロボ的ストーリーで
ラクシズに征服され衰退した地球の未来が
ヴァンドレッド地球というのは何度か考えたネタだ
ついでにトリニティエネルギーとゲッター線を使って外宇宙侵略
・・・やっぱタイムスリップでもするか
魂だけ時間を越えて血縁者の肉体に憑依する
「お前の行動が近い将来、あの狂信的な集団を生み出すことになるのだ・・・」
お久しぶりです。
25話がようやっと書き上がりましたので投下させていただきます。
今回少々長い為、さるさんに引っ掛ってしまった場合、避難所に続きのほうを投下させて頂きますので、代理投下をお願いしますよ。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request25前
スラスターを限界まで絞り、宇宙を進む機体が二機。
前後に隊列を組み、目的地へと向かっていた。
一機は赤い胴体に白い四肢のインパルスエクシード、背負ったシルエットはクロスフォース。
インパルスエクシードの前方に位置するのは緑がかった白と灰色の機体、ヘリオスmkII。
背部バックパック左側のビームキャノンの代わりにセンサーユニットを載せ替え、右側のラッチ部分に潰しレドームを装備、指揮官仕様の犬耳状のアンテナ。
「静かだな……いや、そらはこれ位静かで良いか」
コントロールスティックを握ったまま、シンは呟いた。
今のところ、コックピットの中で聞こえるのは機体表面のセンサーが捉えた擬似音。
宇宙空間では本来は聞こえない筈の音を、パイロットのストレス軽減の為に再現した電子音のみだ。
戦闘の際にはけたたましい警告音が鳴り響くが、今はそれが信じられ無いほど静かだ。
『話相手が欲しいのか? 寂しいなら歌でも歌ってやろうか?』
「音楽ならまだ良いですが、歌は止めてください」
感傷に浸っていたシンに通信を通して尚、薄まらない毒が投げつけられる。
「あんたら……風情って物が分からんかね?」
はぁ、溜め息をついたシンは多少いらつき気味にコンソールをこんこんと叩く。
『AIに風情を語るのは滑稽だな』
「鼻で笑われるなんて……! く、悔しい…! でも……」
「冗談はこの辺りまでにしておいてください」
ヘリオスのパイロット、スリー・ソキウスは感情を感じさせない、抑揚の無い声で何時までも終わりそうにない漫才じみた会話を打ち切る。
人によっては機械的にも感じるだろうが、ミナの近衛。
フォー、セブン、イレブンソキウスを知るシンにとっては違和感を覚える程、人間的な声だった。
もっとも、彼らミハシラのソキウスは薬物の過剰投与によって人格が壊され、「私の配下、部下に人形はいらぬ」と言うミナの一声でリハビリを行い、最近ようやく感情の片鱗を見せるようになった位なので、比べてはいけないのかも知れない。
すみません……上の>>代理投下をお願いしますよ。 は代理投下をお願いします。の打ち間違いです。
偉そうな言い方になってしまい大変申し訳ありません
『了解した。 センサー感度を上げる』
「RB、フライヤーの光学迷彩を解除してくれ、暗幕を出す」
インパルスエクシードは両肩を前方に向けると、僅かにスラスターを吹かし、速度を落とす。
それを合図としたかのように、インパルスエクシードの右側に、コックピットのない航空機、ドラグーンフライヤーが闇から姿を現した。
かつてのシルエットフライヤーをMSの半分ほどのサイズに拡大し、底面に鳥の足のようなアームが3本。
インパルスの上半身を背部に、脚部を2本のアームで固定し、最後のアームに固定されたコンテナからMSを覆う程の黒い布を取り出す。
スラスター部分を避けるように、シンが暗幕と呼んだ布を頭部からマントの様に纏う。
コンテナを破棄したドラグーンフライヤーは再び光学迷彩を起動し、宇宙の闇へと溶けていく。
「……これ効果あるのか?」
エクシードと同じように暗幕を纏ったヘリオスを疑わしげな目で見ながらシンは呟く。
『光、熱、電波を完全に遮断する特殊素材で構成され、宇宙空間での隠蔽力を重視した黒色、アクタイオン社の開発したミラージュコロイドや光学技術に依存しない新型迷彩システム……だそうだぞ』
カタログの紹介文章を読み上げるような棒読みの口調でRBは言う。
「作ったのはあのアクタイオンアジア企画6課です。 “技術力だけ”は信用しても大丈夫かと」
僅かな感情の色、困惑を見せながらスリーソキウスは答える。
アクタイオンアジア企画6課。
ユーラシア連邦軍の主力量産機ヘリオスを設計した部署で、社外向けの宣伝モデル担当と言う事になっている。
だが、それは表向きの話、実際には他社に行ってもらうと困るが、性格性癖に難の有る技術者を集めた部署である。
シン達が暗幕と呼んでいる試作装備は、今回のプラント占拠事件にユーラシア連邦軍が派遣されるのにあたり、実戦試験と補給名目で派遣艦隊へと押し付けられたのだった。
因みに暗幕は本来ならば社外秘の装備なのだが、シンと企画6課自体はヴォルゴグラードの一件で面識があったこともあり、貸与されたのだった。
「んー、だから逆に不安って言うか、なんと言うか」
眉を額に寄せながら不安を隠さずにシンは言う。
もっともこの暗幕を見た局長曰く
「幾重にも重ねられ編み上げられた複合素材の繊維はレーダー波、赤外線、光を屈折させセンサー的にも視覚的にも存在を隠蔽する。
しかも重量が嵩まないと来た。 防御力と耐久性が無いのは難点だが……まぁ、使い捨てだし、ステルス用の装備に防御力は不要か。
あくまでも技術屋の意見だが、こいつは十二分に使える物の筈だ。 こいつを作ったのはよほどの天才か狂人に違いあるまい」
と言う事らしいが。
「目標までの距離10000。 今一度、作戦内容を確認しましょう」
通信機から聞こえるスリー・ソキウスの声に、シンは出撃前におこなったミーティングを思い出していた。
─────────────────────────────────────────────────────────
数時間前、アーモリー1ザフト臨時司令部 ミーティングルーム
「ここだ」
シンを先導し、歩いていたイザークは突貫工事で倉庫を改造した仮に作られた会議室の前で立ち止まる。
「入る前に服装を正しておけ」
扉の前でふと思い出したようにシンの顔を見ると、首元のボタンを閉めるように右手でジェスチャーをしてシンに促した。
「……わかってますよ」
シンは不服そうにイザークに従い、首元のボタンを閉め、服装を整える。
因みに不服そうなのはイザークに言われたからではなく、赤服に対してだ。
ザフトを抜け、既に独立した傭兵であるシンにとって、未だにザフトの赤服を着ている事は他のクライアントに好印象を与えはしないだろう。
寧ろザフト出身故にザフト贔屓だと思われてはたまらないと思っていた。
もっとも元軍人の傭兵がかつて所属していた着慣れた軍の軍服、パイロットスーツをそのまま使う事は珍しくない……と言うより良くある事なのだが。
シンは心のどこかでかつての赤服を纏っていた自分に思うところがあったのかも知れない。
「準備はいいな?」
シンが服装を正したのを見たイザークは扉をノックし、室内に足を踏み入れた。
「失礼します」
イザークに続き、シンも入室する。
「遅いぜ、イザーク」
イザークとシンの前に顔を見せたのはディアッカ・エルスマンだった。
「む、何故ここにいる……と言うか仕事はどうした」
右側の眉を吊り上げ、イザークは小声でディアッカへと問い掛けた。
「仕事はシホちゃんに任せた……俺は怪我人の付き添いさ」
ディアッカはイザークの表情に肩を竦めると、会議室の奥に立ち周辺宙域の地図を説明する男の姿。
「あの人は……確かマーチン・ダコスタ?」
シンはその顔に見覚えがあった。
面識こそ無いが砂漠の虎の副官であり新クライン派エージェントとしての彼はシンも知る程には有名だった。……いい意味でも悪い意味でも。
「キラから何故此方にいるかは聞いている筈だ。 今は、うちの隊で身柄を預かっている」
横目でダコスタの方を見ながら、溜め息を付いたイザークはシンに簡単な説明をする。
「本当に裏切ったのか分からない相手に首輪を付けてるって事ですか」
ダコスタをチラリと見ながらシンは疑念の眼差しを向けた。
「いや、ダコスタは白だ」
シンの言葉をイザークはすぐさま否定する。
「良く言い切れますね」
意外そうに首を傾げ、シンは聞く。
「ダコスタはバルドフェルトの部下ではあったが、あいつが仕えているのはあくまでもラクス・クラインだと言う事だ」
「すみません。 全然分かりません。 つまりどういう事なんですか?」
シンは困惑を隠せず、二人へと問い掛ける。
「分かり易く言えば、物事には優先順位って物があって、クライン議長と砂漠の虎じゃあ、クライン議長の方が上って事だよ。
あいつにしてみれば裏切ったのは虎のおっさんの方なんだろうしな……納得はしたか?」
やれやれと肩を竦めるとディアッカはイザークに代わり答えた。
「はぁ、なんとなくは……」
どこか要領を得ない様子のシンは自分を納得させるように渋々頷く。
「……納得は行かないだろうが、今は胸にしまっておけ。 他人には他人の事情と言う物があるんだ」
イザークはシンの目を見ながら、その肩を叩く。
「分かってますよ。 過去を探ったり、人の心の中に土足で踏み込む趣味はありませんし」
「ならいいさ。 ……さて、そろそろ行くか」
素直に頷いたシンに安心したように微笑むとイザークは会議室の内扉を指差した。
ノックした後イザークが足を踏み入れ、シンも続く。
「ザフトアーモリー1駐留MS戦隊隊長イザーク・ジュール。 シン・アスカを連れて来ました」
イザークはザフト式の、シンはユーラシア式の敬礼を行う。
「お待ちしていました」
三人を出迎えたのは青を基調とした連合の軍服に身を包んだ白髪に近い髪色。
(まさか、グゥド・ヴェイア?)
(そんな訳ないだろ、確か戦死したって……)
「あれ? もしかして、ソキウスさん?」
シンとイザーク、ディアッカはそれぞれ別の驚きに目を見開く。
「はい。 確かにソキウス3ですが?」
ソキウスはシンの言葉に僅かに小首を傾げる。
その仕草にシンはミハシラにいる4、7、13ソキウスには感じにくい感情の揺らぎと人間臭さを覚えた。
「えっとつかぬ事をお伺いしますが……ソキウスさんですよね?」
困惑しながらもシンは聞き直す。
「ええ、ソキウス3(スリー)です」
少し不審な顔を見せ、ソキウスは答える。
「なにそれこわい」
「えっ」
「えっ」
噛み合っているようで全く噛み合っていない会話に、思わず口走ってしまったシンの一言で、一瞬にしてその場が静まり返った。
寧ろ凍りついた。
「スリー、悪ふざけはそのくらいにしておけ」
溜め息混じりに声を上げたのは少佐の階級章を付けた中年の男。
「悪ふざけ? 何の事ですか?」
人形のようにぴくりとも表情を変えないソキウス、スリー・ソキウスに男は再び溜め息を付いた。
「俺が悪かった……下がって良い」
「はい」
ソキウスが席に戻り、座ったのを確認した少佐はシン達に向き直った。
「さて、役者は揃ったようだな。 そろそろリハーサルを始めようか」
ぱんっ! と手を叩き、冗談めかしたような口調で場の仕切り直したのは少佐の階級章をつけた中年の男、月下の狂犬モーガン・シュバリエ。
「先ずははじめましてだな。 ユーラシア軍少佐、モーガン・シュバリエだ。 でこっちが副官の……」
「ユーラシア軍中尉スリー・ソキウスです。 以後お見知り置きを」
敬礼の後、後ろにいるスリーを指差したモーガンはスリーは片手を差し出した。
「あ、傭兵赤鬼……シン・アスカです。 どうもよろしくお願いします」
シンはおずおずと右手を拭い握手をする。
「……それにしても、まさかあの赤鬼の正体がシン・アスカだったとはな」
シンの顔をまじまじと見ながら、モーガンは感慨深そうに呟いた。
「少佐はアスカをご存知で?」
「もしかして、どこかでお会いしたことがありましたか?」
モーガンの言葉に眉を額に寄せ、困ったような表情をシンは見せた。
「誤解させてすまない。 私は西ヨーロッパ方面配属だから、君と面識は無い……ただ、君がアグレッサーをしていた時期の事を聞いていたものでな」
「そうでしたか」
モーガンの話を聞いたシンはほっと肩を撫で下ろし微笑む。
「……少佐、雑談はその辺りで」
「おお、いかんいかん。 歳をとると話が長くなってしまうな……席に着いてくれ、早速はじめよう」
モーガン達の様子を伺いながら腕時計を見ていたソキウスは予定していた時間になったのか、キリが良い所で声を上げ、会話を終らせた。
「さて、ザフトの人達が来た所で今回の作戦について纏めよう。 アスカ氏は詳細は聞いているのかね?」
仮設会議室に用意されていた円卓に、召集された全員が席に着いたのを確認すると、モーガンは口を開いた。
「いえ、アプリリウスへの偵察としか」
投げ掛けられた質問に、手元の資料を流し見ていたシンは首を振り答える。
「なら説明しよう。 スリー」
「はっ。 今回の作戦目標は敵本拠地、つまりアプリリウス1周辺に存在する艦隊総数の把握。
ではありますが、本命は他にもあります。 その要諦は戦場のイニシアティブを取り戻す事です」
モーガンの合図に立ち上がったスリーは、手元の資料を見もせずに抑揚のない口調で告げる。
「うち(ザフト)からして、初っ端の奇襲で先手打たれまくってますからね」
「情けない話だがな」
はぁ、と溜め息をつくディアッカに、苦虫を噛み潰したような表情のイザークが続く。
「その通りだ。 我々は緒戦から先手を取られ続けて来た。
昨日の攻撃も、大西洋、ザフト、オーブ、ミハシラの迎撃部隊の勇戦によりこれを迎撃し、相手に打撃を与える事は出来た。
だが、それはあくまで一部、連合系のドロップアウトした部隊にのみだ。 この辺りで主導権を握らなければ、前線の兵数に劣る我々はすり潰される」
二人の会話に頷いたモーガンは声量を上げ、机を叩いた。
その顔には僅かながら焦りの色が見えた。
モーガンの焦りの裏には、各国軍の増援が期待できない理由と早期に片付けたい訳があったのだ。
大西洋連邦ではレクイエム戦役後、軍制改革により放逐され、旧勢力と化したブルーコスモス派と呼応する軍の一部がクーデターを起こし、前々大戦時軍司令部のあったアラスカに立て篭もっていた。
現在、旧アラスカ基地は大陸間弾道ミサイルをはじめとする兵器の集積所となっており、長期戦が可能かつ早期の鎮圧が求められていた。
大西洋連邦副大統領を首魁とする叛乱軍は、徐々に勢力を増しつつあり、鎮圧の為に元特殊部隊に所属していた大西洋連邦大統領自ら軍を率いる事態に陥っていた。
一方、ユーラシア連邦では前大戦後に鎮圧した各所の勢力が勢いを盛り返しつつあり広大な国土全体に兵力を振分けねばならず、余裕はない。
また、大西洋、ユーラシアは共に長期間の派兵で東アジア共和国の勢いが増す事も恐れていた。
そのアジア共和国では、軍に表立ったによる騒ぎこそ無かったものの、多民族で構成されているために元々政情不安な上、各所で盗賊や反政府ゲリラによる騒動が多発し、余所までどうこうする余力がなかったのだが。
ちなみに、ザフト、オーブは主戦力の大半が敵側に流れ、PMCミハシラもオーブでのクーデター騒ぎが収まるまで増援は見込めない。
後は傭兵やPMCを雇う位しか増援は見込めなかった。
「それにしても、良くこんな作戦が通りましたね」
作戦計画書を流し見ながら、シンが呆れたように呟く。
「発案したのは、私だ」
マーチン・ダコスタは立ち上がると、シンへと向き直る。
「君と我々……新クライン派の間に、言葉では言い切れない因縁がある事は分かっている。 何を言われても仕方ないとも思っている。
俺達、いや俺はそれだけのことをしてきた。 忘れてくれとは言わない。 ただ、いまはいま少しの間だけ君の力を貸してほしい。」
「キラさんにも言いましたがね、思う所は色々ありますけど俺は少なくともここへ仕事をしに来たんです。
それと、ロウさんからもあんまりきつくしないように頼まれてますから」
深く頭を下げたダコスタに、シンは溜め息をつくと、静かに告げる。
「……すまない。 いや、ありがとう それでは作戦を説明する」
顔を上げるとボードに張られた周辺宙域図を指さすと説明を始めた。
「作戦自体は単純かつシンプルな陽動作戦だ。 まず本隊……実質陽動部隊だがな、本隊をジュール隊とユーラシア隊の二つに分ける」
「わざわざ兵力を分散させるんですか? どうせなら一纏めにして一個の戦闘団として運用するほうが相手も脅威に思うと思いますが」
「戦術にはそれが正しいし、普通ならそうするがね。 今回の作戦の肝は連携とタイミングだ。 なにしろ状況が複雑過ぎる。
シミュレイターや机上演習を何回か行ったが、そりゃ口に出せないほど散々な結果でね。
禄に打ち合わせもしていない部隊……元々敵対していた奴らを組ませるなら、それぞれ別個に運用した方がマシ。
それがザフト、ユーラシア軍上層部、現場のジュール隊、シュバリエ少佐率いるシュバリエ支隊の出した結論ってわけさ」
口を挟んだシンに、ダコスタは丁寧に説明する。
「……成る程」
「では続けよう。 本隊は別方向からアプリリウス1外周を攻撃するような動きを見せる」
無論、砲撃は厳禁。 あくまで敵を惹き付けるのが目的だからな。
本隊が迎撃機や艦を引き付けている隙を突き、本隊から分岐した挺身部隊が敵艦隊の全貌を把握。
可能なら一撃を浴びせ、敵に痛打を与え、此方にイニシアティブを取り戻す……それが今回の作戦目的だ」
頷いたシンを確認したダコスタは更に話を続ける。
「挺身部隊は二人の分隊に分かれる。 君はスリーソキウス分隊を組んで貰う。
これは所属の違う人間同士連携が取れるかのテストケースだ。
……まぁ、君は傭兵だから慣れっこだと思うが、よろしく頼む」
ダコスタの言葉を継ぎ、シュバリエが続ける。
「ちょっといいですか? 挺身部隊の撤退経路はどうするんです?」
「本隊はある程度攻撃した後、ミラージュコロイドを使用退避し、指定ポイントで待機。
ポイントに到達した後、艦載MS隊が挺身隊の退路を確保します。
挺身部隊は偵察、または攻撃成功後、本隊の指定待機ポイントまで後退。
予定では本隊は攻撃開始よりきっちり2時間待ち、挺身隊の帰還後アーモリー1へと帰還します」
挙手をして質問したシンに、スリーが答える。
「一応聞いておきたいんですが。 もし、2時間後に間に合わなかったら?」
それまで黙っていたディアッカが僅かに顔を引き攣らせおずおずと手を上げた。
「…………」
「…………」
「その際は、自力でアーモリーシティまで撤退して貰うことになる。
一瞬、その場に漂った沈黙を打ち消すようにモーガンは立ち上がり、真剣な表情で告げた。
「まぁ、こんな所か……出撃予定時刻は2時間後だ。 それでは各員の健闘を願う」
モーガンは表情を緩め、敬礼をするとその場を締めた。
アーモリー1工廠格納庫
ジュール隊の出撃を控え、ジュール隊専属の整備士や助っ人に駆り出された工廠技術員が慌ただしく機体の間を飛び回っている。
白とペイルブルーで塗装されたガルバルディα、その右側に黒をベースに朱色のアクセントが入ったブラストβ。
左側には全身をミッドナイトブルーに染め、左肩に鳳仙花のパーソナルマークのブラストβ。
半分は標準色のβだが、残りの半分はドワッジが占めていた
ガルバルディβはコンベで主力量産機の座を勝ち取り、性能、整備性がミネルバ隊での運用で実証されているとは言え、やはり生産開始から半年では数が足りず、機種転換訓練も充分ではなかったのだ
そのために、未だザフトでの主力量産機はドワッジであり、優秀な部隊に優先してガルバルディβを配備しているような状況だった
それでもジュール隊は予備機も含め、定数通りにガルバルディとドワッジが揃っている分、優遇されている方である。
アプリリウス1周辺での叛乱を受け、歌姫の騎士団の生き残りや周辺宙域で実地研修中だったパイロット候補生、予備役を召集して急遽編成された部隊では数合わせの為、旧式化し後方支援用に改修されたグフやザクまでかき集められ使われていた。
それでも改修機でもあるだけマシで、あるいはMSの定数割れを起こしている部隊も珍しくはなかった
ただ、幸運であったのはアーモリー1シティのプラント屈指の大規模な工廠が、連日フル稼働でMSを生産していた為、全ての部隊がなんとか定数を満たす事が出来そうな事だった。
その忙しい格納庫の端っこで見慣れた機影がこっそりと整備を進めていた。
胴体を深紅に染め、頭部四肢を白く彩ったGタイプ、インパルスエクシード。
そのコックピットの中でシンは細かな調整を行っていた。
「OS、FCS、機体動静……クリア。 システムオールグリーンと」
キーボードを操作し、システム周りの調整を終えたシンは一息ついた。
「シン、そっちはどうだ?」
「今、終わった所です」
局長からの通信にサイドボードへとキーボードを戻しながらシンは答える。
「そうか、そう言えば新型スーツの調子はどうだ?」
頷いた局長はふと思い出したようにシンへと問い掛けた。
「重量下じゃちょっと重いですけど、それ以外は最高です。
やっぱり新品は良いですね。 オーダーメイド品だとフィット感が絶妙です」
シンの今着ているパイロットスーツは赤服専用のスーツから改良された物だ。
赤をベースに胸部や腹部を中心とした重要な部位に黒い装甲が装着されていた。
両手の甲から肘周辺にかけては様々な機器が付けられ、手甲のようにも見える。
「重いのは我慢しろ。 宇宙空間での長期生存、瀕死の状態からの復帰、各種検査機器に人工呼吸器、心臓マッサージ機能。
オマケに耐熱耐衝撃防弾機能まで付けたらそうなって予算の関係でお蔵入りしていた……らしいぞ」
手元の資料を見んでいるのか、棒読みの局長。
「またどっかから引っ張り出してきた試作品ですか? 性能は良いの確かですから別にいいですけど」
「それは結構。 しかし、お前も忙しい男だな」
多少不満げなシンの感想に満足げな笑みを浮かべた局長は意地悪く笑った。
「好きでやってる訳じゃ無いですけどね」
投げやり気味にシンは答える。
『好きでやってるなら、そちらの方が問題だろう』
「まぁ確かに、でも仕事柄半分は好きでやってるってのは難しい所だな」
RBの言葉に頷きながらシンは溜め息をついた。
「やれやれ、ご苦労な事だ。 しかし……「フライヤーは2番じゃない! 3番と4番を先に出してくれ!」」
シンとRBのやり取りに肩をすくめた局長の言葉は後方にいるであろうコートニーの怒鳴り声に遮られた。
「忙しそうですね。 そっち手伝いましょうか?」
「いや、大丈夫だ。 工廠の人手を借りられる様になったから大分楽になった」
「これまでは極秘に進めてたから2人でやってましたからね」
状況が落ち着いたのか、シンと局長のやり取りを聞いていたコートニーが会話に加わる。
「ああ、全くだ。 エイプス班長には礼を言わねばならんな」
「全くですね。 二人で整備するのはもう沢山ですよ」
エザリア・ジュールからの資金資材の提供こそあったものの、基本的にインパルスエクシードの開発はアーモリー1地下で極秘裏に進められていた。
その計画を知るものはそれこそ両手の指の数で足りるほどしかいなかった為、整備も局長とコートニーの二人で行うしかなかった。
「なら、酒でも持っていってあげてください。 バーボンが好きだったはずですよ」
「そうか、覚えておこう。 ああ、言い忘れていた。 ドラグーンフライヤーが使えるようになった」
「へぇ……」
局長の言葉と共にインパルスエクシードのモニターに、ドラグーンフライヤーの詳細なデータが表示される。
かつてのシルエットフライヤーを大型化し、底面に鳥の足のようなアームが3本。
各部にハードポイントがあり、シルエットの他にもインパルスの各部位が搭載できるようだ。
「取り敢えず今回の出撃には二機付けておく。 インパルスの予備パーツも二機分組み入れて置いた」
「じゃあ、後はシルエットですか、じゃあソー「ソードシルエットは使えないぞ」」
局長の説明を聞き、答えようとしたシンの言葉はコートニーに遮られる。
「なんでです?」
「ジャン・キャリー博士から高性能砥ぎ機の技術提供があったんでチョイと小改良を加えようと思ってな。
そのついでにラミネート加工かABCでも施そうと考えてる。 細かい改良が出来るのは実体剣ならではだな」
「そういう訳で、今回使えるのはフォースとブラストって事だ」
首を傾げるシンに局長とコートニーは説明する。
「……それともう一つ。 ドラグーンフライヤーには太陽電池とコンデンサー、デュートリオン発信機が装備してある。 電源が落ちかけた時に使え」
「了解です」
「貴様の事だ心配はしていないが、一応言っておく。 生きて帰って来い」
─────────────────────────────────────────────────────────
「アスカさん、聞いていますか?」
「ええ、大丈夫です。 予定通り本隊が動いて迎撃機が出払った隙を付くんですね」
抑揚のないスリーソキウスの声に、意識をはっきりとさせたシンは改めて状況を確認する。
『手頃なデブリ……戦艦の残骸を発見した。 一先ずそこに身を隠す事を提案する』
「位置、大きさ共に好条件ですね」
戦艦の残骸、おそらくは緒戦で撃沈されたナスカ級に着艦すると、破口から内部へと潜り込む。
「念の為に、フライヤーは外で警戒モードにしといてくれ」
『了解』
身を隠した二機は破断口から、アプリリウス1外周を囲む艦隊へとカメラを向けた。
「……これは」
「戦艦、随伴艦多数、護衛のMSは……数えるのも面倒ですね」
スリーが僅かに驚嘆の声を上げ、シンもそれに続き、溜め息をつく。
アプリリウス駐留艦隊、オーブ艦隊の6割に加え、各シティに駐留していた内通艦隊、どこからか現れたザラ派の旧式艦、地球連合軍……ブルーコスモス派。
今の状況を端的に伝えるなら艦が三分に、MSが五分、残りの二分が宇宙とアプリリウスと言った所だろうか。
『E級一番艦エターナル、同三番艦メギドアーク、四番艦ホーリーセイバー、ゴンドワナ戦略空母。 アークエンジェルまでいるな』
「AA……だと? いつの間に宇宙に上げたんだ」
その名を聞いた途端、シンは苦虫を噛み潰したような表情を見せた。
『シン、思う所があるのは分かるがそう苦い顔をするな』
「分かってるよ。 大丈夫だ、お前が思っているほどガキじゃない。 気にするな」
RBの心配そうな声、相変わらずの表情のまま、吐き捨てる様に言った。
『だといいのだがな』
シンの答えに、RBは一先ず納得の色を見せる。 人間であったなら深い溜め息でもついていただろう。
「予定時刻まで残り1分。 準備は宜しいですね?」
「いつでもどうぞ」
スリーの問いかけに、シンは左の手首を握り、スーツの与圧を調整しなおすと、操縦桿を握り直した。
『ドライバー、スリー中尉。 護衛機が動いた。 本隊の攻撃が開始されたようだ』
RBの言葉にモニターを拡大すると、各艦から艦載機が飛び出していくのが確認できた。
ジュール隊、ユーラシア軍の進行方向へ二手へと分かれていく。
「護衛機が出払い次第行きます。 アスカさん突入準備を」
「了解。 RB、タイミングは任せた」
シンとスリーは唾を飲み込み、その時に備える。
『任された。 カウント5、4、3、2……1、エントリー!』
RBの合図と共にインパルスエクシードがナスカ級戦艦の外殻を切り裂くと、外殻を蹴り飛ばした。
「俺が囮になって撹乱します。 スリー中尉は敵勢力の把握を!」
「すみません。 キツイでしょうが、お願いします」
積もり積もった鬱憤を晴らすかの如く、暗幕を投げ捨てそれまで絞っていたスラスターを全開に吹かしアプリリウス外周を囲う艦隊へと突入する。
『ゴングを鳴らせ、ショータイムだ! Let's Party!!』
RBの叫びと共に、光学迷彩で隠れた二基のドラグーンフライヤーが接続されたヘッジホッグブラストの全火器、クロスフォースの予備のロングライフルで援護射撃を加える。
「テンション高けーな、オイ」
RBの雄叫びともいえる声に思わずシンは呆れたような口調で呟いていた。
「て、敵機視認っ! 一体どこから現れた!?」
「詮索は後だ! 迎撃機を出せ……出払っているだと? 直掩機があるだろう! 増援要請で出撃させた!?」
「後詰のアグレッサー、教導隊に出撃要請だ! 急げ!」
シン達と相対する艦隊は混乱の渦中にあった。 タイミングが悪いと言えば悪い。
指揮官バルドフェルトがラクス尋問の為に上陸し、他の上級指揮官達も不在と言う絶妙なタイミングでの奇襲だった。
もっとも作戦を立案したユーラシア軍にしてみれば、そこまで考えた訳ではなかったのだが。
「迎撃が疎らだな……」
艦隊中枢へと突入したシンは疎らな対空砲火に拍子抜けしたような声を上げた。
「時間稼ぎついでだ。 派手に挨拶してみるか?」
『ここまで反撃がないなら、それも悪くはないな』
RBの意見を聞きながらシンはライフルと胸部機関砲で手近な艦の対空火器を潰す。
「全貌の把握にもう少し掛かりますから、やって頂けると助かります」
インパルスエクシードの後方に位置してセンサーと光学機器を展開し、敵情の把握をしていたスリーソキウスが答える。
「了解。 決まりだな、RB。 ついでに換装テストもやっておこうか」
ソキウスの答えを聞いたシンは口元に笑みを浮かべた。
『分かった。 ヘッジホッグブラストを出すぞ』
RBの返答と同時にインパルスエクシードのクロスフォースシルエット、肩の追加スラスター、腰サイドアーマーのレールガンが外れ、闇へと消えていく。
代わりに現れたのは巨大な二門の砲のシルエット、左右で違うミサイルポッド、肩アーマー。
まるで引き寄せられるように、それぞれのハードポイントに接続されて行く。
『換装完了だ』
「全て終わるまでに3秒ってとこか……なんとか使えそうだな」
全てのパーツが装備された事をRBの声で確認すると、モニター端に表示させたタイマーを見ながらシンは呟く。
『“何とか”とは随分な言い方だな。 シルエットのみの交換に絞ればもっと早く終わる筈だ』
“何とか使える”と言うシンの言い方が気に入らなかったのか、不満そうにRBは意見した。
「言い方が悪かったのは謝るよ。 さぁ、派手に暴れようぜ!」
『フン、了解だ。 ドライバー』
あまりにも人間臭いRBの物言いに苦笑しながら、シンはフットバーを踏み込んだ。
突貫するインパルスエクシードに気付いたのか、冷静さを取り戻した何隻の艦が艦隊運動を開始する。
外周に展開していたナスカ級やローレシア級が中心部に位置するAAやE級の盾となるべく、インパルスエクシードへと立ちふさがる。
「……一方的に蹂躙するってのは好きじゃないんだが、仕事なんでな。 潰させて貰う!」
シンの咆哮にも似た叫びと共にHBインパルスエクシードはその全火器をもって攻撃を開始する。
ガルムの拡散ビームがローレシア級の砲塔を潰し、ケルベロスIIから放たれた三条の閃光がナスカ級の装甲を穿つ。
両肩の対空砲が反撃の為撃たれたミサイルを撃ち落し、左右腰のミサイルが推進部を狙い打つ。
「これで4隻っ!」
『警告。 MS接近、生体反応なし。 ……機種照合ドラッツェ。 数6』
シンが累計4隻目の艦を撃沈した時、アラートとRBの警告がコックピットに響く。
「ドラッツェ……? ああ、あの無人機か」
聞きなれない機種名に一瞬怪訝そうな顔をしたシンだが、モニターに映っていた画像を拡大するとすぐに頷きなおした。
暗青色に塗装されたMSの上半身とMAの下半身の中間機体が6機インパルスに向かい突進してきている。
『無人機だからといって舐めていると怪我をするぞ』
「分かってるさ……ん? 他も派手にやってるみたいだな」
RBの言葉に一瞬モニターから目を離したシンが次に見たのは、火球へとその姿を変えたドラッツェ。
その上方を見ると3機編隊のヘリオスmkIIが展開していたフォルファントリーを格納し、次の目標へと向かうところだった。
そこから少し離れた場所では同じく3機編成のブレイズ装備のガルバルディβが退路を断とうとするローレシア級へ向け、ファイヤビーの一斉射撃を放っている。
『これで作戦目的はほぼ果たしたといえるな。 しかしスリー中尉と離れすぎたか』
安全な後方で情報収集を行っているとは言え、敵の真っ只中、単機でいるのは危険だった。
「そうだな、そろそろ合流を……(何だ? 違和感、いや妙な感じが?)」
RBに同意し、頷いたシンは、目前の虚空に言いようのない不安を感じた。
「RB、前方に何かないか?」
『センサーに反応はないが、どうかしたか?』
確かにインパルスエクシードのセンサーに反応はない。
ただ、周辺のミラージュコロイド粒子が通常に比べ増加している。
「……ケルベロスIIを最大出力でチャージだ」
RBの返答から数秒の思案の後、シンは喉につかえた小骨のような違和感と不快感の正体を確かめる事とした。
FCSを射撃モードへと切り替え、操縦桿を握り締める。
『良いのか?』
「宇宙じゃな、センサーよりも勘の方が役に立つ時があるんだよっと!」
レイの思考をベースとしているが、ユニットRBはあくまで論理やデータを重視する。
勘と言う人間独特の感覚を信じたシンは、迷わずにトリガーを引いた。
最大出力で放たれたケルベロスIIの三種の閃光は暫く直進すると、何かに直撃し地面へと落ちた雫の様に散り、その光が掻き消えた。
「なんだ、ビームが弾かれた!?」
『この反応……PS装甲製の巨大な構造物か? しかし、ケルベロスIIの複合砲撃を弾く程のPS装甲だと!? まるで……』
ケルベロスIIの直撃でコロイド粒子が剥がれ半透明となった、筒状の何かの全景が露わになる。
シンは驚嘆の声を上げ、流石のRBも動揺は隠せずにいた。
「まるで、ジェネシスだな。 念の為だ、データ収集を頼む。 出来るだけで良い」
確認された構造物の詳細を確認しようと、インパルスエクシードは周辺を飛び回る。
『でかいな、数mはあるか。 ドライバー念の為に聞くが、こんな巨大な構造物の事を聞いた覚えは?』
「プラントのメインコンピューターにアクセスできるお前が知らないのに、俺が知ってる訳ねぇだろ」
バイオコンピュータとは思えない感想を漏らしたRBに、シンが毒づく。
『やはり聞くだけ無駄だったか』
「お前、本当にコンピュータか? 実はレイの記憶もあるんじゃないのか?」
『HAHAHA! たまには面白い冗談……む、暗号通信が入ってきているな』
不毛な会話を繰り返していたシンとRBだったが、インパルスエクシードにキャッチした暗号にその声色が変わる。
「ん? 暗号通信だと、発信元は? 内容は解読できないのか?」
『残念ながら無理だ。 高度に暗号化され、粒子通信で送られてきている。 軍司令部並みの施設でないと解読は不可能だ』
「ウィルスの可能性はないのか?」
『一応スキャンはした。 既存の粒子ウィルスとその派生系なら対処可能だ。
私もウィルスかと思ったのだが、暗号をミラージュコロイド粒子の中に紛れ込ませていたようだ』
矢継ぎ早に質問するシンにRBは冷静に答える。
「それだけ重要度の高い情報の訳か。 RB、スリー中尉に通信を繋いでくれ、すぐに撤退しよう」
シンが撤退を決断し、フットバーに足を掛けた瞬間、コックピットイに敵機の接近を告げるアラームが鳴り響く。
『上方3時方向から有人迎撃機接近……規模は中隊規模、数12』
「まだ目視は出来ないな。 機種は分かるか?」
RBの警句にシンはインパルスのメインカメラを3時、つまり右舷へ向けるとRBへと問い掛けた。
『いや、まだ判別は出来ないな。 拡大しても此が限度だ』
最大望遠にした画像をモニターの端に映す。
その姿は最大望遠でも爪楊枝の半分ほどの大きさで人型つまりMSである事と同一機種が6機づついる事が分かるくらいだった
「周囲の友軍に警告を……俺達は、前に出るぞ」
敵機視認から僅かな時間もかける事無く、迷う事無くRBへと告げると、シンはインパルスエクシードの機首を敵編隊へと向けた。
『殿を買ってでるのか?』
「殿と撤退戦は傭兵の華だからな」
RBの問いに、その背中に空間越しの殺気に感じ身を震わせながらも、笑みすら浮かべシンは答える。
『敵機レンジ3に接近。 機種照合……デルタフリーダム、ナイトジャスティス。 確かに脅威と考えているようだな」
「この構成、騎士団か?」
RBの警告に対し、誰に言うわけでもなくシンは呟く。
『この距離ではそこまでは分からんな』
律儀にもRBは答えを返す。
「いずれにしても拙いな。 その二機ならヘリオスやガルバルディよりも速い。 戦闘領域離脱前に追い付ける」
頭の中に叩き込んだスペックを引き出しながら、シンは表情を歪めた。
デルタもナイトジャスティスもクリティカルフリーダム、メビウスジャスティスにその座を譲り旧式化したとは言え、かつて最強と呼ばれたストライクフリーダム、インフィニットジャスティスのスペックをほぼそのままに量産化した高性能機だ。
その性能は最新鋭量産機であるヘリオス、ガルバルディに匹敵し、航行速度においては凌駕さえしていた。
『警戒レンジ2に進入。 スリー中尉のヘリオスだ』
「アスカさん、もう十分作戦目的は果たしました。 迎撃機が来ます、撤退しましょう」
後方から接近したヘリオスはインパルスエクシードの背後に付くと右肩を掴み接触回線を開く。
『中尉、追っ手はジャスティスにフリーダムだ。 このままだと追いつかれる可能性が高い』
RBはデータを送ると状況を説明する。
「それは厄介ですね。 では私が足止めを……」
スリーソキウスは珍しくその仏頂面を歪めると、その言葉に一切感情を乗せずに口を開いた。
「いえ、それは傭兵である俺の仕事です。 中尉は他の部隊を纏めて撤退を。
それと正体不明の構造物から出自不明の暗号通信を回収しました。 持って行って下さい」
スリーソキウスの言葉を遮ると、口元を引き締めたシンは淡々と告げた。
「しかし……」
「挺身部隊のデータをアーモリーまで持ち帰らないと全てが無駄になります」
未だ躊躇うスリーに、シンは語気を強め言い放つ。
シンはソキウスが躊躇う理由が分かっていた。
傭兵であるシンと同じく、いや、傭兵以上にソキウスは大西洋連邦内での捨て駒や殿の役目が多かった。
東アジアやユーラシア連合に籍を移してからはその役割は減ったものの、その困難さについては身に染みて分かっていた。
だからこそ、シン一人に任せるのは憚られたのだろう。
或いは、遺伝子を同じくする兄弟であるセブン、イレブンがその身に刻まれたナチュラルを守るという服従遺伝子に対する答え、
ナチュラルに有益なコーディネイターもまた守る対象である。という結論に無意識の内に辿り着き、シンを半ば見棄てる事にためらいを感じたのかもしれない。
「お願いします。 御武運と、幸運を」
暫くの思案の後、スリーは通信を切るとヘリオスを反転させた。
ヘリオスは高速で離脱しながら、信号弾を打ち上げる。
信号弾を見た挺身隊の各機が光の軌跡を描きながら合流地点へと後退していく。
「……さて、と。 RB、行けるな?」
挺身部隊の全てが後退したのを確認すると、シンはコンソールを指で叩く。
『インパルスエクシード、ドラグーンフライヤー。 システム、戦闘モードに移行完了。 いつでもいけるぞ』
「仕事が早いな。 じゃ、行こうか」
RBの返答にシンは満足そうに頷くと、インパルスエクシードを前進させた。
さるさんかな?
避難所町?
容量が足らんのかもしれん。
ちょっとスレ立てやってみる。
さーせん! さるさん喰らったんで夕食とフロに行ってましたorz
避難所にも書きましたが、改めて此方にも。
今回は以上です。 冒頭では大変すみませんでした。
ご意見ご感想ご批判等何かありましたらよろしくお願いします。
>>834 MOR ◆wN/D/TuNEYさん乙です。
>>829でこの話終わりと言うことで良いんですかね。
ここで切られると次が来るまで全裸待機するしかないですな。
スレの容量見たら491kBを示してるので、次にSS投稿する職人さんは次スレかな?
という訳で埋め。
>>834 MOR氏、乙です。今回は一戦前の前哨戦って感じで次回へのwktkがありますな
しかし、RBよ。『ゴングを鳴らせ、ショータイムだ!Let's Party!!』 っておまえ中身違ww
アラスカでは大統領無双が行われているのか・・・
大統領専用スーツか・・・・・
もうあいつ(大統領)だけでいいんじゃないかな?by連合兵
ラクス「キラ!アスラン!シン!さあ殺し合いなさい!
勝ち残った人をわたくしの全身全霊を持って愛して差し上げますわ!」
「「「いや、謹んでご遠慮申し上げます」」」
>>840 全身全霊?いや、俎板は遠慮させt(ry
>840
トリプルノックアウトですね分かります。
その昔、「カテジナのその後を想像するスレ」という名スレがあってだな…
>>840 ミーア「あのぉ・・・・ではわたくしがかわりに・・・・・・・」
「「「うおおおおおおおおおおおお!」」」
「やめてよね 君たちがスーパーコーディネーターである僕に勝てる訳無いだろ」
「負けられない!負けられない理由がある!俺の婚約者だし」
「あんたらはいったいなんなんだぁ!」
「三人ともちょっとそこに正座なさい」
しかしこの三人のバトルロイヤルって三すくみになりそうだなw
キラは凸とやって(相撃ちにはなったが)負けた事はない
凸はシンに圧勝したがキラには勝てない
シンは唯一キラに勝ったことがある
ところで
>>でかいな、数mはあるか
数kmの間違いっすよね?
>>845 このスレ仕様のキラ凸シンならともかくとして
本編仕様のキラ凸シンなら、正直「シン>>凸>>キラ」の順だと思う
凸はシンに勝ったとき、こんな↓チート機体使ってたし、シンは唐突にアロンダイトのビームが消える運命に乗ってる
ttp://www.death-note.biz/up/j/1808.wmv 運命の攻撃がシールド発生部にあたるも無傷、運命の攻撃ではキラアスランの機体にダメージを与えることは
最初から不可能でした、と
反対に凸は運命とバッテリー機のグフで戦ってるけど、運命はバッテリーが切れるタイプの機体
シンは核機の自由やNダガーN相手にバッテリー機のインパで勝ってるので、この段階で凸よりは技量が上
え?キラさん? キラさんはまず自由とか和田とかの機体に頼りっぱなしになる悪癖を何とかして
ルージュで秒殺達磨されないレベルまで技量上げるところから始めないと…
あの時はストライクじゃなぁ・・・と一瞬思ったけど
たしかパック有りだと素インパよりは機動性とかも高いはずなんだよな
つーかオーブのフラグシップ機なんだから強化されてるのが普通。
それも国費横領に関して右に出るものなしのアスハ家の物だしなwww
普通だけど
でも強化はされてないと思う
しかし
ストライクでのキラ様の戦いはちょっと面白かったな
フリーダムの戦闘がつまらなすぎたせいか余計そう感じる
いや
ルージュは
支援AIが搭載されてる時点で
技量補正強化度がヤバい
ちなみに、エールは飛行可能で
しかもグフに追い付くことが出来るレベルまで
推力が改良されてるらしいぞ
1.装甲がVPSの雛型でABC盾と併せて防御力上昇
2.支援AI搭載で反応速度が先読み
3.エールの推力魔改造でグフ以上の機動性と飛行速度
これくらいか?
ちなみに、外伝の方だと
沙漠で、性能がM1以下のプロトアストレイ(しかもOS接地圧改良無し)で武装ポン刀のみで
バクゥ・ジンオーカー・ザウートそれぞれ五機づつ計15機に、さらにディン三機の
敵の群れを相手に無双する、戦闘は門外漢のジャンク屋がいるので
正直、「どうしてこうなった…どうしてこうなった!!」状態かと
素体であるストライク自体も少し各部改修すれば種死時代でも十分一線級のシロモノ。
というか特務部隊やエースパイロット御用達な分ウィンダムなんかより絶対強いぞ。
ってそういやネオは貰えてなかったなw
やはり、使えるバンクが無いとキラさんは・・・
>ってそういやネオは貰えてなかったなw
危険人物だし
本来の姿を思えば指揮官と言う立場だけで破格だよ
むしろなんであんな立場にしたんだろうか
>>854 ストライクには使えるバンクが山ほどあっただろ
あってあのザマだから救いようがないんだよ
そういや種映画ってどうなったんだろ
半年くらい前に監督が「ようやく脚本が上がった、これからコンテ作る」とかいってた覚えがあるんだが
858 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 18:30:50 ID:m1FnFuLu
>>853 ぶっちゃけ基礎性能だとフリーダムよか強いと思う
ザフト側が運命(や和田)でやっと到達した稼動範囲を素で実現してるっぽいし・・・
フリーダムは核出力に頼った力技で無理やり高性能化してるだけっていうw
sage忘れスマン・・・
ちょっと貧乳!って叫んでk
ストライクフリーダムの演出のためにわざとやったんだろうけど
あれはちょっと微妙だったよね
当時種死キラアンチだった自分ですら
いやもっとやれるだろと思ったもの
同じ新型機への踏み台役でも
ストライク(整備万全・敵より性能上)と
エクシア(ボロボロ・敵の方が強い)では印象が違いすぎる。
>>861 ボロシアは僅か数分の出番だけで、激烈な印象残したからなぁ…勿論良い意味で。
結局、あのルージュは単なる宇宙ポッドと変わらない扱い・・・カガリ涙目すぎるw
というか、借りるよとか言いながら返す気皆無だったしな
埋め
げっ、トリつけっぱにしちまった…もうちょっとなので埋めます
埋め
埋め
500kbならムチムチ熟女こそが至高!
なんと・・・
500Kbなら…………!! 500kbなら!!
お嬢様が理想のプロポーションを得られる薬を手に入れる!!
シン好みのボンキュッボンの、悩殺アメリカンビューティーに生まれ変わる!!
そんでもってシンとの間に愛の結晶が産まれる!!
くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
実現してくれえええええええええええええええええええええええええええええええ!!
頼むからあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
>>870が真実となれえええええええええええええええええええええええええええ!!