ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXXY
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
そうか、建ててくれたか……
自分が
>>1乙女座の男であった事をこれほど嬉しく思ったことはない。
>>1乙
スレ終了間際に新職人が来てくれるなんて、このスレはまだまだ元気だ
シンとイライジャのコンビは結構新鮮
この二人って一つしか年が違わないんだよな
風花もあれから7年も経ったなら、さぞかし美人になっていることだろう
それはそうと作者さんに一つだけ言いたい
7年も経ってるのに身長が伸びないどころか縮んでるシンはあんまりだw
一応公式設定では168センチはあるんだぞ
五年前167センチあったのに今年測ったら165センチになってた俺がいるよorz
ちなみにまだ四捨五入しても二十代だからな。おっさん化して縮んだわけじゃないぞ…
あれ? イライジャってキラと同年齢だから、二年くらいは離れてね?
>>1乙
新職人出現とな・・・・しかも二人も。
逆シンスレはあと十年は戦える
>>8 CE71の時点では、キラ:16歳、イライジャ:15歳
ちなみに風花は同時期に6歳なんで、メサイア戦から7年後だと15歳ですね・・・たっ食べごろじゃ〜〜ん
12 :
なんとなく:2009/12/17(木) 22:40:42 ID:???
みなさま、こんばんわ
そして>1さん 新スレお疲れ様でした
これより 最終話 後編を投下開始します
おー
14 :
なんとなく:2009/12/17(木) 22:41:54 ID:???
前回までのあらすじ
ダムを引っ張られると地味に痛い
最終回 後編
「マーズ!!呼吸を合わせるんだ」
「応、どりゃあ!!」
「ペンは拳よりも強いんじゃい!!」
「流派東方あたりは不敗?は奥義 天叫けぇーーん」
拳や蹴りがアスランに襲い掛かる
そして、それを全てその身に受けるアスラン
「・・・ふふふ・・・ふははは・・・ははははは!!効かん!!」
しかし、それは全て弾かれる
「どきな!!」
ヒルダの拳銃が火を吹いた
「はっ、ほぉ、よっと」
アスランはその弾丸を腰を振る動作で避ける
「このバケモノが!!」
ディアッカとルナマリア、メイリンがナイフを持って背後から襲うが
「甘い!!甘すぎる!!」
振り向きざまの回し蹴りで文字通り一蹴された
「強い・・・強すぎる」
その余りの強さにキラが呻いた
その言葉にアスランは仁王立ちして不敵に笑う
「そうだ、キラ、俺は果てしなく強くなった それこそ武器も要らない、服もいらない程に」
「「「「「「「「「「「いやいや、服は着ろよ」」」」」」」」」」」」」」」
15 :
なんとなく:2009/12/17(木) 22:42:53 ID:???
その頃、
「HAHAHAHAHA」
首領はまだ落下していた
その時、首領の目にキラリと何かが落下していく奥に見えた
そして落下していくと同時にその全貌が明らかになる
それは巨大なMSだった
そしてその頭部には・・・・・・・・
「「「「うわぁぁああ!!」」」」
アスランに挑んでいた者たちが一斉に吹き飛ばされる
「ちくしょう、疲れ知らずなのかよ・・・」
巻き込まれたロウが呻く アスランは吹き飛ばされ倒れた者たちを見下ろしていた
「そうだ、俺に疲れは無い そしてこの場で俺は・・・無限だ!!」
その言葉と同時に物陰に隠れていたラクスやチビーズたちの悲鳴があがる
床、壁、ありとあらゆる場所から大小さまざまなアスランが這い出てきた
無数のアスランに囲まれるアスカ芸能事務所と議長一行
「忘れていたのか?すでにこのプラントはアスラン・ザラそのものだと!!」
さらに無数のアスラン・ザラが床や壁から這い出てきた
首領が目にしたもの、それは巨大なジャスティスガンダム
そしてその頭部に半身を埋めたアスラン・ザラの姿だった
「そうか!!こいつが本体か!!今まで出てきたアスラン・ザラはみんなクローンか!!」
アスランが首領の存在に気がつく
赤く光る目をぎらつかせて巨大なジャスティスの腕が首領に迫る
「ふん!!このSXKYぃな首領が目を覚まさせてやろう!!」
自ら回転して首領の速度が増していく
ジャスティスの腕をすり抜け、一直線に頭部のアスランへと向う
「目を覚ませ!!アスラーーーーーン!!」
首領の放った蹴りは見事にアスランの本体を直撃、
そのままジャスティスを貫通して背後の壁にアスランを叩きつけるまでにいたった
アスランのめり込んだ壁には衝撃の大きさを物語るように巨大な凹みが出来てる
尚、その出来た窪みがどこかの蝙蝠ライダーの必殺技よろしく
アフロの形になっているのはご愛嬌である
そして、コアを失ったジャスティスは機能を失って崩れ去った
16 :
なんとなく:2009/12/17(木) 22:44:49 ID:???
プラントが揺れる
「な、なんだ?」
絶体絶命だった芸能事務所一行と議長一行
しかし、突如の揺れと共にアスランたちが崩れ去っていく
「こ、これは助かったのか?」
「いいえ、ここは危険そうですよ」
はんぺんさんの安堵の声にNo3が不安そうに呟く
「わたしはおでんの具ですか? ともかくガルナハンディステニーまで逃げましょう」
皆が逃げるなかマユが一人、首領を探していた
「おにいちゃーーん」
「マユちゃん逃げるよ!!ここは危なすぎる!!」
「でも、お兄ちゃんが・・・・」
「大丈夫!!マユのお兄ちゃんはシンで・・・首領だから!!」
コニールに手を引かれその場をマユが後にした直後、その場は崩れ去った
プラントが火を吹いて崩れ去っていく
「は・・・ははは・・・プラントが・・・あはは・・・」
「キィラーーー いやぁーーしっかりしてーー」
プラントから離脱してゆくガルナハンディステニーの中、崩れ去るプラントを見て呆然と笑うキラ議長
そして茫然自失の議長を泣きながら揺さぶるラクス・クライン
「せめてもの救いはプラントの人間 全員このMSに避難出来た事か・・・」
がっくりと肩を落としてディアッカが呟いた
その時に、崩壊するプラントからきらりと光る何かが飛び出して来た
回収されたものは脱出カプセル
しかし、その中に入っていた人物はアスラン・ザラ一人だった
「お兄ちゃん・・・おにいちゃーーーーん」
こうして後にアスラン・ザラの大乱心と呼ばれるプラント崩壊事件は
たった一人の行方不明者と言う結末を迎えたのだった
エピローグに続く
17 :
なんとなく:2009/12/17(木) 22:45:58 ID:???
最終話 投下完了
毎回のとんでもな話にお付き合い下さいありがとうございました
エピローグは少し時間を置いて投下します
GJ!!!
そろそろ首領もエピローグか……
さてさて、どんな終わり方をするやら。楽しみであります。
19 :
なんとなく:2009/12/17(木) 23:47:50 ID:???
エピローグ
あれから一年の月日がたちました
今ではみんながそれぞれの道をまた歩み始めています
「みんなありがとー」
「「「まったねー」」」
「YU−MA!!YU−MA!!」
マユちゃんとチビーズはアイドルユニットを結成して頑張っています
もちろん、コニールさんやヒルダさんも芸能活動に勤しんでます
「うちの女房に連絡まわしてくれ!!え?相場が変動?」
「きりきり働け、この色黒だんな」
ディアッカとNo20は結婚して会社経営に夫婦で忙しいとか
「はい、アスカ芸能事務者・・・」
「マーズさん、2時にまでにTV局に車回して!!」
「あらあら、皆さんお茶が入りましたよ」
アスカ芸能事務所にはNo3が入社して以前よりも華やかになりました
首領の机はいつでも帰ってきていいように毎日コニールさんが綺麗にしています
「はぁ・・・また一からやり直しだよ・・・」
「キラ、今度は私もついてますわ」
「ありがとう ラクス」
一旦崩壊してしまったプラントですが、各国の援助で予定以上に早く復興する事が出来ました
しかし、様々な問題をまだ抱えているようです
キラ議長の心労はまだ続くようです
でも、アイドル辞めてまでキラを支えると誓ったラクス夫人がいるので大丈夫ですよね
「先生たち!!早く原稿を下さい!!流石の俺も気にします!! 」
「「「大丈夫だ!!気にするな!!」」」
少女漫画家イザーク・ジュールの弟子の二人
熱血少年と不思議少女が荒廃した世界を仲間達と天竺を目指し旅する
代表作・少年漫画『ガンダーラX』 少年漫画家 ロウ・ギュール
そして、ロリコンを書かせたら右に出るもの無しの18禁漫画家 村雲劾
彼らは今日も担当編集を泣かせているようです
20 :
なんとなく:2009/12/17(木) 23:49:02 ID:???
「ふぅ・・・今日はこれくらいで書くのをやめるか」
以外かもしれませんがアスランは獄中から耽美小説を発表して
それが世間で大当たりしています タイトルは『愛ゆえに』だとか
「・・・はぁ・・・キラ」
もう少し反省したほうがいいとは思いますけどね
「みなさーーん 私は今、ナイアガラの滝の目の前にいます」
ルナマリアさんは自身の冠番組を5つも持つ売れっ子芸能人に
・・・まぁ、大概の場合は体当たり系の内容のようですが
そして、妹のメイリンさんは・・・アスカ芸能事務所 社長代理として
その敏腕を振るっています
他にも様々な人が自らの道を歩んでいますがみんな一つだけ信じている事があります
もちろん、私も信じています 寧ろ、確信しています
なぜなら・・・・・・・
「社長ーーー フレイ専務が呼んでますよ」
「今、行く 待ってろ」
本当に死んでたら真っ先に私、トールがうちの会社にスカウトに行きますからね
21 :
なんとなく:2009/12/17(木) 23:50:22 ID:???
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
その日、地球圏に激震が走った
たまたま合同宇宙演習をしていたプラント、連合の艦隊のレーダーに
正体不明の複数の飛行物体が映った
そして、その正体はすぐに判明する
宇宙を泳ぐ鯨の群、羽鯨は実在したのだ
その一報は地球圏全ての人類に伝わり大騒ぎとなる
そして、地球に羽鯨がついにやってきた
地球に羽鯨が降り立った場所は『ガルナハン』
多くの人々が一目この瞬間を見ようとガルナハンに押しかける
そして、ついに羽鯨が現れた 人々はその姿に驚愕する
アフロを被った羽鯨とその上に腕を組み
仁王立ちで不敵に笑う褌一丁のアフロの男に・・・・
その男は高らかに人々の目の前で言い放った
「今度は宇宙規模でプロデュースだ!!」
今度こそ本当に続かない
22 :
なんとなく:2009/12/17(木) 23:51:20 ID:???
これにて 首領の話 完全にお仕舞いにございます
これまでお付き合いくださった皆様、真にありがとうございました
またお目にかかる機会がありましたら その時は宜しくお願い申し上げます
それでは
GJ!
その内マクロスでも始まりそうな世界だ……
お疲れ様でした!
GJ!そして完結乙!
いや最後まで笑かしてもらいましたがラストは王道、大団円!
いい物語を見せていただきました
>>なんとなく氏
完結お疲れ様です〜。首領よ、あなたはやはり我々レベルでは図れるような人では無かったか・・・スケールでかすぎでもうねw
完結乙です!
アフロ被った羽鯨といいロリコン村雲劾といい流石のネタ塗れw
首領にはかなわないがw
27 :
サンタ:2009/12/18(金) 19:07:10 ID:???
なんとなく氏、完結乙です!
アフロの羽鯨……なるほどそうきたか……!
こちらも避難所に投下したので、どなたか代理投下お願いします。
ではまた。
第01話‐始動‐
C.E.79年、11月14日。
L3宙域に所属不明の戦艦三隻が航行していた。
ひとつは改アークエンジェル型大型戦闘艦『アマデウス』。
ザフト軍に足付き、ブルーコスモス盟主のムルタ・アズラエルからは不沈艦と呼ばれたアークエンジェルの改良型だが、最大の特徴であった左右の"足"はなくなり、アークエンジェルの改良型と言われても、誰も頷けないだろう。
むしろ、ザフト軍のミネルバに近い形をしている。
そしてアークエンジェル最大の武器であったゴットフリートだが、アマデウスの主砲はミネルバと同じタンホイザーとなっている。
もうふたつは改ナスカ級MS搭載強襲駆逐艦『ヨーゼフ』と『ヴァン』。
こちらも改良されており、ナスカ級の泣き所であった火力の少なさを補っている。
この三隻の目指す場所とは、L3宙域に漂う資源衛星『フューチャー』。
プラント最高評議会にて未来と名付けられた資源衛星は、表向きにはコーディネイターの出生率を上げるためのラボとされている。
そこに三隻は向かっていた。
「艦長、格納庫からの連絡です」
アマデウスブリッジ。
アマデウスクルーの中でも取り分け若い少年オペレーターがまだ声変わりを終えていない声でアマデウス艦長に告げる。
「格納庫から?なぜ?」
「えーっと、クシュース中尉が突然体調を崩し医務室へ運んだ、とバレル少佐が」
「分かりました、と伝えて下さい」
「了解しました」
オペレーターの少年は慣れた手付きで目の前のキーボードを打つ。
「艦長、残り3分で資源衛星フューチャーに到着します」
「分かりました。各艦、ファントムシステム展開中止。総員、第二種戦闘配備。各MSパイロットはMS内で待機です」
「ハッ。各艦、ファントムシステム展開中止!総員、第二種戦闘配備!MSパイロットはMS内で待機!繰り返す!」
鮮やかな赤髪を伸ばしている女艦長が指示を出す。
改ミラージュコロイド技術であるファントムシステムで姿を隠していたアマデウスは、目的地である資源衛星フューチャーに接近するため、それを解く。
このファントムシステムはミラージュコロイドの欠点であった熱紋や電磁波をも隠すステルス機能を有しているので、見つかることはまず不可能に近い。
そしてアマデウスに続き、ヨーゼフとヴァンもファントムシステムを展開を中止する。
姿を晒した数秒後のことだった。
「艦長!MS接近してきます!」
「MS?数は?」
「一機です!」
「一機ですって!?」
「モニターに出します!」
一機で出撃してくるのにも驚いたが、ブリッジのモニターに映し出されたそのMSを見て、アマデウス艦長のフロウ・アーガイルは二度驚くことになる。
「あれは……デスティニー!?」
『ラクス様の邪魔をする奴らは……俺が消してやる!!』
* * *
アマデウスの格納庫。
自身の愛機の中で待機していた青年は艦長の驚いた声と敵の声に笑みを見せた。
「聞こえたか?ステラ。デスティニーだそうだ」
『ですてぃにー?』
すぐ近くで自分と同じようにMS内に待機している少女にオープンチャンネルで話しかける。
あどけない少女は首を傾げながら、『ですてぃにー……ですてぃにー……?』と復唱する。
「シンの機体だ」
『シン……?だぁれ?ステラ、分かんない……』
記憶を消してしまった少女はもう憶えていないようだった。
「無理に思い出さなくていい。それより、いつも通りにな」
『うん!』
少女の太陽のような笑みを確認した後、青年はオープンチャンネルを閉じる。
出撃だ。
『ユビラーテフォビドゥン、発進スタンバイ。右舷カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。発進区画、非常要員は待機してください。発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。カタパルト推力正常。進路クリアー。ユビラーテフォビドゥン、発進、どうぞ!』
「了解。ユビラーテフォビドゥン、レイ・ザ・バレル、行くぞ!」
青年―――レイ・ザ・バレルが愛機であるユビラーテフォビドゥンで出撃する。
言わずもがな、旧地球連合軍のフォビドゥンの発展機だ。
オリジナルのフォビドゥンとの違いはその特徴的な大鎌ニーズヘグが二本になったことと、その機体色が黒になり、まるで魂を刈る死神のような姿になったことだろう。
『続いてエクスルターテガイア、発進、どうぞ!』
「エクスルターテガイア、ステラ・ルーシェ、出る!」
続いて宇宙に飛び出したのは少女―――ステラ・ルーシェと愛機エクスルターテガイア。
こちらも旧ザフト軍のガイアガンダムの発展機だ。
「スピカ、待ってて。ステラ、絶対に帰るから」
家で待つ"妹"にそう誓い、ステラは白いエクスルターテガイアを人型形態からすぐさま四足獣形態へ変形し、レイのユビラーテフォビドゥンを追った。
To Be Continued.
>>27 というわけで代理投下させていただきました。
>>30のみ、そのままコピペすると『改行が多すぎます』エラーが出るので
空行をいくらか削らせて頂いております事をご了承ください。
アマデウス隊が何を目的としているか、スピカとは何者か、
そしてシンが目覚めるのはいつの日か引き続き楽しみにしています。
巨乳を活躍させれば監禁拷問されて
かといって微乳をフィーチャーすればやっぱり粛清されではどうすれば…
>>31 代理投下GJ
どうなるか楽しみだ
そういや前スレラストに投下されてた埋めネタの逆襲日記じゃない方、誰か保存してくれまいか…
やろうとしたけど無理だったorz
美乳をもちだせばイインダヨ!
そして何故か持ち出される奇乳
たまにはしりとかふとももも思い出してください
逃せない一瞬、逃したらもう終わりの緊張感がいいんだろうが。
というわけでパンチラで
パイスーやスラックス組の立場がないぞ
かくれきょにうはだめですか?
ところで、前スレ
>998 :プランA :2009/12/18(金) 18:16:30 ID:???
>う、生まれるーー!
ってことなんだが期待してていいんだろうか?
>>31作者氏 代理の人乙です。
さてさて、いろいろ興味をそそる単語が出てきましたな。これからの展開に期待します。
ところで貧乳はさんざんネタにされてるけど、
逆に逆シンオリキャラのなかで巨乳属性のキャラクターっているの?
オリだとバジ姐さんと……ナナ子、ベル子はどうだっけ?あと、一応大公もオリキャラ扱いで良いのか?
ロミナママンも情報の少なさゆえに半オリキャラとなってると思う
あとアイリス辺りか
なあ、将来大きくなりそうな人はありか?
45 :
サンタ:2009/12/19(土) 16:43:41 ID:???
>>31 代理投下ありがとうございました。
こちらこそお手数をおかけして申し訳ありませんでした。
それではまた。
>>42 エコー7はアスリート体型で小さめだが形が良い。ベル子は背の割に大きいと妄想してる
するとこんな感じか
ロミナママン=バジ姉=大公閣下=大学生>ベル子≧ななこ>姫様≧みなたま>(将来性の断崖絶壁)>>>お嬢様
>>48 よし、じゃあプランBで行こう、プランBは何だ?
>>50 プランBってたしか本編のデスティニー2だろ?
それをいうならプランCじゃないか?
ああん?ねぇよんなもん
プランD、所謂ピンチですね
プランAがグーン素体の這い寄る混沌的な何か
プランBがデスティニーから無駄を徹底的に省いて特化させたデスティニーU
プランCはバビの改造機で股間と脚にアロンダイトとか?
プランOでおっぱいミサイル搭載だと思ったんだが…
それなんてアフロダイA?
プランD
インパルスのコアスプレンダー、ストフリの上半身、インジャの下半身が合体した
通常のインパルスの10倍の出力を持つまさに究極のインパルス。
……冗談ですよお嬢様
ストフリの上半身がチェストフライヤーのポーズで飛んでいくのか…
>>57 某局長「素晴らしい発想だ。 ドラグーンフライヤーと折れない対艦刀も付けよう。 ……その代わり装甲厚が1cmを切るがね」
いや、装甲ではなくレースカーのカウリングになるんだよ
>>57 多分合体シーンでは串田アキラの曲が流れると思う。
インパルス・ザ・グレートか
>>62 コロニーレーザーでインパルスとシンを物理的に融合させようと言うのか
64 :
中身:2009/12/20(日) 02:06:01 ID:???
新しい職人にGJを。そしてなんとなく氏完結お疲れ様です。
これでこのスレで完結したSSっていくつになるんですかね?
自分も完結まで持っていける様頑張りたいと思います。
では投下します。新編「違えた意思」編です。
違えた意志編
「やはり抜けてきましたかキラ・・・」
「はい。ヤキン・ドゥーエVは既に陥落。整備補給をする事を前提に、凡そ3日後にはこちらの防衛線と衝突するでしょう」
プラント、アプリリウス・ワンにある議長官邸。その執務室で、ラクス・クラインは秘書からの報告を受けていた。
「その防衛線ですが・・・もう少し下げて構いません」
「と、言いますと?」
「プラント市民が不審を抱かず、SOCOMが長距離砲撃を躊躇するギリギリの距離に防衛線を張って下さい」
SOCOMとプラント防衛艦隊が衝突する予定の宙域、侵攻ルートから見ると、
防衛線を引くとなると丁度プラントを背中に背負った形となる。
本来なら流れ弾が飛び込まぬ距離で戦闘を行うのがセオリーなのだが。
「キラ・ヤマトは撃てないと?」
「ええ、彼は撃ちません。倫理的にもですが、プラントの被害の上に勝利を掴んだとしても、誰も彼には付いて行かないでしょう」
「・・・了解しました。防衛線の位置を再調整するよう通達しておきます」
それはラクスにも言える事なのだが、彼女には声がある。
最大の武器であるそれを行使すれば、プラント国民を抑える事も容易い。
秘書は軽く頭を下げると足早に執務室を後にした。扉が閉まるのを確認し、執務席に取り付けられた端末を操作する。
数度のコールの後、如何にもマッドサイエンティストという風貌の中年がモニターに青白い顔を映した。
『お呼びですかラクス様』
「SOCOMがヤキンを突破しました」
『ほぉ、あの大将が突破されましたか。それで、私に何をせよと?』
プラント側の不利を示す情報に、しかし男は嬉しそうに顔を歪める。その顔は爬虫類を連想させる。こちらがこれから言う事を予測出来ているであろう男に、改めて命令する。
「彼らを起こして下さい。貴方なら3日で出来るでしょう?」
『その御言葉を待っておりました!反逆者からプラントを救った英雄。最高のデビューだ!!』
興奮した様子を隠そうともしない男が、モニターの中で狂喜乱舞している。
見ていて気持ちの良い男では無いが、デュランダルと同じ研究チームにいた事もあって優秀な事は確かだった。
挨拶も無しに通信を切ると、ラクスは革張りの議長席に深く沈みこんで溜息を吐く。
「・・・貴方も、結局私を置いて行ってしまう結果になってしまいましたね」
頭の中には、長く味方だった、最終的には自らの手で葬った人々の顔が浮かんでは消える。
何時からか見る様になった悪夢に最愛の男が加わるのを想像して眩暈がした。しかし、自分がここで倒れる訳にはいかない。
国として三流だったプラントが漸く一人前になれる所まで来ているのだ。
ここで踏ん張れば、プラントを永く栄える一流の国にする事が出来る。
それが出来てこそ、ここに住まう国民に平和を与える事が出来る。
それを成し得るのは、国の為にあらゆる物を犠牲にしてきた自分であるとの自負があった。
「来なさいキラ。国が、歴史が、貴方と私どちらを望んでいるのか・・・この戦いではっきりさせましょう」
新たなデブリに囲まれたヤキン・ドゥーエVは蜂の巣を突いた様な喧騒に包まれていた。
調印が終了後、SOCOMが出撃な準備を整えていたからである。
「艦隊の損耗率は?」
「幸い、撃沈された艦は少ない。ただ、無傷の艦も無い。中破認定の艦が多いのが悩み所だな」
寝不足の疲れた顔を突き合わせ、男達がうんうんと唸っている。艦長以上の者を集めた会議は、補給修理の問題に終始していた。
メカニック達には、既に艦やMSの修繕に当たってもらっているが、何処も人出が足りないのが現状であった。
「あのぉ」
「ん、なんだ」
窮屈そうにパイプ椅子に収まる艦長達の中から、控えめに手を上げる男が1人。イザークに先を促されて立ち上がった。
「私の艦はやはりあのままなんですかね・・・?」
「貴様等は優秀な戦力だ。先の約束は違えてしまったが、それ相応の艦を与えたい。だが・・・」
やや気まずそうなアーサーに、イザークが答える。プラントを前にした決戦では、今回以上の激戦が予想される。
受容する筈だった新造艦なら、アーサーもそんな心配はせずに済んだのだが、生憎当の新造艦はプラントへ逃亡してしまった。
幾ら艦に愛着があるとは言っても、旧式艦でその戦場に出るのは自殺行為に等しい事はアーサーにも分かる事だった。
「新造艦程では無いにしろ、今現在ヤキン・ドゥーエVには貴艦よりも性能の低い艦は存在しない」
「その通りです・・・」
頭では分かっている事でも、改めて言われるとショックな物である。
確かに、メサイア戦没後からザフトの使用兵器類は完全な代替えを完了している為、
現在ザフトの艦で1番性能が低いのはローラシアU級であり、そこからUが抜けたギャズは更に劣る。
「であるから、ヤキン・ドゥーエVから艦を借りる事が出来るか掛け合ってみよう。半壊の艦くらいは融通が効くかも分からん」
「はぁ・・・」
予想通り期待出来そうに無い答えに、頭の中が暗くなる感覚を覚える。
しかし、もう後には引けないのだ。艦長として、傭兵団の司令として、不安を外に出す訳にはいかない。
「大将がある程度の物資の提供を約束してくれている。各員交代で4時間ずつの休息を取り次第出撃。
その間に物資の詰め込み作業と艦及びMSの修繕に全力を注いでくれ」
「他の質問が無い様なら当会議を終了する」
キラがその後の予定をまとめ、イザークが会議を閉会させる。
会議の題目全てに答えが出た訳では無かったが、如何せん時間が無いのである。
足早に自らの艦に戻っていく艦長達と共に、アーサーも細身のパイプ椅子から立ち上がる。
立った拍子にガタンと音を立てた椅子が、今の自分達の状況さながらに不安定に見えた。
「艦の件はどうなりましたか艦長?」
「いやぁそれが・・・一応検討するみたいだけど、どうなるか分からないのが本当の所だよ」
損傷が比較的少ないギャズは、ヤキン・ドゥーエVに接岸した形で停泊している。
会議室は要塞の中央付近にあった為、我が家に帰ってくるのも一苦労だ。
そんな家主がブリッジに入って直ぐ、アビーから質問が投げかけられた。
「この艦も限界です。先の戦闘で、これが最期だと思ってエンジンに大分無理をさせましたから・・・」
「あそこまで派手な戦闘機動とった事無かったからね」
アビーの元にはギャズの各部署から送られてくる情報が集まってくる。
この老兵の体の事を1番分かっているのは、アーサーとアビーである事に間違い無かった。
2隻の艦を相手にした時の急旋回、急加速、その後包囲網に全速力で駆け付けた事が、老兵の心臓を蝕んでいた。
「機関長も直すより艦を乗り換えた方が早いと言っています」
エンジンの御守をする機関長は、アーサーに勝るとも劣らぬ程ギャズに愛着がある。
支援
その彼がそう言うのだから、本当にギャズは限界なのだろう。
「艦長、MSの修理には目途が付きました。まだ戦闘に耐えられませんが、取り合えず次の戦闘までには間に合いそうです」
自動ドアが開き、シンとルナマリア、ヴィーノがブリッジに入ってくる。シンの手にはブリッジ要員と自分達の分のレーションが積み重なっている。
「分かった。引き続き修理を続けてくれ。・・・もう食事の時間かい?」
「ええ、ブリッジ要員は食堂に来る暇が無いだろうからって」
ギャズの胃袋である食堂を指揮する料理長の配慮だった。
確かに、艦の頭脳たるブリッジ要員達は、あの戦闘の後から碌に席を立っていない。
通信機で担当部署と引切り無しに通信を行っていたマイク達も、レーションに釣られたかの様にこちらに体を向けた。
「助かるよ。一緒に食べるとしよう。もうみんなヘトヘトだろう?」
アーサーの柔らかな声でブリッジの小さな食事会が開かれた。24時間ぶりの食事に舌鼓を打つ。
皆が無心で食事をする中、アーサーはアビーと談笑しているヴィーノに声をかけた。
「ヴィーノ、もし艦を換えるとしたらMSの運搬作業にどれぐらいかかる?」
「ん〜、資材の運搬もありますから、半日以上はかかりますね」
「半日なら何とかなるか・・・。有難う」
フォークを咥えながら喋るヴィーノの言葉を確認し、食事を一時中断して考え込むアーサー。
そんな彼の座る艦長席に設けられた電話が突然けたたましく鳴り出した。
危うく膝に乗せたトレ―を落としそうになりながらもそれに応じる。
電話を鳴らした人物は、今アーサーの頭の中にいた人物と同じであった。
『イザークだ。先程の艦の話だが、何とか出来るかもしれん』
「本当ですか!?」
いきなり大きな声を出すアーサーに、艦長を注視していたブリッジの面々は目を丸くしたが、彼にそんな事は関係無い様だ。
「どういう艦でしょうか?ローラシアU級ですかね?」
『いや・・・それがな』
艦の機種を問うアーサーの鼓膜を、イザークの歯切れの悪い返事が揺らした。
「やっぱり壊れかけですか?戦闘前にある程度補修出来るのならこっちで何とか出来ますが?」
『まぁ待ってくれアーサー司令。大将が譲ってくれた艦は、そんな簡単な問題じゃないんだ』
「どういう事ですか?」
微かに眉を顰める艦長に、どうやら雲行きが怪しくなってきたらしい事を感じたシン達が聞き耳を立てる。
『実はな。その艦は大将が半分趣味で造ったツギハギ艦なんだ。
ダミーの防衛艦隊を造る際に余ったパーツに武装を搭載した代物らしい。
艦名も無ければ、ザフトの認識コードも持っていない』
「・・・それ、本当に動くんですか?」
こんな短時間に代わりの艦を用意出来るなんておかしいと思っていたのだ。ザフトの認識コードを持っていない。
即ち、軍の保有戦力に入っていない事から都合が効いたのだろう。
キラがこの事を知れば、工作が好きな先生らしいと笑う所だろうが。
『勿論だ。搭載火器の火力も大した物だし、足も速い。しかし』
「バランスが悪いんですね」
『ああ。艦載容量が少ない事についてはあまり実害は無いだろうが、如何せん装甲が薄い。
PS装甲もラミネート装甲も使用されていないからな』
ツギハギというだけあって、使われている装甲材がバラバラなのだろう。装甲が薄いのも仕方が無いと言えた。
「とりあえずその艦を見てみます。我々が使えるかどうかは、その時に決めますよ」
『そうか。例の艦はそこから少し離れた・・・』
SIEN
イザークからツギハギ艦が停泊している場所を教えて貰うと、礼を言って受話器を置く。
顔を上げたアーサーの周りには、ブリッジクルー+aが不安で一杯という顔でこちらでこちらを覗きこんでいる。
しかし、クル―達が不安がっている時こそ、艦長がそれに呑まれてはいけない事をアーサーは知っていた。
「ほら、念願の新しい艦だ。一緒に見に行く者は20分後にエアロック集合!」
教師さながらパンッと手を叩いたアーサーに、各員は了解と口を合わせると各々の作業に戻っていった。
例のツギハギ艦は、ギャズが接岸しているブロックから3つ離れたブロックに収容されていた。
シンやアーサーを含めた見学組が、その巨体を見上げる。見上げるとは言っても、その全長、全高共に戦艦としては小さめだ。
ナスカU級が土台となっている様が窺える尖った船体を、ワインレッドで塗装している。
「思ったより悪くないじゃん」
「確かに見た目はな」
シンとヴィーノの会話を余所に、船体の各所を丁寧に見ていくアーサー。船体の中心は間違い無くナスカU級だが、
トレードマークの三又の鉾と言える前方に伸びた3つの突起物の内、両舷の2つが根こそぎ無くなっていた。
代わりにローラシアU級の物と思われる火器がこれでもかと両舷から突き出ている。
これを見ただけでも、イザークが同意していたバランスの悪さが分かる。
「ああ、こりゃ火力が強いのは正面に対してだけですね」
火器管制を受け持つチェンが、アーサーと同じ感想を洩らす。
両舷に搭載されたローラシア級の主砲、及びレールガンは急造品の為か可動域が狭く、
カバー出来るのは精々正面90度と言った所か。
左右にも対応出来る武装はVLSがあるが、その数は元のナスカU級より幾分か少ない。
「旋回速度にも難がありそうですね」
操艦を任されているマリクも不安そうに呟く。ナスカ級は本来、両舷の推力を利用する事で軌道変更を行うのだが、
火器プラットフォームと化している両舷には申し訳程度のバーニアしか装備されていない。
その代わり、船体重量が減った艦の足はナスカU級より早いのだが。
「まぁまぁ2人共、そこは君達が頑張れば良いじゃない。僕もしっかり指揮するからさ」
方をポンッと叩く上司に少し勇気付けられる。
「シンはどうだい?感想は」
「色や形、性能といい、なんか暴走族のバイクみたいですよね」
確かに、速さを追求したかの様なフォルムと性能、派手な色も相まってそう見えない事も無い。
シンも昔はミネルバにバイクを持っていく程、走るのが好きな人間である。
ツギハギ艦を見上げるその横顔には、気に入ったという言葉が張り付いていた。
「で、名前は何にします?コイツの」
シンの言葉に、1番大事な事を忘れていたとアーサーの顔にしまったという色が浮かぶ。
ギャズもグリッグスも、アーサーが命名した物である。
艦に名前を付けるのは艦長としての醍醐味の1つでもあるのだが、彼はそれが苦手であった。
上記の2隻も、丸々1ヵ月悩んで命名した物だ。
今回は急な事で全く考えていなかったのである。アーサーがうんうんと悩んでいると、見兼ねたシンが案を出した。
「ゴーストなんてどうです?」
「ゴースト?なんでだい」
「いや、この艦って色んな艦の残骸から出来ているんでしょ?
それに、ギャズの魂を継いでいるっていうか・・・兎に角格好良いじゃないですか!」
「良い歳して全くもう・・・」
そこら辺のセンスは一向に大人にならない恋人に、ルナマリアは頭を抱える。
「そんなに変か?」
「いや、良いんじゃないかな?呼びやすいし」
あっさりとシンの案を認めたアーサーに、本当にそれで良いのか!?
という目が向けられるが、当のアーサーは気付かない。
「性能としても、癖はあるけど悪くない。時間が無いから、名前も決まった事だし早速引越しの準備だ」
アーサーの一声で、手早く決まった新しい艦、「ゴースト」への引越し作業が始まった。
紫煙
ギャズだのゴーストだのSASに出向してた俺が歓喜する名前である
マクミランとかプライスとかソープとか期待w
74 :
中身:2009/12/20(日) 02:17:20 ID:???
今回はこれで終了です。
新編とは言っても、前回と繋がっているのであまり新鮮味は無いですね。
しかし、前回出番が少なくなってしまったシンちゃんが、今回は活躍する予定なので気長に待っていて下さい。
乙です!
しかし……突撃砲かモニター艦みたいな船だなw
笑ってる場合じゃねえだろキラ! ……ああ、他人事だからかw
>>73 マクミランは過去エピソードで登場するよ、きっと
継ぎ接ぎと聞くとフリッケライガイスとやラピエサージュ思い出すな
色々と癖の強い鑑っぽくて面白そうだ
ところで運命やインパは予備部品無さそうだけどこっちも継ぎ接ぎ?
倒した相手のパーツを付けていくメダロット的な展開はアリですか……
ステンバーイ…ステンバーイ…
《これより女湯(逆シンスレ女性キャラ揃い踏み)に潜入する。援護を》
>>79 《こちら山猫。 蛇、陽動は任せろ。 諸君、派手にやろう!》
in 女湯
興<遅かったじゃないか……
干<見事な手際だ。や ら な い か
>>80 《HQ! HQ! こちら裏庭! ちくしょう、なんて数のトラップだ! まるでC4とセントリーガンのバーゲンセールだ!
クソッ、しかたがない。フッ……なに、俺がちょっと見てきてやるよ。大丈夫だって心配すんな。すぐに戻る。
それに俺このミッションが終わったらこの金で病気な妹にクスリを買ってやって、すぐにもう一人の妹の結婚式に行かなきゃな……。
あと明後日は娘の誕生日だったな……。
いいな、もし一時間たっても俺が戻らなかったときは、別れた女房に「すまなかった」と伝えてくれ……。
では、いってくる》
《…こちら鴉。見張りの誘導に成功した。暖簾は替わっていない模様》
>>83 《すまん、あとは私に任せて先に行け! 写真と映像も忘れるなよ!》
なぁ・・・逆シンスレの全女性陣って何人いるんだ?
少なくともアスランクローンのODK48と49だけでも50人近くいるのだが・・・
もしかして100人越えてるとか?
無論筆頭はモッケルバーグ様(なんのだ)
>>86 オリキャラなら数えようと思えば数えられるけど、本編キャラだと同じキャラでも職人さんによる解釈の違いによって別人って言っても良いほどかわるからなぁ。
上でも出てたけどロミナママンは描写が皆無だから人によって全く違う。
シンと同じ想いから味方になったり、同じ想いを持つが故敵対したり、全く関係なく孤児院作ってたりするしな。
描写が多いミナなんかもGSC氏verは計算高く狡猾な印象だが、MOR氏verは自分がやりたいように好き勝手やってて、ライオン氏verは厳しく見えて案外優しい感じだったり、人によってかなり違う。
ルナマリアにいたってはアフターものでも、同僚・序盤でフェードアウト・敵組織のエースから、
シンといちゃついてたり、年増になってたりと一番変化が激しい気がする。
シンからして千差万別だからな
アニメとあまり変わらないのからアフロまで
ロミナママンも帰るべき場所なヒロイン張ってたり巨大企業の総帥でMSの操縦まで出来たりしたりと結構差が激しいな
…前者は白ロミナ、後者は黒ロミナって感じだ。性格も大分違うし
おいおい、まだ100レスも行ってないのに血糊の掃除なんかさせるなよ!w
シンはどの職人のも根っこは割と似たかんじだと思う、嫁以外の脚本家と高山・ちまきが頑張ってくれたおかげだが
異色なのは守銭奴と独裁者とアフロくらいか
狂人も冷静に考えればかなり原作とかけ離れてるけどな。ただ狂人の場合は変化していく様子をきっちり段階踏んで描写してるから説得力はあるが
>>73 イザークが乗ってるソーコムの旗艦がプライスじゃなかったっけ?
その点女体化しようがどーなろーがヅラはヅラ
ウザくてもまともな先輩でも全条件対応型キャラだぜヒャッハー
連ザ2puls
最終決戦で高感度が高いとキラを裏切ってこっちに付く
ガンダム無双2
シロッコ「お前裏切りすぎじゃね?信頼して大丈夫なの?」
シン「俺が過去に拘るのを決めるのお前じゃねーから、それ俺が自分で決めることだから」
スパロボZ
キラが覚悟完了してカミーユ達とシンを救う決心をしたところで「シンはもうダメかもしれない」発言
その後キラにダメ出しされてカミーユに怒られる
スパロボK
敵時にフェイス権限で出撃を拒否する
ガンダムVSガンダム
キラ「アスラン、まだイージスになんか乗ってたの?(笑」
キラですら良改変されるのにアスランだけはゲーム関連でもダメダメだな
維持は1000コスでは強い方だからまだ良い
問題はストフリアシストの隠者、こいつを使いこなさんとコンボでダメが更に取れなくなるorz
アスランはへタレで使えない奴でハゲだからアスランなんだよ
違うな! 間違っているぞ、
>>100!
初恋が人妻でへたれでファザマザコンでバイセクシャルかつキラたんハァハァな薄ら禿蝙蝠が凸。
負債補正が抜け、ジエッジや高山版、各種二次創作の、でこの広いキラの親友でシンの(元)上官がアスラン。
どうも、960です。早々とガンクロに登録していただいてありがとうございます。
そのガンクロに登録されているタイトルなのですが、「劇場版ガンダムSEED 逆襲のシン」を含まない「Turn Against Destiny」での登録をお願いします。登録してくださった方、紛らわしいことをして申し訳ありません
今夜八時頃から第2話を投下させていただきます
>>102 承知致しました。
第2話拝読の上、登録の際に併せて組み直させていただきます。
>>105 ありがとうございます。よろしくお願いします。
Turn Against Destiny
第2話「歌姫の騎士団」
「最悪だ」
「いや、勧告もなしにいきなり撃ってきたし……」
「そんなことは問題じゃないんだよ!」
輸送船の重力ブロックの一角、刑事ドラマに出てくる取り調べ室を思い起こさせる狭苦しい部屋で、シンとイライジャはパイプ椅子に座らされていた。中年の男は立ったままである。赤みがかったホクホク顔はどこへやら、今や青筋が立ってまるで亀……以下検閲削除。
「どうしてくれるんだ、お前ら!今後の成り行き次第じゃ、契約金も払わないし、損害賠償請求するかもしれないぞ!」
シンは考えていた。目の前のよく肥えた、ハゲ頭が目立つ中年の男――もうこの際、社長と呼称することにする――の喚き散らす言語の群れのことではなく、捕虜にした歌姫の騎士団員のことをだ。
「歌姫の騎士団」――その仰々しい名前の通り「歌姫」たるラクス・クラインを戴く、ザフトの中から選抜されたエリート軍人の集団のことだ。その大半はMSパイロットで構成されている。
(騎士団はザフトの中でも最高水準のモラルと実力を持っていたはずだ。騎士団員を名乗る偽物か?それとも……)
シンは立ち上がった。目の前で社長が喚くのをイライジャがなだめているのが目に入り、とりあえずこの場はイライジャに任せることに決めた。
「おい、聞いてるのか!どこに行く!」
「……ちょっと騎士団の人に会ってきます」
「おお、そうか!靴を舐めるでもなんでもして、なんとしてでも許してもらえ!さもなきゃ、契約金は……」
「シン、早く行け」
渋面を作ってみせたイライジャにシンは頷き、船室を出た。騎士団のパイロットはブリッジにいるということはわかっている。通信のログやら、シン達のことやらを探っているのだ。
グリップを握り、狭い通路を行く。やがて、ブリッジとそれ以外とを仕切るドアから、数人の男が怒鳴り合う声が聞こえてきた。
「だからァ、ウチはただの運送屋だって言ってるでしょ!」
「ふん、あの積み荷を確かめないことには何とも言えんな。何の理由もなしに、ザフト司令部が貴様らの捕縛を命じると思うのか」
「理由がなくてもそうするのが今のザフトだろうが!」
「何だと貴様!」
ドアがスライドし、シンはブリッジに泳ぎ入った。オペレーターの所まで一気に飛び、そのシートの背で勢いを殺す。
「おう、シン。偉いことになってんぞコレ」
「やっぱりなあ。とりあえず謝った方がいいのか?」
怒鳴り合うクルーと騎士団員とを交互に眺めながら、シンはポツリと呟いた。その呟きは怒鳴り合いの喧騒の中にあってやけに響き、クルーと騎士団員は一斉にシンの方を振り向いた。
「おお、シン!そうだ、お前のMSのガンカメラならこいつらが勧告なしに襲撃してきたのを記録してるよな?!」
「え、ああ……。なあ、アンタ騎士団員なんだよな?さっきアンタと戦ったザクTのパイロットの……」
その時、ザフトホワイトは急にシンを指差した。
「……その黒髪に赤い眼、それに『シン』という名前……まさか貴様、いえ、あなたはシン・アスカさんでは?!」
「…………は?」
「いや、間違いない!デュランダル前議長の懐刀シン・アスカ!まさかお会い出来る日が来ようとは……!」
金色の髪が乗った頭を振り振り、何やら感極まった様子のザフトホワイトを尻目に、シンは言葉を発することが出来ないでいた。事態は予想の遥か斜め上を行っていたのだ。
「失礼致しました。私はデュランダル派の人間でして……。あ、ザフトを離れて長いアスカさんにはお分かりになられないでしょうから、ご説明致します。
そもそも、今のザフトが一般部隊と騎士団に別れているのはご存知ですね?」
「ああ」
「その騎士団が、派閥によって更にいくつかの集団に別れているのはご存知でしょうか?」
つまりは、こういう事だ。ラクスは派閥、思想など、そういったものに一切頓着せず、優秀でモラルの高い者は誰でも――つまりメサイア戦役でラクスと敵対した者も――騎士団に誘い入れ、差別も区別もなく遇した。
この待遇は、元ザラ派やデュランダル派の一部にもラクスに対する高い忠誠心を抱かせることに成功したが、ザラ、デュランダル両派の中でも理知的な中立派や、パトリックやギルバートを今でも信奉するような者までは懐柔することが出来なかった。
「結果、騎士団は現議長の熱烈な信奉者のみでは構成されず、内部はいくつかの派閥に分裂しているという訳です」
ふうん、と頷いたシンだが、そこでとある疑問が浮かんだ。
「まあそれはわかったけどさ、アンタらがこの艦を勧告なしに襲撃した理由は何なんだよ?」
「え……ええと、それはですね……」
軍規だから言えない、という返事が返ってくるかと思っていたが、実際に返ってきたのは、鼻のすぐ横にある大きなほくろをこすりながらの、実に歯切れの悪い応答だった。
「えっと、あの、それはですね、確かにザフト司令部からこの艦に対して臨検、場合によっては捕縛せよという命令を受けてきたのですが……」
いい加減イライラしてきたシンは、オペレーター席の背をコツコツと指で叩く。定期的にシートを襲う振動に、座っているオペレーターが嫌そうな顔をした。
「本来であれば、勧告をした後にこちらの指示に従わないのであれば攻撃する、ということになっているのです。
しかし、今回は、その…………騎士団に対するネガキャンの一環も兼ねていまして……」
「……」
シンだけではない。ブリッジにいる者全ての時間が止まった。
つまり、デュランダル派の彼らは、ラクス・クラインの騎士団に対する管理責任を貶めるために、今回の任務で勧告を無視して攻撃をかけてきたのだ。
ただでさえイライラを募らせていたシンの怒りが有頂天……もとい、頂点に達した。
「……アンタらって人達はァ!!軍ナメてんのかこの三流!!」
六年前のことだ。
「じゃあ、これで残務処理もお終いね。……これで、いなくなっちゃうんだね」
「別に、消えてなくなる訳じゃないよ。ルナと俺のことも、これでお終いって訳じゃないだろ?」
六年前のことだ。
「うん。……ねえシン、……」
「……」
六年前のことだ。
敗残兵となったシンは、一年かけて敗残兵としての負債を支払った。戦争犯罪者としての裁判では、正義の騎士アスラン・ザラの熱烈な弁護により、晴れて「ギルバート・デュランダルと彼の子飼いの部下に、家族を失った痛みにつけ込まれた哀れな少年兵」となることが出来た。
「行くのか、シン・アスカ」
薄手の黒いジャケットに白のTシャツ、深い青色のデニムパンツといった出で立ちのシンに声をかけたのは、切り揃えられた銀色の髪に白い肌、鋭い視線、ついでに白い軍服。
「ジュール隊長?」
「久しぶりだな、シン・アスカ。ユニウスセブン以来か。メサイアでは会うこともなかったが……」
「ええ、会えなくて良かったですよ。……ラクス・クラインに味方して、俺達を裏切ったあなたを墜とさずに済んだ」
ザフトの隊舎を引き払う時のことだった。偶然の出会いとは思えない。恐らく、イザークはシンを待っていたのだろう。
「フン、確かにな。俺は裏切った。俺やディアッカを救ってくれた大恩あるギルバート・デュランダルを売り、ラクス・クラインを取ったのだ」
「……どうして?」
当然の疑問だった。イザークの口調には少なからず自嘲の色が見て取れたし、それ以前に、簡単に自軍を裏切るような人物には見えなかった。少なくともユニウスセブン破砕作業の時には。
「今更何を言っても言い訳にしかならんが……」
「構いません。気にしません。教えて下さい」
「………………メサイア攻防戦の時、この戦争はもう我々の負けだろうと思った。このまま負けて戦争が終わった時、俺達はどうなる?
いや、俺のことはどうでもいいんだ。ただ、戦後、部下達がどんな目に合うかも知れんと考えると、ああする他ないと思った。あの時は、それ以外に部下の生活を守る方法はないと思ったんだ」
「……それが、裏切った理由なんですか」
「ああ、笑ってくれて構わんぞ。罵ってくれても構わん」
「……笑えませんよ」
メサイア攻防戦以降のシンからは、奇妙に表情が抜け落ちていた。六年後には多少なりとも感情らしい感情を取り戻してはいるが、この当時は、キラ・ヤマトのように悟った風でもなく、ただただ感情の起伏がなくなり、能面のような無表情で毎日を過ごしていた。
「……時に、シン・アスカ。貴様、ザフトを辞めるのはいいが、これからどうするつもりだ」
「傭兵をやろうと思っています。俺に出来ることなんて、戦うことぐらいですから」
「そうか。……いや、実は、風の噂で聞いていた。貴様が傭兵をやろうとしている、と。まあ幸か不幸か、今の世界は紛争には事欠かんようだしな」
そこまで言って、イザークは軍服のポケットに手を突っ込んだ。何やらゴソゴソと探り、取り出した掌の上には古めかしい紙手帳があった。挟み込んであるペンを握り、滑らかに書き込んでいく。
「誰にも頼れなくなった時は、ここに連絡しろ」
手帳のページを1ページ、破る。丁寧に折り畳み、シンの手に握らせた。握らされた当のシンは、困ったように笑う。
「いいんですか、こんなことして。誰かに見られたら、妙な疑い持たれても文句言えませんよ」
「いいんだ。……」
言い切ったイザークの目は、シンではないどこか遠くを見ていた。
「俺が、俺の正義と信念に基づいてしたことだ。誰にも文句は言わせん。……それと、まだ貴様に渡すものがある。ついて来い」
返事は聞かず、イザークは早足で歩き出した。慌ててついて行くシンを自分のエレカに乗せ、走る。
エレカの上で、イザークは終始無言だった。シンとて、余りお喋りな質ではない。自然、会話はなくなった。
「ここだ」
辿り着いたのは宇宙港だった。個人用と思しきドックにエレカをつけ、そこからまた歩く。しばらく歩く。
「……ここだ。電気を点けるぞ」
カチリ、という小さな音がすると、真っ暗な空間が急に明るくなった。そこには、一機のMSと一機のシャトルがあった。
「これ……ザク?」
「どうせザフトからはろくすっぽ退職金も貰えなかったんだろう。傭兵をするのに、金も自前のMSもないでどうする気だったんだ」
図星だった。それこそ雀の涙以下の退職金しかなかったシンには、傭兵をやる当てなどなかった。しかし、そこは体一つで何とかすると楽観的に考えていたのだ。
「俺の隊で使っていたザクウォーリアだ。本当なら俺が使っていたファントムか、グフを回してやりたかったが、そちらは他の部隊に取られてしまってな。こいつで精一杯だった。済まんな」
奇妙に固い表情のイザークの口から呟くようにこぼれ出た言葉は、その表情と同じように固かった。固い表情のまま、そうそう、と、イザークは呟く。
「月面のデスティニーが、何者かに回収されたそうだ」
今回は以上です。ちょっと短めですが、次からはもうちょっと長めになります
コテ付け忘れたorz↑は私ですので。
キャホーイ、第2話キター!投下乙です〜
イザーク、お前という奴は・・・キョシヌケー言ってた時代から随分と成長しちゃって。どこぞの正義の騎士(笑 の凸とは大違いだなwww
そして、元議長派な騎士団員とは珍しい、と思ったら間接的だがシンにとばっちりが来るようなアホな事をw
てか、デスティニーパクった奴出てこいやー!もし悪用しようものならば・・・
次回も楽しみにまってますぜ〜
騎士団員のナメた思考にシンの怒りが有頂天となったこの怒りはしばらく収まることを知らない
達磨状態の運命を誰かが回収とは……利用するにして、どんな形になるのやら。
次回もお待ち申しております。
乙っす〜
この議長派騎士団員シンを派閥の神輿にしたいだろうけど
もうシンにそんなやる気はないっぽいな
GJですっ!!
読みやすい文体に加え、ところどころに気を引くキーワードがちらほら。これは期待せざるを得ない。
つか軍なめてるってレベルじゃねーぞ騎士団(笑)!! 自警団あがりの軍隊ごっこ集団はテロと軍事行動の区別もつかんのか。
にしてもデスティニーを持ち去っていくような組織なんて……
いや、まてよ……。たしかどこぞの貧乳社長の会社の研究員が最新鋭のMS作るって言ってたなたしか名前はプランA
おや、こんな時間に誰だろう?
平均値がひんにぅならひんにぅじゃなくなるんじゃね?
というわけで、もっと貧乳が増えてもいいとおm
面白い意見だな、つまりは比較対象が無くなれば。そこには巨も貧も無くなる…と。
お嬢様、核のボタン持ち出そうとしないでください。
960氏GJ!!続きに期待
>>117 >>118 だが待ってほしい。胸囲というものは努力や環境次第では増えるものなんだぞ
具体的には軍などの肉体系職業やメタボ患者だ。そういう女性がいるかぎり
書類上の数値の差は出てしまうだろう。
ぶっちゃけミナ様のも胸は胸でも大胸き
シン女難スレで、女性を貧乳にする機械をラクスが作らせて世界の全ての女性の胸を
ラクスと同じサイズにするって内容のSSがあったのを思い出したw
>>122 …やめろ、冗談じゃなく世界が滅ぶ
主に既に大きい人と将来有望な人対貧乳な人(お嬢様とか一部を除いたコニールとか)の最終戦争で…
あれ、でもお嬢様はむしろ大きくなるのk
>>123 そこで現れたのがパルマされると大きくなってしまうシン。
世界は戦争からシン総奪戦へと…
シンにタッチされると胸が大きくなる、と。
…おい、某企業やらヨーロッパの島国とかが物騒なことになってるようだが
胸に拘るから争いになるんだろう?
もっと色々他に目を向けようぜ。
絶対領域とかうなじとかチラリズムとか鎖骨とかヘソとかニーソとかガーターとか
>>126 絶対領域とかニーソとかガーターとかおぬし判っておる
絶対領域…一部の女性キャラってスーツ着てたりするよな
アズ娘のほっそりとした脚も映えるが、やっぱりロミナママンのような豊満なおみ足の方が見る価値があると思う
「三次元の女たちなぞ、私にとっては相手にならない小物ばかり」
『そういうことならシンの親友である俺が一番だな』
シン「どうしてこうなった」
この感情……まさしく愛だ!
この流れなら!
>124
大きくなるのがシンなら問題ないよな
「…どうしてこうなった」
呆然と呟く若い男―16歳のシン。
メサイアが堕ち、ルナマリアの膝の上で無力感を噛み締めていたはずの彼は、いつの間にか廃墟群の中にたたずんでいた。
瓦礫の影から通りを伺えば見たことも無い軍旗を掲げた陸戦部隊が砲火を交え、上空ではウィンダムやザクの発展系のような新型モビルスーツが切り結んでいる。
「どうして、こうなった…!?」
呟くシンの真上に滞空していたザクの系列機と見られる機体が、次の瞬間通り過ぎた黒い機体のシールドから伸びた刃にズタズタにされて落下する。
巻き添えにされてたまるかと慌てて瓦礫の陰から飛び出したシンの背後で派手な爆発を起こし、瓦礫もろとも木端微塵となるザク。
ふうと息をつく暇もなく、シンの数百メートル先で戦闘していた陸戦部隊が何かに吹き飛ばされる。
ぎょっとして顔を上げた16歳のシンの目に映ったものは、土煙の中に佇むインパルスを強化改修したような機体。
全体的に鋭角的になったインパルスのツインアイが輝き、その両腕に握っていた短く分厚い二振りの対艦刀が炎を反射して鈍く光った。
その眼光に射すくめられ、息を呑むシン。
『……ザフトのシン・アスカだな?』インパルスの外部スピーカーがどこかで聞いたような声を発した次の瞬間、インパルスが宙に浮いた。
そのままスラスターから尾を曳いて上空に飛び上がったインパルスと、先ほどザクを撃墜した黒い機体―地球連合のブリッツ系か―が激突する。
金属が接触する甲高い音を立てながら一度離れ、数十メートル飛び上がって再び接触。
インパルスの右のロンゴミアントがブリッツのトリケロスから伸びた対装甲ブレードを受け止める。
追撃とばかりに左のロンゴミアントが繰り出され、ブリッツのがら明きのバイタルスペースに食い込む、その直前。
ブリッツの右膝から展開したブレードが左のロンゴミアントを阻んだ。
一瞬後またも離れた二機から、外部スピーカーを開くザザッという音がする。
『レッドアイ! 邪魔をするな!』インパルス―インパルスエクシードから響く声。
『それはこっちの台詞だ、赤鬼』ブリッツ―ネロブリッツVから放たれた声。
「どうなってるんだ……?」地上からその戦闘を見ていた16歳のシンの声。
経年によってか多少の違いはあるものの、その声質は全くと言って良いほど同じだった。
ぎょっとなる16歳のシンを他所に、上空の二機の言い合いは加熱する。
『悪いけどこっちは後が無いんだよ! 冤罪を晴らす為には成功させなきゃならないんだよ!』
『後が無いのは俺も同じだ! うちのスポンサーがなんかヤバイのは知ってるだろ!』
『ナイスバディな未亡人と爆乳な相棒に食われるんだから願ったり適ったりだろ!? 火遊びも出来ないこっちの身にもなれよ!』
『やかましい! 前も言ったけどムチムチ19歳にフラグ立てたまま元恋人のフラグもきっちり回収する奴に言われたくねえよ!』
『女王引っ掛けてといて何言ってる! しかもロリでスレンダーだぞ!』
『セットで筋肉髭達磨まで付いてくるんだよ!』
何度か空中で交錯しながら互いに罵声を投げつける二機。
あんぐりとそれを見る16歳のシンは背後から忍び寄る影に気がつかない。
『正直、ちょっと前までスポンサーついてなかったうちとしちゃ羨ましいかぎりだな』
「な!?」
またも外部スピーカーを通した自分そっくりな声に振り返ると、灰色のデスティニー――ウォルフガングがその手を伸ばしてきていた。
『恨むなよ。これも依頼だ』
16歳のシンの襟を抓み、持ち上げようとするウォルフガング。
『『――いろんな意味で一人勝ちにさせてたまるか!』』
が、それに気がついた上空の二機がロンゴミアントと対装甲ブレードを構え突っ込んできた。
『見逃せ! この幸せ者×2!』
『『お前がいうんじゃねぇ!』』
16歳のシンを放り出し、飛び上がって応戦するウォルフガング。
三つ巴となった戦闘は、治まる様子を微塵も見せない。
なんとか立ち上がった16歳のシンが叫ぶ。
「どうしてこうなった!」
>>131までの流れを見て書いた
後悔はしていない。逃げる。
まさかSSが来るとは思わなかった
今はひたすら乙でいっぱいである
>>134 乙です…いつシンが踊り始めるのか不安でしたが
さて、明日はクリスマスイヴなわけなんだが……
諸君らは、なにか予定はあるかね?
>>134 ヒャッハー! 勝手に続けてやるぜぇー!
「どうしてこうなった……俺は、こんな所に……」
16歳のシンは半ば放心状態になりながら、上空を虚ろな目で見詰める。
そこには、3機のMSが何時終わるとも知れない戦いと罵倒の応酬を続けていた。
とても聞くに堪えない放送禁止用語が続き、16歳のシンから力が失われ、その場にへたり込む。
「この野郎! 魔女の婆の釜にでも堕ち『アラームメッセージ! MSノ降下ヲ確認! スミヤカに退避セヨ』 なんだと!?」
対する二機に罵倒を飛ばしていた赤鬼はRBからの警告にその場から急ぎ離脱する。
((……ああ、レイだからか))
RBの奇妙な警告音声に妙な納得をする二人。
オープン回線によってRBの警告が聞こえた二機も赤鬼に倣い距離を取り始めた。
大気圏を突破し樽型の降下カプセルが地上へと落下する。
地表に叩きつけられるかと思われたカプセルは空中で分解、中からMSが飛び出した。
「一体、どこのどいつだ!」
怒りと共に怒鳴りつけたレッドアイの前に三機のMSが立ちはだかる。
一機はジャスティスタイプ、二機はデスティニータイプ。
「ジャスティス……アスランか!?」
レッドアイズのシンがジャスティスタイプに驚きの声を上げる。
「違う、あれは……ジオンのエンデューリング、それにバンディット、デルフィング!」
「ええい! リア充(既婚者)組か!」
レッドアイの声に赤鬼の憎しみさえ籠もった叫びが木霊する。
お前らが言うな。
「フレ……アルテイシアが待ってるんだ。 ……悪いが手は抜けない」
ジオンのシンが
「ミユが寂しがるんでな、早めにケリをつける」
バンディットに乗るシンが
『カガリとステラがクリスマスプレゼントを待ってるんだ!』
デルフィングが傭兵組と相対する。
そして、彼方から飛来する黒いデスティニー。
「目標を確認した。 これより敵対勢力の排除を開始する」
目から光の失われた男、英雄シン・アスカとデスティニーII。
「「おんなのこのAIが付いてても羨ましくなんて無いんだからね!」」
嫉妬の炎を燃やしながら叫ぶ、赤鬼とレッドアイ。
「もう……好きにしてくれ……」
カオス極まりない状況を横目に見ながら、16歳のシンはその意識を手放した。
>>138 祝日にこんなの書いている時点で察しやがれぇー!
作中の各職人さん方、本当にすみません。
とりあえず逃げます><!
乙です
さて、今年も逆シンスレで待機のイヴが始まるのか……
>>134>>139 GJ…もとい、どうしてこうなった
こうなったら首領に全てを破壊してもらうしか…
>>134 >>139 なんだかんだ言いつつ全員彼女持ちじゃねーかwww
魔法使い目前の俺に対するイヤミかゴラァァァ!!!
とりあえず、自覚のないリア充なシンに嫉妬マスk(ry
しっとの心は!!
父心!!
>>139 デルフィングってMS出てるけど、
もしかしてライオン氏のディルヴィングのことかい?
間違ってたらスマン
いやはや、傭兵も英雄も女性関係は大変だな…今更かもしれんがシン殺してくる。誰か付き合わないか?
>147
俺でよければ付きあうぞ。
とりあえず、交換日記からでいいか?
3ヶ月ぶりに来たらなんというカオス
152 :
中身:2009/12/24(木) 01:55:41 ID:???
携帯から失礼します。
ウィルスで我がパソコン君がダウンしまして、復活したものの、
wordのデータがバックアップごと全部お釈迦になりました。
なので、今週の投下は難しいかも知れません。
申し訳ないです。
復旧してくるのを待ってるよお!
red eyesはきえるもんかあ!
気長に待ってるよ〜
それにしても改めて見ると、地球連合の国の設定ってムチャクチャだ
中学生が世界地図眺めて適当に切り分けたようなぶっ飛び具合
前にロードムービーもの書こうと考えて諦めたよ
再拡張戦争期の補完が難しすぎる
まあ、北海道がユーラシアに占領されてたりとなんか悪意感じる分け方だと思う
それはともかく今頃はシン、本拠地でクリスマスパーティーやってたりするんだろうな…DT社とミハシラと
プラントとその他諸々の本拠地にケイサル・エフィス出現してくれないかな…
嫉妬の心は
バカだな、取り合いで大変なことになってるに決まってるだろ。
ほっといてもシンはインパルスみたいにバラバラになるって
メぇぇぇ〜〜〜リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!!
ひゃーーーはっはっはっはっはぁーーーーっ!
少々投下させていただきます。
コニール「私は8話と9話と10話、12話と13話の時もずっと待ってた!」
シン「な、何を!?」
コニール「出番だよ!」
ジャン(……ん? 8話はミズコニールが出ていて、一番目立った話ではなかったか?)
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
Another request02『帰るべき場所』
アプリリウス占拠より数ヶ月前、ガルナハン。
「ふーふん、ふーふん♪」
ガルナハン郊外の食堂ミネルバに機嫌良く鼻歌を口ずさみながら皿をテーブルに並べる女性がいた。
はちきれそうな若さを白いエプロンに閉じ込め、年齢以上に発育した肢体は日に焼け、健康的な褐色。
茶色の髪をアップ気味に纏めた彼女の名はコニール・アルメダ。 傭兵赤鬼、シン・アスカの居候先の家主である。
「遅いなぁ、今日は早く帰って来るって言ってたのに……」
食事の用意を終えたコニールはふと窓の外に顔を向ける。
そこにはささやかな電飾と装飾が施された大きなモミの木があった。
一週間程前、PMCミハシラからの依頼を受けたシンが仕事には使った木を貰った(押し付けられたとも言う)物をガルナハンの町の人達で飾り付けたのだ。
その貰ってきた本人はと言えばまたミナに呼び出され、その名の由来グフクラッシャーと共にオーブへと(嫌々)出掛けている。
「……帰ってくるよな、シン」
急に例えようのない不安感に襲われ、コニールはその胸を押さえた。
この最近、シンが帰って来ない夢を見る。
ただの夢だ。
でも、コニールにはいつか現実に起きてしまうのではないかと否定し切れずにいた。
シンが死ぬとは思っていない。 そう簡単に死ぬような人間ではない事は知っている。
ただ……あいつの理想は、貫こうとしている信念はガルナハンやコニールでおさまりきるものではない。
今はガルナハンにいる、でもいつかコニールの手では止められなくなった時、シンは何も言わずに、最初からそうだったかのようにいなくなってしまうのではないか。
それが、コニールには不安でたまらないのだ。
考え込んでいたコニールの目に窓ガラスが震えたのが見えた。
次いで聞こえたのは聞き慣れた甲高いジェットエンジンの音。
その光景にはっと我を取り戻したコニールは裏口へと駆け出した。
MSのモーター駆動音がする。
裏口の扉を開けたコニールが目にしたのは、普段であれば血のように赤い機体色が原色に近い赤と白に染められ真っ白いアゴヒゲを生やし、赤白の三角帽を被ったグフクラッシャーがハンガーに固定された姿だった。
「……サンタ?」
呆気にとられたコニールはゆっくりとグフクラッシャーに近寄る。
「シン!」
「ん……コニール、どうかしたか?」
コックピットから昇降用ワイヤーに足をかけ、降りてきたシンを見たコニールは思わず声を上げ、ヘルメットを小脇に抱えたシンは不思議そうな顔で近づいて来た。
「あ……! いや、別に、どうって訳でもないんだけどさ、帰りが遅かったなぁって」
思わず声を上げていた事に気付いたコニールは、しどろもどろになりながら何とか誤魔化そうとする。
「ああ、エドさんが仕事が終わったら、一杯だけ飲んでけってしつこくてさ」
まったくしょうがないと肩を竦めるシン。
「仕事って?」
グフクラッシャーとシンの顔を交互に見ながらコニールは首を傾げる。
「ん……戦災孤児への慈善活動」
昇降用ワイヤーが元の位置へと戻ったか確認するため、コックピットを見上げながらシンは答える。
「ロンドさんが……?」
まるで幽霊でも見たかのような怪訝そうな顔をコニールは見せた。
「俺もそう思ったよ」
コニールの顔を見ると、その態度に苦笑しながら、シンは再び肩を竦めて見せる。
良いこと考えた、お前のグフをサンタにさせろ。
↓
えー! むりですよ! 何考えてるんだよ、あんた! 今思い付いたろ!
↓
男は度胸何でもやってみるもんさ! っていうか強制な、答えは聞いてない。
↓
ち、ちくしょう……!
以上がグフクラッシャーがサンタになるまでの流れである。
「スーパーヒーローが表の顔で慈善活動するコミック雑誌を見た事あるけど、ミナさんも見たのかねぇ?」
愛機をサンタにされたからか皮肉混じりに呟くシン。
だか、そうは言いながらもシンはまんざらでもない顔をしていた。
かつての自分と同じ戦災孤児の為に働く事が出来て内心では嬉しいのだろう。
因みにPMCミハシラの慈善活動はミナが思い付きやで慈善でやっているのではなく、後々の為の宣撫工作の意味合いが強い。
ここで言う後々とはミナがオーブの政権を取った時と言う事だが、最近では半ば建て前と化しており、本当に政権を奪う気があるのかは本人のみぞ知る。
その事はシンも分かっているが、オーブ政権に興味がない為(オーブ国民の命がかかっているなら別だが)為、無視を決め込んでいるのだ。
「あんまり遅いから、帰って来ないかと思って心配しちゃったよ」
言葉の端に憂いを乗せコニールは言い、シンに顔を見せないように振り向くと、少しだけ歩き、足を止めた。
「帰ってくるさ。 俺が帰ってくる場所はここだけだからな」
ゆっくりとした歩みで横に立つと、シンは出来る限りの優しい笑顔と言葉でコニールへと語りかける。
「うん……夕飯が出来てるから早く食べよう!」
シンのその言葉に、コニールは満面の笑みで頷いた。
「ああ……あ、忘れてた。 コニール、ただいま」
「おかえりなさい、シン」
以上です。
冒頭はボンボン派が多い(であろう)このスレの方なら分かってくれる筈!
コニールの出番がないとガイアが囁いていたのでちょいと書いて見ました。
おっさんと年増の方ばかり書いてると誰得ですので、たまには良いんじゃないでしょうk(グシャ!
乙です。幸せにな……と思う反面。……妬ましい、妬ましいわ!
あと、貼らなきゃいけない気がした↓
はひ ぁクリメ し//// ,,//ー、
っ ゃ│リぃぇ //// _r''´ :;:;:;l ̄/ ̄`ー、 _
は││っぃぇ (/// / ;:;:;:;:∠∠_, Y´ `ヽ
ぁ.││スぃぇ //// >_. ニ-´/⌒ヽ ヽヽ、 /´ ̄ ̄`ヽ}
│はスマぃ∫ |/ ヘ <_;:Y。y;:;ヽ゚_ソ;:;ゝゝ i _-ー―-、}
│っ ぅ ぁ ∫ |/ / ', / ン´ `>┐r'/ ゝ-ー- ノ
│は !! ぁ N / ',/ /⌒ 7 ヒl | | │l l│
っっ \ / .ハ | | _Y r´ ̄ ̄`ヽ
―――――`⌒/ ハイ| | // i ´ ̄ ̄ ̄`i
///// / ハ小 |、// iー――-、ノ
///// ./_r-,-―'ハノ`丶┐Yレ_,-ー´ >-――←、
//// / ̄ -´ ̄ ̄ ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ヽ
乙であります
... .. .. ☆ ::::: ::::::::: ::::;:;:;:;::;:;;;;;;;;;;;;;;;;;
|\ . . . .. :: ::;;:;:: ;;:;;;;;;;
ノ气;)-、. . . :::::::: ::;:;:;:;;;;;;;
/:/.ヽ:ヽ::i .. . .. :::: :::::::;:;:;:;;
 ̄ ̄`" ̄ `-.' ̄
FFAでNOOB振りを散々晒したぜ…楽しいから良いが
ああ、ジョナサン・・・乙
乙であります!だがシンよ・・・もげてしまえ!!or2
GJ!でも、……ああ、なんだろう、涙が溢れて来るよ……
ヴァジュリーラとか予想外w
乙です!
>>ガイアが囁いていた
ワンコ形態の1/100ガイアが肩に乗っているのを想像した
167 :
サンタ:2009/12/25(金) 00:50:45 ID:???
こんばんわ〜そしてメリークリスマス!
避難所に投下しましたので、どなたか代理投下お願いいたします。
それではまた。
168 :
代理投下:2009/12/25(金) 00:56:38 ID:???
それでは、代理投下参ります。
第02話‐歌姫の騎士団‐
メサイア攻防戦後、ザフト軍は解体された。
プラント最高評議会議長ラクス・クラインは新たにプラント国防軍を設立。
曖昧だった命令系統の反省を生かし、階級制度を導入。
さらに『歌姫の騎士団』なるものまで作り上げた。
『歌姫の騎士団』とはプラント国防軍の中から選び抜かれたエリートパイロットたちのことを示す。
キラ・ヤマトを隊長とし、イザーク・ジュール、ディアッカ・エルスマン、そしてあのシン・アスカもメンバーの一人だった。
「防衛……でありますか?」
C.E.79年、11月13日。
プラント、アプリリウス・ワン。
ラクス・クライン議長の執務室に呼び出されたシン・アスカは咄嗟にそう聞き返してしまった。
「はい。実は4年程前から、資源衛星を襲撃する事件が発生しているのです。フューチャーはその名の通り、プラントの未来を担う研究施設。どうしても守っていただきたいのです」
ラクスは憂いをおびた表情でひとつひとつ説明していく。
「しかしなぜ単機任務なのですか?」
「艦隊で行けば目立ちますでしょう?フェイトならばハイパーデュートリオンエンジンとヴォアチュール・リュミエールシステムがありますし」
フェイト―――とはかつてデスティニーと呼ばれていたシンの愛機だ。
月で回収されたデスティニーを、ファクトリーで再構築したのがフェイトだった。
武装もデスティニーの時と変わっていない。
「なるほど。了解しました。シン・アスカ、喜んでその任を承ります!」
「よろしくお願いいたします」
何の疑問も持たず、シンはラクスの執務室を出る。
「単独任務たぁすげーじゃねぇか、アスカ」
「……サリエリか」
シンと同じプラント国防軍の軍服と、胸にはNのバッチ。
このバッチは『歌姫の騎士団』を意味する。
サリエリと呼ばれた男の、コーディネイター特有の緑色の瞳がシンを睨む。
「笑っちまうぜ。5年前までデュランダルの駒だったテメェが、今やラクス様の『歌姫の騎士団』の一人。しかも単独任務とは結構な身分だな」
「……言いたいことはそれだけか?」
チラリとサリエリを見て足を動かそうとしたシンはいきなり胸ぐらを掴まれた。
「調子こいてんじゃねぇぞって話だよ!テメェはなぁ……!」
「お、何をしてんだ?」
その声に、サリエリはバッとシンの胸ぐらから手を離した。
「エルスマン大佐……!」
その人物は『歌姫の騎士団』の一人、ディアッカ・エルスマンだった。
「サリエリ、ヤマト中将が呼んでたぞ。行ったほうがいいんじゃねぇか?」
「……ハッ」
サリエリは苦々しい顔のまま敬礼し、その場を去った。
「大丈夫か?アスカ」
「はい。慣れてますから」
ここに来てからはよくあることだった。
シンはメサイア攻防戦でデュランダル側だったのは『歌姫の騎士団』だけではなく、プラント国防軍では周知の事実。
それをうるさく言うのは『歌姫の騎士団』然り、クライン派の老人たち然り。
「ここにはラクス様がいますから。ラクス様がいれば、俺はどんなことにも耐えられますよ」
「そうか。けど、あんま無理すんなよ?」
「はい。ありがとうございます」
ディアッカは『歌姫の騎士団』の中でもシンを気にかけてくれる人物だった。
彼の性格故なのだろうが、シンにはむしろ鬱陶しいと感じていた。
それはディアッカだけにではない。
元ミネルバクルー……特に元恋人のルナマリアもそうだった。
(今の俺にはラクス様がいる。ラクス様さえいればいい。ラクス様は俺を正してくれた。正しい道を示してくれた。俺はラクス様のためにラクス様の邪魔をする奴らを殺す。それだけだ)
11月14日。
シンは愛機のフェイト一機でL3宙域にある資源衛星フューチャーへ到着した。
「こちらはプラント国防軍所属、シン・アスカだ」
フェイトからフューチャーに通信を送るが、返事がない。
「こちらはプラント国防軍所属、シン・アスカだ!プラント最高評議会議長、ラクス・クライン様の勅命でここの防衛を任された!」
もう一度通信を送るが、返事がない。
(まさか、もう襲撃されたのか……?)
「おい!誰かいるなら返事を……」
『こちら、資源衛星フューチャーです』
三度目の通信でやっと繋がった。
所長と思わしき中年の男性がフェイトのディスプレイに映る。
「こちらはプラント国防軍所属のシン・アスカだ。ラクス・クライン様の勅命で資源衛星フューチャーの防衛を任された。まずは……」
『そのようなことは伺っておりません』
「はあ?」
思わずすっとんきょんな声がシンから出た。
混乱するシンを他所に、資源衛星フューチャーの所長はもう一度シンに同じことを告げる。
『我々はラクス様からそのようなことは一切伺っておりません。お立ち退きを』
「そんなわけあるか!俺はラクス様から直接この任務を言い渡されたんだぞ!?そっちの手違いじゃ……いてっ!?」
『どうされました!?』
突如、シンの身体に異変が起きる。
頭を殴られたような頭痛。
しかしそれはすぐに治まった。
『大丈夫ですか?』
「あ、ああ。なんだったんだ……?ん?」
フェイトのレーダーにいきなり3つの熱源反応が現れた。
それもMSの熱源ではない。
三隻の戦艦だ。
「あいつらか!プラントのラボを襲撃してたのは!」
シンはすぐさまフットバーを踏み込み、三隻の戦艦目掛け突出する。
「ラクス様の邪魔をする奴らは……俺が消してやる!!」
To Be Continued.
174 :
代理投下:2009/12/25(金) 01:02:43 ID:???
代理投下、以上です。
作者氏投下乙です。
サンタ氏、代理投下の人乙!
このシンは洗脳済みか?
サンタ氏も代理の方も乙!
デスティニーをフェイトにするとは……
皮肉か嫌味にしか聞こえないな
フェイト…悲運か
それはシンにとってか、それともラクシズにとってとなるのか
178 :
サンタ:2009/12/25(金) 15:13:46 ID:???
>>174 代理投下ありがとうございます。
自分的にはフェイト=宿命といった意味で名付けました。
作中で名付けたのは……誰でしょうね。特に考えてませんww
後今日の夜にSS投下できれば投下しますので、申し訳ありませんがまた代理投下の方よろしくお願いいたします。
それではまた。
フェイトと言われると某魔法少女が浮かんで…
まあ、デスティニーを悪くするとフェイトかドゥームになるか
洗脳状態をどこまで引っ張るかな
あんまりあっさり解けちゃってもあれだし、でもラクシズの犬状態をあまり見続けるとSUN値がヤバイし…
投下乙です〜。洗脳されてラクス様とか言っているシンは見ていて悲しいな
しかも乗っている機体も皮肉なネーミングにされているし。ラクシズは、シンをどこまで弄べばと・・・
次の展開が気になる終わり方なので、これからシンがどう前に歩いて行くのか楽しみだわね
とりあえず、サリエリと聞いてモーツァルトを思い浮かべたオサーンな俺はシングルベルの中寂しく仕事に逝ってk(ry
「アマデウス」とは当然対立するだろうしね。
もっとも対になるほど器量のある敵キャラには見えないけど…
とりあえず行の間隔はそこまで空けないほうがいいと思う
>>182 そこは作者の自由じゃないか?
俺は行間空いてるほうが読みやすいんだが……
俺はフェイトというと
「わたしは、こんなにもおまえを愛している……だから、時々、おまえをメチャクチャにしてやりたくなるのだよ……!!」
こいつが・・・
某ラインゴットさん思い出した
>>185 言われて思い出した
遺伝子操作された保志でしたね
DPSの投稿四コマでもネタにされてたっけなぁ
てかサンタ氏更新早ぇなー
今日もまた投下あるんだろ?書き溜めた分なのかね
fateって言ったら「やれっていうならやってやるさ!」だろ
んー、俺は約束されし勝利の剣とか
倒してしまっても構わないだろう?な物語が。いや、ベタ過ぎてみんな避けてた?
うん、避けてた。
fateかぁ…そういやエミヤも守った物に裏切られたりしてたっけか
…さて、覆面被って出かけるか
エミヤは最近メジャーすぎるので俺はあえてRPGツクールのサンプルゲーム思い出していた
いや、名作だぜ?
193 :
サンタ:2009/12/25(金) 21:41:24 ID:???
こんばんわ。
予告通り非難所にSS投下しました。
毎度のことで申し訳ありませんが、どなたか代理投下お願いします。
それと非難所にも書きましたが今回のSSは未来の〜とは一切関係ありませんので悪しからず。
それではまた。
‐さようなら、デスティニー‐
「クーリスマスが今年もやーってくる♪……………………はあ、何をやってるんだ俺は……」
四畳半の部屋で一人寂しくケーキを食べている俺。
もう悲しすぎて涙が出てくるよ全く。
クリスマスとか……クルシミマスの間違いだろ?
ルナ?ああ……半年前に別れたよ。
今はプラントの金持ちと付き合ってるらしい。
ヨウランが言ってたな。
ホント……ホント、リア充乙。
「はあ……ん?何だよ、もう酒ないじゃん……くそ余分に買っときゃ良かった……」
適当に身支度をして、住んでいる軍の寮から出てコンビニへ。
適当に酒を数本買って帰る。
途中すれ違うカップルは眼中に入れない。
むしろ俺に近づくな。霜焼けするぜ。
って……何言ってんだよ俺。
余計悲しいじゃん……。
「わーい!お母さんありがとう!」
「こらこら、走らないの」
前を歩いてる親子の声が耳に入った。
俺も小さい時はあんなんだったっけ……。
マユと母さん……父さんは仕事で遅かったから、三人でプレゼントを買いに……あ、やべ。涙出てきた。
「でも残ってて良かった!ハイネ専用デスティニー!!」
「…………………………………………………………………………………………………………え?」
思わず手からコンビニの袋を落ちた。
デスティニーとは言わずもがな、俺の専用機だ。
あの凸にボコボコにされて今は月でお釈迦になっているが、プラモデルの人気ならストフリやインジャスよりも高い。
けど……。
ハ イ ネ 専 用 デ ス テ ィ ニ ー だ と ! ?
俺は真相を確かめるべく、商店街へ向かった。
そのだらしない格好で?
気にするな。俺は気にしない。
すぐに商店街へ着いた俺はおもちゃ屋に向かった。
プラントでもMSのプラモデルは男の子に人気が高い。
確か副長も集めてたような気がした。
……と、そんなことはどうでもいい。
俺は店員に訊いてみた。
「すいません。ハイネ専用デスティニーは……」
「このキョシヌケェェェェェ!!!男ならこいつを買え!!!」
「え、あ、いやその……」
銀髪の店員が出してきたのはゴッドガンダムと言うMFのプラモデルだった。
「また来いよ!キョシヌケ!」
「はあ……」
店員の気迫に負けて買ってしまった。
しょうがない。副長に作り方教えてもらおう。
結局ハイネ専用デスティニーは分からずじまいだな……。
ま、いっか。
と言うか何でハイネなんだ?
あの人、まあいい人だったけど登場してすぐ……あれ?また涙が……。
「そこのお兄さん!今ならこのT.●.R●v●l●t●o●のCDを買うと、もれなくハイネ専用デスティニーが貰えるよ!どうだい!?」
「………………………………なん、だと……!?」
なんと言うことだ。
ハイネ専用デスティニーは中の人のCDを買うとついてくる附属品だったのだ。
「ちょっと見せてくれ!」
「え、ああ、これだが……」
「これは!!!」
ハイネ専用のオレンジカラーのデスティニー。
背中の翼も俺のデスティニーと一緒だ。
「何でだよ……」
「ど、どうしたんだい?」
俺はその場に崩れ落ちた。
ちくしょう……中の人が……中の人が有名だからって……!
「うわアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
『ン……シン……!』
「ん……?」
気が付くと、俺はまたあの不思議空間にいた。
そして目の前には……。
「ステラ!」
『シン、また会えたね……』
そこには素っ裸のステラ。
おっぱ……くそ!見えない!何でだよ!!
『シン……?』
「え、ああ……何でもないよ。それよりどうして……?」
『ステラね、これ見せたかったの』
ステラが後ろから取り出したのは、ハ イ ネ 専 用 デ ス テ ィ ニ ー 。
「やっぱりステラもハイネのデスティニーのほうが……orz」
『違うよ、シン』
「え?」
そう言うとステラはハイネ専用デスティニーをジーッと見つめる。
『これ、翼はデスティニーだけど、色合いが電池っぽいよね』
「電池?」
『オレンジと白。それに電池でググってみれば分かるよ』
「ググ……?」
『じゃあね、シン……』
「待ってくれ!ステラ!ステラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「はっ……!」
気が付くと、俺は自分の部屋にいた。
どうやら酔って眠ってたみたいだ。
「なんだ、夢か……」
そう言ってグーッと背筋を伸ばすと、視界にプラモデルの箱。
昨日買ったゴッドガンダムだ。
「え?え?え?」
混乱している俺をよそに、ピンポーンと呼び鈴の音。
「あ、はい……どちらさ」
「俺だシン」
「……アンタか」
やって来たのはリア充の凸。
何しに来た。
自慢か?昨日はメイリンと燃えたんだぜ!とか言いに来たのか?
そうなんだろ?そうなんだろ!?
「シン、目が怖いんだが……」
「気のせいですよ。で、何の用ですか?」
「あ、ああ……少し遅れたがお前に渡したいモノがあってな。これだ」
もう分かるよな。
もうここまでくれば分かるよな。
そうだよ。
ハ イ ネ 専 用 デ ス テ ィ ニ ー だ よ !
「この凸がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ちょ、何を、やめ、ギャアアアアアアアアアア!!!!!」
俺の名前はシン・アスカ。
ガンダム種死の主人公だが、また俺は主人公から遠ざかる。
何故だ……何故俺は……
「そうだ、負債に会いに行こう」
京都に行こうみたいなノリ?それがどうした!
フフフ……ハハハハハ!最高のクリスマスプレゼントをあの二人に……!
「待て……シン……!」
ツルっ禿になった凸の言うことなんて聞くもんか。
そうさ、俺はこのスレの……
「主人公だァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
END.
とりあえず一言
ドンマイ☆
全部毟りよったw
以上代理投下でした。サンタ氏乙です、
洗脳されてようがシラフだろうがシン………イキロ
ところで今の今までハイネ専用とか知りませんでしたが、
ハイネのガンダムってありそうで案外今までなかったんですかね。
某クロデスでノワール分捕ってたくらいかな?
どこぞでセイバーに乗ってたような記憶がある
デスティニー選んだのは西川なのかね?
やべぇ!笑ったのに、涙出て来たぜ!w
シン、生きろ・・・俺たちはお前さんの良い所をよく知っている
しかし、オレンジの運命は見たくないなw
さて、これで夜勤続けられるわ〜
206 :
サンタ:2009/12/26(土) 00:35:50 ID:???
>>202 代理投下ありがとうございました。
スレ住人の皆さん、心暖まる感想ありがとうございます。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします。
そして、あの、その、スレ住人の皆さん。
本当にハイネ専用デスティニーが西川さんのCDの附属品として売られるんです。
オレンジ色のデスティニーが出るんです。
嘘じゃ……うわ、何をするやめry
それでry
>>206 一瞬、……は? と思ったが、マジだった>ハイネ専用デスティニー
写真も見たが、俺は意外と気に入ってる。オレンジ好きだし
まさに電池w
空気も流れも読まずに投下。
まだ寝てないから次の日じゃない! よってまだクリスマスだッ!!
ごめんなさい、すいません、遅刻しましたorz
逆襲日記
G月J日 曇りのち隙間風
クリスマスって平日だよな? 俺はどう仕返しするか考えるのに忙しいんだ。
と言っても通じない人しかいないから面倒だけど一応ケーキ用意してみた。
たっぷり果物にチョコレートでふわふわスポンジのケーキ特盛にしてやった。
つい調子に乗ってクリームがエベレストだけどまあいいや。あ、垂れそう。
マジパンも忘れちゃだめだよな。ハロにサンタ帽被せとけ。
……何か緑の鳥ロボに一瞬で掻っ攫われた。
あんた本当にいい加減にしろよッ!!
お詫びに飼い主からSDストフリのマジパンを貰った。どうしろと? いや、分かるけどさ!
仕方ないからぶっちぎって頭をケーキのてっぺんにのせみる。
次に足と手をケーキの側面に刺してみた。胴体はハロへメタモルフォーゼ。
正面から見ると胴体がケーキのフリーダムwテラシュールwwww
ハロ二つ並べて置いたら……うわっやべぇwww怒られるwでも楽しくなってきたwww
SDガンダムクリスマス外伝、ケーキフリーダムとかフリーダムMrk−C(ake)とか?
……うん、ごめん、自分で言ってて寒い。ネタだし勘弁して。誰も気にすんな。忘れろ。
何とかケーキが完成したはいいけど、パーティーの時間まで暇だったから、
手慰みにマジパンでMSとかさっきの緑の鳥とか作ってたらすごい数になった。
こうなったら全種類コンプするか!
――どうしても一種類分の数が合わないけど、どれを作ってないか分からねぇ。
ま、いっか。1つぐらい誰も気づかないよな。
みんな旨いって言ってくれたけどなぜかストフリが売れ残った。
フリーダムと一緒になって、デコが隅っこで鬱陶しい。無いぐらいでジメるな。
それにしても、どうやって仕返ししてやろうか……
>>213 シン!今すぐ辞書で逆襲の意味を調べるんだ!w
とりあえず、凸にはダメージ与えられたようだがw
ロミナ、サトー、シンのどこか素直になれない気まずいクリスマス、とか
全員総出で不可侵条約呉越同舟パーティーとかしない限り、
誰かとシンがクリスマスや新年を過ごす場合にはそれ以外の方々は
鋸だか空鍋だかをもてあますことになるわけで……?おや再配達たのんでた宅配がきたかn
メキョ
西川が乗るべきガンダムはインヴォークガンダムしかないに決まってんだろ!!!!!!!!!!
>>216 …一部ガチで病んでる人が居るから収集付かなくなる気がしてしょうがない
具体的に言うならアズ娘とか一部のロミナさんとか
しかし病んだコニールとかは見てみたいかもしれん
普段純粋とか清純な人ほど病んだら面白いことになるし
>>208 いかん、普通に格好良く思えるw
真面目な話カラーリング次第で格好良さって変わってくるもんだな
どうもです。 23話が仕上がりましたので投下させていただきます。
少し短いですが、今年最後の投下となります。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request23
前回のあらすじ
シン「決戦兵器……なんと聞えの良い言葉かー!」
劾「落ち着け! 手伝えロウ!(クルクルシュピン」
ロウ「合点承知!」
キラ(僕も参加した方が良いのかな……?)
「あれ? イザークさん何やってるんです? 遊んでる場合でもないでしょうに」
シンは見知った銀髪の男、イザークの不機嫌そうな、嬉しそうな複雑怪奇な顔表情に疑問の声をあげた。
「誰が遊んでいる! 俺とて好きでこんな……俺にも色々都合がだな!」
シンのどこまで本気か分からない冗談に一度は言い返すも、続く言葉がモゴモゴと歯切れ悪いイザークにシンは首を傾げる。
「失礼。 あまりイザークを攻めないで上げて頂戴。 私が護衛を頼んだの」
凛とした声が室内に響き、イザークに良く似た銀髪の女性が足を踏み入れた。
「は、母上! まだ安全の確保が……」
「どちら様で?」 『まるで私達が危険であるような言い方だな』
イザークの言葉を遮るようにシンが疑問の声を上げ、ミナが拭き愉快そうに鼻を鳴らす。
「さて、そろそろ仕事の話でもしましょうか」
にこやかな表情のまま言葉を紡いだエザリアにシンとミナの表情が獲物(金蔓)を見つけた猛禽のような鋭いものへ変わる。
表情の変化に僅かにエザリアがたじろぎ、イザークが庇うように前へと出る。
睨みつけるようなイザークの表情に、バツの悪そうな顔をして見せるシン。
『そうして頂ければ有難い』
「そうですね、お願いします」
しょうがないじゃないか、こっちは(社員の)生活が掛かってるんだ。
内心愚痴りつつ、エザリアがパイプ椅子へと腰掛けるのを見ながら横目に見る。
「任務については把握しているかしら?」
もっとも専門家ではないから詳しくは答えられないけれども。 そう言いながら肩を竦めるエザリア。
「ええ、凡そはキラさんに聞いています」
病室のベットで横たわっていたキラの顔を思い出しながらシンは口を開く。
「キラはもう話せるのか?」
「ええ、大分よくなったみたいです」
友人の安否を心配してか、途中で口を挟んだイザークにシンが答える
「そうか、後で見舞いにでも行くか」
表情を緩め、ほっと溜め息をついたイザークにシンは微妙な顔を見せた。
(まぁ、傷一つ無かったんだから見舞いに行くまでも無いですけどね)
思わず口から出そうになる皮肉を何とか口内に押し込めたシンはエザリアへ顔を向ける。
「結構な事ね。 では報酬について話しましょう」
話が終ったのを確認すると、エザリアはキラの安否等興味がないとでも言いたげに鼻を鳴らした。
『当初の予定では連合が3プラントが7と言う話でしたが?』
視線を下に向けながらミナは言う。 恐らくは手元にある契約書でも見ているのだろう。
ミナとエザリアのやり取りを聞きながらシンはジャンへと渡した契約書の中身を思いだす。
全報酬から仲介料、諸経費、手間賃などを差し引いたシンの報酬は連合からの分だけで新品のウィンダムIII(横流し品)が買えてお釣りが来るくらいのなのだが。
まぁ……初っ端襲撃は受けるわ、資材の中に蹴り込まれるわ、自爆に巻き込まれるわ、正体ばれるわ、元カノにシャイニングウィザード喰らうわ、見たくも無い元上司の顔見るわ、壁殴り割って説教喰らうわ、AIユニットの正体が脳味噌レイだとか。
酷い目(半分は自分の所為)に色々あっているので有難く遠慮なく報酬はいただくが。
「……当初の予定ではそうでしたが、一個戦隊にも匹敵する戦力と評価されるシン・アスカであれば別です。 契約金、報酬に加えザフト時代の年金、退役支給金を全額。 プラントの名誉市民権。そして、戦場でのフリーハンドを認めます」
エザリアは一瞬考え込むような表情を見せると、すぐさま表情を戻し、僅かに迷いを帯びた目でシンを真っ直ぐに見詰めた。
「年金? 退役支給金? フリーハンド!? ……自由行動。 いや、自由裁量権ですか?」
『豪気なことだ』
思わぬ報酬、破格の条件に思わずシンは大声を上げ、そんな様子を見ながらミナは肩を竦める。
年金や退役支給金は半殺しの目にあった慰謝料代わりに遠慮無く頂くし、名誉市民権に何ぞ興味も無い。
だが、一介の傭兵に余計な口出さないから好きにやれ。と言うお墨付きを貰うとは偉く評価されたものだ。
4年間の傭兵生活から考えれば、そう言うものには大概裏があるもので……
「その通りだ。 下された命令を自身で判断し、最適と判断した行動を取る事を許可する。……この“意味”が分かるな?」
言葉の端々に不満の色を滲ませながら、“意味”を強調しイザークはシンに言った。
本人の本意ではないのであろうことは、その表情から容易に想像が出来た。
「……ええ、なんとなくは」
何とも言えないイザークの表情、無表情を装うエザリアの顔を受け流し、シンは静かに答える。
二人の態度から察するに、評議会政治家や前線よりもザフト上層部の意向によるもののようだ。
赤鬼の時に散々ザフトと敵対しているし、仕方ないといえば仕方ないのだが。
何より元自軍トップエースの傭兵、しかも前議長の懐刀とあれば生きていて欲しくは無いだろう。
分かりやすく言えば…… 「後腐れが無い様に死ね」 と言う事か。
「それともう一つ。 個人的に依頼が……」
「お断りします。 二重契約なんてしたら仕事を干されますよ」
先程までの余り感情の感じられない政治家としての声とは違い僅かに憂いを含んだ声のエザリアを遮り、間髪入れずに口を開くシン。
シンが禄に話も聞かず断ったのには理由がある。
基本的に契約中に別の任務を請け負う事は余程の事が無い限り御法度だ。
また依頼主が複数いるため、一の依頼主に有利になるような密約を結ぶ事もマズイ。
傭兵全体の信用を保つ為、上記は戦地での略奪、暴行以上に厳禁とされていた。
ジャンク屋と違い組合ギルドの無い傭兵にとってある意味暗黙の了解ともいえる。
命を賭け金にどんな汚い仕事でもする傭兵にも、いや、傭兵だからこそルールがある。
『せめて話くらいは聞いたらどうだ?』
言い切ったシンに苦笑しつつ、エザリアに助け舟を出すミナ。
「じゃあ、話だけなら……」
仕方ないとでも言いたげに不承不詳に頷くシン。
「……依頼と言っても、連合からの依頼の禁則事項に接触するものでも連合各国の不利益になる物でもないわ。
依頼内容は唯一つ。 正体不明のテロリスト……ネームレス幹部ロミナ・アルフィミィを、“如何なる手段を用いてでも”止める事。 それだけよ」
シンが頷いた事を確認するとエザリアは静かに、確かな覚悟を含めて口を開く。
「確か、キラさんのフリーダムを撃破した人ですよね?」
キラから概要を聞いてはいるが、シンとロミナに面識は無い。 ただ、アルマフィと言う苗字には聞き覚えがあった。
アスランがネビュラ勲章を授与された戦闘。
オーブでのストライクとイージス、キラとアスランの激戦と言うには余りに生易しい血戦の切欠となったのパイロットの名前が
「ニコル・アマルフィ……確かザフトレッドの」
「そうだ。 俺達、俺とディアッカ、アスラン。 旧クルーゼ隊で同期だったブリッツのパイロット、ニコル・アルマフィの母親だ」
シンの言葉を継いだイザークが顔を歪ませる。 その表情はまるで過去を悔いている罪人の様だった。
その瞬間、シンの中で何かが繋がった感覚があった。
「彼女が何を思い、何を考え、何故向こう側についたか……」
エザリアは一旦言葉を区切り目を瞑ると、二度首を振った。
理由ならば分かっている。 彼女、ロミナが向こう側に行った訳は……復讐だ。
それも恐らくはキラ・ヤマトやアスラン・ザラに対するものだけではない。 恐らくはCE世界全てに対する復讐だ。
ロミナの動きが妙だと気付いたのは、彼女の夫が残した資産が月経由でクライン派組織、ターミナルに流れ着いた事が判明した為だった。
だが、気付いた時には既に手遅れだった。 こちらが動いた時にはアプリリウス1の家、資財を引き払い、行方を眩ましていた。
そして次に表舞台に姿を見せたのは、彼女は復讐者、テロリストの幹部となっていた。
「プラント評議会議長代理としてではなく、一個人エザリア・ジュールとしてお願いするわ。 ロミナを止めて」
「俺は……」
シンは返事を戸惑ってしまう。
バルドフェルドとロミナの復讐と言う目的に至った経緯の一部を理解できてしまうだけに。
「俺からも頼む……あの人が道を誤ったのは俺の、俺達の所為なんだ」
深々と頭を下げるイザーク。
『ふむ……どうするのだ、シン?』
ミナはニヤニヤと事の成り行きを見守っている。
シンがそういう頼みを断れないと分かっているのだろう
「ミナさん、分かって言ってるでしょう? キラさんの依頼受けているのに此方を断るわけにはいきませんし……分かりました。 その依頼、確かに引き受けます」
ミナを見ながら溜め息を付くと、頭を掻きながら頷いて見せた。
「そう……ありがとう。 今日はゆっくり休んで。 イザーク案内をお願い」
「い、いえ。 あまり気にしないでください」
涙さえ浮かべながらシンの手を握り締めるエザリアにシンは慌てる。
「はい、母上」
『少し待っていただきたい。 シンに話がある』
シンを先導しようとするイザークを止める様にミナが声を上げる。
「分かりました。 シン、先に行っているぞ」
『厄介な事になったものだな』
エザリアとイザークが退出するのを見届けると、ミナは愉快そうに笑った。
「ミハシラ絡みは8割、個人的に請ける仕事でも6割は厄介ですよ」
シンはミナの笑みに皮肉を返すと自嘲する。
『ふっ、そうか。 ……シンよ。 時代が変わろうとしている。 武力と混沌の時代から対話と調和の世界へとな。
連合軍とザフトとオーブの共闘。 今までなら有り得なかった事が起きている。
時代の節目には良くあり、必ず大きな戦があるものだ。 今回の戦、勝てたなら、この時代で起きる最後の大戦になろう』
「もし……負けたら、どうなりますか?」
急に表情を引き締めたミナの言葉に、シンは真っ直ぐにミナを見据え、問い掛ける。
『全ては元通り……世界は7年前の相手と言葉すら交わそうともしない世界へと戻るだろうな』
苦虫を噛み潰したような表情を見せるミナ。
「ミナさんは奴らの情報をどこで?」
『こちらで落とした機体から確保した捕虜を締め上げたら簡単に吐いたよ』
ミナは見る者全ての背筋を震え上がらせる笑みを口元に浮かべる。
「そんな顔してると小皺が増えますよ」
「むっ……」
思わず目尻を押さえるミナ。 多少は年齢を気にしているらしい。
シンはしてやったりと言う笑みを浮かべニヤニヤとする。
『ふん、まぁいい! これからの戦はより激しい物となる心せよ!』
してやられたのが余程悔しかったのか、ミナは頬を僅かに赤く染め、声を張り上げる。
「了解です。 ミナさんも御武運を……」
ザフト式ではなく、オーブ式の最敬礼をするシン。
『言われるまでもないが礼は言っておこう。 死ぬなよ、シン。 ……貴様には貸しが山ほどあるのだからな』
シンの返答を待つことなく一方的に通信を切ったミナに背を向け、シンは通信室から退出する。
「用は済んだか?」
通信室から出た所でイザークは腕を組みながら壁を背に寄りかかっていた。
「イザークさん待っててくれたんですか」
「仕事だからな。 行くぞ」
少しだけ嬉しそうなシンにそっぽを向きながらイザークは答えた。
「あ、イザークさん、寝床に行く前に格納庫に寄って貰えますか?」
「構わんが、何の用だ?」
思い出したかのように声のシンに、首だけ向けるとイザークは聞き返す。
「ん……なんて言いますかね。 ケジメですよ」
イザークの問いに少々の間を置くと、シンはシンは静かに答える。
「分かった。 待っているから行って来い」
イザークは頷くと、振り向く事無く歩き始めた。
アーモリー1工廠、格納庫
「はぁ……疲れた」
インパルスエクシードのコックピット、コアスプレンダーのシートに腰掛けるとシンは大きく息を吐いた。
警備兵に足止めされ、ここまで来るだけで無駄な時間を使ってしまった。
タイミングの悪い事に局長やコートニー、マッドが留守の所にシンとイザークの直情型短気コンビが格納庫を訪れたことが喜劇の始まり。
詳しくは省くがイザークのアイアンクローが火を噴き、一悶着や乱闘騒ぎどころか、危うく流血沙汰になる所だった、とだけ言っておこう。
キラから貰った手紙が無ければ未だに拘束されていただろう。
騒ぎが収まった後、二人は仲良く「「こいつとはもう二度と二人きりでは行動しねぇ……」」と固く心に誓ったのだったまる
「さて……」
シンは気を取り直すとサイドボードに収納されたキーボードを取り出し、各スイッチをオンにするとOSを起動させる。
正面モニターに見慣れた立ち上げ画面G.U.N.D.A.Mが映り、起動時間がカウントされていく。
『3、2、1、メインシステムオンライン。 おはようございます。 ユニットRB起動』
無機質な、女性の声を模した合成音がコックピットに響き、メインシステムをRBへと移行する。
「よう、相棒。 元気してるか?」
システムが切り替わった事を確認すると、親しい友に挨拶するような声色でシンはRBへと話し掛ける。
『……赤鬼、シン・アスカか。 事実を知ったので恨み言でも言いに来たのか?』
「そう言うつもりは無いんだがな」
かつての親友がいかにも言いそうな嫌味に、苦笑しながらシンは答える。
『なら何の用だ?』
「一つだけ確認しておきたくてさ。 お前は、RBはレイと全く同じ存在なのか、そうでないのか」
人であれば鼻を鳴らしたであろう態度のRBにシンは表情を引き締めRBへと問い掛ける。
『私はレイ・ザ・バレルの脳を使用し、存在している。 だが、私にはレイ・ザ・バレルの記録はあっても記憶はない。
全くの別の存在と言えるだろう。 それが気に入らないなら好きにするがいいさ』
何処か諦めたような、覚悟を決めたような達観した声でRBは答える。
「はぁ……全く、何て言うか。 色々嬉しくて涙が出てくるね」
少々の間の後、溜め息をつく。
シンは大げさに肩を竦め、呆れ果てた様に呟いた。
『……それは私の存在を容認したと受け取るが構わないな?』
意外そうにRBは言った。
RBの中にあるレイの記録の中のシンのままならば怒りに我を忘れ、RBを破壊しようとするか封印するに違いないと予想していたのだ。
「ああ、そういうことだ」
全てを受け入れたのか、半ば投げやりにも聞える楽天的な声でシンは頷く。
『では改めて自己紹介を。 私は独立型戦闘支援システムRB、コンゴトモヨロシク』
「何で片言なんだ? まあ、よろしく頼むよ、RB」
RBの態度に苦笑を隠す事無く、悪友と再会したような笑みを見せたシンは親しみを込めコンソールを叩いて見せた。
今回は以上です。
ご感想、ご指摘等何か有りましたらお願いします。
少し早いですが、来年もよろしくお願いいたします。
>>134,
>>139にまた勝手に続いてやるぜぇー!
「もう……好きにしてくれ……」
カオス極まりない状況を横目に見ながら、16歳のシンはその意識を手放した。
そう言った16歳のシンを優しく抱きとめる男がいた
16歳のシンがその男を見て絶句する
筋肉ははちきれんばかりに脈動し、大気を震わせ、体から蒸気があがり
天にそびえるアフロは雄雄しく、そしてサングラスの中の赤い目は
怒りに燃えていた
「ガルナハンディステニー!!」
規格外のディステニーが争うMS群に突撃していく
文字通り突撃していく
「「「「「「ぎゃああああ!!」」」」」」」
数時間後、地べたに正座する各シンたちとそれを仁王立ちで睨む首領
そして、重たい口を首領が開いた
「俺は、12月前から1月明けまでTV特番で休みすらねぇーんだよ!!
リア充とか既婚とかそんなちゃちな問題じゃねーーー!!」
その後、首領はみんなに『ガルナハン音頭』のCDを渡して帰っていった
・・・・休みたい
母親の不倫の件って、知っているのはあの場に居合わせたアスランとキラだけだよね?
この二人が口外しなけりゃ多分バレないよね?
>>226 でも、正月特番って殆ど録画で芸能人は日本脱出してるんじゃ…
正月に生放送の仕事をこなして、それから休みに入る芸能人もいるからね
MOR氏GJです。今回も楽しませていただきました
さて、こんばんは。960です。第3話が仕上がりましたので、明日にでも投下させていただきます。
今まで書きためてあった1〜3話をこれで全て投下し終えることになるので、3話以降は月いち程度のマイペース投下になると思いますが、よろしくお願いします
また、ガンクロの方のタイトルを訂正していただいた方、本当にありがとうございました
ところで一連の奴をwikiに保存しようと思ったんだが
やり方がよくわからない…誰か頼みます
第3話を投下します
Turn Against Destiny
第3話「影伸びる」
C.E.80現在における戦場の主役は、人型機動兵器――MSだった。
「風花」
そして、C.Eにおいて世界随一の傭兵組織と呼ばれる存在、それが彼ら、サーペントテールであった。
「風花?」
彼らサーペントテールにはMSパイロットは三人しかいない。しかし、組織の充実したバックアップとジャンク屋との連携、そして高い実力を持つ二人のパイロットなど、様々な要素を高いレベルでまとめ上げている。
そこに元ザフトのエリートパイロットであったシン・アスカが加わり、彼らはC.E随一の通り名以上の実力を持っていた。
「おい、風花!」
「あっ……は、はい。なんでしょう?」
モニターの向こうで、イライジャはしかめっ面をしていた。仮にも作戦行動中だというのに、オペレーターの彼女が呆けている。
「どうもやり辛いな…………そんなにシンと話したいなら、代わるぞ」
「結構です!」
「……可愛くないな」
風花はまるで実の兄に対するようにシンに対して懐いている。それがわからないイライジャではないが、彼はそれ以上は何も言わず、簡潔に任務の推移をまとめ、報告した。
シンと自分が敵対したのは騎士団だったということ、しかし彼らはデュランダルのシンパで、シンの存在によってトラブルは避けられたということ、そして……
「肝心の積み荷なんだが、……騎士団の臨検に立ち会わせてもらえた。送り主は大西洋連邦の人間ということ以外は不明、元々の届け先はプラントの個人に宛てられたものだったそうだ」
「焦らしますね。それで、中身は何なんですか?」
イライジャには面倒事に巻き込まれたという確信があった。社長曰わく、「自分は何も知らなかった」そうだ。
「核弾頭だ。合計四発分」
この会話と時をほぼ同じくして、大西洋連邦のとある国のとある家、とある男が、電話先のとある男の報告に目を細めた。
「そうですか。万事予定通りという訳ですね。あなたが私に味方してくれたのは意外でしたが、流石はその若さで評議員を務めていただけのことはある。
……いえ、あなたは危険を冒してこの仕事をやり遂げてくれました。今回の仕事ぶりは信用に値します。……仕事上の信用にはね」
ねっとりとしたシニカルな口調が印象的なその男は、更に二言、三言言い添えると、受話器を置いた。
男は車椅子に座っていた。ダブルのスーツを着こなした男――年齢は60くらいだろうか。オールバックの髪には白髪が多分に混じっている――がゆっくりと車椅子を押し、気さくに、しかし馴れ馴れしくなく、かつ礼儀正しく語りかける。
「次は何をなさるおつもりですかな?旦那様」
「ふふ……僕のやることなんていつだって一つさ。ビジネスだよ、ビジネス」
車椅子の上、男は窓から臨む小さな空を指差し、言った。
「プラントのお偉いさんは『戦争はファッション』だなんて言ったらしいが、とんだ思い違いだ。戦争はビジネスで、ファッションもビジネスなのさ。……まあその戦争にしたって、長く続き過ぎれば害悪にしかならないけどね」
結局、核弾頭は騎士団に引き渡され、シン達の手元に残ったのは、社長の嫌みがたっぷりこびりついた契約金のみだった。
「成功報酬はなし、か。まあ仕方ないっちゃ仕方ないんだろうけど……」
シンがぼやく。彼の頭の中にあるのは、勝手に自分をライバル視してくる一人のパイロットのことだった。彼はサーペントテールにおける三人目のパイロットであり、シンの先輩でもある。
そのため……いや、それ以上に、シンがザフト時代に残した伝説的な戦績のために、彼はシンをライバル視していた。
「どうした、シン?報酬の方は無理でも、契約金の方はしっかり確保したんだ。別に誰も怒りはしないだろ」
「いや、そりゃあ怒られはしないと思うけどな。また任務のことであいつに絡まれるかと思うと……」
MSの狭いコクピットの中、イライジャは少し考えて、すぐに「あいつ」に該当する人物を割り出した。紆余曲折の末にサーペントテールに加入し、そしてシンを猛烈にライバル視する男。
「カナード、か」
「ああ。あいつ、俺が任務を失敗するとここぞとばかりに『ふん、一度はキラ・ヤマトを倒した男がこんなものとはな』って言ってくるんだぜ……」
げんなり、という四文字が、感情の希薄なシンの顔に書いてあるのが、モニター越しにもよくわかる。普段から色々な人間に感情や表情が希薄なことを心配されているシンだけに、イライジャは喜ぶべきか心配するべきか、複雑な思いを苦笑いでごまかした。
「まああいつはああなんだ、って思って諦めるんだな。それに、以前に比べたら随分柔らかくなったんだぜ、カナードもさ」
「今より質が悪かったのかよ?想像もつかないな」
「だろう?それに今でこそ髪の毛も短いけどな、昔は物凄いロン毛だったんだ」
「本当か、それ?……想像もつかないな」
「だろう?でもある時にロレッタに『似合わない』って言われて、それで一気に短くなったんだ」
「ああ……それは簡単に想像できる」
「だろう?」
イライジャは笑い、シンは少しばかり表情を緩めた。
「シン、そろそろ『家』に着くぞ」
「ああ、そうだな。……この三年間、俺を受け入れてくれた家だ。俺の帰る場所になってくれた……」
「……シン、身の振り方は決まってるのか?」
シンが今回の任務を最後にすると言ってから、何度となくしてきた質問だ。聞く度にはぐらかされているので、いい加減イライジャも、まともな答えは期待していなかった。
「ああ、実はある人に頼まれて、ザフトに復隊することになったんだ」
プラント、アプリリウスワン周辺宙域。
「ルナマリア・ホーク、セカンドインパルス、行くわよ!」
ミネルバ級二番艦「マルス」の右舷カタパルトから、一機のMSが飛び出した。それは「セカンドインパルス」――「インパルスU」「インパルスV」の二機を経て、遂に制式量産化されたインパルスである。
量産化に伴い、分離・合体機構を排除、シルエットも、ソードは撤廃され、フォースとブラストの二つに絞られた。もちろん、インパルスの最大の長所であるデュートリオンシステムは健在である。
しかし、量産化されたとはいえ、ワンオフの機体をモデルにした高級機である。なので、結局は生産数は少なく少数量産という形を取り、この機体に乗ることを許されているのは、ルナマリアを含む一部のパイロットのみであった。
そのフォルムは初代インパルスよりやや小柄で、全体的に凹凸の少ない、なおかつほっそりとした仕上りとなっている。カラーリングは青く染まった胸部を覗いて全て白。金色のツインアンテナ、黄色のデュアルアイは初代インパルスのそれと変わらない。
「ホーク隊、全員遅れずについてらっしゃい!」
ルナマリアは今年24歳になった。女としてもパイロットとしても、脂が乗ってきた彼女である。ミネルバ時代は今ひとつ頼りなかった彼女の腕も、今では部隊一つを任せられるほどに成長した。……はずだった。
「初めての部下が新兵ばっかりだなんて……ツイてないわ」
24にして初めて部隊を任されたルナマリアだが、そこに配属されたのはアカデミーを卒業したての新兵ばかりだった。しかし、それはルナマリアの部隊に限ったことではない。
ホーク隊と同時期に新しく編成されたいくつかの部隊は、そのいずれもがベテランを隊長に据え、しかし隊員は全員が新兵という有り様だった。
優秀な人材は誰も彼もが騎士団に引き抜かれ――騎士団入りを拒んだ者も当然いたが、彼らは当然のように冷や飯を食わされている――、既存の部隊をみだりに崩すわけにもいかず、「養成」いう名目で編成されたのがルナマリア達の部隊だった。
「各機、フォーメーションを乱さないで。演習を始める前から笑われたくないでしょ?」
そんなホーク隊が何をしようとしているのか、それは――
「隊長、やっぱり無茶ですよ!騎士団の、しかもキラ様の部隊と合同演習だなんて!」
「演習やるのに無茶もへったくれもない!どうせ訓練するなら、相手のレベルが高いに越したことないでしょ?」
ホーク隊は六機のMSと六人のパイロットで編成されている。その内の五人――少年四人と少女一人――が、揃って呻き声を上げた。
キラ・ヤマト率いるヤマト隊とホーク隊が行うのは、「公開」合同演習である。新兵達は、まだ見ぬヤマト隊に、そして、ザフト全軍に醜態を晒すことを想像し、がっくりと肩を落とした。
演習が行われる宙域に到着し、減速。ツインアンテナが星明かりに輝いた。ルナマリアはコクピット内を与圧し、ヘルメットを脱いだ。
昔ショートカットだった彼女の髪は、今では肩甲骨の辺りまで伸び、ポニーテール――ヴィーノに「姉は一本、妹は二本」とからかわれた――に纏めている。柔らかな赤毛を首を振って揺らし、彼女は物思いに耽る。
(ここに来るまで、フォーメーションに大きな乱れはなかった。後はヤマト隊長との打ち合わせ通り、ヤマト隊の人に上手いこと手加減してもらって……)
そもそも、今回ヤマト隊との合同演習をやることになったのは、ルナマリアがキラに直接頼み込んだからだ。自身の部隊の練度とモチベーションの低さに苛立ち、ここで一つ刺激を与えてみようか、と思い立ったのがきっかけである。
その演習の内容は、三対三での模擬戦を四回、六対六での模擬戦を二回、隊長同士の一騎打ちを一回という、模擬戦オンリーなプログラムとなっている。新兵達が嫌がるのも無理はなかった。
(でも、私達が新兵の頃って、ここまでモチベーション低かったかしら?)
他の部隊に所属する新兵のことは知らないが、自身の部下のモチベーションは低すぎる、と、ルナマリアは常々思っている。自身が新兵だった時の同僚二人は、少なくともそうではなかった。
『ルナも艦もプラントも……俺が全て、守ってみせる!』
『議長の目指す世界のために、俺たちは戦うんだ』
(私が他人の事言えるかはわからないけど)
ルナマリアはただただ不安だった。こんなモチベーションの低さで、これから軍人としてやっていけるのかと。
ルナマリア率いるホーク隊がマルスから出撃した頃、キラもまた、準備を整え、出撃しようとしていた。
「ホーク隊、か。……新兵ばかりらしいけど、大丈夫かな?」
「進路クリア。キラ様、お気を付けて!」
「ありがとう。キラ・ヤマト、ライトニングフリーダム、行きます!」
ヤマト隊を構成する戦艦の一つ、エターナルから、ライトニングフリーダムが飛び出した。大層な名前が付けられているが、要はストライクフリーダムのマイナーチェンジである。
スーパードラグーンを肩、足にマウントし、常にヴォワチュール・リュミエールを使えるようにしたこの機体は、キラがザフトの最高司令官となった時にその名を改められた。
今では、オーブのシャイニングジャスティスと対を為すC.Eの聖剣として、広くその名を知られている。
「キラ様に遅れるな!」
続いて、ヤマト隊を構成する残りの一隻、ミネルバ級五番艦「ユピテル」から、エターナルから発進した機体と合わせて計11機のMSが現れる。それぞれ、セカンドインパルスが二機、グフVが四機、ザクVが四機と、バラエティに富んだ編成である。
それらの機体は全て「騎士団仕様」にチューン・アップされており、左肩には、「F」の形を模した羽と剣がクロスした、「歌姫の騎士団・ヤマト隊所属」であることを表すマークがあしらわれている。
「全回線クリア。映像スタンバイ」
「ご苦労様です。では、お願い致します」
「はっ!キラ様の勇姿、しっかりと収めてご覧に入れます!」
「あらあら。キラも張り切りすぎて、相手の方にお怪我をさせなければ良いのですけど」
エターナル艦橋、ヤキン戦役からの指定席。そこに、プラント最高評議会議長となったラクス・クラインがいた。
「いえ、相手は『あの』元ミネルバ所属のルナマリア・ホークです。キラ様がそのお力を僅かにでも発揮できる、数少ない相手かと」
「あら、それではお怪我をなさる心配はありませんわね」
それは、まるで喉を焼かれたかのようなしゃがれた声だった。
「うわ、似てねえ」
「何がだ?」
「うわっ?!……いたのかよイザーク。いるならいるって言ってくれ」
「で、何が似てないんだ?」
ジュール隊所属ナスカ級ボルテールで、隊長に成り代わって執務室を占拠していたディアッカはテレビを指差した。
「これこれ。東アジアの島国の番組なんだけど。お前知らない?『一週間後、そこには元気に走り回る彼の姿が!』とか、『だが世界には、もっと凄い○○○があった!』とかのフレーズで有名なんだけど」
「知らん。それより仕事はどうした」
「でさ、今我らが議長閣下のアイドル時代のモノマネを特集してるんだけど、みんな似てないんだコレが」
「話を聞け!」
テレビの中では、髪をピンクに染め、髪飾りを付け、裾をミニに改造した着物を着て陣羽織を羽織った女性が歌い、踊っていた。
観客の反応はいまいちで、ディアッカの言う通り、彼女の声も、顔も、本物のラクスには程遠い。
ほどなく、彼女はステージから降りた。
「練習不足だなああれは。顔が似てなくたって、もっと真面目に練習すりゃ声は似るだろうに。なあイザーク」
「貴様が真面目などとのたまっても説得力がないわ。……全く、もういい加減に仕事に戻れ」
呆れ顔のイザークが仕事机に向かった時、テレビの中では、黒髪に黒眼鏡の地味な女性がステージに上がっていた。ディアッカは名残惜しげに似ていないと野次を飛ばし、テレビの電源を切る。それを見て、イザークは安心して仕事に集中することができた。
「……ところでディアッカ、一週間前の哨戒任務の報告書がまだだが」
「あ、悪い。報告書失くした」
「貴っ様ぁ!!」
今回は以上です。
ちょっと長めの予定でしたが、結局はこの短さに落ち着きました
>それは、まるで喉を焼かれたかのようなしゃがれた声だった。
何、この気になる描写?
別次元のシンの一人が、御用達のうがい薬を醤油か何かとすり替えたとか。
傭兵からスタートしたかと思えばもうザフト復隊だと?
このSS、先が読めぬ
復隊してもどこぞの凸みたいな権力どころか冷や飯食い確定だろうにわざわざ行くか…
デュランダル派のまとめ役、もしくは暴走の牽制役になる気か?
先の読めぬSSはいいものだ
それに小説書きの仕事は読者を裏切ることと昔から言うしな
>「ああ。あいつ、俺が任務を失敗するとここぞとばかりに『ふん、一度はキラ・ヤマトを倒した男がこんなものとはな』って言ってくるんだぜ……」
これはうざいw
しかしカナードも傭兵率いてたけどどうしたんだろう。
カナードがウザいのは今更だが、喉潰れたピンクか・・・
潰れた声でも洗脳効果残ってりゃいいが、無けりゃただのまな板ピンk(ry
ラクス「潰れた声でも…できますわ!!ウラーーーーー」
ラクス「だって私…アイドルですから…(がくっ)」
声の潰れたピンクは溶けたアイスクリームだな
溶けたピンクはメローナ
つーかラクスのコーディに対しての洗脳電波って公式?
だったらなんでシンはかからないんだ?
コーディネイターがラクスの声に安らぎを覚えるってのを見たことはあるが、少なくともwikiには書いてないな。
火星の象徴となるセトナと同質のコーディネイトが施された可能性があるとも見た気がするんだが……どうも記憶が怪しい。
洗脳電波があると仮定すれば効き目に個人差があるか、出生地不明(多分東アジア共和国)でオーブ生まれのシンはラクスの歌をずっと聞いていた訳ではないのでかかりが浅いとかじゃないのか?
個人的には洗脳電波よりも、監督直々の腹黒設定を生かして、
甘言誘惑恫喝脅迫etcの口八丁で敵を味方に引きずり込むラクス率いるクライン派と
俺について来い!で付いて来てるとと本人は思ってるんだけど、周りはほうって置くのが心配で仕方無しについて行ってるシンと愉快な仲間達の対決が見たい気がする。
>>960氏はこのスレの職人の中でもセンスが光ってると思う
>>252 ラクスの歌聴いて気持ちよくなって、いつもそればかり聴いてるというのは、プラントのコーディ限定
劾やサハク姉弟、そしてシン等のようにプラント出身ではないコーディには通じない、もしくは効き目が薄い
>>254 センスっつってもいろいろだろ。GSCを始めとしてここのSS自体センスありまくりだと思うけどな。
劾やサハクは連合とオーブ製第一世代で、しかも機能特化型
シンは第二世代の自然交配で、しかも家族の中で唯一の赤目に代表されるように突然変異臭い
逆に遺作とアグニス筆頭にした「プラントで受精卵作成段階で遺伝子操作された」と思しき存在は
気持ちよくなりやすいっぽい
つまりあれだな、ガイバーで言うところの、ゾアロードとゾアノイドと、ロストナンバーズの関係だな
シンはアプトムだなw
いろんなネタがでるなあ…このスレ
歴代ガンダムはもとよりガイバー、型月、仮面ライダーにアーマードコアetc…
面白いよな、本当
…そういやシンて料理できるよな?
思ったんだがこのスレのキャラが料理作ったらどうなるんだろ
お嬢様はからっきしだとおもうけd
シン 基本大雑把だが食える味
ルナ お察しください
レイ 地味に上手い
首領 ゲテモノ専門
アズ娘以外でも上流階級出身のはあまり上手くないとおもう
>>260 シンが料理できるっていうのは、あずまりあの4コマが元ネタだね
ちなみにアニメ化した4コマネタだと、シンとルナが暇な時にミネルバのブリッジで碁を打ってたりする
あずまりあってSEED120%のパロ絵の人?
あのパロ具合は最高だった。
ていうかあれ見るために種死見てた
傭兵やってる人は大体出来るんじゃないか?
出来ないと死活問題だったりするらしいし
>>263 アレには吹いたw
シンがラクスのコスプレしてアロンダイト振り回しながら五百曲歌ったのもそれだっけ?
>>260 >>262 普段自分で料理など縁のない令嬢が、指を包丁傷だらけにしながらも
精一杯心尽くしで用意する…というのも殿がt…もとい男心に訴えかける
パターンらしいですW…コホン、らしいぞ。
『……らしいぞ、マル、送信…と。』
>265
どっかに上がってるの見たがあれは吹いたw
ばれない上に人気急上昇してたよなww
あのシンと首領と組めば……
>267
確かに
多少不味くても我慢して食べることで男を見せたりな。
でも、壊滅的に不味くて臨死体験したりもするが…
英国料理は今も昔もメシマズで有名…ゆで卵の作り方を知らない人間が二人に一人はいるらしい
毒物的料理なら恐らく女王陛下がトップと思われる
俺の嫁さんも最初の頃は酷かったし
>>268 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雑でした、か?
SSを語るスレであぁは言ったものの、職人への応援レスをどう入れたらいいかわからん。
下手に言ったら「お前呼ばれなかった職人の〜〜」でスレの雰囲気悪くなりそうだし・・・・・・・・・・・・
スレ住民としてはどう思う?
>>270 其処まで気にしてどーする。ていうか語るスレって名前出してどうする
細かい事気にしてでっかい配慮忘れてるとかw
最初はメシマズしか作れなかった娘が手に絆創膏貼りながら序々に上手くなるというのもいいものだ
特にちっちゃい子からなら伸びしろも大いにあるだろう
>272
なぜか ちっちゃい子=マユ で変換された
>>268-9 ケコーン…じゃなくてまさかリアルご夫婦?
>>270-1 とりあえず中断状態の方々におかれては、本編続きはいくらでも待ちますとして
健在であられるかの一言だけでも頂戴したいところです。
表稼業が忙しい方、受験やら就活追い込みの方、PCのみならず携帯まで
規制に巻き込まれた凄まじく運の悪い例などもありえるかもでしょうが…
コミケのせいで一部規制だとか聞いたけどホント?
大型連休だし適当な理由で規制しないとパンクするんだろう
>>270 どーせ年末やら帰省帰省やら冬のサバトやらで過疎ぎみだし良いんじゃない?
コミケ実況は規制されてない鯖だと聞いたが
あけましておめでとう。
早速だが傭兵諸君に依頼だ。
ニューイヤーパーティーを行っているだろう幸せ者のシnじゃなくて各企業、武装勢力を襲撃して
もらいたい。幸せな者に我々喪の恐ろしさを刻み込んでやって欲しい。
なお、各勢力にはそれぞれ精鋭部隊及び得体の知れない機体が確認されている。存分に注意したまえ。
報酬:100000000アースダラー
この依頼を受けますか?
あけおめー
>>279 その話は確かなんだろうな?
「男だらけの年越し闇鍋大会」や「二年参り圧死との戦い」とか
「MS内での逝く年繰る年」だったりしないなら、
振袖女性陣による目の保養のために偵察ぐらいするぞ。
絶対騙して悪いが……だ。 騙されないぞ!
……といいたい所だが、天に運を任せよう。 凶以下なら受けて、吉以上なら受けないで傭兵組にお年玉で依頼。
>>279 早速行ってくるぜー!
あれだ、振袖意外にも緋袴とか全裸にリボンで姫初めとかやってるだろうシンを撃滅してくれるわ!
285 :
おみくじ:2010/01/01(金) 01:29:24 ID:???
>>283に続いて…凶以下なら出撃だ。
吉以上ならこのまま炬燵の中で嫁さんと戯れとく
286 :
285:2010/01/01(金) 01:30:15 ID:???
>284-285
お前らの骨は拾ってガイアにやっとくから安心して逝って来い。
実況も忘れずにな。
っと、最強装備を渡してなかったな。無事帰って来いよ。
つMS大ダンボール
288 :
285:2010/01/01(金) 13:02:54 ID:???
得体の知れない機体→研究員を初めとしたマッドエンジニア連中の共同開発機(生物兵器あり)
精鋭部隊→DT社私兵部隊、PMCミハシラ傭兵連合、redeyes、王室近衛MS隊レイヴン、etc...
289 :
285:2010/01/01(金) 13:03:53 ID:???
ミスった途中送信。
こんな連中相手に出来ないので嫁さん連れて撤退する
こちら傭兵A、ダンボールGUNDAM、出撃するぞ!
>290
ばかっ! きちんと外装を確認しろッ!!
そのダンボールは自爆するぞッ!!
青いのは見た瞬間串刺しにされるから止めておけ!
金色は生き残れるが喪には意味がない!!
こっちのに換装するんだ!
つ逆シン乗機各種ダンボール
本当、このスレのガンプラ欲しいな……
こちらゲイヴン、シン・アスカを掘れとの依頼を受けた。
これより作戦を遂行する。
GAT-110105のパイロットにすら出来なかったことを出来るわけがあるまいw
>>292 <<いかん!そいつには手を出すな!>>
>>294 私に……ゲイヴンとして生きた証を……
最後に、残させてくれ!!
どうして俺が…!?
,.-'´:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:l
__,.-''´:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:!
`''ー−ア:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:イ:.:.:.:.|:.:.:.:l!:.:.:.∧:.:.:',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ
. /:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.::.〃:.:/ .l:.:.:.:.|:.:.:.:ハ:./ ヽ、:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:./!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l!:.:/ l:.:.:/!:.:.:.! ` lハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
. /'´ l:.:/:.:.:.:/:.:.:.:i|// l:.:.ハ:.:.l \ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:!
∨:.:.:./:.:.:.:.:l ● l:/ ヽ| ● !:.:.:.:.:.:.:.:.:.lヾ'、|
!:.:.:./:.:.:.:.:.:! |! ` l:.:.:.:.:/.:.:.:.l:.:.:!
!:.:∧:.:.:.:.:.:l """ (_人__丿 """ .j:.:.:/:.:.:.:.:!:.:.l
!:/ l:.:.l:.:.:l ヽノ /イ:.:.:.:.:.:.:.ハ:.:l
|! ヽハ:.:ハ 、/⌒⌒i /⌒ヽ j:.:.:.:.:.:.:./ |/
ヽ! / | | \ :.:.:.:l:.:.:!
l:./:.:ハ:./
「あんたはいったんなんなんだ〜?」
シンはこんな弟萌系キャラだったらキラ並にヒットしたと思うんだ。
凸がいらんチョッカイ出そうとして他のクルーに簀巻きにされる姿が目に浮かびますwww
各逆シン女傑がアップを始めたようです
ロミナ 「ママって呼んでいいのよ♪」
アズ子 「お姉ちゃんって呼んでもいいですわ♪」
ミナ 「姉さんって呼んでも…」
ロミナ 「……流石にそれは無理がありません?」
アズ子 「……同感ですわ、ほらシンが怯えて」
ミナ 「ウワァァァァン!!」
…じゃあみなたまとか英国の姫さんとかのロリキャラは姉属性になるんだな、わかります
>298-301
これの逆シンあったら見たい!
というかみんなちびっこになればいい。
かわいいんぱるすでたのむ
そういえば、どこかにショタシンのいるスレがあったな…
あれって落ちたんだっけ?
>>303 マユがお姉ちゃんのスレだっけ?
あれは落ちたはず
……物語中盤で誰かが死んだ後に、超覚醒したり?
こう投下もなくて静かということは、職人方も正月で忙しいのかな?
首領のアフロがお餅に変わると言う電波が
避難所へはある時を境に接続できなくなり……
2chの書き込み規制が解除されたのはクリスマスを過ぎた後……
スレへ来て下さった新人職人様へのご挨拶もままならず……
やってきては過ぎていった美味しいネタを、ただ見ている事しか出来なかった……
そんな思いを新年最初の規制解除記念として書き込ませて頂きます。
――DESTINYから5年――
「カーボンヒューマンを用いて暗躍するライブラリアンの調査に、我がユーラシア連邦が
どう関わっているのでしょうか?」
「生体CPUの最適化に用いる『ゆりかご』は、記憶を編集できると聞いています。そし
てユーラシア連邦は今も……」
「強化兵の開発を続けているのは国防の為です。それ以上の説明が必要かしら?」
目の前に立つ若い男に笑いかけ、黒い軍服を着た眼鏡の女が脚を組み直した。ザフトの
赤服を着た男が気色ばめば、ほっそりした白い指先でカードキーを差し出す。
「良いでしょう……施設の査察を受け入れます。歓迎しますよ、同志アスカ」
「俺はアンタ達の仲間じゃない」
「あら失礼、習慣なもので。プラントは平和ですね。他国に干渉する余裕があるなんて」
シン=アスカに睨まれ、女は肩を竦めた。
――GUNDAM SEED最新作が登場――
突然自分の顔を照らし出した、冷たく白い光にキラ=ヤマトは目を見開く。四肢を拘束
され、首から下を緑のシートで覆われていた。ロボットアームの作動音が頭の上で上がる。
『やあキラ。こういう形で会うのは初めてだね』
「此処、は…? 僕に何をしたんですか!? 貴方は一体……」
アームに取り付けられたマスクに口を塞がれ、途端に瞳が虚ろになった。手術室のよう
な照明の下、キラの身体が円筒形のガラスに包まれていく。しゃがれた老人の声が続く。
『実験と観察はもう充分だと思ってね。今までご苦労だった。眠りたまえ』
――戦争を終結させた英雄……戦場に舞い降りる聖剣が、今――
最高評議会議事堂の廊下を颯爽と歩く白服の男を、紫色の制服を着た人々が振り返る。
「あれ? キラ様。朝から議事堂にお越しなんて珍しいですね」
「ラクスに会っておきたくて。彼女、どこにいるかな?」
「官邸から出てこられたばかりだと思いますよ。今は多分…」
「うん、わかった。其処なら知ってる」
議長に特別に宛がわれた私室のドアが開き、桃色髪の女が笑みを浮かべて立ち上がった。
キラも笑い返す。笑顔のまま黒光りする拳銃を抜いた。
「おはよう、ラクス。さようなら」
――最強の敵と化す――
『地球連合の部隊が接近中! アガメムノン級4隻、ネルソン級6隻……』
『映像を拡大しろ! これは黒いアガメムノン級、ユーラシア連邦か? 一体どういう』
ネルソン級艦隊のビーム斉射によって、哨戒任務にあたっていたローラシア級が一瞬で
塵となった。アガメムノンに繋留されていたMS形態のデストロイが3機発進し、デブリ
を弾き飛ばしながら宇宙に浮かぶ砂時計の群れへと進んでいく。
「停戦協定に、独立……金に飢えた大西洋連合は、プラントを国のように扱ってきた」
アガメムノン級のブリッジに立つ、女。ヘルメットを外したノーマルスーツの腰に手を
当て、眼鏡の片側に触れて軽く持ち上げた。
「全部隊、進軍を継続せよ。愛すべき祖国の為に、母なる大地の為に」
――明かされる妄念――
アロンダイトを下段に構えたデスティニーの双眸が、炎上するアプリリウス・ワンの中
で輝く。その視線を受け崩壊した議事堂に佇んでいるのは、ストライクに酷似した機体。
大型のスコープを装着したビームライフル、スリットの入った赤いシールド、両肩には
ビームサーベルを収納するラック。
『シン=アスカ……インパルスでなくデスティニーで出てきてくれるとは有難い。君のよ
うな男は、殺せる内に殺しておかねばな』
『アンタはっ……何者だ!』
キラの顔で、キラの声で喋る相手を見据えるシンがモニター越しに叫ぶ。『キラ』の笑みが深まった。酷く年老いたような、それでいて溢れんばかりの覇気を覗わせる顔。
『父親さ。この身体のね』
――それは、コズミックイラの血と闇の深みから浮かび上がったモノ――
『ユーラシア連邦は大西洋連合の権威を失墜させたかった……好きにすれば良い。私の
目的は単なる淘汰だ。私を陥れ、出来損ないのガラクタを大量生産した連中は、報いを受
けなければならない』
頭の左半分を吹き飛ばされ、右の翼をねじ切られ、何かを掴もうとするように片腕を伸
ばした灰色のデスティニーが、アロンダイトと長射程砲の残骸と共にプラントのメイン・
ジェネレーターシャフトへと漂っていく。残った右目から光が消え、血涙のような赤いラ
インも輝きを失う。
『コーディネイターとは調整者だ。人類が次のレベルへ歩みを進める為の調整者…それは
私だ。このユーレン=ヒビキこそ、コーディネイターなのだよ』
――機動戦士GUNDAM SEED劇場版 20XX年公開決定――
以上です。失礼しました。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
GSC氏リアルタイム乙です!
この劇場版なら並んでも見に行くのに……
それにしてもユーレン・ヒビキってある意味キラを作ったというSEED最大の悪役ですよね。
こいつがいなかったら戦争も泥沼にならず種死のテロリスト集団AAもいなかったわけですし
GSC氏乙!
ユーレン・ヒビキ、アル・ダ・フラガ、マルキオはCEの三大悪と言っていい
ラクシズもこいつらに比べたら所詮掌の上で踊らされてる猿みたいなものだからな
中身氏もPCが復旧されたものの、規制は携帯ごと継続中との事でした。
避難所に投下された分の代理を行かせていただきます。
乙!
相変わらずの引き出しの多さだなぁ。
>やってきては過ぎていった美味しいネタを、ただ見ている事しか出来なかった……
そんなこと言われたら物凄く気になるじゃないか!
過ぎててもいいのでぜひ読んで見たい!
ギャズからゴーストへの運搬作業が終わる頃、キラはアスランと2人でプライスの食堂にいた。
イザークに少しは休めと怒られたのが30分前。
プライス内部に設けられた自分の部屋に向かう途中でアスランと出会ったのが20分前である。
SOCOM第2艦隊旗艦シェパードに乗艦し、先の戦闘に参加していたアスランが何故プライスにいるかと言えば
「ナイトジャスティスの損傷が酷くてな。次の戦闘に間に合わせるならプライスに行けと言われた」
という事らしい。広大なハンガーが売りのミネルバ級なだけあって、
プライスのハンガーはザフト内ではゴンドワナに次ぐ広さを誇る。
勿論、整備環境もSOCOM随一である。今まで愛機の修理に付き合っていたらしいが、
腹が減って食堂に行こうとしていたという事だった。
自分が久しく食事を摂っていない事に気付いたキラも、それに付いて行く事になったのである。
「こうやって腰を据えて話すのは何時ぶりだろうね」
プライスの食堂に備え付けられた高級士官用の個室。幼少の頃からの親友2人は久々に語らいの場を得ていた。
「そうだな。オーブの時は、碌に話さなかったからな」
遠い記憶を手繰る様に天井を仰ぐアスラン。
宇宙と地上に隔てられた2国の要人となっていた2人は、ここ数年まともに親友としての会話が無かった。
「うん。アスランの凸の広さが時間を感じさせるね」
「・・・俺は禿げてる訳でもヅラでも無いぞ。ただ少し他人より凸が広いだけだ」
「冗談だよ。アスランは昔と全然変わらないね」
ただの冗談だというのに生真面目に答えるアスランに、昔からちっとも変わらない親友を見て安心する。
しかしその言葉を聞いた親友は、顔に僅かな影を落とした。
「変わらないか・・・。そうだな、俺達は何にも変わらない。何時でも血に汚れて、戦っている」
「この前の、クーデターの事?」
「・・・ああ。結局、俺達は変わらない。自分の主義主張を語って、多くの人を戦いに巻き込んで・・・」
サラダを弄るアスランが喋る内容は、俗に言う所の愚痴その物であった。
恐らくカガリにも話せなかったのだろうそれを聞けるのは、親友ならではという所か。
キラにとっても聞き流せる内容では無かった為、彼の話に乗る事にした。
「今僕がやっている事も、同じだと?」
「別に責めるつもりで言ったわけじゃない。・・・いや、これじゃ責めてるのも同じか、すまない」
キラの問いに、ハッとした様に顔を上げて謝るアスラン。
懺悔とも取れる言葉は、オーブとザフトで起こった2つのクーデターが、彼に与えた影響が計り知れない事を知るには十分だった。
「俺はこれからの人生を軍人として、オーブとカガリを守る事に費やす。それが、俺に出来る唯一の罪の償い方だと思うから」
「うん」
「キラ、お前はどう償うんだ?この罪を」
親友として苦しむアスランの愚痴に頷いていたキラだったが、アスランの突然の問いに若干面食らう。
しかし、避けて通れる問いでは無い。キラも、アスランと何ら変わらない罪を背負っているのだから。
しかし、キラの答えはアスランにとって驚くべき物だった。
「・・・僕は、償わない。償えないよ。これからも沢山の人を巻き込んで、泣かせる事になる。
それで、パンパンに膨れ上がった罪は、墓まで持っていくんだ」
「それが、お前の覚悟か」
自嘲的な笑いな筈なのに、妙にスッキリしたキラの表情を見て、下手に気を使うのは野暮だと感じるアスラン。
その姿に、何時も自分を頼っていた幼年期時代の頃のキラを想像するのは難しい。
親友の成長を嬉しく思う反面、もう自分を頼る事も無いのだろう寂しさもあった。
成長という言葉が頭に浮かんだと同時に、ある男の影が彼の脳裏を過る。
「覚悟と言えば、シンの奴も大分凄い奴になったな」
「そういえば、シンはアスランの元部下だったね」
「ああ。・・・まぁ、アイツは俺の事大嫌いだろうけどな」
今度はアスランが自嘲的に笑う番だった。あの頃の自分の馬鹿さ加減に、今更ながら羞恥心が込み上げてくる。
「昔な、命令違反したアイツを殴った事があるんだ。『戦争はヒーローごっこじゃない!』ってな」
「そんな事言ったの?」
自分達にとってこれ程「お前が言うな」な言葉は無い。
所謂ブーメラン発言に、笑いを堪えるのに必死になるキラ。そんな親友を無視し、アスランは話を進める。
「この前、オーブで数年ぶりにあったアイツは変わっていた。
大人になったって言うのかな。昔に比べたら大分冷静にモノを見れる奴になっていたよ」
「うん」
「けど、芯の部分は全然変わっていなかった。誰かを守る為の力以外の力は、アイツにはいらないんだろうな」
「・・・・・」
「ザフトを抜けたのは居場所が無くなったかららしいが、アイツに限っては別の理由があったんじゃないかと俺は思ってる」
「別の理由?」
人工肉のステーキを切り分けながら聞いていたキラは、その言葉の部分で動きを止めた。
シン達ミネルバ組のザフト脱退に、少なからず申し訳無い気持ちを持っていたからだ。
「アイツは・・・シンは、ヒーローごっこじゃなく、本物のヒーローになる事を選んだんだと思う。
勢力に縛られず、強きを挫き弱きを守る。そんな絵空事に、人生を賭けている様に見える」
アスランの推測に、キラはただ頷く事しか出来ない。キラは彼程シンを知っている訳ではないからだ。
メサイア戦没直後に数回会った事がある程度だった。
しかしその数回の会話でも、シンが誰よりも平和を求めているのが分かったし、
自分やラクスには無かったミクロな視点での幸福に目を向けていた。
「俺達とは真逆だな」
自らのシンとの記憶を掘り起こしている最中に、アスランから声がかけられて現実に引き戻される。
「俺達は、周りを巻き込んで戦う。アイツは、自分以外の人間が少しでも戦わなくて済む様に戦う。
その為なら、自分を変える事、犠牲にする事を厭わない。」
攻める戦いと守る戦いという、言葉の上では至極簡単そうに見える対立は、
しかしこの場の2人にとっては非常に難しい問題であった。
「それでも、僕はこの戦いを止めないよ。ラクスがやってる事は、やっぱり許される事じゃない。だから、僕は・・・」
「それは俺も同意見だ。ラクスがやっている事は為政者の範疇を超えてるからな」
『全艦出撃準備完了しました。キラ・ヤマト大佐、ブリッジにお越しください』
互いの意志を確認しあった直後、個室内にオペレーターの声が届いた。
「時間みたいだから行くね。この部屋は使っていて構わないから」
「ああ、こちらも有意義だった。有難う」
食べかけのトレ―を持ってキラが個室を出て行く。
微笑みをこちらに寄越して去っていく親友に、しかしアスランは不安を隠せない。
思わず愚痴を溢してしまったが、ラクスの話をする際の彼は思い詰めていた様だった。
キラは未だに、ラクスを恋慕している。だからこそ、彼女が間違った道を歩むのを見てはいられないのだろう。
もしも最愛の人を自らの手に掛ける様な事があれば、あの心の優しい親友は壊れてしまうかもしれない。
そんなのは悲し過ぎるし、見たいとも思わない。だから――
「カガリ、お前の弟は、必ず守って見せる。もしもの時は、俺が・・・!」
新たな決意を胸に、アスランは冷めきった人工肉を頬張った。
「運搬作業終了。生命維持機能、オールグリーン。機関、オールグリーン。
火器、オールグリーン。艦長、ゴースト何時でも出撃可能です」
「有難うアビー君。マリク、ゴーストは今までのどの艦とも操艦感覚が異なる筈だ。慎重にね。
チェン、この艦にはミラージュコロイドが搭載されてるけど、ナスカU級より信頼性は低いし、展開時の火器も制限される。留意しといてね」
「了解」
「了解」
ゴーストのブリッジはナスカU級と同様の形をしていた。ギャズと比べると大分広いのだが、
慣らし運転も無しに出撃する緊張感からか、ブリッジ全体に張りつめた空気が漂っていた。
「艦長、旗艦プライスから出撃の合図です」
「分かった」
アビーの報告に頷くと、艦長席に備え付けられた通信端末を口元に引き上げた。
「諸君、今回の戦いは傭兵となってから最も激しい物になるだろう。気を引き締める様に。
それと、時間が足りなかったから、ゴーストを塗装し直す事が出来なかった。
時間が出来たら、団員全員に塗らせるから、そのつもりでね」
≪了解!!≫
まるでゴースト自体が声を発しているかの様に艦内全体から声が届き、背負っている命の重さを再確認するアーサー。
やはりこういう事に自分は向いていないなと思いながら端末のスイッチを切る。
傭兵となってから、所有する艦は全てミネルバと同じ灰色に塗られている。
団員一同は、撃沈されて尚少数の死者しか出さなかったミネルバに恩義を感じて塗っている。
しかしアーサーは違った。この色に塗っていれば、何時も艦長が、タリア・グラディスが見ていてくれる気がしたからだ。
最後の最後で艦長としての任を放棄したタリアだが、未だにアーサーは尊敬していた。
的確な判断とアドバイスで艦を指揮していた彼女が見ていてくれれば、アーサーは何時でも背筋を伸ばしていられる様な気がしたのだ。
「エンジン点火、微速前進!」
「了解、微速前進!」
深紅の槍が、束縛を払うかの様にドックから滑り出す。
ヤキン・ドゥーエVを出て直ぐ横に見えるのは、運搬作業の為にドックの横に接岸されたギャズである。
役割を終えた老兵は、この要塞で余生を過ごす事になる。
今まで世話になった艦に敬礼しながら、アーサーは艦隊を再編成する集合地点にゴーストを進めた。
遠のく灰色の船体は、突き進む赤い艦を何時までも見守っていた。
ヤキン・ドゥーエVを少し離れた宙域でSOCOM艦隊は陣形を組み直していた。
組み直すと簡単に言っても、戦艦10隻以上の大艦隊である。
熟練の艦長達の手に寄っても、図面通りの陣形になるのにはそれなりの時間が必要だ。
忙しなく動く戦艦の中の1隻、深紅の艦であるゴーストも不得意な横移動に四苦八苦していた。
『新しいハンガーはどうですかヴィーノ君?』
「うん、上々だよ。少し狭いけど、MS2機を運用するのには十分だし。設備自体はギャズより良いしね」
「なんだ?彼女と通信回線使ってだべってるのか?」
ゴーストのハンガーでは、MSの修理に性を出すメカニック達と搭乗機が無いパイロットが休憩時間を過ごしていた。
そのメカニック達の長であるヴィーノと、僅かながら暇が出来ていたアビーが通信端末で連絡を取っている。
「そんなんじゃないよ。何時の時代の艦にとっても、ハンガーってのは大事なモンなんだ。
それの使い心地、つまり現場の声を、上に伝えている訳」
「ふぅん。可愛げねぇなぁ。もうちょっと慌てろよ」
『慌てる理由がありませんから』
ウォルフガングの修理が完了していない為に暇を持て余していたシンを、
ヴィーノに向けていた声とは同一人物とは思えない冷たい声で刺すアビー。
多忙を極めたここ最近、ヴィーノとアビーは会話らしい会話が出来ていないのだから、彼女が怒るのも無理無い事だ。
『あ、通信が入ったので切ります。またねヴィーノ君』
「うん。またね」
声色を再び恋人に向けるそれに変えたアビーが通信端末から消える。
それを寂しげに見送るヴィーノに、少し悪い事したかな?とシンは頭を掻く。
「そういえば、シンに相談したい事があるんだ」
「うん?」
そんなシンの後悔を余所に、くるりとこちらを向いて話を持ちかける小さい友人。
「ルナの機体はパーツの許容範囲内だったから良かったんだけど、シンの機体のパーツが足りないんだ。
武装パーツは結構予備があるんだけど左腕のパーツが足りない」
「もしかして、次は左腕無しで出るのか?」
逸早く修理を終えたレイヴンは、ルナマリアを乗せて現在艦隊の哨戒任務に就いている。
ミラージュコロイドを張ったままでは、精密な艦隊陣形が組めない為だ。
それに引き換え、四肢を尽く破壊されたウォルフガングは未だにハンガーに収容されていた。
「そんな事はメカニックとしての俺のプライドが許さないよ。ゲルググの予備パーツを分けて貰ったんだ。
それを左手にするついでに、ゲルググ用のアサルトシュラウドを改修した物を装備しようと思うんだけど、どう?」
「どうも何も、今までヴィーノが造った物に失敗作なんて無いからな、頼むよ」
「よし来た!」
ヴィーノが提案したのは、ウォルフガングのフルアーマー仕様の作成であった。
次の戦いの激しさを予想したヴィーノの配慮である。
彼の手製の装備はどれも一級品である為、シンも安心して任せられるのだ。
メカニック達を集め、図面を広げて説明し始める彼を見、また暇になったなと缶コーヒーを飲み干すシンであった。
以上、代理投下完了しました。
お二方ともGJでした。
>>313 一番の悪というか馬鹿はジョージ・グレンなんじゃないかと思う俺
あんなこと発表すればどうなるか分かりそうなもんだろーに
おおっと、あのジョージが木星に行く間際に流れた放送がどうやってジョージ本人が放映したって証拠だよ?
マジレスすれば、全世界のネット上にばら撒くなんて行動、ジョージを作った所がバックアップでもしない限り
まずブルーコスモスやロゴスや一族によって、放映前にジ・エンドだろ
逆説的に言えば、あの放送は、ブルコスやロゴスや一族や、その裏に潜んでいるっぽい
>>313によって
作為的に展開されたモノである可能性がある
そういやブルコスって元は環境団体だっけ?
某緑豆とか某海の警察犬とか見たいな奴
…ロゴスか。アニメじゃ上層部全滅してたけどこのスレじゃ結構元気だよな
>>320 中身氏GJ!
ヴィーノの装備…一級品とは言えどんなゲテモノ装備が付いているか楽しみでならない
>>320 中身氏、代理の方乙です!
某監督の呪いによってフルアーマー装備は直ぐに破棄、ヴィーノが涙目になるような気がするぜ!
>>322 ジョージもといGGユニットが人類と新人類との掛け橋となって欲しいと願い、仲間が増えて欲しいと思って呼びかけたと自白してる。
コーディはあくまで調整者であり、新人類じゃないとも言ってるが。
個人的には、アストレイの描写見るに善人で結構能天気だから、あんまり深く考えずにやっちゃったんだろうなと思う。
しかしコーディか……基本技術の差もあるんだろうが、
遺伝子操作人類と言う点で共通するアーヴとの差異も面白いな。
あ、コーディの到底理知的と言えない言動・振る舞いは最大限の配慮をした上で、な。
>>320 中身氏並びに代理の方乙です
フルアーマーにwktk
>>322 環境団体ってもそんな過激な『環境団体(笑)』みたいなのばっかじゃないぞw
種開始時点の状況じゃ過激思想も止む無しな世界観だし
ロゴスは本編のほうでも普通に残ってんじゃないかな?社長が死んだから会社は倒産ってわけじゃないんだし
・・・このスレで言うべきことじゃないかもだけど、議長のロゴス批判自体むちゃくちゃだったし適当に煙巻いて復活してそう
議長に乗せられて暴れたはいいけど翌日仕事がなくなってた、とかいう事態があってもおかしくはないよな、アレ
そこまで考えずに暴れるアホが多い世界なんだろうなあと納得しておくしかないが
相対的に描写されてない部分はどんどん有能になってる節もあるのでロゴスで切られたのはトカゲのしっぽという可能性も否定できない
>>327 このスレじゃ元妻とか娘とかご老体とかが集まってネオロゴスなるのも出てきてるしな。
それ以外でもどう見ても死の承認です本当に(ryな企業はゴロゴロ出てるし
・・・シンにとっちゃ支援企業だったり囲われそうになったりと味方だけど
>>322 ジョージ「うはwww、全人類見事に釣られてるwwwメwwwシwwwウwwwマwww」←小さい船の中で様子をみてる
そして、世界は大混乱。ブルーコスモスが台頭しコーディは追われる立場となった
ジョージ「うわーやっちったー、みんなごめーん」
こんな感じならなぁ
>>327 まぁ私刑くらったのジブたんと愉快な仲間たちだしなw
>>331 おい、あのおっさんがんな格好してるとこ想像して吹いた俺の緑茶返せw
アズラエル(否盟主王)とかミナさんろみなさんが着るならともかくそれはヤバイだろ!
>>332 阿呆
ロミナママンはともかく前二人はおよそ女性らしい膨らみ等皆無ではないか
前者は絶壁、後者はガチガチの大胸k
GSC氏はマジで引き出し多いな
SS職人レベルを超えてるよ
>>327 スケールのでかい経団連みたいなものだと解釈していたので、トップ陣が根こそぎ失脚したとしても
1か月くらいで入れ替わって名前だけ変えて再スタート出来そうだと思ってたw
>大型のスコープを装着したビームライフル、スリットの入った赤いシールド、両肩には
>ビームサーベルを収納するラック。
RX-78-2を思い浮かべたのは俺だけじゃないはず
この流れなら言える!
とある企業の絶壁社長とか、とある勢力の大胸筋とかどうだろう?
付き合うとしたら絶壁社長か。主にたかる的な意味で。
大胸筋は命が何個あっても足りない。
そもそも同じピンクの絶壁も自分がしゃべるのは大好きで他人の話を聞くのが嫌いで話が続かなさそうだし
赤毛のアホ毛は尻軽だし妹ツインテールはもっと尻軽だしボケボケ金髪は「死ぬ」ただけで切り刻まれるし
とある財閥の爆乳総帥とかとある街の褐色薄乳は…?
とあるMSの人工知能も忘れるなよ!
大公、しっぽ頭、キラクローンあたりは?
あけましておめでとうございます。
新年一発目投下させていただきます。
オーブ首都オロファス近辺
オーブ民主開放同盟を名乗るクーデター軍に首都が制圧され数日経ったオーブ。
多数のMS、AFV、ヘリなどの戦闘兵器群が首都を包囲するように銃口と監視の目を向ける。
PMCアメノミハシラ社主、オーブ影の軍神 ロンド・ミナ・サハクが自社の戦力を中核として、残存オーブ軍を纏め上げたオーブ解放軍、その先鋒だ。
その戦力の大半は前線から多少離れた場所に臨時の司令部と仮設の整備場を作り、攻撃開始の機会を見定めている。
PMCアメノミハシラが長、ロンド・ミナ・サハクが仮設の通信テントに入り、どれ程の時が過ぎただろうか。
落ち着かない様子でテント前をうろうろと彷徨う女性が一人。
黒いスーツに身を包み、軽くカールの掛かった茶色の髪、手に持ったメモを落ち着かない様子で開き、また閉じる。
「ベルさーん こっちは準備できましたよー」
緊張感漂う戦場に似つかわしくない暢気な声がベルデナットの耳に届いた。
「何の騒ぎだ?」
通信テントの隣、情報収集班用のテントから箒にも似た髪の男が顔を出す。
その口元には一本の棒。 だが煙草や葉巻ではない。
「あ、ケナフさんお疲れ様です」
暢気な声の主、PMCミハシラ技術主任ユン・セファンがぺこりと頭を下げ。
クッキーにチョコレートを塗した菓子を咥えたまま、PMCミハシラ情報責任者ケナフ・ルキニーニには挨拶代わりに片手を上げる。
「で、何の騒ぎだ? ん……撮影機器か?」
ユンが持つ何か、小型のビデオカメラに気付いたケナフは菓子を口から放すとベルへと問い掛けた。
「ええ、折角なので撮っておこうかと」
(元ジャーナリストの血騒いだか?)
ベルの言葉に興味深そうな顔をしてみせるケナフ。
タイトル入れ忘れた……
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request23.5 『影の軍神の演説』
一方、ミナの長かったプラントとの通信も終ろうとしていた。
『ミナさんも御武運を……』
大型モニターの向こうでシンがオーブ式の敬礼をする。
珍しく殊勝な態度だな。 そう思うがミナは口には出さずに心中へと仕舞う。
「言われるまでもないが礼は言っておこう。 死ぬなよ、シン。 ……貴様には貸しが山ほどあるのだからな」
別れを惜しむ事無く此方から通信を断ち切った。
戦場では何があるか分からない。
これが今生の別れと言うこともあるだろうか?
そう感じる自分に僅かな戸惑いを覚えながらミナは苦笑する。
乙女座の男は、センチメンタルなロマンティスト。とは誰かの戯言だったか。
「変わったものだな、私も……」
かつての自分、愚弟にして最愛の分身、ギナと共にいた頃からでは考えられ無い。
奴に影響を受けたか? だが、決して不愉快ではない。
ふん、と愉快そう鼻を鳴らしミナは立ち上がる。
「ミナ様、よろしいですか?」
タイミングを見図っていたのか、ベルがテント内に足を踏み入れた。
「ああ、構わん……なんだ? 撮影するのか?」
頷いたミナはベルの手元にある小型のビデオカメラを見ながら問い掛ける。
「はい。 使えるものは有効に使いませんと」
「……だそうだ」
ベルのすました態度にどうするんだ? と言わんばかりに肩を竦めるケナフ
「やれやれ困ったものだ。 まぁ良い。 ……行こうか」
二人のやり取りに微笑みを浮かべると外套を翻し、テントから出て行った。
黙認と受け取ったのか、ベルはユンから受け取った小型カメラを構え、ミナの後に続く。
仮設テントの前に立つのは鉄騎兵の群れとその足元に立つ屈強の兵士達。
左にはオーブ精鋭の空挺師団に陸軍首都防衛隊。 黄金色のアカツキを先頭に、M2アストレイに地上使用のムラマサ。
右にはPMCアメノミハシラ一騎当千の兵達。 先頭に立つ三機はロンド・ミナ・サハクが近衛、フォー、シックス、サーティーンソキウスの後期GAT改良型。
真紅のソードカラミティ、濃緑のレイダー、紺色のフォビドゥンにヤタガラスとイナバが続く。
満足そうにミナは周囲を見渡すと、仮設テントへと振り向く。
仮設テントの後ろに立つのはミナのもう一つの体とも言える愛機。
黄金色のフレームに黒き鎧を纏った、王道を外れた者。
名をプロトアストレイ01。 超最新強化型重武装新アストレイGF天M改CE77仕様ユン・セファンスペシャル”アマテラス”
外見こそ以前の天とさほど変わらないが、ここ数年の間に幾度もの大規模改修を受け、頭部と一部フレーム以外の全てが新造品へと置き換わっている。
「ミナ様、拡声器を……」
「いや、よい。 私の肉声で伝えたい」
ユンより手渡されたマイクを受け取る事を拒否すると、用意された台に乗ることも無く深呼吸をした。
「諸君! 我がアメノミハシラの精鋭達よ! 勇敢なるオーブの防人達よ!」
ミナの張り上げた声に空気が震え、兵達の顔が一層引き締められる。
「敬礼はいらぬ、そのままで良い。 楽にしてほしい」
場の雰囲気を一瞬で作り変え、思わず敬礼をしようとしたオーブ軍兵士──指揮官たるキサカも含め──を右手で制する。
楽にせよと言葉を受けても、全員が直立不動のままミナの発する言葉に耳を傾ける。
(これが……カリスマか)
キサカは内心その重圧にも似たものに惹かれ始めている自分に気付いた。
かつてオーブの獅子、ウズミの若い頃の雰囲気に似ている。
カガリとは年齢の差があるとは言え、良くも悪くもミナの方が勝っている。
“今の”カガリでは太刀打ちできない。
後数年、いやどれだけ年月が経とうとも今のままのカガリでは、父の、アスハの妄執に捕らわれたままではミナと対等の位置に付くことさえ不可能だろう。
あるいは“この世界”では起きなかった、彼女を変える出来事があれば、カガリはミナさえも越える事が出来たのかも知れない。
「我が精鋭たちよ。 アメノミハシラはPMCであり利益追求団体である。
その活動を継続させる為には利潤を上げなければならない……だが!
各国より依頼を受けた、プラントが首都、アプリリウス周辺宙域で行われる戦とは違い、このオーブで行われる戦に利益はでない。
故に! これは私、ロンド・ミナ・サハクの私闘である! この中に居る者はオーブ出身の者だけではない。
だからこそ、この戦に不服のある者は立ち去って構わぬ。 私はその事について責めようとは思わない」
ここで一旦言葉を区切り、ミナは周囲を見渡す。
事前にプラントへと増援として送る兵を外したとは言え、見事に組まれた隊列から抜け出そうとする者は一人もいない。
「…………立ち去る者のいない事に、先ずは感謝しよう。 ありがとう」
深々と下げたミナの頭に僅かなざわめきが走る。
だが、それの小さな波紋もそれを打ち消すようなミナの声が聞えるまでだった。
「私は諸君らをミハシラへと招いた時の言葉を忘れていない。 私は諸君らの多くに、こう言った筈だ」
『生の充足を感じられる場所を与えよう。
己の死様に満足出来る場所を与えよう』
「私は諸君らに先の約束を果たしたつもりではあるが、後の約束は未だ果たされていない。
故に、どんな理由が有ろうともこの場所での死は許さない! 繰り返し言おう! この戦に置いて一兵の死も許さぬ!
まぁ、諸君らの中に戦友を差し置いて死という安息を得ようと思う愚か者はいまいが……念の為の一押しだ。
……ああ、もし私と契約した事を後悔している者がいるなら、死んだ後、冥府にいるであろう閻魔にでも泣きつけ。
私はロゴスの銭ゲバ共と違いケチではない。 約束を違えた馬鹿者にでも、慰労金替わりに三途の川の渡し賃を払ってやろう」
冗談めかしたミナの言い方に戦列から含み笑いが漏れる。
咳払いをすると弛緩した空気が元に戻るのを確かめ、ミナは再び口を開く。
「しつこいだろうが、最後にもう一度言おう。 PMCアメノミハシラの長としての業務命令だ。 我が敵を討ち、生き残れ!」
一斉に最敬礼を取るミハシラ兵。
その光景を見て再びみなは満足そうな笑みを浮かべる。
ミナが全世界を駆け回りスカウトした一癖も二癖もある腕利き達。
彼らはサハクはでもオーブ人でもない。 生まれも育ちも境遇も全て違う
そんな彼らが自分に付いて来てくれる事がミナは純粋に嬉しかった。
「……さて、オーブの防人諸君待たせてしまったな。 私は五大氏族の身でありながらオーブを捨てた身である。
サハク家を慕い、信じた者達の中には私に失望した者もいるだろう。 その事に関しては謝罪を述べよう。 すまなかった」
再びミナが頭を下げる。 今度は明らかに動揺が奔る。
「しかしながら、今は私の非力さを釈明する前にすべき事がある。 今、オーブが侵されようとしている。
……しかも、それを行おうとしているのは私と同じ、諸君らと同じオーブ人だ。
これを許してもいいのか? 否! それだけは断じて許してはならない。
かつて英霊達が命を賭して守ったモノを蹂躙される事などあってはならない! 私は、その為に戻ってきたのだ!
だから、私に、このロンド・ミナ・サハクに諸君らの力を貸して欲しい。 オーブという国を守る為に!
オーブの防人諸君よ。 君達にも我が社の社員達と同じ事を言おう。 諸君らは死んではならない!
諸君らには戦後やらなければならない事がある。 それは国の復興だ。
全てが終わった後、人の心も土地も国も何もかも荒れ果てるだろう。 だが、どんな事があろうともオーブは滅びぬ。
何故なら、国とは土地ではなく、軍でも無く、議会でも、ましてや氏族などではありえない。 人だからだ!
人々の中にオーブを故郷とする心がある限り、オーブは滅びぬ、必ず復興する。
その時こそ、諸君らの力が必要とされる時だ!
故に死んではならぬ! 生きろ! どんな絶望的状況であろうとも諦めるな! オーブの敵を討ち、生き残れ!」
最前線に立つ屈強な兵士達も、それを裏から支える後方部隊からも声を発する事が出来ずに押し黙る。
周囲には物音一つ無い。 ここでミナは言葉を区切り深い深呼吸をした。
「諸君! 我がアメノミハシラノ精鋭達よ! 勇敢なるオーブの防人達よ! 今一度言おう!」
より一層大きく、良く通る熱気が多分に含まれた声でミナは言う。
「 我 ら が 敵 を 討 ち 生 き 残 れ ! ! 」
大きく頷くと外套を翻し、司令部へと戻り始める。
背中越しに兵士達の声が聞こえた。
大気が振るえ、大地が揺れる。
その場は熱狂の渦に飲み込まれていた。
(……凄い)
民間人ながら元ザフトFAITHの経歴を買われMS隊の指揮を務めるリンナはミナの演説、それに惹かれた兵士達の熱狂に感嘆する。
カリスマ性ならば、かつて間近で見た若かりし頃のウズミやプラント前議長デュランダルにも引けを取らないだろう。
「生き残れ、か……」
口中でミナの言葉を反芻するとは天を仰ぎ見る。
「私は生き残って見せるわ。 だから貴方も無事に帰ってきてよ、タキト」
今は遥か彼方にいる伴侶の無事の帰還を願いながら、リンナは乗機である灰色に塗られたムラサメの元へと歩き出した。
「見事な演説で」
ミナが司令部のテントに足を踏み切れるとそこには忙しそうに動く司令部要員に混じり、オーブ軍の軍服を着た癖のある金髪の男がいた。
「フラガ一佐か。フッ……道化と笑うか?」
その男、ムウ・ラ・フラガを視線に捕らえたミナは自嘲じみた笑みを浮かべ聞いた。
「いえ。 施政者ならば道化にならくてはいけない場面もあるでしょう。
それに道化ということでは俺は人の事を言えませんよ。 生きている事自体が喜劇みたいなモンですから」
二、三度首を振ると、ムウは過去を悔いる罪人の様に呟く。
「……襲撃を受けたと聞いていたが、健啖そうで何よりだ」
無関心な表情を装うと、ムウの言葉をわざと聞き流すと、ミナは話題を変える。
「……すみません、アークエンジェルを奪われてしまいました。 自分は掠り傷程度で済みましたが、マリュー、艦長や他のクルーは結構な怪我です」
「改装後の公試中に仕掛けられたのでは仕方ないだろう。 気にするな。 第一、私に謝った所で何かが変わる訳でもあるまい」
深々と頭を下げたムウを片手で制すると、ミナは言葉に若干の皮肉を込めた。
「上には部下や坊主……シン・アスカも居るのに心配そうではないですね」
何処か楽しげにも感じられるミナの態度に疑問を感じたのか、不思議そうな顔でムウは聞く。
「“不沈艦”アークエンジェルが敵。 フン、結構な事だ。 その程度で怯むような部下を持った覚えはないし、奴ならば何とかして見せるだろう。 要らぬ心配と言う物だ」
楽しくて堪らないのか上機嫌に鼻を鳴らし、ミナは答えた。
「そうですか」
ミナの言葉の裏に隠された部下とシンへの絶対の信頼を感じとったのか、静かにムウは頷く。
「ああ。 シンから伝える様に言われた事がある。
俺はアンタを許せない。 だから、生きて、生きて最後まで苦しみ続けろ。 楽に死ねるなんて思うな。
俺は……人の死は、嫌と言うほど沢山見て来た。 この手で命を奪いもした。
今から俺が言うのは綺麗事だ。 だから、あえて言う。 生きてくれ。
……だそうだ。 MS隊の指揮を取ると聞いたがアカツキで出るのか? せめてM2に乗ったらどうだ?」
「アカツキなら敵に対する威嚇効果もありますし、味方の士気も上がります」
腹を括り、覚悟を決めた男は悲壮なる決意を顔に浮かべる。
「……贖罪のつもりなら止めておけ。 私もシンも寝覚めが悪くなるだけだ。
つまらない物を見た様に眉を顰め、顔を歪ませるとと吐き捨てるミナ。
「そう言うつもりじゃないんですがね。 ……いや、心のどこかで死んで楽になろうとしてたかもしれません。 俺にはそれ以外思いつかなかった」
「貴官にも先程の兵達に言った事と同じ事を言おう。 死ぬな、生き残れ。 贖罪ならば生き残って考えれば良いだろう」
「ええ、生き残りますよ。 俺は不可能を可能にする男ですから」
自分自身の言葉に苦笑しながら敬礼をすると、ムウは司令部より立ち去る。
「かの大天使まで敵か……さて、どう動くかな?」
ムウが居なくなったのを確認すると新しい玩具を得た子供のように無邪気な笑みを浮かべ、答えの出ない問いを今は見えない空へと投げかけた。
今回は以上です。
ご感想ご批評等何かありましたらお願いします。
そして今年もよろしくお願いします。
>>347 MOR氏新年一発目乙です〜。本編の幕間な感じで、こっちはこっちの決戦!という雰囲気が伝わってきましたわ〜
ミナ様格好いいよミナ様。久々に正しく女傑!って感じのカリスマ全開なミナ様で痺れました
本編の方も、コンビ宣言したシンとRBの戦いにwktkしつつ次回をお待ちしております〜
そして、一箇所だけみなたまハケーン。このみなたまは誰にも渡さn(ry
訂正のお知らせ。
……すみません。 またやらかしましたorz
作中にてリンナ・セラ・オシダリ(旧姓イヤサカ)を元ザフトFAITHと書いてしまいましたが、正確には統合開発局局のテストパイロットでした。
ぶっちゃけるとうっかりアンリ・ユージェニーと設定が混じりました。
今後このような間違いが起きませんようにしますのでより一層の奮闘努力をいたしますのでよろしくお願いしますorz
投下ご苦労様です。
かっこいいミナ様はとてもGJなんですが、
残念なことに冒頭でオロファトとヤラファスがごっちゃになってましたよ?
GJッスー
いやこことか他の場所を見てもミナ様が種終了時点で首長になっていれば……としか思えない。
……年齢が無理? 新規ファンが開拓できない?
なら漫画版の作者つながりで
みな「みせてやろう……これが、私の、真の素顔ッ!!
ロンド・みな・サハク――設定年齢19歳ッ!! 蟹座のB型ッ!!」
4バカ「「「「無茶だッ!?」」」」
とまあこんなかんじですればどうでしょうかミナさ
>>351 うん無理だよね明らかに見た目が若すぎる
てかアレはどう見ても別人でしょうw
…なんだこの熱源は。どんどん増えて…俺が包囲されている?
355 :
通常の名無しさんの3倍:2010/01/10(日) 21:41:58 ID:hsggCPZA
>>351-
>>354 すげぇな、PMCミハシラオールスターズだ。 ってかさ、種時点で劾が26歳、ロウが18歳。
仮にその中間で22歳だとしても(とてもそうは見えんが)種死の時点で24。 アフター物じゃあ確実に三十路に踏み込むかその手前
ん……? アレは、ソキウスシリーズ……完成していたのk
レ、レッドアイかredeyesに連絡を急げ!
同じ傭兵のよしみでどうにかしてくれるかも知れん!
…そういやどっちも年増がヒロインやってたな…待て連絡中s
>>355 おいおい何言ってんだ?熟れた美貌の美女なんて最高だろ
だいたいロミナママンなんかその上の四十代…あれ目の前の風景が揺らいd
>>357 ニコルパパって相当若い妻を娶った事になるぞ。それだと。
タリアが29歳で人妻で子持ちだから、プラントは結婚年齢がナチュラルより早いのか?
成人として認めれるのが15歳からだっけ?
だったら結婚可能年齢も引き下げられてたりするのかなあ
ジョージ・グレンが『人体改造の手引書』を公開したのがCE15
そこから第一世代が誕生するのが最短で翌年で、開戦まで54年
第三世代の出生率がどーのと問題になるためには、最低でも5年や10年のサンプリングが必要だろうから……
その辺考えると、結婚年齢とか早いんだろーなーというか、そうでないと辻褄が合わん
設定された事実を、人物設定した人間が覚えているかどうかは別として。
たしかパトリック・ザラが47歳で、シーゲル・クラインは48歳
ところで思ったんだが、ここの作品それぞれに
オープニングとエンディングテーマつけるとしたらどんなイメージの曲?
個人的にGSCはテッカマンブレードの「REASON」、
ジオン氏のはゾイジェネの「夜鷹の夢」かなぁ
「MURAMASA」が似合うSSは無いかな
19氏のロミナ生存ルートのは未来への咆哮を掛けて読んだら個人的にかなり盛り上がったな
このスレじゃ結構な数ってか殆ど全部の作品でオリジナルの機体とか勢力が出てきてるけど、
特に軍事企業系だとどれくらいあったっけ。纏めて見たい。
例えば絶壁オ上のダイアモンドテクノロジーとか
>>364 夢想状態の光を見たとき、GSCの英雄状態のシンってこんな感じなのかと思ったわ
あれ? >365いたよな? どこいったんだ?
特にどれっていうのは無いんだが、戦闘シーンは
ブラクラの曲とかJAMproの曲とかかな。
そういえば、英雄状態のシンと銭割れ状態のシンってどっちが強いんだろう…
覚悟完了(覚悟のススメ)も合うと思う
TOUGH BOY(TV版北斗の拳2)にも一票
シン「南斗獄屠拳!」
シン 「キラ・ヤマト! お前に足りないのは欲望…執念だ!!
…あっ、だけどピンクはいらないから置いてってやるよ
俺にはコニールやロミナさんがいるし、じゃ♪」
ということですね、わかります
ドンッ
シン「うっ!!な…なにを!! ト…トダカさん!まて!!」
トダカ(ニヤ…)
シン「ト…!!」
数年後
シン「俺を助けてくれたトダカさんはもっと澄んだ目をしていた…なぜこんな事を?」
トダカ?「フ…私は変わらん、時代の方が変わったのだ。
時代が民生復興よりアスハ家神格化の方を選んだというだけの話だ!
シン君、カガリ様はいいぞ?フフフ…」
キラ「フレイも置いてってよ……」
そんな事言ってるとまたピンクのエターナル強行形態に叩きつぶされ……って遅かったか。
・・・・・・・・・・・なんか珍妙な兜被って巨大な馬に跨るラクスの姿が見えたんですが
「蒙古覇極道ですわー」 いや、それちっと違うから
ここは80年代のジャンプ読者が多いスレですねw
目玉親父が・・・・・・・・・・・・もう見れない
何故、ココで悲しむwww……orz
この板でそういう話聞くと、仮面被ってまた出てくると思うじゃないか
orz
職人相談スレでガンクロにコメント欄付けようかと言う話があるが
語る側、読む側としてはこれどーよ?と聞いてみるテスト
俺としては別にいらん。
なんつーか見栄え悪くなるし、一方通行というか言い捨て感というか、
なんだろ、古参様乙と言われればそんな感情かも知れないけど、なんかそんな敬遠意識がある。
アンチ乙だの信者乙だの荒れるのが見え見えだから要らん
>>382 ここぞとばかりに荒らしコメ繰り返す輩を永久アク禁にできるとかの
仕組みがあるんならまだいいが、そうでないならやめといた方がいい。
一つ一つ削除とか管理人氏の手間が増えるだけだ。
大分前に投下された作品に感想言いたいときもあるけどな。
そういう時は避難所とかで叫べばいいかと思ってる。
確かにあそこにあれば便利とは思うけど、
悪意ある感想でいつの間にか職人がいなくなってたとかはいやだ。
悪意ある感想で、か・・・そういや傭兵氏とか最近見ないな。
性別わかってから粘着しだしたのが一人いたけどそれが原因なのかな・・・だとしたら残念だ
別にコメント欄付けてもいいんでない?
荒れるようならコメント欄自体を消せばいいんだし。
>>388 規制の影響か知らんが最近書き手さんの投下自体少ないからどうだろうね?
なんにせよ、最近過疎気味だからなぁ……
つーか職人の意見はどーなんだよ。一番重要なのそこじゃね?
アク禁されまくって投下する意欲も落ちてるからだろ
避難所に落とせと言われたらそれまでだけど
避難所に最新話を発表されておいででしたので、
代理投下行かせていただきます。
ヤキン・ドゥーエVとプラントを直線で結んだ軸線上の宙域に、プラント防衛隊の大艦隊が整然と陣形を組んでいた。
ローラシアU級、ナスカU級が主力を担う艦隊には、ヤキン・ドゥーエVから帰還した新造艦も勿論参加していた。
戦略的撤退、悪く言えば敵前逃亡同然に逃げ帰って来た平べったいエイの様な形のそれは、
今はプラント防衛隊の旗艦という大役を担っていた。
その艦のブリッジから大写しになっているプラントを見る女性が1人。
美しいピンク色の髪を結上げ、白い陣羽織を羽織る彼女は、プラントの議長であり、同時に同防衛隊総司令官でもある。
その様子に見入っていた元ヤキン・ドゥーエV参謀、アベル・オーランド中佐は、新造艦スレイプニルの副長席に着いていた。
自らの師がどれだけ嫌っていようと、ガラス越しにプラントを眺める彼女は美しかった。
アイドルらしい可愛らしさこそ今は見られないが、
女性としての母性に満ちた眼差しに凛とした出で立ちは、男性でなくとも見惚れてしまう。
その魅力は、コーディネイトだけでは説明がつかない、彼女が歩んできた人生から滲み出る美しさなのだろう。
そんな彼女がこちらに振り返ると、形の良い唇を開く。
「騎士団と通信を繋げて下さい」
「りょ、了解しました」
不意に出された指示に、中佐同様見惚れていたであろうオペレーターが慌てて騎士団団員がいるハンガーと通信を繋いだ。
「聞こえていますか?予測では後数刻でこちらとSOCOMとが衝突する筈です。各々、覚悟は良いですか?」
『うん、分かってる。ラクスとプラントは、必ず僕が守るよ』
『まだ戦争をしたい奴がいるっていうなら、俺が薙ぎ払ってやりますよ!』
『お前は熱くなりやす過ぎだ。ラクス、平和の為にも、早くこの戦いを終わらせよう』
モニターには様々に情報が表示されている為にボイスオンリーではあったが、団員達の意気込みは十分にブリッジに届いた。
ヤキン・ドゥーエVにいた騎士団の面々よりも幾分人間らしい声である。
ラクスに対してラフな言葉使いなのも、彼女とより近い間柄だからだろう。そう想像する他無い。
なにせ、彼らはザフトでは無くラクス・クライン直属の部隊なのだ。中佐も顔すら拝んだ事が無い。
「そうですね。こんな事は終わりにしなければなりません。貴方達の活躍に期待します」
それに頷き答えたラクスが通信を切る。
「艦長、部隊の展開率はどうですか?」
「現在82%です。全部隊による艦隊の形成は連合との戦い以来ですからな。新人達が遅れているのでしょう」
艦長席の上に位置する、総司令官席に座ったラクスに、髭面の艦長が不満そうに答える。
彼は血のヴァレンタインで家族が宇宙空間に散る様を自分の指揮する戦艦から目にしている為、
プラントを守ろうとする気持ちが人1倍強い。
メサイア戦没ではラクスと敵対したものの、その平和への思いからラクスの座乗艦の艦長を務めていた。
「急がせて下さい。民間人の様子はどうですか?」
「はい。今の所目立ったパニックは起きておりません。連合の動きも確認出来ません」
ラクスの後半の言葉を受け取った秘書が、淡々と答える。
何時でもラクスと行動を共にするとはいえ、戦艦にまで同乗するとは大した胆力である。
「結構です。もしもの事もあります。オーディンの準備も万端に」
「あれを・・・使うのですか?」
「もしも、の為です。」
背後から聞こえる指示に、不安げに振り返る中佐。それに対し、優しく答えるラクスは聖母その物だ。
「貴方の懸念する事は分かります。過ぎた力は、新たな争いを呼ぶ、と。しかし、この場にいる者達は皆、祖国を守るという純粋な想いによって戦うのです。その志がある限り、オーディンが我々に間違った道を指し示す事はありません」
断言する声色には、一片の曇りも無い。ラクスの言葉は暗闇に惑う人の心に道を示す。
そこから来る安心感が、彼女の地位を不動の物として来た。
それはこれからも変わらないと、誰しもが疑わない眼差しが、今は襲い来る敵に向けられている。
プラントとラクス・クラインを守る、プラント防衛隊はその意志で統一され、高い士気を保っていた。
ミラージュコロイドを張りながら全速力で進むSOCOM艦隊、その前衛に位置するゴーストに、旗艦プライスから情報が届いていた。
「プライスがプラント前方に展開するザフト艦隊を映像で捉えました。最大望遠です」
「・・・これはっ!!」
アビーの凛とした声と共に表示された映像は、アーサーを立ち上がらせるのに十分な物だった。
「プラントとの距離が近過ぎる!あの人は何を考えてるんだ!!」
ブリッジに顔を出していたシンも思わず叫ぶ。映像に映った大艦隊、その数も十分驚くに値する量ではあったが、
ブリッジにいるクル―達にとってはその背後に映るプラントの大きさの方が驚愕に値する物だった。
最大望遠でも、船体とプラントの大きさを比べればその相対距離の近さが分かる。
「でも民間人から見たら心強さを感じる距離かもしれない。守ってくれる物が近くに見えた方が人は安心するからね」
アーサーの言う通り、プラント防衛隊の位置取りは民間人に心強さを与え、尚且つ恐怖心は煽らないギリギリの場所であった。
勿論、軍人から見れば近過ぎる距離ではあるのだが。
「しかし艦長、これではこちらからの艦砲射撃がプラントに被害を与える可能性があります」
「勿論、向こうはそのつもりであそこに防衛線を敷いているんだ。撃てるものなら撃ってみろ、とね」
「そんな!?」
懸念を口にするチェンに、アーサーが頷く。正規軍が取るにはあまりに危険な行為に、アビーが声を上げた。
「恐らくヤマト大佐の性格を分かっていて取っている戦法だ。プライスの方でも考えている様だけど・・・」
「選択肢は、ありませんよ」
アーサーの言葉を待たずに、シンが言葉を引き継ぐ。
「艦砲射撃は諦めて、ミラージュコロイドでギリギリまで接近。MSによる白兵戦でけりを付けるしか無いでしょ。
逆に、プラントへの被害を考えない作戦をキラさんが取ったら、俺はプライスを沈めます」
腕を組み、憤りを露わにしたシンは、そのままブリッジを出て行った。
「・・・でも、シンの気持ちも分かります。プラントに住んでいた者なら誰だって怒りますよ」
「ラクス議長の思惑に気付いていればね。
でも、もしこの戦闘でプラントが傷付いたとしても、その罪は全部攻撃を仕掛けたSOCOMが被る事になる」
シンの憤りはブリッジにいる誰しもが理解出来る。内包する命の重さに関わらず、果てしなく脆い人工の大地。
それを人質の様に扱うラクス・クラインの思考が理解出来ないのだ。
「この戦力差だ。質の差を考えても、こんな危険な賭けに出るには些か早い」
「ならどうして・・・」
「議長は僕達を降伏させたいのかも知れない。月にいる連合が何時動くか分からない状況だ。少しでも戦力の消耗を防ぎたいんだろうね」
アーサーがラクスの思考を分析して行く。その時、アビーが座る通信席から緊急通信が入った。
「艦長、プライスから全艦に向けて通信です」
「艦内に流して」
「了解」
アーサーの指示にアビーが動き、メインモニターにキラが大写しになる。
『先程送った映像の通り、プラント防衛隊はプラントを背に防衛線を敷いています。
その為、こちらからの艦砲射撃はプラントを破損させる恐れがあり出来ません。
射線軸がプラントと被らない様に迂回するという手もありますが、
ヤキン・ドゥーエVの時とは違い、向こうには優れた索敵能力があります。
いくらミラージュコロイドを用いても迂回する前に発見される可能性が高いでしょう』
一気に状況を説明したキラはコホンッと咳払いを1つして、更に言葉を続けた。
『以上の要因から、作戦は至近距離でのMS戦になります。
艦隊は、ミラージュコロイドによる隠蔽が暴かれる直前まで敵艦隊に向けて全速で前進。
敵艦隊に接近後直ぐ様MS戦に移行します。懐に飛び込む事が出来れば、敵艦隊も誤射を恐れて砲撃が出来ない筈です。
MSパイロット各員は、プラントを傷付ける事の無い様細心の注意を払って下さい。各艦は20分後に最大戦速』
キラはそこで言葉を切った。作戦を話し終えた筈だが、まだ彼の言葉は続く。
『今回の作戦は、我方にとって大損害を被る事が前提になるであろう作戦です。
しかしそれでも、我々がプラントを傷付ける訳にはいかない。
だからと言って、ここで逃げる者を責めない・・・とも言えません。
戦力が足りなくなりますから。情けない司令官ですが・・・皆の命を下さい』
通信が切れ、モニターからキラが消える。
彼が敬礼しながら放たれた最後の台詞は、否が応でも聞く者に返礼をさせる響きがあった。他の艦の面々も同様だろう。
傭兵としての立場から言えばトンズラしても許されるだろうが、レッドアイズの面々にそれを提言する者はいない。
「格好良いねぇ。僕もあの位顔が良かったらビシッと決まるのに」
「艦長はそのままで良いんです。何時もあんなのと一緒にいたら肩が凝りますよ」
「そうですね。今の情けない艦長が良いんです」
「ちょっとアビー君、それは酷いんじゃない?」
ブリッジクル―に散々言われて肩を落として見せるアーサー、その姿にブリッジは笑いに包まれた。
キラからの通信は、ゴーストのハンガーにも勿論届いていた。
「あんな事傭兵の俺達に言われてもなぁ」
「そんな事言って、やる気満々じゃない」
フルアーマー化の最中である愛機を見上げながらシンがぼやく。
直接の接触は少ないものの、シンにとってキラは因縁浅からぬ相手である。
はっきり言ってあんな風に言われる程の信頼は、彼等の間には無かった。しかしシンは逃げようとはしていない。
横のルナマリアに肘で小突かれ、そんな自分を自覚する。
「ルナ、レイヴンは何所か改修しないのか?」
「しないわ。バレットドラグーンのお陰で防御は堅いし、これ以上何か付けたら機動力が落ちて逆に危ないのよ」
「・・・ルナがそう言うなら、別に良いんだけどさ」
首を横に振るルナマリアに、それ以上何も言わず黙るシン。
バレットドラグーンはその防御性能と大きさの性でどうしても重量が嵩む。
これ以上の重量増加は単なるデッドウェイトにしかならないのだ。
「ふふっ、心配?」
「当たり前だろ。ルナが戦闘に参加するのに心配しなかった試しは無いよ」
おどけて見せるルナマリアに、シンは至って真剣である。それだけ大切な存在だ。出来る事なら今回は自分だけで出たいが、
ここ最近バレットドラグーンを使いこなそうとシミュレーターで練習に没頭しているルナマリアを見ている身としてはそれも言えない。
「あ、また私に出るなとか言いたそうな顔してる」
「そっそんな事無いぞ!」
何で考えが読まれたんだと焦るシンだが、外から見ればばれない方がおかしい表情をしていた。
女性は一定の年齢を超えると心が読める様になると言うが、それとは全く関係の無い事である。
「もう少し信頼してよ。パートナーじゃない」
「ごめん・・・」
「大丈夫よ。絶対」
見るからに凹む男の頭を、背伸びして撫でる。彼は『何か』を守れない事を全部自分の責任にしてしまう悪い癖がある。
それでいて、自分の事はその『何か』には含まれていないのだ。
そういう意味で、戦場で死ぬ確率ならルナマリアよりもずっとシンの方が高い。
傲慢で、我儘で、それでいて周りを心配させる危うさは、幾ら成長しても変わらない。
それは、失い続けてきた男の自己防衛本能がさせる事なのだろう。『何か』を守る為に死んだその時やっと、シンは救われるのだ。
「ルナ・・・?」
頭を垂れていたシンの目に映ったのは、自分の頭を撫でながら大粒の涙を流すルナマリアであった。
どうしたんだ?と聞く暇も無く、ルナマリアが胸に飛び込んでくる。
「シン・・・私の見てない所で・・・死んじゃ、駄目だからね」
戦場で死ぬのは仕方の無い事である。それでも、せめて自分の見ている所で死んで欲しい。
何処か見知らぬ所で死んでしまう位なら、自分の力の無さのせいで死んでしまったと刻みこめる様に欲しいのだ。
結局の所、二人の考えている事は一緒だった。ただ、シンはその範囲が広過ぎるだけで。
「ルナ・・・」
シンの広い胸に顔を押し付け、しゃくり上げる彼女の声は、今までに聞いた事が無い程弱弱しかった。
男を頼る様な事をしない、ましてや自分に泣きついた事など殆ど無いルナマリアが自分の胸の中で泣いている。
その状況に、堪らず彼女を抱き締めた。
「・・・シン、苦しい」
「ごっごめん」
思わず力が入ってしまっていた腕を緩める。息が出来なかったのであろう。
大きく深呼吸する彼女は真っ赤に目を腫らし、見ているこっちが痛々しい。
「ルナ・・・俺、約束守るよ。フリーダムが百機攻めてきても、核が千発飛んできても、ルナもゴーストも全部守って、生き延びてやる!」
「欲張り」
大真面目な表情で拳を握るシンが何故か可笑しくて、笑いが漏れる。
「なっ何が可笑しいんだよ」
「シンは何にも分かって無いんだなぁと思って」
約束を守ると言っておいて、結局全て背負込もうとする恋人に呆れ顔で答える。心配するこちらの身にもなって欲しいものである。
『全艦内に通達。コンディションレッド発令。本艦はこれより戦闘準備に入ります。各員戦闘配備に着いて下さい』
ハンガー内にアビーの声が響き渡る。メカニック達も慌ただしく動き出し、シンとルナマリアもまた、各自のMSに乗り込む。
プラントの命運がかかった戦闘が、今始まろうとしていた。
中身:2010/01/17(日) 01:18:57 ID:x12E4wRQ0
今回はこれで終了です。
やぁー・・・はい、ベタですいません。
シンがマルっきり過保護でウザい男です。
こんなんルナマリアじゃねぇ!って反論も受け付けます。
なんか色々申し訳ありませんでした!!(逃)
以上、代理投下完了しました。
どっかで見たような騎士団真打ち三人組?といい、限りなく大量破壊兵器臭な
オーディンなるものといい相変わらず怖いラクスや、
スレでもかなりのリア充にして安定した精神の持ち主かと思いきや
やはり「守る事」への危なっかしいこだわりをしっかり抱えていたシンなど
クライマックス前にして改めて再確認した次第です、GJでした!
中身氏、代理の方乙です!
ラクスと話していた三人はカーボーンヒューマンか?
しかし、己の死が救いか……まぁ本人が口にした訳でないのがまだマシなのかな?
このスレのシンは正常に見えて、確実に何処か狂っている(いい意味で)のが多いよね。
自覚しているか、していないか、あえて狂ったのか書き手さんと作品によって様々だけど。
投下乙!
決戦前夜って雰囲気、ワクワクしますね
己の悪を自覚し完全に黒でもなさそうなラクスがなぜそこまで
歪んだ信念を持つに至ったかってことにもドラマがありそうでいい感じです
中身さんGJ、代理の方ありがとうございました
文才が無いから多くは語れないが、GJ
たのしんでるぜ
カーボンっぽいのキター!ラクスまじで形振り構わなくて怖えぇ・・・
ちょい聞きたいんだが、ココってパロディとかコメディみたいな作品ってOK?
>>404 首領がいるスレで何言ってるんだお前はwwwwwww
首領だけではない。
種の代わりにアタッシュケースが割れるシンを俺はまだ忘れてないぞwwwwww
シンが復讐しようとしてたらいいんだろう
それこそ本編終了後でシンがやることなす事全て復讐の為なのに何故かラクス達が幸せな結果に終わって
ある時ラクス達と議会に呼び出されてシンの主観では解雇通知か処刑か何かか!?と思ってたら
みんな立ちながらこっちを優しく見つめててアレ?と思ったらラクスから議長席譲られて吃驚!
そんな物語でも需要はあるぞ
主に俺とか
それどこの仮面の英雄?
あれはよかった
>>406 強化外骨格零(レイ)でも出てくるのか?
>>409 止めろw
マユが両性具有なラスボスになっちまうじゃねーかw
マユ「──── 一線を越える!!」
ステラ「だめっ!」
マユ「なにかいる!!」
ですね、わかります。
マユ「なんだか知らんが とにかく良し!」
ですね、わかります。
まだ.このスレ続いてたんだw MXでの再放送ヨロシクねっ!
巨大なシンが繭から孵ったりヒロインの子が洗脳融合されたりするんですねわかります
妹がラスボス?
なら普段は蜘蛛の形態をとってるデスティニー(orインパルス)ってのもアリだな
いやあれは妹というより義妹というかむs
マユ「オノゴロ島が半島になってしまったな」
ぶっちゃけた話、自分の欠点を指摘されたからと言ってすぐ暴力に訴えるような人は
ヒロインに向いていないと思うのですが、どう想います?
マユ「もう! ちょっとした欠点なんて誰でもあるもん! お兄ちゃんのいじわる!!」
(ぽかぽかぽか……)
ならヒロイン可と思うんだが、どう思う?
規格外モビルスーツで潰しに逝ったり配下の傭兵部隊差し向けたり気がついたら
断頭台に送られてたりする人は不味いよな…三番目は本人じゃなくて周囲がヤバイけど
>406
あのシンか……丁度読み直してたところだった。
続きこないかなぁ…
逆襲日記 G月I日 晴れところにより破片
ぎゃくしゅう ―しふ 0 【逆襲】
負けている方や攻められている方が、逆に攻撃をしかけること。
……
いやいやいやいや知ってたよ!? 知ってるってば!! 知ってたって言ってるだろ!
だってあいつら嫌なこと全部こっちに回してくるしっ!
今だって何だかよく分からないプラント部隊の暴走が理由の揉めごとのせいで、
連合にグォメンナスァ〜イしてる真っ最中です。まぁ、居るだけだけど。
何で白服でも議員でもそういう系じゃない俺? とか物凄く色々疑問だらけです。
俺が一番普通に収めてくれそうだからとかふざけるな虎のオッサンめっ
腹が立ったから奴のパイロットスーツを縞馬柄にしてやった。断じて白虎ではない。
それにしても連合ごね過ぎ。いい加減ここで終われって。これ以上は無理だって。
あ、でもここで失敗したら次は本格的にあいつら出てこないといけなくないか?
押付けた代償をきっちり返してやる! でも、戦争とかめんどいし適度な何かで……
あ! そうだ!
とりあえず、俺が誠意を見せるからって連合のやつらに言ってみる。
案の定、ムカツクこと言われたけどそんなの全然応えないぜ! 慣れてるしなっ!
やれるものならやってみろ、ただしできなければ何とかかんとか……ってよく聞くし。
MSを1機貸してくれと言ったら、廃棄寸前の非武装ダガーだった。
まぁ、貸してくれただけましか。
OSをチェックしたら追加しまくったせいで酷い状態だ。マニュアルに切替っと。
戦闘するわけじゃないしなんとかなるか。
よし、シン・アスカ、行きます!
ゴォォォ……ッダンッダンッダンッダンッダンッ……ズシィィィィン……
バク転×5、伸身1/2捻りフライング土下座ダガーが俺とセットで大写しな羽目になりました。
ちなみに、揉め事は何故か無事、譲歩した分+俺が整理したOSで手打ちに。おかし過ぎる。
止まってたので更に止めてやるぜ!
なぜかまとめ収録されててびびった。
こんなん乗るとは…いいのかなぁ…
>422
ごめんなさい、最後の方「連日テレビで大写しな〜」に変換お願いします。
慌てすぎ、はずかしすぎる……orz
どっかのサーカスで働いてるテロリストを思い出したのは俺だけだろうかw
乙ん!
>>425 いや、俺もだ。
>>419 亀だが……ふと思い付いた。 注:人選に他意はありません!
ケース1
コニール「ちょっとした欠点なんて誰でもあるじゃないか! シンの馬鹿!」
(金的)
シン「どぅぶれぁ!」
ま、アリじゃないか?
アズ子「もう。 ちょっとしたけってんなんてだれでもあるじゃないですかー。 シンのいじわるー(棒)」
(ハイヒールでゲシゲシ)
研究員「お、お嬢様! 私を実験台にするのはやめ……」
どう見ても何時もの光景です。 本当にありがとうございました。
ケース3
ミナ「まったく。 ちょっとした欠点なんて誰でもあるじゃないか? 意地の悪い事を言う」
(シンを片手で吊り上げながら)
シン(返事は無い。 既に屍のようだ)
…………うん。 無理だね。
結論:ミナさまは某スレの副総帥みたいに乳絵師の加護を受けれるように、御参りに行った方g
>>422 >本人じゃなくて周囲がヤバイけど
すまん、これだれだ?
ラクスかと思ったけどヒロイン張ってないし、断頭台って表現が気になった
・・・つか、ココのヒロインったら殆ど全員武力行使できる人な気がするw
>>423 乙
シンパネェw・・・しかしこのスレのシンならありえる口径だな
??「紛争地域を確認。 武力介入に移行する」
>>423 三点倒立や砂漠スキップで戦うVIPなキモヲタのキラを思い出すなあw
test
431 :
中身:2010/01/24(日) 02:36:54 ID:???
うおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ規制解除キタ――――――――――――!!!111
・・・興奮してしまいましたスイマセン。では久々の直投下させて貰います。
『キラ、何も最初からお前が出る必要は無い!』
「最初だからだよ中佐。奇襲に必要なのは先手の強烈さだからね。一発目がジャブじゃ奇襲の意味が無いんだ。後、作戦中は大佐」
『ぐっ、どうしてもというなら俺が出る!大佐は艦の指揮を・・・』
「プライスの事を一番知ってるのは中佐でしょ?艦隊の指揮も、君の方が長けてるからね」
『だが・・・!!』
尚も食い付こうとするイザークからの通信を、フリーダムのコクピットから一方的に切る。
様々ある専用の武装をありったけ積んだフリーダムは、MSの固定器具に収まりきらずハンガーの真ん中に直立している。
そのコクピットで出撃準備を進めるキラは、自分がどれだけ愚かな行為をしているか十分に理解していた。
奇襲とはいえ、敵艦隊のど真ん中に飛び込む先鋒である。その決死隊とも言える役は、本来なら司令官が担うべき物では無い。
キラが死ねば、精神的支柱を失ったSOCOMは簡単に崩れ、瞬く間に殲滅されるだろう。しかし、この役は他には譲れない。
何時も戦場の最前線を駆けてきた聖剣、それが今使われずに何時使われるというのか。
『良かったのか、これで』
「うん。ケジメぐらい自分で付けたいから。それに、アスランもいるからね」
『俺はこの戦いが終わるまで、お前を守る。勝手に死ぬなよ』
プライスに二つある別のハンガーから、アスランが通信を入れてきた。
彼もまた決死隊に志願した者の一人だ。カガリもいるというのに、相も変わらず向こう見ずな親友である。
『敵艦隊までの距離1000、未だ動き無し』
カウント代わりである敵艦隊との距離が、オペレーターの口から告げられる。
カタパルトに移動するフリーダムは、重武装を纏った体を重そうに揺らしながら脚部を固定した。
初めから連結されたロングビームライフル二丁を両手に保持し、クスィフィアスは片方上下二門の連装型の物を装備。
バラエーナとドラグーンの両方を内蔵した、普段の倍の大きさを誇る巨大な翼を器用に折り畳んで、体勢を低くするフリーダム。
『敵艦隊との距離500、更に接近します!』
オペレーターの悲鳴の様な声が聞こえてくる。敵艦とここまで接近する事など殆ど無い。
ブリッジクル―達もさぞ肝が冷えてる事だろう。そろそろ敵艦も気付く。キラは操縦桿を握り締めた。
「行こうフリーダム。これが、最後の出撃だ」
『敵艦隊との距離100、フリーダムどうぞ!』
「了解。キラ・ヤマト、フリーダム、行きます!!」
リニアによる火花と共に、フリーダムが敵意渦巻く宇宙に飛び出して言った。
プラント防衛隊旗艦スレイプニルのブリッジに、けたたましい警告音が響く。
突然レーダーに出現した光点に、オペレーターが悲鳴を上げた。
「敵艦捕捉っ!!12時の方向、距離100!?」
「言われなくとも此方からでも見えている!」
「艦長、この距離では本艦も危険です!」
「後退は出来ん!これ以上退がっては、国民に不安を与える事になる。艦隊は定位置にて迎撃!乱戦になる、味方の弾に当たるなよ!」
肉眼でも艦一隻一隻を見分けられる距離に現れた艦隊は、間違い無く逆賊であるSOCOMの物であった。
副長の中佐がスレイプニルの後退を進言したが、旗艦であるスレイプニルが退いては国民を不安にさせる所か、
下手をすれば艦隊の士気を著しく落とす可能性もある。
「ラクス殿、宜しいですね?」
「はい。此処は戦場、元より覚悟の上です」
後ろに座るラクスに確認を取る。しかし、何度も戦場を駆けてきた彼女には愚問であった。
「騎士団に連絡して下さい。ラクス・クラインから出撃命令が出たと」
「了解!」
騎士団への命令は基本的に議長であるラクス・クラインにしか出せない。彼女の命令を、オペレ―タ―が騎士団に伝える。
「艦内待機中のMSも準備が完了し次第随時発進!敵をプラントに近寄らせるな!」
C.E史上最も交戦距離の近い艦隊戦が、今始まった。
艦隊の最前列に位置するゴースト、そのハンガーでも出撃準備が進んでいた。しかし、開戦目前に関わらずトラブルに見舞われる。
「フルアーマーシステムの調整で少し時間を食うって!?」
『そんなに怒鳴らないでくれよ。時間って言ってもほんの少しだ。直ぐ出撃出来る』
「少しって言っても、敵艦との距離は1000を切ってるんだぞ!」
今回ウォルフガングに装備される事になったゲルググイレイザー用アサルトシュラウドの改修版であるフルアーマーシステムに、
出撃直前のチェックで重量調整の見落としが発見されたのだ。
『分かってる!今調整中だ!』
二人の男が怒鳴り合っている間に、アビーからの通信が入る。
『どちらにせよ、ウォルフガングは開戦にはギリギリ間に合いません。ルナマリアに先行して出撃してもらいます』
「そんなっ・・・!!」
OSを弄りながらも、シンの顔が蒼白になる。ルナマリアを単独で出撃させるという事態は、彼にとって最も猶予すべき問題だからだ。
「なら、俺がレイヴンに乗って!」
『これ以上我儘言わないの!』
冷静さを失っているシンに、ルナマリアの言葉による張り手が飛ぶ。
「でも・・・」
『昔からレディファーストって言うでしょ。今回はシンよりスコア稼がせて貰うから。活躍の機会盗らないでよ?』
「・・・分かった、気を付けて」
ワザと明るめな声色でシンを安心させるルナマリアの手腕に、ヴィーノはホッと胸を撫で下ろす。
伊達に何年もこの男の恋人をやってはいない。
ヴィーノが急ピッチで調整を続け横で、ルナマリアがリニアカタパルトに機体を移動させる。
『ルナマリア、本艦は艦隊の最前列に位置しています。
ですから、艦を防衛していれば自ずとプラントへの道が開けると考えられます。あまりゴーストから離れ過ぎない様に』
『了解!シュミレ―タ―で鍛えたドラグーン捌き見せてあげるわ。ルナマリア・ホーク、インパルスレイヴン、出るわよ!!』
通常よりも出力を抑えたリニアカタパルトが火を吹き、レイヴンを戦場に送りだした。
「ルナ・・・。ヴィーノ、調整に後どれ位かかる?」
『1分、って言いたい所だけど、30秒で終わらせる』
「すまない」
シンの通信に、手を止めずに答えるヴィーノ。
『シン、状況は先程ルナマリアに話した通りです。出撃後はゴーストの防衛について下さい。この艦は前進以外能がありませんから』
「了解」
ルナマリアにしたのと同じ様にシンに説明するアビー。シンはパイロットとして当然な認識に、その時初めて気付く。
アビーやヴィーノ、それにアーサー。自分はみんなにサポートされて、初めてこの戦闘能力は発揮出来るのだ。
ルナマリアも同じサポートを受けているなら、彼女も大丈夫な筈だ。
シンにはこの時言葉が思い浮かばなかったが、それは人が≪信頼≫と呼ぶ物だった。
『・・・・・・よし、出来た!シン、出撃OKだ!』
「サンキュ!後でコーヒーでも奢るよ」
『却下、俺は紅茶の方が好き』
「分かったよ。紅茶だな」
軽口を叩きながらも、シンの視線はカタパルトから広がる宇宙空間に釘付けであった。
丸いフォルムになったウォルフガングをリニアカタパルトに固定させる。
黒い追加装甲で頭以外をスッポリと包み、全身にミサイルを積んだウォルフガングが、主に呼応する様に宇宙を睨む。
機体の姿勢を低くさせて一拍置いた後、カタパルト上部に取り付けられた秒読み用のランプが赤から青に変わる。
「シン・アスカ、デスティニーウォルフガング、行きます!!」
守る為に自分を犠牲にしてきた黒い狼が、光芒閃く暗闇に駆けた。
至近距離で開戦した大戦は、MSによる射撃戦で幕を開けた。
ガナーウィザードを装備した両陣営のMSのミサイルが、高出力ビーム砲が、MSを引き裂き、宙域を光で染め上げる。
「A中隊、B中隊は僕と正面を突破!H中隊J中隊は艦を!!」
開戦して10分と経っていないにも関わらず、最前線は残骸で溢れてかえっていた。そのキルゾーン内を機械仕掛けの天使が舞う。
重武装を施された機体はしかし、追加されたバーニアによって機動性に些かの陰りも見せない。
味方に指示を飛ばしながらも、行く手を阻むドムトルーパーの一団にドラグーンとバラエーナ、
クスィフィアスとロングビームライフルやカリドゥスによる暴雨を降らせる。
しかし、破壊された味方の残骸を踏み越えた敵機が次から次に迫ってくる。
戦場でフリーダムは目立つ上に、司令官が乗っているのだから当然であった。
当のキラもそれを狙っての出撃だったが、彼の考えていたよりも敵の抵抗が激しい。
末端の兵である彼らに、ラクスの作戦は伝わっていない。
ラクスの思惑通り、文字通り祖国を背負った兵達の気迫は凄まじく、それが今回の攻撃の主犯であるキラを襲っていた。
「くっ!」
段々とビームシールドを張る回数が増えて行く。遂にミサイルが脚部に直撃した。PS装甲の為被害は無いものの、衝撃が機体を襲う。
「まだっ!」
瞬時に体勢を立て直し、ミサイルを放ったドムトルーパーの四肢をバラエーナで吹き飛ばした。
しかしフリーダムへの攻撃は終わらない。複数のオストロス改の銃口が紫電を帯びる。
『させるかっ!!』
フリーダムをロックしていたドムトルーパーの一団は、真下から迫る深紅の竜に気付くのが一瞬遅れた。
その一瞬で、二機のドムトルーパーが高出力ビームの餌食になる。他の機体が咄嗟に銃口を向けるものの、既に遅い。
抜刀したトツカノツルギが、交差際に残りのドムトルーパーを切り裂いた。
「アスランッ!?」
爆炎を背負うナイトジャスティスを認め、パイロットの名を呼ぶ。
『こんな所で死ぬ気か!お前は、これから成すべき事の方が多いんだろう?』
「ごめん」
『謝るのは後だ。来るぞ!』
赤と白の機体が並び立つその光景は、戦場に出た者ならば誰もが知っている畏怖の象徴である。
その恐ろしさからか、二機目掛けて大量の敵機が殺到した。
出撃早々目の前に躍り出たスラッシュウィザード装備のドムトルーパーをパルマフォルキーナで貫いたシンは、
辺りにレイヴンの機影を探した。こう敵味方が入り乱れては、僚機を探すのも一苦労である。
「いた!」
ゴーストの底部で、バレットドラグーンを展開して敵機ゴーストへの攻撃を防ぐレイヴンを見つける。
ビームハンドガンで応戦しているが明らかに射程が足りていない。
「このっ!」
駆け付けたい衝動を抑え、長距離砲を展開、レイヴンに集中している敵機を狙撃する。
宇宙空間ではその咆哮は聞こえないものの、十分な威力を持って敵機を貫いた。
「ルナ、大丈夫か!?」
『なんとか。敵はやっぱりガナーウィザードが多いわね』
「みたいだな。虱潰しにしないとあっという間にゴーストが沈められそうだ」
ゴーストの前方への攻撃能力は凄まじい物があるが、他の方向への攻撃能力は殆ど無いと言わざるを得ない。
防衛する側からして見ればこの上無い程守り難い艦であった。
「アビー、出来るだけで良い。ガナー装備のMSを発見次第、優先的に知らせてくれ」
『了解。最前列で砲列を組んでいるローラシアU級を排除し次第、後衛の艦から主力部隊が出撃します。
そちらはキラ大佐のA中隊、B中隊が担当しますので、それまで持ち堪えて下さい』
「あの人は、大将の癖に何してんだ!ルナ、俺は上に付く。ルナはここにいてくれ」
『持ち場分担って所ね。分かったわ』
艦載機が二機しかいない以上、レッドアイズから攻撃に回せる機体は今の所無い。
しかし、ゴーストにはナスカU級二隻分の火力がある。
プラントが盾にされて主砲は使えないが、それでも大火力には変わりなかった。
その為、主力部隊が出撃すれば、三機のゲルググイレイザーがゴーストの護衛役を引き継ぐ手筈になっている。
ヤキン・ドゥーエV戦で活躍したウォルフガングとレイヴンが戦闘単位として期待されている証拠であった。
激しく戦火を交えるSOCOM軍の後方に位置した、未だMSを出撃させていない艦隊があった。
MSを容量ギリギリまで積載した主力艦隊である。
戦況はまだ前哨戦と呼べる物であり、主力を投入するのは戦況が次の段階に移行してからである。
その合図はプライスの艦長であるイザーク・ジュール中佐から出される予定であった。
『あー、まだですかね出撃は』
「先鋒の連中が敵艦をある程度黙らせるまでの辛抱だ。お前は自分の体の心配でもしてな!」
『まぁしかし、もし敵艦を黙らせられなくて先鋒組が全滅でもしたら、俺達の出番はどうなるんだろうな。撤退戦でもするのか?』
「はっ、ウチは天下のSOCOMだよ?どんな悪条件でも作戦を成功させるのが私等の仕事さ」
主力艦隊の左翼に位置するナスカU級『シェパード』。ヤキン・ドゥーエV戦の際、第二艦隊の旗艦を務めていた艦である。
そのハンガーで、主力部隊に割り当てられた黒い三連星が暇を持て余していた。
事前の作戦では彼らも先鋒を務める予定だったが、マーズの負傷でメンバーから外されたのだ。
幸い、マーズの怪我はMSの操縦に支障は無いものの、痛み止めを打って体を誤魔化している状態だった。
『アレン撃沈!!ゲーリー航行不能!!』
通信チャンネルをオールオープンにしている為、先程から戦況に関する情報が耳に入ってくる。
普通ならその情報一つで一喜一憂する物だが、戦場慣れしている彼らには無縁な話であった。
どんな事態になろうと、己の仕事をこなすだけである。しかし、次のオペレーターの報告には流石に思わず腰を浮かせた。
『大佐率いるA、B中隊が敵前線で砲列を組むローラシアU級に食いつきました!二隻目を撃沈!!』
『やりやがったなアイツ等!!』
「だから言ったろ?大佐殿が付いてて失敗なんてありえないよ」
『じゃあ出撃準備だな。派手に行こうぜ!』
キラが上げたドデカい花火に、艦隊全体から歓声が上がる。後方に控えていたシェパードとプライス、他五隻の艦の口が、一斉に開いた。
その中から顔を覗かせるのは、単眼を赤く光らせる重騎兵達。
『全機出撃!ラクス・クラインを倒すぞ!!』
単純明快な命令がイザークから発せられる。全機核動力という史上最強の部隊が、数の差を覆すべく総攻撃を開始した。
437 :
中身:2010/01/24(日) 02:47:34 ID:???
今回はこれにて終了です。
前回に比べて展開が無くてスイマセン。
中身氏投下乙です〜。相変わらず向こう見ずなキラとアスランだが、いい覚悟だ
フルアーマーウォルフガングの活躍を楽しみにしながら、ピンクの生み出したカーボンっぽい騎士団との戦いをお待ちしてますぜ
乙です〜。
今回は魔改造フリーダムの装備が凄かったですが、次回はフルアーマーヴォルフガングの出番なんですかね。
フル装備形態っていかにも決戦仕様って感じで燃えますねぇ。それがどんな風にボロボロになっていくのかも密かに楽しみにしてます
遅ればせながら乙でした!
ヴォルフガングはフルアーマーというかアーマードパックっぽいなぁ(バルキリーの)
重装甲にミサイル満載とか大好物です
442 :
通常の名無しさんの3倍:2010/01/28(木) 00:19:09 ID:YUcYrlna
てす
え、まさかのあう規制解除キタ?
うむ……どうやらそうらしいが、VIPで暴れてるらしいからどうなるやら……
過疎が終われば良いんだが
どうも、960です。中身氏乙でした
明日の夕方から夜にかけて、規制状況に変化がなければ投下します。しかし過疎ですね……
支援
お待ち申しておりまするー
Turn Against Destiny
第4話「七年」
青白い光の翼を広げたその姿はまさに天使。
ザフトの総司令官にして広告塔であるキラ・ヤマト乗るところのライトニングフリーダムを、ヤマト隊の一人はそう評した。
「いくらヤマト隊長とはいえ、そう簡単にはやらせないわ!」
既に隊長同士の一騎打ちを残して、模擬戦は終了していた。ヤマト隊のメンバーに適度に手加減されたホーク隊の新兵達は、敗れはしたものの、端から見れば「かなり健闘した」と言える内容で模擬戦を終えている。
「行くよルナマリア……!」
ライトニングフリーダムのスーパードラグーンが本体の周囲にずらりと並ぶ。機体中央のカリドゥスが砲腔を輝かせ、腰のクスィフィアス3が起き上がる。マルチロックオンシステムがルナマリアのセカンドインパルスを捉える。
初代フリーダム時代からのキラの必勝の形、ハイマットフルバースト。
「……これで!」
ライトニングフリーダムが吐き出した圧倒的な火力を、身を捩ってかわす。フォースのウイングを一枚持っていかれたが、ルナマリアは頓着せずに機体を前に押し出した。
突進しつつビームライフルを連射。ドラグーンを狙ったビームはその動きを阻害するも、撃墜には至らない。それでも、接近するための時間稼ぎはできた。ビームサーベルを抜き、ライトニングフリーダムに斬りかかる。
「くっ?!」
たまらずサーベルを抜き合わせて応じるライトニングフリーダムに、ルナマリアはライフルを捨て、もう一本のサーベルを抜いた。
「ああっ?!」
エターナル艦橋で、メイリン・ホークが小さく悲鳴を上げる。しかし、ライトニングフリーダムは前蹴りでセカンドインパルスと距離を取った。今度はメイリンのみならず、他のブリッジクルーも小さく溜め息を漏らす。
この模擬戦は実弾を用いてのものだ。それは、「どうせなら」というルナマリアの提案からだった。
実弾を使っての模擬戦にはキラも腰が引けていたが、「ヤマト隊長なら上手いことダルマで終わらせられるでしょ?」と茶目っ気たっぷりに言われ、結局押し切られてしまった。
「どうしたんですかヤマト隊長……そんな逃げ腰でぇっ!」
接近戦を嫌ったキラにルナマリアのセカンドインパルスがライフルを掴み直し、再び連射しつつ突進する。
が、ライトニングフリーダムがドラグーンで弾幕を張って牽制し、その弾幕は徐々にセカンドインパルスを包囲する。ビームの弾幕を避けて距離を取りつつも、ルナマリアはライフルを更に連射。その弾道は、間違いなくコクピットを狙ったものだ。
「精度が上がっている?それにこのタイミングは……!」
キラが避ける一歩先を予想して絶妙のタイミングで放たれるビームは、キラの予想以上に正確で、際どいタイミングでの回避を強要させられる。キラはルナマリアから明らかな殺意を感じた。
(何やってんだろ、私)
これ以上ないくらい絶好調で、キラ相手に互角以上の戦いを演じられているというのに、ルナマリアは妙に冷めていた。部下のために申し出たこの演習が、まるで自分から望んだかのように感じられていたのだ。
ルナマリア達が敗北した、七年前の復讐を遂げようとしているかのように。ルナマリア本人でさえ、キラ達に対するわだかまりなどいい加減に風化したと思っていたというのに。
「ルナマリア、君がこんなにも腕を上げていたなんて……」
(ここでヤマト隊長を倒しても、シンが帰ってくるわけじゃない……)
「なら、半端に手を抜いてはいられない!」
(シンの背中を守れるように、って強くなろうと思ったけど、シンがいないなら私は何のために……?)
「行くよ!」
「えっ?」
ライトニングフリーダムが骨のような背中のウイングから、青白い光の翼を吐き出した。急激にスピードが上がり、ルナマリアを翻弄する。
「は、速い?!」
セカンドインパルスを中心に据えて円を描くように飛ぶライトニングフリーダムをビームライフルで狙うも、ヴォワチュール・リュミエールの最高速にはFCSが追い付かなかった。
即座にマニュアルに切り替えるが、瞬く間にカメラの外に消えていくライトニングフリーダムを捉えることができない。
(私、強くなったよ。強くなった私を知ってほしい。今どこにいるのかもわからないけど、またあなたに会いたい……)
キラはライトニングフリーダムにビームサーベルを抜かせ、激烈なスピードで方向転換し、セカンドインパルス目掛けて突進した。
それを一瞬の内に認識したルナマリアはまたもビームライフルを捨て、同じようにビームサーベルを抜く。
「うおおおおっ!!」
「シン、見てて!」
ビームサーベルを両手に構えた二機が交錯し、一瞬の後、セカンドインパルスの右腕、右足が弾けるようにちぎれ飛んだ。
しかし、その一瞬の間にセカンドインパルスの左手が僅かに動き、振り向くこともなく後ろに――ライトニングフリーダムに――ビームサーベルを投擲した。
「っ?!」
超人的な反射神経で避けたサーベルはコクピット横を僅かに掠め、漆黒の虚空に抜けていく。安堵したのも束の間、何かがライトニングフリーダムの横を通り抜けた。
「ワイヤー?……っ!!!」
ワイヤー。
の先にあったのは、ロケットアンカーだった。ルナマリア機に追加装備された、セカンドインパルスの左腕から伸びたロケットアンカーが投擲されたビームサーベルを掴み、猛烈な勢いで引き戻す。
更にセカンドインパルスが左腕を振り、その慣性で、ビームサーベルがライトニングフリーダムに襲いかかった。
しかし、その瞬間にキラの「種」が弾けた。
僅かに体を捌いてサーベルをかわしたライトニングフリーダムのカリドゥスが唸りを上げ、セカンドインパルスの左腕を肩口から粉々に打ち砕く。その余波はセカンドインパルスの胴体にまで及んだ。
「あっ……?」
胴体を削ったカリドゥスのエネルギーは、機体の胸部に小爆発を起こした。ケーブルが弾け、内部機器が露出する。もしも大気圏内なら派手に火花が飛び、もうもうと黒煙が上がることだろう。
そして、コクピット内も無事では済まされなかった。ルナマリアはそれ以上言葉を発することができず、彼女の意識はそこで途切れた。
「お姉ちゃん……?!お姉ちゃん?返事して!お姉ちゃんっ!」
「キラ様、ルナマリア・ホークをエターナルに!医務室、怪我人の受け入れ準備を!」
光を失って焦点をなくした目のまま、キラは呆然としていた。いや、目の前で起きた事態はしっかりと認識していた。
しかし、キラの自我が意識を――というよりは目の前の現実を――拒絶した。嘘だ。二の腕を狙ったはずだ。カリドゥスが強すぎた?ビームライフルを使っていれば、あるいは――?
「キラ!」
かすれた声に、キラの目が焦点を取り戻した。と同時に、原型を留めていないセカンドインパルスを自機の腕に抱え込ませる。
(どれくらい経った?彼女は無事なのか?ごめん、ルナマリア。ラクス、君が僕を呼んでくれなければ僕はきっと未だに……)
混乱している、と、キラの意識の中でどこか冷静な部分が囁いた。
「エターナル、緊急着艦用ネットを!」
「万端整っております!キラ様、お早く!」
落ち着きをなくしていたのは自分だけか、とキラは己を恥じた。VLの翼を一瞬だけ広げ、急加速。エターナルとの距離を急速に縮めるや、すぐにスラスターを吹かして減速し、相対速度を合わせる。
「お願いします!」
エターナルのハッチにセカンドインパルスが放り込まれた。しかし相対速度を整えられたそれは、美しさすら感じる緩やかさで緊急着艦用のネットをたわませ、ゆったりとエターナルのハンガーに漂った。
「急げ!」
セカンドインパルスのコクピットにエターナルのメカニック達が取り付き、ハッチを引き剥がす。やがて、ひび割れたバイザーの内側に血玉を浮かべたルナマリアが引き出された。
「隊長……」
呆然と呟くホーク隊の少年とは対称的に、エターナルの艦橋では、一人のクルーが冷静に職務に励んでいた。
「ラクス様、ホーク隊は隊長であるルナマリア・ホークを除けば全て新兵です。彼女を欠いては明日からの哨戒任務を遂行することは不可能です。ホーク隊はローテーションから外さざるを得ないかと」
「……」
「ラクス様」
「……編成はあなたに一任いたします。お願いしますわね」
「はっ」
さすがに苦々しく言うラクスともまた対称的に、男は黙々と職務に戻った。ほんの少し前までは上へ下への大騒ぎだった演習宙域は、まるでその男に引きずられたように落ち着きを取り戻していた。
とある艦船の一室、二人の男が話し合っていた。
「計画は変更された」
「ああ?なんでまた」
「新しい情報だ。ルナマリア・ホークが模擬戦で重傷を負った。シン・アスカには彼女が復帰するまでの間、ホーク隊の隊長代理をやってもらう」
「はあ?ホーク隊に副官はいないのかよ」
「多数の新兵と一人のベテランで構成される訓練部隊だ。副官も名ばかりの新兵なんだよ」
「よくもまあ、それで部隊の体面が保ててたもんだ」
「やむを得んだろう、ザフトも人手不足なんだ。三ヶ月もあれば彼女も復帰できるだろう。むしろ好都合かもしれん。復隊直後から計画通りのポストに就かせては、色々と支障が出たかもしれんしな」
男は言い捨て、部屋を出た。自動で閉まっていくドアの隙間から覗く白い裾に、もう一人の男が溜め息を漏らす。
「ま、シンにはせいぜい俺達のシンパを増やしてくれることを期待するか」
「嫌ですよ、そんなの!」
「そうだよ、よりによって……」
「あなた達、病室で騒ぐなら出て行きなさい!……あら、起きちゃったかしら?」
白い天井。霧が晴れていくように、少しずつ五感が回復する。薬の匂い、柔らかなシーツ、ようやく覚えてきた部下達の顔、小太りの看護士。そして……
「ジュール隊長?それに……」
回復してきた視界がまたもぼやけた。頬を伝う涙、涙――
「――シン」
その名を呼ぶ。六年振りに出会った二人。ルナマリアが模擬戦で敗北してから、実に一週間後のことだった。
「会いた――アイタタタっ?!」
「??」
体を起こそうとしたルナマリアだが、それは激痛に阻まれた。頭上に疑問符を浮かべながらも、慌ててベッドに駆け寄ったシンは、ルナマリアの肩に手を置いて彼女を抑えた。
「無理するなよ。相当酷い怪我だって聞いたぞ」
「ごめん……」
ルナマリアの肩にシンの手が置かれたまま、「そういう視線」を交わす二人。
新兵達は二人の顔を交互に見つめ、イザークをじっと見つめる。ザフト内では特に有名なイザークになかなか口を訊けない辺り、やはりアカデミーを卒業したての新兵だった。
「お前達が想像しているような関係じゃあない。……以前はそうだったようだが」
新兵達の視線に耐えかね、イザークが言う。言ったら言ったで、嘘だ、と言わんばかりの視線を浴びせられ、最後の一言を付け加えた。
「で、ルナマリア・ホーク。いいか?」
「はい」
肩から離れたシンの手が少し名残惜しいが、イザークとルナマリアは特別親密な間柄というわけではない。
そのイザークがわざわざルナマリアの病室に来たということは、仕事の話があるのだろう。主に自分が怪我をしている間、ホーク隊をどうするかとか。
「貴様が復帰するまでの間、このシン・アスカにホーク隊の隊長代理を務めてもらうことになった。……そうそう、まずはシンがザフトに復隊したことから言わねばならなかったな」
「本当ですか?!シン、本当に?」
「ジュール隊長が嘘言うわけないだろ」
軽く肩をすくめるシンに、ルナマリアはまたじんわりと目尻に涙を溜めた。
「本当なんだ……シン、帰ってきたんだ……」
「ああ、帰ってきたんだよ。泣くなよルナ……」
普段は鬼と見間違えんばかりのルナマリアが涙を流しているのを、ホーク隊の新兵達は驚いて眺めていた。しかし、すぐに我に返った新兵達は、ルナマリアが起きる前までやっていた抗議を再開した。
「なんでシン・アスカなんですか?この人、メサイア戦役の戦犯でしょう?」
茶色の髪をぴっちりと七・三分けにした、背の低い少年が言う。彼はホーク隊の形ばかりの副隊長で、新兵なりにその責任を果たそうと頑張ってきた。その少年に、イザークが応じる。
「不満か」
「だって、シン・アスカのことはアカデミーでも習いました。デスティニープランに賛同して、ラクス様やキラ様を殺そうとしたって」
「できなかったけどな」
シンはどかりと病室の椅子に前かがみに座り込み、七・三分けの少年を見上げる。必然的に下から睨み付けるような形になり、少年の肩が僅かに震えた。
「俺は正式にザフトに復隊して、正式に今回の件に関する命令を受けた。その辺はキラさんもラクスさんも承知の上だ。
その上で俺に何か文句があるなら、俺やジュール隊長にじゃなくて議会にでも怒鳴り込んでこいよ」
「……」
少年は気圧されたかのように身じろぎしたが、やがてシンの目をまっすぐに見つめ、言った。
「……申し訳ありませんでした、アスカ隊長代理」
「『代理』は要らない」
「……はい」
せめてもの抵抗のつもりだったらしいが、それもすぐに止んだ。
そしてシンは椅子から立ち上がり、順繰りにホーク隊の隊員達を見回す。これから数ヶ月を共にする仲間達の顔は、いささか童顔過ぎた。シンは病室に集まった面々をぐるりと見回すと、言った。
「じゃ、よろしくな」
第4話終了です
このルナマリア、スイーツ(笑)臭が凄まじい……
>>454 960氏規制解除の投下乙です〜。シンとの再会で涙するルナ可愛いよ。その一方、相変わらず中身ヘタレなキラがw
そして、これからホーク隊のひよっこ共はシンに存分にしごかれると思うと・・・溜まらん!!
次回も楽しみにお待ちしてますぜ〜
乙です。スイーツでもいいじゃない、女の子っぽくて。ポニーテールは好物です。
しかしシンが新兵訓練か・・・。感情希薄みたいだが、涼しい顔で厳しいことするタイプの鬼教官とみた
ハートマンも真っ青な実践訓練を行うシン・・・まさに鬼や!w
卑猥な歌を歌いながら走らせるシンか
アスハ印の劇辛チリソースで武装したテロリスト対策訓練
960氏乙です!
ルナマリアがヒロインしてるの見てると涙が出てくる。
ここじゃあ結構嫌われたからなぁw
>>458 メイリン「セッ、セクハラッ! セクシャルハラスメント! あの変な傭兵がヒワイな大変態ソングを!」
シン「エスキモーの○○○○〜♪ 冷凍ピーーー〜♪ オレによーし♪ お前によーし♪ みんなによーし♪」
メイリン「バカーッ!」
これもある意味逆襲か?
>>460 それじゃあ最終的にシン率いる傭兵部隊壊滅な上にシン死亡、メイリンと合体(非性的な意味で)しちまうじゃないかw
…まあ確かにフェードアウトしたりとかコクピットやられて蒸発とか凸のハーレム要員なったりとかしてるもんな…
464 :
中身:2010/01/30(土) 21:39:17 ID:???
今週も投下します。
切りが良い所で切ったら少し短くなってしまいました。
では
攻め入っている立場であるSOCOMが保有しているMSの数は、どうしても艦船の数に制限される。
しかし、守りのプラント防衛隊は違う。艦船だけでは無く、プラント本国からもMSを吐き出していく。
即ち、最前列に位置していたローラシアU級の砲列が撃破された事がそのままMS戦闘力低下を意味する物では無い。
今も、プラント、主に軍港の役割を果たすア―モリ―・ワンから次々とMSが戦列に加わっていた。
要は、MSの絶対保有数が根本から違うのだ。
幾ら一騎当千のSOCOMでもこの陣営は破れない、ザフトの面々は誰もがそう思っていた。しかし
「タル、スカ―及び最前列に位置していた艦が突破されました!」
「敵先鋒、更に我陣営に侵攻、止まりません!」
「後方の艦より多数のMSを確認。主力MS隊と推測されます!」
旗艦スレイプニルのブリッジではオペレーターが次々と良くない知らせを持ってくる。こんな事態は誰が予測したであろう。
当初議会が立てた予測では、SOCOMはプラントを盾にする事で投降、
悪くとも敵の士気を挫き、仲間割れを起こすと踏んでいたのだ。
しかし現実には、艦砲射撃は緩いものの、MS同様動きに全くブレが生じない。
議会の寄越した予測など歯牙にも掛けていなかった艦長も、この事態には唇を噛まざるを得ない。
(特殊部隊という組織を甘く見た。
連中にとって、プラントを人質に取られるのとVIPが一人人質になってんのは大して変わらないという事か)
「敵は乱戦時にも小まめにミラージュコロイドを展開してくるぞ!
全艦対空監視を密にせよ!数でも射程でもこちらが勝っているんだ。落ち着いて守りを固めろ!」
敵への称賛は心の中だけで抑え、全艦に指示を飛ばす。
崩れていっているのは艦もMSも新兵が配属されている部隊が中心である。
彼らは、その殆どが大きな戦闘を経験していない。
精々海賊退治や、連合が寄越す小規模な工作、偵察部隊を追い返す程度の戦闘しか知らないのだ。
これは、防衛を主な任務とする軍隊が生み出す弊害と言えた。
「艦長、オープンチャンネルで通信を私に」
「話しますか?」
今まで黙って戦場を見ていたラクスが、艦長に通信を自分の方に回す様に指示する。
その意図を察した艦長の言葉にラクスがゆっくり頷く。
『SOCOMの皆さん、私はラクス・クラインです』
戦場に大凡似つかわしく無い美しい声が響き渡る。それだけで、戦況が動くのを艦長は感じた。
『何故、貴方方は戦うのですか?貴方方が今討っているのは、嘗て共にプラントを守ったザフトの方々です』
美しくも恐ろしい、戦士を惑わすセイレーンの声が、戦場を覆い始めた。
「みんな、意志を強く持つんだ!彼女の声に、耳を傾けちゃいけない!」
キラ、アスランと共に砲列を突破したA、B中隊は、今や五機までその数を減らしていた。
突破してきた陣営を考えれば、寧ろ残っている方が可笑しい話なのだが。
しかし、消耗した彼らは今、砲弾や銃弾とは別の攻撃に耐えていた。
『今ならまだ間に合います。銃を下ろして下さい。誰もこんな事は望んでいない筈です』
『黙れっ!!それが、命を弄ぶ奴が言う事かっ!』
通信越しに届くラクスの言葉に、あらん限りの声を張って対抗しようとするゲルググイレイザーのパイロット。
しかし、彼女の言葉を聞くだけでトリガーを引く指が重くなる。疲弊した心が折れそうになる。
コーディネーターとして調整を受けた者全てを支配下に置くべくして授かった神の如き声は、
今やどんな兵器よりも甚大な被害をSOCOMに齎していた。
『あっ』
ラクスの言葉に気を取られたゲルググイレイザーの一機が、全身にミサイルを受けて切り揉みしながら吹き飛んだ。
『くっキラ、このままでは・・・!!』
「分かってる!ここは僕が、うあっ!」
寸での所でオストロス改をビームシールドで防ぐ。
本当ならここでキラが叱咤の一つでもかまして部隊の士気を上げるのが理想なのだが、
敵陣深く侵攻しているこの状況ではそれも出来ない。
その叱咤が飛んだのは、キラの焦りが最高潮に達しようとしていた時であった。
『このっ・・・キョシヌケ共!!!』
『この声は』
「イザーク!?」
『今更何を迷っている!貴様等が自分でキラ・ヤマトを選んだその時から、貴様等の道は決まっている!
俺達はもう狗では無い。鎖を引き千切って選んだ道ぐらい、自分の意志で貫いてみせろっ!!!』
スピーカーが壊れるのではないかと思う程の大声で、イザークの声がSOCOM全軍に伝わる。
状況を立て直す為に士気向上を狙った、などという戦略的な物では無い。不甲斐無い味方に苛立った、単なる怒りの吐露である。
『イザークらしいな』
「僕より指揮官向きなのは確かだよね」
今頃プライスのブリッジでは、シホに頭を冷やされるイザークの姿が見られただろう。
ただ怒鳴っただけの様に聞こえたそれは、しかしSOCOM隊員からすれば『鬼の副長』の鉄拳だ。
セイレーンの歌声に魂を抜き取られかけていた彼らはパッツンの野太い声で現実に引き戻されたのだ。
「SOCOM、勢いを取り戻しました!」
「ラクス様の声が通じない・・・?」
オペレーターの報告にしかし、ラクスは前方を見つけたまま微動だにしない。
この事態が想定内だったのか、それとも茫然としているのか。
「SOCOM艦隊、更に接近!このままでは・・・」
戦場の流れは既にSOCOMの物であった。各ブロックで戦線が突破されていく。
このままでは負ける。艦長が打開の策を考えだした、その時であった。
「騎士団に連絡しなさい。今現在を持って、ラクス・クライン護衛の任を一時的に解き、作戦領域を戦闘宙域全体に拡大すると」
「りょ、了解!」
「それと、オーディンを使います」
立ち上がったラクスの言葉に、艦長が立ち向かう様に立ち上がった。
「なりません!あれはプラント付近で使うには危険です。第一パイロットが居ない」
「オーディンは完璧に制御された兵器です。プラントを傷付ける事は万に一つありません。パイロットは・・・私が務めます」
陣羽織を脱いだラクスは、これ以上好きにさせるかと睨みを効かす艦長を正面から見据え、更に言葉を重ねる。
それには今まで黙っていた中佐も立ち上がって異論を唱えた。
「危険です!あれにラクス殿が乗るなど!」
「オーランド中佐、貴方はこの兵器のテストを見ていますね?ならば私が出撃する理由も分かる筈です」
全く揺らぐ事の無い瞳に、中佐は口を閉じた。確かにこの艦にいるより、オーディンに乗っていた方が安全かもしれない。
しかし中佐には、この強い女性が保身を目的にしているとはどうしても思えなかった。
「分かりません。どうして、議長である貴女が乗らねばならぬのか」
「そうですね・・・・・・私が女だから、では駄目でしょうか?」
ラクスのおどけた様な言葉の意味が分からず、中佐は首を傾げる。しかし艦長は理解した様で、諦めた様に部下に命令を下した。
「・・・分かりました。中佐、ラクス殿をオーディンにお連れしろ。周囲の艦にも通達!本艦はこれより分離シークエンスに入る」
命令し終えると、何事も無かったかの様に席に着く艦長。これ以上言葉を交わす気は無いと、その背中が何よりも雄弁に語っている。
「こちらです」
ブリッジと他の部署を繋ぐエレベーター。
本来なら下にしか行く事が出来ない物だが、一部の者しか知らないパスワードを知っていれば上に行く事も可能だった。
ラクスが乗ったのを確認して、パスワードを入力する。するとエレベーターが閉まり、ゆっくりと上昇し始めた。
「平和の歌姫が、フリーダム以上の殲滅型決戦兵器に乗る。可笑しな事ですね」
上昇するエレベーターの中で、自嘲的に笑うラクス。中佐は、彼女のこんな表情は今まで見た事が無かった。
「そんな事はありません。敵を目の前に立ち向かえぬ者は、いくら平和を唱えようと理想主義者でしか無い。
貴女はそうでは無かった、という事でしょう?」
「そう言ってくれると助かります」
会話している内にエレベーターが目的の階に到着した。ドアが開くと、そこは広大なハンガーになっていた。
しかしMSは一機も見当たらない。代わりに至る所から伸びたケーブルが、僅かに弧を描く天井に突き刺さっている。
「・・・今からでも間に合います。この機体に乗るのはお止め下さい」
ノーマルスーツを着込んだ中佐が、ヘルメットを片手に今一度ラクスを止める。しかし、強い光を放つ瞳には意味無き事であった。
「有難う御座います。しかし、私は行かねばならないのです。この度の戦いは、私個人から始まった事でもあるのですから」
「それは間違いです。彼らが、キラ・ヤマトが攻めてこなければこんな事にはならなかった」
中佐のフォローに、ラクスは悲しそうに微笑み返した。
「私も、メサイア戦没の末に今の地位に就きました。攻めてきた者が悪いとは限らないのです。
ですから、この先起こる出来事を見極め、自分の目で真実を見極めて下さい」
軍人にかけてはならない言葉の連続に、中佐はしばし言葉を失った。
その間に、ラクスはキャットウォークに上って天井の一部を開く。
慌ててヘルメットを付けた中佐は、精一杯の敬礼を彼女に贈った。ラクスはそれに返礼して返すと、天井の開いた部分に消えて行った。
天井の中は真っ暗だった。しかしラクスが入っていくと、それに反応して計器類にスイッチが入る。
大量の計器類に照らし出されたのは、普通のMSのコクピットより一回り程大きいコクピットだった。
モニターの一つには真下にいる中佐の姿も映ってる。皮肉な物だとラクスは思った。
メサイアを墜とし、プラントに到着した彼女は、多くの者に喜びを持って迎えられた。
しかし今は、敬礼をするたった一人の軍人のしかめっ面に見送られている。
議長になってから特に強く感じていたことだったが、人間とは結局一人なのだと、否応無く気付かされる。
「キラ、今そちらに行きます」
計器類に囲まれたシートに腰を下ろすと、シートから黒い帯状の物が大量に生えてくる。
それはラクスの体を包むと、彼女の体に合ったパイロットスーツへと姿を変えた。
体にかかるGを全て機体の方に流す為の物であり、パイロットの生体認証が済んだ事の証拠でもある。
シートの脇から出てきたヘルメットを被ると、今度はコクピット自体が移動を始める。
機体下部から中央に移動する為である。コクピットが機体中央に移動すると、今まで暗かった中央モニターに明かりが灯る。
そこにザフトのマークが浮かび上がると同時に、機体全体が振動を始める。オーディンの動力に火が入るのが分かった。
『ラクス殿、準備は宜しいか?』
「こちらは準備完了です。分離シークエンスの進行状況は?」
モニターに表示された艦長に、漆黒のパイロットスーツを身に纏ったラクスが答える。
『オールグリーンです。周囲の艦の退避も済んでいます。何時でもどうぞ』
「分かりました。艦との接続をカット」
『了解しました』
スレイプニルは上部に行くに従って面積が小さくなる、所謂山の形をしていた。
その頂上が下部と繋がるコードを乱暴に切り離しながら分離し、下に折り畳まれていた砲門が前方に展開される。
「ミーティアW<オーディン>、発進します」
迫る光芒を正面に見据え、操縦桿を押し込んだ。小型の戦艦並みの大きさを誇るオーディンが、最新鋭MS以上の速度で発進した。
469 :
中身:2010/01/30(土) 21:48:58 ID:???
今回はこれで終了です。
何だかラクスの出撃シーンが一番描写長くなってしまったwww
シンも好きですが、四馬鹿も好きなんですよね自分。どいつも弄り甲斐があるというか。
ではまた
>>中身氏
連日の投下乙です。ラクスの声の影響をも吹き飛ばす効力イザークの一喝にワロタw
そして、カーボン軍団だけではなくラクスまで出撃してくるか・・・いよいよ最終決戦のお膳立てが揃った感じですね
そして、体を包んでくる漆黒のパイスーというところで、Gガンのアレ想像して一瞬wktkしてしまったが・・・あのまな板じゃあorz
ナニヲスルヤメロー
中身氏乙でした
単純な戦闘力ならキラにかなうべくもないラクスがオーディンでどう立ち向かうのか楽しみです
だが残念ながら貧乳である
残念とか言うな!
他のアレな方々も一緒になってお仕置きがくるぞ!?
――ああ、お前の業界ではご褒美なのか
適当に分類してみた
爆及び巨、普:ロミナママン、ベル、ジブリールの姉さん、セクメト艦長、擬人化エミュ子、ピンクの大学生、ルナマリア、
コニール(赤鬼及びレッドアイの相棒限定)、司令、アビー、女大公閣下、ミナ様(大胸筋的な意味で)、ミユ、凸分身体、カガリ、娘ステラ、エルフ
貧(前途有望):みなたま、マユ、セラフィーナ陛下、コニール
貧(絶望的な絶壁);アズラエルお嬢様、クレハ、しっぽ、娘ミーア
こんなところか
そういや各作品の各企業がベーオウルフとかネモみたいにそれぞれ新型量産期開発したりしてるけど
その機体ってか企業が有してる部隊同士で模擬戦やったら面白いことになりそうじゃないか?
作戦を説明する。
雇い主はいつもの貧……ゲフンゲフンDT。
目標は
>>474 とある企業所有の土地で行われる、各社各国の主力量産機を用いた模擬戦、オラの量産機は宇宙一、通称オラ量への参加の依頼だ。
まぁ、それはお題目で実際には胸、チェストではなくバストの話をする連中への粛清がメインだな。
仕事は簡単、先ずは
>>474それに同調する連中を叩き潰せば良い。
こんなところか
悪い話ではないと思うぜ。
連絡を待ってる
その雇い主に差し入れ
⊃豆乳(中に含まれる大豆イソフラボンと言う女性ホルモンに似た働きをする物質が豊胸に良いとかなんとか)
>「私も、メサイア戦没の末に今の地位に就きました。攻めてきた者が悪いとは限らないのです。
なんというか、正しさを疑ってない、いかにも「らしい」言葉だな。
必要悪とさえも思ってない。
報酬はまさか全額前払じゃあるまいな?
「騙して悪いが〜」とか「まんまと騙されてくれたな〜」とか言われるのは勘弁な!
でも、ここの傭兵連中(シン以外も含めて)に騙して悪いがやったらとんでもない目に合いそうだな……
とりあえず今思い出せる範囲で量産機
地球連合軍:現行の機体の発展系(ウィンダムとか?)、ダガーU
DT:ベーオウルフ
ジオン:ネモ、ゲルググ
…すまん、誰か補完頼む
>>481 ええと、とりあえず前に投下された傭兵ネタに出てきた傭兵
赤鬼 所属:PMCミハシラ 支援企業等:ミハシラ等 所属機体:グフクラッシャー、インパルスエクシード 本拠:ガルナハン
レッドアイ 所属:地球連合軍に専属 支援企業等:タルタロス、地球連合他 所持機体:ウィンダム(改造機)、スローターダガー、ネロブリッツV(予定) 本拠:北欧の古城
redeyes 所属:なし 支援企業等:なし 所持機体:グフ、ウォルフガング 本拠:戦艦ゴースト他
>>482 覚えてる限り。 多分抜けがある
MOR氏
大西洋:ウィンダムIII ユーラシア:量産型ハイペリオン ヘリオス
ザフト:ドワッジからガルバルディβに移行中
オーブ:ムラマサ ミハシラ:ヤタガラス
ライオン氏
査察軍(旧ザフト):ゾロ
連合:(20年前と変わらない)ウィンダム
999氏
ビルゲイツ
960氏
ザフト:ザクIII
連合:ダガーN
>>483 赤鬼は確かフリーの傭兵で、PMCミハシラの下請け仕事が多いだけじゃなかったか?
報酬の話をエザリアとしてたし、小ネタでいつも強制連行されるから逃げようとしてた。
>>484 ありがとう
追加
傭兵氏
連合:ウィンダム(改良型)→ハンドレッドダガーに移行予定
旧英国:ハイペリオンレイヴンカスタム
ザフト:フリーザク アッシュクリムゾン
・うちにきたかったらいつでもきていいです。すみごこちがよかったらいつでもいてもいいです。
・うちからでていくことがあってもやめるようなことはいいません。でもたまにはうちをおもいだしてください。
・うちにきてくれるひとたちのことはせいいっぱいまもっていきます。なのでできればきてくれるひとたちもうち
のことをおうえんしてくれたりうちのためにはたらいてくれるとうれしいです。
・おこずかいをあと200円あげてください
みな「いかをもっててんくーのせんげんをここにせんげんいたします」
エコー7「最後の宣言文は却下の方向でお願いします」
みなたまは至高のロリキャラだと思うんだ
…え? マユとか女王さん? 将来有望だから駄目だな
無論絶壁のブルコス盟主の令嬢も駄目だな。十六たらもうね。
ロリはロリだからいいんじゃn(
>>476の会場に連行)
>>486 エコー7!それはあまりにもみなたまが可哀想でソキウス!是非ともみなたまのお小遣いの値上げをお願いするでソキウス!!
ついでに、我々の給料もいい加減に現物支給はやめるでソキウス〜
現物支給……?
ハッ!! まさかみなたまのあれやこれな写真とかか?!
みな「いちばんがんばったひとにちゅーしてあげる」
デュランダル?「なん……だと……?」
,..::''" ̄ ゙~ヽ、
r''" ゙i / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
r' r,/゙i_ 、 h.. |
l jl,/ ,.つ;==f j! |今の私はデュランダル議長だ
゙i i!l ゙̄^ l!l L「l !, ._ノ君の期待に是非とも応えたい。
\ヽ_/」\_/j// ` ̄ヽいけないだろうか?
ヾ、 ― ,.イ ゙̄^i `ー―――――――
r――ヽ.../l Eヨ /
\ ,「  ̄l ゙ー-、__rへ、
,.へ-‐'")./ / _r'" r‐、`i
,//___.ヾv / ,...-‐‐'''" ̄,. / /" ヾ!
,イ 「 l !l ;/ / l / / !
!i ! l! lレ' / 、 l" / \
ll l! _ l l.l / r--、__ 「! l f、 ヽ.
}! レ''"''ヽ ,,/-.、 ゙̄ー`=i ヾ !、l_)‐、 ヽ.
{ヾ" ` ー―'' / \ ヽ
l l ''" ,,/ ヽ、 _,. !、
l .l / ,> ヽ.
! ! ./ ,_,.:' ,/
} {__r==、______,r'' / \ ./
.ノ ,) l「~i」 ,.-‐''"ヽ、. / l,,..:-‐'
/ f ゙ーニニ---‐‐f_,;;'",,゙ニ ゙ー'" ,.:_/
i゙ l ヽ",.r--、__ ,ヾ_,.-‐''"
L__」 「
l / l
ガンダム界最強のロリコンを呼び寄せちまったじゃねえかw
デュランダル「・・・と言うわけでみなたまとマユたん、セラ姫は私がいただいていく!」
シン「・・・」
バキッ!ドコッ!
…急に星が見えなくなったと思ったらミハシラの軍勢、このスレのシン達の機体の混成部隊、イギリスの国旗掲げた軍隊が出撃してったんだが
>>497 ○________
こんな旗ですねわかります |:|\\:::::||.:.||::::://|
|:l\\\||.:.|l///|
__ ィ ,. -――- 、 |:|:二二二二二二二 !
/ L / \. |:l///||.:.|l\\\|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / f / / l l l lハ |:|//:::::||.:.||:::::\\|
ト、 ,.  ̄ ̄Τ 弋tァ― `ー / 从 |メ|_l l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ フ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ \__∠ -――く __ .Z¨¨\ N ヒj V ヒソ l .l ヽ\| / /
ヽ ∠____vvV____ヽ < ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ ./ /
. \\_____ivvvvvvvv| V. ( ( /Tえハフ{ V / /
\! | / 入_.V/| >-ヘ \:::∨::∧ / ∠ ____
__ |\ l/V _{_____/x| (_|::::__ノ }ィ介ーヘ ./ ,. ---―――
)-ヘ j ̄} /| /___/xx| _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___
{ V /`7. /___./xXハ ( |:::::::::::::::::ハ >' ____二二二
. \_ |/ /___l XX∧ __≧__::::::::/:∧/ `丶、
| ヽ /____|]]∧ __|__L.∠ ム' <`丶 、 `丶、
| ', { |]]]>' __ ∧ l\ \ 丶、 ` 、
ノ } l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/ V' \ ヽ `丶\/
/ ∧ { \ | .|>' / // :/ :/ : ', l \ ヽ ,.-――┬
入ノ. ヽ く ヽ______7 ー―∠__ 〃 l :/ :l l \V
`ー′ \ `< | { / | /〃 :|/ __V/ ̄| ̄ ̄{_
俺の脳内の姫様のイメージがルイズになっちまったじゃねーかw
俺が覚えてる限りの特徴
みなたま:みどりの黒髪、黒い瞳、外見七、八歳、小さい、方向音痴
マユ:実年齢九歳、外見年齢十代前半、発育がいい、茶色の髪に同色の瞳、シンの妹
姫様:十代前半、スレンダー、白金の髪、はしばみ色の瞳、質素
つまり白金の髪ではしばみ色の瞳で貧乏なルイズなんですね
(少なくてもお嬢さんで十代前半でスレンダーは共通してるw)
>>498 セラ陛下の場合はカップ麺も持ってるの図がいいな。
金髪・ひんぬー・カップ麺でセイバーが出て来た
二次創作でカップ麺啜ってるイラストが多過ぎる……
>>503 実際モチーフっぽいな
もきゅもきゅいっとったw
・・・イメージを絵に起すだけの画才の無い自分が憎いorz
>>504 イリヤの服着たセイバーかセイバーりりぃがカップラーメン啜ってるのを心の眼で見るんだ!
506 :
中身:2010/02/07(日) 02:24:34 ID:???
今週も投下させて貰います。
前回に引き続きあまり話が進みませんが御了承下さい。
勢いを取り戻したSOCOM軍であったが、主力部隊と切り離され孤立しているキラ、アスラン他決死隊には関係の無い話であった。
友軍の侵攻を後押しする為に陽動を仕掛けている彼らへの攻撃は、依然として収まりを見せない。
しかも、彼らに襲い来る敵はドムトルーパーだけではなかった。
「・・・何か来る!」
『何か!?』
キラは直感したと同時に機体を動かした。アスランも咄嗟に動く。
ドムトルーパーが装備するオストロス改でもミサイルでも無い無数の光が機体を掠る。
3機生き残っていたゲルググイレイザーの内、ドムトルーパーに気を取られた一機が直撃を受けて撃破された。
残った二機が回避したが、高速で密着してきた二機に両断される。
「三機のゲルググが、こうも簡単に・・・」
疲弊していたとはいえ、彼らは各部隊のエースである。
それが、通信を送る間も無く撃破されたのだ、キラの受けた衝撃は並みの物では無い。
『キラ、あれを見ろ!!』
放たれた無数の光の正体であるドラグーンが、母機の元へと戻っていく。それを目で追ったキラが目を見開く。
「フリーダム・・・?」
そこにいたのは三機のガンダムだった。全機が真っ白な塗装を施されたフリーダムタイプである事が分かる。
しかし、三機とも装備が全く異なっていた。
中央でドラグーンを収納するフリーダムは、キラの駆るフリーダムと同型の装備が成された正真正銘のフリーダムだ。
しかし他の二機はフリーダムと呼ぶには余りにもイメージと異なる装備をしていた。
左のフリーダムは、リフターを背負いアンカー付きの実体シールドに、連結されたビームサーベルを構えている。
右のフリーダムは、光輝く翼に大剣と長距離ビーム砲を担いでいた。
『ジャスティスとデスティニーの装備・・・まさか』
アスランの予測は当たっていた。実体シールドを持ったフリーダムが通信を入れてくる。
『この敵機は騎士団が引き受ける。他の戦線に回ってくれ。
・・・どうやら、俺達の偽物がいるという情報は正しかった様だな。カーボンヒューマンか、厄介な物を』
周りのドムトルーパーに指示を出した声は、正しくアスランその物であった。今度は中央のフリーダムが話し始める。
『戦力が無いからって、僕の代替えを用意するなんて。命は、何にだって一つの筈なのに・・・』
キラの声が、悲しそうな声色を響かせる。
『誰だ!こんな、こんな馬鹿な事考えた奴はっ!!』
シンの声が吠えた。
「これが・・・ラクスのしている事・・・」
書面や映像で証拠は得ているものの、いざ目の前に自分のクローンが現れると動揺が隠し切れない。
『何を言っているんだお前達はっ!?ラクスに騙されているのが分からないのか!』
動揺するキラの代わりに、アスランが叫ぶ。コーディネーター再生計画の成果がこうして目の前に存在する事が許せない。
『俺達がラクスに騙されている?』
『そうだ!お前達は、ラクスが進めている計画から生み出されたクローンなんだ。俺達の記憶を刷り込まれた』
『ふん、そんな計画、聞いた事ないな!俺達の知ってるのは、カーボンヒューマンっていう技術の方だ。
ラクスさんがそんなの使っているなんて聞いた事無いし、使う筈無いだろう!』
大剣を抜いて凄むフリーダムを、純白のフリーダムが手で制した。
『キラさん!?』
『駄目だよシン。彼らも被害者なんだ。こんな事の為に造られた、命なんだよ。それを防げなかったのは、僕達にも原因がある』
悔しそうに喋るキラに、フリーダムに乗ったアスランが割って入る。
『だが、同じ人間が二人いては困るのも事実だ。この戦いで彼らを捕える。それが無理なら・・・』
『ここで殺すしかないのか』
彼らに置いてきぼりを食らった形になっていた本物の二人は、彼らの会話を聞いて溜息を吐いていた。
『なぁキラ』
「何、アスラン」
動揺から立ち直ったキラに、アスランが話しかける。
『あの計画で生まれるクローンは記憶も性格も本人と同じに出来るんだよな』
「うん」
『・・・こんなにウザい連中だったのか、俺達は・・・。なんか勝手に話を進めるし、シンに嫌われるのも分かるな』
まるで昔の自分が考えていた妄想ノートを大人になってから読んだ様な、言い知れぬ恥ずかしさが込み上げてくる。
「そう・・・だね。でも一つ羨ましい事があるよ」
『ああ、俺も思っていた』
「『あのシンが扱いやすそうだ(ね)』」
話を聞いていると、向こうのシンは完全にキラとアスランの口車に乗せられている。一言で言えば馬鹿そうである。
『だが、あんなシンは認めない。俺に噛み付いて来ないシンなんてシンじゃないからな』
「うん。僕に殴りかかってこないシンもシンじゃないね」
本人が居ない所で好き勝手に話す二人。しかし事態が悪化した事に変わりは無い。
こちらが圧しているとはいえ、自分達に向かってきていた敵MSが元の配置に戻ったのだ。
それは陽動が無効化された事を意味しており、友軍への負担が増した事を意味している。
凌いでいれば合流出来ると思っていた友軍の歩みが、更に遅くなるのだ。加えて目の前にいる三人のトップエース。
『万事休すか・・・』
話が終わったのか、こちらに振り返る三機のフリーダム。今の自分なら目の前の自分を超え、戦力差を引っ繰り返せる。
と考える程アスランは若くない。出来る事は、全力で逃げる事位か。
単純な最高速度では、恐らくナイトジャスティスに勝る機体はこの場にいない。
全力で逃げれば友軍と合流して体勢を立て直せるだろう。しかし、それでは肝心のキラが死ぬ事になる。
例えSOCOMが勝利しても、キラが死んだのではクーデターは失敗である。
どうすれば良いか測りかねている間にも、敵が攻撃体勢に入ろうとしていた。と、その時である。
ナイトジャスティスの後方で巨大な爆発が起きた。ビームライフルを構えようとしていた三機の動きが止まる。
キラ、アスランも堪らず後ろを振り返った。良く見れば多数のMSの爆発だと分かるその光から躍り出てきたのは、
ミサイルをまき散らした際の紫煙を、全身のフルアーマーから立ち昇らせる黒い狼だった。
「あんた大将だろ!?自分の背負ってる責任ってもんを考えろよ!!」
『シン!?』
説教臭い台詞と共に現れたのはウォルフガングを駆るシンだった。
『シン!いきなりミサイル一斉発射なんて、せめて私達に伝えてからしなさいよ!!』
『ははっ!あんたの彼氏は派手好きだね!』
その後ろから現れたのはルナマリアのレイヴンと黒い三連星だ。
『どうやら、お前のカーボンヒューマンもいるみたいだな、シン』
『そうみたいですね』
突然の闖入者にクローンのアスランが吐き捨てる。
予め「キラ・ヤマトのカーボンヒューマンを旗手にSOCOMがクーデターを起こした」
との情報をラクスから聞いていた彼らにとって、シンの出現はそこまで驚く事では無かった。
「・・・・・・俺!?」
『シンがもう一人!?』
通信から聞こえる自分の声に、シンは目の色を白黒させる。ルナマリアも同様だ。
『シン、彼らはラクスの計画の産物だよ。向こうはこっちがカーボンヒューマンだと思ってる』
「成程、ラクス・クラインが考えそうな事だ」
直ぐに理解したシンがドラゴンキラーを構える。
『随分物分かりが良いな』
もっと激しい反応を予想していたアスランにとって、シンの反応は意外だった。
『当たり前でしょ。あんな趣味悪い機体、俺なら乗らねえもん』
クローンのシンが駆るデスティニーフリーダムは、フリーダムの機体にデスティニーのVLシステムである光の翼を背負っている。
その姿はアンバランスと言わざるを得ず、シンの言う通り確かに趣味が悪かった。
「キラさんこそ、大丈夫なんですか?一番動揺している様に見えますけど」
『だっ大丈夫だよ。こんな事態は、想定済みだから・・・』
口ではそう言うものの、キラは明らかに動揺していた。
正確に言うなら、「ラクスがキラのクローンを造っていた」という事実から発生した動揺は既に乗り越えた。
今キラを動揺させているのは別の何か、自分の中の違和感であった。口に出して表す事は出来ないが。
しかし、そんなキラに正真正銘の想定外、動揺を起こさせる物がやってくる。
『んっ、あれはなんだい?』
初めに気付いたのはヒルダだった。キラ達の後ろから現れたシン達と同様に、歌姫の騎士団の後方から急接近してくる。
「新手か・・・!」
その方向からやってくるなら敵機以外あり得ない。それは瞬く間に接近してくる。
『あっあれは!!?』
アスランが驚きに目を見開いた。
『ミーティア!?』
キラも接近してきた敵機に体が硬直する。それも当然の事だった。
敵機は、嘗て二人が決戦の際に使用していたミーティアだったからである。とは言っても、同じなのは形だけだ。
大きさ自体は、キラ達が扱っていた物の数倍はあるだろう。何より、本来コアとなる筈のMSがいない。
本来MSがいるべき場所にはモノアイが輝き、ミーティアのみの独立した戦闘単位である事が分かる。
ミーティアW<オーディン>。ミーティアの大火力、高機動に目を付けたターミナルが、
力の象徴とも言えるガンダムの更に上を目指して造り上げた究極の拠点防衛型MAである。
登場しただけでその場を静まらせてしまった大型MAはしかし、パイロットの方がキラ達を驚かせる事になる。
『キラ、会いたかったですわ』
『ぼっ僕もだよラクス。でも、今会いに来るのは危険なんじゃ・・・』
オーディンから通信で運ばれてきた声に、キラは今度こそ石になった。ラクスの通信には、クローンのキラが答える。
しかし、これは歌姫の騎士団にとっても想定外だったらしく彼らが困惑しているのが機体から伝わってきた。
その間に、シン達は増えた敵にどう戦うか話し合いに入る。
『で、どうするの?数ではこちらが有利よ』
『僕は・・・ラクスと戦いたい』
暫く固まっていたキラが重い口を開く。
『だが・・・!!』
しかしそれにアスランが異論を唱えようとした。アスランが懸念した事態が起ころうとしているのだから当然だろう。
「いいんじゃないか?元々ラクス・クラインを倒してあんたに挿げ替える為の戦闘なんだ。
あんた自身がラクスを倒すのは色々都合が良いだろ」
『シンまで!?』
『アンタは黙ってな』
予想外の場所から出たキラを支持する意見に、アスランは焦りを隠さない。そんな彼を黙らせるヒルダ。
「あんたにも、その位の覚悟あんだろ?」
『うん』
はっきりと頷いたキラに満足したシンは、ウォルフガングに握らせていた物をフリーダムに投げつけた。
キラは受け取った物をフリーダムのカメラに映して確認する。
『これは・・・?』
「アンタの機体に、あのデカブツをぶった斬れる装備は無いだろ?それ持ってけよ。
必要なデータは武器側にあるから、フリーダムでも使える」
『分かった有難う』
ドラゴンキラーを腰に収めたフリーダムが、オーディンを見つめる。向こうも自分と話がしたい筈だ。なら
『おっおいキラ!』
バーニアを吹かし、集団から離脱するフリーダム。その動きに逸早く反応したのはオーディンだ。
MS丸々一機分はあろうかというバーニアを吹かし、キラのフリーダムを追う。
『ラクス!?』
『私があのフリーダムの相手をします。砲門は多いですが、一門一門にはオーディンを撃破出来る威力はありませんから』
戦闘機動に入りながら、ラクスがクローンのキラに説明する。事後承諾ともとれる状況にされた彼は頷くしか無い。
『分かったよラクス、気を付けて。・・・アスラン、シン、僕達は目の前の敵に集中しよう』
「よし、他の連中は動かないな」
キラとラクスが離脱した後を追う敵機がいない事を確認するシン。
『キラ・・・』
「アスランはこっちの心配しろよな。アンタには多分、自分と戦ってもらう事になるから」
『お前に言われなくても分かっている』
シンに言われなくても、機体の特性を考えれば自ずと相手は決まってくる。
「デスティニーの装備は対多数には向いてない。ルナと黒い三連星はあっちの俺を袋叩きにしてくれ。俺はフリーダムをやる。アスランは・・・」
『余った自分は自分で処理しろという訳だな』
シンが言い終わる前に、アスランが言葉を被せる。シンの組んだ対戦表は、アスランが考えていた物と同じだ。
自分をクローンキラに当てたのは、
ナイトジャスティスよりも小回りが利くウォルフガングの方が接近戦に持ち込みやすいと踏んだからだろう。
相手が誰であろうとただ突っ込んでいたメサイア戦没時のシンと比べれば、戦術眼は雲泥の差だ。
「よし、いくぞ!!」
シンの掛け声と同時に、全機が決められた相手を目標に戦闘機動に入った。
歌姫の騎士団の三機も、自分を狙っていると思われる敵機に向けて戦闘機動に入る。
クローン達は機体の相性など考えていない。
何故なら、彼らは自分の力量を疑った事が無かったし、初めから連携など考えていないからだ。
シン達の動きに合わせて、歌姫の騎士団も其々の戦闘エリアに分かれて行った。
511 :
中身:2010/02/07(日) 02:33:15 ID:???
今回はこれにて終了です。
次から本格的な戦闘に入ります。では
乙です。
V司書連中はカーボンヒューマンと言う自覚はあったけど、こちらは無いのか。
運命正義フリーダムは一々新造するの余計な手間なんじゃ……
乙
この話、どのキャラも好きだw
運命のVL背負った自由想像して気分悪くなった
悪趣味にも程があるぞこれw
まさにフリーダムな機体というわけですね
516 :
サンタ:2010/02/07(日) 21:30:28 ID:???
こんばんわ。
みなさんお久しぶりです。
ずっとパソコンは繋がらない、携帯は規制され散々な約一ヶ月でした。
でもやっと自分用のパソコンが買えたのでよかったですw
それではみなさん、今年も何とぞよろしくお願いします。
第3話 −おやすみ−
フェイトは母艦を守るように展開するMS隊に突っ込んでいった。
「お前らの好きにさせるもんかぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
改アロンダイトを振りかざすフェイト。
そのフェイトに接近する3つの機体があった。
旧地球連合軍のカラミティ、レイダー、フォビドゥンの改造機だ。
『させるかよ!』
『舐めんな!』
『うっぜぇ!』
パイロット3人が攻撃を仕掛ける。
先手はカラミティだった。
両肩から誘導ミサイルのようなものを数10発。
だがそれをシンはフットバーと操縦桿を巧みに操り、全て避けた。
「甘い!」
『チッ……!』
『何やってんだリョウ!』
そう叫んだのはレイダーのパイロット。
レイダーはMA形態のままフェイトに突撃してきた。
「特攻……?っ、じゃない!」
武器も展開せず突撃してきたレイダーにシンは改アロンダイトで対抗しようとしたが、レイダーはその機動力の高さで自分からフェイトを避けた。
そしてフェイトはレイダーのほうへ振り返るが、敵のほうが速かった。
レイダーはフェイトの後方へ回ったかと思うと、すぐさまMA形態からMSへと変形した。
その手にはレイダー特有の武器、ミョルニルが。
その反対側の腕は高速戦闘に対応した専用シールドとなっている。
『もらいっ!』
その専用シールドがシンの反応より速く射出された。
本体とワイヤーロープで繋がってるそれは先端を爪のようにしてフェイトの左腕に噛みついた。
直後、フェイトの全身が青白いスパークに包まれる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
レイダーから流れる電撃がシンを襲う。
エレクトリック・ウィップ―――シールドとしても機能するが、その本性は電撃の鞭となる。
殺傷能力は低いが、パイロットの動きを数秒停止させるのには十分な武器だ。
またこの攻撃でVPS装甲はその存在意義を無くす。
『シュン!』
『はぁっ!』
レイダーのパイロットはフェイトの左腕からエレクトリック・ウィップを離すと、先程まで黙って見ていたフォビドゥンのパイロットに合図を送った。
否、ただ黙って見ていたわけではない。
ゆっくり、ゆっくりと彼はまるで死神のようにフェイトのパイロットが弱るのを待っていたのだ。
「くっ……!」
一方シンは焼け焦げた匂いが充満するコックピットの中でなんとか意識を保っていた。
先程の電撃攻撃で気絶しなかったのは奇跡だが、それでも彼にフォビドゥンの攻撃をかわす余裕はなかった。
『もらった!』
フォビドゥンの持つ大鎌―――ニーズヘグがフェイトの頭部を切断した。
「っ!!」
衝撃に耐えるシン。
さらにフォビドゥンはフェイトの右腕を奪う。
メインとサブ、両方のカメラが潰され、フェイトは丸裸にされたも同然の姿となる。
((俺……死ぬのかな……))
死を感じ、シンはらしくなく自嘲的な笑みを浮かべた。
((ラクス様の役にも立てないまま……死ぬのかな……?))
『死なないよ……』
((……?))
不思議な声が聞こえた。
懐かしいような、哀しいような声が。
『だってお兄ちゃんは……』
シンの目の前に悪の3兵器が迫る。
『MAYUが護るもん』
「――――――っ!!」
絶体絶命のその刹那、シンの頭の中で種子が弾けた。
『んだと!?』
『なっ!?』
『ぐあああああ!』
カラミティ、レイダー、フォビドゥンのパイロットは何が起きたか分からなかった。
気が付いた時には愛機の手足が破壊され、戦闘不能となっていた。
「そうだよな。MAYUと俺なら出来ないことなんてないよな!」
『そうだよ。まずはラクス様の邪魔をする悪者をやっつけちゃおうよ!』
不思議な声に導かれ、シンの気分は高揚していた。
そして今度は目標を敵の母艦ではなく、資源衛星フューチャーに近付くMS隊に狙いを定める。
その時、先程のフォビドゥンとはカラーリングの違う機体がフェイトの前に出てきた。
「邪魔をするな!」
改アロンダイトを振りかざすが、黒のフォビドゥンは両手に持っていたふたつの大鎌でそれを受け止めた。
「なっ!?」
『止めろシン!』
対艦刀である改アロンダイトを受け止められ、シンは驚愕する。
いや、それよりも接触回線で自分の名を呼ばれたことに驚いた。
「なんで俺の名を!?」
『憶えていないのか?俺だ』
いったん間合いを取り、シンはオープンチャンネルを開く。
そこにはシンの見知らぬパイロットの姿があった。
「誰だよアンタは!」
『本当に憶えていないのか、シン。俺だ。レイ・ザ・バレルだ!』
「レイ・ザ・バレル?知らないね!そんなやつ!!」
フェイトはもう一度アロンダイトで突っ込むが、レイのユビラーテフォビドゥンは機体を傾けそれを避ける。
「甘い!」
『ぐっ……!』
しかし、避けられたのと同時にフェイトはパルマフィオキーナを発動し、ユビラーテフォビドゥンは右足を失った。
「平和を望むラクス様の邪魔なんて……させるもんか!!!」
『……変わったな、シン。いや、無理矢理変わらせられたのか?』
「ごちゃごちゃと……うるさい!」
シンがビームブーメランを構えた時だった。
『こちらはリベラ・メ所属艦アマデウスです。資源衛星フューチャー、並びにデスティニーのパイロットに告げます。我々は資源衛星フューチャーの無血開城を希望します。速やかに武装解除してください』
「なっ……!?」
リベラ・メ所属大型戦闘艦アマデウスの艦長、フロウ・アーガイルが通信で勧告を出す。
『我々の目的は被験者である子供たち、及び研究者の解放です。また、研究所内部にいる人間、すべての命を保証します』
『こちら資源衛星フューチャーです』
呼び掛けに答えるように、アマデウスの通信モニターにフューチャーの所長が映し出された。
『こちらに敵対の意思はありません。アスカ少佐、お願いです。戦いを……』
「何なんだよ……!」
『アスカ少佐?』
フェイトのコックピットの中で、シンは拳を握りしめる。
「何で!何でみんなラクス様を裏切るんだ!?ラクス様は、ラクス様は!平和な世界を望んでるのにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
『シン!お前は知らないんだ!この4年間、ラクス・クラインが裏で何をやってきたかを!ラクス・クラインは……』
「黙れぇぇぇぇっ!!!!」
レイの言葉にも耳を貸さないシンは即座にフェイトの背中に装備された高エネルギー長射程ビーム砲を展開し、その砲口をフューチャーに向けた。
「ラクス様を……ラクス様を裏切る奴らは……!」
『駄目!』
シンが高エネルギー長射程ビーム砲を撃とうとしたその時だった。
四足獣形態のMSがフューチャーの前に出て、庇っている。
「あれは……ガイア?」
ビシッ―――
頭の中の神経がひとつ切れたような音がした。
『ステラ!』
珍しくレイの慌てた声。
「ステ、ラ?」
ビシッ―――
また頭の中の神経が切れたような音。
『ここにいる人たちには"家族"がいる!家で帰りを待ってる人たちがいる!殺すのは……いけないこと!!』
「か、ぞく……?」
パキンッ―――
銃で頭の中を破壊されるような恐怖がシンを襲った。
「―――っああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!」
家族、マユ、オーブ、フリーダム。海、ステラ、ベルリン。
記憶の欠片が次々と頭の中に浮かんできた。
『シン!シン!どうした!?何が……』
「あ、ああああ……」
シンはヘルメットの中で涙を流しながら、気を失った。
そして高エネルギー長射程ビーム砲を撃たれることなく、フェイトはその動きを止めたのだった。
To Be Continued.
521 :
サンタ:2010/02/07(日) 21:41:24 ID:???
以上です。
今回は戦闘シーンを重視してみましたが……なんとも難しいorz
それではまた。
>>511 中身氏投下乙です〜
『・・・こんなにウザい連中だったのか、俺達は・・・』にお茶吹いた!第三者視点で見て、今での自分達がアレな感じなのを実感するのってまさに黒歴史ノートを読むようなもんだなww
しかし・・・素直なカーボンシンが一番キモく感じてしまったわw
アスランとキラも自業自得とは言え、黒歴史が目の前で動いてるとかどんだけ地獄なんだよwwwwwwwww
サンタ氏乙です!
MAYUはフェイトもしくはシンの脳内に組み込まれたAI?
後、悪の3兵器に緑茶吹いたw 見掛けそうだろうけどあんまりな言い方じゃまいか
>中身氏
騎士団シンがアホの子過ぎて笑ったw
Jフリの追加武装はまだいいけど、Dフリはデカ盛りで明らかに過剰積載だよなぁw
>サンタ氏
乙! そして規制解除おめ
レイが黒っていうのは意外だな。似合うとは思うけど。
そして続きが気になる……
526 :
sage:2010/02/08(月) 12:08:22 ID:8sUfSgiQ
SEED年表見てて思いついたのだが
プラントは種死終了後平和な時代になったとしても40年後には滅びてしまう
最初のコーディネイター達はCE16年から生まれたが合法化された30年までは大した数ではなかったろうし
30年以降はブームもあり大量に生まれたが55年以降は厳しく取り締まられるようになり
第二世代のコーディネイター以外は生まれるのが難しくなった
これらから考えると種開始時のプラントの人口は
六十代以上は存在せず、四十代以上はせいぜい二十万程度
出生率の低下と非合法化により十代とそれ以下の世代は少数で
人口の7,8割は二十代、三十代の働き盛りと考えられます
つまり種、種死の時代は良くても四十年後にはプラントは巨大老人ホームとなってしまいます
これを防ぐには出生率を劇的に改善させるか地球全体でコーディネイトを解禁、奨励する必要があります
あるいはナチュラルとの混血以外認めないなどの荒療治も考えられますが・・・
ラクスたちは政権取った後どうする気なんだ?
一応茂さんはそれを憂いてたようだけど
他にそのことを真面目に考えてた人がプラントにいたのかが疑問だがw
例の運命計画はその辺どうだったんだろ?
子供が出来やすい組み合わせ優先で、ナチュとコーディの結婚推奨とか
やるつもりだったのかね?
お久し振りーwwww
ねえねえ、あの非常に見苦しい言い訳以来あの腐女子職人の傭兵(笑)戻ってきた?wwwww
スレが凄く綺麗だからいないと思うけどwww
追い出し成功で万々歳だなwwwwwwwww
「後の複線と思って(ry」wwwwwwwwwwwww
多分殆どのプラント住人は
「俺らナチュラルより優秀なコーディネーターだから何とかなるなる まだ本気出してないだけ」
とか思ってるんでしょうね
そういや誰の作品かは忘れたけど地球の人口の八割強がプラントの攻撃で死亡
って話し無かったっけ?
本格的に地球圏滅亡エンドだなって思った記憶はあるんだが…
>>528 一気に腐ったよお前が来たからな。
なあなんでまだ生きてるんだ?
いかん、ゴリ腐崩れに触れるんじゃない
>>526>>529 ふと思ったが、キラとラクスに凸とメイリンは努力したけど
結局子供は出来ずに別れましたが
殆ど調整されてないシンはルナと沢山子供をつくって
幸せに暮らしましたって展開でも逆襲にはなりそうだなw
子供はまだだったようだが、ラクシズが自分らで始めた戦いの連鎖に巻かれて
イタチごっこループにはまってるのを尻目に新婚生活を満喫してたら
街ごと焼き払われたのが「因縁の終わり」なわけだが。
あの話で端折られてるアスランやカガリ、AA組他とのとの戦闘のくだりは
今からでも書き下ろしていただきたいんだがなあ。
疑心暗鬼にかられて敵に廻られる前に始末しようとしたんだっけか
基本自分とラクスくらいしか信じてないキラさんなら充分あり得るのが
キラが疑心暗鬼から半分頭がおかしくなっててガルナハンごと空襲を命令し、
アスランは手出しする気が無かったので愕然とし、ラクスは自分の過剰な期待が
キラを狂わせたと後悔してるというわりと珍しい構成だったね。
カガリは直接出てないのでどんな考え方だったか不明だが。
お久しぶりです、もしくは初めまして、360です。
最後の投下から4ヶ月…既に忘れ去られた存在だとは思いますが、
やっと続きがかけそうになったので投下します。
みんなの知ってるシンやルナマリアやキラじゃ無いかもしれませんが、
見ていただければこれに勝る幸せはありません。
それでは失礼いたします。
○前回までのあらすじ
シンが入院した。
人工の夕日の日差しだけがうっすらと差す、ぼんやりとした光の中でシン・アスカは
ベッドの上で呆然と佇んでいるように見えた。体中がギプスで固められている姿は、痛々しかった。
ルナマリアはその光景が気に食わず、照明をつける。急に明るくなった部屋に対して眩しそうに
しながら、シンは目線だけをルナマリアに向ける。首が、動かないのだ。
「よおルナ、久しぶり」
「何が、久しぶりよ、バカ」
案外、堪えられるものなんだなと、この時のルナマリアは思ったのだ。
第3話「spirit link」その3
「大体のことはエルフから聞いた。アハトのことは残念だったけど、被害らしい被害が無くて良かった」
「そうね」
「これで連中も諦めてくれたらいいんだけどな…ルナ、その書類の束は?」
ルナマリアはシンに見えるように1枚ずつ、テーブルに紙を置く。
「自分で書けなかったら代筆でもいいから。あ、締め切り早いので明日ね」
「ひでえ…」
出撃報告書や始末書、休暇申請書などと、書類の多さに少しゲンナリしてしまうシンであった。
「それはいらない、返しておいてくれないか」
シンがいらないと言ったのが除隊許可証を見せたときだったから、ルナマリアは呆れたような、
怒った様な表情を見せる。
「アンタ…まだ復隊する気なの?」
ルナマリアの質問に、シンは答えない。
「エルフにも言われたんでしょ?身体のことだって聞いたんでしょ?
もう…戦わないって、言えないの?」
「ああ、俺にはそれしか…それくらいしか、出来ることなんか無いから」
シンが搾り出すように声を出して言った時には、ルナマリアはシンの目前まで迫っていて。
「このっ、馬鹿シン!」
ルナマリアは勢いをつけて、両手でシンの頭を挟むように叩いた。
「へぶぅ!?」
「戦う事しかできないなんて、誰が決めたあ!?アンタの頭の中ででしょ!
世の中アンタみたいな負傷兵はゴロゴロいて!でも皆頑張ってて!戦わない人だって、皆頑張ってる!
でもこんな身体になってまで戦いたがるなんて、おかしいのよ!?」
「ルナ…」
「出来る事くらい、何かあるわよ!居場所だって私が用意してあげる!
だから、もう、もう…」
「ルナ?」
「安心させてよ…シン…」
眼をキッと開いたまま、とめどなく涙を流すルナマリアの顔を見て、シンも言葉に詰まってしまう。
それから何分、この姿勢のままだったのだろうか。5分なのか10分なのか、ずっとルナマリアと
シンの顔が近かった後に、やっとシンは、
「ごめん、ルナ。少し、考えさせて欲しい」
やっとそれだけ、口に出せた。
「俺は根無し草だったから、不安だったのかも知れないな。プラントに来てからやってることなんて、
訓練と、戦争と、戦闘ばっかりで…でも、友達には恵まれてたんだよな」
「そうよ、感謝なさい?」
「自分で言うか?兎に角、今は治療に専念して…治る頃には、俺の仕事がなくなっていたら助かるな」
シンが憑き物が落ちたようなスッキリとした、それでいて何かを諦めたような悔恨が入り混じった表情を見せながら
語ると、ルナマリアもやっと、安堵できた。
「余裕よそのくらい、シンの穴くらい直ぐに埋めてやるわよ」
「何年かかるか分からないけど、その間、頼むな」
「ハァ…私もザフトに骨を埋める気は、無かった筈なんだけどなあ?」
「ゴメン…辞めるつもりだったのか?」
「当たり前じゃない、メイリンじゃないけど、結婚して家庭を持つ事くらい、夢見たって」
そこまで言ってルナマリアは、しまったと小さく漏らす。
「まあ…今からでも、遅くは無いかな?」
「ルナ、それって、その…」
「今更な気も、するけどね。ハッキリさせたくなったんだ」
ルナマリアがシンの唇を奪い濃厚なキスをする前に、エルフは病室から離れた。
あの二人がどんな事を話すのか、気になってつい戻ってしまったのだが、もう、見ていられなかった。
別に、シンのことを取られたとか思うわけじゃないし、思う資格も無い。だけど、
(まったくさ、いちゃいちゃしてさ!入り込めないよな、もう!)
叫びだしたいのを、泣き出したいのを必死に堪えて、エルフはひとけの無い廊下を静かに進んだ。
エルフが居候しているキラ・ヤマトのアパートに着いたときには既に夜になっていた。
人工都市の中でもやはり、昼夜のリズムが必要なのが人間であり、人気の無い道を自転車で走った後は、
人恋しくなってしまう。例え相手が、デュランダル先生にとって因縁深い相手でも。
「ただいまー、生きてますかー、ちゃんとご飯食べてお風呂に入ってますかー」
「入ってくるなり酷いよ、エルフちゃん…」
「ちゃんとか言うな!気持ち悪い」
「さらに酷い!」
ずっと3面ディスプレイとにらめっこしていたキラ・ヤマトは口の悪い同居人への挨拶を済ましてから、エルフの方に
振り向く。
髪は切りそろえられ、髭も剃られ、若干無精髭が残っていること以外はかつてのキラ・ヤマトの面影を取り戻したようにも見えた。
切るように指示したのはエルフだが。
キラ・ヤマトがエルフを引き取ったことは、キラ本人以外は皆、意外に思ったものだった。
しかして軍施設におく事もできず、プラントでの戸籍が無い彼女にとってはベターな状況ではあった。
何よりキラ自身が、エルフに対して同情的に接してくれていた。デュランダルの計画により生み出されたクローン・モデル
であることも知っているはずだが、全く意に介していないように見え、何よりキラの庇護者にして想い人…で合っているはずの
ラクス・クラインに対しても、引き取っている事を隠していた。口では言ってくれないが、エルフを匿う為に仕事場を自宅に
移したのであろう。
それ以上に、放っておくと睡眠も食事もとらず、お風呂にも行かないだらしない人間であったことがエルフには驚きだった。
「こんな奴にデュランダル先生が倒されたと思うと…」
「何か言った?」
「別に!とりあえずご飯作るよ」
何とも情けなく思ってしまうのと同時に、ずっと敵だと思っていた人間も…スーパーコーディネイターも只の人だよな、
と思えてしまった。
「今日は気合入ってるね、何かいい事あったの?」
コンロひとつと電子レンジだけで作ったとは思えない料理の数々に口をつけながら、キラが問いかけると、
エルフはこれ以上嬉しい事は無いという顔をして答える。
「うん、シンがやっと目を覚ましたんだ。普通におしゃべりもできたし、あとは身体が治るまで、頑張らないと!」
「そっか…本当によかった。手伝える事があるならできる範囲で手伝うからさ」
「シンに伝えておくよ。ヤマトさんに手伝える事あればだけど」
「酷いなさっきから!今日だって彼の為に『音声入力だけでアクションゲームすらできる携帯端末』をこしらえていたのに」
「努力と思いやる方向が違うと思う」
「うう…」
こんな風に先生の仇と思っていた男とバカを言い合えるのも、シン・アスカが結んだ縁なのだと思うと、
彼と出会えた事は間違いじゃなかったと信じられるのが、今のエルフだった。
それから二週間後…
プラントに程近い宙域に浮かぶザフト所有のステーション《イプシロン3》は地球を背にこちらに高速で迫る機影を捉えた。
「エリアS4を航行中の機体に告ぐ、スケジュールに無いフライトは厳禁だとママから教わらなかったか?」
『おかしいな、時間きっかりにオーブ発のシャトルが通過すると伝えたはずだが』
「俺の知っているシャトルには手足は生えてないぞ、アスランボーイ」
『予定が変わったんだ、少しは大目に見てくれ。それに俺はアスランではなく』
「一応、アレックス・ディノ、だろ?通達は受けているから勝手に通りやがれ、オーブの外交特使殿」
管制官がひとしきり悪態をつき終えると、ステーションを一機のモビルアーマーが通過する。
オーブ首長国連邦が最近お披露目した新型機《フツヌシ》。可変モビルスーツ《ムラサメ》の改良型・簡略型と言うべき
機体であり、オプションパーツの装備により成層圏迎撃、果ては単騎での大気圏離脱までできるモンスターマシンである。
「モビルスーツで通勤って、相変わらず空気読んでいませんね、アスランさん」
管制官の隣に座っていた女性オペレーターも陰口を叩く。
「案外アレしか使える船が無かったのかもな。オーブは現状ド貧困って聞くし…あんなもの作ってる余裕あるのかね」
「私、中立って言葉の定義がわからなくなるときありますよ、オーブを見ていると」
「そんなもの簡単だ、悪とも善ともパーティーを組めるのさ」
「俺だって、来たくて来たわけじゃないけどな」
狭いコクピットの中でアスラン・ザラは1人悪態をつく、彼はオーブ首長国の准将として、来賓としてある式典に出席することに
なっていた。モビルスーツを使ったのは性能テストもあるが、単に1人で行きたかったからだった。
「仕事ついでじゃないと来れないのも確かだし、ハッキリさせないとな…」
コンソールに貼り付けた、メイリンとのツーショット写真を見ながら、口の中でよしっ、と言いアスランは気合を入れた。
(第3話終わり、次回につづく)
今回は此処までです、失礼致しました。
乙!
シンとルナのやり取りに2828しつつこの先に期待させていただきます!
>>541 360氏、おかえりなさい。久々の投下乙です〜
なにこのシンとルナのピンク空間・・・そりゃ、エルフも空気読むわw
そして、相変わらずな凸はその空気を読む能力を少しは分けてもらえとww
キラはキラでアホなもん作っているし。てか、その携帯端末、俺が欲しいわ!!
続きもマターリ無理せず頑張って下され〜
真S&R 14話
「キラ……」
シン・アスカが裏切り、ファイナルデスティニーが防衛ラインを突破した。
この知らせに、エターナルの守りの為に戻っていたキラ・ヤマトは出撃を決意する。彼を止められるのは自分だけなのだ。
そんなキラに艦橋を抜け出していたラクスが話しかける。
「ラクス、どうしたの?」
「シンはなぜ……わかって貰えなかったのでしょう」
ラクスの顔色は蒼白で、少しだけ震えている。無理もない、信じていた仲間に土壇場で裏切られたのだから。
キラは優しくラクスを抱き寄せると、心配ないと語り掛ける。
「大丈夫だよ、ラクス。彼は僕が止める」
「キラ……」
「シンもきっと迷っているだけなんだ、夢は同じだから。だから、いつかはきっとわかってくれる」
そう、彼はいつも迷い、人の甘言に惑わされ、道を間違える。
以前は議長の声に惑わされたように、今度も誰かの声に惑わされたのだろう。
あの少年が普通の少年だったらそれでもよかった。でも彼には力がある。彼の力を破壊に使わせるわけには行かない。ラクスならきっと、彼を正しい方向に導けるはずだ。
「行って来るよ。ラクス」
「キラ……、お願いします」
「うん」
そして、キラは自らの聖剣たるストライクフリーダムに搭乗する。
ラクスから与えられた、混迷する世界を切り裂きより良い方向へ導くための力だ。この機体に乗っている限り、自分は負けない。
「キラ・ヤマト。ストライクフリーダム、行きます!」
永遠を冠する船より、自由の翼が飛び立った。
「キラ・ヤマトぉぉぉぉぉぉ!!」
敵包囲網を抜けたシンの前に最後に立ちふさがったのは、やはりキラ・ヤマトであった。
すでに展開の終わったスーパードラグーンから、無数のビームが発射される。
「シン!! 君は何で!!」
「今更何を言うかぁ!!」
『お兄ちゃん!』
ビームの雨の中をビームシールドを張っただけで突っ込むシンに、マユが思わず悲鳴を上げる。
もっとも、シンとて好きで突っ込んでいるわけではない。キラ相手に無傷での勝利は不可能だ。長期戦になればなるほど、こちらが不利になるに決まっている。
ならば、多少の被害など無視して突っ込むまで。
『肩部アーマー被弾。左肩フラッシュエッジ脱落……。脚部バーニア被弾、機動力5%の低下!!
ウィング被弾、外部装甲板剥離! 連続稼働時間8.4秒減少だよ!!』
「その程度ならっ!」
予想以上に少なかった被害に安堵の息を吐く暇も無く、ファイナルデスティニーはストライクフリーダムに肉薄する。
キラ・ヤマト相手に大降りの攻撃でも、射撃攻撃でもダメだ。捨て身の覚悟で無ければ倒せない。
「こいつでぇ!」
叫び声を上げながらファイナルデスティニーの左腕を突き出す。掌に装備された強化型掌部ビーム砲パルマフィアンマなら、触れることさえ出来れば装甲ごと吹っ飛ばせる。
「こんな所でっ!」
だが、キラとて伊達に最強と言われているわけではない
キラの脳裏でSEEDがはじける。視界が広がり、一瞬が無限に引き伸ばされる。
怒りに燃える悪魔の赤く燃える掌が、平和の歌姫を守る天使の甲冑に触れるか触れないか、その刹那の時を切り裂き、胸部カリドゥス複相ビーム砲が火を噴いた。
「このぉぉぉぉぉぉ!」
「うわああああああ!」
キラとシンの叫びが交錯する。
高出力のビーム兵器同士のぶつかり合い爆発を起し、悪魔と天使は互いに部品をばら撒きながら大きく跳ね飛ばされた。
『左腕パルマフィアンマ破損! 機能停止!』
「腕が落ちなかっただけマシだ!」
モニターの端に浮かぶマユの報告を聞き流しながら、シンは再び突進をする。
「くっ、カリドゥスはもう使えないのかっ……。
君はっ! これだけの力を持ちながらなぜ!」
今の衝突であちらこちらの機能が死んでしまっている。
自分相手にこれほどの戦いを見せる彼は何故わからないのだろう、何故平和を求めるラクスの考えに逆らうんだ!
「ちったあ自分の頭で考えろ! 馬鹿野郎がっ!!」
「ラクスは泣いているんだ! 君には何故それがわからない!!」
突撃してくるファイナルデスティニーに対し、ストライクフリーダムは両手に構えたビームサーベルを振るう。
右のビームサーベルがファイナルデスティニーの左足を切り裂き、左のビームサーベルが右腕を襲う……はずだった。
だが、左の攻撃はファイナルデスティニーの灼熱の右腕にあっさりと止められる。
シンはストライクフリーダムの左腕を握りつぶしながら、怒りに満ちた叫びを上げた。
「ラクス・クライン以外の人間もいるってわかれよっ!! 皆必死に生きてるんだよ! 世界はお前たちの玩具じゃないんだ!!」
叫び声を上げて一気にVLを稼動させる。
光の尾を引きながら、ファイナルデスティニーはストライクフリーダムごと一気に加速する。
キラは慌てて振りほどこうとするが、ファイナルデスティニーはストライクフリーダムをがっちりと抱え込んで離さない。それどころか無理な動作で振りほどこうとしたのが仇となったのかビームサーベルを取り落とす。
そして、彼らの航路の先には、ピンク色の戦艦が浮かんでいた。
「回避しろっ!!」
エターナル艦橋でバルトフェルドが回避の指示を出す。このままでは急接近してくる2機に艦橋が押しつぶされてしまう。
もっとも、コーディネーターだとでできない事は出来ない。
「間に合いません!!」
だが、その指示は遅すぎた。クルーが悲鳴を上げる。
「くそっ! 迎撃は!?」
「いけません! キラ様に当たってしまいます!」
「それどころじゃないだろう!」
どうせ代わりがいる。そこまで言いかけてバルドフェルトは言葉を飲み込む。
この事はほんの一部の人間しか知らない。完全コピークローンや記憶転送、カーボンヒューマンの事など言ったとしてもすぐには信じられないだろう。
「だめです! 衝突します!」
モニター一杯に映る2機を前に、バルドフェルトは固まっていた片足が義足とは思えない素早い動きでラクス・クラインに覆いかぶさった。
次の瞬間、凄まじい衝撃に彼の意識が一瞬で闇に落ちる。
『アンディ!!』
『隊長!!』
最後の瞬間、自分が切り捨ててしまった、懐かしい人の声が聞こえたような気がした。
だが、彼にそれを確認する時間は許されなかった。
「ぜぇ、ぜぇ……」
エターナルに衝突した衝撃でストライクフリーダムは完全に沈黙した。
キラは死んだのか、気を失ったのかはわからない。だが、これがおそらくラストチャンスだ。
「マユ、レーヴァテインを使うぞ」
そう言ってレーヴァテインをバーストモードにして構える。
このまま、ストライクフリーダムごとエターナルを焼き払えば終わりだ。いくらなんでも、その状況でラクスもマルキオも生きてはいまい。
だが、その行動はマユの声に制止させられる。
『まって、お兄ちゃん! えっ!? お兄ちゃん、攻撃しちゃダメ!!』
「何を言っているんだよ?」
『それは僕から説明するよ!』
「キラ・ヤマト!? あ、いや、キラさんか」
通信機越しに聞こえてきた声に一瞬警戒しかけるが、すぐにそれがKユニットとされたキラだと気がつく。
だが、なんだってキラが攻撃を止めるのだ?
その答えは、ある意味予想外であり、聞いてみればラクス・クライン一党らしい行動であった。
「どうして止めるんですか?」
『それが、エターナルの中に攫われた各国の代表がいるんだ!』
「ちょ、何でそんな所にいるんだよ!」
『わからないよ。きっと、ラクス・クラインかマルキオ導師あたりが連れ込んだんだと思う。戦後の事を考えれば彼らの救出は絶対必要なんだ。助け出して欲しい』
「だけど、このままじゃまた復活しちまう」
『このあたりのドラグーンフリーダムは僕が制御下に置いた。見張っているからお願い』
たしかに、この場で救助にいけそうな“人間”は自分しかいない。
「わかりましたよ。進入経路は!?」
『船底ハッチをハッキング、あけておいた。そこからファイナルデスティニーで進入して!』
「了解!」
キラの言葉通り、エターナルの船底ハッチは開放されていた。
シンはファイナルデスティニーを内部に滑り込ませる。
ハンガー内は、宇宙服を着込んだラクス・クラインの狂信者が対MSバズーカを構え待ち構えていた。
「悪いが、お前ら相手に容赦はしないぞ!」
だが、その程度は予測済みだ。
そもそも、VPS装甲に包まれたファイナルデスティニーにはあんなものは通用しない。シンは頭部の機関銃で狂信者を一掃すると、マユに呼びかける。
「マユ、留守番を頼む。脱出艇を一隻確保しておいてくれ」
『わかったよ、お兄ちゃん』
その返事を待たず、シンはシートベルトを外すとコックピットから降りると、各国代表が捕らえられているという部屋に向かった。
お目汚し失礼しました。
というわけで、規制解除で空気を読まず投下。
三( ≧∀≦)ノ 逃亡!
びっくりした! おかえりなさい!
最近、どうしたんだ? ラッシュじゃないか
お帰りなさいな人が多くて嬉しい限り!
規制されてた人多いのかな
さて、何の投下がくるか分からないから、おさらいしてこないと…
えっ、なにこの連続投下……こわい。
冗談はさておき、乙でした! そしてお帰りなさい!
おかえりなさい
Kユニットの冷静なキラが悲しいですね
バジルール司令の続きも絶賛待ってます!
360氏も19氏もホントにお帰りなさいませ
19さんちのかわいいマユちゃんを読むと
360さんとこのヤンでるマユたんとの落差に胸が痛みます
投下自体は嬉しいんだが、一つ投下があったら一通り感想レスがついて落ち着くまで投下を待つくらいの配慮がほしい
規制があって感想書き込めなかった人も多いから今回は変則的なのは理解するが
投下終了後8時間以上空いてるのは、決して短すぎるとも思わんけどなあ
360氏、19氏乙でした
360氏のシンはどう復活するのか?
19氏のシンはどう物語にケリをつけるのか?
それぞれ気になってしまう引きでした
またの投下お待ちしております
職人方、よく帰ってきてくれた!
>>550 ところでパルマフィアンマって何かな?と思ったら
イタリア語で火山の炎って意味なのね
この調子で残る方々にもご帰還願いたい…
…そういえば、現状で一番大きい人と小さい人って誰だっけ?
カップサイズ的に考えてみたい
注
召喚=違う場所から呼び出す
召還=呼び出したものを元の場所へ還す
良い子は誤変換しない様にな!お兄さんとの約束だ!
送り還すってことは……
にげてーシンちょうにげてー
563 :
560:2010/02/10(水) 16:25:30 ID:???
orz
アミュレット取り戻すのに地下10階から出直してくる…。
>>559 まあフツーに考えればミナさまとみなたまかな
あくまで普通に考えればだろ、常識的に考えて
そういえばヒルダはどんなサイズなんだrアグァッ
貧乳五傑衆
1位【不動の絶壁】アズラエル
2位【揺れる髪と揺れない胸】しっぽ
3位【ロリ魂】みなたま→将来に期待
4位【スレンダー女王】セラフィーナ陛下→将来に(ry
5位【強いが薄い】クレハ
567 :
通常の名無しさんの3倍:2010/02/10(水) 23:25:58 ID:OEX5a3sX
あれ...何でこの辺り一帯血まみれになってんの?(なんすかアンタ達!ちょ離し)ry
この先は赤黒く汚れて読めない。
おいおい、久しぶりに職人さん方が書き込めるようになったってのに、血糊だらけの床掃除なんかさせるなよw
ご無沙汰しております。
年始以来、私事や規制が重なり投下できませんでしたが、再び投下させて頂きたいと思います。
24話、先ずは前半部のみ投下します
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request24
音の存在しない漆黒の闇、宇宙。
そんな虚空に佇む機体が一つ。
白い四肢に紅蓮の胴体を持つGタイプMS、インパルスエクシード。
シンは周囲を警戒しつつ、コックピットのコンソールに目をやる。
インパルスエクシードが背負ったシルエットは砲撃戦用のヘッジホックブラスト。
かつて、デリュージーのあった右側にレドーム左側に細い折り畳み式の砲
肩にはアシュラソードと同じくショルダーアーマーが装着され、各種センサー類でビームガトリング、半球状の台座に据え付けられた三連装の機関砲が装備されていた。
サイドアーマー右側には対艦ミサイルコンテナ左側にはマイクロミサイルポット
左後背部にはケルベロスを一回り大型化し砲口を3つにした新型砲。
反対側にはラッチが設けられ、両手で保持しているのは先端がエンジンのように肥大化した長い砲があったのだと推測できた。
「……どこだ、どこから来る?」
緊張からか、荒い呼吸を抑えながらシンは答えが帰って来ない事を承知で一人呟く。
シンの呼吸だけが聞こえる時間がどれほど続いただろうか。
センサーが僅かな動体反応が捉えた瞬間、シンはフットバーを反射的に蹴り飛ばしていた。
一瞬の後、インパルスエクシードのいた場所を幾重ものビームによる十字砲火を襲う。
「……見えた、そこだ!」
シンはすぐさま機体を反転させると、ビームの飛んできた方向へ向けマイクロミサイルを撃ち放つ。
「避けたか、流石はミネルバの鬼神。 やはりリスクなくして利だけ得るというのはナンセンスか」
トーデスシュレッケンと手持ちのアーティラリーライフルで─2機の部下も含めて─マイクロミサイルを全て叩き落とし、大尉は含み笑いをする
「大尉、如何なさるつもりで?」
右側に位置するエールストライカー装備のウィンダムIIIが大尉へと通信を繋ぐ。
「言うまでもない。 遠距離戦が駄目ならば肌と肌が触れ合うほどの接近戦に決まっている! 中尉、少尉援護を頼む」
「それでこそ大尉」
「了解でさ」
自信満々に言った大尉に対し、満足そうに二人の部下は頷いた。
「さぁ、はじめようか!」
二機のエールウィンダムIII、部下二人が左右に展開するのを確認すると、大尉は獣のように犬歯を剥き出しにしてフットバーを踏み込んだ。
ライフル、シールドを投げ捨てると真っ正面からインパルスエクシードへ向け一直線に突貫する。
「正面? 馬鹿正直に!」
「言った筈だ!私は正面から行くしか能がないと!」
迫るウィンダムに全身の火器を放ちつつ、左後背部の砲、ケルベロスIIを展開、3つの砲身が迫り出す。
「行け!」
シンの気合いと共に三首の魔犬、その名に相応しい金属粒子ビーム、レーザー、プラズマ三対の牙が如きエネルギーの奔流が辺り一帯を薙払うように放たれた。
「……ちぃっ! だが、その程度ォ!」
それまでAMBACのみで避けていたウィンダムIIIの動きがエネルギーの奔流を前に変わる。
「見よ、我が秘技! 人呼んでg「まだまだッ!」」
大尉が行ったのは戦闘機動中にも拘わらずストライカーの翼を折り畳み、意図的に失速させ敢えて動きを変則的にする事で回避運動に幅を持たせる裏技に近い物だ。
並のパイロットならばGでブラックアウトしてもおかしくはない。
機動にGに耐える為からか絶叫を上げた大尉をシンの叫びが遮った。
右肩の折り畳み式の砲をウィンダムIIIへと向ける。
2つ折り重なっていた砲身が展開、機体全長に匹敵する程の長さのレールガンへと姿を変えた。
「そこだ!」
経験則と勘、今までの機動から推算し、頭の中で叩き出した予測位置へと電磁加速した弾丸を叩き込む。
「フラッグ2、フラッグ3今だ!」
シンが足を止めた事に、バイザーの下でほくそ笑んだ大尉はラケーテンストライカーの推進器を反転、急停止した。
大尉の合図に姿を眩ましていた部下二機が左右からインパルスエクシードを挟撃する。
「ここまでだな、ミネルバの鬼神!」
「悪く思うなよ!」
漆黒のウィンダムIIIからの銃撃に両腕のカタールでビームを受け止めるとマイクロミサイルで段幕を張り二機の接近を阻止する。
「残念だったな、あんたが部隊戦闘が得意なように俺も一対多の戦闘が得意なんだ」
より正確に言うなら、戦闘経験の大半が数の上で不利な状況が殆どで慣れたと言うべきか。
得意と言い切るには多少語弊がある。
「フフッフ……」
「た、隊長?」
(嗚呼、遂に頭が……)
突如として笑い始めた大尉に部下二人が怪訝そうな表情を浮かべた。
「そうでなくては、そうこなくては面白くない!
シン・アスカ。 君に一対一の真剣勝負を、果たし合いを求める!」
器用にウィンダムIIIの左手の人差し指をインパルスエクシードに突き付ける。
「はぁ……嫌って言って聞く人じゃないか……ならお相手しましょう」
わざわざあのモーションを作ったのか、と呆れ半分感心半分で溜め息を付くと首を一二度振り気を取り直す。
大尉との、ラケーテンウィンダムIIIつまり高機動接近戦用MSとの交戦データはシンの目的を果たす為にも必要だった。
「話が分かるな、ならば! いざ尋常に……」
シンの言葉に嬉しそうに口元を歪め大尉はウィンダムIIIはビームサーベルを構える。
シンと大尉の間に緊張が走り殺気が周囲に張り詰める。
「うわぁっ! 中佐何するんです! ちょっ!止め……」
「退きなさい!」
ウィンダムIIIが左手をサーベルへと添え、切りかかろうとした瞬間、フラッグ2の悲鳴にも似た声と共に何かを蹴り飛ばしたような音。
「なんだ、何があった」
一方的に通信が切断され、フラッグ2のウィンダムIIIの姿が消えた。
「なっちゃいない……本当に砲撃機の扱いがなっちゃいわね! コーディネイター!」
聞き覚えのない女性の叫びと共にインパルスエクシードへ向け、飛来する閃光。
シンは反射的に手持ちの砲口を閃光へと向けた。
先端からエメラルドグリーンをした傘状のシールドが展開、閃光を弾き飛ばす。
ケルベロス、オルトロスの技術的流れを汲み、系列後継である事から魔犬ガルムと名付けられたそれはビームコーティングシールドと同じ局長の奇想兵器の一つだった。
光波防御帯付随拡散ビーム砲ガルム。 先端部の肥大した箇所に発生器と大容量バッテリーを組み込む事で強靭な光波防御帯を使用可能にし、インパルスエクシードの防御面を補助する目的もある。
「光波防御帯とは小癪な!」
ウィンダムIIIの代わりに姿を現したのは背中のバックパックから肩に突き出した2本の砲、両腕には手持ち式の銃剣付きライフル、破片からセンサーを守るためだろう頭部前面に格子状のフェイスガード。
機動性確保の目的からか、左右に突き出たショルダーアーマーにスラスターを仕込んでいるようだった。
胴体や脚部、フェイスガードから覗く頭部形状にウィンダム系列の特徴を持ち、GAT−Xの砲撃機バスター改良型、ヴェルデバスターを彷彿とさせる機体。
砲撃戦用に少数生産されたバスターストライカーを装備したバスターウィンダム。
そこから更に専門分野に先鋭化させたバスターウィンダム改。
それはパイロットの間では背中の砲、張り出した両肩などの特徴が合致するかつて存在した機体から名を取りカラミティウィンダムと呼ばれていた。
「あんたは一体誰なんだ!?」
「ええい!! 何故イメリア中佐がここに!」
思わず声を上げたシンに答えるかのように大尉の取り乱した声が開きっぱなしの通信回線から聞こえる。
「メイリア……? レナ・イメリア、乱れ桜か!?」
シンはその名前に聞き覚えがあった。
前々大戦、俗に言うヤキン・ドゥーエ戦役において、地球連合軍で名を馳せた4大エース−切り裂きエド、白鯨、狂犬、乱れ桜−の一人。
ナチュラルでありながら並みのコーデイネイターを上回る反射神経を持つと言う砲撃戦のスペシャリスト。
「……いいさ、相手になってやる!」
無意識に引き攣ったような笑みを浮かべ、シンはガルムとケルベロスIIをカラミティウィンダムへと向けた。
ガルムから放たれた拡散ビームと三条の閃光が射線全てを焼き尽くすように放たれる。
「性能も特性も全く生かせていない! 宝の持ち腐れ……機体が泣いているッ」
砲身の位置から射線を読み切ったレナは機体を僅かに逸らすだけで閃光を避け、インパルスエクシードの周囲を囲むように全身の火器をバラまく。
「好き放題言ってくれる……こいつならどうだ!」
動きの出だしを潰すレナの攻撃に身動きのとれないシン。
ガルムとビームカタールで砲撃の嵐を凌ぎながら、ヘッジホッグブラストの全火器を起動、砲撃が止んだ一瞬の隙に全火器を一斉に放つ。
ヘッジホッグ。 由来であるハリネズミを想わせる弾幕が周囲を黒からカラフルに変える。
「数を撃てば当たるとでも? 近接格闘戦、中距離機動戦は非凡でも、遠距離砲撃戦は凡人並みね!」
シンの砲撃、無数の弾幕の僅かな穴を見切ったレナはスラスターを噴かし、砲撃の穴に滑り込む。
背部のキャノンをインパルスエクシードへと向け、連射。
ザフトの直接狙う砲撃や線で薙払うビーム砲撃のではなく機動を制限する溜弾。
そこに増加装甲に組み込まれたミサイルをばら撒き、撃破を狙う。
桜の花弁を想わせるミサイルの乱射と偏差砲撃を織り交ぜ、端から見れば美しいとさえ思えるような弾幕の軌跡を描いて行く。
「ああいう戦い方もあるのか……」
レナの戦い方と言葉に思う所があったのか、戸惑いを感じせる声で呟くシン。
高機動によって相手を撹乱し、砲撃により敵の動きを制限しミサイルの乱射で大破させる緻密に計算された戦法。
鳳仙花、シホ・ハーネンフースに少し似ているが、よりきめ細かく、こちらの出方を読み先に阻止するザフトにはない戦い方だ。
「だが、こっちだって!」
ガルムとビームカタールのシールドを最大出力で展開、機体前面を覆うような形に展開する。
回避を捨て、敢えて動きを止める事で狙いを絞り込み直撃を狙う。
(へぇ、それなりに考えてはいるのね)
感心したように目を細めたレナは両腕のライフルを連結させ、インパルスとの撃ち合いに応じた。
「……今回はこんな所かしらね」
閃光が交錯し、インパルスエクシードとカラミティウィンダムにビームが迫る。
間近まで来たビームの輝きにシンが眩しさから目を細めた瞬間、モニターが暗転し、光が消えた。
『戦闘演習終了。 残念だが、最後は相討ちだ』
RBの声を合図としたように灯りが付き、モニターに戦闘結果が表示される。
『シミュレーションとは言え、かなり損傷があるぞ。 もう少し上手くやれないのか?』
「性分だ。 直しようもない」
RBの嫌味を聞きながらシートに上半身の体重を預けると両腕をだらしなくぶら下げ、シンは答えた。
『シン、今後の為に一つ良い事を教えよう。 直しようもないとは直す気のある人間が言う言葉だ』
「そうか、そうか、今後の参考にするよ」
更に続くRBのイヤミに適当に頷いて上体を起こすとコンソールにあるスイッチに手をかけた。
『待て、通信を切るな! 人の話聞いてないだr』
「ソンナコトナイデスヨ」
シンの動きに感づいたRBの言葉を片言な言い訳で避ける。
「全く……お前は俺の母親かっての」
呟きながらシートの拘束を解き始めるシン。
その瞬間、シュミレイターのフードが開き、目の前にいたのは白い大西洋連合軍の制服を身に纏い、長い黒髪を後ろに纏めた30代くらいの女性士官が現れる。
「えっと、どちら様ですか?」
硬直したシンはなんとか言葉を喉の奥から搾り出した。
傍から聞けば間抜けにも程があるが、今のシンには余裕などと言う物が存在せず、半分ほど素で言っていた
「案外……普通なのね」
「はっ?」
女性は意外そうな顔と声に、呆気を取られたような声を上げるシン。
「……失礼。 大西洋連邦宇宙軍所属 A特務部隊艦載MS隊隊長レナ・イメリア中佐です」
非礼を詫びる様に軽く頭を下げると女性士官、レナ・イメリアは大西洋式の敬礼をする。
「元ザフトFAITH 傭兵赤鬼、シン・アスカです」
シンは筐体から這いずり出ると、ザフト式の敬礼で返礼すると右手を差し出す。
「まぁ、始めましてと言っておくわ、コーディネイター。 うちの部下が面倒をかけた様ね」
差し出された右手を一瞥すると、それに答える事無く話を続ける。
「(……キツイ言い方だなぁ)いえ、機体の調整を手伝って貰っていたので、寧ろ感謝したい位なんですが……あの、大尉達は?」
レナへと問いかけると、左右を見渡し、大尉達の姿を探す。
「あそこよ……全く書類整理サボって何をやっているのか」
シンの問いに答え、右手の親指で指し示す出口を指し示すとレナは呆れたように溜め息をついた。
シンがそちらへと振り向くと、軽くパーマの掛かった金髪、ドレッドヘアの赤毛と茶色い短髪の三人が出口に向け全力で疾走している所だった。
「心中お察しします」
「貴方に察せられる義理はないけれどもね。 ……ああ、一つ聞きたいことがあるのだけれども、良いかしら?」
「自分に答えられる範囲なら」
刺々しさすら感じられるレナの言葉に、シンは内心腹を立てながら、言葉少なく事務的に答える。
「PMCミハシラに居る……ジャック・リッパーとエイハブ・モビーディック。 二人に面会……いえ、あの二人の正体は誰か知っているわね」
レナはシンの細かい仕草一つ一つを見逃さないように注意深く、猟師のようにシンを観察する。
「自分の口からその件について触れるのは契約違反になるのでミハシラの本社に問い合わせを……」
纏わり付くような視線に僅かな不快感を感じながら、シンはあくまで表面には出さず機械的に答えた。
「回りくどいのは好みではない。 二度は言わないわ、コーディネイター。 エドワード・ハレルソンとジェーン・ヒューストンに会わせなさい」
シンの返答を一言で断ずると、多分に侮蔑を含んだ呼び方の後、シンへと一歩深く詰め寄る。
漆黒の、その瞳に映るのは、シンではなく怒りと憎悪、悲哀と愛情の入り混じった感情、それは真に混沌を思わせた。
「……お断りします。 それと俺にはシン・アスカって名前がある。 二度は言わない? それは俺の台詞だ。
あんただってナチュラル呼ばわりは気持ちの良い物ではないだろ? ……それともう一つ。
喧嘩売ってるなら、熨斗紙付けてでも買わせて貰う。 あんまり舐めてもらうと困るな、俺も伊達で傭兵やってる訳じゃない」
普段のシンからは想像しにくい、一般人なら体の芯から凍える様な冷たい感情の感じられない声。
殺気すら帯びた、かつての、アカデミー入学前後のシンを思わせるナイフのような鋭い眼光がレナへと向けられた。
「……ここで揉めても時間の無駄ね。 今は貴方とやり合うつもりはない。 本人達に直接会う事にするわ。 邪魔したわね」
シンの視線を真正面から受け止めると、レナは目を細め僅かの思案の後、形式上の謝罪を口にし足早に立ち去る。
「はぁー、っ疲れたー!」
レナの姿が見えなくなったのを確かめたシンは、大きな溜め息と共にその場に座り込んだ。
『流石は喧嘩の買い方に定評のあるアカデミー始まって以来の問題児、狂犬 赤目のアスカ。 とでも言っておこうか?』
シミュレイターの外部に置かれた通信機から酷く愉快そうなRBの声が聞えた。
「冗談じゃない。 久しぶりに冷や汗かいたよ。 ……って言うか起きてたならもっと早く声を掛けろよ」
『私が口を出しても厄介事が増えるだけだと思ってナ」
「笑い事じゃないぜ、全く」
かかかっと笑い続けるRBに呆れながらシンは立ち上がる。
ミナとの通信が終った次の日、局長からの頼みで工廠格納庫の片隅を借り、シンとRBはシルエットのデータ取っていた。
そこに独特の嗅覚で嗅ぎ付けた大尉達に(半ば強制的に)手伝って貰っていた所にレナ・イメリアが現れ、この騒ぎである。
「そういえば、データは取れたのかよ?」
億劫そうにゆっくりと立ち上がるとシンはシミュレイターの中を覗き込み、中の端末を取り出す。
『ああ、中々いいデータが取れた。 想定外だった砲撃のスペシャリストとの交戦データまで取れたからな。 だが……』
「実戦から取れた物からは程遠いか。 その辺りは現場で微調整だな」
シュミレイターに寄り掛かったシンはノートほどの大きさの端末でデータを見ながらRBの言葉を接ぐ。
『後は接近戦、特にロンゴミアント槍形態でのモーションデータ不足だな。 格下相手なら兎も角、同格以上なら癖を読まれる可能性がある』
「ジェーンさんから貰ったフォビドゥンのデータでも足りないか?」
無意識のうちに通信機へ顔だけ向けるとシンは首を傾げる。
『トライデントと槍の先に刀が付いた様な……極東ではナガマキとか言ったか? 槍と長巻では扱いが違う』
「一応ユンさんとケナフさん……ああ、ミハシラの人な。 その二人に頼んで……ひゃあ!」
RBの言葉に頷き、顔を正面に戻したシンは首筋に感じた金属質な冷たさに思わず悲鳴にも似た声を上げた。
「なぁーに、黄昏てるのよ」
素早く振り向いたシンの目に映ったのは缶コーヒーをシンの首筋に押し当て、嬉しそうに笑うルナマリア。
「『何だ、ルナ(マリア)か』」
シンとRBは声を合わせると、シンは子供じみた悪戯に呆れた目を向けた。 RBも人間であれば溜め息をついていただろう。
「なんだとは何よ! 折角差し入れ持って来たのに」
ルナマリアは頬を膨らませるとシンに向け、缶を投げ付ける。
「おっ、サンキュー……こんなとこで油売ってていいのか?」
飛んできた缶を振り向きもせずに片手で受け止めると口をつけた。
「残念。 半休貰ったから仕事は午後からよ。 ま、ミネルバも私のガルバルディも破損したから報告書作成位しかないけどね」
大袈裟に肩を竦めると、シンの隣でシュミレイターに寄り掛かり自分の分のコーヒー飲み始める。
「ふーん、大変だな」
『他人事だな」
興味なさげに答えるシンにRBが問いかける。
「実際そうだからな。 俺はもうザフトじゃない」
フン、と不機嫌そうに鼻を鳴らすと端末をシュミレイターへと戻すシン。
「シン、あのさ……ザフトに、プラントに戻って来る気は……」
「よう! 邪魔するぜ!」
シンの様子を横目で伺っていたルナマリアは、意を決して口を開き、そして遮られた。
(本当に邪魔!)
恨めしそうな顔で突然の来訪者、エドとジェーンの二人を見るルナマリア。
「よう! じゃないですよ……」
エドの笑顔を見た瞬間、げんなりした顔で溜め息をつくシン。
「何かあったの?」
シンの表情に不思議そうな顔をしてみせるジェーン。
「大西洋連邦のレナ・イメリアに二人の居場所の事で喧嘩売られて、危うく買う羽目になったんですよ! 早いとこ何とかしてくださいよ!」
両肩を怒りに震わせシンが訴える。
喧嘩を買おうとしたのは自業自得だがな。 と言いかけ、RBは言葉を飲み込んだ。
「ここに居るのは切り裂きジャックとモビーディック。 それ以上でもそれ以下でもない」
レナ・イメリアの名前を聞いた途端、顔から血の気が引いたエドは他人のフリをしながら足早に立ち去ろうとした。
「あ! 逃げるな! 」
「だって見つかったら捕まる……いや、殺されちまうもん!」
「もん! じゃないだろう! あんたって人は!」
シンに肩を掴まれたエドは物凄く嫌な顔で訴えるが、シンの知った事ではない。
ジェーンとルナマリアはそんな二人の様子を見ながら、男の人はやーねー、とでも言わんばかりに苦笑を浮かべていた。
『シン、いい加減に……』
「すまん、一寸聞きたいのだが、司令部はどこか知らんか?」
見兼ねたRBが、諌めようとした瞬間、何処かで聞き覚えのある男の声がその場にいた全員の耳に届き、一斉に振り返った。
「えっ? キラさん?」
「今取り込み中だから跡で……ん? あんたは!」
ルナマリアがその声と顔にキラと間違えた男の事をシンは知っていた。
肩まで届くほどの長い黒髪、キラと良く似た顔つきと相反する鋭い目付き。 拘束具にも似た黒い制服に部隊を表すXの文字。
「貴様、赤鬼……シン・アスカか!」
男もシンに気付いたのか、若干の驚きを含んだ声を上げる。
「何であんたがここに居るんだ! カナード・パルス!」
男の名は傭兵部隊X所属カナード・パルス。 スーパーコーディネイターになれなかった男。
前半部は以上です。
後半部も近いうちに投下させていただきますのでよろしくお願いします
MOR氏乙でした
シンとカナードが絡んだ話は見たことないんで楽しみです
シン…熨斗紙使う習慣なんてあったのか…
>>MOR氏
投下乙です〜。大尉が色々と面白すぎるw
そしてカナーバ登場か。どう絡むか楽しくなりそうですなw
あれ? どっかで見たような人が・・・他人のソラ似?
MoRって00とのクロスだったっけ・・・って
以前の部分読みなおしちゃいました
>>578 セツコさんそれカナーバちゃうw
…ていうか、なんかの拍子にカナードがカナーバ家の被保護者になるというのはムリかな。
アイリーンさんも以前ポストロミナママンになるかと何人かの職人さんが挑戦されるも
今のところ長続きしたケースがない訳だが…
>>580 無理ってほどじゃないけど、もしやるならきちんとした説明をいれた方がいいと思う。
しかし、養子入りするとカナード・カナーバになるのか。 ……富野チックで、しかも格好良いじゃないか!
>>580 ウハ!家帰って見返して間違いに気付いたわ!ww
これはもう、Gカイザーに喧嘩を売るしかorz
583 :
サンタ:2010/02/13(土) 23:48:54 ID:???
こんばんわ〜
早速第4話投下したいと思います。
第4話 ‐運命の子供たち‐
オーブ連合首長国。
先の大戦でラクス・クラインと共に戦ったこの国は戦後大きく発展し、地球圏では大きな発言力を持つ国となっていた。
11月17日。
オーブの南方にあるオノゴロ島モルゲンレーテ社の社長室。
そこにオーブ代表首長カガリ・ユラ・アスハとオーブの剣と称されるアスラン・ザラに
プラント国防軍の軍服を着た軍人二人、そしてこの部屋の主であるシオン・ウナ・サハクの姿があった。
「もう一度お訊きいたします。このMSに見覚えはないのですね?」
「はい。我が社ではこのようなMSは製造しておりません」
淡い青色の髪を持った15、6歳の中性的な顔立ちのシオンが軍人の質問にきっぱりと答える。
シオンはオーブ五大氏族のひとつサハク家の人間だ。あのロンド・ミナ・サハクのいとこにあたり、民営化したモルゲンレーテ社の社長を勤めている。
「……分かりました。ラクス様にはそう報告させていただきます。では、アスハ代表」
「ああ。じゃあな、シオン」
「ええ。お気をつけて」
カガリと軍人二人は社長室を退室する。
アスランは退室する寸前、疑いの眼差しでシオンを見たが、シオンは気にせず最大限の笑顔で彼らを見送った。
一人になった部屋で、シオンはフーッと長いため息をつく。
そしておもむろにデスクの上にあるパソコンをいじる。
パソコンのスピーカーから流れるのはプラントやオーブでも人気のある歌姫の曲だ。
その曲を聴きながら、シオンは遠く離れた場所にいる友人にメールを送る。
‐so the Beautiful World
世界中を駆けてみたい
so the Beautiful World
世界中を見てみたい
so the Beautiful World
時の流れに身を任せ
私はいつまでも歩き続ける‐
ラクス・クラインに代わって現れた歌姫。
その暖かみのある歌声は、戦争で疲れきった人々の心を癒した。
「坊主ーいるかー?」
ノックと共に聞こえた声でシオンは現実に引き戻された。
「ええどうぞ」
「邪魔するぜ」
入ってきたのはオーブ軍第二宇宙艦隊所属のムウ・ラ・フラガ一佐だった。
シオンはパソコンの音量を調節する。
「お疲れ様です。どうでしたか?『タソガレ』は」
「上々だ。あれなら宇宙(あっち)でも使えるだろう」
タソガレとはモルゲンレーテ社が開発した新たなMSだ。
ムラサメの発展機だが、完成するのに三年かかった代物だった。
ムウはタソガレのテストパイロットとしてここに訪れていた。
なんか、保管庫の方で19氏の最新話が変な風に改定されてるんだが……
587 :
未来の子供たちへ:2010/02/13(土) 23:54:18 ID:??? BE:1241591573-2BP(0)
「良かった。開発陣も喜んだでしょうね」
「ああ。今度はアメノミハシラでテストするとさ」
「分かりました。ミナ様には連絡しておきますね」
「助かる。それと……この曲は?」
ムウはパソコンから僅かな音量で曲が流れていることに気付いた。
「ああ、すいません。すぐ止めますね」
「いや、もっと音量上げてくれ」
「え?あ、はい」
ムウに言われ、シオンは音量を上げる。
‐so the Beautiful World
母なる地球 大いなる宇宙(そら)
so the Beautiful World
美しいこの世界
so the Beautiful World
大切なあの人と出逢えた奇跡が
私の世界を変えたの‐
歌詞はそこで終わり、なめらかなヴァイオリンの音で曲は終わった。
「いい曲だな」
「ええ。僕のお気に入りの曲です」
ムウはその歌声に聞き覚えがあった。
しかし、その声の持ち主―――ステラはベルリンで死んだ。
(偶然、だよな)
「フラガ一佐?」
「いや、なんでもないさ。それより、これを歌ってるのは誰なんだ?」
「スピカですよ。プラント、地球問わず活動している新しい歌姫です」
名前まで似てるなと、思わずムウは少し苦笑した。
* * *
588 :
未来の子供たちへ:2010/02/13(土) 23:54:59 ID:??? BE:1596331793-2BP(0)
同時刻。プラント、アプリリウス・ワン。
「いらっしゃ……おや、珍しいな」
褐色肌の店長が珍しく訪ねてきた客に少し驚いた声を上げた。
アンドリュー・バルトフェルト。
砂漠の虎と恐れられた彼は、戦後アプリリウス・ワンに自身の店を建てた。
コーヒー好きの客からは中々評判がいいらしい。
が、平日の昼過ぎだからか店にはバルトフェルト以外に人影は見えない。
「こんにちわ」
やって来たのはオーカー色の髪が特徴の少年だった。
彼の名はフランツ・ヤマト。
キラ・ヤマトの養子だ。
「いつものかい?」
「いや……今日はホットカフェオレがいい」
「了解」
フランツはカウンター席に腰をおろし、バルトフェルトはミルクを温め、カップを用意する。
「サービスだ」
「ありがとう」
バルトフェルトが出したのはティラミスケーキ。
礼を言って、フランツはそれを口に運ぶ。
589 :
未来の子供たちへ:2010/02/13(土) 23:56:18 ID:??? BE:354740832-2BP(0)
「どうだ最近は?」
「学校のほうは変わらないよ」
「そうか。じゃあ別のことで何か良いことでもあったのかい?」
バルトフェルトは出来上がったホットカフェオレをフランツに渡す。
自身もまたコーヒーを飲み、フランツの言葉を待つ。
「まあね。この姓になって初めて友達が出来たんだ」
「ほう?どんな子なんだ?女の子か?」
フランツには友達がいないと聞いていた。
原因は彼のファミリーネームだ。
普段は誰もその名に恐れをなして近づかないのに、フランツが困った様子を見ると過剰に助けたがる。
それは教師も同じだと。
なので、友達が出来たと聞き、バルトフェルトは顔には出さないが少し驚いた。
「男だよ。しかも16歳で年上。友達ってよりは兄貴に近いけど」
「ほう……どうやって知り合ったんだ?」
「それは秘密だよ。あ!」
フランツは店内のBGMが変わったことに気付く。
「これってスピカの『カノン』だよね?」
「ああ。実にいい曲だ」
「優しい曲だよね。この曲を聴くと、なんとなく母さんの声を思い出すんだ……」
「フランツ……」
‐so the Beautiful World
世界中を駆けてみたい
so the Beautiful World
世界中を見てみたい
so the Beautiful World
時の流れに身を任せ
私はいつまでも歩き続ける‐
もう顔も憶えていないが、優しかった母親。
フランツ・グラディス。
それが彼の本当の名前だった。
To Be Continued.
590 :
サンタ:2010/02/14(日) 00:00:54 ID:??? BE:532111133-2BP(0)
以上です。
今回はオリキャラ中心でシンの出番がなく申し訳ない…
けど、どうしてもこの二人は出したかったんですorz
というのも、二人ともわけありなんですよね。特にシオンのほう。
今後も楽しんでもらえれば幸いです。
それではまた。
591 :
中身:2010/02/14(日) 01:42:53 ID:???
おおっ、投下ラッシュですね!近頃スレが寂しかったので嬉しい限りです。
自分も続けさて頂きます。
今回はアスランVSアスランと、ルナマリア&黒い三連星VSシンです。
四つに分かれた戦いの中で、一番初めに両者がぶつかり合ったのはアスラン同士の戦いだった。
ナイトジャスティスとジャスティスフリーダムが、高速で動き回りながら鍔迫り合いを繰り返す。
『偽物の割には良く付いてくるな。いや、これはカーボンヒューマンの技術を褒めるべきか』
「戯言を!」
出力ではナイトジャスティスが勝っているものの、小回りの面ではジャスティスフリーダムに劣る。
その小回りの良さを利用して、ジャスティスフリーダムは一撃離脱を繰り返していた。
「貴様が本物だと言うなら、カガリはどうした?メイリンは!?」
『お前こそ何を言っている。カガリは政治を選んだし、メイリンとは反りが合わなかった、それだけだ。今の俺は一人だ!!』
メサイア戦没後の記憶をラクスに造られた記憶で穴埋めしているなら、何所かに穴があるかと踏んだアスランが言葉のジャブを放つ。
しかしそれは、クローンアスランを多少なりとも怒らせた。
感情が表に出たのか、今までの正確さとは違う乱暴な斬撃がナイトジャスティスを襲う。
トツカノツルギで応戦するが、防がれたと見るやジャスティスフリーダムは直ぐに離脱する。
離れる敵機にガトリング砲で追い撃ちをかけるものの、中遠距離を捨てている機体にはそうそう当たらない。
ぶつ切りのビームを避けきると、すかさず反転してきて斬撃を仕掛けてくる。面倒な相手だ。
アスランは素直にそう思った。キラもシンも、敵のタイプが変わっても自分の戦い方は変えない。
しかし、アスランは敵によって小まめに戦い方を変える。分野に対して特別長けた能力は無くとも、
全ての分野で平均的に高い能力を誇るアスランだからこそ出来る戦い方と言えた。
自分では普通にやっていた事だが、相手にしてみて初めてその厄介さが分かる。
「くっ、何とかあそこまで・・・!」
ジャスティスフリーダムの動きに翻弄されながらも、アスランはある目的の為に動いていた。
目指すのはプラント周辺の宙域の一部にある、小惑星群。艦船の往来の為、プラント周辺の宙域は綺麗に掃除されている。
しかし、鉱物資源を手に入れる為、意図的に小惑星群が残されている場所があるのだ。
小惑星群の中で戦闘出来れば、ジャスティスフリーダムの動きをある程度制限する事が出来る。
『そんなに小惑星群に入りたいか?』
「なっ!?」
何合目になるか分からない斬撃を捌いた時、
ジャスティスフリーダムからこちらの意図を読み切ったと嗤うクローンアスランの声が届く。
図星を突かれて一瞬動きが止まったナイトジャスティスに、
ジャスティスフリーダムから分離したリフターが体当たりをかけてきた。
咄嗟にビームシールドを張って防ぐが、MS一機を乗せてまだ余る推力までは殺せず、
ナイトジャスティスの巨体が軽々と吹き飛ばされる。
やっとリフターを振り払って機体に制動をかけ、機体が停止した場所はアスランにとって不可解な場所だった。
「ここは小惑星群の中か?」
ナイトジャスティスが停止した場所は、小惑星群のただ中だった。相手はこちらの意図に気付いていた筈だ。
だったら何故?リフターが帰って行った方向にナイトジャスティスを構えさせる。
小惑星群内部は資源を採掘し尽くした岩石が多数浮遊していて視界が悪い。しかし、それは向こうも同じ筈だ。
「何処だ・・・何処にいる」
緊張で乾いた唇を舐めながら、辺りに気を張る。
小惑星群の中でも、先程と同様の激しい攻撃を仕掛けてくるならやりやすかったのだが、どうやら戦術を変えてきた様だ。
完全に狩られる側に回っているこの状況を打開しなければならない。
ナイトジャスティスの大火力で辺りの岩石を破壊しようかとも考えるが、それでは先程と変わらない戦闘が再開するだけである。
『カーボンヒューマンは本物と同じ能力と聞いていたが・・・』
突然通信に自分の声が届く。それと同時に、前方からビームブーメランが岩石の間を縫う様に飛来した。
ナイトジャスティスを正確に狙ったそれを、上に跳んで回避する。これは囮だ。長年の経験が、アスランにそう判断させる。
本体はブーメランが来た方向とは別の場所から攻撃してくる。
そう思考しながら辺りを見渡すと、視界の端にジャスティスフリーダムが装備していた実体シールドが映る。
「迂闊な、そこだ!」
岩石から覗いたそれを、ビームガトリング砲で撃ち抜いた。無論、それだけでシールドを破壊出来ると思っての攻撃では無い。
ジャスティスフリーダムの次なる攻撃を出鼻を挫く為の物だ。しかしアスランの予測に反して、
シールドはビームを受け止めるでも隠れるでも無く、受けたビームの勢いそのままに力無く流れて行く。
「まさかあれも!?」
気付いた時には遅かった。真上から、ビームサーベルを振り上げたジャスティスフリーダムが急降下してくる。
「させるか!」
咄嗟にナイトジャスティスを後退させてそれを回避しようとするが、
振り下ろされたビームサーベルが左足の脛に施された追加装甲を削った。
しかし、それだけでジャスティスフリーダムの攻撃は終わらない。先程飛来したビームブーメランが、今度は後方から飛来する。
回避が間に合わず肩に背負った高出力ビーム砲が斬り飛ばされた。
「この程度!!」
それに構わずトツカノツルギを振るうが、ジャスティスフリーダムは向かってくる愚を犯さずそのまま後退する。
『弱過ぎるな。その程度で俺のコピーを名乗るなど・・・』
自分の声がアスランを嘲る。
『機体もお粗末だ。俺に重MSを宛がうなんて、誰が考案したのか』
そもそも、ナイトジャスティスは多数の敵と戦い続ける為の装備だ。
カガリを守るには、強敵との個対個より、多数を相手にする方が重要だと考えた結果であった。
それに、現オーブ軍中佐がこのクーデターに参加しているという事実を隠蔽する為の物でもある。
SOCOMとラクス達に正体を知られてしまっているとはいえ、世論を左右する大多数の一般人にその正体を知られるのは不味い。
これだけ大規模な戦闘だ。世界の不特定多数の目が向けられていると考えて良い。
もしそのどれかの目に触れる事があれば、下手をすれば国際問題になる可能性もある。散々迷惑を掛けてきたのだ。
これ以上カガリに迷惑は掛けられない。その為、ナイトジャスティスの中に隠されたIジャスティスを晒す訳にはいかなかった。
「お前には分からないだろうが、俺は守る者の為にこの機体に乗っているんだ!誰かに強要されたり、操作されている訳じゃない!」
『お前はそう思わされているんだ!だから、俺と来い。ラクスなら、お前達の身の振り方だって、何とかしてくれる筈だ』
ジャスティスフリーダムが手を差し伸べてくる。慈悲のつもりでいるその手が、何故か異様に怒りを駆りたてた。
ナイトジャスティスがその手を振り払い、代わりにビームガトリング砲をジャスティスフリーダムに向けた。
「今なら良く分かる。シンが、本当の意味で俺達の手を取らなかった理由が。
お前達は正しくて、強引で、自分の正義を疑う事もしない。偽善の塊なんだ。
違和感なんて言葉は生温い、怖気が走るんだ、お前達は」
『この、わからず屋が!・・・そこまで言うなら仕方無い。次で、人思いにコクピットを焼いてやる』
アスランの、過去の自分に向けた強烈な言葉の連続に、説得を諦めたジャスティスフリーダムが後退して小惑星群の中に消えた。
「次で、か。俺もキラが心配だからな。早い方が助かるよ」
再びトツカノツルギを構え直したナイトジャスティスが、辺り一面岩石しか見えない宙域を睨む。
小惑星群の決闘は、終わりを迎えようとしていた。
「まさか、こんなに力の差があったなんて・・・」
『アンタの彼氏は嘘吐きだね。なんだいあの強さは』
ルナマリアと黒い三連星の前に悠然と佇む白い機体は、怒りに狂った堕天使といった所か。
燃える様な光の翼を背負い、右手に長距離砲、左手にアロンダイトを保持するその姿には、一発の弾痕も見受けられない。
対するルナマリア達は、致命傷は避けていたものの細かい損傷が積み重なっていっている状況だった。
『アンタ達がこの戦いを起こしたんだ。平和を乱す様な奴らは、俺が片っ端から叩き潰してやる!』
シンの声が、本物の敵意をルナマリアにぶつけてくる。彼の言葉を聞く度に、ああ、本当にシンそっくりだと頭の隅で思う。
彼は何時だって平和を願っている。目の前のシンは、プラントが、ラクスが世界を平和に導いてくれると信じているのだろう。
その一途な平和への思いが彼の意志を確固たる物としており、戦場でも決して折れない心の強さを齎す。
しかしそれと同時に、その平和への意志と守るという意志が強過ぎるが上に、
特定の人物にとってある意味非常に操りやがすい人物という事にもなる。つまり、長所でも短所でもあるという事。
その事はルナマリアが一番良く理解していた。
現在のシンは、様々な経験を通して成長してきたお陰で、まだまだ不十分ではあるものの短所の部分を制御しつつある。
しかし目の前のシンには、それが全く無い。平和への思いが強過ぎて、良い様にラクスに思考を誘導されているのだ。
しかもその状態のシンは、非常に思い込みが強い。
メサイア戦没後半、デュランダル議長の言いなりになっていたシンがそれに当たる。
今のシンには何を言っても無駄だと、ルナマリアは判断した。
実力が拮抗しているのならアスランの様に説得しながら戦えもしたのだろうが、シンと比べ自分達は圧倒的に格下であった。
そんな状態で、説得をしようなど不可能だろう。
ルナマリアが思考している間にも、デスティニーフリーダムが長距離砲を放ってくる。
大火力でありながら連射性を損なわないその武器は、シンの実力もあって正確無比にこちらを狙う。
『マーズ、アンタの機体はガンナ―装備だろう。狙えないかい?』
『無理だ!あの光ってる羽のせいで、FCSが上手く動作しない!』
『マニュアル操作は!』
『悠長に狙ってたら、先にこっちが溶かされちまう!』
マーズの機体は、彼自身の負傷もあって極力体に負担を掛けない様にガンナ―装備で出撃していた。
右肩に狙撃型ビームキャノン、左肩には対艦大型ミサイル、
手には両手での運用を前提にした大型ガトリング砲を装備して、頭部に追加センサーを設けた機体である。
しかしその重武装のせいで機動力は他の二機に大きく劣る。
マーズは極太のビームが吹き荒れる中で、狙撃用モジュールを覗いて懸命にデスティニーフリーダムを狙っていた。
しかし、デスティニーフリーダムの光の翼が撒くミラージュコロイドのせいで上手く狙えない。
『このままじゃジリ貧だね・・・ルナマリア!』
「はいっ!?」
突然名前を呼ばれて変な所から声が出るルナマリア。
『マーズ以外の全員で、あの坊やに陽動を掛ける!マーズ、私等がアイツの隙を作る。その時が来たら迷わず狙撃だ』
『了解!必ず成功させてみせますよ』
『よし、他の連中は陽動だ。行くよ!』
『了解!』
「了解!」
マーズ機以外の三機が一斉にデスティニーフリーダムに接近を試みる為に動きだした。
『なんだ?やっとやる気になったのか』
その姿を認めたクローンシンは、長距離砲を折り畳み、愛機にビームブーメランをビームサーベルモードにして握らせる。
『来いよ!全員バラバラにしてやる!!』
彼にとっても、接近戦は望む所だった。大体、遠距離からチマチマ撃ち合うのは性に合ってない。
デスティニーフリーダムはVL発生機である光の翼をより大きく輝かせ、一番近い位置に来ているヒルダ機に襲いかかった。
『くっ、早い!』
今まで遠距離での撃ち合いに終始していた為分かり辛かったが、接近してみるとその恐ろしい加速力が分かる。
陽動は、付かず離れずがベストだ。
しかしVLを利用したデスティニーフリーダムの機動力は、ヒルダのその思惑をあっさりと捻り潰した。
この距離ならばと油断していたヒルダ機に、デスティニーフリーダムの凶刃が襲いかかる。
『ヒルダっ!!』
間に合わないと分かっていながらも、ヘルベルトは愛機を奔らせる。
しかし、ヒルダ機を両断する筈だったアロンダイトは振り下ろされた場所で何かに阻まれた。
対多数戦で機体を停止させる事はそのまま死に直結する。
その事を分かっていたクローンシンは、必殺の斬撃が防がれたと見るやヒルダ機から距離を取る。
「ヒルダさん、迂闊ですよ」
『助かったよルナマリア』
アロンダイトの一撃を防いだのはレイヴンのバレットドラグーンであった。
デスティニーフリーダムに追撃の射撃を与えながらルナマリアが注意する。
彼女は、黒い三連星がどれだけ手練か実際に交戦して知っていた。しかし黒い三連星はシンとの交戦経験が無い。
幾ら彼らが手練でも、シンの異常に広い接近戦の間合いを初めてで読み切れという方が無理だろう。
『ふぅ、肝が冷えたよ。あの距離から接近戦の間合いだなんて』
ヒルダはデスティニーフリーダムが持つレッドゾーンを正確に測り直す。
しかしその間にも、デスティニーフリーダムは次の行動に移っていた。
凄まじい機動でレイヴンの射撃を回避しながら、レイヴンに急迫、アロンダイトを振り下ろした。
「くっ私だって・・・!」
咄嗟にハンドガンをサーベルモードに切り替えてその光刃を受け止めるルナマリア。
デスティニーフリーダムが右手に保持したビームブーメランを振り下ろすも、それもレイヴンが防ぐ。
鍔迫り合いの状態で、接触回線でデスティニーフリーダムから声が伝わってくる。
『アンタ等は何も分かっちゃいない!プラントを守る為に、ラクスさんがどれだけ苦心していたか!
あの人が、どれだけの物を犠牲にしてきたか!』
「シン・・・」
『プラントは俺の第二の故郷なんだ!それがやっと正常になって来たって時に、そんな好き勝手、させるかっー!!!』
クローンシンが叫ぶと、それに答える様にデスティニーフリーダムの出力が上がる。
一気に押し込まれたレイヴンの腕部が悲鳴を上げた。
『マーズ、今だ!!』
『貰ったっ!』
幾ら高機動でも、鍔迫り合いの最中は動きが単調になる。その隙を、黒い三連星が逃す筈も無かった。
マーズ機の右肩から、高出力の光束がデスティニーフリーダムに伸びた。
596 :
中身:2010/02/14(日) 01:49:59 ID:???
今回はこれで終了です。
切りが良い所まで投下したら何時もより少々長くなりました。
ではまた来週
乙!
カーボンヒューマンなかなか手強いな
乙です
コピーとはいえ恐ろしいですな…
さて、そろそろそれぞれのシンの本拠地に襲撃かけるか
まぁ。既に致命傷負ってるかもしれんが
誰の猪口が一番ヤバイかそれが問題だ
ヤバくないチョコなんてあるのか?
Dead or Dead
しかないような…
特にヤバいと思われる方:お嬢様(盟主王の娘)、姫様(メシマズ帝国女王)
危ない:みなたま、ミナ様、娘ステラ、カガリ、マユ
普通に食える:ベル子、ななこ、コニール
美味い:ピンクの大学生、大公閣下、アビー、ルナマリア
極上:ロミナママン、シン、レイ、モッケルバーグお婆さま
メモリーに記録されている為美味い:エミュ子、RB
・・・独断と偏見
>600
ちょっと待て。
極上ランクにシン自身が入ってるのはいいとして、最後待て
エミュ子とRBはMSで作ることになるだろうから量が半端ないのでは
全部食えと言われても年単位でかかるんじゃないか?
エミュ子、デスティニーをチョココーティングしなきゃいいけどな…
>>601 むしろ自分の型を取って1/1のチョコ製の像を
前に出てた義体とかだよ多分!
…ああ、でもそれでも「型はとれる」か。
>>600 残念ながらイギリスのチョコレートはまともだぞ
作る人の腕はともかく
お菓子関係は意外といいもの多いよなあ
>>600>>601 赤鬼「だから! 男とニケツしたりチョコ貰ったりしても、嬉しくも楽しくもないって何時も言ってるだろ!」
>>605 レッドアイ「・・・毎年死ぬ目に遭うよりはましだろ・・・?」
英雄「誰のだろうとあまり関係ないが、毎回酷いのが入ってるな」
カーボンヒューマンの原材料の中には間違いなく
ヨウランの遺体も含まれてるハズだと推測している
今日此の頃で御座います。
ひょっとして『red eyes』の複製シンの正体は……?
>>607 カーボンヒューマンの素材は残念ながら生きた人間だよ
死体使えるならそもそもそのまま蘇生させて手駒にするって話
幸い長く続いた戦争で素材になる孤児は沢山居る訳で......
>>608 コーディネイターの孤児だと爆弾付けられて実験動物扱いか、内臓抜き取り病院か、サーカス(パイロット養成組織の方)送り……いずれにせよ禄でもねぇ。
そう考えるとシンはかなり運が良かったんだな。
トダカさんがプラントにコネ持ってたのか、すんなり難民として受け入れられて、アカデミーに潜り込めたんだから。
嫁の発言と妄想を組み合わせると、プラントに行った後画面に出てこないお姉さん達に世話になってたり甘えてたりしてるわけだg
つまりその歳でヒモになれる才能があったと………
恐ろしい奴だぜ
まとめでも見られるけどプラントに来たばっかりのシンが整形前のミーアとルームシェアしてる
話があったな、シンが見事に性少年してた。
色々良作ラッシュが続いたんでwktkして投下待ちしてたら時期逃した。
というわけでバレンタインネタなんだすまない。
逆襲雑記番外編(ちらうら) 2月14日
今日、ヤマト隊長のところへ会議の資料を届けに行ったら、
シンがいつもの絶叫を響かせていた。
まったくもう、今度は何なのよ。毎度毎度……すっかりお馴染みになってるじゃない。
とはいっても気になるし、ちょっと覗いちゃおっと
あー……後姿だけどシン、怒ってるのが丸分かりだわ。ぷるぷるしてるもの。
「……わかった」
「分かってくれたんだ。さすがシンだね」
ドンッ
「プラントじゃなかなか手に入らない採れたて新鮮ッ! よーくッ味わえ!」
「ウワァ。コレは新鮮だなぁ〜ッ」
ボリガリゴリ…
「ほら、味わって食べろよ。カカオ100%なんて滅多に食べれないんだから」
「原材料丸ゴトなぐらい新鮮過ぎて美味しいなぁ〜あっ!! ウレシすぎて涙が出るよっ!
ホント、君って上司オモイでイイ部下だよねッ!」
カカオの実片手に噛り付くヤマト隊長……シュール過ぎるにも程がある。
そして黒い笑顔に黒いオーラ……隊長の白服もシンの緑も黒く見えるってどういうこと?
正直、入りたくない。でも仕事もあるしなぁ。あっやば。シンが来た。
ガチャリ
「あれ? ルナいたのか。あ、これやるよ。じゃあな」
カカオ豆より普通の限定チョコの方がいいんだけど。私にどうしろと? 忘れてたせい?
そもそも、なんでこんなの持ってるのよ……謎過ぎるわ。
どうしても気になったから後で聞いたら、素で普通のチョコと間違えたみたい。やれやれね。
乙っん!
こんな職場嫌だw
ラクスに新たな力を求めて無駄なアクションパターンが増えてむしろ弱くなるイザークときたか
>>613 乙です。相変わらず空回りしているシンとネジ跳んだキラで安心したww
スパコー養成ギブスか…。
イザーク「くっ…ぬぬぬ…」←バネだらけのギブスで鍛えている
ディアッカ「やめとけよ、それ日焼けすると恥ずかしくなるだけだぜ」
シホ「柳田理科○先生もあまり効果はないみたいな事書いていましたよ」
一方本家のスパコーは
キラ「アッ、アッー!サンキューサーーー」
ラクス「平家ボーイ!」
ダークサイドに堕ちつつあった
>>613 倉庫登録に先立って念の為確認させていただきたいのですが、
今回「逆襲雑記」になっているのはワザとと言うか演出でしょうか?
>>615 ばれてしまっては仕方ない。 打ち切りだ!
ってか先生は勘弁してください……
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request打ち切り最終回 『大決戦! シン・アスカよ、永遠に』
「もう少し、もう少し早く貴方の様な子と出会っていれば、今とは違う未来があったのかしら?」
「ロミナさん!」
横たわるロミナの、白磁のように白い手がシンの頬にそっと触れられる。
生暖かい血がシンの頬を塗らすが、シンは気にも留めずロミナを抱き起こす。
「シン・アスカ……貴方は生き抜きなさい。 私達の分まで……」
シンの頬に触れていた手が力を失い、血へと落ち、眠るようにロミナは息を引き取った。
シンはロミナの遺体を整え、両手を胸の前で交差させると静かに立ち上がる。
「戦争で家族を失い哀しみに染まった人を利用し、欲望のために様々な命を操り、死に追いこんだターミナルを……命を弄んだターミナルを、俺は絶対に許さない!」
「 怒 る ! 」
シン・アスカの体内に秘められていた全エネルギーが感情の高まりとともに頂点に達した時、彼は超人機インパルダーに瞬転する!
「「 や っ ぱ り 改 造 人 間 だ っ た ん だ ! 」」
興奮するプルデンシオとデュークを無視してインパルダーシンは駆ける。
『インパルダー、こっちだ! 帝王ゴッドターミナルはこの先にいる! 決着はお前の手でつけるんだ!」
ユニットから犬へと脳を移植された(ひでぇ扱いだなぁ)RBが怪しげな洞窟へとシンを導く。
「インパルダー! よくぞここまで来た!」
「こ、これは! それにあんたは!」
ターミナル最深部で待ち構えていた帝王ゴッドターミナルと対峙したシンの目の前にあったのはケースに入れられた3つの脳。
「そう! 私こそターミナルそのもの。 真のクライン派頭首! シーゲル・クラインだ!」
「死んだ筈のシーゲル・クラインが帝王ゴッドターミナルだったなんて……」
「インパルダーよ、戦う前に言っておく事がある。 砂漠の虎やファントムが切り札があったり複雑な事情がある様な事を言っていたがそんな物はない!」
「なら、俺も言わせて貰う! 味方の出番がもっとあったり、カナードが思わせ振りに登場したりしたが、別にそんな事はなかったぜ!」
「では……やるか!」
「うぉぉぉぉぉ!」
シンの勇気が暖かく優しい世界を作ると信じて!
ゴメンナサイ。 嘘です……。
酔った勢いで書き殴りました。 もうやらないので許してくださいorz
ちなみにこの話は95%程のウソと5%のネタバレで出来ています……
メタルダー混ざってるよ!?
ってか3つの脳ってサイボーグ009?
623 :
615:2010/02/18(木) 17:49:30 ID:???
>>621-622 まあ
>>615で出したのは、これまでの話から判断して
何と無く黒幕として上手く当て嵌まりそうなメンツだったので……
「オマエハ ワタシヲ タオスコトハ デキナイ
ナゼナラ ブラックゴーストハ オマエタチ ニンゲンノ
ミニクイ ヨクボウガ ウミダシタ モンスター ダカラダ
ワタシヲ タオスナラバ セカイジュウノ ニンゲンヲ ヒトリノコラズ コロサナケレバ ナラナイ
ワタシハ ブラックゴーストノ サイボウノ ヒトツデシカナイ
タトエ ワタシガ オマエニ タオサレテモ ニンゲンガ ソンザイスルカギリ
アラタナ サイボウノ ヒトツガ スグニ フッカツスルノダ」
「案ずるな・・・人類同志の戦いは不可避だ
わしの体が滅びても 憎しみの炎が絶えることはない・・・
戦争による利益も新たな世界も・・・
わしにとっては どうでもよい事なのだ・・・
あの 軌道エレベーターを見るがいい・・・
あれは 国々の協力のもとに平和と協調の象徴として
完成させられるはずの物だった ところが どうだ・・・
エレベーターの 経済的価値が薄くなったとたん
国々は開発から手をひき ふたたび紛争を始めおったではないか・・・
わしはその時 気付いたのじゃ
戦いこそが人類の本来の姿・・・戦いこそが人類の存在意義だという事にな」
>>619 615へのレスでっす
ttp://www.tenmou.net/cgi/tenmou-board/img/g-soutou.gif のソサエティ総統の親衛隊長がダメージを受けると後半から
「総統・・・私に力を・・・!!」みたいな台詞の後にアクションパターンが変わり
ジャンプして自機の上から槍を突き立ててくるのだがぶっちゃけ隙だらけで余程プレイヤーが疲労した状態でもなければ余裕で回避可能
突然パターンが変わって初見では驚くが、本当にパターンが限定されてしまうのでここに至ったら勝利確定
イザークがそうなりそうと思ったのは、親衛隊隊長の忠誠心っぷりがイザークのそれと似てると思ったので
>>623 ヘンリー=シャーウッドも戦争で家族を亡くした悲しみから戦争を続ける人類への憎悪に染まった人間らしいね
ロイスは総統の建前に騙されたわけだが、ある意味ロイスと総統はシンとよく似ているというか通じる部分があるな
625 :
623:2010/02/18(木) 19:39:41 ID:???
>>624 Mercenary Of Red 内のシンはチョット違う様な……彼の話内では
さしずめ 虎&ロミナ=ロイス って所では無いのかと。
けど真面目な話、やっぱりMercenary Of Red内の黒幕は
ソサエティ総統だったり黒い幽霊団首領だったりゴッドネロスみたいなヤツに為るんですかね?
未だ他にも候補は居るんだろうか……
まさかガンハザネタが飛び出すとはがまんできねえ
お久し振りです。
次から投下させていただきます
照明が絞られた一室、その中央に配置された円卓を一様に地球連合の軍服を纏った十数人の男たちが囲んでいる。
手元に置かれた小型端末の上に表示されたウィンドウの光が、それぞれの眼鏡や階級章―いずれも将官クラス―に反射していた。
ウィンドウに表示されているのは、青と白のパイロットスーツに身を包んだ濃い茶色の髪に紫紺の瞳を持った十代半ば程の少年兵
――地球連合軍に属していた頃のキラ・ヤマトだった。
「……KYゲノムユニットの処置はこのまま続行でよろしいな?」
「ああ、折角のサンプルだ。みすみす破棄するわけにもいかん」
「……しかし、オリジナルのキラ・ヤマト……いや、南太平洋で戦死したヤマト少尉の断片が保存されていたとはな。正直驚いたよ」
「ヤマト“大尉”だろう? X105に搭乗してのヘリオポリスでの戦闘から戦死するまでの戦果を考慮すれば問題ないと決まったはずだ」
「……彼のクローン体は我々にとんでもない被害をもたらして下さったがね」
一瞬、室内に重苦しい空気が漂う。
それを振り払うように、この中では最も年配と見て取れる男が口を開く。
「では次にいこうか。月面における例の作戦の進行状況だが」
「……今から六時間前に旧レクイエム周辺の敵対戦力の殲滅が完了したと報告が入っているな。アレの建造については……アマルフィ総帥?」
『――はい』
ウィンドウに表示が切り替わり、冷徹な表情を浮かべたロミナ・アマルフィが映し出された。
髪を軽く結って背中に流し、黒いスーツを纏っている彼女が、冷ややかな口調で報告を始める。
『現在、アメノミハシラの部隊と共同で基礎部分の残骸などの撤去に入っています。そちらの部隊は、周辺宙域において敵残存戦力及び
残骸目当てで湧いて来たジャンク屋の掃討を行っています……また、ミハシラの部隊が周辺でメサイア戦役当時のMSの残骸を幾つか回収したそうです。どうしますか?』
「どうもこうも無いだろう。好きにさせるといい。それよりも今後の予定だが……」
刹那、ロミナの口元が僅かに持ち上がったことに男は気がつかなかった。
すぐに表情を戻すロミナ。
『はい。予定では、残骸の撤去が終り次第基部の改装を始めます。その後――』
地球連合新総司令部、中央棟会議室。
「ロゴス狩り」を生き延びた古狸たちと新進気鋭の雌狐が、互いの思惑を隠して同じ石に臨んでいる。
共通の敵を前にしての、共通の目的の為に。
照明が絞られた一室、その中央に配置された円卓を一様に地球連合の軍服を纏った十数人の男たちが囲んでいる。
手元に置かれた小型端末の上に表示されたウィンドウの光が、それぞれの眼鏡や階級章―いずれも将官クラス―に反射していた。
ウィンドウに表示されているのは、青と白のパイロットスーツに身を包んだ濃い茶色の髪に紫紺の瞳を持った十代半ば程の少年兵
――地球連合軍に属していた頃のキラ・ヤマトだった。
「……KYゲノムユニットの処置はこのまま続行でよろしいな?」
「ああ、折角のサンプルだ。みすみす破棄するわけにもいかん」
「……しかし、オリジナルのキラ・ヤマト……いや、南太平洋で戦死したヤマト少尉の断片が保存されていたとはな。正直驚いたよ」
「ヤマト“大尉”だろう? X105に搭乗してのヘリオポリスでの戦闘から戦死するまでの戦果を考慮すれば問題ないと決まったはずだ」
「……彼のクローン体は我々にとんでもない被害をもたらして下さったがね」
一瞬、室内に重苦しい空気が漂う。
それを振り払うように、この中では最も年配と見て取れる男が口を開く。
「では次にいこうか。月面における例の作戦の進行状況だが」
「……今から六時間前に旧レクイエム周辺の敵対戦力の殲滅が完了したと報告が入っているな。アレの建造については……アマルフィ総帥?」
『――はい』
ウィンドウに表示が切り替わり、冷徹な表情を浮かべたロミナ・アマルフィが映し出された。
髪を軽く結って背中に流し、黒いスーツを纏っている彼女が、冷ややかな口調で報告を始める。
『現在、アメノミハシラの部隊と共同で基礎部分の残骸などの撤去に入っています。そちらの部隊は、周辺宙域において敵残存戦力及び
残骸目当てで湧いて来たジャンク屋の掃討を行っています……また、ミハシラの部隊が周辺でメサイア戦役当時のMSの残骸を幾つか回収したそうです。どうしますか?』
「どうもこうも無いだろう。好きにさせるといい。それよりも今後の予定だが……」
刹那、ロミナの口元が僅かに持ち上がったことに男は気がつかなかった。
すぐに表情を戻すロミナ。
『はい。予定では、残骸の撤去が終り次第基部の改装を始めます。その後――』
地球連合新総司令部、中央棟会議室。
「ロゴス狩り」を生き延びた古狸たちと新進気鋭の雌狐の話は続く。
降り続ける雨に濡れた滑走路に黒い獣が躍る。
ガナーウィザードを装備した三機のバクゥハウンドが、今まで相手取っていた守備隊のウィンダムを放り出し、
駆け出していた。
応戦していた守備隊のウィンダムのパイロットが、半壊した機体の中で呆然と口を開く。
「なんだ……? 一体どうなって……」
長時間にわたる戦闘によって戦闘続行不能なレベルに達したバッテリー残量を見て、背筋に薄ら寒い物を感じながら
機体のカメラを上空に向ける。
飛び上がった赤い機体と、それに放たれる何条かの閃光が見えた。
「……旧式のウィンダム? 味方、なのか……?」
『守備隊全機に通達です。先ほど出現した所属不明機は味方の――』
正面から突っ込んできたバビに照準を合わせ、フレスベルグのトリガーを引く。
頭部の両脇から赤い閃光が放たれるが、直線的なそれをバビは機体を横に回転させて回避した。
脚を振り回して制動を掛けたバビがガンランチャーを放つ。
「やっぱりゲシュマイディッヒパンツァーが無いとやりにくいな……」
機体を後退させて回避し、淡々と呟くと同時に手元のコンソールを操作し、ストライカーの設定を変更。
追撃のビームライフルを撃とうとするバビに再び照準を合わせトリガーを引いた。
下手な鉄砲とばかりに連続でフレスベルグから閃光が撃ち出される。
『な! 嘘だろオイ!?』
乱射されるビームを連続のローリングで回避しようとしたバビだが、急制動でバランスを崩したウィングユニットに直撃を受けパイロットの悲鳴と共に墜落していく。
『連射時の出力、想定よりも五パーセント低下――下方、敵機接近』
メインモニターの左上に開いたステータスウィンドウのインフォメーションが表示された次の瞬間、地面からガナーバクゥハウンドのオルトロスが襲い掛かる。
視認と同時に舌打ちを一つして機体を反らし極太のビームを回避、そのまま後ろに一回転して機体を下に向け急加速する。
「寝てろ!」
鏃のような隊形に並んだバクゥに罵声を投げつけながら再び放たれたオルトロスの光条を掻い潜り、ビームライフルを連射。
三機纏めて胴体とウィザードを射抜かれて沈黙するバクゥハウンド。
その数メートル上を通過した赤いウィンダムが再び空に舞い上がり、遥か上空の敵機の反応へ向かう
「ナチュラルの粗製機体、しかも旧式の分際で生意気なんだ――うわっ!?」
『……宇宙の化物の分際で、ナチュラル舐めんじゃねえよ!』
そこを狙ってオルトロスを撃とうとした残るバクゥハウンドの頭部を、横合いから撃ち込まれたグレネードが破壊した。
モニターがブラックアウトし、一瞬コクピットが暗闇に包まれる。
回線を通して響いた野太い声とその暗闇に混乱したのか、サブカメラが起動して視界が回復した瞬間、バクゥハウンドのパイロットは
それに映し出された敵機に向かって闇雲に突進していた。
隊列を組み、冷静に構えたウィンダムの小隊に。
「――落ちろ!」
シンの叫びと共に敵機に向かって突っ込んだ赤いウィンダムのビームライフルから放たれたビームが、ミサイルポッドを展開していたディンを貫いた。
堕ちて行くその一瞬前に発射された六発のミサイルがウィンダムを目指して一直線に突き進む。
「そんなもの―-!」
不規則な軌道を描いて迫るそれにシールドの裏側にマウントされていたスティンガーとイーゲルシュテルンをばら撒いて四発を叩き落す。
異様なほど大きく閃いたその爆発と弾幕を掻い潜った一発にビームライフルを撃ち込んで破壊するが、残る一発はそれすら潜り抜ける。
しまった、と叫ぶ間も無く近接信管が作動し、慌ててシールドを構えるウィンダムの真正面に膨大な熱量が出現した。
バチバチと装甲が焼ける音が響き、プラズマ化した大気に晒されたアンチビームシールドがあっと言う間に溶解する。
閃光が収まったとき、シールドで防げなかった部分の装甲は軒並み焼け焦げ、見るも無残なことになっていた。
ストライカーも損傷し、フレスベルグやエクツァーンUもボロボロになって正常に使用できるとは思えない。
「なんて威力だよ、これ……新型か」
呟き、用を成さなくなったシールドをパージするシン。
落下し地面に叩きつけられ、砕けたシールドを見て、あれが無かったらと想像し顔から血の気が引く。
と、辛うじて被害を免れたレーダーが、背後に回りこんだもう一機のディンを示す。
機体を反転させ、ディンをモニターの端に捉える。
そのディンがミサイルポッドを展開したのを見るや否や、シンはウィンダムをそれに向けて突進させていた。
「……あんなもの、二度も喰らってたまるかよ!」
一気に距離を詰めてきたウィンダムに驚いたのか、ディンの動きが止まる。
直後、巻き添えを食ってはたまらないとばかりにミサイルポッドを閉じ、後ろへと下がろうとするが、ストライカーの無事なブースターを全開にして
突っ込んだウィンダムにほぼゼロ距離でビームライフルを撃ち込まれて失速、落下していく。
更に残る二機のバビに向かおうとするシン。だがそれをモニターに表示されたアラートが遮る。
「ビームライフル、残弾1……だったら!」
左手を後ろに回し、腰部ラッチに配置されていたマシンガンを握る。
そのまま同時に攻撃をかけようと互いの距離を近づけていたバビに向かう。
『なんだぁ? 自棄にでもなったか!』
『飛んで火にいる夏の虫、いや夏のナチュラルってとこか! 沈めぇ!』
シンから見て右のバビがビームライフルを、左のバビがガンランチャーを撃つ。
放たれたビームと弾丸が機体を掠める火花を散らすが、シンは止まらない。
『どうなってる!?』
『なんなんだよこいつは!』
バビのパイロットたちの驚愕の声が聞こえた瞬間、シンは構えていたビームライフルを前方に投擲した。
そして勢いのままに宙を舞うビームライフルに向けて、マシンガンのトリガーを引いた。
一瞬で十数発の弾丸がビームライフルに突き刺さり、内部に残っていた一発分のエネルギーに引火して爆発した。
暗雲の下閃いたそれに、バビのモニターが焼け付きを起こす。
想定外のそれにバビのパイロット達は驚いた。
そして。
『な、なんだ――』
これ、と続けようとした彼は次の瞬間、それを言うことも出来ずに、擦れ違い様に一閃したウィンダムのビームサーベルによって機体ごと寸断されていた。
一泊遅れて爆発したそれに気がついたもう一機のパイロットが、呆然と呟く。
『なんで、なんでこんなことに……?』
雷光を反射しながら襲い掛かってくる赤い怪物。
目の前に浮かぶその機体から放たれる殺気に死の恐怖を覚えると同時に、バビのパイロットは悲鳴を上げながらビームライフルのトリガーを引く。
――モニターに敵機のアイカメラが大写しになるほど接近した状態で。
ああ、死ぬのか。
彼が不思議と静かに思った瞬間モニターもブラックアウトし、その向こうから伸びた眩い閃光がバビのコクピットを焼き尽くした。
「これで、飛行できる奴は全部か」
モノアイから光を失ったバビが落下していくのを見ながら、シンは呟いた。
残りはバクゥだけだな、と思ったそのとき、通信が開く。
『こちらブロンドヘア。レッドアイ、聞こえますか?』
「こちらレッドアイ、感度良好。何かあったか?」
敵部隊の増援かと怪訝な表情で言う。
しかし、そのシンの表情に対するように、アビーの表情は明るかった。
『シェフィールド基地から通達です。「展開していた敵戦力を無力化した。援護に感謝する」とのことです。戦闘終了ですね』
明るく言うアビーに、シンの肩に入っていた力が抜けた。
『今転送した見取り図の第七滑走路に降下して防衛部隊と合流してください。私たちもすぐに降ります』
高度を下げていくと、基地の見取り図に第七滑走路と表示されている地点が見えてきた。
中破して機能停止しているように見えるバクゥハウンドと、そこから少し離れたところで膝をついた何機かのウィンダムが見える。
ようやくう止んだ雨に守備部隊の面々はコクピットから降りているのか、ウィンダムの足元に人影が確認できた。
「よし、このまま……うわ!?」
着陸する寸前、ストライカーのブースターが煙を噴いた。
一瞬バランスが崩れるが、どうにか持ち直して着地する。
それを確認し、ストライカーをパージし、重い音を立てて落下するそれを見て息をつく。
「……無茶しすぎたか。データは採れたからいいかな……」
『おおい、大丈夫かぁ! 降りて来い!』
集音マイクが、外から話しかけているらしい声を拾った。
見ると、先ほど通信したウィンダムのパイロットの男が手を振っている。
「ああ、今降りる!」
返してからふう、とヘルメットを脱ぎ捨ててハッチのスイッチに手を掛けた瞬間、真紅の目が一気に見開かれる。
頭部と胴部前面を破壊されて行動不能に陥っていると思ったバクゥハウンドが動き出し、一直線に近くにあった小型の建造物―
―地下シェルターへの入り口に向かって突進していた。
ウィンダムのパイロットたちはまだ気がついていない。いや、ようやく気がついたのだろうか。
ぎょっとしたような顔で何事かを叫び、己の搭乗機へと走っている。
だが、間に合わない。
そう思うよりも先に、シンは、ウィンダムのスラスターを最大出力で稼動させていた。
以上です
書き込み失敗してすみませんでした
…とりあえず復活ですが、色々と忙しくて次はいつになるかわかりません…
すみません、誤字がありました
石に臨んでいる→席に臨んでいる
>>629は丸々投稿ミスです。
>621
最終回を3ページで終わらせたようだw
もっと酔っ払ってもいいと思う。
>635
お帰りなさい、そして乙!
復活があるとやっぱり嬉しいなぁ。
>復活があるとやっぱり嬉しいなぁ
長い事中断されてる話は他の人が独自に続きを書いて終わらせても
別に良いんじゃないのかね。未完の儘で放って置かれるのは余り良いモノじゃ無いし……何か問題でも?
638 :
通常の名無しさんの3倍:2010/02/18(木) 23:30:55 ID:gjgFFqT0
>>637 …素面で言ってる?
だとしたら ち ょ っ と ま て や
>>635 お帰りなさい
待ってました
>620
お疲れ様です! 登録作業ありがたいです。
>今回「逆襲雑記」になっているのはワザとと言うか演出でしょうか?
はい、わざとです。
視点が違うのとイベントものなので思いつきで変えました。
ややこやしくてすみません。
ちなみに、番外編と書いてちらうらと読みます。
来た!傭兵氏の続き来た!これで勝つる!
642 :
通常の名無しさんの3倍:2010/02/19(金) 08:07:36 ID:eve3LmFo
傭兵氏、お帰りなさい!
なんだ、なんだ、この復活祭はッ!
モヒカンになってヒャッハーって叫びたい気分だぜ。
傭兵氏おかえりなさい!
待ってましたよ。
おかえりなさい傭兵氏おかえりなさい
我々はずっと待っていた
あの、読み返すのが追いつかないんですけど…。
これでGSC氏でも復帰した日には、もう睡眠時間を削るしかない…。
>>625 MOR氏本編のがどうなるかわからんが、ゴッドネロスは元々違法生体実験を繰り返し
死刑判決を受けたはずが逃げ延び暗躍し成り上がったという、さながら
ユーレン・ヒビキの大先輩みたいな経歴の持ち主なんですな。
(SSで言えばジオンの光芒やGSC氏の単発でもそういう片鱗が見受けられるし)
>>634 待ってましたおかえりなさい、思わず最初から読み返してましたが、
子供達の避難先に突撃するバクゥとか、またまたトラウマにならなきゃいいんですが…
>>640 了解しました。
登録しましたがアレでよろしかったでしょうか?
あと避難所を読み返していたら、「いろんな意味で逆襲のシン」の999氏も
一月末の時点で投下予告があったもののそのままになっているのに気付いた。
規制は関係ないあっちでそのままと言う事は表稼業がお忙しいのかな。
いずれにせよいつでもいつまでも待っているので、まだ規制中ならむこう、
解けてるならこちらへお願いします。
647 :
637:2010/02/19(金) 16:48:39 ID:???
>>639 どうも他の所の他ジャンルのSSで中断作だったり未完作だったりを
少なからず見てるから余計心残りに、ね……序でにネット上だと作者の状態が
今一つ解り辛いから、中断が続いてると妙に不安が増して仕様が無いので。
まさか執筆者が死んでしまった所為でもう書かれないなんて事に為ってたらどうすりゃ良いんだろう。
若いな
二次創作SS全盛期はこんなもんじゃなかった
愛情故だとは思うが、諦めろ
例えば元の作者氏が出てきて、そのご本人がこれ以上書けないという状況確認の上
後継に名乗りを上げた人と話がつくなら、などという条件が揃うならまだしも、
そんな天文学的なケースがそうあるはずもないし、中断久しく諦めかかってた所へ
フッと再開するというサプライズも醍醐味の一つと言えなくもないからなあ。
>>647 そうか、で?だからといって他人の書いたものを無断で乗っ取っていいのか?
ラヴクラフトに対するダーレスぐらいまで行けば認められるかも知れないけど。
じゃあ、アレだ
某蒼き流星方式で連載が辛くなったら途中展開をキングクリムゾン的にすっとばして
想定されていた最終回をいきなり投下
もしくは某レシーブ的にダイジェスト→年表→エピローグ
あるいはラスボス予定の新型登場で主人公お役御免になりながらも「真の戦いが始まる・・・!!」
ってこれだとこのスレの趣旨に真っ向から反するわな、つーかほぼアニメ本編と変わらなくなる
はたまた「結末は神にも分からない」とかそんな感じでハルマゲドン
あるいは、年老いたルナマリアの昔語りだったことを明かし「続きはまた明日な・・・」と別スレで何食わぬ顔して続編投下
その続編の展開と打ち切り版最終回のルナの台詞と戦死者に大幅な矛盾が見られるが気にしてはいけない
♪コスモスそらーをかーけーぬけーてー いのりをーいまきーみーのもとへーー
と
♪それでもーゆくのかーシンー それでもーゆくのさーシンー
オトコだーーからーーーー
どっちを選ぶよ?
>>652 劇場版ルート
ヒロインの亡骸を抱いて死の大地に降り立つ主人公
〜完〜
ブルーフィクサーの面々の置いてきぼりっぷりと長官の無駄死にっぷりが強烈なラストだったわ・・・
長官はスパロボでも影薄いしさぁ
ここでいったんCMです。
メサイア攻防戦から2年……。
発見された謎の巨大宇宙船の調査に訪れたシン・アスカが発見したモノから、世界を、人々を分かつ、人類史上最大の争いがはじまる……。
ユニットGD『ようこそ、シン・アスカ。私はかつてギルバート・デュランダルと呼ばれた男だ』
シン「そんな、こんなのが議長だって?!」
コピーされ、脳だけとなったかつてのプラント議長との出会いが、シンを戦いへと導く。
レイ「俺はおまえを守るために何度でもよみがえるさ。どんな体になってもな」
シン「そんな……レイ」
戦友との再会。
アビー「直接確かめて良いのよ、シン」
シン「止めてくれ! 俺には! 俺には!!」
同僚の衝撃の告白。
ギルバート・デュランダルの発表したデスティニープランとはいったい何だったのか?
ラクス・クラインは何を知り、デュランダル議長と対決したのか?
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」での疑問に対する答えが、今 明かされる!
ユニットGD『人はなぜ争うのか? どうすれば争いをなくすことが出来るのか? 君にはわかるかね?』
シン「それは……!」
ユニットGD『人は自分の力を存分に発揮することで満足感を得、人に存在を求められることで安心する』
シン「そのためのデスティニープランだったんじゃ――」
ユニットGD『違うな。それは脳の表面だけの話だ。確かに満たされることによって、人は争いを求めなくなる。だが脳の奥に潜む動物的欲求はそれだけで満たされることはない』
シン「……」
ユニットGD『シン・アスカ、君の遺伝子が教えてくれた。かのジョージ・グレン以来、成すことの出来なかったコーディネートの可能性を! そしてそれを基にしたのがデスティニープランだ!』
シン「俺の遺伝子?」
ユニットGD『デスティニープラン 真の目的、それは――』
シン「それは!?」
お、新番組予告か、ワクテカ
ユニットGD『おっぱいいっぱい計画!!』
シン「はぁ!?」
ユニットGD『コーディネーターであるはずのラスク・クラインの胸が悲しいまでに貧しいのはなぜか!? 明晰な頭脳も、整った顔立ちも、強靱な肉体もコーディネート出来る我々だというのに、何故おっぱいだけはコーディネート出来ないのか!?』
シン「ちょ――」
ユニットGD『そう、ジョージ・グレン以来、人の体格、体型をコーディネートすることは出来なかった!』
シン「そりゃ、そうだけど――」
ユニットGD『必ずや見つけ出して見せる! デスティニープランで全ての人類の遺伝子を調べ、タリア並の、いや、タリア以上の巨乳が発現する遺伝子を!!』
シン「議長もしかして、おっぱい星j」
ユニットGD『そして、生まれくる全ての女性を巨乳に! さすれば、巨乳に包まれた男達は争いを忘れ、世界に永遠の平和が訪れるのだ!!』
シン「いや、だって食生活とか環境とか――」
ユニットGD『そして必要とあらば、男達自身にも巨乳を!』
シン「なんでそうなるんだ!」
ユニットGD『ちなみにレイはその被験者をかってくれたよ』
シン「何だって!?」
レイ「俺はおまえを守るために何度でもよみがえるさ。どんな体になってもな」
シン「そんな……レイ」
ユニットGD『シン・アスカ。デスティニープランの切っ掛けである君は、同時に私の、いや全ての人類の欲する存在。プランの究極の目標でもあった!』
シン「!?」
ユニットGD『タリア・グラディス、ルナマリア・ホーク、ステラ・ルーシェ、ミーア・キャンベル、そしてマユ・アスカ。君に関わった彼女たちの存在が君の遺伝子に関する私の推論を確信へと変え、プランの成立に一役買ったのだよ』
シン「マユ? マユがどうしてプランに関係するんだ……」
ユニットGD『わからないのかね? 君の周りにいる女性は皆ボンキュッボンではないか! 君の遺伝子は、君の周りにナイスバディな女性を集め、ラクス・クラインやカガリ・ユラ・アスハ、メイリン・ホークのように貧しい胸の女性とは敵対させるのだよ』
シン「マユは……!」
ユニットGD『10歳にもならないというのにふくらみかけの――』
シン「やめろー!!」
耳を塞ぎ、ユニットGDの前から逃げ出すシン・アスカ。
だが、そこに現れた人物が彼を追いつめる。
シン「信じない、信じないぞ。遺伝子でそんなことが――」
アビー「シン」
シン「アビー……どうしてここに?」
アビー「議長の言葉は本当よ」
シン「な!?」
アビー「その証拠に――ほら、私の胸も」
シン「止めてくれ!」
アビー「直接確かめて良いのよ、シン」
シン「止めてくれ! 俺には! 俺には!!」
制服の下から現れたブラウスを持ち上げる二つの膨らみを目にし、シンが半狂乱に陥る。
そして世界は、人類全てを巻き込んだ戦争へと突入した。
ユニットGDの全世界へのデスティニープランの再開宣言と真の目的の公開により。
元ブルーコスモス過激派「おっぱいコーディネート最高!!」
元ザフト・デュランダル派「おっぱい万歳!!」
元ブルーコスモス穏健派「馬鹿野郎! 手のひらに隠れるくらいが良いんだろうが!!」
ザフト・クライン派「ラクス様の自然な胸こそが正しいに決まっているだろうが! ……ごめん、やっぱり俺は巨乳が好きなんだ〜〜!!」
世界中の男達が、そして女達も己が嗜好をさらけ出し、戦いは加速する。
そう、彼ら、彼女らも。
ラクス「このようなことを避けるために、わたくしはメサイアのデュランダル議長を止めたというのに」
側近「そうでありましたか、さすがは平和の歌姫でいらっしゃいます」
ラクス「第一、これから生まれてくる子供達が全て巨乳になったら、わたくしの立場はどうなるのでしょう?」
側近「……え?」
ラクス「エターナルの出撃準備を。ユニットGDの野望をなんとしても止めなくてはなりません。全てのプラン賛同者を1人残らず討ち果たしましょう。そうすればわたくしが貧乳と後ろ指を指されることも――」
側近「え? え?」
カガリ「アスラン! Iジャスティスまで持ち出して、どういうつもりだ!? それにそいつらは!? おまえまであんな馬鹿みたいなプランを支持するのか!!」
アスラン「俺はあんなプランに賛成するつもりはない。だからといって反対しているわけじゃない」
カガリ「だったら何故? もしかして戦いを止めさせるのか? だったら私も――」
アスラン「尻だ」
カガリ「は?」
アスラン「俺がなぜラクスもミーアも選ばなかったかわかるか?」
カガリ「アスラン?」
アスラン「俺はメイリンみたいな安産型の大きい尻が好きなんだよ。そしてそれこそコーディネーターの人口減少を食い止めるのに必要だと気づいたんだ! 今日ここで尻派を立ち上げる!!」
カガリ「ア、ア、ア、アスラン?」
キラ「やめてよね。巨乳コーディネートだなんて」
おっぱい派「貧乳に飼い慣らされやがって!」
キラ「だって許せないじゃない? 僕だけがあんな洗濯板の相手するなんてさ」
貧乳派「何だって!?」
キラ「僕だってフレイぐらいのおっぱいが好きに決まっているじゃないか〜〜!!」
しえーん
戦いは混迷を深め、人々の欲望は尽きることもなくあまねく広がる。
その世界を、シン・アスカを乗せたデスティニーが翼を広げ羽ばたいていく。
立ちふさがる全てをねじ伏せながら。
シン「乳なんか糞食らえだ! 腰のくびれ最高!!」
ユニットGDによるデスティニープランの復活を描いた「機動戦士ガンダムSEED DESTINY デュランダルの遺産」全7巻
並びに、
ウェスト派を立ち上げたシン・アスカの闘いの軌跡「機動戦士ガンダムSEED DESTINY デスティニーの騎士」全7巻
この夏、リリース開始!!
同時にアーモリー1からメサイア攻防戦までを描いた「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 狂える歌姫の戦場」リニューアルボックスでリリース決定!
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 3部作」 ご予約はお近くの逆シンスレまで!
すいません、力量不足でここまでしか出来ません。どなたか本編書いてください。m(_ _)m
幾らですか、それ?
買います、買わせていただきますとも
ほんと、議長は出てくるたびに頭が悪くなるな……
素 晴 ら し い ! !
>646
十分以上です。ありがとうございます。
保管だけじゃなくて代打までとは恐れ入ります。
>662
ジャスティス!氏もお帰りなさい!
DVDBOXにヒロインフィギュアとかポスターとかのおまけは付きますか?
かくれきょにぅとかのじつは〇〇なんですけいもいいよね
変態ですね、デュランダル議長
…大きいのってそんなによく見えますか?
愚也デュランダル……
全部巨乳になったら、巨乳のありがたみが無くなるだろうが!
格差があってこその違いだと、何故わからん?!
むしろコーディネイトするべきは慎ましやかなピンクの乳輪と乳房全体の形だろう。
ちょ!前半いい感じのシリアス予告と思ったら・・・あんたって人はwwww
何はともあれ、ジャスティス氏乙です。やっぱ貧乳はどこまで逝っても貧乳ですよね〜。ピンクのなんて、まさに洗濯いt(ry
しかし、腰のくびれが良いとは・・・さすがはシン。いいフェチっぷりだ
>>666 ラクス乙
>>668 肩がこるからかもしれんぞ
要するにこのスレの巨乳陣の誰か
・・・まさか傭兵氏?
腰のくびれ…ルナマリアもなかなかだよな
乳しか見えてない議長はまだまだ
だいたいタリアは尻だろJK
>>669 なるほど、そういう考え方もあるのか・・・
「くびれの良さも判らない奴らなんかにいいいい!!」
デスティニーのアロンダイトがストライクフリーダムを両断しようと振るわれ
「何故尻の良さが判らない!!」
インフィニットジャスティスのそこら中から生えてくるビーム刃がデスティニーを刻もうとし
「僕の前で自慢は辞めてよね!!」
ストライクフリーダムの砲門が敵の全てを撃ち抜こうとする
世界最強と呼ばれる連中の三つ巴の戦いは確実にしょうもない理由で行われていた。
性癖ごときの所為でMS持ち出して戦おうって言うんだからどいつもこいつも
気が狂ってるとしか評価のしようが無い。しかもそれが世界中巻き込もうとしてるっていうのが更に救えない
シンには尻しか見ないアスランも、貧乳の呪縛から逃れる事の出来ないキラも
不倶戴天の敵だ。それがなくとも十分嫌いなんだから攻撃するのは当然ではあるが。
そして、アスランにとってもコーディネーターである癖に将来を見据えず、
下らない事に拘るシンも、自分の意思も無く周囲を呪って攻撃を仕掛けるキラも
決して許す事の出来ない悪である。
そして、キラからすれば自分の好みに合った女性を傍に侍らせるこの二人の
リア充が殺してぶっ飛ばしたいぐらいに憎い。
この不毛な戦いに終わりはあるのか。それは誰にも判らない
なんて流れを汲んだ小ネタ。うん、非常に下らなくて済まない。
何となくだけど合理的そうなジャン・キャリーはアスランについて、危ない気配のドクター辺りは
キラについて、議長にはムネオがつきそうな気がする。
ええい、巨乳は必ず垂れるのだということがなぜわからんか
掌にほどよくおさまるサイズの美乳こそが至上
>>672 ちょ!キラ、お前がリア充とか言うな!!w
と、思ったが冷静に考えると隣に居座っているのがあのピンクだから妙に納得www
まぁ、でも一般的にみたらリア充の部類だよな。
どうしてもっていうんならハロ二つを胸元に突っ込んどけばいいんじゃなかろうか。
だからってサイコハロとか仕込むんじゃないぞ。いいか、絶対仕込むなよ!
不毛な三つ巴を続ける三人に、はるか彼方から接近し襲い掛かろうとする十数の機体があった。
ある機体は全身を黒く染め、真紅の双眼を光らせるデスティニー。
そのパイロットであるシンにそっくりな男、彼は、現在の乗機を開発したとある企業の総帥を勤める少女に脅迫され、このミッションに臨んでいた。
他にもそれぞれ色が違うデスティニーの発展系やインパルスの改修機、ジャスティス系列と見られる機体やブリッツタイプの機体などがその戦場に迫っていた。
彼らは一様に、それぞれの上官やパートナーの女性に迫られ、この仕事へと駆り出されていた。
そして、三つ巴だった戦闘はいつの間にか逆シンスレで登場したありとあらゆるMSが鎬を削る血戦場と化した。
…前回止めたアフロの英雄は既に宣伝の為旅立っており、故にこの戦闘を止められる物は……いない。
―生き残るのは、誰だ。
そして、発育的な意味で生き延びるヒロインは、誰だ。
みなたま「ソキウス〜、発育的な意味って何?」
>>672 ジャン・キャリーは公式でおっぱい星人扱いでバリー・ホーに胸の話してたらマジ切れされてたから議長に付くなw
J「クサナギは若い娘が多くていいよな、南の島の空手バカ一代!」
バリー「分かったから仕事しろ、ってか俺が女性苦手だって知って言ってんだろ?」
J「カガリ嬢はおっぱい小さいけど、AAの魔乳艦長の胸はすげーよな!」
バリー「だから胸の話はやめろって言ってんだろ!」
こんなコントみたいな会話を繰り広げる連合最古参のMS乗りにして、不殺のエース。
その上工学博士な40代のおっぱい星人。それがジャン・キャリーw
>>676 成る程、これがCEの本当の終わりか・・・
・・・胸の話で盛り上がりそうな連中・・・研究員初めとしたマッドエンジニア全員、司令、ジャン、エド、ヴィーノ…このスレの男性陣ほぼ全員か
>>669 何故傭兵氏?
性別判明してるんか?
ぶっちゃけ性別とか関係ないけどな。
特にこのスレは区別の付くような胸を持ってる奴がそうそういn
以後、○○○サンのイライラがマッハでザシュザシュ
>>672 ……まあ、コーディの未来を考えると凸の主張には一理あるのかなぁ?
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 3部作」
リリースに関してお知らせ
発表以来多数のお問い合わせをいただきました「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 3部作」ですが、
諸般の事情により今夏リリースからリリース未定にさせていただきます。
ファンの皆様には誠に申し訳ない事態でありますが、一日も早いリリースを目指し今後とも努力して参ります。
なにとぞ応援よろしくお願いいたします。
急募
◎フィギュア原型師
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #1 狂える歌姫の戦場」
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #2 デュランダルの遺産」
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #3 デスティニーの騎士」
全巻購入特典・フィギュア6体セットの原型を作ってくださる原型師を募集しております。
「ラクス・クライン 紅白ステージ衣装 電飾ver.」
「メイリン・ホーク タイトスカート オフィスver.」
「ルナマリア・ホーク サンバビキニ 浅草ver.」
「レイ・ザ・バレル パイロットスーツ 巨乳ver.」
「マユ・アスカ スクール水着 旧タイプver.」
「ユニットGD 触手ver.」
上記6体いずれかのポーズ案とこれまで製作・販売したフィギュアの写真を履歴書に添えてご応募ください。
報酬、身体警護、その他に関しては面接の際、応相談いたします。
※これまでに4名の原型師が一方的に契約解除または音信不通となっております。
最後まで責任を持って作製できる方を求めます。
◎インタビュアー
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #2 デュランダルの遺産」
第1巻初版映像特典「ユニットGD ロングインタビュー」でユニットGDに直接インタビューをしてくれる方を募集しております。
報酬、その他に関しては面接の際、応相談いたします。
※フォト・ジャーナリスト ジェス・リブル氏が消息不明となった危険な仕事です。
サバイバル、MS操縦などの技術を持つ方優先。
◎ディスクプレス・製造
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #1 狂える歌姫の戦場」1〜7
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #2 デュランダルの遺産」1〜7
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY #3 デスティニーの騎士」1〜7
全21巻のディスクをプレス、製造していただける会社を探しております。
詳細についてはお問い合わせください。
※デストロイ・ガンダム最大15機、または強襲型Gカイザーに対抗できる自衛能力、同時に爆弾テロ・不審火などへの対応が可能な会社は是非。
…あなたは十数の巨大企業と幾つかの国家、軍事組織と無数の傭兵を敵に回してしまった…
…今すぐそこから逃げてください。私が囮になります
ああ、もうGカイザーや企業の私兵部隊g
>>685 デストロイの群れやGカイザーの襲撃やテロに耐えられる企業……AC世界の企業に依頼するしかないなw
「マユ・アスカ スクール水着 旧タイプver.」は全て頂いたー!!!!
ウワァ、アカイグフガコッチニk(ry
・・・「みなたま・ぱいろっとすーつver.」と「女王セラフィーナ・式典ドレスver.」は自主制作してよろしいですね・・・?
>>679 >研究員初めとしたマッドエンジニア全員、司令、ジャン、エド、ヴィーノ…このスレの男性陣ほぼ全員か
, ' ⌒ ヽ
トl //ヽ l!
ヽリ・∀・|ノ みんな俺のことも忘れんなよ〜。
|__|
||
人類はやはり分かり合えないのか・・・
そういやSS倉庫って完結作品と継続中作品の区別表記が無いですね。
在った方が便利だと思うんで、何方か表記させておいていただけないでしょうか?
ソキウス軍団ならびに王室近衛MS隊に聞きたい。
>>689にはどんな裁きを下すべきかね?
>>693 「我等が量産するから無問題でソキウス!みなたまの愛らしさを全世界に知らしめるチャンスでソキウス!!」
と、言うことで
>>689ガンバ
695 :
中身:2010/02/21(日) 18:46:04 ID:???
今週投下出来ずにスイマセン。就活、学業、飲み会など用事が重なりまして・・・。
来週には投下出来るように頑張ります。
>>695 お疲れ様です。お気になさらず表稼業優先のマイペースでやっちゃって下さい。
ところで360氏がまたまた規制に巻き込まれたため避難所に投下されて、
転載をとの事でしたので次レスから行かせていただきます。
○前回までのあらすじ
ルナがシンとキスをする。
ナスカ級《パトクロス》のモビルスーツハンガーに並ぶ5機の《ダガーU》を見上げながら、
ルナマリアは満足げな笑みを浮かべた。
「こうやって見ると、まあまあサマになってるわ」
「ホーク隊長、ご機嫌ですね…」
「ちゃんと頭があるなら、初めから用意しろっていうのよ」
赤と黒に染められたルナマリア機には、頭部がデュアルカメラ型に挿げ替えられた。
試作パーツの余り物で性能向上が期待できる処置では無いのだが、彼女曰く「気分の問題」とのこと。
それだけの理由でわざわざパーツを運んできた企業の人には、大変申し訳なく思うボーラスであった。
しかし、彼女の機嫌が良い理由はそこじゃない事も、ボーラスは重々承知している。
「モビルスーツ5機に各種オプションパック、換装用フライヤーにプローフも満載…
何でもできそうですよね、うちの船」
ハンガー一杯に詰め込まれた装備と、それらのチェックでてんてこ舞いになる整備班を見つめながら
ボーラスが漏らす。
「その分コキ使われるってことでしょ、3ヶ月無補給で巡回任務とかさせられるかも」
「冗談ですよね?隊長」
「タブン…きっと…めいびー…」
「そこで不安にならないで下さいよ!」
機種転換訓練を終えた《パトクロス》のクルー達は再編成を経て今日からまた通常任務、プラント領内や
公宙域のパトロールに戻る事になる。
(しばらく会えなくなるなあ…)
「顔に出てますよ、隊長殿」
舐めた口を効くボーラスは、とりあえずパンチで黙らせる事にしている。
「へぶう…本当の事言っただけなのに。アスカ隊長、じゃなくてアスカさん、早く全快するといいですね…」
「あれ、泣くほど痛かった?」
「涙違います、心の汗です…」
シン・アスカはザフトから除隊される事となり、ルナマリアの肩書きも正式に《パトクロス》MS隊隊長となった。
これまで以上に責任も重くなり、ただパイロットをすれば良いだけにはならなくなった。シンと会える機会も
減ってしまうだろう。それでも自分は平気だと、自分に言い聞かせるように、
(そうよ、私たちは確かめ合ったんだから、私とシンは繋がっているから、どれだけ離れてても…)
「隊長、またにやけていますよ」
「一々突っ込まなくてもよろしい!」
もう一撃ボーラスに与えつつ、反芻してしまった自分に反省。
「隊長に殴られて死んだら、戦死扱いなのかな…」
「知らないわよ…時間ピッタリに来たわね」
ルナマリアは今しがたハンガーに入った、緑服の女性軍人と彼女の後ろを歩く赤服の男二人組を見やると、
女性は凛と、男達は怯えたような様子で敬礼をする。
「ケルビム、イヤン、イーオス。以上三名は現時刻より《パトクロス》に配属、待機に入ります!」
おしとやかなクィン・ケルビムにもこんな声が出せるのだとルナマリアは感心する。
赤服の二人組はルナマリアとクィンが訓練で叩きのめした相手であった。
第4話「Oath of Druids」
「いたたた!あだだ!おごごご!」
「大の男が何情けない悲鳴上げているんですか、ちょっと曲げただけじゃないですか」
「イヤこれホントに、うぎー!」
「このくらい我慢できないとリハビリなんて夢また夢ですよ?…ふふ」
「今アンタ笑ったろ!絶対楽しんでやってるだろ!ぐひー!」
痛みにもだえてさっきから叫んでいる男が、シン・アスカである。
回復が早かった右手のギプスを取り、リハビリの前段階として看護師に手を揉んで貰っただけで、このザマであった。
指は一本たりとも、まるで石になったかのように動かず、触ったり曲げたりするだけで激痛が走る。
「神経は通っているみたいですね、しばらくすれば痛みも治まると思いますけど」
「うう…頑張ります…」
「その意気ですよアスカさん、右腕治らないといじる事もできませんからね」
「ナニを!?」
「でも毎日来てるそっくりな従姉妹さんに頼めばいいのかしら」
「だから何の話だよ!看護師のチェンジって出来ないのか…」
「追加料金とりますよ」
「マジ!?」
シンを担当している若い女性看護師はとてもいいせいかくで、しんみになってせっしてくれるので、
とてもたすかっています。という事にしておいた。
「にしても今日は従姉妹さん遅いですね、お陰でオモチャに出来てるんですけど」
「アンタは一体何がしたいんだ…寝坊でもしたのかな」
エルフはプラントでは一応、『生き別れていたけど最近再会した、シンにそっくりの従姉妹』ということで
通している。キラ・ヤマトが根回ししてくれたお陰で正式に、エルフ・アスカという名前の移民として
戸籍登録したともいう。こっちとしては助かるのだが、ヤマトさんに世話になりっぱなしだな、とも思うシンだった。
「案外ナンパされているのかも」
「だとしたら相当物好きですよ、その男」
俺と同じ顔なのになあ、と漏らすシンに、看護師は顔を近づける。
「可愛い顔してると思うけどなあ、生意気そうなのもポイントアップ?」
「さいですか」
「早く髪の毛も生えるともっと可愛くなるんだけどなあ」
「ジョリジョリするな!エルフ早く来ないかなあ…」
《アーモリー1》の軍病院への道を自転車で走るエルフは、すれ違った男に
「シン!?シンじゃないのか?」と叫ばれてしまい、思わず止まってしまった。
それがいけなかった、その男のしつこい事なんの…
「シンじゃないか!何してるんだこんな所で、今日はオフなのか?」
どうも目の前の男は自分をシン・アスカ本人だと思い込んでいるらしい。
例えラフな格好をしていたとしても、身長が違うし髪だって伸ばしているし、それでもシンと
間違われてしまうのは自分の顔のせいなのか相手のせいなのか。
男は藍色の髪をラフに分けていて、黒いスーツとサングラスを身に着けていた。
相当怪しい格好だが、こんな往来のど真ん中で何かをされるとも思えず、エルフは仕方なく
相手をする事にした。
「私…シン・アスカじゃありません」
「は、えっ?女、の子?」
「私用事ありますから、それじゃ…」
そういい残して去ろうとしたのに、今度は急に肩を掴まれる。
「待ってくれ!君は、もしかして…まさか…」
「離してよ…叫びますよ?」
「あ、ああ、すまない…」
咄嗟に掴まれた肩が痛い、嫌な感触が残る。しかし男も申し訳無さそうにこちらを見るものだがら、
エルフも何とも言えない気分になってしまう。
「本当にすまなかった、俺も見たものが信じられなくて…」
「はあ…」
自分の顔に驚かれる事はあったが、こんな過敏な反応は初めてだった。
「俺はアレックス・ディノ。シンの元上司だった男だ」
サングラスを取って名乗る男の顔を見て、エルフは男の素性を思い出した。
「隠さなくていいですよ、アスラン・ザラさん」
「どうして知っているんだ!?」
「いちいちビックリしないでください…貴方の顔はメディアによく出ていますから」
「そ、そうだよな」
エルフは嘘をついた。彼の顔は《エル・クブレス》のデータベースで見たからだ、デュランダル先生を
討ち倒した男の1人として…
その事実を思い出すと、エルフは一刻も早くこの男から離れたくなったのだが、エルフの顔は
それを許してくれないようだ。
「君はシンの知り合い…いや、家族なのか?まさか、オーブで亡くなったという妹…」
「違います、よく似てると言われますけど、従姉妹です」
この男に本当の事を喋っても、面倒になるだけだ。ますます離さなくなるだろう。
「もう行っていいですか?病院に急いでいるので」
「病院?《アーモリー1》の病院なんて軍病院くらいしか…」
そこまで呟いた後、アスランはまた急に血相を変え、エルフの肩を掴む。
「そうだ!シンは入院しているのか!?意識は戻ったのか!大丈夫なのか!?」
「うるさーい!あとちょっとは加減しろ!」
シンは珍しく遅れて来たエルフが憮然とした表情を浮かべて、あまり会いたくない男を伴って
病室に入ってきたのを見て、呆然とするしかなかった。
「シン…お前…おまえぇ…」
しかも涙目になっているし。誰から聞いてここに来たんだろう?
「ああ、虎さんかメイリンからかな…」
「意外と元気そうだな、シン」
ようやく落ち着いたアスランはパイプ椅子に腰を掛けシンの様子を見る。身体の殆どがギプスで
覆われ、痛むのか偶に顔をしかませていたが、メイリンから聞いた状況からは脱したようで安心できた。
「身体、さっぱり動きませんけどね」
アスランに右手でも見せてやろうと思ったのだが、少しプルプル震えただけで全く動いてくれない。
「で、何で来たんです?オーブの栄光ある准将殿は」
「ついでのついでだ、明日《エターナル》艦内でレセプションがある、それに出席するためにプラントに来た」
「ふーん…もう一つのついでは?」
「そっちは…個人的な用だ。話す事じゃない」
「ルナとメイリンの親父さんに、結婚のお許し貰いに行くんでしょ」
「な!」
またしても『どうして知っている』という顔をして、大げさにビックリするアスランに構わず、シンは
種明かしする。
「レセプション云々は知りませんでしたけどルナから聞きましたよ、『お父さん』」
「ぐっ」
「まっ、頑張ってくださいよアスラン。願わくば二度と顔を合わせたくない」
「シン…」
「今ならアンタの気持ちも分からなくないですけどね、それでもアンタは…
俺たちに、酷い事をした。トライン隊長やヴィーノに会わないように気をつけてくださいよ?
二人とも、死ぬほど恨んでるから」
それには何も答えず、静かに席を立ち背を向けるアスランは、病室を出る手前で、立ち止まった。
「…すまない」
「謝らなくたっていいですよ、元からスパイだったと思えば、怒る気も失せましたから」
1年半ぶりの再会だった。
その年月で編み出した、シン・アスカなりの折り合いの付け方だった。
「メイリンから大体の事は聞いた…アンタだって悩んで苦しんだんだと思う。
立場が違うだけなんだ、みんな、全部…」
「変わったな、お前…」
背中越しにそれだけ言い残して、アスランは今度こそ病室を去った。
(第4話おわり、次回につづく)
182 :360 ◆hQ87KuAhIY:2010/02/19(金) 21:23:05 ID:MfuDy2zg0
今回はここまでです。アスランの扱い、アスランとシンの関係を想像するのが
とても難しく、結局こんな形に。
次回、アスランの頭皮に最大の危機が。
X運命完結
某氏の絞首刑にびびったw
>700
このアスランは……
エルフ、痴漢扱いもストーカー扱いもしていいんだぞ?
我慢しなくていいんだからな?
ここです!生え際のヤバい暴漢が!!
お父さん・・・まさかアスラン、直撃させちゃったのか・・・
婚前交渉はやめろとあれほど(ry
婚前交渉→直撃→人生の墓場
…けじめとるだけまだマシなアスランに合掌
でも合意の上とはいえ嫁入り前の娘他所の男に孕まされたら父親激怒ってれべるじゃないよなぁ…
そういやGSC氏のシンはナチュラルコーディ関係なく一発で…だったな
他のシンはどんなもんだろう…いや、各作品のシンがそれぞれ誰とくっつくにしろ手ェ出したら物理的にも
社会的にもヤバイヒロインが結構いるなって思って
>>704-795 けど命中確率&直撃確率って正直どんなモンなんだろうね?
どうやら男が心配し過ぎる程には高く無い……らしいんだが。
高くなくとも望まぬ妊娠を避ける為に避妊はするべきだそうで
…特に経済的余裕の無い傭兵連中とかは特に。それをカタに身請けされちゃったりするかもしれないし
おまけに赤鬼とレッドアイは手を出したが最後断頭台へ一直線って人がヒロインっぽいポジションにしるしねぇ…
責任とって一生涯捧げるべき→ベル、ななこ、コニール、ロミナママン(白)、シッポ、ピンクの大学生、アビー、ルナマリア
一生涯どころか死んだ後まで拘束され続けそう→お嬢様、ミナ様、ロミナママン(黒)
即断罪→みなたま、姫様
責任とってAIになるべき→エミュ子、RB、DELPHI
(以上、それぞれのシンが手を出すと仮定して)
いつも不思議に思うんだが
なんで物凄く自然にRBが混じってるんだよw
プログラムにどうやってナニをするというんだろう?不思議!w
>>710 そりゃアレだ
リメイク技術を応用すれば・・・
キラにフレイを寝取られてDP世界も潰されて心身ともにボロボロになったサイが
巨大MSに同化して復讐にやってくる未来が
電気羊の夢を見るんだよw
>>708 全部ヒデェなw 序でに言うけどRBさんは確かヒロインじゃ無いと思うんだが……
もしかして、ジャスティス!氏のあの計画がひっそりこっそり実行されてたんだろうか…
>>711 そういやジオンの光芒では、大公殿下の正体というか出自が
ラクシズ政権プラントおよびジャンク屋組合以外の政治勢力を糾合せしめる
接着剤役だったわけで、それぞれ上層部はアルテイシア=フレイと
認識してたんだろうけど市民レベルでは知られていたのかな?
それこそサイが知ったらどんな顔したやら。
>>711 カーボンヒューマン技術を用いて体を与えてやればいい
まんま00のイノベイドだが俺は気にしない
>>711 オーディアンとか懐かしすぎるだろう常識的に考えて……
>>711 >>718 サイとフレイが最後に復縁だな
データ人間の実体化となると最近ならゼーガペインか
リザレクションシステムを使えばエミュ子もRBも肉体を持って現世に生まれるだろう
まぁそんなこと続けて人類が際限の無い欲望と共に死の無い永遠を手に入れたら
ガラスの割れる音のような名前の白い男が殺しにやってくるだろうが
>>719 死の無い永遠を活用して光の国の皆さんや
銀河連邦警察の方々みたいな事でもしてくれるんなら
そんなに悪くも無いんじゃなかろうか……って思っちゃうのは俺だけでしょうかね。
レイ「命がたった一つでないのなら、我々は何故必死になって生きているのですか!!」
sinsのはリボ・・・もといアムロでしたっけね
ヘルメットは永遠の謎だ
それはそうと元の話に戻すとだ
アスラン全部毟られろ
技術大国オーブの大発明!
インパルスの合体換装システムにヒントを得て開発された、アスラン・ザラ専用
空中ヅラ換装システム。実行時には輝くアスランが泣きながら飛んできてヅラと合体する。
逆襲日記 G月E日 悲鳴のち骨
くっそう……ルナめ、フリーダムのお守り押付けやがった……これ絶対俺のやる仕事じゃない。
ひたすら書類をフリーダムの机に置く。サインするフリーダム。最近本業してるのかって?
今してるんだよッ! てかあんたのせいでその時間が無いんだよ! ま、おかげで……っあ
ばれたか? だが既にサインは入っている!! メクラ判GJ! 急いでその書類を引っつかむ。
そして一応お疲れ様を言い残して全力疾走。やべっ追い駆け……何か鈍い音したぞ?
思わず振り向いたら俺の名前を叫びながら物凄い顔で追い駆けてくるフリーダムがいた。
「やめろよな! あんたが足で俺に適う訳ないだろ!」
「待つんだシンッ! 何か不穏なフリーダムが見えたんだけどーッ! まさか…」
「めちゃくちゃ気のせい! 恨むなら、隙を見せたあんた自身を恨むんだなっ!」
「くっ仕方ない…グーンたん斬艦刀でサン〇イズ立ち計画承認するからッ! だからッ!」
ッ?! しまっ……
ビッターンッ
すっ転んで気を取られて受身できないとか格好悪すぎ……足? 落ちた書類が拾い上げられた。
「まぁ、何ですか? フリーダム改修案? ――シン、説明をしてください。」
死亡フラグ乱立キタコレ。フリーダムの足音が側に来て止まる。――計画変更!!
「ちょっこ「フリーダムおにゃのこばーじょんにキラさんが乗りたいって言うか「言ってない!
大体ぼ「小型化ドラグーンを背部から腰部へ移してスカートに配置。ドラグーン飛ばしてもミニスカ
になるんで問題なしです。足元から見上げてもレオタードだから大丈夫です。装甲はコクピットへ
の衝撃を緩和するクッション装甲、キラさん命名乳揺れ装甲を追加。女性の意見としてマリューさ
んにリボン必須って言われたから、腹ビームを胸に移してリボン型にしてみました。レールガンは
頭につけてツインテにしたかったけど問題ありの為スカート後部リボンに変更。ビームライフルは
杖に「何その才能の超絶無駄遣い! しかもこんな時だけ敬語「酷い。本業しろって人に言っとい
て。コンセプトは手を離しても自立しちゃうよプロポーション超大事「ラクス、シンが勝手に――」
「承認します」
え、マジで? 何で通るの? 金メッキとエ正義も? はぁ、ライブで……使うと……
フリーダムが燃え尽きたからよしとするか。しまった、仕事増えた。
これは、ひそかな復讐を狙っていたのか、シン・・・・
ともあれ、GJです!
725 :
サンタ:2010/02/26(金) 22:56:55 ID:???
こんばんわ、サンタです。
早速投下させていただきます。
726 :
未来の:2010/02/26(金) 22:59:42 ID:???
第5話‐クローン‐
資源衛星フューチャーが襲撃されてから数日が経過した。
ラクス・クラインは予想もしていなかった出来事に唇を噛み締め、ディスプレイの電子書類にもう一度目を通す。
そこには「フューチャー襲撃事件についての報告書」と書かれている。
4年程前からクライン派が極秘裏に設立したラボが何者かに襲われる事件が発生していた。
これで7件目。
最初は海賊かもしくはデュランダル派のザフト脱走兵かと思ったが、いまだにどこの組織なのか分かっていない。
さらにおかしいのは、襲撃されたと言っても死体は見つかっていないことだ。
MSの残骸は多少残っていたが、施設内には血痕すらない。
まるで神隠しが起きたように研究所内にいたすべての人間が研究資料と共にいなくなる。
「シン・アスカもMIA……笑えない冗談ですわね」
不気味な寒気にラクスは身体を震わせた。
そしてさらに報告書の下部に掲載されている写真に目を移す。
フューチャー周辺に取り付けられていたカメラの映像だが、カメラはすべて破壊されていた。
それを無理に復元したため若干写りが悪いが、そこには確かに数機のMSが写っていた。
巨大な大鎌を持ったMS。
多少の違いは見えるが、それは旧地球連合軍で活躍したフォビドゥンガンダムに酷似した機体だった。
「―――っ!」
厳しい目で報告書を睨み付けていたラクスだが、突如身体を襲った全身の痛みに表情を歪めた。
デスクの中から携帯用のピルケースを取りだし、そこから2、3粒の錠剤をつまみ飲み込む。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
忌々しげにラクスは自身の身体を抱き寄せる。
しばらくして“発作”が治まると、ラクスはデスク上にある受話器を取った。
「私ですわ」
自分の補佐官に連絡を入れたラクスは苦しそうな表情を浮かべながら、準備を始めた。
* * *
旧暦時代から“情報”という二文字は世界や国のトップにとって欠かせないものだった。
情報と引き換えに行われる金の駆け引き。
その裏社会とも言われる世界で、追放されし一族―――バッハウェル家は生計を立てていた。
バッハウェル家は旧暦時代から裏社会で活躍していたあの“一族”から追放された、言わば分家だ。
女でしか当主を継げないため一族とは違い、バッハウェル家は当主―――即ち社長が養子をとり、その子を社長とする。
現在、本家と言ってもいい一族も滅び、裏社会の情報は実質バッハウェル家が独占している状態になっている。
「はぁ〜……やっぱり何度聴いてもモーツァルトはいいですねぇ」
宇宙のどこか。
社長室でヨハン・バッハウェルは仕事中ということにもかかわらず、うっとりとBGMに聴き惚れていた。
金髪に灰色の背広を着たその姿はまだ若々しく、20代中頃に見える。
その時、デスクの上に設置されている電話が鳴り出し、ヨハンはムッと顔をしかめながら受話器を取った。
「もしも……おや、アーガイル艦長!成功しましたか?」
ヨハン・バッハウェル。
名前こそ違うが、彼はあのブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの義母弟に当たる。
だが、長いこと母方の大叔父に育てられた彼には、コーディネイターへの偏見や憎悪はない。
その反面、言い方は悪いが彼は金にがめつい。
商売にコーディネイターもナチュラルも関係ない。
そう言う男だった。
728 :
未来の子供たちへ:2010/02/26(金) 23:05:32 ID:??? BE:2837923586-2BP(0)
「はい……はい……はい……。分かりました。ではこちらで治療させましょう。クロード博士に連絡しておきますね。……いいえ、気にしないで下さい。それではまた」
そして彼にはもうひとつの顔がある。
彼は先程プラントの資源衛星フューチャーを襲撃したリベラ・メの創設者だった。
受話器を元に戻し、またヨハンはデスクの椅子にもたれながらBGMを聴きいる。
その表情はまるでプレゼントを待っている子供のような笑顔だった。
しばらくして、社長室のドアをノックする音が室内に響く。
ヨハンが「どうぞ」と一言告げると、秘書が「失礼します」と頭を下げながら入ってきた。
「社長、プラントのラクス・クライン議長からお電話が」
「……分かりました」
手短に言ってヨハンは先程置いた受話器をまた手に取った。
「もしもし?」
『こんにちは、バッハウェル社長。突然のお電話をお許し下さい』
凛とした声音の女性。
この声の持ち主はラクス・クライン。
現在プラント最高評議会議長を務める少女―――いや、女性だ。
ヨハンにとっては5、6年前からの常連客であり、リピーターだ。
「お気になさらないで下さい、クライン議長。今回はどのような件で?」
『実は……』
ラクスの話を簡単にまとめるとこういうことだった。
ここ数年、プラントのラボが何者かによって襲撃されている。
なにか心当たりはないだろうか、と。
長ったるしい話に若干苛つくヨハンだったが、口元の笑みは消さなかった。
「なんとも物騒な話ですねぇ。残念ながら、今のところ私のところにはそういった情報は入ってきておりませんね」
『そうですか……分かりましたわ。では、何かありましたらこちらのほうにご連絡いただけますでしょうか?』
「ええ、構いませんよ。しかしながら、クライン議長はどのようなところからこの情報を?我々ですら知らなかった情報ですよ?」
そのヨハンの言葉に、ラクスは数秒間を空けた。
『…………噂を耳にしたのですわ』
先程までとは違い、ラクスは苦し紛れに言葉を紡いだ。
「なるほど」とヨハンはとりあえず納得の言葉を見せ、電話は数分で終了した。
729 :
未来の子供たちへ:2010/02/26(金) 23:06:16 ID:??? BE:4788995999-2BP(0)
「お疲れ様でした」
「ああ、すみませんねぇ……」
受話器を置いたヨハンに、秘書は自らブレンドしたコーヒーを差し出した。
「それにしてもおかしいですね」
「ああ、先程の会談ですか?確かに」
カップに口をつけながら、ヨハンは秘書の言葉に同意する。
「一体どこから情報が漏れたのでしょうか?」
「ブッ……え?そっちですか?」
的外れな秘書の言葉にヨハンは思わずコーヒーを溢してしまった。
手短にあったティッシュで溢れたそれを拭う。
「僕はてっきりラクス・クラインのことかと思ったんだけど」
「?特に変な様子はなかった……あ」
何か思い出したように、秘書は口に手を当てた。
ヨハンの顔も真剣なものになる。
「そ。なぜ彼女がこの情報を知ったのか。別に彼女がこの情報を知っててもおかしくない。だって彼女はプラントの女王様だ。『私の耳には色々な話が入ってきますの』とか冗談めいたことぐらい言えばよかったのに、わざわざ噂なんて在り来りな嘘をついた」
「その情報源を知られたくなかった……?」
「多分ね。……少し手をつけてみようかな」
ラビの顔がにぃっと、まるで子供がイタズラを思い付いたような表情になった。
「分かりました。早速に手配します」
秘書は少し微笑み、ヨハンの社長室を退室した。
支援
>>729 終了で良いのかな? とりあえず乙です。
ラクスの病気にヨハンは関係あるのかな、しかし、なんつー二枚舌……。
>>723 乙! ところで上半身裸の褌マッチョなステイメン頭の人が
「少女MS……だと……? これは俺がリファインするしかねえ! リ〜ファ〜イ〜ン!」とか叫びながら走って行ったんだが……。
>ラビの顔がにぃっと、まるで子供がイタズラを思い付いたような表情になった。
ラビ…? ヨハンの間違いですかな?
でも内容はGJ!
733 :
サンタ:2010/02/26(金) 23:51:33 ID:???
すみません、規制に引っ掛かってしまいましたorz
続き投下します。
リベラ・メ所属大型戦闘艦アマデウスは資源衛星フューチャーから無事に帰還した。
リベラ・メの本拠地、エクザディア。
正式には移動型コロニー・エクザディアという名だ。
その名の通り宇宙空間を漂っているが、コロニーというよりは超巨大な戦艦……いや要塞と言ったほうがいい。
円柱型で全長約3000メートル、半径は約1000メートルほど。
ここで生活している人間の数は約2万人ほどであり、そのほとんどはバッハウェル家縁の者たちだ。
旧暦時代から造られてきたこの要塞は10年前にやっと完成された言わばバッハウェル家のホームだ。
中心地区には主動力炉や航行システムを管理する管制塔があり、交通機関も充実しておりハイウェイやメトロ、軍港も存在する。
普段はアマデウスやその他の艦にも搭載されているファントムシステムによってその姿を隠しているが、戦艦の出入りの時だけは一瞬だけその姿を晒す。
* * *
アマデウスが最初に着艦し、ヴァンとヨーゼフも無事着艦したのが確認された。
「くっはぁぁぁぁ……!やーっと帰ってこれた!」
ドックのキャットウォークで背中を伸ばしたのは、白金色の癖のある髪を二つに結んでいる女性だった。
その後ろ姿からはまだ幼いようにも見えるが、女性を象徴する二つの膨らみ (某不沈艦の艦長並みである)が逆に色気を出している。
その女性の後ろに付いているのは、黒髪に赤い瞳の少女―――リア・パガニーニだ。
表情豊かに前を歩いている女性と違い、リアは無表情かつ事務的だ。
可愛いと言われれば可愛いが、近寄りがたい雰囲気が出ている。
「もう大丈夫そうだね、リア」
「はい。ご心配をおかけしましたバレル大尉」
リアとは事務的な口調で答える。
先程の戦闘前、頭痛を訴え医務室で休んでいたのが彼女だった。
すると白金色の髪の女性はリアのほうに振り返る。
「カイでいいって言ってるじゃない!そっちで呼んでよ!」
「しかし大尉は上官ですし……」
プウッとむくれるカイ。
リアはこのカイの性格が苦手だった。
明るく、人懐っこい。
自分とは大違いで、それ故にどう接していいかいまいち分からないのだ。
「じゃあプライベートの時ぐらいは名前で呼んでね?」
「……努力します」
「フフッ」
リアの答えに満足したのか、カイは振り返ってまた足を進める。
それと同時にドックのタップのほうが騒がしくなった。
「あ、あれ……」
「……っ!!」
アマデウスの中から担架でドックのほうへ下ろされているのは、リアにとって忌まわしき人物だった。
「デスティニーのパイロットよね?」
「そのようですね」
「嬉しくないの?」
「なぜです?」
事務的な口調がさらに冷たく感じる。
カイがリアの顔を伺うと、不機嫌を通り越して憎悪を含む表情となっていた。
「私は嬉しかったよ?レイに逢えて。リアは嬉しくないの?あの人、あなたのオリジナルでしょ?」
「嬉しいなんてこれっぽっちも思っていません。あんな人がいなければ、私は生まれなかった。……殺したいくらいです。……私は、大尉とは違うんです。性格も、考え方も」
「リア……」
「不適切な発言をお許しください。処分は甘んじてお受けします!」
直立不動でバッと敬礼するリア。
カイはただ首を横に振るだけだった。
* * *
アマデウスの格納庫内で、ステラは愛機の調整を行っていた。
エクスルターテガイアは文字通りガイアガンダムの発展機だ。
特に、足が付かない宇宙空間でも四足獣形態で操縦できるようになったのが最大の特徴と言えるが、その分調整に時間がかかる。
だがこの調整をすれば戦闘時にパイロットへの負担が減るというメリットあるため、ステラは時間をかけても最後まで調整を行っていた。
「ステラー!」
「あ、スピカ!」
その調整を行っている途中、思わぬ人物の登場でステラは手を止めコックピットから出た。
「おかえりステラ!」
「ただいまスピカ!」
金色の髪に、桃色の瞳。
鏡合わせのようにそっくりな二人が久々の再会を喜ぶように抱き合う。
「大丈夫だった?」
「うん。ステラは平気。スピカは?」
「私はまた歌作ったよ!でもまだ誰にも聴かせてないの。だって一番最初はステラに聴いてほしいもの!」
「本当?ステラ嬉しい!」
微笑ましい二人の会話に、格納庫内に残っていた整備士たちは手を止め笑みを浮かべていた。
「スピカー!疲れてる俺たちに何か一曲歌ってくれよー!」
その中の誰かがスピカに一曲リクエストする。
スピカはちょっと驚いた顔をしたが、ステラが「歌って」と後押すると、一礼しその歌声を披露した。
‐Messiah…
My Messiah…
Beautiful My Messiah…
青い瞳が 僕を救った
金色の髪をなびかせて
今夜 僕は自由になる
世界を救う歌声
あなたがくれた
あなたのために歌うよ僕は
あなたが見守ってくれるから
My Messiah…
Sister…
My Sister…
Beautiful My Sister…
僕と似た顔 僕と同じ声
今夜 君はシンデレラになる
大好きなあの人と
踊ってよワルツ
恥ずかしがらずに 踊って見せて
僕が見守ってあげるから
My Sister…
あなたに出逢って
今の僕がいる
僕はあの鳥籠から放たれたんだ
世界を救う歌声
あなたがくれた
あなたのために歌うよ僕は
あなたが見守ってくれるから
みんなを癒す歌声
あなたがくれた
みんなのために歌い続けるよ
みんなが あなたが 見守ってくれるから…
My Messiah…
「―――ありがとうございました!」
歌い終わり、スピカはまた一礼した。
途端、格納庫内に歓声と拍手が沸き起こる。
ステラもキャットウォークの上で拍手をしながら飛び跳ねていた。
スピカ・ルーシェ。
彼女はステラのクローンであり、プラントと地球、両方で活躍する歌姫だった。
To Be Continued.
738 :
サンタ:2010/02/27(土) 00:01:09 ID:???
途中すみませんでした……以後気をつけます。
>>732 ヨハンですね。
ラビというのはヨハンの初期の頃の名前です。
でもなんか気に入らなくてヨハンにしたのですがw
いやはや、失礼いたしました。
それではまた。
サンタ氏乙!
気になるキャラが沢山出てきたなぁ
そしてこのラクスってもしかして…
740 :
中身:2010/02/28(日) 01:21:17 ID:???
サンタ氏GJです!
自分は想像力が残念なんで、独り立ちしたオリキャラ書けないからこのスレの職人様方が羨ましい・・・。
という事で何とか書き上げましたんで投下しますね。
741 :
中身:2010/02/28(日) 01:23:11 ID:???
エース同士の局地戦が展開している最中、大局的な戦闘も佳境に入ろうとしていた。
「敵ローラシアU級撃沈を確認。更に前進せよとの命令です」
「分かった。ゴーストは速力20上げ。護衛のクルス小隊にも連絡!」
キラ達の陽動が無くなったものの、プラント防衛隊の艦船の数は見るからに少なくなっている。
ゴーストは護衛のクルス小隊と連携を取りながら最前線を支えていた。
「アビー君、シン達との通信はまだ回復しないのかい?」
「はい。どうやら敵主力の後ろ側にいるらしく、Nジャマ―が濃過ぎて通信は届きませんね」
「そうか・・・」
黒い三連星と敵中に突入して以来、彼らとの通信は途絶している。撃墜されたとは考え難いし、アーサーは彼らを信頼している。
しかし、確認が取れないというのは気持ち悪い事である事に変わりは無い。
プライスの方でもキラの安否が分かっていない様で、多少急いでいる感のある進撃にイザークの苛立ちが透けて見える。
「シンの奴、無茶してないと良いが・・・」
敵旗艦から大型MAが出撃した事が報告されていたが、こちらに来ないという事はキラ達を狙っている可能性が高い。
強敵が現れると率先して無茶をし出すシンの存在は、長年付き合っているアーサーにとって心臓に悪い事この上無い。
「シンにはレッドアイズの稼ぎ頭としてまだまだ働いて貰わなきゃ困りますからね。這いずってでも戻ってもらわないと」
マリクの言葉にブリッジクル―全員が頷く。彼はこのチームにとって必要不可欠な人間だ。易々と死んでもらっては困る。
「皆さんルナマリアの心配はしないんですか?」
シンの事ばかり話す男性陣に不満を持ったのか、膨れっ面のアビーが問う。
「だって、シンが無事だったらルナマリアも無事だろ」
「シンにとって命より大事だからなぁ。僕も命賭けられる彼女欲しいよ」
「あのリア充め・・・」
思いの外テンションが下がる男性陣に、ヴィーノから二人の関係の複雑さを聞かされていたアビーは溜息を零す。
そんな簡単な関係なら、二人はとっくに結ばれていても不思議では無い。
やはり守られる痛みというのは、当人にしか分からない物だ。
暴漢に殴られそうになった所をヴィーノの庇われた事のあるアビーにも、戦場で庇われる痛みはどんな物か想像するしかない。
「まぁそれもこれもこの戦いが終われば本人に沢山聞けるし言える。
今僕達のするべき事は、彼らが帰ってくる場所を守る事だ。後もう少し、頑張ろうみんな!」
「「「「了解!」」」」
赤い鉾を先頭に、SOCOM艦隊の進撃は加速する。プラントはもう目の前だった。
無数のコロニーが綺麗に整列しているプラント。
その列の少し手前、プラント防衛隊が辛うじて留まって戦線を維持している地点と、プラントの間の宙域。
辺りにデブリの一つもない漆黒の空間に、小さいながらも連続した光が走る。その間を高速で飛び交うのは、黒と白の巨人。
「シンのカーボンヒューマンらしいけど、戦い方が随分違う」
クローンのキラが駆るグラムフリーダム。装備自体はストライクフリーダムの時点でキラ用に最適化されている為変化は無いが、
エネルギー伝達の高速化によって火力、出力、防御力の全てが強化された、新たな選定と自由を司る剣だ。
勿論ドラグーンもその恩恵によって火力、機動性、連続使用時間が向上している。
そのドラグーンを巧みに回避し続けているウォルフガングに、彼は称賛の感情を持っていた。
742 :
中身:2010/02/28(日) 01:25:27 ID:???
演習で良く相手をしているシンは、ドラグーンの猛攻に耐えかね強引に突進、その隙をキラに突かれる、を繰り返していた。
目の前のMSは、重いアーマーを纏っていながらそれに頼った強引な戦法を取らず、
ドラグーンを回避し続け、隙を見てはミサイルを放つ。しかし、それでもキラには余裕があった。
次第にではあるが、ドラグーンがウォルフガングを捉え始めていた。
「このっ・・・!」
シンはクローンキラの技量に舌を巻いていた。モニターに計八基のドラグーンが乱舞する。
ヤキン・ドゥーエVで歌姫の騎士団と戦った時は、今の三倍のドラグーンを相手にしていたシンだが、
今相手にしている八基のドラグーンはそれより数段手強く感じる。
一基一基がまるでエース級のパイロットが搭乗したMSの様な機動と反応を見せる。
ドラグーンの運用はMSを動かしながら、ドラグーンと同数のラジコンを操作する様な物である。
それを考えると、キラが操るドラグーンの動きは異常だ。
それにグラムフリーダムからの射撃が加わるとなれば、如何にシンと言えども堪らない。
「これがスパコディの実力か・・・!」
シンがキラと交戦した回数は、因縁の割に驚く程少ない。
特にストライクフリーダムを駆るキラとは、最近戦った地上での一戦以外サシでの戦闘経験は皆無だ。
つまり、シンはキラが操るドラグーンとの戦闘経験が無いのだ。
「兎に角近付かないといけないのに・・・、機体が重い!」
今更になって、フルアーマーの重みが操縦桿の動きを鈍らせているのに苛立つ。
元がゲルググイレイザー用のアサルトシュラウドの為追加バーニアも搭載されてはいるのだが、機体重量が機体の初動を鈍らせる。
ドムトルーパーを相手にしている時は気にならなかった物が、今はシンの命を確実に削る要因になっていた。
出撃時には百発近く搭載されていたミサイルも、既に二十発を切っている。
「仕方無いな、ヴィーノには悪いけど・・・!」
ウォルフガングが勢い良く腕を振った。
それと同時に爆砕ボルトが炸裂し、腕を覆っていたアーマーがグラムフリーダムに投げつけられる。
『こんな物!』
時間差で同じ様に飛んでくる肩アーマー諸共カリドゥスで薙ぎ払う。
それに構わず、ウォルフガングはドラグーンを回避しながら脚部やスカートのアーマーを飛ばしてくる。
『がっかりだよ。やっと動いたと思ったら目暗ましなんて』
キラには分かる。ウォルフガングがこのアーマー群に混ざって突進を掛けてくる事を。それを落胆の気持ちと共に向かえるキラ。
アーマーはドラグーンで破壊、隙を突いたと思っているウォルフガングは自分で仕留める。
ドラグーンを操作し、飛んでくるアーマー群を包囲、寸分違わず狙撃した。
後は強引に突っ込んでくるウォルフガングを仕留めれば終わり、の筈だった。
しかし、現実はキラの予想と大きく違っていた。狙撃したアーマー群が大きな爆発を起こしたのだ。
未使用のまま脚部アーマーに積載されていたミサイルが、誘爆を起こした為に起こった物であるとキラは瞬時に判断する。
先に投げつけられた腕と肩のアーマーはミサイルを撃ち切った、「この障害物は撃っても支障が無い」と思わせる為のブラフだったのだ。
まんまと嵌められたという苦い気持ちが広がる。しかし、体は爆炎から飛び出そうとする機影に正確に反応した。
未だ爆炎の中にいるウォルフガングに、カリドゥスを撃ち込む。向こうはまだ視界が開けていない。
カリドゥスは確実にヒットする。確信を持って撃ち込まれたカリドゥスは、しかしウォルフガングとは違う曲面を持った物体に阻まれた。
743 :
中身:2010/02/28(日) 01:27:27 ID:???
「引っ掛かった!」
二度キラの予想が外れる。カリドゥスを受け止めたのは、さっきまでウォルフガングの胴体に被さっていたアーマーだった。
アーマーのパージは、胴のアーマーを手に持たせるのを隠す為でもあったのだ。
爆炎を突っ切り、カリドゥスの直撃を受けて役目を終えたアーマーを投げ捨てたウォルフガングが抜刀する。
「捕まえたぞ、フリーダム!!」
ドラゴンキラーを振り下ろそうとするウォルフガングを、
咄嗟に両手のビームライフルを捨て、ビームサーベルに持ち換えたグラムフリーダムが受け止めた。
『シン、投降してくれ!何でこんな・・・!』
鍔迫り合いの火花が両機を照らす。接触回線で叫ぶキラの声は、相変わらずの生真面目な響きを持ってシンの耳に届いた。
「何で?こんな状況で、相変わらずトロいよな、アンタ等はっ!!」
彼らは何時もそうだ。戦場に出てから、やっと相手の弁解を聞く姿勢になる。話では無く、あくまで弁解という所が尚性質が悪い。
戦いが嫌で、話し合いで解決したいなら、机を挟んで席に着いてすれば良い。
戦場を挟んで、コクピットという席に着いているという段階で、話し合いという段階はとうに過ぎ去ってしまっているのだ。
「俺は、大切なモノを守る為に戦ってんだ!中途半端なアンタになんか、負けて堪るか!!」
『僕だって守りたい世界があるんだ!プラントを、ラクスを守る!!』
「なら戦う前にやる事があるだろって、言ってんだよ!あの人は、キラ・ヤマトはそれが分かり始めてた。それでも遅いけど、な!」
高出力を誇るドラゴンキラーが十字に交差したビームサーベルを押し始める。しかし、そこでドラグーンが主人を守る為に飛来した。
それを察知したシンが、グラムフリーダムを蹴り、ドラグーンに包囲される前に距離を置く。
蹴られた反動を利用したグラムフリーダムがビームライフルを回収しながら後ろに下がった。
『それはラクスがしてるじゃないか!僕の出来る事は、そんな彼女を守る事しか無いんだ!!』
「ホントにそうなのか?頼るモノが何も無い、孤独の人が道を間違えないって、アンタは本当に思ってるのか!?」
シンの言葉を聞いて、キラの心に動揺が走る。
そのせいでドラグーンの動きが鈍ったのをシンは見逃さず、反応の遅れた一基をビームライフルで撃ち抜いた。
『何を、何を言っているんだ君は!?僕は何時だってラクスを守ってる。彼女は一人なんかじゃない!』
「じゃあアンタは、あの人がどんな仕事をしてるのか知ってるのか?一日何枚の書類を処理してる?内容は!?」
『うっ・・・』
知る筈が無い。掲げる目標に反して、キラは悲しい程に無学だった。自分は戦っていれば良い。それしか出来ない。
そう思い込んでいた結果だった。言うなれば、仕事一本の男が家庭を妻に丸投げするのと一緒である。
「国丸ごと一人で背負って平気でいられる人なんて、何処のもいないんだよ!!」
動きが鈍ったグラムフリーダムに、再びウォルフガングが襲いかかった。シンには分かる。孤独は目隠しだ。
その目隠しがされた状況で道を間違い、怖くなって走り始める。そうやって孤独は狂気と共に加速していくのだ。
自分も家族を失った後、恩人に便宜を図ってもらわねば、今頃どうなっていたか分かった物では無い。
「アンタがやるべき事はMSに乗る事なんかじゃなくて、
ラクス・クラインと一緒に学んで、同じ時間を過ごす事じゃなかったのかよ!!!」
『それは・・・』
744 :
中身:2010/02/28(日) 01:29:13 ID:???
力任せにドラゴンキラーを振り回す。正に鬼神といえるウォルフガングの剣戟に表れている様に、シンは怒っていた。
武力で強引に政権を奪っておきながら孤独に耐えかねたラクスに、それを顧みず、戦いに逃げたキラに、そんな彼らに負けた自分に。
「アンタ達は俺達に勝ったんだろ!?だったら、もう少しマシな世界にして見せろよ!!!」
政権を獲ったラクスが立ち上げた計画、コーディネーター再生計画。
一つの遺伝子から新たな人間を造り、人工的に人口を増やす計画。
マユを再生させる事すら可能な、文字通り「吹き飛ばされた花はまた植えれば良い」を体現した計画。
そんな事は絶対にさせない。我武者羅に繰り出すドラゴンキラーが、遂にグラムフリーダムを捉えた。
しかし、上に飛ぶ事で回避したグラムフリーダムの左足首を斬り飛ばすのみに終わる。
斬られたグラムフリーダムも、その反動を利用して機体を縦に回転させ、ビームサーベルを一閃させた。
機体を反らす事で致命傷を避けたシンだったが、右肩のブーメランが斬り飛ばされる。
『それが何だっていうんだ!僕がラクスを支えられなかったからって、こんな事して良い理由なんて何処にも無い!』
計画によって造られたキラは、ラクスがどういった行為に身を染めているのかを知らない。
彼の中で知り得る情報から出した反論としては、彼の言葉は正しい。しかし、シンから見ればそれは道化以外の何物でも無い。
「だから、アンタがさっきアスランが言った計画で造られたクローンなんだよ。
記憶を弄られて、そんな事知らないだろうけどな」
『あり得ない!ラクスが、そんな事する筈が無い!彼女は・・・』
「でも、アンタはあの人のやってる事を知らないんだろ?どうして『する筈無い』なんて言えるんだよ。人は直ぐ変わるんだぞ」
シンの確信を突く一言が、グラムフリーダムの動きを二度止めた。今度はその隙を突いたりする事をシンはしなかった。
シン自身、キラがどう返してくるか興味があったからだ。
『・・・・・・確かに、僕は今の彼女を知らないのかも知れない。だったら、僕がラクスと話すから、
それまで待ってくれないか?何かおかしな所があったら注意するし、変えさせてみせるから!』
暫く考えたキラが出した答えは、奇しくも今ラクスと対峙しているであろうキラが過去に出した物と同じだった。
「遅いんだよ・・・何もかも」
『えっ?』
シンは歯ぎしりする。後少し、後少しだけでもキラの行動が早ければ、ラクスが道を踏み外す事無く、
命を無価値にする様な計画を立てなかったかもしれない。全ては終わって、過ぎ去ってしまった事。
シンはラクスの事はキラから聞いた事柄でしか知らない。
ラクス・クラインは、もう取り返しの効かない所にいる、他人がとやかく言って止められる段階を超えていると、
シンより彼女を知っているキラがそう断じて、兵を起こしたのだ。ならばその通りだろうし、シン自身もそう思った。
だから目の前のキラの言動が滑稽で、腹立たしい。しかし彼も被害者なのだ。本物の代替え品として造られた造りモノ。
その姿はシンに嘗てのステラを思い出させた。彼女を殺した仇である張本人が、彼女と被るなんて、酷い冗談である。
「俺は・・・後には退けない。ここで退いて、ラクス・クラインを見逃したら、自分自身に背く事になるから」
745 :
中身:2010/02/28(日) 01:30:48 ID:???
一段と低くなった声で辛そうな声でシンは呟いた。答えなんて無い。
造り物である彼を憐れんで、ここから退いたら、更に悲しい造りモノ達が増えるだけだ。
『君が退かないなら、僕も退けない。僕の後ろにはラクスがいて、プラントがあって、守りたい世界があるから』
キラも、退く気は無かった。結局、戦う事しか出来ない。でもそれで、変わるモノがあるのなら。
シンは何度もそう望んで戦ってきた。実際の所は、変わるモノなんてそうそう無かった。
それでも、今は戦うしか無い。大切なモノを守る為、灰色の狼が二度天使に挑みかかった。
746 :
中身:2010/02/28(日) 01:36:48 ID:???
今回はこれで終了です。
名前変えるの忘れた上に最後中途半端な投下スイマセン。
また不定期になるかもしれませんが、宜しくお願いします。
投下乙
今更だがやっぱ本質は同じなのね
基本的には善人だけど後ろ向きというかヘタレな性格で都合の悪い事には目を瞑ると…
復活オメ
書き込める・・・ようやくねぇ。
そういえばなんだかまとめも重くなかったかしらぁ?
ふっかつ
乙
やっぱ追加装甲は捨てられるのが正義なのか……
追加装甲の正しい使い方だな
パージしないとな
753 :
通常の名無しさんの3倍:2010/03/04(木) 21:10:42 ID:9fJrnK/Y
使わなくなった装甲(鎧)は敵にぶつけるッッ!!
ジョジョ第1部から使われている戦法だ!!!
この流れなら言える!
「フオオオオオォォォォォ!クロス!アウッ!!!」
これでクロックアップが使えれば素晴らしいのだが。
追加装甲を別目的に使うのは、プラモ狂四郎から続く、由緒正しい使い方だ!
3×3クロスか、懐かしいな。そして、レッドウォーリアは俺中では最高の名機だ・・・
MoRさん未だですかね……
昔陸自の同僚が言ってたなぁ…「装甲とは守る為のものではない。イザと言うときにパージして
大幅にパワーアップする為の物なのだ。チャリオッツ然りカブト然り」って…
俺が追加装甲に始めて出合ったのはブラックサレナだった……
最近ではデルフィングの多重装甲形態がお気に入りだけどライダーガタックも好きだ
何と言うか本当に良いよな、ゴツイ機体が一瞬にして高機動にスイッチするとか素敵過ぎる
某荒ぶる百舌は中途半端でそこまで愛せなかったぜ....
とある害虫駆除業者、もしくは復讐者の日常 第5話『頭を叩くしかないだろう』
右腕を破壊されたアッシュはヨロヨロとした動作で海に逃げようとする。
おそらく爆発の衝撃で中のパイロットが頭でもぶつけたのだろう、動きが緩慢だ。
そして、その隙を見逃す二人ではない。
「逃がすかよ!」
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
プロトジンはアッシュの残っていた左腕を掴み上げると、強引に引き倒そうとする。
「ぱ、パワーならこっちが上だ……って、えええええええっ!?」
必死になって振りほどこうとするが、あっさりとバランスを崩すと轟音を立てて地面に倒れ伏した。
「知らないの? プラント製水陸両用MSは重量バランスが悪くて、格下相手でも組み合っちゃいけないって」
一見重量があり重心が安定しているように見えるザフト製水陸両用MSであるが、実際は重量に対し脚部間接が貧弱であり、地上では容易にバランスを崩すことが出来るのだ。
悲鳴を上げるパイロットにキラは冷たく言い放つと、脱落した右腕跡に突撃銃を突きつけ弾丸を叩き込む。
弾丸はアッシュの重装甲を貫く事無くMS内部を跳ね回り、機能をずたずたに破壊する。
アッシュは装甲の隙間から煙を上げ、部品を吐き出しながらその機能を停止させた。
「まずは一つ。この腕もって行こうか?」
倒れたアッシュを見ながらキラが呟く。
その言葉にシンは一瞬だけ考えるが、なぜか嫌な予感しか浮かばない。美少女との出会いはありそうだが、大怪我とヤンデレだけは簡便だ。
シンは顔を顰めながらキラの提案を否定する。
「やめとこう、色々なところから怒られそうだ。それにそんな暇はないみたいだぜ」
どこらか怒られるかはともかく、確かにもぎ取っているような暇は無いようだ。何時の間にか、町や基地を襲っていたMSがこちらに向かっているではないか。
「目立ちすぎたかな?」
「上等。キラ、連中を町から引き離すぞ!」
「うん、わかった。アイハブコントロール……、トレーラー起動……。ホバー形態に移行。シン、いけるよ!!」
キラの操作で近くに止めてあったトレーラーが水上移動用のホバー形態に変形してやってくる。
このトレーラーはグゥルのシステムが組み込まれているらしく遠隔操作で動くのだ。
他にもMS2機まで運搬可能な他に簡易整備が可能な各種設備が整っており、ビーム兵器用らしきコネクタとアームに索敵用レーダーまでついている。以前の仕事で鹵獲したのだが、誰が作ったのか知らないがえらく高性能だ。
このトレーラーは都市間の移動以外にも本当に役にたつ。たとえば今回のように相手が海に居る時などだ。
プロトシンはやってきたトレーラーにプロトジンを乗り込ませると、キラはホバーを加速させる。
「いくよ、シン!」
キラの掛け声と共に、黒と緑のMSが、青い海を駆けだした。
水陸両用MSというのは通常のMSと比べると総合的に能力が低くなることが多い。
水中という苛酷な環境で運用をするためには、MSとしての機能をいくつか犠牲にしなければならないからだ。それはザフト製であれば形状であり、連合製であれば稼働時間の減少という形で現れる。
一部の機能を犠牲にしてまで何故水陸両用MSが作られるかというと、水中という天然の要塞内を移動する水陸両用MSは隠密性が非常に高いという利点があるからだ。
目視で発見されず、目的まで静かに近寄る。CEの時代においても……いや、未だにレーダーの死んでいるCEの世界だからこそ、水陸両用MSはその力を存分に生かせるのだ。
だが、逆説的になるが、一度発見してしまえば水陸両用MSはそれほど脅威ではない。
少なくとも、この二人にとってはそういう存在だった。
「シン、2時方向から来るよ!」
「OK」
キラの予測通り水面に顔を出す。
「遅いんだよ!!」
ジン・デスティニーの突撃銃から吐き出された弾丸が、海面から顔を出そうとしていたグーンの頭部に叩き込まれる。
もっとも、重装甲のグーンには中のパイロットにゲロを吐かせた程度しか効果は無かっただろう。水中に沈んで行くグーンを見ながらシンとキラは歯噛みする。あの分厚い装甲はうらやましい……ではなかった、厄介だ。
「どうする、シン。このままじゃいたちごっこだよ」
「どうするもこうするも、頭を叩くしかないだろう。キラ、索敵頼む」
「うん、わかったよ」
シンの言葉に、キラがキーボードを叩く。
基本的にMSはバッテリーで動き長時間の単独運用はできない。その性質上、近くに母艦ないし基地が無ければその力を発揮できないのだ。
この状況なら、まず間違いなく母艦……しかも、潜水艦がいる。
そして、なにより重要なのは……。
「潜水艦を落とせば特別ボーナスだ!」
「大盛り牛丼に卵を付けられるね!」
「豚汁とサラダもだ!」
「おしんこもつけよう!」
ただでさえ金食い虫であるMSを維持管理しているのだ。どうしてもこうなる。
もっとも、相手も黙って蹂躙されるほど大人しくはない。コレでも大戦中からの歴戦の戦士なのだ。
二人の操るプロトジンを破壊するべく、海中からグーンが頭を出し豪腕を振るう。
だが、彼らが歴戦の戦士ならシンとキラは最強のパイロットだ。そう簡単にはやられない。
「んな攻撃当たるかぁ!」
そう叫ぶと、シンはプロトジンを跳躍させる。
プロトジンとは思えない躍動感ある動きに、グーンの腕は空を切る。
そのまま空中で重突撃銃を発射、グーンの頭部に命中させ反撃を封じると、トレイラーに着地する。
しかし……。
メキ……メキ、メキメキ……ペキッ!
「って、足が折れたぁ!」
「そ、そんなぁ!!」
プロトジンの股関節が着地の衝撃に耐え切れず、右足が根元からへし折れる。
二人の悲鳴がコックピットに響いた。
だが、二人は伊達に最強のパイロットとは呼ばれていない。運も強さの内であった。
吹っ飛んでいった右足が、偶然にも水中から頭を出しかけていたアッシュに当たる。
何度も言うが、質量攻撃というのは馬鹿に出来ない。物理攻撃には無敵の耐久力を見せるPS系の装甲といえども時には一撃で破壊するのだ。
まして、強固といえ通常の装甲しかもたないアッシュが足一本といえども耐えられるわけがない。
運の悪いアッシュは、その衝撃で内部構造が破壊され、爆発し海に沈んだ。
「うそ……」
「ら、ラッキーだな……」
思わず呟く二人だったが、不意にMSのコックピット内にOSの起動音が響く。
『デスティニー!』
『フリーダム!』
『マキシマムドライブ! アロンダイト!』
「何がアロンダイトだ!」
もっとも、その音声はシンを刺激しただけのようだ。シンは思わず怒鳴り声を上げる。
「キラ! このまるで(MA)ダメな(DA)OS(O)は何とかならないのかよ!」
「無理だって。削除できないんだから!」
キラの悲鳴が、コックピットに木霊する。
「それよりも、潜水艦が見つかったよ!」
「本当か!?」
「うん、湾の外、岩陰に隠れてる。浮上しているみたいだけど……」
攻撃手段がない。
キラが内心でそう叫ぶが、シンは半ば諦めたような達観した表情で、キラにこういった。
「キラ、攻撃手段は一つしかないだろう」
「泣いていいかな?」
「だめ。一緒にヤヨイさんに殴られよう」
「しくしくしく……」
シンが何をしようとしているのかわかったキラは思わず泣きまねをする。
「だから泣くなよ。いくぞ」
「うん、ロック解除……」
キラがプロトジンのシステムロックを解除してゆく。
そして……。
『デスティニー!』
『フリーダム!』
『マキシマムドライブ! アロンダイト!』
後に、この基地の日記に岩陰で脱落した左足を振り回し、潜水艦をボコボコにするプロトジンの姿が見られたという記載があったそうだが、連邦上層部の判断で無かった事にされたらしい。
というわけで、何時ものゲリラ投降終了です。
なお、私はやっぱり謝らない。
三(ノ´∀`)ノ 逃亡!!
19氏GJ
相変わらず貧乏なシンとキラに同情してしまうw
>>19氏
相変わらずの小ネタ満載赤貧コンビGJ!w
アイハブコントロールで、どこぞのブレインコロニー思い出したわ。あれも、中盤までは面白かったんだよな・・・
それにしても、勝手に喋り出すMADAOがウザすぎるw
というかスパコーでさえ削除できないってどんなOSだよwww
※XX話「本当のLはおまえだ」とかw
>>766を凄まじい怒オーラを放ちながら仁王立ちで見送る
巨乳の軍服女性仕官の後ろ姿を幻視した
19さん身辺にはお気をつけて
ヤヨイさんの姿を、某ガッツや某歌劇団の沖縄娘で想像しちまったww
まあ、巨乳だからおk・・・
>>771 つうかそもそもコンクリート部屋から脱出できたのだろうか?
>771
自分らが19氏を守らないと駄目だろ。
身を挺して庇っておっぱいに突っ込まないとな!
そうだろう?!
>>774 ごめん、俺貧乳派なんだ
貧ってかロリね。みなたまとかマユとか姫様とか
…このスレのシンって基本的に巨乳派だよな?
だから上で挙げた三人貰ってもいいよな?
>>775 アグネスと保護者の人に通報しといたから逃げたほうが良いぞ。
>>775 全てのシンとミハシラとイギリスを敵に回したな、あんた。
>>776 アグネスは怖くないが保護者は怖いよなw
同じ顔で無表情な奴らと髭マッチョの群れ、あとシンとその愛機たちか…
マユはロリ巨乳だっ!
みなたまは神聖なロリだっ!
姫様は将来有望なロリだっ!
お嬢様「あら、私はどんなロリかしら?」
16はロリに含まれるか?
No! No! No!
十六で絶壁は絶望的か?
Yes! Yes! Yes!
アズラエルの忘れ形見は絶望的か?
Yes! Yes! Yes!
経年劣化ロリなんてどうすかね(棒)
命しらずが数名いるようでソウキス
おい!
>>774がピンクの俎板に突撃したは良いが逆に吹っ飛ばされて息してないんだが
もはや、俎板ではなく鉄板・FSレベルの硬さに・・・
おいおい、最近投下がないと胸ネタばっかりやってないか?
嬢談じゃねぇよ、ホント。 嫌いな人もいるんだよ。
様々な書き手さんや面白い作品があるってのに
はぁ……なんでこんなネタスレになったんだか。
貧しいんだよな、発想がさ。
乳の話は大概にしてくれよ!
787 :
中身:2010/03/07(日) 01:38:51 ID:???
>>785の要望に応えて、俺、参上!!あっ痛い、石投げないで下さい。
という訳で投下しますね。
主戦場から幾分か離れた所に、大量のコロニ―が無造作にひしめく宙域がある。
正確には、メサイア戦没の際にロード・ジブリ―ルが放ったレクイエムにより破壊されたコロニ―の残骸であった。
壊れたコロニ―から出た中小のデブリは除去し終えたものの、コロニ―の面影を残す巨大なデブリは解体、
除去するには人的にも財政面にも不可能と判断されて放棄された、万を超える人々の墓標。
差し詰め、第二のユニウスセブンである。毎年追悼団が訪れるその宙域を、遠目からでも巨大と分かる流星が飛ぶ。
否、それがただの流星の訳が無かった。流星は小刻みにバーニアを吹かし自らその向きを変える。
『キラ、やはり貴方ではこのオーディンを止める事は叶いませんわ』
流星、オーディンを駆るラクスは、対峙する小さき人、フリーダムを駆るキラに向けて早くも勝利宣言にすら聞こえる言葉を投げる。
「どうしてそんな物を!過ぎた力は争いを生むって、君も言っていたじゃないか!?」
苦し紛れに言うが、ラクスは涼しい顔でそれに対応する。
『そうですね。その通りです、キラ。しかし、このオーディンは違います。このマシンは、完璧な存在なのです』
「・・・どういう事?」
逆に返された言葉に、キラは疑問符を浮かべる羽目になった。ラクスの言っている意味が分からない。
戦闘を目的とした機械に、完璧などあるのか。確かに、兵器としての性能ならば完璧に近いだろう。
機体の全体を光波防御帯で覆い、前方にはミーティア伝統の突き出た大型ビーム砲が二門、
機体各部には一撃でMSを破壊するだけの火力を有したビーム機関銃とミサイル発射管が備わっている。
加えてMS大のドラグーンを八基従わせるその姿は、誰の目にも畏怖の感情を植え付ける。
早くもその猛攻に晒されたフリーダムは、片翼と左足を失っていた。
対して、こちらの攻撃は光波防御帯によって一発もオーディンにダメージを与えていない。
『不思議に思いませんでしたか?戦闘において素人である私が、何故こんなに貴方を戦闘で苦しめられるのか』
それはキラも不思議に思っていた事だった。如何に優秀なOSを搭載していようと、
MSの基本動作さえ覚束無いラクスがここまでキラを追い詰める事が出来るなど、想像もしていなかった。
ただ性能が良いだけの機体なら、いくら光波防御帯があろうとも懐に入り込めば終わりである。
しかしラクスは、こちらの動きを的確に把握してフリーダムの接近を許さなかったのだ。
『この機体は、搭載されたオーディンシステムが全ての機体制御を行っているのです。機動、火器管制も全て。
私は、トリガーを引く事で攻撃の最終決定を行っているに過ぎないのです』
「馬鹿な!?そんなOS、現実的には不可能の筈だ!」
キラは今でも機械工学系の雑誌や論文を趣味で読んでいたが、ラクスの語る様な完璧なOSは聞いた事も無い。
『確かに、機械に戦闘を代行させるには、膨大な戦闘データの入力が不可欠。
その工程が戦闘代行システムの開発を不可能としていました』
膨大な戦闘データを掻き集め、入力し、組み合わせる。その工程は、時間的、労力的に達成は不可能とされてきた。
戦闘データを限定してシステムを造っても、とてもでは無いが人間相手に戦える物には出来なかったのである。
「まさか・・・」
キラの中で、二つの要素が繋がった。
『そう、コーディネーター再生計画は人間の記憶の再生も可能です。
エースパイロットの戦闘に関するデータから、感情を消した物を複数組み合わせる。
その技術で長年あった壁を超え、完成したのがこのオーディンシステムです』
パイロットの記憶は初めから合理的に組み上がっているので、下手に科学者が弄る必要が無い。
しかも、エースパイロットの記憶は通常の戦闘データの百倍以上のデータが内包しているのだ。
『そして、感情を抜きにしたこのシステムは、戦闘による「間違い」を未然に防ぎます。
感情で標的を間違うなどという事は起こらないのです』
「だから、過ぎた力でも間違いは無いと?」
『それは違います。過ぎた力は人を間違わせる。つまり、間違いが起こらない兵器であるオーディンは過ぎた力では無いのです』
確かに、感情に左右されずにキラ・ヤマトを圧倒する力を有するオーディンは、完璧な兵器かもしれない。
しかし、それを造ったラクスに、キラは違和感を隠せない。
「どうしたんだよラクス!コーディネーター再生計画といいそのオーディンシステムといい、
君は人の主体性を尊重する人だったじゃないか!国の支えを造りモノに変えて、戦闘を機械に任せて、そんなのラクスらしく無いよ!」
二人の舌戦の間にも、キラは追い詰められていく。
ラクス、もといオーディンが操る八基のドラグーンが、装備されたオストロスV速射型でフリーダムを狙う。
ビームライフル並みの連射性能にMSが装備可能な最大火力を併せ持った弾幕が、天使からビームライフルごと左腕を捥ぎ取った。
『やはり貴方も、何も変わらないのですね。私をどんなに悲しませても、戦う事を止めない』
「・・・・・・も、ってどういう、事?」
先程まで冷静だったラクスの声に暗い影が落ちる。嫌な予感がした。
これを聞いたら、何かが戻らなくなる様な。しかし、そんな予感に反して、口は滑らかに疑問を発する。
『・・・エターナルとアークエンジェルが沈んだ時の事を覚えていますか?』
「うん。撃墜された時の負傷によるショックで、記憶は殆ど無いけど」
『あの時、コーディネーター再生計画はその目的が大きく変わったのです』
「変わった・・・?目的って?」
その言葉を最後に、二人の間に沈黙が下りる。聞こえるのは光の束が発する爆音と、巨大なバーニアが空間を裂く音だけ。
一分かそれとも一時間か、あっという間の長い沈黙は、ラクスの暗い声によって終わりを迎える。
『キラ・ヤマトの、再生計画です』
その言葉をキラは暫く呑み込めなかった。脳が理解していても、感情が理解するのを拒んでいる。
「どういう事?確かにあの時の僕は酷い傷を負ったけど、驚異的な回復能力で一命を取り留めたって・・・」
そう確かにキラは覚えている。病室の白い天井を。スーパーコーディネーターに生まれて良かったと思ったのはあの時くらいだ。
しかしラクスはキラの言葉には耳を貸さず、淡々と話し続ける。
『それまでの計画では、記憶は然程重要視されていませんでした。
人口を増やすのが目的であって、同じ人間を造る事は範疇に無かったからです。
既存の遺伝子をコーディネート技術で弄り、記憶は最低限作られた人造の物を用いる。それで事足りる筈でした。でも・・・』
「・・・・・・」
キラは黙って続きを促す事しか出来ない。
得た情報を繋ぎ合わせて、既に脳の中では何が起きたか理解していたが、ラクスの口から言われなければ信じられなかった。
『貴方が戦死した事で、全てが変わったのです』
「僕が、死んだ?」
脳内で予め用意していた結論と同じだったというのに、キラは、自分が想像以上のショックを受けているのに戸惑った。
既に本物のキラ・ヤマトはこの世にはいない。ならば自分は何モノなのか。
回転の速いスーパーコーディネーターの頭脳は、本人が拒んでも否応無しに正解を突き付けてくる。
『記憶の再生には多大な労力を伴いました。
治療の為に、事前に体のデータを取っておく事は常識でしたが、それを元に記憶の再生を行うなど、初めての試みでしたから』
ラクスの声はキラの耳には届かない。正確に言えば、耳で聞き脳が認識しても、感情がそれを受け取らなかった。
その時の事を思い出しているのか、ラクスの声は更に暗く、細くなっていく。
『貴方は、三人目のキラ・ヤマト。キラの、二人目のクローンなのです』
「三人・・・目?」
フリーダムを動かす余裕など無い。掠れた声で、やっと一言返すのがやっとだ。
『アークエンジェルとエターナルは、ストライクフリーダムが奇襲部隊に気付いて援護に入って間も無く撃沈されています。
キラに離脱するタイミングは何時でもあった。でもそれをしなかった。何故だか分かりますか?』
「・・・分からない」
同一人物であるとはいえ、その戦闘の記憶は今のキラには無い。素直に答えるしかなかった。
『ギルバート・デュランダルに示した誓いに殉じたのです。自分は戦うと』
ラクスの声は掠れ、今にも泣き出しそうな雰囲気が漂っていた。
『誓いを果たす事は褒められるべき行為です。でも、彼は私の元へは帰ってきてくれませんでした』
キラには知る由も無いが、その時ラクスの孤独と心労はピークに達していた。
最愛の男の裏切り、それが彼女の心に治る事の無い傷を負わせたのだ。
『やっと再生した二人目のキラも、直ぐにSOCOMとして地上に降り、戦死しました。彼と共有した時間は二日とありません』
「・・・・・・」
確かにキラは地上での任務を一度失敗していた。ロゴスの残党が集結している島を叩く作戦だった。
しかしキラの記憶では、キラ以外の戦力が崩れ、一時撤退。その後、再攻撃作戦でロゴス残党を壊滅させた筈である。
『貴方が持つ記憶は科学者が埋め合わせした物です。
二人目の貴方は、撤退の間に合わない友軍の為に単機出撃。その後、撃破、戦死が確認されています』
キラの思考を見透かした様に、ラクスが真実を口にする。
彼の死にたがっているとも取れる無謀な戦い方の数々に、デュランダルとの誓いが関わっているのは明白だった。
技術的には記憶を弄れば良いのだが、ラクスにはそれが出来なかった。
デュランダルとの誓いの記憶はキラの人格にも大きな影響を与えている。
だからこそ、その記憶を消したら元のキラが居なくなるのでは無いか?
その恐怖が、ただ元のキラがいてくれれば良かったラクスを躊躇させたのだった。
『貴方もです』
ラクスの重い声が、今度はキラに向けられる。
『貴方も、戦うばかりで私を抱き締めてもくれなかった・・・』
「それは・・・!!」
キラのラクスへの愛に、偽りは無い。
しかし、今まで散々世界を巻き込んで人を殺して来た自分が、のうのうと恋愛などして良い筈が無いと戦場に居場所を求めたのだ。
『私は!貴方に愛して欲しかった。武力で世界を駆けた私にそんな資格が無くても、
貴方が自分のした事に苦しんでいた事を知っても、傍にいて、微笑んでいて欲しかった!』
まるで悲鳴の様なラクスの叫びに、キラは思わず耳を塞ごうとする。しかし、被っているヘルメットがそれを許さなかった。
何故自分は、これ程苦しんでいた恋人に気付いてやる事が出来なかったのか?簡単な事だ。
キラ・ヤマトは、普通に人が経験し心を鍛える場を逃して来た青年の心は、どうしようもなく脆弱だったのだ。
聖剣と謳われ、期待されるプレッシャーと責任感の中で、他者を顧みる余裕など無かったのだ。
しかし、それはラクス・クラインにも言える事だった。生まれつき支配者としての声を持ち、
アイドルとして生きてきた彼女の未成熟な精神は、若くして国一つ背負うには弱過ぎたのだ。
バルドフェルトの事に関しても、もっと他に方法があった筈なのに安易に暗殺という手を選び、
結果として自分を孤独に追い込んでしまった。
一人の男を愛する女性の側面と、国民の誰もが期待する為政者の側面の間で激しく揺さ振られ、
その真面目さ故に折れる事も壊れる事も出来ずに歪んでしまった人物。それが、ラクス・クラインだった。
キラはフリーダムの操縦桿から完全に手を離し、ヘルメット越しに頭を抱える。
必然的に動きを停止させたフリーダムは、オーディンの手にかかれば一瞬で塵にする事が出来る。
しかしラクスもまた、身動きが取れないでいた。
オーディンシステムが、動きの止まったフリーダムを撃てと、仕切りにアラートを鳴らす。
ラクスはそれに応ずる事が出来ず、トリガーを引く事が出来なかった。
キラと敵対する事ななった段階で、彼は偽モノだと何度も頭の中で唱えたというのに、最愛の男の話をすればするだけ、
目の前の偽モノが本物に戻っていく。その現実が、ラクスの手を震わせる。
と、その時。二人しかいない筈の戦場に、いる筈の無い人物の声が響く。
『なにやってんだアンタ!そんなボケっとしてる暇あるのかよ!するんだろ?アンタなりの贖罪って奴を!』
捲し立てる様に怒声を響かせるのは、間違い無くシンの声だ。
キラが辺りを見渡すものの、ウォルフガングらしい機影は勿論、機体の残骸も見当たらない。
彼は気付かないが、別れる前に渡されたドラゴンキラーの位置にシンが通信を送っているのだった。
シンの声に、停止していたキラの思考が動き出す。
彼の言う通り、キラにとってこの戦いは、自分達が変えてしまった世界への贖罪の第一歩なのだ。
自分の感情一つの為に立ち止まっている時間など本来なら許されない。
「でも、僕はクローンで・・・」
『言い訳すんな!クローンだからなんだ!今生きて、戦ってるキラ・ヤマトはアンタだろう!?だったら迷うな、俺が殴ったキラ・ヤマトは、アンタだけなんだよ!!』
通信から響いてくるのは、単純で無理のある感情論。しかしだからこそ、その言葉はキラの心を強く蹴り上げた。
そうだ。あの時彼に殴られた頬の痛みは滲んだ血の味は本物だった。偽モノだから、クローンだからといって他と何も変わらない。
最愛の人を手に掛けてでも、間違っている事は止めなくてはならないとした決意も、偽りな訳が無かった。
「ありがとう・・・シン!」
キラの瞳に生気が戻る。それに呼応する様に、死に体のフリーダムのデュアルアイが輝いた。
その変化にオーディンは即座に反応し、ドラグーンを動かす。しかし、肝心の攻撃は実行されない。
シンに一喝されたキラに対して、心の動揺が収まらないラクスの行動は途方も無く遅かった。
その隙にフリーダムがオーディンの懐に入り込む。オーディンは動かない。
抜刀されたビームサーベルが、巨大な流星に向けて振り下ろされた。
792 :
中身:2010/03/07(日) 01:48:55 ID:???
今回はこれで終了です。
最近の急激な気温変化にやられたのか、当方絶賛風邪引き中でして、
内容と相まって今回が一番書くのシンドかったです。
というかラクス書くのはホント難しいですね。精進せねば。
ではまた来週。
red eyesさんGJです
歪んでなお、キラの本来の人間性を弄れなかったラクスの誠実さ?すらも
その他の人の扱いや世界への傲慢としか言えない一方的な介入の仕方を思うと
単に自己愛の延長なのかとか色いろ考えさせられました
今後ラクスの魂に救いはあるのか・・・続きが楽しみです
ところで
>>791に単純な打ち間違いと思われるものを見つけました
キラと敵対する事ななった段階で
乙。ああ、やっぱりキラが感じた違和感ってそれだったか。しかし、凸自爆で二人目じゃなかったことに驚いたw
しかしまあ、やっぱり歪みまくってるなあラクスは。ホント、最初から何もしなければそれなりに
幸せになれたんじゃないか。と思うよ、いつも
イージス自爆は素で生き延びたのかよwwwwwwwwwwww
キラさんマジぱねえwwwwwwwww
796 :
中身:2010/03/07(日) 14:39:37 ID:???
>>793さんご指摘有難う御座います。
> キラと敵対する事ななった段階で
キラと敵対する事になった段階で
が正しいですね。
中身氏乙です〜
ラクス歪んでるなぁ。結構、自業自得な部分はあるんだろうけどここまで来ると狂気に囚われたってだけのレベルじゃないな
SOCOMの作戦中に一度死んでるって、当の隊員達は全然気付いてないのかな。
>>798 初代はイージスの自爆に捲き込まれ、さらにインパルスにコクピットぶち抜かれても生きて帰ってきたんだから、「まぁ…キラさんなら…」とか思われても不思議じゃない。
キラ「僕が死んでも、代わりはいるもの」
子供のころから母親に「あなたは世界のもの、世界はあなたのもの」なんて言われてりゃ歪んで当然な気もするけどな。
red eye氏のラクスは大分まともなんだろうなぁ。
……ラクスの母親が種死における最大の黒幕な気がしてきたw
>>799 ストライクで大気圏突入とジェネシス直撃も忘れるな!
………今更だが、ホントよく生きてるよなキラさん。
これでカーボンヒューマンじゃないんだったら不死身を二つ名にしても問題ないレベルだw
諸悪の根源といえばユーレン・ヒビキが実は生きていて…というシチュが
時々あるが、実はラクス母も(ry というのもありえたりして。
あと逆シンだったか忘れたが昔、
「ラクスとはシーゲルの娘ではなく実は夫人のクローンであった」
というのをどっかで読んだ気がするんだが気のせいだったか?
それは読んでみたいな
というかクローンだったら、種死終了後に実は自分の寿命は40才くらいまでと知って
クルーゼ化するラクスとかあるかも
>801
不死身の二つ名はコーラサワーの物だろ。
その名を冠するためには操縦技術は二の次、重要なのは精神と肉体、両方のタフさだ。
すぐにへたれるキラには精神的なタフネスが足りない。
>>802 オーブでマルキオが代表のホスピタルの先生やってるのなら知ってる。
メンデルのスパコン開発チームの会社はオーブ資本と言う設定はどこが初出なのやら
どっからどうみても漫画版ゲッターロボサーガに時々出てくる
患者を百鬼兵士やサイボーグゾンビに改造する偽装病院そのものです本当にドワオでした
>>805 魂狩か
銀の手やハンバーグ職人のマユより強化されたマユの登場か
>>805 種フェスのクルーゼの生い立ちがかいてあるパンフレット
>>806 今の作品で言うなら、仮面ライダーWのウェザー井坂って所ですかね?
( 0M0)<イサカ!!
種も00と同じ頻度で戦闘シーン入ればなあ………
ストフリと隠者なんぞ出番少なすぎて本編中は何処が無印と違うようになったか全然判らんかったぞ
00は面白い名作なのに・・・
なんで種はああなっちゃったんだ
>>807 やめろよそんな最後の最後に人じゃ無くなったシンが涙流しながらマユ殺したり
ルナマリアが魔児狩流ナースになって好き放題するスピンオフが出そうじゃねーか
>>最後の最後に人じゃ無くなったシンが涙流しながらマユ殺したり
なんかずっと前に ここに投下された作品の中で似たようなシチュのシーンがあったような
このスレで投下された作品中のマユは長編、短編 どちらでも怖いのが多いなぁ
幽霊ってか亡霊になって出て着たりとかプラント殲滅上等なヤンデレになってたりとか
サイボーグ化してたりとか…
…あ、傭兵氏の短編に出てきたAIの「マユ」は含めるか?
817 :
通常の名無しさんの3倍:2010/03/11(木) 21:53:41 ID:m5pua3bk
age
>>807 今更だがハンバーグ職人で藤崎封神演技のだっきちゃんクッキング思い出した
……そういやマユはまだ一桁台の年齢なのに胸の発育良かったよな....?
お前達はシンを持ち上げて空しい二次で脳内補完して満足だろうね。
けどね?いくら二次で持ち上げても、公式でキラ>>>>>>>>>>>>シンなんだから。
いい加減目を覚ましたらどうかな?
マユはおっかない扱いしか見ないもんなー
なんか、高笑いしつつ「コーディネーター死ねえ!」とか「連合死ねえ!」とかやってるのが
普通に感じてしまうよ
, -, - 、
,、 ,、 ,イ!〃 , ='‐ \__ト,__i、_
l T! Tl'lT_-r-、ィ_‐_7´ l l! l! |
l、` ` lヽ_lー〈!_,. - ´j _ -, !
\`丶!、l  ̄ l /,ィ ´ /
\ i、!  ̄ l´ ,ィ ヽ/
_ _ ,.l lヽ‐_7´ ll ゝ- .,, _ _
‐ ´// (! l! ll ll ノ // >'´ ``丶、
,',' ヽ、 !l__,.,. -'´ // / ヽ
i l 77 ̄ // ,' ',
!l l ! ,',' l ,. -―- 、l
!l _ !l _ !l ', / , _,、'" ト=、ヽ
!l (O.) !l (O.) l ! _. ヽ / /ヽ ', '、 !〈
l !_,.. ---.!.!-- ..,,_ l l (O.) ヽl∧ヘ ヽ_j ヽJ ',
_,ニ - , ― ''ヽ ―-`.,_ ‐- ., ヽヽJ,. -,.ニニ 、ヽl
/ , ⌒ ヽ.ヽ ` ‐ 、`ヽ、 〉v' /´ ,.、 `ヽ ヽ
_,,.. j /、jー'^、,、', L _ `ヽレ' /' _ i l く
_,. -‐ii'r' ,-、 ー,ー-, ..,_`` ‐ ., ! ! l ', ! l ,ヘ !
..ll llr' ! ! ー, ll `! ‐ 、 .>′ ! l l ! ! l l l
. !! ll r' ! l ‐, .ll ll ll ! ! l ! .l l l / /
今の私はマユ・アスカだ!
コーディネーターという理由だけで充分だ、死ねぇ!!
関係ないけど、ジーグのコミカライズ版ではヒミカの子供(双子の赤ん坊)を躊躇いなく
焼き殺してたな
ああいう苛烈な所はシンを彷彿とさせる
目の前で両親消し炭、妹が右腕だけになったのを目撃したシンがトラウマになってそれが原因で情緒不安定、精神が歪み気味になってるからな。
(シンの力が欲しい、力が無い人を守りたいって言うのは個人的には脅迫観念に近い物があると思う)
シンより幼くて(9歳だったか?)腕まで失くしたマユが一寸おかしくなっても無理は無いと思う。
このスレでまともなマユはなんとなく氏のYU-MAくらいか?……ロケットパンチ付いてるけどw
あーあ、誰か綺麗な可愛いマユ書いてくれないかなぁ?(チラッ
>>822 あの漫画あのシーンばかり有名だけど、一応その前に罪の無い子供を殺していいかすげぇ迷ってるんだよ。
でもその前に躊躇した為に自衛隊員だったか一般市民がはにわ大勢殺されてて、悲劇を繰り返さない為心を鬼にして全ての罪を自分一人で背負う為に自分の手で殺してる。
そういや各作品のシンってそれぞれどんな感じに歪んでたっけ?
発端は同じでも割と個人差があるような気がする
>>824 GSE氏のシンとか、結構歪んでたな良い意味で。後は以前話題に挙がった種螺旋のシンは、ぶっ壊れてた気がする。
「守らなければ」っていう半ば強迫観念にとり付かれてたり
誰か助ける為に自分の命全く顧みなかったりするな。「命なんか軽いもんさ。特に俺のはな」って感じじゃないけど。
典型的なのはやっぱりGSCTの「英雄」じゃないか?
ある意味、あれは「シン・アスカ」って存在の一つの終着点のような気がするし。
fateのエミヤみたいな「人類の守護者」って感じ
GSCTのシンは完全に人類の守護者だよなぁ・・・
しかも、磨耗すらしないという反則仕様。
でも、シンが誰かを守るという強迫観念はかつて誰にも守られなかった自分の過去を打ち消したいから、
という根底の部分があるような気がする。
>>824 首領はどこをどう切っても歪みしかねぇぜ
そうかな、首領はどっちかつうと突き抜けたというか、
歪みねじれて闇に堕ちる事などまだ止められるいのちの応えジャマイカ?
力があれば家族を守れたって後悔こそが、シンを戦いの道へと進ませた
と思う。
だから力を持っていてもやるべきことをやろうとせず、中身のない綺麗事
しか言わないアスハやオーブは許せないんだろう
首領までブッ飛んでしまうともう細かいことはどうでもいいや〜♪ってレベルになるなw
首領は歪みすぎてて逆に綺麗になってしまったお方……
逆襲日記 G月Z日 血涙
胸のでかさはどれぐらいがいい? ってフリーダムに聞いたら
「ゴリゴリしなければどれぐらいでも……」
という諦めきった回答にZAFTの全開発&整備陣が男泣きに泣いて
何この団結力ってくらいに満場一致で見事なプロポーションにしやがった……
そんな訳でF(フィメール)フリーダム大完成しやがりました。
俺が言うのもなんだけど色々と無駄に技術力がありすぎるにも程がある。
が
第一次カラーリング戦争勃発
マッドさんは白、ヨウランは黒レース、ヴィーノは苺、縞に水玉、赤、くまさん、etc……
何の話かって?
Fフリーダムのスカートの中の色。
まったく、パンツじゃなくてレオタードだって言っただろ! 朝からずっとこれ。マジで。
エターナルに見つかったら確実に「皆さんに少しでも楽しんでもらえたらと思ったのですが……
このような争いになるのならば計画は中止いたしましょう」とかなるな、絶対。
俺はいいけどここまで出来たし、勿体無い上に鬼気迫る技術陣がどうなるやら。
イライライライラギリギリぐぎぎぎぎぎ……プッ
いい加減にしろおおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!!!!
そんなに拘るんなら日替わりにすればいいだろ!
そこまでリアリティ追求してんなら毎日同じものな訳がないはずだとか考えろよ!!
そもそもお前ら初めっから間違ってる!
アレはどんな色や柄でもはいてるモノだからいいんだろうがよおおおおおお!!
結局、フリーダムのMSってことで奴の希望のリボンになった。
ついうっかり。
そろそろ真面目な何かをしないと怒られそうな気がしてきた。
いいぞもっとうっかりしてください
いっそのことミーアガンダムに名前を変えてしまえwww
実はミーアが死んだときに一番悲しんだのは、キラとこいつらかもしれない
837 :
中身:2010/03/13(土) 15:16:32 ID:???
何時もより早い時間ですが投下します。
キラとラクスの戦闘が再び動き出した頃、それとは正反対に動きを止めた戦闘があった。
「聞いただろ?アンタは、ラクスを満足させる為だけに生み出された人間なんだ!」
ラクスと戦っているキラが装備しているドラゴンキラーを通して、二人の通信はシンと戦う四人目のキラにも筒抜けになっていた。
その衝撃的な内容に、先程からグラムフリーダムの動きは止まったままだ。
「もうそんな奴に従う理由なんて無いんじゃないか?俺達と一緒に・・・」
『違う』
訴えかけるシンの声は、キラの強い声に遮られた。
『本物の、死んでしまった僕が彼女を悲しませて、間違った道を歩ませてしまったんなら・・・』
グラムフリーダムが再び起動する。静止した状態から高速機動状態まで、全くのノ―モーション。
ディアルアイの残光が上に伸び、それだけがシンにグラムフリーダムが上に移動した事を知らせる。
「まだやる気なのか!?」
『僕がラクスの傍にいて、彼女を正しい道に救いだせば良い!』
丁度ウォルフガングの真上に移動したグラムフリーダムのカリドゥスが吠える。
それを弧を描く様に回避したウォルフガングが、お返しとばかりに二門の長距離砲を放った。
「本当に分かってるのか!?あの人は、自分の為だけにアンタを造ったんだぞ!!」
『そんな事分かってるさ!でもラクスは僕に取って大切な人なんだ!だから、守ってみせる!』
キラの純粋過ぎる叫びに、シンは舌打ちした。
道を踏み外した人間を今まで数多く見てきた彼からすれば、ラクスはもう更生出来る段階にはいない。
少なくとも、国を背負って立つのはもう無理だ。先程の通信を聞いても、目の前の男はそれを理解出来ていないらしい。
つくづく人を理解出来ない男である、とシンは思う。
しかも、それでいて自分が造られた存在だという事実も投げ出してラクスを守ろうとしているのだから、二重の意味で馬鹿である。
「アンタのその我儘が、どれだけ人を巻き込むか知ってるのかよ!!」
『なら、君達の起こした今回の戦いで、どれだけの人が死んだと思うんだ!?』
二人の叫びは、光刃の鍔迫り合いの音に消える。
左手のパルマフィオキーナを叩きこもうとするウォルフガングに、空かさずドラグーンの射線が集中する。
それを紙一重で回避したウォルフガングが、ビームライフルを連射してドラグーンを追い払った。
互いが気持ちを譲らない様に、戦闘に置いても互いに一歩も譲らない。その拮抗した局面に、外からの変化が生じる。
光の束がウォルフガングのいる位置とは違う方向からグラムフリーダムに襲いかかった。
それを難無く回避したグラムフリーダムが飛来した方向を睨みつける。そこには、二機のゲルググイレイザーがいた。
『レッドアイズのシン・アスカだな』
「アンタ等、どうしてここに?」
『ジュール中佐が大佐を探して来いと命令を出した。我々は捜索隊という訳だ』
ブレイズウィザードを装備した隊長機らしい一機がウォルフガングに並ぶ。
捜索隊が出ているという事は、それだけ主戦場に余裕が出てきたという事だ。SOCOMの勝利は近い。
「キラ・・・大佐なら向こうにいる。今座標を送る」
『いや、後で良い。来るぞ!』
シンが、先程まで捉えていたドラゴンキラーの座標を送ろうとしたのも束の間、七基のドラグーンが一斉に攻撃を仕掛けてきた。
三機はバラバラの方向に回避する事で光の雨をやり過ごそうとする。
「気を付けろ!あれには、例の計画で造られた大佐のクローンが乗ってる」
『成程、見た目だけかと思ったが、ドラグーンの操作も熟練している。面倒だな』
『隊長!ここはシン・アスカに任せて大佐を・・・』
『いや、奴を残しておいては後々厄介だ。ここで確実に仕留める』
ソードウィザードを装備した僚機がキラの捜索を優先するべきではと進言するが、隊長は目の前の脅威を取り除く方を選んだ。
シンとしても、ドラグーンを確実に回避出来るだけの腕を持つ味方が増えるのは有り難い。
しかし本物のキラはもっと危ない敵と戦っているのだ。
「待て!アイツは俺が相手する。大佐は新型の大型MAを一人で相手してる。座標を送ったから、そっちの援護に行ってくれ」
『隊長、やはり』
『全くあの人らしい・・・情報は受け取った。ここは任せるぞ!』
ドラグーンを回避しながら、二機のゲルググイレイザーが離脱行動の動きを見せる。
しかし、グラムフリーダムのデュアルアイがそれを見逃す筈も無かった。
『ラクスの所へ行く気!?やらせない!!』
今までシンに攻撃していた三基も含めたドラグーンの全基が一斉にゲルググイレイザーに殺到した。
『このっ・・・!!』
咄嗟に反応した隊長機がミサイルを一斉射し、
回避行動を取ったドラグーン二基をソードウィザードのゲルググイレイザーがビームブーメランで切り裂く。
見事な連携だったがしかし、それも撃ち止めだった。残った五基が、迎撃した直後で動きが鈍った二機の四肢を貫いた。
「大丈夫か!?」
『我々に構うな。貴様はあのフリーダムを・・・!』
戦闘不能になったゲルググイレイザーが成すがまま真空を漂う。
それを見届けたシンは斬りかかって来たグラムフリーダムのビームサーベルをドラゴンキラーで受け止めた。
「まだあんな戦い方をして・・・。あれで助けたつもりか?あの二人は戦闘が終わるまであのまま漂うんだぞ!?」
『だから何だっていうの?死ぬより、殺すよりずっと良い』
「正式な訓練も経験も無いアンタには分からないかもしれないけどな。
戦場であんな無防備でいるってのは、死ぬより怖い事なんだよ!」
キラのシレっとした返答が、シンの心を点火した。
自慢の出力でビームサーベルを押し返す。しかし、心に点火したのはキラも同じだった。
『だからって全員殺すの!?そんなの・・・!!』
「そうしたくなきゃ完璧にやれよ!中途半端にやるのはな、偽善って言うんだよ!!」
力任せにドラゴンキラーを振り切り、グラムフリーダムを後退させる。
バックステップしたグラムフリーダムは空かさずカリドゥスを放った。
それを紙一重で回避したウォルフガングがビームライフルを連射する。
『物事には優先順位がある。それに、他のパイロットに僕と同じ事をやれっていうのは無理だよ』
「じゃあ無防備に死んでく連中がいても仕方ないっていうのか?」
『・・・・・・そう解釈されても仕方ないね。でも、僕が殺さなかった百人の内、一人しか助からなくても、
・・・一人でも助かるなら、僕はこの戦い方を止めない!どれだけの人に恨まれても!!』
キラの決意は、メサイア戦没後、彼が悩み抜いて決めた事だった。
しかし結局の所シンの主張もキラの主張も無意味な物かもしれない。
戦場にあって、生殺与奪の権利は常に勝者が握っている。つまり、百人勝者がいれば百通りの答えがあるのだ。
そんな問題をたった二人で争うのは端から無理な話だ。
「そんなの、アンタの中で勝手に決めた事だ!他人を巻き込んでおいて、偉そうに宣言なんてすんな!」
数が減った事で幾らか対応し易くなったドラグーンに向けて、長距離砲を放つ。二本の凶暴な光が、一基のドラグーンを捉えた。
しかしシンはそれだけで満足しない。空かさず回避行動を取る他の四基の内一基に狙いを付けてドラゴンキラーで斬りつける。
真っ二つになったドラグーンが小爆発を起こした。だが、残った三基がウォルフガングを取り囲む。
先程ゲルググイレイザーを葬った攻撃の再現である。
「やらせるかっ!!」
しかしその結末は再現とはならなかった。
一撃目を機体を仰け反らせる事で回避したウォルフガングは、そのまま右肩に装備したビームブーメランを掴む。
投げる動作を利用して二撃目を回避。放たれたビームブーメランは寸分違わず攻撃を行った二基のドラグーンを切り裂いた。
だが、残った一基の射撃への対応が遅れた。三撃目が真上からウォルフガングの長距離砲の片割れと左足を貫く。
「うぁ!?」
足が爆発した事でよろめいたウォルフガングを、キラが見逃す筈は無かった。
『君を倒して、僕がラクスを救うんだ!!』
レールガンとビームライフルの雨がウォルフガングを襲う。
爆発の衝撃から立ち直れないウォルフガングは、それをもろに受けた。左腕、残った長距離砲が破壊される。
光の翼も片方が光を失った。致命的な損傷。勝敗は決まったかの様に見えた。しかし、当のシン・アスカはまだ諦めていなかった。
「まだだ、まだ・・・俺はっ・・・!!」
シンの脳裏に、見知った感覚が走る。何かが弾ける様な、力が解放される感覚。
主の変化に反応する様に、ウォルフガングにも変化が生じる。
機体全体が漆黒に彩られ、フェイスガードとハンドガードが展開された。
最後に、右手に握られたドラゴンキラーが大きく展開し、MS一機分に匹敵する幅と長さの光刃が形成される。
シンに残された唯一の攻撃手段は、『BASTARD』モードを用いた特攻だった。なんとも芸の無い、しかし自分らしい最終手段である。
ハイライトの消えた瞳で軽く笑うのを最後に、グラムフリーダムにドラゴンキラーの切っ先を向け、
生き残ったバーニア全てを総動員して真っ直ぐ突っ込む。それを見たキラは、グラムフリーダムを全速力で後退させた。
しかし、損傷しているとはいえ前進する機体と後退する機体では、前者の方が速力で勝った。
だが両機の距離が狭まる間にも、グラムフリーダムの射撃がウォルフガングを削る。
ビームライフルで右足の膝から下が吹っ飛び、生き残ったドラグーンによって残ったVLが捥ぎ取られる。
しかし、シンはそれを意に介さない。胴体と右腕一本が生き残ればそれで良い。
致命傷と思われる射撃のみを、右肩のバーニアを使って紙一重で回避する。更に両機の距離が縮まった。
後はドラゴンキラーがグラムフリーダムを貫けば終わる。だが、一瞬の気の緩みが仇となった。
横から放たれたドラグーンの一撃が、ドラゴンキラーの柄を貫いたのだ。もう少しという所で、巨大な光刃が消滅する。
今度こそ勝敗が決した。これが映画なら、途中でも立ち上がる者がいるかもしれない。
しかし当事者である二人にはそんな気持ちは微塵も無かった。
グラムフリーダムは右手のビームライフルをビームサーベルに切り替え、左腕でビームシールドを張り、
カリドゥスの砲門には紫電が走る。ウォルフガングの攻撃はシールドで受け止め、こちらにはビームサーベルにカリドゥス、
一発分のエネルギーが残ったドラグーンがある。正に盤石。しかし、そんな負けの見えた勝負にもシンは退かなかった。
本来、『BASTARD』モードではドラゴンキラー以外の武器が使用出来ない。
それは大剣の形成にエネルギーの殆どを持って行かれるからだ。しかしその媒介になる筈のドラゴンキラーは既に存在しない。
シンは素早くキ―をタッチする。モニターが危険を訴えてくるが、知った事では無い。
大剣を失って無様に伸ばされていた掌から、凶暴な光が溢れ出した。
しかし、大き過ぎる火は自らも焼く。
パルマフィオキーナが、大剣を形成する為に使われる膨大なエネルギーの全てを受け取り、本来想定されていない出力に自壊を始たのだ。
遂に両機が激突するという直前、グラムフリーダムのカリドゥスは後一歩の所で発射が間に合わなかった。
ドラグーンを操作する余裕も無い。代わりに、突き出していたビームサーベルがウォルフガングの頭部を貫く。
そして、己の右腕を破壊しながら放たれたパルマフィオキーナは障壁となるビームシールドを貫通、その脇腹に深々と突き刺ささった。
狼の爪が、遂に天使を捉えたのだ。
842 :
中身:2010/03/13(土) 15:21:59 ID:???
今回はこれで終了です。
切りの良い所で切ったから若干短いですが、「熱さ」が伝われば幸いです。
とりあえずシンの方は決着がついたか…
というかこれじゃ流石にキラの方に救援には行けないが、キラは大丈夫だろうか?
>>836 ;´从V∧)
W;´Д`) 何故……何故あの女は銃弾を貧乳の方に中てなかったんだ……
そういうSSが昔あったなw
最後にキラはミーアとくっついて主夫やっててその勝ち組っぷりに嫉妬した
>>中身氏
乙です〜。シンとカーボンキラの戦いは決着ついたか
しかし、この相手をダルマにして殺してないよ?って思考は何度見ても気持ち悪いな・・・完全に自分の都合でしか考えてないよなぁ
何はともあれ、キラとラクスの戦いがどうなるか。またwktkしながら待ってますぜ
>>845 ミーアの代わりにラクスが撃たれるやるか。そういや、あの話だとシンがシホとくっ付いていたな。珍しい組み合わせだったわw
>>845 ;´从V∧)
W;´Д`) あっちの僕が本来の僕でテレビアニメ版や此処のSSの僕はカーボンh
(以下女帝様の武力介入に付き中絶です)
中身氏乙!
死闘は燃えるな。お互いの必死さが伝わってきていい。
でも、脇腹にパルマが当たっただけじゃ安心できない自分がいる……
>>843 タイトルがred eyesで主役はシンだというのは重々承知だが、このラクスに限っては
キラV大佐がタイマンでオトシマエつけなきゃいかんだろうからなあ。
>>ミーアガンダム問答
ジオンのクレハが何か言いたそうです。あ、殺意を導く頭痛もしてるみt(ツ――――
でも結局red eyesはどう終わらせるんだろうね。ラクス倒してEND......か?
ダルマ厨うざい
>>848 もう種世界の主要人物に対しては目の前で身体をバラバラに分解してから
目の前で光熱処分するしか無いと思うんだがね。あの生死不明度は異常すぎるよw
まさか種世界では死後の世界で種を四つ集めると……
セーフティシャッターといい、(GG)ユニットといい、カーボンヒューマンといい……種世界の延命技術は異常。
もう容量ぎりぎりじゃん
次スレ立ててくる
容量オーバー前にスレ建てか。
さすがは
>>855、対応が早い乙だ!
>>855 乙です
・・・さて、今ならばいえる。正直発展途上の方々の十年後が見てみたいと
マユとかみなたまとか姫様とか色々と楽しみすg
>>857 マユと姫様はどうなるか分からんが、みなたまは元に戻るだけなんじゃ……?
いや、みなたまの年齢にもよるが概ね十歳未満なら十代後半にしかならない
なら割と見れたものだとおm
ume
um
生め
埋め
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
うめえええええええええええええええええええええええええ