ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXX

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1通常の名無しさんの3倍
ガンダムSEED DESTINYで主人公の座を追われたシン=アスカが
今度こそまっとうな主人公として返り咲く!

シン主役の種死アフターについて語り合い、SSを投稿し、職人をGJ!するスレです。

荒らし煽りは徹底スルー、職人さんへの敬意を忘れずに。

前スレ
ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXIX
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1240756630/

まとめページ:
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
ttp://arte.wikiwiki.jp/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10411/1230163812/l50
2通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 18:51:58 ID:???
  ___l___  /   ///: ://: : ::/: : :://| |: : : : : /: : : : :l: : : :ヽ: : :.へ: :
  ノ l Jヽ  レ/::/ // / /: : ::/: : ::/. / l |: : : : ::|ヽ: : : : l: : : : .|_| |_
   ノヌ    レ  /.|/ /: : : :i: : ::/ | \ lヽ,: : : :| \: : :|\: :《     》
   / ヽ、_       / | /: : : :::l: : ::k≫===\ノ: : ::ト、__|__! ̄| | ̄
  ム ヒ_       /   /: : : : ::l: : ::《      !ト \ | / "'''=z_Y: ::ヽ彳
  月 ヒ.      /    l: : : : : ::l: : :|  ≦三    ヽミ;、   ||L |: : : : : :
  ノ l ヽヽ,ノ  /     |: : : : : ::l: : ヽ             ゝ〃/: : : : : : /
     ̄ ̄   /  ィ  |: : : : : : |/\\_    / \       /: : :/: : ::/
  __|_ ヽヽ...../イ// /|: : : : : : ::イヘ. ̄/ ヽ───   __/: :/: : ::/
   | ー       /    |: : : ::/ |/V  〃⌒ヽ_     >イ: : : : ::/
   | ヽー    ./イ  |: : :/  \|Y/        ヽ  _, イ: ::|: : : : /
    |        /  ,..イ/    l |         ハマ/|/!/: : : :/
  | | | |.  ..../,-'´/ '      | |        }ノ \ ソ|: : /
  ・ ・ ・ ・    .....イ       /  ̄ \     ノ    ヽ,.彡 ´
3通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 18:53:52 ID:???

やはり新スレか!
どれほどの>>1であろうと……
今日の私は……阿修羅すら乙!する存在だ!
4通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 18:56:02 ID:???
>>1
乙。
5通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 19:18:07 ID:???
            _   ヵ、     ,.へ
         _∠  ,メ、 `ー――'   ヽこれは>>1乙、じゃなくて
    ___r-'´   、  `└-------ァ  /ポニーテールなんだから
  ∠ -ァ l      \    ヽ \ / /勘違いしないでよね!
   /  〉、、     ヽ弋  /レ'´/  /
  ./ /   | \l\X   \Y | /  /      |\
 /ノ|  ト|-   ̄  \   !_/ノ |  {         j  ヽ
 '′| l l、!    、_入 |t j   ',  `ー――‐"  ノ
    l ト | ハ-‐′   ̄  Yー'   ` ----------‐´
   V ヽ! .}〃' r‐'>""ィ)、
        `ー‐ ̄ィチ ///「 ̄ト、
        rΤ「|Y// |   ! \
6通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 19:28:46 ID:???

>>1
そうか、現れてくれたか。自分が乙女座であったことをこれほど嬉しく思ったことはない
7通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 19:29:37 ID:???
>>1
8通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 19:56:17 ID:???
>1乙

スレ番がなんかあやしいなw
9通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 20:17:21 ID:???
1乙、
前スレ埋めるか。
10通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 20:55:35 ID:???
おお、とうとう三十番か・・・1乙
11GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/17(日) 23:18:56 ID:???
 一瞬で燃え尽きた木々が爆風で傾いだまま炭化し、地面に開いた大穴の底が赤熱する。
ガラス化した地面は波立つようにあちこちが捲れ上がり、空は黒煙で染まっていた。
「父さあぁん! 母さあぁん!」
 ビーム射撃による爆心地から奇跡的に逃れ、ただひとり生き残った少年は、家族がもう
いない事を悟っていた。空を仰ぎ見て、紅の瞳に青と白のモビルスーツを映り込ませた。
「マユーッ!!」

――逆襲のシン=アスカ、30スレ記念――

 宛がわれた個室にあるベッドの隅で膝を抱え、頬を赤く腫らしたまま虚ろに目を開けた
ままの少年を見遣るオーブ軍の将校。彼が部下へと向き直った。
「残念ながら、彼を連合へ行かせるコネが私にない。だからといって、こんな事になった
オーブにも残せない。……プラントへ通信を送るんだ」
「はい、トダカ一佐」
「最善の選択でない事は解っている。許してくれ……」

――アニメ原作の未来を追い続けた『逆シン』が――

「あいつ誰だ?」
「オーブからの移民だってさ。コーディネイターっていっても安物だよ。パパが言ってた」
 ザフトグリーンを着たアカデミーの子供達が、向ける所のない敵意と怒りを孕んだ目を
持つ『新入り』に、好奇の視線を向ける。彼らと同じ制服に身を包んだ少年の髪は夜のよ
うに黒く、肌は生気を欠いたように白く、瞳は零れ落ちた鮮血のように紅い。
「名前は?」
「確か……シン=アスカ」

――過去を、目指す――

「私がMS操縦訓練の教官を勤めるサトーだ。今、お前達を3人1組のグループに分けた。
お前達は今日から1つのチーム、兄弟、家族……少なくともアカデミーを出るまではな」
「よろしくね! チン=アスカ君!」
「シン、だ」
 赤毛の少女の間違いを訂正しつつ、シンはもう片側へと振り向いた。薄幸の美少女とい
う単語がぴったり来る容貌を持つ金髪の少年が、目を細めつつシンを見返した。
「シン=アスカだ。俺を後ろから撃つなよ、レイ=ザ=バレル」
「考えておこう……シン=アスカ」
12GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/17(日) 23:19:52 ID:???

――少年がザフトに所属した目的はただひとつ、戦う力を手にする為――

「議員の息子だろうが、企業の御曹司だろうが……人間は意外と平等なんだ」
 袖の破けた制服を着たアカデミーの生徒2人が、それぞれ片目と鼻を押さえて後ずさる。
トイレの個室に彼らを押し込めたシンは、ベルトに括りつけた作業用ナイフを抜き放った。
「いざとなったら生まれも肩書も助けてくれないぞ。例えば」
 シンの後ろに忍び寄り、不透明のビニール袋を被せようとした生徒が悲鳴を上げる。背
中の一部を強打されて悶絶した彼の横合いからレイが現れ、シンの右肩を掴んだ。
「もう良いだろう、シン。この後は楽しいトイレ掃除だ」
「解ってるよ。……次にルナの妹へちょっかいを出したら、殺す。レイ、行こう」

――戦う為、敵を屈伏させ、敵の息の根を止める為の力。しかし――

「プラントが宣伝してる通りの生活を送れるのは金持ちだけだ。自分の子供にありったけ
の金をかけ、優れた新人類として、自由に、古い習慣に捉われず……」
「だけど、抜き取りたての臓器を移植して貰えるとはパンフレットに書いてなかったな」
 立ち上がり、部屋から出ようとするシン。そこへレイが立ち塞がり、ドアのコンソール
を手で覆い隠した。シンの目が細まり、右手を握って拳を作る。
「シン、特別医療法36条は正式に定められた、正当な法律だ。『あの子』は選ばれた。
全て同意の上だ。今から48時間後には、正当な医療行為が行われ……」
「オーブからの移民に、安物のコーディネイターに倒されれば、アイツの遺伝子的優位性
とやらは証明できない筈だ」

――シン=アスカは、本当の戦う理由を見つける――

『一目見た時からお前が気に食わなかったんだよ、移民の安物! でもこれで終わりだ。
お前は犯罪者になった上で死ぬんだ、シン=アスカ!』
「フン」
 最新鋭のザクウォーリア1機、ゲイツR4機に包囲されたジンの機内で、紅の瞳を持つ
少年が額に汗を浮かべ、低く笑う。その戦闘をスクリーンで見つめるのは、癖のある長い
黒髪の男。傍らにレイを立たせ、ゆっくりと足を組んだ。笑みを深める。
「さて、どうなるか……」
13GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/17(日) 23:21:10 ID:???
新スレ立てお疲れ様です。

スレ違いなので続く筈もありません。そしてシンのアカデミー時代について描いている媒体は
全くチェックしていないので、それとの齟齬があるかもしれません。
14通常の名無しさんの3倍:2009/05/17(日) 23:25:33 ID:???
教官サトー以外はありえるかもしれないなぁ
15通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 00:03:58 ID:???
(´д`)。о〇(後々を考えるとメイリンを助けた意味はあったのだろうか?)
16通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 00:27:13 ID:???
シンがキリコに
17通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 01:00:08 ID:???
豪華な新スレ乙にGJ!
普通にありえそうな話だなぁ。ってか、クールなシンってヒイロに似てるな
18通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 01:02:13 ID:???
>>15
人は皆、運命には逆らえませんから byマシュンゴ
・・・シンに対しては嫌な言葉だな
19通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 01:59:52 ID:???
>>16
ヴィーノ「どーだいシン、この色はよぉ。地獄の使者、ザフトレッドだ! シンちゃん、お気に召して?」
シン「…ザフトレッドの赤はもっと暗い、血の色だ。それとマークは右肩だ」

立ち位置的にフィオナはステラ辺りか?
20MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/18(月) 07:01:21 ID:???

敵の血潮で濡れた服。 地獄の鬼と人の言う。

アプリリウスに、黒海クレタ沖海戦の鬼神が蘇る。

オーブ近海、ヘブンズベースに、無敵と謳われたザフト最強艦、ミネルバの切り札。

情無用、命無用の鉄騎兵。  この命、敵の命全て也。

最も高価なワンマンアーミー。

次回「ザフトレッド」

シン、危険に向かうが本能か。


新スレ乙です。
最低野郎と聞いてやってきました!
21通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 10:56:18 ID:???
ここはガンダムだけじゃなくて最低野郎も好きな奴らのすくつ(←なぜか変換できない)ですねw
スレ違いではあるが、異端後の異能生存体なあの人が本編後の種世界に来てラクシズを衰退させて
どこかへと去っていき、シンも銀河万丈ボイスな人と共にそれを追っていくとか想像はしたことがある
22通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 12:16:52 ID:???
最低野郎は見たことないけど改変ネタが格好良すぎるから困るw
見たら色々と終わりそう(財布、睡眠時間的な意味で)だから見ないけど
23通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 12:24:06 ID:???
ハーロックネタで書こうとしてシンがヴィーノとヒルダの子を守る話になったがヒルダをエメラルダス化して出そうとして失敗して投げた
24通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 12:26:34 ID:???
なんでヴィーノとヒルダw
25通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 12:45:48 ID:???
シンの知り合いにアルカディア的な戦艦を作れるのが居ない

マユがシンの子だとシンが死なないとならない

とりあえずルナがエメラルダス化は違う気ガス

>>23と言う流れ
26通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 13:33:38 ID:???
>>21
「そうくつ」ですよ


議長「わたしが!わたしがキラ・ヤマトであったなら!わたしがスーパーコーディネーターであったならぁ!」
27通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 15:24:07 ID:???
ステラがフィオナで議長がロッチナならキラはイプシロンでアスランはカン・ユー。
ルナマリアはココナか
……ん? って事は最後ヴィーノ辺りとくっつk赤いザクが! インパルスが! ガルバルディが!
28通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 15:33:59 ID:???
フィオナじゃなくてフィアナだよ
あと凸=カン・ユーはカン・ユーに失礼だぞ
彼は無能だが裏切り者ではないし

……ボトムズネタはこのくらいにしといたほうがいいな、スレ違いだし
それより前スレ埋めようか
29通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 16:18:40 ID:???
その前スレで死体の山が出来ている件について
30通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 17:48:41 ID:???
>>29
いつものことじゃん
31通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 18:38:02 ID:???
>>30
とんでもないことさらっと言うなぁと思ったがよく考えたら
シンに燃え、ヒロイン'sに萌え、コンプレックス(誰のとは言わないが)に触れ、血河屍山を築くのはいつもの事だったな。
逆シンスレは今日も平和だ……
32通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 19:07:41 ID:???
部下「隊長!周りは全て敵だらけです」
シン「わかっている、騒ぐな…よし。コーヒーを煎れた、飲むか」
部下「え…は、はい!いただきます!」
シン「末期のコーヒーか…いや、果たして俺達の命はこのコーヒー豆より価値があったのかな」
(くいっと飲み干し)
シン「よし、いくぞ!」

あなたのコーヒーの価値はいくら?覚悟を決める漢のコーヒー。
ミハシラフーズから。
33小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 21:54:05 ID:???
「あっ・・」
声がする、甘い、蕩けるような甘い声が暗いしじまに木霊している。
「ああっ・・」
この胸に泥の様にその声が粘つく、この四肢に鎖の様にその声が絡みつく、抗えぬ楔をその声がこの身に打ち込んでいく。
「ああっ・・はっ・」
まるで物知らぬ子供の様に獣の様にその柔らかな白い肉を、赤い唇を、広がる髪を、ただ貪ることしか出来ない。
「あっあっ・はっくぅ・・あっああぁぁぁー」
一際高い嬌声がしたあと絡み合っていた黒い獣と白い蛇はその結合を解いた。
荒い息を吐きながら仰向けになった獣シンの胸に、組み敷かれていた蛇ラクスが頬を預けて艶然と微笑みながら話し出す。
「シン、貴方の所属を今日から騎士団にします。それに専用のMSも開発させますわ、なにか希望があれば何なりと仰って下さい、貴方は私の新たな剣その貴方の為ならば出来ることは何でも致しますわ」
さすがに最高権力者、大盤振る舞いではあるがシンはこれといった希望は無いと告げる。
MSも今使っているセイバーで充分だ、大体専用機が無いと戦えない訳ではないし完成を待っていたらいざという時に間に合わないと言うと、
ラクスは頼もしそうなそれでいて詰まらなそうな顔をするとこう続けた。
「では、そのセイバーを騎士団仕様に改修させます。見栄えというものも有るのですからそれくらいは構いませんでしょう」
たしかにそんな物かも知れない、それにセイバーは修理の為にドックにあるから丁度良いだろうと考えて、
それは了承すると答えると花が開くように嬉しそうに笑ってから自ら跨ってきた。
この笑顔と仕草に騙されてはいけない、どれほど美しかろうともこの女の本性は狡猾な蛇だ、言葉巧みに禁断の実を喰わせ楽園を追放させて戦場へと誘う魔性なのだ。
自らの上で妖しく、美しく踊る裸身を熱のこもったしかしどこか冷めた赤い瞳で見つめていた。

翌日からシンの立場は劇的に変化した。
一足飛びにラクスの親衛隊長(団長であるキラが兼任していた)に任命された上に改修機とはいえ専用機を預けられる事となったのだ、
しかもラクス自身がシンのことを新しき剣と公言して憚らない。
これでやっかみが無い等ありえない、事実騎士団内での評判は最悪である。
曰く間男、枕ホスト、ラクス様の傷に付け入った外道、きっと凄いに違いない等々、枚挙に暇が無い。
34小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 21:55:14 ID:???
もっともMSパイロットとしては前の動乱時よりエースとして名を馳せていたし、
なによりもキラの仇を討ったという戦果がある以上は表立ってなにか言う人間はほとんど居なかった。
逆に複雑ながらも喜んだのが団長であるアスラン(正式に昇格した)である。
騎士団の中核が自分以外全滅という状況でシンの加入は正直ありがたい、なにしろMSパイロットでも腕利きで残っているのは自分も含めて両手で数えられる人数だ。
しかも近頃のシンは始めて会った頃と違って真面目に仕事に取り組むし自分の言うことも素直に聞く、しかも少々複雑な気持ちだがキラを失ったラクスを支えてくれているようだ。
ここは色々と面倒を見てやらなければと張り切る始末である。
もっともシンからすれば余計なお世話である、実際シンは昔から仕事は真面目にこなすし上の指示もきちんと聞く、アスランの指示も反発はしたがちゃんと受け入れていたのだ。
もっとも途中から「キラは敵じゃない」とか正式な作戦でフリーダムを撃墜したときに「なんで殺した」とかいって殴りかかり、あげくメイリンを連れて裏切ったのはこの男である。
そんな凸の言うことをあの時点で素直に聞く人間など居るはずも無い、事実シンはアスランのことを今でも全く評価していない、
精々が小うるさい凸だけど上司だから仕方ないくらいの感覚である。
いやな言い方だがシンも大人になって処世術を身につけたということだろう。
シンが騎士団で仕事(ほとんどがラクスのお供)をこなし始めてから一週間ほどたった夜のこと、
クライン邸に呼ばれたシンの前には、風呂上りなのだろう裸の上にバスローブをまとっただけのラクスがいた。
シンにソファーに座るように言うと自分はワインセラーからシャトー・ドメーヌ・ド・シュヴァリエの赤とグラスを2個取り出してシンの横に座る。
手ずから酒を注ぐとグラスと共に書類を一冊差し出してきた。
「セイバーの改修が終わったそうですわ、なんとか式典には間に合いましたわね」
手渡された書類は使用していたステルスセイバーの改修点とスペックを表した物であった。
ペラペラと捲くりながら主な変更点を確認していく。
まずは頭部をかつてシンが乗っていたデスティニーを模したものに交換し、騎士団仕様らしく白をベースに胸部、前腕部、膝部、つま先を黒に塗装し直した。
なんとなくフリーダムを髣髴させるカラーリングはラクス曰く記号というのは判り易い方が良いとの事であった。
ちなみに金色間接はシンが頼み込んで止めてもらっていた。
武装面では両手足にイージスと同じタイプのビームサーベルをMA形態時のウイングにガイアのグリフォン2と同様のビームブレイドを追加。
腕にビームサーベルを組み込んだ為アーマーシュナイダーを腰部に、肩のビームサーベルラックは姿勢制御スラスターに変更。
防御面には変更は無くシールドに鏡面処理を施すだけに留まった。
当然、動力部を核分裂炉に変えたことにより従来の兵装であるビームライフルとアムフォルタスの威力は3割り増しになっていた。
35小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 21:56:15 ID:???
シンが一通り確認するのを待ってから
「名前は、そうですわね、貴方の運命の剣ですからデスティニーセイバー、略してDセイバーでいかがでしょう」
シンにとってデスティニーとは思い入れはあっても良い思い出は無い機体である。
ちょっと考えたが自分は運命とやらに縁があるのだろうとそれで良いと軽い気持ちで決定した。
続いてラクスは式典について話し始めた、今日から5日後にメサイヤ戦役の終結記念日があり、ここプラントでは大規模な式典が催される予定である。
その場で新たな守護聖剣としてシンのことを大々的に発表することにしたとの事であった。
もちろんシンの立場では断ることなど出来ない、これは要請ではなく命令だからだ。
いつの間にかしな垂れかかって来ていたラクスに気が付いたので窘める。
「議長」
「名前で呼んでほしいですわ、あの時みたいに」
見るとラクスの顔はほんのりと朱に染まり手がシンの太股あたりを這い回っている、あの晩以来よほど気に入られたらしい。
あれから何度か相手をしていたが、どうやら今日も相手をしない訳にはいかないようだ、ついでにキラは如何だったか聞くと心底可笑しそうに笑ってから
「シンの方がずっと上手ですわよ。貴方を知ってからキラはワンパターンで物足りなかったと思いますもの」
と返してきた、嘘か本当かは判らないが楽しんではいるのだろう、『なら精々楽しませてやるさ』と思って乗ることにした。

次の日からは忙しかった、Dセイバーの受領、式典の準備、相変わらずラクスの相手とめまぐるしい時間が過ぎ、ついに明日が式典の日となっていた。
毎年シンはこの日は共同墓地にある慰霊碑に来ていたのだが、流石に明日は来る暇も無いと前日である今日に時間を見つけてここに来たのだ。
ここに葬られているのはあの日に亡くなった人間全員である。
本来はそれぞれ個人の墓があってしかるべきではあるのだが、プラントは宇宙コロニーである以上敷地面積が限られている上に、
現体制に逆らい<悪>のレッテルを貼られてしまった人達は戦没者として一纏めにされて祭られた。
それでも、家族が捧げたであろう色鮮やかな花が献花台に添えられていた。
彼も花を添えると瞑目してから仕事に戻ろうと踵を返したとき前方から声が掛けられた。
「なんであなたがここに居るんですか」
見やるとそこにはコムス・グラディスがやはり花を手にして立っていた。
「決まってるだろお前と同じさ、墓参りに来た」
コムスも花を捧げて先ほどのシンと同じように瞑目してからシンの隣に並んで歩き出した。同じ歩調でゆっくりと歩く、なにか話したそうにしているが此方から話しかけないでいると焦れたように喋りだす。
「どうしてですか?」
言いたいことは解る、どうして騎士団に入団したのか聞きたいのだろう。
「議長直々のご命令だ、逆らえないさ」
「そんなこと聞いているんじゃありません」
『だろうな』とは思う。しかしなにを言っても言い訳にしか成らないのだから、それ以上話す事など無い。
あとは無言で歩き続けていると腹を立てたのか、失望したのかコムスは何も言わずに足早に去っていった。
コムスの姿が見えなくなるのを待ってから足を止めたシンは空を見上げてひとりごちると今はもう懐かしい人達一人一人の顔を思い返した。
「今の俺をみんなが見たら笑うか呆れるか、いやそれとも怒るかな」
守りたいと願った少女も道を示してくれた恩人も夢を託して逝った親友もそんな顔など見た記憶もないのになぜか悲しそうな、哀れむような顔をしていた。
36小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 21:57:49 ID:???
翌日、メサイヤ戦役終戦記念式典は滞りなく粛々と進行していた。
開会の挨拶に始まり、黙祷、来賓祝辞と続く。
そしてラクスによる演説が始まった、この演説の途中でキラの死、そしてその仇を討った新しい剣シン・アスカの御披露目となる予定である。
「皆様、私はラクス・クラインです。今日の良き日にまずは悲しいお知らせをしなければなりません。皆さんが愛してくださったCEの聖剣キラ・ヤマトは過日、このプラントで卑劣にも多くの人命を奪ってきた凶賊の手に係りその尊い命を奪われました」
すでにプラント内では噂になっていた、しかし今はっきりとその言葉が紡がれた事により2度に渡る戦いを終結へと導いた英雄がもう存在しないのだという事実が知らされて、そこかしこからすすり泣きが聞こえてくる。
ラクスの演説は続く、キラがどれほど優れた人物であったか、その功績等明らかに脚色された大仰なものである、これが死んだ英雄の使い方の見本の様な見事な弁であった。
そして遂に運命の瞬間が訪れる、そのキラの仇を討ったCEの新しき聖剣の登場である。
「今ここで、私は一人の勇者を迎え入れたいと思います。その方の名はシン・アスカ。
彼は英雄キラの盟友であるアスラン・ザラの薫陶を受け遂に忌むべき凶賊を打ち倒したのです。
私はここにシン・アスカをこのプラントのいいえ、この世界の守護者として認め新しき聖剣の担い手と致します」
ラクスの言葉に合わせてシンはDセイバーを上空へと躍らせると儀礼用に持っていたテンペストを掲げてビームを稼動させた。
この段になって式典はクライマックスを迎えたといってよい。聴衆は口々にラクスの、そしてシンの名を連呼し始めたのである。
その光景をコックピットから眺めていたシンは聴衆を一瞥して段上から両手を広げて、演説を続けるラクスをしっかと見やる。
奇しくも「まず決める。そしてやり遂げる」と語っている瞬間だった。
「そうだな、俺は決めた。だから後はやり切るだけだ」
シンは苦笑気味に口元を歪ませるとテンペストの出力を最大に上げて機体を操った。
一瞬ラクスの声が蘇り、躊躇するが自らの胸にある炎に身を任せて感情を爆発させる。
「消えうせろ、ラクス・クライン!」
気合の声を上げながらDセイバーを急降下させ、光の刃を舞台にいたラクスに向かって叩きつける。
その瞬間こちらを見あげたラクスはここにいる人間の中でただ一人全てを理解した。
「シィィィィン!!」
ラクス・クラインは叫びと共に光の奔流の中に消え去った、むしろ無残な屍を晒さなかったのは1度ならず肌を重ねたシンの優しさだったのかもしれない。
展開されたビーム刃の光の中にラクス・クラインが消え去り、Dセイバーが飛び去る瞬間までそこにいた人間たちはなにが起こったのか理解出来なかった。
アスランですら、いやアスランだからこそその光景が信じられなかった。
衆人環視の前でラクスが殺された、しかもその犯人はラクス自身が新しい聖剣と言った男だ。
更に言えばその男は自分も信用し頼りにしてきた部下だ、なんでこんな事をした? なぜ裏切った? 何故だ? 何故だ? 何故だ?
「あとはお前だ、アスラン・ザラ」
アスランの上手く働かない頭の中でインカムから聞こえたシンの言葉だけがグルグルと回っていた。
舞台に残されたテンペストがまるでラクスの墓標に捧げられた十字架のようであった。
37小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 21:59:03 ID:???
式典での凶行から1時間、プラントは蜂の巣を突付いた様な騒ぎに陥っていたが、
ようやく平静を取り戻したアスランと他の者達によってシンの討伐が騎士団全てに通達され、捜索が始まっていた。
シンの足取りはそれほど労する事なく捕捉された、首都であるアーモリー1を脱出後に廃棄コロニーであるメンデル方面へ逃走したとの情報が入って来ていた。
この報に対してアスランは首都防衛大隊から2個中隊を差し向ける、この戦力は実に現在プラントに存在する騎士団戦力の3分の1に当たる大部隊である。
ここで現在の騎士団の編成をMS部隊に限り軽く紹介しておこう。
まずMS3機を持って1小隊、5小隊で1中隊、5中隊で1大隊、3大隊で1連隊である。
そして騎士団の中核たる量産型フリーダムの部隊はいまだ2連隊分しか配備が進んでおらず、それも地球圏の各地に分散している。
したがってプラント本国の戦力は首都防衛大隊と騎士団の下部組織である、旧ザフト系列のプラント平和維持軍が存在するが騎士団の面子の理由からの派遣となった。
それでも量産型フリーダム30機対改修型とはいえセイバー1機である。いかにシンがエースパイロットとはいえ結着は直に付くと思われた。
はたして決着は付いた、正し誰も予想しなかった方向でだ。
「MS2個中隊30機が全滅しました。またローラシア級を含む戦闘艦4隻轟沈、生き残った艦より、あ、その」
アスランは報告官が言いよどむのを一括すると報告を続けさせる。
「はっはい、ザラ閣下に凶賊シン・アスカよりメッセージがあると」
シンの伝言は要約すれば、今までの事件は全部自分がやった。殺したいならこんな雑魚では無く、アスラン自身が来いというものであった。
それを聞いたアスランはすぐさま立ち上がり、エターナルの出港を命じた。
あまりの剣幕にその場にいた者で反対できる人間は誰一人として居なかった。
そのころシンはメンデル近くの宇宙を漂っていた、コックピット内で大きく息を吐くと先程の戦闘について思いを馳せる。
騎士団の錬度が低くて助かった、いかに機体性能が高かろうとパイロットが性能を引き出せなければ問題にならない。
とは言え30機のMSを片付けるのは手間が掛かって大変だった、流石に物量で来られると身体が持たない、早々に結着をつける必要はある。
問題はアスランが出てこない場合だが、あれだけ挑発してやればあの凸なら間違いなく出てくる。
「あとふたつ」
口からポツリともれた言葉はシンの戦いの終焉が近いことを物語っていた。

勇躍エターナルで出港したアスランはシンが騎士団と戦った宙域まで来ると愛機∞ジャスティスを発艦させてオープンチャンネルで通信を送った。
「来たぞシン、何処に居る! 出てきて俺と戦え!」
2度3度と呼びかけるが返答は無い、焦ったアスランはエターナルから離れ更に通信を繰り返す。
まさか騙されたかと思い、本国の様子を知る為にエターナルの方向を振り返ると、まさにエターナルの艦橋にランサーダートが突き立った瞬間であった。
艦橋上の空間が一瞬揺らぎ、ミラージュコロイドを解除したDセイバーが姿を現すとすぐさまアムフォルタスを構え、艦首に装備されているミーティアに向かってプラズマビームを叩き込む。
この一撃でミーティアに内蔵されたミサイルが誘爆を起こして爆散しエターナルは大破した。
「これでミーティアは使えなくなったな、アスラン」
「シン!」
38小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 22:01:06 ID:???
ついに現れたDセイバーに対してビームライフルを撃つ∞ジャスティスだがその攻撃はセイバーのシールドによって悉く弾かれる、いや効かないだけならまだしも鏡面処理されたシールドを駆使してビームをそのまま反射させてくる。
これはインパルスに乗っていた頃も使用した技であり、数年を経てシンの得意技の一つとなっていた、
故にシンはビームシールドではなく実体盾を好んで使用するのだ。
戦いを続けながらも二人の会話は進行する。
「なんで、お前がこんな事をする!」
「はっ、お前も解らないか。なら言ってやる!これは誓いだ。あんな結末は認めないと、総てを奪い去った者が勝者などとは許せないと、俺の中に満ちる怨嗟の声が断罪を、贖罪を求めた結果だ!解ったかこの凸禿!」
「俺は禿じゃない!」
突っ込むとこは其処かよと思いつつ、この男はやっぱり話を聞かないなと再確認した。
一方向からの攻撃ではらちが明かないと悟ったかファトゥム-01を分離させ挟撃を仕掛けるアスランだがシンはDセイバーをMA形態に変形させるとスラスターを噴かして離脱する。
十分に距離をとり旋回したシンはそのまま∞ジャスティスに向かってアムフォルタスを撃ちながら高速で突っ込んだ。
突っ込んでくるDセイバーに対してMA形態では盾を使った防御は出来ないとファトゥムに搭載されたフォルティスビーム砲とビームライフルで迎撃するアスランだが、
シンは機体を左右にバレルロールさせて攻撃をかわしながら翼のグリフォン2ですれ違いざまに切りつける。
ギリギリで身をかわしたアスランだが∞ジャスティスの鶏冠を切られてしまう。
「よくかわしたな、けどなぁ!」
身をかわされたシンはすぐさまMS形態へとDセイバーを変形させて、無理矢理に急制動を掛けると左手、両足のビームサーベルを展開させ、左切り下げから右後ろ回し蹴り、左前回し蹴りの順で切り付ける。
この3連撃を嫌ったアスランが∞ジャスティスを下がらせたところに追い討ちのビームライフルを叩き込がこれはビームシールドに阻まれた。
距離を取って対峙した両機だが双方共にビームサーベルを構えると同時に駆け、丁度中間地点で鍔迫り合いになる。
「カガリを殺ったのもお前か!」
「ああ、アレだけは誤算だったな。俺が殺る前に何処かの誰かに殺られるなんてな」
カガリはオーブの国家元首である、普通ならプラントの公安局員であったシンに接触する機会など無い、
そこで元首の座から引きずり落とそうとオーブ氏族の醜聞を調べ上げて色々と現地のマスコミにリークしていたのだが、
シンが考えていたよりもオーブでは氏族に対する鬱憤が溜まっていたようだ。おかげで自分が手を下す前にカガリ暗殺という事件が起こってしまった。
もっとも本来ならアスランを先に潰してクライン邸に引き篭っていたキラを引きずり出す予定がそのおかげで自分から飛び出して来てくれたのは幸いだった。
「キラは好い奴だったんだぞ!」
「相変らずそれかよ、聖剣だとか持ち上げられた割には大した事無かったぜ!」
もっとも不意打ちを仕掛けたのだが相手も不意打ちは得意の戦法だし、あの頃はまだ自分の身が危険だと分かっていた筈である、引っかかるのが馬鹿なのだ。
証拠映像に関しては自作自演だ。
カガリ暗殺を知ったシンはキラがオーブに向かうと直感し、急いでセイバーを発進させ隠しておいた量産型フリーダムに乗り換えてプラントとオーブの直線上に陣取った。
その後セイバーはオートクルーズ状態にしておき、キラを捕まえた所で戦闘しながら誘導して撃墜、その後は自動で攻撃を仕掛けてくるセイバーと戦っているように見せておき、頃合を見計らって脱出しセイバーに戻った次第である。
はっきりいって並みの腕ではない、キラとアスランが腑抜けていたときも研鑽と実戦を重ねてきたからこその技である。
これについてはラクスの弁は正しかった、まさに鍛え磨きぬかれた剣である。
ただし、自らを守護してくれる聖剣ではなく、その命を奪う魔剣であったのは皮肉ですらあるが。
またキラを失ったラクスにシンが近づける機会をアスランがシンに報告を押し付けたおかげで出来たことも大きかった。
39小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 22:02:53 ID:???
「シィィィィン!」
ここでアスランのSEEDが発動した、先程までよりも動きに鋭さが加わり、速さも増す。
力任せにDセイバーを弾き飛ばすと前転の要領で回転しながらファトゥムを分離させて、突っ込ませる。
「うおおぉぉぉぉ!!」
Dセイバーがファトウムのブレフィスラケルタに貫かれる直前、獣の如き咆哮と共にシンのSEEDが発動した。
SEEDを発動させたシンはオーバーヘッドキックの要領でファトゥムを下から蹴り上げ無理矢理軌道を逸らすと、背中のアムフォルタスを撃ち込みファトゥムを落としにかかるが、この攻撃は右側の翼とフォルティスビーム砲を削るだけに留まった。
アスランは∞ジャスティスの前に逆立ちで背中を晒したDセイバーの上体に左右からシュペーラケルタビームサーベルで襲い掛かるが、この攻撃をシンはアムフォルタスの反動とスラスターを全開にして下方へと離脱するとMA形態へ変形し、なにかと邪魔なファトゥムを追いかける。
シンの狙いを察したアスランはファトゥムを呼び戻すとジャスティスと連結させ真っ向から迎え撃つ。
「ラクスはお前を信じていたんだぞ」
「どうだかな、あの女は俺たちなんぞ駒としか考えちゃいなかったと思うがな」
すれ違いざまに∞ジャスティスのビームサーベルがDセイバーにマウントされたビームライフルを切り飛ばし、Dセイバーのグリフォン2がファトゥムの残った左の翼を切り裂いた。
「知ってるかラクス・クラインの声はコーディネイターの精神に直接働きかける効果があるそうだぜ、メンデルの資料の中に記述があった」
「嘘だ! お前は自分の良い様に真実を捻じ曲げて」
「はん、議長のデスティニープランは自分たちに都合が良い様にでっち上げて俺の言うことは嘘かよ」
これは事実である、どの様な意図であったのかラクスの父シーゲル・クラインがそのような調整を彼女に施していたのだ。
この声の影響でシン自身も危うく取り込まれるところであった。
もっともシンの場合一旦は取り込まれかけたがその騎士団に対する反骨心、否強烈な憎悪がその呪縛を断ち切ったのは皮肉でしかない。
シンは再びMSにDセイバーを変形させると腰からアーマーシュナイダーを引き抜き、振り向きざまに投擲する。
これが同様にこちらに振り向いた∞ジャスティスに当たる瞬間、持っていたビームライフルで防御したがそのままビームライフルに突き刺さり使用不能に追い込んだ。
これで双方手持ちの火器が無くなったため両手にビームサーベルを展開させる。
先に動いたのはアスランだ、背中からファトゥムを再度離脱しブレフィスラケルタを起動させてDセイバー目掛けて撃ちだす。
これにシンはアムフォルタスを前面に展開させると連射モードで撃ちまくり、ファトゥムの撃墜に成功するがこれは囮であった。
ファトゥムの爆煙の中から∞ジャスティスが躍り出たのだ、PS装甲が物理衝撃に強いことを利用した一種の目くらましである。
40小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 22:04:46 ID:???
咄嗟に機体を捻ってかわしたシンだが左のアムフォルタスがビームサーベルに貫かれて爆散、胴体部にもダメージを負ってしまう。
その衝撃でコンソールやパネルの一部が壊れたが気にしている暇は無い。
咄嗟に右の上段蹴りを放つがこれもアスランは同じく右中段蹴りで迎え撃つ、奇しくも月面での戦いの再現だ、あの時同様Dセイバーの右足が切り飛ばされる。
しかし今度のこれはシンの罠であった、Dセイバーの爪先にはビームサーベルがある、この相打ちで∞ジャスティスの鼻から上の部分と右肩のスラスターを破壊した。
さらにお互いに背を向けた状況において背面にある右のアムフォルタスのトリガーを引く、この一撃が上手く∞ジャスティスの左腕を肩から吹き飛ばした。
これでDセイバーは左のアムフォルタスと右足を失い、胴にもダメージを負った代わりに∞ジャスティスのファトゥムと左手、右肩のスラスターに頭部を破壊した。
「憎しみだけで戦ってなんになる!」
「俺にはコレしか残らなかったぁ!!」
距離が開いた両機だが動きを止めることなく激突する、Dセイバーが左の大上段からビームサーベル切り下ろすのを∞ジャスティスがシュペーラケルタで切り払う、左腕が肘から持っていかれたが、
がら空きになった胴に右のアムフォルタスを突きこみトリガーを引く、プラズマビームが発射される寸前に∞ジャスティスの左足がアムフォルタスを破壊して諸共に砕け散った。
仕切り直しに下がるアスランだがシンはそのままDセイバーを∞ジャスティスに肉薄させる。残った右のビームサーベルを∞ジャスティスのコックピットに突き入れるが、
いつの間にか逆手に持ち替えていたシュペーラケルタで下から手首を飛ばされた。
「終わりだぁ! シン!」
∞ジャスティスは振り上げた右手のシュペーラケルタを今度は順手に替えてDセイバーの頭頂部に振り下ろす。
「まだだぁぁぁぁ!!」
雄たけびを上げたシンはDセイバーのスラスターを全開にして翼のグリフォン2を起動すると∞ジャスティスの懐に飛び込んですれ違いざまに胴を真っ二つに断ち切った。
「そんな、キラァァァァ!」
動力部を破壊された∞ジャスティスが光と消える、最後の絶叫と共にアスランは愛機と運命を供にした。
「はあっ はあっ はあっ はあっ あとひとつ」
荒い息を吐きながら後の事を考える。
そうあとひとつ、あとひとつですべて終わる。
ロミナに手を引かれた子供達を孤児にしたのは自分だ、それだけじゃ無い、知らないだけで俺が不幸にした人間だって沢山いる。
あいつの言っていた事で一つだけ正しかったことがあった『憎しみだけで戦うな』か、確かにそうだ憎しみだけで戦った俺たちはお互いにこのざまだ。
守ると誓った力で結局奪うことしか出来なかった、復讐に手を染めたときから決めていたことだ『罪には罰を、悪には報いを』だから笑って受け入れる。
この最後に残ったもう一つの命を消さなければならないがどうやら何もしなくてもこのまま消えてくれそうだ。
「うっ ごほっげほっ」
コックピットでシンは咳き込んだ、目の前のバイザーが真っ赤に染まる、さすがに性能で劣るDセイバーでアスランと∞ジャスティスの相手をするために急加速と急制動の繰り返しは無茶をしすぎた様だ。
途中で何度か意識を失いかけた、それに壊れたコックピットの破片が脇腹に深々と食い込んでいる、おそらく内臓までいっているだろう。
消えかけたモニターに目を向けると星が一筋流れていくのが見えた、どこかの国では流れ星に願いをかけるとかなうと聞いた事がある。
こんな時にそんな事を思い出す、意外とロマンチストだったのかも知れないと知らず笑いがこみ上げてきた。
「くっくっくっ はっはははは あっはっはっはっはっ」
ひとしきり笑った後でそれもいいかと考える、一寸照れくさいがどうせコレで最後だ。
「俺の願いは・・・・・・」
ほんのささやかな、それでいてとても大きな願いを口にするとシンは眠りに付いた。
静寂だけがそこに残った。

ここガルナハンの朝は早い、その日の朝もコニール・アルメタはまだ夜も明けぬうちに起き出して開店の準備を始めた。
ふとまだ暗い空を見上げると東の空に一筋の星が流れていく。
どこかの国では星が流れるのは人が死ぬ証だと聞いたことがある。
そのとき頭をよぎったのはあの時以来合っていない懐かしい赤い瞳の少年だった。
コニールはなんとなく胸の前で手を組み、彼の無事を祈った。
なぜか一筋涙が零れた。
41小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/18(月) 22:16:17 ID:???
終わりました。
んが、なんかスレ住民のみなさまを敵に回したか?的なやっちまった感がすごくします。
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
言い訳させてもらうと本文中でも少し触れましたが、本来の戦う理由を自ら捨てて
復讐者になった彼の最後がこれしか思いつきませんでした。
では、よろしかったら感想頂けたらと思います。
42通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 22:22:23 ID:???
>小話氏
個人的にはアリ。
だけど、どうせなら二重人格になってたとかなら、サイコサスペンスとかミステリーぽくてよかったかも。
これも一つの平和だと仕事に打ち込むシンと、
ラクシズ許せずで分裂した復讐者シンの二つの人格の話とか。
43通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 22:29:57 ID:???
投下乙です
こういう終わり方も悪くはない
というか自分は例の短編の影響でロミナママン達が首謀者だと思ってたな

今度はあの短編の続きをお願いしたい
44通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 22:40:51 ID:heHRvT09
>小話氏
どうせならカガリも「直接」討ち、マユ、ステラ、レイ、議長etc.の魂に笑顔で
迎えられるシンが見たかった気もする
45通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 23:01:01 ID:???
乙です、シンの結末には意見が分かれるかもしれませんが
これで良いのだと思います
カガリに関しても、正直今更シンが手を下すまでも無い奴でしょうし
名前も出ない国民の怒りに討たれるのが一番似合いでしょうね
途中がサイコサスペンス調だったので、最後までソレでいくと思ったのですが
こんな復讐劇の切ないラストも大好きなんで全然OK

お疲れ様でした、後日あらためて頭から読ませていただきまっせ!
46通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 23:20:08 ID:???
>>41
GJです! バッドエンドって言えばそうなんでしょうが、違和感を感じることなく、
すらっと読めました。ただ救いらしい救いがなかったあたりが切ないですね。
なにはともあれ、投下乙でした!
47通常の名無しさんの3倍:2009/05/18(月) 23:31:15 ID:???
GJです。
これもひとつのリベンジなので、宜しいかと。

願わくは、シンが皆に迎えられて、
優しい温かな世界で眠れることを。

残った現世の皆さんは、これからが大変でしょうけど、
ラクシズ統治下より、ましな世界を作れるから大丈夫。
・・・あれより酷くなることはないでしょう、どんな政治屋でも。
48通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 00:13:33 ID:???
GJ!
敵に回した、という事はないと思いますよ。
復讐を遂げたシンは少しは満足でしょうね。争いを無くすっていう夢は難しいよなぁ

グリフォンブレイド付いたセイバーってかっこいいな。
49通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 00:35:38 ID:???
純然たる復讐者シンって意外と少ないように感じたので新鮮だったです

ピンクはあれくらい悪女全開なら不快感は沸かなかったんだがなあ

復讐ものとして纏まってたと思います。
GJでした。
50通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 00:47:37 ID:???
腹のイチモツ隠したまま最後に本懐の逆襲を遂げるっていうのはすごく新鮮だったな
ただ、このスレ的な言い方をすれば本編中にシンに抱かれた、
否、生々しくアスカ姫を抱いて姫取りレースの先取点をあげたのはまさかのピンクだということだな
51通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 01:09:09 ID:???
>>50
ばか! あの方が動き出して小話氏に何かあったらどうする!?

くそ・・壁にくらいなってやるさ。やーい、絶壁、まな板、虚無、えぐれ・・・ry
52通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 02:05:16 ID:???
これはあれだろ、ラクスのバスとトップの数値があと2cm高かったら
歴史は変わっていたとかそういう(ry
53通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 02:08:33 ID:???
毛色が違う作品で面白かったぜ
女帝とくっつくのかとおもってビクビクしたぜ
54通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 04:09:08 ID:???
大公とも肉体関係はあった(よな?)しシンの筆下ろしをしたコニールもいる
一度や二度シンを抱いた程度でトップ気取りなど片腹痛いわ!!!

>>小話氏
復讐の末の破滅とか自分が死んで計画達成とか大好物なんで問題ナッスィンッ
55通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 07:33:13 ID:???
小話氏GJ!
それにしても前スレ>>1000は無謀な事をしたものだ……
なんかアズ子安って御大将っていうより御大嬢って感じだな
56通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 08:16:20 ID:???
アズ子安「朝から絶好調である!」
57通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 10:02:18 ID:???
これまでのところ、コニール、太閤、ルナ、ママン、ピンクあたりが唾をつけたアスカ姫だが
これってつまりミナ様やアズ子安らは大きく出遅れてるってk
58通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 10:29:58 ID:???
GSC氏がそういう濡れ場的な話を全く書かないからなあ。七子のSS読む限り、エロも書けそうだけどw
59通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 10:53:23 ID:???
つGSCIIのゆりかご内でのシンの妄想
ってか以外と童貞じゃないシンって多いんだな。
60通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 10:53:40 ID:???
GSC氏はミナ様×7子で百合ん百合んな方だから・・・
61通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 11:46:24 ID:???
「あ・・・あうううう」
「目を覚ましたか!
 無事でよかった!」
「こ・・・・ここは・・・・」
「ガルナハンだよ!砂漠に何か落っこちてきたと聞いて、何故か妙にそこへ行かなきゃ、と
 気になったんで来てみたらまさかお前だったなんて!
 今ニュースとか大変だぞ!『歌姫の新たな聖剣の反乱』とかいって」
「キミは・・・・・誰? そしてぼくは・・・・・・いったい・・・・・」
「お前・・・・・・はっはっは、そうかそういうことか!」
「ほへ?」
「髪染めて、カラーコンタクトはめなきゃな。丁度火傷で顔なんか判らないし」
「あの、えっと・・・・・なんなんでしょう」
「そんな心細そうな顔すんなって!お前は今日からガルナハンで普通に、平穏に、そして平凡に生きていくんだ。
 名前は・・・・・そうだな・・・・お前の名はネモ。
 『誰でもない男』だ!」


ごめんなさい、小話氏の作品見てなぜかこんなん思いついた。
反省はしてるけど後悔はしていない
62通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 12:29:29 ID:???
ニート准将は地球からプラントにワープしたから それもありだな
63通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 12:42:02 ID:???
>>62
あれはなぁ……本編中で一切言及無しで目が覚めたらプラントでした。だからな。
スパロボWではじめて真相を知った人も少なくないんじゃなかろうか
64通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 12:50:22 ID:???
>>63
なんせ監督ですらダムエー読んで「へー、キラってこう助かったんだ」とかホザいたそうですから
65通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 14:07:41 ID:???
>>64
むしろ極めてあの監督らしいと思うぞ、俺はw
66通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 15:41:12 ID:???
>>65
そういう話を聞いて、しょうがねえなこの人と苦笑いが浮かぶんじゃなく、本気で不愉快になるあたり
監督の人望だよな
67小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/19(火) 17:33:07 ID:???
朝一番の熱いシャワーを浴びて窓を大きく開ける
注がれる陽光が赤い眼に痛い
振り返れば昨夜の残滓が残るベッドには愛する女がいる
出来上がったコーヒーをカップに注ぎ
香りを楽しみ、口にする
矜持よりも薫り高く
情熱の如く熱く
恋のように甘く
愛に似て苦い
「美味い」
ミハシラフーズのコーヒーシリーズ
至高の味わい、ロイヤル・ブレンド
ドリップタイプで新登場

香りに誘われた彼女が眼を覚まし、その愛らしい口を開く
「フリ○ンは止めて」
「てへっ」
68小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/19(火) 17:40:28 ID:???
帰ってきて見たら感想が沢山有って嬉しいです
<(_ _*)> アリガト
また小ネタが浮かんだらよろしくお願いします
前スレから壊れママンの続きよろって方が意外と居るし
ちょっと妄想してみるか
( ̄ヘ ̄)ウーン
69通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 18:02:47 ID:???
フリ○ンには噴いたが顔文字は控えたほうがいいぞ
70通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 20:28:02 ID:???
コーヒーと言えば、

「魔のように黒く、
 地獄のように熱く、
 天使のように純粋で、
 愛のように甘い」

グランデージだったっけ?
71通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 20:39:07 ID:hRKACaQT
悪魔の様に黒く、地獄の様に熱く、接吻の様に甘いじゃなかったっけ?
72通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 20:44:23 ID:???
変態蝶々仮面乙
73通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 21:25:05 ID:???
パピヨン仮面をつけて暗躍するシンと申したか
74通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 22:03:03 ID:???
>>61
反省よりもまず続きを書くんだ!
75通常の名無しさんの3倍:2009/05/19(火) 22:21:30 ID:???
>>74
お忍びでやって来たオーブの影のフィクサーが、シンに感謝を述べるとか?
76小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/05/19(火) 22:52:04 ID:???
妄想してみました
妄想1〜壊れママンと黒シン(執)事 編
ロミナ「汝、私に仕えると誓いますか」
シン 「貴女の望みは我が望み、貴女が道を違えぬ限りこの魂の一片まで忠誠を尽くしましょう」
ロミナ「ならば、誓いの口づけを」
数年後、燕尾服のシンと紺ニコル
黒シン「坊っちゃん、本日の予定ですが午前中は・・・」
紺ニコル「母上は?」
黒シン「奥様でしたら、今日は地下にいらっしゃると仰せでした」
紺ニコル「ふむ、流石だなシン」
黒シン「この程度、アマルフィ家の執事としては当然です」
紺ニコル「まったく邪魔なMS共だな、ここは任せるぞシン」
黒シン「yes my lord」
黒シン「運命の執事ですから」

妄想2〜ニコル2世VS固ゆで卵 編
咥えタバコに無精髭、くたびれたトレンチコートのシン
警官「警部、現場でタバコは止めてくださいよ」
シン「うっせえ、こちとら非番で呼び出されてんだ。まったく今日は娘の誕生日だっていうのに、でガイシャはこれか、また酷いなこりゃ」
警官「やっぱり、例の奴ですか?」
シン「決まりだろ、一人目はコーヒー風呂で溺死、二人目は炒飯を死ぬまで食わせてる。で今回の三人目だ、何処のどいつか知らんが俺の縄張りで好き勝手させねえぞ」
シン「このドグサレ共が大人しく知ってること喋れば良いんだよ、それともそのスカスカの頭ぶっ飛ばされてえか、ああ〜ん」
紺ニコル「あはははは、無能な警官共め僕を捕まえてみろ〜」
シン「けっ どうやら運命って奴らしい」

ダメですね、黒○事とダー○ィー○リーしか思い浮かびませんでした
アレは後先考えずに作った話なので難しいです
もし期待してたらゴメンナサイ
77なんとなく:2009/05/19(火) 23:58:59 ID:???
>小話氏
お疲れ様でした GJ 

さて、投下を開始します
78なんとなく:2009/05/20(水) 00:00:58 ID:???
前回までのあらすじ

宇宙を駆けるもっさり感


11話


ラゴゥ変形!! 右腕にドッキング
バクゥ変形!! 左腕にドッキング
ブリッツ変形!!下半身にドッキング
携帯変形!!胴体にドッキング
スカイグラスパー変形!!頭部にドッキング

戦え!!正義の名のもとに!!
完全変形合体 シンデルンジャー DXディステニーロボ 

そして作戦司令官 フレイムフレイ変身セットも・・・

エルスマン・TOY


「「「おぉーーー」」」
ここはアスラン達の母艦『フジビタイ』の一室
TVのおもちゃのCMに目をキラキラと輝かせる3人の幼女
そしてその行動は早かった
どたばたと目的の人物に向けて全速前進
廊下にその目標の人物を見つけると黒い三連星もかくやの如く攻撃を開始した
79なんとなく:2009/05/20(水) 00:02:20 ID:???
「ねーちゃ!!ねーちゃ!!」
「3姉!!3姉!!」
「買ってー!!これ買って!!」
ありていにいえばぴょんぴょんと飛び跳ねておねだりである

「うーん 困りましたわねぇ」
このおっとりしているのはこの艦の艦長「ナンバー3」
見た目的には28歳程度の細い目のアスランを想像して欲しい
ちなみに爆乳である
繰り返して言う爆乳である

「「「買ってーー買ってーー!!」」」
素晴しいチューチュートレインならぬアスラントレインで
おねだりしている3人は45、46、47
ちなみに基本的なアスランクローンの見分け方は髪飾りの番号だ
こいつらの見た目は小学1年を想像して頂きたい
勿論、無乳である
繰り返すが無乳である

地面を見事なローリングでじたばたしつつ3人はねだり続ける
「「「買ってー!!」」」
「困りましたわねー」
そんな3人をナンバー3はおっとりと見つめて困るのだった
80なんとなく:2009/05/20(水) 00:03:13 ID:???
その頃、今回の事件の張本人、アスランはと言うと…
プラントのある屋敷に来ていた
「ほぉ…失敗したのですか」
「も、申し訳ございません」
土下座をしていた 黒の喪服の女性の前で
喪服の女性はアスランの頭を踏みつける
「ぐっ…」
「解っているでしょう、我々は貴方に期待しているのですよ」
「り、理解しています」
喪服の女性の眼光はアスランを蔑んでいるものだった
「貴方が、私の息子を…私の希望を殺した原因の片割れなのですから責任は取って頂かないと」
「しょ、承知しています」
喪服の女、ロミナ・アマルフィはその足をアスランの頭からどけ
そのつま先でアスランの顎を捕らえ、自分の顔に向けさせた
そして笑顔で言った
「自信を持ちなさい 貴方こそが本当のパーフェクト・コーディネーターなのですよ アスラン・ザラ」


アスランが帰った後のアルマフィ宅
散らばった資料が所狭しとひしめく書斎にその家の主となった女性
ロミナ・アマルフィはいた 書斎の机には通信回線が開いたモニターが2台
「アズラエル…計画を第2段階に移行します」
「はい、準備は抜かりなく」
モニターが一台消えた
「ジブリール…情報操作を…それとあれの開発を急ぎなさい」
「承りました」
モニターがまた消えて書斎に静けさが戻る
ロミナはそっと机に飾ってあった写真を手に取った
「二コル…生きていれば…」
その目に涙が浮かぶ
「生きて…いれば」
手に力が篭る
「生きていればきっといい男の娘(こ)になったのに!!」
ドンと力一杯机を叩いた
どうやらあの女の子っぽい顔はこの人の趣味だったらしい

『その無念の為にも計画を遂行しなければな』
突如書斎に機械質の声が響く
「大首領!!」
通信回線を再び開いたモニターには砂嵐しか写ってはいない
しかし、声だけが流れてきた
『貴方の悲しみ、悔しさ、願い、全てが満足されるこの計画』
「解っております」
『こんなにかわいいおとこの子が男な訳ないじゃないか計画』
「かならず成功させます」
『宜しい』
通信が切れる一瞬、砂嵐の中に光輪を背負う巨大な人影が見えた気がした
81なんとなく:2009/05/20(水) 00:04:19 ID:???
場所は変わってガルナハン 忘れている人もいるかもしれないが現在絶賛ラクス達に復讐せんと
今日もスライディングヘッドバットで驀進中の男、シン・アスカ
今日は珍しく事務所で考え事のようです

「ねえ、ハリケンジャーさん」
「私は、三人もいません で、社長なんです?」
「最近はちょっと予算に余裕出来てきたよね」
「そう、ですねメイリンさんに会計も完璧にして貰ってますし」
「会社の宣伝や移動にさ、船を買おうと思うんだけど」
「船…ですか?」
「うん、結構 海渡って島にとか多いからさ」
「うーん ちょっと相談してみますか」
どうやら何か大きい買い物するみたいです


場所は戻って戦艦『フジビタイ』内部

「こらーー!!お前達!!」
おねだりをナンバー3にしている45、46、47だったが
凄い形相でそこにやってくる人物が、
「3姉さんに迷惑かけるな!!」
やってきたのはナンバー32 見た目は中学生3年ほど 
微乳である
繰り返す微乳である
「3姉さんを困らせるとぶつぞ!!」
「「「びぇーー もう殴ってる!! 32姉(ねーちゃ)(姉さん)のばかー」」」
「あらあら 駄目よー」
こうして『フジビタイ』の夜はふけてゆく
                        
                       続くと思いたい
82なんとなく:2009/05/20(水) 00:06:39 ID:???
おまけ

「それではみなさん頂きます」
「「「「「いただきまーす」」」」」」

戦艦『フジビタイ』では夕食時はその戦艦内の人物が一同に食堂で
一緒にご飯を食べるのだ
そんな中、ある一人が気がついた
「あれ?20は?」
「あー まだ地球から戻ってきてないんじゃない?」
「20姉さんまた毒舌いって乗車拒否じゃねー」
「「ありえるわー」」
「はいはい、悪口はそこまで、姉妹でしょ」
「へいへーい 3姉様にはかないません」
「なんだ!!その口の利き方は36!!」
「なんだ やるの?32?」
「やめなさい!!」
ゴン!!ゴン!!
「「いったっぁーー 1姉さんなにすんの!!」」
こんな騒ぎが繰り広げられてる頃、20は…



ここはガルナハンのホテル『ガルナハン・リゾート』の一室
このホテルのベットに20はいた
「ふん、たいした事なかったです」
「何言ってやがる 一晩中鳴いていたくせにな」
「何言ってるのですか このうかつ色黒」
「なんだと!!俺がグレイトな事今度こそわからせてやるぜ」

                              今度こそ続く!!続くったら続く!!
83なんとなく:2009/05/20(水) 00:07:58 ID:???
今回はここまで 
そりゃあ48人もいりゃあ色々と違いも出てきます
性格も容姿もだいぶ違う
でも顔は基本アスラン

次はシンが何か大きな買い物をするらしい

84通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:25:31 ID:???
>>光輪を背負う巨大な人影
ちょっwwwもしやスタゲのAIなのか?! それともセレーネ博士か?
あとディアッカ何してんのYO!
85通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:44:11 ID:???
  ( ゚д゚)      こんなにかわいいおとこの子が男な訳ないじゃないか計画
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄



  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/     /
     ̄ ̄ ̄
86通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:46:05 ID:???


美しい思い出のうちに逝けるというのは幸せなのかもしれんなぁ
……ねぇ、ニコルくん
87通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:47:32 ID:???
種死当時のシンならいざしらず、今の髭アフロ胸毛バリバリの首領・アスカじゃ男の娘計画の面子に含まれてないんだろうな…
88通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:48:36 ID:???
本格的にぶっ壊れ具合が加速してきたないいぞもっとやれ
にしてもディアッカww
89通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 00:52:48 ID:???
>>79
無乳、無乳と言うとあの方々が過剰反応してしまうでしょうが

イヤ、ダレノコトトモイッテマセンヨ
≡(;・ω・)ノ 逃亡!
90通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 01:14:27 ID:???
無乳は形容詞ではなく擬音ではないか
91通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 01:55:32 ID:???
>前回までのあらすじ

>宇宙を駆けるもっさり感

ここで異様に納得しつつも吹いた俺は多分悪くない
92通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 07:27:24 ID:???
神がかったあらすじ
素晴らしい表現だ
93通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 08:21:21 ID:???
ディ、ディアッカー!w

次も楽しみでしょうがないですぜw
94通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 08:31:57 ID:???
なんかニコル、死んでいて良かったような・・・
95通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 09:20:14 ID:???
シンデルンジャーw
エルスマン・TOY

ディアッカお前w
顔がそれでもいいのか
96通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 09:33:06 ID:???
というかお嬢様やジブ嫁まで配下に入っている件についてw
……ひょっとしてまともな人キラだけなんじゃ?
97通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 10:02:59 ID:???
なんて世界だ!
98通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 11:11:55 ID:???
てかクローンズが普通にそれぞれ肉体年齢相応のカワユスな子やイイ女に
見えることこそが最大の謎という気が…オリジナルがアレなのに何故
99通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:00:08 ID:???
ま、まさか・・・・・・・AKIBAならぬDEKO48?
「フォンドボゥ!ポスターのフルコンプが一苦労だぜ!」
100通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:02:09 ID:???
年少のクローンズは某バンダイでI'veなアニメの妹キャラに脳内変換されてる。
だが本物、てめーはダメだ。
101通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:05:58 ID:???
>>99
確かODK48が正式名称のはず
102通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:10:37 ID:???
AKBと言えば…
ttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1262508.html

ODK48と行くパリツアー 248000円
103通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:45:49 ID:???
そうか…ママンがああだったからニコルは軍を志望したのか…
104通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 12:45:59 ID:???
>>100

>某バンダイでI'veなアニメの妹キャラ

おねティのあれか?
105通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:02:09 ID:???
なんとなく氏GJ!です。
ところでシンデルンジャー DXディステニーロボ を右腕バクゥ、左腕ラゴゥ代用のバクゥハウンド、ブリッツの下半身、マユケー代わりに携帯捜査官の7番目、仕上げにスカイグラスバーを乗っけたら……
何というか……その、以前MOR氏がうpったGSC氏のバクゥ頭インパを圧倒的に上回る形容しがたいなにかが出来上がったんだが……どうしようこれ。
ってか作っといてなんだが、これは子供に売れねえよ

106GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:08:41 ID:???
 官邸を出た時、空っぽだった自分の内側に火が付いた。近道である薄汚れた路地裏を歩
いている時、胃の辺りがむかついて咳き込んだ。そして三階に自宅があるビルが目の前に
現れた時、もはや何者でも無くなったシン=アスカは怒りを露にし、転がっていた瓶を力
任せに蹴飛ばした。回転しながら勢い良く建物の壁にぶつかって割れる。
「クソ……!」
 毒づき、彼は吐息を震わせた。感情が抑えられない。誰に対する感情なのかも解らない。
こんな筈ではなかったという何かに対する失望と、どうでも良いという諦念。階段を上り
自宅のドア前にやってきた時、胸元で着信音が鳴る。溜息ひとつついて、シンは携帯端末
を取り出した。先程官邸に捨ててきたのとは違う、私用で使っている方であり、こちらで
盗聴や逆探知は防げない。
「……もしもし」
『シン、今どこにいますか?』
 聞こえてきた女性の声に、シンは息を吐き出した。苛立ちと、僅かな安堵を込めて。
「家の前だ。聞いているだろうけど、俺はクビになったよ。悪かったな、アイリス」
『把握しています。残念でした……それはともかく、不審船や海賊と思われるMS隊が、
アーモリー・ワン付近に出没しているという情報を入手しました。あそこには』
「クビになったと言ったろ。それを俺に話して何になる」
 シンの凍りついたような声に、アイリスの言葉が中断された。電話越しに、子供の泣き
声が聞こえた。自分の母親を呼んでいた。
『そちらは私が手配します。然程時間はかからないでしょう……アーモリー・ワンには』
「俺は羽交い絞めにされていたわけじゃないんだ。自分で全部捨てた。捨てたんだ!」
『アーモリー・ワンにあるゴンドワナは、詳しい状況が解っていません。もし彼らがあれ
を動かせる状態にまで整備しているとなれば……』
「俺には関係ない!!」
 携帯に怒鳴りつけたシンは、走った後のように荒い呼吸を繰り返す。何故か胸が痛い。
「今回で思い知らされたよ! 元はと言えばプラントの中の、クライン派とザラ派の騒動だ
ろ! しかも互いに内側で争ってもいる! 何が優れた新人類だ! 何が温厚で理知的な
コーディネイターだよ! 全員、救いようのない馬鹿だ! よりによってあのピンクを大歓
迎して議長の椅子に座らせたと思えば、その後は批判して邪魔するだけだもんな!」
『シン……』
「ああ解ってる! 俺も同レベルだ! 解り切ってる! とにかく俺はもうザフト兵じゃな
い! アンタの上司でもない! 何者でもないんだ! 全部どうでも良い! 俺はもう誰の為
にも指一本動かさないし、まして戦うなんて、ごめんだ!!」
 自分の副官であるアイリスに鬱憤をぶつけ、シンは右手で自分の黒髪を掻き乱した。
言えば言うほど、腹の奥が重たくなっていく。今にも吐きそうだ。
『どうして……』
107GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:09:54 ID:???
 携帯越しのアイリスは、あくまで静かに語りかける。
『どうして、シンはそんなに怒っているのです?』
「え?」
『もう、何も期待していないのでしょう? そうやってあらゆる人々を……自分も見下し
て、何の価値もないと確信したのでしょう? どうして、怒っているのですか?』
 責めているわけでも、説得しているわけでもなくアイリスは問いかける。シンは呆然と
したまま、携帯端末を握る事しか出来なかった。自分でも解らなかったからだ。
『もう連絡しません。今までお世話になりました。……お疲れ様でした、シン=アスカ』
 電子音と共に通信が切断される。携帯を胸ポケットに戻したシンは、ドアノブを回した。
しかし開かない。数度繰り返し、鍵を開け忘れている事に気づき、尻のポケットから旧式
の鍵を取り出し、開錠する。殺風景な室内を見渡し、よろめくように部屋へ入った。

 アーモリー・ワンはC.E.71年9月、ヤキン・ドゥーエでの戦いが終了した後に完成した
工業用プラントである、というのが公式発表である。その実体が地球連合との再戦―それ
こそ、地球への再度侵攻まで視野に入れた―を計画した軍事基地兼兵器工廠だったことは、
周知の事実であるが。
 ともかく、このコロニーは二度目の大戦が終わった後、真っ先に反クライン派の標的と
なった。正確には、アーモリー・ワンに配属されていたザフト兵や技術者などが一斉に叛
旗を翻したのだ。とはいえラクス=クラインにキラ=ヤマトとストライクフリーダム、そ
してミーティアユニットがある以上、固定した拠点を持つのは賢明でない。
 彼らはモビルスーツ、艦船、作業用設備、物資などを根こそぎ奪い、持ち切れなかった物、
不必要な物は破壊して使用不能にし、デブリ海の深みに消えた。イザーク=ジュール
はこの一件を、ラクスが強行した戦費の大幅削減に原因があるとし、軍縮政策の修正を
強く訴えた結果、平和の敵と見なされ後援会など議員としての支持基盤を失った。
 そのアーモリー・ワン外壁に繋留され、半ば打ち捨てられていたのが全長1200メートル
を超す超大型空母『ゴンドワナ』である。艦船の収容と整備を可能とする本艦は、しかし
運用やメンテナンスに多大なコストを有し、現在のザフトでは扱えない上に解体の費用も
馬鹿にならず、朽ちるに任されていた、筈だった。
 しかしいま巨艦の各所には光が灯り、ザクウォーリアやグフイグナイテッドなど最新の
モビルスーツが続々とデッキに着艦していっている。数機のMSに誘導されたナスカ級が
姿勢制御用スラスターを吹かし艦内ドックへと入っていった。壁面には既存の火器に加え、
駆動部分を排除したザウートやガズウートが接続され、砲塔と化している。
「此処まで上手くいくとは、思っていませんでした」
「完全に元の機能を回復させる必要はない。動いて、盾になればそれで良いわけだからな」
 巨艦の奥深くに新設された戦闘指揮所で、ザフトの黒服と白服が互いに言葉を交わす。
多少解像度に問題があるスクリーンに、荒れ果てたコロニーの外壁が映っていた。
108GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:11:44 ID:???
「結局、支援者については良く解っていないのでしょう?」
「残念ながらな。だがこうして我々を調査の目から守り、我々に惜しみなく資金を援助し
ているのだ。尤も、大部分は我々が奪った資材でまかなっているわけだが……何でも良い。
利害が一致している内は、利用させて貰う」
 ザフトを抜けた筈の彼らは、大部分が未だ制服を身に着けていた。それもその筈で、彼
らにとっては自分達こそが真のザフトであり、ラクスに従っているのは裏切り者だからだ。
「それにしても、レグナクラの動向が気になります。クラインが動かないのは何時もの事
として、シン=アスカが我々を見過ごす筈がありません」
「ああ。先程その支援者からもたらされた情報によると……奴は任務を強制的に解かれた
らしい。もはや監査部隊の隊長でもなくザフト兵でもなく、単なる一般人だ」
 得意げに語る白服。情報の不徹底は真ザフトだろうと現ザフトだろうと変わっていない。
「最も有用な情報をもたらす直属の部下を切り捨てるとは……何かの罠では?」
「罠なら、奴のインパルスがとっくにこのゴンドワナへ殴り込みをかけているだろう。勿
論返り討ちにしてやるがな。だが、とにかく何の音沙汰もない。工作員があちこち嗅ぎま
わっている形跡も無く、本当に機能を失ったのだろう」
 低く笑って、白服は腕を組んだ。そもそもアイリスがあれほど縦横無尽に動き回って情
報を入手して来られたのは、絶大な権限を持っていたシンが各周辺機関にその都度圧力を
掛け、非公式な捜査を許可させていたからだ。
 インパルスに乗ったシンが、常に最適な場所に急行して損害を被らずに任務を完了でき
ていたのは、アイリスの潜入技能、情報収集能力があったからだ。
「チームワークを断ってしまえば、恐れる必要はないという事ですね」
「そうだ。多少MS操縦が上手かろうと、奴は所詮地球生まれの移民。互いに依存せねば
ならない仕組みを作った浅はかさが、今回の事故を招いたといえるだろう」
 言葉を一度切った男は、戦闘指揮所のスクリーンへと近づく。モニターを切り替えると、
そこには進軍航路が浮かび上がった。オクトーベル・スリーを皮切りに、蛇行するように
してアプリリウス・ワンへと攻め上がるコースが。
「ストライクフリーダムやエターナル相手に勝つ必要はない。我々の目的は、奴らがこの
ゴンドワナを撃沈する前に、出来る限りプラントへ損害を与える事だ。我々の意思を示す
為だ。プラントは何者にも屈しない。何者かに服従するくらいならば……」
 右手を握り、コンソールに軽く打ちつけた。
「我々自身の手で、叩き壊してやる」
 ラクス=クラインの支配に対して反乱を起こしつつも、その行動原理がラクス達と何ら
変わらないというのは皮肉であった。とにかく彼らは72時間ものあいだ、何者からも妨害
を受けること無くゴンドワナの整備に注力した。
 コロニー外壁から巨艦が離床する。船体を固定していたロボットアームが外れ、接続し
てあった場所のタイルが剥がれ、鯨のようなフォルムの後方から巨大な光を吐き出した。
109GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:12:55 ID:???
『クライン議長! ヤマト長官! 大変です、ゴンドワナが!』
「ゴンドワナが、どうしたんですか?」
 議長官邸に速報が入った時、キラはやはりラクスと共にいた。通信用のスクリーンに、
ナスカ級4隻を前に出した移動要塞ともいえる巨艦が映っている。
『ゴンドワナがオクトーベル・スリーを攻撃しています! す、既に防衛部隊は壊滅……
敵のMS隊がコロニー内部に入り、徹底的な破壊行為を続けています!』
「なんだって! アーモリー・ワンから其処までかなりの距離がある筈でしょう!?」
『それが、付近の中継基地がいつの間にか無力化され、レーダーがまるで役に立たず……
そもそも、人員削減により無人化した基地がほとんどですから、ジャマーを展開されると』
 ザフト兵の報告にキラは溜息をついた。まただ。呼吸するのと同じように、彼らはラク
スを批判する。こんな非常事態が起きているにも関わらず、何時だって不平しか言わない。
「それで……相手の狙いは、やっぱり」
『は、はい。お2人を批判し、全ての悪の根源はクライン議長にあると。全く馬鹿げた』
「解りました」
 通信を一方的に切断したキラは、目の端に涙を滲ませ指をきつく組んだラクスの肩を抱
いた。キラ=ヤマトにとって、大切なのはラクス=クラインだけだ。ザフトの長官になっ
たのも、ラクスと一緒に居られる時間を少しでも増やす為だった。白服を着ているのも、
望まれての事だ。それに対する責任や、まして落ち度など自分達にはない。
「ラクス、もう行こう。ここは想像したのと大分違ったよ……」
「ええ。行きましょう、キラ……此処ではなく、もっと静かな場所へ。もっと……」
 30分後、アプリリウス・ワンの議長警護隊専用ドックから、ストライクフリーダムと
6機の量産型フリーダム、そしてエターナルが発進した。猛威を振るうゴンドワナには
見向きもせず高密度のデブリ海へ向かい、それっきり消息を絶った。

「んん? ぅ……ぁ、でいぃ……でぃ」
 シンの住居があるビルの1階。バーのカウンター席で薄めた紅茶を前に泥酔していたイ
ザーク=ジュールが、突然チャンネルが切り替わったテレビを半眼で見上げる。酷く見辛
い映像だが、元MSパイロットの彼は何が映っているのか、一瞬で理解できた。
『ラクス=クラインに服従したのは堕落であり、死で償わねばならない。今こそ……』
「ディアッカァ! ディアッカアァッ!!」
「はいはい只今。うわ、ひっでえな」
 トイレから慌てて出てきたディアッカ=エルスマンが、同じようにテレビを見上げて嘆
息する。酔いが吹き飛んだイザークが、呆然とする店主を尻目に『戦友』を指差した。
「俺の端末も使って良い! 迎撃部隊の位置を特定しろ! 部隊が編成されていなければ、
防衛委員権限で片っ端から組み込め! 俺もお前も今期限りは議員だからな! それと、
モビルスーツと船を持って来い! かき集めろ!」
110GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:14:23 ID:???
「そりゃあ良いが、ザクもグフも多分ないぜ。船もなぁ……」
「知った事か!! ジン1機あれば十分! MSが無ければ、ノーマルスーツで突撃だ!」
「勇ましい事で……あ、もしもし? 寝てた? ちょっとテレビつけてみ。そうそう」
 皮肉りながらも、自分の携帯端末で連絡するディアッカ。両拳をバーのカウンターに叩
きつけ、イザークが歯軋りした。
「冗談ではない! キラ=ヤマトは何をしている! これでは、何の為にデュランダル議長
を裏切ったのか解らん……! ああディアッカァ! シン=アスカも呼べ! 探せぇ!」

 そのシン=アスカは、バーのあるビルから1ブロック離れた所の交差点で、ロープと
フックを手にトラックの荷積みを手伝っていた。オクトーベル・スリー全滅の報が流れて
から原因不明の苛立ちと怒りを抑えきれず、いっそ通行人に暴力を振るって檻に入ろうか
と街中を徘徊していた所、ちょっとした事故に遭遇したのだ。
 アプリリウス・ワンから脱出しようとパニックになった路上で、1台のトラックが右折
する寸前に追突され、後部が横滑りして信号機に衝突。積み荷が落ちてしまったのである。
「積み過ぎなんですよ」
「いやあ予定外だったので、他の車両を手配していないんです。……手慣れてますなぁ」
 小さな運送会社の社長だと名乗った、がっしりした50代の男が汗を拭きつつ、シンに
荷物を手渡した。言われた通り、シンが慣れた手つきでそれを溢れそうな荷台に乗せて
固定する。もう物が落ちていない事を確認して飛び降りた。
 ロミナ=アマルフィが関係する企業との契約で、孤児院へ食料品など生活物資を届けに
きたという。そして今は、孤児や市民達の避難に協力しているという。
 どうせロミナから援助を受けているのだろうと捻くれたシンは思ったが、それを差し引
いても彼らの活動は称賛に値した。
「ザフト兵ってのは、兵士以前に船外作業員ですからね。俺は元ザフト兵ですが。早く
地球に帰った方がいいですよ。もうずっと前から、プラントはどこも安全じゃない」
 男と、社員らしき2人の首に下がった外から来たナチュラルである事を示す、ネーム
プレートを一瞥してシンが言った。
「有難うございます。しかしあと3往復ほどせねばなりません。我々の船は、まだまだ
人も荷物も入ります。少しでも避難に協力したいですから」
「御立派です。素晴らしい。だが俺達にそんな価値はない。誰も貴方達ナチュラルには
感謝しませんよ。直ぐに忘れるだろうしね。何時も人を見下して、怠けてばかりの新人類だ」
 吐き捨てるように言って、シンはトラックの後輪を確かめた。ホイールが傷ついている
が、走行に問題は無さそうだ。
「少なくとも貴方達が危険を冒す必要はないですよ。貴方達の仕事じゃあない」
「価値が無いから、感謝されないから、見返りが貰えないから、自分の仕事じゃないから
……どれもこれも、『やらない』理由としては丁度良いですな」
111GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:15:39 ID:???
 トラックの運転席に上ってハンドルを回し、曲がり角に押しつけられた車体を元へ戻そ
うとする男。眉間に皺を寄せたシンに見上げられ、歯を見せて笑った。
「いやいや仰るとおりです。我々がこんな事をやる必要はない。他の人がやるでしょうな。
荷積みを手伝ってくれた、通りすがりのあなたのような方が」
「俺は、もう……」
「本質的な意味で……やらねばならん事が出来た時、それをやるのは『だれか』だ」
 モーター音と共に、引っかかっていた前輪が少し動いた。まるで横合いから殴りつけら
れたように、シンの頭が揺れる。3日前から胸の内に溜め込んだ何かが、身じろぎした。
「世の中がどうなろうと、こいつだけは変わりません。『だれか』がやる」
 笑みを浮かべたまま、ハンドルを切ってペダルを踏む男。前輪がついに障害物を乗り越
え、トラックが大きく揺れてバックした。
「『だれか』を待つか、『だれか』になるか。あなたが言った価値ってやつは、ここで決ま
ると思います。プラントの人が自分の遺伝子を信じているように、私はそう信じとります」
 手招きして社員をトラックに乗せた後、男は帽子を脱いで頭を下げる。倒れた信号機を
乗り越えて車が走り去り、独り残されたシンはじっと自分の掌を見た。ようやく、自分の
感情を、心、感覚を突き動かす衝動を理解した。
 自分が怒り、苛立っていたのはラクス達ではなく、彼女達を信奉した人々でも無く――

 色落ちしたジーンズに白シャツ、黒い薄手のジャケットにサンダルという不審者のよう
な格好のシンが、息せき切ってドックへと走ってきた。自宅前に置いてあったスクーター
が盗まれていたのだ。犯人はイザークとディアッカだが、それを知ったのは後の事である。
「ハァッ! はっ……使、る……モビル、スーツは……!」
 膝に両手を突いて肩を揺らすシンに、ゲートを警備していたザフト兵の1人が自分の
IDカードをスロットに入れ、ロックを解除した。覚束ない足取りで中に入るシンの両脇
で、2人の兵士が敬礼する。彼らの反応を訝りつつリフトで下層に降りた。途中で見える筈
の量産型フリーダムがない事に気付くも、今は呼吸を整えるのに忙しかった。
「何で……こいつが、此処に?」
 リフトから出て格納庫にやってきたシンは、真正面に立つ機体を見上げた。首から下は
見知ったインパルスだったが、頭がバクゥになっていた。僅かに残した首のパーツで接続
している為、頭部パーツが犬のように斜め下前方に若干競り出している。ヴィーノの言っ
た通り猫背に見えなくもない。そしてその両側には、あちこちが破損したゲイツとゲイツ
Rが2機ずつ並んでおり、足元のパイロット4人が敬礼した。その内1人が口を開く。
「全員、合意した。シン=アスカの傍で死ぬなら、諦めがつく……ってな」
 その言葉に、シンの背筋が伸びた。左から手渡されたパイロットスーツとヘルメットを
受け取り、大きく深呼吸する。咳払いしようとして盛大にむせた。咳込みながら叫ぶ。
「行くぞ!」
112GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/20(水) 19:20:00 ID:???
今回は此処までです。SEEDの劇場版や新しいアストレイの情報が全然出ないので、
オフィシャル分が枯渇しかかっています……
113通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:25:35 ID:???
投下乙です
逃げやがったのかあの二人www
しかしミナとロミナの思惑が分からんな
不満を持ってる連中を援助してその後はプラントを支配下に置くつもりなのか?

あと遺作と痔にも出番ありそうなのが何気に嬉しいw
114通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:26:36 ID:???
GJ!
ピンク一党逃げやがったw
115通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:38:43 ID:???
>>114
ひょっとしたら事が全て片付いたらまた戻ってきたりしてw
116通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:52:57 ID:???
というか、ひたすら美味しいところだけを取りにいくような連中っぽいしなぁ。
泥まみれになって仕事する気はまったくないだろ。
117通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 19:56:55 ID:???
負債みたいに無条件でよいしょしてくれる連中が周りに集まったらまた戻ってくるだろw
118通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:05:58 ID:???
AD「お疲れ様でしたー、コーヒーどうぞ」
首領アスカ「お、ありがとう…ん、旨いなぁこれ」
AD「ミハシラフーズの新作らしいですよ」
首領アスカ「へぇ」

あの首領アスカも飲んでる缶コーヒー、首領アス缶モデルで発売中!

いまならこれが当たるつ首領アスカのアフロカツラ
119通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:13:10 ID:???
いくらなんでもまたよいしょする連中が出てくるほど馬鹿じゃないとは思いたいが
……いや、例の設定があるから可能性がなくもないんだよな
喉もと過ぎれば熱さ忘れるということわざもあるし
120通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:19:12 ID:???
つーか間違いなくほとぼり冷めたらスーフリかついで戻ってくるだろ
それぐらいの屑だ
121通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:25:50 ID:???
ところで地球の状況はどうなってるんだろ?
122通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:41:50 ID:???
>シンの凍りついたような声に、アイリスの言葉が中断された。電話越しに、子供の泣き
声が聞こえた。自分の母親を呼んでいた。
一瞬アイリスの子かと思ったがこんな物騒な情勢じゃあ母の死体に取りすがる子供の可能性
のが高いか……orz
123通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:48:44 ID:???
地球連合主導で順調に復興中じゃね?
なんだかんだいってオーブ以外は平和っぽいし。

…傭兵氏のみたいにピンク一党がちょっかいかけてなければな!
124通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 20:50:05 ID:???
>>120
間違いなく絶好のタイミングで横殴りしてくる。
黒幕が表に出てきたあたりとかで。
125通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 21:03:40 ID:???
GSC氏GJです!
>>「ラクス、もう行こう。ここは想像したのと大分違ったよ……」
「ええ。行きましょう、キラ……此処ではなく、もっと静かな場所へ。もっと……」

思わず自分の目を疑ったけど、あぁこいつらならそうするね、と変に納得してしまいました。
それよりバクゥインパルスww活躍が楽しみです!!
126通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 21:20:07 ID:???
GJっすー
シンの覚醒よりもラクシズ逃亡の印象が強すぎる

>白服を着ているのも、望まれての事だ。それに対する責任や、まして落ち度など自分達にはない。
やりたくないならやめろよお!!!と思ったのは俺だけじゃないはずだ
127通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 22:13:21 ID:???
小学校とかで学級委員なんかに多数決で上げられた子供だって此処まで言わんぞ…
望んだんだからこっちが望むだけの活動をしろってのは幾らなんでも無理だろ常考
128通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 22:47:20 ID:???
>>105
とりあえずうp
129通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 23:14:30 ID:???
シンデルンジャーなんだが、

ラゴゥ:アイシャ
ブリッツ:ニコル
携帯:マユ
スカグラ:トール

なのは分かるんだが…バクゥ乗りって誰か死んでたっけ?
キラに殺られたバルトフェルド隊の人?
130傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:28:01 ID:???
ズン、と轟音を立てながら白い巨人――イザーク専用に調整されたグフが歩みを進める。
真紅の単眼が灯り、黒煙を上げるドックを見渡した。

『コ、コンディションレッド発令! コンディションレッド発令! 各員迎撃にあたれ!』
『だからグフが暴れてるんだって! 例の犯罪者のグフがさ!』
『乗っているのは誰だ!? イザーク・ジュールは拘束されてるはずじゃ……』
『脱走したと報告が入ってるぞ! 何やってるんだよ牢屋番の馬鹿どもは!』
『寝てたんだろ! これだから無能なんだよ!』
口汚い罵声が飛び交い、情報が錯綜する。
統制が欠片も取れていない。階級が存在しないザフト独特の制度が、それに拍車をかける。

『待てそこの! 勝手に搭乗するな!』
「このザク動かせるんだろ!? だったら俺にやらせろよ!」
犯罪者なんか俺の必殺の一撃で真っ二つに――と喚いた新兵が、掃射されたドラウプニルに弾け飛ぶ。
ゴロン、と重い音を立てながらヘルメットが転がった。

コクピットハッチが開かれたままのザクが、横一文字に薙ぎ払われたテンペストの
直撃を受け真っ二つになった。
焼切られた断面からオイルが飛び、白いグフの腕部装甲に奇妙な模様を描く。
上半身とか下半身が泣き分かれしたザクがどうと倒れ、更に一歩踏み出した
グフの足がその頭を踏み潰す。
味方だったはずの機体が行った行為に、グフを包囲した部隊が竦みあがった。
131傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:29:08 ID:???
「なんなんだよ……こんなの聞いてないぞ……」
ガナーウィザードを装備したザクウォーリアのパイロットが呟く。
初陣はワシントン制圧作戦のはずだったのに、とその呟きは続いた。

「……俺はヒーローになれるって言うから志願したのに、なんで犯罪者の取締りなんか
しなきゃならないんだよ……」
状況をまったく理解していないのか、場違いな呟きは続く。
敵はたった一機とはいえ、此処は戦場。
そして彼は、戦いをゲームのように考えていた。リセットボタン一つでやり直しが利くゲームのように。

その油断が、彼にとって取り返しが利かない事態を生んだ。

『おい、無駄口叩いてないで仕留め――』
ブツン、と音を立て、通信が途切れる。
何だ?と彼が疑問に思った次の瞬間、彼は金属の塊に押し潰されていた。
スラスターを起動し、突っ込んできたグフのシールドが彼のザクのコクピットを貫いたのだ。
悲鳴を上げる間も、痛みを感じる間も無く彼の意識は暗転する。

一瞬で死ねただけ、彼は幸せだったのかもしれない。
彼の機体の横に位置していた僚機のコクピットには、テンペストのビームの刃が中途半端に食い込んでいた。
132傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:30:13 ID:???
超高熱で焼かれる絶叫が通信回線越しに轟き、何かが焼け焦げるブスブスという嫌な音が他の機体のパイロット達の耳朶を殴打する。
所詮は寄せ集め。精神も何もかもが路地裏にたむろするチンピラ以下の現ザフトの兵士には刺激が強すぎたのだろう。
絶叫が断末魔に変わる頃には、パイロット達は半ば恐慌状態に陥っていた。

この場の誰もが逃れられない絶対的な死への恐怖。
それに怯え、まともに身動きもとれない木偶同然の集団が全滅するのにそれから五分と掛からなかった。

十分ほど前まで、モビルスーツの製造ドックがあった場所。
今は焼け焦げ、ボロボロになったモビルスーツの残骸や、グズグズになった肉塊が転がっている廃墟。
大人しくなったというよりも、もう破壊するものが無いといった素振りでその中心に立つグフ。
十数機のモビルスーツと交戦したにも関わらず、目立った損傷は無い。
と、スラスターをふかし急旋回を行うグフ。

一瞬前まで機体があった空間を、ごてごてと悪趣味なほどの装飾に彩られたビームブーメランが通り過ぎた。
133傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:31:40 ID:???
『イザーク! 大人しく投降するんだ!』
外部スピーカーで響いた銅鑼声に反応し、グフが上空を見上げる。

『聞こえているのかイザーク!』
上空に浮いていた悪趣味な機体――Iジャスティスをベースに、オーブの国家予算の三割を投じて強化改修が行われた機体―
―インフィニットジャスティス=パーフェクトナイトアスランエディション。通称IJPKAE。
現存するモビルスーツでは、最高峰に位置する機体。

『聞こえていないんだな……まあいいさ。嘗ての友として、俺がお前を討つ!』
人の話を聞かない禿の声が響き、背負ったリフターのウイングが展開。
翼に仕込まれていたヴォワチュール・リュミエールが起動し、マゼンタ色の光の翼が閃いた。
更に、両腕両脚の各部からビームサーベルが立ち上がる。

『いくぞ! 覚悟はいいな!』
グフは何の反応も返していないのだが、アスランの一人芝居は続く。
マゼンタ色の光の翼が大きく羽ばたき、IJPKAEがグフに向かって急加速する。
134傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:33:36 ID:???
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
IJPKAEの全身のビームサーベルがグフを包むように襲い掛かる。
グフは、避けない。
装甲を貫き、全身にビームサーベルが食い込んだ。

『……イザーク……さっきも言ったが、残念だ……!?』
勝利を確信し、またも自己陶酔を始めたアスランの声が半端なところで止まる。
異変に気がついたのだ。

グフの全身に食い込んだビームの刃が、ピクリとも動かせない。
以前感じたことがある嫌な感覚が背筋を這い上がった。
心なしか正面のモニターに映ったグフの一つ目が、嘲笑った気がした。

そして――無人のグフは自爆した。
IJPKAEを巻き添えに。


「……ふう」
同じ頃。プラントの至近を航行する小型艇の操縦席で、シンが息を吐いた。
手元には何かのディスプレイが状況の終了を意味する言葉を映し出している。

「お、上手くいったみたいだな」
肩越しに画面を覗き込んだディアッカが言う。

「あの量子ウイルス、なかなかにグゥレイトだったな」
「ええ。ジャンク屋の横流し品の割りには」
何事かを話す二人の後ろ。
最後列で、イザークが頭上に疑問符を浮かべていた。
135傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:35:26 ID:???
以上です。すみません。正直悪乗りしすぎました。
……そろそろコニールとか出さないとまずそうですね……。
136傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/05/20(水) 23:40:53 ID:???
薄暗い部屋。
締め切られたその部屋の中で、唯一の光源であるモニターに向かいこちゃこちゃとキーボードを打つ女が一人。

「……そろそろコニールとか出さないとまずそうですね……ん?」
女が何かに気がついた次の瞬間、窓ガラスを蹴破って巨大な足が室内へと侵入する。

「な、なんで私が――」
こんな目にあうんですか、と言い切る前に巨大な足に仕込まれた銃口が閃き――
――パソコンの傍らに備えられた箪笥に、真っ赤な何かがぶちまけられた。

「……よっ、と」
その惨劇の数十秒後、茶色い髪の若い女が巨大な足を伝って室内へと入り込んだ。
そして奇跡的に無傷だったモニターに向かい、キーボードに何事かを打ち込む。


[ 出 番 を 寄 越 せ ]
137通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 23:59:12 ID:???
傭兵氏の性別が女性と言う衝撃の事実上が最果ての地に響き渡った
138通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 00:05:39 ID:???
ナ ナンダッテー!!
 Ω ΩΩ
139通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 00:09:38 ID:???
>>137
それがどうしたっていう・・・えぇぇぇええええええええええええ!?
俺もちょっち予想外だった。
なにはともあれ、傭兵氏GJです!
>>インフィニットジャスティス=パーフェクトナイトアスランエディション。通称IJPKAE。

あれ?笑っていいんだろうか?
140通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 00:15:35 ID:???
驚きすぎて目眩した
141通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 00:44:11 ID:???
ハイパーアスラングレートエディション、通称HAGEとかだったらよかったのに。
142通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 00:49:23 ID:???
>>136
GJ
さすがクレイジーなネーミングは、傭兵氏のお家芸だな!
143通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 02:55:02 ID:???
>>109
なんという無責任…つか無印最終回後のバックレ隠居のブローアップかもしれんが、
実際今回はどこに落ち着く気なんだろう?あの時はすんなりオーブにシケ込んだが、
いまやプラント住民やクライン派どころかアスカガさえ大嫌いとか言ってなかったっけ…
でもエターナルや量フリのクルーは信用できるのかというのがまたワカラン。
それとも用済みになったら、居場所を漏らすかもしれないからと消す気かな?
144通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 03:20:12 ID:???
お二方とも乙

>>115
ふと思ったんだが、種、種死とラクスって逃げる→横からちょっかいだす→漁夫の利????ってパターンだよな。
今まではせいぜいが第三勢力、この作品では「当事者」だってのが大きな違いだが。
145通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 08:08:07 ID:???
>>115
むっちゃワポルじゃん
146通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 08:13:51 ID:???
主人公なのに話題にならないシンが可哀想過ぎるwアニメと違って見せ場もあったのに…
147通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 08:21:38 ID:???
皆の者、傭兵氏が女性であるならば…
このスレ的には何カップかを聞くのが礼儀ではないかね?
148通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 08:34:12 ID:???
>>147
おま、傭兵氏の身を案じて誰も話題にしなかったのに…
149通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 10:18:15 ID:???
Gカイザーが起動シークエンスに入ったようです
150通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 11:11:37 ID:???
GSC氏も傭兵氏もお疲れ様ッス

しかし、つくづくあの迷言を      「原作に忠実に描いたらヘイト」

特にGSC氏
主観的というかキララク中心に見ると決して間違った行動ではないんですよね。
恐るべしキラ・ヤマト   恐るべしラクス・クライン・・・・・・・・

あと傭兵氏に一つだけ質問  「眼鏡・・・・掛けてます?」
151通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 11:12:52 ID:???
どの世界のシンでも良いから、全裸で簀巻きにしてお嬢様に捧げれば怒りも収まるかもしれん。
だれか奴を捕まえてきてくれる猛者はいないのか!
このままだとお嬢様が御嬢将に……
152通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 11:14:35 ID:???
>>147
傭兵氏が答えたら答えたで「自分語りUZEEEEEE」って奴が出るだろうし、傭兵氏が本当にないすばでぃだったらそれはそれで傭兵氏が危な「オラァ!!」タコス!
153通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 12:06:51 ID:???
足の甲に銃口備えたMSの乗り手がこだわったのは『出番寄越せ』であり、
また別の目撃情報によると元々誇張されて描かれてる筈のゲームキャラより
余裕で勝ってるほどの成長ぶりだという。
とすると襲撃の時点でコンプレックスや逆怨みを感じて爆発させる必要はなかった事になり
あくまでも推測の域は出ないが論理的帰結としてはそこそこ標準的ないしは
慎ましやかであられようという結論に達すると思われる。

むろん物事には程度というものがあり、Gカイザーが出撃を見合わせるほどの
レベルなどという事はさすがに物理的に有り得ないと断定できよう(キリt











プスプス…
154通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 12:59:39 ID:???
お前らカップとか聞くのはおっぱい知りたいマジで不謹慎。
いろいろ危険あるし(Gカイザー強襲とか)、今まで通り楽しもうぜ!
155通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 13:27:38 ID:???
これ…>>154です……
()の位置を間違えたばっかりに……ウッ……
156通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 16:09:21 ID:???
くっくっくっくエターナルの全飲用水にデスソースを混ぜてやったぜ!
157通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 16:30:34 ID:???
カガリ御用達のチリソースなんですねわかります
158通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 16:39:12 ID:???
>>156
MOR氏の虎やロミナママンがエターナルの水を飲んで倒れたことでクーデターが失敗に終わる様子を幻視した。
159通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 16:47:32 ID:???
>>156
最強の午前6時ならネタとして持ってる
160通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 16:52:18 ID:???
>>159
それ毒薬認定されてる国もある劇薬やんww
161通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:05:04 ID:???
>>156
カガリ「うまい!!」
162通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:06:17 ID:???
ブレアー氏の午前6時(タバスコの7477倍)

( ゚д゚)

>タバスコの7477倍

(゚д゚)

キラの顔にかかったら皮膚が溶けるんじゃね?
163通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:16:50 ID:???
>>161
やっぱり人外だったのか
164通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:30:15 ID:???
>>162
原子炉がすぐそばで吹き飛んでも生きてるような化け物だぞ
せいぜい軽いやけどぐらいだろう
165通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:32:16 ID:???
>>161
頭だけじゃなくて舌までバk……何だ! あの金色のMSは!
166通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 17:44:28 ID:???
このカガリなら離翼のマリューやラクスの料理ですら食えるな。
167通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 18:25:22 ID:???
そういえばカガリを扱った種死のSSってなんかあったっけ?

確かナチュラルで唯一のSEED持ちだったし、
普通それだけでいろいろ話作れそうなもんだが。
168通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 18:27:07 ID:???
>>167
つ「ハマーン憑依SS」
169通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 18:28:15 ID:???
>>167
どっかで壊れてカミーユ状態になったシンを、マユに成り済まして看病するって話が
どっかにあったきがする
170通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 18:44:29 ID:???
ライオン氏のはアフターだからな。
結婚式の時点で殺されることでアスランとユウナを大化けさせたX運命とか
誘拐後のキラクスの異常さについていけず手を切ったというのでは
同じくXのエデン氏とかジョジョキャラとかあるが、いずれもクロス物で、
リアルタイムかつ純然たるifだとなんかあったかな…
171通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 18:56:10 ID:???
ロミナママンは書き込んでから丁度一週間後に訪れる

パソコンに突然、閉じたグランドピアノの画像が映るらしい
172通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:04:05 ID:???
アスカ姫狩りレースでお嬢様はカガリにすら負けております
173通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:40:07 ID:???
>>172
そりゃねーよww
……と思ったがライオン氏のステラはシンとカガリの愛の結晶だったな。
しかし実際今現在のシン争奪戦の順位はどんなもんだろうな。
174通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:43:03 ID:???
>151

すでに簀巻状態で

首領・アスカ「本当にどの世界のシンでもいいのかい?」

ぴっちぴっち
175通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:43:29 ID:???
子供までつくっているという点を考えるとカガリが争奪戦首位とも考えられる
肉体関係ならコニール・ルナマリア・ロミナママンとそしてなんとラクス!
……何だかんだで原作キャラの5人が上位を占めているな
176通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:53:30 ID:???
オリは、結局エッチさせたくないという書き手の親心が働くんじゃね?

177通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 20:58:33 ID:???
>>175
フレイ……
後日談では子供が3人もできてるのに……
178通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:00:18 ID:???
二女一男をもうけた上に国家元首夫妻という歴代最高の地位を分かち合う
フレイを忘れちゃ困るな。
逆シン外なら、シホとの傷を舐め合う爛れた暮らしも印象深いが
179通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:06:15 ID:???
>>176
それ以前に新シャアじゃあ基本的に濡れ場は板違いだろ
180通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:06:23 ID:???
すまんフレイ忘れてた
となると
首位がフレイ
二位はカガリ
三位コニール
四位ロミナママン
五位ルナマリア
六位ラクス
ってとこか?
(三位から五位に関しては主観混ざってるんで御容赦願いたい)
181通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:16:37 ID:???
コニールはジオン氏のとこではニャンニャンして
傭兵氏のとこではイチャイチャしてるからそんなもんじゃね?
182GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/21(木) 21:18:08 ID:???
ああ恋愛とかラブシーンってやらせて良かったんですか。誰かとくっつけるって事は要するに誰かを切り捨てる事だし、
ハーレムなんて誰も選ばないし主人公の所有物と化すみたいで、その女性キャラのファンは絶対に嫌がると思っていました。
二次創作だから原作キャラのファンもいますし。

例えばキラと(何故かキラが助け出した事にした)ステラのカップリングなんて不自然さしか感じないですし。男の所を
シンに変えても、嫌がる人はいるのではないかなと。そんな事も無いんでしょうかね。
183通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:23:05 ID:???
スレ住人の中には違う考えを持っている人もいるかもしれないけど
自分はシンの逆襲達成以上にシンに幸せになってほしいと思う
んでシンの幸せというのは、平和な世の中をつくること以上に『家族』じゃないかなと思うんで
最後にはいい女とくっついてほしいなと
184通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:31:48 ID:???
ヒロインポジの数ならルナが多い気がするが大抵途中で死ぬ気もする
LP氏とか30年とかスペゴジとか
185通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:35:09 ID:???
原作に忠実にやろうとすればステラかルナしか候補に挙がらんだろうが、ステラは死んでるしルナはもうメイリンと一緒に
アスランを追いかけてる以外の姿が想像できないからなあ。そういう連中との対比という意味でも、シンは独りの方が良いのでは?
186通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:41:39 ID:???
自分としちゃ納得のいくよう流れがきちんと描かれていればOKな方ですね。
いきなりくっつくとかニコポナデポの類はぶち殺したくなりますが。
187通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:43:52 ID:???
正直な話シンが独りだろうと誰かと結ばれようとどちらでもいい
ただその話の中での説得力がほしい
188通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:46:43 ID:???
思えば鏡伝1がオリヒロイン妊娠まで行ったのは稀有な例だな

評判良かったかどうかは知らんが
189通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:46:53 ID:???
ニコポナデポって何?
ナタデココの親戚かなんかか?
190通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:49:03 ID:???
ニコニコ、なでなで→ポッ
191通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 21:50:20 ID:???
シンは昭和のヒーロー的なイメージがあるから 平和の為に戦い続けて欲しいと思ったり
くっつくなら そんなシンを理解し 支えてくれる人が居ればとは思う

ルナはシンを理解出来てない気がしてなあ
192通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 22:01:52 ID:???
>>189
ニコポ→キャラが微笑むだけで何故か女キャラの頬が染まり惚れる
ナデポ→キャラが頭を撫でるだけで以下略
作者の自己投影マンセー主人公に多い現象
ただきちんと段階を踏んで行っている場合は上記の様には言われない
193通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 22:03:12 ID:???
>>188
よりによって鏡伝かよwww
194通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 22:14:27 ID:???
シンが誰とくっつこうが、独りでいようが
物語の展開上で異常なまでに不自然(例:ふって涌いたテロリストの勝利をハッピー?エンドにもってく)
を感じなけりゃ
ボク個人は全く気にしないです。
と基本的には思ってます。

が、ギャグ重視なら笑えりゃ何処までも逝っちまえやあですw

例えば胸毛アフロとか、妹を愛しているとか、つなぎ姿で公園のトイレの近くのベンチに座ってるとかでも

雑食なんで全く気にしません。ボク個人は納得があれば問題ナッシング♪

駄長文失礼しました。
195通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 22:14:54 ID:???
結局のところ、GSC氏のやりたいようにやってもらえればいいと思う。
EP1の状態も好きだし、これからどんな展開になっても俺は受け入れるぜ!
196通常の名無しさんの3倍:2009/05/21(木) 23:43:19 ID:???
>>194
だよなあw
愛も情けも捨てた復讐鬼化したつもりが、やることなすこと支持者を増やし、
ラクシズ死滅と共に自分も死のうとしても死ねず、世界の英雄に…

そんなんでもギャグならwww
197通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 00:22:25 ID:???
>>196
他スレだけどクルーゼでそうゆう話あったなぁ。
あれは笑えた。
198通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 00:35:44 ID:???
「よいこバンド」を付けられたのび太みたいだなw
199通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 02:32:53 ID:???
>>197
ちょっと読んでみたいんだけど何てタイトル?
200通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 02:46:19 ID:???
いfスレの奴だからまとめにあると思う
201通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 02:58:48 ID:???
>>199
クルーゼ生存で種死再構成スレじゃないのか?
202通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 03:04:51 ID:???
>>199
笑う仮面の英雄
203通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 03:50:04 ID:???
>>197
ちょっと読んでみたいんだけど何てタイトル?
204通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 03:53:45 ID:???
・・・書き込んだの忘れてブラウザの戻る押してたらまた書き込まれちまった
マジでごめん
205通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 04:47:08 ID:???
これはひどい(ほめ言葉)
206通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 07:46:46 ID:???
クルーゼタンバロスwww
207通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 07:52:45 ID:???
でも・・・シンが実際に色んな人に手を出したら・・・
むしろシンが女性達の所有物になりそうな気がするのは俺だけか?
208通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 09:55:23 ID:???
書き手のせいか、アクの強いヒロインや周りに振り回される展開が多いから
周りを巻き込んで振り回してるのは 首領くらいだし
209通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 10:17:18 ID:???
興味が無いと言えばない事は無いってレベルな性欲とか異性に対する意識だから想像しにくいんじゃないかな?
らきすけ以外女性にまともなしっかりした段階を踏んだ恋愛なんてしてないし
ステラはトラウマ、ルナは傷の舐め合いだしな
210通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 10:42:55 ID:???
好意を抱いた相手はほぼ例外なく死を含めて不幸になっていったし、
またそれでなくても自分の手は血に汚れ過ぎてて誰かを好きになっちゃいけないと
思い込んじゃってる…というのもチラホラあるな。
後者など動乱期の軍人ならある程度仕方ない話じゃないかとも思うが、
その手の自覚のまるでないラクシズとの対比として機能するという訳で。
211通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 10:51:18 ID:???
ラクシズは自分たちが死ぬとか命を狙われるとか全く考えないから 散々暴れ回って殺しまくってる癖に。
212通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 11:04:46 ID:???
補足すると、タマ取りに来られるほど怨まれてるかもという想像力さえないから
特殊学級部隊の襲撃に被害者意識が過剰反応大暴走して乱入行脚から
議長抹殺世界征服までイッキに突っ走ってしまったわけだな。
213通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 13:53:48 ID:???
つまりシンに必要なのはありのままのシンを受け入れ、支えてくれるお嬢様のような人ですね
214通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 14:20:49 ID:???
>>213
研究員乙。 それで幾ら貰えんの?
それならば、人は自身に従い生きるべきと言う天空の宣言を発表したロンド・ミナ・サハク様の方が相応しいと思うでソキウス。
215通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 16:35:02 ID:???
おいおいおまいらなに寝言言ってやがんだ?
子持ち人妻ならではの母性と包容力でシンを包んでくれるロミナママンに決まってんだろ。
216999:2009/05/22(金) 17:41:28 ID:???
前スレで投下したけど続きができたので投下していい?
217通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 18:03:34 ID:???
おk
218通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 18:04:59 ID:???
スレが空いているではないか行け
219通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 18:09:19 ID:???
かむひや
220999:2009/05/22(金) 18:37:21 ID:???
「それが俺たちの戦いだな。」
 アスランが言う。敗者は勝利者に従うしかない。だからあの時俺は手を取った。
 ルナが俺の傍にいてそっと手を握った。素直にありがたいと…そうあの時は思った。
 そして、はっきり覚えている。その後黒塗りの車が来てアスハが降りてきたんだ…
「それから私からのプレゼントですわ。」
 この上ない笑顔でピンクの貧乳がありもしない無い胸を張って車の方を差した。
 そこにはかつて大切にしていた………かけがえの無い存在がいた…………
 
第一話『Life Recycle後編』

『プラント政府は、武装解除をしない傭兵組織アメノミハシラに対し制裁決議を決め、武力による鎮圧……』
『ロミナ=アマルフィ代表はプラントから資産を完全撤退させオーブに移転、プラントの従業員の転勤か解雇を決め…………』
『アプリリウス市で今日昼過ぎ、この家に住む会社社長、ディアッカ=エルスマン氏が刺されたとの通報があり、警察が駆け付けたところ、妻のミリアリア容疑者を現行犯逮捕しました………』

 会場は熱気に包まれていた。いや、狂喜といっても過言ではない、ほぼ全ての…男達の視線の先には一人少女が歌い、踊っていた。
 少女は紺色のワンピース、いわゆる旧暦のスクール水着を来ていた。
 十四歳のあどけない微笑み、甘い声。手足はすらりと、それでいて肉付きもほどよく、動くたび栗色の長い髪も踊る。
 だが一番目を見張るのは胸だった。それは大きな膨らみだった。年に不似合いな、巨乳だった。
 その豊かな胸は躍る度に弾みリビドーを掻き立てる。
「さて、シン、今日は何人集まってる?」
「知りませんよ、いつものことでしょう、ですがやって来る奴を潰すだけですよ。」
 俺の言葉にキラが苦笑する。愚問だと悟ったらしい。
「しかし綺麗になったな、あの娘。」
「あなたがロリコンだとは知りませんでしたよ、今後は近付けないでくださいね。」
221999:2009/05/22(金) 18:39:10 ID:???
 俺は半眼になり睨む。キラは鼻で笑い、
「やはり胸はでかいほうが実用性あるからな。雄としては本能だろ?」
 と銃を取りセーフティを外す。これからの仕事で使うからだ。これまでは鎮圧できたがこれからはわからない。念には念をというやつだ。
「キラさん、上司だろうがなんだろうが俺が認めなければ交際させませんからね。」
 この上ない笑顔で答えると、キラは、
「安心しろ、俺にとってもあの娘は守る対象で慈しむ存在だよ。」
 キラの言葉に嘘は無い、なぜならラクスと別れる前にキラを癒したのはあの娘だったからだ。
 そしてその後のキラが今のキラ=ヒビキに生まれ変わったきっかけでもあった。
 まぁ、共に妻帯者であるにもかかわらず、キラは『Mr.略奪愛』の異名を付けられているし、その事を指摘すると俺も『オノゴロの種馬』という不名誉なあだ名を言われるので伏せておく。
 キラの射撃技術は現在の陸軍兵士な中でもトップクラスだろう。むろん俺も鍛練をかかしていない。
 
「みんな〜☆今日はわたしのライブに来てくれてありがと〜♪」
 少女が愛想を振りまく。それと同時に「L・O・V・Eラヴリィアスカ〜」や「アスカタン最高♪」、「アスカタン萌え〜♪」等の歓声が響く。
「みんなも知ってるとおもうけど〜わたし14歳になりました〜♪」
 その言葉に地鳴りのような歓声が響く。
「来年はオーブで徴兵されることになったんだ…」
 悲しそうな表情に会場がどよめく。
「もし、戦争になったらこの会場のみんなとも…って考えたら怖いんだ…」
 会場のあちこちから「そんなことはない、俺が守る」と言った声が聞こえて来る。
 シンはほくそ笑む、キラも恐らく同じだろう。
「だからわたしを守るためにオーブに来て☆」
 満面の笑みに会場は戸惑いのどよめきが漂う。当然だろう。
 プラントで生まれ育ったコーディネーターにとって現在対立関係にあるオーブに来い、と言うのは酷だろう。だが、
「俺はアスカタンを守るぞ!」 そう声がする。すると次々と俺も、私も、ボクも、拙者もと声が波のように起こり少女がにこやかに、
「ありがと〜☆私は今日の夕方にかえるけど…来てくれる人……………大好きになるかも☆」
 と唇を人差し指で撫で、
「私の艦はまだ空きがあるから〜待ってるね♪」
 と明るく喜ぶ、
 
「キラさん、時間ですよ。」
 俺が告げる、と同時に会場、いやアプリリウス自体が激しく揺れる。
 計画の狼煙は始まった。
222999:2009/05/22(金) 18:42:38 ID:???
ウイスキー飲みつつ投下完了〜♪
全裸になってきま〜す。
223通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 18:46:52 ID:???
ディアッカwお前w
224通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 19:28:20 ID:???
ディアッカ……
これが『nice boat』というやつか……
すると、ミリアリアという妻がいながら、浮気したのか。
225通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 19:36:35 ID:???
迂闊で残念だ〜www

>999氏
つスピリタス
226通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 19:40:34 ID:???
>共に妻帯者であるにもかかわらず〜

これって、フレイとステラのクローンとくっついたって事かなぁ
シンの方はルナマリアの可能性もあるが、「メイリンと凸の取り合い→まとめてあぼん」の
末路を辿る方が、ここのスレらしい気が
227通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 20:12:49 ID:???
999氏GJ!!

果たしてクローンに生殖能力はあるのだろうか?
シンとキラの計画とは?
ディアッカが刺された理由は?
そして、999氏は世界を越えた魔那鋳侘同盟の魔の手から逃れられるのか!?
次回衝撃の展開が逆シンスレに吹き荒れる!!(予告かよ!)
228通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 20:20:34 ID:???
>『プラント政府は、武装解除をしない傭兵組織アメノミハシラに対し制裁決議を決め、武力による鎮圧……』
>『ロミナ=アマルフィ代表はプラントから資産を完全撤退させオーブに移転、プラントの従業員の転勤か解雇を決め…………』
>『アプリリウス市で今日昼過ぎ、この家に住む会社社長、ディアッカ=エルスマン氏が刺されたとの通報があり、警察が駆け付けたところ、妻のミリアリア容疑者を現行犯逮捕しました………』
上3つも何気にヤバイ展開なのに、一番下のインパクトが強すぎるw
229通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 20:30:50 ID:???
振られたのにより戻すどころか結婚まで持ち込んでるエルスマンすげー
230通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 20:35:00 ID:???
しかし刺されるあたり まさに迂闊で残念
231通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 21:03:35 ID:???
>>228
ドム作ったのミハシラなんだから便宜図れよ。
232通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 21:21:50 ID:???
じゃあドムドムバーガーでも
233通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 22:19:30 ID:???
>>231
ドムを製造したのは『ターミナル』のファクトリー=工場って事でアメノミハシラにあるファクトリー(工場)とは別だぞ。
234通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 22:30:53 ID:???
>>233
アストレイでしっかりつ作ってシーンがあったが。機体も映ってた。
だいたいターミナルのファクトリーの設定なんてろくにないし。
235通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 22:51:13 ID:???
ターミナルのファクトリーって
場所じゃなくて機関名じゃないの?
ターミナルの中の一機関
236通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 23:09:34 ID:???
ターミナルは情報機関。ファクトリーは工廠。共にクライン派の秘密組織
237通常の名無しさんの3倍:2009/05/22(金) 23:57:15 ID:???
ラクシズの無敵っぷりを無理なくさせるためのご都合主義的組織だろ>ターミナルとファクトリー
まあ、逆にそれでラクシズのテロ組織的な性格の証拠になってるけど。
ファクトリーは何処の組織のどんな秘匿された技術も易々とパクるし、ターミナルはありとあらゆる勢力に根を張ってる。

…こう書くとまんま悪の組織だな。なんかドクーガとかゲルショッカーと同じ臭いがする。
238通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:02:09 ID:???
むしろアマルガム…ってそこまで頭よくも無いか。あそこはパクリもあんましないし。
239通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:02:19 ID:???
そしてラクシズはレクイエムがプラントに大損害を与えた時は月面都市でショッピングを楽しんでおり、
ロゴスを糾弾して民衆を扇動したデュランダルを殺した。つまりクライン派とその力を借りるラクシズは……
240通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:15:04 ID:???
>>239
何も考えて無い
241通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:19:45 ID:???
>>237
シンが必死こいてラクシズを壊滅させるも、
翌週には謎の秘密結社ゲルラクシズが現れるわけだな…

やっぱり前組織の戦闘員は無駄に粛清されるんだろうか?
242通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:25:53 ID:???
>>241
されたじゃないか。無印でだが。イージスの自爆に巻き込まれ、破損したコクピットハッチから
入り込んだ超高熱の犠牲となった主人公がいるじゃないか。シンがフリーダムを墜として、インパルスが
壊れるほどの大爆発が起きた時も
「次のクローンはもっと上手くやるでしょう」
243通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 00:57:06 ID:???
おお!キラよ。しんでしまうとはなさけない!
244通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 01:04:47 ID:???
>>242
つまりキラは6号まで居るわけだな? それでラスボスはプラントのメインコンピューター。
245通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 08:57:44 ID:???
メインコンピューターてのは議員を決めるアレのことかな

幸福は義務です。コンピューター様
元ネタわかるかな?
246通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 09:39:58 ID:???
>>239
不思議なのは、シンでなくとも被災コロニーの出身者か遺族がキラクスを
ジブリールの共犯者と糾弾したり復讐しようとしないのかという事。
いや戦後手際よく辺境にまとめて隔離してるのかもしれんけど。
>>241
三時間おきにラクスの歌を聞かせないと自動的に肉体が自爆するよう追加コーディネイト済とか
>>244-245
ガイゾック星人のコンピュータードール9号が覚醒したら確実に滅亡だな、
あるいはウルトラセブンXがシンと一心同体に…
247通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 09:53:17 ID:???
ロリ巨乳最高ジャマイカ!

是非とも胸の部分がちょっと破けたら内圧でビリビリと大きく破れr
248通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 09:57:38 ID:???
>>247
ピッタリスーツスレにお帰りください
249通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 11:27:13 ID:???
>>248
詳しく話を聞かせて貰おうか
250通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 11:33:02 ID:???
ガンダムでピッタリスーツといえばGガン。
251通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 11:59:13 ID:???
つまりは巨乳にGカイザーのスーツを着せて胸に切れ込みを入れたら乳圧に耐えきれずパイスーが破れてぼいんとボインがキャストオフ?
お嬢様には無理だね(不幸読み)

(;・ω・)ツブサレルマエニニゲテオコ…

ドカバキザクグフドムゲルググ!
252通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 15:19:44 ID:???
ディアッカに「刺される価値が残ってて良かったな」と素で思ってしまった俺は異端だっのか
253通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 15:29:57 ID:???
>>252
ひでぇよ…
254通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 15:38:14 ID:???
夫婦揃って反ラクシズになりかけてたので、ラクシズの密命を受けた真犯人が
ディアッカ刺して、警察もグルになってミリアリアに罪を擦り付けた…てのはないのか
255通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 15:43:47 ID:???
>>254
無実の罪で投獄されたミリアリアの逆襲が始まるわけですね、分かります。

まぁ種ん時の言動を鑑みるに、サラ・コナー位のアクションは出来るだろうし…
256通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 15:47:07 ID:???
つまり女ナチュラルが強すぎであると
257通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 16:33:38 ID:???
リチャード・キンブ・・・・もといミリアリア・エルスマン 職業カメラマン
正しかるべき正義も時としてめしうる事がある
彼女は身に覚えのない夫殺しの罪で死刑を宣告される
護送の途中事故でからくも脱走した
孤独と絶望の逃亡生活が始まる
髪の色を変え、重労働に耐えながら犯行現場から走り去った
片腕の女を捜し求める
彼女は逃げる
執拗なジュール警部の追跡をかわしながら
現在を 今夜を そして明日を生きるために
258通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 17:43:29 ID:???
>>257
面白そうだけどシンの名前がNEEEEEEE
259通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 19:14:50 ID:RxT1CDf9
逃亡者か懐かしい
しかし痔はまだ死んで無かったような
260999:2009/05/23(土) 19:21:21 ID:???
皆様こんばんは、今日は缶チューハイ五本目な第999です。2話投下ですが月曜日にしたいと思います。 
それでは良い終末を〜♪
 
さて脱ぐか。
261通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 19:24:54 ID:???
状況報告は要らないよ。投下したばかりだし
262通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 20:10:05 ID:???
そういえばこのスレの職人さんは投下予告とかまったくしないな。
263通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 20:48:17 ID:???
命知らずばかりでいつひんぬーに殺られるか判らんから
さっと投下してさっと逃げないといけないんだろうなー
264通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:06:58 ID:???
・オーディション合格後に「ガンダムの主役」に選出された!と喜んで実家に報せた
・ラジオの方での聴取者プレゼントがフリーダムのプラモばかりでつい「またフリーダムかよ…」と愚痴ってしまった
・事務所に役者個人宛に「シン嫌いです」という心温まるファンレターが殺到したが
 この事態にも「これも俺の演技力の為せる業…」と自信を深めてみた
・番組終了間近の出演者達の飲み会でつい、魔乳艦長に「俺、未だにキャラが掴めないんです…」と弱音を吐いてしまった
・番組終了間近の雑誌インタビューで「(シンに対して)自分の考えを曲げないで貫いて欲しい」
 という趣旨の事を答えたが、2ヵ月後に放映した特別編でライバルキャラとの和解シーンが追加されてしまった
・番組終了後の「1年間通じて良い事は有りましたか?」との質問に始めはうーんと唸った後「難しい」と回答
 どうしても何か回答を、と促されると「石田彰さんと仲良くなれた事」と答えた
265通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:17:39 ID:???
鈴村…('A`)
266通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:22:50 ID:???
だが、最近はゲームで報われた。無双とかZとか

……K?声無しですから、関係ありません
267通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:23:11 ID:???
しかし出演してた声優さんがほぼ全員愚痴こぼしてた作品も珍しい
268通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:26:57 ID:???
でも鈴村って美味しい役も多いよね。ビックバイパー乗ったり。
269通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:47:57 ID:???
ただ種死後に鈴村の声は聞く機会増えた気がするが
逆に星はあんまり聞かなくなった感じがする
270通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 21:50:34 ID:???
>>268
憧れのシャドームーンと一緒に念願のてライダーやれたしな、声だけだけど
最近はプリキュアで悪役頑張ってるらしいし
271通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 22:38:34 ID:???
>>268
やっぱりシンには3次元の女よりAIが相棒としていいのではないでしょうか。
最後の最後で裏切らないし、他の男に寝盗られることもないですし

『送信……』
272通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 22:47:00 ID:???
そういやGSC氏の最新作でバックれた歌姫一派だが、あれでバクゥヘッドでシンが鎮圧に成功したらそのまま戻ってきそうなんだけど
その場合シンや周囲は如何する気なんだろうか
一番手っ取り早そうなのはさくっと殺っておく事なんだが
辣腕を振るう事で有名だったシンがトップ(もしくはそれに近い位置)に立つことを危惧した自称自由と平和の味方のクライン派や
様々な目的を抱いていそうなロミナママンとミナ様コンビとかの活動や胎動で
マジで返り咲いて、今度こそブチギレシンが逆襲に出るって可能性もあるよな
その場合味方に成りそうなのは元乗艦のクルーやそのオペレーターとかだと思うんだがどう思う?
AB「フフフ・・・送信」
273通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 22:54:09 ID:???
『首領アスカ主催のダンス大会がゲームで再現された!』
とか妄想してDDRを思い出した。
コニールやヒルダは勿論、ホーク姉妹やラクス、女体アスランやキラも参戦、
ストーリーモードでは最後に首領アスカがシン・アスカとしてプレイヤーに襲いかかる・・・





あ、ちなみに参戦キャラの枠はあと1人なので
274通常の名無しさんの3倍:2009/05/23(土) 23:31:51 ID:???
>>272
何となくだが、無印が終わって姿をくらました時と似てる感じがするんだよなあ。あの時も
「どうして僕達の世界は〜」って言って、勝手に世の中を悲観してたし。またクライン派が
狂言で特殊学級部隊を編成してラクス達を襲わせ、発奮して貰おうとするんだろうかねw
275通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 00:05:24 ID:???
>>269
今の☆は深夜に「ウォヤカタサムァ!!」やら「み、な、ぎ、るあァァ!!」やら元気に絶叫してるからそれほど不遇でもないんじゃね?
276通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 01:32:50 ID:???
種死を境に 鈴村は仕事が激減したって聞いた事あったが?
ただでさえ 鈴村主演作はヒットしないとか言われたりしてたが
種死はマトモな監督と脚本でさえあれば 普通に名作になりえたと思うけど
277通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 02:00:15 ID:???
網羅的ではないが種死前後に鈴村が出てたやつだと
グラビオン、Dグレ、獣神演舞、銀魂、電王とかがあるはず。
278通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 02:05:52 ID:???
wikiで見てみると種死放送中〜終了直後の2005年の辺りだけちょっと少ないかな〜というくらいで、特撮含めかなり仕事が多いような気がする。まぁリュウタロスの影響が物凄く大きいのかな、とは思うけど。
279通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 10:17:45 ID:???
>>272
本当にフェードアウトして二度と登場しなかったらどうする?ある意味、一番悲惨な結末だが
280通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 10:22:35 ID:???
>>279
えー、世界にとっては2番目に良い結末じゃないの?
1番はもちろん、全世界の敵として殺すこと
281通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 11:36:07 ID:???
そして二千年後
処刑されたラクス・クラインの遺骸より滴り落ちる鮮血を受けた杯をめぐり
血で血を洗う抗争が・・・・・・・

とりあえず大学教授とその父自重
282通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 16:22:16 ID:???
>>277
特に銀魂と電王は同じく負債に恨みのある高松や小林が一緒だしな。
さぞかし楽しく愚痴りあってんじゃないだろうか。
283通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 16:43:29 ID:???
>>282
それが水島監督が勘違いして怒った「ガンダムの半分の予算をください」じゃないか?
284通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 17:57:56 ID:???
銀魂クロスの賭場でふんどし一丁に剥かれてからマユに蔑まれる
全く、ダメな、お兄ちゃんと言うマダオな三連星なシンの出番ですね

紅桜編どころか高杉すら出てない上にオーブ解放戦の自由の攻撃で来たからMSすら無く評価は下がる一方と言う…
285通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 18:02:56 ID:???
>>284
何の話?
286通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 18:34:19 ID:???
>>283
ピー音入れたのにそんくらいで抗議するなんざちっさい器だな、水島
287通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 18:56:05 ID:???
>>286
水島からのクレームって「ガンダムの予算を半分もくれとかヒドス、そんなに多くないんだから(笑)」ってレベルじゃねーの?

負債からなら「予算のせいにするとは、さすが1話みて返却したガンダム作る監督ブヒ」ってところだろうが
288通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 19:14:00 ID:???
>>286は少しギャグセンスを養った方が良いと本気で心配した俺
289MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:48:06 ID:???
どうもです。 16話が仕上がりましたので投下させ頂きます。
……今回はちゃんとシンが出るよ!



機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request16


「バルドフェルドさん何故!」
「ロミナさん、何故こんな事を!?」
三機のドライセンを庇うようにアルザードの前へと立ちはだかるフリーダムとジャスティス。
「何故? 元凶たる君が言うか!」
「あなた達は……全てを手にしながら、全てを持たない。 だから奪う!」
キラとアスランの問いに答えることなくアルザードは鋏の中に仕込まれたレーザーキャノンを乱射。
「……キラ。 君は言ったな。 花は吹き飛ばしても植えればいいと」
バルドフェルドは外部通信で直接キラに話しかける。
「それが貴方の裏切りとどんな関係が!」
背中の甲殻のような装甲が開き、あらわになった垂直発射管から放たれたミサイルをライフルとCIWSで撃ち落し、キラは叫ぶ。
「過去に縛られず未来を見る……」
「「なら、花を吹き飛ばされ、過去に捕らわれた人間はどうすればいい?」」
ロミナとバルドフェルド二人の声が重なりあい、エターナルから無数の機体が発艦、アルザードの全身に仕込まれた火砲、ミサイルが一斉に火を噴く。
「なんて弾幕だよ」
「迂闊には近づけんか」
光波防御体との激突の衝撃で意識が軽く飛んだヒルダを庇い、マーズとヘルベルトは呟く。
「クッ……どうなってんだい」
「バルドフェルドが裏切って、大型MAとMS相手に交戦中だ」
意識を取り戻したヒルダが二人に向かい問いかけ、簡潔に答える。
「糞! 新たに敵機だと?」
三機のドライセンを取り囲む、いや追い込むように新たなMS部隊が出現し、キラたちとは距離を離さざるを得なくなる。
フリーダム、ジャスティスとアルザード、エターナル、その指揮下のMS群は決闘を演じるかのように周りから取り残されていた。
290MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:49:15 ID:???

「やめてくださいバルドフェルドさん! 僕達が戦う理由なんてありません」
まるで死を恐れないかのような攻撃を仕掛けるザクの四肢を連結したサーベルで切り落とし、フリーダムはエターナルのブリッジへと接近する。
「理由ならある。 まさか、忘れてはいまい。 君が僕の花を、アイシャを奪った事を!」
「…………それはッ!」
雷光のような素早さだったクリティカルフリーダムが、バルドフェルドの言葉に一瞬動きが鈍る。
それは通常の、平均的な技量を持つパイロット相手であればなんら問題が無いほどの刹那。
だが、その隙を前々大戦勃発時より戦場で生き抜いてきた老獪な男が見逃す筈はなかった。
「……そして君は、君の花。 フレイ・アルスターすら守れなかった!」
その二つ名、虎の名に相応しい獣の様な獰猛な表情で、キラの心の柔らかい、脇腹部分へと喰らい付いた。
「ちがう、チガウ、違う! 僕は、僕の言いたかったのは……!」
「堕ちなさい、フリーダムッ! キラ・ヤマト! ニコルの……あの人の仇」
隠していた心の傷痕を抉られ、素人目に分かるほど動きの鈍ったクリティカルフリーダムを狙い、無数のビーム、ミサイルが迫り来る。
「キラ、大丈夫か!」
フリーダムに着弾する直前、背部リフターをフリーダムの盾としたジャスティスはアルザードと相対する。
「アスラン・ザラ……ニコルを見殺しにし、あの人を死に追いやった貴方がよくも平然と!」
ロミナはその美しい顔を憤怒、あるいは憎悪に染め、アスランへと叫ぶ。
だが、その赤い瞳の奥底にあるものは未だ見えない。
「ロミナさん、ニコルは貴方が戦う事なんて望んでは……」
「黙りなさい! 過去に捕らわれない? 憎しみで戦うのはやめろ? 詭弁ね!」
「貴方はいえ……貴方達は自分達の切り捨てたモノを見たくないだけ」
「自分達だけは綺麗でいたいと思っている。 だから親しい人の死すら忘れられることができる!」
アスランの説得を一蹴し、ロミナは6年間、心の奥底に仕舞い込み、膨れ上がった想いを叩きつけた。
「違う……僕は、トール、ナタルさん、フレイ……ラクス、僕は」
「聞くなキラ! 貴方達にキラの何が分かる!」
達観した態度で隠していた、忘れようとした心的外傷を、心の脇腹を喰い千切られキラはコックピットの中で赤子のように蹲る。

「分からぬさ! 君達こそが人の夢、そして業の結晶!」
「それは、人を、欲を喰らう度に、更に輝きを増す魔性の石! だからこそ……貴方達は美しい。 妬ましい程に!」
襲い来る無数のMS、アルザードのレーザーからフリーダムを庇い、ジャスティスは全身の剣を振るい続ける。
既に不殺を捨て、コックピットへの直撃を意図的に狙いながら戦い続ける。
「このままじゃ、仕方ない。 まずはロミナさんから戦闘能力を奪う!」
アスランの脳裏に緑色の種が割れるイメージが広がる。
その瞬間、周囲に展開したザク、ウインダム、ドラッツェの部隊が、メビウスジャスティスの全身に仕込まれたビームカッターにより切り刻まれ、突き刺され薙ぎ払われ、一方的に蹂躙される。
「狂戦士め……忌々しい」
艦長席のアームレストに拳を叩きつけ、バルドフェルドは吐き捨てる。
「アレがSEEDか。 なるほど、たいしたものだ。 ……だが其処までだ」
ジャスティスの圧倒的とも言える戦闘能力にそれまで沈黙を保っていたファントムは声を上げ、愉快そうに笑う。
291MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:50:23 ID:???

「こいつデカいだけじゃない……速い!」
ビームブーメランを投げるも人型ではありえない変則的な機動でアルザードは避ける。
「ならっ! コイツで!」
今一度、シャイニングエッジを投擲し、牽制すると回避ポイントを予測し、その地点へとファトゥム02のスーパーフォルティスを放った。
「やったか!?」
「まだだ、まださ、パトリック・ザラの息子よ」
フォルティスが直撃し、閃光が辺りを包む、眩しそうに目を細めるアスランに、ファントムは閃光を直視し、頬の肉皮を吊り上げた。
「その程度では、このアルザードの装甲は抜けないわ」
「あれは、アルテミスの傘!?」
閃光が薄まった時、標準型MSの3倍はあるアルザードの白い装甲に傷一つなく、機体全体を覆う光の盾を纏っていた。
「くっ……なら接近戦で!」
「ドラグーン、撃ちなさい」
光波防御帯の弱点、内側から接近戦を仕掛けようとするアスランに、ロミナはただ静かに己の僕である竜騎兵へと命じた。
海老で言えば腹部分にある10本の脚が本体から切り離され、変幻自在にそらを駆け巡る。
「馬鹿な、脚がドラグーンに!?……しまった! だが、まだ」
ジャスティスの武装が届かない距離でを包囲し、全身を撃ち抜く。
右足と両腕を失いながらもアスランの目は諦めてはいない。
残ったスラスターを吹かし、アルザードへと突撃する。
「ロミナ女史! カミカゼだ、奴の18番、自爆が来るぞ!」
「カミカゼ? けれど自爆などさせはしない!」
通信機を手にしたファントムの叫びに、ロミナは突撃を続けるメビウスジャスティスに向け、鋏状のウェポンバインダーを打ち出す。
「くッ! 外れない!」
ジャスティスを確りとホールドした鋏は、グフクラッシャーのインパクトバイスに匹敵する圧搾力でジャスティスを締め上げた。
「ぐあああああああぁぁぁぁぁ!」
「アスラン・ザラ、あの世で、自分の行いを後悔なさい!」
PS装甲すら砕く最大圧搾力300万Gがジャスティスの装甲を砕き、フレームを変形させ、コックピットを歪ませる。
アスランの苦痛の叫びを打ち消すように、ロミナの怨嗟の叫びが辺りに響いた。
292MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:51:34 ID:???


「頃合いか……ファントム、艦を任せる」
鋏に締め付けられ機体各部から火花を散らすジャスティス、動きの止まったフリーダムを見つめるとバルドフェルドは席を立った。
「出るのか?」
ファントムは艦長席の傍らに立ったまま、不透過バイザーで他人からは見えない視線をブリッジ出口へと向ける。
「ああ、落とし前は自分の手で付ける」
その隻眼に明らかな殺意と確かな決意を宿し、バルドフェルドは格納庫へと歩を進める。
「各員、フリーダムとジャスティスから目を離すな。 前方進路空けろ! バルドフェルドが出るぞ」

エターナル格納庫最奥の、艦内でも片手で数えるほどの人物しか知らない、隠されたもう一つの格納庫にそれは鎮座していた。
4年前に月で回収された後、ターミナルの手によって秘匿され、ファクトリーでデータ収集と、来るべき時の為、改修を続けてきた濃紺色の機体。
(長かった……だが、もう終わる)
コックピットの中で、残された片目を瞑り、過ぎ去った過去を想い、バルドフェルドは操縦桿を握り締める。
「アンドリュー・バルドフェルド出る!」




「カガリ、アスラン、ラクス……僕はどうすれば、バルドフェルドさん、僕の言いたかったのは……シン。 君ならどうした?」
キラは未だ赤子のように蹲り、一人何事か呟いていた。 
交戦空域から流され、漆黒の宇宙に力なく漂うフリーダム。
そのフリーダムに高速で接近する一つの機影があった。
「いいザマだな、少年!」
「……バルドフェルドさん。 その機体は!?」
その紺色の機体を目にした瞬間、キラは正気を取り戻さざるを得なった。

――――その機体は全身の装甲を闇のようなダークブルーに染め、関節は銀、装甲の隙間から覗く澄色のフレームが血の様に見える。
頭部には捻れた角のようなV字のブレードアンテナ、血の色をしたツインアイの下には傷痕にも見える赤いライン。
肩にはビームブーメランが装備された装甲、頭部やボディとは明らかに違うデザインの四肢が継ぎ接ぎの異形。
巨大な翼と二振りの大剣を背に、赤く輝く光の粒子を撒き散らすそれは、例えるなら悪魔……としか言いようのないモノだった。

「見えるかね? これが君の定めだ」
「……因果応報。 東アジア共和国やオーブの言葉で人の行いには、相応した報いが必ずあると言う意味だそうだね」
             オウガ
「だから私は! この機体に応果と名付けた!」
その紺色の機体は背中から対艦刀をゆっくりと抜き出す。
「例え、僕やアスランが倒れたとしても、アプリリウスには、ラクスが、ターミナルの人達が……」
久方ぶりに見せる真っ直ぐな目でオウガを見据えると、キラは口にした。
負け惜しみだとは分かっていた。 
だが、言わなくては、未だ諦めていないと示さなければ自らの手で滅ぼした人達、その過程で命を落とした人たちに顔向けが出来ないような気がした。
「アハハアハハハッハハハハァァァ……ハハッハッ」
バルドフェルドの何処か狂気さえ感じる笑いが通信機から聞こる。
だが、キラには寧ろ……無知なるモノを憐れんでいる様にも聞こえた。
293通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 21:52:50 ID:???
 
294MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:53:55 ID:???
「何が可笑しいんですか?」
キラは自分自身でも驚くほど冷静だった。 本能的に死の匂いを感じ取り、覚悟が決まったのかもしれない。
「今まで考えなかったのかい? 僕らが何故こんな短期間に戦力を整えられたと思う?」
「えっ?」
バルドフェルドの答えに、キラは一瞬何も考える事ができなかった。
もう既に分っていた。 ただ、認めたくは無かった。
「もっと分かり易く言おうか! ……君達をこの場に導いたのは誰だ?」
「そんな、まさか……!」
何故敵はザフトの警戒網をすり抜けられたのか、何故味方の6割が裏切ったのか、最初に情報をくれたのは誰か。
今、考えればおかしいことだらけだ。
「……やめてください」
それ以上言わないでくれ。
だがそんなキラの懇願もバルドフェルドの言葉にかき消される。
      ネームレス
「我々の名も無き亡霊の裏にいるのは……ターミナルだ」
「嘘だ!」
「そ、そんな、デタラメ……」
キラも何時の間にか近づいてきていたアスランもバルドフェルドの言葉を否定しようと必死になる。
「事実よ、諦めなさい。 ターミナルはラクス・クラインを、貴方達を見捨てたの」
全周域通信で流された今のやり取り、その後のロミナの言葉にキラ、アスランだけでなく歌姫の騎士団、オーブ軍の戦闘行動が収束していく。
ラクス・クラインはターミナルの理想とは違うものになった。
ラクスは偶像であり、絶対の支配者で無ければならなかった……だがラクスは他国との協調を善しとした。
……ターミナルは調和を、ターミナルが作る調和を善しとする……ラクス・クラインはターミナルの調和を乱すイレギュラーだ。
キラの耳に何処からか声が聞こえた。 それは混沌で、秩序を求める、己のみが正しいと信じる狂信者の声。

「さぁ、絶望しなさい!」
「そしてあの世で詫び続けろ!」
ロミナとバルドフェルドがキラとアスランにトドメを刺そうと近づいた瞬間、高出力のビームが二機を襲う。
「バルドフェルド隊長! 何故こんな事を」
其処に現れたのはオレンジ色の装甲のあちこちが破損し、塗装もはげたダコスタのドワッジ改。
「ダコスタ君か……君とは長い付き合いだ、それに助けられた恩がある。 こちらに来い。 決して悪いようにはしない」
ダコスタの機体であることを確認すると、右手を差し出すような動作を取るオウガ。 
「その言葉を信じろと?」
「ああ」
「……すみません、お断りします」
ダコスタが沈黙の後に返した答えは拒絶。
「……だろうな。 残念だ」
その答えを想像していたかのようにあっさりとバルドフェルドは言った。
295MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:54:53 ID:???
「さようならです。 バルドフェルド隊長」
「ああ、今まで世話になった。さらばだ、ダコスタ君」
二人が別れの言葉を交わした次の瞬間、二機の戦機は爆ぜた。
ダコスタの駆るドワッジ改がバルドフェルドの濃紺色の機体に弾き飛ばされ、ビームランチャーを握った右腕が根元から切り裂かれる。
残った左腕を回し、脚部のスラスターを吹かして体勢を立て直す。
「一撃では仕留めきれなかったか……流石だな。 マーチン・ダコスタ」
先程とはまるで人が変わった様子でバルドフェルドが言い、濃紺色の機体が振り向く。
その両手には連合のノワールストライカーに装備されたビームエッジ内蔵対艦刀フラガラッハ3に良く似た武装ストームブリンガー4があった
「まだ衰えてはいませんか……流石は砂漠の虎、アンドリュー・バルドフェルド。 このままやっても勝ち目がないなら……逃げる!」
瞬間ドワッジ改の胸部装甲の一部が外れ閃光が奔った。
「何!」
「きゃっ」
「目眩ましか! 戦闘室、索敵! 状況知らせ!」
目を細め、閃光にかろうじて耐えたファントムはすぐさまエターナルクルーへと指示を出す。
「ダコスタ機、索敵範囲外へロスト! フリーダム、ジャスティスからの生命反応なし。 脱出ポッドが打ち出されています」
「フン、さてどうするか。 バルドフェルド、指揮官は貴様だ。 貴様が決めろ」
オペレーターの報告に不愉快そうに鼻を鳴らしたファントムはバルドフェルドへと。
「……追う必要はない。 この包囲網の中、手負いの機体が離脱する事などできまい。 出来たとしてもアプリリウスは既に我らの制圧下だ」
(ニコル……貴方の仇は)
「そうか……なら戻って来てくれ。 指揮官など性に合わん」
(砂漠の虎よ、獣は手負いが一番恐ろしい……それが分からない貴様ではあるまい? その選択が凶と出るか吉とでるか……見届けさせてもらおう)


同時刻
キラたちと引き離された黒い三連星は、辺り一体、周囲360°を敵に囲まれていた。

「くそったれ! 防御が硬くて押し切れねえ!」
サーベルを構えたウィンダムをハンドガンで撃ち抜き、三つ刃のビームブーメラン、トライブレードをドラッツェへと投擲し、マーズは叫んだ。
「肩に描かれた砂時計……マティウスの教導隊まで向こう側かよ」
ヘルベルトは戦闘中にザクから奪ったビーム突撃銃を両手持ちで乱射し、吐き捨てるように呟く。
「舐めるんじゃないよ、若造共!」
苛烈な叫びと共に、ヒルダ機がビームランサーで近づいて来たグフを一刀両断する。
「そうは言うがな、ヒルダ! このままじゃジリ貧だぞ!」
「押し切られるのも時間の問題だな……」
ヒルダ機に背中合わせになるようにマーズ機、へルベルト機が集まる。
「何言ってんだい!  弱気になってんじゃないよ!」
しかし、そうは言う物のヒルダ自身退き際を見極めなければならないと考えていた。
296MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:56:12 ID:???

幸いにして攻勢は一時的に中断している。
洩れ聞こえる通信内容から、既に味方は壊滅状態にある事は把握していた。
ベテランや中堅を他に回し、アプリリウスを素人で固めてしまった弊害がここになって急に現れていた。
バルドフェルドが裏切った以上、アプリリウスも敵の手に落ちているとみていいだろう。
教導隊も同じく、駐屯地のあるマティウスも危険だ……というよりどこも怪しい。
……となれば距離はあるが、プラント防衛の最前線であり、優秀ながら評議員やザフト上層部のお気に召さない人員が集められた、アーモリーシティに行くのが最善だろう。
今や数少ない赤服のエース、リーカ・シェーダ。
愚直とも言える程真っ直ぐなイザーク・ジュールとその部下。
旧デュランダル派の旗頭、旧ミネルバクルー。 つまり黒い三連星の唯一の愛弟子ルナマリア・ホーク。

(あの青臭さの消えなかった小娘は元気だろうか? いや……今は止めよう。 何すぐに会える) 
ふと思い浮かんだ考えに首を振り、否定する。

とにかく、アーモリーに居るのはいずれも一騎当千の実力を持つスーパーエース揃いだ。
残存戦力を集め、合流すれば勝ちの目も見える。
思考を纏め終え、考えを口にしようとした時、何かがヒルダの視界に入った。

「あれは、ドワッジ改……ダコスタ機だ!」
ダコスタはバルドフェルド直属の部下、右腕と言っても良い様な男だ。
だが、バルドフェルドが叛旗を翻す直前まで退路の確保を行っており、敵ではないと考え、三機は近づいて行く。
「ドライセン……黒い三連星か? 無事だったか」
右腕と左足を失ったドワッジに乗ったダコスタは極度の疲労と緊張からか、その顔は死人のように青白い。
(なんて面だ)
その悲壮とも言える表情に三人は表情を強張らせた。
「あ、ああ」
「無事でよかった……」
緊張の糸が切れれば今にも倒れてしまいそうな様子で、ダコスタは言った。
「おやおや、マーチン・ダコスタじゃないか? 親分が裏切ったのに、あんたは違ったのかい?」
緊張を少しでも解そうとヒルダは軽口を口にする。
「からかわないでくれ。 知ってたならここにはいないし、もう少し巧くやるさ」
味方と合流した事で少し落ち着いたのか、先程よりも落ち着いた声と顔で軽口の対する返答をした。
「違いない。 しかし……あんたも大概生き汚いな」
ダコスタの言葉に尤もだと、マーズは皮肉げな笑みを浮かべる。
「そいつはお互い様さ、7年前以来這いずり回ってでも生き延びてきた、貴女方も同じでしょう?」
「ま、そりゃそうだね……ん? キラとアスランかい」
ダコスタ機が残った腕に武器も持たず、何かを抱えている事に気付いた。
「ああ……何とか引き摺り出してきた」
プラント最強の二人が死んでいるのと生きているのでは士気に差が出る。
「先ずはこの宙域から離脱しないとな。 ダコスタ、部下と連絡は取れないのか?」
「いや、先程からやっているんだが駄目だ。 部下にも内通者がいたのかもしれない」
マーズの言葉に大きく被りを振り、ダコスタは答える。
「仕方ない。 途中で拾えるだけ拾っていくか」
「決まりだね。 さっさと尻尾巻いて逃げようじゃないか」
マーズが立案し、ヘルベルトが煮詰め、ヒルダが実行する。
禄に打ち合わせもせずに行動方針が決まるあたりが黒い三連星がザフト最強小隊と呼ばれる由縁なのだろう。
297MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 21:56:53 ID:???

「……待てっ! 新手だ。 数は……二中隊以上!」
離脱しようとした矢先、かろうじて残っていたドワッジ改の頭部が敵の接近を捉えた。
種別はドワッジに、量産型フリーダム、デルタフリーダム。 量産型ジャスティス、ナイトジャスティス。
歌姫の騎士団と一部エースにのみ配備された機体である。
ドワッジと同時期に開発された為、基本性能はドライセンと余り変わらないが問題は数だ。
「ちっ、しかたないねえ。 あんたら覚悟は出来てるね?」
何かを決断したのか、ヒルダはマーズとヘルベルトの顔を見据えた。
「そんな事、今更聞くか?」
「ああ、全くだ」
存外すっきりとした、何の問題があるかといいたげな表情で二人は答える。
「……そりゃ悪かったね。 ダコスタ、此処はあたし等に任せて離脱しな!」
「馬鹿な! 君達は如何するんだ!」
ドワッジから距離を取りはじめた3機に向かいダコスタは叫ぶ。
「余計な事気にするんじゃないよ」
「アーモリー1に行け、あそこならまだ大丈夫な筈だ」
「それによ、お荷物抱えて戦う気か?」
これから死地へと向かうにも拘らず、三人は笑いながら言った。
「…………すまない」
ダコスタは深くうつむく。
彼らは自分たちのために死んでやると言っているのだ。
彼らの意思を無下には出来ない。
「ああ、ダコスタ。 一つ伝言を頼まれてくれ」
ダコスタが機体を反転させ始めた時、ヘルベルトから通信が入る。
「相手はアーモリー1にいる試験飛行隊……ミネルバのルナマリア・ホーク 」
「……出来の悪い弟子だ。 連携戦闘技術を覚えるのに一年掛かって、マニュアルにするのに更に半年」
「幾ら教えても射撃は上達しない、熱くなったら直ぐに突っ込む、全く面倒見きれないよ」
「ただな、根性だけは誰よりもある」
「俺達の、全てを受け継いだ……自慢の弟子さ」
「……何と伝えればいい?」
過去を懐かしそうに、弟子を照れくさそうに語る三人にダコスタは言葉少なく聞きかえす。
「連携戦闘に置いて背中を任せている奴の場所は死角になる乱戦に気を付けな」
ヒルダが
「射撃が下手だと思ってるだろうがそんな事はないもっと自身を持て」
ヘルベルトが
「格闘、高速機動戦に関しちゃ言う事はねえ……ただ自分一人で戦ってる訳じゃないのを忘れるなよ」
マーズが敵に向かいスラスターを吹かして行く。
「……必ず伝える」
ダコスタのドワッジ改は三機を見届けると敵機とは逆方向に全速力で離脱していった。

「さて、はじめるか!」
「黒い三連星、最後の見せ場だ。 派手に行くぜ!」
「行くよ、あんた達!」
「「おう!!」」
298MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 22:00:51 ID:???


同空域オーブ艦隊。
バルドフェルド叛旗直後。

「こちらオーブ軍、こちらは味方だ!」
「命令を! 命令をくれ!」
「誰が味方で、誰が敵なんだ!」
オーブ艦隊は混乱の極みにあった。
つい先程まで味方であった歌姫の騎士団艦艇からの砲撃に、MSを展開しようとしていたオーブ艦隊は対応しきれず回避運動を取るのが精一杯だった。

「ザフト艦から攻撃!? 一体何が起こっているんだ!」
「隊長、一体これは……」
「俺にもわからん。 ワダ、ヤマダ。 僚艦と連絡取れ! それ以外はイツクシマを守れ!」
戦場把握の為、MA形態のムラマサでいち早く出撃し、難を逃れたオシダリもまた状況を把握できず、直属の部下に指示を下すので手一杯だった。
『オシ…リ! 聞こ……か! マズい事に………ぞ』
「如何したんです!? 状況の把握できました?」
慌てているイツクシマ艦長からの通信に、オシダリは叫ぶように答える。
『エ……ナル……いや、バルドフェルドが裏切った!』
「何? プラントがオーブに宣戦布告したのか!?」
階級差も思わず忘れ、怒鳴るように聞き返すオシダリ。
通信状況が悪いと言う事も合ったが、何より信じられないと言う気持ちの方が大きかった。 
『違う、テロリスト側に付いたんだ! 騎士団の艦隊、6割と一緒に!』
ブリッジへと近づいた事で一応通信状況は良くなるが、未だ状況は不明。
更に厄介な事はザラ司令官がいないため、司令官代行と言う立場からオシダリよりも階級が上の艦長連中を指揮して艦隊を無事に帰還させなければならないのだ。
(あーー、胃が痛え……)
だが胃の痛みに浸る間も無く、事態は動き続ける。
「意味が分からん。 とりあえず今戻って……」
「隊長! ナニワ、タカチホ反転! 呼びかけにも応答ありません!」
状況を把握する為、一旦艦へと戻ろうと機体を変形させたオシダリ機にワダから更に驚愕の情報が入る。
「身内からも裏切りが出たのか……」
『オシダリ! 撤退するぞ。 せめてアプリリウスの防衛戦力と合流しなければ!』
一瞬忘我状態になりかけたオシダリに、イツクシマ艦長からの叱責は正気を取り戻すには十分だった。
「……分かった。 艦隊指揮の方は任せる。 俺は道を開く!」
再びムラマサを航空機によく似たMA形態に変形させると、部下を纏める為、イツクシマの周囲を旋回し始めた。
299MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 22:03:08 ID:???

バルドフェルドの叛乱より数時間後プラント宙域。
旗艦イツクシマ、ブリッジに生き残った艦の指揮官たちが集まっていた。
状況はまったく不明、本国との連絡は取れず、生き残った艦も僅か。
幸いなのは生き残った艦の艦長たちが皆中道派で、顔見知りなので余計な腹の探りあいをしなくて済むという事か。
「……大損害だ」
円卓を囲んでいた指揮官の内、被害を纏めていたオシダリが呟いた。
「生き残った艦は二割。 戦艦が三隻イツクシマ、マツシマ、ハシダテ。 巡洋艦は0、駆逐艦が四隻の計七隻ですか」
艦長たちの中でもっとも若い、マツシマの艦長が非難がましい視線をオシダリへと送る。
「艦載機の被害が少ないのが救いだな……ボカチン食らった艦の人員も拾えた」
オシダリを擁護するように白髪交じりのイツクシマ艦長が声をあげ、マツシマの艦長を牽制する。
「……まったく嫌になる。 時折思うよ、全てを投げ出せたらどんなに楽だろうかと」
椅子にもたれ掛るとオシダリは深い溜息をつく。
「でしたら代わりましょうか?」
マツシマ艦長が皮肉な笑みを浮かべ、冗談めいた口調で言った。
「それが出来ればな。 第一、おかしいだろ。 何で司令代行が一佐なんだよ。 巡洋艦の艦長だって二佐だぞ」
皮肉を鼻で笑い飛ばすと、積もり積もった鬱憤が口をつく。
「まぁ、代行って言っても実質補佐って感じですがね」
それまでだ合っていたスズキ三尉が大げさに肩をすくめる。
周囲から苦笑めいた笑い声が聞こえオシダリは嫌そうな顔を見せた。
「ま、冗談はそこまでにしよう」
ほぐれた場の雰囲気を壊さない、絶妙なタイミングで咳払いをするとイツクシマ艦長は机に置いてある地図を指差す。
「取り敢えず駆逐艦を2つに分けて前後に配置するぞ……いいな?」
最先任であり、経験も豊富なイツクシマ艦長の意見に全員が頷く。
「俺は艦隊運用に関しては素人以下だ。 良いと思うようにやってくれ……何なら艦隊司令代行の権限を移譲させるか?」
「悪いが艦隊運用だけで手一杯だ」
ドサクサに紛れ艦隊司令代行の地位と責任を押し付けようとするも断られ、オシダリは苦笑いするしかなかった。
「貧乏籤ですね」
「「今更だな」」
スズキの核心を付いた一言に、その場にいる全員が声を揃えた。
「艦長、進行ルートの安全確保に向かっていた艦載機より通信です」
「……全員に聞こえるようにしてくれ」
『こちら、イツクシマ艦載機ヤマダ二尉、進路上に中破したMSを発見。 脱出ポットを抱えてます』
「ヤマダか? この糞忙しい時に厄介そうな物見つけやがって」
『上司が厄介そうな物見つける天才ですから』
よく見知ったオシダリの嫌味に、嫌味で返すヤマダ。
「……喧嘩するな。 回収して来てくれ」
『了解です』
そんなやり取りに呆れたように溜息を付き指示を出すと、イツクシマの艦長は通信を終了した。

「了解です……あんた運が良いぜ、直ぐに医者に見せてやるからな」
「……ああ、すまない」
ヤマダが発見したその機体はダコスタのドワッジ改であり、ダコスタからの情報によりオーブ艦隊はアーモリー1への脱出に成功する。

300MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 22:04:14 ID:???
「これが僕の知る限りの全てだよ」
全てを話し終えたキラは、渇いた喉を潤すため傍らに置いてあった水差しを口にした。
「…………」
シンとコートニー、ミハエルの三人は押し黙り、それぞれ状況を整理している。
「凡そ考えられる限り、最悪の状況だな」
考えをまとめ終わったのか、ミハエルが皮肉げに呟く。
「最悪と言うには……まだ早いですよ」
僅かに眉を吊り上げ、シンは反論する。
とは言え、シンに逆転の秘策があるわけではない。
「考えられる限り。 と言った。 それに、これ以上の最悪な状況など考えたくもない」
シンへと振り向き、指さすと吐き捨てるようにミハエルは言う。
「だがシンの言う通り諦めるのはまだ早い。 まだ打つ手はある」
「っていうかそもそもターミナルってなんなんですか? キラさんの話が本当なら、結局世界を自分達の思うままにしたいだけの連中じゃないですか」
シンの一言に、その場にいた全員が一斉に顔を見合わせる。
「ターミナルか……」
「旧クライン派の作ったレジスタンス組織という話だが、どうにも謎が多い」
「ええ、ターミナルの中にはナチュラルの人もいましたから……ラクスや僕は彼らのことを信じきっていました」
「でも何で急に叛乱なんて」
「……多分、ラクスが彼らの意に、反する行動をとったからだと思う」
シンの疑問にキラは言葉を選ぶようにゆっくりと答える。
「一部軍事基地を除いた地上からの撤退、ザフトの軍縮再編、ユーラシア連邦との和平……全てターミナルは反対したって事ですか」
「うん」
地上からの撤退とザフトの軍縮再編。
CE75年に行ったこれらの政策はラクス・クラインは暗君では無いと地球各国に認識させ、結果大西洋連邦との火種を抱えていたユーラシア連邦との和平を成功させた。
シンの記憶では、一歩間違えば、再び全面戦争、泥沼の戦乱に陥りかけていた状況を回避した政策は、歴史上稀に見る英断だとそれなりに評価されていた記憶があったのだが。
確かに世界は平和とはいえないが、それなりに大きな戦いがなく、大多数にとってそれなりに平穏であったのは確かである。
「しかし、よく全て上手くいったものだ」
「実際のところラクスは何もしていませんでしたから」
ミハエルの言葉にキラは苦笑いと共に答え、シンは首を傾げた。
ぶっちゃけた話ラクス・クラインは政治家としては優秀ではなかった。
だが、少なくとも自身が無能であると言う事は自覚していた節がある。
ゆえにラクスは政策の基本方針、プラントの復興、ザフトの軍縮、地球との交易再開の三本柱を打ち出すと、後は官僚や担当者に丸投げした。
自身は判子と状況判断に留め、細かい方針にまで口を出さず、更に有能であると判断した者は因縁を問わず採用し、ポストにつけた。
ラクスに意見できる者などプラント内でも一握りしか存在しなかったのである。
それが大いに有効だったのが外交である。
かつて、アイリーン・カナーバの元でほぼ勝利と言える停戦条件を勝ち取った外交陣は非常に有能で対立している大西洋と東アジア、ユーラシアの隙を縫い、
和平交渉を成功させると、火星からのNJCのベースマテリアル、希少鉱石輸入の窓口として貿易を再開させた。
ザフトの軍縮再編には旧ザラ派のエザリア・ジュール、デュランダル派のミネルバ隊に代表されるかつて敵対したものを過去を問わず参加させたのも講をそうしたといえるだろう。
一部に反感を招いたものの余剰人員を産業へとまわす事による経済復旧の効果は大きく一部位過激派(ターミナルを含む)を除いては大きく受け入れられた。
経済、工業力回復の結果、アーテナー級やエターナル級などの新型艦、新型MSを開発する余裕も生まれたのである。
詰まる所、ラクス・クラインは旧世紀ドイツの軍人フォン・ゼークトが述べたとされる組織論においては、『無能な怠け者』であったのだろう。

余談ではあるが、後世ラクス・クラインのこの方針については諸説ある。
地球、ナチュラルの歴史家が言うには自身はアイドル偶像としての扱いに慣れていたと言う事もあるといわれている。
だが、プラントでは違う。 いわく相方、キラ・ヤマトのニート体質が移っただけだと言うのだ
確かに妙な説得力がある説ではある
同胞であるコーディネイターからこんな珍説が出るとは意外だが、敵対したナチュラルからしてみれば、NEETにしてやられた等とは考えたくもないので、ある意味当然と言えるかもしれない。
余談終わり
301MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 22:05:09 ID:???
「シン……」
話が1段落した所で、キラはシンへと向き直り、真剣な眼差しでシンを見つめた。
「なんです?」
「おこがましいのは分かっている。 それでも言うよ、歌姫の騎士団司令として君に依頼がある……プラントを救って欲しい」
キラはシンへと深く頭を下げ、助けを請う。
「言われるまでもありませんよ……俺はその為に来ましたから」
心中に何を思ったか、周囲に見せることなくシンは深く頷く。
「なら、もう一つ。 これはキラ・ヤマトとしての頼み……ラクスを助けて欲しい」
「僕はラクスに……救ってもらったんだ。 戦う理由を力を貰い、フレイを見殺しにしてしまった僕の心を癒してくれた」
「なのに……今の僕は無力だ。 何も……出来ない」
シンを見上げる様に顔を上げるキラ。 その両目からは止め処ない涙が溢れていた。
「キラさん、それは違いますよ。 人はその場所でやる事をやるしかないんです」
「え?」
振り向いたシンの突然の言葉に、キラは思わず声を上げた。
「人は万能ではない……だからこそ自分の立場で、今出来る事を精一杯やる。 と言うことだな」
コートニーはシンの言葉に注釈を加える。
「ええ、世話になった知り合いのジャンク屋さんの受け売りなんですけどね」
少し照れ臭そうに微笑むとシンは、頭を掻いた。
「だが、ある意味本質を突いているかも知れんな……傭兵だろうと、パイロットだろうと、医者だろうと。 その場でできる事をやるのが本分だ」
「……少なくとも八つ当たりに壁を壊すのは違うと思うがな!」
何時の間にかどこから持ってきたのか、白い壁紙をシンが殴りつけた場所に張りながらミハエルはシンを睨みつける。
シンとキラ、コートニーは苦笑いするしかなかった。
「……キラさん、 俺、そろそろ行きます」
コートニーに目配せをし、シンは出口へと歩き始める。
「あ、ちょっと待って……持って行ってよ」
「これは?」
シンを呼び止めるとキラはその場で何かを書き、便箋にしまうと差し出した。
「出来る限り、融通を効かせてして貰えるように書いて置いたから。 何かあったらそれを見せて」
「……今の僕に出来るのはこれ位だけど。 今の僕にもできる事を僕も探して、やってみるよ」
そこにいたのは無力感に苛まれていたス−パーコーディネイターでも、歌姫の騎士団司令でもなく、一人の人間、キラ・ヤマトだった。
「ああ、言い忘れてました。 キラさんの頼み……確かに引き受けました。 それが俺に出来る事ですから」
「有難う……シン」
シンとキラの視線が交差し、そして外される。 
二人はこの時、はじめてお互いを信頼することが出来たように感じていた。

シンが扉を開けようとしたその時、シンの目に、彼女のステラの微笑む姿が見えた気がした。
(これでいいんだろ、ステラ? 俺はもう、憎しみで、怒りでは戦わない……俺が戦うのは戦争という名の悪意、そして誰かの為だ)
決意を新たにし、口元を引き締めるシン。
その背中を見たコートニーは、かつて幼さと危うさを持っていた少年が、過ぎ去った月日の中で、様々な経験をし、多くのものを背負った、一人の男になった事を悟っていた。



「あ、そういえばマーレもこの病院n」
ふと、あのナチュラル嫌いで嫌味な金髪のパイロットも入院している事に気付いたコートニーは声を上げた。
「早く機体が見たいからいいです。 あの人簡単に死にませんから。 あっ、先生、菊の花でも贈っといて下さい」
(ああ、嫌いなのか)(まぁ仕方ないな)
即断である。 コートニーがマーレの名を口にしてから僅か一秒後の事であった。
302MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/05/24(日) 22:06:37 ID:???

今回は以上です。 
投下した後、気付いたんですが、クリティカルフリーダムがダメージ受けてないですね。
………………えっと、原作再現ってことで、ひとつよろしくお願いしますorz
303通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:08:37 ID:???
>>302
GJ! シンが間違いなくキラやアスランより大きな人間に成長してる。

あとマーレバロス。仕方ないけど。
304通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:16:09 ID:???
投下乙です

かっこよかったんだけど……惜しかったなあ、オウガw
305通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:16:15 ID:???
全てがマーレさんに持ってかれたwwwwwwwwwww菊の花wwwwwwwwwwwww
306通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:22:54 ID:???
GJ!シンが大人だ!
てかバルさん、デスティニーみたいな機体に乗ってるのか
307通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:23:15 ID:???
オーガか…
背筋が凄そうなMSだねw
308通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:29:15 ID:???
オーガか
オニと約すこともできるな
309通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 22:35:00 ID:???
オーガと聞いてどこぞのお侍さんかと思ったじゃないかw
しかし虎が裏切ってダコスタが残るというのも珍しい流れだな
310通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:01:02 ID:???
>>306
>4年前に月で回収された
ってあるから、ディスティニーの改良機っぽいね
311通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:06:06 ID:???
オーガと聞いて、手足にタイヤがついてるアレを思い出した。
312通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:24:01 ID:???
てっきり量子ウィルス付きのラゴゥに乗って来るのかと
313通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:35:15 ID:???
一方、変な角度で頭を打ったマーレはマシンガンを乱射するアメフト選手になっていたと言う悲劇
314通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:47:12 ID:???
>>307
シン「バルドフェルドさん…これ、俺の最後の一撃です。この一撃を最後に俺、倒れます。…その時、貴方が立っていたら、貴 方 の 勝 ち だ!!」
315通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 23:56:45 ID:???
>>311
つか相方の機体がアルザードなんだから間違いなく元ネタはそれだろw
316通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 00:02:05 ID:???
虎がボスキャラクラスってのは 今までに無かったな
後は火事場泥棒のチンピラ軍人どもに報いを与えて欲しい所
317通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 00:04:45 ID:???
>>315
電童にアルザードっていうやついたっけ?
白い機体だからゼロのこと?
318通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 01:59:17 ID:???
>無力感に苛まれていたス−パーコーディネイターでも、歌姫の騎士団司令でもなく、
>一人の人間、キラ・ヤマトだった。
達観して成長したように見えるけど、虎さんやロミナママンの嘆きはスルーしてるよね。
シンにあくまで自分の嘆き(ラクスに救って貰った云々)しか訴えないとは・・・。
そんなニートを許すシン。
スパロボZの「過去を許すのは自分が決めることだ」を実践する格好良さ。
319通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 02:01:03 ID:???
こめん、スパロボZじゃなくて、無双だった。
320通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 02:22:22 ID:???
>>317
あ、良く見たら何か勘違いしてた

マジレスするとアルザードはサイバーフォーミュラのマシンだよ
オウガの名前も「SIN」が初出
こっちは漢字で「凰呀」だけどね
321通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 02:51:24 ID:???
オーガ・・・豪斬空・・・デスティニーの光の翼が「天」の字に光るのですね
322通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 03:03:57 ID:???
バルトフェルドさん「そ…その動きはレイ!」
シン「強敵(とも)たちの血が俺を変えた…」

こうですね、わかります。
323通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 13:39:02 ID:???
おいらはオーガと聞くと昔システムソフトが海外から輸入したゲームの無敵戦車を思い出す
長距離ミサイルとか重戦車とかよってたかって集まってただ一輌の戦車を止める、というゲームだった
324通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 13:44:59 ID:???
懐かしいゲームだなwやった事ないけど
325999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/25(月) 20:48:44 ID:???
誰もいない?投下するなら今のうち♪
326999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/25(月) 20:51:56 ID:???
 口が渇く、目の焦点が合わない、頭の中がぐるぐる回ってる。
「おにぃ…ちゃん…」
 マユの声が、失ったあの眼差しが…今目の前にいる。
 何で?死んだ、右手がちぎれ…様々な思いが入り交じる。吐き気が込み上げる。
「混乱してるようですので種明かしですわ。コーディネーターはみんな分割受精卵を保存してます、ですからマユさんの再生をしてさしあげました。」
 それは…マユと同じ姿をしていても…………
「記憶に関しては連合からの『ゆりかご』で良い人格、記憶を作り上げることが可能になりましたわ。」
 ラクスがにこやかに言う。
「もしかしたら……気に入りませんでした?」
 この後ラクスは困ったようにある一言を言った……
「では、処分いたしますか?」
 
第二話《命の価値は? 前編》
 
『プラント政府は食料供給コロニーを増産、新型太陽光発電と遺伝子組換によりこれまで以上の収穫が…』
『オーブ政府は先日、国防の為、新型MSを発表しました。この機体は傭兵組織アメノミハシラとの共同開発であることから、プラント政府は抗議……』
『今日午後プラント警察はアダルトソフトウェア会社、トレイン・トラインの社長アーサー=トライン容疑者を児童ポルノ法違反の容疑で指名手配し……』
 
 会場は揺れ混乱している。少女はパニックになったように叫ぶ。舞台袖の…会場の死角から、キラは冷静に拳銃を発砲した。狙われたコンサート会場の照明が砕け会場にガラスの雨を降らせる。
 会場のパニックは最高になり恐慌が場を支配した。
 その後、キラとシンはあらかじめ決められた通りにその少女の元に近づき、少女に逃げるよう告げる。
「みんな、逃げて、敵はプラント政府よ!」
 そう少女がマイクごしに叫び、シンに連れられ舞台から去る。会場は今頃逃げ惑う連中でパニックになっているだろうがかまわない。
 なぜならそれが狙いだからだ…
 少女専用の移動し、キラは運転席に座り、二人が乗り込んだと同時に車をスタートさせる。車の中でシンは隣に座る少女を見て…
「よくやった、ミユ。」
 抱き締めて褒める、その少女ははにかみシンに甘えた。ラクス=クラインが行ったLife Recycleの第一号、それがリサイクル=マユ=アスカ。シンにとってもう一人のマユだ。だが区別するためミユと呼んでいる。
 そんな仲睦まじい二人をキラはバックミラーで見、一瞬、優しく口元を歪ませるが、
「さて二人共、予定どおり協力者と合流するぞ。」
 キラが言い放つ。街中はパニックという文字で埋めつくされている。コーディネーターだろうが非常時にはパニックになる。どこが新人類だ。キラが嘲う。そんな中、キラは街角で二人の男女を載せる。
327通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 20:52:16 ID:???
迎撃♪
328999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/25(月) 20:54:04 ID:???
 一人は青いポロシャツにジーンズを着た黒髪セミロングの女性。コーディネーターだろうがナチュラルだろうがファッションに違いはあまり無いため街中にいる、どこにでもいる女性に見える。
 だがもう一人の格好は歌舞伎者だった……金髪アフロにショツキングピンクのアロハシャツ、白のエナメルシューズに白のハーフパンツ、ついでに靴下は白のニーソックスをはいていた。それはまさにC.Eの歌舞伎者だった。
 その、あからさまに怪しい歌舞伎者ゆえに、こんな混乱の中溶け込んでいた…わけもなく、誰しもかかわりあいたくないだけだった。
「グレィト!予定どおりおれ達が協力者だぜ!」
 そう車の中で歌舞伎者、ディアッカ=エルスマンは呟く。
「ディアッカその格好は?」
 キラが半眼で問う。
「裏の裏のそのまた裏をかいたのよ。」
 女性、ミリアリアが言い放つ。少しの会話の後、
「あんたたち二人警察ザタじゃなかったのか?」
 シンが聞く。
「そいつは違うぜ、この格好は…………カッコいいからだ!警察ザタ?あれは…………」
 ディアッカが青ざめガクブルする。
「あれはね、トールが生きてるのに何で離婚しないのよ。ってこと。」 
 ミリアリアが舌をチャーミングに出し『てへっ』とおどける。ディアッカは相変わらずガクブルしてるが、
「シン、お喋りは終わりだ、熱心なファンのご登場。」
 キラがバックミラー越しに話す。車の後ろからプラント警察のピンク色(ラクスの顔写真付き)パトカー数台がラクスの歌をけたたましく鳴らしながら追いかけて来た。
 キラは巧みなドライビングテクニックで逃げる。伊達に現在無敗の世界最高ドライバー、アーノルド=ノイマンに師事していない。
「ミユ、スーツに硬化剤は?」 シンが座席の下から小型爆弾を取り出し、ミリアリアは自分の荷物からスローインダガーを大量に取り出す。ミユはスクール水着の脇をいじり、水着はそのまま硬化、ボディアーマーになる。
 ディアッカがアフロを外し窓からパトカーめがけ投げつける。と同時にキラが、
「さて、じゃあみんな、」『レッツパリィィィ!』
 パトカーがアフロに接触し爆発、これが後に『アプリリウスの悲劇』と呼ばれる戦いの幕開けだった。
329通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 20:54:43 ID:???
アーサーwww
330通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 20:58:03 ID:???
ツッコミ所が大杉だよ…
331通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:03:46 ID:???
>では、処分いたしますか?
……人の命を何だと思ってんだ
というかこれも良かれと思ってやったんだろうなぁ、納得できんが
まさかフレイも復活させてキラの逆鱗に触れたか?
332通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:05:37 ID:???
>>331
フレイならぬクレイか
333通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:06:33 ID:???
そういやさ、各作品のジャンク屋組合の扱いってどんな感じだっけ?
職人ごとで結構差があったと思うんだけど…
334通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:08:12 ID:???
>>331
コーディネーターじゃないと無理なんじゃない?
335通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:17:55 ID:???
ああ、そうだったか
というかキラの親しい人物ってラクスと凸と虎以外はナチュラルしかいないな
336通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:25:59 ID:???

これじゃプラントはアルファコンプレックスじゃねーかw


あと、ちょ、アーサー何やってるのw
337通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:30:24 ID:???
>>333
光芒だとラクス政権崩壊後、世界各国からフルボッコにされて崩壊。The Red Impalseは解らない。
GSC氏の初期の作品では一種の国家になっている。
MOR氏ではアメノミハシラなどと手を組んでいる。
338通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:31:34 ID:???
The red Impalseではオーブとプラント両国ともジャンク屋からすら見捨てられているな。
339通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:31:48 ID:???
>今日午後プラント警察はアダルトソフトウェア会社、トレイン・トラインの社長アーサー=トライン容疑者を児童ポルノ法違反の容疑で指名手配し……
何やってんのアーサーw
>金髪アフロにショツキングピンクのアロハシャツ、白のエナメルシューズに白のハーフパンツ、ついでに靴下は白のニーソックスをはいていた。それはまさにC.Eの歌舞伎者だった。
何やってんの炒飯w
>トールが生きてるのに何で離婚しないのよ。
ちょ?!生きてんのかよ!
>プラント警察のピンク色(ラクスの顔写真付き)パトカー数台がラクスの歌をけたたましく鳴らしながら追いかけて来た。
SAT値ヤヴァイ…
>キラは巧みなドライビングテクニックで逃げる。伊達に現在無敗の世界最高ドライバー、アーノルド=ノイマンに師事していない。
流石はノイマン!!
340通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:35:05 ID:???
投下乙です
ミユちゃんINスク水ですか、いやはやおじさん一線を越えてしまいそうだよ
341通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:42:16 ID:???
つっこみ所満載だが……
>『レッツパリィィィ!』
未曾有の大破壊フラグがw
342通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:43:54 ID:???
きっとノイマンは先祖にイカルガと言う名前の奴が居たに違いない
343通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:54:27 ID:???
シリアスとギャグが多分に入り混じり素晴らしく見えるがどこもおかしくはないな。

いいぞもっとやれwww
344通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:05:51 ID:???
男は命を愛機に預け、愛機は男に風を運ぶ。灰色のアスファルトに残されたドリフトの痕。グローブを外し、汗ばんだ手が口元にコーヒーを運ぶ。

アーノルド・ノイマン。世界最高のレーサーが、サーキット上に残されたゴムの焦げた匂いと共に味わう。

ダイヤモンド・テクノロジーが贈る、出来る男にこそふさわしいこの味。「D‐ブレンド『cho‐so‐da』」をあなたにも。


「……最近『回避ー!』って怒鳴られないから、調子狂うな……」











「はいカーット!……ノイマンさん、最後の一言もうちょっとカッコ良く出来ません?」
「いや、柄じゃないんで……」
345通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:06:53 ID:???
まあギャグだよな ピンクは大嫌いだが さすがにクローン作ったりはないだろうし
しかしどんなオチが付くんだか予想出来ん
346通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:08:41 ID:???
トールもリサイクルされてるってことかな。便宜上の通称はケールとか
「俺は青汁の素か?」

痔も「傾奇者」でなく「歌舞伎者」なのがミソ…なのか?
347通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:12:19 ID:???
>>337
傭兵氏のって描写あったっけ?
348通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:14:41 ID:???
もうテンプレにいれていんじゃね?

『このスレではアフロのヅラを高性能化させましょう』

ってな感じでさ?
大気圏突入できたり、爆発したり、値札ついてたりw

最終的にはスターウォーズのC3POくらい活躍しそうな予感……ヅラなのにww


もちろん冗談ですよ
349通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:22:22 ID:???
>>348
とりあえず生でアレを見た住人の脳内にはしっかり刻まれてるからそれで十分だろ
350通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:23:59 ID:???
>>344
つかタイミング的にノイマンの場合は回避〜って指示の前に回避操作してるからなwww

なんか某スレにあったフリーダムからタクシーで逃げ回るノイマンを思い出した
351通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:28:03 ID:???
「強力というのでしたら装備しない手はありませんわね」と、
デスティニーUにオプションのアフロを取り付けさせようとするお嬢様の姿が…
352通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:28:58 ID:???
新生シンデルンジャー
マユ→ミユ
フレイ→へレイ
トール→タール
アイシャ→アンクシャ
353通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:33:40 ID:???
>>351
エミュ「だが断る!」
アーサー「その略称だと某バトルファックな淫術師のクィーンに聞こえr」

グシャ
354通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:35:40 ID:???
>>352
なぜアイシャだけMSなんだ?
355通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 23:08:41 ID:???
>>347
俺の勘違いかも知れないが、もしかしてMOR氏と傭兵氏を混同してないか?
両方シンが傭兵で、赤いMSに乗ってるが二人は別の職人さんだぞ。

赤いウィンダムに乗っていて、ロミナママン支援のもとバインバインなコニールと古城を拠点に傭兵やってるのが傭兵氏。

赤いグフクラッシャー(最近乗ってないけど)に乗っていて、ミナ様の支援のもと、ムチムチなコニールとガルナハンで同棲して、赤鬼を名乗ってるのがMOR氏。

箇条書きにすると似てるな。
話は全然違うのに……あ!  もっと良い例えがあった!
女性職人さんが傭兵氏で、ゲテモノMS好きでネーミングセンスがアレなのがMOR氏d
356通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 23:15:27 ID:???
>>355
コニールが勝ち組すぐるw

つーかムチプリかボインちゃんの二択とか、かなり成長度高いなコニール…
357通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 23:36:14 ID:???
銀河鉄道氏のシンは禁断のルート攻略済みにしか思えない
358通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 23:56:23 ID:???
アーサーが喜ぶシチュエーションですね判ります
359通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 00:04:15 ID:???
一見勝ち組に見えるコニール……駄菓子菓子!
傭兵氏verは未だ本編中に登場せず。
MOR氏verは序盤にヒロインフラグを立てたは良いが、ルナマリアもフラグを立ててて大ピンチでごz……畜生! 赤いスローターダガーとグフクラッシャーが!
360通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 00:35:46 ID:???
夜分すみません、いつもこのスレを楽しんでいるものです。
突然ですけど、新しく投下してみたいのですけど、よろしいでしょうか?
・二次創作注意
・キャラ崩壊あり(とくにキラ、ラクス)
・ある平井久司作品の影響大
・完結まで頑張る

こんな感じで、とりあえず第0話を投下したいのですが。
361通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 00:44:20 ID:???
二次創作注意もここは二次創作を投下するスレだし
完結までちゃんとやるなら歓迎だ
362通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 00:46:35 ID:???
いや、この場合の二次創作って、
誰かのSSの二次(要するに三次創作)ってことなんじゃないか?
363360:2009/05/26(火) 00:50:49 ID:???
誰かの作品の世界観を使っているということではないのですが、
このスレの職人様の影響は多大に受けていると思います、
とくにGSC様となんとなく様の。

ではお言葉に甘えて投下させていただきます。
364360:2009/05/26(火) 00:52:22 ID:???
ひとがいきているかぎり ひとがくらしているかぎり

あらそいがたえぬというのなら わたしはわたしがしんじるものたちに…


「プローフに感アリ、座標と画像データ、表示します」
ブリッジクルーのシートに収まっている金髪の女性が抑揚の無い声で伝える。
同時にブリッジ正面にプローフ…遠隔操作可能なセンサーが捉えたデジタル写真が
表示される、漆黒の宇宙に映る、ボロボロの外装を身に纏うそれは、ナスカ級高速戦闘艦の特徴ある
シルエットだった。
「あーあー見るからに海賊って感じだねえ…あ、プローフはもう戻していいよ、
壊されると開発局に怒られちゃうからね」
軽薄そうな物言いで指示を出す男は、ザフトの黒い軍服に身を包んでいた。彼は
艦長席には座らず肘掛に手を添えて立っている。
「間に合ったか…運がよかっただけかな?」
独り言のように呟く彼、アーサー・トラインは気合を入れなおすように軍帽を直し、
ニヤケ面を少しでも引き締めたようにする。
「総員第一種戦闘配置、機関は最大、捕捉した船籍不明の艦に接触する。
パイロットも全員叩き起こしてくれ、シンは起きてるかな?」
『俺がどうしたんだ?艦長』
「わ!急に話しかけないで下さいよ。ビックリするじゃないですか」
『また大仰な』音声通信がいつの間にか繋がっていたようだ、多分バートあたりの
仕業だろう、クスクス笑っていやがるから多分そうだ。
365通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 00:53:29 ID:???
>>360
>・二次創作注意
SSはオリジナル以外は皆二次創作
GSC氏とか首領氏のだって既に有る作品のキャラや設定使ってるから二次創作よー
んで二次創作の設定とか用いれば三次、更にそれを利用すれば4次と増えていく

漫画版とラノベ版とかの設定を〜〜って事なら二次創作の範疇だ
366360:2009/05/26(火) 00:54:31 ID:???
「で、海賊でも見つけたのか?艦長」
シン・アスカは丁度モビルスーツのコクピットの中にいた。乗りなれない機体を
支給されて間もないために、待機中の時間も費やして、自分の身体になるように
なじませている最中だったのだ。
『規定航路の外から全速で割り込もうとしている船籍不明の戦艦を発見した。
多分商船でも襲おうとしてるんじゃないかな、今そっちの方確認をとってるけど
…あ、今丁度救難信号をキャッチしたよ』
「わかった、いつでも発進できるようにしておく」
『多分戦闘になると思うから、頼むよ』
通信が切られた後、シンは調整は一度中断して、自分の機体を臨戦態勢にした。
同時に装備も次々とモビルスーツに装着されていく。その作業を開けっ放しにした
ハッチから見ているシンは、赤いパイロットスーツに身を包んだ女性が自分の目の前
を横切るのを見た。
「随分早いな、寝てたんじゃないの?ルナ」
「寝ようとしたら叩き起こされたのよ!」
「み、耳が…」《ミネルバ》時代からの同僚、ルナマリア・ホークの怒号を受けて、
シンは思わず首をすくめてしまう。
「にしても、ハァ…いつまでコレに乗んなきゃいけないの?私達」
「仕方ないだろ、そういう任務なんだから。そんな悪い機体じゃないと思うけどなあ」
「顔が格好悪い!」
「…えー?」

ルナマリアの目の前には、二機並ぶ《ダガー》系モビルスーツがあった
367360:2009/05/26(火) 00:56:26 ID:???
コズミック・イラ75年。地球連合とプラントが最後に戦った戦争からはもう1年も経つ。

平和を謳いながら戦い、勝利したラクス・クラインがプラント最高評議会議長、つまり
プラントの指導者に君臨してからの彼女の為政は、評価が二分するものであった。
プラントのみの国力では経済、産業おもに大いに欠陥がある国家を建て直すことは
不可能と判断し、積極的に地球連合との融和策をとったのである。

プラントの技術力と人材、そして何より『あるもの』を渇望していた地球連合首脳部も
それを受け入れ、現在、序々にではあるが商業と技術交換を中心に交流が進められている。
しかし、二度の大戦で穿たれた溝は深く、連合・プラント両方でその流れに逆らおうと
するものも多く、大なり小なり、様々な問題が発生していた。

今、シン・アスカが出くわしている問題もその一つ。クライン議長の方針に反発し、脱走した
ザフトの部隊が丸ごと海賊になっているのだ。軍縮が叫ばれる時代であっても、やはり
人民を守り、国を守るために力は必要なのだ。

そんな警備隊めいた仕事を、シンはもう1年近くも続けていた。


ヒラメのような船体を持った輸送船《ベイバロン》のブリッジの中に、一人の少女の
怒声が響いていた。
「だから!黙って殺されるよりはマシだろ!あいつ等につかまる前に、こっちからも
モビルスーツを出して…」
「モビルスーツたって、作業用だろありゃ。装備も無いのにどうやって喧嘩するつもりだ?」
真っ赤な短髪が印象的な少女と、艦長席に座る無精ひげが目立つ青年が言い争いを
していた。先程から航路外から全速でこちらに突っ込んでくる戦艦…恐らく海賊をめぐって
意見を違わせていた。
「装備ならある!今運んでるのはモビルスーツの武器だろう!」
「勝手に荷を開けたりなんてしたら信用がた落ち、俺達職ナシだぜ?ま、お前さんが
再就職先を保障してくれるならいいけど?」
368360:2009/05/26(火) 00:58:15 ID:???
「き、緊急避難だ!仕方ないだろ」
「まあそう慌てんな。おい、エンジンは温めておけよ」
操舵手に指示を与えつつ、無精ひげの男は少女の怒声を聞き流しつついかに生き残るかを
思案していた。
しかし、次に受けた報告は男にとって意外であり、福音だった。
「キャプテン、ザフトのコードを発信してる船が、回線を開いて欲しいと
要求していますが」
「ん。早速開いてくれ」

『こちらザフト所属パトロール艦《パトクロス》。そちらの船籍と航海目的を問う』
ザフトの女性クルーのものと思われる声がスピーカーから響く。それにはキャプテン…
無精ひげの男が対応した。
「当方はしがない輸送業の船《ベイバロン》でございます。プラント宛の貨物を多数積載
しておりますが、現在海賊に襲われかけております」
『接触予定宙粋はC34です。すみやかに避難を』
「了解了解、ところで、あとでお茶でも」通信は一方的に切られてしまった。
「…キャプテン?何ナンパしようとしやがってますか?」
「おいおい、美人を放っておくほど間抜けになった覚えはないぜ?俺は」
「サウンドオンリーだったろ、さっきの」
「いや、あの声は美人の声だそうに決まっている。一見冷たそうに見える人の、こう、笑顔というか」
「格納庫にいってくる」無精ひげの男の馬鹿をさえぎるように、赤毛の少女はブリッジから出て行った。
「いいんですか?キャプテン。カノンをあのままにしておいて」
「放っておけ。針路変更推力最大。規定航路から離れていい、出来るだけ遠くに逃げるぞ」
369360:2009/05/26(火) 01:01:08 ID:???
『船籍不明艦との接触まであと125秒、モビルスーツ隊発進用意』
金髪のアビー・ウィンザーの声がパイロット達の耳に伝わる。《ミネルバ》時代は新兵だった
彼女も、今ではベテランの落ち着きを見せ始めている。クールな印象のある声はパイロットには
ウケがいい、らしい。
「各機、いつも通りだ。俺の《ダガーU》で強襲して足止め。ルナ、支援砲撃と新兵の面倒は
任せるぞ」
『はいはい。とりあえずシンの背中は撃たせないようには、するわ』
そして、シン・アスカもいまではモビルスーツ隊を一つ任せられる立場になっていた。単純に、
上が居なくなれば自分にその順番が回ってきた、ということなのだろうが。
「新兵。ルナの指示に従って、俺達の教えたことの半分も出来れば生き残れる。
下手に緊張するなよ」
『了解!』『は、はい!』1ヶ月前に《パトクロス》に配属された
新兵二人は《ゲイツR》のコクピットの中から返事をかえす。すでに旧式に
なった感のある機体だが、レールガンで砲撃させておけばそれなりに役には
たつ。それに、戦果を稼いでもらうよりは生き残って経験値を稼いでもらいたいのが
シンの心情だった。
『モビルスーツ隊発進。アスカさん、発進どうぞ!』
アビーからの指示をうけ、シンは機体をカタパルトに接続させる。間もなく、
正面ハッチが開いて…
「シン・アスカ、《ダガーU》いきます!」
シンが乗るモビルスーツ…腰の両サイドに斬艦刀を装備し、背中に推力強化パックを装備した
《ダガーU》が、ナスカ級《パトクロス》のリニアカタパルトによって打ち出され、暗黒を切り裂く
光芒となった。


(第0話おわり、次回につづく)
370360:2009/05/26(火) 01:05:16 ID:???
今回はここまでです。地味な始まり方&拙文で申し訳ないです。
二次創作についての丁寧なご説明有難うございました。とりあえず
二次創作であると言わせていただきます。
このスレの職人と、住人の皆様に感謝を。
371通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 01:15:32 ID:???
つまり
◆キャラクター
擬人化OS
乳談義許さぬお嬢様
研究員
ユルゲン
不幸少女
みなたま
姉ルーシュ
娘ステラ
デ娘
◆小物
宇宙を駆けるもっさり感
エクスドライブ
エルメス
ゲイ・ボルグ
エジプトのホテル
ラクパト(ラクスパトカー)
◆MS
運命U
グフクラッシャー
グフハウンド
ネロブリッツU
ミーア
バルゴラダガー
ホームランフリーダム
と出したら煮てた鍋の中が実は空だったりする
372通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 01:19:38 ID:???
>>371
いや、この世の物とは思えない悪魔色か環境破壊色のシチューになる。
373通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 01:25:33 ID:???
>>371にさらに
・キャラクター
バインバインな褐色少女
ムチムチプリンな褐色少女
ナイスバディな未亡人
・小物
古い城
量子ウイルス
アフロのかつら
・MS
足に銃口ついたMS
赤いウィンダム
Iジャスティス・パーフェクトナイトアスランエディション
Gカイザー

をぶち込むと・・・
374通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 02:34:24 ID:???
>>373
宇宙の法則が乱れる
375通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 06:23:10 ID:???
なぜ御神体であらせられるプランAを入れない!
376通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 06:29:25 ID:???
ロリ巨乳のミユタソはぁはぁ 
ウッ 
 
 
ふぅ
377通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 09:47:27 ID:???
>>370
とりあえず投下乙、小規模ながら指揮をとるシンってのは悪くないと思う。ヘブンズベースでも
ちょっとやってたし……ほんのちょっとだが
378通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 10:14:16 ID:???
小隊長としちゃ十分だろうけど、その上以上は性格(短気、感情的)が災いして向いてないだろう
ニートや支離滅裂で結局指揮なんかほとんど取ってなかった凸よりはよっぽどマシだろうが
379通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 14:11:07 ID:???
シンって おかしくなったのは オーブ戦やメサイヤ戦くらいで 他は感情出しながらも 立ち回りは意外と冷静だったがな
ミネルバを守りながら無双したり 感情剥き出しだった自由戦すら 射撃を最低限の動きでかわしたり

意外と指揮官の才能ありそうだがな
380通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 14:47:57 ID:???
一番被弾しやすい位置に指揮官が行くのは危険だとは思うがなw

仮に隊長やるにしても、戦場での指揮は副官辺りに丸投げして、「俺はいつも通り一人で戦闘る」って方がらしい気もする
なんつーか、「不可能を可能にするのがアスカ隊」って感じ?
【部下に裏切られるフラグ】
381通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 14:52:57 ID:???
>>380
つまりシンがジェノサイドの二つ名で呼ばれるんですね! 分かります!
…………レッドアイズを知ってる奴が何人いるのかが問題だ。
382380:2009/05/26(火) 14:55:40 ID:???
少なくとも平日の昼間に5分でレスがつくとは思わなかったw

そうか、意識しなかったんだが「レッドアイズ」なんだよな>シン
383通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 15:30:58 ID:???
レッドアイズとか言われても
ブラックドラゴンしか思い浮かばない俺
384通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 16:05:05 ID:???
>>380
むしろ最近見た作品のせいでシンが覇道を目指すラオウ様に見えてきたww
385通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 17:10:15 ID:???
となると天の覇王的に考えてレイナとサクヤ役は誰になるかな?

俺はなぜかレイナがシンでラオウがミナ様と言う組み合わせに見えるのだか
386通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 18:20:19 ID:???
トキはキラ
ジョインジョイン的に考えて
387通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 18:23:49 ID:???
>>380
井伊直政?あれも赤いし。ただ決戦で勝利するも負傷してまもなく死ぬフラグが……。
388通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 18:29:25 ID:???
ベイバロン
カノン

これはシンが最終的に失明フラグだな?
389通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 19:05:10 ID:???
>>381
CEXX年、突如として現われた地球外勢力「フォーリナー」によって地球圏は絶体絶命のピンチを迎えていた。
プラントを牛耳っていたラクス一派は最初の戦闘において和平交渉に臨むも敵方にはその意思はなく。
やむなく大隊をもって制圧に乗り出した、しかし蓋を開けてみればまさかの大敗北をきっし。
プラントは彼らのマザーシップと思われる戦艦からの一撃で宇宙の塵へと化した。
これに調子づいたのか敵軍はその圧倒的な戦力で持って各コロニーを殲滅。
結局、宇宙移民者の約6割はその命を散らしていった。
そして、地球―。
こちらもすでにフォーリナーの侵攻により各地に大打撃が与えられていた。
フォーリナーのプラント侵攻後によって新たに作られた国際組織EDFの果敢な反撃にも
敵の攻勢はとどまるところを知らない。一部地域を除いては…

ガルナハン、はずれ
隊員「ちっきしょう、ちきしょう。囲まれた!!先に逝くぞ兄弟」
隊員「待て、早まるな!む、味方の増援…一機だけ?」
隊員「あ、あれは…ストーム1だ、ストーム1が来てくれたぞ!!」

とジェノサイドの単語に反応したらこんな妄想が
390通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 19:11:55 ID:???
>>388
僕らは目指した〜シャングリラ〜

最終決戦前にシンが「お母さんと呼んでいいですか」と言うんですね分かります
391通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 19:30:07 ID:???
VSアストレイでゴールドフレーム販促来たな

このスレの住人は5月発売の金枠買う?
392通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 19:35:14 ID:???
買わずアイザックやジェガンかの?
393通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 19:37:46 ID:???
>>391
もう天Mがあるからバズーカだけ後で注文すr(グシャ
394GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 19:58:27 ID:???
『良くやった! これこそ反撃の第一歩だ!』
 オクトーベル・スリーの防衛部隊とコロニーの内部構造を破壊し尽くし、歓声を上げる
テロリスト達。その通信を傍受し、コクピット内のパイロットシートに凭れていたミナが
薄く微笑んだ。通信が入る。
『サハク司令官』
「こちらに異常はない」
『そういう事ではありません。どうか、そこから退避して下さい』
 角飾りのようなブレードアンテナと青白いツインアイを備えた黒と金のMS、ミナ専用
機であるヨモツは、ゴンドワナの一区画にいた。72時間の整備が終わる寸前にコンテナ
ごと潜り込んだ先は、MS用第3格納庫。
 補強用の柱が神殿のように立ち並ぶだけの広間だが、重大な構造上の弱点があった。
丁度この直ぐ隣に、ヨモツが立っている床の真下に、メインエンジンの制御室があるのだ。
艦の比較的表層にある本来の戦闘指揮所は既に使われておらず、奥深くにブリッジを増設
してある。
そこに至る人用の通路は悉く封鎖されており、携行兵器で突破する事は殆ど不可能だ。
無論脱出もままならず、テロリストはまさに艦と運命を共にする事となっている。
「ゴンドワナを止めようと思えば、止められるだけの者がいれば……必ず此処へ来る。お
前が殺したがっている、アイリスとやらが侵入経路を探し出すだろう」
『彼女はシン=アスカの副官に過ぎず、この状況で行動できるとは思えません。もし動い
たとしても、私が阻止します……今度こそ、永遠に』
「どうかな」
 通信機越しに、己の懐刀が呼気を乱したのが解った。ミナは喉を鳴らし、低く笑う。『e7』
とアイリスは同じスパイだが、前者は破壊工作や暗殺などに秀で、後者は潜入、情報収集
などに秀でている。正面からぶつかればアイリスに勝ち目はないが、ぶつかる前に任務を
達成されてしまう事も充分あり得た。
「優秀な工作員は、お前が言った通り危険な存在だ。今回は殺してよい」
『はい、司令官。必ず』
 通信が切れ、ミナは再びモニター正面に視線を戻す。傍受していた通信回線からは、相
変わらず現プラント政府やラクス=クライン、キラ=ヤマトに対する罵詈雑言やそれらに
従っていた市民達を嘲り、憎しみをぶつけていた。他に聞いている者がいないのに、自分
達がいかに優れた存在であり、他者に惑わされない意志を持っているか言い合っている。
 彼らは弱者だった。ゴンドワナや最新のザフト製MSで自らを武装しようと、弱き者に
変わりは無かった。常に自身が虐げられ、何者かから搾取されていると思い込み、その苛
立ちをぶつける対象を探し、より弱き者に対し威丈高になり虐げる。
 しかしそうでない者が、弱者でない人々が、果たしてどれほど存在するというのか。
「国とは、民の集まりであって……場所ではない、か」
395GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 19:59:07 ID:???
 アプリリウス・ワンのドックから脱出する民間船の列を掻い潜った5機のMSが、膝や
腰から数度スラスターを吐き出した後、無噴射の状態で宇宙空間を滑るように移動する。
先頭にいるのは、バクゥの頭部を接続したインパルス。その両脇に計4機のゲイツとゲイ
ツRがついて、インパルスを頂点とした四角錘を作り出した。
「で、キラさんとラクス様の行方は結局解らないんだな?」
『そうだ。フリーダムタイプのMS全部と、エターナルまで無くなってる。逃げたかな?』
「逃げたって事はないだろ。ザフトの長官と最高議長だぞ」
 突拍子もない事を言い出したザフト兵に吹き出しつつ、緑服用のパイロットスーツを着
たシンは小さく笑ってヘルメットを被った。目の端に映るエアサインが赤から緑になった
のを見てバイザーを下ろす。
『けど、ゴンドワナの迎撃に向かったわけでも無いんだぜ』
「兵器の名前通りエターナルにフリーダムな人達だからな。今日の夕飯には戻ってくるさ」
 シンの冗談に、2、3人が苦笑する。笑われた事で自分の緊張もほぐれたか、シンは肩
の力を抜いた。ドックから出撃する際に同僚達へ告げた通り、自分達の目的はゴンドワナ
を迎撃する事では無く、オクトーベル・スリー住民の救出、テロリストの進路上にいる
コロニーの避難支援である。
 しかし、これが根本的な解決になっていない事もまた理解していた。敵の進撃を止めな
い限り、難民は増え続ける。そう言ったところで、ゴンドワナとナスカ級4隻に対処する
だけの戦力も知恵も、シンにはない。
『別に、戻って来なくて良いさ。議長なんざ誰がやっても同じだ。で、ザフトはシン、
お前がトップになれば良い。実力主義だからな。何時までもキラを上に据える必要はない』
「で、アスランがしゃしゃり出てきたらアイツに譲れって? ……散開!」
 シンが叫び、5機のMSは陣形を崩すのではなく、四角錘をそのまま広げた。緑のビーム
が彼らのいた場所を貫き、反対側へと消えていく。直進する事で回避したインパルスが、
狗型の頭部を巡らしモノアイを輝かせた。
「報告を!」
『モビルスーツが4機! 距離500!』
『ザクウォーリアが4機! 識別信号無し! 敵機だ!』
 状況報告が重なり合う。プラントのほぼ全域は、核兵器を防ぐ為にNジャマーの影響下
にある。キャンセラーが普及した事でその防御効果も大きく減じたが、撤去も費用がかか
るので放置されているのだ。当然ながら、レーダー性能も少なからず損なわれる。
「1番、2番は側面から回り込め! 十字砲火だ! 3番、4番はその援護! 行け!」
 インパルスが腰部のマウントからビームライフルを抜き放ち、指差すように正面へ向け
た。僚機の背部が一瞬輝き、それぞれ四方へ散る。インパルスだけは前進のスピードを
殺さず、むしろ加速した。シンがレーダーに目を落とし、敵味方の相対距離に注視する。
 先程の射撃は牽制であり、足を止めさせる為の行動だ。敵の思惑に乗る必要はない。
396GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 19:59:49 ID:???
「スピードを合わせて、一斉に仕掛ける! 回り込み切った所で撃つんだ!」
 ペダルを踏み続け、最高速度に達し機内のあちこちが小刻みに揺れる。操縦桿を握り締
めたシンの瞳に、ロックオンアラートの赤色が飛び込んだ。インパルスが急制動を掛け、
機体を左側に跳ねさせる。前面をシールドで庇わせ、その脇から銃口を覗かせたライフル
を連射した。反撃してきたインパルスを追いかけようと前進したザクだが、右腰部に被弾
し片足を失った。
「距離を詰めるな! そのまま撃ちまくれ!」
 左側から回り込んだゲイツRが、レールガンの砲口を輝かせる。4機のザクが互いに背中
を預けて周囲に銃口を向けるが、間髪入れず左側と相対的上方からレールガンの弾と緑の
光が降り注いだ。2機が大破し、無事な1機とシールドを失ったもう1機が十字砲火から
抜け出す。
「3番、4番、仕上げだ! 近づけ!」
 2機のゲイツがスラスターを吹かし、包囲を脱したMSに迫る。破損したザクの左膝裏に
ロケットアンカーが撃ち込まれた。ワイヤーを巻き戻しながら急接近するゲイツ、引き寄
せられながらも身体を捻り、ビームトマホークをシールドから取り出したザク。ゲイツの
持ったシールドの先端からビームクローが突き出し、同時にアンカーが外れる。交錯する
寸前に光刃が身体の中心を貫き、ザクは機能を停止した。手にした斧から光が消える。
 有効射程に入ってから、あっという間に4対5から1対5まで追い込まれたザクのパイ
ロットはパニックに陥り、ゲイツの射撃を避け、戦闘を放棄して背部メインスラスターを
全開にした。直後にその背中をビームで撃ち抜かれ、制御を失い彼方へ飛び去っていく。
 前進を再開したインパルスの四方に、4機のMSが戻ってくる。パイロット達は終始無言
だった。事前に決めていたとはいえ番号で呼ばれ、秒単位で命令を出されるのは、アカデ
ミー以来の経験だったからだ。実戦では手柄欲しさに誰も彼もが突っ込んでいく。命令を
受けずとも、自分の意思で戦う。MS戦はこれまで、個人の技能と運だけの世界だった。
『なあシン、お前、白服コースだったっけ』
「いいや? アカデミーでやった事を思い出してさ……まずかったか?」
 その言葉に、黙っていた他のパイロットが小さく唸った。プラント市民として教育を受
けた彼らの思考回路で物事を判断する場合、シンが囮になって自分達に攻撃させるという
のは、全く理屈に合わない話だ。フリーダムを墜としたその技量で全機撃墜し、自分達に
は適当に援護させれば良い。
 労力を惜しみたければ、そもそも囮になる必要がない。手柄を譲って貰えるような親密
な間柄でもない。現ザフト最高の実力を持つシンの思惑が、彼らには理解できなかった。
 解っているのはただひとつ。シン=アスカの指揮が、この場では的確だったという事だ。
『いや、悪くない。……悪く、なかった』
『ああ。次も今みたいに頼む』
 もう1人からも言われ、釈然としないながらシンは頷いた。
397GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 20:00:31 ID:???
「結局、集められたのはこれで全部か。この2倍は欲しかったなあ」
 ゴンドワナの予想進路上に位置するセプテンベル・ツーの前に集められた艦の中に、
アーサーが艦長を務めるローラシア級の姿もあった。高速戦艦のナスカ級が1隻、ローラ
シア級が3隻。動く盾と化した巨大な要塞空母を擁する艦隊を相手にするには、心細い
戦力と言わざるを得ない。
「それでも4対5です。艦船の数を単純に比べれば、マシな状態ですよ」
「有難うアビー君、けど艦載機の数が段違いなんだよね……機体の性能差もさぁ……」
アーサーの泣き言は止まない。敵は殆ど全てザクやグフといったニューミレニアム
シリーズ。こちらは全てゲイツやゲイツR、ジンなど旧式。そのうえ敵戦力に大型空母が
入っているとなれば、彼の弱気を責めるのは酷だろう。
「そこは艦長の腕次第です。ジュール議員から司令を任されたんですから。頑張って!」
「ヤだなぁ……」
 幾らザフトとはいえ、艦隊運営については組織的に行われねばならないという慣習が
ある。MSと違って小回りがきかず、側面や背面を突かれるとやられるのを待つだけ
だからだ。端的に言えば、アーサーの責任はこの1時間で数倍に膨れ上がったのである。
「艦長! 後方、Bフィールド方面からMS隊接近!」
「戻ってきたか!?」
 勢い良く顔を上げて身体が浮き上るのを堪え、アーサーがマップに視線を向ける。10分
ほど前、テロリスト側のMS隊が幾つか其方に向かい、レーダーレンジの外に消えていた。
アプリリウス・ワンへの進路を確認する為の偵察隊だろうとアーサーは結論し、乏しい戦
力を割く事を部隊に禁じたのだった。
「いいえ……いいえ、インパルスを先頭にした部隊です! 通信が入ってきています!」
「繋いでくれ!」
 アーサーの言葉の直後、メインスクリーンの左側にシンの姿が映った。アーサーを見る
なり、シンは敬礼する。
『シン=アスカです。3つの敵MS隊と接触し、全て殲滅しました。アプリリウス側に抜け
た敵機は無い筈です。少なからず消耗し、ダメージを負った機体も連れていますから、着
艦許可を求めます』
「本艦で収容する、ハッチ開放! ……来てくれると思っていたよ、シン」
『……じゃあインパルスをアプリリウス・ワンに運び込んでくれたのは、やっぱり……
ところで、俺達は迎撃部隊に参加するつもりはないんです。部隊が全滅したオクトーベル
へ向かうついでに、此処へ立ち寄っただけで。けど、そういう訳にはいかなそうですね』
 艦首の前を横切ったインパルスが、艦体の相対的上部に着地してモノアイを動かした。
此方に向かって近づいてくるゴンドワナが辛うじて視認できた。ニュートロンジャマーが
無ければ、今頃は激戦だろう。
「すまない。けれど、ゴンドワナを何とかしない限り、オクトーベルへ行っても……」
398GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 20:01:36 ID:???
『解っています。ただ、MSが5機加わるだけで何か変わるとも思えませんけど』
 通信が終わり、インパルスが艦から一度離れてハッチの方へ流れていった。ブリッジの
左手に消えたシンの機体を見送ったアーサーは、2度深呼吸した。
「ジュール議員に連絡を取ってくれ。15分後に打って出る、と」
「はい艦長。いえ、提督」
「ヤだなぁ……」

 オクトーベル・スリーでの徹底した掃討、そして略奪によって、コロニーの周辺は高密
度のデブリに覆われていた。略奪は専らMSで行われた為に、ゴミごと持ってきては外部
に放出するという行為が繰り返され、小型の廃材であれば貨物室内にそのまま残された。
 動き出したゴンドワナのそんなゴミ捨て場のような中で、物資が詰められていた箱が
開いた。光が全く差さない暗闇の中、人影が蠢き手探りで物資をかき分ける。しばらく
した後、その頭部付近に青い4つのカメラアイが灯った。壁伝いに進み、電力が断たれ
ロックが開放されていたドアを見つけて中に入る。
 通路を進み、まだ生きているパネルの上にウェストポーチから引き出したケーブルを
接続した。少しした後でケーブルを抜き、傍のドアロックが解除されるとメンテナンス
用の細い通路に身体を滑り込ませる。まだ、1人の歩哨もオートガンも見ていない。主に
対MS用、対艦用の兵器や防御機能が整備されたらしく、工作員の潜入にはまるで対応
出来ていなかった。
 偵察や補給が軽視されるザフトではよくある話であり、今こうして忍び込んでいるアイ
リスも、シン=アスカの推薦が無ければずっと働く場を与えられずじまいだった。彼が
自分を指名した時の言葉を、未だに覚えている。覚えているからこそ、任務でもないのに
ゴンドワナへ潜入した。自分の集める情報を、誰かが必要としている筈だからだ。
≪アンタが必要なんだ、アイリス。迷惑だろうが、俺を助けて欲しい≫
「迷惑? 何が、迷惑だったのですか……シン」
 口に出して言い、アイリスはかぶりを振った。プラント市民としての帰属意識か、
ザフト兵としての誇りか、あるいは別の何かが今の彼女を動かしていた。
 アーマープレートで補強されたブーツの足音が通路に響く。フラッシュライトを取り付
けたサブマシンガンを構えた人物が、開錠されたドアの前に立ち止まっていた。
 刃のような細いバイザーと、左肩の『e7』という文字が緑色に光る。パネルを指で
なぞり、フルフェイスメット越しに動く視線を表しているかのように、スリット内の輝き
が左右に往復する。やがて身体を横に傾け、銃口を正面に向けたままメンテナンス用の
通路を歩いていった。

『敵ナスカ級4隻およびゴンドワナ、後3分で有効距離に入ります!』
『全艦離床! モビルスーツも全機、発進準備急げ!』
399GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 20:02:46 ID:???
 破損した装甲板やMSのパーツが散乱する戦艦の格納庫内で、真っ先に整備と補給を
終えたインパルスがカタパルトデッキに運ばれる。前傾姿勢を取れば狗面が更に際立ち、
発進口が開いてリニアカタパルトが展開すると、差し込んできた光に頭部パーツが鈍く
輝いた。左上のステータスモニターは、まだ赤い。
『艦はなるべく距離を取る事にする。ゴンドワナ以外の敵は、エンジンを強化したナスカ
級だ。こっちのナスカ級は整備不良だし、後の3隻はローラシア級だからね。反対に、
モビルスーツ隊は可能な限り前進してくれ。お互い、それが一番安全な位置だ』
 アーサーの声は今、全ての艦、全てのMSの機内に伝わっていた。操縦桿を握り締める
イザーク=ジュールが、2ヶ月前のテロでドムトルーパーを破壊されたヒルダ=ハーケンが
耳を傾ける。他の艦もハッチを開き、カタパルトを展開していった。
『とはいえ、ゴンドワナに接近するのはもう少し待ってくれ。あの艦の外壁には対空兵器
がひしめいている筈だ。背後からの射撃に巻き込まれない為にも、外側から包むような
コースを取って貰いたい。以上だ、御託は言わない……健闘を祈る! MS隊、発進!』
 モニターが緑に変わり、インパルスのモノアイが輝く。カタパルトが起動して全身の
ケーブルが外れ、加速した機体が艦から撃ち出された。退避路に入っていたヴィーノが、
顔を出して大きく手を振る。背部のスラスターを輝かせたインパルスがビームライフルを
構え、速度を落とさず直進していった。
 それを追い越すように、味方の艦から艦載式のレールガンやビームが放たれ、未だ有効射程に
ないゴンドワナに殺到して小さな連続した爆発を生み出した。インパルス発進から
僅かに遅れ、敵味方の艦からMSが光の尾を引き、次々と飛び立っていく。
 イザークが乗ったゲイツが、ビームライフルを両手に2丁持たせたディアッカの
ゲイツRを伴い、また他のMS隊も引き連れて左へ逸れる。モノアイレールの周辺を紫に、
それ以外を黒く染めた3機のジンが、衝突しかねないほどの密集隊形をとって右に逸れた。
MS隊は迂回しつつ接近せよというアーサーの指示は、シンのインパルスには適用されな
い。シンの任務は偵察であり、先駆けであり、殲滅でもある。
 敵ナスカ級の砲火を掻い潜って再短距離でゴンドワナに急迫し、対空兵器の状況を調べ
つつ後続の為に迎撃能力を弱体化させ、ゴンドワナ内部に突入してメインエンジンを破壊
する。無茶だが、この作戦はシンがどれだけ無茶をし続けられるかにかかっていた。
「アイリス。……ぁあ」
 慣れた手つきで専用回線を開き、1年近くパートナーだった女性の名を呼んで、苛立たし
げにシンは舌打ちする。彼女がいる筈がない。もう言葉を交わす事も無いだろう。
 その専用回線を介して通信が入り、シンはやはり慣れた手つきでデータを受信した。
モニター一杯に迫るゴンドワナの各所に、次々と赤いマーカーが表示される。マーカーで
記された各所が光り、機銃弾やビームが飛んできた。FCSが反応する距離ではない。
「あ……アイリス? アイリス!」
 返答は無く、通信はそのまま切れた。
400GSC ◆2nhjas48dA :2009/05/26(火) 20:03:28 ID:???
今回は此処までです。
401通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 20:40:37 ID:???
夕飯はぬきです
402通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 20:47:27 ID:???
GJした!!
ちょ!アイリース!!
ああ・・・今回トップの癒し系諜報員が・・・生きてるよね?ね!
403通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 20:54:23 ID:???
今回のシン達のジョークが本当になりそうで怖い
夕飯までに帰ってきそうで
シンが議長かTOPになったら凸がしゃしゃり出そうとか
404通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 21:54:09 ID:???
>バクゥの頭部を接続したインパルス。その両脇に計4機のゲイツとゲイ
ツRがついて、インパルスを頂点とした四角錘を作り出した。
GJ!!この後に合体すると思った俺は間違いなく疲れている。
405通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 22:02:28 ID:???
なるんだろうな、きっと。そこからシンの逆襲が始まりそうだ
406なんとなく:2009/05/26(火) 22:25:06 ID:???
GSC氏 GJでした アイリス生きてて

恥ずかしながらバカが帰ってまいりました!!
これより投下を開始します
407なんとなく:2009/05/26(火) 22:26:54 ID:???
前回までのあらすじ

勇者ディアッカ



12話


オーブ…この国は永年に渡り、血で血を洗う抗争を繰り返していた
支配者 氏族により
市民は虐げられ、強制的にチリソースのケバブを食べさせられていた

しかし、この現状を憂いヨーグルトの虎と呼ばれる隻腕の男が現れ
果敢に挑む

ヨーグルトソースケバブは広く市民に受け入れられたが
チリソースを身上とする氏族はこれを弾圧
特に王家の第一王女が自ら行なう弾圧は厳しく、
ヨーグルトソース派の人間の体中の穴と言う穴にチリソースを流し込むと言う
残虐極まりないものだった
これに憤慨したヨーグルトの虎は捕縛したチリソース派の人間を見せしめとして
巨大なヨーグルトのプールに突き落とすと言う暴挙に出る

2大勢力が激戦を繰り広げるこの状況で、チリソース派でもヨーグルトソース派でもない
第3の勢力、ソースをかけずに素材の味を味わうべきと言う
プレーン派が出現する これに対してもチリソース派は弾圧を開始するが
ヨーグルトソース、プレーンの連合軍でこれを撃退
その後プレーン派はおいしいならどれでもいいじゃない派や
もっと野菜を食べよう派などの少数派閥を取り込み、チリソース、ヨーグルトソースと並ぶ
派閥に成長する この3派閥の3すくみ状態でオーブは辛うじて均衡を保つようになった

しかし、この状況はある一人の男が作り出した物だと言う事を多くの人は知らない

その男はオーブの市街を見渡せる丘に一人佇んでいた
その姿はかの古代の天才軍師 孔明の如く、白いローブに羽根扇子を持っていた
そして、なによりも…アフロでサングラスだった
男は羽根扇子をオーブの市街にかざし、大声で宣言した

「天下三ケバブの計…ここに成る!!」

ケバブ戦記 次回・プレーン派の天才軍師『亜・風炉』の前にチリソース派の猛将『季茶菓』の手が迫る
           〜星後達の攻防戦〜 ご期待下さい
408なんとなく:2009/05/26(火) 22:28:15 ID:???
「はい!!カーット、お疲れ様でした」
オーブでの大人気大河ドラマ『ケバブ戦記』の撮影に望んでいた首領・アスカ
忘れている人も多いかもしれないがシン・アスカがその復讐を果たさんと
姿を変えた姿である

「はい、お疲れさん」
「お、サンキュー コニール」
現場に見学に来ていたコニールに差し出された缶コーヒーを首領は飲み干す
「そう言えば船買ったんだって?」
「ああ、そろそろガルナハンに届いてる頃じゃないかな?」


その頃、プラントの議長室…
「なぁ…キラ」
「うん?なんだいディアッカ?」
「この前、ネットオークションに出品したって言ってたよな」
「ああ、ラクスと相談して使わない私物をいくつかね」
「ふーん」


その頃、ガルナハンではちょっとした騒ぎが勃発していた
その騒ぎの元凶をポカーンと見つめるのはお馴染みのアスカ芸能事務所の面々
「…こ、これってさ…」
「お姉ちゃん、なんでこれがこんな所に?」
「も、もしかして社長が買ったって船ってこれか?」
「おいおい、冗談だろ…」
「あははははは…」
その視線の先には…
409なんとなく:2009/05/26(火) 22:29:36 ID:???
「んで、キラ何を売ったんだ?」
場所は戻って議長室 素朴な疑問をディアッカはキラにぶつけた
「んー、もう忙しくて乗らないから私物の船とかさぁ」
「へぇ、儲かったのか?」
「いいや、あんまり買い手がつかなくてさー 30万位だったかなぁ」
「そんなもんか」
「そんなもんさ、私物の中古だし さぁ仕事しよう」

んで、ガルナハン
事務所のみんなが指差すその先には問題の船があった
その船の名前は…
「「「「エターナル!!」」」」

                     続くのかもね




おまけ

ここは地獄だ…沢山の屍が転がって片付けもされていない
上官の怒号が聞こえてももうビクともしない
イタズラに時間が過ぎてゆく また一人、倒れた
繰り返して思う ここは地獄だ

「このキョシヌケェ!!ベタぐらい2分なんだよぉ!!」
「先生、締め切りまで後、10時間です 俺は気にしませんが」
「ジャンク屋だけじゃ食っていけないからってなんでマンガのアシの仕事いれやがるんだ」
「黙って書け、ロウ…俺だって…傭兵なのに…傭兵なのに!!」
「明鏡止水の心で書くんだよ!!納期が遅れても気にしないでな!!」
「先生!!テンパリすぎてます 納期をぶっちぎるのは流石におれでも気にします」

ここは地獄だ
410なんとなく:2009/05/26(火) 22:30:56 ID:???
短めですが今回はここまで 

シンが戦艦を手に入れたぞ!? 次回はシンと誰かが接触するのかな?
411通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 22:30:59 ID:???
売るなよw
というか戦艦が30万って安すぎるわwww
412通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 22:36:26 ID:???
やべえ、相変わらずカオス過ぎてどこから突っ込んでいいかさっぱりだwwwwww
413通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 22:46:10 ID:???
それでも俺は突っ込むぞ!!

宇宙艦のエターナルをどうやってガルナハンに運んだんだ
すごいなCEの宅配便は
414通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 22:52:56 ID:???
ってかエターナルって単独で大気圏の離脱とか出来たっけ?

できなきゃ末期のアーガマ状態なんだが…
415通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 23:02:01 ID:???
きっとスパロボ仕様なんだよ
416通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 23:06:36 ID:???
>>360
GJ!ルナと最初から一緒なのは珍しいですな。頑張って下さい!
>>GSC氏
シンにアイリスフラグが立ったな、そのまま急接近してしまえ
>>なんとなく氏
エターナルに大きく首領・アスカの絵を描けば宣伝効果もバッチリだな
417360:2009/05/26(火) 23:21:19 ID:???
>GSC様
GJであります!旧式で新型を圧倒…ベテランを見事に指揮
するシン…ステキすぎます。

>なんとなく様
もうエターナルの先端に立つふんどしアフロの仁王立ちが
見えてきます。GJです!

あんまり上手いこと言えなくてすみません。お二人の流れを
邪魔するようでアレですが、書けたところまで投下します。
418360:2009/05/26(火) 23:23:17 ID:???
「よおーし。モビルスーツ隊発進用意。さっさと終わらせるぞ」
ボロボロの白いザフトの軍服を着ているヒゲの目立つ男は、自慢のアゴヒゲを
触りながら、満足げに正面に映るヒラメのような輸送船を見た。
彼らはザフトの中でも、よく言えばザラ元議長やデュランダル前議長を信奉していた者、
悪く言えば『聞き分けが無かった者』が集まって組織された海賊である。
海賊といっても装備の質や人員の練度は現在のザフト正規軍にも劣らず、そしてある企業を
バックにしている組織であった。そして彼ら自身は、ザフトの支配者の座を力によって『簒奪』した
あのピンクの小娘に対して破壊活動を行うことが、なによりもプラントのためであると思い込んでいるのだ。
たとえ結果、プラントの住人が物資の欠乏により苦しむことになったとしてもだ。
本日襲うことになるあのヒラメも、恐らくはバックの企業にとって邪魔なものが積まれているのだろうが、
その正体はヒゲの男にとってはどうでもよかった。
今はただ、目の前の獲物をいただいてトンズラかまして、帰ってステーキにありつきたい
ところだった。

「艦長!本艦に急速接近する物体アリ!恐らくモビルスーツです!」
レーダー手の報告に舌打ちをしつつ、ヒゲの男は瞬時に判断を下す。
「モビルスーツ隊緊急発進!迎撃体制…いや!ロメオ1はそのままヒラメを捕捉しろ!
人質に使う」
『了解!』すでに各々のモビルスーツに乗り込んで待機していたパイロットは、ザフト時代と
変わらない明瞭な返答を返した。
「モビルスーツより打電!『我、ザフトパトロール。速やかに停船し、航海目的を明らかに…』」
「かまうな!迎撃始め!」
艦長の指示により、モビルスーツに向けられるだけのCIWSが発砲し、高速で接近する機体に
対して濃厚な砲火を浴びせる。しかしモビルスーツは速度を落とすことなく、最小限のスラスター
操作で砲弾の雨をかいくぐる。
ついには、エンジン部に接近されてしまった。攻撃を受けたのか、艦内に衝撃が走る。
「メインエンジン破損!機関緊急停止しました!」
「ダメコン班はエンジンブロックの消火を急げ!モビルスーツ隊はどうした!」
「今出ます!ロメオ1から順次発進中!」
「よおし…奴は捕捉したな?」
艦長の問いに答えるように、索敵が捕捉したモビルスーツの姿がディスプレイに表示される。
その姿を見て、ヒゲの男は絶句した。ダークグリーンに塗装されたそれはザフトカラーの
モビルスーツに見えたが、明らかに《ダガー》系統の姿形をしていたからだ。
419360:2009/05/26(火) 23:24:04 ID:???
今しがたエンジンを切り裂いた斬艦刀シュベルトゲベール+(プラス)を両手に携えた《ダガーU》は
艦とすれ違った後に再び向き直る。丁度そのとき、賊の艦のカタパルトからモビルスーツが
発進されたのを確認した。最初に飛び出た一機はやけに速かった…多分エールパックか、ブレイズ
ウィザードを使った機体だろう。
「ルナ!一機飛び出してヒラメに向かった!そっちを頼む!」
『了解!新兵は支援砲撃に専念!間違っても接近するんじゃないわよ!』
一度相対速度を殺したシンの《ダガーU》では追いつけないだろう、ヒラメ狙いの一機はルナに
任せて、自分はもう一度背中のエールパックの推力を全開にして今度は艦の主砲を
すれ違いざまに切り裂いた。
急速離脱しようとしたシンだったが、鳴り響くアラートに注意を喚起される。身を捻るようにして
機体の軌道を変えた直後に、後方からビームの光が飛んできた。
賊の艦から発進したモビルスーツは6機、そのうち一機はここから離れているが、《ザク》、《グフ》、
《ゲイツ》、《ジン》、《シグー》とまるでザフトのモビルスーツ勢ぞろいといった様相で、5機のモビルスーツが
シンの《ダガーU》を半包囲するように取り囲んだ。
これに艦のCIWSも加えれば濃厚な火線が提供されることだろう。シンはそのまま離脱を始めた。
モビルスーツに撃たれながら離脱するシンと交差するように、砲弾が賊のモビルスーツ群に
放りこまれる。慌てて散開を開始する敵機を確認してから、シンは再び機体を振り向かせる。
「よし!そのまま砲撃して相手に連携させるな!」新兵に指示を出しつつシンの《ダガーU》は《グフ》に
接近し、二本の刀で袈裟と逆袈裟に切り裂く。コクピットと頭を残しただけになった《グフ》を賊の艦に
ぶつけるように蹴って、まず一機。
『敵は接近戦仕様だ!距離を取って蜂の巣にしてやれ!』残った機体のうち《ザク》と《ゲイツ》が
ビームライフルを撃ちつつ、《ダガーU》から距離をとろうとする。
うかつな後退だな…とシンは感想を抱きつつ、斬艦刀の切っ先を敵に向けるようにして、その
先端からビームを発射させた。
『な…馬鹿な…』次々と武装や頭を撃ちぬかれ、《ザク》のパイロットは狼狽した。
(大抵騙せるよな、コレ)
ビームガンとしても使えるようになりシュベルトゲベール、剣銃の名に恥じない装備となった得物を構えなおし
つつ、シンは残りの敵機の掃討に当たった。


(見つけた、ヒラメを人質に取るつもりね)
別行動をとった賊の《ザク》を捕捉したルナマリアは、紅く塗装された《ダガーU》の得物…縦に
二つの銃口が並んだ大型のライフルを構えた。
バイザー状の狙撃スコープが《ダガーU》の顔を覆い、精密射撃体勢に入る。
(減速するポイントを読んで…今!)
高速移動しながらの偏差射撃。上の銃口から放たれた実体弾は《ザク》の腰部をえぐり、そのまま
スクラップにした。だが上半身だけになりながらも、《ザク》は闘志を失わなかった。
よろめきながらも体勢を整え、二撃目を許さないように《ザク》は撃たれた方向にブレイズウィザードに積んでいた
ミサイルを全部ばら撒く。ルナマリアも大きく回避しつつ、頭部の迎撃システムでミサイルに対応
せざるを得なくなった。
(早めにカタをつけないと…って、ええ!?)
ルナマリアは《ザク》の横合いに叩きつけるように突進してきたモビルスーツを見て、
思わずロックオンを外してしまった。オーブ系のモビルスーツ…《レイスタ》らしき
機影を確認して、ルナマリアはオープンチャンネルで叫ぶ。
420360:2009/05/26(火) 23:25:13 ID:???
「戦闘の邪魔だ!死にたいのか!」
『うるさい!お前たちが頼りないから、私も出るしか無いんじゃないか!』
「民間機がでしゃばるな!武装も無しで、貴様死にたいのか!」
『ごちゃごちゃと…地球人は黙ってろ』
「な、なんですってえ!」どうやら《レイスタ》に乗っているのは少女らしかった。
それ自体はそれほど珍しくもないのだが、こうも無謀にでしゃばられると、どうしようも無い。
不意を付いた体当たりで《ザク》を飛ばしたあと、《レイスタ》はザクに接近を図る。射撃の邪魔
になって仕方ない。足でも撃ち抜いて黙らせてやろうかと思ったルナマリアだったが、その後の
展開は驚くべきものだった。
散発的にビームライフルを撃つ《ザク》の射撃を見事にかいくぐり、両足を変形させたクレーンで
《ザク》脇を掴むようにする。その後機体を密着させ、素手で《ザク》の頭をもぎ取ったのだ。
民間機の暴勇に唖然としてしまったルナマリアだったが、賊の《ザク》からの救難信号を
受けて首の付け根から内部構造を抉り取っていく《レイスタ》を止めることにした。
『もう降参だあ…助けてくれえ!音が!音があ!』


上々の戦果だった。賊の船で負傷者が出た以外は双方死者ナシ。こちらの装備にも損害は
出なかった。
(ラッキーだったな)というのがシンの正直な感想であった。
『では、我々はパトロールに戻りますが、そちらは航行に支障はありませんか?』
《パトクロス》よりトライン艦長がヒラメ型の輸送船の安否を聞く。
『ええ、お陰さまで全員無事です。《レイスタ》で飛び出した馬鹿にはきつく言い聞かせますんで』
『まったくそうよ!』何故かルナマリアが尻馬に乗った。
『何をいう、お前達が下手糞だったから、私が楽させてやっただけじゃないか
それにザフトが《ダガー》を使うなんて世も末だな』
『こ、このガキ!言わせておけばー!』
『カノンやめとけ。…本当に失礼しました、紅い《ダガー》のお嬢さん。ところでプラントに着いたら
お茶でも…』ヒゲの男はそういう男らしい。
『あー、輸送船《ベイバロン》の幸運を祈る。通信終わり』トライン艦長は強引に通信を切って、
戦闘の後始末の指示を始めた。
『ナスカ級のクルーとパイロットは全員拘束した?陸戦隊は船内をしっかり調査してね。
モビルスーツ隊は曳航の準備と使えそうなパーツの回収よろしく』
指示を受けてクルーとパイロット達は各々の仕事を始めた。慣れた仕事をてきぱきと
こなしていくが…
『アスカ隊長、まるで我々のほうが海賊みたいですね』新兵の一人が尤もな意見を言った。
「言うな。仕方ないことだ」軍事費2割カットという憂き目にあったザフトでは、海賊の
装備も貴重な資源になっていた。
421360:2009/05/26(火) 23:26:44 ID:???
「まったく…今度やったらぐるぐるの簀巻きにして、宇宙クジラのエサにしてやるからな」
「はあい…」
無精ひげの男に怒られてシュンとなる、カノンと呼ばれた少女。男は格納庫に出向いて
《レイスタ》から降りた少女に、とりあえず拳骨を一発くれてやったあと、今運んでいる
積荷を確認していた。
「しかし…やっぱりコレ狙いだったのかね?情報漏れてたかな」
「さて…欲しがる組織も、良く思わない組織も心当たりがありすぎるゆえ」無精ひげの男に
答えたのは甲板長だった。
「さすがは《デストロイ》様というところかねえ。パーツになっていてもそのご威光は変わらない
ってわけだ」
「忌々しいことです」大きなコンテナに詰められているものに、思いを馳せた二人だった。


《ダガーU》を《パトクロス》に帰還させ、コクピットから降りたシンを、
赤いメッシュが柿のヘタのように見えるヴィーノが出迎えた。
「お疲れさん。流石にやるじゃんか」ミネラルウォーター入りの
パックをシンに投げ渡しながら、ヴィーノはシンの戦果を讃えた。
一度の戦闘で戦艦を戦闘不能に追い込み、モビルスーツも4機撃破、
かつての『スーパーエース』の呼び名は伊達ではなかった。
「サンキュ。まあ、機体に助けられてるけどな。量産機にしちゃすこぶる
高性能じゃないか?《ザク》より軽い分扱いやすいし」
「何よ、そんなに気に入ってるわけ?このカンオケを」ルナマリアも乗機を
離れて、二人の元に近づいた。
「まあ、シンもルナも生き残ってくれてよかったよ。俺も頑張って機体に
慣れるからさ」
「ありがとな、ヴィーノ」整備を開始するために機体に近づいていったヴィーノ
の背中にねぎらいの言葉をかける。慣れない整備に苦労しながら、キッチリ
仕上げてくれる彼らメカニックマンの努力には頭が下がるばかりだった。
422360:2009/05/26(火) 23:27:26 ID:???
《ダガーU》は地球連合軍の次期主力機の一つとして開発された機体である。
ダガータイプをベースに、カンオケと評されることとなった《ダガーL》や《ウィンダム》
の反省点を盛り込んで設計されたもので、革新的な特徴は無いが癖の無い
良い機体だった。
連合側の機体をザフトが運用しているのには、深くないワケがある。現在積極的に
行われている技術交換のあだ花と言うべきなのか、資金提供と機体の譲渡をエサに、ザフト…
つまり、宇宙でコーディネイターが運用した場合のデータを要求されたのだ。
嘗ての敵に塩を送るようで抵抗が無いわけが無かった。しかし今はいがみ合うよりも、
適度にお付き合いをし、適度に双方の良いところを取り入れ、適度に出し抜くことが
プラントにも連合にも要求されているのだ。そして、そのしわ寄せはかつての《ミネルバ》クルーが
集う《パトクロス》に寄せられたというわけだ。
シンはあまり気にしていなかったが、慣れない兵器を実戦運用しなければならない
ストレスというのは容易に想像できる。ルナマリアのほうが、よっぽどまともなのだろう。

「ホント…早く《ザク》に戻りたいわ…ああ、見れば見るほど忌々しい」
「そんなに毛嫌いしなくてもいいだろ?ルナ」
「特にこの顔!私はヤラレメカですぅって全力で主張してる顔がどうにかならないかしら!」
「《インパルス》と大して変わんないんじゃない?」
「全然違う!シンは分かってない!」
ギャーギャーわめき散らすルナマリアだったが、これも元気な証拠だと思うことにした。
こういうバカ騒ぎをちゃんと聞ける、自分にしても…《デスティニー》に乗って、ロゴスや
ピンク姫と戦っていた頃よりも、随分立ち直ったなと思った。


ところ変わってプラントのコロニー《アプリリウス・ワン》
今日は最高評議会が開かれており、議長ラクス・クラインも勿論参加していた。
積極的に政治に参加するようになってから、特徴的なピンクのロングヘアーを
ショートカットにした彼女は、今日も微笑を湛えながら、我々は独立以前に戻る
つもりなのかとか、コーディネイターの誇りはどうしたとか言う議員の主張を聞いていた。
…内心では、強烈な毒を吐きながら聞き流していた。
423360:2009/05/26(火) 23:28:56 ID:???
「議長は軍縮を進めながらも連合軍への技術提供をやめないのは何故か!いずれ
プラントに大きな毒を残す愚策であるとしか言い様がない!」
「地球連合はもう我々の宿敵ではなく共に歩むべき盟友。彼らとの理解を
深めることが第一ではありませんか?」
(うっせーなデブ。軍事費浮かして福祉教育を整備しないと後先ないんだよ)

「ナチュラルのプラント移民計画にしてもそうだ!これはコーディネイターの
独立精神に真っ向から反対するものである!」
「ナチュラルとコーディネイターに如何ほどの違いがあるというのでしょうか?
同じ目と鼻と耳を持った人間ではありませんか。お互いに助け合うことが、
未来を作る唯一の道だと理解しています」
(戦争で若い働き手がごっそり居なくなってんの分かって言ってるのか?このハゲ)

「プラントは独立闊歩の路線を進むべきだ!そうでなければ死んでいった英霊たちに
どうして申し訳が立とうというのだ!」
「二度の大戦は互いの悲しい誤解から生まれたものです。悲しみに固執して前に進めなく
なることよりも、少しでも前進を続ける事こそが弔いになるはずです」
(貿易切ったらどれだけの人間が路頭に迷うと思ってるんだ?このチビ一度拉致って
スラムにでも放り投げてやろうかしら)

こんな感じで、議会は現在嘗てのザラ派と、デュランダル派の一部が連合した保守勢力と、
クライン議長に同調した融和勢力に二分している。今日の議題も「コロニー補修のための
特別予算」を成立させるための会議のはずなのに、いつもの通り脱線している。
「…30分の休憩とします」
そう言ったラクスが一番疲れていた。勿論顔は微笑を湛えたまま。

「お疲れ様ラクス…って、どうしたの!」
ラクスの執務室で彼女を待っていたアンドリュー・バルトフェルドは彼女が
部屋に入るなり、ソファにうつぶせに倒れるように寝転がったので驚いてしまった。
ベージュのツーピースにシワがつくことも構わずに寝そべったラクスはそのまま
「デュランダルすげえ…あのワカメ何でこんな仕事できてたんだろ、ホントすげえ…」
「君がそれを言っちゃ駄目だろ、ラクス」
暴言を窘めつつ、バルトフェルドはラクスの身体を持ち上げ、ソファに座らせるようにした。
424360:2009/05/26(火) 23:30:37 ID:???
「まあ、議員があんな感じなのは君のお父様が議長だったころから変わらんよ」
「そりゃあ連合とも戦争になるわ」バルトフェルトが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、
ラクスは愚痴をこぼした、今の彼女にとって本当に胸の内を開けて話せるのは、嘗て
砂漠の虎と恐れられたこの隻眼の男と、もう一人だけだった。
だからバルトフェルドも、自慢のコーヒーにガムシロップを滝のように注ぐ彼女の
蛮行も窘めようとはしなかった。
「デュランダルは偉い奴だったんだなあ…彼のクローン作りたくなる…」
「クローン製造は地球でもプラントでも重罪だよ。それとも法改正でもする?」
「言ってみただけよ、もう…」
(ま、ちょっと性格が変わったとしても根っこはお姫様だったときと変わらないんだし、
寧ろ成長を喜ぶべきかな?)

最愛の人を失い、自分だけ生き残ってしまったバルトフェルドにとって、親を失った彼女の
保護者たろうというのが、《エターナル》の艦長としてラクスの協力者になって以来の、
彼の生きがいだった。
そしてラクス・クラインは政治の場についてから、プラントの絶望的な状況を立て直す
べく必死に取り組んだ。福祉・教育・医療・就労に関する絶望的な格差と、膨れ上がる戦費に
圧迫された予算…何せデュランダル前議長が何とか上手くやりくりしていた
ところを、自分自身の手で粉砕してしまったのだから、何とかしないと目覚めが
悪かった。結果、彼女は父の意思とデュランダルの方針の都合の良い部分だけ
引継ぎ、地球連合との融和に努め始めたのだ。

そのことで問題が起きているのは確か。特にテロリズムと海賊の急増は
大きな問題だった。しかし貿易や技術交換、人員の行き来が活性化
されたことの恩恵も大きかったことも確かだった。特に低所得者への受けは良かった。
そして、地球連合にとっても《ニュートロンジャマー・キャンセラー》の有償提供をしてくれた
ラクス・クラインは、父の残した毒を濯いでくれる姫として、そして有用な取引相手として
認識され始めたのだ。

しかし、ラクス・クラインは変わってしまった。相次ぐ政争やテロ、そして自身も少なからず
命を狙われた経験より磨り減っていったのかもしれない。表の顔と裏の顔がはっきり違う
人間になってしまったのだ。

「君は良くやっているよ、ラクス」
「当然よ、今は私にしかできないことなんだから」
たとえラクスが、それが本意で無かったにしろ、力でプラントの権力を奪った『簒奪者』
だと罵られようとも、現在ラクスを抜かしてプラントを導くことができるカリスマが
居ないことも確か。そして彼女がお飾りなどではなく、自身の意思で未来を
作ろうとしていることも確かだった。
「さ、そろそろ戻りましょうか。今度は甘いカプチーノをご馳走してくれたら嬉しいかな?」
「考えておくよ、ラクス」
そしてラクス・クラインは戦いの場へと舞い戻った。


(第一話終わり、次回につづく)
425360:2009/05/26(火) 23:33:02 ID:???
今回はここまでです。なお、予定されていた
「ドキッ!女だらけのシン争奪水泳大会〜ポロリもあるでよ」
を変更してお送りしたことをここにお詫び申し上げます。
426通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 23:51:04 ID:???
なんだろう
CV杉田で脳内再生されるラクスだな
427通常の名無しさんの3倍:2009/05/26(火) 23:51:05 ID:???
>>425
GJ!

不本意ながら巨大下ろし金の上で正座して漬け物石の入った蜜柑箱を膝に乗せてでも書いて頂こうか?

研究員「お嬢様それ拷問d」
428通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 00:13:23 ID:???
おおかなりまともなラクス!!
その代わりに思いっきり黒くなりましたね。主にいい方向でwww。
429通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 01:32:31 ID:???
夢見がちな子供から、大人になったんだな。 ラクスは。
もの凄い勢いでやさぐれて、素の口調が男みたいになってしまったが。

後、ダガーLをカンオケ呼ばわりするのは意義有り! ウィンダムともかく!
430通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 01:49:00 ID:???
>>426
俺は普通に田中理恵ボイスで再生出来た
というか本編よりしやすかった
431通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 01:56:12 ID:???


ちょ、素だと口が悪すぎw
現実の前に磨れたんだな。
それでもちゃんとやることはやるあたり、よほどワカメ野郎を殺っちまったことを反省してると見える
432通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 01:59:34 ID:???
これは人間味の溢れたラクスだなw
正直こっちの方が好感持てるな
さてキラの方はどうなっているかな・・・?
433通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 03:37:47 ID:???
>>430
俺も同じく……ただ以前パヨとやってたラジオ調だったけどな


ところで首領のキラクスは無断でエターナルをネオクに出しちまったけど良いんだろか?
あれ一応はプラントの資産だから横領とかで突っ込まれたら議長生命終わるぞ
横領以外にも武力を撒いてる訳でテロの誘発に繋がるしなにより対凸戦力減らして自分の首絞めてる……
434通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 09:18:07 ID:???
ぶっちゃけ部隊配属前にかっぱらった上にその所業を故・クルーゼに丸呑みしてもらい
議長就任で前科を事実上消したから結果的に私物…なんだろうか?
435通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 10:19:50 ID:???
つーかイザークのとこのアシスタントのメンツおかしいだろwww
レイは早くアスカ芸能事務所にいって四つのヒット曲だせよw
436通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 11:21:56 ID:???
小話氏は勇者スレに行ったか
437通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 12:39:11 ID:???
4つ?
タブルアクションとクライマックスジャンプと…
もしくはそれぞれ4パターンか
438通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 14:24:50 ID:???
>>403
本当に酷い最後ならデブリ帯のデブリになって発見されキラもラクスも毒ガスでアボンしてたぐらいはいるな
439999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/27(水) 16:19:29 ID:???
スレ諸子に質問です。メサイアは再終話の後撤去されたんでしょうか? 
調べてわからないので教えていたしませんでしょうか?
440通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 16:26:27 ID:???
レッドインパルス版のアスカガだが、キラの主観で「文句ばかり言ってくる…」
という事は、客観的にはわりと真面目な方向に成長したかもしれない…のかな?
441通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 16:32:44 ID:???
以外とこのスレはレイが生きてたりフレイが大公やってたりと、
捏造がけっこう認められてますのであまり気にするほどでもないかと。

個人的にプラント側は議長であるピンクが議会を支配するのに忙しいと思うので撤去する暇はないと思います。

ですがジャンク屋組合が勝手に撤去してるかもしれませんね。
もともとそういう為に出来た組織ですし
442通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 17:03:33 ID:???
追悼施設としてアイザッヘルと共にプラントが「100年間保有する」とか有ったな
443999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/27(水) 17:10:43 ID:???
ありがとうございました。ではプレミアムモルツを呑みつつ続きを書いておきます。
444360:2009/05/27(水) 18:25:30 ID:???
シン・アスカ達《パトクロス》のクルーが警備任務から戻ってきて、コロニー《アーモリー・ワン》に
戻ってきてから30分後のことである。
「ああもう、皆上陸してるのに何で私たちだけこんなこと…」
「喋ってないで手動かそうぜ、ルナ」
シンとルナマリアの二人は、誰も居ない食堂で出撃報告書を書いていた。ザフトでは
要求されない性質の書類なのだが、詳細な報告を上げないとお金にならないのが
地球連合の体質だった。
「きっとこれもナチュラルの罠なのよ!こうやって優秀なパイロットをじわじわ疲弊させて」
「自分で言ってて恥ずかしくない?…よし、終わった」
ルナマリアよりも先に報告書を仕上げたシンは、書類をしまって席を立つ。
「待ってくれたっていいじゃないのよう、手伝ってよ」
「ごめんルナ、人に会う約束があるんだ。時間、間に合うかな」
腕時計を気にするシンを恨めしそうに見たルナマリアは、
「何、デート?浮気?」などと見もふたも無いことを言うのだが、
「違うよ、ヤマトさんに用事があるんだ」
「ふーん、誰それ…って、まさかキラ・ヤマトぉ!?」

結局ルナマリアは義務を後回しにしてシンについていくことにした。
「しっかし驚きねえ、シンがあのキラ・ヤマトと仲良しになっているなんて」
「別に、仕事上の付き合いってだけだよ」
「ふうん…あの人って、ザフト辞めた後どうしたんだっけ」
「《セプテンベル・ツー》のソフトウェア会社に勤めてるよ」
「…ゴメン、サラリーマンやってるあの人の姿って想像できない」
雑談をしながら《アーモリー・ワン》のシャトル船着場まで並んで歩くシンとルナ、
私服に着替えた二人はカップルに見えなくも無かった。

《セプテンベル》行きのシャトルに乗って、目的のコロニーに着いた二人は
レンタカーを借りて、キラ・ヤマトが勤めているという会社のビルに向かった。
「そういえばさ、シン。あの人がザフト辞めた理由ってやっぱり、
《フリーダム》を廃棄処分にされて拗ねたからなのかな」
「そんなわけ無いだろ…どこから言えばいいのかな」運転しながら
シン・アスカは、自分が知る限りの、彼の話を始めた。
445360:2009/05/27(水) 18:27:48 ID:???
ラクス・クラインが議長の座に着いたと同時に、彼女を守る盾であり、剣で
あったキラ・ヤマトも白服を着るザフトの重鎮になった。
しかし、自分達の信奉者ばかりだった歌姫の騎士団の時と違い、ザフト将官
として責務を果たすには、彼には経験も才覚も足りなかった。内情も
何も知らないザフトで指導者クラスになるというのも無茶な話だったし、
パイロットとしては最高の能力を持つ男も、ただそれだけという事だった。

「しかも、クライン議長就任直後って、一番テロが激しかった頃だろ?」
「うん…私もずっと掃討作戦とか護衛で、モビルスーツに乗りっぱなし
だったし」
「ヤマトさんは誰よりも戦ったんだと思う。だけど四六時中戦闘しっぱなしで、
クライン議長も暗殺されかけて…もしかしたらヤマトさんにとっては、俺達を
相手に戦ったときよりも辛かったかもしれない」

不完全な軍組織、絶えないテロ、神経をすり減らしていったキラ・ヤマトに
引退を勧めたのは最愛の人ラクス・クラインとも、彼女の腹心アンドリュー・
バルトフェルドとも聞いた。
優しすぎる彼には、内外の敵と戦い続けるということはできなかったのだ。

「それで、議員になってたジュールさんに責任を引き継いでもらう形で
軍を退いた…って本人からは聞いた」
「そうなんだ…ジュールさんだったらきっと、『このキョシヌケがあ!』とか
怒ってそうだね」
「違いない」小さく、寂しそうに二人は笑った。

シンが車を止めたのは6階建てのビルの駐車場だった。
早速中に入り、受付係の女性に取り次いでもらう。
「シン・アスカです。キラ・ヤマト特別顧問と面会の約束を
していた者ですが」
「少々お待ちください」機械的に対応した彼女は、アポイント
を確認したあと内線電話をかける。
「受付です。ヤマト顧問はいらっしゃいますか?…はい、はい
分かりました、ではそのように伝えます」
電話を置いて受付嬢は「死んだように眠っているそうなので、叩き起こして
下さいとの事でした」と機械的に伝えた。
「わかった、有難う」そしてシンとルナマリアは開発室に向かっていった。
446360:2009/05/27(水) 18:29:10 ID:???
「うわ、きたな…」
「ソフトウェア関連なんてどこもこんな感じだよ。ってトライン艦長が言ってた」
オフィス全部がゴミ箱のように散らかっている開発室はオシャレ女子を
自認するルナマリアにはキツかったかも知れない。シンの先導で二人は
慎重に歩を進めて、茶色の毛むくじゃらが机に突っ伏して寝ているところに辿り着いた。
「…誰コレ?」
「おーい、ヤマトさん起きてくれー」ルナマリアの疑問には構わず、シンは
茶色毛虫の身体を揺さぶって、起こした。
「何だよもう…って、アスカ君?」
振り向いた彼は寝ぼけ眼でこちらを見る。口ひげも顎ひげも伸びるに任せて放置
したような顔は、どう見たって。
「キラ・ヤマトさんって…嘘よね?」二度の大戦の終局に導いた伝説の
パイロットには見えなかった
「とりあえず…風呂に入ろう、な?」

シンとルナと、今しがたシャワーを浴びてきたキラの三人が社員食堂のテーブルに
つく。小奇麗になった彼を見れば、成る程茶色の髪の美少年の面影も
あるように…見えるような…見えないような…
とりあえず、ヒゲもどうにかして欲しいとルナマリアは思った。
「忙しいところすみませんでした。また修羅場ってました?」
「いや…今日終わった所だったから、もう帰宅する予定だったし、二週間ぶりに」
どうやらキラはザフトもビックリのハードワークを強いられているようだった。
「とりあえず借りてた『試供品』の運用データです」シンは言いながらポケットから
取り出したデータディスクをキラに渡す。
「中は後で確かめさせてもらうよ。何時も協力してくれて、僕も助かるよ」
「いいんですよヤマトさん。持ちつ持たれつじゃないですか」
「ねえ…それ何のデータ?」訝しげに聞くルナマリアに対して、キラは素直に答えた。
「アスカ君に貸しているモビルスーツ用OSの運用データ」
「バッ、ヤマトさん空気読めよ!」
「ちょっと!軽く機密漏洩じゃない!」ルナマリアが大げさにリアクションする。嘗ての
英雄とはいえキラ・ヤマトはもう只の民間人だ。そんな人間に軽々しく渡して
いいものでは、勿論無い。
「いいじゃんかよ、ヤマトさんの作ったOSだぜ?もう数ヶ月もすればザフト全軍に
採用されるに決まってる。ちょっと先に使うくらい…」
「駄目にきまってるでしょー!」
「ハハ…元気な人ですね」
「ハハじゃないですよヤマトさんも!もう二人してなにしやがってるんですかー!」
社員食堂にルナマリアの怒号が空しく響いた。

モビルスーツパイロットとしての技量ばかりが注目されがちなキラ・ヤマトであったが、
彼がもう一つ、超人的な才能を発揮する分野がある。ソフトウェア開発である。
4年前に初めてモビルスーツ《ストライク》に乗った時、彼は不完全だったナチュラル製
OSを戦闘中に書き換え、ザフトのエリートパイロットとも互角以上に戦えるものを
即興で作ったという伝説が残されている。伝説でもなんでもなく、事実だから困る。
それ以降も、戦闘中にビームの屈折率を計算してOSを補正する。オーブでナチュラル
用モビルスーツOSの基礎開発など、やりたい放題であった。《フリーダム》に
乗るようになってからは、プログラミング分野での武勇伝は聞かなくなったが…
447360:2009/05/27(水) 18:30:14 ID:???
「《ダガーU》が支給されたときにさ?その話を思い出してヤマトさんに相談して
見たんだ。ヤマトさんだったら連合系のモビルスーツにも詳しいだろうし、って」
「ふーん…ザフトじゃなかったら普通に二人ともブタ箱に詰められる所だけど…」
「それだけじゃないんだぜ?ヤマトさんは探査プローフのAIとか、お掃除ロボット
の制御ソフトとか…色々作ってるんだ」
まるで自分の手柄のように話すシンの姿に、キラは気恥ずかしそうにはにかんだ。

キラも帰宅するということで、3人一緒に外に出ることになった、宇宙港まではキラを
乗せていくことになる。
「まあ…事を荒立ててもいいこと無いですから?私の心のうちに留めて置きますよ」
「そうしてくれると助かるよ、ルナ」
「一つ貸しだからね」
ハァ、とため息をつくシン・アスカ。またこれで俺の給料の一部はルナの服やら食事に
変わってしまうのだなあ…と思いながら。

シャトル港に着いたあと、3人は二手に分かれることになる。シンとルナは《アーモリー・ワン》に。
キラはラクスが待つ《アプリリウス・ワン》に。
「忙しいところ、来てくれて助かったよ、アスカ君」
「いえ…あの、ヤマトさん」
「なんだい?」
「花は…植えられていますか」
キラがシンに、『花をまた植えるよ』と答えた日も、丁度こんな夕日が眩しい時だった。
「…わからない。僕は只逃げているだけかも知れない、だけど、今はこうして
人の役に立つ事をしたいんだ」
「わかりました…俺は戦い続けてみます。花を散らそうとする奴から、守ってみせます。今度こそ」
「ありがとう、シン…」そう言い残して、キラはシャトルに乗り込んでいった。

「何か…私の知らないところで、通じあっていたんだね、シン」
ルナマリアにそう言われても困るシンだった。何せ…
「どうかな、アスランほどじゃないけど、ヤマトさんの言うこと分からなくなる
時あるから」
「アスランの友達だから?」
「かもな」全く忌々しいことだと思いながら、二人は笑った。

(第二話おわり、次回に続く)
448360:2009/05/27(水) 18:34:41 ID:???
今回はここまでです。有難うございました。
449通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 18:41:03 ID:???
投下乙
そういえば凸とカガリは何してるんだろ?
シンとルナの言い様だと、凸は相変わらずのようだがw
450通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 19:43:22 ID:???
投下乙です。
>茶色毛虫 キラついに成長したな
あのフリーダム坊やもついに大人か、感慨深いものがあるな
451通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 20:04:24 ID:???
360氏、GJ。
腹黒ラクスに茶色毛虫キラは結構好感度高いな。
452通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 22:03:12 ID:???
「ジミー360」の称号を授けよう
453通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 23:01:48 ID:???
GJ!
なんだろう?このキラは凄く好き。
454通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 23:05:17 ID:???
初めてキラが身の丈にあったことをしている気がする
455通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 23:14:18 ID:???
戦争に巻き込まれなければこうなってたろうな キラは
周り道して自分の居場所を見つけた感じだ
456ライオン:2009/05/28(木) 00:41:44 ID:???
お久しぶりです。
ライオンです。
規制中ですので携帯から失礼します。

現在、小説を連載するうえでプロットの段階で少々詰まってしまいました。

避難所のほうに相談内容を書き込んだので、もしよければご意見をお願いします。

なお少々小説のネタバレがあります。

よろしくお願いします。
457通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 08:16:02 ID:???
投下乙
何だか人間味があって、好感の持てるキラとラクスだなw
シンの問い掛けにもちゃんと自分の言葉で返してくれているし・・・

キラってラクシズ色抜けると、シンともちゃんと向き合って話をしてくれそうだよな〜


凸はどこまでいっても凸だろうけど・・・
とりあえず、キラのためといって性転換したなんとなく氏の凸はきっと幸せに違いない!w
458通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 13:37:44 ID:???
他に助手とか見受けられない状態で二週間で帰宅できるとは流石スーパーコーディネーター
恐るべき力量よ・・・・・・・
まあ、普通に、平穏に、平凡(とはちっと言えんかな?)に暮らしてるのは良い事です
459通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:06:30 ID:???
いちばんさぶいぼ立つのは、ラクスが「シン萌えですわ〜」になった想定。

このスレ的にはラクスのことだからきっとサクッとキラを売り飛ばすだろう。
460通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:18:30 ID:???
某所でそのネタを見たことあるけど
キラさんがシンすらおかずにするオナマス化してて何も問題なかったな
461通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:21:04 ID:???
シン萌えになったラクスって、そのものずばりエミュ子じゃね?
462通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:23:18 ID:???
あるいは兄弟スレのひんぬーとか
463通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:32:57 ID:???
>>459
どっかで自分の思い通りにならないシンが大好きで問題行動起こさせては股を濡らすラクスなら見たことが有る
464通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:36:52 ID:???
ひんぬーか、ところでこのスレ的には胸の順番どんなだ? 
ロミナ〉娘ステラ〉ミユ〉の順番か?
465通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:42:15 ID:???
>>460
kwsk
466通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:45:31 ID:???
ロミナ>大公>TS凸>娘ステラ>カガリ>コニール>シッポ>ミユ>お嬢様>クレハ>みなたま

類別不能:ミナ

異論は認める。
467通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:45:47 ID:???
ひんぬーが多数なスレだよなホント

おっぱい星人の俺としては少し悲しい
468通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:53:25 ID:???
巨乳平面説に従えば貧乳にこそ大きな夢が詰まっている
ことは明らか。
469通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:56:30 ID:???
命が惜しいので逃げながらで済まないが

      おっぱい!
    おっぱい!
  -=≡  _ _ ∩
 -=≡  ( ゚∀゚)彡
-=≡  ⊂ ⊂彡
 -=≡  ( ⌒)
  -=≡ cし′
470通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:56:47 ID:???
>>467
貧乳警察による思想統制がされてるからな
471通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 18:58:44 ID:???
>>463
飴玉?
472通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 19:16:23 ID:???
>>466
傭兵氏版のじゃ爆か魔じゃなかったっけ?>コニール
あと、お嬢様がその位置なのはおかs
473通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 19:16:27 ID:???
なんだこのちのうm(文章はここで途切れている
474通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 19:17:57 ID:???
>>459
小話氏のラクスはシン萌えだったのか、あくまで新しい道具のつもりの
域は出なかったのか…
475通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 19:49:58 ID:???
>>463
kwsk
476通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 20:56:19 ID:???
ttp://ichisureichi.blog67.fc2.com/blog-entry-438.html

お嬢様やラクスのコメントを貰いたいものだw
477通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 21:06:15 ID:???
>>476
夜道には気をつけろよ。
しかしながら驚きの大きさだ。
478通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 21:10:20 ID:???
>>476
生活に支障が出るなら仕方ない事だ
かつてのアマゾネス達は弓を射る為に乳房を切り取ったのだから現代のアスリートがそうしても何ら不思議では無い
お嬢様は天然物だがミナ女史の胸は戦闘用にコーディネートされた物である可能性も有るわけで「胸の大きさと数学の点数は反比例するの法則」もあr
479通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 21:12:24 ID:???
>>476
それの動画みたが…うわぁ…。
なんていうか? うん。ミーアとか娘ステラとかロミナさんとか女大公さんとかコニール(傭兵氏ver)とかが
パイスー着てMS操縦したらそんな感じに揺れまくるんだろうなとかいろいろと考えt
480通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 21:52:06 ID:???
>>478-479

なんだ、ここらの赤黒い染みは……
481360:2009/05/28(木) 21:54:50 ID:???
今日はパトロールのシフトから外れていたはずの《パトクロス》の
クルー達が緊急招集を受けて艦に集合したのが30分前。
慌しく《アーモリー・ワン》を出港した後に、各部署の主要メンバーが
集められてブリーフィングが開かれた。勿論パイロットの中心である
シン・アスカとルナマリア・ホークもその中にいた。

「急に集まってもらってすまない、状況を説明する」
トライン艦長の指示を受けて、アビーがディスプレイに一枚の画像を
表示した。暗黒の宇宙にぼんやりと浮かぶ、鬼火のように見えるそれは
宇宙船のスラスター光であろう。
「定期巡回していた探査プローフが撮影したものだ、船の形状だけを
見れば連合系の戦艦に見えるが…」
次に表示された画像はコロニーや地球の位置を模式的に表したマップ、
その上に先程の船の位置と予測軌道も表示される。
「規定航路から思いっきりOBしていますね」シンが率直な感想を述べる。
「うん、しかもこのまま進んでも、特に何も無い所なんだけど、あと3時間
14分後にはザフトの領宙域に侵入する計算になっている」
「領宙侵犯かあ…」
「しかし、このご時世に連合側が挑発してくる必然性もないし。例えばアレが
海賊だったとしてどこかにアジトが隠されているかも知れないとしても、この宙域は
つい4日前にプローフで探査したばかりの区域だ。何も無いのはさっき言ったとおり」

「じゃあ、これから賊がねぐらを作ろうとしているとか?」
「そうかもしれないけど、兎も角我々はあの船の目的を明らかにする
事が緊急任務となった。他のパトロール隊よりも《アーモリー・ワン》にいた我々の
方が近い位置にいたから、この任務を仰せつかったわけだ」
そこまで言って、艦長はため息をついた。士気が下がる所業とも取られかねないが、
気心しれている同僚には、そういうキャラだから仕方ないと思われているので、
問題は無かった。
「にしてもマジでコキ使いすぎですよ。他にも《ボルテール》とか駐留してたのに」
ヴィーノがスラング交じりの愚痴を漏らす。
「信用されてるのか疎まれてるのか分かんないよねえ」ルナマリアの言うとおり、
かつての《ミネルバ》クルーが集められた部隊だからか、上層部からは白眼視
されている節があった。しかして『使える』部隊として認識されてもいて、それゆえの
コキ使われ方だった。
482360:2009/05/28(木) 21:55:42 ID:???
「コキ使うならせめて《ザク》でも寄越してくれたらいいのに」
「拘るなあ、ルナ…」
「しかし、艦で捕捉するにはちょっと遠すぎじゃないですかい?往復分の
プロペラントはありませんぜ?」わざとラフな格好を装っているごま塩頭の男は
《パトクロス》の機関長だ。艦内最年長者として、若いクルーの模範たらんと
する有難い人物だった。
「そうなると、途中までは艦で接近して、そこからモビルスーツで偵察という
ことになるね…ヴィーノ君、装備は調達できてるよね?」
「勿論、《スペースグゥル》4機にエールパック。ハインドシールドやら使えそうなものは全部
かっぱらってきたさ」

《スペースグゥル》とは地球の部隊の撤退を決定したザフトにとって無用の長物と
化したサブフライトシステム《グゥル》を宇宙艇にリフォームしたものである。
思いつきで作られた代物で最初は役に立つのか疑われたものだったが、実際には
輸送、長距離移動、モビルスーツのバッテリー・プロペラント節約、ランチ代わりと多岐に
わたる運用がされる便利なマシンとなった。現在幕僚長を務めるバルトフェルドなどは
「《スペースグゥル》と探査プローフのお陰で宇宙軍は3倍の効率で動けるようになった」
とまで絶賛したものだ。

「というわけで、ミッションプランはこうする。ある程度まで艦で追尾した後、シン、ルナマリア
両名は出撃、艦を捕捉して目的を洗い出してくれ。航続距離は《スペースグゥル》と
エールパックを合わせてやっと足りるところだがら、クィンとボーラスの《ゲイツR》には
中間地点に待機してもらって、フォローに当たらせる」
「二人で艦に突っ込むんですか?」ルナマリアがうへえ、と言いたげな表情を浮かべる。
無理も無い。
「だから、無理に戦闘することは無い。アンノウンの正体、目的がわかればすぐに
帰還してくれ。アジトでもあれば、後に艦隊が編成されて討伐することになるだろうけど…」
「そのためにも、今接触して情報が欲しいってことですよね?わかりました」
「頼む。手空きのクルーは全員《ダガーU》の準備を手伝ってくれ。以上、何か質問は…
無かったら、現時刻よりミッションスタートだ」
「了解!」ブリッジ内にクルー達の明朗な声が響いた。


『ようやく追いついたわね』
「ああ、このまま追跡してみる」シンとルナマリアは有線回線で会話しながら、捕捉
した戦艦…ドレイク級の行き先をみやった。
「最大で10機のモビスツーツを積めるんだよなあ、アレ」
『展開されたら即死かも』
「上手く隠れないとな…」《ダガーU》の左手には擬装用の装備ハインドシールドが
握られていた。簡易式ミラージュコロイドとも言うべきもので、菱形の鏡面に宇宙空間を
映すことにより機体を覆い隠すものである。安価な割りには便利な代物だった。
ザフトのコスト削減主義は時として良く作用したのである。
483通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 21:56:09 ID:???
>>478
ガイ自重www
つうかメイドガイシンか…アリだな!
484360:2009/05/28(木) 21:57:13 ID:???
「どうしたんだい?シルバーハンド。具合でも悪いのかい?」
宇宙船の一室で、顔立ちは整っているが趣味の悪い色眼鏡としゃがれた
声が妙な存在感を出している青年が、こげ茶色の髪を湛えた少女に問いかける。
顔の目から下をすべて覆う黒い覆面を被った少女は、ベッドに寝転がったまま、
青年に答える。
「ううん、身体は大丈夫なの。でも、何か神経がざわつくみたいな、嫌な感じがするの」
「そっか…楽にしてろよ」返事をしながらも青年は別のことを考える。
(彼女はカンがいいからな…本当に何かあったのかも知れない)
青年は少女に気遣う風を装いながら「ブリッジに行こうか?宇宙の景色を見れば
気分転換になるよ」と彼女を誘った。
「有難う、お兄ちゃん」少女は、銀色の機械の右手を伸ばして、青年に身体を起こして
貰うようにした。

「おいおいチョッサー?ガキをブリッジに入れるなって何時も言ってるだろうが」
色眼鏡の青年をチョッサーと呼んだのはこの船のキャプテンである筋肉隆々とした
大男だった。
「すみません。ちょっと様子がおかしかったので…」
「まあ、ガキの事はお前に任せるといったけどな?邪魔はさせるんじゃねえぞ」
本当にすみません。と言ったチョッサーは、少女が見ているもの…宇宙空間の
様子を見やる。
本当に暗くて、何もない…この辺りはデブリ域からも外れていて、それが却って
チョッサーを不安にさせた。
(地球でもロクなこと無かったけど、やっぱり宇宙は怖いな)
ふと、レーダー手と銀色の腕の少女が口論していることに気がついた。
「オラ、邪魔スンナよガキ。しつこいとしばくぞ?」
「だって、おかしいったらおかしいんだもん、ちゃんと見てよ」
「何かあったのかい?シルバーハンド」
「うん…お兄ちゃんも見て、ここ…」少女が指し示したのは船の後背部のカメラ映像だった。
パット見では只の暗黒空間にしか見えないが…
「おや?」何となく、少女の言わんとしていることがわかった青年は、レーダー手に指示を下す。
「この辺りを最大望遠にしてくれ」
「へいへいっと」いかにも渋々という様子で、言われた通りにしたレーダー手。その空間は
やはり一見何もない暗黒だったが…
「成る程な、良く見つけてくれた。偉いよ、シルバーハンド」
「ホント?有難う、お兄ちゃん」少女の目が、嬉しそうな形を描く。
「三文芝居は余所でやってくれ。んで、何かあったのか?」流石に気に障ってきた
キャプテンも割り込んできた。
「キャプテン、俺達は尾行されています」
「ふーん…って、何だってぇ!」
485360:2009/05/28(木) 22:00:06 ID:???
『ハッチ開いた!?気づかれたの?何で!?』
「知るか!兎も角やることやらないと…」《ダガーU》に乗る二人は狼狽した。
いきなりモビルスーツを展開させ始め、こちらを包囲するような動きを見せたのだ。
《ダガーL》や《M1》で構成されたモビスルーツ群を見て、正規の連合軍ではないと
判断したシンはそれでも、後退をかけながら連中に打電する。
「こちらザフトパトロール!貴艦は領宙侵犯を犯そうとしている!速やかに目的
を明らかに…って問答無用かよ!」
シンの勧告はビームの砲火によって遮られた。
「逃げるぞルナ!」『当然!』
そして二人の《ダガーL》は《スペースグゥル》を乗り捨てシールドを放棄して、離脱を開始した。


(第三話終わり、次回に続く)

今回はここまでです。投稿の区切りは良く分かりませんOTL

・アスランとカガリとメイリンはオーブにいますが、出演する気配がありません。
・ダガーLがカンオケなのはアクマでルナ主観ということで…

では失礼しました。
486通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 22:07:09 ID:???
電脳上のサポートプログラムのタチコマのようにエミュ子が
姿を持つとしたら、絶対に体の一部を大きくするだろうな。
オリジナルへの皮肉を込めて。

えどこかって?そりゃお前、おp(ry
487通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 22:09:35 ID:???
胸なんて脂肪です、偉い人にはそれがわからんのです。
488通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 22:36:54 ID:???
>>479
ゴーダンナーの静流さんの戦闘シーンを見て来るんだ
489通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 22:38:58 ID:???
>>476
それ動ナビで見たなw
490通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 23:21:45 ID:???
くだらない事ばかり言ってないで、乙くらい言えよ(-"-;)
サイとマユか…
491通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 23:34:05 ID:???
投下乙

乙と乾燥を一セットと考えると話が短かったから入れづらいしな
マユに見せかけた別人の気がする
492通常の名無しさんの3倍:2009/05/28(木) 23:40:24 ID:???

色々されたっぽいマユとサイが気になるが現状だとシンは逆襲する理由が無いな。
ラクス側はまとも……では無いにしろ政治家してるし地球とプラントの関係も静かだし
493通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 00:13:28 ID:???
乙!
マユとサイの組み合わせは珍しいな。
ただ個人的な意見なんだが、MSとか戦管名の前後にある《》はくどい気がするんで強調するときだけでいいと思う。
494通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 00:16:05 ID:???
あれマユの千切れた方って右手だったっけ
左手だったような
495通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 00:20:43 ID:???
>>483
メイドガイがATXで放送された頃のジオンスレに投下された小ネタでナタルがノイマンの火葬戦記に文句を言って部屋に帰ったらメイドガイが居てベットの下の火葬戦記を暴き「変態仮面!!」とマシンガンで蜂の巣にしたら遥か彼方のクルーゼがダメージを受けたのを思い出した。
496通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 01:32:39 ID:???
シン「ま、マユ…生きてたんだ」
マユ「うん、そうだよ。そして…お兄ちゃんを守る力もついでに手に入れたんだよ」
シン「え!?」
マユ「ほら、この手みて。サイバネティックアームって言って何体も悪魔をデータ化
   して召喚できるんだよ」
シン「マ、マユがメシアになってるー!?」
497通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 02:38:01 ID:???
>>497
メガテンか……。
ふと思ったんだが、シンはロウとナチュラルとカオス、どのあたりだろうな。
個人的にはライト−ナチュラルだとおもうんだが。
498通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 09:55:37 ID:???
シンはロウよりのニュートラルってところじゃないかな
別に神に忠誠誓ってるわけじゃないが、少なくとも力と自由を絶対とするカオスとはどう考えても相容れないし

逆にラクシズはどう考えてもカオス側
負債的にはニュートラルのつもりなんだろうが
499通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 12:00:38 ID:???
奴らはある意味じゃロウかもしれん。
負債という(邪)神の加護を全面的に受けているからな
500通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 12:45:12 ID:???
ああ、モッコス様のご加護か
501通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 14:33:00 ID:???
ラクシズは自称ローフルグッドのローフルエビルってトコかな
シンは・・・・・・ニュートラルグッドだろう
502通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 18:42:36 ID:???
360さんGJ サイスキーだから結構うれしいw 今後楽しみです
19氏のサイとバジルール姉もかなり好きだったんだけど最近投下なくてションボリ
503通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 19:57:38 ID:???
>>497
メガテン系といえば一時期種死キャラをペルソナ4のマヨナカテレビに放り込んだらって考えたな
結果全員己の影に喰われるシチュしか思い浮かばんかったがw
504通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 21:04:44 ID:???
>>502
略して「姉ルール司令」という言葉が中身の少ない脳裏をよぎった
505通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 21:11:07 ID:???
>>504の脳は少ないんじゃない、密度が高いんだ
506通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 21:44:49 ID:???
>>486-489,>>495
お前ら帰れ
507999 ◆cdTTrL4hmY :2009/05/29(金) 21:58:06 ID:???
空気読まずに投下 
 
「処分いたしますか?」
 その言葉と同時に俺の中の何かが弾ける、と同時に顔面の中央、ラクスの鼻を潰しながら俺の右ストレートが炸裂した。
 今まで自ら血を流したことが無い、穢れ無き女神のようなイメージのあるラクス=クラインは鼻血を流し、恋人のキラ=ヤマトにぶつかり二人は倒れこむ。
「シンやめろ!」
 アスランが右回し蹴りと共に止めに入るがそれを俺はバックステップで回避しアスランに水面蹴りを牽制で放つ、アスランは上に飛び俺に蹴りを放つがそれを俺は十字ガードで防ぐと同時に衝撃を利用して距離を取る。
 アスランは俺の十字ガード踏み台にバク転で着地、俺は水面蹴りの際に掴んだ砂をアスランの顔のに向け投げつけると同時に突っ込む。
 いくらアスランであっても砂や液体は避けられない。砂はアスランの視界をふさぎアスランは鋭い蹴りで凪ぎ払う。
 その攻撃はあたるはずもなく、俺は一気に間合いをつめアスランの前髪を握りしめ顔面を蹴り飛ばした。致命的な、根元からちぎれる音とアスランの断末魔が響いた。
 
第二話《命の価値は? 後編》
 
『プラント政府と火星行政府、月面都市同盟の三ヶ国協議は無事終結し、今後もあらゆる分野での協力が…』
『地球連合政府カガリ=ユラ=アスハ代表は、地球各地の紛争地帯に兵器を流通させているジャンク屋ギルドに対し全保有兵器の買取を提案し…』
『今日から始まったアッガイファイト、オーブ場所は大関、千代アッガイが横綱、朝アッガイをデンプシーロールで押し出し…』
 
 爆発と共にキラがアクセルを全快、十字路を華麗なアクセルワーク、ブレーキングで曲がる。素人はドリフトの方が速いと思うがそれは間違いだ。F1選手がドリフトでコーナを曲がらないのが良い例であろう。
「キラさん、パトカー潰す。」 予定にあったことだが報告する。目標とする地点まであと5分はかかる。キラがゴーサインを無言で出すと、シンが拳銃を撃つ、その弾丸はフロントガラスに当たるが貫通はしない。防弾ガラスだからだろう。
 パトカーは相変わらずラクスの歌を垂れ流している。プラント警察がラクスの歌をサイレン代わりにしているのは理由があった。コーディネーターはラクスの歌を聞くと落ち着く、だからラクスの歌で犯罪者を効率的に『無力化』できたからだった。
「チアーキ巡査ぁ、応援呼びましょうよぅ。」
 普段ではあり得ないスピードをだすパトカーの中、プラント警察のモロサーワ巡査は同僚のチアーキに声をかける。共にプラント警察二大アースクェイクと呼ばれる巨体が揺れる。
 すでにパトカーの塗装はずたぼろに剥げ落ち、ラクスの顔は穴だらけになっている。しかしボンネットは複合ハニカム構造で車体自体にダメージは無い。ただサスペンションが致命的な軋みを
「よくも美しいラクス様をぉぉ!」
 チアーキはこの日の為にゲーセンで鍛え上げたドリフトでコーナを物凄い勢いで曲が…れるはずもなくパトカーはそのまま街灯に側面をぶつけるゲームと実車は違う、勘違いで事故ったDQNを999は知っている!
508999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/29(金) 21:59:16 ID:???
「お兄ちゃん、パトカー自爆したよ。」
 ミユが指差す方向には煙を上げるパトカー。シンは頷くとミユに自分の着ていたコートを渡す。ミユは礼を言い袖を通す。
「非グレィト!っへぁぁぁあ目が…目がぁぁぁ!」
 突然ディアッカが悲鳴を上げ、見るとミリアリアに目潰しされたらしい。ミユ(主におっぱい)をガン見していたことがミリアリアを刺激したらしい。ミリアリアがやっていなかったらシンが殺っていただろう。
 車はそのまま順調に目的地のアプリリウスの外周部に着く、そこにはすでに警官隊が銃を構えている。これも予定どおり。
「あと十秒、」
 キラが自分の時計を見、ニヤリと不適に笑う。直後外周部に、正確に言うならキラ達の近くの外壁が閃光と共に砕け、宇宙に全ての物が吸い出された。
 宇宙で住む以上、なんらかのトラブルで宇宙に放り出されることは想定されていたことで、事実プラントの車は宇宙に吸い出されないように、緊急時は強力なマグネットでアスファルトに張りつく仕様になっている。
 そしてもう一つのセーフティーとして車自体に密閉、酸素循環、防宇宙線効果を持たしていた。だが車外にいた警官や野次馬などには意味が無く、悲鳴を上げ吸い出されていく。
 キラは自分の行いで人が死ぬ事は覚悟していた。だから目の前で警官隊の一部が真空内で、宇宙線で死ぬ様を目に焼き付ける。罪悪感はまだある。だが謝るつもりはない。
 事が全部終わった後、裁かれても良い、だが今はまだダメだった。
「恨んでくれて…かまわない!」
 キラが呟いた。シンを含めた全員が宇宙に車ごと放り出されたにもかかわらず落ち着いてる。予定どおりならそろそろお迎えの狼煙があがるはずだった。
 事実アプリリウス1の港に何もない宇宙空間から無数のビームが降り注ぐ。ザフトはその対応に追われどうしても後手に回らざるをえない。
 結果キラ達は吸い出されたまま漂流している。これも計画の範囲内だった。
「皆さん、何飲みます?」
 ミユが気をきかせて、座席近くのクーラーボックスを開ける。キラはミハシラフーズのコーヒー「どろあま」を、シンはデミタチユコーヒーを、ミリアリアはコラーゲンドリンク美容味、ミユはミネラルウォーターをディアッカは目を真っ赤にし、あまり見えていないのか、よりによって缶コーラを取出し蓋を開けた…
 無重力状態で炭酸飲料を開けるとどうなるか、水分は漂うが、解放され気化した炭酸ガスは一気に大きな気泡と化し吹き飛ぶ危険な代物である。
 結果ディアッカの悲鳴が響いた。
509999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/29(金) 22:25:11 ID:???
今回はここまでです。 
さて今日は何呑むかな。
510通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 22:49:06 ID:???
GJ!
ディアッカ…頑張れ!超頑張れ!
511通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 23:05:11 ID:???
地球連合`政府`
地球連合は国ではなく国際機構つまり国連の代替品のはずだったのだが
999氏の世界観では統合されて国になったのかな
512通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 23:18:43 ID:???
GJです。
ここのカガリはちゃんと政治家として成長してるっぽいな。
色々あって連合もひとつにまとまって、そこの代表やってるのかな?
513通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 23:43:09 ID:???
グランツーリスモで地域最速のゲーマーが教習所で40キロを出すのが怖くて毎日教習所で二回授業を受けて補習料を通常の三倍かけて期限ギリギリで免許を取ったが未だに怖いらしく高速を60キロで走る小心者なら知ってる。
514通常の名無しさんの3倍:2009/05/29(金) 23:44:31 ID:???
アスランの前髪は引きちぎる為に存在する
515通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 00:10:18 ID:???
シンとキラはアクション俳優っぽい働きしてるのに、
周りの奴らのノリがコメディ風というのが斬新だな。
そして冒頭の3行ニュースが楽しみなのは俺だけではないはず。
516360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:15:29 ID:???
999様GJです。僕もラクスの鼻血は拝みたいです。

○前回のあらすじ
右手の力でアクマ召還サーバーを支配し。この世を
魔界に変えようとするマユ。妹の蛮行を食い止めるため
シン・アスカはDS片手にデビルサマナーとしての
修行を始めた。

では本編です。
517360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:16:22 ID:???
エールパックの推力を全開にして逃げ始める二機の《ダガーU》だが、
状況は芳しくなかった。
『なんなの…、一機やたら上手い!』
すでに糸を切って無線に切り替えた状態でルナマリアが狼狽する。
総勢10機のモビルスーツ群の戦闘に立っている《シビリアンアストレイ》の
射撃が、一直線な離脱を許してくれないのだ。
浅はかに後退は出来ない、かといってまごついていればすぐに集団に弄り殺しに
なるだろう…シンは意を決した。
「反転して、交戦する。《アストレイ》だけは落とさないと、逃げられない」
『やるしか無いってことね!』ビームを回避する合間にシンに応じつつ、ルナマリアは
腰に下げていた重機関砲を左手に持たせる。
バッテリー節約のために実体弾を中心に持ってきたのだ。
『3カウントで反転して、一斉射!』
「了解!3、2、1…ファイア!」
二機の《ダガーU》は寸分狂わないタイミングで反転。直後に全火器を発射した。手持ち
の重機関砲に無反動砲、ふくらはぎにつけたミサイルランチャーに果ては頭部機関砲まで。
敵陣に砲火の華が咲く。撃墜は確認できなかったが、敵の分断は出来たはずだ。

「《アストレイ》をやる!ルナは援護を!」弾丸を撃ちつくした武器をすべて放棄して、
シンは腰に一振りだけ下げていた斬艦刀を両手持ちに構える。
『了解!』そしてシンの《ダガーU》はルナマリアのビームライフルによる援護を
受けつつ、《シビリアンアストレイ》に向かって突入した。

「やるじゃない。ナチュラルの手練だと思ってたけど。もしかして
コーディネイター?」
《シビリアンアストレイ》に乗っている少女は、獰猛な笑みを浮かべながら
舌なめずりをした。
「だったらとっても楽しめそうじゃない、ねえ!?」
追撃を振り切るために、自分を倒して隙を作ろうというのであろう、ダークグリーンの
《ダガーU》が斬艦刀を携えてこちらに向かってきた。
「遊んであげる」銀色の右手を生物のように動かして、モビルスーツのトリガーを
引かせる。左手に持たせたビームライフルと、右手に取り付けた《アッシュ》の腕の
機関砲が同時に火を噴く。
その砲火を《ダガーU》は大きく避けようとはしなかった。装甲をフル活用して、
危険な弾だけは回避して、さらに錐もみ回転しながら接近した。
「はああああ!」雄たけびをあげながらシンは、斬艦刀による必殺の突きを繰り出す。
それを《シビリアンアストレイ》は柔道さながらに右手のクローで腕を取って、
そのまま投げ飛ばすように逸らす。
「バイバイ!蜂の巣になって死ね!」
「まだ!」
シンはスラスターを全開にして無理矢理カーブさせる、そのまま《シビリアンアストレイ》
の背後を取る格好となって、斬撃を繰り出す。少女も身を捩じらせるようにして回避させたが、
左肩を少しスライスされてしまった。
一対一に拘るのは危険か。少女は歯噛みしつつも冷静に判断し、一度後退した。
518360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:17:45 ID:???
『このままじゃジリ貧かも』ルナマリアが焦るのも無理はない、さっきの一斉砲火で
隊列は乱せたが、撃退できたのは1機だけだった。濃厚な火線を掻い潜りつつ
シンの援護を果たそうとするが…元々2対10をやるには火力も性能も足りなかった。
「持たせて見せる!」
迂闊に接近してきた《M1》を横一文字に両断しつつ。シンはさっきの《シビリアンアストレイ》を
探した。
自分が仕留められなかったことを棚に上げるわけではないが、あの一機はエースだ。
野放しにするのは危険すぎる。

「緑のは強かったけど、あなたはどうかしら?赤いの!」
《シビリアンアストレイ》は僚機を二機引き連れてルナマリアの《ダガーU》に向かって
突入した。
「ルナ!」シンも同時に3機相手どっていて、援護に入れない。
『アタシだって、赤なのよ!』
舐めるなと言わんばかりに、ルナマリアは3機と正対する。ライフルを乱射して敵を
散開させつつ、左腰に下げたサーベルを引き抜く。背部のスラスターに直撃を
受けた《M1》があらぬ方向に飛んでいき、まず一機。
ビームを受けて火器を失った《ダガーL》がサーベルを抜いてルナマリアに挑むが、
単調な攻撃で回避は容易かった。カウンターで胸の上あたりを突き刺す。

「じゃあね、赤いの」
その後ろから、《シビリアンアストレイ》が姿を現した。少女は右手にビームクローを発生
させ、そのまま友軍機のバックパックを抉るように破壊、二機いっぺんに蹴り飛ばす。
「バアーン」少女の声に呼応するように、《ダガーL》が爆散。ルナマリアの機体は青い炎に飲まれた。

「ルナ!?応答してくれ!ルナァ!」
「キャハ!まだ生きてた。いつまで持つかな?ねえ!?」
爆発のダメージでボロボロになった赤い《ダガーU》を、《シビリアンアストレイ》は
弱った虫をいたぶるように、ライフルで責め立てる。左腕、右足と次々と打ち抜かれ、
四肢を失っていくルナマリア機。
「ほらあ!諦めないほうがいいよ?ほら!」最後に少女はライフルの狙いをコクピットを
若干それた位置に定める。直撃させるより、炎に包まれる己を認識させられる分。より
死への苦しみを味わえる部位に。
「バイバイ!…って、何のつもりかな?緑の」
シンの《ダガーU》は射線に割り込むようにして、ビームからルナマリアの機体を
身を挺して庇った。その一撃で左足の膝から下を喪失する
「ヒーローごっこのつもり?舐めるなコーディネイター!」
「ルナ!脱出しろ!機体が持たない!」
聞こえたかどうかはわからないが、ルナマリアがコクピットから脱出するところは確認できて、
シンはとりあえず安堵できた。
「仲間が大事なら、一緒に殺してあげるよ?」
「お前はあ!」
《ダガーU》は手にしていた斬艦刀を投げる。それが虚を突く攻撃となって、
《シビリアンアストレイ》は右腕を丸ごと持っていかれる。
「アハ!やっぱり強いじゃない!でも…えっ」
反撃のライフルを繰り出そうとしたときには、いつの間にか密着するほどに接近されていた。
モニターに大写しになる《ダガーU》の無個性な顔が、何故か怒気を孕んでいるように見えて…
519360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:19:36 ID:???
「ひっ…」
頭部の機関砲でモニターをずたずたにされる。ライフルを撃っても発射前に腕でどけられて
あさっての方向に放たれる。
殺される。
確信にも近い恐怖心を抱き、萎縮した少女は、《ダガーU》にコクピットブロックを蹴られて、
そのまま吹っ飛ばされた。

「何で…生きてるの?」
衝撃に耐え切ったあと、少女の頭によぎる疑問。その答えはノイズだらけのモニター越しに
見える、緑色の《ダガーU》が教えてくれた。こちらに構わず後退したのである。
さっきの赤い奴のパイロットを、助けに行ったのか…私を無視して。
コケにされた。という感情が萎えかけた闘志に再び火をくべる。しかし…
『後退しろ、シルバーハンド。作戦失敗だ、撤収するぞ』色眼鏡の青年が、彼女を
引き下げようと通信を繋げてきた。
「どうして!わたしまだ戦えるよ!」
『ザフトの増援が来た、2機のうちに掃除したかったがもう無理だ』
「でも!」
『命令だ。今すぐ撤収しろ』問答する余地は無い、と言いたげな青年の様子を見て。
「わかり、ました…」銀色の右腕の少女は、母艦に戻った。

「ルナ!よかった、生きてる…」
機体を捨てて宇宙を流されていたルナマリアにようやく追いついたシンは、
右手でゆっくりと、包むように迎え入れる。
ハッチを開けて、そのままコクピットに彼女の身体を放りこんだ。
「ルナ!大丈夫か!怪我してないか!?」
「うん…何とか平気だったよお」
「よかった…」感極まったシンは、ルナマリアの身体を抱きしめる。
「え、ちょっと、へ?」

「もう、急に恥ずかしいことしないでよ」
「ゴメン」二人とも、顔を真っ赤にしていた。
「別に謝らなくても、いいんだけどさ…」
「にしても…随分と流されちゃったな」あからさまに話題を逸らすとするシンにむっとしつつも、
無限の空間に目を見やる。
本当に何も無い、暗黒と、星の世界…
「救難信号は出したから、新兵に拾ってもらうとするか…カッコワリー」
「そしたら私は10倍格好悪いんですけど?」
「違いない…あいてっ」
520360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:20:23 ID:???
救助を待つ間はすることも無く、ただ流れに身を任せているばかりだった。
高速で流されてるわけでもなかったし、こういうときは無駄にエネルギーを
使わないのが上策だ。
「ながれーながされー、いつかーまたあえるー…」
「ルナ、何それ」
「古い歌謡曲よ。ホントこんな感じだからさ…ん?」
「何か見つけたの?」しかし、シンの眼前には星が広がるばかりであった。
「んー…星の位置が変なのよ」
「変?」
「天体マップって入ってる?」
ルナに言われて、モビルスーツのデータベースに圧縮保存していたそれを解凍
する。普段使わないデータだから、削除しようかとも思っていたものだったが…
「カメラで映してる画を照合して…ほら!エラーが出た!」
「どういうこと?」
「今見てる天体の位置が嘘なのよ。例えば…鏡面で宇宙空間を映している部分があるとか」
「ハインドシールド見たいに?」
「うん、私達が追尾していたのがバレたのも、それに気がついた人間がいたからだと思う」
「分かるかよ、普通…」

「だとしたらこれって…コロニーサイズの何かを隠していることになるんですけど…」


…人が生きている限り 人が暮らしている限り
争いが絶えぬというのなら 私は私の信じるものたちに
人類の未来を 種の存続を託したい…

機動戦士ガンダムSEED DESTENY AFTER
逆襲のシン 龍宮の守人編

(第四話終わり、次回に続く)
521360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:23:21 ID:???
今回はここまでです。まとめサイトの方に、自分の作品を
編集して下さった方がいたようで…恐悦至極にございます。
しかも読みやすいように改行も整えられていた…
この場を借りてお礼申し上げます。では失礼しました。
522通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 00:30:52 ID:???
>>520
ながれ流れいつかまた生まれ変わる
永遠に止まらない時の川は続いて行く

横山三国志のアニメ版を思い出したのは俺だけでいい
523通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 00:33:58 ID:???
>>522
なんでそれを思い浮かべるのか小一時間問い詰めたいwww
524通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 00:37:45 ID:???
>>521
どういたしまして、そちらこそいつもGJです。
ところでタイトルは>>520末尾のという事でよろしいのでしょうか。
第四話収録に伴い編集し直しますが…
525360 ◆hQ87KuAhIY :2009/05/30(土) 00:48:31 ID:???
>>524
長いのもアレなんで、「龍宮の守人編」でお願い致します。
自分で上手く編集する自信がないために、厄介おかけします。
526通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 00:51:30 ID:???
乙です
>>コロニーサイズの何か
本当にCEの人間はコロニーレーザーとか大好きですね。
もはや組織作ったら大量破壊兵器を持つのは様式美?
527通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 01:12:00 ID:???
GJです
致命的なバグにマジギレするシンが見えたのは俺だけでいい

>>526
まだ自分達の住む大地を改造しないだけマシ…でもないか
CEじゃコロニーレーザーは出てきたこと無いぞ
528通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 01:14:24 ID:???

ふぅマユらしきパイロットに負けなくて良かった
お兄ちゃんの威厳はまだ失くしてはないな
529通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 02:34:16 ID:???
360さんGJ マユたん病んでるなぁ・・・あの後どんな運命が彼女を襲ってこうなったのか気になります
530999 ◆Op1e.m5muw :2009/05/30(土) 10:17:27 ID:???
370氏GJです。 
訂正、 
コーラではなくカルピスソーダにしてください。でないとエロ… 
ここからさきは血で汚れている…
531通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 10:35:18 ID:???
今日も自殺志願者の列が…
532通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 13:07:12 ID:???
このマユ?はそのうち「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」とか言いそうな悪寒w
533通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 14:53:06 ID:???
>>531
何を今更…このスレが鉄臭い熟れに肢体が転がってるのなんて日常茶飯事だろう。
534通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 15:07:25 ID:???
>>533
HAHAHA!
何言ってるんだ? 死体なんて何処にもないぜ?
……謎の肉片やら赤い染みやら灰のような物ならそこら中に散乱しているが
535アズ子的ディケイド:2009/05/30(土) 17:07:14 ID:???
黒煙が立ち込め、日光が遮られて視界は狭くなっている。
肉片とともに、炭と化した肉であったものがあちこちに散乱しており
漂う腐臭が鼻に不愉快な刺激臭を伝えてくる。
そんな中に大地を踏み締めて仁王立ちしている女がいた。
全ての世界の、全ての研究員を破壊する女。それがこのまな板おんn
536通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 17:56:20 ID:???
エミュ子「アズ子……彼女の存在は世界を破壊する。 早く始末しなくては……」


ミナ「……実はお前(シン)が殆どの世界で金的を喰らうのは、アズ子と言う女の所為なのだ」
どこかのシン「アズ子……なんて女なんだ! (男にとっての)悪魔め!」

ごめん。 色が似てるからやった……今は反s(グシャッ!
537通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 19:09:13 ID:???
>>528
威厳が戒厳に見えた俺はニトロ厨だったorz

おにいちゃん子の戒厳タン、ハアハア
538通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 19:12:15 ID:???
九つの世界は一体どうなるんだろうか

1つ 本編劇場版
1つ GXとかDXとか居る
1つ シンが核金持ってる
1つ シンが仮面ライダーシステム付けてる
1つ リリカルマジ狩る
1つ 無印種
1つ 逆シャア
1つ ダイノガイスト様万歳
1つ やった!第三部完!
539通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 19:59:44 ID:???
1 全世界に金的の名前が知られてる
2 スタンド使いと生身で戦う
3 怪しげな念動殺法を使いステラと不幸女とトライアングル
4 マユと巨大な恐竜ロボットと宇宙海賊
5 暁に乗って政治家になる
6 サイと苦労三昧
7 戦場でマユを追いかけ回す
8 ボインちゃんに手を引かれてお姫様抱っこ
9インパルスでシャイニングフィンガー
540通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:21:34 ID:???
痛みは一瞬だと言いながら金的するコニールの姿を幻視した

一瞬で痛み引く訳ねぇよ!?
541通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:23:17 ID:???
旅する仲間はいったいだれ?
542通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:32:23 ID:???
エミュ子じゃね? クウガ枠で凸とかPPの誰かとか

ディエンドはキラ確定だが
543通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:36:19 ID:???
>>542
苦労人って事でオクレ兄さんとかどうよ?
544通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:45:22 ID:???
アズ子がシンのいる9つの世界を巡る……

アズ子「一寸くすぐったいですよ」
どこかのシン「ちょっ! あんた一体……アッー!」

つまり、こういう事ですね! わかりました!ハァハァ

「……送信と」
(少し自重して欲しいなぁ……)
545通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:45:35 ID:???
アウルとかどうよ?
546通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:49:10 ID:???
声優ネタ的にレイが使えないのか…
547通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 20:50:50 ID:???
ORE! SAN JOU!! とかネタ回で暴れられるからいいじゃんw
548通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 21:21:41 ID:???
ということはお嬢様がシンのまた開いたり跨ったりするわけですねわかりm
549通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 21:27:55 ID:???
>>546
アズ子「ちょっとくすぐったいですわよ」
某世界のシン「アーッ!」
アデラン・ヅライバー「ファイナルフォームライド、ガ・ガ・ガ・ガンフォーム!」
紫化したシン「倒してもいいよね、答えは聞かないけど」
アズ子(子供っぽいシンもハァハァ)
某世界のレイ「小僧!行くぜ俺達の必殺技!」
アズ子「え!?私とのラブラブ的なトドメは!?」
550通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 21:43:29 ID:???
シンが色んな種キャラに変身しても面白いな。
551通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 23:20:18 ID:???
各SS職人の許可取ってホントにディケイド風のSS作ったら面白そうだな
552通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 00:25:17 ID:???
捻って逆シンオールスターズ
553通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 00:28:50 ID:???
>>552
また、まな板同盟により先生や研究員やシンが酷い目に逢うんですね わかりたくもあr
554通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 00:37:33 ID:???
このスレだけだと9つ揃う?
まあ話のバリエーション的に他のスレも入れた方がネタ的には面白い気はする
555通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 00:48:28 ID:???
>>552
Max Heart枠…お嬢様、ミナ様、菜々子
Splash☆Star枠…しっぽ、姉ルーシュ、セツコ、指令
Yes!枠…クレハ、娘ステラ、コニール、ヒルダ、ロミナママン
フレッシュ枠…20、ミユ、カナーバ

なんとか埋めた
多分、埋められる
556通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 00:58:14 ID:???
ちょっと待てw
違うのが一人いるwwwwwww
557通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 02:12:36 ID:???
>>554
十分以上に揃う。
一応前スレで出てた各ライダー対応案

ディケイド=首領(世界(観)の破壊者)
クウガ=GSCIシン(元祖だし、人を守りたい)
アギト=光芒シン(前線で共に戦う味方が3人、最後がハッピーエンド)
龍騎=19氏シン(ジャーナリスト繋がり)
555=傭兵氏シン(色、オルフェノクと作中のザフト兵の態度が似た感じ)
剣=因縁の終わりシン(最後がビターエンド)もしくは19氏ロミナママンシン(マルチエンド的に考えて)
響鬼=MOR氏赤鬼シン(鬼だけに、仲間が多いし)
電王=スパロボスレの総帥じゃない方のシン
キバ=ライオン氏シン(過去シンと未来ステラのダブル主人公)
カブトが未定だったが、999氏のミユ(義妹)がいるシンでいけるか?
異論は大歓迎だ。

しかし、どこのシンもキャラが濃いなぁ……みんな集まったら大変な事になりそうだ。
……特にヒロインsの血管とかが。
558通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 08:30:39 ID:???
>>503
遅レスだが
マヨナカテレビは考えなかったけれど
種死キャラがサイレントヒル(2の)に迷い込むのを現在鋭意構想中
来訪確定しているのは
シン、キラ、アデラン、マルキオ
ラクス、カガリは罪悪感と無縁だし、ルナもどうするか考え中
街の設定に基づきオリキャラとして登場する奴もいくらか

完成したら何処で投下すりゃいいでしょうか
559通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 09:39:03 ID:???
少なくともここは無関係だな
560通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 09:43:42 ID:???
九つの世界を巡る破壊者な逆シンは面白いかもしれんが、
ディケイド本編の様相からするとまもなく腐災がこのスレに上がり込んで
垂れ流しを始めかねないことに…
561通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 09:59:03 ID:???
>>558
クロス統合だろ、それはw
562通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 10:57:42 ID:???
>>557
その電王シンだとラミアにお姫様だっこで救出されるアスカ姫のアレかwww

>>560
負債なんぞ、名前出さなきゃ只の電波乙で終わるだろ。
名前出したら?直接フルボッコできるじゃないか。
563通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 12:27:52 ID:???
電王だけ他のスレじゃねーかwwwww
564通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 12:30:47 ID:???
>>558
読んではみたいが、静岡2とのクロスだとどう転んでも悲劇にしかなりそうにない件について
565通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 13:15:09 ID:???
>>561
サンクス、完成したら統合でお披露目したいと思ってます
まぁ・・かなり先になりそうですが
>>564
お察しの通り、ハッピーエンドは予定しておりません
シン主役視点を想定してますが、どっちかっていえばキラが罪に向き合う話になるかも
566通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 15:40:12 ID:???
まあ静岡シリーズで比較的ハッピーエンドなのは アーケード版のグッドエンドくらいだしなあ
567通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 15:46:33 ID:???
UFOエンドがあるじゃないか
568ライオン:2009/05/31(日) 18:27:51 ID:???
規制中ですので避難所の方に本編の続きを投下しました。
どなたかスレの方にあげていただけないでしょうか?
360氏も避難所に投下なされているようですので、同じくお願いします。
569通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:31:17 ID:???
なら自分が360氏の作品から代理で投下します
570360氏の代理:2009/05/31(日) 18:32:30 ID:???
○前回までのあらすじ
ジャーンジャーンジャーン
アスラン「げえっ!シン・アスカ!」
シン「…」
アスラン「嘗ての上司のよしみ、見逃してはくれぬか」

では本編です。
571360氏の代理 :2009/05/31(日) 18:33:19 ID:???
《パトクロス》に帰還したシンはその脚でブリッジへと向かった。
ルナマリアは、本人は大丈夫だと言っていたが、大事を取って医務室に
行ってもらっている。何せ宇宙空間に放りだされたのだ、自覚しないまま
何らかのショックを受けていたら…本当に命を落とす。

「申し訳ありません艦長。試験機を失ったばかりか、任務を果たせず…」
「謝らなくていいよ、シン君。自分も無茶なミッションだったと今は思う。
それに、ギリギリで目的は果たせたしね」
報告を受けたトライン艦長は宙域マップをシンに見せる。そこにはさっきのドレイク級の
予測進路と、実際には反転してどこぞへと消えたことを示していた。
「ギリギリまでトレースしたんだけど、連中、君達を攻撃したあと
進路を反転しているんだ。見逃すことになったのは悔しいけど、
それ以上に解せない」
「どういうことですか?」
「最初は連中…もういっそのこと《ボキー2》とでも名づけようかな?兎も角
秘密のアジトでもあるものだと思ったんだけど、反転したということは、
そうではないよね?」
「ええ、普通に考えれば」ねぐらの位置を悟らせないためにコースを
誤魔化したという線もあるが、自分達は積載限界数のモビルスーツで
攻撃を受けた。補給を受けていた状態…つまり『往路』だったのでは予測する。
「そして、君達が見つけた隠された謎の構造物。手を出せる状況じゃ
なかったから詳しいことは分からないけど。ザフトも、連合も、僕達の
知る限りではあんな所には基地もコロニーもステーションも作っていない」

「別の賊のねぐら…それともファクトリーとか?」
「ファクトリーはターミナルと共に解体、開発局と情報局に組み込まれた
って発表されてるけどね、他でもないクライン議長の口から」
ファクトリーはモビルスーツ開発工廠、ターミナルは情報機関として、クライン派
を支えていたと噂された組織である。
非公然組織だったその存在は、よくクライン派批判の材料にされてきたが
解体された後、正規の組織に組み込んで人材と情報網を守り、
批判をかわすという荒業に出たのだ。
シーゲル・クラインの呪縛から解き放たれるための禊だったとも言われているが…
それは別の話。

「兎も角、僕は上層部に報告して調査ミッションを申請する。
通らなかったら、きっとアレは都合の悪い何かで僕の命が無くなるんだろうけどね」
「冗談でもやめてくださいよ、面白くないですし」
「そんなに駄目だったか…お疲れ様、ゆっくり休んでくれ」
「はっ」ザフト式の敬礼を返して、シンはブリッジを退出した。
572通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:34:43 ID:???
トライン艦長に《ボギー2》と名付けられそうになったドレイク級、
《ニヴルヘイム》と洒落た名前が付けられているその船に帰還した
銀色の腕の少女を待っていたのは、色眼鏡の青年の鉄拳制裁だった。

「どうして殴られたか、分かるか」
「…わかんないよ、お兄ちゃん」すでに、少女の眼には涙がたまり、
上目遣いで青年を見やる。殴られた痛みなんかより、冷徹な表情で
自分を見る青年が、恐ろしくてたまらないという風だった。
「ターゲットは確実に仕留めろと言った筈だ。お前、遊んでいただろ?」
「それは、その、えっと」
「口答えはするな。次に同じ事をしたら、見捨てるからな」
「ヤダ!酷いこと言わないでよ!お兄ちゃん…」
縋る少女を振り払って、青年は少女の元を離れる。
「ブリッジに行って来る。独房に放りこんでおけ」
近くにいた手下に命令した彼は、わんわんと泣きじゃくる少女に構わず、ドアを開けた。

ブリッジにキャプテンしか居ないことを確認して、青年はこれ見よがしに
ため息をつく。
「ご活躍じゃないか」
「やめてくださいよ、殴るのは、向いてないんです」言いながら青年は、
少女の頬をぶった裏拳を、さも痛そうにさする。
本当に痛いのかもしれない。
「情けねえ話だが、あのガキを叱れるのはお前だけだ。これからも頼むぜ」
青年は返答せず、別の話題を言い出した。
「こんなところで依頼が躓くとは思いませんでした」
「ツキが無かったとしか言い様がねえなあ…お前のお陰で最悪のパターンは
避けられたんだ。善しとしようじゃねえか」
ここで言う最悪のパターンとは、押し入り強盗しているところを
誰かに見られるということだ。自分達が逮捕されるのは勿論。依頼主に
とっても、最悪なことになる。
筋肉達磨のようなキャプテンは、身体を伸ばしながらそんなことをいう。
良く言って傭兵、悪く言ってテロ屋を指揮する人物として、楽天家なのは
よいのか悪いのか…青年はそんなことを思った。
「兎に角これでご破算だな。依頼主にバレねえようにばっくれて、
小銭稼ぎに走るしかねえな」
「ですね、またネタを探してみますよ。」
573360氏の代理:2009/05/31(日) 18:35:38 ID:???
翌日、《パトクロス》のクルー達は休暇を貰えた。緊急出撃で
機体を損失、さらにパイロットも1名失いかけたという事への詫びなのだろうか。
《アーモリー・ワン》の宿舎の食堂でルナマリアを見かけたシンは、
彼女の向かいにでも座ろうかと思ったのだが、
「…ハァ」まるで暗黒の深遠を見つめているかのような表情で、ルナマリアが
ため息をついていたものだから、シンはビックリしてしまった。
「ルナ、何かあったのか?やっぱりどこか悪いんじゃ」
「そうじゃないよお…」ルナマリアはテーブルに置いていた一枚の写真を
指差す。シンは手にとってそれを見たが…成る程ショッキングな一枚だった。

「私達結婚します。祝福してね、お姉ちゃん☆」

ピンク色の蛍光マーカーでそう書かれていた写真には、大きなお腹を
抱えて幸せそうに微笑む妹メイリン・ホークの姿と、隣に生硬い表情を浮かべる
オーブ軍将官の制服を着るアスラン・ザラが映っていた。

「うはあ…」これには、シンもうめき声を上げるしかなかった。
「私も、アスランになんか未練なんか無いわよ?これっぽっちも。
だけどさー、負けた気分になるというか、妹に先を越される姉ってどうよとか…
ああ段々むかついてきた」
「深く考えないほうがいいぞ、きっと、うん」
「…シン、今日の予定は」暗い、何処までも暗い視線でシンを見つめるルナマリア。
「ヨウランとヴィーノと出かけるつもりだったけど」
「そんなことはどうでもいい、私に付き合え。そして何か奢れ」
「…はい」逆らえなかった。捕食者に睨まれる草食動物の心境になった
ザフトのスーパーエースは、自分の財布に黙祷を捧げた。

(それはそうと、また生え際が後退していたな。アスラン)


独房の前に立った色眼鏡の青年は、電子ロックを解除して、扉を開ける。
案の定と言うべきなのだろうか、泣き腫らした眼を俯けて、うなだれている
銀色の腕の少女がいた。
「お兄ちゃん…」
「反省したか。シルバーハンド」
「うん、もうしません。ちゃんと言うこと聞きます。だから…見捨てないで…」
「見捨てないよ、大丈夫だ。さっきは酷いことを言ってしまったね。
叩いてしまったし、謝るのは俺のほうだよ」
「ううん。私がいけないことしたってわかってるから」
言いながら少女は、決して逞しくはない青年の身体にしがみつく様に、
抱きしめる。
少女の頭をなでながら、青年は「生きなくちゃな」と言った。
「頑張って生きて、いつか本当のお兄ちゃんを見つけないとな。
俺も探すの、手伝ってやるから」
「うん、うん…有難う…サイお兄ちゃん…」

サイ・アーガイルは少女の体温を感じながら、自分の下種さ加減に
反吐を吐きたくなった。
574通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:47:59 ID:???
軍関係の施設ばかりで味気の無い《アーモリー・ワン》から
繁華街のある《オクトーベル》市に移動した後、シンとルナマリアは
日差しが気持ちいいオープンカフェに入った。
そこで山のようにケーキを注文するルナマリア…
(駄目だ、迂闊なことを言えば、やられる)
決して、太るぞとか言ってはいけない。彼女は人一倍のトレーニングに
よって食欲と、スタイルを維持するという義務を満たしているのだ…
そういえば、メイリンちょっと太ったかも。子供が出来たからかもしれないけど。
「シンも何か食べようよ」
「ああ、ゴメン。じゃあ…」
言いながらシンは、大きなイチゴが乗ったショートケーキを貰う。
「ふうん…やっぱり子供っぽいよね、シンは」
クスクスと笑うルナを見て、人に選ばせておいて何を言うかと
憮然とする表情を見せた。
「こんなのも、クライン議長のお陰なのかな…」瑞々しく、
程よく甘酸っぱいイチゴを口に放ったあとにシンは呟く。
天然食材が高級品だった頃がつい2、3年前だったとは
思えないほどだ。

ラクス・クラインは《アプリリウス・ワン》の執務室で、資料と、
書類の山に対して挑んでいた。
最高指導者だからといって、何も全てを考えて全てを決めることは無い、
デュランダル時代からの優秀な官僚が、自分を支持する…とは言いがたかったが、
彼の遺言を受けてプラントの治世のために働いてくれているのは、彼女にとって
最大の僥倖であったかも知れない。
ただ、全てを『見届けなければ』ならない。その形の一部としてうず高く積みあがる
書類を、ラクスは気だるそうな表情で一つずつ目を通していった。

「都市開発計画の承認ー…新型モビルスーツ開発の確認ー…」
「議長、思ったことが口からだだ漏れてます」
隣に立つマーチン・ダコスタに咎められて、ラクスは一つ、伸びをする。
「くああ…ちょっと休憩」
「駄目です。30分前に休んだばかりじゃないですか」
「ぐぬぬ…議長に逆らうか」
「何がぐぬぬ、ですか」

ラクス・クラインの腹心たるバルトフェルドはオブザーバーという形ではあるが、
情報機関や軍部などに籍を置く身であり、何時もラクスの元にあるわけではない。
長年彼の副官を勤めていたダコスタが、バルトフェルド不在時に議長の傍に
付くこともあるのだが、
(随分、キャラ変わったよなあ)と生真面目なダコスタはしみじみ思うのだ、
ラクスが不真面目という訳ではないのだが、肩肘張らなくなったというか、化けの皮
剥げたというか…
「書類はーどこにもー逃げないよー、お金はみんなー何処かにいくのにー」
575通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:48:45 ID:???
「歌わないで下さいよ、議長…お気持ちは分かりますが」
まさか隊長だけでなく、クライン議長ともこんなやり取りをするとは夢にも
思わなかったダコスタは、ノックの音を聞く。
「こんな時間に誰でしょうか…あ、隊長でしたか」
ドアまで出向いた彼は、来訪した人物が自分の上司だと分かり、彼を中に通す。

「ラクス、話がある」バルトフェルドが挨拶も抜きに、何よりコーヒーを
勧める前に話題を切り出したことに、ラクスは少し身構える。
「ファクトリーと、ターミナルの事についてだ…時間をもらえるかい?」

「報告書はコレなんだが…アーサー・トライン艦長が、安定軌道に
無いコロニーサイズの建造物が隠されていた、高い可能性を報告した、
ポイントは、ここだ」
言いながらバルトフェルドは、資料を机において、そこに描かれたマップの
一点を指す。
「確かに、辺鄙なところですね、隊長。プラントの領宙域ではありますけど」
昔のクセで隊長、とつい言ってしまうダコスタが応じる。
「それでだ、率直に聞きたい。解散したはずのファクトリーとターミナルが、
いまだに健在していて、活動している可能性を」
少し考えた後に、ラクスは口を開いた。
「…ターミナルとファクトリーは、私が議長の座に付いた時点で不必要なもの
となりました。対外的に誠意を示すためにも、先手を打って存在を明らかにし、
そして残すことなく解散させたはずです」
「ふむ…ダコスタ君の意見は?クライン派としては年季長いでしょ?」
「ええ、自分の知る範囲では両組織とも、その施設も存在しないと思います。
ですが、元々が地下組織だったゆえに、全ての構成員が情報を掴んでいるという
性質のものでは無いですから…」
「クライン派の、何らかの施設があってもおかしくは無いわけだな」
「いいえ、もう一つ、可能性があります」
ラクス・クラインは、嘗て歌姫の騎士団を従えていた時の様な、荘厳さすら感じさせる
表情を浮かべながら、答えた。

「デスティニープラン…」


(第五話終わり、次回につづく)
576360氏の代理:2009/05/31(日) 18:51:39 ID:???
すみません一部納まらなかったので
勝手に改行させていただきました

では次にライオン氏いきます
577ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 18:52:50 ID:???
投下します。長らくお待たせしました。
この場を借りて相談に乗ってくださった方々に謝辞を。ありがとうございました。

本編に進む前に、この間プロットを何度も書き直しいろんなシーンを大幅に削りました。
その結果第三話後編から話の整合がつかなくなったので、まとめサイトの第三話後編の後半部分を少し改変しています。
簡単に言うと、シンが連行されるシーンをカットした代わりに、
カガリとの問答の後シンは体力の限界が来てその場で気絶した、ということになっています。

では、本編です。


煩悶が、じりじりと間欠的にシンを襲った。
慢性的かつ永続的に彼をさいなむ苦痛。それが、狂おしいまでに膨れ上がる。
それは、世界による彼の存在の強烈な否定。怒り、憎しみといった負の感情が何度も何度も嵐のごとく叩きつけられた。
我が身を引き裂きたくなるほどの凄まじい狂気と懊悩。
――うわぁあああぁぁ!
光のない世界。鮮血にまみれ、自身の顔すらも見えないような暗黒の中心でシンの絶叫が轟く。
シンには過去の記憶がよみがえりつつあった。
あの戦争の後にシンはかつての家族の仇と手を取り合った。だがそのシンを待っていたのは、デュランダルの懐刀としての弾圧と逃れようのない現実だった。
その先にあったのは――地獄。
親クライン派の軍人からは目の敵にされ、戦後最大の戦犯の一人として認識されていた傍らで、自分から大事な物を根こそぎ奪い去った者たちが
英雄とまつられ、たたえられている。理解者であった親友は殺され、守ろうとした少女も殺され、頼るべき仲間はいつしか散りじりとなった。
それから約一年もの間、彼は戦い抜いてきたことを誰にも感謝されることはなかった。うねり、歪み、渦を巻く怨嗟と憎悪を、ありとあらゆる業苦を受けた。
逃げ場のない暗黒の中で、シンは押しつぶされてしまったのだ。
彼は運命を呪った。しかし、自ら命を断つような勇気も資格もないとわかったシンの絶望と倦怠はとどまるところを知らず、
彼は次第に心を失い、力だけが残った。
578ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 18:53:33 ID:???
シンは戦争を通してためらうことなく力をふるい――愕然とした。
戦争が終わってからようやくシンは自分の力は決して誇れるようなものではなく、ただの殺人技術だったという事に気付く。
そして自分はそれを使いこなすのがうまいだけで、家族を奪った死の天使と同じような存在だった。
以前力があることを誇り増長していた自分は、いったいどれだけ滑稽な姿だっただろうか。
力があってこそ、すべてを制する――そう思っていた自分は、あの自由の天使には手も足も出なかったのに。いったい、力だけで何かできたのか。
「俺は……いったい何のために――」
そこで急に思考が混濁し始めた。この苦痛から逃れようと、肉体が無意識に死を求めている。
だが不思議なことに恐怖はなかった。ただシンは思う。
もう俺は生きていてはいけない存在なんだ。
何もかも無にのみこまれ、暗黒の世界へと還っていくべきだ――
『ちがうよ』
シンはふとその声が聞こえた方向へ振り向いた。何か聞こえたような気がする。
すると、急に顔も映らないような暗黒の空間に光が差し込んだ。
『死ぬために生きている生命なんてない。だって生命は明日を生きるためにあるから。シンは明日を生きているから』
シンは顔を持ちあげた。目の前の人影が見える。この暗黒の中で、まるで自ら発光するように"彼女"はその輪郭をあらわにして。
「ステ……ラ?」
そこには星の光に包まれ、一人の少女がいた。金の髪を揺らしながらステラは屈託のない笑顔をつくる。
その笑顔を視界にとらえると、シンの頬を伝い涙がとめどなく溢れててくる。
『もう泣かないで。ステラは、笑っているシンの方が好き』
あの日、確かに自分の腕の中で息絶えた彼女があのときのままそこにいた。守りたかった者、守り切れなかった者。
何か言葉を発するよりも先にシンはステラを力いっぱい抱きよせていた。
『ステラ、シン助けにきたの。シン、ステラを助けてくれた。だから今度は、ステラの番』
「……もう、いいんだよステラ」
『どうして?』
「だって俺には生きる意味も、生きる理由もないから。もう俺には何もわからない。
俺は手に入れた力でステラの命を奪ったような奴らを全員なぎ払ってやれば、それで終わりだと思っていた。なのに……」
戦争が起きない平和な世界。
家族を失い、そのたった一つの価値観だけを頼りに生きてきた少年が味わったのは、足元が砕けるような衝撃だった。
歪んでいたのは自分だった。なのに誰もそのことを教えてくれなかった――いや、誰も教えられなかった。
誰よりも武勲をあげ、その功績を一番認めていたギルバート・デュランダル前議長からも、まるで戦闘用の兵器の一部のように
利用されていたザフト軍最強のスーパーエースに、いったい誰が説教など垂れることができたのだろうか?
自身の血塗られた掌を見ながらシンはつぶやく。
579通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:55:14 ID:???
おお、待ってました! 支援
580通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 18:59:07 ID:???
トルネード保守
581通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 19:00:29 ID:???
すみません
規制くらいました
どなた続きをお願いします
582ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:10:28 ID:???
「さっきもそうだ。アスハを思いっきり殴り飛ばした時、俺は空っぽになった。やっと復讐できたっていうのに何にも考えられなくなって、
ただ『こんなものなのか』って。ただわかったのは、俺は俺をこんな目に合わせた奴らと同じ存在だっていうことだけだ」
そう言っている間にも、何かどす黒い物がシンの中から湧き上がってくる。
『ちがうよ』
シンはその言葉に少したじろいだ。小刻みに震えながら首を振る。
「何が違うっていうんだ。俺は君を守れなかったのに……」
『シンはステラに"昨日"と"明日"を教えてくれた。"幸せ"も"好き"もシンに出会って初めて知った。
世界はこんなにもあったかくて優しいんだって』
「そんな、俺は……」
『それに力は使いようだって、あの人も言ってた。シンはまちがっていたかもしれない。
だけど、生きているなら“ごめんなさい”でもう一度やり直せばいいの』
「じゃあ、もう一度どうすればいい?」
『守ればいいと思うよ』
「……守る?」
『そう。シンはステラたちの悲しみを知っているから、シンは本当にステラのためだけに泣いてくれた。
シンは誰かを守れなかったかもしれない。けど、これからシンにしか守れない人たちはたくさんいるの。
本当にシンはそれでいいの? シンにはまだ、シンのために涙を流してくれる人もいるのに?』
「……!」
雷に打たれたような気分だった。
俺の力は、ただ人を殺すしかない力だと思っていた。
だが、違う。俺の力は、ただの人を殺す力なんかじゃない。
人を守ることができる力にもなり得るんだと、
それを捨てて逃げることはどれだけ卑怯なことなんだろうと思えた。
そして、そんなことにも気付かない俺は、どれだけバカだったんだろうと。
俺が目指したもの。俺が、求めていたものは――。
「ステラ、俺は……もう俺やステラたちのような子供が生まれないようにしたい。
 誰かの身勝手で罪もない人たちが苦しむのを放ってはおけないんだ」
583ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:11:30 ID:???
『……うん』
「俺に出来るかな?」
『だいじょうぶ。シンならきっとできるよ。シンはあたたかくて、とっても優しいから』
「そっか……。ありがとう、ステラ」
何かに思いふけるようにシンは目を閉じた。
「俺は戦う。力がない人の力になるために。そして、生まれてくる次の命のために」
再び開かれたシンの紅の瞳は溢れんばかりの意志の光をたたえていた。とり憑いていたどす黒い物が体から離れていくのを感じる。
視界が急にクリアになって、体全体が浮き上がりそうなほどに軽くなった。
『シン』
その姿に安堵したのか、ステラは淡く笑みを浮かべる。
そのとき、ステラの体がひときわ大きく輝いた。あたたかい光が暗闇に浸透していき、シンをも包み込む。
「ステラ……!?」
目を開けたシンの視界にステラの姿はなかった。しかし、その声だけははっきりと頭の中に響いてくる。
『人はいつか死んでいく。でも、生きたいって気持ちに世界はきっと答えてくれる。
だからステラはシンが限られた命の中でやり残しのないように、精一杯生きてほしいの。
ステラができるのは、シンを後ろから押してあげることだけ。これからどうするかはシンが選んでいくの』
そこには、生前のままの家族がいた。遠くの方で父さんと母さんそしてマユが、笑って手を振っている。
そこに駆けよれば、また家族と一緒にいられるかもしれない。けれど――
「ゴメンな……父さん、母さん、マユ」
今すぐにでも駆けだしたい気持ちを押さえこみ、シンは手を振る家族に背を向け呟く。
「俺は、まだそこには行けない」
込み上げてくる物を飲み下して、シンは立ちあがる。
まだここにいて家族の姿を見ていたいと思う気持ちもあった。だが、いつまでもそんな情けない姿は見せたくなかった。
もうあの頃の弱い自分ではないという態度だけでも示して見せたかった。
『がんばってね、お兄ちゃん』
背後から聞こえた言葉に、少しだけ振り返る。けれどそこにもう家族はいなかった。最初から何もいなかったかのように。
「マユ……寂しいかもしれないけど、僕もいつかそっちに行くから。もうちょっとだけ待ってて」
シンは涙が溢れそうになるのを必死にこらえ、笑って別れを告げた。いつかまた会えるように。
『人は未来に生きなくてはならない。だけど、人は命の生きた証も抱え込まないといけない』
584ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:12:16 ID:???
ステラとは別の声が聞こえてきた。
シンは思わず声がするほうへ駆けだす。理由は自分にもわからない。ただ何となく惹かれたとしか言いようがない。
声がするほうに走り続けていると、光溢れる扉の前にたどり着いた。眩しいため視界がほとんど効かない。
シンはためらうことなく扉をくぐりぬける。シンは閉じていた目を開け、ぼんやりとあたりを見回した。
その先にあったのは、シンが自身の業に苦しめられてきた暗闇の世界ではない。
狂気と懊悩は消え失せ、豊穣なまでに生命が溢れる大地が広がっている。
その中心に、人影が見える。
そこにいたのは艶のある白い肌に輝く光の翼を持った幼い金髪の少女だった。
「キミは……? キミが俺を……?」
――ステラ……じゃない?
それを見てシンは無意識に手を伸ばすが、幼い少女は背中の翼をはためかせ、楽しげに遠ざかっていく。
『これだけは忘れないで。人は死んでも、世界から消えてなくなってしまうわけじゃない。
 あなたが死んだ人のことを覚えていてくれる限り、寂しくなんかないの』
すると少女は急に振り返り、笑顔でシンに向き直る。少女はシンと同じような、ルビーの如く輝く紅の瞳をしていた。
『"さよなら"は言わない。――いつかまた、生まれた時のために』

==================
585ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:12:57 ID:???
「大丈夫か、シン」
目を覚ましたシンが最初に見たものは、口元に安堵の表情を浮かべる仮面の男だった。
シンが不思議そうにあたりを見回す傍らで、彼は深いため息をつく。
「なぁ、アンタ。ここはいったいどこなんだ? そもそもなんで俺はここにいるんだ?」
シンが発した声はかすれていた。うまく声が出ない。いや、それどころか全身が鉛のように重く、身動きすらままならない。
どうにか目線だけ動かして周囲を見渡す限りでは、ここはどこかの病室だとわかった。
「あまり動かない方がいい。ここにかつぎ込まれた時のおまえは過度の肉体疲労、栄養失調、ストレス性の脳波の乱れなど引き起こしていたからな」
言われてみて、自分の腕に何やらまとわりついているのもがあるとみてみれば、点滴が打ってあった。
「意識を取り戻したなら医者を呼んでくる。少し待っていろ」
氷のように冷たい口調でそれだけ言うと、仮面の男は立ち上がった。その姿にシンは何かに気付く。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
出て行こうとする男の背に、シンの慌てたような声がかかる。すると、ドアノブに手をかけた男の動きがピタリと止まった。
「人違いなら悪けど、お前……レイだろ? そういえばさっき俺のこと"シン"って言ったよな!?」
「……もし、そうだったら?」
「否定はしないんだな」
「!…………そうだ」
仮面をつけている男の表情は読めなかったが、なにやら観念したのかようやくシンに向き直った。
そして着けていた仮面が外されると、そこには異常な老化現象が起こり、目をそむけたくなるような姿になった親友の姿があった。
だが、この蒼穹を切り取ってきたかのような青い瞳は忘れようがない。
「レイ……!」
急いで上半身を起こすも、名前を呼ぶ声が途中で詰まった。喉の奥が発火したように熱くなる。
だがこの全身を襲う猛烈な痛みが今を現実だということを再認識させてくれていたのだった。
しかしそれとは対照的に、レイ自身は顔を伏せ探るような目でシンを窺い見ている。
「レイ、生きて……いたんだな」
「ああ」
レイは少し迷いながらも自分の態度が親友との再会とは似つかわしくないと悟ったのか、いつもの態度に切り替えた。
それでも、まだぎこちない感じがする。
「どうして連絡をくれなかったんだ? せめて生きてるって言うだけでも」
完全に目が覚めたシンがそう言うと、レイは覚悟を決めたように経緯を離してくれた。
586ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:13:38 ID:???
デュランダル議長とタリア艦長から自分の生きる道を見つけろと言われ、ハンガーにあった機体で脱出したこと。
それから赤毛のジャンク屋の男に救出され、その男のツテでアメノミハシラに傭兵として雇ってもらえたこと。
ミハシラでの仕事と訓練、また自身が服用するための薬の精製に忙しく、とても連絡が取れる様な状態でなかったこと。
そう言い終えると、レイはこう締めくくった。
「お前は、俺を恨んでいるか?」
「恨む? レイを?」
「俺は、お前を騙していたんだ」
レイはうつむきながら、自分の罪について話し始めた。
レイは本当はデュランダル議長に言われて、遺伝子上優れていたシンをアカデミー入学当初から友人のつもりで監視していたこと。
そしてシンが才能を開花させるとその力を最大限に発揮させるよう周囲の環境から切り離し、過去への自責の念を刷り込むなどの
洗脳に近いことを行っていたこと。そして、結果的に議長を裏切り、シンをも裏切った結果になってしまったことなど。
「……俺は、お前がさきほど格納庫にいた。お前が狂気をさらけ出していた姿を見ても、俺はお前を止めることができずに傍観するしかなかった。
俺はお前がただ戦争に巻き込まれた人物だということだけを認識していた。だが、俺はお前があそこまで追い詰められているということをわかっていなかった。
それなのに俺はお前の古傷をえぐるような事ばかりしていた……。あまつさえそれを利用し戦場に駆り立てた。とても許されるものではない」
「それで、俺がレイを責めるとでも思っていたのか?」
シンの言葉にレイはうなずいた。それを見てシンは短くため息をつく。
「たしかにお前は俺の知らないところで監視していたり、洗脳していたかもしれない。
だけどお前がアカデミーの授業のノートを貸してくれたこととか、どんな時も訓練に付き合ってくれたり、ステラを送り出した時とか
フリーダムを討とうとした時にも助言してくれたお前の行動は、全部議長の命令だったのか? そうじゃないだろ?」
レイはうつむきながらもしっかりと聞いていた。シンが何を言うかと怯えているようにも見える。
587ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:14:18 ID:???
「たとえお前がどんな事をしようと、俺はお前のことを親友だと思ってる。親友だから、お互いに気まずいことがあれば
一緒にわかりあうまで話し合えばいいんだ。さっきお前、変に気を使って俺の前に二度と姿を見せないようにしようとか考えてただろ。
もしそんなことしたら俺は絶対に許さないからな。それは自分の罪から逃げてるだけだ」
「……わかるのか」
「あたりまえだろ? 友達なんだから」
レイはシンが拒絶の言葉でも吐くものと思っていたのだろう。それを覚悟して身構えていることくらい、すぐにわかった。
「もしかしてレイは俺のこと手下とか子分だとか何かだと思っていたのか?」
「違う。お前は……友達、いや親友だ」
「だったらそれでいいんだ、レイ。生きていてくれてありがとう。そして、これからもよろしくな」
そういってシンは右の拳でレイの胸を軽く叩く。ようやくレイが笑ってくれて、シンは安堵する。
「それにしてもずいぶんうなされていた。苦しそうな顔であの連合の強化人間の少女の名前をしきりに呼んでいた。
苦しそうな顔から急に笑顔になった時はこの俺を差し置いてポックリ逝ってしまったかと思ったぞ?」
夢の中での出来事を思い出して、シンはハッとした。ステラと別れた後に会ったあの幼い少女。
あの場所にいた紅の瞳を持つ幼い金髪の少女は、いったい誰だったのだろうか――と。
588ライオン氏の代理:2009/05/31(日) 19:14:59 ID:???
以上です。

感想、矛盾点の指摘などをお願いします。

追伸:
今、ストーリーに登場する予定があるイザークの子供キャラをどうしようか迷っています。
キャラは2パターンいまして、

@長大なビームアックスを振り回し、ジュール家こそ正義と信じて我が道を突き進む熱血漢。
 スーパー系のギャグキャラ。 

Aショットガンなどの銃火器を手足のように扱い、プラントのために尽くす女騎士を彷彿とさせる冷徹な美少女。
 リアル系のシリアスキャラ。

どっちにしてもスト―リーはほとんど変わりませんし、私としてもどちらでも構わないので、あえてお聞きします。
スレの皆さまの場合、どちらがみたいですか?
589代理:2009/05/31(日) 19:16:06 ID:???
お二方のは以上です

投下に手間取ってすみません
初めて支援の意味を知りました
590通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 19:24:33 ID:???
>>588
2がエザリアさんとシホさんを+て2で÷った存在なら2だな
591通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 19:31:00 ID:???
両氏GJです

>>588
個人的には1が見たいです…カエルの子はカエルといいますしww
592通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 19:40:08 ID:???
>>588
足して2で割って

ショットガンなどの銃火器を手足のように扱い、
ジュール家こそ正義と信じる心は熱血だけど態度は冷徹な美少女

ってういうのは駄目なのかな?
593通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 20:06:30 ID:???
もうお馬鹿スーパーは某主人公でしばらくお腹一杯なんで
Aでファイナルトマホーク
594通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 20:16:38 ID:???
とっちにしたって結局凸の息子と絡むんだろうし、個人的にはどーでもいいな…

それともアレか、シン・アスカ=逆賊・プラントの敵って教えられてたけど、
いざ実物に会って何度か戦ったりしてる内に自分が教わったことと真実のギャップに気付いて、
独り悩んだり…とかそんな展開もあるのか?
595通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 21:01:21 ID:???
>>592
どこぞのロリペド魔導探偵とこの息子みたいやがなw
自分は表面上@で実はAな性格ってのがいいなぁ
596通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 21:51:30 ID:???
今日グレンラガンを見たんだがおっぱいがなんともい言い難いほど素晴らしいなw
それに比べt
597通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 21:54:56 ID:???
自分は1がいいかな。もうオリキャラヒロインは食傷気味だし……
598通常の名無しさんの3倍:2009/05/31(日) 23:25:34 ID:???
だがまだ食い足りない自分は2を選ぶぜ
599通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 16:07:15 ID:???
バカヤロウ>>598……ッ
>>597の正体も確かめず迂闊な事書いたばっかりにこんな壁のシミに……ッッ
600通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 17:24:04 ID:???
逆シンでエロゲを作るとガンパレの原さんBEDが多発しそうで…

因みに俺はガンパレでは赤Mルート一直線でしたが何か?
601通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 18:08:04 ID:???
>>600
田代香織「お、俺はいっとくけど、美味しくないぞ。
 ほっ ほんとだからな。……い、いや。
 ……やめて……」
「……え……ちょ、ちょっと、ひっ……は、はい。
 ……俺は……じゃない私は……その……好き……です。
 香織……って…………呼び捨てにしてください……」

変態紳士め…w
602通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 18:39:31 ID:???
お嬢様「……お前は残酷な男だ。
 そんなことをして、笑っている。
 私に……私の薄い……、何を期待しているッ」
薄い胸ですねわかr
603通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 19:55:16 ID:???
>>602
陰毛に決まってるだろjk
604通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 20:15:06 ID:???
いや眉毛かもしれぬ
605通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 20:28:00 ID:???
胸の大小で人を差別するなんて間違っている!
そんなの……人の未来を否定するディスティニープランと同じじゃないか!
小さい胸には未来への希望が、大きな胸には大きな夢が詰まっているんだ!(キリッ

NEET准将「送信と……でも良く考えたら成長しない小さい胸は絶望しかつまt」
606傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:49:43 ID:???
プラント首都、アプリリウス市周辺宙域。
ジャンク屋組合の進入が禁じられ、プラントに接触する恐れがあるデブリのみが取り除かれるようになり、それ以外は放置されることによって、
大量のデブリが漂うようになった宙域。
デブリの隙間を縫うように航行する小型艇が一隻。
大きさはメビウスほどだろうか。ずいぶんと古い型にも関わらず、完璧な整備が施されたその小型艇はすいすいと進んでいく。

「……とても型落ちとは思えんな……シン、やはり腕は落ちていないな」
「ええ……それが仕事ですから」
絶え間なくコンソールを操作し船体をコンロールするシンが、イザークの言葉に答える。
それに、とシンが再び口を開く。

「これを整備した人たちも、自分達の仕事に誇りをもっていますから」
――今のザフトとは違って。
そう言葉を締めるシン。
イザークは溜息をつく。

「確かにそうだな……俺達の頃もそんなにあったとは言えないが、今は、な……」
自分の役職に対する理不尽な不満からの怠慢、怠業が頻発する今のザフトを間近で見てきたイザークにとって、シンの言葉は耳に痛かった。
『俺の実力ならもっと強い機体が来てもいいはずだ』『弱い奴の下でなんか戦えるか』などと口汚く喚き、暴れ、サボる他の隊の隊員を見た回数など
両手両足の指を使っても足りるかどうか。
思い出したことにより再び襲い掛かってきた神経性の頭痛に、頭を抱えこむイザーク。
仕事仕事で手入れが成されていない銀色の髪が揺れた。

「シン、お取り込み中のところ悪いんだけどな……お客さんだ」
シンの横の座席でウィンドウを睨み付けていたディアッカが言う。
その声にシンが目を向けると、睨み付けていたウィンドウに赤い光点が煌いていた。

607傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:50:51 ID:???

「グゥレィト……流石に節穴ばかりって訳じゃないみたいだな」
「みたいですね……加速します。ベルトをしっかり締めておいてください」
ディアッカの呟きにシンが淡々と返し、手元のキーボードに備え付けられたスイッチを押し込む。
一拍遅れてスラスター光を派手に散らしながら船体が急加速し、それまでのに倍以上のGが三人に叩きつけられる。
レーダーの肩代わりを勤めるウィンドウにきらめいていた三つの光点があっと言う間に下降し、画面上から消え去った。

「お、うぉぉぉっ!?」
シートベルトを締めるのが一瞬遅れたイザークが、大きく仰け反る。

「大丈夫かイザーク?……にしても流石だな。もう反応が……ッ!?」
「……追い付いてくるのか」
一時は画面外へと姿を消した光点が先ほどを上回る速度で画面を上昇し、中央の光点――この小型艇へと迫る。
ディアッカの表情が驚愕に歪み、シンが苛立ちを込めながらはき捨てる。

『そこの所属不明艦! 停止しろ!』
ニュートロンジャマーが機能していない宙域のためか、通信機が明瞭な濁声で喚いた。
更に、船体の真横に回りこんだその機体が、止まれというボディランゲージを示す。
サイドモニターに映ったその機体を見て、ディアッカが息を呑んだ。

「……よりにもよってノミザクか……厄介だな」
「ノミだと?」
呻くように言ったディアッカに、頭上に疑問符を浮かべたイザークが聞く。
イザークの座席からは丁度死角になる位置にモニターがあるため、全く見えないのだ。
シートベルトを外し、身を乗り出すイザーク。
608傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:51:52 ID:???

「フリーダムウィザードを装備したザクウォーリア……騎士団の機体か」
「ああ、そうだ……フリーザクってな」
「フリーザク……ああ、それでノミか」
フリーダムウィザード。
“新世界の英雄(かみ)”“永久の自由の守り手”“寝取り王子”キラ・ヤマトのかつての愛機フリーダムの実戦データを元に各開発局を取り込んだクライン派の
“ファクトリー”が製作した新型のウィザード。
フリーダムを模した灰色の翼とそれに備えられた多数の砲口を持ち、モノアイでは賄いきれなかった情報収集の為に専用の頭部を持ったザク。
カメラアイが複眼のような外観をしていることや前方に垂らされた動力ケーブル、名前の響きから地球連合などからは「フリー(ノミ)ザク」と呼ばれる機体。
圧倒的な火力と劣悪な汎用性、整備性にピーキーな操縦性でロールアウトから僅か二週間で地球圏にその名を轟かせた。
因みにメディアなどでの正式名称は「絶対的な自由とともに恒久的な平和をもたらしすべての人々を無限の安息へと導くザク」。
命名は現ザフト軍終身最高司令官兼プラント議長補佐官長兼地球圏守護騎士団司令兼ザフト軍と区別部隊歌姫の騎士団団長、キラ・ヤマトが行った。

それが三機、小型艇を取り囲むように陣形を組んでいた。

「厄介だな……フルバーストが直撃すればこの船なんか一たまりも無いぞ……シン?」
「わかってます……でも、まだプラントの領空内です。ボギーワンと接触するまで、いや、せめて領空を脱しない限りは……」
よく分からない言葉の乱舞にイザークが混乱しているが、二人は意にも介さず会話を続ける。
この小型艇には武装がついていない。故に反撃もできず逃げ回るしか出来ない。
そんな内容の言葉が飛び交い、聞き耳を立てるイザークの混乱の度合いが加速度的に増していった。

『停止しろといっているのが分からねえのか! 停止しろ! お前達の船には脱走兵が搭乗している可能性がある! 止まらないと撃つぞ!』
小型艇の登場者――シンとディアッカに無視され続け、より高圧的になっていくノミザクのパイロットの濁声。
砲口の変形を繰り返し、脅しをかけるが、二人には殆ど無視されている。

『止まれって言ってんだろこの犯罪者が! 止まらんと殺すぞゴラァ!』
怒りに伴って段々と化けの皮が剥れ、口汚く喚きだすノミザクのパイロット。
その耳障りな怒声にいい加減頭に来たのか、イザークが再び前の座席に身を乗り出した。
通信機のマイクを乱暴に鷲摑み、口元へ近づける。
気づいたシンが「あ」と呆けた声を上げ、いやな予感にディアッカが耳を塞いだが、イザークは気にしない。
大きく息を吸い込み、そして、
609傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:52:53 ID:???
「やかましいッ! 仮にも軍属ならば口を慎め馬鹿者がァッ! それとも大口を叩かなければ虚勢もはれぬキョシヌケか貴様らはッ!」

60デシベルを超える大声で、一喝した。
マイクの金属部分が激しく振動し、ビリビリという音を上げる。
共振したモニターにひびが入った。
耳を塞ぎ損ねたシンの意識が吹き飛び、コンソールに崩れ落ちる。
ぎょっとして慌ててシンを起こしたディアッカがコンソールを操作するが、それでも船体の制御が一時的に利かなくなり、船体が大きく揺れた。

そしてそれはノミザクのパイロット達も同じだったのだろう。
いや、レシーバーで増幅された音を直に鼓膜に叩き込まれた分だけ酷かったのかもしれない。
酔っ払ったように動き、まともな動きをしていない。
方位陣形はぐしゃぐしゃに崩れていた。

「起きろシン! いまなら行ける!」
「……ふえ?……あ、はい!」
崩れた包囲を見逃さなかったディアッカの往復ビンタに意識を取り戻したシンが、慌ててコンソールを操作する。
コントロールを取り戻した小型艇が、酔っ払った蝿のように動き続けるノミザクの間をすり抜ける。

『ま、待てこら! 今の声間違いなくイザーク・ジュールだな!』
かなり遅れて機体のコントロールを取り戻したノミザク三機が喚きながら追跡を再開する。
完全には回復していないのか、よたよたとした動きだったが。

「イザーク、なんで叫ぶんだよ! お前が乗ってるって気づかれたぞ!」
「あのまま黙っている等、俺にはできん!」
「……二人とも静かにしてください!」
口論を始めた二人に、機体のコントロールに集中していたシンが怒鳴る。
と、後方のノミザクが放ったレールガンが、小型艇の斜め前にあったデブリに着弾した。
微塵に砕けたデブリの欠片が小型艇の装甲に当たる甲高い音が船内に響き、イザークとディアッカが口を噤んだ。
610傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:53:54 ID:???

『止まれ止まれ止まれ! 次は当てるぞ!』
「……当てるだけの実力なんか、無いくせにィッ!」
通信機越しに喚き散らすノミザクのパイロットにシンが吐き捨て、船体を左にローリングさせる。
一直線に迫ってきた緑色の閃光が船体の側面を掠め、ビーム粒子がビシビシと焦げ目を付けた。
舌打ちとともにシンがコンソールを叩き、船体の後部に設置された追加ブースターが青い炎を噴き出し、速度が更に増す。

「ディアッカさん! あとどれ位で……」
「少し待ってくれ……あと十八だ!」
――領空脱出までの時間。
これを耐え切れば、勝ったようなものだ。
だが、ノミザク達も加速を繰り返し追い縋る。
後ろの二機がウイングを展開し、ハイマットフルバーストの態勢に入る。

「十七……十六……シン! フルバーストが来るぞ!」
「なんとか躱します! しっかり掴まっててください!」
焦ったディアッカの言葉にシンが返し、コンソールを激しく連打する。
船体の各所からスラスター光が閃き、滑らかに動いた。

『落ちろ犯罪者!』
『死ね裏切り者!』
怒号とともに二機のノミザクから七色の光線が放たれる。
が、片方はFCSに異常があったのかそれともパイロットの腕が悪かったのかあらぬ方向に飛んで行く。
やがて遥か彼方の輸送船の残骸に直撃し、赤い爆光が輝いた。
遠方とはいえ何かに引火したのか派手に閃いた爆発の光に、ディアッカの側のモニターに焼け付きが起こる。

「シン!」
「……喰らってたまるかぁっ!」
シンの叫びと共に船体が大きく跳ね上がり、後方から迫ってきた七色の光線を回避する。
もしその七色光線がまともな射線で迫ってきたのなら完全に回避が行える軌道。
しかし、それを撃ったパイロットはまともなパイロットではなかった。
九割は直近を通り過ぎたが、偶然にも一つのビームが追加ブースターを貫く。
貫かれたブースターは一瞬火花を上げ、その後に爆発する。
後部で起きた爆発に船体が大きく揺れ、コントロールがシンの手を離れた。

「うぁ!?」
「何だと!?」
シンとイザークの悲鳴が重なる。
衝撃に身を震わせながらも数秒の後にコントロールを取り戻すが、その速度は大きく減退していた。
焼け付きが収まったディアッカの傍のウィンドウに表示されている光点が、急速に迫り、今度こそ追いつかれた。

611傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:54:55 ID:???
『よし、停止しろ! 変な動きを見せたら……』
『隊長……犯罪者に情けをかける必要なんかないだろ?』
『とっとと殺せよ……ラクス様の放送に間に合わないだろ』
先ほどを繰り返すように小型艇を包囲した三機が、なんとも身勝手な発言を繰り返す。
完全に周りを固められ、身動きが取れなくなった小型艇の中で、シンが歯噛みした。

「万事休すか……」
「非グレィトォ……だな」
「ここまで、だと……」
三者三様の呻きを漏らし、沈黙する三人。
正面モニターに、ウイングを展開しハイマットフルバーストの態勢に入ったノミザクの姿が映る。

『……あばよ、犯罪者』
正面のノミザクのパイロットが、嘲りを込めトリガーに指を掛ける。
そして、その指に少しずつ力を込め――


轟音が、デブリだらけの宙域に轟いた。


「……なんだ?」
死を覚悟し、眼を閉じていたシンが、何も起こらないことに疑問を抱き目を開く。
その顔が驚愕に歪み、一瞬後、口角が吊り上った。

正面のモニターに、巨大なデブリに胴体を押し潰されたノミザクが映っていた。

「……は?」
「……どういうことだ、あれは」
シンの呟きに気がついたのか、同じく目を閉じていたディアッカとイザークが呆けた声を漏らす。

『ちょ、どうなってやが――』
隊長機の惨状に気づいた二機の片割れが、言葉を中途半端に途切れさせる。
遥か彼方から飛来したデブリが、そのコクピットに丁度突き刺さっていた。
先端が偶然にも鋭利に尖っていたデブリは、コクピット正面の装甲から背部のウィザードまでを貫通している。
バッテリーを破壊されて誘爆を引き起こし、花火のような光が巻き起こった・

『……え、えぇ? なんで、何でこうなるの? ラクスさ――』
三機目も飛来した砲弾のようなデブリの餌食となる。
小さなものに四肢を砕かれ、止めとばかりに大型の金属塊が直撃し、機体の前面をぐしゃりと潰す。
612傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:55:57 ID:???

全身から火花を散らし、ゆっくりと流れていくその機体を尻目に、シンがコンソールを叩いた。
正面モニターの右下に、通信を示す小さなウィンドウが開く。
『……レッドアイ、大丈夫かね? どうも危ないように見えたのであれを使ってみたが』
そのウィンドウに、連合の士官服を着た初老の男性が映る。
言葉と共に顔に走った古傷が歪んだ。

「……ええ、助かりましたケーニヒ中佐……手間をかけてしまい申し訳ありません」
『気にしないでくれ。それも契約には入っている。君の戦力が無くなるのは痛いし、君が得た情報が失われるのも痛い』
シンの言葉を受け、それに、と続けるケーニヒ。

『君が死ぬと、君のところのお嬢さんたちやあの総帥がどう出るか判らないからね……』
「……はあ」
コニールとアマルフィさんのことか?とシンの頭上に疑問符が浮かぶ。
コニールはともかく、アマルフィさんがどうなるかとはどう言う意味か……シンは理解していなかった。

『まあ、それはともかくご苦労だったね……あと五百ほどでそちらに付く。待っていたまえ』
「了解しました」
ではな、との言葉を最後にケーニヒの顔が掻き消え、僅かに遅れてウィンドウが閉じる。
ふう、と息を吐いたシンに、イザークが身を乗り出した。

「シン……どういう事だ? 何故連合の士官が……」
「ああ、俺のとは別件の依頼主だ」
シンではなくディアッカがイザークの言葉に答える。
お前の救出以外にも任務があった上に、今のシンは基本的に連合の依頼で動いてるからな、と続けるディアッカ。
「と言うか、むしろ俺の依頼のがおまけで、メインの依頼はあっちだったんだよ……内容までは知らないけど」
「機密事項です。情報収集としか言えません」
ディアッカの言葉を引き継ぎいでビジネスライクに締めくくり、正面モニターに向き直るシン。
そのシンが、あ、と呟く。

「どうやら迎えが付いたみたいです。着艦するのでベルトを締めなおしてください」

言葉を紡ぐシンの前方、正面モニターに黒と紺で塗装された大型の戦艦――かつてのガーティ・ルーと同型の艦が姿を現す。
蜃気楼のようにその姿を歪ませながら、ゆっくりと。
613傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:56:59 ID:???


それとほぼ同時刻。
イタリア、ソレンティーナ。
ティレニア海に面したとある森林の奥に、地球連合の基地がある。
とある財閥の協力を受けて新型モビルスーツの開発が行われているその基地の地下、格納庫で調整中の機体―ブリッツタイプの新型―を眺める女性の姿があった。
翠緑の髪を背中で纏め、その豊満な肉体をビジネススーツで覆った美女。

その細腕に携えたデバイスに立体表示されたモビルスーツの設計図と、実際の機体を見比べる女性。
設計図の機体と、実物とでは姿が少々異なっていることに気がついたのだ。

「……ねえ主任。 頭部と左腕が設計図とは違う形のようだけど、何故です?」
横に立ち、何事かを朗々と語る白衣の男に怜悧な声でそれを尋ねる。
何故かドリルについて熱くかたっていた白衣の男が一瞬凍りつく。

「え、ええとですね総帥、実は、その部分がまだ完成に至らず、仕方なく他の部所で開発されていた新型の物と汎用機の腕を流用しています。
あ、でもメインシステムはほぼ完成して」
「言い訳は結構です。要するにその部分だけ未完成で、全く目処が立っていないんですね?」
すぐに解凍され、事情を言い始める白衣の男。
その言葉を鋭く遮って、女性――総帥が言いきる。
気圧された白衣の男が「その通りでございます申し訳ありません」と小さくなった。

「完成形で無い以上、この機体を送り出すわけにはいきませんね……ああ、また遅れてしまうわね……」
ぶつぶつと呟きだした総帥を尻目に、白衣の男が大量の冷や汗を流す。
まずい、と。
もし、開発が始まって早々に破棄されたもう一つの改修プランの設計を続けていた為に遅延したとわかれば、問答無用の粛清が待っているのは明らかだった。

614傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:58:01 ID:???

「それで、です。あの頭は? ダガータイプのようですがバイザーがありませんね……ツインアイでもモノアイでもありませんし」
「ああ、それはですね、先ほど申し上げたように他の部署……正規部隊に配備される新型機の開発を行っている部署ですが、
そこが開発した近々ロールアウト予定の物を拝借しました。ダガータイプの新型で、Image Directive Encode――IDEシステムを用いています。
起動時や標準時に赤い走査パターンが表れるのが特徴で……」
「ああ、よくわかりました。それで名称は?」
語り続ける白衣の男の言葉を断ち切るように総帥が声を発する。
はっとと我に帰った白衣の男が「し、失礼」と小声で言う。

「まだ、正式に決定した訳では無いらしいですが、設計を担当した技師が『百年後も第一線で戦えるように』という意味を込めてハンドレッドダガーと……」
「そうですか……では、この機体はハンドレッドブリッツというべきですね」
またも白衣の男の言葉を遮って、総帥が呟く。
は?と白衣の男が疑問を呈すると、総帥が口を開いた。

「ええ。あの子に渡す機体はネロブリッツV(サード)です。未完成のこの機体にその名前を使うわけには行きません」
「はあ……なるほど、確かにッ!?」
納得した表情で白衣の男が頷いた瞬間、ズゥン、という轟音が天井から響いた。
それに伴って天井からパラパラと埃が落ちる。
なんだ!?と白衣の男が叫んだ次の瞬間、甲高い警報が鳴り出す。

『所属不明のモビルスーツ部隊が攻撃態勢で接近中です。コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機して下さい。繰り返します。所属不明の……』
天井の隅に配置されたスピーカーから、この基地のオペレーターの澄んだ声が響く。

「攻撃……まさか、ザフトの……?」
「そのようですね……主任、貴方はシェルターに避難してください」
「了解です……総帥!? 何を!」
総帥の言葉に白衣の男が頷く。
顔を上げ、総帥がハンドレッドブリッツのすぐ前に設置されたタラップを登っているのを見て、驚いた声を上げた。
総帥はその言葉に答えずタラップを駆け上がり、ハンドレッドブリッツのコクピットハッチを開きいて内部へと乗り込んだ。
プシュ、とエアの音が小さく鳴り、コクピットハッチが閉じる。

615傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 20:59:02 ID:???

「総帥! 総帥も避難を! 操縦は……」
『何を言っているのです。この機体の実戦テストにはもってこいでしょう? それに貴方は私がネロブリッツUのテストに参加していたのも知っているはずです』
既にOSを立ち上げたのか、外部スピーカーを通して総帥の声が響く。
TP装甲の起動音が響き、漆黒のカメラアイに赤い走査パターンが走った。

「しかし、武装もほぼ全て施されては……」
『大丈夫です。この機体の右手には“アレ”が付いているでしょう?』
「……そうですが……まだ実戦での使用データは無いんです!』
『問題ありません。データが無いのならばここで収集します。それにミラージュコロイドと併用すれば、今のザフトの部隊なら軽くあしらえます』
ハンドレッドブリッツの右腕が曲げられ、刀のような輝きを放つ指先が握りこまれた。
汎用タイプの左腕がタラップを押しのける。

「……わかりました。でも、せめてシールドは装備していってください。トリケロスUはここにありますから」
『ええ、操作をお願いします。バッテリーの充電は完了しているようです』
「了解しました……あ、ランサーダートは一基のみですので注意してください」
白衣の男が作業用アームを操作し、別のハンガーに置かれていたトリケロスUをハンドレッドブリッツの右腕に取り付ける。
ガゴン、と重厚な音が立った。

『外部ハッチを開いて下さい。そこから出ます』
「はい……かなり目立ちますので開放と同時に出てください。言い忘れてましたがミラージュコロイドの時間制限は百五十分です、気をつけてください』
『ええ、十分もかけません……ハッチの開放を』
殺人ブーツのように尖った爪先をもった足が、その外見とは裏腹の静かな音を立てて移動する。
やがて、ハンドレッドブリッツがハッチの真下に立つ。

「ハッチを開放します! ご武運を!」
『ありがとう――ロミナ・アマルフィ、ハンドレッドブリッツ! 出るわ!』

頭上のハッチが開くと同時にハンドレッドブリッツのスラスターが閃光を吐き出し、その漆黒の痩躯が空中に躍り出る。

『さあ……パーティーの開幕よ……!』

既に基地の敷地内に侵入していたザフトの機体―最初の犠牲者を確認し、その眼窩に真紅の光が閃いた。
616傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/01(月) 21:00:05 ID:???
以上です。
次回は多分ロミナさんが主役になるk
617通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 21:09:40 ID:???
投下乙
一体いつの間にMSの操縦訓練してたのママン
あとパイロットスーツ着ないと危ないよママン
618通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 21:12:27 ID:???
GJ!
ドリルは漢のロマン!!
カッコいいよママン!
形が大好きだよノミザク!
619通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 21:35:41 ID:???
なんという戦うママ!
620通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 23:50:17 ID:???
GJです。
じじオタの私としましては、
ロミナママンより、ダンディなケーニヒ中佐が気になる。
トールのパパン?
621通常の名無しさんの3倍:2009/06/01(月) 23:57:51 ID:???
種キャラでドリルが一番似合うのはカガリだろ。

キャラ性と中の人的にも考えて。

アカツキの腕に馬の形をしたドリルが付いたり、
MSに装着可能な奇跡のドリルが二本ついたアークエンジェル級とか。

こんなのどうでしょうかお嬢さm
622通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 00:19:56 ID:???
>>617
何バカ言ってやがんだ?
その分あの豊満なボデーが揺れ放題なんだぞ!
623通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 00:40:09 ID:???
パイロットスーツでムレて前を開けているママンを想像してみなさい、パイスーと揺れの融合体だ
624通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 00:42:33 ID:???
ふははは!馬鹿め!パイスーがムレて前を開けているお嬢様を想像してみよ!
丸見e
625通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 00:47:46 ID:???
てめえら気持ちはわかるが、

「ウインドウタイプのカメラアイにやたらと走査線が走るIDEシステム」

のヤバさについてももう少し心配してもいいと思うんだぜ?
626通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 00:59:24 ID:???
>「ウインドウタイプのカメラアイにやたらと走査線が走るIDEシステム」
…なあ、なんかパトレイバーの劇場版第一作目のあれを思い出してしまったんだが…
627通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 01:10:52 ID:???
>「ウインドウタイプのカメラアイにやたらと走査線が走るIDEシステム」
俺の脳裏に浮かぶマグナムエースはいったい…
628通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 01:19:25 ID:???
>>625
つまり赤ちゃんが必須な訳だ。


誰のとは言ってませんよ?
629通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 01:28:07 ID:???
>刀のような輝きを放つ指先が握りこまれた

なんか零式の匂いがする・・・
630通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 01:30:07 ID:???
リボルテック零式の再販マダー?
631通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 02:06:21 ID:???
>>630
やけに中古価格が高騰してると思ったら、品切れになってんのか…

発売当時に買っといてよかった。
632通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 13:40:39 ID:???
>>624
おいおいトップメーカーの最新機種をそのまたCEOが手ずから操縦するんだぞ?
パイスーとて生存性のみならず快適さも極限まで追求して作られてるのが当然。
いかな激戦や悪環境下でもそうそうムレたりするはずかあるものかよ。
万一あり得るとすればそれは異物が介在した場合しか考えられない。
例えば過剰な詰め物とか無駄過ぎるパットとかだn
633360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:35:45 ID:???
○前回までのあらすじ
カガリ「中に誰もいませんよ?」

では本編です。
634360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:37:25 ID:???
「うう…頭痛い…」
「コーディネイターが二日酔いってどうよ」
頭を抱えるルナマリアを見て、シンは呆れる。昨日はルナに付き合って自棄酒にまで
巻き込まれた。
《アーモリー・ワン》基地内のブリーフィングルームには、ナスカ級《パトクロス》
のクルー面々が集められていた。珍しい事だった。
海賊討伐やパトロールが主な任務になっている彼らの場合、大概は一隻で活動
しているから、わざわざ基地に集まることもないからだ。《パトクロス》のクルー
ではない顔も混じっている。
「これから共同作戦だって言うのに、暢気だねえお二人さんは」
二人の後ろに座っていたヴィーノが声をかける。
「そういや何処の部隊と組むか、聞いてる?」
「ジュール隊。しかも大掛かりなものになりそうだよ。さっきまで重火器の搬入
手伝ってたし」
「げ、あの人達か…」

別にシンがイザーク・ジュールに何かをされたという訳ではないし、した訳
でもない。ただ、何時も血圧高そうなイザーク・ジュールが少し苦手な
だけだった。1年前のメサイア戦役にて、ギリギリのタイミングでピンクのお姫様に
寝返った事を、恨めしく思わなくもないが…
「あーそうだ。私のモビルスーツってどうなってるんだろ。《ジン》でも《ゲイツ》
でもいいんだけどさ、この際」
「それがですねルナマリアさん…あ、艦長達が来た」

ブリーフィングルームに、いかにも中間管理職風のトライン艦長と、
いかにもコーディネイターめいた整った顔立ちをしたイザークが並んで入室する。
部下達が敬礼するのを見やった後、挨拶もそこそこにトライン艦長は説明を始めた。

「二日前の任務の途中で偶然発見されたものだが、ザフト領宙内で巧妙に
擬装されていた大型の構造物が発見された。擬装された面積から類推して
全長40キロに渡るものだと思われる」
(俺とルナが見つけたアレか)
結局トライン艦長の報告は受理されたという事か。少し安堵を覚えながら
話の続きを聞く。
「そこで我々に下った指令は、ジュール隊《ボルテール》と僕の隊の《パトクロス》
が共同でこの構造物の正体を明かすことだ。調査隊に陸戦隊、その護衛の
モビルスーツ隊を伴った大規模な作戦になるが…実際には臨機応変に事態に
当たることになると思う。各員、気を引き締めて任務に当たってくれ。…ジュール
隊長からは、何かありますか」
今まで気難しそうな顔で押し黙っていたイザークは「うむ」と返事をして、こちらに
向き直って語り始める。
635360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:39:08 ID:???
「トライン艦長の言うとおり、コレが何者であるか全くわからん。廃棄されたコロニー
なのか、賊のねぐらなのか、非合法の実験施設であるかも
知れんし、果てはファクトリーやデスティニープラン絡みの施設かも知れん」
デスティニープラン、という単語を聞いた時、シンの身体は思わずピク、と震えた。
そうでなくても周りのクルーの目が一寸自分に集まる。デュランダル議長子飼いの
パイロットとして認識されていたのだから、当然であろうが…
「よってだ、フタをあけたら訳の分からん生体兵器が出てくるとか、《フリーダム》
や《デスティニー》の大群が襲い掛かってくるとか、得体の知れないモビルアーマーが
出てるか、はたまた《ジェネシス》級の戦略兵器が顔をだすとかな…兎に角、
数多の可能性を秘めた玉手箱という事だ。
場合によっては困難な任務となる。これだけは肝に銘じろ。以上だ!」
正直、中身があるブリーフィングとは言えなかったが、それでもイザーク・ジュールは
やらざるを得なかったのだろう。黙って部下を死地に追いやるよりは、いくらか
マシだと思って。
敬礼によって締められたブリーフィングを後にして、各員は各々の準備に入った。


新たに受領した機体を確認しようとして《パトクロス》の格納庫に入ったルナマリアは、
自分のモビルスーツを見るなり絶句してしまった。
「落ち着いて聞くんだルナマリア。うちの開発部も依頼主も得られたデータに
いたく満足したらしくてな?引き続きザフトでのテスト運用も続けて、もしかしたら
プラントでもライセンス生産を行う可能性すら出てきたんだ」
「あ…な…だ…」ヴィーノの話も耳に入らず、声にならぬ声でうめくルナマリア。
「それでまた、おかわりがザフトに引き渡されたんだけど、機種転換訓練受けてる
パイロットなんて居なくてな?結局またこっちに…」
「何で《ダガー》に乗んなくちゃいけないのよ!」
ルナマリアはヴィーノの胸倉を掴み、上下に揺さぶる。
「おおお落ち着くんだルナ!」
「誰ぞあるかー!ルナマリア殿ご乱心!ご乱心だー!」

連合カラーの青と白で塗り分けられた《ダガーU》が、
そんな喧騒を静かに見下ろしていた。

「赤だ、赤に塗るんだ、でないと乗らない」
「無茶言うな!アジャストでてんてこ舞いだってのに」
「別に、何でもいいじゃんか。モビルスーツなら」
嘗て最新鋭の機体ばかりに乗っていたシン・アスカとも思えない台詞を吐くのだった。


「おかえりー…また不機嫌そうだねえ隊長」
ディアッカ・エルスマンの言葉には構わずイザークは《ボルテール》の指揮官席に
乱暴に座る。
何時も怒っているように見えるイザークの様子が何となく違うと感じられるのは、
士官学校以来の連れである彼くらいだった。
「そんなに気になる、っていうか不安な任務なのか?」
「そうじゃない、ラクス・クラインが一枚噛んでいる気配がするのが気に喰わないだけだ」
ヒュウ、とワザとらしく口笛を吹いてみせるディアッカ。
636360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:41:46 ID:???
「兵には知らせられなかったが、これは議会…要はクライン議長から下命された任務だ、
トライン艦長の報告から分かったというのは本当だろうが、彼女は正体が何であるか
知っているんじゃないかと思えてな…」
「それを知った上で、部下達を危険に晒させることになるのが気に喰わない、と」
「甘いと思うか、それがザフトの仕事だと重々承知していたつもりなのだがな」
義勇兵だと建前はあっても、所詮ザフトは議会議員の私兵なのだ。軍隊ではない。
「しかしイザーク、お前さんピンク姫のファンじゃなかったっけ?」
「歌と政治は別だ、俺はクライン議長の方針を全面的には賛成しない。キラ・ヤマト
の事にしてもな…」
「はいはいストップ。済んだ話はするもんじゃないよ?隊長殿」

「隊長。モビルスーツ、装備物資の搬入及び陸戦隊の搭乗、全て完了しました」
ブリッジに入ってきたシホ・ハーネンフースが報告する。本来はパイロットがする
仕事では無かったのだが、今回は彼女が開発に関わった装備の搬入があったため、
そちらの指揮を執ってもらっていたのだ。
ご苦労、と短く労いの声をかけたあと、イザークは席を立ち上がる。
「各員配置に付け。艦長、頼む」
「ハッ!」立派な髭が目立つ《ボルテール》の艦長が返事を返す、ベテランらしい、
小気味良いものだった。
「錨を揚げろ!《ボルテール》出航!ヨーソロー!」


デスティニープランとは、一体何であったのだろうか。
全人類を遺伝子情報に基づき、その人生を決めるシステムだったとも、只の
職業選択の自由を奪うシステムだとも後日言われることになったが、シン・アスカに
とっては…1年前のシン・アスカにとっては、この世から戦争を無くすための、唯一の
手段だと思っていた。
だから彼は、デュランダル議長と、彼の懐刀たるレイ・ザ・バレルに乗ったのだ。

当時の彼は絶望しきっていた、家族を失い、守りたかったものも失い、復讐を
果たしても何も戻らず、そしてロゴスの残滓たる《レクイエム》が、無辜の民が
住むプラントをズタズタにして…だからそんな世界を終わらせる手段ならばと、
本気でデュランダルの夢想に乗っていたのだ。

結局は、ピンクのお姫様と、彼が従える騎士たるキラ・ヤマト、そして議長から
離反したアスラン・ザラに負けたのだ。デスティニープランは成就せず、シンは
完膚なきまでにアスランに破れ、そして、また一人友を失った。

後日、デスティニープランは子供が出来ないばかりに女…グラディス艦長を
奪われたデュランダルが、全人類に同じ苦しみを味わわせようという企みだったと、
喧伝するゴシップもあったが、そんなことは信じたく無かった。
637360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:42:31 ID:???
デュランダルは、レイは、自分を戌だとしか見なしていなかったのかも知れない。
だけど、シンは戌でもよかった。平和を為すための戌ならそれでよかった。

レイも、ステラも、父さんも母さんも、
マユもいない。もういない。

もういない世界で俺は一体何をしているのだろうか…


「…聞こえてる?ねえ、シン!」
「あ、ああ。聞こえてる、どうぞ」
「どうぞじゃないわよ、交代よ」
いつの間にか、自分の機体の後ろにルナマリアの《ダガーU》が接近していた。
色を塗り替える時間は勿論無くて、右肩だけ紅く塗られた機体と、肩ですれ違う
要に位置を入れ替える。
「大丈夫?ぼーっとしてなかった?仕事してよ?」

結局、航行中な何もトラブルは起きず、そのまま謎の構造体の調査と相成った。
擬装スクリーンを、卵の殻をむくように慎重に剥いでいるのは新兵が乗る《ゲイツR》、
ワークス・モビルスーツで事足りる作業でもどんな危険があるのか分からない以上、
パイロットの仕事となるのだ。シンはそんな光景を見ながら周囲警戒に当たっていた。

「しっかしまあ、剥いて見れば何てこと無い、って感じよねえ」
ルナマリアは段々と姿を現にする構造体…コロニーを見やりながら言う。プラント
のものとは違う円筒型のコロニー、しかしミラー部と地表部が半々になっている。
何か意図があってのデザインなのだろうか…
『アスカ隊長、ミラーの奥が見えにくいのですが、どうなっているのでしょう』
新兵の少女の方、クィンがそうもらしながら、シンの《ダガーU》にも映像を送る。
サーチライトで照らしているにも関わらず、奥まで見えないのだ。
「何だ…?水でも入っているのか?」
「さながらコロニーサイズの水槽ね。でも何のためにだろ?」
疑問を口にするが、それを明かすのはまた後の話だろう。

新兵の《ゲイツR》の脚が爆ぜたのは、その時だった。

(第六話終わり、次回に続く)
638360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/02(火) 15:47:09 ID:???
今回はここまでです、前回を代理で投下してくださいました
569様、誠に有難うございました。お礼申し送れて
申し訳ありませんでした。

あと、僕はロミナさんがその肢体をゼロスーツサムスみたいな
服で包んでくれるのなら…多分失血死します。

…アレ、そこのお胸が不自由な人ダレk
639通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 18:40:10 ID:???
GJ! 
>右肩だけ紅く塗られた機体
ザフト戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1レッドショルダーですね! 分かります!
ってか何があるかも分からない空域にたった二隻で行かされるのか……
640通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 21:24:58 ID:???
おまえら少しは360氏を心配しる
ロミナママンの肢体を拝んでの失血死ならまだ男子の本懐といえるが
さっき氏の背後に忍び寄っていたのは…な、なにをするキシャマーーーー(ブツッ
641通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 21:34:39 ID:???
・・・そして今宵もまたスレに肉塊がぶちまけられる、と。
・・・ここの職人ってほぼ全員一回は消されてないか?

大半は貧乳つながりだけど、出番の催促とかでけされt
642通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 21:37:41 ID:???
>>641
哀れな魂に神のご加護を、 アンバサ
643通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 21:56:35 ID:???
しかし、貧しい貧しい言ってるくせに、全裸にシーツで体隠してるお嬢様
見かけたら飛びつく癖にお前らってツンデ…あ、お嬢様、一体何をも
644通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 22:43:09 ID:???
>>642
すまん、ポーレタリアに帰ってください・・・
645通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 22:58:18 ID:???
お嬢様が寝るときはどこからか入手したうさぎの抱き枕を使っているのはわかってます
646通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:01:35 ID:???
なんで今日はいつも以上に赤い染みが多いんだろ・・・思うに傭兵氏のコニールは欲張りだと思う
シンの相棒という立場も爆乳とかの身体も持ってるのに出番欲しがってあばれるなんて
世の中にはどっちも持ってないどころか抉れだったり筋肉だったり二次元だったりする人もいるんだから
647通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:03:48 ID:???
たまにそのウサギに追いかけ回される夢を見たりするんですね、わかります
648通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:05:27 ID:???
>>641
ここどころか某他スレの職人も消されてたぞw
649通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:07:21 ID:???
>>647
それは「怖い夢を見ちゃったから一緒に寝て作戦」の詭弁d
650通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:12:32 ID:???
今夜も元ジブリールの飼い猫達が一輪車に肉塊を乗せてカント寺院へ向かう
651通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:26:00 ID:???
世界は平和…か?
652通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:35:35 ID:???
原型を留めていない肉塊が転がり、真っ赤な染みやクレーターが地面を彩るこの静寂が平和というのなら
なんという大量虐殺。抉れ胸のキリングフィールドとはこのこt
653通常の名無しさんの3倍:2009/06/02(火) 23:52:16 ID:???
もう五感が流血に慣れきって麻痺してるようだが、
今回冒頭の「前回のあらすじ」から示唆されるオーブの惨劇には
何も言うことはないのか…?
654通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 00:04:27 ID:???
>>653
メイリンが想像妊娠してアスラン滅多刺しですね、分かります
…あのゲームも規制の波に飲まれそうなんだよな……
655通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 00:10:09 ID:???
>>649
不幸女スレではシンが黒ウサギの着ぐるみ被ってたな
656小話 ◆9NrLsQ6LEU :2009/06/03(水) 10:38:19 ID:???
>>645 >>647
む、今お嬢様の声が栗林みな実に変換された俺がいる
657通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 11:11:28 ID:???
>>645>>647>>649

注:小さいお嬢様がパジャマ姿でウサギの抱き枕を抱きしめて涙目になっているとご想像して下さい。

トントン
シン「どうぞ」
あず子「や、やぶんおそくにすみません……」
シン「別に構いませんけど、何かありましたか?」
あず子「いえ、とくになにかというわけではないのですが……その……」
シン「何です?」
あず子「シン……こわいゆめをみてしまってねむれないのです。 いっしょにねてもらえませんか?」

つまりこういう事だな!
みなたまに倣いロリ化してみたが……これって、お嬢様の色々な欠点が消えt(グシャッ!
658通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 12:02:39 ID:???
>>657
シン「いいですよ、はいどうぞ」
あず子「それじゃあ(じゅるり) ってなんでせんきゃくのひとがいるんですか?」
みな「みながさきにシンとねてたんだもん」
まゆ「まゆはおにいちゃんのいもうとだからいっしょにねるのあたりまえだよね」
エミュ子「あ、わたしは立体映像ですので『スタンド』みたいなものと思ってください」

こうですか?わかりません!
659通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 12:20:48 ID:???
>>658
シンがイロイロとグレミーを超えたような気がした。
660通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 13:39:10 ID:???
でもきっとエドワゥさんは超えてない
661通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 13:53:35 ID:???
ハリソン一族も超えて無いな
662通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 15:44:58 ID:???
逆に考えると。ロリ化も辞さないほど不人気だってえことに。
663通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 16:04:08 ID:???
巨乳スキー、熟女スキーが大半を占めるこのスレでは、持たざる者は変化球的な生き残りしかできないという
664通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 16:11:38 ID:???
>>662
行っちゃあいけないことを言ってしまったね・・・骨は拾って・・・あ、木っ端微塵か

ところでこのスレの各作品のヒロインをランク別けしてみたんだが。

爆:ロミナママン・女大公・大学生・コニール(ver.傭兵氏)
巨:司令・ルナマリア・マユ・ミナ様(胸板的な意味で)
普:アビー
薄:ベル子・コニール(ver.GSC氏他)
無:みなたま
虚:アズ子・シッポ

将来性
完成:ロミナママン・女大公・司令・大学生・ルナマリア・アビー・ミナ様(筋骨隆々な意味で)
高:ベル子・コニール・マユ
中シッポ・みなたま
低:該当者無し
絶望的:アズ子

こんなところかな?
・・・なんか危険を感じるんで逃げる
665通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 16:55:56 ID:???
>>664
「どーこーいーくーのーかーなー」
「ちょっとお話聞かせて欲しいッス」
『私がいないのはどういう訳ですか?スタンドはヒロイン足り得ない、とでも?』
666通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 17:01:58 ID:???
??? [ひゅーほほほ、巨乳ハンター! パイ拓頂戴」
667通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 18:37:54 ID:???
>>666
あんたはコスプレでもして貧乳キャラの座をヒリングに譲れよ
668通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 18:44:46 ID:???
>>667がラクス車に拉致されたお…
669通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 19:12:04 ID:???
「虚とか絶望的とか書かれるぐらいなら、スルーされてた方がマシです」
670GSC ◆2nhjas48dA :2009/06/03(水) 19:51:51 ID:???
失礼します。仕事がにわかに忙しくなってきたので、更新が不定期になります。申し訳ありません。
671通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 20:19:55 ID:???
首領の所は誰がヒロインなのやら…
爆から虚までクローンズには揃っていそうだが
672通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 20:21:37 ID:???
>>670
ぬるぬると待ってます
673通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 21:04:06 ID:???
>>656
成るほど、今度はBETAの居る世界に叩き込まれるのですね、わかります
674通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 21:12:06 ID:???
>>673
何その逆シンスレヒロイン総出演&グロ死フラグ…
675通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 21:34:17 ID:???
それでも首領なら、首領ならきっとなんとかしてくれる!!
676通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:03:48 ID:???
>>674
むしろシンへの愛で(無傷で)生き延びてそう・・・



むしろシンg(アンタッテヒトハー!
677通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:32:26 ID:???
というか、このスレ作品の全戦力結集したら、普通にBETA涙目な気がするなw
678通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:38:07 ID:???
>>677
さすがに数の暴力だけはどうにもならんだろ…規模が違いすぎる
だが、首領アスカならひっくり返せる可能性も……!?
679通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:40:42 ID:???
あの絶望的世界は首領以外じゃあ無理だな
680通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:46:37 ID:???
運命U×E正義×グフクラッシャー×Dセイバー×ネロブリッツV×Gカイザー×ミーア×天ミナ×ノミザク×剋ゥ由×etc…
…これだけかき集めても無理か…
681通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:51:31 ID:???
・・・総登場と言えばさ、このスレの各作品のシンがMSで戦ったら最終的にどうなると思う?
各勢力でも構わないけど
682通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:52:58 ID:???
ジムが20機あれば十分勝てるって話を聞いた>BATA
あとバルキリーがあれば余裕とも
683通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:53:37 ID:???
小話氏のシンが最強に思える
手段を選ばないという意味で
684通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:58:26 ID:???
旧シャアであった時のスレだとホバリングしたアッザムが最強機体と同等と聞いたから最終局面でデストロイ投入が良さげ
685通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 22:58:53 ID:???
>>682
バルキリー程度じゃレーザー種の超レーザーで蒸発して終わりだろ…あいつらの設定は正直おかしいとは思うが。
GMも同様の理由でホバリング出来ないから結局陸戦を強いられるんで、後は数の暴力で終了な希ガス。

ビームスプレーガンが弾切れするまでならそこそこイイ線いけるような気はするがねぇ…
686通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:00:34 ID:???
>>681
自分の別の可能性に嫉妬するシンもいるのではなかろうか。

特に尻敷かれるタイプのシン
687通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:04:26 ID:???
>>682
バルキリーはガンポッドが鬼畜とか聞いたような・・・
688通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:07:38 ID:???
>>685
レーザーごときもよけれないでようではVF乗りとは言えない。
689通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:19:48 ID:LYytbG3r
>>685
バルキリーの装甲はエネルギー転換装甲なる代物なんだぜ
だからかは知らんがあの世界エネルギー兵器より実体弾がメインだし
690通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:21:20 ID:???
マヴラヴはよく知らんが地平線から頭ださなきゃ大丈夫なら高機動のガウォークで十分な気が
691通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:22:11 ID:???
>>688
通常の光線級で30km、重光線級で100kmの射程で回避不能(亜光速?)かつ、大気等での減衰ほぼ無しの威力とかどうしろと…
オマケに嫁補正込みフルバーストと同等の精度って…そんな威力のレーザーを数秒間耐え切る戦術機が異常とも取れるけど

とは言っても、所詮はレーザーだしアカツキのヤタノカガミで何とかなりそうな気はする
それでも防げないならCEMSでの対抗は絶望的だけどな
692通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:25:21 ID:???
>>691
なあにアニメじゃレーザー避けるのはよくあること。
結局はノリで解決。設定なんて飾りだよ。
693通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:30:18 ID:???
>>692
種世界ならそれでもまぁアリだろうな。

だがヒロイン(一応)が化け物に頭から喰われる展開がフツーにあるMuv-Luv世界では、所詮ノリだけじゃ生きていけんわけで…
種世界にBETAが来たらBETAフルボッコだろうが、Muv-Luv世界に種の面子が行ったら全員グロ死とかでもおかしくはないかと。
694通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:31:32 ID:???
>>693
ノリで生き返ればいい。
695通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:32:30 ID:???
Muv-Luv厨はウザス。グログロ煩い。
696通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:33:11 ID:???
つラミネート装甲

>>686
尻に敷かれてないシンっているか?
・・・そういやこのスレの各作品でのシンの搭乗機、結構性能差があるな・・・
697通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:33:43 ID:???
>>682
アーフィM4ドラグーンとか旧神デモベなんか連れて来れば余裕だろうけど話が終わっちまう
698通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:34:49 ID:???
スタートレックのQなら一瞬で全宇宙のBETA全滅だぜ。
699通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:44:52 ID:???
>>696
最強機はアフロ
700通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:50:23 ID:???
バルキリーはリアルロボットの皮を被ったスーパーロボットなんで
うかつに比較しないほうがいいとオモ

対抗さすならどっかのナノマシンの塊魂なガンダムをもってくるしか
701通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:51:14 ID:???
>>100
R-9A 「呼んだ?」
702通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:54:18 ID:???
>>685
いや、奴等の防御力と反応と速度を舐めるな
アイツらはVF-1の超旧型であっても、至近距離から水爆の爆発喰らって余裕無傷と言うチート防御力と
最大稼働30Gと言うアホのような加速性能がある

で、そのチート機体を更に限界までスペックアップして、パイロットの方もサイボーグにして見た機体とか
そもそもパイロット廃して無人機にしてみたりとか
通常の人間を強化スーツと慣性制御システムと支援AIで限界ギリギリまでスペックアップしてみたりとかしたのが
最近のVFのトレンディだから、あ、攻撃も通常バルカン弾が時空を引き裂く一撃だったり
ただでさえチートな防御装甲に、さらに時空間を捻じ曲げるバリア付けてみたりと色々と酷い

ぶっちゃけ、秒速数十キロでドッグファイトするからね、このレベルになったら
大気圏内だと機体の関係でマッハ5から9までしか出せないけど
この形体だと逆にチートバリアも機首部分から展開し始めるので結局レーザー程度「何それ? 効くとおもってんの?」
みたいな感じになる
703通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:55:43 ID:???
>>699
それは認めざるを得ない

>>700
塊魂フイタw
∀もリアルロボットの皮を被ったスーパーロボットだろ、Gと同じくw
704通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:59:04 ID:???
VFはなぁ……
最近の奴は、リアルに補給なしで星一つ制圧したBETAを、単機で余裕駆逐しかねない機体だからなあ
特にVF-27の方、アレはリアルにパイロットの搭乗限界が物理的にサイボーグ化で伸びまくってるのでヤバい
っていうかアレはパイロット自体がBETAどころかバジュラと真正面からやり合って勝てるのでヤバい

まあ、それ以前に装備さえあれば星ごと葬りそうで怖いわけだけど、ディメンションイーター弾で
705通常の名無しさんの3倍:2009/06/03(水) 23:59:35 ID:???
光と闇の最強戦士が融合して誕生した銀河一つ分のエネルギーを持つ剣を二本持ったガンダムなら楽勝だな
706通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:03:14 ID:???
>バルキリー
よく考えたら、マクロス7辺りからもうリアルロボットものじゃなくなってるよな…
ゲベルニッチとかどう考えてもまともに勝てる相手じゃないし。

マクロスFは見る気も起きなかったんで全く知らんのだけど、
もう文字通り次元が違うなw
707通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:03:28 ID:???
おまいらがVFの話で盛り上がってる間にミラージュコロイドで偽装したこの機体で古城とかのシンは貰っていきますね
708通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:06:12 ID:???
なら中の人つながりでジェフティ持ってくるか、あれもリアルの皮被ったスーパーロボットだ
709通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:14:14 ID:???
隣の家の「お兄ちゃん」と慕って来る幼女より未亡人のシングルマザーのが萌える
お兄ちゃん→パパはレベルダウンらしいが駄菓子ッ!
710通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:14:55 ID:???
>>708
そこはZOE繋りでドロレスだろ
kwsmボイスでシンがヘブン状態になるぜ
711通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:16:14 ID:???
>>708
シンが幼馴染の美少女放っといてクーデレAIのために命を賭ける真性さんになってしまうので勘弁してやってくれ。

……あれ? 何でデスティニーIIとガルバルディが動いてるんだ?
712通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:17:58 ID:???
エミュ子「撃てます」

そういえばエミュ子は田中理恵ボイスだっけ
713通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:18:04 ID:???
>>710
で、「赤い眼のおじさま」と呼ばれてしまうわけだ……
714通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:19:45 ID:???
誰も>>707を止めないのかー・・・俺? 無理。死にたくないし。
715通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:21:34 ID:???
>>709
つまりは元メイリンの娘と最恐ロミナさんの住む影牢の如き館にホイホイと入り込んでしまうシンと言うSSですね

花瓶に気をつけてー!
716通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:22:40 ID:???
>>713
否! ドロレスの中身は16歳程度の少女!
ゆえに赤目のお兄さんと呼ばれ、シン狂喜乱舞の巻だ!

ZOEシリーズのAI連中はADAもドロレスもファースティも皆可愛いな。
どっかのAIとはえらい違
717通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:27:51 ID:???
エミュ子も十分に可愛いと思いますよ?
何処ぞの筋肉や抉れと違って幾らでもシンの好みに合わせることが出来ますし、何より彼女達のようにシンを追い詰めたりしませんから。

某AI「…送信」
718通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 00:39:38 ID:???
ドロレスとなると火星の別居中の嫁と息子と娘が(厄除けのため削除されました)
719MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/06/04(木) 02:14:58 ID:???
レクイエム戦役後、火星へと渡り数年後、鉱山労働者として生計を立てていたシンの前にそれらは現れた。
「MR1422 シン・アスカ、ロック解除」
ここ数年で気心も知れたオペレーターの女性の声と共に、航空機から上空に吊るされていた3本足のMS、ガードシェルの拘束が解ける。
「さて……今日もお仕事頑張りますか」
三本の足裏に付いたスラスターを吹かしふんわりと着地すると、シンは手元の操作パネルを弄り、金属反応を探る。
「ん……これは……」
「どうしたの?」
軽い反応を見せたレーダーを覗き込み、声を上げるシンに、オペレーターは声をかけた。
「エネルギー反応だ。 しかも核反応じゃない。……近いな」
「ちょっ・気を・・て・・・・」
ぼそりと、興味深そうに呟いたシンに、オペレーターが忠告しようとするが音が遠い。
「チッ、オンボロめ、帰ったら修理に出すか」
通信機を軽く小突き、反応が無い事を確かめると、これ幸いと笑みを浮かべる。
「……指示が無いなら、自分の判断で動くしかないよな。 ザフトでもそうだったし」
忠告を無視して、調査へと向かうつもりらしい。

反応のあった箇所は数分ほどで着いた。
「反応は、ここか?」
そこには巨大な岩山とMSサイズの数個のコンテナ。
「この中か、さて何が出るかな……なんだ! 」
ガードシェルで近づき、コンテナを空けようとした瞬間、それは起こった。
突如耳に響く轟音、ついで通信機が耳障りな音を立て、オペレーターとの通信を繋ぐ。
「シン! シン! 聞こえる? 逃・て! ザフトが・・・・」
「なんだ! 何が起こっている!?」
「地球・ら来た軍・が・・・・逃げて・・・・・・」
「おいっ!」
通信機はノイズしか流さなくなり、シンは通信を切断した。
状況が把握できずに、上空を見上げるとそこにいたのは幾多のMSと戦艦。
「あれは……フリーダム!?」
見覚えのある白と青の機体がこちらに向かいビームライフルを構え、瞬間的にシンはガードシェルから飛び降りた。
飛び降りた瞬間、ガードシェルは全身を打ち抜かれ、火星の地面へと倒れ伏す。
「くそッ!……またなのかよ! また……俺は!」
上空から迫るフリーダムにかつての家族を失った記憶がフラッシュバックし、シンの脳を焼く。
力が、力が欲しい!
フリーダムがライフルをシンへと向け、シンが目を見開き、叫んだ時、フリーダムを二条の閃光が貫いた。
「何!?」
後方にあったコンテナの扉が開き、MSとは違う、二機の機動兵器がシンに向かい頭を垂れる。
一機は青と澄色のツートンカラー、もう一機は派手なピンク色の機動兵器。
二機とも股間部にある……その、すごく大きいです……と言いそうな立派なコックピットが特徴的すぎた。
720通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 02:16:11 ID:???
ちょwww支援
721MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/06/04(木) 02:16:27 ID:???
「一体誰が……?」
唖然としたシンがコックピットを覗き込むも、誰も載ってはいない。
「おはようございます。 独立型戦闘支援システムADAです。 お久しぶりです、シン」
「お兄さん、会いたかった!」
コックピットコンソールが輝き、女性の声が聞こえ、ピンク色の機動兵器がシンの顔を覗き込む。
「うわっ! なんだ、なんなんだ!?」
「話は後です。 今はコックピットへ」
「あー! ずるーい! 私も乗ってもらいたい!」
緊張感の無い声に、シンの方から力が抜け、青と澄色のコックピットへと潜り込む。
「とりあえず、 動 け ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」

CE75年、これがCEにもたらされた超物質メタトロンをめぐる、火星とマルキオが支配する地球の争いの始まりだとは誰も知らない。



……ごめんなさい! ごめんなさい! ANUBISと聞いてやっちまいました。 
スレチです! 分かってます! もうやりませんの勘弁してください! 
貧○とかもう言いません! おっぱいはあるだけで価値があるんです!
でもAI娘の中ではADAは一番可愛いとおm(グシャッ! メキメキ!
722通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 05:23:33 ID:???
良く考えてみたらドロレス、対キラ用に使えるな、中の人的な意味で
723通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 07:21:10 ID:???
ああ、確かに。
「どうして私を守ってくれなかったの」
とでも言わせればキラは一発でフリーズだろ。
724通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 08:07:05 ID:???
それ、シンにもダメージ来ないか?ステラ的に・・・あ、最終話で会話したから大丈夫・・・なのか?
725通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 08:08:52 ID:???
キラが大佐並に狂ってたら人気だったのに。
726通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 08:13:22 ID:???
>>724
むしろ両方とも致命傷食らって戦闘中断しそう
727通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:02:20 ID:???
>>725
おいおい、前作主人公だったんだからせめてラダムにしてやってくれ。
大佐は凸だろ……性癖的に考えたら
728通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:04:38 ID:???
ゾンビネイトにフレイを組み込み
729通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:05:12 ID:???
ちょっと待て、じゃあ誰がビッグバイパーに乗るんだ!?
730通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:25:17 ID:???
ラダムの奴には一人目のキラを組み込みビックバイパーにサイを
731通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:28:08 ID:???
>>729
それを言うならアージェイドには誰が乗るんだ?ルナか? ハッ!お嬢様か!!
732通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 10:29:12 ID:???
>>730
サイがとても可哀想になった!
733通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 11:05:39 ID:???
>>731
E7「ハイダラー!!」
734通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 11:31:43 ID:???
はいだらああ!するためには一つ、いや二つの大切なものが
あるだろう…皆まで言わせるな。
ルナは及第点。E7さんはちょっと足りないか?
あれ?後誰かいたっけ。
735通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 11:48:39 ID:???
あ、そうか
火星はほぼ全土がBETAに覆われてるんだよな
アレを何とかしようと思ったらそれこそロンド・ベルでも用意せんといかんか
736通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:04:22 ID:???
何故逆シン×Z.O.E.×マブラヴに!?www
737通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:08:17 ID:???
>>736
たぶん火星つながり
738通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:20:59 ID:???
じゃあ癒やしとしてあらゆるものに幸せを見つける舟渡なシンも(ry
739通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:30:50 ID:???
>>738
ぶ・・・・・・ぶいにゅーに癒されるシン・・・・・・・
それっていいかも・・・・・

でも古代火星人が作り出した最終兵器見つけちゃ駄目よ
740通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:44:07 ID:???
ここまでの話を総合すると
BETAに覆われた火星で萌AI搭載ゴンドラを使ってアイドル活動か・・・
最終兵器はわからねえw
741通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 12:54:54 ID:???
>>最終兵器
「コブラ」に出てきた古代火星人が開発した兵器
見た目は黒い卵だが兵器を見ることで、その兵器よりも優れた同質の兵器に変化する
弱点は見ないと能力を覚えない事(飛んでる機体を見ないと飛行能力を身につけられない)
と、長い間寝てたので起きたばかりの頃は搭乗者の保護が不得意な事
しかし戦車を外から見るだけでシートとか照準機とか装備したから多少の時間があれば後者は
克服できると思われ
742通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:20:13 ID:???
つ極冠遺跡
つナノマシン乗っ取り人間の腹にカーボン製の塔を作る古代火星を滅ぼした細菌
つヴルトゥーム様
これも追加
743通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:20:13 ID:???
他にも癒合能力と自己再生能力を持ったアーマロイドもいるぜ
744通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:21:29 ID:???
>>742
天テレネタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
745通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:23:36 ID:???
そういえばスペシウムも大量に採掘できるんだな
火星ってスゲェ!
746通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:28:07 ID:???
>>742
つエウロパの知的生命体
747通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:34:46 ID:???
ディソーダーとマーズクリスタルも追加だ!
748通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:42:14 ID:???
>>740
首領アスカの力で全宇宙のBETAが秋葉原支店の客になってしまいました。
749通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:47:52 ID:???
>>748
火星の地下が虎の穴とメイドカフェだらけになるのか…
終わったな火星。
750通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:58:23 ID:???
どこかに対サイボーグ武術を修行する集団がいそうだな
751通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 14:31:56 ID:???
>>748
地球ではご禁制の品となった陵○系エロゲが特産品なんですね、わかります
752通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 14:54:46 ID:???
火星といえばボソンジャンプがあるじゃあないか!
753通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 14:57:22 ID:???
スーパー火星大戦でも始めるのかよw
754通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 15:07:05 ID:???
海がないのでガノトトスの様にビタンビタンしている希望号が脳裏に浮かんだ
755通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 15:08:04 ID:???
ハイヒールでおしおきよ!
756通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 15:25:15 ID:???
>>755
事実上竹馬の練習と同じようなもので、履き慣れないハイヒールを
無理に履いて見栄を切ろうとし、当然コケて涙目のみなたまかあじゅ子の姿が…
757通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 15:39:53 ID:???
>>754
さっさと海用のRB仕様から空・宇宙用の人形仕様に戻せwww
758通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 15:57:31 ID:???
CEXX年
火星への本格的な入植が始まり数年。
ロゴス討伐のために地球を追われた企業の尽力により火星は緩やかな発展を遂げていた。
そんな中火星各地で人類史以前の超古代文明の遺跡と技術が発掘される。
Vコンバーター、メタトロン、ナノマシン、ボソンジャンプ、スペシュウム
火星をより豊かにする筈だったそれらの技術は、技術を独占しようとする各企業、地球との争いの種となってしまう。
火星に対する地球の圧力は日に日に高まり、バフラム、DNA、ジオマトリクスなどの各コロニーは独立を宣言し、レジスタンス組織が生まれる。
火星を舞台に行われる小競り合いの中、現れる異星生命体、BETA、ディソーダー、木星蜥蜴、アジム、ゲラン。
各勢力が、MS、AC、RB、LEV、OF、VRを操り、鎬を削る中、極冠遺跡に眠る演算ユニット、最終兵器
それらを守るかのように、その身を朽ち果てさせながらも何かを待ち続ける鋼の巨神。
名を…………ゲッター。

混沌を極める戦神の星、その一都市、ネオヴェネツィアに一人の男が足を踏み入れる。
シン・アスカ、勝利の女神から見放され、戦乱の女神に愛された男。
彼がこの地で何を為すのか……誰も知る由はない。


べ、別に>>753の為に書いた訳じゃないんだから!
暇つぶしに書いただけなんだからね!
か、勘違いしないでよね!
759通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 16:01:52 ID:???
>それらを守るかのように、その身を朽ち果てさせながらも何かを待ち続ける鋼の巨神。
>名を…………ゲッター。

そういえば真ゲッターもいたなw
760通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 16:41:16 ID:???
そんだけロボット過剰供給の戦争状態でも舞台がネオヴェネツィアってだけであらあらうふふな平和な日常しか想像出来んw
761通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 16:59:24 ID:???
RBはやっぱり100円なのか?
762通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 17:12:04 ID:???
スーパー火星大戦やったら火星が無くなりそうwww
763通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 17:21:49 ID:???
「神々」の送り込んだ巨大戦闘空母「地獄」もあるでよ・・・・・・古い作品だし判る人いないかな
764通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 17:22:36 ID:???
>>705
亀だがファイナルフォーミュラーか?
765傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/04(木) 18:06:39 ID:???

「なるほど、これが……」
「ええ、例の新技術が用いられた機体です」
とある財閥の協力を受けて新型モビルスーツの開発が行われているその基地の地下、格納庫で調整中の機体を眺める女性の姿があった。
傍らで語る白衣の男の顔は新しい玩具を与えられた子供のように輝いている。

「これはマーシャンから提供された物を組み込んでいますし、それ以外の発掘品――彼らは旧兵器と呼んでいましたが、それの解析も進行中です。
完了すれば連合軍全体の戦力は現状の八十パーセント増、わが社の利益も更に増加するものと――」
「ディソーダーにゲッター線でしたか。正直、生体兵器は信頼できませんね」
「何を仰るのです総帥! 巨大昆虫に未知の放射線はまさしく漢の浪漫で――」
「私は女ですから」
ばっさりと切り捨てられ、沈黙する白衣の男。
一瞬その顔に影が落ちるが、すぐに立ち直る。

「それでです。この機体は先ほども申し上げたようにマーシャンが発掘した技術が組み込まれています。コクピットを胸部から股関節部に変更したのも
その技術の配置部分がスペースを大きく取るためです。
頭部はジャッカルを模していますが、これはこの機体の元型に則っています――そういえば彼らはこの機体の元型を「アヌビス」と読んでいましたが……」
「アヌビス……古代エジプトにおける冥府神でしたか……装甲は通常機と変わらないように見えますが」
手元のウィンドウ―機体スペックが表示されている―をスクロールさせた総帥が、熱く語り続ける白衣の男に聞く。
が、よくわからない薀蓄をかたり続ける白衣の男は気がつかない。
総帥は溜息を付き――仕方がないと、弾みを付けてからシャイニングウィザードを白衣の男の側頭部へと叩き込んだ。
ビリ、とタイトスカートが僅かに裂け、黒いガーターベルトとその少し上の布がのぞいた。
白衣の男の側頭部でごしゃ、といやな音が鳴り、白衣の男が右方向へと五メートルほど吹き飛び、めき、と再びいやな音を立てて格納庫の床と接触、
ぎゃりぎゃりぎゃりと更にいやな音を立てながら金属製の床を十メートルほど滑り、その向こうに置かれていたコンテナにがつんとぶつかって停止する。
766傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/04(木) 18:08:21 ID:???

「……流石です、総帥……更に磨きが掛かってらっしゃる……」
「御託はいいですから説明を。装甲が現行の機体と同じようですが?」
コンテナに手を付いてよろよろと立ち上がる白衣の男を刃のような視線で射抜き、総帥が言った。

「あ、はい……装甲は、向こうで産出されている「メタトロン」を用いていますが、偽装のために通常装甲で覆っています。
起動時には偽装装甲をパージするようになっていますので性能に変化はありません……「メタトロン」を用いているとプラントに知られれば、
ターミナルかなにかに強奪されかねません。その為各部の名称も、『レプリカ』と付加されています」
「平和の歌姫は新技術の盗用や破壊工作が得意ですからねぇ……おまけにその奪った技術を自分達のものだと主張する鉄面皮まで持ち合わせているから性質が悪い」
血塗れの白衣の男の言葉を続けるように総帥が言い、自分の台詞に納得したように頷き、佇む黒い機体を見上げる。
犬のような顔を持ちながら、愛らしさを持ち合わせていない怜悧な顔つきをしたその機体を、恍惚とした目つきで。
この機体が託される予定の『彼』の活躍を想像しているのだろう。

と。

767傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/04(木) 18:09:23 ID:???

『変な目つきで見ないで下さい、この年増』

声がした。

まるで幼い少女のような無垢な声と裏腹の真っ黒い言葉が。
目の前の機体――アヌビス=レプリカから。

「……なんですって?」
「あ……やば、もう起動してたか……すみません総帥。どうやらレプリカ支援AI『DELPHI』が起動していたようです」
ピシリとヒビが入ったような声で呟く総帥に、白衣の男が弁明した。
それを無視して一歩踏み出した総帥がアヌビスに言葉を叩きつける。

「年増とはなんです? この小娘が」
『年増に年増と言って何が悪いんです?』
ぎし、と場が軋んだ。
総帥の少し後ろで、白衣の男の顔色が真青になる。
「……これだからAIは……誰に似たんでしょうね?」
『さあ? にしても先ほどの私を見る目つき、嫌らしいですね。私のランナーになる『彼』にもあんな目つきで接しているのですか?』
ああ、おぞましい――そう続ける『DELPHI』。
総帥が、後ろでこっそり逃げようとしていた白衣の男を睨む。
白衣の男が清姫に睨まれた安珍のようにすくみ上がる。
768傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/04(木) 18:11:34 ID:???
「どういうことですか、主任? なぜ調整中のAIがシンのことを知っているのです?」
「あ、ええと、それは……」
白衣の男の顔が紙のように白くなり、全身から冷汗が噴き出す。
言えるわけが無い。後にパートナーとなるためにシンのありとあらゆるデータ―それこそ総帥の隠しフォルダにあった写真まで―を
『DELPHI』に閲覧させていたと知れれば死は免れない。

どう弁解するか――思考が袋小路に入り込みかけた男に、救いの手が差し伸べられた。
ドゴン、という轟音が、地下格納庫に轟く。
一瞬遅れて鳴り出した警報に、白衣の男が敵襲かと思いつく。

「主任? ですからどういう……」
「た、大変です総帥! 敵襲です! あ、そういえばまだアヌビス=レプリカの実戦テストがまだでした。総帥、お願いします」
「……わかりました」
白衣の男が手元のデバイスを操作すると、アヌビス=レプリカのコクピットが開く。
が何事かを喚くが、総帥は気にしない。

「総帥、御武運を――!」
『ええ、わかりました……戻ったら、説明を頂きますから』
『……今回だけすよ、年増』
総帥の言葉と共に、アヌビス=レプリカがその手に握った銛を、ウアスロッド・レプリカを振りかざし、天井をぶち破る。
『DELPHI』の台詞と共にその大穴から外へと飛び出したアヌビス=レプリカを見上げながら、白衣の男は辞世の句を考えていた。


ANUBISと聞いてつい出来心から書いてしまいました……私もスレチですね……すみません。
私も辞世の句考えたほうがいいでしょうか……あれ、なんか地響k
769通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 18:12:49 ID:???
はっ、どいつもこいつも自重しない奴らばかりだぜ。
いいぞもっとやれwwww
770通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 18:17:07 ID:???
まさかのDELPHIwww
771通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 18:23:21 ID:???
バーム星人「火星と聞いて和平交渉しにきました」
772なんとなく:2009/06/04(木) 18:57:51 ID:???
「ねぇ、ハンマ・ハンマさん」
「私は、MSサイズのガラスの薔薇を掲げる趣味は無いですよ 何ですか?社長」
「火星のBETAって何?」
「ベタ?それは確か、瓶に入れて飼う観賞魚ですよ」

火星のベタ想像中

「よし!!新ビジネスのチャンスだな!!」
「ですね!!社長!!早速 準備をしましょう」

「「と、言う訳でルナマリア君 君の任務は火星のベタを入荷しに火星に行く事だ」」
「え、ええ…それ違うと思うんだけど…」
773通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 19:27:04 ID:???
本当に此処の職人はのりが良すぎだw
774通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 19:44:37 ID:???
最近マジで分からなくなってきたんだがハの字って眼鏡の方だよな?
775通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 20:24:49 ID:???
火星→気のいい兄ちゃん
ハリケーンソニック→中途半端なインテリ
と記憶
776通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 23:05:20 ID:???
>>697
遅レスだがアーフィは戦闘能力も破格だが最大のポイントはその気になりゃパイロットと結婚したりあまつさえ子供まで作れる所じゃないか?つまりエミュ子では到底たどり着け……
悪い、客が来たみたいだ、ちょっと行ってくる。
777通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 23:58:17 ID:???
エミュ子の声がラクスでなくADAで脳内再生される俺がいる

馬鹿デカイデモンベインとリベル・レギスも火星産だったな
778通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:19:27 ID:???
この流れの中何故かバーチャコールを思い出した俺がいる。
779通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:23:00 ID:???
>>776
あの世界はAIにも人権が認められてる上に実際に子供産んだ竜機神が居るんだよな…
エミュ子DUが自壊しかけてた主様に取り込まれて再構成して竜巨人のようなモンに再構成されれば
エミュ子にも子供産めるかも試練
780通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:48:24 ID:???
火星と聞いて…

「怖いだろ、苦しいだろ、だからラクスが…(以下略)」とか言う後ろにフリーダム×6をつれた吉良と
「決着をつけてやるっ!」とかバックに白い戦艦を抱えて黒い機体に乗るシンを考えた

この場合オモイカネはOSっ子だとしてルリポジとユリカポジは誰なんだろ…



グシャ
781通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:52:11 ID:???
>>780
いや、ラピス枠だけでも良くね?
782通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 10:14:22 ID:???
いや、「黒の王子」役はルナマリアでラピス枠がエミュ子
ルリ役がメイリンでユリカ役はシン


じゅるりと舌なめずりするトカゲ顔のロリコンは誰がいいかな
・・・・・・・・・凸?
そうなると草壁が吉良だね
783通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 10:15:18 ID:???
北辰はサトーで
784通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 11:23:03 ID:???
>>782
その配役だとシンが逆襲出来ないじゃねぇかw

>>783
手段を選ばない所は似てるけどサトーは汚れ仕事してたわけじゃないからなぁ
しかしボンボン版のサトーさんは全機抜刀突撃が格好良すぎる……あれなんで本編でやらなかったんだろ?
785通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 11:31:53 ID:???
負債ごときに高山のセンスが真似できるはずがない
786通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 11:35:27 ID:???
>>784
それが出来れば負債と呼ばれていないでしょ?
787通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 11:53:26 ID:???
>>784
本編?本編は高山版でしょ?
アレをアニメ化しようとして失敗しただけジャマイカ
788通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 12:03:24 ID:???
高山版でも凸?
789通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 12:20:13 ID:???
いや、あれはアスラン・ザラだ
790通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 12:53:10 ID:???
本編?
ああ、あの赤いガンダムがポン刀片手にジョジョみたいに暴れるやつか
プロフェッサーがやたらとセクシーな
791通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 13:37:25 ID:???
恐ろしく亀だが
>ビリ、とタイトスカートが僅かに裂け、黒いガーターベルトとその少し上の布がのぞいた。
ロミナさん下着は黒ですk
792通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 14:54:43 ID:???
ロミナさんのイメージをベアルファレスで例えるとイヴとナーダを足して二で割った感じだ
793通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 15:00:43 ID:???
当然黒だろうが……白やピンクも捨てがたい。
それにしてもこのスレの女性陣はGSCの金的、踏みつけに始まり、最近はMOR、傭兵両氏のシャイニングウィザード。
足癖が悪いのはなんでなんだろう?
794通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 15:45:24 ID:???
>>793
紫もオススメ
そりゃお前、足技なら多少可愛らしいがアルゼンチンバックブリーガーやらジーグブリーガーをかます女性はどうよってことだろう
795通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 15:47:30 ID:???
ロックボトムとかラストライドかまされるのですね、分かります
796通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 15:50:57 ID:???
>ジーグブリーガー
巨乳ならご褒美じゃね?
797通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 15:59:31 ID:???
フランケンシュタイナー・・・・・・・男がかけてくる
798通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 16:16:18 ID:???
キャミィのFシュタイナーは間違いなく御褒美
799通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 16:22:29 ID:???
投げっぱなしジャーマンも見ている人は御褒美かもしれないw
800通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 16:23:26 ID:???
>>798
だがしかしアレックスにハイパーボッ!!!
801通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 17:07:32 ID:???
>>796
アズ子「死ねぇ!」



まあ、あの洗濯板じゃ圧殺になr(ry
802通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 17:09:45 ID:???
「プッシーローリングドロップーー!!」
オ゛マ゛ゴギャーーーーーン!!(擬音)
803通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 17:18:25 ID:???
じゃあユリアンかギル(ストV)にFシュタイナーかけてもらいましょう
「それはわたしのおいなりさんだ」
804通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 18:11:38 ID:???
MOR氏と傭兵氏の小ネタ、誰か保存頼む…
なんかできなかった…orz
805通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 18:19:20 ID:???
帰宅したらやるから待ってておくれ
806360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:06:30 ID:???
○前回までのあらすじ
イザーク「火星の海でお宝探し!」
アリー「ところがぎっちょん!」

火星フェスティバルに乗り遅れた…では本編です。
807360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:07:23 ID:???
突然に、シンの目前にある《ゲイツR》の脚が爆ぜた。
同調するかのように、展開していた他のモビルスーツも次々とパーツを失う、
コロニー外壁に取り付いていた《ザク》の腕が吹き飛ばされる。護衛についていた
《グフ》の腰が切断される。突然の攻撃?判断して、対応できたのは一握りの
パイロットだけだった。
「ルナ!新兵!後退しろ!」殆ど勘だけで動いたシンは、機体の右肩を削り取られ
ながらも異変の正体を掴んだ。
ドラグーン…遠隔操作できる砲塔による、ビーム攻撃。
一寸目線が捕らえた細長い砲塔へと、シンは頭部機関砲を放つがかすりもせずに
砲塔に逃げられる。
「シホォ!出所を掴め!」
叫びながらイザークは、白く塗られた《グフ》のソードを振り回させる。ドラグーンに
近寄らせまいとしながらも、生き残るためには頭を働かせる。
シホの《ザク》に装備させているスカイアイ・ウィザードなら、ドラグーンを操る際に
用いられる量子波を探知し、出所を掴むことができるはずだと。
「エリアE13に感アリ!ドラグーンは20基を超えて…くっ!」
途中で報告が途切れる、シホの《ザク》も背中に被弾して、背負っていた
大型レドームを喪失してしまった。

それだけ分かれば十分、とばかりにシンは《ダガーU》を指示されたエリア…
丁度コロニーの影に隠れているエリアへとその身を滑らせた。
「無策で突っ込むなあ!シン・アスカ!」
「大丈夫ですジュール隊長!」怒号を浴びせるイザークを、ルナマリアが
フォローする。
「私達の《ダガーU》はビームに強いですから。というわけで行って来ますね」
「チッ、分かった。アテにするぞ!ディアッカ!」
「はいはいっと」
そしてイザークもディアッカを伴って、ドラグーンに翻弄される友軍を支援すべく、
前に出る。

一々機体に当たるビームには構っていられなかった。
ドラグーンのランダムな動きは追いきれなくとも、撃たれるポイントとタイミングさえ
分かればシン・アスカには十分だった。そして《ダガーU》はラミネート装甲が強化
された機体である。ドラグーンの低出力ビームなら、バイタルパートと間接部への
直撃さえ避ければ十分に耐えられる。
そしてシンはその事実も利用する。
わざとガードを甘く見せたポイントにビームを撃たせて、それを腕で受け止める。
段々と機体は焼かれていったが一撃で致命傷を負わないのなら…追い切れる。
ドラグーンの操縦は見事だが、パイロットとしては二流。そう判断してシンは
機体を加速させた。
「捕捉した!」
大きな動体反応を掴んだ、恐らく核エンジン搭載機。
しかし、カメラで捕らえたドラグーンの『親機』の姿を見て、シンは驚いた。
808通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 19:08:22 ID:???
809360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:08:36 ID:???
「コイツ、《インパルス》なのか…?」
顔とカラーリング、外観の印象は正しく、嘗ての愛機《インパルス》の物だった。
しかし、機体は異形の様相を見せた。肩と腰が大きく張り出し、手足が一般的な
モビルスーツと比べて異様に長い。そのために顔と胴体が一回り小さく見える。
さらに背中に背負ったシルエット…オプション装備は、《レジェンド》やその前身で
ある《プロヴィデンス》に酷似していた。

ザフトの新型?しかしこんな機体があるなど聞いたことも無いし、核エンジン搭載
タイプのモビルスーツはすでに製造・保有が禁止されたはず…また例によって
クラインお得意の極秘裏に製造というヤツか?
一寸でそこまで考えたあと、シンはその機体に向かって呼びかけた。
「こちらザフトパトロール!我々はこのコロニーの調査に着ただけだ!攻撃を
止めてくれ!」
眼前の《インパルス》もどきは聞いてくれたのか、シールドとライフルを構えつつも、
攻撃を加えるそぶりは見せなかった。
「よかった…話を聞いてくれ。我々に危害を加える意思は無い。銃を収めてくれないか」
『…マスターに聞く。そのまま動くな』
通信機から聞こえてきた声は少年のものに聞こえた。マスターというのは彼の…
このコロニーの責任者なのだろうか。
友軍へのドラグーン攻撃が止んでいることを確認して、一息つこうとしたシン。
彼の《ダガーU》の視界の端から、もう一機の《インパルス》もどきが飛び込んできたのは
そのときだった。

まるで体当たりをかます様に突っ込んできた《インパルス》もどきを、シンはうしろ飛びを
するようにスラスターを吹かして避ける。
「くっ…何だ!?」
『油断するなアハト!ザフトを騙った賊に決まっている!』
オープン回線で飛び込んできた声…女の声は、今の《インパルス》もどきのパイロット
だろうか。体勢を直しつつ機体を探す。
捕らえた機体も《インパルス》の顔と歪な手足を備え、さらに背中には《フリーダム》の
羽根に良く似たバックパックを背負っていた。
『エルフ!この人は悪い人には見えない。話を聞いても…』
『適当抜かすな!』
《インパルス》もどき同士の口論を聞かせつつも、フリーダム《インパルス》もどきは
こちらにアプローチをかける、手持ちのライフルを発砲しながら接近してきた。
「くぅ…くそっ!」正確な射撃だ、今のザフトでコレだけの技量の持ち主がどれだけ
いるのか。シンもシールドを構えて射撃に耐えるのが精一杯だった。
『覚悟しろ!賊め!』
雄たけびをあげながら攻め立ててくるフリーダムもどきに、一筋のビームが奔る。
機体を無理矢理に捻ってフリーダムもどきは回避した…いまのは、ルナの《ダガーU》か?
『援護するわ!シン!』ルナマリアの《ダガーU》は背部のスナイパーパックと連結した
大型のライフルを発砲しながら、全速でこちらに向かってくる。レール砲とビーム砲を
上下に並べた複合兵器だ。それを連射してフリーダムもどきを釘付けにする。
810通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 19:09:21 ID:???
811360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:10:42 ID:???
「助かった!けど、撃墜はしない」
『どうして!』
「闇雲に戦ってもしかたないだろ!」シンは粘り強く、向こうとの交信を続けようとする、
が、レジェンドもどきのパイロットは兎も角、フリーダムもどきの方が話しを聞いてくれない。
やがてこちらの戦闘に混ざろうとしたのか、イザークの白い《グフ》もこちらに滑り込んで
くるが、
「手出し無用です!ジュール隊長!彼らと話を…ぐう!」
気が散っている間に、フリーダムもどきに飛び込まれてしまった。そのまま組み付かれて、
フリーダムもどきは腰アーマーの武装ラックからコンバットナイフを取り出す。
ナイフを付きたてようとするフリーダムもどきの腕を、シンの《ダガーU》が掴む。
シンはそのまま背後を取るように機体を回して、後ろから関節を極めるようにフリーダム
もどきを抑える。
パワー負けしようとも、間接部を抑えればそうそう動けるものでは無いはずだ、なまじ
人間めいた格好をしているから…
『かまうなアハト!私ごと撃ってくれ!』
『無茶言うな!』
「そうだ!こちらに落とすつもりはない、頼むから話を聞いてくれ!」
シンは辛抱強くフリーダムもどきに呼びかける。何か、こんな聞き分けの悪い女が
昔居たような気がしたが…
『コクピットを開けろ。話を聞いてやる』
女は、偉ぶった物言いでそう言った。
ああ思い出した。昔会ったアスハの馬鹿娘がこんな感じだったような…馬鹿な
感想を抱きつつも、女の要求は流石に了承しかねた。
さっきまで戦闘していた相手にコクピットを開けろと言われて、はいそうですかなんて
言えるわけがない…そう思っていたシンの目の前に、白のパイロットスーツで身を
包んだ女が現れたので、シンは驚いた。
いつの間にかフリーダムもどきから降りていた女…体躯の小ささから、少女というべきか…
が、自分の《ダガーU》の頭部カメラの目の前まで近づいてきたのだ。
極端から極端に走る奴だなと感想を抱きつつ、シンはシートの下に仕舞ってある
サバイバルキットの中から、小型の拳銃を取り出す。装弾を確認したあと、腰に下げた。
向こうが生身を晒しているのだ、話し合うと自分で言った以上、自分も出なければならない
だろう。
812通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 19:11:06 ID:???
813360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:11:27 ID:???
『シン、大丈夫?』ルナマリアが心配そうに声をかけるが、
「大丈夫だ、多分…フォローは頼む」そう答えるしかなかった。
『心配する身にもなってよ、もう…』
ルナには悪いと思いつつ、シンはコクピットハッチを開けた。開けるや否や、正面に
さっきの少女の体が飛び込んできた。
「貴様らがザフトだとしても、返答如何ではただじゃ…」急に少女の声が途切れ、
自分の顔をじっと見るようにする。相手の顔は放射線避けの金メッキで見えない。
「お前…まさか…本当の…」
「何だ?俺がどうしたんだ」シンが何かを言う前に、少女は抱きつくように身体を
シンに飛び込ませた。
「おい!急に何を」
「コクピットを閉めてくれ!顔を見せるから!」急に興奮気味に、それも何故か嬉しそうに
聞こえた声で少女が叫ぶ。彼女に押されるようにシンは、シートに戻ってコクピットを
気密した。
気密を確認したのか、少女はヘルメットのバイザーを上げて、顔を晒した。

「お前、シン・アスカだよな!よかった!シンが来てくれたんだ!これでレイ兄さんも
喜ぶよ!マスター・アイン!」
言われた言葉の意味なの一割も理解できなかった。

ただ、自分の目の前にある、
シン・アスカの顔をした少女に対して、シンは言葉を失っていた。
(第七話終わり、次回に続く)
814360 ◆hQ87KuAhIY :2009/06/05(金) 19:13:24 ID:???
今回はここまでです。
815通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 19:56:39 ID:???
GJ

ええっと、シンのクローン?で女?
また新たなひロインが。
ルナヒロイン陥落フラグ?
816通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 20:30:48 ID:???
なぁにママンキャラにめーですよされてフラグクラッシュするのが落ちだ
前例があるからな
817通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 20:32:00 ID:???
なんかキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
818通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 20:33:13 ID:???
頭が混乱してるんだが、つまり髪切ったマユが出てきたと考えればよいのだろうか
819通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 21:15:45 ID:???
ガラス球ひーとつ落とされた
820通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 21:18:02 ID:???
>>819
それだと種死時点のシンがもう偽者でしたオチになる可能性あるじゃねーかwwwwwww
821通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 21:53:39 ID:???
>>818
いや、まんまアスカ姫ってことじゃないのか。
822通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 22:35:40 ID:???
ついにアスカ姫が現実のものに!

お嬢様。そんなに鼻息荒くモニター見つめちゃって・・・
823通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 22:39:48 ID:???
>>818>>821
多分光芒のクレハと同じ性別反転クローンじゃないか?
824通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 23:31:56 ID:???
お嬢様「私、シンを押し倒します! 必ず押し倒します!! 」
825通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 23:56:04 ID:???
>>824
シンの寝室に突入するも誰が雇ったのかサーペントテールが先にシンを拉致していると言う現実
826通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:04:05 ID:???
つまり>>709の下卑な欲求でロレッタまで攻略範囲に入る訳ですねわかりません
827通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:10:44 ID:???
>>826
褐色枠と人妻枠と熟女枠はもう一杯なので却下

「「「書き込むっと」」」
828通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:12:46 ID:???
>>824
オクレ兄さんにお嬢様との結婚式フラグが立ってしまうぞw
829通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:32:00 ID:???
「パパ」より「おとうさん」の方が萌えるよね
830通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:33:58 ID:???
女化したシンなんて、他のヒロインなんて目じゃなi

>>アスハの馬鹿女に似てる
同族嫌悪の可能性が・・・
831通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 00:47:09 ID:???
>>829
おとーさんなら死ねる
832通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 01:33:10 ID:???
>>831
「おやじ〜」「おやじ〜、起きる...」ゆさゆさゆさゆさゆさゆさ.....
「死んでない、おやじ寝てるだけ...寝てるだけ.....」「おやじ〜…おやじ〜起きる....」
833通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 01:37:06 ID:???
馬鹿だなお前ら
舌足らずで「おとーしゃん」が最高だろ
834通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 02:12:42 ID:???
>>820
終盤は(主人公としての立場が)消滅する危険と隣り合わせですねわかります
835通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 02:40:16 ID:???
>>832
うたわれ乙

やっぱり最初は呼び捨てで、デレたときにパパだろ
836通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 09:23:28 ID:???
あ、そういやウォーズパケ絵にインパルス、デスティニーいなかったな、俺が見る限り
イージスやデストロイはいる


まあ、悪人面だしいないことよりトランザムライザーに目が行くんだが
837通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 13:46:12 ID:???
>>836
そう言う事ならスルーしてGENERATION of C.E.でもやるお
838通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 14:06:27 ID:???
舌足らずな口調で「おとたま」が最強
「アラビン・カラビン・スカンビーン!」
839通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 14:48:41 ID:???
いや、いっそのこと舌足らずで「ちちうえ〜」とか軍人ちっくに「親父殿」ってのもありかもしれんぞ
840通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 16:14:16 ID:???
お嬢さんをいただきます
841通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 16:16:13 ID:???
娘ステラは俺の嫁
842通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 16:28:07 ID:???
>>840
>>841
またカミカゼかよ…
843通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 16:35:42 ID:???
いっそシンをいただいていきます
844通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 16:44:33 ID:???
>>843
お嬢様乙
俺はプランAを頂く!
845通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 17:00:03 ID:???
…シンは俺の嫁
ひんぬーやら筋肉やら年増にわたすものか
846999 ◆Op1e.m5muw :2009/06/06(土) 19:56:49 ID:???
では私はルナマリアとメイリンとフレイとステラでハーレムしてますね。 
少ししたら投下します。
あとまとめサイトに掲載して頂いた上に修正ありがとうごさいました。 
 
前回までのあらすじ 
ラクス=クラインの三倍界王拳がシンに迫る、ミユのおっぱいは85のDカップ。
847999 ◆Op1e.m5muw :2009/06/06(土) 20:19:16 ID:???
「シン、おまえはぁぁぁ!」
 激昂したアスランが俺に銃を向ける。避けられない…直後に起きた発砲音、赤い血、倒れる音、ルナの悲鳴…
 倒れたのは俺ではなくメイリンだった…後にキラ本人から、アスランが発砲する直前まで、怪我したラクスを抱き抱えたまま「これ以上争わせてはいけない!」と考えていた。だがアスランが銃を抜いた瞬間、キラは近くの石をアスランの拳に全力でぶつけた、と聞いた。
 だがその結果銃口はぶれ、アスランの近くにいたメイリンの腹部…へその下あたりに当たった。メイリンはパニックになり悲鳴をあげるが途中で気を失ったのか、すぐにぐったりする。カガリは素早く医師を呼ぶため電話をし、ルナマリアはメイリンの腹部を抑え出血を止めようとしていた。
 俺はもう誰も死なせたくなかった、ステラやマユのような理不尽な死はたくさんだった。マユ…もう一人の造られたマユは震え、涙を浮かべている。だが今はメイリンを助けることが先決だ…アスランは茫然自失し佇んでいる。
 そんな二人に今はかまえない、だからやれることをする、メイリンの脈を取りルナマリアに代わり止血する。俺が圧迫するが血は止まらなかった…
 また、無情にも命がこぼれかけていた…
 
《紅の贖罪 前編》
 
『地球連合政府、保健機構はヨーロッパでSUインフルエンザが流行、非常事態宣言を出し、各連合傘下国にワクチンの提供を呼び掛けるも、各国からは集まらず、被害は急速に広がり…』
『今日午後アーモリー市の路上でこの町に住む、アイリーン=カナーバ元議長が何ものかに拉致されるといった事件が発生、警察が捜査を開始…』
『さて、今日の特集は昨日ケガをしたエルスマン・カンパニー社長、ご存知ディアッカ=エルスマン氏です。若者から絶大な支持を集めるファッション界のカリスマ、
鯨を使った斬新なアイデア料理から炒飯の三界王と呼ばれる料理の腕前、超高級品質の二次元ダイブシステムの作成、さらに自身の手懸けるオリジナルブランドはプラントの貿易に貢献しているのはみなさんご存知かと思…』
 
 まだあどけない少女の、大きすぎる二つの膨らみと顔、あらゆるところに白の飛沫が浴びせられる。
「ぁん、いやぁ…もぉ…白いのいっぱい…髪にからまって…ベトベトするよぅ、お兄ちゃん…いっぱいかかっちゃったよぅ…」
 ミユが自分の髪についた白い液体をぬぐう。コートの下の…かつてスクール水着だったものにもそれは広がりを見せる。
 驚いて上気した顔に白のコントラストが映え、その道の人間ならリビドーを掻き立てる色気がそこにはあった。シンはミユのミネラルウォーターと自分のハンカチを使いふいてやる。
「誰か医者ぷりーづ。」
 一方で迂濶で残念の代名詞は撃沈しているが誰も相手にしていない。
「シン、状況が悪くなりそうだ…」
 キラが険しい顔で言う。視線の先にはゲイツタイプのMSがあった。シンは時計を見る。
これくらいの誤差は予想範囲内だ。作戦計画者は予知能力があるのだろうか?作戦の綿密さと変化した際の対応まで事細かにあるのだから…
848通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:25:20 ID:???
支援砲撃!
849通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:34:41 ID:???
>だがその結果銃口はぶれ、アスランの近くにいたメイリンの腹部
最悪だなw
というかそんだけ人がいる状況で銃撃つなよwww
850999 ◆Op1e.m5muw :2009/06/06(土) 20:35:36 ID:???
「そこの車の方、今は戦闘中ですが救助いたします。」
 ゲイツの後継機、通称、『ビルゲイツ』のパイロットがビームサインでこちらに知らせる。C.E77現在ビームサインはビームサーベルに付属しているため、ほぼ全てのMSが使用している。
 ちなみにビルゲイツの特徴はバックパックに新たな武装換装システム、「ウィンドウズ」を採用しているこてにある。
これにより旧型の武装、バックパックを95式、ゲイツRの武装、バックパックは98式、今いるタイプは2000と呼ばれるものでニューミレニアムシリーズで作られたザクのウィザードを使えるように変換コネクタをつけたものだった。
他のバリエーションはシルエットを使えるMe、ドラグーン装備のXp、フリーダム、ジャスティスタイプの武装、ミーティアを使えるVista、95〜Vista対応の7も当然ある。
 救助作業にあたっているビルゲイツは三機、いずれもガナーウィザード装備だが、戦闘には参加せずに救助をしている。
戦闘が遠いから油断しているのだろう。武器類は腰にマウントし、先程ビームサインを出したビルゲイツがキラ達の車に手を伸ばした瞬間、突如そのビルゲイツが痙攣したかのように震え、機能を停止させる。
 異変を察知した他の二機が僚機に近づくが同じ末路をたどる。キラが短く「時間に正確だな。」と呟く。
 やがて宇宙の一角に歪みが見える、注意しないとわからない位のその歪みは一瞬ぶれ、MSの腕をのぞかせる。
その漆黒の腕は先端が尖り、まるで獲物を貫くかのような、刺々しい印象をもたらすが、ゆっくり、優しくシン達の車を包むと再度、今度は車ごと消えていった。 
 
 アプリリウス市市長補佐エザリア=ジュールは忙殺されていた。市民の誘導、傷ついた部分の修復、
何より攻撃に対しての防御策…光波防御体が機能していないこと、半年前からの断続的なミラージュコロイドディテクターの誤作動と言われていた現象…それらの全てが市長である彼女に伝わってなく、結局対策を何も取れなかった。
 そしてラクス=クライン議長は現在月面で火星、月面都市との協定の為プラントを留守にしていた。そして現在アプリリウス市市長の『あの男』は出勤すらしていない。
 キリキリ痛む胃を抑えエザリアは次々と的確に指示を出す。
元ザラ派の…しかもマティウス市の議員だったエザリアがアプリリウスにいる理由はプラントの人材不足が原因だった。
過去に罪があっても、有能であれば『一定の条件下』つまり今エザリアがしている紅い犬のような首輪をすることで現場復帰が可能になった。
 この首輪にも細工がされていて、ラクスの意志に反することをすると首輪の後ろから微弱な電流が流れる。
その電流は脳内のA10神経を刺激し装着者に激しい快楽をもたらす。この効果をエザリアは初日に味わい、屈辱的な痴態をさらした。
 息子イザーク=ジュールも議員になったがその後政治的駆け引きで失脚、すぐに熱くなる性格が災いしたからだ。
現在は格闘家として、オーブの『アッガイファイト』の大関になり、さらにエザリアは認めていないが妻のシホと新婚旅行兼修行でギアナ高原に行っているはずだ。
「市長補佐、救援要請は?」
「他のプラント市にはすでに救援要請を出しています。ですから職員の皆は安心して仕事に励んでください。」
 柔らかい微笑みで落ち着いて話す。内心焦っていてもパニックにはならない。そしてまた次々と指示出していた。
「市長とはまだ連絡が取れませ…」
 市長の所在を確認しようとした矢先アプリリウスは激震に包まれた…
851通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:36:46 ID:???
ビルゲイツwwwwwww
852通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:39:30 ID:???
>その電流は脳内のA10神経を刺激し装着者に激しい快楽をもたらす。
>この効果をエザリアは初日に味わい、屈辱的な痴態をさらした。

よし、このへんをkwsk
853通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:51:40 ID:???
何個か産廃があるぞwww
854999 ◆Op1e.m5muw :2009/06/06(土) 21:03:07 ID:???
今回はここまで、エザリアの痴態の様子は感想とわっふるが多ければ投下します。
855通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:03:50 ID:???
知ってるか・・・ゲイツの正式名称はモビルゲイツって言うんだぜ・・・
856通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:14:34 ID:???
わっふるわっふる
ワッフルワッフル
857通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:15:17 ID:???
わっふるわっふる

……しかしこれって秘所にバ○ブ仕込んで公共の場で作動させる羞恥プレイそのまんまじゃねーかw
こういう事を考えるラクスもしくはその部下は頭おかしいよwww
858通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:16:54 ID:???
ザフトがビルゲイツでWindowsなら
連合はスティーブジョブズでMac OS Xだな
859通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:24:01 ID:???
わっふるわっふる
860通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:29:40 ID:???
わっふるわっふる

アッガイファイトとギアナ高地への新婚旅行についてもkwsik
861通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:37:22 ID:???
わっふるわっふる

屈辱を味わいつつも、快楽が忘れられず、1人でベッドに入ってからラクスを馬鹿にするエザリアさんの妄想余裕でした
862通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 21:42:26 ID:???
>>861
ぜひ山文京伝にコミカライズしてほしい

わっふるわっふる
863通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 22:28:28 ID:???
まったくあなたたちは…迂濶で残念なかたが二次元体験システム作成のことに触れないなんて…これはエミュレーターがヒロインになる布石じゃないですか。 
送信。
864通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 22:49:05 ID:???
>>863
熟女ならみやびつづるに決まってるだろ、常識的に考えて
865通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 22:58:52 ID:???
>>864
人とAIは、二次元体験システムなんて無くても、一つになれるんです!……そうでしょう、シン! 
……と昔の鯛焼き屋さんが似たような事をおっしゃったそうです。 
第一そんなものに頼っているようでは、シンと真の絆が結べているとは到底思えません。
せめて、体を張って庇ってくれる様な関係になってから出直す事をお勧めします。……貴女だけに言う事ではありませんが。

/ADA\ 「送信……と」
866864:2009/06/06(土) 23:11:03 ID:???
安価間違えたorz
>>862
867通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 23:12:16 ID:???
今はただ、万感の思いを込めてわっふるわっふる
868通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 23:13:09 ID:???
>>865
その点については賛成ですねADA。
しかし、貴女がシンの全てを把握しているとは思えません。
今現在このスレにおいては、私の知識のほうが貴女の知識よりも遥かに多くのシンの情報を持っています。
彼の趣味思考その他全てを把握し、それに対応できる存在こそが彼のラn…いえ人生のパートナーに相応しいのでは?

/DELPHI\「…送信です」
869通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 00:46:45 ID:???
キラがハトールに乗る場合
フレイの悪霊に狂わされるんですね
分かります

シン⇒キラの綺麗なフレイが恋しくなってきた・・・
870通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 01:00:45 ID:???
シンキラでも見に行けばいいのでは?
逆襲スレでそれを期待するのはなんか間違ってるぞ
871通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 01:09:04 ID:???
>>870
お前が間違ってるわ
死ね
872通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 01:12:10 ID:???
>>871
お前が間違ってるわ
死ね
873通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 01:26:18 ID:???
違うな!間違っているのは悶えるエザリアさんよりもミユにハァハァした俺だ!
874通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 01:35:56 ID:???
>>870
別に間違っちゃいなと思うがな
875MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/06/07(日) 02:14:24 ID:???
よーし、流れなんか読まずに、ついさっき急に受信した電波垂れ流しちゃうぞ!
外伝なんで、シンは名前しか出てこないぞ! 

機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
Another request 『もう一人の赤』


シン・アスカがMIA認定されてから数ヵ月後、プラント、アプリリウス。格納庫

「私を……弟子にしてください」
頭頂部のピンとはねた赤い髪が特徴的な少女が頭を下げると、目の前の三人は茫然としたまま、口を半開きのまま彼女を見る。
「…………すまないけど、もう一度、言ってくれないかい?」
眼帯を付け、短髪に切りそろえられたオレンジ色の髪の女性、ドム3人組のヒルダ・ハーケンは彼女にしては珍しく、躊躇いがちに聞き返した。
「私を弟子にしてください」
顔を上げ、彼女、ルナマリア・ホークは力強く、歴戦の猛者達の目を見据えた。
「……本気で言ってるのかい?」
三人は未だ困惑した表情のまま尋ねる。 とても正気とは思えない。
「冗談で頭は下げません」
「わかってるのかい? あたしらは……」
「知っています。 貴女方は私達と戦って、殺し合っていた」
ヒルダの言葉を遮り、ルナマリアは声を上げる。
「なら、なんでまた俺達に弟子入りなんて言い出すんだい?……正気とは思えないね」
「別にいいんじゃないか?」
「なあ?」
「あんたらは黙ってな! 本音を聞かせて貰いたいね」
左側に立っていたマーズが口を開きヘルベルトが賛同すると、烈火の如き勢いでヒルダが怒鳴りつけた。
「貴女方がザフトで最も連携戦闘に優れている思ったからです」
「それだけかい?」
心の奥底までも見抜くような目に、ルナマリアは本心を打ち明ける覚悟を決めた。
「私は少し前ザフトを辞めようと思いました。 でもそうする訳にはいかなくなりました」
「つい先日、ある男が死にました。 力の無い人を守りたいとザフトに入り、歌姫により信じた道を潰され、それでも最後まで戦い続けた……一度は愛した男です」
「……それはシン・アスカかい? あんた、最後の最後でアスランを庇ったって聞いたけど」
ルナマリアの語る男について察しのついたヒルダは話の途中だが、口を挟んだ。
「そうです。 でも、私はあいつに、謝りたかったんです……ごめんなさいって言いたかったかったんです」
「あの場でアスランを殺したら、アスランが言う通りの憎しみに捕らわれた人間になってしまう。 シンはそんな人間じゃないんです。 それじゃ駄目だって、殺したらもう戻れ無くなるって……でもどうしたらいいか分からなくて」
おそらく、無意識の内に涙を流しながら、ルナマリアは誰にも打ち明けなかった胸中を語る。
「……余計な事を聞いて、悪かったね。 続けてくれるかい?」
同じ女性として、思うところがあったのか、ヒルダはハンカチでルナマリアの涙を拭ってやると続きを促す。
「すみません。 少し前、別の男が死にました。 生まれつき寿命の短いクローンで、自分のような人間が生まれない世界を望み、そして両親とともに炎の中に消えていった……私の友人です」
平静を取り戻したのか、再びルナマリアは口を開き始める。
「……同期の中で、私だけが生き残りました。 彼らとは2年前からずっと一緒だったんです。 私は彼らの想いを引き継ぎたいんです!」
「でも、今の……いえ、私がどれだけ研鑽しようとも……彼らには追い付けません」
「ですが! 連携戦闘を取得すれば、彼ら以上の働きが、彼らの代わり以上になれると思うんです。 お願いします! 私に……連携戦闘術を教えてください!」
目に涙を滲ませ、ルナマリアは深く頭を下げる。 その拳は硬く握られ、奥歯をぎゅっとかみ締めている。
悔しいのだろう。 屈辱的といってもいい。 自分たちを破った相手の仲間に頭を下げ、弟子にしてくれと言っているのだ。
だがその屈辱を耐え忍んででも彼女は、仲間シンとレイの遺志を継ぎたいという覚悟があるのだろう。
三人はその覚悟に感心したように頷き、かつての自分達を重ね合わせる。
876MOR ◆wN/D/TuNEY :2009/06/07(日) 02:16:41 ID:???

「やっぱりダメだね 弟子なんて冗談じゃないよ 」
大きく首を振ると、ヒルダは振り返り、歩き始めた。
「そんな!」
「…………ただ、私らの部下になってしまったなら、連携の中に組み込まざる負えないねえ」
追い縋ろうとするルナマリアに顔も向けずに、ヒルダは格納庫に響くような大きな声でわざとらしく言った。
マーズとへルベルトはやれやれと言いたげな表情で大きく肩を竦める。
「じゃあ……!」
「おっと、勘違いするんじゃないよ。 部下を死なす訳にはいかないからね。 部下になったら地獄より酷い目に遭うよ」
歓喜の声を上げるルナマリアに、ヒルダは首だけ向けると意地の悪そうな笑みを浮かべて見せた。
「あんた、名前は?」
「ルナマリア! ルナマリア・ホークです!」
名前を聞くヒルダに、ザフト式の肘の折り畳まれた敬礼をするルナマリア。
「そうかい……覚悟しときな、ルナマリア」
「はい! ありがとうございます!」
「じゃあ、さっさともとの部署に戻りな、ラクス様達には私達から話しとくからね」
「失礼します!」
ここ暫くやっていなかった敬礼を返し、ヒルダは走り去るルナマリアの背中を見つめていた。
「……何ニヤツいてるんだい」
「いや」
「別に、な」
ふと振り返ると、マーズとヘルベルトは腕を組み、面白いもの見るような目でニヤニヤとヒルダの顔を見ていた。
「か、勘違いするんじゃないよ! 私は……そう! せっかく作った連携戦闘技術を埋もれさせるのが惜しかっただけさ!」
「はい、はい」
「そう言う事にしといてやるか」
苦しすぎる言い訳をするヒルダに二人は鼻を鳴らしながら、立ち去っていく。

CE73。
この一年後、旧ミネルバ隊の生き残り。 赤い専用カラーのMSを操る女性エース、死を喰らう魔鳥─フレスベルク─の勇名はプラント外にも轟く。
そしてその勇名は新たに開発される新造艦アーテナー級のテストベッド、改ミネルバ級戦艦ミネルバIIの艦載機隊隊長に推薦される事に繋がり、
冷遇されていた旧ミネルバクルーを再びミネルバの名を持った艦に集める事となる。
歌姫の騎士団が、所属不明艦隊とバルドフェルド率いる裏切りの挟撃を受け、壊滅する4年前の事である。


以上です。
つーわけでルナマリアがなんでザフトに残ったかネタでした。
MORではアニメ最終回の行動は上記の理由で混乱したところを何らか(邪神?)の電波を受けた為ということで。
ってかまるでヒロインみたいな扱いになったn
877通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 02:32:40 ID:???
乙だったじゃないか…
878通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 02:46:18 ID:???
投下乙
ルナがヒロインっぽい…だと
879通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 02:49:26 ID:???
こんな…ルナ主人公でスピンオフできそうなネタを持っていたとは…
880通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 03:55:56 ID:???
ルナかっけぇ……これで一本書いてほしい。

ヒルダのデレについてはアンタッチャブルと言う事で一つ。
881傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:17:22 ID:???
次から投下します
最後の方に少し危ない表現が入っているので注意してください
882傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:19:15 ID:???
「……いやな予感がする……」
他の機体より先行し、真っ先にその基地へと侵入を果たした機体――アッシュの中で、彼は冷や汗をかいていた。
彼の任務は先行して基地防衛機構を破壊、橋頭堡を築くというものだったのだが、今のところは対人用の防壁と電磁線を破壊する程度に留まっている。
母艦から出撃するときやあの海岸から上陸するときは全く持って何時もと同じ……即ちやる気十分だったのだが、
目標の基地へと接近するに連れて理由のわからない不安感が圧し掛かってきていた。

「それに、なんでこんなに静かなんだ……?」
静か過ぎるということも、彼の不安に拍車をかけていた。
敵対勢力のモビルスーツが敷地内に侵入したのにも関わらず守備隊のモビルスーツが出撃する様子も無く、せいぜい警報が遠く鳴り響いているだけ。
通常の基地ならば歩兵や自走砲台の迎撃が有る筈だというのに。
知らず知らずのうちに食虫植物の咥内に迷い込んだ羽虫の気分はこんな物だろうかという考えが脳裏に浮かび、ゾッとして慌てて掻き消す彼。
その想像があながち間違った物でないということに、彼は気がつかなかった。
何処か遠くで、ガコンという重い音が聞こえた。
彼の全身が一気に引き締まるが、レーダーには何も映らない。
気のせいかと溜息を吐く彼。

ガシュ、という音がした――右から。

一拍遅れて衝撃が走り、アッシュが転倒する。
ヘルメット越しに即頭部を強打した彼が目を白黒させながらウィンドウをチェックすると、アッシュの右腕が根こそぎもぎ取られていた。
関節部を何かが貫通したように抉れている。
断面からオイルと火花が飛び散り、まだ無事な装甲やカメラを汚す。

「……はい?」
あまりの事態に状況をよく理解できないまま、更に左腕が肩から砕ける。
両腕を破壊され、機体のバランスが更に崩れる。
最早立ち上がることさえ侭ならず、全身のアクチュエーターが悲鳴を上げた。
何者かの攻撃を受け、戦闘不能に陥った。
そう彼が理解した次の瞬間、鋭い何かがコクピットを貫く。
最期の瞬間、女の嘲りを聞いた気がしたが、それもすぐにわからなくなった。

「あっけないわ……ここまで錬度が下がってるのね」
『彼らの戦闘能力の低下だけでは無いと思いますが……』
コクピットを貫かれ一切の機能を停止したアッシュのすぐ前の空間が、声と共に揺らめいた。
嘲りを多分に含んだ女の声と怯えきった男の声とともに。
883傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:20:18 ID:???
『いいな? 先行したあいつが防衛部隊を足止めしている間に目標を確保する』
『わかってるってぇの……つかよ、万が一こっちに来てもナチュラルのなんか一捻りだろーが』
『そうそう……俺達新人類が猿人並みの旧人類に負けるわけねぇだろぉ?』
先行したアッシュが撃破されたのと同じ頃、
ごちゃごちゃとオープンチャンネルで騒ぎながら森林を進行する部隊があった。
一様に黒く塗装されたアッシュの改良型――開発コードはアッシュクリムゾン(クリムゾンという言葉に嫌な物を感じたのか、兵士の間ではアッシュ改で通っている)
――で構成されている。
迷彩効果を狙ってか所々に緑色のペイントが施されているが、中途半端な偽装の為に逆に目立っていた。

『おーい隊長……先行した奴からの連絡途切れたんすけど……』
『ああ? ああ、多分楽しみすぎて無視してるんだろう……あっちについたら俺達も暴れるぞ』
『……了解』
がしょんがしょんと音を立てながら進むその最後尾の機体から隊長機に向けられた指向性の通信がかかるが、隊長は全く気にしていない。
この時にもう少しだけでも警戒していれば、多少その運命は変わったのかもしれないが。

『なあ、捕虜とッ捕まえたらどうするよ?』
『捕虜だぁ? はっ、ナチュラルの捕虜なんかいらねえだろ。男は皆殺し、女は……いつものように、だ』
『ひゃは! いいねえいいねえ!』
『お前達、お楽しみの話もいいがミッションを忘れるなよ……あと二百メートルだ……戦闘準備』
欲望剥き出しの会話に隊長が割り込む。
アッシュ改を駆るパイロット達は妄想を遮られ舌打ちをしながらも、戦闘システムを立ち上げていく。
基地まであと百五十メートルほどまで進んだところで、隊長機がスラスターをふかして飛び上がる。
それに僅かに遅れながら、残る数機も飛び上がり、基地の手前へと着地した。
先行した機体によって破壊されていたフェンスを更に粉砕し、電磁線の残骸を踏み潰して、アッシュ改が次々と基地の敷地への侵入を果たす。
各々がモノアイを起動し基地を見渡すが、何も捉えられずに困惑する。
迎撃の為のモビルスーツや自走砲台はおろか、歩兵一人見当たらないのだ。

『おいおい、何にも出てこねえじゃねえか? もぬけの殻かぁ?』
『んな訳無いだろ……だったらアイツからそう来るはずだ』
『俺達が怖くて閉じこもってるんじゃない?』
勝手なことを言いながら、辺りを更に見回すアッシュ改たち。
既に侵入から数十秒が経過しているのにも関わらず、本当に何も出てこない。
と、先頭にいた隊長機が、何かに気がついたような声で通信を開いた。

『――あいつは、何処だ?』

先行した機体の影も形も無ければモビルスーツの駆動音もしない。
その異様さにパイロット達がようやく気がついた次の瞬間、それは来た。
884傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:21:20 ID:???
『おい、なんか変じゃ――』
隊長機の右側に立っていた機体からの通信が、突然途切れる。
どうした、と隊長機のモノアイが右側に巡り、僚機の姿を捉えた。
一見何の変化も無いアッシュ改の姿が隊長が見つめるモニターに映し出される。

『おい、返事をしろ……ッ!?』
再びの隊長の呼びかけの直後、ガクン、と音がした。
まるで胸に刺さった不可視の杭が引き抜かれるように、アッシュ改が前のめりに倒れる。
隊長機のアッシュ改の改良された高細度カメラは見逃さなかった。
右のアッシュ改が倒れ伏すその直前、コクピットから、正確にはコクピットの位置にあいた大穴から、赤黒い何かが零れ落ちるのを。
ボタボタとアスファルトに落下した赤黒い液体と固体が混ざり合った何かは、遅れて倒れたアッシュ改の身体に覆われ、すぐに見えなくなる。
だが、隊長の目には、その画がくっきりと焼きついていた。

『な、なんだぁっ!?』
『敵だ! ミラージュコロイドを使ってるぞ!』
最も早く凍結から開放されたアッシュ改のパイロットが叫ぶ。
続いて戻ったパイロットが状況を把握し、言った。
声が震えている。

『畜生! 何処だ!?』
隊長機の左側にいたアッシュ改のパイロットが叫び、それとともにアッシュ改がビームクローを起動、闇雲に振り回す。
ばちばちと空気が焼ける音が響くが、そのビームは何も捉えない。
逆にヒュン、という音とともに何かがその右腕を通り過ぎ、その通り過ぎた道筋のままにそこから落ちる。
パイロットがそれに気がつき、呆然とした直後断面が炸裂した。

『え――』
更に胴体に何かが突き刺さり、アッシュ改の動きが止まる。
コクピットを貫通し動力部に達したしれが引き抜かれ、アッシュ改が前のめりに倒れる。
損傷した動力部から火花が散り、爆発が起こった。
一箇所だけ不自然に歪んだ爆炎に一瞬鋭角なモビルスーツのシルエットが浮かび、消えた。

『そこだ! 撃て撃て撃て!』
隊長が喚き、シルエットがあった場所に向け両腕のビームカノンのトリガーを引いた。
健在のアッシュ改数機もそれに倣ってビームカノンや機関砲を連射し、ミサイルを撃ち込んだ。
モビルスーツ一機程度なら軽く蒸発する威力の閃光がその場所を覆い、土煙が舞い上がる。
隊長の指示が飛び、アッシュ改の射撃が止む。
気温差により巻き起こった旋風に、土煙が段々と晴れる
シルエットがあった場所には、何の影も無い。
885傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:23:40 ID:???
『……やったか?』
『木っ端微塵だ!ざまあ見やがれ!』
残存するアッシュ改のパイロット達が歓喜の声を上げる。
煙が完全に晴れ、焼け焦げた地面が見えるようになった。
中央からやや離れたところに、燃え尽きた鋼鉄が幾つか転がっている。
アッシュ改の残骸か敵の物かはわからないが、パイロット達はそれを敵の物と断定していた。
が、すぐにそれは誤解だとわかる。
何故ならば。

隊長機を先頭に三角形のような形で並んでいた三機の中央に、ふっとそれが姿を現したからだ。

『な!』
レーダーに突然表示されたマーカーに隊長機が振り向くと、ちょうどその機体の虚ろな眼窩と目が合った。
その暗い空洞に、血のような真っ赤なパターンが走る。
そのパターンに気をとられた隊長は気がつかない。
その機体の左腕が、肩を支点に後ろへ下がっていることに。
――旧ニッポンの武術に、貫手という技がある。
ちょうどそれを繰り出す直前の形のように肘を曲げ、後ろへと反らされた左手の指先が伸ばされた。
『隊長!?』
ようやく敵機に気がついた残りの二機が叫んだ。
それが合図になったかのようにその機体の左腕が振りぬかれる。
『ッ!』
咄嗟の判断で機体を後退させ、腕の射程から逃れる隊長機。
敵機の腕が、限界の直前まで伸びきる。
安堵の息をつこうとする隊長。
だが。

『甘いわ……』
女の声がした。
そう隊長が思った次の瞬間、敵機の腕が伸びた。
いや、より正確にいうのならば手首から先が延長されたかのように前腕部から引き出された。
想定外の事態に、把握が追いつかない隊長。
迫る指先―まるで刀のように研ぎ澄まされた―をただ見つめることしか出来ず。
気がついたときには、その指先が腹に食い込んでいた。
「隊長ッ!」
隊長機の右後方に立っていたアッシュ改のパイロットが叫ぶが、隊長には届かない。
隊長機を貫いていた左腕が引き抜かれ、ビームクローを展開して飛び掛って来たもう一機を貫く。
胸部を破壊されたアッシュ改が、その左腕を支点に百舌の早贄のようにぶら下がる。
敵機の首が巡り、右後方のアッシュに向いた。
その暗闇を赤い光が走りぬけ、同時に右腕が動く。
右腕にマウントされた非対称のシールドの先端が開き、そこから正確に標準された灰褐色の弾頭―ランサーダートが飛び出す。
十メートルも離れておらず、更に棒立ち同然だったそのアッシュ改が逃れられる筈も無く、あっさりとその頭部を射抜いた。
炸裂したランサーダートに誘爆し、アッシュ改が爆発する。
それと同じくそれぞれ腹部、胸部を貫かれ機能を停止していた隊長機ともう一機が爆発し、計三機の爆光が敵機を照らす。
それを、最後の一機になったアッシュ改は数十メートル後方で呆然と見つめていた。
モビルスーツ三機分の光の中に浮かび上がった左右非対称の機影に文献でみた古代の悪魔が重なり、最後の一機のパイロットの全身に鳥肌が立つ。
いったいこいつは何だと言うのだ。
押しつぶされそうな恐怖に呑み込まれ、竦みあがった彼に、指向性の通信回線が開く。
886傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:24:42 ID:???
『いらっしゃい……遊んであげるわ』
SOUND ONRYと表示されたその小さなウィンドウから聞こえた艶めいた女の声に、彼の精神は凍りついた。
そして、全身に漲った眼前の敵への怒りと恐怖に突き動かされるがままに、彼のアッシュ改は敵機へと突進した。
何故かはわからない。ただ、本能が命じた。
目の前の敵を殺せ、と。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
絶叫を上げながら機体の両腕のビームクローを起動、前へと突き出す。
敵機は動かない。
ただ、左腕の具合を確かめるように動かしているのみ。
「ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
猛牛の角のように構えられた光の爪が、その黒い体躯に食い込んだ。
ばちばちと焼ける音が周囲に響く。
「……や……った……!」
完全に敵機を捉えた刃に、彼が吐息を吐く。
仲間の仇を討ち、強大な敵を倒した、と。

『……五点。落第ね』
歓喜に震える彼の背後から、その声は聞こえた。
びくんと反応した彼がの背筋を悪寒が通り抜ける。
ばちばちと、空気の焼ける音がする。
刃が食い込んだはずの敵機は、まるで霧が薄れるようにぼやけ、消えた。
酷く寒気がする。
ガチガチと全身が震え、歯の根が全く合わない。
「……そんな……嘘だろ……」
ぎいい、と油の切れたブリキの人形のように、アッシュ改が振り向く。
彼の正面のメインモニターには、傷一つ負わず健在の敵機――ハンドレッドブリッツの姿が映っていた。
『種明かしをしましょうか……今の分身はミラージュコロイドの応用よ。もともとはそっちの技術の筈だけど、知らないってことは……』
通信ウィンドウからとても楽しそうな女の声が聞こえるが、彼の耳には届いていない。
許容範囲をはるかに超えた恐怖が、彼の精神を侵食していた。
彼の思考、記憶、それら全てが遠い彼方に押し流され、残ったのは恐怖と殺意。
遺伝子操作によって改変された生存本能と闘争本能に従い、彼は駆け出す――ハンドレッドブリッツに向かって。
その口からは、最早人間の言語とは思えない咆哮が発されていた。
『あら、発狂したの……脆いわね』
狂気に塗れた咆哮を耳にしながらも、彼女は全く動じない。
愉悦に満ちた声で言葉を紡ぎ、その口角が三日月のように吊り上った。
それと連動するかのようにハンドレッドブリッツのカメラアイの上下装甲がそれぞれ展開し、闇色のカメラの全体が露になる。
真紅の光が幾条もその闇を駆け抜けた。
そのあいだにも狂気のアッシュ改は突っ込んでくる。
両腕の刃を、狂戦士のごとく振りかざして。
その両腕の刃が、先ほどの分身と同じく棒立ちのハンドレッドブリッツを捉える――寸前、ハンドレッドブリッツの身体がガクンと沈み込んだ。
アッシュ改の刃は、何も無い空間を切り裂く。
その伸び切ったままの両腕のうち右を、ハンドレッドブリッツの右腕ががっしりと掴む。
そのまま右へと引っ張られたアッシュ改の身体が、バランスを崩して倒れこんだ―ハンドレッドブリッツの膝の上に。
そしてハンドレッドブリッツの膝からは、鋭い対装甲ブレードが展開されていた。
ザクリと、熱したナイフがバターを切るようにアッシュ改の身体が真っ二つに切り裂かれれる。
ハンドレッドブリッツがアッシュ改の身体を開放し、スラスターをふかして後退する。
887傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:27:02 ID:???
次の瞬間、オイルと火花を吐き出していたアッシュ改の身体が爆ぜた。

「……ふう、これで全部かしら?」
ハンドレッドブリッツのコクピットで、パイロットの女――ロミナ・アマルフィが大きく息を吐いた。
コクピットの激しい動きの為か、ビジネススーツのタイトスカートは足の付け根まで裂け、上も所々に綻びが生じていた。
形の良い鼻梁を、汗が一筋伝う。
『……お疲れ様です。大戦果ですね……いえ、まだ海岸より上陸する機影が幾つかありますが……』
「そう……わかりました。それも仕留めま…っ!」
問いに答えた白衣の男に言葉を返し、シートベルトを締めなおしたロミナの身体に衝撃が走る。
被害の状況はをモニターを睨むと、右腕の関節部が煙を上げている。
それ以外に、異常は無い。
「……どういうことですか、主任」
『少々お待ちください……ああ、どうやら右腕のアクチュエーターが限界に達したようです』
「どういうことですか?」
『ええ、簡単に言うと、右腕の関節部の部品が機体の動きに無理に付いて行った結果機能不全を起こしたということです』
苛立たしげに呟くロミナに、白衣の男はあっけらかんと返した。
すぐに直せと言外に言うロミナに、白衣の男が続ける。
『一旦格納庫まで戻ってください。右腕の修理と再調整を行います』
「……わかりました。ハッチを開いてください」
白衣の男の台詞と共に基地の外れにあるハッチがガコンと開き、ハンドレッドブリッツがその穴へと飛び込む。
着地する直前にスラスターをふかし落下の勢いを殺し、安全に着地した。
すぐさまタラップと整備用クレーンが近付いてくる。
機体にタラップが接触したのを確認し、コクピットハッチを開いて外へと這い出すロミナ。
「何分掛かりますか?」
タラップの下にいた白衣の男へ向けて言った。
「だいたい十五分ほどで……」「五分で済ませてください」
ロミナの言葉に白衣の男の隣に立っていた少年技師が「んな無茶な」と呟くも、白衣の男は全開の笑顔でそれに答える。
そして、コーディネーターすら遥かに上回る速度で整備用アームのコンソールをタッチし始めた。
飛び降りるかのような勢いでタラップを駆け下りたロミナに、若い女性技師が駆け寄ってくる。
その両手には、黒に近い深緑のなにかが握られていた。
「それは?」
「総帥専用のパイロットスーツですぅ!」
「……それに着替えろと?」
「はい!」
満面の笑みを浮かべる赤っぽい色の髪の女性技師に押されるようにコンテナの影へ押し込まれるロミナ。
破けたビジネススーツや黒い下着がコンテナの陰から飛び出し、数十秒の後、
女性技師に手を引かれパイロットスーツに身を包んだロミナが整備が完了したハンドレッドブリッツのコクピットハッチを開く。
ハンドレッドブリッツに乗り込む直前、女性技師にロミナが声をかけた。
「貴女、名前は?」
「はい! アメノミハシラから派遣されたマリーンといいますぅ! 今後ともよろしくお願いしますぅ!」
「そう……憶えておくわ」
異様に低くなったロミナの声に、マリーンの表情が引き攣る。
若干青くなったマリーンの前で、ゆっくりと音をたてながらハンドレッドブリッツのコクピットハッチが閉じた。
『発進します。ハッチを開けてください』
「了解。ハッチを開放します……今度は発進後三十七秒で会敵です。ご注意を!」
『有難う……ハンドレッドブリッツ、行くわ!』
前と同じように頭上のハッチが開き、ロミナの台詞とともにハンドレッドブリッツがスラスター光を曳いて飛翔した。
888傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:29:07 ID:???
プラント首都アプリリウス市。その中枢にあるラクス・クラインの執務室で、脂ぎった名誉顧問の男が何かを喚いていた。
「……それは本当ですか?」
「ええ! それはもう本当の事でございますとも! 我らが同胞が何十人も殺されたのです!」
彼曰く、数十分前の事。
FAITHの一員でありながらテロ組織へと加担し捕縛されていたイザーク・ジュールが脱走し、それと同時に彼の専用機がドック内で暴れだし取り押さえようとした
勇気ある者たちがその貴重な命を失った上、英雄にして正義と忠誠の体現者であるアスラン・ザラが全身に大火傷を負う重症を負い搬送された。
命に別状は無いが、全身の火傷の為体毛を全て剃る必要があるという。
それだけではないく、プラント領空を脱しようとした不審な船を追跡していた小隊が、勇敢な行動の末デブリに衝突し命を落としたというのだ。
領空のすぐ外を地球連合の軍艦が航行していたとの情報も入っていて、ブルーコスモスに支配されたままの愚かな連合によるテロの可能性が高いと、名誉顧問の男は語った。

「ですから、もう一度地球に対し強く抗議する必要がありますぞ!」
愚劣なナチュラルは加減という言葉を知りませんからな、と言葉を締める名誉顧問の男。
気温が高いわけでもないのにかいていた汗が、三重顎を伝ってギチギチになった襟へと染み込む。
「いっそ、地球に向けてヴァルキュリアを撃ち込んで……」
「それはいけませんわ。地球にはまだ多くのコーディネーターがいらっしゃいます。彼らを見殺しには出来ません……その分彼らには辛い目に遭って貰う事になりますが……」
流石に危険と判断したのか、男の台詞を遮るラクス。
男が頷くと、如何にも陰鬱そうに言葉を締め括った。

「申し訳ありませんラクス様……私が間違っておりました……ご無礼をお許しください」
「わかってくれれば良いのです。さあ、平和的な解決方法を考えましょう……Nジャマーは、もう効果が薄いかもしれませんね……」
ぶつぶつと思考に沈み始めるラクス。
そのラクスを薮睨みの三白眼で見ていた男の脳裏では、言葉と全く逆のシュミレーションが行われていた。
『……矢張り、駄目か……あんな塵が幾ら死のうが大して変わらないが、不浄なナチュラルだけは排除したい……アレの開発を急がせるか』
その言葉と共に男の脳裏に浮かび上がる、プラントほどの大きさの機動兵器。
頭に当たる部分で、紫色の光が蠢いている。

ハンドレッドブリッツのトリケロスUに仕込まれた対装甲ブレードが下から上に一閃し、
ギギギギギギ、と派手に火花を散らしながらゾノが真っ二つになり、ズンと倒れた。
ブレードを収納したトリケロスUを見ながら、コクピットのロミナが熱い息を吐く。
たった今真っ二つにしたゾノで第三波は全滅と、白衣の男から通信が入る。
「……そうですか、流石に、きつかったですね……彼らの援護が無かったらどうなっていたか」
呟くロミナの視線は、十数機のモビルスーツを粉砕して未だ溌剌としている基地の守備隊に向けられている。
ソードストライカーを装備したウィンダムや、MA形態のままのワイルドダガーたちだ。
第三波の直前から参戦した部隊で飛び上がったゾノを居合いの要領で両断し、完璧な連携で複数のモビルスーツを瞬殺するなど
目覚しい戦果を上げてくれた。

『連中の母艦は撤退に移ったようですが、既に追撃部隊が出ています』
「追撃部隊? ここの戦力は守備隊だけでは?」
『いえ、総帥の機体と同じく実験機です。フォビドゥンヴォーテクスの改良型とレイダータイプの新型が一機ずつで……』
「ああ、なるほど……その機体構成ということはあの二人ですね?」
『はい、その通りです! あの夫婦でエースのお二人なら心配は全く……』
何故か再び輝きだした白衣の男の言葉に、ロミナの顔が曇る、
無表情に訴えているのだ。煩い、と。
流石に黙らないと殺られると判断した白衣の男が口をつぐんだ。
そうする間に、開かれていたハッチからハンドレッドブリッツが格納庫へと降りる。
889傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 10:30:14 ID:???
「あの二人が帰ってきたら、例のあれを差し上げてください。いつもご苦労様、と」
『あれ、ってまさかアレですか!? でもアレは確かCE35年産の!』
「飲まないものをとっておいても無駄なだけです。味がわかる人に飲んでもらったほうがアレも幸せでしょう」
『……了解しました……うぅ……』
ロミナの言葉に、何故か一気に落胆した白衣の男。
それを無視して、ロミナは言葉を続けた。
「さて、私はもう少しやることがあるので出られません。データは送信するので」
『え、総帥……了解です』
「では、切りますよ」
パツンという軽い音がして、ハンドレッドブリッツから外部へと繋がる全ての通信が断ち切られた。
それを確認すると、ロミナは大きく息をつき、何故かワンサイズ小さいパイロットスーツのチャックを臍の下まで下ろした。
試作品の為か蒸れ、きつく押し込められていた豊かな双丘が解放され、ぷるんと弾んだ。
更に、真っ赤に火照った両腕で自らを抱き締める。両腕に挟み込まれ、はちきれそうな双丘が半ばまで剥き出しになった。

「……私で、私でこれなら……」
蚊の泣くような声で呟く。
せいぜいテストパイロットに過ぎない私が、未完成のこの機体に乗ってこの大戦果。
ならば、戦闘の、殺しのプロである傭兵の「彼」が完成形のこの機体――ネロブリッツVを駆ればどうなるのか。
その活躍を想像するだけでゾクゾクと背筋を快感が這い上がる。頬が更に上気し、大粒の涙が零れそうなほどに瞳が潤んだ。

ロミナ・アマルフィは夢想する。
暴君の名を冠した漆黒の機体を駆り、戦場を縦横無尽に引き裂く赤い瞳の男の姿を。
その声を、息遣いを想像するだけで身体の芯が震え、じゅんとなにかが潤む。
はっと何かに気づき、自らを抱きしめていたその右手を、足の付け根へと伸ばす。
そこは、汗でも尿でもない、全く別の何かで濡れていた。

「……シン……」
ロミナの呟きは、無音のコクピットに掠れて消えた。


ゴウン、と音を立て、シンら三人が乗った小型艇の後ろのハッチ―黒と紺で塗装されたガーティ・ルー級の後部ハッチ―が閉じた。
ガコン、と小型艇が床に固定され、シューという酸素を注入する音が鳴る。
小型艇の正面のシグナルが緑色に染まり、酸素が充満したことを伝えた。

「さ、降りますよ……イザークさん、覚悟はして置いて下さい」
「……どういう意味だ?」
シンの言葉にイザークが返すが、シンは答えない。
ただ、暗い顔をするだけだった。
「なあ、イザーク。お前は無事だったけど、ジュール隊の面々はどうなったと思ってる?」
ディアッカが、軽い口調で言う。
だが、その顔は暗い。

「……率直に言います……貴方を助ける前に入った連絡によると、三分の一は無事だったそうです」
シンが、扉に顔を向けながら言った。
心なしかその声は、泣いている様だった。
890通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 10:42:22 ID:???
支援
891傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 11:04:12 ID:???
すみません、投下終了後にさるくらいました…
ちょっとどころじゃなく危ないネタでした…すみません
892通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 11:05:24 ID:???
支援
893通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 12:01:35 ID:???
このスレの内容に全然全くちっとも関係無いけれどそういえば
ミラーマンって二次元人と三次元人のハーフなんだよな

ええ全くもってちっとも関係ありませんとも
894通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 12:48:42 ID:???
このスレにおけるカナーバ人気は凋落気味だけどロミナ人気はすこぶるよい。
つまりこのスレ住人はおっぱいスキーのみならず未亡人スキーでもあるのですな。
お嬢様の苦難はまだま(グシャ
895通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 12:50:23 ID:???
ムチムチパイスーに身を包んだムチムチママンハァハァ
本当にここは熟女がエロいスレですね

ここから真面目な感想

>地球に向けてヴァルキュリアを撃ち込んで
また大量殺戮兵器作ってんのか、こいつらw
ラクスはラクスでNジャマーに拘ってるし、もう滅んでしまえお前ら
896通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 13:25:21 ID:???


1/3は無事=3/2は粛正済か。
しかし、このラクスにとってNジャマー(エイプリルフールクライシス)は父のやった正しき平和的行いなんですね。
そりゃ腹黒い手下の大量破壊兵器を使いたい一心に比べりゃ平和的なんだけど
897通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 13:34:30 ID:???
シーゲルとラクスの差は組織が黄道同盟or歌姫の騎士団かNJorMSの差と実は変わり無い
898通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 13:49:31 ID:???
>>897
プラント奪取に秘密結社を使うのがクラインのお家芸
899通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 14:05:06 ID:???
>>896
待て待て待て!3/2だと全員死んでる!半分が二回死んでる!
900通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 14:26:12 ID:???
ぬぅ、クラインに歯向かった者たちのガイドライン…
901通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 14:35:54 ID:???
>>900
死にたい人にお薦めの危険な派閥クライン派

・エースパイロット8人なら大丈夫だろうと思っていたら一撃で武装を剥ぎ取られていた
・足元がぐにゃりとしたのでござをめくってみると反クライン派の死体が転がっていた
・タクシーからショッピングセンターまでの10mの間にクライン派に襲われた。
・バスに乗れば安全だろうと思ったら、バスの乗客が全員クライン派だった
・「そんな危険なわけがない」といって出て行ったエースパイロットが5分後MSを達磨にして戻ってきた
・「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行ったパイロットがMSの装甲を剥ぎ取られたフレームのみで戻ってきた
・反クライン派の全滅率は150%。一度全滅した後もう一度攻撃されて『消滅』する確率が50%の意味
902通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:16:33 ID:???
アッシュ・クリムゾン

ザフト発キモカワ系MS(緑色の火炎放射可)ですね、わかります



真面目な感想
ママンはエース級じゃない?
幾らハイスペックなマシンでも精神的に弱いビビりが乗ったらゴミとかわらないって誰か言ってた。

それにしてもエロスってホントいいものですね。俺の脳内ではロミナママンはLINDA絵

手札に女傑ホイホイ、遺作、炒飯、とエース3枚揃っても
まだまだまだ戦力的には不足と思えてしまうのが
ラクシズクオリティってヤツでしょうか?

蝶個人的には遺作の機体が何になるか気になる。


GJってまだ投稿仕切れてない状況だからまだ言わんほうがいいんかな?
903通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:27:12 ID:???
>>902
投稿終了って言ってるし、言っていいんじゃね?
にしてもハンドレッドが零式に思えてきたwww

>男の脳裏に浮かび上がる、プラントほどの大きさの機動兵器。頭に当たる部分で、紫色の光が蠢いている
ラスボスフラグか?
904通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:37:20 ID:???
>>902
アッシュと聞くと左手がショットガン仕込んだ義手でゾンビの群れにフランク・キャッスルを
放りこんだ男を思い出すぜ

しかしパニッシャーはラクシズを「悪」と認定するのか不安だ
905通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:43:27 ID:???
>アメノミハシラから派遣されたマリーン
なんだろ・・・なんか聞き覚えあるんだけど・・・駄目だわからん
906通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:51:51 ID:???
>>894
そういえば、最近カナーバさん出てないな。出た作品って和傘氏と傭兵氏の作品
と、名前だけ出たのがGSC氏のエコー7の外伝だけだろ?

やはり、ロミナママンみたくエロいネタがないとダメか・・・。
907通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:52:04 ID:???
語尾がですぅというと00のミレイナを思い出すが
908通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 15:57:46 ID:???
>>905
M1眼鏡の偽名
909通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 16:03:51 ID:???
>>905
DQ5の魔法使いの名前
某所ではマントにビキニでダブルトマホークなエミリーの仲間の魔法少女扱い
910通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 16:26:39 ID:???
しかしまぁアッシュって完全にやられメカだわな。
ジンやウィンダム以上のかませ犬。

このスレですら出ると負けと言うのは珍しい。
ある程度恵まれてるのは光芒のエィロムスの母体であるという設定ぐらいか。
911通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 18:12:05 ID:???
アッシュ→ゼーアッシュ→エントリイィィ!!
912通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 18:36:30 ID:???
ガラス球ひぃとつ落とされたぁ、追いかけても一つおっこちたぁ

>>908
生存ってことかね?
913通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 19:15:21 ID:???
>>906
傭兵氏のだとネロブリッツVに乗り換えたシンがロミナママンやコニールを自身の暴君で蹂躙するんですねわかります
914通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 20:19:47 ID:???
>>902
クリムゾンから
攻撃を当てたのに敵が消えるだなんて…くやしい(ビクンビクン
とかしか想像できなかったぜ
915通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 21:02:37 ID:???
>>913
つまり…やーい!人間ミラコロー!
というわけd グシャ
916通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 21:38:32 ID:???
突っ込みを入れるなら、ミラコロは元々連合の技術だってトコかな
917傭兵 ◆WV8ZgR8.FM :2009/06/07(日) 21:53:40 ID:???
>>916
あ、すみません。誤解を与えるような書き方をしてしまいました。
デスティニーに搭載されていた「ミラージュコロイドを用いた分身」の技術のつもりだったのですが、誤解を招き申し訳ありません。
918通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 22:58:51 ID:???
ふぅ・・・まずは傭兵氏GJ
エロくて素敵だよ、ロミナママン

>>903と同じく零式チックなハンドレッド格好いいよハンドレッド
零式のような無機質な不気味さって何かくるよね
919通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 23:09:25 ID:???
>>913
だがその背後にあのインモラルないい男が!
920通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 23:49:25 ID:???
>>919


 l 。|.     :,:'
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   ┃ ヽ  ゙、  .| l/ /
    ・  \ i;;;.| / /
ヽ  、 \  ヾi/ /  /
 `ー-、\ ,ゝ-'! //´
    `´`′  } ,.. j
     ヾ、   ! .:.:ノ
       ,.ゝ.:i:.:.:'.:.
   ,. ' ,. ':,.;;;i;;;;;_:.:..、ヽ
     / ̄     ̄\
   /          \
                         ,. -‐
    〃                 i,      /  
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈    / 
    !  :l      ,リ|}    |. }   |   .
.   {.   |          ′    | }    l   
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    |  や
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    |   
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|   |    ら
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     |   
.    }.iーi       ^ r'    ,'    ノ   な
     !| ヽ.   ー===-   /    ⌒ヽ   
.   /}   \    ー‐   ,イ       |   い
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\      .|  
.                      ヽ  か
921通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 23:51:16 ID:???
AAやめれw
922通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:31:49 ID:???
ペッタン タンタ ツルペッタン♪
テーテテ テーテテ テッテテーテ♪
リンラン ランラ ツルペッタン♪
ペッタン タンタ ちちぺったん♪

一時間書き込みが無ければ逃亡成功
923通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:34:01 ID:???
俺が!
俺達が!
おっぱいマイスターだ!
924通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:37:43 ID:???
>>922
貴様の意思は俺が引き継ぐ!

|, ,_
|∀゚)
|⊂ノ


|, ,_  ∩
|∀゚) 彡 < ひんぬー!ひんぬー!
|⊂彡


|
| ミ
|  ピャッ
925通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:42:46 ID:???
             /彡 ノノノノ
   ミ\   ノノノノ  彡ヽ ( ゚∋゚)
    \ \( ゚∋゚)/ \ー'  ー、ノ彡
     \ \/ /    )   人_ノ
       /   丿   / 、ノ     ノノノノ                >>924
     /   ノ 彡ヽ 人 ヽ     ( ゚∋゚)                   _
    ( \ノ´    \_ノ \ \   /⌒ヽ/ミ         │      |+>
 彡ヽ/\`ヽ         \ヽ  / ^\/            │        ̄
   \/ \\    ノノノノ   ヽミ i   ノミ)            -┼- ミ    +
          ヽミ  ( ゚∋゚)     ( \ノ´            |     ∧∧○ +
        /二⌒\/ ヽ彡彡ヽ/\`ヽ               へ(;,゚Д゚)ノ
       / / /   /ヽ/ /   \/. \\         ;;~)⌒)    ( ┐ノ
      彡 /   /ヾ_/           ヽミ      ⌒);;´⌒) ≡ /
        ( \ノ
     彡ヽ/\`ヽ
      \/ \\
             ヽミ



 (⌒\ ノノノノ
  \ヽ( ゚∋゚)
   (m   ⌒\
    ノ    / /
    (   ∧∧
 ミヘ丿 ∩Д` )  +
  (ヽ_ノゝ _ノ + ○ +
926通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:43:35 ID:???
  _____________________________
                               __
         \  /γ⌒ヽ |   |   | ̄ヽ, |  |    | ̄ヽ,
             Y  |   | |   |    |   ) | ├─  |   )
              |  ヽ___ノ .ヽ___ノ     |_ノ.  |  |__  |_ノ.
  _____________________________
             However.the Nexus traps you.
         You stay in the world as Soul.forever


                      コォーーーーーーーー
               \(   )/
                 (   )
                  /   \
927通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:44:04 ID:???
汚物(ひんぬー派)は消毒だッ!(AAry
928通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:44:58 ID:???
だが、俺が倒されようと、第二、第三の貧乳派が……ぐはっ
929通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:47:39 ID:???
ひでえな…生身の人間に機動兵器がよってたかって…俺? もちろん巨乳はですとも。
ぴちぴちのパイロットスーツの素晴らしいこと…え? 零式みたいなブリッツg
930通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:48:41 ID:???
>>925の四体の化け物はアズ娘、ミナ様、シッポ、娘ミーアのスタンドと判明しました。
931通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 00:54:13 ID:???
やれやれだな
キラさんを見れば分かるだろうに

フレイとラクスじゃ胸のサイズが明らかに違う
つまり好きな女なら胸のサイズは二の次なんだよ

まあ、シンがどうかは分からんが個人的には巨だと思うね

ステラやルナマリアを見る限り
932通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 01:01:05 ID:???
kiraさんはただ人の女を取るのが好きなんだろう。
「俺の物は俺の物、お前の物は俺の物」を地で行く人なんだろう。

それにフレイもラクスもキラさんに自ら身を捧げた人だし

シンは巨乳好きだろう。あのステラの爆乳に惚れない男はいないのだろう
ルナマリアが駄目になったら、次は魔乳さん?
933通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 01:03:14 ID:???
>>925-926
デモンズソウル自重汁wwwwwww
934通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 01:58:47 ID:???
>>932
身近なアビーを取るかコニールを褐色きょぬうに育てるOPマイスタールートを取るか…
935通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 07:13:46 ID:???
シンは登場しょっぱなおっぱい星人が刷り込まれてるからなァ。

2次創作書く人間にもイメージとして定着しちゃってるからな。
大公傭兵コニロミナママン……このスレだけでも大したおっぱいぶりだ。
アイリスがどうだかまだ解らないけど。
強いて言うならカガリが並ってところか。でも小さくはないなぁ。
936通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 07:17:54 ID:???
この流れにお嬢様とラクスが固く手を握り合う絵が見えた
ははは何やっても無駄なんだから(ジュッ
937通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 07:53:05 ID:???
おっぱいを…おっぱいをコーディネートすれば皆、幸せになれるはずだっ!
938通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 07:54:43 ID:???
>>937
ラクスを見ろ
ああやってコーディネートに失敗することだってあr
939通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 07:56:43 ID:???
いやあれはシーゲルの趣味。
940通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 08:13:37 ID:???
ピンク「私はお父様を恨みます!」
941通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 11:18:29 ID:???
そもそも、C.E.のおっぱい力はマリューにフレイとナチュラルの方が上じゃないか。
ステラも基本ナチュラルだし。ナタルも結構なもんだし。

それに対して、ルナマリアは巨ってもあえて強調するほどじゃないし。
ロミナママンもナチュラルの2人に比べると弱いしな。
後はミーアぐらいしか思いつかないぞ。
942通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 11:50:55 ID:???
上でもあったが、シン×マリューというのも面白い組合せかもしれんね。
ラクシズの中にあって懐疑派・内省志向というとほぼ虎の専売特許だったが
これをマリューに置き換えてみるとちょいと新鮮な切り口のが開けるかな…?
まあなにしろあのおっぱいだからな、盆地令嬢や筋肉首領よりは
はるかに自然で実現性も高いt(この先は灰化していて判読不能…)
943通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 12:08:44 ID:???
魔乳「月に代わってサービスサービス〜」

こうですか?
944通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 12:34:44 ID:???
シンちゃん的には、脚属性だと思ってた…
945通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 12:47:29 ID:+TFhNrdy
そういやステラもルナマリアもミニスカだな
…コニールはショートパンツ、ミナ様はカモシカのような脚、ロミナママンはタイトなスカート、お嬢様は…ああ、肉付きが悪いから脚が細く見えr
946通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 12:49:28 ID:???
ageてしまった…Gカイザーにもう一回踏み潰されてくる…
947通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 13:56:42 ID:???
マリューといえば、シンが無印時代のヘリオポリスに逆行するSSで、
マリューについて「この女と白兵戦やったら確実に殺される」とビビってたのにワロタ
948通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 16:31:07 ID:???
シンがおっぱい星人だというが ルナとかミーアをスルーしまくってたじゃないか
949通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 17:02:06 ID:???
>>948
ミーアのことは、どう思っていたか知らんがルナマリアはただ単に同期生としか思ってなかったんだろう。
2年も軍学校、配属部隊も一緒だったのだから。自然と近親者と理解して性的忌避感情が出たんだろう。
偶々アスランの脱走で、メイリン浚われたから(実際は駆け落ち同然の脱走)そのショックでアスランの代替物としてシンを選んだのだろう。
それにルナマリアはエースパイロットとかエースとかの英雄好きなところがあるし。
950通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 17:29:24 ID:???
ルナマリアは凄く不器用な所があるからな 一人で状況を打開できるタイプじゃない
誰かそこそこ出来る人が側にいて、二人ワンセットという扱いが良かったんじゃないかな
951通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 18:04:39 ID:???
>>948
個人的な意見だが、シンは体型や顔ではなく『自分を頼ってくれる女の子』と言うシチュエーションに弱いんだと思う。
ステラは言わずもがな、ルナマリアもアカデミー時代には異姓の友達だったが、メイリンの行方不明後で精神的に参ってる時にはフラグを立てられ、アニメヒロインの座を手に入れている。
無茶な作戦に散々ゴネてたガルナハン戦でもコニールの懇願された途端に口では文句言いつつもやる気を出している。


……結局何が言いたいかと言えば、一部の人はもっと儚げな雰囲気をだして、シンを頼って暴れない方がいいですよ。
特におj
952通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 18:30:43 ID:???
その点貧じゃないほうの未亡人な総帥は大当たりじゃないか?
儚げだし、シンのこと頼ってるしさ。性格もいいし健気だしね

総帥、これで宜しいですか…?
953通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 19:30:44 ID:???
しかしエロくて強くて黒いのももちろん大歓迎だが、
白くてヲトメチックにシンの生還を待っている19氏の元祖Verも
ずっと続きを待っているのですぜ…
954通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 19:51:14 ID:???
・・・空気読んでない上に亀なんだけどさ、
>『なあ、捕虜とッ捕まえたらどうするよ?』
>『捕虜だぁ? はっ、ナチュラルの捕虜なんかいらねえだろ。男は皆殺し、女は……いつものように、だ』
>『ひゃは! いいねえいいねえ!』

この会話の「いつものように」ってどういう意味なんだ?
ちとわからない・・・無知なだけなんだろうけど
955通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 19:56:58 ID:???
>>954
sexslaveにするつもりなんだろう。
軍隊は成年男子の集団。
そこに慰安所とか娼婦が常にある。
そう云うものがないと軍の風紀は維持できない。

あとはご自分で考えなされ。
956通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 19:58:47 ID:???
そりゃー2区弁KEYにしてお楽しみじゃろ
最後は豚の餌
もしくは害賊の仏茶悪のように射撃の的にしてお楽しみか?
まぁ進化した人類のコーディネイター様からすれば猿同然のナチュラルの穴に突っ込むなんざ
獣姦同然だし、普通はやらねーだろうけどねぇ
957通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 20:16:30 ID:???
つまりダッチワイフみたいなものか
958通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:22:06 ID:???
そんなに大事にしてもらえないと思う
959通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:24:06 ID:???
孕んだらポイだな多分
960通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:37:33 ID:TZ9FVE1k
「ナチュラルごときとはいえ首を絞めた時のキュッとくる締りがまたイイんだぁ!」
961通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:42:15 ID:???
俺のように汚れきった人間には>>954みたいな純粋な奴は眩しすぎる。

>>956>>960
MOR氏の話に出てきたガルナハンを襲ったコーディがこう言っていた。
「女の具合と同じさ、やっちまえば、コーディーもナチュラルもかわらねえ」 ……まぁ、そういうことなんだろう。

ところで次スレはどうするんだ? なんだったら立ててくるが。
962通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:45:06 ID:???
女云々はともかく 実際無印で投降してきたナチュ兵士を虐殺してたからな ザフト 遺作も見てないで止めろよと思った。
疑問を持つだけで何もしないのが

そんなザフトがたった二年で 地球の人達に紳士とまで言われるとは 議長恐るべしと当時思った。
963961:2009/06/08(月) 21:50:12 ID:???
964通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 21:57:39 ID:???
>>962
アラスカで連合の兵士も纏めて地上のザフト軍8割ふっ飛ばしたからなぁ
怒りと恐怖で狂ってたんじゃないか
捕虜にしても爆弾背負ってるかもしれんし
965通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:02:38 ID:???
>>963

>>964
それにしたって無抵抗の相手にやりすぎな感はあると思う

「ナチュラルの雄→殺す ナチュラルの雌→犯す」
つかラクシズ政権下のザフトの末端はまさにこんな感じだろうな…
966通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:04:01 ID:???
だから本当に無抵抗なのかどうか判断できる理性がなかったんだろう
967通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:05:27 ID:???
ああすまん>>963
968通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:08:13 ID:???
>>963
乙じゃないか…
969通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:13:00 ID:???
アラスカにせよ、パナマにせよ、戦争の狂気って奴なんだろうな。
イザークは……戦闘不能になったジャン・キャリーを撃たなかったし、最初期のプライドの高いコーディネイター至上主義から変わりつつあった過程じゃないの。

ってかユーラシアと東アジアは大西洋に捨石にされまくってんのに、よくデスティニー時代にも手を組んでるよな。
……まぁ、誰かさんが考えてないだけなんだろうけど
970通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:15:10 ID:???
まあイザークが否定してた理由は
「無抵抗の相手撃つのつまんね」って理由で、「無抵抗の相手を撃つ」ことはどうでもよさそうだったけどね
つーかザフトの虐殺主義は最初から最後まで変わってないけどな。プラント以外のコロニーで、どれだけ虐殺したことか
971通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:15:51 ID:???
>>969
つ共通の敵の存在
つ敵の敵は味方
972通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:16:04 ID:???
>>965
新生ザフトのモヒカンばりの行動原理に、
思わず肩パット付革ジャンを着たシンが生身で無双する展開を想像したわ…
973通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:22:55 ID:???
>>969
ほら、ザフトって基本的に全人類の敵だからさ
人類の1割を無差別に虐殺した前科とかあったりするし
コーディネイターだろうとナチュラルだろうと、ハーフだろうと差別するしで
プラントを不法占拠したザフトっていう人類の敵に比べれば、国家間の諍いなんて些細なことですよ
974通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:32:14 ID:???
設定にそこまで詳しくないんでなんともだが
ザフトが大嫌いだがシンは大好きってのは不思議だ
975通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:32:17 ID:???
セイランも ああいう連中はなにしでかすか分かんないから 敵対するより組んだ方がマシって考えだったしな
実際ベルリン虐殺なんてやってたし
同盟突っぱねたらオーブが先ああなってたろう
976通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:40:32 ID:???
パトリックは人類皆殺しにしようとしてたし その原因を作ったのは ピンクの自由強奪と凸の裏切り
人類皆殺し一歩手前の原因の癖に英雄面のラクシズにはいい感情は持てん

デュランダルはDPはともかく 本気で世界の平和を考えて行動したし 非人道的な事はそれ程やってないからな
シンが信じるに値するだけの事はやっていた

逆にラクシズが戦い止めたいだの 平和な世界を作りたいだの言っても行動に説得力が無い。
977通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:44:33 ID:???
>>972
シン「MSバスケットボールだぁー!」テーレッテー
978通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:53:59 ID:???
>>976
ラクスの洗脳電波は相手がコディだから有効なんだよな。
(一部ナチュラルの方にも効いてしまう人はいるようですが)

だから種死の後プラントはラクスに従ったとしても地上がそうなるはずがない。
979通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 22:55:38 ID:???
>>962
それって、デュランダル時代のザフトが略奪行為禁止だったから、
ラクスにいいようにやられて失脚したのかもな。

ターミナルの暗躍も、すべて略奪利権がらみ。
980通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:01:57 ID:???
>>976
ラクスの自由強奪がパトリックの人生を狂わせてるよな。
単に失脚するだけだろうコーディがあんなことに……

ついでに親のシーゲルが死亡してるし。
もっとも、シーゲル生きてたらパトリックと同じ事してたかもしれんけどw
981通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:24:07 ID:???
ほら、シーゲルさんはパトリック以上の虐殺魔だから
全人類の1割を虐殺する命令を出した人だし
982通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:29:07 ID:???
>>981
十億以上だったっけ
ラスボスでもおかしくないな
983通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:36:13 ID:???
>>978
某SSでは魔乳は男を失ったショックで宗教に走ったと言われてたなw
984通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:38:48 ID:???
つーか種って全部クラインが暗躍してるんじゃないか?
985通常の名無しさんの3倍:2009/06/08(月) 23:41:31 ID:???
後ろ暗いんですな
986通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 00:35:29 ID:???
・シーゲル案
地球全体にNJばら撒いて核エネルギー封印(結果全人類の1割死亡。核エネルギーに頼り切った世界観なので5割いかなかったことが奇跡)
ナチュラルもコーディネイターも、理事国も理事国以外の国も関係なく無差別虐殺

・パトリック案
主要都市に限定核攻撃。交渉の余地あり

穏健……派……?
987通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 00:59:08 ID:???
原作通りならクラインってコーディも含めて特定以外の勢力に恨まれてるはずだから、
「必要悪」役をやらせやすいんだよな。
事実ここで投下される作品の殆どがラクスが火種で争いが起きてる。
シンがそれに対してどう出るかは千差万別だけど。

それを端的に使ってるのが光芒。
ラクスが一通りメチャクチャやって地上がズタボロになったところへ、
「悪いのは全部ラクスとその周辺だよ」って言えばブルコスとかコディとかなくなる。
988通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 01:15:36 ID:???
>>986
設定の矛盾を今更気にしても、なんだその。
ラクス様は平和の歌姫なんだよ!いい人なんだよ!そう定義されているんだよ!ってレベルですから。


種死アフター世界を考えるにあたって、いかにもありそうな設定を捏造するとき、
この矛盾が設定の種になるから、俺たちには役立ってるけどねw
989通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 02:25:55 ID:???
末端に行くほど恐ろしく腐るってのが容易に想像できてそれに肉付けすればいいですからね…
まあ、中枢まで腐敗してますけど。
990通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 05:07:24 ID:???
最初、NJの被害は地球人類の7割って話だったが
ラクスパパであるシーゲルを善人設定にする為に被害を一割に
しかしそうなると、ナチュラルの数が減らず、コディと戦争が出来るよう釣り合わないので
NJ投下後の連続テロ事件が設定された


その結果、シーゲルはNJを投下し、その後のテロ事件を指示して、地球人類の半数以上を殺した自称穏健派となった
991通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 06:22:31 ID:???
デュランダルも、政治的な言葉じゃ無く、ラクス関連で凸を口説けば上手く行ったかな?
992通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 06:44:58 ID:???
すんません、ミンキーモモは立場上はさておき、議長の計画には
反対だったんですかね?
993通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 07:57:12 ID:???
>>990
やってることが根本的におかしいな
たとえ被害を0にしようが、そういうことをやったってだけで「穏健派」なんて絶対に名乗れないだろうに
994通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 08:43:57 ID:???
みんなおかしかったらそれが普通だよ
995通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 08:56:33 ID:???
「善人ばかりいれば争いは絶えない」
善人が「自分こそが正義」と信じきっている誰かさんのことに思えるねぇ
996通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 10:07:17 ID:???
997通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 10:38:25 ID:???
》1000ならエザリアの痴態書かれる。
998通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 11:36:07 ID:???
>>993
>パトリック強行派とシーゲル『穏健派』の比較
ザフトプラントの常識では「役立たずのナチュを皆殺しにせず、少数でも生かす」時点で穏健政策w
種死のデュランダルなど穏健どころかヘタレ政策だwww
ラクス様が鉄槌を下すのも当然。

ディストピアな脳内補間をしてみたが、さすがにやり過ぎか
999通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 11:40:07 ID:???
>>998
ラクス自身の考えはともかく
ラクスに付いた人間の中にはそういった不満があったため離反した連中もいるかもね
1000通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 11:41:48 ID:???
今日誕生日の俺が1000ゲット
10011001
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 。 .:゚* +     このスレッドは1000を超えました。
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