ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE ]]X
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_,./イ | ゝ-'′ /::::ヽVL>《、__,》┘´ /, 〉 | } }.ゝ┘ノ ,ノ
rく |/、 ゝ! /// ' 廴':ノ } /!| 》 《r<}//-‐L_ 「 く {二 ‐ ノローゼンメイデン1の策士金糸雀が、
<ヽ\>''´ 、 「 ̄ 7 /// .イ._||_rへハ〈 =辷. ト、_,.しイ 〉楽してズルして
>>2ゲットなのかしら!
匸`ヽ∨_,.へ、\ ヽ ノ /ヲ|! リ // 〉〉 〉 K 人 〈 | )ローザミスティカ、いただきかしらー!
(( >'´ ̄ r===、ー- _,. ィ.三ニ{_ ∨ // V/ ヽ ) __ ノノ {
/ / ||__/__,>ェェ====、-∠( /| |二 ー∨ ヘ ∨ Y V
rへ、{_ /  ̄{ / 8 ||\ | ||二Z /| |_>、__ ヽ、└く_/_ ノ_ノ
二ヽ、__>-; 、二} /! /‐- 、__||_\!_」|ニて_ノ-‐⌒ヽ!  ̄ ̄ \__ァ‐'⌒ ̄
>1さん、乙かしら!
>3っちゃん、ほっぺがまさちゅーせっちゅうぅ!
>4様、ステキ♥かしら!
雛いち>5はガキンチョかしら!
ジャ>6君は昼間からゴロゴロしてるかしら!
第>7ドールはバッタもんかしら!
翠星石は>8ッタリかましてるかしら!
真>9はおバカさんかしら!
水銀>10はジャンクかしら!
>>11-1000はポップアップレス多すぎで表示できないかしら!
3 :
0:2009/01/27(火) 08:05:28 ID:RQMfzucA
↑時代を作るのは老人では無い。
しかし若者でも無いw
新スレ立てお疲れ様です。
6 :
ライオン:2009/01/27(火) 12:03:36 ID:???
スレ立て乙です。
前スレの
>>945の人
願わくば詳しく教えてタモレ
機動戦士ガンダムSEED DESTINY the Untold
第5話 異変、あるいは目覚め
「コニール……どうしてだ。どうして俺を援護した? どうしてラクス様を侮辱した?」
パイロットスーツを脱いでオーブ軍の制服を着たシンが、目の前のベッドに横たえられ
ている少女に問いかけた。その瞳は虚ろで、あちこちに揺れる様は極度の不安を示してい
た。『ゆりかご』によって刷り込まれたロジックがぐらついている。
ラクス達の敵は、自分の敵。ラクス達を傷つけられることは、自分を傷つけられること。
逆もまた然り。ラクス達は正しく、それに従っている自分もまた正しい。素晴らしいラク
ス達に従い、一体となっている自分もまた、素晴らしい。その筈なのに。
外傷を処置され頬にガーゼを当てたコニールは、天井を睨みつけている。
「俺を惑わそうとしても無駄だ! ラクス様への敵対行為は許さない! ラクス様のやって
いること、やろうとしていることは全て正しいんだ!」
「だまれ」
コニールは静かに短く言葉を返した。MSキャリアのエンジン音が大きく聞こえる。
「お前が誰を信じていたって、それはあたしの知った事じゃない。ラクス様だろうがカガ
リ様だろうがキラ様だろうが、好きに崇めれば良い……助け出してくれた事にも礼を言う」
「シン、コニールの治療はまだ終わってない。後にでも……」
医務室に顔を覗かせたヴィーノが、中を見て口をつぐんだ。
「気に入らないのは、ラクス様の為になんて言いながら、ラクス様の為に全くなっていな
い事を平然とやらかすお前自身だよ、シン! だからイカレ信者だと言ったんだ!」
点滴の管を波打たせながら、コニールが跳ね起きた。眦を吊り上げてシンを指差す。
「こ、コニール……」
「お前らが言うラクス様は何者だ!? 『お前が信じているラクス様』はどんな女だ!?」
「全ての人々の平和を願い、憎しみの連鎖を断ち切ろうとする方だ!」
胸の奥のざわつきを覚えつつ、シンは刷り込まれたままの知識を口に出す。意識のどこ
かが、これはおかしいと叫んでいた。胸と眉間が、裂けるように痛む。
「あたしがお前を罵った時、お前はその女の名前を出して攻撃した! 解るか?『ラクス様』
はそんな事を願っているのか!? 自由と平和を願う歌姫が!」
「……!」
瞼が小刻みに震え、瞳の揺れが酷くなる。両手で頭を抱えて黒髪を掻き乱した。最強度
の洗脳が生み出した矛盾は、常人ならば深層意識が働いて無視してしまう。だがシンは違
う。経験の浅い彼が最新鋭機インパルスのパイロットに選ばれたのは、適応能力の高さだ。
ロジックの食い違いが生じた時、やるべき事は逃避ではなく、修正である。
「お前の信じる通りに答えろ! 『ラクス様』の為に、お前は何をするんだ! ラクス=
クラインの信者として、お前はどうあるべきなんだ!」
「全ての人の平和を願い……全ての、生命は……た、戦って……キラ=ヤマトは、敵であ
っても命を奪わない……け、けれども、俺の家族、は……? い、いや、俺の家族は、物心
付く前に死んだ! でも、ステラ! だ、誰だ? ステラ? 女の名前なのか……」
機械によって強制的にインプットされた言葉を並べたてる。上体を仰け反らせ、シンが
全身を痙攣させた。医務室に入り込んだヴィーノが彼を羽交い絞めにする。何事かと、薬
剤の選定を中断して顔を出した医師に頷いてみせた。
不意にシンの身体から力が抜け、すかされたヴィーノがよろける。
「うん。確かにその通りだな、コニール。俺はおかしかった」
同一人物とは思えない落ち着きぶりに、勢い込んでいたコニールも拍子抜けして頷いた。
「そ、そう、だろ?」
「ああ。ラクス様を信じているなら、ラクス様の代行として振舞わなきゃならない。ラク
ス様を馬鹿にされて怒るのは、別段ラクス様の為にならないし。何で俺、あんな事を」
信仰対象の名を何度も口にして、シンが腕組みする。
「ま、まあそう大きな問題じゃないさ。1人でも多く助けて、あの場から逃げだせたし」
ヴィーノが慌てて口を挟んだ。肩越しに同僚を振り返り、シンはゆっくりと首肯する。
「今のところはな……ヴィーノ、機体の武装を見直そう。連合のMAはとにかく頑丈だが、
無敵じゃない。MSの火力でも、距離を詰めて弱点を突けば戦えるはずだ。コニールは
休んでくれ。連合軍から十分離れたら、降りられる場所を探すから。俺達に付き合う必要はない」
言いながら椅子から腰を上げ、足早に医務室を出ていくシンを、ヴィーノとコニールが見送る。
しばらくして、ヴィーノが溜め込んでいたように長い息を吐き出した。
「推測だが、シンは何かされてる。コニールがもうちょいやんわり言ってやれば、さり気
なく探れたかも知れなかったけど……たぶん、今ので悪化したな」
「ごめん。別に誰の信者でも良いんだけど、あんまり格好悪い事ばかり言うからさ」
力無く笑うヴィーノに、コニールは肩を竦めた。そしてシンの後を追おうとする男に
声をかける。
「なあ、ラクス=クラインっていうのは本当に、平和の歌姫なのかな?」
「少なくとも、今のシンが信じているラクス=クラインは。それで充分だ」
医務室のドアが閉まれば、コニールが再びベッドに横たわった。負った傷が痛むのか、眉を寄せる。
「やっぱりあたし、まずい事言った?」
「アスラン、やっぱりシンを元に戻そう」
オーブ、オノゴロ島。軍の司令部にあるアスラン=ザラのオフィスにやってきたキラは、
1人では無かった。批難の意を込めた目を細めている、現プラント最高議長も一緒だった。
「キラから話は聞きました。アスラン、あなたは何を考えているのです?」
「確認を取っただけだ。『ゆりかご』を使うまでもなく、シンは慰霊碑の前で俺達と争う
意思を放棄してみせただろう」
PCのディスプレイに上がっているのは、今や地球各地で活動しているオーブ軍の報告
書だ。国を滅ぼしかけた理念は、それを押し通した者自らが破壊してしまった。戦争の勝
者として義務を果たすと言えば聞こえが良いが、そんな理屈を受け入れられるのは言った
本人か被害を受けなかった者だけである。
鈍い音がしたので、そちらに目を向ける。机に拳を打ちつけたキラがいた。
「彼はあの時、信じた全てを失くしていた! 戦いに勝った僕らを前にすれば、本当の気持
ちを殺してでも、と思ったって不思議じゃない!」
「アスラン、わたくし達がデュランダル議長と戦ったのは世界の覇権を握る為ではありま
せん。彼のデスティニープランによって生み出される死の世界を阻止するためです。あな
たがアスカさんにやった事と議長の企みは、何が違うのです?」
厳しい口調を崩さないラクスを、アスランは冷めた瞳で見返す。何も言わないのは、返
答に窮しているからではない。アスラン=ザラの正義は、そんな所に無いからだ。
「とにかく、シンは元に戻るべきだ。もう決めたんだ、アスラン」
「お前でなく、ラクスが決めたんだろう」
「え?」
聞き取れない小声にキラが首を傾げ、アスランは席を立った。2人の横を通り過ぎる。
「アスラン……」
「アスラン!」
「好きにすれば良い」
無垢の木を用いたドアを開け、部屋を出ていくアスラン。僅かに振り返った彼の目に、
不安によってラクスの手を握るキラと、彼に肩を回すラクスの姿があった。緑の瞳に
一瞬だけ憎悪をよぎらせ、扉を閉める。
「ザラ一佐!」
丁度その時、オーブ軍の制服を着たコーディネイターの少年が走ってきた。着ている服
に反して彼はクライン派。情報組織『ターミナル』との仲介役だった。
「地球各地でザフトとオーブ軍の基地が連合軍に襲撃されています。しかも、その戦力は」
少年の顔に掌を向けて制し、アスランは差し出された紙媒体の報告書に目を通す。
「……これは、まだ公開するな」
「でも、キラ様の戦い方が通用しない相手です! デストロイの時を考えれば……」
「キラならやってのける。それより、オーブ軍が無用のパニックに陥る方が怖い」
少年の肩に手を置くアスラン。彼の姿が曲がり角に消えると、報告書を折ってポケット
に押し込んだ。キラの能力を疑問視する事は許されない。少年が沈黙を守る事は自明である。
「潮時かな」
独りごちた後、自分の執務室には戻らず司令部の長距離通信ルームへと歩いて行った。
今回は此処までです。
投下乙!
さすがは根っからの裏切り者、こんどはどこにいくのやら
ひょっとしてラクシズ&シン(かなり揉めるだろうけど)VS凸率いる新勢力という展開がありえるのか?
乙
ラクスの入れ知恵かもしれんが、なんて理解のあるキラなんだw
GJ!
きれいなラクスとキラだな、アスランはまた裏切るのかな?
しかしこの上、キラクスを敵に回しても大丈夫なほどの寄生先勢力ってどこだろう?
あるだろ……地球連合軍が
しかし真面目に考えると奴の経歴知ってて受け入れるほど度量が広い(というより能天気な)組織って
ラクシズ以外ないだろ
……カガリにいらん事吹き込んでオーブをラクシズと敵対させるとかかな?
続き乙です。
それにしても、凸は相変わらずの蝙蝠野郎だな・・・折角ラクスとキラが白いってのに
ザラ派復活フラグか?これは
sage
面白い展開になって来た 何だかんだ言っても、迷いを捨てたアスランは強いからな
キラキラ病もいつの間にか無くなってるし
ある意味楽しみになって来た
最凶最悪の敵になりそうだな
なんていう心の強い腹黒凸だw
いや、しかし、キラキラ病が治っている訳でない彼がキラを裏切れるとは…
まさか、マルキオと手を組むのか!?
コニールに論理破綻させられそうになったシンの心境が気になるな
ヴィーノが上手いこと立ち回ってくれるといいが
GJです
うーん、上手いなあ
キャラの性格を変えずに立ち位置だけ変えて、印象を操作してるというんだろうか
キャラ一人一人が敵味方関係なく魅力的
それこそ本来のガンダムシリーズを読んでるようだ
キラキラ病重傷患者だから、キラをラクスから引き離す為に・・・
しかも本人は、それが【正義】と思っているとか・・・
うん、いつものコウモリ禿だな。
たしかにまだ連合にはついた事がないのでだまくらかせるかもな。
コーディはもうザラ派残党も信用しないだろうけど。
っつか、キラは首尾一貫シンへの洗脳は反対してるのに
「ラクスが決めたことだろ?」
おいおいそれはねーだろ蝙蝠ハゲ。
このキララク、意外にマトモ……
かわりにアスランが明らかにどうにかしてる
というか、ラクスに敵対心持ちすぎだ。
シンをラクス信者に洗脳したのも、洗脳がとけたときの反動を狙って……なわけねーか
あー、このヅラなら再洗脳してシンを味方につける可能性もあるのか
この凸は………ラクスの決めたことじゃないとしても真っ当な神経持ってりゃキラも反対するに決まってるだろうにw
今回はたまたまキラの意見とラクスの決めたことが一致してるだけだろw
だいたいラクスはシンのことをキラから聞いたって時点でキラが反対してるってことになんで気付かないんだこの凸はwww
まあ凸はさておくとして。GSC氏の描くキラは実は一貫してまともだったりするんだよな。
ただひたすら周りの状況が悪すぎただけで。
もしかしてシンとの共闘を期待してもいいんだろうか?
家族生存ルートで怨恨が生じなかった場合はすんなり共闘する事も
あるんだよな、阿部さんとか。
よりにもよってそれかよ……
シンの家族生存で共闘って言われてすぐ出て来るのはあれだな、離翼
あとは変則でキラ⇔シン
GJ!
シンは再洗脳無しで凸の仲間に引き込まれそうだ…。
キラ⇔シンの後期のアスランみたく「キラに近づく女を排除汁!!」な悪寒
まあ凸は公式で議長にもラクシズにも疑念と不満を抱いていた生粋のリア厨だからな
‘一人のMSパイロット’として扱われることに不満がある奴だしなw
>>30 ミーア生存ラクス死亡スレでもキラとシンの共闘があったぜ
ラクスをミーアと思い込んだキラに、『悪い事をしたら謝るべきだ。例え許してもらえなくても。』と説得されてシンに謝罪
シンもかなり成長してたんで謝罪を受け入れる
凸はミーアべったりなキラに見切りをつけてプラントを遺作母と共に乗っ取る
キラ(核非搭載自由)、自分達が色んなところから恨まれていたことにようやく気付き、シン(核非搭載隠者)と共闘して凸(運命)を撃墜
その後はミーアとラブラブでシンはシホと傷の舐めあいという終わり方だった
×ラクスをミーア
○ミーアをラクス
orz
>ミーアをラクスと思い込んだキラ
胸でわかるだろw
>>34 種死の後半でキラと合流しても全然嬉しそうじゃなかったのは印象的だった
どっちかというと、シンを苛めてる時の方が活き活きしてたと言うか……
>>36 >シンはシホと傷の舐めあいという終わり方だった
なぜシホwww
デストレイや連ザの影響で、×リーカ、×オーブ三人娘まで妄想したことある俺ですら、想像もつかなかった組み合わせだわw
大雑把にストーリーを話すと
ラクスの代わりにラクシズを引っ張ったミーアが和田と隠者を放棄しますからと議長と和解しようとするが
その隙を見計らってザラ派と凸と遺作母がプラント乗っ取り
(本編での議長は反対派が暴れだす前に片をつけようと焦っていて、それでネオ・ジェネシスをという設定)
遺作は母を見捨てられず凸と共闘して、キラの前に敗れたんで
傷ついたシホはシンと……という感じ
まーた凸はどっか行くのか?
キラ「シンの洗脳を解除したぞ」
シン「オレを洗脳しやがって、お前ら!」
アスラン「ラクスを倒すんだ、シン! あいつが全ての元凶なんだ!!」
こうだな
>>41 カガリがニートって言うやつだな。
まとめサイトにある。
リヴァの頃からシン主人公アフターに嵌ってたから、シン×シホは余裕で妄想できる
そういえば、ミーアがヒロインのアフターってあったっけ今のところ?
まとめのシン×ミーアスレにあるようだが
ミーアがヒロインの話はミーアスレが荒らしとかで落ちたりしてたから完結してるものはないんだよなぁ……
ミーアのかわりにラクスが死んだのが確か完結してたような
49 :
ライオン:2009/01/29(木) 01:58:04 ID:???
とりあえず投下します。
「シンと傷ついた獅子(後編)」
「ぐぅっ……!」
敵機から放たれたビームの矢が機体をかすめ、シンはコックピットを揺らす振動にうめき声を上げた。
相手は武装したゲイツが8機。こちらも同じゲイツRで応戦するが、一機は先制攻撃で落としたとはいえ、
勝利を得るのは難しい状況であった。
降り注ぐビームを防ぐため、乗り捨ててきた使い捨てロケットの船体を盾代わりに使う。
――あとで気づいたことだが、燃料は行きの分しか入ってなかったらしい。
「でぇぇぇやぁぁ!」
物陰から飛び出すと、ビームクローを振り上げ、斬りかかる。
〈正面から来るなど……バカか!!〉
敵が渾身のビームクローを難なくいなす。その隙を狙い、シンが次の手を放とうとするが、また別の機体が背後から襲いかかる。
確かにシンは敵よりも腕は上であった。しかし、いかんせん数が違い過ぎる。
もしそのゲイツRに乗っていたのがシンではなく並のパイロットであれば、すでに数回は死んでいるだろう。
〈貴様も、新たな時代の礎となれ〉
敵機のリーダー格の男が小さくつぶやくと、背後からビームクローを容赦なく滑らせようとした。
「クッ!?」
それをかわすことができたのはシンがアカデミー時代から怠ったことのない厳しい訓練の賜物だった。
だが敵はそれに動じることなくあくまで冷静にシンの持っていたビームライフルを撃ち抜く。
「あ、アグッ……!!」
手に保持していたビームライフルが爆散し、その爆風で世界が揺れ動くのを感じる。
顔を上げると、とどめを刺すつもりなのか、リーダー格の機体がクローを展開し近寄ってくる。
視界の隅では、他の七機が周囲を取り囲もうとしていることに気がついた。
それを見たシンは、コックピットでうなだれながら、強く思う。
(俺は……何をやっているんだ……)
シンの意志に陰りが差したのはこの時である。コックピットの中でシンはうなだれた。
祖国で家族を失い、自らの無力を嘆き、アカデミー時代から訓練を怠ったことなどなかった。
以前には傑出したその力を買われ、ザフトのスーパーエースにまで昇りつめたりまでした。
だが実際はこの様だ。前議長とプラントを守れず、現議長の支配体制に反発することさえできない。
ただ機械のように任務を淡々と遂行するだけの兵士。
何と情けないことか。そして、何と非力なことか。
50 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:00:22 ID:???
「俺が欲しかったのはどんな力だったんだ? ……俺は――」
『ハーイ、マユでーす。でもごめんなさ〜い。今は――』
『シン……ステラ……守る……』
いつも脳裏に浮かぶのは、かつて失った者。もう二度と戻らないとわかっていながらも、未だに夢でうなされる。
『過去にとらわれて戦うのはやめろ!』
『お前が欲しかったのは、本当にそんな力か!?』
裏切り者の声が頭の中で反響する。
「ちくしょう、ちくしょう……」
息を吸う。体に残っているエネルギーをすべて吐き出すようにシンは叫んだ。
「ちくしょぉぉぉぉ―――!!!」
ぱぁぁぁん。
耳元ではにわかの落雷のような耳鳴りが鳴り響き、視界が急にクリアになっていく。
ばくばくと心臓が脈を打ち、呼吸が乱れる。
もはやかなわないと砕けかけた意志が、再び湧き上がってくる。
「ア……アハハハハ……」
その脳裏に、焼け焦げた衣服の残骸をまとわりつかせ、
ねじくれた形で横たわる肉塊――変わり果てた家族の姿がフラッシュバックする。
「ヒヒヒ………ア――ッハッハッハッハッハァァ――――――!!!」
そして溢れんばかりの声量で狂気をさらけ出した。
澱みきった目がギラギラと鈍く光り、鋭い犬歯があらわになる。
もう過去も未来も、要らない。彼には『今』もないのだから。
51 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:01:02 ID:???
『なんだ? こいつ急に動きが!?』
『不気味な奴だ。どけ、俺が脳天ぶち抜いてやる!』
眼前の敵が、独り言をつぶやくシンを気味が悪そうに見ていたが、すぐに気を取り直したように
殺意を持ってシンに飛びかかった。
少し前までのシンならば、その必殺の一撃をかわすことは困難だっただろう。
だが今のシンにはその動作はひどく緩慢なものに見えた。
「遅い……!」
敵の機動を読み、最小限の動きで回避し、光の爪が敵機の腹に埋め込まれる。
腕部のパワーを最大に上げ、おもいきり横に振りぬく。
〈う、うわぁぁぁ―――――!!〉
シンが駆るゲイツRのビームクローに切り裂かれ、上下に分断された敵機が断末魔の悲鳴とともに爆散した。
ただ思う。こんな力があっても、自分は何も守れなかった。
けど、もしかすればここで自分が戦い奴らに少しでも打撃をあたえることで、襲撃されることがなくなるかもしれない。
今はそれで充分だった。
シンは機体を構えなおすと、残り七人の敵機へ向き直った。
――コックピットをつぶされ、物言わぬ七機分のMSの残骸が宇宙に散乱するのに、大した時間はかからなかった。
52 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:02:22 ID:???
==========
一時間ほど前のことである。
宇宙空間を飛翔する白いシャトルの中で。
「変わるものだな。人も、世界も」
「代表?」
首をかしげる随伴員を横目に、カガリはアスハ家に用意されたシャトルの窓から、漆黒の宙を見ていた。
シャトルの窓から見た宇宙空間に雲母のかけらを落としたように光るものが一片、きらりと太陽光を反射した。
形状から見てそれが戦闘艦の残骸だと認識すると、カガリは窓から目をそむける。
ユニウス戦役が終結してからこの一年間カガリはがむしゃらに勉強し、数多くのことを学んだ。もっとも、それは遅すぎたことであったが。
力がない自分が嘆かないように、再び国を焼かないために。
「……力、か……」
「アスハ代表。これからいかがなすおつもりで?」
向かい合わせの形で座る随伴員、スズキが黒いサングラスの端をクイッと上げた。
オールバックにした銀髪と黒いスーツが理知的な雰囲気を醸し出している。
「スズキ。地球に戻ってから、私はラクスに向けて全世界へ向けて会見を行う」
「それは……いいのでしょうか? 今現在の地球の情勢は――」
「かまわない。あのままでは、無理やりにでも採決されるに決まっている」
カガリは黄金の眼で目の前のスズキと呼ばれた随伴員を睨めつけると、黙らせた。
終戦後、ラクス・クラインが行った政策にもカガリは危機感を抱いていた。
終戦直後からプラントを立ち直らせたその手際は目を見張るものがあるが、その後がいけなかった。
新たに開発された新型モビルスーツの発表をしたかと思えば、地球へと新たな基地の建設を行ったり、ただひたすら
軍備の増強に力を入れていたのである。何度注意を呼び掛けても、柔和な笑みで言いくるめられるばかり。
確かにそうすれば戦争もなくなる。一部の人間は幸せになる。だが、そのために築かれる屍の山は計り知れないだろう。
――そんな世界は本当に幸せなのだろうか?
この世の誰よりもカガリが憂えるのは、今も昔も現在の世界の行く末であった。
53 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:02:58 ID:???
「アスハ代表。世界の国々のいくつかも親プラントの国々も存在します。
どうかオーブの理念のため、お考えを――」
「ラクスの側近を各国の首脳に組み込む? そしてそれに従わなければ武力で押し通す? まったく、馬鹿げている。
こんなものがまかり通れば、オーブの理念も何もないではないか。
私はこのプラント側の政策――いや、ラクスには異議を申し立てる所存だ」
「そうですか」
唐突にスズキが口を開いた。
話しかけられたのはいったい誰かと探さなければならないような、無関心な声。
「直情的なのが玉に傷とは思っておりましたが……」
「何を言って――」
次の瞬間起きたことを、たとえそれがカガリではなくとも正確に理解できなかっただろう。
カガリは目の前の空間を凝視していた。数秒前までは存在していなかった銃口を覗きこんで。
目の前に構えられた自動拳銃にはわずかなブレもない。
ようやく我に返り、カガリがかすれた声を絞り出す。
「な……」
「代表も、甘いようで……。おっと動かないでください。動いたら撃ちますから」
事実、撃ちそうだった。スズキの指先がトリガーが落ちるギリギリの位置まで後退していることを、カガリは知らない。
額に銃口を押しつけられている今の状況では、わずかな振動で撃発する。
「あなたではラクス様にはかないません。確かに終戦直後からの成長には目を見張るものがありましたが、
オーブ内に我らクライン派が大量に入り込んでいることも察知できないようでは、ウズミ様の足元にも及ばないでしょうな」
「隊長」
カガリに護衛として付いていたはずの屈強の男の一人が、軍隊式の敬礼をした。それはオーブ軍のものだった。
「機内の航行システム、ならびランチ以外の推進系の凍結は完了しました」
「ご苦労様です」
カガリの視界の隅では、周りの護衛たちがぞろぞろと脱出用のランチに乗りこんでいるのを捉えていた。
「あぁ、言い忘れてましたが彼らも私と同じくクライン派の同志です。説得しても無駄ですよ」
「クライン派だと……お前! 何でこんなことを!」
54 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:04:51 ID:???
銃声。
目の前の男に掴みかかろうとしたところで、カガリは激痛を覚えた。撃たれた膝から血が噴き出す。
「ぐぅぅ……!!」
強烈な痛みに襲われ、膝をかばうように抱えた。幸いなことは、銃弾が貫通していることだけだ。
「賛同者に囲まれ、暖かいゆりかごの中で何もしなかったあなたにはわからないでしょうな。
理想に従って撃たれた者の痛みも知らず、のうのうと生き続けるあなたには」
銃口を離すと、スズキは踵を返し機体後部の脱出艇へ向かう。
まるであらかじめ決められたセリフを言い終えた役者のように、悠々と。
「ここで始末してやろうと思いましたが……楽には殺させません」
「な……何が……」
あまりの痛みに耐えかね顔を苦痛にゆがめる彼女は、それが追えない。
「さようならアスハ代表……いや、異端者カガリ・ユラ・アスハ」
彼女にはゆっくりと降りてくるセーフティシャッターが、今まで見ていた幻想に降ろされた幕のように見えた。
==========
シンが敵機をすべて撃墜し終えたそのとき、この宙域に接近中の機体をレーダーが捉えた。
モニターに映るそれは白い機体――民間用のシャトルだ。
「そうだ、撃墜しなきゃ……任務だから……撃墜しなきゃ……」
その時になってようやくシンは任務の内容を思い出し、うわごとのように内容を反芻する。
しかしビームライフルを失った今、何もすることができなかった。機内で乾いた笑いしか出ない。
「(マユ……ステラ……レイ……父さん母さん……僕は、もう疲れたよ。今そっちへ行くから……)」
右腕以外の四肢を失い、生命維持装置の電源も落ちた機体の中でシンの意識は闇に堕ちて行った。
==========
残骸が散らばり、凄惨な光景を出している中。
『やれやれ、廃棄された一族の施設の調査に来てみたら……すごいもの見ちまったな』
廃棄コロニーのスペースデブリの中の一つからガンカメラを持った一機のMSが、ひょこっと顔を出した。
55 :
ライオン:2009/01/29(木) 02:14:10 ID:???
以上です。
ちょっと今回は出来に納得がいかずに何度も書き直していたんですが、
このままではらちが明かないと思ったのでとりあえず投下しました。
悪役の名前がスズキなのは別段、意味はありません。
全国の鈴木さんごめんなさい。
ただ、あぁ日本系なんだなって思われるような名前がパッと思いつかないだけでして。
最後に助けに来るのは本当はミナ様だったのですが、その展開は他の方々で
散々なされていますのでジェスに変更しました。
ていうかキャラ的にミナ様の便利さは異常です。
えらいし、しっかりしてるし、MSで戦えるし、弱点ないし……他にもいろいろ。
感想、矛盾点の指摘などをお願いします。
56 :
鱸:2009/01/29(木) 07:27:52 ID:???
いつの間にかライオン氏からの出演依頼が来ていたようだ。
57 :
魚鬼:2009/01/29(木) 08:15:27 ID:???
羨ましい奴め
乙っす
カガリを憎むのはまあ仕方ないが、それでいてクライン派とは酷い大人達だw
乙 ラクス本人は善人かも知れんが 周りのクライン派がそうとは限らないのは当たり前か
兵器強奪や条約違反機体の不法所持 私的にMSを開発したりと 黒い事やりまくってるからな、要人暗殺くらい平気でやるだろうし。
サハクは便利なキャラだけど あいつも自分が世界の主導権握りたいって奴だから あんまり信用は出来ん まあ負債のキャラよか相対的にマシになってしまうのは仕方ないけど
続き期待
正確に言えばデータ盗んでキラ専用に改造し、盗んだ所にあった元データを消去。どうみても悪の組織です。
あとサハクについてはその危ういキャラこそ良いんだと思う。あの外見で頼もしいだけってのは何か、嫌だ。
>「賛同者に囲まれ、暖かいゆりかごの中で何もしなかったあなたにはわからないでしょうな。
> 理想に従って撃たれた者の痛みも知らず、のうのうと生き続けるあなたには」
それ……おたくの信奉対象もたぶんそうよ?
いや信奉してるとは限らない
ひょっとしたらGSCIのDみたいな身中の虫で、最後に一泡吹かせて宇宙に身を投げ出すキャラかもしれない
63 :
穴子:2009/01/29(木) 11:39:03 ID:???
まあ確かに便利だよな、ミナ。ある程度の軍事力があって、信奉者もある程度いる。おまけにどこの国からも独立した位置にいるから、敵にも事欠かない。シンを第三勢力に組み込もうとするなら一番使い易いキャラではある。
>>55 GJ!
なんか疲れ切って磨耗したシンが見てて悲しいなあ…
本編でもあの後こんな風になりそうだ。
ふと思ったがなんかどの話でも大体取り巻きの連中が先走ってシンを敵に回すよね……親分が中々動かないだけかも知れんが
>>58>>59>>64 シンがオーブ出身なんで絡ませ易いってのもあるだろうな。
ミナは本編で静観を保ってるからか、アフター系だと表だって動かして良し、裏でこそこそ悪巧みさせて良しで動かしやすいみたいだよな。
このスレでも投下された話の半分くらいに出て来るし。
1人称が僕に戻るところが切ないよ……
>Untold
思い切り結果論だが客観的に残ってしまった事実として、
「凸が裏切りと脱走の末最後に居着いた勢力がその戦争の勝者となる」
というジンクスが成立してしまっているんだよな…人格とは無関係に。
>>63 アナタには日曜6時半に準レギュラーの長寿番組が用意されてるじゃないですか。
>>59 >自分が世界の主導権握りたいって奴
それはギナとギナが死ぬ前のミナ、アストレイ終盤のミナはその考え捨ててる。
>>67 しかし、アスランにくっ付いてまで勝つ側に行くシンを見たいかと言われればNOだな。
終わらないディフェンスが似合うキャラでもあるし…
>>69 D運命(南米編)ようやく
ミナ「私のオーブにこい
お前には能力があってもそれを生かす野望がないだろう?」
エド(どうせ戦場でしか生きれないのなら世界制服も…)
ソキウス「お止めください彼はナチュラルでソキウス
ナチュラルへの危険は排除したいでソキウス」
エド「ふ…あんたの野望より薬で焼かれてもナチュラルを守ろうとするソキウス達に痺れちまったぜ」
そして、エドは南米に残る事を決めレナとの戦いの後に療養のためプラントに渡り次の天空宣言の際にようやく仲間入りする。
ようやく
>>71が要約するのが下手なのだと我々は理解した。
>>71 それ言ったのはミナやない! ギナや!
しかもDアスの時代じゃなくてビクトリアマスドライバー争奪戦(直後にオーブ戦)の時の話だよ!
双子だから分かり難いが、未完成天(ギガフロート戦)から宇宙でガーベラ叩き折って、劾に串刺しにされるまではGFのパイロットはギナなんだよ……。
そりゃあ胸が無いから見分けるのは困難だけd
その
>>72をカンディルだらけのプールにつけてみる
運命スレから覗きに来たけどまったく流れが分からない
気にするな、俺は気にしない
50円と言うかテラカオスな流れはこのスレでは日常茶飯事なんだよ主に胸とか
〜今までのお話〜
アズラエル嬢に貧乳萌に洗脳され禁忌と混沌とザムザザーを合わせたようなヘンテコMSに乗せられAZの変態仮面としてこき使われた哀れなシンをディスティニーUのOSエミュレーターがシンを救済しAZ他有象無象を打倒し世界を平和へ導いたのでした。
みんな、騙されるな!
>>83は腹黒ピンクの精神とニート准将の技術を受け継いだ性悪プログラムの妄想だ!
>>80 わざわざ運命スレからようこそ、ここしばらくデスティニーの出番のないスレだが楽しんで欲しい。
ちなみにこのスレの成分は職人さんたちのSSが半分、もう半分はプランAと呼ばれる邪神崇拝、貧乳による大虐殺(スレ住人の自殺志願)、ゲテモノMS、蝙蝠凸禿アデランス・ヅラ、おっぱいハァハァ、わけの分からない雑談でできています。
使用方法、用量を間違わないようにご使用ください。
85 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:29:46 ID:???
こんばんわ。テストが終わり、最高にハイになった今の私は、阿修羅をも凌駕する存在です。きっと。
というわけで投下します。
その少年は、ヒーローにあこがれていた。
休日の朝に見ていたアニメーション番組に出てくる変形合体するロボットに乗って戦って滅亡寸前の地球を救い
最後は愛した女性と結ばれる戦士が大好きだった。
普通、8歳ともなるとそれは子供だましの夢物語で、単純な童話だと思い始める。
けれど少年にとっては、それは絶対的なものだった。
現実にそのような英雄がいたのだと信じていた。
大好きな母がプラントを守る大きな戦艦の艦長をしていると聞いたとき少年は、やっぱり自分はヒーローになれるのだと確信さえした。
そのために少年は勉強に励み、テストでいい点をとって母や父に褒められることは何よりも勝る幸福。
自分はプラント、ひいては地球圏を守る運命にあるのだと、無邪気にはしゃいでいた。
――子供だった。
この少年は、まさに渦巻き始めた運命の真っただ中にいたというのに。
ライオン少女は星を目指す
第一話外伝「選ばれた未来の果てに」
86 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:30:30 ID:???
CE93年。メサイア攻防戦より数日後のこと。
それを聞いた時、戦場で戦う母に見せようと持って帰ってきた満点のテストが少年の手から離れ、宙を舞った。
その答案を一番見せたかった母が、『センシ』したと目の前の男が口にしたからだ。
『センシ』というのがどういう意味か少年にはまだわからなかったが、それは母がもう二度と帰ってこないんだということは知っていた。
「申し訳ありません。すべては自分たちの無力さゆえです。お子様に関しては……」
「――――こんな子は私の子ではない! きっとあの売女とデュランダルの奴の間にできた子なんだ!」
「な、何をおっしゃるんですか!? 落ちついてくださいお父さん。
遺伝子的にはお宅の息子さんは艦ちょ……いえ、奥さまとの間に、と確かに――」
「違う! だったら何故タリアはあの男とともに死んだのだ……!
私がタリアとあの男の関係に気付いてないとでも思ったか! どうしてこの息子が私と違い優秀なのかわかったぞ!」
焦燥を募らせた父が、そう吐き捨てた。目じりには涙を浮かべ、崩れ落ちる。
優しかった父が、少年の前で怒りにまかせて拳を壁に叩きつけた。
母の同僚の軍人が止めにかからなければ、いつも頭をなでてくれていたその手で暴力をふるわれていたことだろう。
その様子に少年はただ下を向いてうつむき続けることしかできなかった。
87 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:30:58 ID:???
しかし、父にとってはその態度が気に入らなかったらしい。
やり場のない怒りが出た凄惨な形相で、父はいつも勉強を教えてくれていた少年の部屋に押し掛け机に置いてあった本を破り捨てた。
何度も読み返したせいで手垢で表紙もページも汚れきっていたその本は、小さいころに母に買ってもらった物。
挿絵の人物は物語の英雄と王女。英雄の騎士が地位も名誉も愛する女性を手に入れた大団円。
「何がCEの聖剣伝説だ、何が平和の歌姫だ! あの偽善者たちがいったい前大戦よりプラントに何をしてくれたというのだ!
こんなものを読んでいては馬鹿になる。お前もあの者たちと同じなのかギュスターヴ!? お前に必要なものはこれだけで充分だ!」
そう言って父が少年に投げつけたのは、冷たくて硬くて重い、戦争の方法が記されたぶ厚い本だけ。
この時、少年の幼い夢は打ち砕かれた。
==========
「離せ! 私はテロなどたくらんではいない! それはお前たちの方だろう!」
その次の日、父が少年の前で違う白い軍服を着た人に連れて行かれた。
逆に少年は黒いスーツの男たちに脇を固められたまま案内され、長い間車に揺らされ、ついた先にあったのは白くて大きな屋敷だった。
巨大な門扉にあった大理石の小さな表札には『クライン』と刻まれている。
その屋敷の一室で、少年は一人の青年と面会を行っていた。
「僕はキラ・ヤマト。君は?」
そう問われて少年は答えた。「ギュスターヴ・グラディス」と。母がつけてくれた、自慢の名前だ。
それを聞いて屋敷の主である桃色の髪の女性、ラクス・クラインが感嘆の声を上げた。
その仕草はまるで、彼女の表新しい人形を買ってもらった少女のような、そんな声。
88 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:31:47 ID:???
「私たちはあなたのお母様にあなたの事を頼まれたのです。
本当は遺言に従ってラミアス艦長に託すべきだったのですが、あの方は今ご結婚なされたばかりですし、
わたくしとキラが預かることになりましたの。
わたくしたちのことは今日からお母様、お父様と呼んでもかまいませんわ」
そう能面のような笑みで言い切った二人に対し、少年はいたって無表情で言った。
「ちがうよ。ママはお星さまになったってアーサーおじさんがいってたよ。それに、パパが昨日からずっとないてるんだ。
ぜんぶボクがわるいんだから、早くおうちにかえってパパを元気にしなくちゃいけないんだ」
その健気な姿は、見る者の目頭を熱くさせるに充分な姿であっただろう。
「……偉いね。こうしてお母さんの帰りを待つんだ、キミは」
目の前の青年――キラが優しい声で言った。
「キミが辛いのもわかるよ。けどね、キミのお母さんはキミの未来を僕たちに託したんだ。
だからキミは未来をつがなくちゃならない。タリア艦長の、意志を」
「お強いのですね。その小さな体で頑張ったのでしょう、ですがもう無理をしなくていいのですよ?
昨日、あなたがあなたのお父様から手ひどい仕打ちを受けたとお聞きした時、
あなたを守らなくては、と思ったのですが……。手配が間に合って本当によかったですわ」
それは悲しみも怒りもすべて包み込むように響く優しい声だった。しかし、
――なんでこのひとたちは、ママがいなくなっちゃったのに笑ってるの?
89 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:32:40 ID:???
少年はこの時、心の中で完全に理解してしまった。母は『死んでしまった』、いなくなってしまったのだと。
そして、この人たちが母を殺した張本人だということを。
その時、小さい体に宿った心に、二度と癒えることのない亀裂が走った。それと同時に、少年はフラフラとその場にしゃがみこむ。
ペタンと尻もちをつき、か細い両腕で頭を抱える。多くのショッキングな出来事の連続で、意識がもうろうとしていた。
「ギュスターヴ。泣いてもいいのですよ……、人は泣けるのですから」
その言葉に一瞬、ビクンと跳ねると少年はピンクの髪の女性に抱きよせられたまま、血を吐くような絶叫を上げた。
「うぅ……………うわあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ――――――!!」
少年には、もうすべてがどうでもよくなってしまった。考えることもやめてしまった。
ここにいたくないと思った。いてもしょうがないのだと思った。壊れてしまえ。みんな『死んでしまえ。』
「あぁ……泣かないで! そうだ、ちょっと早いけど晩御飯を食べようか。
ラクスが作ったおいしいものを食べたら元気になるよ」
少年の悲痛な泣き声に対し、キラは語りかけた。
――いやだ、ママのしょっぱいオムレツが食べたい!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!!」
「あらあら……お洋服が涙でぐしゃぐしゃですわね。明日、キラ――お父様と一緒に新しいお洋服を買いに行きましょう」
困ったような顔をしながらラクスが言った。
――そんなものより、ママが作ってくれたヘンテコなセーターがいい!!
かってにボクからママのおもいでをけさないでよ!!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!!」
その日、クライン家の屋敷から泣き声がやむことはなかった。
90 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:33:37 ID:???
===========
一年後。
――CE74年。
「キラ・ヤマト……。ラクス・クライン……」
少年――ギュスターヴ・クラインは、いつの間にかクライン家の養子という立場になっていた。
今の『お父様』と『お母様』の間には遺伝子の関係で子供ができないから、だという。
あの後、父の行方を尋ねても『遠くの場所へ行った』としかわからなかった。
少年心にも、おそらくもうこの世にはいないのだろうと理解できた。
ギュスターヴは屋敷の中にある自室にて、誕生日に与えられた最新型のコンピュータで情報をあさっていた。
そのことでわかったことがある。あの母を殺した二人は巷では『英雄』と祭り上げられているということだ。
ふとギュスターヴは、机の引き出しを開けると一冊の本をとりだした。
それを手に取り、今にも取れてしまいそうな表紙を慎重に開いた。
中のページが破り取られており、それを無理やり張り合わせた痕跡が痛々しかった。
テープで雑につけられているから文字がずれてしまい、とても読めたものではない。
文章に添えられた挿絵に描かれている英雄とお姫様も首と胴体が横にずれてしまっている。
やさしく、ギュスターヴはその傷をなでた。己の傷跡に触れるかのように。
91 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:34:11 ID:???
『私たちは、ただあなたに強く、賢く育ってほしいのです。お父様とお母様もそれを望んでいらっしゃるはずですわ』
ギュスターヴは、あの後急きょ開かれた歓迎パーティで言われた後、ただ頷くしかなかった。そうすることしかできなかった。
――いいだろう。オレは、強くなってやる。それが望みならいい子を演じてやろう。
ギュスターヴは、あの時生まれたこの二人への憎しみは、忘れはしないと誓っていた。
――オレは、英雄になるんだ。
今ここに、コズミック・イラを混乱の渦に巻き込んだ若きカリスマが産声を上げた。
92 :
ライオン:2009/01/30(金) 01:42:25 ID:???
以上です。
少年の名前は、もしかしたら見覚えがある方がいらっしゃるかもしれません。
これは脳内で一番インパクトがあった名前を検索したらこの名前が出てきたのです。
ですが、もしかしたらどこかの設定でタリアの息子の名前などがあったら情報提供お願いします。
あと、そういえばミナ様ってカガリと面識ありましたか? それをアストレイなどで言っていますか?
マンガしか読んだ事がないので、こちらも情報提供お願いします。
感想、矛盾の指摘などをお願いします。
お、リアルタイムGJ
相変わらずキラクスは自分たちの善意を疑いもしませんなあ
家庭内に問題を抱えてる感じから、もうギュスターヴ少年は脳内でギュス様になってます
ちょうどPSPでやってたし
GJ 無意識に他人の心を踏みにじってるのがよくわかる描写だな 本編通りだけど
結局他人の感情ってものを考えず 心の無い善意を押し付けるのが
こいつらの最大の問題点。
上っ面の演出だけはいいから人気はあるんだろうが こいつらは真性の外道
であることがよくわかるな。
こんな時間ですがGJです!
ギュスターヴってったらサガフロ2かな?イメージは
名前や会話の有無は俺は知らないです
オーブでフリーダムに乗ってたのはこのギュスターヴなのかな?
何はともあれライオン氏GJ
GJ!
やっべぇオラわくわくしてきたぞ。
復讐鬼と天然の対峙が今から楽しみだ。
ラスボスなのかもしれないけどこの子に勝たせてやりたい、少なくとも
仇討本懐は遂げさせてやりたいですなあ。
ところで
>>86の一行目は 「CE73年〜」 ですよね?
まぁ、常識的に考えれば、タリアの息子は復讐側に走るよな。2人目だし。
>>95 FFTの旅団の幼女誘拐犯で幼女を人質にしたがアルガスに人質を射殺され自分も致命傷を受け自爆した副団長だな
これをきっかけに裏切ったり陰謀を張り巡らして天下をとったディリータは正史では美化され英雄となった。
>>102 サガフロの方は知らないが、さすがにこの身分だと食い物や寝るところには困らないだろうからそっちじゃないんじゃ?
>>102 ティータは幼女ってほどじゃないだろ?
……あれ? もしかして獅子戦争では幼女になった?
英雄志望のギュスターヴと言えば、俺の中では鋼のギュス様だなぁ
そして気をつけろ
ラクシズからもらったパソコンなんてどんなトラップが仕掛けられてるかわからんぜ?
投下乙
>>102 よく間違われるがFFTの方は「ギュスタブ」だよ
ギュスターブと違って伸ばさないんだ
「ブ」じゃない「ヴ」だ、すまん
で、いつになったらコニールはシンをレイープするんだい。
いっそ訛ってもじって『グスタフ』とか…
あと「ジオン公国の光芒」にチョイ役で出た時はジョージという名だったが
これはあちらだけでのネーミングで、TVでは結局名前も姿も未設定なんだっけ?
>>110 名前は不明だけど48話か47話で、タリアの夫と子供の容姿は出てる。
>>106 その心配はしなくてもいいんじゃね。
確かにラクスとキラは真性のロクデナシだが、
自分たちが悪意を向けられる理由に気がついてないからな。
一応善意であることは確かだろう、となれば
トラップの類を仕掛けるとは考え難い。
キラさまやラクス様は甘いので私が自主的にトラップを(ry
どうもです。 遅れましたが1乙っす。
それと前スレにて自分のSSをまとめに上げていただいた方ありがとうございます。
さて、10話が仕上がりましたので投下させていただきます。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request10
シン達が大気圏を突破してから数時間後。 アーモリー1、港湾部、格納庫。
薄暗いMS用格納庫で見たことのない赤いMSがカタパルトへゆっくりと向かって行く。
「出力、駆動系、正常に稼動。 システムチェック……全システムオールグリーン」
手際良くコンソールを操作し、機体の状態を確認する、凛とした女性の声がコックピットに響いた。
赤いMSはジンタイプによく似ていた。
ジンの頭部を半円形から、よりスリムな二等辺三角形にし、特徴的なトサカに似たブレードアンテナを装備したモノアイの頭部。
背中の羽根のようなバックパックは無いが、三角形の肩アーマーに横にジョイントが確認出来る。
背面と側部にスラスターの付いた、膝から下がスカート状になった脚部。
背中にはシルエット、ウィザード装着用のジョイント。
そこに背負っているのは、大きなブースターをつけたバックパックを基点に、Y字に延びた三つのフィン状のスラスター、その形状からトライフォースシルエットと呼ばれていた。
機体とほぼ平行の上部の二本に対し、下部の一本のみ後部に突き出るようになっており、尾のようにも見えた。
「ん……両足の接地圧にコンマ単位だけど、ブレがある……ヴィーノ、手抜きしたわね」
機体をカタパルトへと向けていたMSは、唐突に足を止めた。
僅かだが、不満そうにミネルバ整備班班長(仮)ヴィーノ・デュプレへの不満を口にする。
「おいおい、手抜きは言いすぎだろ。 第一、空間戦で接地圧いるか? 帰ってきたら直すよ」
通信を聞いていたらしいヴィーノは、手抜きと言われた事に不満の色を隠さずに言い返した。
「まったく、最近の整備班はエイブス班長が工廠に栄転してからたるんで……」
「イーグル1、後が詰まりますから早く出てください。 今回のオペレーター新人なんですから、困ってますよ」
ヴィーノの態度に愚痴ろうとした時、別の女性の声、管制室で指揮を取っているはずのアビー・ウインザーがパイロット、イーグル1を嗜めるように言った。
「……了解」
以前からの戦友たちの言葉から気を取り直し、機体を再びカタパルトへと向かわせる。
機体をカタパルトへとセットし、オペレーターの指示を待つ。
『か、カタパルトのセットを確認』
まだ慣れていない若いオペレーターの上擦った発進指示を聞き、思わず苦笑する。
今は離れて暮らしている妹(前線に出ることに一々口出しするのは余計だと彼女は思う)のことを思い出したのだ。
「あなたが新人? 何事もやる前に落ち着いて、一度、深呼吸しなさい……そうすれば、いつも通りできるものよ」
『は、はい!』
余計の事とは思ったが、昔の妹に重ね合わせてしまい、つい口出ししてしまった。
アビーに何か言われるだろうが……まぁ、後で謝ればいいだろう。
『進路……クリア、発進どうぞ!』
先程とは違う、しっかりとした口調に満足げに頷くと、思考を切り替えるために深呼吸をする。
「ルナマリア・ホーク、トライフォース・ガルバルディ・オルタナティブ、出る!」
軍港からカタパルトで射出されるのは、ザフト最新鋭次期主力機先行試作型ガルバルディα(オルタナティブ)
時間差の後、続いて胴体周りが少し違う色違い緑色のガルバルディ先行量産型ガルバルディβ(ベースモデル)が二機、飛び出して行く。
各国の最新鋭機、大西洋連合のウィンダムIII、ユーラシア連邦のヘリオスmkII、オーブのM2、ムラマサ、PMCアメノミハシラのヤタガラス、イナバ。
それらの実戦配備により旧式化した現在の主力機体ドワッジソルジャー(ドムトルーパーの簡易量産型)に代わり開発された最新鋭機だ。
開発コードはリメイクジン。
ラクス・クラインの行ったザフトの再編、軍縮を受け、最新鋭の技術でザフトの象徴ともいえるジンを蘇らせる事により、士気を高めるのを狙った機体だ。
先行試作型は、当初再編による兵力の減少に伴い、戦闘での戦力損失をコアスプレンダー装備により最低限に抑えるべく性能、パイロット保護を第一に製作されたインパルスの後継機ともいえる機体である。
背部にウィザード、シルエット兼用のマルチバックパックを装備。
だが扱いの難しさとコストの高さから数を揃えられない為、
性能のデチューンとコアスプレンダーの簡略化(コックピットブロックを独立させ、脱出カプセルとしての機能を持たせた)に仕様が変更された。
先行生産型は対抗機(水中用MS設計チームの大型MS)とのコンベの後、一般兵用緑のベースモデル通称βとして次期主力機として決定した。
だが生存性と高い性能、βと部品がほぼ共通という利点が評価され、特殊部隊、エース用の高性能機として先行試作機は深紅のオルタナティブ通称αとして少数生産されていた。
集結した三機は、隊長機を中心に左斜めを描くように展開した。
「しっかし、戦隊長も何考えてるのかねえ? 俺達は小間使いじゃないんだぜ、シャトルのエスコートなんて他の連中にやらせりゃいいのによ」
先頭を行くブレイズウィザード装備の二番機、両肩をオレンジ色に塗られたブレイズβ、プルデンシオ・アイマンが僚機に聞かせるように溜息をつくと、大きく被りを振った。
「確かに不可解ではあるが、ま、何かあるんだろう」
ケルベロスをスナイパーキャノンへと換装したスナイパーブラストシルエットを装備した最後尾の三番機スナイパーβ、デューク・インドゥラインは二番機に言う。
「何かって何だよ?」
「……二人とも口を慎しみなさい」
二番機が疑問を口にしたところで、静かに、しかし威圧感の有る声でルナマリアは二人を嗜めた。
「す、すみませんホーク隊長」
「……以後、気を付けます」
「分かっているとは思うけど、既に平時じゃないのよ、戦場にいるつもりでいなさい」
先程よりも柔らかい、しかし確かな言葉でホーク隊隊長ルナマリア・ホークは告げる。
アーモリーワン駐留、運用試験飛行隊、ホーク隊隊長 ルナマリア・ホーク。
又の名を、死を喰らう魔鳥─フレスベルク─。
シン・アスカ死亡の後、唯一生き残ったミネルバのパイロットにしてエースであったルナマリアは、熟練兵の減ったザフトではミネルバのクルー共々希少であった。
そのため、デュランダル議長の懐刀であったこと、現議長と敵対したことは一切不問に伏され、補充要員の組み入れ、訓練の後軍務についた。
その中で4年間、前線とテストパイロットの任を往復していたルナマリアはいつしかその名前にふさわしい猛禽の如き一撃離脱の高速機動戦の才能を開花させた。
今やその実力はキラ・ヤマトを除いたザフトのトップエースと言って過言は無い。
更につけ加えて言えば、ドム三人組の愛弟子にして、肩を並べる連携戦闘術の第一人者でもある。
数日後に控えたアプリリウス1奪回奪還作戦に於いても主力を務める筈だった。
「もう少しで予定合流地点、アーモリー1の哨戒ラインです」
注意されてから無言で機体を進ませていたプルデンシオが口を開く。
「……隊長、シャトルを目視で確認しました」
プルデンシオの言葉に、ディリュージーを撤去し、長距離光学観測機器を装備したデュークのスナイパーβがルナマリアに報告する。
「間違いないわね?」
再度の確認を促すルナマリア。
「受け取ったデータと9割強、一致してますけど」
「よし、目標へと接近する。 イーグル2は戦闘速度で私についてきなさい、イーグル3は巡航速度のまま接近しつつ、周辺警戒」
若干の示唆の後、すぐさま指示を出す。
速度の遅いスナイパーを後方に置き、足の早い前衛でシャトルの安全を確保するらしい。
「隊長、もし未確認機、及び敵機が警告を無視して接近して来た場合は、撃っても構いませんね?」
デュークがルナマリアへと確認と指示を請うべく声を上げた。
「自己の判断に従いなさい……ザフトらしく、ね」
唇を吊り上げ、若干の皮肉と多分の友愛を含んだ口調でルナマリアは答える。
「……了解」
プルデンシオとデュークはよく言うよ。 と口には出さずに呟いた。 だが二人とも口に出すほど馬鹿ではない。
ザフトの誰よりもザフトの特徴『自己の判断』を嫌い、73年つまりメサイア戦役以来ずっと上層部から睨まれながらも(本人は気にも止めていないが)命令系統の明確化と厳格化を訴えて来た人が言っても説得力がない。
本人曰わく「世の中と人にはね、あの時、ああしていれば良かった。 と思う時が有るもんなのよ」
「……言っとくけど男じゃないわよ(中略)だからあんた達にそんな思いはさせたくない訳よ。 分かったら(省略)努力しなさいよ」
と言う一時間に渡る、有り難い経験談もとい説教と言う名の愚痴を聞かされた経験が二人にはあったゆえに。
何食わぬ顔でそんなことを考えていたデュークの視界に何かが映った。
ほんの一瞬のそれは、見覚えがあった。 粒子ビームがなにかに当たり放った光だ。
「ビームの発射光を確認、戦闘……ってか追っ掛け回されてます!」
すぐさまシャトルへと視線を移したデュークの目に飛び込んだのはシャトルの周りを小蝿の様に飛び回るMS部隊。
「何!? 予測よりも展開が早い……! 最大戦速で行く! プルデンシオ、付いて来れるな?」
「当然ですよ、何しろ俺は、二代目たそがr」
「イーグル3、デュークは無理せず、後から来い」
「了解っす」
プルデンシオの言葉を遮ると、言うが早いか、ルナマリアのトライフォースαは背負った三基のスラスターを吹かし、駆ける。
それに次いでオレンジ色の肩、プルデンシオのブレイズβが、デュークのスナイパーβが後を追った。
全てを覆う暗黒の宇宙を、それらは進んでいた。 数は6機、二個小隊。
三機づつ、正三角形を描くように、ほぼ平行に隊列を組みながら。
それぞれの隊の先頭を行くのは、両肩にスパイク付きシールドを装備したダークブルーのザクファントム……その上半身。
そこにメビウスのスラスターを組み合わせ、左腕を撤去し、ビームライフルを直接接続した、MSとMAを組み合わせた急造品といえる機体。
プラントやPMCからは出来損ないと馬鹿にされるその機体、彼らはドラッツェと呼んでいた。
ある命令を下され、アプリリウスから出撃し、既に数時間が経つ。
6機は増漕を破棄し、帰還用の内蔵プロペラントのみを残して、慣性で移動していた。
隊長機の内、一機がもう一機へ近付く。
「……よう、随分不機嫌そうだな」
右手から細い通信ワイヤーを射出し、中年の男の声で話しかけた。
「長い間、この出来損ないで我慢して来た。 4年振りにようやく足付きに乗れると思ったら、またこいつだ……不機嫌にもなる」
帰ってきたのは、幾分か若さの感じられる声。
「仕方あるまい。 本来なら数で圧倒的な不利な我々を補っているのは、このドラッツェとロゴスの連中がもたらした学習型コンピューターを利用した無人機統括システムだ」
「そして、こいつらにはまだ学習の必要がある」
若いパイロットを諌める様に言うと、カメラを切り替え、後ろに控える二機の無人機を見た。
「分かっている。 緒戦においてプラント守備隊を蹴散らしたのは奇襲とフリーダム、ジャスティスを撃破された事による動揺、そして何より奴らの練度の低さによる物だ……事実ベテラン、エースクラスとの戦闘キルレシオは目も当てられん」
若いパイロットは不機嫌そうに鼻を鳴らすと、吐き捨てるように言った。
「分かっているなら辛抱しろ。 次は間違いなくエースクラスを揃えてくる。 それまでにお勉強を終わらせなければ我々の雌伏は無駄骨に終わる。それだけは……」
怒りを超え、憎悪すら感じる口調で年長のパイロットは呟く。
「無論だ。 そうでなければ海賊の振りをしてまで生きて……」
「待て」
年若い男の声は、年長側のコックピットから聞こえる電子音に遮られた。
「喜べ、当たりだ。 見つけたぞ、コンテナ付きのシャトル。 目標だ」
年長者側の小隊、偵察用ジンタイプからのデータが若いパイロット側にも回される。
「アーモリー1の哨戒ラインぎりぎりだな、仕掛けるか?」
「……是非も無い!」
若いパイロットは嬉しそうに、醜く口元を吊り上げるとスラスターに火を入れた
同時刻、プラントへと向かう一台のシャトルがあった。
割合小型のシャトルの後部には本体に匹敵するほどのカーゴスペース。……ちょうどMSが数機積める位の大きさの。
そんなシャトルの搭乗スペースの粗末な椅子に座り、シンはふと窓から外を眺めていた。
「綺麗だな」
頬杖を付き、窓から見える星に思いを馳せる。
「そうかい?……いかんね、感動的な風景も毎日のように見ていると感覚が麻痺してしまう」
「まぁ、こうしてゆっくり見るのは4年振りですからね。 毎回毎回降下カプセルとMSの中だったり、うっかり大気圏に突入しかかってたりで」
シンは苦笑いと言うには忍びない悲惨な笑みを浮かべていた。
「ん、アレはMS、プラントのか?」
星とは違う輝きを見つけ、目を凝らすダークブルーの機体色で見辛いが、ピンク色のモノアイがあるのでザフト系の機体である事は明らかだ。
それに気づいたのは単なる偶然と経験、そして僅かな運だった。
「違う……! 船長、回避だ!」
シンから少し遅れてそれを見付けたジャンは、操縦席に向け叫んだ!
だが、その叫びは遅すぎた。 ビームが主翼を掠め、シャトルが激しく揺れた。
「何だ!?」
ありえない揺れにあわてた船長が操縦席から飛び出してくる。
「「敵だ!」」
倒れないように掴まっていた椅子から立ち上がると、ほぼ同時に二人は怒鳴った。
「こいつに武装は!?」
船長を睨む様に見据え、シンが再び叫ぶ。
「ある訳ないだろ、糞っ!」
近くの窓から自分の目で確認し、船長は悪態をつく。
瞬間、二回目の衝撃、今度は垂直尾翼が吹き飛ばされた。
段々と射撃精度が良くなって来ている。 つまりは更に接近しつつあると言う事、取り付かれたらこんなシャトルはひとたまりもない。
「畜生、やられっぱなしかよ!」
分かっていた事ではあるが、MSに乗っていない時の自分の無力さに腹が立つ。
振り切ったはずの過去の光景が、シンの脳裏に蘇る。
燃える国、動かない両親、片腕だけの妹、冷たい湖に沈んで行くステラ、親を失い泣き叫ぶ子供、愛する我が子を失い狂い掛ける母親。
奥歯が軋みギリギリと不愉快な音を立てる。 痛いほど握り締めた両の手からは赤い、アカイ血が玉となりシャトルの中を舞った。
成すすべなくやられる一方の状況と、自身の無力さに怒りを込め、シンは床を思い切り殴りつけた。
「シン君、後部コンテナだ! MSが二機ある。 君と私のだ!」
そんなシンの姿に、覚悟を決めた様子で後部コンテナを指差すジャン。
「何で、それを早く言わなかったんですか!」
「君の機体はOSがまだ地上仕様のままだ。 宇宙に出たら溺れる!」
ジャンは怒鳴るシンに言い返すと、手荷物から取り出したミハシラのパイロットスーツを手早く着始める。
「味方が多いにこしたことはないですよ。 地上用でも砲台代わりにはなります!」
そう言うとシンは着ている服を脱ぎ捨てながら、赤いザフト系のパイロットスーツと猛禽の嘴にも似た形のヘルメットを取り出した。
「それは?」
「ロウさんに作って貰ったんです。 防弾耐衝撃耐熱性、ミラーシェイドと変声機付きの特注品です」
疑問の声を上げるジャンに答え、いつの間にかスーツを着ていたシンはヘルメットを被った。
「行きましょう!」
低音の、擦れた様な聞いた声、シン・アスカから傭兵赤鬼へと代わった証拠。
シンは地面を蹴り上げ、一直線に搭乗部とカーゴスペースの通路へと向かう。
「……キャプテン、私たちの発進を確認したら全力で逃げろ!」
シンの後を追い、ジャンは地面を蹴る。 そして思い出したように後部との通路手前で、船長に叫んだ。
「言われないでもそうするさ」
船長はジャンに顔も向けずに操縦室へと飛び込むと、顔をひきつらせながら呟いた。
今回は以上です。
すぐ気付くかと思われますが今回登場したプルデンシオは、本編にも少し出たオレンジで西川越で微妙に迂闊なあの人の弟です。
デュークは本名不明なスナイパーのあの人です。
二人の元ねたはアイマン兄弟の名前でググレば2番目に出ると思います。
ゴルゴをコケにして悦に浸ってんじゃねぇよスッタコ
>>121 まぁまぁ、落ち着いて。
けど確かにSEEDとは全く関係ないところからキャラクターを引っ張ってきて
登場させるのは少々軽率でしたね。
それだとクロス物に分類されるかもしれないですし。
せめて「○○を出したいんですがこういうのは大丈夫でしょうか?」
と一言おっしゃってくれればよかったものを。
私はゴルゴ13は未読ですが、もしかしたらこのスレの方々の中に
ゴルゴ13が大好きな人がいるかもしれない時、その人はどう思うか
考えないとスレが荒れる原因になるかもです。
えらそうに言ってすいません。
というよりそのキャラを出す意味がわかりません。
ザフトの給料はスイス銀行の口座に行く、とかのネタを振らないと
クロスのキャラは活きてきませんよ。
>>120 GJです。ルナマリア登場ですか。シンと会話なんかはあるのかな?次にも期待ー
>>123-124 放って置こうぜ。それより感想書こうぜ。
あれ? おそらく日本一有名なスナイパーってことで名前だけ借りたんですが、もしかしてまずかったですか?
>>121 ゴルゴを馬鹿にする気はなくて、好きだから使わせて貰ったんですが……
GJ!ルナマリアがエースパイロットかー。シンが死んだ事になってから苦労したんだろうなー。
…赤鬼の正体がバレたらどうなることやら。…さらに現在19歳のナイスバディな女の子と同棲中…と発覚したら…
ややこしいな
βが緑色か
>>102 お前は昨日FFTを購入して始めたばかりの俺を敵に回した
>>127 >もしかしてまずかったですか?
いや、全然
読めば、名前を借りただけってわかるから
>>130 まぁまさかこの板でFFTのネタが出てくるとは思わんよなぁ。
しかし意外や意外、FFTネタは何故か色んなとこで目にするから他のスレでも注意すべし
なんせ使い勝手が良すぎるからなFFT。アルガスの台詞なんかは種でも使えるぜ。
>>127 GJ!
赤鬼とルナマリアの接触がどうなるのか今から楽しみですよ。
>>133 家畜に神はいない、だっけ?
当時年齢一桁だった俺にも強烈なインパクトをくれたセリフだった…
>>134 その前にTOやってたからそこまでは来なかったなぁ
ガフガリオンは「おお、汚い大人っぽいなぁ」と感動した覚えがある
ああ、後は章ごとのサブタイトル? 利用する者される者とか、いいやねぇ
>>120 ま、気にすんな
どうしてシン達が狙われているのかよく分からんけど、まあ、主人公ってそんなもんだよね
ミラーバイザーと変声機で正体を隠す準備はバッチリだなw
GJ
ファンタジー系SRPGには強烈なネタキャラが多い
任天堂の黒歴史の炎の人やティアサガの王子様とか色々
>>136 スナイパーの後にそんな話題振るから大陸一(笑)が思い浮かんじゃったじゃないか。
>>45 リヴァといえば まだ動いてはいるが ラクシズ厨が出張って 乗っ取られつつあるな
他サイト批判はあまりしない方が良いんだろうが、リバは船頭が多過ぎるのが問題だと思うぞ。
まあGSC氏みたく旧作をガンガン捨てて書きたい物目がけて突っ走るのもアレだけどw
少なくともラクシズは倒すべき敵として書かないとな
作品を破綻させた負債のご都合主義を体現してる以上 奴らの考えは否定しなければならない。
あるいは無印の最初から書き直すとかな…種死からなら修正も可能ではあるけれど、
やっぱり苦しい。まるごと生き返らせない限り説得力が出ない。アフター物ってのは
そういう意味で大変だと思うよ
>>143 うかつな事言うと次女のタンホイザーで吹っ飛ばされるぞ。
というのは冗談としても。
種死本編のムネオの例があるから「生きてました」はありだと思うんだよな。
丸ごとってのは無理としても。ナタルとかもありじゃね?
フレイが生きていますた><
エルちゃんがいきていますた><
実はマユがいきていますた><
ステラが死んでいるはずがないといいなぁ!!!!
ラクス「あら、では3Pですのね♪」
>>144 「ムネオ生きてました!」はいただけない派なので「実は生きてました!」系はなぁと思ってしまう
どっかのスレで見た「フラガ父が外で作って認知してない子供」の方がしっくりきた
>>147 悪そうで有能なムウっぽいアレか。
あとどっかで、ネオ=エンデュミオンの鷹(要はムウ)のクローンってのも無かったっけ?
アル・ダ・フラガとクルーゼみたいな関係で。
>>144 ナタルが生きてたのはあった。
同じく生きてた狂うぜとシンマユ他一名で宇宙海賊やってた。
ルナマリアが別の男に走るもマユが別の男に走る方がショックな俺がいる
盟主王とナタルと旧三馬鹿とフレイとサイとカズィとシンが戦後に何でも屋を営んでる作品なら知ってる
>>151 お前は何を言っているんだ…実の妹だぞ。気色悪いw
>>151 凸「止めろシン!!シスコンは変態だ!!」
>>155 シン「ホモのアンタにだけは言われたくない!」
>>155 キラ「やめてよね…アスラン以上の変態が居るわけないじゃないか」
>>156 凸「この、馬鹿野郎ッ! ホモじゃない!ゲイだ!!」
アスラン?ああ、あのビッチか
ビッチのアスラン……ドラグーンプレイか。
>>151 上の宇宙海賊マユが一応他の男に走ってる。
ホモ・サピエンスの男ではなく飯塚昭三ボイスの巨大ロボだけど。
>>158 何力いっぱいカミングアウトしてるんだよ
カミングアウトのアウトは人間としてアウトって意味なんだよ
とっとと氏ね同性愛者!
ホモだコリャ!ホモだコリャ!
>>162 隣のダイノガイスト様か。あれのマユはアクティブすぎww
てか、あの話だとクルーゼ隊長絶好調杉&シンの突っ込みも絶好調で面白かった
誰か、誰かナタルさんとノイマンが
添い遂げるSSを知りませんか!?
統合スレのノイマンが不憫で…(ノд`)
>>166 アフターよりクロススレに期待したらいいと思う
ジオンスレはナタルが艦長をやっていてジブリの政変でアズラエル様が幽閉されAAフルボッコされたがジオンの同盟国オーブに滞在中のガルマとマ・クベに匿われたから無事だ
問題はジュドーなシンとマユがウズミとマルキオの毒牙にかかりそうだがナタルXノイマンの可能性はまだある。
とりあえず氏がインフルエンザから回復するのを待とうぜ
>>166 刺身用の烏賊のゲソをザルに入れて熱湯をかけて醤油をつけて食うと(゚д゚)ウマーイよ
何でアフタースレにナタル話を期待するんだよw
フレイ話があったからナタル話は不可能では……ないのか?
ローエングリン直撃喰らったムゥが生きてる種世界だしな
死人は生き返っちゃダメだ
怪盗Lv20の魔法に「実は生きていた!」というのがあってだな……
174 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 03:30:32 ID:cAS4/8FC
HT&Tは絶対確実に黒歴史だと思うんだ。
あの酷さ、厨二、原点蹂躪ぶりは正直種死レベルに達している。
天使「契約者の野郎が死んで美少女が悲しんでいるのでとりあえず契約者をキタキツネに転生させた」
アフターでナタル本人は無理だけど妹とか従姉妹としてそっくりなキャラを出す事は出来る……オリキャラだけどな
おっぱい司令官ですねわかります
あの人は今、どうしているんだろうか…?
やっぱりSAN値が下がり過ぎて帰って来れなくなっちゃったのかな?
>>178 たしかスパロボZをやってるんじゃなかったっけ?
あの人の凸の再現率は異常だから、俺もその後が楽しみだったんだがな
実はシンXセツコスレに流れたとか?
たしか、シンが3馬鹿やフレイ、カズイたちと一緒にベルリンで何でも屋やってる話で、
ナタル&盟主王生存の種死後だったはずだけど
どこで読んだのか忘れた。
しかしノイマンが添い遂げるのは少ない気がするなあ
>>181 新人スレだけど更新止まってるんだよなぁ……
機動戦士ガンダムSEED DESTINY the Untold
第6話 はじまりの、はじまり
「カーペンタリアでは既に我が軍による基地建設が始まっており、ジブラルタルも間もな
く敵残党の殲滅を完了する予定です。しかし例の海底基地ですが、正確なポジションがま
だ解っていません。そしておよそ70分前、ガルナハンに展開していたオーブ、ザフト混成
部隊を排除し、一帯を制圧したという報告が入りました」
天井の照明を落とした会議室に、若い男の声が響き渡る。円卓に腰掛けた地球連合軍の
将官達が、中央に投影された三次元スクリーンを見つめている。赤く記された点が消滅し、
青い光へと変わった。半透明の地球儀上に表示されている幾つもの白い矢印は、地球連合
軍の部隊を意味していた。
「宇宙は……アメノミハシラは、どうなっておるかな」
「作戦行動中の部隊とは連絡が取りにくいもので……あ、失礼」
白髪の老人の言葉に返答しかけた青年将校が、左腕に取り付けた小型端末に視線を落と
す。キーを幾つか叩いて、小型モニターに幾つかの画像を呼び出した。
「最新情報によりますと、核ミサイル3発をアメノミハシラに全弾命中させ、完全に機能
を喪失させたとの事です。が、残骸を調査したところ、1機のMSも1隻の船舶も無いとか」
「つまりロンド=ミナ=サハク代表達は逃げた、と」
「その可能性は大であると、レポートにはあります。しかも戦力として使える物が悉く無
いという事はすなわち、24時間以上前に作戦を察知していたのではないかと……所見に」
「やっぱり、化かし合いじゃあ敵わんかのう……」
「元帥、なにを弱気な。とにかくこれで準備が整ったではありませんか」
グリーンティを啜る老人に自分のクッキーを差し出しつつ、会議室内では比較的若手に
位置する中年の男が席を立った。右手の指をゆっくりと折り曲げて拳を作る。
「地球連合に、大西洋連邦に多大な損害を与えた者達に対し、ツケを払わせてやる時が
来た。無法者どもを教育してやるのです。我々にはその資格と力がある。民意も我々を支
持しています。今こそ連合は、プレジデントという指導者の下で一体となり……」
「会議室は貸しスタジオではないよ、中将。仕事が終わったらカラオケにでも行きたまえ」
別の人間が飛ばした野次に、室内で笑いが起きる。中断させられた本人も頭を掻いて
着席した。ただひとり笑みを浮かべない白髪の老人が、湯のみから顔を上げる。
「国民の大半は武力攻撃を支持しておる。プレジデントもまた、容赦なき再征服を断行せ
よと指示を下された。無警告、無通知で始められる攻撃は、さながら内乱の鎮圧か」
「何かご不満な点が? 私には、事態の正常化としか思えませんが」
横合いから問われ、老人は湯気を立てる茶の水面に息を吹きつけた。
「我々はこれより、地球圏の敵を一掃する。地球圏は地球連合というひとつの意思により、
再び統合される。しかし、それは正常化を意味しない。何かが変わるのだ……間違いなく」
「ヴィーノ、何であいつらは俺達を追撃しなかったんだろうな」
「連合軍の話か?」
MSキャリアの格納庫には、シンのM1カスタムがメンテナンスベッドに寝かされてい
た。両側の壁が棚状に開き、オーブとザフトのMS用携行兵装が並んでいるのが見える。
遠隔操作パネルでロボットを操り、機体の各部を修理させているヴィーノは、そこで顔を
上げた。MSのあちこちで上がる青白い火花を眺めていたシンは、彼と目を合わせないま
ま言葉を続ける。
「たかがキャリア1機とMS1機だし、追いかけてきたって不思議じゃない。何であんな
簡単に諦めたんだ。別働部隊を疑ったのか、自分達の強さを教えたかったとか?」
「メカしか詳しくない俺に聞いたって仕方ないと思うんだけど……そうだなあ。あのMA、
実は息切れが早いのかもしれない。継戦能力に不安ありってやつさ」
モニターを一度切ったヴィーノが、席を立ってスポーツドリンクのボトルを手に取る。
「MSを歩兵と考えれば、連合軍のMAは攻撃ヘリとか攻撃機みたいなものなのかもな。
まともに戦えば、相手の作戦通りにかち合えば歩兵側の勝ち目は殆ど無いだろ?」
「じゃ……さっきは歩兵1人で攻撃ヘリに勝ったってことか?」
「みたいなもの、って言ったろ。それほど絶望的じゃなかったよ。とにかく、きっと連中
は予定外の戦闘とか行軍が大の苦手なんだ。さっき俺達を見逃したのも、後続を待ちたか
ったのかも知れない。詳しい情報が欲しいな。馬野郎と甲殻類と飛行船もどきってだけ
じゃあ、対策も立てられない」
ヴィーノに頷いたシンは、頷いたまま視線を下に向けた。MSパイロットとしての自分
には少なからず自信があった。重装甲、高火力のMAと戦い倒した事もある。しかし、
そういう敵に寄ってたかって襲われた事はない。量産されたデストロイは異常なほど貧弱
だったし、他のMAもそれほど戦法がしっかりしていなかった。
軽く両の頬を叩く。これまでに戦った事のない相手なのだ。敵MSの群れ相手に奮闘
していた過去の自分は忘れねばならないと、シンは感じていた。
「……左手の武器はディンの散弾銃にしてくれ。できれば銃身を切り詰めるか何かして、
取り回しを良くして欲しい。射撃型のビーム兵器はやめよう。スラスターにエネルギーを
回す事が多くなりそうだ。代わりに、レールガンを右手に持たせられるか?ソードは左肩
に移して、ショットガンと使い分ける」
「面倒な事を言い出すなあ……腕に重量が掛かるから、右肩には何も積めないぞ」
身を捩りすぐ傍のコンソールに触れ、機体データを呼び出して試算を始めるヴィーノ。
「構わない。今回は対MA用の実験装備のつもりだから。奴らには単に弾をばら撒いても
効果はないだろ。狙った所に威力の高い一撃を叩き込まないと……」
2人の後ろにあるドアがスライドし、コニールの仲間であるゲリラ兵が血相を変えて
やってきた。アサルトライフルのスリングベルトを握り締め、シンに詰め寄る。
「俺達を降ろさないってのは、本当か!」
「連合軍が予想以上にあちこち手を伸ばしてる。今アンタ達を降ろせば、間違いなく見つ
かって殺されるだろう。とにかくオーブまで戻って、難民って事でカガリ様に……」
「だが! お前らの軍隊は、連合に蹴散らされただろう! オーブだって危ないんじゃないのか!?」
男の言葉に、シンもヴィーノも即答できなかった。今の連合軍に攻められて、果たして
オーブは保つのだろうか。シンが眉間に皺を寄せる。こんな時、何と言えば良いのだろう。
『シン=アスカが敬愛する』ラクスとキラなら、どう行動するのだろう。
ややあって、シンは男に頷いてみせた。ライフルを提げていない方の肩に手を置く。
「ガルナハンよりは安全だ。俺が保証する。俺が……アンタ達の安全に、責任を持つ」
「馬鹿言え! そんな出来もしない事を」
「信じろ! ……あのMAと戦って勝った俺を、信じろ。確かにオーブに行っても全部解決
する訳じゃない。地球連合は何の声明も出してない。何を考えているのかさえ解らない!
とにかく俺達は生き延びた! なんでだ? 俺が勝ったからだろう!」
シンは男を睨み返し、歯を食い縛る。実際、シン1人で勝ったわけではない。傷の癒え
たコニールがそう言いふらせばまずい事になる。だが、問題は今なのだ。やがて男の方が
目を逸らし、肩を落とした。
「その通りだ……認めたくないが、連合の機体とまともに戦えてたのはお前だけだよ。
俺は皆の代表として来たんだ。仲間にも今の事を伝える。……邪魔したな」
背を向けて立ち去る男の姿が消えると、シンは近くの機材にもたれかかって目を閉じる。
言い切ってしまった。16歳の少年は、自分の意思で自分以外の命を背負ってしまったのだ。
明け方の海。水平線の向こうが薄っすらと白み、暗闇の世界が終わりを告げる。無数の
航跡を残し、夥しい数の艦船が海上を進んでいた。四脚と六脚の機動兵器を搭載したMA
母艦群が互いの識別灯を瞬かせる。MSの倍以上ある巨人が2機、隊列を組む専用輸送船
のカーゴスペースで蹲っている。ラグビーボール状のボディを2つ横に繋げた航空兵器が、
空母の甲板に並べられている。それらは艦隊の外周に配置され、更にその周囲をダニロフ
級イージス艦が固める。
艦隊中核にはスローターダガーを多数搭載したスペングラー級改修揚陸艦隊があった。
大艦隊であるが、目立つ旗艦はない。灰色の群は互いに身を寄せ合い、まだ見えぬ目標に
向けて粛々と進んでいく。
オーブ連合首長国史上、最後の武力衝突開始まで、5時間を切った。
<次回予告>
何もかもが突然だったのか、来るべきものがやって来たのか。明日が、迫る。
今回は此処までです。
投下乙です
みなたま……もといミナ様まで敵に回すとは、連合も本腰を入れてプラント及びオーブとその関係者を排除するつもりか
彼女がオーブの危機にどう動くか気になりますな
(凸の動きも気になるけど)
これが本編準拠ならシン一人でどうにかなりそうだがw
「父さん!母さん!」
とうとう戦争の火の手がこのオーブ、オノゴロ島にまで伸び避難しようとしていたアスカ一家。
しかし、その魔の手からは逃げられるはずもなく。羽根の突いたMSからの流れ弾により両親のいた
ところは蒸発した。奇跡的に爆風に煽られ、特に外傷も泣く気絶しただけ妹のマユがシンの方に飛ばされ。
シンは妹をがっちりと受止め二人は事なきを得た。しかし、この時を境に二人は天涯孤独の身の上となってしまったのである。
それから数日後、アスカ兄妹はトダカというオーブの軍人の勧めでアメノミハシラへ到着した。
来るべきものは拒まず、の精神を受けての考えであった。
「(ここで、生活するのか)」
きゅっと服の裾を掴んで離さない妹を見やり、シンは考える。あの時からマユはシンのそばから
離れようともせず明るかったその性格にも影が差すようになっていた。
俺が頑張らないと、自分も崩れだしそうな精神の中なんとか持ちこたえそう自分に言い聞かせていた。
「オーブからの避難民というのはこの二人か?」
奥のドアから数人の人影が現われた。
「そうでソキウス、これで最後でソキウス」
「うむ、そうか。それではていちょ、ていちょ、てちょ…ていちょーに扱わないとな」
「(なっ!?)」
現われたのはアメノミハシラを統べる者、ロンド・ミナ・サハク、通称みなたま。
12歳という年齢ではあるが実際のところはそれより下とも思える風貌ではあるが頭の方は随分
と切れると評判の才女だ。
「?」
マユもみなたまを目の前に思わず首をかしげた。実際シンも困惑していた。
こうして、シン達はアメノミハシラで第二の生活を送る事になる事になった。
しかし、この選択がこれから5年後予想外の発育を見せるマユに対し、貧乳ロリ路線を続けるみなたまの
両サイドの信者による板ばさみでシンは胃痛に悩まされる事などついも知るよしがなかった。
ちっこいおねーさまと巨乳ロリとは何と言うご馳走、ハァハァ
育ったマユとか最強すぎるw
みなたまもある意味最強だが、ベクトルは真逆だなwww
しかしこのみなたま見てるとちゅるやさんのAAが思い出されるw
そういやマユって九歳にしてはありえない程発育が良かったような…
みなたま…背は伸びても胸は成長が望めそうにn
何度も言われてることだが、
エル:12歳
マユ:8歳
この設定はどう考えてもおかしい
種の設定はおかしいものだらけだが、その中でも特にw
>>191 誰か改造して作ってくれねーかな……と俺も思う。
俺は無理
>>186 最後ってことはオーブ陥落か……
凸が不穏な動きを見せている中のそれは非常に怖いことだな
GJ
ちなみに本編準拠ならキラ凸の揃ったオーブなんて攻めた日にゃ、1万対2でも攻め切れないぜw
……種の頃はこんなトンでもないキルレシオはまだ笑い飛ばせた筈なのにな
ついでにみなたまくぁいいよみなたま
>>191 みな「ソキウス、ちょっとあのリモコンとってくれないかい?」
そきうす「みな様、ご自分でおとりくださいでソキウス」
みな「届かない・・・・・・」
みな「みな〜ん」
>>196 涙目のみなたまをいとも簡単に妄想できた、謝罪と(ry
みなたまの好物は何だ?
ミナ様の方は、セトナが作った巨大プリンを旨そうに喰っていたが
みな〜ん・・・いい響きジャマイカ
GSC氏の投下に
>>188を重ねた奴は鬼畜としか言いようがない。かすんだどころか吹き飛んだじゃねーかw
「特に外傷もなく気絶しただけ」ここに優しさを感じた
>>186 GJです!
本編の戦闘が微妙だから比較にもならないけど、GSC氏の戦闘はリアルでたまりませんなぁ。
シンにはかなりのプレッシャーがかかることになるけど、それをシンがどう切り抜けていくのか、ますますこの先が楽しみです!
>>188 Gじょ……じゃなくて!
アンタって人はーーw
>>186 GJです!
洗脳されても絶望しても、シンは人の命を守ろうとするんですね・・・
連合軍の動向も気になる。次の投下も楽しみにしています!
シン「もうアズ子の平らな体なんて、触る気もしない。
アズ子なんてみなたまに比べたら中出しさせてくれる位しか無い女だよ!」
nice boat
キラ「中出しさせてくれる女の子を悪く言うなんて、許せないじゃない?」
まさにフリーダム!
そういえばさ、シンってここの小説では人々を守り、命を大事にする者
として書かれてることが多いけど本編でそういう描写あった?
ローエングリンゲートとかのシーンはそういうの薄いし。
ていうかその後キラに主役とられて描写薄くなったし……。
ギルとの会談
むしろ、ローエングリンゲートであれそういう描写が無かった事なんてあったか?
投下します。今までで一番長いので支援のほうをお願いします。
シャトルの中で気を失ったカガリが目を覚ましたのは、暖かいベッドの中だった。
「ここは……」
「気がついたか」
声がした方を向く。すると長身、黒髪の女性がスライド式ドアの向こうから現れた。
ロンド・ミナ・サハク。オーブの五大氏族の末裔であり、軌道エレベーター『アメノミハシラ』の主でもある。
カガリは氏族同士のパーティなどでお互いの事は幼少時より知り得ていた。
「ロンド。……ここはいったい?」
ムスッとした口調。カガリはこのサハク姉弟の人を見下したような立ち振る舞いが好きになれなかった。
もっとも、相手もそうだったが。
「おや……? このアスハのご子女は、久しぶりに会った者に対する礼儀も知らぬとみえる」
「――久しぶりだな、ロンド・ミナ・サハク。で、ここはいったいどこなんだ?
私はいったいどうなったんだ? あれからどれくらい時間がたったんだ?」
矢継ぎ早に質問を浴びせるカガリに、ミナは低い笑みで答える。
「此処は予の居城、アメノミハシラ。お前が漂流していたシャトルの中で気絶していたのを、とあるジャーナリストが発見してな。
オーブの公用シャトルに乗ったものを無碍にするわけにもいかず、そのまま我が城で身柄を預かることにしたのだ」
「それで、あれからいったいどれくらい時間が過ぎているんだ……? 状況は? オーブは!?」
「……貴様と話していると、何故動物図鑑に貴様の姿が載っていないか不思議でしょうがない。まだ一週間しかたっておらぬ」
「一週間……!? 七日も私は寝ていたのか!? ――ぐぅっ!」
すると、カガリはこうしてはいられないとばかりにベッドから飛び起きた。しかし右足を動かした瞬間、耐え難い激痛が走る。
この痛みこそが、あのシャトル内での出来事を裏付ける決定的な証拠だった。さっと顔に冷や汗が伝う。
「早く議会へ顔を出さないと……! まだあのプランへの対応策が――」
「急いでも無駄だ。もうカガリ・ユラ・アスハはこの世には存在していない」
「はぁ!?」
ワケのわからないと言った風に、カガリが素っ頓狂な声を上げた。事実、その言葉の意味がわからなかった。
「な、何を言ってるんだ!? 私は現に、ここに――」
「喚くな。その喚くしか能がない口を閉じ、現実を見るがいい。もはや何者でもない小娘よ」
不思議そうな顔のカガリの前に病室備え付けのモニターが降ろされる。そしてそれに映る映像に目を走らせると、
カガリの金の瞳が大きく見開かれた。
ライオン少女は星を目指す
第二話「シンと遠い日々の記憶」
『我らが指導者であり、我々が愛したカガリ・ユラ・アスハは死んだ! 何故だ!?』
モニターの向こうで有力氏族の一人が声を張り上げている。
その背後には大きな自分の写真が映し出されており、カガリはまるでここは別世界に来てしまったような、そんな不思議な気分になった。
「こ、これはいったい……」
「どうも葬式のつもりらしい。貴様のな」
目を細め、ミナが言う。この壮大な三文芝居のために大事な国民の血税が泥だめに捨てられたかと思うと、憤りを隠せないようだ。
『彼女はかつてオーブを愛していたザフトの軍人、シン・アスカに撃たれたのだという! 何故か!?
同郷の人間が憎み、復讐するこのような出来事があったのは何故か!?
戦争は確かに終わった。しかし、未だに世界各国では爆炎の華が咲き、憎悪の嵐が吹き荒れ、すべてを闇に包む黒煙が消えることはない。
諸君らは、この世界の惨状を対岸の火だと自ら切り離してはいないだろうか!? それは間違いだ!
そのさなかで、この事件が起こった! 彼女は世界の危機を教えるためにその身を持って我らに教え、死んだ!』
「そんな……わたしは生きているぞ! こんなことはくだらないことはやめろ!」
「静かにしろ、これは先日録画したものだ。もっとも、この場に駆けつけていたとしても貴様の言葉などすでに彼らには届かないだろうがな」
もしこのままオーブに戻ったとしても、生きていたら生きていたで再び事故を装い殺されるだろうと最後にミナが付け加える。
『諸君らはこの悲しみと怒りを忘れてはならない! しかし人類はいまだに愚かな争いを繰り返し、互いの身を滅ぼし合っている!
これはもう誰にも止められない連鎖なのか? 否! 我々にはまだ救世主がいる!
彼らこそ我らの愛した指導者の血縁にして、自由と正義の二刀流を持つ勇士たち!』
その演説の壇上に現れた人物を見て、カガリは驚きを隠せなかった。
「ラクス……キラ……アスラン!?」
三人のうち、キラがマイクをとる。
『この報告を聞いた時、僕たちは驚きを隠せませんでした。どうして……何故カガリが、と。
彼女は何もしていないのに、命が散ってしまった。これは普通ならとても許せないことなんだ。けど――』
すると、オーブ軍人に連行されながら一人の男が壇上に上げられた。
そのままラクス、キラ、アスランの前へ連れて行かれるとその男は芋虫のようにうずくまり、嗚咽し始める。
『私はカガリ様をのせたシャトルに同乗していた随伴員、スズキです。
カガリ様は私と他の者を逃がすために天に召されたのに、私だけはのうのうと生き恥を晒しています。
裁判所に伺うまでもない! キラ様、この罪深き私めに裁きを与えください!』
キラがその男を見ると一瞬苦しそうな顔になったが、男に向けて諭すように言葉を投げかける。
『ダメだよ。どんなに小さくても、命は宝なんだ。たとえそれが、あなたのような罪人であろうとも。
あなたは、あなただ。カガリのことで気を病んでいるなら、あなたはカガリの意志を継いで一生懸命生きてください。
それだけが、僕の望みです』
『キラ様……! おぉぉぉ……!』
スズキは壇上で手錠を外されると、再び芋虫のようにうずくまり、そのまましばらく民衆の面前でむせび泣いていた。
しかしその時、注意深く男を凝視していたせいで、カガリは見てしまった。
うずくまる前のほんの一瞬、この男の口元が勝ち誇ったようにつり上がるのを。
スズキが立ち上がり、退場する光景を背景にその後に流れたアスラン達の追悼の言葉など、耳にも入らなかった。
『私は、過去にはもうとらわれないと誓いました。父のこともあり――』
『わたくしたちは、いったいどこへ向かうのでしょう? どうして人は――』
涙の一滴も流さないまま話す追悼の言葉など、上滑りにしか聞こえない。
それが終わると、再び有力氏族の演説が続く。
『彼らこそ、この混迷を極める世界に救いの光をもたらす者なのです。
特にキラ様とラクス様――クライン夫妻は、デスティニー・プランにて世界を滅ぼさんとした
デュランダル議長の伴侶、タリア・グラディスのご子息を家族に迎え入れるなど、
慈愛にあふれるその行いは世界中から賞賛を受けております。
それらを踏まえ検討した結果、我々オーブ政権はここに宣言します!』
会場に詰めかけていた民衆たちが騒ぎだす。葬式のムードなど、どこかに吹き飛んで行ってしまっていた。
壇上の男の口が、開く。
『オーブは、クライン議長が掲げるアーノルディ・プランを全面的に受け入れ、
プラントと正式に軍事同盟を結ぶことを決定しました!』
それは、何もかもが唐突過ぎた。
「う……嘘だ……」
『なお新たに代表首長代行を務めるのは、今は亡きカガリ様の弟君にして世界にその名を響かせるCEの聖剣の担い手!
キラ・ヤマト・アスハ様であります!』
再びキラが壇上に上がる。
その時になって、カガリは気恥ずかしそうに壇上に上がるキラのその胸に
アスハ家の家紋が入った刺繍が入っていることに初めて気がついた。
『僕は――いえ私は、前大戦時には何と戦わなければいけないのかとずっと光が見えない闇の中で、散々迷ってきました。
このままじゃいけない、けどどうしたらいいかわからない。もうザフトと連合、どちらも撃ってはならないんです。
だから憎しみが止まらない。戦争が終わらずに泥沼化する。ですが終戦間際に、私はデュランダル前議長と決別しました。
プラントも地球も幸せに暮らせる世界が欲しい、だから戦う、覚悟はある……と。だから……あの……』
ためらいながら、キラが目前に広がる民衆を見わたした。
『私の夢は、戦いのない幸福な世界、それだけです。ですが本当は皆同じ夢のはずなのに、世界はそれを知らないんです。
だから、カガリを殺した人のような憎しみの連鎖にとらわれた人を作らないために、どうか僕にに力を貸してください。
お願いします。本当は撃ちたくない……撃たせたくないんです! ですが、今の僕は覚悟がある。僕は戦う!』
そう高らかに宣言したその時のキラの表情は、果てしなく明るい笑顔だった。
理想を話していたせいか、いつの間にか一人称が戻っていることにも気づいてはいない。
「そんな……。そんな馬鹿な……」
カガリは茫然とモニターの向こうの光景を見つめた。涙の一滴も出ない。むこうも涙を流すどころか笑っているのだから。
あまりの衝撃に立っていることさえできない。全身から力が抜け、がくりと膝をつく。
「……もはや奴らの慢心には、あきれを百里ほど通り越して感心するしかあるまい」
カガリのそんな姿を見たミナも、この映像を見ている時ばかりはカガリと同じように半ば茫然としてその光景を見るしかなかった。
養父と養母が眠る故郷が。
代表首長として守らねばならない国民の住む土地が。
アスハ家何代にもわたって受け継がれてきた平和なオーブの島国が。
お父様の残した理念が。
――踏みにじられてしまった。
『血のバレンタイン、ブレイク・ザ・ワールド。
しかり先の大戦は、いずれも地球の混乱を願うテロリストたちによって引き起こされたものだ。
あまつさえ、前大戦中には平和をもたらす歌姫、クライン現議長もその御身を狙われた。
そう、我々の世界は絶えず滅亡の危機に脅かされている! この平和を守るためにもオーブは今、世界のため立つのだ!
立て国民よ! オーブの崇高な理念の元に、いざ――』
「くそったれがぁぁぁぁぁ!!」
怒りという感情に身を焦がし、カガリが拳をモニターに叩きつける。
画面が砕け、モニターのガラスが拳に突き刺さり血が噴き出したが、それにもミナは動揺をみせない。
「馬鹿な! いったい何があったんだ! 答えろミナ! 答えろと言っている! なぜこんなことになった!」
だがそれに対するミナの返答は、素っ気なかった。
「その問いに答える義務は、予にはない」
「くっ……。なんだそれは!」
「むしろこちらがお前に問い詰めたいほどだ。お前はいったい何をしていた? なぜこうも簡単にオーブが乗っ取られるのだ?」
その声は、思わずカガリがぞっとするほどの冷たい響きを持っていた。
「わ、私だって頑張っていた! しかし、こんなことはまったく――」
「黙れ、犬」
そのあまりの語気の強さに、カガリは目に見えてたじろいだ。
「とっさに考えた言い訳がそれか、国家元首の皮をかぶった愚劣極まりない犬めが。
いや、『元』を付け加えるのを忘れていたな。詫びよう」
「ぐ……なんだとぉ!」
ミナは憤るカガリに向かって数歩歩み寄り、微塵も隙を見せない堂々とした態度で問いかける。
「もう一度聞こう。お前は今まで何をしていた? クラインの小娘は、議長に返り咲き、形はどうあれ様々な政策を出していた。
それに引きかえお前はこの一年いったい何をしていた? まさかさっきの『頑張っていた』で済ますわけではあるまいな?」
「わ、私だって……」
するとカガリの声が、今にも泣きだしそうに震えた。返す言葉が見つからない。彼女がこの一年勉強していたのだって、
今まで勉学面でサボっていた分を取り戻しただけのようなものだ。とても偉そうに言える立場ではない。
そのほかにはラクスが掲げたあの提案を突っぱねていた。それだけだ。本当にそれだけだった。
他にもあの戦争の事後処理などがあったが、それは他の官僚が行っていたことだ。
「貴様は何か勘違いをしている。世界のため、オーブのため政治を行っていると宣言してはいたが、実は違うだろう?
貴様は亡き父のために国家元首に祭り上げられ、あのユウナとも結婚しようとたのだ。
英雄のように死んでいった亡き父の遺影を掲げ、それこそがオーブの民の意志なのだと思うようになったのだろう。
それは正解だ。正確に言えば国民は皆が皆、お前の後ろにあるウズミを見ているだけなのだが。
その証拠に、先ほどの映像では『ウズミの娘』としかお前の評価、功績はない。
どうなんだ? 予は答えろと言っている」
その事実に気付くとカガリは、ふと自分を支えていた何かが崩れ去ったような気がして、再び床にへたり込んだ。
表では獅子の後継者だと評価を受けてはいるが、こうも罵られるとぼろが出る。
「どうした? 答えぬのか? では次にお前はいったい誰に泣きつくのだろうな? あのザラの裏切り息子か?
それともクラインの小娘か? それともやはり自慢の『弟』に泣きつくのか? 答えろ」
「ミ、ミナ……!?」
しえん
気付くのが遅れた…支援?
遅かった?
226 :
ライオン:2009/02/03(火) 17:43:41 ID:If6OlDzL
うかつでした。さるさんです。
ちょうど用事も出来たのでしばらくお待ちください
おのれさるさん、いいところで…!!
「予は今までの人生でこれほど怒りに震えたことはない。ギナを失った時には劣るが。オーブを乗っ取られただと?
予が、事情を知らずそこで眠り続ける貴様をいったいどれほど八つ裂きにしたい衝動に駆られたと思う?」
「う……、それは……」
「分らぬか、何も分らぬのか。そうか、すまなかったな。獣に人の言葉を話しても理解できる道理もあるまい」
ミナは懐から棒状のものをとりだした。それをへたれこむカガリの前に放り込む。
からぁん、と軽い金属音がした。
「拾え。犬」
ミナが懐から取りだしたそれは、鞘に納められていたナイフだった。だがナイフにしては長く、小刀と言ってもいい。
カガリは手を震わせつつ、立派な彫刻と金細工がちりばめられている鞘から刀身をすらりと引き出した。
乾いた金属音とともに、見事な白銀の刃があらわになる。
なんのつもりか、とあっけに取られるカガリに向かい、ミナは顎でしゃくった。
「それはお前が崇拝するアスハ家の宝刀だ。サハク家が預かっていた物をわざわざ宝物庫から取りだしてきたのだ。
それで今すぐ自害しろ。そうすればお前の存在など、ただの人の形をした犬だったとして記憶から消してやってもいい」
それはあまりにも辛辣であり、苛烈であった。カガリは、怒りを覚えるよりも先に言葉を失った。
茫然と刀身を見つめるカガリを見て、ミナはわざとらしく大きなため息をついた。
「やはり理解できないようだな。犬も犬なりに従順であるならともかく、こうも低能であっては救いようがない。
あの『飼い主』たちに捨てられたのも当然と言えよう。……ソキウス」
ミナが指をパチンと鳴らすと、扉の向こうから顔が瓜二つな青年が数人現れた。
そのうち二人が茫然自失のカガリを支え、立ち上がらせる。
「ついてこい。お前の『罪』、その狭い視野しか持たぬ目にしかと刻みこんでやろう」
そういって、ミナは力なくうなだれたカガリを引き連れ、部屋を後にした。
==========
==========
カガリがミナに連れられた客室は、アメノミハシラの客室であった。
そこには来客用の豪華な装飾がなされており、備え付けられた部屋の窓の強化ガラスの向こうには
凍てつく漆黒の宇宙が広がっている。
「ミナ。いったい何を……」
「お久しぶりです。アスハ元代表」
声がした方を向く。すると、部屋の壁際で車いすを引いた一人の人物がこちらに向いてお辞儀をした。
短くそろえた金髪と顔の仮面。それは、ある人物を思いおこさせるには充分であった。
ラウ・ル・クルーゼ。かつて己の憎しみから戦争を巻き起こし、人類を滅亡の危機まで陥れようとまでした人物。
「お前は――!?」
「失礼ですが、人違いです。私はレイ・ザ・バレルという者。ラウ・ル・クルーゼではありません。
ミネルバで数回ほどお会いしたことがあったはずです」
すると、レイと名乗った男が顔につけていた仮面を外した。
そのときカガリは悲鳴をあげないために体中の自制心を総動員しなくてはならなくなった。
「!?」
レイの仮面をつけていた顔の上半分だけが、老人のような皺に覆われていた。
肌が荒れ皺が寄った目元、鼻、額の周囲だけが時間が切り取られたかのような錯覚を覚えてしまう。
しかしその異形とも言える輪郭は、かつてミネルバで見たことのある少年の顔そのままであった。
「思い出していただけましたか?」
「あ、あぁ……。すまない……。それで、私になんだ!? 私の様な『犬』に今さらいったい何の用か!?」
カガリが自嘲を込めて怒鳴る。隣に立つミナはそれに何の様子も示さない。
「用があるのはその者ではない。彼だ」
すっとミナが指で客室の不自然に毛布が盛り上がったベッドの一つを指す。
「彼? ―――――!!!」
けげんそうにカガリがそのベッドに近づくと、人が寝ていた。
寝癖がついた黒髪に白い肌が印象的な青年。そのいで立ちに、一年前の出来事が思い起こされる。
『さすが、綺麗事はアスハのお家芸だな!』
まるで全身の血が凍ってしまったかのような衝撃とともに、あの怒号と紅い瞳が脳裏によみがえった。
シン・アスカ。あのミネルバに乗船した時の自分に対して怒れる少年が、そこに寝ていた。
そのとき、殴りつけられるような思いがカガリを襲う。
先ほどから衝撃を受けるばかりだったが、今はあらゆる罪の意識に対しカガリは打ちのめされていた。
事実、さきほどまで自分はこの罪から逃げ、忘れかけていたのだから。
「レイ。シンの様子はどうなのだ?」
ミナが問い、レイが答える。
「今のところ落ち着いています。ですが医師が機体の生命維持装置が停止していたことによる
酸素欠乏症の可能性もあると言っており、時間がたてばたつほど目に見えて弱っていきます。このままでは……」
そのとき、
「ん……あ……?」
シンの紅い瞳が、見開かれた。寝ぼけ眼のままむくりと起き上がる。
すると首から下に掛けられていた毛布がずり落ち、Tシャツの下にある貧相な体が浮き上がった。
それはとても直視できるものではない。顔を含めた体中が異常なほど痩せほそり、肉がごっそりと削り取られている。
血の気のない頬の上あたりの目の下にはおおきなクマが出来ており、まるで死体が動いているかのようだった。
「ひっ……!?」
カガリはそれに驚き、飛び退く。勢いのあまり尻もちをついてしまうほどだ。
この男が自分を誰かとわかったらどうするだろうか? 拳で殴り殺されるだろうか? 首を絞められるだろうか?
そんな思いが、カガリにさらなる追い打ちをかける。
しかし――
「あれ……みんなが……手を振ってる……」
「え?」
そう言いつつ、シンはカガリの横にあった『帽子掛け』に目を向けた。
「アハハ……あの子は、マユかな? いや……ちがう、ちがうな。
マユはもっとこう……小さくて、ふわ〜ってしてるもんな……」
シン……いや『シンだったモノ』は、軟体動物のようにベッドから滑り落ちた。
あまりの衰弱ぶりに、すぐ立ち上がれないのだ。
「まってよ、かあさん……とうさんも――」
ゆっくり、ゆっくりと立ち上がりそのままフラフラと、ガラス越しに宇宙が広がる窓へと足を向ける。
ガラスにその身を阻まれても、彼は歩みを止めない。
しえん
「あれ……なんだこれ……。うっとおしいなぁ。マユがぼくをおいていくじゃないか」
彼は見えない『妹』を追おうとしたが、宇宙用の強化ガラスに阻まれる。目の前の見えない壁に向かって彼はへばりついた。
「出られないのかなぁ? おーい、まってよー」
彼は目の前に見えない壁があることに気付くと、駄々をこねる子供のように拳を何度も叩きつけた。
「とうさ〜ん、かあさ〜ん、マユ〜!」
よほどの衝撃がないと、傷ひとつつかないはずのガラスが振動で軋む。
こんな力が、そのやせ細った体から出ているとは信じられない。
「ねぇ〜出してよ〜、ねぇ〜ってば〜!」
彼は拳を振り上げ、なおもこの向こう側に行こうとしている。打ちつけた拳からは血が滲み始めていた。
「無駄だ。シン、やめろ、やめるんだ」
「だって……マユが……」
レイが拳をつかむと、ようやく止まる。止まった拳から血が滴り落ちた。
その姿に痛々しくなり、カガリは茫然とその場に立ちつくした。
「私の……せい……? これは……」
「そうだ。この者はお前と一緒に回収された時からこの状態であった。
お前が『壊した』のだ。まさに罪(シン)というわけか」
知らなかったとは言えない。言えるはずがない。ミネルバで怒鳴りつけられたあの日、カガリは弾劾されたことから逃げていた。
どうして分かってもらえないのかと、自分もがんばっているのだとアスランに愚痴をこぼすことしかできない。
彼のいつか分かってもらえるという言葉にすがり、それ以上考えることができないでいた。
その果てにはラクス、キラ、アスランへ傾倒していき自分が間違っていないと確信してしまっていた。
その結果、常に誰かに依存しつづけ、事態は彼女に制御不能に陥っていったのだ。
「私が……私が……」
「目を背けるな。瞬きすらも予は許さん。これが貴様の業だ。ウズミの理想を自らの元とせず、神格化した結果がこれだ」
容赦ないミナの言葉がひび割れた心をえぐる。
「予は執務に戻る。ここにいると、この愚か者の首をねじ切りたい衝動に負けてしまいそうになるからな。……レイ」
「ハッ。シン、手当をするから少し待っていろ」
それだけ言うと、ミナとレイは客室を辞した。
もしこの場にキラかアスランがいれば、カガリはなりふり構わず泣きついていただろう。
今の状況と同じようなことが前大戦中にもあった。
オーブが連合と同盟を結んだ時の、あの戦場で説得を行っていたオーブ軍人たち。
あの時は兵が戦争とは何かを文字どうり身を呈して示したが、
彼女の前では機体越しに目の前で死んでゆくオーブ国民としてしか映らないでいた。
その後艦内で自分を信じてくれる『弟』に励まされたこともあり、
再び自分が間違っていないと確信してしまっていたのだが。
ストライクルージュのメインカメラ越しに戦場を見まわしたことがあった。これが自分の非力さなのだと。
しかし、今は違う。目の前には何も遮られることのなく現実が広がっている。
恐る恐る、前を見る。
「あ……」
眼元がくぼみ、澱みきった紅い瞳と目があった。
「ステラ!」
「……!?」
その紅い瞳の中に金の髪が映ると、シンが心底うれしそうな声を上げた。
この精神が衰弱しきった青年には、もう過去しか見えていないのだ。
暖かい過去の思い出を掘り起こさねば、今の暗くて寒い現実に耐えられないから。
――ステラ?
脳裏に浮かんだ疑問に対し思考する暇もなかった。
シンがよたよたと歩き、そのまま足がすくんで動けないカガリの首に抱きついたからだ。
抱きつかれた拍子に、カガリの金の髪が揺れた。
「ステラ! あいたかった! ぼくだよ、シンだよ!」
「な……!? は、はなせ……!」
首を絞められるという恐怖に駆られ、身をよじる。すると振り払われ、拒絶されたシンがキョトンとカガリを見た。
「あれ……ステラ……手をケガしてる。岩で切っちゃったのかな……? 痛い?」
「え?」
カガリはそう言われて右手を見る。そこにあった先ほど病室のモニターをたたき割った傷が、今ようやく痛み出した。
もちろん、岩など何もない。これも砕け散った精神の中にある過去の偶像だ。
「ちがうな。誰にやられたんだ? ステラを守るっていったから、ぼくがそいつらを殺してやる」
『殺す』という単語が聞こえると、カガリは身をこわばらせた。
「こ、殺すって……」
236 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 18:09:35 ID:Q3zfy3aE
ミナ様へ
何故自害させなかった!
何故衝動に任せて首をねじ切らなかったんだ!
そうしてもいい! 否! そうすべきだったんだ!!
『殺したから殺されて、それで世界が平和になるのか』
父の言葉だったそれは、カガリが座右の銘と言っても過言ではないものだ。
だが今になって、この青年に面と向かって言えなかった。
――何を言っているんだ! 国を焼き、そいつをそこまで追い詰めたのはお前だろう!
自分によく似た声が、カガリの心に響く。
敵味方に分かれて争う世界は間違っていると父の言葉を秘めてこの数年間奔放してきた。
そしていつまでも答えが見つからず、ずっとみんなと一緒にさまよい続けてきた。
我々は何と戦っていかなければいけないのか。どうやったら世界が平和になるのか。
前大戦時『みんな』が出した答えは『みんなの夢が同じになればいい。世界はそれに気付いていない』だ。
だが今、本当の答えがわかった。
――その敵と味方を作ってきたのは、『自分』だった。
来るべきに行動せず、迷いつつも力を振り回すことしか知らないでいた。
答えが見つかるわけもない。なぜならその諸悪の根源がまごうことなき自分たちなのだから。
『殺したから殺されて、それで世界が平和になるのか』
これほど中身がないセリフがあるだろうか。『殺した側』が吐けばなおさらだ。
そもそも先ほど悪意のないシンが抱きついた際に、その身を先に拒絶したのは誰だっただろうか?
オーブの戦場に介入し、要らぬ犠牲を生んだのは誰か?
国家元首としての自分に意味が持てず、オーブにすぐ戻らなかったのは誰だ?
いつも事態を収めるために頼ったのが大嫌いな「力」だったのは……誰だ!?
「あ……ああ……」
嫌いなものを拒絶する子供のようにカガリは弱弱しく首を振った。
自分の信念、理念ともいうべき自尊心に、びしびしと音を立てひびが入る。
――間違っていたのは世界じゃない……私だった!!
その時、すでに多大な負荷がかかっていた脆弱で幼稚な精神が砕け散った。
「あのドレスはどうしたの? ぼくはあれが――」
突然、シンは床に滴る熱い雫に、驚いたように顔をあげた。
「ステラ……?」
少女は――カガリは泣いていた。あふれ出る涙をぬぐおうともせず、ただひたすら下唇を噛んでいた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
それは目の前の死人のような様をしている少年に対する同情などではなかった。
そんな言葉では語りつくせない、もっともっと根源的な想いが大粒の涙となって流れ落ちていく。
「大丈夫だ、キミは死なない、ぼくがまもるから」
うつろな目でうわごとのように繰り返すシンが、少女の体を抱き上げた。
「ステラはわるくない、わるいのはロゴスだ、ロゴスを……倒す……任務」
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
しばらくの間、客室は少年の虚ろな声と少女の嗚咽で支配されていた。
白いドレスとミハシラでの職をくれ、とカガリがミナに頭を垂れて懇願したのは、そのさらに後だった。
==========
病室から出て、自分の執務室へ向かう通路で。
「ミナ様。失礼ですがなぜアスハ元代表を助けたので?」
そのレイの問いに、ミナ。
「確かに予は奴を殺してやろうとも一度は思った。しかし、それだけではいけないのだ。
あやつの罪はもはや予の中では死すらも生ぬるい。それに、たかが犬ごときに予が手を下すまでもない。
ソキウスたちも苦しむだろうしな」
このとき、カガリにとっての不幸中の幸いはアメノミハシラにおける、ソキウスの存在だった。
彼らは当初、カガリを本気で殺そうとしていたミナをその身を持って止めたのだ。
ナチュラルへの服従遺伝子の作用か、またはミナの手を汚れさせないためかは不明ではあるが。
「それは……」
「今のあやつは、施政者の器ではないと予は常々思っていた。それはシンが一番知っているだろうが。
元々壇上で弁論をするよりも銃を掲げ突撃する方が似合っているような奴だ。それに加えどうしようもなく若く、幼い。
いつまでも言いつけられた犬のように父が唱えた理念を理念理念とばかり繰り返し、論破されれば
耳を垂れ下げ、新たな飼い主に泣きつく。それでは成長は望めまい」
黙るレイを横目にミナは続ける。
240 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/03(火) 18:13:50 ID:Q3zfy3aE
カガリへ
詫びる気持ちあるならミナ様がくれた短刀で首かっ切れよ
241 :
ライオン:2009/02/03(火) 18:20:40 ID:If6OlDzL
申し訳ないですが、またさるさんです。
これは連続で十回書き込みをしたら掛かって、途中誰かの書き込みがあればよかったのではなかったのですか?
すいませんが少々お待ちください。
死を望むとは優しい奴らだな
>>242 呼吸しているだけで、他人(の運命)を狂わせ、世界を歪める
それがラクシズ
まあ死ぬのは簡単だから カガリ自身が言ってた「生きることが戦い」
ってのを実践してもらわないと
四馬鹿全員に言えるが、一度どん底まで突き落とされないと分らんだろうしな。
>>242 禿同、殺さず幾度も悲惨な目に合わして囀る声を肴にするのが最高じゃないか
カガリに関しては環境があまりにも悪すぎたってのはあると思うけどね
だって物心ついた時からとりまきにアスハマンセー叩きこまれたんだろうし
>>244 っていうか、そもそもロボアニメの主人公サイドが
まず一度もどん底までたたき落とされないって先ずそこがあり得ないよね
スゲーな嫁、頭にウジでも沸いてんのか?
>>247 キラは一応どん底に叩き込まれてね?
避難民救えない、虎から狂戦士呼ばわり、フレイとの仲がこじれる、トール戦死と結構酷い目にあってはいる
問題は導き手がピンクなのがな……
というか種に若者を導けるような人材なんていないんだが
>>248 逆境に耐えられず新興宗教へ逃げてしまったのが悔やまれる
「あれは子供だ。大人とは自分で責任を取り、自分の意思で行動する者を指す。しかし不幸にも
ウズミは娘をしかる前に英雄的自決を行い、死んだ。
あれは躾がなってないまま大きくなってしまっただけの大きい子供なのだ」
「それは、シンも同じです。アイツはいつまでも過去にとらわれ、家族と同じ境遇の者を作らないためだけに
戦っていました。そのため、精神的な成長がその時から止まっているのです。
戦争のない世界を目指せるならどんな敵とでも戦い、ギルの示すままにアイツは強くなっていきました。
もっとも、そう仕向けたのはこの私自身なのですが……。
シンと再会したのは、運命が私に与えた罰なのでしょう」
「そうか。だが一番罰が必要なのはあの『弟』たちだ。
あの犬を苛め……もとい、罰を与えるだけでは予の怒りはおさまらぬ」
「…………はい。ミナ様は、アスハ元代表にいったい何を期待なされているので?」
「ふっ……考えてもみろ。
なまじ力があり、それを振るうことができたからあの歌姫どもは世界に王として君臨しているのだ。
方法はどうあれ、これは誰にでもできることではない。
しかし、それはコーディネイターだったからだとも言える」
現にアメノミハシラを治める為政者であり、非常にすぐれたMSパイロットのミナもコーディネイターだった。
とてもナチュラルではそんな芸当はできない。
「しかしナチュラルであり、何もかもがコーディネイターに劣るあやつが
その世界の王に名を連ねたのは、偶然ではないと予は思う。
だがもし……もしあの者が未熟な野獣を超え、正しき意志を秘めた獅子となった時に
いったいどのようなものになるか、気にならないか?」
「獅子……ですか?」
「そうだ。獅子の子は谷底につき落とすのが決まりであろう? 這いあがってくるかは、あやつ次第だが」
そのまま悠々と、ミナは廊下から自室へと消えて行った。
支援
今回は以上です。長かった……。さるさんに引っ掛からないよう今後は努力します。
・ハッキリ言ってあの演説はあの冒頭のセリフが使いたかっただけです。ごめんなさい。
最初はミナ様に「坊やだからさ」と言わせるつもりでしたが、流石に怒られると思ったので消しました。
・今回はミナさまの時代がかかった口調を再現するのに苦労しました。それでも一部変なのは未熟さゆえですね。
もし決定的に変な部分があれば指摘をお願いします
・葬式で涙を流さないラクシズのことは、レクイエム後で平然とショッピングを行っていることから
こんなもんだと思いました。過去にとらわれなさすぎなんですよね、あいつら。過去に執着することと罪を重く感じることは違うのに。
・精神崩壊したシンはリュウタロスボイスで再生してください。逆襲するのはこれからです。
あとカガリとシンの回想が多いのも本編を再現しているつもりだからです。
・
>>100GJです。このスレの絵師様は最高です。本当にありがとうございました。
感想、指摘などをお願いします。
次話のキーワード「鉄拳」
お疲れ様
ライオンさんのをリアルタイムで見ることが出来るとは……
次回を期待しております
おかしくなったシンならステラとカガリを間違えてもしゃーないか……
しっかしヒデエラクシズだ
ミナ様、優しすぎる
這い上がれるわけないだろw 「アレ」獅子じゃなくてゴリラだしww
シンの為にドレスを着るカガリが・・・
他人の感情を軽視するってのはラクシズ全員のろくでもない部分の一つ
だな
>おかしくなったシン
(゚д゚≡゚д゚)キョロキョロ
゚д゚)<ステラタソヲヨメニスルナライマノウチ
>>258 (# ゚∀゚);y=ー(゚д゚)・∴ターン
>>255 ゴリラは知恵もあり心優しい森の賢者なんだぜ?
カガリごときと比べるなんてとてもとても…
>>260 すまん、訂正
駄犬…というのも憚れる「モノ」が千尋の谷を這い上がれるわけないだろ
世のため人のため反省を促して成長させたいんだろうが、
「アレ」(ら)は生きているだけで災いをまき散らす存在だから、
ミンチにした方が世のため人のためだよ
>>217 >『ダメだよ。どんなに小さくても、命は宝なんだ。たとえそれが、あなたのような罪人であろうとも。』
お前が言うな。エクスカイザーを汚すな
>>261 獅子だから千尋の谷を這い上がれるんじゃない。這い上がってきた奴が獅子になるんだ。
……ごめん、上手くオトせなかった。
うん、なんていうか
久しぶりに湧いてるな
>>263 まぁ言いたいことはなんとなくわかった。
投下GJにござる。これは量質共に読み応えがある。
岡崎アムロか!>モニターパンチ
しかしあちらと違いそんなに違和感無いのはやはりキャラ性か。仮にも元首としてそれはどうよ。
ここからだ、全てはここからなんだと思える溜めの時間を見事書ききられた。
カガリを使える元首にするにはこのぐらいのショックが要るということなんだろうな。
本当は残りの三人にこそこれが必要なんだが、あいつらこのレベルでも下手したら裏返らないかも知れないと思わせるからなぁ。
なんか湧いているなぁ…
ライオン氏GJ
まあ、ここまでやられてまだ目が覚めない奴がいたら
それはそれである意味尊敬に値すると思われ
しかし、ここのシンはこの段階で既にぶっ壊れ済みか…
GJです。次話のキーワードに期待……ただ、今回深く静かにビキビキしてた人が振るった場合、
体格もあいまって殺人的な威力にw
>>266-267 ずぇっっっっっっっったいに裏返らないし
目ぇ覚めないだろうね(キッパリ)
>ラクシズ−1
この差は何だろうな?一人だけナチュラルだからってのはあんまり考えたくないが。
辰
虫(しん)
ミズチに類する龍族
中国の「三才図絵」においてはシンと同じく蜃気楼を生むとされる大蛤(おおはまぐり)と一緒とされ蛇と亀の混血が雉と交わり生まれると言われ燕の子を好んで食べ淵にて伏すように眠る。
シンが吹く息は蜃気楼を生み出し時に海上や砂漠に広大な蜃気楼都市を見せ旅や船乗りを惑わす
>>270 展開予測は迷惑だろうから現実になぞらえてマジレスすると、自分だけ美味しい流れに乗り遅れたから。
>>273 他の皆さんや作者諸氏は色々ご意見あるだろうが、俺はそう確信してる。だって上手く行ってる時は
何も考えなくても、どんな馬鹿をやっても全て良い方向に転がるんだから、誰かの言葉に耳を傾けたり
一生懸命考える必要が無いだろ。アニメみたいにさ。実を言うと、逆シンスレでシンが凄く格好良く
なってるのもそうだと思ってる。傷ついた後、どうして駄目だったんだ、どうすれば良かったんだと
苦しんだ証だろうな、と。
とりあえずさるさんは
・一つのスレに
・ある時間(H)内に
・最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら
・「バイバイさるさん」になる
・回復は1時間
なので、Nを異常増殖させる(死ぬほど支援)か、1時間放置投稿するっかないっす
276 :
ライオン:2009/02/03(火) 22:31:03 ID:???
277 :
269:2009/02/03(火) 22:34:36 ID:???
>>273 どう矯正しても「悪いのは自分達でなく世界の方」てポリシー…というのも汚らわしい
エゴの固まりなのは変わらんだろってこと
>>274 散々傷ついて、どうして駄目だったんだ、どうすれば良かったんだと苦しんだあげく
「悪いのは俺じゃない。あいつらor世界だ。あいつらさえ殺せば万事うまくいく
orこんな世界滅んでしまえ」となるのが黒シンなんですね
>>277 こんな世界は間違ってる!俺が壊してやる!的な話は流石に子供っぽすぎるので勘弁してください
おおぅシンが壊れてしまってる・・・
シンが正気に戻ったらどう思うかな?
280 :
269:2009/02/03(火) 22:56:27 ID:???
>>278 ただCE…負債の世界なら壊した方がいいような気がしてな…
>>279 カガリ殺して、娘(?)も殺そうとするが、情が移っていてor(理由はどうあれ)娘から
母=家族を奪ってしまった負い目から殺せず、自ら命を絶つor姿を消す
つーか、そこまで納得いかないなら、自分で書けよ
>岡崎アムロ
カミーユとかガルマの葬式アジとか
色々あったのにも関わらず
俺もそれが真っ先に浮かんだw
しかしほんと、どうすりゃ良いんだって感じだよな……ミナ様の試みは無茶振りとしか言いようがない。
人間落ちるのは簡単だけど、その逆は死ぬほど難しい。カガリにはというか、普通の奴には無理だろ。
かといって自害する事は出来んだろうし、ミナ様に首ねじ切って貰えれば一番良いんだが、手が汚れるから
嫌です、ちょっと様子見させてって話か。
なんつーか……時々湧くよね、黒シン主張する人
つーか皆忘れてるかもしれんが、一応親は天才科学者だぞ
TVのまま敷衍すれば黒シンもありだろうよ。
つまり黒シンを言い立てる人というのは(ry
見たきゃ自分で書けって事だな。ちなみに金割れするシンは黒シンと言えるのか……w
程度にもよるかもしれんけど、酸欠や精神崩壊からのシラフへの快復って
どのくらい可能性があるのか。
酸欠が昂じると脳細胞の壊死もあるだろうし、もとの人格や知性まで戻れるのか。
カミーユは後に医者が務まるほどに快癒したようだが、シロッコ戦では
酸欠は関係なかったはずだが今回のシンの場合は…
それはカマシン
ライオン氏GJ、GJなんだが…
ミナ様が一瞬ソキウス語尾化したように見えたちくしょうw
さて今回のをみなたまVer.に変換すると……
ダレモイナイ? コネタオトスナライマノウチ。
注意:例によって例のごとく各キャラが原形とどめないほど崩壊しています。
そういうのが駄目な方は覚悟の上でご覧になってください。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
requestEX2「節分には鬼役がいるよね、ね?(実体験)」
一月末日、アメノミハシラ。
「うーん、どうしようかしら。 あの人は多めで……でもこの間ミスしてたし」
アメノミハシラ内にある休憩室で、ロンド・みな・サハクの秘書にして事務会計担当情報部門補佐、元プラントジャーナリスト、ベルデナット・ルルーは頭を抱えていた。
「よう、何やってんだ?」
そこにチョコレート菓子を片手に現れたのは、箒を逆立てたような髪型をした元情報屋、現アメノミハシラ情報部門担当、ケナフ・ルキーニだった。
「あ、師匠、良い所に」
「だから! お前を弟子にした覚えはねえ!」
「そんな事はどうでも良いんで! 知恵を貸してください!」
ベルデナットはケナフの怒りなど意に介さず、机を叩いて叫んだ。
「……あん? 何だ?」
機嫌が悪そうにケナフがベルデナットに近づくと、そこにあったのはノートパソコン。
画面を覗き込むと、アメノミハシラの戦闘要員(社員)の名前と、空欄は多いがいくつかの数字が打ち込まれていた。
「こいつは、給与査定か?」
覗き込んでいた画面から顔を離すとケナフは問いかけ、ベルデナットは静かに頷いた。
「なるほど、どうやってランク付けするか困ってたわけか」
「はい。 うちは腕利きが多いのは良いんですが、その分問題児も多いですから……」
はー、と大きくため息をつくベルデナット。
「下手にランクなんて付けたら、俺の方が上だなんてドンパチやらかしかねん」
アメノミハシラはPMCとしては破格の戦力、腕利きのパイロットを揃えている。
だが、大半は腕は良いが何か問題があって軍と揉めていた様な連中を、みながどこからか拾ってきたようなものだ。
その辺で拾ってきたパイロットの代表例:赤鬼(シン)、ソキウス、ジャン、エド。
「元々パイロットなんてのは、みんな自信過剰で自分が一番腕がいいと思ってやがるからな」
ケナフの偏見です。
「師匠、何かいいアイデアは無いですか?」
「「うーん……」」
二人して頭を抱え始めたその時、格納庫の方から突如として轟音が響いた。
『やだ、やだ! 節分やりたいよー! まめまきたいよー!』
『みな嬢! もういい加減大人なんですから、駄々こねないでください! ……あ、私のパワーシリンd ウボアー』
『ああ、ジャン・ルイがやられたでソキウス!』
『(いろいろな意味で)落ち着け! お前が指揮を取るでソkカメーーー』
『皆さん、とりあえず格納庫で暴れるのは止めて下さいー!』
「「…………」」
思わず顔を見合わせる二人。
「相変わらず騒がしいな。しかし、節分か……待てよ! 俺にいい考えがある!」
「師匠、それは失敗するフラグかと……」
声高々に叫ぶケナフに対する自称弟子の反応は冷たかった。
それから数日後、二月二日のガルナハン。
「コニール、準備はまだなのか!?」
コニールの部屋の前で傭兵赤鬼ことシン・アスカは焦っていた。
「もうちょっと待てよ! 一体どうしたのさ、いきなり旅行にいこうなんて」
コニールは大き目の旅行カバンに着替えなどを詰め込みながら、顔だけ出して答える。
「ま、まあいいじゃないか。 色々苦労もかけてるしさ、ほんのお礼だよ……それとも嫌か?」
「べっ、別に嫌じゃないけど……なんで急に言い出すかなってさ」
僅かに頬を赤く染め、旅行カバンを引きずりながらコニールは首を傾げた。
「カバン持つよ。 夢にな、友達が出てきたんだ。 (急いで)どこか遠くに(捕まらないように)出かけろって言うんだよ」
コニールのカバンを右手で持ちながら、シンは昨夜の夢の中で、めったな事では表情を崩さなかったレイが、必死の形相でこちらに呼びかけて来る様を思い起こす。
「変な夢だな」
シンの持っていた小さなかばんを手に持ち、コニールは玄関へと向かった。
「それにな、めったに働かない俺の(NT的な)勘が光ってるんだよ。 ピキーンって」
「??」
訳が分からずコニールはシンの顔をじっと見つめる。
「そう、あれは3ヶ月前、俺がエジプトのホテルで……」
天井を見上げながら過去を思い起こしていたシンは、コニールの睨みつけるような目線に自分が喋り過ぎた事に気付く。
だが、もう後の祭りである。
「エジプトのホテル? 3ヶ月前? 3ヶ月前はアジアで野宿してたんじゃないのか? どういうこと?」
シンの荷物を床に放り投げ、ゆっくりとシンへとにじり寄る。
「……御熟ヶ江寺(おぅれがえじ)、埠頭(ふとう)って言う名前の地名があってね、そこの和尚さんが法輝(ほうてる)さんって言って親切に俺を泊めて……」
「ふーん、そうなんだー」
必死に取り繕うも、シンの今考えたような苦しすぎる言い訳では通じる筈もない。
「そうだ! とりあえず外に…ギャーー!」
その場を取り繕おうと玄関の扉を開けたシンは、奇怪な叫びとともに突如逆さづりに吊り上げられた。
「目標Rの確保に成功。 ミッションコンプリートでソキウス」
そこに現れたのは同じ顔した怪しい2人組。
アメノミハシラ、みなたま専用の便利屋。 ソキウスである。
「またか! またくぁあ! 今度は何だ! 何の用だ!」
片足をロープに引っ掛けられ、まさしく釣られた男の状態でシンはもがく、ロープの先にはNダガーNがいた。
あれにもソキウスが乗っているのだろう。
「それにしても懲りないでソキウス。 エジプトのホテルでお楽しみの前も同じ手に……」
「ばっか! ちょっと黙ってろ!」
余計な事をは喋り始めようとするソキウスを黙らせようとするが、全てが手遅れだった。
「へェー、そうなんだー」
さっきよりも、表情が引き攣り、棒読みになりながらコニールは笑っていた。
その表情にシンは幼い頃に見た般若の面を思い出していた。
「ナチュラルの安全を守るのが僕たちソキウスの仕事です。 そうだね、フォーソキウス」
「ああ、そうさ、サーティンソキウス」
「汚いぞ! こんなときだけシリアスになるのかよ、あんた達はッ! コニール助けてくれ!」
「シン、逝ってらっしゃい(はぁと)」
あくまで笑顔のまま中指を立て、サムズアップをひっくり返し地面へと振りぬいた。
「それじゃあ、預かっていくでソキウス」
シンを片手にぶら下げたまま、NダガーNがゆっくりと立ち上がり、町の外へと向かっていく。
「おっ、女の子がそんな事しチャダメダッテイッテルダロウガーー」
段々と遠ざかって行くシンの声。
「ふん! シンなんて知るもんか!」
NダガーNの姿が見えなくなるまで見届けた後、目を真っ赤にしたコニールは不機嫌そうにドアを閉めた。
二月三日、アメノミハシラ周辺空域。
「アメノミハシラのみんなー、いそがしいのに集まってくれてありがとー」
「これから、だいいっかいアメノミハシラきゅーよさてーけっていだいえんしゅう(給与査定決定大演習)節分大会を開始するよ!」
みなたまの開始宣言の後、ベルデナットやユンからの注意点などが説明される。
周囲にはPMCアメノミハシラのほぼ全戦力。 MSが約50機。
「ったく、人、誘拐しといてやるのは豆撒きか」
指定戦域の真ん中でグフクラッシャー(空間戦用に換装済み)に乗り、始まるのを待っていた。
「よう、赤鬼! 元気だったか?」
そこへ一機のMSが近づいてくる。 機種はソードカラミティ、アメノミハシラでこの機体に乗っているのは二人(とはいっても世界に三機しかないが)。
「エドさん! エドさんも元気そうで何よりです。 ジェーンさんはどこに?」
以前からエドとシンは任務で共に行動する機会があり、お互い追われる身という事もあってか、意気投合していた。
「ああ、あいつ体調崩しちまってな、今回は休みだよ……ま、鬼役頑張r」
「……それで、赤鬼くんのグフクラッシャーにこうげきをあてたぶん、ばしょによってさてーがく、ボーナス、休みがかわるよー」
エドがシンに励ましの言葉をかけようとしたその時、みなの大音量の声が辺りの機体全てに聞こえた。
「はっ?」
一体何を言っているのか、シンには理解できなかった。
「あー、ケナフ・ルキーニだ。 みな嬢の言葉を分かりやすく言えば、何つーかリアル豆撒き? あ、赤鬼も攻撃していいぞ……模擬弾だから安心して死んで来い」
ケナフのやる気のなさそうな声で通信は切られる。
「つまり、50機対1機?」
「赤鬼さん……死ねえー!」
放心状態のシンのグフクラッシャーのすぐ側を、対艦刀が通り過ぎる。
「危なっ! エドさん!?」
それはエドのソードカラミティの物だった。 驚きの余り、逃げる事さえ思いつかない。
「すまんシン! ボーナス持って帰らないとジェーンに怒られちまうんだ! 生活の為に一撃もらってくれ!」
「貰える訳ないだろうが! 何考えてるんだ、アンタは!」
余りの理不尽にシンが切れかけたその時。
「赤鬼だ!」
「ボーナスだ!」
「休みだ!」
「給料だ!」
「畜生! ドイツもコイツも! そんなにボーナス、休みが欲しいのか、アンタ達はっ!」
「当たり前だろうが!」×50
「こうなったらやってやるさ! うおおおおおおお!」
シンの勇気が世界を救うと信じて!
ちなみにこの模擬戦闘の結果は定かではない。
確かなのは、帰還した後暫く、シンはコニールに頭が上がらなかったということだ。
昨日のみなたまの流れと朝、節分のニュースを見ていたら、五分で思いついた。
書き終わったらもう節分(2/3)終わってるし、粗挽きだし、正直かなり反省している。
……でもまたやるかm(骨と肉の潰れた音
くっ、いるよーとニヤニヤしてやりたかったけどもう一時間も経っているのか…
赤鬼だからってそれはないと思うなー……ってか、みなたん鬼畜w
>>287 銭シン「銭のためなら何でもやるズラ〜〜〜〜〜っ!!」
>>283 >>288 シンがTV版カミーユじゃなくてDボゥイ状態だったら、言わなくても勝手に
カガリを「ミンチよりひでえや」状態にしてくれてBestだったのに…
>>296 みなたま可愛いけどやってる事は鬼ですな!だがそれがいいww
“給与査定決定大演習”を読もうとしてルビ附ってあって安心しているみなたま可愛いよw
「待てよ! 俺にいい考えがある!」
某司令官の作戦失敗フラグですね
いずれにせよこの時点でカガリが死んでたらステラは産まれてないわけだが、
カガリ市ねとか言ってる奴からすりゃどうでもいいんだろな
俺は困る何故ならステラタソは俺の嫁だから
>>302 (# ゚∀゚);y=ー(゚д゚)・∴ターン
スレ違いだがカガリも一緒にヤマト家に引き取られて、共にヘリオポリスにいたらどうなってたんだろね
少なくとも種でのキラの精神的負担はかなり減ったんじゃないかな
(周りからの疎外感をそんなに感じなかったろうし、フレイがキラに言い寄ってきても
「お前、コーディネータの事を嫌ってたくせに! 私の弱っちいけど可愛い弟に手を出すな!!」
とか言ってたんじゃないかと思う)
本編で疲弊してたキラを抱きしめてたカガリは好きなんだよ
お馬鹿だけど優しい少女という感じで
(というか頭悪くて乱暴物だけど母性が強い姉と能力高いけどヘタレな弟ってエロゲみたいでハァハァ)
何だかんだでクロス物だと一番改心率が高いキャラである事考えると、
『馬鹿だけどそれはウズミや取り巻きが偏った教育をしていたせいで、それを改めれば成長する可能性あり』と
思っている人も多いんじゃないかな
まあ、カガリは良くも悪くも一直線だからな。アニメが酷過ぎってのもあるが・・・
>>304 シン逆襲ものでも意外とラクスの洗脳が解けてるものが多いような。
カガリ=鉄乙女
>>308 カガリで足らなかったらラクスなんかどうするんだ。
ん?あれはGカイザー、なぜここへ?
というか何気に投下ラッシュ再び?二日くらいの間隔で投下されてんぞ?
いいぞもっとやれ
>>301 リニューアルで(遺伝上の)母親が変わる可能性は(ry
試験管ベビーとかいう裏技もあるしなぁ
「(どうすれば、どうすればいい………)」
自室で風呂を入り終え素肌にパジャマを着けただけの格好でベッドに潜り思考にふける。
思えば自分もヒロインの一人のはずだ、今もその自信はある。
有事の際は体にピッチリのどこぞのガンダムファイターが着るようなパイスーも着て、戦い
に参加するなどセクシーアピールも忘れない。
しかし、しかしだ最近はみなたまだのコニールだのの出現で影が薄くなってはいないか?
どうすれば彼女達を突き放す事ができるだろう、彼女は考えに考えあぐねついにはある結論に行き届いた。
「ふーつかれった」
シャワーを浴び終えたシンはベッドに向った、体には心地よい疲労が残り早くふかふかのベッドで
眠りたいと悲鳴をあげていた。そして、シンは自分のその欲求にしたがいそのままベッドにダイブを
しようとしたが………
「な、何やってんだあんたは………」
「ア、アズニャエル」
そこには顔を紅くしネコ耳ネコ尻尾に身につけたパジャマアズラエルお嬢様がいた。
もちろん背中と体を適度に丸めて手を猫の手にするのも忘れない。
「あ、あ、あ、あんたって人はーーーーーー」
夜もふけた頃シンの部屋にてシンの絶叫する声が響いた。
>>314 Σ(゚Д゚;Σ(゚Д゚;Σ(゚Д゚; ナ…ナンダッテエーッ!!
>>314 ルパンダイブを慣行するシンが目に浮かぶwww
とりあえず、お嬢様。そのパットは無理があr(ry
>>317 みな「とらっぷかーど!」
つ「エジプトのホテル」
>>304 その場合キラが重度のシスコンになってたかも。そして同じくシスコンのシンと壮絶な最強シスコン決戦を繰り広げていたかも知れんな。
>>318 シン「だ、だから! 御熟ヶ江寺埠頭の法輝さんのはn」
ああ! グフクラッシャー(コニール搭乗)と連合後期GAT三機とGカイザーが気絶したシンを巡って撃ち合ってる!
すげぇ殺気だ…
数々の修羅場をくぐり抜けて来たシンが気絶していやかるぜ
いまさらだけどCSA氏のキャラとかMSとかも絵で見たいぞ。
初期の頃 絵うPされてたなー アズ娘や運命2とか
>>319 キラ「君は…ロリコン同士仲良くしよう」
シン「ロリじゃねぇ妹好きだ!」
キラ「やめてよね…本気で競ったら妹が姉の魅力に勝てる訳ないじゃない」
シン「だったらアンタにも思い知らせてやる、妹の素晴らしさを!」
待て、キラの姉は・・・
>>325 そこで「もしヤマト夫妻に実子がいたら」ですよ
ステラ「あれ?シンの部屋に小さい女の子の本がいっぱい・・・・」
シン「ああ、俺ロリだから。」
スティング「妹萌えと聞いて」
アウル「やってきました。」
凸「シン!お前は本当にそれでいいn
レイ「男萌えはあっち行ってください」
失礼します。ちょっと今書いていて気になったのですが、インフィニットジャスティスって
何色でしょうね。公式ページだと「赤を基調とし」と書いてあって、紫の強い赤紫だし、MGだと
薄紅色なんです。どうしましょう。どれが格好良いでしょうね。
>>330 今のUntoldに登場させる訳ですよね?
でしたらいっそTVともプラモとも違う『血のような赤』てのはどうでしょ。
「メサイア戦以降の平和を守り抜く為流血も恐れぬ覚悟を示すべくカラーを変更した」
という触込みで、しかし実際流させるのは他人や弱者の血涙だけという皮肉で…
>>326 まず凸はホモにならない。
何故なら凸はキラママンが初恋の相手だと聞いた事があるので、おそらくカリダさん(で合ってたよね)そっくりのキラ姉にも粉掛けてくるだろう。
キラは凸から姉を守ろうと気弱な自分を変えようとする。
……あれ? 本編とは全く違う話になりそうだな。(元々イフスレ向きの話だが)
と言うより、姉弟として育った義理の姉と別々に育てられた実の姉ってそれなんてエロゲ?
>>330 個人的意見としては使われることの多い赤から少し捻った赤紫が好きです。
それにプラモは成型色の都合で色変わりますし、GCS氏のお好きな色がよろしいかと
>>332 ……すると何か?
カリダさんハァハァ→相手は人妻だから思い叶わず→息子のキラタンハァハァ→この女キラタンに似てる→カガリハァハァ
これって変態以外の何者でもねーぞ orz
ある二次創作での、『母が生きていて幸せだった時代の象徴的存在である"当時の友人"キラに拘りつづけた』って設定の方がまだマシだと思う
お前は凸が変態以外の何だと思っていたんだ。
少なくとも変態度ではパクリ元の赤い人を超えたなw
某画像掲示板で新シャアのSSについて話題になった時の替え歌を転載
>「新シャアSSの歌」
>ラクス(黄金)「邪魔者にはサイオキシン♪」
>アーサー「お約束のフォンドヴォー!!」
>アスラン(W)「裏切りなどもう悪徳じゃない♪」
>シン(逆シン)「黒い羽根舞い降りる
不・死・鳥の…!!」
>研究員(同)「プランA!!」
>アズ子(同)「おのれ、愚か者共!
お仕置きの凶宴に♪」
>ガルハナンの人々「花びら舞い散らす炎」
>キラ(阿部)「輪廻の夜を飾る甘美なアーッ!!」
>ザクレロ「獲物誘い狂わせる〜罪な俺〜♪」
このスレは愛されてますね
>>330 自分は寒色よりの赤ということで「ピンクがかった赤」と表現してます。
あ、お呼びでない。
失礼しましたorz
アドバイスありがとうございます。
>>337 何をおっしゃいますか。けれど本当に形容しがたい色遣いですよね。所々に
黄色まで入っていますし。
ゲリラ「来たぞ!奴らだ!『騎士団』だ!!」
ゲリラ戦を続ける反政府組織のアジトに歌姫の騎士団が迫る。
その殿を担うのは騎士団の象徴、『自由』と『正義』をかざす『正義』の方。
ゲリラ「あ、あれが…ジャスティス…
レインボー・ジャスティスなのか!!」
赤を基調とした機体色はどこへやら、何色も用いて鮮やかに彩られたその色彩はまさにレインボー。
そのカラフルなカラーリングに加えショッキングピンクのファトゥムはもはや気持ち悪いといった方が早いだろう。
凸「平和への虹の架け橋となる!!突撃!!」
レインボー・ジャスティスは文字の通り、虹となってゲリラ部隊に襲い掛かった。
レインボーカラーとか生々しいから止めろww
しかしある意味凸にぴったりの彩色かも。
もういっそ本家(シャアザク)同様たらこ色でいいんじゃなかろうか。
元ネタ分かった人とはいい酒が飲めそうだ。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY the Untold
第7話 深紅
連合軍接近の報を聞いたキラは、すぐさまラクスと泊っていたホテルを出てオノゴロ島
に向かった。途中擦れ違った人々に大きな混乱は感じられず、情報が伝わっていない事は
明らかである。ラクスには、マスドライバー施設のあるカグヤ島へ行くよう言っておいた。
アークエンジェルがそこにある以上、最も安全な場所である。
「僕の機体はどうなっていますか?」
「ストライクフリーダムはオノゴロ島のMS格納庫へ運び込んであります、キラ様」
「有難う。けれど、どうして連合軍が……それに何の通達も無く」
リムジンの窓から日の光が差し込んできても、キラの表情は冴えない。折角争いが終わ
ったというのに、人々は直ぐ戦い始める。誰もが平和を願っている筈なのに。
――俺はいつも、だれかの、なにかだった。
「さあ、ご挨拶しなさい。これからもお世話になる方々だ」
「ハハハ、ザラ国防委員長の御子息であれば、将来が楽しみですな」
――どれほど足掻いても、俺は俺になれなかった。
「ああ君かね。キラ=ヤマトの親友というのは。彼を友人に持てて誇らしいだろう」
「コペルニクスにあるどの幼年学校にも、キラ君ほど模範的で才能にあふれた生徒は……」
――だれかの、なにかであることで、俺は生きてきた。
「あの人よ、ラクス様のフィアンセって」
「国防委員長の息子で歌姫の婚約者、これから先、何の心配もないんでしょう」
――それは、俺に何もかも与えてくれた。暖かくて、優しい何もかもを。
「出来る事ならニコルの仇を討ってほしい。けれど無理ね、あなたでは。息子の事は
忘れて、幸せになりなさい。それがお似合いよ」
――全部俺が決めたことだ。わかっている。だから、誰も……
「しっかりして下さいよ! 『アスラン』!」
「!」
水の中から顔を上げた時のように喘ぎ、椅子の肘かけを握り締めたアスラン=ザラは、
薄暗い自分の執務室を緑の瞳で見渡す。丁度その時、ドアが開いてオーブ軍の制服を着た
ルナマリアが入ってきた。
「大変です! 連合軍が……」
「最後、名前は呼ばれなかったよな?」
意味不明な問いに、勢い良く入ってきた赤毛の少女が硬直する。アスランが低く笑った。
「当たり前か。呼ぶわけがない」
日が天頂へと昇り、空に浮かぶストライクフリーダムの白い装甲と金色の関節を輝かせ
る。カメラアイが向く先には海があったが、美しい青色は無機質な灰色に侵略されつつ
あった。横並びの艦船上にはキラの知らないMAが発進準備を整えており、その後方にも
船団が横列に展開しつつある。2年前の攻撃時よりも、遥かに数が多い。
『あなたがたはオーブの領海を侵犯しています。ただちに退去してください!』
しかしキラに恐れはない。相手がどれほどの数で来ようと、1機たりとも此処を通すつも
りはない。オーブの理念を傷つけさせはしない。とはいえ、相手から何の通信も入らない
のは不気味だった。まるで、こちらの存在を認識していないかのように。
ブースターロケットを装備した六脚のMAカラパスが、全身のカメラを輝かせる。
ケンタウリのスカートが持ち上がってジャケットアーマーとなり、背中合わせの上半身が
起き上がってバイザーの光を瞬かせた。
『ただちに……』
キラの言葉が止まった。灰色の波が、うねったのだ。一斉に甲板を跳び立った異形の
MA達が、メインスラスターを点火させて水上を駆ける。前傾姿勢を取ったカラパス達の
背後で、四脚のケンタウリが群を成して蛇行する。直ぐ後ろに控えていた船の甲板上で、
別の一隊が身じろぎする。視認出来ただけでも50機を下らない。艦隊の後方、空の彼方に
輸送機らしき影が幾つも見えた。
『こ、これが、地球連合軍の物量……』
『うろたえるな! 数など問題ではない! 我々にはキラ様が、歌姫の騎士団がいる!』
回線越しに聞こえるオーブ兵達の会話に、キラもまた勇気付けられる。レーダー画面に
光の波紋が現れ、敵を示す夥しい数の点をマークしていった。
『あくまで話を聞かないというなら!』
Sフリーダムが高度を上げ、太陽を背負う。腰のレール砲を展開させ、両手にライフル
を持ち、腹部のビーム砲を起動させ、海上に向けて斉射した。緑色の細い光条がケンタ
ウリ達を捉えるが、上半身を覆う光の膜が弾道を逸らす。1機が前側の右腕を破損し、別の
1機が左側のジャケットアーマーにレール砲を受け、表面を歪ませる。
腹部から放たれた大出力のビーム砲がカラパスの正面装甲に叩きつけられる。海面が爆
発し、辺りに水蒸気が立ち込めるが、六脚のMAはそれを突き破り猛進する。ビームを受
けた部位を赤熱させ、よろめきながらレール砲の砲弾、ビームライフルの射撃を受け止め、
細部を削り取られながら、それでも突き進んだ。
『お、墜ちない!? こんな事が……』
正確無比な射撃を見舞い続けながらも、キラは驚愕を隠せない。フリーダムに乗り換え
た後のキラにとって、敵とは自分の攻撃で悉く砕け散り、戦線そのものが崩壊する存在。
自分が出て撃てばそれだけで相手が壊走し、無人の野を突き進むだけだった。
オノゴロ島の軍港に配置された防衛部隊が、Sフリーダムによって被弾した敵に火力を
集中させる。フルバーストを耐え抜いたカラパスにビーム射撃が集中し、正面装甲が剥げる。
凸は本気で甘ったれてるなあ……
推進器に負荷が掛かり過ぎ、後部が爆発し波を蹴立てて海中に没した。数機のケンタウ
リも脚部を失い、海面に躓いたようにも前のめりになって横へ倒れる。しかし倒れた味方
の亡骸を踏み越え、倍の、3倍の、4倍の機体が水柱を従えてオーブの地へ迫った。
空は黒煙で穢れ、海上で燃える炎に怪物達の影が落ちる。ぎりぎりまで接近したケンタ
ウリ部隊が放った連装垂直ミサイルの白いスモークにより、後方の艦隊の姿が一瞬霞んだ。
鏃型に展開したカラパス部隊の上部装甲が開き、ビーム砲塔が突き出して軍港の防衛隊に
乱射した。根元を折られたクレーンが海に落ち、対応の遅れたMS隊が次々と撃破される。
左脚を失くし、右手のビームライフルを撃ち続けるM1アストレイに大きな影が落ちた。
太陽を遮ったのは、大ジャンプした六脚のMA。カラパスの前部に装備された有線クロー
が射出され、M1の頭部を挟み込み機体全体を重量と推力で押し潰した。
『皆、後退して下さい! 僕が時間を稼ぎます!』
そう言ったキラのSフリーダムが低空まで降りる。しかし、何の術があるわけでも無か
った。重力下では背中のスーパードラグーンが役に立たない。接近しようにも敵1機ごと
の火力が高過ぎてビームサーベルを使える距離まで近寄れない。
『どうすれば良い……どうすれば、みんなを!』
『すまない、キラ! 待たせた!』
オノゴロ島の軍司令部方面から高速で飛来する、ワインレッドの機体。大きく伸びた頭
頂部のセンサーと、人型の機体を乗せた飛行支援ユニットは、紛れも無くインフィニット
ジャスティスである。親友の声を聞き、キラは僅かながら安堵の表情を浮かべた。
『アスラン! よかった……』
『キラは下がれ! あとは俺が!』
格闘戦に秀でたIジャスティスと連携すれば、強敵の大軍とだって戦える。アスランと
肩を並べれば、親友が傍に居てくれれば。キラが機体を下がらせた。此処からが本番だ。
『あとは俺が、良いようにしてやる』
後退するオーブ防衛部隊の前で、侵攻する連合軍の新型MA部隊の前で、光刃がきらめ
いた。右腰部から抜き放ったシュペールラケルタが、後退してきたSフリーダムの腰に滑
り込む。輝く切っ先が、翼持つ機体の腹部から突き出した。
『ア、ス……ラン?』
核エンジンとメインケーブルを貫かれた、ストライクフリーダムのカメラアイから光が
消え、着地して膝を突いた。ビームを消し去ったシュペールラケルタを腰部に納めたイン
フィニットジャスティスの背中に、支援ユニットのファトゥム01が接続される。
『どう、して……』
『お前はニコルを殺し、ラクスを奪った……なんて……冗談さ、もう気にしてない』
Sフリーダムの背後に立ったIジャスティスの中で、アスランが微かに笑った。
『ただ、勝つ側に付きたいんだ。解ってくれ、キラ』
「アスランッ……アスラアァン!」
ようやく事態を飲み込めたキラが、コクピットの中で絶叫する。サブモニターには放射
能汚染のマークが表示されていた。Sフリーダムを調べ抜いたアスランは、どこを攻撃す
れば放射線防御を無力化できるか解っていたのだ。
『怒らなくたっていいだろう。誰だって居心地の良い所に行きたいんだ。お前だって……』
「うわああぁっ! あああアアァッ!!」
腹が立って、悔しくて、悲しくて、キラは叫ぶ。フットペダル付近が裂けて白い光が機
内を満たし、スーパーコーディネイターの意識を消し去った。
ストライクフリーダムの機体各所から噴き上がった炎をインフィニットジャスティスが
浴び、赤とオレンジの舌が機体を舐め回す。それをダメージであると認識したVPS装甲
の最新システムが、自動で電圧を補正した。胸部を中心とし、滲みていくようにワイン
レッドが変色する。足先まで行き渡ったのは、噴き出したばかりで未だ乾かない鮮血の色。
あちこちを損傷させたカラパスとケンタウリが、Iジャスティスの脇を素通りしていく。
キラ=ヤマトが身内に墜とされるというショックから立ち直れていないオーブの防衛部隊
が、続々と上陸する連合の部隊に蹂躙される。
『大混乱だな。先が思いやられる』
アスランが呑気に独りごち、機体を跳び上がらせた。分離させたファトゥムに乗り、大
きな弧状のスラスター光を空に刻んで飛び去る。向かう先には、聳え立つマスドライバー。
緑色のカメラアイが輝きを強める。
「キラが墜とされただと!? アスランを向かわせたにも関わらずか!?」
司令部で報告を受けたカガリ=ユラ=アスハは、瞠目してその場に立ち尽くした。膝が
震え、コンソールを掴んでいなければへたり込んでいただろう。
「それが、ザラ一佐とは途中から連絡が取れず、墜とされたという情報も出所が不明で」
「カグヤ島のアークエンジェルより通信が入りました! マスドライバーによる脱出を中
止し、可能な限り民間人を救助する、と!」
「感謝すると、伝えてくれ……」
目が虚ろなまま返答し、カガリは両手で顔を覆った。なぜこんな事になったのか、皆目
見当がつかない。2年前と違い、今度は本当に何もしていないのだ。しかも連合からの
声明は無く、何も呼びかけてこないし何を呼びかけても何も返ってこない。
「南西部の港に、MSキャリアが接近しています! 我が軍のものです! シン=アスカ
三尉が司令部との通信を求め……」
激しい揺れにオペレーターの声が中断され、カガリも床に投げ出された。展望窓から見
える空にムラサメが浮かんでいる。ビームライフルの銃口は、連合軍を狙っていなかった。
「なぜ味方が!? カガリ様、そのまま!」
腹心のソガがカガリに覆い被さった直後、窓が砕け散って炎が司令室を吹き抜けた。
今回は此処までです。今後のカラーリングをどうするかは、ちょっと考えます。
やりやがったアアアアアアアア――――――――――!!!!!!!!!!
乙
もう色んな意味で最低の凸だな
あいつの味方をしていた人間が本気で哀れに感じた
やりやがったぁぁぁぁぁ!?
しかしキラ死んでないよな、このキラは割合死んで欲しくない。
乙。ルナマリアはまさか凸についていくんじゃないよなぁ・・
というかGSC氏の作品だとほんっとうに久しぶりの出番じゃね? ルナマリア
えー、本編とは全くかけ離れてるというのに
全く違和感を感じないのは何故でせう
>>351 ここで生き残った方が地獄でしょう 吉良も凸も
キラアアアアアアアアア
と、一瞬本気でそうなりかけた。いや、このキラは意外とマトモだったか?
やりやがったあの凸……まさか、キラキラ病をこんな形で克服するとは……
シンの洗脳は一見ラクス様マンセーな仕様になっていたけど、
この凸が相手だと深層ではどうなっているか分からないなぁ…
これはまた凄まじい蝙蝠凸!
もうこいつの裏切りは、脊髄反射レベルのものだなw
ルナマリアがどう立ち回るか期待。てか、本当にルナマリア久しぶりだな
蝙蝠というか、本編と違って自覚的にやってるのが気になるな。
これまでのは基本的に仕方ないとかこっちのが正しいみたいな、正当化材料が一応あったけど
今回のは完全に私欲をむき出しにしての裏切りか。まさに堕ちきったと言うべきか。
シンのことで非難されたのが直因か?どこまでヌルい関係を求めるんだ……
私欲剥き出しおおいに結構、おためごかしを口実に正義面で裏切られるより
正直に勝ち組人生を求めると宣言される方がまだスッキリする…と思うよぉ俺は
案外少ないのか?
あと希少価値ある比較的きれいなキラだが、さすがに核エンジン崩壊の爆心地じゃ
セーフティシャッターもへったくれもないか、仮に命拾っても全身包帯ミイラは
免れまい……って、エピ1の凸と奇しくも同じ目にってことか…
キリコ並に数日で復活したら流石スパコーと褒めてあげたい
数日後、元気に〜〜〜
っていう某○見えのテンプレを思い出した。
「もう二度と禿は信じないよ」 という言葉と共にw
>>342 何色にせよ凸機の最大の特徴は「頭の長さ」な訳だな
しかしまったく展開が予測出来ない 連合は何故攻めて来たのか 凸が関与してるのかな?
ある意味最悪の方向へ開き直った凸だが、敵キャラとしては面白い存在になりそう。
GJです。
投下乙
これはひどい(誉め言葉)
冒頭の回想を見る限り、(アスランの主観で)まともに名前で呼んだ、
つまり独立した個人として接してきたのは意外にも実はシンだけだった…
とも取れなくもないが、キラクスの反対押し切って洗脳した理由も
そこらへんにあるのだろうか。
つかカガリさえもついに自分を個人扱いしてくれなかったと思い込んでるのか…
アスラン「オーブに住む者は自分達のことしか考えていない! だから抹殺すると宣言した!」
いやまあ正しくそのとおりなんだけどさ。
アスラン「オーブに住む者はアスハのことしか考えていない! だから抹殺すると宣言した!」
アスラン「オーブに住む者は俺をかまってくれない! だから抹殺すると宣言した!」
黒スランは悪役として最高じゃないだろうか
これからに期待!
一方、黒シンは
黒シン(電話中)「私はカガリ・ユラ・アスハ!連合のチキン南蛮共かかって来い!!(裏声)」
このアスラン、原作よりは白いんじゃないかなーと思うんだが…俺だけかな
見苦しく自己正当化しないだけ、本編よかマシに見えるな
キラ 「遺伝子操作がなければ即死だった」
アスランは期待を裏切らんな。しかし勝つ方にいたいというのが最優先ならば、
スパコディやらラクスやらがいようとプラントのお先真っ暗だと思ったのか。
あるいは自分の裏切りでオーブ・プラントを壊滅させて連合に転がり込む算段だったのか。
いずれにしても自前で一旗上げようとしないとこはアスランらしいな。無駄に能力高いんだから
出来ねぇこともねぇと思うんだが。
ウルカヌスの様なチート拠点を手に入れ無いと独立出来ないのがアスラン
どっちかって言うと、よかれと思ってwやったこと(シン洗脳)で、何があっても味方だと思ってた親友らに非難されて
居心地が悪くなったからとりあえず新天地に抜けるよ、って印象だな。
二度の裏切りと勝利のせいですごい敷居が下がって、当たり前の選択の一つになった感じ。
勝つ方に付くってより、自分が付いた側が負ける可能性を考えもしてないように見える。俺が付いたんだから勝つに決まってるじゃないか的な。
種死を見直したが議長がアスランの脱走を防ぐにはニコルの様なアスランに肯定的な部下や同僚を仕込んでおけば良かったと思ったがその位置に居たのがハイネか…
一方、アスランはミゲル並みの死に様スルーでキラキラだったが…
アスランは他人を使えないからリーダーは無理だろ。
人付き合いの苦手なリーダーなんてありえねぇ…。
ディアッカとかハイネみたいに
コミニケーション能力の高い腹心がいれば別だけど…。
ミネルバに支給される弁当にフェイス権限でアジフライ追加ですね、わかります。
>>376 けど、そのハイネが半ばキラに殺されてるのにキラキラ病が治るどころか悪化しちゃうのが凸クォリティ。
一番良いのはCSAのカガリがやったように速やかに退場していただくことだろ。
ZだとZEUTHの連中に共感し過ぎてプラントの利害関係無視で肩入れしまくる→議長に睨まれるハメになって逃走→ZEUTHに戻ると彼らにまで迷惑かける事になるんで戻るに戻れず→行き場が無いんでとりあえず大天使の所に厄介に、の流れだから意外と不快感がなかったな
というかアスランは原作でも、しっかり議長に「フェイスとしてあなたを止めに来た」くらい言ってればマシになったはず
セイバー貰うときにも、議長に「間違ってると思ったら正してくれ」と言われたんだから
いや、脱走〜最終回までの行動も全て「フェイスとして正した」つもりだぞきっと。
>>381 いやアニメにおける言動の果てにそんな事言われてもウザさ5割増しになるだけだって
その「間違ってる」と判断した基準が、強烈な思い込みによる偏りまくった主観に過ぎんのだから
議長「間違っていると思ったら正してくれ」
凸「それなら、議長早速ですが…」
議長「ほう…なにかな」
凸「私にセイバーを託す、それがすでに間違いですよ。それでは」
議長「………ちょ、待ちたまえ!!」
凸を赤服待遇で復帰させる事自体既に・・緑服でかつ乗機がゲイツとかならまだましになったような?
>>385 達磨にされる前にフルバーストの的の一つとなり、毎度早々と退場します
…それでキラをしっかり敵認定できた方が良かったのかもな
>>386 なんじゃそりゃあああですね。わかりry
量産機にのる凸。うん、本編で乗ったザクよりゲイツやジンの方が似合うな
キラサメと違って、毎回あっという間に撃墜されるイメージしかないww
だけど絶対に生き延びるギャグ担当キャラになる、と。
凸は人間性は腐ってるが 能力はあると思う。
もっとも 人格的に問題が有りすぎて マトモに生かしてないが コイツに限ってはDPは有効だと思う。
ガキのまま大人になっちまった野郎の典型だよな。
…って、凸はまだ18かい!!!
あんなガキに世界託すってどんだけマダオが蔓延してんだよ!
>>384 議長の立場で正しい行動つったら
ミーアの信憑性を高めるためにアスランの代理を用意→本人謀殺
くらいしか思い付かんのだがw
シンは16歳(高校1年相当)だな。両親が死んだ時は14歳(中学2年相当)。の割に良い子過ぎて困る。
こんな戦災孤児がいるかよ、と突っ込みつつ見てたな。ちょっと気持ち悪かった。
>>385-
>>390 だからほぼ一貫してザウートで奮戦した阿部さんとこの凸はまだ好感が持てるんだね。
ガチ変質者であることを差っ引いても
>>393 18かそこらの歌姫様と騎士様の地球圏征服オチに比べれば
十分まともな範疇に留まると思うけどね。
>>394 歌姫様と騎士様は気持ち悪いキャラってのは無印から解ってたんだよね。歌姫様の言葉には
皆が従っちゃうし、騎士様はスーパーコーディネイターだったから。シンはそういうの無いじゃない。
妹と髪の色も目の色も違うし。だから、何なんだろうなーと思ってただけ
>>394 黒シン厨とやらが搦め手から粘着してきてんだろ、触んな。
「今日の夕飯は、何にしましょうかねぇ……」
12、13歳ぐらいだろうか。栗毛のショートカット、ブラウスにオーバーオールを着た、
のんびりした雰囲気の少女が、商店街を物色しながら歩く。
「おっ、クレハちゃん」
通りかかった青果店の中から、主人と思しき中年の男性が、声をかけてきた。
「今日は新鮮なの入ってるよ、どうだい」
「はい、ありがとうございます」
クレハはにこっ、と笑うと、店先の商品を見渡した。
「それじゃあ、これと、これを……」
シチューにでもしようかなぁ、と思いながら、商品を頼む。
「あ、それなら……」
主人と代金のやり取りをしつつ、パンがいるかな、と思って、半ば無意識に通りの方を
見た。
「あれ……っ?」
クレハが見ようとしたそこは、シャッターが下ろされ、人の気配が途絶えていた。
「パン屋さん、閉めちゃったんですか?」
クレハは軽く驚き、青果店の主人に訊いた。
「ん、ああ……」
質問された店主の表情も冴えない。
「小麦の値段が、また上がっちまって、やっていけなくなったんだと」
「はぁ……」
店主の説明に、クレハも表情を曇らせる。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン 〜ジオン公国の光芒〜
INTER PHASE : FILE-01
C.E.78。
南アメリカ合衆国、マナオスの郊外にあるこの街は、決して大きな街ではなかったが、
かつてはそれなりに活気のある街だった。
だが、それも今は昔。
クレハが外出を許されるようになってから、数年が経つ。幼い目にも解るほど、街はゆ
っくりと衰退していた。
まず、大西洋連邦の民間資本で運営されていたスーパーマーケットが廃業し、閉鎖され
た。今はその建物自体まで、見るも無残な廃墟と化している。
個人経営の商店街は、それがなくなったことでしばらくは我が世の春、と一時的に勢い
を取り戻したが、それも本当に短い間のこと。
サービス業、所謂第三種産業を提供していた店は次々に廃業した。スーパーと同じで、
大西洋連邦の経済状況悪化が原因だった。輸入が事実上ストップした工業生産品、家電や
自動車を扱う店もなくなった。
それでも、食料品や軽工業は自給できていたから、食料品店と日用品店だけは残った。
「そこまでして……戦争を続ける意味があるんでしょうかねぇ……」
クレハは帰り道、ため息をつきながら、そんなことを呟いた。
もはやヴィンテージといっても良い、エタノールディーゼルの自動車がまばらに走る大
通りを歩く。リサイクルショップの前を通り過ぎる。
新品の家電が輸入できなくなった分、中古家電や中古車の修理・販売だけは盛んに行わ
れていた。
リサイクルショップのショーウィンドゥに展示されたテレビが、ニュースを流していた。
『アフリカ方面でのプラント国防軍の活動は、新たにローデシア、ズールー、ナタールの
地区を解放、新国家の樹立を行いました。これは自由と平等の歌姫にして、プラント大統
領であらせられるラクス・クライン大統領の、それに格差があってはならないとする崇高
な御意志の下に行われたものであり、各国の地元の市民もこの功績を惜しみなく称えてお
ります……』
テレビが流すそれは、ここがプラントというわけでもないのに、必ず1日1度は、その国
家元首であるラクス・クラインの功績を称える。
「戦争が続いてる地域の人たちも、大変だと思うけど……出来れば、この国の皆さんも助
けてくれたら良いんですけどね」
誰に言うともなく、テレビの前で、クレハはため息をついた。
街の中心部から外れ、あたりは農耕地帯に入る。
その真っ只中に佇むように、クレハが住居としているその建物があった。
それは民家用の一戸建てなどではない。鉄筋コンクリート造りの、無機質な小規模ビル
だった。だが、だいぶくたびれ、外装にはあちこち細かなひびが入り、染みの様な汚れも
あちこちにある。
ただ、駐車場や庭になっている部分は、雑草が刈り取られていて、生活臭がある。
「えっ!?」
だから、その異変にはすぐに気がついた。
正面玄関のガラス戸が外側から叩き割られ、鍵を外されていた。
「ど、ドロボーさんですか!?」
クレハはその場でおろおろとした後、ごくりと喉を鳴らしてから、壊された扉を開けて、
そろそろと中に入った。
まず、自分が居住に使っている部屋を確認した。
「ここは……何も盗られてないですね?」
意外そうに、クレハは言った。家電や家具といった、まだしも換金できそうなものは、
何も盗られていない。
事務用の机が置かれており、その抽斗の鍵を開けて中を調べる。そこには、クレハの生
活資金が入っていたが、それにも手はつけられていなかった。
「?」
クレハは小首を傾げつつ、部屋から出た。
そして、ビルの別のフロアへ向かう。
“第1研究室”
そう札のかかれた部屋に、クレハは入った。
「う!」
その有様に、クレハは立ち尽くした。
室内は実験用具や試料のビンが散乱し、無残な状況になっていた。置かれていたパソコ
ンがなくなっている。
立ち尽くしかけていたクレハだが、はっと我に返ると、ガタガタっと躓きかけながら部
屋の外に出る。
そのまま廊下を走り、そのフロアの端まで駆け抜ける。
「はぁ……はぁ……」
息を整えながら、突き当りの扉を見る。扉の上に“資料室”と書かれた札がかかってい
る。
そして、その扉は、やはり、鍵がかなり乱暴な方法で破壊されていた。
クレハはおずおずと手を伸ばし、そろっと扉を開けると、室内に入り込んだ。
室内は暗い。クレハは入り口の脇の壁を探る。スイッチがあった。それを入れると、無
機質な蛍光灯の照明が点いた。
「やっぱり……」
クレハはこの部屋の鍵を持っていなかった。だからこの部屋に入ったことはない。しか
し、置かれた書類棚には、大量の資料や書籍が置かれていたことは想像に難くなかった。
だが、今はそれらはまるっきり無くなってしまっている。床に、紙片が散乱していて、人
為的に誰かが荒らしたことを示している。
「どうすればいいんでしょう……」
クレハは何度と無くそう呟いた。
今はそう呟きながら、ミニキッチンを使って夕食の支度をしている。
警察に届けようかと思ったが、一体何をどれだけ盗られたのかが解らない。そもそも何
があったのかさえクレハは把握していなかった。
──地球連合軍特殊兵器研究施設、それがこの建物の正体だ。そして兵器とは、彼らの
言うところの、コーディネィター生体CPU、ソキウスの開発だった。
その中でも、この研究所には、ある特殊な目的が与えられて研究が続けられていた。
すなわち、ソキウス用スーパーコーディネィターの作成、である。
ユーレン・ヒビキの研究を知った地球連合軍が、己の戦闘用コーディネィター作成にそ
れを取り込もうとしたのである。
一般的なコーディネィターのクローン胚を用いた実験は、それを胎児レベルに成長させ
ることも出来ずに頓挫していた。
だが、さらに別のアタッチからスーパーコーディネィターを再現する試みが行われ、成
功した。
すなわち、唯一のスーパーコーディネィター、キラ・ヤマトのクローン胚の作成である。
さらにそのクローン胚に初歩的な遺伝子操作を施すことで、スーパーコーディネィタ
ー・ソキウスの可能性を探る。
初歩的な遺伝子操作として、性位相転換が選ばれた。すなわち、性染色体を本来の男性
のXYから女性のXXに入れ替えるものだ。胚、すなわち細胞分裂が始まり胎児になる以前の
段階であれば、確実であるしリスクも少ない。
結果、生まれたのがクレハだった。
ただし、クレハにはソキウスとしてのコーディネィトは行われていない。あくまで試作
品だった。
その能力と生命としての安定性を記録するとの名目で、クレハの成長記録を行うことに
なった。
…………同じ遺伝工学の出身であるデュランダルが、その後の経緯を見たら、「性位相
転換なんて選んだ視点で間違いだんだろ」と言ったに違いない。
プラントならまだしも、連合の研究施設。すなわち男社会。そこに、直接血がつながっ
ていないとは言え、自分達が“生み出した”娘。
ソキウス計画自体が中断されたこともあって、研究員達はクレハを育てることに夢中に
……早い話が“ダメ”になってしまったのである。
クレハは彼らの実の娘の様に、甘やかされつつも躾けられ成長することになった。
ある意味、普通に生まれた子供よりも恵まれていたかもしれない、そう言える程に。
だが、その平和な日々もそう長くは続かなかった。
メサイア戦役、ラクス・クラインのプラント掌握……プラント国防軍の発足、世界再々
構築の始まり、地球連合体制の廃止、ブルーコスモスの解体…………
研究所は連合の母体である大西洋連邦が引き継いだが、やがて研究施設としての“休止”
が決定。研究者達は大西洋連邦に招聘されることが決まった。
ところが、すっかり“ダメ親”になっていた研究者達は、ここであるサボタージュをす
る。
連れ帰って研究用の実験動物扱いなどとんでもないと感じた彼らは、クレハの記録を書
き換えて、潜在的な先天性免疫不全により死亡したことにしてしまったのだ。
どうせ世界は大混乱の真っ最中、バレるはずが無いという確信もあった。
そうしてクレハには、休止された研究所の留守番という役目を与え、生活資金は研究者
達の中から有志がカンパによって与えることにした。
クレハは独りぼっちになりながらも、爛漫に育てられた性格が幸いして、買出しに行く
商店街の住人達とコミュニケーションをとり、本人にとってはそれほど悪くも無い生活を
続けていた──そう、今日までは。
「とりあえず……どうしましょうか、私が生活するのには、何の問題もないけど……」
シチューをスプーンで口に運びながら、気重そうな表情で呟く。
生活資金を受け取る為の口座はあるが、クレハの方から研究者達に連絡をとる方法は無
かった。
「やっぱり、一応は警察に連絡したほうが良いのかな……」
食器をシンクに片付ける。
「でも……」
現金や生活用の家財道具に手をつけなかったところを見て、ただの物取りではないこと
も確かだ。
それをどうやって警察に説明したものかも困る。
「はぁぁ……」
鬱蒼とした気分を少しでも紛らわせようと、クレハは現実逃避気味にため息をつきなが
ら、テレビのスイッチを入れた。
娯楽番組を期待していたが、映ったのはニュースだった。
しかも、ラクス・クラインの映像だった。
「自由と平和、か。平和を望んでいるのに、戦争するなんて、変ですよね……?」
小首をかしげる仕種をしながら、画面の中のラクスに、問いかける。
すると、カメラの角度が変わり、ラクスの傍らに、1人の青年が立った。
「…………」
向こうは男性、年齢も自分よりかなり上。
それなのに、クレハは彼の姿が、まるで自分の姿を鏡で見ているかのような錯覚に陥っ
た。
「…………?」
クレハはしばし、その青年の姿に見入った後、映像がスタジオに切り替わったのを見て、
はっと我に返る。憑き物を落とすように、ぶんぶんと首を横に振った。
「な、なんだったんでしょう、今のは……」
なんだか立て続けにおかしなことがありすぎて、だいぶ滅入ってきたクレハは、悩みな
がら寝逃げることにした。
シャワーを浴び、1日の生活の汚れを落とす。
「最高のコーディネィターって言う割には、ここはあんまり成長しないですね……」
精神的均衡を求めて、苦笑しながら呟き、両手で平坦なバストを撫でる。
シャワーを浴びてさっぱりすると、陰鬱に陥りかけてた気分が、少しは晴れたような気
がした。
ピンク色の上下のパジャマを着て、にこっと空元気で笑う。
「まぁ、とりあえずなんとかなるでしょう」
苦笑気味の笑顔でそう言って、ベッドに潜り込んだ。
照明を消して、眠りについた。
翌日。
「さて、さすがにあのままにはしておけませんね」
朝が来て、変わらずにさんさんと降り注ぐ太陽を見れば、気分も晴れた。
ヘアバンドで前髪を上げると、掃除用具入れのロッカーから自在ぼうきと文化ちりとり
を取り出し、階段を上がって、昨日荒らされたフロアに向かう。
「とは言ったものの……どこから手をつけましょうか……」
研究室は片っ端から荒らされている。これを1人で片付けるには、数日は要りそうだっ
た。
とりあえず、と、資料室へと向かう。
ギィィッ、と、昨日の空き巣行為のせいか、それとも単に経年劣化か、立て付けの悪く
なった扉を開けて、中に入る。
「動くな!」
「!?」
突然、後ろから声をかけられた。ドアの死角に、誰かが潜んでいた。
背中に、何かが突きつけられる。それは刃物か、それとも銃口か……
クレハの表情も戦慄した。
「誰ですか……アナタは。昨日のドロボーさんですか?」
「何だと?」
クレハが問いただすと、若い男の声が、うろを突かれた様な口調で返ってきた。
「ドロボーだと?」
「昨日、研究室や資料室を荒らしていったじゃありませんか。その仲間じゃないんですか?」
クレハの言葉を反芻する背後の男に、クレハは低めの声で再度問い質した。
「クソ! ここも手遅れだったか、それも行き違いで……」
男は嘆くようにそう言って、クレハの背中に突きつけていたそれを離した。
「!? どういうことなんですか?」
意識して隙ととった、わけでもなかったが、クレハは反射的に振り返る。文化ぼうきを、
槍か薙刀の様に構えた。
「!? キラ・ヤマト!?」
クレハと向かい合った、金髪の青年は、反射的に拳銃をクレハに向けた。
「ひっ!?」
銃を見て、クレハは腰が引けてしまう。
「違う……女?」
男は、軽く驚いたように、一瞬、目を円くする。それでも銃は構えたまま。
「お前は一体何者だ。こんなところで何をしている」
「私は、ここの留守番です。それよりあなたこそ、い、一体何をしているんですか!!」
銃に怯えつつも、クレハは男に問い返す。
「留守番だと? ここは旧地球連合の施設だろう、だいぶ前に閉鎖されているはずだ」
「ですから、今は私1人です」
「ふむ……」
男は何か思うところがあったのか、鼻を鳴らすように声を出してから、銃を下ろし、ホ
ルスターに戻した。
「すまなかった。俺はレイ・ザ・バレル。探偵のようなことをしている」
金髪の男は、表情から険しさを抜くと、そう名乗った。
「探偵さん、ですか?」
クレハも毒気を抜かれ、キョトン、として、聞き返してしまう。
「ああ、訳あって、ここのような施設を探している。良かったら話を聞かせてくれない
か?」
レイはそう言ってから、
「銃を向けたことはすまなかった。俺が警戒しているのは、おそらく君が言っている泥棒
のことだ。早とちりしてしまって申し訳なかった」
と、頭を軽く下げて謝罪した。
「あ、いえ。私の方こそ、すみませんっ」
クレハは慌てて、ほうきから左手を離し、自分も深々と頭を下げた。
「君、名前は?」
レイはクレハが頭を上げるのを待って、そう訊ねた。
「あっ、私は、クレハと言います」
少し慌てて、クレハは答える。
「クレハ……クレハ、何?」
「あ、えっと……下の名前、ないんです。私、この研究所で生まれたので……」
レイに聞き返され、クレハは決まり悪そうに苦笑しながら、そう答えた。
「ここで生まれた、だと?」
レイの表情が険しくなる。
クレハはびくっ、と、その様子に驚いて身を竦ませた。
「あ、ああ、すまない。驚かせてしまったか」
クレハの様子に、レイは表情から険しさを抜いて、謝罪してから、
「でも、どういうことなんだ?」
と、改めて訊ねた。
「私、ある人のクローンなんです。なんでも、本来は実験のためにつくられたとかで……」
クレハは、おずおずと説明する。
「ある人?」
レイは、彼女がクローンであるということはうすうす察知したが、そのオリジナルにつ
いて気にかかり、聞き返した。
「スーパーコーディネィターの性位相クローン、だそうです。オリジナルがどんな人なの
かは、私は知らないんですけど」
「何!?」
クレハの答えに、レイは今度は目を円くして、驚愕してしまった。
「って、レイさん、でしたっけ……何か、知っているんですか?」
今度はクレハの方が、レイの反応に食いついた。
「知っているが、しかし……」
レイは、少し躊躇する。この少女に、その存在を教えてしまってもいいものだろうか。
「わ、私はレイさんの質問に答えているじゃないですか!! ずるいですよ!」
少し顔を紅潮させて、クレハが問い質す。
レイは「う〜」と唸り、少し迷った後、
「仕方ないか……君のオリジナルは……キラ・ヤマトだ」
渋々と、そう答えた。
「キラ・ヤマト……」
一瞬、その名前を反芻したクレハだったが、
「えぇぇぇっ!?」
と、遅れて声を上げてしまった。
キラ・ヤマトと言えば、プラント大統領ラクス・クラインの婚約者にして、ZAFT大統領
武装親衛隊最高司令官だ。
「驚くのも無理は無いか……俺だって信じられない。だが、この世に完成されたスーパー
コーディネィターは1人しかいないんだ」
もう1人、カナード・パルスも存在するが、わざわざクローンを、それも連合が製作す
るほどの存在とはいえない。
第一、髪や瞳の色など、先程レイ自身が一瞬間違えたほど、クレハの身体的特徴はキラ
に共通しすぎている。
「私が……キラ・ヤマトのクローン……」
クレハは、しばし呆然と立ち尽くした。
その後、場所をクレハの居室に移して、レイにコーヒーを振舞いながら、話を交わした。
「それで、レイさんはどうして、施設を調査して回っていたんですか?」
クレハが訊ねる。
「知りたかった。スーパーコーディネィターというものが、どうなったのか」
レイは答える。
コロニー・メンデルの崩壊後、スーパーコーディネィター技術を受け入れたのは意外に
も連合だった。
その目的が、高性能ソキウスの製造にあったのは、先述の通りである。
「それはわかるんですけど、どうして知りたいと思ったのかが解らないんです」
クレハは小首をかしげ、聞き返す。
「…………」
レイはしばし、無言で逡巡した後、
「俺もクローンなんだ」
と、答えた。
「えっ!?」
一瞬、呆気に取られるクレハ。
「俺は、ユーレン・ヒビキの、スーパーコーディネィター計画への出資者である、アル・
ダ・フラガのクローン……正確には孫クローンだがな。とにかく、フラガがヒビキに出資
する交換条件として、俺と、俺の先代に当たるアル・クローンはつくられた」
「…………」
あまりの事実に、クレハは哀しげな表情をしたまま、押し黙ってしまう。
「だから……だな。俺という存在と引き換えにしてつくられたスーパーコーディネィター
が、その後どうなったのか、気になった。キラと個人的な因縁があるのも事実だが」
「…………」
レイが独白の様に言う。クレハは何も言う事ができない。
「だが、それもここでデッドエンドだ。資料を持ち去った連中がなんなのか、大体検討は
つくが……俺にはそこまで、手の出しようが無い」
レイは言い、彼にしては珍しく、自嘲気味に笑った。
「それで……そうしたら、これからどうするんですか?」
クレハは問いかける。
「そうだな、行く当てが無いでもないが……」
レイは、はるか宇宙に想いを馳せた。
プラントの新設コロニー、トーマス・シティ。そこで、かつての戦友達が、ラクスとキ
ラに対する闘争を計画しているという。
確かにラウの分身としてのレイはキラに負けた。だが、だからこそ、今度はレイとして
キラやラクスを止める戦いを為しても良いと考え始めていた。
「それなら、私も、連れて行ってくれませんか?」
「えっ?」
レイは、軽く驚いて声を出し、クレハの方を見た。
「私は、レイさんと一緒に行くべきだと思うんです。そう、感じるんです。私が生み出さ
れた本当の理由が、運命が、そこにあるって、感じるんです」
クレハは、女性らしく円く愛らしい顔つきに、確固とした意志の表情を見せて、そう言
った。
「クレハ、運命なんてものにとらわれる必要はない」
それが、ラウ・ル・クルーゼと、ギルバート・デュランダルの敗因でもあったのだから。
「はい。でも、これは、私の意志です」
だが、クレハは断固として言う。
その瞳に、レイは何をも貫く意志を感じた。
「君にとっては、今よりも不幸が待ち構えているかもしれない。それでも良いのか?」
最後の確認、と、レイはそう訊ねる。
「覚悟なら、あります」
クレハは臆する様子もなく、そう言った。
「解った」
レイは立ち上がり、クレハに向かって手を伸ばした。
「なら、行こう」
トーマス・シティがジオン公国を標榜してプラント本国からの分離独立を宣言、血のバ
レンタインから続く“10年戦争”の後半のクライマックスとなるジオン独立戦争の火蓋が
切って落とされるのは、この数ヵ月後のことであった。
>>397-407 以上です。
誤字誤字
>>397 FILE-01 になってしまっていますが FILE-02 の間違いです。
クレハの話が書きたくてつい書いてしまいました。
ディアッカの話を待っていた方はすみません。
というか……そちらはきっかけが掴めなくて、煮詰まってます。orz
>>408 実はトンズラ…いやいや、洗脳解けて最終決戦時はAA降りていたので
生き残ったミリィの回顧録風ってのは?
こういうのも意外とありだな
子育てに夢中になるダメ研究者どもにほのぼのとした気持ちになった
>>409 なんて無駄死にディアッカ・エルスマンwww
>>408 GJ、研究者たちがギリギリで理性を保ってくれたから、こんな良い子になったんですね……
IF系統合でも書いてらっしゃいますよね。そちらも楽しみに読ませて頂いています。
心優しきマッドサイエンティストたち…
まさか連邦のそのまたもとの出向元は金剛石技術社とか言ったりs(ターン
>>408 毎度乙です。クレハはやっぱりいい子だな〜、研究所の人たちも良い人たちでよかったわ
そして、グゥレイトな人の物語も読みたいぜw
シンがもしキラと同等の経験と、冷静な心を持ったらの話。
そもそもの実力がアスランより高い気がする。
嫁補正が無ければキラ以上の化け物になっていた気がするんだが…気のせいか?
気分を害した方にはすいません。
「因縁の終わり」みたいにブチギレてこそシンのような気がする
>キラと同等の経験
シン「やめてよね(ry」
……それさ、アスランが揺るがない信念を持っていたとしたら、とか、キラが鍛練を厭わない努力家だったら、
レベルの話だと思うんだけど
シンは、まず家族を失ったって話が根底にあるキャラだから、それがなくなったらシンじゃないんだよな。
オーヴ出身のコーディネーターが士官学校で赤服まで伸し上がれたのも、
そう言った負の記憶があるからだろうと普通は思うから。
417>>
それもそうだな、悪かった。
ただそれをアスランは、精神的には有利だったからさ、っつーかぶっちゃけると、俺軽くシン贔屓だからww
嫁補正を初めて聞いた瞬間、俺はダメだコイツ早く何とかしないとwwと思った。
416>>
おいおいw必要無いだろその経験…いやあるか?
微妙にわからんww
>>414 >シンがもしキラと同等の経験と、冷静な心を持ったら
おいおいwwwシンを劣化させてどーすんだよwwww
地味にシンってキラよりもMSと戦闘の経験あるんだぜ?キラは生まれてからMS動かした数か月(種で8か月、内4ヶ月は戦闘は実質3回のみ)だけで
シンは訓練とインパルスのテスト(運命アストレイ参照)合せて一年だからな、そこにシンは激戦での数か月が加わる
キラはそこに奇襲ばっかして漁夫の利してた数か月が加わる
普通に、シンの方が経験上なわけさ
そしてキラはデストロイと相対したときフルバーストを聞かなくても連射し、ルージュ使って秒殺で達磨にされ和田でグフ鞭に捕まった
一方シンはブチぎれても凸のグフ鞭を冷静にライフル盾にして無傷、冷静さという点でどちらが優れているかわかるな?
キラはヘリオポリスでストライクを動かしたっていう経験はある。つまり「何をしたら良いのか、何もかもが
解らない状態で奮闘して生き残った」という実績がある。あるが、何で自由に乗った途端ああなったんだろう・・
むしろ、カガリとキラを交換した方が良かったのではないかと思う
あの直情さは、一般人やそれに順ずる立場でこそ映えるもので
お偉いさんなんかの立場に居なかったらメインヒロインも夢じゃなかったんじゃないかな?
ついでにナチュラル唯一のSEED持ちとしてキーキャラになったかもしれない
でも偉い人の娘になったら極度のDQN…
シンがスーパーコーディネイターとかそんなのになったら上記みたいな結果になるんじゃないかと思うんだ
そこまで突拍子も無い事を言われると、if系統合があるよとしか言えなくなるんだが…w
419>>
420>>
おいおいwなんだこの書き方ww
流行ってんのww
まあシンは一般人だからこそ支持されているといっても過言じゃないからな
これがスパコーを倒す為に作られたアンチスパコーだとか、種死始った当初に蔓延りまくってた妄想みたいなオチだったら、どう転んだか微妙だ
つくづく嫁に嫌われた事が不幸中の幸いだったといえる
まぁぶっちゃけた話、キラの嫁補正が最強だよなwww
ストフリが出た瞬間、キラに、いや種死に失望したのは俺だけなのかやっぱり?
そうだな。一時期は冷遇された冷遇されたと騒いでたが、嫁にとっての優遇とか厚遇ってのは
「キラみたいな設定をつける」「キラみたいな行動を取らせる」だからな……
>>キラみたいな〜
最低のキャラレイプじゃねーか。
いや、生みの親だから当てはまらないのか?
シンはジュドー、ガロード、トビアと続いてる、特別な力を否定する側の主人公なんだと俺は思ってる。
だから個人的にはシンはコーディネイターでもSEED持ちでもない正真正銘どこにでもいる普通の少年であって欲しかったなぁ・・・
今更だけど。シンは普通に描けばどうやっても主人公になるような設定と性格で、
キラは明らかにラスボスとしか思えない設定なのにも関わらず、あんなことにした嫁はある意味すごいと思うんだ。
うん、ほんっっっとうにある意味だけど。
>>431 あれだけ主人公設定のテンプレがてんこ盛りのシンを
あそこまで活かせないからこそ、あの現役厨二病患者夫婦は負債と呼ばれるんだろうなぁ…
シンとキラが異性同士で、シンに一目惚れしたキラがシンのことを知って自己嫌悪に陥る。
なんてシチュエーションも考えたことがありました。スレチだけど。
ただ確実にラクスがラスボス化するけどな。
スパロボKの主人公は故郷の星と流れ着いた星を2回謎の集団に滅ぼされその度に親しい女性を失って(転移しただけだが)地球で二度と戦わないと決めるが窮地に陥る仲間を助ける為に戦う
直前にやってたスパロボの所為でデューク・フリード思い出した
シンとアスランにいい影響を与えそうな主人公ですね。
まぁ、俺としてはDの兄貴とギュネイみたいに
本筋に全く関わらない友情の方が好きなんだけどな。
>>433 自由とは自由であるように呪われていることであるってやつですね、わかります。
スパロボでこの言葉を知った人は何人いるんだろうか。
>>438 ストライクフリーダムに至っては当初の予定された名前があれだし。
故郷を追われた先で会ったヒロインはドラゴノーツの火星王子を女にしたような見た目で早くに両親を失い妹と二人で生活していて負けん気が強く空気が読めず場を氷らせる発言をする。
アレ?
スペシャルエディションを見直したが…なんだかんだ言ってもキラって言ってる事結構メチャクチャだな。
アスランがキラに切れるシーン「撃ちたくない、撃たせないで」これに以上にムカついた。
いきなり戦場出てきて武器とカメラを奪って邪魔して…むしろ武器とカメラ奪われたら余計死ぬ危険性が増える。
シンは子供であまり軍人向きの性格じゃないが、キラを落としたのは間違っていなかったと思う。
デスティニープランは間違ってはいるが、議長もあまり間違っていなかったと思う。
シンは良いキャラだったと俺は今でも思ってる。それを短絡的に「アスランの言う事を聞かないから」「キラと敵対するから」というものを声優さんに送る腐共が大嫌いな俺。
>>438 ああ、シュウの章で初めて聞いた言葉だな
ぶっちゃけ序盤と最後は言っている事が違ってたって良いんだよ
其処に至る過程さえ描いていれば、正反対の意見にもむかついたとしても納得は出来る
それが余りにも雑に、キャラの一声で何も考えずに行動したり性格が激変したりするから叩かれるんだと思うんだがな
ついでに権利ばかりで責任、義務を一切合財無視してるのも原因だと思う
武器を捨て完全平和とか夢物語を実現させたリリーナと争いの無い時代を自分の手で作ったラクス
しっかり責任や義務を果たし、過程を描けばラクスにも救いはあったんじゃないかと思うんだよな
正直過程が曖昧な上に、組織もマフィアも真っ青な真っ黒組織をいつの間にか作ってたりとかするから
新興宗教の教主様ポジションに行かざるをえなかったんだろうな
なお最後に言っておくと自分は初期ラクス個人は嫌いじゃないがラクシズは大嫌いです
実際にラクスがこしらえたのは争いの 尽 き な い 時代だったというオチw
実際正式な手続き無しで武力でクーデターした国って国際信用も無ければ影響力も本来弱いはず
そして仮にも世界各国を先導するような立場に立っていたデュランダルを殺害した以上混乱は必死
しかもエイプリルクライシスにブレイクザワールドも重なって北斗の拳状態になっても不思議じゃない上に
経済の中心でもあったロゴスが潰れてるから国家間貿易もままならない可能性もあるからオーブは勿論プラントも致命傷を追うのは目に見えてる
まさに争いと力の行使が自由な時代が来るってわけか
あの世界って未だにNJの被害からは立ち直りきれてないし、世界の産業のほとんどを掌握してたロゴスが無くなってすさまじいまでに不景気(というかΖのシロッコの言ったように経済的でガタガタで餓死するだろう間が洒落にならない数いる)
ぶっちゃけ人類がマジに一丸にならないと人類全滅だというのに、ラクシズは滅びる自由を勝ち取りました まる
だからなぁ
そして胸に七つの傷を持つ男、シン・アスカの新たな物語が始まるのですねわかります
/||
( ゚Д゚) <汚物は消毒だー!
↑オーブ・プラント兵
>>447 シン「おいお前、俺の立場を言ってみろ」
つーかさ、いつもストフリを見るたび思うんだけど前作主人公のキラが
前作ラスボスと同じ武器(ドラグーン)を使うって物語的に変じゃないの?
しかもそのせいでドラグーン搭載機のレジェンドの個性が半減してるし
452 :
ナガダ:2009/02/07(土) 21:33:56 ID:???
普通に考えてカガリは俺の嫁
>>451 俺はドラグーンで不殺できるのか気になる。
と、いうかうぃきぺのストフリの項を見ると
「空間認識に依存しない」第二世代ドラグーンを改良して
「特異な空間認識能力が必要」なドラグーンにしてるとこがもっと気になる。
キラさんはホント化け物コーディやでぇ
アスランに刺されて機内の爆発に巻き込まれた方のキラさんは今後どうなるのか
脳みそだけになってCPUにされる
それなんてフロントミッション?
キラ「僕がフリーダムだ」
そしてEMP喰らって焼き脳味噌に
>>453 つか、キラは嫁補正で強いからな。
あとコレは聞いただけなんだが、キラがホントはシンにやられた時点で死ぬ予定だったってホントか?
それを嫁補正で生かしたとまでの噂も聞いたんだが。
噂はあくまでも噂だし、ソースがない限り誰も何もいえんだろう
けどキラって使いどころが本来は難しいキャラなんだよな。
まさに最強だし、物語におけるジョーカーというあの存在を野放しにしたのが
種死の最大の失敗だな。
るろけんの剣心の師匠みたいにチョイ役が本当は良かったんだよな。
もしくは旧キャラっぽく新キャラを鍛えるみたいな
というか、そもそも、シンが何のために居たのか分からない
逆切れ、馬鹿要員状態な感じがしてしょうがなかった…
どうせΖを踏襲したならキラもΖアムロポジで良かったのにと正直思った
確かなのはムゥの復活と種死での無傷大勝利EDは種のムゥの死とかが原因で腐仲間に絶縁されかけたから
>>462 そりゃあもちろん嫁が考えたちょーつおいキラきゅんのための最大の噛ませ犬だろうが。
噛ませ犬ランクではテッカマンランスに匹敵するな。
シン「いくらフリーダムとはいえど、この至近距離からのエクスカリバーでは
ひとたまりも……何ぃ!?……まさか!?」
みたいな
>>465 待て、一応フリーダムは大破しただろうがw
シンとキラは直接対決が少ないからアスランの為の噛ませ犬じゃないか?
キングオブ不幸パイロットなジェリドにも匹敵する哀れさだ
アイツもカミーユに出会うこと無ければ、人並みの幸せがつかめたかもしれない
シンもキラに関わらなければ、普通の主人公になれたかもしれない
>>465 おっと
「いくら進化したフリーダムとはいえど、この至近距離からのアロンダイトでは――」
だな
シンが逆切れキャラとよく言われるが、逆切れってそもそも「自分が悪い事をしているのに、他から怒られたり諭されたりして
その人に腹を立てる」意味だよな。逆切れキャラなのか?
>>468 そもそも別に主人公になんかならなくたってよかったんだ。
アスハが国民の安全を第一に考え、キラが戦闘地域に気を配っていれば
一時的に被災しても家族揃って市井で生きていけてたはずなのに…
基本的に正当な切れ。
フリーダム関連は軍に居る以上は当然の怒りだし
オーブに対する怒りも元住んでいた一般人としては当然と言える
基地に攻撃したのだけは独断専行を責められたと思えばまあ逆切れ…になるのか?
ってかこうして見ると、凸の方が逆切れキャラなのか?主にフリーダム関連
逆ギレ……なのか、凸は?
なんか違うとは思うんだが、良い言葉が見つからない
>>472 基地攻撃の場合、「力を持つ者なら責任も認識しろ!」と言われて「戦後オーブに隠れてたアンタに言われたくないね!」
とか言っちゃったら逆切れかな。
>>473>>475 そうだな、あんまあてにするべきじゃあないよな……が、
>情報量の処理は常人に到達不可能な領域
キラさんが俺の頭の中でマジ化け物になった
シンが逆切れしてるのは連合の基地つぶした時ぐらいだな。
ただその相手は言ってることとやってることが完全に逆だったが。
>>474 あれはキラギレ
普段は優柔不断でどうしようもないけど
キラに関することになると途端にセンシティブにキレるようになります
逆切れキャラの汚名は、神視点+ラクシズ視点に変更されたが故にでファイルナルアンサーでいい気がしてきた
いや、描写だろ?
悪役描写とメディアによる印象操作
どうもです。 流れぶった切ってすみません。 11羽仕上がりましたので投下させていただきます。
今回少し長めになってしましましたので支援いただければ幸いです。
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request11
カーゴスペースの中で横たわっていたのは二機のMS。
一機はワインレッドに塗装されたガルバルディα(プロトタイプ)。
もう一機は全身を白で塗られた細身のアストレイタイプ。
頭部アイセンサーを保護するように嘴のようなバイザーがあり、マスク部分はつるりとした曲線で構成され、二つの山なり放熱口がなかった。
胴体はまるで戦闘機の機首を折り畳んだ様な形。
左腕には小型のシールドを装備していた。
機体各部は胴体周りに最低限の装甲、それ以外の四肢にはフレームに申し訳程度の装甲板が付いているだけ。
「……ヤタガラス、軽装高機動型。 完成したんですか?」
白いアストレイタイプを前にシンは目を大きく見開く。
ヤタガラス。 アメノミハシラにて四年前、CE73から開発されていた二機種の内、ムラサメベースに発展させた機体である。
各部にブロック構造を導入し、整備の手間を減らし、パイロットの練度、癖に合わせられるように軽装高機動型 標準型 重装高火力型の三機種が用意され簡単に換装できる。
可変機の弱点である構造の脆弱性を補うため、一部のフレームと装甲を一体化させているのも特徴だった。
「ああ、既に生産ラインに乗っているよ」
「もう一機はザフトの新型……ジン?」
シンはジャンの言葉にうなずくと、もう一機を見ると首を傾げた。
「ザフト次期主力量産機、先行試作型ガルバルディαだ。 改良量産型インパルスとでも言う機体で、操縦系もほぼ同じだそうだ」
ジャンの説明を聞き終えると、ごく自然にコックピットの中へと潜り込みOSを起動する。
確かに胴体にはコアスプレンダーがそのまま収められている為、シンの知るインパルスのコックピットに良く似通っていた。
OSが起動し、モニターに良く見知った起動画面が映る。
>>462 典型的なキラ厨タイプだなww普通に考えてシンの言ってることって割と合ってるぜwww
操作関係を斜め読みする限りでは操作系はインパルスとほぼ同一、ならば問題はない。
後は性能がどれほど上がっているかがシンにとって気になることだった。
「カタログスペック通りなら、一部性能はデスティニー超えてるのか……技術革新ってのはすごいな」
スペック表を眺め、はあーと感心しながら、最低限の最適化を行う。
「おっ、最初からシルエット装備してるなんて、気が利いてるじゃないか」
モニターに映っているのはフォースシルエットを思わせる赤と黒のXの形に広がったスラスタータイプのシルエット。
クロスフォースと書かれていたシルエットは形状から判断しても、間違い無くフォースシルエットの後継だった。
このときのシンに知る由もなかったが、クロスフォースシルエットの試作型とも言える存在で、設計者が搭載したある機能とじゃじゃ馬な性能な性で正式採用から省かれ、ガルバルディの地上でのテスト運用に用いられていたのだった
「そちらはどうだね?」
背等を考えていたシンモニターにジャンの顔が映る
「スペックは良い感じですが、実際乗ってみないと何とも言えませんね」
ジャンからの通信にシンは少し難しい顔を見せた
「ヤタガラスはどうなんですか」
「既に実戦投入済みだから問題は無いよ……っ揺れが激しくなってきたな、行けるかね?」
自信に満ち溢れたジャンの言葉にシンは静かに頷いた。
「……やってみます」
「よし、では行こうか!」
ジャンの言葉を合図としたかのように二機のMSがゆっくりと立ち上がる。
「キャプテン後部を切り離せ」
「りょーかい」
間延びしたの操縦士返事の後、モーターの駆動音、ジョイントが切り離された音だ。
「赤鬼、私が先に行く後から来てくれ」
「了解」
ヤタガラスは膝装甲裏からのビームサーベルを抜くと天井を切り裂く。
「ヤタガラス、ジャン・キャリー出る!」
「クロスフォースガルバディ 赤鬼発進する」
スムーズに、駆動するヤタガラスとは対象的にぎこちない動きでコンテナから這い出るガルバディα。
すぐさま敵影を探し、辺りを見渡す。
一目散に逃げるシャトルを無視し、後部コンテナの周りを飛び回る機体が6機。
「出来損ないか」
忌々しく『出来損ない』とシンが呼んだ機体群は上半身がMS下半身にメビウスのスラスターを装備したテロリスト、海賊御用達の機体だった。
戦場に廃棄された機体を組み合わせて、武装を施せば出来上がる簡易性。
脚部がMA用大型スラスターであるため速度を生かした一撃離脱を得意とすることを買われブルーコスモス、ザラ派問わず用いられる悪い意味での傑作機。
各軍のMS乗りからは出来損ないと呼ばれるも、輸送船や民間商船からは足が無い事、ダークブルーの機体色、神出鬼没な事からゴーストと恐れられていた。
またテロリスト達からは足無し、ドラッツェと呼ばれていた。
6機の内、4機のジンベースの内2機が偵察型ジン。 隊長機と思われる2機がザクファントムベースの機体だった
「何か、妙な動きだ……」
此方を攻めるでもなく、ただ周囲を旋回する敵機に警戒し、コンテナの中から武装を取り出しながらシンは疑問の声を上げた。
「確かに……もしかしたら無人機かも知れない、油断はしないようにな」
そう言うとジャンはガルバディを庇うように前へ出る。
するとそれを待っていたかのように、ドラッツェは三機ごとに前後に小隊を組み突っ込んでくる。
「了解」
シンは短く答えると、コンテナの中にあった幾つかの武器の中からロングライフルを掴む。
データによると連射と砲撃、狙撃の三形態体があるようだ。
とはいえ使い勝手は使わなければ分からず、地上用OSによるズレも撃たなければ分からない。
(結局、出たとこ勝負か)
一瞬グフクラッシャーを空間戦使用にして持ってくればよかったと思うが、ふとコニールに起動キーを預けた事を思い出す。
こんな状況で女の事を思いだす事から考えて案外余裕があるらしい。
自身に内心苦笑しながら狙い定める、出たとこ勝負ではないにしろ敵情が分からない仕事など山ほどやってきた。
10倍以上の数の敵とも戦った事もあった、怪しげな試作MAと戦った事があった、依頼自体が敵の罠だった事もあった。
それを考えればOSの不利なんて、ハンデにもならない。
「……行けっ!」
砲撃形態で放たれた粒子のシャワーが前方の小隊を掠めた。
部隊の編制が一瞬乱れ、前方と後続の小隊に遅れが生じる。
「ジャンさん! 今です!」
「しかし……分かった、前方の小隊は任せる!」
シンの叫びに一瞬躊躇しながらも、隙を見逃さずジャンのヤタガラスはMA形態へと可変し、後続の小隊へと突撃をかける。
「調整不足か? 地上用の補正が掛かっているなら、マニュアルで……」
シン・アスカとは違う、傭兵赤鬼が冷静沈着に状況を判断、FCSを経由せずに腕部と操作を直結する。
ガルバルディの腕を繊細とも言える程微小に操作、先程撃った砲撃の弾速、敵小隊の速度、反動による僅かなブレ、考え得る要素を推定、考慮し未来位置を確定、静かに落ち着いてトリガーを引く。
「……っ! 当たれ! いや、当たる!」
「クッ……! おのれっ!」
反動で機体が制御を失い、元の位置に戻ろうと溺れたかのように手足をばたつかせるガルバルディ。
マニュアル操作でどうにか元の体勢へと戻しながら、シンは敵を見た。
正面の隊長機には避けられた物の、右側のドラッツェを撃破、左側の半身を吹き飛ばした。
「おいおい、まだ突っ込んで来るのか」
ライフルを連射に切り替え、胸部頭部の迎撃機銃、クロスフォースのミサイルで弾幕を張る。
「思っていたよりもやるな……だが動きが鈍い! 地上戦用のOSで空間戦用のドラッツェを落とせると思うな」
豪雨のような弾幕を易々と掻い潜り、ドラッツェが迫る。
「舐めるな! こっちは好きで戦争屋やってんだ! OS程度、足枷になるかよ!」
認識を改めなければいけない、敵は只のテロリシストじゃない。
動きだけで此方を地上戦用と見抜く判断力、あの弾幕を潜り抜ける腕、恐らく開戦前からのベテラン。 プロフェッショナルだ。
ちらりと、ジャンの方を見ると飛行形態からMS形態へと戻り、三対一の格闘戦の最中だった。
「裏切り者のコーディネイター、ジャン・キャリー! 貴様の命運も此処までだ! 我等が同志が眠る冥府に堕ちろ!」
ザクタイプのドラッツェが左手のビームサーベルを大きく振り上げる。
「悪いが、三途の川の渡し舟の船頭に嫌われていてね。 君の同志達には会ってやれないな」
左手のシールドを掲げ、斬撃を防ぐとカウンターに蹴りを叩き込む。
「チィッ!……ほざけ!」
一度回転し、衝撃を受け流すと、後方に控えた二機が前に出てジャンに休む間を与えない。
「すまんシン君、援護は出来そうにない」
幾らアメノミハシラのエースと言えど、三対一では流石に余裕がない。
パワーソースも、この期に及んで二転三転するからSS書く方はきついです。
核融合小型化失敗したからバッテリー機だったはずなのにいつの間にか核融合ってソースがあったり。
MHD発電? そりゃ瞬間的には大出力だろうが持続時間がバッテリーよりねぇだろよ。
核ソースで持続的にパワー得るにはタービンかピストンで軸回すしかねぇんだよ素人負債が。
「余所見をするとは余裕じゃないか」
男の声に我に返ると、何時の間にか対峙していたドラッツェが目前まで迫ってきていた。
「チィッ……シールドが無い!?」
サーベルを振り被るドラッツェに、シールドを掲げようとするも、コンテナの中に忘れてきたらしい。
「畜生! 成る様に成れ!」
シンは捨て鉢になりながら叫ぶと、ロングライフルを腰後部のラッチに引っ掛け、左腕の袖口からサーベルを引き抜いた。
「自棄になったか! ……何ィ!?」
非実体剣である為、鍔迫り合いになる事無く、すり抜けるかと思われたドラッツェのサーベルはガルバルディのサーベルと激しくぶつかり合い、コロイド同士の衝突による強烈な閃光と火花を発生させた。
『自身の常識』ではありえない光景に、ドラッツェのパイロットは驚きの声を上げる。
「技術の進歩に乗り遅れてるな!」
(やっぱり反発コロイド型ビームサーベルだったか……)
相手には大口を叩きつつも、内心冷や汗をかき、ほっとため息をついた。
もっともシンが知っていたのは偶々アメノミハシラでそういう技術のサーベルを開発中だと小耳に挟んだだけだったのだのだが。
反発コロイド型ビームサーベルとはビームシールドの技術発展の際にできたミラージュコロイドに対して反発する性質を持ったコロイドを利用したサーベルである。
このサーベルの開発により従来では不可能であったサーベル同士による鍔迫り合い、ビームを切り払う事が可能になった。
正式配備後シールドによる重量増加つまり機動性の低下を嫌う一部ベテラン、エースの中にはシールドを持たずに出撃するものも現れたと言う。
「クッ、ここは一旦距離を取る」
「逃がすかよ!」
「……何ィッ、狙撃だと!?」
距離を取ろうと下半身のバーニアを吹かしたドラッツェの左下半身が閃光と共に破裂した。
爆発の衝撃で機体が右側に回転しながら吹き飛んで行く。
それでも強引に体勢を立て直そうと、残った右半身のスラスターを全開に吹かし、無理やり回転を止める。
「ん……外れた」
デュークは狙撃用のバイザーを外しながらぼそりと呟いた。
「外れた。 じゃないだろう」
「仕方ねーだろが、そう言う時もある!」
プルデンシオの不満そうな声を聞いたデュークは無駄に自信たっぷりに言い放った。
「そこまでだ。 当てただけ上等よ(私じゃ当たんないし)二人とも私に続きなさい!」
「「了解!」」
三機のガルバルディはそれぞれの距離を絶妙に保ちながら、戦闘空域へと接近していく。
「……味方か!?」
シンは頭部を新手の三機へと回し、モニターを拡大する。
戦闘はシンのガルバルディよりも暗い赤色のガルバルディα。
それに続くように、ブレイズ装備のβ、ブラストに似たシルエットのβ。
シンと対峙していたドラッツェを狙撃したのは装備からして最後の奴だろうとあたりをつける。
「あれ? 何でガルバルディがあそこに……それに、あれはオーブのムラマサ?」
(ワインレッドのカラーリング。 大気圏内運用試験中のプロトガルバルディを上げたのか? しかし、トライフォースに似た見た事の無いシルエットは一体……)
最新鋭機であるガルバルディをザフトではなくアメノミハシラの人間が操っていることに疑問の声を上げるプルデンシオ。
一方ルナマリアは、一目で大気圏内運用試験中の筈のガルバルディである事を看破していたが、その背にあるX字のウイング、クロスフォースには見覚えが無かった。
正式採用機にはルナマリアのガルバルディが装備しているトライフォースの採用が決定されており、それ以外のフォース系シルエットなど有り得ない筈なのだ。
「どうなっているんでしょうか、隊長。 なあ、デュー」
「……違う!」
困惑したプルデンシオがルナマリアに疑問を投げかけ、デュークに賛同を得ようとした時、今まで何かを考え込んでいたデュークが通信モニターを叩き叫んだ。
「あの機体はアメノミハシラのヤタガラスだ! それに、あのカラーリングはアメノミハシラのトップエース。 煌めく凶星J、ジャン・キャリーだ! スゲェ!本m」
「解説ご苦労様……さて、通信を入れますか」
最低限の情報を得たところで、テンション高めで叫び続けるデュークからの通信を一方的に遮断し、ルナマリアは通信用ワイヤーの届く範囲に入ろうと、二機に近づいた。
「……アメノミハシラの方ですね? アーモリー1駐留試験飛行隊隊長ルナマリア・ホークです。 これより援護に入ります」
接近してきたルナマリアはジャンとシンの機体へ向け音声通信を送る。
「アメノミハシラのジャン・キャリーだ。 感謝する」
突っ込んできた二機の無人機の残骸を蹴り上げ、ジャンは返答する。
「(ホーク……だって?)同じく傭兵、赤鬼だ。 礼を言う」
通信機から流れてきた聞き覚えのありまくる声に、シンは背中にツララを差し込まれたような感覚を覚えていた。
思わず唾を飲み込み、体が硬直する。
「……隊長! 前方より敵輸送艦接近、艦載機が出てきます」
幸いにもプルデンシオからの通信でシンの緊張は気取られずにすんだ。
だが、その通信は緊張以上に厄介な事が起きようとしている証でもあった。
「機種と数は?」
「MSが6機……グフとドワッジが一小隊ずつです……この距離なら先手を打てますが」
デュークのスナイパーβは最大望遠で敵艦がMS部隊を吐き出す様を映し出していた。
「待て、一応警告は出すわ。 ……面倒だけれど決まりだから」
「こちら、アーモリー1駐留試験飛行隊ホーク隊、イーグル1。、正体不明機に告げる。 本空域はアーモリー1の主権空域である。 速やかに退去せよ」
「なお返答が無い場合、交戦の意思ありと判断し、積極的自衛権を行使し、貴官らを排除する」
ルナマリアは決められた手順で、形式めいた警告文を告げる。
テロリストである事が分かっていながらなんと馬鹿馬鹿しい事か、しかし定められたルールは守らなければならない。
後方のアーモリー1に身内以外がいなければ、すぐさま撃墜させても構わなかったのだが。
『かつてはデュランダルの懐刀でありながら、魂まであのピンク売女に売り渡したメス犬が良く吼える……排除だと? 出来る物ならやって見るが良い!』
ジャンと敵対していたドラッツェはジャンから離れ、年配の男の声で広域音声通信で叫んだ。
「!!」
「!?」
「……」
ルナマリアにはデュークとプルデンシオが通信機の向こうで怒りに震えているのが分かった。
信頼する自分の上司を馬鹿にされて、嬉しいものなど滅多にいない。 ……だが、自分の事にも関わらずルナマリアは冷静であった。
最初からまともな返答を期待していなかったルナマリアに思うところは無かったし、指揮官たる立場上、激昂など持っての他だ。
自由撃墜後
「仇も一緒に討っといてあげましたよ」
「シンお前!」
「勘違いしないで下さい、俺が言ってるのはどっかのやる気のない乗り手のせいで
本領を発揮できずにスクラップにされた可哀相なセイバーの事ですから。」
とかなってたらどっちがどうキレたやら。
指揮官は部隊で一番冷静であれ。
小隊戦闘において、重要なのは指揮官の判断力。……そして、怒りは判断能力を鈍らせる。
数年前ならいざ知らず、今や胸に刻み込まれた師匠、ヒルダ・ハーケンの言葉がルナマリアに感情的になる事を許さなかった。
だからルナマリアは、『この4年間で、良く聞き慣れた罵倒』に対して、静かに出来るだけ感情を抑えて、部下に一言だけ告げる。
「正体不明機、アルファ、ブラボーを現時点を持って敵対勢力と判断。 これより我が隊の全戦力、全力を持って『殲滅』する。……この空域から生かして返すな」
ルナマリアの言葉を待ちかねていたかのように、二機の濃緑のガルバルディは鎖の取れた軍用犬にも似た統制された動きで暗黒の宇宙を駆けた。
「アメノミハシラ、我々は増援をやる。 残りは頼む!」
言うが早いか、三機は新たに現れた一個小隊づつのドワッジとグフに突っ込んで行く。
残りと言うが、6機の内4機は戦闘不能に追い込み、残る2機の隊長機も手負いだ。
ひとまずジャンの方へと向かおうと、シンがガルバルディを動かそうとしたその時。
シンの視界に何かが飛来してくるのが見えた。
「……えっと、赤鬼さんでしたか? 敵増援、更に追加、そっちに行きます。機数三機、ウィンダムです。気ィ付けてください!」
小隊の後方にいたことでいくらかの余裕のあったデュークからの通信にシンは、緩み掛けていた気を再び引き締める。
「赤鬼、私も其方に行く! 持ちこたえろ」
ジャンの言葉と共にヤタガラスの胸部が持ち上がり、機首へと変形。
腕部を折り畳み、脚部のスラスターを推進方向へと偏向させることでMA形態への可変を完了する。
「行かせるか、貴様の相手はこの俺だ! ジャン・キャリー!」
ヤタガラスの行く手を遮るように、右腕を失い、下半身すら失った状態のドラッツェが立ちふさがる。
瞬間的に反応が出来ずに、一瞬の遅れを見せたジャン。
その隙はコンマ単位、日常であれば瞬き程度の時間。
だが同程度の技量同士の戦闘において、その隙は致命的ともいえる一瞬だった。
瞬時に背後へと回りこむと、死角である機体上部へと飛び移り、唯一残った武器であるサーベルを右腕ごと主翼へと突き立てた。
「ええい! しつこい!」
ドラッツェを振り払おうと、MSへ戻ろうとするが、右腕がフレームへと食い込み変形する事すら適わない。
その間にも、ウインダム小隊はシンへと接近してくる。
「……ったく、最高だな」
口からは漏れ出るのは悪態ではなく、自分への皮肉。
4年前、ミネルバにいた当時、嫌と言うほど落としたウインダムが恐ろしく感じるとは、皮肉以外の何物でもない。
ウインダムの小隊は、ガルバルディを射程距離に捕らえると、すぐさまライフルを連射。
シンは機体を左右へと振り、溺れるかける限界、マニュアル操作で戻せるギリギリまで機体を動かす。
だがその程度では回避にはならず、狙いをぶれさせる程度しか期待できない。
目くらまし代わりにロングライフルを乱射、先ほどとは違い、3機全てが有人機であるようで、その動きは的確で鋭い。
「糞、このままじゃ……」
左の肩アーマーが吹き飛び、バランスを失ったガルバルディが後方へと流される。
クロスフォースのスラスターを吹かし、体勢を維持するも分は悪い。
ウインダム隊はガルバルディの動きから不具合に気付いているかようで、一定の距離から近づこうとせしない。
シンに狙い撃つ間を与えないように3機の連続した攻撃がガルバルディの装甲を削り取っていく。
ホーク隊は新手の二個小隊を相手に、ジャンは取り付かれた機体を振り払うのに手こずっており援護などは期待できない。
そんな絶対的危機の中、シンの駆るガルバルディの奥底で何かが動き始めていた。
─────────────────────────────────────────────────────────
状況D−8発生……ユニットRB起動。
システムオンライン。 OS確認。
現状不明の為、周辺状況把握開始。
………………把握完了。
状況をD−8よりD−9へと変更。
機体及び搭乗者、ユニットにとって危機的な状況と判断。
プランAに従い、ユニットによるOSの大幅な変更を開始。
これより敵性戦力殲滅までの間、能力限定解除。
機体制動、火器管制……調整中。
─────────────────────────────────────────────────────────
「聞こえるか、此処は引くが良い……貴様の機体には統括システムが載っているからな、鹵獲でもされたら厄介だ」
ウインダム隊の隊長機が無機質な声でシンと対峙していたドラッツェに通信を入れる。
「……礼は言わん」
一瞬、ヤタガラスの上部に組み付いているドラッツェをちらりと見る。
その表情はバイザーに覆い隠され、窺い知る事はできない。
だが、一瞬の躊躇の後敬礼をすると、輸送艦に向け、撤退を始めた。
「撤退するのか」
「隙だらけだ!」
一瞬、撤退するドラッツェに気を取られたシンに、隊長機であろう先頭のウインダムは、右手に持ったビームライフルをガルバルディへと向けた。
「しまった……避けきれない!」
ライフルの射線は確実にコックピットを狙っていた。
ウインダムが刹那の後、引き金を引けば間違いなくシンは消し炭と化し、機体はデブリとなるだろう。
死すら覚悟したシンは、反射的に地上戦用のOSで有ることを忘れて、回避運動を取った。
閃光がガルバルディの脇腹を掠め、そのまま流されていく。 衝撃で頭を強く打ちつけ、一瞬シンの意識が遠のく。
地上戦用のOSのままであるガルバルディは空間戦用OSなら自動的に行うAMBAC、スラスターによる姿勢制御が出来ない。
マニュアル操作で姿勢制御をしない場合、無重力の宇宙では姿勢制御も出来無いまま、溺れてる様にもがき続ける。
どうぞ的にしてください。 とでも言わんばかりの光景は冗談にもならない。
だが、溺れる筈だったガルバルディはシンが何もしなかったにも拘らず、AMBACで元の体勢へと戻って見せた。
クロスフォースシルエットに装備された4対のスラスターが、それぞれ別々に、しかし驚くほど自然に稼動し、バランスをとったのだ。
「何だ? 急に動きが良くなった……まさか、起動したのか!? ユニットが!」
隊長機が困惑の声を上げると3機のウインダムは攻撃の手を止め、距離をとった。
「何が……起きたんだ?」
困惑しているのは、シンも同じだった。
溺れたまま狙い撃ちにされるはずだった機体はそれが当然であると主張するように全身の姿勢制御スラスターから淡い光を放ち、悠然とそこにいた。
「機体制動、正常に制御。 おはようございます。 独立型戦闘補助システムユニットRBです。 今後ともよろしく」
モニターを中止していたシンは、左端にunit‐RBと描かれたアイコンが表示されたのに気付いた。
と同時に機体スピーカーから聞いた事は無い筈なのに何故か聞き覚えのある声が聞こえた。
「独立型戦闘補助システム? 話に聞く学習型コンピューターを利用したパイロットサポートシステムか?」
「イエス。 ドライバー、貴方の名前は」
シンが小声で呟くと、RBはそれを質問と取ったようで短い答えと質問を返す。
「赤鬼、傭兵だ。 どうでもいいが、俺は正規のパイロットじゃないぞ?」
「問題無い。 赤鬼、……シン・アスカはドライバーとして登録されている」
「はっ!? どういう意味だよ?」
赤鬼の正体がシン・アスカという事を知っている人間は数少ない。
アメノミハシラの親しい人間とその他の勢力に分類される人達、そしてガルナハンの一部の人間しか知らないはずなのだ。
「話は後にしよう、ドライバー。 敵がくる。 既に機体は空間戦闘に対応している。 問題があれば言ってくれ、私が補佐する」
「(今は目の前に集中するべきか)……言うじゃないか、仕方ない。 やるしかないなら、やってやるさ!」
少々の思考の後、考えをまとめ、話を打ち切ると操縦桿を握り直す。
目の前に迫るはダークブルーのエールウィンダムが三機、やはりザクドラッツェは後退したらしい。
「自然の摂理に反する宇宙の化け物がッ! デブリ帯の塵へとなるが良いッ!」
三機はシンのガルバルディ目掛け、全火器を指向する。
ライフルから幾重もの閃光が奔り、とエールストライカーに懸架されたミサイルポッドが無数の煙を吐き出す。
「機体が万全なら! ウィンダムIIやIIIなら兎も角! GATの面汚し、初期型ウィンダムなんて、相手になるか!」
叫びながらあえて突っ込み、ウィンダムに接近する。
ビームを余裕を持ってかわし、ミサイルを迎撃機銃を持って撃墜する。
OSと内部を改良され、信頼性を向上させたウインダムIIや、機体の軽量化をはじめとする全面改修を行い生まれ変わったIIIと違い、初期型ウインダムは連合兵にさえ『空飛ぶ棺桶』と揶揄され不評だった。
一部では旧式機である筈の105ダガーを改修し使い続ける部隊があったほどなのだ。
これにはさまざまな原因があったのだが、初期型のウインダムの性能ほどあてにならないものは無いというのがこの時代のMS乗りの共通認識であった。
シンは機体を操りながら思う。
ユニットRBの言う通り、先程までとは比べ物にならない動き。
悔しいが、パイロットサポートシステムは有効だ。
手足の僅かな動きに合わせ全身のスラスターが繊細に動き、体勢を維持する。
OSの書き換えもなんら問題ない。
新人でもこのシステムを使えばベテラン並みの動きが出来るだろう。
だが、シンの胸の中には何故か喉に支えた小骨のような違和感があった。
「弾幕だ! 弾幕を濃くしろ!」
高速で接近してくるガルバルディに先程とはまるで違う、恐慌じみた声で指揮官が叫ぶ。
「ユニット! 制御スラスターをもう少し絞ってAMBAC早めにしてくれ、それとクロスフォースはもっと出力上げろ」
「どうせならRBと呼んでもらいたいのだが。 2秒待て」
「……良く喋る奴だな」
シンが鼻を鳴らし、妙に感心したあとすぐ、きっかり2秒後にクロスフォースへの出力が増大し、更に速度が上昇する。
「今更、遅い!」
腰後部にマウントしたロングライフルを構え、連射モードで適当に狙いをつけ、ばら撒くように撃つ。
隊長機に従い、小隊が同一方向に回避運動を取る。
OSの自動回避パターンの稚拙さから回避方向をある程度絞っていたシンは狙撃モードで隊長機を狙い撃った。
粒子の矢に貫かれ、ウインダムの胸部にぽっかりと穴が開き、糸の切れた操り人形のように動きを止めた。
バッテリー駆動のウインダムは推進剤に引火する事が無ければ爆発する事は無い。
左右の機体が一瞬動きを止める。 その隙に更にシンは前進する。
再びロングライフルを腰後部へと戻し、腕を前方にクロスするようにすると両腕の袖口から二本のビームサーベルを引き抜いた。
「隊長機がやられた程度で動きを止めるとは。 残りの二機は素人のようだな」
RBからの余計とも思える一言に、何も言わず頷くシン。
見知った友人のような態度だが、何故かシンには気にならなかった。
散発的にライフルを撃ってくるが、統率の取れない攻撃はもはや牽制にもならない。
シンが更に速度を上げ、ガルバルディと二機のウインダムが交差した一瞬の後、二機のウィンダムは上下に分かれ、爆散した。
「ふぅ、他は……」
「待て、今モニターに回す」
相手をしていた三機の撃破を確認し、シンは周囲を見渡す。
ジャンは組み付かれた敵隊長機を振り払い、コックピットを残し、無力化。
ザフトのホーク隊も数で上回る相手を全機撃墜し、こちらへと戻ってくる途中だった。
「敵輸送艦、離脱していきます」
デュークが、目視にて敵艦の離脱を確認し全機体に告げる。
「一機逃がしたか……」
シンと交戦していた手ごわいドラッツェは敵艦と共に撤退したらしい。
悔しそうにアームレスを叩くシン。
「元々迎撃戦闘だ。 仕方ない」
そんなシンを励ますようにRBは声をかける。
「そうだな……で結局、お前は何なんだよ」
内心でAIの癖に。と思いながらもなぜ自分をシン・アスカと知っているのか、答えを聞き出そうと疑問を投げかけた。
「敵性戦力の殲滅を確認、状況終了。 ユニットRB、スリープモードへ移行、ドライバー赤鬼、お疲れ様でした」
「あ、てめえ! 逃げんな、こら!」
シンの言葉になど耳を貸さず、嘲笑うようにRBはとっとと休止状態に入る。
モニターを叩いてみるが反応すらない。
「……畜生、アンタは一体何なんだ!」
シンの叫びがコックピットの中に響いた。
「(何一人で騒いでるのかしら?)……赤鬼さん、キャリーさん。 一先ず、アーモリー1へとお連れします。 バッテリーはまだありますか」
通信モニターが開いたままだった為、シンの叫びを聞いてしまったルナマリアは怪訝そうな顔で二人へと近づいた。
「ああ、大丈夫だ」
気を取り直し、シンは言う。 ちなみに畜生……からの叫びが見られていたのには気付いていない。
「こちらも問題無いが、荷物を回収したいのと、捕虜を何とかして欲しい」
ジャンは冷静にシンの惨状をスルーしつつ、ヤタガラスでシャトルから切り離されたカーゴブロックを指差す。
「分かりました。 部下に捕虜を連れて行かせ、荷物は我々で回収しましょう」
「イーグル2、3。 捕虜を連れて先に戻りなさい。 私は彼らとシャトルの積み荷を回収する」
「「了解」」
ルナマリアの言葉に二機のガルバルディがゆっくりとジャンへと近づいていた。
(あの声、間違いない、ルナマリアだ……まだザフトにいたのか。)
(とっくに辞めたと思ってたんだが……なんか面倒な事にならなきゃいいんだけどな)
万が一正体のばれたときの事を思い、身を震わせるとシンは大きな溜息をついた。
一方、撤退した輸送艦内
「ドラッツェ帰還!」
「損傷は!?」
「左プロペラント破損、ボディに若干の歪みが有ります」
「統括システムのみ回収して破棄しろ、その後ミラージュコロイドを展開、アプリリウスへと帰還する」
格納庫での喧騒を後にしてシンと対峙していた若いパイロットはブリッジへと向かっていた。
「お疲れさん、大分手こずったようだね……飲むかい?」
その途中、ブリッジクルー用のノーマルスーツを着た隻眼の男に声をかけられ、パイロットは振り向く。
「結構。 私は紅茶党だ」
首を振り、否定の意を示す、その表情はスモークのかかったザフト緑のヘルメットに阻まれ見えない。
「それは残念……自信作だったんだが」
隻眼の男はオーバーに首を竦め、残念そうに言う。
「貴様の自信作は当てにならん」
男の態度を無視すると、パイロットは床を蹴りブリッジへと向かう。
「しかしハデにやられたねぇ」
付いてきた男は格納庫を指差し呟いた。
「油断したと言わざるおえない……今のザフトにあそこまでの腕利きがいるとは思わなかった」
隻眼の男の顔をけして直視しなかったパイロットは、初めて男の顔を直視した。
「最初から居た方か、それとも後から来た方、どちらだい?」
「両方だ。 より脅威だったのは最初から居た方だがな。 後から来た三機は隊長機以外はまだ若いようだが、従来のザフトにはない連携で技術を補っていた」
「只の一個小隊として見るのは危険だな。 最初の二機は文句の付けようがない。 単純に手強い。 単騎での戦闘だったが状況判断、能力、技術、全てに優れたベテラン。 いや、トップエースだ」
「随分と誉めちぎるね」
「事実を言っているだけだ」
パイロットは再び真正面を見る。
「ま、当然だがね。 後から来たのはアーモリー駐留部隊のエース部隊、ホーク隊さ」
「ミネルバの生き残り、フレスベルクか? 手強い訳だ。 先にいたのは?」
「ワインレッドのガルバルディは知らないが……あの白いのは見覚えがある。 PMCアメノミハシラのエース、ジャン・キャリーだ」
「そうか、あれが煌めく凶星J。 だがPMC?」
パイロットは顎に手をやり、頷くと首を傾げて見せた。
「知らなかったのかい? アメノミハシラは4年前、メサイア戦役の直後オーブから正式に権利を買い取り、PMCになったんだ」
「……それは知らなかった。 この数年間廃棄コロニーの中に潜んでいたからな」
「彼は手強いぞ。 直接見た僕が言うのだから間違いない」
「ふん、貴様なら知っているだろうさ。 砂漠の虎アンドリュー・バルドフェルド」
若いパイロットが睨みつけるように隻眼の男、アンドリュー・バルドフェルドを見るとかつて砂漠の虎とさえ呼ばれたザフトの名将、ラクス・クラインの腹心『だった』男は何も言わずに不敵な笑みを浮かべるだけだった。
支援
虎「が」裏切ったと言うべきか
虎「にまでも」見限られたと言うべきか
支援
さるさん喰らったかな支援。
おや、タイガーが離反していたとはまた。
こいつも良識派だったり狂信者だったり影のフィクサーだったりいろいろある奴だよな。
携帯からすみません、今回は以上です。
最後になってさるさん喰らいました……。
色々複線張ってます。
勘の良い方は気付かれたかも知れませんが一言だけ。
>>455>>456 そっ、そのネタは拙い……!(今後の展開的な意味で)
投下乙。
MOR氏……ベッタベタでバレバレでございますが……。
500 :
486:2009/02/07(土) 23:35:21 ID:???
>>498 GJ。それと割り込みすみませんでした。orz
乙!
やはり、喋るAIは良い。んで、まぁ、バレバレですがなw
>unit.RB
まさかレ……(ターン
GJ
で、CPUってレイが?キラが?意表をついてコニールが?
まあ、地上用のOSじゃマトモに戦うのも難しいよね
そのくらいは調整しとけよシン…と思わなくもないけど、まあ、想定外の戦闘だったから仕方ないか?
このシンはルナとはどう別れたんだっけか?
死に別れだったっけ? 修羅場ktkr?
俺は気にしn(ry
シン「R・Bの力? 違う、これは俺の力だ!!」
ですね、わかります。
RB…うさぎさんですね、わかりますw
ヤタガラスという名に、CPUになった某キャラか……
まあパクリとか言われることはないと思うけど、どうだろな
つーかプランAwww
まさかのカレンデ(通信不良
きっとそのAIは「俺、参上!!」という赤鬼に似た声が・・・
>>510 なる。赤鬼のサポートには赤鬼AIという事か!
RB→アールビー
これを早口でまくし立てるように読むと、とても馴染み深い名前に変貌する。
そう……つまりこれは、真のヒロインである彼女の名前を冠した物だったんだよ!
ゲゲボ
毎月発行「逆襲マガジン」1980円
豪華な連載陣
GSC先生「洗脳シンが連合相手に大暴れ!」
ライオン先生「シンが未来の世界でプリンセスメーカー」
MOR先生「みなたまとシンの赤いグフ伝説」
今月の「しっぽっぽ!」は19先生急病のため、休載させていただきます。
>>514 四コマ漫画 シン・アスカの憂鬱
特別付録 ねんどろいどぷち みな様(差し替えパーツ付き)
応募者全員サービス MGデスティニーU
プランA改造パーツはボッタクリクラブのガレキですね、わかります
MG・Gカイザーの付属フィギュアがなぜか研究員とミニミニプランAなのは
当初は当然事実上の専任パイロットであるアズラエル嬢の予定だったのが、
せっかく最新の3DCADシステムで 正 確 に 測定し、同じく最新の
CAMレーザー加工機で 忠 実 に 再現した原型金型が 謎 の 妨 害 工 作 で
そのつど破壊されたからだというのは有名なはn
とらのあなヘリオボリス支店
HGウィンダムと逆シンシリーズのガンプラのバーコードを3つ送ると特別仕様のウィンダムやスローターダガーをプレゼント
次号の付録に
逆襲マガジン限定・ガンダムウォー「デスティニーU」
というのは?
能力は9・2・9くらいで合計国力9アホコスト機体。そのくせテキストなし。
要はネタカード。
MOR氏 GJ!
>>503 確かルナとの関係は自然消滅した後、死に別れだったような。
遅レスすまんが
>>476「力を持つ者なら責任も認識しろ!」なんて
新型MSを受け取った途端、ザフト裏切って散々暴れた揚句
戦後裁判も受けずオーブに亡命したヤツに言われたら
キレても不思議じゃない気がする。軍人として処罰は受けることになるだろうけど。
今月付録
みなたま・コニール(成長後)・アズニャエル
のキャラカードがランダムで一枚付いてくるとかたりそうだな。
アロンダイトの可動をリアルに再現!毎号付属するパーツを組み立てることで、「プランA」の1/100スケールが完成します!
開発者たちのインタビューや詳細な技術データなどを、未公開の貴重な写真や資料とともに、高級車カタログ並みのハイクオリティーな作りで紹介します。
クローンスレの一人目キラと終了後のシンがであったらとか面白くなりそうな予感がするんだがどうだろ?
>>527 なんか、プランAのアロンダイトって村雨ライガーっぽいなぁ
↓
そういやジェネシスにはバイオゾイドってヌルヌルなのが居たなぁ
↓
イカのような質感のボディと生々しいアロンダイトを持ったプランA
粘液を滴らせつつ反り返り脈打つ大型ソードですね
最低のk(ry
シン「くく、そのMSには、搭乗者を強制的にお兄ちゃんと呼ばせるシステムがある。
ちなみに、発案者はうちの研究員だ。開発したのは言うまでもなく、もちろん俺だ……」
貴様そのために携帯をいつまでも……駄目だこのシスコン……
意味解らん、発案と開発逆じゃないか?面白い事書くならもうちょっと考えてさ…
>>529 貴様はCCD(クトゥルフ眷属邪神群)でも降臨させるつもりかと小一時間ry
>>532 なんと言う邪悪な企み!
お嬢様とかコニール(成長後でも可)とかクレハとかしっぽとかベル子とかフレイとかエコ子とかみなたまとかルナとかエミュ子とかステラ(両方)とかアビーにお兄ちゃんプレイを強いるなんて! ……それが人間のやることか!
……えっ? 上以外の女性?
ミナ様とか司令官とかヒルダとか女性研究員?
お兄ちゃんとか呼ばれたら正直どん引k
きっと研究員があーだこーだとフェチ議論してるのを盗み聞きしてしまったんだよ
それで種割れを起こして凄い勢いで作り上げたと
さらなる金的のシン伝説が…
きんた まけるな
>>535 ステラ(両方)ってことは娘のステラにも「おにいちゃん♪」って呼ばせるのか?
なんか吐き気がするんだが……。
娘はないだろjk
某有袋類人類と地球人類が星間戦争をするラノベではパパ→お兄ちゃんはクラスチェンジであり進歩らしい
懐かしいなカリスマフェイス
>>535 さりげなくフレイとルナも年上な件について。
独神ヒルダ・ハーケン
つまり、ヒルダ・ハーケンはドイツの神の如き存在ってことですね? 分かります
そうだって言えよ!なあ! そのまんまにしておいたらあんた、死んじまうんだぞ!?
あのお嬢様にまな板って言った奴と同じように無惨な死に様を晒して(ピチューン
馬鹿野郎が・・・世の中には言っていい事と悪いことがあるんだぞ!?
たとえ本当の事でも・・・え、いや私は別に
>>545や
>>546が言ったことやミナ様の胸が筋肉の塊などとは一こt
馬鹿野郎共が……相変わらず死にたがりの多いスレだぜ。
待ってろよ、お前らだけ逝かせねぇ
鉄板! 年増! ひんぬー! まな板! 影薄い! 金潰し! アホ毛! おっぱい! バb
ハニワ!ぬるぽ!
このスレは……地獄だ!
>>549 とりあえずアズライガーでガッ!しておきますね
/\__ _/ ̄|
/ \__ |\、 ,/| _/ ̄ | |
/ \__ \tsf/ _/ ̄ | /
\ \へ__「t!W!t了__ へ / /
\ zィー―――刀_4弍△/\// ̄ ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄^ー- 、 /
∠____刀〔Y__〕 ヲノ | ̄/ ̄ ̄/____、____\
\` ̄`7 /刀》^v´メノ / ̄/ ̄ ̄/ || | ̄ ̄ ̄ /
\ /^7刀厂`^冖/\ ̄/\ ̄ |_||_| /
/´⌒`ヽ 夕 ̄ ̄\「\/ /´⌒`ヽ7 /
/f7 月 /7_夂/〉__ Vへ f/´⌒6)|ヲ /
|´ ⌒_` / 厂| ̄! 〔 ̄ ̄| ̄| ヘ(C7_〉/ /
V7二っ´〒/^ヘ__/7 ̄ヽ|_|ヘ 彡彳
\彡 || || | / ヘ |
_ ||\_|_|/|__/ |||
\)) ̄))ー,,_ / | A
\ノ ノノ /ヘ_7_ レ /~ヘ
\〃/ // ̄ヘ | |/ ̄~ヘ||\
/二/ | | | | |人__ノ|| ̄|
< <_ノ\| | /7 | |「 」|〕 ̄|
∧Y/ |\_/|| | |〈  ̄〉 | ̄|
/  ̄ / V Y | | || |~7
/ヘ/ ̄/ / 〉 | | 皿| |7
/ ̄ /|| _/」 | ヘ、
/\_/ > ̄ | __/|
\_/_/ |_| 夊へヘ/
|| `冖へ
\\ __/|
\| __ヘ
わざわざ貧乳とまな板を別に言うって事は、お嬢様に撃たれた後、
クローンスパコのフルバ喰らう訳ですね。
わかりま……なんだ、あの紅いのh
あっお嬢様。どうですか見事なまでに平面な!まな板でsy………
研究員「お嬢様、
>>554をどうされるおつもりですか?」
アズ子「あなたの出る幕ではなくてよ、お兄様。」
>>555 カッ!!
「\
丶 ) /~)
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( \ ||
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
研究員「シン・アスカ沈黙!まるでスケキヨ君だ!?」
>>557 なんて事を言うんだ!もしかしたら!…もしかしたら……違うかもしれないだろ…
そろそろアズラエル娘の再登場に期待したいな ネタじゃなくな
Untoldの方では出さないだろうなー
>>556 天狗じゃ!天狗のしわざじゃ!(AAry
, ;,勹
ノノ `'ミ
/ y ,,,,, ,,, ミ
/ 彡 `゚ ゚' l
〃 彡 "二二つ
| 彡 ~~~~ミ はいはい、わしのせい わしのせい
,-‐― |ll 川| ll || ll|ミ―-、
/ |ll | ヽ
/ z W`丶ノW ヽ
/ \\ / / |
/ 天 \`i / / 狗 |
邪神アズニャルゼペキの仕業じゃ!
誰か
>>563見なかった〜?赤黒い染みしかないんだけど
>>563 おいおいおいおい、それは駄目だろw
邪神なニャル様は魔乳なんて目じゃないくらいに巨
>>565 ニャル公は千の顔を持つ無貌の神だから、まな板の化身がいてもおかしくh
実はマユが基準であり、アズ子さえも本当は肥大し過ぎでもてあます…
だったらどうなるんだろ。
マユはおおきいよな……
>>567 作画がロリコ……おっぱいの小さな女の子が好きな長谷川先生になります。
>>569 ああ、あのロリ脱がさなきゃ死んじゃう人のことか。
ネタはさておき、シンは長谷川節がとてもよく似合うと思うんだ。
今でも運命スレは全力なんだな
>>570 長谷川主人公にするにはちょっとヒネた性格だけど、確かに似合うだろうな
運命も長谷川作品だったらもっとステキな活躍をさせてもらえたはず
特にパルマとか
パ・ル・マ・フィオキーナァァぁぁぁっ!!
アロンダイトからはギザギザにビームが出てパルマには制限時間があるんですねわかります
無印の頃のギリとか鉄7のカリストとかV外伝のスケイルとか
ヘラヘラ笑いの自信過剰しかし確かに強い厄介な凶悪ライバルにあたるのは…
やはりエピ2のキラか?まあ悪役じゃないけど。
まあアズ子嬢にとっても有利だよな。貧乳ってある意味長谷川ヒロインの
条件みたいなもんd (木星から無音の神罰が
ここで反証。
クロノアイズのヒロインは貧乳ではありませんでした。
マップ(ry
そもそも長谷川の貧乳は貧乳というには大きすぎる
貧乳と無乳って違うの?
貧乳は貧しき乳。
無乳は乳がない。
貧乏と一文無しの違いみたいなもんさ。
む?なんだ貴様勝手に入っ
貧乳→男含まず
無乳→男含む
つまり男とおなずぃぁぁぁぁぁぁぁぁ
もうアズラエル嬢だけで1スレ維持できるような気がしてきた。
流石に新規排他的で不健全じゃなかろか、そりは。
それはないな・・あれ?向こうから光ry
ムルタ@あの世「もう少し栄養のある物を食べさせとくべきでしたかねえ…」
前作のシンとアズラエル娘の微妙な距離感が好きだったんで 区切り付いたら やって欲しい所
ミーア・ステラ→爆
ルナマリア・エミュ子→巨
アビー・エコー7・ヒルダの姐さん→→普〜豊
シッポ・ベル子→貧
みなたま・コニール→発展途上
ミナ様→筋肉
アズ子→絶壁かつ絶望的。抉れ
エミュ子は大小以前に肉体が無いんだが…
そりゃお前ホログラム化とか余裕なんだろう、多分
俺的にはベル子は脱ぐと凄いと思うんだ
前に投下された絵のじゃないか?
アズラエルの家系はニンジンが弱点
ああ、ホントだ
マアイイカー
絵が投下されてたのか。あれ、GSC氏ってエミュ子の外見描写してたっけ。エンブレイスの方は
これでもかってくらいやってたけどw
なあ、この赤い染みって・・・もしかして
>>587か?
本当の事を言ったばかr
まったく、どこもかしこもセント・アンジェになりやがって。
奥さんに説明できないじゃないか…
エミュ子の外見って、普通に考えてピンクだろ?
いや、でもエミュ子はピンク否定したピンクだからな
その際に自分のイメージ映像を変えた可能性もありうるか?
ピンクは否定してないな。インプットされたピンクと実際のピンクにズレがあったので、
現状の方を修正したというか吹っ飛ばしたというか
エンブレイスのイラストが上がってた事もあって、
脳内じゃ銀髪OR白髪ピンクだな
白髪ピンク?
上が白髪で下がピンクか
「\
丶 ) /~)
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まとめサイトにエミュ子の擬人化の絵が載ってるぞ
エミュ子はメタトロンかコスモス(後)だと思うんd
メガトロn……
ヤタガラスと言えばヤザンだな
カラスとヤザンと見て某おかんイマジンを連想してしまった
オカンか
じゃあシンはトリガーハッピーなダンス少年になるな
待てそれはレイが赤鬼化するフラグ・・・ッ
ヨウラン(TV)がマスコット化するんですね(後番組だけど
後にヅラもテンションフォルテッシモなマスコットになるが
さらに次の作品ではオミットのオカン
2月14日は、ロンド=ミナ=サハクの機嫌が1年で最も悪くなる日のひとつである。
チョコレートメーカーが画策し大当たりしたバレンタインデーなるイベントは、再構築戦
争を経たコズミックイラでも健在で、女性が意中の男性に対しチョコレートを贈るという
内容に変化はない。手作りと店頭購入に確固たる差があるのも、義理と本命に用途が分か
れている点も同じである。
「女性が、意中の男性にチョコレートを贈る。それに間違いはあるまいな」
「しかし、逆チョコなる例外的行為は戦前からも確認されています。そしてサハク司令官
の場合、男性と勘違いされる事が多く……事実、送り主の殆どは女性とおぼしき名前で」
「口を閉じよ、ナイン・ソキウス。命令である」
執務机に積み上げられた、様々な紙に包まれたチョコレートを横目で見ていた戦闘用
コーディネイターは、即座に黙り込んだ。
「ともかく、これを片付けねばならぬ」
「廃棄という事ですか?」
「戯言を。大量の高栄養食をただ捨てるなど、許される事ではない。無論、役立てる」
ソキウスはしばし考え込み、掌を打った。
「つまりすべて召し上が」
190オーバーの長身が揺らめき、右腕が鞭のようにしなる。表情を変えないまま身を
屈めたソキウスの頭上を風が通り過ぎ、僅かに毛髪が散った。
「他のソキウスと……そうだな、アルファ1とエコー7は信頼できる。その2人を此処へ
連れてくるのだ。住所と名前のタグを全て剥がさせよ。その上で当ステーションの男達に
配ればよい」
「了解しました。この場合、本命という事になるのでしょうか。義理なのでしょうか?」
「当然、本命である。誰が主人か、改めて教えるわけだからな」
「そう言えば、明日はバレンタインか。俺は何時も通りだが、お前は?」
「ルネちゃんとヴァレリア姐さんがくれますね。期間限定パッチでバレンタインイベント
をダウンロードしましたから。いやあ、ギャルゲのパッチとはいえ侮れないですよ」
「……ま、まあ、今年もお嬢様からの大量生産チョコのみか」
夢見る口調で語る後輩から目を逸らし、研究員はドリンクサーバーのスイッチを入れる。
「去年は砂時計型でしたよね。しかも真ん中で折って食べなさいっていう注釈付きの。
マスコミに嗅ぎ付けられると拙いレベルだったような」
「そうだな……ああ、ひょっとすると今年は無いかも知れん。どこのお菓子会社とも契約
したって話が無かったような。社長室にキッチン作ってたし、行く度に甘い匂いするし」
「忙しいからって仕事中にチョコ作るのはどうなんでしょうか……しかし、誰に?」
「知らんよ」
彼女いない歴イコール実年齢の2人は、コーヒーカップ片手に雪空を見上げた。
単!発!
GJだな
なんという単発ネタw
砂時計型のチョコとか、お嬢様ヤバイことやりすぎだろwww
後輩www
ギブミーチョコレート!
俺、明日まで生き残ったらベル子からチョコを貰うんだ・・・
せぇーのっ!お嬢様の絶p
二月十四日。
地球上においては想い人にチョコレート等を渡す、一種の祭典のような日である。本来ならば。
大西洋連邦首都、ワシントン。
例年ならばデパートや小売店がそういった商戦を繰り広げているはずの街は静寂に満ちていた。
人が居ないわけではない。住人は何時も通りに生活を続けている。
そう、何時も通りに。
『あの日、私たちはは大きな過ちを犯してしまいました。ですが、何時までも沈み込んでいる必要はありません。
私たちは生きていますわ。私たちが過去に囚われず、前に進むことを犠牲になった方々も望んでいることでしょう。
私も、あの戦争で父を失いました。ですがそれは、この平和と自由のために礎になったのです。皆さんの家族も、
きっとそうでしょう――』
街頭に設置されているモニターが、誰かの演説を中継している。
現プラント評議会終身最高議長兼地球圏守護騎士団名誉盟主、ラクス・クライン。
数年前に起こった“血のバレンタイン”の追悼演説。
その悲劇の犠牲者達への慰問を行う。
予定地は、地球上における主要都市すべて。
なお、慰問期間中は、民間及び国家における一切の式典、行事、表彰等の実行を禁ずる。
実行した場合、プラント評議会終身最高議長兼地球圏守護騎士団名誉盟主ラクス・クライン閣下、ひいては地球圏に対する
反逆行為と見做し、厳重に指導を行う。
以上が一月の下旬、突如としてプラントから地球連合へと一方的に通達された。
暴挙であるとする批判がすぐさま湧き上がり、すわ戦争かと大騒ぎになったが、すぐにそれも治まった。
真っ先に反論した大西洋連邦のとある国家。その首都にNジャマーが一基、投下されたのだ。
結果その国家はエイプリルフール・クライシスを再現することとなり、批判は一斉に鎮静化した。
『この慰問を通し、私たちのことをもっと理解していただきたいのです。
私たちプラントの住人は、過去二度の大戦で大きな犠牲を払いました。
ですが私は信じています。いつかプラント、いえコーディネーターとナチュラルが手を取り合うことができると!
私には覚悟がありますわ。私たちは戦います。その為に、力を貸して欲しいのです!』
「……よく言うぜ。犠牲を払わされたのは俺たちだっつうの」
モニターに映し出されたラクスの馬鹿でかい顔を見上げ、初老の男性が呟いた。
彼は、内心この状況に怒りを覚えていた。今年はバレンタインデーが無い。そう知ったときの孫娘の落胆した顔が忘れられないのだ。
「この電波ピンクが。死んじまえ」
男性がそう呟いた直後、背後に立った男がその腕を捩じ上げる。
不敬罪で逮捕する。その言葉と共に。
見れば、周囲でも似たような事が起きていた。
男性は身を捩って暴れるが、男の筋力――コーディネイト故に――に押さえつけられる。
「畜生がッ! 放しやがれぇっ!」
男性のその叫びと共に、巨大な影が辺りを覆った。
今日は快晴の筈だ。そう思った男性が首を回し、上を見ると――。
巨大な人型が上空に浮かんでいた。
真紅の双眼を、爛々と光らせて。
「畜生が……どいつもこいつも俺の足をひっぱりやがって……」
オーブ平和記念ドーム。慰問演説が行われているその外周部を警備していた
グフイグナイテッドの白服パイロットが、コクピットで歯噛みする。。
数時間前、ワシントンを“守備”している歌姫の騎士団の部隊からの定時連絡の最中、突然通信が途絶えた。
『茶色が! 茶色がぁっ!』との絶叫を最後に、全ての通信が途絶え、映像もダウンした。
ラクス・クラインの側近を勤めている彼にとっては正直どうでもいいことだが、仕事上上に連絡はしなくてはならない。
その結果――“絶対正義の騎士”アスラン・ザラと“平和の聖剣”キラ・ヤマトがそれぞれの機体でラクスを直接護ることとなり
、彼は直属の警護から外された。それが不満でならないのだ。
プラントのコーディネーター特有の高すぎる自尊心。それによる注意力の低下が、彼の運命を決めてしまった。
『……面倒な任務ですが、真面目にやって下さい。これもラクス様のた』
通信機から響いていたオペレーターの金切り声が途絶える。
不審に思った彼が、指揮車の方を向く――
「なんだよ、ありゃ?」
モニターに映し出されたのは、黒っぽい泥状の何かがぶっ掛けられた指揮車だった。
はあ?と呟く彼の機体の背後に立っていたザクが、次の瞬間指揮車と同じ惨状をさらし転倒した。
流石にぎょっとした彼が、辺りを警戒する――が、敵影は無い。
『……甘いんだよ』
安堵の溜息を漏らした彼の頭上から、それは声と共に降ってきた。
瞬間走った激震に、彼の意識は刈り取られた。
「敵機第三防衛ライン突破! 繰り返す! これは演習ではない! これは演習ではない!」
半ば恐慌状態に陥ったオーブ軍管制官の絶叫が響く。
ここ数年、プラントの庇護の下演習すら行っていなかったオーブ軍の錬度は、以前よりもさらに低下している。
それもあるのだろうが、予め配置されていた一個中隊を三分で屠った侵入者は、瞬く間に防衛ラインを引き裂いていった。
死傷者は、今のところ零だが。
追いすがり、止めようとするオーブ、ザフトのモビルスーツを殴り、蹴り、時には黒っぽい何かをぶっ掛けながら侵入者は突き進む。
所々にあるラクス・クラインやアスハのポスターやモニュメントを片っ端から破壊しながら。
『やめてよね。僕が本気になったら、テロリストなんかが敵うわけ――ッ!?』
侵入者を視認し、何時ものようにフルバーストの体勢をとったSフリーダムが、動作を止めた。
今撃てば、転等したままの味方や民間人に流れ弾があたる――などと考えたわけではない。
今撃てば、顔面に黒っぽい何かがぶちまけられたラクスの銅像を巻き添えにしてしまう。
もしそうなれば、あの鬼女が本性を現しかねない。
その恐怖に身を竦ませたのが、運命の分かれ道だった。
懐に潜り込んだ侵入者が腰にマウントされていた漆黒の対装甲ナイフを引き抜き、Sフリーダムの胸部中央を狙って突き込んだ。
狙いに寸分違わず突き刺さったナイフはSフリーダムのPS装甲からコクピットまでを貫通し、キラ・ヤマトのバイザーに小さな穴を開けた。
目の前に顕現した“絶対的な死”に凍りつくキラ・ヤマト。一瞬後その刃が引き抜かれ、その亀裂にライフルの銃口が差し入れられた時、
漸くその凍結が解ける――が時既に遅し。侵入者は機体のコクピットで笑いながら引き金を引いた。
『じゃあな、英雄』
次の瞬間銃口から放たれた閃光――ではなく黒っぽい液体がSフリーダムのコクピットに注ぎ込まれ、その熱さと充満するキツイ香り、
バイ ザーの罅から半開きになっていた口に入りこんだ異様な苦味にキラ・ヤマトは意識を失った。
「よくも、よくもキラをッ!」
コクピットにライフルを撃ち込まれ、ゆっくりと仰向けに倒れるSフリーダムを見て、アスラン・ザラは絶叫した。
あれではきっとキラは生きていないだろう。許さない。そんな想いを抱きながら。
そして改めて侵入者を睨み付け、アスラン・ザラは絶句した。
「デスティニー……シン、なのか?」
全身を漆黒に染め、カメラアイが真紅に染まっていること以外はデスティニーそのままの姿をした侵入者。
背部にマウントされていたアロンダイトと長距離ビーム砲はオミットされ、替わりに身の丈ほどもある巨大な円筒を二基背負っている。
円筒はライフルと太い管で繋がっていた。
『……アンタに答える義理も恩も理由も無い』
俺は仕事を果たすだけだ、と続ける侵入者。
「そうか……なら、俺がお前を、討ッ!?」
態々Iジャスティスにポーズまで決めさせ、まさしく騎士のようにビームサーベルを抜いたアスランの口上が、
デスティニーの頭部から放たれた銃弾に阻まれる。舌打ちしながらも防ぐ必要は無いと高を括ったアスランの視界が黒く染まった。
ペイント弾かと刹那混乱したアスランの目の前で、モニターが上下に断ち切られた。対装甲ナイフで切り裂かれたのだ。
その穴から伸びた巨大な指がアスランを摘み、外へと引きずり出す。ゆっくりと地面に下ろされたアスランが上を見上げると、
デスティニーのライフルが砲口をこちらに向けていた。
『毛根にサラバってな』
その言葉に言い知れぬ恐怖を覚えたアスランが顔を引きつらせ、
その竦みあがった身体めがけて黒っぽい何か――カカオ九十八%の熱々チョコレートが撃ち込まれた。
英雄二人を瞬殺した侵入者。円筒の片方をドームへと撃ちこみ、撤退を開始した。
元来た道をあっと言う間に遡り、追跡を振り切って沿岸へと到達する。
「プレゼンターからチョコレート工場へ。デコレーションは完了。後はラッピングだけだ」
『チョコレート工場了解。プレゼンターは所定のポイントに後退して――シン、お疲れ様』
「……コニール。本名出すな。アビーに叱られるぞ」
『アビーはラッピングの用意で忙しいよ』
侵入者の撤退から数十分。
撃ち込まれ、弾けた円筒からばら撒かれた大量のチョコレートの海の中、呆然としていたラクスの眼に、オーロラビジョンに映し出された
映像が飛び込んだ。
暫くそれを見ていたラクスだが、ゆらりと立ち上がる。
「キラ……私は、絶対に…許しませんわ……!」
悪鬼羅刹が如き形相で、そう呟いた。
単発で以上です
ひょっとして例のクリスマスの方かしら、GJ
お2人ともGJっすー
こういう細かいネタをいちいち投下してくれるからここの職人は大好きだ
なんでキラを許さないんだよwww
っていうかシンが神技量をムダに発揮し過ぎだw
クリスマスの時といい今回といい、職人さんたち愛してる
また手の込んだ嫌がらせをw
でっかい円筒背負ったデスティニー想像して吹いた
関係ないけど白グフのパイロットって D?
>>624 恐らくだが、最後の映像がキラの不倫動画だったとかwwwwww
茶色を下地にホワイトチョコレートでキラフレの絵が描かれていたとか
季節ごとに色かわるデスティニー萌え
次は雛祭りネタを期待
マシンガンで巨大あられをばら撒くデスティニーとかw
このシン達のスポンサーはやはり旧ロゴスの関係者かな。
前回が玩具業界で今回が製菓業界の。
631 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/14(土) 13:49:20 ID:qQxbZSno
>>629 なら端午の節句で武者頑駄無になるんだなw
その場合のスポンサーは東●だな
シンケンジャーつながりで
クリスマス中止のお知らせに続いてバレンタインデー中止のお知らせか
他に中止のお知らせってあったかな
あるじゃない。ちょうど1ヶ月後に。
エイプリルフール中止のお知らせか
ホワイトデーだろjk……今度は誰が邪魔するんだ
そりゃ男に振られた女に決まってるだろ
カガリとかカガリとかカガリとか
機動戦士ガンダムSEED DESTINY the Untold
第8話 夢の終わり(前編)
「灰色の」
MA母艦の艦橋で指揮を取っていた初老の提督は、右から聞こえた声に眉を上げた。
ローブを纏った男が、目を閉ざしたまま彼の方を向いている。視覚に障害を持っている筈
なのに、まるで見つめられているような感覚を覚えた。
「灰色のM1アストレイは、やってきましたか」
「接触したという報告はありませんな。そもそも、ガルナハンを脱出して此処へやってく
るかすら、定かでない。何を企てようと結構だが、想定通りに運ばないのが実戦……」
「例の機体が現れました! M1アストレイの改修機……ガルナハンの生き残りです!」
微笑する盲目の元宗教指導者に舌打ちし、口を開いたオペレーターの方へ振り返る。
「確認しろ! オーブ軍とザフトには、エースの専用機がごまんとあるのだぞ」
「シン=アスカに間違いないでしょう」
「機動パターンをデータベースに照合……適合率、97%です!」
「まったく。何が悲しくて、たかがパイロット1人に此処まで気を遣うのやら……」
オペレーターの返答と宗教指導者の言葉がほぼ同時なのも気に入らない。
「奴は『モビルスーツ乗り』と聞く。前回のように、考え無しの攻撃はしないよう伝えろ。
……殺さないように、という注文は聞けませんよ。マルキオ師」
「不要です。何があろうと、彼は生き残ります。このオーブ攻撃は、彼の為に計画された
のです。散っていく命、流される血はシン=アスカの為なのです」
「言葉に気をつけて頂きたい。オーブ攻撃はあくまで総意によるものの筈だ」
マルキオと呼ばれた男の言葉に、連合軍人は溜息をついた。この盲人が常に何かを計画
している事は解る。問題は、それがあらゆる慣例や規律を飛び越す事だった。視線を正面
に戻す。オーブの海岸と空に、無数の炎の華が咲き乱れていた。
「生き残るだと? 我ら連合軍と、オーブ軍の7割を相手にしてか? フン……」
滑走路も備えたヤラファス島南西部の港湾区画に、1機のMSキャリアが黒煙を吐き出
しながら接近する。機体中央のハッチは開け放たれたまま破壊され、よたつきながら何と
か飛んでいる状態だった。
「何とかエアポートまで飛ばせ! 住宅街からの避難が終わってないんだよ!」
『やってるっての!』
一足先にアスファルトで舗装されたポートに降り立ち、右腕の長大なレールガンを撃つ
のは、シン=アスカのM1カスタム。その砲口の先には、MA形態のムラサメ部隊。
何が起きたのかは定かでない。解っているのはキラのストライクフリーダムが墜ちた直
後、オーブ軍の7割が自軍を攻撃し始めた事だけだ。
旋回して戻ってきたムラサメ隊が、空対空ミサイルを斉射する。MSキャリアとM1カ
スタムが防御機銃を撃ち、3発を破壊した。爆風を貫いた残る2発がキャリアの底部に突き刺さり、
機体が前のめりになる。
『墜ちるぞぉ!! 何かにつかま』
操縦席からの叫びが唐突に途絶え、ぎりぎり滑走路に到達した輸送機が金網を引っ掛け、
左側にカーブしながら胴体着陸した。ランディングギアも破壊されたか、アスファルトと
の接地面から火花を散らして傾斜しつつ止まる。MSに変形したムラサメが1機、ビーム
サーベルをかざして開いた貨物部へと突っ込んだ。追加装甲で着膨れしたM1が阻む。
『退けシン=アスカ! カガリ=ユラ=アスハの犬め!』
「うああぁっ!!」
紅の瞳を見開いてシンが吼える。絶妙なバックステップで重い機体が斬撃を回避し、左
手に持ったディンの散弾銃を放つ。ムラサメの喉元に押しつけられた銃口が発光し、炸裂
音と共に頭部を吹き飛ばして、首無しの機体が空中でひっくり返り地面に叩き付けられる。
『シン! 大丈夫か!?』
「ぜ、全員、脱出してくれ……キャリアは、守り切れない」
メインモニター越しの爆炎に照らされたシンの表情は、虚ろだった。ゆりかごによって
刷り込まれた全てが、目の前で喪われていく。炎に消えていく街並み。逃げ惑う人々。
つい数十時間前まで味方であり同志だった筈のオーブ兵達は、明確な殺意と敵意を持って
攻撃してくる。
キラも、誰かに倒された。ラクスも居所が知れない。大体この国難に際し、なぜアーク
エンジェルもアカツキも姿を見せないのか。助けを求める声に答えるのが、歌姫の騎士団
では無かったのか。縋ってきた対象がどこにも見えない。
そもそも、こんな場所へ連れてきたのは誰だったのか。
「他の何処へも行けなかったんだ! 補給の問題もある。それに、オーブがこうなるなんて」
『何を言ってるんだ!? それより、敵機を近づけさせないでくれよ!』
「わ、わかってる。ごめん、ヴィーノ」
同僚の言葉でほんの少し、我に返ったシンは目の前に意識を集中させる。目の前で仲間
を1機墜としてみせたが、にじりよってくる敵に戦意の衰えが感じられない。だからこそ、
一歩を踏み出す。レールガンの照準器が淡い光を放ち、ツインアイの輝きが追随する。
『後ろだ!』
「く……」
レーダーの光点が新たに現れ、後方カメラに視線を走らせた。真後ろから3機のM1が
来る。ジェットエンジンの音に上を向くと、ムラサメが1機飛来してきた。しかし直後、
後方のM1部隊を緑色の速射ビームが薙ぐ。キャリアから撃たれた方へと向き直り、陣形
を組み直す彼らの前に、それは地響きを立てて降り立った。
頭頂部に角を、両肩にスパイクシールドを、背中にガトリング砲を背負った赤いザク。
両手で構えた長柄のビームアックスを起動させ、メインスラスターを点火。噴射により
推力を得た上で、2本の足で走り出す。足元でM1のビーム射撃が弾け、ピンク色のモノア
イに緑の光が走っては消える。1機目の脇を抜けようと右足を踏み込み、左へ跳ぶ。武器を
向け直そうとしたM1にフェイントをかけ、そのまま左肩のシールドでタックルをかけた。
味方ごと突っ込む赤いザクに戸惑った2機目が、至近距離からガトリングのビームを浴
びてシールドと右脚を破壊されて崩れ落ちる。3機目が回り込もうとした寸前、1機目の
M1が叩き付けられて動きを止められる。一気に飛び込んだザクが、大上段に振りかぶっ
たアックスを叩きつけた。光刃がアスファルトに突き刺さって一度目の爆発を起こし、
左胸を境に断ち割られた機体が二度目の華を咲かせる。
炎と爆風を背負った紅色のザクファントムが、ビーム刃を消したアックスを肩に担いだ。
「……!?」
『……!?』
絶句するシン、ヴィーノ。赤いザクに乗っていた人物には思い当たるが、何かが違う。
ミニスカートを揺らして赤服を着られるようになったと陰口を叩かれていた『彼女』とは。
『援護するわ、シン』
「ど、どうしたんだ? ルナ……」
『援護するって言ってるでしょッ!!』
キャリアを挟んで背中合わせになったザクファントムからルナマリア=ホークの怒声が
響き、シンは首を竦める。レーダーがやってきた機体を捉え、そちらを一瞥した。
「航空戦艦……? アークエンジェルか!」
避難を完了しつつあった住宅街上空に白亜の巨体が進入してきた。ぴったりと張り付く
ようにしてブリッジを守っているのはオーブの象徴、アカツキ。ビーム射撃の一切を無効
化する金色の特殊装甲が燦然と輝いている。
『理不尽な侵略に立ち向かう全てのオーブ兵の方々へ。希望を失ってはなりません』
「ラクス様! 間に合った……間に合ったんだ!」
敵機と向き合ったままのシンが、安堵の溜息を漏らす。自機の頭上を通り過ぎていくの
は、ワインレッドの機体。ファトゥム01に乗ったインフィニットジャスティス。自分が
心の拠り所としていた全てが、集まってくる。
Iジャスティスが、右手の双刃型ビームサーベルを起動させる。アークエンジェルを
守っていたアカツキに急接近した。搭乗するムウ=ラ=フラガが声を上げる。
『アスラン? お前……そうか! 逃げろマリュー! こいつは』
金に輝くMSの肩目掛けて斬り下ろし、右へ払った。赤熱するL字を刻まれた機体が、
バランスを崩し墜ちていく。ライフルに持ち替えアークエンジェルの船腹に連射しつつ後
方へと回り、前方のビーム兵器を全てオンにしたファトゥムをメインスラスターノズルへ
突撃させた。双胴艦首の中央から火を噴き、先に撃破されたアカツキに寄り添うように
ゆっくりと高度を落としていく。真昼に生まれた純白の太陽が、街を飲み込んだ。
今回は此処までです。
投下乙です
ムネオと魔乳はずいぶんとあっさり死んだな
というかマルキオ、四馬鹿に見切りをつけて今度はシンに目をつけたのか
(シンもSEEDを持つ者だから奴が目をつけてもおかしくないが)
何だかマルキオ=ワイズマン、シン=キリコみたくなってきた
GJ。GSC氏のSSでルナが戦ったのってこれが初めてだよな
投下乙。
丸キオ対象が変わっても相変わらずの狂信ぶりだな。連合の人もさぞ薄気味悪かろう……。
凸ためらいねぇな。いつもの奴なら何だかんだ言って痛み分け程度に終わるのに。
なんか裏切りの際の意識とか、今回はマジに違う予感。嫌な覚醒だな。
AAも墜ちて中核メンバー生死不明だし、こいつが黒幕でボスが凸の形になるのかな。
こうまでやられると、一人ぐらい生存してて逆襲に手を組んでくれないかと期待してしまう。
ルナいい女だよルナ。今作ではメインヒロインの座を張れるか?
GJ!
今回のルナはいい女だがコニールもいるからな・・・
投下乙です。
アスランはマルキオと繋がっているのか。しかもルナマリアもなんかありそう。
しかしこれからシンがどうなるか楽しみです。
>>621 乙です。
他の人も言ってるけど、クリスマス襲撃短編のと同じお方ですか?
またその場合、今回のは話が繋がっているんでしょうか?
クロスオーバー倉庫で作者さんごとに分けて収納させていただく都合上
お答えいただけるとありがたいんですが…
>>641 これまた乙です。
SS全体でも、チラホラ名前は挙がってもなかなかメインキャラに(善悪問わず)
なる事のなかったマルキオが本格参戦ですか?
信仰の対象がほぼ一気に全滅してしまった?シンがどうなるか、
「夢の終わり」が洗脳からの目覚めという意味なら重畳ですがはたして
そう一筋縄でいきますかどうか…楽しみにしてます。
お邪魔します。
>>647 クリスマス襲撃短編の方ですが、セイラン三尉なる女性キャラが登場した方のSSは私が書きました。
SCA-Seed_◆XXWスレ76 氏_C.E.78年12月24日、の方です。その時は無記名の方が良いかと思ったもので。
勿論、今更名乗り出ても信憑性に欠ける事は充分承知しておりますので、文体等から判断して頂ければ、
と思います。ご迷惑おかけしました。いわゆる単発話までアーカイブに入っているとは思っておらず……
あ ん た か
微妙に違和感あったけど……wwwwww
あらまそうでしたか。では順次位置を変更しておくとしまして…
今回のバレンタイン編は違うのですか?
やっぱりヒロインは巨乳じゃないとな…
発展途上やら将来性やら、言う人もいるけd(ジュッ
>>650 はい、バレンタイン編は違います。あくまで自己申告ですので、どう登録するかはそちらに
お任せします。
>>651 だがちょっと待って欲しい
やはり形ではないのか
まあ奇レベルだと引くからな。
俺としては巨ならステラで並ならルナだな。
搾乳してえ
美でさえあれば、巨だろうと虚だろうと一向に構わぬ!
でも流石に抉れとか筋肉はかんb
ネコ耳アズニャエルなどいくらなんでもありふれ過ぎてたんですよお嬢様。
ここはCOWラエルと称してこのフードつき牛模様全身パジャマでd(搾血
シン「ミルク出ちゃう!」
投下される度に乳談議で盛り上がり過ぎるので、GSC氏には次からいっそ乳好きの皆さんをドン引きさせる
鬱話をお願いしたくなってきた
>現プラント評議会終身最高議長兼地球圏守護騎士団名誉盟主、ラクス・クライン。
妙にしっくりくるぜww
>>659 一度粛清されなすったのをもう忘れたのか?作者といえど命は惜しかr
乳の呪縛
>>647 あ、すみません。
同じクリスマスでもシンがウィンダムに乗っていて、コニールがヒロインのほうです。
お騒がせしました。
ふと日曜朝8時30分の番組を見ていたら、シンが人を守るだけではなく、人の笑顔を守る為に戦うならどういう方法で戦うんだろうか……と思ってしまった。
アスカさんは、お嬢様の笑顔を守る為なら手段は問いませんよ
(俺、こんな事する為に会社入ったんじゃないのにな…)
レジェンドおめ
>>665 個人的には人の命を守ることが出来ても、人の笑顔は守れない、作れないのがシンのイメージ。
平成仮面ライダーで言えば、555のたっくんに近いと思ってる。
シン「俺には人の笑顔を作ったり、守ることは出来ない。……だけど、人の命を守ることは出来る!」
コニールの笑顔は守ったじゃないか
シンは昭和ライダーな感じなんだよなあ
腐れ負債の補正を外せば
シンには戦闘以外の能力も経験も無いので、人の笑顔を作るだの守るだのは最初から不可能だろう。
だからといってラクシズに出来るかと言われれば、そうじゃないけど。まあラクスはコーディネイター
限定の電波を流せるらしいので、コーディネイターだけなら笑顔を作る、守れるだろうね
>戦闘以外の能力も経験も無い
人は能力や経験で笑顔を守ったり作ったりするわけじゃあないよ
そうかな…いや、戦いに身を投じた主人公の悲しさってのはよくあるテーマなので、
シンもそれかなと思ったもので。
>>669 家族構成が仮面ライダーV3と同じで、自分を残して家族みんなが死んでるのも同じとか言われてたな
V3みたいに先輩達が第一話で退場したらよかったのに
キラ、アスラン、俺をガンダムにしてくれ・・・!
>シンには戦闘以外の能力も経験も無い
アニメで描写されなかっただけで、何かあるかもしれないのでは?
何も出来ないという設定があるなら教えてほしいんだが
>>670 まあ落ち着け
人には「過去」と言う物があってだな
ロボットやマシンとは違うんだよ
>>677 何も出来ないという設定はない。ただフリーダムの誤射で家族が死んだ時、シンは14歳。で、
プラントに渡ってザフトの赤服まで上りつめ、インパルスのパイロットになったのが16歳。
2年間はおそらく戦闘訓練漬けで、14歳までに何か建設的な意味で人の為になる活動を続けて
いた、あるいは技能を取得した可能性は低い。よって、戦う以外に何もできないと推測した。
何か出来る、やっていたという設定があるなら、ぜひ指摘して修正して欲しい。
とりあえずここがアフタースレである以上、「何も出来ない」を前提にして話するのおかしくないか
うん、なんとなくそう思っただけだが。
the edgeか。そっちはノータッチなので、出来れば教えて欲しいんだが
軍学校でも一般教養くらい教えるだろうよ
第一、MS使えりゃ復興支援だって出来る
osいじれるくらいの技術があるなら、そっち関係でもやってけるね
シンは刹那とは違うんだから、ジャンク屋とか修理屋とか技官でもやっていけるんじゃね?
ジャンク屋って聞くと外道を思い出して萎えるな。種世界のジャンク屋=ラクシズの下部組織だもんなぁ・・
>>669 それで中の人が平成ライダーやったのか。
まあ中の人が特撮マニアだから
>>668 GSCI版のシンは確かにそんな感じかも
けど俺は平成ライダーで言えばオンドゥル王子が一番シンに近いと思う、境遇とかも含めて
「戦えないすべての人たちのために、俺が戦う!」ってやつ
>>679 本編の描写だけ見ても、シンは普通に戦う以外の方法でステラを笑顔にしてるぞ
もちろん戦闘技術がずば抜けて優れてるのは間違いないだろうが、それしかないわけじゃない
と、するとCSA版のシンはさしずめタイラー……
>>689 牙無き者の牙となるんですね。わかります
>>689 第一部に限って言えば、人の世を救う事を極限まで追及して最終的に
人間である事をやめたという点でも通じるものがあるな。
元の所属先の最高指導者が、永遠の存在になろうとして作った道具に
背かれて惨めな最期を遂げたというのも同じだった。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY the Untold
第9話 夢の終わり(後編)
ピンポイント攻撃で動力部が大破したアークエンジェルの爆発が、崩れかけた住居や店
舗の外壁を蒸発させながら広がっていく。耳の所から綿がはみ出たクマの縫い包みが、
一瞬で炎に包まれ燃え尽きる。道路標識が赤熱して溶け崩れ、焼けただれた舗装路に
濃灰色の影を刻む。公園にあったブランコの木製部品が焼け落ち、鎖が熱風で乱れ舞う。
「う、あ」
艦首から落下したアークエンジェルの陽電子砲が、剥がれた装甲から脱落してスーパー
マーケットの屋根を突き破った。まばゆい光が生まれ、爆風と衝撃波が港湾区で避難民を
収容していた多数の船舶を揺さぶり、タラップが軋む。子供達が泣き叫び、母親は彼らの
名を呼んだ。
「ああぁっ!!」
それを目の当たりにしたシンが、傷を負ったような声を上げる。パイロットの不調を見
て取ったか、M1カスタムと相対していた2機のムラサメが前進する。その左腕が盾ごと
砕け散った。残った右腕でライフルを撃つも、ビームが装甲で弾かれる。シンの機体が半
身をずらし、射角を変えた。2発目を放つ前に、懐へ跳び込まれる。
『こいつ、見てくれの割に……!』
「ッ!!」
目の端から涙を散らすシンが、力任せに左側の操縦桿を倒す。M1カスタムの左腕がム
ラサメを殴りつけ、手甲部に固定されたビームサーベルが伸び機体を貫いた。傍らの僚機
が防御機銃を撃ちながら後退するが、全身に弾を浴びつつ突進したM1カスタムのレール
砲を腹部に押し当てられる。トリガーが引かれ、真っ二つになったムラサメが爆発さえし
ないまま滑走路に骸を曝した。
『すごいじゃないか。俺に倒された時よりも、腕は上がっているみたいだな?』
インフィニットジャスティスが降り立ったのは、M1アストレイの後方。広域回線で語
りかけるアスランの声音は、シン達が知っている鬱々とした、何かを押し殺したようなよ
うな物ではない。アークエンジェルの残骸が上げる炎を浴び、ワインレッドの機体が薄紅
に変わっていた。
『それとも、あれは本調子じゃなかったのか? いや、多分そうだったんだろう……』
「アスランッ……なんでこんな事を!」
M1カスタムが、ゆっくりとIジャスティスの方を向いた。炎の中で対峙する巨人。
『仇をとったのさ。お前のもな』
「何!?」
『その内に解る。もっとも、解らなくさせたのは俺だが……』
Iジャスティスの背後で一際大きな爆発が上がる。顔面に影が落ち、緑の双眸が輝く。
その背部にファトゥムが戻ってこない。アークエンジェルを撃墜した際、失われたのだ
ろう。手にしていたライフルの銃口が、炎を受けて鈍く光る。
「過去に囚われて戦うのは止めろと、あなたは俺に言ってくれた!」
『ああ、言った。周りに粘着質な奴がいると鬱陶しいだろう? 俺は過去に拘るがな』
『シン! 今のアスランと、まともに話すのは……っく!』
ルナマリアの言葉が途切れた。赤いザクの足元にミサイルが撃ち込まれ、後退した先に
ビームが降り注ぐ。M1とムラサメの混成部隊が、避難の終わっていない港湾区に押しか
けてきていた。MSキャリアの格納庫から、グゥルが1機飛び立つ。
『シン、乗れ! だ、大丈夫なんだろうな、コニール!?』
『任せてくれて良い。こいつは2回操縦した事がある。ただ、あたしに話し掛けるな!』
『そうだ。逃げろ、シン! 逃げて港の連中を見殺しにしろ! 生きる方が戦いだぞ!?』
専用回線で入ってくるヴィーノとコニールの言葉を聞き取ったかのように、嘲笑を交え
たアスランの声が入ってくる。表情を強張らせるシン。
『もしくは、俺の所へ来い。……これでも悪かったとは思ってるんだ。俺が快適に暮らす
為とはいえ、無関係だったお前に迷惑をかけた。そろそろ良い思いをさせてやりたくてな』
「馬鹿な事をっ!」
『言うほど馬鹿な事でもない。例えば、お前が俺に従ってくれれば此処にいる全員を助け
られる。このオーブ軍は今の所、俺に従っているからな。どうだ? シン』
「嘘だ……!」
『嘘じゃあない。俺が攻撃を止めた事が何よりの証拠じゃないか。民間人が避難する時間
を稼いでいるんだ。旧交を暖め直すには誠意を示さないといけないからな』
手元のキーを操作し、シンは目まぐるしくカメラ映像を切り替える。ルナマリアのザク
も、今のところ追撃を受けていない。グゥルも狙われてはいない。そして自分が何よりも
守らねばならない港へも、一発たりとも弾丸、ビーム、ミサイルが撃ち込まれていない。
通信モニターにアスランの姿が浮かび上がる。彼はパイロットスーツを着ていなかった。
目を細め、口の端を緩く吊り上げたままシンを見つめている。
『俺の本心は解って貰えたか? お前が何を一番望むか、よく知っているんだよ、シン』
「ああ。解った。俺はあなたについていく。その代わり……約束してくれ。もう誰も死な
せないって! 俺以外を見逃すって!」
『シン! 何言ってるの!?』
『此処までやったアスランを信じるのかよ!』
『このイカレ信者! 何考えてんだ!』
殺到する抗議にも、シンは表情を変えない。
「みんなは下がれ。キラさんも言っていたんだ。吹き飛んだ花はまた植えれば良い。俺も、
吹き飛ばされて汚く枯れた花に囚われるわけにはいかない。それだけだ。さっさと行け」
その言葉に、まずグゥルが機首を巡らし港湾区の方へ飛んで行った。赤いザクも続く。
誰もが、シンに言い返さなかった。声をかけさえしない。インフィニットジャスティス
の機内で、アスランは笑みを深める。通信回線を切り替えた。
「各機……スラッシュウィザードは近距離仕様だ。もう少し離れるのを待て。真後ろから
撃てば尚良い。グゥルは相手にならないだろうから、アドバイスは要らないな?」
『了解。さすが、騙し討ちで歌姫の騎士団を壊滅させた方は違いますね』
「そう褒めないでくれ。恥ずかしいから」
言い終わった後、シンのM1カスタムに寄り添った。肩を触れさせる。
「悪いな、シン。折角の約束だが、気が……」
『気が変わったんでしょう』
凍りついたようなシンの声が、アスランの目をほんの僅かに見開かせた。
『解ってますよ。俺は先輩思いですから』
赤紫の光が弧を描く。M1カスタムが着地したまま高速でターンし、左手甲部から伸び
たビームサーベルが、Iジャスティスのシールドに叩きつけられた。ビームシールドの発
生が間に合わず、光刃が半ばまで食い込んでワイヤークローを破壊する。
赤いスラッシュザクがモノアイを輝かせ、スラスターを吹かしジャンプした。グゥルが
その足元に滑り込み、火花と共に両足を固定する。
『操作を此方に任せて、ヴィーノ達はカーゴルームへ!』
『頼んだぜ!』
『墜とすなよ、ミニスカ女!』
『任せて、と言ったわ!』
火線を潜り抜けながら急降下し、土煙を巻き上げながら両肩のビームガトリングを斉射。
グゥルに乗ったまま超低空飛行で浮足立った敵機達の合間を駆け抜け、ハンドグレネード
を放り込んだ。その爆風を突き破って、シンのM1がIジャスティスから距離を取る。
サーフボードのように機体ごとグゥルを傾斜させ、強引に旋回したルナマリアのザクが、
刃を輝かせたビームアックスでムラサメの胴を薙ぎ払った。しかし、収まらない黒煙から
飛来したビームブーメランに対応できず、左のショルダーシールドについていたスパイク
を失う。スラスターを軽く吹かしただけのIジャスティスが、ほぼ一瞬でザクの上方に現
れる。ビームライフルを連射され、ダメージを受けていない右肩を突き出しつつ機体を
左右に振った。
ビームガトリングの狙いをつけさせまいと上下左右に動くIジャスティスが、隙を突い
て下方、つまりグゥルを装着した側から襲いかかる。灰色のM1カスタムがそこへ割って
入り、長大なレールガンの砲口を突き付けた。戻ったブーメランを収めたばかりのシール
ドで、間一髪砲身をずらす。砲声が轟いて滑走路に大穴を開けた。
「さっき『アンタ』が言った事、正直半分も解りませんでしたよ。仇とか、俺のも、とか。
何でアンタがキラさんとラクス様を裏切ったのか、オーブをこんなにしたか……でもね」
顔を上げ、シンはIジャスティスの頭部パーツを真っ直ぐ見詰める。
「ただひとつ、解っている事がある!」
『この俺、アスラン=ザラは倒さなければならないって事か? 月並みな』
「いいや!」
レールガンを抑えつけられていたM1カスタムの各部が爆発した、ように見えた。レー
ルガンが手放され、Iジャスティスの上体が揺らいだ。左手で持った散弾銃を、右に持ち
替えながら手甲部のビームサーベルを起動させる。至近距離から発砲するが、またも
シールドに阻まれた。デスティニーに乗ったシンを負かした時よりも、アスランは確実に
速く、鋭くなっている。
全身の追加装甲を排除したシンの機体が、眼前で放たれたビーム射撃を避けた。赤いザ
クが援護に入ろうとするも、他の敵からの牽制射で距離を取らざるを得ない。
『シン、駄目! その機体じゃ!』
「俺が望む物を手に入れる為に、戦わなくちゃならないって事だ! これからも、ずっと!」
シンの決意に肩を竦めるアスラン。しかし、ビームライフルを持った右腕が僅かにぶれ
た。その隙を突いて一気に距離を詰め、ビームサーベルを突き込む。後退が鈍ったか、ラ
イフルが貫かれて爆発を起こした。
「アスランッ! 今度は」
『今度は騙されてくれたか』
アスランの言葉と同時、Iジャスティスの右足が跳ね上がる。膝と爪先のビーム発生器
が起動し、蹴りでもってM1カスタムの左脚、左腕を溶断した。オーバーヘッドキックの
慣性を活かして宙返りしたIジャスティスの右手が腰部のビームサーベルを掴み、逆手で
持って灰色の機体の右肩を突き刺す。散弾銃が転がり、M1カスタムが地面に倒れ込んだ。
自分のライフルを犠牲にしたフェイント。豊富な武装を持つIジャスティスだからこそ
出来る戦法だった。コクピットを激震が襲い、あちこちが小爆発を起こす。
「ぐうぅっ!」
『相変わらず、足蹴にされるのは慣れてないみたいだな、シン?』
「逃げろ、コニール、ヴィーノ……ルナ、皆を……」
グゥルに乗った赤いザクは、一度だけ大破したシンの機体を振り返った後で港から離れ
る船団へと向かった。今の彼女は、他の人命を抱え込んでいたからだ。MA形態のムラサ
メがMSに変形し、Iジャスティスの傍へと降り立つ。
『ザラ一佐、連合軍がオーブ軍司令部を制圧したようです。カガリ=ユラ=アスハは脱出
に失敗して捕縛されたとのこと。しかし、避難船は放置して良いのですか?』
『俺は後輩思いだからな。こいつの本当の望みは、叶えてやりたい』
『はっ?』
サーベルをラックに戻したインフィニットジャスティスが、倒した相手に背を向ける。
砲声やビーム兵器の音は何時しか収まっていた。連合軍の輸送部隊が、オーブの青い空を
遮る。MSや歩兵部隊が順次降下し、幾つもの落下傘が咲いた。
今回は此処までです。シナリオ的には、この話で一区切りとなります。
まずとりあえずは投下乙。
しかし前々からそうだったけど、流石にここまで行くと凸の変貌ぶりへの違和感が拭いきれないな。
今後何か説明あればいいんだけど。
もしかするとこいつも丸キの陰謀でゆりかご済みとかか?
マルキオ的にはオーブも連合もそして凸も生贄なのかもね
全てはシンというかマルキオの信念の為の
およそ凸らしくない針の振り切りっぷりだが それだけに新鮮
どっちに転ぶのかさっぱりわからない GJでした。
凸、本編でここまでブチ切れてれば絶賛されたろうにw
悪スランいいな!
○キオ「生え際の後退を食い止める方法はただ一つ……
ストレスを溜めず正直に、心の赴くまま本音で生きることです」
とでもアドバイスを貰ったのかね。
生え際はともかくw出会って何かを言ったとしたらそういう感じだろうな。元々宗教的指導者らしいし
>>703 それはヤバいな
ちょっと勝てる気がしねえw
ついにマルキオと接触か…おそろしい
ってかよく生き残ったな、カガリ
まあ、一番の驚きは悪スランなんですけどね?
このアスランはさすがに凸とは呼べんな
さすがは我が友、カッガーリィ!
> 『そうだ。逃げろ、シン! 逃げて港の連中を見殺しにしろ! 生きる方が戦いだぞ!?』
この凸は、無印ラストで生きるって選択をしたことを後悔してるんじゃなかろうか…?
投下乙、GJです。
なんというかこのアスランは精神汚染とかその辺のレベルな気がする。
やばい、初めてアスランをかっこいいと思えた気がする……
乙
このアスランは悪役してるって意味で良いアスランだな。
間違っても凸ではない。
アスランがものっそ清々しいんですけど。
ここまで見事に「蝙蝠」を体現できた奴は、
過去にいただろうか・・・。
>>708 今のところ陰謀全て成功連戦連勝で颯爽と見えているが
実はあの時死にぞこなって以来の人生への自嘲が昂じ過ぎて
破滅志向に片足突っ込んでるのかもね。
なぜか「ダークナイト」あるいは「キリングジョーク」のジョーカーを
うっすら連想してしまうのだが。
714 :
ライオン:2009/02/17(火) 01:17:12 ID:???
お久しぶりです。
まず最初にGSC氏、乙です。自分悪役を書くのが非常に苦手ですのでこの凸のようなキャラは憧れます。
本題に入ります。
とある事実が発覚したことによってプロットを再構成しなくてはならないことになったのですが
手元に資料があまりないので、それを踏まえて質問です。すみませんが複数あります。
1:イルド・ジョラールって種死アストレイのあとどうなりましたか? もしかして今のアストレイに出て何かしら事件起こしてますか?
2:最近wikiで種死カガリの結婚式誘拐事件にはなんとミナ様が関わっているということを初めて知ったのですが、
それだともしかして種死からカガリとは仲がいいということなんでしょうか?
3:核エンジンを無効化するニュートロンスタンピーダーって地上でも使えますか?
あと最終回でNスタンピーダーをなんでストフリに使わなかったのか本放送時から不思議でしょうがなかったのですが、
コストの面などで何かしらの最悪な欠点でもあるのでしょうか?
以上です。次の話も書いてないのにこんな質問だらけで申し訳ないです。
別に過去の事件をIFにして進める、という手もあることにはあるのですが、
それをすると二次創作としてはどうかなと思い質問しました。では失礼します。
>>714 >1:イルド・ジョラールって(ry
アレからアストレイにもその他外伝にも出てきてません
2:最近wikiで種死カガリの結婚式誘拐事件には(ry
デルタアストレイでカガリの結婚招待状貰って結婚式見に行って
その後、キラの花嫁強奪を「我慢ならん!!」と追撃したデルタアストレイの主人公を相手に
天空の宣誓に従ってキラの逃亡を援護しただけです、別にカガリと仲がいいって描写はありません
っていうか、カガリと話し合ってる描写自体がありません
>ニュートロンスタンピーダーって地上でも(ry
ごめんなさい、これはちょっとわからないッス、一回こっきりしか使えない使い捨て品とか言う致命的なデメリットでもあるのかな?
ただ、量産しない理由は分かっています、あれって実はNJCのコアに使われてるベースマテリアル(NJC作成時に必要となる希少金属)を
大量に必要とするので、種死時には前大戦に使われていた先行量産型の核使用ザク(50機ほど建造)のNJCを
軒並み取っ外して、そこからベースマテリアルを抽出して、ようやく作り上げた代物なので
地球圏のベースマテリアルの大半を大西洋連邦に握られてる状態だと、ザフトも量産できなかったのでしょう
>>714 2ですがsデルトレイ(結婚式中)の中ではみなはアスハではなく、カガリと呼んでますけど、それ以前だとアスハの小娘だのオーブの獅子の娘とか呼んでいるので仲が良くなったとしたら天空の宣言以後のことかと思われます
>>715 >ニュートロンスタンピーダー
ファントムペインがザフトの基地に襲撃かけてきて、9ザクのコートニーとストEのスウェンがやり合ったんだよな。
僅差でコートニーが勝って何とか解体中の9ザク50機を守りきったんだったか。
……それは兎も角、デルトレイ花嫁誘拐事件と同じ号の町田さんの描くミナ様かわいいよミナ様……パイスー姿でも、まっ平らだけd
元首の義務を放り出し国を逃げ出すのを支援とか ありえんわ
デストレイあたりから本編スタッフが介入しておかしくなったな
ミナ様(なんか様ってつけるの恥ずかしいんだが、これはお作法なのかw)は元々超危険人物だよ。
愚かな人々は自分達のような優れた存在に支配されるべき、っていう考えだし。最初連合についたのも、
連合、オーブ、プラントどれから征服するかって事で、一番やりやすいプラントから手を付けただけだし。
「国とは人の集まりであって場所じゃない」ってロウに言われて計画を見直す事にしたんだが、多分根元は
変わってない。天空の宣言と無差別な介入で世界を混乱させつつ、使えそうな人間、つまり「自らの民」を
見繕ってるんだろう。だからユニウス落下の時は自艦を破片に体当たりさせてでもオーブを救って人々の
犠牲を回避しつつ、国家元首であるカガリが逃げ出す事を支援して、国が滅びる事をむしろ推進してる。
いや、あの人はちゃんとオーブ人員は助けてるらしいぞ
地の文でそう書いてるんだから嘘じゃあない
神にでもなるつもりかって思うな ラクスと違って能力あるから、余計タチが悪い
>>719 だからユニウス落下の時、命を張ってオーブの人々を救ったと書いた。反面、アスハが逃げるのを
手伝ってオーブという国が不安定になるのを助長してる…つまり人を今まで以上に重視するように
なったが、場所は始めから存在していないかのように切り捨てるようになった、って事ではないかな。
まあ元から善意の人ではないな
むしろ奸雄と言っていい
だがだからこそ動かし易いし、シンに手を貸して、その力を利用するという展開も然程無理なく行える
感情に任せて逃げたままになるか、それとも元首としてやるべき事を
自覚して戻ってくるかどうか試したという側面はないのかな。
実際には戻ってこそきたもののしっかりキラクスのマリオネット化(しかも使い捨て)が
進行しただけだったという最悪の結果だったわけだが。
>>723 試すといっても最終的には喰うならあまり変わらん気も
逆に自分を喰うくらいの急成長を期待してたなら別だろうけど
>>724 ギナが死んだ後に民こそ国と覚醒したミナ様は好きだったから、天空の宣言以降の劣化ぶりが残念だ…
まあそれでも、理念の為なら国民が犠牲になってもいいお、などこぞの馬鹿親子より遥かにマシだが
イルドは一族の遺産と量子ウイルスを装備したPセイバーを持ち逃げして好き勝手にしているから使い易いキャラだがイルドが活躍暗躍したSSは見かけない
やはりアムロ顔が原因なのか?
>>699 【審議中】
♪
♪ ∧ ∧ ♪
♪ ∧ ∧ ・ω・)
`∧ ∧ ・ω・) )っ
( ・ω・) )っ_フ
(っ )っ_フ(/彡 ♪
(__フ(/彡 ∧∧
(/彡 ∧∧( )
∧∧( ) )
( ) ) Οノ
♪ ( ) Οノ 丶)
(_Οノ 丶)
ミ 丶) ♪
>>726 そもそもイルド自体が知名度が低いと思う、種ゲーム系ではまだあんまり出てきてないし
「一族」の設定が失笑物であるというのも大きい。アストレイがサイドストーリーに留まらず、
本編とは別の意味で支離滅裂になっていったわけだし…マーシャンがSSに出ないのと似たような
理由だろう
凸メイが火星に逃げた話があったような
無印の時点から微妙な設定はあったけど、火星編あたりからは特に酷いよな
アストレイについてはなんかもう種世界のパラレルワールドだと思ってる
ディケイドにおけるクウガの世界的な感じ
感情を優先するだけで理屈が理解できないほど馬鹿じゃあないと思うが、思いたいが……
お前はif統合から誤爆したと推測した
大正解。ちょっとゆりかご入ってくる。
3の悪スランと1のフリーダムキラさんと2の小悪党化シンの狂演が見たい
>>731 いや、クウガの世界に対するアギトの世界だろ
どっちも公式だけどパラレルワールド的に考えて
スー「ツヨイヤツドコダ」
イルド「ヒィィィ!」
イルドはこの程度
>>737 あれって運命アストレイの前だろ、一族崩壊前だから
ぶっちゃけ、種SSを書くときは外道を無かった事として書いた方が書き易いんだよなぁ……
負債も否定してるデュランダル黒幕説とか推進してて付いて行けねえよ
まあ運命アストレイのインパルス編までだな
これに出てくるシンの同僚達が好きだから
>>740 シンの同僚っていうとコートニーとリーカとマーレか。
何気にデストレイでのシンって出番少ないけど扱い良いんだよな。
あんまり喋らなくて目つき悪いけど、実は良い人で将来有望な腕の良い若いパイロットって感じで。
小惑星に仕掛けられた罠にはまったジェスを助けるため、危ないから近づくなって言われてるのに、救出に邪魔なデブリ吹き飛ばすのにわざわざブラストに換装して戻って来るし
>デュランダル黒幕説とか推進してて
してたか? 明確に語られてはいないように思うんだけど
っていうか一族の情報網でデュランダルだという確証が持てない時点で(多分ほんとは支援してたのはデュランダルじゃなくてバックのクライン派)
どう見てもマティスのデュランダルが相手かもっていう妄想独り相撲です本当にありがとうございました
ベルナデットも憶測の域を出ない上にただの主観だぞ
一度ならともかく、二度三度やればミスリードの意思ありだわ
こんばんわ。
ずっといなかった人間が投下して良いのでしょうか><
おお、あの原作通りのうぜぇ凸をまた見れるのかw
もちろん、大歓迎ですがな。
どうぞどうぞ。
>>747 ずっと待っていましたよ
支援はいりますか?
ありがとうございます。
では、投下させていただきます。
13、戦火の都市
デトロイド上空に到着した第17MS独立部隊の6機のダガーL、プリンズが最初に見たのは、街から立ち上る煙であった。
どうやら上空で暴れるMSのうち、インフィニットジャスティス……特別捜査官殿はできる限り街への被害を減らそうと、撃墜したMSの落下地点のコントロールをしようとしているらしい。
もっとも、それで大して被害が減るわけもなく、敵の妨害で上手く行かない事も多い。
さらに厄介なのは都市に侵入したMSだ。数はそれほど多くは無いが連中は町の被害などお構い無しに建物を盾に撃ちまくる。敵が上空にいるインフィニットジャスティス一機だからできる戦術だが、たしかに地上からの攻撃は相手の動きを妨害している。
アスラン自身も、さすがに都市を盾にするテロリスト相手には攻めあぐねている。都市に侵入したMSへの反撃は精彩を欠いていた。
パイロットがアスラン・ザラでなければ、恐らくは敗北していたのはインフィニットジャスティスであったであろう。
元々アスランが勝手に出撃しない、あるいは出撃しても都市上空を迂回するルなどの処置をとっていれば起こらなかった被害ではあるが、反面でアスランのジャスティスの牽制が健在な為に街へのMSの進入は最低限に抑えられている。
もっとも、1/3以上が廃墟ないし火の海に包まれているので、何の慰めにもならないだろうが。
街の惨状に、サイは溜息をつく暇も無く通信機を立ち上げる。
「プリンゼロワンよりコントロールタワーへ。デコスケが大暴れをしている」
ちなみに、デコスケとは司令が決めたアスランに対するコールサインだ。サイの言葉に隊員たちから苦笑と失笑が漏れる。
しかし、移動指揮機からの返答にその笑みは消え、逆に息を飲む声が聞こえる。
「コントロールタワーより各機へ。状況は確認した。ゼロワン、ゼロツー、ゼロスリーが地上の敵を迎撃。ゼロフォー、ゼロファイブ、ゼロシックスはデコスケと敵機の間に割り込んでとにかく距離を開けさせろ。司令の許可が出た。全武装の使用を認める」
「ちょ、ちょっと待ってくださいや」
司令の指示にゼロツーを担当する黒人准尉が異議の声を上げる。MAのパイロット上りで虐殺の起きた第二次ビクトリア攻防戦の数少ない生き残りでもある彼は、その指示がどういう結果をもたらすかをよく熟知していた。
MSの火器は基本的に都市などで使用するものではない。迎撃用のバルカン砲ですら生身の人間には至近距離の着弾で致命傷になりかねない。
ましてビームライフルとなると火線の進路上にある全てを焼き払う。装甲材で包まれたMSと石と鉄骨、木と紙でできた建築物とでは根本的な強度が違いすぎるのだ。
「こんな街中でビームライフルやロケット弾なんぞ使用したらそれこそ洒落にならない被害が出ますぜ!」
「ゼロツー、異議は認められない! ゼロワンよりコントロールタワーへ支持を了解した」
しかし抗議の声を遮り、サイは了解を告げる。
「隊長!」
「どの道被害は避けられない。無事なエリアと避難民の保護が最優先だ」
サイの苦々しい言葉に、ゼロツーは押し黙る。元々司令やサイとの付き合いはこの部隊ではもっとも長い。どちらにとっても本意ではないのは判っているのだ。
「了解」
サイはその言葉を聞くと、地上で避難民の誘導に当たっているはずのゼリーズに通信を繋ぐ。
「プリンゼロワンよりゼリーズに・・・」
「こちらゼリーゼロワンだ。聞こえてる」
サイの呼びかけに、通信機より男の声が聞こえてくる。ゼリーズを率いている大尉で、第17MS独立部隊のMS隊のトップを勤める男だ。
本来なら3機のステルスストライカー対応型ウィンダムでテロリストの施設を強襲するはずであったが、今回のような事態になり街で避難誘導を行っていたのだ。
「サイ、随分と隊長が板についてきたな」
「からかわないで下さい、大尉」
面白がる大尉の声に、サイは苦虫を噛み潰したような声を上げる。
その様子に命令でやや陰鬱になりかけていた空気が少しだけ和らいだ。
「褒めたつもりなんだが・・・。おっと、本題だ。今のところ敵MSはデコスケのケツを追いかけるのに夢中で町への侵入は止まっている。んで、悪いんだがサイにゃ悪いんだがおつかいを頼みたいんだ」
「おつかい?」
大尉の言葉に、サイは内心首をかしげる。
「ああ、ルーシェが単独で民間人の救助に向かってまだ戻ってきていないんだ」
「戻ってきていない? ルーシェが?」
「ああ、孤立している民間人を見つけたとの通信があったきり、戻ってきていない。ビーコンが生きているから落とされたわけでは無いと思うが、通信機がいかれたのか応答が無いんだ」
多少心配を滲ませながら大尉は答える。
ルーシェ准尉は第17MS独立部隊に所属するMSパイロットだ。サイと並びややこしい過去を持っている。
彼女はブルーコスモスが研究していたというエクステンデットの一人だった。最終工程前であったので寿命を縮めるような過剰な薬物投与こそ受けていないが、薬物処理にインプラント処置、さらには記憶の消去が行われているという。
ルーシェという呼び名も名前ではなく、研究所時代のコードをそのまま使っているらしい。
ブレイク・ザ・ワールド後の戦争後、ブルーコスモスの非道な実験が明るみに出て大問題となったが、反面でその結果放り出された強化人間達に社会は冷たかった。
彼等の大半は行き場も無く社会に放り投げられ、結局は軍や研究施設に戻る事になったのだ。
コーディネーターを殺す為だけの訓練を受けた改造人間を引き取ろうという物好きはほとんどいなかったし、現実問題として引き取るような余裕がある者はほとんどいなかった。
酷いマスコミになると何も判らないままつれてこられ人生を狂わされた、犠牲者であるはずの少年少女達をブルーコスモスの殺人人形、ベルリンの悪魔達として糾弾した。
あるいは一部のコーディネーターは、生き残りの少年少女たちを利用……実際は見世物のさらし者にしてナチュラルの非道さを訴えようとした。
もっとも、そんな馬鹿どももラクス・クライン議長自らの手により告発されたプラント内の非道な内臓抜き取りの実体が明らかになるにつれ沈黙していった。
結局、狂っているのは今のCEの世の中なのだ。
そして、狂った世の中で消耗の激しい軍のパイロットとはいえ、正式な階級と市民権を獲得して妙なマスコミに狙われていない准尉はまだ幸せな方といえた。
「悪いが迎えに言ってくれ。この手の事はお前が一番むいている」
「了解。位置の確認を・・・。と、じゃあ迎えに行ってくる」
サイはそう言うと、機体を降下させ准尉のウィンダムのいる位置に向かい始める。同じ部隊の仲間を助けるという、あたり前の目的に向かって。
この時、意外な再会が訪れるなど予想もしていなかった。
「操縦を代われっ! 民間人! MSはヒーローごっこの玩具じゃないんだぞ!」
「そんな暇あるかっ! 敵に言ってくれ!!」
「きゃあああああ、右から来てる来てるっ!!」
「そこのお前、写真をとるなっ! きゃっ、どっ、どこを触っているっ!」
「お前等少し黙れっ! くそっ! しつこいっ!」
戦闘中のコックピット内とは思えないほどの騒がしい上に微妙に柔らかかったりする周囲に辟易しながらも、シンはなんとか操縦桿を倒した。
シンの操縦に応え、ウィンダムはバックステップを踏む。
その直後に、直前までウィンダムのいた場所にバグゥから伸びた火線が小さなビルの一面に巨大な穴をあける。そして、そのビルは自重のバランスを大きく崩し大きな音と共に崩壊した。
「くそっ! いい加減にしやがれっ!」
シンは叫び声を上げながら、爆風にあおられたウィンダムの体勢を立て直す。
しかし……。
「また来たっ!」
「耳元で騒ぐなっ!」
シッポの叫びに律儀に応えながら、シンはビルの陰から飛び出してきたもう一機のバグゥのビームサーベルを一歩下がってよけた。
もっとも、現状ではそれが精一杯だった。
反撃をしようにも、切りつけて来たバグゥは飛び出してきた勢いのまま別のビル影に入り込み、砲撃をしてきたバグゥも何時の間にか姿を消してしまっている。
それ以前に、周囲の被害を考えると格闘用以外の火器が使えないのが痛い。
「ちっ、厄介だな」
シンは小さく呟くと、大きく距離を取り再度この場からの離脱を開始した。
なんとかジンを撃破したシンであったが、結局はそれが呼び水なってしまった。
シンは知らない事であったが、都市に侵入したテロリストのMSは20機近い。その内1/3は空中でインフィニットジャスティスとドッグファイトに当たっており、残りの1/3は地上から上空へ砲撃を行っていた。
では残りの1/3はというと、好き勝手に都市に攻撃を仕掛けていた。
コーディネーター至上主義者のテロリストはナチュラルを異常なまでに憎む。もともと長い戦争で双方が多大な犠牲を払っているのだから互いに嫌悪するのは無理も無い。それでも同じコーディネーターにとっても理解しがたい情動で動いている者も多い。
もっとも、この点はナチュラルにも今だにブルーコスモスの過激派がいるのだからどっこいだろう。
こういった手合いは、とにかく攻撃的だ。ちょっとした切っ掛と力けさえあれば自らの破滅も省みずナチュラルを殺そうとする。いや、ナチュラルだけではなく自分達と主張を別にするコーディネーターも連中には攻撃対象だ。
ブレイク・ザ・ワールドの主犯であるサトー隊などはその典型であろう。
そういった手合いの拠点に悪名高い歌姫の騎士団のMSが近づいて来たらどうなるか。無論迎撃にあたる者もいるだろうが、中には破れかぶれに都市攻撃に走る者が出てくる。
そして連中にとって、もっとも憎むべき対象の一つが猿真似であるナチュラルが操る連合製のMSであった。
「畜生、連中め考え無しにばかすか撃ちやがって!」
こちらが離脱を開始したとたんに背後のから飛んできた砲撃をかわしながら、もう何度目かわからない悪態をつく。
こちらを追って来るのはバグゥ2機。ビーム砲が乗っかっているあたりは改造機か、ケルベロス型への切り替えの最中の機体かはわからないが、どちらにしろ普通に戦えば慣れない機体であっても勝てる自信がある。
しかし、如何せん此処は街中だ。周囲に人影は無いが、逃げ遅れた人がいないとは限らない。
最も火力の低いだろう迎撃用バルカンですら、人体に当たれば容易に人を血の霧に変える。幸か不幸か、シンはその事を自らの過去の行いの結果として熟知していた。
こんな状況では、MSの火器は使えない。
もっとも、それはこちらの事情であって、テロリストには関係が無い。むしろ、戦闘に巻き込まれて愚かで野蛮なナチュラルが死ぬ事こそ連中には喜びなのだ。
そして周囲の被害など省みぬテロリストの所業に、もともと長くないシンの堪忍袋の緒はあっさり切れた。
「くそっ! いいかげんにしろぉ!」
「まてっ! 何をしようとする民間人!」
突如ウィンダムの足を止めるシンに、准尉が静止の声を上げる。
だが、そんな静止の声を無視してウィンダムは再びビームサーベルを引き抜く。
「ばかっ! 止めるんだ! 民間人の戦闘行為は重罪だぞ!!」
「今更そんな事をいっている場合かっ!」
もう何度目か数えるのも馬鹿馬鹿しい准尉の言葉に、シンは律儀に声を上げる。
「まてっ!」
「これ以上……、ふざけた真似をやらせるかよっ!!」
シンは叫ぶと、ウィンダムを反転させビームサーベルを引き抜く。射撃武器が使えない以上はこれでやるしかない。
もっとも、高速で移動し射撃武器を主兵装とするバグゥタイプとの相性は最悪と言って良い。
とはいえ、これ以上付き合ってもいられない。砲撃で被害が増えるだけだ。
シンの脳裏に、何度となく見てきた理不尽な暴力に巻き込まれる人たちの姿が浮ぶ。
こんな光景を見たくないから、せめて起こる事が仕方ないなら、少しでも止めたくて、助けたくて力を欲したはず。
何度自分は間違えればいいんだ。自分がせめてしっかりしていれば、あの少女は、あの親子は死なずに済んだはず!
なぜ、諦めと忘却に封じられていた、シンをシンたらしめている根源たる思いの封が開いた時、シンの中で何かが弾けた。
「やっぱり野蛮なナチュラルだな! こらえ切れなくなってつっこんできたぜ!」
逃げるのを止めつっこんできたウィンダムの姿を見て、バグゥのパイロットは嘲笑した。
一人が囮になり相手に隙を作らせ、もう一機が物陰などの死角からしとめる。この戦術で彼等は何人ものナチュラルのパイロットを葬ってきた。
普通のパイロットなら1回で、少し腕がたってもものの数分で仕留めてきた。そう考えればこのパイロットはよく持ったほうだ。
しかし、最後がよくない。態々死にに来るようなものだ。まぁ、野蛮なナチュラルの限界なのかもしれない。
男は馬鹿なナチュラルをしとめるべく、バグゥを後退させながらビームの引き金を引く。
もっとも、これは単なる牽制だ。
これで足を止め、僚機の攻撃で確実にしとめる。それが自分たちの戦術だった。
そして、男が意図した通り、ウィンダムは対ビームシールドを構え、バグゥの砲撃を受け止めようとする。
──ばかめ
火砲から放たれたビームはウィンダムのシールドに当たり逸らされ……。
次の瞬間、男の耳に信じられない悲鳴が響いた。
「えっ!?」
男は驚きの声を上げる。今の悲鳴は相棒の声ではなかったか?
それに、通信機から聞こえる砂嵐は何?
いや、あのビルの向うの爆発音は?
男は思わず呆然とする。
そして、ほんの僅かではあったが、それは大きな、致命的な隙だった。
突然襲った大きな揺れに男の意識が操縦に向かう。
何時の間にか接近していたウィンダムに蹴りを入れられ、バグゥが転倒したと気が付いたが、既に時は遅かった。
圧倒的な熱量がコックピットに侵入して、男は苦痛を感じる暇も無くこの世界から消えた。
なんとかサブシートに収まりながら、その信じがたい機動に准尉は怒鳴る事も忘れて絶句した。
この民間人の男は今何をした?
たしか、勝手に戦闘をはじめた事までは覚えている。
そこで自分は文句を言ったはずだ。
すでに、自分が気絶している間に一機撃墜してしまっているので、今更の注意ではある。しかし、民間人に戦闘行為をさせるわけにはいけない。
民間人は綺麗なままでいさせるのが軍人の勤めだから。
だが、その後の機動は何だ?
バグゥに無造作に突っ込んで行った時、この男は戦闘の恐怖に耐え切れず錯乱したのかと思った。実際、目の焦点があっていなかったように思えたからだ。
なんとか操縦桿を取り戻そうと動こうとしたが、男はそんな事をお構い無しに操縦を続けた。
そして、バグゥがビーム砲を向けてきた時、死んだかと思った。至近距離でかわせるわけも無く、さらに敵は二機いたのだ。
そして吐き出されたビーム。その輝きを見たとき、とうとう自分も仲間の下に行くのだと考えた。
しかし、信じられない事がおきた。
この男は、ほんの僅かなシールドの角度調整でビームを防ぐのでも弾くのでもなく、角度を変えて反射させたのだ。
しかも、そのビームをもう一機のバグゥに命中させ撃墜。さらに、その事に動揺したもう一機のバグゥもあっさりと撃破してしまった。
ビームの反射効果は知っているが、それは無駄に流れ弾を産み出して僚機にあたるのを防ぐ為だ。オーブのヤタノカガミあたりなら容易くできる現象だが、それを普通の対ビームシールドでやるなどと言う話は聞いた事が無い。
「お、お前、何者だ……」
自由相手でもやってたからお手の物だわな支援
准尉が擦れ声で黒髪、赤い瞳の男に詰問する。その男がそれに遮るように通信機から聞き覚えのある声が響いた。
「こちらプリンワン、サイ・アーガイル少尉だ。ルーシェ准尉、無事か?」
至近距離からの指向性レーザー通信が入った事を示すパラメーターが表示される。たしかに、上空よりタガーLがこちらに向かってきているのが確認できた。
上官の登場に、反射的に准尉は返答を返す。
「はい、こちらは無事です。アーガイル少尉」
その言葉に、その男は幼さすら感じさせる声を上げた。
「へっ? サイさん? サイさんが何でここに?」
シンの声に、通信機の向うから、二つの声が響いてきた。
「へ? シン、シン・アスカがなんでここに?」
「シン!! なんでお前がこんな所にいるんだっ!!!」
規制喰らったのかな?支援
おひさー支援
ご帰還を心待ちにしてましたよ支援!
規制に負けるな支援!
>>760 最後の行は凸かな?また空気も読まず事情も考慮せず…
…いやそれが凸の、そして19氏クオリティか支援
というわけで、規制に引っかかったり、長期にいなかったくせにお目汚し失礼しました。
パソコンが壊れて全データが死んだり、仕事で忙しかったりしましたが、恥ずかしながら帰ってきました。
さて、この後シンには3つのルートが予測されます。
1、議長の遺産を巡る旅に出る(宝捜しルート)
2、連合逝き(玩具ルート)
3、プラントお持ちかえり(ゲイ・ボルクルート)
よろしければ、また投下させていただければ幸いです。
それでは、失礼します。
あれで終わりだったのか…
相変わらずこの凸はアニメ版を完全再現しててウゼー(褒め言葉)
よろしいも何も、どんどん続けてくださいってば。
しかし第3ルートはなぜそうなるwwwwwwwwwww
>3、プラントお持ちかえり(ゲイ・ボルクルート)
アッー!!
やはり2が妥当。
とりあえず1で
遺産を探して連合と一緒に行動、遺産はプラントに眠るMSインモラルだった!
その意味不明な武装を見て破壊を決意するシン。
しかしその時背後からあの一言が…
『 や ら な い か ? 』
こうですか?
そういえばあのスレでは数少ない阿部さんと互角にやりあえたパイロットかつ被害を免れたノンケなんだよなw
エンガチョやっちゃったけどなw
戦闘中に電話したりしてたけどなw
19氏GJでした!
それにしてもコールサイン・デコスケはウザいなあ(褒め言葉
シンとサイにはなんとか頑張って凸を凹ませて欲しいものです。
>>773 その代わりあの世界屈指の変態の一人だがなw
続きキター!たった最後の1行だってのに相変わらず凸がウザさ全開ですな(褒め言葉
ルートは1と2の合いの子な感じが面白そうな。サイとシンの組み合わせってのも、悪くはないかとw
悪くないというか最初からシンとサイと姉バジ…ゲフンゲフン司令の珍道中になると
期待していたんだ。まあいずれのルートにせよドシドシ続きをどうか。
第3ルートはアッーだけじゃもったいないからニコル母ルートとかホーク姉妹母ルート
とかえ?人妻しかいない?気にするな、俺は気にしない
すげえな、さすが凸だ
わずか一行の介入なのに次の話もややこしくなりそうだな感がプンプンするぜ
しかし、二機を仕留めた手際が華麗過ぎるなw
ニア1、議長の遺産を巡る旅に出る(宝捜しルート)
2、連合逝き(玩具ルート)
3、プラントお持ちかえり(ゲイ・ボルクルート)
ジェスとシッポとしばらく遊んでようぜ
シリアスはサイと司令に任せればいいや
貴様等、19氏の作品におけるゲイ・ボルクなるものが
攻撃用ニュートロンスタンピーダーだという事を忘れとりゃせんか?
俺も今読み返して気づいたばかりだけど><
サイ「准尉、君は年頃の女性として生きたいと思ったことは無いのか?」
ルーシェ「ありません、過去は捨てました。」
つーか19氏も復帰ということは職人が4人もいてssを連載するという
異様なスレになってしまうんだが……。
しかもどの小説も今のところ大きなハズレは特に見当たらないし、改めてこのスレのすごさを思い知ったわ
千和声で再生された
>>779 玩具ってそういう意味か。それなら断固2ルートを支持するぜ!!
19氏、お帰りなさい&GJ!!
使い慣れたインパルスだけではなく、ウィンダムのシールドでもやってのけるとは技量高いな
このスレじゃシンが連合のMSに乗るの結構あるな。
GSCI氏のデスティニーIIも連合ベースだし。
CSAでもウィンダム乗ってたし。達磨にされたけど。
GSCI氏って誰?
ガデッサVSディスティニーU
オレだよ、オレオレ
ちょ、アンタって人はwwwwwwwww
なんだこの流れwwwww思わずオレオレ詐欺で4馬鹿に復讐するセコイシンが思い浮かんだじゃねーかwwwwwww
でも世間知らずだから案外引っかかりそうな気もする。>ラクシズ首脳
>>794 それ以前に、詐欺にあった事に気付かない気がするんだが……
スレ初期からだとGSCI氏の方が言い慣れてたのでなんとなく時間の流れを感じた
凸なんか「俺俺、ニコルだよ」とか言ったら振り込んじゃいそうだよな。
>>798 さすがに『俺』言うニコルはバレるんじゃね
>>798 そこはフレイにしとくべきだろスペエディ的に考えて
>>799 それでも凸なら………便利なオチ要員、凸ならやってくれる………!
ニコル「俺俺、ニコルだよ」
凸「ニコルは俺って言わないんじゃ・・・」
ニコル「あれからずっと意識不明で起きた時に名前以外の全部を忘れてたんだ。
医療費が払えないから困ってたら病院の人が凸に連絡取れば?って・・・」
医師役「実はこれこれこういう事情で・・・」
凸程度の馬鹿なら、これくらいでコロっと騙されてくれるに違いない
本人役と警察役に分かれて騙そうとする最近の俺俺詐欺の巧妙さから考えて
>>803 騙されはするが隠者で無理矢理迎えに来られて成功しなさそうw
一度信じ込んだら本人が否定しようが聞き入れなさそうだなw
「いや、ホントに違うんですってば」
「まだ記憶が戻らないのか?とりあえずプラントへ帰ろう」
「たーすーけーてー」
そういえばニコルの両親はあれからどうなったんだろ?
父親はニコル死亡後に自由・正義・天帝の製作に関わったけど、自由と正義を奪われて自殺したんだっけ
最初はそういう設定だったんだが、種死後のドラマCDで無かった事にされた>ニコル父の自殺
ちなみに、そのドラマCDの内容は戦後アマルフィ家に訪れた凸に対して、ニコル父が感謝しながらニコルのピアノ演奏を収録したCDを渡すというトチ狂った内容だった
工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工
嘘だろ!承太(ry
シンの両親殺害の件といい、何でこうも設定がくるくる変わるんだこのアニメ orz
……いえね、ニコルネタでつい、とても一児の母とは思えないニコルママンを思いだして
種死後に一人寂しく暮らすニコルママンと全てを失って酒びたり状態のシンが出会い
擬似親子関係を築く、爛れたSSとかどうだろうかと思いついちゃって、ふふ・・・不覚にも「勃起」してしまいましてね・・
今更だが、ホントに何が正しいのか分からん作品だな
まぁ、そのおかげで色んな解釈が出来るわけだが
それは本気で読んでみたいな。戦闘シーンとか抜きでも。
まあ初期設定でなら家族(両親と妹、夫と息子)をキラに殺されてるという共通点があるから
凄く相性が良さそうではある
擬似親子がいつしか本当の親子のようになるハートウォーミングなSSも書けそうだし
シンがニコルママンの為にラクシズ皆殺しとか、逆にニコルママンがシンを篭絡してラクシズ皆殺しとかの
欝っぽいSSのネタにもできそうだ
プラントの片隅で世間と交わる事もなく静かにハートウォーミングに絆が深まった所で
不穏分子狩りでママン殺害、しかも罪をなすりつけられたシンがリベンジャー化ですね。
わかります
むしろレイがアマルフィ家に養子に出されてたら良いんじゃないかね
親とかピアノとか
正直、後付設定まで全部追っかけてるととても二次創作なんか書けません。
割り切れよ、出ないと詰むぜ? って感じです。(´Д`)
こんな感じかな?
長く続いた戦争で一人息子を無くし、夫も開発をしていた新兵器が強奪された事を悔やみ、自ら命を絶ってしまった。
婦人に残されたのは、広すぎる家と財産だけであった。
うがった見方をする者は婦人を幸運だと言った。
プラントの英雄に祭り上げられた息子の保証と、兵器強奪からなる一連のプラントの闇を隠す口実の口止め料、それに評議員だった夫が残した莫大な遺産が、莫大な財産が転がり込んだからだ。
まだ若い婦人が遊んで暮らすには十分すぎるほどの財産だ。なるほど、家族を失った悲劇の女性の逸話は、見方を変えれば若くして莫大な財産を得た幸運な女性の物語とも言える。
だが、この話をした者たちは一つ、最も重要な事を忘れていた。
婦人が、この事に対しどう思っていたかだ。
婦人が感じていたのは、底が無い絶望だ。
彼女は、重職についているとは思えないほどの優しくて今一頼りない、学者上りの夫を心の底から愛していた。やはり線が細いが、音楽を愛し誰に対しても優しく接する一人息子を何より大切にしていた。
そんな女性が、その全てを一瞬で奪われたのだ。
それがどれだけの絶望であろう。
しかも、息子を奪った男はプラントの裏切り者の手引きで夫が開発した新兵器を奪い、夫を自殺に追い込んだプラントの裏切り者は今やプラントの英雄だ。
こんな事なら知らなければよかった。
夫の死後、謝罪に来たパトリック・ザラは涙ながらに夫の墓前に頭を下げ全てを話してくれた。
彼に対しても思わないことが無いわけではなかったが、それでも謝りにきてくれた指導者を恨む気にはなれなかった。
いや、それを言うならプラントの裏切り者のラクス・クラインも、あのキラとか言う子供も、ザラの息子も、恨む気にはなれなかった。
それよりも何よりも、喪失感が大きすぎた。
そんな時だった。
路地の片隅で蹲った、赤い瞳の子供と出会ったのは……。
「君、大丈夫?」
婦人は気まぐれに少年に声をかけた。
少年が億劫そうに少しだけ顔を上げる。綺麗な赤い瞳だ、ただ、今の少年の瞳は暗く濁っていた。
少年は夫人の顔をちらりとだけ見ると、直ぐにまたうつむいてしまう。
そんな少年に、婦人は慌ててもう一度声をかける。そういえば、このあたりは地上からの難民が流れてきて治安が悪いとか……。よく見れば、この少年は殴られたかのよう跡が無いか? 顔のあちこちが腫れていないか?
「君、どうしたの、大丈夫。お医者さんを呼ぼうか?」
なぜ、こんなにも親身になって少年に関わろうとしたのか。後になっても婦人にはわからない。あるいは、何らかのシンパシーを感じていたのかもしれない。
そんな婦人に、少年が普通なら旗鼓取れないほどの小さな声を漏らす。
「携帯が……、無いんだ」
「携帯?」
「マユの携帯が……、マユの携帯が……、マユの形見なのに……」
よく見れば、少年の手には携帯のストラップらしき物があった。だが、それは無残にも引きちぎられており、あるべき携帯端末は無かった。
聡明な婦人は、この少年の身に何があったか薄々ではあるが推測できた。
おそらくは、この少年は物取りにあったのであろう。
マユというのがこの少年とどのような関係化はわからない、ただ、大切な人だったのだろう。
そして、その人がこの世にもういない事も……。
ふいに、まったく姿形が違うというのに、少年と死んだ息子の姿が重なった。
それが……
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
すいません、突発ではこれが限界だし、シンが復讐してないっ!w
ワッフルワッフル×∞!!!!!!!!
わっふるわっふる
わっふるわっふる!!!
はっ・・・・19氏が忙しくなりすぎるとあのむかつくデコに会えなくなるのか?
なんたるジレンマ・・・
>>816 俺の妄想を文章にしてくれたあんたは神様だよ!!
一生ついていくぜ!
わっふるわっふる・・・だが、スレチなんだよなぁ
ホントこのスレは創作意欲に満ちあふれた職人さんばかりだw
大丈夫さー
19氏ならデスマ並のペースで仕上げてくれるさー♪
どうも何時もお世話になってます。
話の続きを書いている途中で少し気になった所がありまして、質問させていただきたいのですがよろしいでしょうか?
上で自由正義の開発者がニコルの父親と言う話がありましたが、インパルス、デスティニーの開発者についてどなたかご存知の方はいませんでしょうか?
ヴェルヌ設計局で設計されたとか、コートニー・ヒエロニムスが設計に関わっていたとか、議長が一枚噛んでいたとか言う話を聞いた事があるのですが手持ちの資料では確認出来ず、どうもはっきりしません。
どなたかご存知の方がいらしたら教えていただけたら幸いです。
ワッフルワッフル。
ニコル関連と言うだけで凸への復讐になっている気がするぜ。
>>822 さりとてアフター物としてリライトした場合、二十歳寸前のやさぐれシンが妙齢の美しい未亡人と
絡むというロ○ンポルノになってしまうしな
>>824 インパルスはコートニーが絡んでいますが、議長はそれをシンに任せる決定をしただけだったかと。
デスティニーについては議長が設計開発にまで干渉したという話もあります。理由は解りませんが
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル(ry
ん? 何、スレ違いだって?
逆に考えるんだ。むしろ本編のフリーダムに逆襲する流れにすれば良いやと考えるんだ
>>824 インパルスもデスティニーも直接の開発者は不明
コートニーはデスティニーインパルスの起動テストに係わっている
あとニコル父は自由正義の開発者ではなく、NJCの開発者
>>816-817 ごく短編でいいから続きを…と思いつつも、それこそほのぼの読切のはずが
感想予想レスの結果地獄の復讐譚に延長された例もあるしwktk
しかし時ならぬロミナママンプチ祭りに加えて、昨夜から現役職人諸兄が
相次いで登場とは実に壮観ではないか前田殿。
これだけ集まって十年頑張れば天下も取れるぞ、そうは思わぬか。
>>830 つまり、ロミマママンの財産&人脈を元に、ラクシズ皆殺し&オーブ滅亡で
シンウハウハな「痛快娯楽復讐劇」もありと
「あーもりー一刻」なるタイトルが一瞬脳裏を
隣の部屋には職業不明・年齢不詳・趣味のぞき及びたかりの兄弟が…
>>830 どこの傾奇者だw
だがこのスレが職人氏と良作が多いスレだという事は疑うまでもない
んで懐かしくなったんでGSCIの第一話読んでみたんだが
シンとルナの再会シーンで
>「シン、楽しく生きよ。楽しく……ね?」
>そして、最後のルナマリアの鼻声が、酒に酔ったからではない事も解った。
あの時は思わなかったんだけど、これって
『どうせ自分達がどんなに頑張ったところで報われはしないんだ。』と諦めちゃったってことだろうな
嫌な思い出を全て忘れるために、シンと別れ軍もやめて当時の関係者(妹も含めて)との縁をスッパリ切っちゃった
(だけどわざわざ居場所を調べたんだから未練がないわけじゃないんだろう)
だからエミュ子騒動の後の補佐官統治のプラントでは軍に復帰してもおかしくない
少なくとも妹みたいにシンのせいで云々とは考えないだろうと今更ながら思う
(まああの騒動で死んでる可能性も高いんだが)
19氏著 「淫猥ピアニスト魔辱の童貞狩り」
フランス書院文庫自重
>>835 貴様そのタイトルだとロミナさんがただの淫乱で終わってしまうじゃないか
互いに痛いところを癒し合うのが良いんじゃないか
わざわざフランス書院のHPにまで行ってタイトルを探してきた
「寝室の罪人 隣りの未亡人」
「未亡人ロミナ 淫虐の虜囚」
「未亡人比べ」
「淫獄の館 未亡人と美少女」
…おかしいな
ロミナさんがただの淫乱ではなくなったけど、今度は逆にシンがただのヤリチンになったぞ?
840 :
616:2009/02/20(金) 17:15:32 ID:???
その空間に、嵐が起こっていた。
圧倒的な暴力に、その空間に存在していた全てが無力な木々のように抗うことを許されず、根扱ぎにされていく。
それが通り過ぎた後には、木片の一欠けらほどが無惨に漂っているのみ。
否、それは無力な木々ではない。
空間は宇宙であり、引き裂かれる者達は鋼で出来ていた。
木片はそれらの残骸であり、哀れな搭乗者達の死骸であった。
それを行った者もまた、嵐などでは無い。
漆黒に染まったそれが動くたびにザクが、グフが、戦艦がズタズタになり、大輪の華を咲かせていく。
『来るなァッ! 来る――』
また一つ、断末魔を遮って宇宙に爆光が閃く。
それを背景にして浮かび上がった影―巨大な翼を背負った―に向け、数十条の閃光が奔り、それを貫いた。
全身を幾重にも穿たれたそれが爆裂し、一際大きな光球となって消滅する。
『ざまあ見やがれ! 野蛮なナチュラルが調子にの――』
乗るからだ、と続けようとしたグフの白服パイロットの腹から、真紅の刃が飛び出す。
へ?と状況を理解できずに疑問符を浮かべ、そのまま微塵も残さずに蒸発した。
それに気づかない彼の部下達――安堵の溜息を付いたザフトのパイロット達がそれを見るのと、隊長機が爆散するのは同時だった。
彼らは見た。粉微塵に弾けた隊長機の影から赤い光を纏った黒い機体が出現し、自分達に向かってくるのを。
ある者は絶叫を上げながら機体を方向転換させ逃げ出し、ある者はビームアックスを抜いてそれに襲い掛かった。
が、襲い掛かった者は瞬時に手足を引き千切られ、注ぎ込まれた何かに全身を泡立たせて壊死し、
逃げ出した者は意思が在る様な軌跡を描く刃に八つ裂かれ、四散した。
841 :
616:2009/02/20(金) 17:16:07 ID:???
最後まで生き残ったザクの搭乗者――彼は、熱心なクライン派だった。
だから、その瞬間もラクス・クラインとキラ・ヤマトに祈った。熱心な信奉者(ファン)は救われる。その言葉を信じて。
それが、彼らプラントのコーディネーターが野蛮だと切り捨てた行為とほぼ同一だと気づかないまま。
「おお、天に益します我らが歌姫(ラクス様)よ、軍神(キラ様)よ、我を救いたまえ――」
『残念ながら、救いは無い』
凍て付きながらも何処かあどけなさを残した声に彼が目を開くと、眼前のディスプレイに真紅の双眼が映りこんでいた。
これは、死神かと叫ぶ寸前コクピットを貫いた閃光に、彼は蒸発した。
「アマ……じゃなくてマスター。終りましたよ」
嵐――漆黒のデスティニーのコクピットで、機体の目と同じ色をした瞳を持った少年が、誰かに話しかける。
十数機のモビルスーツの残骸が漂う空間。それをモニターで眺める女が居た。
豊かな薄緑の髪を無造作に伸ばし、とてもではないがかつて一児の母だった等とは思えない
その熟れた肢体をリクライニングシートに預けた女。
『アマ……じゃなくてマスター。終りましたよ』
モニターの右下にウィンドゥが開き、少年の声が伝わってくる。
それを聞いた女が、僅かに口元を吊り上げる。
「お疲れさま、アスカ君……帰投してくれる?」
『了解です、マスター』
その言葉と共にウィンドゥが閉じ、同時にモニターからも光が消える。
そのモニターを見つめながら、女は思考する。
あの少年と自分の類似性に。
自分も少年も、あの者達によって全てを奪われた。
自分は歌姫達に愛した夫と息子を奪われ、少年は英雄に家族と親友、恩人を奪われた。
自分達から全てを奪いながら、あの者たちは英雄として祭り上げられ、全世界の人間から称えられている。
こんな不条理。認められるわけも無い。
だから――
「世界が彼らを裁かないのなら、私達が裁いてあげるのよ……ね、あなた、ニコル、あと少しだから……」
足元の非常灯以外の明かりが落ちた闇の中で、女――ロミナ・アマルフィは歪んだ笑みを浮かべた。
842 :
616:2009/02/20(金) 17:17:10 ID:???
以上で。単発です。
バレンタインネタの方ですか、投下乙です
しかし何でマスターなんだろ?
個人的には『マム』とか『義母(かあ)さん』の方がいいな
俺、マジでこのスレ大好きだ。
ミストレスだろうjk
なんだこのロミナママ祭りwwwwwww
このスレの職人はみんなノリがよすぎる
逆襲のシン&ロミナなら、衣装デザインは「ジェイデッカー」の
フォルツォイク母子の流用が似合うと思う。
ハイ!
逆襲のシン&ロミナの漫画化は
是非ともみやびつづる先生にお願いしたいです!!
飛竜乱や影狼も捨て難い
やれやれムチムチな熟女好きがこれ程多いとはな
アズ娘やミナ様のように身体にメリハリが無いヒロインでは、スレ住人が欲求不満に(ry
馬鹿野郎!
ミナ様はメリハリあるだろうが!!
固いけどぅべらっちゃ!!!
(<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) も ム た
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、 い チ ま
~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,) い ム に
、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ よ チ は
`V::::::::::::::::::::、_γ `ヾ,_ < ね 熟
l::::::::::::::::::::::く( γ⌒ヽ )> く, ! 女
〜v,ん:::::::::::::::´:::::::=; ,=ニ `/l/!/⌒Y
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ===イ ´::::゙:::::::::::::::::::::::::::::::
、m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
´ " ~ ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
いやホントたまにはいいよね熟女ヒロインも……ほら話に深みがでてくるしさ
……決して俺の趣味じゃないよ、いや、ホント
>>854 禿同、やっぱり納豆は卵ご飯に入れるのがいいよな
納豆なんて人類の食べ物じゃないだろJK
宇治金時丼でも食べてなさいな。
>>843 >>846 お互いに親子と呼び合ってもよさそうなところ、二人とも互いの喪われた
実の家族に遠慮してしまって素直に呼び合えない…て解釈はどうよ。
>>850-851 近年の名人なら成田香車も忘れちゃいかん
しかし思えば「復讐の女神ロミナ」というのは大いにありえる話なのに
案外今まで無かったもんだねえ。
境遇を考えるとシンとのシンクロ率の高さも結構なもんだし。
何より抉れガリでもなけりゃ鋼鉄マッチョでもない、バランスの取れた
美貌とプロポーションといっtうわまてけさまらなにおするよってたかっ―――
『……焼け跡から発見された身元判別不明の遺体はその後の検死の結果
死因は焼死ではなくそれ以前の激しい拷問によるものと診断され………』
しそ昆布とカイワレと納豆を和えてご飯に乗せると無敵
凸へのオレオレ詐欺から発展したとは思えんなw
今日の晩飯は納豆ご飯だぜ
なんで急に飯の友の話題にシフトしてるんだw
リョナ板に習いオリキャラ達を納豆責めやトリモチ責めにする大祭の始まりか?
納豆責め……
僕らの盟主王こと嵐の盟主が銀の翼に望みを乗せて颯爽と駆けつけてくれそうな
なるほど、今の流れを総合すると
シン、終戦後何もかも失って野垂れ死にかける
↓
ロミナママンに拾われて栄養価の高い食事を強要される
という事でいいんだな?
>栄養価の高い食事を強要される
亜鉛や鉄分がたっぷり含まれた食事ですね、わかります
いかにノリが良くフットワークも軽く、脱線しかけた話題をもたちまち
SSに仕立て上げてしまうここの職人各位とはいえ、さすがに納豆で
逆襲する噺は書けるだろうか……いや書けまい(反語挑発)
チョコの代わりに納豆カノンを積んだディスティニーが暴れまわる話しか見えんよ
つい先日チョコで逆襲する話が投下されたのをお忘れか
でも背中から引っ張った砲身で納豆撒く運命は見たくないぞwww
シンの砲身で納豆撒くのは見たくないぞ
シンの股間の砲身で
粘液をロミナママンに蒔くと
蒔かれた粘液は種となり、そして芽吹く。
よし!晩飯は納豆だ!と思ったら納豆が無かった……
納豆なんてコンビニでも売ってるだろJK
プラントの守護者たるZAFTは今、壊滅の危機に瀕していた。
とは言う物の、別に他国との戦争が起きた訳でも無ければ、
内紛が起きたという訳でも無い。理由は単なる人手不足だった。
「あんなの人の食うもんじゃあないね。非グゥレイトォ!!」
「あんな物を食べたら匂いが残ってしまうではないか!!それでは……その、シホとだな……」
「コーヒーのレシピにも使えそうにないね」
ZAFTの中枢にいた者達まで遠慮なく辞めて行くこの状況に、
現状に安心しきった将兵が「じゃあオレも」「オレもオレも」と
容赦なく転職していった結果、国防力は4割以上低下してしまった。
これは不味いと、幕僚が進言をしても彼らのトップは
「戦いを辞めても良いのです」
「これ、美味しいのに……」
などとしか言わず、止めようともしない。
そんな、国を傾けるような状況を作り出したのは、
1つの食べ物。それも、東洋やオーブに伝わるという納豆と呼ばれる物だった。
何故かは判らないが、ZAFTで支給されるレーションの全てが納豆に摩り替えられ、
あまりにも量が多すぎたため、ZAFT関連の施設やら艦やらでの食事全てが納豆尽くしに
されるという状況になってしまったのだ。そして、その余りにも癖の強い匂いが多くの兵の
顰蹙を買い、ドミノ倒しのように次々と人が抜けて行った。
「ええ、大成功ですよ。勿論の次のプラント輸送予定の食料も全てすり替え済みです」
『ご苦労様です。でも、本当にこんな事が成功するなんて……』
「そりゃ成功もしますよ。だって……今プラントにいるコーディネーターなんて馬鹿ばっかりですから」
結局の所、アイドルの言葉程度で裏切りが続出するような連中の民度が高いなどとはお世辞にも
言えないと言う事である。
『そうね……今更どうでもいい事だけど……』
「ええ、どうでもいい事です。とりあえず、仕事も終わったんで足の付かない内に戻りますよ」
『楽しみに待ってるわ。精の付くもの、たっぷり用意しておきますから』
こうして、金持ち未亡人と負け犬の復讐は終わった。
納豆SUGEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!
ZAFTに納豆を撒いて、ロミナに種を蒔く……か。
そして幸せそうに暮らすシンとロミナ。
そして二人の愛の結晶。
双子のニコルとマユ・・・とか。
>>826>>829 ご返答有り難うございます。
やはりインパルス、デスティニーの設計者は不明ですか。
メーカーとか設計局は設定してるのに……痒いところに手が届かないと言うか何というか
>>868 シン「カーカカッカっ! プラントの水源に納豆をぶち込んで飲み水を納豆臭く、シャワーをぬるぬるにしてやるぜ!」
ルナマリア「食べ物を粗末にするな!」
と言う話を五秒で思い付いたんだが……畜生、出先でなければ熟女納豆祭りに参加出来たのに!
>>882 逆に考えるんだ。〜〜ではないとも明言されてないんだから、自分が自由に決められると考えるんだ。
>>882 なぜ悪魔超人笑い…いや鉄鍋のジャン!か?
>>882 >熟女納豆祭り
無駄にエロイ言い方しないでくれwwwwwwwwwww
>>882 帰宅されてからでいいですから是非参戦をw
続きを書いてみた。
偶然に出会いほんの少しだけ、家族を失った二人は傷の舐めあいのように一緒に暮らした少年は、死んだ息子と同じように自分を守りたいとザフトに志願した。
泣いて止めた。すがりついた。
ほんのわずかな暮らしの中で、彼女の中で、少年の存在は死んだ息子の次ぎくらいに大きくなっていたのだ。
でも、少年の決意は固くて、結局は息子と同様に彼を止めることができなかった。
初めのうちは、彼からよく手紙が来た。
同室の金髪が無愛想だとか、チームを組んだ赤毛が射撃が下手だとか、少し物騒だけど、ありふれた少年らしい内容が多かった。
赤服になれそうだと、書いてあった。
彼女の心臓は張り裂けそうになった。死んだ息子も、赤服だったから。
身体に気をつけて、そう書いた。それしか書けなかった。
コーディネーターだった彼女も無心論者だったが、その時初めて神に祈った。
もう、これ以上息子を、連れて行かないで。
少年は任官し、新型機のパイロットに選ばれた。
それからだ、少しずつおかしくなっていったのは。
アーモリーワンの襲撃、出航するミネルバ、ブレイクザワールド。
そして再び始まる戦争……。
徐々にだが、少年から手紙が来る間隔が長くなった。
戦地だから仕方ない、それは確かにそうだろう。だが、それ以上に少年が心配だった。
新しい上司と上手く行ってないんじゃないか、一人で危険な作戦に従事させられているんじゃないか。あの優しい子が、誰かを守りたいと願った子供がその願いを叶えられなくて慟哭しているんじゃないか。
そして、やがて手紙が来なくなり。
それからしばらく後、デュランダル議長がラクス・クラインに討たれたのは。
その少年が戦地から帰ってきた。
少年はしぶとく戦地で生き延びていた。すこし頬に切り傷が残っているが、五体満足で無事に帰ってきてくれたのだ。
「おかえりなさい……」
「ただいま帰りました……、って、抱きつかないでくださいよ!」
少年が赤くなって悲鳴を上げるが、それよりも喜びが大きかった。
亡き夫と息子に悪いだろうかと一瞬考えたが、その考えこそ二人に対する侮辱だと思った。あの二人なら、少年の帰還を祝福してくれるはずだ。
せめて、少年の無事を祝っても、良いはずだ。
でも、その考えは少し甘かった。
異変は夜に起こった。
少年が泊まっている寝室で、獣のような悲鳴が聞こえた。
彼女は何事かと、少年の寝室に向かう。
そこには、闇を恐れ小動物のように震える赤い瞳の少年の姿があった。
確かに身体は無事であった。後に残るような、障害を残すような傷は一つも無い。
でも、心はもうボロボロだった。
常に激戦区を戦い、戦場で出会った心通わせた少女を助けることも出来ず、上司は裏切り、裏切りの上司はこの手にかけた。無二の戦友は逝ってしまい、少しだけ心通わせた同僚は土壇場で裏切り、最後に裏切りの上司に討たれた。
そして、捨てた母国での負け犬の誓い。
結局は、戦争は少年からまたすべてを奪って行ったのだ。
彼女は、震える少年の手を握り一つずつ、根気強く少年の懺悔を聞いていった。
そして、今度こそ怒りと悲しみを覚えた。
それが兵士の務めだといえばそれまでだ。
だが、なぜこの少年は苦しんでいるのに、裏切りの男や簒奪者が天井人と扱われるのだ。
死んでいった者の思いを叶えられないことの無力さに、少年は苦しんでいる。それを感じるべき連中は、のうのうと笑みを浮かべ、自らが平和と自由を皆に齎したと喧伝しているのだ。
だが、それが世界の理かもしれない。
結局は力ある者のみが主張できるのだ。
彼女は、震える少年をそっと優しく抱きしめた。そしてその影が一つとなり寝台の上に……
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
という訳で続きを書いてみた。
三( ・⊃・)逃亡!!
わ、わっふる!わっふる!!!!!!
>>889 ニガサン(・∀・)つ<(;・⊃・)!!
彼女の中で、少年の××は死んだ息子の次ぎくらいに大きくなっていたのだ。
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふる!わっふる!
⊂彡
しゃー!!わっふる!わっふる!!×100
>>891 そのまま確保だw
流石にこれ以上はヤバい、ヤバいのは分かるけど……読みたいなぁ
お手数を掛ける事になるけどエロ部分だけどっかのアプロダにうpとか
というわけでわっふる!わっふる!
_, ,_ パーン
( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´) わっふる!
斧なんかがフリーだし便利だよね
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル(ry
これはいいワッフルスレ
9時以降の間食は肥満の元だがワッフル焼いて食べたくなってきたぜ
エロパロスレでもいいんじゃないかワッフルワッフル
{.! !!l },
',V ' { '、
_,,r7 __ } ノ,ゝ }
////.// { /_j
ノ//./// r'"´ }
/ ',/ 〃/ ,,.. l , - 、l
, '´__ , 'ノ / └「 l'′
/ - ''´/ l !
. / / | .l
/ ,-‐ '''´ | l ,.-‐'''''''''''''''''''− ,,_
/ , ' l ', / `ヽ、
. / / | ', , ' ., .,. .,ィ. . . 丶
/ . / | l / . : :.::l;.. .:/!../_l:.:/!: ,イ:::. 、 ',
./. / { ', /, ::.. ::ト、i;:i_'、:{ l/´ィ''7テミ〃::::::l. l
' / ヽ \ '´l:. \::l'´,=;ミ` ´ゞ- ' j :::i;:! l
. / ヽ、 \ '、l;::::ヾ´ゞソ ' 〃 ::!}::.l
. / ,. -‐'''" ̄ ̄ ̄ >' ヽト、 \ ``-;::ゝ `,...._ / ! .::i;:l'::';{
. / ,.-''´ ,.- '´ _ / } \_ /ィ:ヽ `ー'′ 〃:/リ:::::l
. / ,.-''´ _,/ ,.-‐ ''´__ ノ\ ` ト、/!.:::∧ .、 / !/-‐i:ト;l
. / _r' .:/ /イ,.-‐ T:. \ ', l::入 ヽ::T '''"´ / ト!`
. / / , - .:: .:/ ´ l:::./ ヽ丶 ヽ ! l/ `, '┴、 '、 ノ'
. / /'´, ' .:l. .:l、.::/ , -――/イl j: l:. ', 丶 ! {二_ ソ-、 , -‐}ゝ 、
.ヽ /.:/ .::. :.. .:::l、. ::',∨ '´ ,-r‐;=;ミ、j: :/:: . .;: l::. ト. lj j_ニ7、 // `ヽ、
\ l/j : ::::\:::トl-`‐丶 イ_ノ_」_ ゙ソノj:::: : .ル':::::. l::ト.∧ と/__ヽ、ヽ //
\ { : :. :::::::i``,,=;ミ "´ ''´ /::;ィ'´:::トヽ:::. !:l| \. /、‐-、 ',.丶 //
. \、_ト、 l :::.:...::::::'、,八ノ_ソ ' /‐''/ ::::::! ノ::: |::l ! `〈ト、` ',ヽ '/
\ヽヾ.:::l::::::::::::ヽ ̄ 丶 , '/ : ::!l'::::: l::Y //、', ∧l|
.、 ヽヽヽ\:ト、ヽ\_ ,ニ -‐ 、 /〃 : :::l;:!:::: l::::'、 .〈/ `ト、ノ }j, l
\ _ノ `゙ヽ`::::ノ`ヾ` ∨ ̄ 7 /// ::::!;';::: : !::::::', l} ノ \. //
\ {「 ̄ ̄`ヽl/ ::丶、 丶.ノ //ィ ::::l::ヽ::.:.l:::::::::', } ̄ ヽ \ l. /
\ "} ,.- ''´ .::::::::/:::`丶、 ̄ ,イ// .::::::j::::::ヽ:.l::::::::::', { ト、 丶{_
`rv'-‐'ィ ´ .:::::::; イ::::::::::::::::`−r'´ l!/ .: .:::::/::::::::::::.',::::::::::l | | \ 丶
, _', ィ,´ ´ . .:::::::/ `'''ー‐ァ- 、_} / . .::..::::::::/l:::::::::::::::.',::::::〈
/´ `y' .:: .::::::/{ メ_ ノ /.:/.:::::/::ノ ヽ::::::::::::::',::::::/- ニ
_/.:: .: ....::::::/___,ゝ‐-、 〃 `丶、/.:/.:::://__ ` rr、:::::'、/___
---‐''´/..::::::...::::::;::/ニ-‐7 ̄`ヽ∨ /:;イ::::;〃 〃 `゙'''''- 、`丶
 ̄ , '´/:::::::::::; ィ// _ -jニニ 、ノ {:/ !::// 〃 ヽ
わっふる!わっふる!わっふーる!
19氏ノリ良すぎwいいぞもっとやれ
ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!
>>892 ムスコだけにな!ニコルと相姦済みかよwwロミナママンさすがだな
つーかシンよりニコルの方が立派だったんだね( ´_ゝ`)
>>903 貴様は粛清する
ロミナさんをどんだけ人の道外れた淫乱にしたいんだよ
ってことでおぜうさまー、こいつが平面って言ってましたよー
平面アズラエルTシャツ 根性根性 ど根性!
>>905 なるほど、ピョ○吉のように真っ平になりたいと・・・
俺はみなタマの馬になりたいぜ!
連合宇宙軍発足以来これほどワッフルワッフルが通信回線を埋め尽くした事はなく、
女性オペレーターは真っ赤になって自重するよう発信したが無駄であったとか。
息子と夫を失った未亡人、恐らくまだ30代
本編描写が少なすぎるが、ニコルのオカンと言うことから性格は予想できる
コーディだから美人、恐らくスタイルもよろしい、セレブ
中の人は水守さんで、彩峰で、カルディナで、くのいちな永島のゆっぴー
何というスペック。予想だにしないとこにダークホースが……
俺達はなんという逸材を見逃していたのだ・・・・・・・
ロミナとシンの話どっかで読んだことあるな
と思ったらなのはクロススレだった
なんと、倉庫にはまとめられてるかな?
どんだけワッフル好きなんですかw
プラントにも人口的ではあるが朝はある。
遮光カーテンの隙間からうっすらと入り込む朝日に、彼女は目覚めた。
まず、気が付いたのは一糸纏わぬ姿でシーツに包まっていた自分の姿だ。そして次ぎに隣で穏やかな寝息を立てる同じく一糸纏わぬ姿のたくましい少年の姿を視界に納めた。
その瞬間、彼女の脳裏に昨晩の情事が詳細まで思い出される。
あああ、自分はなんて事を! 息子よりも年下の少年とあんな事を!
彼女は顔を真っ赤に染め、その両手を頬に当てた。本当なら転がりまわって恥ずかしがりたい所だが、そんな事をすれば少年が眼を覚ましてしまう。
まるで乙女のようなしぐさで、ひとしきり恥ずかしがり、でもここで自分が動揺していたら少年は責任を感じてしまうだろうと思い直した。
自分は大人だ。なんでもないように振舞わなければ。
彼女は深呼吸をして気分を何とか落ち着かせ、少年の目覚めをそのままの姿勢で待った。
そして、少年はそれほど時を待たずして眼を覚ました。
「おはよう」
「あ、おはようございます……、って、ええええええっ!?」
自分の格好と、彼女の姿に、少年は半ばパニックを起し叫ぶ。
そのパニックのおかげで、逆に彼女は冷静になっていった。微笑を浮かべ、少年をからかえるぐらいに。
「くすっ。こんなおばさんとじゃ嫌だったかしら」
「い、いえ、お、おばさんだなんてそんなことはありません!!」
普段よりも丁寧な敬語で話す少年に、彼女は可愛さと愛しさを感じる。
結局、コーディネーターと言っても、所詮は人なのだ。言葉を交わし、肌を合わせなければわからないことが、癒せないものがあるのだ。
昨日の彼よりも、ほんの少しだけ何かが晴れた様子の少年を、彼女は少年をそっと抱きよせる。そして、前々から考えたことを思わず口にする。
「ねえ。よかったらこれから一緒に住まない?」
「えっ、そ、それはっ!?」
「え、あ、いや、その、そういう意味じゃなくて」
だが、この状況でそれを言うのは、そーいう意味に聞こえるわけで。でもそういった意図はなく。
二人は、互いに思わず慌てて、そしてどちらからとも無く笑うのだった。
「危険ですね……」
暗い部屋の一室で、黒いスーツ姿の男の報告を聞いたその男は、静かにつぶやいた。
NJCを開発した男の未亡人と、最高のコーディネーターを撃墜した少年。
この二人に繋がりがあったことは戦前より報告はあった。もっとも、そのときは孤児が一人、要注意人物の元に転がり込んだ程度の話であり、大して注意を払ってはいなかった。
まさかこの時は、少年が最強のパイロットになるなどとは夢にも思わなかったからだ。
だが、少年は最強のパイロットとなり、傷ついた少年は彼女との繋がりを強くしてしまった。
これは危険な兆候だ。
どちらも同じ人物に恨みを持ち、力と財力を双方足りない部分を持っている。
一度牙を剥けば、災厄となるのは間違いないだろう。
「危険ですね……」
男はもう一度同じ言葉をつぶやく。
ラクス様は、少年は改心した、自分達の同士として力を貸してくれる、平和を守るのに力を貸してくれると嬉しそうに話していた。
恐らくは、本当に協力を約束したのだろう。
あの方に悪意は無い。
無限の善意があるだけだ。
だからこそ、彼女が危険に晒されることを極限まで減らさなければならない。
自分は、以前より影となって動いてきたのだ。
今度も、同じように動く。ただそれだけだ。
「この二人の処分をお願いします」
男は黒服にそう命じる。
男達は一礼すると、忠実にその任務を果たすべく部屋から退出していった。
「これで良いのです……」
ラクス様は悲しむでしょうが、これこそが最善の方法なのです。
そう、SEEDを持つ者が世界を救うためには、仕方が無いことなのです。
数ヶ月後、プラントのある町で一軒の火災が起きる。
その家には元評議員の未亡人と彼女が引き取った孤児が一人住んでいたが、その事は新聞にすら乗ることは無かった。
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
ワッフルが多いので追加してみた。
でも、エロは苦手なんでまだ書いてない。
三( ・⊃・)逃亡!!
>>914 ダカラニガサントイッテルテルダロ(・∀・)つ<(;・⊃・)
ウアアアアーーーーーッ何故戦ウ!何故殺ス!
何故ソットシテオイテクレナインダァーーーーーッ!!!!!
やはり19氏だ…ラクシズのギギギさがハンパねぇ、
しかしワッフルは続けるぜ!
某スレ(なのはじゃない方)といい、ニコルママンここまでエrもとい、いいキャラだとは………!
こうしてまたこのスレのヒロインが一人増えたのか………
というわけでワッフルワッフr(ry
>>916 なに発動させて宇宙を吹っ飛ばす気だww
でもシンには似合うよね、こういうセリフ。
ワッフルワッフル
ロミナママンと二人手を取り合いながらの逆襲行脚になりそうだな
>>910 クロスモノなのにまだナノハ勢未登場処か種死も始まってないんだよな
描写が物凄く丁寧でマジ期待してるんだがこの後が怖いんだよなぁ....
おまえらいい加減にしろわっふるわっふるよ…。
あ、やべ本心がd
>>909 このスレって無印の頃から新板に居た人少ないのかな?
当時は、種のママンズは誰も彼もエロいと大人気だったんだぜ
ロミナしかり、エザリアしかり、カリダしかり
逆シンスレでアレだが、
別に復讐せずにひっそり隠れて暮らしました、でもいいよな
>>919 あの作者いろいろと設定無視だしびみょんだったがな、
ニコルもロミナも赤目って無いわ
ワッフルワッフル
まったく
本当に職人も住民もバカだな!(ほめ言葉)
だからこそこのスレが大好き
乙であります
読み返してみてさりげなく凸が逆襲完了されてないかw
いつの間にか凸死んでてワロタ
この手にかけた…と思ったらまた出てきて最後に返り討ちにされた、って事では。
しかし19氏の場合、プラントに移住した矢先に追い剥ぎにマユの携帯奪われ、その後
ロミナママンのお世話になってきたというパラレルなわけだが、凸が知ったら知ったで
またひと悶着あったんだろうな。
あとシンとママンの初夜で小説版レイズナーのエイジとエリザベス先生を
思い出したり。
>>928 ああ!そういう事か
ルナマリアが裏切りの上司に討たれたのだと思ってたが、それだと色々おかしいなorz
アニメ通りの展開で良かったのか
「止めてください」
穏やかそうな女性の声が、そう言った。
テストベッドの上の核融合ジェネレーターコンポーネントが、奏でていた不快な不協和
音を止める。
「やはり良くありませんね。到底納得のいく状態ではありません」
ふぅ、とため息をついて、柔らかそうな緑の髪をショートカットにした、コーディネィ
ターの女性は、困惑気にそう言った。
中年、と呼べる年齢だろうか。だが、その女性としての魅力は、まだ十二分にあった。
「しかし、軍需兵站局の方からは早くジェネレーターの仕様決定しろって、2017と1105の
開発チームはこっちに合わせるってんで待ってるし、工場の方も1日も早くラインの生産
許可くれって」
金髪碧眼、ありきたりだがその整った容貌故に、コーディネィターと解る青年技師は、
上司に当たるであろうその女性に、慌てたような表情でそう言った。
「だからこそです。前線に立つ兵士の皆さんは、MSに命を託すことになるんです。ここに
いる私達が、必要以上の妥協は出来ません」
女性はそう言った。
それから、テストベッドの上のジェネレーターコンポーネントを見上げた。
「優れた工業生産品は楽器と同じ、均整の取れた音を奏でるものです」
女性はそう言った。
「ですが……」
青年技師はなおも食い下がろうとする。
「そりゃー、一理ありますな」
割り込むように言ったのは、別の青年技師だった。男性にしてはやや低めの身長のモン
ゴロイド、端正とは言いきれない顔立ち、明らかにナチュラルだ。
「エンジンの排気音、モーターの唸り、良い出来のものは騒音なんて言えないような音を
奏でるもんです。それに比べてこいつは醜悪すぎる」
今テストベッドに載せられているジェネレーターコンポーネントは、ZGMF-1200系ゲル
ググと、ZGAT-1004Fネモ・ヴィステージが共通で搭載している物をベースに、発電機の巻
線を増量したもの。ZGMF-1210RFリゲルグ・アイアスと同容量だが、レギュレーターなど
小改修が施されてはいる。
だが、リゲルグ用に製作された時点で、当初の設計の限界を超えた電気出力を要求され
ており、発電機側に冷却不足を中心として諸問題が発生していた。
「私達の機体は、“ジオニックシリーズ”の頂点、象徴になるものです。戦いの趨勢を決
めるかもしれません。このような妥協は許されません」
女性はそう言い、穏やかそうだった表情を引き締めた。
「上申書は、私が書きます」
この場面を、彼女を知っている人間──アスラン・ザラや、ディアッカ・エルスマンが
見たら、驚きを隠さなかっただろう。
彼らの記憶にある彼女、ロミナ・アマルフィは、ピアニストであり、モビルスーツ開発
とはおおよそ無縁の人物だったからだ。
もっともロミナの夫・ユーリは技術者だったし、息子・ニコルはMSパイロットだったか
ら、接点はあった。
だが、自慢の息子は戦場で散り、最愛の夫はある事件をきっかけに自殺した。
その2人の死をきっかけに、ロミナは髪を短く切ると共に、MS技術者に転向したのであ
る。
そう、いつか──この日が来ることを信じて。
コーディネィターとは言え、適正とは異なる分野で、その年齢から一流を目指すのに必
要な努力は、並大抵のものではなかった。
それを可能としたのは、ロミナの心の奥に燃え盛る不の感情──誓われた復讐。
息子が未来を託せると信じた親友は、ZAFTを裏切ってテロリストとなった。夫が未来を
かけて開発したモビルスーツを乗り逃げしてである。
しかも、その男が行動を共にしたのは、息子の仇とも言える人物だった。
さらに加えて、その人物まで夫の開発したモビルスーツを強奪し、良い様に乗り回して
いるのである。
ユーリはこの事実を知って自殺した。自殺といっても、その瞬間は精神的ストレスによ
る精神錯乱に近い状態だったという。
2年後、再び彼らが世界に茶々を入れた時には間に合わなかった。だが、そのおかげで
ロミナに可能性が残された。
ロミナは元々、ザラ派といってもそれほど過激な感情の持ち主ではなかった。だが、ニ
コルとユーリを喪った経緯から、ラクス・クライン政権下の公安組織に危険分子と看做さ
れた。その為に、新設コロニー、トーマス・シティへの入植が勧告されたのである。
そしてそこでは、エザリア・ジュールが、元連合の女英雄と共に、ラクス・クライン政
権に対する闘争を計画していたのである。
────やっと……
数ヵ月後、ロミナの姿は戦艦『ミシェイル』の艦橋にあった。
実戦に臨む“ジオニックシリーズ”の運用状況を見るためである。
────やっと、この日が来たのね。
開発の系統からその名を冠されることは、設計初期段階から確定していたものの、その
名を送ることが決まったことは、ロミナにとって望むところだった。
問題はそれを託す人物だった。口だけの親友、裏切りの英雄などであってはたまらない。
だが、その心配は杞憂だった。
そのパイロットもまた、彼らへの復讐のために戦っていた。経緯は若干違えど、彼らに
すべてを奪われた人間だったのだ。ロミナが7年強の歳月をささげた産物であるそれを託
すのに、これ以上ない人物だった。
『発艦システムリンケージアップ、全機構異常なし』
CICのモニターコンソールから、その彼の声が聞こえてくる。
────あなた、ニコル、見ている? 今完成するのよ、本当の──
『シン・アスカ、エンデューリングジャスティス、出る!』
>>930-932 以上です。
ロミナママン祭りに便乗してさらっと書いてみましたが、GSC氏や19氏の様に上手く行きませんで……orz
ワッフルワッフル
わっふるわっふる
現時点で逆シンスレのヒロイン人気投票やったらロミナママンがぶっちぎりで一位になりそうだw
自分的にはこのスレのヒロイン陣は活発すぎる(戦場に出てきたり暗躍したり)女の子(胸板の人と眼帯の人は除外)が
多かったんで、『薄幸』の『未亡人』という新鮮な要素には心を震わされて、思わずハァハァしてしまう
そろそろ次スレ立てないとやばいぐらいの勢いです。
わっふるわっふる
落ち着け、お前ら。このスレの華は重厚な戦闘シーンだろ
わっふるわっふる
このスレの華は獣行な銭湯シーン
わっふるわっふる
今立ててもちょい早いような気もするけど
職人さんがきたら光速で50レスくらい突き抜けるからなぁ・・・
という事でちょっと立ててくるわ
この中にジャンプ厨がいるわっふる
>>941 スレ立て乙
このスレの職人は手が早いなwww
ワッフル追加しましたw
「はーっはっはっはっはっは」
通信を通じて、その男の狂笑が宇宙に響いた。
歌姫の騎士団の旗艦たるエターナルはビームに焼き払われ、無残な残骸を晒している。その周辺には一機残らず徹底的に破壊された脱出ポットが漂っていた。
横に浮かぶ残骸はストライクフリーダムだ。胸にはアロンダイトが突き刺さり、さらにはコックピットはこじ開けられており念入りに焼かれていた。
その光景を見たとき、アスラン・ザラが感じたのは親友の死に対する怒りや悲しみよりも、この惨劇を引き起こした男への恐怖が先であった。
たしかに、暴走しやすい男ではあったが、決して残忍な男ではなかった。いや、捕虜とした敵兵の命すら気にかける優しい男だったはず。
それが、なぜこんな残忍な事を?
不意に、ジャンク・ディスティニーがアスランの存在に気がつき、ゆっくりと振り向く。その姿は、撃ちたければ撃てと言わんばかりだ。
その様子を不気味に思いながらも、アスランはジャンクディスティニーに通信をいれる。
「な、なぜこんな事をしたんだ……」
アスランの言葉に、モニターの向こうの男がつまらなそうに応えた。
「敵討ちですよ、アスラン」
「敵討ち!? お前はあの時のことをまだ!? ずっと狙っていたのか!? お前はまた過去にこだわって……未来を殺したのか!!」
元々沸点の低いアスランの感情が爆発しそうになる。しかし、まだだ、せめて何でこんなことになったのか、自分は聞かなきゃいけない。
シンをこちらに引き込んだ人間のせめてのけじめだ。
先の大戦で、図らずも男とキラたちは敵対した。その事を恨みに思いずっと付け狙っていたのか?
だが、そんなアスランに違うと男は言った。
「別にあの時の事だけじゃないですよ。恨んでない訳じゃないけど、俺達だって殺そうとして戦っていたんですからね」
そう、殺そうとした以上、殺される事もある。
ただそれだけだ。
恨みが無いわけじゃないが、これ以上復讐しようとは思わなかった。そんな事をすればまた戦いになる。そうすれば、また力なき人々が虐げられる。それだけは嫌だった。
「付き合ってみてわかったんですけどね、キラさんは本当に善人だ。自分が傷つきたくないから、人を傷つけることも出来ないヘタレだったけどね。本当に善人だったよ」
殺すほどの価値など無かった。
「ラクスさんもね、善人だったよ。まぁ、独善的で人のことを考えているようで考えてない迷惑な性格だったけどね。それでもやっぱり善人だったよ」
殺す必要も無かった。
問題は多々有るが、善人には違いない。これから皆でフォローしていけば、あるいは平和な世界を築けたかもしれない。そう思って、シンは二人に力を貸すことを決意したのだ。
「それならなぜ!」
アスランの叫びに、シンはへらへらと笑いながら、そして徐々に激昂しながら応える。
「殺したからだよ。お前らが俺とあの人の過去にこだわって、あの人の未来を殺しちまったんだよ!!」
「アレは火事じゃ!」
「違う! 事故なんかじゃないんだよ!! 俺達を殺しに来たんだ! お前らがなっ!」
思い出す、自分を庇って撃たれた彼女のことを。
思い出す、笑いながら生きてとつぶやいた彼女の事を。
「例えそれが本当だとしても、キラがそんな事するわけが無いだろう! 何でそれがわからなかった!」
「ああ、しないだろうな。キラさんもラクスさっもそんな事を命じるような人じゃない」
キラはそんな恐ろしいこと思いも付かないだろう、ラクスの正義からその行いは外れているはずだ。
だが、あの二人の周囲はどうだ?
あの二人を絶対視するものの中に、手を汚そう奴はいないか?
「まさか……」
「まぁ、やりそうな奴はあらかた殺したよ、バルトフェルドもダコスタも、他の連中も全部はずれだったけどな。あとはマルキオの奴だけだ」
居場所が見つからなかったが、まぁ、時間の問題だ。
順番が逆になってしまったが、どこまでも追い詰めて必ず殺す。
「アスラン、あんたはどっか行って良いよ。どうせアンタもあんな事を命じれるタマじゃないし、アンタみたいな綺麗でいたいだけの小悪党なんざもう興味が無いからな」
まるで蝿でも追い払うかのごとく、シンはアスランに言い放つ。
「ふざけるなっ! キラを、ラクスを殺したお前を見逃せるかっ!!
お前は危険すぎる! ここで殺す!!!」
「そうかい、俺は結構先輩思いだから、見逃してやろうかと思ったんだけどね」
シンの言葉に応じて、ジャンクディスティニーの赤い双眸が鈍く輝く。
そこの無い闇を抱え、そのつぎはぎだらけの機体は、インフィニットジャスティスに肉薄した。
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
ちょっぴりダーク。正直反省している。
三( ・⊃・)逃亡!!
>>948 三( ・⊃・)逃亡!!
===穴穴穴=== オトシアナ(・∀・)
だから逃がさないと何度言えばワッフル
続き期待してますワッフル
四回目でついにシンもキレたかワッフル…
マルキオマジ外道ワッフルワッフル
あと細かいですが、デスティニーですよねワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル(ry
種世界のラスボスはどう考えてもマルキオしか考えられない
もし、ラクス達がマルキオを倒しに行くシナリオだったら自分は種を嫌いにならなかったかもしれない
……やっぱり殺されちゃったのかロミナママン orz
『因縁』のルナマリアといい、何故このスレの短編・中篇での正統派ヒロインはすぐ死んでしまうんだ
というかジャンクデスティニーってどっかの薔薇乙女の長女みたいだw
やはりシンには巨乳のヒロインが似合う…
ワッフル
完全に19氏にワッフルワッフル
食われてしまってますねワッフルワッフル
でもそれも仕方のないワッフルワッフル
今はただ、万感の思いを込めてワッフルワッフル ワッフルワッフル
なんで凸が生きてるんだ?
グフイグを撃墜して息の根止めたはずだと思ってたら、
どっこい生きててインジャスに乗ってまた出てきやがったと。
まぎらわしいけどとりあえずTVと一緒という事だろう。
>>955 どんだけワッフル言ってるんだよ!
どんだけワッフル食いたんだよ!
どんだけ
>>947の続きを読みたいんだよ!
42個は食いたい。
残り42レス全部ワッフルで埋めてでも続きを読みたい!
そうだな。俺も未亡人とか大好物だ!!
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
しょうがないから、ワッフル追加
どこで計画が狂ったのだろうか。
SEEDを内包した4人の子供を見つけたとき、私は神の啓示を聞いた。
これで世界を救えと。
そして、それから私はまさに世界を救うために動いた。大西洋連邦にもぐりこみ、ジャンク屋ギルドを手中にいれ、彼女達がいずれ世界と戦うための下準備を着々と整えた。
プラントの同士は新世界の神となる娘のために、せっせと戦乱の下準備を行った。同士の親友であり、SEEDの父親は何も知らない男ではあったが、コーディネーターの未来の為と囁けば面白いように思うとおりに動いてくれた。
もはや、ナチュラルだコーディネーターだのと次元が違う話なのに。
だが、彼を愚かとは言うまい。ほとんどのものは何も知らない凡夫であり、SEEDに導かれる存在なのだ。
地上の同士は、自らが支配する国を生贄に捧げてくれた。いずれ地上の代行者、あるいは神に仕える女王となる子供のために働いてくれた。
最初の誤算は裏切りの同士、ハルマ・ヤマトであった。
彼もまたSEEDによる世界平和を目指す同士であったが、SEEDが世界を統べるために必要な生贄の儀式に反対をし、何という事か、SEEDの子であるキラを連れ我らの前から消えてしまったのだ。
何度か彼らの存在を補足したが、ハルマはそのたびに居場所を変え我らの追跡を振り切ってしまった。
だが、SEEDは惹かれあう。
結局はヘリオポリス崩壊のドサクサでキラ・ヤマトは戦乱に飛び込み、最後には我々の元に返ってきた。
愚かな裏切りの同士には舞台より去ってもらい、そこからは計画通りだった。
遺伝子工学の権威が我らの存在に気がつきつつあったが、結局はスポンサーのロゴスに気が付いただけであった。
そして彼の存在を程よいスパイスとして、世界はSEEDを持つものを支配者として向かえる子羊となった。天はラクス・クラインが支配し、地上の代行者としてガカリ・ユラ・アスハが世界を導く。
世界はSEEDが導く理想郷へと進むはずであった。
だが、これはどうしたことであろう?
SEEDを持つうちの3人は赤い瞳の復讐鬼に討たれ、地上の代行者たる女王は凡夫の手によって殺害された。
なにが、一体何が計画を狂わしたのであろう?
「見つけたぞ、マルキオ」
赤い瞳の復讐鬼は、黒く光る拳銃を片手にマルキオの前に現れた。
「まさか、こんな孤島の小屋に隠れていたとは思わなかったぞ」
「別に隠れていたわけではないんですがね……」
マルキオはそうつぶやくと、傍らにおいてあった杖を手に取った。もはや、この期に及んで抵抗は無駄であろう。盲目の自分にこの復讐鬼から逃げられる手段はもはや無い。
「子供達は?」
「あんたに教える義理は無い」
その言葉で、少しだけマルキオは安心する。今の彼の周囲から血の匂いは無い。
自分が保護していた孤児やカリダ夫人は殺さずに逃がしたのだろう。復讐に狂ってはいても、この男は女子供を無駄に虐殺できるところまでは堕ちなかったようだ。
その事に安心すると、マルキオの中に一つの好奇心が生まれる。どうせ死ぬのならと、マルキオは復讐鬼にたずねる事にした。
「君は、自分が何をしたのかわかっているのかい?」
「ああ、せっかく纏まりかけた世界をぶち壊した」
復讐鬼の言葉に、マルキオは頭を振るう。
「君の復讐のおかげで世界は無茶苦茶ですよ。君のおかげで、また人類は戦争の時代に突入する。君はこの咎をどう償う気ですか?」
「最後まで戦ってやるさ。戦争が無い世界になるまでな」
「自分の手でその可能性を潰した君がですか?」
お笑いだ。この凡夫はせっかくのチャンスを自分で潰しながら、戦争が無い平和な世界を望むと言うのか?
この程度の人間に、自分達の崇高なる計画はつぶされたと言うのか?
「今は見つからないくても、戦うことしか出来なくても、絶対に見つけてやるさ!
マユやステラ、ロミナさんみたいな人が優しい世界で生きられるようにしてやるさ!」
「無理ですね」
一時の感情ですべてをご破算にした男に、そんな事が出来てたまるか。
結局は、人類はSEEDに導かれるに相応しい存在ではなかったのだろう。こんな愚かな連中を好く王などと考えた自分が愚かだったのだ。
「殺しなさい。それで君の復讐は完了する」
「ああ、死んでもらう。お前が俺から奪ったもの……、マユやステラ、レイや議長。そして、あの人の苦しみを味わいながら死ね」
そして引き金が引かれる。
口の中に血の味が広がる。
「滅びなさい。愚かな人類よ……」
マルキオは自分からの身体から零れ落ちる命を人事のように感じながら、呪いの言葉を吐く。
そして、最後の力を振り絞って、長く開くことの無かった両の目を開く。
「えっ?」
そして気が付く。復讐鬼の目の中に潜む、SEEDの輝きに。
そして悟る。どうして計画が失敗したのかを。
そう、SEEDには触ってはいけなかったのだ。
人の存在を感じさせ、人と人の間で悩み苦しみ、間違え、そして間違えを正し、自ら考え成長させなければならなかったのだ。
それを、無理に触り歪めて育ててしまった。
あなた方は何をしてもそれは“正しい”のだと……。
平和の歌姫をただの扇動家に、平和を愛する少年を戦闘機械に、勇敢なる戦士を奇麗事を言う小悪党に、誇り高き女王を泣き叫ぶだけの小娘に。
傷つき迷いながらも、自らで立ち上がり育った赤い瞳の英雄の前に、歪められたSEEDなどいずれは蹴散らされる運命だったのだろう。
ああ、愚かだったのは自分だ。
すべてを見下しながら、一番愚かだった自分の存在に気が付かなかった。
彼の行く末を見てみたい、マルキオはそう考えたが、もう時間は無かった。
世界を混乱に導いた怪僧は、底知れぬ後悔の中に消えていった。
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
というわけで、ワッフルを投下してみました。
ところで、ママン生存ルートもあるけど、どうしよう?
三( ・⊃・)逃亡!!
ワッフル!ワッフル!!
もちろん生存ルートもワッフルワッフル
ここまできて逃亡など許さぬ! (・∀・)つ<(;・⊃・)
というわけで生存ルートワッフルワッフル!!
ごめん、この流れになった時俺はきっつい可能性も考えてしまった。
ママンがシンを保護した理由がシンを焚き付けて4馬鹿を殺すように
誘導する事だったなんて考えてしまった。そのために自分から殺されるように仕向けたとか。
まあ、こんな後ろ向きな考えはゴミ箱に捨て置いてワッフルワッフルワッフル
マルキオ、シンがSEED持ちって知らなかったのかよ
しかしカガリを殺したのは誰だろ?
タイトル吹いたwww
>>967 自分の命すら復讐の道具と切り捨てたはずなのに、いつの間にか本気で……とかあるじゃないか!
遺言ビデオとかで告白して薄々感づいていたシンも号泣とかわっふる。
それはさておき生存ルートワッフルワッフル
>>968 やはりシンか、あるいは三馬鹿死亡で箍が緩んだオーブで革命でも起きたとか。
カリダや子供らとさらに辺境の孤島に潜んでいたのもオーブはじめ居場所が
無くなったからと考えられる。
>>968 1.サイ
2.カズイ
3.実は生きていたユウナ
4.名無しのモブ
生存ルートワッフルワッフルワッ
もちろん男女として結ばれる流れで
マルキオの黒幕っぷりになんか納得したワッフル
というか本編でやったことを並べるとほんとただのテロリストだしなワッフルワッフル
このシンもSEED持ちとはいえ復讐に染まって歪んでるから人を救い導くところまではいけないんだろうなワッフル
でもきっといつか皆が幸せになれるように人を守って戦い続けるんだぜワッフル
続き、生存ルート共に大変楽しみにしてますワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル(ry
つーかキラの養父もマルキオの同士だったのかよ
こうなるとウズミも洗脳されてた可能性あるな
それこそエンドレスワルツじゃないけど、凡人の大衆が自分の頭で考え
自立心と自律心を持って平和にたどり着かなきゃいけないという事だろうね。
とにかくワッフルワッフル
生存ルートワッフルという事は、ジャンクデスティニーの戦いぶりワッフルも
微妙に違ってくるでワッフルか?
マルキオ「ラクシズの武力介入により世界は滅び、統一という再生がはじまった。
そして、わたしはその世界を私色に染め上げる!」
実はアカツキの色はマルキオの趣味
>>979 裏でコソコソしてる坊主と自ら一番危険な最前線にあんなネタ機体で突っ込む
アレハン様を一緒にすんなwwwwwwwwww
>>977 エンドレスワッフルですねわかりまワッフル
>>981 むしろなんだっけ、彼をかませ犬扱いしたあの緑の髪の坊主ポジだよね
あの目瞑ったエセ坊主って
しかしこれって改めて考えると、ジャンクデスティニーは運命の残骸をほぼ独力で修復したもの
そして一人で関係者を皆殺しにしたんだろうな(カガリ以外は)
まさに『鬼』だ
早く次スレ立てないと今日中に埋まりそうだ…
スレ終盤になってまさかの新ヒロイン登場でこの先のスレの展開が読めん
このワッフルスレが…
ワッフルワッフル言ってりゃいいってもんじゃねえぞワッフル
そして、50年の月日が流れた……。
「久しぶりに来たよ、レイ、議長、ロミナさん……」
プラントの共同墓地の一角に、その男はやってきた。
元は傭兵上がりのその男はある混乱する小国にもぐりこみ、いつの間にか軍を掌握してしまった。家柄だけの男を国家元首にすえ、裏から操りもした。
簒奪者だと陰口を叩かれながらも、男は精力的に働いた。
男は夢想家だった。
ナチュラルとコーディネーターの差別無い世界、平和な世界、誰もが幸せに暮らせる優しい世界を謳い続けた。
簒奪者が何を言うか、皆がそう言った。
血まみれの男が何を言うか、皆がそう思った。
だが、男はどういわれようと気にせずに、必死ななって働いた。
やがて、男に賛同者が生まれる。
最初の賛同者は家柄だけの国家元首だった。彼は男の思いに賛同し、男と共に平和な世界のために働く事を決意した。
元々才能が有ったのだろう、その男は小国を建て直し大国と対等に話せるまでに国力を増して見せた。
そうなるまでに、40年の月日が流れていた。
少しずつ、賛同者は増えていった。戦乱ですさんでいた人の心に、必死に働く男の姿が少しずつ写るようになってきたから。
巨大な国家の中にも、天空の筒のなかにも、賛同者が少しずつ増えていった時、世界は男のことを無視できなくなっていた。
それから10年、いつしか小国の簒奪者を平和の父と呼ぶ者が出始めていた。
初老の男は、一人でいくつかの墓に花を置いて回った。
名を知られぬ兵士の墓もあった、キラ・ヤマトやラクス・クラインといったかつての英雄の墓もあった。だが、彼は彼が覚えている限りすべての知っている人の墓の前に花を添えた。
花を用意できなかった墓の前ではも、黙祷をした。
そして、最後にある女性の墓の前に足を止めた。
「久しぶり、ロミナさん」
かつて黒かった髪は真っ白に変わり、みずみずしかった肌は年輪を刻んでいた。
「ごめんな、ロミナさん。まだ俺は戦っているんだ」
まだ、あちこちで紛争は起こっている。南米は軍閥が割拠し、ユーラシアや東アジアは内乱状態だ。
彼女と自分が望んだ、戦いの無い静かな生活はまだ送れそうも無い。
「世界中が戦っているんだ。その戦いを止めないと戦いが無い場所にはいけそうも無いよ」
そう、どこに逃げてもいずれは戦いが迫ってくる。
戦いが無い場所に行くにはどうすれば良いのか? そう、戦いをすべて無くしてしまえば良い。
それはある種の狂気だと男は自身でも思っている。結局はすべての戦いをなくすなんて出来ないからだ。
でも、狂気の復讐の果てにすべてを殺してしまった自分に出来る、ただ一つの償いがこれだと彼は思っていた。
そう、戦いの無い世界にするという、永遠に終わらぬ戦いに身を浸す事こそが彼の贖罪だった。
「そっちではどうかな、旦那さんやニコルさんと仲良くやってるかな?」
血に染まりすぎた自分はそちらには行けないだろう。
「せめて、あなたたちが生まれ変わったときは平和に暮らせる世界になっているようにします。もう来れないと思うけど、それじゃあ」
あれから多くの事が有ったはずなのに、それほど語る内容は無かった。
語れるほどまっとうな道を歩んだわけでもなかった。その事に男は少しだけ苦い笑みを浮かべる。
初老の男は、最後に墓に一礼するともう振り向かなかった。
Fin
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
というわけで、お目汚し失礼しました。
三( ・⊃・)逃亡!
逃がさんでワッフル(・∀・)つ<(;・⊃・)
ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!ワッフ……う……うぅっ……
>>992 ちょwwwwww
ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!
ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!ワッフルワッフル!
GJワッフルワッフル
シンはほんと不器用だからこうまでなるまでにひたすら努力を積み重ねてきたんだろうなあワッフル
よしワッフル、ではあとは生存ルートだなワッフルワッフル
だから逃がさないワッフルと言ってワッフルでしょうワッフルワッフル?
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
Fin とあるのに『全てを読むにはワッフルワッフルと書き込め』とはこれいかに
……つまり生存ルート読みたいのならわっふるしろと?
よし
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふる!わっふる!
⊂彡
次スレで待ってます
なんか俺の脳内でそのまま00に繋がっちまったんだがどうすればいいでワッフルワッフルワッフル
ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフル
ここはワッフル埋めで行くワッフル
1000なら19氏がロミナママンとシンの爛れた日常を投下してくれワッフル
これはワッフルをせざるを得ない
ワッフルワッフルワッフルワッフル(ry
1000なら生存ルートでシンとロミナママンが子沢山でお願いするわっふる
1001 :
1001:
゚・ *:.。. * ゚
+゚
。 .:゚* + このスレッドは1000を超えました。
゚ 新しいスレッドを立ててくださいです。。。
゚ /ヾー、
r!: : `、ヽ
l:l::..: :.|i: 〉
ヾ;::::..:lシ′ 新シャア専用板@2ちゃんねる
`ー┘
http://mamono.2ch.net/shar/