ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXV

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1通常の名無しさんの3倍
ガンダムSEED DESTINYで主人公の座を追われたシン=アスカが
今度こそまっとうな主人公として返り咲く!

シン主役の種死アフターについて語り合い、SSを投稿し、職人をGJ!するスレです。

荒らし煽りは徹底スルー、職人さんへの敬意を忘れずに。

前スレ
ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXII
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1224300791/

まとめページ:
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
ttp://arte.wikiwiki.jp/

※新シリーズや新規職人さんも随時募集中です。
2通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 22:00:22 ID:???
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 22:42:08 ID:???
>>1乙と言わせて貰おう。
4通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 23:16:56 ID:???
>>1乙です。
5通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 23:51:23 ID:???
>>1乙です。
6通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 01:36:37 ID:???
>>1にはみなたまに子守唄を唄う権利をやろう
7通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 02:30:06 ID:???
>>1乙っす
8通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 14:22:06 ID:???
>>1乙でございます


前スレ1000はYESと言う伏線ですか
9通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 15:20:30 ID:???
>>1 お疲れさまなのですよー
しかし今更だがエミュ子ってばよーするにシャロン・アップルなのだな
10通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 15:55:37 ID:???
>>1乙です
11前スレ993:2008/11/15(土) 16:33:57 ID:???
>>1乙華麗様です!!
にしても脚本と監督を間違える無学な俺だめだ.
12通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 17:05:59 ID:???
>>9
なんか「私はキラもシンも大好き」と言って本物のラクスを触手で絞めるエミュ子を想像した。
13通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 17:50:22 ID:???
さげ
14通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 19:42:04 ID:???
「人の上に立とうとする人間は、多かれ少なかれ権力欲が必要である。
権力を欲しないのに人の上に立とうとする人間は、真に信頼できる参謀が側にいなければならない。
無論、自らが象徴であり飾りという事を自覚できていることが前提である」

ラクス・クライン


・・・ウソですごめんなさい
15通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 19:54:50 ID:???
>>14
正に「お前が言うな!」だな
16通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 21:41:51 ID:???
お前が言うのか!w
17通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 22:40:12 ID:???
正にお前が言うな!だが、もし孔明並の軍師がついたら大変な事になりそうだw
「ネオロゴス、クリエイター共、この私を謀ったのだ、楽に死ねると思うなよ!」とか言い出しても違和感がないww
18通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 22:45:05 ID:???
逆シンというかアフターものだと、四人組からは裏表なく許され認められてはいたものの
取巻き連中からの陰湿な圧力にいたたまれずプラントを去るシンの図というのがよく見られる。
実物の映画版がどうなるのか知らんが、TVF+以降でも大いにありそうな話だ。
ラクス達は自分達の正しさw信じて疑わない分、それに賛同すると称する者たちを
ろくすっぽ疑ったり質を吟味したりしなさそうだから、権威を利用して私腹を肥やす
小悪党がはびこりやすいと思う…
19通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 22:51:57 ID:???
>権威を利用して私腹を肥やす小悪党
銭割れするシンのことですね
20通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:33:25 ID:???
邪神を滅ぼさない限りマトモにはならんだろうな
21通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:33:54 ID:???
ライオン氏のアシャを見て殺し愛大好き兄さんラヴな人(CV.子安)を思い浮かべたのは俺だけでいい。
ついでにシンを見ていて叫び声でマイク壊しそうな危険小僧を思い浮かべるのも俺だけでいい。
更に言えばクリエイターのボスが生首(CV.強力若本)な気がするのも俺だけd(ry
22通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:42:51 ID:???
>>18
4人組って、現実と理想の乖離はさておき、表向きは不自然なぐらいに綺麗そう。
そんでもって、現実に苦しんだことがないから、事が上手く進んでいると、何も疑問を持たなそう。
このあたりが、ラクスを利用する取り巻き連中がトリガーと設定される原因か。
ところで取り巻き第一号はさばkZAPZAP


仮に、あの4人が内ゲバ起こすならカガリ一人がのけ者で、残りは3人が仲良くってイメージが。
23通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:47:13 ID:???
>>21
生首で「ああ冥法王ベースか」と思った。
24通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 00:06:38 ID:???
>>23
お前…マクロススレにも居ただろう?
25通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 00:11:18 ID:???
>>23
ハーメルンのバイオリン弾きだっけ? 随分懐かしい話題だなぁ…
26ライオン:2008/11/16(日) 00:15:43 ID:???
前スレであったように、1話と2話の修正を行いました。
もし意味がわからない描写、疑問等がありましたら、構わず言ってください。
それらの修正、作者の糧につながりレベルアップしていきたいと思いますので。

あと前スレではアシャのイメージについても言われてましたが、個人的には
作者的には口を出さないようにしたほうがいいと思うんで、あまり言いません。
ご了承ください。

>>21
その作品、私も大好きです。
アブソリュートの肩には是非とも反物質砲をつけよう……そう思っていた時期が私にもありました。
あと、ボスは若本ではありませんw 
若本氏はボス声にぴったりなんですけどね。

27ライオン:2008/11/16(日) 00:24:27 ID:???
↑「それらの〜」、は「それらの修正が、作者の糧になり、レベルアップにつなげたいと思います」
です。誤字脱字すいません
28通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 01:00:31 ID:???
>>25
みなたまに妖しげな薬を飲ませようとしたら誤って自分が飲み
発作で手足のついた緑色の球体の怪物になり覇王ラクスの血を飲み覇王の力を得た覇王銭シンを一撃で消滅させスカンジナビアの王子と結婚し発作で国を壊滅させるお嬢様ですねわかり(ヒカリニナレー!
29通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 01:00:56 ID:???
研究員ならDUにランサー二本とアンカー、ヴォル○ッカとか用意してそうだから困る

他にも腹割れ砲と伸びる腕とかも用意してる可能性も……
30通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 01:10:03 ID:???
>>28
ギータポジションはアスランだろう
キラはヴォーカル
ラクスはケストラー
ライエルとサイザーの位置は居ない気がする。
3121:2008/11/16(日) 01:43:34 ID:???
おお、やっぱりビンゴだったのかw デザインがキモかったあれでの子安の変態っぷりはギャグすれすれだったなぁ。
それはともかく、よく読み返してみると輸送艦持ち上げるとか大分バケモノじみたことやってますねアブソリュート……

>>29
そこまで来ると中の人が違うだろww
そう言えば、奴もまた悪魔と呼ばれたMSか…
32通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:13:57 ID:???
>>22
カガリ抹殺がシンの逆襲の狼煙となるSSってあったっけ?

「これが父さんの分! これが母さんの分! これがマユの分っ!! レイの分っ!!
ステラの分っ!! 議長の分っ!!」
全身に返り血を浴びたシンは、髪まで血に汚く染まった頭を踏みつけている。
手足は3つ切り落とされ、残る1つもあり得ない方向にひん曲がり、
全裸の胴体はとことん辱められ、床に転がっていた。
「そしてこれが! 俺の分だぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
数時間前までカガリ・ユラ・アスハだった頭を外へ蹴り飛ばした。
遠くに聞こえる旧セイラン派の勝ち鬨など、関係ない。
これで終わりではない。むしろ逆襲の始まりなのだ。『世界』への……

こんな感じか?
33通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:30:57 ID:???
>>32
是非続けて下さい
34通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:40:47 ID:???
>>32
ちょっとグロは勘弁……
せめて五体満足なカガリに
「いいか…この蹴りは俺の家族のぶんだ…。顔面のどこかの骨がヘシ折れたようだが、それは俺の家族がお前の顔をヘシ折ったと思え…」
「そしてこれはステラのぶんだッ!」
「そして次はミネルバの仲間達のぶんだ。その次の次のも。その次の次の次のも…。その次の次の次の次のも…。」
「次の!次も!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!」
くらいにしといてやってくれ
35通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:40:53 ID:???
「いま私の声を聞く諸君! いつか私の声を聞く諸君!
 君の世界に”夢”はあるか?
 君の世界に”愛”はあるか?
 君の世界は”完璧”か?
 あり得ない。世界が”完璧”であることなどありえない!
 獣を解き放ちたまえ!
 獣に自由を与えたまえ!
 矛盾に満ちた世界をかみ殺し、真の自由を掴み取る戦争の準備をしたまえ!
 我が名は”シン・アスカ”!
 ”完璧ならざる世界”に戦いを挑む君の友人だ!!」


世界への逆襲と聞いてとこうなるのを思いつきました。
36通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:42:02 ID:???
>>32
既にカガリが失脚してるとか、ラクスと対等でなく「手下」とか、
そう言う意味で書いたつもり。

けど、反撃の狼煙としては女帝の手下からってのは順当な順番ではある。
37通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 12:49:03 ID:???
反省したカガリとアスランとシンで他のラクシズに反旗を、ってのも面白そう
38通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 12:55:28 ID:???
そういえば結局アスランはカガリと別れてメイリンをくっついたんだっけ?
その辺からオーブとプラントとの間に亀裂が出来る展開とか
3932:2008/11/16(日) 12:59:56 ID:???
>>34
その後…
一般兵「ミンチよりひでえや」
こうですか?

>>37
シンが自裁(=死)を強要するか、反省した結果が「自分達が生きている事自体が罪」で
自殺するとかじゃね?(で、シンが勢力まるごと乗っ取…いやいや引き継ぎ)
40通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 13:00:44 ID:???
>>37
それはない

アスランはカガリを捨てたからwww
コーディのメイリン>ナチュだけど一応国家元首のカガリ……という価値判断でないことを祈っておく。
41通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 13:34:11 ID:???
>>40
逆、逆。
カガリが国を選んだから、アスランの方がフラレたというのが正しい
42MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:37:28 ID:???
どうもです。 5話が仕上がりましたので投下させていただきます。


機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request6

「……迷った。 ここどこだよ?」
ミナとの会合から2日後、未だに治らない左腕をギブスで固定したシンは連絡通路のような場所で迷っていた。
ミナから自由に出歩いてよいという許可を貰い、何もすることが無く暇なのでアメノミハシラをうろついていたらこの様である。
「……誰かに案内頼めばよかったかな」
とはいってもアメノミハシラに知り合いは少なく、知っている人も、皆忙しそうだった。
ザフトの新兵教育でも知らない場所(艦内)は一人で出歩くなと言われたのを思い出し、二重の意味で気が滅入る。
「何で、こんな事になっちまったんだろうな」
思わず壁を背に座り込む。
「これからどうしよう」
やるべき事は前から決まっている。
力の無い弱い人々を守る。 
ついでに嵌めてくれたザフト、オーブの奴らに借りを返す。
(今回の件に関わった連中は、ミナの部下、情報屋ケナフ・ルキーニに調べて貰っている)
だが、やるべき事は決まっていても、どうすれば良いか分からない。
今までのシンは、常に命令に従っていれば良かった。
倒すべき敵を示され、その為の手段、力を与えられ、言われるがまま戦ってきた。
……だが、もう命令を与えてくれる上官も、力をくれる軍もシンには関係ない。
全ては自分の意志で決めなければならないのだ。
(ザフトにはもう戻れず、オーブは真っ平御免、連合は……論外だな)
連合の軍人からすれば、怨敵にも近い様な人間を受け入れてくれる筈が無い。
ユーラシア連邦や、東アジア共和国には少数ながらもコーディネーターが居るらしいが。
シンは思わず頭を抱える。 
シンは元々、考えるよりも先に体が動く方である。
更に、思春期に家族を目の前で失ったことに起因する、力の無い人を守るという脅迫観念に近いトラウマが、何もできない今の状況に、焦りを増大させる。
頑固で一本気な性格、逆に言えば視野が狭く、盲目的な性格ゆえに一度考え込むと、周りが見えなくなるのも相まって思考のループに嵌まり込んでいた。
「やめよう、俺一人で考え込んでも良い案が浮かぶ筈も無い」
ふと、同室だった親友の顔が脳裏に浮かぶ。 
シンが悩んでいる時、いつもレイは相談に乗ってくれた。
だが、もうレイもこの世界にはいない。
大きな溜息を付くと、開いた掌を見つめ、握り締める。
「弱くなったよな、俺」 答えなどあるはずのない目前の空間へと問いかける。
右の拳を、目前の虚空に振るう事3回、ただ空しく空を切る音のみが聞こえた。
あの時、連合との戦い、フリーダム戦、ロゴスとの戦いではシンはもっと強かった気がした。
そもそも迷う必要など無かった。 ただ与えられた命に従い、定められた敵を討ち滅ぼせば良かった。
あの時のシンにあって、今のシンに無いもの。
憎悪に近い怒りだ。
(だったら憎めば、怒れば良い、そうすればまた強くなれる)
(……誰を?)
(自分を陥れた連中全てを! これは正当な理由の復讐だ!)
シンの中の何かが囁く。
43MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:40:13 ID:???
「……それも、なんか違うんだよな」
シンは辿り付いた結論に、違和感を抱き、首を傾げる。
『憎しみを抱いたまま戦うな』とあの裏切り者は言った。
確かに、言っている事は間違ってはいない気がした。
(偉そうなこと言う割に、言ってる事の大半は訳分かんなかったけど)
戦後、キラさん、イザークさんやディアッカさんに聞いた話ではあの蝙蝠は血のバレンタインでお母さんが亡くなったのを切っ掛けにザフトに入ったらしい。
その後、当時連合側だったキラさんとの戦いで先輩と友人を亡くし、最後には自分の手で父親を殺した。そうだ。
『お前は昔の俺に似ているよ』なんて言ってたが、そう考えると、あの若禿は、髪の毛が薄いなりに俺を何とかしようとしたんじゃないだろうか。
自分と同じ道を歩ませない為に。
少なくとも一時期、俺とアデランスの中で築かれた信頼、のような物は嘘ではなかった、と思いたい。
……あんにゃろうのせいで艦内の人間関係無茶苦茶になるし、
連合の基地落とした時は兎も角(あれも口で言えばいいのに)フリーダム落とした時、理不尽に殴られたりした事は今でも根に持ってるが。
「……どうだろな、凸だし」
禿げ上がった元上司の頭を思い出し、自然と顔に苦笑が浮かぶ。
そこまで考えて、シンは彼らに憎しみを抱いていない事に気づいた。
艦内の人間関係を無茶苦茶にして、理不尽に殴られて、いまだにオーブが間違っていないとか言ったり、議長の手柄を横から乱入して掻っ攫ったり、戦場でフリーダムなを行動したのは根に持っているが。
行動の是非は、一万二千光年ほど横に置いておいて、人間性を考えれば御人好しと言うか、善人ではある。 
敵対してたシンをそのままザフトに残すぐらいではあるし。
「……大人になったって事かな?」
過ぎた事は仕方ないと割り切れるようになっただけか、諦める事を知ったのかシンには分からなかった。
(……ただ、忘れないようにはしよう。 家族を、ハイネを、ステラを、ヨウランを、議長を、艦長を、レイを)
過ぎ去った、喪われた命があった事は決して忘れないように胸に刻もう。
キラは言った「人はまた花を吹き飛ばす、それでも僕らはまた花を植える」
アスランは言っていた「過去に捕らわれるな、明日に目を向けろ」
誰もが新しい花、明日に目を向け、吹き飛ばされた花、昨日生きた人たちが忘れ去られる。
それは、そんな世界は悲しすぎる。 彼らは確かに生きていたのだ。 
彼らが忘れても、自分だけでも、いつまでも覚えていよう。 シンはそう誓っていた。
「……そうか、あの人達が明日を作る為に戦うなら、俺は」
何か、嵌まり込んだ思考の迷宮の光明が見えた気がしてシンは声を上げた。
「アスカ、一寸よいか?」
「えっ?」
急に上のほうから声を掛けられ、シンは、はっと上を向いた。
「ミナさん、いつからいたんですか?」
そこにいたのはアメノミハシラが主、ミナだった。
「凸だし。辺りからだ。 部下から廊下で笑ってたり、泣いたりしている見掛けない奴が居て、気持ち悪いので何とかしてくれと泣き付かれてな」
訝しげな表情でシンを見下ろすミナ。
「声を掛けてくれれば良いじゃないですか」
独り言を聞かれ、多少不機嫌そうにシンは言った。
「……余り人の趣向に口を出すのは好きではないし、お前の思春期に何があったかも知っているので、言いたくはないが」
珍しく言い淀むミナ。
「何です? もったいぶって」
44MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:41:14 ID:???
「………そのなんだ、その歳で邪気眼…だったか? それはどうかと思うぞ、私は」
本当に心配そうな目でシンを見ると、余り刺激しないように普段よりも優しげな声でミナは言う。
「だっ、誰が邪気眼だよ! あんたって人は! 俺はまだまともだ!」
想像の斜め上をいかれたシンは焦りと怒りで顔を真っ赤に染め、叫ぶ。
「違ったのか、私はついに気が触れた物だとばかり……」
ああ、と納得した表情でみなは頷く。
「……もういいです」
心底疲れた様子でシンは溜息を付く
「ふむ、暇そうだな」
シンをからかい飽きたのか、真面目な顔を見せるミナ。
「誰のせいでこうなったか、分かって言ってます?」
なるべく顔と声には出さぬようにできるだけの皮肉を込める。
「勿論だ、アレは不幸な事故だった」
平然と、顔色一つ変えずにミナは言った。
ミナの中ではアレは事故になるらしい。
確かに事故ではあるし、間違ってはいない、しかもシンとしては命の恩人に文句は言い辛い。
「暇ならば丁度いい、 私がアメノミハシラを案内してやろう」
言外に断るなといっている。
「……お願いします」
迷子になるよりはましなのと、暇なのは確か、考えも纏まりそうに無いので頷くとシンはゆっくりと立ち上がった。

とても宇宙ステーション内とは思えない、屋敷のような外観の長い廊下をミナの後に付いていく。
暫くすると急に配管が多くなり、まるで工場に入ったようにシンは感じた。
「驚いたようだな」
シンの様子に気づいたのか、ミナはシンの顔を見ると満足げに微笑む。
「ここが、正確にはこの先が、アメノミハシラのファクトリーだ」
辺りを見渡し、ミナは正面の金属製防火扉を指差した。
「部外者の俺に見せて平気なんですか?」
不安になりシンは疑問の声を上げる。
まず無いだろうが、見てから、見られたからには……となるのは勘弁だ。
「お前に見せてどうなるものでもあるまい? それに例えザフトの技術者だろうと、アメノミハシラの技術は盗めないだろう」
少々の苦笑をもらすと、自信のある表情でミナは言った。
そこにあるのは部下とその技術に対する絶対の自信。
「もしかして自慢ですか?」
「そうでもあるがな」
シンの問い掛けに、少し照れくさそうに、どこか誇らしげに、唇の端を吊り上げ、嬉しそうに笑った。
こんな風に笑えるミナをシンは羨ましいと思った。

ファクトリー内部で生産されていたのは青いM1アストレイ、空間戦闘用のM1Aとムラサメ、そしてその改良型オオツキガタだ。
「すごい数ですね」
キャットウォーク状の通路でシンは驚嘆の声を上げた。
アーモリー1のザフト工廠に匹敵する設備と数だった。
「何分、基本技術的はオーブだからどうしてもアストレイが主力になってしまうがな」
「新規機体の導入を行うにも、初期開発が同一な連合系はなんとかなるにしても、ザフト系の導入は難しい」
「お前に言ってどうにかなる物ではないが、悩みの種の一つではある」
並び立つアストレイの群れを見るとシンの顔は見ずに、僅かに顔をしかめた。
45MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:43:09 ID:???
更に足を進めると、コンテナなどが多く点在するエリアに入った。
「ここは、アメノミハシラのターミナルだ」
そう言うと少し離れた場所で荷の積み下ろしを行っている民間の宇宙船と二隻の軍艦があった。
「あれは……連合の輸送艦に、ザフトの輸送艦!?」
落ちる寸前までフェンスに身を乗り出し、シンは叫ぶ。
そんなシンを怪訝そうな顔で見ていたミハシラのスタッフは、ミナが隣にいることに気づくと慌てて仕事に戻っていった。
「アメノミハシラは民間、国家問わず輸送航路の中継点と護衛を提供している。……勿論有料だが。 ああ、あれはうちのエースの一人だ」
シンの真横に来たミナは輸送船の近くにいる白く塗装されたムラサメを指差す。
「でも正規軍の護衛はどうしてるんです?」 シンは横を向くと、ミナの顔を見た。
「二度の大戦の復興で、今はどこでも人手が足りん」
「それにどの軍隊でもそうだが、腕の良いパイロットほど、最重要任務である、輸送航路の護衛はやりたがらない」
「腕がいいからこそ、最前線で活躍したがる。 護衛など二線級の仕事だと嘯いてな」
「輜重兵が兵隊ならば、蝶々、蜻蛉も鳥の内っという奴だ」
ミナはそう言うと、やれやれと言わんばかりに首を振って見せた。
「……少し、分かります」
確かに、アカデミー卒業後、ミネルバではなく、輸送部隊の護衛に配属されたらシンも不満の声を上げただろう。
誰しも日の当たる華々しい部署で仕事がしたいだ。
「やりたい奴がいるならば、やる気の無い死ねば金のかかる軍人よりも、やる気のある死んでも『事故』ですむ連中の方が安くあがると言うわけだ」
シンが理解したか確認するように、シンの顔を見るミナ。
「傭兵みたいなものですか?」
凡そは理解できたシンだが、理解できない部分も有り首を傾げ、ミナに問う。
「どちらかと言えば、PSC……分かりやすく言えばPMC、つまり民間軍事企業だな」
顎に手を掛けると暫しの思案の後、シンの疑問に答える。
「違いは……戦闘に特化したのが傭兵。 整備や場所の提供などの後方支援も行うのがPMCだ」
「後は仕事だから戦うか。 依頼者の、他人の為に戦うかだ」
シンの顔を見ると説明に納得したようで頷いている。
「……そう考えると、お前は傭兵向きかも知れんな。 他人のために命懸け戦えるのが傭兵だと知り合いが言っていたよ」
「おれが、傭兵ですか?」
考えもしなかったが、そんな道もあるのだなとシンは思わず頷いた。
「それは兎も角、今言った理由はアメノミハシラが存続していられる理由でもある」
「情けない話だが、昨今の事情だと独立勢力を維持するにはPMCになるしか無くてな」
自嘲しながらミナは呟く。
「でも本拠地を提供する必要は……」
「アメノミハシラを提供しているのは情報収集の為だ」
「情報ですか?」
ミナの言葉に不思議そうな顔を見せるシン。
「そうだ、現代戦の基本だ。 物資の推移、人員の移動等の情報からある程度の状況は読み取れる、そして人が集まる場には噂がある」
「噂なんて、当てになるんですか?」
「火のない所に煙はたたない。 噂には少なからず真実が混じっている、選別すれば使い手はある。 ……人と同じようにな」
「そんなものですかね」
ミナはじっとシンを見つめ、シンは目を逸らす。
46MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:44:48 ID:???
ミナはじっとシンを見つめ、シンは目を逸らす。
「シン、私の元に来い、部下になれ。 お前の望みを叶えてやろう」
その言葉にシンは正面へと振り返り、ミナは右手を差し出した。
「本気ですか?」
顔色も声色も変わらずに、シンは答えた。 額から一筋の汗が流れ落ちる。
「私は冗談は好きではない」
自信に満ちた不敵な笑みのミナ。  無言の圧力が答えを迫る。
「……少し、考えさせて貰っていいですか」
永遠にも感じる数瞬の思考の後、絞り出すようにシンは声を出した。
「何か不満か?」
「いえ、そうじゃないです。 ただ、今のままじゃ駄目なんです」
下を俯き、言葉に力を込め、シンは答える。
「分かった。 怪我が治るまでに決めておけ。……ひとまず戻るとしよう」
外套を翻し、ミナは元来た方角へと歩き出す。
シンから表情は見えなかったが、何故か嬉しそうな顔をしていた。
「……今までのまま、誰かの言うことに従っているだけじゃ駄目なんです」
ミナの後姿を見ながらシンは一人呟く、ミナの耳には届かぬほどの小さな声で。

それから更に数週間の後、アメノミハシラ執務室。
「ミナ様、アスカ様がお会いになりたいと」
連合との輸送航路の書面の確認を行っていたミナはサーティンソキウスの声に顔を上げた。
「通して構わん」
短く許可を出すと万年筆をペン立てへと戻し、机の上で両手を組んだ。
「失礼します」 サーティンとともに扉の中へと足を踏み入れるシン。
その顔は数週間前の迷いは既に無く、決意を決めた男の顔であった。
「良い面構えだ。 己の道が見えたか……行くのか?」
シンの顔を見た瞬間に、ミナは組んだ両手を解き、頷くと問い掛けた。
「はい、世話になりっぱなしで、何も返せないですみません」
真剣な表情で頭を下げるシン。
「殊勝だな。 悪いと思っているならここに残り、我が部下となれ」
「貸しにしといてください、出世払いで返します」
ミナの言葉に笑みを浮かべ、再び頭を下げる。
「よく言う。 当てはあるのか?」 苦笑しながらミナは左手で頬杖をつく。
「いえ、ただ傭兵になろうと思っています。 傭兵なら他人の為に戦えますから」
「そうか。 それがお前の意志ならば仕方あるまい……気が向いたのならいつでも戻ってくるが良い。 腕利きは何人いても困らないからな」
「考えておきます」 冗談めいた口調に二人は苦笑しあう。
「そういえば、MSはどうするつもりだ?」
「MSを借りれるまでは、暫く歩兵でもやって凌ごうかと」
ジャンク屋の一部では戦闘用MSのレンタルもやっているとシンは聞いたことがあった。
「……MSを買う前に死ぬな。 近頃は山賊の類でさえMSを持っているぞ」
呆れたようにミナは溜息をつくと、椅子から立ち上がった。
ミナの発言をより正確に言えば、MS乗りが山賊になるのだ。
地球では軍縮により職を失った兵士や、傭兵が山賊になり。
ザフトでは数週間前にラクス・クラインが主要な基地を除いた地上からの撤退を命じた為、それをよしとしない脱走兵が増加していた。
「まあ、なんとかなりますよ」 勿論シンもそのことは知っているが楽観的だ。
「お前は先のことを少しは考えろ……ついて来い」
そう言うとミナはサーティーンを伴い、シンに付いて来るよう促し、扉を開けた。
47MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:45:51 ID:???

シンを連れた来たのは、つい先日も来たターミナルエリアだった。
そこにいたのは一組の男女。
「よう、準備できてるぜ」
「ミナ様、バッチリ整備してあります」
一人は箒のような髪型の陰険そうな男、情報屋ケナフ・ルキーニ。
もう一人は茶髪をサイドポニーに纏めたツナギの女性、ユン・セファン。
「手間をかけさせたな、ご苦労だった……シン選別だ。 くれてやる」
ミナは二人に労いの言葉をかけると二人の背後にあるMSを指差した。
その先に合ったのは真紅のグフ。
右腕が左腕よりも一回り大きく、左の肘には万力だろうかようなものが装備され、スレイヤーウィップはオミットされているようだ。
フライトユニット上部にはトゲ付きの鉄球が装備されていた。
「こいつは、グフクラッシャー! 何でこいつがここに?」
そのMS、グフクラッシャーの特徴的な姿は映像のみではあるが、見覚えがあった。
次期主力量産機、ニューミレニアムシリーズの座をザクとグフで争った時、コンペに提出された機体だ。
ザクが背部の兵装パックの換装により戦況に対応するのに対し、武装を搭載した手足を換装することで、
より細かく戦況に対応する事をアピールする為に1機のみ製作された火器を使わない対MS格闘戦用の機体だ。
コンペの結果ザクが勝利したことによりモスボール保存され、その後へブンズベース攻略戦に使用されたという話だ。
ちなみにシンがグフクラッシャーについて知っていたのは、インパルスのテストパイロットだった際、たまたま資料を見たためだった。
「ザフト試作型近接格闘・制圧戦仕様MSグフクラッシャー。 知っていたか。 ま、データを貰って作った『レプリカ』だがな」
「レプリカでも性能はほぼ変わりません! 装甲に質の良い発泡金属を使ってますから、寧ろ機動性は向上しているくらいです!」
レプリカを強調するケナフに、ユンは頬を膨らませ、抗議する。
ユンとしては単なるレプリカ扱いは気に入らないらしい。
「でも何で俺にこれを?」
二人の言い争いを横目で見つつ、シンはミナへ疑問を投げかける。
「言っただろう、私はお前を認めよう、と。 これは初期投資だよ、借りを返してくれるのだろう?」
相変わらずの自信に満ちた不敵な笑みを浮かべ、ミナは答えた。
「……ありがとうございます」
暫く頭が上がらないなと内心シンは思った。
暫くどころか、4年経ってもシンは、ミナに頭が上がらないのだが、この時のシンはまだそんな事は知るよしもなかった。
「礼なら、二人に言うが良い」
「お二人とも、ありがとうございます」
言い合いも終わり、そっぽを向きあう二人にシンは頭を下げた。
「いえ、私なんて……」
「気にすんな。 それより坊主、傭兵になるのは良いが名前はどうすんだ? シン・アスカは死んだ事になってるんだぞ」
ユンが謙遜していると、ケナフはその言葉を遮り声を上げた。
「あ、名前か、考えて無かったな」
シンは頭を掻き、考え始める。
「お前は本当に、先の事を考えていないのだな」
最早、呆れ返った様子でミナは言う。
それに対して、微妙に嫌な顔をするシン。
「なら、赤鬼ってのはどうだ? お前と、この機体には丁度良い」
「赤鬼か、いいですね」
グフを見上げるシン、昔見た御伽噺を思い起こす赤い体色、一本角。 オマケにトゲ附き鉄球まで付いている。
確かにこれ以上相応しい名前は無い気がした。

48MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:46:45 ID:???
『それじゃあ、お世話になりました』
「ああ、また会おうシン・アスカ」
通信が切れると同時にグフを積み込み、シンを乗せた地上行きシャトルはアメノミハシラから離れていった。
行き先はギガフロート。 其処でシンは傭兵となるはずだ。
「行ったか……おっと、あいつに頼まれてたリストを渡すのを忘れてたな」
ターミナル管制室の窓際からシャトルを見ていたケナフは、思い出したように懐から一枚のファイルを取り出した。
「ああ、それが奴を嵌めたオーブとザフトのリストか、まぁその内渡してやればいいだろう。 奴に遣って貰う仕事は山ほどある」
頬の肉皮を吊り上げた邪悪な笑みを浮かべるミナ。
どうもグフを無償で渡したのは地上でシンを扱き使う為でもあるらしい。
(酷いことするなぁ……)とユンは思ったが口には出さない。
「(全く坊主も災難だな)ああ、だが妙な事がある」
意味ありげな間を置いて、ケナフはファイルをミナに手渡した。
「……これは?」
ファイルを流し読みしたミナはあることに気づいた。
「気付いたか、よく考えてみれば妙な話だったんだ。 元々プラントとオーブは敵国だった、歌姫の騎士団を除いてな」
「オーブ、ザフト、今回の件に関わった上層部の軍人の中に、事前にもう一方と繋がりのあった人間がいないとは……」
先程の冗談めいた笑みとは真逆な、苦虫を噛み潰したような表情でファイルを読み進める。
つまり、双方は相手をよく知らぬまま、今回のシン・アスカ抹殺のために手を組んだ。
しかもミナが介入しなければ、ラクスとカガリ、二人の国のトップに隠したまま、シンを抹殺するのに成功する筈だった。
そんな事は不可能に近い。
「だれか、いや、複数の連中が裏で糸をひいてる」
「……ケナフ、地上にいるお前の弟子、ベルナデットを呼び戻して、二人でこの件をもう少し突っ込んで調べろ」
「あいつを弟子にした覚えは……まあいい、じゃあ、地上のエレベーターシャフト基部建設は中止でいいんだな?」
元々軌道エレベーターの頭頂部として作られたアメノミハシラは未完成であった。
長らく凍結されていてが、最近、軌道エレベーターとしてのアメノミハシラを完成させる計画が復活した。
現在アメノミハシラにいないベルナデットは現在オーブでの軌道エレベーターシャフト基部建設の折衝に行っていたのだった。
「いや、続けさせる。 その方が怪しまれず済む」
「分かった」
ケナフは通信室へと向かって行った。
「ユン、すまないが、ムラサメとオオツキガタを元にした例の新型の設計をもう少し煮詰めてくれ」
「わっ、分かりました!」
ユンもまたファクトリーへと駆け出していく。
「恐らく敵は世界の裏に潜む悪意。 名前の分からぬ敵。 さしずめ、名も無き者達、『ネームレス』か」
二人が出て行き、ただ一人となった管制室でミナは呟く。
その視線はシンの降りた地球へと向けられ、憂いに満ちた表情をしていた。
49MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/16(日) 13:54:39 ID:???
以上です。 ところでこの話のシンはラクシズを気にしない(興味が無い)シンなんですが、このスレ的にはどうなんでしょうか?
感想、ご意見、指摘、批評などをいただけたら幸いです。
50通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 13:58:29 ID:???
GJ!
反射的にみなたま言語翻訳機にかけてしまって吹いたのは俺だけの特権
51通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 14:02:33 ID:???
MORさんGJです!
まあ、ラクシズの四人も善人である事は間違いないから良いと思いますよ。





人の話を聞かない事とやり方がアレですけどね……。
5232:2008/11/16(日) 14:05:44 ID:???
>>49
作者それぞれだから、別にいいと思うけど…

>(だったら憎めば、怒れば良い、そうすればまた強くなれる)
>(……誰を?)
>(自分を陥れた連中全てを! これは正当な理由の復讐だ!)
(そうだ! あの時アスハ殺していれば、ルナマリアごとアスランを貫いていれば、
武器を持っていなかった『あいつ』とあの女を殺していれば、こんな事にはならなかった!
全てを殺してやる! 全てを滅ぼてやる! 死んでいった人達の…いや、俺の魂が癒される
にはそれしかない!!)
「力をくれ…俺に、奴らの全てを滅ぼす力を…!」

掛け値無しの復讐鬼化な話も見てみたい気もする
53通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 14:07:38 ID:???
ヘイトスレが懐かしいね
54通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 14:43:22 ID:???
なんでグフクラッシャーなんだよwww
55通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 15:03:48 ID:???
ザフト新兵訓練
教官「いいですか!皆さん、はいそこの赤目の君。さっき言った事の復唱」
しん「はい、えーっと『知らないところはみだりに歩き回らない』
   『知らない人についていかない』、『交番を見つけたらすぐにかけこむ』」
教官「よし、覚えたな」

こんな感じだったと予想
56通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 16:43:48 ID:???
MOR氏GJ!

まぁ確かに四馬鹿は善人である事には違いありませんからこれでも良いと思いますよ
ケナフにユン、それにジャンか?何かニマニマしてしまった
57通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 19:00:48 ID:???
BGMが和太鼓の曲になるわけですねわかります
58通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 19:03:45 ID:???
MOR氏 GJ!
ところでライオン氏のでザラ坊ちゃんが出たが…
親がどんな教育してきたかがすごく気になるW
59通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 20:53:39 ID:???
GJ!ここから諸国漫遊傭兵日記の始まりかあ


でもあれ、赤鬼って…なんかクライマックスなレイの姿が脳裏にw
60通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 21:25:17 ID:???
そのうち剣の刀身を自在に飛びまわらせるようになったり、母艦が電車にそっくりで武装コンテナを搭載してるんですね、
わかります
61通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 22:13:35 ID:???
変身!でダークヒーローになるのか・・・
62通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 22:32:06 ID:???
>>57 
それなんてガン×ソード?
63通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 23:16:20 ID:???
凸、アデランスといわれたい放題の凸www
まあ、間違ってないがw
64通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 23:24:09 ID:???
憎んでないとか言う割にすごい扱いだなw憎んでないからこそかも知れんけど。
65通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 23:26:40 ID:???
お前グフクラッシャー出したかっただけだろ!?
よく出した!!!
66通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 00:15:43 ID:???
さっきMOR氏の世界を覗いた研究員が
「グフクラシャーなんぞに負けはせん!今すぐゾゴジュアッグギガッシャを超越したディスティニーUをシン・アスカに届けねば!!」って叫んでファクトリーに走って行ったぜ
67通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 01:24:18 ID:???
68通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 14:14:41 ID:???
>>58
凸が施す教育なんてだだ一つだろ!すなわちいかに己の髪の毛を延命させるかだ!そう、輸送船の中でもザラ坊っちゃんは頭髪の手入れに必死で、人前で会話をする余裕なんてなかったんだよ!



ん、何か赤いモビ(r
69通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 16:09:22 ID:???
子が辿る運命を憂えて親子共々スキンヘッドにしてるやもしれn
70通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 17:20:10 ID:???
>>67
相変わらずシン×セツコは根強いというか定着した感があるな
次の種死参加のスパロボでセツコが出てこなかったら苦情のメールをバンプレに送る奴が出てくるんじゃねw
71通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 17:24:45 ID:???
シン×セツコって2ちゃん外でも人気あるの?
72通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 17:34:58 ID:???
2chでは定着してると思うんだが、それ以外ではどうだろ?
73通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 18:45:16 ID:???
>>72
俺の友人がZで種死を知りDVDを買いディスクスラッガーをして種アンチデビューした件なら知ってる。
74通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 18:48:02 ID:???
無理もあるまい。リアルタイムで種死見てからZやるのとZやってから種死見るんじゃ
ダメージが違いすぎる
75通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 19:03:25 ID:???
携帯でみたらセツコがマユに見えた
マユに置き換えても違和感ない気がした
76通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 19:13:56 ID:???
>>67
あと何気にノースリーブの赤い人が近くにいるw
シン×セツコスレでは二人に余計な知識を植えつけてるんだよな、この駄目親父はwww
77通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 19:42:53 ID:???
>>67を見たミナ様とアズ子とエコ子とエミュ子としっぽがアップを始めたようです
78通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:28:03 ID:???
プランC
デスティニーUをコアユニットとした巨大MS。
主武装のグーングーンニルランサーの最大出力を出す為の弾丸にグーン1機の犠牲を必要とする。
尚、このプランはザフト古参兵の反対により破棄され実現には至ってはいない

79通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:29:01 ID:???
>>67の絵師、誰か詳細知っていたら教えてくださいな。
見たことはあるんだが保管庫が見つからない・・・
80通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:31:48 ID:???
本編でも凸の代わりにシャアが欲しかったな……
81通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:32:50 ID:???
1コマ目のシンの口に付いたクリーム?をハンカチでふき取るor舐め取る
まで妄想余裕でした
82通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:33:22 ID:???
1stのシャア・Zのクワトロ・CCAのシャア
この中から選ぶならどの赤い人?
83通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 20:57:43 ID:???
>>73
DQNダナー
84通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 21:40:57 ID:???
グフクラッシャーってインパルスより上なの?
85通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 21:44:03 ID:???
グフに万力付けただけ
86通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 21:45:58 ID:???
ウォーズマンに負けた
87通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 22:17:56 ID:???
万力マンだっけ?
88通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 23:05:01 ID:???
>>82
1stのシャア…冷徹、優秀、妹想い
Zのクワトロ…へたれ気味、少しだけ兄貴
CCAのシャア…ロリコン、マザコン、重度のヘタレ

個人的印象としてはこんな感じ。
一番かっこいいのは1stなんだけど、人を導くのはやっぱクワトロが適してる気がする
89通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 23:08:33 ID:???
>>87
ザ・マンリキ
9087:2008/11/17(月) 23:27:50 ID:???
>>89
そう!そいつ!肩の万力壊されたけど腰に万力仕込んでた奴!
91通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 23:48:15 ID:???
>>88
CCAはもう諦めてヤケになってるからな
92通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 00:05:00 ID:???
>>84>>85
イグナイの腕取り替えただけなんで基本性能は同じだと思う。
問題は左肘に付いた瞬間最大圧搾力300万Gを叩き出し、PS装甲すら砕く万力と、明らかにレイダーの物を参考に作られたと思われる、直撃を受けると中の人がミンチになるロケットスラスター付き破砕球。
HJと森田的にはレ○ズナーの死鬼隊をイメージしたという、ZAFT三大奇怪MSの一つ。
ちなみにテスパイでFAITHのアンリ・ユージェニーはグフクラの開発に心血注いでて、ヘヴンズベース攻略戦にモスボール保存されてたグフクラ持ち出して、凍結されてた機体の真価を見せようと鬼神のごとき活躍をする某社の研究員と気が合いそうな人ってか多分同類
93通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 00:09:04 ID:???
>>92
ちょっとゴステロを呼んで来る
94通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 00:49:18 ID:???
>>74
シンの「俺みんなと会えなかったら酷いことになってた」の真実をこれでもかというぐらいに思い知る事になるからな
ただし酷い事になったのはむしろ種死そのものだが
95MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/18(火) 02:48:04 ID:???
皆さん感想ありがとうございます。
>>50さんのご期待と>>55のレスを見た後、参考資料として小説版アストレイ読んでたら降って来た電波で小ネタを投下したいと思います。

request5EX 『小さい子って目を離すとすぐ居なくなるよね』
「……迷った。 ここどこだよ?」
ミナとの会合から2日後、未だに治らない左腕をギブスで固定したシンは連絡通路のような場所で迷っていた。
秘書であるベルナデットから自由に出歩いてよいという許可を貰い、何もすることが無く暇なのでアメノミハシラをうろついていたらこの様である。
「……誰かに案内頼めばよかったかな」
とはいってもアメノミハシラに知り合いは少なく、知っている人も、皆忙しそうだった。
ザフトの新兵教育でも知らない場所(艦内)は一人で出歩くなと言われたのを思い出し、二重の意味で気が滅入る。

「いいか、新人。 今後どこかの基地、艦に配備されたら、一人で出歩くな、先輩と一緒に動け」
アカデミーに入りたての頃、髭を生やした教官がまず教えたのはそれだった。
「年に一人は迷子になる奴がいる……特に其処の周りが見えなさそうな赤目、気をつけろよ」
シンを指差し、教官は笑った。 
実際この教官はシンの本質を見抜いていたといえる。
(……この歳で迷子になる奴なんていねえよ)
内心、悪態を付いていたシンだが、その後実際に迷子になった上、その後も度々騒ぎ(喧嘩に始まり、教官を模擬戦でKOする、地球生まれと罵った同級生を張り倒すetc)を引き起こし、
『アカデミー始まって以来の問題児』『赤目のアスカ』等という有り難くない二つ名を頂戴するのだが、それはまた別の話である。
それだけ問題起こしといてよく赤を纏うことができたものだ。

「あー、思い出したら欝に……」
軽く欝になっていたシンの目の前をどこかで見た小さいのが行ったりきたりしてる。
長い外套を引きずり、流れるような黒髪。
「……みなさん?」 怪訝そうな声でシンは目の前の(一応)命の恩人に声を掛ける。
「えっ! 何だシンか……、ひまそうだな」
びくりと体を震わせ、みなはシンを見る。 
シンがいる事にすら気付いていなかったらしい、よく見ると目を真っ赤にして目尻に涙をためている。
「何してるんです? もしかして迷…」
「迷ってないよ! ただみちをまちがえてどう帰ろうか、かんがえてただけ……グスッ」 
恐らく知り合いに声を掛けられ、安心したためだろう、しくしくと泣き始めてしまった。
「あー、分かりました。 みなさんは迷ってないんですよね。……実は俺が迷子なんです。一緒に帰り道を探しましょう」
みなの泣き顔にシンは慌てて立ち上がり、何とかなだめようとする。
(そういえば、マユもこんな感じだったなー)
「……うん。 しっ、しかたないな世話の焼けるやつだ。 わたしがいっしょにかえり道をさがしてやる」
両手でぐしぐしと涙を拭うと、みなはある筈もない(どっかのえぐれ胸のご令嬢よりはあるかも知れない)胸を張る。
そんなみなの様子にシンは昔を思いだし、微笑ましい気持ちになる。
「はい、はい。 ありがとうございます……なんです?」
シンが歩き出そうとした時、シンの服の袖をみなが引っ張っていることに気付き、立ち止まる。
「迷子になるといけないから、手を握ってやる」
シンの顔を見上げると、頬を朱色に染め、みなは右手を差し出した。
「……じゃあ、お願いしますね」
シンは微笑むと、みなの右手を優しく握る。 
小さくて、暖かくて、柔らかい手。
家族が、妹がいた時、幸せだったときを思い出し、暫くぶりに感じる暖かい気持ちを胸に抱いていた。
その後、何とか居住ブロックに辿り付いたシンはみなと手をつないでいる所を偶然、遊…じゃなくて取材に来ていたジェス・リブルに写され、面白がったケナフにロリコン疑惑を懸けられ、アメノミハシラみなたま親衛隊に追っかけまわされる事となる。
96MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/18(火) 02:48:59 ID:???
以上です。 
なお、本編はグフクラを出したかっただけだろとの意見をいただきましたが、 そ の 通 り で す
……と言うか万力とか、ハンマーとか、オリジナルドムのドリルランスとかニ、三本頭のネジがぶっ飛んだとしか思えないゲテモノ武装が大好きですw
97通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 05:36:25 ID:???
>>95
ゆる厳「よーし、腕の一本でも折ってやれ!」
98通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 08:46:27 ID:???
>>92
対キラさんの時に欲しかった装備だな
99通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 08:56:16 ID:???
なんかあのグフクラの万力はPS装甲も砕くらしいな。
どんな万力なんだよ
100通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 09:18:36 ID:???
>>99
万力部分に仕込んだカートリッジ式炸薬を爆発させて締め上げるって代物
PS装甲に関しては何十回も締め付けて無理やりダウンさせて潰すとか
101通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 10:41:56 ID:???
>>100
それ聞くと某青いクワガタのクラッシャーみたいだな。
102通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 12:48:34 ID:???
>>95
MOR氏がお嬢様に襟首を掴まれて紫の目の部屋に放り込まれたお…
103通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 13:01:26 ID:???
>>99
ネロブリッツの背中の大型アームユニットもPS装甲を破壊出来るよ。
104通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 13:38:11 ID:???
>>95
お持ち帰りしたいなぁ…

小さい子が目を離すといなくなるんじゃないよ
大きい人が小さい子について来れないだけなんだよ…と
この前親戚の子に散々振り回された俺が言ってみる
105通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 13:57:40 ID:???
>>100
レスキュードーザーのファイナルレスキュー思い出した
106通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 15:57:47 ID:???
>>100
原理としてはパイルバンカーみたいな感じ?
107通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 16:03:34 ID:???
万力の方が先に破砕しそうだなw
108通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 17:46:57 ID:???
>>107
前提として万力の強度がPS装甲より
堅くなくちゃいけんよなぁ…。

…スゲェ今更なんだけど天といいガーベラ・ストレートといい
なんで外道のMSは格闘特化が多いのだろう。
109通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 17:55:13 ID:???
遠距離で射撃戦よりは近距離で格闘のほうが盛り上がるからとか?
110通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:09:24 ID:???
千葉の中で格闘機最強論
111通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:14:53 ID:???
虹色ビーム垂れ流しのバンクと格闘戦どっちが燃える?
112通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:40:04 ID:???
>>105
だいたいそんな感じであってる
しかしレイダー張りの鉄球も装備してるんだよな、グフクラッシャー…
113通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:46:18 ID:???
義足のビームクローと火炎放射機が追加されれば完璧
114通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:59:40 ID:???
グフクラッシャーにてアスランの駆るジャスティスと交戦する事となったシン。
しかし性能差には勝てず…
アスラン「ジャスティスレッグブリーカでござーい」
次回「クラッシュ!?グフクラッシャー」
115通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:23:37 ID:???
グフクラッシャー知らないんで調べてきた
ttp://img98.imageshack.us/img98/6084/z0wf.jpg
確かに赤鬼だw
116通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:24:57 ID:???
大丈夫 
負けても来週には新たなMSVがみなたまから支給される

ただし負け過ぎると処刑
117通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:27:16 ID:???
色ぬりがバタ臭い
118通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 20:04:48 ID:???
>>115
トンクス
119通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 20:09:57 ID:???
>>115
アーマートルーパー(AT)にもこんな機体あるぞw
確かスラッシュドッグだっけか?
ゲーム用に大河原さんがデザインした機体で、左腕にブルドーザーのシャベルみたいなのがついてんだ
120通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 22:16:20 ID:???
サンライズ大戦のGTの中にも居たな
121通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 22:30:41 ID:???
アストレイズのえせ金ピカなんかよりこっちの方をキット化してほしかった。
パーツ新造のコストはわかるけど…
それにしてもD⇒ディーの乗機といい、逆シンではグフがちょっと味のある役回りをもらえてるね。
122通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 23:17:52 ID:???
某作品と某火葬戦記アニメを見て
シンがラクシズ入りして数年後、ラクシズが大敗しシンも凸の巻き添えで死んだbatend後
ヤキン開戦1ヶ月前の世界に転生し生前の記憶を持つギナ達と共に
シン「オーブで新妻ステラと嫁に行かないマユと友人に囲まれた平凡な幸せ」
ギナ「姉上と統べる理想のオーブ」
フレイ「今度こそキラとラブラブになる」
ラスティ「出番を下さい」
等を目指し歴史の修正力と戦うストーリーのを妄想した。
123通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 23:51:43 ID:???
大丈夫
きっとザラパパとクラインパパが子供の教育方針について考えて、
必死に歴史の修正力と戦ってくれる筈さ
124通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 01:13:01 ID:???
>>122
…ルナは? サイは?

あとラスティ、お前はどっから来た。
125通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 01:17:43 ID:???
一方自分の毛髪に、ひいては人類の未来に絶望した凸は狂うぜに加担するのであった
126通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 02:11:54 ID:???
>>122
batじゃこうもりじゃね?
なにげにここの住人ってBADEND好きだな
人並みの幸せより全てを失ってたった一つ残ったものを糧に〜
な状況がシンに似合うのはわかるが
127通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 02:18:11 ID:???
>>125
人類全てに己と同じ絶望を与える……
共通の目的の為に狂うぜと手を組んだ凸。まずは手始めとばかりに自らの父親を手にかける。哀れパトリックは残り僅かな髪の毛を全部むしられた挙げ句、永久脱毛処理されてしまうのだった。
128通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 02:22:39 ID:???
クルーゼスレのPP禿宦官凸「呼んだか?」
129通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 06:05:19 ID:???
ギナの加入はシンの話すミナのその後を曲解し「世界中からいじめられ寝込みを劾に襲われルパンダイブをされるみなたま」と勘違いしたと言う妄想余裕でした。
130通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 07:17:36 ID:???
一方、転生したギル、ラウ、レイ、タリアは

ギル「実はテロメアと寿命の因果関係は無くお前の発作の原因は胃痛だ」
ラウ「Σ(゚Д゚;エーッ!! 」
レイ「それを知り思わずギルを撃ち殺してしまいました
 今は反省してます」
ラウ「Σ(゚Д゚;エーッ!! 」
タリア「過去に転生したのでギルとよりを戻そうかと」
ラウ「Σ(゚Д゚;エーッ!! 」
ギルレイタリア「「「ラウも新しい人生を歩まないか?」」」
ラウ「やっぱり何が何でも世界を滅ぼしてやるヽ(TДT#)ノ」
〜ザラ宅
パトリック「バレンタインの悲劇を無かった事に出来てレノアも無事だから別にナチュラル根絶とかしないぞ」
ラウ「Σ(TДT;エーッ!! 」

行く先、行く先で世界への復讐を断られたラウは失意のまま某ドラえもんRPGのBATEDみたくディンで空を飛ぶのであった。

ラウ「ぐすん……」
END

ED26:仮面の憂鬱
131通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 07:29:42 ID:???
>>130
流石にスレ違いifスレでやれ

あとドラ○もんにしないと植木のリンクになるんだぜ
132通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 12:33:52 ID:???
グフクラッシャーの万力で敵を絞める際、シン・アスカは初めて種割れした日の事を思い出した。
133通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 21:13:44 ID:???
MSはもう必要無いとまで言わせたあの機体ですね。
134通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 00:05:49 ID:???
>>126
シンのハッピーエンドも見たい俺みたいなのもちゃんといるぜ
むしろアニメで何も残らなかったから
一つでも残ってるとマシに映るのかも
だがシンが幸せだと不幸の前フリな気がして警戒してしまうぜ…
135通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 00:13:07 ID:???
ジョニーザク用に調合した塗料でパチ組みのハイネグフを塗装しに背中にレイダーのハンマーを付けて手に洗濯鋏を付けてグフクラッシャーを作って見た。





しかし完成したのは下半身がバクゥになり股間からバクゥの頭が伸びている
まるでミケーネの将軍の様なグフクラッシャーになってた。
136通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 00:26:32 ID:???
それなんてギータ?
137通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 01:00:08 ID:???
ハーメルンか懐かしい
倒したMSのパーツを追加して強化するゲテモノMSかよ
138通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 01:27:48 ID:???
>>135
グフの胴体を切って落としたと油断させてビームファングでガブリですね
139通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 01:41:37 ID:???
>>136
なんというゴーゴン大公。
間違いなく分離して襲ってくるに違いない。

ホラ、グフって単体で飛べるし。
140通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 06:46:19 ID:???
ステラを忍びバクゥの翼にアロンダイトを仕込んでいるのは確実
141通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 07:29:42 ID:???
尻尾キャノンは常備だろ?ゾイド擬的に考えて
142通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 15:41:57 ID:???
そこはビルドアップ!ばんばんばばんだろ
143通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 18:24:00 ID:???
ようつべにみなたまのテーマソングが
144通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 20:13:20 ID:???
このスレを見てたらケルベロスバクゥが欲しくなったが一個も無いとはどうゆうマーフィーの法則だ?
145通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 20:44:22 ID:???
これで更にゲッター真(チェンジ)ドラゴンやUキラーザウルスまで持ち出そうが
意地でもゲルズゲーには触れない貴様等の情の薄さはアズ子嬢の絶壁さえも道を譲r(ドテポキグシャ





「あかんかったよ、もうあいつはオカズにしかならんわい」
146通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 20:51:10 ID:???
>>141
なるほど、しっぽのMSはバクゥか……
147通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 22:58:32 ID:???
>>143
KWSK

>>145
ゲルズゲー?
ああ、あの海鮮ジョンゴル鍋に入ってそうな奴か
それよりも情に厚いこのスレ住人に情が薄いとは……
いいか、良く聞け、このスレの住人は厚さで言うならアスランの面の皮や、ロンド・ミナ・サハク嬢(非みなたま)の胸板位の厚さが(何か柔らかい物が潰れた音
148通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 13:02:38 ID:???
凸の面の皮とは一緒にされたくないZE
とりあえず、道に迷って涙目なみなたまに飴あげたい!
149通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 17:29:08 ID:???
F+でシンをラクシズに入れたのは

キラは「何でも出来るから何もしない」人だから議長職で忙しく焚き付けれないラクスの代わりにシンと模擬戦でもさせて焚き付けさせるため。
と決着がつきました。
つまりは三国志の落鳳破の人が県令をしていた頃に仕事を溜めて張飛が殴り込みに行ったその関係
150通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 17:41:24 ID:???
>>149
キラに「仕事をしているフリ」(模擬戦等)をさせるのが仕事か

凄く重責で重労働でブラックです
151通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 18:06:46 ID:???
sage
152通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 18:12:21 ID:???
そんな事をしなくともキラがサボり始めたりカメコ化をしたりや ら な い か ?に目覚めてもラクスが拷問室送りにして矯正してくれるから安心
153通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 21:04:54 ID:???
19氏はZをクリアできたのだろうか…
154通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 21:07:24 ID:???
19氏なら俺の隣で寝てるよ
155MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/22(土) 06:33:06 ID:???
深紅のグフが天を舞う、それに相対するは全身に輝ける剣持つ、紅の騎士シャイニングジャスティス
「何で、何でなんだっ! 答えろッ!」
シンの悲痛とも言える叫びが闇夜を切り裂く。
「俺は理解したんだよ、世界の歪みを、その訳を」
シンの激情をかわす様に、アスランは声色一つ変えずに答え、ビームブーメランを投げる。
「また一人だけ、分かったような口をッ! そんなんだからアンタはッ!」
ビームブーメランを手にしたビームマシンガンで撃ち落すと、ウィップとハンマーを連結。
「ならば! お前に何ができるっ! 責任から逃げ、戦う事しか出来ないお前が!」
「黙れ!」
ロケットスラスターに点火した破砕球が正義の名を関する光の騎士へと向かう。
「ちぃっ!」
ジャスティスは両腕のビームシールドを展開、シールドは火花を散らし、かろうじて寸前で軌道を逸らす。
過負荷で使用不能になったシールドから、肘に仕込まれたソードにバイパスを切り替え、光刃を展開する。
「……甘いんだよ、アンタは」
シンの声へとカメラを切り替える。 
其処には勢いの付いた破砕球を収納しながら全速でジャスティスの懐へと飛び込むグフの姿。
(破砕球の速度とグフの速力を合わせ、こちらの後退速度を上回ったか! ……だが)
「学習をしない奴だな、シン! ……あの時を忘れたか!」
嘲笑を浮かべ、アスランは叫ぶ、接近戦でこのジャスティスに敵うものなど存在しない。
かつてのシンの機体デスティニーでさえも。 グフならば尚更だ。
シンは自身の持つ勝機に活路を見出し、速度は緩めない。
ジャスティスが接近戦においては無敵であることは嫌と言うほど知っていた。
だからこそ、油断が生まれる。 その隙と左肘の装備こそシンの切り札だった。
「これで終わりだッ、シン!」
ジャスティスの全身から無数の光刃が展開される。 その姿はまさしく光の騎士。
死が目前へと迫っているというのに、シンは今だ不敵な笑みを崩さなかった。


CE7X
重責と女性関係のトラブルが原因のストレスで凸の頭皮へのダメージは致命的になっていた。
それはもうプラント脅威の科学力でも何とかならん位に。
そんな訳で正体不明のテロリストの作った究極の毛生え薬Zタイ−K8Lに釣られ、例によって例の如く至極簡単にあっさりとラクシズを裏切った。
当然プラント議長であるラクスは(只でさえ忙しいのに余計な仕事を作った元凸、現在禿に)激怒し、叫んだ。
「誰か! 薄ら若禿げ蝙蝠、アデラン・ヅラの全身の毛を毟り取って、私の元に引きずり出しなさい!」
「永久脱毛して全裸で、プラントの玄関口に吊るし上げてやりますわ!」
アスランに対抗出来るパイロットはシン・アスカ亡き今、一人しかいない。
スーパーコーディネーター、キラ・ヤマトである。
「(家から)出たくない! 引っ張らないで!」
嫌々ながら出撃したキラのライトニングフリーダムは(毛生え薬の為)完全に迷いを断ち切り、名実ともにCE最強(CEの神公認)と成った禿に敗れた。
(禿から凸に戻るため)快進撃を続ける禿の元に立ちはだかったのはグフクラッシャーを駆る死んだ筈のシンであった。
156MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/22(土) 06:36:53 ID:???
機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
requestEX 『逆襲の禿(某監督では無い)』

「アデランっ!!」
「何でこんな事をッ! また戦争がしたいのか、アンタは!?」
グフとジャスティスを密着させ、シンは叫ぶ。
「これでは、地球が寒くなって、人が住めなくなる!核の冬が来るぞ!!」
「俺以外は自分たちの(髪の)事しか考えていない! (注:他の人は髪の毛のことを考えてません」
「だから(他人の髪を)抹殺すると宣言した!!」
グフを引き剥がすように、蹴りを入れ、両肘のサーベルを再び展開。
「人が人に罪を与えるなんて……!」
マシンガンから銃剣代わりのビームナイフを取り外し右手に、左腕は動力系をインパクトバイスへと切り替える。
「俺 アスラン・ザラが粛清しようというんだ! シン!!」
更に両足、膝に装備されたサーベルを展開、グフへと襲い掛かる。
「妬み、嫉妬だ、それは!」
グフは巧みにサーベルの連撃をかわし、ナイフで左大腿部を切断、インパクトバイスで右肩を押しつぶす。
「俺の頭が(禿的な意味で)もたん時が来ているんだ! ……どうしてそれが分からない!」
アスランは左足と右腕を失ったにも拘らず躊躇せず残った左肘、右足、右膝のサーベルでグフの四肢を切り裂いた。
衝撃から嗚咽を漏らすシン。
そんな戦闘力を失ったグフへジャスティスはトドメの頭部ビームモヒカンを振り下ろした。
「そんなものでは……」
墜落していくグフを見下ろしアスランは呟く。
その姿にはどこか影のような物が感じられた。

その後、気絶している所をまたもや、ロンド・ミナ・サハクに助けられたシンは新たな剣を与えられた。
「持っていくが良い、シン! これが新たなるお前の剣だ!」
格納庫の扉が勢いよく開かれる。
そこにあったのはシンも見慣れた愛機グフクラッシャー……上半身は。
その下半身はザフトの誇る四足獣型MSバクゥハウンド。
といっても神話に登場する半人半獣のケンタウロスのような滑らかなフォルムではない。
口で説明するならバクゥハウンドの上にグフクラッシャーの上半身が乗っかって、人間の股間に当たる部分からバクゥハウンドの頭が飛び出していた

グフハウンド! 
それはグフクラッシャーとバクゥハウンドを組み合わせた全く新し……く無い、ガイアインパルスなMSである。
そしてこの若者の名はシン。
ロンド・ミナ・サハクからグフハウンドを与えられた人生不運一直線な男。
今、最強の禿に挑む!
うおおおおおぉぉぉ――――っ!
157MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/11/22(土) 06:42:19 ID:???
「うあああああああああーーーー!?」
言い知れぬ恐怖に駆られたシンは身を起こし、深い眠りから覚め、叫んだ。
「んー、シン? どうしたの……」
傍らに眠っていた女性───は眠たげな声で、シンの顔を見上げる。
「ああ、起こしちゃったか。 いや、別に何でも無い、悪い夢を見ただけさ」
シンは優しい声で謝罪し、女性───の───色の髪を撫でる。
「そう、ならいいのだけど」
女性───は安心したように再び眠りに付く
「…………夢、なんだよな」
シンの虚空への問い掛けに答えるものは誰もおらず、只女性の寝息だけが静かに聞こえた。

以上です。
とりあえず>>153>>154
19氏じゃなくてゴメンナサイ。
今起きたことをありのまま話すぜ!
俺はグフの塗装が乾く間に6話を書いていて、息抜きにスレを見ていたら、気付いた時にはこの話が書き上がっていた。
何を言っているかは分からないと思うが投下した俺も分けがわからねえ!
トリックとか超能力とかちゃちなもんじゃねえ、……もっと恐ろしい、逆シンスレの真髄を味わったぜ!

あ、忘れてましたがシンと一緒に寝ていた女性の───部分にはお好きな名前と色を入れてお楽しみください。
べッ、別に前回の投下後、某社令嬢に襟首を掴まれて紫の目の部屋に放り込まれたせいジャナイデスヨ。
75……じゃなかった、オジョウサマは315デス(棒読み)
158102:2008/11/22(土) 07:12:29 ID:???
>>157
GJ!
159通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 07:35:18 ID:???
朝っぱらから、何ちゅうもん読ませてくれる!
ココア吹いたわw
160通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 07:40:11 ID:???
>>157
俺のコーンポタージュ返せwww
161通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 08:48:23 ID:???
俺の紅茶がwww
耐えてたけどビームモヒカンで死んだwww
162通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 09:12:01 ID:???
ゼッタイーケハエルフイタwww
163通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 12:14:08 ID:???
>>517
すごい漢だ…
164通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 12:20:03 ID:???
シュークリーム吹いたwww
165通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 12:43:48 ID:Qee1d8vG
>>163なんと言うロングパス

>>517に期待
166通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 13:09:01 ID:???
>>157
とりあえず、緑茶塗れになった私のキーボードを返してくださいw
グフハウンド…MSVに出てこないかな…

思うに、お嬢様がきょぬーってのはありえないと思います。
てかルナマリア以外でシンに関係してる女性は殆んど皆貧n
167通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 13:09:43 ID:???
>>517
いやまてまて、、それをココで言うか・・・・
168通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 13:15:37 ID:???
>>166
つステラ、あと番外でセツコ
169通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 14:21:39 ID:???
>>517
よりにもよってそれを言うとは・・・貧の方々に消されるぞ

……凄い、跡形も残ってない…>>166
いくら事実でも、はっきり言ったのがますかったな
まあ、なんと言おうとアズ子やみなたまは絶望的だし、身体が無いエミュ子は意味が無い。
ベル子とか七さんは将来に期t
170通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 14:56:13 ID:???
>>166
つマユ

年齢からは在り得ない発育の良さだと以前言われていたんだぜ?
もし生きていたら今頃ロリ巨乳と言うどこかのだれかの対極路線に…あれ、急に外が真っ暗にn
171通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 15:23:31 ID:???
俺もGJ!のあまり「野菜一日これ一本」吹いたからエラソな事言えないけど、
みんな話の方に気を取られて、
>俺はグフの塗装が乾く間に
を見落としていないか?
まさかMOR氏はグフクラッシャーの製作にも挑戦していなさるのか?
完成の暁にはぜひうpを…
172通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 17:03:10 ID:???
>>166
http://nov.2chan.net/b/src/1227285622238.jpg

隅に置けないな、アスカ君も・・・お、お嬢様、いえ別に私は妹さんの方がお嬢様より発育が良い等とはひとk
173通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 17:10:01 ID:???
みんなまとめて「もかもか室」送りになっちまった……
174通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 18:07:22 ID:???
後日談スレのティファに、甘々両想いになれる秘訣と
効果的な懲罰用地下室設営のノウハウを教わりにいくお嬢さまというビジョn
175通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 18:50:19 ID:???
>>174
ティファは、クラウドがエアリスに未練たらたらで
両思いになれてないだろう。



と、思った俺はガンオタ失格。



ちょっお嬢様!
巨乳キャラの名前出しただけでそれは無いd
176通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 19:09:08 ID:???
クラウドをクラウダって読み間違えて混乱した件
177通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 19:15:31 ID:???
お嬢様期待の新入社員が生バクゥだった件
178通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 19:29:50 ID:???
どんどんDT社がオーフェン化するのでエイトロンを呼んでくる
179通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 22:35:31 ID:???
お嬢様の胸の話題に触れた研究員は、エドゲイン君シリーズで拷問ですね?
180通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:28:59 ID:???
無能(ある意味)部下あご砕き機もお忘れなく
181通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:34:05 ID:???
>>179
ボンバー君シリーズだろ
1:無能部下勝手に髪染め機
1改:無能部下そんなのやられたらブルーになるよな機
2:無能部下焦がし機
4:無能部下えぐり機
6:無能部下はさみ機
7:無能部下殴り機

他のオーフェン出の武器
問答無用調停装置エドゲイン
駄作破壊装置グッバイ・アーチ
駄作破壊装置パート2イブシギン・タイムリー君
駄作破壊装置改め対横暴姉用兵器ポテンヒッター
巨大凶悪通販ブーメラン
究極奥義!必殺!地雷原
首狩りねじりもぎ取り君
弛緩ダーツ
羊殺しの猛毒「フェルテ・ベルナール」
ボニーの洒落にならない罠
乙女の嫌がらせ大作戦
ボニーのホーロ鍋
コケモモ様の呪符
コケモモ様の呪いフルパワー
マグロ
カジキ
サバ笛
海蛇鞭
サンマ手裏剣
うさぎ様
人外元締めサマンサ
悪魔の王子ヒュキオエラ王子
鉄の柳
サモアペット博士
182通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:39:00 ID:???
>>181
>うさぎ様
>人外元締めサマンサ
>悪魔の王子ヒュキオエラ王子
>鉄の柳
>サモアペット博士
兵器扱いかよ…www
183通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:40:29 ID:???
ちょっとまて!
お仕置き汁シリーズがないぞ!
184通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:47:56 ID:???
>>181
1:無能部下勝手に髪染め機
未定
1改:無能部下そんなのやられたらブルーになるよな機
未定
2:無能部下焦がし機
「汚物は消毒だー!」な火炎放射機内蔵金槌
4:無能部下えぐり機
PS装甲も宿命も貫くドリル
6:無能部下はさみ機
クラッシャーの万力
7:無能部下殴り機
Gハンマー

個人的にはワニの杖として双頭のバクゥハウンドを提案する。
185通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:48:28 ID:???
お仕置き水か。


コギーのひんぬーっぷりが好きでした。
186通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:54:11 ID:???
ガラス繊維入り契約書なんてのもあったなぁ
187通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 23:54:14 ID:???
一瞬なんのスレかわからんかったwww
188通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:01:08 ID:???
>>182
つまりは

シン・アスカ
能力:うさぎ様の加護(入手資金アップ)
人外の力(魔術絶縁体により魔術、ビーム兵器無効)
存在の引き算(撃破される度に修理費が安くなり全能力アップ)
鉄の柳(HPが減る度に気力、防御力が倍増)
頑丈なテーブルを素手で粉砕する程度の能力(壊れたテーブルは直せない)
と言うわけか
189通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:16:15 ID:???
・キース
・ヒュキオエラ王子
・キースの婚約者とその兄
・ミスト・ドラゴン+地人兄弟
・翼獣
・女子高生のコスプレをした古着屋店主・悲劇の王女サンダーストロンガー姫
・地獄の四天王

オーフェンの世界からコイツらがCEに来たら世界を壊す予感。
190通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:27:39 ID:???
ここまで行ったらシンinオーフェン世界が出来そうだな。
191通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 02:09:29 ID:???
ガンダム主人公史上最も性格の悪い奴がシンアスカだな
192通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 03:11:02 ID:???
>>191
マーク・カランの名前が出ないお前は、にわか
193通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 06:23:48 ID:???
>>180
あごの骨砕き器はアイデア提供のみのダイアン製
194通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 08:12:32 ID:???
友人の命が掛かってるのに
「自分はコーディネーターで、相手にオトモダチのアスランいるから」と
本気を出さずに戦ってたキラさんを忘れてもらっては困るな
195通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 08:26:34 ID:???
ZCEダコスタ「シンだけが金的キャラと言う訳では無い」
196通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 08:29:26 ID:???
寝返りを繰り返すのに役立たずで自己正当化ばかりのアスランさんも忘れちゃ困る














ぶりぶりざえもんを見習えってだ
197通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:06:13 ID:???
>>191
お前アニメ版のカミーユさんを舐めんなよ?
198通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:11:49 ID:???
対MS用のバルカンを人間にぶっ放して高笑いを上げる初期カミーユかw
199通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:24:06 ID:???
そんなカミーユならムスカさんの声が似合いそうだなw
200通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:44:52 ID:???
>>197-199
つまり↓みたいのがいいと?

シン「どうだ! ゴミがゴミのようだ!」(オーブ歩兵に)
201通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:52:13 ID:???
>>200
どこをどう論理飛躍したらそうなるんだ(´・ω・)
俺的にはこうなって欲しかった

キラ「……ザフトに復隊した君が、なんでまたオーブに来たの?」
アスラン「お前を笑いに来た、そう言えばお前の気は済むんだろう?」
キラ「僕だって好きでこうなったんじゃない! それはアスランにだって解ってるはずだろ!?」
202通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 10:34:06 ID:???
シンの場合は

「どうだ!ウィンダムがゴミのようだ!!」

と叫んで

アスランの場合は

「どうだ!俺の髪がごみのようだ!!」

と泣くんだな
203ライオン:2008/11/23(日) 11:24:02 ID:???
最近執筆するたび自分の文章力のなさに失望する日々が続き、
何度も何度も書き直ししていましたが「とりあえず投下しなければ始まらない」
という境地に至りましたので、第三話投下します。
あと、ズラの息子の名前には突っ込まないでください。

第三話  「野次馬少女と司令の息子」


――ヘリオポリス2 大通り 



「でさぁ〜、昨日の天罰のグリグリが本当もう痛かったの。これが」
昼前の雲ひとつない青空の下、ステラはげんなりした顔でつぶやいた。
その紅い瞳が、どこかをうつろにさまよっている。
短い金髪が歩調に合わせてさらさらと揺れていた。

ホーク家の玄関先でばったり出会った同級生のナナリー・リブルは
怪訝そうな顔で隣を歩くステラの表情を眼鏡のレンズ越しに心配そうにうかがう。
肩まで伸びた三つ編みが、歩く度ぴょこぴょこ跳ねていた。

「大丈夫ですか? 頭の痛みは怖いとよく聞きますし……」
「あぁ、大丈夫大丈夫。子供のころ二日間コロニー内を大冒険して帰ってきた時の天罰比べたら、こんなの序の口だよ。
 ……まぁ、そんときの頭プッツンした母さんにアルゼンチンバックブリーカーの体勢で頭から川にポイって放り投げられた時は
 本当に死ぬかと思ったけど……」
「か、川……!? はぁ、そうですか。……怖いお母さんですね」
 同級生は、ズレた眼鏡をかけ直しとりあえず同意しておいた。話を聞くたび、ただ驚いてばかりだ。
「でしょ? けど悪いことをした時に叱ってくれる、構ってくれるっていうのはその相手が好きってことじゃない?
 だからあたしもそんな母さんが好きだよ。 ……もう少し優しくてもいいと思うけどな〜。年増なんだし」

この休日の朝、ステラはバイト先の宇宙港、ナナリーは宇宙港の付近にある図書館を目指している。
この二人が並んで歩いているのは、バッタリ会った時両方の目的地が近かったため「じゃあいっしょに行こう」とステラが誘ったからだ。


204ライオン:2008/11/23(日) 11:24:56 ID:???
周りは休日を持てあましている人であふれている。
ふと話が切れたことに気付き、ナナリーは次の話のタネになりそうな話題を振った。


「ところで、ホークさんのアルバイトってどんなことをしているんですか?」
ふとステラは考え込むように顎に手をやり、
「ホークさん、じゃなくてステラでいいよ?
 うんとね。MSを操縦して、物資を搬入したり道路工事を手伝ったりとかいろいろ!
 あたしのテクはすごいよ〜? なんなら今度、学校に持ってきて見せても――」
「い、いいです……というより、ナチュラルなのにMSの操縦ってすごいですね。元々コーディネイターの人用の機械なのに」
「あ〜、うん。あたしには夢があるからね。そのための第一歩がMSの操縦ってワケだから、かなり頑張った。
 ほら、あたしバカだから最初は慣れなくて……。ナナリーにも夢、ある?」
「夢……ですか?」

 その言葉にナナリーは黙り込んだ。
 その目はステラを見つめ、小さくブツブツとつぶやいている。
 一瞬、何かを迷っているようなそぶりをみせたが、ついに意を決したようにカバンをまさぐると
 ナナリーはノートの切れ端の束を差し出した。
 その一番上の表紙にはかすれかけた文字で『ジェス・リブル・レポート』と書いてある。
「私の夢は……これです」
「……何これ? 歴史の勉強?」
 ステラがペラペラとページをめくると、そこには今まで授業で習ったようなコズミック・イラの歴史についてびっしり書かれている。
「私には叔父がいました」
 ナナリーは語り出す。
「その叔父は世間では『野次馬』と言われているジャーナリストで、何度か会った時いろんな国の話をしてくれることが私は大好きでした。
 ですが数年前、コロニーの建設現場の取材中の事故で亡くなってしまい……。
 その時の叔父の遺品の中にあったのが、このレポートなんです」
「ふむふむ」

どこをどうめくっても眠くなるような文章がびっしりと並んでいる。
こめかみを押さえ、ステラは文章から逃げる様に目をそらした。

205ライオン:2008/11/23(日) 11:26:01 ID:???
「叔父は書きかけのレポートの冒頭で言っていました。
『この世界は、出来すぎている。何かとんでもない真実があるのかもしれない』と」
「……ぐぅ……」
「当時は気にしていませんでしたがこのレポートを初めて読んだ時、まるで体中に電流が走ったようでした。
 ……絶対にこの世界には何か裏があるんです! 
 私の夢はその謎を解き明かして、このレポートを完成させることです! ――って歩きながら寝ないでください! 」

 肩を揺さぶられて、片足を突っ込んでいたまどろみから抜け出したステラは慌てたように、
「あ、ああゴメン。あたし昔から歴史ってものが苦手でさ。この紙束見てるとなんか眠く……
 でも人間は前だけをまっすぐに見るように目が正面についてるって近所の子が――」
「屁理屈をこねないでください! だいたい、それは歴史が苦手な人の常とう文句じゃないですか!
 だいたいあの時のテストだって『A・D時代末期に大流行したものは何か?』の問いに
 大きく汚い字で『ジェットボード』とか書いてましたよね!? 確かに大流行したそうですけど!!」
ナナリーは顔をトマトのように真っ赤にして怒っている。
(注:正解は『S2インフルエンザ』)
「ゴメンってば〜。前のテストだってアレでも前の休憩時間に勉強頑張ったほうなんだから……」

 そんな会話を続けながら歩くこと数分。二人の視界に大きな建物が見えた。
 工場のような外見で、広場にはせわしなく作業用のMSが歩きまわっているそこは、
 ステラがバイトしている宇宙港の重機置き場だった。
「あ、もうこんなとこか。じゃああたしはバイトに行くから、それじゃまた! 」
 くるりとひるがえし、にぱっと屈託のない笑顔を向けた。まわりの視線もかまわず大きく手を振る。
「はい! 今度学校で歴史をまんべんなく教えてあげますねからね!」
 ナナリーにそう言われると、それはかんべん〜、と渋い顔をしながらステラは駆けだしていった。

「さて、と」
 図書館に向けて踵を返そうとしたその時、ナナリーの視界に一人の男が映った。
 建物の角に張り付いて重機置き場の正門の方角を凝視しているその男は、よく見ると以前近代の歴史について相談をした学校の先生だ。
 この時期のコロニー内温度設定には似つかわしくない大柄なコートを羽織り、何やら口元がかすかに動いている。
 ……何かを、つぶやいているのだ。
 何をしゃべっているのかまではわからなかったが、先生は急にこっちの視線に気づくとギョッとした表情でどこかへ走って行った。
 なんだったんだろう、という疑問は数秒後にはナナリーの脳内から蒸散していた。

「あ、飛行機」
 ふわりと吹いた風が気になってふと上空を見上げると、上空で二枚の翼を持った飛翔体が飛んでいる。軍の戦闘機だ。
 舞うように飛行する銀色のそれを見てナナリーは綺麗、と感想を漏らした。
206ライオン:2008/11/23(日) 11:26:57 ID:???
「……とんだ茶番だな」
『どうしたんですか? ザラ坊ちゃん何か問題でも?』
「いや、なんでもない。次はどうしたらいい?」
『はい、では今度は違う飛行パターンでお願いします。』

 ヘリオポリス2内でテストを行っている戦闘機コアスプレンダーVのパイロット、
 アレックス・ザラはモニター上のデータを読み取りながら操縦桿を操っていた。
 ヘルメットの奥にはあどけなさが残る少年の顔がある。顔に垂れかかる前髪は青く、その間にのぞく目はエメラルド・グリーンの色だった。
 その瞳の先には休日の朝ということもあり人通りが少なくなっているコロニーの市街があった。

 元はオーブのコロニー、ヘリオポリスを修復、再建造したこのコロニーは、アスハの反乱での敗戦で
 オーブがプラントの保護国になったこともあり、プラントのコロニーの一つとなった。
 プラントのコロニーには、クライン議長が掲げるナチュラルとコーディネーターの融和の一環として地球からナチュラルの移民が多く入ってきたが、
 やはり戦争での両者の確執などが残っておりその結果、地球から移住したはずのナチュラルはこのコロニーに大量移入した。
 結果的にプラントのコロニー群の中でもナチュラルの比率が特に高い所だと人々には知られている。

 こんな辺境に飛ばされた自分がやっているのは……キャリア作りだった。
 将来ザフト軍最高司令官である父の後を継ぎ、プラント軍事を担う存在として期待されている自分を、
 万が一、海賊・レジスタンスの戦闘で命を落とさないようにと父は後方で経験を積めと言ってきたのだ。
 それは少年にとっては屈辱であった。小さなころから偉大な父と見比べられ、どれだけ努力しても父の威光が背後にある。
 反乱勢力相手に戦っている同胞の後ろで自分だけのうのうとこんなことをしていることに、腹が立った。
 ……父にではなく、未だに父の影響力を超えられない未熟な自分に対してだ。

『坊ちゃん? 動きが単調ですよ、どうしましたか?』
「なんでもない……それより『坊ちゃん』はやめてくれ。俺はアレックスだ。
 今このコックピットの中では司令の息子じゃない、ただのテストパイロットだ。別に媚びへつらっても何も出ない」
 小さな咳払いの後、
『それは失礼しました。ではザラ君、ミネルバのMSと模擬戦を行いますので基地の方へ帰投してください。
 ……それとも何か不調でも?』

 不調はほとんど見受けられなかった。当たり前だ。ほとんどテストが終わってる機体の最終試験だけ自分が担当するのだから。
 もはやこれはテストというより普通は工廠で行うトラブル出しの作業に近かった。
 司令の息子という難しい立場の自分を疎ましく思う者のささやかな嫌がらせなのかもしれない。

207ライオン:2008/11/23(日) 11:29:05 ID:???
弧を描いたように発射されたそれは、敵の背部に命中した。
だがそれは模擬弾であり、べちゃべちゃと赤いインクがカーキ色の装甲を染め上げる。
『我らの理想を邪魔するうるさいハエめ!』
地上を席巻するカーキ色の巨人がこちらに気付いたのか悪態とともに、手にしたライフルから自機に向けて数条のビームを放った。
アレックスはスティックを傾け回避に成功するが、近くにあったシャフトが一本溶け、誘爆する。
もし直撃していたらこの機体ではタダでは済まなかっただろう。
ビームなんて模擬ビームしか受けたことがない。受けるとすれば、戦争のときだけだ。

「クソっ……なんで……」
アレックスのそれは、ぼやきだった。しかし……

『なんでこんなこと……戦争がしたいの!? アンタたちは!』
そのぼやきは大音量の憎しみのこもった叫び声により消え去る。

眼下の工場らしき建物から一機の作業用MSが飛び出し、敵の腰部めがけてにタックルを仕掛けたのはその声とほぼ同時であった。



208ライオン:2008/11/23(日) 11:31:01 ID:???
以上です。感想、批評のほうをお願いします。
209通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 12:07:55 ID:???
ライオン氏、コピペミスしてませんか?

話が急に飛んでしまってますぜ
210通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 13:08:03 ID:???
やはりステラはアホの子でしたか
211通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 15:58:54 ID:???
流離う、完結したな
212ライオン:2008/11/23(日) 16:21:09 ID:???
バイト中なので携帯から失礼します。
本文コピペミスってますね。すいません。
10時くらいに家に帰ってから書き込みます。失礼しました
213ライオン:2008/11/23(日) 22:15:44 ID:???

>>206>>207の間に抜けていた部分です。



その矢先である。
 「不調はない、これより帰還――」
 ……そう素っ気なく言うはずだったそのセリフをかき消すような爆音が平和なコロニーに響き渡った。
 続いて二発、三発目と同じように爆音がとどろく。
 その市街地から巻き起こった黒煙が機体をすっぽりと覆った。

「な……なんだ今の爆発は!? 司令部、状況を報告しろ!」
 そのアレックスの声は悲鳴に近かった。
『大変です坊ちゃん! テロリストが急きょコロニー内に出現し、この基地と市街地周辺に布陣し始めています!
 それが連中はレーダーどころか監視カメラにも映らず、熱源反応の自動迎撃装置も作動しません! 信じられない! 』
「――!? 何を言っているんだ? そんな装備聞いたこと……」
『?! お逃げください坊ちゃん! この敵は普通じゃ――』
 その言葉を最後に、通信機の向こうから爆音が響いた。その後も新品の通信機は壊れたように砂嵐を流す。
 アレックスは悪態をついてチャンネルを変えるが、どこにもつながらない。
 ただその合間には民間の避難警報がまじっており、今までのこの事態が演習ではないという現実を教えてくれた。

『我々はプラント義勇軍である! 下等なナチュラルによって汚染されたこのプラントのコロニーを開放すべく立ったのだ!』
 斜めに傾けた機体のキャノピーからはビルの合間の道路でテロリストが機体に設置されたスピーカーで声高々に叫ぶのが見えた。

――こちらに注意を向けなければ市街が!
 アレックスは応戦の意味と、機体の重量を下げるために主翼に申し訳なく程度につけられたミサイルを放った。

214ライオン:2008/11/23(日) 22:22:46 ID:???
以上です。突っ込みどころがフリーダムの火器のように満載だと思いますが
感想、批評、矛盾の指摘をお願いします。

215通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 22:32:44 ID:BeUwPZdq
>213
乙でし
216通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 23:40:04 ID:???
>>214
GJ!です。
ナナリーは娘ではなく姪っ子さんでしたか。
事故とは言ってるが、実際は事故に見せかけて……? 
そういやカイトはどうなったのか気になるな……奴の性格的にナナリーを影から見守ってたりしてそうではあるが。

ナナリーのピンチに颯爽と現われる白い十字架ペイントの毎回違うMS、通称白い十字架の人………その正体は一体?
御免なさい、気にしないでください。
217通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 01:47:08 ID:???
誰もいない……

一本書いたので、今の内に投下させて頂きます。
218217:2008/11/24(月) 01:48:36 ID:???
 戦争が終わった。
 正直に嫌な結末だった。
 だからって、もう一度やり直そうとは思わない。
 世の中、終わっただけでも評価できる事があるし、平和を代償にしてまで欲しい物なん
て、何も持ち合わせちゃいない。
 だから、あの男が差し出した手を握り返した。
――――悔しくて、情けなくて、涙が出た。



 ともあれ、平和が来たなら、それを維持しないといけない。俺に何ができるだろう。
 軍人、て選択肢は最初にパスした。他に何かできる事でもあるのか、て言われると辛い
けど、俺だって昨日まで敵で、仲間をばんばん殺してくれた連中と手を組めるほど、素直
な性格はしちゃいない。おまけに、元々、プラント国軍と言うよりもZAFTの党軍だっ
た軍が、今じゃ「歌姫の騎士団」――――ここ、笑う所か?――――完全な私兵集団にな
り下がっちまったんだ。一体、どんな神経を持ってりゃ、そんな所に入隊できる?
 じゃあ、自分の技術を活かして、皆を守れる仕事、てなんだ。ここで頭に浮かんだ職業
――――武装警察?――――はい、消えた。
 ラクス・クラインの“解放”以来、警察は全プラント市民の嫌われ者だ。強盗は夜中に
押し込むが、警官は裁判所と連んで昼間にやって来る。「自由の敵」と言う汚名を免れる
方法は単純明快だが、それだけに金も権力も無い人々には辛い物だ。
 結局、警備会社を選んだ。“安全”は誰にとっても価値が有る。どんな人でも幸せにす
る。
 今までに比べて、できる事はずっと小さくなってしまうけど、悪くない選択だと思う。
 そう。あの時はそう思っていたんだ。


219通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 01:50:34 ID:???
続くのかな?
220217-2/7:2008/11/24(月) 01:50:51 ID:???
 俺だって人間だ。地球の人達がなんて思ってようと、欠点だらけの、けちなコーディネ
ーターだ。間違いを犯す事だってある。そして、実の所、俺の選択が正しかった事はあま
りない。
 今回も、多分微妙に間違えた。
 別に今の職場に不満が有る訳じゃない。給料は安いけど、期日通りにちゃんと出る。こ
んな所は、今日日プラントじゃ滅多にお目にかかれない。休みは少ないけど、開店休業状
態も多いし、なにより休みの日にやる事なんて思いつかないから苦にならない。
 プラント総合安全保障は、名前と裏腹に小さな会社だ。きっと、大会社からの下請でも
やるんだろうと思ってた。一番最初の仕事は、ビルの警備でも、身辺警護でもなく、迷子
の猫探しだった……世間一般じゃ、うちみたいなのは探偵、て呼ぶんじゃないのか?そう
でなければなんでも屋だ。
 なんにせよ、安全や情報を売り物にする仕事は、不況に強い職種だ。不況になる程、強
い職種と言っていい。おかげで、うちみたいな所にも、そこそこ仕事が来る。小さな仕事
でしかないけれど、小さな事こそが大切なんだ。そう信じたい。とは言え、俺達だって、
適正な料金で私設警察の真似事はしてやれるけど、どんなに大金を積まれた所で、賄賂を
せびりに来た警察から守ってやれはしない。
 思わずため息が漏れた。仕事をしていれば忘れられる。そう思った。生憎、狭いオフィ
スに見つけられる仕事は、半端に溜まった書類の整理くらいだった。
 卓上では古ぼけた、小さなスピーカーが震えていた。興奮した口振りのレポーターが、
ラクス・クライン最高評議会議長、大西洋連邦訪問の様子を伝えていた。平和の歌姫が訴
える、自由と平和の呼びかけに、大統領、ならびに大西洋連邦市民は感涙に噎び泣いた、
と言う。
 党のフィルタリングをかいくぐって目にした事実と、ニュースの間には、耳かき一掬い
くらいの差が有った。
 あの日、プラント最高評議会議長閣下は数人の白服を伴って宇宙港に降り立った。爽や
かな笑顔と、お追従の言葉だけが仕事で、匙の上げ下ろしさえ怪しい連中だ。
 宇宙港に集った市民達は、自由の女神をある意味、熱烈に出迎えた。その様子に、白服
達は苦情を訴えた。大統領は笑顔で答えた、と言う。
「自由の国へようこそ」
 大統領は能弁だった。たった一言で、幾つもの事実を言い表して見せた。
「自由とは尊い物です。しかし、だからこそ、自由とは、節度と共に有るべきものではな
いでしょうか」
 議長閣下も能弁だ。幾つもの言葉で、一つの事実だって表現しない。政治家として優秀
なのはどちらだろう?ともあれ、慈悲深き自由と平和の女神は、議長就任以来、初めて地
球の人々に笑顔をもたらしたんだ。それだけでも訪問は大成功だった。
 俺は机に平たくなった。地球人は笑っていられるだろう。俺は笑えない。そう、これは
俺達の国の国家元首の話で、事実とニュースの間には、耳かき一杯くらいの差が有った。
乗っているのは、アーモンドの香りも鮮やかな青酸カリだ。


221217-3/7:2008/11/24(月) 01:52:13 ID:???
 机の上で、珈琲の香りが揺れた。細い湯気を目で追うと、同僚のアビー・ウィンザーが
デスクに向かい、端末を開いていた。
 最近、町内会のおっさん達の誘いで覚えた野球に喩えるなら、アビーは極めて優秀な二
番打者だ。こつこつと目の前の仕事をこなし、ランナーを送り、それでいて自分自身がア
ウトになる事もない。
「サンキュー」
 カップを掲げて礼を言うと、涼し気な目線が帰って来た。彼女はいつだってそうだ。大
げさに感情を表現する事が無い。だが、よくよく見ると、眉や頬、肩の動き、なにより瞳
の光と、さり気なくメッセージを送って来る。どうも、アビーは時々、俺がイライラする
のを気遣ってくれているらしく、それはとても嬉しい事だった。
 手狭なキッチンでは、包丁が時を刻んでいた。ルナは今、舌を噛みそうな、長ったらし
い名前の料理に挑戦している真っ最中だ。今も昔も、あいつの性格は四番打者で、ホーム
ラン狙いのフルスウィング以外、全く覚える気配が無い。
 不意のノイズが、レポーターの声を寸断した。続いて何が起きるかはよく分かっていた
から、俺は机の引き出しから耳栓を取り出した。
 スピーカーから桃色の歌声が漏れ出した。その間、チャンネルを変える事もスイッチを
切る事も無駄だ。プラント市民には、歌姫の囁きで耳を慰め、自由と平和の喜びに震える
自由が有る。市民ヨ、貴方ハ自由デスカ?自由ハ市民ノ義務デス。
 流れる曲は想像が付いた。楽曲の売り上げナンバー1から、ナンバー10は決まった歌
手の物で、1位は最新の曲と決まっていた。プラント市民は自由で、心ある人々の自由意
志は一致を見るのが常と見えた。俺みたいに心無い人間は、曲が終わるまで、時計と睨み
合いながら身を小さくしているのが無難だった。
 壁時計の中では、長針が音も無く進んでいる。大西洋連邦の古い会社が作った耳栓は抜
群に性能がいい。時計盤を突き破って、鳩と手品師が飛び出した所で、やはり何も聞こえ
ないだろう。
 だから、来客にも、肩を叩かれるまで気付かなかった。
 慌てて耳栓を外す。振り向いた先で笑っているのは、よく見知った顔だ。
「なんだ、耳栓をしてたのか」
「すんませんっ。副長っ」
 副長は肩を竦めた。カカオの強過ぎるチョコレートを口にしたみたいな苦笑だった。自
分はもう副長じゃない。そう言いたいのは分かるけど、今更、ミスターなんて呼ぶのは面
映ゆい。
 退役してからも、アーサー副長とは良く会う。俺はマメじゃないし、気の利くたちでも
ない。作戦中は大して役に立っている様にも見えなかった元黒服は、戦後、絶えず元乗組
員の所を回っている。
 俺も副長には大分助けられた。
222217-4/7:2008/11/24(月) 01:53:35 ID:???
 戦後、かつてミネルバのMS隊を率いた元隊長殿は、至って上機嫌だった。お友達の白
服、歌姫の騎士団長も絶えず微笑んでいた。俺が正式な復隊を拒否して退官する時だって、
それは変わらなかった。だから、その後、俺の再就活に散々横槍が入り、妨害されまくっ
た事と、あの二人は何の関係も無いんだろう。
 街頭で見たTVじゃ、たかだか一退役軍人の近況に異様な程詳しいレポーターが、だか
ら彼は邪悪なデスティニー・プランに与したのだろう、と笑っていたよ。その隣で笑って
いたゲスト二人の顔は、取り敢えず思い出したくない。
 繁華街のビルの階段下には、実に御世話になった。ダンボールとビニール袋は暖かくて、
やりよう次第では極地でも生き延びられる。だけど、食べ物に恵まれた記憶は無い。
 そんな時に現れたのが、アーサー副長だった。今にして思えば、散々探してくれたんだ、
と思う。
 大戦に参加したZAFT軍人に一時金が出た。口座は解約されていたから、自分が届け
に来た。副長はそう言った。分かりやすい嘘だ。その時の俺には、こんな嘘を見抜く頭も
無かった。宿無し金無し。そんな時、自分に都合の良い嘘を誰が疑うだろう。
 渡された封筒は、嫌に重かった。それなりの数の紙幣と、沢山の貨幣。金額にすれば、
大した事はなかったけれど、当時の俺には十分大金だった。
 立ち去った副長が戻って来たのは、五分後だった。
「ゴメン、シン。バス代貸して」
 ばつの悪そうな声が言った。
 俺が嘘に気付いたのは、この時だ。お人好しの副長は、自分のコロニーに帰るスペース
バスの代金を取っておくのを忘れたらしい。
 結局、なんやかんやの内に、最終バスを逃してしまった副長は、俺の所に泊まって行っ
た。ビルの階段の下、ダンボールとビニール袋で寒さを凌ぎながら、二人で寝た。あの時
は、本気で涙が出た……なんだか、俺はしょっちゅう泣いている気がする。だけど、あの
時に泣いた事だけは恥ずかしいなんて思わない。
 アビーがコーヒーを淹れている間、副長は終始笑顔だった。一時は随分と痩せていた顔
も、今では大分、元の円満を取り戻していた。ミネルバの元乗組員が、士官から兵卒に至
るまで、全員、身の振り方が定まったのは、ついこの前の事だ。それまでは、仲間の事を
話す時、どこか苦渋を滲ませていた物だけど、今ではすっかりと屈託がなくなっている。
俺もつられて笑う。そういえば、平和の歌姫様は何を歌っていたっけ?ラジオは邪魔だか
ら切っておこう。
「そうだ、副長。メシまだでしょう?食べて行って下さい」
「それは嬉しいけど。いいのかい?」
「今、ルナが珍しい物、作ってますからね。食べるのは大勢の方がいいでしょう」
「そうですよ。遠慮なさらずに」
 厨房から、声だけが届いた。ルナはバ……嘘や隠し事をしないタチだから、声音で大体
想像がつく。どうやら、料理はうまく行っているらしい。
223217-5/7:2008/11/24(月) 01:54:54 ID:???
「そうかい。じゃあ、お呼ばれしようかな」
 副長は相好を崩した。この人は、多分、今でもあまり金が無い。その御陰で、何人もの
元乗組員が助けられている。俺だって、あの時の金が無かったら、こうして再就職できて
いるかは勿論、生きているかどうかだって分からない。
 地球じゃあ、救世軍の人達が、プラントへの支援について検討してたって話だ。けれど、
我等が議長閣下は「デュランダル悪政の痕跡は一掃された」の一言を100語くらいに希
釈して、相手が言い出す前に断った。自由と平和の理想社会は、貧困とも、葛藤とだって
無縁なのだ。市民ヨ、貴方ハ自由デスカ?
 因みに支援活動は要らないけど、支援物資は大歓迎だってさ。さあ、世界の皆さん!世
界から貧困を一掃する為(に活動する平和の歌姫の為)に、ピンクリング活動に参加しま
しょう!
 アビーが来客用のテーブルを片付け始めた。食卓と兼用だ。急な来客があろうものなら、
慌てる羽目になるけど、幸か不幸か、今までそんな事は、一度だってありはしなかった。
「あ、そうだ。確か、社長がブランデーを隠し……」
「まだ、昼よ」
 俺の提案は、言い終える前に一蹴されてしまった。アビーの言う事は全くもっともだっ
た。副長には何とか恩を返したいと思うけど、他の方法を選んだ方がいいだろう。
 テーブルの準備ができた。俺はホットキャビネットから熱いおしぼり――――目が疲れ
た時にお奨めだ――――を取り出した。
 狭い事務所の時が止まったのは、副長が手を拭き、顔を拭った時だ。
「あっ」
 ……――――
 “あっ”てなんだ?
 鍋の中身と、ルナの悲鳴が一度に吹き出した。旧式のコンロに付いている安全装置なん
て、平和の中立国が紛争地域にばら撒く、粗悪な自動拳銃のそれと変わらない。電気代と
料理人の鈍感が許す範囲で、どんな色の廃棄物だってこさえられる。
 喧噪が収まった。副長の笑顔も、油が切れてしまったかの様だった。
「ま、大丈夫よね。このくらい」
 間髪入れないルナの一言が、副長から急用を思い出すタイミングを奪ってしまった。
 副長にささやかながら恩を返したかった。親切のつもりだった。
 俺だって人間だ。地球の人達がなんて思ってようと、欠点だらけの、けちなコーディネ
ーターだ。間違いを犯す事だってある。そして、実の所、俺の選択が正しかった事はあま
りない。
 ホームラン狙いのバッターは良くゲッツーを貰う。知っているかい?ツーアウト、て言
うのはさ、「二つの死」て書くんだぜ。


224217-6/7:2008/11/24(月) 01:56:15 ID:???
 午後の仕事は、まるで手に着かなかった。舌を噛み切りそうな名前の料理は、舌を噛み
切りたくなる味だった。副長は一口で匙を投げ出すには温和が過ぎたし、買い出しに出よ
うとした俺と出入り口の間に立つルナは、中華包丁を手にしたままだった。
 副長には本当に申し訳ない事をしてしまった。スチール机はダンボールより余程寝心地
がいい。けど、副長は午後に用事が有るらしかった。
 アビーは食品庫を探っていた。もしもの時の為に用意してあった小麦粉や砂糖は、二月
前に使い切ってしまった。地球からの流通が途絶え、食材が市場から払底した時の事だ。
二週間に渡って食べる物がろくに手に入らない状態が、もしもの時でなくてなんだろう。
 オーブで起きた暴動が原因だった。自由の歌姫と理想を同じくする平和の獅子姫は、あ
らゆる規制を撤廃の上、公営施設、企業の一切を民営化、完全自由化。その悉くをZAF
T、つまりはラクス・クラインが二束三文で買い叩いた。
 自由競争はいい物だ。競合はサービス向上と価格下落を生む。条件が不服だ、水は要ら
ない。そう言える人間だけが、その利点を享受出来る。その日を境にオーブの郵便料金は
五倍に、電気料金は七倍に、水道料金は九倍に、通信費は10倍に跳ね上がったんだ。地
球ノ市民ヨ、貴方ノ国ハ自由デスカ?自由ハ人類ノ夢デス。
「カップメン発見」
 ミネルバの艦橋に居た頃と同じ口調で、アビーが呟いた。ルナの反応はいやに機敏だっ
た。俺も飛びつきたい所だけど、生憎、ついさっき胃袋に押し込んだ物体が頭の中で銅鑼
を打っていた。
「二つだけ、ね」
「シンはいいでしょ。さっき、ゴハン食べたんだから」
 耳を疑う一言だった。料理の味なんて作った本人が一番分かっていて、ルナは俺が思っ
ているほどバカじゃなかったらしい。なんてこった、畜生。今なら、俺のアロンダイトを
ぶち込んでやった所で、誰も文句を言いやしないだろう。 
 電熱器の上で薬缶が鳴いた。俺も泣きたい所だ。けど、俺の股間にぶら下がっているブ
ツは、実用に供した事が無いとは言え、決して飾りでは無い筈だった。
 電話のベルが頭の中で鳴り響き、俺の頭蓋をバラバラにした。脳に走る鉄の味は、アビ
ーが受話器を取るまで続いた。
「……はい。はい……シン。窓を開けて。一番右側の窓よ」
 何事だろう。考える前に、体が動いた。体が動いてもまだ、脳が働かなかった。指示通
り、つい先日、屋上から転落して来たYシャツの中身に、鉄格子を剥ぎ取られた窓を開け
る。
 額で軽い音がした。紙飛行機だった。
225217-7/7:2008/11/24(月) 01:57:49 ID:???
「なんて書いてある?」
 アビーの一言で、大体の事情は察する事が出来た。
「電話じゃなにも言ってなかったのかよ?」
「指令書を送る、とだけしか」
「ったく。何を遊んでるんだ。あの人は!」
 我等が社長ミスター・アフランシ・ギルは演出好きだ。そのセンスは最先端を突き抜け、
三百年ばかり昔にまで回帰している。歴史は繰り返すと言うけれど、時代が社長に追いつ
く瞬間を目にするには、俺達の寿命は目に見えて短か過ぎる。
「もう、昼過ぎですよ」
 おはよう!アスカ君!――――の冒頭に軽くツッコミながら、手紙を読み進めた。
「なんて書いてあるの?」
「えー……たった今、開け放ちたる窓より、飛び込みたる人物を保護されたし」
 正気を疑う内容だった。ルナと顔を見合わせようとした目は、無意識に窓の外を向いて
いた。多分、俺も正気じゃなかった。窓から人が飛び込んでくれば、誰だってそっちを見
る。
 目が合った時には、もう身をかわす間は残されていなかった。
「わーっ!」
 俺そっくりな声が悲鳴を上げた。



 続
226217:2008/11/24(月) 01:58:59 ID:???
以上、お目汚しでした。

近々続きを投下させて頂きたいと思いますので、その時はどうぞ宜しく。
227通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 02:17:43 ID:???


アフランシ・ギルぅ!?
続きに期待してます。
228通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 02:52:06 ID:???
おツ

赤貧からどう逆襲するか期待しとります
229通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 03:41:52 ID:???
カミーユなんかいいんだよ 最後立派にノイローゼになったんだからよ自業自得でざまあねえし
シンの野郎はしぶとく生きてやがる
アスランが殺しちまえばよかったんだよ
230通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 08:13:50 ID:???


こんなに頼りがいのあるアーサーを見たのは、とても久し振りかも知れないな
しかし、この状態からの逆襲は大変そうだ…
231通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 08:29:36 ID:???
>>217
買い出し強行しようと、ルナと包丁バトルを繰り広げ
「やはりアスランもろとも殺すべきだった」と…

てなギャグ編は……?
232通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 08:57:49 ID:???
アフランシ・ギルってw
これはMSに代わってマン・マシーンが開発されそうな予感
233通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 09:36:42 ID:???
この貧乏からどうなるんだ?つーかアビーとルナの両手に花だとぉ!?うらやましい奴め
234通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 10:36:30 ID:???
アフランシ・ギルってガイアギアかよw!?
初版本全てを近くの古本屋で百円でゲットした俺は勝ち組。

マン・マシーンのデザインは神がかっている、異論は認める。
235通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 11:04:36 ID:???
なんかすごいシニカルな表現が多くて好きだ
236通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 12:25:32 ID:???
ていうかちゃっかり生きてたのかw
このぶんだとレイやタリアも出てきそうだ
237通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 12:48:00 ID:???
アフランシギルにあやかって

「リバースレイ」と「やっぱり生きタリア」
238通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 12:51:24 ID:???
三人目だからとかソリッドとリキッドとソリダスとかレプリジンとか
239通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 13:06:35 ID:???
実はパトリックが開発を進めていた直接遺伝子を組み合わせるヴァンドレット型人工子宮で作られたアスランとデュランダルの子
240通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 13:52:45 ID:???
というかこの作品も加われば連載枠5つか……
すごいなこのスレ。雑誌みたいだ。
もし刊行の暁には水着姿のお嬢様の抉れ胸を表紙にデデーンと(グシャ……
241通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 14:46:50 ID:???
アーサーが格好いい……GJです!
ルナマリアもアビーも結構あるから…このシンは結構幸せかも、きょぬー的な意味で。

アズ子やミナ様、ベル子には不可能な行為もできちゃったり、挟むとか揉……ん、ヒーター弄ってないのに急に暑k
242通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 14:56:13 ID:???
しかし、何でみんなして何故プラントを脱出しないんだろうな と思ったりも
243通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 15:04:25 ID:???
流石に監視こそ付いてないようだが、ラクシズ達の手の届く範囲(プラント内)から逃げ出したら
すぐに追っ手がかかるんじゃないか?
自分はシンの再就職を邪魔したのはやはりあの連中で、その目的は要注意人物であるシンを
手元から逃がさないためだと解釈したが
行くところがなければ軍に戻らざるをえないし、そこで恩を着せて逆らえないようにするつもりだったと思うが
そこでアーサーが自分が監視するからとかいって妨害を中止させたとかね
244通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 15:06:51 ID:???
固茹卵なシンですね
文体もその辺の流れを組んでいてなかなかに素敵だ
期待してます
245通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 17:39:20 ID:???
アビーやルナってきょぬーだっけ?
246通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 17:42:40 ID:???
まあ通常よりおっきいぐらいじゃないか
ひどいな>>241
アズ子やみなたまは揉めるだけありがたいぜw
挟むなんてそりゃ・・・・・・・・
あれなんか巨大な金色に輝くハンマーがマンション上空n
247通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 17:47:13 ID:???
アビーは覚えてないがルナは中の上程度はあるだろう
248通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 17:54:41 ID:???
オフィスは一時期の九龍島みたいなところにあるんだろうな。
しかしアーサーがいい人すぎる
249通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 19:39:24 ID:???
運命スレからもらってきた

67 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 21:16:37 ID:???
ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u30175.jpg
何となくメタボ二世組んでて思いついた捏造武装装備。

ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u30176.jpg
連射重視、威力重視、フルバ(ry

ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u30177.jpg
あと別に抜かなくても使えるアロン

116 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/11/24(月) 17:58:22 ID:???
>>78
>いや無理だと思うけどもw

ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u30215.jpg
250217:2008/11/24(月) 23:22:37 ID:???
皆さん、感想有り難うございます。

連休ですので、もう一本失礼します。
251217-1/8:2008/11/24(月) 23:24:08 ID:???
 馴染みの無い人も多いと思うけど、世の中には私立探偵と言う仕事が有る。輪をかけて
耳慣れないだろうけど、私設警察だってある。どちらも、プラントには有り触れている。
宇宙に浮かぶ自由の国では、あらゆる職業、あらゆる生き方、あらゆる価値観が認められ
ている。たとえそれが、自由の女神がスイーツと同じ発音で綴る所の価値観に過ぎないに
せよ、地元警察に話をつけておける限りで、悪い事じゃない。
 そんなプラントでも、一つだけ、許されない職業がある。地上の自由主義国家なら、決
して訣別出来ない職業。ヤクザ者や裏社会の類だ。歌姫の“解放”は、プラントから暴力
を根絶した。
 警備会社に勤務してから半年。大抵の仕事はこなしたけれど、護衛だけはやった事が無
い。一見、警備会社と切っても切れないこの仕事を、“解放”以来、引き受けた所は一つ
もないだろうし、持ち込んだ依頼人だって皆無だろう。一般人が護衛を必要とするのは、
大抵、計画的か、組織的犯罪の標的とされるなり、巻き込まれた場合で、プラントにはも
う裏社会が存在しない。ラクス・クラインがそれを根絶するたった一つの方法、つまりは
国家が組織的暴力の全てを牛耳る道を選んだからだ。大小問わず、たかが警備会社や民営
警察が、どうして歌姫の騎士団を向こうに回す事が出来るって言うんだ?
 俺達に出来るのは、小さな仕事だけだ。小さな事こそが大切だ。そう信じたい。けど、
この仕事を選んだ時の考えを捨てた訳じゃない。もし、本当に誰かが助けを求めて来たな
ら、プラント中の会社がそっぽを向いたって躊躇わずやる。俺はそのつもりでいる。
 例え、その為に、プラントとさよならをしなければならないとしても。


252217-2/8:2008/11/24(月) 23:25:27 ID:???
 46sの不意打ちが、俺を床に押し倒した。鼻面を人の頭蓋骨くらいに硬い物が直撃し
たのは、辛うじて受け身を取った、その時だ。
 紙飛行機だった紙切れが舞った。涙越しに、最後の一文が見えた。尚、この指令書は裏
紙として再利用される為、所定の棚に保管する事――――。
「畜生っ!」
 プラントに神は居ない。呪いの言葉は自然、ストレートで、それだけ下品になる。だか
らなんだ。運命を呪う時にまで、お上品に取り澄ましていられる奴が、一体、どれくらい
居ると言うのだろう。
「痛た……大丈夫ですか?」
 嫌に甲高い声が耳を撫でた。取り敢えず、文句を言ってやろうとした時、鼻腔から生暖
かい液体が漏れた。闖入者の表情が眼に見えて変わった。心配とか、申し訳無いと言うよ
りも、単純に驚いた顔が、不意に凍り付いた。
 狭い事務所を、火花が走った。開けっ放しの窓から飛び込んだ小さい鉛の塊は、一昨日、
近所の電気屋で買って来たばかりの蛍光灯を粉砕した。天井に穿たれた五つの穴が、小太
りな大家の弛んだ顔を思い出させた。うちは保険に入っていない。元より、プラントに信
頼出来る保険会社なんて有りはしない。
 そんな事よりも、大変な事を思い出した。うちには、こうした場面を妙に喜ぶ奴が居て、
彼女がばら撒く砲弾は、階下から放たれる、当たりっこない銃弾の数千倍は危険だった。
「ルナ!」
 止めようとした俺の声を、赤毛の中身は都合良く解釈した。その手は、既に武器庫から
ひっぱり出して来た大砲を抱えていた。本体と弾丸を合わせれば、50sを越える大荷物
だ。それを軽々と運ぶ怪力に驚く間も無く、命知らずの同僚は窓から身を乗り出していた。
「戦闘は火力ぅっ!」
 声は半ば聞き取れなかった。爆音と共に、人に向けてはいけない筈のどでかい弾丸がば
ら撒かれる。例によって例の如く、一発も当たらない――――砲弾は。薬莢の方は百発百
中、狙わなかったかの様に、俺のこめかみを直撃した。
「畜生っ!」
 今日も踏んだり蹴ったりだ。
「どいてくれ!」
「あ!す、すみません!」
 鈍い被護衛対象――――契約はどうなっているんだろう?――――を押し退けて、眼下
をそっと見下ろした。当たれば死体の形が残らない砲弾があちこちに穴を開ける中、五体
満足の男達が慌ててビル陰へと逃げ込んで行く。
「……あんた、何者だ?」
 白かったり赤かったり緑だったりする背中は、嫌な意味で見覚えが有った。
「分かりません」
 赤毛の下から、信じられない言葉が漏れた。向こうで空になった弾丸ボックスを蹴り飛
ばし、30s弱の塊を新たに引っ張り出しているトリガーハッピーも赤毛だった。多分、
赤毛と言う奴は、脳に廻る筈の血を吸い上げた色なのだろう。
253217-3/8:2008/11/24(月) 23:26:48 ID:???
「本当に分からないんです。18歳、水瓶座のB型、プラント大学英文科、趣味は一人で
カラオケ、所属している団体なんて、自転車愛好会だけですよ。軍に追いかけられる理由
がどこにあるって言うんですか?」
 12.7o弾に切り刻まれた声の断片が、辛うじて耳に飛び込んだ。聞こえた所で、分
かる事は一つも無いだろう。分かっているのは、ここでの商売は今日を限りと言う事だ。
 アビーが記憶媒体をシュレッダーに放り込んでいる。疚しい事が有る訳じゃないが、公
正明大も相手によりけりだ。俺達には軍や警察に知られたくない秘密が山ほど有って、こ
の国は警官を信用出来るほど幸せな場所じゃない。
「何をしてるんですか?」
「撤収準備だ!資料を処分してる!」
 奇跡的なタイミングだ。窓辺の砲撃手は、丁度三箱目に取りかかった所だった。一体、
この事務所にはどれだけの弾薬が備蓄されているのだろう。
「建物ごと燃やしちゃえばいいんじゃないですか?」
「あんたは俺が何者に見えるんだ!」
 俺は怒鳴った。
「45口径でドアノブを吹っ飛ばすタフガイの探偵か?車ごと標的を爆殺する殺し屋か?
言っとくけどな。俺は単なる警備会社のサラリーマンなんだ。あんたが毎日乗り回してい
る様な奴とは比べ物になんないチャチな自転車を、二ヶ月分の給料で買うべきかどうかも
決められずにいる、平和的な小市民だ!」
 アビーだってそうだ。金髪に似合わぬ頭脳が最大限に発揮される場所は近場の商店街。
倹約に倹約を重ね、未だ見ぬ相手との結婚資金を貯めている。
「あいつを基準にうちを計らないでくれ!」
 奇跡的なタイミングだった。俺の日給を10秒足らずで吐き出す大砲は、誰よりも使い
手の耳を聾している筈だ。
 抽斗から拳銃を取り出す。人間の頭蓋骨も撃ち抜けない22口径は、平和的な小市民に
はいかにも相応しい代物で、それだけに、平和な生活とさよならするパスポートとしては
あまりに軽かった。
「どうするんですか?」
「決まってるだろ。逃げる」
 相手は軍隊。おまけに問答無用で撃って来る。増援が来る前にとんずらしなければなら
ない。港は封鎖されているだろう。
254217-4/8:2008/11/24(月) 23:28:15 ID:???
「参るなあ……」
 昨日までの大金持ちが、聞いた事も無い罪状の“容疑”で文無しになる。そんな事が日
常茶飯事のプラントで生きて行きたければ、いつだって逃げ道を用意しておく事だ。そし
て、港以外から宇宙に出るとしたら、最外周部は時速600qで回転するフラスコから飛
び出すしか無い。
 念の為、依頼人にも一丁手渡す。すぐ後悔する事になった。
「銃口を覗くな!」
 手渡したばかりの拳銃を取り上げると、俺の火力は二倍になった。だからと言って、少
しも嬉しくは無かった。二丁拳銃なんて曲芸は、古びた西部劇のガンマンか、ルナにでも
任せておけばいい。
「ったく。あんたみたいな鈍いのが、よく二階の窓に飛び込めたもんだな」
「放り込まれたんですよお。ミスタ・ギルは何か準備が有るから、て」
 なるほど、俺達を囮にして、その間に指定のハッチへ宇宙船を回す算段でいるのだろう。
それにしても、年相応に脆弱な社長が、小柄なりとは言え、人間一人を放り投げられると
は思えない。俺達以外に社員、て居たか?
 依頼人を連れて事務所を出た。ガレージまでの間に、危険が無いなんて言い切れない。
平和よさらば。平和よさらば。声をかけても聞いていないルナには、桃色の歌声を流し始
めたラジオを投げ付けておいた。平和よさらば。
「すみません。巻き込んでしまったみたいで」
「気にすんなよ。あんたのせいじゃない」
「そうですね。気にしない事にします。こう言うのって、映画みたいでドキドキしません
か?」
「やっぱ気にしとけ。あんたのせいだ」
 地下のガレージでは、年老いた白色灯が青い息を漏らしていた。うちの事務所で社長の
ゴルフセットよりも高価な唯一の備品、ローンの終わっていない小さな電動車は、最も奥
まった所に停まっていて、そこまで行くと真っ暗だった。
 コロニー育ちの癖して、市街での動き方も知らない軍人達が、ガレージに飛び込んで来
た。LEDを二ダース束にしたライトを当ててやると、子供の頃にオーブで見掛けた虫み
たいに動きを止めた。暗闇で強烈な光を浴びれば、どうしたって反射的に目を庇う。ある
一定の強さを超える閃光となれば、数秒間分の逆行性健忘を引き起こす。
 掌中でスライドが鋭く跳ねた。動かない標的に、二発ずつ22口径弾を送り込んでやる
と、なんとなくフリーダムとキラ・ヤマトの気分だったが、生憎、俺には相手の手足をも
いで嬲る悪趣味は無い。小さな小さな弾丸は、全弾狙い通り、相手の脳天に食い込んだ。
 時を止めたのは、敵兵――――と呼んでいいんだよな――――だけじゃなかった。依頼
人の軟弱な腕が、俺の腕に絡んだまま凍り付いていた。
255217-5/8:2008/11/24(月) 23:30:23 ID:???
「人死は初めてか?」
「貴方は……」
「シンでいい」
「シンさんは慣れているんですか?」
「安月給で命を張っていた。たった今から、命賭けで、一文にもならない仕事をする羽目
になりそうだ」
「すみません。本当に」
「あんたのせいだ。生きて逃げおおせたら、ビールとチョコレートパフェを奢って貰う」
「変な組み合わせ」
 繊細な顔が綻んだ。淡い笑顔が心臓を突いたのは、多分、気のせいだった。その筈だ。
「体動かした後は、水分と甘い物が欲しくなるんだよ。さ、乗った乗った」
 依頼人を狭い後部座席に押し込んでやる。運転席にはアビーの姿が在った。普通なら助
手席に乗るべきなのだろうけど、折角だから、俺はこの後の扉を選んだ。怒れるルナがガ
レージに飛び込んで来たのは、その時だ。
 不殺の砲兵は、未練がましく大砲を抱えていた。軽自動車のペラペラなドアが、そんな
凶悪なブツを飲み込める訳が無い。
 目の前に脚が伸びた。天井の真ん中にぽかりと口を開けるサンルーフが初めて役に立っ
た。頭上で重い音がした時、ロウヒールが前部座席の背もたれを滑って、俺の顎を直撃し
た。
「仕返しっ」
 わざとか、畜生!
 抗議しようとした時、小さなタイヤが強烈に地面を噛み、軽い車体を空へ放り出した。
出口の坂道は、お誂え向きのカタパルトだ。着地。全身で衝撃を受け止めた中古車は、弾
んだ勢いで進路を90度変える。
 荒っぽい運転に一瞬、ルナが心配になったが、82のヒップは目の前に危う気なく座し
ていた。薄い天井に食い込む重機関銃は、その重さで、抜群の安定性を示していた。
「ひゃーっ」
 歓声が聞こえた。外は蒸し暑かった。気象管制局の役人が、五時前に粗悪なアルコール
を一杯ひっかけたか、さもなくば、自由の女神と呼ばれる自由な女神が、今朝目を覚まし
た時、オープンカフェでアイスコーヒーでも飲みたい気分だったのだろう。サンルーフか
ら身を乗り出し、突風に身を委ねるのは、なるほど爽快には違いない。
「ルナっ。そんな所に立つなよ。運転席から、後が見えないだろう」
 多少のやっかみも有っての科白だと、認めないといけない。エアコンは先月に生きる事
を諦め、車内では70%の湿度が蜷局を巻いていた。
「構わないわよ。見てないから」
 済ました声が、聞き捨てならない事を言った。
256217-6/8:2008/11/24(月) 23:31:42 ID:???
 遠心力で人工重力を生み出すコロニーでは、高層建築ばかりでなく、車両の速度も制限
される。違和感無く、安全に運転出来る限界はコロニー自転速度の1/10と言った所で、
一般車の最高速度はその七割程度だ。
 加速Gが襲うと、身を乗り出していた依頼人が、薄っぺらなシートにめり込んだ。この
オンボロはリミッターが外してある。制御システムの封印を破った車両は車検を通らない
のが建前だが、プラントには金で買えない書類なんて存在しない。
 背後に雑居ビルと商店街が飛んで行く。安い家賃と裏腹に、小便の臭いも、マリファナ
の臭いもしない、窓ガラスも割れていなければ、ドアノブも壊れていない、鍵は五つしか
かけなくても安心して眠れる貴重な町だった。もう、戻る事は無いだろう。平和よさらば。
 後輪が浮いたのは、背後に軍用車が見えた時だった。ちゃちな車体が、ひび割れ、穴の
空いたアスファルトの上を、ゴム鞠の軽さと頼りなさで弾む。
「先手必勝っ!」
「走行中に撃たないで!」
 分間900発の速度で放たれる12.7o弾の反動を吸収出来るほど、俺達の愛車はタ
フじゃない。ルナが水鉄砲の気軽さで引き金を引く度に、細いサスが悲鳴を上げ、車が右
へ左へぶれる。前後に弾む。
 後部座席にシートベルトは着いていなかった。悲鳴も忘れて身を小さくする英文科の学
生を、抱え込む様にして庇ってやる。そうしなければ、俺の鼻骨を割った鈍器が、今度は
窓ガラスを粉砕して、外に飛び出して行きかねない。
「怖いか?」
「え、ええ。でも、大丈夫です」
「安心しろ。俺が守ってやる」
「どうして追われているのかも分からないのに?」
 腕の中の声に、笑みが混じった。無理を感じさせる笑みだ。
「今、この国じゃ、悪党が軍隊を連れて来るんだ。間違っても、追われていたりはしない」
「有り難うございます」
 弾切れだろうか。震動が止んだ。依頼人を解放する。なんだか、いい匂いがした。きっ
と、気のせいだ。うん、気のせい。
 正面に向き直ると、天井と背もたれの間で、蒼い瞳が決して人を愉快にさせない類の笑
みを浮かべていた。
「なんだよ?」
「別に」
「だから、なんだよ?」
「だから、別に」
「女嫌いが人生の半分を損しているのなら、きっとシンは人の五割増しは幸せだわ。そう
言いたいのでしょう」
 運転席で冷静な声が言った。人の神経を逆撫でする類の冷静さだった。酷い誤解だ。隣
で妙に線の細い護衛対象が身を退いた。
257217-7/8:2008/11/24(月) 23:33:00 ID:???
 多分、俺は誤解され易い人間だ。そして、世の中には放置して差し障りのない誤解と、
そうでない誤解が有る。だが、どう弁明したら良いのだろう。何しろ、世の中に女好きの
ホモセクシャルなんて居やしないと言うのに、ホモセクシャルが嫌いな女も居ないと来て
いる。誤解を解くのは時として難しいが、曲解を解くのは不可能に近い。
 何かを言おうとした口が、そのまま惚けた。多分、俺は今日、この時に限って、奴に感
謝するべきだったのかも知れない。
 四方にしか走っていないコロニーの道路には、行く先はあっても方角は無い。中央公園
と港と市庁舎を結ぶ十字路の真ん中には、今し方装甲車両が脚を休めた所で、その隣に立
つのは、プラントでは誰一人として知らない者の無い有名人、若き白服の総司令官代理、
歌姫の騎士団長だった。
「あんた、何者だ?」
「だから、分かりませんって!」
 白服が拳銃を構えた。何かを言っている様子だったが、生憎、俺達の間には100mの
距離と、フロントガラスが立ちはだかっていた。
「討ちたくないんだ。討たせないで……? ? ?」
「なんだ、そりゃ?」
「得意なんです。読唇術」
「平和的なこった」
 キラ・ヤマトの言い種は、全く平和的だった。ラクス・クラインが地球各国に押し売り
する、クーリングオフの効かない平和だ。戦争の対義語と言う以外、バナナの皮ほどの意
味だって含んじゃいない平和だ。
 拳銃に合わせて、対MSロケット戦闘車が首を擡げた。飾り同然の拳銃なんてどうでも
良い。対MSロケットは大げさが過ぎる。そして、あの男は標的が人型で無い場合と、自
身が絶対の火力を手にしている時は、容赦を知らない。
 乾いた銃声が、0.1秒の時差で耳に届いた。派手なバックブラストが見えた時、体が
宙に浮いた。
 アビーがかわしたのだろうか。射手が外したのだろうか。整備不良だろうか。ともあれ、
3000度のメタルジェットが俺たちを消し炭に変える事は無かった。
 依頼人を庇って抱え込んだ時、窓の外を何かが飛んで行った。それはルナでは無かった
けれど、二つの意味でそれと変わりがなかった。俺達は当たらないにしても貴重な火力を
失い、積荷が50sばかり軽くなった。
 一回、二回、ちいさな自動車が薄っぺらいアスファルトの上を跳ねた。屋根の上で何が
起きているかを、車内に覗く下半身が教えてくれた。怒りに燃えるロウヒールが前部座席
のクッションを破った時、震える手が腰のホルスターから拳銃を引き抜いた。小さく短く
可愛らしい俺のそれと違い、昔ながらの回転式、動物園でも見た事が無い熊を一撃で倒す
と言う凶悪な50マグナムは、見る物を威嚇するかの様に重く黒ずんでいた。
「こんの、ド外道がぁーっ!」
 持ち主の声と同じくらい大きな銃声が、耳を聾した。
258217-8/8:2008/11/24(月) 23:34:30 ID:???
 50マグナムの威力はよく知らない。そうそうお目にかかれる代物じゃない。けど、そ
の子分に当たる44にはちょっとだけ馴染みが有る。机上の計算では18輪トラックをス
トップさせ、実際でも2.6リットルのセダンをひっくり返した例が有る。弾頭が巻き起
こす衝撃波は、3インチ先の小指を斬り飛ばす。
 多分、俺は奇跡を目の当たりにしていた。357マグナム弾の三倍のエネルギーを持ち、
ボディアーマーを容易く貫く50/100インチ口径のマグナム弾が直撃した時、小さな
な自動拳銃がどんな末路を迎えるかについては少々興味があったが、更に衝撃的な出来事
が、俺の好奇心を麻痺させた。何を思ったか、キラ・ヤマトは路上を格好いいポーズで横
っ飛び。商店の窓を突き破って中に飛び込んだ。撃たれてから身をかわす奴は初めてだ。
多分、時間を止めるばかりでなく、巻き戻せるつもりなのだろう。
 アビーはアクセルを弛めなかった。援護の車両はいなかった。俺達はロケット車両の真
横を走り抜け、50口径弾が一発も命中しなかった代わりに、応射も受けなかった。
「スーパーコーディネーターに人権は無い」
「ルナ。お前って奴は……」
 中央通りに入ると、コロニーの町並みはモスクワに変わった。どんな建物よりも高く聳
える像は、自由の女神と呼ばれていたが、だからと言って、どうしてこの街がニューヨー
クだなんて言えるだろう。
「アビー。3Aだ。社長が船を用意している」
「分かってる。けどっ……!」
 先走りの総司令官代理の傍には、堅実な部下が控えている様だった。公園と時計塔を挟
んだ向こうには装甲車両の列が、むっつりとした顔でラインダンスを踊っていた。後を振
り返った時、バックミラーを見る事を知らないドライバーの為に、警告を与えてやる必要
を覚えた。
「飛ばします」
 既に床までペダルを踏んだ状態で、アビーは言った。
 前方は完全に塞がれていた。何か言おうと思った時、車が公園に乗り上げた。実在する
自由の女神の偉業を讃える石碑を蹴り、休憩所の三角屋根を駆け、時計台を足蹴にし、遂
にはどんな建物よりも高い、自由の女神のピンクの頭に泥を付けた。
 悲鳴は聞こえなかった。飛べる程には軽く無い筈の軽自動車は、それでもビルの列を飛
び越え、二つ隣の通りへとダイブした。
 窓の外を飛んで行った何かが赤い事に気付くのには、一瞬が必要だった。



 続
259217:2008/11/24(月) 23:35:51 ID:???
以上です。

失礼しました。
260通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 23:39:07 ID:???
>>259
ジオブリかw

コレ、続く…んだよね?
261通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 23:41:27 ID:???
262通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 00:01:47 ID:???
古来より讃えられるバカは他人にゴールを爆破されても突進し完結と言う偉業をやり遂げるバカだけだ。
263通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 00:05:22 ID:???
>「スーパーコーディネーターに人権は無い」
>「ルナ。お前って奴は……」
加納さん!加納さんじゃあないかww!!
264通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 01:08:39 ID:???
乙。
次回も楽しみにしています。
265通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 07:35:31 ID:???
ジオブリ、バーンナップ、マイアミガンズはガチ
266ライオン:2008/11/25(火) 09:08:10 ID:???
投下します。これは三話のステラが的に突っ込むまでの過程を描いた、
言うならば3.5話のような話です。




「ケントおじさ〜ん! このコンテナはどこに持っていけばいいの〜?」
あたしは足元の上司に訊いた。
「あ〜、お嬢! それはシンディの店の商品だから二番口のトレーラーに載せてくれ! 
中身は果物だからゆっくり下ろしなよ!」
「え? なに? マイクの調子が……。ここに下ろせって? わかった!」
低い音ともにあたしはコンテナをその場にズシンとおろした。
ちょっと力の加減を間違えたのか、宇宙港の卸場が局地的な地震が襲われ、天井の梁がビリビリと振動する。
上司であるデュプレおじさんとケントおじさんの悲鳴がブレンドしてあたしの耳に届いたのは、コンテナの中身が
南国果物のミックスジュースに生まれ変わった後のことだった。
――反省。


第三話 TIPS「ライオン少女は牙をむく」


ナナリーと別れたあたしはいつものようにMSを巧みに操って物資の荷受け作業を手伝っていた。
この重機置き場の隣には市場があり、商店を経営する人などでにぎわっている。
昼の休憩時間。MS〈レイスタ〉の前でがっくりと肩を落とすあたしの前に二つの人影が映った。

「ステラ、聞いたぞ? さっきの地響きは……またやったのかお前……」
「や〜い、バーカバーカ、バカステラ〜♪」

ひょろっとした外見の黒髪の男は〈ダメだこりゃ……〉と言わんばかりに手の平で顔を覆い、
ちっこいほうの茶髪はうざったらしくあたしの前をぐるぐるとまわり、はやし立てている。
スティング・ケントと、アウル・デュプレ。
あたしとこのふたりは学校でも常にだべっている。親同士が知り合いということもあり、子供のころからの付き合いだ。



267ライオン:2008/11/25(火) 09:09:06 ID:???
「うっさいよアウル! スティングも! さっきのはマイクの調子が悪かっただけ! それとちょっと加減を間違えただけなんだから!」
私の懸命な弁解も、
「じゃあ聞くが、ステラ。その調子の悪いマイクの点検をサボって昨日の休憩時間にいびきをかいて爆睡してたのは、だ・れ・だ?」
――青筋が浮かんだ笑顔が怖いよスティング……。いつもメンテナンスはまかせっきりでごめん……。
「――おーけい。今度から機体のメンテは毎日あたしで軽くキッチリやるよ……。それでいい?」
その一言でようやくスティングは、よろしい、とうなずいてくれた。
「んじゃま、もう休憩終わるし早く行こうぜ〜? 
はやく仕事に戻って失敗した分取り戻さないと、きっとウチの親父たちカンカンじゃね〜の?」
そのやり取りを隣で見ていたアウルが退屈そうに言った。あ、もうそんな時間。
「よ〜し、それじゃあ、アウル! スティング! 昼休みが終わったら『汚名挽回』と行きますか!」
そのあたしの決意を込めたセリフと連動してズルッとスティングが前のめりにずっこけた。あれ? 足腰弱いねぇアンタ。
「おいおい『挽回』してどうする! 汚名は『返上』するもんだ! もう一度汚名を被る気かお前は!」
「あっひゃっひゃっ!! は、ハラ痛てぇ〜!」
「あ、あれぇぇぇぇ〜?」
ずっこけたままのスティングとお腹を抱えて転げまわるアウルの前で、あたしは首をかしげた。

昼休みが終わり、作業を再開しようとするその前にあたしはまずおじさんに謝罪を行った。
「デュプレおじさん。午前中のことはごめんなさい! 午後で汚名ばん……もとい、返上しますから」
 ……うしろからアウルのくぐもった笑いが聞こえた。こいつめ……。
「おう、お嬢。なぁに、いつものことだから気にすんな。俺たちはいいけど、あとでシンディの店に謝りにいけよ?」
 その一言を聞き、待ったをかける様にアウルが割り込む。
「おいおい親父! ステラには甘いんじゃね〜の!? 俺だったらいつもスパナでゴツンだろ!?」
「うっせぇ。憎たらしいお前と違って、こんなかわいい胸ボインちゃんを叩けるわけねーだろ?」
「このエロ親父が……」
「あはは! じゃああたし、作業に戻るね!」

268通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 09:09:44 ID:???

かっこよさを感じる俺は普通なんだろうか…
269ライオン:2008/11/25(火) 09:10:25 ID:???
ジリリリリリリリリリリリリ!!

そのときだ。あたしが作業を再開するため機体に乗り込もうとしたとき、警報が鳴り響いた。
「――え……? 何?」
あたしは周囲を見回す。卸場の人たちはなんだか慌てた表情で何が起こったのかを把握しようと動き始める。
搭乗するための脚ひっかける奴(名前なんだったっけ?)のひもを握りしめて、あたしは機体の傍に寄って立ちつくした。
なんだろう? この警報の音に、聞き覚えがある……?

ズキッ!

そのときあたしの額が急に痛み出した。
おでこに傷ができたわけじゃない。でもなんだか、心が痛いって言うか……
「――痛っ……」
「……? お嬢、どうした? ケガでもしたか?」
心配そうに駆け寄ってくれるおじさん。その心づかいはありがたかったが、そのおでこの痛みは増すばかり。

ズキッ!

もう……耐えられない……!!
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「お、おい? どうしたんだよステラ!?」
「――警報を……警報を止めてぇぇぇぇ!!」
あたしは痛みに耐えかねて、力の限り叫んだ。辺りの視線が集まるのがわかったが、頭の痛みは止まらない。
痛みのあまり、頭を機体にぶつけてみたが、あたしはその反動で背中からもんどりうって転び、目の上あたりから赤い血が流れ出していた。
それでも痛みは一向に止まらない。
そのとき、爆音とともに外部スピーカーによって放出された大音量の声が近隣一帯に響き渡った。

『我々はプラント義勇軍である! 下等なナチュラルによって汚染されたこのプラントのコロニーを開放すべく――』

「なんだなんだ!? テロ屋か!?」
「おい見ろよ! あれゾロじゃないか!? ザフト軍の新鋭機だぞ!」
「コロニーでMSを使うなんて……正気か!?」


270ライオン:2008/11/25(火) 09:12:05 ID:???
その声を聞いた時、あたしはふいに幼いころのかすんだ記憶を思い出した。

「――おとう、さん……?」

警報が流れる狭い避難船。今の母さんの腕の中で見た、光景。
人々を守るため、単身で挑み死の天使に蹂躙される赤い翼の悪魔……。
天使の放った閃光が赤い悪魔の全身を貫くその瞬間を……おもいだした。

『我らの理想を邪魔するうるさいハエめ!』

目前の窓の向こうでは、カーキ色の巨人が戦闘機に向けて手にしたライフルを放っている。
その足元では休日を満喫していたはずの人々がまるで地獄を見てきたかのように血相を変え逃げ惑う。
いつも通る道路のアスファルトは割れ、駐車していた車がおもちゃのようにひしゃげリ、お気に入りのケーキ屋の壁がクッキーのように粉砕された。
「なんでこんな……」
その光景を見て、あたしを今まで支配していた危機感がなんだか心の中からぐつぐつとわいてくるような怒りに変わっていった。
搭乗用ロープを握る手に力がこもる。

「お嬢!? いったい何を――」
「おいバカステラ! まさかアレに立ち向かうってんじゃ――」

その声を聞く前に、気がついたらあたしはコックピットに収まっていた。
今でも何のためについてるかわからない計器を立ち上げ、眼前の敵を捉える。
こいつらの理想がなんだとか、崇高な目的なんだとかは知らない。
ただわかってるのは、こいつらはお父さんを殺したような奴らと同類の悪い奴だということ!!

キュィィィ――

ブースター特有のかん高い音をさせると、アリの子を散らしたように機体の足元から人が後退した。

「ステラ・ホーク……行きます!」

そしてそのまま――発進!
レイスタは街灯の間を縫うように飛びかかり、敵に肉薄した。
急発進したときのブースターの軽いGに耐えながら、破壊を撒き散らす巨人に向けてあたしは言い放った。

「なんでこんなこと……戦争がしたいの!? アンタたちは!」

その加速を利用し、あたしは敵のどてっぱらにタックルをぶち込んでやった。ざまぁ見ろ。




271ライオン:2008/11/25(火) 09:16:42 ID:???
以上です。このssでは、スティングとアウルは本編でのあんまりな扱いから、
ヴィーノとヨウランの子供として生まれ変わったということになってます。

感想、批評、指摘などをお願いします。
272通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 09:27:39 ID:???
>>259
シン、いい人だな
ルナに対して「やることは利敵行為『だけ』だから、いっそ、このアクシデントで死んでくれないかな〜。
むしろ死ね」くらいドス黒くても可笑しくないのに
273通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 10:23:32 ID:???
>>259GJ!
これまた続きが楽しみですわw
このルナには、絶対某レイバー乗りが乗り移っているに違いない!
274通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 11:30:40 ID:???
ライオン氏GJ!
ステラ嬢といい司令官といいこのスレにもおっぱいの光が!!
いえ、ミナ様は司令官ではなくミナ様でソウキs・・・
275通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 12:44:52 ID:???
>>259
ルナ 使えねぇなぁ…
276通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 14:31:40 ID:???
>>259
GJ!
なんか話の雰囲気って言うかノリが好きだ。

>>271
GJ!
ゾロと聞いた瞬間ザンスカールの猫目、狐目を思い出した俺の脳は天使の輪にやられているらしい。

>>273
失礼な! O田さんは性格がアレなんで誤解されがちだが、動いてる目標に対して操縦席を外そうとするから当たらないんであって、静止目標に対しての的中率は高いんだぞ! 
誤射、じゃなくてルナマリアと一緒にしたら失礼だ!

>>274
ミナ様の胸(胸板)は冗談抜きで鉄板……ってかPS装甲?でソキ……
277通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 14:41:19 ID:???
>>259
あれ? ルナ、吹っ飛んだ…?
ハードボイルドになりそうでならない、そんな雰囲気を感じ取りました
しかし、依頼人は赤髪なのかー…趣味が一人でカラオケって、割と寂しいな
でも、そんなのよりも何よりも准将w
アニメで見たら、きっと祭りになってるw

>>271
GJ
ってか、武器持ってねえのかよw
種死の最後の方で死んだって言われてたのって、ヴィーノだっけ? ヨウランだっけ?
どちらも生きていたようで何よりです
278通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 16:39:37 ID:???
>>277
ヨウラン
279通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 16:41:57 ID:???
>>277
ロウラン
280通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 16:43:33 ID:???
>>277
ロケラン
281通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 17:00:48 ID:???
>>259
今までにない雰囲気の作品だね
時間を撒き戻せると信じてる准将がステキすぎます
282通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 17:33:54 ID:???
>>277
あのキラはブララグネタだろうか
電車の中で吹いてしまった……orz
>>279
待てそこの機鋼仙女
283通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 18:24:06 ID:???
キラは所詮生身じゃ役立たずだからな
284通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 20:55:21 ID:???
二qないAA内のランニングもこなせなくてダウンしてたな、そういえば

ところでだ、何処ぞの再構成に「実は生きていてキラに保護されていたマユとステラ。最終戦にてAA側で参戦し、
キラとのフォーメーションでシンを撃破&論破、シン発狂、マユステラキラのハーレムへ」ってのが有ったんだが、どう思う?
285通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:00:38 ID:???
ふざけるな で終わりだな
286通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:01:48 ID:???
その腐りきったあらすじだけで吐き気がするわ
287通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:05:15 ID:???
>>284
終了後、マユステラが某スレの覚醒ラクスに蹴り殺されかねないとガクブル
288通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:16:14 ID:???
>>284
ラクシズのクローン技術は恐ろしいですね。

ところで論破ってさ、どういうジョーク?
もしかして「キラはシンを論破した」の一文で終了とか?
289通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:17:56 ID:???
論破=電波 とか?
290通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:18:48 ID:???
>>288
キラ「マユもステラも生きているから僕を怨むのはお門違いで君の今までの人生は無駄なんだよ」
291通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:23:38 ID:???
>>290
ボンバー君※号やめてよねそんなんされたら誰でも発狂するよな機
292通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:30:44 ID:???
寝る前にこんなんを見ちまったから悪夢を見そうだな……
293通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:32:54 ID:???
>>290
284じゃないが、確かそんな感じだった
あとマユが「お兄ちゃんの力は人を殺すだけなの!」とかステラが「シンのせいでステラは死にそうになった。湖に沈めるなんて…シンはいらない」
とかだったか
294通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:35:40 ID:???
>>290
2人目とか揶揄されそうなマユとステラがシンにとって生きているのかどうかはこの際不問なら、まあそんなものか。

ところで、マユとステラ生存、読者にはわかってたんだよな?
参考にすべきキーワード:ノックスの十戒
295通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 21:52:14 ID:???
あーそうかつまりこういう事だな

「ふざけるな……2人とも死んだんだよ。俺の目の前で、お前がその手で殺した!
そこまでして俺を哂いたいのか!偽の命を作ってまで自分の罪を否定したいのか!?」

偽者軍団皆殺しでマジギレな悪鬼シンの降臨 だな
296通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 22:27:55 ID:???
>>290
作者マジキチ

「マユもステラも死んだ! お前が殺したんだ!
 お前は俺から!二人の死すら奪う気か!」
「死んだ奴は生き返らないんだよ! 絶対にだ!」
といっそ本編でこれぐらい啖呵切ってくれれば
297通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 22:29:19 ID:???
>>295
スパロボの会話妄想スレより
元ネタは『ガン×ソード』

アスラン「もう戦争は終わったんだ、キラは敵じゃない」
シン「ステラは死んだ! あいつが殺したんだ! 俺からステラの死まで奪う気か!
死んだ奴は絶対に生き返らないんだ!! 俺はあんたらの与太話を聞きにきたんじゃない!
俺はキラをぶっ殺すためにここまできたんだ!」
アスラン「シン…俺の話聞いて」
シン「俺の話を聞け! ステラの仇!!」
アスラン「(ヴァンに同調しすぎだ……)」
298通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 23:40:21 ID:???
>>297
ヴァンとシンはハマりすぎだから困る。
たぶん洞艇だし。結構変人だし。
ダンの戦い方もなんだかデスティニーに似合いそうな気がしてならない。
アロンダイト一本で「チェェェェェェスト!!」っとやりそう。
んでお供はGカイザーとアマツのダブル鉄板女傑コンビですねわかりま(ヒカリニナレー!
299通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:04:25 ID:???
>>284
あらすじだけで読む気が失せる
最低系すぎるだろ・・・
300通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:09:45 ID:???
キラマンセーシンアンチSSの見本みたいな奴だなぁ
301通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:16:27 ID:???
むしろホメ殺しじゃないのかそれは。
いや実物読んで確かめたいとかはこれっぽっちも思わんけど。
302通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:19:44 ID:???
ここのスレの住人として見て駄目ってわけじゃなく世間一般的に見て駄目だろう
303通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:25:36 ID:???
外部にて発見
シン死亡EDとは違いミネルバの仲間達の犠牲で整形手術+偽名で火星に逃がされたシンことジョンは(セトナではない)火星代表と結婚して攻めて来た
ラクシズ艦隊と火星運命と火星インパルス(圧縮空間にMSや補助兵器を100機近く入れれる)とイクナト似の無人MS、バッタ型光波付き無人MAで迎え討つ

304通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 00:43:51 ID:???
>>284
そこまでアレだと逆に読みたくなるな、怖いもの見たさ的な意味で
何処にあった? 理想郷とかそこら辺?
305通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 01:14:26 ID:???
>>304
確か理想郷だったと思うけど、今もあるかどうかわからない
去年の初めあたりだったから…すまん
306通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 01:15:05 ID:???
論破って
議論以前に会話のキャッチボールができないのに
307通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 01:27:05 ID:???
キラマンセー・シンアンチまでは分かるけど
そこから更にハーレムとかなるとさすがに引くな
308通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 01:29:36 ID:???
何が好きかなんて知ったこっちゃないが あからさまな悪意が見えるな
309通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 08:37:42 ID:???
>>290
おもいっきりザフトの戦闘を邪魔したり タンホイザー撃ち抜いて死傷者だしたり
余計な乱入でハイネが死ぬ原因つくったり…
マユとステラ以外にも殺す理由はあるような あと両親の仇は変わらずでは
310通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 09:07:33 ID:???
>>309
「アスハの弟だけで、理由は十二分だ! 死ねぇ!! 」
311通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 09:15:04 ID:???
シンと准将による会話のドッヂボール
312通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 10:31:46 ID:???
やる気を失ったシンを復活させるのは赤毛の死

ソース:因果、Sゴジラ
313通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 10:56:12 ID:???
アムドラクロスでさえデストロイ戦後までしか
読めなかった俺には到底耐えられんなぁ
シンが踏み台にされまくるのはアニメだけでいいよ…
314通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 11:09:18 ID:???
>>310
アスハの娘にアスハの弟、たしかに理由は十二分。
315通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 11:11:19 ID:???
誤解されがちだがシンはオーブやアスハは憎んではいても復讐しようとか考えてないぞ?散々過ち犯しときながら何の反省もなく 他人に対して上から目線で綺麗事ほざくからシンは怒りをぶつけたんだし
316通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 11:21:02 ID:???
>>315
ゴリ腐乙キラ厨必死だな
317通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:12:24 ID:???
>>313
アムドラってシン踏み台になってたっけ?
318通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:21:56 ID:???
>>312
「因果」とは『因縁の終わり』の事だと思うがSゴジラって何だったっけ?
319通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:25:23 ID:???
あんまり言いたくないんだけどさ
スパロボ会話スレから流れてきたのか何なのか知らないが、シンを黒シンとか言うキチガイ復讐鬼にしたがる奴は何なの?
職人さんの投下した話改悪してでもキチガイにしようとするし
もしかしてこのスレ住人ってみんなそうなのか? それだったら俺が出て行くけどさ。
320通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:26:07 ID:???
アムドラスレではガンザルディに種キャラ全員が踏み台にされWスレではロッシュの踏み台に
321通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:28:11 ID:???
どうでも良くは無いんだが、最近沈黙を守るエミュ子の胸のサイズはどのぐらいなんだろうか。
オリジナルの事を考えればお嬢様並に絶望的だと思うんだg(グシャ
322通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 12:32:14 ID:???
>>318
スペースゴジラがCEに襲来し種キャラを蹂躙するSS

まとめのその他のSSに保管
323通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 13:02:19 ID:???
その他の作品集にシン死亡EDなんてあったから読んでみたがこれがF+だったらラクシズ=悪と誰しにもわかってシンの最後も綺麗でよかった。

そして、黒シン信者は見たら発狂する事間違いない
324313:2008/11/26(水) 13:11:08 ID:???
>>317 大気圏突入も満足に出来ず フリーダムを倒すことも叶わず
暴走してインパ大破 仲間との交流もジェナスくらい
個人的には種の遺作以下の印象 主人公とは思えない
325通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 13:32:33 ID:???
アムドラクロスの種キャラの扱いは、仕事が忙しくて朝帰りしてスーツ姿でカップラーメン啜ってるラクスぐらいしか覚えてないな
全体的に種キャラのほとんどが空気で、アムドラ側マンセーだった印象
まあ種死終了直後のクロス物は、種死は常に徹底的に踏み台で、シンだけは成長させてもらえるけどあくまで他作品の舎弟って扱いなのが大半だったけど
326通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 13:49:41 ID:???
>>323
俺も怖いもの見たさで見たら、なんかいい話でびっくりした
327通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 14:04:19 ID:???
クロス物って基本的にそんなモンだと思うが
種、種死が舞台でも主人公はクロス先だし(逆もしかり
つか種はまともな人間が少な過ぎてクロス先の踏み台になるかクロス先に手取り足取り導れるか、
もしくは余程の補正・改変を掛けるしかない

あんまりシンが一番じゃなきゃヤダヤダ言ってるとどこぞのニート厨みたいでみっともないぞ
328通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 14:39:16 ID:???
>>322
把握した。

ゴジラの敵怪獣の中でも最強格のが来たらこうしか成らんだろ常考

せめてヘドラかエビラ、ちょっと無理してビオランテなら勝機はあるがスペースゴジラはゴジラも来ないと無理だ
どっちにしても人類涙目だが
329通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 14:42:53 ID:U70Qw/fJ
つまり沢口靖子最強ってととでFA?
330通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 14:50:33 ID:???
ステラのレイスタがDr.西専用(誰も乗りたくない)ドリル付きレイスタにしか思えない件
331通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 15:06:40 ID:???
オマエドリルの魅力なめんなよ純粋になめんなよ
ドリルつきMSとか誰でも乗りたくなるに決まってんだろ、常識的に考えて、常識的に考えて
332313:2008/11/26(水) 15:30:10 ID:???
クロス先の踏み台になるのはわかるんだが
アニメでの少ない活躍がほかの種キャラ(しかも旧キャラ)の見せ場にあてられてる気がしてしまったんだ
333通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 15:38:36 ID:???
>>332
気持ちはわかるがあんまり他SS叩きとか止めようぜ
スレチだし不毛だ
334通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 15:40:32 ID:???
クロスものの先駆けになった0083は良かった シンの成長がとても丁寧に書かれてたし。
335通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 15:53:20 ID:???
>>331
では>>332を新開発のモグモゲラストライカーのテストパイロットに任命する。
336通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 16:45:03 ID:???
>>305
自分が理想郷で読んだ作品にはレイがルナマリアを寝取ってラクシズ側につくというのがあったぞ……
まあラストはシンとコニールが反ラクシズのゲリラ活動をしているところで終わったからまだマシだが
337通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:02:55 ID:???
>>321
最大DUの胸囲じゃね
338通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:03:49 ID:???
>>321
基盤の胸囲ってどこさ?www
339通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:26:25 ID:???
>>337
エミュレイターから高速突貫用のAM型追加ユニット及び重装推進強化の追加装甲プランが送られて来たんだが


AM型にドリル込みで四種のバリエーションって…
340通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:46:57 ID:???
>>339
プランAに真ドラゴン2の怪パンドリルが付きました。
341通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 18:58:40 ID:???
>>335
くそう!
ドムさえオリジナルドムさえラクシズに奪われずに量産されていればドリルランスが戦場を支配していたのに!
342通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 19:03:17 ID:???
>>341
ダメだろjk
ビーム兵器の隣にドリル並べたってよほど特殊な状況じゃなきゃドリル無価値じゃん
343通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 19:34:29 ID:???
ソリドゥス・フルゴールをドリルにあわせて展開する全く新しい兵器、ビーm(ry
344通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:03:43 ID:???
ドムと言えば綺麗なヒルダさんが見れるのはGSCのSSだけだよな?
345通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:05:06 ID:???
リバイバルの人って今何してんの?
新参だから詳しく知らないスマン
346通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:12:43 ID:???
>>345
このスレで聞くべき事か良く考えれば良いんじゃないかな


作者さん個人のリアル生活なんてストーカーじゃねーんだから分るわけねーだろjk
わかる方が問題だわ
347通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:13:38 ID:???
>>342
だから対ビーム兵器用のスクリーミングニンバス装備してるんだろう
スクリーミングニンバスを張りながらドリルランスを構えたオリジナルドムの横列突撃ならばストフリだってイチコロさ

>>340
何故か急にアラハバキと言う名の超弩級回転衝角超兵器を思い出した

348通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:19:17 ID:???
>>347
空も飛べないのにストフリ相手にか?


ガドリングガン一斉謝で瞬間で穴だらけにして轟沈してやるぜwww
349通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:20:57 ID:???
>>346

いやべつに>>345は私生活について聞いたんじゃないんじゃね?
350通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 20:42:02 ID:???
リバは随分前に外部に移転したってくらいしか知らんなぁ
まとめのリンクから行ける筈だけど
351通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 21:30:39 ID:???
GSC世界基準なら研究員がなんとかしてくれる予感








因みに俺がGT-Kなドムに乗るツンデレあずたまを想像したのはお嬢様には内緒だ。
352通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 22:30:22 ID:???
>>344
ドム三人衆は描写が少ないからなー 扱いにくい 見た目的に考えて狂信者にするかアウトローにするかくらいだわな ここのは後者だけど
353通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 22:36:20 ID:???
誰もがラクス教狂信者という認識しか持ってなかったドムトリオを、憎めないレイブンチックなアウトローとして初めて描写したGSC氏は当時画期的だったな
二期も面白いけど、一期の構成は本当に神がかってた
354通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 22:47:34 ID:???
俺はZスレのシロッコに誘惑され三人衆がハンブラビ隊になった時に「エッΣ(゚Д゚;エーッ!! 」と思う位にGSC氏の三人衆に入れ込んでいたな



一時間書き込みが無ければヒルダさんは俺の嫁
書き込みがあったら寝床が石切場で崩落する
355通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 22:52:11 ID:???
00のサーシェスみたいなもんかアレ程悪辣な印象は受けないけど
356通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 23:33:38 ID:???
原作(笑)はピンクマンセーばっかりだから
ひろしよりイメージ悪いな
357通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 23:34:42 ID:???
戦場で楽しむだけか、戦争を作ってそこで楽しむかの違いだな・・・アリーは某総統代行に近い
358通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 00:04:45 ID:???
>>354ー!!
だがこの方があいつにとって幸せだったかも知れん。
あのウォーモンガーを嫁なんて言うには異能生存体かドミナントか鬼神でもないとむ………
359通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 00:38:59 ID:???
>>354
墓穴があるだけでもマシと思えッ!!
360通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 01:49:00 ID:???
>>342
オマエしらねぇのか!?
ドリルって、実はあの形と形状自体が、回転にあわせてビームの粒子を束ねて収束、速度を加速度的に増幅する事で
ビームの威力を増幅する機能がある気がするんだぜ!!11!

後、根性と気合で能力が増幅したりもする雰囲気がある
361通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 02:04:03 ID:???
Zスレには>>354とはまた違った感じで
ドムトリオに入れ込んで職人の描き方に噛み付いてるのがいたなあ
362通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 07:11:16 ID:???
かつてD4と言うドリルがギュルルンなショートアニメがあってだな
363通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 07:39:03 ID:???
>>362
つまりは
ひるだ「ドリル回しまーす!」か
364通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 09:12:52 ID:???
平仮名で「ひるだ」って書かれると
「みなたま」の影響でロリっ娘を想像してしまう俺は正しい。
反論は許さない。




あと小娘の部下がオジサンって何か萌ね?
365通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 09:42:19 ID:???
ヨルムガンドがふと思い浮かんだけどマイナー過ぎるな
366通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 10:14:11 ID:???
>>363
異端審問局のブラザーに酷似したドムが見えたが気のせいか?
367通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 10:31:54 ID:???
>>365
大丈夫さ、ブラザー。
お前は一人じゃない。



でも、俺的には「図南の翼」の珠晶が思い浮かんだ。
368通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 12:39:40 ID:???
>>365
北欧神話好きなの?
369通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 13:43:10 ID:???
>>368
そういう題名の漫画があるんだよ・・・詳しくはググレ
370通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 17:31:36 ID:???
イマイチ認知度が低いがドムトリオは阿部さんスレ(の外伝)でも
独特の味わいあるエピソードを残してるんだよな…
371通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 19:11:48 ID:???
>>369
1巻を帯の解説で買って激しく後悔した、ありゃマイナーで終わる
372通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 19:36:01 ID:???
ブララグと被る所多いしねぇ・・・好きだけどな

373通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 19:42:13 ID:???
さすがにブララグと比べちまうと勢いも華も何もかも足り無過ぎる
あの雰囲気が好きって奴だけが対象ってなると残念だがやっぱマイナー扱いで終わりだろ
374217:2008/11/27(木) 22:53:41 ID:???
皆さんこんばんわ〜

また投下させて頂きます。
375217-1/10:2008/11/27(木) 22:54:53 ID:???
 聞いて楽しい話かどうかは分からない。少なくとも、俺にとってはそうじゃない。それ
でも、どこかの誰かには、比較的罪の無い笑いを提供出来るのではないかと思う。
 ある日の昼過ぎ。プラントに住む半分くらいの市民が、質素な食事と言うより、量だけ
の餌を掻き込んだばかりの時間。半分くらいの市民が、空きっ腹を抱えて天井を睨んでい
た時間。無視出来ない数の人々が、三時間も並べば仕事を斡旋してくれる様になる筈だっ
た職安を、恨めしそうに眺めていた時間。蒸し暑さが限界を超え、タクシーの運転手が哲
学に目覚め、無神論者のかっぱらいが神の声を聞いて拳銃に手を伸ばした、そんな時間の
出来事だ。
 現場は平穏な商店。行列に並ばなくても、金を出せば欲しい物が買える。食料チケット
だって使える。そんな、昨今のプラントでは次々に姿を消している類の大きな雑貨屋だ。
 はめ直したばかりの窓ガラスが、不意に割れた。予算を渋って防弾ガラスを選ばなかっ
た事を後悔する間もあればこそ、店主も従業員も卒倒した。出入り口以外の場所から軍服
が飛び込んでくれば、誰だって目を剥くだろう。まして、相手は白服。彼が入ろうとした
場所に、出入り口を作っておかなかったと言うかどで訴えられれば、身の破滅だ。他の国
ではいざ知らず、プラントの裁判所はそう言う風に出来ている。
「落ち着いて下さい!」
 幸い、白服は出来た男だった。出来た男だが、血塗れだった。血染めの軍服を前に、平
和的な市民がそうそう平常心を取り戻せる訳が無い。
「自由と平和を愛する人々の味方、歌姫の騎士団です。落ち着いて下さい」
 唖然、声を失う視線の砲列に、白服は付け加えた。残念ながら、店員達は揃って自由と
平和を愛していたが、だからこそ、歌姫の騎士団とやらを味方だとは考えていなかった。
 敵意と困惑と耳打ちとが入り交じり、陳列棚の狭間で渦を巻いた。金物の上を、ある種
の決心と躊躇の間で揺れる視線が這い回った。店主は一人、一方的な同胞意識をひけらか
す軍人と、品物を手に忍び足で逃げ出す買い物客とを、交互に見つめていた。商品が盗ま
れるのは痛いが、迂闊な動きは見せられない。何しろ、目の前に立つ男の気紛れ一つが、
自分の運命を握っている。
 冷却棚からあふれ出す沈黙を、どう解釈したのかは分からない。白服は唐突に腰を落と
すや、五つばかりのポーズを作った。
「権力者の企みを、粉砕する男!」
「……て、あんた権力者だろう」
 溶け始めた冷凍食品みたいな声が、辛うじて言った。
「そんな権力者だなんて……僕は、ただの……一人の人間だ。どこもみんなと変わらない。
ラクスも」
 ロウヒールを履き、50マグナムを振り回し、自分に人権を認めない赤毛の女が戻って
来る様子が無い事を確認すると、白服は血をハンカチでぬぐい去り、水分と鉄分を補給す
る為、商品棚の牛乳を一ボトル空けた。
「テロリストは撃退しました。この辺りはもう大丈夫です。心配要りません」
 白服はテロリストを追撃する為に、店を去った。
 以上、その商店に勤めていた友人ヴィーノ・デュプレから聞かされた話だ。
 どうだろう。
 俺は笑えない。
 プラント軍最高司令官代理が権力者の自覚を持たない事実。それを笑えるプラント人が
居る訳が無い。


376217-2/10:2008/11/27(木) 22:56:16 ID:???
 落ち葉の無造作でちりばめられた煉瓦が、車輪の下で割れた。市役所へと通じる町並み
は、もしここが北京なのだとしたら、そこそこ綺麗だと言えた。ブロンクスなら薄汚れて
いた。クアラルンプールならゴミ溜めだ。
 プラント市民は病的な潔癖性だ。どこもかしこもをクレゾールで消毒し、裏路地に至る
まで病院の廊下みたいにしちまわないと気がすまない。彼等にその悪癖を忘れさせ、病院
の廊下を裏路地に変えるのは実に簡単だった。今、フラスコの中の住人達は、自身が全て
において優れた新人類コーディネーターなどではなく、単なる自由の家畜でしかない事を
弁えていてる。
 生涯を終える前に空を飛んだ気の早い自動車は、その早とちりを事実で償った。もう二
度と走らない中古車と、残ったローンにさよならをして、コロニー外壁内の点検通路に潜
り込んだ。俺達はこんな秘密の通路を幾つか知っていて、今までにも他人様の為に供した
事が有る。自分達の為に使うのは、多分、今回が最初で最後だろう。
 AGは中心からの距離と、回転周期で決まる。50sの肉塊が、いつもより少しばかり
重量を増して、俺の背にのし掛かる。完全に壊れて、走れなくなった自動車は放棄すれば
良い。半分壊れかけで歩けなくなったルナはそうもいかない。空中で放り出された彼女は
首を傷めていて、俺が華奢な学生を押し倒し、窓から手を伸ばして助けた時に、手首も痛
めた。
 ルナは自分が背負う。最初、赤毛の18歳は勇ましく言い放った。
「こうなったのも、元はと言えばこちらが巻き込んだせいですし。それに、鉄砲が使える
シンさんが自由に動ける方がいいと思うんです」
 もっともな理屈だった。このひ弱な護衛対象が、銃の扱いを知らないのと同じ様に、
50sの荷物を抱える術も知らないのでなければ、全くもっともだった。
「うー」
 背後の荷物が、涙混じりに唸った。外れた手首は填めてやった。社長が用意していると
言う船に、カラーバンドは有るだろうか。出来れば人数分必要だ。自動車は永遠に空を飛
ぶ事に決めた様だけど、俺達はまだまだ地べたを歩かなければならない。
 この通路は、多分安全だった。そして、この国で最も信用ならない物の一つが安全だ。
まして、軍の最高司令官代理まで出張って来る様な事件を抱え込んだ時、安全だなんて言
い切れる場所がどこにあるだろう。
 先頭を行くアビーは、短機関銃を手にしてる。依頼人はルナの腰にぶら下がっていた凶
悪な大砲だ。何か役に立ちたい、と言うので持たせておいた。撃ち方は教えていない。よ
しんば知っていたとしても、銃それ自体の重さを支えかねている様では、撃てる訳が無い。
重さ1s。短時間ならともかく、構え続けるには難物だ。
377217-3/10:2008/11/27(木) 22:57:35 ID:???
「ここだ」
 俺達が3Aと呼んでいるハッチで、足を止めた。作業機械が出入りするハッチには、社
長が船の昇降口を繋いでいる筈だった。もし、予定が狂っていたら、俺達はプラントと人
生に、いっぺんに別れを告げる羽目になる。
 これから、どうすれば良いのだろう。社長の指示は、護衛対象を指定の船まで送り届け
る事だ。だが、プラントの警備がいかにザルだとは言え、不正出航する宇宙船を見逃して
くれるとも思えない。
 なんにせよ、俺達は事態を掴んでいない。社長が対策している事を信じるしか無かった。
 アビーが操作盤に手を触れると、三重のハッチが大きなゲップをした。簡単にロックを
解除出来る様に仕込みを入れたのが何時の事だったのかは、とうとう思い出せなかった。
「どうした?」
 いかにも宇宙に不慣れな宇宙人は口元を抑えたままだった。薄桃色の頬がトマトに変わ
り、髪の毛の色を超えた時、おちょぼ口から息が破裂した。
「おい、どうした?」
「……あ、空気有る?」
「何、言ってんだ、あんたは?」
「あ?……いえ、いえ」
 ハッチの先に延びる昇降用チューヴに気付いたのだろう。林檎が笑顔を作り、目の前に
たんまりと有る空気を手でかき回した。
「あのっ……そのっ……つい!……真空が入って来るかと思って!」
 大西洋連邦のツイストキャンディみたいに縺れた舌の奥に、ツイストキャンディよりも
マズそうな脳みそが覗いた。気の利いたジョークのつもりは無いだろう。相手はもう息を
止めていなかったし、俺の目つきは、生まれつきの物の筈だった。
「そ、そのっ!……違うんですっ!……えーとっ……空気が抜けるかと思って!」
「あー、はいはい」
 俺の精一杯の気遣いは、相手に通じなかった。女みたいな顔をした18歳は、こんな時
に女がする様な顔をした。俺は神が居ない事を確信した。この点について、プラントは確
かに正しい。
「なんですか?」
「別に」
「だから、なんですかあっ」
「別に」
 どこかで交わした様な会話だ。俺のレバーを軟弱な拳がグリグリと抉った。少し痛かっ
たけど、それ以上に色々とこそばゆかった。やはり神は居るんだろうか。居ないと、その、
なんだ。殴りようが無くて困る。
378217-4/10:2008/11/27(木) 22:58:56 ID:???
「よせよ」
 たった二つの選択肢も正しく選ぶ事が出来なかった、間抜けな神を呪いながら言った。
「さっさと、ハレー彗星に備えて、息を止める練習に戻れよ。俺は忙しいんだ」
「あ!酷い!」
 鋭い目線が頬を撫でた。無言で睨むその目つきは、刺さるほど鋭くもなかった。
「何をしているっ」
 眼下から声が飛んで来たのは、その時だ。多分、救いの声だった。何から救われたのか
は分からない。それにしたって、救いには違いない。地球生まれ、プラント在住僅か数年
の男が、新しい世界とのコーディネートになんか、興味を持てる筈が無い。
 何かを言いた気なアビーと背中の荷物を無視して、ハッチを覗き込む。
 昇降チューヴの底には、社長そっくりな服装の男が居た。サングラスにノースリーブ。
しかし社長じゃなかった。誰だ?首を傾げる前に、男は手振りで飛び降りる様に促した。
 正直に躊躇した。船の床は思いの外遠く、背中のルナは首を傷めていた。何かを言おう
とした時、足下の男が、巨大なバルーンに入れ替わった。なるほど。それでも、鞭打ち患
者には酷に違いない。
 さて、どうしよう。アビーに相談しようと振り向いた時、相談相手にならない人間の姿
が無かった。
 甲高い歓声が、足下を秒速10mで遠離り、ビニールと空気の塊に吸い込まれた。覗き
込むと、笑顔が手を振った。手を振り返してやる前に、楽しいアトラクションに満足した
18歳はハッチの陰に消えていて、俺にも別に手を振り返してやる気は無かった。
「何か無いか探して来ます」
 溜息を漏らした時、アビーが飛び降りた。彼女は俺が思っているよりも慎重で、スカー
トの前後を押さえていた。
「うー〜」
「おい、大丈夫か?」
「あまり、大丈夫じゃない」
 直射日光を浴びたジェラートみたいな声が言った。
 背後で唸るルナをあやしながら、待つ事五分。アビーが下からワイヤーを投げ寄越した。
 エアロックのハッチを潜って、船内に入った。小さなシャトルだ。
379217-5/10:2008/11/27(木) 23:00:17 ID:???
「予定より遅れている。すぐに出るぞ。席に着け」
 社長とペアルックの男は、金髪を腰まで垂らしていた。まるで女だ。俺はガチガチのプ
ロテスタント、て訳じゃないけど、最近、性が根本的な意味で乱れてやいないかと気にな
った。
「まあ、待ってくれよ。あんた、一体、誰なんだ?」
「アレックス・ディノ。そう呼べ」
 どこかで聞いた名前だった。背中の柔らかい荷物が、針金の束に変わった。アビーは冷
凍食品の産地を確認する目をしていた。China Freeは今も昔も変わらない、健
康と安全を願う人々の合い言葉だ。
「アレックス・ディノさん?」
「そうだ」
 サングラスが、アレックスの目線を隠した。額に浮いた汗が、その下で何が起きている
かを教えてくれた。
「本当に?」
「俺はアレックス・ディノだ。それ以上でも、それ以下でも無い」
「いや。偽名くらい自分で考えなよ」
 背中の声が言った。偽名?どう言う事だ?
 アビーがアレックスに擦り寄った。そこに恋人の親密さはなかったし、大体二人は初対
面だった。切れ者の元オペレーターの目は、一目惚れをした乙女の物では無く、食品のパ
ッケージに漢字を、それもニホン地区やタイワン地区では決して使われているとは思えな
い簡体字を発見し、大陸にしかない地名を探している、注意深い買い物客の物だった。
「おい、よせよ。失礼じゃないか」
 アビーは溜息を漏らした。誰に対しての物かは、よく分からなかった。
「はじめまして」
「はじめまして、アレックス・ディノさん!」
 二人は漸く、挨拶をした。揃って、ラクス・クライン、とでも言う様な口調だった。一
体、なんだと言うのだろう。自己紹介さえしない。
「はじめまして。シン・アスカです」
 二人の非礼を補う意味も籠めて、丁寧に挨拶した。
「宜しくお願いします。アレックスさん」
 アレックスの目が、サングラス越しに光った。握った手は、まるで万力だ。なんだって
言うんだ。確かに俺は人に好かれるのが得意な方じゃないが、初対面でこれは無い。二人
に対して怒ってるなら、八つ当たりもいい所だ。
 文句を言ってやろうとした時、依頼人がぺこり、と丁寧にお辞儀した。18歳、水瓶座
のB型、自転車愛好会所属、趣味は一人でカラオケと言う自己紹介も忘れない。
「さっきはどうも」
「ギルから聞いています。愛好会で知り合ったそうですね」
 ギル。一瞬、誰の事か分からなかった。そうだ。社長だ。アフランシ・ギル。名前なん
て滅多に呼ばないから、ど忘れした。
 シャトルには人数分より一つ多い座席が有った。ルナを椅子に降して、貨物より少しだ
け丁寧にベルトを締めた。
380217-6/10:2008/11/27(木) 23:01:50 ID:???
「これから、どうするんだ?」
「ギルが母船を回航している」
「……その船ってシャワー使えるんですかね?」
 不意の声が、アレックスとの間に割り入った。
「あんたは暢気でいいな。まあ、止めといた方がいい」
「と、言いますと?」
「後が大変なんだよ」
 無重力下ではコップ一杯の水でも溺死の危険がある。水滴が機械に入れば厄介だから、
水分を一滴残らず回収しないといけない。俺は今、湿ったシャツみたいに汗をかいている
けど、シャワーを浴びた後なら雑巾になっているだろう。
「そんなに気になるんなら、濡れタオルで汗を拭けばいい」
「汗も有るんですけど、変装を落としたくて」
「変装?」
「この髪、簡単に染めてあるんですよ」
 なるほど。社長がどう言う経緯で仕事を受け、どんな状況から軍に追い回される羽目に
なったのかは分からない。ともあれ、追っ手の目を眩ませる為、流行の最先端を周回遅れ
で突っ走る中年が、変装と言う手を考えるのは、有りそうな話だった。
「体もあちこち締め付けてるし、もう苦しくて」
「とにかく、合流してからだ。出すぞ」
 小さな悲鳴が聞こえた。アレックスはいちいち後を確認するほど親切では無かったし、
お喋りな学生は、まだ何かを言おうとしている最中だった。
 Gが襲った。フラスコの回転をカタパルトに変え、俺達を乗せたシャトルは時速600
qで宇宙に飛び出した。
 窓からコロニーが見えた。
 フラスコの中にはミニチュアの街が有る。何十万と言う人々が、誰かの玩具みたいな生
活を送っている。採光ミラーがキラキラと輝いて、人々に安っぽい、正札の付いた夢を見
せている。プラントでは何でも売っている。けど、それを買えるだけの金持ちは一人しか
居ない。
 なんだか、哀しくなった。
 故国を追われたと言うのに、誰一人哀しい顔をしていなかった。俺も含めてだ。
 こんな哀しい事が有るだろうか。


381217-7/10:2008/11/27(木) 23:03:10 ID:???
 シャトルが予定の航路に乗った。エンジンの唸りが止み、加速が止み、ルナの唸り声も
止んだ。
 操縦席にはアレックスが居る。アビーはレーダーを覗いている。依頼人は口をヘの字に
して、光学監視装置に囓り付いている。非力なシャトルだ。目は多い方がいい。脳が付い
ていなくたって、目ん玉は目ん玉だ。
「シン。お前は格納庫だ」
 俺の足は、頭よりも早く、その指示に従っていた。何故だろう。初対面にあれだけ失礼
な態度を取られたと言うのに、俺はアレックスが嫌いになれない。
 格納庫には、小さな脱出ポッドが平伏し、自分の出番が来ない様に、と無言で祈ってい
た。機首に機関砲が見えたからと言って、このずんぐりとした単座艇を、戦闘機だなんて
認めてやる訳にはいかない。インパルスの下半身にレッグフライヤーの名を与えて戦闘機
と言い張った、あの勇敢なるヴェルヌ局の諸君だって、こいつをそうとは呼ばないだろう。
「俺の役目はなんだい。いざ、て時に備えて、一人分の脱出ポッドを点検しておけとでも
言うつもりか?」
「何の話だ?」
 内線の向こうで、怪訝な声が言った。
「この船に脱出ポッドは積んでいない。コアスプレンダーが有るだろう。いざとなったら、
お前にはそいつで戦って貰わなければならない。コックピットのコンソールからマニュア
ルが確認出来る筈だ」
 酷い冗談だった。最悪と言って良い。いつだって冗談が大好きな、自由の女神様だって、
ここまで酷い事はたまにしか言わない。
 機首のキャノピーを開く。なるほど、コックピットの造りに限って言えば、確かに戦闘
機のそれだった。とは言え、砲火のただ中を生き残りたかったら、こいつに乗るより、地
上のMSシミュレーターに籠もって十字を切っていた方がまだ賢明だろう。
 シート回りの作りはタイトだった。脚を差し込み、尻をねじ込み、やっとの事でポジシ
ョンを確保した。制御システムを起動。アレックスはこいつをコアスプレンダーだと言っ
た。戦闘機でもMAでもない。絶望するにはまだ早い。
 ZGMF―X101Sの開発ナンバーには覚えがあった。コア・システムの実験用に製
造されたザクのバリエーション機だ。
「それだけじゃない」
 コックピットでスプレンダーの起動を確認したのだろう。アレックスが言った。
「そいつは、ザク・スプレンダーを母体とした、シルエット運用の実験機だ。インパルス
のシルエットは、ほぼ全て装着出来る」
「なるほど。インパルス・ザクって訳だ」
 だからだろう。ナンバーにはSがもう一文字追加されていた。
382217-8/10:2008/11/27(木) 23:04:28 ID:???
 一つ問題が残った。こいつが自殺志願者も後込みする宇宙の棺桶では無い根拠。つまり
チェストとレッグ、シルエットを詰め込むには、このシャトルは小さ過ぎると言う点だ。
 必要な装備は母船に積んである。アレックスはそう言った。
 母船は社長が回航している。人員は足りているだろうか。いざと言う時、必要なパーツ
を飛ばして貰えるのだろうか。信じるしか無い。スプレンダーだけをこのシャトルに積ん
だからには、それなりの理由が有る筈だ。
 諸元を確認。インパルス・ザクの性能は、インパルスガンダムよりもザクに近かった。
当然だろう。ほとんど全てのシルエット、と言うアレックスの言葉にも納得だ。消耗が激
しい装備、極端な所で言えばデスティニー・シルエットや、事によったらブラスト辺りも、
こいつのバッテリーには余る。
 狭苦しいシートからなんとか脱皮する。ロッカーの覗き窓に、パイロットスーツが覗い
た。戦闘用MS、大西洋連邦とプラントの両国が、条約で保有数を規制し合う様な兵器が、
民間でも調達出来る御時世だ。軍用のパイロットスーツなんて部隊徽のワッペンより簡単
に手に入る。戦闘にも耐えるレイスタです。でも、戦闘には使わないで下さい――――そ
んな物をジャンク屋と連んで紛争地帯にばら撒きながら、中立を気取っている平和の島国
の腹の底は、あの国が作る自国のそれでは無い紙幣みたいに分かり易い。
 パイロットスーツはきつくて、暑苦しかった。全身に0.3気圧の風船を着込むと、コ
アスプレンダーのシートはますます狭くなった。スーツと一緒に用意されていたドリンク
を一口含んだ時、僅かな機械の唸りと、もっとささやかなディスプレイの高周波音が耳を
掠めた。俺は一人になっていた。
 俺達はプラントを追われた。着の身着のままが、俺達に許された全財産で、それは依頼
人も同じだろう。規定通りの支払いなんて、最初から期待しちゃいないけど、今後はどう
なる。
 社長は何者だろう。シャトルはともかく、MS、それもテロ支援国家がばらまく民生用
の皮を被った戦闘機ではなく、過去に使い棄てられた実験機だ。19番目までは回らない
健康的なゴルフと、踊り子の居ないカラオケパブに通う事だけが趣味の、どこにでも居る
中年と思っていたけど、認識を改めなければならない様だ。
 埒も無い事をあれこれと考えている失業者に、俺はすっかりと嫌気がさした。スーパー
コーディネーターならざる身としては、時間を昨日まで巻き戻す術は無いし、俺達は状況
を掴めていない。当面、社長の指示通りに動くしか無いだろう。別に、あの依頼人を守る
事に、不満が有る訳でも無いのだから。
「あっ!」
 脳裏に浮かんだ顔が、声を上げた。光学監視装置越しに見える何かが、薄紅色も鮮やか
な頬を、蒼白に塗り替えた。
383217-9/10:2008/11/27(木) 23:05:46 ID:???
「何があった?」
 アレックスは冷静だった。冷静なだけに、利口な質問とは言えなかった。そして、俺は
彼より賢いかはともかく、より相手の事を知っていた。
「ルナ。黙らせろ」
 彼女は鞭打ちで唸っている。俺も賢くなかった。
「あ、あのっ!……その……つまりっ……」
 コックピットで言葉が破裂した。取り留めの無い単語の羅列は通信を介して、俺の耳に
まで押し入って来た。
 それが、生来の性分とは言わないでおこう。予期せぬ事態に接した人間は、人が誰でも
平等で、その気になれば、プラントの最高評議会議長にだってなれる事を教えてくれる。
ただの一語を10倍にも100倍にも引き延ばし、言わんとする事は何一つ分からない。
「ロボットですっ!ロボットっ!ロボットっ!鉄砲持ったロボットっ!」
 その言葉に、南国の匂いを思い出した。ある女性はMSをロボットと呼んでいた。ゲー
ム機は一切合切ニンテンドー。そんな母親を、日の丸の付いたレシプロ機は全部零戦だと
信じて疑わない少年が笑っていた。
「ですとろ〜いで赤い雨〜っ」
 負傷した首が、力の無い声を漏らした。俺は鶏を絞めた事が無かったし、鳩を縊り殺し
た経験だって無い。コックピットで何が起きているのかは分からないけど、取り敢えず静
かになった事だけは確かだった。
「ナスカ級一。ザク・ウォーリアが四機。ブレイズ・ウィザード装備です」
 アビーの短い言葉が、人生を五分間ばかり無駄にした事を教えてくれた。でも、誰の?
「あちらの足が速いな。どれくらいで追いつかれる?」
「ザクの照準装置有効距離まで597……96……95……」
 空間戦闘は、ある意味のどかだ。地上戦と違い、不意の惨劇に喰い殺される事は滅多に
ない。宇宙の高遠と静寂は、作戦を練り、技巧を凝らし、あるいはお祈りをする余裕を与
えてくれる。
「アレックス。わかめパーマのサンタクロースはどこに居る?」
「連絡ポイントまで10分と言う所だ」
「時間を稼ぐ。1秒でも早く連絡を取ってくれ」
 風防が、シャトルの機械音を遠ざけた。シートは脱出装置が誤作動したまま息を引き取
ったのかと思うほど高く、真下以外はほとんど見渡せた。
384217-10/10:2008/11/27(木) 23:07:13 ID:???
「だ、大丈夫なんですか?」
 潰れかけの風船みたいな声が、ヘリウムを吸って裏返った。我等が依頼人は、思ったよ
り頑丈だ。
「操縦桿は付いてる。燃料も入っている。前は良く見える」
「でも、あっちはあんな大きなロボットですし、四人も居るしっ」
「斬新な数え方だな。ついでに言うと、母船には同じ数だけ積んでる」
 こいつは何者だ。言っていて、益々疑問が膨らんだ。一人の人間を追い回すのに、軍艦
一隻は大袈裟が過ぎる。
 利権争いと縁が有るとは思えない。大金持ちでは絶対に無い。護衛の欲しい金持ちは、
正規軍をフルタイムで雇う。それ以前にゲートエリアから外に出ない。臨時雇いのボディ
ガードを当てにする馬鹿なんて、プラントには居ない。
 では、何かをやらかした?最高司令官代理閣下の恋人を寝取りでもしたのか?最高評議
会議事堂の真ん前で、国家機密の漏洩でもやらかしたのか?
「とにかく、出るぞ。逃げ足が欲しい時、10t近い荷物を抱えてる理由なんて無い」
 左耳の傍で、レシーバーが息を飲んだ。およそ学の無い、軍人崩れのサラリーマンは、
単純に事実を口にした。大学の英文科でシェークスピアを諳んじていたインテリの思考は、
もう少し複雑に出来ていて、何よりナイーヴだった。
「あの……」
「なんだ?」
「今、手元に銃が有ります」
 恋人の死を知ったキャピュレット家の娘みたいな声が言った。本当に、ナイーヴな奴だ
った。どうやら戦争で死に損ねた兵隊が、死に場所を見付けてある種の決心を抱いたとで
も思いこんだらしい。
「投降するのはどうでしょう。皆さんは脅迫されていた、て事にして……」
「却下だ」
「でもっ」
「一つ、あんたは今のZAFTを判っちゃいない。二つ、俺は腹を立てている。ルナ、も
う一度そいつを黙らせろ」
 シャトルに給電設備は無かった。スプレンダーに許されているのは、バッテリーに蓄電
された分量だけだ。フューエルスターターを入れ、ロケットエンジンを始動すると、半分
が無くなった。
「あの……」
「気にしないで。古い人なの」
 アビーが言った。
「自分より古い相手を見ると、勝手に腹を立てるの」
「アビーっ!ローンチだ。早く出してくれっ!」
「……15秒後に切り離します」
 カウントダウンは無かった。きっかり15秒後、俺とスプレンダーはシャトルの尾部ハ
ッチから滑り出した。
「ベルリンのですとろーいっ」
 不意の声だった。誰かが空気の節約を始めた。また、暫く静かになるだろう。
 ルナは思いの外、律儀だ。少し悪い事をしたかも知れない。



 続
385217:2008/11/27(木) 23:08:06 ID:???
以上です。

次回も宜しくお願いします。
386通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 23:22:47 ID:???
乙です。
等々初のMS戦ですね。
楽しみです。
387通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 23:47:31 ID:???

そういえば作品のタイトルとかはないのでしょうか?
388通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 23:57:23 ID:???
>では、何かをやらかした?最高司令官代理閣下の恋人を寝取りでもしたのか?最高評議
>会議事堂の真ん前で、国家機密の漏洩でもやらかしたのか?

「スターリンは馬鹿だ」と言った男を国家機密漏洩罪で投獄したって昔のブラックジョークを思い出した
389通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 23:58:53 ID:???
GJでした。
文にますます磨きがかかっておりますね。

アレックスさん、何者なのでしょう?
べるりんルナに吹きました。
そして最高司令官代理閣下、やはり力を持つ自覚は欠片もないようで…決めポーズが決まってますねぇ…w
次回も楽しみにさせていただきます
390通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 00:25:24 ID:???
GJです、ほう・・・・なんかハードボイルドな作品ですなぁ、いままでにない感じで面白かったです
391通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 00:29:25 ID:???
GJっすー
何かこの文体好きだわ
392通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 07:52:55 ID:???
ミート君が投げ入れた何かを回収しフェイバリットフォールドをした模様
393通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 17:25:14 ID:???
>白服は唐突に腰を落とすや、五つばかりのポーズを作った。
>「権力者の企みを、粉砕する男!」
東映版スパイダーマンか貴様はw
というか壊れてるよ確実にwww
394通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 19:38:20 ID:???
>>393
脳内再生されて腹筋がテロリズムにあったじゃないかどうしてくれるwwwww
395通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 20:32:54 ID:???
「ベルリンのですとろーいっ」にココア吹いたww
GJです。次回も楽しみにまってますわ〜
396通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 11:03:44 ID:???
GJ!
准将いいキャラしてるなぁwww
牛乳飲んだのに金を払わず出ていったのはやはり准将だから?
397通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 15:08:20 ID:???
確かに金払ってないなw
398通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 16:46:47 ID:???
399通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:06:59 ID:???
ちょっと待て!
何でXのとこがガロードじゃなくてニートなんだよw
400通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:19:32 ID:???
NTかなにかか?
401通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:22:11 ID:???
ガンダムの主人公たち。だそうだ
ガロード……
402通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:48:24 ID:???
>>398
とりあえずその記事を書いた奴には主に肉体言語での説教が必要なようだな
403通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:50:40 ID:???
キラの「カリスマを越え神様のよう」吹いたw
404通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 18:30:08 ID:???
ガンダム無双2より
キラ高好感度時
「君はいつも僕を守ってくれる……
 だから、僕たちは一緒にいられるんだね」
キラ敵対時
「やめてよね……本気で喧嘩したら
 君が僕にかなうはずないだろ?」
405通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 18:33:05 ID:???
>>404
飯が不味くなった。
406通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 19:37:06 ID:???
ちっと遅スレだが
>>336
詳しく教えてタモレ
407通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 19:46:59 ID:???
申し訳ないが二年近く前に読んだ作品だから作品名を覚えてないんだ
408通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 20:17:19 ID:???
>>404
准将は相変わらずのネタキャラっぷりのようで俺は逆に安心したww
409通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 21:21:38 ID:???
ガンダム無双2はカミーユとジェリドが「遅れるなよジェリド!」「そっちこそな!」と友情のツープラトンが可能な自由度
410通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 21:47:40 ID:???
シンとカミーユが気になってしょうがない
411通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:17:06 ID:???
>>398
思うに、凸の「直ぐに寝返る」とかは何故に含まれてないんだろうな?
本編の描写だけで三、四回は寝返ってたと思うんだが。

あと「女性に奥手」は無いわww
近くの女片っ端から食ってたじゃねぇかw
412通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:22:12 ID:???
奥手ってのは、自分から手を出せないって事だぞ
アスランは、女の方から手を出してくるわけだから、食いまくりでも奥手で良いんじゃね
413通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:27:07 ID:???
都合の悪い事は書かれません 雑誌で大嘘でも良く書かれれば 大して興味の無い奴にはそれがそのキャラのイメージになってしまうからな

アニメ雑誌の一時期のラクシズマンセーを真に受けてる人多いんじゃね?
414通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:42:14 ID:???
>>398
案の定シンはよく言われてないな
悪意でしか見られてないのがよく分かる 

何故シンが嫌われるかはこういう扱いにあると思う
自分で考え行動しても 悪いようにしか書かれないんじゃな

しかしヒーローとは必ずしも世間に受け入れられるとは限らない
上っ面のカッコ良さよりも生き様で魅せるのがヒーロー
腐女子なんぞに理解されたくもないわ
415通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:48:02 ID:???
>>398
見事なくらい表面しか見てないな ある意味スイーツ(笑)らしい記事だが
416通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:14:50 ID:???
>>398
男と女ってか典型的スィーツ(笑)との感性の違いだな
互いの根底にあるのは根拠のない感覚レベルの美学だから
永遠に相容れない、水掛け論にしかならない
417通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:22:33 ID:???
シンって筋の通らない事には相手は上官だろうが反抗するけど
なんでもかんでも噛みついてる訳じゃないよな 
後やった事の責任はきちんと取るし 
相手が誰であれいい事はいい悪いことは悪いと言える奴なんだが
こういうのが一部では「空気嫁」とか言われて嫌われるんだろう
418ライオン:2008/11/29(土) 23:48:30 ID:???
投下します。今回は長いので、もしかしたらさるさんに引っ掛かってしまうかもしれません。
ですので、支援をお願いします。
あと最初に一言、>>276さん。大正解です。
私の脳もガキの頃見てからずっと天使の輪にやられています(笑)


してやられた。
ゾロのパイロット、スズキは悪態をついた。
先ほどの一撃は完全に不意打ちだった。さらに着地の際に足場を踏み荒らしたせいで不安定になっていたこともあり、
性能がはるかに劣る旧式のMSに打ち倒されてしまった。
わき出る屈辱を理性で押さえつけ、スズキは機体を立ち上げる。
ゾロはしがみついたレイスタをものともせず立ち上がり、まるで猫目のようなカメラアイで一瞥した。

「そんなものでこの最新鋭の『ゾロ』に向かってくるとは……腕によほど自信があるのか? それともただのバカか?」
そこで安全装置を外したビームライフルの銃口を向ける。
だがそこでスズキは不審に思った。倒れこんだ後からレイスタは力なくうなだれており、一切の反応がないのだ。
スズキは駄々をこねる子供のようにしがみついているレイスタを力任せに引っぺがした。
すると機体は糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。胸部コックピットハッチが開いたまま。
「パイロットが……いない? フン。逃げ出したか。賢明な奴だ……」

419通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:49:22 ID:???
凸のお説教(笑)中とかに話しの腰を折って、それはおかしい!って言うわけだから説教してるほうからしてみれば「空気読め」ってなりますよね
420ライオン:2008/11/29(土) 23:49:25 ID:???
そのときである。
「アンタか! こんなの乗って近所でブイブイ言わせてんのは!」

バシュウ、という空気の抜ける音ともにゾロのコックピットハッチが開いた。
そして、おもに工場で着るようなつなぎ姿の少女が入り込んできた。
不意の出来事にスズキは裏返った声を出してしまう。
「うぉ!? ハッチの故障か? というか貴様は誰だ!?」
驚きのあまりスズキは、外部レバーの存在を忘れていた。
「人がせっかく住んでいるのに、こんなとこで好き勝手やって!! とっとと帰れ!」
コックピット内の狭い空間でずい、とスズキに詰め寄る少女。燃え盛る炎のような怒りが紅玉の瞳に宿っていた。
「な、何を!! 貴様らナチュラルに神聖なるプラントを汚す資格はない!! 我々はそれを浄化するために……!」
「そんなたいそうな理由、知ったこっちゃないよ! そんなに暴れたいなら宇宙にいろ!!
 あたしはあんたを、ぶん殴りに来たんだ! 」
「バカか、コイツ……!? ゲフッ!!」
その言葉に反応した少女はスズキの腹部に鉄拳を叩きこんだ。
そのとき、スズキは出撃前にシートベルトを締めすぎたことを後悔した。これでは避けようがない。
「バカって言うな!! お前らなんかがいるからぁぁ! 成敗!」
「下等な貴様ら何ぞに私が……はおっ!?」
少女の脚がスズキを蹴りつけた瞬間、素っ頓狂な声が上がった。
命中した個所は、股関節の間。つまり男性にとっては最大にして一生の弱点である。
よほど強く蹴られたのだろう。スズキは股間からのあまりの激痛に白目をむいて、がくりとうなだれた。

421ライオン:2008/11/29(土) 23:50:36 ID:???
「どうだ! あたしのG・P・S(ゴールデン・プレイス・シュート)の威力! 参ったか!」
妙に勝ち誇った様子で少女は両手を腰に持っていき、高笑いを上げた。
(賢明な奴……? いや……こいつは……………ただのバカだ……)
かすんだ視界でそう罵ったのを最後に、スズキの意識は闇に堕ちて行った。


ガンダムSEED DESTENY AFTER
〜ライオン少女は星を目指す〜

第四話「G・P・Sとロケットパンチ」


422通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:51:38 ID:???
スズキぃーー!?
423ライオン:2008/11/29(土) 23:52:18 ID:???
「な、生身でMSに立ち向かうなんて……なんてやつだ!?」
率直な感想だった。
二機が市街中央の自然公園に滑り込んだ後、アレックスは見た。
倒れたレイスタの胸部から少女が飛び出し、そのままゾロのコックピットまでよじ登っていったのを。
慣れた手つきで外部レバーを操作し、少女がするりと入っていったのを。
確かに、あれだけのことをしたレイスタはもう使い物にならないだろう。その証拠に、レイスタの細い体躯の節々からは火花が瞬いている。
だがそれはあんな無茶をしてもいい理由にはならない。

『下等な貴様ら何ぞに私が……はおっ!?』
不意に外部に漏れた男性の奇怪な叫びを最後に、ゾロは沈黙した。がくりと垂れ下がるたくましい両腕。
最後の叫び声が少々気になるが、どうやら少女がゾロのパイロットを無力化したらしい。
いろいろ言いたいことはあったが、アレックスは素直に感謝した。

『坊ちゃん! ザラ坊ちゃん! 応答できますか!?』
突然スピーカーから飛び込んできた男の声にアレックスは反応した。
その声は心配でたまらないと言った声色だった。
「! 無事だったのか! そちらの状況は?」
『はい、今ミネルバの『荒鷲』が基地を襲撃している敵と交戦中です! 通信も今やっと回復しました!』
男の声には爆発音も交じっていた。どうやら戦闘がまだ続いているようだ。

424ライオン:2008/11/29(土) 23:53:11 ID:???
「ミネルバの荒鷲……? おば――ルナマリア・ホークさんか!」
アレックスはふいに幼少期に『おばさん』と言って、ルナマリアにグリグリされたことを思い出した。

『はい、避難は日ごろの訓練のたまもので、ほとんど完了しています! 坊ちゃん!』
「なら俺は戦闘テストも兼ねて、こちらで敵と応戦する! チェストフライヤーとレッグフライヤーを!」
『そういうと思い、既に両方とも武装を施して射出しています!』
「了解した! 感謝する!」
『坊ちゃんもお気をつけて!』

そのとき、アレックスの視界に二機の飛翔体が映った。Uの字型の奇妙な形の物体と、MSの脚部のようなユニットである。
「チェストフライヤー……軸合わせ……よしっ」

それを確認したアレックスは機体を傾け、一度上空へ舞い上がらせた。そこへ基地から射出されたU字型の飛翔体がコアスプレンダーVに追いつく。
アレックスはそれらと相対速度を合わせ、この機体特有のシステムを起動させる。
コアスプレンダーVの機首が翼が折りたたまれる。
同一軸に並んだユニットからレーザービーコンが発せられ、アレックスはレバーを引いた。
一つのユニットに変形したコアスプレンダーVが他のユニットと接近し、ドッキングをした。
ジョイントの噛み合う音と振動が、操縦桿を持つ手にも伝わる。
はたから見ると、今のこの機体は『腕の生えた戦闘機』に見えるだろう。
そう、このコアスプレンダーVはただの戦闘機ではない。他の飛翔体も合わせて、モビルスーツのパーツの一つだったのだ。

「よし、チェストフライヤーとドッキング完了。次はレッグと……」

そのときだった。
つんざくような爆音がキャノピー内に充満した。
後部のレッグフライヤーが長射程のビームで撃ち抜かれたのがわかった。積み込んでいた推進剤に引火し、爆音が唸りを上げる。
視界の隅には背部ビームキャノンを構えたゾロが見える。

425ライオン:2008/11/29(土) 23:54:13 ID:MNaF5Koz




『そのタイプのMSは知っている! ドッキングなどさせん!』
「敵!? クッ、策敵が甘かったか……」

合体に気を取られすぎた己の失態を恥じながら、アレックスは墜落するコアスプレンダーV
――今の半身が合体した形態はトップフライヤーと呼ばれる――を、市街中央の自然公園の森林区域に向けた。

地面と激突寸前に操縦桿を引きランディングギアを出すと、機体は激しくバウンドしながら大木の枝をことごとくへし折り、
森林区域にアレックスは不時着に成功させた。驚いた鳥たちが、木々の間から飛び立つ。
緊張した空気を逃がすためキャノピーを開き、嘆息して辺りを見回す。
すると、先ほど沈黙したゾロとレイスタが横たわっているのが見えた。

「あれは……さっきの……」
エメラルド・グリーンの目でそれを見たアレックスがそう思ったのもつかの間、通信機を手に取った。

「こちらアレックス。レッグフライヤーが撃墜された! 至急もう一機射出してくれ!」
『了解です! レッグフライヤー、スタンバイ!』

プツンと通信を切った後、機体後部でなにやらドスッ、となにやらのしかかったような鈍い音がした。
振り返ると、そこには、
「はじめまして。あたし、ステラっていうの! よろしく!」

短い金髪に紅玉の瞳、薄汚れたつなぎは、女性特有の体のラインを強調していた。
さきほどゾロに向かって行った『バカ』が、コックピットの後部サブシートに乗り込んでいたのである。
よくみるとシートベルトを締め、ヤル気マンマンといった様子だ。
あまりの出来事に彼には数本、自分の前髪がはらはらと舞い落ちるのがわからなかった。

――(ちなみに、コアスプレンダーVは練習機も兼ねているため、複座である。)

426ライオン:2008/11/29(土) 23:56:13 ID:???
↑こちらのミスで上げてしまいました。すいません。



「何だ何だ、何なんだ!? なんでお前がこんなとこに座ってるんだ!? 」
「いや〜、あいつに制裁を加えた後、な〜んか目の前に落ちてきたと思ったら丁度いい乗り物を見つけてね。
 あたし、あいつらにひと泡吹かせたいんだ。邪魔するよっと」
「じ、邪魔するなら帰れ! 子供の遊びじゃないんだ……うっ……!」 

『バカ』の態度に怒り心頭といった様子でアレックスが立ち上がった時、彼は膝に痛みを覚えた。体がよろめく。
(さっきの無理な不時着で、か……)
足首をくじいていた。これでは機体の操縦ができない……ということはないにしても、厳しいものになる……。

「だ、大丈夫? ……やっぱりさっきので?」
『そこか! こそこそと逃げ回るな!』

アレックスの体を慮る声を、怒気を孕んだ声がかき消した。敵が接近してきたのだ。
「クソっ、こんなときに!」
最悪のタイミングに悪態をつく。
アレックスは『バカ』と機体を迷うように何度も見比べた。

(ここで一人外に放り出すよりは、ここの中ほうが安全だ。とりあえずこの民間人を死なせるわけにはいかない――)

「おい、そこの! 発進するぞ!」
「え? 何? 飛ぶって――」
そして意を決したように、キャノピーを閉じアレックスは機体を急発進させた。
急な発進による加速度が、二人の体をシートへ押し付けた。

427ライオン:2008/11/29(土) 23:56:44 ID:???



一瞬のうちに視界が全方位に開け、目を細めた先に、先ほど注文したと思わしき『MSの脚』が飛び込んでくる。
「レッグフライヤーか! 軸合わせ……よし!」
そうはさせまい、と敵がビームを放つが、それは装甲をかすめ、機体周囲の空気をイオン化するだけに終わった。

再び、機体後方に配置されたユニットが接合する。
トップフライヤーの機首が水平に収納され、機体中央から4本角の生えた頭部がせり上がった。
後方ユニットがスライドして両足になり、その足で地上に降り立つ。
焼け焦げた大地を踏みしめて立った機体は、他の機体に比べて明らかに小柄だった。
脚部に収納された小型のビームガンを取り出し、両手で構える。
『グロリアス』――栄光。それがこのインパルスの流れをくむ機体の名前だった。機体に施されたトリコロールカラーが荒れ果てた市街では目立っている。

『ほぉ……見事』
敵は頭部の猫目でこちらを見据えていた。
そのふとましい両足は、警戒するように数歩後ずさる。


428ライオン:2008/11/29(土) 23:57:47 ID:???



「す、すごい……合体した!? アニメみたい……」
少女のこみあげるような感激に、すぐさま横やりが入る。
「感動している場合じゃない! あんな無茶をやらかすくらいだから、MSは操縦できるだろうな!?」

「え? あ、……うん! コロニーの技術大会で優勝したこともあるし、自信はあるよ!」
「よし、俺の足はさっき見たとおりだから、君には操縦を頼む。そのかわり、OSの組み替えと補助はこちらでやる……痛っ……」

そう言うや否や、足首をかばうように脚を曲げ、アレックスはキーボードを取り出した。
コーディネーターの持ち味であるナチュラルとは一線を画す情報処理能力をフルに使い、せわしなく手を動かす。
すると操縦権が後部シートにわたり、後部モニターが明滅した。
機体のOSの頭文字『G・U・N・D・A・M』が映し出される。

「へ〜、オーブ製なんだ、これ。レイスタと動きが似てるわ」
ステラは操縦桿を握ると、前後左右に傾けた。
そしてそのスティックの動きに機体が思う通りに追従するのを確認すると、にやりと不敵に笑って見せた。

「よ〜し、なんか燃えてきた! 行くよ必殺――」
ぐん、とグロリアスが前傾姿勢をとる。
敵のゾロも、それに合わせて腰のビームサーベルに手をかけた。
『ぬぅ、かかってくるか。いい度胸だが……しかし、そんな小柄の機体では!!』

両者が低く構えまるで決闘のように相まみえた様子に、アレックスは慌てて後部座席へ向き直り、ステラを止めに入る。
「コ、コラ! あと数分で増援が来るまでの辛抱だから、ビームシールドを張りながら後退。そして弾幕を……」
「ふぇ? ビームシールド? 弾幕……って何? よくわかんないから……ええい、このスイッチだ!」
「……!? そのスイッチはやめ――」

429通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 23:58:04 ID:???
新たな金的被害者スズキに金的委員会は対金的ABノーマルスーツを進呈いたします
430ライオン:2008/11/29(土) 23:58:17 ID:???


時すでに遅し。
ステラがスイッチを押しこんだ次の瞬間……グロリアスの両腕はいきなり水平に構え、俗に言う前にならえのポーズを取った。
そして機体の上半身からブースト光が漏れ、爆音が咆哮し、両腕と胸装甲――チェストフライヤーの部分が分離して発射された。

『な、何ィィィ!? 腕を飛ばすだと!? し、しまっ……』
敵はグロリアスが放った奇天烈な攻撃の前にたじろぎ、踏み込みが崩れてしまう。
すると、その隙を突くように飛来するチェストフライヤー。その突き出た両腕により大きくはじき飛ばされる敵機。
その衝撃で散った火花がチェストフライヤーの推進剤に引火し、その爆音とともに、燃え盛る市街の中で黒煙が新しく一つ上がる。

その爆炎の中、両腕と前装甲を失ったグロリアスが茫然と立ち尽くしていた。
後部座席でグッと拳を握る少女。

「やった……必殺、ロケットパンチ――」
「何を考えてるんだ、このバカァァァァァァ!!」

アレックスは泣きそうな声で叫んだ。なりふり構ってなどいれない。
「あ、あれぇぇぇぇぇ!? ま、まずかった?」
「当たり前だ! 返せ! 今のショックで広がった俺の額を返せぇぇぇ!!」



431ライオン:2008/11/30(日) 00:00:48 ID:???
――後に、この事件を振り返ってザフト軍のアレクシス・ザラ氏はこう語る。

「はい、あれがアイツと私の出会いでした。
 あの時は、恐ろしいことを平気でするただのバカだと思っていたんです。
 ……いや、今でもバカだと思ってるのだが。。
 だってMSの腕を飛ばすんだぞ!? しかも両方!! 絶対に頭のねじが数本どころか全部吹っ飛んでると思った!!
 あ、いえ……コホン。失礼しました。
 ですが……まさかこの事件をきっかけに、
 一介のテストパイロットだった私が、この一連の事件にかかわるとは、思いもよりませんでした。
 そして、前髪が毎日深刻なダメージを受ける様になったのも……この事件、あの女に関わってからのことです…………うぅ……」


432通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:03:02 ID:???


すばらすぃ
433通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:05:08 ID:???
ゾロだけじゃなくて、グロリアスももろにヴィクトリーっぽいな支援
434通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:05:36 ID:???
金的、スイッチ、ロケットパンチ、凸で腹筋に深刻なダメージを受ける事になったぜ
435通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:07:46 ID:???
(´・ω・`) カワイソス
436通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:11:58 ID:???
技術的にVG時代ベースになったのか?

頭の中でアブソリュートがザンスパインに変わったお
437ライオン:2008/11/30(日) 00:13:24 ID:???
以上です。冒頭でも言いましたが、この作品に出てくる『ゾロ』は
ザンスカ―ルな『ゾロアット』がモチーフです。
そして変形合体するグロリアスはもちろんVガン……いえヴィクトリータイプが元です。

評価低いし、クライマックスUCとかではぶられたりといろいろ不憫ですが、
私はVガン大好きなんです。
このスレの他の作品でジムとかギャンが出てたので、じゃあ私はゾロアットだ! という考えに至ったわけでして……。

あとがきが長くなりましたが、感想、矛盾の指摘など、お願いします。
438通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:21:18 ID:???
ひとまずGJ!
面白かったです!ロケットパンチはまさかハンガーを飛ばすってのは想像でき無かったwww
坊ちゃんは禿げるんですね
あとスズキさんにご冥福を………。
439通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 00:30:15 ID:???
ライオン氏GJ!

Vガンネタで懐かしくなったのでバクゥハウンドからドッゴーラでも作ってみる。






バクゥハウンドでイーゲルモドキのしっぽバクゥはもう作った。
440276:2008/11/30(日) 01:38:37 ID:???
GJ! やっぱりVガンが元ネタですか! あんまり元ネタにされないからなあ>V
なんかすごいワイルドだな、ステラ。ってかいきなり金的とは容赦がねえ……やっぱり岡崎版アムロ(このスイッチ)が混ざってるから
後、坊ちゃん……人格的にはまともなのに……血の因果は断ち切れないのか

>>439
よし! 早速うpするんだ!……ってかどんだけバクゥハウンド好きなんだw
441通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 01:48:13 ID:???
まさかここでザンスカMSにお目にかかれるとは…Vガン好きとしては大歓迎ですよ。
大好きな斬首が出ることを祈りつつGJ!
442通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 06:30:30 ID:???
ライオン氏GJ!
坊ちゃんは凸よりまともな分苦労性っぽいのかな?
かわいそうに

ところでライオン氏のステラを描いてみたんだけどうpしてもよいですか?
うpの仕方よくわからんけど
443通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 09:21:10 ID:???
>>442
うPシロン
444通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 10:16:52 ID:???
>>442
すげぇ気になる。シンの面影はあるのだろうか?
ともかくうp! うp!
445通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 10:26:24 ID:???
>>442
人様の描いた絵は是非見てみたいのでうpうp!!
446通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 10:53:29 ID:???
私連邦厨だけどゾロアットよりゾリディアの方がカッコイイと思う
447通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 11:03:57 ID:???
>>446
奇遇だな、俺もだ。
というかザンスカールのMSはほとんど好き。
ビルケナウとかドッゴーラとかも
448通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 12:08:40 ID:???
ステラのおバカぶりに、漫画版ウッソの様なトンデモキャラの予感がするぜ…
449通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 12:58:04 ID:???
・・・・・・・・・「憧れのお兄さん」役がひょっとしてアスランか?
そういえばアレックスはルナマリアの事は知ってるようなのに
ステラの事は知らないんだな
450442:2008/11/30(日) 13:08:51 ID:???
ttp://night.kamaitachi.info/src/NKfile0284.jpg

頭はカガリ色で肌、目はシン色にしてみた
ポーズは近くにあったギャルゲのポーズなんで見たことある気がしても
スルーしてください
451通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 14:04:19 ID:???
>>448
あれか、ビキニ女性隊を容赦なくつぶしてくやつだっけ?
452通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 14:08:02 ID:???
>>451
そっちはテレビ版
漫画版はMSで釣りをしたり、オート状態のビームライフルを敵に投げたりと行動がかなり無茶苦茶www
極めつけは「お前は電子レンジの中に入れられたダイナマイトだ!」の迷台詞
あれくらい突き抜けた主人公はなかなかいない

>>450GJです!
こんなに可愛いのにアホの子なんですねw
453通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 14:29:05 ID:???
>>452
いやテレビ版じゃないよ。あれは戸惑ってたじゃないか。
「いけいけ!僕らのVガンダム」とごっちゃになってたっぽいわ
454217:2008/11/30(日) 15:17:21 ID:???
こんにちは〜

また投下させて頂きます。
455217-1/9:2008/11/30(日) 15:19:04 ID:???
 フットバーを蹴り飛ばすと、二基のロケットが大きな咳をした。少しだけ、自分の決断
が悔やまれた。こいつが宇宙飛ぶ棺桶なのは承知の上だけど、喘息持ちだなんて聞いちゃ
いない。
 キャノピーの片隅を、白い船体が遠離って行く。親指を立てて幸運を祈り、手元の計器
に目を落とす。広い宇宙だ。直接視界なんて、戦闘の時でもなければ必要無い。
 レンジブースターをON。ザクの進路と速度の変異を確認しながら操縦桿を倒す。
 抵抗の無い宇宙じゃ、目標との接触は困難だ。一度航路がずれると、修正には酷く時間
がかかる。巧くはぐらかしてやれば、MSから逃げ切るのは、必ずしも難しくない。
 但し、母艦が居なければだ。MSにとっての燃料はダイバーにとっての酸素みたいな物
だが、酸素ボンベなら母艦にしたこま積んである。一方、俺達のそれは限られていて、切
れたら最後。溺れている所を捕まるか、宇宙の果てまですっ飛んで行くかを選ぶ羽目にな
る。
 ザクの編隊が二つに分かれた。ここまでは思惑通りだ。シャトルの描く曲線が、パイロ
ットの技量を誇示した。アレックスはいい腕だ。MSに乗せても、相当やるだろう。
 ザクはスラスターをばかすか噴かして追って来る。いずれ、追いつかれるのは目に見え
ている。とにかく、連中の母艦、燃料の補給先を潰してやらなないといけない。
 その手段は、社長が握っている。ザクとの距離――――接触まで600秒弱。少なくと
も、俺が知っている社長は、500秒以内に連絡を寄越すタマじゃなかった。正しく砲撃
距離の寸前に、彼はこう言うのだ。
「おはよう。アスカ君――――」
 俺は腹を立てた。自分の想像にじゃない。朝、東から日が昇る事を、想像だと言う地球
人がどこにいるだろう。
 スロットルレバーを押し込むと、小さな機体が激しく背中を痙攣させた。飛んでいる、
と言うより、お節介な誰かに背中を叩かれ、跳ねているみたいな調子だった。
 レーダーの中では、ザクが跳ねていた。やはり、誰かに背中を叩かれていた。パイロッ
トの必死な顔が透ける航跡に、人参を追い掛ける馬の余裕は感じられない。現役時代の経
験で言えば、ZAFTに督戦隊は存在しない筈だ。
 アレックス操るシャトルは快調だ。追いつかれるのは、こっちが先だろう。少し、距離
を調整する。武器が届いた時、相手の母艦を狙うか、まずシャトルの安全を確保するかは、
状況によりけりだ。より多くの選択が出来るポジションを確保しておいた方がいい。
 手元のサブディスプレイには、計器が寿司詰めになっている。積み木の箱で左右する針
や数字を10個ばかり足すと、頭の中にイメージが出来上がる。今、どこに居るのか。ど
んな姿勢で、どっちを向いていて、どこに向かっているのか。片隅には時計も有る。そう
言えば、事務所で作っていたマルチャンはどうなっただろう。畜生。醤油味は好物なのに。
456217-2/9:2008/11/30(日) 15:20:24 ID:???
 火線が目の片隅を焼いた。ロックアラートは黙りを決め込んだままだった。この喘息持
ちが目まで病んでいるのでなければ、ザクの照準装置有効距離まで、まだ随分と離れてい
る。威嚇のつもりだろうか。計器と睨めっこをしていた俺が、それに気付いたのは、かな
りの割合で偶然だ。
 脳裏に観艦式のTV中継が過ぎった。各部隊の腕っこきが顔を揃えるデモフライト。パ
イロット達は揃って、線の細いティーンエイジャーだった。男にしても、女にしても、顔
立ちはまるで真珠だったが、腕前には貝殻よりも見るべき所が無かった。頭に詰まってい
るのはオガクズだ。
 我等が議長閣下と、総司令官代理の間で、左右均等にお追従を飛ばす、そんな得難い特
技一つで議席を手に入れた、ある議員は言ったらしい。
「戦争はファッション」
 本当かどうかは知らない。本当でも驚かないし、違ったとしても関係無い。世間様に疑
われているのは事実関係ではなく、ああした連中のオツムなのだから。
 タイマーの数字が三桁を切った。ルナのそれより当たる恐れの無い砲弾は、素直に飛ん
で行く分だけ、最近プラントにも増えた蚊や小蠅よりも可愛い物だったが、だからと言っ
て、気分が良い理由も無かった。
 60秒間、俺はロケットエンジンが咳をした数だけFから始まる四文字熟語を叫び、ア
ポジモーターがゲップをする度、Sから始まる言葉を口走った。多分、これが最後の機会
だ。社長とはギリギリまで連絡がつかない。それは本当に、朝、太陽が東から昇るくらい、
分かり切った事だった。
 残り40秒。レシーバーの中でぶつ切りになった高周波音が、最低限の公衆道徳を思い
出させてくれた。
「おはよう!アスカ君っ」
「もう夜ですよっ」
 俺は腹を立てていた。朝からろくな物を食べていない。なにより、社長が事態をもっと
早く伝えてくれていたなら、コンクリの上で焼かれたピッツァマルゲリータよりも酷い代
物を口にせずに済んだ筈だった。
 レシーバーの向こうで、社長が笑った。世の中、声も立てず、顔も見せず、それでも相
手に笑いかけられる男が居るのだ。選挙制度が生きていた頃なら、最高評議会議長にだっ
てなれただろう。
「話は後だ。時間が無い」
 議長にだってなれた筈の失業者は言った。抜け目の無い人だから、プラントに舞い戻っ
て別の人間になりすまし、別の仕事を始めるくらいの準備はしているかも知れない。いや、
とっくにもう始めているのかも知れない。どちらにしろ、プラント総合警備保障をほんの
数時間前に潰した人物は、自分の会社ばかりで無く、貴重な時間を潰した事に、なんら責
任を覚えていない様子だった。
457217-3/9:2008/11/30(日) 15:21:49 ID:???
「チェストとシルエットを射出する。ぶっつけで合体だが、問題は無いね」
「大アリです。レッグを忘れないで下さいっ」
「レッグだって?君――――」
 有事法制の必要性を説かれた、オーブ連合首長国代表首長みたいな声が言った。
「脚なんて飾りだろう。それが判らないほど、君が偉い人だとは知らなかった」
「MSは人型、て決まっているでしょうがっ」
「誰が決めた?何を?」
 嫌になった。幾ら議長になれたかも知れないからと言って、議長を真似る理由がどこに
ある。全く、意味が判らない。
「格好良いからですよっ。昔の人が決めたんですっ」
「君。戦争はヒーローごっこじゃないぞ」
「分かってますよっ!戦争はファッションでしょうっ!」
 笑い声が弾けた。俺は笑っていられなかった。ザクの脚は帰還を考えていないほど速く、
コアスプレンダーは喘息持ちで、肺の中はもう空っぽだった。
「いい答えだ。分かった、アスカ君。チェストフライヤーとシルエットフライヤー。キャ
タピラフライヤーをオマケに付けておく」
 突っ込んでいる閑は無かった。社長の冗談は、俺からきっかり30秒、貴重な時間を奪
い去った。風防の外を走る火線。もう笑えない。当たるかも知れない距離だ。
 耳の中では社長がブツブツと呟いていた。各パーツ射出のシークエンス。機械が自動で
やってくれる行程をいちいち口にしているのだから、独り言と変わらない。
 かつての母艦が脳裏に浮かんだ。思えば、赤毛のオペレーターもそうだった。大西洋連
邦のマディソン・スクウェアになら掃いて捨てる程いる司会者みたいな物だ。ワックスを
二重三重に塗りたくった舌で、何もかもをもっともらしく見せかけようとする。そして、
何もかもを台無しにする。
 計器の中で、三つの光が踊った。チェスト、キャタピラ?、シルエット。軸線を合わせ
て風防の外を覗くと、暗灰色の影が迫った。
 インパルス・ガンダムの時もそうだった。俺はヴェルヌ局の勇敢さに舌を巻いた。社長
の言葉に反してレッグフライヤー――――こいつが戦闘機だと言うのなら、ウィングを取
っ払ったドラッグ・カーだって飛行機だ。チェストはインパルスのそれよりは飛びそうな
形をしていたけど、それにしたって、竹馬とホッピングマシーンを比べた程度の意味合い
でしか無い。
 ともあれ、合体だ。その瞬間、スプレンダーが身を捩った。咳じゃない。ビームが翼端
を掠めた。
「なんて奴らだっ!」
 合体の瞬間を狙う。俺は歌姫の騎士団とやらが、世界最低の悪党である事を確信した。
 スロットルレバーを押し込み、機首をチェストにねじ込む。奴らにファッションと言う
物を、教えてやらないといけない。


458217-4/9:2008/11/30(日) 15:23:11 ID:???
 合体。刹那、戦闘能力を持たない戦闘機からMSに化けたインパルス・ザクは、見事に
格好いいポーズを決めた。うん。ファッショナブルだ。取り敢えず、ヴェルヌ局で機体制
御システムを書いている奴は、太陽にでも転任させた方がいい。
 本体の外観は、ザク・スプレンダーと大差が無かった。要するにザクと変わり無かった。
装着したシルエットは初めて見る代物だ。増加のPS装甲とブースターとバッテリーの塊。
背にはばかデカい実刀を背負っている。
「デイリ・シルエットだっ」
 社長は言った。デイリ?デイリー?なんの事だか、訳が判らない。
 訳が判らないが、使い手はありそうだった。サブディスプレイのマニュアルが、引き抜
いた大刀の諸元を教えてくれた。MMI―669対艦復列ビーム砲刀『ハラキリダイナミ
ック』。実刀と見えた部分には、名前の通り、平たいビームの砲口が縦列に並んでいる。
「へえ。お洒落だ」
 フットペダルを踏み込む。インパルス・ザクの反応は素直だった。入れ歯ががたつく口
に蓋をしてやった時、スプレンダーは体の不調を都合良く忘れていた。
 無線のチャンネルを変え、シャトルと連絡を取る。
「アレックス。後、どのくらい、逃げられそうだ?」
「10分は軽い」
 俺が出る前、接触まで600秒弱だった。まあ、そう言う事だ。
 方針が決まった。運動性こそフォース・インパルスと比べられる様な物じゃないが、こ
と加速力に限って言えば、デイリ・ザクは飛び抜けている。なら、その長所を活かしてや
るべきだろう。
 二機のザクを振り切るのは簡単だった。反転、対艦刀の切っ先をナスカ級へと向けた時、
敵編隊の航跡には目に見えて動揺が走った。この馬鹿デカいMS斬り包丁の前に立ちはだ
からなければならないとなれば、大抵の奴は躊躇する。
 宇宙空間は相対速度が速い。擦れ違うまでは、ほんの一瞬。その一瞬で、ザクのパイロ
ット達は歌姫の騎士団らしく“覚悟”を決めた。それにしたって、二機がかりで一機と戦
う程度の覚悟でしか無かった。
459通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 15:23:48 ID:???
支援
460217-5/9:2008/11/30(日) 15:24:31 ID:???
 閃光が宇宙を短冊に切り分けた。ハラキリダイナミックは復列のビーム砲だ。9つのビ
ームは一つも当たらなかったが、威嚇としては充分だった。二発目よりも先に敵機は回避
運動に入り――――つまりは俺から機首を逸らした。そして、デイリ・ザクにはフォース
・インパルスにも優る加速力が有る。
 一瞬だった。俺と敵機の航跡が交錯した。ブレイズザクは小さなヒートホークを手にし
ていたけど、反撃は無かった。一体、どこの誰が、九本のビームサーベルを一束にした化
け物刀と斬り結ぼうなどと考えるだろう。
 俺は真っ直ぐに敵の母艦を目指した。対艦刀に手応えらしい手応えは無かった。背後で
爆発。残る敵機の軌道を確認。ナスカ級にこの刀を突き立ててやるまで、後を取られる気
遣いは無い。
 ナスカ級の舷側で、CIWSが寝惚け眼を擦った。巨大艦の動きは鈍重だが、自動の射
撃はザクのそれより余程脅威だ。
 ビームを乱射しつつ突進した。火力は高い。斬撃の威力なら、デスティニーのアロンダ
イトも顔負けのデイリ・ザクだが、それだけに継戦能力はドラッグレーサーと大差が無か
った。増加バッテリーは半分が消えていた。チャンスは一回こっきり。突撃に失敗したら、
その途端に息切れする事は目に見えている。
 遠くに見える舷灯から、光が溢れだした。対物弾が発火する光と、ビームの光跡だ。レ
バーを通じて着弾の衝撃が伝わった時、俺はジャミングポッドを撃ち出した。自機と敵艦
の間に開いた冷却ガスと金属片の花は、ビームを気休め程度に減衰し、照準装置を攪乱し
てくれるだろう。
 正面から雲の中に突っ込む。何も見えなかったが、困りもしなかった。下手に回避運動
を取っても的になるだけだ。この一瞬でどこかへ雲隠れ出来るほど、ナスカ級は機敏な造
りをしていない。
 雲が途切れた。敵艦の装甲に対艦刀を突き立てるまで、左肩の増加装甲と、右の盾が無
くなっていた。
 トリガー。九つのビーム砲が、装甲の内側から、敵艦をズタズタに引き裂いた。


461217-6/9:2008/11/30(日) 15:26:02 ID:???
 MSの操縦で一番難しいのは着艦だ。宇宙の真空、ラグランジュ点の無重力がMSに許
す旋回能力や遷移性能を考える時、空母なんて湖に浮かんだ木の葉に等しい。まして、目
標が小さな作業艦となれば尚更だ。
 MSみたいな乗り物は、暫く操縦しないでいると、途端に腕が鈍る。それでも、久しぶ
りの着艦に不安を覚える必要は無かった。シャトルは俺に先んじて回収されていて、管制
席にはアビーが座っていた。
 ジャンク屋が使う様な作業艦は、それだけコンテナの数も多く、格納庫は大きかった。
内部には複数のチェストとレッグ、シルエットが並んでいた。シルエットは見た事が無い
物ばかりだった。
「お疲れさま」
 耳元でアビーが囁いた。生憎、耳に張り付いているのは色気の無い、ただのレシーバー
だ。
 アレックスの協力を得て、着艦。機体を繋留する。
「思ったよりも、やられたな」
「言い訳すると、ブランクが有ったからさ。予備が有るのを見て、少し安心した」
「機体はどうだ?」
「加速がきくのは嬉しいし、ハラキリダイナミックは気に入った。いい武器だよ」
「ギルの命名だ」
「だろうね。ファッショナブルだ」
 機体を預けて、エレベーターに乗った。
 通路にはベルクロが張ってあった。居住ブロックは無重力。AG区画を仕込めるほど大
きな船じゃない。
 取り敢えず、艦橋に上がろう。今後について、社長と相談しなければならない。そうで
なくても、言いたい事が山ほどある。
 出入り口のすぐ横には、見取り図が有った。その内容を頭に写し取っていると、微かな
歌声が耳朶を擽った。一人でカラオケへ通っているにしては決して巧く無かったし、カラ
オケに誘う人間を見付けられないほど、下手でも無かった。その声は、深酒の後に飲むフ
ルーツジュースの水割りみたいに、脳裏に沁み通った。
 声を辿ると、個室のドアが開け放たれていた。
「下手くそな歌だな」
 なるほど、アビーの言う事も半分ばかり正しかった。我が依頼人は古い奴だ。背後から
声をかけた途端、飛び上がり、天井に頭を打ち付けた。涙混じりの声が、目の前をあっち
へこっちへ行ったり来たりした。
 プラント大学に通う18歳、水瓶座のB型は、床なり壁なりを求めて手足をばたつかせ
た。一言に滑稽な姿だが、声を出して笑ったりしたら気の毒だ。俺は少しだけ気を使って、
声は出さない事に決めた。そんな気遣いも、力つきた要救助者がとうとう空気中で溺れ、
土左衛門となった所が限界だった。
462217-7/9:2008/11/30(日) 15:27:28 ID:???
 取り敢えず、空気のある海中から助け上げてやる。靴底のベルクロを使えば、つい先刻
失業した元サラリーマンにしろ、英文科の学生にしろ、地に足を付けて生きていける様に
は出来ている。
「シシシ、シンさんっ!」
 真っ赤な林檎の中で、舌が縺れた。
「聞いてたんですかっ?」
「少し前から」
「てっ、えっ、本当にっ――――」
 縺れるだけ縺れ、ラビオリみたいに捻れた舌から、とうとう、世界中の誰も知らない言
葉が漏れ始めた。世の中には、誰も知らない言葉で知った様な事を言う国家元首だって存
在するのだ。英文科の学生がエスペラント語を喋った所で、別に驚く事も無い。
「あ、あの……――――」
「あん?」
「その……もう大丈夫です。降ろして下さい」
「ん?ああ」
 俺は細い腰から手を離した。ここが無重力なのは見た通りだ。手を離した所で、床に崩
れ落ちる訳でも無い。
「あの……聞いていたんですよねえ?」
 密談を聞かれたしまった様な口振りだった。表情と言い、口調と言い、硝煙や血の臭い
が混じる類の密談じゃない。どちらかと言うと、柑橘類やバニラの香りだ。
「言ったろ。下手くそだって」
「あー。やっぱり、そうですよねえ。下手ですよねえ、凄く」
「自慢になる程じゃない。勘違いのカラオケ自慢になら幾らでも居る。そんくらいだよ」
 相手は信号機よりも分かり易く落ち込んでいたけど、慰めた訳じゃない。実の所、決し
て巧くは無いが、プロでやってるのでも無ければ、いちいちお節介な批評を必要とする程
でも無かった。
463217-8/9:2008/11/30(日) 15:29:00 ID:???
「本当ですか?」
 蒼い瞳が覗き込んだ時、俺は反射的に身を逸らしていた。溺死の危険を感じさせる青さ
だった。
「歌うの好きなのか?」
「ええ。でも下手でしょう。それで、一人で歌うんです」
「人に聞かせられない程じゃないんだ。仲間を誘えばいい」
「でも、一緒に歌うと、皆、おかしくなってしまって……」
「おかしく?」
「なんて言うんでしょう。なんだか、無表情になって、目から力がなくなって……」
「聞き惚れてたんじゃないのか?」
「違うんですよお。なんだかおかしな感じになるから、もう二度と一緒に歌いたくない、
て……」
「変な話だな。そこまで下手、て訳でも無いのに」
「本当に?」
「巧くはないけどさ。聞いてて、なんか落ち着く声だよ。俺は割と――――嫌いじゃない」
 言いかけた言葉は、寸でで飲み込んだ。今後の人生の為にも、口にしない方がいいと思
った。
 陶器みたいな感触か、俺の手を包んだ。勢い良く両腕を振り回されて、俺達の脚は床か
らおさらばした。
「歌、お好きですか?」
「別に嫌いじゃない」
「じゃあ、今度、一緒に歌いましょうっ」
 まるで、焼き立てのメレンゲみたいな笑顔だった。真っ白で、いつだってどこか熱を帯
びている、そんな顔だ。素直に可愛いと思った。
 俺は素直な失業者を、頭の中で首が真後ろに回るまでぶん殴った。


464217-9/9:2008/11/30(日) 15:30:56 ID:???
 部屋を後にした時、廊下の窓からコロニーが見えた。相変わらず、一つも哀しくならな
かった。
「あの……すみません」
 背後の扉は開いたままだった。焼き立てのメレンゲは、流しに落ちたシフォンに変わっ
ていた。何か、謝られる様な事が有っただろうか。海馬体と周辺皮質をひっくり返すと、
30分ばかり前の出来事が転がり出した。
「気にするなよ。アビーの言う通り、俺が勝手に腹を立てただけだ」
「それも有るんですけど、大変な事に巻き込んでしまって、危険な目にも合わせてしまっ
て……本当にすみません」
「それこそ、気にするなよ」
 30分前なら、あんたのせいじゃない、と言っただろう。今は違った。
「巧いやり方とは思えないけどさ。あんたは、俺達の為に体を張ってくれる、て言った。
なら、あんたは仲間だ。仲間を助けるなんて当たり前だろ」
「……はいっ」
 遅れて届いた声が、背後の表情を教えてくれた。
 扉が閉じた。
 窓の外では、赤と緑の光が、俺達以外の誰かに助けを求めていた。ナスカ級の巨体は、
どこにも見当たらない。
 ラクス・クラインはあの文無しの依頼人に、幾らの正札を付けているのだろう。ロハの
警備員としては、それが気になった。プラントを買い締められるほどの額かも知れない。
そうではないかも知れない。どちらにしても、食料チケット一枚の為に殺人が起こる昨今、
軍艦まで投じて来たんだ。破格には違いない。
 思わず溜息が漏れた。仮にあの依頼人の価値が食料チケット一枚だとしても、その一枚
でプラントを買ってしまう様な馬鹿が居る訳が無かった。
 なら、なんでそんな所に住んでいたのか。頭の中で、南洋の太陽を懐かしがる誰かが聞
いた。
 俺は戦後のプラントが嫌いだった。
 嫌いなよりも、ほんの少しだけ好きだった。
 多分、自分を気に入っている程度には、気に入っていた。



 続
465通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 15:32:39 ID:???
Vのモビルスーツのデザインと運用戦術は素晴らしいねえ
心が洗われるよ
466通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 15:52:05 ID:???
217氏GJ
連続投下のおかげででメシウマでファッショナブルでハラキリなんだおwww
467217:2008/11/30(日) 16:02:33 ID:???
すみません、規制に引っかかっていました。

そう言えば、タイトル無かったですね。考えないと……

次回も宜しくお願いします。
468通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 16:07:17 ID:???
出入りザクてwwwwww
469通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 16:10:36 ID:???
217氏GJでした!

>「戦争はファッション」 
いやあ、プラントの議員には碌なのがいませんねぇ
この議員の嫁、801同人描いてたりするんでしょうねぇ……w
470通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 16:10:39 ID:???
デ イ リw
フクダ議員の発言にもワロタw
471通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 16:20:11 ID:???
どうやらクレしんスレのシンがとんでもない事をした模様
472通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 16:29:15 ID:???
この依頼人の子、もしかしてミーアか?
473通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 17:32:17 ID:???
>>472
いや、本人は自覚してないけど洗脳波を発声できるようだ。
磨けばラクス様並になりかねないとみなされて身柄拘束さもなくば抹殺…
といったところでは?
>>431
この談話だけでは、敵対して何度も煮え湯を飲まされたのか、それとも
仲間になったはいいけど散々振り回されたのかがまだ判断できかねる。
どっちかというと後者っぽいふいんきではあるが、ステラからすれば
父の仇(生きてるようだが)の頭目の一人のそのまた息子にあたるんだよな…
互いの身の上を確認し合ったらどうなるんだろうか…
474通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 17:34:36 ID:???
>>472
ひとつ言えることがある。体を締め付けて苦しい=おっぱいおっぱい
475通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 18:26:01 ID:???
>>474
依頼人の子=ミーアなら……今の状態でも両手に花だってのに凄いことになりそうだな、シン
そういやルナマリア→かなり大
    アビー→並以上
    ミーア→爆
やっぱりシンは大きいのが好きですか……お嬢様? いえ、別にお嬢様の胸が絶壁だとは一事m
476通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 19:40:43 ID:???
>>474
つまりはラッキースケベ発動?
477通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 20:02:18 ID:???
478通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 20:24:03 ID:???
実際の血縁関係は別として
形式的にはステラとザラ坊ちゃんはイトコ同士ってことになるよね?
479通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 20:42:38 ID:???
ザラ坊ちゃんって顔どっち似なんだろ
480通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 21:13:52 ID:???
>>478
アスランにとっちゃステラは姪(実際は昔の女の娘)なわけだな。
実親がカガリ(とシン)だって分かったらかなり動揺しそうだが…
481通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 23:59:34 ID:???
>>480
多分残って無いだろうけど動揺しすぎて髪も抜け落ちるだろうね
482ライオン:2008/12/01(月) 00:11:17 ID:???
とんでもない遅レスですが>>442氏、ありがとうございます。
初めて見た時は、イメージにぴったりだったこともあり、
脳みそがポーンとサイクロプスで破裂したような嬉しさでした。
(……想像したらエグいですね……)
本当にありがとうございました。


>>473 問題点の指摘、ありがとうございます。
たしかにあの文ではどちらなのかイマイチわかりにくいですね。まだまだ未熟で申し訳ないです。

まだまだ未熟な本作ですが、これからもよろしくお願いします。

483473:2008/12/01(月) 00:20:48 ID:???
>>482
あわわ、どうぞお気になさらず。
現時点でどっちかわからないからこそ想像の余地があって続きがさらに
気になると申したかったので…引き続き楽しみにしております。
484通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 05:54:27 ID:???
ザラ家家訓
「友より女よりフサフサな髪が欲しい」
「自爆はザラ家のお家芸」
485通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 12:07:05 ID:???
>>442超GJ!
テラカワユス(;´Д`)ハァハァ
486通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 16:54:49 ID:???
>>484
追加で
下の毛がフサフサだからといって移植しようなんて思っちゃいけない
487通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 17:10:01 ID:???
>下の毛

スネ毛?
488通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 17:36:26 ID:???
>>442GJ!!
こんなかわいい子が「ええいこのスイッチだ!!」って言ってロケットパンチを放つのか……。
いかん、あまりのアレで萌え死ぬ!? 俺はみなたま一筋だったのに!!
489通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:03:02 ID:???
温く作った反省は無い
http://imepita.jp/20081201/718780

飛ぶ?
http://imepita.jp/20081201/718620
490通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:20:51 ID:???
>>489
風邪を引いた
491通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:32:40 ID:???
>>489
GJ……
完成度が意外と高いのと造形に吹いてコーヒーが無駄になりました。
492通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:36:57 ID:???
>>489が何故か見れないんだが、原因は何だろうか?
何かご存知の方KWSK
493通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 20:51:09 ID:???
>>489
尻尾の部分にバクゥの首がwww
494通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 22:34:01 ID:???
通常カラーと言うことは禿討伐の噂からガベージエイトかミハシラで販売が開始されたのか?

まだなら当社が限定生産をしてもいい
お嬢様?お嬢様ならシンXセツコスレを監視する作業がいそGUMTD0XP.amwk
495通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 22:51:34 ID:???
>>494
今のお嬢様には「抉れ胸」より「子持ち」「乳ハーレム」「セツコ」が禁止ワードなんだぜ?
グチャ
496通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 00:54:52 ID:???
あまりにも>>450のステラが可愛かったのでうっかり暴走。
反省はしてない。
http://hisazin-up.dyndns.org/up/src/83066.jpg
497通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 01:11:32 ID:???
>>496
こういう絵が好きなのでGJ!を贈ります。
498通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 01:39:51 ID:???
>>496
アレックスの容姿はまんま凸なのか?
自分の脳内では声は石田になってしまうけど 
499ライオン:2008/12/02(火) 01:52:05 ID:???
>>496 超GJです。まさかまた絵を書いていただけるとは……恐縮です。
絵師様のお陰で、今の自分は以前と比べモノにならないほど執筆のモチベーションが上がっていまして、
ちょっと自分でも驚いております。
本当にありがとうございました。

>>498 
今までヘルメットをかぶっていたため詳しい描写は控えめにしておきました。
ですので、それは次あたりに描写します。
声はグリリ……いえ、なんでもないです。



あとひとつ。次にあたりにメインを張るような新キャラを出したいんですが、
そのキャラクターがここのある小説のキャラとちょっとかぶってしまっているんです。
やはりそういうのはその作者に許可を取らない出してはダメでしょうか?
ですが一応私のどうしても出したいキャラとそのかぶっているキャラには決定的な違いがいくつかありますので
全く同じというわけではないです。
考えた結果、勝手にそのキャラを出して『これ、パクリじゃないか?』といわれる前に書いておこうという結論になりました。
失礼します。
500通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 02:21:33 ID:???
>>496
GJ! いいぞ! もっとやれ! 本当、ステラが可愛いな、シンが親馬鹿にもなる罠

>>499
一住人の個人的意見としては特に問題は無いと思います。
職人さんが他の職人さんのキャラとネタを自由に使ってたりするこのスレで、一々パクリだなんだと騒ぎ立てる人はこのスレにはいないと思いますし。
ちなみにどのキャラに似ているのでしょうか? 話の差し支えがなければ教えていただきたいです。
501ライオン:2008/12/02(火) 08:37:44 ID:???
>>500 え? このスレでは他の職人さんのネタとかも自由に使ってるんですか?
ええと、かぶってるキャラというのはGSC氏の『研究員』です。Gカイザーとか作っちゃう人。
やはり乗り手がバカなら、作り手も馬鹿を出さなければならないんで。
ステラにぴったりのバカげたMSを作る『ライオン版研究員』だと思ってくださって結構です。
502GSC ◆2nhjas48dA :2008/12/02(火) 09:28:13 ID:???
>>501
ネタ元の私としては全く問題ありません。よろしくお願いします。
503通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 12:27:46 ID:???
では、主役とヒロイン用にブラックバニクゥとブラウンバニクゥを納品に行きます
504通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 12:33:44 ID:???
>>503
明らかになぜなにZEUTHに納品する気だな…

お嬢様がGカイザーで追撃に出たから気をつけろよ〜www
505通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 16:14:21 ID:???
久々に来たら217氏の連載が始まっていてビックリするとともに一気に読んでしまったw
アレックスは俺達がよく知るあの男だとして、
依頼人がひょっとしてピンク本人? と深読みしたんだが、
>>474を読んでありえないと自己完結したw
506ライオン:2008/12/02(火) 19:17:12 ID:???
>>502 遅レスですが、了解しました。
ありがとうございます。
507通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 21:28:49 ID:???
ライオン氏のステラとお嬢様のGカイザーとのロケットパンチ合戦が見たいです。
い、いえ決して胸で勝てないからというわけではありませんおじょ(プチッ)
508通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:04:32 ID:???
本編以外のピンク様は胸がかn(ry
509通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:40:46 ID:???
その神聖なはずの日に
何かカンチガイしたアベック
共が恋愛ゴッコをヤラカス
風習が蔓延しておる!!
    ___
   /( |\
  /)ヘ( | )丶
  N| \ヘレ/||
/ |>\_水_ノ|
/ |⌒〜-个〜ノ
/ /丶  / /
 // \_/_∠_
/⌒丶 /   \
   |     丶
丶__/\__/

※代目嫉妬マスク(本名緩原)
510通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:58:02 ID:???
>>450
何故か見れない。消された?
画像保存するの忘れたから誰かもう一度頼む…
511ライオン:2008/12/02(火) 23:26:56 ID:???
投下します。言い忘れていましたがこのお話はシン編とステラ編に分かれております。
そして今回は久しぶりのシン編です。


「こっちこっち! おそいよ、おとうさ〜ん!」
「ハハハっ! 待て待て〜。お父さんを置いていかないでくれー」

見わたす限り広がる白桃色の花畑。その中心で、俺とステラは追いかけっこをしていた。
世界最高にして絶対萌え存在であるステラには、ヒラヒラと白い花びらが舞う光景がよく似合う。
くるりくるりと踊るように逃げるステラ。そのたび、太陽の光をかぶったような輝く金色の髪がさらさらと揺れる。

「コラ〜、待てステラ〜。ハハハ、つ〜かま〜えた!」
「うわわ! くすぐったいよおとうさ〜ん。もう〜しょうがないなぁ」

肩をポンっとつかむとくすぐったかったのか、ステラは小動物のようにやんやんと身じろぎし始めた。あぁぁ、なんてかわいいんだ……
とくにムッとした時の、ステラのプーっと頬を膨らますその愛らしい姿を見れるのならば、俺はアク○ズだって小指一本で押し返してしまうだろう。
……地球が持たんときが来ているのだ?
いいや。ステラへの萌えがあれば、そんなもの乗り越えられるんだよシ○ア!!
――立て国民よ! ジーク・ステラ! 『ジーク・ステラッ!』(合いの手)

「ねぇねぇおとうさん。すてら、おとうさんにね、しょーかいしたいひとがいるの」
「へぇ。新しいお友達か?」

急に話題を振ったステラに俺は聞き返す。
うんうん。ステラはかわいいし、みんなの人気者だもんな〜。友達の一人や二人……いや一億人いても不思議は……。

「ううん。すてらのだんなさま〜」

――へ? 



512ライオン:2008/12/02(火) 23:28:31 ID:???



すると、花畑から一転。紙芝居の絵ように、ざあっと景色が急変した。
いつのまにか俺は和風の部屋のちゃぶ台の前であぐらをかいていた。『ザブトン』と『タタミ』のちくちくとした感触が妙に気に障る。

「おとうさん。しょうかいするね。このひととすてら、あしたけっこんするの!」
「初めまして、お義父さん。おたくの娘さんとは結婚を前提に、お付き合いさせていただいてます」

――な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!??

部屋の中央に置かれたちゃぶ台の向かい側では、顔を恥ずかしそうにうつむけるステラと、隣で白のスーツでぴしっと決めた男が正座してかしこまっている。
男は整った顔立ちで、いかにも『やり手』のオーラを発していた。

「……? どうしましたかお義父さん? 黙って急に立ち上がったりなんかして。
 それに、その握りしめた拳は何です? しかも指先から血が……」
「い、いや……なんでもない。なんでもないんだ…………」

がくぅっ! 
心に痛恨のダメージを食らった俺は片膝をついてしまった。痛む心臓を押さえて、うずくまり始める。
……娘に彼氏ができたらどうしよう、とステラが生まれた時からずっと悩んではいたが……、
まさかの「あしたけっこんするの!」……だ。
さっきの一言は、俺にとってはミーティアフルバーストに匹敵する。
この津波のような精神ショックは、彼氏と対面するために昔からとっておいたエネルギーだけでは防ぎきれない。

 
「と、ところで……ステラはコイツ……いやこの人のいったいどこを好きに――」
「ぜ〜んぶ!! すてらはね、おとうさんよりもずぅぅぅっとこのひとがだいすきなの〜!!」

ズババババババッ!! ブシュゥゥゥ! ポタポタ……。
とどめと言わんばかりのカウンターショック。
俺は心身の限界に達し、穴という穴から血を盛大に噴き出した。奇声を上げながら机に突っ伏す。
ああもう駄目だ。鬱だ。死のう。長生きしすぎた撥(ばち)があたったんだ。
愛が……愛がイタいぃぃぃ!!


513ライオン:2008/12/02(火) 23:31:00 ID:???




「はい。お義父さん。このとおり僕たちは愛し合っているんです。
 しかし僕のほうはですね……おたくのステラを初めて見た時……なんていうか……その……、
 下品なんですが…フフ……『勃起』………しちゃいましてね…………。特にこの豊満な胸に」
「………なん……だと……?」

なめまわすように隣に座るステラを見る男。その姿を見ていると自然と声が低くなり、眉間にしわが寄る。
『俺の』ステラをそんな目で見るな!  
幽鬼のようにむくりと起き上がり、わなわなと全身を怒りにふるわせている俺に向かって、男はいきなり立ち上がった。
そして机越しに顔を近づけ、俺の耳元でささやく。

「――さて……結婚資金はいくら出せばよろしいですか? 僕の家はとても裕福でしてね……。
 おっと、やめてくださいね。私が本気を出したらあなたの薄給ではかなうわけないでしょう?
 まぁ数日ほど、この子で遊び呆けたら……さっさと離婚するつもりなんですけど。なぁにお金はしっかり払いますよ。
 ――こんな僕でもよろしければ、お義父さん! 娘さんを僕にください!」

男は俺の前に土下座で座り込んだ。そして床に頭突きをする勢いで、最後の仕上げといったように頭を下げる。

――だ……だれが……!!

言葉にならない声を発し、拳を握り締める。
神でも悪魔でも何でもいい……誰か……俺の右手に奇跡の力を!!

「お前みたいな外道に――誰が娘をやるかぁボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

俺の渾身の右フックは、すいこまれるように外道の頬にめり込む――――ことはなかった。


514ライオン:2008/12/02(火) 23:32:43 ID:???



 〜ライオン少女は星を目指す〜

第四話TIPS 「最強父親パンチとピンク姫」



「――誰が娘をやるかぁボケぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「!? きゃぁぁぁ!!」
 脳を揺さぶるような金切り声で俺は夢から覚醒した。
 跳ね起きるように上体を起こす。
 だがいざ起してみると耳鳴りがひどい。頭痛がする。吐き気もだ。
 なんだか最悪の悪夢を見ていた気がするが、どんなものだったか全く思いだせない。
 というか思い出したくない。

 
「あ、あら? お目覚めですか?」
 声が聞こえた方に俺は首を向けた。するとドアの傍に
 この白塗りの部屋には似つかわしくないフリフリの衣装を着こなした女の子が、俺を水色の瞳でぱちくりと眺めていた。
 その姿は可憐、あるいは聖楚と言った言葉が似合いそうだ。
 ふと俺は自分の体を見た。体は白と青の病人服が着せられていて、全身の素肌からは包帯の感触がする。
 ……ここはどこだ? この子が手当てをしてくれたのか?
 
 「なぁ……キミ、ここはいったい……」
 「……!? 大変ですわ!! 早くおじい様に知らせないと!」
 事情を説明してもらおうと話しかけた時、少女はハッと気づいたように小さい体を翻して部屋から出て行った。おそらく『おじい様』とやらを呼びに行ったのだろう。
 床にこぼした液体――コーヒーの香ばしい香りが狭い部屋に充満し始めていた。
 「……病人にコーヒー?」
 俺は虎のあの人を思い出した。

515ライオン:2008/12/02(火) 23:35:03 ID:???



――数分後。
 目眩に頭が慣れ、俺はとりあえず外に出ようとベッドから這いでた。その時、いきなりドアが開かれる。
 「ふむ、やっと起きたのか」
 ドアの向こうから現れたのは、見たところ初老の男性だった。
 軍服のような衣装に身を包んではいるが、白髪の混じった金髪、おぼつかない腰、顔に幾重にも刻まれた深い皺などを見る限り
 一見、相当な年齢を重ねているのだろう。
 その横には、先ほどの女の子がもじもじとした様子で老人の服をひしと掴み、そばにひっついていた。
 
「この方が、おじい様のご友人ですの?」
「ああ、私の古くからの親友だ。しかし……廃棄コロニーの調査中に漂っていたMSにお前が乗っていた時は本当に驚いたぞ。
 しかしお前はいくら起こしても起きなくてな。24時間以上も寝ていたので心配し始めていた。
 あまり老人の寿命を縮めるんじゃないぞ、シン」
 
 ? なんでこの人は俺の名前を?
 多分その時、俺は何がなんだかわからないといった顔をしていたんだろう。
 そんな俺を見て、老人はついに噴き出した。

「フッ、私――いや、『俺』が誰なのか、まだわからないのか? ……シン」
 
その物言いに、俺は頭の中に一人の人物を思い浮かべた。
 だがそのあとは、ばかな、そんな、といった単語しか思い浮かばなかった。

「まさか…………。お前……レイ……なのか!?」
老人は深くうなずいた。
「そうだ。俺は……レイ・ザ・バレルだ。……会ったのは15年ぶりか? 
しかしお前は……変わっていないな」
そう名乗ると目の前の老人……レイは、皺だらけの口元を緩めた。



516ライオン:2008/12/02(火) 23:36:08 ID:???



「レイ……! 生きていてくれたのか!」
再会の喜びを表そうとレイの肩をつかんだそのとき、俺はがくんと膝をついてしまった。
なんだ……? 立ち上がろうにも力が……。
「まだ寝ていなくてはダメですわ!! お船に収容した時、シン様は大けがで……その……血が……」
そうか。血が足りないんだ。
そんなふらつく俺を、少女がしっかりと支えてくれた。ピンクの髪が肌に触れてこそばゆい。

――ちょっと待て。ピンクの、髪……? それにどこか輪郭や口調も…… まさか……!?

「……ラクス……クライン?」
「あら? お母様がどうしました? シン様はお母様ともお知り合いですか?」

ピンクの髪の少女は、なんでもないといった風に、とんでもないことを言った。
……まぁ本人にとっては、本当になんでもないんだろうな。

「ミーア。シンに食事を持ってきてくれないか? 私はシンと話をしなければならない」
俺をベッドに腰かけさせると、「はい、おじい様!」と元気に応え、部屋から出て行くミーアと呼ばれた少女。

「なぁ、レイ。あの子は……」
老人になってしまったレイと、ラクス似の少女。おれは状況の判断が未だにできていなかった。頭の中が渦を巻いている。
とりあえずレイに問うた。

「気にするな。俺は気にしない――では済まないだろうな。
……だがそれはのちほど言う。けが人のおまえは、今はしっかり休むことだ」

反論の材料が見つからず、俺はしぶしぶと再び横になった。だがそれも数分もすれば徒労に終わってしまった。
極端なほど慌てふためいたエプロン姿のミーアが入ってきたからだ。


517ライオン:2008/12/02(火) 23:37:09 ID:???



「大変ですわおじい様!! 本当に大変なんです!!」
「どうしたのだミーア。ひとまず落ち着きなさい。慌てすぎるのはお前の悪い癖だ」
レイが諭すようになだめるが、今一つ効果がなかった。

「わ、わかっておりますわ! ですが今はお許しくださいな、そんなことよりも今情報が入りました。
……ヘリオポリス2が海賊さんに襲われたそうですわ!」
それを聞くや否や、「そんな馬鹿な」とレイの顔が驚愕の表情で固まってしまった。
明らかにその驚き方は尋常でない。まるで知り合いが巻き込まれたかのような――

「シン、何故お前は平然としていられるんだ!? 
あそこに住んでいるのはミネルバのみんなと、お前の娘の……ステラだぞ!!」

――ステ……ラ? 

「ステラッ!? ……うわっ!?」

最初に、『あっ』と言ったのはミーアだった。
目をかっと見開き、勢いよく跳ね起きた俺はドアから外へ飛び出す――ことはなかった。
一歩を踏みしめた瞬間、視界が歪み、前方へ盛大にこけた俺は顔面を強打し……気絶してしまったからだ。

情けなくて涙が出そうだった。また俺は娘すら守れないのか、と。
――アシャ。こんな俺を笑いたければ、思う存分笑ってくれてもかまわない。
俺はやっぱり……人間だった……。


『軍の活躍により海賊は駆逐された』と情報が入ったのはその直後だったという。



518ライオン:2008/12/02(火) 23:47:35 ID:???
以上です。
今回は特にネタもなく、平たんな話でしたので冒頭にギャグを入れておきましたが
場違いでしたでしょうか? なにぶん長編は初めてなもので。
あとアレックスの容姿やライオン版研究員は、ステラ編の次の話で出します。
ご了承願います。

ではこの次もシンとステラの活躍にご期待ください。
感想や、矛盾・問題点の指摘をお願いします。
519442:2008/12/03(水) 00:08:43 ID:???
ライオン氏GJ!
ミーアは口調がラクスで性格がミーアっぽい?
それとも天然を装っていた頃のラクスかな
それよりもレイ…生きているだけで充分か…

ステラの絵喜んでいただけたようでよかったです
そればかりか>>469のような神が!
また何か描くかもですが黙認してください

>>510
ttp://night.kamaitachi.info/src/NKfile0287.jpg
早々に消してしまって申し訳ない
前より少し解像度とサイズが大きくなってます
520通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 02:37:32 ID:???
レイはラクスに飼われていたとな…?

まあ、生きていたようで何より
そしてシンは歳をとってもシンか…
アスランの息子、生きろ…
521通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 03:27:38 ID:???
いやあ、早起きは三文の得ですな。
GJでした。

…申し訳ない、一瞬婿に本気で殺意が沸いてしまった。
孫がこんな男に引っ掛かったらと思うと…!

親馬鹿シン、次回も楽しみにさせて頂きます。
522通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 03:40:58 ID:???
ていうか婿がキラに見えた件
…穿ち過ぎだろうかw
523通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 10:30:43 ID:???
キラはキラでも、手首愛好家の殺人鬼の方だな
台詞とかw
524通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 17:36:56 ID:???
「ステラとアスランの息子が一緒に操縦して賊を撃退した」と今のシンが聞いたら大変な事になるだろう
525通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 17:58:58 ID:???
>>523
誰か『キラ・ヤマトは平凡に暮らしたい』とか書いてくれんかなw
526通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:09:26 ID:???
ラクスの娘といえばキラの娘でもありかつ事実上地球圏の皇女みたいなもんだと思うが、
レイが生き延びてしかもそんな娘と親しく一緒に居るというシチュは想像を絶する。
いったい十六年間に何があったのかここまで想像を掻き立てられる展開も
なかなかないな…GJ!
527通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:18:12 ID:???
>>524
むしろステラが「カガリの子」だった事を知る方が大変な事をしそうな気が…
「アスハの血は絶やさなければならない」と
528通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:28:18 ID:???
まだステラがカガリの子と決まったわけではないんじゃ
529通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 18:53:14 ID:???
>「アスハの血は絶やさなければならない」と

「どっちが」そう考えるかというのも本作の場合は気になる。
「アスハの反乱」とやらもあってアスハの名と血筋はラクス政権にとっては
否定の対象になってる可能性もあるわけだし。
いまだ直接出てきてないキラクス凸本人達がどういう反応をするのか…
530通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 19:24:43 ID:???
凸は果たしてアデランなのかピカランなのか
それともアスラン・ヅラなのか…
531通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 19:31:16 ID:???
シン⇔キラのシンの回想の中のアスランなら飲み物を飲みながら見たりはしない
532通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 19:34:09 ID:???
落ち着いたらラクスvsシンキラアスでも書こうかな・・・
533通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:00:02 ID:???
アデラン・ヅラでよくね?
534通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:56:49 ID:???
>>532に期待するが
「シンが主役」は守って欲しい
535通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 21:56:00 ID:???
キラ「大丈夫。君ならできるよ」
凸「大丈夫だ。お前ならできる」
キラ、凸「さあ、ラクスを倒すんだ!」
536通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 21:58:13 ID:???
只の厄介払いにしか見えない件についてw
537通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 22:05:30 ID:???
シンが英雄扱いされてる影でひっそり悠々自適な生活を堪能してる二人が浮かんだ
538通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:04:58 ID:???
それこそシンとの決着前にエミュ子inエンブレイスのごとく
超長距離精密攻撃でキラアスをお仕置するラクスの図が…
539217:2008/12/03(水) 23:11:28 ID:???
こんにちは。

投下させて頂きます。
540217-1/9:2008/12/03(水) 23:12:49 ID:???
 プラントが何の略か知っているかい?Peoples Liberation Acting Nation of Technology。長っ
たらしいけど、要は「テクノロジーに立脚した民族解放国家」くらいの意味合いだ。人類
を超えた新人類、優秀なるコーディネーターは民族文化なんて過去の遺物を問題ともしな
い、素晴らしいテクノロジーと、全く新しい文明を手にしている。
 なら、今、目の前にあるのは何だ?このバターが多過ぎるギトギトのパンと、泥みたい
なコーヒーは一体なんなんだ?
 俺は朝からまともな物を食べてない。だから、まともな物が食べたかった。出て来たの
は病院食だ。俺の言ってる意味が分からない奴は、一度プラントに来て見ればいい。そこ
が、でっかい病院だって気付くだろう。
「シンさん、機嫌悪い?」
「気にしないで。いつもの事なの」
 アビーが言った。
「植物油じゃない、本物のバターを使ったクロワッサンと、水で薄めていないコーヒーに
腹を立てているのよ」
 憶えたてのフランス語を使い、パリのカフェでカフェオレを注文するみたいな口調だっ
た。
 プラント市民は揃って病気だ。タチの悪い、心の病だ。病院の廊下みたいな街のあちこ
ちに慎ましく佇むカフェを、バーを、レストランを覗いてみるといい。民族解放国家の中
で、そこだけにパリが在る。人類を超えた新人類は地球の文化に驚くほどのコンプレック
スを抱いていて、しかも連中にとっての文化はヨーロッパにしか存在しない。
 何故か、故郷の島を思い出した。島の人々は大抵、大西洋連邦に好意的で、一種の憧憬
を抱いていた。例外は代表首長父娘だ。極東の島国が大陸側についたせいで、アジア中を
舞台に共産勢力との代理戦争を繰り広げざる得なかった覇権国家を、平和の島の酋長は穴
の空いた椰子みたいに嫌っていた。
 後で知った話だ。娘の方は、中東のアラブゲリラと連みながら、ハンバーガーを片手に
コカコーラをがぶ飲みし、親父の方は「世界のあちこちで勝手に戦争を起こして人を殺す
大西洋連邦とは何なのか、問うてみたい」なんて嘯きながら、ワイルドターキーの限定
15年物や、マッカランのファインオーク30年物を舐めていた。
「所で、今後についてだが……」
「社長。後にして下さいっ」
 思わず、怒鳴り声が出た。別に、食卓で仕事の話をしたくなかった訳じゃない。
「オタールのVOを勿体つけてブランデーグラスで揺らしている様な人とは、今日の天気
についてだって話したくない」
 本気で嫌になった。無重力下でも使えるブランデーグラス。プラントのコーディネータ
ーと言う奴は、そんな物までこさえてしまう人種なんだ。


541217-2/9:2008/12/03(水) 23:14:23 ID:???
 幸い、フランスのそれと寸分違わないパンとコーヒーを口にしながら、窒息死する羽目
には陥らずに済んだ。レーションのチキンヌードルとサンドウィッチに冷たい紅茶は、ヒ
マラヤの天辺で与えられた酸素ボンベだ。自分は出撃が無いからって、これ見よがしにビ
ールを飲んだ事を除いて、俺はアレックスに感謝した。
「俺も、ギルのあのセンスには着いていけん」
 意外な一言だった。
 ゲイと言う奴は、どこか壊れている。恋人が叩かれたと言うだけで、光り物を抜く。社
長の悪趣味を扱き下ろした後、金髪頭と目が合った時には、後悔と警戒が束になって下腹
を蹴りつけていたから、正直に拍子抜けだ。
 ああ、いきなりで驚いたかも知れない。アレックスはゲイだ。
「ギル!」
 再会一番、相手の名を呼びながら、男に駆け寄り、抱きつく奴が、ゲイでなくてなんだ
ろう。
 胡瓜とチーズのサンドイッチをビールで流し込むと、アレックスは艦橋に戻って行った。
何か問題が起きた時の為、誰かが計器と睨めっこをしている必要が有る。俺は出撃が有る
から免除。ルナは怪我をしている。依頼人――――あのポテト頭を艦橋に入れるくらいな
ら、無人の方がマシだろう。
 集会室の照明は、いやに明るかった。パックをダストシュートに放り込んだ時、ルナを
思い出した。あいつが食べ物の匂いに釣られて出て来なかったんだ。相当辛いのは間違い
ない。
 何か持って行ってやろうか。アレックスに教えて貰った収納に足を向けて、考えを変え
た。ルナはプラント人だ。イーストでボール紙みたいになったパンのサンドイッチや、チ
キンパウダーを練り込んだヌードルより、バターをしたこまぶち込んだクロワッサンの方
が好みに決まっている。
 インターホンで呼びかけると、唸り声が返事をした。
 個室は狭かった。力の無い沈黙が、ハンモック型の無重力ベッドを乾涸らびた芋虫に変
えていた。
「大丈夫か?」
 夜食の入ったケースを、テーブルに固定してやる。
「夜食。持って来たぞ」
 返事が無い。ひょっとして、誰も居ないんじゃないだろうか。一瞬、そう錯覚した程、
ベッドの詰め物は無反応だった。心配になって覗き込んだ時、目が合った。
 目は口ほどに物を言う。俺達が無言で会話を交わす様になってから、もうどれくらいだ
ろう。こいつの目は、たまに英語とフランス語とドイツ語をチャンポンにした様な、訳の
分からない事を言うけど、今日は違った。いつものアプリリウス訛りだ。
 目線は磁石の両極みたいに離れなかった。体を傷めて寝込んでいる内に、らしくもない
弱気の虫が首を擡げたのだろう。俺はルナの言う通りにした。良く翻訳を間違えて喧嘩に
なるけれど、今回は引っぱたかれなかったし、多分、合っていたと思う。
542217-3/9:2008/12/03(水) 23:16:00 ID:???
 15分ほどして、部屋を後にした。ここは無重力で、ベッドなんて寝袋と変わらない。
 俺達は時折、互いの関係を思い出す。一緒にたまの酒を飲んだ時、その日の食料がとう
とう手に入らなかった時、今のプラントにならどこにでも転がっている、ありふれた理由
でどちらかが酷く落ち込んだ時。あの事があってから、ずっとそうだ。
 あの一件で、俺達はそれまでの関係を続ける事が難しくなった。だからと言って、互い
に顔を見合わせもせず生きていける立場にもなかった。俺達には新しい関係が必要だった。
 偶に考える。それをまだ、続ける理由は有るのか。だけど、止めなければならない理由
も見つからなかった。
 無重力の中、方向を見失った溜息が、目の前で渦を巻いた。
 背中で部屋の扉を蹴る。
 ベルクロを踏みしめ、一歩。二歩目を出す前に、右脚が凍った。
 慣性のまま流れる上体と首を、廊下の先に立ち竦む人影が繋ぎ止めた。
 真っ白なベルクロの上で、英文科の学生が呼吸を忘れている。一体、何の真似だろう。
小さな両手で口元を押さえている。奥方の不逞を目の当たりにした家政婦なんて人物は、
シェークスピアのどんな戯曲にだって居たとは思えない。
「あ、あ、あの……っ」
 錆の浮いたブリキの人形が、異音を上げながら回れ右した。まん丸の目を逸らし、細い
肩をぎこち無く回し、右手と右脚を一緒に出して立ち去るその姿は、ミリアリア・ハウの
署名記事と同じくらい分かり易く、その心中を教えてくれた。
「な、何も見てませんっ!何も見てませんからっ!お気になさらずにっ!」
 一つの事実も含まないと言う点で、両者は見事な一致を見た。
 こんな時、誤解され易い軍人崩れの失業者は、どうするべきなのだろう。決まっている。
冷笑の一つも漏らして無視すれば良い。そうするべきだ。
「ちょっと待て!おい!」
 気付いた時、俺の両脚は慌てて小さな背中を追い掛けていた。何に慌てているのか分か
らない。罪悪感にも似た得体の知れない感覚がペンチに化けて、心臓と簡単な答えとを、
一纏めに捻り潰してしていた。
「何を想像してるか分かんないけどなっ。誤解だっ」
「分かんないのに誤解、て変ですよお。大丈夫ですっ。見てませんっ」
「だあからっ!」
「見てませんっ。夜中に女性の部屋から出て来る所なんて見てませんからっ」
 案の定だ。
 ベルクロの上は嫌に歩き難い。歩幅を稼ごうと足下に目を落とした時、舌打ちが漏れた。
自分が片側の手足を一度に出している事に気付けば、誰だって嫌になる。
「ええいっ」
 思い切り踏み切る。両脚のベルクロが剥がれた。兎に角、捕まえよう。捕まえて、その
場で話そう。そう思った。
「えっ?」
 両肩を捕まえた途端、相手の足も床から離れた。突き当たりの壁に転落するまで、数秒
で足りた。俺は慌てて手を離した。この孤独なカラオケ名人を壁に叩き付けてやりたい理
由は無かったし、着地の手段も必要だった。
 腕の中で悲鳴が潰れた。両足をベルクロに押しつけた時、狭い背中が胸に当たった。小
さな体が小さく縮まり、涙混じりに鼻を押さえていた。
543217-4/9:2008/12/03(水) 23:17:34 ID:???
「っー!……酷いですよおっ」
「あんたがおかしな勘違いをした挙げ句、人の話を聞きゃしないもんだから」
「勘違い、て?」
「ルナの奴、寝込んじまって、夜食の時も出て来なかったろ。朝から何も食べてない筈だ
から、持って行ってやったんだ。それだけだ。あんたが想像している様な事は、一つだっ
て起きちゃいない」
「べ、別に何も想像してませんっ」
「いいか。ここは無重力で、ベッドなんて寝袋みたいな物なんだ。そうじゃなくたって、
あいつは鞭打ちなんだから、そんな事、やりようが無いだろ」
「だから、そんな事、想像してませんっ!」
 焼き立てのメレンゲみたいな顔に、苺の赤が浮いた。正直、驚いた。大昔の映画に出て
来る、レター・カーディガンを着たプラチナブロンドのスクール・ボーイだって、にやつ
きこそすれ、血相を変える様な話題じゃない。こんな奴は、精々、ルナやアビーの妄想の
中にしか存在しない筈ではないか。
「とにかく、シンさんが言う様な事は想像してませんからっ。当然、誤解もしてませんっ」
「とてもそうは見えないっ」
「別にいいでしょう。心配することなんて、何も無いじゃないですか」
 その一言に、単純な事実を思い出した。この程度の話に、顔色を変える小僧は居ない。
当然だ。なら、こんな場面で同性の誤解を解こうとする男だって居る訳が無かった。
「何、やってんだ。一体?」
 俺そっくりの声が、有り得ない事をしている男に問いかけた。
 耳の中で、ベルクロが剥がれた。反対の耳では、心臓が鳴った。掌が汗で滑るのと同時
に、目線が滑った。
 アビーだ。俺が他人の五割増しは幸せだと主張する金髪の女は、口元だけを使って器用
な笑みを浮かべていた。
「……っ――――」
 喉から転がり出そうとした声は、舌の上で凍り付いた。正直に認めよう。俺は狼狽えて
いた。理由は1ダースばかり有る気もしたし、一つだって無い気もした。
「お幸せに」
 心の籠もった一言を残して、アビーは自室に消えた。俺は両腕を壁についていて、その
間には、焼き菓子みたいに火照った18歳が居た。
「……誤解、解かなくていいんですか?」
 答える代わりに、溜息をついた。俺はまだ、人生に疲れを覚える年じゃない筈だった。
「……忘れてくれ」
 なんでそんな事をしたのかは分からない。俺は二歳年上の少年の肩に手を伸ばした。そ
の手が空を切った時には、何故か情けなくなった。母親には比較的言い辛い理由で汚して
しまった下着を、自分で洗っている時に感じた物と、よく似た惨めさだった。
 神経質なサイレンが船中に飽和した。エマージェンシー・コール。俺は生まれて初めて
テロリスト――――いや、今は正規軍か――――に感謝した。
 脚がトゥールネドの値札を目にした主婦の勢いで振り向いたのは、アレックスの声が敵
戦力を並べて見せた時だ。
「あんた、何者だ?」
 この質問は一体、何度目だろう。
 敵編隊長機は、インフィニット・ジャスティス・ガンダムとか言う、長ったらしい名前
だった。


544217-5/9:2008/12/03(水) 23:19:09 ID:???
 あの巫山戯た名前のMSが、ターミナルに開発データを消去されもせず、開発陣が拉致、
ないし抹殺されもせず、当初の計画通り量産に漕ぎ着けたと言うのでも無い限り、パイロ
ットは決まっていた。プラントとオーブ連合首長国は、重国籍を認める数少ない国家だ。
両国の現状を考える時、オーブの士官が相変わらずプラントの最新鋭機に乗っていたから
と言って、不思議な事は一つも無かった。
「とにかく、時間を稼いでくれ」
 通信機の向こうで、どこかで聞いた様な声のアレックスが言った。
「ギルに策が有る。目的地に辿り着けば何とかなる」
「本当かよ」
「どう言う意味だ?」
「ブランデーなんか飲んでたんだぜ。それも醸造元じゃなくて、パリから運んで来たのを
自慢にしてる様な奴をさ」
「しつこいな。心配するな。計画を立てた時には、ビールしか飲んじゃいなかった」
 苦笑の声が、不意に鉛の固さを帯びた。
「シン。あちらが何を言い出そうが、言わせておけばいい。絶対、相手にするな」
「分かってる」
 何故だろう。俺はレシーバーを切りたくなった。こんな事が、昔無かっただろうか。も
う、ずっと昔だ。シン、鍵は持った?お財布は持った?ハンカチは持った?何か忘れ物は
無い?あっちに着いたら、ちゃんとご挨拶するのよ。ああ、本当に心配だわ。分かった?
本当に分かった?――――全く、そんなのは分かり切っている事じゃないか。
 コアスプレンダーは相変わらず風邪気味だった。とは言え、今回はすぐに合体だ。シル
エットは例によってデイリ・シルエット。スロットルを開いた瞬間、バーナー炎の爆発が、
宇宙と俺の下っ腹とを一度に蹴り付けた。
 相手は五機。1―1―3の変則的な編成は、人数が一人多い事に気付かないままグラウ
ンドに入ってしまった、サッカーチームみたいだった。
「ラクス様の為に!」
 オープン回線の向こうで、聞いた事の無い叫び声が三つ、束になった。
「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」
 意味不明の呟きは、コーヒーの香りがした。敵編隊にガイア・ガンダムが紛れていた。
それにしても、歌姫の騎士団と言う連中は、どうして誰も彼もがオープン・チャンネルで
独り言を呟くのだろう。
「シン!投降するんだ!まだ間に合う!」
 最後の一つ。不潔さを帯びた冷感が、粘つく感触を残して首筋を撫でた。モニターの中
央に赤いMS。
「こんなやり方じゃ、何も解決する訳がないだろう!」
「問答無用で発砲してくる奴らに、どんなやり方が選べるって言うんだ?」
 思わず、怒鳴り返していた。誰にだって、我慢出来ない事の一つや二つや三つや四つは
有る。まして、友人とは絶対繋がらない電話のベルが人間の言葉を喋った時、どこの誰が
電話を叩き切らずにいられるだろう。
545217-6/9:2008/12/03(水) 23:20:43 ID:???
「問題の有る兵士も居たかも知れない!だけど、今は違うっ!」
「なにがっ」
「俺が公正な捜査と、公正な裁判を約束するっ!」
「出来もしない事をっ!」
 冗談じゃなかった。いつから、外国の軍人が捜査権と裁判権を手に入れたんだ。その時
点で、公正なんて物が期待出来る訳が無い。
「シン、聞け!思う通りにならないからって、討って、討たれて、それじゃあ、お前はた
だのテロリストだぞ!」
「自己紹介はいいっ!あんたの事ならよく知ってるっ!」
「シンっ!お前らしくもないっ!」
 頭の中で、何かが煮え立った。0気圧下における水の沸点は体温を下回るが、俺は宇宙
服を着ていて、コックピットは与圧されている筈だった。
 ハラキリダイナミックの刀身に光が浮いた。トリガーより半瞬早く、四つの光が左右に
割れた。唯一機、対ビームコーティングのシールドを構えた赤い機体が、真っ直ぐに突っ
込んで来る。
「なぜ、最初から平和に背を向けるっ!俺の知っているお前は、そうじゃなかったぞ!シ
ンっ!」
 奥歯が鳴った。洗い立ての真っ白なシャツに、汚泥を投げ付けられた気分だった。掌中
のレバーに、対艦復列ビーム砲刀の重みがかかる。
 一瞬ですれ違った。
 ハラキリダイナミックが空を切る。17.5o弾の感触だけが、PS装甲に弾けた。
「シン!言葉が判らないのか!」
 アスランは相変わらずだった。ライフルなら、シルエットを丸ごとやられたかも知れな
い。相変わらずの平和主義だ。だが、その平和とやらも、拳を握る男に殴り返さず、唾を
吐きかける類の平和でしか無かった。
「これ以上、馬鹿な真似はやめるんだ!」
「このっ!」
 操縦桿を倒すと、星の重さが首を捻った。声が潰れたのは、そのせいじゃなかった。こ
いつはいつだってそうだ。一人だけ何でも判っている様な顔をして、一人だけ何も判っち
ゃいない。その為に、何人が死んだ?その全員がプラントのコーディネーターだ。奴を仲
間と信じていた人間だ。
 モニターの片隅を、オーロラが覆った。
「ジェットストリームアタッークっ!」
 二つの声が叫んだ。一人だけ、トリプラーと言っている奴が居た。反射的にトリガーを
押す。ビームの束は、半ばが攻性ビームシールドに霞み、ドムのぶ厚い装甲にひっかき傷
を残す。
 ロックアラートが疳の虫を起こした。右シールドで重たい何かが破裂し、胃袋を立て続
けに蹴り付けた。
546217-7/9:2008/12/03(水) 23:22:25 ID:???
「邪魔なんだよっ!」
 スロットルを目一杯開いて、機首を左に捻る。ブレークする時は、相手側に旋回するの
がセオリーだが、そちらにジャスティスは居やしない。
 ジャミングポッドを纏めて射出。ロックアラートは相変わらず泣きやまなかった。耳に
突き刺さる音だ。ヘルメットを脱ぎ、耳のレシーバーを引っこ抜く。仮に、この小さなイ
ヤフォンが鼓膜と繋がっていた所で構いやしない。耳障りだ。耳障りだ。
「何をしているんだ!シン!落ち着け!」
 アレックスだか誰だかの声が、コックピットの隅に飛んで行った。
「俺は落ち着いているっ!」
 機体が大きな弧を描いて滑った。12基のロケットが唸り、八人の俺が俺を押し潰そう
と前からのしかかった。着弾の衝撃が冷却ガスの向こうに消えようとした時、右に黄色い
機体が見えた。
「しつこいっ!」
「待ってくれっ!俺が説得するっ!」
 声は同時だった。何かが、俺と後方に消えたドムの間に割り入った。それは、アスラン
の比較的穏やかな説得の手段だった。ファトゥム―01。リフターだ。戦闘力を失ったミ
ネルバを沈めた武器だ。
「あんたって人はっっっっ!」
 ジャスティスに追いつくには速力が足りなかった。リフターを振り切るには、速力が足
りなかった。リフターがみるみる迫って来る。ミネルバを沈めた武器だ。あいつの部下だ
った、仲間だった搭乗員を殺した武器だ。
「シン!自分が何をしているのか、判らないのか!」
「うるさいっ!」
 黙れ――――そう叫ぼうと思った。いや、違う。考えるより早く飛び出そうとした罵声
は、寸でで喉に戻り、胃に落ちた。
 スプレンダーのコックピットは狭い。片隅で、レシーバーが鳴いている。耳に戻した時
には、何故、そんな事をしたのかを、すっかりと忘れていた。
 歌が聞こえた。
 シルエットを排除。増設ブースターの恩恵とはこれでおさらばだが、その加速はまだ残
っていて、機体は一気に軽くなった。背後でシルエットが爆ぜるまで一瞬。爆発に弾かれ、
ザク・インパルスは一足飛びに駆ける。正面にジャスティス。
 バッテリー残量を確認。よし。本体のバッテリーだけでも、この化け物刀をもう一、二
振りは出来る。
547217-8/9:2008/12/03(水) 23:24:03 ID:???
「シン!もうよせ!そんな物が、お前の行きたい未来なのか!お前の欲しかった未来なの
かっ!」
「何が言いたい?」
 ハラキリダイナミックを腰溜めに構える。
「あのスイーツポテト頭が、未来を焼くだの、全てを滅ぼすとでも言うつもりか?」
 この男は、ラクス・クラインからどこまで教えて貰っているのだろう。ふ、と気になっ
た。一呼吸の内に、無意味な問いだと気付いた。
 三度に渡って軍服を着替えた経緯からも分かる。アスランは信念の人だ。決して事実に
惑わされない。全人類の平和と自由を望む歌姫様だって、そんな男に何かを伝えるほど親
切にはなれないだろう。
「シン!」
 俺は全推力を籠めた対艦刀で、答えの代わりにした。
 眼前で、赤い風が旋を巻いた。螺旋を描かず、その場で回った。対艦刀をかわすには充
分な動きだ。けど、こいつは社長が用意したお洒落なハラキリダイナミックで、アロンダ
イトじゃない。トリガー。
 腕が落ちた。脳裏を、予備のチェストパーツが過ぎった。脚が落ちた。脚なんて飾りだ。
俺は大して偉くない。背後で火花が散った。赤い装甲に大きな穴が空き、片腕はもげかけ
ていた。馬鹿みたいな防御力だ。九本のビームが纏めて直撃したら、デスティニーだって
粉々だろう。
「シン!」
 俺はその声を無視した。無視出来た。レシーバーから流れ込む歌声が、耳元に這う感触
を洗い流した。
 ヘルメットをひっつかむ。
「パーツを頼む!纏めてだ!」
 背後に赤い機体が迫った。片腕くらい動かなくたって、ジャスティスはビームサーベル
の塊だ。脚のサーベルが竜巻と化して襲い来る。
 腰が斬られた。頭が斬られた。どのみち、切り離した瞬間だった。この質量と加速の遷
移に、そうそう図体のデカいMSが着いて来られる訳が無い。
 目くらましに置いて来たグレネード。爆発が喘息持ちの背中を叩く。
 チェストとレッグを拾う。シルエットを装着。そして、格好良いポーズっ!――――は
無かった。別に俺はシステムを書き換えちゃいない。ポーズを取れる様なシルエットじゃ
ない。それだけだ。サブディスプレイに諸元。
 外観は一言で言うなら、グーンに似ていた。
548217-9/9:2008/12/03(水) 23:25:36 ID:???
「これは?」
「アダムスキー・シルエットだ」
「それも、社長の命名?」
「ああ。よく分かったな」
 なるほど、らしい命名だ。しかし、何故、アダムスキー?
 スロットルを開こうとした時、諸元の一部が目に止まった。レバーを戻そうとした時は、
もう遅かった。俺は名前の由来を、体で理解した。
 星空が歪んだ。自分の居場所を見失うには、一瞬で足りた。方向や姿勢が判らなくなる
まで一秒かからなかった。計器を見ようとしても無駄だった。歪んだのは星空じゃない。
俺の目だ。
 地中型グーンと言う機体が在る。鱗状の外殻を高速震動させて地中を掘り進む。こいつ
はヴォワチュール・リュミエールを鱗の隙間にびっしり詰め込んでいる。そんな物がどこ
に飛んで行くかを、誰が保証出来るだろう。
 顔が潰れた。内臓が捩れた。星の束がペンキとなって、視界を縦に切り裂いた。横に寸
断した。蜘蛛の巣の様に割り、十字に引きちぎり、螺旋に穿ち、雷様に断つ。硬い頭蓋が
振り回され、中で柔らかい脳みそがブレイクダンスを踊る。
 耐Gスーツが脚を締め付ける感触は無かった。普通なら、ブラックアウトを引き起こし
ている所だが、こいつの飛行軌道は普通じゃなかった。急旋回で血が脚に落ちるのと同じ
勢いで、逆ループが頭に血を送り込む。グレーアウトとレッドアウトが交互にやって来る。
 体の感覚がばらばらになった。手がどこにあるのか判らなかった。脚がどこにあるのか
判らなかった。腹があらぬ方向に滑り、こみ上げる胃液を頭の上で飲み込んだ。
 点いたり消えたりする宇宙に、必死で目を凝らした。どこを飛んでいるかも、どこに向
かっているかも判らないにしても、行ってはいけない所にだけは気を付けなければならな
かった。ヴォワチュール・リュミエールの光波リングを前に、中古の輸送船なんて、一ヶ
月前に金との兌換停止を宣言した、プラントの通貨みたいな物だ。
 操縦桿にしがみ付いていると、灰色だったり、赤だったりする視野に、別の色が飛び込
んだ。母艦じゃ無い事を祈ったが、俺に出来る事はあまりなかった。
 はっきりと一つの方向を目指したのは、ただ一回。目の前の赤が、血の色とはっきり違
う事に気付いた時だ。
「分解されちまえっ!」
 頭のどこかで、誰かが叫んだ。



 続
549通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:49:11 ID:???
リアルタイムキター!!

アスラン、自ら出てきましたか。そして相変わらず何言ってるかさっぱりわからなくて、忠実で素敵です。
GJ!!
550通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:52:39 ID:???
217氏 GJ!
凸も綺麗事を言うのだけは得意だなw
そして社長、趣味に走り過ぎでは…
551通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:58:49 ID:???
GJっすー
ってトリプラーかよ!赤い三騎士が紛れてやがる!
凸はもうほんと凸だなあ
552217:2008/12/04(木) 00:14:13 ID:???
すみません。また、規制にひっかかりました。

少しでも長くなると、途中で引っかかりそうで、少し怖いですね……

皆様、感想有り難うございます。

次回も宜しくお願いします。
553通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 01:01:15 ID:???
>>552
GJです。
この文体は非常に面白いですね。
554通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 03:27:48 ID:???
毎回ネタ分は多くて読みながらニヤニヤしてるw
GJ!
クの国の赤い三騎士が混じってるのには特にニヤケた

アスランはどこのスレで見てもアスランだな
こう、安定感があるというかw
原作再現率が高いような希ガス
555通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 03:38:31 ID:???
次回はインジャVSバンダイ公認ジャスティスか
556通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 06:26:01 ID:???
GJ。凸の再現度が素晴らしい。
557通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 06:52:08 ID:???
>>525
亀レスだが他所に「政治利用されたくないラクス」と「戦わず平凡に暮らしたいキラ」が支持率低下を狙い失敗してもシンが裁いてくれると
・喧嘩したナチュラルとコーディネーターの子供の親と先生を銃殺
・めちゃめちゃな容疑(訳:ゲイ禿が就寝中の総司令の寝室に忍び込み無駄でティッシュを不潔な動機で使用した罪)でアスランを宇宙漂流刑
・量産フリーダム軍隊で北米を火の海にし焼け跡にセイタカアワダチソウの種を蒔く
と暴政を繰り広げるが既にやる気を失い陶芸家になったシンと「しびれる憧れる!」としか言えなくなったプラント市民によりギレン完全勝利EDになる話なら
558通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 13:30:21 ID:???
何なんだ、その50円…もといカオスな話はw
559通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 16:45:02 ID:???
シンのほうはともかく、プラント市民ならありえそうなところが怖いぜw
560556:2008/12/04(木) 18:13:02 ID:???
CE最高の陶芸家シン・アスカとは?

コズミックイラXX年〜ラクスイラ28年の間活躍したコズミッククタニの創始者にしてキラとラクスの最後となった友人の陶芸家。

メサイア戦後、シン・アスカは陶芸に目覚めドリルインパルスを駆り世界中を周りオーブにて至高の粘土を発見しコズミッククタニを作り出す
コズミッククタニは特殊な製法によりPS装甲級の強度を持つ割れない、欠けない、色彩鮮やかな磁器であり
代表作はラクスによる太陽系統一政府樹立以前のマルキオを筆頭としたクライン派狂信者の大粛正後に彼等の供養として製作された「マルキオの壷」「バルトフェルドのコーヒーカップ」等は有名であり
∀襲来で埋葬された月にあった統一政府首都ラクスシティ跡地で発掘された「魔乳の大皿」は当鑑定団にてなんと3500万の大台を叩き出した。
しかし、なんと言っても最高傑作は幾度もの∀によるリセットに耐えたムーンレイスの国宝「女神ラクス像と軍神キラ像」であろう



と言う人物で唯一ラクスとキラに粛正されなかった名有りの種キャラ
561通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 18:14:19 ID:???
>>560
間違い
×最後となった
○最後を看取った
562通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 19:07:45 ID:???
>>560
……材料は人骨か?
563通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 23:13:04 ID:???
>>560
すげぇ………全文ツッコミどころがあってツッコミきれねぇ……!
564通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 23:35:06 ID:???
色んな意味でGENKAITOPPAしてるな、このシンはw
565通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 00:32:52 ID:???
ドリルインパルスが物凄く気になるwww
566ライオン:2008/12/05(金) 01:02:32 ID:???
流れをぶった切って投下します。これは本来六話くらいに入れるはずだった話なんですが、
三話のテロリスト襲来の伏線が全く無くて不自然でしたので、この投下文は三話の冒頭に挿入してください。



『お待ちくださいウォフ様! 私にもう一度出撃の許可を与えください! 今度こそ私が奴に勝ってbPの座を……』
「下らんことを何度も言わせるな。貴様の機体は整備中だ。
 そもそも片腕しかないアシャで貴様が奴に勝てると思うのか? 命令は待機だ。復唱しろ」
『しかし! 奴をこの手で焼き殺してやらねば! 私のプライドが! どうかわたしめに――』
その言葉を聞き終えることなく、男はディスプレイの電源を切った。

その男は、部下からの報告を一通り目を通し終えると椅子を反転させ、
執務机から二メートル程度離れて立つ自分の秘書を見上げた。
オゾン集が充満する暗闇に、モニタースクリーンの燐光が知的な風貌の秘書の顔をぼんやりと浮かび上がらせている。

執務室にいるのはその男と秘書の二人。いらだちが場の空気を支配していた。
「……アシャにもう一度初期化(フォーマット)を施せ」
「いいのですか? これ以上のフォーマットを行えばアシャの体は数日と待たずに……」
「かまわん。どうせ奴はただの連合から買い取った出来のいい生体CPUだ。
 数合わせのメンバーなど、いつどこでどうなろうが知ったことではない」
「了解しました。では研究所のものにそう伝えておきます」
 秘書は一礼し、長くきめ細やかな長髪をなびかせながら自動ドアの向こうに消えて行った。
 
それを確認すると、男は独り言を漏らした。
「……しかし流石『最強兵士』とも言えるな。
 MS一個大隊を単機で壊滅させた後、我らの中でも屈指の実力のアシャを半壊にまで追い込むとは……。
 もっとも……奴の機体とシステムの開発費と維持費にはすでに戦闘艦数隻分の金がかかっている。
 あんな出来そこないにやられるならば、拍子抜けするというものだ」

 ふん、と鼻を鳴らした男の口調には、いくつか余裕が混じっていた。
 だがすぐに元の厳格な表情へ戻り、コンピュータのデスクへ向き直る。

567ライオン:2008/12/05(金) 01:03:30 ID:???



「……ガルシア市長へと連絡を取れ」
『了解(イエス・サー)――回線をつなぎます』
男が手元のマイクで指示を出すと急にモニターの画面が切り替わり、その向こうには執務机にかけた一人の男性が写るようになる。

「久しぶりだな。ガルシア市長。あの選挙の時以来か? その汚らしい髭面は相変わらずだな」
『は……はいぃ! ご無沙汰しておりますマナフ補佐官! こ、今回はいったいどのようなご用件で……!?』
画面の向こうでヘリオポリス2市長、ガルシアはひどく怯えていた。
普段は市民の前でふんぞり返っているひげ面も今は冷や汗でギラギラてかっており、卓上に組んだ指先はカタカタと震えて落ち着きがない。

「先ほど報告があった。貴様……ミネルバ隊所属のルナマリア・ホークの元で、少女が一人預けられていると知っていて
それを我々『クリエイター』に報告しなかったそうだな。何故だ?」
ガルシアはその重みのある一言一言が耳に入るたび、すくみ上がった。
日ごろ、常に他人を見下すように見やるその目はどこかあさっての方向を向かせている。

『い……いえ。確かに一人、少女がいるとミネルバ周辺を調べさせていた部下から聞いてはいましたが、どうやらただのナチュラルのようでして……。
あなた方が求める『獅子の後継者』なるものには程遠いものだと……報告するに値しないと思い、そのまま……。』
「フン。どうやら貴様は、事の重大さが飲み込めていないそうだな」
ウォフ・マナフは、市長の怯えた表情の合間に一瞬見せた不服従の色を見逃さなかった。
「何度でも言ってやろう。貴様のそんなくだらんナチュラル軽視のせいで、宇宙には上がっていないと踏んだ我々の、
地球上を15年間しらみつぶしに探させた労力、時間、そして莫大な予算を、すべてパァにしてくれたんだ!」

568ライオン:2008/12/05(金) 01:04:36 ID:???



『ひぃっ!! しかし――』
電子変換された市長の恐怖におののく声を、殴りかかるような怒気をはらんだ声がかき消した。

「先の失態、我らが主はたいそうご立腹だ! 当然のごとく、その責任を取ってもらう。」
『お、お待ちを! いったいあなた方はそのナチュラルの少女にいったい何を恐れているので――!!』
「貴様には知る由もない。せいぜいその小汚い椅子を尻で懸命に磨いているがいい」

男は面倒くさそうな表情で手を動かし、プツンとモニターの電源を切った。
不愉快そうに鼻を鳴らし、やれやれと首を左右に振るその背後に連絡を終えた秘書が詰め寄る。

「ウォフ様。泳がせておいた海賊たちが動き出したそうです」
「……手配の方は完璧だろうな? 」
「はい。仲介者を通じてMS『ゾロ』を数機とヘリオポリス2常駐軍配備状況の情報を与えておきました。
現地では監査員数名に記録を取らせるつもりです。
……それと『ラシュヌ』を派遣させ、基地の情報網を数分間掌握させておきます。」

ご苦労。男はハイバックの背もたれに悠然と上体を預けて、言った。
「さて、踏みつけることになるのは野良猫の尾か、それとも獅子の尾か……見せてもらおうか」



569ライオン:2008/12/05(金) 01:10:35 ID:???
短いですが以上です。前述のとおり、以前投下した三話の冒頭に挿入をお願いします。
感想は書けなさそうですので、矛盾点の指摘や疑問点の抽出をお願いします。
「○○ってどうなった? 凸はやっぱり禿げてるのか?」などの書き込みのお陰で矛盾点の発見につながったり、
新たにストーリーが浮かんだりしますので。
570通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 01:23:58 ID:???
ガルシアってアルテミスのおっさん?
571通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 02:46:18 ID:???
ガルシア市長の搭乗MAはビルケナウですかw
572通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 10:45:17 ID:???
ガルシア閣下まだ生きてたのかw
流石CE1の不死身度を誇る御方だ
573MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:53:43 ID:???
どうもです。 暫く見ないうちの投下ラッシュに驚いてます。
六話仕上がりましたので投下させていただきます。



Mercenary Of Red
MOR
request6

シンが傭兵赤鬼となり、数年の後、CE75、世界は一応の平穏を保っていた。
大きな争いが無い。という意味ではあるが。
小規模な争い、ゲリラや、盗賊、海賊騒ぎは減少傾向とはいえ未だに多く、傷の癒えない軍は部隊を出し渋る。
必然的に傭兵の出番は増え、赤鬼の名は常に弱者に味方する中堅クラスの傭兵として知られていた。

後部に防水シートを張られた、大型トレーラーが一台、ガルナハンへの進路をとっていた。
「ガルナハンか、久し振りだな」
トレーラーの運転席に座るのは、2年の年月、その間の戦いを顔に刻みつけ、精悍な顔立ちになったシン・アスカ。
傭兵として世界中を回っていたシンは、2年の歳月を掛け、 かつて死闘を繰り広げた地、ガルナハンへと足を踏み入れたのだ。
舗装さえない道をトレーラーは進む、お世辞にも乗り心地はよく無い。 寧ろ悪い。

「……何だ? 人?」
道路の真ん中に倒れている人影を見つけたシンは車を止める。
ドアを開けると、刺すような日差しと熱風が運転席へと流れ込む。
半分だけドアを開き、周囲の安全を確認、ザフト時代から愛用している拳銃とナイフを懐に忍ばせ、トレーラーを飛び出した。
辺りにスナイパーがいない事を確認し、慎重に倒れている人間に近づく。
以前、同じような状況で山賊に襲われた為、余計慎重に成らざるを得なかった。

「あんた、大丈夫か?」
其処に倒れていたのは陽射し避けのターバンに外套を纏い、顔に立派な髭を蓄えた40代位の男性。
「……ま、街が」
シンの声を聞き、失いかけた意識を取り戻し、虚ろな目を彷徨わせる。
恐らく目はもう見えていない、外套から覗いた腹部に裂傷、出血多量で既に致命傷だ。
「街? ガルナハンか? どうした」
手当てをしても無駄だと判断したシンは男の話を聞いてやる事にした。
恐らく以前のシンならば、是が非でも助けようとしただろう。 
だが、2年の傭兵生活での経験で、救える者と救えない者の区別が付くようになってしまった。
酷く傲慢極まると思いはしたが、今は目の前の男に集中する。
「軍隊崩れが、街を! MSが、助け…呼ばないと……娘が………お願いだ、旅の人、どうか助けを…………」
男は最後の力を振り絞り、シンに縋り付く様にガルナハンを託した。
「……っ」
何度となく直接見ても、人の死は見慣れない。 見慣れてはいけないのだと思う。
男の来たと思われる方角、恐らくガルナハンの街を見ると、黒煙と舞い上がる火の粉、火の手が上がっている。
砂漠の焼け付いた様な匂いに加え、何かが焼けるにおいがした。
距離から考えて、トレーラーの速度では間に合わない。
これからどうすればいいか、シンは考えるまでもなかった。
574MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:54:49 ID:???

ガルナハン市街
今現在ガルナハンは三機のMSと十数人の歩兵により占拠されつつあった。
護衛に雇い入れた傭兵のレイスタは既に屍の入った鉄屑と化した。
軍の出動に期待したいがこの地域の特殊な事情により軍の出動は期待できない。
かつてゲリラに所属していた人々も、MS相手では手も足も出ず機を伺うのみだった。
「ヒャハッハッハ! たまんねーな、こりゃあ! 宇宙(そら)で真面目にやってたのがバカみてえだ!」
狂った様な若い男の叫びとともに、標準型のザクウォーリアーがビーム突撃銃を民家に向けて乱射する。
住民は避難を終えているのか、悲鳴さえも聞こえない。
「だろう? ここは軍隊も来ねえ治外法権だからな、 働くのがバカバカしくならあ。 こればっかりはコーディネーターもナチュラルも変わんねーな」
ザクとは逆方向を向いたダガーLはいつでもザクのサポートに入れるように立ち、ビームカービンを街に向けている。
ベテランらしく警戒は怠らない年配のパイロットが笑う。
「女の具合と同じさ、やっちまえば、コーディーもナチュラルもかわらねえ」
下品というよりも下種な例えをしたのは街の入り口に立つM1アストレイ。
「そうだ、おい! 適当に女を連れて来いよ」
スピーカーを使い、歩兵に命令を下す所を見るとこいつ頭だろうか。
命令を受けた歩兵、(といっても装備も、銃器もバラバラな盗賊だが)は下種な笑みを浮かべながら周囲の民家に押し入り、品物を物色している。
盗賊達が幾つかの物品を手にして戻って来た時、足にクローラーを装備し、
背に対戦車砲と両腕に小口径機銃を、手にロケットランチャーを持った砂色をしたグティと呼ばれるアクタイオン社製パワードスーツが物陰から飛び出した。
「糞っ! あいつ等……もう我慢できない!」
グティから怒りを噛み殺しきれない女性の凛とした声が漏れる。
「止めろ! コニール、無謀だ!」
背にハンマーを装備し、アサルトライフルを手にしたダークグリーンの通常型のグティが砂色のグティの女性、コニールに叫んだ。
仲間の忠告をあえて無視してコニールは駆ける。
理性では分かっていた。 人間をほんの少し強化したPS程度で何十倍の体積を持つMSに太刀打ち出来る筈が無い。
だが、コニールの感情は叫び続けていた。
生まれ育った、ZAFTミネルバ隊、いや、あの人に救ってもらったこの土地を、あんな奴らの好きにさせるか、と。
目の前に見えるは奇襲に浮き足立つ歩兵、MSが何事かを叫んでいるがコニールには聞こえない。 聞く必要も無い。
散発的に打ち込まれる銃弾を避ける。 ニ、三発が当たるが装甲で受け止められる。 この程度の弾幕濃度では足止めにもならない。
お返し代わりにRPGを歩兵へと撃ち込み、銃弾をばら撒く。
弾幕が無くなった隙を付き、素早く近くにいたダガーLの背後に回りこむと足の間接膝部分に対戦車砲を撃ち込む。
不愉快な金属音を立て、砲弾は装甲に弾かれる。
歩兵の掃討には成功するも、ダガーLは大したダメージを負っていない。
「駄目か!?」
「野郎!」
怒りに燃えるダガーLがグティを捕まえようとするも、クローラーとジャンプを繰り返す、小回りの効くグティを捉えられない。
「退いてろよ。ウスノロ」
ダガーLを押し退ける様にザクが前に出る。
コーディネーターの乗るMS特有の滑らかな動きでグティを追い詰め、右手で捕まえる。
575MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:55:37 ID:???
「……ああ、くっ!」
ミシミシとMSと比べればダンボール以下の装甲が悲鳴を上げ、コニールは苦悶の声を上げた。
「捕まえたぜ、……お前のせいでやられた連中が苦しんでるじゃねえか」
外部スピーカーをオンにし、ザクのパイロットは含み笑いをする。
ザクのカメラの先には半数が死に、残った半数の歩兵達がいた。
生き残った全員がどこかしら傷つき、顔を血に染めた者さえも、全員がコニールを憎悪の目で見ていた。
「苦しそうだな、楽にしてやらねえとな」
瞬間、左手に持った突撃銃から閃光が奔った。
「なっ、お前! 仲間じゃないのか!?」
一瞬コニールは何が起こったか理解できずに、呆然と消し炭と化した盗賊たちを見ていた。
「仲間? MSも乗れない奴ら(ナチュラル)、仲間でもなんでもねえよ」
明らかな侮蔑を含んだ様子、まるで虫を踏み潰した時のような口調でザクのパイロット吐き捨てる。
「さあて、あいつ等の分まで苦しんでもらうぜ」
カメラをコニールへと戻し、一転して酷く嬉しそうな声、コニールには装甲越しで醜悪な笑みが見て取れるようだった。
「きゃあああああ!!」
ザクの右手がグティを締め上げる。 グティの装甲が限界を超え、一部の装甲が吹き飛び、ひび割れる。
「可愛い声上げるねえ! 興奮してきたぜ!」
ひひひ、と言うザクの薄ら笑いが、意識が朦朧とするコニールの耳にもしっかりと聞こえた。
「あんまりやりすぎるなよ。 使い物にならなくなる」
M1は頭部だけザクの方に向けると呆れたような声で注意を促す。
「分かってるよ」
頭部をM1へと向けるザク。 パイロットは不貞腐れた様な声を上げると右手の力を緩めた。
(……きっと私はこいつらに辱められる、だったらその前に……)
気絶する寸前まで追い詰められたコニールは右太ももにある『最後の武器』 22口径デリンジャーの感触を確かめる。
下種な連中が異性を捕まえた後、戦場でする事など分かりきっている。
幸運にもコニールは今までそういう目に合わなかったが、覚悟はしていた。
だからこそ、コニールは凡そ役に立たないデリンジャーを肌身離さず身につけていた。
装弾数一発の22口径は戦うのには役立たずだが、自殺するには十分だ。
(……畜生)
コニールの目に涙が滲む、自分の非力さ、守れなかった無念、様々な感情がコニールの中を駆け巡る。
グティの中で良かった。 あいつらに見られて快楽の種とされなくて済む。
そう思った時、ふとコニールの脳裏に、ある男の顔が浮かぶ。
この街を開放してくれた赤い目のぶっきらぼうで、少し頼りないように思えた、優しいパイロット。
もう一度会いたい。 そう思い心の中で彼の名を叫ぼうとした。
(──────)
576MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:56:56 ID:???

『悪趣味だな』
瞬間、声と共に、上空から降って来た『何か』にザクの右腕は切断された。
「な、なんだ!?」
右腕を失ったことでザクはよろめき、尻餅をつく。
粉塵と砂が周囲に舞い上がり目隠しとなる。
「……無事か?」
コニールは聞いた。 どこかで聞き覚えのある男の声を。
そして現在の状態に気づいた。
突如上空から降って来た『何か』は血のように赤く塗られたグフ。
そのグフの左手にコニールが握られ、切り落とされたザクの腕がある。
右手には緑色に輝き、燐光を放つナイフが握られて、今丁度収納しているところだ。
上空から一気に降下し、奇襲を掛け、ビームナイフでザクの右腕を切断、そして地面に落ちる前に回収したのだ。
「……ああ、大丈夫だ。お前は一体?」
コニールの質問を聞きながら、片膝をついた真紅のグフはグティに絡みついた指をグティを傷つけない様に引きちぎった。
「傭兵だ。 赤鬼って呼ばれている」
短く答えると、赤鬼はコニールをグフの掌に乗せ、そっと地面に降ろす。
グフのパイロット、赤鬼と名乗った傭兵の声をコニールは聞いた事があった。
今わの際に思い浮かべた、この街を開放してくれた赤い目のぶっきらぼうで、少し頼りないように思えた、優しいパイロット。
そしてコニールが憧れた恩人。 ……だがそんな筈は無い。
そう、彼は、シン・アスカは死んだ筈なのだ。
「ん? どこか怪我をして歩けないのか?」
「いや、だって! おま、いえ、貴方は……」
「コニール! 無事か!?」
呆然とするコニールの耳に仲間の声が飛び込む。
「ん、仲間が来たのなら移動できるな」
コニールが怪我をして歩けないと勝手に思い込んでいる赤鬼は一人頷く。
「あ、ああ、あいつに助けられた」
駆け寄ってきた5体のグティ、その内のリーダー格に深紅のグフを指差す。
「そうか、助かった、あん……」
「感動の再会中にすまないが二つ聞きたい。 野盗は今いるので全てか? 住民の避難は終わってるか?」
リーダー格の男の言葉を遮り、赤鬼は矢継ぎ早に質問を繰り出す。
「避難は終わってるが、ディンが二機いない。 ……信用していいのか?」
男は反射的に答え、逆に問う。
もしかしたらこいつも野盗で、金品を独り占めする為、情報を必要としているのかも知れない、と急に思ったからだ。
「信用第一が傭兵だ」
そんな思惑など意に介さず、赤鬼は答える。
「おい! お前……本当に信用していいんだな!?」
そのやり取りにコニールが足を引きずりながら割り込むと叫んだ
「ああ、大丈夫だ。 俺に任せろ」
そう言うと器用にグフの右手でサムズアップして見せ、ゆっくりと立ち上がる。
「大丈夫なのか、あいつ」
「ああ、あいつなら大丈夫さ……多分」
後退するリーダー格のグティの呟きに、後続する二体のグティに肩を借りながらコニールは力強く答えた。
577MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:57:56 ID:???
「野郎! 正義の味方気取りか? 気に入らねえ……」
粉塵が収まり、開けた視界に深紅のグフが立ち上がるのを確認した片腕を失ったザクがビーム突撃銃を構える。
ザクのパイロットは明らかに冷静さを欠いていた。
本来であれば、数の利点を生かし、友軍と連携をとり十字砲火で仕留めるべきだった。
だが、ザクはグフへと突撃する事を選んだ。 コーディネーター故の傲慢さか、腕に自信があったのか。
「迂闊な!」
シンはグフの腰部後ろにマウントしていたビームサブマシンガンを手にし、左手で支える。

ビームサブマシンガンRBW−99「ザスタバ・スティグマト」
ユーラシア連邦東側地区(旧ユーゴスラビア)にあるザスタバ社製世界初のカートリッジ式ビーム兵器だ。
近中距離戦闘を重視して設計され、白兵戦闘を考慮して銃口上部、銃口とセンサーの間に銃剣としてビームナイフを装備している。
元々ユーラシアのCAT1-X、ハイペリオンに装備されていた物だが、運用部隊の脱走により闇マーケットにコピーが大量に流出。
また、メサイア戦後、大西洋と袂を分かち、主力量産機をGAT。 ダガー、ウィンダム系列から自国開発のCATシリーズへと切り替え
CAT−3M 量産型ハイペリオンMK−2、ヘリオスの量産化が進められた為、改良型やカートリッジがザスタバ社により大量生産されており、裏の世界では比較的ポピュラーな武器だ。

射撃モードを連射ではなくセミオート状態に変え、迷う事無く、コックピットを狙い、トリガーを引く。
吸い込まれるようにコックピットへと向かった3発の光弾はそのままザクの装甲を貫通し、パイロットの命を奪った。
糸が切れた人形のようにその場に各座するザク。
一瞬にて静まり返る戦場。 

数瞬にも満たない僅かな時間、その間にシンは頭の中で別の事を考えていた。
傭兵になり、世界中を回って一年が過ぎた頃、シンは自分が間違っている事に気付いた。
力の無い人を守る。 それはただ勝者と戦い続けていれば良いと思っていた。
だがこの世界は、力の有った者が敗者へ、力の無かった者が勝者へ簡単に変わる。
なら力の無い人達は何処にいる? 
シンが連合から救ったと思い込んでいたガルナハンでさえ、住人達は連合兵を虐殺したと聞く。
寧ろ、その話を聞いたのがシンがガルナハンへ足を運ばせた理由だった。
結論から言えば、答えは出ている。
戦うのは人ではなく、戦うべきは戦争と言う名の悪意。
断つのは人の命ではなく、断ち切るのは憎悪の輪廻。
アメノミハシラで悩んでいた答え。 見えた光明の一つ。
無論、自分一人でできると思うほど傲慢じゃない。
「また人は花を吹き飛ばす。……でも僕らはまた花を植える」
キラさんの言った『花』が人でないことは分かっている。……でも俺はその考えを認めたくない。
確かに新しく植えられた花は美しいだろう。 だが、吹き飛ばされた花を愛した人はどうすればいい?
アスランもまた言っていた。 「過去に捕らわれるな、明日に目を向けろ」
あの人達が吹き飛ばされた花を見ないと言うならば、吹き飛ばされた花に捕らわれずに、新しい花を植えるなら。
俺は今生えている花を守ろう。
もしかしたら、一本も守れないかもしれない。 でも一本でも守れたなら、花は実を付け、種を蒔く。
その種の中から、俺のように思ってくれる人が出てきてくれれば……きっと憎悪の輪廻は断ち切れる。
だから、俺は礎でいい。 いつか世界が平和になる日を夢見て戦い続ける。
これは、この残酷で無慈悲な世界に対する逆襲だ。
578MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 13:59:51 ID:???

「散解しろ! 一ヶ所に集まるな、囲んで集中砲火を浴びせるんだ!」
いち早く気を戻したリーダー格のM1アストレイは、舌打ちをすると素早く命令を下す。
それに素早く反応し、陣形を立て直したのを見ると只の軍隊崩れではなく、ある程度の技量を持ったベテランの集まりだ。
だが、普通のパイロット相手ならば包囲しての十字砲火は十二分に有効な手だったが、今回は相手が悪かった。
有効射程に入るとM1とダガーLは手にしたビームカービンを乱射する。
シンはグフの右手のスレイヤーウィップを引き出すと、円を描くように振り回し、攻撃を防ぐ。
機体構造上、グフイグナイテッドでは持てたシールドを、グフクラッシャーは持てない。
本来であれば機動性を生かし、回避をする事が基本となっているが、戦場では機動力が十分に発揮できる場所ばかりではない。
その為、アメノミハシラ技術主任、ユン・セファンの提案により、スレイヤーウィップにABC、つまりアンチビームコーティングが施され、シールドの代用品としていた。
元々は傭兵部隊サーペントテールが機動性の低下を嫌い、対装甲ナイフ、アーマーシュナイダーにABCを施していた事に着想を得たらしいが。
地球連合ではGAT−X358 レイダー試作実戦投入型では破砕球ミョニュエルのワイヤー部分に同じ処理をしていたと言う話がありさほど珍しい話ではなかった。
グフはウィップを振り回した勢いを殺す事無く、そのまま近くにいるダガーLに目掛け、投げつけた。
十分以上に運動エネルギーを得たウィップは投槍の如く、真っ直ぐにダガーLへと向かって行く。
一撃にてダガーLの頭部を吹き飛ばしたウィップをそのまま撓らせ、腕を絡めとった。
腕を絡めとったまま、そのままウィップを収納し、近くへと引き寄せる。
背中の方に左腕を折り曲げ、左肘の万力を展開する。 グフクラッシャーの特殊兵装インパクトデバイス。
その威力は瞬間最大圧搾力300万Gを発揮し、PS装甲すら砕きうる。
その圧倒的な暴力の化身が今、ダガーLのボディを捉えた。
「喰らえっ!」
イグニッショントリガーを引く、弾ける様な音ともに、炸薬カートリッジが排莢される。
金属同士が擦れ、軋む不愉快な金属音ともにダガーは腰から真っ二つにへし折れた。
ダガーLの残骸を蹴り飛ばし、M1へと向きを変えるグフ。
「何なんだよ。 何なんだよ、お前はっ!」
半ば狂乱したM1のパイロットは恐怖を紛らわせるためか、目前にいる深紅の破壊者へとビームカービンを向ける。
モノアイだけをM1へと向け、再びスレイヤーウィップを伸ばす。
その瞬間、ユン・セファンによって増設強化された音響センサーがジェットの駆動音を感知、警報を鳴らす。
「増援、二機のディンか!」
シンは舌打ちすると上からの銃撃を横っ飛びに避け、態勢を立て直す。
上空を見ると、いつの間にかガルナハンへと戻っていた二機のディンがグフクラッシャーへと4つの銃口を向けていた。
シンはすぐさま左腕のコントロールをマニュピレイターへと戻し、スティグマトを乱射。
二機のディンが回避のため、編隊を崩した隙にフライトユニットを展開、バーニアを吹かし、飛翔する。
グフクラッシャーの邪魔をしようとするM1の銃撃を黙らせるため、左腕を正常な位置へと戻し、銃撃し、牽制する。
その間に右腕はフライトユニット上部に取り付けられた破砕球とスレイヤーウィップを連結。
アメノミハシラの次期主力機用に試作された高出力バーニアは、離れていたディンとの距離を瞬時に詰める。
579MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 14:02:32 ID:???
「遅いっ!」
余りの速度に戸惑うディンへと破砕球を叩き突ける。
くの字に折れ曲がったディンはそのまま街の外へと吹き飛びスクラップと化した。
恐慌状態になりかけたもう一機のディンが突撃銃と散弾銃を乱射する。
だが既にその場にグフクラッシャーの姿は無い。
いつの間にか背後に回っていたグフはスティグマトの銃剣ビームナイフをコックピットに刺し入れ、防護カバーが開き、モノアイから光が消える。
シンは銃剣を抜くと、街に落ちないようにディンを街の外へと蹴り出す。
「俺と生き残った連中の命は保障してくれるんだろうな」
グフが呆然と立ち尽くすM1の前に着陸すると、 M1はビームカービンを捨てた。 
降伏する意思表示だとシンは認識し、パイロットへ通信を入れる。
「無駄に命を散らすよりも、今の命を惜しむか。 賢い選択だ、約束しよう。 武器を捨てて降りて来い」
僅かな間が空き、M1のハッチが開かれ、壮年の男が両手を上げ、ゆっくりと出てくる。
「……何なんだよお前」
呆然と、誰に聞かせるでもなく呟いた独り言にシンは答えてやる事にした。
「別に、只の傭兵だよ」
平然としたシンの呟きも、M1のパイロットにはどこか遠い事の様に聞こえた。
M1のパイロットは自分達を一蹴した敵を見上げる。
そこには深紅のグフが、故郷オーブの寺社で見た仏像、阿修羅であるかのように彼の前に立ちはだかっていた。


「何故命を助けた?」
砂塵吹き荒れる砂漠にオーブのパイロットスーツを着た白髪交じりの中肉中背の男がいた。
その背後には二人の男、ディンとダガーLのパイロットだった男達だ。
ついさっきまでM1のパイロットだった男は、目の前の自分を打ち負かした余り背が高いとはいえない赤いパイロットスーツを着た、
猛禽の嘴のようなヘルメットを決して外さない傭兵、赤鬼へ問いかけた。
「生きてるなら無駄口を叩かずにさっさと逃げろ、俺達は戦争をしていたんだ、ヒーローごっこをしてるんじゃない」
皮肉げな声で答える赤鬼、といっても何重にもフィルターを通しているようで、本来の声ではない。
「ふざけるな! 人殺しが仕事の傭兵がっ! 戦争なら殺せ!」
M1のパイロットの後ろに立つ生き残った若いディンのパイロットが叫ぶ。
「俺は無駄な殺しはしない」
「大勢殺したくせによく言う」
金髪のその男、(整った容姿から恐らくコーディネイター)は吐き捨てるように言った。
「互いが銃を向け合って、命を掛け金にして、戦って、その結果がこれだ。 アンタも命を切り売りしてたんだ、分かるだろう?」
「クッ……」
赤鬼の平然と、どこか達観した答えにディンのパイロットは俯く。
沈黙が辺りを支配し、風の音だけが聞こえた。
「早く行けよ、次に会ったらもう容赦はしない。 傭兵は何よりも命を大切にする。……生き残った命だけだけどな」
「誰よりも多く死と向き合い、命の意味、価値を知ってるからだ」
「アンタ達は生きてる。 ……できれば盗賊なんて止めて真っ当な仕事で全力を尽くして生きてくれ」
どこか悲しそうに、憂いを感じさせる声で言うと、赤鬼はグフクラッシャーの昇降用ワイヤーに足を掛けた。
「盗賊は廃業だな、……傭兵、赤鬼か」
M1のパイロットの憮然とした呟きはグフクラッシャーのフライトユニットの稼動音に掻き消され、誰にも届くことはなかった。
580MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/05(金) 14:09:17 ID:???
以上です。
お詫びと訂正。
作中GAT−X370レイダーを後で直そうと思い、わすれていて、GAT−X358などと言ういい加減な数字のままでした。
今後はこのような事がないように気をつけます。 レイダーが好きな人、ごめんなさい。
初めて、長い戦闘シーンかいてみたのですが、なにか突っ込みどころ、矛盾点、ご感想、ご批評等がありましたらお願いします。
それでは。 
581通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 15:36:04 ID:???
GJ やはりシンにはこういうのがよく似合う
582通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 17:58:14 ID:???
ガルナハン人気あるな
583通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 18:17:04 ID:???
テロリスト「アウトローの楽園ガルハナンは終わった!何故だ!?」
584通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 18:56:44 ID:???
戦士が唯一生の充足を得られる場所・・・
585通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 19:12:17 ID:???
>>582
画面に出てきた中では数少ないピンクに洗脳されてない所だからな>ガルナハン

種死本編でコニールの「私たちを助けてくれたのはザフトだ!」にはかなり救われた
586通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 19:52:04 ID:???
だが、このスレで最も碌な目に遭ってないのもガルナハンじゃねーかw

盗賊の襲撃食らうわ粛清で虐殺食らうわ、記憶が不確かだけど多分金的伝説生まれるわ
でホント呪われてるんじゃないかってぐらい酷い目に遭ってる
587通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 20:42:39 ID:???
>>586
それだけ印象に残ってるんだろうけどな。
静かなる逆襲を始めたシン…かっけぇよ…
588217:2008/12/05(金) 21:53:07 ID:???
また、投下させて頂きます。

今日は規制に引っかかりませんように……
589217-1/9:2008/12/05(金) 21:54:39 ID:???
 オカルトマニアの主張によると、宇宙人の乗る空飛ぶ円盤、UFOと言う奴は、慣性制
御を完備していて、どんなに不規則な飛び方をしても、中は停止しているかの様に静かな
のだと言う。合理的な話だ。宇宙に住む、半端な宇宙人気取りの造った半端な円盤が備え
ていたのは飛行特性だけだ。
「シン!」
 散々に振り回され、マッシュポテトになった脳みその中で、誰かの声が潰れた。思い出
すには、少しばかり時間が必要だった。その少しがどのくらいかは分からない。ぐちゃぐ
ちゃに潰れてしまったのは、時間も同じだ。
 意識がようやく四次元の宇宙に戻って来た時、喉を冷たい感触が這い落ちた。
「シン!」
 無線越しの声だ。それでも、方向と距離を割り出すのは簡単だった。自機にスライムの
粘着で貼り付いた敵機を、どうやったら見失えるだろう。
 ジャスティスは健在だった。ヴォワチュール・リュミエールの光波リングを1ダースは
貰いながら、自転車に蹴り付けられたトラックほどの損傷も見せないMSの存在を、俺の
乏しい常識が拒んだ。そんな相手を、どう倒せばいい?
 計器に目を落とす。エネルギーはどれだけ残っている。今、何が出来る。その時、左に
振れ切ったメーターが、俺に自分の常識を信じても良いのだ、と教えてくれた。
 鼓膜の裏で、心臓が鳴った。アダムスキー・ザクの出鱈目な加速性能。燃費はタンクを
輪切りにして燃料を投棄しているのと変わらない。ヴォワチュール・リュミエールはジャ
スティスを引き裂く前に、その力を失っていた。そして、推進力を失った物体は、二度と
帰って来られないのが宇宙空間だ。
 かつて、考えた事がある。フリーダムに手足をもがれたパイロット達は、一体、どんな
風にして、数十時間後、確実に訪れる最期と向かい合ったのだろう――――。
 冗談じゃなかった。本体の燃料はまだ残っている。だが、それを一滴残らず投じた所で、
現有速度を潰すには足りない。このままでは、最悪の想像が、現実の災禍となって、俺を
宇宙の果てへと放り出す事になる。
「止せ!シン!手を放すんだ!」
 レバーを握り潰そうと無駄な努力を続けていた両手が、その声で現実に帰って来た。正
しく、希望の声だった。目の前には赤色も鮮やかに輝くPS装甲。そうだ。バッテリーも
燃料も、目の前に有る。
「俺を説得するんじゃなかったのか?」
「シンっ!」
 声に動揺が滲んだ。デスティニーでグフを追い回してやった時だって、こんな声は聞い
ていない。どうやら平和を守る正義の力を以てしても、俺の平和な人生を守るには心許な
いらしい。
590217-2/9:2008/12/05(金) 21:56:20 ID:???
「シン!放せっ!」
「放すもんかっ!」
 放す訳にはいかなかった。幾ら、ヨウランの比較的罪が無い悪戯、ヘルメットの中にト
リモチを仕込まれた時の様な声を上げられたって、絶対に放してやる訳にはいかなかった。
心中の相手としては最悪だが、助かる方法は他に無い。
「放せっ!放すんだっ!」
「やなこった!」
「シン!言葉の意味が分からないのかっ!」
「聞けよっ。俺には人生で絶対に我慢ならない事が二つあるっ!プラント式の朝食と、ア
スラン・ザラって奴の言うとおりにする事だっ!」
 答えは聞き取れなかった。17.5o弾が俺の鼓膜を引き裂き、瞼の裏で立て続けに弾
けた。炸薬の閃光と、着弾の衝撃と、正義のロボットが、モニターの中でグルグル切り替
わった。
 兎に角、計器から目を離さない事だ。前が見えなくなって、しがみ着くくらい出来る。
PSがダウンしたアダムスキー・シルエットでも、CIWSに対する盾としては充分だ。
距離が離れたが最後、歌姫の騎士は束と抱えたビームサーベルの峰打ちで、俺を太陽系の
外へと平和的に放り出すだろう。
 二門の機関砲がアスランの声を五○○節に切り分けた。何を言っているのか全く分から
なかったが、多分、聞き取れた所で同じだった。
 腿には立て続けに膝がめり込んだ。ザクの丸い頭を支える首が、赤い掌の下で悲鳴まじ
りに閃光を吐いていた。口から生まれた男の手足だって、その舌よりも本心に忠実なのは、
当たり前だった。
「なにっ……!」
 弾着音に声が割り込んだ。機関砲の32ビートは鼓膜に金属の感触を残して消えていた。
「弾切れだと……っ!馬鹿な……っ!そんな事がっ!」
 トリガーを引きっぱなしじゃ、機関砲弾なんて数秒で打ち止めだ。何を驚いている。数
年ばかり早くパイロットになった男に、常識を教えてやろうと思った時、現役時代の出来
事が脳裏を過ぎった。
「フリーダムは核動力機だ。補給や整備を必要としない」
 あれ、冗談じゃなかったんだ。
 あの時、俺は笑わなかった。仮にも軍人だ。腹筋は鍛えてある。
 今はどうか。やはり、俺は笑う気になれない。笑っている余裕なんて無い。三○○○発
の砲弾に揺さぶられながらも、瞼でかじりついていた計器。
 レーダーの先に、母船が見えた。
 どうする?下手に減速をすれば間合いが離れる。ザク・インパルスが平和的に手足をも
がれるまで、三秒で足りるだろう。けど、俺達は今、単艦で航行しているんだ。母船に下
手な損傷を与えようものなら、船旅と人生とが一度でお終いになる。
 正義の翼が炎の眩さで宙を蹴った。ジャスティスには未だ充分な燃料が残っていて、我
が身を守らないといけないのはあちらも同じだった。自分が“下”とあっては尚更だろう。
「シン!」
 耳障りな声が耳障りに滲んだ。衝突の寸前、アクセルを踏み込むドライバーを前にすれ
ば、誰だって狼狽する。だけど、相手以上に衝突を望まない筈の失業者は、油脂まみれの
クロワッサンと同じくらい奴の思い通りにするのが嫌いで、なにより仲間の声が聞こえて
いた。
「シン!そのままだっ!コンテナブロックを一つ切り離す!」
591217-3/9:2008/12/05(金) 21:58:04 ID:???
 二つのバーナー炎が、二機のMSを押し潰した。ジャスティスとザクじゃ推力の桁が違
う。それでも母船との位置関係は、俺達の諍いを許すほど大らかじゃなかった。衝突。
 モニターがバラバラに割れた。どてっ腹に風穴を空けられたコンテナが、腹立ち紛れに
脊髄を断ち割り、コンマ数秒の時間を俺の脳から蹴り飛ばした。宇宙の欠片が好き勝手な
方向に回り、元の方向を取り戻した時、赤い機体が走行クレーンと数本のブームを纏めて
へし折った。
 喉が灼けた。酸っぱい感触を腹の底に押し戻しながら、回る目玉で見覚えの有る装備を
捉えた。この狭い中じゃ、シルエットを排除する事もままならない。奥歯みたいに揺れる
鱗を引き剥がしながら、ザクの右腕がハラキリダイナミックを引き抜く。クズ鉄の山の中
で、赤い機体が一転したのは、その時だ。
「シンっ!この馬鹿野郎っ!」
 剣光一閃。振り抜く刃と同じ勢いで、腕が飛んだ。どちらの?言うまでも無い。ザクの
電力が許すのは、復列砲刀の一振りこっきり。ジャスティスの脛にサーベルが残されてい
る以上、互いの腕を交換してしまう訳にはいかなかった。赤い装甲が迫る。ビームの刃が、
一つの光点に変わる。空間戦闘におけるMSの視界は、コックピットを中心に設定されて
いる。
 装甲が灼けた。シルエットのPSは落ちてる。ザクの装甲なんて、ビームサーベルの前
じゃブロックチーズと変わらない。セーフティ・シャッターと言う言葉が脳裏を過ぎる。
 瞳孔が赤く溶けた。パイロットスーツが焦げ、産毛が逆立ち、皮膚が焼け付いた。狭い
コックピットがたちまちオーブンに変わる。
 それも光点が掌より小さくなるまでだった。
 反射的に捻った機体を、真っ直ぐに後退させた。加速に勝る相手には自殺行為だが、今
回に限って、心配は無かった。
 炭素鋼が軋んだ。ジャスティスの前には、拉げた隔壁とブームが立ちはだかっていて、
コンテナブロックを押し潰した何かが、その腕を払い落としていた。
「ルナか!助かる!」
 宇宙の闇が、目に優しかった。飛び出すと当時の一言に、俺は疑問を覚えなかった。つ
い数分前、ルナはベッドで唸っていた。それにしたって、アレックスやアビーが母船のク
レーンを鈍器に変えたと信じるよりも、余程納得がゆこうと言うものだ。
 拉げた外壁から、何かが飛び出した。コンテナをミルフィーユの出来損ないに変えた巨
大クレーンだって、戦艦をも真っ二つにする必殺の兵器、ファトゥム−01の一撃に耐え
られる訳が無い。
 正直に危なかった。もし、リフターのタイミングがあと少しばかり遅れていたら、どう
なっていたか。ザクの右腕は、コンテナに対艦刀を突き立てた正にその瞬間、綺麗に切り
落とされていただろう。
 耳の中で、誰かが息を飲んだ。
「シン!討たれたからって、討って、討たれて、それでお前の欲しがっていた平和が本当
に来るのかっ!シンっ!」
 今この瞬間、世界の誰よりも平和を望む声が言った。だけど、生憎、失業者の元軍人は、
つい数時間前、平和にさよならを告げたばかりで、なにより背後から迫るリフターに気付
いていた。


592217-4/9:2008/12/05(金) 22:00:03 ID:???
 歌は止んでいた。九つのビーム砲で内から突いた時、貨物船のコンテナは風船みたいな
物だった。
 尖った耳鳴りが、有り得ない何かを探している俺を詰った。アメリカ人は映画館に車を
持ち込んだ。ニホン人は車に映画館を持ち込んだ。だからと言って、あらゆる文明を超え
たプラント人が、MSにオーディオを持ち込む理由なんて有る訳が無かった。
 頭蓋骨から無謀な脱出を試みた脳みそは、クリームシチューに化けている。世界とまと
もな会話をするには、もう暫く時間が必要だ。
「シン、無事か!」
 数時間前に出会った男の声に、懐かしさを覚えている自分を発見するのと、前後の記憶
が手を繋いで、するべき事を囁いたのは、ほぼ同時だった。
「ああ。多分」
「すまん。ルナマリアを止められなかった」
「でも、助かった」
「そちらの位置は確認出来ていなかったんだ」
「だろうね」
 意外だった。鞭打ち患者の無茶が、じゃない。射撃が苦手な元赤服は、その場に居なが
ら、自己弁護も抗議もしないほど大人しい性格じゃない筈だ。
 ゆっくりと減速。計器を確認する。乗機の状態は分かった。自分がどこに居て、どこに
向かっているかを把握するには、もう少し記憶を探って見る必要が有りそうだった。自分
の手足がどこに有るかを確かめようとした時、ジャスティスの残骸が目に止まった。
 手足が無かった。頭が無かった。勿論、俺のじゃないけど、おかしな話には違い無い。
あの状況で、どうして四肢だけが綺麗に無くなる?どうして、コックピットブロック周辺
だけが無傷で残る?全く、辻褄が合いやしない。おまけに、ヴォワチュール・リュミエー
ルで撫でてやっただろう、ガイアやドムまで同じ状態なんだ。全く、どうなっているって
言うんだ?
593217-5/9:2008/12/05(金) 22:01:44 ID:???
「悪運の強い奴らだ……て事でいいのか?」
 余計な独白に答えを返さないアレックスの性格に、俺は二つの簡単な事実を思い出した。
レシーバーは母船と繋がりっ放しで、歌うのは桃色の公共電波で平和に目覚めたラジオに
限らない。
 溜息の中に、数分間の記憶が溶けた。
 不思議な話だった。レシーバーから歌声が届いた時、苛立ちが消え、スカっと頭の中が
冴えるのを感じた。こんな事は始めてだ。
「サンキュー」
「誰に言っている?」
「さっきの歌さ。カッカきてたからさ。おかげで助かった」
「あ、あのっ……こちらこそ、ありがとうございます。落ち着く声だ、て言ってくれてい
たでしょう。それで咄嗟に」
 へまをした子供が、それでも良い所を見付けてくれた大人に対するみたいな声だった。
「こちらはいい迷惑だ」
「迷惑?」
「ギルとアビー。ルナもだ。頭痛で唸っている」
 無線機の向こうで、小さな声が項垂れた。この前、言っていたのは、こう言う事なのか?
「お前は大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫だ。俺はな」
「引っかかる言い方だな」
「じき、判る」
「何がだよ?」
「何故、三人がこうした影響を受けているのか。何故、この依頼人がクライン一派に追わ
れているのか」
 それは俺も気になっていた。一応、警察権を持たない筈の軍が出張って来た事に始まり、
キラ・ヤマトまで顔を出し、宇宙戦艦にMS、ついにはインフィニット・ジャスティスと
来た。どうして、一人の人間をそこまでして追い回すのだろう。
 目の片隅を、アカい機体が掠めた。
「何も知らないのは、俺も同じか……」
「コニャックとクロワッサンをこよなく憎む男が、耳を貸さなかったからな」
「……」
「そうそう。アプリリウスでは、今夜から雪を降らせるそうだぞ」
 コロニーは人工の空間だ。自然の気紛れには悩まされないで済む代わりに、別の問題が
起こる。地球では仕方が無い、で済む気象の変化が、忽ち騒動の種になる。暑い日はむし
ゃくしゃするからと放火が起り、寒ければ暖を取る為にと放火が起こる。朝から晩まで、
気象局の電話が鳴りやむ事は無い。
 コロニーからそんな悪弊を一掃したのは、例によって例の如く、平和の歌姫だ。自由な
女神の気紛れとあっては、それこそ仕方がないで諦めるしか無いじゃないか。
594217-6/9:2008/12/05(金) 22:03:30 ID:???
「……ま、まあ、その辺りは後でゆっくり聞かせて貰うよ。それより、こいつらはどうす
る?」
 眼下に五つの達磨が浮いている。誰の願いも託されていない達磨だ。世の中が何も見え
ていないと言う点で、両目が入っていないのと変わりが無い達磨だ。
「人質にはならんだろうな。捕虜を取る余裕も無い」
「なら、トドメを刺しておくか?」
 火器管制コンソールに指を走らせ、ハラキリダイナミックから八つの砲口を切り離す。
手元に残されたのは、MMI−669B「ヤッパ」ビームナイフ。「ハジキ」モードを選
択すれば、ビームピストルとしても使える万能兵器だ。ザクの腹はとっくに空っぽだけど、
こいつくらいなら、まだ使える。とは言え、ジャスティスのセーフティ・シャッターを貫
けるかと言うと、心許ない。
「待て。シン」
 安全保障や治安維持に否定的な平和主義者も、自分の身が危険となれば血相を変える。
だが俺の提案に抗議したのは、俺と一緒に平和と訣別した筈の男だった。
「お前の機体には必要な火力が残っていない。我々には時間が残っていない」
「放っとけ、て事か」
「言っただろう。目的地に着けば何とかなる。追っ手はそいつらが最後じゃない」
「……なるほど。分かった」
 モニターの片隅を、ジャスティスの残骸が泳いでいる。スラスターは沈黙したままだ。
両手両脚ばかりで無く、逃走の手段まで失った時、自分とお友達以外が付ける階級章を殺
人許可証だとでも信じている様な男が、黙っていられるとも思えなかった。
 ジャスティスにとりつく。
「……シン……何をする気だ?」
 レシーバーの中で、二つの声が入り交じった。アレックスが訝しむ一方で、眼前の声は
片脚を夢の世界に突っ込み、意識と舌に痺れを残していた。
「キラ・ヤマトを見習おうと思ってね」
 上半身をリリース。ザクのチェストはフライヤーで、曲がりなりにも単独での飛行能力
を備えている。バーナー炎が夜に溶けて行く。
 俺は始めて、キラ・ヤマトと歌姫の騎士団を理解した。武装を失い、機動力を失ったM
Sは、誰かが回収してやらなければならないに決まっている。
「シンっ!お前っ!」
 ジャスティスの姿が消える。罵声だけが、耳に残った。


595217-7/9:2008/12/05(金) 22:05:13 ID:???
 昔々のお話だ。
 民主化の進んだ、当時で言う所の西側諸国じゃ、人命の価値が驚くべき勢いで高騰した。
一時期、一人の命が地球より重かったと言うのだから驚かされる。結局、行き過ぎたバブ
ルは弾けちまったけれど、それでも民主国家国民一人あたまの値段が、共産圏に100倍
する状況は変わっていない。
 東側は逆だ。命なんて安い物だ。支配者の気紛れ一つで、いとも容易くドブに投げ棄て
られる。
 西側諸国は小銃に5.56o弾を詰め込んだ。標的に即死を許さず、敵軍に護送の人員
を割かせるのが目的だ。
 東側諸国は7.62o弾を用意した。確実に相手の戦力を削がねば、自分達が危ない。
 だけど、疑問が残る。
 共産ゲリラやアラブのテロリストが、足手纏いに人員を割くだろうか?
 マスコミと国民の目に怯え、女性隊員がセクハラを訴えれば部隊の機能が丸ごと止まる、
そんな西側の兵隊を一撃で殺してしまうのが、本当に合理的だろうか?
 結局、軍隊は人間の集まりだ。自分を基準に物を計る。歌姫の騎士団が近いのはどちら
だろう?そして、元国家元首の息子が、異国の一武官、ゲリラの一パイロットに落ちぶれ
るまでの間、誰の恨みも買わずに済むとも思えない。
 裏切り者を心配している元ZAFT軍人を、意外だとは思わなかった。武装警察に「総
括」を強要されていた退役軍人を解放したのは、確かにあの男だ。誰かが“いい奴”を演
じるのは尋問、洗脳の常套手段だが、多分、そこまでの考えは無かっただろう。
 アスランは悪党じゃない。ただ、銃口と平和を交換出来ると信じてしまう様な、少年の
心を忘れない男に過ぎないんだ。


596217-8/9:2008/12/05(金) 22:07:14 ID:???
 打ちっ放しの金属を剥き出しにした艦橋は、一部の大西洋連邦人が住居代わりにする貸
し倉庫の塩梅だった。それぞれが遮られる事の無い、無数のステーションでは、空の椅子
が所在なさげに左右を見回していた。真ん中の艦長席に座る社長の背中は、今日、店を潰
して夜逃げを算段している店主のそれだった。
 たった五人には広過ぎる艦橋の顔ぶれは、少し変わっていた。
「ルナ。もう、大丈夫なのか?」
「ううん」
 ぶ厚いカラーと、筋を違えた首が、ルナに振り向く事を許さなかった。
「横でも縦でも、あまり変わらないから」
 “下”が無いと言うのは、本当に厄介だ。
 アビーは何事も無かった様に、端末と睨み合っていた。社長は隔壁の向こうに居る誰か
と、無言の相談を重ねていた。三人の頭痛の種は、どこにも見当たらなかった。
「シャワー。覗いちゃ駄目よ」
 小さな親切と、大きな御世話が手を繋いで飛んで来た。
「早く変装解きたい、て言ってたからな」
「分かっていたのね」
 尖り目の顎が、ツイとそっぽを向いた。外貨が通用しない下町のマーケットで、腐って
いない卵を見付けた口振りには、どこか軽侮の色が混じっていた。一体、なんだって言う
んだろう。
「あー……うー……」
 何か言ってやろうと思った時、暑さで頭をやられた扇風機みたいな声が、通路を伝って
来た。いや、扇風機ならキャスターなんて、不用意な物は付いてない。当然、何かに蹴躓
く事だって無い。
「ひゃっ」
 足を取られてひっくり返りそうになる声を、俺は反射的に受け止めた。
「気をつけろよ」
 その一声は、異次元に吸い込まれて消えた。声だけじゃない。意識がまるごと、過去に
溶けた。
 ZAFT軍人だった頃の話だ。知り合ったパイロットの一人に、出撃前には必ず煙草を
吹かす、と言う奴が居た。験担ぎだ、と言っていた。銘柄は地球の古い煙草「ラッキース
トライク」。
 俺の左腕に訪れた幸運は、ストライクと言うには、や……その、固くなかった。
597217-9/9:2008/12/05(金) 22:08:56 ID:???
「あっ……す、すみませんっ!……っ」
 水瓶座のB型が慌てて身を退き、後頭部から隔壁に激突した時も、俺は何も言えなかっ
た。
「あいたた……。あ、シンさんお疲れさまです」
「あ、ああ……」
「今、シャワー浴びて来たんですけど。本っ当!……シンさんの言う通りでした。後始末
で返って汗かいちゃって。大変でしたよ、もうっ」
 その言葉も、半分聞こえなかった。
 なるほど、ピンクブロンドを染めるなら赤毛と言うのも納得だが、それも殆ど目に入ら
なかった。
 顎と目が、まるで重力が有るみたいに落ちた。
「あ、この服ですか?借りたんです。換えに用意してあった物だそうですけど、サイズが
ぴったりでしたから」
 俺の目線を、18歳の学生は明後日の方向に解釈した。あちこち締め付けてるし、もう
苦しくて――――いつか聞いた言葉が、頭の中で渦を巻き、鼻から抜け落ちて行った。
「敵の目を欺かなければならなかったからね。どうやら巧くいった様だ」
「味方を一人だけ欺いても意味が有りません」
「大変結構な御趣味ですね、社長っ」
 アレックスの呆れた声も、使用済みのティッシュを抓む様なルナの声も、俺の前を素通
りして行った。
「よかった……」
 何かを考えるよりも早く、声が漏れた。幾つかの冷たい目線が俺の肌を撫で回していた
けど、今、地上で何が起きているのかなんて、全く興味を持てなかった。
「よかった……本当によかった……」
 この時ほど、神を身近に感じた事は無かった。
 俺は正常に生んでくれた母さんと、神様に御礼を言おうと思ったけど、生憎、頭上では、
錆の浮いた天井が、むっつりと黙りこくっているだけだった。



 続
598217:2008/12/05(金) 22:11:49 ID:???
以上です。今日は規制は大丈夫だろうか……

今更ながら、タイトル考えました。「平和の歌」です。

次回も宜しくお願いします。
599通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:28:51 ID:???
ロゴスにルクス・コーラと言う人物がいるがコイツは某所の00パロで絶望ビームにより種死開始一年前に漂流して来たコーラサワーを自分の娘と婚約させてしまうと言うとんでもない事をしでかした。

コーラサワーは模擬戦ではステファンと互角に戦うもののファントムペイン内で次々と愛人をこさえ撃墜されたらナースキラーになったりとやりたい放題。

ウィンダムをインパルスに唐竹割りにされても
ガルハナン編で蜘蛛に乗りセイバーに撃墜されても
穴だらけになったミネルバの艦橋をロックオンして「〜のキッスは頂きだ!!」とか何やら叫んだ後にガナーザクに撃ち落とされ勢い良く墜落し水面に当たった衝撃でバラバラになっても
愛人4号の乗るブルデュエルを庇いバクゥハウンドにコックピットをウマウマされても
月で運命に量産デストロイの頭部をヒートエンドされても
アイザッヘルと共に焼かれても

無 傷

そして00世界に帰還したコーラサワーは
大佐と気苦労で10才老けたコーラ嬢と00世界の愛人と元ファントムペインの愛人達と騒がしく暮らすのであった。


このスレのネオロゴスのコーラ嬢はモブでヨカッタネ(マテ)
600通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:59:08 ID:???
>>598
GJです。
投下間隔が短く、読みやすいのでありがたいです。
601通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:00:28 ID:???
ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u30443.jpg

ハ イ パ ー デ ス テ ィ ニ ー
602通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:05:41 ID:???
>>601
なぜだろう、SDガンダムの「機動武神 天鎧王」思い出した
あの顔型の岩→SD武者→リアル頭身に三段変形する、めい☆おー攻撃使うヤツ
603通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:15:07 ID:???
>>601
これって何のネタ? オリジナル?
誰かkwsk
604通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:31:27 ID:???
>>601
これなんてすぱろぼ?

デスティニーはあのデザインだから良いんだよ。
605通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:56:57 ID:???
>>603
劇種の絵コンテ
606通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:02:44 ID:???
絵コンテはこんなに描き込まないぴょん
607通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:11:19 ID:???
羽と腕以外は悪くないかも
608通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:21:01 ID:???
>>601
ノワールとソードを合わせた?
609通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:25:27 ID:???
>>601
造形は好きだけどごちゃごちゃしすぎてる感じがする
610通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:29:49 ID:???
>>601
WガンダムとZUが結婚したのかと
611通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 03:14:23 ID:???
>601
ごてごてし過ぎてびみょんだな
個人的にはもっと線を少なくしてシャープさを出してくれるといいな
612通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 04:19:45 ID:???
>>601
その絵、外部のどこだかいうオリガンサイトの奴じゃね?
613通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 05:11:03 ID:???
>>598
GJです
投下間隔が早くてノリノリですね
シンが初戦で凸に勝つとは…というか、ルナがナイスフォローだ
一歩間違えれば、種死の最終戦並に邪魔だっただろうけど、GJだ

ただ、ちょっと描写がジェットコースターで想像力を要求されるね
614通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 07:42:20 ID:???
シャワー覗けよ、ラッキーマン
615通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 11:50:11 ID:???
>>609
そうそれ、特に背面がごちゃごちゃし過ぎ
616通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 13:20:34 ID:???
>>601
これはアニメ制作現場には嫌われるタイプだな。
617通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 14:17:54 ID:???
>>613
色々ありすぎて 良くも悪くも大人になってしまったシンなら 凸には惑わされないでしょ この話だと かわいそうな子を見るような感じで凸を見てる気がしてならないw
618通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 15:37:24 ID:???
>>608
むしろW0カスタムじゃないか?
シルエットがまんまな気がする
619通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 17:10:22 ID:???
>>617
再登場できたとしたらその時は、体のあちこちに鈴をぶら下げて
ハッチャけた性格になり、大気圏外からガルナハンあたりに超長距離狙撃を
乱射するんですね、わかります。
620通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 19:59:28 ID:???
>>619 これだ! ライオン氏に期待
621通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 20:31:48 ID:???
そういやライオン氏の登場人物にウォフ・マナフっていたな、思いだしたけどゾロアスターの善神だ、アヴェスター語で「善い思考」
アシャっていうのもゾロアスターの善神だな
622通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 20:49:38 ID:???
フジリューのwaqでアシャっていた気がするけど、ひょっとしてそこからか
623通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 21:27:12 ID:???
自分達の事を神呼ばわりする時点でまともじゃないけどなー
624通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 22:37:35 ID:???
シンが部品の陳情書を1枚書く間に4枚済ませるアビーだが彼女はシンの仕事を手伝ったりはしない
その代わりにお茶を出したり頭から湯気を出しながら書類と格闘するシンの傍らで(゚∀゚)ニヨニヨしているのがアビーである。
625通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:21:20 ID:???
関係ないけどソフトバンクのスパロボ攻略本、キャラ紹介に差があるように感じるのは気のせいか

シン:戦争終結に強い使命感を持ち、その答えを議長に示されるたびにすぐ信じ、利用されてしまった
   自分の活躍に増長することも多い
シン(敵):疑念と信念の間で暴走しかけたが、アスランによって止められた
キラ:フリーダムの絶大な火力でも非殺を貫こうとした
アスラン:「信じるもの」に常に苦悩し、ザフト脱走後はキラと合流する
ラクス:議長とジブリールを否定した演説は大衆の胸を打った
ルナマリア:錯乱したシンに撃墜されかけ、アスランに救われる
レイ:クルーゼの意識と同化しかけるもキラに救われ、彼の言葉を真摯に受け止める
レイ(敵):シンをひそかに議長の思想に導く

まあ、あんまり役に立ちそうに無いからもうすぐ売っぱらうつもり
626通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:23:20 ID:???
>>625
なんか笑えてきたw
627通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:23:42 ID:???
今に始まったこっちゃねぇが酷いもんだなw
マジなのか、それ?
628通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:34:31 ID:???
今手元にある。ガチです
629通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:44:35 ID:???
何故だろう……腹が立つを通り越して言葉が出ないな。

>自分の活躍に増長することも多い
>議長とジブリールを否定した演説は大衆の胸を打った
増徴してるのは凸とキラだし、あの演説に感動(笑)する大衆って正気とは思えんのだが。
ライター、Zやったのかね?
630通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 01:10:25 ID:???
まあまあ、偏った認識の攻略本の事なんて1万2千年先に追いやるとして
このスレに投下された話のシンの格好よさとか、MSの素敵さとか、女性陣の魅力について語ろうぜ!
まずは最近減ってる貧にy(グシャ
631通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 03:06:55 ID:???
まあ、217氏のなんか普・巨・爆の三点セットで花だらけだし
MOR氏のもコニールは将来性有りだしライオン氏のはステラさん歳不相応にも程があるけしからんモノ持ってるしな……

まあ、シンはどっちかったらきょぬー好きのはずだs(粉微塵に
632通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 03:33:55 ID:???
ナイ乳派にとってGSC氏が最初にして最後の砦か・・・
お嬢様!?私をその虚乳を誉めっ(コキャッ
633通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 08:28:37 ID:???
昨日新規参入せんとクーポン券片手に古本屋で立ち読みしながら参考資料を探して買ってきた。

USA1〜2巻
4人いる!?
5人いる!?
A.D.Z1〜4巻
連邦愚連隊1〜3巻ジオンの幻陽1〜2巻
魔探偵ロキ1〜3巻
警死庁24時1〜6巻



……あれ?
634ライオン:2008/12/07(日) 11:22:30 ID:???
投下します。今回はこれからの話の方針を立てるため、非常に長くなってしまいました。
ですので規制を避けるため先に前半部分を投下しておきます。

――ザフト軍基地 ヘリオポリス駐屯所 取調室

取調室と言ってもオフィスの一角をすりガラスで区切っただけの粗末なもので、機密も何もあったものではない。
周りは先日の戦闘の被害や犯行グループの引き渡しの手続きに追われ、基地に勤務する大勢の人間が
すりガラスの向こうを右往左往しているのがうっすらわかった。

「ねぇねぇ艦長さん。カツ丼ちょーだい。カツ丼」
「いや、だから規律でそういうのはダメなんだって。ステラちゃん」
そこには軍人らしき男性と金の髪の少女が机越しに向かい合っていた。
少女の方は、まるで子供が晩御飯をねだるように机をバンバン叩いてる。
「ぶー。ケチー。そんなんだから奥さんに逃げられちゃうんだよ」
「フォンドゥヴァオゥ……それは言わない約束だ……」

あれから数日がたったある日。
ステラはあの後到着した正規のザフト軍によってグロリアスから降ろされたが、とてもではないがその時点では軍は処理に追われ、
悠長に取り調べをしている場合ではなかったので後回しになったのだ。
数日経った今になってやっとその事件についての取り調べを受けている。

「え〜と、何々? 今度は作業用MSを乗り回して犯行グループのMSと交戦したあと、
新型兵器『グロリアス』に"勝手に"搭乗し再び別の敵と交戦。そしてこれを撃破……か。
相変わらず無茶苦茶するねぇ。しっかしこの取調室にきたの、今月これでなん度目?」
「え、えっと……三回くらい?」
取り調べをしていたアーサー・トラインは、調書に記録を取りながら大きく溜息を吐く。
新型機に民間人が乗り込むという前代未聞の事例のため、
わざわざ艦長の身分の者が取り調べをする羽目になったのだ。
「九回だよ九回! しかも全部MS関係! 」


635ライオン:2008/12/07(日) 11:23:27 ID:???


本来、作業用MSでの戦闘行為は固く禁じられていており、ほとんどが重罪の判決が下される。
しかし今回のケースはテロリストが相手で、しかも正当防衛とも取れえる状況である。
なおかつステラのとっさの機転で敵ごと建造物が比較的少ない自然公園に飛びこませたり、
新型機に搭載されたビーム射撃兵器を一切使わず肉弾戦で敵を沈黙させた(もちろん方法はとんでもない内容だが)。
それにより間違いなく街の被害は格段に減ったという功績が働き、特例中の特例で今回の件は不問にとどまった。
その背景には、各コロニー自治体のほとんどがいざという時に備え、作業用MSをひそかに武装していることを政府が黙認していることで、
この法律自体が少々形骸化していることも関係しているだろう。
ちなみにこの件での死傷者は、奇跡的に敵も市民も含めてゼロである。ただ敵機の内部で股間を押さえ失神した者がいた事くらいだ。

「……まったく。今回は運がよかったけどね、こんなこと繰り返してたらステラちゃん
 いつか本当に捕まっちゃうよ? お母さん悲しんでるんじゃない?」
「おーけい。肝に銘じておくよ艦長さん。
 だいたい母さんはたかが目の下の小ジワで一日中家でどったんばったん大騒ぎするような人だよ? 
 あんな年増が娘のことなんて自分のシワの悩みに比べたらそんな……」
「あ〜ら、誰が小ジワで悩んでるって? それに年増って誰のことかしら?」

背もたれに体重を預けたステラのこぼした愚痴は、中断せざるを得なくなった。
怒気を孕んだ重みのある聞きなれたその声の方向へ、恐る恐る椅子を回転させると、
ステラの顔がまるで見てはいけないものを見てしまったかのような恐怖におののいた表情に変わる。
その視線の先には、燃えるような短い赤毛の女性が仁王立ちしていた。
ルナマリア・ホーク。
ホーク家の主にしてミネルバ隊が誇る部隊きってのエースパイロットであり、いつもは凛としたその表情は、
不気味な笑顔で埋め尽くされている。

「か、かかか……母さん!? いつからそこに!?」
「今さっき仕事が終わったから、一緒に外食でもして帰ろうとアンタを迎えに来たの。そしたら何? 年増?」
重力に逆らって伸びた一本の特徴的なアホ毛は、いつもとは違い怒髪天を突くようにピンと立っている。

「いや、あの、これは、その……どこぞのお仕置きと称して娘を川に放り込むようなおばさんの話なんかではなくて――」
「……覚悟は、いいかしら?」
「の、のお!!」
「却下」

636ライオン:2008/12/07(日) 11:25:34 ID:???


その年齢を感じさせない美貌もあってか、ルナマリアの周囲には言いよる男が絶えないとの噂だ。
だが駐屯所での次の光景を見ると、男たちはすごすごと撤退していくという。
平常の彼女とのギャップにノックアウトされるのだ

ぐりぐりぐりぐり――
「あだだだだ! こんだけグリグリされたら頭がパーになっちゃうよ、アンタって人は〜! のぎゃぁぁぁぁ!!」
「そのパーな頭はもう手遅れ! 処置の施しようがないわ! どこかで取り替えてもらおうかしら」

もはや駐屯所名物となり果てたホーク親娘の取調室でのお仕置きだ。
なんでも、ここで働く事務員に聞けば『この騒ぎがあれば、つくづく平和だなって思うんです』とのこと。

「フンだ! 今日は絶対謝らないよ! せいぜいその錆びた肌を―――ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃ!!」
「…………今日という今日こそは、親の威厳ってのをしっかりと叩きこんでやるわ」

母親によってゴリゴリと拳をねじ込まれるステラを横目に、アーサーは調書をイソイソとしまい退席した。
あぁ、今日も平和だ。

〜ライオン少女は星を目指す〜

第五話「マッドメカニックとグロリアスガンダム」


637ライオン:2008/12/07(日) 11:26:51 ID:???


「ステラ・ホークの居場所はここか? 話がある」
一人の少年が、取調室の仕切りから顔を出した。長い前髪に隠れてはいるがその額はキラリと――

「イテテ……あ、デコッパゲ」
「うるさいバカ! 誰がデコッパゲだ!」
声の主アレクシス・ザラ――通称アレックスは、うめくステラを視界にとらえながら抗議の声を張り上げた。

勇ましさと少年特有の憂いを同居させたかのような面差し。
その女性と見間違うような暗めの青い長髪が、張り上げた声に合わせてなびいた。
整った顔立ちに加え、身長もすらりと高い。彼に微笑まれれば大半の女性は頬を染めるだろう。
若さゆえの脆弱さも併せ持ったその体は軍人という経歴のせいか年齢の割に頑強さがうかがえ、アンバランスな魅力を醸している。

「あら、アレックス。このバカに何の用?」
ルナマリアは意外や意外、といった表情だ。まるで絞った雑巾をわたすかのようにステラを前へ押しやる。
「あ、いえ。用があるのは私ではなく、本国から到着したウチのメカニックが今すぐグロリアスを操縦した民間人に会いたいと。
 それで私が用事のついでに呼びにきたのです。
 ――おいお前。あれだけ無茶苦茶な使い方をしたんだ。ウチのスタッフからの怒号の一つや二つは覚悟しておいてくれ」
「えぇぇ〜!? まだ怒られんの?」
「当たり前だ! というより自覚がないのか!? 大体お前は――」
「ハイハイ、そこまで。いとこ同士、仲がいいわねホント。つい最近まで初対面だったのに」
ルナマリアにより制止され、アレックスはしぶしぶと口を引き結んだ。
それから間もなくして、嘆息。

「ではルナマリアさん。このバカ、少々お預かりしてもよろしいでしょうか? すぐ済むと思いますので」
「わかったわ。無期限貸与でいいわよ。けど一応、晩のエサの時間までには帰しといてね」
「(エサ?)――了解しました。それと……」
「何? まだ何かあるの?」

638ライオン:2008/12/07(日) 11:27:50 ID:???



けげんそうな表情のルナマリアに向き直り、急にアレックスは真剣な面持ちになった。
ピシッと姿勢を正し、一言。
「……先日お話した例の件はどうでしょうか? 父もそれなりの待遇するとのことです」
一瞬の間。
「ああ、あれ。――ここはこの子とミネルバがいる。それが答え。司令にはそう伝えて」
ルナマリアのその姿に、母親としての面影はなかった。目を細め、淡々と答える。
「そうですか。では父にもそう伝えておきます」
アレックスは残念そうに頭(かぶり)を振った。
だが落胆した様子はなく、まるでこう答えることが分かっていたかのような表情をしている。

「ねぇ、母さん。ちょっと……」
ステラが唐突に声を上げた。
少女の真剣なまなざしで見つめられ、ルナマリアも顔を引き締める。
「ステラ、この話はアンタには関係ない――」
「"ムキゲンタイヨ"って……何?」
空調が完備された取調室に、さぶい空気がふきこんだ。



639ライオン:2008/12/07(日) 11:28:41 ID:???


――ザフト軍駐屯所 整備ドック 

ステラは、比較的奥のブロックへとアレックスに招き入れられた。
なお、扉にはモルゲンレーテのマークがプリントされてある。
赤い非常灯しかなかった薄暗い通路を抜けると、30メートル立方はあろうかという広大な空間が照らし出されると、
ステラは瞼(まぶた)を閉じて光源に顔を向け、即座に明るさに目を慣らしてから周囲を見渡す。
招き入れたアレックスもまた眩しそうに顔をしかめ、目を瞬かせていた。
そしてドックの中を急がしそうに右往左往する作業員たちの中でアレックスはドックの中央で作業にいそしむ男性を見据え、声をかける。

「シモンズ主任! グロリアスに搭乗した民間人をお連れしました!」
「え? ああ、アレックス君。その子が例の?」
「はい。例の『バカ』です」
シモンズと呼ばれた東洋系の青年が嬉しそうにつぶやくと、アレックスが肯定する。

ひょこっとアレックスの横から顔を出したステラは、その青年が口を開くよりも早く恒例のアレをたたみかけた。
「あなたが呼んだの……かな? ともかくはじめまして! あたし、ステラ・ホークっていいます。よろしく!」
「はい、僕はこのモルゲンレーテのMS開発部主任をさせてもらってるリョウト・シモンズだ。よろしく、元気な方」
シモンズという青年が手を差し出すと、少女は握手に応じた。線の細い割にその手はゴツゴツしていて、茶色い錆びが付着している。

「さて……キミををわざわざこんなジメジメしてカビ臭いとこに呼んだのはワケがあるんだ。グロリアスのことでね」
リョウタは纏った白衣をたなびかせながら背後の巨大な白い機影――グロリアスに向き直った。頭部にあるV字アンテナが目立つ。
「君はこの機体に乗って初めて実戦を行ったそうだね。
一応話は聞いているんだけど、君はこの機体に乗った時どんな行動を取ったんだっけ? 今後の参考に本人から聞きたいんだ」

ステラは、青年の背後に係留されている機体を見上げながらたどたどしく答えた。
「え〜っと、まず最初に機体が合体したら、あのデコッパゲにコントロールをもらって、それから『なんかこのスイッチは押さなきゃいけない』って
宿命(?)みたいなのに後押しされちゃって、気が付いたら機体の腕が飛んで行ってたの。
そんで敵がそれにぶつかっちゃったのを見て、あたしは『必殺・ロケットパンチ』を編み出したんだ!!」

640ライオン:2008/12/07(日) 11:30:14 ID:???


今、ステラはありのまま起こったことを話している。
何を言っているのかわからないと思うが、当事者のアレックスも何をされたのかわからなかった。
アレックスの額もどうにかなりそうだった。
幻覚だとか夢オチだとか、そんなチャチなものでは断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を見せつけられたと、のちに彼は語る。

「ロケット……パンチ……だって?」
ほほう、といわんばかりにリョウタの目が細められた。
アレックスはそれを見て、ホラ見ろと呟く。
これはいい機会だ。いつも叱り慣れている母親などではなく、他人であるシモンズ主任に叱ってもらえれば、
これでコイツも少しはおとなしくなるはずだ……。

彼が期待して見守る中で、リョウタは大きく息を吸い込んだ。そして細めた目をかっと見開き大声で、
「すばらしい! ステラ君! 君は英雄だ! 大変な功績だ!」
アレックス一人が、まるでその足元だけ重力が反転したかのように『ガターン』と背後の工具棚に倒れこんだ。
そのとき、数本の前髪が散っていったのを彼は知らない。

彼はうめきながら、生まれたての小鹿のように立ち上がった。
「シ、シモンズ主任……」
「おや? アレックス君どうしたんだい?」
「どうしたのデコッパゲ?」
他の二人はその光景を見てキョトンとしている。
「どうしたもこうしたもない! どこが素晴らしいんですか!! だいたいMSの腕を飛ばすようなバカがどこにいるんです?」
「やだなぁ、キミの目の前にいるじゃないか。そうだステラ君。君は巨大ロボットの腕は何のために付いていると思う?」
再びずっこけるアレックスを横目に、リョウタは再び質問を行った。

641ライオン:2008/12/07(日) 11:32:40 ID:???


ステラは純粋無垢な子供のように目を輝かせながら、ふふんと鼻を鳴らし、元気よく答える。
「ふふん、決まってるよ。巨大ロボットの腕は…………『飛ばすため』についてるね!
あ、そうそうあと熾烈な一戦を交えた宿敵【とも】と固い握手をするためかな? みんなも、そう思うよね!!」
一瞬の、間。
その大声で叫んだ一言がドック中に響き渡ると、一気に30メートル立方の空間は水を打ったように静まりかえり――
「――――素晴らしい、満点だ! すばらしぃぃぃぃ! やはり君は英雄だ!!」
ひゃっほう。リョウタは体を変態チックにくねらせながら狂喜乱舞した。

「えへへ〜。英雄? そう? ありがと!」

ワアアァァァァァァァァァ――!!
「英雄!」
「英雄!」
「英雄!」
恥ずかしそうに頬を朱に染めたステラが頭をポリポリと掻くその姿を見せると、周囲を囲う鉄の壁を吹き飛ばせそうな爆音のごとき歓声が上がった。
ドックで働くメカニックたちもいつの間にか全員作業を中断し、『英雄!』と輪唱している。鼻血を噴き出している者もいる。
汗臭いつなぎの作業員全員が肩を組んでわき立つその姿はどこかしら不気味であり、
もしこれを事情を知らない他人が見たら新興宗教の会合かと思うだろう。

「(ダメだこの人たち……早くなんとかしないと、どんどん前髪が――)
ま、待ってくださいシモンズ主任……これはいったい……腕が飛ぶことに何の意味が?」
よろめくアレックスは血を吐くように声を絞り出した。
「フフフ……キミはわかってない、わかってない!」
最初の印象に比べるとまるで人が変わったようにリョウタは叫ぶ。大事なことなので二回叫んだ。

642ライオン:2008/12/07(日) 11:35:54 ID:???


アレックスの目の前でチッチッチと指を振って見せる。
「な、何がですかっ!?」
「ロケットパンチ……それは男の夢! 男の望み! 男の業! それをこの子は果たしてくれた!
腕が飛ぶことに意味があるんじゃない! 飛ばすことに意味があるんだ! そこに痺れる憧れるぅ!」
「意味がさっぱりわかりません! 落ちついてくださいシモンズ主任!」

アレックスが全力でガクガクとリョウタの肩を揺さぶることで、ハッと気づいたようにリョウタはやっと正気に戻った。
それに合わせて作業員も黙々と作業を再開させる。先ほどの騒ぎがウソのようだ。
モルゲンレーテの誇る若き天才設計者、リョウタ・シモンズ――通称(マッド・メカニック)の本性を垣間見た瞬間である。

「ハッ! あ〜、またやってしまったか。すまないね、
巨大ロボットのことになると、ぼかぁどうにも意識がアッチに逝くんだ。部下も一緒に。」
「アッチってどっちですか。それに、どこにどういったらああなるんですか……。
(もう駄目だ。前髪最前線は壊滅。一刻も早く前線を後退させないと……)」
アレックスはげんなりした様子でそう答えた。彼の足もとに目から出た水滴がポタポタ落ちる。なんか細いモノもいっしょに。

643ライオン:2008/12/07(日) 11:38:17 ID:???
前半部は以上です。これからバイトですので続きの後半部は深夜あたりに投下になります。

あと先に謝っておくと>>496様、アレックスは今後のネタの都合上と、アスランとの区別のため『ロン毛』です。
ですのであの絵のアレックスはステラに髪をむしり取られたものということにしておいてください(笑)

感想、矛盾の指摘などお願いします。
644通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 11:52:27 ID:???
ライオン氏乙です
後半もwktk!




>>633
志村〜!種死、種死〜!
645通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 12:28:43 ID:???
こうして第二、第三のイワッチが誕生していくんですね、わかります!
フフフ、イィですね。イィ、すごくイィィィィ!
646通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 12:45:06 ID:???
あんだけバカバカ言われてるんだから少しは反論しろステラwww
あと主任達の暴走っぷりに吹いたwwwww

>>643
了解です、ってより先走っちゃってすみませんでしたw
647通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 12:58:02 ID:???
ライオン氏GJ! 男のロマンがわからん奴にインパルス系は相応しくないなw
>>646 自覚した上で開き直っている奴はかなり厄介だと聞いたことがある
648通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 13:18:59 ID:???
アレックス…脱毛に悩む奴がロン毛とか無謀もいいところだ
649通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 13:23:46 ID:???
>>ライオン氏
主任たちの暴走でお腹いっぱいですwww
ロン毛も好きだが主任たちもバカで好きだwwwww
っていうか…まともな脳みそ持ってそうなのが、ルナマリアとアーサーさんとロン毛しかいねぇっていうwwwwwwwww
650通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 15:35:31 ID:6duRaHe9
ライオン氏GJ!!
ところでアレックス君…
>>(もう駄目だ。前髪最前線は壊滅。一刻も早く前線を後退させないと……)
これって前髪を後退させるから禿が促進するんじゃ…
651墜ち武者:2008/12/07(日) 15:43:30 ID:???
>>650
恐らくロン毛なのに親の禿を気にして余計に禿はじめて風呂上がりに洗面器一杯の育毛剤に頭部を漬けるくらいしてそうだwww









よっ!高校の時の俺!やっぱりアルシンドにナッチャータヨ……
652通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 15:52:48 ID:???
>>643
戦線を再構築
にした方が良いかと

>>651
同年代だと理解し「生きろ」と言う
653通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 17:50:27 ID:???
>>633
まとめてみよう
>USA1〜2巻
サイの彼女は暴力ヒロインでサイの事を慕うジブリール嬢(偽名の名字に金がつく)は女性初の金的キャラ!に
>4人いる!?
>5人いる!?
実はシンには許嫁がたくさんいた!!
>A.D.Z1〜4巻
一方、連合は新たな旗となるMSをウィンダムをベースに開発
>連邦愚連隊1〜3

シンが率いる教導部隊は歌姫の騎士団の陰謀で反逆者に
>ジオンの幻陽1〜2巻
ラクス「でっかい太陽光発電施設を作る為に大いなる独裁をします」
>魔探偵ロキ1〜3巻
シンに向け放たれるアズラエル嬢とサザーランド三姉妹(ハニトラ)
>警死庁24時1〜6巻
種割れしたシンが全裸に!?
654通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 18:10:07 ID:???
今週の新型がプラモになれば運命Uがつくれるわ
655通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:03:28 ID:???
>>653
まとまって無い気がするが毛が抜けるからつっこまないぞ!?(パラパラ…
656通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:42:01 ID:???
駄目だ。馬鹿ばっかりじゃねえかwwwwwwwwwwwwwwww
MSでロケットパンチで英雄ってどんな頭の構造してんだwwwwwwwwwww
657通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:46:57 ID:???
既にデストロイが腕飛ばしてるしなぁw
658通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:48:38 ID:???
オーブの末裔だから波長が合うんだろう
659ライオン:2008/12/08(月) 00:31:45 ID:???
後半部分を投下すると言っていましたが、投下寸前に致命的な矛盾を発見し、さらに変な構成になっていることに気付き
手直しをする時間が必要になりましたので投下は明日になります。
もしモニターの前でwktkしている方がいらっしゃったら期待を裏切ったような形になり、非常に申し訳ない。
その分、明日には後半部プラスαでお送りしますので。
あと、文章の指摘ありがとうございました。確かに後退させたら変ですよね。
660通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 00:36:05 ID:???
おやすみなさい:(;つД`);
661ライオン:2008/12/08(月) 00:39:53 ID:???
>>660
本当にごめんなさい。
こんなことになるなら予告なんてしなければよかったです。
以後気をつけます。

せめてもの償いに、問題の矛盾点までの部分を投下します。

「まぁともかく。この機体――グロリアスはもともと戦場で破損部分を交換するというシステムを搭載してるんだけど、
僕たちモルゲンレーテの開発部はパーツ自体が壊れてもいいように、あと撃ち落とされないようにってまず考えた。
そのため、各パーツの部品を低コストで揃えたり、コア部分からの無線操縦システムを組んだりしてたんだ。
けどステラ君が『パーツをぶつけて敵を撃破した』っていう先日の報告を聞いた時、本当に驚いたね。まさにコロンブスの卵だよ。
多分、あんなことを考えるような人はまずいないんじゃない?」
「いや〜、それほどでも」
「………たぶん、誉めてないぞ」

ちなみに、『あんなことを考えるような人は誰もいなかった』というこのリョウタの言葉は間違いである。
パーツを分離してぶつける、回避するという方法はこのシステムの大元であるインパルスガンダムのパイロットで、
ステラの父親であるシン・アスカが初めて編み出した戦術であり、それは17年前のエンジェルダウン作戦に披露された。
その奇怪奇天烈極まる戦法は、当時無敗を誇ったフリーダムすらも落とす快挙を見せた。
だが、戦後発足したクライン政権によってザフト最強のパイロットであるキラ・ヤマトというイメージを保つために、
ザフトでのエンジェルダウン作戦の映像と記録はすべて破棄されたため、企業側は存じえなかったのだ。

662ライオン:2008/12/08(月) 00:41:31 ID:???


「グロリアスは、MSを構成する上で重要な部品、コンピュータをすべて胴体部にあたるコアスプレンダーVに搭載してある。
そのおかげで昔のインパルスよりも手足のコストが大幅削減されて、コア以外は壊れて工廠に送るよりも、
ずっと低コストで手足を取り寄せるだけで前線に復帰できるようになっているんだ。だからぶつけても財布はあんまり痛まない。
その証拠に、手足のパーツだけならここには数機分あるよ。ほら、立てかけてあるアレが全部」
興奮さめぬ表情でリョウタが指した先に、全体を青いシートに覆われた巨大な物体が
何機も壁に立てかけるように係留してあった。一部のシートが脱落してあらわになった部分には、
確かに『足』や『肩』のようなものが見える。それらがズラリと並んでいる様子はどこかしら奇妙だ。

「けど、まさかこんな形で男の夢、ロケットパンチが完成するとは……。キミは英雄だよホント。
フフフ……素晴らしぃ、素晴らし――」
「機体の説明はわかったけど、あたしはどうすればいいの!? ていうかもう晩御飯の時間だから帰っていい?」
再びアッチに逝きそうになったリョウタを、ステラが大声で押さえつける。早く帰りたいからだ。
「――うん。我々モルゲンレーテは、あの戦闘のデータを見て
この機体の新しい使い方ってものがあるかもしれないということに気づいたんだ。そこで、だ」
しっかりとステラに向き直ったリョウタはハッキリとした口調でとんでもないことを口にした。

「君にはこの機体――グロリアスの企業専属の正式なテストパイロットとなってもらいたい」
663通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 00:44:25 ID:???
>>661
なるほど しかしラクシズめやることに進歩が無いな 
自由強奪とか都合の悪いことは他人に責任転嫁か事実を抹消とか
664ライオン:2008/12/08(月) 00:45:26 ID:???
以上です。いい加減な性格で申し訳ない。
これ以降は、作品の根本にかかわる部分ですから力を入れたいんです。
665通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 02:19:35 ID:???
ok!作者さんが納得行く形で最後まで突っ走ってください!
そのほうが絶対俺達も楽しめるよな!?
666通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 08:46:47 ID:???
スマン、ライオン氏、さらに細かいツッコミして申し訳ない
エリカの息子は「リュウタ」です
667通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 13:39:59 ID:???
>>666

やっぱり声は鈴村氏?
668通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 15:38:53 ID:???
昨夜の00でデスティニーUの主兵装が使われたぞ!
669通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 16:48:49 ID:???
「主任、この状態だとあの換装パーツもいけそうですね」
「ああ、我らの夢かなえようじゃないか」

そういう主任達一堂の目には股座に斬艦刀が取り付けられたグロリアスのイメージ映像が映し出されていた………
670通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 18:08:07 ID:???
デスティニーUの作成にはグーンが既に売って無いという難問が
671通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 19:49:28 ID:???
>>670
御神体を作る気か?そうなんだな?よし!出来たらうp汁
672通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 22:34:04 ID:???
プランA発動か!
673217:2008/12/08(月) 22:57:04 ID:???
こんにちは。また来ました。

今回は少し長いので、途中で規制に引っかかるかも知れません。

その時は、後日に続きを落とさせて頂きたいと思いますので、宜しくお願いましす。
674平和の歌第七話-1/11:2008/12/08(月) 22:59:40 ID:???
 モニターの中で、二つのフラスコが時を止めていた。
 宇宙は真空で、ラグランジュポイントは複数の天体が持つ重力の均衡により、ほぼ完璧
な無重力状態を保っている。コロニーは遠心力により、擬似的に重力を作り出す。長径6
qを超える巨大な構造物を回転させるのは大仕事だが、一度適正な回転周期さえ得てしま
えば、後は放っておけばいい。寧ろ、回転を止める方が余程厄介だ。
 目の前で、廃棄コロニーが眠っている。回転を停止させてあるのは、当然、効率とかけ
離れた所に理由が有る。プラントの統一も治安も全く不安定な物だ。放置しておけば、ゲ
リラや犯罪組織の拠点と化す恐れが有る。
 バベルの塔の逸話が頭を過ぎった。誰でも知っているだろう。天まで届く塔を建てよう
として、神の怒りを買った人々の話だ。
 思うに、彼の地の人々は幸せだった。塔が天に届く前に、神様が壊してくれた。プラン
トは神様が呆れ返っている内に天へと届いてしまって、もう、誰にも地上に降りる方法は
分からない。
 地上の人々は罰として言葉をバラバラにされ、その御陰で多様な文化を生み出した。
 塔の上では、同じ言葉を話す人々が、今も争い続けている。


675平和の歌第七話-2/11:2008/12/08(月) 23:01:23 ID:???
 凍て付いた空の中で、飴色の光が襞を作っていた。
 足下に埃が舞った。塩素とクレゾールの匂いがする建物は、どれもこれが白く塗られて
いたが、それでもプラントの住宅街よりは余程個性的だった。誰からも尊重され、擁護さ
れて育った、鉄火場では何一つ通用しない意味合いでの個性だ。古びた銀塩フィルムみた
いに白々しい光が、壁と言う壁にこびり付いていた。
 人間に見捨てられた街は、ブリキのマグカップやハードカバーにとりつく、妖精達の踊
り場だった。それも、何時のことかは分からない。躍り疲れた妖精達は、呼吸を諦め、沈
殿した時間の中に溺れていた。
 溺れているのは、雑貨ばかりじゃなかった。
「またかっ!あんたって奴は!」
 手にした噴射機の生む反作用が、俺を頭上に放り上げた。細い手首を掴んだ時、無性に
腹が立った。特別に鍛えている訳でも無い、柔らかい体を、男に仕立て上げられるなんて
考えた、どこかの誰かの無思慮が腹立たしかった。
 着地。とは言え、ベルクロが張ってある訳じゃない。このコロニーで上下をはっきりさ
せたければ、高圧ガスの噴射機で体勢を整える必要が有る。
「す、すみません」
 言った時には、もう体が横になっていた。ピンクブロンドの18歳が手にする噴射機は、
スカートを抑える役割しか果たしていない。
 ロングスカートの裙が、水中花となって揺れた。脹ら脛まで丈が有るから、注意してさ
えいれば、無重力下でもそれほどの心配は要らない筈だ。だけど、個室で溺死する様な人
間が、二つ以上の物事を一度に考えられる訳が無い。
「えーっと……」
 ゆっくりと噴射機を巡らせ、姿勢を整えようとする。真っ白な膝が、スカートを割った。
熱中症でへばった冷房が青い息を漏らす、蒸し暑い事務所で見慣れた筈の部位が、スカー
トの下から現れると、妙に艶めかしく見えた。予め用意されていた服?宇宙船にスカート
を常備?サイズはぴったり?なるほど、我が社長は慧眼だ。もう少し、着いて行っても良
いかも知れない。
「どこ見てるのっ!」
 いきなりだった。高圧ガスが目を潰し、鼻の中を殴りつけた。
「えっ!きゃっ!」
 赤毛の罵声が、逆時計回りの女学生をパニックに陥れた。二発目は喉の奥に飛び込んで
呼吸を潰した。
「きゃーっ」
 咳と涙の向こうに、噴射機を人に向けてはいけない、と言う常識を忘れたピンクブロン
ドがすっ飛んで行く。
「いい加減にしてくれっ!」
 空に沈んで行くスカートの中を追い掛けて、俺は地面を蹴った。


676平和の歌第七話-3/11:2008/12/08(月) 23:03:05 ID:???
「どうも、すみません」
「いえいえ」
「どういたしまして」
 一度に一つの事も満足にこなせない相手を、どう扱えばいいだろう。答えは簡単だ。何
もさせなければいい。
 右にルナ。左にアビー。両側から仰向けに運ばれる女学生は、まるで水難事故の要救助
者だった。放っておけば溺死すると言う点で、両者は一致していた。
「ったく。不器用だな」
「あっ。そんな事無いですっ」
 誰にとも無く零した声に、手足のついた荷物が食いついた。手足が無い荷物より、数倍
厄介な御荷物だ。
「私、折り紙得意ですし。ホタテとか折れますし」
「帆立?」
「ええ。カニもタコも折れます」
「魚介類ばっかりだ。スシバーか。あんたは」
「別のだって折れます。この前、羽根鯨だって発明したんですから」
「やっぱ魚介類だ」
「羽根鯨は哺乳類ですよお」
「分かるもんか」
 三百枚の羽根で羽ばたくペーパーバックが、耳に吸い付いた。いやに、本が多い。元は
研究施設らしいから、そのせいだろう。
「シンさん、なんだか冷たい」
「気にしなくていいわよ」
「5割増しの人生に、諦めがつけられないんだわ」
 俺はトリガーを小刻みに絞って、背後の姦しさから距離を取った。
 社長はアレックスに手を引かれていた。一見若作りだが、それなりにいい年だ。無重力
下を自由自在に泳げるほど、中年男の脳と体は柔らかく出来ていない。
「一体、ここに何があるんですか?」
 社長に計画が有る。アレックスはそう言っていた。目的地に着けばなんとかなる、と。
「ノートを探しに来た、と言ったら?」
「ノート?端末の?」
「手書きのさ」
「今日日、そんなの使っている奴が居るんですか?」
「ラクス・クラインの古い知り合いが、その陰謀について記した物だよ」
「今なら差詰め、建国神話だ。そんな物が何の役に立つ、て言うんです?」
「冗談だ。我々は一つの機材を必要としている。ZAFTの監視から漏れているのは、こ
この物だけだ」
「その機材と言うのは……」
 アレックスの手が、俺の質問を遮った。
677平和の歌第七話-4/11:2008/12/08(月) 23:04:51 ID:???
「まあ、待て。お前の疑問には、現地で全部答えてやる」
「確かに。その方が話が早い」
 それきり、社長は前に向き直った。
 背後では、黄色い声が花を咲かせていた。
「ふーん。ミニベロに乗ってるんだ」
「ええ。6インチの。軽くて、小さくて、便利ですよ」
「それ、遅くない?自分で走った方が速いでしょ」
「あまり速いと怖いじゃないですか」
「段差や速度を考えると、16インチは欲しいわね」
「段差は一度降りればいいですし」
「私はバイクがいい。自分で漕がないといけないの、面倒臭い」
「貴女はその方がいいかも知れないわね。自動なら、速度違反で捕まる事も無いでしょう
し」
 通勤用の自転車をあれこれと悩んでいたサラリーマンが、なんだか懐かしくなった。今
後、社長はどうするつもりなのだろう。偽造IDを調達してプラントに戻るつもりか――
――社長が提案した依頼人の変装は、誰一人騙す事が出来なかった。整形しても、いつD
NAから特定されるかと言う怖さが残る。なら、地球に降りる?プラントの影響力が薄く
て、コーディネーターが生きていける地域なんて、どれくらい有る?大抵の国はプラント
に睨まれた途端、“自由の敵”を放り出すだろう。大西洋連邦ならプラント相手だって意
地を張ってくれるだろうけど、あそこじゃコーディはコミーと同義語だ。
 雑貨を払い除けた時、何かが俺を追い越した。一つ。二つ。三つ目を捕まえて見る。
 ペーパーバックの1ページが、奇妙な形に折り畳まれていた。ハロー、ハロー、こちら
プラント。このメッセージが俺宛で無いのは間違いない。
 髪に何かが絡んだ。後では、スカートを穿いた18歳が、ぺったんこなお腹の上で、ヒ
トデの養殖に追われていた。左右から伸びる手が、それを次々放るものだから、幾ら作っ
ても追いつかない。無重力下における種々の発見や、初期のプラントでの生活のあり方を、
ごく軽い筆致で纏めた本のなれの果てが、手裏剣に化けて、あまり役に立たない知識を俺
の頭に刺し込んだ。
「よせよっ」
 俺は噴射機で迫り来るヒトデの群を払い落とした。失敗だった。高圧ガスの生み出す推
進力が、俺の後頭部を水酸化カルシウムの塊に叩き付けた。
 今日も厄日だ。


678平和の歌第七話-5/11:2008/12/08(月) 23:06:42 ID:???
 そこは、高度遺伝生殖医療研究所と言う長ったらしい名前の建物だった。禁断の聖域、
遺伝子研究のメッカ、コーディネーター発祥の地。円筒形に、大仰なばかりの二つ名は、
パテとバンズを積み上げられるだけ積み上げた、背高のっぽのハンバーガーを思い起こさ
せた。広告かメニューになら幾らでも見掛けるが、現実にはどこにも存在しない。萎れ、
潰れた姿を晒して、若者に失望と粘土細工を喰らわせる。
「コロニー・メンデルか」
 漸く、ここがどこか分かった。
「バイオハザートが起きた所じゃなかったですか?」
「X線で消毒されている。今は無害だよ」
「それじゃあ、データなんて消えてるでしょう。機材だって無事とは思えない。一体、何
の用が有ってここに来たんです?」
「安心し給え。動作は確認してある」
 破れた屋根から温い光が落ちて、照明と入り交じった。電気は生きている。だが、満足
にシールドも施されていない精密機器が、X線の洗礼に耐えられる物だろうか。それとも、
社長が復旧したのか。だとしたら、年甲斐もなくノースリーブを来た中年男は、かなり早
い段階から、この事態を想定していた事になる。
 研究所は蟻の巣だった。それぞれ違う女王アリを奉じる群の巣が入り組み、混じり合っ
て生まれた蟻塚の全貌は、案内図を見ても把握が困難だった。機密として、何一つ記載さ
れていないブロックが有るとなれば尚更だ。
 その中を、社長はアレックスにあれやこれやと指示を与えて、迷うこと無く進んで行く。
「よく、道が分かりますね」
「昔、勤めていた場所だからね」
「そうだったんですか」
「もう10年以上も前の話になる」
 大抵の研究員は、自分に関わりのないセクションについては、なにも知らない。知らさ
れない。だが、社長は殆どの設備について精通している、と言う。勿論、機密の壁が、若
き日の社長一人に、笑顔で胸襟を開いた訳が無い。こっそりと調べたのだ。
「好奇心、て奴ですか?」
「知っておく必要を感じたのだよ。いずれの為にね」
 二人は足を止めた。アビーとまだ首が完調では無いルナが、大荷物を抱えて到着する
まで、さしたる時間はかからなかった。仮に追っ手が在ったとして、この迷宮を当てにす
る事は出来そうも無い。俺達が通った後には、ノートや本の切れ端を材料したスシのネタ
が、整然と列を作っていた。
 社長はコンソールに手を伸ばした。三つのキーコードに、三重の扉が息を漏らす。
 中は暗かった。計器と小さなディスプレイの群だけが、低血圧な光を放っていた。
「ここが、女王蟻の部屋ですか?」
「うん?……なるほど、女王蟻の部屋か。言い得て妙だ」
「蟻の巣みたいですからね。この建物」
「ここは確かに女王蟻の部屋だよ。紛れも無く、ね」
 広大な空間が、唐突に出没した。大聖堂みたいな広間と、ステンドグラスの輝きで信者
の目を奪う巨大な集積回路の塔が、背後の通路が穴蔵だったと教えてくれた。
 ここが、目的地らしかった。
679平和の歌第七話-6/11:2008/12/08(月) 23:08:32 ID:???
 “塔”は手摺りで囲われていた。その天辺が、陽光の中へと伸びているのだとしたら、
反対は奈落の底まで通じていた。手近に漂うマグカップを放って見たが、反応は期待出来
そうも無かった。
「なんです。ここ?」
「言ったろう。女王蟻の巣さ」
「随分と馬鹿デカい蟻も居たもんですね」
「宇宙に住む蟻だ。遺伝子を最適化され、資源衛星に巣くう蟻だ」
「ラクス・クラインでも作るつもりですか?」
 サングラスの向こうで、社長の目尻が皺を作った。一見の店で、15:1のドライ・マ
ティーニを見付けた目だ。
「君は思いの外、鋭いな」
 合成革の靴がしっかりと地面を掴んだ。本格的なロードレーサーに跨りながら、白線に
も蹴躓く6インチ乗りと一緒になって、サイクリングの予定をポタリングに書き換えて来
た中年の脚も、AGが停止したコロニーでは十分に力強く見えた。
「確かに、ここはラクス・クラインが生まれた場所だよ」
「どう言う事です?」
 キラ・ヤマトがスーパーコーディネーターとか言う代物なのは知っている。多分、企画
書を書いた研究員は、前日に財布を落としたか、散々貢いだ女に棄てられでもしたのだろ
う。
「お前はプラントに来て数年だから、分からないだろうが……」
 社長に代わって、アレックスが説明を始めた。
 コロニーの建設から月日が経つにつれ、宇宙に住むコーディネーター達は、理事国から
の独立を考え始めた。初期の投資と開発に切りが付いてしまえば、宗主国の干渉を煩く感
じ始めるのは世の常、人の常だ。
 プラントがそうした常と事情を異にするのは、理事国が複数国に跨っている点だった。
独立して地球諸国と相対するには、国家の統一と中央集権体制の樹立が不可欠だが、理事
国との関係も事情も異なるコロニー群が統一勢力を形勢するのは無理が有る。
 プラント各市、各コロニーは理事国の離間策一つで簡単に分裂し、相争った。プラント
統一と独立を目指す自由条約黄道同盟は、共産主義政党の常で反革命分子の弾圧と虐殺に
走り、市民の心も次第に独立から離れて行った。
「士官学校で習った歴史と大分、違うみたいだけど……」
 言ってから、当たり前だと気付いた。自国の暗い歴史を好んで語り継ぐ国家は存在しな
い。まして、共産主義者にとって、革命成就の為の嘘は、必要悪ですら無く、推奨される
べき善行だ。
「そんな状態で、よく独立出来たな」
「地球諸国がコロニー市民を見捨てて、自由条約黄道同盟に売り渡したからな」
「どう言う事だ?」
「連合軍の派兵が共産主義国家の拒否権により否決された。唯一、独力で動けるだけの力
を持つ大西洋連邦は、当時、容共政権だった」
 なるほど、要はZAFTに逆らったら、生きていけない状態だった訳だ。
680平和の歌第七話-7/11:2008/12/08(月) 23:10:22 ID:???
 でも、それだけだろうか?
 心の中で、数年前にプラントへ移民した地球人が首を傾げた。どんなに取り繕った所で、
全体主義共産国家には暗い影が付きまとう。東アジア共和国の大陸側じゃ、口で熱烈に愛
国心を叫ぶ人々が、腹の底には犬に生まれ変わっても、東アジア人よりはマシだと言う本
音を飲んでいる。
 だが、プラントでその手の暗さにお目にかかった事は無い。
「もう一つ。コーディネーターの殆どが、心を一つにして独立を望む様になった」
「そうなる、何かが有ったって事か」
「彼等は女王を得た。ラクス・クラインと言うな」
 まるで、自分がプラント・コーディネーターでは無い様な言い種だった。
「あの女が政権を執ったのは、ついこの前だろ?」
「TVに初登場したのは、子役の頃からだ。気付いた時には、プラントの全市民が、年端
も行かぬ幼女を歌姫と呼んでいた」
「それが、どう市民の統一と関係するんだ?」
「ラクスの歌声には、コーディネーターに対する洗脳作用が有る」
 一瞬、何を言われたのか分からなかった。いや、分かりたくなかったのかも知れない。
 背筋を冷感が撫で、米神の拍動が半ば凍ったゲルに変わる。洗脳作用?質の悪い冗談だ。
そう思いたかった。だけど、ラクス・クラインの呼びかけ一つで寝返ったZAFTの軍人
達が、冗談で革命をやっているとも思えなかった。
「さて、この研究所がバイオハザートで壊滅したのは凡そ5年前だ。事故と言う事になっ
ているが……」
 アレックスの後を、社長が継いだ。
「シーゲル・クラインは傘下の派閥が生み出した成果を十分に確認していて、その成果が
損なわれる様な事態は好まなかった」
「遺伝子調整の新しい技術が生まれるのを恐れて、破壊した、て事ですか?」
「そう言う事だ」
「そん時はもう、出生率の問題とか分かってた筈でしょう」
「だから、議会には秘密だ。取り分け、ザラ派にはね」
 信じられない話だった。要するに、シーゲル・クラインは自身の権力と、プラント・コ
ーディネーターの未来を交換したのだ。穏健派?ナチュラルとの協調派?ニュートロンジ
ャマーを無差別投下した男が?そんな疑問も、自ら選択肢を潰したが為の、仕方無しの行
動と考えれば説明がつく。
「一つ、宜しいですか?」
 何かを言いたかった。何を言っていいのか分からなかった。二つの拳の中で、二つがぶ
つかり合っている時、アビーが控え目に切り出した。
「シーゲル・クラインの専攻は遺伝子関係では無かった筈ですが?」
 可能性の無い所から、発想を掘り起こして来る政治家は居ない。シーゲルは遺伝子の専
門では無かった。なら、コーディネーターを統べる女王蟻なんて可能性に気付き、吹き込
んだ誰かが居る筈だ。
 女王蟻の卵だろうか。その制御装置だろうか。社長は集積回路の尖塔を見つめていた。
ウィスキーグラスの中に人生を探す男の背中だった。
 社長は現実に振り返ると、言った。
「君は、ギルバート・デュランダルと言う人物を知っているかね?」


681平和の歌第七話-8/11:2008/12/08(月) 23:12:07 ID:???
 唐突な一言だった。振り向いた先と、俺の頭の中で、18歳の水瓶座が訳も分からず左
右を見回していた。
 反応は半々に分かれた。ルナとアビーは、黙って社長を指差していた。
「えーと……ミスタ・ギルのフルネームは、アフランシ・ギル・バート・デュランダルさ
ん?」
「んな訳あるか」
 そんな欧州貴族を気取ったつもりのイカれた名前なんて、オーブの氏族だけで十分だ。
「私はアフランシ・ギルだ。それ以上でも、それ以下でも無い」
 社長の手が、サングラスに伸びた。その下の素顔を見た記憶が無い事に、俺は初めて気
付いた。若い女の子が集まる自転車の愛好会で、目線の行く先を隠しながら生きて来た人
だ。不精と虚飾を間接照明の中に溶かしたバーの中でさえ、サングラスを外さなかったか
らと言って、何の不思議も有りはしない。
 不思議なのは、その顔だ。
「……そう言いたい所だが、そうは言ってもおれまい」
 頭の裏側で、俺そっくりの声が息を飲んだ。サングラスの下に覗いた顔は、よく知って
いる人物にそっくりで、彼に双子の兄弟が居ると言う話は、ついぞ聞いた事が無かった。
「シンさん、何か驚いてる……お知り合いですか?」
「て、あんたっ!自分の所の前議長の顔も覚えていないのかよっ!」
 そう。そこに立っていたのは、前プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルそ
の人だったのだ。
「知りません。私、別の方に投票しましたし。省エネを推進する為、自転車に補助金を出
して下さる、てお話でしたから」
「駄目な奴だな。あんた」
「あっ酷い!シンさんこそ、ちゃんと選挙に行ってるんですか?」
「俺がこっちに来て最初の選挙は、ラクス・クラインの信任投票だよ!御陰で三ヶ月は武
装警察が張り付いてた。おまけに、何故か支持率は100%だったんだっ」
 俺は何に驚いていいのか分からなくなった。社長の正体にか?自国の前首相も知らない
スイーツポテト頭にか?衝撃の事実に驚いた素振りも見せない、いやに白けた瞳をした二
人組か?一つを選び取るより早く、新たな事実が棍棒の硬さと重さで俺の心臓を殴りつけ
た。
 アレックスが、サングラスを外した。
 頭の奥で、氷の風船が膨れた。鼻の付け根は頭の熱を吸い上げて火が点いた。全く、信
じられない光景だった。
「レイっ!」
 サングラスの下から現れたのは、二度と見る事は叶うまいと諦めていた、友人の顔だっ
た。
 今、自分がどんな顔をしているのか、よく分からなかった。何を言いたいのかも分から
なかったし、何も言えそうも無かった。生まれてこの方、俺は今日ほど神様に感謝した事
は無かった。
682平和の歌第七話-9/11:2008/12/08(月) 23:13:50 ID:???
 レイには別の意見が有る様だった。
「やはり、気付いていなかったか」
 背筋を、冷たい風が過ぎった。首が知らずの内に回った。俺が目尻に涙まで貯めて破顔
していると言うのに、ルナもアビーも、揃って気の毒な人間を見る目しかしていなかった。
議長の目線はどこでも無い、ただ俺が居ない方向へと向けられていた。ピンクブロンドの
彼女が浮かべる笑みは、観る番組も無いのに点けられたTVみたいな物だった。
「そんな事は無い」
 俺はそう言った。
「理由が有って正体を隠していると思ったからさ。フリだよ、フリ」
 そう言いたかった。色とりどりだが、温度はだけは全く変わらない三つの目線が、それ
を許してくれなかった。
 プラント移住直後、入軍の手続きを進めていた時の出来事を思い出した。
 空きっ腹を抱えて歩いていると、いきなり腹に穴が空いた。バラバラになった視野の一
つに、ドス黒い液体が張り付き、その感覚が決して錯覚では無いと教えてくれた。
 不幸中の幸いだったのは、蹌踉け、倒れる先に人が居て、すがりついた男が、医者の卵
だった事だ。胃か十二指腸の穿孔。男はそう、診断した。
 俺は道路の脇に転がった。新品のシャツに真っ黒なシミを付けられた医学生を除き、誰
一人見向きもしなかった。救急車はなかなか来なかった。穴の空いた消化器が鉛の重さで
ぶらさがる肺を必死で動かしながら、俺は目の前の車道に、今、工場で組み立ての真っ最
中じゃないかと疑いたくなるほど遅い、白い車が到着するのを待った。
 声をかけられたのが、どれくらい後の事かは分からない。おかげで、千切れかけた意識
が繋がった。
「どうしで、まだこんな所に居るんだ?すぐに病院に行った方がいい」
 例の医学生だった。生まれてこの方、病気らしい病気をした事の無かった俺には、信じ
られない言葉だった。
「……救急車」
「何を言っているんだ。君はまだ歩ける。病院に行けば助かる。このままでは、歩けなく
なる。助からない。簡単な理屈だ。分かるだろう?」
 俺はこの国のルールを、身を以て理解した。ZAFT党員ならいざ知らず、国籍を持た
ない永住希望者、外貨を持っていない外国人の為に動かす救急車など、プラントのどこに
も有りはしなかったのだ。
 俺はもう一度、廻りを見回した。誰も俺と目を合わせようとしなかった。壁を伝い、地
面を這いずり、病院に転がり込む。待合室で待つ事三時間。天井を相手に視力検査の片手
間、人生の意味について語り合う羽目になったあの時だって、これ程の孤独感を覚えはし
なかった。
「……悪い」
 結局、それだけ言った。
683平和の歌第七話-10/11:2008/12/08(月) 23:15:33 ID:???
 議長が両手を翳して、元の話題を一座の真ん中に放り込んだ。
「私がまだ紅顔の美少年で、駆け出しの研究員だった頃の話だ」
 ここで咳を一つ。肝心の部分を無視されて、厚顔の中年は少し寂しそうだった。
 コネと金と持ち前の頭脳と、清濁問わず、あらゆる手段を用いて研究所に忍び込んだ未
成年の学生は、一つの発見をした。遺伝子調整に際して殆ど例外無く加えられるマーカー
の中に、情動を左右する性質の物が有る。これを利用して、コーディネーターの心理を外
的に操作する事が可能ではないのか……。
 少年は躊躇わずに、その発見を派閥の先輩研究員に報告した。純粋な知的興奮もあった
が、何より、プラントに平穏をもたらす可能性を見過ごす事が出来なかった。例えそれが
機械的洗脳による物にしても、粛正と弾圧と血みどろの権力闘争が相次ぎ、地方コロニー
をゲリラの恐怖政治が支配する現状よりは、余程マシと考えた。
 最初、先輩達は見向きもしなかった。それ所か、研究所は勿論、党からも排斥される恐
れが有った。市民を洗脳する装置を作り出し、権力奪取と統治に利用する。それは、あら
ゆる既存道徳から自由であるべき革命家にとっても、おぞましい悪魔の発明だった。
 状況を一転させたのは、派閥の総裁たるシーゲル・クラインの鶴の一声だ。
「それで作られたのが、ラクス・クライン、て訳ですか」
「そう言う事だ」
「そして、クライン派はラクスを利用して政権を握り、独立を果たし、その挙げ句に、当
のラクスに裏切られた」
 随分、皮肉な話だと思った。俺も皮肉な気分だった。事情は分からないでも無いけれど、
だからと言って気持ち良く聞ける話じゃなかった。
「“当の”では無いよ」
 ここまででも十分不愉快なこの話には、まだ続きが有るらしかった。
 人体を覆う神秘のヴェールを一枚残らず剥ぎ取ったコーディネーターだが、だからと言
って、一切の病を駆逐出来た訳じゃない。あらゆる文明を超えた新世界の治安にしたって、
ゲリラが横行していた当時が、今よりマシだったとは思えない。それこそ、東アジアの大
陸側で、生活の為に血液を売ったり、物乞いの道具にしようと子供の利き腕を切り落とす
連中が道路のあちこちで寝そべる、そんな街と大差が無かっただろう。今、この瞬間、暴
走トラックが突っ込んで来ない、麻薬に頭をやられた男がサタディ・ナイトスペシャルを
振り回さない、放火魔が町の一ブロックを灰に変えちまわないなんて、誰が保証出来る?
そうじゃなくても、世の中、思い通りにいかない事なんて、幾らでも転がっているんだ。
たった一人の人間に、どうしてプラントの未来を委ねる事が出来るだろう。
「代わりが居る、て事ですか?」
 飲み込んだ唾液は、ルナが入れるコーヒーみたいに苦かった。
684平和の歌第七話-11/11:2008/12/08(月) 23:17:16 ID:???
 だけど、疑問が残る。
「生まれたばかりの女王蜂が最初に果たす仕事は、他の女王候補を抹殺する事です。女王
は一人でなければならないのではないですか?」
 そう。アビーの言う通りだ。そんな生きた洗脳装置が複数居たら、間違いなく内紛と混
乱の種になる。
「だから、予備には手を加える。声を変え、顔を変え、里親の元で極平凡な人生を送り…
…だが、いざ必要となれば、すぐにでもラクス・クラインに戻る事が出来る」
「昔、あなたの傍に居たラクスの様に、ですか?」
「その通りだ」
 最初、目覚めたラクスは二人だった。一人はZAFTによるプラント統一に従事し、一
人は火星に送られた。
 所が、プラントのラクスは地球連合との戦争初期、事故により死亡してしまう。
「今のラクスは、その時に入れ替わった予備。言わば三人目。そして、戦後、議長の傍に
居たのが四人目……」
 ラクス・クラインは一体何人居るのか――――口から出掛けた言葉は、喉を押し開いて
腹の中に這い戻って来た。その言葉はウランの重さで腸を捩り、抉り出しでもしない限り、
二度と出て来そうもなかった。
 社長……いや、議長は言った。我々は一つの機材を必要としている。ZAFTの監視か
ら漏れているのは、ここの物だけだ。
 アレックス――――レイは言っていた。じき、分かる。何故、三人がこうした影響を受
けているのか。何故、この依頼人がクライン一派に追われているのか。
「ここまで話せば、もう気付いている事とは思うが……」
 多分、議長も俺と同じ感覚を味わっているのだと思う。だけど、見た目よりも無駄な苦
労と、経験と、年とを重ねて来た元政治家の胃腸は、俺よりずっと頑丈に出来ていた。
「君もラクスだ」
 議長は真っ直ぐに前を見据えた。そこには、元ミネルバのクルーを除いては、一人しか
居なかった。



 続
685通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:19:43 ID:???
GJです!、なんか凄い展開になってきましたね!ハードボイルドな感じでスゲェ好きです!ラクスはやっぱり量産されてたんですか・・・
686通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:36:21 ID:???
うおお・・・クローンネタは久々に見たぜ・・・
687通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:37:36 ID:???
議長もレイも生きてたって事は…タリアさんも生きてそうな気がしてきた!
688通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:47:14 ID:???
GJ!
しかしプラントの現状もひどいが過去もひどいな。
もしかしてプラント、人口が減少し続けており、
出生率が低いおかげで、ストリートチルドレンがいないのが、
唯一の救いで絶望とかになっていそうだ。
689217:2008/12/09(火) 00:00:39 ID:???
すみません。また、連投規制にひっかかりました。
いつも話自体終わった所なのは、不幸中の幸いでしょうか。

投下間隔が狭くて、ご迷惑をおかけしているかも知れませんが、出来た物を手元に置いておくと、延々いじって他の事が手につかなくなってしまうもので……後、もう一息ですので、もう少しだけ御容赦願います。

次回も宜しくお願いします。
690通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:00:45 ID:???
まさかギルとアレックスが議長とレイだったなんて・・・
691通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 00:21:29 ID:???
おおーい、馬鹿な……これまでの固茹でっぽさが台無しじゃないか。
クローン説とか全然驚けなくなっちゃったよ。やられた。
説自体はよく聞くけど、それできちんと話を作ったのはあんま聞かないから今後にますます期待。
692ライオン:2008/12/09(火) 00:33:27 ID:???
>>689 217氏、GJです。まさかクローン説とは……。
思わずモニターの前でうなってしまいました。

そしてやっと投下です。昨日の件は本当に申し訳ありませんでした。
今後は気をつけるように致しますので。未熟な本作をどうかよろしくお願いします。

「ちょっと待ってくださいシモンズ主任!? なんでこんな民間人に!?」
「ああ、アレックス君は安心して。次のテスト機体が次の便で来るから。名前は確か『コン……』」
「そういうことじゃなくて! 私の首などどうでもいいのです! ……すべて民間人を巻き込んだ私の責任で――」
「――やるよ!」
さっきからずっと考える様に黙り込んでいたステラが、急に声を上げた。
その場にいる作業員含めた全員が、その素直で屈託のない笑顔に集まる。
「あたし、この機体に乗るよ! このガンダムに!」
――なんだって……!? 
アレックスは、再び崩れたばかりの前線を早急に建て直させねばならなくなった。
「――さぁぁ野郎ども! 我らが英雄は、我々の作った機体に乗ってくれるそうだぞ!
素晴らしぃぃ素晴らしぃぃ! 」
再びアッチに逝ったリュウタが、感激にふるえ拳を天に突き上げる。その目じりには涙すら浮かべていた。


693ライオン:2008/12/09(火) 00:37:47 ID:???



ウォォォォォォ――!!
それと同時に、先ほどの爆音をさらに上回るほどの巨大な歓声の嵐が巻き起こる。
その作業員30人ほどの魂の咆哮の威力はすさまじく、
この同時刻に駐屯所周辺において局地的な大地震が発生したとかなんとか。
「だ、駄目だ駄目だ! そんなこと許せるわけがないだろう!」
アレックスはたじろぎながらそう言い放った。
彼にとっては民間人とは守るべき対象であり、その者が間接的に
人殺しの手伝いをさせられることに強い嫌悪感を催したのだ。
「なんで? 人の夢の第一歩を踏み出せるんだから別にいいでしょ?」
少女はそれを、けろりと言い返す。
「……夢?」
「そう、夢。まだ母さんにしか言ってないんだからアンタには内緒〜」
少女は無邪気そうに細い自分の人さし指を唇の前で持って行った。内緒の意味合いだ。

「グフフ……良いですねぇ! すごくいい! 
作業員、主任含めて逝っちゃってるで有名な
モルゲンレーテMS開発部、通称『タカマガハラ』は、キミを歓迎するよ。
キミの場合立場的には『民間の協力者』ってことになるからMSを乗り回しても法的には大丈夫。
もちろん給料も出るし、安心してくれ。ハハ……。 
……ハッ!? そうと決まれば、一秒も早く『あの機体』を取り寄せないと! 忙しくなるぞ野郎ども!」

――応っ!! 
そう吼えた彼らは、まだまだ働けそうだった。というより全員、目をギラギラ光らせ、クククと忍び笑いを漏らしているその姿は、
むしろ先ほどよりパワーアップしているようにさえ見える。
無機質でどこか重い印象のあるハンガーは、壁が融解せんばかりの熱気で充満し始めていた。

(なぁ、せっかく造ったんだからボインのあの子にファイヤーライオンソード使ってもらおうぜ)
(いや、そこはハイパワームゲン砲だなやっぱり)
(待て待て、ハイパーライナークラッシャーもだ! おい誰か本社倉庫から取り寄せろ!)

「なんで……こんなことに……」
「さぁ〜て、今日の晩御飯は何かな?」

そんな声が出始めたかどうかのところで、ステラとアレックスはハンガーを辞した。


――こうして、少女は力を手に入れた。



694ライオン:2008/12/09(火) 00:39:50 ID:???

――ところ変わって、ホーク家。
けたたましく鳴り響くアンティークな電話機をしずめるため、一人で帰宅したばかりのルナマリアは慌てて受話器を取った。
『もしもし? ホークさんとこのおうちはここでよかったかのぉ……?』
取った受話器からは、とぼけたような老人の声。その声色は弱弱しい。

声の主がどちら様か理解したルナマリアは、わざとらしく声を上げる。
「あら、おじいちゃん! 元気? 家にいる『孫』について話がしたいのね?」
『そうじゃ、早くあの元気な子のことを――――いや、もういい。もうこんな三文芝居も必要ないだろう』
老人の声は、急に途切れた。それから聞こえるのは弱弱しい老人の声などではなく、くっきりとした声。

「レイ……? どうしたの? 傍受されたら困るからって最初こうしようって言ったのはアンタでしょ?」
『もうあれは無意味だ。……ステラの存在がクリエイターに察知された。あのテロリストはヤツらの差し金だ』
声の主は、ルナマリアの旧友。緊張を孕んだ声が受話器越しに伝わる。
それに対し、ルナマリアは「そう……」とだけ答えた。
うすうす感づいていたのだ。最新鋭のゾロ数機をそろえられる潤沢なテロリストなど、いるわけがない。

『すまない。〈ウィード〉の幹部として、総力を挙げて情報の隠ぺいを続けていたんだが……力が及ばなかった』
「いいのよレイ。どうせいつかはバレると思ってたし。……あと半年、だっけ? 
私こそ、アンタの短い人生をあんな馬鹿のために使わしてごめんね?」
『それは気にするな。おれはこの時、この瞬間もあの二人の子を守る使命を持ったことに誇りを持っている。
俺は、ギルの時のような与えられた運命ではない自分自身の運命……使命ともいうべきものを、
初めてこの手でようやくつかみとれたからな』

695ライオン:2008/12/09(火) 00:41:46 ID:???


「……運命ね。ねぇ、あの子が敵を撃破した白いMSに乗っていたって事件の後に聞いた時、どうだった?
私はまず『やっぱり』って思った」
『奇遇だな、俺もだ』
それを聞いたルナマリアは、ふふっと軽く笑った。やはり考えることは同じか。
「でしょ? 今まで育ててきたけど、あの子はいつも力があったらまず他人のために使って、自分は二の次。
勉強じゃあ歴史と数学の点数が悪くて手先は不器用。小さいころから軍人仕込みの訓練をさせていたけど、
その中でも特にMSの操縦――特に近距離でのセンスは群を抜いてる。
ホント、どこもかしこもアイツそっくり。……運命っていうのを信じたくなったわ」
『ルナ……』
「わかってる。アイツはあの子に戦い方を教えた私を憎むでしょうね。でもあの子は、私の一番の宝物なの。
死んでほしくないから、生きる術をしっかりの叩きこんだつもり。地獄であいつに罵られるのは私だけで十分よ」
『そのことなんだが……』
「何?」
『――いや、なんでもない』
「……? でもさぁ、聞いてよ。あの子に銃の扱い方を何度も教えても、弾が逸れてるみたいに絶対にマトに当たらないのよ。
街のヤンキーには『金殺しのホーク』とか言われるくらいケンカだけは強いらしいのに。
それに自分に素直すぎるし、はっきりモノを言うトコは誰に似たのかしら?」
『…………誰に似たのか、まだわからないのか? というか金殺し……』
「全然。――あ、もうこんな時間。あの子のエサの準備があるから、切るわね」
『ああ、こちらもウィードの皆に呼びかけてみる。もし何かあったら地球で匿うつもりだ』
了解の意を伝え、ルナマリアは受話器を置いた。
そして重い吐息をつく。
「たっだいま〜!!」
元気な声がリビングにまで届いた。
――さぁ、エサの時間だ。




696ライオン:2008/12/09(火) 00:52:13 ID:???
以上です。
前投下文も含めた感想をお願いします。


>>646 いえいえ。絵を書いていただけるだけで私はあと十年は戦えます。
もし気が向いたらまたよろしくお願いします。本当にモチベーションがマックスになりますので。
697通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 03:16:18 ID:???
金………?

まさか、蹴りで下半身(この文章は削除されました
698通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 07:29:36 ID:???
【*この発言は不適切なため、サポートによって削除されました*】
699通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 08:38:48 ID:???


[ピー]殺しのホークだと!
700通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 08:38:55 ID:???
レイとルナの会話ええなぁ。何だかんだで「先達」のポジションきっちりこなしてるじゃないか。
で、二人の子ってのはザラ坊ちゃんも含まれるんだろうか、それとも未登場の子キャラがまだ一人、あるいはシンと[ピー]との二人の子という意味か?
701ライオン:2008/12/09(火) 09:25:36 ID:???
ではアサイチに返信をば。

>>700 わかりにくい表現で申し訳ない。
一応出征の秘密だとかをどう描くかで悩んで投下を遅らせたのですが、書くべきことがいっぱいありすぎて
結局大幅に削って、序盤の見せ場で書くことにしました。

>>666 リュウタって書いてたつもりが、何らかの拍子(たぶん昼寝)のせいでリョウタになってましたか。ご指摘ありがとうございます。
指摘の通り、こいつはエリカの息子です。一応無印にも出ています。変態です。イワッチです。
そしてなにより、彼はまだ変身を二回残しています。……この意味がわかりますか?

>>657 あれは彼ら曰く「飛んでいる腕」であって、ロケットパンチの美学に反するそうです。

あと、どなたか「ビルケナウ」の画像をお持ちでないでしょうか?
ネットで探してもどこにもないし、
どんな奴だっけ? と思い、ガキ以来に家のVガンを見ようとしたら
全部姉のDグレとブリーチになってまして……。

あれだけ人を殺したくなったのは久しぶりです。
(頭が)おかしいですよカテジナさん。
702通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 09:31:29 ID:???
ttp://www.geocities.jp/pie_assa/lig-zanDX/machine0/birknau.htm

イメージ検索したらこんなの見つけた
703通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 12:14:11 ID:???
>そしてなにより、彼はまだ変身を二回残しています。……この意味がわかりますか?

なん……だと…!?
704通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 15:00:09 ID:???
ナイムネを信仰する研究員の数は53万です。
705通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 16:52:26 ID:???
ビルケナウってあれか、出撃前に自爆に巻き込まれた所為で全く武装をお披露目する機会も無く
MS全集のアンサイクロペディアにすら殆ど情報が無かったって
706通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 17:04:03 ID:???
リュウタ君、コンティオって言お(ry
707通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 17:16:12 ID:???
コンバトラーVだろ
708通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:12:11 ID:???
アレックスの乗機はコンティオか。
密かにゼロガン……じゃなかった、シャッコーに乗ってくれないかと期待してるのは内緒だ。
709通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:38:34 ID:???
アレックスは最後はステラに撃墜されて転落死ですか?
710通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:48:03 ID:???
ファイヤーライオンソードにハイパワームゲン砲、ハイパーライナークラッシャーか
あえてアレを元ネタにチョイスする辺り、この男達の業の深さが窺えるなw
711通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:57:16 ID:???
……勇者指令?
712通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:00:42 ID:???
可変旅客機・・・だと!
713通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:26:03 ID:???
ライオン氏GJ!先が気になる…!
714通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:42:52 ID:???
>>710
俺達ダ〜グ○〜ン♪のOPが懐かしいぜw

とりあえず、魔改造ってレベルじゃない代物ができそうで楽しみだwwww
715通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:58:26 ID:???
よし!予習も兼ねて伯父さん(故)から貰った勇者司令のビデオを見てみよう!
716通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:10:08 ID:???
お二人ともGJっす

しかし、平和の歌氏の「一人目のラクスは事故死」って、ユニウス7慰霊に行って
大天使に拾われたラクスが事故死した一人目のラクスってことかね、やっぱ。
717通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:28:35 ID:???
なんか違和感感じてたんだけどレイがルナの名前呼ぶ時って『ルナマリア』じゃないか…?

そうした方が律儀な感じがする。
まぁ、お嬢様の胸のように些細なこt(グチャ
718通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 02:24:33 ID:???
逆に言うと、種死本編でルナを「ルナ」と呼んでるのはシンだけだったりする。
719通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 05:45:48 ID:???
>>716
自由奪取前にオカピに頭をぶつけて死亡とか
720通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 06:55:09 ID:???
>>719
ちょwww
721通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 07:53:31 ID:???
ファーストラクス:シルバーウィンド号から脱出するもセカンドラクスが入れ替わる為にターミナルの偵察ジンにより暗殺される
セカンドラクス:現在、覇王街道
サードラクス:洗脳して盾にする
フォースラクス:セカンドラクスがラクスでいるために追われる
722通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 09:46:56 ID:???
>>721
サードラクスってひょっとして胸増量したアレ?
723通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 10:51:12 ID:???
>>721
ファーストクラスに見えた
724通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:13:23 ID:???
>>721
ん?ファーストが脂肪
セカンドが火星送り(セトナ)
サードが現在のラクス・クライン
フォースがミーア・キャンベル
フィフスが依頼人

っとなると、刄Aストレイの主人公アグニスはラクス・クラインの弟ってことにもなるな…
やっぱりメンデル生まれの特殊なコーディなのか?
725通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:15:33 ID:???
そっちのが余程説得力あるな 人格の破綻っぷりも頷ける。
726通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 12:24:33 ID:???
>>724
セトナはプラントから送られた特殊な受精卵って話だし義姉弟じゃね?
727通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 14:00:27 ID:???
セトナまでのラクスは花畑思考維持
現在ラクスは支配力強化
ミーア以後は乳を強化
728通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 14:48:29 ID:???
>>716
種本編第一話の時点で戦争開始から11ヶ月が経過してるので、
戦争初期ということはおそらく本編開始前だろう。
729通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 16:16:26 ID:???
ラクス「こ、ここは一体…」
ガ…ピー一号機…思考パターンお花畑、洗濯板だったので廃棄。二号機…思考パターンお花畑、洗濯板。
サンプル回収のため島流し。三号機…思考パターン良好、洗濯板サンプル回収のため現在稼動中。
4号機…胸を強化、完成系を見るも不慮の事故で死亡。5号機、現在鋭意製作中…

ラクス「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
730通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 16:26:56 ID:???
ラクス「ふふっ。今、私を倒してもいずれは第二、第三の私が貴方たちの前に現れるでしょう…。」
731通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 16:40:06 ID:???
こうしてみると3号機以外は天然どじっ子キャラだったのか
732通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:11:58 ID:???
>>729
洗濯板とか島流しに吹いたwww
733通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 18:28:54 ID:???
>>729
それなんてコンバトラーV?
734通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:19:11 ID:???
自分の事を知ったが故に狂って行ったラクス・・・・そう考えれば可哀そうなやつかもしれん
735通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:46:45 ID:???
つーか、ピンクが一人目二人目って言うと某スレの熱血馬鹿ピンクを思い出す
好きだったな…アレ
736通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:47:50 ID:???
自分で自分をコーディネイターだと思いこんでいた、滑稽な機械人形、それがこのラクス、救国の歌姫ラクスか!

 
737通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:54:29 ID:???
>>734
それ以上に自分以後から巨乳化に成功した事に絶望したが故の行動に見える


projectL……それは宝乳に命を捧げたおっぱい星人達の軌跡でゥボァー<-主砲直撃
738通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:24:45 ID:???
まったくおまいら、懲りないねぇ…(死亡フラグ的な意味で)www
739217:2008/12/10(水) 22:30:49 ID:???
こんにちは。

続き投下します。
740平和の歌第8話-1/7:2008/12/10(水) 22:32:54 ID:???
 地上の楽園から焼け出されて移民したばかりの頃、プラントは混乱の極に有った。あれ
だけの大戦争の後だ。無理も無い。それでも、やっとこさっとこ選挙が行われて、デュラ
ンダル政権が誕生したけど、当時の俺はまだ選挙権を許されていなかった。
 だから、俺が人生で始めて経験したのは、ラクス・クラインの信任選挙だ。投票の翌朝
は、武装警察の留置所で迎えた。次に連れて行かれたのは、鏡と監視カメラ以外は何も無
い部屋だ。俺は赤い瞳をした南洋生まれの男を見据え、一日二二時間、その選択がいかに
愚かしく誤った物かをなじり、血塗れの歪んだ人生を糾弾し、いかに平和と自由の為に生
きるべきかを説得し続けた。説得には実力行使も伴った。暴徒鎮圧用の樹脂鞭と電磁警棒
を携えた2ダースの武装警察も、帝国主義に洗脳された犠牲者を救う為の協力を惜しまな
かった。
 俺は世の中のルールが180度変わった事を体で理解した。大西洋連邦が、国会議事堂
前で同国大統領を侮辱しても許される、そんな自由の国であるのと同様、プラントもまた、
評議会議事堂前で大西洋連邦大統領を侮辱しても問題の無い、自由の国となったのだ。
「お前はキラ・ヤマトだ」
 もし、そんな宣告を受けたとしたら、どう答えれば良いと言うのだろう。俺の人生で三
番目に最悪な、あの二週間だって、それほどに自分と言う物を疑う事は有り得なかった。
 勿論、武装警察に追い回された事も、自己批判を強要された事も無い、マスゲームとだ
って縁が無い、食料チケットなんて触れた事も無い、大学でシェークスピアを読み、ミニ
ベロで仲間達とポタリングを楽しみ、ただ幸福である以外はどんな義務も課せられた事の
無い18の少女が、こんな事実をそう容易く受け容れられる訳が無かった。
 案の定だ。彼女は先ず、議長の言葉を体よく押しつけられる相手を左右に捜し、その望
みが断たれるや、表情の抜け落ちた顔で、自分を指差した。
「議長!」
 気付いた時には、声が出ていた。何を言って良いかは分からないけど、何を言うべきで、
何を言いたいかだけは、はっきりしていた。
「ミーア・キャンベル――――私が以前、手許に置いた少女だ。彼女には一切、事実は告
げなかった。最期まで、自分が単なる影武者だと信じていた筈だよ。それが、あの娘を幸
福にしたかについては、正直に自信が持てない」
「だからって――――」
 俺は言葉を飲んだ。知らない事の幸不幸は、この際、意味が無かった。これからどうす
るか、だ。
「……この娘をラクスにしよう、て言うんでしょう?それで歌わせて、ZAFTの足を止
めて、その間に逃げよう、て言うんだ」
「今のZAFTは“歌姫の騎士団”だ。言わば、ラクス・クラインの歌声に最も影響され
易い個体で構成された集団だからね。勝算は充分にある」
「本気で言ってるんですか?」
「ラクス・クラインが資料庫から、この娘の正体を掘り当てた以上だ。もう、プラントに
居場所は無いだろう」
 多分、議長の言っている事は正しいのだと思う。ラクス・クラインに正体が知れた。あ
の女が自分に取って変わり得る人間を放っておく訳が無い。捕縛、抹殺する為なら、ZA
FTの全軍だって使う。まともな方法では逃げ切れない
741平和の歌第8話-2/7:2008/12/10(水) 22:34:49 ID:???
 それでも、俺は議長の正論をすんなりと飲む事が出来なかった。元遺伝子専門の研究家
が、決していい気分で語っている訳が無いと言う事実も、オブラートには足りなかった。
「なあ、あんた。こんな事は、一つも気にする必要は無いんだ」
 俺はどこにも向けられていない目の中で、自分を探している娘の肩を叩いた。
「え?」
「言ったろう。俺が守ってやるって。命は、なんにだって一つだ。だからその命はあんた
の物だ。他の誰でも無いっ――――」
 だから、あんたはラクスになんかなる必要は無い。そう言いたかった。言おうとして、
言えなかった。
 横殴りの一撃が、言うべき言葉を叩き割った。レイだ。足場の定まらない無重力下だか
ら効きはしないが、正直に面食らった。
「何するんだよっ!いきなりっ!」
「……ああ。すまん」
 俺に反対なのだと思った。と、言うよりも、議長に賛成なのだろう。レイはいつだって
そうだ。だから、簡単に謝られたのは、拍子抜けだった。
「非常に嫌な事を思い出してな。つい」
「つい、で殴んなよっ」
 全く、何だと言うのだろう。
「あのー……質問なんですけど」
 場違いな声だった。司法解剖の最中、羊の胃袋と足の白ワイン煮が美味しい店について
尋ねる声だ。食欲よりも嫌悪感に彩られた目が、一斉に振り向いた。
「私の歌を聞くと、皆、気分を悪くしたり、頭痛がするのは、その――――“手を加えた”
せいなんでしょうか?」
「恐らく、調整が不十分だったのだろう。計算しての事では無い。悪く思わないでくれ給
え」
「じゃあ、じゃあ――――そこを治したら、そう言う事も無くなる?」
「それ所か、君の歌を耳にしたコーディネーターは、心に安らぎを覚える様になるだろう。
母親の呼びかけを耳にした赤子の様にね」
「うーん……」
 尖り目の顎に当てられた指が、彼女の目線を上に傾けた。その唸り声には聞き覚えが有
った。通勤手段に悩む警備会社のサラリーマンが、安手の自転車に比較的変速比の大きな
品を見付け、財布と相談を始めた時に漏らした物に、よく似た声だった。
742平和の歌第8話-3/7:2008/12/10(水) 22:36:33 ID:???
「おい。あんた、それでいいのかよ?」
「一人でカラオケも寂しいですし」
「そんなの、俺が付き合ってやる」
「でも……」
「でも、なんだ?」
「その……まだ、少し早いと思うんですよ。狭くて薄暗い部屋で二人きりと言うのは」
「あんた、何、想像してんだ?」
「な、何も想像してませんよお。それに、ほら、歌うのは大勢の方が楽しいじゃないです
か」
「だからって、なあ……」
 ラクス・クラインの歌声を手に入れる。つまり、18年間付き合って来た自分の声を捨
てる。一人でカラオケなんて暗い趣味とおさらばする為だけに決めてしまっていい様な事
だろうか。大体、その洗脳効果の御陰で、やっぱり仲間と歌う訳にはいかなくなる可能性
だって高い。
「それに、シンさん、言ってくれたじゃないですか」
「俺が何を言ったって?」
「私が仲間だって。仲間なら、皆の助けになろうとする物でしょう?」
 確かに言った。彼女の主張に、間違った所なんて一つも無かった。俺は一言多い自分の
性格を初めて呪ったけれど、だからと言って、あの一言を後悔する気にも、取り消す気に
もなれなかった。
「私、やりますっ」
 悲壮や深刻以前に、真剣ささえ疑いたくなる笑顔だった。


743通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:38:06 ID:???
リアルタイム支援
744平和の歌第8話-4/7:2008/12/10(水) 22:38:16 ID:???
 仕事を終えた繋止環とベアトラップが、濁った、退屈な目を、MSの全長よりも高い天
井に向けている。大伽藍の片隅に、コアスプレンダーが遠慮がちに身を縮めている。
 複数のパーツを失った格納庫は、いやに広かった。残るはアダムスキー、デイリ・シル
エットが一つずつ。チェストとレッグが二組。
「別のコンテナにシルエットがもう一つ有る。それで終りだ」
 戦っている時は夢中だったけれど、こうして見ると、俺達の戦力は酷く限られた物だと
分かった。議長は地球に逃げ込むつもりらしい。そこまで、逃げ切れるだろうか。
「奴らがここまで来るには、時間がかかる」
 レイは機体の横で、端末を叩いている。今、艦内に居るのは俺達二人だけだ。残りは研
究所で“処置”に当たっている。
「現在、ZAFT艦艇の航法図に、このコロニーの位置は記録されていない」
「連中にとっても、都合の悪い物が沢山詰まっているから、か」
「消してしまうか、秘匿するか。ラクス・クラインは決断できなかったのだろう」
「でも、今回の事で腹は決まったんじゃないのか?」
 何故、ラクスが議長を敵視するのか、以前は分からなかった。口先ではデスティニー・
プラン反対を唱えていたけど、AAが俺達に襲いかかって来たのは、それよりずっと早い。
その理由が、今はよく分かる。
「結局、ラクス・クラインも被害者、て訳か」
「どうかな」
 レイには異論が有る様だった。
「ああした依存心の強い人間は、えてして世界を加害者と被害者に分けて考える。だが、
自身を単純な被害者と位置付けるには、プライドが邪魔になる」
「じゃ、どうする?」
「被害者の味方、救済の担い手と言うポジションを作り出す。前衛分子、フェミニスト、
人権派。そんな所だ」
「その被害者の味方が、どうして弱い人達を弾圧するんだよ?」
「彼等は常に被害者の味方だ。意見を違える人間は、加害者に荷担する者に決まっている」
 背筋を濡れた手が這った。多分、レイの言う通りだ。ラクス・クライン一派の精神構造
は歪んでいる。
 でも、その騙し絵を目にするのは、初めてじゃなかった。嘗て、戦災から力を持たない
人々を守ろうとした移民の軍人は、それ故に、身近な批判者を最も忌避したのではなかっ
たか。
 一歩間違えば、俺もああなっていたかも知れない。それは、本当に恐ろしい事だった。
「人の善意と言うのは打出の小槌だ。自由。平和。その味を知ってしまった彼等は、もう
逃れられないだろうな」
 何故だろう。連中が不幸だと聞こえた。空気感染する類の不幸だ。
745平和の歌第8話-5/7:2008/12/10(水) 22:40:12 ID:???
 レイはコンソールのI/Oから端末を引き抜いた。
「物資が無い。次で最後だ。出力を上げておいた」
「サンキュー。助かる」
「悪い。機体があれば、俺も援護に出られるんだが」
「仕方ないさ。スプレンダーがもう一機有ったって、パーツは皆俺が壊しちゃうしな」
「奴らが来たら、とにかく時間を稼いでくれ。こちらは一秒でも早く、舞台装置を整える」
「電波ジャックでもするのか?」
「その準備も整えてはあるが、連中は大抵回線を開きっぱなしだからな。必要無いかも知
れん」
「歌が流れ出せば、奴らの動きは止まる、か」
 そして、連中が体勢を整え、対策を整えた上で追って来る頃には、十分に安全な距離ま
で逃げ切れる。議長はそう計算しているのだろう。
「それにしても、少し驚いた」
「何が?」
「ルナマリアだ。あの後も関係を続けているとは思わなかった」
「あいつとも、大概長いからな。そろそろ、覚悟を決める頃合いだよ」
「覚悟か」
 レイは笑った。キラ・ヤマトの演説を耳にしたみたいな笑い方だった。
「覚悟なんて言ったって、安っぽい物だよ。金で買えるんだ」
「何?……そうか。そこまで考えていたのか。いや、笑ったりして悪かった」
「なんだよ。いきなり。真面目な顔して」
「真面目な話じゃないか。ジュエリー・ショップで買って来た覚悟だろう?」
 俺は答えなかった。薬局で買った、1ダース入りの覚悟だとは言い難かった。0.03
oぽっちの薄っぺらな覚悟だ。大体、俺の三ヶ月分の給料で買える指輪なんて、マンハッ
タン島くらいの価値しか無い。
 レイの胸元で、通信が鳴った。歌姫の騎士団の御到着だ。度重なるお誂え向きのタイミ
ングに、連中は俺に気を遣っているんじゃないか、と言う錯覚さえ湧いて来た。
「出るぞ」
 いかがわしい答えを飲み込んで、キャノピーを閉じた。


746平和の歌第8話-6/7:2008/12/10(水) 22:41:52 ID:???
 虫の知らせ、と言う奴だろうか。
 母艦から滑り出した時、何とも言い難い違和感が、首筋を撫でた。軍役時代に、よく覚
えた感触だった。転職後は、一層馴れ馴れしく付きまとって来た感触だ。
 不意にライフルごと右手を切り落とされた時、猫の死体を片手に徘徊していたジャンキ
ーが、絶叫一つ、9o弾をばら撒いた時、たまたま目の合ったZAFT軍人が、一個分隊
の仲間を呼び集めて国防基金への協力を求めて来た時、いつでも歯を食いしばるには十分
な、身をかわすには明らかに手遅れなタイミングで危機を教えてくれた、そんな聊か頼り
ない直感が、耳元で囁いた。
「レイ!あっちの様子はっ?」
 針先にも似た冷感が、米神をなぞった。そうだ。目的の為なら、ラクス・クラインはZ
FATの全軍だって使う。兵力は艦艇やMSに限らない。
「研究所か。待て……」
 小さなノイズを合図に通信が繋がった。その瞬間、両手がヘルメット越しに耳を叩いた。
 耳の奥で炸薬が弾けた。5.57o弾と20o榴弾の大合唱が回線に押し入り、外耳に
飽和した。鉄が焦げる音に交じって、場違いに暢気な悲鳴だけがよく通った。
「ちょっ……ちょっと……!隠れないと!早く!早く!」
「折角だから、私はこの赤い扉を選ぶとしようっ!」
「私の後に立つなっ!!」
「アビィィィィィィッッッッッッ!」
 50マグナムの咆吼と、二丁の短機関銃が、全ての銃声を裁ち落とした。
 それきり、静かになった。
「……おいっ!あっちは大丈夫なのかっ!」
「待てっ。大丈夫ですかっ!ギル!」
 答えが返って来るまで、一瞬の間が合った。
「こちらは大丈夫。安心してくれていいわ」
「そっか……よかった。所で、最後の……」
「安心してくれていいわ」
 研究所からの通信が切れた。どうやら無事らしい。だからと言って、俺に安心している
余裕は無かった。
 正面モニターを、星明かりが埋め尽くした。脳裏に南洋の夜空が浮かんだけど、郷愁は
湧いて来なかった。俺はとっくに故郷を捨てていたし、ギラギラと輝く光の海は星じゃな
い。MSのポジション・ライトだ。
「どこに撃っても当たりそうだ」
 口元で、笑いが凍り付いた。逆もまた然り。あちらが一斉に火線を張れば、俺がどこに
居たって当たるだろう。
 光学識別装置に目を走らせる。この状況で、どんな意味が有るか分からない。単なる習
慣だが、何もしないよりはマシだった。有効な手だて以外の一切を放棄する人間は、想定
を大きく上回る事態を前には彫像と変わらない。
 敵編隊は見た事の有るMSばかりだった。ザク、グフ、ドム。そして、俺の退役後に採
用された機体。ギャンとのコンペを勝ち抜いた、宇宙用ゾック・グラディエイター。宇宙
用?ピカピカと光る金色のシラヌイ・アカツキ・ガンダムは一際目立つ。そして艦列の先
頭には、ピンク戦艦のエターナル――――ファッション、てなんだ。
747平和の歌第8話-7/7:2008/12/10(水) 22:43:39 ID:???
「私たちはどこへ行きたかったのでしょうか……何が欲しかったのでしょうか……幸福と
は何でしょう……討ち、討たれ、過ちを繰り返し、その未来に間違いなく待つものなので
しょうか?……それでも私たちは……全ての命は自由と未来を得るために戦う物……なら
ば、どれほどの過ちを重ねようとも、私たちは今を生きる命として戦うしかありません…
…戦っても良いものです……ですが、人は本来戦わなくてもよかった筈の存在……でも…
…私たち人は……」
 俺は耳栓を事務所に置き忘れて来た事を後悔した。俺に分かるのは英語か、さもなくば、
偉大なる代表首長閣下のフィリピノ語が一つまみと言う所だ。我等が議長閣下操る異次元
の言葉は難解が過ぎる。
 最もファッションと言う言葉から遠い機体、犬にしゃぶり尽くされた手羽先を背負う、
ストライク・フリーダム・ガンダムを探す必要は無かった。先頭の機体が、俺の目を吸い
寄せた。旗艦エターナルの艦首に、腰を落として奇妙なポーズを取る機体。
「覚悟完了の男っ!」
 肩に固定されたライフルは全長に倍する長さを持っていた。背中から扇状に広がるドラ
グーン。そのサイズはデスティニーの長射程砲よりも遙かにデカい。フリーダム・タイプ
と思しき白いMSは、一目で分かる火力を無言の内に振り回し、攻撃する自由以上に横暴
な要求を世界に突き付けていた。
「あれは、ホームラン・フリーダムっ!」
「知ってるんですか、議長?」
「たった今、私が名付けた」
「結構なセンスですね。そっちの準備は済んだんですか?」
「もう少しだ。何とか持ちこたえてくれ給え」
 一体、どこからどうやっで見ているのだろう。
 返事をしなかったのは、別に議長と話すのが嫌になったからじゃなかった。議長が呼ぶ
所のホームラン・フリーダムが腕で制すると、星の波が一斉に減速した。
 ホームランがピンクの装甲を蹴った。宙空を蹴り付けた瞬間、100qの距離が消えて
無くなった。加速力はアダムスキー・ザクにだった匹敵するかも知れない。それにしても、
全軍を投入すれば簡単に片が付きそうな物を、何故、単機で突出する?
「どうして戦わなければいけないの?……僕は戦いたくなんか無いのに……」
「なら、追って来んな。こっちも戦いたくなんて無い」
「確かに君の言う事は分かるけど……!……それでも、僕は……っ!」
 俺は今日、この時ほど、言葉の無力を思い知った事は無かった。歌姫の騎士団は話し合
いが大好きだ。団長キラ・ヤマトを筆頭に、一人残らず、会話を装って独り言を続けると
言う、得難い特技を身につけている。一体、評議会は、軍は、どうやって動いているのだ
ろう。
 巨大なドラグーンが背部ユニットから剥げ落ちた。砲身を展開すると、その巨大さが際
だった。大型のバッテリーを複数。いや、下手をしたら原子炉を一個、腹に呑んでいるか
も知れない。弓矢の様に構えられたライフルなど、まるで艦載砲だ。あの男が何を言いた
いのかはともかく、何をしたいのかは明白だった。
「当たれえーっ!」
 モニターが虹色に灼けた。



 続
748217:2008/12/10(水) 22:48:53 ID:???
以上です。

次回も宜しくお願いします。
749通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:51:22 ID:???
言い回しがいちいち面白いなぁ
映像にしたらどシリアスっぽいのに、とっつき易さが半端ない

これからも頑張って下さい
750通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:53:45 ID:???
GJ!!
リアルタイムで見れてよかった!
准将がおもしろすぎるwww
751通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:59:04 ID:???
GJ!!
シンとレイの会話がいい感じでした。
まぁ、普通は給料3か月分の覚悟と思うのに、それ以前の段階とは、
ルナの貞操観念が高いのか、シンがへたれなのか?。

>ただ幸福である以外はどんな義務も課せられた事の無い18の少女
「幸福は市民の義務です」かww。
752通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 23:04:09 ID:???
つーか相変わらず東映版なのかキラw
753通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 23:11:56 ID:???
>「アビィィィィィィッッッッッッ!」
何というアビーさんゼミwww
きっと悪鬼のような形相で天井から舞い降りてきたに違いないw
754通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 23:21:23 ID:???
宇宙用ゾック・グラディエーター……

なるほどなるほどパイロットは古美術にハマったイザークに違い無いネッ!!
755通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 23:33:28 ID:???
しかしこの壊れぶりを見るとキラも5人目くらいなんじゃないかと思わざるを得ないw
756通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 00:27:46 ID:???
>>754
ラクス「わたくしとしても部下に恥を背負った殿方など必要ありませんわ」
と宣告されて出動し、見かけによらない高速連続体当たりで圧倒したものの、
ハラキリダイナミックで三枚におろされてその残骸が慣性でエターナルに
激突爆破するわけでつね。
757通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 00:58:16 ID:???
GJ、種死後とは信じられないぐらい面白いしキャラが立ってる。
続きも楽しみにしています。


http://jp.youtube.com/watch?v=k2yWxmTzx6U
准将。階級違う気もするけど気にするな、俺は気にしない
758通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 01:14:13 ID:???
>>757
ビ〜ルの〜 谷間の裏側〜に〜 スパイダーマッ(ry

ギャンブルに負けたプラント市民に金をせびられる准将とか見てぇな…
759通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 01:59:13 ID:???
GJ! 
議長……前がストライクだからホームランって安直過ぎませんかww
ストライクとホームランで某逮捕を思い出したのは俺だけで良い。
しかし本当にキラが良いキャラしてるってか別人だろww

>>757
あんまり働かないんでラクスが怒って格下げさせられたんですね! 分かります!
760通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 02:37:29 ID:???
逮○しちゃうぞのストライク男を思い出したのは俺だけでいい…
761通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 03:59:21 ID:???
もうどこからツッコめばいいのかw

背中から扇状に広がるドラグーンという一文で、ホームラン自由の脳内イメージが小林幸子になった
もうキラさん、ここまで大火力の機体が好きならMSやめてMAに乗りなよ
762通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 06:02:07 ID:???
>>761
ドラグーンを廃止し全ての羽根に折りたたみレールキャノンでディープストライカーもビックリな人工衛星MS孔雀自由なら知ってる
763通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 07:02:32 ID:???
>>760
残念ながら俺ガイル
764通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 12:35:05 ID:???
ストライクの後にホームラン……次はアウト?
765通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 14:03:38 ID:???
だれが上手いことを言えと
褒めてやるけど
766通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 14:10:53 ID:???
アウトフリーダム?
767通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 14:11:32 ID:???
アウトフレームの親戚かよwww
768通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 15:58:32 ID:???
「議長、アンタって人はーーーッ!!」
「すまない、私のミスだ…設備の老朽化が予想以上に進行していてあれが精一杯だった」
「ま、まあギル、脱出の隙さえ作れれば良かった所を、キラはじめ歌姫の騎士団の主力に
  想定外の壊滅的な打撃を与えられたのです、結果オーライという事で…」
「オーライじゃねえっ!早く止めさせろ!すっかり自信つけて歌いまくって
  地球にたどり着く前にこっちが全滅しちまうだろうがーーッ!!」

  ♪ボエ〜〜〜〜〜〜〜  #ホゲ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
769通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 15:58:44 ID:???
いや、ホムーランだろうJK
770通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 16:04:22 ID:???
ジャイアンが仲間にいる時に2コンのマイクに息を吹きかけてるんですね、わかります
771通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 16:46:35 ID:???
わさびドラには知性がないお
772MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/11(木) 17:10:42 ID:???
どうもです。 7話が仕上がりましたので投下させていただきます。


機動戦士ガンダムSEED
逆襲のシン・アスカ Mercenary Of Red
request7

ガルナハンへと戻ったシンはグフクラッシャーを降りた途端、住人達の手厚い歓迎を受けた。
分かりやすく言えば、揉みくちゃにされた。
「ありがとう、誰かは知らないが本当に助かった!」
本当に嬉しそうに髭を生やしたリーダー格と思しき男は、シンの両手を取ると激しく上下に振った。
「き、気にしないでくれ。 俺が勝手にやっただけだ」
少し周りのテンションに引きながらもシンは答える。 
情報が漏れ、生きているのがばれる事を考慮し、ヘルメットはとっていない。
「ちょっと、ごめん! 通してくれ」
周りを大の大人に取り囲まれ、声を掛けられているシンの耳にどこか聞き覚えのある声が聞こえた。
それは茶色の髪をアップに纏め上げ、群青色の、恐らくパワードスーツ用のぴっちりとしたアンダースーツを纏った少女だった。
シンは おいおい、イスラム的にどうなのよ、その格好? と思ったが声には出さない。……シンも男なので。
「おい、コニール! お前、体は大丈夫なのか?」
最初にシンに声をかけた男がコニールに心配そうに声を掛ける。
「うん、大丈夫だよ。 それより……」
コニールは頷くとシンへと向き直り、睨み付ける様にシンを見る。
「俺に何か?」
グティに乗っていた少女か、と見当をつけ少女に答えるシン。
少女はシンより少し低め、150cm位の身長に、年齢は少し下位だろう(シンは現在19)。
体型は……歳相応に出る所は出ていて、引っ込むべき所は引っ込んでいた。 
と言うよりも体型が露になるアンダースーツはなんと言うか、その手のフェチには堪らなそうな感じだった。
もっと言えばいやらしいというか、健康そうな少女の色気と言うか、そういうものを感じさせて、見ているシンは……
「お前、やっぱり……ちょっと来い」
妄想の世界に片足を突っ込んでいたシンは、何かに気付いたコニールに右手を引っ張られ、路地裏へと引っ張られる。
「何なんだよ! アンタは!」
ちょっとした事情で下半身に力の入らないシンは成すがまま引きずられ、抗議の声を上げるのが精一杯だった。
「おっ、おい!」
周囲の人々は何事か分からず首を傾げていた。
773MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/11(木) 17:12:06 ID:???
「あんた、何の用なんだよ」
誰もいない路地裏に連れ込まれ、少しドキドキしつつシンは一応の抗議の声を上げる。
その姿に先程まで死闘を演じ、生死の価値を語った傭兵の面影は既に無い。
その事でシンを罵ったら彼はこう答えるだろう。
『俺だってなあ、俺だってなあ、まだ19歳なんだよ! 甘酸っぱい思い出とか欲しいんだよ!』と
「何で、何で生きてるんだよ! シン・アスカ!」
思いがけないコニールの言葉にシンの全身の体温が一気に下がった。
「何で、俺の名……!」
シンの動揺した声を聞き、コニールの驚きを隠せない表情を見たシンは自分の失策を悟った。
(クッ……しまった!)
適当にはぐらかせば良かった物を、シンは馬鹿正直に答えてしまったのだ。
ミナに『お前は2年経っても正直すぎる。 いつか痛い目に合うぞ』と注意されていた事をすっかり忘れて。
すぐさま懐の拳銃を弄る。 今ならまだ間に合う。
気づいているのはただ一人。 小娘だ。
「よく見ろ! 私の顔、見覚えないか?」
冷徹な判断を下そうとしたその時、シンの体に押し付けるように体を寄せ、上目づかいにコニールはシンを見つめた。
胸板に柔らかいものが二つ押し付けられているのを感じたシンは、思わず懐から手を放した。
「……ごめん、覚えて無い」
暫くの思案(で二つの柔らかいものとコニールの体温を堪能した)後、シンは静かに答えた。
「……この馬鹿野郎!」
「はうっ!」
その答えを聞いたコニールは目の端に涙を浮かべ、様々な感情の入り混じった金的蹴りをごく自然に、そうであるのが当然であるように、神に導かれた様に繰り出していた。
「あっ、大丈夫か!?」
膝から崩れ落ちたシンに駆け寄るコニール。
シンは全身を痙攣させ、何故かやっぱりな。 と、どこか懐かしい痛みを感じた青い顔を見せた。
そして、コニールの台詞に、何故か全身ビームサーベルで、半球状の頭部にビームモヒカンを備えたアスランの機体に撃破される自分の姿を幻視していた。

五分後。
「本当にゴメン」
深々とコニールは頭を下げる。 五分の間にヘルメットを外し、走馬灯の様な物を見たシンはコニールの顔を思い出していた。
「気にするなよ。……いい教訓になった」
『いいか、 坊主、お前みたいな単純な奴は女の色仕掛けに気を付けろ』と言う、ケナフの忠告が身に染みたシンは遠い目で空を見上げる。
シンの脳裏には、未だに全身ビームサーベル「ビームそのもの」らしいのアデランの機体とバクゥハウンドの上に乗っかった上半身だけのグフクラッシャーがビームシールド(いつ装備したんだよ、んな物)でバリアを張り巡らし、
閉じこめたアスランに「お前は電子レンジの中のダイナマイトだ! ミラージュコロイドの閉鎖空間の中で分解されるがいい!!」とか叫んだ様がありありと残っていた。
「……教訓?」
不思議そうに首を傾げるコニール。
「それにしても見違えたな」
シンは現実へと意識を戻すと、街の方を見ながら呟く。
「そ、そりゃあ2、3年も経てば変わるさ。 自分も人の事は言えないじゃないか」
なぜか、頬を赤く染めながらコニールは答える。
「死んだ事になってるから一応な。 ってそうじゃない街の事だ」
「ああ、ザフトが撤退してからさ」
シンの問い掛けに今までの雰囲気がなかったかのようにコニールは暗い顔を見せた。
「そうか、噂は本当だったか。 ユーラシア連邦は大西洋連合と揉めてるから、地方まで手が回らないってのは」
774MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/11(木) 17:13:13 ID:???
大多数の思惑と違い、ラクス・クラインは暗君ではなかった。 少なくともプラント市民にとっては。
ラクス・クラインはレクイエム戦後、疲弊したプラントを立て直すため、ザフトの再編成を行った。
特に地球の大規模基地を除いた、それまでの政権で占領または保護下の地域に駐留したザフトに撤退命令を出した。
撤退予定の地域の中には先の大戦で占領、保護されたガルナハンやベルリン等ユーラシア連邦の土地が多く、概ね好意的に受け止められた。
CE74年当時ユーラシア連邦と大西洋連合との間に微妙な緊張感が漂っていた。
前々回の月、アラスカ、ボアズ、ヤキン。 前回のベルリンへのデストロイ強襲などの被害を巡っての事だ。
散々捨石、捨て駒にされたユーラシア内部の大西洋連合への不満は既に頂点に達していた。
そんな中、突然大西洋連合は連合の支配下の地域でしか産出しないNJCのベースマテリアルの輸出制限を行ったのだ。 
急な行動に抗議するも、気に入らないならば他で買え。 と言わんばかりの態度。
更に主力量産機であるウィンダムの後継機、及び新型ストライカー(マイナーチェンジの域をでない物)のライセンス料を突如引き上げた。
ちなみに大西洋連合の言い分としてはロゴス壊滅による経済技術的な問題により引き上げざる負えなかった。とのことだ。
これが引き金となり、大西洋連合とユーラシア連邦の仲は決定的に悪化した。
まず初めに次期主力量産機をそれまでのGAT、ウィンダム、ダガー系列に代わり、かつてユーラシア、アクタイオン共同で開発され政治的圧力、
試験部隊の壊滅(実際には脱走だが対外的に隠蔽)その後東アジアにて実戦投入が行われ、一定の評価を得たCAT、所謂ハイペリオンの改良が行い、ストライカーを廃止し
機体単独の汎用性を高め、量産機としては画期的な光波シールドと高火力のビームキャノンを活かしたファランクスのような集団戦向きのMSヘリオスに移行した。
ヘリオスと言うのはギリシャ神話の太陽神でハイペリオン(ヒューペリオン)の子のことである。
余談になるがCAT−3MヘリオスはCE77年に至っても多少のモデルチェンジとオプションの追加により、CAT−5M ヘリオスmkUとして各国最新鋭主力量産機に肩を並べ、高い評価を得ている。
これは機体設計の優秀さと、量産機に光波シールドを搭載するという先進性が決め手だったと考えられる。
そうした次期主力量産機の騒ぎや、壊滅したベルリンを中心としたユーラシア連邦の中心地域、旧ヨーロッパの再建が第一とされ、辺境に近いガルナハンのような地域まで手が回らないのが実状だった。
775MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/11(木) 17:14:02 ID:???

「……なあシン、これからどこかに行く予定はあるのか?」
一通りの話を終えたコニールは思い切った様子でシンへと問いかけた。
「いや、特にはないな、世界中を回ったし。 そろそろ腰を落ち着けたいとは思ってるんだが……」
2年の月日はシンと愛機グフクラッシャーを疲弊させていた。
グフクラッシャーは定期的にアメノミハシラでメンテ(と言う名の魔改造兼試作パーツの組み込み)をしているとは言え、やはり拠点ともいうべき場所は欲しい所だった。
「だったら、ここに居たらどうかな? あ、いや、いてよ」
「はあ?」
唐突なコニールの申し出にシンは首を傾げる。
「お前にはもう二度も世話になってる。 なのに、私は何も返せない。 だからせめてここを帰る場所にしてくれ!……もしかして迷惑か?」
どうもコニールなりにシンに恩を返そうと色々考えたなりの答えであるらしい。
(意味分かって言ってるのか?……でもまあ)
年頃の女性が、これまた年頃の異性を帰る場所にしてくれとはつまり……。
戦場にいるときの癖で常に物事を深読みしがちな頭を振り払い、シンは苦笑する。
「わかった。お言葉に甘えてしばらく世話になるよ。 俺がいれば用心棒代わりにはなるだろうしな」
せっかくの人の好意、申し出を袖にするほどシンは朴念仁ではないつもりだ。
「えっ、いいのか!?」
コニールは驚きの声を上げた、まさか用心棒までやってくれるとは思わなかったのだろう。
「ああ、傭兵だからな、ただ飯食うわけにはいかないさ」
コニールの表情にやはり深読みのし過ぎは良くないと思いながらシンは微笑む。 
「なに言ってんだよ、飯代は別だぞ」
平然として言うコニール。
「……ったく、しっかりしてやがんな」
コニールの言葉に、呆れたような、感心したような表情を浮かべるシン。
「まあね」
「誉めたつもりはないけどな」
してやったりと言わんばかりに無邪気な笑顔を見せるコニールの頭を軽く叩き、シンもまた笑った。
(一先ずガレージを立てて、グフクラッシャーを整備して、俺がいない時の事考えてMSの操縦訓練して……やれやれ、暫く休めそうにないな)
住人の元へと駆けて行くコニールの後姿を見ながら、シンはこれからの事を考えていた。
ミナからの召集と言う名の強制連行を含めれば、暇になるのは暫く先になりそうだが、シンは悪い気はしなかった。

───そして更に2年の月日が流れた。
776MOR ◆wN/D/TuNEY :2008/12/11(木) 17:20:17 ID:???
今回は以上です。
世界情勢の説明とCE77でシンがガルナハンにいた理由を説明するつもりがいつの間にかEXのノリになってました。
……おかしいなぁ?(自分の頭が)
量が少ないですが過去編のエピローグ(といっても外伝扱いでもう少し書くかもしれません)だと思っていただければ幸いです。
御感想、御批評などが何かありましたら宜しくお願いします。
777通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:25:19 ID:???
GJ!
やはり、コニールは良い。安心できる
そして、お約束の金的とまさかのボンボン版かよw
778通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:33:16 ID:???
>>748
「覚悟なんて言ったって、安っぽい物だよ。金で買えるんだ」
「何?……そうか。そこまで考えていたのか。いや、笑ったりして悪かった」
「なんだよ。いきなり。真面目な顔して」
「真面目な話じゃないか。ジュエリー・ショップで買って来た覚悟だろう?」
 俺は答えなかった。薬莢込みで買った、5.56mm入りの覚悟だとは言い難かった。

…一瞬、ほんの一瞬「薬局」を「薬莢」と見間違えて、「(シン視点で)疫病神ルナを殺すための
覚悟を決めた」と思ってしまった
779通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 18:23:59 ID:???
俺が投下する予定のSS用資料に作ったバウ、ズサが合体可能になったのはこのスレのせい
780通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 18:47:31 ID:???
>>779
そのMSをうpしてくれ頼む
781通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 20:33:25 ID:???
>>779
龍将飛翔か・・・これ知ってる奴いたら少なくとも20代は確実だな
782通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 21:51:37 ID:???
電子レンジダイナマイト吹いたw
そしてシン、ラッキースケベどころかただのスケベだなぁ。
コニールいいよーGJでした!
783通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 22:40:33 ID:???
まさかの漫画版Vガンネタにコーヒー吹いたわw
784通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 23:57:30 ID:???
>>781
飛「将」な。にしてもボンボンネタが続々と……外伝とボンボン、復活しねぇかなぁ。

無理? だよねぇ………
785通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 10:38:05 ID:???
最近アスランって見るたびに、「何だよアスランってwアデランだろ、メインキャラの名前なんだから
間違えるなよな」って思うようになってしまった…
786通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 12:33:19 ID:???
逆シンスレに新しい世界(SS)が増える度に互いの世界はそれに影響し一つの現象を起こす

それが金的である
787通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 12:41:32 ID:???
新しい世界も楽しいけど、そろそろ先駆けたるGSC氏の新作も読みたいぉ
788通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 14:54:25 ID:???
>>781
ギミック的に欲しかったけどなぜか買わなかったあれか
大光帝なんかも友達と周りのガンダムは分担したがフル装備作ってたのになぁ
大将軍も友達が買った4代目以外は初代のデッカい方も買ったくらいだし
何で買わなかったんだろなぁ…
789通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 15:39:20 ID:???
>>787
良いじゃないか。折角新しい人がやってくれてるんだから
790通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 16:50:54 ID:???
俺なんか闇皇帝を最低二体は購入した記憶が・・・いや,あのドラゴンっぽいのが好きだったんだ.
791通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 18:02:48 ID:???
小さい頃「大きい方のサザビーを買って来て」と言ったらBB戦士のを買って来られ「コレじゃない!」と言って外に投げて3日雨晒しにしたが結局作って今でもそのサザビーは戸棚に飾ってある
792通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 18:42:12 ID:???
>>791
お前はバッグが欲しかったんだろ
793通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 18:43:31 ID:???
玉責めのコニール
794通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 18:51:36 ID:???
一瞬スレ間違えたかと思った。>>791
とりあえず両親とBBサザビーと親戚の子にサザビー買って! と頼まれたからMG買っていったら、親戚の子が欲しかったのはサザビーじゃなくて仮面ライダーザビーで泣かれた俺に謝んなさい
795通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 19:11:43 ID:???
ザビーはカッコいいよね!矢車さん!、影山?なんのことだかわからねぇな!
796通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 21:40:35 ID:???
19氏の続きも拝読したいのだが、ホントに再現度の高すぎたラクシズに
自分でうっかり呑まれてしまったのだろうか…
797通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 22:23:41 ID:???
金的かぁ…

みな「そきうすー、シンのMSゴールドカラーにした方がいいかなー?」
ソキウス「何故にソキウス?」
みな「金的って皆が言うから」
798217:2008/12/12(金) 22:37:36 ID:???
こんにちは。

続き投下します。
799平和の歌第9話-1/8:2008/12/12(金) 22:39:18 ID:???
 モニターが虹色に灼けた。
 アダムスキー・インパルス・ザクに火器は装備されていない。付いていた所で大した意
味は無かっただろう。ザクの照準装置有効距離の実に10倍。11本の閃光は、宇宙を切
り分ける事無く、七色に塗り潰した。
 心臓が横っ面を叩いて、俺を振り向かせた。
 敵を侮っていたと、正直に認めなければならない。宇宙空間が明ける事の無い夜を取り
戻した時、フラスコが一つ消えていた。ほんの一瞬だ。フルバーストが直撃した時、超高
張鋼とカーボンナノチューブを積層した長径3qの巨大な構造物は、レーザーバーナーを
浴びた氷と変わらなかった。
「レイ!退避しろ!」
 一気にスロットルを開く。アダムスキー・ザクの加速Gは死ぬほど辛いが、死ぬよりは
いい。なにより、ホームラン・フリーダムが俺達を狙っている以上、一秒一瞬でも早く移
動するべきだ。背後のコロニー・メンデル。このままの位置で次が来たら、中枢部やもう
片方が消し飛びかねない。
 肺と一緒に視野が潰れ、レイへの心配を15Gが吹き飛ばした。とにかく、近付く事だ。
相手の注意を引きつける事だ。一つのコンテナを失い、軽くなったとは言え、大きな輸送
艦なんて七面鳥と変わらない。腹一杯に餌を詰め込み、動く事を忘れた七面鳥だ。もう片
方のフラスコには四人が居る。
 腸が捩れる。機体がブレる。ヴォワチュール・リュミエールの光波リングが縦横に宇宙
を刻む。俺でさえ半分、どこに飛んで行くか分からない物を、狙い撃てる訳が無い。
「フリーダムっ!時は止まるっ!」
 捩れたままの鼓膜が、おかしな声を捉えた。俺は初めて、奴らが口にする言葉の意味を
理解したけど、言っている意味はさっぱり分からなかった。
「時よっ!」
 まただ。まさか、本気で時間を止められるつもりか。奴との距離が迫る。接触に備えて
燃料計を確認――――……
 どうなっている?
 片脚が無かった。
 片腕が無かった。
 どうなっている?
 どうなっている?
 気付くと、残りの脚も無くなっていた。
 昔、噂で聞いた事が有る。
 単なる比喩だと思っていた。
 奴の反応速度が生み出す、犠牲者の錯覚だと思っていた。
 フリーダムは時を止める――――ヴィーノと飲んで、デートをすっぼかした翌朝、本当
に針を千本用意していたルナだって、こんな戯言を真に受けたりはしないだろう。
800平和の歌第9話-2/8:2008/12/12(金) 22:40:59 ID:???
「この化け物っ!」
「ぼくは、ただの…一人の人間だ!どこもみんなと変わらない。ラクスも……」
 アラートが悲鳴を上げた。狂気に片脚を捕らわれ、自身の正気に確信を失った金切り声
だった。俺も自分の耳を疑った。後方警戒センサーの警告。
「ただ、どんな物からも、自由でいたいだけなのに。だから僕は……っ」
 前方に居た筈だった。フリーダムは前方で全砲門を展開している筈だった。だとしたら、
今、後方でサーベルを振りかぶっているのは、誰が乗る、なんと言う機体だ?
 鱗が弾けた。PS装甲と光波推進器が纏めて削ぎ落とされる。一枚、二枚、三枚目で数
えるのを止めた。
「人間ワープだって言うのかよ!」
 時間から自由な存在が、空間から自由だって何の不思議も無い。仮にこの男が地球で倒
れ、目を覚ました時にはプラントに居た所で、驚くには値しないだろう。
 ラケルタの五割り増しに長いサーベルの一閃が、光の鱗を一枚残らず引っぺがしてしま
う心配は無さそうだった。フリーダムは剣を収めた。
 勿論、安心は出来ない。話し合いをこよなく愛する歌姫の騎士団だが、完全に下手の横
好きだ。第一、こいつらが戦うのを嫌がっている所ならまだしも、勝つのを嫌がっている
所など見た事も聞いた事も無い。
「討ちたくないんだ……討たせないで」
「撃たれたくなんてない。撃たないでくれ」
 無駄を承知で言った。
「君は!?…君がまだ戦うというなら…!」
 本当に無駄だった。俺の話以前に、何が起きているのかを理解出来ていない様子だった。
「VL―MAX、発動!」
「Ready…」
 二つの声を合図に、彗星が生まれた。光学監視装置から失われたフリーダムの姿が、眼
前に出没した。
 不意の衝撃が、全身を割った。サブモニターの中で光の鱗が一枚失われるのと、俺が振
り向くのは、ほぼ同時だった。純白の彗星が、一輪車より鋭いターンを見せた。
 反射的にフルスロットル。アダムスキー・ザクは全身にヴォワチュール・リュミエール
を仕込んでいる。全力飛行時は完全に制御不可能。頭蓋の中で脳が躍り、内臓が捩れ、呼
吸が失われ、手足の在処が分からなくなる。体中の血と言う血が一塊りになって頭と足を
跳ね回り、視野を黒と赤の斑に染める。
801平和の歌第9話-3/8:2008/12/12(金) 22:42:42 ID:???
 一秒にきっかり二回だ。二つのヴォワチュール・リュミエールがぶつかり合い、その度、
脳が頭蓋に張り付いた。キラ・ヤマトはこの速度を完全にコントロールしている。時間を
止められる男にとって、スピードは意味を持たない。何物からも自由な男が、Gとだけは
律儀に付き合う理由なんて一つも無い。
 一枚、また一枚、光の鱗が失われる。その都度加速が衰える。白い彗星に衰えは見られ
ない。シザース運動を繰り返しては、アダムスキー・ザクを撫でて行く。
 この男の慈悲深さも、だんだん手が込んで来た。いずれ、装甲を一枚一枚剥がして、パ
イロットを宇宙に放り出すくらいはするかも知れない。それにしたって、釣り針で引っ掛
けた獲物を湖に投げ込み、自然とお友達になる程度の慈悲でしかない。
 まずい、と思った。パワーもスピードも比較にならない。相手がその気になった瞬間、
撃墜される。
 戦力が地球とプラントほどにも離れた相手に敢えてトドメを刺さない。歌姫の聖騎士特
有の悪趣味な平和主義は正直、気分が悪かったが、今は好都合だ。とにかく、俺の仕事は
相手を倒す事じゃない。時間を稼ぐ事なのだから。
「戦いたくなんてないのに……!」
 声と衝撃は同時にやって来た。活き活きした声だった。超然とした態度の俗物か、式典
で見せる脂下がった顔とは違う。始めて26インチ自転車を買い与えられた少年の顔が、
容易く想像出来た。無理も無い。確実な生還と、100%の勝利と、無条件の名誉を約束
された戦場なんて物が現実に存在する時、一体、どこの誰が、馬鹿デカいネズミが徘徊す
る大西洋連邦の不潔な遊園地に行ったり、ニホン地区のゲーム機に手を出したりするだろ
う。
 ペンキで塗りたくられた視界が、静寂の夜を取り戻した。遠くには下卑たピンク色の
戦艦が見えた。人間の視力が正常に働くのは7Gが精々。そう言う事だ。勿論、殺人的な
Gから解放してくれた平和主義者に感謝する理由なんて、一つも無かった。
 その筈だった。
 耳の奥で、心臓が鳴った。
 光の壁が、手の届きそうな距離まで迫っていた。本当の事を一つも教えて貰っていない
騎士様にとって、自由の敵との戦いは楽しい遊びだったかも知れない。だが、ラクス・ク
ラインには今まで同様、その遊びに付き合っている訳にはいかない理由が有った。もし、
ここで俺達を逃がしたら、奴はこれからずっと、自分の亡霊に怯えて生きる羽目になる。
 世界が光った。三桁、いや、事によったら四桁の砲口だ。最初の一斉射は無傷で済んだ。
回避した訳じゃない。たまたま、俺が飛んでいる所にビームが来なかった。
 冗談じゃなかった。反撃を受ければ誰かに当たるかも知れず、当たれば死ぬかも知れず、
それは自分かも知れない彼等は、何物からも自由な白服の数百倍は真剣だ。必殺の意志を
込めた一軍の砲火を、どうしてたった一機のMSがかわし切れるだろう。全く、冗談じゃ
ない。
 宇宙が無くなった。どこもかしこも真っ白だった。真っ白な世界に、真っ白な影が浮い
た。キラ・ヤマトはヒーローだ。ヒーローがカーテン・コールにはまだ早い時間に、味方
の砲火に倒れる心配なんて有る筈が無かった。
802平和の歌第9話-4/8:2008/12/12(金) 22:44:25 ID:???
 口元に笑みが浮かんだ。それは、奇妙な高揚感だった。宿無しだった頃、ぞろぞろと連
んで出て来た風太郎の先頭がビール瓶を割った時、無意識の内に湧いて来た笑みとよく似
ていた。歌姫の騎士団は正義の味方だ。悪役で戦えるのは俺一人なんだから、その俺がヒ
ーロー以外の銃弾にかかる訳が無い。
「弾幕薄いよっ!何やってんのっ!」
 機体を右に左に振る。敵弾の一発、一発。敵機の一挙一動の全てが見えた。そんな気が
した。伊達に閑な時間を、PCのシューティングゲームで潰しちゃいない。
「レイ!パーツを頼む!」
「OK、分かった。チェストとシルエットだね」
 答えたのは、レイじゃなかった。頑なに脚を飾りだと主張する、一つも偉くないわかめ
パーマのグラサン男だ。
「レッグもですっ。俺は偉いんだっ」
 首が飛んだ。ランドセルがやられた。分離のタイミングを測る。何しろ、もう斬る所が
あまり残っていない。
 どこかの誰かの平和的な願いこそ籠められてはいるが、目を入れる場所はどこにも無い
達磨を放り棄てた時、ビームサーベルがコックピットの残像を切り裂いた。多分、コアブ
ロックのジョイントでも狙ったのだろう。
 離脱。チェストと合体。レッグも無事拾う事が出来た。歌姫の騎士団長は部下に比べて、
ファッションに理解が有るらしい。そしてシルエット。
「シルエット?」
 そのサイズは、俺を困惑させた。さしあたり、ザクの装備なのか、ザクが装備なのかに
ついては、迷う必要は無さそうだった。そもそも、MSが必要なのかどうかも怪しかった。
 昔、データでパワーローダーと言う奴を見た事が有る。MSで150mのサムライソー
ドを振り回す為に製作された代物だ。最初聞いた時は、アークエンジェル級の110mレ
ールガンみたいな物かと思ったけど、事実、チャンバラ・マニアのジャンク屋の脳は、桁
が一つばかりずれていた。
 だが、ずれている事にかんしちゃ、議長だって負けちゃいない。年来の主張通り脚こそ
ないが、腕のデカさなら艦斬りのサムライなんて子供みたいな物だ。150ガーベラを四、
五本立て続けに投げ付け、敵艦隊を纏めて串焼きにしてやる事だって、決して無理な相談
じゃないだろう。
「浪漫チック・シルエットだっ!」
 そろそろファッション所の話じゃなくなって来た。大体、この化け物腕の、どこかどう
ロマンチックだって言うんだ――――武装を確認した時、議長の言わんとする事が、なん
となく理解出来た。
「あー、議長。このドリル……」
「うむっ!男のロマンだ」
「はいはい。MMI―800“漢の浪漫”はなんとなく、分かるんですけどね。なんです
か、この左の万力。なんで、こいつが“女の執念”なんですか?」
「万の力で締め付け、離さないからだっ」
803平和の歌第9話-5/8:2008/12/12(金) 22:46:09 ID:???
 空気が読めない男みたいに見られがち俺だが、そう言われるのは正直に心外だ。実際、
俺には母船を介して無線機のか細い電波だけで繋がったメンデルの様子が、何一つ手掛か
りを与えてくれないレシーバーを頼りに、はっきりと分かった。
 フルスロットル。小さな警備会社の元社長と、一国の元元首の社会的信頼にさよならを
告げて機首を返した。巨大なアームの生み出す慣性が、機体を独楽の軽快さで回す。
 フリーダムはすぐ目の前だった。万力で何物からも自由な存在を束縛するのは、連中の
語る自由くらいにお手軽だった。桁外れのサイズに、さしものスーパーコーディネーター
も距離感を見誤ったのだろうか。
 そんな楽観は一秒で吹き飛んだ。文字通り、万力ごとだ。
「そんなことで、僕を……っ!フリーダムは伊達じゃないっ!」
 夥しい突起に覆われた、フェイズシフトする万力は、たちまちバラバラになった。全く、
俺は楽観が過ぎた。働きアリが可哀相だと、蟻の巣に水を注いで女王アリを溺死させるく
らい、自由を愛する男だ。これだけ凶悪な拘束具をちらつかされて、黙っている訳が無い
じゃないか。
「ユルユルですわね」
 桃色の声が、その名に反した締め付けの弱さを笑った。
「あんたがな」
「……君がね」
 答えた声は、何故か二つだった。
 全く、俺を空気が読めない奴だなんて言ったのは、どこの誰だろう。冗談じゃない。実
際、俺には桃色戦艦とフリーダムの間に漂う空気、真空の筈の宇宙空間の空気だって読め
ている。
「……キラ?」
 真夏の蝉よりも能弁な最高評議会議長は、俺が知る限り初めて、言いたい事を一言に纏
めてみせた。一方で、どこまでも自由な男は、黙秘権を行使した。
 レバーを手繰り、機体をもう一転。好機だった。相手の動揺につけ込む平和的なやり口
は気が退けたが、時空を超えた相手に気を遣っている余裕は無い。核動力をまるまる二つ
独占する、フェイズシフト・ドリル“男の浪漫”。こいつにかかれば、どんなMSだって
粉々だろう。
 フェイズシフトの刃がかすめ、背中のドラグーンが三本ばかり弾け飛ぶ。
「くっ!君は何故、僕をっ!……」
 距離感が狂っているのは、俺も同じだった。おかげで、絶好の機会を逃してしまった。
体勢を立て直そうと退くフリーダムを追って、重すぎる機体に鞭を打つ。
 奴が叫んだ。
「時間よ止まれっ!」
 俺も叫んだ。
「時間よ止まるの、止まれーっ!」
804平和の歌第9話-6/8:2008/12/12(金) 22:47:53 ID:???
 半ば、自棄だったと認めないといけない。その自棄が、いい結果に結びついたのだから、
認めるのも吝かじゃない。“漢の浪漫”はフリーダムのシールドとドラグーンを二基、螺
旋の刃に絡め取って引きちぎった。片腕がおまけについて来た。
「うわああっっ!」
 誰かが叫んだ。少なくとも、俺じゃなかった。太くて固くて長いドリルを、ただ長いば
かりの、速射性に優れたライフルが迎え撃った。
 宇宙が砕けた。目と耳と鼻が、真っ白に焼き付き、俺の頭から一切の情報を蹴り出した。
五秒間して自分の名前を思い出した時、俺は叫んだ。叫んだ筈だった。
「レイ!シルエット!」
 何も見えなかった。何も聞こえなかった。それでも、宇宙が俺を拒む一瞬前の出来事は、
辛うじて思い出せた。ドリルの先端が銃口を捉えた一瞬。多分、ドリルは跡形も無くなっ
ているし、フリーダムもただでは済んでいない。
 光の中を俺の元まで泳いで来た時、デイリ・シルエットの武装は半分が無くなっていた。
どの道、ブーメランだのグレネードだのは意味が無い。ハラキリダイナミックさえ残って
いれば、それでいい。
 合体。モニターの片隅にフリーダム。白い機体がポーズ人形の無造作で沈んで行く。奴
はまだ、回復していない。
 チャンスだった。九門のビームを装甲の内側で炸裂させてやれば、さすがのフリーダム
も粉微塵だろう。
 スロットルを開いた時、左腕が消えた。この宙域はビームと砲弾で飽和している。ロッ
クアラートを当てにするのは無駄だった。それにしたって、着弾の衝撃も無しに、腕が消
えるのは考え難い。光の世界に、尚、眩い閃光が走った時、背筋を氷の感触が撫でた。
 フリーダムのドラグーンだ。機首近くに灯るセンサー光が、その機能を教えてくれた。
自律型。自動照準に自動射撃。パイロットからの管制を必要としない。
「くそっ!」
 幸い、ドラグーンは本体ほど堅牢じゃなかった。九つのビームがうすらデカい横っ腹に
風穴を空ける。眼前の一基を大刀が綺麗に切り分ける。三基目を破壊。四太刀目がフリー
ダムを捉える。
 対艦刀はなんの手応えも無く、白い機体をすり抜けた。
「すり替えておいたのさっ!」
 ミラージュコロイドの光学残像が嘲笑った。俺は腹を立てるより、舌を巻いた。まるで、
ニホンの水洗トイレだ。車輪以外は何でも付いている。
 それでも巻いた舌を、そのまま鳴らす必要は無かった。歌姫の騎士団長はファッション
に理解のある男で、なにより自分が主人公だとよく知っていた。よく見える場所で、よく
見える様に、よく判らないポーズを取っていた。間合いに捉えるまで、一瞬で足りた。
「くっ!君は何故、僕をっ!……」
 九本のビームが陽電子リフレクターに弾けた。本当になんでも付いている機体だった。
歌姫の騎士団のファッションセンスに、引き算と言う言葉は存在しない。なら、斬り込み
でケリを付ける。
「……これ以上、君の相手なんか!……」
 その刹那だ。フリーダムの額が光った。0.00001秒後、ザクの片脚が蒸気に変わ
った。頭部、それもアンテナ基部にビーム砲。最低限の常識が有れば、ダミーだと考える
だろう。
805平和の歌第9話-7/8:2008/12/12(金) 22:49:36 ID:???
「くそっ!」
 歌姫の騎士団の常識を信じてしまった、お人好しの失業者が、俺は正直嫌になった。兎
に角、距離を潰す事だ。フリーダムの側に居る限り、外野の攻撃は当たらない。
 サーベルの剣光が、対艦刀と交錯した。ハラキリダイナミックは割り箸よりも容易く、
真ん中から折れた。奴のサーベルよりも、九つのサーベルの方が出力で上回る事実なんて、
なんの意味も無かった。第一、奴らが事実を必要とした事など、一度たりとも有りはしな
い。
 そして、二度もあいつらの常識を信じる程、俺だって馬鹿じゃない。MMI−669B
「ヤッパ」ビームナイフ。ハラキリダイナミックは根本の一つでも機能する。内懐に飛び
込む。
 ビームとPS装甲の間で、火花が散った。頭の中で5つ数えた時にも、白い装甲に融解
する様子は見られなかった。七つ目でフリーダムが手首を返す。剣光がデイリシルエット
の肩アーマーを弾き飛ばす。実刀と違い、接触させれば威力を発揮するビームサーベルだ
が、これ以上の損害を覚悟する必要は無いだろう。手関節の可動範囲には限度が有る。
 フリーダムがサーベルを手放した。
 喉の奥で呼吸が潰れた。武器を手放したフリーダムに、ザクを突き放そうとする素振り
は見えなかった。後方確認モニターにフリーダムの掌を確認した時、ザクがバラバラにな
った。
 背後で閃光が弾けた。考えるよりも先に、腕が分離を選んでいた。対フリーダムの特訓
を思い出す。あの時、この回避方法を徹底的に訓練していなかったら、パルマフィオキー
ナの一閃に腹をぶち抜かれたのは、奴じゃなく俺だった筈だ。
 上下のパーツとシルエットは運良く回収出来た。今日、俺は驚くほど運が良いが、それ
もここまでだった。腹部から火花を吐き散らすフリーダムが、浅い緑の機体とすり替わっ
た。
 宇宙用ゾック・グラディエイター。恐らく、平和の歌姫にも、何物からも自由な男から、
攻撃する自由を奪う事は出来なかったのだろう。味方撃ちを恐れ、射撃の効果が上がらな
いなら、後は接近して仕留めるしか無い。
「邪魔だっ!」
 前にも後にも回る鉤爪をかいくぐって、モノアイをブチ抜く。二機目がすぐ眼前に迫る。
これが最後のチャンスだ。俺に残された武器はヤッパ一振り。シルエットはもう、底を突
いている。
 頭からフリーダムに突っ込む。前後均等に火力を持つのがゾックの特徴だか、背後を気
にしていられない。
「君が立ちはだかるなら!………僕のこの手がっ!!……」
 フリーダムが腕を振りかざした。掌がデイリシルエットを捉え、頭頂部から粉々に爆砕
する様を、俺はすぐ眼下に目撃した。寸前での切り離し。シルエットの作る死角で、キラ
・ヤマトからは、見えていない。
 膝のアーマーがザクの全重量を乗せて、フリーダムの額を抉り、顔面をぐちゃぐちゃに
押し潰した。どこもかしこも頑丈な自由の剣も、砲口ばかりは例外だった。レシーバーの
中で悲鳴が潰れる。
「とったっ!」
 ヤッパを振り下ろそうとした時だ。
 モニターが、光を失った。


806平和の歌第9話-8/8:2008/12/12(金) 22:51:19 ID:???
 不意の出来事だった。
 夜が訪れた。
 フリーダムも動きを止めた。
 今、ザクのサブモニターは議長に握られていて、派手な電飾の真ん中では、いかにも時
代遅れの衣裳に身を包んだカラオケ名人が、暢気に発声練習を始めていた。
 多分、俺のザクだけじゃない。今、この宙域に展開するMSと言うMS、艦艇と言う艦
艇のディスプレイは桃色のショートヘアをふわふわのムースみたいに揺らした娘を映し出
していて、たった二人を除く全員が、素人丸出し、マイクに接吻せんばかりの歌手に、暢
気な顔で付き合っていた。
 そう、例外は二人だ。一人ぽっちのザク・インパルス乗りは、いちいちこんな舞台を整
える為、丸々一個の機動部隊の前に晒されていた事に腹を立てていたし、その機動部隊を
率いる平和の女神様は、それ所じゃなかった。
「キラ!何をしているのですっ!」
 金切り声が、回線を切り裂いた。
「討ちなさいっ!討つのですっ!早くっ!」
 文字通りに金属だって切り裂けそうな声は、誰も動かす事が出来なかった。
 無重力の舞台で、ラクス・クラインのピンクとは違う、淡い桃色の髪をした少女が、丁
寧に、そして器用にお辞儀をした。手の下では、ペーパーバックが勢い良くページを移し
ていた。細い両手がコンダクターの誇り高さで広げられた時、数百枚の紙切れは一枚残ら
ずヒトデに化けていた。
「ああっ。あれ、星か」
 俺が自分の間違いに気付いた時だ。
 歌が響いた。



 続
807217:2008/12/12(金) 22:54:09 ID:???
以上です。

次回も宜しくお願いします。
808通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 22:58:23 ID:???
GJ!
あんたは何処を目指してるんだよw相変わらず、突っ込みきれんw

そして、時止めと聞いて、アノ作品の准将を思い出したのは俺だけではあるまい
あれも人の話を聞かなかったよなぁ
809通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 23:02:31 ID:???
人の話を聞かないというよりは自己完結というかいつまでダーマやってるww
810通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 23:04:01 ID:???
どこのfinalだ>時間停止
あっちじゃシン(とカナード)だけがかろうじて抵抗できてたけど、こっちじゃシンさえも駄目か。
前に勝てたのは何でか、が鍵になるのか?ならなさそうな雰囲気だなー。
811通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 23:48:12 ID:???
finalが何のことなのかわからない俺はきっと負け組。

上手い具合に旧作パロ入れてくるなぁw それ以外もダーマやらなんやらw
でも、こういうシリアスな中にさらっとギャグを入れるのはすごいと思うんだ、真面目な話。
ホントいい文体だ………
812通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:24:40 ID:???
人間ワープかよ……こりゃシンが勝つにはス●●イドシルエットを装着するしかねえな
813通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:35:57 ID:???
GJwww
所々の原作再現具合がはすばらしいww
もうそろそろヘイト扱いしながら歌姫の騎士団がなだれ込んでくるレベルじゃないかww
814通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:36:09 ID:???
アンタはどこに向かうんだwww
恐ろしくチートかつデタラメなフリーダムとフリーダムさんに吹きまくった
実際問題、劇場版でこうなりかねないのが嫁の怖い所w

なんか転機っぽい感じだけど、あのピンクがタダで済ませるとは思えない
続きが気になって仕方ないね

finalは外部だ
思想掛かっててやや描写もくどいけど、まあ、面白いっちゃ面白い
ぶっちゃけ日本篇は「もう、投げてもいいよね…?」と思ったけど、そこを超えれば何とか…
finalでググッても出て来ないよね。final plusが引っ掛かるから……
興味あるなら、東京カウボー○でググるといいんじゃない?
815通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:37:45 ID:???
なんかこのキラ、ラクスのいいなりじゃなくて、暇だからシンと遊んでみたって感じだwww
816通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 00:49:09 ID:???
GJ!
なんて言うかもう……すげえとしか言いようが無い
それにしても筆が早いなあ

>>811
確かどこかの個人サイトの小説だったような……。
コートニーが鋼鉄ジークの替え歌でインパルスの歌を歌っていた様な気がする

>>812
反逆して右腕と背中のみに装備するシルエットだけじゃ駄目だ。
盟主王声の生き別れの兄貴と緑川声のライバルもいる。
……そういや前スレ1000がシンがトリーズナー化だったか
817通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 01:28:20 ID:???
ファイナルか
アサヒネタが豊富だったのぅw
818通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 02:56:29 ID:???
デイリ・シルエットでヤッパで攻撃してとった!言うなw
一番些細な事に突っ込んでこれかw

つうかどいつもこいつもやりすぎ
GJ!
819通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 06:07:01 ID:???
やっぱりキラさんはフリーダムであればあるほど輝くキャラなんだな、と思うわ
820通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 14:03:35 ID:???
漢の浪漫メガスピンドリル吹いたwwww
アダムスキーでも十二分に浪漫だっちゅーのにw

ヒトカラ好きの18歳の力はどんなもんか期待します
821通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 14:35:32 ID:???
額からビームって何処の騎士皇牙だww
そのうちバイパーウィップとかユニコーンドリル持ち出してくるんじゃなかろうなw

ゆるゆるって……キラ、そこだけは同情しようw
822通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 14:43:53 ID:???
>「VL―MAX、発動!」
この発想は無かったわwww
>「Ready…」
誰だテメェwww
823通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 17:18:35 ID:???
話をぶった切ってしまって申し訳ないのだが、
殺気ブラックラグーンのメイド襲来編を見ててシンが何かの因果で執事をやっているのを想像してしまった。
824通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 17:41:25 ID:???
???「執事のシン…。
身も心も主人の思うがまま…。ハァハァ」



研究員「鼻血を御拭き下さい、お嬢様。」
825通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 17:55:06 ID:???
正直、今回分あたりでちょーっとついていけないかも、と思ってしまった。
文体とか雰囲気とかすごく好きだと思うけど、メカがびっくりドッキリ過ぎて流石に違和感が。
826通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 19:16:08 ID:???
もっと言えば、キラを頭悪く描写しすぎじゃないかな、とも思ってしまった。
シンの方が知能面で劣ってるはずなのに、わざとらしい感じ。
827通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 19:24:32 ID:???
オイオイ何言ってるんだ、知能と頭悪さって別モンだろ?
それにこれ、なんかおかしくなったノリの世界って感じで好きだけどな俺。シンもそれに飲まれてるというかノってるし。
828通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 19:59:00 ID:???
キラさん至上主義者が予定通り登場してきました
829通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 19:59:52 ID:???
万力吹いたw
乙でしたw
830通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 20:03:59 ID:???
217氏、GJです。
ネタ多いのに、戦闘がきっちり進んでてすごいなあ、と思いました。
シンが真面目に不思議空間に向かってるのがなんともシュール。諦観してますね。
>>「時間よ止まるの、止まれーっ!」
梅酒吹いた。


しかし、現行スレに入って作者様方が増えたのは嬉しいが、GSG氏まだ投稿なさってないんだな。
師走だし忙しいのかな。インフルエンザとかもう流行ってきてるらしいし、心配。
作者様方各位、お体をお大事に。
831通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 20:49:24 ID:???
シンがキラより知能が劣るって描写あったっけ? キラはスパコディだからとか言うのは無しで
832通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 21:34:30 ID:???
エピ1のリメイクは厭だとか、お前らが我侭言うからだ
833ライオン:2008/12/13(土) 22:34:57 ID:???
投下します。今回も長いので支援の方をお願いします。
もし途中で投下が切れたら、規制に引っ掛ってると思ってください。



それは、まさしく伝承に語られる地獄であるとシンに悟らせるには充分な光景であった。
見るものすべてが赤く染まっている。
「……あぁ、またこの夢か」
シンはクリエイターの研究所から逃げ出して以来、この夢を二日に一度は見ていた。
十数年にわたり投与され続けてきた薬物の禁断症状であることを、彼は知らない。  
雨の中に散らばる人の体。
焼け焦げた死体の、鼻に突くような臭い。
敵機のコックピットから漏れる痛みにうめく声。
崩れたがれきの下から滴る人の血は、驚くほど赤い色をしていた。
バラバラに吹き飛ばされた人体が転がる様子は、吐き気がするほど不気味な様相を呈していた。
そしてなによりも……神を名乗る者たちに操られていたとはいえ、その地獄を作り出したのは自分だという事実が、
シンを責め続けていた。
そうやってうつむいた視線の先、彼の足もとにぞわぞわと無数の赤黒い触手のような手が生えた。
「ひっ……!?」
ずぶずぶとシンの足を無限の闇へ引きずりこもうとするそれは、彼に命を奪われた亡者たちの群れ。
その赤黒い、血で汚れきった腕がシンの足をガシリとつかんだ。
「うわぁぁぁぁぁ!! やめてくれぇぇぇ!!」
シンは声にならない叫びをあげる。
――なぜ殺した? なぜ殺した?
――なぜお前などに人生を奪われなければならないのだ?
――なぜ持たざる者を殺したのだ?
呪詛は途切れることがなく脳裏に響き、彼はどんよりとした口調で言い放った。
「……けどこの力、そしてこの俺は、殺された奴にとってはただの悪魔かもな。
フン、悪魔でいいよ。いつも俺はこんな風に壊すことしかできない最悪の化け物……悪魔だ。地獄に行くべき――」
「ちがう。お前は悪魔なんかじゃない」
その声に驚いたシンは後ろを振り返る。
834ライオン:2008/12/13(土) 22:36:06 ID:???


そこにいたのは、不器用だが見ていてすがすがしいという表現がぴったりな笑顔の女性だ。
腕を組み、不敵に唇が弧を描いている。
周囲の暗闇を振り払うように輝く黄金の髪を広大な草原の穂のように揺らしながら、女性がシンに近づく。
目前まで顔を近づけると、ぴしりと人さし指を立て一言。
「お前、頭がハツカネズミになってないか?」
「はぁ?」
「前にも言っただろ? ぐるぐる回るだけだから、ろくでもない考えはするなと。
お前には悪魔みたいな力があるかもしれないが、お前自身は悪魔じゃないんだ。
だからそれでいい……って、何を言ってるんだ私は……。バカみたいだ」
ガシガシと頭を掻きながらそう苦笑すると、女性は自身の細い手を差し出した。
シンには、その差し出された手がうっすらと輝きを放ち、まるで錯覚にとらわれることとなった。
彼を地獄に引きずり込もうとしていた手は、すでに消滅している。
「まったく……こんなところでいつまでもグズグズしてるんじゃないぞ? ステラが待ってるんだから。ほら、立てよ」
「――!! ステラが……そうか、そうだよな」
まるで光の精霊が宿ったかのように輝く女性のその手を、シンは迷わずつかんだ。

「ちょっと出かけてくる。多分すぐ戻るけどな!!」
「よし、頑張ってこい。もうお前は大丈夫だ」
そのシンの笑顔に、女性は微笑み返す。

光が、広がっていった――


その時――彼は白いベッドの上で意識を覚醒させた。
「む、起きたか、シン。さきほどからずっとうなされていたが、急に静かになったので
俺よりも先にポックリ逝ったかと思ったぞ。どうした……? 泣いているのか?」
上体を起こして目の先にあったのは、昔から変わらない無表情でこちらを見る老人の姿。
「あぁ、……夢を見ていたんだ。俺には、まぶしすぎる夢だったよ……」

それ以降、彼は二度と悪夢を見なくなった。



835ライオン:2008/12/13(土) 22:36:58 ID:???


〜ライオン少女は星を目指す〜
第六話「生まれ堕ちた命と償いの戦い」


ジャンク屋専用の艦船には、軍用よりも心もち大きめのハンガーが設置されている。
そこでデブリを分解したり、MSなどを部品に解体する作業を行うためだ。
ケンジという名の反抗期真っ盛りの少年は、そのだだっ広いハンガーの二階部分のキャットウォークで整備中の機体を眺めていた。
「な、なぁミーア。手伝うことねぇか?」
ケンジはぐるっと向きを変え、隣を見る。
そこにいたのは、無骨なハンガーとはあまりにも不釣り合いなヒラヒラの衣服を身にまとった少女だった。
ミーアという、十三という年齢に見合った可憐、あるいは聖楚といった言葉のに会う少女である。
「はい、大丈夫ですわ。あとこのプログラムを入力すれば終わりますので」
ミーアは手元に持った端末のキーボードを信じられない速度で打ち込みながら答えた。しかも片手で、である。
そういって灰色のフレームがむき出しの端末をたたく姿は、衣装とまるで似あっていない。
「そ、そっか、ならいいんだ」
言って、ケンジはミーアから目をそらす。せっかくの申し出が拒否されて、すこしがっくりきたからだ。
「せっかく二人きりになれたのに……。これじゃあ……」
「ご苦労だな、ケンジ。それにミーア」
声がした方向に慌ててケンジは視線を向けた。向こうのキャットウォークから老人と青年が歩いてくるのが見え、
ケンジは先ほどの考えを脳内から打ち消そうと必死になる。
「お、おおう!? どうしたんだ爺さん?」
「? 何をそんなに慌ててるんだお前は? シンの機体の様子を見に来ただけではないか」
「い、いやそりゃそうだよな……アハハ……」
まさかかわいい女の子と二人っきりになれたのが嬉しかったのだと、反抗期の少年には言えるわけがなかった。
「はい、おじい様。出来る限りの修理は終わりましたわ。ですが……」
ミーアが端末をパタンと閉じ、そう告げるとその場にいる全員が釣られるように目の前の血の紅い機体――アブソリュートを見上げた。
ケンジがえへんと咳払いして、解説を行う。
「当たり障りのない応急処置は俺とミーアでもうやっといた。だけどハッキリいうと、俺はいままでこんな化け物見た事ねえ。
装甲の材質から機体骨格の隅々までがワケわかんねぇ技術が使われていてよ。どこをどうイジったらいいのかサッパリだ。
それに、こんなに小さくて高出力の核融合炉なんて初めて見たゼ。思わず鼻血出ちまったよ、マジで」
「? 核融合炉って……そんなにすごいのか?」
そう訊ねたのはシンだ。
836ライオン:2008/12/13(土) 22:38:04 ID:???


「すごいなんてもんじゃないゼ! そもそも核融合炉ってのは整備が死ぬほど大変で、そのくせ装置がデカ過ぎるから
普通は戦艦の動力ぐらいにしか使われていないものなんだ。けど核分裂炉と違って出力が安定するし、Nジャマーの影響もまったく受けない。
このエンジンくらいの規模なら、戦艦の推力を腹に抱えてると思ってもいいゼ。
こんなものが世界中に出回ったらエネルギー問題は一気に解決するな、絶対。……あ、ヤベまた鼻血……」
「さっきから思ってたんだけど……もしかして君とミーアが整備してくれたのか? けどどうみても二人は十三歳くらいにしか――」
「俺は『君』じゃない。ケンジ・ギュールっていう名前があるんだから、ガキ扱いすんな!」
少年は年齢相応の不服そうな声を上げた。今の少年にとって『ガキの癖に』という態度は、人生の中で一番嫌がる時期なのだ。 
「こう見えても俺はジャンク屋の端くれだから船の操縦と管理は全部俺がやってるし、他にも修理くらいするさ! 
……まぁ、修理のほとんどはミーアがやったんだけどよ」
だが最後は申し訳なさそうに語気を弱めている。
「はい、ですがケンジさんが機体の配線を直してくれたおかげで、作業もはかどったのですわ。ありがとうございます」
「え? そう? 参ったな……デへへ」
ケンジは赤面して顔をうつむけた。さびが付着した手で、ぼりぼりと赤みがかかった茶髪を掻いている。
シンの視界からは表情が読み取れないが、満面の笑みで嬉しがってるであろうことは容易に想像できた。
様子から察するに、おそらくケンジというこの少年はミーアにぞっこんなのだろう。
「アブソリュート……」
シンは自身の乗機をもう一度見上げた。その悪魔のようなMSは、まるで眠りに落ちているかのように何も言わずたたずんでいる。

837ライオン:2008/12/13(土) 22:39:04 ID:???


――レイの船・船室
ハンガーでは話しにくいとのことで、シンとレイは別の部屋で状況報告と情報交換を行うことにした。
「シン。お前はこれからどうするつもりだ? まさか単独でヤツらの基地にでも襲撃をかけるとは言うまいな?」
鋭い眼光がシンに突き刺さる。だがそれは心配してのことだ。
「いや、正直どうしようか迷っている。そもそも俺には本拠地の居場所が教えられていないし、たどり着いたとしてもあの化け物じみた
アムシャスプンタの連中にムザムザとやられるだけだ。どうすれば――」
「ならば仲間を集めるんだシン。お前は地球へ向かえ。今、俺は昔の仲間をいまそこに集結させ始めている。お前がいればみんな心強いだろう」
シンの声を遮って、力強くレイは言い放った。
「昔……!? そういえば他のみんなは、アメノミハシラでの決戦からどうなったんだ? レイは今まで何をしていたんだ?」
「フッ、俺も手をこまねいていたわけではない。あれからほぼ全員、崩壊したミハシラから離脱したあとは各方面に散った。
カガリが決して協力者の名前を公表せず自分が先だって表面に出ていたから、メンバーのほとんどは追手もなく
平和を満喫しているだろう。俺は来るべき日のために組織を再編して、力を蓄えていただけだ」
「そうか……みんな、無事でよかった……本当に」
「では今度は逆に俺が訊こう。お前は今まで何をしていた? そしてどうやってヤツらの洗脳を解いたんだ?」
安堵のため息をかき消すような厳しい視線がシンを貫く。ついに訊かれてしまったか、とばかりにシンは目を伏せた。
「俺は……ステラを逃がすためヤツらにつかまって……バラバラになった肉体を無理やり直され、徹底的に改造された。
そして極度の薬物投与や精神操作と、骨格強化の果てに出来上がったコーディネーターでのエクステンデッド、その第一号……。
『最強兵士』シン・アスカ。それが俺だった。その実験の薬物の副作用で、俺は調整を受け続ける限り年を取らなくなって、
今の俺は肉体的には捕まった時の若いままだ」
「……続けろ」
レイに促され、シンは再び消え入りそうな声で呟く。
「アブソリュートを与えられた俺はヤツらの指示に従い、いろいろな街を襲撃した。
地球、プラントを問わず人々の政府の対応への疑いを持たせ、社会不安を増大させるためにな。
けど、ある街を壊滅させた時俺はそこで……見たんだっ……!」
レイは皺だらけの口を思わず閉じ、絶句した。
838ライオン:2008/12/13(土) 22:40:04 ID:???


大の青年が崩れ落ち、肩を震わせながら大粒の涙を流していたのである。
言葉では表せられない、もっと根源的な罪の意識が、水滴となってしたたり落ちていく。
「俺がビームでなぎ払った街の廃墟の中で……バラバラになった家族の遺体を抱きながら泣きわめいている子供を……!
そして、その子供の憎しみに染まった目で獣のように吠える様子を……俺は見てしまった!
気が付いたら俺は……調整を受けていた研究所を破壊して脱走していた……! 俺はあの時間違いなく、化け物だったんだ……!!」
嗚咽を上げながらシンがレイに声を荒げたのは、数えるほどしかない。レイは、シンの強い反応に一瞬だけひるんだ。
だが、ようやくシンの悩みの一端を覗けたことができたのである。レイは持ち味である冷静さを使い、穏やかに切り出した。
「そうか、お前はお前自身の手で同じ境遇の者を作っていた、と。――重いな。
だが……カガリの言葉を思い出せシン。『自分に与えられた運命を利用しろ』と言われただろう?」
大粒の涙をこぼし続けていた青年は、ハッと気づいたように顔を上げた。
目の前の老人は頬を緩め、続ける。
「俺はあの言葉に救われた。数年の命しかないと言われ、ギルに従うことでしか己を保てなかった昔と違い、
俺は『俺』であり続けることができた。メサイアから脱出した俺を立ち直らせてくれた彼女には感謝している。
だから、俺も言おう。――お前の罪は決して消えないだろう。
だがその悪魔のような力は、お前の力だ。今更償いようがないのなら――」
老人はすく、と立ち上がり青年を見据えて力強く言った。

「戦え、シン。きっとお前は戦うために、もう一度生まれ落ちてきたんだ」

「……戦うために……もう一度……」
涙を潜ませ、青年は立ち上がった。レイの言葉をはんすうするように呟く。
「そうか……何人殺したか覚えていないが……おれはまた、戦ってもいいんだな……」
そう言って、シンは昔のことに思いをはせた。



839ライオン:2008/12/13(土) 22:41:02 ID:???


――17年前。オーブ・オノゴロ島・慰霊碑前
当時、地球統一連合軍主席と呼ばれていた一人の少女は、海にその身を投げようとしていた少年に告げたことがあった。
「なぁ、シン。私は、オーブの獅子の娘という運命を与えられた者として叶えたい夢があるんだ」
「……どんな夢だ?」
黒髪の少年が問いかける。その澱みきった紅い目は懇願していた。早く死なせてくれと。
ふと金の髪の少女は、ガラスがちりばめられたような満点の星空を見上げた。
前よりいつも上を向くようになったなと、少年は思った。
その口からはいくつもの夢が紡がれる。
「そうだな……まずは小さな子供が腹をすかせて泣かないようにすること、故郷を焼かれた人々が嘆かないこと、
愛し合った恋人同士が引き離されないようにすること……。
それに――――ダメだ、言い切れない」
難しい顔でそう紡いだ少女は、ふっと軽く噴き出した。くだらないことを指折り数えている自分が可笑しくなったのだろう。
「ともかく、私はこの与えられた運命をおもいっきり利用して、力のない人々……持たざる者の命を救いたいんだ。
ナチュラルもコーディネーターも関係ない。できるだけ多くの人々を、だ」
「また綺麗ごとか。……バカじゃないのかお前?」
少年はあきれた口調でつぶやいた。その綺麗な顔に一度ぶち込んでやろうかと思い、握った拳に力が入る。
だがそれを知らない少女は、穏やかな口調で切り出す。
「綺麗ごと、か……私はな、つい最近まで――ミネルバでお前に罵られた時も、世界はなんで平和になってくれないんだろう?
 自分はこんなに頑張っているのに、正しいことをやっているのに……としか考えていなかった。
 本当は辛い現実を直視したくなくて何もせず、あろうことか国を捨て世界中を混乱に陥れたのにな。
 ……認めよう、私は馬鹿だ。ましてや以前は、為政者の癖に世界を知ろうともしない大馬鹿者だった!」
少女は謝罪するように頭(こうべ)を垂れた。それは数年前亡くなった父に向けられているのかもしれない。
迷いを振り払うように上げた顔には、涙がたまっていた。そして揺るぎない意思が灯った金色の瞳でキッと強く少年を見据える。
「何もできないとお前の言う『綺麗ごと』を言って口だけで嘆いていたが、今は違う。この立場になってようやく私は決意した。
この運命を得た身として、自分にできることをしようと。尊重されるべき、命を救おうとな。
そしてさっき、その夢が一つ叶った。――お前の命だ。シン」
「…………」
840ライオン:2008/12/13(土) 22:42:10 ID:???


人々は少年に諭すように言い聞かせる彼女を『オーブの獅子』と呼ぶ。
その凛々しい少女の視線に射すくめられた少年は、思わず動けなくなるほどであった。
「お前はさっき崖の上で言っていたな。力を得た自分が恐ろしいと、誰かを殺すのはもう嫌だ。だからもう死にたい、と。
それはよくわかる。そう考えられるなら、お前は笑いながら人を殺すヤツらなどよりかは、ずっとマシだ。
けどもっとよく考えてみろ。そんなお前には、そのキラをも打ち倒せる力があるんだぞ。正直、私はお前がうらやましい」
少年は憔悴しきった顔で、故郷の代表であった少女を見つめ返した。
「うらやましいだって!? 人を殺せることがそんなにいいのかよ! 今の『議長』たちに褒められなくてもいいから、
俺はもう人を殺したくないんだ!」
「何事も力は使いようだ。他人より優れている才能があればそれはいいことなんじゃないか?」
「人殺しの天才でもか!?」
「さっき私が言っただろう? 力は使いようだってな。
例えば……私のような小娘には出来ることなどたかが知れている。高い席に座りながら、
本当に苦しんでる人々を守れないことをいつも悔やんでいた。
だけどな、シン。お前の私にはないその力を使えば、もしかしたら彼らを助けることができて、流れる血を
減らすことができるんじゃないか? それができるかもしれないのに、お前は死を選びかけたんだ。
もしそれがお前が与えられた運命だとしたら、無駄に命を散らす前に最大限に利用してみろ。
……逃げるなよ。生きる方が、戦いだ」
先ほどまで故郷の島の海に身を投げようとしていた少年には、その言葉は染み渡った。
極限まで衰弱して泥沼の底のように澱んでいた心身が、すみずみまで洗われて行くかのようだ。
「べらべらときれい事を……そんなこと、できるわけが……ないんだ」
それは少年のささやかな反抗の表れだったのかもしれない。
少女は再び天を仰いだ。少年もそれに釣られるようにその視線の先を見る。
その瞬いていた星空はなりをひそめ、遠くの水平線からはうっすらと日が昇り始めていた。
「もうきれいごとじゃない。『できる』か『できない』で悩むんじゃない。この私が『やる』と言っているんだ。
……いや、お前をこんな状況に追い込んだ本人が偉そうに言ってすまない。私は馬鹿だから説得することが苦手でな……。
だけど、死ぬことだけはやめてくれ。頼む、この通りだ」
そう言って少女は再び深く頭を下げた。今度は力強く、少年に向けて。
さざ波の音が、周囲の空間を支配し、いやに耳に響いた。
841ライオン:2008/12/13(土) 22:45:01 ID:???


ただ少年は決意する。
少女の身でありながら、これほどの決意を持つ目の前の『馬鹿』のバカげた夢を見届けてみようと。
一度は憎んだ相手だが、命を救われたことに変わりはないのだから。
「……おい、アスハ。アンタの言う通り、俺は生きてやる。
けどな、アンタの意思なんか関係なく、俺はアンタを利用して運命とやらを最大限に使ってやるよ、絶対にな。
勘違いするなよ? オーブを許したわけじゃない。けどアンタだけは信じれそうだから無期限の執行猶予を付けてやるだけだ」
そういって立ち上がった少年の瞳は、決意の火がついたように紅く燃え盛っていた。
「ああ、かまわない。地球統一連合軍主席なんていう最高の道具が目の前にいるんだ。
もしその道具を使って人々の命が助かるなら、思い切り利用してくれ。
その代わり、私もお前を少々利用させてもらうけどな」
すると、少女――カガリ・ユラ・アスハは、自らの足で立ち上がった少年に細い手を差し伸べた。

「シン。他人を苦しめたり、血を流させたりするのが嫌なら、他人が苦しんでいるのも止めて見せろ。
お前は、それができる運命を背負ったんだ」

そう言ってほほ笑んだ少女のその笑顔は、のちに少年にとっては最も大事な笑顔となった。

俗に言う『アスハの反乱』が起こる、数か月前の話である。



 
842通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:47:32 ID:???
支援せずにいられない!
843通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:48:39 ID:???


すばらすぃ
844ライオン:2008/12/13(土) 22:52:16 ID:???


以上です。

他の職人に比べて、下手な文章で申し訳ない。
こいつ下手な文だなぁと思うより、まだまだ伸びしろがあるじゃないかと逆に考えていただければ幸いです。

あとカガリの描写が変だ! コイツ絶対カガリじゃないだろ! ということについては、
こいつはアニメ終盤辺りから嫁の呪縛が解け、一気に覚醒した『きれいなカガリ』だという解釈でお願いします。

なお、これ以降も各キャラの子供を出した際には、親の性格と能力を受け継いでると思いください。

>>710 まさかネタが一発でわかる方がいらっしゃるとは……。
必殺技がカッコいいからファイヤーがほしかったのに、親になぜかシャドーを買ってこられ、
悲しかったのはいい思い出です。
本編機体と同じですが、ガワラデザインはやっぱりカッコいいですよね。

>>702 おおっ! ありがとうございます。Vガンの機体の画像がこんなに。
けどそういえばVガンのMSVってめちゃくちゃ量しょぼかったですよね。
確かジャべリンキャノンでしたっけ? ちょっと出して見たい気も。


長くなりましたが、感想と問題点の指摘をお願いします。

845通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:10:12 ID:???
>>844
敢えて言おう
てっきり「誰かが“勝手に”掛け合わせて、シンはずっと「母親はステラ」と思っていた」と
思っていたのにーっ
846ライオン:2008/12/13(土) 23:16:32 ID:???
>>845 すいません。確かにフラグ的に考えればそうなんですよね。
実は最初はそうしようとも思っていたんですが……。

なお、この組み合わせなのにはワケがあります。最大の伏線なのでまだ言えませんが。
847通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:34:44 ID:???
>>844
投下GJ!
これはいいカガリだ。本編でもこの二人のぶつかり合いをもっと見たかった……
贅沢を言うなら、その終盤からの覚醒の経緯もどっかで触れてくれると嬉しい。
848通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:38:28 ID:???
所で、サイズがもう471kbだ。投下多かったからね……
確か上限は500kbだったと思う。
もう少し大丈夫だけど、950まで持たんかも知らんね。

次スレのタイミング、どうする?
849通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:51:12 ID:???
最近は投下の間隔も短いし、早めにした方がいいかもね

>>844
GJっすー
こんな綺麗なカガリだったらユウナ追い出しても許せるわ・・・
850通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:59:24 ID:???
きれいなカガリだったら、たとえセイラン親子がTVと寸分違わぬ俗物でも
短期にオーブを復興させた手腕と功績に遅まきながらも気づいて反省するんじゃないかな。
851通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 00:56:25 ID:???
なんという綺麗なカガリ
最近兄弟スレのカガリしか見ていなかったので、違和感しかねえw
よくよく考えるとアフターもののカガリってかなり影が薄いよね
852通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 01:04:30 ID:???
>>戦うために、もう一度生まれ落ちてきたんだ
なんというか、こういう言葉は同じなんだけど意味しているものはまるっきり違う、っていう言葉の使い方は大好きだ。
ていうかホントにブレード好きなんだなライオン氏はwいや、俺も好きだけどw

個人的にはこういう知ってる人ならニヤリとできる台詞は大歓迎ですよ?
853通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 01:17:38 ID:???
にしたって、やったら男前だなぁこのカガリは……
なんとなく騎士が王に忠誠を誓うシーンっぽく見えるのは俺の気のせいかw
ここからどう恋愛感情にまで発展するのか………


もしかして、押し倒された?……………シンがw
854通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 02:24:26 ID:???
現在471KB
855通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 03:05:23 ID:???
カガリねえ・・・反省も成長も無かった無能がどうやって成長したのやら
856通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 03:11:29 ID:???
きっと外宇宙からの電波を受信したんだよ
857通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 06:35:20 ID:???
ふんぐる いむぐる うなふ
くとぅるふ るるいえ うが・なぐる ふたぐん
858通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 06:47:54 ID:???
とりあえず>>900とった人にお願いするってことでOK?
859通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 07:25:25 ID:???
なんという白いカガリ。アデランたちから離れて、ようやっとまともになったか
この二人の子ってんなら、ステラのアノ暴れっぷりも納得だZE。次はどこを飛ばすのやらww
続き楽しみに待っとります〜

>>857
ラヴクラフト乙
860通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 07:29:00 ID:???
乙であります!
気になったのでちょい修正を…

>>837
今、俺は昔の仲間をいまそこに集結させ始めている。

「今」と「いま」が重複していますね。
どちらか消すべきかと思います。
個人的に
今、俺は昔の仲間をそこに集結させ始めている。
の方をお薦めします。


カガリ、立派になって…。
もともとカガリは悩んでも行動に移す子だから
一皮剥ければ出来る子になるはずだったんだよな。






でも、俺はみなたま派だからな!!
バラバラになった仲間にはみなたまも居るんだ!!
きっと居るんだ!!
861通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 08:19:04 ID:???
>>855
よみがえった某ロゴス幹部の命で拉致され、ゆりかごで最適化されたんですよ
862通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 10:16:34 ID:???
>>860
ふと思ったんだがMOR氏の短編だとみなたまってCE73時点で12歳だったよな。
MOR氏の本編がCE77でみなたま16歳種死シンと同年齢
ライオン氏の話だと十何年後だから……いづれにせよ『たま』って年齢じゃないな。
あれ? するとライオン氏の話だとミナ様はとっくにバb……
863通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 10:39:32 ID:???
ミナさんじゅうさんさい
864通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 10:42:57 ID:???
俺とみなたまの間に生まれたミナ二世とギナ二世だソキウス
865通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 10:50:23 ID:???
ギナ二世「す〜てらちゅわ〜ん♪お〜れ様はギ〜ナにせぇ〜い!」
866通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 12:20:19 ID:???
>>865
邪なソキウスとみなたまでユウナ二世が生まれたらしい
867通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 13:11:38 ID:???
>>850
政治家は俗物でいいんだよ 国の利益の為に動くのが仕事なんだから 中身の無い理想を掲げて国を焼くような奴は政治家にあらず。
868通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 15:53:45 ID:???
まあある意味不幸な姉弟ではあるわな、カガリとキラは
親父がMADで、弟は実験体にされて、姉の引き取り先はアスハ家でと
せめて姉弟揃ってヤマト家で引き取られていれば……
869通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 16:27:22 ID:???
ヤマト夫妻はマトモそうだったのに キラはなんであんな風になったんだろう?
870通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 16:33:16 ID:???
ヒント:夫妻の登場回数

種死時点で消されてたりして    なんてのが冗談にも思えない気もするから怖い。
871通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 16:44:40 ID:???
>>869
最初の頃は頑張ってたじゃないか
周りの大人が不甲斐なかったのもあるが、決定的だったのは避難民を守りきれなかったのと
フレイから変なちょっかい出されてたのがな
それで精神疲弊しきったところで洗脳電波喰らったら抗う事は難しいな
872通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 16:55:23 ID:???
別におかしくはなってないよ。互いの友達を殺され、激情のまま親友と刺し違えるっていう、
ちょっと古臭いけど王道的な終わりを迎えたじゃないか。年若い志願兵の悲哀が出てたぞ
873通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 17:00:13 ID:???
>>872
つまりキラもアスランもあの戦いの後既に二人目に………
874通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 00:41:21 ID:???
そうやってできた二人目も、髪の毛の問題は解決できなかった、と。
875通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 04:59:04 ID:???
パトリックが粛正された本当の理由はハゲ=コーディ技術の限界の象徴だからだったりして。
アスランも、将来、禿げた日には……「元から居なかった」ことになるかも。
876通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 18:57:33 ID:???
いや、パトリックはアスランに最高の調整を施したが、少しは親子の繋がりを示す部分を残して起きたかっただけなんだろう。
877通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:14:04 ID:???
容量が際どいから投下が手控えられてるのかと思ったので新スレです。

ガンダムSEED 逆襲のシン・アスカ EPISODE XXW
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1229335893
878通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:24:13 ID:vEw0wdOF
もしZガンダムでアムロさんが完全覚醒したらカミーユはこういう扱いになっていたんだろうね。
俺の考えるストーリー
「成長したシン=アスカは、戦争を絶対に起こさない政治を目指して政治家になる。
そして、ネオ=プラントの総裁に担ぎ出される。」
879通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:25:10 ID:???
種死終了後、部下とルナやメイリンと同じような関係になり迷った挙げ句に女を5人もとっかえひっかえしラクスに「身を固め無いとスキンヘッドにする」と言われ更に迷った挙げ句

クリスマスイブの告白会見(ジェス等各国メディアの前)で「禿げたのは女にうつつを抜かしたせいだ!キラタンラァァァァヴ!!」(八頭身でキラにルパンダイブするアスランのAA略)としでかしてラクスにソファーで殴られるネタなら見た。

後日談でアスランは凍り付けにされキラは二度とお部屋から出て来なくなり絶望したザラ派テロリストはみんなで出頭しユーラシアの某軍人が永久凍土に生える希少なコケから作られた育毛剤で財を成し後の毛生えロゴスを作り出して世界経済を立て直し世界が平和になった。
880通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:26:03 ID:vEw0wdOF
>>869
遺伝子操作されていたから。
性格と言うのは遺伝子と環境の両方の影響を受ける。
881通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:36:43 ID:91VTEzeU
882通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:39:02 ID:O0am5Quz
d
883通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:02:47 ID:???
>>844 GJ!
>なお、これ以降も各キャラの子供を出した際には、親の性格と能力を受け継いでると思いください。
アレックスが役に立たない予感がw
884通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:05:47 ID:???
能力はともかく性格までとなるとなw
でも性格は環境で全然変わってくると思うが
885通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:40:21 ID:???
まあそのあたりはフィクション的な嘘ということで許容範囲だろう
886通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 05:06:11 ID:???
つまり裏切る度に出世するモテモテな男になる訳か
887通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 15:12:13 ID:???
>>871
いや、フレイのちょっかいまではまだ許容範囲だろ
むしろ、アレはフレイの最初の気持ちともかくとして、キラ側的には同情でもいいって感じで
その他の避難民守れなかったり、手抜きのせいでフレイの親父守れなかったりした精神的追い詰められを癒す働きがあったし

問題は、オーブ戦直後のトール撃墜だ
あそこでゼミ仲間で始めて自発的に自分がコーディだって正体バラした内の一人を失って決定的にキラは落ち込んで
そこが致命傷になって、キラは完全にどん底に潰れた

まあ物語的な事言ったら、本来はどん底に潰れるとか中盤の盛り上がりのヒキ
そこから自力で再起した上で、失った者の意思を背負って超覚醒するのが主人公としての王道なのだが
ところがぎっちょん、回収されたのがラクスの桃色洗脳じゃあ以降キラがダメになるのは目に見えてた

迷いながら悩みながら壁にぶち当たりながらどん底から立ち上がり、自力で壁を掘り進め始めるから主人公が輝くっつーのに
他人に洗脳されて僕は正しいんだ悩みなんてくだらないよッて風になってどうする
888通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 15:18:51 ID:QK6ZNifT
フリーダムに乗るまでのキラはまともやったのになー
889通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 15:31:34 ID:???
実は、フリーダム自体が洗脳装置だったりしてなw
890通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 15:45:31 ID:???
それまでの価値観破壊して全く違う環境に置いた挙句全肯定っていうのは
現代でも存在する洗脳の常套手段だし
891通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 17:42:33 ID:???
>>890
sneg
892通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 19:02:41 ID:???
確か「ラクスの天然っぷりは演技」だと監督自らが発言してなかったか?
893通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 19:31:42 ID:???
言ってたね
演技で周囲を欺きながら使えそうな奴を探してるって
894通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 19:33:30 ID:???
演技じゃなかったら別人だよな…
895通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 19:55:09 ID:npK3uSJ+
ラクスよりカガリが好き
種死ヒロインはみんな嫌い
896通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 20:05:30 ID:???
>>887
トールってイマイチ影薄い
キラにとってはデカい存在だったかもしれないが
視聴者にとっては微妙だよな
てか、運命のキラはトールの存在忘れてるよな
897通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 21:06:34 ID:???
種シリーズはラクス主人公の乙女ゲーム録
898通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 21:08:44 ID:???
>>889
ただ機体をパクっただけじゃどんな機能があるかわからんからな。
外部からダウンさせられたらヤバいし
つまり、不利益な機能は排除して都合の良い機能をつけた場合・・・

899通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 23:29:59 ID:???
>898

プラントへ拉致されるまでは意識がなかったからなにをされても判らないよね。
もしく宇宙空間を単身地球へと戻る間にモニター類から催眠暗示をうけつづけたとか
900通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 23:43:29 ID:???
>>899
そう言われればときたアストレイでロウに背負われてマルキオ導師の家に担ぎ込まれた後
マスドライバー使ってプラントに行くとき何か妙なカプセルの中に入っていたな……もしかしてアレって
901通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 00:00:19 ID:???
うめ
902通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 00:52:58 ID:???
950まで持つかな?

>>900 
そういえば虎もロウに助けられる時あんなカプセルに入ってた気が……。
そうか、あれはラクシズ洗脳装置だったんだよ!! 
903通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 01:12:17 ID:???
つーかゆりかごがまずああいう装置だろ
904通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 01:27:45 ID:???
そういやマルキオとかいたな
SEEDを持つ者うんたら思わせぶりに言ってたけど
結局投げっぱなしだった
905通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 02:59:03 ID:???
マルキオの掲げる「SEEDを持つ者が優良種として人類を導く」という思想はグノーシス主義もびっくりの超危険な選民主義だからな
ラクスにその考えを吹き込んだ本人と考えると、その謎な権力も相俟ってCEの真の黒幕といってもいい存在
906通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 05:00:05 ID:???
新スレ立ってるから埋めちまおうぜ?
907通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 05:47:36 ID:???
つまり、真の敵は裏ですべてを掌握する暗黒大将軍マルキオ。
そしてマルキオの思想に賛同したラクス率いるラクシズor歌姫の騎士団
さらに、ラクスに操られている堕ちた英雄キラ・ヤマト
908通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 16:48:44 ID:???
909通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 18:01:12 ID:???
910通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 19:04:29 ID:???
911通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 19:14:31 ID:???
912通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 21:44:23 ID:???
913通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 21:45:14 ID:???
914通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 21:45:48 ID:???
915通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 22:33:42 ID:???
916通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 22:40:58 ID:???
917通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 22:50:04 ID:???
918通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:22:45 ID:???
919通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:38:42 ID:???
920通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:48:08 ID:3WM7qEqA
921通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:29:56 ID:???
922通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:36:58 ID:???
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923通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:38:02 ID:???
924通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:39:56 ID:???
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925通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:41:01 ID:???
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926通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 01:07:42 ID:???
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927通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 01:09:16 ID:???
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928通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 01:09:29 ID:???
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929通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 01:09:41 ID:???
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932通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 01:10:50 ID:???
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