【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】

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1通常の名無しさんの3倍
このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリでクロス物とされるスレの統合を目的としています。
種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
種作品内でのIF作品は兄弟スレにお願いします。

過去スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196339764/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 2【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208353319/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 3【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212323601/l50
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 4【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218203927/

まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 5
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212578381/l50
2通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 16:58:23 ID:???
>>1
3通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 18:07:11 ID:???
ウッソがV2で現れたら
まどろっこしい種の人間描写など無く、簡単に全てを終らせる
4通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 18:13:28 ID:???
ウッソはとりあえず話し合いしようとするよ
でも相手に人間の言葉が通じないので止むを得ず実力行使
その後はその通りw
5通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 20:40:44 ID:???
最初からV2で暴れたら話が続かないだろw
6通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 22:06:45 ID:???
もしエルドランがやってきたら……



ロボット託せられる子供が見つからなくてガックシ。
7通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 22:57:59 ID:???
シャトルに乗ってたかもしれないけど、撃ち落されちゃうしな・・・
8通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 23:35:46 ID:???
隠れてて運良くシャトルに乗りそびれるとか
9通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 23:39:59 ID:???
それでもエルちゃん1人だけだもんな。
せめて3人いればガンバルガーに……。
10通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 23:39:59 ID:???
もしゼンガー親分がきたら

ラクス「わたくしの話を……」
親分「黙れッ!そして聞けッ!」

話が通じない同士どうにかならないかな?
11通常の名無しさんの3倍:2008/11/12(水) 23:48:18 ID:???
種の子供キャラって・・・エルとマユと風花くらいしかいない・・・
しかも内二人は死んでる・・・キラが関わって
12通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 00:49:28 ID:???
種死にバイドがやってきたら?
13通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 01:21:07 ID:???
>>12
ちょっとだけ防戦→全滅の構図しか思い浮かばないのだがww
14通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 07:45:17 ID:???
前スレのサンライズの主神が地獄行きにしたサンライズキャラを種世界に不法投棄が「ミーディエーターがレドロス軍を種世界に送り込みました。」に見えた俺は末期

それでネタを考えたがゴステロと死鬼隊は敵キャラとして完璧すぐる素晴らしいキャラだと再認識した。
15通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 07:56:33 ID:???
>>11
無印種ならエルドランの力でエルが生存でエル、風花、プレアでやれる気がする
16通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 11:56:24 ID:???
>>10
それなんて漸○無
17通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 13:28:12 ID:???
>>16
親分in種って既にあるのか?
18通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 13:52:56 ID:???
>>17
あるだろ、普通
19通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 15:38:10 ID:???
あれかフレイがある意味トンデモない、キラヘタレになっているやつか
20通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 19:16:55 ID:???
そういや悪魔城ドラキュラのドラキュラ様は
強さがその時代の不安定さや腐敗に比例するという
一見地味で実はとんでもない厨能力の持ち主なんだよな。
(これのお陰で様々な作品中で世界を滅ぼしかねないと言われている)
種の世界に来たらどんだけパワーがインフレするんだろ?
21通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 20:49:43 ID:???
>>20
最早邪神
22通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 20:53:06 ID:???
種・種死じゃないが、00世界に来ても邪神になりそうだな
一期なんて危ういバランスの上で成り立ってる三国だったし
23通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 21:28:05 ID:???
問題はトランシルベニア周辺までしか手を伸ばさないことだな。
カーミラみたいな側近が居ればまた別なんだろうけど。
24通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 22:25:32 ID:???
トマトジュースでおびき寄せる
25通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 23:12:49 ID:???
『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』の二作からすると、むしろラクスかキラがドラキュラの転生のように思えてしまうのですが。
26通常の名無しさんの3倍:2008/11/13(木) 23:50:10 ID:???
00世界にCBではなく、ラクシズが現れたら

とりあえず、戦場で「戦いを止めろ!」と言いながら双方MSを戦闘不能にする
紛争の根源がなんなのか理解されず、紛争や演習問わず戦闘しているMSを
ただ破壊する行為に、種世界なら賛辞かもしれないが00世界の住人は……
27通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 00:17:42 ID:???
凸「抱きしめたいな、キラァ!」
ハム「なんという変態だ。ああはなりたくないものだな」
28通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 01:17:36 ID:???
橘真冬が種の脚本を書いていたら?
29通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 01:20:05 ID:???
橘真冬が分かんないよ。
30通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 01:43:36 ID:???
>>29
「花子と寓話のテラー(えすのサカエ)」のラスボス

印象的なせりふとしては、
「何て愚かなんだ、読者って奴は!みんな自分勝手に人の話を歪めやがるっ!」 というもの。
31通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 01:57:19 ID:???
>>26
スレタイ読めないの?
32通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 02:00:30 ID:???
そういやもしも00の世界に××が来たら、って系のスレって無いの?
33通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 02:23:15 ID:???
>>31
テンプレ読めないの?とか言われたいか?


クロス方向指定は無かったはず。
34通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 02:57:49 ID:???
ラクシズなんか00世界に現れたらフルボッコされて終わりだろ雑魚がw
35通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 03:08:28 ID:???
ラクシズが異世界に行くと、シンパが居ないので補給が受けられず、最初は戦えてもその内、疲弊して滅びる

ラクシズは組織に主義主張がなく、主に個人のカリスマに頼ってるから、それが通用しない異世界では仲間が出来ないのが辛い
36通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 03:10:08 ID:???
特に00はリアルで漢っぽい世界観だからな。
ラクシズは馴染めないw
37通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 03:15:34 ID:???
そこが旧作ファンにも受け入れられて評判の良い00と、種(笑)の差だなw
38通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 03:25:42 ID:???
まともで賢い人間しかいない00の世界は
ラクシズによって大迷惑だな。
39通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 06:42:24 ID:???
00を持ち上げて種を叩くスレではないのだが

40通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 09:42:40 ID:???
元ロボット刑事Kを持ち上げるスレはここですか?
41通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 13:07:02 ID:???
恋姫†無双の武将たちが来たら
42通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 14:50:35 ID:???
恋姫無双ですか……主要キャラをことごとく女性化するんですね?
ラクスはもちろん若本ヴォイスに。
43通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 15:09:43 ID:???
>>42
キラアスはともかく、シンはなんか似合ってそうな気が・・・
44通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 18:23:56 ID:???
アスカ姫ですね、分かります
45通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 21:02:23 ID:???
愛紗とシンが、家族をなくした者同士意気投合しそうな気がする
46通常の名無しさんの3倍:2008/11/14(金) 23:16:32 ID:???
>>42
そんな事は絶対させまいっと嫁が断固拒否で立ちはだかった
47通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 00:40:20 ID:???
SDガンダム外伝のキャラが来たら
48通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 10:39:18 ID:???
種キャラで学校の怪談やらせたら?
49通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 10:43:12 ID:???
イザークが喜んで怪談話とか民話語りそうだ
50通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 19:07:20 ID:???
もしもジオン公国がきたら〜ってのがあるので逆にもしもUCの地球連邦が種世界にきたら
主役機は当然RX−78ガンダム
51通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 19:27:39 ID:???
連合・ザフト・ジャンク屋ギルド共に連邦軍に制圧されて終わりって結果が出てたな、そのスレ
52通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 19:41:51 ID:???
連合陣営はチートだからな、将官とパイロットと物量が
53通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 20:44:08 ID:???
SDってあれだろ。∀のずっと先の話なんだろ。
UCの連中でも勝てねえよ。

>>52
多分、連合と連邦を混同している。
54通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 20:47:39 ID:???
>>53
SD…
CEの間違いと違うか?
55通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 21:00:15 ID:???
CEが∀の後とかwww

公式で
UC→【アナザー各種が滅んだり再生したり】→∀
ですが何か?

で、どっかで∀→SDと書かれてる
56通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 21:04:51 ID:???
SDの世界は文明が何巡もして機械生命体とかが誰かが創った訳でもなく普通に存在するようになった世界。

たぶんイデとトミノに事あるごとに吹っ飛ばされたからキレて突然変異しちゃったんだろう
57通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 21:23:51 ID:???
聞いた所によるとSDの世界って空気中のナノマシンがえらい事になってるらしいな
58通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:08:04 ID:???
>>50
一応あったんだぜ、そういうスレ
結局SSが投下されることなく落ちた記憶があるけどなww


って言うか、連邦の場合は「もしも地球連合じゃなくて地球連邦だったら」の方がらしくなるような気がしないでもない
59通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:33:46 ID:???
>>58
過去にあったのか・・・知らなかった
たしかに「もしも地球連合じゃなくて地球連邦だったら」のほうがしっくりくるね

でも、その場合はスレ違いになるのだろうか?
60通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 23:55:10 ID:???
兄弟スレで超妥当なのがある
61通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 01:26:02 ID:Il9ECzGI
SDガンダムは、∀みたいなナノマシン集合体だからな。

なんつーか、アザゼルだっけ?アームズみたいな物。
62通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 03:12:49 ID:???
>>61
なんと。つまりSDの連中は、あれほどやられてもやられてもしつこく生き残ったデビルガンダムがやられた後にこれまたしぶとく生き残ってどっかに潜んでいたDG細胞の可能性が高いのか。
自己進化・自己増殖・自己再生するから一番生き物の細胞に近いし。
63通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 05:44:26 ID:???
フェアリィ空軍がきたら
64通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 10:29:49 ID:???
>>62

 そうでもないぞ。
 ナノマシンの機能的には∀の方が遥に進んでいるらしいし、スモーにだってナノマシンは使われている(=ムーンレイスはナノマシン技術を持っている)。
 地球再生の為に何度も散布された月光蝶のナノマシンやら、∀後に再び進んだ技術で作られたナノマシン、
 或いは、ターンX作った外宇宙に進出したNT達の文明の所産かもしれん。
65通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 11:15:19 ID:???
一応ガンダムフォースの設定じゃ
町の中心の塔の下に旧時代のMSが埋まってて
そいつは戦争で使われた兵器だからもうでかいサイズのロボットは生産禁止になって
友達にと、人間大のロボット、モビルシチズンを開発したという話がありましてね
66通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 13:30:47 ID:???
SDってそんな深い設定があるのか、知らなかった
67通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 15:42:13 ID:???
SDは一新した時に梃入れで設定を大幅に追加したからね
まあそれだけ製作側には∀のナノマシンや黒歴史設定が魅力的だったんだろう
68通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 16:44:02 ID:???
『黒歴史』導入による全ガンダム世界の統一。
確かに、これを前提とするなら……世界地図を見ると時系列が分かるかな? ファーストなんて、コロニー落としでオーストラリアがえぐれているから、他の作品で残っているならそちらの方が先になるわけだし……もしもの時はファーストがファーストでなくなるのかな?
69通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 16:50:11 ID:???
∀時代に、初代およびX時代のコロニー大量落下の爪痕がないんで、
そこら辺は月光蝶のナノマシンで修正されてるっぽい。
70通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 17:07:13 ID:???
Xの後なんてまともに残ってる大陸自体がないからな
71通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 01:03:48 ID:???
種キャラで4次聖杯戦争を行わせたら?

シン→バーサーカー(ランスロット) カガリ→ライダー(イスカンダル)
キラ→セイバー(アルトリア) アスラン→キャスター(ジル・ド・レイ)
ルナマリア→ランサー(ディルムッド) レイ→アサシン(ハサン)
ラクス→アーチャー(ギルガメッシュ)

とりあえずイスカに振り回されるカガリが思いつく
72通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 01:22:29 ID:???
文学文学
73通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 03:24:23 ID:???
『もしもラクス・クラインがエンジェル・ハイロゥに乗ったら』
ってのを思いついたけど、思いついただけでどーもならん
74通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 03:59:36 ID:???
別にラクスの声にコーディ洗脳する電波があるだけで、脳波出してるわけじゃないからな
75通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 09:34:51 ID:???
そうだったのか、thx
やっぱ思いつきだけじゃダメだなw
76通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 19:39:23 ID:???
クルーゼがこっそり乗り込んでて
ラクスの代わりに電波出して人類絶滅
77通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 21:40:56 ID:???
カガリが乗って人類滅亡
78通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 21:44:04 ID:???
種魂
79通常の名無しさんの3倍:2008/11/17(月) 22:59:42 ID:???
砲神エグザゾンとのクロスはどうだ?
なんか、リフォルド人をかわりにコーディネーターにかえての
キャスティングクロスができそうで怖いけど。
80通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 00:20:10 ID:???
ラクシズの基本姿勢が、武力にモノ言わせて我侭押し通す、だから武力で劣る作品とのクロスが難しいんだよなぁ
フルメタとかレイバーとか絡ませたいキャラ居るんだが。
81通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 01:06:40 ID:???
>>80
レイバーだったらキラが単体でレイバー世界に来るとか
82通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 01:10:30 ID:???
CEにKOSMOSとシオン一行がやってきたら?
83通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 01:13:24 ID:???
ロストエルサレムに来たらバカだらけでした
84通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 06:27:17 ID:???
>>80
ASの性能はともかく、生身技能でなら十二分に勝負になるんじゃないか?FMP。
CE全体的にこっちの練度が低い感じだから。特に運用思想面で。
85通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:51:31 ID:???
ヘリオポリスのアカデミーの下駄箱を爆破する宗介
転がってきたストライクに「俺はプロだ」とのたまって乗り込むソースケ
種割れするかなめ
襲撃してくる狂うぜ隊ならぬガウルン隊

問題はAAのあの無能巨乳艦長ポジに天才貧乳艦長が来ることか?
86通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 18:58:27 ID:???
AAは操舵主がノイマンならだれが艦長でも変わらんと思うw
87通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:16:57 ID:???
つうかテッサってひんぬーか?
某無差別破壊自称天才美少女魔導師に比べたらまだあると思うが
おやまどのそとがあかく
88通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:25:31 ID:???
スレ違いかもしれないんだけどさ
友達から借りた「紅」ってラノベの主人公とシンの子供時代〜原作開始までの境遇がすげぇ似てる件
89通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 19:25:50 ID:???
アルテッサ様は貧乳だな
だってまだ10歳くらいだろ?
だがそれが良い
90通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 21:25:50 ID:???
クルーゼの代役はガウルンがガチ。
しかしアニメ版二期のゲイツも悪くないかと。
91通常の名無しさんの3倍:2008/11/18(火) 23:23:34 ID:???
もしもCEにハマーン様率いるアクシズがきたら・・・
92通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 00:51:30 ID:???
Z時のアクシズ:ベテラン兵が居るがMSがキュベレイとガザCしかいない

ZZ時のアクシズ:ベテランが百式にヌッコロされた所為で新兵が多く、不穏分子多数。でもMSは高火力
93通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 02:38:50 ID:???
やってくる時期が種か種死かでもだいぶ状況変わるよね
94通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 03:03:15 ID:???
>>92ザクでチートらしいからキュベレイ、ガザCで十分強いんじゃ…
アクシズ事だと色々開発途中のMSありそうだし…
95通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 10:08:32 ID:???
>>90
しかし、ガウルンにしろゲイツにしろアスラン達は大変そうだなww
96通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 10:46:05 ID:???
……フラガ大尉は、どう考えてもクルツになるな。
97通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 11:56:09 ID:???
>>91
メンデルに現れたアクシズがメンデルを占拠
グレン遺伝子を探すコーディネーターを客として招く
呼ばれて来たジャンク屋とキラを探しに来たカナードと特務部隊を確保
三隻同盟、ドミニオン、クルーゼ隊をアクシズに招き入れ交渉をする。
交渉後、各陣営にアクシズ広報課のイマニシ製作「映像で語るUC史」(ガンダムは宇宙移民弾圧の象徴)を配布

仕事中にここまで妄想した。
98通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 12:13:42 ID:???
>>97
今西が監督でアクシズ所属だとどう考えても「捏造で語るUC史」になるなw
99通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 15:29:09 ID:???
AA副艦長に00のリント少佐をお招きしたら
100通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 15:36:10 ID:???
>>99
ラクス・キラに皮肉を言って死亡フラグが立つ
101通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 16:11:14 ID:???
ハマーンがCEにきたら簡単にコロニー落としとか実行しそうで怖いな。
102通常の名無しさんの3倍:2008/11/19(水) 16:51:32 ID:???
ジェネシスやメサイアはアクシズに砕かれるのは確定だな
103通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 02:41:08 ID:???
>>102ある程度壊して修理して使いそうだww
104通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 02:52:29 ID:???
元々アクシズにはクローン技術が確立してるから

メンデルを手に入れたらコーディネイター化したNT部隊の登場だw
105通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 03:17:34 ID:wwxLqBD0
宇宙戦艦ヤマト(PS2版)が種デスに来ました

落下中のユニウス7残骸を波動カートリッジ弾一斉射で破壊
新型機強奪云々はありましたが全面戦争再開とは至らず

そのかわりに「強大な力は云々」のお題目を掲げてラクシズが蜂起しました

洗脳まがいの説得も論破され、いきなりの武力行使もあっさりと敗退
若干の緊張を抱えつつも世界は明日を迎えるのでした

あれ?
ミネルバとかはどこいった?
106通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 07:26:12 ID:???
ばっかお前、ファクトリー謹製反射衛星砲がないじゃないか
107通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 14:28:57 ID:???
もしSEEDに名護啓介が来たら



とある喫茶店にて二人の男性が話をしていた。
「君に朗報だ…開発を進めていた『新型』がついに完成したらしい
これでようやく我々も彼らと同じ土俵に立つ事が出来る」
中年の男性のその言葉にもう一人の若い青年が反応した。
「それは本当ですか嶋さん?」
嶋と呼ばれた男性はゆっくりと首を縦に振る。
「ああ……だがあれを任せる事が出来るパイロットが中々いなくてな…それで君に声をかけたという訳だ名護君」
「つまり…私に『新型』のパイロットになれという事ですか?」
「そういう事だ、やってくれるな…名護君?」
嶋の提案に名護はある思いが頭に浮かんだ。
彼がある組織に対して思っていた事、あの新型があれば……。
「分かりました嶋さん、その提案を引き受けましょう」
名護の返事を聞いた嶋は笑みを浮かべた。
「やってくれるか名護君、この話を持って来た甲斐があったというものだ」
―――――――――――
名護啓介は一人コーヒーを見つめていた。
「IXA……」
彼はそう呟くとコーヒーを飲みほし、何かを決意した様に席を後にした。




こんな感じで書いてみたわい。
108通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 19:30:13 ID:???
なあ、名護さんってなんなんだ?
最近よく聞くんだけど
109通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 19:34:39 ID:???
厨二病キャラ、ぼくのかんがえたさいきょうきゃら、
ぶっちゃけ、キラ=ヤマトと思えば良いんじゃないか?
110通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 19:40:31 ID:???
仮面ライダーキバに登場する対怪人組織の戦士で仮面ライダーイクサに変身する人。
111通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 19:44:56 ID:???
>>110
それが厨設定なの?
112通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 20:15:06 ID:???
ライダーで厨名乗りたいならRXに傷の一つも付けられるくらいの設定は欲しいな。で、ある?
113通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 21:19:32 ID:???
そこまで厨的に強いわけではないな。
普段はバウンティハンターとして犯罪者を取り締まり、倒した相手から服のボタンをむしりとる習性がある。
ものすごい潔癖症でKY、合コンを知らず、誘われた際に「男女がふしだらな行為をするいかがわしい集会というわけか、
即刻中止しなさい」とかほざいたりする。怪人と戦う際に「その命、神に返しなさい」とか言うのは厨的かっこつけといえばそうなのかも。
最近はアホの子と化してきており、新たにイクサになった新人の戦いについてきて
「753」とプリントされた名護シャツを着て応援したりした。
114通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 21:20:50 ID:???
名護さんてボコボコにされてるとこしか見たことないぞww
115通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 21:52:41 ID:???
つまりダディーヤナザンということだな
116通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 22:04:22 ID:???
つまりボロボロ党が来れば良いのか
凸シンもその一員だが
117通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 22:33:05 ID:???
>>115
ダーティーなヤザン て読み間違えたw
118通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 22:52:07 ID:???
ダーティなヤザンとなるときれいなヤザンとかいるのだろうか。
119通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 01:52:08 ID:???
種世界にベルばらのキャラがやって来たら
120通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 11:26:28 ID:???
言っておくが、ボロボロ党二大党首と他とでは
ボドボドっぷりに桁違いの差があるからな
最強と最弱の両立を、視聴者の共通認識として脳髄に刻み込まなければ
121通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 18:30:07 ID:???
最強故に最弱!またその逆も真なり!!
何かに出てきそうな台詞ではある
122通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 21:09:43 ID:???
史上最弱が…最も最も最も恐ろしいィィィィィィーーーーーーーッ
マギィーーーーーーーーーーッ!!!

ってこりゃジョジョキャラスレ向きか、奴も来てたらどう行動してんだろ。
123通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 21:19:39 ID:???
古いと言われるかもしれないが…
バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクとマーティーがデロリアンでシンの前に現れてしまったら?

いやね、DVD借りてみちゃったものでついね。
124通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 21:38:51 ID:???
初期にしてもF+後にしても、オーブ攻略戦まで戻って家族を助ける
→自宅に向かう途中でアストレイが不時着
 →家族をマーティーとドクに任せ、アストレイ強奪
「こんな場所で、アンタ達はー!!」

ここまで妄想した
シンがオーブのMS使えるかなんてシラネ
125通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 22:41:48 ID:???
普通に使えると思うぞ
種でもアスラン達がMSかっぱらって使ってたんだから。
126通常の名無しさんの3倍:2008/11/22(土) 01:28:48 ID:???
不時着したら壊れるだろM1アストレイ
127166:2008/11/22(土) 23:59:04 ID:???
こんばんは、機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。

(10)の方が明日忠には投下出来るのが確定しましたので、
先ずは予告をさせて頂きます。
128通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 00:03:14 ID:???
コクヨのヨコク
129通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 09:50:13 ID:???
23:59分に明日の投下予告とは恐ろしい奴よ
ペルシャ湾上、ミネルバ(現在)

「メイリン、あんた本当に大丈夫なの? ほら、ちょっと見せなさい!」
「ちょっ、お姉ちゃんっ! うー、大丈夫だよぅ…」
パイロットアラートに隣接して設けられた、女性用のパイロットロッカールームの中に、ルナマリアとメイリンのホーク姉妹の声が響き渡る。

着慣れていないだろうから……と、妹の世話を焼こうとしている姉と、皆のいる前でもそうやって世話を焼かれると言う事に気恥ずかしさを覚えてしまう妹と。
微笑ましい光景に、そこにいるエメラルダやモーリー、カウッサリアらマフティーの、また旧ニーラゴンゴ空戦隊のアリシアらのザフト、ミネルバ乗組の両軍の女性パイロット達は一様に笑顔でそんなやり取りを見守っている。

それは、目前に迫った出撃を前にしたほんのつかの間の、くだけた雰囲気を漂わせる一時の情景だった。

そうしている間にも時計の針は休まずに回り続け、間もなく発進の時間がやって来る。
第三次のガルナハン・ローエングリンゲート突破作戦――その第一段階――が、いよいよ開始されようとしていた。


ガルナハン〜マハムール基地、中間地点(二日前)

「君、一人で来たのか? 名前は?」
そう軽い驚きの声を上げるアスランに、眼前の少女はいささかムスッとした声と表情と応じた。
「コニール……。私一人で充分だろ?」

協力の約束を取り付けたガルナハンのレジスタンス側からは、「伝令役を送る」との連絡を受けたので、こうして小勢での訓練≠ノ出たその足でそのまま回収にとやって来たのだが、
そこで待っていたのが、まだ大人になり始めたぐらいの年齢の少女ただ一人だけであった事には、流石に驚かされていた。

少女一人だけの方が地球軍の警戒も呼ばないと言う判断自体はあるのだろうが、反面でそうせざるを得ないと言う様なレジスタンス側の窮状もしのばれもすると言うものだった。

「失礼、ミス・コニール。よく来てくれた、協力を感謝する」
詫びのニュアンスも込め、しっかりと少女の名を呼んでアスランはそう言うと、コニールを同航して来た2ギャルセゾンへと誘う。
機体から降りたタラップ下まで出迎えに降りて来たメイリンとミヘッシャに誘われて、コニールはギャルセゾンのキャビン内へと消えて行く。

次いでコニールが乗って来たバギーをΞガンダムがそのマニピュレータでそっと持ち上げると、ギャルセゾンの甲板上へと下ろし、機上でクルーが手早くワイヤーでバギーを固縛した――回収は無事に完了だ。

アスランは、Ξガンダムのコクピットハッチを開放した状態で様子を見守っていたハサウェイと頷き合うと、自身もセイバーガンダムのコクピットへと上がり、ハッチを閉じて機体を飛び立たせる。

そして2機のガンダムは2ギャルセゾンの両脇を固める格好で一路、
その日の訓練を終えてマハムール基地への帰還途上にある、母艦ミネルバへと向かうのだった。


ミネルバ艦内、ブリーフィングルーム

「準備中」のベールの向こうに在った作戦が通達されると言う事で、召集されたパイロット、及び作戦担当将校達でミネルバのブリーフィングルーム内は賑わいをみせていた。
「よお、アリシア」
その中に見知ったザフトパイロットの顔を見出して、フェンサーは声をかける。
「フェンサー! またすぐにミネルバに戻って来る事になるとは思わなかったわ」
声をかけられた相手の方も、思いがけずも早く実現する事になった再会に、笑顔で嬉しい驚きの声を返して寄越した。

インド洋会戦でフェンサーに生命を助けられた事をきっかけにすっかり認識と態度のあらたまった彼女を始め、
つい先日マハムール基地のラドル隊へと編入されたばかりの旧ニーラゴンゴ空戦MS隊のパイロット達は、全員がミネルバにおけるこのブリーフィングへの出席を命じられていた。

作戦の主幹となるミネルバ、ディアナ両艦のMSパイロットを別にすれば、
他のマハムール基地所属の作戦要員はラドル司令と幕僚、基地所属MS隊の最先任パイロットら幹部のみの出席となっている事を考えると、それはいささか不思議な事ではあった。

そのまま雑談を続けていられる状況であれば当然出て来たであろうそんな疑問も、
作戦の説明を行うアスランやイラムら参謀役の面々がアーサー副長に先導されて入室して来た事で、未遂に終わったのだったが。


「敬礼!」
フェイスのハイネもいる状況ではあるが、ここではミネルバにての開催であると言う事で、アスランの副隊長格となるレイが号令をかけ、
居並ぶザフトとマフティーの各員は一斉に立ち上がっての敬礼で出迎える。

「着席」
答礼をして向き合ったアーサー副長が返し、ブリーフィングの開始を告げた。

「えー、それでは只今よりガルナハン解放作戦のブリーフィングを始める。本作戦の概略は……、アスラン、君にお願いしようか」
と、自艦の若きフェイスに華を持たせる様な事を、しかしそこで言い出すアーサーだった。

実はそれは、裏でハサウェイ達マフティー側からも事前に、
今後の政治的な思惑もあって、なるべくアスランに華を持たせる事も重視する様にしたいと言う、デュランダル議長とも示し合わせての事である要請も受けていて、
それに基づいての自分なりの状況判断であったりしたからなのだったが、

そう言った事情≠知らないシンやルナマリア、旧ニーラゴンゴ空戦隊らの面々からは、
(副長はまともに作戦説明も出来ないのだろうか?)
などと言う感じに、この時には思われてしまったと言う辺りが、なんとも彼らしい≠ニ言えば彼らしい、微苦笑を誘う話ではあったかも知れない。

ともあれ、いきなり話を振られても動じる(表に出す)事も無しに、代わって作戦説明を始めるアスランだった。


「……と、この様に本作戦では挟撃≠フ状況を作り出し、そしてそれを地球軍に悟らせる、そのタイミングが要となる」
指示棒を手に、ディスプレイに映し出された地形と敵地球軍の配置を示す図を前に一通りの説明を行ったアスランに対して、居並ぶ大半のザフト将兵達から声にならない呻きの波動が漂った。

そうなるのも無理はあるまい。
従来同様にローエングリンゲートの正面突破を図る主力部隊による攻勢はその実、陽動で、
奇襲部隊をもって要塞後方のガルナハンの街と地熱発電プラントを制圧している守備隊を一気に制圧し、地球軍の手から奪還すると言うのだから。
ローエングリンゲート要塞がいかに堅固であろうとも、エネルギー源を絶たれれば実質的にその命脈は尽きる。
無論、後方に敵出現!の急報に慌てて飛び出して来れば、それはそれで正面攻撃の主攻部隊と挟撃して、一気に敵の機動戦力を覆滅すればよい。

あっさりとそう一気に口にして、「ここまでで、何か質問は?」
区切りの良い部分で説明を一旦止め、そう尋ねるアスランに対して、
「その前にお尋ねしたい」
と、マハムール基地MS隊の総隊長である、30前後とおぼしきパイロットが手を挙げる。

「失礼ながら、本作戦案そのものを成立させる要素である、奇襲部隊を敵の後方まで送り込む方策については、どの様に?」

飛行も可能なミネルバか姉妹艦のディアナならば、母艦の機動力と言う意味ではそうして行けるかも知れないが、それでは(敵に察知されない筈が無く)奇襲にはならない。
確かにその辺りの事はマハムール基地幹部との最初の合同作戦会議の場においても俎上に上った点であり、
その際の内容は知らない彼の様な立場の者がそう思うのはもっともな話で、ラドル司令官の参謀連がイラムに向かってしたのと同様な質問をぶつけて寄越す。

だが、それに対してのアスランからの回答もやはり、あっさりと言ってのけられるものだった。
「奇襲部隊は、超長距離飛行が可能なマフティーの保有する空中機動飛翔体ギャルセゾン≠用いての、MS隊単独による長距離侵攻での攻撃を仕掛ける」

(MS隊単独≠ノよる長距離侵攻!?)
自身の常識に照らし合わせても、全く想像だにしえなかった回答を返されて唖然とした表情になる、隊長以下マハムール基地MS隊のパイロットの面々。

「これは、マフティーの方々の存在があって初めて可能となる作戦であり、マサム参謀にご説明頂きましょう」
アスランはそこで彼らが黙ってしまっている間に早々と、作戦説明側に並んで立っているイラムに対して、マフティーの持つ「足」に関しての説明を願う。


一歩下がったアスランの向かい側、状況表示スクリーンの左側にと指名されて進み出たイラムは、
アスランに代わり、ベース・ジャバーのギャルセゾンを用いた、彼らマフティーが持つ長大な作戦行動半径についての概略を説明し始める。

無論、具体的なスペックの上限までデータとして示したわけではないが、
元の世界≠ナ本来計画していた長距離侵攻――ティモール海上の母船から発進してオーストラリア内陸のオエンベリ(この世界での、オエンペリ)まで飛び、戦闘して戻る。
あるいはオーストラリア大陸の北岸から発進してエアーズロック付近まで、ほぼ大陸を縦断する距離を飛び、集結。そこからアデレート(同じく、アデレード)を強襲する――
と言った運用が可能である彼らから見れば、この程度の迂回飛行≠ヘそれ程難しい事では無かった。

むしろ、彼らにとってはある意味慣れ親しんだ、自分達「本来の戦い方」をすると言う事であるのだが、
無論それはC.E.世界の人間の感覚で言えば、ただただ驚愕の一言で。
初めてそれを聞かされた者は誰しも皆、一様に唖然とした表情を浮かべるのであった。

そもそもが、この世界の「常識」からはおよそかけ離れた運用概念であり、
その事実を知らせる前のイラムに向けられていたラドル司令付き参謀連の態度――いや、今の眼前の将兵達のこの反応を見るだけでも成功の可能性は十二分以上だと確信出来たし、
かつそれを実際に成して見せた暁のインパクトはまさに、絶大≠ネものが期待できる。

推進剤に加えて、バッテリーの補給をも考えねばならないこの世界のMSは、その運用にはU.C.世界以上に母艦の存在が不可欠であり、それ故の運用への制限も当然ながら現出する。
その「常識」を根底から覆す運用法を実践してみせると言うのだから、これで驚かないと言う方がおかしかった。
「この奇襲部隊は我々マフティーを主体に編成すると言う事で、こちらからはΞガンダムと、メッサーのうち6機を出す。また、ザフト側からはザラ隊長以下、ミネルバ所属の4機がそのまま参加するので、その分も加味してギャルセゾンは5機出撃の体制となる。
また、残る2個戦闘小隊(ギャルセゾン1機に各2機のMS)はミネルバに残留し、正面攻撃の主攻部隊に参加する」
と、作戦時のマフティー側の戦力割り振りまで告げてから、イラムは下がって再びアスランへと説明役を返した。


「一方の我々、ザフト側のMS隊の編成についてだが、主攻となる増強マハムール戦隊の各MS隊の総指揮は、ヴェステンフルス隊長が執る」
再び説明に戻るアスラン。彼が奇襲部隊の方に回る事が出来る理由の一つが、同格のフェイスであるMSパイロットとしてハイネがいてくれると言う事もあった。
その辺りの分担については事前の打ち合わせでハイネも快諾をしてくれていたので、ここで話しているのは決定内容の説明だけだったが。

その上でアスランは、旧ニーラゴンゴ空戦隊の面々を召集したその理由でもある、本作戦時の配属変更についてを説明し始めた。
「なお、元ニーラゴンゴ空戦MS隊に所属していた各位には、乗機と共に、本作戦においては臨時にミネルバへ艦載MS隊として配属して貰う」

「!」
はっとした表情で、自分達が何故この場に特に召集されたのか?と言うその理由を理解させられる、元ニーラゴンゴ空戦MS隊を構成していた8機のパイロット達。
傭兵的な立場であるマフティーの支隊を除いて、本来配属の艦載MSを全機送り出してしまうと言う、大胆な事を実行するミネルバの、代理の艦載MS隊となれと言う事だ。

確かに、インド洋での会戦後はミネルバへと収容され、航海中のその間は合同訓練にも参加して技量の方も鍛え上げられながら、ミネルバ隊のみならずマフティー側とも気心が知れる様にもなっていた面々であり、
ミネルバ及び、主攻部隊に参加するマフティーの支隊との連携と言う意味でも、白羽の矢を立てるには最適だった。

この場のミネルバ以外からのザフト出席者達は全員が、直にマフティーの実力を知っているか、
あるいは疑問等があったとしても、それを押さえられる様な立場への自覚≠ェある者達だけが揃っていた為、
作戦そのものの実現性への疑念は、それ以上には出されると言う事はなかった。


「続いて、現地のレジスタンスとの協力体制についてだが……」
そこでアスランの作戦説明は、次の段階へと移行して行く。

作戦の性質上、奇襲部隊の人員は大きくはならないし、また出来ない。
MSを中心にした地球軍の防衛戦力の制圧自体はともかくとして、それで実際にガルナハンの地熱発電プラントと街の確保を成すのには、現地のレジスタンスの人々の存在が不可欠だった。

即ち、奇襲部隊の攻撃によりガルナハンの地熱プラントと街とを占領している地球軍の守備部隊が排除されるやいなや、
間髪入れずに決起したレジスタンスのメンバー達の手によって発電プラントと街の奪還制圧が成されねばならないのだ。

もう一つ、長駆の迂回侵攻を行う奇襲部隊の為に必要な「支援事項」への報告と併せて、作戦打ち合わせの為の使者として送り込まれて来ていた少女、コニールがその場で一人異彩を放ってもいた。

そんなコニールの方を一瞥して、彼女に軽く頷いて見せると、アスランは作戦の肝をあらためて周知徹底させるべく、一語一語に力を込めて話し始める。

「この場にいる各位には今更な話だとは思いながらも、あらためてもう一度確認させて貰いたい。
この作戦の目的はあくまで、地球軍の圧制に苦しむ人々を解放する事だ。
戦闘のその結果、たとえ地球軍を壊滅させる事が出来たとしても、街と地熱プラントを無事に解放する事が叶わなかったならば、それは失敗なのだ」
「!」
俯き気味にブリーフィングを受けていたシンは、アスランのその一言に顔を上げる。
インド洋での会戦で犯してしまった自分の過ちに気付き、本当の意味で護る≠ニ言う事はどういう事なのか?
それを考え始める様になっていた今の彼には、戦術的な戦果がそのまま作戦の目的とイコールだと言う事にはならないのだと言う、アスランの言葉の意味が
――そして、彼があえてそれを口に出す事で自分に向かって、のみならずコーディネーター全般にありがちな悪しき無意識≠ノ対しても、戒めとして言っているのだと言う事が――理解出来た。

「ミス・コニール」
そこでアスランはガルナハンの少女に呼びかける。
辛い思いをさせるかも知れないが、出来れば貴女自身の口で街の様子を語って貰えないだろうか?と。

そう水を向けられた少女は無言でこくりと頷いて、演台に立つアスランの傍らへとおずおずと進み出ると、
最初はたどたどしく、自身が見てきた地球軍圧制下のガルナハンの街の様子を語り始めた。

居並ぶ各員の手元に配布されている資料にも、アスランやイラム達がガルナハンの街へと潜入して収集して来た現地の情報等、地球軍制圧下の一般住民達の惨状は記されてはいたのだが、
やはり実際に眼前にそれらの多くを目の当たりにして来た少女の口から、自身の無力への憤りや哀しみも交えながらに語られるそれには、自然と聞き入ってしまうものがあった。

虐げているのも、虐げられているのも、同じナチュラル同士の間で起きている事であるからと言って、
コーディネーターとしての優越感情が強い者であっても、まっとうな(人間として持っている)感覚≠ニ言うものに照らしてそんな「現実」に接すれば、まず間違いなく眉を顰める様な気分になるであろう、そんな話だった。

「この前ザフトが砲台を攻めた時もそうだったんだ。地球軍に逆らった街の人達はめちゃくちゃ酷い目に遭わされて……たくさん殺された!
今度失敗したら、あたし達はみんな本当に終わりなんだ! だからっ……頼んだぞ!」
どうしても浮かんで来てしまう涙を必死に堪えようとしながら、懸命の訴えを見せるコニールの姿は、
その場にいるザフトとマフティーの面々の胸に、等しく義憤とも言うべき掻き立てられる様な想いをもたらすものだった。

確かに、これ以上事態が切迫して行けばその果てには、自らの武力による支配と横暴を正当化している地球軍によって、
コニールらレジスタンスの存在が、ザフトに協力する不逞のテロリスト≠ナあると、都合良く決めつけられ、
「街そのものがテロリストどもの巣窟であった事が判明した為、地域の秩序と平和を守る為やむを得ず≠ノ、壊滅させた」
などとして、ガルナハンの街そのものをまとめて吹き飛ばす〜と言った事さえ、現実のものに成りうる可能性も十二分にありえた。

「ありがとう、ミス・コニール」
そう声をかけ、アスランがなだめるようにしながら彼女を下がらせると、再び演台上へと戻って締めの一言を口にする。

「現地の人々が置かれている状況の厳しさ≠ヘ、よく理解して貰えた事と思う。今度こそ、我々に失敗は許されない。各位にはその事実を念頭に、本作戦に当たって頂きたい」
アスランはそう言って作戦説明を締めくくった。


その後はアーサーが再び立っての簡単なやり取りが交わされ、そして正式にブリーフィングは終わり、散会が告げられた。

周囲が三々五々立ち上がって散って行く中、じっと足下を見つめていたシンは、真剣な表情を浮かべて立ち上がると、
そしてアーサーとアスラン、イラムらと共に退室して行こうとしかけていたコニールのもとへと歩み寄って行った。

「な、何だよ?」
まだ目を赤く腫らしたまま、やや気圧された様に言うコニールに、シンは言った。
「……アンタ達はさ、今≠アの瞬間も、ずっと苦しめられているんだよな……」
当たり前だろ!と、そう口にしかけてコニールは、それを実際に口にする前に勢いを止められる。
目の前のパイロットスーツ姿の少年の表情には、やはり哀しみの成分がありありと浮かんでいたから。
それが判ったから、コニールの口は封じられたのだ。

シンの脳裏には、先日マハムール基地にと到着した日に出会った、難民キャンプの少年達の顔が浮かんでいた。
自分に向かって「頼むよ!」と言った少年達、幼いなりの真剣さを湛えたその一人一人の表情をはっきりと覚えていた。

その時はまだ、迷いのただ中にあったが為にきちんと受け止める事が出来なかった彼らのその表情≠ノ、今ならばしっかりと向き合える。
素直な気持ちで、心の底からそう思えた。

(なんでだろう? あの時は、もう二度とMSには乗れない、とさえ思っていたのに……)
シンは自身の想いの内でその事を考え、自らに問いかけてもいた。

少年達と出会ったあの時のアスランの言葉にも背中を押して貰って、どうにかもう一度MSに乗ると言う事への踏ん切りそのものは付けられた。
けれどもやはり、今までの様な過ちをまたもやしでかしはしないだろうか?と言う怖れを、自らの内に抱えたままでいたのだった。

(でも……、それでも……)
コニールの様な、そしてあの少年達の様な、身勝手な強者の論理に虐げられ、嘆きの底に沈められている力無き人々の姿を目の前に見た時に、
自身の内から変わる事なく湧き上がってくるこの想いは……。

(お前のそんな想いそのもの自体は、決して間違ってはいない。そのやり方を間違えさえしなければ、お前のその想いは虐げられる多くの人々を救う為の、そんな正しい力≠ノなる筈だ)
そう言ってくれた自分達の隊長の言葉の正しさを。シンは今、本当の意味で実感できた様な気がした。

かつての自分もそうだった。
前の大戦の時のあの日、自分達家族の様な国民を、オーブと言う国は守ってはくれなかった。本来「国」とはその為にあらねばならない筈なのに。
そうやって、本当は頼れるものが何も無かったから、自分達家族は戦争の犠牲にされてしまった……。

コニールも、あの少年達もそうだった。
頼れるものも、守ってくれるものもいないから、彼ら彼女らの様な年端も行かない子供が、悲壮な想いで自分が必死にならなければいけない。
そんな事をさせなくても済む様に、そういう人達の力になりたくて、助けたくて。
自分はその為に、その為の力≠求めたのだから。

そんな想いを胸の内にと抱いて、シンは目の前の少女に語りかける。
コニールの表情に、あの時の少年達の顔をも重ね見ながら。
「信じてくれ。今度こそ、あんた達を自由にしてみせるから。俺が……俺達が、守るから」
だから……もう、泣くなよ。

そう、優しい声で言うシンの言葉に、逆にコニールの方は今度こそ本気で泣き出してしまう。
シンの気持ちが通じて、それで張り詰めていた心が溢れてしまったと言う事なのだが、それで泣かせてしまったシンの方は、どうすればいいのかが判らずに、とたんにただうろたえてしまう。

そんな姿を微苦笑を交えながら、周囲のザフトとマフティーの人々――自身では気付かぬ内にシンが得ていた、彼の仲間達――は皆一様に、優しい目で眺めていた。

「もう、泣かしちゃダメじゃない!」
やがてその中からルナマリアが進み出て、シンの背後から並びかけ、そう冗談めかして叱る様な格好でシンを落ち着かせると、代わってコニールの肩に手を置いて彼女の事もなだめようとする。
「シンの言う通りよ。あたし達はみんな、自分達と同じ様に地球軍にひどい目に遭わされているあなた達の事を、自分の事と同じ様に思っているから。今度こそ、必ずやって見せるわ」
ね、お願い。信じて?

膝を折り気味にして目線を合わせながら、優しくそう語りかけるルナマリアにぽんぽんと肩を叩かれて、ぐずりながらもようやく少女はこくりと頷いた。

そんな様子を見てばつの悪そうな顔をするシンの肩に、そっと誰かの手が置かれる。
「隊長」
振り返ってその手がアスランのものである事に気付くシン。

アスランはシンに微笑んで見せると、そのままコニールへと声をかける。
「大丈夫ですよ、ミス・コニール。このシンは多分、誰よりもあなた達の気持ちが理解できる奴ですから。必ずやってくれますよ」

(隊長、そんな風に……)
ここでもまた、自分への信頼を示してくれるアスランの姿に、シンの胸は熱くなる。
更にそこへ、意外な人物からの賛同の声までが加わった。

「そうだぜ、嬢ちゃん。そいつは、とんでもないバカな事もやらかしちまう奴だけどな、本当は優しいまっすぐな奴だ。信じてやってくれや」
その言葉を口にしていたのは、思い上がって大きな過ちを犯してしまった自分に対して、現実と言うものの凄惨さを文字通りに叩き込んで≠ュれたガウマンだった。

その言葉に、近くにいたマフティーのメンバー達も――おまけにあのレイまでもが加わって!――皆してうんうんと頷いていた。
想像もしなかった状況に、今度は自身が戸惑うシンを囲んで、その場には間違いなくあたたかい雰囲気が漂っていた。


ペルシャ湾上、ミネルバ(再び現在)

アスランの後ろに付き従ってハンガーデッキへと現れたメイリンの姿を見るなり、ヨウランやヴィーノ達、若い整備班連中の間から一斉にひゅう!と言う口笛や、軽い驚きの呻きが上がった。
いつもはツインテールにしている髪を下ろしているのもだったが、何より今の彼女は姉のルナマリアの様に、パイロットスーツにとその身を包んでいたからだ。

姉に対しては、憧れと同時にどこか劣等感も抱いてしまっている部分もある本人こそ気付いてはいないのだが、彼女は彼女で実は密かに根強い人気があったりもするメイリンである。
通信科と言う本来の担当上、普通ならば着る事が無い筈のパイロットスーツ姿には、驚きとあいまっての新鮮な魅力を感じさせたのだが、
当のメイリン自身はそんな周囲の反応に、いささか恥ずかしそうに身を小さくするのだった。


奇襲部隊の各機の発進準備の頃合いに差し掛かり、各パイロット達は続々とパイロットアラートからハンガーデッキへと出て来ていた。

主攻となる本隊に1日先行して出撃する奇襲部隊だったが、欺瞞の一環として、昨日まで毎日そうしていたのと同様に、
「マハムール基地からペルシャ湾上へと出航しての訓練」の格好で出て来ていた――違うのは、今日は発進してそのまま帰艦しないと言うことだけだが、
ディアナとハイネ隊との合同訓練そのものは、このミネルバと、残留するマフティー支隊と代理配属の元ニーラゴンゴ空戦隊の面々とでもって、本日も行われる予定になっている。

「隊長、妹を――メイリンの事、よろしくお願いしますね」
メイリンの傍らに付き添っていたルナマリアが、パイロットではないのにも関わらずMSに乗って長駆出撃する事になった妹の事を気遣って、アスランにくれぐれもと頼んでくる。
「ああ、必ず無事に連れて行くよ」
そんな彼女に、アスランも真面目な顔で応えた。
「ありがとうございます。それでは、ルナマリア・ホーク。お先に出ます!」
心配な自身の想いに踏ん切りをつける様に。びしりと敬礼を決めると、ルナマリアは自分のザクウォーリアへと小走りに駆けて行った。

それを見送って、アスランはメイリンに問い掛けた。
「ただ、絶対≠ヘ無いからね、メイリン。やはり無理だと思うなら、ギャルセゾンの方に移って貰っても……」

だが、メイリンはアスランの気遣いに笑顔で謝意を示しながらも、彼が言い終わるよりも先にはっきりと頭を振った。
「いいえ、大丈夫です。あんな、私よりも年下の女の子だって本当に必死になっているんですから……。連れて行ってください」
どうかお願いしますと、そう言う彼女もまた、コニールとの出会いから感じた何か≠胸に抱いているのだった。

「そうか。すまない、つまらない事を言ってしまった様だ……」
頷き返して、苦笑めかしながら詫びるアスランに、メイリンも微笑み返す。
「いいえ、こうやっていつも気遣って下さるのは、素直に嬉しいです」
姉の様な華やかな明るさでは無いけれども、その芯の強さを感じさせる様な、いい笑顔だった。

(俺は、彼女のこの笑顔に随分と助けられているのかも知れないな……)
ふと、そんな事を思うアスラン。

副官役として実務面でも大いに助けられているのはもちろんだったが、けっして出しゃばりはせずに、それでいてただ頼り切りになるわけでも無しに、堅実に良く支えてくれる彼女の存在と言うものを意識させられる。
柄ではないとは思いながらも、「隊長」なんて言う役割をやっていられるのにも、それが実は密かに大きなものなのだった。

オーブにいた頃の様な、自身がただ一方的に支えるだけの関係と言うものは、やはりどこか歪であったのかも知れないと、そんな風な実感を覚えさせられさえもする様な、現在のアスランの状況だった。
――つまりは、まっとうな意味で居心地がいい≠ニ言う事だ。

そういう様な感覚を抱く様になって来ている事自体、アスラン自身もまた現在のこの自らの居場所で成長と変化をしていると言う事の証なのだが、当の本人がそれを実感するのはまだ少し先の事になるのであった……。

「すいませーん! そろそろ搭乗準備の方、いいですか?」
そこにかけられたヴィーノからのMSへの乗り込みを促す声に、自分達も乗機のセイバーガンダムの下へと向かって歩き出すアスランとメイリンだったが、
そのタイミングでヴィーノが声をかけたのが、偶然なのか?それとも恣意的なもの(主にアスランに向けてだろうが)であったのか?に関しては微妙な所だった。


「とりあえず、シートの配置は相談の通りでやってみましたが、実際に乗ってみて、どうですか?」
セイバーガンダムのコクピット内に収まったアスランとメイリン二人に、エイブス主任がそう尋ねる。
コクピット内のパイロットシートの据え付け位置を、やや側面にと動かして空間を確保し、そこにいささか窮屈目なサブのシートを据え付けると言うレイアウトの変更がなされていたのだ。

「ああ、この程度ならば特に問題は無さそうだ」
シートの位置が動いた事による、コクピット内での操縦の感覚にも違和感は特に無さそうだと確認して答えるアスランに続いて、
「はい、私の方も大丈夫です」
と言う、メインシートの斜め後方に設置のサブシートに座ったメイリンも、身体も無理なくきちんと収まる――つまり、戦闘になっても大丈夫だと言う事を意味するわけだが――事を報告する。

本来は単座のものを復座にしての、パイロット以外の者を同行させての移動を行う実験と言う事だが、
やり慣れない作業を実施したエイブス主任も一安心の表情で、一緒に見守っていたイラムや整備長の、ニコライのマフティー側の二人――運用法を教示すると共に、レイアウト変更についての相談を受けた相手でもある――と頷き合う。

その様子をΞガンダムのコクピット内でモニター越しに見ているハサウェイだったが、彼が座るシートの脇にもサブのシートが展開されていた。
今回の出撃時には同行する格好になるイラムがそこに座る事になっているのだが、
――つまり、セイバーガンダムの復座化と言うのは、マフティーがやっている事の模倣なのだった。
C.E.世界における、MS単独での作戦行動半径の記録を塗り替える――かつてのフリーダムの様な核分裂エンジンを持った極々稀少な例外の機体によるものを除けば、文字通りの劇的なレコード更新となるし、
ましてや単機で、ではなく(小規模とは言え)複数の機種が入り交じった「編隊単位」でのものとなるわけだから。

その意味ではまさに「前例の無い事」であり、今回の作戦そのものが今後への戦訓の基礎となる。
パイロットではないメイリンをあえて同乗させると言うのは、指揮官への副官随行と言う部分もありはしたが、それ以上に
言わばモニター役(本人の生体的なものも含む)としてその辺りを実験させると言う意味合いによるものが大きいのだった。


『CICより、ハンガーデッキ及びデッキ内のMS各機へ。ギャルセゾン各機の発艦を開始します』
ハンガーデッキと各MSのコクピットの中に、奇襲部隊の足となるギャルセゾン隊の発進を告げるケリアの声が響く。
いよいよ出撃開始だ。

ミネルバに残留するマフティーの支隊と、代わりに入る元ニーラゴンゴ空戦隊の各機は既にハイネ隊と共に母艦を発進し、奇襲部隊の出撃を紛れさせつつ見送る態勢になっていた。

ミネルバの艦体の両舷に装備された、主砲トリスタンの後方のフライトデッキへとリフトで上がって来た1ギャルセゾンがVTOL発進で空中に浮かび上がると、そのままミネルバの艦体に沿って前方へと移動して行く。
カタパルトの軸線の前方へと出て、ミネルバの船足にと速度を合わせて見かけ上はホバリング滞空の格好で、飛行する。

『エメラルダ・ズービン、メッサー一号機。行くよッ!』
『ルナマリア・ホーク、ザク。出るわよ』
先陣を切って二人の機が左舷カタパルトから連続して射出され、前方にて空中待機しているレイモンドの1ギャルセゾンの甲板上に降着する。
ペイロードが非常に大きいギャルセゾンは、重いザクを載せても充分に飛ぶ事が出来た。

『よし、それじゃあ行くぜ! また後でな!』
前者は見送りの友軍達へ、後者は続いて発進する奇襲部隊の僚機へと向けて言うと、レイモンドはギャルセゾンをゆっくりと加速させてその場から遠ざかって行く。

続いて今度は右舷側から、ゴルフとフェンサーのメッサーを収容したカウッサリアの4ギャルセゾンが、二番手として発進する。

自力飛行で、ないしは空中機動飛翔体に乗って前方の空中にと散開する友軍の各機の間を抜けて前進して行く4ギャルセゾンに、1機のディンが機体を寄せて来た。

元ニーラゴンゴ空戦隊のアリシアが駆る、修理のついでにミネルバ滞在中に様々な強化改修も施されたカスタムディンになっている機体だ。
目的を察するまでも無く、ギャルセゾン機上のフェンサー機へと左のマニピュレータを伸ばして接触回線で語りかける。

『一緒に行けなくて残念だわ。気を付けてね、フェンサー』
『ああ、全くだ。君も気を付けてな。お互い無事に、向こう≠ナ会おうや』

互いにそう言い交わして、フェンサーが自身のメッサーに人差し指と中指だけを立てての敬礼を送るポーズを取らせるのを確認してから、
機長のカウッサリアはギャルセゾンの速度を上げ始め、見送りの友軍機達を後方にと置き去りにして行った。


『しかし、あの子もすっかりお前さんにぞっこんの様子じゃないかよ、フェンサー?』
視界から友軍の影も消えた頃になってから、接触回線で茶化す様にそう言うコ・パイロットの言葉尻に乗っかって、カウッサリアは自身もけしかける様に続ける。

『結構いい娘みたいじゃないか、ええ? さっさと口説いちまいなよ』
そう言ってヒヒヒと笑う彼女の声に、当のフェンサーの方もまんざらでも無さそうに返して寄越した。
『言ってろ、こっちはもうとっくにその気だっての!』
『おーおー、言っちゃってくれるよなぁ……』
フェンサーの言葉に更に盛り上がる、4ギャルセゾン戦闘小隊の中だった。

こういった良くも悪くもあけっぴろげな雰囲気と言うものこそ、
本来の行為そのものとしてはやはり、「テロリズム」の範疇に分類されてしまう闘争のやり方≠選ばざるを得ないマフティーの面々の、精神の均衡を保つエッセンスであったかも知れない。

大真面目に革命でも目指す様な、清廉で高潔な堅物<^イプの者達ほど容易に、内ゲバや粛正と言ったより過激で先鋭的な、それでいて負のスパイラルでしかない方向へと転落するものである事は歴史が証明している。
その意味では、こんな低俗さ≠アそが必要なものであるのかも知れないなと、恐らく彼らの誰もが皆、どこかでちゃんと判っていると言う事なのだろう。

若いザフトの連中を伴っていないと言う事もあって、久しぶりにそうした砕けた仲間内だけのやり取りを交わしながら、4ギャルセゾン戦闘小隊は進撃して行くのだった。


一方、ミネルバからの奇襲部隊の発進はまだまだ続いており、ハンガーデッキから繋がる左舷カタパルトへは、三番手となるフォースインパルスガンダムがセットされて来た。

通常は分離した各パーツ毎に中央カタパルトから発進し、空中で合体してインパルスガンダムとなる所だったが、
今回はあえてナスカ級等のミネルバ級以前の既存艦艇で運用される際と同様の、最初からインパルスガンダムを組み上げてシルエットまで装備させた状態で普通にMSとして#ュ進する格好になっていた
――この状態でミネルバを発進するのは、インド洋での会戦の直後に敵基地のあった小島へ捜索活動にと出た時以来であった。

『シン・アスカ、インパルスガンダム。行きます!』
発進して前方へと飛翔して行くインパルスガンダムに、後方から前後して発進してきたハミルトン機長の6ギャルセゾンが速度を上げて追い付いて来る。

他のギャルセゾンとは異なり、その機体上部の甲板上にはメッサーの姿は無く、代わりに幾つかのコンテナが積まれていた。
『お世話になります』
シンはその甲板上の空いているスペースにとインパルスガンダムの機体を降ろすと、接触回線でギャルセゾンのキャビンへと、そう通信を入れる。

『ええ。敵機と遭遇した時はお願いね。その時までは、ゆっくりしていて』
返って来た機内の通信士席に着くミヘッシャからの返事が、自力で飛行は可能なインパルスガンダムをもあえてギャルセゾンで運ぶ、その理由でもあった。

バッテリーと推進剤の消費を押さえつつパイロットを休ませるのと同時に、ザフト機用の野戦バッテリー補給装置等を運搬する6ギャルセゾンの護衛役も務めさせると言う事だ。

ミヘッシャはこうして奇襲部隊側の作戦オペレーターで参加している為、ミネルバでのギャルセゾン隊の発進管制はケリアが代わって行っていた。

代わりに別の者が〜と言う事ならば、ミネルバのオペレーターもそうだったのだが。
普段ならMSの発進管制や通信を担当するメイリンはアスランと共に出撃する為、本来彼女が着いている筈のブリッジのオペレーターシートには代役として、
ミネルバへの人的増援としてハイネ隊らに同行して宇宙からディアナで降りて来ていたアビー・ウィンザーが就いて、ミネルバ艦載MS隊の管制を務めていた。

流石にメイリンに比べればアビーのそれはややぎこちなくはあるが、それでもきちんと水準は越えている彼女の管制に従って、
レイのザクとガウマンのメッサー、モーリーとロッドのメッサーが、それぞれの母機となるギャルセゾンと共に戦闘小隊を組み上げて、続けて出撃して行く。

普段、自分がやっている仕事を他人が進めて行くのを、自分がそうやって送り出されて行く側であるMSのコクピット内に座って聞いていると言う事に、不思議な感覚を覚えるメイリンだった。
そしていよいよ殿の、共に二人乗りの格好になっている双方の長機が発進する順番がやって来る。

『これが成功すれば、君達のMS運用概念≠サのものが大きく変わる。頑張ってくれ』
イラムが改めてそう言い、ハサウェイも笑顔を浮かべて言って寄越す。
『気を付けてな、お二人さん』
反対側のカタパルトデッキへと運ばれて行くΞガンダムのコクピット内からのモニター越しの挨拶だった。

『ええ、必ず』
『ありがとうございます。ハサウェイ総帥とイラム参謀も、どうぞお気を付けて』
アスランとメイリンもそれぞれそう返し、回線を閉じる。
これで、以後は完全に機体単位での行動と言う事になるのだ。

Ξガンダムとセイバーガンダムの両機だけは、機体特性を活かすと言う意味でも単機でもって敵中侵攻を敢行する事になっていて、
自身は僚機のエメラルダのメッサーと共に、ギャルセゾンで戦闘小隊を組んで侵攻するルナマリアが心配をしていた理由もそれなのだった。


奇襲部隊を運ぶ5機のギャルセゾンは既に全機発進を終え、最後に残った指揮官機のMS2機がミネルバの左右両舷のカタパルト・レール上にと、それぞれ配置される。

『進路クリアー。両舷、発進どうぞ!』
アビーの管制指示が、両機に発進許可を出した。

『アスラン・ザラ、メイリン・ホーク。セイバーガンダム、出る!』
『ハサウェイ・ノア、イラム・マサム。Ξガンダム、行くぞっ!』
アスランとハサウェイはほぼ同時にカタパルトを作動させ、機体を一気に前方の空中へと射ち出させた。

空中に躍り出るやいなや、セイバーガンダムはVPS装甲をオンにしてその機体色を鮮やかな赤に彩らせる。
その右側にはふたまわり程大きなΞガンダムの機体が、白を基調とした機体色を陽光に輝かせて、並走して飛んでいる。

ギャルセゾンに載った支隊のメッサーや、ハイネの駆るオレンジのグフらと、互いのMSに取らせる敬礼やサムズアップの格好を交わし合いながら、その中を飛び抜ける両ガンダム。
友軍機の彼らに見送られて、しばらくはそのまま並走飛行の格好で共に加速を続けて行く。

やがてセイバーガンダムが航空機型のMA形態へと変形すると、Ξガンダムへと向けてバンクを振って見せてから、その機首を自機の予定侵攻航路へと向けて旋回させながら、飛び去って行った。

それを見送って、イラムが呟く。
『賽は投げられた。後は神のみぞ知る、だな……』
『ああ』

合流地点までのそれぞれの飛行は全て、独自の判断に委ねられる。
沿岸部を越えた内陸へ――地球連合(ユーラシア連邦)の領域内に侵攻する格好になるのだ。

「万が一」と言う事を考えるのは必須ではあったが、ある意味ではその時点で既にツキと言うものを試されているのかも知れない。そうとも思える。
それがこちらにあれば、奇襲作戦自体も上手く行く事だろうと、そう納得するしかない話だった。

『よし、こっちも行こう!』
ハサウェイはあえて口に出してそう言うと、ミノフスキー・システムにビームバリアーをも起動させ、そしてΞガンダムを音速の壁へと突入させて行くのだった。
141166:2008/11/23(日) 17:00:09 ID:???
こんにちは、機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。
コニールが登場して、ローエングリンゲート攻略作戦が開始〜の(10)をお届けします。

今回のテーマは、挫折を味わった事から始まるシンの、成長のその萌芽。
※ちなみに裏テーマは、テロリズムとレジスタンスのその境界線とは?
になります。


話中にてガウマンの口を使って言わせていますが、
とんでもなくバカな事をやってしまう様な奴ほど、一度それに気付いた後の伸びしろもまた大きいものではないのかなと。
シン君の戦いはまだまだこれからですが(苦笑)。

次回は、ある意味この物語を考え始めるベースになりました、一番やってみたかったシチュエーションでもある
とあるシーンにと差し掛かります。

ちょっと時期が時期なので、冬コミのオフライン作業を挟まねばならず、
オンラインのこちらにはしばしの中断が入ってしまいますが、
出来れば年内に次回が投下できればと思っております。

それでは、またです。
142通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 19:02:30 ID:???
GJ!
143通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 19:06:06 ID:???
相変わらず読ませる内容ですね
CEには革新的なMS運用方法の登場や本来は死んだはずのニーラゴンゴクルーのミネルバ配備と
ここに来て本格的に正史と全く違う歴史を歩み出した影響が後に起こるであろうラクシズの登場と合わさり
どのような新展開を生み出すのか今から楽しみでなりません
144通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 19:46:48 ID:???
ゲート攻略で廃坑使わないのはかなり珍しくて新鮮な気がする。
原作のヤマの一つだっただけに振りかける程度のアレンジでほとんどそのままの場合が多いんだよな。

やはりゲタの存在は大きいなぁ。こういうサポートメカに陽が当たるのは実にいい。
いや、Ξ原作の方でもメッサーを凌ぎかねないほどに存在感はあったが。
145通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 19:56:45 ID:???
綺麗なアスランならぬ健全なアスランだな
人間関係って本当に大事だね

>>144
言われて見ればXクロスと外部のSSで一つあった位だわ<廃坑無視
146通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 22:43:16 ID:???
アニメじゃあの作戦完全に無意味だったなあ。
147通常の名無しさんの3倍:2008/11/23(日) 23:53:34 ID:???
ミネルバ隊程度まで戦力増強すれば力押しでOKというか、
この程度の戦力が有れば力押しでOKとザフト上層部が考えたから彼らが派遣されたんだろ……
148通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 00:04:57 ID:???
さっさとアスランが蜘蛛を撃破していたら坑道云々は要らかったと言う現実
149通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 00:08:35 ID:???
ガルハナンの話が面白かったのはデモペスレだと思う

150通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 00:43:27 ID:???
ジョジョスレではアスランが覚醒しとりました。
151通常の名無しさんの3倍:2008/11/24(月) 01:37:05 ID:???
ジエッジアスランはちゃんとしていたな・・・ローエングリーン攻防戦

ふと鋼鉄の咆哮に出てくる超兵器って設定じゃ半端内連中だなフィンブルヴィンテルなんて
大陸吹き飛ばすし・・・あんなのがCEにやってきたら
152通常の名無しさんの3倍:2008/11/25(火) 14:20:54 ID:???
もし種死世界にこいこい7が来たら

全種MSを圧倒するんだろうな……
153通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 22:57:27 ID:???
もし種世界にガリアンのキャラがやってきたら

マーダル様にプラント議長になって欲しい
154通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 23:00:57 ID:???
もし種死世界にゲドー社が侵略開始して、岸田博士がエリアル持ち出したら
155通常の名無しさんの3倍:2008/11/26(水) 23:10:37 ID:???
もしも、種の主人公がシンで種死の主人公がキラだったら。

…種の主人公がシンだったらマユのために戦うシスコン主人公の物語…?
156通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 00:52:45 ID:???
シャトルにマユが乗っていて目の前で撃ち落とされて復讐まっしぐらなダーク作品になるかもしれん
157通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 01:08:23 ID:???
シンは親元を離れへリオポリスで一人暮らしをしていた工業カレッジの学生
カレッジのアイドルフレイには興味なし。妹の声を録音した携帯(画像フォルダは妹画像で一杯)
を見るのが日々の癒し
ミリアリアとかトールとかは親友
性格は家族を失う前の性格。成り行きでストライクに載るがオーブ戦で家族を失い種死化

キラはオーブの家族の所にいる一般人
アスランと月の幼年学校で親友、月を離れてオーブに移住は同
アメノミハシラに家族と共に避難後プラントへ。戦争は嫌だが守る力は必要だということでザフト入り

アスランのキラキラ発言が無くなったりするだけで進展はほぼ同じ
ニュースとか見ないのでへリオポリスでカガリに気付かない。どっかで見たことあるレベル
フレイ、ラクスのポッドは回収。でもラクスに微笑まれて頬染めとかは無し


ここまで考えてみた
シンの場合、ラクスを逃がしたりしなさそうだな。自分がコーディネーターだってのに
何も思ってなさそうだし
158通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 01:53:53 ID:???
種死化……するかな?
経緯次第だけどとことん自分が関わってる分、自責に走りそうな。

>何とも思ってなさそう
オーブ育ちからプラントに行ったからそう見えるだけで、ナチュだらけの連合の中に放り込めば嫌でも意識させられると思うがな。
この点はキラとそう変わんないと思う。もっともそれへの反応として、シンは反発してだからどうしたと開き直れそうではあるけど。
159コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/27(木) 10:09:25 ID:???
初投下します。
160コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/27(木) 10:11:05 ID:???
もしも種死の世界にルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが現れたら

プロローグ 魔王復活

 凍てついた冷たさ、それと供に広がる爆音と地響きの中で、俺は目を開ける。
 ぼやけた視界の中で、見える色は白一色。
 頭を振りながら、意識をしっかりと覚醒させて、現状を把握する。
 俺の名前は……ルルーシュ・ランペルージ。
 エリア11、占領された旧日本にある、アッシュフォード学園にて在学中。
 友人は、生徒会会長ミレイ・アッシュフォード、シャーリー・フェネット…その他
 家族には愛すべき妹であるナナリーがいる。
 なるほど…記憶はあるようだ。
 だが、この場所はわからない…どうして俺がこんなところにいるのかも。
 だいたい、ここはどこだ?

 崩れかけた建物とともに、逃げ惑う人々、灰色の雲の下、雪が降り続けている。
 逃げ惑う人々を見る限りは、ここは日本ではないようだ。
 西欧?EU圏内と考えるべきだろう。建物の建築方式からもそれはわかってくる。
 だが、こいつらは一体何から逃げている?人々が逃げている先に目をやる。
 そこで見えてくるのは数々の巨大な人型の兵器である。
 ナイトメアフレームとは違う。
 その数も形状も大きさも…。
 地響きを出しているものの正体…、先ほどの人型の機動兵器の何倍かはあろう巨大な黒きロボット。
 こんなものがブリタニアに存在しているなど聞いたことがない。
 いや、これはブリタニアのものではない。
 ナイトメアフレームとはまた別のものでありそうだ。

「連合に歯向かう者は、誰であれ敵だ!殺せ!」

 逃げ惑う人々を、そう言い放ち銃撃する兵士。
 俺は、雪の中、おぼつかないし足で逃げていく。
 巨大な人型の兵器からも銃を放ち、人々を殺していく。
 巨大な銃口だ。あんなものを受ければ人間など簡単に吹き飛ぶ。
 いや、蒸発か……。
 圧倒的戦力で人間を殺害していくものたち…。
 これでは、ただの虐殺じゃないか!?
161コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/27(木) 10:13:15 ID:???
 俺は建物の影に隠れて、様子を伺う。
「うっ!?」
 目の前では、既に何人もの人間が撃たれて死んでいる。
 おびただしい血が白い雪を赤く、赤く染め上げている。
 
 そこに現れる俺と同じく、建物の影に逃げてくる緑の髪の女。

「見つけたぞ」

 緑の髪の女は俺を見てそういう。
 俺はこんな女を知らない。
 だが、ここがどこであり、なぜ俺がここにいるのかを知るには、この女に聞くしかない。
「お、おい、お前は誰だ?どうして俺はこんな場所にいる?」
「お前が誰であり、ここで何をしなくてはいけないのか…それはお前自身が知っていることだ」
「なに?!」
 緑の髪の女は、俺には理解が出来ない言葉を言う。
 まさか…俺自身が望んでこの場所に来たとでも言うのか?
 冗談じゃない。俺は一般の学生だ。
 こんな戦場で何ができるというんだ!

「まだいたのか、ザフトに味方する反逆者ども!」
 
 見つかった!?
 銃を持った兵士数人が俺達を見て、銃口を構えた。
「やめろ!」
 緑の髪の女が突然、俺の前に飛び出す。
 短い銃声の後、緑の髪の女は俺の前で赤い血を流しながら倒れる。
 何しにでてきたんだ!?こいつは!!
 俺は心の中で、緑の髪の女にそう叫びながら…次は、自分の番であることを知った。
 兵士達の銃口が向けられる。
「待て!俺が一体なにをした。それに連合とはなんだ?!」
 理解が出来ない状態のまま、兵士に問いかける…が
「しらばっくてれも無駄だ!お前たちのような連合の恩恵にあずかりながら、ザフトに賛同するような家畜には、死を!」

 死ぬ!?
 俺が?
 こんな、何も知らず…何も出来ないまま…。
 まだ、やるべきことがあるというのに…。
 俺は、俺はまだ死ぬわけには…!
162コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/27(木) 10:14:53 ID:???
「お前を、まだここで死なせるわけにはいかない。思い出せ、自分の存在を…」

 それは先ほど撃たれた緑の髪の女…。
 女は、俺の頬に手を触れると、そのまま唇を重ねてくる。

 そのとき、俺の頭の中が書き換えられる。
 ただの学生であったこと、何の力も持たないでいたであろうこと…。
 そんな嘘の記憶がすべて、消えていく。
 俺が誰なのか
 俺がどんな存在であり、何を成し遂げようとしていたのか…成し遂げたのか。
 ルルーシュ・ランペルージの記憶の中に眠る、黒き存在。

「なぁ、ひとつ教えて欲しい?お前達にとって、俺の命とはなんだ?ここのものたちの命とは…お前は簡単に人の命を奪えるほどの存在なのか?」

「命?お前達の命は連合があるからこそ、存在する。そう、お前達は連合にとっての歯車でしかない!」
 連合軍の兵士は、俺の言葉を聞き、笑いながら答える。
「なるほど……。ならば、俺がお前達に教えてやろう。お前達の存在の意味、そしてたった一つの事実を…」
 そう、俺は……。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる、お前達は……死ね」
「あ…あぁ、い、イエス・ユア・ハイネス!」
 俺は、今…思い出した。 
 人を超える力…絶対遵守の力を持つギアスの所有者であり。
 そして、ブリタニアを倒し、葬り去った世界を構築した存在。
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、ゼロという存在であるということを。


 ベルリン攻防戦。
 このときはまだ…たったひとりの異邦者により世界が大きく変化することを誰も知ることはなかった。
 ザフト・連合・アークエンジェル、それらすべてが『ゼロ』により巻き込まれることになるとは…。
163コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/27(木) 10:15:50 ID:???
以上です。
まだ序盤なので…
164通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 11:05:15 ID:???
R2最終回の死亡からの転移って事?
しかもそれによる分岐点がベルリン戦とは珍しい。続きwktk。
165通常の名無しさんの3倍:2008/11/27(木) 18:57:33 ID:???
おお、これは良いな
ベルリン分岐は新しい。続きが楽しみだ
166通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 17:19:22 ID:???
「ブリタニア帝国」の存在を知らない連合兵士が「イエス・ユア・ハイネス」って言うのは変かな。
「イエス・サー」あたりでは?
167通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 17:25:59 ID:???
>>166
でもギアス本編でもルルーシュが王子だって知らない兵士がイエスユア〜って言ってるし
別にそこの所は気にしなくても良いんじゃね?
168通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 20:25:30 ID:???
きっとルルギアスを喰らうとブリ式になっちゃうんだよ
169通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 20:40:48 ID:???
凄いけど非常に無駄な機能だな。
170通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 20:56:28 ID:???
ところでルルーシュ側につくキャラは誰だろうな?
想像がつかないんだが。
171通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 21:20:45 ID:???
ウザクの役割がキラか凸ってのは想像出来るんだが
172コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:07:26 ID:???
投下します
173コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:12:08 ID:???

第1話 雪原に木霊す声

 旧ドイツ、首都ベルリン。
 優雅な都市も、ここまでの戦争、そして巨大建造物であるユニウスセブンの落下による気候変動の影響から、大雪に見舞われ、瓦礫の山とかしていた。
 そこに現れた連合軍の容赦ない攻撃は疲弊していた市民をいとも簡単に潰していく。
 戦争の被害者は常に一般市民である。だが、戦争の加害者もまた一般市民に他ならない。
 報道に先導され、世論を煽るのは一般国民だからである。

「大丈夫か?ルルーシュ?」
「あぁ…少しばかり頭がぼんやりとするが、問題ない」
 ルルーシュは、目の前でギアスにより自決した兵士から銃を奪うと、
 同時にアッシュフォード学園の学生服の上に、兵士の防寒着を羽織る。
「まずは敵戦力の殲滅だな…、あまり時間はないが…この数、ギアスだけでなんとかできるか…」
 建物の影から敵の人型兵器と、歩兵を見る。先ほどの銃声でこちらに向かってくるものもいるようだ。
 ギアスはいかなる存在であろうとも、その効力を発揮する。
 だが、多人数であり、多方向、さらには目を見なければ力が出せないことが問題となってくる。
 この乱戦の中では、それも難しい。
「ここはC.C.が囮になり、撃たれているところでギアスをかけるしか…」
「なんで私がそんな痛い思いをしなくてはいけない!!」
「どうせ死なないだろう」
「痛いことは痛いからな、それに…対戦闘用のものならいるぞ?」
「なに?」  
 C.C.が振り返った先にいたのは銃を握る、赤い髪をした女…紅月カレンの姿がある。
174コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:14:02 ID:???

「か、カレン?」

「……」
 カレンはルルーシュの前に歩いてくると、ルルーシュの頬を叩く。
 大きい乾いた音がその場に響きわたる。
 ルルーシュは、カレンを見つめる。
「…今ので、私に本当のことを話さなかったことの罰は許してあげる」
 カレンはルルーシュを叩いた手を握り締める。
 カレンにはゼロレクイエムのことを知らせなかった。
 業を背負うのは自分達だけでいい。
 カレンはいわば巻き込まれた存在なのだから…未来を生きてもらわなくてはいけない。そう、判断したのだ。
 それは今でも間違ってはいなかったと思う。
「今度こそ、私はゼロではなく、あなたに…ルルーシュのために戦う」
 カレンは強い目でルルーシュを見る。
「C.C.どうして、カレンまでがこの世界に飛ばされているんだ?」
 ルルーシュはカレンを関わらせたくなかったが、ここまできてしまっては、そうもいかないだろう。
 だが…どうして関係のない彼女までがここにいるのか。
「さぁな。ギアスに関わったからか、お前に対する執着心か…。
 だが、これでお前も心強いだろう?感謝してもらいたいな。
 カレンがここにきて記憶を取り戻したのは、私のおかげでもあるんだぞ?」
「記憶?」
「わぁ!!な、なにいってんのよ!言わないって約束したでしょうが!」
 
 確か…記憶を蘇らせるには、一度、この魔女とのキスを受け、そして……。
 
 ルルーシュはカレンを見る。
「なによ!その目は!もう一発欲しいの?」
 拳を握るカレンにルルーシュは、どこか懐かしい気持ちを感じる。
 アッシュフォード…そして黒の騎士団のときの和やかな場所での記憶。
 今はなき、自分のいた場所…。
 機動兵器の音が近づいてくる。時間はない…。
「カレン、歩兵の戦闘における露払いはお前に任せる。C.C.は負傷していない一般人を集めてくれ。
 自分達が勝っていると思い込んでいるものを打ち倒す」
「はい!」
「任せろ」
 この2人。
 俺がいなくなっている間、ト部とともに騎士団残党を率いてゲリラ活動を行っていたと聞いた。
 確か、そのときのあだ名は『騎士団の2人はプリキュア』といっていたそうだったが…。

175コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:15:46 ID:???

 ネオ・ロアノーク、連合軍大佐はベルリン市内に前進するMS部隊を、灰色の空の下で、MSウィンダムに乗り、見下していた。
 圧倒的な破壊力を持つ黒い巨大MS『デストロイガンダム』を見つめながら…。放たれる光に飲み込まれ炎上するベルリン市内。
「約束、破っちまったな。坊主」
 デストロイガンダムに搭乗するMSパイロットであり連合軍の強化人間であるステラ・ルーシェ。
 彼女を一度は奪還し、二度と戦わせないという約束を元にして返してくれたザフト軍、ミネルバのガンダム乗りパイロット…。
 自分は、その約束を破り、彼女に戦いを強要させている。
 作戦とはいえ…心を締め付けるものがあるのは当然だ。
 願わくば、はやくこの作戦を終わらせることが出来れば。

『少佐、MSがこちらに接近中。到着までは10数分です』

 最悪のタイミング…。戦闘とはこうも上手く行かないものか…。
「なるべくなら、坊主には見せたくはなかったが」
 この状況でやってくるのは…間違いなくミネルバであろう。
 ということは…あの坊主もくるというわけだ。
「作戦を急がせろ」
 ネオは、命令を下す。いつかは罰せられるだろう罪を自覚しながら…。
 しかし、そのネオに対する罰はすぐに襲い掛かることになる。
『隊長!味方機との通信が次々と途絶しています。歩兵ですが…』
 まったく予期していない言葉にネオは驚きを隠しきれない。
「なに?間違いじゃないのか?まだザフトはきていないぞ」
『はい、ですが…歩兵部隊とは通信が途絶しており、現場にMS部隊を向かわせています』
「妨害電波かなにかもしれない。こちらの戦力もそっちに送る」
 まさか…ミネルバとは別のザフト軍がいたというのか?
 ここの防衛部隊は壊滅させたから、それはない。
 それともゲリラ?ゲリラにしては行動がはやい。
 いや、この場合は遅いということか。ここまで都市部にダメージを受ける前にゲリラなら行動しているはずだ。
「嫌な感じだな…こいつは」
 ネオは、言い知れぬ不安感に襲われ、先ほどの地上に降りたMSパイロットに、現場の状況を問うため、通信を送る。
「ネオ・ロアノーク大佐だ。状況を報告しろ」
「…」
「おい!聞こえているのか?こちら、ネオ・ロアノーク…」
 なんってこった。MSパイロットからの指示も途絶した!?
 なにがどうなっている…。こっちの戦力は圧倒的だ。
 さらには、ザフト軍は壊滅状態。抵抗勢力もデストロイを前に圧倒されている。
 こんな状況下で一体、何が起こっているというんだ。
176コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:19:42 ID:???
 ネオは、自分から戦況を見定めるために、護衛数機とともに地上の状況を探るため、デストロイのいる前線まで接近する。
 あたりは炎が上がり、煙が高らかに空に上っていく。
 作戦は順次上手くいっているように見えるが…。
「!」
 地上から放たれたビームライフルが、MSの肩に被弾する。
 撃った相手を視認する。やはり、敵がいたのか?ゲリラなのか?
 しかし、そのネオの推測は間違っていた。それは味方の機体である量産型のウィンダムである。
「なに?!おい!パイロット、俺は味方だ。なにをして…」
 ネオはそこで、おぞまし光景を見た。味方同士が攻撃をしているのだ。
 まさに常軌を逸した状況である。敵にMSが奪われたとしか考えられないが…。
 こんなことがないように、MSには各々が自分の機体の暗証コードをつかっており他人が奪って搭乗できないようになっているはずなのだ。
「なんなんだ…これは」

『ネオ!味方が、味方が私を撃ってくる』

 ステラの声…どうやらステラは大丈夫のようだ。
 攻撃してくるのは先ほどの歩兵を捜索にあたったMS隊か。
「各員に告げる。攻撃してくる我が軍のMSは敵に奪取された可能性がある。攻撃を許可する、各自撃破しろ」
 こんな無様のことがあってたまるか…。
『ネオ…怖い、怖いよ』
「大丈夫だ。ステラ…お前は強い。俺がついている。こんなことでやられはしないぞ」
『う、うん…。ネオがいてくれる。それに、私は強い。私は…負けない!』
 不安を与えてはいけない。ステラのブロックワードである死は…彼女の精神を崩壊させる恐れがあるからだ。
 残念ながら、既にそれがなくとも…強力な強化により、危ない状態ではあるが。
 瞬時、爆音が地面から響きわたる。
「きゃああああ!!」
 ステラの悲鳴が響く中、雪の粉末が空に舞う。
 ネオが見たのは、落とし穴だ。雪で隠していたのだろう。
 デストロイの片方の足が雪に埋もれていく。抜け出そうと暴れるステラは、むちゃくちゃな操縦をして巨大な閃光をあちこちに放つ。
 それはベルリンの街をさらに廃墟と化していく。
 射線上にいたMSの爆発音があちこちで起こる。
 雪というのは、軽いように見えるが、量によっては、かなりの重さとなる。
 雪に埋もれ、足をとられたデストロイは、自力での脱出が困難となる。
「落ち着け!ステラ!」
 そのネオの声も今やステラには届かない。
「いやあぁあぁ!!」
 デストロイは完全にバランスを失い、大きく横に倒れる。
 巨大なMSであるデスロトイはその巨体であるが故に、バランスが非常に不安定である。
 バランスを保つための巨大な足がついてはいるが、足に対する防除は胴体と比べて貧弱といえる。
 普通のパイロットならばMSのコクピットを狙うのが定石であるのを逆手に取った形だ。
 巨大な地響きと供に轟音を鳴り響かせて、デストロイは雪の中に横に倒れて、雪の中、自らの重さで自沈していく。
177コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:23:14 ID:???
「手の空いているものでデストロイの救助、最悪パイロットを助け出せばいい!」
 ネオは、身動きの取れないデストロイに近づこうとするが、そこでレーダーに反応を見る。
ザフト軍、そしてザフト軍エースが乗るMSインパルスである。
「くっ…このままじゃ、デストロイがいい的になっちまう」
 救助を断念し、迎え撃つことになるネオ。
 ステラの声が聞こえなくなったのが心配だが…。
機体の損傷は少ないことから倒れたことによる衝撃で通信が損傷したのか…。


「こいつら、よくもぉぉ!!」
 ザフト軍のMS、インパルスに乗るシン・アスカは、ベルリンの街の凄惨な状況を見て、怒りを露にする。
駆けつけたシンは、早速、連合のウィンダムを横に真っ二つにして撃破する。
「シン!なんだか様子が変だ。」
 それはシンとともにやってきた同じくザフト軍のレイ・ザ・バレルである。
彼の操るMS、ブレイズ・ザク・ファントムがあたりを見回す。
そこで見られたのは、連合軍同士が戦闘していること、さらには圧倒的だといわれていた敵の巨大MAが既に倒されているということだ。
「どうなってんだ?これは!」

「それはこっちが聞きたいな」

 シンのインパルスの前に現れるネオ。
「あんたは!?」
 シンは、その相手の声で、すぐにそれが、ステラを受け渡したときにいた仮面の奴だということを知った。
「…まず、坊主には謝らなくちゃいけないことがある。あの黒い機体に乗っているのはステラだ」
「なに!?お前は!!」
 約束だった。
 ステラを戦場のない場所に渡すこと…。
優しいステラに戦場は合わない。戦場は彼女のいていい場所じゃない…
無理矢理戦わす兵器であってはいけないんだ。
「怒られて当然の事をしていると思っているよ。
うらんでくれていい…ただ、これが戦争なんだ。現場だけではどうしようもないことが…」
「そんな大人の理屈!」
 シンは、闘志をむき出しにして、ネオに襲い掛かる。
ネオはその勢いに押されて、後退しつつ、味方の機体の援護を受けてシンに攻撃をする。
先ほどの味方の攻撃の謎の反逆もあったせいか、こちらの数も予想以上に減ってしまっている。
ザフトに与えた打撃も大きいが…。
178コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:24:30 ID:???
「シン!ここは、俺に任せろ!増援もすぐにくる…、お前はあの子を助けろ」
 シンの前に入るレイ。
レイは敵のウィンダムをビームライフルで吹き飛ばす。
「だけど、レイ!お前が…」
「フ…、俺を信じろ、シン。いけ!」
「わかった。死ぬなよ!レイ!」
 シンはレイに言われたとおり、雪の中、倒れているデストロイに向かう。
ステラがそこにいる。
もう戦場にいかせはしない、戦場に、つれては行かせない。
俺が、俺が守るから…。
 そんなシンの目の前で1つの光の閃光が天から降り注ぐ。
シンの眼前で、デストロイは撃ち貫かれた。
巨大な閃光がベルリンを明るく照らす。
シンは、そこでフリーダムを見つけた。
様々な戦闘に介入しては場を混乱に陥れる存在。
そして…今度は、今度はっ!!

「ステラぁあああああ!!!」

 悲痛な絶叫がベルリンの灰色の空で、木霊していく。
179コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:25:25 ID:???
以上です。
確かにイエス・ユア・ハイネスとサーどっちにするかは迷いますね。
180コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/28(金) 22:27:29 ID:???
すいません>>175は少佐→大佐です。
『勝手に階級を下げるんじゃない』とつこまれそうなので…。
181通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 22:57:07 ID:???
カレン来たか
確か進路希望は医療サイバネティクス(ラクえもんのコネでナナリーに義足でも作ろうと?)
みたいだったから受験勉強中にコタツからドテラ姿で跳ばされた、とかあってもいいかも
182通常の名無しさんの3倍:2008/11/28(金) 23:30:55 ID:???
GJでした。
さすがルルーシュあっという間に同士討ちや落とし穴を作るとは凄いです。
しかしステラが速攻で死亡、原作より悲惨なことに。
183通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 00:05:09 ID:???
ステラの声が聞こえなくなったとあるから、ギアスで既に・・・
184通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 00:29:21 ID:???
同士討ちはまだしも、落とし穴はいくらなんでも無理じゃ?
そもそもMSに乗ってる人にどうやってギアスを
185通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 00:42:20 ID:???
MSで落とし穴を掘らせればいいじゃないか
186通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 00:51:07 ID:???
>イエス・ユア・ハイネスとサー
サーの方が自然かもだけど、ギアスを喰らっての応答としてはちょっと格好がつかない感じ。
理屈は抜きにして、ユア・ハイネスの方がルルーシュらしてくて良いかな?
アニメでも特に「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる」って宣言しなくても「イエス・ユア・ハイネス」って応じてたシーンがあったような覚えがあるし
「王のギアス」の副次効果とも取れる。
187通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 01:10:17 ID:???
>>185
MSに乗ってるパイロットにどうやって(ry
188通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 01:29:47 ID:???
その1:C.C.とカレンが服を脱ぎます
その2:「持病の尺が……」と苦しむ演技をします
その3:さりげなく、きわどい所まで肌を露出しておきます
その4:なんてことでしょう!MSからパイロットが降りてくるではありませんか!!!
189通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 03:14:50 ID:???
それでMSを釣って落とし穴掘るのにどれくらい時間が(ry
190通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 08:48:07 ID:???
>>179,186
アニメで「イエスユアハイネス」って答えていたのは全員ブリタニア軍人・貴族。
他の人間は「了解」とか「分かった」とか「ああ」とかその人毎バラバラだった。
コズミックイラの軍人ならやっぱり「イエス・サー」でないかな。
191通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 13:14:41 ID:???
数あるガンダム世界のザコ兵隊の中でも特に人品の平均値が卑しいと思われる
CEの連合兵(たぶんPP)までも最上級の敬語で答えて自殺するということで
異世界でもギアスには十分な効き目がある事を示した演出と思えば…
192通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 16:43:38 ID:???
でも、それでもZAFT兵と比べると天使の様なんだぜ?>PPの連合兵
単に、コ−ディネーターへの怒りが振り切れちゃった様な奴が多いだけでさ。
193通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 17:15:28 ID:???
>>192
それをザフト以外のナチュラル勢(親反プラント問わず)に向けてるから人品卑しいと言われるんじゃないだろうか
194通常の名無しさんの3倍:2008/11/29(土) 22:16:40 ID:???
なんかブルコスと連合が一緒になってるのがな
195通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 03:02:19 ID:???
ふと思った00世界に師匠送ったらどうなるんだろ・・・ソレスタの戦闘が
Gジェネのヒイロと愉快な仲間達と師匠のガチンコバトルムービーになりそうな
196通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 06:33:06 ID:???
種、種死の世界にプロXが有ったら……
どうなるんだろう?

UCはわかるんだ、まだ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm201454
197コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:08:01 ID:???
投下します
198コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:09:35 ID:???
第2話 新たな黒の騎士

 ベルリンでの戦闘は連合軍の隠し玉であったデストロイを失ったことで大きく変化していた。
 無論、デストロイで受けたダメージはザフト軍に対して大きいものであったが、虐殺に近い形での連合の攻撃に、
 怒りを覚えたザフトの猛攻は連合軍の予想を超えたものであった。
 だが、それも…突如現れたアークエンジェルというイレギュラーな存在の登場により、
 さらなる変化が起きようとしていた。
 戦場というのは常に変化を続ける。
 それを読みきり、最後まで己の戦局を見極めたものが勝利する。

「ステラぁああああああああああああ!!!」

 SEEDと呼ばれるザフト軍のコーディネイターの一部にある能力が、シンを覚醒さえ、より俊敏で強固な戦闘マシーンにと変える。
 シンの絶叫の矛先は、デストロイを撃ち抜いたアークエンジェル艦所属のMSフリーダムに向けられた。
 
 ステラは…戦いをする人じゃない、話せば、話せば…戦いは避けられたかもしれない!
 それを…それをぉぉぉぉ!!
「うわああああ!!」
 シンの操るインパルスがフリーダムに切りかかる。
 フリーダムはそのシンの攻撃を避けようとするが、シンのあまりの速度に避けきれない。
 フリーダムに乗る、前戦争を行きぬいたパイロットであるキラ・ヤマトは、インパルスのビームサーベルを受け止める。
「お前がっ!お前がぁ!!」
「くっ!やめるんだ!これ以上、戦争を広げて、どうしようっていうんだ!?」
 インパルスとフリーダムの戦闘は続くが、MSの性能の差がそこでは浮き彫りとなる。
 決してインパルスが悪い機体ではない。
 だが、覚醒したシンに対してインパルスがついていけていないのである。
 そんなインパルスに対して、あくまでフリーダムはインパルスとの戦闘を避けようと回避を続ける。
199コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:12:27 ID:???

『諸君、戦いをやめてもらおう』

 それは全周囲の公共の一般通信の電波と、外で大きく聞こえてくる。
 その唐突の声に、戦闘していた誰もが耳を傾ける。この乱戦の中の声明…。

『ここでの戦闘の発端は、連合の虐殺行為に他ならない。一方的な殺害、一方的な攻撃。戦争と言えど、こんなことが許されていいのだろうか?』

「…これは一体」
 戦場に到着したミネルバ艦長、タリア・グラティスはその全周囲放送を聴いている。
 話の内容からは、連合軍・ブルーコスモスに対する糾弾だが…。

『…連合に対する対抗勢力もまた、一般市民を巻き込み戦いを続けているだけに過ぎない。
 誰ひとりとして、戦争を、争いをとめるものなどいない!!己の身を安全なところに起きながら、一番の弱者である国民は撃たれ続けている。
 こんなことが許されていいのか?否、撃つものは、撃たれる覚悟のあるものだけだ!!』

「…おいおい、なんなんだ?一体、これは」
 ネオ・ロアノークはその声明に驚きながら、これまでの味方の裏切り、そしてデストロイが倒されことがすべて、
 この話をするもののやっていることなのか…と予想をたてた。
 だとしたら、こいつは…。

『…我々の名は、黒の騎士団!…弱きものを排除する全ての人間に宣戦を布告する!』

その言葉の瞬間、ネオの乗るウィンダムに味方機が突然、背後から突っ込んでくる。
「!?」
「イエス・ユア・ハイネス!!」
 先ほど寝返った連合軍のMSが、その言葉をきっかけとして、突撃してきて味方機を巻き込んで自爆する。
 その異常な光景がザフト側、そして一般市民にうつしだされる。
 連合軍のMS部隊は総崩れとなる。それは連合だけではない。
「くっ!相手かまわずか?」
 ザフトのMSに対しても連合軍のMSが突っ込んできて自爆しようとする。
 レイは、ヒートホークで機体を切り裂き、それを回避する。

 そのラジオでの声明に、一般市民は歓声をあげる。
「そうだ!!ザフトも連合も俺達の街からでていけ!」
「ここは、誰でもない、私達の街よ!」
 先ほどまで逃げ惑うことしか出来ていなかった一般市民の放棄。
 逃げ惑う連合軍の残党の歩兵たち…。
200コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:13:57 ID:???
ミネルバ艦長であるタリアは、騒ぎ立てる一般市民を画面に映し出す。
「…アーサー、MSを後退させて」
「は!?ですが、艦長。敵は浮き足立っています。このまま追撃を…」
「これ以上は、士気に影響します。求められていない戦いは出来ないわ」
 実際に、そのとおりだろう。
 この戦況を打破し救出するのがザフトの目的であったわけだが、連合はおろか、自分たちさえ受け入れないものに手を出すのは逆効果である。
 事実ミネルバ到着以前に、連合の主力MSは倒されており、連合の戦力も殺がれていた。何者かが自分たちと戦っていたのは明白である。
「…撤退!?俺はまだ!」
「指示に従え、シン!戦局は常に変わる。ここで戦っても、何も得られない」
「くっ!!くそぉぉぉぉ!!!フリーダムが、フリーダムがそこにいるのに!」
 シンは大きくコクピットで拳をぶつける。
 レイはそんなシンを庇いながら後退する。

 戦場に残ったものは、白い巨大な戦艦であるアークエンジェル、そして先ほど、インパルスと対峙したフリーダムである。
 フリーダムに搭乗するキラ・ヤマトは、その声明が発表されているであろう、ラジオ局を見つけ出し、そこに向けてビームライフルを構える。
「なんで、あんなことを!君達は、戦うことをさらに拡大する気か!」
『違うな。戦争を終わらせるために戦うこと…。君達のように主義主張を永遠繰り返し、戦いを継続させるよりかは遥にマシだ』
「それはザフトや連合と同じだ!」
『ならば、どうする?今ここで撃つか?一般市民が見ているぞ?』
「くっ……」
 フリーダムは何も出来ず、そのまま、アークエンジェルとともに撤退していく。

 ベルリンでの戦闘は、連合軍の不自然な行動、アークエンジェルの介入、さらには黒の騎士団と名乗るものの攻撃により、
 連合軍指揮官であったネオ・ロアノーク大佐の撃墜・生死不明、デストロイガンダムの撃破という中で、ザフト・連合双方に多大な被害をもたらして終結した。
 ベルリンでは、ザフト軍がこの様子を、連合軍の虐殺行為と発表する一方で、『黒の騎士団』の名前を避け、
 一般市民のゲリラ活動がこの戦いの勝利に大きく貢献したと発表していた。
 だが、地球圏内における『黒の騎士団』という名前は、その西欧諸国に対する人間の心、そしてザフト、連合双方に強く刻まれることとなったのは事実である。
201コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:16:10 ID:???

「…報道されてはいないな、私達の名前」
 C.C.は衛星テレビを見ながら、騎士団の戦果を、あたかも自分たちのおかげだと言う、大きく演説している男を見て微笑む。
「好きにさせておけばいいさ。結果、俺達が欲しいものは手に入れた。今はまだ騎士団の名前は一部に知られているだけでいい」

 ルルーシュの視線の先にいるのは、眠っている金髪の女である。
 一般市民の誘導、さらには連合軍兵士を芋吊る方式、洗脳した兵士に兵士を連れてこさせ、次々とギアスで洗脳していく。
 通信が途切れれば増援も当然くるだろう。
 コクピットからおり、様子を見にきた兵士もまた、ギアスにかけ…
 巨大なMSであるデストロイが自らの攻撃によりあけた穴を、MSにより落とし穴として作り変える。
 時間との勝負だったが、思った以上に相手の機体・人員を手にいれられたのが、勝利に繋がった。
 味方機ということも含め、落とし穴という作業も、敵のレーダーでは、ただ止まっているとしか写らなかったのだろう。
 有視界においても、目の前のことに捕らわれているものたちには、わからない。
 しかも味方ならば尚更であり、敵の兵士は何も思わなかったようだ。
 完全な勝利や安全を目の前にすると、些細なことも見逃してしまうものだ。
 『騎士団』のラジオ声明も前もって、関係者にギアスをかけ、携帯をわたし、中継地点としてラジオ局を利用していたのだ。
 今はこうして一般市民から、聞いた小屋で身を隠している。
 無論、一般市民で俺達の正体を知ってしまったものには、ギアスで記憶を消させている。
 あんまり無益に殺すとカレンがうるさい。
 
 この金髪の女も、特殊な黒い機体に乗っているということから、敵のエースと見て兵器から連れ出し捕虜とした。
 もう少しでまとめて撃破さてれそうになったのが、今回一番危なかったことだろう。
 そして、今はこうして意識が戻るまで寝かせている。
 尋問も考えたが、そういった道具もないため、最悪、ギアスを使うこととなるわけだが…。

202コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:19:10 ID:???
「それにしても、この世界でも…戦うのは私達と同年代の子ばかりなのね」
 カレンは、ルルーシュとC.C.に温かい紅茶を持って来て、手渡す。
「熟練した兵士は、最初の戦闘でほとんどがやられるものだ。双方とも手馴れているからな。結果、残されたのは若い学徒兵になる」
「……私達の世界でも、この世界でも……どこでも戦争はあるのね」

「経緯はどうあれ、戦争は起こるものだ。問題はそう収拾をつけるかになる。
 戦うことに執着しすぎれば、戦闘行為そのものが目的となり、未来が見えなくなる。
 それでは過去を見た皇帝シャルル、今しか見ることが出来なかったシュナイゼルと同じになる」

「……ルルーシュ、私は」

 カレンはルルーシュを見る。
 自分は何も知らなかった。
 ルルーシュがゼロレクイエムで、世界の戦争を根絶するため、己を犠牲にしようとしていたことを…。
 そして何も知らずに、ルルーシュを憎み戦おうとしていたことを。
 信じられなかった、信じてあげられなかった。そんな自分が…悔しくて。
「カレン、俺は…俺の手は既に血で汚れている。君を導くことは俺には出来ない」
「そんなの……私も、C.C.もみんなそうでしょ?」
「…どさくさ紛れに私を含めるな」
 睨むC.C.に対して睨み返すカレン。
「…もう、1人で抱え込まないでほしい。そのために…私はここにいる」
「そこは私を含めろ」
 睨むカレンに対して睨み返すC.C.
「…あぁ、そうするさ。幾ら足掻いたところで、どうやら俺は赤と緑の魔女からは逃れられない運命のようだ」
「「…」」
 今度はルルーシュがC.C.とカレンに睨みつけられる。

「うぅ…う…」

 ソファーに倒れ、眠っていたステラが低い声をあげて、身体をゆっくりと起こす。
「あ、目が醒めたみたいね」
 カレン、C.C. そしてルルーシュが、その女のほうを見る。
「…ここは…どこ?」
 まったく見ず知らずの場所、知らぬ人に、ステラは不思議そうな表情を浮かべる。
 身動きをとろうにも手足は縛られており、上手く動けない。
「お前は私達が捕虜とした。話をしてもらえれば、危害を加えるつもりはない」
「だ、誰が…お前達などにぃ…うぅっ、はあぁっ!」
 ステラは急にソファーの上で苦しみだす。
 まるで発作だ。悲鳴をあげながら、身をよじり、声を上げ続ける。
「なんだ、これは!?」
 ルルーシュは、その苦しみ方の異常性に、驚く。
 ステラの様子は異常である。一体何かしたというのか?
 いや、ここにつれてくるまでは大人しかった。目が醒めたことで…。
「しっかりして!…ダメ、このままじゃ…」
203コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:21:16 ID:???
「…仕方が無いか」
 C.C.はそういうと、手を伸ばして、暴れるステラの手を握る。
 すると、ステラの目が開く。
 それは…スザクに対し、ナリタ戦にて、ルルーシュが追い詰められたときに使用したコードの力。
 彼女の深層心理を垣間見ることができる。

(これは……)

 そこでC.C.が見たもの…実験に次ぐ、実験。
 様々な人間の遺伝子を操作、さらには記憶の刷り込み、記憶の上書き、記憶の消去。
 自分が誰なのかもわからず、存在意義はただ戦うこと。
 戦い勝ち抜くこと。
 ステラの心にあるのは、ネオ…そして消えかけながらも一番光っているシンに対する想い。
 それが彼女の壊れかけた心を繋ぎとめている。

(この世界でも…戦争のためには、人は人としての限度を越えるか)

 彼女に、本来ここまでするつもりはないが…。
 この者の、おぞましい呪縛だけは取り払おう。

『誰?私の心…見ているの?』

 そこにいたのは、ステラ。
 体育すわりをして、何もない白い、白い空間の中にいる。
 C.C.はステラを見下しながら

(…寂しいな。ここは)
『…どうせ、私には何もない。楽しいこともすぐに忘れてしまう』
(フ…。ならば私がお前に生きる意味を与えよう)
『そんなこと出来ない。そんなこと…誰もしてくれない』
(普通のものには、出来ないさ)
『え?』
(私を、信じろ)

 C.C.は、ステラに手を伸ばす。
 ステラは怯えながらも、何度か躊躇しながら、C.C.の手をとる。

「これが、お前が自分の足で歩みだす第一歩となる」

 C.C.はステラの手から自分の手を離す。
 カレンとルルーシュは、ステラの様子を見ている。
 ステラはゆっくりと目を開け、もう一度三人を見る。

「ステラ・ルーシェ。お前の呪縛は私が解き放った。お前を縛り付けていた鎖はなくなり、お前は今や自由だ」

 C.C.の言葉にステラはどこか安堵した表情でいた。
 C.C.は、ステラの安堵した表情を見て、安心し、ルルーシュのほうをみた。
204コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:23:04 ID:???
「残念だったな。ルルーシュ…このものに軍の情報を聞くのは難しいぞ」
「なんだと?」
「…兵士として強化されている。記憶もかなり操作されているようだ」
「酷い…そんなことを」
 カレンはそのC.C.の言葉に吐気を覚える。
 戦争に勝つためには、そんなことが許されるのだろうか、そんな人間としての枠を超えたことが…。
「…カレン、私達も経験しているだろう?」
 そう…自分たちもこういった形ではないが、確かに戦争に勝つために、
 『ギアス』やシュナイゼルが使用した『フレイヤ』という兵器を使っているのだ。
 人に説教できる立場にはない。

「…ここはどこ?」

 ステラが改めて三人を見ながらつぶやく。その様子は先ほどとは違い、だいぶ落ち着いているようだ。
「ここは…えーっと、なんていえばいいのかしら?ルル、じゃなくて、ゼロ」
 カレンは少し困りながら頬をかきつつ、ルルーシュを見る。
 ルルーシュは、ステラを見つめ問う。
「ステラ・ルーシェ、お前に聞こう。俺達と供に、覇道を歩むか?それともすべてを忘れて、人として自由に生きるか…」
 ステラは、心配そうに見つめるカレン、微笑を向けるC.C.と視線を移しながら、最後にルルーシュを見つめる。

「私は…」

 ステラは、なぜかこの見ず知らずの、この三人から殺気や欲望を感じ得なかった。
 それは、自分が知っている限りでは、死んでしまった人間に対して感じるもの。
 清らかで、落ち着いている。いつも自分に向けられる黒くドロドロした悪意や殺気を感じない。
 この人たちは…いい人なのかもしれない。

「ステラ…行く。こんな温かい気持ち、二度目…」

「フ…、改めて挨拶しよう。私は黒の騎士団総帥、ゼロだ。騎士団は君を歓迎しよう」
「私の名前はC.C.」
「私は…紅月カレン、よろしくね?」
 ステラは改めて仲間を手に入れた。もう失いたくない。
 この気持ちも、この想いも…失いたくない。
 仲間とは私に勇気を与える。仲間とは私1人ではできないことを可能としてくれる。

「これから、どうするの?ゼロ?」
 カレンとC.C.そして、新たに加わったステラがルルーシュを見る。
 ルルーシュは世界地図を取り出すと、ある一点を指差す。

「我々、黒の騎士団が目指す、次の目的地は…オーブ首長国連邦」
205コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/11/30(日) 10:24:20 ID:???
以上です。
とりあえずここではかっこつかなかったのでハイネスに。
今後は重要なところ以外は『わかった。』とか『サー』にしようかなと…。
206通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 10:27:04 ID:???


ただ突っ込み入れるとすれば、ステラは薬物投与もされてるわけなんだがそこはどうしたの?
精神面はCCがなんとかしたとして
207通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 11:05:24 ID:???
>>206
ファントムペインやら連邦兵やらがいっぱい手駒にいるからなんとかなるんじゃね?
208通常の名無しさんの3倍:2008/11/30(日) 11:44:17 ID:???
それにしてもネオも確保したと思ったんだけどこの様子だとラクシズに回収された可能性が高いか。
さてルルーシュはオーブで何か起こすようですがアスハの狂信者にどう対応するか期待です。
209コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:38:35 ID:???
投下します
210コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:41:40 ID:???
第3話 それぞれの行方

「…なんだ、これは?!」
 ロード・ジブリールは資料を見て、それを机に叩きつける。
 連合軍、その主体となるブルーコスモスによる一大作戦としたベルリン作戦は、
 連合国民・ザフトすべてにブルーコスモスの驚異を見せつけようとした作戦であった。だが、それは
 部隊壊滅という最悪の結果となったのである、誰であれ怒りに来るのは、当然のことである。
 ブルーコスモスの母体であり、その中核をなしている『ロゴス』のトップであるロード・ジブリールは、今回の作戦提案者でもある。
「黒の騎士団と名乗る、構成員不明、組織状態不明にデストロイを倒され、部隊も壊滅したというのか!?こんなふざけた報告書、よく私のところにもってこれたな!」
「で、ですが…ザフトに対しても攻撃をしているようですし、これを利用すれば我々にも…」
「ふざけるな!我々の敵はザフトひとつ、それ以外はありえん!すぐに、デストロイを量産し、各地に派遣しろ」
「は、はい」
「後、はやくユウナに新型MSをよこせともな!」
 ジブリールは爪をかみながら、もしものために現在、月で建造中の最終兵器の建造を急がせなくてはいけないと感じ始めていた。
 時間はあまりない。
 次にあの男、デュランダルがなにをしてくるか…。
211コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:43:07 ID:???
戦艦ミネルバ…ベルリン戦後、南下中
「シン…」
 アスラン・ザラは、ベルリン戦においてデストロイ撃破後、塞ぎこんでいるであろうシンを気遣おうと、シンがいるシミュレーションルームにはいる。
 そこではシンとレイがある画面を見つめていた。
「ん?なにをやって…」
 そこに映し出されていたのは、フリーダムの戦闘画像である。
「これは…フリーダムの」
「次にフリーダムと戦うときのために、どうやったら勝てるかを考えないといけないですからね」
 シンはアスランに視線を向けず、集中して戦闘画像にのめりこんでいる。
「だが、フリーダムは、俺達に攻撃をしなかった」
「だけど、あれはザフトじゃない。いつ俺たちの敵になるかわからないものを調べる必要はあるんじゃないんですか!?」
「くっ!!」
 アスランは、シンの肩をつかんで振り向かせる。
「なんですか?また殴るんですか!?そうやってあんたはいつも暴力で…」
「シン!!」
 アスランは拳を握ったが、その手をレイに止められる。
「アスラン。シンの言葉の無礼には詫びますが。
 シンのやっていることは間違ってはいないとおもいます。
 フリーダムはザフトではないです。敵としての可能性が残るなら、それについて調べるのは必要です。
 アークエンジェルは…敵となればかなりの脅威になるのは事実です」
 レイはアスランとシンを交互に見ながら、落ち着いた様子で話す。
 アスランは拳をとき…
「アークエンジェルは敵じゃない!」
「その証拠がどこにありますか?あなたが、かつて知った艦だからですか?」
「そうじゃない!」
 シンは言い争うレイとアスランから視線を外して、戦闘画面を見る。
 その様子は相手にしていられないといった形だ。
 アスランは、まだ話は済んでいないといわんばかりに、シンを振り向かせようとする。
 だが、そのアスランをレイが制止する。
「アスラン、シンの邪魔になるようなことはしないでください」
 レイはアスランを軽蔑するように、そう言い放ち、アスランは部屋から出て行った。
 アークエンジェルと、いつか戦わなくてはいけない。
 そんな言いようのない不安から、アスランは、壁に拳をあて、自分がどうすればいいのか、考える。

212コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:44:49 ID:???
 アークエンジェルもまた、ベルリンから、南下している状態でいた。
 艦橋にて、艦長であるマシュー・ラミアスとキラ・ヤマト、オペレーターであるミリアリア・ハウ、
 オーブの元代表者でありキラとは兄弟であるカガリ・ユラ・アスハなどとともに、今後のことを話し合っていた。
「連合め、あんな兵器をつくっていたとは…。ユウナは、こんな相手と手を組んでいいとおもっているのか」
 カガリは吐き捨てるように言う。
 ユウナは今、現在、オーブの代表者として他者との同盟を昔から拒否していた国としての威信を棄て、連合と同盟を結んだものである。
「カガリ、落ち着いて…」
「これが落ち着いていられるか!こんな大量虐殺の一端を、オーブは受け持っているなんて私は…」
 カガリを宥めるキラだったが…カガリは止まらない。
「……オーブにはいつかは行かなくちゃいけなくなるとおもう。だけど、僕はザフト、そして…、ベルリンで現れた、あれが気になるんだ」
 キラは、ベルリンにて、人々を一気に自分の味方に率いて、さらには連合を追い詰めた『黒の騎士団』と名乗る正体不明の組織を口にした。
「だっさい名前よね」
 そこに丁度やってきた、ミリアリアが小声でつぶやく。
「ミリィ。ムゥさんの様子は?」
「…命に別状はないけど、意識はまだ…」
 ネオ・ロアノーク…彼の記憶もまた、ステラと同じように書き換えられていた。
 かつてアークエンジェルのメンバーであり、マリューと恋仲であったムゥ・ラ・フラガ…。
 連合軍のギアスに洗脳されたMSの特攻により撃破。
 回収され…今は眠っている。
「…今は、目の前にあるもの…ザフトのミネルバ、連合軍について考えないといけないわ」
 マリューは、ムゥのことも頭にはあったし、キラの不安も案じながらも、形の見えないものよりかは、今、眼前に迫っているであろうものを考えていた。
「ザフトのミネルバ…、あそこにいるパイロットはだんだん強くなってきている」
 キラは自分の手を見る。
 ベルリンでのとき、対峙した彼は、オーブで戦ったときとは明らかに力が増していた。
「シン…」
 カガリはシンとあったことがある。開戦前に護送として送ってもらった。
 オーブの国民の1人だったが…前の戦争にて家族を失ったことでザフトに…。
 自分たちが巻き込んでしまったことはわかってはいる。
 だが、あのときはあぁするしかなかった。
 少しでも、少しでもいいからわかってほしい…カガリはシンにそう願うばかりだ。

 アスラン…君は、今…何を思っているんだい?

 キラはミネルバにいるであろう、アスランを思いながら、心の中で唱える。戦いを否定し、オーブに一度は下った彼が…今の乱戦を呈する状況をどう見るのか…。泥沼の戦いで、それは第二、第三の自分たちやシンを作り出しているというのに。
213コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:48:42 ID:???
オーブ首長国連邦

 ルルーシュたちが到着したのは、その日の夕方であった。
 偽名のパスポートをもって、観光客として入国したルルーシュたちは、市内の安いホテルにチェックインする。
 戦力も兵力もまったくない今は、誰からも狙われることはないだろう。
 もし何かあったとしても戦闘に特化したもの…カレン、そして新たな戦力、ステラがいる限りでは安全だ。
 ホテルの一室にて…ルルーシュは、次なる構想を描いていた。

「…ステラ、よかったのか?仲間に加えて」
 カレンとステラがシャワーを浴びている中、パソコンに向かうルルーシュに、C.C.は聞いた。
「こちらの機動兵器を扱うことに関しては、あっちのほうがプロだ。戦力が今は欲しい」
「信頼に値できるか、ということだが。それに、薬物投与における、身体の負担は騙し騙しにしてはいるが…なんとか処置を施す必要があるな」
「…お前は垣間見たのだろう?あいつを。
 信用はする。身体的薬物に関しては…オーブを制圧次第、治療を行うさ。
 だが、お前らしくないな…あそこまでしやるとは」
 C.C.はルルーシュから視線をそらす。
 本来のC.C.ならするはずがない、ステラに対しての精神的な処置。
「かつての私のようだったんだ。実験を重ねられ…人として見られることもなかった」
 ギアスの力…それを授ける力を持ち、不老不死の力を持つC.C. 
 確かに実験対象としてはもってこいだ。
 我が父である皇帝シャルルのいたときも、かなりのものを受けていたという話は、少しだがきいたことがある。

「同情か?」

「フ…さぁな」
 C.C.は自嘲気味に笑う。
「C.C.あいたわよ?」
 カレンが扉を開けて、薄着の状態でステラとともにタオルで髪の毛を拭きながらやってくる。
 ステラは髪の毛をふかれると、どこか迷惑そうな顔をしている。
「そうだ、ルルーシュ」
 C.C.とカレンは顔を見合わせ、ルルーシュを見ると
「「床で寝ろ(てね)」
「?」
「ここでもか!!」
 不思議そうな顔をするステラもいる中で、息のあった2人に言われたルルーシュは、安いホテルを選んでしまった自分を呪った。
214コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:50:42 ID:???
 C.C.がシャワーを浴び、カレンとステラが部屋に残る。
 テレビを見ていたカレンだったが、ステラのお腹の音がなったのを見て振り返った。
「なんか食事買ってこないといけないわね。なんかいる?」
「私はピザだ」
 聞いてもいないのにシャワーを浴びながら聞こえてくるC.C.の声。
「はいはい、ルルーシュとステラは?」
「なんでもいい。合わせるよ」
「ステラ…も」
「それじゃ〜ちょっと買ってくるから。ステラといてね、ルルーシュ」
 カレンはそういって部屋を出て行く。
 ルルーシュは、相変わらずのカレンになんとなくだが、落ち着く。
 きっとC.C.とだけじゃこういった雰囲気や気持ちにはならなかっただろう。
 カレンひとりいるだけでこうなる。いや、C.C.がいなくても、きっと変わるだろう。
 人間1人の力は大きい。自分が思う以上に…。
 皆が皆、同じ能力をもっていては、こうはいかないのだろう。
 それぞれが持つ特徴・個性を生かせばこそ…。

「…ルルーシュ、どこか楽しそう」
「そう、見えるか?」
「うん」

 ステラは嬉しそうに笑顔で答える。
 これが以前見せた、あの苦しみに狂っていた女とは思えない。
 C.C.が救いたくなる気持ちもわからないでもない…ルルーシュはそう思いながら、
 自分もまた彼女を兵士として扱おうとしていることに、心の揺らぎを感じていた。

「明日は…頑張ってもらうぞ。ステラ」
「うん!ステラ…頑張る」


 翌日、夕方…オーブ首長国連邦司令部。
 ミネルバを追い詰めて以後、アークエンジェルの介入もあり、オーブの海軍はかなりの疲弊を受けた。
 今はその再建に当たっている最中であった。
 指揮官であるユウナ・ロマ・セイランは、司令部にて怒りを露にしながら兵士に対して強い口調で指示を与えていた。
 カガリ・ユラ・アスハが代表であった時とは違う、険悪した雰囲気。
 彼のおかげで何人ものオーブ軍人が無駄死をしていった。
「まったく…、君達が無能のせいで!僕の立場が危ないじゃないか!」
 ユウナはオーブにおける軍事力の提供をジブリールに提供するよう求められていた。
 ユウナは自分の身の保証とそれなりの地位を用意することを条件にそれを受け入れる用意があると返答していたのである。
 それが、軍備の再建を優先させることで納期が間に合わなくなりつつあったのだ。
 ユウナは愚痴と文句をいいながら、司令室をいったりきたりしている。
215コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:53:04 ID:???

 司令室に入ってくる、白衣を着た白髪の長身、肌色の黒い…どこか妖艶な女性。
 指で器用にキセルを回し、口にくわえて大きく吸い込むと、禁煙であるはずの指令室内で大きく息をはく。
「ラクシャータ博士、どうだい?新たな我がオーブ最強のMSは完成したかい?
 たりないものがあったらじゃんじゃんいってくれ〜お金なら幾らでもあるぞ!無能なここの兵士共なんかまとめて首にすればいい。」
 その口調に司令室にいる兵士達はユウナの背中を睨みつけている。
「完成はしたんだけど〜…別の人にあげることになっちゃった。ごめんなさいね〜?」
「え!?」
 驚くユウナを前にして、ラクシャータが後ろを向くと、そこに現れる黒い仮面を被った男と、同じように黒い統一された制服を着る二人の女。
 その手には銃が握られている。
「わあ!!」
 ユウナは悲鳴をあげる。
 ユウナの後で、司令室の人間たちが銃口を黒い仮面、そして2人の女に向ける。
「ば、バカな奴だ!こんなことをして、ただで済むと思っているのか!
 ここは僕のっ!僕のオーブだぞ!そんなところに堂々と乗り込んできて、ただで済むと思って…」
 怯えながらもそう強気に言葉を返すユウナ。
 黒い仮面の男が一歩前に出る。ユウナは怯えながら後に下がる。

「お初にお目にかかる。オーブ首長国連邦の代表であるユウナ・ロマ・セイラン。
 私の名前は、ゼロ!黒の騎士団の代表だ。そして…このオーブを新たに統べるものだ」

「なっ!?」
「!」
 その言葉に誰もが驚く。
 兵士達ももっていた銃を取りこぼしそうになるほどだ。
「なにを…何を言っているんだ!!誰が、誰がお前みたいな奴にオーブをくれてやるか!」
 ユウナは怒りに我を忘れて怒鳴りつける。しかし、ゼロは、まったくユウナに怖気ることもなく、言葉を続ける。
「国民を人質として、己の権力に陶酔するお前に…国家の支配者としての器はない」
「くうぅぅ!!お前なんかに、なにがわかるんだ!これがオーブを救う手段なんだ。
 そのおかげで、連合、ブルーコスモスに戦争を仕掛けられなくてすむんだ。僕の采配は間違ってなんかいないんだ」
 その言葉を聞いてオーブの司令部は、改めてユウナの底の浅さを知った。
 ブルーコスモスに組することで、戦争を避けられるわけがない。
 事実、今もこうしてザフトの脅威に備えて防備を固めなくてはいけなくなった。
 ブルーコスモスとの協力ということで戦争に介入しているということを、この男はわかっていない。
「お前の無能な采配で、国民は死ぬことになる」
「うるさい、うるさい、うるさい!!僕が嫌な国民なんか、でていけばいいんだ!
 どこにも行く宛てなんかないくせに!僕に付き従っていればいいんだよ!!」
 ユウナは感情あらわにして次々と暴言を吐き出していく。
「それが、お前の言い分か!国をまとめるべきものの…」
「僕がいなきゃ、国なんか成り立たないのさ!僕が、僕がオーブをつかさどってるんだから!!
 そうさ…僕がいなきゃ、この国は成り立たない。僕がオーブそのものなんだから」
 ユウナは大声を上げて疲れたのか、大きく何度も呼吸をしながら両手を司令室の机において汗をかいている。
 再び顔を上げ、ゼロを睨みつけると指を差す。
「な、なにをやっている!はやくこいつらを拘束、い、いや射殺だ!射殺しろ!」
 そう怒鳴ったユウナの背後から大きな声が聞こえる。

216コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:55:26 ID:???
『僕が嫌な国民なんか、でていけばいいんだ!どこにも行く宛てなんかないくせに!僕に付き従っていればいいんだよ!!』

『僕がいなきゃ、国なんか成り立たないのさ!僕が、僕がオーブをつかさどってるんだから!!
 そうさ…僕がいなきゃ、この国は成り立たない。僕がオーブそのものなんだから』

 振り返るユウナ。
 そこには先ほどの自分のいった音声が街中に流されている様子が映し出されていた。
「な…なにをしたんだ。なにをしたんだ!ゼロ!」
 ユウナはゼロを見る。
 ゼロはユウナに向かって大きく拍手をして
「名演説だったよ。ユウナ・ロマ・セイラン」
「ぼ、僕をはめたなぁ!!」
 ユウナはゼロに掴みかかろうとするが、その瞬間、ユウナの身体が宙を浮いて投げられる。
 金髪の黒い制服を着た女のよるものだ。華奢な身体だというのに…身体能力の高さがうかがえる。
 司令部に警告音が鳴り響く。それはオーブの島中で一般国民による暴動が発生したことだ。
 兵士が出動しているが、それでも歯止めが利かない。
 いや、兵士もまた、先ほどのユウナの発言に対してやる気がうせてしまっているのだ。
「暴徒と化した民衆が基地を取り囲み始めています!!」
「警備のものも既に逃げ出した模様」
「バリケードが破られそうです!」
 ユウナはその次から次にとはいってくる報告に耳を塞ぐ。
 ユウナがその状態では指揮系統は完全に混乱に陥っている。
 将兵はもはや、どうすることも出来ない。
 ゼロは、部屋から出て行こうとする。
「どこに行く気だ」
 将兵がゼロに銃を向けたまま問いかける。
「国民に、問いかけなくてはいけない。ここでぬくぬくと何もせずにしていることよりも、面と向かって話すことが重要だ」
 ゼロのその自信と強い口調…自分たちの代表者のあまりにも情けない態度に、将兵はその部外者に対して何もすることが出来なかった。
 それよりも…ここに大胆に潜入し、そしてここまで情勢を覆すもの…。そっちのほうが驚異に感じる。

 ゼロはマントをなびかせて、夕日が落ちる中で暴徒と化した一般市民が見える、軍司令部の屋上にとやってくる。
 突如現れた、その仮面の男に、周りからはざわめきがおこる。
「我が名はゼロ…黒の騎士団の代表だ。オーブ首長国連邦代表、ユウナ・ロマ・セイランは、我の前で、君達が聞いたように国の代表として君達を見捨てた。
 君達は今や、自分の身を、この戦乱の中、守ることさえ叶わない、脆弱な民とかした。だが、これは君達にとっての罰だ」
 ゼロのあまりにも突き放した言葉に、カレンは思わずとめようかと思ったが、だが、それでもゼロを信じて言葉を聞き続ける。

「君達は、政治をすべて、任せてしまっていたことが…このように繋がった。
 君達は二度も見捨てられたのだ。カガリ・ユラ・アスハ、そしてユウナ・ロマ・セイラン。
 これでわかっただろう。一部のものに政治を預けることがどれだけ危険か。君達は今こそ立ち上がらなくてはいけない!
 自分たちの手に自分たちの政治を取り戻すんだ!」

「おおおお!!」
「やるぞぉぉぉ!!」
 自分たちの手に政治を取り戻す…。この言葉が大衆の心を握った。
 誰かにませられない。自分たちのことは、自分たちの手でなんとかするんだ…。
 大声を上げ、手を上げる国民達。そう…これからがすべての始まりだ。
 黒の騎士団は、新たな世界で、新たな意味を持ち蘇る。
217通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 19:55:34 ID:???
支援
218コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/02(火) 19:57:26 ID:???
投下終了。

毎回、強化人間って頭弄るだけじゃなくて身体強化してますけど
精神不安のものに、そんなことしても意味がないような気がした。
219通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:00:59 ID:???
原作キャラには大きな変更はないみたいだな

220通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:03:43 ID:???
変更するなら種段階か、最低でも種死開始直前くらいからやらないと難しいからな
ラクえもんが登場したけど元のラクえもんなのか、はてさて
221通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:11:31 ID:???
む、久しぶりに無能ユウナを見た気がする
再構成とかだと有能化してることが多いよね
まあ、一回焼かれてる国立て直したわけだからセイラン家が有能なのは確実だろうけど
222通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:14:58 ID:???
セイランのメインは経済だっけ?
内政家としては有能かもしれん

残りの氏族とかオーブ関連団体の扱いが気になる
223通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 20:36:48 ID:???
まあ有能だったのはウナトの方だろうね
本編のユウナを見る限りじゃ、そう解釈せざるを得ない
224通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 21:29:02 ID:???
以外とアッサリ制圧してしまいましたね。
ちょっと国民の聞き分けがよすぎる気がしますが。
国民の中にサクラとして何人かにギアスをかけたんですかね?
225通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 21:35:02 ID:???
ユウナはオーブ軍よりは有能だと思う。
226通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 21:42:09 ID:???
まあ、それでも、作戦立案能力はオーブ軍人より上だけどね。
…たぶん参謀とかの縁の下の力持ち型でだと思う。
227通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 21:49:15 ID:???
オーブ軍はサボタージュっすしね。
228通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:32:57 ID:???
問:どのSSのオーブが好き?
・ザクレロ
・X運命
・Zキャラ種
・その他()
229通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:42:17 ID:???
ザクレロじゃぁぁぁぁぁあああああ!!!!
フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ
230通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 22:52:10 ID:???
今日のifスレは異様な盛り上がりで怖い
231通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:31:31 ID:???
>>224
そうじゃないか?
いくら何でも、ユウナのあの演説(笑)だけで暴動には発展しないだろ
2ちゃんが祭り状態になるだろうけど
232通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:34:17 ID:???
>231
少なくない数の扇動用の人員が混じっているのでは?
233通常の名無しさんの3倍:2008/12/02(火) 23:43:53 ID:???
>>224
しかしあのオーブだから分からないぜ?
234通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 01:45:21 ID:???
クロスオーバーSSのオーブを全て融合
235通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 01:46:59 ID:???
クロスオーバーといえば、アスランが敵役になるのが多いな
クルーゼスレのブルコスに入るアスランは衝撃的だった
あとキラが病んでる
236通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 03:08:26 ID:???
作者さん、種死原作見てます?
連合と同盟結んだのも、オーブ軍に無駄な犠牲を大量に出したのもユウナじゃなくて誰かさんですよw
237通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 03:11:22 ID:???
カガリは連合との同盟を嫌がっていた
でもウナト以下、オーブの議員の圧倒的多数意見で連合と同盟

だったっけか
支援物資は送るけど戦闘に参加はしません、って選択肢は無かったのか
238通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 04:10:22 ID:???
さあめんどくせえ誰かさんが目をつけたようです
239通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 04:31:41 ID:???
おもしろけりゃ何でもいいや
240通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 06:55:44 ID:???
さすがオーブ、腐ってて煽られやすいのは二次創作ではデフォだな
ユウナヘイトなのがちょっと変形だけど、原作からしてヘイトされてる人物なので別に問題にはならんw
ユウナカワイソス
241通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 09:06:33 ID:???
まともなオーブが描写されてる作品はないのか?
ウズミはき違いである!とか中立がどうのとかいう狂気の国是を否定してるのとかは
242通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 09:27:54 ID:???
>>237
脚本的にそれは困るw
243通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:01:47 ID:???
まともなオーブなんてあったらカガリがただのアフリカのテロリストで終わるじゃないか


大変結構だな。
244通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 20:11:26 ID:???
まともである時点でオーブでなくなる
245通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 21:33:03 ID:???
というよりまともである時点で出番がなくなる、のほうが正しいのでは
246通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 23:33:26 ID:???
>>245
だが出番が無くなった方が勝ち組という

イザークは最後の最後で狂ったがな
「あれはザフトの船だ!」はねーよwwwwwwww
247通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 03:29:22 ID:???
オーブをまともにしたらそれこそ原作から大改変だなw
248通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 03:48:45 ID:???
ウズミの指示でユニウスセブンの証拠隠滅を謀られたんだっけか?w
249通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 11:31:28 ID:???
オーブが「まとも」になってる改変クロス物って大抵無印開始前に転移や改変が
おきてるからなw
250コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:06:09 ID:???
投下します。
251コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:08:45 ID:???
第4話 真の敵

「これって…」
 カレンとステラの前に現れる機体。
 それはカレンにとって慣れ親しんだ機体であった。
 楽しかったことも…苦しかったことも、悲しみもともに経験し、
 今もなおカレンがお守りとして常にネックレスとして持っているナイトメアフレーム、紅蓮の機動キー。
 カレンの前にその紅蓮がある。赤い機体色はそのまま…。
「紅蓮暁式。ロイドやセシルが私の紅蓮を汚してくれたからね〜ぇ。あれに負けないようつくったつもりだけど…」
 カレンの隣に立つラクシャータが説明を続ける。
「ラクシャータさん、あのお願いがあるんですけど」
「?」
「機動キーを…私のこれにして欲しいんです」
 カレンはそういって首についている機動キーを見せる。
 ラクシャータは笑顔で頷く。
「…そして、そっちの子には、あれに、乗ってもらおうかしら」
 ラクシャータは紅蓮の隣にある機体を見る。
 灰色の色をした紅蓮に似たような機体。
 2人にその二つの機体を紹介するとラクシャータは書類を渡す。
「後で取説よんでおいてね、2人とも。後、そっちの子は後で私の部屋に…」
「…」
 カレンとステラにそういって、振り返るラクシャータ…。
 そこに立つゼロ。

 ラクシャータ・チャウラー…黒の騎士団として、その有能な科学力を持ち、
 紅蓮だけでなく数多くのナイトメアフレームを量産した女。
 最終的には俺が騎士団を裏切っているとされ、追われた身となったわけだが…
252コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:10:28 ID:???

「その顔の裏に隠されているのはなんだ?」
 ゼロ…ルルーシュは、最悪、ギアスを使うことも考え、問いかける。
「人聞きの悪いことをいってくれるね。私は、今の世界が退屈だった。
 今では感謝しているよ。この世界につれてきてもらったことを…」
 ラクシャータは、常に持っているキセルを手で回しながら答える。
「俺が、お前達を裏切ったということを知ってもか?」
 ラクシャータのまわしていたキセルが止まる。
「…扇は、ギアスで私達が操られている可能性があるといって、あなたを追い出した。
 けど、もし私がギアスを持って命令が下せるとしたら…」
 止めたキセルをゼロに向けるラクシャータ。
「私は、そんな途中で裏切るような、間抜けなことを命令するつもりはない。
 結論…あなたは私達にはギアスを使っていない…私が面白いと思ったゼロであるなら」
 ラクシャータの鋭い眼光にゼロの仮面を被るルルーシュは、息を呑む。
 やはり、ただの科学者ではない。
 普段、何も考えていないように見せて、鋭い洞察力。
 いやこれは科学者として当然持ち得ているものなのか。
「…なるほど。その推理から私を信用すると?」
「私は面白ければそれでいいのよ。
 今の世界でやっているナイトメアフレームの、構造から応用した義手義足技術の向上というのも悪くはないんだけど…。
 私はやっぱりこっちが本業でね」
「わかった。以後、お前には引き続き騎士団技術長として、協力してもらおう」
「フフ…とーせん」
 ラクシャータは笑みを浮かべながらキセルを吸いつつ、取扱説明書を見て混乱しているステラの元に向かう。

「ラクシャータもきていたのか?」

 C.C.はオーブの市民にユウナの台詞を聞かせるための通信の拡散を行わせていた。
「どういうことなんだ?まさか、このまま扇や玉城、スザクなんかきたりしないだろうな」
 元いた世界から、これ以上の人間がやってくるのはまずい。
 あちらの世界に対する影響もある。さらには…自分の行動にも限界が出来てしまうということだ。
 この世界にきてまで裏切られてしまっては面倒だ。
 ただでさえ、カレンにより、行動を限定されているというのに。
 スザクなんかきてみろ、また殺されかけない。
「私にも詳しいことはわからない。おそらくは…Cの世界でのことが繁栄されているとはおもうが…」
 Cの世界…皇帝シャルルと戦ったときの場所である。
「まぁいい。いつかわかることだ…。今はラクシャータがきてくれたことを素直に喜ぼう。
 これで連合、いやブルーコスモス、ザフトと対等、それ以上に戦える戦力を持つことができる」
「…オーブの将兵はどうする?いつ来るかわからぬ姫を永遠待っている頭では、お前の言うことを聞いてくれるかどうか」
「フ…聞いて貰うさ、どうあっても」
253コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:12:00 ID:???
 オーブ首長国連邦はその日をもって解体されることになり、名称をオーブ合集国に変更。
 代表者は市民議会から選出されること、さらにはそれまでの代表者代行を黒の騎士団のゼロにするということが決まる。
 オーブ首長国連邦の首長たちは全員が拘束されることになる。
 そして首長たちは、ユウナ・ロマ・セイランを含め国家反逆罪として表上は裁判にかけられることになる。
 合集国オーブは軍隊を放棄し、黒の騎士団に軍事力全てをかけることとなった。
 それこそ本来あるべき、平和的国家であるオーブの姿。
 軍事力はすべてを騎士団が保有し、何かあった場合は、承認を得て行使する。
 オーブ軍の中からは反対の声もあがったが、国民感情を恐れ大きく声を出すことは出来ない。
 結果…オーブ軍は、その名前をなくし…『黒の騎士団』として名前を変えることとなったのである。
 そして、さらにはオーブ合集国が議長として、ザフト・ブルーコスモスに対して、テレビ生中継による首脳会談を開催するよう、通達する。
 国民には戦争の早期解決における、説得という題目で行われる。

「…こんな、こんなことが!」
 アークエンジェル内において、艦橋の画面で、その相次ぐ発表を聞き、カガリは立ち上がり、絶叫する。
 自分のいたオーブが…乗っ取られた。
 ユウナはオーブの人間だ、まだいい…だが、この黒の騎士団というものはその存在さえ、まったく不明のもの。
 それを、それを受け入れてしまったというのか…オーブの民は。
 カガリはふらついて、倒れそうになる。それを支えるキラ。
「カガリ!」
「すまない…キラ。私は、私は…オーブに、オーブに戻らないと」
「…マリューさん」
 艦長であるマリュー・ラミアスは頷く。
「本艦は、これより、進路をオーブに向けて出向する!」
 キラは、ベルリンで感じた嫌な予感がいよいよ現実を帯び始めてきたことを感じていた。
 今まで見えなかった存在。ザフト、ブルーコスモス双方を凌駕する存在になるかもしれない。
 キラは、嗚咽を漏らすカガリを支えながら、一刻も早くオーブに向かわなくてはいけないと感じていた。
254コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:13:27 ID:???
 アークエンジェルが動き始めた頃…、オーブでも、二つの国家におけるメッセージの返事が待たれていた。
「ルルーシュ?こんな話に、戦争している国がのってくるの?」
 カレンはメッセージを送った後、ユウナの邸宅を改造した騎士団の施設として利用している家で問いかける。
 普段はゼロが絶対というだけあり、こういう場所でしか聞くことが出来ないのである。
「のってくる。新政権が誕生したんだ。ブルーコスモスは同盟の継続を求めて…ザフトはこれを機にして地球圏の足がかりとして…。
 オーブという国を利用しようとするだろう」
 そう…戦争解決というのは、名ばかり。
 これは双方の考え方、そしてどちらが国家的に優れているかを見定めることに繋がるのだ。
 さらには…新しいオーブという国の代表者のお披露目の場でもあり、この二つの国家を動かすことが出きるという力を世に示すことにもなる。
「早速、二つ揃って承諾のメッセージがきたぞ…」
「そういうことだ…。いずれは戦わなくてはいけない相手…顔を見ておくのも悪くはない。それに上手く行けば…ここで一気に俺達に世論が向くことになる。」
 こうして、誰もが注目する首脳会談が行われることとなったのである。
 この日だけは双方の戦争が一時的に中断され、全世界の人が、この放送を見ることとなった。

 ミネルバでも、この首脳会談が行われるに当たってアスラン、シン、レイ、ルナマリアたちが艦橋に集まり、画面を食い入るように見つめる。
 オーブ政変から三日目の出来事である。
「オーブが…なんで」
 シンは吐き捨てるように言う。
 オーブを焼くのなら自分の手で、そう思っていたシンにとって、寝耳に水の出来事であった。
 そして、その新たなる指導者が現れようとしている…それは自分に成り代わりオーブを撃ったものでもあるのだ。
 自然と手に力がはいる。
「…」
 それはアスランにとってもそうだ。
 かつていた国。カガリが自分の理想を叶えようとした国…自分が、居場所として見つけた国。
 それが…かわってしまったというのか。
 そんな2人の動揺を心配するルナマリア。
 そして2人以上にこの、首脳会談の先を知っているレイ…。
「通信きます!」
 メイリンの言葉に、緊張が走る。
 そこで画面に現れるもの…。黒き仮面を被った異質な存在…。
 オーブを破壊し、新たに作り上げた存在…。
255コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:16:05 ID:???
『全世界の皆さん、我が名はゼロ。
 オーブ合集国の代表代行、黒の騎士団の代表者として、この会議の議長となった。
 私はこの世界の平和を求め、ブルーコスモス、そしてザフト双方に話し合いの解決を求めるために、この場をつくった。
 まずは、この話し合いに参加してくれることに同意してくれた、双方に感謝する』

「ゼロ…その存在が無いという意味か…」
 レイは鋭い視線で画面にうつるゼロを見る。

『では、早速、主賓を呼ばせてもらおう』
 画面にうつる、ギルバート・デュランダル…。
『…プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです。
 本日はオーブ代表者である、ゼロ…でいいのかな。彼に呼ばれこの和平としての交渉に参加させていただくこととなった。
 どのような形であれ、何らかの進展があることを期待する』
「…」
 タリアは、デュランダルが遠い存在になってしまった気分になりながらも、今は彼にかけるしかないという想いを抱き、見つめる。
『大西洋連邦大統領…ジョゼフ・コープランドです。
 オーブ代表者ゼロ、そしてデュランダル議長…今日は、よろしくお願いします』
 放送を見つめるロード・ジブリールは、飼い猫をさすりながら、
 デュランダル…そして、このゼロという謎の男の真意も探ろうとしていた。
『早速だが、大西洋連邦大統領殿、この映像を見て欲しい…』
 ゼロは映像を切り替える。そこに映し出されていたのは、巨大なMSがベルリンの街を蹂躙している光景、
 そして街の人々を一方的に虐殺している姿である。
『大西洋連合は…このようなことを行う組織であると私は、見てしまうわけだが…どうお思いか?』
 ゼロが見せた映像と言葉…。カレンはこの会談を、
 ステラに見せず、ラクシャータに身体検査で移動させていた意味をここで知った。
『ゼロ、君も知っているだろう。
 彼ら…ザフトによって、これ以前のユニウスセブンの落下で我らの地球は大規模な傷を受けた。
 我々はあれを忘れはしない』
『それはテロであると、説明をしたが…』
『証拠がどこにある』
 デュランダルの言葉にも、コープランドは、少し戸惑いながらも答える。
『互いが、互いのものを受け入れなければ…戦争は拡大し、悲劇を繰り返す。
 私はそれを止めたい…私はそれだけをずっと考えてきている。』
 ゼロに対してデュランダルは冷静に告げ、新しい映像を映し出す。
 それはデストロイを打ち倒す、インパルスの姿だ。
 だが…これは本当ではない。デストロイを倒したのは…アークエンジェルという別の組織のもの。
「…僕達の存在を打ち消した?!」
 キラは、その映像に…思わず声が漏れた。
 それはゼロ=ルルーシュも同じだ。
 自分が用意させ流した虐殺の映像と、同じときの映像を用意し、
 さらには改変…あたかも自分たちが、この虐殺を止めたというように見せている。
256コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:17:43 ID:???
『…ゼロ、コープランド大統領。
 そして、この映像を世界中で見ている皆さん、私は、ずっと考えていた。
 なぜ、戦争は起きるのかと、どうして人は戦争をやめることができないのかと。
 こうして話し合いをすることは人としてなら当然できることなのです。
 答えは…この戦争を利益としている存在がいるということ…、私達が最も倒さなくてはいけない、ものたちがいるということなのです!』
 
 画面を見つめていたロード・ジブリールは立ち上がり、デュランダルが映し出される、画面を睨みつける。

『その名前は死の商人…軍需産業複合体ロゴス!彼らこそがこの戦争を裏から操っている存在…』
 
 そのデュランダルの言葉は、世界中に伝わっていた。
(くっ!!)
 ルルーシュはここで、完全にやられたと感じた。
 自分が行おうとしていたことが、裏目にでたのである。
 本来ならば、この会議で連合、ザフト双方を糾弾することで自分たちにこそ正義があるともって行くつもりであった。
 だが、それがデュランダルにより先に手を打たれたのであった。
 悲劇を繰り返す戦争の真の黒幕と位置づけられてば、
 今まで連合軍・ザフト双方に向けられていた憎悪が一気にここに集中することとなる。
 そこで世界はひとつになるだろう。
 そして、その世界を手中に収めようとするのが…、デュランダルに他ならない。

(ギルバート・デュランダル…、この俺を利用するとは…やってくれる!!)

『さぁ、皆さん!今こそ立ち上がるときなのです。
 私達の悲劇を利益とし、身を隠していたものたちを…今こそ断罪すべきなのです!
 ロゴスこそが、私たちの戦わなくてはいけない…真の敵なのです!』
257コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/04(木) 12:18:17 ID:???
投下終了。

オーブが皆さん好きなようでw
258通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 12:51:00 ID:???
オーブは一応日本がモチーフだからねぇ
259通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 13:07:17 ID:???
それ、関係ないし
260通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 13:56:17 ID:???


大西洋連合じゃなく大西洋連邦だぜ。

>>257
私は連合派カナ?
261通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 14:36:55 ID:???
皮肉だろw
262通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 21:14:46 ID:???
もしもマーセナリーズの3人の傭兵がCE世界にきたら…?
263通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 22:52:02 ID:???
さて、出ましたなギルお得意の矛先逸らし
なかなかロゴスの扱いは難しいと思うけどゼロはどう動くのやら
264通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 03:04:54 ID:???
天才技術者が一人来ると楽だな
世界から何から違おうが容易く技術的に圧倒するんだろう
265通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 07:47:36 ID:???
こっちの技術の方が凄いよ!って下手に圧倒したら
既存権益で飯食ってる奴らにヌッ頃されるだけだぞ。
266通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 16:30:29 ID:???
>>265
その前にパクリに来るのが種世界クオリティ
軍なら物理的に奪取、クライン派なら色々、ジャンク屋も色々だな

議長は扇動やら政治能力はあるっぽいからなー
原作だと暴力で潰されてたがw
267通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 18:17:20 ID:???
>その世界を手中に収めようとするのが…、デュランダルに他ならない。 
これはあくまでルルーシュがそう推察してるって話だよね?
268通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 18:24:02 ID:???
>>267
推察だろうけど対外的にデュランダルが頂点に立ってしまうと。
269通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 18:33:11 ID:???
>対外的にデュランダルが頂点に立ってしまう
まあDPが施行されれば「デュランダルの思惑で世界が動くこと」には変わりないからな
270コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:16:28 ID:???
投下します。
271コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:18:42 ID:???

第5話 エンジェル・ダウン

『さぁ、皆さん!今こそ立ち上がるときなのです。
 私達の悲劇を利益とし、身を隠していたものたちを…今こそ断罪すべきなのです!
 ロゴスこそが、私たちの戦わなくてはいけない…真の敵なのです!』

「ロゴス…俺達が倒さなくてはいけない、敵」
 シンは画面を見つめながらつぶやく。
 ステラを戦闘マシーンにしたてあげて、利益を貪っていた相手の…名前。
「シン動くぞ…大きく世界が」
 レイが、シンの肩をたたく。
「あぁ、俺達が動かすんだ。世界を…!!」
 アスランは、そんな2人の横で、この発言が…世界を混沌に陥れると、確信を持っていた。

『…ゼロ、私は君をいまだ図りかねているが、君が私たちと供に歩んでくれることを願っている。
 少なくともこういった場をもたせてくれたことには、感謝するよ』

 デュランダルの不適な笑みで、和平会議は終了した。
 通信を終えて、カレンとC.C.の前で、仮面を脱ぐルルーシュ…。
「くううぅ!!」
 ルルーシュは仮面をソファーに投げ捨てる。
「完全にやられた!ギルバート・デュランダル…ザフトの議長か。連合の素性にあそこまで精通しているものが居るとは…」
 ここまでの情報を知っているということは、ザフトはかなり以前から連合におけるブルーコスモス、
 さらには今回のロゴスにおける情報を知っていたと見るべきだろう。
 これがデュランダルの隠されたカードか。
 自分のやること…すべてが上手く行くとは思わなかったが…
 まさかここで、こうなるとは…。これで世界は動くだろう。
 お望みどおり…デュランダル、貴様を中心に。
 世界の世論は、これでデュランダル側につくことになる…。
 これで俺たちオーブがブルーコスモス側につくことはなくなった。
 ここまでの手腕の持ち主であるザフトの、いやデュランダルの情報が欲しい…、奴の手を見なくてはいけない。
 このまま情報戦に持ち込まれれば、いずれはこちらも崩される。
「…いいだろう。ここは…、貴様の策にのってやる。だが、全てがお前の思い通りにいくとは思うなよ…」
 そう…邪魔な組織を1つ潰してもらおう。お前達の戦力を使って…。いい時間稼ぎになるだろう。
 こちらの力が整うまでには…。
272コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:20:40 ID:???
 ロゴスの暴露は、世界に衝撃を与えた。
 産業界・経済界・政治…様々な場所で暗躍していたロゴスメンバーの名前がその、場所ごと公開されたことで、一般市民が襲撃を始めることにもなる。
 それはロゴスメンバーだけではなく、ロゴスに加担していたものに対しても、徹底的な弾圧が行われることとなり、
 その惨状はまるで中世の『魔女狩り』に他ならない。
 連合軍は、これに対して静観する動きが見られ、さらにはザフトが連合軍との同盟も示唆したため、
 いくつかの部隊はザフトに協力しようとする動きまで見られていた。

『…ジブリール!これは、これはどういうことだ!』
『我々の情報はすべて隠されていたんじゃないのか』
 ジブリールの邸宅にて、各国のロゴスメンバーから連絡が送られてくる。
 彼らの場所も既にデュランダルにて報告され、一般民衆に取り囲まれてきている。
 ジブリールは、画面にて、悲鳴をあげながら画面が消えていくのを見ながら、怒りを露にしていた。
「とにかく、そこから脱出してください。この…ことに対する復讐は、必ずしてやるぞ!ギルバート・デュランダル!!」
 ジブリールもまた、自分自身の身を守るため、地球の最後の防壁でもあるヘブンズベースに移動することとなる。
 そここそが、ロゴス・地球連合軍ブルーコスモスの拠点であり、一気に巻き返しを図るための場所である。
 それに…宇宙に出れば、現在建設中のあれが…あれが動き出せば勝機はある。
 まだだ…まだ、我々は、こんなところでは終わるわけにはいかないのだ。
273コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:22:36 ID:???
『…すまないな、タリア。君たちにばかり苦労をかける』
 デュランダルからの通信を受けるミネルバ艦長タリア・グラティスは、次の指示を受けていたところであった。
「わかりました。私達はこれより、次の任務を行うために追跡活動を再開します」
『頼む』
 タリアは回線を切ると、既に底にそろっているザフト・ミネルバの赤服を着るシン・レイ・アスラン・ルナマリアを見る。
「私達はこれより、アークエンジェルを追跡し、捕獲、出来ない場合は撃破することになりました。
 作戦名はエンジェル・ダウン、以後は一次待機命令とし、即座に出撃が可能な状態としておいて頂戴」
 その言葉。
 複雑な気持ちで受け取るアスランを前に、シンは拳を握りしめる。
 いよいよ、このときがきた。
 今までの気持ちを全てこめて、フリーダムを落す。
「…シン、気負うな。シミュレーションでやってみせた、お前の力ならできる」
「あぁ、ありがとうレイ」
 フリーダムのパイロットの特製は熟知しているはずだ。
 後は、それをうまくやれるかどうか…。
 ステラ、必ず、必ず仇を…。
「待ってください!艦長、アークエンジェルが、彼らが何をしたというんですか?」
 アスランは抑えていた言葉が出てしまう。そう、キラたちは何もしていない、ただ戦場の混乱を終息させようと戦っていただけだ。
 だが、事態はそうはさせてはくれない。
 アークエンジェルに憎悪を燃やすシンにとってはアスランの発言は怒りにしかならない。
 シンが言葉を放とうとするが、レイがシンを抑える。
「これは本国プラントからの命令です。どこの国にも属さない、戦力は…ロゴスと同じく危険であると判断されました」
「バカな…キラたちがロゴスと一緒だというのか」
「…アスラン、あなたはFAITHよ。この作戦が不服なら、無理強いはしません」
「…」
「アスラン…」
 ルナマリアは、アスランとミネルバクルーの対立がここで徹底的になったと感じていた。
 アスランの気持ちはわかる。
 アスランを尾行・盗聴の指示を受けたとき、聞いた本物のラクス様を殺害しようとザフト、議長が考えていたこと…。
 本当かどうかはわからない。だけど、私はザフト…だから、ザフトを信じるしかない。
「戦いたくない奴は放っておけばいいんです」
 シンは、そんなアスランに対してはっきりと告げた。
 アスランは何も言い返すことが出来ずに、ブリッジから出て行く。
「敵の戦力は、これまでのことを考えると、フリーダムだけと考えるべきでしょう。だけど、あのMSにこれまで苦汁を飲まされてきたことも事実。各員の健闘に期待するわ」
 シンは強く敬礼をして、MSの格納庫にと向かった。
 その胸にあるのは…ステラ、そして妹に対する気持ち。
 失ったもの全ての贖罪を、フリーダムに償わせてやる。

 アスランは、廊下で雪に覆われた空を窓から眺めていた。
 シン、そしてキラ…彼らが戦うことに何の意味があるというのか…本当に倒すべき敵とは一体なんなんだ…。
 ロゴス、アークエンジェル、ザフト…オーブ。
 混沌とする世界の果てに、自分は今、何も出来ない。
274コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:24:15 ID:???
「なるほど、カガリ・ユラ・アスハは、元々、アークエンジェルメンバーであるということか」
 ゼロは、ギアスをかけ、ウナト・エマ・セイランから情報を聞き出していた。
 オーブに代表者であり、さらには旧アークエンジェルメンバー、それがアークエンジェルに攫われたということは…。
 おそらくは、あの無能な息子に嫁がせようとしたのを、拒否しようとした1つの手段だろう。
 結果的に、ウナトに政権を握られているようでは、意味を成してはいないが…。
 それだけアークエンジェルというのは、この世界にとって中核をなす存在であることには間違いは無いだろう。
 だとすれば、かなりのイレギュラーな存在になることは間違い無い。
 なるべくなら…早めに消しておきたいところだが。
 ゼロ=ルルーシュは、ベルリンにて、自分に向かってきた、あのMSを思い出す。あれがアークエンジェルのMSのパイロット。
 あの口調や、戦いを否定する考え方は…どことなくスザクを思い出す。
 正義という心が先に出るがため、己の立場や、そして世界に対する役割を見失ってしまう。
 ただ戦うだけでは混乱を起こすだけだというのに…。

「ゼロ、準備が整いました」

 ステラがはいってくる。
 ラクシャータの話では、身体的な薬物依存については、薬を使って誤魔化すことはできるそうだが、
 しっかりとした場所でなければ対応は難しいかもしれないとのことだ。
 それでもC.C.のおかげで精神的な部分はかなり改善されている。
 ボディーガードとしては優秀だ。
 それに…新たな新型機との適応もいい。
 ギアスを使わずともいい戦力になりそうだ。
 ゼロは、ウトナを放置しまま、ステラとともに歩き出す。
 この後は、新たに召集された国民議会の代表と合わなくてはいけない。
 政治をろくに知らないものたちには、私の言うとおり従ってもらうのがいい。
 オーブの無能な軍人と同じく。
「あ…」
 急に立ち止まるステラ。
「どうした?」
 ゼロは、ステラを見る。
 ステラは横を向き、窓の外を見た。
 穏やかな海と青い空が広がっている。

「…シン」

 ステラはポツリと言葉を放った。
275コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:25:39 ID:???

「うわああああああああああああああ!!!!」

「!!?」
 シンのインパルスのビームサーベルが フリーダムを貫く。
 爆発を繰り返しながら、フリーダムは、ビームサーベルを引き抜かれると、海中に落ちていく。
 アークエンジェルもまた、タリアの采配の中で、ローエングリーンによる攻撃により、爆発を確認する。
「アークエンジェル、フリーダムの信号をロスト」
「やったのか…シン」
「…」
 アークエンジェル、フリーダムをともに撃破したという事実。
 それは大きな前進…。戦いを混沌に導くだけの存在は必要がない。
 レイ、そしてデュランダルの考えはここで実行に移されたのである。
 雪山に横たわるように倒れているインパルス。
 バリエーションを切り替え、フリーダムがコクピットを狙わないということを、考えたシミュレーションからやり遂げた。
 シンはコクピットの中で涙を流す。

「やった…ステラ、君の、君の敵を…とって…」

 デストロイを撃ち、ステラを殺したフリーダムを…倒した。
 この手で、俺の…手で。
 もう二度と、ステラやマユ…自分の妹のような人間を作り出してはいけない。
 だから、自分はもっともっと強くならなくちゃいけない。
 そして世界をレイ、ルナ…議長とともに作り変える。
 そこにあるのは、きっと…戦いの無い、悲劇の無い世界だと、そう信じて。

「…キ…ラ」

 アスランはフリーダム、アークエンジェル撃墜の報告が艦内に響くと、その場で崩れ落ちる。
 シンがやられてほしかったわけじゃない。
 キラがやられてほしかったわけでもない。
 シンを、キラを殺したという事実を、作りたくなかっただけだ。
 誰も犠牲が出ない戦いはない。
 それは知っている…知っているが…。
 カガリ、ラミアス艦長…キラ…。お前達は本当に、本当にやられてしまったのか?
 どうして、こんなことになってしまったんだ。

 絞り出す声で、アスランは1人、廊下で打ち震えていた。

エンジェル・ダウン作戦の成功
アークエンジェル、フリーダムの撃墜。
これによりザフト、デュランダル議長はロゴス壊滅に本格的に力をこめることとなる。
連合からザフト指示を明確にした部隊の受けいれがはじまる。

世界はひとつにまとまり始めていた。
276コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/05(金) 20:26:55 ID:???
以上です。
キラVSシンは原作と同じなのでカットしました。

>>267 はい、その通りです。
277通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:41:14 ID:???
乙ですー
しかし、戦争を裏で操れるようなやつらを壊滅させると地球の経済全体が壊滅しそうな気がするんだが・・・
議長の狙いはそこか?
278通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:53:26 ID:???
史実と違ってまだステラが生きているから少なくともシンは幸せになれるな。
279通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 22:58:21 ID:???
どうかな・・・
ウザクを凌ぐ「裏切りで成り上がる男」がいるからな・・・
280通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:01:55 ID:???
>>277
少なくとも軍事産業は崩壊したね
281通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:28:17 ID:???
しかし、01話でルルーシュが両陣営は主義主張を言い合って戦争しているだけとかかんとかって、
これってマジでいいそうだし、ガンダム世界そのものに対する痛烈な皮肉ですな。しかも筋が通っている。
ルルーシュはスパロボ的には悪そのもの(ラスボスだと思う)ですが、「弱者」にとっては理想の支配者に極めて近い気がする。
ルルーシュならZのカメイラだっけあの策略も見抜いてしまう公算が高いと思う。
戦闘能力はまるでないが、いったん地位に就けばギアスがなく(ギアスが一人1回しか使えないので逆に、それを活かそうと考えるうちにさらに頭が切れるようになった)ともその地位と権限を最大限活かせる能力を持ち、
汚いこともするが、理想も失わずにやり遂げる。うわ!敵にしたら最悪の存在です。
しかし、ルルーシュには腐ったCE世界を存分にやってほしい。
282通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:30:56 ID:???
>>281
痛いルル腐を演じるルルーシュアンチは失せろ
本物ならなお失せろw
283通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:33:47 ID:???
>>277
本編じゃそういう描写もほとんどなかったし、ロゴスの頭がすげ変わっただけって感じじゃないかね
あるいはロゴスにそんな影響力ありませんでした、なオチか
284通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:37:03 ID:???
>>その世界を手中に収めようとするのが…、デュランダルに他ならない。
>これはあくまでルルーシュがそう推察してるって話だよね?
>はい、その通りです。

>アスランは、そんな2人の横で、この発言が…世界を混沌に陥れると、確信を持っていた。

勝手な確信が得意という点で案外ルルーシュとアスランには通じるものがあるのかも?
自分で仕掛けた公開会議でアッサリ議長に美味しいとこ持ってかれるなど
やはり政治家としての力量と年の功についてはまだかなわない所があるか。
といって全てギアス頼りにするわけでもないだろうけどどうするのか…
285通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 23:46:30 ID:???
原作どおりと言えば原作どおりなんだが
キラは悪くないという凸には呆れてしまうw
286通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:31:12 ID:???
なんせホモにしか見えないくらいキラ大好きな御方ですから
287通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:41:13 ID:???
面白けりゃ何でもいいよ
288通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:41:58 ID:???
それでもダーダネルスの後にはおめーらなにやってんだコラと詰問してたはずだが
やはりダルマのショックで…
289通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:43:10 ID:???
>「待ってください!艦長、アークエンジェルが、彼らが何をしたというんですか?」
> アスランは抑えていた言葉が出てしまう。そう、キラたちは何もしていない、
> ただ戦場の混乱を終息させようと戦っていただけだ。

つ【タンホイザー狙撃で死傷者多数】……
これだけでもうミネルバには本国からの命令抜きでもAAを沈める理由が
十分あると思うんだが…
TVでも自由撃墜直後のシンと凸の諍いの際にこの件に言及するモブ乗組員とか
続出してもおかしくなかったんだけどねえ。
290通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:45:27 ID:???
当時ネタすれがあったな
「キラは敵じゃない」の後でアスランが格納庫にいくと上からスパナが落ちてきたり
食堂に行くと「あれ食べるんですか、アークエンジェルに行って食べればいいのに」と言われたりw
291通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:54:04 ID:???
>>290
地味な嫌がらせw
アニメ本編でもあって然るべきだよな。少なくとも陰口は言われるだろ…
敵を擁護する発言なんて下手したら捕まる
292通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 00:59:51 ID:???
レイにクールな口調で「政府が敵とみなして討てと命令してきたからには敵です」との
一点張りに言わせる事で逆に反発をあおろうとする演出だったのが見え見えなんだよな。
あそこで居合わせた名無し含むクルー達が口々にタンホイザーの件や、不殺戦法で
宇宙で酸欠死、地球での墜落・水圧死、あるいは死ななくても廃人化続出の件について
(知人縁者がそんな目にあった奴も少なくないはず)言い出し始めたらさすがの凸も
反論や擁護の余地がなくなるだろうし。
293通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 01:27:15 ID:???
>>290
kwsk
294通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 01:30:40 ID:???
>>292
つーか、普通そういう反応するよな
295通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 01:37:35 ID:???
そういや種・種死ではキラに攻撃された奴がどうなってるかはスルーしてたな…
イザークは飛行メカから落ちた時に運良く仲間にキャッチされて生還したが
キャッチされてなかったら墜落死だろうな
296通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 01:46:23 ID:???
>>294
仮に負債補正を抜きにすると、一般兵達が騒ぎ出さなかったのは
やはりフェイスの地位を憚ったからという解釈も出てくる。
んでそのフェイスに抜擢してくれたのが誰だったかというと…
…やっぱ恩を仇で返すのは旧クルーゼ隊残党のお家芸ってことか…orz
297通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 01:55:10 ID:???
そもそも種後に旧クルーゼ隊の面々を助けたのは議長
298通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 02:01:55 ID:???
よくスタッフあんな作品命令通り作ったよな。
299通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 02:55:24 ID:???
>>296
>恩を仇で返すのは旧クルーゼ隊残党のお家芸ってことか…orz 
凸のブザマなコウモリぶりを嘲笑ってた遺作厨が数ヵ月後奈落の底に突き落とされたのだったw
300通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 03:22:06 ID:???
あの最後の発狂はマジでコーヒー吹いたわwwww
もうちょっとセリフ考えられなかったのかwwwww
301通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 05:55:52 ID:???
いくら格好いいこと言ったって寝返りは寝返りだけどな

遺作好きには遺作が他のキャラと違ってぶれずに(多少は迷いもあっただろうが)
ザフトやプラントの為に戦い続ける軍人だからこそ好きって奴もかなりいたはずなのにあの仕打ちは酷いよな
特に遺作の事は気にしてなかったが最後のアレはさすがに吹いたw
しかも追加エピでラクスの隣にいる辺りうまく立ち回ったな、みたいなw
もしラクス側に行かなかったら隊長だし、責任取らされてたかもなー
302通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 08:20:22 ID:???
逆に言えば、種で遺作が裏切っていれば、その時にラクス政権が成立していたわけか。
303通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 09:03:36 ID:???
遺作ママンもクライン派でしたっけ?ザラ派だったんでしたっけ?
どっちだったか覚えてないんすけど・・・

無印後の時点でラクスがプラントに戻るなり、地下に潜伏するなりで何らかの活動を続ければいいのに
やりたい放題やってトンズラこいておいて、種死では気まぐれで活動して無駄な犠牲を払った挙句
ロゴス殲滅の世界経済等へ与えた影響という問題点の責任は全て議長におっかぶせ
自分らはその議長を倒して結果だけをかっさらう・・・
脚本の都合とはいえ、ラクシズは立ち回りが上手過ぎ
普通はプラントでだって世論は賛否分かれそうなもんだと思うけど、最終的に受け入れられちゃったんすよね・・・


今思えば、議長が終盤でDP施行急いだり、ネオジェネシスやレクイエムの発射とか
都合よく悪党に仕立てられたのはラクスがギアス使ったんじゃないかと思えてきます・・・
いくらルルでもそこまではせんぞ
304通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 10:20:12 ID:???
>>292
SS倉庫にあるルナ主役ものの一つなど、ホーク姉妹の志願理由が
そもそもそれ(父がヤキンで自由にやられて酸欠悶死)だからな…
もっともその話での凸はSS中有数のきれいなアスランになったわけだがw
305通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 10:45:57 ID:???
凸は奇麗になるか、原作準拠で裏切りまくるか、暗黒面に堕ちるかの3択が待ってるよ!
306通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 10:51:35 ID:???
Z開始時のアムロのように軟禁されて、適度に腐っているという線もあるかと。
307通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 11:27:20 ID:???
ゼロに論破されて寝返るかな

ギアスで裏切らないよう全力で戦うように仕向ければ凸は強い
308通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 11:41:01 ID:???
凸は所詮「犬以下の31番目の役」だしw
309通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 12:20:57 ID:???
こんな感じか
・頭の毛を気にしゼクスに鍛えられた大使アスラン
・パトリックの呪縛に捕らわれた∞正義団のアスランやジュールスレのアスラン
・キラキラ病100%のたった一人のヤマト隊と三人のジュール隊になったガチホモアスラン
310通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 12:22:20 ID:???
ゼロ

  ス

落ち着け自分
311通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 12:47:17 ID:???
アスランはクロス含む改変SSでは最も変化の振れ幅が大きいんだよな。
キラクスやユウナはきれいになる例の方が目立ち、また逆に悪化したとしても
それほど違和感は感じないしシンの場合はよりまっとうに成長する例がほとんどだが
アスランは話によって聖者から鬼畜あるいは変質者まで演じ分け、しかもそれが
それぞれふしぎと説得力があったりするから…
よく「パラレル同窓会」ネタも引き合いに出されるわな。
312通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 12:59:41 ID:???
同じスレのSSですら正反対のキャラになってたりするからな、奴はw
313通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 13:22:04 ID:???
真相
カナーバ「親もあんたらも生かしてあげるケド
 ラクス様がプラントに凱旋したら全力で支援するのよ!」
イザーク、ディアッカ、シホ、ドクター「ハーイ♪」

サトウ「クラインなんかに降るかヽ(`Д´)ノ」
314通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 14:20:30 ID:???
それだけ原作で腰が定まってないってことなんだろうな、あの凸
315通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 17:12:48 ID:???
>>311
もし綺麗なアスランとばっちいアスランが会合しようものなら、ばっちいアスランが自殺しちまう!
316通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 19:19:53 ID:???
まあゼロにはCE世界で大ナタをふるってもらわないとおもしろくないので頑張ってもらいましょう。
317通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 21:06:48 ID:???
しかし、ゼロ程度でも何とかなるCEってどんだけ〜
318コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:01:25 ID:???
投下します。
319コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:02:53 ID:???
第6話 アスラン脱走〜黒き誘惑〜

ジブラルタル基地
 対ロゴスに備え、連合軍との合流ポイントである。
 様々な戦艦が港に到着する中…そこにミネルバもあった。
 シン・アスカ、レイ・ザ・バレルはアークエンジェル撃墜の功績を得てFAITHの称号をデュランダル議長直々に得ることになった。
 
 デュランダル議長は、さらにシンとアスランを呼び寄せる。

「これは…」
 格納庫に呼び出されたシンとアスラン。
 そこにはデュランダルと、そしてラクス…アスランだけは、それがラクスの偽物であるミーア・キャンベルであることを知っていた。
 デュランダルは2人を呼び出すと、格納庫の電気をつける。
 そこに現れるのは、二体の最新鋭MSの姿。
「君達に対する私からのお礼のようなものだ」
 新たなMS…ディスティニー、そしてレジェンドである。
 シンの発達するMS技術に対してインパルスではそれを賄うことができなくなってきているがために、新たに作り出されたMSがこのディスティニーである。
「これから、私はロゴスを撃ち、戦争を終わらせる」
 デュランダルはシンとアスランに向かって語りかける。
「はい!それで、戦いは終わるんですね?」
 シンの目は輝きに満ちていた。その先にあるであろう平和を信じて。
 デュランダルは、シンからアスランに視線を移す。
「キラ・ヤマト君だったか…彼は運が悪かった。自分自身のやるべきことが彼にも十分わかっていれば、戦争をもっと上手にいきられたかもしれないのに…」
 デュランダルはアスランの気持ちを察しながらそういう。
「…戦争を上手に生きることなんか誰にも出来ないですよ」
「アスラン…」
 議長に対する言葉にミーアがアスランを抑えるように言葉を出す。
「勿論、戦争は悲劇しか生み出さない。私は戦争を止めるためには、人が自分の役割を知ることが大切だと思っている。
 自分の役割、自分の可能性、それを導けるようになれば、人は己の業の領域から外には出ない。
 戦争は己の業、欲を未来に求めるからそうなる。だとしたら、最初から未来を提示しておけばいい。
 人は、その未来の中で世界をつくりだし、地球圏全体が大きく成長し続けることとなる」
 デュランダルは、アスランを見つめながら言葉を続けた。
320コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:05:22 ID:???
 シンにとって、デュランダルの言葉は新たな原動力となる。
 未来…人類の可能性、自分の隠された才能を生かすことで、戦争は無くなり、さらには…自分の力を伸ばせる。
 ステラやマユだって、あんな生き方をしなくても、自分の可能性を導き出せる。
 それは、誰にとっても夢のような話だ。だが、そんな夢のような話も、議長にならできるかもしれない。そう考えられた。
 
 アスランも、そう考えられた。
 だが…それをすべて受け入れられない。議長の言葉の内容は優しく、そして世界の平和を導き出せるかもしれない…。
 しかし、どこか釈然としないのだ。
「未来は、才能は自分の力で勝ち取るものではないのですか?」
「アスラン!才能を、そのままにしておくなんて勿体無いじゃない!自分の力を最大限に生かすことは誰にとっても素敵なことよ」
「…ラクス」
 ミーアもまた、議長の言葉に賛同していた。
 自分の歌の才能、ラクスとなれる才能を導いてくれたのは議長に他ならない。
 もし、ミーアとして生き続けることになっていたら。
 そう考えると絶望的な気持ちになるのだ。
「すぐには理解は難しいだろう。だが…人は、それが一番幸せなことだと思う。少なくとも、もう悲劇は生まれないだろう」

「アスラン、どうしてあんなことを言ったの?」
 ミーアはアスランを連れ出してそういった。
 アスランは、自分の考えをわかってくれるものが、もうここにはいないと感じ始めていた。
 自分は、この世界を救いたいという気持ちはシン、デュランダル議長と同じだろう。それには協力していく。
 だが…その先にある未来に関しては大きく違っている。
「俺は、議長のいっていることが正しいとは思えない」
「どうして?あなたが、こうやってMSに乗ることも、傷つくこともなくなるのよ?」
「それが間違っているのだろうか」
「そうじゃない!アスランは、闘う必要なんかない。アスランは、優しいもの。戦いにはむかない…」
「…少し考えさせてくれ」
 アスランは、ミーアから離れて部屋に戻る。
 自分はこんなことのために戦っていたのか。キラはそのために犠牲となったのか。
 デュランダル議長の考えは…どこまで先にあるのか。

 ミーアはアスランを見送り、議長の部屋に戻る。
 アスランの先ほどの言葉を変わりに謝りにきたのだ。
 アスランがこのままザフトにいるなら、自分とも関係は続いていくことになる。
 自分がラクスである限り…アスランがここにいる限り…。
 それが途中でなくなるのはいやだから。
321コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:07:22 ID:???
部屋に戻ったミーア…だが、議長の話し声を聞いてミーアは立ち止まる。

「…なるほど、やはりアスランはダメか」

 ミーアはその言葉に目を見開く。話し相手は…誰だろう。
 そう思いながらも怖くて動けなかった。
「アークエンジェルの者達に対する考えが強すぎだと思います。
 このままではミネルバクルーに影響を与えるかもしれません、いや既に与えていると考えるべきでしょう」
 レイ・ザ・バレルはデュランダルにはっきりと報告する。
「彼も、己の生き方、立場がわからないものの一人ということか。己の領分を越えようとするものは必ず不幸を起こす。
 不幸を生む芽は先に摘み取っておく必要がある。あの計画を実行させれば、彼のようなものもいなくなるだろう」
「いよいよ…だね、ギル」
「あぁ…。そのためには、ロゴス、そして…あのゼロという男には、それなりの場所を用意し退場してもらわなくてはいけない」
 
 ミーアはもう、その部屋にはいなかった。一刻も早く、アスランに伝えないといけない。
 そう、アスランが…手にかかる前に。
「アスラン!」
 部屋をノックする音にアスランはドアをあける。
「逃げて!議長が、あなたを…」
 その言葉を聞いたとき、アスランは、いよいよそのときが来たと感じた。
 議長は自分の意にしたがわないものを排除するつもりだ。
 所詮、自分は人形であるということ。利用されていただけなのだ。
 ミーアの誘導もあり、アスランは兵士たちに気づかれること無く移動する。

『アスラン・ザラが脱走した。至急拘束せよ!』

 放送が建物内で鳴り響く。
「くっ…」
 暗闇に満ちた外…雷鳴が轟く中で、雨が降り出す。
 建物内では武装した警備が慌てて動き始めている。
 その放送を聴いて驚いたのはシン、そしてルナマリアたちだ。
 詳しい説明を求めようにも誰も答えてはくれない。
 アスランは、警備の強いエリアの建物の階から、一度外に出て、雨に打たれながらも逃げようとする。
「ミーア!君も来るんだ!」
「イヤよ!私はいけない!」
 アスランの差し伸べられた手を拒むミーア。
「議長は、自分に従わないものは容赦なく潰すぞ!君もいつかは…」
「私は、私はラクスがいい!ラクスでいたい!!」
「…ミーア」
 ミーアは大きく声をあげて、アスランを拒む。
 アスランは唇を噛み締め、ミーアを連れて行くことを拒み、逃げていく。
 アスランは、廊下を走っていくが、兵士を見て思わず目の前の部屋に入ってしまう。
322コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:09:00 ID:???
「あ、アスラン?一体どうしたんですか?」
 それは、メイリンである。
 放送を聴いており、アスランが追われていたことは知っていたが、アスランが一体なにをしたのか理解できない。
「すまない、メイリン。すぐに出て行く」
「待ってください」
 メイリンはアスランをお風呂場に押し込むと、バスタオルを握りお風呂場から出る。
 扉をノックする音に、メイリンはシャワーを浴びていたかのような雰囲気を出しながら、扉を開けた。
「アスラン・ザラが脱走した。ここにはきていないか?」
「知りませんけど、なにかあったんですか?」
「ちょっと!貴方達なにしてるの!」
 大きな声をあげて、駆けつけるルナマリア。
 その声に兵士達は敬礼し立ち去っていく。
 メイリンはルナマリアを見て何事もなかったように振舞うが…
 姉妹であり、彼女のことを知っているルナマリアには、メイリンが嘘をついているように感じた。
「お姉ちゃん、まだ着替えてるから…後で…」
「メイリン?」
「…なに?」
 ルナマリアは自分の背を向けているメイリンを見つめる。
「…うぅん、なんでもない」
 ルナマリアは自分の思ったことに確信を持てなかったことと、
 まさか…という思いが、妹に対する気持ちを押しとどめてしまった。
 メイリンはドアを閉める。
「すまない、君を巻き込んでしまって」
「大丈夫です…、私が格納庫まで案内します」
 アスランはメイリンの優しさを感じながらも、巻き込んでしまったことを悔いた。
 雨の中、外にある格納庫まで走っていくアスランとメイリン。
 
銃声。

「アスラン!見苦しいですよ!」
 振り返ったアスランの前に、銃を握って、立つレイ。
「レイか…」
「メイリンを離せ!」
 レイとともにやってきたシンもまた大きな声をあげる。アスランはシンの言葉にメイリンを離そうとした。
 メイリンはアスランに首を横に振り拒絶する。
 そしてレイも…。
「彼女もアスランと同罪だ」
「そんな!」
さすがのシンも、その言葉には驚くが、レイにとってはメイリンもこの時点では用済みとなっている。
アスランは、レイが放つ銃声を回避しながら、格納庫にて空いているMSであるグフ・イグナイデットに乗り込む。
「シン!追うぞ」
「…な、なんで、なんでこんな!!」
 レイに言われるがままに、シンはMSに乗り込みに向かう。
 ここで逃がすわけには行かない…レイは新型のMSであるレジェンドに乗り込み起動させる。
 すべては…ギルのいう新たな世界のために。
323コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:11:23 ID:???
「くそ!シンめ、議長のいうことを、鵜呑みにして!」
 アスランは振り続ける雨と鳴り響く雷の中で、飛び続ける。
 すぐに狙われている警告音が響きわたる。
 新型のMSレジェンドとディスティニーだ。
 この機体で、さらにはメイリンを気づかいながら勝てる相手ではない。
「逃げるな!戻れ!」
 シンの放ったビームライフルが機体を霞める。
「くっ!やめるんだ!シン、お前は踊らされている!」
「なにをいって!」
 アスランの操るグフのマシンガンをシールドで防ぎながら、シンは巨大なサーベルを構える。
「議長の言うことは…聞くと、心地よく正しいことかもしれない!だが、いずれそれは世界を殺す!」
「何を言っているんだ、あんたは!」
「耳を貸すな、シン。アスランは錯乱している」
 レイのレジェンドがアスランを攻撃する。
 アスランはレジェンドのビームライフルを受けながら、機体を保つだけで精一杯である。
「きゃあ!」
 メイリンの悲鳴が響く中で、アスランは、自分の無力さにコクピットを叩きつける。

「シン!とどめを刺せ!」
「くそ、くそぉぉぉおおおおおおお!!!」
 レイに促され、サーベルをグフに向け、突撃するシン。

 自分は守れないのか、キラやカガリ…ラクス。
 そして今ここにいるメイリンも、誰も守ることが出来ないのか!?
 ここで…俺もキラと同じく撃たれるのか。俺に力があれば…もっと守れる力があれば…。
「俺に、俺に力を、この運命に購う力をっ!!」
 アスランは大声で叫ぶ。

『いいだろう…、その力、私が授けよう』

「!?」
 アスランはその声に驚く。
 シンのサーベルが目の前で弾かれる。
 アスランの操る、グフの前でサーベルを食い止める漆黒の機体。
「なんだ、こいつは!?」
 シンは距離をとる。
 レイとシンの前に立ちはばかるように、空中に浮遊する機体。
 それは既存するMSとは明らかに形や、スペックが異なっている。
 両腕を水平に左右に伸ばした、その機体はアスランを守るように浮いている。
「こいつぅぅぅぅ!!!」
「無駄だ!」
 肩から赤黒い色をした巨大な閃光が噴出される。
 シンは、それを慌てて避けようとしたが、サーベルが溶け爆発する。
 さらには、そのビームを海中に照射する。爆発と水蒸気により、一瞬視界が見えなくなる。
324コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:14:48 ID:???
「これは…?!」
「こんな、こんなことでぇぇ!!」
 レイの動揺の中、シンはサーベルをムチャクチャに振るう。
 だが、水蒸気が消える頃には、既にアスランもそして謎の機体の姿もなくなっていた。

「うわああああああああああああ!!!」

 シンの絶叫が嵐の中…響きわたる。
 この後、捜索は別働隊によって行われることになった。
 謎の機体による攻撃、そしてアスランたちは…。
 今回のことに不服を感じたタリアと、レイ、シンはデュランダルの元に呼ばれ説明を受けていた。
 デュランダルはアスランが自分たちを信用せず、そして以前からアークエンジェル側と接触を図っていたことを説明。
 さらには、問いただそうとしたところ逃走をはかった。
 メイリン・ホークはそれに巻き込まれたということ…。

「すまないと思っている。君達に説明もせず、撃墜命令を下してしまったことを…。
 だが、連合軍との合流が完全でない以上、今回のことは可及的速やかに処理しなくてはいけなかった」
 誰も何も答えられはしなかった。
 今は議長を信じることしかできないのだから。
 部屋をでたとき、そこにはルナマリアが立っていた。
 レイはシンを見て、頷くと彼女の前を通り過ぎていく。
 シンはルナマリアを見つめ立ち止まる。
「あの子…なんだか、様子がおかしかったの。私、気づいてたのに…どうして…」
「ルナ…」
「シン、私、1人になりたくない!」
 ルナマリアはシンを抱きしめ、肩に顔を埋めて涙を流す。
 シンはやりきれない思いの中でただルナマリアを包んでやることしか出来なかった。
325コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:16:25 ID:???
 アスランが、気がついたとき、そこはどこかの室内にあるベットであった。
 動いているようで、なんだか酔っているようだ。頭がくらくらする。
「ここは…」
 隣を見ると、カーテンを境にしてメイリンが眠っている。
 彼女も無事なようだ。だが、一体、どうして自分は助かったんだ。
 いや、なぜ助けられたんだ。
「始めまして。ミネルバの…アスラン・ザラ君」
 アスランの前に現れたのは黒き仮面の男…。
 こいつは!?オーブの新しき指導者である、ゼロ。
 なんで?どうして彼がこんなところに…。
「様々なことが頭に浮かんでいるだろうが、まずは私の質問に答えてもらいたい。君は、あの場から逃げ出した…。
 今の地位、待遇、仲間を捨てて。この後、君はどうするつもりだ?」
「この後…」
 考えていなかった。
 アークエンジェルがいなくなったというのに、このまま逃げ出したところで、どうしようも出来ないじゃないか。
 そう、今や自分は世界で孤立してしまっているということか。
「もし、君がよければ…君がいたというオーブを供に守らないか?」
「オーブ…」
「そうだ。君がアークエンジェルにいたこと…そして戦後、カガリ・ユラ・アスハと供にオーブに身を隠していたこと…。君が本来いなくてはいけない場所は、そこなんじゃないか?」
 アスランは迷った。
 この黒い仮面の男の内は議長のように、暗く底が深い。
 だが、今の自分にはこれを断ることが出来ない。
 オーブを守るということは、確かに今の自分にとって出来る唯一のことなのかもしれない。

「いいだろう。だが、俺はお前を完全に信用したわけじゃない。オーブを守るということに対しては協力するということだ」
「フ…いいだろう。新たに生まれ変わった合集国防衛軍、黒の騎士団は、君を歓迎しよう」

 悪魔の手なのかもしれない。
 悪魔の囁きなのかもしれない。
 だが、今は…この手を握るしかない、この声を聞くしかない。
 カガリ、キラ…俺はオーブを守る。
 そして…世界を救えるのなら、救ってみせる。
326コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/06(土) 23:17:01 ID:???
以上です。

アスランが悪いんじゃない書いた脚本家がわr
327通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 23:18:38 ID:???
まぁこの段階からじゃ根性叩きなおすのにゃ一人一人かっさらって調教するしかねーわな
328通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 23:45:57 ID:???
>>326
乙です。
それにしても蜃気楼完成早いなー。
こうなるとこの後のザフトのオーブ侵攻時のMS群に
どれだけギアス系技術が使われるか気になってくるな。
フロートシステム搭載のM1とかハドロン砲とか輻射波動とか。
まー、それはとにかく頑張って下さい!
329通常の名無しさんの3倍:2008/12/06(土) 23:49:48 ID:???
アスランは黒の騎士団入りか

ところでコーディネイターの身体能力とスザクとではどっちが凄いのだろう?
330通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:01:51 ID:???
>>328
蜃気楼違う
ガウェインだろ、肩からハドロンだし
331通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:08:59 ID:???
どうせ凸はキラの生存知ったら裏切るだろw
332通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:42:05 ID:???
MSとKMFって大きさがかなり違うんじゃないのか?
ラクシャータがMSサイズのKMFを作ったってことでいいのか?
333通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:46:12 ID:???
サクラダイトはどこから手に入れるんだろうな
334通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:50:30 ID:???
遅レスだが

>>301
まさか、ここで従わなければ自分+部下の将来が無くなるとの判断でのあのファビョったセリフだったんだろうか

>>303
確かザラ派
335通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:55:23 ID:???
乙!

>>329
スザクだろ、どう考えても
いくらアスランの身体能力が高くても竜巻旋風脚は無理だ
336通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 10:17:42 ID:???
だがアスランなら髪の毛針を使えると信じてる
337通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 11:29:03 ID:???
>>336
だが、使っても髪の毛は元に戻らない。ただ減っていくだけ。
338通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 13:21:04 ID:???
寄生虫バオーを体内に飼っていれば再生も可能じゃないか?
髪のためならためらわないだろ?
339通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 13:27:28 ID:???
凸がバオーに寄生されても逃亡中にドレスに寝返りそうなんだがw
340通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 18:35:26 ID:???
>>292
真面目に考えると水圧死はまだしも窒息と墜落(衝撃)は無理が無いかなあ?

機体の落下でどうこうなるくらいなら18m〜40mのサイズでの高機動戦闘や戦艦のあの動きなど到底出来ないと思うのだが。

宙戦でも別に全機体全く動けなくなるまで攻撃しているわけでもなし(基本は武装かカメラ)動けるやつが後で回収するなり何なりいくらでも手はあるだろうに。
341通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 18:37:34 ID:???
1mの高さから落ちても普通に人は死にますが何か?
342通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 18:50:54 ID:???
フライトシミュレーションをモニター見ずにできたら一分の理を認めてやる。
343通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:41:36 ID:???
>>340
車で橋の上から落ちれば結果はわかるとおもいますよ
344通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:42:07 ID:???
投下乙
しかしなんでルルは異世界来てまで仮面かぶってるんだw
お約束なのか趣味なのか、それとももはやかぶらないとゼロという人格を演じられなくなったのか

>>340
ドリフトでかかるGと、クラッシュで受ける衝撃は全然別物だ
それに100%回収できるかい。沈没船のサルベージですら発見まで手間だっつーに
345通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:45:52 ID:???
宇宙で行動不能になると、その時の運動そのまま維持して、どんどん遠くへ飛んでいくんだがな
そうなると、まず発見する事が困難で、発見出来なきゃ回収も出来ないわけだが
346通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:46:06 ID:???
時速200キロ以上で事故ると衝撃で中の人がミンチになったりするそうですが?
347通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:02:24 ID:???
>>341〜346

解らない…本気で解らない…
この人たちは本気で言っているのだろうか?
…ネタですよね?

この理屈を当て嵌めてしまったらガンダム世界の戦闘は99%なりたたなくなるのだが。
348通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:06:05 ID:???
MSっつー金属塊が落下した際の衝撃と実弾の威力はどっちが上かってこと?
349通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 20:07:05 ID:???
>>347
          ____   
       / \  /\ キリッ
.     / (ー)  (ー)\      
    /   ⌒(__人__)⌒ \    解らない…本気で解らない…
    |      |r┬-|    |     この人たちは本気で言っているのだろうか?
     \     `ー'´   /      …ネタですよね?
    ノ            \
  /´               ヽ     この理屈を当て嵌めてしまったらガンダム世界の戦闘は99%なりたたなくなるのだが。
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.    
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //  だっておwwwwwwwwwwwwwwwwwww
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/    自己擁護で他人批判かおwwwwwwwwwwwwwww
|     ノ     | |  |   \  /  )  /
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /     バ
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l  バ   ン
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、    ン
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
350通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 22:25:40 ID:???
>>347
壊れる事で衝撃を殺すことが出来ないPS装甲ではシートベルトをしてないとバズーカ直撃で中のパイロットは死ぬ
「硬い装甲=生存率が高い」ではなくフレームまでPS装甲にしたストフリで無印種のドミニオンのミサイルを受けたらキラはお亡くなりになる

この矛盾は福田監督と嫁の知識不足に起因し「PS装甲なら実弾に対して無敵の防御力」と言うのは
「車のバンパーってなんで脆い材質を使ってるの?もっと硬くしないと危ないだろ」とか言うのと同じレベル
351通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 00:17:29 ID:???
しっかし、毎日投下できるのは凄いな
何ヶ月も待たせた挙句、フェイドアウトする作品のなんと多いことか・・・!
352通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 00:27:57 ID:???
F−1マシンなんか、車体を運転席周りは頑丈にして他の部分は壊れやすいようにしてたりエンジンは衝突の衝撃で外れるようにしてたりするんだぜ。
この壊れやすい部分がクッションで壊れる事でモロに運転手に衝撃がこないようにしてる。
去年だったか、レース中に派手にクラッシュしてマシンを大破したのに運転手は無傷だったってのがあったな。
353通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:22:49 ID:???
>>352
エンジン吹っ飛ぶのは炎上を回避するためだっけか

アスランがキラに突っ込んだ時、慣性でアスランの体シートベルトで切断されるんじゃね?
とか言われてたっけなぁ
354通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:34:37 ID:???
戦艦の防御構造もそんな感じなんだよなぁ。
大戦中の超弩級戦艦も、装甲は分厚くするけど、その上でぶち抜かれることは前提の上で
装甲の前後に空間を設けて、その空間をクッションにして爆発を逃す構造になってたし。

その反対が戦車だな。頑丈な装甲で砲弾弾いても、そのショックで内部の弾薬が誘爆するとか
装甲の内部が剥離して中の人が死んでしまったりとか。外見無傷、でも動かない。
355通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 01:39:02 ID:???
つ複合装甲
356通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 02:52:43 ID:???
>>332
>>333
余裕だろ
もう楽勝だな
357通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 03:05:28 ID:???
「ワイルド7」で読んだ事だが、戦車が地雷踏むなり下に爆弾放り込まれるなりで
爆発、機体は一見耐えたかに見えても、衝撃で中の人の脚の骨が治癒不可能の粉微塵に
なるという例がよくあるそうだ。
重力下の高空でダルマにされたMSが、某少佐曰く実際には文字通りほど自由ではない
自由落下で陸地なり海面に到達したらストリートならぬコクピットピザか
タルタルステーキ以外の結末があるのかね?しかも負債補正抜きで。
358通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 07:49:48 ID:???
これに出て来るKMFってMSの材料でKMFを作ったってことづいいのかな?
そーなると動力がバッテリーになるが
359コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:28:00 ID:???
投下します
360コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:30:36 ID:???

第7話 ヘブンスベース…ロゴス最後の日

 ゼロはアスランのいる医務室から出る。
 思った以上の収穫であった。連合軍に紛れ込み敵の何人かをこちらに引き込むつもりであったが、脱走するものがいたとは…。
 おかげで混乱に乗じて何人かにギアスをかけることが出来た。
 そして…このアスランという男も気がついたのだろう。デュランダルが危険な男であるということに。
 この後、アスランとメイリンには別の潜水艇からオーブにと向かってもらうこととなっている。
 このまま次の目的地に向かって暴れられでもしたらことだからである。
 考えが変わらないうちに…アスランが好きな、守りたいオーブにと行ってもらおう。
 艦にある自室にやってくるゼロ=ルルーシュ。
『ご苦労だったな。このままヘブンスベースに向かうのか?』
 画面に映し出されるC.C.はピザを食べながらゼロに問いかける。
「あぁ、そちらに戻る時間が惜しいからな。物資などの受け渡しの合流ポイントには書類どおり頼む」
『わかった。ところで、ラクシャータからなんだが…例の機体はどうだ?だそうだ。
 ナイトメアフレームとMSの機体性能を合わせたようだからな…何かあるかもしれないということだろう』
「やはり、1人で操縦するには難しいな。だが防御力・戦闘力に関しては申し分ない。ラクシャータには感謝しなければな」
『後、例のアークエンジェルが落ちたらしいぞ。ミネルバという艦が落としたらしい』
「なるほど…。潰しあってくれたということか」
『こちらは私とカレンに任せろ。くれぐれも気をつけることだ。ヘブンスベースには思った以上の軍が向かうようだ』
「心配とは珍しいな」
『お前に死なれて欲しくないだけだ。通信切るぞ』
 向こうは向こうで上手くやっているようだ。万が一に備え、C.C.にはゼロの代理も務めてもらうことになる。
 カレンが上手くフォローするだろう。
 ロゴスの暴露により内政を取り纏めるのも一苦労だからな。
 まぁ、そこはセイラン家の知恵を拝借させてもらってはいるが。
 あの家族、外交は無能だが…内政はなかなか…。己の器を見間違えたか、生まれる時代を間違えたな。
 問題は、新型のほうだが…。
 護衛としてステラを用意し、最悪の場合はステラとともにあの新型を操ることとなる。テストでは問題は無かったようだ。
 常にC.C.頼りというわけにもいくまい。
 今度はカレンにも乗せてみるか。それに、他にも何機かテストしなくてはいけないものもあるのだが…。

「ゼロ、カレンたち元気?」
 それはステラである、退屈そうに背伸びをしている。
「あぁ…なんだ?寂しいのか?」
 ステラは首を横に振り
「ゼロがいるから…、平気」
 これだけ見ていると、とても戦闘向きではないな。ただの子供にしか見えない。
 それだけ不安になるというものだ。カレンの話ではシミュレーションの対決では5分らしい。
 カレンと同じというのは驚きの数字だ。ナイトメアフレームとMSによる違いかもしれないが。
「…今度の作戦、お前にも出てもらうことになるかもしれないぞ」
「うん。ステラ頑張る」
361コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:33:22 ID:???
 ブルーコスモス…最終拠点ヘブンスベース
 夜が明け始めたころ…ロゴス代表者たちが集う中で、ザフト軍が動き出し、向かっていることから、迎撃の準備がとられていた。
 ロード・ジブリールは、かなりの軍備をここに集わせていた。
 ロゴスという力は経済界、産業界に生かされるもの…。
 自分たちを失えば、それこそ世界経済は壊滅するだろう。
 経済を混乱に落としいれ、その間に地球圏を自分の手で立て直すつもりなのか…デュランダルは…。
 ジブリールは、様々なことを頭に浮かばせながら、この防衛線を守り抜こうと、
 それとともに、月の施設の完成までの時間が稼げればと考えていた。
 相手の戦力は未知数だが…。
「ザフト艦隊を確認しました。数は不明…我が軍のものも見られます」
「月面基地からも大気圏上に艦隊が集まっているという報告あり…」
 側面だけでなく、頭上から。
 だが、それでもジブリールは負けを知らなかった。
 いや、こんなこと考え済みだ。
 このヘブンスベースはそのようなことでは落ちることは無い。
「いいだろう、ジブリール。どちらが、上か…ここで勝負といこうじゃないか」
362コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:34:58 ID:???
 ミネルバを中心とした対ロゴス艦隊は、目前に迫ったヘブンスベースを前にしてミーティングが行われていた。
 アスランとメイリンを失ったことに対する、艦内の気分を変えるためにも必要だった。
 MSのディスティニーの機体がシンに渡ったことで、ルナマリアはインパルスに乗り換えることになり、
 アスラン搭乗予定だったレジェンドはレイが引き続き使うこととなった。
『本艦は、ヘブンスベースを攻略する。敵戦力の数は不透明だが、相当の激戦が予想される。
 だが、私は…この艦に乗る誰もが、それを乗り越えられると確信を持っている。総員の奮起を期待する』
 そのタリア・グラティス艦長の言葉を格納庫で聞いたシンは、拳を握りディスティニーを見る。
 自分はアスランを撃つ事ができなかった。
 これは迷いだ。自分はフリーダムだって倒せたんだ。
 アスランだって本当は倒せたはず。落ち着けば、きっと…。
「シン」
 ルナマリアがそこにはいた。
「…ルナ、メイリンは?」
 ルナマリアは、何も答えずシンに身を寄せる。
「今は…考えない。私、シンが妹を失ったこと…どこか人事だと思っていたの。
 だけど、こんなに…辛いなんてね。ごめんね。シン、私は…何もわかって…」
 妹…マユ。
 もし、自分がアスランごと、メイリンを撃ってしまっていたら……。
 ふと頭によぎること。
 ルナにまで自分と同じ想いをさせてしまうところだったのか…。
「…いいさ。今更そんなこと…。それにメイリンはまだ生きている。取り返すチャンスはあるよ。ルナらしくないな?
 もっと、いつものように、元気に怒鳴ってもらいたいのに」
「……シン!」
「わっ!」
 シンは、そのルナマリアの怒鳴り声に思わず、目を伏せる。
 だが次に感じたのは唇に当てられる温かい感覚。
 ルナマリアは、そっとシンから身を離すと自分のMSに向かって走っていく。
 シンが呆然としているところを、赤い髪をなびかせて、ルナマリアは振り返り。
「ありがとう、シン!お互い、頑張ろうね」
 その言葉にシンはただ頷くだけだった…。
 だが、こんなところで考え込んでいることはなくなった。
 そう、今はこの作戦だけを考えればいい。その後のことは、その後考えればいい。
363コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:36:51 ID:???
『ヘブンスベースにいる連合軍に告げます。我々ザフトは、数々の罪状を抱えているロゴス代表者に引渡しを要求します。
 引渡しに応じていただけるなら、それ以外の兵士等に関しては一切の罪状を不問とし、こちらは攻撃を行わないことを約束します。
 なお、これは最後通告です。これ以上は…』

「ふざけるな!この私が、あんな連中に負けるはずが無い!」
 その警告を通じる回線を聞いて、ジブリールは怒りに身を震わせ、攻撃の命令を下そうとした。

「待ってもらおう!」

 振り返るジブリール。そこにやってくるのは黒き仮面の男。
 ゼロである。
 周りの将兵達が動揺する。なぜ、この男がこんなところに…。
 そういった言葉が次々とでてくる中でゼロは堂々と隣に黒き制服と顔にバイザーをかけたステラを沿え、
 騎士団の兵士と供にジブリールの元に歩み寄る。
「ロゴスの代表であるジブリールとお見受けするが?」
「…オーブのゼロがなんのようだ!?私を連中に売る気か?」
 ジブリールは腰にある銃を抜こうとするが、ゼロの隣にいるステラが、それよりはやく拳銃を抜きジブリールに向ける。
 だが、ゼロはそんなステラの前に手を出して、止める。
「待て。ジブリール…私は君を助けに来た」
「なんだと!?」
 その言葉は意外であった。
 まさか、この時点で自分たちを助けるものが現れるとは…。
「お前達のやっていることは決して褒められたものではないが、
 残念ながら…これ以上の経済的な打撃をこうむれば、地球はザフトにすべてを委ねなくてはいけなくなる。
 それは、地球圏をザフトに差し出すのと同じだ」
「…ほぉ、私のことを分かってくれるものが、いるとは嬉しいぞ。ゼロ」
 まだ、信用はされてはいないだろう…ゼロは、まかりなりにも経済界のトップにたち、
 秘密結社であるロゴスを纏め上げた男を侮りはしない。
「私に指揮をとらせていただければ、オーブに脱出の手助けはしよう」
「ここが落ちるというのか?」
 最初から敗北を示唆した言葉にジブリールは睨みつける。
「敵はあの、アークエンジェルを落とした者達もいるという。それに最終的に勝てればいいのだろう?」
 その言葉にジブリールは少し間を置いて考えたが、確かに、ここで勝負を決めることはできない。
 ここはゼロのいうとおり、オーブにとわたり、そこから月面に向かったほうが得策か…。
「いいだろう。ここは貴様の考えに乗るぞ…ゼロ」
「結構。時間はあまりない。最低限のスタッフと必要なものを持ち、脱出の準備を始めてくれ。ただし、この命令はここにだけ留める。
 他のものには、作戦は時間通り行うと勧めてくれ」
「わかった」
 本来ならば…ここまで手を下す必要はないのだが、ステラの身体の薬に関してはここの医療スタッフの力が必要だ。
 それに上手く行けば、ステラと同じような者を戦力に加えることができる。
 ここで無能な指揮官によりそれを潰されるのは勿体無いというものだ。
364コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:39:35 ID:???
「…おかしいな」
 デュランダル議長は、敵が撃ってこないことに疑問を感じていた。
 ジブリールという人間は、こちらの挑発には従ってくると思っていたのである。
「作戦時間です」
「…わかった。ラクス、お願いするよ」
 デュランダルはマイクをラクスことミーアに渡す。
「ザフトのみなさーん…私達の力で、この戦いに勝利しプラントだけでなく
 地球の皆さんに平和な世界、平和な日常を取り戻しましょう! 頑張ってください、私も皆さんの勝利を、願っています」
 デュランダルはラクス=ミーアの言葉を終えるのを待ち、作戦開始の命令を下す。
 敵勢力はかなりのものだとは聞いている。
 だが、静かだ、静かすぎる…。
「連合軍に先陣を任せ、ミネルバはこの場で待機」

『敵の先陣、こちらに向かってMS部隊を展開し迫ってきます。
 その数は数十体、さらに増加…。大気圏からも敵の降下部隊が降下を開始しました』

 ゼロの前に置かれてある戦闘画面には、敵と味方の色が識別され、敵がどのように動いているか見ることができる。
「連合軍を餌にし、自分たちは高みの見物か…、残酷な奴だな。デュランダル」
 ゼロの手にはチェスの駒が握られている。基地司令部はジブリールの指示のもとで潜水艇を用い、
 MSとゼロの指示から強化人間のための薬品や医療品も運ばれている。
「所詮は時間稼ぎ…、せいぜいお前の手を見せてもらうぞ」

『連合軍先陣、ヘブンスベースに到達します』

 デュランダルは何も言わず黙って前を見ている。

『…撃て』

 ゼロの言葉が放たれた瞬間、今まで沈黙をしていた島に隠されていた砲口が鳴り響く。
 巨大な閃光が夜明けを切り裂き、連合軍のMS、 艦艇を蒸発させていく。さらにはデストロイの出撃。
 これに関してはゼロは持ち運びが出来ないがためなくなく、使用することとなった。

『連合軍先陣、消滅!!敵の攻撃は、ザフト軍の艦艇にまで届いています!きゃぁ!』

 海面すれすれの閃光が、ミネルバにまで届きそうになるほどの威力。さすがはヘブンスベースか…。
 さらには降下部隊も、島の中枢に仕掛けられていた巨大なレーザー兵器により消滅させられる。

「フハハハハハ、なんとも爽快じゃないか。己の手を汚さず綺麗に勝とうとしようとするのが、お前の愚かなところだ」

 ゼロは高らかに笑うが…戦闘画面には接近するMS部隊が映し出される。
「愚かな、一気に蹴散らしてくれる」
 再び攻撃を命令するゼロ…だが、敵のMSは海中面ギリギリに移動し、波しぶきをあげていることにより、ビーム兵器を遮断している。
 さらには海中MSも多数接近。
「…くぅ、こちらのMS部隊も出撃させろ、接近させるな」
 ゼロは、自分のMS戦闘における弱さがここで出ていたことを感じていた。ビーム兵器、そしてMSの戦闘・空中浮遊能力。
365コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:41:22 ID:???
 これからはナイトメアフレームではなし得なかったことだ。だが、それはそれでいい。
 これはいわゆる実験だ。今後控えているであろうオーブでの戦いに備えて、様々なことを経験しておくのもいいだろう。
「ミサイル攻撃に切り替え、島上陸前、P- 12からP-18までにめがけ発射。
 ローエングリーン発射台はそのまま攻撃を続行。敵艦艇を近づけさせるな!」

 一方、敵の攻撃の切り替えにより上陸が困難な部隊の中で、ミネルバは前にでてくる。
 デストロイやローエングリーンなどの艦艇を撃破するものが沈黙し始めたのを機に、一気に勝負を決めようと、タリアは考えた。
 そして…MSを狙われないようにするため…。

『ミネルバ、タンホイザー発射用意、発射後MSを出撃させ、ヘブンスベースを制圧する』

「シン・アスカ、ディスティニー…いきます!」
「ルナマリア・ホーク…インパルス、でるわよ!」
「レイ・ザ・バレルだ。レジェンド…でるぞ!」
 ミネルバの主力機が、タンホイザーの発射の下で出撃する。
 タンホイザーから放たれた光の威力から、海中に大きなうねりと供に道ができる。
 その間を三機が一気に速度を上げてヘブンスベースまで突撃する。

「うおおおおお!!」
 目の前のデストロイを一撃の下で真っ二つにするシンのディスティニー。
「落ちろ!」
 多数のMSをビームライフルにより、一掃するレジェンド。
「こんなところで、やられてる場合じゃないんだから!!」
 デストロイの腕を切り落とすインパルス。
 その勢いに乗り、ザフト軍・連合軍のMSは次々と、島に上陸。
 敵のMSも次々と撃破していく。

「こいつぅぅぅ!!」
 
 そんなディスティニーの前に攻撃を食らわす新たなデストロイ。
 それは…かつてステラ、アウルとともにMSを奪取しネオ・ロアノークの部下としてミネルバと戦ったスティングである。
 そんな彼も度重なる強化により記憶を弄られてしまっており、今やその仲間たちのことは覚えてはいない。
「くたばれガンダム!」
「うわぁああ!!」
 目の前で放たれる巨大な光を回避し、サーベルでシンは、コクピットを貫く。
「こんなマシーンがあるから!ステラみたい人が増えるんだ!!」
「!?」
 コクピットでスティングは死の狭間で垣間見た。
 アウルが白い世界にて、『ステラは無事だぜ』と笑顔で囁いたことに。
 スティングはそれを聞くと、どこか安心したような顔をして、爆風の中消えていった。
366コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:42:48 ID:???
「…」
 ステラは顔をあげて、後ろを見る。
 彼女は今、薬を点滴されているところだった。
 彼に付き添うゼロはステラを見つめる。
「どうした?」
 ゼロはステラに問いかける。この現象はオーブでも見られた。
 幻覚とも最初は感じていたが、おそらくは…人とは少し感覚が違っているのだろう。
 C.C.が介入して得た力かどうかはわからないが。
「また、私を呼ぶ声がした」
「…あの戦ったものたちの中で、お前を知っているものもいたのだろう」
 おそらくはそうだろう。
 だがその記憶はステラにはない。
 戦闘により重ねられた記憶はC.C.が取り払ったからだ。
「……ゼロは、忘れない?私の事?」
 ステラはゼロを見つめ、問いかける。
「忘れはしない。お前は…もう呪縛からは解き放たれた」
 カレンと、そしてC.C.からの強い願いでもあった、ステラの完全な回復はこれで果たされるだろう。
 そのためにわざわざ、ここまできたわけだ。
 こちらとしても、当初の予定通り、ロゴスという戦力を吸収できたわけだ。
 そんな折、ジブリールが姿を現す。
「ゼロ、今後のことで話しがある。オーブに言った先では、我々は…」
「…あぁ、そうだな。ジブリール…お前は、もう用済みだ」
 ゼロ=ルルーシュは、ジブリールに対して言い放つ。
「なにっ!?」
 驚くジブリールに対してゼロの仮面の一部が開き、目に宿るギアスの力が輝く。

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。ゼロに従え!」

「あ、あぁ……わ、わかった」
 ジブリールはそう告げると、元来た場所にふらふらと歩いていく。
「どうしたの?ルルーシュ?」
 ステラには背中を見せていたことで、そのやりとりに不思議そうに声をかけるステラ。
「いや、なんでもないさ…。そうだ。カレンとC.C.からおめでとうというメッセージが届いていた。後で見ておくといい」
 ルルーシュは自分でも気がついていなかったが、
 ステラに対してカレンやC.C.と同じく愛着が湧いていること…彼女と同じく仲間という意識を持ち始めていた。
 彼女の純粋な心がルルーシュをそうさせているのだろう。
 それはルルーシュの愛する妹であるナナリーと同じ力…。
 だが、その力は…今のルルーシュにとっては眩しすぎるものでもあった…。

 艦艇はオーブにと向かっていく…。
367コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/08(月) 09:44:46 ID:???
投下終了。

次回は新型のナイトメアフレームを登場させる予定。

>>墜落の問題
都合よく出来てますからね、だいたい宇宙空間で音は出ないだろうとかになっちゃいますから
368通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 11:18:56 ID:???
>>墜落の都合のよさ
というか、この手の物は2つの重要な法則?があるかと

一:対衝撃機構が現代とは比較にならないほど優秀
二:宇宙空間で爆撒した機体は(特筆しない限り)破片を含み殆ど飛び散らない。不思議な事に

一が無いと歩く走る跳ぶ跳ねるといった基本動作すらままならない。
ましてや相対速度数百kmの体当たりや明らかに高度100m以上からの自由落下、web突撃、グラハムスペシャル等は。
この手のは全作品で何度も行われているが大抵は顔をしかめるくらいで済んでいるんですよね。(怪我の方が少ない)

二は…ね
自分としても余り納得はできないがそういう物だと割り切るしかないかと。
でないと飛び散った破片が周囲に凄まじい勢いで襲う事になるし。
実際に撃破された機体が宙をなぜかゆっくりとそのままの姿勢で漂うシーンはいくらでもあるんだ。

ちなみに破片が派手に飛び散る系統の作品はほぼ例外なく機体に防御フィールドのようなものが張られて
おり、それで防ぐ事になっている。


それはそれとして
コードギアス DESTINY氏、遅れましたがとても面白かったです。
GJ!
369通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 20:15:40 ID:???
>361
「いいだろう、ジブリール。どちらが、上か…ここで勝負といこうじゃないか」
ここデュランダルの間違いですよね?
370通常の名無しさんの3倍:2008/12/08(月) 23:34:37 ID:???
MSなんてたいしたことないと思うんだが・・・・
ま、すぐ習熟して次には圧倒してくれるでしょう
371通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 03:39:26 ID:???
兵装や駆動系の技術基盤になっているサクラダイトがないのに存在して
スパロボ化したナイトメアが体格差を無視して活躍するのはどうでもいい。
きっとミノフスキー粒子が存在しないのにUCのMSが作れるほかの作品や
ルルーシュ一人でもおなかいっぱいなのに湧いて出た黒の騎士団は精神コマンドを搭載しているのだと考えよう。
どうでもいいけど、お前ら被占領国の独立はどうした、ブリタニアをつぶすのではなかったのかといったことは些細なことなのだろう。
ゼロの復活どころか首脳部と主戦力がごっそり抜けた黒の騎士団は完全壊滅して、ブリタニア皇帝は愛しのルルーシュを探し回っているだろうけど。

>イエス・ユア・ハイネス
C.E.の世界でなぜこの言葉が存在するんだ?

ギアス本編でもブリタニア圏外の人物はこの返礼をしていない。
ギアスの返礼は全部ブリタニア式か?それはないだろ、常識的に考えて。
ギャグか?ギャグなんだな。ちょっと残念。
372通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 03:55:44 ID:???
本文もその後のレスも読んでないのまるわかりだな、帰っていいよ
373通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 04:02:17 ID:???
>>372
触っちゃ駄目でしょ
374通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 14:56:50 ID:???
マジレスするとミノ粉はミノフスキー物理学の知識があれば作れる
その点サクラダイトは採掘しなきゃならんからな
375通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 15:58:05 ID:???
>ルルーシュ一人でもおなかいっぱいなのに湧いて出た黒の騎士団
こっちのレジスタンスをまとめて名乗らせてるんじゃないのか?
あとサクラダイトですが、CEに無いと明言されてない(されるはずがないが)のでSSの設定しだいであることにできるのでは?
そもそもCEのバッテリー容量自体が異常。MSみたいなデカブツをぶん回せるわ、ビームを連射できるわ、超電導バッテリーでも容量足りないんじゃ?
と思わせるので名前が違うだけでCEにはサクラダイトがあったけどバッテリーにしか使用されてなかったというのはどうでしょう?

376通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 16:41:54 ID:???
ぶるあああああああが存在してルル探してるって世迷言喚いてるあたりで釣りだろ
377通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 16:49:09 ID:???
っていうか下がりすぎだろ
378通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 17:02:06 ID:???
>>375
>名前が違うだけでCEにはサクラダイトがあったけどバッテリーにしか使用されてなかった
筋は通ってるが、それを作者が書かなきゃ駄目だよw
379通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:05:04 ID:???
動力源云々で思い出したけど、Z系のエンジンってどこにあるんでしょう?
昔プラモデル組み立てたときに本来動力部がある場所は可変機構で占められていて
???と思った記憶があるのですが。
380通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:11:01 ID:???
両足
381通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:40:43 ID:???
Zは両脚ってのは判ってるんだが、ZZのが不明・・・
コア・ファイターに一基、コア・ベースのバックパックになる部分に一基、おまけでダブル・ビームライフルにも一基
・・・コア・トップのどこにジェネレーターがあるんだ?
382コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:43:57 ID:???
投下します
383コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:45:33 ID:???

第8話 オーブに集うものたち

「これが…お前達の機体」
 アスランは目の前にある機体を見て呆然とする。
 MSとはまた違った系統を持つ、その機体コンセプトにアスランは、このゼロ、騎士団というものの存在の、新しい謎とともに不安が広がる。
「…ナイトメアフレームとMSの性能のバランスを保つために、内部の動力源は核融合炉を使用いているわ。
 残念ながらサクラダイトがこちらではなかったの。機体が動くことにおいては、これで十分なんだけどね〜」
 彼の前にやってくるラクシャータはキセルをすいながら、アスランの前にある機体を説明する。
「ナイトメアフレーム?」
「MSと違って、ナイトメアフレームは小型でMSと対峙した時ではパワー負けするのよ。
 だから大きさや、コクピット構造は参考にさせてもらったわ。脱出機構をつくるのが少し大変になってしまったわ」
 それにしても、これだけの技術力を持つ人間をゼロは持っているということか。
 前大戦に現れていたら、ただではすまなかった。だが、なぜ今の今まで姿を隠していたんだろうか。
 機会をうかがっていたというのか?

「アスラン・ザラ。どうだ?お前の新たなMSは…使えそうか?」

 歩いてくるゼロとC.C.がアスランに問いかける。
「操縦形態はMSのようだし、問題は無いと思うが…」
 アスランは感謝の気持ちもこめて、これが俺を使って良いのかという言葉を続けようとした。
「デュランダルはやがて、ここを襲撃するだろう。奴が必要とする世界に、我々は邪魔だからな」
「…議長」
 アスランはデュランダルの仮面の裏を垣間見た。
 彼がディスティニーとレジェンドをシンと自分に見せたとき言っていた言葉。可能性のある世界を提示すること。
 おそらくは議長はそれが目的なのだろう。
「戦力はこれで足りるのか?」
「戦いは数ではない。ようは、民衆にどれだけどちらに理があるかを示すことが大切だ」
 ザフトのいうロゴス撃つべしの戦いで、世界が変わるとは思えない。
 なによりも、議長の考えは、既にその先に向いている。
「ゼロ、至急来てください」
 走ってやってくるカレン。その一方は、ゼロが予期していた時間よりも少し早い。
「…来たか」
 アスランはいよいよ、このオーブにも戦火が舞うときが来たのかと考えていた。
 だが、アスランは知らない。ゼロがロゴスの戦力を手にいれたことで、ザフトが攻めようとしていることに。
384通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:45:52 ID:???
どうぞ
385コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:47:28 ID:???
『ゼロ。君の元に、ロゴスのメンバーがいると思うんだが』

 開口一番、デュランダルはそう告げた。
 ゼロは、席に座り…肘掛に肘をつけ、司令部の画面にうつるデュランダルを見て話を聞く。
『匿う…というわけではなさそうだが、引き渡して欲しい』
「デュランダル…、ロゴスメンバーを殺害すれば地球圏は今以上に経済的混乱に陥り、実質上崩壊する。
 その後は、ザフトによる再建以外、建て直しは聞かなくなるだろう。それは結果的に地球圏をザフトの支配にするのと同じだ」
『だからといって彼らの所業が許されるわけがない。それが地球圏全体の総意だよ』
「まるで、地球圏代表のような言葉だな」
『…』
「地球でのことは地球で任せてもらおう。ジブリール以下メンバーは、オーブにて裁判を行う。
 無論、ザフトの陪審委員も参加させてもらって結構だ」
『どうあっても…引き渡す気はないということだね』
「…あぁ」
『残念だ。君になら私の考えが分かってもらえると思ったんだが…』
「わからないさ。自分に必要ではないものを簡単に処分しようとする男の考えなど」
『なんのことを言っているのかわからないな。二、三日後にはそちらにつくだろう。
 その時改めて聞くとしよう。いい返事が聞けることを期待している』
 切れる通信。
 さすがに、尻尾は出さないか。
 既にロゴスという組織は関係が無い。オーブ、いやこの黒の騎士団という組織そのものをザフトは倒すことだけを考えているだろう。
 ヘブンスベースのような作戦は上手くは行かないな。
 それに今更、砲台を設備する時間は無い。ミネルバ…もくるだろう。デストロイを簡単に倒していくあの姿。
 カレンたちが負けるとは思えないが…。
「いよいよか…アークエンジェルでさえ、倒せなかった相手、さらには戦力はこちらの倍以上…」
 C.C.がゼロに話しかける。確かにその通りだ。
 だが、こちらもただやられるのを待っているわけではない。
「カレンたちは?」
「ステラへの処理が終わったからな。相手をしてやっているよ」
 ステラの身体的な強化措置における副作用を抑えるための処置が終えた。
 これで戦闘に対しては、課題が残っていたステラを思う存分使うことができる。
 こういうと、すっかり友達となってしまったカレンや、彼女に境遇の類似から同情を抱いているC.C.に怒られそうだが…。
「アスランがつれていた女は?」
「今は目を覚ましている。話を聞きにいくか」
「…ミネルバのクルーである以上、話は聞いておくことに越したことは無いだろう」
 ゼロが、メイリンの元に赴き、話を伺おうとしたときだった病室から声が聞こえる。
 ゼロは気がつかれないように、覗き込む。
 仮面の男が部屋を覗き込む姿は、はたから見ると変質者に見えないことも無い。
386通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:49:13 ID:???
ゼロなにしてんのwww
387コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:49:18 ID:???
「ちょっと!ステラ、ダメじゃない。勝手に部屋に入っちゃ…」
 カレンがステラを抑えているが、ステラは暴れながらメイリンのザフトの制服を触っている。
「シンの匂いがした」
「だから、誰よ!それ?」
「…シン・アスカ。私と同じミネルバのMSパイロットです」
 メイリンはそんな2人を見てクスクスと笑いながら言う。
「シン…会いたい」
 ゼロは、以前からステラが言っていたシンという言葉の意味をここでようやく知った。ミネルバのMSパイロットか…。
 なるほど。これは使えるかもしれないな。
「敵に会いたいって言ってもね…」
「戦うんですか?ザフトと…」
 カレンの言葉にメイリンはベットから身を乗り出して聞く。
「それは…、攻められれば戦うしかないから」
 答えずらそうに言うカレン。
「…シンと戦うの、いや」
 ステラはカレンに対してそういう。
「なら、私達と戦う?」
「それもイヤ!」
 メイリンはベットの上でそんな2人のやり取りを聞きながら涙をポロポロと流す。
 それに気がついてカレンとステラは、メイリンのほうを見る。
「…こうやって、連合だった人とも、私のようなザフトも一緒に話すことができるのに…どうして戦わないと行けないんだろう…」
 メイリンは一度だけ、ステラを見ている。ステラをシンが撃墜して保護したことがあった。
 だが、そのときのステラは非常に危険な状況であり、結果的に放置しておけば命に関わることなので連合に無断にシンが返してしまったのである。
 メイリンはそのときのステラの顔を覚えていた。シンが凄く心配そうにしていたのが印象的だったから。
 カレンはそんなメイリンを見ながら、自分も同じように感じる。
「ゼロ…、私の上司なんだけど…私も、信用できなかった。だけど、一緒に戦って、ぶつかって…話をすることで、わかっていったんだ。
 いろいろと…後悔もいっぱいしましたけど。でも今はそれでよかったんだなって。こうやって一緒にいれるから…」
 スザクやルルーシュも、また戦いの中で、未来を見つけようと必死だった。
 自分はそんな彼らを信じてあげられなかった。
 その悔いを今、自分はルルーシュの味方となることで清算しようとしている。
「いいじゃないかな。最終的に分かり合えれば…、メイリンさんのように、世界の人がみんな分かり合えるようになれば、
 戦いなんて、くだらなくて誰もやらなくなっちゃうよ」
「そんなときがくるのかな?」
「そのときが来るために、私は戦ってる。未来を切り開くために」
 カレンの言葉に、メイリンは自分の迷いを振り切れることは出来なかったが、一つの答えではあると思った。
 戦いを終わらすためには…互いを知って分かり合うことが大切であるということ。
「ステラも…、みんなと仲良くなりたい。シンとも、メイリンとも…カレン、みんなで仲良くなれば、きっと楽しい」
「そうね〜。なんだか凄いことになりそうだけど…」
 カレンは、ただひたすらにステラが騒ぐような気がして思わず笑ってしまう。
388コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:51:05 ID:???
 ゼロはそんな会話を聞いて、振り返り司令部に戻ろうとする。
「なんだ?混ざっていかないのか?」
 振り返った前にたつC.C.がゼロを見て聞く。
「俺のようなものがいっても邪魔なだけだろう」
「そうか?」
「戦場では、あのような仲間意識が重要なものとなる。俺がいって現実をよみがえらすのは得策ではない」
 そういってゼロはC.C.の横を通り過ぎていく。
 C.C.はそんなゼロの背中を見ながら、溜息をついて
「頭の固いやつめ」
 とぼやいた。
 戦いは、誰もが望まないことのはずなのに…、現実は戦いに向けて走っていく。
 それは、どこの世界でも、いつの時代でも変わらないことなのだろうか…。C.C.はメイリンやカレン、ステラを見ながら、
 彼女達のような考えが世界の中で広まらなくてはいけない…、
 それこそが、本当に戦いを終えることができる…ということなのだろう、と考えていた。
 
 それから…3日間は平和だった。
 4日目の朝、オーブ近海にザフトの艦隊が出現。
 数は不明だが、ヘブンスベース侵攻の時とほぼ同数の数である。
 司令部にてルルーシュはデュランダルからの通信を受ける。
『さて、以前の答えを聞かせてもらおうか』
「ジブリール以下、ロゴス幹部はここにはいない」
『冗談にしては面白くないな。その意見の変更はどういうつもりかな』
「その言葉通りの意味だ」
『…ならば、我々は君達を撃たなくてはいけなくなる』
「そちらがその気なら、我々は、抗戦するまでだ」
 デュランダルからの通信が切れる。誰もロゴスがいるなどとは思ってはいない。
 知っているのは、最初に話を明かしたデュランダと騎士団のルルルーシュ、C.C. カレン、ステラの一部の騎士団だけだ。
 そして今度の作戦においてもこの4人だけが詳しい内容を把握している。
 ステラにおいては、カレンを補佐につけることで戦闘をコントロールする。

『ザフト軍は、我々、騎士団にロゴスメンバーを匿っているとつげ、攻撃を仕掛けようとしている。
 我々黒の騎士団は、オーブを守るため徹底的戦うことを約束しよう』

 格納庫、いやオーブ中に響きわたるゼロの声…。
「…ザフトは、シンは、本当に…オーブを焼くつもりなのか」
 アスランはゼロの言っていることを信じていた。
 彼はロゴスメンバーがここにいることを知らないのである。
 アスランは目の前にあるナイトメフレームとMSの融合を目的として作られた新たな機体を見上げる。

「ルルーシュ、あいつに本当のことを言わなくていいのか?」
 C.C.は白い戦闘服を着ながら、仮面を外しているルルーシュに聞く。
「必要ないだろう。どっちにしろ行き場所が無いあいつは、俺達につくしかない。存分に戦ってもらうさ」
『敵の第一陣が攻撃を開始しました』
「きたか…」
 正午、オーブにてザフト軍の攻撃から戦闘が開始される。
 MS展開によるザフト軍は、一気に攻勢を強め、黒の騎士団との防衛部隊と攻撃を開始する。
 騎士団は、通常MS、ムラサメやブルーコスモスの量産型ウィンダムで応戦を始める。
389コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:52:30 ID:???

「うわあああああ!!!」

 シンのディスティニーが周りのMSをなぎ払い、火球に変えていく。
 圧倒的なパワーと速度の前に、連合のMS、オーブのMSも敵ではない。
「こんなことで、こんな力で国を守れると思っているのか!」
 シンはかつていた国の情けない姿に、大声をあける。
 ミネルバやそのほかの艦艇の攻撃にたいしても応戦するが、敵の防備体制は軟弱であり、攻撃に対して、圧倒的にザフト有利の展開が進んでいた。
 ミネルバにいるデュランダルは、シンやレジェンドのレイの活躍を見ながらも、敵の散漫な攻撃に対して、どこか不思議に感じていた。
 まるで自分たちをおびき寄せているようだ。
 この戦い方は…どこか、そうヘブンスベースのときに似ている。
「あまり、艦隊を前に出さないほうが良いかもしれない」
「これ以上、隊を下げるとMS部隊が孤立します」
 デュランダルは、それに納得しながら
「艦長、周辺の警戒を怠らないように…、嫌な予感がする」

 司令部にいるゼロの元には戦況の報告が逐一報告されている。
 圧倒的なザフトの物量に、連合軍とオーブの元来の戦力は、ほぼ無力化され始めている。
 それと同時にオーブ本島に攻め込もうと敵の艦艇、およびMSが島に近づいてくる。
 それを見定めるように、ゼロは立ち上がる。
「そろそろだな、敵は勝利を確信し、湾岸にはいりこんでいる。カレン、ステラ、アスラン出撃!各機、攻撃を始めろ」
 ゼロの指示とともに、先ほどの散漫だった攻撃が統一され始める。
 そして、姿を現す機影…。
「なんだ…あれは?」
 シンの目の前に現れる影は見たことが無いもの…、まるでアスランを追ったときに現れたときの機体のように…。
 MSとしての形に囚われていない機体。
「新型か…、シン、ルナマリア。布陣を組め。これからが本番だぞ」
「「了解」」
 そんな彼らの後ろで爆発が起きる。
 次々と艦船が沈んでいくのだ。爆発はなおも続いていく。
「これは…機雷!?」
 タリアは、海中にある反応を見て声を上げる。
 地雷の水中型であり、海中の中にしかけられたもので浮上することで真上にある船を撃破することが可能なものである。
 さらには、前にいたザフトのMS軍が、一気に光と化す。
 煙の中、現れる機体…。
390コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:54:16 ID:???
「さぁ、行くわよ。私と紅蓮の力みせてあげる!」
 カレンの乗る新たなMSを互角に戦えるよう巨大化した『紅蓮暁式』。
 限界の8枚の羽を持つエナジーウィングを装備した機動力をあげながら、さらには紅蓮特有の輻射波動は据え置き、その腕はさらに強化を施してある。
 変更点としては巨大化にあたり腰部にハドロン砲が設置されている。

「…あの中に、シンがいるの?」
 ステラが操るのは紅蓮弐号機こと機体色を灰色とした『灰廉』。
 暁式と同じくMSとの戦闘におけるために巨大化している。
 輻射波動を装備することも可能だが、ステラのために破壊力抜群の呂号乙型特斬刀を二本装備し、腰部には紅蓮と同じくハドロン砲が発射可能。
 エナジーウィングも6枚ついている。

「オーブを、やらせるわけにはいかない!」
 アスランの乗るのは飛行形態に変形可能な『G・サードオキニス』。
 上記の二機体とは違って、ムラサメをコンセプトに改良したものである。
 基本性能は向上し、その容姿もかなりゴツイ形となっている。
 背中にハドロン砲を二門装備し、ビームライフルとサーベルもあるナイメアフレームとMSの融合型といえる。

 ラクシャータはキセルを回しながら、戦闘の様子を伺う。
 新たな機体として投入されるそれらはラクシャータの折り紙つきの機体と言えるだろう。
 他にもムラサメを強化した機体が次々と投入され、ザフトを押し返す。
「こんな奴らにぃぃ!!」
 ディスティニーを操るシンがサーベルを振るう。そのサーベルは、カレンの操る紅蓮の強化された右腕で受け止められる
「なにっ!?」
「相手が悪かったわね、私と紅蓮は…無敵よ!」
 カレンは輻射波動のスイッチを押そうとした。
 輻射波動を直接受ければ、たとえディスティニーといえど、なす術無く破壊されるであろう。

『待って、カレン!』

 だが、そのステラの声に一瞬、注意をそがれ、シンのサーベルを離してしまうカレン。
 シンは後退して相手の様子を伺う。
「シン、シンなの?」
「ステラ?」
 その声…、シンが間違うはずが無い。
 だが、彼女はベルリンにてフリーダムにやられたはずじゃ…。
「本当にステラなのか?」
「そうだよ、シン。会えて…良かった」
 シンはどうしていいかわからなくなっていた。
 ステラ相手に戦えるはずが無い。しかも彼女は暴走しているわけでもなく、普通に会話が出来ている。
「ステラ、ステラなら俺と一緒にいこう。戦いの無い場所に君を…」
 ディスティニーからさし伸ばされる手。
 その手をステラは見ながらも、拒む。
「ダメ、ステラ…。シンも大切だけど…カレンやC.C.も大切」
 ステラの後にいるカレンの操る紅蓮を見るステラ。
 シン以上に、同じ時間をすごしていた仲間、そして自分を解き放ってくれたものをステラは捨てることが出来ない。
「そんな…」
 シンは力なく、答える。そんな両者に割って入るインパルス。
391コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:55:42 ID:???
「なにしてんのよ!シン!」

 インパルスの放つビームライフルをカレンは、片手を挙げて輻射波動の放つバリアで、ビームを弾き飛ばす。
「!?」「そんな…」
 驚くルナマリアとシン。
 この機体はビームライフルが通じないというのか。
 ステラはインパルスに対しては敵意をむけて、身構える。
 シンはルナマリアとステラが戦うことだけは避けたいため、ルナマリアを後にして前に出る。
「シン!」
「ここは、俺に任せて、ルナ…」
 カレンは、そこでルナマリアという名前を直接通信にて聞く。
 そう、アスランがつれてきたメイリンの姉である。
 カレンはシンとルナマリアに対して通信を開く。
「私達は、メイリン・ホークを預かっている。もし戦うというのなら、彼女の身の安全は保証しない」
「メイリンが!?」
 その言葉にルナマリアの動きがとまる。
「卑怯だぞ!!人質なんて」
「勝負に卑怯も何も無い。ようは勝てばいいのよ」
 カレンは自分で言いながら、どことなくルルーシュに似せるよう頑張ってみせる。
 勿論、そんな会話を聞いているC.C.はクスクス笑い、ルルーシュはムスっとした表情で聞いていた。
 戦闘は始まったばかり…、
 黒の騎士団とザフトの戦いは熾烈を極めようとしていた。

 そして海中で動き始める白き戦艦…。
 まだ、誰もそれが再び飛翔することを知らない。
392コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/09(火) 19:56:38 ID:???
投下終了
サードオキニス、灰廉は石の名前です。

>>369
はい、そうです。すいません。

393通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:58:28 ID:???
投下乙

デュランダルは政略や外交はいいけど
軍略とかは駄目なイメージ
394通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 19:59:33 ID:4CQmispS
そういえばコードギアスDESTINY筆者はほぼ毎日投稿するが・・・
こんなにペースが速くて大丈夫なのか?
395通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:10:22 ID:???
核融合炉・・・だと・・・
地球のエネルギー危機はこれで解決か?
396通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 20:19:30 ID:???
さてゼロはどう出るのか……。
たぶん種氏にはいなかったタイプのキャラだから、どうでるのやら……。
シンにギアスをつかうのか?
397通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 21:44:21 ID:???
面白い展開になってきたな
398通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 21:51:08 ID:???
サクサク話が進むのがいい
399通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:48:36 ID:???
色モノだと思って読んでなかったけど、評判良いみたいだね
読んでみるわー
400通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:53:20 ID:???
サードオニキスじゃない?
401通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 22:58:12 ID:???
>>393
ヘブンズベースで失態があったからな
402通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:12:10 ID:???
>>394
既に最後までのストーリーが出来てる状態での投下か、ある程度書いた状態で投下してるんじゃないか?
403通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:23:25 ID:???
あっという間に核融合炉
これで勝つる!
404通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:24:28 ID:???
あり?
ニュートロンジャマーキャンセラーとかどこから仕入れたの?
405通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:26:21 ID:???
>>404
必要ない
とりあえず核融合と核分裂の違いについて勉強してこい
406通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:27:47 ID:???
黒の騎士団の勝利は確定的に明らかになったな。
407通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:33:21 ID:???
AA乱入でまた凸裏切りで大混乱だな、これは
サクサク書いてるみたいだからあっさり終わりまで行きそうだけど
408通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:39:02 ID:???
どうだろうなぁ
ここまでの騎士団のサクサクぶりは壁にぶち当たるフラグだな
409通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:40:19 ID:???
さあこれでサクサク終われなくなりました
410通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:50:11 ID:???
>>404
UCガンダムとのクロスでは必ず「MSの動力が核融合炉!!??」って驚かれる
411通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:52:01 ID:???
何そのバッテリー性能
ふざけてるの?ってUC側が驚く事もある
412通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:58:11 ID:???
初期は連日投下だったのにどんどんペースが遅くなり、今じゃ半年たっても更新されないものもある
413通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 23:58:32 ID:???
CEのバッテリーはなぁ……。
現実では、エネルギーロスを0と設定しても、
最低反物質が必要と言われる光子ロケットをバッテリーで動かせるトンデモ出力だからなー。
414通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:02:29 ID:???
CEは物理法則が違う
415通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:23:26 ID:???
アニメに細かい設定もとめても仕方ない
416通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:26:26 ID:???
種は根幹となる設定までその場の思いつきと現場の都合で変わる
417通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 00:32:37 ID:???
驚く間もなくラクシャータ神のおかげで
文字通り神速で凌駕したからゼロが圧倒的優位
418通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 01:03:15 ID:???
むしろアスランが核融合炉に驚いてないのにびっくり
419通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 01:09:16 ID:???
アスランは別の事を考えていたので聞き逃したと思う。
420通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 01:14:56 ID:???
ギアスの人投稿乙ー。
次はAA御一行の登場か
キャラがどういう風に絡むか楽しみだ。
421通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 16:33:51 ID:???
カガリ帰って来てもなにもできないよな
一応国民が選んだ道だし
422通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:31:44 ID:???
でも国内に潜伏しているアスハ派及びクライン派が残っているだろうから
まだ油断はできないけどな。
423通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:40:26 ID:???
あのセリフが出ない限りはそうでかい失敗にはならんだろうが、逆に言うと……
424通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 19:42:54 ID:vnH7AiHN
ルルーシュのギアスかピンクの歌か、どちらに軍配が上がるのだろう?
続きが楽しみです。
スザクとアスランが手を繋いだら、面白いかも。
425コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:13:04 ID:???
投下します
426コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:14:57 ID:???

第9話 裏切りの砲口、蘇る天使

 オーブでの激闘は続いている。圧倒的な力で押し込んでいたザフトであったが浮遊機雷や、騎士団の最新鋭MSの影響によりその戦いを5分に戻されつつある。
 さらには、ザフトのエースであるディスティニーが動けなくなったことが大きい。
 メイリンを楯にするカレンとステラを前にして動きが封じられているシンとルナマリア。
「貴方達と私は戦う気はない、このまま引いてくれるならね」
「そんなことできるか!戦いを終わらすためには、ロゴスメンバーを撃つ必要があるんだ!」
 怒鳴るシンを前にしてカレンはあくまでも冷静だ。
「それで、本当に戦いが終わるならこんな楽なことは無いわね」
「なに!?」
「戦いは、誰を倒せば終わりって言うわけじゃないのよ。結局、みんなが未来を見れなければ戦いは永遠と続くのよ」
 ロゴスメンバーを倒せば未来が見えるのか…。シンは自問自答を行う。
 だが、議長はそういった戦いはこれで終わりだと。
 もし違うのなら…
「だったら、どうやれば戦いは終わるんだぁ!!」
 シンは身構えるが、それを見たステラも反応する。
「ステラ…」
 戦わなくてはいけないとわかっていながら、ステラを前に動くことが出来ない。
「シンでも、カレンを虐めるなら…私、許さない」
 そんな両者に対してルナマリアは覚悟を決める。
「メイリンだって、ザフトの一員よ。私はザフトとして…ここで、戦いをやめるわけにはいかないの!!」
 インパルスはサーベルを振り下ろし、ステラに攻撃をかける。
 ステラは開いている片手から呂号乙型特斬刀を抜きとり、インパルスのサーベルを受け止める。
「はぁぁぁ!!!」
 シンの目の前で戦うルナマリアとステラ。
 速度では、インパルスを凌駕する灰廉を前に、インパルスは防戦一方である。
「やめろ!ステラ、ルナ!」
 二人を止めようと動くシンの前に立ちふさがるようにカレンの紅蓮が動く。
「くっ!!」
「あなたの相手は私よ!ザフトのエース!!」
 シンの前に立ちはばかる、翼を広げる紅蓮の姿にシンはフリーダムと戦ったときの緊張感があった。
 それだけこの機体、そしてパイロットの手腕が見えてくる。
 紅蓮の輻射波動を放つ強力な腕が、ディスティニーに向けられる。
427コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:16:33 ID:???
双方が戦う中で、レジェンドとサードオニキスも戦闘が続いていた。
サードオニキスは変形し、海面を飛びながらレジェンドのビームライフルをかわしていく。
「それが、あなたの闘い方ですか!?アスラン!」
「オーブを、撃たせるわけにはいかない!」
 変形しMS形態になるのと同時に、強力なハドロン砲を打ち込むアスラン。
 レジェンドはそれをかわすが、その高熱により、片腕が溶解する。
「なんという火力だ!こんなMSが存在しているなんて…」
 レイは驚いていた。この速度、そして火力を併せ持つことができるのはザフトぐらいであると考えていたのだが。
 オーブ、いや黒の騎士団にはそれほどの技術力があるというのか。
「レイ!軍を引け!」
 呂号乙型特斬刀を抜き取り、レイのレジェンドのビームサーベルとつばぜり合いになる。
「あなたこそ、騎士団に良いように扱われて…!!」
「例え、それでも…俺はオーブを守ると決めたんだ!」
 片手を失っているレジェンドを押し返すアスラン。
 レイは海面ギリギリまで突き飛ばされると、ビームライフルを放ちながら距離をとる。

 その光景を眺めているデュランダル。
 先ほどまでの動きから…徐々に押し戻され始めている。驚くべきは敵の中枢にあるMSと、それを操るパイロットである。
 ディスティニーと戦いながら、他のMSも打ち倒している。
 まさか、騎士団にここまでの力があるとは…。
「艦長、タンホイザーを敵の司令部であろう海岸線一体に向けて発射してくれ」
「しかし、まだ友軍が」
「…敵の戦力を見誤ったよ。まさか…アークエンジェル並みの機体を有しているとはね。
 これ以上向こうのペースに囚われていると友軍は全滅だ」
「…わかりました。各機へ、タンホイザーを発射する。射線上から回避しろ」
 タリアは、通信を送るのと同時にタンホイザーを戦闘が繰り広げられているオーブの海岸線に向ける。

「敵の旗艦の射線上MSが回避していきます」
 ルルーシュは、その言葉を受け…敵がヘブンスベースで見せた主砲であると確認する。
「ラクシャータ…」
「実験はしてないけど…完璧よ」
 ラクシャータはイスに寝そべりながら、前の画面を見つめる。
「ローズクォーツ、ハドロン砲を発射!」
 格納庫の中、姿見せる黒き戦艦。射線の延長上…狙うは敵の旗艦ミネルバである。
428コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:18:27 ID:???

「ってぇー!!」
「撃て!!」

 タリアとゼロの声が交錯する中で、放たれたハドロン砲とタンホイザーがぶつかり合う。
 巨大な閃光が出来上がり、それぞれの攻撃に弾かれたものが、両者の艦の周りを吹き飛ばす。
「敵の目標艦は健在ですが、周りの艦艇は撃沈を確認」
 騎士団の新型艦である『ローズクォーツ』…ハドロン砲を両翼に装備する戦艦であり騎士団の旗艦である。
 なんとか完成は間に合ったが…今の攻撃で暫くの発射は不可能である。
 現在は格納庫にて、援護攻撃だけを行っており、出撃はまだ出来ていない。
「敵のミネルバMSはカレン率いるナトメアフレーム隊で抑えられる。さらに、こちらの量産MSとローズクォーツで艦艇は無力化。
 全ての条件はクリアされた。こちらには、よく見えるぞ。部下を失ったキング、ミネルバの姿が…、各機、デュランダルを抑えろ!」
 敵は面食らっているはずだ。まさか騎士団にこれほどまでの戦力が整っているとは思ってはいないからである。
 勢いはこちらに完全にむいている。
 このままミネルバを沈め、デュランダルを確保すれば勝利だ。
 ゼロはディスティニーを牽制しているカレン、ステラにミネルバの攻撃命令をだそうとしたときだった。
 ザフト側からのオープンチャンネルでの通信が入る。

『勇敢に戦う皆さんの前で発現をすることをお許しください。私はザフトのラクス・クラインです。
 ロゴスメンバーを匿っている黒の騎士団の方々…、あなた方は国民を欺いてなお、その手に世界が欲しいのでしょうか?
 私達はロゴスメンバーを引き渡してほしいだけであり、このような無益な戦いを起こす気はありません』

「小娘が、偉そうに…いうものねぇ」
 ローズクォーツ艦内にて、その回線を聞いているラクシャータが嘲笑いながら言う。
 ルルーシュは、デュランダルも躍起なのだろうと考える。
「ルルーシュ、この回線はおそらく世界中に広められているぞ」
「…あぁ、奴らはロゴスを追い詰めたときと同様にして追い詰める気か…。だが、今更そんなものを聞く奴はいない。ここはオーブ、私の陣地内だ」
 C.C.の言葉にゼロは頷く。それにしても、この世界の人間はラクス・クラインという存在を崇めているようだ。
 一種のアイドル的存在ということか。大衆を誘導するには丁度いいのかもしれない。

『ロゴスの方々は弱き人間達を、踏みにじり利益と富を得てきました。
 戦いの悲劇をこれ以上、広めないためにも…私達は、それを止めなくてはいけないのです』
429コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:20:14 ID:???
「なによ!これじゃー私達がまるで悪人じゃない!」
 カレンは士気を取り戻したザフト兵士達の操るMSの攻撃を避けながらも、ディスティニーとの死闘を繰り広げている。
 紅蓮が打ち出されたゲフィオンネットを避け、ディスティニーはカレンを追撃する。
「はあぁぁぁ!!」
 その2人の後ではステラとルナマリアが、こちらも激戦を繰り広げていた。
「あなたが、シンを惑わすから!」
 ルナマリアの殺気染みた攻撃を、ステラはなんとか凌ぎつつ、攻撃を続けていく。
「私は…誰もやらせない!!」
 ステラは、ビームライフルを輻射波動で弾きながら、呂号乙型特斬刀でルナマリアにきりつける。

『…戦いをやめてください。私達の道は1つのはずです。ですから…』

『その声と姿に騙されてはいけません!』

 アスランは、耳を疑う。もう1人のラクスの声?
 それはレジェンドに乗るレイの動きも封じる。
 オーブ近海の海から姿を現した、撃墜されたはずの白き天使…アークエンジェルの姿。
 そこから飛び出す機体。それはフリーダムとはまた、異なった新しい機体、ストライクフリーダム。
 そして黄金の機体である、アカツキ。
 飛び出した二機がザフトのMSを攻撃していく。
『私こそが、本当のラクス・クラインです。ザフト軍、そしてオーブの黒の騎士団に言います。今すぐ戦闘をやめてください。
 我々は、騎士団の武装解除から、ザフト軍に対して、ロゴスメンバーがいるかどうかの調査、引渡しを行って欲しいと提案します』
 その言葉に、ザフト側のラクスことミーアは驚きで何も言えなくなってしまっている。
 デュランダルは回線を遮断する。

「…アークエンジェル!?まさか、奴らが生きていたとは……」

 ゼロはローズクォーツにて、拳を握る。これは予想外だ。
 この混戦の中にさらなる勢力が入ってくるとなると…。
『オーブコントロール、オーブコントロール、私はカガリ・ユラ・アスハである。黒の騎士団代表である、ゼロ。
 お前達から私はオーブを取り戻す!』
「…感謝されることはあれ、恨まれる覚えは無いな。誰のおかげで今までオーブを守りきれたと思っている?」
 ゼロはカガリに対して言い切る。カガリは言葉に詰まるが、
『…私は、オーブを守ってきた。私の愛するオーブ首長国連邦を。それを勝手に改めたことを、私は許すことは出来ない』
 カガリは強い口調ではっきりという。カガリの言葉に一部の民衆は混乱を始める。
 完全にゼロを信頼しきっていない、ユウナがいやで渋々ゼロのいうことを聞いていた、というものは、
 本来の主導者であるカガリが来ることを待ち望んでいた。
「…民衆が動揺しているな」
 ザフトの攻撃に対して形無き楯として、市街地に立てこもらせていた市民の様子を監視カメラで見ていたC.C.が言う。
「くっ…、大衆は動かされやすい」
 ゼロは、アークエンジェルが生きていたという、動きを読むことが出来なかった、自分に憤りを感じる。

『オーブの皆さん、私は、あなた方の本来の国を守ります。カガリさんとともに、皆さんの力を貸してください』

 そのラクスの言葉がきっかけとなったのか、一気に市民は騎士団にたいして、反発し始める。
430コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:21:53 ID:???
「ゼロ!どうなってるのよ!こいつらは敵なの?味方なの?」
 突如現れた、アークエンジェルたちにカレン、そしてミネルバのシンたちは動揺する。
 それはアスランもそうだ。すっかり撃墜されているものだと、思っていたアークエンジェルが再び目の前に現れたのだ。
 驚くに決まっている。
 それに自分たちはオーブを守っている。
 攻撃をされる覚えはない。アスランは回線をひらいてアークエンジェルに通信を開く。
「こちら、アスラン・ザラ…アークエンジェル聞こえるか」
『アスラン、お久しぶりです』
「ラクスなのか?これは…」
『えぇ、会いたかったですわ』
「ラクス…俺は、オーブを守りたいだけなんだ。形はどうあれ、彼らは俺たちの味方で…」
『……アスラン、私と供に来てください……』
 ラクスから放たれた言葉にアスランの目が赤く輝く。

『ゼロ、指示を!指示をお願いします』

 混乱する戦況の中でカレンは、どうしていいのかわからない。
 ゼロ=ルルーシュは、唇を噛み締めながら
「…全軍、全軍撤退だ!!体勢を立て直す。我々は宇宙…月面ダイダロス基地に移動する!即座に艦に帰還しろ」
 格納庫にあったローズクォーツは体勢を真上にあげるよう準備をしている。
 ゼロにとっては、最後の手段であった。
 まさか…ここまで追い詰められることになるとは。
「ステラ、引き上げるわよ!」
「…わかった」
 そんなステラの前にやってくるアスランのサードオニキス。
「アスラン、あなたも…」
カレンがそう言ったとき、アスランの操るサードオニキスがサーベルを抜き取り、目の前のステラめがけて突き出す。

「!」

 機体が貫かれる音…。
 ステラの灰廉の前にビームサーベルがディスティニーの機体の肩に貫かれている。
 灰廉を庇うため、シンが機体を呈してステラを守ったのだ。
431コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:23:11 ID:???
「「シン!」」
 ルナマリアとステラの声が同時に響く。
「…俺は、守るって…、ステラ…君を守るっていっただろ」
「シン!どうして…なんで?」
 ステラは涙を流しながら大きな声で怒鳴る。
 ディスティニーの肩の部分が大きく爆発する。ルナマリアは怒りに身を任せてアスランのサードオニキスを撃つが、変形してその場を離脱する。
『何をしている!はやくしろ!』
 ルルーシュの焦りの声…。
 ステラは、その破損しているシンのディスティニーを抱えると、連れて行こうとする。
「待ちなさい!どうしようっていうの?」
 それを止めるようにルナマリアがビームライフルを構える。
 ステラはそんなルナマリアを突き飛ばすかのように、前進し
「シン、助ける!このままじゃ…このままじゃ!!」
 ルナマリアは迷う。
 どうしていいのか…一体何を信用して良いのかわからない。
 議長の言っていることは本当に正しいのか…。
 そしてこのままじゃ、シンが。
「…あなたも、くる?」
 カレンがルナマリアに問いかける。
 ルナマリアは、その突然の言葉に何も言えない。
「元気になったら、後で脱走でも何でもしてつれて帰れば良いじゃない。
 このままだと、このパイロットも、艦に帰れない私達も、みんなお陀仏よ」
「…わかったわ」
 ルナマリアは受け入れた。
 なぜ、自分がそうしたのか分からない。
 だけど、このままシンが殺されるよりかはマシだと思ったから。
 カレンに連れられ、破損したディスティニーをつれ、ザフトの攻撃を凌ぎながらローズクォーツに乗り込む4人。

「カレン機含め乗艦しました」
「ローズクォーツ、カウントダウン開始」
「10…9…8…」

 混乱する中で騎士団の残党MSと戦闘を続けるレイは、シンの信号が途絶えたことに気がついていない。
 目の前ではオーブのギアスをかけられた兵士達が戦闘を続けている。
 ルルーシュたちにとっては始めての宇宙。
 こんなことで実現しようとは思わなかった。

『3…2…1…発射』

 煙を上げながらローズクォーツは青い空を高く、高く上っていく。
 それを見つめるものたち…。
 戦場は宇宙にと移っていく。
 ルルーシュたちは、次なる目的地、月面ダイダロス基地にと向かう。
432コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/10(水) 20:24:19 ID:???
投下終了です

投下ペースは早いとは思いますが、ある程度は書き終えていますから大丈夫です。
433通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:27:05 ID:???
アスラン……裏切りやがった
こいつもうだめだ
守りたいのはオーブじゃなくてキラたちかよ
434通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:27:34 ID:???
ええっと……
声を媒介にしたギアス持ちですか、いや確かに効果は同じなんだけどね
だとしたらC.E.にもC.C.に相当するコード保持者がいるって事になるんだよね?
435通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:27:55 ID:???
ん〜オーブの市民の動きに違和感ありまくり
436通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:29:30 ID:???
凸は所詮凸か・・・
437通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:29:49 ID:???
これはピンクだけじゃなくてカガリにもギアスがあるのか?魅了のギアスとか
438通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:30:50 ID:???
ああ続きが気になる!!
だが私は信じているゼロの勝利を!!
黒の騎士団は今は忍耐のときですな。
私はゼロが言ったことには間違いなく一理あると思う。人よりも理念を置いているようではだめだろう……。
人が理念の上に立たないと。人材こそたからだとなぜ気がつかない!!
439通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:46:08 ID:???
ピンクもギアスユーザーかwww
プラントの人間もピンクの言うことすぐに信じるし、ありえるっちゃあり得るんだろうけど

それと今回はシンを見直した。これでラクシャータがデスティニーを改造して輻射波動も決定かな?
440通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 20:50:09 ID:???
○キオがコード持ってるのか、これwww
441通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:52:12 ID:???
凸が吉良厨なのはたしかだけど……だから裏切ったって感じじゃないな。
>434
>声を媒介にしたギアス持ち
可能性はあるけど、後催眠的な可能性も。
>435
>437
オーブは流されやすく主体性がないだけだと思う。カガリに魅了とかのギアスがあれば最初の介入時にオーブ軍に戦闘をやめさせる事が出来てたはず。
442通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 21:54:16 ID:???
ギアスの人投下乙ー。
って、アスランwwww
AAが本気で墜ちてると思うとはルルーシュも軽率でしたね。
まー、イレギュラーに弱いのがルルの特徴だけど
次はAA組に遅れを取らない様に頑張って貰いたいですね。
443通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:27:23 ID:???
だがちょっと待ってほしい、もしかしたらラクスとかアスランの中
に誰かが入ってる可能性も有るのでは?

マリアンヌみたく…
444通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:32:05 ID:???
>442
常識的には墜ちてると思う。
特にルルの場合、記憶を取り戻すまでCEで普通に生きてたみたいだしAAのことなんて知らなかったんじゃない?
445通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:35:42 ID:???
なんという頭が痛くなる展開www

ここまで感情に流されやすい奴らばかりでギアス組は本当に苦労しますね。
446通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:39:52 ID:???
このくらい流されやすい人間で構成された世界じゃないと、ナチュラルとコーディネーターの絶滅戦争じみた対立構造なんて出来ないからでは無いでしょうか?
447通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 22:56:02 ID:R2cCK8QQ
黒の騎士団を追い出したオーブは燃えてほしいww
448通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 01:32:50 ID:???
アスランはラクスにギアスかけられたのか?
449通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 12:05:49 ID:???
>>331は予言者


でもないな、普通に予想つくw
450通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 12:32:52 ID:???
>>445
ギアス世界も人のこと言えな(ry
451通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 15:06:23 ID:???
オーブ民はアレだからなあ……自分らの手で政治しないわなw
しかし思い入れがないとはいえ、ルルらもあっさり国捨ててるし、どっちもどっちか
452通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 15:36:29 ID:???
だって旧代表が現れて一言発言したくらいで
手のひらを返すようにそれまで頑張ったルルーシュ達を裏切るんだから
そりゃオーブ国民に愛想を尽かすよ。
453通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 15:43:59 ID:tc8HD47W
ま、まさかゼロはアスランにギアスを予めかけていたのでは!?
454通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 16:57:01 ID:???
そうか、ラクスに何か言われたら○○するようにかけられたのかも知れない
455通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:00:24 ID:???
ぶっちゃけるとギアスの世界には核すら無かったのに核融合ってさあ……
456通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:06:20 ID:???
どうでもいいよそんなの
いかにギアス側が種側を上手く支配してやるかだろ
457通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 17:22:03 ID:???
また痛いギアス厨を騙るギアスアンチか
ここはそういうスレじゃねーから


本物の痛いギアス厨ならなおさら(ry
458通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 18:17:57 ID:d3y00dgx
そう言えばギアスのゲーム、ロストカラーズの主人公が聴覚を利用しての絶対服従のギアス持ってたな。
それでもスピーカーとか通したら効果なくなるはずだけど。
459通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 19:16:52 ID:???
ギアスにもそれぞれ種類があるから条件の違う似たような効果のもあるんじゃないの?
460コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:45:08 ID:???
投下します。
461コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:46:50 ID:???

第10話 決意

「急いで医務室へ…」
 シンの口には酸素マスクが取り付けられ運ばれていく。
 それをおっていくルナマリアとステラ。
 二人を見送りながら、慣れない無重力にカレンは水泳で泳ぐようにして動いている。
 カレンだけでなくルルーシュ、ラクシャータも無重力体験は初めてである。
 このような体験をするのは、今は不謹慎だが楽しいというものだ。
「こんな壊れたの、よくもってきたね〜誘爆したらどうするつもりだったんだい?」
 早速、修理班が、ディスティニーの修理のための解体を始める。今のままでは危険で手が出せない。
 ラクシャータは無重力になれていないせいか、カレンから見て逆さになりながら話をしている。
「アハハ…。すいません。だけど、紅蓮は完璧でした。ありがとうございます」
「とーぜん。私の設計にミスなんかないよ」
 ラクシャータはカレンに笑顔で言うと、改修するほうの指揮に回る。
 カレンは報告を兼ねて、ブリッジにと向かった。

「どういうことだ、カレン!」

 案の定、怒られることとなったわけだが…。
「仕方が無い状況でした。私達は敵に張り付かれ帰還できない状況でしたので、敵機を助ける代わりに見逃すという手段でしか…」
「それが、俺たちを危険に晒すことになったとしてもか。しかも医務室まで借りて…。俺たちは戦争をしているんだぞ?敵を倒すためにやっている!」
「わかってる。わかってるけど…、目の前で死にそうな人を見殺しにはできない」
 ゼロ=ルルーシュは、敵を助けるようなお人好しであるカレンを追い出そうかと考えたが、それを告げようとする前にC.C.が言葉を出す。
「いいじゃないか。敵は最新鋭のMSパイロット。MSとパイロットがこちらにある以上、ザフトの戦力はそがれたと考えるべきだ。それにステラを助けてくれもしたしな」
 カレンは思わぬ助っ人に裏があるように感じてしまう。
「…その元凶であるアスランや、オーブの民衆のように裏切られるかもしれないぞ」
 アスランの行動やオーブの人間達の行動。
 アスランに関しては突然だった。
 無言で切りかかるアスランに、ステラは反応しきれなかったという。
「あいつ、元々アークエンジェルのメンバーだったのだろう。だったら奴らが現れたことで裏切ったんじゃないか?」
「あぁ、そうかもしれない。だったらそれと同様に、今のあの2人もミネルバがくれば裏切るかもしれないだろう。
 ならば今のうちに手を打つべきだ」
「ギアスを使うか?」
「…」
 カレンとC.C.はルルーシュを見る。

「……」

 ルルーシュはそんな2人の目を見て、少し間を置き
「……話をして、それ次第だ」
 ルルーシュは渋々、決断し己の感情に流されないよう努める。
 そのためにいるC.C.とカレンである。
 さらにいえば、前の世界でのユーフェミアのようなギアスによる凄惨な被害者を食い止めることも必要である。
 ギアスは便利な道具ではない、己の精神をも蝕む、この諸刃の剣を抑える必要がある。
462コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:50:32 ID:???
 医務室では手術が行われており、シンの容態を確認していた。
 運ばれていたときは意識を失っていたようだが…。
 手術中の赤い明かりはともされ続けている。
 その前で待つステラとルナマリア。
「…シン、私を守って…こんなことに…」
 ステラは自責に念に駆られてつぶやく。ルナマリアはそんなステラのほうを見て
「自分のせいにするんじゃないわよ!シンは、自分で…勝手にやっただけ。あなたは何も悪くないわ」
 ルナマリアは、ステラを見つめ怒鳴る。
 シンが自らの命をかけて守った相手…。
 今まで、誰かを倒す、その相手がフリーダムであり、アスランであった人が、守った唯一の人。
「…」
 きっと、シンは彼女を自分の妹のように思っていたんだろう。
 だから守りたかったんだ。彼女が連合にいたときも必死になっていたように…。
 なら、シンはこれから、どうするんだろう。ザフトに戻るんだろうか。

「お姉ちゃん…」

 その声に振り返るルナマリア。
 それはシン同様、愛してやまない大切な家族…。
「メイリン!!…バカ、心配…したんだから。お姉ちゃんを、1人にしないでよ!」
「ごめん、ごめんね…お姉ちゃん」
 メイリンと再会を果たすルナマリア。
 しっかりとそこに彼女がいることを確かめるように抱きしめるルナマリアは、そのぬくもりを、目を閉じて感じる。
「お姉ちゃん、シンは?」
「…今、中に」
「…」
 それぞれが、シンを想う中で…シンは生と死の狭間にいた。
463コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:51:50 ID:???
 目の前に広がる光景。
 ベルリンでの戦い…ステラ!?
 シンはデストロイを操るステラを見つめる。
 自分は、MSにも乗れず、ただそこで連合軍に悲鳴を上げながら殺される人々を見ていることしか出来なかった。
 助けることも出来ない。目の前の子供もまとめて焼かれていく。
「やめろ!やめろぉぉぉ!!」
 そこに現れたインパルス!?それはまさしく自分が乗っている。
 なんで、なんで俺があそこに…!!
 自分の操るインパルスは、まっすぐ、サーベルをデストロイのコクピットに貫く。
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
 絶叫する中で、デストロイはステラの声と供に爆散する。
 シンの手に残ったのは、ステラの亡骸だけ…。
 動くこともぬくもりも感じられない。

 豪雨の中、脱走したアスランと一緒に乗るメイリン。
「シン!奴らは敵だ!撃ち落せ!」
 シンはそこでも見ていることしか出来なかった。
 レイの言葉に自分とは違う自分がディスティニーを操り、そして2人が乗るグフ・イグナイデットを撃墜する。
「うわああああ!!」
 アスランの絶叫と供に爆発する機体…。

 さらには…ヘブンスベース…。
 MSの大群、そしてローエングリーンの発射台の集中砲火を前にして、次々と味方機が撃破されていく。
「きゃあああああ!!」
「ぐわあああああ!!」
 目の前で撃墜されるレイとルナマリア。
 だが、自分は助けることが出来ない。助けられない。
 目の前で見ているだけ…。そして、そのまま自分は戦闘に向かい、徹底的な攻撃を加える。
 無抵抗の人間も、手をあげ戦闘の意思がないものもMSでサーベルで焼いていく。

「あ…あぁぁ!!」

 シンは目を閉じようとするも、その光景は続いていく。
 どうして…俺は、こういう世界をつくらないために、戦っているんじゃないのか!?
 なんで…。

 そうか…。
 俺は、これと同じようなことをやってきたんだ。
 守りたい人を守ろうとする一方で、守ることも出来ず、ただ人を殺しているだけ。
 俺は、俺は!!
 結局、マユと……マユと同じ被害者をつくっているだけなんだ。
464コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:54:06 ID:???
戦争という無限ともいえる惨劇に身をゆだねながら、シンは己の居場所が分からなくなり始めていたのかもしれない。
だが、そのどろどろとした感覚から一転、誰かの手が腕を掴み、引っ張られる。
そこは…まるで海に漂う感覚…真上には、これでもかという青空が見える。
温かく…気持ちが落ち着く。

『お兄ちゃん』

 忘れるはずも無い…それは愛してやまないマユの声。
 二度と聞けることはないと思った声…。
 自分の前に…マユがいた。あの最後の瞬間に見たときと何一つ変わらない顔のマユ。

「マユ…」
『…お兄ちゃん。会いたかった』
「あぁ、俺も、会いたかった…マユ」
『お兄ちゃん……今までいっぱい苦しんできたんだね』
「…俺は、誰も助けられてなんかいない。マユと同じ苦しみを持つ人をたくさん作り続けていただけ。
 俺が思うマユと同じ人間をつくらないって言ったのは…結局、夢に過ぎなかった…」
『…』
「俺は、マユといたい。また前のように…一緒に…」
『…私は、お兄ちゃんを癒すための手も、身体も…何も無い。
 こうやって、声をかけてあげることしか、今は出来ない。
 だけど…、私はお兄ちゃんと、いつも一緒だよ?』
「…マユ」
『私はお兄ちゃんと苦しみも哀しみも一緒に受ける。
 受けるから…、まだ、まだこっちに来ちゃダメ』
「……」
『お兄ちゃんのことを待ってくれている人がいる、お兄ちゃんのことを必要としている人たちがいる。』
「…マユは、厳しいんだな」
『お兄ちゃんが甘いんだから。いつまでも妹に頼ってばかりじゃ…みんなに笑われちゃうよ?』
「…また、くるよ。マユ」
『うん』

 シンの気配が無くなる。
 マユは腕で顔を拭う…。そう、私はお兄ちゃんといつも一緒、だから寂しくなんかない。

「…強いな、お前は」

 緑の色の髪の毛をなびかしC.C.は笑顔で彼女につぶやいた。
465コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:55:22 ID:???
「C.C.!!」
 カレンの怒声にC.C.は眠たい目をこすりながらちーず君を抱えながら起き上がる。
「なによ!こっちは宇宙間戦闘用に機体を変えていて、寝る暇さえなかったって言うのに!」
 ようやく解放されてクタクタなカレンはそのままゼロの関係者しかはいれない部屋の個室のソファーに倒れる。
「お前はルルーシュを守る楯だからな。私はあいつを刺激してやる針のようなものだ」
 C.C.は倒れたカレンを見ながら答える。
「だからなんだっていうのよ…。あ〜私もあんたみたいにグダグダな生活したいわ…」
「すればいい。今まで以上にスタイルが気になることになるぞ」
「だぁあああ!!うるさわいね!」
 カレンは怒鳴りながらもよほど疲れたのだろう。
 ソファーから動けない。
「フ…。お疲れさま…カレン」
 その言葉がカレンにはもう聞こえていなかった。
 寝息が漏らしつつカレンは眠りにつく。
 少しばかりの安息だ。
 再び目を開ければ戦いがそこにはある。
 いかなるものも、逃げられない…。
 ならば、どうすればいいか?同じ傷を負わないよう、やはり立ち向かうしかない。
 目を背いたところで、何もかわりはしないのだから。
 少なくとも、シン・アスカは…前を見た。
 その先にある未来を…己の手で掴み取るために。

 デュランダルは、戦いを終わらすため戦力を宇宙に上げることになる。
「…シンとルナマリアは未帰還か」
 レイは悔しそうに拳を握り締める。騎士団の戦力を見誤った。
 そしてシンの行動…まさか敵を庇うとは。
 だが、あのステラという女が生きていたのだ。
 仕方が無いことなのかもしれない。
「だが、このまま…放っては置かない、ギルの計画を実現させるために」
 タリア率いるミネルバもまた、そんなレイを乗せて宇宙にと上がる。
 一度プラントに戻り戦力を立て直してから、
 騎士団とロゴスの部隊がいる月面ダイダロス基地に向けて攻撃を仕掛けるために。
466コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:56:29 ID:???
「…君は、宇宙に上がったら、身を隠すといい」
 デュランダルはミーアにそう声をかける。
 本物のラクスが現れたことで世間は大きく割れていたが、アークエンジェルにいるラクスが本物という意見が強まり始めていた。
 デュランダルは、ミーアを使っての大衆の力を使うことが困難になり始めていることを知り、今後は遣わない方針を固めていた。
「…私は用済みですか?」
 ミーアは不安そうに問いかける。
 デュランダルは顔を横に振り
「君には、戦後のために生きてもらわなくてはいけない。
 ラクス・クラインとの戦いの中で、彼女を…こうは考えたくは無いが討つことがあるかもしれない。
 もし、そのときがきてしまったら、君は、その後継者となるんだ」
「私が?」
「あぁ、そのときは…本当のラクス・クラインを君にあげることを約束しよう。だから、そのときのために身を隠していてくれ。安全な場所を用意させる」
 ミーアは頷くが、アスランに言われた言葉がどうにも頭の中に残っている。
 もしかして議長は、このまま私を…。そう思うと不安になる。

 オーブの艦隊もまた宇宙にと向かう…全ての戦いを終わらすために。
「アスラン、よく戻ってきてくれましたね。あなたのための機体も用意してあります。これでぜひ頑張ってくださいね」
「ありがとう、ラクス。俺は…必ず、この戦いに勝って…」
「えぇ、すべては平和の歌を世界に届けるため…」
 ラクスは微笑みながらアスランに告げる。
 誰もが戦いを止めようと動く、誰もが戦いを争いを止めようと考える。
 それを諦めるもの、認めるもの…利益とするもの、新たな力で止めようとするもの。
 ラクスは、それらのどれもを否定する。

 戦いは…終わります。
 私の手で、私の歌で……終わらして見せますわ。
 そう…人知を超えた『ギアス』という歌で。
467コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/11(木) 19:57:34 ID:???
投下終了。

はやくも10作目です。
みなさんのコメのおかげです、ありがとうございます。
次回は、少し番外編を投下しようかと思います。
468通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 20:18:57 ID:???
ピンクがギアスユーザーなのか
こりゃマジで〇キオがコード持ちな展開かもな
469通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 20:22:50 ID:???
支援
470通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 20:27:22 ID:???
シュナイゼルが取ったようなことをラクスに仕掛けたりするのかなw
471通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 21:26:11 ID:???
ギアスという名の歌。
物凄く納得できた。
472通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 21:56:35 ID:???
〇キオにVVや巻きロール皇帝が憑依してても驚かない
473通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 22:24:57 ID:???
ルルーシュの敵は常に強大だな。

まあシンとルナマリアが加入しそうだからいいけど。
474通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 23:31:26 ID:???
そのシンとルナマリアと新型MSを失ったザフトは…
今のところザフトにはギアス持ちもいないようだし、一番不利なのではw
475通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 00:53:06 ID:???
適当にまとめてみた
黒の騎士団
(主な人物)
ルルーシュ、カレン、C.C.、ステラ、シン、ルナマリア、ラクシャータ、ジブリール(?)
(主な戦力)
ナイトメア系MS群、ダイダロス基地
AA組
(主な人物)
ラクス、キラ、凸、カガリ、ムウ、バルトフェルド、ドム三人組
(主な戦力)
ストフリ、インジャ、アカツキ、ドム、オーブ軍、ザフトのクライン派
ザフト
(主な人物)
議長、レイ、タリア
(主な戦力)
レジェンド、ザフト軍、メサイヤ

議長やばくね?
476通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 00:57:01 ID:???
一応、イザーク達のの存在を忘れないでくれ。
ギアスで寝返りそうだけど。
477通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 01:36:41 ID:???
そういやアスランが乗ってた新型ってどうなったんだ?
478通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 01:53:55 ID:???
ザフトは解体
合衆国砂時計になります
479通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 03:11:37 ID:???
>>475
あと騎士団メイリンにAAマリューか
どの道議長やばくね?に違いないが
あ、クロー(ry
いや何でもない。忘れてくれ
数ではどう考えても連合が有利だし大変だな
480通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 04:04:13 ID:???
>>477
ファクトリー脅威のメカニズムで、次の実戦までにはデータを全部取られて
予備パーツ込みで運用可能状態になって、しばらくしたら発展型まで出てきます
481通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 06:03:45 ID:???
融合炉を抜かれ和田、隠者がパワーアップ
議長に勝ててもAA組に大敗しシン+ギアス組がF+EDと言った可能性も
482通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 06:08:09 ID:???
>>481
原作EDをやるならクロスする意味は無いから無いだろJK
483通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 07:38:10 ID:???
遅レスだけど
>>357それは衝撃波が原因で、現在では内張りによる衝撃波減衰や
中空構造、浮き床構造により解決されてる。
因みにPS装甲の機体にミサイルや砲弾が直撃したとしても
シートや宇宙服で衝撃波が伝達できなければ中の人に大きな影響は無い。
484通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 07:41:30 ID:???
クロスする意味は無いから作者は原作EDはやるなよJK
485487:2008/12/12(金) 07:51:24 ID:???
>>487
書き足し
まあ、人間が耐えられない加速度に機体を加速できる
威力の有る攻撃なら別だけど。
486483:2008/12/12(金) 07:53:03 ID:???
訂正
>>485は>483
487通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 10:18:17 ID:???
CEにおぼっちゃまくんのキャラがやって来たら
488通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 10:34:45 ID:???
CEにロストチャイルドのレイリア達が来たら
489通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 11:17:56 ID:???
>>485
>>487
おぼっちゃまくんのキャラが、
人間が耐えられない加速度に機体を加速できる威力のある攻撃をできる、
と読んだ
490通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 12:12:17 ID:???
種の世界にファイレクシアが来たら
491通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 12:24:51 ID:???
>>490
マルキオの正体がウルザで開かれ無かった両目が実はパワーストーンでMSもコーディネーターも海神様も羽根鯨も対ファイレクシアの兵器だった!
492通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 13:23:02 ID:???
もしも種の世界にCBが来たら

種とCBのクロス作品ってなぜか無いよな
まとめサイトにあるのはネタ系だけだし
493通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 13:44:46 ID:???
つまんない物同士を掛け合わせても・・・ってことかもね
494通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 13:49:53 ID:???
00がつまらないと申したか
495通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 14:14:58 ID:???
種死にVガンダムの面々がやってきたら

シャクティ(天使の環)VSラクス、キラ様VSカテジナさんという夢の対決!凸?クロノクルとでも戦ってれば良いよ
496通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 14:18:05 ID:???
>>492
そりゃそうだ。
今の状態でも三つ巴なのに、もう一つ良くわからない連中が増えてもさらに混乱するだけだろ。
497通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 17:38:17 ID:???
>>488
脚本家が仕事投げ出して他人に書かせるんですね、分かります






……あれ、種の場合はそのほうがいい気がしてきたぞ?
498通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 18:43:27 ID:???
>>497
化学反応で奇蹟が起きたりして



種死世界でブラスレイターとかも面白そうだな
MS一杯だから融合体の被害甚大
融合体の対処に追われ戦争する体力の無い連合
プラントも一機丸々融合体に侵されパニック状態とか


悪魔<デモニアック>化したが最後救いなんて一切無い陰鬱なストーリーに成りそうだけど悪魔化したシンとか見てみたいかも
499コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 19:56:29 ID:???
番外編投下します。
500コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 19:58:02 ID:???
コードギアス・DESTINY 番外編

 かしましい夜に

 シンが意識を回復した、その日…、月のダイダロス基地のメイリンの一室にてメイリンの呼びかけに集まったものたち。
「どうしたのよ?こんな時に、こんな人たちと一緒に呼び出すなんて」
 ルナマリアはムスっとした顔でその場にいるものたちを見ながら言う。
「随分な言い草だな。私も…ひょいひょいと敵についてきた女と一緒に呼び出されるのは、少し気が進まないな」
 C.C.の言葉にルナマリアはムカっときたのか、言い返そうとしたが、
「まぁまぁお姉ちゃんも、C.C.さんも落ち着いてもらって」
「まったく…こういう大人になっちゃダメよ?ステラ」
「うん!」
 カレンは1人大人ぶりながら、ステラに話をする。
 そんなカレンを睨みつけるC.C.とルナマリア。
 一同は、部屋の中の小さなテーブルを囲うように集まっていた。
「ところで、なんなんだ?これは?」
 C.C.がメイリンに聞く。
「いちお、少しの間かもしれないけど、一緒にやっていくメンバーとして…交流を深めよう!ってな感じでね」
 メイリンは1人テンション高く声を上げながら、みんなを見る。
「…私は仲良しこよしはごめんだ。帰るぞ」
「私も、別に仲間になったつもりはないわ」
 C.C.とルナマリアがそういって席を立とうとする。
「C.C.…みんな嫌い?」
 ステラがどこか寂しげに聞く。
 その背後ではカレンがジェスチャーをしながら、ステラを泣かせるのか、鬼〜悪魔〜といったことをやっている。
 C.C.は大きく溜息をつきながらその場に座る。
「……少しだけだぞ?」
「ありがとう、C.C.」
 ステラは満面の笑顔でC.C.にいう。その笑顔をみないようC.C.はそっぽを向く。
 どうにもステラには強くでれない。
 この天然的な性格故か。純粋だからか。厄介だ。
「ほら〜お姉ちゃんも…、お願い」
 メイリンはルナマリアをキラキラとした瞳で見つめる。
 ルナマリアもまた、妹には弱い。
 仕方が無く頭をかきながら席にと着く。
501コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 19:59:22 ID:???
「それで、なんの話をするの?メイリン?」
 カレンの言葉にメイリンは考えながら
「別に、ただ話せばいいと思ったんですけど、そういうとやりづらいかな〜…ということで、恋愛の話にしましょう!」
「ありきたりだな」
 C.C.はばっさりと切り捨てる。
「恋愛ってなに?」
 ステラは不思議そうに周りのメンバーを見ながら問いかける。
 その反応に思わずガクリと首を落すメイリンとカレン。
「んもぉ〜、随分と夢が無い連中ね」
「っていうことは、カレンはあるわけ?」
 早速食いついてくるのは、なんだかんだでこういう話が好きなルナマリアである。
 なんせ、ミネルバでは女の子のクルーなどメイリンぐらいしかいない。
 こういう女の子だけの空間というのは実は物凄い新鮮なのである。
「え!?わ、私?」
 その突如の先制パンチに、カレンは慌てている。
 そんなカレンを置いてC.C.がボソっと。
「あ〜、カレンはゼロが好きなようだぞ」
「ぬわぁんで、あんたが答えるのよ!!」
「違うのか?」
「いや、だから…そういうことじゃなくて…、だ、だいたい!あんたこそどうなのよ!!
 私が捕まっている間とか、ブリタニアについたあたりとか…、なにかしたんじゃないの?」
「さぁーな…、もうそういうのは超越した」
「はあ!?」
 C.C.の解答にみなの視線が集まる。
 C.C.はそんな一同を見ながら…。
「はぁー…、ゼロはあーみえて気が小さいんだ。キスさえ、こちらからしなければいけない。
 まったく情けない奴だ。いくらアプローチをかけても乗ってこない…だからあいつは童t…」
「何回!?何回、キスしたのよ!!」
 食い入るように見つめるカレン。C.C.はそんなカレンを見ながら
「二回だ」
「っしゃあああ!!負けてない!!」
 一人喜ぶカレンにC.C.は競争心など持ち合わせているわけではないのに、なぜか、素直に喜ぶカレンにむかついた。
 メイリンとルナマリアは、カレンとC.C.という2人の性格がなんとなくわかってきていた。
 ゼロから聞いた『戦場の2人はプリキュア』という意味もなんとなく分かる気がする。
502コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 20:00:29 ID:???
「…それで、私達は話したんだから、次はお前達だぞ」
 C.C.は話題をそらそうとメイリンとルナマリアたちのほうを見る。
 メイリンとルナマリアは視線を交えて、どっちが先に話すかをお互い譲り合っている。
「まぁ、ルナマリアは…シンなんでしょうね」
「え!?そうなのお姉ちゃん?」
 カレンの言葉にメイリンがのっかる。ルナマリアは顔を赤くして手を振りながら、とぎまぎしている。
「だいたいわかる。あの状況でシンを助けたいというぐらいだからな」
 カレンに続いてC.C.も話しにのっかってくる。
「だ、だってやっぱり…た、頼りになるし。だけど、子供っぽいところは、引っ張りたくなるって言うか…」
 ルナマリアは、いいにくそうに、言葉を選びながら言う。
「そうなんだ…意外だなお姉ちゃん、アスランさんから、随分と変わっちゃったんだね」
 メイリンはミネルバの当初のアスランに対するルナマリアの印象が強いようだ。
「憧れは憧れなのよ!」
 ルナマリアは顔を真っ赤にしながらメイリンに言う。
「ステラもシンが好き!」
 そのステラの言葉にルナマリアが視線を向ける。あきらかに敵意の目だ。
「お姉ちゃん…、ステラの好きは、私がお姉ちゃんに向ける好きっていうのと同じだよ」
 メイリンはそういってルナマリアを落ち着かせる。
「メイリンは、ルナマリアに…キスっていうのするの?」
 ステラは『好き』な人に対しては『キス』をするものだと誤解をしている。
「え?えぇ!?」
「なんで!姉妹でしなきゃいけないのよ!」
 驚くメイリンとルナマリア。
503コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 20:01:23 ID:???
「私とカレンはしたぞ」

「「!?」」
 その言葉に驚くルナマリアとメイリン。今度はカレンが顔を真っ赤にする番である。
「それは、あんたが記憶を取り戻させるために勝手にしただけでしょう!!」
「「したんだ!!?」」
 姉妹揃って息が合っている。
「カレンとC.C.は、好きなんだ?」
「ちょ、ちょっと!おかしな展開になってない?なってるわよね?」
 ルナマリアが話を修正しようと周りに話しかけるが、誰も聞いていない。
「なら、ステラもみんなが好き。だからみんなとキスする」
「「えぇー!?」」
 既に撤退の準備を始めているカレンの腕を捕まえるC.C.
 その目は先ほど自分をバカにしたときの復讐という意味合いがこめられている。
「カレンもステラが好きだものな…」
「わぁ、わぁあああああ!!」
 カレン戦死…。
「さて、ルナマリア、メイリン…次はどっちにする?」
「め、メイリン…物事は経験よ!」
「お姉ちゃんこそ、ここはなんでも先に経験しとくべきだよ。お姉ちゃんだし…」
「ルナマリア、メイリン…ステラ、嫌い?」
 近づいてくるステラ…。

「「いやああああああ!!!」」

 翌日…。
「どうした?ステラなんだか楽しそうだが…」
 ゼロが問いかける中、ステラは何も答えず、笑いながら立ち去っていく。
 


Q.なぜゼロがステラのキスに襲われなかったか?
A.ゼロには口が無いから。by C.C.

504コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/12(金) 20:02:23 ID:???
投下終了です。

明日からは普通に。
最終話はおそらく15話ぐらいになる予定
505通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 20:06:35 ID:jspvKcgF
案外早いですなぁ・・・とにもかくにも乙

シンとステラが幸せになりさえすれば万事良し、できればレイも
でもやっぱりラクシズは鼻折れて欲しい
そここそギアスの使いどころだが・・・ラクスやキラの思考様式を考えると
素で利かなそうな気がして怖い
506通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 20:07:28 ID:???
sage忘れました
ごめんなさい・・・
507通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 20:10:45 ID:???
>>503
GJ!
時に無駄になったコーヒー代とクリーニング代の請求書を送るが宜しいか?
508通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 12:09:52 ID:???
いきなりギャグ路線をやられてもなー
509コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:15:42 ID:???
本編投下します
510コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:17:29 ID:???

第11話 ラクス・クライン

「議長であったシーゲル・クラインの娘、ラクス・クライン…」
 資料を見ながらゼロ=ルルーシュは、その姿を眺めていた。
 魅力的なものではあるかもしれないが…。
 この女が前の大戦を抑え込み、集結させたというのは、なかなか信用できないものだ。
「どうした?シン・アスカ、ルナマリア・ホークを尋問するんじゃないのか?」
 C.C.が声をかける。
 手術後、シン・アスカは目を覚まし、今はベットで安静な状況だ。
 ルナマリア・ホークに関してもステラ、カレンを交代で監視としている。
「今はそれどころではない。月の軍備を合わせ、さらにはジブリールの指示の元で例の兵器を実戦配備中だ。
 近いうちにザフトはここを攻め込んでくるだろう。その前に敵を崩せるところから崩しておきたい」
「…それで、様々な所に諜報部を動かしていたようだが、面白いものが引っ掛かったぞ」
 C.C.は一枚の写真をルルーシュの前に出す。
 それは帽子を被り、眼鏡をかけて移動するものの姿。
「ラクス・クライン?」
「その影武者に仕立てられた女のほうだろうな」
「…さて、どうするか。こんな簡単に所在がばれるようでは…」
 ルルーシュはイスにもたれながら考える。
 今更、このラクスの偽物に利用価値があるかどうか…。
 どうせなら本物のラクス・クラインのほうに用があるのだが。
 いないよりかは、あったほうがましか…。それに、仮にもラクス・クラインを務めたものだ。
 デュランダルと近くにいた可能性はある。
 情報収集は常に必要だ。さらには、これだけザルな警備。
 他にもこの偽物に用があるものにも…あえるかもしれない。
 無論、罠という可能性も考慮に含めなくてはいけないが。
「私が直接行こう。護衛を数人…ステラとカレンは置いておこう、もしもの場合に備えて、ナイトメアフレームに乗れるものは残しておくことが必要だ」
「では、早速行こう。あいつのことだ。知ったらついてくるぞ」
 カレンが気がつくのは、これから一時間後のことだ。
 
「またC.C.の奴、ルルーシュ勝手にどっかにつれてったな!!ッヴァァカアアアア!!」

 案の定怒鳴るカレンを見て、メイリンは笑い、ルナマリアとステラは顔を見合わせる。
511コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:20:01 ID:???
 こうしてカレンを置いて、ルルーシュとC.C.は護衛を数人連れてミーアがいる、
 月面の連合軍、ザフトどちらにも属さない、中立都市であるコペルニクスに乗り込むことになる。
 勿論ゼロの仮面などは使うことが出来ないからルルーシュの素顔で向かうことになる。
 こういうときのためではないが、
 ゼロというものは有名だが、ルルーシュというものでは、この世界では容易く様々なところに向かうことができる。
「久しぶりなんじゃないか?ルルーシュとして行動するのは」
「スザクは、こういったことは二度と味わえないわけか」
 スザクという立場を捨ててゼロという存在になったスザク…。
 世界を壊し、そして創生するのはそれだけの覚悟が必要だ。
 そのために、人殺しという傷をナナリーに負わし、シャーリーたちも犠牲にしてきた。
「自分が選んだ道なのだろう?」
「…感謝しているさ。お前にも…そして俺につき従うカレンも」
「フ…、嫌な奴だ。今はカレンのことぐらい忘れさせてもらいたいものだな」
 2人は、旅客機にて、偽ラクスがいるコペルニクスに潜入することになる。
 その場にいる諜報員と合流。偽ラクスを確保する作戦が立たれた。
 時間はさほどない。
 なにせザフトの総攻撃が始まる前には、ダイダロス基地に戻り戦う体制を整えておかなくてはいけない。
 後は…月面における最終兵器の完成が待たれるわけだ。
 月面都市を見て、最初は驚いた。
 このような地球環境を持ったものが月に存在しているということに。
 これだけの科学力をもちえていながらも、人間は相変わらず、無益な戦いを繰り広げているのか。
 いや、これだけの科学力をもっているからこそ、あふれ出す利益…。人間は宇宙に出るのは未だ早い存在なのかもしれない。
 精神的に未発達な子供が、外に出たところで周りに迷惑しかかけない。
 諜報員たちは既に偽ラクスを発見、敵に見つからないよう監視をしているところに合流するルルーシュ。
「敵の護衛は?」
「さほど見かけられはしないが…?ん、あの女、護衛から離れたぞ」
「なに?」
 双眼鏡をピザを食べているC.C.から取ってそれを見る。
 どうやら変装をしていた偽ラクスは、護衛にトイレといってレストラン内部にはいり、そこで窓から逃げ出したようだ。
 誰かに会いに行く予定でもあるということか。
 このタイミングで会いそうな奴といえば…。

「部隊を集め、先回りをしろ!すぐに取り押さえる」

 ミーアは怖くなった。
 自分を守る護衛に言われたのだ。
 ラクス暗殺に協力すれば、貴方の活躍の場が生まれる。
 だが、それがなければ…あなたは存在する価値が無いと。
 ラクス様はここにきている。私がわざと見つかるように…囮としてだ。
 私はラクス様になりたい。あの優雅に歌を謡い、自分とは逆に輝かしい人生を歩むあの方に…、
 だけど、そのために…私はラクス様を殺すことになる。
 矛盾…だけど私はやらなくてはいけない。
 私の存在をかけて。
 そこは…公園だった。
 周りを森林に囲まれながら、どこか昔のお城をイメージされた建物が残る場所…。
 ここで…待ち合わせをしている。
 そして、ここがラクス様殺害の現場となる。
512コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:22:44 ID:???
「ミーア」

 振り返るミーア、そこにはアスランがいた。
 オーブ、ザフト、騎士団に流れわたりながら…その中で本来の居場所を見つけ出したのね。
 偽物の私では、やはりラクス様の代わりは出来ない。
「大丈夫か?」
「えぇ…私は、なんとか隙を見て逃げ出してきましたから」
 ミーアも視線はアスランにはいらない。
 そう、来ているだろうラクス・クラインを探している。
「あなたが…、ミーア・キャンベルさんなのですね?」
「ラクス?」
 出て行くことを押し留めようとしたキラとともに、建物の影から姿を現すラクス。ピンクの長い髪、そして透き通るような声…。
 いつも鏡で見ている自分と同じ姿をするもの。
 いや、鏡に映っているものは自分のほう。虚像、模写、コピー…。結局自分は成り代わることしか出来ない存在。
 そう、今日、私はそれから脱却する。いつも隠れていた。自分の容姿に、自分の性格に。
 誰からも受け入れられず、好かれない。
 そんな私に議長は手を差し伸べてくれた。
 私にラクスとなってくれと、言ってくれた。
 嫌いなミーア・キャンベルは死んだ。
 そして私は生まれ変わった。
 ラクス・クラインに…憧れだった存在になれたんだ。だから…、私は。
「私は…ラクスをやめたくない!!」
 ミーアは腰から拳銃を握りラクスにむける。
「ミーア!」
「くっ!」
 キラがラクスの前に立ち、アスランはミーアの行動を押し留めるように大声を出す。
 ミーアは拳銃をラクスに向けながらも、身体が震えている。
「かまいませんわ、キラ…」
 自分を守るキラにどいてもらい、ラクスはミーアを見つめる。
「ラクス・クラインが欲しいのでしたら、差し上げますわ。
 名前なんて、誰かを特定するためだけの仮初のものに過ぎませんわ。 人間を判断できる材料は、心ですもの」
 ミーアは、目に涙を浮かべる。
 どうして…どうして自分は、こんなにも劣等感を感じなくてはいけないのか。
 拳銃を持ち、私のほうが明らかに有利に立っているというのに、ラクス様の言葉は、私をどれほど小さい存在かということを認識させる。
「私は、私は…」
 その場で膝をついて身体を落とすミーア、拳銃を握っていた腕も力なく下がっていく。
「ミーアさん、人は、誰かになることなんか出来ませんわ。人それぞれ、その人にしか出来ない、その人にしか歌えないものがあるものです。あなたにだって…」
「イヤなんです。私…ラクス様がいいんです。ラクス様になれて、みんなに愛されて…幸せで…」
 ミーアは自分が思っている言葉が次々と溢れてくる。
 議長とともにいたときに抑えていた言葉。
 ラクスに対する敬愛と嫉妬…。
513コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:24:30 ID:???
「それは、あなたが愛されていることにはなりませんわ?」
「それでもかまいません…。どうせなら、ミーアでいたことの記憶をなくしてしまいたい」
「…わかりました。それでしたら、私とともにきませんか?」
「え?」
 ミーアは顔をあげて、ラクスを見つめる。ラクスは優しい笑みを向けて手を伸ばす。
「あなたが、自分を見つけられるまで…私とあなたでラクスを演じましょう?一役2人ですわ」
 その優しい微笑み、ミーアはすべてを委ねてしまいたくなるほどだった。
 これがラクス・クラインという名の光。
 ミーアはラクスに手を伸ばし、彼女の手を握ろうとした。

 そこで響きわたる銃声。
「!?」
 キラとアスランがミーアとラクスを建物の陰に隠し、自分たちも隠れながら周りの様子を伺う。
 どうやら公園の中で銃撃戦が行われている。
 誰と誰が戦って!?

「…お初にお目にかかるな。ラクス・クライン」

 それはゼロ。
 黒き仮面を持ち、オーブを制圧し、今は月のダイダロス基地にいるもの。
 悪魔・魔王、それらの言葉で表される一方でオーブを解放した救世主とも言われている謎の存在。
「そこの偽ラクスについてきた暗殺部隊は私がすべて処理した」
 ミーアは何も知らないといった風に首を横に振る。
 建物の影で、怯え震えているミーアを優しく包むラクス。
「でてきてもらおう?いるのだろう…」
 ラクスはミーアを包んだまま姿を現す。その凛々しい姿は容姿が同じとはいえ、どちらが本物のラクスなのか一目瞭然である。
「あなたが…ゼロですか?」
 ラクスを守るようにしてたつ、キラとアスラン。
 ルルーシュからしてみれば、アスランには裏切り者が、と怒鳴ってやりたいところだが…、
 これ以上に裏切ってきた男を知っている身としては、深くは突っ込めない。
「あなたの鶴の一声で、戦局を変えてしまう手腕には脱帽したよ。
 王が、いや、この場合はクイーンか、戦場に自ら出るところも感服するな。
 王が動かなければ部下はついてこない。だが、お前の…その力はやがてこの世界に対する驚異となる」
「始まった戦いは、誰かが終わらせなくてはいけません」
「それがお前だというのか?お前達のやっている行為は戦いを無用に広げているようにしか見えないぞ」
514コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:26:16 ID:???
 アークエンジェルの出現。
 ベルリンでの戦いでも、もう少しでステラが殺されそうになった。
 確かに、あの場合では戦火を広げるデストロイを倒すのは間違ってはいないかもしれない。
 だが、彼らのようにどこの軍にも属さず戦いを納めようとすることは混乱しか生み出さない。
「私達は、今はオーブに属する軍として、この戦いを終わらせます」
「お前の自慢の歌声でか?世界の人間全てが、お前の歌声に聞き惚れはしない」
「いいえ。聞きますわ」
「たいした自信だ。ならば…」
 ゼロが指を鳴らすと、前にラクスを包囲するように、ゼロの部隊が姿を現す。
 ゼロの部隊は銃を握りラクスたちを取り囲む。
 さすがのキラとアスランといえどこの人数ではどうすることも出来まい。
「この状況で、その貴様の力…見せてみろ!」
 ラクス・クライン…この女はやはり、早めに始末しておくべきだな。
 何事にも動じない、その覚悟といい…敵に回ると厄介だ。
「ラクス様…」
「…」
 ラクス・クラインは包んでいたミーアを離し、前に出る。
 キラとアスランは止めようとするが、ラクスは恐怖を感じないのか…動じない。

「いいでしょう、見せて差し上げますわ、これが…私の力です」

 ラクスは、目からコンタクトを外す…その見せた目は赤く輝く。
 周りが一気に赤いオーラに包まれる。
 それはまさしく…ギアスの力。
「まさか…ギアス能力者!?」
「ルルーシュ、奴の目を見るな!」
 C.C.がルルーシュを押し倒し、ラクスからの視界から外す。
 ラクスは、ルルーシュ以外の兵士たちを見つめる。
 すると兵士達は、ラクスに向けていた銃を下ろすと、ラクスのほうに背中を向けて、こちら側に銃を向ける。
 ルルーシュは、ラクスの視線を避けるようにして、立ち上がる。
「これが、人々を引き付けるための裏か」
「フフ…あなたもギアスユーザーなのですね。それなら納得いきますわ。この短期間にオーブを制圧、ジブリールもその手中に収めてしまった意味が」
 ラクスは微笑みながら、ルルーシュとC.C.を見つめている。
 ラクスはそのまま、先ほどミーアが握っていた銃を拾い、ルルーシュたちに向ける。
「形勢逆転ですわ。どうします?黒の騎士団ゼロ…、ここで舞台を退場してもらいましょうか?」
 ルルーシュは、その突然のことに頭の整理が追いつかない。
 この世界にギアス能力者がいるとは…、能力は?降下範囲は?
 こちらのものが寝返った…ということは、
 くっ…、わからない。
 奴は何も口に出していないぞ!!ギアス検索は後回しだ。
 それよりも…今は、この状況をなんとかしなくては。
 このままでは…。

515コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/13(土) 20:27:29 ID:???
投下終了です。

516通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 20:35:06 ID:???
コンタクトを着けていると言うことはもう暴走段階まで入っているということか。
517通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 21:54:02 ID:???
ますます変な展開だな

オーブ奪取辺りまでは面白かったのに
518通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:48:07 ID:???
つかこれってR2終了後の話なんだよな
終盤のルルーシュって若本みたいにギアスを完全に制御できるようになったんじゃなかったっけ
目の前で手をかざす動きが明らかにコンタクト入れる動作じゃないとかどっかで言ってたような気するんだけど
519通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:50:14 ID:???
あ、コンタクト着けてたのはラクスか勘違いした
ってラクスのギアスは声じゃなかったんだ
520通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 22:56:37 ID:???
作者さんはいつになったら「ザフト」と「プラント」の区別がつくんだろう
521通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:32:38 ID:???
核分裂と核融合の区別がついてなかったり、新シャアの住人なら常識と言っていい知識をあまり知らないフシがあるね
普段あまりここに来ない人なのかも
522通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 23:33:26 ID:???
今こそラクスのセリフを使う時だな

私はザフトではありませんわ。ザフトとは…
523通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 01:15:56 ID:???
これって理想郷向きじゃね?
524通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 04:40:42 ID:???
理想郷とはなんぞや?
525通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 05:07:07 ID:???
なんか一気につまらなくなった
526通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 05:52:55 ID:???
>>524
インターネットという海の中にある、どこぞの投稿掲示板のこと
スコッパー御用達で時々面白いのがあったりするけど、大抵がメアリー・スー
そう俺は理解している

今更言わなくてもいいんじゃね?とは思う
どうせなら完結までやってもらえばいいんだよ
ステラの助け方の時点で「うわぁ、ルルーシュってすごいねー」なんだから
527通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 09:39:09 ID:???
某所にあるプロローグや1話だけの残骸を見れば、続きを作れるだけでも、「本当の最低」からは脱してると思うよ。
528通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 09:54:23 ID:???
ギアスの人の自分の評価は、
傑作じゃないけど、更新がものすごく早いし話がさばさば進むから結構好きだ。
529通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 10:25:31 ID:???
>>524面白いSSもあればテンプレSSもあるサイトだよ
最近はなのはとゼロ魔が盛んでネギまとNARUTOがちょこちょこあるかな
530通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 12:05:37 ID:???
もしCEにドッグライフ&ドッグスタイルの犬塚研一が来たら
531通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 12:14:48 ID:???
>>530
ザクレロin種SSに来たらヘリオポリス発のグロ画像が世界中に配信されて更に狂気の世界が拡大する。
532通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 13:21:38 ID:???
無印の時点で、AAが破壊されて代わりに機動娼艦ヴィクトワールが来たら
533通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 15:08:10 ID:???
>>532
エロパロ池
534通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 15:28:15 ID:???
>>532
あからさまなパロディキャラだけど、ほぼ全員が能力・性格共にパロ元より遥かに優れているから種ってのは恐ろしいw
535通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 15:44:07 ID:???
とりあえず完結を待つ。
でも、だれかSSの書ける人がいたら無印種の時点でのルルーシュによるオーブ乗っ取り、ブルーコスモス、ザフトを相手の戦争&政治劇を書いてほしい。
題名は反逆のルルー種
536通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 15:53:10 ID:???
唐突に『皇帝』を名乗り、『ぶるぅわあああぁぁぁぁぁ』と叫ぶウズミ様ですね?
537コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:06:04 ID:???
投下します。
538コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:08:41 ID:???

第12話 ディスティニープラン

「形勢逆転ですわ。どうします?黒の騎士団ゼロ…、ここで退場してもらいましょうか?」
 ラクスの持つギアス能力を前に、自分たちの兵士だったものを敵にとられ、身動きが取れないルルーシュとC.C.
 まさしく絶望的だ。
 こんなところで…こんなところで、やられるわけにはいかないというのに!!
 そんなときだ。何かが接近する音。風が大きく吹く。

「こらぁあ!ルルーシュ、C.C.何勝手に2人で、でていってんのよ!」

 それは紅蓮に乗ったカレンである。こんな町のど真ん中に、ナイトメアフレームで乗り込んでくるとは…、
 だが、今はこれで助かった。ラクスたちもその突然のナイトメアフレームの登場に驚いている。
 C.C.は腰から銃を抜き取り、目の前にいるラクスにめがけ撃つ。
 彼女の存在が危険であることは、C.C.が一番理解をしている。
「ダメ!」
 その声と供にミーアはラクスを横から、身体で押し、銃弾からラクスを庇う。
 ミーアの身体は銃弾に撃たれ、その場に倒れる。
「ちっ、外したか…」
 C.C.は悔しそうにいうと、紅蓮に乗り込む。
 ルルーシュは、混乱するその場にいるものたちを見て、ラクスを確保しようとするが…既に建物の中にラクスは隠れてしまっている。
 このままギアス能力者を野放しにはしておけないというのに。
「カレン!あの女を、捕まえろ!」
 ルルーシュは、このときラクスを捕らえたかったが、既にアスランたちにより、
 ラクスは逃げ出しており、その場で倒れているミーアしかナイトメアフレームで捕まえることは出来なかったからだ。
「女って、倒れているの?」
「そうだ。手で捕まえ、急いで離脱しろ!」
「ったく、一人用の操縦席に2人も乗り込んで…きゃ!き、きっついんだからぁ!」
 カレンは輻射波動がついていない腕に、2人のラクスのうち…倒れているミーアを確保。その場を離脱する。
 ルルーシュは窮屈な体勢の中で考えていた。
 今までの不可解な動きについて、アスランの裏切り、そしてオーブ市民の動き。
 これらはすべて、このラクス・クラインのギアスによる力のせいということになる。
 ラクス・クラインの容姿、そして声…これらがこの世界に対して強い力となっているのは事実だ。
 それがギアスのせいだとして…。どういった効果なのかがわからない。
 俺と同じように命令するギアスなのか…。
 だが、兵士達には命令していなかった。だとしたら別のことだ。
「…ルルーシュ、ギアス保持者がいるということは、私と同じくコードを持っているものがいるということになる」
 C.C.の言葉通り…、ギアスを手に入れるには、不老不死の力を持つコードを持つものがいるはずだ。
 そいつがこの世界にいるということになる。
「なるほど。それも聞き出さなくてはいけないな。俺たちと同じく世界を超えてきたということになる。
 それに、そいつがいるとなると…他にもギアス能力者が?」
「わからないが…、可能性はあるな」
「ねぇ!人の頭の上でベラベラ喋らないでもっとわかりやすく話して頂戴!」
 コクピットに押し込まれているカレンは、
 機体を揺らしながら、ここまで乗ってきた偽装船に辿り着き、そのままコペルニクスをなんとか脱出する。
539コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:11:00 ID:???
「それで、なにしてるんだい?あんた達」
 ディスティニーを改修している最中、勝手に出撃した挙句、敵の追跡をかわすために無理をしたこともあり、
 帰って来た紅蓮とカレン、ルルーシュ、C.C.にラクシャータは呆れた顔で出迎える。
 銃で撃たれたミーアが医務室に運ばれる中で、紅蓮もまた忙しい中で各部分のチェックを見なくてはいけなくなってしまっからだ。
 カレン、C.C.、ルルーシュともども説教されることになる。

「…お前のせいでえらい目に会ったぞ」
「私のせいじゃない、カレンのせいだ」
 文句を言うC.C.は先ほどのことを考えていた。
 ラクスのギアスのことを。
「ルルーシュ、ラクス・クラインの持つギアスは…」
「あぁ。目からのギアスということになる。だとすれば、オーブやアスランが離反した理由はよくわからないな」
「…ギアスは以前に使用したことがあれば、その効果が継続されている可能性がある」
「ということは、一度オーブのものたちにも…アスランにもギアスを使用したということか…。
 となると、使ったことがあるのは前大戦。そのときからギアスを持っていたのか」
 ラクス・クラインのギアスの効果が何かはわからないが、今回のことで、奴の目を見ることにより、味方にひきずりこまれてしまうことだけはわかった。
 驚異には違いない。しかし、目からのギアスであれば、相手の目を見なければ問題は無い。
 そう決め付けてしまうのは危険ではあるが…。
 もう少し情報が必要になるだろう。
 月面の司令部に戻った2人は、ようやく完成した、月面における軌道間全方位戦略砲『レクイエム』を眺める。
「これか…本格的なことはジブリールがほとんどやってくれていたからな。こっちは最終調整だけを行えばよかっただけだったが、それでも時間がかかった」
「それで…これをどうする?プラントに撃ち込むか?」
「そんなことをすれば泥沼の戦争になる。あくまでこれは民衆が敵意を向けるための手段だ。シュナイゼルが使った天空要塞ダモクレスのように…」
 かつてシュナイゼルに動かされていたルルーシュの妹であるナナリーが、したように…これを民衆全ての敵意として存在させることで、世界中の人間の心を1つにしようとしたことがあった。
 それは、ルルーシュがナナリーには、その役割ではないとして潰したのだが。
 それをここで行おうというのだ。この凶悪な兵器を前にして、誰も歯向かう者はいなくなるだろう。
 そう考えたのである。
「…この発射により、ザフトは手が出せなくなるはずだ」
「だといいがな…」
「目標、プラントの直上!発射!!」
540コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:12:47 ID:???
 ルナマリアは、放たれる光を眺めていた。あれが…プラントに向けて撃たれているというの?
 自分はプラントを守るべきはずの人間なのに、ただ見ていることしか出来ないなんて。
「大丈夫。ゼロは…優しい」
 自分を監視するためのステラがそんなことを笑顔で言うもんだから、この放たれる光がまるで現実が無い。
 メイリンが、2人のために飲み物を持ってくる。
「ありがと、メイリン」
 ステラは無邪気にお礼を言う。
 こんな彼女を見てしまうと、本当にあのガンダムを強奪し戦いを行っていたものの一人なのかと疑いたくなってしまう。
「不思議だと思わない?お姉ちゃん?」
「なに?」
「カレンさんにも話したんだけど…、私達ザフトがいて、ステラっていう連合の子がいて…
 ここにいるのはみんな敵だった人たちばかり、だけどこうして一緒にいることができる。
 戦う事なんかしないで話をして…」
 ルナマリアは飲んでいたペットボトルを下におろす。
 戦うことに疑問なんか持たなかった。
 ただ、言われたとおり…みんなが平和に過ごせる世界を作り出すために、連合をブルーコスモスを、ザフトにあだなすものを倒さなくちゃいけないという風に考えてきた。
 だけど…それは今こうして出来ている。
「…私達、なんのために戦っていたのかな」
「…」
「私、アスランさんについていったときね?何で自分がこんなことをしているのかよくわからなかった。
 だけどね、今ならわかるんだ。きっと…ザフトっていう視点にとらわれないところで、世界を見たかったのかもしれないって…」
「…ザフトにとらわれない視点」
 自分はずっとザフトの中で世界を見てきた。それがいけなかったっていうの?
 だけど、こうしてメイリンの言うとおり、分かり合える場所があるって言うことは、
 ザフトじゃわからなかったことかもしれない。
「お姉ちゃんは…これからどうするの?」
「…私は」
「私はね、もう少し…見ていたいっておもうの。
 ザフトだけじゃ見えない世界っていっぱいあると思うんだ」
 ルナマリアはいつの間にかメイリンが立派に成長していることに気がついた。
 いつも自分のことを慕って追いかけてくるだけだったのに…。
 今はこうして自分で考えて、自分で行動しようとしている。
 成長しきれていないのは自分のほう…。
「…はぁー。なんだかメイリンにすっごくお姉ちゃんっぽいこと言われてる気分」
 ルナマリアは、ペットボトルの飲み物をゴクゴクと飲む。
「そ、そうかな〜?」
「私、考えたことなかったもん。そんなこと…」
「普通はそうだよ。私が変なだけ…、それに今更ザフトに帰っても…」
 レイに言われた言葉…。自分もアスランと同じ反逆者であるということ。
「…私も、いいかな?」
 ルナマリアがメイリンを見つめる。
「え?」
「私も、見てみたい。外から見たザフトを…」
「ダメだよ!お姉ちゃんは、きっと…ここにいればザフトと戦うことになる」
「…例え、そうであっても。それぐらいの覚悟が無いと、真実って見えてこないと思うから」
 ルナマリアの言葉にメイリンは、ただ黙ってそれを受けいれることしか出来なかった。
 姉がいてくれることの安心感と、ザフトと戦うことになるだろう不安の両方が相まってなんともいえない気持ちが残る。
541コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:14:50 ID:???
「…月面からの攻撃を受けたと?」

 デュランダルは、巨大な閃光がプラント直上にめがけ放たれたと報告を受けた。たいした威力である。
 まともにくらっていれば、プラントは壊滅していたであろう。
 さらには月から、こちらは直線上にあるわけではない。
 コロニーのような筒を利用し、レーザーを曲げて、こちらを狙って撃ってきているのだ。
「しかし、議長。敵は狙いを外しました。向こうのレーザーは完全ではありません」
「いや…、わざと外したのだろう。これは警告のつもりか。ゼロ…」
 デュランダルの元にはいってきた、ミーアが奪取されたということ…。
 ラクス・クラインではなく、ゼロであったことが救いだ。
 そもそも、この事件はゼロにあててのメッセージでもあるわけだが。
「…ザフト艦隊に、月面に向けて出撃を」
「ですが、あれが再び照射される恐れが」
「撃つつもりなら、既に撃ってくるよ。敵の射線上にはいらないよう遠回りをしてもかまわない。メサイアも移動をはじめてくれ。私もそっちに移る」
「はっ」
「…それと、マスコミを集めてくれ。重大なことを発表する」
 時間はそんなにない。
 急がなくてはいけない…、戦いがまだ、戦いであるうちに…。

 ラクシャータたち整備班は、無事に『レクイエム』が起動したことでのお祝いに沸いていた。
 やがてくる戦いの前のちょっとした一休みは必要だ。
 戦いは、終局に向かっている。このレクイエムにより、敵に攻撃をさせない、拮抗状態をつくるようにしたつもりだが…。
 俺の知るデュランダルでは、軍を差し向けるだろう…。
 このレクイエムの発射は、拮抗状態を作ることと、奴らに時間を稼がせることをしないためのものでもある。
 再び、アークエンジェルたち、ギアスを持つラクス・クラインが来ることも考えられるが、ここはオーブではないし、同じ鉄を二度は踏まない。
 
 ゼロは、そんなことを考えながら、ある部屋にはいる。
 それは、カレンやC.C.と話したように、ザフトのエースパイロットであるシン・アスカと話をするために。
 それによってはアスランと同じようにしないため、ギアスを講じる必要がある。
542コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:16:25 ID:???
「…お前が、シン・アスカか」

 ベットの前にたつ黒い仮面の男。シンは冷たい目で見つめる。
 こいつがゼロ。オーブを制圧して、ザフトに戦いを仕掛けたという奴。
「…なんで、俺なんか助けたんだ?俺はお前達の敵だぞ」
 シンは、ゼロに向かってそう言い放つ。
「あぁ、わかっている。誤解するな、助けたのは俺ではなくカレンだ。後で礼でも言っておくんだな」
 最初から敵意をむき出しにするシンに、ゼロもまたシンと同じように冷たく言う。
「…」
「…」
 暫くの沈黙、シンは、ゼロが何をしにきたのかわからないでいた。
 シンはゼロに背中をむけたままベットで寝転んでいる。
「…お前は、何のために戦っている?」
 シンの中に響く、その言葉…。
 自分は、マユと同じ人間を出さないために…戦っている。
 最初はそうだった。だけど、結局はマユと同じ被害者を作り出しているだけに過ぎなかった。
 そんなシンにマユは優しく語りかけ、どんなことでも受け入れる、傍にいるといってくれた。
 なら…、自分はどうするべきなのか。自分は…このまま戦うことを…。

 思い出す。
 今までの戦いを…。
 そこで見えてきたのは、ミネルバのみんな。
 レイ…ルナ…メイリン。
 それだけじゃない…。
 ステラ。

 俺は彼らとともに、彼らと一緒にいる世界を、守るために…戦っている。

 顔をあげ、ゼロを見るシン。
「俺は、俺の守りたいもののために戦っている」
 その言葉は、かつてゼロ=ルルーシュがスザクに問われ、答えた言葉と同じもの。
 結局は誰もが皆そうなのだろう。
 戦うもの全てに守りたいものがあるから戦う。だから、戦えるのだ。
 その規模が広がることで、このような戦争となる。
 ルルーシュは、どこの世界でも同じなんだなと実感をした。
「何かを成す為には、何かを否定することになる…。お前が守りたいものを守るためには、それ相応の覚悟が必要だ」
「…俺は、今あるルナマリアやステラの居場所を守るために、戦う」
「それが、お前がいたザフトと戦うことになってもか?」
「…俺はここで知った。連合だったステラ、そして騎士団のお前、ザフトの俺たち。
 みんながこうしていがみ合う事も争いあうこともなくある現実。俺は…これを伝える。
 それが、マユを作り出さないための道だ!」
543コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:17:50 ID:???
 C.C.から聞いた名前。
 愛する今は亡き妹…、おそらくは自分が味わったことよりも辛い経験をしてきたのだろう。
 それを乗り越え、復讐心を捨てて未来へと向かうその覚悟は、ルルーシュには考えられないものであった。
 だからこそ…彼を応援したい。
 彼の目指す未来に、自身の未来を重ねて…。
「いいだろう。お前が決めた道、私も手伝おう。同じ未来を目指す同志として」
「…俺は騎士団にはいったつもりはないからな」
「かまわない、所詮は騎士団もザフトも連合も枠組みでしかない。それに囚われないといったお前には、そんな名前は必要ないだろう」
 場の雰囲気も少しはほぐれ、ルルーシュとシンの話が纏まったところで、C.C.が部屋にはいってくる。
「ザフトの艦隊が向かってきている。旗艦はミネルバだ。到達までは、およそ6時間後になる。ゼロ、指示を頼むぞ」
 C.C.の言葉に頷き、ゼロは部屋を後にしようとする。そんなとき、シンはゼロを見ずに呼び止める。
「ゼロ……死ぬなよ、あんたにはまだ聞きたいことがあるから」
「フフ…お互いにな」
 ゼロは部屋を出て行く。
 1人残されたシンだったが…相手がザフトとなれば、ミネルバがくる。
 両者が戦うというのか、この前まで自分の家であった場所に…。
 シンは重たい身体を見ながらも、ベットから足を伸ばし床につける。

 月面ダイダロス基地内では、既に臨戦態勢になっている。
 戦艦、ローズクォーツも完成し、強力なハドロン砲を発射することが可能となった。この前のように一発撃って終わりではない。
 エネルギーの消費には気をつけなくてはならないが。
 こちらがレクイエムを発射した威嚇攻撃に対してなんの手段も講じないとは思えないが。
 ローズクォーツにゼロが乗艦したとき、カレンやステラたちが前方スクリーンのテレビ画面を見つめている。
 そこにうつるのはデュランダルである。
544コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:19:51 ID:???
『…人は戦いを続ける、それはなぜか?己の利益を常に求め続けるのが人間だからです。
 私はそれを否定はしない。ならば、私は人に正しい道を示すことが一番の戦争をなくす最善の方法であると考える。
 遺伝子解析により、その人間の正しい職業、適正、結婚相手を選ぶことで、人は大きく成長することができる。
 それこそが、私が世界の皆さんに訴えるディスティニープランなのです』

「…大きく出たなデュランダル。遺伝子統制による平和、随分と未来的じゃないか」
 C.C.の言葉を隣で聞きながら、ルルーシュは不思議に感じていた。
 デュランダルにしては、急いでいると。まだ時期尚早である。
 抵抗勢力である騎士団を倒した後に演説をしたほうが効果的だ。
 なんせ誰も抵抗できなくなっているというのに。
 今のままでは、こちらに同調するものもでてくる可能性がある。

「ギル…」
 レイ・ザ・バレルはMSレジェンドのチェックをしながら、そのデュランダルの話を聞いていた。
 自分たちの夢である計画。それをかなえるために、ここまできた。
 後は騎士団を倒せば全てが終わる。なんとしても…、この限りある命の中で。必ず…。

『黒の騎士団は、我々に対して月面から強力なレーザー砲を撃ってきましたが、我々はそれに臆することなく、断固とした覚悟で戦い…、
 そして誰もが争わず、確立された、成長することができる未来を作り出す世界をつくっていくことを、
 ここに約束するものであります。皆さん、もう少し私にお力添えをいただきたい』

 相変わらずだな、報道により、民衆を味方に引き込むか。
 今更、そんなことに意味があるとは思えないが…。
 …何を急いでいる、デュランダル…。
 ルルーシュは、デュランダルの気持ちが読みきれない。
「ゼロ、紅蓮や灰廉は宇宙用に換装して、平気だけど…数、連合軍のデストロイとかだけじゃ足りないわ」
 カレンは味方機のリストを見ながら、つぶやく。
「…安心しろ。俺も出る」
 ルルーシュの言葉にカレンは凄く嫌そうな顔をする。
 なんせ、毎回出撃するたびにやられている印象があるからだ。
 あながち間違いではないが。
「大丈夫だぞ。カレン、私も乗る」
 C.C.の言葉にカレンは安心した表情を浮かべて。
「ふぅ…」
「どういう意味だ!!」
 ゼロは二人に向かって怒鳴りつける。

 暗礁群に隠れていた戦艦エターナルにて…、舞い戻ってきたラクスは席に着く。
「ラクス、ごめん。助けられなくて」
 キラとアスランがラクスの前で、ミーアを助けられなかったことを、申し訳なさそうな顔で立っている。
「…かまいませんわ。手に入れられなかったものは、また取り戻せますし、私の影武者でしたら、今後またつくればいいですもの。
 ミーアさんを議長に渡したように…また。」
 ラクスは、微笑みながらキラとアスランに告げる。
 そのラクスの視線は既に2人にはなく、高らかに宣言をしているデュランダルにあった。
「さぁ、バルドフェルド隊長…マリュー艦長。私達も行きましょう。私達なりの…人類の統制をはかるために…」
545コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/14(日) 16:21:39 ID:???
投下終了です。

つまらなくなったと言っている方、すいません。
応援している方ありがとうございます。
答えられるよう、努力するものです。
毎回、読んでいただきありがとうございます。
546通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 18:17:16 ID:9GXRMZEO
コードギアス DESTINYの作者さん、乙です。
最終回まで、頑張ってください。
漏れも読むのを楽しみにしているから。
547通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:02:00 ID:OHlQzNy1
本人乙
548通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:10:28 ID:???
>ミーアさんを議長に渡したように…また

oi
おい
ミーアはラクスが用意したのかよwwwwwww
549通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:13:51 ID:???
ミーアもゲットだぜ!
この調子で何人まで捕獲していくか楽しみです
550通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:30:58 ID:???
投下乙!
完結まで同じ轍を二度踏まないように頑張れw
551通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:33:22 ID:???
>>549
たねきゃらトレーナーwwww
552通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:33:28 ID:???
なあ
ピンクの髪繋がりでミーアの行く末がふと浮かんだんだが
まさかな
553通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 19:36:20 ID:???
いや多分それはないだろ、尺的に
554通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 20:10:07 ID:???
いや、今回は面白かった!
GJ!
555通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 20:21:56 ID:???
GJ!
おれもなんか書いてみようかな・・・・・・、もしもシンがコードギアスの世界に来たら、みたいな
556通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 20:39:58 ID:???
それはそれで読みたいぜ
シンが何のナイトメアにのるのかとか

そういや一話で虐殺された老夫婦の元にシンが飛ばされて
そのまま史実通りに虐殺されてキレてブリタニア潰すってSSあったなぁ
557通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 20:50:32 ID:???
俺もギアス物考えてるけど、こっちはナイトメア・オブ・ナナリーがベースだ
558通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 21:39:47 ID:???
>>556
そのSSkwsk
559通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 21:41:39 ID:???
やめて! ゼロさんが種世界に来たらGガンダムになってしまうwww





頑張って書き上げてくれ!!
560通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 22:09:39 ID:???
>>558
ギアス一期終了直後に、クロスSSスレが立ったことあったんだよ
そこで書かれてたが、原作で言うと5話あたりのところでスレが落ちてな
まとめサイトにも保管されてない

サザーランドに乗ったシンが経験の差でランスロットに食い下がるシーンが熱かった
561通常の名無しさんの3倍:2008/12/14(日) 22:17:25 ID:???
確かシンがユーフェミアと会った辺りで終わったよな。
562通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:34:47 ID:???
乙です、倒すべき悪が明確になってまいりました
このままだと原作通りにザフトから多数の離反者が出るんでしょうが
レイが一番気になりますね
キラも同じ効果のギアス持ってるとすればそのまま・・・

っていうか、ラクスにギアスを与えたコード保持者って・・・
予想1:マルキオ
予想2:V.V
予想3:皇帝
誰ですかッ!?
563通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 19:50:27 ID:???
↑キラ自身がコードもちって線もあるけどな
564コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:11:18 ID:???
投下します
565コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:14:15 ID:???

第13話 平和の歌

 月面ダイダロス連合軍基地宙域に、ミネルバを旗艦とするザフト艦隊が見えてくる。
 その数は、オーブを襲撃したときの倍にのぼる。
 これだけ見ても、デュランダルが本気で仕掛けてくることはよくわかる。
 だが、それが逆にルルーシュの中で、疑問となっていたのである。
「どうしたの?ルルーシュ、さっきから黙っちゃって」
 出撃前にカレンがルルーシュに聞く。C.C.もルルーシュの納得いか無そうな顔を見ながらルルーシュの答えを待つ。
「デュランダルの行動がな、どうにも引っ掛かる」
「罠か?」
「いや、そういうものではない」
 ルルーシュは、それ以上の言及を避けた。いずれはわかることだ。
 戦闘にかんしては問題にはならないだろう。次々と出撃をしていくMS部隊、騎士団旗艦ローズクォーツの指揮はラクシャータに任せている。
 のらりくらりしながらも、鋭い洞察力で良い指揮官になれるはずだ。
「ラクシャータさん!私にオペレーター、やらしてもらっていいですか?」
 メイリンがそういってブリッジにやってくる。
 ラクシャータは笑いながら、空いているオペレーターの席にキセルで指差す。
 メイリンの後ろにいて、何か言いたげなルナマリアにも、微笑みながら
「格納庫に改修した、あなたの機体があるわ、せいぜい頑張ってね」
「…ありがとうございます。ラクシャータさん」
 ルナマリアは頭を下げると、ブリッジから駆け出しで出て行く。
「若いわね…、それじゃ〜順次出撃…」

 シンを守るため、カレンやC.C.を守るために、自分は戦う。
 自分にはそれしか上手く表現できないから…。
 この灰廉とともに…。
『灰廉、発進どうぞ』
「…ステラ・ルーシェ、灰廉…でる!」
 目つきを変えたステラの乗る灰色の機体が漆黒の宇宙を舞う。既に艦隊戦は始まっており、主砲のビームが飛び交っている。
 その中で双方のMSが出撃を始め、先方では戦いが始まっている。

『カレン、思う存分やりなさい。もう経験できないかもしれない興奮よ?』
「…わかってます、ラクシャータさん!紅蓮暁式、発艦!!」
 ステラを追うようにして出撃する紅蓮暁式。
 その赤い色は宇宙でも良く目立つ。だが、それこそ格好の餌。
 自分を狙うものは誰であれ排除する。カレンと紅蓮のコンビはナイトメアフレームであれMSであれ関係ない。
 ステラの補佐を努めるようにルルーシュからは言われている。
 灰廉と紅蓮の二機で敵を振り回す。
566コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:16:09 ID:???
 月面では連合軍のデストロイが配備されており、援護攻撃として戦艦以上の働きを見せる。
 放たれた巨大な光がザフトのMSや戦艦を吹き飛ばす。
 ザフトMSもまた攻撃を強めていく。数では圧倒的に有利だ。
 この数を上手く利用しなくては…。
『…レイ、お願いするわ。敵の中核はおそらく、あの赤い機体。そしてゼロが搭乗している戦艦、この両方を叩けば戦いは終わるわ。頼める?』
 タリアの言葉をミネルバで唯一、残っているパイロットであるレイは頷く。
「やってみせます。必ずや勝利を議長の下に」
『…レイ・ザ・バレル、レジェンド出撃!』
「レイ・ザ・バレル……レジェンド、いくぞ!」
 出撃した黒きMSレジェンドは、周りに散開する敵のMSに対して、
 ドラグーンシステムという、宙間戦闘においてレジェンドの背中から放出されたビット形式のものによる多角攻撃を行う。
 攻撃を受けたMSは爆破し、レジェンドの周りで光が広がる。
 レイを出撃させたタリアは、敵の旗艦を見つける。
 ローズクォーツ…、ゼロがいるであろう戦艦。
 デュランダルの考えが、正しいかどうかはわからない。
 ただ…この戦いが終わるのであるならば…。
 デュランダルの意志を…。
「タンホイザー、目標…ローズクォーツ。敵に気づかれる前に撃つ。射線上にあるMSに対する勧告急げ!」
「…艦長」
 アーサーはどこか渋い顔をしながらタリアを見つめる。
「…アーサー、この戦い、負けられないよ?例え道化師となろうとも…議長の想いを無駄には出来ないわ」
 副長であるアーサーは、そのタリアの鋭い視線に何もいえない。
 レイは次々と、敵をなぎ払いながらその視界上に、紅蓮を発見する。
「あたれぇ!!」
 ドラグーンが紅蓮を狙う。
 カレンはその殺気を感じ取り、避けようとするが、多方向攻撃に、避けることが出来ず、いくつかのダメージを受ける。
「きゃああ!!」
 コクピットを狙うドラグーン、カレンはやられたと感じた…だが、そのドラグーンは、間に入ったものに切られ爆発する。
「ステラ…」
「カレン、平気?」
「え、えぇ…」
 2人の視線のなかに姿を現すレイは、ビームジャベリンで突っ込んでくる。それをステラは回避し、カレンは紅蓮の輻射波動の凶悪な腕で掴む。
「かかった!!」
「…動きを止めたのはこっちだ」
 レイのドラグーンは再び動き出す。
 カレンは舌打ちをしながら、握った手を離し、回転しながら、ドラグーンを回避しつつ、後ろに下がり距離をとる。
「厄介ね、あの兵器…」
 カレンは、ドラグーンを背中に仕舞う、その新たな機体いらつきながら、操縦桿を強く握る。
 ここで時間をかけてはいられない。目標は敵の旗艦のみ。
「ステラ、2人で一気に仕掛けるわよ!」
「…了解」
 そんなとき、レイとカレン、ステラのレーダーに映る機体。
 それは改修を受けたインパルスである。
「ルナマリア?あなた、やっぱりザフトに戻るの?」
 カレンの問いかけに、ルナマリアはレイを見る。
 レイはルナマリアのインパルスに接近し
「ルナマリア!よく戻ってきてくれた。敵を殲滅するぞ」
567コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:18:14 ID:???
「レイ、あなたは…、議長の言葉になんの疑念も抱かないの?」
「なに?」
 ルナマリアの突然の言葉にレイは驚く。
「私は…ずっとブルーコスモスを、ロゴスを倒さないと平和は訪れない、そう思っていた。
 だけど、私は騎士団で見た。連合の人とも、ザフトの人ともみんなで普通に話すことができるって。
 話せる人を、意見が通じる人と戦い続けることが本当に最善の策なの?」
「ルナマリア…。議長のやろうとしていることは、人間の新たな革新にと繋がる。
 戦争の無い世界、人がもっとも自分を成長することができる場所を手に入れることができるんだ」
 妄信的…。
 レイがここまで議長に固執するのはなぜか。
 ルナマリアはずっと疑問だった。
 確かにいいことはあるかもしれない。
 だけど、全部が全部そういうわけではない。
 レイはそれを切り捨てている。
「レイ!」
 ルナマリアのコクピットに隠れて一緒に搭乗していたシンが叫ぶ。
「まさかシンまで乗ってるの?あなた、まだ治ったばかりでしょう?」
 カレンは驚きながらも、今更どうしようもない。
 カレンとステラは周りの敵を倒し2人の邪魔をしないようにしてあげるしか今は出来ない。
「シン…、お前も議長の理念を理解できないか?
 そこにいるステラのような人間、そして…俺のような人間が生まれなくて良くなる世界をつくろうとしているのに」
「なに?」
 レイは、コクピットでシンの声を聞きながら、落ち着いた表情で話し出す。

「俺は、前大戦にいたラウ・ル・クルーゼといわれた人間のクローンだ」

「!?」
「クローン…」
 シンとルナマリアはレイが何を言っているか分からない。
「俺は議長と供に、この世界を変えるために存在している。
 それが俺の存在意義なんだ。そのために俺はシン、ルナマリア…お前達のことを見てきた。
 全ては、議長の理想を実現するために!誰もが戦うことの無い世界、誰もが自分の居場所を見つけられる世界、それのどこがいけない!
 才能を、導いてくれることのなにがいけない?」
「…それは、違う」
 ステラが目の前のMSの頭部を潰し輻射波動で破壊しながら言う。
「私は、自分で見つけた。自分の居場所を…、誰かに教えられたものじゃない!」
 強い口調で言うステラに、カレンも同調する。
「…そうね。私がここにいるのは、私の意志だもの。
 誰かに示されたわけじゃない。そして、私は今の自分に納得している。
 誰かに決められたんじゃ…人生なんかつまらないわ!」
 二人の言葉に、ルナマリアとシンも頷く。
「私は、私の道を人に決められたくない…。例え、それで後悔しても、受け入れる。
 だって自分が決めた道だもの。納得するわ」
「レイ、俺は…議長の言っていることが間違っていると思う。
 自分の生きる道は自分で決めるべきだ。才能を閉じておくことも、才能を開花させるのも、その人間自身だ」
 レイのレジェンドが動き、インパルスに襲い掛かる。
568コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:20:03 ID:???
 ルナマリアはインパルスを操縦し、レイの攻撃を避ける。
「議長の言うことが聞けないのなら、お前達は敵だ!」
「やめろ!レイ!どうして、どうしてそんなに急ぐんだ?どうしてそんなに人間が信じられないんだ?」
 シンはルナマリアの後でレイに呼びかけ続ける。
「…シン。クローンである俺に残された命は少ない。遺伝子的な問題でな…。
 今までの戦争を見てきただろう?残虐的で冷酷…もう人間は、誰かに管理運営されなくてはいけない存在となりつつあるんだ。
 この少ない命で、俺はラウ・ル・クルーゼの複製として、やり遂げられなかったことを、やり遂げる…」
「バカ野郎!!」
 シンの言葉に、レイのインパルスに向かって振り下ろしたビームジャベリンが止まる。
「お前は、ラウ・ル・クルーゼなんかじゃない!お前は…、レイだ。
 俺たちの戦友であるレイ・ザ・バレルだ。そうだろう?レイ!!
 お前は誰でもない、俺たちと一緒にいたレイだ!」
 レイは、操縦席に涙の雫を落す。
「…俺のことを、お前達を監視していた俺を、友と呼ぶか?」
「あたりまえだろう。誰がなんと言おうと、俺の戦友は、レイ…ルナ、そしてミネルバにいるみんなだ。誰もそれにけちはつけさせない」
「…レイ、シンの言うとおりだよ。私達が戦うなんて間違ってるわ…」
 シンとルナマリアの言葉…、
 自分の固くなっていたものが解けて流れていくそんな感覚。
 …ギル。
 俺は、俺は…ラウ・ル・クルーゼとしてではなく、レイ・ザ・バレルとして…生きてみたい。
 この俺を友と呼んでくれるものたちを…、この限られた命の中で供に過ごしたい。
「シン、俺の戦友である、お前に……俺はかけてみたい」
「…お前は、相変わらず堅苦しいな?」
「元からだ」
 ルナマリアの操るインパルスがレイのレジェンドに手を伸ばし、しっかりと掴む。

「タンホイザー…敵旗艦ローズクォーツに向け発射!」

 巨大な閃光が近くからあがる。
 シンたちがそれを見たとき、ミネルバから放たれた光が、味方を巻き込みながら騎士団の旗艦であるローズクォーツに向かう。
「しまった!!」
 カレンは声を上げるがもう遅い。
 回避運動かけているローズクォーツを前にして光が向かう。
 だが、その放たれた光はローズクォーツの前で弾かれる。
 宇宙の闇の中でローズクォーツを守る黒き機体。
 それはカレンやステラたちが待っていたと思うものが乗っている。
『ルルーシュ、何タイミングはかってるのよ?いやらしいわね』
『ゼロ、かっこいい…』
 相次ぐ仲間からの通信に頭を痛めながらルルーシュは絶対守護領域を開放すると、
 肩から強力なハドロン砲を放ち、旗艦に集まる敵を撃破する。
「…まったく、あいつらは…戦いをなんだと思ってるんだ?」
 ぼやくC.C.の後に乗り絶対守護領域の計算を行うルルーシュ…。
「ガウェイン、蜃気楼に次ぐ黒の騎士団ゼロ専用機…『黒耀』
 ラクシャータ、短期間によくここまでやってくれたものだ。このまま…。C.C.!」
 黒耀は、その砲口をミネルバに向けた。
569コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:21:39 ID:???
 ザフト機動要塞メサイア…。
 デュランダルは、戦線の報告を聞きながら自身の計画を考えていた。ディスティニープラン。
 かつて自分とタリアが恋人であったとき、自分たちの遺伝子では子供を残せないことがあって、子供を欲したタリアとの恋仲は破局した。
 それからだった…。運命というものを最初から決めてしまうことで、誰も哀しまない世界を作り上げようと考えたのは。
 だが、それも結局は夢でしかなかった。最終的にそう持っていくようにすればよかった。
 自分の考えをここまで早急に行わなくてはいけない理由…それは。

「デュランダル議長。お久しぶりですわ」

 ラクス・クライン…。
 ラクスは1人、歩きながら、椅子に座るデュランダルに近づいてくる。
「ここまではどうやってこられたのかな…ラクス・クライン嬢」
「堂々と正面からですわ。皆さん優しくしてくださいました」
 ラクス・クラインはモニターのコントローラーをとると、チャンネルをかえる。
 そこに映し出されるのはメサイアに内蔵されている、ジェネシスである。決戦兵器として稼動はまだ先としていたというのに。
 既に発射体勢を取りつつある。
『で、デュランダル議長!ジュール隊が離反しました!それ以外の部隊も次々と反逆し、あ、アークエンジェルがぁ!!』
 爆音と供に通信が途切れる。
 デュランダルは、大きく溜息をつく。
「私を暗殺するのに随分といろいろと考えていらっしゃったようですわね?」
 ルルーシュたちが来る前、オーブにいたときのMSまで使用した暗殺未遂。
 さらにはミーアを囮として、ラクス暗殺。
 他にもいろいろと講じたが結局すべて失敗という結果だった。
「…そのための、この戦争だと思ってくれていいよ。君の力は危険だ」
 その言葉にラクスはデュランダルの前でクスクスと笑ってみせる。
「だからこそのディスティニープランですの?
 人間の運命を遺伝子統制してしまうなんて、随分と乱暴なことを考えなさるのですね?」
「戦争を治める最善の方法だよ。人間は自分の才能における部分を延ばせば良い。余計な欲を持つことで戦争が起こる。
 これ以上の戦争は、人類の絶滅の危機さえありえる」
「まぁ〜私も同意見ですわ。だから、私も、私なりの世界平和を考えましたの」
 ラクスはデュランダルに背中をむけ、踊るようにして振り返る。
 そこには赤く輝くギアスの力がこもった目がある。
 デュランダルは、その目を見ないように視線をそらす。
「議長も、見てください。私のことだけ考えるようになれる『魅了』のギアス…。
 これさえあれば、戦争なんかおきませんわ。みんな私のことだけを考え、私のために生きることになります。
 一度見れば、時がたっても、また私の声と容姿を見れば、私にひれ伏しますわ。
 アスランやイザークさん、オーブの国民のように……」
「…それは、戦争を止めるのと同様に。世界の覇権を君が握ることになる。君を中心とした、支配国家の建設…」
 ラクスは微笑みながら、デュランダルの背中を向けて画面を見つめる。
570コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:22:46 ID:???
『ジェネシス、シークエンス開始。目標をセットします』
 デュランダルは、既に機動を始め、さらには、そのジェネシスの目標ポイントを見て、言葉を詰まらす。
 場所は月面…ダイダロス基地。
 今まさにタリア、そしてレイが黒の騎士団と戦っている場所である。
「邪魔なものがみんな、ここに集まってくれたおかげで、私も助かりましたわ」
「…善悪の心さえも失ってしまったのか?ラクス・クライン!」
 立ち上がり拳銃を向けるデュランダルだが、周りで音が聞こえる。
 それはデュランダルの部下であった者たちだ。
 その目は赤く輝いている。
「兵士の皆さん、撃ってはいけませんわ。まだ彼にはやってもらわなくてはいけないことがあるんですもの」
「「わかりました。ラクス様」」
 ラクスの答えに従う兵士たち。
 デュランダルは銃をおろす。すべてはラクスの計画通りということか。
『ジェネシス発射までカウントを開始します』
 デュランダルは、ラクスの嬉しそうな様子を背中越しに眺めている。
 ラクス・クライン…彼女の存在が、この戦争、そしてディスティニープランの計画を早くしたきっかけとなった。
 彼女の力は知っていた。
 人間を魅了し、己の手先とする力。
 あの目に見られたものは、誰もがそうなる。
 世界がそうなれば…それは世界の死だ。
 だからこそ…デュランダルは最後の賭けにでたのだ。
 願わくば…この後、彼らが勝利することを願って。
 デュランダルは握っていた銃を自分の頭にあてる。

『ジェネシス、発射!』

 レイ…、タリア。
 君達が、無事にこの戦争を終え、平和な幸せな生活を迎えることを祈っている…。
 デュランダルは、強く願いながら引金を弾いた。

「あら?あっけないですわ。議長…。もう少し頑張ってくれると思ったのですけれど」

 ラクスは背後の銃声を聞き、振り返り微笑む。
『月面ダイダロス基地に、ジェネシス直撃』
 これから…、さぁ〜これから…平和の歌の第二楽章を始めましょう。
 争いの無い平和な世界を創造するために。
 私は歌を謡いますわ。
 皆さんの心を、縛りつけ…私しか見えない世界に誘うために。

 皆さんのラクス・クラインは、ここにいます。
571コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/15(月) 20:23:55 ID:???
投下終了。

クロス作品の中で、最凶最悪の敵をつくりたい。
572通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 20:24:58 ID:???
アンチSSスレのラクス以上に最凶最悪の存在はいない
573通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 20:40:35 ID:???
嫁が自己を投影したキャラがラクスだという話が本当ならば、ラクスはもっとおぞましいものかもしれない・・・
574通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 20:45:27 ID:???
確かCCが人間だったころもらったギアスも同じ効果だったはず

それなのに使い手次第でこうも結果が変わるとは・・・。
575通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 20:47:20 ID:???
歌姫、失格
576通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 20:57:02 ID:???
全知全能、無謬の為政者、偉大なる芸術家、我ら人民の太陽、慈悲深き羊飼い、天より舞い降りた救世主、
世界の中心で愛と平和を囁く歌姫、人類を真なる自由へと導く新世界の神ラクス=クライン

鎖鎌をブンブン回しながらグェヘヘヘヘヘヘヘヘ!!!!と笑い、夜は男をとっかえひっかえで鞭ビシバシなラクス
の二強はそう越えられんと思うがww
577通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 21:24:13 ID:???
暗黒ラクスはそこらじゅうにゴロゴロしてるが、白ラクスは旧板の某スレの固体が最後の一体だと聞くぞ・・・
578通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 21:27:53 ID:???
白はCCAアムロとのクロススレに一体、いるよ
579通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 21:36:02 ID:???
ザクレロのラクスも白いぞ
今のところは
580通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 21:45:02 ID:???
ギアスの人乙です。
しかしラクスえげつないな。
けど可愛いラクスなんてアムロとの
クロスにしか残ってないのだろうなー。
まー、それもこれも種死での行動が
悪かったせいだけど。
581通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:14:03 ID:???
ギアスとのクロスを見て興味が出てきたのでまずはwikiをと思い、読んできた
キャラ説明だけでも膨大な量で挫折

とりあえずギアス能力というのは人を操る力
ルルーシュはギアス能力保持者で
能力保持者には必ずそれを与えてくれた人物がいる
ルルーシュの場合はC.C.
これさえ解ってればおk?
582通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:52:14 ID:???
逆シンスレのフィフスラクスは白い
現在のサードラクスは真っ黒だが
583通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:53:09 ID:???
シンXセツコスレのラクスとクレしんスレのラクスは良いラクス
584通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 22:54:22 ID:???
>>581
できればKMFの戦闘とかデザインも見といた方がいいよ。
585通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:14:27 ID:???
フレイスレのラクスはすごかった
ふざけんじゃねーよ!!とか言ってみたり
シンを調教性奴隷にしたり
黒歴史後がCEな設定だったがもはやラクスでもなんでもない
キャラ崩壊だった
586通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:29:27 ID:???
乙!

しかしイザーク…ギアスだからしょうがないんだろうけど…w
587通常の名無しさんの3倍:2008/12/15(月) 23:37:03 ID:???
>>581これを機会にアニメレンタルしたらどう?
その方がより楽しめると思うんだぜ
588通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 17:40:28 ID:???
乙です
作中における嫁の移し身というか代行者というか
這い寄る混沌というかブラックノワール
奴(ら)を倒すことで初めて種世界は解放される・・・!!
しかし、このままミネルバやザフトは騎士団と合流できるでしょうか
よしんばラクスたちを倒しても、ラクスの台詞だと掛かった限り効果永続とも見れますが・・・

ジェレミアー早く来てくれーーーー!!

>>563
なるほど、失念していましたがキラも不死身でしたなぁ
俺の中では複数用意されているクローンに記憶移植と脳内で固まってたんで
普通に不死身というのも考えてみると新鮮になってきます
589通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 18:41:40 ID:???
CEinケロロ小隊
590通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 18:43:33 ID:???
CEに悪魔将軍(キン肉マン)が現れたら
591通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 18:52:24 ID:???
>>589
CE全体がケロロ小隊に編入されるのか
592通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 18:57:37 ID:???
CEにサンダーバードがいたら
593通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 19:00:02 ID:???
594コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 19:51:36 ID:???
投下します
595コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 19:53:51 ID:???

第14話 コードギアス・ディスティニー

 月面ダイダロス基地に向け、ジェネシスの攻撃は命中。
 その発射角度等は完璧であり、月面のレクイエムは完全に破壊されることとなった。
 機動要塞メサイア周辺の艦隊は既に、ラクスのギアスにより私兵とかし、さらにはアークエンジェル、エターナル等の戦艦も、その中には含まれている。
 ラクスはその広い司令部の中で歌を謡いながら、踊っている。
 なんとも心地が良い気分。自分に敵対するものすべてを一瞬にしてなぎ払ったのだ。
 あのゼロも、そしてミネルバも…。もう存在しない。
『ラクス、この後はどうする?』
 画面に映し出されるキラを見つめながらラクスは少し考え…。
「…そうですわ。地球に向けて、ジェネシスを撃ってみましょう?どうなるか楽しみですわ。
 戦いばかりしている地球の皆さんにはお仕置きが必要ですもの。それと、それと…、
 私1人だけでは国の運営が大変ですから、ミーアさんのような複製をつくりましょう。それと、それと…」
 ラクスは指を折りながら、思いつくことをあげていく。

『…ラクス・クライン。考え中のところ悪いな』

 振り返るラクスの前に映し出される黒き仮面の男の姿。
「あら?どうしてあなたが生きているのかしら…あなたは死んでなきゃいけないのに?」
 ラクスは不思議そうな表情でゼロに尋ねる。
『すべては、計画通りだ』
「デュランダル?」
 ラクスはその場で血の海の中に倒れている亡骸を見る。
『デュランダルは、お前が私欲のためにザフトを制圧しメサイアを向け、この月面に向け攻撃をしてくるであろうと読んでいた。
 ミネルバ率いるザフトは、それを知り、あえて攻撃をこちらに敢行した。
 お前をメサイアにおびき寄せるために…。ミネルバ率いる艦隊は、私達騎士団を攻撃するものではない!!
 お前を、倒すために…デュランダルが私に送り届けた、命をかけた最後の力だ』
 ゼロは力強くいう。それを見つめ微笑むラクス。
「ふふふふ、面白い方ですわ。もし、そうだとして…、私を倒せますの?私にはここにいる軍だけじゃないですわ。
 全世界の皆さんが私の味方です。あなたには私は倒せませんわ」
『やってみなければわからないさ。お前を倒すために集まった力…デュランダルが己の命をかけた、それを無駄にはしない!』
 通信が切れたのと同時に、ラクスは別の通信を繋げる。
「マリュー艦長、バルドフェルド艦長…至急、部隊を展開し、愚かな反逆者たちを迎え撃ってください。
 私の世界に…彼らのような異端な存在はいりませんわ」
『了解しました。ラクス様』
『こちらも完了した。必ずや勝利を約束しよう』
 ラクスは、メサイアのジェネシスの次の目標を地球に向ける。
 発射準備をして、最高のショーを騎士団の皆さんにもみせてあげないと。ラクスは新たに通信を繋げる。
「キラ…、敵はみんな殺してしまってはいけませんわ。手足を切断し…無抵抗のまま宇宙に残してあげて。
 いつ流れ弾で撃たれるか、そういったドキドキ感を味あわせてあげてくださいね?」
『ラクスの言うとおりにするよ…』
「アスランもお願いするわ。あなたのことを撃ったものたちに鉄槌を下して頂戴」
『あぁ、わかっている』
 みんなが自分を求めてやってくる。
 守るもの、命を奪おうとするもの…それらすべてが、自分にくだるのだ。
 これほど楽しいことはない…。
596コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 19:56:04 ID:???
「…ありがとうございます。ゼロ、あーでもいってくれなければ、事実を知らなかったものは、混乱してしまっていたでしょうから」
 タリアは申し訳なさそうに言う。ゼロは画面を見ながら
「…本気で戦わなければ、ラクス・クラインに悟られていたことは事実だろう。
 あなた方が本気だということは、デュランダルからの、録画されたビデオでわかる。
 なぜ、あいつがここまで急いでいたのかということも、これでわかった」
 デュランダルはただ急いでいたわけではない。

『…ゼロ、本来ならば直接会って話をしたかったが、それは叶うことができなくなりそうだ。
 君達にミネルバたちザフトの軍を預ける。混乱しているだろうが、聞いて欲しい。
 私達ザフト、いや地球圏における民衆は、ラクス・クラインという1人の人間により意識が麻痺している。
 彼女はそれを利用し、この世界を手中に収めるつもりだ。
 本来ならば、その役割は、私がしなくてはいけなかったのだが…、
 残念ながら、私には出来なくなりそうだ。君達に…この世界を守って欲しい。
 ラクス・クラインの世界は、偽りの平和だ』

 デュランダルの狙いは最初からラクス・クラインを倒すことだけだったのだろう。
 自分たちで何とかできなければ、その運命を俺たちに委ねると。
 撃つものは撃たれる覚悟がなくてはいけない…、
 デュランダルは、自分が敵となってもかまわないから、ラクスによる世界の制圧を防ぎたかったのだろう。
 もう少しはやく、そのことに気がついていれば、奴とはまた別の未来を見つけられたかもしれない。
 だが、後悔をするのはまだ早い。
 まずは…ラクス・クラインを止めることが先決だ。
「…ギル」
 涙ぐむレイを見つめるシンとルナマリア。レイにとっては家族に等しい存在だったのだろう。
「…シン、ルナマリア、メイリン…そしてレイ」
「「艦長!」」
 タリア・グラティスが4人の前に現れる。
 シンとホーク姉妹の三人はやはり、裏切ってしまったことへの罪悪感があり、なんともいえない気持ちが残っている。
 そんな三人に対してタリアは笑顔で…。
「私は、貴方達が生きていてくれたことだけで十分よ。私達は、ラクス・クライン討伐として、メサイアに向かうわ。
 おそらく、これがミネルバとしての最後の出撃になるでしょう。
 だけど、私達は最後まで生き残り、勝利を得る。
 これが私からの最後の命令よ。必ず生きて帰ってきなさい…以上」
 4人は敬礼をする。
 タリアは、この後ミネルバに戻り、ザフト軍の全面的な指揮をとる。
 シンはディスティニーの改良の新型MS、ルナマリアはインパルス、レイはレジェンド、メイリンはローズクォーツのオペレーターを務める。
「なんだか、かっこいいわね〜あーいうのって」
 カレンはそんな4人を見ながら、自分もやる気に満ちてきていた。
「ステラも…あんなのやりたい」
 ステラは物欲しそうに、ゼロを見る。
 そのステラにあわせてC.C.とカレンもゼロを見る。
 ゼロ=ルルーシュは、これも士気を高めるためだと、思い、黒耀の操縦席に上り、ローズクォーツのパイロットたちを見る。
 連合・ザフト・オーブ、皆ばらばらの兵士達である。
 将兵である何人かにはギアスをかけ従うようにしたが、
 ここまで来た兵士は、ゼロという存在が本物になりつつあった。
597コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 19:57:28 ID:???
「黒の騎士団、いや…私と同じく志を同じにするものたちよ!私は…諸君達のおかげでここまできた。
 そして、この長きに渡る戦いもこれで終わりにする!
 連合・ザフト・オーブ…それぞれの主義主張はあるだろう。
 だが…皆が思うことはひとつのはずだ!
 …自分の大切なものを、もう一度思い出して欲しい。
 ……そのものと作る明日、それが誰もが求めることであるはずだ!!
 今の間はすべての禍根を忘れ、供に手をとり、明日を掴もう!!」

 周りから『おおおお!!』という声が響きわたる。
 ステラも笑顔で手を上げて気持ちを高める。
 声援が湧く中、端っこのほうでカレンとC.C.は、ルルーシュの姿を静かに見守る。
「…あんたが死ぬわけ無いと思うけど、気をつけてね。あと…」
「わかっているさ、お前こそ……死ぬなよ?」
 2人は拳をあてて、それぞれの機体にと向かうC.C.は黒耀、カレンが紅蓮暁式に。
 言葉は要らない…。なんていったって、一年間も一緒にいた仲、良くも悪くもお互いをわかっている。
 それに…ゼロレクイエムがあってC.C.もカレンも成長したといえる。

 ローズクォーツ、ミネルバを中心とした艦隊はメサイアに向けMS部隊を出撃させていく。
 多種多様のMS…、それらすべてがメサイアに向かっていく。
 民衆の支持は得られないかもしれない。
 だけど…これは、自分たちの未来をかけた戦いだ。
『ステラ…、お互いこの戦い終わったら、一緒に地球を見て回ろう。
 レイもルナもメイリンもみんなで…、戦いが無い地球を見てみたい』
 シンの回線が皆を繋げる。
『うん!シンとみんなで……いっぱい、いろんなところに行く』
 嬉しそうにステラは声をあげる。
『フ…、随分と勝手に決めるんだな』
 レイは鼻で笑うが、その表情は緩い。
『そうよ!私の都合だってあるでしょ?』
『あ、お姉ちゃん…もしかしてシンと二人っきりがいいの?』
『ば、バカいってんじゃないわよ!!』
 みんなの笑い声がコクピットに響く。
 そう…俺たちはまだまだやらなくちゃいけないことがあるんだ。
 こんなところでやられてたまるか。そうだろう?マユ?

 うん、お兄ちゃんは…私が守るもん。
598コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 19:58:41 ID:???
『…それでは、灰廉。ステラさん、発進どうぞ…』
「いってくるね?メイリン。…灰廉、ステラ・ルーシェ。出撃する!」
 ステラが一番手でローズクォーツから出撃する。
 今では慣れたその機体を自分の身体のように扱いながら、迫り来るラクスの軍勢に向かう。
 みんなと一緒に遊びに行くんだ。
 アウルやスティングの分まで…。
 私は生きる。生きて…戦場のない世界も見るんだ。

『レジェンド…発進どうぞ』
「…レイ・ザ・バレル。レジェンドでるぞ!!」
 レイの心は晴れている。雲ひとつない。ただあるとすれば…ギル。
 彼に対する思いだけ。だがそれも哀しみではない。
 彼は彼の道を進んだ。
 ならば次は自分の番だ。
 ラウ・ル・クルーゼではなく、レイ・ザ・バレルとして…。

『……お姉ちゃん』
「メイリン!…あんたがしっかりしてくれなきゃ、気持ちよくでていけないでしょ?」
『うん。お姉ちゃん…頑張ってね。インパルス、発進どうぞ!』
「…ルナマリア・ホーク、インパルスでるわよ!」
 自分にはこれだけの仲間がいる。
 これだけの力がある。
 みんなが、ひとつになれば怖いものなんか何も無い。
 私は…戦える、全ての力を出し切って…。

『カレンさん、また…みんなで話ししましょうね?』
「…当たり前でしょ。こんな修羅場、いくつも潜りぬけてるってね!カレン、紅蓮暁式、発艦!」
 こういうのも悪くない…、ゼロレクイエムのときの哀しみに満ちたものじゃない。
 なんだかみんなの勢いに自分が押されているみたい。
 ルルーシュだって、こんなのは初めてのはずでしょうね。
 だからこそ…、ゼロの道は私がつくる。
599コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 20:00:20 ID:???
『…ゼロ。あの…、いろいろとありがとうございます』
「おいおい、まるで私達が死ぬみたいじゃないか。縁起でもない」
 C.C.は緊張をほぐそうと、笑って言う。
「メイリン、いや…シン・アスカ、ステラ・ルーシェ、ルナマリア・ホーク、レイ・ザ・バレルか。
 そしてミネルバクルーたちに、協力を感謝すると伝えてくれ。
 お前達の雰囲気、昔を思い出させてくれた。
 この戦いが終わったら…頭に被った帽子を取られたら1日デートゲームでもやろう」
 生徒会メンバーでのひとときの戯れ。
 だが…それはルルーシュにとってはかけがえのないものとなっているのは事実だ。
 シャーリー、リヴァル、ニーナ、ミレイ会長、スザク、ロロ、ナナリー……。
『???』
「フ…、ゼロ、黒耀出撃する!」
 飛び出すゼロを中心として部隊が編成されている。
 カレンやステラたちも待っている。
 その中心となるゼロは、指示をここから出していく。
 目標はメサイア。
 その中にいるラクス・クラインを抑えれば勝利する。
『…なにをしている。シン、置いていくぞ?』
 ゼロの言葉に目をあけるシン。
 今までのことを思い出していた。
 この数ヶ月、激動の中で自分が何をしようとしているのか、どこにいるのかがわからなくなりそうになったときもあった。
 だけど、今はこうして、みんなとともにいる。
 世界を救うなんて、そんなかっこつけたことは言わない。
 ただ、明日が欲しい。みんなと一緒にいるための…明日が。
『シン、お姉ちゃんのためにも…頑張ってね?』
「あぁ、メイリンも…しっかりフォロー頼む」
「うん!シン・アスカ機、発進どうぞ』

「……シン・アスカ!コードギアス・ディスティニー!!いきます!!」

 出撃する白き機体『コードギアス・ディスティニー』
 ガンダムの形式を保ちながらも翼はエナジーウィングに変更され、手には輻射波動、ハドロン砲をビームライフルの代用として装備。
 巨大なサーベルもナイトメア用の巨大な真・呂号乙型特斬刀に変更されている。
 飛翔する白き機体。目の前に迫る黒き要塞。そしてそこから見えてくる機体。
 あの中にいる、倒さなくてはいけないものたち…。
 最後の機体を操り、シンは宇宙を駆ける。
600コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/16(火) 20:01:04 ID:???
投下終了です。

もうちょっとです。お付き合いお願いします。
601通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 20:08:40 ID:???
ギアスの人乙です
できればルルーシュには生き残って貰いたい。
602通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 20:09:50 ID:???
乙です
いろいろな意見がありますが
コンパクトな仕上がりとしては中々いい感じだと思います
ただ一番気になるとことしては、ルルやC.Cはともかく、カレンやラクシャータまで
種死世界に来た理由とかが気になるところ、ちゃんと明かされますか?

なにはともあれ、続きを楽しみに待ってます、がんばってください
603通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 20:29:28 ID:???
カレンはともかく、ラクえもんはゼロが連れてきてくれたとか言ってたから
ルルがどこぞの模型店にでも並行世界移動機か何か注文したんじゃないの?
604通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 20:37:56 ID:???
ラクえもんがラクシズ破壊爆弾出してくれれば楽なのにな
どうでもいいけどラクラク紛らわしいなw
605通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 21:56:56 ID:???
>コードギアス・ディスティニー

何このマッスルフレーミングとギアス伝導回路が搭載されてそうなネーミングw
606通常の名無しさんの3倍:2008/12/16(火) 23:16:58 ID:???
ミーアがここまで全然出てこないのが気がかりなんだが…生きてるよな?
607通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 17:45:44 ID:???
ラクスのギアスがある以上
ジェレミアが来てくれなければ逆に利用するのかな
ミーアに「お前の理想とするラクスとして、世の為に人を導け」とかギアス掛けて
608コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 19:57:35 ID:???
投下します
609コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 19:59:25 ID:???

第15話 黒の騎士団VS歌姫の騎士団〜チェック・メイト〜

「敵機MS部隊前面から攻め込んできます」
「ハドロン砲を発射…ゼロたちの、華麗な花道をつくってあげましょ〜?」
 ラクシャータは相変わらず寝そべりながら、指示を行っていく。
 敵の雑魚MSなどは数ではない、問題なのは敵の中枢である。
 向こうも狙いは同じだろう。ならば…ぶつけ合わせるのが一番。
 後は…機体とパイロットの技量。
 それまでの戦闘はなるべく控えるべきだ。
 ラクシャータの指示通り強力な主砲が放たれる。
 強力な、赤黒い光が放たれ、前方MSを光にと変えていく。
『ゼロ、花道は作ってあげたわ…後は貴方達の力次第ね。機体では負けてるつもりは無いもの…』
「わかっている、ローズクォーツは、そのまま作戦通り続行。メサイアに対しても攻撃はかけ続けろ。くれぐれもジェネシスには気をつけてな」
『了解…』
「各機、続け!」
 ラクシャータの指示の中、放たれたハドロン砲により開かれた道を突破していくゼロたち。
 だが、ゼロのレーダーにはいる、巨大な戦艦並の大きさを持ちながら、かなりの速度でやってくるものがあった。
「なんだ、こいつは…」

『これ以上はいかせない!!』

 目の前に現れる白き巨大な機体…キラ・ヤマトが操るストライクフリーダム・ミーティア。
 巨大なビームサーベルでその場にある、周りのもの全てをなぎ払う。
 その一機だけではない。
 頭上から強力な光が降り注ぐインフィニットジャスティス・ミーティア…アスラン・ザラである。
 黒耀の絶対守護領域でなんとか防ぐが…、ラクスたちの戦力も相当のものとなっているようだ。
 騎士団のMSが次々と爆発する。
『ゼロ、こいつらは俺たちが相手をする、お前たちはメサイアにいけ!』
 シンの搭乗するコードギアス・ディスティニーは驚異的な速度で、ストライクフリーダムを翻弄しながら、通信を送る。
『…シンだけでは、厳しいだろう。アスランはこちらが引き受ける』
 レイ・ザ・バレルからの通信。
『…負けたら承知しないわよ?C.C.カレン、ステラ…』
 ルナマリアも目の前に迫る、アスランの操るミーティアの巨大なビームサーベルをなんとか交わしながら、ビームライフルを撃ち込む。
610コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:01:05 ID:???
「すまない。死ぬな!」

 ゼロは、黒耀とともにカレンとステラをつれて、メサイアに向けて前進する。
『待て!ラクスのところには!!』
 それを追おうとするキラのミーティアの巨大なサーベル部分をコードギアス・ディスティニーの手が掴む。
「お前の相手は…俺だぁああああ!!」
 輻射波動が発動し、掴んでいた部分から、ミーティアの機体をボコボコと内部から破壊していく。
 キラは、舌打ちをしながら、ミーティアから脱出し、ストライクフリーダムとして、姿を現す。
 シンは新たな刀、真・呂号乙型特斬刀を握り締め、ストライクフリーダムを睨む。
 今度こそ…こいつを倒す。今までの苦渋を、ここで全て吐き出すんだ。
『君じゃ…僕には勝てないよ。僕には、ラクスがついているんだ。君のような復讐心や、個人的な感情を持った人間じゃ…勝てないよ』
 ストライクフリーダムはレジェンドと同じくビット兵器であるドラグーンシステムを放つ。
「平和といいながら、戦いを巻き起こす人間を俺は、信用しない!!」
 腕を前に向け、機体を包むよう輻射波動が発射し、攻撃を仕掛けようとしたドラグーンを破壊する。
 それを見ながらサーベルを抜き、突撃してくるキラ。
 それを受け止めるシン。
『ラクスは、今泣いているんだ!この世界を守るために…誰がここまでできる!』
「頼んだ覚えはない!それに、世界の明日は誰か1人が決めるものじゃない。みんなで決めるものだ!!」

「はああああああ!!」
『おおおおおお!!』

 シンとキラが同時にSEEDを覚醒させ、ストライク・フリーダムとコードギアス・ディスティニーの二体が、真・呂号乙型特斬刀とストライクフリーダムのサーベルで激しくぶつかり合う。
 だが、コードギアス・ディスティニーは、動きを止めるわけには行かない。
 動きを止めてしまっては、ストライクフリーダムのドラグーンの餌食となるからだ。
「あんたのせいで、たくさんの人間が死んだ!死ななくてもいい人間まで、あんたは、それをわかっているのか!!」
『戦争が起これば人は死ぬ。今もたくさんの人が死んでいる。だから、もう戦争は止めなくちゃいけない!ラクスはそういっているんだ』
「戦いを起こす奴が、拡大させる奴が、平和を言って誰が信じるんだぁあああ!!」
 シンの力強く振り払った真・呂号乙型特斬刀がストライクフリーダムのサーベルを持つ手首ごと切り捨てる。
 ストラクフリーダムは、下がりながら、ビームライフルやドラグーンで応戦するが、シンの勢いは止まらない。
「俺は、あんたを、あんた達をとめてみせる!!!」
611コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:02:46 ID:???
『ラクスのいう平和をなぜわかろうとしない!レイ、ルナマリア…、彼女の話を聞けば、この地獄のような世界から抜け出せる。
 誰もがラクスを見ることで、世界は救われるんだ!』
 アスランの操る、巨大な機体、ミーティアのMSを数機纏めて切り裂くことが可能なサーベルを交わしながら、
 ドラグーンを飛ばすレイ。
「見そこないましたよ、アスラン。あなたが…そこまで狂信的な人間だったとは」
「アスラン、あなたが望んだ世界はこれなんですか!?」
 ルナマリアは絶叫して、その巨体のミーティアの周りを動き回って翻弄する。
 レイはビームジャベリンで、ミーティアの腕のサーベルを切り落とす。
『お前達もくればわかる!ラクスの言っていることの偉大さが!!』
「少なくとも、ギルには理想があった。人々を納得することができる根拠があった。
 だが、アスラン!あなたのはただ人に頼っただけの、なんの策も案もない。そんなことで世界が変われるはずがない!」
 撃ち込まれるドラグーン…ミーティアは爆発し、アスランはミーティアを解除。
 インフィニットジャスティスとして姿を現す。ルナマリアとレイが同時に切りかかるが、その双方の攻撃をサーベルで防ぎきるアスラン。
 アスランのSEEDが覚醒する。
「くっ!」「…やってくれる」
 考えはともかく、アスランの力はやはり侮れるものではない…。

 ゼロとその補佐を勤めるカレンとステラは周りのMSを次々と撃破しながらメサイアに突き進む。
「高威力のエネルギー!?真下か!」
 C.C.はそれを避ける。
 そこに現れるのは黄金の機体アカツキと、こちらから奪取したG・サードオニキスである。
『ゼロ、ここでお前の首をもらう!』
「オーブに引きこもっていればいいものを、カガリ・ユラ・アスハ!」
『俺もいることを忘れないでもらおうか…』
「まさか…ネオ?」
 ネオ・ロアノーク…今はムウ・ラ・フラガとしての記憶を取り戻している。
 ステラは、かつて知った仲間…そして自分が心の支えとしていたものとの闘うことを戸惑う。
『…生きていたのか、ステラ。お前はそこにいて良い人間じゃない。俺と一緒に』
 ステラは、目の前に迫るムウを見て、躊躇する。
『ステラ!!』
 カレンが怒鳴る中、カレンの動きを封じようとライフルを撃ち込むカガリのアカツキ。
 動きを封じられる中、ステラは前にいるネオとは違うものの意志を感じ取った。
 それはネオとは違うものの存在。
「違う、お前は私の知るネオじゃない!!」
『…俺と戦うって言うのか?』
「……私は、カレンやシンを守る!!そう決めたんだ。もう…私は連合のステラじゃない!!」
 呂号乙型特斬刀で切りかかるステラのサーベルで受け止めるムウ。
 ステラは、動きを封じたムウに対して輻射波動を向ける。
「私は、私はぁあああああ!!」
 輻射波動が作動し、ムウのアカツキを吹き飛ばす。
 アカツキの機体の外部装甲が沸騰したようにボコボコとなっている。
「……ルルーシュ、ここは私とカレンで抑えるから」
「あんたは、さっさとあの要塞にいるものを取り押さえてきなさい!」
 カレンとステラの言葉にルルーシュは頷き、黒耀はメサイアに直進する。
612コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:05:44 ID:???
『邪魔をするな。お前達はみんな、間違っている!ラクスのいっていることが、一番なんだ!
 ほかの事など考えても仕方が無いだろう』
 カガリの操るG・サードオニキスの強力なハドロン砲が打ち込まれるが、カレンはそれを避ける。
「国の元首が、人頼りなんて…、これもルルーシュのいっていたギアスの影響なのかしら。
 だとしたら、あなた…ほんと道化ね」
『お前達を倒す!それがラクスの言う、世界の安定に繋がる!』
 速度でカレンを翻弄する、サードオニキスは、カレンがついてこれないのを確認するとMS形態に変形して、
 背後に回りこみサーベルを振り上げる。
『これで終わりだあああああ!!』
 カガリの渾身の一撃は、伸びた紅蓮暁式の手により顔を捕らえられ、防がれる。
 掴まれた頭部により、身動きが取れないカガリ。
『な、なにを…』
「…そんなにラクスが好きなら、今のこの状況を懇願することね」
『くっ!!私は、私はオーブの代表だぞ!こんなことをして…』
「聞き飽きたわ。カガリ・ユラ・アスハ」
 カレンが輻射波動のスイッチを押す。
 頭部からみるみる、機体の内部が破壊されていく。
『う、うわああああああ!!!』
 コクピットの内部の機械もショートを起こし、爆発が起こる。
 カガリの悲鳴が轟く中で、カレンは腕を離す。
 完全に機体の動きを封じられたカガリに、もはや戦闘能力はない。
 カレンは、戦っているステラをバックアップするためにその場を後にした。
 気を失ったカガリは、その無意識下で、アスランと供にオーブを守る夢を見ながら、宇宙を漂う。

 サーベルのぶつかり合いが続く中でステラはネオとの戦いを続けていた。
 ムウは、目の前の相手がステラであることに動揺していた。
 彼女が生きていたこと、彼女が自分の支えをなしにも、立派に成長していることに…。
 ステラはかつての自分から脱却を図りながら懸命に生きようとしている。
「はああああああ!!」
 彼女の力は、破壊ではなく創生に向かっている。
 デストロイにのっていたときとは大違いだ。
 そんな彼女の力を持ってして…自分が奪う権利が果たしてあるのだろうか。
 戦いに駆り立て、シンの約束も守らず、今なお、この少女の未来を再び奪おうというのか。
 自分にも守りたい者達がいる。そう…マリュー。
 記憶を失い、なお自分のことを守ってくれようとした彼女。
 そんな彼女もまた自分にとってはかけがえのないものなのだ。
613コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:06:58 ID:???
フラガ少佐、戦ってください。戦って勝ち、私の元にきてください

 なぜだ、頭痛とともにラクス・クラインのことが頭に浮かぶ。
 彼女の声が姿が脳裏に焼きついている。
 一体なにがどうなっているんだ。
『ステラ、なぜだ?なぜ、お前は、そこまで成長できた…』
 ステラの力強いサーベルを受け止めながらムウは問いかける。
 ステラは間もおかず
「私の記憶に残る人たちのために、私は戦う!!誰も、誰も忘れない!」
 なるほど…、そりゃー叶わないわな。
 アカツキの腕がステラにより、吹き飛ばされる。
 バランスを失ったアカツキに対して、ステラは輻射波動を放つ。
 アカツキの機体があちこち、爆発する中…ステラは、その場から離脱する。

「…さようなら、ネオ」

 一方、メサイアにとりつき、ハドロン砲を放ち、内部に入ったルルーシュとC.C.の乗る黒耀に迫るもの…。
 それはイザーク・ジュールの操る白いグフ・イグナイデットとディアッカ・エルスマンのザク・ウォーリアである。
 強力な狙撃をしてきた、ザクの攻撃を避けたところ、グフのムチに掴まれる。
「しまっ!!」
 強力な電流が、機体に流れ込む。
「うぅっっ!!」「あああああああ!!」
 さすがのラクシャータの機体といえど、これは予想外の攻撃だ。
 C.C.は電流が全身を走り、激痛が走る中、痛みに堪えて、ハドロン砲を撃ち込む。
 この状態で攻撃をされると思っていなかったグフには直撃。
 下半身をまるごと持っていく。
「イザーク!!」
 そういうディアッカもまた、電流攻撃を振り払った黒耀のハドロン砲により首を吹き飛ばされた。
 なんとか耐えたが…。
 この状態での伏兵による攻撃。
 電流攻撃に立っては内部の機械がかなり焼かれてしまっている。
「ここまでが限界か。だが、この後はラクス・クラインのみだ。あいつがいる場所が分かるか?C.C.」
 C.C,はメサイアの内部構造を確認しながら、司令部である場所を見つけ出す。
「おそらく、そこにラクス・クラインがいる。後は足で探すことになるな」
「奴も、俺たちを待っているだろう」
 2人は黒耀をおり、ラクスのいる場所にと向かう。
614コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:08:16 ID:???
 メサイアの天井が高く、広い空間の司令部にいるラクスは、戦況を見つめていた。
 先ほどムウ・ラ・フラガ、カガリ・ユラ・アスハの信号が途絶えたことを知ったことで、
 どうやら戦況はあまり芳しくはないようであるということだけは感じていたが、
 ラクスにとってはもはや、そんなことはどうでもいい。
 兵士が死ねば新たに補充すればいい。人間は腐るほどいるのだ。
 増えすぎた人口を淘汰するには戦争は、最適の人口抑制装置と…ラクスは考えていた。

 鼻歌を歌いながら、その戦いの姿をまるでショーのように眺めていた。

「静かな〜この夜に〜あなたを、ま〜ている…♪」

 ネオ・ジェネシスの次の標的である地球に向けての発射はもう少しである。
 それまでの余興である戦争なのだ。
 いかなるものも、このギアスにより思いのまま、人間を容易く扱える力。怖いものなど何も無い。
 気分も高らかにうたい続けるラクスの前に通信がはいる。
 それはエターナルのバルドフェルドである。
『ら、ラクス様!敵の猛攻が強く、これ以上、エターナルは持ちません!』
「ならば、特攻をかけて一人でも多くのものを道連れにしなさい。
 今が全てをかけるときなのです。これ以上の後退はありませんわ」
『で、ですが…』
「私の言葉が聞こえなかったのですか?」
『わかりまし……』
 通信が途切れる。
 まったくもって使えないものたち。
 結局、そこまでということなのですね。
 そのとき、後方の扉が開き、誰かが入ってくる。

「これでチェックだ!ラクス・クライン…」

 銃を持ち、現れるゼロの仮面を被ったルルーシュとそしてC.C.
 ラクスは、その言葉に振り返る。目を赤くギアスが輝いている。
 ルルーシュとC.C.は目をそらす。
 ラクスは微笑みながら二人を見つめる。
「ようこそ、私の場所へ…ゼロ。待っていましたわ」
 まるで全てを嘲笑うかのような表情のラクスを前にし、ルルーシュとC.C.は黒く禍々しいものを感じていた。
615コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/17(水) 20:10:10 ID:???
投下終了。

後2話で完結となります。
明日は投下できるかは微妙なところです

>>581
ギアスはいろいろと展開が速くて面白いですよ。
興味をお持ちでしたら一度見てみてください。
616通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 20:51:07 ID:???
投下乙
最終決戦のなかでカガリだけミスマッチすぎるなw
カレンは一人だけ雑魚の相手させられて消化不良だったろう
617通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 22:41:22 ID:???
ギアスの人乙です!
後もう少しで終わってしまうのかと思うと少し寂しいですが
もし番外編とか作るんだったら是非とも投下して下さい。
618通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:01:06 ID:???

この調子で新作もサクサク投下してくれるに違いない
619通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 23:20:38 ID:???
あれっC.C.にはギアス効かないんじゃなかった?
620通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:08:57 ID:???
単純に目を合わせたくないだけだろ
621通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:40:04 ID:???
後は目をそらす事でラクスにギアスが通用すると思わせる→残念でした!俺達にギアス効きませんwwwww
をやるのか

しかしイザークはセリフ無し即退場か…w
622通常の名無しさんの3倍:2008/12/18(木) 00:44:00 ID:???
シャルルのように盛大にやってくれるのだろう
623コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:25:13 ID:???
投下します
624コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:27:18 ID:???

第16話 ディーヴァの終局

 機動要塞メサイアの中、向かい合うゼロ=ルルーシュ、C.C.とラクス・クライン。
「私を待っていただと?」
 ゼロはラクスに向かい問いかける。ラクスは微笑みながら頷く。
「あなたのギアスと私のギアスが手を組めば、こんな無益な戦争が、簡単になくなりますわ。
 供に手をとり、世界を私たちで牛耳りましょう?」
「この期に及んで、己の利益のみの追求…世界征服しか考えられないとは…」
 吐き捨てるように言うルルーシュ。
 ラクスは、言葉を続ける。
「世界征服がいけないことでしょうか?
 民主主義なんか、たくさんの人間が自分たちのことばかりを考えて発言するから、議会は進まず、人々は苦しみ、不満が溢れ世界は静かに死んでいくのです。
 ならば、たった一人の人間が物事を全て取り決めれば、スムーズにことが進み、世界は円滑に平和になりますわ」
「少しは物事を考えているようだな?だが、それならば、なぜ前大戦の勝利時にそれを行わなかった。
 お前は、あのときもギアスを用いて勝利をしたのだろう?」
 C.C.の問いかけにラクスは声をあげて笑い出す。
「……政治を行うのって、思ったより大変なんですの?いろいろ面倒で。
 だからミーアさんっていう私の声に似た方がいらっしゃったので、
 私を利用しようとしていたデュランダル議長に、気づかれないように差し出して、私は地球圏でのんびり過ごすことにしたのです」
「なぜだ!オーブにて気ままな生活で満足をしていたのなら、なぜここまで戦火を拡大させるような真似をした?
 デュランダルがお前を暗殺しようとしたからか?」
 ルルーシュの問いかけに、ラクスは頭についている輝く髪留めをとって、ルルーシュに見せる。
「これ、お気に入りだったのですけど…暗殺部隊がやってきたときに傷ついてしまって…」
「な…」
「…」
 ラクスは再び髪留めをすると、ルルーシュたちのほうを見る。
「暗殺部隊なんかは、どうでもよかったのですけど、私のものを傷つけたことは許せなくて。
 平和なのも退屈だったし…纏めて綺麗にしようかなと思いましたの」
 こいつ……。
 たった、たった…それだけのために。
 そんなことのためだけに、これだけの戦争を起こしたというのか?
 ギアスの力とはいえ、この女を信じて戦っていたものに対する仕打ちがこれか。
 これでは…この戦争で散っていたものたちは、犬死だ。
「俺は、己の力を、自分の悦楽のために使い…世界を混乱に導いたお前は許されない!」
「あら?いいのですか?」
 部屋にぞろぞろとはいってくるメサイアの兵士達。
 全ての人間が彼女のギアスを受けており、その目つきは虚ろで赤く輝いている。
「もう一度聞きますわ。ゼロ…、私の、この魅了のギアスと供にこの世界を牛耳り支配しましょう?」
 赤く輝くギアス…、かつて己が用いたギアスを前にC.C.は唇を噛み締める。
 己のギアスでこれほどまでに世界を揺れ動かすことができるとは…。
625コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:28:53 ID:???
 アスラン・ザラとレイとルナマリアの攻防は続いていた。
 レイのドラグーンを簡単に切り払っていくアスラン。
 レイは破損したルナマリアを庇いながら遠距離から相手を懐に飛びこませないように攻撃を続けるが。
 アスランはそのライフルの嵐を掻い潜ってくる。
「アスラン!!」
『レイ!!』
 ジャベリンとサーベルが激しくぶつかり合う。
 スパークが響く中であっても、アスランのほうが一歩、
 機体の性能ゆえ、レイのレジェンドを押していく。
「くっ!」
 さらにはアスランがレジェンドを蹴り上げ、機体のバランスを崩す。
「しまっ…」
 レイの目の前に迫るアスランの機体。
 その手にはサーベルが握られ、それはまっすぐレイを向いている。
 レイは目を閉じ、己の死を覚悟した。
 だが、それはアスランに対する強烈な一撃によって妨げられた。
『こ、これは…』
 紅蓮暁式の輻射波動の腕が伸びてインフィニットジャスティスの頭部を掴んでいる。
 強烈な握力で頭部はバキバキと音を立てて崩れていく。
 まさか腕が伸びるとは…。
 誰もが予想だにしないこと。
 カレンはその腕を元に戻す。
 アスランは残った腕でサーベルを振ろうとするが、それをレイはドラグーンにより破壊する。
『なぜだ!なぜ、わからない!!ラクスのいう世界の理想を!彼女の世界は間違いなく平和な道だ。それをわかるんだ!!』
「アスラン…」
 もはや面影は残っていないのか…ルナマリアは悲しみに満ちた目で、ジャスティスを眺める。
 アスランの絶叫を聞きながらもカレンは躊躇はしない。
「裏切りで成り上がった男、アスラン・ザラ。
 あなたもまた私の知る、裏切りでなりあがった男のように、成長してくれれば…いいんだけどね。
 でも、今は……躊躇しない!」
 輻射波動が作動し、アスランのジャスティスの機体をメキメキと破壊していく。
 カレンは手を離す。
 既に機体は完全に破壊され、身動きも戦闘もできない。
「……みんな、残りを片付けるわよ!」
 カレンは指揮をとり、残りの敵MS掃討に当たる。
626コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:32:34 ID:???
 ラクスの問いかけに、ゼロ=ルルーシュは、手を振り上げ、高らかに告げる。
「お前の言う世界は、確かに戦争はなくなるだろう。そして…平和が訪れるはずだ。
 だが、それは仮初の平和。お前の言う平和はまさしく押し付けられた善意、悪意となんら変わりは無い!」
「善意も悪意も所詮は裏表、ならば…世界は正しいものに支配されることが一番ですわ。
 私の思いのままの世界、それでいいじゃありませんか。誰も文句も何もいわないですわ。みんな喜んでやってくれるでしょうし…」
「黙れ!お前のために生きるものにとって、それは地獄以外の何者でもない!!お前以外の人間全ての自由と、未来を殺すつもりか!」
「…平和のためなら仕方ありませんわ」
 話にならない…ルルーシュは悟った。
 この女は、己のために全人類の意志を殺すつもりであり、さらにはそれを理解もせず、罪悪感も抵抗もまるで無い。
 こんな人間が世界を支配すれば、それこそ終わりだ。
 そんなやりとりを聞いてC.C.は微笑む。
「まさか、かつて私自身が用いたギアスでここまでのこと為すものがいたとはな。
 質問しよう。お前にその力を与えたのはどこの誰だ?」
 ラクスはこちらを見ないゼロと、微笑むC.C.を見ながら
「シスターですわ。私に力を与えてくださった方」
「シスター…まさか!?」
 C.C.の記憶の中にある、自分にギアスを与えた女…。
 まさか、あいつがこの世界にもいたというのか。
 だとしたらなんで…。
「…お前の記憶の中にいた、ギアスを与えたものか…」
 ルルーシュも、Cの世界で垣間見たことがある。
 シスターの姿をした女。
 不老不死から逃れるためにC.C.を騙し、そしてC.C.にコードを与え死んだと思ったのだが。
「彼女はこういっていましたわ。戦乱の中の罪滅ぼしをしていると…。
 そして私はギアスを貰い受けましたわ。私の力は凄まじいもの。
 戦乱を収めるのも簡単でしたわ。皆さんは頑張っていたようですけど。
 次々と人が集まるんですもの…見ていて楽しかったですわ」
 戦争を楽しいと表現するか…この女。
 ルルーシュは吐気を覚える。
「今、その女はどうした?」
「さぁ、あれからあっていませんわ。この世界にはもういないかもしれませんわね。
 それともユニウス・セブンに潰されてしまったかもしれないですし…。
 今の私にはどうでもいいことですわ」
 あの女がここにいたということか。
 しかし、他にギアスユーザーがいたならば、何らかの反応があってもおかしくないはずだ。
 もう、ここにはいない…?
627コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:34:32 ID:???
「どちらにしても、ラクス・クライン…お前にはこの戦争を始めた責任を取ってもらおう」
「フフフ…、万に一つも無いことですけど、もし私を殺して、その後はどうなさいますか?
 私のギアスを受けたものたちが、貴方を新たな世界の指導者として賞賛するとも、思っていらっしゃるのかしら」
 ラクス・クラインという存在が、この世界にどれだけ必要なのかということはもうわかっている。
 そのためのシナリオもまた…。
「お前に教えてやろう。俺はゼロ!奇跡を起こす男だ!そして…お前の影武者である、ミーア・キャンベルは生きている」
「あら。よかったわ。後で私の変わりにまた頑張ってもらわないと…」
「…そして、俺のギアスもかけてやった」
「?」
 ゼロ=ルルーシュは、ラクスの顔が見れないことが残念でならなかった。
 さぞ悔しい顔をしているだろうからだ。
「俺のギアスは、王の力…、絶対服従のギアス。ミーア・キャンベルにはこう告げた。お前は・ラクス・クラインだと!
 これがどういう意味かわかるかな?」
 ラクスには、ゼロが何が言いたいのかわからない。
「…教えてやろう。ミーア・キャンベルの中でラクスは絶対であるが、お前の本性はしらない。
 よってミーアの中で知りえているラクス・クラインとはまさに、皆が持つ憧れのそれだ。
 ミーアにはお前が亡き後のラクス・クラインをやってもらう。
 さぞ人類のためにアイドルとして頑張ってくれるだろう…」
 ラクスは怒りに打ち震え、落ちていた拳銃を抜いてゼロに向かって撃つ。
 仮面が割れ、ルルーシュの顔が現れる。
 だが、それであっても決してラクスを見ない。
 それは、敗北を意味する。
 額から流れる血。
「あなたは、私を怒らしましたわ。いけない子…。みなさん、この方を殺してください」
 ラクスの声と供に、周りにいる兵士達が動き出す。
628コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:36:22 ID:???
「うわああああ!!」
 ドラグーンシステムの猛攻を前にして、輻射波動と真・呂号乙型特斬刀で牽制していく。
 遠距離からの攻撃ではこちらのほうが分が悪い。
 キラ・ヤマトは、破損した腕を庇いながら攻撃を続けていく。
『いつまで耐えられるか…』
「お前はそうやって、いつも撃つ側にいるからわからないんだ!
 ラクスという籠の中でしか物事を見ることが出来ないお前には、未来を語る資格は無い!」
『ラクスは正しいことを言っているんだよ。君も彼女の声、言葉を聞けば分かる。ラクスの素晴らしさ、そして偉大さが…』
「そんなこと、わかりたくもない!!」
『…なら、君はここでいなくなるしかない。未来はラクスとともに…』
 キラは、攻撃を続けながら距離を縮めていく。強力な砲撃を前に防戦一方のシン。
 そんなとき、高速度で何かがストライクフリーダムに近づく。
「シンをやらせない!!」
 ステラの灰廉が腰部からのハドロン砲を、キラに向けて撃ち込む。
 キラは回転して、回避するとすぐさまにライフルを撃つ。
 輻射波動で防ぐステラ。その間にシンが距離をつめる。
『どこに!!』
 まさにその速度はストライクフリーダムを凌駕する。
 コクピットでのキラはその翻弄する速度にSEEDに覚醒してもなお、ついていけない。
『この速さは……』
 ラクシャータの機体だけではない。
 シンの想い、それはシンだけじゃない。
 戦闘訓練を施したレイ。そしてシンを強く想うルナマリア、ステラ…、
 自分を信じたカレン、C.C.、ゼロ…。そして……。

 お兄ちゃん!今だよ。

 マユの想いが俺にはある。だから負けない。負けるはずが無い!
 たった一人の人間が運命を決めるんじゃない。
 運命は自分で決めるんだ。ひとりひとりが、己の意志で!
「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」
 ストライクフリーダムの周りを動きキラを翻弄する中で、切り刻んでいく。腕、足、頭部…次々と切り続ける中、回避もままならないキラは、絶叫しながら機体をむちゃくちゃに動かす。
「……終わった、みんな…俺は、俺はやったぞ!!」
 シンの背後、ストライクフリーダムの残骸が残っていた。
 完全に機体はばらばらとなり、放置されている。
『な、なぜだ…なんで、とどめを刺さない?』
「あんたはそうやって人を助けているんだろう。
 だから俺も、それをやっただけだ。運がよければ生き延びれるかもな。
 この宇宙の戦場の中、御人好しの誰かが助けに来れば…の話だけど」
『待って!僕は…ぼ、僕はぁ!!』
 シンはステラとともに、その場所から離脱する。
 残されたキラは、ラクスに懇願するように声を上げ続ける。
629コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:37:50 ID:???
シンの前、待っていたのは…シンに力を与えた仲間たち。
「遅いぞ、シン」
 レイ…。
「まったく…、何やってるんだか…」
 ルナ…。
「もう、あんたの分は残ってないわよ?」
 カレン…。
「シン、頑張った…、かっこいい」
 ステラ…。
 俺のかけがえのないものたち、
 既に、敵はほとんどが壊滅状態である。
 メサイア内部に立てこもった敵を駆逐するだけだ。
 そして…迎えに行かなくては…ゼロを。

 メサイア内部では、ラクスの命令を受けた兵士達が、ルルーシュたちの元に向かってきていた。
 ルルーシュは大きく息をつく。
 マントの中に隠されたスイッチ。
 それは、かつて皇帝に行った鏡を宙に飛ばす装置だ。
 これにとり、一気にギアスを大量の人数のものにかけることができる。
 だが、これの怖いところは先にラクス・クラインの目を見る可能性があるということだ。
 これにいたっては、賭けでもある。しかし、これでしか、ラクス・クラインを倒す方法が無い。
「…ルルーシュ、ここは私に任せろ」
「なに?だが、お前では…」
 C.C.は微笑みながら前に出てルルーシュのほうを振り返ってみる。
「同じギアスの使い手だったんだ。私にはわかるさ…、お前のギアスをあんな奴に使う必要はないよ…」
 ルルーシュは黙って聞いていた。C.C.は改め向かってくる兵士達を見る。
「お前達、考えないのか?ラクスが誰かのものになっているということに、
 お前達の中に既に、ラクス・クラインを手に入れているものがいる。他のものに奪われていいのか?
 お前達の好きなラクス・クラインは1人だ。全員を愛せるわけではない。
 自分だけのものにしたいだろう?」
「何を言っているのですか。とうとう、気がふれてしまったのですか?」
 ラクスはそんなC.C.を嘲笑いながら見つめている。
 こっちを向けばすぐにでもギアスをかけられるように。
 ラクスは、C.C.がコード持ちだということを知らない。
 注意をこちらに向けることで、ルルーシュに危険が及ばないようにしているのだ。
「何を迷っている。あいつの命令を聞いて、私達の元に向かっている間にとられるぞ?大切なラクスを…。
 さぁ、お前達が本当に欲しいのは誰だ?私達か?ラクス・クラインか…」
 C.C.の鋭い視線…。
 兵士達の動きが止まる。ラクスは何が起きたのかわからない。
630コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:38:54 ID:???
「どうしたんですか?皆さん、さぁ、はやく…はやく、あのものたちを殺すんです!」
 振り返った兵士達はゆっくりとラクスのほうに向かってくる。
 ラクスは後ずさる。
「どうした?ラクス・クライン、お前の好きなものたちが、
 お前に今までのお返しが欲しいそうだぞ?くれてやったらどうだ?」
「な、なにを!なにをなさったんですか?」
 近づいてくる兵士達に逃げ惑うようにしてラクスは出入り口に向かう。
 C.C.は微笑みながら
「かつて、私にもいたさ、私の身体をバラバラにしようとして、己のものにしようとした歪んだ愛を持つものが…、
 愛の極限は狂愛だ。人間の心が理解できないものには、わからなかったかな?」
「そ、そんな…そんなこと!!」
 出入り口の扉を開けた、そこにも群がる兵士達。
 逃げ場を失ったラクスは、そのまま兵士達に取り囲まれ飲み込まれていく。

「待って、いや、やめっ、ひぃ…あぁ、あ…きゃあああああああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 大きく響いた悲鳴も、そのまま兵士達の中に消えていく。
 C.C.のその行動にさすがのルルーシュも息を呑む。
 この姿こそが、おそらく…C.C.のもともとの性格。
 カレンや騎士団たちとの出会いで少しは丸くなったが、
 それでもこの、やはり人とは違う感性は持ち合わせているようだ。

「お前が人でなしでよかったよ。私も思う存分、残酷になれる」

631コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/18(木) 23:39:38 ID:???
投下完了。
明日が最終回になるはずです。

次回作はいろいろと考えてからですね。
632通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:08:23 ID:???
乙です。

うわーラクス今まで見てきたSSの中で最も悲惨な死に形だな。
633通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:28:37 ID:???
GJ!キラの数少ない「不殺で倒される」シーンが見れるとは…………!
ラクス……人格破綻者もここまで来るといっそ清々しいというか。

>>632
悲惨な死に方と言うよりは、集団●●●じゃ?
634通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:28:39 ID:???
映画仮面ライダーアギトの性悪女軍人の最期を思い出すな。
またキラもお得意の不殺戦法を自分にかけられたか。
別のスレでは海でやられて生還こそできたものの、再起の見込みなさそうな
ヒキコモリになりさがってしまったがここじゃどうなるか…
635通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:44:42 ID:???
>>634
その面白そうなSSを早く教えてくれ
636通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:52:29 ID:???
絶対服従と好きな奴の言う事を何でも聞くの違いか
これは面白い
637通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:53:01 ID:???
サクサク完勝
638通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 00:57:53 ID:???
ま、種なんざギアス勢にかかればこんなもんさ。
639通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 01:01:12 ID:???
絶対防護領域とか輻射波とかギアス勢の機体が厨二設定すぎるんだよw
掴まれたら終了決定とかw
640通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 01:07:25 ID:???
>>635
http://attacker.fc2web.com/kluze/fream.html
クルーゼ生存スレの初期編なのでまとめサイトからドゾ
641通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 02:01:09 ID:???
ラクスの最後でローズ大尉思い出したwwwwwwww
642通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 03:29:56 ID:???
>>640
初戦でいきなりシンにボコボコにされるという、数あるSSの中でも最弱のキラだったなw
643通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 03:50:58 ID:???
アスランが敵側にいるのは多いけれど、ブルコスに入った上あそこまで真性マゾになったアスランは
このSSくらいだろうな
644通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 04:09:27 ID:???
どれだけあさっての方向でも
質問に質問で返す誤魔化しをせず自分の方針を明確に主張してる分、このラクスの方がマシに見えるのは俺だけかw
645通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 10:34:28 ID:???
ルルもシンも詰めが甘いな。しかしGJ
646通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 12:40:48 ID:???
>>632-633
おいおい、貴様等見込みが甘いにも程があるぞ。
腎虚ミイラ死屍累々の山をかき分けて平然と、いやそれどころか
更に色々ナニカに目覚めて精力絶倫ギンギン艶々のラクスが逆襲してこないと
どうして言い切れるものかよ?
647通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 15:49:37 ID:???
>>646
もしくは某ATXオリジナルアニメの一話のオマージュでマルキオによりサイボーグ化
648コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:49:16 ID:???
投下します
649コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:51:33 ID:???

 エピローグ 未来への扉

 兵士達はいまだに出入り口の辺りで群がっている。まるでゾンビだ。
 歌姫の最後の歌は悲鳴という形だったようだ…。
 その間にルルーシュは機械を操作し、メサイアのジェネシス発射を阻止するためにコンピューターを動かす。
 だが、既に発射体勢に入っており解除できない。
「自爆させるしかない」
 ルルーシュはスイッチを押し、覚悟を決める。
 こうしなければラクス・クラインを倒した意味が無い。
 このまま地球にジェネシスが放たれれば、対プラントの怒りは加速し、戦争は終わらないだろう。
 それに元々自分たちは、異邦人。
 最悪ここで死ぬことになってもこの世界に影響は無い。
「フ…かまわないが、脱出できる時間はあるのだろうな?」
 C.C.の問いかけに、地響きが聞こえてきたルルーシュは笑みを浮かべ。
「安心しろ。こういうタイミングでくるものさ」
 地響きと供に、建物の外壁を破壊する音…。そこに現れる紅蓮暁式。
 カレンの機体である。
 ここまで輻射波動で突っ込んできたのだ。
『だーれが、タイミングがいいですって?人を運転手扱いするなら帰るわよ?』
 カレンの声に安心するルルーシュとC.C.
 どうやら外での戦闘も、もう終わりのようだ。
「感謝しているさ、カレン…」
 思わぬ感謝の言葉にカレンは何かを言い返そうとするが言葉が出てこない…。
 ルルーシュは時計を見て。
「急いでここから脱出する!自爆するぞ、ここは…」
『え、えぇ!?』
 カレンの機体に無理矢理乗り込むルルーシュとC.C.
 カレンはそのまま、全速力で、メサイアから脱出する。
 カレンの機体が脱出したのと同時に、メサイアのジェネシスは自爆し、
 要塞の岩壁から炎を上げながら、その機動要塞は歌姫の遺体を残したまま、瓦礫となり、宇宙のゴミとなった。
「…きちんと、決めてきたんでしょうね?」
 窮屈な体勢の中で操縦するカレンの問いかけに
「俺を誰だと思っている?」
「フ…、随分と気のいい話だ」
 ルルーシュの言葉に笑って答えるC.C.…。2人を見て、とりあえずはほっとするカレン。
 そんな三人を待っているものたち…。
650コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:53:02 ID:???
「カレン!C.C.!ゼロ!」
 一番最初に近寄ってくるのはステラだ。
「フ…、なんとか間に合ったようだな」
 レイも一息をついて紅蓮暁式とステラの灰廉の合流を見る。
「やるべきことはやったわ。後は…」
 ルナマリアが隣のコードギアス・ディスティニーに乗るシンを見る。
「あぁ…ゼロ!」
 シンの言葉にルルーシュは頷く。
 そう、戦いは終わったが…これから、すべてを正さなくてはいけない。
 真実は隠蔽される。
 当たり前だ。
 ラクス・クラインがギアスで人々を操っていたなどといったところで、何の利益にもならない。世界はラクスというものに溺れているのだ。
 ならば…やはり、それを持ってして世界をひとつにする。

一ヵ月後。

『私、ラクス・クラインはロゴスと、そして世界を争いの原因となった黒の騎士団のゼロを倒すことに成功しました。
 ですが、その傷はあまりにも大きいものです。多くの方がなくなりました。私達はその無くなった方々の土台の上に立っているのです。
 皆さん、それを忘れないでください。これからはコーディネイター、ナチュラル双方が手を結び、この世界を立て直していきましょう!』
 ラクス・クラインの言葉に、会場の代表と来ていたオーブ首長国連邦の代表者であるカガリ・ユラ・アスハ…、
 そして、その補佐を勤めるアスラン・ザラが立ち上がり、拍手するのと同時に、プラント、連合側の双方の人間が立ち上がり歓声を送っている。
 黒の騎士団はロゴスとともに世界を制圧しようとしたが、デュランダル議長の命、そしてラクス・クラインの活躍により、戦いは収められた…。
 騎士団のゼロは、ジブリールと共謀して兵士を先導したとされた。
 騎士団を打倒したアークエンジェルは、かなりの被害を出したが、戦った英雄として、賞を送られ微笑むマリュー・ラミアス、
 そして緊張しながら受け取るムウ・ラ・フラガ、そしてミリアリア・ハウなどのクルーたち。
 これにより、騎士団についた、ほとんどの将兵はラクスの嘆願もありお咎め無しとなった。
 ラクス・クラインは今後、コーディネイターとナチュラルの架け橋として生きることになるだろう。
651コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:54:38 ID:???
「…これでよかったのか?」
 青空の下、地平線に広がる草原の中で…
 シンは、草原に寝転ぶルルーシュを見る。
 ラジオから聞こえてくるラクスに対する歓声…。彼女は幸せだろう。
 ラクスとして生きる人生に…。彼女の強いラクスに対する理想をミーアは体現できるだろう。
 彼女の心の中にあったラクス・クラインが今の彼女となって、世界に飛び立つ。
「魔王ゼロは消えた。だが…いつか、この世界が再び戦乱に見舞われたとき彼は現れ、戦争を纏め上げ世界を支配しようとするだろう。
 そのとき…人類は人類同士の戦争をやめ、戦争をゼロにむけて行う」
 自分自身を犠牲にして、この世界を救った…。
 シンには、このルルーシュという人間の心の深さを感じていた。
「シン!ルルーシュ!」
 それはルナマリアとステラだ。
 2人は草原の中を軍服ではなく、私服で笑顔で走り回っている。
 2人だけじゃない。その後からはC.C.とカレン、メイリンもいる。
「…1つ、あんたにお礼がある」
「なんだ?」
 シンは笑顔で戯れているステラたちを眺め
「ステラを助けてくれてありがとう。あんただったんだろう?ベルリンのとき…」
「フ…、偶然だ。いや…未来を求めたステラが起こした奇跡かもしれないな」
 ルルーシュは白いスーツ姿でシンと同じく、草原で遊ぶカレンたちを眺める。
 そういえば、ステラが加わってからか…
 あの戦い以後、この世界が変わり始めたのは…、だとするなら、ステラには運命を変える力があるのかもしれない。
「…これから、お前達はどうする?」
「いろいろ考えたんだけど…、やっぱり軍に残ることにした。
 もし、またラクス・クラインのようなものが現れたとき、力を持っているものが止めなくちゃいけなくなるから」
「未来を守るため…か」
「あぁ、俺は…、ステラ、ルナ、レイ…みんなの未来を守る。
 ルルーシュ、お前はどうするんだ?もし…、お前が何も決めていないなら、俺たちの世界にいないか?
 案内したいんだ、戦争の無い、お前が守ってくれた、この世界を…」
 シンはルルーシュのほうを見る。ルルーシュは首を横に振り
「残念だが、それは受けるわけにはいかない。
 俺は罪人だ。まだやらなくてはいけないことがある。
 ラクス・クラインにギアスを与えた存在は既に、ここにはいないようだしな。それに……十分わかったさ。
 この世界がいかに素晴らしいかは」
「……そうか、残念だ。ルナやメイリン…ステラはお前達のこと、気に入っていたんだけどな」
652コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:56:41 ID:???
この一ヶ月間、様々なことに奔走する中で、短い時間を見つけては、いっぱい笑っていたな。
 戦争という悲劇しか生み出さない中で、その笑顔が、傷ついた心を癒してくれる。
 ルルーシュは立ち上がり、草を払う。
「シン・アスカ。俺はお前達のことを忘れない。
 よき友として…、お前達が行くべき道が素晴らしいものであることを祈っている」
「それは俺がお前に送るよ。ルルーシュ」
 ルルーシュがさし伸ばした手を掴み、シンもまた立ち上がる。
 その2人を見て、カレンとC.C.が歩み寄ってくる。
「はぁー…まったくステラの奴、足が早いんだな」
 C.C.は息を切らしながら、言葉を出す。
 カレンはこうやって駆け回ることは好きなので、とても清々しそうだ。
 ルルーシュたちの後ろにあるミネルバからやってくるタリアとレイ、
 そしてラクシャータ…。
「そろそろ行くぞ」
 そのルルーシュの言葉に、カレンはわかってはいながらも…別れが惜しいという気持ちが残る。
「そう、行くのね…」
 ルナマリアがカレンとC.C.に言う。
「行く?ルルーシュ、カレン、C.C.どこかにいっちゃうの?」
 ステラは、その言葉を聞いてカレンとC.C.の服を掴む。
 今にも泣き出しそうな表情をするステラに、カレンとC.C.は顔を見合わせて、複雑な表情をする。
「ステラ…お守り、持っているでしょう?」
「うん」
 ネックレスとしてお守りとして持っている灰廉の機動キー。
 それは紅蓮のカレンのお守りとして持つ機動キーと色違いのおそろいとしてある。
「これを見て、私達を思い出して…。ステラが私達を覚えている限り、私達はずっと一緒だから…」
「…もしかしたら…だが。もし再びラクスのようなものが現れた場合は、戻ってくるつもりだ。
 これが最後の別れにはならないようにするよ」
 C.C.はステラを抱きしめて頭を撫でてやる。
 ステラは涙を流しながらC.C.の胸に顔を埋める。
 ルルーシュは、よっぽど好かれたんだなと思い、微笑む。
 魔女にここまでなついたのはカグヤぐらいだろう。
653コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:58:15 ID:???
「ラクシャータさん、カレン、C.C.…ルルーシュ、本当にありがとう」
「この一ヶ月、楽しかったわ。いろいろとね」
 ルナマリアとメイリンはそれぞれと抱き合って、別れを惜しむ。
 メイリンは涙を堪えながら、初めての同年齢の女の子との戦友との別れに辛い思いを抱いていた。
「もう、メイリンったら…あなたまで泣き出したらこっちが辛いでしょう」
 ルナマリアがそういってメイリンを叱る。
「だ、だって…」
「…2人とも、ありがとう。私…ここにきて戦闘ばかりだったけど…貴方達と出会えて本当によかった…」
 カレンは改めてルナマリアとメイリンに思いを告げる。
「C.C.も…、今度またピザやいてあげるから」
 ルナマリアは、一ヶ月間、幾度もピザを食べていたC.C.を思い出し笑って言う。
「フ…、また、食べに来てやるさ。すこしは腕を上げて置けよ」
 ルルーシュは、タリアにお礼をいい、そしてレイと最後の挨拶をかわす。
「生きることは、死ぬことよりも難しい…。だが、それだからこそ人生とは面白いのかもしれない。様々な出会い、別れ…そして成長していく」
「俺はもう、ラウ・ル・クルーゼとしての仮面は捨てたさ。
 ルルーシュ、お前がこの先、何かがあったとしても…、俺たちと過ごした時間が、お前の何かの力になれれば幸いだ」
「感謝する」

 タリアが持ってきた写真で撮影。
「わっ!?」「な、なにっ!!」
 集合写真では、真ん中にいるシンにはC.C.とカレン、
 そしてルルーシュにはルナマリアとメイリンが二人を挟んで頬に口付けをするというサプライズを行い、
 2人は驚いた顔で写真にうつることに…。
 後はそれぞれクール同士のC.C.とレイ、ステラとカレン、C.C.やレイ、ルルーシュ、シンの男三人組、
 それと同じように女の子組…様々なパターンで写真が撮られた。
 思い出の1つ。互いが互いを忘れないためのものだ。

「…お別れね」
「またね、みんな…」
「また……会おう」

「…この世界に幸のある、未来があらんことを……」

 ルルーシュたちの姿は、煙のように消えていった。
 まるで全てが夢のような出来事…。
 だけど、先ほどまでの笑っていた気持ち、楽しい気持ち…そしてこの想い出は消えない。
「…いっちゃったね」
「また、戻ってきてくれるかな」
「俺たちが、未来を作り出せていれば、また会えるさ」
 残されたものたち…、シンたちには、彼らから託された未来を守るために、まだまだやるべきことがある。
 未来を守る…未来を手に入れた者たちの次なる戦いだ。
 シンは青空を眺め、風が身体をすり抜ける中…、誓った。
654コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 16:59:49 ID:???
白い白い場所…。そこはCの世界。



「…さて、私はこのあたりで戻らないとね。さすがにこれ以上、研究、怠けてるとロイドがうるさいから…」
 ラクシャータは立ち止まり、キセルを回しながらつぶやく。
「そうか、いろいろとすまなかった…元の世界に戻ったら、俺たちのことはおそらく忘れるだろう」
「そうなのかい、残念…ルルーシュ?」
 ラクシャータがルルーシュにキセルをむけ
「そこにいる小娘が飽きたらいつでもかえっておいて、大人の味を教えてあげるわ」
 耳元で囁くようにしながら言う言葉に、ルルーシュは驚きと恐怖と焦りで震える。
「ら、ラクシャータさん!」「……」
 カレンとC.C.がそれぞれ感情を表す中、ラクシャータは手を振りながら三人に背中を向ける。
「カレン、お前もいけ…」
「え?」
 カレンはルルーシュを見つめる。
「俺たちがこの世界に送り込まれた理由…。
 おそらく、それはCの世界において、集合無意識、神と称されるものに願った、未来を求めたことにある。
 ギアスにより、世界の未来が揺らいだ場所に、俺たちは向かい、そして、その世界に明日をもたらす。
 あの世界もラクス・クラインにより世界は止まる寸前だった。
 俺たちだけではどうしようもないということから、Cの世界が、お前とラクシャータを呼び寄せたのだろう。
 お前達の役割は終わった…、もう付き合う必要はない」
 シャルル・ジ・ブリタニアでの決戦時に願ったこと…。時の歩みを止めないこと…、
 それが世界の願いであり、ルルーシュに課せられた罪。
 そのために、ルルーシュは歩み続けなくてはいけない。
 そうか…自分も2人にとってはただのいちパイロットに過ぎない。
 ラクシャータさんが優秀な科学者であるのと同様に。
 ルルーシュにとっての駒でしかないということか。
「そんな…ルルーシュは、それを繰り返すの?」
「それが、幾多の人間の命を奪った俺が受けなくてはいけない罰だ」
 ルルーシュにかせられた罰は…カレンが思った以上に重いものであった。
 このような出来事を、あと何度繰り返すのだろうか。
 それが彼にとっては永遠かもしれないのに。
「ここまですまなかった、カレン…、お前には迷惑をかけた、どうか…ナナリーを守って欲しい」
「…ルルーシュ」
 ルルーシュはC.C.とともに歩き出す。次の世界を目指し…。
655コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 17:01:57 ID:???
 カレンはどうしていいのかわからない。ルルーシュは世界を、自分たちの世界を救った。
 方法が間違っていたかもしれない。
 だけど、彼のおかげで世界は…平穏をもたらしたんだ。
「カレン」
 振り返ったカレンの前にいるラクシャータ。
「必ず帰ってくるという条件付なら、少しの間だけ休暇にしといてあげる」
「ラクシャータさん……」
「このままじゃ、納得いかないでしょう?彼の力になってあげなさい」
「……はい!」
 カレンは強い意志を持って頷く。そう、今、自分がやりたいことは……。

「さて、次はどんな世界があるんだ」
 ルルーシュの問いかけにC.C.は紙を取り出して
「CBと名乗るテロ組織がガンダムを操り、世界を救おうとする世界…」
「暫く、ロボット系統は遠慮しておく」
「…300年の一度行われる世界を救うため友人同士で大切な人間をかけて殺し合う蝕の祭、
 同じ時間を永遠、繰り帰しながら誰も死ぬことの無い世界を導こうとする…昭和の時代、魔法少女が活躍する世界……」
「どれもこれも厄介そうだな」
 ルルーシュは、紙を眺め期待・不安と様々な感情を起こしながら言った。

「なら、次はこれね!」

 C.C.とルルーシュの間に入って指差すカレン。
「お前!」
「2人っきりになんかさせないわよ!」
「…フ、どうなっても知らんぞ?」
「自分の意志でここにいるのよ!文句は言わせないわ!」
 ルルーシュは頭を抱えながらも、追い返すことは出来ないだろうと考え頭が痛む。
 笑顔のカレンは、こうやって世界を変えて行くルルーシュたちといることで、いつかルルーシュ自身の未来を変えることもできるかもしれない…、
 これだけが彼の運命じゃない。運命は自分で作るものだと知ったから…。
 こうして三人は新たな世界に向かう。
 そこで待っているものが何かはわからない…、
 だが、ルルーシュたちのやることは変わらないだろう。
 世界を壊し、世界を創り上げる……。
 大切な人たちの未来を守るために…。

656コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/19(金) 17:07:04 ID:???
投下完了
最後のところはシンたちの記憶を消そうかとも考えたんですが
ルルーシュはそれで一度後悔してますからやめました。

というわけで最終回でした。
これまで読んでいただきありがとうございました。
wikiにのせてくれた方もありがとうございました。

次回作は
番外編
シンたちのその後…
ルルーシュたちのその後…
みたいな感じで考えています。00クロスも…本編完結して面白ければ。
ありがとうございました。
657通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 17:07:40 ID:???
おつ
658通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 17:16:14 ID:???
>>656
. _  ∩ GJ
.( ゚∀゚)彡 GJ
.( ⊂彡

氏の次回作に期待
659通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 17:55:55 ID:???
おっつー

ルルーシュにはロリペド属性が無いからアレには……








でもあのキ○ガイに遭遇してそのまま成り行きでどこかの世界でなっちまうかもしれんなぁ
660通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:13:56 ID:???
典型的最低SSだったね
せめてギアスキャラの名前をした別キャラ状態はなんとかならなかったの?
661通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:31:20 ID:???
>>660
いい方法があるよ。

  死 ね

662通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:32:14 ID:???
キュピーン!!
663通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:44:32 ID:???
>>660
正直にぬかせや、ギアスキャラの事なんかなんかどうでもよくて
キラクスがババ引いたのが気に入らねーだけだろブタw
664通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:50:33 ID:???
>>656
乙!楽しませて貰ったよ!
最後、00とひぐらしかよwww
665通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 18:58:31 ID:???
>>660
>>661
>>663
失せろゴミクズども
666通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:03:18 ID:???
GJだ
しかし、落ち的にルル御一行は介入者(第8世界人・プレイヤー)なのか
あと、介入先が1番目(300年〜)と三番目(昭和の魔法使い〜対象大杉)がわからないが2番目(繰り返す世界)はガンパレでOK?
667通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:04:36 ID:???
案の定
作品自体は大した事無いのに
題材のせいで荒れる
668通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:10:42 ID:???
> 同じ時間を永遠、繰り帰しながら誰も死ぬことの無い世界を導こうとする…昭和の時代、魔法少女が活躍する世界…

最近は候補が増え過ぎてて困る
669通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:12:51 ID:???
誰も死ぬことの無い世界

ス○ガ?
670通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:20:51 ID:???
誰も死ぬことが無い世界とか額面どおりにとると
→死ぬ事ができない世界→地獄?
となる俺って病んでる?
671通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:22:09 ID:???
俺って病んでる?とか聞いてる時点でそれほどでもない
672通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:37:13 ID:???
というか病んでる俺ってかっこいい? とか思ってる厨二病という病気に罹ってる
673通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:38:03 ID:???
ヒゲの配管工の世界じゃないのか
ほら、ノーミスで最後まで行くまでにそれこそ永遠に近いまでに
同じ時間を繰り返すわけだしし
674通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 19:51:23 ID:???
GJっす!
正直、微妙と思った時期もありましたし、台詞回しやら若干妙に感じるとこありましたが
このクライマックスの展開がギアスらしくあり、ラクスやキラが然るべき報いを受けた展開
とても美味しゅうございました
発端があのシスター(?)とは予想外でしたわ
本編のCCはコード継承まで軽いノリだったし、それこそ彼女の知る限りじゃ殺し合いまで発展しなかったかもしれませんが
軽くいさかいが起きたり知らないとこでCCを巡って殺し合いがあったりもしたかもしれませんねぇ・・・
何はともあれ、ギアスで自滅とはふさわしい死に様
キラも無事回収されなかったようで何よりw
転移に関しても納得しました、きっちりしてますなぁ神様
もしシリーズ化するなら、次あたりはジェレミアも農家から引っ張り出されることを神に願いますw

とにかく、お疲れ様でした
675通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 20:01:28 ID:???
完結乙でした。
次があるなら出番のなかったオレンジとプリン大活躍の方向でw
676通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 20:44:10 ID:???
>…300年の一度行われる世界を救うため友人同士で大切な人間をかけて殺し合う蝕の祭
舞-HiME

>同じ時間を永遠、繰り帰しながら誰も死ぬことの無い世界を導こうとする…昭和の時代
ひぐらし

>魔法少女が活躍する世界……
候補が多すぎて分からないが、多分なのはだろう
677通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 20:48:57 ID:???
GJ!
次回作もそのうちサクサクたのむよ


誰も死ぬことの無い世界って・・・旧板の某スレか?
678通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 20:50:42 ID:???
>>676
ここはあえて、黒田脚本のプリティサミーを挙げておこう
679通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 20:54:38 ID:???
>>676
昭和の時代は魔法少女に掛かっているんじゃないかい
680通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:06:28 ID:???
ちと頑張って「シンがコードギアスの世界に来たら」書いてみた。
スレ違いかもしれんけど投下していいかな?
681通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:08:45 ID:???
いいともー
682通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:11:09 ID:???
いいですとも!
683通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:12:05 ID:???
やっちゃえやっちゃえ
684通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:12:19 ID:???
じゃあ、投下します。高山版からのシンです。
685通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:12:52 ID:???
 あの時、父や母、そしてマユを失ったあの日、自分はこう思った。『自分に力さえあれば』と。
 そして自分は力を手に入れた。友もいた。その力を糧にして『戦争がない平和な世界』を手に入れようとした。
 純粋な何も考えていない馬鹿なガキの様に・・・力ですべてを薙ぎ払おうとした。
 だが・・・自分は負けた。かつての上司に。自分が欲した力そのものに。
 戦場でのアスランの言葉だ。
「シン! もうやめろ! お前が今守っているものが何なのか・・・・わかっているのか!?」
「わかっているさ、そんな事は!! でもあれは戦争のない平和な世界を作るために必要な力だ!! 
 デスティニ―プランを成功させるために!!」
「間違っている!! そんな力で・・・強制された平和で・・・本当に人は幸せになれるのか!?」
「だったらどうすればいいっていうんだ!? あんたらの理想ってやつで戦争を止められるのか!?」
「何!?」
「戦争がない世界以上に幸せな世界なんて・・・あるはずがないっ!!」
 それだけ。自分が愛した家族、愛した人を失ったシンにとっての願いは唯一それだけだった。
 その思いを胸にデスティニーで攻撃しても、∞ジャスティスは一向に応戦しようとはしない。
「なぜだ。なぜ本気で闘おうとしない! アスラン!!」
「それは・・・今のおまえの姿が昔の俺と似ているからだ」
「・・・・・・え?」
「俺はかつては母を殺された憎しみだけで戦いに身を投じた・・・。だからわかる! 今のおまえの気持ちが!!
 自分の無力さを呪い、ただ闇雲に力を求めて・・・」
 シンは唖然となった。裏切ったとばかり思っていた奴が、自分と同じだったということに。
 アスランは言葉を続けた。
686通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:13:38 ID:???
「だがなシン! その先には何もないんだ! 心は永遠に救われはしない!!
 だからもうお前も過去にとらわれて戦うのはやめろ・・・。明日に・・・未来に目を向けるんだ!」
 アスランの言うことは納得できた。だが、もう自分は戻れないところまできている。
 やると決めた。選んだ道を、行くしかないのだから。
「あんたが正しいっていうのなら! 俺に勝ってみせろっ!!」
 そして・・・シンは負けた。
 月で手足をもがれたデスティニーは何も行動することもできず、ただ沈黙するのみ。
 ∞ジャスティスはとどめをささずに去って行った。
 ――アスランが正しいということを証明されてしまった。
 シンの目の前が真っ暗になる。
『結局俺はだれも守ってやれなかった・・・』
 ただの嘆き。無力感。手に入れた力は所詮、最後の最後で役に立たなかった。
『無駄だった。何もかも・・・』
“そんなことないよ・・・!”
『誰?』
 背中越しに聞こえる声。綺麗な澄んだ声。自分に好きだと言ってくれた声。
“ステラ・・・シンに会えて良かった・・・”
『ステ・・・ラ・・・』
 誰よりも守りたかった少女がそこにいた。天使の微笑みをこっちに向けて。
“だから前を見て。明日を・・・”
 
「――そうだな・・・ステラ・・・俺はまだ・・・生きている」
 目を開ければ自分が願った世界がある。シンは自分の生を確かめた。
 ゆっくりとメサイヤが落ちていく。
 すなわち、議長たちが討たれたということだろう。
「生きている限り明日はやってくるさ」

「なあ、レイ・・・・・・。俺はどこに行けばいいんだろう?」
 目の前が真っ白になった。


687通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:14:33 ID:???
「う、うぅん・・・・・・」
 目にやわらかな夕日が差し込んできた。それに同時に鋭い針のような頭痛がした。
「大丈夫ですか?」
 シンは横を見た。そこにはメイドが一人、優しそうな目を向けて座っている。
「ここは・・・」
「アッシュフォード学園だ」
 シンのつぶやきに誰かが答えた。
 白い天井に向けていた目線を横に向ける。背が高めの黒髪の青年がそこに立っていた。
「アンタは・・・・・・」
「ルルーシュ・ランぺルージだ。君、俺のクラブハウスの前で倒れていたらしくてな。ナナリー・・・俺の妹が君を見つけて咲世子さんがベットに寝かしたんだ」
「そうか・・・」
 シンは生きていることを確かめ、明日を迎えていることに安堵する。
 ベットの近くにある窓から差し込んでくる夕日が眩しく感じ、右手で日差しをさえぎる。
「俺は、生きているんだな・・・」
「ああ、そうだ。四日も寝てたんだ。ところで君の名前は?」
「俺は・・・シン・アスカ」
 のどが渇いて、声を出すだけで痛みが走るので、蚊の鳴くような声でいった。
「よろしくな。シン」
 ルルーシュが細くて長い手を差し出したので、シンはおぼつかない手で握った。
「よろしく・・・」
 右手の感覚がしっかりしてくると同時に脳もはっきりしてきた。
 ――――アッシュフォード学園? そこはどこなんだ? ちょっとまて、俺はさっきまで月面に・・・。
「気付かれたんですか!」
 ガチャリ、と扉が開かれ車いすの少女が部屋に入ってきた。
「ああ、ナナリー。彼はシン・アスカ。シン、紹介しよう。俺の妹のナナリーだ」
「大丈夫ですか、シンさん」
「あ、ああ」
 さっきから状況がうまく飲み込めず混乱気味のシンだが、とりあえずルルーシュとナナリー、メイドの咲夜子が自分を助けてくれたのはわかった。
「ありがとう。俺を助けてくれて・・・」
「いえいえ。・・・・・・でもよかったです。ずっと寝ていてもう起きないんじゃないかと思うほどでしたから」
 ナナリーという少女はずっと目を閉じている。車いすに乗っていることから、体が不自由なのが分かった。
 少し、部屋が静けさに満ちたときに、それを壊すように電話の音が鳴り響いた。 
 咲夜子が少し急ぎ駆け足で取りに行った。
688通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:15:34 ID:???
 シンは考える。今感じているのは月の重力じゃない。どう考えても地球の重力だ。
「ここは地球なのか・・・」
「何あたりまえなことを言っているんだ、シン。ここは日本。今はエリア11という名だが」
(日本・・・エリア11・・・)
 ルルーシュが言うにはここは地球の日本らしい。余談だが、オーブも日本の文化が強く根付いていた。
 ルルーシュは深刻な顔をしてシンと面を合わせて質問した。
「それより、シン。君は何人だ? イレヴンか? ブリタニア人か?」
(イレヴン・・・? ブリタニア人・・・?)
 その言葉が何なのかはわからなかった。だが、この質問はかなり重要な気がした。
 二つの選択によって、自分の運命が変わるかもしれないことに。
「アスカ様、すみませんが、お電話です」
「・・・誰からですか?」
「いえ、本名は明かせれない、と。ただ、『フリーダム』という方だそうです」
 『フリーダム』。
 その言葉を耳にして、シンはベッドから跳ね起きた。
689通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:17:43 ID:???
以上です。拙い文章ですが、頑張ってみました。
更新はかなり遅いペースになると思います・・・
意見などいたたけたら、うれしいかぎりです。
次回からコードギアスの話が始まる予定。。。
690通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:18:03 ID:???
悪いが、次回からは名前欄にタイトル付けてくれ
691通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:20:40 ID:???
明かせれない秘密がたくさんありそうですね
次からはタイトルお願いしますね
692通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:23:34 ID:???
↑すんません。次回からタイトルに「コードギアス逆襲のシン」とでも書いときます。
 再度、サーセンwwww
693通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:43:02 ID:???
名前欄に##と書きその後ろにIDを書きトリップをつけるのは忘れないで
694通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 21:46:35 ID:???
凸に撃墜されて次元移動…ってパターンは腐るほどあるけど、高山版はほとんど無いんだよな
そういう意味では期待度高い
695通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 22:09:14 ID:???
ロスカラっぽい始まり方だね
696通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 22:28:39 ID:???
シンがギアスを手に入れたらどんな力になるんだろうと考えた
王の力=支配 というのがおおよそだけど
そーいうのに一番無縁そうにも思えるなぁ

余談だが、DSのパラックスだかキャスタールだかが使った
マオと逆の『思考を相手に強制的に聞かせる』ブレスは地味に恐ろしいよな
エンドレスでラクス=クラインの歌を聞かされ続けたりも可能なわけだ
697通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 22:41:45 ID:???
シンはギアスよりワイアードのイメージ
自覚無しに暴れてたら勝手に力出ちゃいましたって感じの
698通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 22:58:36 ID:???
種・種死の世界にケイシー・ライバックが来たら
699通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:00:05 ID:???
っていうかスレ違いでしょ?>>685-688

ここは別世界の奴が種の世界に来るんだから

700通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:01:04 ID:???
兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 5
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212578381/l50

シンがギアスをだったらこっちがいいかもしれない
701通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:02:47 ID:???
>>700
そっちは、あくまで種・種死の枠内でIFを考えるスレだろう
ここでいいよ
702通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:10:13 ID:???
スレタイが紛らわしいけど、>>1にもあるようにクロスオーバー総合だろ、ここ
703通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:13:32 ID:???
>>1で書いてあること的には間違ってないな

フリーダムってキラか?
この状況からルルんちにシンあてに電話が来るとは、地味になかなかの超展開だぜ
704通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:15:47 ID:???
>>699終了のお報せ
705通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:17:51 ID:???
高山版のキラは無印のときは駄ニメとは別人のような良主人公だったけど、種死だと超空気キャラだったな
レイのアドバイスも受けないシンに速攻でブチのめされていたことと、「アスランを傷つける者は許さない」とか言ってたことぐらいしか覚えてない
706通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:21:38 ID:???
昭和がひぐらしで魔法少女がなのはさんだろう冷静に考えて
707通常の名無しさんの3倍:2008/12/19(金) 23:36:34 ID:???
> 同じ時間を永遠、繰り帰しながら〜
「昭和の時代」がどっちにかかるか最初わからず、ひょっとして
仮面ライダー龍騎かと思ったりしたのは俺だけでいい
708通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 08:01:39 ID:???
基本的にクロスモノってどっちかが踏み台にされてること多いんだよなぁ
709通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 10:30:14 ID:???
クロスオーバーは大小の差はあるものの基本的に原作とは違う結末にするから踏みだいになる
あと他の世界のキャラクターを持ってくる介入型は救世主になりやすいのもある
まあ、2つ以上の世界を混ぜる型(スパロボなど)やキャラクターを置き換え型(たしかキャスティングクロスオーバーだっけ)はあまり見かけないからな
710通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 14:46:18 ID:???
特に介入型は大抵、そっちの原作が終わった状況で来るから、介入された側に比べて人格的にも力量的にもチートであるケースが多いな
個人的には世界が融合してるクロスが一番バランスがいいと思うけど、その場合世界観の構築が難しい
まあ介入型も、キャラが介入することでストーリーにどういう変化があるか、異なる世界の技術をどう共有させるのかとか、真面目に考えると結構難しいんだけど、
711通常の名無しさんの3倍:2008/12/20(土) 15:05:56 ID:???
天外のカブキ、アリスソフトのランス――他にもいるだろうけれど平和な日常だから怠けると、レベルが下がる、と明記されているゲームもあるんですよね。
ゲームに限らず、レベルダウンした介入者というのもアリでは?
712コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 17:57:50 ID:???
番外編投下します。
713コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 17:59:00 ID:???
ステラのクリスマス

 食堂にて、カレンやC.C.たちと食事をするシン、ルナマリア、メイリン、ステラ一向。
 相変わらずの大食いであるシンに負けず劣らずのカレンを見てルナマリアとメイリンは呆れ顔。
 ステラは尊敬の目で見つつ、C.C.は我関係ないしと言わんばかりに見てみぬふりである。
「そういえば、そろそろクリスマスだな」
 シンは食べながらふと思いついたように言う。
「もう、シンったらご飯食べながら喋らないでよ〜」
 メイリンがシンを見て軽く怒る。
「こう戦いばかりだと、時間とかわからなくなっちゃうわね」
 ルナマリアはそれだけ自分たちが戦い続けていることを改めて知る。
「そうよね、私達だって普通なら学校とか行ってなきゃおかしな年齢なのに」
 カレンもルナマリアの意見に賛同し頷く。
「…戦争をやっている国は、だいたいこうだ」
 そんなみんなの意見をC.C.が一気に潰す。カレンがC.C.のほうを睨んで空気を読めという視線を送るが、C.C.は知るかと逆に視線で答えを返す。
「クリスマス!サンタさんが…プレゼントをくれる」
「アハハハ、サンタ、サンタなんて…ぶはっ!!」
 シンが笑って否定しようとしたところをルナマリアの裏拳が飛んでイスから転げ落ちるシン。
 ステラが不思議そうな表情を浮かべるがルナマリアが笑って
「なんでもないのよ、なんでも…気にしないで」
 ステラは笑顔で話を続ける。
「ステラ、ネオに教えてもらったの。いい子にしてたら、クリスマスにはなんでも欲しいものをプレゼントしてもらえるって…」
 そんなステラの笑顔を誰も否定は出来ない。
 だが、ステラは少しうつむいて
「…でも、戦争してたら、やっぱり…もらえないのかな」
「そ、そんなことないわよ!ね?お、お姉ちゃん」
 すぐにフォローにはいるメイリンはかなりの空気が読める子である。
「そうよ!諦めないで信じなきゃサンタさんこないわよ!」
 カレンとC.C.も少し間を置いて、フォローする。
 なぜ2人に間があったかというとこのままいくと…
 自分たちがサンタ役をやらせるのではないかという不安があったからである。
「どうした?」
 それはゼロだ。C.C.にラクスのギアスについて話をしようとやってきたのだが…。
「ゼロ!ステラ、サンタに会えるかな?」
「サンタ?あぁ、サンタなら…」
 そういうゼロの顔を睨みつけるC.C.とカレン、そしてルナマリアたち…。ゼロが一息ついて
「サンタは、上空をトナカイで飛んでいる。
 これは空気があるからであり、宇宙には空気が無い、よって宇宙空間では運ぶのは難しく…」
 理論で語りだしたゼロをカレンとルナマリアの強烈なWパンチでダウンさせる。
「…まぁ、クリスマスを待っていればわかることだ」
 お茶を飲み食事を終えたC.C.がまとめる。
714コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 17:59:54 ID:???
 食事後…案の定、そうなってしまったのだが。
 ルナマリアの部屋…。
「はぁ…どうするのよ?こんなときに、ステラの欲しいものを見つけるのって並大抵のことじゃないわよ?」
 カレンは腕を組んで考える。
「だいたい、あいつの欲しいものが分からない」
 C.C.はお手上げだなといわんばかりに、他人事のように告げる。
「シン!あなたが話題振ったんだから、あなたがステラに聞きなさいよ」
「なんで俺が!?ルナたちが話を大きくしたんだろう?」
 シンは自分のせいではないと、必死にアピールする。
「シン、ステラを傷つけてもいいの?」
 メイリンがシンを見て言う。シンは心に刺さるものがある。
「わ、わかった…聞くよ、聞けばいいんだろう?」
 シンは溜息をつきながら聞くことになる。
 残ったルナマリアやメイリンたちは、ステラのために買い物をする係りとなった。

「えぇぇ!?聞けなかった?」

 ルナマリアとメイリン、カレンが驚く中でシンは頷く。
「普通に聞いたんだけど、そしたらステラの奴…」
『願い事は人に言っちゃいけないって…ネオがいってた』…ということらしい。
「ここは私がギアスで聞きだそうか?」
「「いつの間に…」」
 ゼロがお茶を飲もうとして仮面にぶつけている姿を見てカレンとC.C.は声を重ねる。
「仕方が無いです。ステラが欲しそうなものを買って、それで我慢してもらいましょう」
「お金はみんなの自腹よ」
「……」
 逃げ出そうとしたシンを捕まえるゼロ。
「こういうときこそ、男を見せなくてはいけないぞ、シン!」
「そうはいけど、俺、ミネルバから逃げ出してきたからお金もってないんだよ!」
 シンはルナマリアから金を借りて、後で利子をつけて返すということになった。
 深くうなだれているシンを前にして、お金の偉大さを知るカレン。
715コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 18:00:52 ID:???
そういうことで…クリスマス当日。
 サンタの格好をするC.C.とトナカイ姿のその他一同。
「なんで、私がこんな格好に…」
 カレンは自分がサンタ役だと思っていたのだが、ジャンケンに負けて仕方なくこうなってしまった。
 まさか…コスプレまでさせられるとは…。
「物事は形からよ!」
「…だけど、お姉ちゃんこれ恥かしいよ…」
「安心しろ。こういうときのために、こいつを用意した」
「だから俺を物扱いするのは辞めろ!」
 ゼロのクビに縄をしめているC.C.
 最悪ギアスで忘れさせればいいということだろう。
 とにもかくにも、こうして一同はクリスマスの夜といっても宇宙だが…
 眠っているステラの元に向かう。

「今見たことを忘れろ!」

 というルルーシュの声がでかいことだけが見つかるんじゃないかという不安に繋がるわけだが…。
 こうして一行は誰にも見つからないようにステラの部屋までやってきた。
 重そうに運ぶシン…、シンの持つ袋にはステラの欲しそうな食べ物が入っている。
「よし!それじゃーはいるぞ…」
 シンが扉をあけ、カレンとルナマリアが部屋の中にはいっていく。
「気をつけろ。あいつはあー見えて軍人であり強化人間だ。変な仕草でいくと刺されるぞ」
「ちょっ!今いわないでよ!」
 C.C.の言葉にカレンが小さな声で怒鳴る。
 ステラのベット…、そこには靴下が置かれている。
 この中にプレゼントをいれればいいということか。
 靴下の中にはいっている紙。それをとるC.C. みんなの視線がその手紙に集中する。
716コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 18:01:35 ID:???
 サンタさんへ

 プレゼントはいらないから
 シンやC.C. カレン、ルナマリア、メイリン、ルルーシュ…
 みんなと、ずっと一緒にいれますように…。


「フ…無駄なプレゼントになったな?」
 C.C.は一同を振り返り微笑む。
「そうね、こればかりは…」
「ステラ…」
 ルナマリアとメイリンはすやすやと眠るステラを見て、
 彼女の自分たちに対する気持ちがとても嬉しかった。
「言ってくれるじゃない…、サンタさんの力も借りて、頑張らなきゃダメってことね」
「そういうことだな、明日はクリスマスパーティーでもしてやろう」
 優しく微笑むカレンと、どこか愛する妹であるナナリーを思い出すルルーシュ。
「それじゃー…俺たちは、お礼に、このプレゼント置いていくか」
 シンはたくさんのプレゼントが詰まった袋を置いて部屋をゆっくりと出て行く。

 みんなが去った後も、ステラは何も知らず眠っている。
 ただ小さく寝言を唱えた。

「サンタさん…ありがとう…」
717コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/20(土) 18:02:16 ID:???
投下完了
クリスマスネタでということで。
本編感想ありがとうございました。
718通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 08:21:47 ID:???
本編中の時間軸ならシン達は、ルルーシュって誰だ?って話にならないのか?
それよりも乙
719通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 09:03:59 ID:???
>>718
つ「番外編」

レッスルエルガイムやマクロス7アンコールみたいなもんさ
720通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 09:15:27 ID:???
ギャブレー君の代わりに誰かが女装するわけですね
721通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 09:19:12 ID:???
番外編で時系列を持ち出すのは無粋かもしれないな。
ほら、DVD特典なんかじゃ本編で死んだ人間が普通にいたり、座談会だったり、登場人物全員で宴会だったりするし。
722通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 10:06:58 ID:???
コードギアスの人お疲れ様でした。


ところで、終了後にがんばって『ラクス』をやっているミーアにラクスの亡霊が囁いて
本性現した後のラクスに変貌、ただしギアス無しで戦争も下手だからあっさりやられる
……っていう夢を見てしまったんだがどうしてくれるんだ。
723通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 12:47:26 ID:???
CEにアリシア人と宇宙海賊ボスコーンが来たら
724通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:31:10 ID:???
>>723
だれがレンズマンに選ばれるんだ? サムライレンズマンとの名前つながりでシンか?
725通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 15:42:25 ID:???
もしも種・種死の世界にWAのロディが来たら

中の人繋がりで
726通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 18:30:43 ID:???
>>724

……いや、アリシア人がCEの人間を何かに選ぶことは無いんじゃね?
いや、けどアリシア人もゲッター線並にアレな選民主義者達だからなぁ。

まぁでも、ラクシズの裏にボスコーンが憑いていて、
UC時代に宇宙に旅立って言ったNTの子孫たち(レンズ所持)が、
ボスコーンの影を追ってやってくるとかだろう。
727通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 18:39:22 ID:???
>>726
何そのスコッパーが全力で掘りに来そうな踏み台SS
728通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 18:51:20 ID:???
……アリシア人達の思想的に言って、
CEの人たちに何らかの期待を抱く道理が無いんだよ。

だから、ボスコーンを追った原作のレンズマン或いはレンズの子らをCEに出張させるか、
或いは、レンズマン的なオリキャラを投入するか、
アリシア人orCEの人たちを大改造するしかその話を成り立たせる法は無い。
729通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 18:55:10 ID:???
お前にSSを書くセンスがない事はわかったから黙ってろ
730通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 21:34:59 ID:???
名作とのクロスは、必ず>>726=>>728みたいな狂儲が沸くのが常だな
こういう奴らは面白さとかどうでもよくて、ただ他作品を踏み台にすることしか考えてねえ
731通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 22:12:13 ID:???
クロス相手なんて、種の補正という作者が気に入らない物をぶちこわすためのバールだからwww
大目に見ようよw

別にキララクというバールでクロス先ぶっこわしても、良いんだけどね。
(俺はスルーするからスルー用に作者識別トリップは必ずお願いします)
732通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 22:13:52 ID:???
>>731
真理をぶっちゃけ過ぎだよw
あまりにも正直な人間はこのタテマエ国では生き辛いぞw
733通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 22:17:15 ID:???
どうせラクシズがTV版の思考と行動のまま最高級レンズマンに
選ばれる話でない限り踏み台踏み台連呼するんだろw
734723:2008/12/21(日) 22:30:51 ID:???
原作のレンズマンやら銀河パトロール隊やらを連れてくると、嫁補正ブチ壊す以前に、
結局やってることがレンズマンの原作と変わらなくなっちまうからな
だから、あえて来る対象を「アリシア人」にしたのに、やっぱこういう流れになっちまうか

だがラクシズがレンズマンとか冗談は止めろw
あいつらはボスコーン側に決まってんだろ
735コードギアス反逆のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:37:10 ID:???
とりあえず投下しちゃっていい?
コードギアス本編に入るのはあともうちょっと待ってほしいんだけどさ。
736通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 23:39:08 ID:???
どうぞどうぞ
737コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:39:54 ID:???
↑ごめん「反逆」て「逆襲」だったww
 サーセンwwww
738コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:40:43 ID:???
 急に起きたせいで体に激痛が走ったが、そんな事を気にしているシンではなかった。
 咲夜子から電話が置いてある部屋を聞き、逃げ込むかのように入った。
「もしもし・・・」
“やあ、君がシン・アスカかい? デスティニーのパイロット”
「ああ、そうだ。『フリーダム』・・・。キラ・ヤマトか?」
“そうだよ。シン・アスカ”
 間違いない。ステラを奪った、憎むべき『敵』。
 MSフリーダムを手足のように扱い、戦場を引っかき回した。
 自分から、大切なものを奪い取っていった、白い悪魔。
 ――こいつさえいれば、ハイネは、ステラは・・・・・・。
“私情は後にしてくれないかな。君は今どういう立場なのか・・・全く理解してない状況でしょ?” 
「・・・・・・」
“聞いて驚くかもしれないけど、率直に言うね。――おっと、その前に”
「なんだ、早くしろ」
“周りに人はいない? そして大きな声は立てないこと。僕が言うことには必ず従うこと。――いいね?”
 念押しするように『フリーダム』――キラ・ヤマトは言う。
 面識はないが、アスラン・ザラが言うには、キラ・ヤマトは敵ではない――到底信じられないが。
 レイの話では、『最強のコーディネーター』らしい。
 MSを腕や足、武装やカメラを狙いコックピットを絶対に狙わず、戦場に出ていることを考えていない。
 MSが手足をもがれ、バーニアをやられたら。そいつが待っているのはいづれ迫ってくる“死”だけだ。
 それらから考えれるのは一つ。
 『フリーダム』のパイロット・・・キラ・ヤマトは《甘い男》なのだろう。決して《優しい》わけではない。
739コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:41:17 ID:???
 だが、そんなことはどうでもいい。今の自分には何もわからないのだから、『フリーダム』の言うことに従っていくしかないのだ。
「わかった。――人はいないし、心の準備もできてる。癪だが・・・アンタの言うことにも従ってやる」
“了解。それじゃあ言うけど・・・ここは僕たちの居た世界じゃない。コズミック・イラとかそんな時代のことではなく、世界がまるで違うんだ”
「世界が違う・・・・・・?」
“そ。だから僕たちの常識とは全く違うから、そこのところはよろしく”
 ここはコズミックイラではない・・・。
 イレブンとかブリタニアとか、わからない単語を聞かされた時から薄々そんな気はしていたが・・・まさか本当に自分の知らない世界だとは。
 シンはやれやれとため息をつく。
“おや、もっとびっくりすると思ったんだけど・・・案外呑み込みが早いね”
「別に、実感があまりないだけさ。――俺はどうすればいい?」
“それは君が考えることじゃないかな。――とはいっても何も分かっていない君にそれは酷かな”
「もったいぶらずに答えろ。まずアンタは今どこにいる?」
“神聖ブリタニア帝国・・・。まぁ、僕たちの世界で言うイギリスのラテン語名の俗称だけどね『ブリタニア』は。
 簡単に言うとブリタニア大陸、ああ、要するにアメリカ大陸の帝都ペンドラゴンに今いるよ”
「アンタどうして俺がここにいることを知ったんだ?」
“まぁ、この世界でも僕はある程度の権力があるんだよ、チョチョイとね。それに、君とさっき話したルルーシュ君はブリタニア帝国の元皇子だしね。ちょっとしたマークはあるから、君の所在をつかむのにそんなに時間はかからなかったよ”
「元皇子?」
“うん。彼の本名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。それにナナリーもそんな感じ。もう縁は切れてるみたい。
 今のブリタニア皇帝陛下、第98代シャルル・ジ・ブリタニアの息子だよ、彼は。息子娘はいっぱいこの世界にいるみたいだけどね”
「ふぅん・・・。まぁ、ルルーシュ・ランぺルージの話はもういい。さっき、イレブンかブリタニア人かどうか聞かれたんだが」
“もう聞かれたの!? 思ったより早いなぁ・・・”
 キラはびっくりしたように答える。
「一応、まだ何にも答えてないが」
“あ、そうなの? よかった。シン、絶対ブリタニア人と答えてよ。名前からしても日本人っぽいけど生まれはブリタニアだって絶対に言うんだよ?”
「わかったわかった。そんなに念押しするな。わかったから」
“エリア11はブリタニアの植民地でね。イレブンといわれている日本人に人権とか身分はないに等しいし、差別もいっぱいあるから”
「・・・了解」
“まぁ何とかして三日間その家で頑張って。三日後に君に会いに行くから”
「どこで待てばいい?」
“うーん。君が今いるのは学園だからね・・・。まぁ校門の入り口に夜の12時にて。それじゃ”
 ガチャリと音をたてて受話器を置いた。
 まさか、自分は異世界にいるなんて。
「――――悩んでいてもしょうがないか」
 シンは雑談の笑い声――ナナリーの澄んだ声が聞こえる部屋に向かうことにした。
740コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:41:51 ID:???
「長かったな。誰だったんだ?」
 ルルーシュは腕を組みながらシンに問いかけた。
「昔の知り合いだよ。・・・なぁ、ルルーシュ」
「なんだ?」
「折り入って頼みがあるんだが・・・少しの間、俺をこの家に泊まらしてくれないか? 三日間でいいから」
「何・・・?」
 ルルーシュの方が少しこわばったように見えた。もしかしたら、警戒されているのかもしれない。
 彼はキラ・ヤマトの話では元皇子。どこかの刺客かと思われているかもしれない。
 だからと言って、シンがルルーシュが元皇子だと知っていることを悟られるわけにもいかないので、何と言えば警戒されないようにできるかさえわからない。 
 別に、ルルーシュに何をするわけでもないのに手に汗を握ってしまう。
 そんな二秒間にも満たない窮地を脱してくれたのはナナリーだった。
「いいじゃありませんか、お兄様。咲夜子さんも別にかまいませんよね?」
「ええ、もちろんです。ナナリー様」
 女性陣の声には流石のルルーシュも逆らえなかった。
「ナナリーも・・・咲夜子さんまで・・・。やれやれ。シン、泊っていくのは別にかまわないが・・・・・・」
「・・・何だ?」
 ルルーシュはシンに近寄り口をシンの耳元まで近づける。
「ナナリーに手を出すなよ?」
「・・・・・・」
 シンは彼が元皇子うんぬん、というより《シスコン》だということがわかった。

741コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/21(日) 23:43:10 ID:???
今日はこんな感じ。
本編に入るのはまだもうちょっと先。
・・・・・・シンにギアスの能力は必要かどうか今悩み中・・・。
742通常の名無しさんの3倍:2008/12/21(日) 23:48:19 ID:???
とりあえず乙

だがしかし……うーみゅ……
いつもいろんなSS読んでて思うんだけどキラってこんなに要領よかったかなぁ……?
このSSに限った話じゃないけど、シンが闘牛でキラはくらげっぽいイメージあるんだけど
743通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:12:16 ID:???
別に本編遵守のキャラじゃなくだって良いじゃないか
有能なユウナとかきれいなラクスとかやってるんだから容量の良いキラがいたって
744通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:18:21 ID:???
きれいなラクス?
どこにそんなもんがいるんだい?
745通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:20:19 ID:???
ラクスが居なくて羽を伸ばしてるんだと解釈してみるw
746通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:34:19 ID:???
>>744
アムロスレ『SEED bloom』の裏表なくキラと相思相愛なのとか、
更新途絶えて久しいが『愛の惑星の詩』のバカピンクことナタリーとか
Wスレの『運命の歌姫』の、無印後は隠れ武装も地下組織もなく本気で隠棲してたが
ラスボス化した凸を止めようと無理して戦いに出たキラに先立たれてしまった例とか
まっことレアではあるが確かに多少はいるんだよ。
747通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 01:53:56 ID:???
ワシントン条約モノだな
748通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 02:33:55 ID:???
>>734

つ最高級のボスコーン・レンズマン

……ラクスの歌の洗脳が、レンズの力で増幅とかできたら怖いよね。
749通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 10:21:13 ID:???
>>743
ユウナが明らかに無能なのはザフトを口先だけで追い払えると思った最後のオーブ侵攻戦の時だけだろ
演出や台詞で無能に見せようとしてるが、ダーダネルスはともかくクレタではどう見てもまっとうな作戦立てたのに
馬鹿オーブ軍人に足引っ張られてるだけだw
750通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 13:33:37 ID:???
あのAAだな……
751通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 13:37:40 ID:???
ダーダネルスで先鋒を引き受けたことを責めるやつもいたが
ネオは何が何でもオーブ軍を捨て駒として使う気だったんだから率先して先鋒勤めた方が
まだ危険な任務という覚悟がある分安全だったよな
ユウナにその自覚があったかどうかはともかく
752コードギアス DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/22(月) 21:36:35 ID:???
別スレにて投下してしまいまして申し訳ありませんでした。

後日編を投下します
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1229335893/113-121

753通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 21:42:40 ID:???
シンがトリコの世界に来たら

IGOに捕獲され、グルメ細胞の実験体にされるシン……
754通常の名無しさんの3倍:2008/12/22(月) 21:48:05 ID:???
>>752
それ投下してるつもり?
755通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 03:59:49 ID:???
>>752
うざ
756 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/23(火) 08:42:43 ID:???
今回は双方のスレに迷惑をかけ、改めて申し訳ありませんでした。
作品投下に関しては、こちらでは暫く間控えたいと思います。本当にすみませんでした。
757 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/23(火) 08:44:04 ID:???
>こちらでは暫く間控えたいと思います。
暫くの間

訂正です。
758通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 09:09:30 ID:???
不祥事起こした芸能人じゃあるまいし謹慎なんかしなくていいよ
ルールというか不文律だけ把握しといてくれればさ
759通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 12:44:28 ID:???
ていうかなんでわざわざ向こうに落としたのかさっぱりわからん
760通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 16:09:24 ID:???
そんなに言う程の事でも無い。
間違いましたで済む話だよ。

投下乙、次回も頑張って。
761通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 16:37:03 ID:???
空気読めない作者のせいでスレが潰れたらどうする気だ、無能。
そんなに逆シンスレが嫌いか?

嫌いなスレに投下しまくる気だろ。理想郷にでも引きこもってろ
762通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 16:46:14 ID:???
お前ら厳しすぎ。
一回位のミスでそう怒るなよ。
763通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 17:00:48 ID:???
誤爆したんならしょーがないって思うんだけどね
764通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 17:39:56 ID:???
単独のレスなら誤爆もありえるが
連投で誤爆はないないw
765通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 18:46:50 ID:???
また荒らしか
作者叩きで投下させないために必死過ぎる
766通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 18:55:21 ID:???
>>765
君、向こうのスレでも荒れてないのに連投で荒れてるとか言ったりラクシズ厨が荒らしてるとか言ってるよね
正直言うとさ、書き込まないでくれる?
767通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 18:56:19 ID:???
>>765
100年ROMれカス
768通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 19:02:38 ID:???
もう>>765が荒らしだろ。
どちらのスレでも適当な事言ってさ。
769通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 19:56:59 ID:???
落ち着け
770通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:29:37 ID:???
>>766
>>767
>>768
連投乙
771通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:33:52 ID:???
何だこりゃ
三■目がまだいたのか?
772通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:34:18 ID:???
>>770
荒らし乙です
773通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:38:05 ID:???
>>761
>>764
>>765
>>766
>>767
>>768
>>770
>>771
>>772

この自演具合、やっぱ三■目か
まーだ軍事的知識が足りないとか燃える戦闘描写がとか言ってんのか?
774通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:39:19 ID:???
>荒れてるのか、連投して荒れてるように見せかけているのか。俺は後者だと思うけどね


こいつもそうだが
自分がやっているから他人もやってると思い込んじまうんだろうな
775通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:40:18 ID:???
とりあえず全部三■目のせいにして片付ける事にしたようです
776通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 20:46:03 ID:???
これで涙目君が勝利宣言してたらギャグだなww
777通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:12:45 ID:???
自演病発病者の>>773がいると聞いて(ry
778通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:28:04 ID:???

 ∩ .∩
 .い_cノ  / ̄>O
.c/・ ・っ (ニニニ)△△
.("●" ) .(・ω・`)[‖]  ここも悪い子ばかりだな
O┳Oノ)=[ ̄てノ ̄ ̄]      ルドルフ!次行こう!
◎┻し◎ ◎――◎=3
/ラジャー\
779通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 21:30:58 ID:???
ルドルフ!?
シンボリルドルフじゃないか!!
780通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:01:28 ID:???
ハゲども
781通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:02:12 ID:???
イッパイアッテナ乙
782通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:05:58 ID:???
>>757
二度と投下しないでね^^
783通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:06:32 ID:???
荒らしじゃ荒らしの仕業じゃ、と吠えている方「も」荒らしだから困る。

故意の誤射かます人間が一番嫌いだけどな。
やっちまった作者は、負債並みの面の皮の厚さをもっていると思うんで、
叩かれたぐらいでどうこうするような心配をせずに済むことだけは評価するw
ただ、巻き添えを食う、他の作者が心配で心配で。
784通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:24:54 ID:???
便乗荒らしが凄いですね
785通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:37:25 ID:???
荒らしじゃ荒らしの仕業じゃ、と吠えている方「も」荒らしだから困る。と吠えている方「も」
便乗荒らしが凄いですねと吠えている方も荒らしだから困る。
786通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:39:05 ID:???
無視が一番。これ以上煽るな。
787通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:39:55 ID:???
イッパイアッテナって久々に見たわ

って本当に三■目いるんじゃねーかwwwww
いまだにそんなん実際に使うのあいつぐらいだろww
788通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:45:38 ID:???
日本語でおk
789通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:45:48 ID:???
良スレ
790通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:46:17 ID:???
>>786
無視が一番。これ以上触るな。
791通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:48:34 ID:???
冬休みか…
792通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:51:05 ID:???
793通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:52:01 ID:???
クリスマスか…
794通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:53:20 ID:???
795通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:53:43 ID:???
大晦日か…
796通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:54:43 ID:???
有馬記念か……
797通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:55:10 ID:???
太陽系の終焉か…
798通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:56:02 ID:???
もういくつ寝るとお正月か…
799通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 22:58:02 ID:???
は〜る〜よ〜と〜おき〜は〜るよ〜
800通常の名無しさんの3倍:2008/12/23(火) 23:07:09 ID:???
太陽系の終焉と言えばおおいぬ座VY来襲だな!
801通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 11:32:18 ID:???
気の早いやつらだな、まだイブさ
802通常の名無しさんの3倍:2008/12/24(水) 23:34:41 ID:???
めりーくるしみます
803通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 10:42:49 ID:???
シングルヘル シングルヘル 苦しいな〜♪


CEに嫉妬マスクが来たら

……取り敢えず凸は磔だな
804通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 10:54:07 ID:???
キラもアスランも怨み買ってるからな……町一つ埋め尽くす勢いでしっと団の団員に押しつぶされるのは目に見えている。
805通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 14:37:07 ID:???
地雷女しか踏んでないキラはしっと団的にはスルーじゃないか?
806通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 15:18:58 ID:???
>>805
キラを粛正するべきかどうかで、しっと団内のプラント出身者と非出身者が内ゲバとな?
807通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 15:45:30 ID:???
まあキラとラクスを蔑ろにする書き手は没落するように出来てるんだ。
みんなこれからは内容に気を使うんだなwwwww
808通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 16:26:55 ID:???
あーはいはい
809通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 16:42:46 ID:???
久々に同人SS痛(死語)がメシウマと聞いて(ry
810通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 19:51:17 ID:???
>>807
偉大な的として散っていく作品は難しいけど、良い物だ
不条理な敵として描写されていても、努力の果てに散っていくという敬意が払われている作品も良い物だ
811通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 20:52:58 ID:???
もし種世界にマリネラ王国とラキシス探してる天照が同時に来たら
812通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 20:59:40 ID:???
天才だけどアレ過ぎる君主繋がり?
813通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 22:15:03 ID:???
意識して人間のふりしてないと力が発現して人間じゃないのがわかってしまう天照と
人間のはずなのに時々人間の常識を踏みはずすパタリロかw
814通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 22:32:07 ID:???
もし種世界に御坊家第999代当主が来たら
815通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 23:58:35 ID:???
もしC.E.まで不死者のバカップルが生きてたら。
816通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 00:00:43 ID:???
種世界に銀河鉄道999のキャラが来たら
817コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/26(金) 00:13:00 ID:???
メリークリスマスってわけで人あんましいないかなと思うけど投下していいかな・・・
818コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/26(金) 00:17:01 ID:???
 三日後・・・・・・。
「本当に行ってしまわれるんですね・・・」
 悲しみながらナナリーは言う。その顔の目尻には涙が浮かんでいた。
「楽しかったよ、お前がいてくれて。シン、何か困ったことがあれば・・・いつでも来てもらって構わないからな」
 ルルーシュは名残惜しそうな顔をしている。この三日間で随分と仲良くなった気がする。
「すまないな、いろいろと。そっちには感謝しようにもしきれないな。ほら、ナナリーも泣かないで。またすぐに会いに行くからさ」
「本当ですか?」
 涙声の質問にシンは明るく答える。
「ああ、もちろん。・・・咲夜子さんも、ありがとうございます。服とかいろいろ用意してもらって」
「いえいえ」
 別にかまいませんよ、と言った後、咲夜子はシンの耳元にそっと近づき、

「実はあなたが見つかったとき、何も着てなかったんですよ」

「え?」
「介抱したのは私で、見つけになったのはナナリー様ですし、ルルーシュ様は外出しておられましたので・・・」
「えうあ、え・・・?」
 なかなかうまく状況が飲み込めない。
 確かに、自分はコズミック・イラにいたときはパイロットスーツを着ていて、こっちの世界で起きた時にはすでにパジャマというか寝間着を着せられていた。
 で、そのパイロットスーツはどこにもない。
 ・・・しまった。
「フフフ――なかなかいい体をしていますね?」
 初めて心の中で「ひいいぃぃぃ!」と思ってしまった。しかも、見られた! 全裸スッポンポンで自分はルルーシュ達のクラブハウスの前で倒れていたというのか!
 何と言う屈辱っ・・・! そしてナナリーが目が見えなくてよかったっ・・・!! と思ってしまった。
(てかこのメイド・・・怖えええ!)
「どうしたんだ、シン? そんな怯えきった顔をして」
「ナンデモナイぞ。ウン」
 ルルーシュが咲夜子のほうを向く。
「・・・咲夜子さん。なんか怖い冗談を吹き込んだんですか?」
「いいえ。私はありのままの事実を」
「ありのままの事実? なんですかそれ」
「それはですね――」
「さ、咲夜子さん!? ちょ、ちょっとやめてくれ!」
「――お恥ずかしそうなので、言えません」
「気になるな・・・。そう思わないか、ナナリー?」
「確かに気になりますけど・・・。シンさんが可哀想なのでいじめるのはひどいと思います」
 ナナリーの清く明るい聖母のような心に助けられたシンは、自分自身の赤っ恥がこのメイドだけとの秘密にすることに成功する。
 シンはこのお茶目(?)なメイドには二度と逆らわず、ドジをしないようにと心に誓った。
819通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 00:17:55 ID:???
>>817
どうぞ
日付変わったからクリスマスはもう終わったけどね
820コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/26(金) 00:18:57 ID:???
「じゃあ、また近いうちに会いに来るからな!!」
 ルルーシュ達に手を振りながら別れた。
 譲ってもらった腕時計を見るとまだ時刻は午後十時。約束の時間までにはあと二時間ほどかかる。
「近くを少し回ってみるか・・・」
「そんなことしなくても大丈夫だよ、シン」
 不意に後ろから声がかかる。優男のように柔らかな声だ。
 振り返るとそこにいた人物に見覚えがあった。
「アンタは・・・オーブの慰霊碑で会った・・・」
「どうも、シン・アスカ。さて、ここで話すのもなんだからどこかで食事をとりながら話そうか」
 そう言って握手も何もなしにキラ・ヤマトは校門を通ろうとする。
 ――こいつが正義の味方気取りで・・・戦場を引っかき回したせいで・・・!
 シンは懐から銃を取り出す。ルルーシュの家から拝借したものだった。
「二度と食事が取れないようにその喉笛を貫いてやろうか? キラ・ヤマト!」
「・・・・・・やれやれ。君も愚かなことをするね」
 振り返ったキラも右手には拳銃を握っていた。
 お互いの距離は約一メートル。引き金を引けば確実にあたる距離だ。
「愚かだと? アンタがそんな事を言うのか! 『フリーダム』でヒーローごっこをしていたアンタが!!」
「だとしたら撃ってみるといい。君が愚かなことがよくわかると思うよ」
 どう考えても挑発。こんなところで銃弾が撃たれれば、その銃声で誰かしら来る可能性にキラはかけているのだろうか。
 だが、シンの判断は一瞬だった。
 ドンッ! とシンの拳銃から鉛玉が飛び、キラの心臓に命中。
 そのまま力が抜けたように倒れたキラは左の胸からドクドクと血が抜けているのがわかる。
 実に、あっけない。インパルスでステラの仇を取ろうとして、決死の覚悟で挑んで撃破したのにまた舞い戻った不死身のパイロットが・・・こんなあっけなく。
「・・・・・・」
 だが、シンは気になった。キラのあの自信は何だったのか。
 自分が銃を突き付けた時、もしこいつが自分の戦った理由を、正義を語ってくれれば、自分は引き金を引かなかっただろう。
 しかし、キラはシンに銃を向けた。「自分は殺せない」と言わんばかりに。
 そして銃から出た弾丸はキラの左胸をえぐった。致命傷だ。キラ・ヤマトの体が血溜まりに堕ちている・・・?
 いや、血溜まりができていない!
821コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/26(金) 00:20:11 ID:???
「まさかッ・・・!」
 キラの服装は普通の軽装で防弾チョッキを身につけているようには見えない。
 だが、出血をあまり、いや全くしていない!
 本当に死んでいるのかどうかを確かめるため、シンはキラに近づき屈んだ。
 その瞬間、キラ・ヤマトの眼が開かれる。

「だぁから・・・愚かだって言ったんだ」

 シンの体に衝撃が走る。
「なッ!」
「やめてよね・・・。君が僕を殺せるわけないだろ」
 キラは左手でシンの首元を掴み足を払ってねじふせ、顎下に右手の拳銃を当てる。
 シンは衝撃に伴い、襲って来たのは恐怖。
「あ、アンタは・・・」
 自分が目のあたりにしているのは何だというのか。こいつは、キラ・ヤマトは・・・・・・。
「アンタは一体何なんだぁぁぁ!!」
  
822コードギアス逆襲のシン ◆vfrKFDEXaA :2008/12/26(金) 00:21:11 ID:???
 本当はキラとシンのやり取りはコードギアス本編七話のような感じを考えていたのにいつの間にかこうなってた。
 後悔はしてない。
 あともうちっとでアニメ本編に入るだろう頑張ってる俺。
 
823通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 01:27:46 ID:???
もしも、C.EにFFTの聖石があったら、
…もう、これだけでオチが読まれそうだが…。
824通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 01:28:35 ID:???
と、新着チェックしてなかったから人着てたの気がつかなかった。
乙です。
825通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 17:12:17 ID:???
>>823
つまりヴァルゴによって黒ラクスと白ラクスに分かれる、と?
でも主役の兄弟多いキャラが居ない…
826通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 18:19:34 ID:???
そこにセイント星矢がやってくる
827通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 19:35:31 ID:???
そろそろ二次SSのテンプレート(サブストーリー、逆行、女体化、転生、置き換え、介入、乗り移りetc)を網羅した横島がやってきたら?
828通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 19:51:22 ID:???
二次SSテンプレと言えば黒アキトとかU-1を思い出すな……
829通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 20:00:26 ID:???
もしCEにアルジェントソーマのキャラが来たら
830通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 20:19:40 ID:???
もし種時代にハプシエルと神魔コンビが来たら

オーブ侵攻時にハプシエル降臨

戦う総てのモノに愛の包容と熱いベーゼで持って祝福するハプシエル、壊れていくパイロット達

本物の"天使"出現に宗教関連大荒れ


どんな攻撃も効かないと言うか快感と(ドMだから)言うハプシエルに連合・プラント共に絶望

全国中継で演説中に祝福されるラクス

最終決戦で唇を奪われるアズラエルとクルーゼ

そしてシンはオーブ侵攻時にガブやんに拾われ痛車ならぬ痛MSを乗り回す執事坂を翔登る夢を見た....

俺疲れてるんだよな、きっと
831通常の名無しさんの3倍:2008/12/26(金) 21:05:48 ID:???
種死の時期にダバ・マイロードが来てたら。
ゼネラル・クロソの故事からミーアの方が本物の歌姫だと判断するとか。
しかし御大的にはそこそこメジャーなジン・ジャハナムの例よりもっと前から既に
ホンモノとはどう生きて行動したかによって初めて決まるのだという事になってたんだな。
(いやハンゲルグや既に処刑済だという初代クロソ氏は別に悪人じゃないけど)
832通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 02:42:45 ID:???
>>825
キラ(一人目)
キラ(二人目)
キラ(三人目)
キラ(四人目)

シン(ディリータ)
キラ(五人目、アルガス)
でいいじゃないか
833通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 03:36:01 ID:???
ルカヴィは、それぞれ誰がどれになるかな?

自分は
統制者ハシュマリム=ラクス
不浄王キュクレイン=マルキオ
死の天使ザルエラ=アスラン
魔人ベリアス=サトー
憤怒の霊帝アドラメレク=ジブリール
聖天使アルテマ=フレイ又はマユ
834通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 03:36:58 ID:???
ザルエラのところはハイネでもいけそうだな。
835通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 07:33:06 ID:???
ムスタは貴族と平民の対比に合わせるとナチュの方がよさそうだな。
キャラ的に似てるのはトールか?

あと思いつくのはムウ=ベイオウーフ、マリュー=レーゼ
836通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 18:43:22 ID:???
837通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 18:49:28 ID:???
そういやラクスを優遇したSSは段々とSAN値が減ってしまった人のような文章になっていくらしいね
838通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 19:12:52 ID:???
ひでぇwww勝てるわけねぇwwwwww
839通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 19:45:25 ID:???
>>831
本物になった偽者といえば金日成w

それはともかくエルガイムやVガン以前にも大本のネタはありそうだな
エルガイムでは禿御大は「総監督」に徹して各話レベルにはあまり口出してなかったし
(クレジットにない分もコンテ直しまくりのVと違って)
840SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:39:29 ID:???
改めて第二話から投下します。
841SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:41:19 ID:???
SEED DESTINY 〜2人のステラ〜

第2話 急襲…造られた存在

「所属不明機に、キラ・ヤマトが乗っていたというの?」
 ミネルバにて報告をするシンとレイを見るクルーのみんな。
 前大戦最終決戦、メサイア攻防戦にて、キラ・ヤマトはシンと激突。
 シンの圧倒的な力と機体の性能も相まって、キラ・ヤマトは機体の四肢をバラバラにされ身動きが取れなくなり放置された。
 その後も、救出されたという話は聞いていなかったが。
「…もし、彼が生きていたとして、目的は復讐…」
 タリアは腕を組んで考える。
 それが一番打倒だが…、ならば、なぜ先ほど、とどめを刺さなかったのか。
 チャンスであったはずだというのに。
「…そうとは言い切れないとは思います。だとしたら、あの時点でこちらを撃つのを躊躇した理由がつかない。
 やはり偵察が主な任務だと考えるべきでしょう」
「偵察、なんのために?」
「こちらの戦力でしょう。何を考えているかまではわかりませんが…」
「まずいですよ!艦長、基地をやられて、ここからは補給無しの戦闘になります。本部に連絡し、増援を要請しましょう」
 アーサーはレイの言葉を受け、動揺しながら言う。タリアは少し考えて
「このまま捜索を続行します。増援要請は行なって…後、基地爆破により負傷した人物は、急いで近隣の病院に…」
「…艦長、敵にのるっていうんですか?」
「それだけ考えている相手が、このまま逃がしてくれるとは思わないわ。
 おそらく、そのときは今度こそ、こちらを狙ってくるでしょう。
 相手の意図を知るためにも…任務を続行します」
 難しい判断だった。クルー全員を危機に晒すことになる。
 だが、それは引き返しても同じである。ならば、攻撃を続けなくてはいけない。
 攻撃こそ最大の防御なのだから。
「第二次戦闘配置で各員は待機」
「シン、あのMSのシミュレーションをするぞ」
「わかった」
 シンとレイは、そういって艦内にあるシミュレーションを行なう部屋に向かう。
 かつてフリーダムを止めるために使用した場所だ。
 まさか、またここを使うことになるとは…。
「後は、基地を爆破した諜報員がいるということね…」
 タリアはルナマリアとステラを見る。
「艦内にいる可能性もあるわ。気をつけて」
「「はい」」
 ステラとルナマリアは強く頷く。
842SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:42:32 ID:???
「……敵の戦力は以前とは異なって、弱体化はしているけど、現在の地球上における部隊の中で、一番、充実している戦力ではあるよ」
 パソコンの光で、部屋が照らされている場所で、腕を組み状況を報告する男。
 その表情は影に隠れて確認することが出来ない。
「結構。あのメサイア攻防戦であなた方、アークエンジェルを打ち破ったものたちなんだよね。
 ボクの研究結果の相手をしてもらうには丁度いいよ〜」
 イスを回して、目の前の影に隠れている男のほうを見るサングラスをかけ、耳にはイアホンをつけた、白衣を着た男。
「…後、感情を処理できずに、目的を失ってもらっては困るんだけど。ボクとの約束忘れてないよね?」
「……わかってる」
「だったらいいんだけど。次はあなたではない別のものに任務を任せるとしようかな」
 白衣を着た男の前、大きな人が入った細長い水槽が三つ並んでいる。
 そこにいるものたちを見て、影から見ていた男は驚く。
「まさか、この人たちは…」
「あぁ、戦争で自我を失った哀れな人形達さ。だから、ボクがもう一度生を与えることにしたよ。こんなこと、今のボクにとっては容易いことさ」
 スイッチを押すと、水槽の水が抜けていく。
 それと同時に、水槽の中にいたものたちの閉じていた目がゆっくり開いていく。

 ミネルバは、任務開始の最初の朝を迎えようとしていた。敵の攻撃における補修も完了していた。
「ここまで、敵は仕掛けてこない」
 レイは、レジェンドを眺めながら考えていた。
「私達にびびって逃げたとか…、そういう風に考えたいところだけどね」
 ルナマリアは、紙パックのジュースを飲みながら、マイナス方向にしか考えていないレイに、問いかける。
「…くる」
 ルナマリアの隣にいたステラが艦の前方を見て、つぶやいた。

『未確認MS、三機こちらに接近。MSパイロットは至急、出撃願います』
843SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:43:54 ID:???
 タリアたちのブリッジに映るMS、それは前回現れたMSとは違う形状をしている。
 新型…?形状はジャスティスに似ている。
 赤いMSであり、それぞれ武装が異なっている。
 巨大なハンマーを持つ格闘武器主体、肩に二連装の発射口がある射撃武器主体、装甲が硬そうな防御型。
 シン、レイ、ルナマリア、ステラが出撃する。それらに向かって、各機は一斉に攻撃を始める。
 まずは、強力なエネルギーが、4人の機体に対して撃ち込まれる。
 それを回避する4人。避けたところを狙う格闘型…、相手はシンである。
『瞬殺!』
「なんだ、こいつは?!」
 よくわからない言葉を放ちながら、撃ち出された強力なハンマーの攻撃を受けて、地上に落ちていくシン。
「シン!!」
 レイがフォローに回ろうとしたところに再び強力なエネルギー砲が撃ち込まれる。
『お前の相手は俺だぜ』
「くっ!!」
 レイはライフルを反撃に打ち込むが、それは、攻撃をした機体の前に現れた別の敵機により、ビームをはねかえされる。
「なにっ!?」
 レイは、ビームを弾き返す、機体に驚く。
 こんな機体が、アークエンジェルたち以外にも存在しているとは…。
「なんなんだ、こいつらは!」
「…格闘・射撃・防御に特化した機体みたいね。どれか1つを極限にまであげることで、小隊を組み、攻撃をかける」
 ルナマリアは、墜落しそうになったシンを助け、三機を見ながら判断する。
『ちっ!面倒な奴らだ!一気に蹴りをつけてやるぜ!!』
『…お先に、いかせてもらうぜ!!』
『はあああああ!!』
 ステラは敵の動きを見ながら、MSガイア・カスタムを操り、三機にライフルを連射していく。
『無駄だよ』
 防御しビームを弾く敵機。だが、そんな防御した敵機を、射撃型の機体が背後から攻撃する。
 回転して、そのビームを弾き、格闘型のほうにビームを撃ち返す防御型。
『どけ!シャニ!そいつは俺の獲物だ』
『うるさい…』
『オルガ!てめぇ!邪魔するんじゃねぇ!』
「なんだ、あいつら…仲間割れしているのか」
 シンは、この戦闘中に揉め事を起こしている三機に対して、何をしているのかわからない。
 仲間を信じなければ戦いなどできないというのに。
844SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:44:59 ID:???
「…チャンスだな」
 レイはルナマリア、ステラ、シンに回線を開く。
「奴らが格闘・射撃・防御に特化していても、連携が取れなければ、すべての側面をそろえた1つの存在になりえはしない」
「…私たちのチームプレイの見せ所って事ね」
「問題ない。前の訓練どおりやってみせる!」
「…よし!行くぞ、レイ、ルナ、ステラ!!」
 4機は散開する。
 それを見た、三機は再び攻撃を開始する。
『なにをしようとも無駄だぜ!!』
 射撃型が、散開した一機レイに攻撃を集中させる。
 レイは、それを回避しながら、攻撃を引き付ける。
 その間に三機、ステラ、ルナマリア、シンがサーベルを抜き、残りの二機の元に向かう。
『激殺!』
 ハンマーを回して翻弄するが、シンはサーベルを突くように、突撃する。
 ハンマとサーベルがぶつかり合う。
 火花が飛び散る中、同じように突撃をかけたステラとルナマリアが、その機体をX字のように交錯し切り捨てる。
『あ、あぁぁぁああぁ!!!』
 爆発する機体、煙に包まれる中、防御型の機体は、あたりを見回す。
「幾ら、固くても」
「一点を集中すれば!!」
 サーベルでルナマリアとステラが同じ箇所を突き続ける。
 ビームに対しては有効の反射板も実弾、接近戦では効果が出ない。
『くっ!!』
「うわああああああああ!!」
 ステラとルナマリアの攻撃に対して防御に回る敵機に、シンがサーベルで一刀両断する。
 上半身と下半身に別れて、爆破する。
『なに!?シャニ!クロト!!』
「勝負はついた、大人しく投降しろ!」
 レジェンドのレイがオープンチャンネルにて回線を開き、警告する。
 シンたちも、敵が逃げられないように取り囲んでいる。
 オルガと呼ばれていた男は、歯を食いしばりながら、どうするかを考えていた。

『素晴らしい、素晴らしいよ。君達…』

 拍手と供に聞こえてくるその声は、オルガの機体から聞こえてくる。
 オルガはその自分の機体から流れてくる声に、コクピット内で周りを見渡す。
845SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:47:57 ID:???
「誰だ?お前は?」
 シンは大声で叫ぶ。
『ボクは…プロフェッサーO。あなた方にその実験体を送り込んだものさ』
「実験体?」
 シンは、目の前の機体、そして先ほど倒した機体の残骸を見る。
 これが実験体というのか…。
『君達は、この地球上における最強の戦力が整っていると聞いてね〜。
 だから、その地球圏最強の戦力に実験体の協力をしてもらおうと思ったのさ』
 実験、この戦闘における目的がそれなのか…。
「そんなことをして、一体なにをするつもりだ?」
 そのレイの質問に、声の主は笑い声をあげながら
『人間は、もはや限界を迎えているのさ。
 才能ある科学力は、戦争の道具にしか使われず、同じ同胞で永遠に殺し合いを続けている。
 これは種の存続に関わるところまできちゃったんだよ。
 愚かな人間同士の抗争に、ボクは人間の限界を見てね。
 だから、人間を人工進化させることにしたのさ。
 様々な遺伝子を組み合わせることにより、英知、才能、運動神経、様々なものに優れた完璧な人間を製造する。
 それにより、人間は今よりも新たな一歩を迎えることになるんだよ』
「そんなこと、できるわけ…」
 ルナマリアはあまりにもの現実離れした話しに、まともに会話するのも馬鹿馬鹿しくなってくる。
『…今、君達が見たのは、ボクのその成果の一部だよ。
 かつて死んだ人間も、ボクの技術を用いれば、見ての通り、複製として復活することが出来ちゃうのさ』
「なんだと、お…俺が複製」
 プロフェッサーの言葉に動揺するオルガ。
『勿論、生きている人間に対しても有効。ボクは、前大戦で様々な遺伝子を確保することに成功した。
 アークエンジェルのMSパイロット、キラ・ヤマト…アスラン・ザラ、カガリ・ユラ・アスハ。
 勿論、それだけじゃないよ…。そこにいる君たち、シン・アスカ、ルナマリア・ホーク…も例外じゃない』
「なっ!?」
「私たちのまで…」
 シンとルナマリアは息を呑む。
 自分たちの遺伝子まで手に入れているということは、同じように複製を作り出せるということだ。

『そして…ラクス・クライン』
846SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:49:08 ID:???
「!?」
 前大戦の真実を知っている、この男は。
 既に精神を乱していたラクス・クラインは、世界を自分のものにしようとしたため、前大戦時に殺害された。
 その事実はメサイア崩壊という中で、有耶無耶にされ、
 彼女の代理としてミーア・キャンベルがラクス・クラインを演じているという真実。
『ボクは、あの戦いの中、彼女の血液を入手したんだよ。
 ラッキーだったね。皆の憧れである彼女の遺伝子こそが、
 完璧な人間を作るために必要な素材。無能な人間は駆逐され、ボクが作りだした、
 新たな種こそが…世界を変えるさ、こんなボクに、みんな拍手!』
「神にでもなるつもりか…」
『そうだよ。ボクこそが新たな種の創造主として、世に君臨するんだから〜』
 ここまで自分にのめりこんでしまったものを、説得させるのは無駄だとレイは判断した。
 生命倫理を超えた人間、科学者の野望もここまでくれば、逆に立派だ。
「そんなことをさせるつもりはないわ!」
『せいぜい頑張って。ボクの実験体はまだまだ用意してあるから…。
 それじゃ、また会おう〜。』
 回線が切れる。
 これが今回の敵というわけか…。
 シンは、レイとの言葉を思い出していた。科学者の暴走の話を。
 そう、科学も使い手によるものなのだ。
 そして今回はその科学を悪用しようとしたもののこと。
 放っては置けない、止めなくては…必ず。
847SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/27(土) 23:50:31 ID:???
投下終了。
前回は本当にすみませんでした。
848通常の名無しさんの3倍:2008/12/28(日) 18:43:47 ID:???
スカリエッティ?
849SEED DESTINY ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:35:37 ID:???
投下します
850SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:36:59 ID:???

第3話 出逢…2人のステラ

 唐突の宣戦布告。
 プロフェサーOと名乗る謎の人物による宣言。
 遺伝子組み換えによる、理想の人間による新たな種の確立と、旧人類の抹殺。
 ナチュラル・コーディネイターなどとはまた違った人間を造り上げるつもりなのか。
『う、うわああああああ!!!!』
 悲鳴をあげるオルガ。無茶苦茶な操縦で攻撃を仕掛けてくる。
「きゃあ!」
 ルナマリアは、なんとか回避するが、暴走したオルガは、止まらない。
『俺は、俺はぁあ!コピーなんかじゃねぇ!俺は、俺はオルガだあああ!!』
 その光景をただ眺めるレイ。自分も今のオルガと大差ない。所詮は複製である存在であるのだ。
 ただ、自分にはしっかりとそれを認知する精神力がある。
「はあああ!!」
 ステラが暴走するオルガの機体を切り裂く。
 そのまま地上に落ちていくオルガ。人間は、こういったことを平気で行なうというのか。
 生命を、こうも易々と勝手に作り上げ、ゴミのように捨てていく。
 レイは操縦桿を握り締める。
「レイ、大丈夫か?」
 シンが声をかける。レイは頷くとミネルバにと戻っていく。
 澄み渡る青空の中、皆の心は曇り始めていた。
 人間の果て無き欲望に深い怒りと悲しみを持って…。

 研究施設では、大々的な宣言をして汗をかいたプロフェッサーが錠剤を複数、手のひらにおいて飲み込んでいた。
「…あんな言い方だと余計に、向こうは本気でくるんじゃないんですか?」
 影に隠れている男は、プロフェッサーの先ほどの言葉に対して注意に近い言葉を告げる。
「いいの、いいの。向こうが本気じゃないと、こっちも実験の意味が無いんだからさ」
「…僕は、彼女が無事戻ってくるならそれでかまわない」
 水槽の中、浮かぶピンク色の髪。それは、遺伝子技術により蘇ろうとしている本物の歌姫。
 男にとっては、彼女が蘇ればそれで十分だ。他に必要なものなどない。
 プロフェッサーの計画自体にも興味はない。
「わかっているよ。ボクにとっても彼女の存在は大切ですから…」
 青白く光る水槽の中…その。かつての歌姫の形をしたものは、
 今にも目が開きそうになっていた。
851SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:38:19 ID:???
「今回の実験機αに乗っていたパイロットは、かつて連合軍にいた、ブーステッドマンである、オルガ、シャニ、クロトの三人であることが判明した」
 三人は、連合軍戦艦ドミニオンに乗り、アークエンジェルを攻撃したが、全員が戦死している。
「その遺伝子を使い、複製を作り出したと?」
「おそらくは…。敵の言い分がどうあれ科学力だけは本物と認めざるを得ないわ」
「酷い。死んだ人まで戦わすなんて…」
 ルナマリアは、タリアの言葉を聞き、オルガの最後を思い出して言う。
「…敵は、ただ単に複製技術だけを持っているだけではない」
「え?」
 レイは前に出て、説明を始める。
「本来ならば、複製というのは、容姿などをコピーする外見のものでしかない。
 だが、今回攻めてきた三人には記憶も同じものであった」
「そういわれればそうね。記憶までは複製でコピーは出来ないわ。ならば、一体どうやって…」
 タリアはそこでステラを見る。ステラはレイの言葉に頷いて。
「うん。きっと…ステラがされたことと、同じことをやっている」
 連合軍、ブルーコスモスが行なった強化人間による処置。
 それは薬品による身体的強化と供に記憶における強化も施されていた。
 記憶による催眠療法。
 これにより、ステラもシンに記憶を消されたり好戦的な性格にされたり、処置を受けた。
「ブルーコスモスとザフトの双方の技術を持ち合わせているということか」
「あぁ。奴らはその気になれば遺伝子を持っているものの複製を記憶もそのまま…送ることができるということだ。
 最初に攻撃を仕掛けたMSに乗っていたキラ・ヤマトのように」
 そう、基地を襲ったMS。
 それにのっていたのは癖からみてキラ・ヤマトだろう。
 それまでもが複製ということになる。
 その気になれば、アスラン、そしてシンも…。
「なんて奴らだ。急がないと…。艦長!」
 シンはタリアのほうを見て、進言する。
「待ちなさい、シン。焦ってもそれは、敵の思う壺よ。あそこまではっきり言うということは、それなりの対策が既に出来ている可能性が高いわ」
「だけど!!このまま黙ってみているって言うんですか!?
 今、俺達がこうやっているときにもでも、敵は複製を作り続けている可能性が高いんですよ。
 そうなると敵の兵力は無尽蔵に膨らむ可能性だってあるんだ」
 それが、優秀なパイロットなら尚更だ。
「艦長、今回の基地施設というのは、それだけの場所なのですか?」
 ルナマリアが問いかける。タリアは、少し間を置いて
「私が伝えられている任務は基地施設における敵勢力の偵察および、排除。それしかないわ。
 だから敵の狙いがなんなのか、施設に何があるかまでは、わからなかった」
「…随分といい加減なんですね」
「シン!そんな言い方しなくていいじゃない、艦長が悪いわけじゃ…」
 シンの素っ気無い態度に、ルナマリアが強く言う。シンが焦る理由が分からないわけじゃないが…。
「いいえ、シンの言うことも、最もね。私は改めて上層部に報告して真意を問いただすことにするわ。
 それまでは待機していて頂戴」
 タリアはアーサーのほうを見て、すぐに連絡を取るように通信を送る。
 シンは、壁をたたき、悔しそうな表情を浮かべる。
「シン…」
 ステラは、シンの動揺を感じ取り、落ち着かせようと声をかける。
「…時間をかけている場合じゃないんだ!!」
 そのシンの強い言葉に、ステラは驚いて、身をすくめてしまう。
852SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:39:49 ID:???
「シン!」
「…焦るな、シン。それこそ奴らの思う壺だ。複製といっても、容易く行なえるものではない。
 もし、奴らがそれだけの技術を持っているならば、基地施設奪取などということはしていないはずだ。
 大きく言ってはいるが、それだけ、奴らもこの作戦にかけているということになる、今はできることからやっていくことだ」
 ルナマリアとレイの言葉にシンは黙って、部屋に戻っていく。
「シン…私の事嫌いになった?」
「そんなことないわ。イライラしているのよ。シンも……」
 ステラの不安気な表情を見て、ルナマリアはステラを元気付け、気が立っているだろうシンの部屋にはいっていく。
 残されるステラ、レイ。
「…気にするな。ただ、何も出来ない自分に怒りを感じるのは仕方が無いことだ」
「レイもそうなの?」
「かつて、ルルーシュたちと戦ったときもそうだった。
 焦りが俺を支配していた。だからこそ、今は落ち着いていられる」
 ステラは、その懐かしい名前を聞いて、お守りとしている、かつて彼女が乗っていた機体の起動キーを握り締める。
 自分が頑張らないと…シンを守るためにも…。
 ステラは強い決意で艦内の廊下を走っていく。

「シン、あんな言い方しなくてもいいじゃない。ステラはあなたのことを思って…」
 ルナマリアはシンを叱るように声をあげる。シンは振り返りルナマリアを見る。
「さっきの三人は、連合軍の強化人間だった」
「え?」
「…複製されている奴が連合軍からだとしたら…、次は」
「まさか…」
 ルナマリアはシンの言いたいことが、やっと理解できた。
 だが、そんなことが起こり得るのか、いまだに信じられない。
 だいたいレイが、クローンだっていうのも、いまいち、想像として浮かばないのだから。
 だが、そんなルナマリアに、1つ思い出したことがあった。
 それは、爆破された基地で出会った、ステラと瓜二つの人物のことだ。
 ルナマリアは、そのことをシンに伝えようとした…。
 その時警報が鳴る。シンとルナマリアは、急いで格納庫に向かう。
 その2人が部屋を出たときに、既にステラのガイアは出撃をしていた。

「…みんなを守るために、私は!!」

 ステラの前に迫る機体。三機の機体だ…。
 前回やってきた機体とはまた別の機体、そして、それはあの『キラ・ヤマト』が乗っていたストライクノワールと同じ形式の機体。
 ただ色が白である。
「お前達に、シンはやらせない!!」
 ステラはライフルを撃ちながら、三機を牽制する。
 散開する三機、その中の一機が、サーベルを抜いて、ステラに突撃してくる。
 ステラは、その目の前の一機に対してサーベルをむけ、ぶつけ合う。
 激しいスパークが光る。
853SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:41:54 ID:???
「うぅっ!!」
 強烈な頭痛…。ステラは頭を押さえる。
(なんなんだ、これは…)
 頭の中に別の人間の声がする。ブルーコスモスにいたときの頭痛に近い。
「声が…き、聞こえる?」
(誰だ、誰が喋っている!)
 ステラは、その声が、目の前サーベルをぶつけ合わせているものからであることに気がつく。
 そんなステラの後方からライフルで援護をするものたち。
「ステラ!無理をするな!」
 シンの攻撃に鍔迫り合いをしていた、相手が離れる。
 ルナマリアとレイは、距離をとる三機を見て、その動きに、あるものを思い出す。
 それはルナマリアの嫌な予感が的中した瞬間でもあった。
「まさか…」
「…ルナマリア、気にするな。奴らは敵だ!」
 レイはライフルを撃ちこみながら。距離をつめようとする。
 敵は上手く連携しながらレイから距離を開けつつ攻撃を繰り返す。
 相手を懐にとびこませないようにしている。
「ちっ!こちらの動きを見切っているのか!?シン!」
「うおおおお!!」
 シンの操るディスティニーは、空たかくから、急降下してサーベルを振り下ろす。
 上手く回避できなかった、一機の腕を切り裂く。
「やった!うわぁ!!」
 だが、その切り裂いた瞬間、動きを止めたシンを狙う敵MS。
 それを止めにステラが再びライフルを撃ちこみ、シンに狙いを定めないようにする。
(さっきから、なんなんだ!お前は!)
「くっ!お前こそ!!」
 ステラの頭の中に轟く言葉…。まるで鐘の音のように響きわたる。
 それが、ステラの操縦を散漫にする。敵のMSのサーベルがステラのガイアに突き刺さる。
 なんとか回避するものの、ブースターが切られ、空中から落ちていく。
「しまった!」
『これでとどめだ!』
 だが、ステラは相手にしがみつき、距離をゼロにすることで、敵の攻撃が行なえないようにする。
 頭部のバルカンを放つが、しがみつかれ、
 バランスを失った二機は、そのまま山岳地帯の、森林に落ちていく。
「ステラ!!」
 シンが墜落したステラを追おうとした所、撃ってくる敵MS
「くそぉぉぉお!!」
 シンは声をあげながら、ルナマリアとレイたちと供に、そのまま攻撃を続行する。
854SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:42:42 ID:???
 森林に墜落したガイアと敵のMS、森林というクッションと、
 敵のMSにはブースターがついていたことから、真っ逆さまに落ちることが無かったことが、
 2人のパイロットの生死を分けた。
 墜落のショックに、耐えたステラは、コクピットをあけて飛び出す。
 その手にはしっかりと銃が握られている。
「止まれ!」
 後から響く声…。ステラは横目でその声の方向を見た。
 そこでステラは目を見開く。それは、自分と瓜二つの存在。
 まるで鏡に映った虚像のようだ。
「ステラ…?」
 ステラは小声でぼやく中、相手もまた、思わず銃を落としそうになっていた。
「…ば、バカな。なぜ私が……うぅ」
 再び強い頭痛が両者を襲う。

 空中での戦闘の中…。
 運命を違えた、二人のステラが交錯する。
855SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/28(日) 23:44:06 ID:???
投下終了。
最初考えていたものとは、少し内容を変えて投下しています。
年末年始にも投下できればいいんですが…。
856通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 12:13:30 ID:???
サクサクいくの?
857通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 15:16:00 ID:???
うほっ
年末ってまだもう一本?さらに年始にもお年玉まで!?
無理せず頑張ってください。

話を変えて、コミケで風景画のソフトを買ってきた。
もしも系では一番頑張ってるみたいだな。
858通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 16:23:46 ID:???
頑張らなくていいよ。
859通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 18:10:25 ID:???
>>858
スパム厨乙
860通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 18:33:59 ID:???
>>855
投下しなくていいよ
861SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:51:19 ID:???
投下します
862SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:53:50 ID:???

第4話 始動…悪魔の姫

「…なぜ、私が…目の前に…」
 拳銃を片手で握ったまま頭を抑えるもう1人のステラに、ステラは相手の動きを、見ていた。
自分にも強い頭痛がするが、我慢だ。もう1人のステラが頭痛で一瞬、体が揺らいだとき、ステラはしゃがみながら、ナイフを投げる。
それはもう1人のステラの肩に命中。それと同時に放った銃弾は、ステラの頬を掠った。
 その場で倒れるステラは、それもなお銃を拾おうと手を伸ばすが、それをステラは蹴って相手を無力化させる。
自分の姿をしたものを睨みつけるもう1人のステラ…。
「あなたは…誰?どうして、ステラと同じ姿をしているの?」
「それは、こっちの台詞だ!くぅ……なんで、私が……」
 痛みに耐えながら、声を出すもう1人のステラ…。その苦痛に満ちた表情は、かつての自分自身を思い出させた。
「…どうして、あなたは闘っているの?」
「私は、ネオのために…ネオが、人質にとられているから、それを守るために…」
 偽りの記憶…、ネオはもういない。彼女は偽りの記憶の中、いもしないもののために、戦い続けるのか…。
「だから、お前なんかに私は、私はああああ!!」
 絶叫しながら、立ち上がろうとするステラの身体に覆いかぶさり、もう1人のステラを押さえつけるステラ…。
「離せ!お前なんか、お前なんか……」
「……」
 シンを守るためには、彼女を殺さなくてはいけない。敵となるから…。
だけど、自分で自分は殺せない。そのとき、頭上から何かが落ちてくる。それはMSの足だ。
切られた部分が落ちてきたのだろう。ステラは、咄嗟に危険を察知し、頭痛で危険がわからない、
もう1人の自分の手を引っ張って、その場から離れる。
 危うく、潰されるところだった…。
そんな安心した顔をするステラを、もう1人のステラは、苦痛の表情を浮かべながらも、
ステラの身体を押さえつけ、草原に倒しながら、彼女を見る。
「なぜだ!なぜ、私を助けた?」
「…危なかったから」
「何を言っている!私は敵だぞ!」
 ステラの表情は恐怖も何も無い、ただ笑顔を向けて
「シンは、敵だったステラを助けてくれたから…。だからステラも、あなたを助けた」
 さも、当然のことをしたような言い方をするステラに、なぜ、この女はこんなに自分とは違うのかという疑問が頭に浮かぶ。
彼女は自分と違って笑っていられる。
どうして…?
「…変な奴だ。私は、あなたを殺すかもしれないのに」
 押さえつけていた力が緩む。目の前の自分を見ながら、羨望と嫉妬が入り混じる。
「ステラがステラを殺すの?」
「うぅ…」
 頭の中が混乱する。
目の前にいる自分自身の言葉が頭の中で響きわたる。
そのまま、もう1人のステラは頭の痛みから意識を失った。
863SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:55:03 ID:???
次にもう1人のステラが目を覚ましたとき、そこはどこか建物の中のようだった。
おぼろげな視界の中で、目を覚ましたステラ。
その視界に入り込んでくる自分自身。
笑顔を向けてくるその顔は、自分には出来ないものだ。
「ここは…?」
「ミネルバの中」
 身体を起こそうとするもう1人の自分の身体を押さえるステラ。首を横に振って…
「ダメ。先生が動いちゃダメだって」
「……なんで、お前は私のためにここまでしてくれるの?」
「あなたが、昔のステラに見えるから…」
「昔の…私?」
 ブルーコスモスにて兵器として使われていた自分。
それらすべてを覚えているわけではない。ただ、大切な記憶を失っていくことに対する絶望だけは残っていた。
次に目を覚ましたときは、まったく別の自分になっている。
それに対する恐怖と供に諦めに似たものも、ステラの心の中には溜まっていって…
やがて兵器として自分は存在していると感じ始めるにまでいたった。
「目が覚めたようだな」
 レイやルナマリアたちが部屋に入ってくる。シンは、嬉しそうな、それでいて少し哀しそうな表情を向ける。
「うぅぅ…わ、私を、どうするつもりだ……」
 頭を押さえながら、周りの人間達に敵意を向けた視線を送る。
そんな複製されたステラを心配そうに見つめるステラ。
「俺達は、お前をどうこうするつもりはない。捕虜として他の敵兵士と変わらずに取り扱うことになるだろう」
 レイの言葉を聞いているのか聞いていないのか、複製されたステラは苦しそうな表情を浮かべ続けている。
「シン、この子は私が見ているから…いって」
「でも、ステラ。ずっと見ているんでしょう?変わるから、休みなさい」
 ルナマリアの言葉を聞いてもステラは首を横に振る。先ほどからずっとこの調子だ。
頑固として彼女から離れようとしない。
仕方なく、ステラを置いて、三人は部屋に戻る。
いちお看護兵がつくから無理はしないだろうが…。
「…苦しい?」
 額の汗をタオルで拭き取るステラ。
 必死に看護するステラ…、こんな自分をシンは救ってくれた。
今度は自分が誰かにそれをしてあげる番…。
「はぁ、はぁ……み、水」
「今、持って来る…」
 ステラは立ち上がり部屋を出て、水を汲んで戻ってくる。
すると、先ほど部屋を出て行ったシンたちが話をしていた。
864SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:57:15 ID:???
「くそ!何も出来ないのか!!」
 シンは壁に拳を当てて搾り出すように声をあげる。
ステラは、その声に驚きながらも、壁越しに話しを黙って聞く。
「強化人間であり、複製である以上、相当な無理をさせている可能性がある。
検出された薬物量から見ても、致死量に近いものだ。敵施設にあるだろう薬品で効力を抑えられればいいんだが…」
 レイは自分自身のことも踏まえて話す。その言葉はステラにとっては辛いものだった。
複製は、そもそも、今現在の年齢の状態の複製を1から造ることにある。
よって、その分、複製は寿命が少ないのだ。
さらには、身体的強化、記憶処置も行なわれている。
薬が施設にあっても……。
「……前、ステラをブルーコスモスにシンたちが返したように?」
 ルナマリアがシンたちに聞く。
それはステラのガイアを撃墜した際に一時期、ミネルバで保護したことがあったのだ。
だが、それは結果的に、ミネルバでは保護しきれないという結論に至り、ブルーコスモスに返したのである。
「だが、それが必ずやいい結果になるとは限らない。ネオは、返したステラを戦場に再びだしたから…」
 ベルリン決戦でのことだ。暴走したステラをデストロイに乗せて戦いに放り出した。
もし、あのとき、ゼロが助けなくては…ステラはフリーダムによりやられていただろう。
既に、ステラはそこにはいなかった。

「…どこに連れて行く?」
「あんたを助けたい……」
 額に汗をかく、弱ったもう1人の自分自身を背負いながら、格納庫に向かう。
あたりは次の作戦に備えて、修理を行なっているが、損傷の激しいステラの機体は後回しにされていた。
そんな中、ステラはバレないように自分の機体にと向かう。
改修されてはいるが、まだ修理は完全ではない自分の機体に、
他の機体の修理に目が向いている作業員達の目を盗んで乗り込む。
「…基地に行く気か、殺されるよ……」
 気弱な声でつぶやく複製されたステラを、自分の膝に乗せるようにしてステラは、操縦桿を握る。
その操縦桿を握った手を掴むもう1人の自分。
「やめて。なんでそこまで私に尽くす?お前は…私にとって邪魔者のはずだ…」

「邪魔なんかじゃない!!」

 ステラは大きな声で、コクピットいっぱいに叫ぶ。
「…ステラ、あなたを失いたくない。」
 そういって、ステラは膝に座っている自分自身の背中に額を当てて、操縦桿から手を離し、ぎゅっと抱きしめる。
 かつて、自分が助けられたように…、今度は彼女を助けたい。
同じ傷を負う自分自身を。
それが、罪滅ぼしになるような気がしたから…。
たまにでてくる、自分が殺した人たちのうめき声。
シンたちには言わないけど、悪夢で目を覚ますことが何度もあった。
 そういった気持ちをわかってくれる人も欲しかった…、自分のことを一番にわかってくれるのは自分だから。
「知らないぞ、どうなっても……」
 複製されたステラは、始めて他人にこうやって抱きしめられたぬくもりを感じ、
凍っていた心が、少しだけ解けた感じがした。
だが、頭痛や身体からの激痛や気持ち悪さは変わらない。
865SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:58:20 ID:???
『格納庫!ガイア、勝手に出撃します!』

「なんですって!すぐに、止めて!」
『無理です、出撃します!』
 タリアは、突然、飛び出したステラの行動、その意図はなんとなく読めていた。
そう、かつてシンとレイが同じように飛び出したことがあったからだ。
「追います。シンたちにも連絡して至急、追わせて!」
「はい!」
 メイリンは、艦内放送をかける。

 基地施設では、防衛ラインを突破した警報が鳴っていた。
 その警報音を聞きながら、プロフェッサーの傍でたっていた男は、歩き出す。
「いいのかい?折角の、姫様のお目覚めが見れなくなっちゃうけど?」
 その言葉で足を止める、男。
「まさか、もう…」
 頷くプロフェッサーは、前の窓ガラスの向こう…水槽の中、水が抜けていく様子が映る。
青白い光の中、水槽の容器がゆっくりと開く。
「さぁ、キラ・ヤマト君。君が待ち求めていた歌姫のお目覚めだよ」
 青白い光に照らされるキラは、ガラスの向こうの部屋に、入っていく。
 プロフェサーはそれを眺めながら、微笑む。
「ラクス!ラクス、しっかりして…」
 容器の中にいる、ラクスに声をかけるキラ。
その声でラクスはゆっくりと目を開ける。
「とうとう…蘇って……」
 目を開けるラクスの瞳が赤く輝く。

「……命令を」

 ラクスはキラの後ろ、プロフェッサーを見て、そうつぶやいた。
866SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/29(月) 23:59:16 ID:???
投下終了

明日投下できれば、それが今年最後になると思います。
全7話になる予定です。
867通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 07:16:54 ID:???
おお
サクサクいくねー
868166:2008/12/30(火) 10:04:59 ID:???
おはようございます、機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。
どうにか(11)の方が年内に投下出来る準備が整ったのですが、

別の作家さんが投下予告をされていらっしゃたりもしますので、
自分の投下は年明けにした方がいいのだろうか?
とも思うのですが、いかがなものでしょう?
869通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 11:28:18 ID:???
>>868
個人的には今すぐにでも!と言いたい所です。
870通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 11:49:01 ID:???
カモーン
871通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 11:52:53 ID:???
来ずに年越しなんて生殺しすぎる…
872通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 12:55:25 ID:???
なけなしのボーナスでGFFクスィーを買って待ち構えていたんだ、
ぜひ年内、ホントすぐにでも…
873通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 16:33:08 ID:???
「生温いガンプラ雑談スレ 出張所」に
今はなき「ウッソとキラが出会ったら」スレに出てきた
「ストライク・ウッソ機」をアップしてみました。
お暇な方はご覧ください。
874SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:14:36 ID:???
投下します。
875SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:16:41 ID:???

第5話 悪夢…絶望の協奏曲

「マスター命令を」

 遺伝子改良を受けたラクスは、キラを無視して最初にそう告げた。
 キラは、一瞬何を言っているのかわからないでいた。
 ラクスはキラを通り過ぎて、前に置かれてある服を着る。
「…どういうことなんだ、これは…」
 キラはプロフェッサーのほうを見る。プロフェッサーは、にやけた表情で笑っている。
「ボクは、復活は約束したけど、君の望むラクス・クラインを助けるとは約束していないよ?」
「あなたっていう人は!」
 銃を抜き取り、プロフェッサーに向けるキラ。
 プロフェッサーは、そんなキラに対してもなんら怖気づくことなく笑っている。
「アハハハハ、すっごく怒っているね?僕の脳天に銃弾を撃ちこみたい、いや…それよりも手足を撃ち抜いて動きを封じてから嬲ってやろうか…。
 なるほどね〜、偽善者として名高い、キラ・ヤマトも、感情は押し殺せないようだ。面白い、面白い」
 そういって拍手をするプロフェッサー。
 キラは、自分の心をものの見事に読み取る、プロフェッサーに驚きと恐怖を抱いていた。
「実はね〜ぇ、ボクも、ラクス・クラインや、ゼロ…ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと同じく、ギアスユーザーなんだよ」
 サングラスに手をかけて、その目を見せるプロフェッサー…。
 そこには赤く輝く目がある。
 キラは、その目を見て呆然とする。
「はじめまして、ボクの本当の名前は、マオ。ギアス能力は、相手の心を読めること。本当の目的は、この世界に、改めてルルーシュやC.C.を呼び寄せること。フフフ…、前は、すれ違いでね〜…会えなかったんだよ〜、愛するC.C.を僕の手に取り戻したいのに」
 マオは、高らかに笑い声をあげながら、手をたたき拍手する。
「そんな……。それじゃー、あの計画は!?新たな人類を生み出すとか言っていたことは…あれも全部作り話だって言うのかい?この技術だって…」
 キラは、マオの言っていることが信じられない。
 これだけのことをたった一人で行なえたというのか。
「この計画自体は、本物のプロフェッサーが発案し、実行しようとしていたみたいだけどね〜。
 そのまんま、ボクが引き継ぐことにしたのさ。本物のプロフェッサーはどうにも、役者として不十分でね〜。
 人類の救済なんていうもんだから…、それじゃ〜ルルーシュたちはこない。
 もっとこの世界を絶望的な状況に持ち込まないと…」
876SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:19:00 ID:???
 この男は、世界のことも人間のことも何も考えていない。
 ただ、己の目的のために、すべてを利用しようとしているのか。
 キラは、マオに殺意を抱いたが、それもそのまま、マオに伝わる。
 心が読まれることは、冷静であれ感情的であれ、一番厄介だ。
「君のやるべきことは、変わらない。僕の創生した兵器のために、この世界の人間を駆逐する。
 そうすれば…C.C.がやってくる。ルルーシュも…そのときこそ、ボクが殺してやるから〜ぁ…フフフ、アハハハハハハ…」
 ゲラゲラ笑いながら、キラに命令するマオ。
 キラの隣にいた複製されたラクスは、キラを通り過ぎて格納庫にと向かう。
 キラは、ラクスを止めようと肩を掴む。だが、次の瞬間、キラの身体は宙を舞っていた。
 様々な遺伝子をかけ合わせられ造られた存在。それは操縦技術だけではない。
 身体能力もかなりの強化を受けている。床に叩きつけられるキラ。
「すごい、すごいよ〜〜。アハハハ。さぁ〜君は向かってくるだろう、ミネルバを纏めて撃墜するんだ!
 そして次は地球全部、そして残ったプラントも纏めて潰してやるんだぁ!」
「…」
 キラは手を伸ばし、その自分のことを優しく受け入れてくれた存在を掴もうとするが、それは遠のいていく。
 そして、そのまま意識を失った。
 マオは、画面を見て、接近するミネルバと出撃したMS部隊。
 そしてこの基地施設に来るガイアを見つめる。
 どれもこれも、造り上げた強化人間の実験体として丁度いい。
 ギアスにより、自分の口を封じて、C.C.を惑わし、自分を殺させたルルーシュは許せない。
 だからこそ…ここで始末をつけなくてはいけないのだ。
 そのためのこれは第一歩。
877SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:20:58 ID:???
「くる…」
 額に汗を流しながら、複製されたステラは、ステラの膝の上に乗せられたまま、虚ろな目でレーダーを見る。
 そこに映る、敵。
「突破するから、捕まっていて」
「…無茶をする」
 ステラは、空からのライフル攻撃に対して、それを地上で回避しながらまっすぐ施設に向かっていく。
 近くをライフルが命中したときに、大きく揺れる機体。
「「ぐっ…」」
 いつの間にか、複製されたステラもステラと同じく操縦桿を握っていた。
 自分に対する思いに、感情が動かされ始めていたのだ。
 それは、かつてステラがC.C.に精神の呪縛を解かれた様に…。
 握られる手は温かい…ステラは、自分自身と重なった手を感じながら、
 目の前にいる自分自身を絶対に守りたいという子持ちがますます強くなる。
「このまま、施設までいくよ」
「うん」
 追撃をかけようとする、二機のストワイクノワールだが、
 そのノワールに対して攻撃を仕掛けるディスティニー、レジェンド、インパルス。
「シン!ステラを追え、俺達はこの二機を…」
「わかった。やられるなよ!」
「いいから、早く捕まえてきなさい…」
 レイとルナマリアの言葉を受けて、シンは、視界に見えていた基地の施設を見る。
 タリアからは、あくまでステラたちの確保が優先であり、敵に対する攻撃は控えるよう指示されていたが…。
 ミネルバから、研究施設を拡大してみるタリア。
 敵勢力の排除は目的とされていたが、基地施設の排除は項目として作戦指令書には挙げられていない。
 おそらく、それはあの施設…複製技術があるだろう施設を、自らのものとしたいと考えている、上層部による指示だろう。
 あれが利用されれば、それは結果的に今回の事件と同じことが行なわれるだけだ。
 タリアは、考えるに値しなかった。施設を守れという命令はされていない。
 ならば、敵勢力の排除と供に、施設を破壊しても問題は無い。
 いや、あったとしても言い訳は通る。
「…アーサー、タンホイザーの準備をしておいて」
「まさか…わ、わかりました」
 タリアは、覚悟を決めていた。これ以上の犠牲者は出してはいけないという気持ちを。
 デュランダル…議長だって、こんなことのために、私達に未来を託したわけではないのだから。

 ガイアは敵基地施設でとまり、コクピットを開いて、複製されたステラを背負いながらステラは降り立つ。
 そして、そのまま基地施設にと入っていく。
「場所を教えて…」
「研究施設は、エレベーターで移動する。暗号番号は…CC」
 研究所のエレベーターの前でステラは拳銃を抜き取り、ひとつを自分。
 もう1つはもう1人の自分に渡す。
 ステラの当たり前の行動に、複製されたステラは、彼女に対する敵意はもうなくなっていた。
 光がのぼってきて…そのエレベーターに、乗り込む2人。
 エレベーターは、そのまま研究施設のある地下にと向かっていく。
878SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:22:45 ID:???
 ディスティニーを操るシンは、研究施設の真上に来ていた。
 おそらくここにステラが、置かれてあるガイアを見て、シンは機体を降りて、向かおうとしたが、
 基地施設の中から何かが出てくる。
 新型!?シンは、サーベルを構え、出てくる機体に備える。
 コクピットでは、幾多の光に囲まれている複製されたラクスの姿がある。
 その瞳に光はない。
 完全な戦闘マシーンとかしている。そして彼女の乗ったMSが姿を現す。
「なんだ、あの機体は?」
 シンはデータをミネルバに送り、今までの機体と照合するが、該当機体はない。
 肩に丸い円を持っている白い機体…MSスターゲイザーである。
 まったく既存のMSとはコンセプトの異なった機体に戸惑うシン。
 操縦席には、複製として蘇り、様々な人間の遺伝子を組み合わせて作られた、もはやラクスとは呼べない強化人間がいる。
「…目標を排除します」
 肩の円形の部分から、こちらに向かって伸びてくる円形をビームサーベル。
 その、突然の攻撃に、シンは回避もままならず、直撃する。
 ディスティニーは、空中から、地上にと落ちていく。
 なんとか体勢を整え、着地するシン。
 相手はコクピットを直接狙ってきている。
 ディスティニーの装甲と、反射神経で直前になんとかシールドで防いだからよかったものも…
 まともに食らえば…。
「こいつ!!」
 シンは、ライフルを撃ち込む。
 スターゲイザーはそれを易々と回避しながら、こっちに撃ちかえしてくる。
 シンはディスティニーを操り、地面を這いまわるように動いていく。
 スターゲイザーは、そんなシンを追い回す。
 ライフルは的確に、シンの機体を狙ってくる。
 シンはサーベルを握り、敵に向かう。このまま防いでいては、やがてやられる。
 ならば、攻めにかけるしかない。
「こいつぅぅぅ!!」
 サーベルでスターゲイザーを狙うシン。
 例の両肩につく円形のサーベルがこちらに向かって伸びてくる。
 サーベルで防ぐが、弾き飛ばされる。再び地面にひっくり返るシン。
「うわああああ!!」
 そんな地面に倒れているディスティニーにライフルを撃ち込むスターゲイザー。
 それは、肩を貫通し、動きを封じる。
 そして、スターゲイザーはさらに、ディスティニーの両足までも、ライフルで撃ち破壊する。
「ぐわあああああ!!」
 操縦桿を必死に動かすシンだが、機体が言うことを効かない。
 スターゲイザーに乗る、禍々しいオーラを放つ存在は、口元に笑みを浮かべる。
879SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:24:46 ID:???
 ステラは研究施設に潜り込んでいた。
 背負っている、もう1人の自分自身の熱い息が、彼女の辛さ、苦しみを感じさせる。
 少しでも彼女の気持ちを楽にさせたい。自分もかつては体験した苦しみ。
 1人なら辛いけど、2人なら…耐えることができるはずだから。
「…そ、そこの部屋にはいれば…」
 ステラは、その言葉を聞いて、部屋の中に入る。
 その部屋は、青白い光に照らされている施設。部屋は大きなガラスで仕切られており、ガラスの向こう側には、幾つもの水槽が置かれている。
 ステラは、それらを眺めることなく、薬が多数置かれてある場所に辿り着く。
 ステラは、苦しむ複製の自分自身を、その部屋のイスに座らせる。
「…この薬」
 大きく息を吐くもう1人のステラは、置かれてある薬の錠剤を握ると、それを幾つか飲み込む。
 そうすると、大きく息を吐いて、目を閉じる。
「ねぇ…ねぇ?」
 ステラが不安そうに、もう1人の自分自身の身体を揺する。
 その言葉にゆっくりと目を開けたステラは、自分自身を眺め
「……安心して。少し…疲れただけだから」
「うん!よかった…、本当に、よかった」
 ステラは目に涙を浮かべて、そのもう1人の自分を優しく抱きしめる。
 そのぬくもりを強く感じながら、複製されたステラは、ステラを見つめる。
「…あなたのように、私…なれるかな?」
「なれるよ。一緒にいれば、絶対!」
 複製されたステラは、ステラの背後にある水槽を見る。
 あそこには、まだまだ、山のように、自分と同じようなものが存在している。
 あんなものを世に出せば、このステラに迷惑がかかる。
 それだけは…イヤだ。これだけ自分を想ってくれた彼女を…傷つけたくない。
「…お願いがあるの。あそこにある、水槽の電源を切ってほしい」
 複製されたステラは、指を差す。それはこの施設のブレーカーにもなっている。
 ステラはいっている意味がよくわからなかったが、それでも、彼女のために頷いてブレーカーに向かう。
 ブレーカーにはたくさんのスイッチがついているが…これを全部壊せばいいということか。
 ステラは拳銃を抜き取り、かまえる。
880SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:26:05 ID:???

「は〜い、そこまで!」

 振り返るステラ。
 そこには、耳にイヤホンをつけ、サングラスをかけた白髪の長身の男がたっていた。
「ここまで来たことは立派だったけど…、残念だったね〜。
 まだまだ、ここにある人形達には頑張ってもらわなきゃいけないのさ〜」
「…なにをするつもりなの?」
「決まっているじゃないか、これで世界を破壊するのさ〜新たな戦争だよ。
 そうすれば、この世界は危機が訪れる。そのとき、C.C.は再びボクの前に姿を現すのさ〜〜」
 ステラには、この男が何を言っているか分からない。
 だけど、わかることはある。
 この男は敵であるということ。
 ステラは銃を身構える。
「アハハハ〜、さすがは元々が暗殺集団だけあるね。
 脳天、お腹…狙う場所は全て急所ってことなのかな?」
 マオは、笑いながら、ステラの想っていることを次々と言い当てていく。
「よっぽど、君の複製の事が大事みたいだね〜、好きという感情…ククク、アハハハハハ〜。
 とんでもない自己愛性格者だ。まったく、これだからブルーコスモスの強化人間は…」
 ステラの拳銃が鳴る。それをマオは軽々と避ける。
 心が読めるマオにとっては、相手の動きが手に取るようにわかるのである。
 ステラの目は、いつしか、以前のブルーコスモスにいたときの暗殺者のときに戻り始めていた。
 それが彼女の感情を冷静にしていく。
 だが、それこそ思う壺。冷静であればあるほど、動きが読まれていく。
 かつてのルルーシュがそうであったように。

「…時間は余り無いよ。ここのものたちが目覚めれば、それこそ、世界は変わる、
 ボクのC.C.が迎えに来てくれるのさぁ〜〜、アハハハハ〜〜」
881SEED DESTINY 〜2人のステラ〜 ◆HxLt3eoqWY :2008/12/30(火) 23:28:12 ID:???
投下終了。
今年はここまでとなります。
前作ともどもありがとうございました。

>>868
気を使わせていただいて申し訳ありません。
こちらがしっかりと時間を明記しておけばよかったですね。
投下を楽しみにしています。
882通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 23:37:16 ID:???
>>868
wktkして待ってるよ!
883通常の名無しさんの3倍:2008/12/30(火) 23:57:32 ID:???
wktkして待ってます!
だけど残り容量的に大丈夫かな?
884通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 00:02:05 ID:???
使っていただいて、か使わせてしまって、じゃないのかな…日本語的に…
885通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 00:10:18 ID:???
よほど偉いなら相手にいただかせてもいいじゃないか
気にするな
886通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 00:31:40 ID:???
立てられん…誰か頼む。 テンプレはこうでよかったかな。

【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】

このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリで
クロス物とされるスレの統合を目的としています。
種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
種作品内でのIF作品は兄弟スレにお願いします。

過去スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196339764/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 2【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208353319/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 3【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212323601/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 4【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218203927/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1226476158/

まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 7
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1228025594/
887通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 00:33:29 ID:???
試してみます。
888通常の名無しさんの3倍:2008/12/31(水) 00:37:23 ID:???

【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1230651332/

立てられました。
889166:2008/12/31(水) 01:42:23 ID:???
こんばんは、機動戦士ΞガンダムSEED Destiny筆者の166です。

すいません、あの後コミケに出撃しておりました;

で、帰って来て見てみたら反応は頂けているわ、
職人さんは投下されてるわ(お気遣いさせてしまって、こちらこそすみません)、
次スレは立ってるわで、かなりビックリしました(苦笑)

僭越ながら、それでは次スレのトップバッターとして(11)の方を投下させて頂きます
890 【大吉】 【543円】 :2009/01/01(木) 22:52:35 ID:???
ume
891 【小吉】 【61円】 :2009/01/01(木) 22:52:52 ID:???
埋め
892通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 00:17:25 ID:???
うめ
893通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 00:17:31 ID:???
うめ
894通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 00:18:40 ID:???
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
うめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
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895通常の名無しさんの3倍:2009/01/02(金) 00:19:17 ID:???
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