1 :
議論スレにて1001変更案を相談中:
ダ・ガーンを汚すなよ
勇者シリーズとはサンライズ、名古屋テレビ、東急エージェンシーが1990年から1997年までにわたり製作した一連のロボットアニメ作品の総称です。
映像作品としては「勇者エクスカイザー」から「勇者王ガオガイガー」までのテレビシリーズ8作と、OVA「勇者指令ダグオン 水晶の瞳の少年」「勇者王ガオガイガーFINAL」
および「FINAL」をテレビ放送用に再編集した「勇者王ガオガイガーFINAL GRAND GLORIOUS GATHERING」が存在しています。
派生ゲーム作品として「新世代ロボット戦記ブレイブサーガ」「ブレイブサーガ2」「ブレイブサーガ 新章 アスタリア」「新世紀勇者大戦」があり、
各ゲームでの共演作品(「装甲騎兵ボトムズ」等)や演出・放映時期・玩具等コンセプト的に関連のある作品(「トランスフォーマーシリーズ」や「エルドランシリーズ」)、
世界観を共有する作品(「勇者王ガオガイガー」シリーズに対する「ベターマン」)など多くのアニメとの接触がありますが、
狭義の勇者シリーズは上記8作品+αであることに注意してください。
ただし「ブレイブサーガ」内のゲームオリジナル勇者「勇者聖戦バーンガーン」は勇者シリーズのフォーマットに則った構成から「9番目の勇者」として認識されることが多いです。
7 :
一尉:2008/11/03(月) 21:23:20 ID:???
わかった承認する。
「俺たちがダグオンだ(仮)」の参考のためにダグオンを改めて視聴したいが、
レンタルビデオとか置いてなくて泣ける。
9 :
一尉:2008/11/05(水) 14:40:50 ID:???
余計悲しいよ。
ところで勇者シリーズごとの必殺技を独断と偏見でランク付けしたんだが
・サンダーフラッシュ=ゴルディオンクラッシャー>>無敗と恒星破壊の壁>>
ミラクルギャラクティカバスター>>動力連結の壁>>ブレイブキャノン>射程距離の壁>その他
>>非オーバー(エイリアン?)テクノロジーの壁>>パーフェクトキャノン
なイメージがある。
範囲攻撃が可能な奴と一対一ピンポイント仕様を同じ土俵で語るのはどうかと。
単純な破壊力(単位面積辺りの破壊力×破壊範囲)なら
ゴルディオンクラッシャーが頭抜けているけど。
てかパーフェクトキャノンが何でそんな位置なんだ、と。
ミラクルギャラクティカやブレイブキャノンと比較するならジョイントドラゴンファイヤーだろw
ゴルディオンクラッシャーと言うか、GGGの兵器は"理論上耐えうる物質が存在しない”のを安売りしすぎだよね
グラヴィティショックウェーブを筆頭に、ソリタリィウェーブとかダブルリムオングルとか
まぁ、敵がそれに耐えるからさらにどうしようもないんだけど
あんまり耐えてないよ
無限に再生・増殖してた事が多い
ゴルディオンハンマーに正面から耐えたのってゾヌーダとレプリガオガイガーとJぐらい?
>>14 うろ覚えだが、ゾヌーダは耐えたんじゃなくて、物質昇華のが速かったんじゃなかったっけ?
ゾヌーダは物質昇華が先にきた
レプリガガガはハンマーヘルを先にしてたからヘルヘルに負けた
Jは最初こそ耐えていたがレプリ勇者軍団が盾にならなかったら最悪負けていた
完全に耐えたのはいないな
ちなみにキングジェイダーが耐えていたのは
「ジェイクォースにフィールドジェネレイティングアーマーの出力を集中していた」から。
キングジェイダーの装甲は表面にエネルギーの膜を作るもので、これを応用していたとのこと。
ゴルディオンハンマーとの激突時は、この膜が発生するそばから光子変換されていたらしい(小説版より)
GNフィールドを一点集中すれば……だめか。エネルギー量が違う。
PS装甲になると考えるのも無駄だな
耐える耐えない以前に普通に接触した時点で光にされるもんなあ
19 :
議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/06(木) 11:29:26 ID:hhB/9zQa
まとめるとこうだな、
こっちが放出するエネルギーが切れる前に
ゴルディ&ガオガの方がエネルギー切れを起こすエネルギー量か、
空間干渉系の物質によらない防御能力か、
ゴルディがエネルギー切れになるまで攻撃を食らっても破壊されないだけの質量か、
或いは、ゴルディの発するエネルギーそのものを侵食できる能力を持っていないと
ゴルディオンハンマーには太刀打ちできない。
ガガガ考察厨に乗っ取られました。
プラネットバスターかデスマルクで粉砕しちゃえよ。
オーボスの本体のブラックホールっぽいのなら、ハンマー無効化できるんじゃね?
スレの趣旨に戻すとだな・・・
人命救助が最優先なGGGじゃ、人が乗ってるMS相手にハンマー発動承認しない可能性が
そもそも戦争が起きたらあの組織はどう動くかわからんし
原作だと対異星文明と対テロリストしかやってないよな
23 :
一尉:2008/11/06(木) 12:33:13 ID:???
そんな時特別承知認すれは良い。
24 :
議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/06(木) 12:50:51 ID:hhB/9zQa
本来その為のハンマーヘル&ハンマーヘブンなんだけどな。
敵コア(コクピット)の周辺をバリアフィールドで包んで抉り出す。
まあ、そもそもMS相手にGGGが戦うなんてことはありえないだろ……。
攻撃受けたときは、Jやルネ辺りが
『一度戦いを挑んできた戦士に情けは無用!以前の借り、ここで返させてもらおう』
とか
『生憎あたしはあんたと違って、そんな良い子ちゃんじゃないんでね!』
とか言って、突貫して叩き潰すか、
或いは、ガイが
『俺は人類最強エボリュダー! システム解析完了ッ!』
とか言って、Gストーンの脅威の演算能力で敵MSをハッキングして無力化しそう。
ハッキングはねーよ。
無人機ならともかく有人機ハッキングできんのは、種っつーかアストレイの量子ウィルスぐらいじゃね
・・・すでに作品内に存在してるならクロスオーバーで出来ても演出的に問題ないのか?
ナデシコのルリみたいなハッキングを凱ができると
>>24は思ってんだろ。
凱が搭乗しているマシンが接触さえしていればかなりの無茶ができるけどな。
半壊したガファガを強引に動かしたり、パルパレーパのウイルスを書き替えて送り返したり、
規格の合わないジェネシックを強引にクラッシャーコネクトさせたり。
さすがに、離れている相手を直接ハッキングするのは無理だけど、
搭乗しているメカを接触させればかなりチートな真似も出来るはず。
……まあギムレットアンプルーレは普通に物理破壊していたから、そっちのが楽なんだろうが。
回線に接触しないとさすがに無理だろ。
そりゃあジェネシック乗ってたら回りくどいことするより潰し壊しの方が早いに決まってる
しかしボルフォッグはポルタン非接触でハックしてなかったっけ
>>30 実はボルフォッグとポルたんの戦いは、目に見えないハッキングバトルが平行して繰り広げられていたんだったか。
ま、後は勇気で補えって事で話題終了。
34 :
議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/06(木) 16:16:15 ID:hhB/9zQa
……いや、流石に無線でハッキング出来るとは思ってないぞ
規格品のMSなら一機ハッキングして乗っ取ったなら、同じ処理で全機いけるわけだから、
けど、ガイガーで無茶機動して一瞬ずつ触れていけば全機ハッキングできね?
お前の言いたい事はわかったからいい加減にsageろ
出来なかったら半年ROMれ
ポルたんvsショタフォッグvsNダガーN
つまりハッキング能力は超進化人類よりも諜報部の方がすげーや!ってことですね
総合力じゃあエヴォリュダーの方が上だろうけど
まあ、凱がMSハッキングするためには、ガイガークロー辺りを配線に届く程度に刺さなきゃならんし。
……そのまま頭もいだ方が早い。
凱のハッキングは自分が理解しているものだけしかできないんじゃね?
オービットベースはもちろん、パパパのウィルスは身を持って経験してる。
凱自身はプログラマーではないことを考えるとそんな気がする。
そういえば凱って小説で宇宙空間に漂っていて生身で通信を聴いていたりするんだよなぁ
宇宙空間に異様に適応しているのがブレイブポリス。お前らそれでも本当に日本警察の機体かw
日本の治安を守るのにその航宙能力はオーバースペックだろ明らかにw
42 :
一尉:2008/11/06(木) 22:54:35 ID:???
つまり国連の機体なら決めるたろう。
>>22 GGGの対テロリスト戦が有りなら、対CB戦も有りそうだな。
しかし、CBが紛争介入はじめたところで、それを阻止するためにGGGが
動くだろうか。
ガオガイガーの場合ほとんどの紛争にバイオネットが絡んでるんじゃね?
一期前半はパンピに被害はほぼ出てないから難しいな。
トリニティが出だしたあたりからはいけるかもしれん
バイオネットはテロリストっつーか悪の犯罪組織だからなあ
GGG絡みで何かするか、GGGでないと対抗できないってレベルじゃないと出て行かないんじゃないか
その辺りは、エイフマン教授が麻薬を嫌いと評したり、ハムが人の子だったり、荒熊さんが恩を覚えたりの反応から
妥当なところを推し量っていくしかないのかも。
GGGはゾンダーという地球外の脅威に対処するために組織されたんだよな。
Zマスターを倒した後も存続しているのはおそらく異星の侵略なんかを警戒
してるからだろうし。
地球外からの侵略、なんていうファクターはガンダム世界にはないから、
設定のすり合わせが難しい。
49 :
一尉:2008/11/07(金) 15:55:08 ID:???
そんな設定ならあります。
羽クジラとかいたなそういえば、でもほとんど無視されているよね
51 :
一尉:2008/11/08(土) 15:16:04 ID:???
羽クジラは謎生物かも。
あれがSTMCやバジュラ並みの凶悪なやつの化石とかなら「外宇宙にはこんな怪物いるから
内輪もめしてたらいつかこいつらに滅ぼされるよ〜」的なこともできたかもしれんが
どんな生態だったかを含めてわけわかめな生物で終わっちまったしな。
つーか回収しようともしてない伏線の一つです
>>46 国連がCBに対抗する唯一の戦力として、GGGを担ぎ出す可能性は、
あるような気もするが、ジンクス部隊の代りに勇者ロボ軍団が出動する
図は、想像しずらいな。所属は同じ国連軍のはずなのに。
クロスボーンの木星帝国、それに近い系譜のカガチが実権を握っていたVのザンスカール帝国みたいな?
CE世界だとマーシャンしか居ないなぁ……
規模が小さすぎる。
基本的に地球人類だけどメンタリティが違いすぎて実質異星人
な辺りが限界だな。
56 :
一尉:2008/11/09(日) 16:18:19 ID:???
凶悪的な軍隊居たらどうするんだい。
国連軍所属でもやる仕事が違うからな
侵略してくる異星人とか犯罪組織であるバイオネットとかを相手するのがGGGだし
言ってしまえば正規軍が適わないような凶悪なテロリストでもない限り、人間同士の戦争や紛争の介入はないな
つかジンクスや勇者ロボ出さなくてもソリタリー装備の量産型バリバリーンがry
あれも大概チートだしな。数と規模さえなんとかすればドボルザー基幹艦隊だろうが
STMCだろうがエネルギー障壁系持たないやつには勝てるし。
マイク軍団だけでも移動形体とはいえ原種のバリア突破して体を塵にしてんだから押して測るべし
GNフィールド、ゲマイディッヒパンツァー、光波防御体なら出力次第でソリタリーウェーブも防げないかな。
エネルギーのパターンが解析されるまでだろうけど……
そのパターン解析までにどれだけの被害が出るか…
つかノーマルガガガのヘルヘルを真正面から受け止めてバリアがまったくの無傷状態である原種のバリアをGNフィールドとかで超えられるだろうか?
出力で防げたらゾンダーの時点で乙るような…
周波の流れで破壊する兵器だから普通のバリア系は無視する防御無視なのがソリタリーウェーブだぜ
同じエネルギーソリトンをぶつけて相殺以外は防ぐ手はない
まあ、00あたりは何でもGNとつければOKみたいなGNっぷりが発揮される世界だから。
がんばってGNソリタリーウェーブを発振して拮抗してほしいものだ。
いや、分かってますよ無理くさいことは。
63 :
一尉:2008/11/10(月) 15:43:32 ID:???
もしゾンダーとGNフィールドを融合にしたら大変な事なりますよ。
>>63 そもそもゾンダーバリアの方が強力だから、あんまり意味なくない?
>>63 キチガイの荒らしに構うなんて馬鹿なの?死ぬの?
>>62 GNガイガー、GN竜神、GNフォッグ、GNサンダース13世、GNマーグ、GNドライバー
GNクラッシャー、GNビットベース、GNウェーブ…
GNさえ付けば勇者ロボがこんなに…!
素直にファイナル直後のGGGが種初回に来るとか、
そういうクロスはあかんのかな?
最近GGGネタばかりでつまらない
69 :
一尉:2008/11/12(水) 16:22:40 ID:???
いや、GGGネタなら面白い思う。
舞人「オーライザー!」
一尉が面白いならつまらないね
GGGが一番「国際社会の都合」で動く勇者だからな。
スルーも出来ん奴の意見など聞く耳もたんな
00世界とマイトガインって同じ電気がメインの世界なんだよな
ソレスタルビーイングの首脳部に旋風寺家の名が連なってても違和感はあまり無いって訳だ。
76 :
一尉:2008/11/13(木) 16:54:09 ID:???
基本同じ世界たからな。
そういや勇者特急隊って世間からは謎の組織として見られてたんだよな
78 :
一尉:2008/11/13(木) 23:04:02 ID:???
最後は本当の敵はラスボスかも。
>>77 GGGだってそうだろ
宇宙開発公団の職員にも隠してたんだぜ?
ブレイブポリスはおおっぴらすぎるがw
>>79 でもGGGは国連直属の組織だろ
勇者特急隊は謎の私設武装組織という点でソレスタに近い気がする
ブレイブポリスはおおっぴらだが、総監が趣味人すぎて
謎度が上がります。
ふと思ったんだが勇者シリーズをレンジャーストライク風に系統分けすると…
エクスカイザー→ミスティックアームズ
ファイバード→ミスティックアームズ
ダ・ガーン→ミスティックアームズ
マイトガイン→アーステクノロジー
ジェイデッカー→アーステクノロジー
ゴルドラン→ミスティックアームズ
ダグオン→オーバーテクノロジー
ガオガイガー→オーバーテクノロジー
って感じなのかな…
異論は認める
>>82 エクスカイザーとファイバードは宇宙枠じゃないか?
00のガンダムたちを勇者ロボっぽく変形させるならビークルモチーフは何がいいだろう。
キュリオス・アリオスは元から可変だから涙を飲んでハブる。
個人的なイメージだと…
エクシアはパトカー
00は基本パトカーで羽を出せば飛び、海へも行ける(ツインドライブがスクリューみたいに)。
デュナメスはフルシールド付きだとシャコタンなスポーツカー
ケルディムは4WD車
ヴァーチェはドリルセイバー風のキャタピラタイプ戦車
セラヴィーはシャゴホッド風のホバータイプ戦車
スローネアインはゴルディみたいな自走砲から戦闘機にもなる感じ
ツヴァイは剣を機首、スカート部を羽にして戦闘機
ドライはUFOwww
で、俺の大好きなキュリオス・アリオスは?まんますぎるから除外?
86 :
一尉:2008/11/14(金) 16:51:11 ID:???
もちろん空母から発進する勇者達。
87 :
83:2008/11/14(金) 16:53:45 ID:???
>>84 さっそくの返答サンクス。
何となく「エクシアたちが勇者ロボだったら(人格はマイスター準拠)」なネタを妄想してみたくて。
思ったより具体的だけど納得です。
>>85 うん……多分「ジェット機」くらいしか出なさそうだったんだ。ごめん。
好きならば思いの丈をカモン!
>>87 じゃあ、「エクシアたちがブレイブポリスだったら」とか妄想してみる。
デッカードたちやスコットランドヤードBPより後の世代として……
エクシア BP-100系列
パトカーに変形。「ブレイブポリスとは犯罪根絶を体現」「俺がブレイブポリスだ」とか言っちゃう問題児。
剣技を得意とし、GNアームズTYPE-Eとブレイブアップした後も変わらない。
デュナメス BP-100系列
パトカー仕様のラリー車に変形。スナイパーでまとめ役。GNアームズTYPE-Dとのブレイブアップ後は火力増強。
エクシアとの合体予定は無い。マクレーンにシンパシーを感じたり感じなかったり。
キュリオス BP-500系列
ジェット機に変形。まさかの隠密回路持ち。右目にはカゲロウやシャドウ丸(解析モード)のような眼帯状カメラアイを装備。
温和な性格だが、カメラアイが左にスライドすると好戦的な性格が表に出る二重人格。
ヴァーチェ BP-600系列
常にガンマックスアーマー状態。中身は細身でシンプル。アウターアーマーごと変形して戦車モードになる。
厳格というか融通が利かない委員長気質。
え?ボス?……スメラギさんでひとつ。
>>84です。
機体のイメージとコンセプトだけで考えてましたね…ι
あと補足をするとしたら…
エクシア、00→機体色と主人公機と言うことで
デュナメス→仰向けの姿が車っぽかったから
ケルディム→デュナメスと対照的に、後はワイルドなイメージから
ヴァーチェ→仰向けにしてキャノンを立てるとタンクっぽかった。
セラヴィー→ヴァーチェより能力が上がってそうな感じを出したくて。
アイン→ランチャーを違和感なく配置して、戦車と被らないように。
ツヴァイ→ひろしのアルケーをヒントに戦闘機っぽく
ドライ→思い付かなかったんでネタに走ったwww今思えばステルス機ですかね?
あと追加で…
サダルスード→クルーザー
アブルホール→ドッグファイト主体の戦闘機
キュリオス→爆撃機
アリオス→高機動型戦闘機
0、アストレア、プルトーネ、ナドレは思い付きませんでした…ι
キュリオスを勇者風にするのは簡単じゃないか!
セブンチェンジャーやシャドウ丸みたいに色々変形させればいい。
ちなみに犬は必須w
ビクターなビリーに一票
現行作品の強みもあるが、種より00の方がロボ考えやすい気がした。
しかし、ちっちゃいスメラギさんは予想外のアプローチ(笑)
すめらぎ「はぁー、管理職ってつらいわー」
みな「そうそう、でも世界の平和のためにがんばらなくちゃだわー」
ちっちゃいミナさまだとぉっ!
……部下はアストレイ系列?
96 :
一尉:2008/11/15(土) 17:41:22 ID:???
ミニキラ・ヤマト決めで置くかな。
もうハロでよくね
98 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/15(土) 20:21:48 ID:yo2/2aaP
>>95 ソキウス「小さいミナ様?仕えるしかないじゃないですか!」
じゃあまんまシュウトを連れて来るか
101 :
一尉:2008/11/16(日) 18:52:10 ID:???
そのまんまミニルカス・オドネルなら決まりじゃねえか。
スメラギさんの応援でツインドライブ発動!
やっぱりダブルオーってのはエクシアの後継機って感じが薄いよな、名前が。
オーとエクシアのグレート合体と考えるなら、オーの方が一号ロボにふさわしいw
104 :
一尉:2008/11/17(月) 15:12:49 ID:???
いざグラハム・エーカー特攻零戦刑事で決めよう。
前にガンダムをビークル系にしたら何になるかって話があったけど…
今度はガンダムをビースト系にしたら何になるかってどうかな?
イメージとしてはゴルドランの空影やダグオンのガードアニマル、勇者王のギャレオンみたいな感じで
ビーストってか、メカアニマルか……
ヴァーチェ・セラヴィーは犀とかトリケラトプスかな。
キュリオス・アリオスは翼竜か、ストレートにイカ。
デュナメス・ケルディムは豹。
エクシアはペガサスとかユニコーンとか?
ダブルオーは羊。ツインドライブがそんな風に見えて仕方ない。
107 :
一尉:2008/11/18(火) 16:47:59 ID:???
ぞれじゃあ特殊刑事課で決めよう。
>>106 ゾイドに七本剣つけたライオンいたことを思い出した
109 :
一尉:2008/11/18(火) 22:34:31 ID:???
革命刑事は刹那で決まり。
>>108 そういえば剣を沢山付けたの居たな。
あれのミサイル大量につけたヴァージョンは素敵だった
>>108 ライガーセブンブレードことライガーゼロ シュナイダーか
>>110 パンツァー?
ミサイル一杯で何故かガンスナリノンSPを思い出しちまった
スローネはドラゴンモードとか似合いそうな気がする。
113 :
一尉:2008/11/19(水) 15:34:21 ID:???
破壊刑事スローネなら決まり。
tp://www.nicovideo.jp/watch/sm5099194
いつみてもこの回はヤベェwww
115 :
一尉:2008/11/21(金) 20:13:44 ID:???
最強刑事コーラサワーでいいか。
アルケーはレッドガイストみたいな変形してほしいな。
117 :
一尉:2008/11/25(火) 20:35:46 ID:???
イナクト宇宙型でジャンボセィーバーに合体させだい。
>>112 3体合体でドラゴン、ジェット、巨大ロボに変形ですね。
単体ではアインが鮫、ツヴァイが鷹、ドライが四脚獣に変形……
アレ?何このサン○ル○ン?
ダグオンをよつべで視聴中。
脳内で「これが青春だ!」を「俺がガンダムだ」に置き換える視聴は
地味に腹筋に来ます。
120 :
一尉:2008/11/28(金) 22:17:08 ID:???
トリロバイトはドライアスと合体します。
121 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 00:43:46 ID:SH+zw1Hx
とりあえずコアスプレンダーを単独で人型に変形させてみようぜ。
>>121 丁度MGインパルスをダ・ガーンっぽくリペしようと思ってたんだけど、そこが
最大の鬼門なんだよなあ・・・迂闊に手足足したら合体できなくなりそうだし・・・
>>122 そこはもうSTD仕様と割り切るしか……
つか、胸の地球をどうするのか期待していいか?
>>123 すまん、そこら辺は諦めてさっくりスルーする予定w
一応インパのシールドが上下に展開するからそれっぽく仕上げてみようかなとは思ってる。
けど胸が展開するゴッドの方がいいかなあ?けどあっちはコアランダー以外分離しないし・・・
125 :
一尉:2008/12/04(木) 18:01:35 ID:???
ドライアズ並みなら出来るかも。
保守
うちも一尉には迷惑してるんすよ。
ジョーが言ってた
「薔薇の花言葉を知っているか?馬鹿は死ななきゃ治らない」と…
でも一尉はどうやっても治りそうにないな
130 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 00:09:44 ID:mkh7akh/
>>128 やっぱそっちのスレにも「馬鹿を構わなきゃ気が済まない奴」は居るのかい?
スルーしとけよ
今まで奴が何言っても無視してきただろ?
どうせ噛み合わない事しか言わないし
ていうか、コテつけてるんだからあぼんしとけよ
全員が専ブラ入れてる訳じゃないから絶対誰かが反応するのが問題なんだよな・・・
134 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/07(日) 19:23:04 ID:Nc4wDrch
流れを斬りますが「子連れ」ではユニウスは落ちるのか、落ちないのか
職人さん次第
136 :
一尉:2008/12/07(日) 22:35:22 ID:???
だふん落ちる思う。
馬鹿だな、あの場所はあの時間は、もはや勇者の初陣の舞台にて、
悪の首領が勇者を見初める、そのための舞台だぞ?
138 :
一尉:2008/12/08(月) 17:26:33 ID:???
もし時空現象出たらそのまま現代へ行ってしまうよ。
そういやミーティアって運命と伝説とも合体可能だったな。
ワルドランみたいに和田の合体途中に邪魔して乗っ取るとかやって欲しかったなw
140 :
一尉:2008/12/08(月) 22:25:30 ID:???
最悪場合はドライアズに合体にされでしまう。
>>139 てゆうか、ミーティアは特定の機体専用って訳でもないようだ・・・
サーペントテールの連中が使った事なかったっけ?
>>141 サーペントテールのミーティアはミーティア自体に核積んだりしていろんな機体と合体できるようにした機体だったと思う
>>142 廃棄前のミーティアを緊急事態ゆえにジャンク屋組合から借り入れたものじゃなかったっけ?
>>141 一応核MS専用じゃないの? 本体にジェネレーター積んでない欠陥仕様だから
バッテリー機じゃすぐにガス欠になるぞ。
ジャンク屋って、ミーティアも持ってるのかよ
どうやって手に入れたんだ?
>>145 解体・廃棄するためにザフトが持ってきたんじゃねぇの?
核ミーティアの解体をザフトに依頼されていたんだっけ……
そんないくらでも悪用できそうな代物を預かるって、どんな信頼関係築いたんだ組合。
組合長エクスカイザーだからなw
149 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/09(火) 03:07:50 ID:UkchzTYR
条約で核ミーティアを解体処分
→信頼できる第三者として、なぜかジャンク屋が選定される
→ジャンク屋ミーティアを解体せず(してから組み立てなおした?)に自分たちのものに……
って流れじゃなかったっけ?
駄目だこいつら……ながら読んだような記憶が。
自分達のものにって、あれは緊急事態だから急遽引っ張り出してきただけだぞ
その後にも使用してたかは一切描かれていない
>>150 一応解体待ちだったらしいからな。
劇中じゃサーペントテールが使っていたが、悪用したければレイスタ繋げりゃ充分……
んな代物を非常時だからって使って大丈夫かとは思うが。
悪い、記憶違いだったらしい。
まぁ、それでもばれた時点でジャンク屋お取り潰しの可能性が出てくる大醜聞だが……。
153 :
一尉:2008/12/09(火) 22:41:51 ID:???
ぞれじゃあお取り潰したら困るよ。
>一尉
トランスフォーマー画像掲示板に書き込めるようになったの?
>一尉
何でメール欄にsageを入れないの?
何でドライアス(敬称略)を「ドライアズ」ってしつこく間違えるの?
157 :
一尉:2008/12/10(水) 22:22:26 ID:???
そうなんだあの掲示板が好きなったよ。
159 :
一尉:2008/12/12(金) 11:21:52 ID:???
自演じゃないよ
おとりつぶしー
ジェネシスの大きさってどれくらいだっけ?
プラントくらいかな?
あの砂時計型の片っぽくらいっぽい気がする。
少なくともUCのコロニーレーザー程はデカくなかったと思う。
カイラスギリーがどんくらいだっけ?
保守
165 :
一尉:2008/12/17(水) 22:12:05 ID:???
時空ゲート出るよ。
167 :
一尉:2008/12/18(木) 19:37:16 ID:???
もちろん月の基地から発進する艦隊。
保守
一番呼びやすいのは何だろうね?
ダグオンかな?
170 :
一尉:2008/12/22(月) 23:18:51 ID:???
いやダ・ガーン方がいい思う。
黄金勇者共をアレハンドロが蘇らせて親衛隊にするとか、キャプテンシャーク蘇らせた虎が宇宙海賊やったりとか
ゴルドランの蘇らせた人が主って設定はかなり使い易いと思うんだが、通常兵器でストーンに戻してそれを国家規模で奪いあうのも面白いかも
172 :
一尉:2008/12/23(火) 13:09:48 ID:???
機動戦士ガンダムALIVEの世界で出現したドライアスが暴走したらしい。
あと何だろうな…刹那がモラリア戦でひろしに吠えて太陽炉が光ったのを見たとき、実はイオリアが作った純製太陽炉のコア(トロポジカルデフェクトブランケットだっけ?)にGストーン使われてんじゃね?
って考えたことがあった。
174 :
一尉:2008/12/24(水) 15:29:52 ID:???
したかしに太陽炉は今だ謎だよ。
ちょっと無視って反応したら負けかな?って思ってきたが1つつっ込ませろ、「未だ」だ。 ○学生からやり直してこい
エロ漫画か、何故そこ伏せ字w
一尉は真性のキ○ガイだから無視しろと(ry
頭に障害を持ってるんだから○学生をやり直しても無駄だべ
受精卵からやり直せって事かい
そして遺伝子操作するのですねわかります
いや仮に操作しても素質はイライジャ以下って感じだな。
後は流産とか
181 :
一尉:2008/12/26(金) 20:44:20 ID:???
それは流産じゃないだろう。
流産は可哀そうだ。と言う訳で人工子宮だな
そして人工子宮の生き残りはキラだけなので標本行きですね
わかります
直後にバイオハザードに巻き込まれた挙句ガンマ線で滅☆菌とか
185 :
一尉:2008/12/27(土) 21:46:25 ID:???
最後はDG細胞化にされでしまうキラ。
186 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/27(土) 22:37:48 ID:w+PnkLCy
ファントムリングで終わるな。
そういや勇者シリーズで主人公が機体に搭乗して戦うのって
ファイバード・マイトガイン・ダグオン・ガオガイガーだけだな。
他は自分の意思で動いてて主人公は合体指令送ったりするタイプだし。
ファイバード・ダグオンは搭乗と言っていいのか疑問
>>187 半分なんだからむしろ多いとすら言える気がする
ヤラレ敵キャラだとファイバード、ダ・ガーン、マイトガイン、ジェイデッカー、ゴルドラン、ガガガと有人がほとんどだな。
エクスカイザーは無人
ダグオンは宇宙人の巨大化や怪獣
ダ・ガーンのデブッチョのは怪獣だったっけ?
ダ・ガーンはレッドロンは無人ロボ、ブッチョは有人怪獣、ピンキーは有人ロボ、ビオレッツェは無人ロボ、
シアンは無人メカ
>>188 メカとの融合はガガガもいっしょだし
さらにいえばもっと露骨に融合してるオーガンもいるんだし搭乗といってもいいだろ。
192 :
一尉:2008/12/28(日) 22:41:19 ID:???
ブラックマイトガインにも搭乗ロボじゃん。
>>191 ガガガはまだ「操縦」してると思うんだけどなあ、ファイナルとか見てると
どっからどこまでが「操縦」と言うかねぇ…分けるなら
・ガンダムやマジンガーみたいに操縦桿ガチャガチャ
・エヴァやナデシコみたいに思考コントロール
・Gガンやダイモスみたいに自分の動きをトレース
・オーガンみたいに融合 って感じか?
195 :
一尉:2008/12/29(月) 22:05:36 ID:???
そうえばゾンダー場合は他物に融合されたな。
あけおめ保守
∧l二|ヘ
(・ω・ ) おいらをどこかのスレに送るんよ
./ ̄ ̄ ̄ハ お別れの時にはお土産を持たせるんよ
| 福 | |
| 袋 | |,,,....
 ̄ ̄ ̄ ̄
現在の所持品: 帽子 老眼鏡 爪楊枝 ホッチキス ランドセル X箱360 アッガイ ドリル
198 :
一尉:2009/01/03(土) 21:04:52 ID:???
オイオイ、それはアッガイは要らないよおおおおお
・・・何を土産に持たせるか決まったな
いや、いらないものをお土産にするわけじゃないから
201 :
一尉:2009/01/04(日) 21:24:40 ID:???
正し、勇者シリーズ繋がりTFに使うよ。
純機械系ってヴェータと相性悪そう
ハッキング的な意味で
あれはGNドライブ搭載機(ガンダム)にしか効かんだろ。
想像だがGN粒子を介してドライブを強制停止とかそんなかんじだと思われる。
つかガイゾナイトのハッキングが効かんかったデッカード見る限り超AI搭載機はよほどの
ことがなけりゃ、少なくとも無線状態で意のままに操るのは不可能だろ。
ボルフォッグみたいにガンマシン等の無人格サポートメカならどうにかなるかもしれんが。
なあ、板違いと言われるかもしれないんだが…
ゴルドランの少年3人に本編終了後のガロティファが出会ったらなって考えたんだ。
ただ、ゴルドランはもう、10年以上も前だから記憶が殆ど無いんだよな。
もっとも、見れたとしても書くスキルがねえよ・・・orz
>>204 兄ちゃん可愛い彼女つれてるなーと冷やかす三人と照れるガロファですね
実にわかりますwww
206 :
一尉:2009/01/07(水) 23:29:11 ID:???
もしおなじ世界観なら会えるかもしれないいかも。
同じ世界観は無理だとは思うけど、よくあるクロス物みたいに気が付いたら着ていたでいいんじゃない?
はじめて会った時は
>>205みたいに冷やかされるけど結構、仲良くやっていけそうじゃないか。
208 :
一尉:2009/01/08(木) 09:38:32 ID:???
もし、火鳥兄ちゃんがエクスカイザーに会うと面白い思う。
なぜ一尉を無視しないんだ
奴は真性キチガイの糞コテだぞ
カーペンターズって太陽炉を修理できるかな?
宇宙の創造主だし不可能はないんじゃね?
>>204 つ【DVD】
DVDは…GXはレンタルで出てるけど勇者シリーズはレンタルはエクスカイザーだけでほかはDVDボックスだけなんだよな。
気軽に買えるって金額じゃないし…きついです
カーペンターズは構造さえ分かれば太陽炉の分解と修復は出来るんじゃないか
カーペンターズならやりかねないが製造にかなりの時間がかかったらしいから
中枢が破壊されたら無理そうだな
カーペンターズはあくまで修理・分解用だからな。
製造はフツヌシの領分だ。
正直な話、GSライドとウルテクエンジンがある時点で、太陽炉要らないと思う、出力的に……。
ただ、太陽炉の変わりにGストーンとかだと結構面白いかも。
俺がガンダムだっ!と、イークイップするGストーンサイボーグとか。
擬似太陽炉はフェイクGSライドで確定だな
219 :
一尉:2009/01/09(金) 22:37:04 ID:???
核エンジンはGライドで決まり。
ツインドライブは…ジェネシックの時点で五つのGSライドで大幅出力実現してるしなぁ…
あとGとJの共鳴とか
Gストーンは繋がってる設定も使えそう
太陽=GSライド
擬似太陽炉=フェイクGSライド
ツインドライブ=GSライド&ウルテクエンジン搭載
第一期の時の外付けユニットには、小型化前のウルテクエンジンが搭載されていたことにして、二期のツインドライブで小型化に成功、MSに同時搭載可、とか。
時間制限ありのスーパーモードが欲しいなら、光竜闇竜の内蔵型弾丸Xとかもアリだしな。
こうしてみるとGNドライブはガンダムよりも勇者向きなシロモノな気がしてきた。
まあ、扱いはどことなくパワーストーン(ゴルドランに限らない神秘石概念として)に近いからな、GNドライヴは。
脳量子波はGストーン同士の繋がりで代用できる
超兵はセンシングマインド
イノベーターはエボリュダー
かな
>>222 そういや初代ガオガイガーにもハイパーモードあったなー。グランドノヴァ脱出で使ったやつ。
あれってGハンマー使用時みたいにGSライドオーバードライブ状態と考えてOK?
弾丸X? 使うと死ぬ?
同じじゃないんじゃないか? Gハンマー使っても死なないし
ハイパーモードなら凱兄ちゃんの時点で使えるだろ
229 :
一尉:2009/01/11(日) 00:07:43 ID:???
もちろん凱旦那なら使えるかもしれないかも。
>>226 >>227 実はガオファイガーは、改良型弾丸xを常時運用しているんだぜ。
エヴォリュダーの特殊能力を前提としているから、凱以外には使えないんだけどな。
エヴォリュテック・ウルテク・パワーとか言うらしい。
レプリ・ガオガイガーとのヘルアンドヘブン合戦にガオファイガーがあっさり勝てたのは、
この能力に起因する大きな出力差のお陰だったりする。
書き忘れたが、弾丸エックスは、本来Gストーンが秘めているエネルギーを完全に開放するためのツール。
ただし、解放されたエネルギーを制御するには、Gストーンや超AIでは処理能力が足りないので、
しようされたGストーンは際限なくエネルギーを放出して崩壊してしまう。
故に、GストーンやGストーンに依存した超AIが使うと死亡必至と言われ、封印されていた……んだが、
未解析だったGストーンの機能に、『勇気をエネルギーに変換する』と言うものがあった為、
グランドノヴァで使ったときはギリギリで踏みとどまれたらしい。
エヴォリュダー凱はGストーンの機能をより高レベルで使用出来る為、
弾丸Xとサポート機能が組み込まれたガオファイガーであれば、その能力を常時運用できる。
232 :
設定マニア:2009/01/11(日) 13:04:49 ID:dDrRkTtA
>サイボーグ・ガイのハイパーモード
アレは頭部の髪みたいな部分(ジェネシックのアレと同じ物)に蓄積しておいたエネルギーを解放して出力を上げるモードってだけですよ。
>エヴォリアル・ウルテク・パワー
ウルテクエンジンはGストーンのエネルギー解放レベルを底上げする機能がある一種のターボチャージャーです。
この究極が弾丸X。
ガオファイガーはエヴォリュダー・ガイの力でウルテクエンジン以上にGストーンの力を引き出しやすくする簡易弾丸Xの特性を持っている。
これがエヴォリアル・ウルテク・パワー。
出力的にはGSライド(初期ガオガイガー)<ウルテクエンジン(後期ガオガイガー)<エヴォリアル・ウルテク・パワー(ガオファイガーことファイティング・ガオガイガー)<弾丸Xとなる。
ただし、当人の勇気によって出力が上下するから必ずしもこの不等式が成立するわけではない。
233 :
一尉:2009/01/12(月) 23:03:42 ID:???
なるぼと、いい勉強なったよ。
次期スパロボでガイキングLODとゾイドジェネシス参戦だとさ。
前者は新時代勇者デザイン(まあバリってるだけだがw)だし
後者はまた一つ版権の壁がなくなったわけだ。
シナリオがラクシズマンセーなのがパッケージイラストから判明してるがなw
236 :
一尉:2009/01/14(水) 22:14:41 ID:???
いや、良いパッケージイラストなら決めていいよ。
しっかしゾイド来るとはねぇ……飛べない機体ばっかりじゃないか。
旧作の大砲で打ち出されて敵倒したりするお馬鹿さんのほうに出て欲しかったけど
つプテラス
それ以前に、宇宙面とかどうする心算なのか……>ゾイド
最近のスパロボじゃあんま気にする程のもんでもねーぞ?
宇宙適正低そうだけどw
ガソリンエンジンのザブングルが宇宙で動ける時点でどうということはないw
ギルドラゴン・ギルベイダーは宇宙にも出れるだろうが、アニメのあのサイズじゃ艦船扱いだろうな。
出るっていってもジェネシスなのがな…嬉しい反面、他の出してくれと思う
てか今回のガンダムは種しかねーじゃん
アストナージさんがいれば一晩でゾイドを宇宙用に改造してくれるのに…
246 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/15(木) 21:58:55 ID:+ZrRHMi5
ジェイデッカーとは相性いいんじゃあない?
ブレイブポリスだもん
警察官が戦争に駆り出されるのはなぁ…
確かに出て欲しいけどそこが引っかかる。
個人的には、今度のスパロボにはガンソードが参戦するからエルドラXが出て来るのが嬉しい。
まぁ、あっちは勇者というよりは戦隊だけどww
馬鹿野郎っ!
あいつ等が勇者でなくて、誰が勇者だッ!
金色になるのが、単に表面塗装が熱で剥げただけというのが激しく笑えた。
250 :
一尉:2009/01/19(月) 21:28:46 ID:???
じゃあ、オレンジの中の声対決にすればいいじゃん。
>>249 あったなそれwww
ちなみにエルドラX(ソウルじゃなくて)合体時の変色はホコリが燃えたのかなw
252 :
一尉:2009/01/21(水) 12:06:29 ID:???
もう少し、変色しなくでいいよ。
3年前、種死をマイトガイン風に考えてみた事があった
舞台は戦争真っ最中ではない平和な世界
コーディネイター誕生や軌道エレベータ建設以外、基本的な設定は原作と同じ
ロゴスは戦争もしくは構想で大儲けする兵器産業
ブルーコスモスはコーディネイターを抹殺するテロリスト
ラクシズは偽善的自己満足による世界征服(バックアップには負債)
ちなみにシンは仮面ライダーカブトの加賀美ポジ
ってな感じのもの
254 :
一尉:2009/01/23(金) 11:03:36 ID:???
あの、そろそろ続きの小説は。
マイトガインと00って相性良いよな
>>255 特にオリジナル太陽炉搭載機に超AIを搭載してマイスターをサポートする
マイトカイザーって元々強化パーツだったよね
オーライザーやアーチャーみたくGNコンデンサーがピッタリだな
258 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/24(土) 17:37:57 ID:ROcbQaEG
勇者シリーズの方がメカデザインはいいよな。
00は脚が細すぎるし、格好悪い。
259 :
一尉:2009/01/24(土) 22:33:56 ID:???
合体だとおもしろいよ。
>>258 アナザー三部作及び髭以降のガンダムってひょろひょろだもんな。
個人的にはゴッドやダブルエックスみたいなガッチリしたのが好みなんだが。
261 :
一尉:2009/01/26(月) 17:15:30 ID:???
そうえば、アスランとシンとジェイデッカーのクロスオーバーは?。
軌道エレベータが折れそう……
ブレイブポリスの出番だな!
破壊してどうするんだwww
・・・何気にデッカードはガソリンか何かで動いている
GGGもオイルで動いてるんだっけ。
他の勇者たちはどうなってるんだろう。
勇者ロボは全員GSライド=Gストーンを中核に用いた動力炉を使っている。
飲んでいるのは機械油で、補給&嗜好品。
人間に近い勇者ロボのストレス解消の為のものらしい。
267 :
一尉:2009/01/27(火) 20:32:18 ID:???
なにしろ、人格AIにも搭載にされでいるよ。
それより、小説の続きは。
ハロにもストレスとかあるのかな
勇者シリーズの超AIは真正の人工知能だから、いわゆるAIであるハロと一緒にしちゃあいかんよ。
>>268 疑似人格って意味じゃあハロよりも外伝のマイスター874やアストレイの8の方が近いんじゃね?
271 :
一尉:2009/01/29(木) 21:36:21 ID:???
あの、小説は。
>>270 そういえば8って出自不明なんだよな。
じつは勇者シリーズの超AIか、それに類するものの可能性も……
RX-78のコアファイターから回収されたって噂があるぜ
何そのアマクサ
RX-7…の部分までが擦れてて、8の部分だけ読めたなんて説がある
ゾイドは宇宙いけるぞ
宇宙空間で生息できるか否かではなく、ゾイドには宇宙用の装備が全く無いんだよ。
宇宙適応と言う意味では、ボスボロット以下の機体が多すぎる。
しかも、一応金属生命体だから、あんまり魔改造するのもアレだ。
だから、宇宙面とかどうするのかねと言う話になった。
ボロットは基本、人間の宇宙用装備の大型版で全部行けるからなw
確かゾイドで宇宙行ったのって…デススティンガーとストームソーダーぐらいか?
280 :
一尉:2009/01/30(金) 15:50:15 ID:???
そうえば、トランスフォーマーマイ伝なら出るかも。
>>279 あとギルベイダー、ギルドラゴン、ハンマーカイザーとか……
イェーガーやハヤテみたいに大型ブースター持った奴は動けると思うが
その他大勢は月面くらいしか無理だよな。
いや、ブースターがあっても制御用のアポジモーターとかが無いとIGLOO三話の陸ザクやGP01ゼフィランサスみたいに宇宙で溺れるぞ…ι
Ziナイt…いや、なんでもない
285 :
一尉:2009/01/31(土) 20:52:12 ID:???
ドム(種ガンダム)なら攻撃にしまうよ。
惑星Ziじゃ地磁場とかが影響して電子機器が狂い、その所為で宇宙開発がかなり遅れてるらしいからな。
スラゼロの時代には解決しているみたいだが。
287 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/01(日) 01:47:15 ID:75wi5nhP
確かスラゼロと無印ゾイドって繋がってたっけ?何かスラゼロのラストに出てきた朽ち果てたウルトラサウルスにグラビティカノンらしきモノがついてた気がするんだが…ι
>>287 あと、
・レアヘルツバレーらしきところでレオンが赤ブレードライガーを発見
・バックドラフト団の発掘兵器がデススティの尻尾
・ウルトラ内で流れたハーマン声の人のメッセージがどう聞いてもバンの話
いや、レアヘルツバレーはイヴポリス付近で、古のウルトラザウルスの
目と鼻の先ぐらいだから、あれは勇者の谷だと思う。
(古のウルトラザウルスが、GFのならね)
290 :
一尉:2009/02/02(月) 21:41:08 ID:???
あの、そろそろ小説の続きは。
Kはどうなるんだろうね
Zだと散々だったからちゃんとして欲しいな
292 :
一尉:2009/02/06(金) 20:36:42 ID:???
あの、そろそろ続きは。
イオリア計画の対話ってエイリアンとの対話でしょ?
勇者シリーズってエイリアン結構多いよね
>>293 第1作のエクスカイザーからしてエイリアンだったからね。
エクスカイザー以外でも…
ファイバード…ファイバード、ドライアス
ダ・ガーン…オーボス、ヤンチャー
マイトガイン…エイリアンじゃ無いけど異次元から来たブラックノワール
ジェイデッカー…ハイジャス人
ゴルドラン…レジェンドラ関係
ダグオン…ブレイブ星人、サルガッソ
勇者王…もはや言うまでも無いが三重連太陽系関係
296 :
一尉:2009/02/10(火) 23:41:16 ID:???
あの、子連れダイノガイストとアスランとシンとジェイデッカーのクロスオーバーの続きは。
保守
298 :
一尉:2009/02/13(金) 20:06:18 ID:???
未だ、小説続きは。
>一尉
トランスフォーマー画像掲示板には入れるようになったの?
300 :
一尉:2009/02/15(日) 15:31:18 ID:???
ああ、その画像はいつも大好きなんだ。
301 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/15(日) 23:04:34 ID:RudbpDn8
オープニングが勇者シリーズの曲だったら血気盛んになるかも
ダグオンとか
>一尉
トランスフォーマー画像掲示板には書き込めるようになったの?
スレ終了のお知らせ
304 :
一尉:2009/02/16(月) 20:41:27 ID:???
オイオイ、勝手に終わらないでください。
唐突に小説が投下されたがためにここま生き永らえちゃったんだよな。このスレは
一尉の要求には一切応じない
それが答えだ
つかあぼん多すぎなんですけど
スパロボZが別方向の燃料になっちゃったかな。
スパロボKで勇者シリーズがはいってりゃいい燃料になったんだがな。
まあゾイドがまた一つ参戦への壁を壊したことだしいいか。
とりあえずKではバリキングと裏勇者・エルドラソウルの活躍を期待だな。
310 :
一尉:2009/02/18(水) 21:57:44 ID:???
それは続きの事のです。
ずっと気になってたんだが地雷かなと聞かなかったがね、105はダガーで連合なのに一尉はオーブの階級なのよね。どうでもいいけどなんで
ああ、種を基にしたHNだったんだ
余計に嫌いになったよ
種を元って言うか自衛隊の階級もこんな感じ
オーブ軍の元ネタだもん、自衛隊
315 :
一尉:2009/02/27(金) 08:21:41 ID:???
大西洋連邦はアメリカだよ。
何の答えだ、基地害
オーブなんてキチなとこと自衛隊を一緒にされたくないよ。
何で国内やシナやチョンの妨害でヤバくなってる自衛隊と、
どこかに攻め入る予定もないのに正規空母を作ったうえにまともに使えないオーブを一緒にしないでほしい。
一尉のもともとの生息地はなのはスレだからそっちが名前の元ネタかもしれん、なのはの階級の元ネタも自衛隊
お前らスルーできんのか?
320 :
一尉:2009/03/02(月) 20:44:04 ID:???
あの、そろそろお話の続きは。
こんばんは。なんと言いますか、別の処で書いているものが終わりそうなので、そちらに集中していたのですが
相変わらずアレな方がいらっしゃるようで、どこかのサイトさんにでも投稿させてもらおうかな、と思っているのですが、そういう時はまとめサイトに登録していただいた話は削除したほうが良いのでしょうか?
削除だなんてとんでもない!
どうせならまとめサイトの避難所に投下してよ
他所じゃそういう作品もあるよ(Zとのクロスとか)
アレな奴は無視するかNG登録すれば問題ないですからぜひ、ここで続けてください。
直接投稿するのがだめでしたらまとめサイトの避難所でも構いませんから…お願いします。
660さんがアレな奴が気になって投下できんとおしゃられるのであれば、ぜひまとめサイトの避難所でお願いします
ともあれ削除はなしで!
楽しみに待っているんで。
326 :
一尉:2009/03/04(水) 20:28:52 ID:???
660さん、辞めないでください。
てかアク禁することできないの?>アレな奴
提訴すればいけんじゃね?
ただ、過剰にレスを埋めている訳ではないから運営の判断次第。
ぶっちゃけグレーゾーン
329 :
一尉:2009/03/05(木) 19:52:36 ID:???
グラハム・エーカー対話にして置くと面白いよ。
TFレビューブログのコメント欄に一尉と似たような変な日本語でコメントしているNAKATAってのがいるんだが
同一人物か?
331 :
一尉:2009/03/07(土) 14:20:17 ID:???
あの、変な事言わないでください。
・空気を読まない発言。
・「したかしに(確かに、の意?)」「○○言う、○○思うといった助詞の過剰な省略」などの特殊な文法。
・事実の取り違え。
こんな分かりやすい特徴を持った善意の、赤の他人が二人も三人もいるというよりは
同一人物だと解釈した方が自然。
333 :
一尉:2009/03/08(日) 15:02:15 ID:???
どころで、小説続編は。
336 :
一尉:2009/03/09(月) 20:00:24 ID:???
なんで移転にしたかよ。
一尉がこのスレにいるからだよ
まぁ言葉も理解できないガイキチには分からないと思うけど
こんばんは、え〜、今までの半分くらいしかありませんが、子連れダイノガイスト書きました。
十分後位から投下します。
お帰りなさいませー!
風呂の準備してたんで、リアル全裸で待機。
子連れダイノガイスト 第十話 落ち行く墓標の上で
業々と、劫々と、やがて落ち行く墓標はこの世を焼き尽くす地獄の大火の様に赤く燃えて青い世界を紅に染めるだろう。どこまでも広がる暗黒の世界に、ぽつんと孤独に浮かんでいる水玉模様の星が、その始まりの時より久方ぶりに朱に染まろうとしていた。
この星で育まれた命が、親の元から巣立つ子の様に宇宙へとその版図を広げ、その拠点として築き上げた人造の大地。人の英知を持って作り上げた、母なる大地を模した人造の世界。
人類の宇宙進出を支え、輝かしい未来の礎となる筈だった自然ならざる世界のなれの果て――ユニウスセブンは確かに、ゆっくりとではあるが、地球から延びた不可視の重力という名の鎖に縛られて、落ちつつあった。
疲れ果てた子が、最後には父母の待つ懐かしき我が家へ、自分というルーツの始まりの場所へ帰る様に。そして地球はただ、いつもの様に泰然とそこに在るだけだ。ユニウスセブンが落ちる事で右往左往しているのは、所詮人間だけであった。
いや、一つ、否二つ、人間以外の者達もユニウスセブンの落下を阻止すべく奮闘していた。一つは人間によって作り出され、いずれは新たなる生命ともなる可能性を秘めた鋼の巨人。
今一つは、想像もつかぬ遠方の地にて、悠久の時を越えて燃え盛る太陽の焔に身を投げ、消滅したはずのエネルギー生命体が、この星で活動するのに適していると判断し鎧った漆黒の巨人。
ユニウスセブン落下阻止へ奮闘している動機や過程などにあまり共通項の無い二つの巨人達だったが、その目的は同じだ。
この数十万の人々の墓標となった悲しみの大地を、青き大地に落とし、億を超す人々へと降りかかる災厄にさせない事。
二心同体の巨人は穢れ無き正義感と使命感、そしてなにより他者の不幸を黙って見過ごす事などできぬ、ごく当たり前の人としての感情から。
威風堂々たる鎧巨人は、自らの利益を損なう事を嫌ったために。そして決して口にする事はないが、自らにとって宝と称するだけの価値を持った“思い出”という記憶を守る為に。
正義と悪。人間がいつの時代も口にしてきたこの二つの言葉を体現する、対極にある二体の巨人達は、しかし、この時確かに自分以外の誰かの為に戦っていた。
悪の巨人は嫌悪するだろう、否定するだろう。しかし、彼を敢えてこう呼ぼう。自らの命を賭して他者の為に戦うものを――勇者と。
ユニウスセブンを地球へ落さんと画策したテロリスト達と、マイトガイン、ダイノガイスト、ヒリュウ、ガオーMSとの戦闘が、徐々にテロリスト達側の敗北へと大きく天秤が傾き始めたころ、ようやくプラントのユニウスセブン破砕艦隊が姿を見せた。
ナスカ級ボルテールの艦橋で、ユニウスセブンで行われている所属不明の機動兵器同士の戦闘の報告を受けた、ジュール隊隊長イザーク・ジュールは、前大戦期よりは幾分落ち着きを纏っていた端麗な美貌を即座に険しいものに変え、声を荒げた。
「ダイノガイストだとぉ!? あの宇宙海賊が、一体ユニウスセブンで何をするつもりだ!」
「どうも、ユニウスセブンを落とそうとしている連中と戦っているみたいだけど? それになんかもう一機、見慣れないロボットもいるみたいだし。どうする、イザーク?」
アカデミー時代からイザークと腐れ縁のあるディアッカ・エルスマンが、軽薄な口調ながら、あくまでもシリアスな顔つきで自分の部隊の隊長殿の指示を仰いだ。
ディアッカとイザークに限らず、ザフトの面々にとってガイスター首領ダイノガイストは歓迎できる相手ではない。
前大戦時、ヤキン・ドゥーエ攻防戦において突如出現し、エターナル・クサナギ・アークエンジェルの、俗にいう三隻同盟を相手に激闘を繰り広げたのだが、その際に連合、ザフトと視界に入るものは片端から撃墜されて、多大な被害を被ったのだ。
ディアッカとイザークも、ダイノガイストを相手に当時の高性能機デュエル・アサルトシュラウドと、バスターというMSを持って戦いを挑んだが、一方的に叩きのめされた敗北の土の味を散々に味あわされた。
気位の高いイザークなど、二年たった今でもダイノガイストの名前を聞くだけで眉間にしわが寄ると言うのに、よりによってこの緊急事態にその怨敵の姿があっては、心穏やかではいられまい。
まさか、ダイノガイストを撃破しろ、なんて言わないよなぁ、といくらイザークでもとは思うのだが、どうしても一抹の不安をぬぐえぬディアッカは、固唾を飲んで隊長殿の指示を待った。
「……えぇい、メテオブレイカー設置作業部隊の発進を一時中断しろ。目標で戦闘が行われている以上、大至急、MSに再武装を施せ! あんな状態でユニウスセブンに取りついても作業にならん!」
「へぇ、ちゃんと隊長してるじゃん」
「うるさい! お前もザクに乗って待機していろ! おれもザクで出るからな」
「ありゃ、藪蛇? で、ダイノガイストとか他の連中は?」
「行動を見る限り、ユニウスセブン落下を防ごうとしていると見ていいだろう。こちらからはしかけるな。だが決して油断はするな。メテオブレイカーはおれ達の艦隊が運んだ分しかないんだぞ」
「了解。流石に地球滅亡なんて冗談じゃないからな」
真っ向から唐竹割に振り下ろされた金色の刃が、黒色の胴鎧を身にまとった古武者の様なジンHM2型の右腕を付け根から切り落とし、返す刃が下方から垂直に伸びて残る左腕も斬り飛ばした。
その勢いのまま虚空の彼方へと離れて行く腕を、目で追う暇もなく、ジンHM2型は繰り出された左拳に、繊細な電子機器やセンサー類を搭載した頭部を粉砕され、どう、と重々しい音を立てる事も無く仰向けに倒れた。
黄金の刃に紅の柄、そして三つの動輪を配した両刃の動輪剣を右手のみで下げ、だらりと垂らしたマイトガインが、周囲の状況を把握すべく、足を止めた。ユニウスセブンの岩塊の地肌に無数のスペースデブリが突き刺さり、身を隠すのにはちょうどいい。
現在最も戦闘時間が長く、疲労の兆候が見え始めた舞人は、渇いた瞳に潤いを与えるべく十秒ほど硬く瞼を閉じた。
その間も聴覚は休まず、ガインが拾っている戦場で交わされる通信を傍受したものを聞いていた。テロリスト側の通信とレーダーの反応から、ザフトの艦隊がちょうど到着した事を悟り、舞人は新たに丹田に喝を入れて、四肢に気力を漲らせた。
「よし、ザフトのメテオブレイカーを破壊されないようにテロリスト達の戦力を殺ぐぞ」
『分かった。だが、アズラエルの用意した傭兵達はともかく、あのダイノガイストはどうするんだ? データだけでも今の私達が立ち向かうには相当のリスクを負わねばらない事は検証済みだ』
「確かに。どうやら、ダイノガイストもユニウスセブンを落としたくないのか、テロリスト達と戦ってはいるが、いつこちらに火の粉がかかるか分からないという意味では厄介だな」
『幸い、距離は離れているから、残っている敵機を無力化するべきだろうな』
「そうだな。いくぞ、ガイン!」
『了解だ、舞人!』
勢いよく背に在るスラスターから銀色の噴射煙と推進の光を輝かせながらマイトガインが虚空へと飛びあがり、頭上からこちらを刺殺せんと、右腰だめに斬機刀を構えて最大加速で迫ってくるジンHM2型と交差する。
宇宙の暗黒に煌めく銀と金の十字交差。映した網膜さえも切り裂くかと見える鋭い両刃。鮮やかなまでの断面を晒して、ジンHM2型の斬機刀の刀身が、ユニウスセブンの岩肌に突き立った。
同時に片腕とバックパックを断たれたジンHM2型が、バランスを失って倒れ込む。背後カメラに映るその姿に、痛ましいモノを覚えながら、舞人はスロットルレバーを思い切り握り込んだ。
「ガイン!!」
『おう!!』
失ったものの大きさに、心を閉ざした者達の悲痛さに自身もまた悲しみを覚えても、それでも戦わねば、守れない命がある。その為には戦わねばならない。守るために戦う。守るモノを失ってしまった者達と。
かつて目の前で両親を失った時の悲しみ、そして憎しみ。今はそれを誰かが味合わないようにと、自分の様な悲しみが世界に広がらないようにと戦う舞人が、一歩間違えていたならば、こうなっていたのだろう。
ガインは、人に造られた人ならざる存在ながら、誰よりも舞人の心を理解するが故に、ただ黙って舞人と共に戦場を駆け抜けた。
「エールインパルス、発進カタパルトへどうぞ」
漆の様に艶やかな黒を帯びた船体の左舷デッキから、トリコロールカラーの機体にツインアイと、ブレードの様に左右に広がる額のアンテナが特徴の、ザフト最新鋭機“インパルス”だ。
ザフトから強奪したそれに、以前から回収していたストライカーの一つエールストライカーに、量産型エネルギーボックスを使って改造したものである。
アーモリーワン近海での戦闘で手に入れたブラストシルエットもあったが、ユニウスセブンへ急行する為に、選択肢から外していた。
MS管制と戦況オペレーターも兼任するマユの声に従って、シンはインパルスの脚部を電磁加速カタパルトに固定する。ガイスターのエイリアンテクノロジーで、コックピットに掛かる慣性やGはほぼゼロに等しい。
電磁加速し、カタパルトに固定した機体をマッハ五十以上に加速させて射出するリニアカタパルトが利用できる最大の要因だ。
ダイノガイストに遅れる事数十分、惑星間航行用の超長距離超加速ブースターを装備した漆黒の戦艦“サンダルフォン”がようやく姿を見せたのである。
艦橋の艦長が、険しい瞳でユニウスセブンを見つめる中、マユが小さな背中をかすかに振るわせて、モニターの向こうの兄を見つめた。
「お兄ちゃん」
「分かっている。絶対に、あんなものを落としやしないさ」
「うん」
「大丈夫、おれだけじゃない。ダイノガイストだっているんだぜ? 誰にも負けやしないさ。そうだろ? だっておれ達は」
「無敵の宇宙海賊ガイスターだもんね」
シンの励ましの声に、マユは小さく笑って答えた。
オーブと地球連合の戦いから数か月、幾万もの星が煌めく夜に帰ってきたダイノガイストと共に故郷を離れてから、シン達は数えるほどしかあの地を踏んではいなかった。
アスハ家の意向で交戦し、まるで巨人と蟻の戦いの様に一方的だったあの戦いで父母を失ってから、オーブはシンとマユに血と苦痛に塗れた記憶を思い出させる場所だったからだ。
故郷の友人達の安否こそ気にはなっていたが、どうしても目の前で消し炭になった父と母の姿、血と焼ける肉の匂いと、爆ぜる木の枝の音が、じりじりと焼けて行く家族だったモノの音が、シンとマユの心に鋭い爪を立ててくるのだ。
だが、そんな忌わしさばかりが増した故郷でも、誇張でも何でもなく滅亡の危機にあると聞かされれば、なんとかしなければならないと、そう強く思う。
父母を失い、心が悲痛の泥濘に塗れた場所であっても、あそこには確かに、幸せだった頃の記憶が今も色濃く息吹いている。
「ああ、そうさ。これ以上、オーブに悲しみばかりの記憶を増やしてたまるもんか!!」
ビームライフルとアンチビームコーティングシールドを装備し、シンは、慣性制御システムと自身の肉体の許す限り機体を加速させ、ジュール隊の参戦で混迷さを増す戦場へと踊り込んだ。
『ぬん!!』
それ自体が途方もない質量を伴った声と共に振り下ろされた銀刀二刃が、ジンHM2型の両腕を付け根から斬りおとした。この戦場に置いて、いや地球圏において間違いなく最強の称号を冠せられるべき黒金の巨人ダイノガイストである。
瞬く間に数キロをセンシングし、順調にメテオブレイカーの設置作業が進んでいるのを確認する。ダイノガイストに加え、マイトガイン、ヒリュウ、ガオーMSという規格外の存在が複数存在するのだから、当然の事といえただろう。
ニュートロンジャマーの存在を問答無用で無視するセンサーが、新たな反応を捉えた。歓迎せざる敵の反応であった。苛立たしげな様子も露わに、ダイノガイストが虚空を睨む。
血を結晶化させたようなバイザー状のメインカメラの視線が、星の瞬きの中の異物を正確に射抜いていた。
その傍らに、シンの駆るエールインパルスが降り立った。アルダに徹底的に鍛えられ、時折シミュレーターや実機でダイノガイストに叩きのめされた成果は、前大戦からのベテランぞろいのテロリスト相手にも見事戦う事が出来ているようだ。
やや興奮した様子のシンが、ダイノガイスト同様のセンサーシステムを装備させたエールインパルスの捉えた望遠映像に息を呑む。
そこには、アーモリーワンで奪われた筈のカオス、ガイア、アビスの姿が映っていたのだ。
「こんな時にあの連中が!? まさか、メテオブレイカーを壊す気かっ」
シンの予想が的中している可能性はあまり叩くはないだろうとダイノガイストは判断していたが、制止する前にシンは飛び出していた。
仮にもザフトの最新型MSを強奪したのだから、一応プラントに敵対する立場のものであろう。ならば、ユニウスセブン落下という地球滅亡に近いシナリオを由とはすまい。
もっともこちらの行動をザフトの仲間割れと判断し、全て撃墜しようとはするかもしれない。その時は、面倒だが破砕部隊を守りながら迎え撃たねばならないのが面倒ではある。
できれば、
『奴らの実力も試しておきたかったがな』
テロリストらベテランのザフト兵らと比べても際立った動きを見せる真紅のヒリュウや、威風堂々たる威圧感と共に戦っているマイトガインと、直接刃を交え好敵手たるか試す余裕が無いのが、ひどく惜しまれた。
まあいい、機会はいくらでもあるだろう。そう思いなおし、彼方で暴れまくっているガオーMSもセンシングした。巧妙に隠してはあるが、随所にダイノガイストが齎したエイリアンテクノロジーが使われている。
ほんの一、二年の短期間でダイノガイストも驚くほど技術を解明し応用してきた、あの男の顔が脳裏(?)に浮かんだ。いつもどこか皮肉気で自信に満ちた振る舞いをするあの男。どうやら、思った以上に遣り手だったようだ。
『どうやら思った以上に楽しい事になりそうだな。ふ、ふふふ』
この先に待ち受けるモノを思い、ダイノガイストは愉快気に低く忍び笑いを漏らした。それもほんの三秒ほどでやめ、残るテロリスト達の掃討へと意識を向ける。
背水の陣どころか、すでに命を投げ捨てたも同然のテロリスト達は、自分達の悲願成就の為にと、死の物狂いの抵抗を見せ、半ば相討ちに近い形でメテオブレイカーの輸送部隊や護衛MSの数を減らしていた。
その気迫だけは買うが、
『このおれの宝に傷を着けるような真似をしたのが貴様らの不幸だ……』
風の無い水面の様に静かな呟きは、むしろ胸中で溢れるダイノガイストの怒りを表すようで、ユニウスセブンに揺れが走ったのは、大気圏に近づいた影響よりも、この墓標に眠る死者達がダイノガイストの怒りに慄いたからかの様だった。
短くて、ほんっとうにすいません。モチベーションが上がりませんでした……トホホ。次はもっと量を書けるよう頑張ります。
GJ!
我々は君の帰りを待っていた
アレな人ごときにこの想いは止められやしない
GJ!
ダイノ様分補充完了。
脊髄反射的に飛び出してくシンに、4バk…四天王の姿を見たw
GJでした!
アレな人に惑わされることなくこれからも660さんのペースで頑張ってください。
果たして、CE世界にダークサンダーストームや、インフェルノが炸裂する時は
くるのか!!
シン…4バカじゃなくて四天王が復活したら5バカが結成されるな。
349 :
一尉:2009/03/10(火) 20:46:32 ID:???
素晴らしいいいお話なら嬉しいよおおおお。
待ちわびたぜ660氏!
351 :
名無しくん:2009/03/10(火) 23:06:53 ID:???
ダイノガイスト様無敵でしょう
352 :
名無しくん:2009/03/10(火) 23:12:00 ID:???
マイトガイン出るのかな?
353 :
名無しくん:2009/03/10(火) 23:20:52 ID:???
OOの世界のサジがダ・ガーンに
出てくるセブンチェンジャーの
勇者の石を見つけて呼び出したら
トリニティーと戦っても互角とか!?
GJ!
おおエールインパルスとはまた味なものをw
設定ではフォースはバッテリー積んでなくてエールは積んでいるから
本家よりも稼働時間等の性能良さそうですな。
356 :
一尉:2009/03/11(水) 20:27:13 ID:???
うん、次回はアスランとシンとジェイデッカーのクロスオーバーの続きは。
おおおおおおGJ!!
いいんですよ。ゆっくりでも。読めるだけで幸せですから。
会いたかった…会いたかったぞ660氏!!
氏には多大なるGJを!!
359 :
一尉:2009/03/12(木) 20:27:13 ID:???
660さん、嬉しいよ。
>>359 続きが読みたいなら黙ってろ! お前のせいでココは見捨てられる所だったんだぞ
いっそ今後は統合スレにでも投下してもらう事にして、ここは基地害にくれてやるか?
アレな人は相手にするだけムダだ。落ち着いてスルーしたほうがいい。
363 :
一尉:2009/03/13(金) 20:34:50 ID:???
そうだね、続きを見た方がいいよ。
ほんとに駄目みたいだな、避難所か統合スレを考えてもらうか
365 :
一尉:2009/03/15(日) 21:06:38 ID:???
ところでジェイデッカーとアスランとシンのクロスオーバーは。
ハロはとっくに自我が目覚めてるけど流暢に話し始めたら危険と判断されて処理されかねないから片言なんだ
そして人間同士の争いもハロたちにとっては楽しいスポーツのようなものなんだ
ハロたちにとって人間は酷く脆く情報の共有も動機もできない壊れたら修理もデータの取り出し復旧もできない旧世代の知的生命
367 :
一尉:2009/03/20(金) 18:47:03 ID:???
新旧対決にしたらどうですか。
ハロたちは頭がいいからわざわざ対立するようなことはしない
主導権は人類が持っていると人類に思わせておきながらどんどん機械文明に依存するように誘導
気づいた時には手遅れでもはや人類が機械とたたかうことすら考えられない状況に
無人ガンダムを無人工場が大量に生産する時代にもはや人類に勝目はなくなっているのです
369 :
通常の名無しさんの3倍:2009/03/20(金) 23:07:29 ID:TnI60LDo
すまん、ageた・・・
俺もアレな人と同じ、か・・・
371 :
一尉:2009/03/21(土) 14:40:50 ID:???
さてと、そろそろ続きは。
言っても無駄だろうが、こういう所では読者として我が儘言う前にまず自分で書いて投下するんだよ。
それが出来ない奴はSS中心のスレに来ない方がいい
ところでエルドラXに関する話はここでいいのかな?
Kで伝説の技が見事に再現されてたしw
許可する
エルドラかぁ……語ろうと思えば語れるけどさ、
まだソウル出るところまで進めてないけど、スパロボkはシナリオが酷すぎてなぁ。
『勇者は再びは』は今でも見れば泣く自信がある凄い好きな話だが、Kのあの話は酷すぎて投げ出しそうになったよ。
『ブッチ出てこねぇよブッチ』
とか、
『なんでスウィフト・ブラウニーとか色々混じってんだよ』
とか、そもそも、
『なんで極寒の地からエクソダスしている途中なのにちょっとそれただけの場所が常夏の地なんだ?』
とか……。
それに、エルドラVの技も、適当だったしなぁ。
例えば、エルドラフィストが
フリーフォールグラッチェ→エルドラフィスト
の連続技なのは良いとして、
フリーフォールグラッチェは本来、敵の頭上で合体してそのまま強襲をかける技
(つーか、エルドラVには飛行及びジャンプ能力が無いので、合体してフリーフォール)
なのに、合体したまま飛び上がるし、
エルドラフィストは本来片手をエネルギーで包んで殴る技
(本編で戦った時はエルドラW状態で出力が足りなかった)
なのに、エルドラVでもナックルガード出して殴ってるとか……。
つ 携帯スパロボは良作と駄作が交互に来る傾向にある
つ Wは稀に見る良作
つ 原作ファンほどスパロボ嫌い
ブライトと波乱万丈のポジションのカガリ…
どこの星から来たんだ?
>>376 それ以前にだ、なぜBGMで虹の彼方がないのかと…
ピンチの場面であの曲が流れてこそのエルドラでありガンソードだろ
なんでシンの曲がアストレイなんだろ…Zのままでいいじゃんと
キララクスカガリがある程度まともになってるせいで(特にカガリ)主人公の酷さが現れてる
近年稀に見る酷さだぞ、K主人公は
ってか原型残ってるのかそれ!?
384 :
一尉:2009/03/28(土) 15:30:56 ID:???
新作なら出来るよ。
某エレガントな御方ならそのままでいけたか?
エレガントの御方じゃ相手になるのがいないじゃないか
387 :
一尉:2009/03/29(日) 14:22:15 ID:???
マイトガインなら出来るかもしれないよ。
保守
389 :
一尉:2009/04/03(金) 21:41:45 ID:???
保守
避難所どこ?
391 :
一尉:2009/04/11(土) 15:31:52 ID:???
知りませんでした。
こんばんはー。子連れダイノガイストなのですが、ダイノガイストにはトランザムライザーと勇者シリーズお約束の超ド級キャノンとどちらが似合うと思われますか?
参考までにご意見お聞かせください。
それと大人げないですがジェイデッカーのクロスものはもういいか、判断しましたので、続かないです。あるいはよそでお世話になろうかしら、と思っています。
393 :
通常の名無しさんの3倍:2009/04/11(土) 23:08:55 ID:3fSLj2i1
トランザムライザーがいいと思います
>>392 乙です
ダイノガイスト様にはパワーアップは似合わないかなと思いますが
どっちかといえば超弩級キャノンですかね
勇者シリーズ的にパワーアップはグレート合体、ダイノ様は完成した強さを持っているから必殺技の天上天下一撃必殺砲ですかね
合体無しのパワーアップだと勇者王の弾丸Xとザ・パワーがあるけどどっちもリスクが高いからなぁ
特にザ・パワーはキングジェイダーが吸収、パイプの役目をしてなかったら勇者ロボが自滅しかねない代物だし
トランザムライザーが付けば超ド級キャノンの役目も兼ね備えるようなもんだな
超ド級キャノンはGマイトガインのパーフェクトキャノンがあることですしここはライザーソードで。
ダイノガイスト様「奴の技(初期サンダーフラッシュ)を模した剣、受けるがいい!」
みたいな感じでw
398 :
一尉:2009/04/12(日) 20:21:38 ID:???
あの、ジェイデッカーのクロスオーバーの続きをやってください。
ジェイデッカーって起動エレベーターが出たり
変革という言葉がちょくちょく出たりと
00っぽい要素が多いような 別にそうでもないような
つまり00の後の世界がジェイデッカーの世界なんだよ!
宇宙人とかも出てくるしな
トランザムライザーに一票。
ダークサンダーインフェルノがすごいことになりそうですね。
402 :
一尉:2009/04/13(月) 19:37:10 ID:???
なるぼと、つまり、同じ世界なのですごい思います。
子連れダイノガイスト 第十一話 ユニウスブレイク
新たに出現したアーモリーワン襲撃部隊――ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールの私兵ファントムペイン――は、ユニウスセブンを舞台に交戦状態にあるザフトやテロリスト達をまとめて敵と認定したらしく、出撃した部隊は誰かれ構わず襲い掛かってきた。
カオス、ガイア、アビスと運用次第で戦局にも影響を与えうるだけの性能を与えられたセカンドステージに類するMS達は、搭乗したパイロット達の能力をあいまってザフトのザクや、テロリストのジンHM2型とも互角以上に渡り合っている。
三機の新型G以外に、ダガーLなどの量産型や母艦から艦砲射撃が無いのを見てとって、ダイノガイストは、牙を剥かぬ限りは放置と決めた。すでにメテオブレイカーの設置と起動は大部分が始まっており、作業が終わるまでそれを守ればいい。
流石に、ファントムペインも起動しているメテオブレイカーを破壊して地球を危機に陥れる様な真似はすまい。そう考えればわりと余裕ができた状況と言えなくもない。
無論、地球滅亡かそれに準ずるだけの危機状況下ではあるのだが、ユニウスセブン落下阻止の切り札を数枚保持しているダイノガイストが、多少楽観的な判断を下すのも無理からん事ではあった。
『む』
メカニズム化したボディのセンサーと、エネルギー生命体としての宇宙規模の知覚能力が、ファントムペインにやや遅れた形でユニウスセブンに到着したミネルバの船影を捉えた。
ジュール隊が既に交戦状態である事は伝わっているようで、ダイノガイストの視覚に相当するセンサーには、ミネルバの搭乗員達の緊張や戦闘意識といったものがはっきりと見えた。
さてどうするか。あのミネルバの部隊まで来たと言う事はもはや手を下さずともテロリストの部隊は壊滅するだろうし、というか自分とマイトガインやヒリュウとの戦闘で既に残りは数えるほどだ。
あとは適当のメテオブレイカーに注意を払いながら、マイトガインらにちょっかいを掛けるだけの余裕もできたのではないだろうか。さて、どうしたものかとダイノガイストは珍しく思案した。
その活動範囲と寿命から惑星単位の危機というものに慣れのあるダイノガイストに比べて、他のガイスターのメンバーやザフトの面々ら、というよりもダイノガイスト以外の全て人間は、この上ない緊張の糸の上を歩いているままだ。
それはそうだ。今だユニウスセブンは着実に地球へと向かって落下し続けているし、メテオブレイカーは数基が破壊されて、予定数よりも少ない数が起動しているのみで、まだ作業だって終わっていない。
落とさんと望むテロリスト側にしても、なんとしても阻止したいザフトやファントムペインの側にしても、所属不明のガオーMSやヒリュウ、マイトガイン、宇宙海賊ガイスターがいるわで、心中が穏やかな筈もない。
とりあえず落下阻止に動いている事と、詮索を後回しにしなければならないと言う状況だからこそ、なかば放置しているのであって、なぜ彼らが、あるいは、あいつらは何者だ、という疑問は目に見えぬストレスを与えている。
そして、ガイスターの側にも今回の事態に計り知れぬ心理的ストレスを与えられている者はいた。シン・アスカだ。
強奪したザフトの最新鋭機インパルスに、改造したエールストライカーを装備したエールインパルスで、残り少なくなったテロリストと交戦していたシンは、今はファントムペインに強奪されたガイアと交戦していた。
漆黒の装甲に、MSと四足獣のMA形態を併せ持つガイアは、ユニウスセブンの岩肌を蹴りながら変則的な動きで、インパルスを追いたて、ビームライフルやビームキャノンで装甲を舐めるように削り取っている。
インパルスが運用するシルエットと違い、ストライカーそのものにはバッテリーが装備されており、またガイスターロボによって強化されたストライカーは規格品を大きく上回るスペックを獲得している。
わずか一度きり操縦したインパルスに対しても、シンが生来持つMSへの適正と、同中でのシミュレーター訓練でそれなりに慣れてはいた。同じセカンドステージに属するガイア相手に、性能だけて言えば既にエールインパルスは一歩先んじているのだ。
実戦経験の有無などを考慮して、若干シンがガイアを操るステラ・ルーシェに劣るにしても、十分に覆しうるだけのモノがエールインパルスにはある。
しかしユニウスセブン落下阻止に逸るシンと、目の前の敵を倒すと言う目的のみに邁進するステラとでは、戦闘に対する集中の度合いが違っていた。
「くそ、こいつが落ちてもいいと思ってんのかよ、お前ら!!」
唾を飛ばす勢いで怒声を吐いたシンは、立て続けにインパルスのビームライフルでガイアを狙い撃つ。いずれも直撃コース。相手を殺害する事も厭わぬ狙いは、シンの苛立ちが表出したせいだろう。
襲い来る翡翠の矢を、漆黒の獣は軽やかに跳躍して交わし、背から横に倒したビームブレイドで、インパルスを斬り伏せんと加速する。
「そんな直線的な動きで!」
一気に加速するガイアの動きは並はずれた速度を有していたが、伊達に機動力に優れたエールストライカー装備ではない。それにMS操縦の師匠であるアルダ・ジャ・ネーヨからは防御・回避を重点的に叩きこまれている。
「これくらい、ダイノガイストに追いかけ回された時に比べれば!!」
かつて、『チキチキ二十四時間耐久鬼ごっこ』(アルダ命名)という名目で、生身で、ダイノガイスト相手に無人の孤島で二十四時間追いかけ回されると言う特訓という名の拷問を受けた事がシンにはあった。
サバイバルパック片手に、ジャングルの中へと逃げ込み、恐竜形態のダイノガイストに追いかけ回された日の記憶は、シンの精神の奥深くに極めて深いトラウマとして根付いている。
日の出から翌日の日の出まで、遥か遠方からも聞こえる地鳴りの様なダイノガイストの足音と尾を引きずる音は、鼓膜を破ってしまいたい衝動に駆られるほど恐怖を駆り立てた。
もはや現代には生息していない古代の王者の姿を借りた鋼の恐竜が、時に火を噴き、MSを紙人形のように切り裂く爪を振るい、牙を剥き、追いかけてくる恐怖。
シンは一睡も出来ず、特訓を終えてからまる三日は碌に眠れなかった。これは、極度の恐怖体験を先に与えておくことで、MS戦などで感じる生命の恐怖に対する耐性を手っ取り早く身に付けさせると言うアルダの狙いがあった。
最も、アルダが逃げ回るシンの姿を終始、ニヨニヨといやな笑みを浮かべながら見ていたというから、面白がっていただけだろう。
とにもかくにもダイノガイストに二十四時間追いかけ回された訓練のお陰で、シンの恐怖に対する耐性というものは、歴戦の戦士並みに高い。
逆に恐怖に慣れてしまった所為で、躊躇なく危険に飛びこむ事もあって裏目に出る事もあるが、思い切りのよさと防御・回避行動に関しては新旧ガイスターでもピカイチと呼べるものがある。
フットペダルとレバーの操作で、スラスターの噴射角度を操作し、エールインパルスを前方宙返りをさせる要領で、ガイアの光刃をかわしてみせる。
目まぐるしく変わる視界の中で、ガイアの背を捉えたと同時に、エールインパルスの右足で蹴り上げ、機体を揺さぶる衝撃が直撃した事を教える。
宙を舞うガイアの横っ腹に狙いを定め、姿勢の整のわぬままビームライフルを撃つ。低重力かではあるが、難度の高い跳躍射撃の精度は見事との一言に尽きた。
しかし、ガイアはおそらくは視界にとらえられなかったであろうエールインパルスの射撃を、第六感的なものか、あるいは偶然か、MS形態への変形によって回避して見せた。
四足の獣から人型へと変わったガイアの左肩をかすめた光に、シンは舌打ちを、ガイアの中のステラは眦を険しくした。
互いに強敵と認めた瞬間であった。
標準的なライフルとサーベルだけのエールインパルスではいま一つ決定打に欠けると思いながら、シンはセンチ単位でガイアとの距離を測った。
ガイスターの上位陣、といってもアルダとダイノガイストの二人なのだが、このレベルの強者ともなると細か過ぎると言いたくなる範囲で、戦闘の動作が行われる。
機体の装甲越しにも相手の殺気や悪意を明確に知覚し、機体の内部から漏れ聞こえるアクチュエーターやフレームの軋み、関節の動きから予測できる一連の動作とそこからの派生動作……そう言ったものを、メートルどころかセンチ、ミリ単位で見抜くのだ。
洞察力がどうとか、観察力とかもはやそう言った範囲を超えたウルトラエースクラスにしかわからない領域の話だ。が、その二人との訓練が日常化しているシンも、おのずと同程度の観察力が要求され、技量には見合わぬ観察力と繊細な操作技術が根付いている。
エースクラスの一騎打ちでも無視されるような些細な動作までも見切ろうとしてしまう、身の丈に合わぬ無意識の行為が、今一つシンの実力を発揮しきていない理由でもあった。
極端に言えば、アマチュアがプロの真似事をしようとしているのだ。目下、ダイノガイストやアルダと、シンの間にはそれだけの壁が厳しく存在している。
とはいえ、それでもシンの実力はファントムペインが有する強化人間であるステラや、ザフトのエリートであるレイやルナマリアとも互角に戦えるだけ者はあり、それゆえに、今、ガイアとエールインパルスはタイムリミットの押し迫る状況下で睨みあっていた。
なにがきっかけで動くか分からぬ緊張に、喉がからからと乾いてゆくのを感じていたシンの耳を、甲高いアラーム音が打った。自機に対する攻撃行為を認めての警報ではない。この場におけるガイスターの目的に対する注意を促す音だ。
すなわち、メテオブレイカーへの攻撃行為が行われている事を察知した際に、なるように設定していたアラーム音。
くるりと背を向けるエールインパルスの無防備な姿に、一瞬ステラは呆気に囚われたが。眼前の獲物が自分を無視する姿にすぐさま、腹の奥底に怒りを覚え、ガイアに後を追わせる。
「逃げるな、臆病もの!」
「っ、おれ達が戦うよりもやらなきゃならない事があるだろうが!」
「なに?」
全周波チャンネルでの罵倒に帰ってきた年若い声に、ステラは思わず疑問の声を上げてしまった。エールストライカーの機動性にモノを言わせて、凹凸の激しい岩肌を一気に飛び抜けた先には、メテオブレイカーを守るザフトと襲うテロリストの部隊の姿があった。
手練らしくジンHM2型を相手にミネルバから出撃したフォースインパルスは、単機ながら奮戦している。ミネルバにはたしかもう一機インパルスとゲイツRかザクが配備されているはずなのに、とシンは思ったが、どうやらカオスやアビスと交戦しているらしい。
となると自分が援護に入るしかない。ミネルバのインパルスとはアーモリーワン脱出時に戦ったが、どうにも援護に入りづらい。コアスプレンダー強奪時に、インパルスの女性パイロットの胸も揉んでいるし。
確かルナマリアとか言う女だったか。今も鮮明に思い出せる豊満な肉の感触を、シンは緊急事態緊急事態と呟いて脳裏から追い払った。
Fインパルスの背後を取り、斬機刀を振り上げたジンHM2型の右腕を三連射で撃ち落とし、背後の敵機に気づいたFインパルスが背のラックからビームサーベルを抜き放って一気にその胴を薙いだ。
バッテリー駆動の機体は推進剤や弾薬に着火でもしない限りは爆発を起こしにくい。胴体を二つにされたジンHM2型はそのまま慣性に流されて、下半身はユニウスセブンの地表に、上半身は大気圏へと流れて行った。
サーベルを振り抜いた姿勢のFインパルスに襲いかかる残りのジンHM2型を、シンはライフルで牽制しながら、Fインパルスの背を守る位置に自機を動かした。
幸い、メテオブレイカーに損傷はないが、起動がまだ行われていないようだ。
「そこのインパルス、テロリストの相手はおれがするから、メテオブレイカーを動かせ」
「その声、あんた、あの時のドスケベ!!」
「いい!? その声は、あの時の女パイロット」
「こ、ここで会ったが百年目っていう奴よ! そこのジンもろとも私の撃墜スコアに変えてやるわ!!」
「ま、待て! いまはそれどころじゃないだろ? ユニウスセブンの落下を阻止しないとたくさんの人が死んじゃうんだぞ! そりゃ胸を触ったのはおれが悪かったけど、触られた事の方が、ユニウスが落ちるのよりも大事な事なのかよ!?」
「そう言われたら、そりゃユニウスセブンを落とさない方が大事に決まっているでしょ」
「だったら、頼むからメテオブレイカーを動かしてくれ。おれがそれまで時間を稼ぐから」
「宇宙海賊のアンタを信用しろっての? そのインパルスだってアンタが私達から奪ったものじゃないの」
「おれは……地球生まれなんだ」
「……分かったわよ。その代わり、流れ弾一つこっちに流すんじゃないわよ」
「任せとけ!」
地球生まれというフレーズが功を奏したか、ルナマリアはまだ半信半疑という感ではあったが、メテオブレイカーへと機体を向ける。起動させる為のコードは事前か、あるいは今ジュール隊から聞いている所だろう。
レーダープラス目視で確認した限り、敵は三機。十分にしのぎ切れる……か?
「メテオブレイカーを守るっていう条件付きじゃ、厳しい相手かっ」
敵を落とすよりも足止めを狙って、ビームライフルをマニュアル動作で乱射する。大雑把な狙いの連射はそれ故に狙いが判断しづらく、三機は散開して大きく距離を取る動きを見せた。
そのままビームカービンの一発も撃たせまいと、シンは散らばる三機めがけて短期とは思えぬ速度と密度で弾幕を張った。インパルスに突貫で組み込んだガイスター謹製の超高性能FCSやOSプログラムのサポートありきではあったが、獅子奮迅の働きぶりである。
雨あられと放たれるビームの一つに、左ひざを撃ち抜かれたジンHM2型に狙いを定め、バランス調整に手間取っている所を狙った一撃を加える。ビームは見事胴を撃ち抜いてそのジンHM2型を仕留めた。
残り二機。一機がこちらに、残りの一機がメテオブレイカーへと向かう。自分を足止めして、メテオブレイカーを起動中のFインパルスに襲いかかるか、無視してメテオブレイカーを破壊するつもりだろう。
なら速攻で向かってくる敵を倒す。そう意気込むシンの思いを裏切って、後方から放たれたビームが、向かって来たジンHM2型を背中から貫いて爆散させた。
「ガイアか」
「逃がさないっ!」
再びMA形態になったガイアだ。シンがテロリスト達と戦っている間に開いた距離を詰め、律儀にも追いかけて来たらしい。そのまま別の連中と戦っていればいいのに、とシンは心から思った。
跳躍しざまに、ビームライフルとキャノン合わせて三門の火力を浴びせてくるガイアに辟易しながら、シンはAインパルスを横滑りする様にスラスターで飛翔させて火線を回避しながら、ガイアに通信を繋いだ。
ここで無駄に戦うよりも戦う意味が無いとルナマリア同様に説得した方が早いと判断したのだ。
「待て、話を聞けって。おれ達が戦っている場合じゃないだろ」
「敵と話す事なんかない」
「そりゃ敵と味方だけど、今は目的が一致しているだろう」
「私はお前を斃す」
「だから、そうじゃなくってこのユニウスセブンを落とさないために戦っているんじゃないのか?」
「お前達が落とそうとしている。だからお前達を斃す」
「それが違うって。おれ達はユニウスセブンを落とさないために戦っているんだって。それ位、見れば分かるだろう。ユニウスを落とす為に戦うんだったら、メテオブレイカーを守りなんかしないっての!」
いまいち噛み合わない会話ながら、ガイアのパイロットが頑なにこちらの言葉に耳を閉ざしている事を感じ取ったシンの声音は自然と荒々しさを増して行く。
襲いかかるガイアからのビームを回避し、後方でルナマリアのFインパルスと通してしまったジンHM2型が戦闘を始めているのを確認した。これは、ルナマリアの舌鋒が火を噴くのは間違いない。
「ああもう、なんて言えば分かるんだよ!? いいか、このユニウスセブンが地球に落っこちたら、たくさんの人が『死ぬ』んだぞ!
人間だけじゃない、地球で生きているありとあらゆる命が『死んじゃうんだ』。こんな時にザフトだ宇宙海賊だって気にしていられるのかよ!?」
「『死ぬ』? 死ぬ、死ぬのは、いや、死ぬのは……」
『死』。その言葉を耳にしたとたん、ステラは体が凍りついたように動かなくなった。思考が破たんし、何をすればいいのか何がしたいのか分からなくなる。
いや、自分の望みは分かってはいるのだ。『死』から少しでも遠ざかりたい。でもどうすれば死を遠ざける事が出来るのか、自分が死なずに済むのかが分からない。
呼吸が苦しくなり、四肢の末端、手足の指先から徐々に石に変わった様に感覚が無くなってゆく。がちがちと、自分の歯が打ち合う音が耳障りだったが、それを止める事さえ気でない。
頭の中でぐるぐると『死』という単語が回り続ける。いやいやいやいや、死ぬのはいや。死ぬのは怖い。いやいやいやいやだいやだいやだ。
(スティング、アウル、ネオ、助けて……!!)
通信機の向こうから零れ聞こえるステラの弱々しい声をかき消す様な声で、シンは言った。
「だから!」
「あ……!?」
「だから、守るために今戦っているんだろう。死ぬのは誰だっていやだ。だから、死なないように、顔も名前も知らない人たちだけど、そんな人たちでも死なせたくないから戦っているんだろ! 守るんだよ!」
「守る? 守れば、死なない? 死なないの?」
「そうだよ。だから、守るためにもお前と戦っている場合じゃないんだって。分かってくれよ」
『守る』。守れば、死なない? 死ぬのは良くない事。守れば死なないなら、ステラも。
「……分かった。守る。ステラも守る。死ぬのは、ダメ」
「あ、ああ。分かってくれたのか」
「死ぬのはいや」
「ああ、誰だってそうさ」
「ステラも、誰かを守れる? 守れたら死なせないで済む?」
「ああ、守れるさ。心から願えば」
「分かった。なら、守る。ネオもアウルもスティングも、みんな、みんな守る」
ガイアのパイロットからの妙に幼げな、掴みどころのない返事にシンは要領を得なかったが、確かアズラエルからの情報では人体に手を入れられた兵士が動いていると言う話だった。
となると、このシンと同世代くらいらしいガイアのパイロットも、肉体や精神に人類の知恵が生み出した忌わしいメスが入っているのだろう。どこか不可思議な言動も、その所為なのかもしれない。
そう考えると、シンにはガイアのパイロットがひどく可哀想に思えて仕方が無かった。たとえ本人が自分の事をそう思っていなくても。それは傲慢な考えかもしれなかったが、どうしてもシンは胸の内に湧いた憐れみを消す事は出来なかった。
シンのAインパルスに先んじてFインパルスの援護に飛んで行ったガイアの後を追い、シンは機体のスロットルを一気に押し上げた。
「ちょっと、何でガイアが来てるのよ? しかもなんか援護してくれてるし!?」
ルナマリアはシンが取りこぼしたジンHM2型を、突如撃墜したガイアに驚きの声を挙げる。自分相手に集中していたとはいえ、ベテランの乗っているジンHM2型をいとも容易く撃墜して見せたのは、ガイアとパイロット双方の能力の賜物だろう。
このままこちらに襲い掛かってくるかと身構えるルナマリアの前で、ガイアはくるりと背を向けるや、近づいてくる生き残りのテロリスト達を牽制し、明らかにルナマリアを援護する動きを見せたのだ。
そこに、わずかにガイアに遅れてシンのAインパルスが姿を見せた。
「悪い、一機通した!」
「ていうかその一機をガイアが落としたんだけど、どうなってるの?」
「説得した! 今はおれ達で戦っている場合じゃないって納得してくれたんだ」
「本当に!? へえ〜、話の分かる相手だったのね」
「起動準備は?」
「今からやり直すところよ。今度は横槍なんか入れさせるんじゃないわよ」
「分かっている!」
ダイノブレードこそ両手に提げているが、ほとんど戦闘を眺める様子だったダイノガイストは、メテオブレイカーが次々と起動し、ユニウスセブンに罅が走るのを見守っていた。
どういう経緯を経たのか、シンのAインパルスが、ザフトのFインパルスやファントムペインのガイアと連携してメテオブレイカーの一基を守っているのが目に入ったが、まあ問題はないらしいのでこれは放置。
落下阻止の切り札の一枚も、うまくやっているようだしこれならばユニウスセブンの落下を完全に阻止する事もできるだろう。
そう考えている間にも、ユニウスセブンはいよいよ落下阻止限界点に到達し、大気との摩擦で底部が灼熱の色になっている。メテオブレイカーは十分に間に合うとは思うが、念には念を入れるべきだろう。
『いくつかテストさせてもらうとしようか』
対グレートエクスカイザーおよび捉えられているであろうガイスター四将救出用強襲兵器のテストには持ってこい、と言わないが、試すのはやぶさかではない。
前者はともかく、後者は、四将らが捉えられているであろう宇宙牢獄の防御機構を突破する必要性から、大出力の広域攻撃兵器としての性格を持つ。ユニウスセブンくらいは砕けないと不十分なのだ。
足元から伝わる振動が一層激しさを増し、大地のひび割れる音が大きさを増している。メテオブレイカーによって徐々にユニウスセブンが砕かれ始めているのだ。テロリスト達の機体はすでに数えるほどもない。
センシングでユニウスセブンの効果的な破砕点を選出し、そこに向けて背のスラスターを吹かして突進しながらダイノブレードの刀身を重ねる様にして思い切り大上段に振り上げる。
『奴の技の二番煎じだが、同じ技を持って打ち破るも一興と思い立ち編み出した技よ。試し切りをさせてもらうぞ、ユニウスセブン』
刀身を重ね振り上げたダイノブレードはダイノガイストの気迫を乗せ漆黒の雷を頭上へ一直線に迸らせる。本質がエネルギー生命体であるダイノガイストにとって、気迫、精神状態はダイレクトに戦闘能力に反映される。
来るべき宿敵との再戦に向けて編みだした技の一つをいざ試しに当たり、ダイノガイストは目の前に宿敵エクスカイザーがいるという想定の下に、ダイノブレードに破壊の意思を込める。
一直線に光の柱を築いた黒雷はその密度を高め、ダイノガイストの持つ必殺剣に匹敵する超高密度・膨大なエネルギーの刃と化す。それはかつてガイスターの前に立ちふさがったエクスカイザーが振るった必殺の剣。
『見よ、我が新たなる必殺剣、ダークサンダーフラッシュ!!!』
振り下ろすは絶望という概念が変わったかのような漆黒の刃。黒雷を瞬かせながら、円筒型コロニーも両断するほどの超長刀身の雷刃が、ユニウスセブンの地表に斬り込む。
メテオブレイカーによって分断されつつあった、死の次世代型コロニーが、その一刀によって崩壊を加速させてゆく。
ガーディー・ルーやミネルバ、ボルテールに搭乗していたネオ・ロアノーク、ギルバート・デュランダル、カガリ・ユラ・アスハ、タリア・グラディスなどは、突如発生した超高出力のエネルギーと、その発生源を映した画像に食い入っていた。
実に、ダイノガイストがコズミック・イラに現れて本格的に戦闘行為に乱入し、暴君の如く暴れ回った際に、ダークサンダーストーム、ダークサンダーインフェルノといった必殺の剣を振るった事は一度もない。
振るうほどの強敵がいなかったと言うのが最大の理由だが、ヤキン・ドゥーエ戦役の際には、必殺剣で消耗するエネルギーを惜しみ、肉体の損傷を補いながら戦っていたためだ。
故に、このコズミック・イラで初めて披露されたのが、今放たれたダイノガイストの新・必殺剣なのである。
PS装甲さえも切り裂く途方もない切れ味を有するダイノブレードや、ダイノキャノン、ダイノバスターと言った強力無比な火器。
攻撃面に置いてこれらがダイノガイストの兵装とみなされていたが、この地球存亡の場面にて、さらにそれらを上回る、もはや防御手段などない問答無用の一撃必殺の攻撃手段がある事が、暴露されたのだ。
ダイノガイストの鹵獲(捕獲ではない)を目論む軍需企業や軍の者達からすれば、より一層貪欲に欲するか、新たに判明した鹵獲の困難さに頭をかきむしってしまう光景だろう。
類似した兵器にミーティアのビームソードがあるが、攻撃力で言えば圧倒的にダイノガイストに分がある。また大型MAともいえるミーティアに比べ小回りが利き、この戦闘能力が隔絶しているダイノガイストが振るうとなれば、その厄介さは比較にならない。
『ぬうううんん!!』
頑健な地表の抵抗を両腕に感じていたダイノガイストは、一気に両腕に力と気迫をこめて、ついにダイノブレードを振り抜いた。
まるまるユニウスセブンの一区画を切り取ったダークサンダーフラッシュの黒雷刃が、ゆっくりと根元から霧散し、ダイノブレードの銀の刃が露わになる。
ふと、ダイノガイストは以前、地球への落下軌道にあった隕石を巡る戦いで、隕石ごとエクスカイザーにサンダーフラッシュで斬られた事を思い出し(直撃はしなかったのだが)、このシチュエーションでこの技を使った事に若干の不快感を覚えた。
いや、威力に関して言えば申し分はなかったのだが。
『いらぬ事を思い出したか。まあいい。残りの細かい破片はアルダが処理するだろう』
とダイノガイストはあらぬ方を見やった。それは別行動をしているアルダが向かったとある施設の存在する方向だった。
シンは眼下でゆっくりと分割し、砕けてゆくユニウスセブンを言葉なしに見ていた。あそこにはまだ多くの人々の遺体が眠っている。その遺体も、今回の事態で大気との摩擦で跡形もなくなるだろう。
いつかユニウスセブンの発掘作業が行われ、愛する家族との再会を願っていた――例えそれが二度と口を開かぬ姿に変わっていたとしても――人々の胸の内を思うと、何も言葉には出来なかった。
シンのAインパルスの左右に、ルナマリアとステラがいた。二人とも、大気に焼かれて砕けてゆくユニウスセブンを見ている。その胸中を思うほど、シンはまだ大人ではなかったが、サンダルフォンから送られてきた通信の内容を二人に伝える余裕はあった。
「二人とも、これから送るデータの射線上からすぐに退避するぞ。ザフトとステラの母艦にも送ってあるから、味方の事は気にするなよ」
「ちょ、なによこれ!? なにが撃たれるって言うのよ」
ルナマリアは送られてきたデータの広大な射線に思わず目を見張り、シンに問い詰めるが、当のシンが既に退避を始めていたのでそれ以上追及する事なく自分も後に続いた。
ステラの方はすでにある程度シンを信頼しているのか無条件で従っていた。シンの言った、守ると言う言葉が、ステラにとって大きな意味を持ったと言う証拠であるかもしれない。
とにもかくにも、一目散に安全圏まで逃げたシンのAインパルスのこれまた左右に二人は陣取り、シン経由でガイスターの母艦から伝えられてきたデータが、何を示していたのか確かめるべく、モニターの向こうに広がる宇宙のある方角を見つめた。
星の瞬きとは違う何かが、彼方で輝いた。そう認識したのとほぼ同時に、横倒しにした巨大な光の円柱が突きつけられたようにして押し寄せてきた。それは、ばらばらに砕けつつあったユニウスセブンを呑みこみ、光の中でさらに細かく跡形もなく砕いてゆく。
「なに、これ?」
「……」
呆然としている様子の二人の傍らで、シンは別行動を取っていたアルダが上手くやったことを確信した。かつての大戦でザフトが使用した決戦兵器ジェネシス。
ガンマ線を放射し、一射で地球上の生物を死滅させることも可能と言う最後の兵器の試作品ジェネシスα。それを保有するジャンク屋ギルドの本拠地へ出向き、これをユニウスセブンに向けて照射する事。それがアルダの目的だった。
事前に懇意にしていると言うか一方的に情報を押し付けてくるマティアスという人物から、ジャンク屋ギルドに対してザラ派の残党に怪しい動きがあると聞きつけ、アルダを派遣したのだ。
ジャンク屋ギルドもユニウスセブン落下となれば、本拠地にしているジェネシスαを用いて阻止行動に出る事は予測できたが、ザラ派の妨害によってそれができない場合もある。
ジェネシスに比べれば小規模なジェネシスαではあるが、その威力はぜひとも欲しい。よって非常時を考慮した艦長の提案によって、アルダは一人さびしくジェネシスαへと向かったのだ。
こうして無事にジェネシスαがユニウスセブンに向かって放たれたと言う事は、アルダの目的が果たされた事の証明だ。シンは、心中で常にサングラスをかけたMS操縦の師匠の無事を喜んだ。
今回ここまで。ご意見ナ考慮した結果、ダイノガイストのパワーアップぽくはしない方がよさそう、ということとサンダーフラッシュのマネということ、ああなりました。さしずめダイノライザーに関しては折を見ましてお披露目ということで、ここはひとつ。
まあ、次最終回にして終わらせるのも区切りがいいかもしれませんね。
乙!
ダ、ダイノライザーですって!?
やべえ・・・
すっげえ見てみてえ・・・
ちょっw俺の案が採用されてるwwwいいぞもっとやってくれw
ダイノガイスト様の新必殺技に目を持っていかれがちだが……。
なあ。一日中恐竜ダイノガイスト様に追い掛け回されて、
正気を保てる自信があるヤツ、いるか?
俺はない。
総帥、GJでしたー!
413 :
一尉:2009/04/14(火) 18:13:55 ID:???
これは、面白いよおお
GJでした!
かっこよすぎますダークサンダーフラッシュ!
そして、ジェネシスαでユニウスセブンの破片を薙ぎ払えたってことは……
テスタメントの人、失敗?
ああ、これでエクスカイザーがCEに来たらどんな面白、いや、どんな混乱が
生じるか。とにかくGJ!!
後、ふと思ったんだけど、ダイノ様とスパロボが種・種死の数々の剣豪たちと
戦ったらどうなるのだろう。無理だろうけど、一度見てみたいと思うのは自分
だけかな。
爺とか拳神とか凄い戦いになりそうだぜ
>>412 そんな訓練に14歳で耐えたシンの精神力は、外なる神直視してもギリギリ正気保てそうなぐらい強靭になってると思うw
419 :
一尉:2009/04/15(水) 15:38:05 ID:???
それなら、マイトガインにも対決にしたら、面白くなりそうだよ。
>>418 外なる神々は無理じゃねーのとマジレス
あれはその手に慣れた奴でもあっさりと発狂する存在
ディープワンズやダンウィッチの怪ぐらいは余裕だろうけど
>>420 いや、徹底した合理主義者、現実主義者とかなら見ても動じない。
尤も創作なんかに登場する人間の限界から半歩足を踏み出したようなレベルじゃ無いと無理だけどな。
例えば、モリアーティ教授とか、モリアーティ教授とか、モリアーティ教授とか。
>>421 シンって気合でビーム捻じ曲げてるけどあれって人間の限界じゃないのか…
いや、外伝で気を使って木々を揺らしたり、刀でビームをぶった切る人がいる世界だからまだ限界に到達してすらないのか…
>>422 まあ、奴ならまろい人萌えで乗り切れんるんじゃね?
つーか、世界観が半分ギャグに沈んでいる世界の住人は比較対照として適当じゃないと思うぜ。
知ってるかい?
ビング・クロスビーが逃げながら食べたバナナの皮投げると、クトゥルーだろうがアザトースだろうが、足取られてすっ転ぶんだ(註・このデータは劇中のものです)
>>423 ……方向性がぜんぜん違うよ。
モリアーティはあるものはあるもとして受け止め分析理解する超理性の人だから。
むしろ、シンみたいな感情の触れ幅が大きな人間は恐慌状態起こしやすいんじゃね?
激怒している時に出会ったら、そもそも眼に入らず行動するかもだけどさ。
>>424 アレはギャグに沈んでいるんじゃない。
シリアスな世界で真面目に馬鹿をやっているんだ。
……いや、確かに放送されてる番組はギャグとブラックジョークに沈んでるけどね。
426 :
一尉:2009/04/17(金) 18:57:57 ID:???
もしかして、変態クラバムさんの事ですか。
>>425 某西博士はシリアスにまじめにキ○ガイやってるから許されるのか!
429 :
一尉:2009/04/18(土) 19:35:35 ID:???
それは、やばい物じゃあ、駄目たよ。
>>423の方向性で耐えられそうなのはキンメリアのコナンあたりだな
そういや彼もシンと同じような境遇だがシンは繊細過ぎる
精細というか冷静になりきれない部分もあるな
まぁそれは若さと環境(主に駄目すぎる上司のせい)が原因だけど
「楽しみとは何だ。言ってみろ」
「戦争の無い世界以上に幸せな世界などあるはずがない!」」
「違う!コナン、お前はどうだ?!」
「敵を攻め滅ぼし女共の悲鳴を聞く時です!」
「そうだ!よく言った!!」
「あんたって人はー!!!」
433 :
一尉:2009/04/19(日) 20:37:30 ID:???
オイオイ、それは違うセリフじゃないか。
hosyu
まとめに、ジェイデッカークロスが上がってた。
編集してくれた人、乙。
しかし打ち切り決定…
437 :
一尉:2009/04/25(土) 14:36:35 ID:???
続編をにして下さい。
とりあえず、保守ついでに種キャラや00キャラ以外に
UCキャラやGやW、Xやターンエーキャラが勇者シリーズ世界に来たら(その逆も)なんてのも話してみないか?
439 :
一尉:2009/04/27(月) 19:59:12 ID:???
それじゃあ、SDガンダムフルカラー劇場のキャラなら来ていいよ。
一尉とか言う糞餓鬼が知った様な口出しすんな!死ねよ!氏ねじゃなく死ね
441 :
一尉:2009/04/28(火) 17:56:32 ID:???
中傷は禁止です。ルール守りなさい。
おいおい、投下が無くて寂しいのはわかるが見えもしない一尉なんて存在対してなんか言って保守なんてやめようぜ
名前欄は空欄、メール欄には「sage」と入力。
こんな2ちゃんの基本も知らない人間がルールを語るとは片腹痛い。
荒らしは無視するのがルールだろうが
言葉の通じない奴にこれ以上かまうな
445 :
一尉:2009/04/29(水) 16:01:49 ID:???
あの、ジェイデッカーのクロスオーバーは。
専用プラウザを使おう。
NG登録しておけば見えないんだから。
447 :
一尉:2009/04/30(木) 17:36:43 ID:???
やめて下さい、それはせったい禁止です。
まぁ馬鹿はほっといて…
そういえば
>>84や
>>88で00のガンダムがブレイブポリス準拠だったら…ってネタがあったけどあれ結構題材に使えそうな気がする。
次スレがあったら専用ブラウザ必須ってテンプレに入れとこうぜ
あくまで次スレがあったらだが・・・
>>448 00のガンダムがブレイブポリス準拠ってネタは結構面白かったんだが、
他のガンダムもブレイブポリス準拠ってのもどうだろうか?
あと、SDキャラの武者やナイト、コマンド達が勇者キャラと競演や共闘なんて考えたんだがどうだろうか?
451 :
一尉:2009/05/02(土) 20:49:24 ID:???
もちろん、競演や、ギャクなど面白さありますよ。
>>450 あいつらちっちゃいからなぁ・・・
SDGFとのクロスが皆無なのは大きさの問題で話が作りにくいからだし
仮面ライダーが巨大化したみたいにSDの奴らも巨大化すればいいんじゃね?
体内に眠る超パワーを爆発させるとか皆の応援でパワーアップとか
巨大化パワーアップ後はリアル頭身で
武者はガンダム無双バージョン
騎士はゲームセンターの景品のフィギア
コマンドは昔でたプラモ
見たいな感じになれば問題無しじゃない?
巨大化しなくてもこいつら、テシター程度なら蹴散らしそうな強さだよな。
そして、騎士の中の人が火鳥兄ちゃんと同じという事をついさっき知った。
巨大化リアル頭身騎士ガンダムとファイバードの合体攻撃なんて見たいとは思わないかね?
スペリオルドラゴン→スペリオルカイザーみたいな大型のサポートメカと合体してリアル頭身になるのも勇者的にはありでない?
456 :
一尉:2009/05/03(日) 15:03:14 ID:???
その後超合体にされるかもしれないよ。
SDの連中がリアル等身のMSを操縦するとか・・・
・・・それなんてカンタムロボ?
むしろグレンラガンだろw
天野博士たちに巨大リアル等身の機体を作ってもらうとか?
操縦はガンダムファイターみたいな感じか思考制御みたいな感じになるんだろうな。
>>458 最後は全員天元突破して、さらに合体して超天元突破ガンダムになるんですね分かります
天元突破ダイノガイストか・・・・・・宇宙の全てを手に入れるんですね
宝である宇宙の総てを守る為に戦うのか・・・
つガラット
宇宙最高の宝である、宇宙の全ての全てを手に入れるために、宇宙の全ての全ての守り手となるダイノガイスト様
敵は外なる神みたいな別法則の存在や、ラ・グースのような宇宙を食い破って産まれ出でる新しい宇宙、時天空のような宇宙外存在。
……いかん、巨大な宇宙海賊戦艦の上、仁王立ちで腕を組むダイノガイスト様の姿が脳裏に浮かんだ。
465 :
一尉:2009/05/04(月) 17:58:50 ID:???
その宇宙皇帝はドライアスなら思う。
ダイノガイスト様率いる宇宙海賊vsゲッター艦隊vsアンチスパイラル&大グレン団vs宇宙怪獣vsデモンベイン&リベルレギスvsラ・グースvs仏集団
お前らそろそろここが何板か思い出そうぜ・・・
468 :
通常の名無しさんの3倍:2009/05/04(月) 20:57:41 ID:bevcGc3h
意思を持ったガンダム
その正体こそ宇宙警備隊
ラ・グースの代わりにラ・クースですね。
>>468 それってSDGFじゃあ……。 スペリオルドラゴンや大将軍はガチで時空を揺るがす超存在だしな
471 :
一尉:2009/05/05(火) 15:18:50 ID:???
伝説勇者でしかない、戦闘する思う。
保守
473 :
一尉:2009/05/17(日) 17:27:14 ID:???
武者ガンダムが超えました。
今北産業
475 :
一尉:2009/05/18(月) 21:37:23 ID:???
ダ・ガーンの世界へ行く
トランスフォーマー画像掲示板に書き込みしてる一尉は偽者?
ずいぶん喋り方が違うように感じる
一尉=NAKATAですよ。
TFレビューブログを巡るとよく分かる。
478 :
一尉:2009/05/19(火) 18:13:11 ID:???
だから、俺は本物なんだ。
でもってNAKATAなんだろ?
480 :
一尉:2009/05/19(火) 20:24:34 ID:???
NAKATAなんで知らないよ
>>475 あんまり触れたくないが、一尉にしてはいいネタ振りだ。
つまり、某ディケィドのように9つの勇者の世界を回るんだな。
問題は誰が回るかだが、00なら設定改編面白そうだし、一考の価値はあると思う
しかし奴に関わった者として荒らし扱いでFA?
いやいや、過剰反応しすぎだろwww
それにあいつはどうせ、こういうのにはレス返してこないし
徹底無視で意思統一してほしくはあるな。
>>481 刹那「通りすがりのガンダムだ」
・・・・うん、違和感ないなwww
でも、9じゃなくて8じゃない?
ダグオン×00、ちょこちょこ考え中。
配役の当てはめに迷う。
>>481 能力的にはレイゼルバーだけどな>>ディケイド
幻の写真勇者があればちょうど十個揃ったんだがな
488 :
一尉:2009/05/21(木) 19:04:49 ID:???
写真勇者は面白い提案ならやってみたらどうですか。
又ジェイデッカーと00なら使えば良い提案で決めて来い。
予告
君達に最新情報を公開しよう
三重連太陽系にてソール11遊星主を辛くも打ち破ったGGG
しかし、パスキューマシンを失い収縮を続ける宇宙から脱出する術は無い
この最大の危機に彼らの勇気はどう立ち向かうのか
新番組 勇者王ガオガイガー DESTINY
第1話 脱出 三重連太陽系にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ブラックホール&ホワイトホール
勇者王ガオガイガー DESTINY
第1話 脱出 三重連太陽系
西暦2007年。機界文明「ゾンダー」との戦いに勝利してから2年後、新たなる敵「ソール11遊星主」が現れる。
三重連太陽系の守護プログラムとして造られた彼らは、当時地球上から相次いで発見された「Qパーツ」を強奪し三重連太陽系の復活を目指す。
しかし、その原料は宇宙の暗黒物質であった。
宇宙を構成するこの物質を吸い上げられたことにより始まった宇宙収縮現象を止めるべく、
ガッツィー・ギャラクシー・ガード(Gutsy Galaxy Guard)通称GGGは
シャッセールのルネ・カーディフ・獅子王を始めとする新たな仲間を加え、再生された三重連太陽系を目指したのであった。
復活した三重連太陽系にてソール11遊星主と戦った勇者王ガオガイガーと最強勇者ロボ軍団であったが、
ピサソールが持つ無限再生の力にかつて無い窮地に立たされるも凄絶弩級ツール<ゴルディオン・クラッシャー>により勝利した。
しかしパスキューマシンの本体であるピサソールを失った再生された三重連太陽系は収縮を開始。
確実に脱出する方法はESウィンドウを使用する転移しかないが、激闘を潜り抜けたGGGにはわずかに残ったES爆雷で小さなESウィンドウを開くのが精一杯であった。
その為に幼い子供でありGGGの勇気を受け継ぐ天海護と戒道幾巳の二人を地球に向けて送り出したのだった。
しかし、彼らはこの空間からの脱出を諦めてはいない、そう彼らの辞書には不可能とか諦観とかいう文字は無いのだ。
その最後の一瞬、いや死した後でも彼らの勇気を挫くことなどできはしない。
世界十大頭脳たる獅子王雷牙博士を初めとする、GGG科学班のメンバーは情報の分析を開始、
そして遂にこの宇宙から脱出するための一つの回答を得たのであった。
GGGメンバー全員の注目の中、長官大河幸太郎より口火が切られた。
「諸君、我々は今未曾有の危機に晒されている。しかし雷牙博士達の調査の結果、脱出方法が判明した。では博士、説明をお願いする」
長官より話を振られた世界十大頭脳の一人である獅子王雷牙博士が神妙な顔で語り始めた。
「うむ、まずはこの宇宙収縮現象はこの宇宙の中心に向かって空間そのものが縮んでいっておるのはみんなも知っておる通りじゃ、
そして最終的には消滅するんじゃがその一瞬前にブラックホール化することが判明した」
「ブラックホールだとぉ、まずいじゃねえか」
ブラックホールと聞き参謀である火麻激が、その筋肉質で大柄な体格には似合わない頓狂な声を上げた。
「うむ、しかし今の場合はそれこそが肝心なのじゃ、普通ブラックホールと聞いて何を思いつくかね?参謀」
雷牙博士の質問の意図が判らないものの火麻参謀は手をあご先にあて、首を傾げつつも口を開いた。
「あん、そうだなぁ光も逃がさない超重力とか、吸い込まれたら終わりだ、とかか」
「ふむ、大体そんなもんじゃろ、ではホワイトホールというものについては知っておるかね」
「たしか、ブラックホールに吸い込まれたものが出てくる穴がホワイトホールって、まさか!」
今回はなにかに思い当たったらしく驚きと同時に目を剥くが、すぐに理解を示す。彼はその言動から誤解されがちだが
GGGにおいて作戦参謀の立場にあるのは伊達ではないのだ。
「そう、そのまさかじゃ、我々はホワイトホールを通って脱出を試みるという訳だ」
その答えを聞いた全員が長官に注目した。最終的な決定権は彼にある。
視線が向けられたことに気づいた大河長官は力強く語った。
「しかし、現状それしか脱出の手段が無い以上は、なんとしてでもやらなければならん」
その言葉を受けた猿頭寺耕助が、この戦いの中で命を落とした恋人パピヨン・ノワールの形見である可愛らしいリボンをつけた頭を掻きながら説明を始める。
その頬には涙の後が残っていたが、語る言葉に淀みは無い。彼もまた悲しみを力に変えられる男なのだ。
「では、作戦の詳細について説明します。さきほど博士がいった通り我々はホワイトホールを使って脱出を試みる訳ですが、
その入口となるブラックホールが発生する頃には次元境界線の崩壊と重力圧で全滅します。
そこで耐えられるギリギリまで収縮現象を観測し限界を迎えたところで、
最後の一押しを<ガトリング・ドライバー>の空間圧縮機能を使い超弦圧縮を行い、人工的にブラックホールを発生させます。」
金髪碧眼の青年スタリオン・ホワイトがその後を次ぎ説明を続ける。
「計算上、作り出せるBlack holeの直径は4m〜5mでしかアリマセーン。
そこで<ディバイディング・ドライバー>を使用して直径の拡大と固定、更にWhite holeへの接続を行いマース」
最後はもう一度、雷牙博士が引き取り話を終えた。
「以上の方法で擬似的なESウィンドウを作るっちゅー乱暴極まりない手じゃな。
しかも座標の指定も出来ん以上は何処に飛ばされるかもわからん。
まあ、この宇宙を支えとった暗黒物質はわしらの世界から流入しておったからこちらから暗黒物質が流出するのも暗黒物質が減少しておる世界の公算が高いと言う予測はある。
どちらにしろ分の悪い賭けではあるがの」
「分が悪いという事ですが、どの位悪いんでしょうか?」
質問を出したのはメカニックオペレーターの牛山一男だ、腹が決まってしまえば頼りになる男だが少々気弱な面があるために聞いてみたいようだ。
質問をされた博士は殊更に軽い調子で答えた。
「成功確率は約7%、成功したとして、更に元の世界へと無事に帰還できる確率は〜そうじゃな、30いや20%かのぅ」
幸太郎は深く頷くと全員に聞こえるように静かに語りだす。
「今、博士から聞いた通りこの作戦は非常に困難なものとなるだろう、私としてももっと確実な方法があれば良いとは思う。
しかし我々には時間が残されておらず、他の方策を採りうる状況に無い、だが我々はこのような困難に幾度も勝利してきた。
今回もまた皆の知恵と勇気を結集すれば必ずやこの状況を打破し元の世界へと帰れると信じている。では、以後本作戦をオペレーション・アリアドネと呼称する」
一旦言葉を切った長官は一息ついて両目を見開くとオーケストラの指揮者よろしく右腕を振り、腹の底から開始の号令をかけた。
「オペレーション・アリアドネ、承認!」
こうなればGGG隊員には一切の迷いは無い、作戦の遂行に全精力を傾けるのが隊員としての矜持なのだ。
ハンガーでは牛山が整備班に激を飛ばしながら額に汗を流し。
雷牙博士、猿頭寺、スタリオンは更に解析を進め0.1%でも成功確率を高めんと計算を繰り返す。
そんな最中に凱は自分の最愛の人である、卯都木命の元に居た。
彼女は先の戦いの最中、凱の窮地を救うべくジェネシックマシンの封印を解く為に宇宙空間へとその身を踊らせたのだ。
ゾンダーとの戦いにおいてセミ・エヴォリュダーへと進化していた彼女は幸いにも一命を取り留めてはいたものの未だに意識は回復していなかった。
そんな彼女の髪を優しく撫でながら語りかけていた。
「命、俺たちは必ずこの空間から脱出してみせる。だからお前も頑張ってくれ」
凱が救命室から出てくると扉の脇に緑の鎧を着込み、その左腕に赤く輝く宝石Jクリスタルを持つ男、
キング・ジェイダーを駆る凱最大のライバルたるソルダードJ002、
赤き星のソルダード師団でも最強の名を受けた漢が壁に寄かかって立っていた。
この男がこんな場所に居るのも珍しいが、その鎧は彼方此方が破壊されている。
怪我の手当てにでも来たのかとそのまま離れようとしたとき、Jから話しかけてきた。
「作戦内容は聞いた、ガトリング・ドライバーを私に寄越せ。私の疾さならば刻一刻と変化する超弦重力核を確実に捉えることが出来る。
そのあと貴様は私が作り出したブラックホールに向かって来れば良い」
その申し出に少なからず驚く凱、この孤高の戦士が協力を申し出てくるのは非常に珍しいのだ、なにやらルネとあったようだがその影響かもしれない。
なんとなく二人が並んでいるところを想像して吹き出しそうになったが寸出でこらえ、笑みを浮かべて答えた。
「ああ、その申し出ありがたく受けさせてもらう」
Jとの共闘を全員に話すと共闘自体は受け入れらたが、オペレーターであるスワン・ホワイト とから質問が出た。
「デモ、そうなるとJアークの操縦はどうするのですカ?」
たしかにジェイアーク級超弩級戦艦には生体メインコンピュータであるトモロ0117が搭載されており、通常状態での航行ならばなんらの問題も無い。
しかしながら今回はジェイアーク自体かなりの損傷を受けているばかりかジェイダーが分離してはパワー不足に陥り活動不能になる恐れすらある。
その指摘にJの返答は
「それならば問題は無い、トモロ、ジェイアークの指揮権限を一時的にルネへと移す。それと同時にパワーリンクを私のJクリスタルからルネのGストーンへと移行しろ」
「了解、搭乗者にルネ・カーディフ・獅子王を登録、指揮権限の一時委譲及びパワーリンクの変更を確認、これより本艦の航行はルネ・カーディフ・獅子王に委託されます」
これは通常なら不可能なことである、いかにJクリスタルがGストーンを基に作られているとはいえ、その技術は赤の星のものである。
当然のことだが、同じ赤の星の技術で建造されたJアークはGストーンに対応するようには作られていない。
しかし、先のピア・デケムとの戦いにおいてルネのGストーンはJのJクリスタルと共鳴したのだ。
これは青の星(地球)でGストーンを精製した際に二つの石の固有振動数が類似した、極めて珍しい例であり、更にあの戦いの中、Jとルネの二人の魂が起こした奇跡である。
「よろしく頼むよ、トモロ」
「こちらこそ、獅子の女王<リオン・レーヌ>」
これですべての準備は整った。
巨大戦艦Jアークの船先にジェネシック・ガオガイガーそしてJアークより分離したジェイダーが並んでいる。その姿は2体共に満身創痍だ。
しかしその身に宿る勇気に陰りは無い、準備の整ったツールを装着しようと動き出した時にガオガイガーの隣に並んだジェイダーから通信が入ってきた。
この期に及んで怖気づくなど有り得ない、一瞬の沈黙の後Jは決然と語りかけて来た。
「貴様との結着はまだ着いていないのだからな、こんな所で留まっている訳にはいかん」
あまりに不敵な、すでにこの作戦は成功したとでも言うような口ぶりである。対する凱も同様の笑みを浮かべて答えた。
「ああ、その為にも必ず成功させる、いくぞJ!」
「応っ!」
そこに雷牙博士から通信が入る。
「よいかJ、ブラックホールを作る為に必要な超弦重力核は複数が、この空間を楕円軌道で飛び回っておる。
しかしガトリング・ドライバーでブラックホールを作る為には最低でも8個の超弦重力核を同時に起動せねばならん。」
ジェイダーにポイント座標と時間の情報が転送されてきた。
情報によると8個の超弦重力核が重なるのは64分の1秒間である、まさに刹那の瞬間だ。
「承知」
続いて凱に向かって
「そして凱、ガトリング・ドライバーでブラックホールを制御していられる時間は13秒じゃ、
その時間内でディバイディング・ドライバーを使ってホワイトホールへの扉を開かなければならん。出来なければブラックホールは暴走して、わし等は一巻の終わりと言う訳だ」
この超演算は超進化人類・エヴォリュダーとなった凱にしか不可能な離れ業だ。
「了解」
そして遂にGGG長官、大河幸太郎の言葉と共にその瞬間が訪れた。
「オペレーション・アリアドネ、発動!」
同時にGGG研究開発部オペレーターであるスワン・ホワイトのカウントダウンが始まる。
力強い言葉と共に二人の勇者が宇宙を翔る。
「クラッッシャー」「プラズマ」「「コネクトォ!」」
それぞれの左腕にツールを装着した2体の巨人、まずはガトリング・ドライバーを持つジェイダーがブラックホールを作る為に飛び立った。
「ガトリング・ドライバー!」
虚空へと突き出しガトリング・ドライバーを作動させるJ、一瞬の沈黙の後ツールヘッド部に重力湾曲が発生する、
この瞬間にJは実は12個の超弦重力核を同時に捉えていたのだ。
これは264分の1秒という瞬間を見切った神業中の神業であった。
「輝け、我がJクリスタルよ!」
傷ついた機体のあちこちから小爆発が起こすのも構わずに全ての力をガトリング・ドライバーに集中させ12の超弦重力核を圧縮し始めると、
ついに直径5m程のブラックホールが出現した。
僅かに遅れて飛び立っていたガオガイガーはジェイダーがブラックホールを出現させた直後にディバイディング・ドライバーを突き刺した。
「ディバイディング・ドライバー!」
凱はブラックホールに突き刺したによって、直径を50m程に拡大した黒穴に向かって更に
ディバイディングフィールドとアレスティングフィールドを展開させホワイトホールへと直結させる作業を行なっていた。
しかしその時スタリオンの悲鳴が響き渡った。
「No―、空間が消滅を始めました。我々が脱出の為に作ったBlack hole が原因と思われマース。完全消滅まで後37秒デース」
報告を受けたその瞬間、ブラックホールの向こう側に宇宙が見えた。
ホワイトホールとの接続が成ったのだ。
直後に全員から歓声が上がるがまだ脱出に成功したわけではない。
長官から即座に指示が飛ぶ。
「よし、Jアーク、発艦!」
「全速前進だ、振り落とされんようにどっかに捕まってろぉ!」
「Gパワー全開!トモロ、オーバーロードしても構わないから臨界まで回せ!」
「了解、ウイィィィィ!」
全速で脱出口に向かうJアークだが、傷ついたままではその速度にも限界がある。
事実、スワンの口から無情な叫びが上がる。
「だめデース、このままでは脱出する前に消滅に巻き込まれマース!」
「万事休すか!」
Jアークは全速で進行しているが、わずかに速度が足りない。
このままでは間に合わないと思われたその時、ガクンという衝撃があったのち急に速度が上がった。
「なんだ、急に速度が上がった?」
「みんな、外を見てください!」
ウッシーに言われて外をみた者は息を呑んだ。
それは傷つき、ボロボロな姿でJアークに取り付き必死にバーニアスラスターを噴かす勇者ロボ達であった。
「こんな私たちにだって出来ることは有ります」
「補助ブースターの代わりぐらいは」
「勤めて見せるぜ」
「たとえこの身が砕けようとも」
「皆さんは脱出させます」
「なぜならあたしたちは」
「勇者だから」
「マイク、バリバリーンが無いから役立たずダモンネー」
「チクショウ、おれにも身体があればなぁ」
勇者ロボの決死の努力により速度を増すJアークが遂にブッラクホールの中に飛び込んだ瞬間、
ガオガイガーとジェイダーに装着されていた2つのドライバーが限界を迎えて爆散した。
衝撃で弾き飛ばされる両機、このままでは崩壊する宇宙に取り残されるかと思われたその時マイクの腕がそれぞれの腕を捕まえた。
「大丈夫二人とも、マイクこの手は絶対に離さないモンネー」
「助かったぜマイク」
「すまん、恩にきる」
ディバイディング・ドライバーを失ったことでいつこのディバイディングフィールドが崩壊するか予想が付かない状況の中で
ブラックホール内を突き進むGGG一行であったが遂に出口にたどり着く。
「「やったあ!」」
しかし全員が喜びに沸いた瞬間、空間維持が出来なくなったディバイディングフィールドが崩壊しブラックホールの重力圧が襲い掛かる。
「「うわあぁぁぁぁ!」」
これまでの戦いで傷ついていたマイクの腕がこの圧力に耐えきれずに千切れ飛ぶ、
更に間が悪いことに此処まで酷使し続けたJアークのエンジンが限界を向かえて爆発をおこしてしまったのだ、
衝撃で吹き飛ばされるガオガイガー、ジェイダーそしてJアーク。
凱が最後に見た光景は吹き飛ばされながらも出口へと吸い込まれてゆく仲間の姿だった。
凱がうっすらと意識を取り戻した場所は何処とも知れない宇宙空間であったが、目の前に見えるのは紛れも無い地球である。
「俺は帰って来たのか、命、みんな」
そこで凱は再び意識を失った、少し後に宇宙を漂うガオガイガーに近づく影がある。
それは鮮やかなトリコロールカラーをした一機の機動兵器であった。
君達に最新情報を公開しよう
収縮する三重連太陽系からの脱出に成功したガオガイガーとGGGであったが、その衝撃により別の場所へと飛ばされてしまう
謎の戦艦に救助された凱
彼らはいったい何者なのか?
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第2話 異なる世界 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF-X56Sインパルス
初めまして、小話と申します
ちょっと妄想が来たので投下しました
設定とかで間違いがあると思いますが、
そこは勇気で流してくださるとありがたいです
トリアーエズ何話か投下してみたいと考えています
よろしくお願いします。ではまた
GJ!
勇者王がきたか!
おお、GJ
何というダブルヘッドドライバーの再現
いいアツさだ
まさにGJ!!
ところで俺の勘違いなら流してくれて構わないけど、超←重↓力↑なんて知らないよな?
499 :
一尉:2009/05/22(金) 14:08:49 ID:???
嬉しいだせ小話君いい提案ならOKです。
一瞬、ダイノ様対ガガガなんていうのを妄想してしまったが、それだとCE勢
が完全に空気化するどころか、両者の戦闘でCE世界が滅びてしまうな。
でも最強の破壊神vs宇宙海賊っての見たいよね
てかドライバーをコネクトする時に○○コネクトォ!てな感じは言わなかったような
クラッシャーに関してはゴルディオンクラッシャーからクラッシャーから取ったたげだし(ハンマーだとハンマーコネクト)
でもジェイダーのダブルヘッドドライバーは燃えたんだぜ
ツールコネクトって言ってなかった?
「ツールコネクト ディバイディングドライバー」とか
GJ!
これでこのスレは10年は戦える…
>>500 勇者史上最高の悪漢VS勇者王か…
滅びはしないと思うがどえらい事になっちまいそうだな
ツールコネクトはプライヤーズでディバイディングは言ってなかったはず
ガトリングのほうは記憶がないから分からん
>>503 最終的にダークサンダーインフェルノvsジェネシックヘルアンドヘブンか
ヤベェw以前嘘予告であったエクスカイザーとダイノガイスト様共闘話並に見てみたいwww
506 :
一尉:2009/05/24(日) 14:21:45 ID:???
それなら、種時代に入れで置けばいい提案なるよ。
×凱はブラックホールに突き刺したによって、直径を50m程に拡大した黒穴に
○凱はブラックホールに突き刺したディバイディング・ドライバーによって、直径を50m程に拡大した黒穴に
訂正です。2話は今週中にはなんとかなりそうかな?
×Jクリスタル
○Jジュエル
他の連中と違ってGGGの技術は割と流用しやすそうだよな
というかカーペンターズを作ればそれだけで鬼畜な気が…
ガオガイガーも種も設定は豊富だから割と絡ませやすい。
俺も種×ガオガイガー書こうとしてたのに、上の人に先越されたぜ
>>509 その結果バイオネットみたいなんも出てくるから扱いには気をつけんと。
サイボーグ技術や擬似GSライドもGGGから流失したんじゃなかったっけ?
512 :
一尉:2009/05/25(月) 20:05:55 ID:???
もちろん、種外伝にもやれば良いお話出来ます。
>>511 バイオネットは独自開発でサイボーグ作ってる。。
擬似GSライドはフツヌシを襲って手に入れた技術だけど、
メタルサイボーグの技術自体はバイオネットのオリジナル。
……つーか、普通のとか、擬似GSライド搭載とかならまだわかるけど、
よくもまぁZメタルサイボーグなんか作れたよな、バイオネット。
勇者王ガオガイガー DESTINY
第2話 異なる世界
コズミック・イラ73年
先の大戦より2年が経ち世界は一様の平和を迎えていた。
しかし、コーディネイター国家であるプラントその軍事工廠がある、アーモリー1でセカンドシリーズの新型試作MS(モビルスーツ)3機が何者かによって奪取される事件が発生した。
視察に訪れていたプラント最高評議会議長 ギルバート・デュランダルは明日に進水式を迎える筈であった戦艦ミネルバに議長自身も同乗した上で追撃を指示、現在作戦行動中である。
ミネルバが追撃対象(コードネーム=ボギー1)を追跡中、ブリッジオペレーターであるメイリン・ホークより奇妙な報告がもたらされた。
前大戦時に使用されたNJ(ニュートロンジャマー)の影響で支障があるとはいえ観測機器に異常が見られたという物であった。
「それはどういうことかしら」
艦長であるタリア・グラディスの質問に対してメイリンはたどたどしくもあるが報告を続ける。
「ハ、ハイ つまり全ての探査数値が一瞬マイナスを示した箇所が在ります。通常このような反応は在り得ませんので、もしかしたら」
如何に最新鋭艦の専属オペレーターとして配属されたとはいえ、今期卒業の新兵であるメイリンは最後に言いよどんでしまったが何かあると言いたいのであろう。
この報告にタリアは逡巡した、全ての探査数値が一瞬とはいえマイナスを示す等隠蔽技術としては破格を誇るミラージュコロイドを以ってしても在り得ない。
あるとするならば機械の故障か新技術か、それともなにか未知の自然現象以外には無い。
しばし黙考したのち、この追撃戦を指示し同乗している人間に向かって問いかける。
「どう思われますか、議長」
話を振られたプラント最高評議会議長 ギルバート・デュランダルは遺伝子工学が専門とはいえ優秀な科学者でもある、なにかしらの助言でも得られるかと期待したのだが
「私は軍事に関しては素人だ、君の判断にまかせるよ。ただ気にはなるね」
との返答が帰ってきた、浅からぬ付き合いのある人間の性格くらいは解るこれは調査しろと言っている様な物だ。
タリアはそう判断して副長であるアーサー・トラインに指示を出す。
「分かりました、本艦はこれよりそのポイントの調査に向かいます。アーサー」
「はっ、ミネルバはこれよりポイント308を調査に向かう、転舵面舵13、仰角21機関最大、それとMS部隊は発進の準備を整えておけ」
タリアの指示を受けたアーサーが補足をつけて命令を下しミネルバは調査に向かった。
同時刻ミネルバにおいてボギー1と呼称された特務部隊ファントムペインの旗艦ガーティ・ルーの中でタリアと同様の報告を受けた部隊指揮官ネオ・ロアノーク大佐もまた同じ指示を下していた。
その指示に対して副官であるイアン・リーは確認を取る。
「よろしいのですか?ザフトから追撃も出ているでしょうし、一戦交える可能性もありますが、それに上の指示は襲撃後速やかに帰還せよとの事でしたが」
「ん、さてな妙に気になるんだ。こういう勘は馬鹿にならんのは分かるだろ」
確かに長く軍人などやっていれば勘というものが馬鹿に出来ない物なのは理解できる。
しかしここで危険を冒す価値があるかどうかは分からない。
ザフトの追撃部隊が調査に行ってくれればこちらは安全に離脱できるのだが、指揮官であるネオは危険を冒してでも正体を知りたいらしい。
ならば副官としてやるべき事をすればいい。
「了解です。艦回頭120度、ミラージュコロイド起動、全艦に戦闘態勢を発令」
「すまんな、それとあいつらの準備はどうだ」
「いまは安定している様ですね、問題ないと報告が来ています。使うお積もりですか?」
「自前のMS使ってこっちの正体晒す訳にもいかんだろ…さて何かなこのプレッシャーは」
先んじて当該宙域に到着したミネルバは調査の為にMSを発艦させた。
調査に出たシン達であったがまだ何も発見できずにいた。
「レイ、ルナなにか見つけたか?」
「いや、此方は何も無いな」
「こっちもよ、シンの方は?」
「こっちも何も、ん、10時方向に金属反応と熱源がある。先行するから合流してくれ」
「「了解」」
インパルスのスラスターを吹かせて移動した先でシンが発見したのは破壊されたMSのような機体であった、のようなと言う形容詞が付く理由はその機体の大きさが従来のMSより巨大であったからだ、
インパルスの全高は18.41mであるがこの機体はその1.5倍の30m程は有る、また形状が独特であった、胸にはライオンの顔がレリーフされており、顔に鼻と口が有るのだ。
「なんだこのMSは見たこと無いぞ」
外見から判断するとなにかしら激しい戦闘をした痕がある、動かないのを見て取ったシンはゆっくりと近づいて機体に触れると接触回線を開いた。
「おい、このMSのパイロット無事ですか?無事なら返事をしてくれ」
何度か呼びかけてみるが応答は無い。
諦めて離れようとした時、胸のライオンの口が開いて中から人間が浮かび上がって来た。
「う、うわっ」
これに慌てたのはシンだ、咄嗟にインパルスの手の中にパイロットを収めると沈痛な表情を浮かべる。
「死んじゃってたのか」
なにしろ乗っていた人間はパイロットスーツどころかノーマルスーツすら身に着けていない上に傷だらけである。
しかも生身で宇宙空間に放り出されてしまった、シンがそう判断したのも無理は無い。
だが、ここでシンは計器の一つが反応していることに気が付いて驚愕した。
「この人、生命反応がある。生きてるのか!?」
このあとのシンの行動は素早かった、救助した人間をインパルスのコクピットに入れて踵を返しミネルバに向かう。
途中擦れ違ったレイとルナマリアに巨大MSの回収を頼んで全速で帰還した。
一方ガーティ・ルーでは望遠でミネルバの様子を確認していた。
「こりゃ出遅れたな」
「のようですな、如何しますか大佐」
イアンの問いに対してネオは
「船足はあっちのが早そうだし、此処まできて手ぶらってのもアレだろう。右の岩塊に罠を張って仕掛けるぞ」
そう指示を出すと自分も出撃の準備をするためにハンガーへ降りていった。
帰還したシンはパイロット控え室で先ほど見た信じられない事実に対して物思いに耽っていた。
そこに、巨大MSの回収を終えた、レイとルナマリアが戻って来て会話が始まる。
「お疲れ〜シン、パイロットの人大丈夫だった?それにしても大きいMSよね。見た感じザフトじゃ無いみたいだし連合のかな」
「どうかな、連合の物とも系統が違うようだ。あんがいジャンク屋か傭兵ギルドの試作機かも知れん」
確かにMSも気にはなる、しかしあの光景はさらに衝撃的だった。シンは恐る恐る口を開いて問いかける。
「なあ二人とも、人間てさ生身で宇宙に出ても平気かな?」
あまりな質問に思わず顔を見合わせる二人、次に口から出た言葉はシンを気遣う物だった。
「大丈夫シン医務室行く? 付いてってあげようか」
「疲れているなら今日はもう休め、艦長には俺から言っておく」
そのような会話が交わされている頃、艦長であるタリア、副長アーサーそして議長デュランダルは
メカニックチーフであるマッド・エイブスと船医のドクターから受けた報告を聞き困惑を顕にしていた。
「つまり彼は普通の人間ではなく、あのMSも我々の知らない未知の技術で作られているということね」
タリアの確認に対してまず答えたのはマッドである。
「はい、コクピットに入れないもんで簡単に調べたかぎりですが材質不明のうえに動力もバッテリーじゃなさそうでして、かといって核動力とも違います。
構造については20mクラスのMSに外装パーツが付いてあの大きさになっていました」
構造の解析については格納庫に搬入すると自然に外装パーツが外れたのであってメカニックが何かしたわけではない。しかも、MSはライオンの形に外装パーツも鳥、魚、モグラに変形してしまった。
シンの報告でパイロットはライオンの口から出てきたと聞いたので調べようとしたが微動だにせず、開ける為のスイッチも見当たらない。
現状では打つ手無し、詳しく調べるなら本国に戻ってからというのが結論である。
続いてドクターが話し始める。
「パイロットの怪我は見た目より軽いものでしたので通常の治療を施して医務室に寝かせています。ただ彼の体のサンプルを調べたのですがちょっと信じられない事実が判りました」
たしかに彼は生身の人間なのだが、人間であると同時に機械でもあるのだと言う。
体の一部をサイバネティクスに変えたサイボーグなどでは無く、生身と機械が完全に融合した存在であるとの事であった。
「ふむ、あの機体にしろ彼の正体にしろ、結局のところ自身の口で語ってもらう以外無いと言うことだね」
その報告を受けたデュランダルは興味深げな顔を浮かべて見せた。
ちょうどそのころ凱は医務室のベッドで目を覚ました所であった。
「ここは? 俺はいったい?」
上半身を起こして体を見ると包帯が巻いてある、どうやら治療をして貰ったらしい。
ぐるりと辺りを見回すと見たことも無い部屋だ、ただ周りの様子と独特の臭気から医務室だろうと推測して誰か居ないか声を掛けてみるが返事が無い。
「まいったな、誰も居ないのか」
このままでは何も分からない、誰か捕まえて話を聞こうとベッドを下りようとしたときに丁度扉が開いて黒髪と金髪の少年と赤毛の少女が入ってきた。
これは幸いと話しかける凱。
「君達、ここは何処なのか教えてくれないか」
横手から声を掛けられて驚く三人、なにしろ医務室までの間散々この謎の人物について話しながら来たのだ。
まさかもう気が付いているとは思わなかった、絶句して立ち竦む三人を見た凱は驚かせたかと思い立ち上がって言葉を続ける。
「ああ、すまない。驚かせてしまったか、俺の名前は獅子王凱、GGGの隊員だ。」
前に立った凱の身長は2mに近いだろう長身である、シンよりも頭一つ分高い。
それでいて鈍重さを感じさせないのは鍛え抜かれた体と腰まで届く長い髪、そして何より強い意志を秘めたその眼差し故だろう。
気さくに話しかけてくる謎の人物、どうやらガイ・シシオウと言うらしい、名前からすると東アジアの一地方である日本かオーブの出身のようだ。
GGGという組織は知らないが、あんなMSを持つ以上は何らかの軍事組織なのだと見当をつける。返答には気をつける必要がありそうだ。
「シン、俺は艦長達にこの事を報告してくる。ここは頼んだぞ」
そう言ってレイは部屋から出ていってしまった、残された二人は当たり障りの無い事ならかまわないだろうと確認してから凱と話し始めた。
「えっと、俺いや自分はシン・アスカと言います、今出て行ったのがレイ・ザ・バレル、でこっちのが」
「ルナマリア・ホークです。ミスターシシオウで宜しいですか」
「堅苦しいのは苦手なんだ、凱で構わないよ」
「じゃあ凱さんで」
その後軽く挨拶を交わすと二人はここまでの経緯を話し始めた。
このミネルバはプラントのザフトに所属する軍艦であり、詳細は話せないが現在作戦行動中であること、
その任務の途中で凱の乗っていたMSを発見し救助したことなどを簡単に説明する。
大人しく説明を聞いていた凱だが、聞き終わるとなにやら困惑した表情を浮かべている。
「あの、なにか解らない事でも有りますか機密に触れない程度になら質問にも答えますけど」
「ああ、幾つか解らない単語があるんだ。話からするとプラントは国、ザフトは軍隊みたいだけどそれにMSってなんだい?」
この台詞に驚愕する二人、およそどんな人間でもプラント、ザフトを知らないなど在りえない。しかも凱自身MSに乗っていたではないか、その事を指摘すると。
「ガオガイガーの事かい、あれは緑の星で作られたジェネシックメカノイドだよ。ガオファイガーなら地球製だけどね」
今度はシン達が頭を捻る、緑の星って何処だ?話からするとどうも地球では無いようだが火星は赤いし、木星はオレンジのような気がする、
大体いまだに人類は木星より先に行ってはいない筈だ。
難しい顔をしている二人に対して、現状をより詳しく知りたいと考えた凱はコンピューターの端末からデータを調べてみようと質問する。
「すまない、コンピューターはあるかな。一寸調べてみたい」
「それなら机の上に端末が有りますけど」
凱は机まで近寄り画面に手を触れてシステムを起動させるとあっという間に情報を検索し始める。
この光景にシンとルナマリアはギョッとする、なにしろ凱は画面に手を触れているだけだ。
なんの操作もしていないのに画面には次々と情報がしかもとてもじゃないが読んでいるとは思えないスピードでスクロールしてゆく、
ほんの3分程で作業を終えると腕を組んで右手を顎に当てると二人に向き直った。
凱が口を開こうとした瞬間、ミネルバの船体が激しく揺れ轟音が響いた。
衝撃で倒れかけたルナマリアを凱が受け止める。
「大丈夫か」
「は、ハイすみません」
ちょっと顔を赤らめたルナマリアはいそいそと凱から離れるとシンに向き直って叫んだ。
「シン! これって」
「ああ、敵襲かもしれないMSデッキへ急ぐぞ!」
飛び出す二人のあとを追って凱が廊下へ出たところにレイから連絡を受けて医務室に向かって来ていたタリア達と鉢合わせた。
凱を見つけたタリアは立ち止まりアーサーに先に艦橋に行く様に指示を出すと凱に向かって話しだす。
「あなたがミスターシシオウですね、私はタリア・グラディスこの船の艦長を務めています。お分かりかと思いますが本艦は戦闘状態になりました。
したがってあなたへの事情聴取は後に行いますので医務室で待っていて貰えるかしら」
これは軍艦に民間人が収容された場合は妥当な判断といえる、通常なら凱もこの指示に従うのだが今は少なくとも詳しい状況について聞きたい、出来れば艦橋に入らせて欲しい旨を伝える。
さすがにそれは聞き入れられないと押し問答になりそうなところでデュランダルから声がかかった。
「いいではないかタリア、彼もここに居るのは不安だろう。それに目の届く所に居てもらうのも悪くない」
後半は声を潜めての会話だが、確かに先ほどの報告の事もある。下手に一人にしておくよりはこちらも安心できるかもしれない。
「わかりました、議長の口添えで特例として許可します。では急いでついて来てちょうだい」
艦橋に到着した三人に(凱が居ることに驚いたが)状況を説明するアーサー。
敵は奪取されたセカンドシリーズ3機と機種不明のMA(モビルアーマー)1機、対してこちらはインパルスとザクを5機出撃させたがすでにザク1機がやられていた。
戦闘をみるに双方動きは悪くない特にインパルスと紅白のザクは相手のMSと互角に戦っているようだが紫のMAの動きは更に良い。
このMAが牽制に入るおかげで連係が上手く行っていない様だ。
そこにレーダー手からタリアに報告が入る。
「左方向の岩塊に感有り!ボギー1と確認しました」
左方向に見える資源衛星の残骸にボギー1が居る、MS戦ではこちらの不利を見て取ったタリアは逆転の手を打たんと新たな指示を出す。
「本艦はこれよりボギー1を直接叩きます、ヒットリーとショーンのザクを直援に戻して」
ここまでの戦闘の経緯を凱は黙って見ていた、ジレンマに悩んでいたといっても良い。
GGGはその活動をゾンダーの様な侵略者やバイオネットに代表される国際犯罪組織のような一国家では対処できない人類共通の脅威に対してのみ活動が認められている。
いかにここは凱が居た世界では無いとはいえ国家間の戦争行為に加担することは出来ない、それに戦争ならば相手は人間だ。
自分に人を殺すことが出来るのか?いや俺はすでに戦闘用のメタルサイボーグに改造されたとはいえ犯罪者達をその手にかけている。
それにはぐれた仲間達の安否も気にかかる、全員で帰る為にもここで黙って討たれる訳にはいかない。
暫しの逡巡と葛藤の末に凱はこの世界で戦うことを決意した。
「グラディス艦長、俺も出る!」
言うが早いか止める間も無く飛び出す凱、タリアが振り返った時にはもう姿は見えない、思わずデュランダルの方を向くと苦笑しながら肩をすくめていた。
MSデッキ前のエアロックから直接デッキに出るとハンガーに固定されたジェネシックマシンとギャレオンが居た、自身の半身ともいえる相棒に近づくと手を触れて様子を見る。
いかにギャレオンが緑の星でGクリスタルの力によってジェネシックギャレオンに生まれ変わったとはいえソール11遊星主との戦いで受けた傷は深刻だ。
このままでは戦うことはおろか満足に動くことも出来ない、凱は周りを見渡すと緑色のザクと呼ばれているMSを見つけた。
さっそく飛び移りコクピットに乗り込むとコンソールに手を触れシステムを起動させる。
エヴォリュダーの能力を以ってザクを完全に掌握すると機体を操り宇宙へと飛び出す、直援に戻ってきた2機のザクと擦れ違い戦場へと駆けつける。
戦況を見ると1機だけ動きの違う紫のMAがこちら側の3機を分断して各個撃破を狙っている様だ、踏ん張ってはいるが徐々に追い込まれている。
不利を見て取った凱はインパルスの後ろから襲い掛かるガイアを横から蹴り飛ばすとカオスの機動兵装ポッドを捕まえ、遠心力を加えて胸のカリドゥス複相ビーム砲を打つ寸前だったアビスの方向へぶん投げる。
「うおりゃあ!」
投げられた機動兵装ポッドはそのままアビスのカリドゥスに貫かれて爆発した、思わぬ増援に相手が態勢を立て直そうとするのを見た凱はシン達3人に向けて通信を開いた。
「一度態勢を立て直すぞ、シンお前の機体が一番機動力に優れている、中に入ってかき回せ。それからルナマリア、君の装備は射撃特化だ、後方に位置を取って狙撃に徹しろ。
それからレイだったな、動きを見ると君が一番視野が広い、二人の間に入って両方のフォローに回れ。
いいか連携を崩すなよ、それとあの厄介な紫の相手は俺に任せろ」
指示を出すとすぐさま紫のMAに向かって飛び出す凱、後に残された3機はいきなりの凱の出現と指示に戸惑う。
「なんで凱さんがここにいるのよ」
「そんなの分かるかよ、それよりどうする?」
「指示は的確だ、それにあのMAが居なければやり易い」
「じゃあ決まりだ。いくぞ!」
「「了解」」
凱に指示された通りのフォーメーションを組んでカオス達と対峙するシン達3人、3対3の状況でMSの性能はセカンドシリーズ3機の向こうが上だが腕はほぼ互角、後は戦ってみるだけだ。
まず、シンが吶喊する、中に入り込んだことで同士撃ちを警戒して動きの鈍る3機を無理に落としに行くのではなく牽制と分断に主眼を置いて動き回る。
この動きを援護するのはレイだ、インパルスの後ろに回り込もうとする敵機の邪魔をしながら連携から外れた機体を撃ち落そうと攻撃を仕掛ける。
仕上げはルナマリアだ、シンとレイによって孤立、あるいは動きの鈍った機体に遠距離から高エネルギービーム砲オルトロスを撃ちこむ、この威力なら多少外れた所でダメージは与えられる。
自分たちはザフトレッドだ。それにアカデミー時代からチームを組んで来たのだ、負ける訳が無い。いつしかシン達が優位に戦いを進めて始めていた。
そのころ凱はネオ・ロノークの操る紫のMAエグザスと戦っていた、スピードで勝るエグザスが撹乱しようと飛び回り、無線式のガンバレルと本体の2連装リニアガンで四方八方から攻撃を加えるが凱はその全ての攻撃を避けてしまう。
もっとも凱もフュージョンせずに戦うのはいかにシステムに直接介入しているとはいえ勝手が違う、未だに有効な攻撃を加えられずにいた。
「どうなってるあのMS、こっちの攻撃が全て分かっているとでも言うのか」
実はエヴォリュダーの力を持つ凱にとって無線兵器は著しく不利だ、なぜならば凱は空間を飛び回る電波等を自分の耳で聞いて解析出来るのだ。
いかに量子通信といえども無線式で空間中に発信している限り、どう動くか、何時どんな攻撃をしてくるか凱には筒抜けなのだ。
業を煮やしたネオがガンバレルのフィールドエッジ、ホーニッドムーンを展開しザクを両断しようと吶喊させてきたのを紙一重でかわして捕まえると瞬時にハッキングを開始、システムを掌握する。
「この武器のシステムは全て掌握した!」
凱が手を離すとガンバレルは猟犬の如くエグザムに襲い掛かる。
「なんだとぉ!?」
これには流石のネオも驚愕した、何をどうやったのか理解出来ないが自分の武器があっという間に奪われたのだ。
驚きながらもこれを他のガンバレルで撃ち落した瞬間の隙を狙って、凱は左肩のビームトマホークを引き抜いて切りかかる。
「ビィムトマホークゥ、でやあぁぁ!」
これを何とかかわしたネオは残りのガンバレルを呼び戻すと高速で離脱して状況を確認する、ステラたちは向こうの3機と交戦中だが押されているようだ。
大したダメージは無いようだがアビスにレイが撃ったファイヤビーミサイルが被弾した所だった。
こちらもガンバレルが封じられて決め手にかける、今はスピードで撹乱しているが相手が悪い。どうやらこの相手こそ自分が感じたプレッシャーの正体のようだ、正直何時まで持つか分からない。
だが相手の船はこちらの罠に嵌まってくれたようだ、もう少し持たせれば勝てるか?そこまで考えたときにイアンから通信が入った。
「申し訳ありません大佐、こちらは最後の詰めを誤りました。ダメージは与えましたが撃沈なりませんでした」
報告を受けたネオは舌打ちをすると矢継ぎ早に指示を出す。
「わかったガーティ・ルーは離脱しろ、こちらも合流する。お前ら引き上げるぞ」
「帰るのネオ?」
「まだ敵がいるってのに」
「せめて1機だけでも落とさせろ」
「だまれ! これは命令だ。そのうち再戦させてやる」
文句を言ってくるスティングとアウルを一喝して黙らせると3機を連れて戦場から離脱し始めた。
「待てっ!」
通信を傍受した凱は逃がしてなるかと追いかけようとするがザクのバッテリー残量のアラームが鳴った。
システムを掌握した時にザクのエネルギーに限りがあるのは分かっていたのだが、いざ戦いになった時にはつい失念してしまっていた。
これは凱の単純なミスだが、今まで使っていたのは自分の勇気をエネルギーにするガオガイガーだ、責めるのは酷だろう。
「くっ」
追撃を諦めた凱の下にシン達が集ってくると何やかやと通信を送ってくるが今はミネルバの状況を確認するのが先だと伝える。
そこにタリアから通信が入ってきた。
「そこまでよ、各機ミネルバに帰還なさい。それとミスターシシオウ、彼方には聞きたい事のほかに言いたい事が出来ました。覚悟していただきます」
それを聞いた凱はしまったという顔をした後で苦笑を浮かべてから、丁度船体が見えてきたミネルバに向かって進路を取った。
君達に最新情報を公開しよう
からくもファントムペインの攻撃を退けたミネルバ隊と凱
その凱の元に宇宙コロニー<ユニウス7>が地球に落下中との情報が入る
ミネルバと共に落下を阻止しようとする凱の前に敵のMSが現れる
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第3話 落ちる大地 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF-1000ザク
小話です、2話目投下します
>508 ご指摘通りです、何やってんだ俺OTL ついでに
×ソルダード
○ソルダート ですね
>510 ぜひ書いてください、大丈夫俺が書いているのは×種じゃなくて×種死です
まとめて下さった方、修正もして頂いて感謝、感謝です
ではまた。<(_ _*)> アリガトです
524 :
一尉:2009/05/26(火) 20:50:02 ID:???
まさしく最高だよ凱旦那、嬉しいよ続きにもお願いにします。
GJ!
そういえばジェネシックアーマーって遊星主以外の相手だと
ジェネレーティングアーマーと同じ働きになるのかな?
GJですがエグザスは有線式ガンバレルですよ
×「どうなってるあのMS、こっちの攻撃が全て分かっているとでも言うのか」
実はエヴォリュダーの力を持つ凱にとって無線兵器は著しく不利だ、なぜならば凱は空間を飛び回る電波等を自分の耳で聞いて解析出来るのだ。
いかに量子通信といえども無線式で空間中に発信している限り、どう動くか、何時どんな攻撃をしてくるか凱には筒抜けなのだ。
○「やるなあのMS、生半可な攻撃は通用せんか」
訂正1 台詞の差し替えと地文の省略
×通信を傍受した凱は逃がしてなるかと追いかけようとするがザクのバッテリー残量のアラームが鳴った。
○エヴォリュダーである凱は空間を飛び回る電波等を自分の耳で聞いて解析出来る、通信を聞いた凱が逃がしてなるかと追いかけようとしたその時ザクのバッテリー残量のアラームが鳴った。
訂正2 地文の追加
ご指摘有難うです。ご迷惑おかけします
528 :
一尉:2009/05/27(水) 19:25:52 ID:???
小話君、嬉しいよ。これから良いお話作りましょう。
乙
まあ追いかけっこしているミネルバとガーティ・ルー(ちなみに旗艦じゃない)を両者とも接触させるためにわざわざUターンさせるのは強引かな
両方を同時に接触させたいなら他のクロスによくあるテンプレ通りに両者の交戦時かユニウス落としの時に遭遇させた方が無理がなかった気がする
530 :
一尉:2009/05/28(木) 21:08:25 ID:???
だふん、難しいだと思いますよ。
つーか凱のハッキング能力チートだな
国連のオービットベースのシステムダウンを自力で立て直すぐらいだからなぁ…
そういえばエヴォリュダーってコーディの存在意義に関わるよなぁ
機械と肉体が融合した超進化人類なわけだし
その辺を掘り下げるか期待
>>525 効果はあるんじゃないの?
基本のシステムは同じだろうし。遊星主相手だと物理攻撃に対して効果が上がるとか
つーか、肉体を構成する細胞自体がGストーンで出来てるしな。
エヴォリュダーはGストーン製ゾンダリアンみたいなもんだしな
ガオファイガーが壊れてまだなお戦おうとした時ケーブルとかを
凱が集めたの見てそう感じた
まあ、小説では自分はゾンダーと一緒なんじゃないかと悩んでたからな
勇者王ガオガイガー DESTINY
第3話 落ちる大地
ミネルバのMSデッキに帰還してザクのコクピットから飛び降りた凱は無数の視線が自分に集っているのを感じた。
急に現れて勝手にこの機体に乗って行ってしまったのだから当然メカニックとしては文句の一つも言いたいだろう。
そう考えた凱は整備主任であると思われる男のもとに歩いてゆくと謝る為に声をかけた。
「勝手にMSを持ち出してしまってすまない、ギャレオンはあの通りの状態だから許してもらえないだろうか」
声を掛けられたマッドはヘルメットのバイザーの奥にある目を白黒させ、口を開けたまましばらく呆然としていた。
いぶかしんだ凱がもう一度声を掛けるとようやく正気に戻ったのか口を開く、もっともそれはMSに関する事では無かった。
「あ、あんたノーマルスーツも無しで、なんで宇宙に居られるんだ?」
ここはMSデッキである、もちろん気密すれば生身で活動することは出来るが、今はレイとルナマリアのザクを収容する為にハッチが開放されている以上は宇宙空間と同じなのだ。
それなのに今目の前に居る男は医務室に備え付けの上着を着ているだけだ、もちろんヘルメットも付けていない。
凱本人は何を言われたのか解らなかったのか、ちょっと考えてようやく気が付いたのか胸の前で手を打った。
周りを見ると整備員達が呆然とした表情でこちらを見ていた。なるほど、さっきからの視線はそういう意味か。
これは凱のうっかりだった、自分やGGGの中では最早当たり前の事になっていたためについ何時も通りの行動を採ってしまっていた。
たしかに知らない人間から見れば信じられないだろうが、凱にとっては特に隠すような話でもないので素直に答える
「ああ、俺はエヴォリュダーだから、問題ない」
エヴォリュダーってなんだ? そう言えばドクターが彼は普通の人間じゃ無いとか話していたし、とにかく大丈夫らしい。
というか大丈夫じゃなければ今目の前で快活に笑ってはいないはずだ。気を取り直したマッドは気にしない事にした、現実逃避とも言う。
「とにかく、大丈夫なら艦橋に行って下せぇ議長と艦長が話があるってんで呼んでます。それとエアロックはちゃんと使って下さいよ」
「わかっている、そこまで間抜けじゃあない」
そう言ってエアロックの方に流れていく凱。
ちなみにその光景をザクのコクピットから見ていたレイとルナマリアは頭を抱えて悶絶していた。
「なんで? どうして? さっきシンが言ってたのこれの事?」
「俺も疲れているのかもしれん、今日は早く寝よう」
「獅子王凱、到着しました」
艦橋に到着した凱は出頭したこと艦長に告げると、そこにさっきまでは居なかった紺色の髪の青年と金髪の女性が増えているのに気が付いた、私服を着ているところを見ると二人とも艦のクルーでは無いのだろう。
気にはなったが部外者はこちらも同じだ、なにやら議長を睨んでいたかと思うと出て行った、なにかあったのかも知れない。
そんなことを考えていると艦長であるタリアから声が掛かる。
「ミスターシシオウ、助力には感謝します。ですが彼方が勝手に乗っていった機体は我がザフトのものです、その点はお忘れなき様に。
それと彼方に関する事情聴取ですが、問題が無ければすぐに行ないたいのだけれどよろしい?」
この申し出にはすぐに了承を伝える、どのような形にしろ話し合いの場が出来るのは良い事だ。
ここではこれ以上の会話は不味いと言う事なので場所を変えることとなり作戦会議室に移動することになった。
事情聴取に参加したのはデュランダル議長、グラディス艦長、マッド整備主任、ドクターに当事者である凱の5人である。
まず凱は自分が何者でどうしてこの世界に来たのかを話した。
ゾンダーとの戦いに始まり、バイオネットとの抗争、ソール11遊星主との決戦を経てこの宇宙に脱出して来た経緯を説明する。
一通りの話が終わると凱を除いた全員が難しい顔をしていた。
「信じられませんか?」
「いや君とあの機体、たしかガオガイガーだったね、が現実に存在する以上は信じざるを得ないだろう」
「そうね、嘘を吐くにしてもこんなコミックムービーの様な話はしないでしょうし」
責任者二人の言葉に残りの二人も賛意を示す。
多分に達観が含まれているようだがどうやら信じてくれたらしい事に胸を撫で下ろす凱に議長から質問が出された。
「それで凱君はこれからどうするつもりかな?」
この質問には、仲間を見つけ出し元の世界に帰還すると即答する。
「しかし現状何の情報も無いのだろう。どうだろうか君さえ良ければプラントに来ないかね? それにガオガイガーの修理も行おう、悪い話ではないと思うが」
寄る辺の無い現在はありがたい話だが、一国の指導者が善意からこの様な事を提案する訳は無い。
そのことを指摘すると議長は悪びれる様子も無く笑いながら答える。
「ハハハハ、確かにその通りだ。私はガオガイガーにそして君自身に興味がある。我々コーディネイターは自らを進化した人類と称しているが、実際のところは多少優れた遺伝特性を持って生まれるだけの人間に過ぎない」
この台詞を聞いた凱を除いた全員が驚く、それはプラントの一部では言われている事ではあるが議長たるデュランダルが言ってよい言葉ではあるまい。
「しかし君は違う、明らかに人類を超越した存在だ。どうだろうその力をプラントの為に使ってくれないか。
それにこう言っては何だが君はすでに我がザフトの機体で一度戦っている、今更躊躇する理由も無いと思うが」
さすがに痛いところ付いてくる、先ほどの戦闘に関しては自衛の為と言い逃れることも出来るだろうが、凱が自分で戦うことを決めたことに変わりない。
ただプラントという一国家の為だけに自分の力を使うことに抵抗があるのだ。
凱の沈黙を見て取ったデュランダルは更に言葉を続ける。
「ではこうしよう、まずプラントに来て貰いたい。そして我々と我々を取り巻く現状を知って欲しい、その上で答えを聞かせてくれるかな?」
まず難しい事を提案しておいて相手が考えると譲歩を示してみせる、実際は譲歩した条件が初めからの狙いという訳だ。
もちろん凱にもそれは分かっているのだが、いまの自分の状況ではこの提案を断る理由が無いのも事実だ。
「分かりました、その提案お受けします。ただプラントに協力するかは」
「うむ分かっている、まずは色々とこの世界のことを知ってから決めてくれたまえ」
こうして凱のプラント行きが決まった。
次は凱が質問をしたい旨を言い出す、もっとも医務室でデータを検索したため基本的な知識は得ているので、現在の状況やこれからの行動方針についての話となった。
議長と凱、それに同乗しているオーブの人間は別の艦でプラントに向かい、ミネルバは現在の任務であるアーモリー1襲撃犯を追撃するという事になった。
ついでにさっきの二人が気になったので誰かと尋ねると議長から説明された。
なんでもアーモリー1襲撃の際にミネルバに収容した非公式の会談に来ていたオーブ首長国の代表とその護衛との事であった。
先程の戦闘でミネルバが危機に陥った時にさっきのアスランと言う青年の機転で窮地を脱したらしい。
先程の態度も代表首長の護衛ということならわかる、多分そのようなVIPが乗っているのに戦闘になったことに抗議でもしに来たのだろう。
とりあえず話が落ち着いたので、ここからは雑談混じりの会話になった。
やはり凱の話はこの世界の住人からすると突拍子の無いものらしくずいぶんと驚かれた。
議長はGGGに興味を持ったらしく組織の理念や活動方針などを盛んに尋ねてきた、マッドはガオガイガーの事を聞きたがったし、ドクターは凱の能力が気になって仕方が無いらしい。
また凱も前の戦いの経緯などデータからは分からない情報を得ることが出来た、もっともプラント側から見た情報である事は頭に入れておく、比較対象が無い以上一方的な物の見方は危険だからだ。
小一時間ほど話し合いが過ぎた頃、副長のアーサーから緊急連絡が入った。
「か、艦長プラント本国より緊急入電ユニウスが、ユニウス7が地球に向けて落下を開始していると!」
報告を受けたタリア、デュランダル、凱の三人はすぐさま艦橋に到達すると状況の把握に努めようと情報の整理に掛かる。
「現状はどうなっているの」
「すでにプラント本国からメテオブレイカーを積んだ工作部隊がボルテールとルソーにて出発、近隣のザフト艦は支援の為に集結されたし、との事です」
タリアの問いにメイリンが声を震わせながらもきびきびと答える。
それを聞いたデュランダルはボギー1追撃の指令を取り消すと次の指示を出す。
「タリア、至急ユニウスへ向かってくれ。あんな物が落ちればエイプリル・フール・クライシスの二の舞だ、再び世界を争乱へ向かわせる訳にはいかん」
「わかっています、ミネルバ回頭、我々は至急ユニウス7破砕作業の支援に向かう」
こうしてミネルバはユニウス7破砕作業に向かうことになったのだが、凱は自分に湧き上がる戦いの予感に胸騒ぎを感じていた。
ミネルバが進路を変更して暫く過ぎた頃、与えられた一室でこの異変を知らされたオーブの代表カガリ・ユラ・アスハとアスラン・ザラはこれからの方針についてデュランダルと会話を交わしていた。
「これは如何いう事だか説明を願いたい。なぜ静止軌道にあったユニウス7が地球落下など起こす」
オーブは地球に存在する国であるこのままではどれほどの被害を受けるのか予想が付かないので心配なのだろう。議長に食い下がるカガリだがデュランダルは平静を保ったまま応答をする。
「ですから代表、先程から言っている通り原因は不明、しかしながらすでにプラント本国より工作部隊は出撃を終えています、また本艦も現場へ向かっています」
現在取りうる方策は取っていると言うことである。
アスランに諭されたことで落ち着きを取り戻したカガリは失礼を詫びた後でここまで大事になれば事はプラントだけの問題ではないのだからオーブの代表たる自分がここで事実を見極めたいと申しでる。
この申し出に議長はカガリを艦橋への入室を許可するようにタリアに指示を出す、この件についてプラント政府は最大限の努力をしたのだと証言してもらう為である。
もっとも先の凱の事があったためタリアは好い顔をしなかったのだがこれは仕方が無い、話し合いはここまでとして艦橋へと移動する。
全員が艦橋へ上がったところで先行部隊との連絡を取っていたメイリンが通信を受け取って叫ぶ。
「艦長、先行部隊より入電、ユニウス7に正体不明のMS部隊が展開しており現在交戦中、至急応援を求む。以上です」
「どういうことか、これは」
この通信を聞いたカガリが叫ぶが答えるものは無い、替わりにタリアの指示が飛び最後になおざりに付け加えられた。
「コンディションレッド発令、本艦はこれより戦闘体制に移行、MS部隊発進準備、インパルスは先行させなさい。代表つまりユニウスに敵がいるという事です」
先に艦橋へと来ていた凱は今の通信について考えていた。
現場に作業を邪魔する敵がいる、つまり事故ではなく、人の意思が係わっているという事だ。
そしてその連中のやろうとしている事は戦争では無い。何の関係も無い人間を大量に巻き込んだ只の虐殺だ。
凱の胸にこの事件を起こした連中に対する怒りが込み上げて来る。
凱はEI-01との接触で一度死んだ自分がGストーンサイボーグとして生まれ変わった時にこの命の限り世界の為に戦うことを誓ったのだ。
たとえ世界が変わろうともその勇気ある誓いを覆すことは無い、ならば自分に出来ることをやるだけだ。
「艦長、ザクを貸してくれ。こんな暴挙を黙って見ていることなど絶対に出来ない」
左手にあるGストーンを輝かせながら宣言する凱の静かな気迫に艦橋にいたもの全員が息を呑んだ。
タリアは唾を飲み込み、平静を取り戻すと了承の意を告げる。するとそこにカガリの護衛であるアスランもMSを借り受けたいと申し出てきた。
議長から戦力は多いほうが良いと言われ、タリアは渋々とこれにも了承する、凱は先程使った機体(実はこの機体はアーモリー1でアスランがカガリを避難させる為に使った機体である)を、
アスランには先の先頭で負傷したヒットリーの代わりにその機体を使って貰うことになった。
MSデッキに出た凱はザクに乗り込み、戦いの為に精神を集中させて出撃のときを待つ。
ミネルバがユニウス7に到着した時にはそこかしこで戦闘による光と怒号が響き渡っており、先行したシンもすでに戦いに加わっているようだった。
レイ、ルナマリア、ショーンそしてアスランのザクが次々と発艦し戦場へと向かう、凱もまたザクを発進させると周辺を確認し戦闘の激しい所へと向かった。
敵のMSはザフトの量産型MSでZGMF-1017M2ジンハイマニューバ2型と呼ばれているものが大半であった、これは先の大戦で使用されたZGMF-1017ジンのカスタムタイプでビームカービンや斬機刀を装備した機体である。
それなりの数が配置されていたらしく工作隊やその護衛部隊のザクと互角以上に渡り合っているようだった。
また、なぜか奪われたカオス、ガイア、アビスの3機も戦闘に参加しているらしい。もっとも工作部隊と敵の部隊の区別無く破壊して回っているようだ。
その3機の相手はシン達が受け持っているようなので凱は自分のやるべきことに専念する。
右手にビームトマホーク、左手にビーム突撃銃を持ち、工作部隊の邪魔をする敵を次々と撃破していく。
4機のジンM2を撃墜しユニウス7の地表部分へと着陸して周辺を見渡せば、すでにメテオブレイカーは稼動を始めているようだったが工作部隊はテロリストのジンによってかなりの被害を出したようだ。
そこに青いザクから通信が入ってくる。
「こちらはジュール隊隊長イザーク・ジュール救援感謝する」
モニターに移ったイザークがこちらを見て怪訝な表情を浮かべる、ザフトの制服(Pスーツ)を着ていないのを不振に思ったのだろう、凱も通信に答える。
「俺はGGG所属、機動部隊隊長 獅子王凱 今は訳があってミネルバに世話になっている。こんな事は見過ごせないからな、手伝わせてもらう」
「む、GGGと言うのは知らんがありがたい。ここのメテオブレイカーは作動した、俺は南へ行くから北へ回ってくれ」
「了解だ」
北に進路を取った凱が次のポイントに到着した時、メテオブレイカーを設置していた1機のザクが上空より踊りかかったジンの斬機刀によって真っ二つに切り裂かれようとしたところであった。
「あぶないっ! ビームマシンガン」
ジンに向かってビーム突撃銃を撃ち間一髪で刀を引かせるとザクに向かって作業を続けるように通信を送り、斬機刀を構えるジンM2に対峙した。
「さあ来い、お前の相手はこの俺だ」
そこにジンからオープンチャンネルで通信が入ってくる。
「貴様、なぜ邪魔をするかぁ」
「そっちこそ、何故こんなものを地球に落とす!どれほどの被害が出るのか分かっているのか!」
お互いに牽制を賭けながら対峙する凱とジン。
「このユニウス7は我らの墓標、落として焼かねば世界は変わらん」
いまの言い分だとこのユニウス7に近親者でも居たのであろう。
この男の悲しみ、憤りは分からなくも無いしデータで見た限りだが連合宗主国のしてきた事も許しがたいものがある。しかしプラントもまた地球に対して大きな災害を引き起こしたのだ。
その事実を忘れ、自分達だけが被害者だと語り、その怒りの矛先を向けているのは当事者ではなくナチュラルという一括りにした不特定多数の誰かだ。
凱にとって力とは世界を誰かを守る為のものだ。それを自分勝手な理屈で復讐に走る、そんな人間を許すことなど出来ない。
雄叫びを上げて真っ向から斬機刀で挑むジン、から竹割の如くザクを両断しようと振るう斬機刀、それを迎え撃つ凱はビームトマホークで受け止めて鍔迫り合いになる。
「貴様らこそ、この地で無残に散った命の嘆きを忘れて討った者らとなぜ偽りの世界で笑い会える、我らの家族の仇と手を取り合うなど俺には出来ん」
自らの戦う理由を声高に叫ぶ敵MSのパイロット。
「パトリック・ザラの道こそが我等コーディネイターにとって唯一の正しき道だと何故分からん」
パトリック・ザラの名を聞いたアスランの動きが鈍る、対する凱は先程検索した情報を思い出していた。
たしかパトリック・ザラは前大戦開始時の国防委員長であり、また後半は議長も兼任した人間だ、その思想は極端なタカ派であり大戦末期ジェネシスという兵器をもって地球人類の殲滅を画策したとも言われている。
ならば、ソレが正しいと語るこの男の目的は人類の殲滅なのか、凱は声を荒げていた。
「ふざけるなあぁぁぁ!!」
凱の怒りに火が点いた。
「お前達のやっている事はただの八つ当たりだ、自分達を棚に上げ何の罪も無い人々を滅ぼすなど決して許しはしない」
斬機刀を弾き飛ばし、その渾身の左拳をジンの顔面に叩き込む。
「ふんっ! はあっ! でやあっ!」
そのまま体制を崩したジンに連続攻撃を繰り出す、止めの踵落しを叩き込むがこれは両腕で受け止められた。
「何の罪も無いだと、奴らナチュラルは我らコーディネイターを排斥したのだ。それでも罪がないと言うか」
足を払われ凱が体勢を崩したところに殴りかかるジンだが、凱は機体を沈めてかわし、アッパーカットで吹き飛ばす。
「地球に住む総ての人間がそうだとでも言うつもりか貴様は、お前こそ解り合おうとする事を止めた。臆病者だぁ!」
凱の一撃を受けたジンが動きを止めたときに地響きが響きユニウス7が二つに割れた、半分は落下を止めたが、残りの半分はそのまま落下軌道に入ってしまう。
このままでは地球に甚大な被害が出るがすでにMSの稼動限界領域が迫っている、いかにMSと云えども大気圏突入に耐えられる機体は多くない。
「ふははは、我等の勝ちだ、このまま地球へ落ちるがいい」
ジンのパイロットが目的の達成を確信して笑うが凱は諦めてなどいない。
「まだだ、まだ諦めるかぁ! こんな残骸一つ押し戻してやる」
凱はザクを飛ばすとユニウス7の下に潜り込ませて押し上げようとスラスターを全力で吹かす。
シンが近寄って来て通信を送ってきた。
「凱さん、幾らなんでも押し返そうなんて無茶ですよ」
「シンか、ここは俺に任せてお前達はミネルバに戻れ」
「なんでそんなに・・・」
「俺は世界を、命を護ることを決して諦めない。なぜなら俺は勇者だからだぁ!!」
この叫びにシンは衝撃を受けた、そうだ自分だってあの時に誓ったはずだ。あの全てを失った日から力を求め続けたのはこれ以上自分と同じ悲しみを持つ人を出したくないからだ。
インパルスをザクの脇に並べて共にユニウス7を押し返し始めるシン
「くっそおう、凱さんが頑張ってるのに逃げられるもんかよ! もう嫌なんだ誰かが泣くのは! 守りたいんだ今度こそ!」
その光景を見た他のMSも次々とユニウス7に取り付き始める。シンの両脇にもレイとルナマリアが並ぶ。
「レイ、ルナ何やってんだ、とっととミネルバに行けよ」
「俺達はチームだ、お前が残るのに先に行く訳にはいかんな」
「そーゆーこと、最後まで付き合うわよ。さっさとこんな物押し返しちゃいましょ」
「ひよっこ共が踏ん張っているんだぞ。俺たちが引くわけにいくかぁ」
「グゥレイトォ」
「うおぉぉぉぉ!」
「そうだ私だって、私達だって守りたいんです。諦めて堪るもんですかぁ」
懸命にユニウス7を押し返すMS郡だがバッテリーが切れ次々と離脱してゆく。遂に凱のザクもバッテリーがエンプティを示す。
「くそっ、もうエネルギーが… それならぁ」
凱は左手を引き絞るとコンソールに向かって叩きつける、手首までめり込んだ左手のGストーンが輝きを増す。
「エネルギーバイパス接続、制御プログラム変更完了、各種パラメーター修正完了、パワーリンクをバッテリーから俺のGストーンへ接続完了。よっしゃあー」
エンプティを示していたエネルギーがMAXを超えて上がっていく。
ノズルから一際大きいバックファイヤを噴出す凱のザク、しかし凱のパワーにザクが耐えられず小爆発を起こす。
やはり奇跡は起きないのか、凱以外の全員が諦めかけたその時、ミネルバのハンガーでもう一人の勇者が目覚めた。凱の半身ともいうべきギャレオンである。
「GAOOOOON」
ギャレオンの咆哮に呼応するようにジェネシックマシンもまた次々と息を吹き返し、外へ出ようと動き出す。
それを見たマッドは咄嗟の判断でカタパルトハッチを開放するとギャレオンたちは次々と宇宙へと飛び立った。
緑の光を身に纏い凱の元へと集ってくるギャレオンとジェネシックマシン達その姿をみた凱は思わず叫んでいた。
「ギャレオンそれにジェネシックマシンまで! お前たちその傷ついた体で来たのか、自分たちを使えとそう言うのか」
ギャレオンもジェネシックマシンも傷だらけだ、この状態では戦えないと考えたからこそザクを借りてきたのだ。
それなのにこの未曾有の惨事に対して自分たちを使えと言うが如く凱の周囲を回る。その勇気に応えないのは勇者では無い。
「お前たちの勇気、しかと受け取ったぁ! フュージョン!」
ザクのコクピットから飛び出しギャレオンとフュージョンする凱。
「ガイッガー!」
ギャレオンは凱とフュージョンすることでメカノイドガイガーへとその姿を変え、さらに魂の叫びが宇宙に木霊する。
「ファイナル フュージョン!」
ガイガーの腰より電磁嵐が吹き出しその姿を隠す、その電磁嵐の中に傷ついたジェネシックマシンが飛び込みファイナル・フュージョン体勢へと入る。
ガイガーの腰が180度反転しモグラの形のスパイラルガオーが右足にストレイトガオーが左足に、続いてガイガーの両腕が肩の部分から背中に回り鮫の形のブロウクンガオーが右肩にイルカの形のプロテクトガオーが左肩に、
鳥の姿をしたガジェットガオーが背中に合体し一部が前腕部になり掌が飛び出す。
ブレストガードが展開されて、最後にヘッドパーツが装着、本来ならここでフェイスガードが下りるのだが現在はフェイスガードの部分は破損している。
獅子の鬣のごときエネルギーアキュメーターがたなびき、いまこのCE世界に勇者王が降臨した。
「ガオッ ガイッ ガー!」
それは勇気の究極なる姿
それは最強の破壊神
その名もジェネシック ガオガイガー
ソール11遊星主との戦いの傷はいまだ癒えずともその勇姿に些かの衰えも無い。
「いまのガオガイガーでは一撃が勝負、みんな退けぇぇ!!」
ガジェットツールを装着した両腕を大きく広げ最強の一撃を放つための構えを取る。
「ヘル アンド へヴン!」
右手に絶対破壊の力ブロウクンエネルギーを集約、左手に完全防御の力プロテクトエネルギーを集約。
「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ」
両手を組み合わせ、相反する二つの力を一つにして
「ウィータァァァァ!!」
ユニウス7の基底部その中心に叩きつけるとその一点から一気に放射状にひび割れが走り大地を覆ってゆく。
「うおぉぉぉぉ!!」
雄叫びを上げる凱が遂に基底部から大地を突き抜けると要を失ったかのように瓦解し崩れ去ってゆくユニウス7。
その光景を目撃した者達は驚愕を、畏怖を、そして恐怖を覚えて暫くの間、その雄雄しき姿を呆然と眺め声も無く立ち竦んでいた。
オーブ連合首長国の海岸で一人の男が夜空を見上げていた、その男の風貌は譬えるならば猛禽とでも言うべきか、2mを超える長身、鶏冠の如く逆立った髪、切れ長の鋭いそれでいて微かな優しさを感じさせる眼差し。
戦士のような求道者のようなそんな雰囲気を全身に纏った男である。
その男の背後から近づく影があった、こちらも男性だが先の男とはまるで違う。茶色の髪の優しげな雰囲気の青年であった。
「Jさん」
後から来た青年が声を掛ける
「如何したんですか、こんな所で空を見上げているなんて」
Jと呼ばれた男も先程纏っていた戦士の気配を消し、気さくに返答を返す。
「キラか、いや空がざわめいていると感じてな」
そういってもう一度空を見上げた、キラと呼ばれた青年も釣られて見上げると夜空の中に走る光の帯を見つけた。
君達に最新情報を公開しよう
<ユニウス7>の地球落下をかろうじて食い止めたミネルバ隊に新たな任務が下される
その時プラント本国にある脅威が迫っていた。
そして戦うことを決意した凱にギルバート・デュランダルは1機のMSを託すのであった
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第4話 新たな力 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF-X23Sセイバー
>>542 GJ!
ヘルアンドヘブンキター(゚∀゚)ー!!
どうも小話です
思ったよりも早く投下出来ました
一言でも感想があると嬉しくなります
ではまた
やはりガガガの登場となったか。しかしJ、よりにもよってそんな所に!!
願わくばここのラクシズが、綺麗なラクシズでありますように。
GJと言わせてもらおう。
しかしセイバーに凱が乗るとアスランは戦力外?
それともザクとかグフに乗るのか?
別にセイバーがもう一機でもいいだろ
わざわざデータ収集用のプロト機まであったMSをたった一機しか建造しない理由の方が理解できん
奪われた3機と違って、インパルス発展のデータ収集用のMSという訳でもないし
つ【マグナムセイバー】【ソニックセイバー】
やっぱガイは人と戦うより人のために戦う方が似合うなあ
>>548 エヴォリュダーが乗るんだからプロトセイバーエボリューションの方がw
551 :
一尉:2009/05/29(金) 21:30:37 ID:???
さずか凱旦那、嬉しいよ、これからいいお話にしたいよおおお。
しかし凱が戦争に関わるってのはどうにも違和感があるんだよな
俺の脳内で超竜神が「人命救助が最優先だ!」とか叫ぶからだろうか
スパロボに出てんだから、多少の違和感は気にするな
そもそも、軍隊なんぞよりも遥かにヤバい連中と戦ってたじゃないか・・・
相手が地球人でも軽くハンマー承認されちゃうスパロボ持ってきちゃいかんだろう
とは言え、そんな細かいとこ気にしてるとクロスオーバーは楽しみにくいだろうに
天国地獄キタwだがJがラクシズと…
某スレではJの中の人と同じ某キャラがピンクや凸と犬猿の中だったがどうなるか…
Jも馬鹿じゃないから桃色毒電波に汚染されないとは思うが
ピンクや准将閣下がどんな電波飛ばそうが、「空はいい・・・」の一言で終わるに決まってんだろw
小話さんお疲れ様です。これはJの将来が不安になってしまう状況ですね。ジェイアークが一緒なのか、GGGの隊員はどうなっているのかとか気になる要素が満載だ。
ジェイアークは放っておいても自己修復するけど、他の勇者たちがどうなるのでしょう。
では私も投下させていただきます。
子連れダイノガイスト 第十二話 郷愁・悲哀・故郷
「これはγ線、ジェネシスか?」
『ジャンク屋組合の本拠地になっていると言うジェネシスαだろう。破片を砕くにはこの上ない兵器だが、地球に直撃していたらと思うとぞっとしないな』
メテオブレイカーによって砕かれたユニウスセブンの破片を一掃したジェネシスαの砲撃を眼下に見下ろし、マイトガインの頭部に移ったコクピットの中で、頬を流れる汗を拭った舞人がかすかに安堵の息を交えて呟いた。
マイトガイン、ヒリュウ、ガオーMS三機、ガイスターの介入もあってほとんどのメテオブレイカーが守られた為、ユニウスセブンはほぼ予定通りに砕かれている。地上への影響はないだろう。
数で圧倒的に劣るテロリスト達との戦い、一刻一刻大気圏へ落下する恐怖が常に付きまとう戦場、これまで経験したあらゆる戦いよりもはるかに神経を酷使する戦いに終止符が打たれたのだと、舞人は少し深く息を吸った。
『舞人!!』
「なに!?」
『気を抜くのは早いな、マイトガイン!』
閉じようとしていた瞼をかっと見開き、舞人はガインの警告に従いメインディスプレイに肉薄しているダイノガイストの真紅のバイザーを見た。
ガインが舞人から操縦系統の主導権を咄嗟に奪い、動輪剣でダイノブレードを受けねば、ガインと舞人が諸共に縦に両断されていた所だ。
驚愕を噛み殺し、舞人は操縦桿をあらんかぎりの力で握り直し、押しこんでくるダイノブレードを押し返そうとマイトガインの出力を最大にする。右手一刀で振るわれたダイノブレードを、マイトガインが両手で握る動輪剣でかろうじて押し返す、
両刃の間で砕ける刃の微細な破片が白銀の火花となって散り、ダイノガイストの漆のように深い闇色の体と、マイトガインの威風堂々たる体に当たってはさらに無数の火花となって煌めいていた。
かたやエネルギー生命体が形作った偽りの機械の体、かたや人の生み出した新たなる人の友の体。青き地球と無窮の闇たる宇宙との境となる場所で、遂に両者は刃と戦意を交わした。
「ダイノガイスト、何のつもりだ!」
『ふん、ユニウスセブンは砕いた。地球に降りる前に心残りを片づけておこうかと思ったまでよ!』
「うわあっ!?」
空いていたダイノガイストの左腕がダイノブレードを握ったままマイトガインの右頬を殴打し、コクピットを大きく揺らされた舞人はかろうじて瞼を開いて視界を確保するので精一杯だった。
優秀なショックアブソーバーがあるとはいえ、頭部にコクピットがあるとこう言う時に厄介になる。足裏のスラスターを噴射させて流れ掛けた躯体を起こし、胸部目掛けて突き込まれた冷たく輝く白銀の切っ先を、左半身を引いてかわす。
半瞬、ダイノブレードの突き込みが早く、青い外装に薄くではあるが横一文字が刻まれ、マイトガインの重量が数キログラムほど減る。
「お前が剣を納めないと言うのなら、おれは降りかかる火の粉を払う事を、躊躇いはしないぞ」
『おれ様を火の粉と言うか。その口、二度と叩けぬよう叩きのめしてくれる』
『私と舞人を簡単に倒せると思うな、ダイノガイスト!』
右袈裟斬りに振り下ろされる黄金の刃を、ダイノブレードが迎え撃つ。Xに交差したダイノブレードに挟み取られた動輪剣は、その勢いを殺されて停止し三つの刃がぎりぎりと競り合い始める。
くん、とマイトガインの腰部を狙い砲身を起こしたダイノキャノンを見逃さず、マイトガインは競り合う刃の交点を支点に変えて、ダイノガイストの頭を越えて飛びあがる。その勢いを生かし、ダイノガイストの頭部をマイトガインの右足が蹴り飛ばす。
がっ、と重たい物体が衝突する音と振動を発して、マイトガインの爪先がカバーに入ったダイノガイストの左手の甲に突き刺さっていた。マイトガインの蹴りにダイノガイストの反応が間に合ったのだ。
『おれの顔を蹴り飛ばすのは、そう簡単には行かんぞ?』
マイトガインの爪先がかすかに食い込んだ左手越しにバイザーの奥の瞳を輝かせ、ダイノガイストがマイトガインの右足首を掴み取り、勢いよく振り回して残っていたユニウスセブンの破片に叩きつけた。
直径五十メートルほどの破片に、深くマイトガインの巨体が食い込み、蜘蛛の巣状の罅が走ったと見るやあっという間に破片が砕け散る。掴んでいた手を放し、ダイノガイストはマイトガインの首を切断すべく右のダイノブレードを振り上げる。
『存外に脆いな、マイトガイン』
いささかの失望を交えた呟きは、この誇り高き暴王がかすかな油断した事を証明していた。
破片に叩きつけられた衝撃でぴくりとも動かぬ様子だったマイトガインが動いた。反応する間もなくまさしく風千切る速さの列車の様な猛烈さで、動輪剣がダイノガイストの心臓へと突き込まれる。
ダイノガイストの意識の隙を突いた絶好のタイミング、機体各所に蓄積したダメージを考慮しても会心の手ごたえを約束された一撃であった。故に、動輪剣の切っ先がダイノガイストのボディ同様の黒い盾に阻まれた時、ガインと舞人の双方が驚きに息を呑んだ。
どこから取り出し、いつの間に装着したのか、ダイノガイストの左腕にはダイノブレードの変わりにやや小ぶりな盾が握られていた。シンプルな形状の中央に赤いガイスターのマークがあり、赤く縁取られている。
『ふふふ、このおれにダイノシールドを使わせたのは、この星では貴様が初めてよ。光栄に思い、そしてその身を持って味わえい! ダイノシールド!!』
「攻撃にも使えるのか!?」
『ぐあああ』
幾多の悪のロボットを斬り裂いてきた動輪剣の切っ先を受け止めていたダイノシールドが、目を焼くほどの光を発し、その光が無数の光条となってマイトガインの体へと突き刺さり、小さな罅を無数に走らせた。
「ぐぅ、大丈夫か、ガイン……」
『私は、大丈夫だ。舞人こそ』
「ああ、少し体を打ったがそれくらいだ。それよりも、戦闘は続行できるか?」
『く、推進器の三割が破壊された。外部装甲が43パーセント劣化、各関節部への負荷も大きい。戦闘は可能だが、正直厳しいな』
「ダイノガイストは!?」
致命傷を与えるには十分な隙があったにも拘らず、ダイノガイストはダイノブレードを背へと戻し、ゆっくりとマイトガインから離れつつあった。
ダイノガイストは倒れ伏す体を起こそうとするマイトガインを見下ろしながら、かつてダイノシールドによって虫の息となって倒れたドラゴンカイザーの姿を重ねていた。
ドラゴンカイザーを追い詰めたあの時は、ナスカの地上絵に隠されていた力を持ってドラゴンカイザーは死地から復活し、ダイノガイストを退けたが、今回はそうはゆくまい。
だが、マイトガインからは今だ薄らぐ事のない燃えたぎる烈火の如き闘志が感じ取れる。恐怖はあろう。だがそれを押しのけるだけの強い意志と勇気を持っているのだ。この敵ならば、エクスカイザーにも匹敵する強敵へと化けるかもしれない。
『マイトガイン、その名前覚え置くぞ。貴様もこのおれの名を忘れるな。いずれもう一度貴様の前に立ち、その時は貴様を容赦なく叩き潰してくれる』
「ま、待て、ダイノガイスト!」
『止せ、舞人。口惜しいが、今の私たちでは奴に勝てん……』
「くっ、だが、ガイン!」
『落ち着け舞人。私達の目的はユニウスセブンの落下を防ぐ事だ。ユニウスセブンが砕かれた以上、ここで意地を張ってダイノガイストに戦いを挑む理由はどこにもない』
「…………すまない、ガイン」
痛む頭を押さえる舞人の瞳には、徐々に小さくなってゆくダイノガイストの姿が、鮮明に映されていた。ダイノガイストの宣言通り再び見える時が来ると言うのなら、その時こそは、と舞人とガインの心に刻まれたのは間違いがあるまい。
*
「いやあ、見ているだけなら綺麗なもんですねえ。アレが落っこちてきたら何千万、いや何億人て単位で人が死ぬんですから、綺麗な薔薇には棘があるって奴ですか。ねえ、ヴォルフガング博士」
「ふん、暢気なもんじゃな。アズラエル財閥とてユニウスセブンの破片落下とあっては各種産業に手痛い損害が出るじゃろが」
「ご心配なく。破片が落ちないという前提でいろいろと手を回させていただいていますので。それにガオーMSの連中から破片落下阻止成功の方も届きましたんで、いや、ようやく安心できますよ」
世界の一大事と言うのに呑気に話し合っているのは、ガオーMSを派遣し、旋風寺財閥といろいろと接触を持とうとしたムルタ・アズラエルと、ユーラシア連邦最高の頭脳を持ちながら、資材・予算の私的流用によって追放されたヴォルフガング博士である。
アズラエルが訪れているのは、ヴォルフガングがジョーにヒリュウを譲渡した例の倉庫の入り口だ。ヴォルフガングの背後ではいくつもの巨大なコンテナが、軍用の輸送機に積み込まれている。
いくつかのパーツに分解されたヴォルフガングの作品たちであろう。新しいスポンサーを見つけ、新たな研究の場所を見つけたのか、それとも世界各地に持つアジトの一つに移動するのか。
いずれにせよ、ヴォルフガングがアズラエル同様にユニウスセブンの落下をまるで気にしていない様子なのは明らかだ。
「しかし、余裕のご様子で。自分の飛竜がいる以上、落下する筈が無いってところですか?」
「当り前じゃ。わしの最高傑作じゃぞ? そんじょそこらのMSなぞ象に挑む蟻のようなものよ」
「大した自信ですねえ。ま、無駄話はこれくらいにしておきましょう。これから世間が騒がしくなりますよ。ロゴスもいろいろと動かなければならないでしょうし、ジブリール君もあれこれと難癖つけて余計な真似をするのは間違いなし、と」
「楽しそうじゃな」
「ええ。鬱陶しいジブリール君や世間の論調を好き勝手するには都合がいいですからね。ヴォルフガング博士も、ご自慢の作品の性能を世間にお披露目するのには面白い事になっているんじゃないですか?」
「ふん、相手がハリボテじゃわしの作品群が正当に評価されんわい。適当に相手を見繕うとするかの」
髭をしごきながらやれどうするかと悩む、ヴォルフガングを見ながら、アズラエルは楽しげな笑みを浮かべている。やはりこの二人、善人とは言い難い。
二十四万余の人々の亡骸と共に青き母星の大気に触れて、焼けてゆくユニウスセブンの破片を、シン、ルナマリア、ステラはそれぞれの乗機のコクピットの中から見守っていた。
これでもう、ユニウスに眠る人々がその遺族と再会する事は叶わなくなってしまった。そうしなければ地上に破壊の流星となって降り注いでいたとはいえ、自分自身二度と父母に出会えないと言う事情を持つが故に、シンは悲しげに瞳を潤ませていた。
大きさが二十メートル以上ある物体は大気圏で燃え尽きないとなにかで知ったが、エールインパルスのセンサーで確認する限りにおいて、二十メートルを超す破片はない。
エールインパルスの左右に並ぶフォースインパルス、ガイアもその光景に見入られたのか動く様子はなかった。だが、いつまでもそうはしていられない。Fインパルス、ガイアにそれぞれの母艦ミネルバとガーティ・ルーから帰還を求める信号弾が打ち上げられていた。
「サンダルフォンから帰還信号か」
Aインパルスには一応単独での大気圏突入能力はあるが、それはシンに相当の負荷をかける。あまり実行したくなかったシンとしては、サンダルフォンへの帰還信号はありがたい。
がつっと音を立ててガイアがAインパルスの右肩に手を置いて接触通信を試みてきた。いわゆるお肌の触れ合い通信と言う奴だ。
『ステラ、もう戻らなきゃいけないの。だから、ここでばいばい』
「あ、うん。分かった。ステラ、それが君の名前?」
『うん、ステラ・ルーシェ』
何のためらいもなく名前を告げてくるガイアのパイロットに、シンは少なからず驚いたが、幼い子供の様な口調やあどけない声に、警戒心を解いた。後で艦長に目玉を食らうだろうが……
「ステラ、おれはシン。シンだよ」
『シン? シン、シン。うん、忘れない。またね』
“またね”。互いの立場を考えれば再び出会う時は戦場に違いないだろう。その可能性を考えていないのか、それでもいいと思っているのかは分からなかったが、何ら暗い所の無いステラの声に、シンは朗らかに答える事にした。
「うん、またな」
シンの答えに満足して、ガイアは無防備なまでに背を向けて母艦へと戻ってゆく。一応、隣のFインパルスがその背にビームライフルを浴びせかけないように、シンは気を使っていた。
ルナマリアの立場を考えればここでガイアを見逃すわけには行かないのはシンも理解しているが、みすみす討たせるのも気が引ける。
(……ていうか、おれもステラと同じ立場だな)
気づくのが少し遅かったが、良く考えるまでもなくルナマリアにとってはシンもステラもたいして違わない立場なのだ。Fインパルスが動かずにいるのも、シンのAインパルスを抑える為かも知れない。
さてどうしようかと、それなりに胆力の着いたシンは、あくまで冷静にこの状況をどうするかと考えた。ルナマリアの不意を突いてFインパルスを無力化して確保するか、見逃すか。
あまり働かせる機会に恵まれないシンの頭脳が回り始めた時、やや焦った調子でルナマリが声をかけて来た。
『ちょ、ちょっとそろそろ高度が危ないわよ』
「え? ああ!?」
高度計を見ればAインパルスの魔改造推力でも脱出が危険な所まで既に降下しつつあり、新式のフォースシルエットといえどAインパルス以下の推力であろうFインパルスでは、さらに切実な状態だろう。
ルナマリアも、ここまで高度を下げてはAインパルスの捕獲や奪還どころではないのが、通信機から聞こえる声の調子から分かる。
「悪い、気が付かなかった。サンキュ」
『お礼なんていいからインパルス返しなさいよ!』
「いや、まあ、そうも行かないんだって。おれにも事情と立場というものがあるし。ほら、早く行かないと流れ星になるぞ」
『……むきー!! 憶えてなさいよ。あんたをコクピットから引きずり出してぎったんぎったんにしてやるんだからね』
「二度と会わない事を祈るよ」
ステラとは大違いだ、と嘆息するシンの視界の向こうで、ルナマリアのFインパルスが時折こちらを振り返りながらミネルバへの帰還コースを行き始めた。どうやらミネルバも地球へ降下するつもりらしい。
ガーティ・ルーは、出撃した各機を収容するやミラージュコロイドを展開して雲隠れの用意を始めている。ユニウスセブンの落下は阻止できても、特に収穫が無かった結果に終わったが、それをシンは気にしていなかった。
眼下に広がる青い星と、そこにある自分の故郷と思い出を守れたのは確かなのだから。守れたと言う事実が、シンにとってはなによりの報酬だった。
Aインパルスに唐突に加えられた震動に、シンがカメラを回して外の様子を改めて確認する。戦闘機形態に変形したダイノガイストがAインパルスの下に回り、丁度Aインパルスが波乗りするような状態になる。
『いつまでおれ様に尻拭いさせるつもりだ、シン?』
「べ、別におれだけでも降下できるさ」
『寝込まれでもしたらマユがうるさいのでな』
すでにダイノガイストやサンダルフォン、ミネルバが大気圏への降下を始めていて今さら離れるわけにも行かず、シンはダイノガイストにされるがままだった。
*
灼熱に染まる外界が、青く澄み渡った空に変わるのに、そう時間は要らなかった。無事大気圏内への降下を終えて、そのままダイノガイストはAインパルス毎サンダルフォンへと着艦した。
着陸地点はオーブ領海内だ。もちろんオーブ国内にもガイスターのアジトは存在する。アーモリーワンでの戦闘から消耗した弾薬や、今回手に入れたインパルスなどのデータのバックアップを取る為にアジトへと真っ先に向かった。
サンダルフォンのハッチが開き、コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー、ブラストシルエットに分離したインパルスがコンピュータ制御のトレーラーに乗せられて運び込まれる。
被弾はなかったから装甲の補修などはなかったが、消費した弾薬や食糧、日用雑貨品などを補充してゆく。オーブ沖に在る直径二キロメートルほどの孤島の地下である。
ほとんどのアジトで使用しているオートロボット達が定められた手順に従って作業をすすめて行く為、なにかイレギュラーな事態が起きない限りは、シンやマユ達に出番はない。
地球への降下後一晩休み、サンダルフォンの船内からアジトの地下格納庫に移ったダイノガイストの前で私服に着替えたマユとシンのアスカ兄妹がいた。久方ぶりのオーブ来訪とあって、二人で両親の墓参りや友人達と会いに行く許可を求めに来ていた。
『別に構わん』
「ほんと? やったぁ、ダイノガイスト様大好き!!」
「……」
オーブ行きの許可が出たのは嬉しいが、その後のマユのセリフがとても気に入らなかったシンは、分かりやすくむすっと頬を膨らませて眉を八の字にしていた。実に分かりやすい。
はしゃぐマユと、なんだかなあと面白くなさそうなシンにダイノガイストが釘を刺した。
『だが、シン、マユ、二人とも行動に気を付けろ。オーブにミネルバがいる。お前は顔も声もあの艦のパイロットに知られている筈だな? マユ、お前もインパルスやザクスプレンダーを強奪した時に顔が割れている可能性もある。
軍服のままうろついているとは思えんが、モルゲンレーテの近くやあまり人の多い所では目立たぬようにする事だ。救出する程度造作もないが、いちいち手間をかける様な失態はすまいな?』
「分かったよ。マユも気を付けろ」
「うん。そっかぁ……、でも避難所の時にお世話になった人たちに挨拶に行きたいのに」
先ほどまでのはしゃぎ様に比べていくらか沈んでしまったマユの様子に、シンが軽く肩を抱いて励ましたが、マユの残念そうな雰囲気の払しょくには至らなかった。
打ち寄せる波の音が絶え間なく耳にとどき、潮の香りが鼻腔の奥をくすぐる海辺に、小さな慰霊碑が建っていた。
一直線にここを訪れたわけではない。あの日爆撃を受けた軍港はいまや爆撃があった事が遠い過去の様に、アスファルトは石畳で舗装された遊歩道に変わり、穴だらけにされた海への斜面は芝生に覆われて規則的に花が植えられた公園になっていた。
しばらくその場でマユと二人足を止めていれば、そこが二人の運命を一変させたあの場所だと言う事に気づいた。
今はなだらかな丘に変えられたこの場所こそが、かつてカラミティとフリーダムの戦いに巻き込まれ、かけがえのない父母がもの言わぬ肉塊に変わったのは。
無惨な両親の遺体が転がり、焼ける肉と木々の匂いで肺をいっぱいにされた場所。焼け焦げた大地と燃えて爆ぜる木立、原形をかろうじて留めていた両親だったモノ。それが、今はこんな、何もなかったように――!
シンの胸に唐突に悲しみと憎しみが沸き起こる。避難所で暮らしていた時は、まだ大西洋連合の復興政策が定まらず、あちこちに戦火の爪痕をまざまざと残していた。
ダイノガイストと合流し、この国を離れて時折ニュースや訪れた時に見る度に、たった二年前の出来事を国が必死に忘れようとしているようで、ヘドロの様に心の奥底に憎悪と悲しみとやるせなさが際限なく積もってゆく。
マユがポツリと呟く。
「きれいになっていて良かったね。ずっとあのままじゃ、お父さんもお母さんも悲しいよね」
「それは、いいのか? まるで、こんな、無かった事にしようとしているような」
「しょうがないよ。誰だって苦しくて辛い事は忘れたいもの。それにね、いつまでも悲しいんだ、苦しいんだって言ってたら、お父さんもお母さんも安心できないよ。もう大丈夫だよって、死んじゃった人たちに伝える為にも、昔のままでいちゃ、だめだよ」
「……」
マユの振るえる肩をそっと抱き、シンはしばらくそのまま立ち尽くしていた。やがて、風がマユの涙をぬぐいきった頃、二人は植え込みを回り、そして小さな慰霊碑を見つけたのだ。
オーブ侵攻戦で亡くなった人々の慰霊碑には絶えず花が置かれているようで、二人が見つけた時にも山となって花束が捧げられていた。慰霊碑の前に人影あった。シンより一つか二つ上位の少年だ。
茶色の髪に、東洋の血が混じっているであろう柔らかな顔立ち。ちょうど携えていた小さな花束を置いた所のようだ。肩にメタリックグリーンの小さな鳥を乗せている、良くできたペットロボットだろう。
「慰霊碑、ですか?」
なんとなく声をかけたシン達に慰霊碑が見えるように、少年が横にどいた。少年の服装が、シンとマユに警戒心を抱かせていた。少年はデザインが一新されたオーブ軍の軍服を纏っていたのだ。
襟に在る階級章をシンの記憶の中のものと照合すると、下っ端だ。まだそこまでガイスターの構成員の素性が伝わってはいない筈だ。
「そうだよ、二年前の戦争の時のね。君達もお墓参り?」
“君達も”、という事はこの少年も親しい誰かを前の戦争で失ってしまったのだろう。
「はい、あの父と母を……」
少年は我が事の様に悲しげに眼を伏せた。少年も浅くはない傷を心に負ったのだろう。
「そう、お父さんとお母さんを……。ぼくは、大切な人を守れなくてね。だからこんな風に守りたい人を守れるように、なんて軍に入ったけど。守りたいって思いだけはあるんだけど、なかなかうまく行かなくてね。初心を思い出す為にも、ここに来たんだ」
「大切な事、思い出せたんですか?」
マユの問いに、少年は柔らかく微笑んだ。それが、答えだった。
少年と別れ、シンとマユが連絡のついたかつての友人達や、避難所で世話になった人々の顔を見て回った頃には、すでにとっぷりと夕日が水平線の向こうに沈み始めていた頃だった。
歳月を経ても落陽の橙に染まる水面の美しさばかりは変わらぬのに、アスカ兄妹は瞳に映る光景を二年前と同じように見る事は出来なかった。どんなに望もうとも、願おうとも、二人は両親と共に肩を並べて歩く事は出来ないのだった。
風景が変わらずとも二人の心は変わっていた、肉親を失ったと言う記憶と過去とが、シンとマユに変わる事を強要していたのだ。
ざく、ざく、と白浜に二人の歩く音が続く。潮騒にさらわれてしまうほど小さな音は、長く続いていた。やがて喪失を経る前の記憶の中にある思い出深い光景に気づいて、マユが小走りになった。
白浜が徐々に途切れはじめ、剥きだしの岩肌が続き、歩き慣れた様子のマユに対して初めてここに足を踏み入れたシンは危なっかしい調子でなんとか後を追い始める。その先にはまるで海の魔物が大顎を開いた様な洞窟が待っていた。
それまで紗幕の様な薄い影を帯びていたマユの顔に、はっと分かるほどに陽光の様に暖かな感情が浮かんでいる事に気づき、シンが不思議そうな顔を浮かべる。マユは今にも駆けだしそうな勢いで奥へ奥へと進む。
うきうきと弾む様子のマユは、やがて洞窟の壁に走る罅の前で足を止め、懐かしそうにそのひび割れを指でそっとなぜた。刃の様に鋭い岸壁の淵に、マユの指が血の球を結ばないのが、シンには不思議だった。
「ここね、マユとダイノガイスト様が初めて出会った場所なの」
「ここが? ここにダイノガイストがいたのか」
「うん。ふふ、マユだけの秘密の場所だったんだあ。誰も、見つけてないみたいだね。懐かしいなあ、ここで傷だらけだったダイノガイスト様を見つけてから、来られる日はいつもここにきてお話してたの。お母さんと一緒にお弁当作っての、お兄ちゃん憶えている?」
「ああ、そういえばいきなり作り始めたよな。あれってダイノガイストの分だったのか」
「そうだったんだよ。でもひどいんだあ、ダイノガイスト様。一度も美味しいって言ってくれないんだもん。ふふ、今でもそうだけど、何時かね、美味しいって言ってもらうのがマユの夢の一つなんだよ」
マユは本当に懐かしそうに、楽しそうに語る。時折、ひょっこりとひび割れの奥に広がる暗がりの中をのぞき込んだりしていた。
「ねえ、中に入ってみようか」
マユはシンの返事を待たずに、左手に巻いてあるガイスターブレスの横に在るボタンの一つを押してライトをつけた。ブレスレットの表面にあるダイノガイストの恐竜顔の目から、白い光が出る仕組みだ。
以前に罅の上り下りにマユが四苦八苦していた時にダイノガイストが岩を削って作った階段をとんとんと羽根でも生えているみたいに軽やかに降りていたマユが、不意に闇の向こうからこちらを見つめる瞳に気づいて足を止めた。
そこには恐竜姿のダイノガイストが寝そべっていたのだ。まるで疲労困憊の果てに、体を支える力もなく倒れ伏したように力無く。
常にそこにいるだけで周囲の者を圧倒し、平伏させる気迫と威厳に満ちた姿しか知らぬシンからすれば、気まぐれだとしても驚きに値する姿だ。
マユもちょっとびっくりしたのか、目を丸くしてから階段を降りながらダイノガイストに話しかけた。
「どうしたの、ダイノガイスト様? ここが懐かしくなって来ちゃった?」
『……』
ダイノガイストは無言のまま、マユを見つめている。マユはダイノガイストが沈黙のままでいる理由が思い至らず、一歩一歩近づいていると、不意にダイノガイストが口を開いた。
『恐竜のロボットだと? それはおれの名前ではない』
「え?」
「はあ?」
マユとシンが揃ってダイノガイストの突然の言葉に疑問符を浮かべ、すぐにマユだけがダイノガイストの言葉の意味を悟った。ふっと柔らかくマユの顔に笑みが浮かぶ。冬の厳しさと寒さの中にある蕾でも、思わず微笑み返したくて花開くような、そんな笑み。
「ひゃ! しゃ、喋った!?」
マユも、どこか懐かしそうにちょっとだけ芝居がかった口調で言い返し始めたものだから、二人のやり取りが分からないシンだけが首を捻っている。再び、ダイノガイストがマユへと語りかける。
『小娘、貴様名前は何と言う?』
「マ、マユ。マユ・アスカだよ? 貴方はなんて言うの? 恐竜さん」
『おれか? おれ様は、ダイノガイストだ!』
いつもの威厳に満ちた声が、誇らしげに自分の名前を告げる。狭い洞窟に木霊するその名前を全身で感じるように、マユは少しの間足を止めて瞼を閉じていた。
置いてけぼりにされていたシンも、先程までのやり取りが二人にとって特別なものだと分かったから、黙って階段の最上段で見守っている。
「ふふ、あはははは」
『ふっ、ふふふふふ』
やがて静寂を破る様に二人の笑い声が響いた。マユが目じりに溜まり出した涙を拭きながら、ダイノガイストに歩み寄って、その瞳の下の辺りにこつんと小さな額を押しつけた。笑い声は収まっていた。
先ほどまでの会話が、初めてダイノガイストと自分とが出会った時の会話だと思いだしたマユは、今の自分の顔を見られないようにした。この国にきて、自分がどんな思いになるか、ダイノガイストなりに考えて励まそうとしてくれたのかもしれない。
「ダイノガイスト様、ずるいよね。いつもはマユ達の事なんか知らないぞって顔をしているのに、時々こう言う事するんだもん。ずるいよ」
『ふん、おれ様は宇宙海賊だぞ。ずるくて当たり前だ』
やっぱりずるい。マユは初めて会った時から、自分がこの悪い宇宙海賊の掌の中に捕まってしまったのだと、理解した。もう、身も心も。
つづく。
お久しぶりでございます、お世話になっておりました660です。ようやくユニウスセブン決着です。次でオーブ沖戦やって、それからは本編にはあまり関わらない方向となる予定です。
しかし、ガオガイガーか。ガオファイガーで2000万馬力あるからグレートマイトガインが十機いても単純な馬力なら叶わないんですよね。やっぱ勇者『王』なだけに一番強いのかなあ。では、お邪魔しました。
乙!
某所ではマイトガインは勇者ロボの中ではぶっちぎりで弱いとの指摘があったりする・・・
ガオガイガーは妙に脆いけど
お、GJ
ガオガイガーは作中だとピンチばっかりな印象があるけど、敵がどうしようもなく強すぎるんだと思う
理論上耐えられる物質がないハンマーとかディスクとか出ても過剰火力に感じない辺りが異常
まあガオガイガーは単純なスペックは最強だけど
いざとなったときの戦闘力の上限とかは他の勇者達の方が上な感じがする
あとマイトガインの場合戦ってる敵も最後の三次元人以外は地球人類だしなぁ
同じ地球人相手でもゴルドランの場合はワルザック帝国脅威の科学力とかあるけど
普通に最弱はジェイデッカーだと思ってた。
だがブレイブポリス達の「進化」は他のどんな勇者たちが起こした奇跡よりも
もっと偉大な奇跡だと思ってる。
冗談抜きでマジ泣きしたからな、リアルタイムで見たとき。
ジェイデッカーの超低確率の賭けはとてもじゃないが勇気で補えるもんじゃない
誰が誰より強いとか、最強は誰かなんてどーでもいいじゃないか。
勇者は全員が全員最強なんだ。な、お前らもそう思うだろ?
あと660氏に100万のGJを!!
571 :
一尉:2009/05/30(土) 15:41:27 ID:???
660君、君は最高的な提案ならやっていいよ。
ふと強さの話がでたので大きさについて調べてみた…
エクスカイザー…約10m(キングで約22、グレートで約33m)、ゴッドマックスとウルトラレイカーは約21〜22m
ダイノガイスト樣…約32m、四バk…もとい四将は12m前後
ファイバード…約20m(グレートで約30m)、Sガーディオンは25m、サンダーバロンは22m
ドライアス…約33m
ダ・ガーン…10m(Xで約22、グレートで約27m)、ガ・オーンは21m、ペガサスセイバーは約25m、ランドバイソンは24m
セブンチェンジャー…約25m
ガイン…15m(マイトガインで25m、グレートマイトガインは約30m、Pモードで約36m)、バトルボンバーは約26m、ガードダイバーは約23m、マイトガンナーは約19m
飛龍…約25m、轟龍は約31m
デッカード…約5m(ジェイデッカーは約18m、Fジェイデッカーで約22m)、Sビルドタイガーは約21m、デュークファイヤーは約19m、シャドウ丸とガンマックスAは5〜6m
ドラン…10m(ゴルドランは20m、グレートで約26m)、Gシルバリオンは約23m、レオンカイザー、アドベンチャー、キャプテンシャークは約20m
ダグオン…各融合合体ロボは約10m(ライアン、ガンキッドも含む)、ファイヤーダグオン、パワーダグオン、サンダーダグオンシャドーダグオンは約20m、Sライナーダグオンは約25m、Sファイヤーダグオンは不明
ガイガー…約23m(勇者王、F勇者王で32m、ジェネシックは約35m)、竜シリーズは約20m(光、闇は約18m)、超(撃)竜神は28m(天竜神は24m)、ボルフォッグは約11m(Bボルフォッグで約22m)、マイクは約10m(ブームロボ形態で約20m)、ゴルディは不明
ジェイダー…約26m(キングジェイダーで101m)
こうして見ると皆MSよりでかいな…つか7m以上体格差があるのに立ち向かったマイトガイン強ぇw
勇者たちはスペックで強さを出すのでなく、心の強さで上下するようなロボットだち思う
マイトガインと舞人が戦士として強くなればダイノ様と互角の戦いを見せるに違いないさ
スペック差?そんなもん勇気で補え
こういうスペックは特撮もののやつと一緒で
あくまですごそうと見せるための物でもあるしな
自分が一番好きな勇者が最強なのさ
俺は全部好きだから全部最強だぜ!!
スペック何てたんなる数字だ!!後は勇気で補えば良い!!
しかし勇気が尽く打ち砕かれるだけの絶望の世界が種・種死の世界だったりする・・・
監督と脚本がブラックノワールみたいなもんだしw
かつて舞人は三次元人を打ち破ったんだ
俺達の信じる勇者達ならやつらの野望も打ち砕いてくれるさ!!
総帥乙です!
あちらの連載が好調なので、しばらくはこっちではお目にかかれないと思ってましたw
このタイミングで潰しにかかってくるあたり、矢張り根っ子はダイノ様だなあと再認識させられます
と思いきや、まさかのうしとらネタとはw
ダイノガイスト様の声がどこぞの魔王の声で再生される俺は、エクスカイザーを観た事が無い・・・
まずは660氏に心からのGJを!
>勇者スペック
全員最強に同意!
……一方で、何で似たような変形をする車ロボの中で
デッカードだけ小さいのか地味に気になるw
……むしろ他の奴が巨大化してる?
>>579 縺昴l繧偵∩縺ヲ縺ェ縺?縺ェ繧薙※縺ィ繧薙〒繧ゅ↑縺?縲?
繧ィ繧ッ繧ケ繧ォ繧、繧カ繝シ縺ッ蜈ィ蝗ス縺ョ繝ャ繝ウ繧ソ繝ォ蠎励〒蛟溘j繧峨l繧九°繧画弍髱櫁ヲ九※縺上l
蠕後∵擲莠ャ縺ォ縺贋ス上∪縺?縺ェ繧峨√≠縺セ繧雁、ァ縺阪↑螢ー縺倥c險縺医↑縺?縺梧ク玖ーキ縺ョ繝?繧ソ繝、縺ォ繝繝サ繧ャ繝シ繝ウ縺ョ繝薙ョ繧ェ蜈ィ蟾サ鄂ョ縺?縺ヲ縺ゅ▲縺溘j繝サ繝サ繝サ繝サ
>>580 ガンドーベルとガングルーの大きさが合体時に変わっている件については、
スタッフが「ブライシンクロンマキシム!」という素晴らしい回答をしているw
多分そういう事じゃね?
>>581は
エクスカイザーは全国のレンタル店で借りられるので是非見てくれ、と書いた。
これは追記だが一巻に6話も収録されてるしな。
後、関東圏お住まいの方に朗報というか・・・
渋谷のツタヤにダ・ガーンのビデオが全巻置いてあった。
といっても、去年の話だから今もあるかどうか分からんけど
文字化けしてて読めんぞこのやろう
>>583 某有名知事のいる県のビデオ屋は勇者シリーズは皆無といっていい
GGGFINALすらロクに取り扱ってない
都会の常識が一切通用しないのが地方なのさ・・・
>>583 今でもあるよ
先月全巻借りてみた俺が言うんだから間違い無い
他にはファイバードが40話ちょい前ぐらいまでなら置いてあるんだよな
マイトガイン、ジェイデッカー、ゴルドラン、ダグオンは少ししか置いてない
ガガガも真ん中あたりが抜けてたっけ
ゴルドランは全巻がリリースされている訳ではないらしい・・・
>>584 すまん583に書き直したから許してくれ
>>585 GGGFINALは東京でも扱ってる店少ないぞ。二軒か三軒くらいしか見たことない
エクスカイザーは確か去年の冬か春に大々的にDVDのレンタル開始したから、地方でも多分借りられると思う。
俺の聞いた話だと、ツタヤならレンタル取り寄せも可能らしいから、回って駄目ならそれで試してみれば?
>「ひゃ! しゃ、喋った!?」
うしとらかw
……あの頃はよかったなぁ。主人公キレイキレイ病も軽度だったし。
乙です。
>>588 ちなみに俺の住んでる都市の2件あるツタヤの会員証は何故か互換性が無い
果たしてレンタル取り寄せが可能なのか、激しく疑問だ
・・・言った筈だ、都会の常識が一切通用しないのが地方だと
>>586 渋谷のガガガは何故か無印・FINALが両方とも最終巻のみなかったと記憶してる
で、逆に何故かゴウザウラーは最終巻のみ存在・・・意味が分からないwww
三軒茶屋のツタヤでガオガイガーは全巻揃ってたけど・・・・って地元話はここまでにしといた方がいいな。
>>590 ・・・・なんかすまん。
無責任な立場だから簡単に言えるけど、とりあえず駄目元で取り寄せ試してみれば?
二つあるなら、片方のみが全国のツタヤとの互換性がないだけの話かもしれんし
>>590 会員証って全国共通になったんじゃなかったっけ?
兵庫で作った会員証を普通に大阪や三宮で使ってるが
ちなみにJCBのやつ作ったら、JCBの不手際か何かで更新不能に・・・
以降、会員証の再発行すら出来なくなってしまった
何故ここまで都会の常識が通用しないんだ・・・
人生色々あって改姓したら再発行出来たが
仲間内で勇者シリーズのヒロインで誰が好き?という話になって
シャランラと答えたらみんなに可笑しいといわれたorz
みんなサリー、サリー、サリー、愛ちゃん、サリー!
良いじゃん、ワルターの嫁可愛いじゃん!!
サリーって野原しんのすけなんだぜ
勇者王(ファイナル込み)とダグオンは現在つべで全話見れた筈…
俺はスワンに一票
GGGFINALは持ってるんだが、前半4巻分がVHSなんだ・・・
なんでDVDにしなかったんだ俺・・・
ジェイデッカーはキッズでやってた時に観た
文末の”〜いた。”、”〜した。”の多用
「ダイノガイストの宣言通り再び見える時が来ると言うのなら、その時こそは、と舞人とガインの心に刻まれたのは間違いがあるまい。」の言い回しに既視感
書きスタイルが似てるのか、同じ人なのかな。理想郷てわかります?
保管庫のガガガ読んで来たけど
> 両手を組み合わせ、相反する二つの力を一つにして――
>
>
>
>「ヴィータァァァァ!!」
ゲボ子にしたの誰だwww
660氏GJです
更にコメントまでもらえるとは
では訂正
×先の先頭
○先の戦闘
×ヴィータ
○ウィータ
ヴィのほうが迫力があると思って変えてくださったのでしょうか?
心苦しいのですが訂正お願いします
まとめて下さっている方には本当に感謝しています
ではまた
マイトガインはチャンネルNECOで現在4話まで放送中
603 :
一尉:2009/05/31(日) 21:37:13 ID:???
頑張れ小話君にも行けよ。
>>600 ちょっとした悪戯心なんですねわかります
とりあえずハンマーにドリルがついたゴルディを垣間見た
マユにアマアマな悪い宇宙海賊様にキュンときたぁ!
バトルモードとのギャップがまた堪らない!
エクスカイザー本編も含めて今までの物語があるから、こんなデレも許せる。むしろもっとやれ。
そして画面外で置いてけぼりなシンに某武装錬金の剛太の影を見る。
…うん、早くステラ他幻影痛連中ひっさらって、盟主王のトコに持ち込んでしまえ。
マユが居ることでのシンの精神的な違いが、さりげなく大きくて嬉しいです。
ここのシンはある意味剛の者(ラッキースケベ的に)。
した相手が変わっただけでもあるがw
608 :
一尉:2009/06/01(月) 22:02:38 ID:???
いい仲間だったら面白い。
>>599 した、いた、の多用は気をつけているつもりだったのですが、実践できていなかったようで、ご指摘ありがとうございます。理想郷ですか、よくわかります。ちょっとお世話になっていました。
またご完走くださった皆さんありがとうございます。本当に励みになります。
610 :
一尉:2009/06/02(火) 21:23:55 ID:???
660君がんばれやんでんな。
ども小話です、申し訳ない
4話書いたら内容が予告と変わってしまいました
そういう訳で4話の予告の改定になります。
ご迷惑おかけします
×そして戦うことを決意した凱にギルバート・デュランダルは1機のMSを託すのであった
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第4話 新たな力 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF-X23Sセイバー
○その脅威を目の当たりにして帰趨を決定する凱
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第4話 決意 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ニュートロン・スタンピーダー
勇者王ガオガイガー DESTINY
第4話 決意
オーブ首長国は太平洋上に存在する国家である、そのオーブの海岸で佇むJに「空がざわめいている」と言われたキラは夜空を見上げるとその中に走る光の帯を見つけた。
「流星群? 違うよな、そんなニュースやってなかったし。何だろう?」
「それよりどうした、なにか用事でも有ったのか」
「ああ、そろそろ食事だからラクスが呼んできてくれって」
「そうか。すまんな、こんな誰とも分からん人間の為に迷惑だろう」
「そんな、Jさんは記憶喪失なんですから気にしないで下さい。それに手がかりだって有りますよ」
そういうとキラはJの左腕に視線を向ける、Jの左腕には赤く光る宝石が埋まっており、Jという呼び方もその宝石に浮かんだ文字から呼んでいるのだ。
Jも己の左腕を見ると怪訝そうに呟いた。
「これか、確かにこれが私自身の記憶の鍵を握っているという確信はある。だがなぜ私にこのような物があるのか」
「今は気にしても仕方がありませんよ、ゆっくり思い出せば良いじゃないですか。さあ皆待ってますから」
キラはそう言うと家のほうへ足を向けた、Jも続いて歩き出したその時、JのJジュエルが微かに輝いた事に二人は気づかなかった。
家へと向かって歩いてくるキラとJを窓から見つめる視線がある、前大戦後にこのオーブへと身を寄せた
元連合軍人アークエンジェル艦長マリュー・ラミアスと元ザフト兵にして砂漠の虎と謳われたアンドリュー・バルドフェルドの二人である。
「彼の事どう思うかね」
「そうね、不思議な人ではあるわね。彼自身もそしてあのMSも」
Jは一ヶ月ほど前にオーブの海岸に倒れていたところを子供たちと散歩をしていたラクスが見つけた人物であった。
報せを受けたバルドフェルドが現場に行ってみると緑の鎧を着た男と、見たことも無い壊れた白いMSが砂浜に打ち揚げられていたのだ。
直ぐにマリューに連絡を入れ、救急車とMS搬送車を寄越してもらい収容されて病院に担ぎ込まれたJだが、傷そのものは大した事は無かったのだが検査の結果、サイボーグであることが判明した。
しかもバルドフェルドのような既存のサイバネティクスで手足を補うといった治療では無く、完全な人機融合のサイボーグだと言う。
このような技術は、オーブはもちろんの事二人の知る限りプラントにだって無いはずだ。男の回復を待って聞き取り調査を行なおうとしたのだが、ここで更に不測の事態に直面する。
それは男が記憶を失っていた事だった。
便宜上、男の左腕に埋め込まれていた赤い宝石に浮かんだ文字からJと呼ばれる事になったソルダートJ-002はそれ以来発見者であるラクスの家に厄介になっている。
さらに謎の壊れたMSに到っては運び込んだモルゲンレーテで解析の為に解体に当たろうとしたマリューとエリカ・シモンズの前で自己修復してしまった。
これにはモルゲンレーテの全社員が色めきたった、自己修復等という破格の技術を自分達の物に出来ると思われたのだが結果的に徒労に終わる。
なにしろ、調査しようにも装甲に傷の一つも付けられないのだ、
外部からの調査でPS(フェイズシフト)装甲に似た感じで装甲表面に何かしらのエネルギーを回し強度を高めている事は判明したものの
其処から先は完全にお手上げ状態であった。
そんな会話を続けている所に二人が帰ってきたようだ、玄関まで出迎えに行くマリュー。
「お帰りなさい二人とも、さっきJさんは何を見ていたの?」
屈託無い笑顔を振りまきながら尋ねるとJも答える。
「いや、なにか空が騒がしい感じがしてな」
「空? 雨でも降るのかしら」
いまだユニウスの事件を知らぬのんきな会話だった。
ネオ・ロアノークはガーティ・ルーの艦橋から目の前で崩れ去るユニウス7とそのユニウス7を破壊したガオガイガーを見て叫んだ。
「何なんだあの黒いMSは、ユニウス7を砕くだと冗談じゃあない」
正気に返ったネオはスティングたちをすぐさま帰還させると、当該宙域からの離脱を指示して歯噛みした、
汗でべとつく手を握り締めると指揮官席の肘掛を力任せに叩いて先程の出来事に思いを馳せる。
くそったれ俺は勘違いをしていたあの嫌な予感の正体はコイツだ、あんな物がザフトに在ると言うなら我々が奪ったMSなど何の意味も価値も無い。
この情報は直ぐにでも本部に届けて対策を取らなければならない事だ、月面アルザッヘル基地への帰還を指示すると大きく息をついた。
凱はガオガイガーの中で荒い息を吐いていた、なんとかユニウス7を破砕する事が出来たものの、今の傷ついた状態でのヘル&ヘヴンでガオガイガーは更にダメージを負ってしまった。
それを裏付けるようにファイナルフュージョンどころかギャレオンとのフュージョンも解除されて外へと出された。
振り返ってみればギャレオンもジェネシックマシンも動物形態に戻っており、目から光が失われている。
もっともGストーンに反応はある事から休眠状態に陥ったものと分かったので一先ず胸を撫で下ろす凱。
そこにインパルスが近づいて来るのが見えたので此方からも向かい、コクピット脇に立ち接触回線を開くとシンの焦った声が聞こえてきた。
「凱さん、大丈夫ですか」
「俺は大丈夫だ、そんな事よりユニウス7はどうなった」
周辺ではようやく動き始めたMSが作業の続きを開始した所だった。
「凱さんが砕いてくれたから殆んどが大気圏で燃え尽きて、地上に落ちるものは少ないだろうって事です。いまは比較的大きい奴の処理とテロリストの確保に動いてます」
シンからの報告を聞いてホッとする凱、完全にとは行かないが最悪の被害は免れそうだ。
「そうか、シンお前も作業に戻れ。俺の回収は全て終わってからでいい」
凱に言われて戻ろうとするシンだが、もう一度通信を送ってきた。
「あの凱さん、俺」
何か言いたいけど言葉にならない、そんな様子を見て取った凱は親指を立ててサムズアップすると太陽のような笑顔を見せて言った。
「シン、良い勇気だったぜ」
その言葉を聞いたシンは嬉しくなった、落下するユニウス7をMSで押し返し、最後には砕いてしまった。あれが落ちれば間違いなくまた戦争になっていただろう。
それを止めた男に褒められたのだ。
「ハイ!」
返事を一つするとシンはインパルスを発進させた。
ガオガイガーの一撃で砕け散ったユニウス7の光景に敵味方無く放心状態に陥っていたが冷静さを取り戻した議長の一喝で混乱から立ち直ったザフトが押し切った。
テロリスト達は最後まで抵抗した為に撃墜され、僅かに生き残った者達も自害してしまって、犯人は確保出来なかったがそれ以外の事後処理は滞り無く進んだ。
ユニウス7の残った破片は後から来る艦艇が回収、破砕作業を行なう事が決まり、現在この宙域にはミネルバ、ルソー、ボルテールの3隻が後続の到着を待っていた。
周辺の哨戒をルソーに任せるとミネルバにジュール隊の隊長であるイザーク・ジュール、副隊長のディアッカ・エルスマンがデュランダル議長に呼ばれて乗船してきた。
「イザーク・ジュール並びにディアッカ・エルスマン出頭しました」
「やあ、よく来てくれたね。態々呼びたててしまってすまない」
温和な態度で接してくるデュランダルだがイザーク達の態度は硬い、もっともここに居るのはプラントの指導者、オーブの代表等、自分たちより立場が上の人間ばかりだ。
下手な態度は取れないのでこれは仕方が無いだろう。
議長の話はこれからの行動についてのものであった、ここにルソーを残し、ボルテールにて自分と代表、
その護衛官それにあの黒いMSガオガイガーとそのパイロットをプラント本国へ、ミネルバはこのままボギー1の追撃をという話になったのだがここでカガリが議長に頼みを申し出た。
「すまない議長、ここから直ぐにオーブに戻りたい。よかったら大気圏突入用のシャトルを借りられないだろうか」
この依頼に難色を示す一同、一国の代表の依頼とはいえ国の財産である戦闘艦に搭載されたシャトルをいかにオーブに戻った後で使用料の支払いと現物の返却を約束されても一応は軍事に係わる物である以上ほいほい貸せるものではない。
確かにこの地点からプラント本国に戻り、更に今回は非公式での入国である為に民間のシャトルを使うとなればそれなりのタイムラグが生じるのは仕方が無い。
とは言うもののいかにユニウスが破壊されたとはいえ、一大事件であることには変らないのだから急ぎオーブへ戻りたい気持ちも理解できる。
少しの間議長は考えた末に同席していたタリアに声を掛ける。
「ふむ、艦長ボギー1の所在は掴めているかね」
「いえ残念ながらユニウス7の後始末に忙殺されている間にロストしました。現在情報の洗い出しを急がせています」
タリアのこの返答によって考えが纏まったのだろう。
「ではミネルバは代表とアスラン君をオーブへ送ってくれたまえ、ここにある艦で大気圏に降りられるのはこの船だけだ。
オーブ寄港後はカーペンタリアへ行ってこの事件で被害を受けた地域の支援に回って欲しい」
「了解しました。ボギー1は如何なさるおつもりですか」
「引継ぎが終わったあとでルソーを回す、どちらにしろ逃げられた後だ期待はしないがね」
これでこれからの行動が決定した、凱は議長、ジュール隊と共にプラント本国首都アプリリウス1へ向かうことになる。
ミネルバを離れボルテールへと移動した凱は議長共にジュール隊の面々と挨拶を交わしていた。
「獅子王凱だ、よろしく頼む」
簡単な自己紹介とともに右手を差し出す。
「また会ったな、改めて俺が隊長のイザーク・ジュールだ」
がっちりと握手して挨拶するイザーク、銀髪をオカッパ頭にした精悍そうな青年だ、その後は金髪に褐色の肌の青年、長い黒髪の少女と続く。
「グゥレイトォ、あんたがあの黒いMSのパイロットか、ユニウスをぶっ壊したときはさすがに腰が抜けたぜ」
「ちょっとディアッカさん、それ自己紹介になってませんよ。こっちの色黒炒飯は副隊長のディアッカ・エルスマン、私がMS部隊のシホ・ハーネンフースです」
ディアッカという人物はなかなか愉快な人間らしい、またシホという少女は生真面目さが見て取れる。
この二人とも握手を交わす、イザークが言うにはディアッカの炒飯は絶品らしい。後でご馳走してくれるそうだ、
ちなみに凱の好物は紅生姜たっぷりの牛丼である。
凱達が挨拶を交わし終わった頃にはギャレオンとジェネシックマシンがハンガーに運び込まれ固定作業を終えていた。
凱と議長を除いた全員からため息が漏れる、ユニウス7を砕くなどという離れ業を見せたのだから当然かもしれない。
特にシホなどは元が技術畑の人間だ、興味津々の目である。
「何と言うか凄いですよね、これが合体しておっきなMSに成るんですもん。それにしてもどうして動物の形なんでしょうね? 可愛いですけど」
シホは変な所で感心しているようだが、イザーク達は違う。この機体は何時ごろ量産化されるのかという話になった。
幾らザフト驚異の科学力とはいえども、凱の世界では世界十大頭脳を以ってしてもついに完全解明には到らなかった緑の星の技術である。
細かいことは省いて単に量産化など不可能だと告げるとシホの口からつい言葉が零れた。
「残念ですね、この機体が量産されればプラントは無敵ですよ、連合だってあっと言う間に叩けます」
この台詞を聞きとがめた凱はシホ、というよりも其処に居た全員に聞こえるように言った。
「ちょっと待ってくれ、君達はまだ連合と戦争をするつもりなのか」
もちろんデータで見た限りだが、たった2年前にあれだけの戦禍を起こしておいて、まだ戦おうというのか、
先程の作戦では地球に住む人達を守るために頑張ったじゃないか。
そういった事を話しているとイザークが横から声を挟んだ。
「お説ご尤もだがな、連合が我々プラントの敵国であるのは変らん事実だ、貴様もプラントの一員なら其れぐらい分かるだろう」
「悪いが俺はプラントの人間じゃあない」
凱の発言に途端にざわつく周囲の人間達、これはある意味当然だろう。今までは同じプラントの仲間だと考えていたのが実は違うという。
なら、このMSは自分達の敵に成るかも知れないのだ。ユニウス7を破壊したことをみればこれはコロニー国家であるプラントを単機で殲滅出来る可能性すら持った機体だ。
さすがに不味いと思った議長が間に入って執り成した。
「すまない凱君、彼女もそんなつもりで言った訳では無いと思う、気分を害したなら私から謝ろう」
「そんな、議長に謝ってもらうことじゃありません、私が軽率でした。御免なさい」
「いや、俺もつい言い過ぎた。こちらこそすまない」
さすがに本人や議長に頭を下げられては凱もこれ以上なにか言うつもりは無い。しかしイザーク達の意見が大半を占めるというならプラントと地球の対立は根が深いのだと感じた。
その後場所を変えてこれまでの経緯を話すことになったのだが、話し終わった後の表情は微妙なものであった。特にイザークなどあからさまに不審顔である。
「議長はこんな与太話を信じたのですか?」
「では君達は凱君の力とあのガオガイガーを如何説明するかね」
「そ、それはアレです。我々よりも高度なコーディネイト措置を…」
言っていて自分でも分かる。どんなコーディネイトをした所で人間が宇宙で活動できるようになる訳が無いし、あのガオガイガーの力は桁が違う。
つまりこの二人が言っていることは事実という事だ。
正直信じられない、いや信じたくない。
プラントのコーディネイターは教育方針のおかげか自分達は進化した人類だと幼少期から刷り込まれるのだが、凱から見ればどちらも只の人間に変わらないという事だ。
「しかし自分は信じられません、本当に人類を超えた超進化人類だというのなら証拠を見せてもらいたい」
証拠と言われて議長が凱に顔を向ける「頼めるかね」と言われて少し考えると、コンピューターの端末に近寄ると手を触れた。
すると画面にデータが流れ出す、イザーク達は目を見開いた、どう見ても手を触れているだけなのに次々とデータを呼び出している、5分程たって手を離した凱は顔を向けて宣言した。
「この艦のシステムは完全に掌握した」
凱が言うといきなりエマージェンシーが作動し同時にブリッジから通信が入ってきた、艦のコントロールが奪われた、艦内通信もここにしか繋がらないという。
「驚いたな、君はそんな事も出来るのか」
感心する議長の言葉におもわず凱の方を振り向くと何でもないと肩を竦めて見せた、この短時間にしかも手を触れただけで艦のシステムを乗っ取ったと言うのか、驚愕を顔に出すイザーク達。
艦のシステムを元に戻してから話をすると大方の機械なら触れただけで直接リンクが可能だと言う、流石にそんな離れ業を目の前で見せられては納得するしかない。
横を向けばディアッカとシホが口を開けて馬鹿みたいな顔をしていた。
「グゥレイトォ、とか言うレベルじゃないねここまで来ると」
「でも凱さんがプラントに来て下さるってことは、私達に力を貸してくれるって事ですよね」
ディアッカが呆れた様に口に出し、続いてシホも声を掛けるが、凱の返答は違った。
「まずは自分でプラントを見てみたい、協力するかどうかはそれから決めようと思う」
シホなどは落胆するが他の二人はそうでもない。
「ふん、まあ道理だな」
「じゃあ精一杯持て成さないとな」
これでプラントでの案内にこの二人が付くことに決まった。
プラントに着いたディランダルはすぐさま会見を開き、事の顛末(ガオガイガーの事は機密事項とした)を最大限語った上で、犯人グループは全員が死亡、
また再発の防止と更なる支援を約束したが地上ではユニウス7の破砕作業時の映像と、ユニウスの地上落下を起こしたのはコーディネイターであるとのニュースが地球全てに放送されていた。
如何に被害が軽微だったとはいえ被災者にはショックだろうし、地上の国家からすれば是ほどの事件を起こしたものが自分達の頭上にいるというのは恐怖でもある。
また、ガオガイガーの映像も流れこれほどの破壊兵器をプラントが所有しているのは問題だと締めくくられていた。
これを受けた連合はプラントに対して新たな通達を送ってくる。
その内容は賠償金、武装解除、現政権の解体、連合理事国からの最高評議院への監視員の派遣という事実上のプラントの国家としての解体要求である。
プラント側としては到底承諾出来る内容ではない、最高評議会は連日の会議と連合への会談要求を打診するものの双方の歩みよりは見られなかった。
そんな情勢の中凱がプラントに来てから1週間が経った、この1週間はプラントの中を歩き回り、図書館や各種施設を巡って自分なりにこの世界の事を調べていた。
その結果凱が出した結論はこの世界はとても危ういというものであった。
プラントではコーディネイターはナチュラルから進化した優れた人類と教育している、これは容易く選民思想に変化する。
そのことについてコーディネイターはナチュラルを下として見ているのかと質問すると
「まあ、軍に長くいれば奴らとの差などそれ程無いのは分かるが、それでも認めたくは無いな」
「あーまあなあ、俺なんか惚れた女がナチュラルだったから今更コーディネイターだナチュラルだってのは無いけど、プラントの大多数はそう思ってるよ」
と答えが返ってきた。
なるほどこれでは諍いが絶えることは無いだろう。
そもそも前の戦争の原因からして無茶苦茶だ、大本はナチュラルによるコーディネイターの排斥にあるのだろうが、資源採掘と工業に主眼をおいて連合が建造したプラントを不当に占拠して建国、
もっともプラント住民から見れば連合からの搾取に対する独立である。
これはいわゆる植民地が宗主国からの独立を目指したもので理解はできるのだが、コロニーは連合が建設したものである以上は始めから占拠するのではなく
金銭による買収等によるプラントの譲渡と以後の独立を提案するべきだったと思う。
この件に関して連合、プラント双方で会談の場が設けられたがプラント過激派の爆弾テロによって連合側の代表が全員死亡、プラント側に被害は無しという事件が起こった。
恐らくはこれが直接の原因だろうが、この後の連合の報復も理解に苦しむ、なにしろ農業施設であったユニウス7に核攻撃を仕掛けて住民ごと破壊するという暴挙にでる。
これに対してプラント側も報復を行なうのだが相手である連合のみならず、なぜか地球全土にNJ(ニュートロンジャマー)を投下、これによるエネルギー不足により地球人口のうち10億人が死亡という未曾有の惨事を惹き起こす。
全面戦争に突入した後もプラントの居住コロニーへの核攻撃や実行はされなかったがヤキン・ドゥーエのジェネシスによる地上の殲滅など通常の戦争とはかけ離れた行為が目に付く。
戦争とは行き過ぎた外交の手段であり、話し合いで解決出来ない事を武力でもって解決する事だ。
どちらかの勝利が決まらなければ、ある程度の被害が双方に出たところで再び話し合いで落とし所を探ることになる。
しかしこの世界の戦争はいわゆる宗教戦争や民族紛争に代表される他者の存在そのものが許せないという感情論にたった完全な殲滅戦である。
だいたい前の戦争の帰趨でいえばプラントは勝利したといって良い、なぜなら宗主国からの独立という目標をほぼ完璧な形で達成しているからだ。
これ以上の戦争行為の継続は連合に比べて国力で完全に劣るプラントにとって自殺行為でしかないはずだが、先のユニウス7襲撃犯のような連中がまだ多く居るとの事である。
事実、地球の各地で散発的にではあるがコーディネイターによるテロ行為が発生しているようだ、まるで何者かに踊らされているような印象を受ける。
その事を議長に話して見ると、ここだけの話だと前置きした上で話し始めた。
「やはり気が付いたかね。そうだ、このプラントにも連合にも居るのだよ敵を滅ぼすまで戦いを続けたいという愚かな人間がね。しかも連合では軍の上層部に食い込み、このプラントでは結社という形で存在するのだ」
「ブルーコスモスですか?」
「正確にはその一派だね、そもそもブルーコスモスはコーディネイターの排斥を訴えるものではない。
遺伝子のコーディネイトが流行したことによるデザインチルドレン問題や幼少期の能力格差を始めとする諸問題に対して先天的な遺伝病等の医療行為以外のコーディネイトを禁止する運動が大本だ、
これに限って言えばナチュラルとの融和による自然回帰を挙げている私も思想的にはブルーコスモスと言える」
なるほど、言われればその通りだ。
「連合側に巣食うものをロゴスという」
ロゴスは本来軍需産業複合体を基にする企業の集り、いわゆる死の商人である。
これだけならばまだ良いのだが、問題は今のロゴスの中心人物であるロード・ジブリールは極端なコーディネイター排斥主義者であり、つねづねプラントは滅ぼすべきと語るタカ派の人間であるということだ。
しかも経済団体連合会の顔を持つロゴスの支持者は連合各国の上層部、特に政治家や軍部には多いという。
「そして我々プラントの中に存在するのがクライン派だ」
これには凱も違和感を覚える、議長もクライン派では無いのかという事だが、このクライン派は政治的な派閥ではなく、
ある種の秘密結社のような存在だと言う。
詳細は完全に謎に包まれておりながらも、全大戦時には戦艦エターナル及び核搭載型MSフリーダムの強奪事件を起こし、ヤキン攻防戦ではなぜかオーブの戦艦と共に参戦、ザフト、連合双方に多大な被害を与えた。
その中心人物がシーゲル・クラインの娘であるラクス・クラインであった事から俗にクライン派と呼ばれる事になったと言う。
またこの件に関しては緘口令が布かれたためにラクスは未だプラントでは平和の歌姫として絶大な支持があるという。
「そして厄介なのがこのクライン派の目的が皆目判らないという事だ」
プラントや世界をどうにかしたいのならば、ヤキン戦後に表舞台に立てばいいのだが当のラクスは逸れもせずに姿を隠してしまったという。
そんな会話を交わしていると議長の秘書官から緊急連絡が入ってきた、すぐにニュースを見て欲しいとの事だったのでモニターを点けると
大西洋連合大統領ジョセフ・コープランドがプラントに対して宣戦を布告する会見を開いていた。
月面アルザッヘルより進発した連合宇宙軍とプラント防衛に出撃したザフトは2年の時を経て再びに戦端を開いた。
一進一退を繰り返す両軍だが、極点方向より、連合の特殊部隊がプラントに襲い掛かる、この部隊は核ミサイルが搭載されたコロニー殲滅用の攻撃部隊だ。
これに気が付いたイザーク達が迎撃に入るも間に合わず、遂に核ミサイルがプラントに着弾しようとするとき、プラント側の新兵器ニュートロン・スタンピーダーによってミサイルと核搭載部隊の迎撃に成功する。
これを指揮所で見ていた凱は拳を震わせていた。
「こんな、こんな事をするのか。ここにはテロとは何の関係も無い人が大勢住んでいるんだぞ。それを!」
凱の叫びにディランダルは眼を伏せて答える。
「これをやるのが今の連合とロゴスなのだよ、悲しいことだがね」
「議長、俺は人々を守る為に戦ってきた。だからこんな事を繰りかえすと言うなら俺はロゴスと連合を叩く」
遂に凱は戦争に介入することを決断した。
「バカな! 失敗しただと」
報告を受けたロゴスの盟主ロード・ジブリールは叫んでいた。
ファントムペインの報告にあった黒いMSあれは脅威になる。今作っている新型でも相手になるとは思えないからこそ虎の子の核を使って一気に片を付けようとしたのだが、
それがザフトの新兵器によって失敗したと言う。
どこまでも忌々しい化け物共め、まあいい、ならば正攻法で葬ってやる。如何に強力な機体でも数には勝てまい。
これからの戦局に考えを巡らせながらジブリールは笑っていた。
そのころ凱はディランダル、それと議長の部屋にいたアスランと共にMSハンガーにやって来ていた。
聞くところによるとアスランは元々ザフトのパイロットであり、あのパトリック・ザラの息子であると言う。戦後思うところあってプラントを出国、オーブで名を変えて生活していたがこの状況をみてザフトに復隊することにしたと言うことだ。
そこで二人に新しいMSを用立てたと、このハンガーまで連れてこられたのだ。
そこには2機の同型MSが並んでいた。
「このMSは」
「ZGMF-X23Sセイバーその正式採用型とプロトタイプを凱君専用にカスタマイズしたものだよ。二人にはこのセイバー2機を託そうと思う」
目の前にある灰色の機体は可変機構を持ったセカンドシリーズの機体であり、凱がユニウス7破砕作業時に乗っていたザクから取ったデータを使って改修した機体だということであった。
回収したザクを解体、分析した処エネルギーがコクピットから流れた形跡があった為に凱に事情を聞くと自分でエネルギーを生み出せる(GSライドが無いために増幅は出来ない)という、そこで凱をバッテリーの代わりにすることでバッテリーを取り外した。
またオーバーロードの痕跡も視られたために開放弁をもうけて余剰エネルギーの逃げ道を確保した。
最大の変更点はコクピットだ、通常のレイアウトは全て廃止しダイレクトリンクシステムを採用する事になった。
「それと二人にはFAITH(フェイス)になってもらいたい」
そういって二人に小箱を差し出すデュランダル、小箱の中には羽を象った徽章が入っており、FAITHとは議長直属の特務兵でザフト内ではかなりの権限が与えられると言う事だ。
凱は階級などには興味ないがもし民間人を巻き込みそうな作戦があった場合等に介入することも出来るかと考えてありがたく受け取ることにした。
「君達の所属だがいまカーペンタリアに向かっているミネルバに合流して貰いたい、グラディス艦長なら君達二人に面識もあるし丁度いいだろう。到着後は艦長の指揮下に入ってくれたまえ」
凱とアスランが自分の機体へと向かって歩くその後姿を見ながらデュランダルは薄く笑みを浮かべた。
『ジブリール、君は良い事をしてくれた。君のおかげで私は最強の男を味方にすることが出来たよ』
その冷笑はいったい誰に向けられたものだろうか。
君達に最新情報を公開しよう
ミネルバに連合の脅威がせまるなかシンは自分の力を開花させ始める
そしてオーブに住むキラ達に謎の部隊が襲い掛かるとき
ついに白き翼が空へと羽ばたく
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第5話 白き翼 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ジェイダー
ども小話です
ちょっと言い訳をさせて下さい
本文書く→次のプロット作る→予告書く→投下でやっていますが
前回プロット作った段階では凱はイザーク達と一緒に戦闘に参加して活躍する筈でした
ところが書き始めると連合軍とザフトの軍隊同士の戦闘に凱が参加してくれないのです
で練り直した結果こうなりまして、前回の予告が変更になってしまいました
もしかしたらまた同じことがあるかもしれません
読んでくださる方、纏めてくださる方双方に混乱と迷惑を掛けるかと思いますが
よろしくお願いします
ではまた
ともあれ小話さんGJ。
GとJ的にもGJ。
んーやっぱ国同士の戦争に凱が参戦するのに違和感が生じるな…
そもそもロゴスって仮にも70年以上の平和を築いたのに見事に議長の手の平に踊ってるな
このまま凱がプラント側になるんですかねぇ?今のところ連合の悪どい部分しか見てないし
地上のNJの被害地域って種死だとどうなってるんだろ。BTWを阻止したから被害は種死程じゃないと思うが
議長はBTWの首謀者探す気ゼロだなあ
全員死亡ったって実行犯以外に後方支援がいないわけないし
>>623 その辺は原作通りだし、そうツッコむことでもないだろう
>>624 その原作自体が突っ込み所の塊なんだから突っ込むなというのは無理。
つうか突っ込んでいくべき。スルーすると負債と同レベルになってしまう。
>>623 デストレイでは犯人捜すどころか、犯人と同じ装備を整えたテロリストを使った
奴がジャンク屋ギルドを襲ったと聞いて、そっちに驚いてたよ議長。
なので実は自作自演じゃないかって疑われてた。
wikiとか一部媒体だと議長がテロの支援してるとか書かれてるしな
628 :
通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 08:37:01 ID:MXM4ODCw
このままだとJは凱とやりあうことになるかな…。
Jには一度操られた洗脳フラグが原作にあるし、ラクスに言い聞かせられて争うことになりそう。
とりあえず、ジェイアークが母艦にならん事を祈る。それは悲しすぎるもんね。
まあ探してる暇もあんまりない気がするけどな
MS技術差なんてもう殆どないし、失った軍の補充もシンを筆頭にまだまだ未熟な面が目立つし
外交筋でなんとか引っ掻き回さないと本当は不利な立場なんだけど…なんでか戦闘じゃ結構有利な感じだったりするんだよな…
630 :
通常の名無しさんの3倍:2009/06/04(木) 13:21:33 ID:29DHoXL4
ひとつ言おう。ジェイダーは白色じゃなくて緑と黒の配色だったはずだ。
(まあキングジェイダーだったら白だけど、さすがにキングジェイダーはMS搬送車で運べないだろう)
>>630 指摘感謝です、なんかイメージで白と書いてました。修正お願いします
×ついに白き翼が空へと羽ばたく
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第5話 白き翼 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ジェイダー
○ついに戦士は空へと飛び立つ
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第5話 羽ばたく翼 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ジェイダー
>>626 その疑ったジャーナリストを、即逮捕して、しかも暗殺しようとしたしな
633 :
一尉:2009/06/05(金) 21:42:22 ID:???
小話君次回にもよろしくお願いします。
勇者王ガオガイガー DESTINY
第5話 羽ばたく翼
ミネルバの娯楽室でその大西洋連合大統領ジョセフ・コープランドの政見放送を見たシンは悔しさに唇をかみ締めていた。
『なんで なんでだ なんで戦争になんかなるんだ』
こうならない様に皆で頑張ったのに、開戦の口実にユニウス7を使わせない為に、いやそれよりも力の無い誰かを守りたかったから戦ったのに、結局また戦争になってしまった。
「そんなに戦争がしたいのか、おまえらは!」
何処の誰とも知れないこの戦争を望むものに対して叫びを上げるしか出来ない自分が堪らなく悔しかった。
こんな状況になってあの勇気の塊のような男なら如何するだろうと考えた。
オーブに寄航中のザフト艦ミネルバ艦長タリア・グラディスはこれからの事に考えを巡らせていた。
先程このオーブの代表首長であるカガリ・ユラ・アスハの訪問を受けてオーブが大西洋連合との同盟を締結することになった、ついては早急にオーブより出港してもらいたいとの要請を受けたのだ。
もっともこの同盟に関して自分は反対だが、宰相であるウナト・エマ・セイランを始めとする氏族達に押し切られたと言うことらしい。
ここまで世話になったミネルバを追い出すような形になって申し訳ないと言っていた。
後者に関しては好感がもてるが、前者に関しては何を甘いことをと思う、政治の舞台に立つなら清濁併せ呑むしたたかさが必要なのは判りきった事だ。
だがあの子はオーブの姫として我侭に育ったのだろう、自分の力が及ばない等考えなかったに違いない。
だからこそ、今まで自分の足場を固める事が出来ていないのだ、すなわち見た目と血筋で担ぎ上げられたお人形と言うことだ。
ならば、このオーブを出てザフト基地であるカーペンタリアに到着するまでは一時も気を抜けない。
ミネルバが修理を受けているドックに通じるエレベーター内で考えに没頭していると肉感的な女性が乗り込んできて、挨拶をしてきた。
確かマリア・ベルネスと言う名のモルゲンレーテのメカニックだ。
「この度は大変な事になりましたね、まさかまた戦争になるなんて思いもよらなかったです」
「そうね、ユニウスの破砕には成功したし、破片による被害もそれ程では無かったそうだから正直連合がここまで強硬姿勢を採って来るとは思わなかったわ」
その後は修理の進行状況など細々とした事務連絡を交わした後でちょっとした雑談が始まった。
もっとも今の情勢下では雑談と云えども油断は出来ないのだが、案の定話題はユニウス7の話になった。
「ところでグラディス艦長もあのユニウス7の破砕作業に従事されたそうですけど、あの映像に出ていた黒いMS凄いですね」
「来たな」と思う。およそMSや艦船を扱う技術者ならばあの映像を見ただけであのガオガイガーの異常さには気が付くだろう。
映像にはミネルバも映っていた以上は誤魔化すことも出来ない、したがってタリアに出来るのはしらばっくれる事だ。
「そうね、私も詳しくは知らないのだけど確かに凄い機体ね」
マリア女史はスペックだのなんだの自分の推量を交えてカマを掛けてくる。ついぽろっと出てくるのを期待したのだろうが、タリア自身何も判っていないも同然だ。
まさか異世界からきた勇者だとは言えない、というか言ったら生暖かい眼で見られそうだ。
エレベーターが到着を報せ、タリアが降りるときマリアから右手が差し出された。
「またお会いできると良いですね」
「そうね」
友人になれるかも知れない女性の手を握り返し、それは本心から返事を返した。
オーブを出国したミネルバが領海を出たところで前方に艦隊を発見して緊張が走る。その緊張を裏付ける報告がレーダー手よりもたらされた。
「前方の艦隊、連合のものと確認」
「ええ〜なんで連合の艦隊がこんな所にいるんですか」
「アーサー泣き言言わないでちょうだい、恐らく手土産にでもされたんでしょう」
そこに更に悪い知らせが重なる、後方からオーブの艦隊が接近しているという。
「後方のオーブ艦、砲塔をこちらに向けています」
「オーブの領海には戻らせないと言う事ね、いいわコンディションレッド発令、全艦戦闘態勢に移行、MS隊発進準備急がせ」
艦橋からタリアは艦内放送でクルー全員に呼びかけを行う。これから戦闘に突入する、現状は厳しいが突破を図るというものだ。
「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます」
シンの乗るコアスプレンダーが発艦しフォースインパルスへと換装を済ませたところで戦端が開かれた。
連合の空母から発進したMSウィンダムがミネルバを囲むがインパルスとミネルバの上に陣取ったレイとルナマリアのザクによる迎撃で容易には近づけない。
連合艦隊の左舷を突破しようとするミネルバだが包囲されている現在それも儘ならない。
徐々に押され始めるミネルバ、そこに止めを刺すが如く現れる連合の新型MAザムザザー、この新型に対してミネルバは艦首に実装された陽電子砲タンホイザーを起動させ迎撃に当たるが陽電子リフレクターによって防がれてしまう。
「そんな、タンホイザーを跳ね返すなんて」
アーサーの呆然とした呟きが艦橋に零れた、これにより更に形勢が不利になりオーブの領海に近づいてしまったミネルバにオーブの戦艦より通信が入る。
「ミネルバに告ぐ、我々は貴艦のオーブ領海への侵入を認めない」
通告と同時にミネルバの周囲に水柱が立つ、オーブ艦からの威嚇射撃だ、その光景を見たシンの動きが一瞬止まる。
戦闘中に動きの止まったインパルスを見逃さずに襲い掛かるザムザザー、超振動クラッシャーヴァリシエフに右足を捕らえられ動けなくなるインパルス。
ついにエネルギー切れを起こしVPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲もダウンして機体色もトリコロールから灰色に変わり、右足を破壊されてしまう。
「ちっくしょおう」
悪態をつくシンの目に窮地に落ちるミネルバと仲間達の姿が映る。
その時シンの脳裏に様々な光景が過ぎった、オーブで家族を失った瞬間、右手だけの妹、アーモリー1で破壊される基地、宇宙で戦った時に撃墜されたザク、ユニウス7の落下。
そしてユニウス7を破壊したガオガイガーとそのパイロットの言葉。
「俺は世界を、命を護ることを決して諦めない。なぜなら俺は勇者だからだぁ!!」
彼はあの絶望的な状況で欠片も諦めていなかった、そしてあの時に掛けてくれた言葉。
「シン、良い勇気だったぜ」
そうだ自分も大切なものを護りたいから頑張れたのだ、そしてあの男に認めてもらったではないか、こんな所で諦めるものか。凱に見せてもらった勇気がシンを後押しする。
「俺は、俺はみんなを守るんだぁ!」
その瞬間シンは自分の中で何かが弾けた感覚を覚えた、いきなり意識がクリアになり周りが見え始める。自分が何をすべきかが分かる。
「メイリン、デュートリオンビームを、それからレッグフライヤーとソードシルエットを出してくれ」
矢継ぎ早に指示を出し、デュートリオンビームでインパルスのエネルギーの回復をするとすぐさま反転しザムザザーに吶喊する。
その勢いを警戒したのかザムザザーが陽電子リフレクターを展開させる。
「そのバリアは前にしか張れないだろうがぁ!」
小回りで勝るインパルスは急な機動変更でザムザザーを振り回して陽電子リフレクターの効果が及ばない箇所にビームサーベルを突き立てるとそのまま両断する。
無敵と思われたザムザザーの轟沈に浮き足立った連合軍の隙を突き、フォースシルエットからソードシルエットに空中で換装を済ませると、
真下にいたスピングラー級空母の甲板に着地するとレーザー対艦刀MMI-710エクスカリバーを両手に構えて突き立てる。
そのままエクスカリバーで艦橋を両断すると近くの艦へと身を躍らせ次々と切り伏せる、まるで義経の八艘跳びもかくやという活躍である。
空母2隻、ダリノヴ級戦艦4隻を撃沈したところで連合の艦隊は後退を開始した。
戦闘が一応の終結を見せてシンがミネルバに帰艦すると、クルーから手荒い歓迎を受けた後でルナマリアが聞いてきた。
「急にどうしちゃったの、いきなりエース級の活躍じゃない。火事場の馬鹿力ってやつ?」
「そんなんじゃないよ、なんかこんな所で諦めるかって思ったら頭の中がクリアになって、後は無我夢中だった」
「なんにせよ、お前が船を守った。生きてる事はそれだけで価値がある、明日があるって事だからな」
レイからも言われ一先ず生き残った事を喜び合う、シンは決して諦めなった勇者の背中を思い出していた。
オーブ領に存在する島の一つアカツキ島、ここはアスハの所有地であり、一般人は立ち入りが制限されている。
連合との同盟がオーブ国内に向けて公表されたのを受けて、情勢不安な中コーディネイターである自分達はプラントへ移住した方がよさそうだとベランダでコーヒーを飲みながら話すバルドフェルド、マリューにも一緒に来ないかと誘いをかける。
しかしながら現在は問題も抱えている、そう言って視線を海へ向けると、海岸で子供達に囲まれて困っているJの姿を見つめるバルドフェルド。
自分達はプラントへ行くことは可能だろうしかしJは違う。彼には戸籍もないし、なによりも彼自身がサイボーグという規格外の存在であり、謎のMSの事もある。
今は記憶喪失でありカガリの保護下にあるため比較的自由を与えられてはいるが、プラントへ移住するとなると如何とも成るまい。
万が一に備えて対策だけは取っておくべきか、この島の地下にはアスハ独自の地下基地が建設されており、戦争終結後にオーブに亡命したアークエンジェルとフリーダムが極秘に運び込まれていた。
なにがあっても良い様に現在モルゲンレーテにて保管してあるあの謎のMSも隠してあるアークエンジェルに搭載しておこうと話を締めくくった。
夜、Jは不穏な気配で目を覚ました。いかに記憶を失おうともJは生まれながらの生粋の戦士だ、隣の部屋のバルドフェルドを起こして様子を見る。
窓から外を見ると黒装束の一団が家の周りを囲んでいるのに気が付いた。
「泥棒にしては物々しいいでたちだね、Jはキラ達を起こして地下のシェルターに避難してくれ」
バルドフェルドはJに避難をまかせて臨戦態勢を取った。
Jは不思議と恐怖を感じない自分に驚きながらも、ほかの者たちを避難させるべく行動を開始する。
寝ているものを起こし急ぎシェルターの入口であるエレベーターホールに向かう途中で侵入した賊と撃ちあっているだろう銃声が聞こえてきた。
危険を察したJが安全を確認する為に先行したところ階段を降りた所で賊と出くわしてしまった。
黒装束の一団の前に進み出て誰何の声を上げるJ。
「何者かは知らんが、なにが狙いか」
返答の声は銃声であった、降り注ぐ銃弾の軌道が何故か見える。そのことに自分も驚愕するが咄嗟に床を蹴るJ、鳥の如く飛翔すると壁、天井と三段飛びで相手との距離を詰めると腕を振るって昏倒させる。
自らの腕を見つめて自分に何故こんな事が出来るのか不思議に思うが今は考えている暇は無い。
「急ぐぞ」
今のJの動きを、驚きをこめて見つめる一同を急かしてエレベーターホールへと向かう。
そのころバルドフェルドはリビングでの防戦を切り上げて避難を急いでいた、銃撃から身をかわし地下へと続くエレベーター前に辿り着く。
全員が合流したことに安堵の息が漏れたその時、空気ダクトからラクスを狙う銃口に気付いたキラが叫ぶ。
「ラクス!」
咄嗟にキラがラクスへと跳び付くが間に合わない、放たれ銃弾がラクスを貫こうとした。
「はあっ」
その時白い影が飛び込んで放たれた銃弾を弾き飛ばす、銃弾を弾き飛ばしたJはキラとラクスを庇うように前に立つ。
ダクトに向けてバルドフェルド達が銃撃を叩き込んで襲撃者を沈黙させると、Jに向き直る。
「ラクス無事か。まずはシェルターに避難するぞ。エレベーターに早く」
合流した全員がエレベーター内へ退避したのを確認すると扉を閉めてマリューがへたり込み愚痴をこぼすのにバルドフェルドも続いた。
「コーディネイターだわ」
「ああ、しかも素人じゃない。ちゃんと戦闘訓練を積んだ連中だ」
これを聞いたキラが驚きの声を上げる。
「ザフト軍ってことですか」
「コーディネイターの特殊部隊なんて、最低」
マリューの呟きにJは違和感を覚えた、正直Jには外見でナチュラルとコーディネイターの区別は付かないのだが彼らは判るのだろうか。
「やつらの正体が分かるのか?」
Jは自分には区別がつかないのだがと付け加えて疑問を口にした、
「あ、ああまあ装備とかでね。あれは僕がザフトにいた頃から使っているスニーキングスーツだし、それよりJは大丈夫なのか」
さっきは銃弾を素手で弾いた様に見えた、いかにサイボーグといえどもそんな事が可能なのか、気遣いとともに訝しげな問いを返すバルドフェルド。
自分は問題無いと告げて更に質問を重ねるJ。
「バルドフェルドはザフトに居たのか、では奴らの狙いはお前か? 私の過去に関係のある者達かとも思ったが」
「さあどうかね、Jには話していなかったが此処に居る人間は皆結構な有名人でね」
そう言って2年前の顛末を簡単に説明し始めるバルドフェルドとマリューの二人、説明が一通り終わる頃にはエレベーターは停止しシェルターへと到着していた。
なんでもラクスは平和の歌姫と呼ばれる存在であり、キラと偶に来ていたアスランの二人はCE最強とも呼ばれるMSパイロット、
そして自分達を中心にした歌姫の騎士団が前の戦争を終結に導いたと言う。
そしてこの襲撃は我々の力を恐れた者達の刺客ではないか、という事だった。
そこまで話して気を抜いた一同にドンという振動が襲い掛かった。
「くっ、この衝撃はどうやらMSで攻撃を掛けているらしいな、いくらシェルターでも保たないぞ。ラクスあれを出すぞ、鍵は持っているな」
バルドフェルドに言われピンクのハロを握り締めるラクス。
その後キラを交えてちょっとした話し合いがあり扉が開かれた。
そこに存在したのは、Jは知らなかったが2年前に最強の名を欲しいままにしたMSフリーダムとこの日の昼間に極秘裏にモルゲンレーテより運び込まれたジェイダーであった。
「これは」
言葉を失うJなぜか奥にある緑と黒を基調にした機体から眼が離せない、近寄って手を触れてみると左手のJジュエルがまばゆい光を放った。
光の中でJは幻視した、赤い星、神殿に佇む影、緑の星、蒼い髪の少年、白い船団、敗北、青の星、赤い髪の男、赤い髪の少女、黒い船、そして獅子の…。
様々な光景がJの脳裏を過ぎ去っていく、Jジュエルの光が収まり片膝を着いて荒い息を吐くJに気が付いた面々が駆け寄ってきた。
「大丈夫J」
声を掛けてくるマリューを制すると顔を上げて今見た光景を語りだす。
「思い出したのか?」
「全てでは無い、だが思い出した事もある。このジェイダーは確かに私だ。そして私が戦士であることも思い出した」
「お前達には命を救われた、ならばこの窮地に私がお前達を助けよう」
ジェイダーに向かって歩を進めるJに向かってマリューが声を掛ける。
「でもそのMS、えっとジェイダーにはコクピットが無いわよ」
歩みを止めぬままJは
「言ったはずだ、このジェイダーは私だと。フュージョン!」
掛け声とともに飛び上がると左腕のJジュエルが赤く輝きJの姿を変えてゆく。海岸で倒れていた時に着ていた緑の鎧が形成されJに装着された。
鎧を着たJがジェイダーに吸い込まれて姿が消えたと思うと今までなにをしても反応のなかったジェイダーが起動した。
「ジェイッ ダー!」
言うが早いか飛び立つジェイダー、その勇姿をぽかーんと見上げるキラ達、
なにしろJが変身した上にジェイダーに吸い込まれたとしか見えなかったのだ。
そこに歓声が上がる、放心状態のキラ達と違い子供からすれば自分達のピンチに変身ヒーローが助けに来たように見えるのだろう大喜びである。
その声を背に受けてあっと言う間に大空へと躍りだしたJは感慨深く呟く。
「空はいい」
いきなり登場したジェイダーに驚いていた敵のMS郡から上空に留まるJに攻撃が加えられる。
「無粋な連中め、だが私は戦士、我が記憶は戦いの中に有り。ゆくぞぉ!」
急降下で地上に降りると近くに居たMSを力任せに殴りつける、吹き飛ぶMSは後ろに居た味方を巻き込み転倒する。
そこにジェイダーの足に装備された砲塔が向き火を噴いた。
「反中間子砲、発射ぁ」
諸共に爆散する敵MS、しかし動きの止まったジェイダーの後ろから別の機体が襲い掛かる。
これを後ろ回し蹴りで吹き飛ばすと地を蹴って肉薄する。
戦い方は本能が教えてくれる、自分の中から湧き上がるままに力を奮うJ。
「プラズマッソード」
両腕から生み出したプラズマソードで敵機を両断し夜空へ飛翔する、上空から睥睨し次の敵を見定めるJだがこの戦いはJが望む戦いでは無く一方的な蹂躙でしかなかった。
「僕は大丈夫、このまま君たちのことすら守れずに、そんな事に成る方がずっと辛い」
「キラ」
キラとラクスがメロドラマを終えて出撃した時には全てが終わっていた。
「失敗した? 何をやっているのかね彼等は、何のためにアッシュなんて持ち込んだのか判らないじゃない。ああもう良いよ、証拠は残してないだろうね」
報告に来た男を下がらせると神経質そうに指を絡めて考えに没頭する。
このオーブに置いてアスハの名前は強力だ、なにしろ国民の90%以上の支持がある。あいつらが何時までも此処に居てはまたカガリを担ぎ出して馬鹿なことをやりかねん。
その前に始末をつけて置きたかったのだがあのコーディネイターめ、でかい口を叩いておいてこのざまか。
まあいいか、フリーダムとアークエンジェルの解析も終わっているしザフトに疑念を持ってくれるように仕向けられれば良しとしよう。
「使えないねまったく、明日の式の前に憂いは断って措きたかったんだけどね」
ユウナ・ロマ・セイランは暗い部屋の中で一人悪態をついた。
一夜が明けて家の跡地に来ていたキラ達は残された品から調査を行なっていた。
「あのMSはアッシュだな、ザフトの最新鋭機でまだ正規軍にも少数しか配備されて無いはずだ」
MSの残骸を調べたバルドフェルドが機種を特定する。
「じゃあやっぱりザフトが」
キラが結論を出そうとするがJが早急な判断に釘を刺し疑問を口にする。
「結論を出すのは早いのでは無いか、なにより…」
なにより可笑しな所が沢山ある。まずザフト製の最新鋭MSそしてスニーキングスーツ、
これだけ見ればザフトの仕業に見えるが特殊部隊に態々所属を特定させるような装備をさせるのか。
また特殊部隊という割には行動がおかしい。制圧するつもりならスタン・グレネードやガス弾を使用してもいいはずだし、暗殺目的ならば技術仕官のマリューや義手義足のバルドフェルドに遇われる程度の連中などを使うのか。
それにMS同士の戦闘があったにも拘らずオーブの防衛部隊は出撃してこなかったし、一夜明けた今になっても警察も消防も全く姿を見せない。
「まさかオーブの仕業なんて言わないで下さいよ、カガリはそんな事しません」
確かにカガリはしないだろう、キラとは姉弟らしいし一度話した限りではこんな事を考え付くような少女では無い。
ではやはりザフトが怪しいと言い出すバルドフェルドとマリューに納得するキラ。
そんな会話を横目で見ているとカガリの乳母であるマーナがやって来た、この惨状に驚くが自分の仕事を思い出しキラに手紙を渡す。
手紙の内容は掻い摘めば「オーブの為にユウナと結婚する、アスランから貰った指輪を同封するからキラから返してくれ」というものだった。
手紙を読んだキラは驚いた後に行動に移る。
「カガリを助けなきゃ」
そう言うと善は急げと走り出す。その後をラクス達が追うのをみてJも歩を進めた。
「そうですか成功しましたか、で隊長達にも怪我は無かったんですね」
アッシュ10機は惜しかったが、これでデュランダルに疑念を抱いてくれればラクス様もお立ちになるだろう。
まったく本来なら2年前のヤキン攻防戦のあと我々クライン派がプラントを導くはずが、キラ・ヤマトになどかまけて無為に過ごされるとは何をお考えか。
そのおかげでアイリーン・カナーバやギルバート・デュランダルのようなナチュラルとの融和などと言い出す愚物がのさばる事態になるのだ。
我等クライン派こそ、この地球圏を真に支配し愚かな人類を導くことが出来るのだ。
「さあ、これからは忙しくなるぞ。全てはラクス様の為に」
まずはターミナルとファクトリーの進捗状況を見なくては、これからの予定を頭の中で組み上げながらマーチン・ダコスタは嬉しそうに自分の部屋を出て行った。
式場へと向かう車の中でユウナ・ロマ・セイランはため息をついた。
ユウナにとってカガリとの結婚は自分の政治的足場を強固にする以上の意味は無い。
もちろん幼い頃からの許婚である以上、好意は持っているが愛かと聞かれれば違うと言うだろう。
本来ならばこの感情的で可愛らしい少女のささやかな夢くらい叶えてやりたいとも思う。
しかし今のオーブの現状ではそれは不可能だ、なにしろ先代ウズミ・ナラ・アスハは自ら掲げた理念のために2年前に国を焼き、自身もまた後を当時16歳のカガリに任せて自害してしまった。
それだけならまだしもその戦いでセイランを始めとしたトキノ、マシマ、キオウ家の他の氏族の軍閥は全滅に近い被害を出し、
本来オーブの軍を束ねるサハクが天空の宣言とやらを発表してオーブ本国と一線を引きアメノミラシラを占拠するにいたる。
連合の進行を許したオーブ国軍は壊滅的な打撃を受けたのだが、アスハ派の軍閥はカガリと共に宇宙に脱出、3隻同盟なるものを組織し連合とプラントの争いに武力介入を行い両軍に多大な被害を出している。
オーブは代表首長が軍の最高責任者を兼ねるために文民統制が働かない完全な独裁国家だが、そんな状況において現在のオーブ軍は3隻同盟に参加したアスハの私兵が上層部を牛耳っているといってよい。
しかも終戦後、国内の復興と安定に主眼を置いて政治を取り仕切ってきた四氏族と軍部は確執が深まっていった上に元来外交筋で力を発揮してきたセイランは軍閥には受けが悪いことも手伝って、
現在軍に対して有効な手札が無いのだ。
そこに今回のユニウス7落下から連合、プラントの再びの開戦が重なり、早急に国内を纏める必要が出てきたがために今回の結婚となった次第である。
そんな事情で結婚を迫られたカガリに不満が無い訳ではなかろう、あからさまに消沈した様子を見て取ったユウナは辛らつな言葉を投げかける。
「しっかりしろよ、マスコミも来てるんだ。嘘でいいから笑いたまえ」
「ユウナ、お前」
「僕だって君の気持ちは判っている、アスラン君の事でも考えていたんだろう。だが君はオーブの為にこの結婚を決めたんだ、ならそんな顔をするんじゃない」
「分かっている」
「分かって無いから言っているんだ、はっきり言おう。君が代表に選ばれたのはアスハの家名の為だ。このオーブと国民を守る為の人身御供だ、君も僕もね」
「分かっている!」
これ以上は今話しても無駄か、まあいい結婚すれば時間はタップリとある、この先のことも踏まえてゆっくりと話し合おう。
「式場に着いたら笑いたまえよ」
最後にそれだけを付け足した。
アークエンジェル、この大天使の名前を頂く戦艦はこのCE世界において軍関係者には特別な意味を持つ。
前大戦では不沈艦とも呼ばれ、ヘリオポリス崩壊からアラスカで連合を離脱、その後3隻同盟の中核としてヤキン・ドゥーエまでを戦った、歴戦の船である。
その艦はいまアカツキ島の地下ドックにてキラの言うカガリ救出の為に出撃の時を待っていた。
「本当にこれで良いのかしら?」
アークエンジェルの艦橋でマリューが漏らした一言に対してキラは語っていた。
「ええ、てかもうそうするしかないし、本当は何が正しいのかなんて僕達にもまだ全然分からないけど、でも諦めちゃったらダメでしょ。分かっているのに黙っているのもダメでしょ」
この混迷する世界で僕達に出来ることをするべきだ、2年前はそれで全部上手くいった。
そのころJは一人格納庫でジェイダーと向かい合っていた。そこにキラがフリーダムに搭乗するためにやってきて話しかけてきた。
どうやらJに援護を頼みたいらしい。キラによるとカガリの手紙にはむりやり結婚させられるから助けに来て欲しいと書いてあったと言う。
Jにとってキラ達は命の恩人である。またカガリはキラの姉で自分を匿ってくれた人物だ。
どのような理由かは知らぬが己の意に沿わぬ結婚をさせられそうになっており、助けを求めていると言うなら救援に赴かねばなるまい。
また、あの夜に自分が戦士だと自覚してからは、己の記憶を取り戻す為には戦いが必要だと感じていた、渡りに船とはこのことか。
「分かった、手伝おう」
了承するとジェイダーへと向かった。
結婚式は粛々と進み、誓いの言葉を述べる段になって俄かに周りが騒ぎ始めた。あのアークエンジェルが出現、しかもフリーダムと謎のMSがこの式場に向かって来ているという。
報告に空を見上げると迎撃にでたM1アストレイの両腕が謎の機体ジェイダーによって切り飛ばされた瞬間であった。
Jが踊るように全ての護衛MSの腕だけを切り落とし戦闘不能にすると後方からフリーダムがユウナとカガリの下へと舞い降りる。
ユウナはカガリの手を引いて逃走しようとするが、なれないドレスをハイヒールで踏んでしまったカガリが倒れて手を離してしまう。
急いで駆け寄って起こそうとするが直前でフリーダムの手に捕らえられるカガリ。
そのまま空へ飛び上がりアークエンジェルへ逃走を開始する2機のMSをみてユウナは叫び声を上げる。
「アークエンジェルを逃がすな、カガリを救出するんだ」
しかしこの命令は遂行されなかった、アークエンジェルは多数のオーブ護衛艦に囲まれながらも傷一つ負わずに海の中へと消えたのだ。
後日、事情聴取を行なったところ、「カガリ様の安全を優先しました」と判で押した答えが返ってきた、カガリを押さえて軍の実権を握ろうとした意趣返しのつもりのようだ。
そこまでアスハに尻尾を振るか馬鹿者共め、忌々しいがアスハ派の軍人を沿岸警備に回していたのが仇になったか、しかしあの連中がこれほどまでの馬鹿騒ぎを起こすとは考えていなかった。
オーブのことなど考えていない、自分達の感情だけでああも軽率な行動に出る。もしかすとこの混迷する世界で最悪の存在となるかもしれない。
嫌な予感を抱えつつもユウナはオーブの首長代理としてこれから先の事に考えを巡らせる事にした。
君達に最新情報を公開しよう
ミネルバ隊と合流した凱とアスラン
カーペンタリアを出港した彼らの前に姿を現す連合艦隊と奪われたセカンドシリーズ
戦いの最中、連合軍の基地を発見したシンの行動とは
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第6話 守るべきモノ にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF-X23Sセイバー
ども小話です
え〜とですね、彼は話の都合上暫くはコッチ側に居る事になるんですが
なんと言うか、あいつらの話は書いていてSAN値が下がるつーか
行動原理が理解できないので難しいつーか、ほんと困りますね
あとこの辺りから独自設定とか解釈が出てきます。鎧の事とか
キャラの立ち位置とか性格とかも変わる人が出てきますが
その辺り原作は尊重しますが話の都合上しかたないのでご勘弁を
ではまた
PS 前回の話は芳しくなかったようですね。頑張ります
GJッス!
乙!
Jがそんな安易に、短絡的で重大すぎる犯罪行為に加担するのがとても信じられないけれど、
その辺りは記憶喪失だし、話の都合で納得するしかないかな?
後、自分達の国が管理している、自分達にとっては大事な歴史的なモニュメントを、
テロリストにあっさり奪取された挙句、地球に落とされかけたという事実を、
落ちなかったからいいじゃんで済ませられる神経がとても理解できないんだが、
ガイ兄さんのそこら辺への意見表明はあるんだろうか?
現実的に当てはめて考えると、
核配備されたアメリカの軍事基地を、
死亡した前大統領の名を掲げるアメリカ人のテロリストが占拠し、
アメリカを除く全世界へと無差別核攻撃を実行。
それを阻止できなかったアメリカは他国の軍隊の助力もあって、
ギリギリ水際での迎撃に成功した……と言った、
政治的にもうどうにもならないような状況なのだが。
GGGJ!
646 :
一尉:2009/06/08(月) 20:36:06 ID:???
いいよ。小話君支援するよ。
647 :
通常の名無しさんの3倍:2009/06/09(火) 00:29:09 ID:u+XQWvEJ
お疲れ様です。前回も今回も、脳内でリアルに映像化してますよ。ユニウス砕きは、燃えました。ジェイダーの色とかノリで大丈夫です。次回もお待ちしてます
申し訳ありません。下げます。失礼致しました
GJ
「己の意に沿わぬ結婚をさせられそうになっており、助けを求めている」ってキラおまえ適当なことを…
本当のことがわかったらなんて事をしたんだと嘆くんだろうな、どんまい、J。
こいつらの思考は本当にわけわからん。
あと
>>644見るまでそれに気付かなかった…、サンクス
そうだよな、阻止しただけじゃ駄目だよな。
GJ。
「原作通りに書くとヘイト」とはよく言ったものだと……
確かに「二年間は訓練もしてないだろう技術畑」と「片目義手の元パイロット」が
撃退できる「特殊部隊」の存在意義って、ねぇ?
あれは特殊部隊は特殊部隊でも特殊「学級」部隊だというのが定説。
このユウナは悪党だけど悪者じゃない予感。
政治家はちょっと悪党ぐらいがちょうどいい。
特殊学級部隊の黒幕は(実行犯達が知らないのも含めて)
単にザラ派の暴走、ブルコスの工作、クライン派の自作自演、まさかホントにギル等
SSごとに違うとっても過言じゃないが、実はユウナだったというのは
いかにもありそうで案外なかった…かな?
アイアンリーガー、ラムネ、リューナイトがWiiでスパロボ参戦決定
ユウナというかセイラン家って普通に有能だしなぁ
連合に取り入ってウズミ自爆でマスドラとモルゲンがない利用価値0のオーブを完全に立て直してるんだから
しかもユウナってオーブ軍人より戦略面でも有能だから困る
隠れた実力者って扱いで何気に使いやすいキャラなんだよな
本編ではアホの子になってましたけど負債が使い切れてないのは確定的に明らか
「カガリより無能」というレベルまで落とすとあーなる、という事か?
しかも「生きてたら裁判とかやらなきゃならないから」という理由でグフにつぶされるし……
腐災の被害者という点ではシンと双璧だからなあ
だから二次では作品によって善玉の有能な指導者にもなれば、
悪役だとしても知性とクールさを維持してるケースが多い。
またネクロフィリア兼カニバリストというとんでもない属性持たされても
人気キャラとして定着してる例さえあるな。
>>656 そんなユウナがいるのか?<<ネクロフィリア兼カニバリスト
倉庫で「ザクレロSEED」を参照のこと。
言っとくけどそれでも作中で最も賢明な部類に入ってるんだよ
>>658 読んできた
ザクレロのかっこよさを再認識しました
なんつーかこれが正しい戦争って感じがしたなぁ
正直本編での戦力でも劣勢にしかならんはずだし
ただし種IF系で最もSAN値が下がるSSだから、気をつけて読むんだ
原作では人間を殺さない勇者が殺しまくるのはいささか妙な気分だ
なら宇宙クジラと戦わせればいいじゃない
いや、でも実際ルネはギムレット殺ってるし…
凱やJはキラと似たような戦法をするとして問題は氷竜をはじめとした勇者ロボ軍団だな。
彼らは三原則プログラムがあるから防御は出来ても有人機であるMSを攻撃出来ないぞwファイナルでカーペンターズがCR部隊にはノータッチだったし…
制約なく戦えるのはレクイエムのステーションやジェネシス位か?
どれもソリタリーウェーブや双頭龍で片付きそうだがw
彼らならきっと戦闘に参加せず、ダルマにされたMSの回収に奔走してくれるさ
つまり…
シン「な、何をやってるんだアンタ達は!?」
炎竜「見てわかんねぇか?人命救助だ!!」
氷竜「我々は三原則プログラムによって人への攻撃は出来ない。」
ボルフォッグ「ですがだからと言って何もせずに見過ごす事など出来ません!!」
風龍「戦術目標、第一種優先事項!」
雷龍「人命の最優先!!」
光竜「力を奮う事だけが戦いじゃない…」
闇竜「こうやって守る事も立派な戦いよ!」
ラクス「貴方方はそう言って力が有るにも関わらず…」
ゴルディ「ゴチャゴチャうるせぇぞ!!こんな状況を無視出来るほど俺達は腐っちゃいねぇ!!人の命がかかってるんだ、世界が違うとか関係ねぇんだよ。助かる命があるなら諦めず助ける!!それが俺達…」
「「「「「「「「「勇者っ!!」」」」」」」」」
マイク「だっぜぃっ!!」
って感じか。懐かしい、忘れてたあの頃を思い出す…
まあラクシズの理念は「自分達以外の武力行使を一切認めない」だからなぁ・・・
どんな平和主義だよw
「誰だ君はっ」
「俺か。俺は……正義の味方ジャングルJ!」
「ジャングルJ!」
「そう、正義は俺、俺=正義だ!!」
〜中略〜
「俺はやってるね。
俺が悪いと思った者は根こそぎ討って討って討ちまくっているね!!」
「な……なんか……何かコイツは怖いぞ!
もしもその、貴方の「悪」の判断が間違っていたら?」
「ふふふ、心配ない!俺は正義だ!!」
こんな感じの、平和主義というか、自称正義?
誰も
>>665のマイクの扱いに突っ込まんのかwww
え・・・原作通りでいいんじゃないかな
そもそもマイクの人気の無さは異常
こいつの玩具は欲しいとは思わない・・・
え、マイクが光竜闇竜の次に好きな俺ってもしかして少数派なの?
マイクか…当時嫌いでは無いけど好きでも無かったな、何か場違いな雰囲気がして
でもマイクブラザーズが活躍した時は燃え、散った時は泣きそうになったな…
そしてファイナルで出たディスクF(ソリタリーウェーブとゴルディオンハンマーの両方の効果を持つ攻撃)と橋を楽器にして戦う姿に痺れて今は好きな方だ。
つか勇者は全体的に皆好きだな。だがガンキッド、テメーの声だけは駄目だ
橋のワイヤーでソリタリーウェーブは確かにかっこよかったなあ
マイクはコミカルなのとアメリカンスタイルの二つを持っているのが好きだ
正直このまま活躍しないでマスコット的な立ち位置かと思ったなぁw
マイクはスパロボWでの演出に作り手の愛を感じて自分も好きになったな
マイク最初に見た時は乗り物や獣型ロボットから変形しなかったから「勇者ロボじゃねぇ!」とか思ったけど
前作に剣と大砲から変形する奴がいたの思い出してすぐに前言撤回したwww
しかし、ガオガイガーは今までになかったロボットの描き方が格好よかったから大好きだったけど、小学生の時はぶっちゃっけ設定の半分以上理解してなかったんだよなあ・・・
本格的なSF理論でまくりだったからなあ
ディバイディングフィールドとかちんぷんかんぷんだったわ
確かに当時護とタメだった俺は小難しい理論はいまいち理解できなかった…だが勇気と、ガッツとソウルを感じる事は出来た。
それで良いじゃないか…
ガオガイガー関連の雑談ばかりってのも少し味気無いからちょっと話題転換&議論提起
ここってやっぱり他のガンダム作品駄目なんかな?
種&00だけだとやっぱり勇者シリーズとのクロスだとキツい気がすんだ。
例えばエクスカイザー×∀とかゴルドラン×ガンダムXとかマイトガイン×クロボンとか面白そうじゃない?
まあ、旧シャア行けって話ですよね
>>681 うーん、特に書きたい作品があるわけでもないから、俺が言っても何かが変わる訳じゃないんだけどさ
わざわざ違う板に新しくスレ立てるか、っていうのは少し・・・・。
あっちへ行ったりこっちへ行ったりするのもあれだろうし。
後、普段2ちゃん検索から来てたからよく分からんのだけど種ってもう旧シャアの管轄じゃないの?
板全体の注意書き見たら、そんな印象受けたんだが
683 :
一尉:2009/06/13(土) 14:15:39 ID:???
あの、ジェイデッカーとガンダム00は。
>>680-682 ■シャア専用板はガンダムの話題全般を扱う掲示板です■
^^^^^^
良く読みこんだ方が良い
ああ、そういうことか。
今現在、00の話題を旧シャア板でやっちゃいけないだけで、宇宙世紀もありなのか。
ってことは
>>680で挙げた提案もOKってこと・・・・・ではないんだよな。
今のところ、テンプレに宇宙世紀とか平成ガンダムやっていいなんて書いてないし。
>>660 遅レスだが種死本編以上にSAN値が削られる種&種死二次創作など存在・・・してるだろうな。
ラクシズ全肯定派とかも恐ろしいことに存在してるから。
まぁ少なくとも
>>1のまとめサイトにはないだろうw
正直ラクシズを肯定すると本編の面影がない綺麗っぷりになるしな
>>682 種系はこれからずっと新シャア板
理由は昔、種放送時期に種厨が旧シャアにあたる板で暴れまくって種以前のガンダム板(旧シャア板)と種の板(新シャア板)に分かれたのが原因
当時の暴れっぷりが酷くて今でも旧シャアは種厨を毛嫌いしてるから古い作品は旧板にはいくけど種だけは新のままなのよ
種厨はどこでも嫌われているんだが
劇場版公開一年後までここに隔離されてるだけだ
今年発売されるスーパーロボット大戦NEOなんだが、歴代エルドランシリーズ(ダイテイオー含む)に加えてNG騎士ラムネ&40やリューナイトに獣神ライガー。
さらにはアイアンリーガーが参戦するそうだ。
ガンダムだと、Gガンダムしかないな、今回のは。
>>687>>688 な、なるほど・・・・。
とりあえず宇宙世紀や平成ガンダムはこの板的には問題ないんだよね?
スレでの結論が出てないだけで
>>689 まぁそいつらと問題なく絡ませられるガンダムはGガンかSDしかないだろうからなw
だがゲッター枠がよりにもよって新ゲッターなのが謎だww
目だ耳だ鼻だとか、生臭破戒僧とか、ドワォとか明らかに浮いてるよな
>>690 まぁ問題ないんじゃないの?
次スレからテンプレとスレ名を変えればいいし
693 :
一尉:2009/06/14(日) 16:44:14 ID:???
あの、そろそろ続きは。
勇者王ガオガイガー DESTINY
第6話 守るべきモノ
結婚式の会場から拉致されたオーブ連邦首長国代表カガリ・ユラ・アスハは怒っていた、しかも自分を拉致したのは弟であるキラ・ヤマトとその仲間達である。
「いったいどういうことなんだ、こんな馬鹿な事をして 彼方方まで一緒になって
結婚式場から国家元首を誘拐するなど国際手配の犯罪者だぞ 正気の沙汰か」
確かにこの結婚はオーブ国内を纏める為の政略結婚であり、自分で望んだ結婚ではない。
だからと言って国家元首の結婚式に乱入して花嫁を拉致するなどオーブの威信に係わる重大事だ、やって良い事と悪いことの区別ぐらい付くだろう。
ヒートアップするカガリを見て、この戦艦アークエンジェルの艦長であるマリュー・ラミアスが形の良い鼻梁を顰めながら申し訳なさげな声を出す。
「それは…ねえ」
「こんな事をしてくれと誰が頼んだ!」
もう一度カガリが怒鳴ると首謀者のキラが話しかけてきた。
「でも仕方ないじゃない、こんな時にカガリにまで馬鹿なことをされたらもう世界中がどうしようもなくなっちゃうじゃない」
「なにが馬鹿なことだと言うんだ、私はオーブの代表だぞ。私だって悩んだ末の決断だ」
そうだ、色々と悩んだのだ。オーブの代表として国と民を守らなければならない、そのための最善を考えた末の決断だ。
「それで決めた大西洋連合との同盟やセイランさんとの結婚は本当にオーブのためになるとカガリは本気で思ってるの?」
「当たり前だ、でなきゃ誰が結婚なんかするか。もう仕方が無いだろうがオーブを2度と焼くわけにはいかないんだ。その為には今はこれしか道は無いじゃないか」
確かに今回の開戦は大西洋連合の強硬姿勢が問題だがここでプラントに同調して連合を敵に回すことは地球の中で孤立を意味する。
ようやく復興してきたオーブの国内事情ではそれは避けねばならない。
「オーブが焼かれなければ他の国はどうでもいいの、いつかオーブが他の国を焼くことになってもそれは良いの?」
「いや、それはでも」
「ウズミさんの言ったことは」
「でも」
オーブの理念である『他国を侵略せず、他国の侵攻を許さず、他国の争いに介入しない』お父様が云わんとした事は敵と味方の2極分化を憂いたものだが2年前はこの理念こそが国を焼いたのだ。
「カガリが大変なことは分かってる、今まで何も助けて挙げられなくてごめん。でも今なら間に合うと思ったから、僕たちにもまだ色々な事は分からない。でもだからまだ今なら間に合うと思ったから」
そう言ってカガリへ指輪を差し出すキラ、その指輪を見た途端に涙が溢れてくる。オーブの為に殺した一人のカガリという少女が顔を出してくる。
恐る恐る指輪に手を伸ばす、理性は「受け取るな、受け取ればオーブを裏切ることになる」と警鐘を鳴らす。
しかし此処にいるのは自分の身内だ、その甘えが理性を押しのけてしまった、指輪を手に取った瞬間、愛しい男の顔が浮かんで涙が溢れてくる。
「みんな同じだよ、選ぶ道を間違えたら行きたい所へは行けないよ、だからカガリも一緒に行こう」
「キラ」
「僕達は今度こそ正しい答えを見つけなきゃいけないんだ。今度こそね」
「如何しようと言うんだ、お前は」
「それを一緒に探していこう、カガリ」
泣き崩れるカガリ、その肩を抱いて子供でもあやす様に頭を撫でるキラ。
カガリはオーブの国家元首としての不甲斐なさと一人の女としての安堵でただ泣き続けているしかなかった。
そのころJは一人格納庫で物思いに耽っていた。自分が戦士だと自覚してからはどうにかそのあたりを切っ掛けに記憶が戻らないかと色々と思い出そうとしているのだが上手くいかない。
やはり戦場の命を懸けた空気の中でしか伝わらぬ、あの緊張感が無ければ駄目なのかもしれない、そう思い悩むJにラクスが話しかけてきた。
カガリ救出への礼と自分達はこれから世界を平和にする為の活動を開始するつもりだ、ついてはJにも力を貸して欲しいということだった。
「私達はこの世界の自由と平和の為に戦うつもりです、しかし想いだけでは駄目なのです。
Jさん、彼方の力をお貸し頂けませんか」
「良いだろう、お前達の想いが本物ならば、そしてそこが私の求める戦場であるならば力を貸そう」
暫くの逡巡のあとJは協力を約束した。
ミネルバがオーブ沖で連合の艦隊から脱し、カーペンタリアに寄港して修理を受けている最中、艦長であるタリア・グラディスは基地司令の執務室に呼び出されていた。
「タリア・グラディス出頭しました」
声を掛けて部屋へ入ると其処には司令以外に二人の人物が待っていた。
一人は鍛え上げられた肉体、腰まで届く長い髪、瞳は熱く燃え、2m近い長身に勇気が漲っている、我等が勇者王、獅子王凱。
もう一人は憂いを秘めた瞳、きりっとした顔立ち、無駄に広い凸、ヤキンの英雄、アスラン・ザラであった。
思いも寄らぬ人物たちとの再開に面食らうタリアだが二人の服の襟元にFAITH(フェイス)の徽章が付いているのに気が付いて直ぐに居住まいを正して礼を取る。
議長直属のフェイスには部隊指揮官である白服の自分よりも権限が与えられている。
それを見て取った基地司令は苦笑いを浮かべて楽にするように伝えるとタリアの前に小箱を差し出した。
訝しげな表情を浮かべてから箱を手にして開けて見ると其処には二人と同じフェイスの徽章が入っていた。
「これは如何いう事でしょうか?」
尋ねるタリアに司令は任命書と命令書を渡してから、肩を竦めておどけてみせると凱たちに一瞥をくれてから口を開く。
「知らんよ、理由はそっちの二人と話してくれ。用件は以上だ、全員退出していいぞ」
これを受けて三人が部屋を出て基地内を移動、休憩室に到着して話の口火を切ったのはやはりタリアだった。なんとなく眼が冷たいのは勘違いだと思いたい。
「で、これは如何いう事かしら」
これに答えるのはアスラン、続いて凱である。
「いえ、自分達はグラディス艦長の所へ行って任務に就くよう言われただけですので」
「艦長なら面識があるから丁度良いだろうって議長がな」
「じゃあ彼方達二人が補充のパイロットなのね、あの人も何を考えているのかしらね」
それを聞いて一つ大きな溜息をつくと命令書に眼を通すタリア、その顔がすぐに真剣なものに変わり、再び二人に視線を向ける。
「彼方達、命令のこと知ってる?」
「いや、なにも聞いていないな。アスランはどうなんだ」
「いえ、自分もなにも聞いておりません」
「そう、ミネルバはジブラルタルへ向かいスエズ攻略中の友軍を支援せよ。これが命令の内容よ」
スエズ、ユーラシア西側に位置する連合の要衝である。またこの地域は現在内戦状態に陥っている。
前の戦争の頃からつねに大西洋連邦に言いなりにされている感のある一部の地域が分離独立を叫んで揉め出したのだ。
それがこの度のプラントとの開戦で一気に火が付いた。徴兵されたり、制限されたり、もうそんな事は御免だと言うのが抵抗している地域の言い分であり、それを連合軍側が力で制圧しようとしてかなり酷いことに成っている。
「そこへ行けという事でしょつまり、我々の戦いはあくまでも積極的自衛権の行使である。プラントに領土的野心は無い、そう言っている以上下手に介入は出来ないでしょうけど行かなくては成らないのはそういう場所よ。覚えておいてね」
連合はいくつかの自治国の集合体だ、その連合を構成する国の上層部は連合から離脱したくない、しかし国民は前回と今回の戦争で連合軍のやりように嫌気が差して、自治独立を言い出した。
無論、独立を認めてしまえば領土が縮小する連合としては認めるわけにはいかない。よって軍による鎮圧となったがこれが内乱にまで発展してしまった。
そこに行けと言うことはこの分離独立運動を支援して連合の力を削ごうという事である。
凱としてはこういう国家間の揉め事や内乱に介入するのは違う気がするが一番苦しんでいるのは力を持たない民間人であり、
連合軍のプラントへの無差別な核攻撃も然る事ながら、この戦争事態、半ば連合側の言い掛かり染みた強硬姿勢で開戦に到ったものである。
その上に戦争継続の為に強引な徴兵や徴発を行なっているなど許しがたいという思いの方が勝る。
「つまり連合の基地を叩く事が結果的に独立運動の支援になるという訳か」
「そういう事ね、そしてそれがプラントの為になるという事よ」
タリアと凱のやり取りに口を挟まなかったアスランだが話が一段落したところで提案をだす。
「MS部隊のことなのですが、自分と凱さんはフェイスです。どちらかが隊長に就任するのが適当かと思いますが」
これにはタリアも「そうね」と言いよどむ。この世界におけるネームバリューならヤキンの英雄であるアスランだろうが、実績は凱も負けない、というよりミネルバのクルーはユニウス7を破壊したあの光景を忘れないだろう。
正直どちらにするか迷うところだ、そうなれば後は本人の意思と資質だ。
「彼方達、現場指揮の経験はあるのかしら」
この質問に対する答えはそれぞれの返答はこうである。
「自分は前の戦争の時一隊を率いたことがあります、もっとも同期ばかりの隊でしたが」
「おれはGGGでは機動部隊の隊長を務めていた。隊員達は優秀な連中だったから特に部隊運営で苦労した覚えは無い」
この答えを聞いてタリアは少しの間目をつぶって考えた。
アスランには殆んど指揮経験が無いということだが、凱の仲間とやらはみんなあのガオガイガーみたいな機体に乗っていたのだとしたらMSに慣れているほうがいいかもしれない。
「そうね、アスランお願いできるかしら。凱は色々と規格外だから通常の指揮系統には組み込まずに独立で動いてもらうほうがいいかしらね」
最後に「どう」と付け加えると二人ともがそれを了承した。
シンは基地内のPXで買い物を終えてミネルバへ帰ってきたところで見慣れない同型のMSが2機ハンガーに搬入されてくるのを見た。
そういえばここでパイロットが補充されると言っていた、ここは一つ挨拶でもと思いハンガーへ直接行ってみると意外な顔に出くわした。
「ようシン、また宜しくな」
「凱さん、何で此処に。それに宜しくって如何いうことですか。え、まさか補充って凱さんなんですか」
捲くし立てるシンに先にその場に来ていたルナマリアが肘鉄を入れて耳打ちする。
「バカ、凱さんはフェイスになったのよ。言葉には気を付けなさい」
そう言われて改めて凱を見ると襟のところにフェイスの徽章が見て取れる、慌てて身だしなみを整えて敬礼するシン達一同に向かって笑いかける凱。
「ハハハ、前と同じで構わないさ、正直よく分かって無いしな。それにこのフェイスだっけ? 俺だけじゃないぞ艦長とアスランもだ」
「えっ」という顔をするクルー一同、そこに先程搬入されたもう一機のセイバーからパイロットが降りてくると凱の隣に並んで挨拶をしてきた。
「特務隊フェイス所属、アスラン・ザラだ。今日からこのミネルバのMS隊の隊長を務める事になった、よろしく頼む」
その後控え室でミネルバのMSパイロット達は自己紹介をかねて別れてからの事を話し合っていた。
シン達の話がオーブでの事になり、そこからカガリ誘拐の話に飛んだところで事を知らなかったアスランが立ち上がって大声を出した。
「カガリが誘拐された? そんな馬鹿な、いったい誰がやった? 何でそんなことに成る!」
「フリーダムとアークエンジェルが代表を攫ったって話です。何が如何なっているのかなんて分かんないですよ」
「しかも、なんか結婚式の最中に攫われたらしいですしね」
「けっ結婚!?」
「報道では代表とセイラン家の某かとの結婚式の最中にフリーダムと機種不明のMSが乱入し代表を拉致したそうです」
さらに大声を上げるアスランにレイが感情を交えず肯定を返すと、アスランは一言謝ってから座りなおした。
「アスランは代表の護衛をしていたな、代表とは個人的にも親しかったのか」
この凱の質問に対して答えに窮するアスラン。正直に恋人ですとは言えない、かと言って単なる仕事上の付き合いですとも先程の狼狽振りを見せた後では信じてもらえないだろう。
「あ、はい年齢も近かったですからプライベートでも多少は親しくさせて貰っていました」
と嘘ではないが本当でもないあたりの無難な答えをするに留める、
それを聞いて凱はアークエンジェルとは前の戦争の時に活躍した連合の船だ、連合との同盟が成ったというのにそれがどうしてオーブの国家元首を攫うのかと疑問を投げかける。
確かにアークエンジェルの元々の所属は連合だが最終的にはプラントのエターナル、オーブのクサナギと共に3隻同盟なるものを組みプラント、連合の双方に攻撃を仕掛けてきた、詳しくは同盟に参加していたアスランに聞いて下さいとレイが答える。
話を振られたアスランは、自分達はただ戦いを止めたかった。だから敵とか味方とかでは無く全ての戦いを生み出す者達と戦ったと答えると凱は難しい顔をして口を開いた。
「それは力で全てを解決したということかい、だとしたら危ないな。今回の代表の拉致も力さえあれば如何にでも出来ると考えての行動かもしれない」
もちろん戦争が終わったのは良いことだ、しかしその力で解決出来た、出来てしまったのはその3隻同盟に参加した者の心に力に頼り、自分達の意見を押し通そうとする驕りが芽生えたのではないかと締めた。
凱の言葉を聞いた全員が一様に何かを考え始めてしまった、その中でもアスランは遠く離れた仲間たちに思いを馳せていた。
『キラ、ラクスそれにカガリお前達は何をしようとしているんだ』
ユウナ・ロマ・セイランは連合より送られてきた書状を読んで頭を悩ませていた。
内容はザフトを討つために戦力を提供しろということだが、今の情勢下で早々軍の派遣はしたくないのだが同盟を結んでいる以上拒否は難しい。
このような属国じみた同盟などユウナとしても結びたくは無かったのだが現在のところオーブには外交で切れるカードが無いのも事実なのだ。
これが2年前ならばモルゲンレーテの技術やマスドライバーの優先使用権などで交渉を行うことも出来たのだが、
モルゲンレーテは稼動を始めてようやく新型MSムラサメの量産体制に入ったところである、こちらの技術優位性確保を考えれば次世代機が出来ていない現状で他国に対しての技術供与に踏み切るには時期尚早。
マスドライバーは現在再建中で完成まであと数ヶ月は架かるため交渉には使えない。
しかもこの二つの再建を優先させた為にいまだに仮設住宅で暮らしている国民もいる、そのおかげでセイランは国民受けが悪いのだ。
つくづく2年前に前首長ウズミ・ナラ・アスハを説得出来なかったことが痛い。
じつの所ユウナはウズミを尊敬していた、ウズミの治世でオーブは発展していたし、国民も大過なく生活が出来ていた、だからこそ2年前の暴挙が許せなかった。
それまで賢人として国を治めていたのが連合、プラント間で開戦の気運が高まると行き成りにオーブの理念なるものを標榜し始めておかしくなっていった。
『他国を侵略せず、他国に侵略を許さず、他国の争いに介入しない』
いわゆるアスハの中立宣言である、これも初めは良かった。父ウナトも支持したし、自分も賛同した。
しかし情勢が変化するにつれて前二つの文言はともかく最後の一つは邪魔だった。せめて『他国の戦闘には中立を貫く』あたりにしておけば交渉のしようもある。
連合、プラントの双方に対してオーブを攻めるより味方につけた方が得だと思わせることも出来たのだ。
事実2年前の連合の協力要請の通達があった時は自分を始め何人もが考え直すように進言したのだが、結局受け入れられずに国を焼く所まで行ってしまった。
しかも父を始めとしてウズミを諌めたものは政治犯扱いで自宅に軟禁される始末であるし、サハクの離反も国を焼いたウズミに対する反感が元にある。
考えるにウズミは治世にあっては能吏であったのだろうが、乱世においては時勢の読めぬ凡人か、争いに巻き込まれる恐怖に負けた小人であったのだろう。
「そうだ、国とは理念でも我々氏族でも無い、国土と国民こそが国なのだ」
氏族と理念とは国土と国民のために存在する。ならばこのオーブを2度と焼かない為に今は連合に逆らう訳にはいかない。
自分の力で国を守れない悔しさを噛み締めながらユウナは次の手を考え始めていた。
カーペンタリア基地を出港したミネルバとボズゴロフ級潜水艦ニーラボンゴはインド洋沖を次の寄港地である、マハムール基地に向かって航行しているなかで凱が甲板に出て海を見ていると後ろからシンが声を掛けてきた。
雑談に応じる凱とシン、その中でシンは凱が戦う理由を聞いてみたくなった。
「凱さんはどうして戦うんですか」
凱の戦う理由、それは力の無い人を助ける為だ。
だからこそユニウス7のテロリストやプラント市民への核攻撃などという虐殺行為を容認するような連合軍の裏に存在するというロゴスと戦うと決めた。
凱にとってそのような連中は許すことが出来ない、凱は人を守るからこそ人を傷つける人間は許せないのだ。
バイオネットにもメタルサイボークやハイブリットヒューマン以外の普通の構成員もいたし、パスキューマシンを奪いパピヨンの命を奪ったレプリ護も本物と思ったままでその手に掛けた。
本当なら命は命だ、奪うことなどしたくはない。だが他者に対して害意を以って脅かすというなら、戦う事でしか守れないものがあるなら容赦はしない。
「俺は人を守りたい、その為に戦う事を選択した。本当はもっと違う方法があるとは思うけどな」
「違う方法ですか、それってどんな方法ですか」
その質問には凱もまだ分からないと答えてからシンの目を見て続ける。
「シン俺達は戦う力を持っている、でもそれは同時に奪う力でもあるんだ。自分が何のために何と戦うのか良く考えないとな」
シンは家族を戦禍で奪われている。家族を亡くした悲しみが、守れなかった力の無い自分が許せなかった、それがシンの戦う理由だ。
「俺も人を守りたいから戦う事を決めました」
何と戦うか、何のために戦うかと聞かれたシンはそう答えた時にミネルバにエマージェンシーコールが鳴り響いた。
すぐにハンガーへ急ぐ二人、先に来ていたアスランに話を聞くと連合軍の空母を含む艦隊が接近中との事である。
各々は自分の機体に乗り込み出撃を待つ。
「コントロールより各MS敵機は連合のMSウィンダム多数、またカオスが存在していることが確認されました。発進どうぞ」
メイリン・ホークより出撃のアナウンスが流れ次々とミネルバを発進していくMS。
「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます」
「アスラン・ザラ、セイバー発進する」
「レイ・ザ・バレル、ザク発進する」
「ルナマリア・ホーク、ザク出るわよ」
「フュージョン」
掛け声と共にコクピットハッチが開き自分のセイバーへ跳びこみフュージョンする凱、コクピットのレイアウトは凱の説明からガオファーの物を若干違うが再現したものである。
「セイッ バー!」
発進した凱たちの前に連合軍が展開していた、ざっと見ただけで30機はいるだろう。
「レイとルナマリアはミネルバの護衛につけ、撃ち洩らした奴らは頼んだぞ」
海上での接敵を予想してカーペンタリアで積み込んだSFS(サブフライトシステム)グゥルに乗ったザク2機を直援に回し、前方のMS群に吶喊する三人。
それぞれに敵機に向かうシンのインパルスとアスランのセイバーだったが紫色のウィンダムとカオスに張り付かれた形になってしまう。
カオスが居る以上はアーモリー1を襲撃したあの謎の部隊の人間だろう、それが連合軍と行動を共にしている。
つまり連合は開戦前からプラントに対して戦闘を仕掛けていた事になる。そういう事ならばユニウス7の件は口実でどちらにせよ近いうちに開戦していただろう。
「始めからそのつもりだったか、アムッフォルッタス!」
力強い声と共に凱のセイバーが放ったプラズマビーム砲が中央にいた数機をまとめて撃破する。
凱の一撃で口火を切った戦いはMSの戦力比が10:1でありながら、凱とシンの活躍もあってミネルバ勢が優勢となっていた。
凱のセイバーがビームライフルとアムフォルタスを駆使して敵を次々と落とす中、アスランはカオスとの戦いの場を上空へと移し、シンのインパルスはネオの操るウィンダムを追ってミネルバから離れてしまった。
それを見咎めたアスランが戻るように通信を送るがシンは敵を落とすことに夢中で聞いていない。
それを見た凱は4分の1まで減った残りの敵機をミネルバの護衛に専念していたレイ達に任せるとシンを追っていく。
追った先でガイアとネオのウィンダムに挟まれて苦戦するインパルスを発見して援護に入る凱。
ウィンダムがビームライフルを撃ってくるのをかわしながらビームサーベルを引き抜き切りつけるが紙一重でかわされる、擦れ違いざまにウィンダムがセイバーを蹴り飛ばす。
「ぐうっ」
衝撃に声を上げる凱、フィージョンは凱と機体を直接繋ぐ操縦方法なので通常の操縦システムに比べて反応速度が格段に上がるが機体に負ったダメージが痛みとなって凱に伝わるのだ。
油断のならない相手と見て取り、気を引き締める凱にウィンダムのネオから通信が入ってきた。
「お前さん、宇宙で俺とやりあったパイロットだな。て事はあの黒いMSに乗っていた奴だろう。」
どうやらこの世界で初めて戦ったMAのパイロットのようだ。
「こんな所でまた会えるとはな、あの時の借りを返させてもらう」
「そう簡単にはいかないぜ、来いっ」
激しい戦いを繰り広げる凱とネオだが、ネオの元に用意したMSが全滅したことが知らされる。
「数はこっちが上だろが、なにやってんだか」
不甲斐ない味方に悪態を吐くとステラ、スティング、アウルの三人に撤退を促して離脱を試みるネオ。
「今回は逃がさん」
それを見咎めて追いかける凱だが視界の端に建物を攻撃するインパルスが映る。
「シンが攻撃しているあれは連合の基地か」
よく見るとただ攻撃をかけているだけではない、どうやら逃げ回る連合兵を追い回しているようだ。
「あいつ、何をしているんだ」
ガイアとの戦いのさなか横から攻撃を受けたシンはそこに連合軍の基地が存在することに気がついた。
しかも戦場となった基地であるにも拘らず土木作業に従事していたらしい民間人がフェンスに向かって走っていくのが見えた。
これだけなら戦いの後に対処すれば良いだけなのだが、シンの目に衝撃的な光景が飛び込んできた。逃げる民間人に向かって連合兵が発砲したのだ。
次々と倒れる人々がシンのトラウマを刺激する。
「なにやってんだ、お前らはぁ!」
感情のままに基地を攻撃し始めるシン、粗方の施設を破壊して基地の周囲に張り巡らされたフェンスを引き抜き市民に向けて声を掛ける。
「さあ、みんな逃げて」
そこから逃げ出す人々と逆になだれ込んで来る人を見ながらシンは人を助けられたと思っていた。
シンの行動を見てウィンダムの追撃を止めて基地に下りる凱。
その凱の目に基地の倉庫から物資略奪に走る者や降伏したり怪我をした兵士に暴行を加える人々の姿が飛び込んでくる。
セイバーとのフュージョンを解除して飛び降りる凱、地面に着地すると連合兵に暴行を加えている市民を力尽くで引き剥がしていく。
「止めろ! 何をやっているお前達は」
救出した連合兵たちを背中に庇いながら集った人間を前に怒声を浴びせて一喝する、その迫力に驚いたのか静まり返る群衆。
それでも収まらないのか何人かの男達から声が上がる。
「そいつらを引き渡せ、今迄の恨みを晴らすんだ」
その声を境に再び勢いづく人々、それでも退こうとしない凱に向かって何処からか石が投げつけられる。
その内の一つが凱の額に当たり血が流れるが、凱は血を拭う事もせずに立ちはだかる。
「ここに居るのはあんた達と変わらないただの人間だ、一つの命なんだ。恨みがあるのは分かる、それを許せとは言わない。だが、私刑を見過ごすことは出来ない」
凱の説得にも激昂する群集からの投擲が止むことはなく、次々とその身に石が投げつけられるがそれでも説得を続ける凱。
「ここでこの連中をあんた達が討てば今度はあんた達がその恨みを受けることになるんだぞ。その覚悟があるのか」
そう言われて怯む群集から中から離脱する者が出始めると解散まではそう時間は掛からなかった。
その光景を見ていたシンは凱の行動が理解出来ずに目を丸くしていた。
ミネルバに戻ったシンはアスランに平手打ちを食らった、
「なんで命令に従わなかった、それに連合の基地に勝手に攻撃を仕掛けるなんて何を考えてる。戦争はヒーローごっこじゃないんだぞ」
「殴りたければ殴れば良いでもね、俺はなにも悪いことはしてませんよ、あれで皆が助かったんだ」
叱責されたシンは悪びれることなく反論するが、そこに凱も加わった。
「歯ぁ食い縛れぇ!」
足早に近づくと右の拳を振り上げてシンの左頬に炸裂させる。
もんどりうって吹き飛ぶシン。さすがに其処にいた全員、先にシンに平手をみまったアスランですらギョっとした。
シンの前に仁王立ちで陣取ると静かな声で語り始める。
「シン、命令違反のことは良い、現場の判断とかもあるだろう。それにあの人達を助けたのも問題無い、だがな略奪や連合の兵士が私刑を受けるのをなぜ黙って見ていた」
真っ直ぐにシンの目を見つめて問いかける凱。
「気づいていなかったとは言わせないぞ。何故だ」
「そ、それはだってあの人達は連合に苦しめられていたんですよ、仕返しくらい当然じゃないですか」
この言い分に凱はシンを怒鳴りつける。
「バカ野郎! お前は分かっていない。いいか、どんな理由だろうが捕虜への過剰な暴力や虐待は国際法で禁止された行為というだけじゃない。
あの人達が激情にまかせて連合の兵士を殺してしまったら後で正気に戻った時にどれ程苦しむか解らないか」
自分達のように人を守るために人を討つ事、そして討つ覚悟を決めると同じように討たれる覚悟をしていない人間が周囲の熱に浮かされたような暴走に酔ったあげく、勢いで凶行に走って命をその手に掛けてしまえば、正気に戻った後でどれ程苦しむのか。
だからこそ、軍隊や警察という組織が必要なのだ。シンは今まで敵はただ倒せば良いと思っていた。
肉親を奪われる悲しみはシンには良くわかる、自分も家族を奪われたからこそザフトに入ったのだ。しかし討つ苦しみまでは考えていなかった、というよりも討つことは当然のことだと思っていたのだ。
「いいかシン敵を討つのは間違いじゃない、そうしなければ守れないモノはある。だがな敵だからといって全てを討てば良いなんて考え方は絶対に間違いだ。俺達がなんの為に戦っているのか、もう一度よく考えろ」
凱に言われて人を守る事の難しさを痛感する。それだけを言って踵を返し去っていく凱、その背中を見つめながら近づきたいと思った男を遠くに感じるシンだった。
ちなみに言わんとした事を否定された上に説教まで凱に取られたアスランは、横から意見を言おうか迷っているうちに全て終わってしまって途方にくれていた。
君達に最新情報を公開しよう
インド洋で死闘を繰り広げたミネルバ隊はガルナハンに到達した
一人の少女に救援を要請された凱達はガルナハンにある連合基地の破壊を決定する
鉄壁の防御を誇る基地の防衛網を破るためシンは一人危険な作戦に挑む
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第7話 信頼 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ コアスプレンダー
ども小話です
アイアンリーガーは無茶だろw
本体持ってないんで出来ませんがね
ところでこのスレでよく話題になりますが凱が人間と戦うのに違和感がという話ですが
個人的にはあまり無いです、バイオネットだって犯罪組織ではありますが宇宙人とかじゃなくて
地球人ですし、ギムレットは生身だったのが漫画版でやられてからメタルサイボーグになりますし
本文でもちょっと触れましたけどレプリ護も凹ってますし
敵認定したら意外と容赦しないんじゃないかなと思っています
Jは戦士なので戦場に出る=命を賭けると考えるのではと思います
なので実際はキラみたいな覚悟の無いのは大嫌いだと思いますが
なぜか泣き言を言うときにはJはその場に居ない不思議(笑)で話が進みます
勇者ロボ達はやろうとしてたネタ書かれちゃいましたね
でも書きますけどね、他の活躍の仕方も考えています
感想はとても励みになります。ネタにもします。
長文失礼しました
ありがとうございます
ではまた
人間と戦うのは世界的犯罪者であって、この場合は国同士の戦争だからなぁ…
まぁ敵と認定したら親友という名のライバルにも容赦がない勇者王だけど
しかしキラさん相変わらず何も考えてないね
本編通りにするとアンチにしかならないのがいるとssって難しいよね!
そういえば某ビークルロボが逃げようとするとギムレットに攻撃してるけど何気に人間扱いされてない?
どうもこの凸はジョジョや閃ハサのクロスと違って、
ガイとの関わりで成長していくであろうシン達から置いてけぼりにされそうだな。
あとは早いとこJがラクシズのアレさに気付いて脱出してくれればいい訳だが。
(オプションとしてカガリを連れ出すかどうか微妙なところ?)
GGGJ!
どうもこの凸は裏切りそうだな・・・
どうせ最後はラクシズ光になれーだろ
ガオガイガーを汚すな
GJ!!
セイッ、バァー!!に吹いたw
この凱は実に凱らしい…しっかりと檜山ボイスで変換されます
しかしここまで来ると最終的には機械新種みたいなのが現れて皆が一丸となって共通うの敵を…みたいな展開を妄想してしまうw
原作でやってもいないことや発言を捏造して、それをSEKKYOUするという展開は感心できないな
典型的な最低SSの規定路線を順調に進んでるぞ
>>708 そんなに原作に忠実なのが良いなら、DVDでも見てれば良いと思うの
キャラを改悪してまでクロス先のキャラを持ちあげてはいけないって言ってんだが
仮に凱が原作でやってない言動をして、その部分を他作品のキャラに説教されてるの見ても、何とも思わないのか?
今回の場合についてはちっとも思わんね。
住民の復讐の放置ならテレビでも残念ながら充分起こり得ることだし。
だから死ぬまでDVDだけ見てればいいんじゃね?
なるほど、勇者側が改悪されて踏み台にされても文句は言わないと
死ぬまでDVDだけ見てりゃいいんだものな
改善するのはいいけど改悪するのは駄目でしょ普通に
まあこの板は種キャラだったらどんな扱いにしてもいいという風潮がいまだに根強いからある程度仕方ない面もあるんだろうけどね
次回のコニール出てくるところで(種死原作な)私刑シーンがあったから、それの伏線じゃね?
多分今回反省したシンがあそこの住民の暴挙止める展開なんだよ、きっと。
ガルナハンでの私刑はアニメだとシンは肯定したわけじゃなくて、単に目撃しなかっただけだからね
実際に幾ら連合相手とはいえ無抵抗な人間が殺されるのを黙って見てられる奴じゃないと思う
高山版のシンは逃げる連合兵をビームライフルで蒸発させたりしたけどw
うーん、どーだろ?
ある意味一途な性格だから、シンが私刑見た後の選択肢っていくつも存在すると思うんだ。
今回のように憎しみを肯定したり、逆にそれを止めたり、あるいは理解が追いつかずに呆然とそれを眺めることしかできないかもしれない
もっとも、シンの上官で肯定こそしてないけど、目撃してるのに、何もしなかった奴がいたけどな
>>715 高山版のあれはインド洋の話がそのままシフトしてるんで、連合が現地人虐殺してるのにキレての行動だからな
718 :
一尉:2009/06/15(月) 19:10:40 ID:???
凱旦那、アナタはとっても素敵です。そうえばデルタアストレイではアグニス達はスウェン達の戦いがありましたよ。ところでアグニス達とスウェン達の出番はいつ出ますか。
もうそいつに関わるな
要は難癖つけて作者を追い出したいだけなんだから
このスレにも湧いたのか・・・
最低SSとか言っちゃってる時点で
荒らしの巣窟騙るスレ住人又はラクシズ厨の荒らしの推定が働くなw
三匹目だろ
この前別スレで生息が確認されたし
こいつのせいで筆折っちゃった職人が何人もいるし、未完になったSSは数知れず
アレな奴と一緒に叩き出すしかないな
ダ・ガーンやエルドランシリーズとのクロスでヘイトやらかすような作者は叩くけど良いよね?答えは聞かないけど
まあ俺たちはお前を全力で叩くけどな
いいかげん巣に帰れよ
>>723 この板はそういうのが大好きな豚のすくつだからお前は向いてないよ
とっとと理想郷にでも帰んな
設定の捏造や説教があると最低SS?
そうほざく奴はディ○イド見てから出直してこい。あれを見たあとで文句言えるなら二次創作全般を受け付けないんだろうよ
まああのゴキブリが言い掛かり付けるということはむしろ良作の証なわけだがな。
ただディケイドはギャラが高い・本人か事務所拒否でオリジナルを使えないことによる
「リ・イマジネーション」だから2時とはやや趣を異にするんだよな
でも少なくとも世界観や設定まで変える必要は無かったよな…
不完全なエクシードギルスやライダー裁判、スマブレ学園に人造アンデッドなジョーカー、音撃道(笑)、お婆ちゃん生存、バイオリン引けない父親とか…
まぁそれ以前にイミフな笑いのツボや根拠も説得力も何もない説教、クロス先踏み台とかいろいろあるけど
リ・イマジネーションとは言え最低SSの定義にはガチで当てはまるな…
つかこれ以上はスレチだな。すまん…
捏造や改変を認めないならこうなるぞ。
1、最終戦でガオガイガーや勇者ロボが、和田と隠者に手も足も出ずに一方的に
ぶっ壊されて、凱と命がキララクに泣きながら屈服。
2、洗脳電波にやられてラクシズ+GGGがプラント、連合をフルボッコ、
責任とらずに自分の世界に帰る。
3、種キャラと話は完全シカトで宇宙鯨と戦う。
こんなん読みたいか?
をーい、捏造や改変をしないとそうはならないよ。
1)種世界でGGGメンバーにダメージを与えられそうな武器は、陽電子砲クラス以上の武器のみ
2)ラクスの洗脳ヴォイスの効果は、設定上コーディネーター(特にプラント産)にしか効果がない。
3)人格的・設定的に、GGGがラクス達に迎合する筈がない(だって、長い間犯罪シンジゲートと戦い続けてきたんだぜ?)
上記三点を無視している以上、
>>730の言う展開も捏造や改変に当たる。
と言うか、むしろ今までの人間が言っているモノよりも酷い改変だな。
原作の設定を完全に踏襲した上で、合理的な結果をシミュレートし、
それを説得力ある文章として書き上げる事が唯一の道だが、
原作の設定を踏襲した時点で、何らかの情報制限を受けない限り、
GGGメンバーがラクシズやプラント側に尽く事は絶対に有り得ないと言う結論ががががが……。
最も合理的な判断は、ジェネシスのような中立国にも大きな被害を受ける無差別攻撃や、
大規模テロ行為にのみ干渉するが、基本種キャラ自体はシカトして、宇宙鯨と戦い続ける、だな。
しかし、種・種死の内容を考えると、いつの間にかプラントやラクスと対決する事になってしまう罠ががががががが……。
因みに、レクイエムや核攻撃は、プラント限定の攻撃なので、GGGの攻撃目標にはなりません。
最終戦でラクシズがガオガイガーや勇者ロボに手も足も出ずに一方的にフルボッコされてりゃどうでもいいよ
やっぱり一番無難なのは木星の羽鯨と融合した機械新種を倒すためにナチュやコディやラクシズとか関係なく一丸となって〜ってのが燃えるかなぁ…
GGGがラクシズマンセーするのは嫌だがだからと言ってラクシズフルボッコするのもつまらんと思う俺は異端?
そんなこと言っても無駄無駄
この板の大半の住人はミネルバが他作品キャラの忠実な舎弟になって、
ラクシズが完全論破されて皆殺しにされるSSにしか興味が無いんだよ
だからそういうのが読みたければ理想境でも行ってろ
二次創作だから基本何やったっていいんだよ。
それこそ、GGGをラクシズがフルボッコにしようが、ラクシズを光にしようが作者の自由。
今やってる話題だけでなく、例えばエクスカイザーが人殺す話だって、作者が書きたいならそれも自由なんだよ。
そして、それを読まない自由も読者にあるんだから。
気に食わなきゃレスせずにスルーすればいい。作者にとって一番苦痛なのは無視されることだしさ。
まあ、最低限本編投下前の注意書きすれば荒れないと思うよ?
それで荒れたら完全に読み手側の責任。
好き放題書くけど批判は嫌でござるですね分かります
まさにキラそのものじゃないかw
まあ勇者側の描写については毎回ツッコミがはいるのに種側についてはそれがないところ見ると、種にはほとんど関心なくて、とにかく勇者さえ活躍してれば満足な人ばっかなんだろうなってのは感じる
>>736 そうは言うが、批判はしない、スルー推奨はどこのSSスレでもやってることだぞ?
理由としては、スレが荒れるから、作者が逃げるからの二つ。
それが原因で潰されたSSスレは何個もある。
つまるところスルー推奨は過去の教訓から得たSSスレの大鉄則だ
>>738に付け加えると注意書きもそう。
どんなに頑張っても万人向けな作品なんて作れないんだから、自分の作品が嫌いな人の為にある程度注意書きをしておくのは書き手のマナー
しなくてもいいところもあるけど、ないよりあった方が喜ばれるのは確か。
ふつーに考えれば、基地攻撃の命令を受けてないのに勝手に攻撃したりするのは、
越権行為に当たるんだがね。更に連合兵がリンチされてるのを放置するのも、
マズかろうと。ハーグ陸戦条約(CE世界にあればの話だが)とか
>>740 ↑修正
基地攻撃の命令を→×
シンに基地突入と施設破壊の命令を→〇
あの時は連合軍が先に住民に手を出したしなぁ・・・・
越権行為であることには変わりないしやりすぎの可能性もあるだろうけど、逆に無視するのも人道的にどうよ?って話になるわけで
ども小話です
仕事が終わったので見にきたら、なんか俺のせいで荒れてるんでしょうか
確かに投下前の注意書きしてませんし
ご迷惑かけますが、今後とも宜しくお願いします
ではまた
>>743 貴方には全く責任はないですよ。
札付きのラクシズ厨の荒らしがID出ないのをいいことに、
書き手のやる気を失くさせて中断に追い込もうと複数装って粘着してるだけ。
(もっともバカ過ぎ下衆過ぎで実際にはバレバレでちっとも装えてないけどw)
まあ上でも言われてるけど、いい果物には害虫がつきだがるのと同じで
ラクシズ厨が粘着してくるのは名作候補という逆説的な証明だから気にされませんよう。
アンチがつく=いいSSなんだ
そしてそれを乗り越えてこそ一人前廼のSS書きと言える
氏の勇気ならきっと打ち勝つ事が出来ると信じています。
まあ今後もこの屑がなにかと叩いてくるでしょうけど、それは我々が光にしますよ
Wは、二部構成にする事で時間の経過を表現し、かつ連続したシナリオでは不可能な大きな変化を加えたのは大きいかと。
ナデシコのアニメ版から劇場版、オーガンのオリジナルから地球製への変化とか。
ラクシズを光にさえすればそれだけで名作さ
そんなに気負う必要はないよ
どうしてこうなりすまし(たつもりの)アンチって低能なんだかねw
アンチが低脳なのは元からっしょ
わからないんだけど、発端はシンの描写に対する批判だったのに何でラクシズ厨の仕業になってるの??
批判する奴はみんなラクシズ厨ってことにしたいかわいそうな人が暴れてるだけ
揉めるなぁ・・・・
嫌いな作品はスルーしろ。一々口に出すな
ただし作者も注意書きすること(氏への批判ではなく荒れたから緊急措置的に言ってるだけ、そんなに重く受け止めないで欲しい)
「あんたの作品好きだけど、ここは違うんじゃないか」っていう批判があるなら荒れないように十分に言い方に気をつける。
明らかに乱暴な口調や的はずれな批判は荒らしとみなし、スルーする。
テンプレにするまでもないSSスレの鉄則思い返せ
って訳でこの話はここでおしまいにしようか。
これ以上誰かがこの話題引っ張ったら、ひかると蛍を俺の嫁にするからよろしく
すまん、ひかると蛍が誰かわかんねぇ…
>>755 ダ・ガーンのヒロイン二人
あの作品には萌えてしまう女性キャラが3人もいるから困る
萌えか…スク水レースクイーンの格好で赤面&膨れっ面なルネには萌えたな…
758 :
一尉:2009/06/17(水) 18:55:02 ID:???
えっ、ルネさんの事ですか。
勇者王ガオガイガー DESTINY
第7話 信頼
インド洋での戦いから一日、ミネルバは連合の基地跡に停泊していた。
この戦闘でミネルバには目立った損傷は無かったのだが、カーペンタリア基地から同行していたボズゴロフ級潜水艦ニーラボンゴがアビスによって撃沈され、
またこの基地の存在を報告したところ、処理の為の援軍が到着するまで現場で待機するように命じられたのであった。
この命令でスエズ侵攻の為にイラク北部のザフト軍マハムール基地に急いでいたミネルバにはしばしの足止めとなったのだが、
艦長のタリア・グラディスや副長のアーサー・トラインは事後報告書の作成や近隣住民との事前折衝で奔走しているし、
メカニックチーフのマッド・エイブスを始めとした整備班は戦闘後の機体チェックと修理、メンテナンスに忙しい。
MSパイロットも撃沈されたニーラボンゴのクルーの捜索と周辺警戒に飛び回り、医療班、生活班も周辺の住民ケアに従事、陸戦隊は連合の捕虜の監視、尋問とやらなければならないことが多い。
そんな中ルナマリア・ホークは偵察任務を終えたところでブリッジオペレーターの妹メイリン・ホークと連れ立ちシャワールームへと足を運んでいた。
「も〜せっかく停泊してるのに全然休めないじゃない」
後ろで服を脱いでいるメイリンが愚痴を溢しているのを、体を洗いながら聞く。
「仕方ないでしょ、お仕事なんだから。あんたはまだ良いわよ、あたし達なんか捜索、休憩、捜索、休憩の繰り返しなんだから」
「そんな事言ったってさ、もうちょっとこう」
「愚痴らないでよ、よけい疲れる」
「ぶ〜」
ようやく服を脱いだメイリンが隣のシャワーブースで頭を洗いながら姉妹のたわいの無い会話は続く。
「でもこうやって毎日シャワーが使えるのはいいよね」
「そうね〜、宇宙だと水は貴重だから」
ミネルバは宇宙艦であるために水などの生活物資は余裕をもって積むのだが、流石にシャワーなどは排水を濾過して繰り返し使う事になる。
勿論水の濾過にも限界がある以上は余裕が無くなれば、除菌タオル等で体を拭くに留まる場合もある、年頃の少女達には毎日を清潔に過ごせるのはありがたいだろう。
「そういえば聞いたよ〜 シン、凱さんに殴られたって」
「あ〜 あれはねえ」
あの時の状況を思い返して見ると凱の言い分からすれば、偶々シンが殴られただけで自分やレイ、いやMS部隊の隊長であるアスランでも殴られた可能性がある。
心の中で言動には気をつけようと固く誓うルナマリア、口が止まった姉に対してメイリンは続ける。
「なに、もしかして尾を引いてんの?」
「あ、うん、シンのやつあれから凱さんと喋らないのよ。たく子供なんだから」
「あ〜だよねえ、シンてば私から見ても子供っぽいもん」
「ま、実際のとこ話しかけたいけど話しかけられないで困ってる感じかな。その点凱さんは大人よね、余裕があるっていうか」
このあたりから青春真っ只中の乙女の定番会話に話題がシフトして行く。
「格好いいよね、凱さん。背も高いし逞しいし、しかも超人エヴォリュダー憧れるな〜」
凱がエヴォリュダーである事はミネルバ内では周知の事実である、初めてザクで出撃したときに宇宙空間を生身でうろついていたのをメカニックに目撃されているし。
ガオガイガーでユニウス7を破壊するなど、とんでもないことをやってのけている為にクルー内での凱の評価は、エヴォリュダーは良く分からないがとにかく凄いという認識である。
「あんたね、その惚れっぽいとこ治しなさい」
「い〜じゃん、お姉ちゃんに迷惑掛けてないし。あ、でもアスランさんも格好いいよね」
問われて自分達の隊長たる人物アスラン・ザラについて考えるルナマリア、確かに顔は悪くない、いや美男子といっていいだろう。
また話を聞くに優秀な人物であるのは間違いあるまい、しかし何というか影が薄い。
隣にいるのが存在感の塊みたいな凱だからしょうがないかもしれないが、評価は保留したほうがよさそうだ。
体の隅々まで綺麗にしたルナマリアはメイリンに一声掛けてシャワールームを後にした。
そのころシンは凱の後を付けていた、捜索から戻ってきて休憩室に行く途中、警備の兵士に先導されて歩いていく凱を見つけて思わず隠れてしまった。
先日の一件以来どうにも凱と顔を合わせ難いので、つい逃げ回ってしまっていたのだが、どうにも気になって仕方が無い。
どうやら基地の外へ向かっているようだ、基地との境界まで歩いてくると何人かの現地民が凱に気付いて近寄ってくる。
昨日の騒動の事もある、もし何かあるようなら凱に加勢しなければと考えてこそこそと近寄ると会話が聞こえてきた。
「昨日はすまんかったな、あん時は頭に血が上っちまって酷いことしちまって」
「ああ、一晩たって落ち着いたら、えらい事するとこだったと反省したんだ」
「まだ連合に復讐するって息巻いてる連中もおるが、なに、すぐに大人しくなるじゃろ」
会話の内容は穏やかなものだった、この分なら心配は無いだろう。物陰から見ていると父親だろう男の影に小さな女の子がいるのが分かった。
凱も気がついていたらしく、しゃがんで目線を合わせて話しかける。おずおずとした様子で前に出ると小さな手に握った何かを差し出した。
「こ、これバンソーコー。おじちゃん昨日怪我してたから」
怪我の治療は済んでいるのだが、凱はお礼を言って女の子から絆創膏を受け取って、頭を撫でながら笑って続ける。
「おじさんは勘弁して欲しいな。俺はまだ23歳なんだ」
和やかな雰囲気で会話が進むのを物陰から見ているシンの後ろから声がかかる。
「なにしてるのシン?」
驚いて振り向くとルナマリアが立っていた、風呂上りなのか石鹸の良い匂いを放っている。
「静かにしろ、見つかっちゃうだろ」
小声で注意して、視線を戻すとルナマリアもシンと一緒になって覗き込む。凱と住民のやり取りを見て意地の悪い笑顔を浮かべてシンに話しかける。
「な〜に悔しいの、自分が助けたのにって」
「そんなんじゃないよ、たださ何が違うのかなって」
ルナマリアの言い方が気に入らなかったのか一寸むっとした口調で言い返すシン。ルナマリアは口元に指を当て「ん〜」という顔をして考え込んでからシンに答えた。
「助けたのはシンだけど、救ったのは凱さんって事じゃないかな」
「何が違うんだよ、それ」
「そのくらい自分で考えなさいよ」
そういって去ってゆくルナマリアを見送って「なんだよそれ」と悪態を吐いてから、言われた事を考え始めた。
引継ぎを終えたミネルバはマハムール基地へ向かって航行していた、その中の士官室で凱とアスランが話し合っていた。話が一段落したところで凱が頭を下げた。
「この間はすまなかった、MS隊の隊長は君なのに差し出がましい真似をしてしまって」
頭を下げられたアスランは驚き、慌てて頭を上げるように促す。シンに対して行った行為を言っているのは分かったので気にしていない事を伝えた。
顔を上げた凱はアスランの顔をみつめて少し考えたあとに「不躾ですまないが」と前置きしてから口を開く。
「アスラン、言いたい事があるならきちんと言って欲しい。なにか君には遠慮というか、壁みたいな物を感じるんだが」
凱の指摘に口を閉じて暫く瞑目してから手を組んでポツポツと放し始めた。
「そう、かも知れません、俺は後ろめたい気がするんです。俺が前の戦争が終わった時にプラントに残ってザラの名前を継いでいればユニウス7の事件や今回の戦争も止められたんじゃないかって、
他にも出戻りの俺がフェイスに任命されて偉そうにするのも如何かと考えてしまったりで」
言葉を続けようとするアスランを手で制してから凱が口を開く。
「アスラン、君が前の議長の息子なのは聞いている、でも君がいれば何もかも旨くいった訳じゃない。それに出来ることをしようとザフトに戻ったんだろう、君がフェイスに任命されたのも議長が相応しいと思ったからだ、胸を張れ」
アスランの話聞きながら、この青年は繊細な感性の持ち主だと分かった。こんなに悩んでいては将来が心配だ。そう思ってみるとなにか前髪の生え際が気になる。
「それは分かっています、でもなにか此処のところ後悔ばかりで」
父親の亡霊ともとれる人間がユニウス7の事件を起こし、なにかしなければと考えてザフトに戻った途端にカガリがキラに攫われるなど、行動が裏目に出てばかりだ。
この間の戦闘でも2年間のブランクがあるとはいえども、カオスに張り付かれて満足のいく結果を出せなかった。
思い悩むアスランの肩に手をかけて凱は言葉をかける。
「そう悩むな、上手くいかない時はあるさ。それに自分一人で出来ないなら仲間を頼ってくれ。俺だってあいつらだって力に成る」
「そうですね、ありがとうございます。頼りにさせてもらいますよ」
凱の言葉を受けたアスランは微かに笑うと返事をした。
マハムール基地に到着したミネルバ艦長のタリアと副長のアーサーは基地指令であるヨアヒム・ラドルと次の作戦のためにブリーフィングを行っていた。
ガルナハンローエングリンゲートと呼ばれる連合軍の基地がある渓谷の状況は、断崖の向こうに町があり、その奥に火力プラントがある。
マハムール側からガルナハンの町にアプローチ可能な地上ルートは渓谷内に伸びる一本のみだが、この渓谷を望む高台に設置されている連合軍基地の陽電子砲台が渓谷全体をカバーしており何処を行こうが射程内に入り隠れる場所は無い。
この砲台に対してラドルも攻略作戦をおこなったが砲台に接近することは叶わず、超長距離から砲台または下の台座部分を狙っても配備された陽電子リフレクター装備のMAによって有効的な打撃は与えられなかった。
ここまでの話し合いでタリアが口を開く。
「つまり現状では打つ手がないということかしら」
ミネルバのタンホイザーでもMAの陽電子リフレクターに通用しないのはオーブ沖の戦闘で実証されてしまった。
こちら側に盾が無い以上は撃ち合いでは勝てない。
「そうなるな、そこで現地協力員を取り付けた」
ガルナハンの町では駐留の連合軍が好き勝手にやっているようで、反連合のレジスタンスが組織された。
前回のローエングリンゲート侵攻時に呼応して蜂起したが失敗。多数の死者とその後の更なる弾圧を生む結果となった。
この状態を受け、現地人でもあまり知らないルートを提供するので町の開放に協力してほしい、開放の暁にはプラントへの支援を約束するとの申し出があった。
「その情報は確かなんでしょうか、使えないルートを提供されても困りますよ」
アーサーが怪訝な表情を浮かべながら疑問をだす。
「それは信用するしかないわね。どのみち今の状況では他に打つ手も無いわ」
「そういう事だな、議長が進める反連合勢力との協力体制の確立を考えれば手を引く訳にもいかんという事だ」
上位者二人の意見が一致した以上この作戦は実行される。ならばあとはベストを尽くすだけだ。
アーサーは敬礼をして準備のために作戦室を退出した。
一方オーブを脱出したアークエンジェルはスカンジナビア王国に身を寄せていた。
ブリッジで一行はこれからの活動方針で話し合いをしており、モニターに映し出された画面には各国の情勢が映し出されていた、そのほとんどは連合軍の非道な行いを報道するものとプラント、ザフトの整然とした振る舞いが喧伝されていた。
それを見ていたマリューがぽつりと洩らす。
「こういう報道を見ちゃうとザフトと一緒になって連合を叩きたくなるわね」
「そうだな、しかしプラントの方もどうもね」
バルドフェルドが言葉を続けながら、一つのモニターに目を向ける。そこには画面の中で歌い踊るラクス・クラインの姿が映っていた。
「とっても楽しそうですわね」
「あんな偽者を用意しているんです、僕はプラントいやデュランダル議長を信用できません」
それに目を向けたラクスとキラはそう言った。
ローエングリンゲート攻略に向かったミネルバの面々は一人の少女の訪問を受けた、この少女の持つ情報が今回のラドル隊と共同で進めるローエングリン砲台基地攻略の要だという。
MS部隊のブリーフィングルームでアスランからそのコニール・アルメタという少女を紹介され、続いて基地の概要を説明された。
「なるほど、難攻不落とはよく言ったものだな」
凱が感想を洩らすとシンはちらりと視線を向けてから自分を鼓舞するように声をあげる。
「要はそのMAをぶっ飛ばして砲台をぶっ壊して、ガルナハンに入ればいいんでしょ」
「俺達は今どうやって、そう出来るかを話しているんだぞ」
「やれますよ、やる気になれば」
「じゃあやってくれるか、俺達は後方で待っていればいいんだな、突破できたら知らせてもらおう」
アスランに一人で行けといわれて慌てるシン、それは軽く流して作戦詳細の説明に入った、スクリーンに新しいデータが映し出され、コニールから説明がされる。
「ここに地元の人もあまり知らない坑道があるんだ、中はそんなに広くないからMSなんか通れない。でもこれは丁度砲台のすぐ傍に抜けていて、出口は塞がっているけどちょっと爆破すれば抜けられる」
アスランから補足説明が加えられる、MSは無理でも分離状態のインパルスなら抜けられるだけのスペースはある。
そこでこの作戦はこの坑道を利用して敵陽電子砲に接近、破壊を行なおうというものである。
インパルスが坑道に突入するのに合わせて本隊であるミネルバ、ラドルの乗艦するコンプトン級陸上戦艦ユーレンベック、その他レセップス級陸上戦艦とMSで正面攻勢をかけ、MA及びMSの敵機動兵器を惹きつけて基地と砲台から引き剥がす。
敵戦力を基地から引き剥がしたところで、インパルスが坑道を抜けて直接砲台を攻撃するというものだった。
「お前が遅すぎればこちらは追い込まれる、早すぎてもだめだ。敵を基地から引き剥がしきれないからな、データの通りに飛べばいい。わかったな」
シンに言い含めるとコニールにデータを渡すように促す。促されたコニールはシンとアスランを交互に見ると怪訝な顔をしてアスランに確認をとる。
「こいつに?」
「そうです」
「なんだよ」
「この作戦が成功するかどうかはそのパイロットに懸かっているんだろ、大丈夫なのか。隊長はあんたなんだろ、じゃああんたがやったほうが良いんじゃないのか。失敗したら町の皆だってマジ終わりなんだから」
アスランに対して、まるで自分を信用していない言い草を続けるコニールにシンは激昂して席を立つ。
「なんだと!」
「シン座れ、彼ならやれますよ。だからデータを」
アスランに言われて憮然としながらも椅子に座り直すシン。
「データをこちらへ」
再度言われたコニールはアスランにデータが入ったカードを差し出しながら話はじめた。
「まえにザフトが砲台を攻めたあと町は大変だったんだ。それと同時に町でも抵抗運動が起きたから連合軍に逆らった人達は殺された人が大勢いる。
その後で逆らわなかった人達も、お前らも同罪だって言われてめちゃくちゃ酷い目に遭わされた。
今度だって失敗すればどんなことになるか分からない、だから絶対やっつけて欲しいんだ。頼んだぞ」
目に涙を溜めながら切々と訴えてくるコニールの横に、いつの間にか進み出ていた凱が頭を撫でながら約束する。
「まかせておけ、俺達が絶対に砲台を壊して町を開放してやる」
「おっさん」
涙を袖で拭って顔を上げたコニールのおっさん発言に凱は苦笑しながら訂正する。
「おっさんは止めてくれ、俺はまだ23歳なんだぜ」
部屋にちょっとした笑いが起こった後で作戦の説明を終えたアスランは、凱になにかあるか促すが特にないとの事であった。
解散を告げられ各員が部署へと散ってゆくなか、データを受け取ったシンもコアスプレンダーへ向かおうと席を立ったところで凱とアスランから声が掛けられた。
「この作戦はシンお前が要だ、任せたぞ」
「自信を持て、お前なら上手くやれる」
二人に見つめられて視線を外すと、コニールも真っ直ぐに見つめてきていた。その少女の必死な顔を見たシンは一度顔を伏せてから、上げた表情は決意に満ちていた。
「任せてください。必ずやり遂げます」
ブリーフィングも終わり、凱はアスランと連れ立って艦橋に向かって歩いていた。道中凱が疑問を口にする。
「なんで連合は制圧地域の弾圧なんてするんだろうな、始めは兎も角徐々に懐柔政策にシフトするのが当たり前だと思うが」
「それは反抗する気を無くさせる為にも、力を誇示したいのでは無いでしょうか」
凱の疑問に自分なりの答えを返すアスランだが、次に凱の口から出た台詞に足が止まってしまう。
「実はな、俺はこの作戦には参加しないつもりでいた。でも彼女の話を聞いて考えを改めたよ」
もちろん向こうから仕掛けてくるなら容赦しないが、軍同士の単純な攻略戦には参加する気が無かった。
抵抗運動に参加した人間が命を落とすのは当然とは言わないが、ある意味で仕方の無いことだと思う。しかしその裏で罪も無い民衆が苦しめられているなら助けたい。
元々、凱がザフトに入ったのはプラントの市民に向けて核攻撃を行なうなどという連合軍の無差別な蛮行を許せなかったからだ。
「だから俺は何の罪も無い人を巻き込むような作戦を採った者が許せない、連合軍が同じような暴挙を繰り返すなら裏にいる連中を引きずり出して叩き潰す」
その言葉には人を守る絶対の意志が感じられる。
もしもザフトがシーゲル・クラインや父パトリックのような無差別な攻撃を行なえば凱は即座に敵に回るということなのだろう。
「まずはこの作戦を成功させて、ガルナハンの町を開放しないとな」
凱にそう締められて「そうですね」と答えたアスランだったが気が付けば、いつの間にか汗を掻いた手を握り締めていた。
微かに震えるその拳ははたして何かの予感なのだろうか。
シンはレイ達と共に格納庫に向かっていた、その途中ルナマリアがシンに話しかける。
「シンてば、凱さんとかの言う事は割りと素直に聞くよね、アカデミーの頃なんか上級生とか教官とかとぶつかってばかりだったのに」
「確かにな、この間殴られた時など、すぐにお礼参りに掛かっていくかと思ったが」
レイも口元を緩めて後に続く、二人の言いように憮然とした様子で答えるシン。
「なんだよそれ、それじゃあ俺がはねっかえりの馬鹿みたいじゃんか」
あの頃のシンは家族を失って間も無く、自分に力が無いのが堪らなく嫌だった。だから実力も無いくせにやたら威張り散らす連中が気に入らなかったのだ。
そんな連中には自分から突っかかっていったものだが、この船には幸いそんな人間は居ない様であった。
また凱に関しては憧れのような思いがある、初めて目の当たりにしたガオガイガーの姿はしっかりと覚えているし、
そのパイロットである凱も自分を勇者というだけあって実力、人格ともに尊敬すら感じる人物だ。
殴られたことも、確かにその場では腹が立ったが数日を経てなんとなく凱が言っていた事も理解できたような気もする。
がそんなことを口にするのは恥ずかしいし、照れくさいので別の理由を口にする。
「だいたい、凱さんに掛かっていって勝てると思うか」
問われた二人は凱の姿を思い出した。MSに乗り込むときも自分達はタラップを使うが、凱は約9mの高さを跳躍してコクピットにフュージョンする。
偵察に出たときもコクピット内ではなく飛行形態のセイバーの上に足をかけて立っている等々もはや人類の常識を超えている、さすが超人エヴォリュダー。
そこまで考えて顔を見合わせてお互いに同じ結論に到達したのを確認してから即答する。
「無理ね」
「無理だな」
そんな人間に頼むと言われたからには張り切らないわけが無い。同僚二人と話して落ち着いたのか、確かな足取りでコアスプレンダーのコクピットに向かった。
ついにローエングリンゲート攻略戦が開始された。まずはシンの乗るコアスプレンダー、続いてチェストフライヤー、レッグフライヤーが坑道に飛び込む。
坑道に飛び込んだシンは悪態を吐いていた。
「真っ暗じゃないか、マジでデータだけが頼りかよ」
全く視界が利かない以上、貰ったデータを基にした画面に映るCGだけを頼りにした高速飛行である
「何がお前なら出来るだ。あの野郎、自分でやりたく無かっただけじゃないのか」
この任務を命じたアスランに対して恨み言を言いながら狭い坑道内を飛び続ける。
「やってやるさ、畜生ー!」
暗い坑道内にシンの叫び声だけが木霊していた。
シンが叫んでいるころ本隊もまた戦いの渦中にあった、このままシンが砲台下に到達したとしても、そこに敵機がいれば撃墜されるだけである。
しかも通常砲台は地下に収納されている為、地上に出ていてもらわねばならない。
開戦直後、ミネルバのタンホイザーにて砲台を直接狙ったものの、案の定敵MAゲルズゲーの陽電子レフレクターに阻まれた。
この直後、連合側の陽電子砲ローエングリンが火を噴きミネルバを強襲するが間一髪、地面擦れ擦れまで降下してやり過ごした。
ここからは陽電子砲のエネルギー充填に時間がかかる関係上、互いのMSでの交戦になる。
むろん、戦艦の一武装よりは基地の固定砲台の方が射程、威力、充填速度で上回っているため、それも攻め手側である凱達は考慮しなければならない。
当然MSの数も連合側のほうが優勢だ、MS戦に移行してから15分程が過ぎて、凱達は敵に倍する損害を与えているが、こちらも疲弊の色は隠せない。
「きゃあ! シンはまだ着かないの」
「予定では後2分だ」
近くに着弾した榴弾の衝撃にザクをふらつかせたルナマリアが叫び、レイが榴弾を撃った連合軍のダガーLを撃ち落して答える。
会話の合間に連合側の陽電子砲ローエングリンが脇をかすめて通り過ぎ展開していたバクゥとガズゥートの何機かを塵に変えた。
凱とアスランは上空を飛び回りMAゲルズゲーと対峙していた。当初1機だけが配備されていると思われたゲルズゲーであったが、実際は相互にカバーが出来るように2機が配備されていたのだ。
「アムッ フォルッ タスッ!」
凱の声と共に通常よりも強力なアムフォルタスプラズマビームが放たれるが、ゲルズゲーの陽電子リフレクターに阻まれる。
ならばと、ビームサーベルに変えて肉薄しようとしても護衛のダガー部隊が邪魔をする、アスランも同様にゲルズゲーに手こずっている様だ。
予定時間まで残り僅か、しかし自分たちを囮にするという勝手の違う戦いに徐々に押され始める凱達であったが、シンを信じて戦い続ける。
そして遂に予定の時間を迎えたが、砲台には変化はない。それを見たアスランは現れないシンに業を煮やし、セイバーで砲台の撃破に飛び立とうとするが、そこに凱から通信が入る。
「待つんだアスラン、持ち場を離れるな!」
「しかし作戦は失敗しました、このままではジリ貧です。一か八か俺が突っ込んで」
砲台を潰します。と言う前に凱から怒鳴られた。
「隊長のお前が隊員を信じてやらなくてどうする。シンなら出来ると思ったから任せたんだろう。なら俺達はあいつを信じて待つんだ」
この作戦を取ったのは自分だ。だから失敗したのなら自分が挽回しなければと反論しようとするアスラン。
凱が見る限りアスランは優秀である。ゆえに大抵の事は一人で出来てしまうし、他人との係わりでも自然に面倒を看るほうになっているように感じた。
そのおかげで他人を信用しない訳ではないのだが、どうも他人に頼ることが下手になっているようだ。
ここら辺で他人に頼ることを覚えなければ、悩んだ挙句に暴走しそうだと感じた凱はあえてきつい言葉をぶつけることにした。
「人を信じられない人間が、人から信頼されると思うな。一人で何でも出来る訳じゃない、俺たちを頼れと言ったはずだぞ」
この言葉で飛び込むのは思いとどまったようだ。それを見て取った凱は全員に通信を送る。
「ここが正念場だ、シンは必ずやってくれる。だからここから一歩も引くな!」
凱の激に全員が「応」と答えるのと同時に地下から飛翔するコアスプレンダーが見えた。
地下から現れたコアスプレンダーはインパルスに合体すると砲台を撃破した。さらに砲台の誘爆は基地機能を麻痺させる事になった。
なすすべなく破壊されたローエングリンゲートを見て交戦中の連合軍の戦意は著しく低下した。
そのおかげかラドルによる降伏勧告に従うものが多く、むろん最後まで徹底抗戦を貫いた者もいたがそれらは撃破され程なく戦闘は終結した。
開放されたガルナハンの町に降り立ったシンは住民から手荒い歓迎を受けて笑っていたが一発の銃声に顔色を変えた。
人ごみを掻き分けて銃声がした方に向かうと広場で連合兵が射殺されている現場に出くわす。
「やめろっ! なにしてんだ、あんた達はぁ!」
おもわず飛び出して、銃を構える人間から取り上げる。すると一斉に周囲の人間から罵声が飛んでくる。
今まで自分を褒め称えてくれていた人達までが一緒になって口々に非難の声を上げ始めているのだ。
曰く「連合は皆殺しだ」「奪われた報いを知らしめるのだ」「やり返してなにが悪い」等々幼い子供や女性までが叫んでいる。
暴徒と化す寸前の人々の前に立ってシンは恐怖を覚えた、純粋な悪意をそのままぶつけられているのだ。
これが復讐に狂うという事か、いかに兵士として鍛えてきたとはいえども、初めて感じるこの生の感情の圧力は凄まじい。
凱はこんな圧力に一人で立ち向かい、しかも眼力だけで収めてしまった。自分にはそこまでの力は無いのは分かっている。
でもここで引けば二度と凱の前に顔を出せない。自分の憧れた男に無様な真似は見せられない。精一杯の勇気を持って視線と言葉に力を込める。
「あんた達は人殺しがしたいのか、違うだろう。ただ平和に暮らしたいんじゃないのか。ここでこの人達を殺しても後で後悔するだけだ」
やはり何処からか石が飛んできてシンを傷つけたが、それにも負けずに必死に叫び続けた。
この騒ぎを聞きつけたアスランがセイバーを広場に向かわせ、MSから声を張り上げる。
「なにをしている。ここに駐留していた連合の兵士は我々ザフトが国際条約に基づき捕虜として扱う。したがって諸君ら町の住民が勝手に処断することは許されない。
これ以上の暴挙に及ぶというのなら治安維持の対象となる。繰り返す…」
アスランが勧告をおこなっているともう一機、今度は凱のセイバーがやって来た。
流石にMS2機を相手にする気はないのだろう。連合兵は縛られたまま放置され住民は三々五々に散ってゆく、そこかしこで開放を祝っているのだ、そちらに合流して騒ぐのだろう。
住民が解散すると凱はセイバーを広場に着陸させて飛び降りシンの所へ歩いていく。
前まで進み出た凱は、いつの間にかへたり込んでいたシンに右手を差し出すと引っ張り上げて立たせ、背中を引っ叩いた。
叩かれて背筋に力の戻ったシンが文句を付けようと口を開くが、言葉が出るより先に凱が声をかける。
「良くやったな」
何という事はない一言だ、でもなぜか嬉しかった。勿論素直には言えないので憎まれ口を叩いてやった。
「当然ですよ、任されましたからね。それにまた殴られたくないですから」
それを聞いた凱は大声で笑い出し、続いてシンも笑い出した。そしてセイバーに乗っていたアスランの顔にも笑みが浮かんでいた。
プラント首都、アプリリウス1にある最高評議会議院、その一室で執務を行っていた現評議会議長ギルバート・デュランダルの元に一つの報告が届いた。
「ほう、ミネルバがガルナハンを抜いたか。これは出迎えに行かねばならないね」
そこで顔を上げて部屋にいたもう一人の人物に声を掛ける。
「君も地球に降りる準備をしたまえ、彼らと正式に引き合わせよう」
「は〜い、うふ、アスランも居るんですよね。楽しみ〜」
可愛らしい返事をして準備の為に出て行ったのはもう一人のラクス・クラインであった。
君達に最新情報を公開しよう
ローエングリン砲台基地を陥落させたミネルバ隊
ディオキアに上陸した凱達にデュランダルが引き合わせた人物は
そしてシンは不思議な少女ステラと出会う
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第8話 錯綜する人々 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ 赤いハロ
ども小話です
>>714さん、正解です。今回これやりたかったのですよ
で種キャラの扱いで前回レスが荒れてしまって申し訳ないと思いますが
なんかね、開き直りました。
万人向けが書けてない以上
批判は謙虚に受け止めようと思いますが、否定はスルーしようと思います
生意気言って申し訳ありませんが、これからも宜しくお願いします
ではまた
PS 注意書きですが書こうとしたらネタばれ含む予告編みたいになったのでやめました
ごめんなさい。
乙!
しかし、原作ではユニウス落下に紛れて降下させた大型潜水艦数珠繋ぎにして基地を造り、
ユニウス落下で混乱した周辺地域に攻撃しかけたり、
復興活動している連合軍に対して住民毎攻撃しかけたり、
復興活動手伝っているコーディネ−ターに、裏切り者とか言い放って攻撃を仕掛けたり、
降伏した兵士を後方要員ごと面白半分に虐殺したりとかしているZAFTの兵士が、
国際条約に基づき保護するとか言っても全く説得力無いですね。
まぁ、今の議長はあれだから、イメージ戦略の為にその辺りは厳しく取り締まるでしょうが、
見た感じ、ガイもZAFT側に不利な情報は全く与えられていないみたいですし……あのエヴォリュダーから、情報を守り抜くって凄いですね。
後、原作におけるコーディネーター達の行動と反応的に、
友人達やガイ、アスランと言った僅かな面々を除く乗組員達は、
今回のシンの行動を白けた(或いは、非難する)目で見ていたと思いますが、
これがきっかけで艦内に不和がおきなけれなければ良いのですが……。
まぁそれも、オーヴ出身と言うシンの立場を旨く現す一つの手だとも思いますが。
それと、原作のZAFTはユニウス落下とその後の混乱に付け込んでに兵力を降下させ、
復興活動を行っている連合にダメージを与えて、地上での橋頭堡を作り上げたわけですが、
なんでユニウス落下と言う都合のいい出来事が発生していない今作で、
プラントが原作と同じような勢力図を作り上げているのか少し説明が欲しいと思いました。
地上に降りたミネルバが攻撃を受けたり、その途中で基地を発見したりはわかりますが、
ガルナハン辺りの流れなんかは、相当不可思議な流れだと思うのですけど……。
やはり、議長かラクスの裏辺りが
ユニウス落下に匹敵するぐらいドギツイ攻撃を裏で繰り返しでもしたのでしょうかね?
無辜の住民達に毒ガスで汚物は消毒だーとかやったり、S2ならぬS3インフルエンザウィルスでもばら撒いた、とか。
で、ラクスの基盤の一つらしいスカンジナビアでは、報道規制がされているから伝わっていないと……。
>>767 >ユニウス落下に紛れて降下させた大型潜水艦数珠繋ぎにして
…これはコミックか何かかい? さすがにコミックまではフォローしてないので
解らんのだが
大切なことを書き忘れていました
励まして下さった住民の皆さん
続きを書けたのは皆さんのおかげです
本当にありがとうございます
>>767 TVしか見てないので小説とかコミック版は解りませんが
参考にさせてもらいます
GGGとザフトとラクシズと連合の共闘なんてありえない展開を期待してるラクシズ厨を
切り捨てるためにも方向性くらい書いた方がいいと思う
連合は元々地球規模の組織だし、丸ごと犯罪者にしちゃえばガイが戦ってても違和感ないよね
そんな政府そのままにしておく地球人はどんだけアホだよって話になるけど
>>769 あー今ss書いてる作者氏に言うのは酷になるけど種系のssを書くとなると小説外伝やコミックは絶対読んだほうがいい
正直アニメだけだと矛盾が多すぎるし、MSの設定を理解するために必要になると思うから
特にガガガvsCEMSとかにね
あと設定を理解すれば理解するほどザフトとプラントとラクシズとオーブがどんだけキチガイなのかと、ミネルバ(議長含む)とカナーバ(連合との交渉をしたプラント議員)が可哀想な状態か分かってしまう
>>770 きっとGGGなら…勇気ある者達ならやってくれる!!
っと言う意味で思っている者もいると言ってみる。
と言うか奴等と一緒だと思われたくない。(この場合俺はGGG厨というくくりになるのか?)
うーん、話は面白かったんだが、シンが住人を止めるシーンが盛り上がりに欠けるというか・・・・
っていうか氏の作品は全体的に構成やあらすじは凄く唸ってしまうレベルなんだけど、読んでて力というか勢いが足りない部分が目立つというか。
いや、楽しませてもらってるし、面白いのは確かなんで、一読者の単なるワガママだと思って下さい。
GJでした!!
>>767 原作のZAFTの所業の話の出典は何だ?
小説?
漫画?
電穂?
あまりにも悪意に満ちている内容なのだが・・・
後付け設定だとしたら酷い話だ
復興活動云々はスタゲだっけか
潜水艦はラガシュ基地の話だった気がするからデルタアストレイかな
>>775 一応、
>>767の話は公式。パッと見では悪意に満ちているようにしか見えないが、確かに公式
外道だったり、スタゲだったり……本編でも一部は出てる(虐殺云々とか)
それらを総合すると、確かにこういう事にはなるが……
ただ、IF物である以上はシナリオや細かい設定を考えるのは作者だと言う事を忘れないで欲しい
読者の意見を押し付けてばかりだと、作者が書くのを止めるぞ……
>>777 マジか
ZAFTの暗部ってやつか・・・
ラクシズの暗部はプラモのインストでさりげなく触れられていたりするが、公式には全然表に出てこない・・・
こんなん表に出したらザフトの正当性が跡形もなくなるからなあ
じゃあそんな設定つけんなよって話ですよね
うーん、ラクシズを正当化する為の後付け設定としか思えん・・・
凾ネんてその最たるものだったし
種ってそういうところはやたらとリアル?だからなあ。
軍が勝手に動くなんてあってもおかしくない。
あるいは平和主義の顔見せながら、影でちゃっかり軍事行動やるなんてある意味凄く政治的な駆け引きとも言えるんじゃね?
本編でそれやったら神と崇めたんだが
まぁ
>>767に書かれている所業の一部はサトーの様な脱走兵やザフト製の機体を使っただけのテロリスト(そもそも背後関係自体の設定が乏しい)だから必ずしも『議長傘下の現ザフト』がやった事では無いしね。
小話さん、お疲れ様です。そろそろJと凱以外のGGGメンバーも出てくるころあいでしょうか? それとももっと先なのでしょうか?
どういう結末になるのか、楽しみです。
子連れダイノガイスト 外伝―@ 雷竜はどんな夢を見るか
地球。無限に広がる大宇宙に数え切れぬほど存在する星の一つ。広大な宇宙や無数の銀河を知る中でも独特の生態系が存在し、特にもっとも繁栄している地球人の生態や社会構成はきわめて異色なものだ。
暮れなずむ浜辺に、巨大な首長竜の影が長く伸びていた。人間をはるかに上回る視力を誇る首長竜の眼を持ってしても見渡せぬ、この星の七割を占める大海原が、徐々に沈みゆく太陽によって鮮やかなオレンジに染まっている。
これまで三百を越す星を荒らし回り、いくつもの幻想的な光景を目にし、宇宙のあらゆる場所で起きる不可思議な現象を目にしてきたが、首長竜にとってこの星の夕暮れは、いつまでも眺めていたくなる美しさであった。
「あ〜〜〜」
ウミネコ達が黒い影になって空にまばらに飛んでいる。打ち寄せ、退いてゆく波音は、幾十億年前から変わらぬ揺り籠の様な心地よさを、首長竜の心に与えている。
口癖のように口から出た“あ〜〜”という音も、この上なく心が弛緩しているから出た音だ。砂浜に長々と伸びる首長竜の影も、どこか暢気そうに見える。
「お〜〜〜」
「う〜〜〜」
と、首長竜の真似をしたのか、首長竜の頭の上にちょこんと座った二つの小さな影が、暢気なことこの上ない声を、歌うように出す、さざ波と同じように、その二人の声は首長竜の心に穏やかな波を立てる。
ふんわりと柔らかな金髪の少女と、黒髪の少女の二人だ。地上十数メートルの位置にある首長竜の頭の上でも、徳に怯えた様子もなく――いや、機械仕掛けの恐竜などという存在自体が、この星では非常識だから、まずこの首長竜に怯えるべきなのだが。
ま、兎にも角にもこの首長竜が自分達にとって危険な存在とは露ほども思っていないらしい、二人の少女は、声を出すのが楽しくなってきたのか歌ともいえぬ、しかし確かに歌と聞こえる様に声を出す。
まだ動物の骨や腱、石や木で作った楽器だけの古い時代の歌の様に素朴で、歌うものの心を聞く者に伝える歌。
首長竜は我を忘れてただただ、二人の歌に聞き惚れた。ボスと共に自由気ままに宇宙の闇を旅していた時とは違う楽しさ、いや、喜び? 喜びだろうか。心が弾む様で、胸の中がわくわくする。
ガイスターの仲間達と同じように、いつまでも共に居たいと願う存在が、今、自分の頭の上に座っている二人だった。おかしな話だった。自分はこの二人の名前さえ知らないというのに。
あれ、と思ったのは、その事に気づいた時だった。名前も知らないが、そもそも、どうして自分はこの二人を頭の上に載せているのだろう?
ふと気付くと疑問は止まらずに次々と溢れてくる。あれ、どうして自分は地球に居るのだろう? だって、自分はボス以外のガイスターの皆と一緒に宇宙警察に捕まり、監獄惑星に囚われていたのではなかった?
カイザーズや監獄話生の看守たちはボスが死んだと言い、自分も含めガイスターも誰もが信じはしなかったから、いつかボスが助けに来てくれるだろう、とは思っていた。
でも、ボスはいつ助けに来てくれたっけ? 自分達はどうやって脱出したんだっけ? あれ、あれ? それを言ったら、他の皆は? ボスはどこだろう? どうして自分は、この人間の子供達と一緒にいるのだろう?
心地よい歌声も、その疑問を払拭する事は出来なかった。穏やかだった心の水面に、ふつふつと奥底から小さな泡が湧きたちはじめ、瞬く間に大きく乱しはじめる。なんだっけ、どうしてだっけ、あれ、あれ、アレ、ARE、亜礪、are?
「もう夜になっちゃうね。お夕飯の支度しなきゃ」
頭の上の黒髪の方の言葉に、首長竜の疑問符と不安に塗れた思考が遮られる。金髪の方が、その言葉に嬉しそうに口元をほころばせ、自分の頭をぺちぺちと叩いた。叩いた手の方が壊れてしまいそうなほど柔らかく小さいものだから、首長竜ははらはらとしてしまう。
「■■のごはんだって。いっぱい食べよぅ」
弾むように朗らかな金髪の少女の声は、自分に向けられている。その声の無邪気さに、心の中の不安が薄らいてゆくのを首長竜は感じていた。なんだろう、先程までの不安が疑問が嘘のように氷結してゆく。
自分はまだこの二人を知らないが、きっと、この二人は仲間なのかもしれない。まだ名前も知らないこの二人と、何時か出会う。出会った後の日々が、今見ている光景なのではないか。
「どうしよっかな〜。そうだ、今日は■■■お姉ちゃんとサンダーガイストさんの好きなものを作ってあげるね」
「うぇい!」
何時か見た超新星の爆発の煌めきよりもきらきらと輝く笑顔を浮かべた、黒髪の少女が自分の名前を呼んだ時、サンダーガイストは泡沫の夢から現実の世界へと帰還した。
人間で例えるならうっすらと瞼を開くのと同じ要領で、首長竜――サンダーガイストは、視覚を復活させた。
地球でカイザーズとの戦いに敗れたサンダーガイストらは、地球での活動に際し手に入れた機械仕掛けの体に封じ込められたまま、超A級凶悪犯が収容される監獄惑星に閉じ込められていた。
過去、犯罪行為を行った範囲があまりにも広大であり、また件数も膨大であったため、宇宙規模の組織である宇宙警察の優れた能力を持ってしても、ガイスターの面々への判決は下されていない。
何時か下される裁きの日まで、サンダーガイスト達は星を丸ごと監獄へと改造したこの星で、時が止まったかのように何の変化もない、生き地獄へ閉じ込められ続ける。
地球人に比して数百倍以上の時を生きるエネルギー生命体といえども、かくも変化の無い日々を過ごし続ける事は、精神的な苦痛以外の何物でもない。ともすれば自ら死を望むような心境へとつながる階段を、日一刻ごとに歩み続ける様なものだ。
ここに閉じ込められた頃は、やかましいほどに脱獄してやる、憶えていろ、エクスカイザー! と罵詈雑言を滝の様に零していたプテラガイストやホーンガイスト、アーマーガイストらも、沈黙に身を任せて随分と経っている。
血の気の塊の様なホーンガイストからして、まるで死んだように眠り続けているのだから、この牢獄の中で過ごす灰色の日々の苦痛は推し量れないものがある。いっそ拷問で儲ける方が、痛みが生きているという事を実感させてくれる分だけましなのではないか。
熟睡から目覚める度に、心に埃のように積み重なる名状しがたい疲れを意識して、陰鬱な気持ちになるのが常だったが、今日だけは違った。
あの夢だ。この全てがモノクロに見える静寂の世界で、光輝き眩い色彩と音楽に溢れていた未来。いつかきっと、あれが、自分達に訪れるのだと、サンダーガイストは疑いの言っての曇りもなく信じた。
まだ名前も知らない人間達。死んだと言われたボス。彼らと、いつかまた出会う事が出来る。そう思うだけで、サンダーガイストは、無意識のうちに長い尻尾を左右に振って、喜びを表現する。
夢に見た未来は、決して、遠い日の事ではないのだから。
終わり。
二十分くらいで書いた短編です。現在ガイスターの面々は幽閉中ということにしてあります。
思考が勇者王寄りになってるせいで雷龍かとおもったぜ・・・GJ
786 :
一尉:2009/06/20(土) 13:51:28 ID:???
小話君、君は最高です。
787 :
通常の名無しさんの3倍:2009/06/21(日) 04:08:44 ID:fR/KkJWt
つまり、ゆくゆくは新生ガイスターにステラもということですかね。
ダイノガイストのユニウスセブンでの
「これから生まれる命も宝」
発言に惚れてしまった30代です。
この精神こそ勇者シリーズの真骨頂ですね。
ダイノガイストがそれを口にするのは、むしろ違和感よりうれしさが先に立つ。
そしてそのほかの手下連中も…などと妄想してしまう。
ポリシーや曲がったことは嫌いなアウトローはかっこいいですね。
今更だが四馬k…もとい四将が拘留されている場所はサルガッソでCEの地球に占拠されたサルガッソが来たら…
みたいなのは考えたことがある
789 :
一尉:2009/06/21(日) 18:53:52 ID:???
じゃあ、オーボス軍が来たらどう思いますか。
>>788 つまり…シン、レイ、キラ、アスラン、常夏でダグオンですねわかりますw
ダグオンといえば、尼でBOXの値段調べたら、合計で12万以上になっててビビった
一時期のテッカマンブレードより高いってどういうことなの・・・
>>790 何かこんな電波を受信したw
シン…高1の学生、ブレイブ星人にスカウトされダグオンへ。
バイクとの融合合体でダグスプレンダーに、さらにシルエットインパルス(コンテナ付きのトレーラー、各コンテナから対応した武装を装備)と衝撃合体をしてインパルスダグオンとなる。
そしてエクストリームデスティニー(ステルス機)とダグスプレンダーが運命合体をしてデスティニーダグオンとなる。
レイ…シンの親友、ガードスラッシュ、ブレイズ、ガナーを従え自身もレジェンドクラフト(ホバークラフト)と融合合体しダグレジェンドへ、さらにガードアニマルと伝説合体を経てレジェンドダグオンとなる。
キラ…宇宙警察機構からやって来た。ストライカー(スポーツカー)と融合合体でダグストライク、フリーダムキャリアー(飛行戦艦)との自由合体でストライクフリーダムダグオンとなる。
アスラン、イザーク、ディアッカ、ニコルでライナーダグオンポジを考えたけど良いのが浮かばなかった…orz
>>792 アスラン・・・シンの一つ上の先輩で、生徒会長もつとめるエリート
シンと同様にダグオンにスカウトされる、鷹型ロボットと融合し機動力に優れたダグイージスになる。
イザーク・・・アスランの同級生で空手部主将。
アスランとは学内成績で一、二を争う秀才だが短気な性格が災いして、アスランに一度も勝てない。
虎型ロボットと融合し、格闘戦に秀でたダグデュエルとなる
ディアッカ・・・同じくアスランの同級(ry
陽気な性格で人当たりはいいが、イザークと同様才能に恵まれたアスランに対抗意識を持っている。
牛型ロボットに融合し砲撃戦に優れたダグバスターとなる
ジャスティスダグオン・・・アスラン、イザーク、ディアッカが互いの確執を乗り越え戦友合体を実行した姿。
ニコル・・・二年前交通事故で死んでいたはずの少年。
しかし、サルガッソの宇宙犯罪者の手により蘇り、かつての仲間だったアスランやイザークに刃を向ける。
サルガッソの作った隼型ロボットと融合することで情報戦に優れたダグブリッツとなる。
インフィニットジャスティスダグオン・・・洗脳から解き放たれたニコルとジャスティスダグオンが超戦友合体を果たした姿。
パワー・スピードともにジャスティスダグオンを遥かに上回る。
こんなんどうよ?
>「あんた達は人殺しがしたいのか、違うだろう。ただ平和に暮らしたいんじゃないのか。ここでこの人達を殺しても後で後悔するだけだ」
部外者の勇者に散々人殺しをさせてるシンがこんなセリフを吐いても薄っぺらい
>>794 シンだからこそだろ? シンは戦争で家族と平和を一気になくしたんだぞ。
それに自分が間違ったことをして、凱に修正食らったんだから
ある程度はそういうことをしたら後悔するってのも学んだはずだ。
シンだからそういうこと言うのに意味があるんだろうが。
それとも気に入らないから叩いてるだけなのか?
それならそんな挑発的な書き方すんなよ、見てるこっちが気分悪くなる
こいつはいつもの荒らしだよ
とっとと叩き出そうぜ
原作以外認められないなら、DVDを見てればいいんだよ。
クロスオーバーである以上、原作と違うのは当然。
それが認められないなら、ここに来なければいいのにな。
そもそもシンが凱達を無理矢理戦わせてたのかっていう
どんだけシンの権限スゲエんだよ
荒らす馬鹿もそれを叩くのに必死な馬鹿も血の気大杉。
足に潤滑油かけるぞ
ありがとう
これでヘルアンドヘブンごっこが出来る
>>800 グレートエクスカイザーやファイバード、ゴルドランの真似もできるな
足じゃなくて手首に頼む
ブロウクンマグナム!
オーバーテクノロジーの塊がやってきて、協力しながら世界観や価値観の
再検証が求められていくという点では実写TFと種死クロスは通じるものかあるな。
>783
サンダーガイストぉぉぉぉっっっっっ!!
エクスカイザーのDVDでガイスターズパートオンリーに見貪ってた私に対する、
なんというご褒美!
しっぽパタパタとか可愛いじゃねぇか!誰もボスが死んだなんて信じてない、いつか迎えにきてくれると思ってるとか、もうね!
新生ガイスターズと4馬鹿の面々の顔合わせ、そう遠くないと言うその日を待っていますよ!
勇者王ガオガイガー DESTINY
第8話 錯綜する人々
ガルナハンローエングリンゲートを攻略したミネルバは事後処理をマハムール基地のラドル隊に任せ、一路黒海沿岸のディオキア基地に向かった。
到着したミネルバを出迎えたのは大きな歓声であったが、その歓声はミネルバではなく基地にて歌うラクス・クラインに向けられたものであった。
急遽設営されたステージにピンク色に塗装されたザクが上り、その手の平で歌い踊るラクス、ミネルバから降りたヨウラン、ヴィーノ等は既に駆け出して少しでも近くに行こうと必死だ。
そんな慰問コンサートの光景をミネルバから降りたアスランは複雑な気持ちで見つめていた。
今目の前で歌っているのはラクスでは無いと知っているからである、彼女の名前はミーア・キャンベル、デュランダル議長が用意したもう一人のラクスである。
そんなアスランにルナマリアとメイリンが話しかけてきた。
「聞いていなかったんですか、ラクス様が此方にいらっしゃること」
勿論聞いていない、大体ミーアどころか本物のラクスとも連絡がつかないのだ。生返事を返すアスラン。
「でもラクス様、歌の感じ変わりましたよね。前は大人しい感じだったのに」
あそこに居るのはラクスじゃないから、とは当然言えない。メイリンにも生返事を返す。
話していると道の真ん中で立ち止まっていたのが悪かったのだろう、走ってきた人間がメイリンにぶつかってアスランの方に突き飛ばす形になってしまった。
「きゃ」
咄嗟にアスランの腕を抱え込んで謝るメイリン、それを見て此処に立っているのは危ないと思い、宿舎の方へ移動しようと二人を促す。
無自覚に女性をエスコートする要領でメイリンの腰に手を回すアスラン、その光景を後ろから見たルナマリアは、今晩はメイリンがこのことで騒ぐんだろうなと苦笑がもれた。
「どうしたの」
笑っているルナマリアの後ろからシンが声を掛けてきたが、それにはなんでもないと答えてから、シンを見ると特に騒ぐでもなく平然としている。
「あんた、ラクス様を見てなんも感じないわけ」
女の自分でもプラントの歌姫ラクス・クラインを見れば憧れと一寸の嫉妬を感じる、それなのにこの朴念仁は女に興味ないのかしらと逆に聞くが返ってきたのは何とも詰まらないものだ。
「へ? あーちょっとは可愛いと思うけど。それだけかな」
駄目だこいつ、シンの彼女になる人はきっと大変な苦労をするだろうなと未来の誰かに向かって同情した。
そのころ凱はプラント議長であるギルバート・デュランダルと差し向かいで話をしていた。
「如何いうことだか、話してもらえるんでしょうね」
「あのラクスのことかね」
凱は議長からラクス・クラインは行方不明と聞いていた、それがこんな所でコンサートを開いていればおかしくも思う。
彼女のことを話す前にと言って書類を手渡す議長、訝しながらも目を通すと凱は驚愕に目を丸くした。
それはユニウス7落下事件の調査報告書であった、しかし実行犯は全員が死亡しているのは凱も承知していたが、
テロリスト達の個人情報やMSや武器弾薬、燃料それにユニウス7に取り付けられたフレアモーターの入手経路、その他の調査結果が全て不明で終わっている。
こんな馬鹿な調査結果が在るわけが無い、なんの冗談なのかと聞くがデュランダルは深く頭を振って嘆息する。
「残念ながら、それが私に上がってきた最終的な報告書だ。可笑しいだろう、あれだけの事件を起こした者達の証拠や痕跡が一切無い等、常識では考えられん。
だがプラントにはそれをやってしまう組織がある。覚えているかね」
前に話した内容の中に思い当たる組織がある。たしか『クライン派』と言っていたはずだ。
そしてその旗頭がラクス・クラインであり、現在までその行方が分かっていない。
ここで凱は一つの結論に達した。その凱の顔を見てミーアが何故用意されたか察しがついたのが分かったのだろう。
「軽蔑してくれて構わんよ。そう君の想像通り彼女は本物のラクス・クラインを釣る餌になってもらう。もっとも彼女にはもう一つ役割を期待しているがね」
そう言って彼女、ミーア・キャンベルの話を始めた。ミーアは歌手を夢見る人間であり、路上で歌を歌っている所を議長が見つけたという事であった。
歌自体は技術的には未熟ながらも一生懸命さに溢れていた、しかしこう言ってはなんだが美男美女が多いコーディネイターとしては見た目がパッとしなかった。
そのために周囲に埋もれがちだったのだが、議長は彼女の声に注目した。ラクスと良く似た歌声だったのだ。
本人に聞くと友人にも良く似ていると言われると話していた、そこで議長はラクス本人が帰還するまでプラント市民の為にラクスとして歌って欲しいと頼み込んだ。
むろん、彼女も始めは難色を示したが何とか口説き落とし、整形と教育を経て開戦した当初から活動を始めてもらい現在に至ると締めくくった。
「彼女は囮の事を知っているのか」
「いや、話していない。あくまでも本物がプラントに戻ってくるまで、代わりにプラントと地球の和平の為に活動して欲しいと言ってある」
「騙しているのか!」
デュランダルの胸倉を掴み上げて詰問する凱に、議長はその凱の目を真っ直ぐに見つめて答える。
「敵は強大だ、正攻法だけでは勝てないと踏んだからこその策だ。むろん彼女の身辺には信用の置ける者を付けてある。それに彼女には本当にプラントを救って欲しいのだ」
「プラントを救う?」
随分と大仰な物言いである。胸を摑まれながらも話を続ける議長。
クライン派と一口にいってもこれ程大きい組織が存在するのは信じがたい、つまりプラントの市民が知らず知らずのうちにクライン派に加担しているのではないか。
そしてそのアドバルーンがラクスだというのが議長の推測である、ミーアを使うことで何も知らない市民達の意識を変えられれば、間接的にでも奴らの力を削ぐことが出来るのではないか。
だが彼女にそれを教えることは出来ない、なぜなら彼女もまたラクス・クラインを信奉するファンだからだ、そのラクスを倒すために力を貸してくれとは口が裂けても言えないし、言ったところで拒否されるのが落ちだ。
「凱君、君がこういった手段を好まないのは私も分かっている。しかしプラントの、いや世界の為には必要な事なのだ。
私は議長としてプラントを預かる以上、たとえ悪と言われ様と打てる手は全て打つつもりだ」
ここまで話す中で議長は一片たりとも凱から目を逸らさなかった。
「俺はこんなやりかたを認めるつもりは無い。だが議長の決意は分かった」
この件に関しては議長に任せる、ただし彼女に危険が及ばないように配慮するように釘を刺してから手を離した。
「この事は他言無用に頼む、それとミーアの事はアスランも知っている」
ここで凱は前に聞いた内容の中でラクスの動向に対しての事を思い出した。
たしかヤキン攻防戦の後ラクスと共に姿を消していたアスランはオーブにいた。それにアークエンジェルもオーブから飛び立ったと聞いている。
この二つの事を考えればラクスもオーブに居たのであろう事は想像に難くない。
だからアスランなら本物の居場所を知っているのではないかと議長に言うと、後でそれとなく聞いてみようという事になった。
その後、場所を移すとタリア、アスラン、レイ、ルナマリアそしてシンがテーブルに座っていた。
議長が入室すると慌てて席を立つ一同を片手で制すると一人一人に労いの言葉を掛けて席に着く。
「ユニウス7の件から君達には苦労の掛け通しだね、短い間だがこのディオキアでの休暇を楽しんでくれたまえ」
この言葉から議長と会談が始まった。レイと議長が前からの知り合いだと判明したり、ラクスの慰問コンサートは聞いたのか等、始めのうちは和やかに話が進んだ。
もっとも戦時下でのこと自然と話はこの度の戦争の話になって行く。
「そう言えば議長、宇宙の方はあの後どうなったのですか」
タリアが宇宙の動向について質問すると、ユニウス7はあんな事件があった以上はモニュメントとしてそのまま置いて置く訳にもいかない。スペースデブリとして解体、リサイクルする事になった。
また月に在る連合軍のアルザッヘル基地とは小規模な小競り合いに終始して大規模会戦にはいたっておらず、小康状態を保っているとの返答であった。
その他では、これまでの功績に対してシンに対して叙勲の申請が来ていた、それは認められたので程なくネビュラ勲章が授与されるだろうとの事や、
この辺りのようにプラントに救援を求めてくる場所もあれば、その逆にオーブのように敵対する場所もある。
また停戦、終戦に向けての交渉は打診しているものの連合からは音沙汰が無く、戦火は拡大するばかりで、戦いを終わらせるのは始めるよりも遥かに難しい事だ。
「有史以来、人間は戦争を繰り返してきた。その度に反省し二度と悲劇は繰り返さないと誓うのだがね、なぜか争いは無くならん。本当は誰も戦いたくなど無いはずなのにね」
悲しい事だが、と続けるデュランダル、その言葉にシンが言葉を返した。
「もちろん戦わないのは大切です、でも戦わないと守れないモノが有るなら俺は戦いたいと思います」
「俺は前の戦争のときに、殺されたから殺して、殺したから殺されて。それで最後は本当に平和になるのかと、ある人から言われました」
続いてアスランが口を開き、また凱も先程の事があるので幾分声は低かったが意見を表す。
「罪も無く平和に暮らしている人達は守られるべきだ、それを脅かすモノが有るならば俺も戦う事に躊躇いは無い。しかし本当は戦う前に問題を解決できるように、一人一人が努力するべきだろうな」
シンの発言から黙って聞いていた議長が、すこし逡巡してから口を開いた。
人は自分達と違うものを恐れる、前世紀の宗教戦争や民族紛争等がいい例だ。話してみれば自分達と何も変わらない只の人間だと判るのにそれをしようともしない。
誰かの持ち物が欲しい、自分達と違う、憎い、怖い、間違っている、そんな理由で戦っているのも確かだ。
しかしもっとどうしようもない、救いようの無い一面も戦争にはあるのだ、戦場では様々なものが壊れる。
武器、弾薬が絶えず消費され、ゆえに工場では生産が追いつかない程だ。これを産業として見るならば、これほど回転が良く利益が上がる商売は無い。
戦争で儲かる事を知ってしまうと人というものは産業としての戦争を考えるのだ。
この話を聞いた凱とタリア以外の全員の顔色が変わる。
長く軍務に服していれば、この辺りは嫌でも分かることなのでタリアは平然としたものだし、凱は自分達の世界で国際的な犯罪組織バイオネットと戦っていた。バイオネットには死の商人としての顔もあったので驚くに値しない。
「あれは敵だ、危険だ、討たれた、許せない、戦おう、人類の歴史にはずっとそう叫び常に産業として戦争を考え作ってきた者たちがいるのだよ」
今度の戦争の裏にも間違いなくかれらロゴスがいるだろう、そしてロゴスがブルーコスモスの母体でもあると話を締めくくったが凱が口を挟む。
「だがロゴスそのものが悪い訳じゃない、ロゴスは企業の集合体だから戦争に関係無い人も多く係わっているだろう。問題は戦争を起こす一握りの連中だ、そしてそういった連中が現在のロゴスを支配している状況こそが問題なんだ」
この凱の発言でまた難しい顔をする面々、議長から明確な敵が提示されたと思えば、凱から否定ではないものの判断に迷うような話が出てくる。
「すまない、君達に話すような事ではなかったね」
悩み始めたシン達に向かって今日の話は楽しかった、皆には悩ませるような事を言って申し訳ない。日も暮れるから今日はホテルに泊まって行くようにとの議長の言葉で席を立つ一同。
しかしタリアと凱、アスランが呼び止められた。これからのミネルバの行動に際しての話らしい、三人は席に座りなおし、シン達は退出した。
議長との会談を終えてホテル内を移動しているとシンの足元に何かが転がってきた、拾って見るとそれは小さな羽をパタパタと動かす、赤くて丸いペットロボットであった。
何処からか「ハロ」と言う声が聞こえてくる、どうやらこれはハロと言うらしい。
声のするほうに向かうと、其処に居たのはきょろきょろと辺りを見回すラクスであった、ルナマリアはあからさまに吃驚したようだが、シンは相手がラクスだとしても物怖じしない、レイも同様だ。
「あの、探しているのはコレですか」
シンが進み出てハロを差し出すと、パッと花が開くような笑顔を見せてから受け取り、礼を返してきた。
「ありがとうございます。この子すぐ何処かに行ってしまうので、見つけてくれて助かりましたわ」
そこでザフトの制服に気がついたのだろう、今日のライブは見てくれたか、感想はどうですかと質問が飛んできた。
あまり良く見てなかった自分達としてはどう答えようか迷うところだが、ルナマリアがとても良かったと答え、ついで歌の感じが昔はもっと落ち着いた感じだったのが変わった気がすると続ける。
「私、プラントの人だけではなくて、地球の皆様にも元気を出して貰いたいのです」
だからかしらと答えを返してくれた。
凱達三人と議長の話は開戦から現在までの状況の確認から始まった。
ユニウス7の破片はユーラシア南部からアフリカ中部までの範囲で落下、この被災地域にザフトが復興支援として参加した。
この後、連合から宣戦布告があり開戦となったのだが、直接な交戦国は大西洋連合とそれに同調した国家群であり、けして全地球規模で反プラント行動が興った訳ではない。
そのためザフトは大西洋連邦の支配地域である西ユーラシアから中東地域に軌道上からの降下作戦を実施、支援に降下していたザフトと連携し幾つかの連合基地を壊滅させ橋頭堡を築くことに成功する。
但しプラント側の領土的野心は無い、あくまでも積極的自衛権の行使であるとの宣言によって支配地域に関して友好的に接する。軍事関係以外の行政は地元に最大限有利に採る事とされた。
これは後のコーディネイターとナチュラルの融和政策を実施する上での土台としようとしたのであるが、問題が発生したというものである。
「まずはこれを見てくれ」
手元にポータブルモニターを渡され流される映像を見る三人、その映像にはジンやディン、バクゥ等のザフトMSが連合の基地を襲っている映像だった。
その後は復興作業を行なっている連合兵を攻撃している映像、逃げ惑う市民を追い回し虐殺している映像と続き、この映像をみた凱は激昂する。
激昂する凱をなだめ説明を始める議長。
「この映像に映っているのはザフトではない。いや、それも正確ではないな。正確にはザフトを離反した者達、つまりユニウス7のテロリスト達と同じ存在だ」
あのユニウス7の事件の後、前述の通りプラントは被災地域に対してザフトを派遣し復興支援に乗り出したのだが、この部隊の一部にテロリストの仲間が混じっていた、もしくはナチュラル憎しでテロリストの仲間になった連中らしい。
地上に降りた彼らは活動を開始、各地で破壊活動や虐殺行為を行なっているという。
この事もあり、もともとプラントよりの南アメリカやオーストラリア、この度の戦争で連合から離反しようとする西ユーラシア地区以外でのプラントの評判はすこぶる悪い。
このままでは何時親プラントを標榜する地域も反プラントに回るか知れたものではないし、そしてこのテロリストの行為をザフトの仕業と主張することで、連合が継戦を主張する一因となっている。
そこでミネルバにはこのテロリスト達を追いかけてもらうというのが新しい任務だ、ここで凱に視線を向けタリアとアスランには聞こえないように小声で話しかける。
「彼らを追えばクライン派の尻尾を掴めるかも知れない」
ここでタリアが顔を上げて確認をとる。
「では私達は何処へ向かえばよろしいのでしょうか」
「差し当たり補給と修理が終わるまではここに居てもらうことになるが、現在彼らに関してはほとんど情報が無いのでね、取りあえずロドニア方面に進んでくれ。何か情報が入り次第指示を出そう」
これでミネルバの今後の行動は連合との戦闘にも駆り出されるが、主な任務は無差別なテロ行為の抑制に注力するという方向に決定された。
「ところでアスラン、アークエンジェルの話は聞いているね。あの船がオーブを出た後どこへ行ったのか君なら知っているのではないかと思ってね、聞きたいと思っていたのだ」
この質問にアスランは自分もずっと気に掛かっているが、何も知らない。自分も議長に聞いてみたいと思っていた、と答える。
「では今後アークエンジェルからから連絡があったら知らせてくれないか、あの船の動向は私も気に掛かっていてね。タリアと凱君もよろしく頼む」
この後アークエンジェルの行方については相互に連絡を取ろうという事に落ち着き、話し合いが終了した。
ミーアと喋っていると奥から議長たちが歩いてくるのが見て取れた、どうやら話は終わったらしい。その後ろにアスランの姿が見えるとミーアが走っていってアスランに抱きついた。
「アスラ〜ン」
慌てるアスランを尻目にこの後の予定は、一緒に食事をと矢継ぎ早に話しかける、とにかく会えたのが嬉しくて堪らない。そんな表情がありありと見て取れる。
あっけに取られるその他の面々だが、そこは議長であるデュランダルが口を挟んだ。
「皆さんが驚かれていますよ」
議長の言葉で周りを見渡し「オホホ」と笑ってから、凱とタリアに向き直ると居住まいを正すミーア。
「始めまして御二方、私はラクス・クラインです。お恥ずかしいところを見せてしまって申しわけありませんでした」
ここで議長に向き直り、話は終わったのかと尋ねるミーア。その質問に対して議長は、終わりましたから御二人で食事でも行って下さいと続けた。
これでアスランがミーアに引っ張って行かれ、議長は町の有力者と会食があると居なくなり、タリアとレイは万が一の為もあるからとミネルバに戻った。
「せっかくの休暇ですもの彼方達は楽しんでらっしゃい」
タリアにそう言われて残された凱、シンそれにルナマリアは顔を見合わせてから、その言葉に甘えることにして晩御飯を何にするか話し合う事になった。
翌朝アスランがまどろんでいると何か柔らかい物を掴んだ、ポニョポニョとして暖かい気持ちのよい感触が掌に広がる。もう少しその感触を味わいたくて揉んでみると「あん」と言う声がした。
この声で段々と意識が覚醒してくる、恐る恐る目を開くとピンクの髪が目に飛び込んでくる。
「うわあっ」
驚愕を顔と声に乗せながら後ろに跳び下がるとベッドから落ちる。腰に手を当てながら起き上がると丁度ミーアも目を擦りながら起きだす。
確か昨夜はミーアにせがまれるままディナーを一緒にとって別れたはずだ。なんで自分の部屋に居るのか半分怒りながら尋ねるとキョトンとした顔で無邪気に答えられた
「久しぶりに婚約者に会ったんだからするでしょ」
アスランは頭を抱えながら、ミーアにラクスはそんな事はしないと答えたのだが逆に驚かれた。
「しないの? なんで?」
まさかアスラン女に興味ないのと返される始末である。
そうこうしていると扉がノックされルナマリアが朝食に誘いに来た。慌てて着替えるアスランを尻目にミーアが扉を開けるとルナマリアと凱が驚いた顔で立っていた。
「すまん、朝飯でも一緒に摂ろうかと思ったんだが邪魔したな」
「あ、では隊長ごゆっくり〜」
それだけの言葉を残して閉まる扉を見てアスランはうな垂れた。
「なんか驚きましたね、でも婚約者だし久しぶりの逢瀬だったのかしら」
「あ、ああそうだな」
ルナマリアが先程のセンセーショナルな光景について話している。もっとも凱はあれが婚約者のラクスでは無くミーアであることを知っているために、アスランは案外手が早かったんだな。それとも女性にだらしがないのか?
だとしたら少々これからの付き合い方を考えなければならない。もし艦内の女性を手当たりしだいに口説くようなら説教してやらねば等と考えていた。
エレベーターホールでシンと合流し食堂に到着すると、コーヒーを飲んでいたオレンジ色の髪をした赤服を着た男が話しかけてきた。
「よう、あんた達がミネルバのクルーだろ。俺はハイネ・ヴェステンフルスよろしくな」
気さくに声を掛けてくるハイネに対して凱たちも挨拶を返す。
「あんたが獅子王凱か噂は色々聞いてるぜ、勇者だってな」
そこにミーアを連れたアスランがやってきた、開口一番の台詞は「あれは違いますから」である。ちなみにシンは何のことだか分からないので頭の上に?マークが飛んでいる。
「仲良いな、あんた達」
苦笑気味に言うハイネにやっと気付いたのかアスランとミーアも挨拶を返す。ミーアはハイネの事を知っているのか随分と親しげだ。
「ミ、ラクスはハイネの事を知っているのか」
アスランがミーアに問いかけるとハイネがミーアの護衛を勤めていると言うことであった、どうやら彼が議長の言っていた信用の置ける人間らしい。
朝食をハイネと一緒に摂ることにした凱たちは四方山話に興じる、ハイネとミーアは朝食が終われば次の現場に移動しなければならないという事だった。
「今日は休暇だろう、どうやって過ごすんだ」
ハイネの質問に対してアスランはミーアを見送った後はミネルバに戻ると答える、折角の休暇なのに出かけないのかと凱が問うと、昨日はレイに任せてしまったので交代して書類整理でもしますとの事であった。
朝食が終わり、ミーア達と見送りにいったアスランと別れた凱たち三人の所に私服のメイリン、ヨウラン、ヴィーノの三人が向こうから走ってきた。
町に遊びに出ようと誘いに来たらしい。軽くOKする凱とルナマリア、シンがそれならレイも誘おう、一寸迎えに行って来るとミネルバに向かった。
凱がルナマリア、メイリン他二人と町に出てみると活気に溢れていた。物資も潤沢に供給されているようだし、特に騒ぎも起きていない。
プラントというよりもコーディネイターの評判も悪くないようだ、聞き耳を立ててみると前までこの町を占拠していた連合兵は乱暴な振る舞いが目立っていたが、ザフトは紳士的で好感が持てる。
付き合ってみればコーディネイターも普通の人とどこも変わらない、必要以上に怖がっていたのが馬鹿みたいだと概ね好評だ。
もちろん油断させて寝首を掻くんじゃないかといった声もある、これらが普通に聞こえてくるのだから言論統制などはされていないのだろう。
「こんな戦争なんか速く終わらせて、お互いがゆっくりでも良いから理解を深めていければ、ナチュラルとコーディネイターの垣根を越えて仲良く出来るはずだ」
町の様子を見ながら凱が語ると両脇に居たホーク姉妹が「今日はせっかくの休みですから難しい話は無しです」と言って両手を引っ張って、次の店へと走り始めた。
後に残された整備員二人は両手に抱えた荷物に悲鳴を上げながらもその後を追いかける、戦いの合間に訪れた一時の平和な時間であった。
シンは一旦ミネルバに戻ってレイも町に出ないかと誘ったのだが、実は予定があるのでメイリン達の誘いは断ったのだと言われた。
そういうことなら仕方が無い、先に行った凱達に合流しようと連絡を取ると携帯電話の向こうからヨウラン、ヴィーノの悲鳴が聞こえてきた。
どうやら女子二人の荷物持ちとして扱き使われているようだ。それを察したシンは電話相手のルナマリアにこれから合流するのは大変だから別行動を取ると伝えて慌てて電話を切った。
さてレイも居ないし一人で何をするべきか悩むシンの目に、赤いレンタルバイクが飛び込んできた。久しぶりにツーリングでも行こうかと店の扉をくぐった。
暫く海岸線を走っていると良い感じに道路脇に張り出した場所があったのでバイクを止めて休憩する。
すると何処からか楽しげな声が聞こえてくる、興味をそそられて辺りを見回すと少し離れた崖の上で金髪に青い服の少女が楽しげに鼻歌を歌いながらクルクルと回っていた、
その様子に目を細めてから海の方へ顔を向けて景色を楽しんでいると、「ひゃ」と言う声とドボンと何かが水に落ちる音がした。
慌てて崖の下を見ると先程の少女が溺れている、すぐに上着を脱いで海に飛び込むシン。海面でもがく少女に近寄るが錯乱しているのか、声を掛けても暴れるばかりだ。助けようと近くによるシンも顔を引っ掻かれて頬を切ってしまう。
無理に正面から助けに行くとしがみつかれて一緒に溺れてしまう、相手が疲れるのを待って後ろに回り、脇の下から胴に手を回して仰向けに引き上げる。
海面に顔が出て呼吸が出来るようになれば十分だ、その後落ち着くのを待ってから海岸までラッコ宜しく引っ張って、なんとか海岸まで泳ぎきり少女を岩場に引き上げる。
「死ぬ気かこの馬鹿! 泳げもしないのにあんな場所であんな事、なにぼっとしてたんだ」
シンの剣幕に後ずさり、怯えた表情を見せると突然立ち上がり海の方へ走り出す。これに驚いたシンは後ろから羽交い絞めにして止めると少女は怖がった様子で口走る。
「死ぬの嫌、死ぬのダメ、怖い」
少女の様子を見ると明らかに様子がおかしい、どうやら少女の触れてはいけない部分に触れてしまったらしい。
恐らく自分と同じように親しい人が亡くなる場面にでも遭遇したのだろう、この子も戦争の被害者だ。シンは前に回って力一杯抱き留めて何度も怒鳴る。
「君は死なない、俺がちゃんと守るから!」
この言葉で落ち着いたのか少しずつ落ち着きを取り戻す少女。
「ま も る、ステラの事守る?」
「ああ、大丈夫。君は俺が守るよ」
そのあとは岩場に上がって救援を呼ぶために電話を掛けようとするが、携帯は脱いだ上着の中だ。しかたが無いので少女ステラという名前らしいに、この場所から動かないように言って離れようとすると、服の端を掴まれた。
ずぶ濡れの姿とあいまって雨の中の子犬のように見える。ここから離れることは諦めて後で怒られるかな、と考えつつ肌身離さず持っているエマージェンシーコールを送った。
救援を待つ間に服を乾かすことにして火を熾してから、少女をよく見ると足から血が流れている。先程岩場で暴れた時にでも切ったのだろう、応急処置として自分のハンカチを傷に巻くシン。
「これ、あげる」
そのお礼なのか自分の服を探るとポケットに入っていた桜貝をシンに差し出すステラ。仕草や口ぶりが外見からすると一々幼い感じがする。
先程の暴れぶりと関係があるのだろうか、家族の事を聞くと両親は居ない、スティング、アウル、ネオという人達と一緒にいると答えが返ってきた。
やはり自分と同じ洋に戦争で家族を失ったのだろうと結論をだし、幼い仕草のせいかステラの姿に今は亡き妹のマユを思い出したシンだった。
しばらくするとボートに乗った凱とアスランが迎えに来た、救出要請を出した理由を説明すると納得され、とりあえず町まで連れて行こうとなった。
「あ、バイクどうしよう」
乗ってきたバイクを返さないとならないがステラはシンの傍から離れない。それなら俺が返しておこうと凱が崖を一足飛び駆け上がり崖上に消えると顔を出し、シンの上着を放ってよこしてからバイクが走り去る音が聞こえた。
町へ戻る途中に擦れ違った車を運転している人をみて声を上げるステラに確認を取ると彼がスティングと言うらしい。
その車も停車して淡い緑髪の青年と青い髪の少年がこちらに歩いてくる。嬉しそうな顔を見せて走り寄るステラを止めて話を聞くとシン達に向かって礼をいうスティング。
「ザフトの方ですか、ステラを助けて頂いた様でありがとうございます」
後ろにいたアウルと呼ばれた少年も口は悪いが心配させるなとステラに言っている。お互いに簡単な挨拶を交わして別れる時にステラがシンに話しかけてきた。
「シン行っちゃうの?」
「うん、仕事に戻らなきゃならないから、お兄さん達も見つかったし大丈夫だよ」
「でも」
「大丈夫だよ、また会えるから」
「本当?」
「必ず会いに来るから」
「うん」
こうしてシンはステラと別れた、そして彼らは約束とは違った形で再会する事になるのだが、それはもう少し後の話である。
ステラはシンから貰ったハンカチを見つめていた、それに気がついたアウルが話しかけてくる。
「なんだ、そのハンカチ」
「シンがくれた」
シンというのはさっきの赤目のザフト兵だったはずだ、そんなもの持っていたってしょうがないだろとステラに言うがステラは首を振って嫌々をすると一寸睨んで言って来る。
「シン、ステラを守るって」
「はぁ、あのなぁ、あいつらは敵なの。てーき」
「シン敵?」
「そうだよ、ザフトは俺達の敵なの。あいつらを倒さなきゃ俺達がヤバイんだよ」
「でもぉ」
アウルの言うことは正しい、俺達エクステンデッドは戦って勝つことだけが存在意義だ。ステラを助けてもらったことは感謝してもいいが戦うならば必ず殺す。
「お前ら、いい加減にしとけよ。もう帰るんだからな」
後ろでまだ何か言い合っている二人に向かってたしなめるスティングの運転する車の前から赤い髪をした女が運転する紫色のフェラーリF50が走ってきて擦れ違った。
君達に最新情報を公開しよう
新たな任務に赴くミネルバの前に連合軍とオーブの共同艦隊が待ち受ける
戦いの最中突如現れた白い戦艦とは
嘗て無い危機を前に凱達はどう立ち向かうのか
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第9話 新生 勇者王 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ガオーシルエット
ども小話です
今回の話はまったりとしています
今回もか? 勢いが足らんとか言われたし
力を抜いて書いていた訳では無いのですが
確かに自分でもここ何回か熱が不足しているとは感じてました。反省
あと、指摘があった所自分なりに解釈して議長に語らせました
書き切れてはいませんが、いかがでしょうか
次回は戦闘メインの予定ですがどうなる事やらですね
ではまた
>>815 GJ
紫色のフェラーリ、赤い髪の女、どう考えてもあいつらですね、分かりますwww
しかし、フェラーリには、種の世界は地獄だな。ショタがいないもの(笑)
GJっす!!
赤い髪の女…もしや命か!? いやルネもありえなくは・・・でもピンクだったような気もするし・・・
とにかくGJ!!
GJ!!
ですがフェラーリのビークルモード時はパトカーなので白と黒のツートンだった筈…
あ、目立つから塗り替えたのかw
>>816 ニコルが生存してたらヤバイなw
>>819 確かパトカーだけど車種はフェラーリって設定があったから、塗り替えたんじゃね?
異世界で所属不明のパトカーが走ってたら、そりゃ怪しいわな
でもパトカーのひと、塗り替えてもパトランプ外せないだろに・・・
はっと! ホログラフィック・カモフラージュですね!
823 :
一尉:2009/06/23(火) 22:29:17 ID:???
そうえば、第1話でプランスの警察に化けていましたよ。
子連れダイノガイスト 第十三話 怪獣大決戦 南海の死闘
オーブ領海の深海。深度一万メートルにも達する深い海溝の中を、数多の戦艦を継ぎ接ぎにして建造された巨大な万能戦艦サンダルフォンが航行している。
無補給で冥王星までの往復を可能とする航行能力や、単艦で小規模の艦隊とまっこうから対等以上に撃ちあう砲戦能力、機動性、重装甲、索敵能力を併せ持った規格外の超高性能艦であり、地球圏を荒らす悪名高き宇宙海賊ガイスターの母艦だ。
自動航行状態の船内の、第一格納庫にユニウスセブン落下の際に別行動を取ったアルダ・ジャ・ネーヨを除く主要人員が顔を揃えていた。首領であるダイノガイストの居室も兼ねている格納庫に、艦長他アスカ兄妹とテレビロボが顔を突き合わせている状態だ。
全長八百メートルにも及ぶ船体ゆえ、MSを一回りも二回りも上回る堂々たる巨躯を誇る恐竜形態のダイノガイストでも窮屈な様子はない。傷一つない漆黒の装甲からは目の前に立たれるだけで、膝を屈してしまいたくなるほどの重圧を伴う威厳が発せられている。
一歩を踏み出せば大地が揺らぎ、その凶暴な牙が並ぶ口から咆哮が轟けば天が震え、深い知性と原始の本能が融合した光の浮かぶ瞳に見つめられれば、恐怖に舌の根はもつれてうまく言葉を操ることなど出来まい。
流石に数年来の付き合いとあって、新生ガイスターの面々は萎縮したり動じる様子は見せないが、程度の差こそあれそれぞれが緊張した様子ではあった。オーブでの休養を終えて、心身ともにリフレッシュしている。
口を開いたのは艦長だ。長丈のコートと、左目だけ隠すサングラス姿だ。オーブにひっそりと潜入していた時も、ほとんどサンダルフォンから降りずにいた。
「ユニウスセブンの戦闘以来、ガイア、アビス、カオスを強奪した部隊の行方は不明のままです。新たに情報が入るまで、どのように我々は行動しますか、ボス?」
『あのミネルバの連中もここに居る筈だな。まずは奴らから叩き潰す。アズラエルとの連絡は取れたか』
「いえ。ですが、ユニウスセブンの落下をコーディネイターの仕業として吹聴する放送が流れています。地球連合とザフトとの間で最悪の事態となるのも時間の問題でしょう。あるいは、すでに」
『オーブがミネルバを売り渡しているかもしれんと言う事か。となれば、連中の命運はここまでかもしれんな』
面白げにダイノガイストは呟く。インパルス用のシルエットで手に入っていないものもあるが、それほど熱を入れ上げる価値があるとも思えない。アーモリーワン以来の縁はあったが、その縁がこれまででも構わないだろう。
『よし。シン、いつでもMSで出撃できるよう準備をしておけ。地球連合の艦隊ごと叩き潰してくれるわ!』
空気がびりびりと怯えに震えているように感じられるダイノガイストの声に、シンは力強く頷いた。シンがインパルスの下へ、艦長とテレビロボが艦橋へ戻るべくその場を退席した後も、マユはその場に留まっていた。
なにかダイノガイストに聞きたい事があるようだが、あのオーブの洞窟で溌剌と笑っていた面影はなく、仄暗い水の底に沈んでしまっているかのように、その顔色は暗澹としたものだった。
マユほどひどくはないが、シンも同じような顔色だった。この二人がなぜそんな顔色になるのか、人間の心の機微を生物としての相違から完全に理解する事は出来ないダイノガイストでも、その理由は察しがついた。
二年前にアスカ兄妹が両親と故郷を失い、焼かれたあの戦いが、再びオーブの地へと降りかからんとしているのだ。平静でいられる筈もない。血の気が引き、死人の様な顔色のマユが、おずおずとダイノガイストの爪先に手を掛けながら見上げる。
椛の葉の様に小さなマユの手は、幾百幾千もの敵や建物を踏み潰してきたダイノガイストの銀爪に比べてあまりにちっぽけで、この少女と宇宙海賊のボスとが意思を疎通している様子は奇跡の様だ。
「ねえ、ダイノガイスト様」
『なんだ?』
わずかだが、慰めるように柔らかな響きだった。そんな風に声をかけてくれるダイノガイストの配慮に、マユは心の中でありがとう、と呟く。直接口にしていたら、きっとそっぽを向かれてしまうだろうから。
「また、オーブが焼かれちゃうのかな。また、お父さんやお母さんみたいにたくさんの人が死んじゃうのかな?」
『さあな、まだ戦争は起きてはいない。それに、あの時とは国の政治家も違う。みすみす同じような過ちはせんだろう。お前とて、同じ失敗を繰り返さないよう気をつけるだろう? 子供のお前でもそうなら、大人がそうしないわけがあるまい』
「そう、かな。そうだといいな」
『子供がどうにもならんことを考えるな。お前の頭ではまだ難しい事など考える事もできんだろう』
「……ダイノガイスト様、ちょっとひどい。さっきもなんだかんだで失礼な事を言っていたでしょう」
『さて、知らんな。お前の勘違いだろう。それよりも早く艦橋に行け。すぐに出港するぞ』
「むぅ〜、なんだか誤魔化されている気がする〜」
『はやく行け!』
「はぁ〜い」
ててて、と軽やかな音と共に背後のエレベーターへ乗り込むマユの背を見送って、ダイノガイストはふん、と一つ吐き捨てる。溜息に似ているがどことなく苦笑しているようでもあった。
*
艦長がアズラエルからの連絡が無いと口にしたように、ユニウスセブン落下未遂に関する多くの報告事項や決断を下さねばならぬ事態とあって、さしものアズラエルもガイスターに連絡をつける事ができずにいた。
だが、ダイノガイストや艦長の予想通りに、ミネルバと地球連合艦隊との間で戦端が開かれた。わずかに数日の後の事である。
オーブがミネルバを売るという予想は見事に的中したようで、痛んだ装甲を修復し終えたミネルバが、オーブ領海を越えるや否や空母を含む地球連合の艦隊に待ち伏せを受けたのだ。
くすんだグレイ色のミネルバの船体からは、夥しかった傷跡は消え去り、蹂躙された柔肌は、美しさを取り戻し揺らめく海面が照り返す陽光を受けて輝いてさえ見えた。
ミネルバを待ち伏せた連合艦隊は空母四隻を含み、さらにミネルバの後方にはオーブの領海警護艦隊の姿があった。行く手には連合艦隊が、後方にはミネルバを売り渡したオーブの艦隊。
飛んで逃げる事も潜って逃げる事も叶わず、ミネルバは八方塞がりの状態へと追いやられてしまっていた。
フォースシルエットを装備したフォースインパルス二機で、十数機を越える連合のMS部隊と艦隊を相手に奮戦する様は、なかなか見事であったが、ミネルバ隊が最新鋭の装備と優れたパイロットで構成される部隊とは言え、所詮寡勢。
数で勝る連合の艦隊に押し切られ、この美しい南の海の藻屑となって消えるのが時間の問題なのは、誰の目から見ても明白であった。それは戦っているミネルバが誰よりも確かに感じているのだろう。
雲霞の如くミネルバへと押し寄せる地球連合の主力MSウィンダムを相手に、レイとルナマリアは戦暦で言えばまだルーキーであるのに、見事に戦い時にはビームライフルの一射が、並んだウィンダムを貫いて同時に二機撃墜する光景も見られた。
敵MSのみならず連合の艦艇からの砲撃やミサイルが絶えずミネルバへと降り注ぎ、CIWS(迎撃システム)が絶え間なく稼働してミサイルを撃ち落とし、操舵手のマリクがよほど優秀なのか、砲撃はミネルバの周囲に水柱を上げるきりだ。
MS隊と艦艇の砲撃がいま一つ成果を上げられずにいる状況に業を煮やしたか、地球連合艦隊の旗艦に動きが見えた。船体後方のヘリポートが左右に開き、そこから巨大な物体がせり上がってくる。
異様、と言える機体だった。ほぼ半球状のボディには細く左右上方に吊り上がったピンク色のカバーに覆われたパーツが機体上方に四つあり、ボディから四方へと太く短い脚が伸びている。
全長47メートル、重量526.45トンに及ぶ巨躯を誇る地球連合軍の新型MAだ。ミストラル、メビウスと言ったこれまでザフトのMSに対して有効となり得なかった戦力と違い、一機で多数のMSを相手にできるほどの性能を持たされている。
はるかに数で勝るMSや艦艇のみならず、データに無い新型巨大MAの出現に、ミネルバが迅速な対応を取った。
ミネルバの艦首から陽電子砲タンホイザーの砲門が展開されたのだ。前大戦で使用されていた陽電子砲は、地上への環境に対する放射能汚染がどうしても発生していた代物だが、技術の発達によってぐっと悪影響を抑えられている。
とはいえ、旧世紀から続く汚染の爪痕が色濃く残る海洋上での、陽電子砲の使用は褒められたものではない。しかし艦とクルーの命を預かる艦長の判断であるなら、止むを得ぬ所と釈明の余地はあるだろうか。
果たして雷鳴の如き轟音と共に放たれたタンホイザーの光が、新たに出現したMAザムザザーめがけてまっすぐに伸び、海面と触れるやタンホイザーが巻き起こした光の渦は水面を蒸発させて水蒸気爆発を発生させてゆく。
真白い光が辺り一帯を染め上げる中、ザムザザーが制動の為か極端な前傾姿勢を取り、瞬く間にタンホイザーの光の中へと飲み込まれる。のみならずザムザザーの後方に位置していた地球連合の小艦艇が熱量に耐えられず爆発を起こし、数百名の命が海に散る。
乗員の命を呑みこんだ爆炎が煌々と海面を照らしだし、毒々しい黒煙が青空に黒墨をぶちまけた様に広がる。ただの一撃でこれだけの破壊を生み出す陽電子砲の破壊力は、敵対する者にとって脅威と恐怖の二つ以外の何物でもあるまい。
しかし、もうもうと立ち込める水煙の中に、前傾姿勢を維持したままのザムザザーの姿がミネルバのクルーの瞳に映る。いかなる手段を講じてか、この新型MAはタンホイザーの光を完全に防ぎ切ったのだ。
無慈悲な破滅の光輝などなにごとでもなかったかのように、ザムザザーは洋上を飛行してミネルバへと迫りくる。ミネルバはトリスタン、イゾルデと言った主砲副砲の砲塔を旋回し、敵戦艦へと照準をつける。
最強の砲撃を防がれても、まだミネルバの艦長陣はあきらめてはいないようだ。あるいは往生際が悪いと言うべきであろうか。
ミネルバと地球連合艦隊の交戦を見学しているガイスターの面々から見た場合、ミネルバの奮闘はあきらめが悪いという評価であった。
ミネルバの様に単艦で多くの敵との戦いを強いられた経験のある艦長ことナタル・バジルールは、かつての自分達の苦境をミネルバに重ねたのか、サングラスに隠れている眉間に皺を刻んでいる。
オーブ領海警護艦隊がオーブ領海線へ接近したミネルバへと発砲を始めた時には、食い入るように見つめていたマユが、あ、と小さく声を漏らした。
ユニウスセブン落下阻止の為に、ミネルバが奮闘していたのを知っていたから、オーブがミネルバに発砲している事が信じられないようだ。
ユニウスセブン落下阻止にはガイスターの介入が大きな要因となっているが、それでも地球を守ろうとしたミネルバに、故国があのような仕打ちをする。その事が、小さな胸の奥をきりりと締めつける。
悲しげなマユの背を見つめていた艦長が、ぽつりと呟いた。
「オーブ艦隊、うまくやっているな」
「え?」
「一発もミネルバに当てていない。政治屋はともかく、現場の軍人はあの船に恩を感じているのかもしれないな」
「……」
落ち込んでいる自分を励ます為に艦長が口を開いたのだと気付いて、マユは小さく笑って背後の艦長を振り返った。マユの視線がこそばゆかったのか、艦長は目深に帽子を被り直し、ごほんと一つわざとらしい咳払いをする。
しかし、顔を上げた時視線には厳しい軍人然としたものへと変わり、地球連合艦隊とミネルバとを睨み据えていた。
「マユ、シンに強襲のタイミングを間違えるなと厳命しておけ。サンダルフォン、後方カタパルト展開、ボス、いつでも発進できます」
水中での機動兵器の出撃には格納庫部へ少しずつ海水を注入して満たしていかなければならない。そうしないとハッチを開いた時に大量の海水が流入して艦のバランスを崩しかねないためだ。
戦闘開始からすでに注水を終えたサンダルフォンの後部カタパルトのハッチが開き、そこからゆっくりと巨大な影が大海原へと身を乗り出した。新旧ガイスター最強にして最高の戦力、そして精神的支柱でもある存在――ダイノガイスト。
南洋の青い水の中でもなおひときわ輝く瞳を、上方の地球連合艦隊とミネルバの船底へと向け、ダイノガイストは口の端から気泡をごぼごぼと零れる。それは、これから破壊の宴へと落とし込む哀れな獲物へ向けた残酷な笑みの為であった。
ゆるやかに戦闘機形態で海中へと飛び出たダイノガイストは数度バーニアを吹かし、機首を海面へと向ける。
フォースインパルスを駆るレイは、ウィンダムの相手をルナマリアに委ねてザムザザーの相手をしていた。
巨体に似合わぬ機動性を見せるザムザザーは、振り上げたビームサーベルの一閃をかわし、撃ちかけたビームライフルは背のピンク色のパーツから多角形の、光の盾を展開して全て防ぐ。
「タンホイザーを防いだのもこれか! このMA、手強いっ」
氷の様な印象さえ受ける冷静なレイの細面に、かすかに苦いものが浮かぶ。ザムザザーは防御、パワー共にMSの比ではない。ずんぐりとした四肢の先から、複列位相砲を放ち、単装砲や低圧砲といった多様な火器が次々とフォースインパルスへと襲いかかる。
こんな火器の塊の様な化け物に取りつかれたら、ミネルバといえども瞬く間に巨大な鉄屑に変わってしまうだろう。決死の思いでザムザザーと渡り合うレイだが、刻々と旗勢が劣勢に変わってゆくことを認めざるを得なかった。
ザムザザーの四肢の一つの先端がくるりと回転し、収納されていた巨大な鉤爪が露わになる。超振動によって対象分子の接合を崩壊させて切断する爪だ。VPS装甲といえどもこれによく対抗しうるか。
絶望が待ち受ける大穴へと徐々に近づく心境のレイが、不意に海面下から高速で接近する巨大な熱量に気づく。このタイミングでの出現、地球連合がさらに伏せていたジョーカーに違いあるまい。
もはやミネルバ隊がこの戦いを生き残る事はまさしく絶望となった瞬間だ。だがそれは高速で上昇してきた熱源が、海面下五十メートルで戦闘機形態から恐竜形態へと姿を変える存在でなかったら、だ。
まるで沸騰したかの様に沸き立つ海面から、巨大な水柱が上がり、白く染まる水柱の中に漆黒の塊が影を映す。苦衷に歪んでいたレイの顔に、更なる驚愕の色が広がる。アーモリーワン、ユニウスセブンで目の辺りにした暴虐の化身たる存在。
「ダイノガイストっ!?」
レイの叫びに答えるかの様なタイミングで、ダイノガイストは水柱を割り裂き、海面が震えるほどの大咆哮と共にザムザザーへと襲いかかった。
ダイノガイストの巨躯に比して小ぶりな三本爪の腕が鉤爪を展開したザムザザーの両前足を抑え込み、MSの頭部を軽く噛み砕く大顎が開かれ、ザムザザーのパイロットに対して威嚇の咆哮が叩きつけられる。
アーモリーワン、ユニウスセブンに続きオーブ領海付近での戦いにもガイスターの介入が行われた瞬間である。
心臓を内側から握りつぶされたかのような衝撃に呆然としていたザムザザーのパイロット達三人が我に返り、格闘戦を挑むダイノガイストへと焦点を合わせる。生物としての本能が告げる。
今もっとも危険で、打倒しなければならないのは目の前の鋼の恐竜なのだと。生体CPUとして強化されたザムザザーのパイロット達は、過剰に分泌されたアドレナリンや脳内麻薬によって、気づかなかった。
打倒しなければならないのは確かにダイノガイストだ。だが、それ以上になりふり構わず逃げ出さなければならないのが、このダイノガイストなのだと警告する生存本能の警鐘に。
ダイノガイストの首を刈るべく高く振り上げられたザムザザーの鉤爪を、ダイノガイストの短い両手が受け止めた。モデルとなった恐竜を忠実に再現した構造の所為か、ダイノガイストの両手(前肢?)はひどく短い。
ザムザザーの両前足を根元に近い所で受け止めた所為で、余ったその鉤爪の先端がダイノガイストの背中へと叩きつけられている。さらに各脚部に内蔵された四門の75mm対空自動バルカン砲塔システム・イーゲルシュテルンが、ダイノガイストの装甲を撃つ。
地球連合のオーブ侵攻戦の時の全損寸前だった頃ならともかく、完全に回復し、グレートエクスカイザーとの最終決戦時よりも地味に強さを増したダイノガイストには、蚊が刺したほどにも痛痒を与えない。
75mmAP弾も超振動クラッシャーXM518ヴァシリエフの爪先も同様だ。ふん、とせせら笑い、ダイノガイストは一気にザムザザーを押し込む。
ダイノガイストの圧倒的なパワーに、ザムザザーも推力を最大にするがそれでも足りずダイノガイストの両手の爪が金属を引き裂く音と共に噛み合い、分厚い筈のザムザザーの装甲を内部のコードや機器ごと切り裂かれる。
両前足の掴まれていた個所が切り裂かれた事で、ダイノガイストの拘束から解き放たれたザムザザーを咄嗟に後退させたのは、パイロット達を褒めるに値する判断であったろう。
ぶらん、と垂れ下がった両前足姿のザムザザーはタンホイザーを跳ね返した時に比べれば惨めなほど滑稽な姿であったが、機体を半回転させてGAU111単装砲やMk79低圧砲の砲火を見舞った。
ダイノガイストの周囲を着弾の水柱と直撃が襲って黒煙と真白い水柱の中へと閉じ込める。開いた距離を維持しつつ、ザムザザーのパイロット達は狙いだけは正確にトリガーを引き続ける。
少なくともトリガーを引き続けている間は、自分達が生きている事を感じられる。残弾に気を使う事無く無茶ともいえる連射によって、ザムザザーに充填されていた弾薬があっという間に尽きた。いくらトリガーを引いても、エンプティの表示が出るだけだ。
くそ、と三人それぞれが悪罵を吐く中、ダイノガイストを閉じ込める水柱の牢獄の一点が灼熱の炎の色の染まり、それは瞬く間に熱せられて水蒸気へと変わり内部から水の牢獄を打ち破ったものの正体を露わにした。
それは、遥か地の底を対流する溶岩流が噴出したかの如き灼熱の炎だ。ダイノガイストの開かれた口から吐き出された炎が、あっという間に広がりザムザザーのダイノガイストよりも大きな機体を呑みこむ。
数秒であっという間に上昇してゆく機体外部装甲の温度に気づき、このままでは中の自分達が蒸し焼きにされるだけだと、恐怖に慄いたパイロットの一人が、ザムザザーの持つ最硬の盾を展開した。
陽電子砲さえ防ぐリフレクターだ。機体上部の四つのパーツから展開されたリフレクターは、数万度にも達しようかと言うダイノガイストの火炎を見事跳ね返し、千切れ雲の様に飛散した炎は瞬く間に海水を蒸発させる。
モニターを埋め尽くす地獄の炎に恐怖しながら、それが決して自分達が焼かない事を悟って、あからさまにザムザザーの三人のパイロット達の顔に安堵が浮かぶ。それが浮かんでいられたのは、ほんの数秒のことであった。
炎を吐いたままダイノガイストがザムザザーへと突撃し、息の呑む間にリフレクターへとその短い両前足を叩きつけ、吐いていた炎を止める。
紅蓮の炎の代わりにモニター越しにこちらを睨みつけるダイノガイストの双眸の鋭さに、比喩でも何でもなく彼らの心臓が一時、鼓動を止める。舌の根が凍りついた様に動かず、喉から零れるは意味を成さぬ言葉のみ。
『小賢しいものを考えるな。だが、展開できるのは上方だけで、下方からの攻撃には対処できまい?』
「っ!?」
耳に聞こえた声が幻聴ではないかと疑う間もなく、目の前のダイノガイストが拳を振り上げるのが目に映る。
『だが、その様な小細工はおれの性には合わん。この程度の小細工、正面から叩き潰すまでよっ!!』
風切る音と共に振り下ろされたダイノガイストの拳がリフレクターへと叩きつけられる。無論、いかなダイノガイストのパワーとてタンホイザーさえも防ぐザムザザーのリフレクターを砕く事などできない。
叩きつけた拳を支点に、ダイノガイストの巨躯が勢いよく空中へと飛び上がった。そのままバーニアを吹かしてさらに上昇し、雨の如く落ちる無数の遠雷の様な声が戦場に轟く。
『チェーーンジッ! ダイノガイストォ!!!』
介入する暇のない高速の変形が行われるや、ダイノガイストは太陽の光も黒々と染めて跳ね返す暗黒の鎧を纏った、古武者の如き人型へと姿を変える。落下の勢いをそのままに乗せて、ダイノガイストの右飛び蹴りが再びリフレクターへと叩きつけられた。
ガラスを雨粒が叩いても破れはしないように、エクスカイザー顔負けの見事なフォームのダイノガイストの飛び蹴りも、ザムザザーのリフレクターを蹴り破る事は叶わない。背のバーニアを吹かしてさらに勢いを増すダイノガイスト。
その様を徒労だと吐き捨てようとしたザムザザーのパイロットのリーダー格が気付く。確かにリフレクターを展開していればザムザザーはダメージを受けない。
しかし、ザムザザーがリフレクターを展開しながら使用できる武装でダイノガイストにダメージを与えられそうなのは、四肢に装備された複列位相エネルギー砲M534ガムザートフくらいのものだろう。
それとて、下手に砲門を向ければリフレクターでカバーしきれない個所を晒す事になる。使用する状況を誤れば、こちらの命取りになるのは火を見るよりも明らかだ。だがザムザザーとて永久にリフレクターを展開していられるわけでもない。
軍でも危険視されている謎の巨大MSダイノガイストの動力がなんなのかは分からぬが、持久戦に持ち込まれた場合、先にザムザザーが根負けする可能性も捨てきれない。そうなれば、なすすべもなく八つ裂きにされてしまうだろう。
もはやザムザザー単機では手に負えないと、友軍に味方を要請しようとした矢先に、ミネルバを取り囲み、後退したレイとルナマリアによって迎撃されていたウィンダムに上空から次々と光の矢が突き刺さり、頭部やバックパックを破損した機体が続出する。
先にサンダルフォンから出撃し、はるか上空で待機していたシンのエールインパルスだ。ダイノガイストが戦闘に介入してザムザザーを抑えたのを合図に、一気に降下して連合のMS部隊めがけてビームを見舞ったのだ。
シンのエールインパルスに合わせて、海中を潜航していたサンダルフォンも機関の出力を最大にして急速に上昇し、ミサイル発射管に装填した魚雷を次々と発射して連合の艦艇の船底に大穴をあけて行く。
詰めた火薬の量を減らしてあるから、機関部を巻き込んで引火し大爆発を起こす様な事はない。それなりに脱出までの時間の余裕はある筈だ。そのままサンダルフォンは連合艦隊のど真ん中へと、海面を割って飛び出し、ケミカルボムを装填したミサイルをばらまく。
空中で内蔵していた小型の多弾頭をばらまいたミサイルは、海水に触れることで強い粘着性を帯びるケミカルボムを蜘蛛の糸の様に空中でばらまき、びらびらと連合艦隊の残存艦艇に降りかかって、その動きを鈍らせる。
砲塔やミサイル発射管、MSの発進口を塞がれた艦艇は動くもままならずその場に縫い止められる。蜘蛛の巣に掛かった哀れな虫そのままの有様だった。難を免れたのは、単独で二十隻を越す連合艦隊と戦っていたミネルバだけだ。
哀れにも進退かなわぬ連合艦隊に、例の火薬量を減らしたミサイルが次々と突き刺さって戦闘能力を奪い、退艦する兵士達の乗る救命ボートが数を増す。
ダイノガイストの出現を気に、わずか数分で戦場の天秤の傾きが変わった事に気づき、ザムザザーの各パイロット達の顔から血の気が引いた。
本来ならこのような窮地を打破するのが、ザムザザーに寄せられた期待なのだろうが、それはとても叶えられそうにはなかった。
拳を叩きつけた時と同じ要領で、飛び蹴りの姿勢からダイノガイストがリフレクターを蹴って飛びあがり、太陽に黒々とした影を映しながら背に負った刃の柄へと手を伸ばす。根元から切っ先に行くにつれて緩やかに弧を描く銀刃。
ダイノガイストのパワーと技量が加わる時、比類なき切れ味を発揮する愛刀ダイノブレードだ。陽の光を受けて網膜を切り裂くような輝きを放つダイノブレードが、ザムザザーのリフレクターにXの軌跡を描いた。
陽電子リフレクターとダイノブレードの接触は、鞘鳴りの音にも似た甲高い高音を発し、勝敗は後者に軍配が上がった。
ダイノブレードの交差した軌跡に沿ってリフレクターが四つに断たれるや、再展開する暇を与えずにダイノブレードが雷光の如く疾走して、リフレクターを展開する四つのパーツを余さず切裂く。
戦艦の陽電子砲さえ防ぐリフレクターは、陽電子兵器に対しては完璧に等しい盾であったが、それ以外の兵器に対しては決して完璧とはいえぬ盾で、高出力のビームや実体兵器でも破る事は不可能ではなかったのだ。
更にダイノブレードが虚空に軌跡を描くこと六度。四肢と低圧砲を全て斬り落とされ、多大なダメージにザムザザーは機能不全に陥る。機体を浮かせる推力を失って海面に落下したザムザザーが上げた水しぶきが、足裏のバーニアで浮くダイノガイストに降り注いだ。
海神が戦いの勝者を称えるかの如く降り注ぐ水しぶきに濡れるダイノガイストの巨躯が、太陽の光の下勝者の栄光と共に輝いていた。
つづく。
変形過程を上手く文章にできなひ。難しいものですねえ。ちなみにボスの好物は冷えた八宝菜という裏設定を捏造しています。中のヒト的な意味で! では、お邪魔しました。
後、おまけというか没ネタ
・Dライザー。
まんまガンダム00に出てきた0ライザーという支援機。150億年から300億年前の遺物とされるGストーンとJジュエルを搭載したダイノガイスト支援機。
マユが搭乗する事でGストーンを、ダイノガイストがJクリスタルの出力制御を行い、ガオガイガーFINALでルネとJが起こしたJジュエルとGストーンの共鳴現象を発生させるシステム搭載。
合体後はダイノライザーか、ライザーダイノガイスト、ダイノガイスタライザーとかそういう名前にするべえか、と思っていましたが、パワーアップするタイプではないなあ、と思い直してボツ。
一晩寝て改めて考えた設定を見て恥ずかしくなったのもいい思い出。
では、またいつかお会いできますれば幸いです。お邪魔しました。
>>830 GJ!ダイノガイスト様格好よすぎる。
あと、海上でダイノガイスト様が恐竜形態で戦うシーンで、ゴジラ連想してしまった(笑。
660氏 GJ!
ダイノ様が相変わらず格好良いですね
外伝からするとステラはガイスター入りしそうですけど
レイとかルナはどうなるのか楽しみです
Dライザーw見てみてえw
なんというゴジラvsエビラw
そしてDライザーだ、と…つまりダイノガイスト様もグレート合体できると?
Dライザー・・・・・・つまり新メカゴジラの追加パック「ガルーダ」の事ですね、わかります
Dライザーと合体することによってダイノガイストはスーパーダイノガイストになるのだ!
って事か。
東アジアの片隅で
対ダイノガイスト用決戦兵器七三式機龍
なんてのが生まれてそうな流れだけど骨格提供者がいないね。
宇宙からの物体Xから作れば…ほら、種世界だと羽クジラとかいるし
OSの略称でGUNDAMな世界なんだからMOGERAならぬMODERAとかもアリ?
839 :
一尉:2009/06/25(木) 20:55:50 ID:???
もやはコジラ並み型攻撃だよな。
>>837 キラーホエール建造フラグ?
拉致ったマユに木端ミトコンドリアにされる様が容易に想像出来るな
>木端ミトコンドリア
ゾイド/0を思い出す……最高の科学者でありながら、詰めが甘い男だった。あれ、種世界だと上層部にいくらでも居そうな設定だな。
シンのインパルスはエールパック背負ってるの?
誤字じゃない?
シルエットまでは盗めなかったから、ストライク用のを流用してた筈
誤字ではないよ
>>842 倉庫で過去話を漁ってくるのだスタースクリーム
総帥おつかれでした。うはー。ダイノガイスト様が発進して海中を
進むシーン、ゴジラのテーマが頭をよぎりましたよ。
勝てない勝てない。
>>844 わたしにいい考えがある。この際一話から全部読み直させるんだ。
847 :
一尉:2009/06/27(土) 17:29:29 ID:???
まあな、凱旦那なら運良く生きるよ
勇者王ガオガイガー DESTINY
第9話 新生 勇者王
夜の街道を走る紫のフェラーリF50がディオキアの繁華街まで来て停車すると、赤い髪をした淡いピンクのコートを着た女が運転席から下りた。
辺りをぐるりと見渡すとフンと鼻を鳴らしてから歩き始める、向かった先は酒場のようだスイングドアを開けて店内に入るとカウンターに腰掛けて飲み物を注文する。
静かにグラスを傾けて喉を潤す彼女の両脇に、ほろ酔い加減のザフト兵が陣取り声を掛けてくるが、一瞥すると切って捨てる。
「しつっこいわね、興味無いって言ってるでしょ」
この言い分に一人が手を挙げようとするがもう一人が止めに入る。同僚を止める時に「議長が居る時に問題を起こすな」と言うのが聞こえた。
その言葉には目を細めて流し目を送ってから、テーブルに代金を置いて立ち去り、自分の車に乗り込んだ女は携帯電話も使わずに一人で何事か喋りだす。
「プラントの議長が此処にいるみたいだね。そっちは何か分かった?」
まるで誰かが傍にいるような口振りだが、車内には彼女一人だ。しかし何処からか声が聞こえてくる。
「ハイ、ですが少々拙い事態になりそうです。ダーダネルス海峡に連合軍の艦隊が集結中との通信を傍受しました。それと凱機動隊長の反応が在ります」
それを聞いた女、ルネ・カーディフ・獅子王は吃驚した顔をすると凱が何処にいるか尋ねる。
「凱が何処にいるか分かる? ボルフォック」
尋ねられたルネが乗るパトカー型のビークルロボGBR−4ボルフォックが質問に答える。
「反応は移動中、現在地は港に停泊しているザフトの戦艦ミネルバ内と思われます」
ルネは如何するべきか思案する、忍び込めないことはないが今は調査任務の最中だ。
ボルフォックの話だと拘束などはされていない様だし、危険は犯さないほうが良いと判断する。
「いいわ、連絡取れるようなら呼び出してちょうだい」
ボルフォックはGGGの秘密コードでこちらの場所と一人で来るようにとの暗号文を、指向性の電波に乗せて凱が居る方向に送る。
凱であればエヴォリュダーの能力で通信機が無くても受け取って解析出来るはずだ。
程なく凱がこちらに向かってきているとボルフォックが言うので、そのまま待機していると目の前に当人が現れた。
「ボルフォック、それにルネ! 無事だったか」
大声でこちらを呼ぶ凱に対して、黙ったまま助手席に乗るように片手で指し示すルネ。それを見て大人しく助手席に座る凱にルネから話しかける。
「そっちこそね、なぁに凱。あんた今ザフトにいるの?」
相変わらずの従兄弟の態度に苦笑しながら、凱は今までの顛末を話す。全て聞き終えたルネは「ふうん」と詰まらなそうに相槌を打った。
「今度はコッチの番ね」
ルネが此方に来た時の状況から説明を始める。ルネ達は約四ヶ月前に木星近くの宇宙に放り出されたとの事であった。
そしてある恐るべき敵の存在を知り、この危機を伝えるべく地球への進路を取ったGGGだったのだが、ここで誤算が生じた。
「まさか、地球に着いたらあたし達の知ってる地球じゃないなんてね」
その後GGGは廃棄された資源衛星基地に身を潜め、ルネとボルフォックは各地を回り、地球の情報をGGGに送っているという事だ。
そして情報を基に協議した結果GGGはDSSD(Deep Space Survey and Development Organization=深宇宙探査開発機構)と国際緊急事態管理機構の二つと接触しようとしているはずと答えるルネとボルフォック。
一通りの話を聞き終わった凱は労いを口にする。
「苦労したな。で、皆は無事なんだな」
「卯都木はまだ寝てるけど、それ以外は皆無事よ」
それを聞いた凱は表情こそ変えなかったが、車内に拳を握る音が微かに響いた。それにはルネもボルフォックも気がつかないフリをした。
「これから如何する? なんなら俺から議長に話しても良いが」
「悪いけどもう少し世の中を見てみたいからね。私らだけで色んな所を回って調査を続けるよ」
そう言うルネに、それならついでに「ロゴス」と「クライン派」について調査してくれと頼み、二つの組織について知っていることを全て話す凱。
ルネとボルフォックが今まで調査したかぎりではロゴスの名前は出てきていたが、クライン派というとは初めて耳にするものだった。
凱の話によると今回の戦争の裏には、この二つの組織が関係しているらしい。
「もっともロゴスは兎も角として、クライン派については俺も議長に聞いただけだ。本当に存在しているのかは分からない」
凱の話ではプラント議長のギルバート・デュランダルはこの世界を本気で憂いているのは間違いないとの事だが、同時に腹に一物ありそうな人物でもあるという。
「隊長はデュランダル議長を疑っているのですか?」
「信頼はしている。でも油断のならない人物だとも思っている」
ボルフォックの質問に答える凱。その後はプラントにガオガイガーが在る事、GGGで動けるのは現在ルネとボルフォックだけだという事、定期的に情報交換をする事等細かい打ち合わせを終えて、ボルフォックから下りた凱にルネが声をかける。
「あんたはこれから如何するの?」
「ミネルバと議長には世話になっているからな、気になる連中も居るし暫くは付き合うさ。もちろんGGGが活動を始めればそちらに合流する」
「お気をつけて、凱隊長」
此方に、向かって手を振って姿を消す凱を見送った後、ルネは一息吐いてから出発を告げる。
「次に行くわよ。それと今の気分は赤のポルシェね」
言われたボルフォックはホログラフィックカモフラージュを稼動させて、自分本来の車体の上に展開させていた紫のフェラーリの像を赤のポルシェに変化させて走り出した。
時間は少し巻き戻る、オーブ行政府の一室でユウナ・ロマ・セイランはオーブ国防軍のトダカ一佐、アマギ一尉、ババ一尉を呼び出していた。
この度、連合軍の援軍要請に応えて黒海に派遣軍として行く、その派遣艦隊の総司令官としてはユウナが指揮を取るということを告げる。
「色々あって代表が不在という我が国の状況だからこそ、姿勢ははっきりと示さねばならない。しっかりと頼むよ、今度こそ」
あのカガリの拉致を見逃した事に対する嫌みを込めて言ってやると、形容しがたい表情を浮かべた後で了解と敬礼を返してきた。
それを見て退出を命じると今回の派兵について思いを巡らす。一当たりしてある程度の損害が出れば引き上げる積もりなのだ。
ついでに言えば今回の派兵に連れて行くのは所謂アスハ派の人間だけである、ユウナからすればどれだけ死んでも構わないとすら考えていた。
「さてと、この反抗作戦が失敗すれば連合というよりも彼が終戦に傾くかが問題かな、それなら情勢しだいではプラントとも国交の回復交渉を始めないとならないし、上手く立ち回らないとね」
すでにユウナの頭はこの戦争が終結した後のことに飛んでいた。
ユウナから連合の援軍に向かうことを知らされたトダカ達は今回の派兵について話していた。
アマギがオーブの理念が軍の理念でもあったはず、今回の派兵は疑問ですと、訊ねてくるのにトダカは顔を曇らせながらも一応答える。
「これも国を守る為といえば守る為なのだろうな、本当は如何なることがあろうとオーブの理念は守られて欲しい。
その為にアークエンジェルとカガリ様に願いを賭けたのだが、間に合わぬならばせめてどこかで見ていて下さる事を祈ろう」
アークエンジェルにカガリを渡したのは他ならぬトダカ達アスハ派の軍人達である。
彼らの頭にはアークエンジェルやカガリに対する妄信というべき2年前の3隻同盟が残っていた。
ファントムペインが使用するスティングラー級MS搭載型強襲揚陸艦の中に設置された、ゆりかごと呼ばれる機器がある部屋で、部隊指揮官であるネオ・ロアノーク大佐が白衣を着た人間と話していた。
なんでも戦闘用強化人間エクステンデッドの一人、ステラ・ルーシェがゆりかごによる調整を受ける際、持っていたハンカチを取ったら暴れだしたと言うことだ。
現在はネオがステラを落ち着かせたので大人しくゆりかごによる調整(記憶の改ざん等)を受けながら眠っている。
「我ながら悪いおじさんになった気がするよ、あれだけ騒ぐって事はよっぽど何かあったって事だろうしな」
「戦闘マシーンに余計な感情は邪魔ですよ、効率も悪くなりますしね」
「ま、そうだな。数日後にはオーブからの派遣軍と一緒に黒海まで攻め込まなきゃならん、その時に使い物になりませんじゃ話にならないからな、ステラの調整は念入りに頼む」
「分かっています、メンテナンスは明日の朝には終わりますよ」
「しかし俺達もここの所負け続けだからな、そろそろ手柄を立てんとどうなるかわからんし、せいぜいオーブ軍には役に立ってもらおう」
仮面の奥から調整を受けるエクステンデッドの三人を見ながら次の反抗作戦に思いを飛ばしていた。
ディオキアに置かれた司令部は慌ただしい雰囲気に包まれていた。地中海に連合軍の艦隊が集結しているという。
位置的に見てザフトの要衝ジブラルタルか黒海沿岸に位置するこのディオキアに対しての攻勢の為に集結しているのは間違いない。
この状況にプラント議長ギルバート・デュランダルは黒海沿岸のザフトに対しダーダネルス海峡の前にあるマルマラ海に展開して迎撃するように指示した。
当然、ディオキアに寄航中のミネルバにも出撃要請が下りる。今回の作戦に対して副長のアーサーが疑問を呈するのに艦長であるタリア、MS隊長のアスランそれに凱が話し合う。
「この位置だとジブラルタルか黒海のどちらに来ますかね」
「数からしてジブラルタルを抑えられる程の戦力はありません、十中八九こちらに来るでしょう」
「それだと、ジブラルタルから援軍を回して貰えばダーダネルス海峡で挟撃できるな」
「どうかしらね、ジブラルタルには常に連合の圧力が掛かっているから、援軍は期待しないほうがいいわね」
問題は数もそうだが敵軍の中に強奪機体を使っている部隊がいるという事、そして本日未明、連合に援軍が到着したという事の2つである。
「アスラン、援軍はオーブと言うことよ」
「そんな、オーブが」
援軍がオーブ艦隊と聞いて顔色が変わるアスラン、ザフトに復帰するまでオーブで暮らしていたアスランにはショックだったようだ。
「オーブは理念によって他国の争いに介入しないはずです」
そう言ったところで、オーブ軍が援軍に来ているのは事実だ。このまま行けば明日には戦闘に突入する。
「今はオーブも連合の一員よ、戦いまでに覚悟は決めておいてね」
動揺するアスランにタリアが掛ける声には冷徹な響きが含まれていた。
艦長たちとの話し合いが終わった後、アスランは一人甲板に出ていた。そこに凱がやって来て話しかける。
「オーブとは戦いたくないか?」
答えに窮するアスラン、頭ではオーブが敵になった以上は戦わなければならないのは分かる、しかし感情がそれを否定する。
カガリやキラと2年を過ごした土地だ、思い入れもある。もっともアスランは2年前オーブに協力して故国であるプラントに弓を引いた身だ、いまさらそんな事を悩むのもおかしな話なのだが。
これは本人も分かっていないだろうが、多分に親友であるキラや恋人のカガリの事を気にしているに過ぎないだろう。
「俺はどうすればいいんでしょうか?」
「さあな、艦長はああ言ったが、俺は戦いたくなければ戦わなくて良いと思う。中途半端な気持ちで戦場に立たれても回りに迷惑だろうからな」
凱の言葉にまた悩み始めるアスラン、そこに更に言葉を続ける凱。
「こればかりは自分で考えて自分で決めるしかないだろうな、俺に言えるのはどちらに決めても後悔するなって事だけだ」
言いたい事を言ったのか踵を返して艦内に戻る凱を見送ったアスランは、自分が何の為に戦うのかもう一度考え始めた。
シンとルナマリアは並んで食事を取っていた。明日にはダーダネルス海峡で戦闘に入る事になる以上は、自然と話はそちらに流れてゆく。
「連合の援軍オーブですって、あの国も今は連合軍の一員だもんね。そうゆう事もあるか、やっぱり気になる?」
シンに尋ねるルナマリア、一方のシンは話を聞いて動揺した。理念、理念と騒いでおいて2年前は国を焼き、今度は連合に援軍を送るなんて、いい加減な事ばっかりだ。
「関係ないよ、敵なら叩くだけだ」
なにかを吹っ切るように語気荒く言い切った。
ファントムペイン指揮官ネオ・ロアノーク大佐とオーブ派遣艦隊総司令ユウナ・ロマ・セイランはオーブ旗艦空母タケミカズチの艦橋で作戦を練っていた。
「当然ザフトはダーダネルス海峡の出口に陣取って迎撃態勢を整えているでしょうね」
ユウナはマルマラ海の入り口を指し示しながら、ここなら海峡を抜ける我々の頭を叩けますからと続ける。
ザフト側の戦力は如何程ですかとの質問にはネオが答える。
「ミネルバを筆頭に戦艦2、護衛艦7、潜水艦は不明ですね。MSは多く見ても20〜30機といった所かと」
此方の戦力の約5分の1と推定されるがミネルバには散々にやられている以上油断は出来ない。
「オーブ軍には先鋒を務めて頂きたいのですが」
ネオの言葉に微かに眉を顰めるユウナ、先鋒などといえば聞こえは良いがこちらを盾にして実だけ持っていく腹か。もっとも援軍要請の時からこちらが使い潰されるのは織り込み済みであり、その為の装備と人選だ。
「分かりました。オーブの実力ご覧にいれましょう」
こうしてダーダネルス海峡攻防戦が開始された。
ダーダネルスを進軍してくる連合とオーブの派遣艦隊を視界に納めて、アスランは苦々しい思いをしていた。
先頭で進んでくるのはオーブの艦であるのが判ったからだ、連合艦隊相手なら何時も通りに戦えると出撃したのだが、初めからオーブが相手とは思わなかった。
「カガリが居れば、軍の派遣などさせなかったものを」
カガリを攫ったキラ達と行方不明のカガリに苛立つアスランであったが、既に戦端が開かれた以上、逃げ出す事は出来ない。苦悩を抱えながら迎撃に向かった。
凱はこの戦いはプラント、連合のどちらが勝利しても民間人に被害が出なければ良い。しかし、あの強奪機体を使っている部隊は恐らくどんな犠牲も気にしないだろう。ならばこの海上で進軍を止めると考えて戦う事にした。
シンはただ我武者羅に戦っていた、自分で自分の感情が解らない。
ただこのまま連合を進ませればまた大勢の人が死ぬ、それだけは許せない。今はそれだけを考えて敵を落としていた。
レイは落ち着いて、冷静に敵機を撃ち落していく。自分の、そしてあの人の理想を叶える為に今は戦う事だけが自分に出来る事だと信じて戦い続ける。
ルナマリアは自分の守りたい物の為に戦う、それはシン、レイといったミネルバの仲間達であり、なによりも妹のメイリンだ。皆を守りたいその思いで生き抜こうと決めた。
開戦から暫く経ちオーブのMSが30機程落とされて被害が拡大してきた。それを旗艦タケミカズチのブリッジで見ていたユウナは薄く笑う。
「さすがにザフトもやるね、特にミネルバとそのMSが素晴らしい活躍じゃないか。しかし残念だね、戦いは数なのだよ」
相手は少数、ならば戦力の逐次投入は各個撃破のチャンスを与えるだけだ、1対3で勝てたとしても1対10では勝てないだろう。
いやMS戦で勝つ必要など無いのだ、数で囲んでMSの足を止めているうちに別働隊で艦船を叩けば電池が切れて勝手に落ちる。
「残存のMS隊で敵MSを囲んで足を止めろ、余剰戦力も全て出せ。連合にも通達、出し惜しみさせるな」
この連絡を受けたネオは部隊の3分の1とスティングのカオス、アウルのアビスに出撃を命じながらユウナに対して持っていた認識を多少修正した。
もっとも全軍をここで出せというのは戦いを知らん、ここが終われば次は黒海沿岸地域の再占領の為の戦力が必要なんだよ。
「ただのお坊ちゃまでは無いようだが、まだまだだ」
凱達ははっきりと苦戦していた。ザフト側の護衛艦は全滅し現在はミネルバと戦艦2隻、潜水艦1隻を残し、共に戦っていたMSも半数が撃墜または戦闘不能に陥っていた。
アスランは今回の戦いでは精彩を欠いていた上に現在はカオスに張り付かれて思うように動けていない。
シン達3人には連携を重視してミネルバの援護に回って貰っている。たとえMSが無事でも戦艦が落ちれば防衛作戦は失敗なのだ。
凱は今一人で敵陣の中に飛び込み戦っているのだが、流石に四方八方から攻撃されては対処にも限界がある。
ビームライフルでM1アストレイを落とした瞬間、背後からウィンダムの強襲を受けてしまった。
「うわあぁぁぁ!」
スラスターが破壊され推力が落ちるセイバー、かろうじて飛行能力は失っていないがこのままではいずれ落とされるかもしれない。
その時一際大きな水柱が上がり、海面にアビスが現れる。今の爆発で潜水艦は全滅したのだろう。
海上に出たアビスがミネルバに攻撃を仕掛けている。レイのザクが手持ち火器を実体弾のバズーカに換装して水中へと逃げるアビスへ撃ち込むのが見えたが、当てることは困難だろう。
「くそっこのままでは、ならばアレを使うしかない!」
ディオキアで補給を受けた際にミネルバに搬入された、ガオガイガーのデータを基にして開発された凱のセイバー専用のシルエット。
「艦長、ガオーシルエットを出してくれ!」
これを聞いたタリアは眉をひそめる。
「あの装備は、テストはおろか機体とのマッチングもしていないのよ。許可出来ないわ」
しかし引き下がる凱ではない。
「このままでは皆やられるぞ、今はアレに賭けるしかないんだ」
「でも成功の確率は低いのよ。失敗すれば貴方も無事には済まないわ」
「確率なんてものは目安にすぎない、後は勇気で補ってみせる!」
凱とタリアの間で視線が交錯する。一瞬の沈黙がミネルバのブリッジを支配したあとタリアは高らかに宣言した。
「メイリン、ガオーシルエット射出急いで!」
「了解! システム、オールグリーン。ガオーシルエット発進どうぞ」
メイリンのコールを受けてミネルバからガオーシルエットが射出され凱の下へと飛んでゆく。
その姿はマンタ(オニイトマキエイ)のような形状をしており、翼の戦端(ステルスガオーUのウルテクエンジン部分に相当する場所)にドリルが取り付けられている。
「よっしゃぁー! ファイナルッフュージョン!」
左右のドリルが外れ、回転部分がスライドして合体の為の穴が現れセイバーの両足に装着される。
本体の頭の部分が前方にスライドして出来たスペースにセイバーの頭から合体してエイの頭部がブレストガードに、更に翼部分が左右に開きアムフォルタスとセイバーの翼の稼動を邪魔しない背中の位置に装着される。
続いてセイバーの前腕部が上腕部にスライドし一回り太い上腕部が形成されるとガオーシルエットにマウントされていた円筒形のエンジン部が新しい前腕部となって掌が出てくる。
最後に背中の一部がヘッドガードに変形、PS装甲の色が黒を基調にしたものへと変化して完成する。
「ガオッ セイッ バー!」
それは勇気の新しき姿
それは悪を絶つ剣
その名は勇者王、ガオセイバー
「この世界の技術が生み出した、新しい勇者王の力みせてやる!」
「フェイズシフトォ マグナァァーム!」
右腕を天に掲げると前腕部が激しい回転を始める、右前腕のフェイズシフトにエネルギーを集中させて回転が頂点に達したとき、右ストレートを繰り出すと前腕が弾頭と化して飛び立ち次々と敵MSを粉砕していく。
この攻撃で10数機のMSを撃墜された上にガオガイガーに似たガオセイバーの異形に浮き足立つ連合、オーブ軍にユウナからの叱責が飛ぶ。
「なにやってる! 良く見ろ、あれはユニウスを落とした機体じゃない。囲んで撃ち落せ!」
この指令を受けて離れたところから反撃に移る各機、20以上のビームライフルをガオセイバーに向けて一斉に撃ち込んで来る。
「リフレクト シェードォ!」
左腕を飛来するビームの方向に伸ばして陽電子リフレクターを展開させる、展開されたリフレクターは全てのビームを反射して次々とMSを落としてゆく。
「ははっ凄いじゃんあのMS、でもさぁー!」
その光景をみたアウルはアビスを急速浮上させてリフレクトシェードを展開しているガオセイバーの後ろから攻撃をしかけようとする。
「読んでいるぞ!」
真後ろに浮上してきたアビスに向かって背中のアムフォルタスを叩き込むガオセイバー。
「なっ? しまった!」
かろうじて直撃は避けたアビスだったが、そこにレイが撃ったバズーカが当たってしまう。
「甘いな、敵は凱さんだけではないぞ」
撃破こそ免れたものの損傷を負って後退するアビスだが、レイは追撃ではなくミネルバの護衛を優先させる。
「チクショウ、チクショウ、チクショウ。余裕のつもりかあの白いの、今度会ったら絶対に落としてやるからなぁ」
MSでは埒が明かないと悟ったか、艦砲射撃をガオセイバーに集中させる敵艦隊。
「プラズマホールドォ!」
飛来するミサイル群に対して左腕を掲げると放たれた電磁波がミサイルを次々と誘爆させて行く。
「むんっ!」
構えを取るガオセイバーの姿に対して、シン達が歓声を、逆にネオ達は喚声を上げる。
「さすが凱さんだぜ、これなら勝てる!」
「本当にあの人には驚かされてばかりだな」
「あんなMSが在るなんて聞いてないぞ、反則じゃないか!」
「くそっ、おそらくあの黒いMSの廉価版だろうがこれ程の性能とは」
ガオセイバーの圧倒的な力を前にして度肝を抜かれ、動きの止まった連合、オーブ艦隊。その好機を見逃すタリアではなかった。
「タンホイザー起動。射線軸を海上にとって一気に敵を殲滅します」
タリアの指示に従ってタンホンザーを起動させたミネルバはその射線にオーブ旗艦タケミカズチを捕らえる。
「タンホイザー 撃てーっ!」
アーサーの号令でタンホイザーが発射される。その一瞬前に上空より一筋のビームが撃たれてミネルバの艦首を貫いた。
発射寸前であったタンホイザーが爆発し、船体に損傷を受けた衝撃で態勢を崩すミネルバ。
「戦いを止めてください!」
攻撃と共に戦場に響き渡る若い男の声、その声を聞いた全員が新たな来訪者に向かって視線を送る。
そこにいたのはこの世界では有名すぎる存在であった。白の大天使アークエンジェル、自由の名を持つ最強のMSフリーダム、そして黒と緑を基調にした謎の機体、いやこの場で凱だけはその機体を知っている。
なぜならばその機体を見た瞬間に、凱は己の宿命のライバルが駆るその機体の名を叫んでいた。
「ジェイダー!」
君達に最新情報を公開しよう
ガオセイバーの力で窮地を脱したミネルバだが
突如現れたフリーダムに傷を負わされてしまう
戦場に現れた彼らは敵か味方か、そして目的はいったいなんなのか
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
第10話 混迷の序曲 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ガオセイバー
足りない支援は勇気で補うぜ!
ども小話です
今回、突っ込みどころが多いと思います
特にオリジナル機体は色々あると思いますが
予定ではもう何機か出てきます
ではまた
PS、まとめサイトの4話の最後にある5話の予告ですが
>>631のように治して貰えますか?
ご迷惑かけて申し訳ありません
おおおっ!G!Jッ!!
ガオセイバーも格好良かったが、経験浅いユウナと経験豊かなネオのちょっとしたやり取りがまた渋い。
ユウナの成長に期待が高まる
GJ!!
ガオセイバーwww五代目勇者王…きた、これで勝つるw
そしてボルフォッグは便利だなぁ…ホログラフィックカモフラージュでチェンジしてたのか
そして氏は罪深い…
俺の勇者魂に火をつけたっ!!
突っ込みどころ
・ボルフォッ「ク」じゃなくてボルフォッ「グ」
・ガオーシルエットの開発いくらなんでも早すぎ。ジェバンニでもいるのか?
・陽電子(ry
・「ある恐るべき敵の存在」をまるで気に掛けてない凱。
フェイズシフトって通電して固くなる(相転移する)だけの装甲じゃなかったっけ?エネルギー関係なくね?
陽電子リフレクターってザムザザーが初出じゃなかったっけ?さすがにザフト脅威の科学力でもパクるの早くね?
ガオセイバーのアツさはいいんだが、細かいところが気になってしまう設定考察スレに出入りしてた俺
GGGJ!
ガオセイバーだとぅ!?
そんな機体は想定外だぞ!w
>>860 ザフトでの小型化はともかく陽電子リフレクターの元はハイペリオン、つまりアルテミスの傘なんだから何とかなるんじゃね?
ハイペリオンは連合製
おそらく当時絶賛開発中であろうデスティニー(シルエット)にも付いてるんだから、それ程不自然な物じゃない
ときたの漫画見る限りじゃ、ドレッドノートの時点でバリアー的なものを張る事が出来たようだ
ついているのは陽電子リフレクターじゃないぞ。
みwikiさんいわく陽電子リフレクター搭載してるのは連合軍だけで
ザフトのはビームシールドらしい
まぁ他は何とかなるだろうがシルエットだけは早すぎな気がしてならない
地球製のガオーマシンはギャレオンからもたらされたデータから作られたものだった
ましてや、オリジナルのガオーマシンがあるんだ
技術をパクる事に関しては宇宙一のザフトなら・・・・・・
ガオーマシンのバッタモンもリフレクターもどうでもいい。
宇宙から脅威が迫ってるらしいのにそっちのけで戦争やってる凱はもう勇者を名乗る資格無いな
ハイハイ誰一人からも必要とされてない荒らしゴキブリはさっさと死んでね。
資格とかなんとか人間の言葉使わないように、臭いから。
オマエモナー
最終回か何かでナレーターが『勇気を持ち続ける限り君達(視聴者)も勇者である』みたいな事を言っていた気がするけど
>>869みたいに資格がどうこうと能書き垂れて相手を否定する言葉しか吐けない奴こそ勇者の資格無いよな
>>870>>872 だけど批判としてはあながち的はずれじゃないだろ
>>869の言い方も乱暴ではあるが、言われてみれば凱の行動は不自然な気がしないでもない。
あえて、「宇宙からの脅威」を描くなら、今回はもう少しボカして書くべきだったんじゃないかな?
あるいは凱が宇宙からの脅威に対してザフト内で何か働きかけてみたりするのをきちんと描写しとくとか。
そこらへんは確かに残念だったかな
874 :
一尉:2009/06/30(火) 19:35:18 ID:???
ふむ、凱旦那ならいい思うよ。
>>869はいつもの奴だ
こんな奴のいう事を真に受けるようじゃ勇者とは言えないな
とっととトドメ刺しとこうぜ
このスレアイアンハイド多すぎw
>>869がいつもの奴にしろ、今回の批判は間違ってないでしょうに・・・・
一点だけで勇者の資格どうこう持ち出すのもどうかと思うが、批判内容の論点に論理的に反論し、作者を擁護できない内は無理して叩かない方がいいと思う。
あえて叩くなら、書き方くらいなもん。
批判したいならもう少し穏便に書け、と。
それじゃ、荒しと思われても仕方ない。
言い方に関しては、
>>870>>872>>875にも言えることだがな。
勇者王ガオガイガー DESTINY
第10話 混迷の序曲
ダーダネルス海峡で戦っていた凱達の前に突如現れたアークエンジェル、フリーダムそしてジェイダー。
いきなり現れた第三者である彼らに対して視線が集中し、戦闘が一時的に中断された。
タンホイザー発射直前に受けた先程の攻撃によって、タンホイザーは破壊され艦自体にも相当の被害が出たミネルバが、海上に着水した音を最後に一瞬の静けさが戦場にもたらされた時、アークエンジェルから1機のMSが飛び出してきた。
「私はオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ。オーブ軍直ちに戦闘を停止せよ」
フリーダムの横に並んだそのMSは確かにカガリの乗機であるストライクルージュであり、戦場全てに語りかける声もカガリのそれだ。
声は浪々と続ける、現在訳あって国許を離れているが、ウズミ・ナラ・アスハの子である自分がオーブ連合首長国代表首長である。その名において、オーブ軍は理念に遭わぬ戦闘を直ちに停止し軍を引けと命ずる。
この宣言をタケミカズチの艦橋でユウナ・ロマ・セイランは苦々しげに聞いていた、余計な事をしてくれる。
すでにこの艦隊派遣と戦闘は代表首長会で正式に決定された事だ、しかもオーブの復興に一番援助してくれたのは大西洋連合である。
だからこそ義理を返さねばならないし、どんな形であろうと同盟国からの救援要請に応えない国など国際社会で通用する物か。
2年間にオーブを焼いた時に中立国家軍がオーブを擁護しなかった理由がその理念にあるとまだ気がつかないのか。
苛立たしげにマイクを取るとユウナは戦場全てに聞こえるように話し始めた。
「私はオーブ首長国、派遣軍艦隊司令ユウナ・ロマ・セイランだ」
この声を聞いたカガリは直ぐに反応して通信をタケミカズチに開く。
「ユウナ! これは如何いうことだ。オーブの理念を忘れたか」
しかしこの問いかけに帰ってきたのは返答では無かった。
「我々は君が我がオーブの国家元首カガリ・ユラ・アスハであることを認めない。
なぜなら代表は我が国での式典の最中にそこにいるアークエンジェルとフリーダムに無法にも拉致されたからだ。
したがって我々にとって憎きテロリストであるアークエンジェルと行動を共にする者は同じテロリストであり、そして我がオーブはテロリズムには屈しない。
しかし君が直ちに武装解除をして投降するのであれば、君が何者であろうとも我が軍は君を保護すると約束しよう」
投降すれば良し、カガリを保護しておけば世論と軍部も抑えられる。拒否するのも良い仮にここで死んでも、その罪はアークエンジェルに被ってもらう。
さあカガリ、君が国と自分のどちらを選ぶか見せてもらおう
「な、そんな事出来る訳ないだろう」
やれやれ僕は最後のチャンスをあげたのに、結局君はオーブよりも身内を取ったね。なら仕方が無い、これ以上勝手をされては国の立場を危うくするだけだ。
ならここで死んで貰う事にしよう、後釜にはサハクを復帰させてミナ辺りを担ぎ出すか。
そう判断するとユウナはトダカに対して命令を下す。
「第一戦術目標をアークエンジェル及びその僚機に変更する。叩き落せ」
この命令にトダカは異を唱える。
「しかし、あのストライクルージュにはカガリ様が乗っています」
「さてルージュにカガリが乗っているかは判らないが、僕は投降を呼びかけたよ。それを突っぱねたのは向こうだ」
撃墜したまえと言うユウナを中心に空気が固まる、誰も行動を起こさない。このままでは埒が明かないとみたユウナは彼らが行動できるように大義名分を与えてやる。
「わかったよ、ルージュとアークエンジェルは拿捕してカガリをテロリストから助け出そう。そのかわりフリーダムとあの妙なMSは間違いなく落としてくれ」
なにか文句でもと続けると艦長のトダカが頷くと命令を発する。
「オーブ全軍はアークエンジェルと敵MSに攻撃を開始せよ、ストライクルージュとアークエンジェルにはカガリ様が捕らわれている可能性があるため拿捕に勤めよ」
この命令に反応したオーブ軍はミネルバから離れアークエンジェルに向かうが、行く手に立ち塞がるのはフリーダムとジェイダーだ。次々と戦闘能力を奪われ海に叩き落されて行く。
「戦いを止めてください、カガリの言葉が聞こえないんですか」
戦いを止めろと叫びつつ連合、オーブ、ザフトの機体に攻撃を加え始めるフリーダムとジェイダー。
「オーブ軍は戦闘を止めろ、私の声が聞こえないのか!」
戦場にカガリの悲鳴が木霊するが正式な命令では無く、またそれをいっているのがカガリでは無いと、現在の指揮官であるユウナとその下にいるトダカに言われては、戦闘行為を中止する理由は無い。
棒立ちで戦いを見ているしか出来ないルージュに向かってM1アストレイが突っ込んでくる。
その光景を信じられない思いで迎撃できずにいると、新たにアークエンジェルから飛び出してきた黄色のムラサメが横からM1アストレイをビームライフルで撃墜した。
「戦えないなら引っ込んでいろ!」
迎撃に出たバルドフェルドから、カガリに向かって叱責が跳ぶ。
「後は僕達が何とかするから、カガリは下がってて。こんな所で君がやられたら世界はもっと酷い事になっちゃう」
キラにも言われ、自分の力の無さに泣きながらアークエンジェルに後退するカガリ。
それを横で見ながらJは驚いていた。なにしろカガリがオーブの国家元首というのを聞いたのも、自分達が要人誘拐のテロリストというのも始めて聞いた。
「なにが、どうなっている?」
困惑しながらも襲い来る敵MSを叩き落してゆくジェイダーの前に、凱の乗るガオセイバーが立ち塞がる。
プラズマソードをリフレクトシェードで真っ向から受け止めながら叫ぶ凱。
「やめろJ! いったい何のつもりだ!」
こちらに呼びかけてくる声に応えるJ。
「私の事をJと呼ぶ、どうやら貴様、私の事を知っているようだな」
「なに、なにを言っているんだJ?」
この男と話をすれば自分の失われた記憶が戻るかも知れない、自分の記憶を取り戻すのはもちろん大切だ、Jにとって現在最大の問題でもある。
しかし今は戦闘中であり、こちらは自分も含めて3機しか居ない。自分の事にかまけてキラ達を危険に晒すことも躊躇われる。
しかも今の一撃を止める相手ならば手加減して戦いながら、他の機体の相手を出来るとは思えない。
「悪いが今はゆっくりと相手をしていられん。落とさせてもらおう」
一旦距離を取り、両手のプラズマソードを構えるジェイダー。それに対してガオセイバーもまたビームサーベルを抜き放ち対峙する。
「Jは俺がわかっていないのか?」
連続攻撃を仕掛けてくるジェイダーのプラズマソードをなんとか裁きながら呼びかけを行なうが返答は帰ってこない。
何撃目かの攻撃でサーベルをはじかれてしまうガオセイバー。
「ちいっ、フェイズシフトマグナーム」
咄嗟に右拳を打ち出すガオセイバー、虚を疲れたのか避けきれずに両腕を交差させて受け止めるジェイダー。
「くっやるしかないのか、Jが相手では手加減できない」
右腕を戻して構えをとるガオセイバーにJの声が聞こえてきた。
Jは今の一撃が頭の中でフラッシュバックしていた。この一撃には覚えがある、そう何度も見た、そして受けた一撃だ、自覚すると一つの記憶が蘇る。
「思い出したぞ、私の名はソルダートJ。そしてお前は獅子王凱」
「思い出したかJ」
喜びの声を上げる凱だが、Jの言葉はその期待をある正しく、ある意味で裏切る物だった。
「ああ、貴様は私が倒すべき宿敵だという事をな!」
先程に倍する攻撃を繰り出すジェイダー、その苛烈さは初めて会った時を思い出す。そうJがまだピッツァと呼ばれていた頃のようだ。
「くそっ中途半端に思い出しやがって!」
凱はジェイダーと交差する瞬間にドリルニーを叩き込みながら悪態をついた。
フリーダムを見たシンの目が驚愕に開かれる。2年前のあの運命の日、そうオーブが連合に攻め込まれた時に見た機体だ。
あの姿を忘れる事など無い、自分達家族を含めた民間人が避難しているところへ飛んできた。
それを追ってきた両肩にキャノン砲を背負ったMSと戦っていて、そして空から降ってきた弾が一緒に非難してきた人達を、自分の家族を、マユを殺したのだ。
「きっさま―!」
獣のような咆哮を上げてフリーダムへと吶喊するシン。
「シン、持ち場を離れるな!」
「ちょっと、どうしちゃったの?」
レイとルナマリアが静止を掛けるが、そんな言葉など今のシンには聞こえていなかった。
遮二無二突っ込んでいくインパルスを見たレイは周囲の状況を確認する、一番数が多かったオーブ軍はアークエンジェル勢に掛かっていっているし、友軍機も防衛に入ってくれている。
これならシンとルナマリアが多少持ち場を離れても大丈夫だと判断してルナマリアに向かってシンの援護に向かうよう通信を送る。
「ルナマリア此処は俺が支える。お前はシンの援護に行け」
「わかった、すぐにあの馬鹿引っ張って来るからそれまで頼んだわ」
ルナマリアの赤いザクを乗せたSFSがインパルスの救援に向かって飛んでいった。
スラスターを全開にしてフリーダムへ迫るシンのインパルス、前方に居るM1アストレイやムラサメ、ウィンダムを撃破して肉薄すると斬りかかる。
「フリーダムゥ!」
ビームサーベルで斬りかかってくるインパルスを視界の端に収めたキラは、その一撃をシールドで受け止めると落ち着いて蹴り飛ばす。
こっちは数が少ないのだ1機1機に係わっていられないと判断したキラは、SEEDを発動させる。
周りの景色も敵の動きもよく見える、フリーダムのマルチロックオンを起動させてフルバーストで一気に敵対するMSの四肢を破壊して落としていく。
蹴り飛ばされたインパルスを海面すれすれで立て直したシンが上空を見ると、フリーダムはマルチロックフルバーストを乱射しながら連合、オーブ艦隊に向かって飛んでいくところだった。
「逃がすかよっ」
気合の声を上げるとその後を追った。
アスランは突如現れたアークエンジェルとフリーダムに動揺していた、更にカガリからの停戦勧告、これでオーブは停戦に応じるかと思えばそのオーブからアークエンジェルに対して明確な敵対意思が表明された。
再び戦闘に突入する連合、オーブ、ザフト更に陣営不明のアークエンジェルまで加わり戦況は混乱の度合いを増してゆく。
「キラ、カガリお前達はしたい。いや何をするつもりなんだ!」
カオスと連合の機体を相手取りながら通信を送ろうとするが上手く繋がらない。
「くそっ答えてくれキラ!」
アスランはそれに苛立ちながら戦い続けた。
先程の一撃で海に着水したミネルバも応戦している、もっとも立体機動を取れなくなって特に回避行動には大きな支障が出てしまった以上更なる苦戦は避けられない。
「右舷よりミサイル多数接近!」
「パルジファル1番から4番 ってー!」
メイリンの声に応えてブリッジに火器管制を行なうアーサーの声が木霊する。40mmCIWSも稼動しているが全てを迎撃は出来ない。
「全員耐ショック姿勢!」
タリアの号令が掛かった瞬間、残ったミサイルがミネルバの後方から撃たれたエネルギーの奔流に消え去った。
後ろを見るとアークエンジェルがゴットフリートMk.71の発射体勢を取っていた。
今の一撃はミネルバを狙ったものなのか、こちらを助けてくれたのか判断がつかないが射角からすると後者のような気がする。
「あの船はいったい何をしたいの、さっきはこちらを攻撃しておいて今度は助けるですって?」
見ればオーブや連合の艦隊に攻撃をしかける時も撃沈させないようにしている。まさか本当にただこの戦闘を止めたいだけの行動だとでもいうのか。だとすれば命の掛かる戦場で手加減をされている事になる。
「屈辱だわ、これは」
軍人としての矜持を否定された気がしてタリアはそう吐き捨てた。
ネオは戦艦の艦橋でこの事態を見ていた。アークエンジェルが出てくるまでは勝ち戦だと思っていたがどうもそうは行かなくなってきた。
さっきのユウナの言い分はまあ見事と言っても良い、政治家としては合格だろう。しかし今のオーブの動きを見ているともう一押しでミネルバを落とせたところだったのだが、どうやら目標を変更したらしいとわかる。
「やれやれ、なんだか滅茶苦茶だな。オーブは天使に突っかかっていっちまうし、乱戦の所為で部隊は分断されちまうし。引き上げ退きかねこれは」
フリーダムが好き勝手に暴れているおかげで、敵味方関係なく被害が拡大している。しかも元々の数が違うので連合側、特にオーブ軍が一番被害を受けている。
今ならまだ傷口も浅いし、ミネルバを叩けなかったものの黒海のザフトにはダメージを与えられた。ここは一旦引いて体制を立て直すべきか。
そう一人ごちると撤退信号を挙げるように指示をだした。
連合軍の奥深くまで単機で入り込んだフリーダムに向かって、甲板上に迎撃のために急遽出撃していたステラの操るガイアからビームライフルで攻撃が加えられる。
それを左右に動いてかわし、逆にビームライフルを撃ち抜いて破壊するフリーダム。
ライフルを壊されたガイアは四足獣形体に変形すると背中のMR−Q17Xグリフォン2ビームブレイドを起動させて襲い掛かってくる。
その攻撃をいなしていると後方から先程叩き落したインパルスが迫ってくるのが見える。
「しつこいっ」
キラはそう言うとすり抜けざまにラケルタビームサーベルを抜いて、インパルスの右腕を斬り飛ばす。
バランスを崩すインパルスを援護するように滑り込んでくるルナマリアのザク、しかしその位置は丁度地上のガイアと空中のフリーダムの間だった。
「おまえぇー、邪魔だぁー!」
叫び声と共に突っ込んでくガイア、インパルスとフリーダムに注意がいっていたルナマリアは、背後から迫るガイアに気がついた時にはもう遅い。
攻撃を避けられないと悟ったルナマリアの脳裏にメイリンの顔が浮かぶ。
「ごめんメイリン」
「ルナァー!」
ザクに迫るガイアを見たシンの中で何かが弾けると意識がクリアになり、瞬間機体を立て直して胴を両断される寸前で横から蹴り出し、間一髪でルナマリアのザクを助けるシンのインパルス。
ただしインパルスの足はガイアのビームブレイドで破壊され、そのガイアもフリーダムに迎撃されて海へと落ちてゆくが、落下途中で態勢を立て直して空母の甲板へ着地するのが見えた。
この一連の結果で冷静さを取り戻したシンはザクの手を引き、コントロールを失い空中を漂っていたSFSに着地するとミネルバに向かう。
「大丈夫かルナ! ごめん俺が先走ったばっかりに」
「本当よもう、注意してよね! …助けてくれてアリガト」
「ん、なんか言ったか?」
「何にも」
ミネルバに向かう途中で連合が撤退信号を挙げるのが見えた。
戦い続けるガオセイバーとジェイダーが距離を取って対峙すると二人の間で緊張が高まっていく。
「J、この俺の最大の技でその寝ぼけた頭をたたき起こしてやる」
「よかろう、ならば私もその意気に応じよう」
二人が激突しようとするその時、連合から撤退信号が挙がるのをみて取ったアークエンジェル艦長マリュー・ラミアスは、これ以上の戦闘は不要と判断出撃中の各機に帰艦を指示した。
その指示に対して凱と交戦中であったJは僅かながら不満を覚える。
「撤収か。凱よ、決着は次に持ち越しだ」
その言葉に凱も反応する。
「待てっJ、お前達は何が目的だ」
「彼らはこの世界の自由と平和の為に戦うと言った。私はその志に応えたのだ」
もっともJ自身も今回のやりようは理解しがたいものがあるが、それは口には出さなかった。
飛び去るジェイダーを見送りながら凱は今のJの言葉に、それが本当なら俺達が争うことなんて無いはずだと考えていた。
アークエンジェルに戻ったJは先程の戦いに思いを馳せていた。凱との戦いで取り戻した記憶、そしてあの高揚感あれこそ自分の記憶を取り戻す鍵と確信する。
そしてもう一つカガリの素性や自分達の立場など何も聞いていなかったのを思い出した。
もっともJ自身あまりそういった事に興味を示さなかったのも問題だといえるのだが、いまさら言っても仕方が無いだろう。
休憩室にいたJの下へラクスがやって来た、Jの知る限りラクス一人でいるのは珍しい大概はキラと一緒だった。
そう言えば少し前にもこんな事があったなと思い返しながらラクスに対して問いかけるJ。
「どうした、何か用か」
「はい、戻られた時の様子が気になったものですから」
この言葉には少々驚かされた、Jは特に普段と態度を変えた積もりは無かったが観察眼が優れているのだろうと多少記憶が戻ったことを伝える。
ついでに先の戦いにおいてキラのやった戦い方はいつもの事なのか質問してみることした。
Jは生粋の戦士である、記憶を失おうとも戦いそのものに対して矜持がある。キラのような猫が鼠をいたぶるような戦い方には不快感が出るのだ。
「お前達には命を救われた。そして平和と自由の為に戦うという理想にも賛同した。しかし私は戦士だ、キラのあのような戦い振りはどうもな」
むろん人を殺めたくないというキラの言い分は分からないでも無いが戦場での無用の情けは時に味方を窮地に陥れる。
甘ったれるなと2、3発殴りたいところだが、バルドフェルドもマリューもそれで良いと思っているらしく窘める様子も無い。
「キラはあれで良いのです。あの戦いかたはキラの優しさの表れですから」
そういうものか、私には理解出来ん事だと思いつつ、ついでにカガリやそれにまつわる疑問を重ねる。
「それに私はカガリがオーブの代表だとは知らなかったぞ」
キラの言葉が正しければカガリが助けを求めてきたのだろう、ここに居る様子を見てもオーブに戻ろうという意志が見えなかったのでそう判断していたが、先程の行動でそれも怪しくなってきた。
言いようからすると自分が国家の代表であると言っていた以上、その代表を拉致した行動は重大な問題だ。その意識はあるのかと問いかけるJ。
「いいえ、あの時のカガリさんはご自分を見失っておられたのです。でもこの船に来てキラや私達と話し合い、行動を共にすることで今自分が何をすべきなのか、何が出来るのかを理解し代表としての行動にでたのですわ」
それが先程の行為であり、彼女が自分で決めた事だと続ける。しかしカガリからオーブを簒奪した非道の輩の為に説得は失敗し、結果我々はオーブとも戦う事になってしまった。
でも自分達がこの世界の自由と平和の為に戦う事はこれからも変わらない、これからも力を貸してくださいと言うラクス。
「力を貸すと約束した以上は違えたりはせん。しかし全ての事情を知り、全ての記憶が戻った時には私はお前達の敵になるかもしれんぞ」
「そうはなりませんわ、だって私達は正しいことをしているのですもの」
応じるラクスの言葉を聞いた瞬間、なにか背筋に怖気が走る感覚を味わうJ。
正面に向き直り彼女の表情を見るといつも通りの優しく儚げな雰囲気を放っている。今の感覚は気のせいだったかと思い直した。
ミネルバに戻ったシンはレイ達に先程の行動を咎められていた。
「持ち場を離れるなんて何を考えている。シン」
「迷惑掛けてごめんレイ、ルナ。でもフリーダムを見たら頭の中がカッとなっちまって」
「なにかあるの フリーダムと?」
俯きながら口にするシンに対して話してくれなきゃ分からないよとルナマリアが聞くと、少しの間考えてから重い口を開いた
「あいつは、あいつは俺の家族の仇なんだ」
そしてシンは2年前のあの運命の日のことを二人に話し始めた。
アスランは今回のアークエンジェルの行動を考えていた、おそらくオーブが戦いに巻き込まれるのを避けようとしたのだろう。しかしあんなやり方では上手くいくはずも無いのは分かるだろう。
「それとも凱さんが言ったとおり、力で全てを決するつもりなのか」
キラ達となんとか連絡が取れないものかと思案し始めた。
凱は艦長質でタリアと話していた、ミネルバはポートタルキウスに向かうということだったので一人でディオキアに戻りたいと伝える。
「なにかあるのかしら」
ディオキアにはまだプラント議長であるデュランダルが滞在している。
ダーダネルス戦前で話す機会がなかったが、ルネから貰った敵の情報に関して彼に伝えなければ成らないことがあると話す。
「これはプラントとか連合とか言う話じゃない、人類全てに係わる話だ」
凱の真剣な様子にタリアも居住まいを正して会話が始まった。
君達に最新情報を公開しよう
次回 勇者王ガオガイガー DESTINY
ダーダネルスの戦いは混乱のうちに終結した
寄港したポートタルキウスでキラ達との接触に成功するアスラン
ロドニアの調査を行なう凱達にガイアが迫る
第11話 世界の闇 にFINAL FUSION承認
これが勝利の鍵だ ZGMF−X88Sガイア
ども小話です
ごめんよボルフォッグ、素で間違えてたよ
○ボルフォッグ
×ボルフォック
そんな訳でダーダネルス後編です
えーオリジナル機体の武装等に関してはノリと語呂を優先しているので勘弁してください
敵に関してはご指摘どおりですね、今回の最後にフォロー入れてみましたがどうでしょう
未熟者ではありますが今後とも宜しくお願いします
ではまた
なんかJがある意味、間抜けキャラになってて可愛い
畜生・・・・俺男なのにこんなのに萌えるなんて・・・
Jにドジっ子というか迂闊属性がw
でもアルマと同時期に産み出されたってことは実年齢は10才かもしれないしなぁ…まぁしゃあないwww
ランドセルを背負ったJか
MMR風に……
「実は、ラクスの狂気は伝染するんだよ!!」
「な、なんだってーー!」
「じゃ、じゃあJは手遅れなんですか?!」
890 :
一尉:2009/07/01(水) 16:57:51 ID:???
凱旦那、頑張れよ。
遅ればせながら乙!
まぁ、ラクシズに参加するJにも、ザフトに参加する凱にも抵抗を感じる人は多いわな。
設定を知れば知るほどに、ラクシズはカルト宗教的テロリスト集団で、
原作ザフトは遺伝子貴族主義改造人間帝国、オーブは基地外宗教団体だから……。
悪役たるアズラエルが盟主王と言う渾名を尊称気味に使われる事例がある事には、それなりの理由がある。
小話さんの話が悪いとは言わないが、原作と違うなら違うなりにもっと読み手に
『ああ、この世界のZAFTは原作世界とは違うのだな』
と思わせるような描写を入れるべきだとは思うよ。
じゃないと、違和感を感じる人間は今後も増え続けると思う。
まぁ、矛盾だらけな上に、悪の遺伝子帝国を正義の味方風に描写している原作を、
説得力ある流れに改編するのは難しいと思うけど……。
つーか、実際挑戦した事あるのだけれど、連合を正義の味方にする方が百兆倍簡単な原作に絶望した(苦笑)
過激派ジブリールとその一派に歪みを押し付けるだけで、綺麗な正義の味方に出来るんだよな、連合は……。
今ふと思った。
このラクスは「恐るべき敵」の擬態で、オリジナルはとっくに死んでるんじゃ…
ラクシズの再現は結構いいけど、シンの性格に若干違和感が…
シンってこの時点で戦闘中にそんなに周りに気を配れるほど成長してなかった気がする…
それにフリーダムが相手だしルナマリアはガナーなんだからレイが援護に行ってもいいような気も…
ただ凱対Jの今後の対決とJの記憶の行方はかなり楽しみなんで続きを期待するぜ
>>891 原作再現するとヘイトになるからなぁ…
プラントに正当性を持たせるとなると根本的な部分から設定改変する必要があるから困る
>>893 このときのシンはただキレて大暴れしてるだけのようで、その実ちゃんと味方のフォローしてるぜ
少なくともミネルバに特攻してきたムラサメはほとんどシンが撃ち落としてるし、ルナザクが大破したときもちゃんと反応してる
むしろ味方が劣勢な上にタケミカズチまで特攻しかけてきてミネルバも動けないって状況になったからこそ、ソードで一気に艦隊殲滅して早急にカタ付けようとしたんだからな
>>894 てゆうか、元の種死自体が根本的な部分から設定を(その場の思い付きと都合で)改変しまくってる・・・
設定なんて単なる目安だ。後は勇気で補えばいい!!
>>892 むしろ逆に飲み込み返して「恐るべき敵」の意志はとっくに滅んでいて
技術や生命力をソックリ頂いちゃってる可能性の方が>ラクス
>>894 歴史から言っても
理事国が共同出資で宇宙に工場コロニー群を作る
→労働者として何故かコーディネーター達が集まってくる
→労働者達の自治組織がある程度の自治権を認められる
→なぜか自治組織がプラントを無償で自分達に明け渡せと運動を始める
→勝手に禁止されている食糧生産コロニーを作ったり、兵器密造したり好き放題始める
→あまつさえ、他のコロニーやら軍艦艇に攻撃し始める
→プラント自治組織の長との交渉の場が国連に設けられる
→会議の議場に爆弾テロ、『偶然』到着が遅れたプラント関係者を除き、国連大使は全滅
→連合、プラントに宣戦布告
→条約?で禁止された農業実験コロニーへと連合(ブルコス?)の核攻撃
→報復で、数千個単位のNJを地球に投下
……の順だから、プラントに大義なんてものは欠片も無いしね。
あるのは、新人類と称してプラント外の全ての生命を軽んじ、ただひたすらに罪を重ねた傲慢のみだ。
特に、他の全ては目を瞑れても、NJ投下だけはどうにも弁護できない。
コイツは、地球上の全国家に対するインフラ破壊攻撃、何十億と言う一般市民に対する無差別虐殺だから、
少なくともこれは無かった事にしないと、『ガオガイガーに登場する獅子王凱』が、
ZAFT側に協力するなんて事は欠片もありえないと断言できる。
じゃ連合入りするバージョンを書くんだ。
筋が通ってて面白けりゃ淘汰できるだろw
それができなきゃ黙って帰っとけ
書き手も読み手もどこの馬の骨とも知らん奴の断言なんぞに従う筋合ないし
>>899 開き直る訳じゃないが種っていつの間にか設定がコロコロ変わったり後付けされるから
設定のあたりは突き詰めたら書いてらんないよーな気がする
いや、連合側に付く事もありえないから……。
それに俺、平仄の合わん話は嫌いだから、
種死世界にGGGがやってきた話を書くとするなら
1)ユニウス破砕を援助、しかし、破片は幾つか地上へ……。
2)プラントと連合の会議
ふむ、この件で連合が怒るのは当然だし、交渉の前段階としてなら、この要求もそう大袈裟なものではないな。
ああ、それにあのプラントの対応は酷すぎる。
あれでは、ユニウスはプラント側の策動と見られても仕方が無いぞ。
連合側も、これを期にプラントを叩き潰す心積もりのようだな。
まぁ、エイプリールフールクライシスにユニウス事件とくりゃあ、仕方ないだろうが……。
プラントとの戦争が始まれば、地上の復興が遅れるだろう。
俺達勇者のやるべき事は一つだ!
3)地上復興を支援する勇者達。
……完。
追記、負債補正の無い世界ですし、ユニウスの被害も原作より軽微ですので、戦争はプラントの無条件降伏で終了しました。
で終わってしまう(苦笑)
チラ裏乙
気が済んだら二度と来んなよ
で、小話氏の作品に文句を言うだけの奴は何様のつもりなんだ?
と言うか、何が目的なんだよ
>>899 彼らの言い分だと差別から宇宙に逃げ出したのはいいけど、結局ナチュラルのお膝元に変わりなく、しかも労働に見合うだけの見返りなんてもらえなかったんだろ?
で、労働環境の改善を申し出ても話し合いの場に連合がなかなか来なかったから、じゃ独立するしかないよね、って実際に行動した。
そしたら突然核ミサイルで大量の仲間を虐殺されて。
そう何度も核ミサイルで何人も殺されたらたまったもんじゃないと報復及び専守防衛目的でNJうったんでしょ。
あと、自然に逆らった存在だのどうこう言ってるけど
コーディネーターを産み出したのは結局ナチュラルなんだから、コーディネーターの存在そのものが罪ならまずは自分自身を裁かなきゃ話が通らない
って考えもできるぜ
しかし、NJCの開発を考えると、NJでエネルギー問題を引き起こしマスドライバーを総占拠することで、宇宙から輸入に頼る地球を締め上げた後、
マスドライバーの返還とNJCの技術開示を餌に、有利な停戦協定結ぶって考えだったのかな?
公式はどうなんだろ?本編だとパトリックパパンのナチュラル憎しの描写しか流れないせいで、本当にこういう考えなんかあったのか全く分からん
地上に残ったコーディネーターは沢山いるし、
その技術者の中には、連合側についてMS開発に携わっている人間が多く含まれているという事実を忘れてはいけないよ。
ついでに言えば、プラントのコーディネーターは、
理事国が共同で開発した工場の労働者だ。
トヨタが洋上に創った工場に大量に就職した中国人が、
この工場は俺たちの新天地だと駄々こねて暴れる事のどこに正当性があるのかな?
また、プラント労働者への見返りが少ないと言うが、
物資の運搬コストが異様に高い宇宙空間のコロニーで、
プラントの一般市民が海鮮ジョンゴル鍋を食べながらビールで一杯やれる時点で、
先進国の一般市民と同等かそれ以上の待遇を受けている事は明らか。
あの状況で搾取されてるだなんて、理性を持っている人間なら口が裂けてもいえないよ。
追記すると、コーディネーターの作成は、遺伝子治療目的を除いて犯罪。
奴らは犯罪者とその子息であって、
彼らを作り出した罪を人類全員に当て嵌めるのは不当。
なぜなら人類は、ソレを抑制する知恵をもっていたし、
大半の人間はソレを理解した上で法に従っていたのだからね。
まあその、なんだ…
批判しかしない奴も沸点低いアイアンハイドも黙ってろ
>>908 他は一応論理的なんだが、最後が少しなぁ
犯罪者の息子は犯罪者って・・・・凄い差別論理だな
俺はお人好しだから親のエゴで罪を持たされて生まれて来た子を犯罪者だなんて思えない
「もう生まれて来ちゃったんだから仕方ないじゃん!文句あるなら“ナチュラル”の親に言えよ!」って感じ?
デュランダル政権側が主役サイドの時だけ熱心にプラントの成立まで遡って批判するが、
最後にプラントどころか地球圏ほぼ征服したそのNJ投下犯の娘に対しては
父親の罪への総括とか自治権の返上をすべきだとか生まれながらの罪人たるを自覚しろとか
絶対に言わないところでお里が知れてる。
ついでにいうと小話氏も逆シンのやはりラクシズが敵役になるSSでデビューしたお人だけに
賞金首なんだろうな。
もう分かったからお前は口から煙でも吐いてろ
少なくとも『産まれた命』に罪は無いだろ。現にただコーディネーターってだけで迫害された奴がいるのも事実なんだしさ…スタゲのロッシ夫妻とか
ジョージ殺害犯も確かうやむやにされてたし。
SS系スレのラクシズ厨な荒らしにとっての賞金首
SSスレ創世期…0083スレの職人さん、X運命の人
SSスレ増殖期…風景画の人、テイルズのクロス書いてた虚空って人、三人目
SSスレ安定期(今ここ)…逆シンスレの職人さん達
こんな感じか
小話さんには馬鹿なテロリスト予備軍は無視してぜひこのまま完結まで頑張って欲しい
三人目は根本的に箸にも棒にもかからず、ラクシズ厨云々以前に酷評されて
それを根に持って粘着中傷人生に走ったクズだからこの場合の賞金首の定義にはあてはまらない。
敵の敵は味方ということでむしろラク厨に媚びて尻馬乗りのパシリをやってるってとこ。
>>908 >>910 コーディネーターが犯罪によって生まれた
ズルした存在として色眼鏡で見られるのは、心情的には仕方ない。
そもそもが、事実なんだし……。
ソレを理由に迫害するのはいけない事だが、
CEを現実に準じた世界と見るなら迫害自体は禁止されていただろうし、
感情論から来る無形の差別はあっても、
社会全体としては親のエゴの被害者としての見方が圧倒的だった様だ。
……なんでかと言うと、コーディネーターが本当に差別され始めたのは、
その能力を利用して犯罪に走る連中が多く出たから、という公式設定があるから。
真面目に、迫害は作った奴と作られたコーディネーター達(の一部?)の責任なんだよな。
巻き込まれた、大半である筈の善良なコーディネーター達にとっては迷惑な話だろうけど……。
ただ、原作のコーディネーター達を見ると、度を過ぎた改造処置が脳に悪影響及ぼしてるんじゃないかと思える連中が殆どなのが困る。
特にプラント産は……。
とまぁ、この辺りの設定談義は専用のスレでやろうぜ……。
スレ違いだしさ。
俺もブルコスだから、小話氏の話には違和感を感じないわけでもないけど、
小話氏には小話氏の世界観があるわけだし、グチャグチャ言われて執筆止まるのも嫌だから。
ぶっちゃけザフトサイドのssって結構あるけど面白いのは本当に面白いしなぁ
やっぱ書き手次第なんだなと思った
ss書きですらこれなのに負債はもうどうしようもないとわかってしまうけど
だからこそラクシズ厨のテロ対象にもなりやすいわけで…痛し痒しだな。
919 :
一尉:2009/07/02(木) 18:32:07 ID:???
連合サイドは。
連合サイドもやり方によっては面白くなると思う
ただ、差別主義のブルコスや拝金主義のロゴスが連合の頭だったり、記憶や人格の改竄がひんぱんな改造人間の存在考えたりすると、けして勇者シリーズ向けじゃないんだよなぁ。
連合サイドでのクロスオーバーが楽しそうなのは、例えば「24」のジャック・バゥアーとか?
ブルコスはどうにもならんとして、経済面で合理的な利益を重視する事にして
結果的に有能かつ信頼できる人物像に変わっていったムル太という例はいくつかあるな。
>>916 高い理性を持ったコーディネーター達の社会であるプラントは犯罪なんかも少ないという設定があってな・・・
嘘 だ ッ ! !
テロリストやら反逆者やら殺人狂やらウヨウヨしてるじゃないか!
>>920 ブルコスは差別主義じゃなくてあくまで自然団体や思想であり、メンバーは違法によって生まれたコーディネーターを批判(といっても盟主王以下連合組が地球在住コーディを連合に加えてるのを見る限り、プラントコーディ限定?)
ロゴスはバイオネットのように無闇やたらと武器を流さず、戦争を起こさない範囲で流す事で70年近くの平和を維持してきた実績があるからなぁ…
メンバーも企業のトップの集まりだし…ジブの小物っぷりはアレだけど
しかしエクステンデッドって今考えると必要なのかねぇ…
連携をろくにせず(種三馬鹿)、たいした活躍もないまま消えた(種死三馬鹿)奴らより有能なナチュラルメンバーが揃ってる件
小隊行動による連携を主軸にしたダガー部隊が普通にザフトMSをフルボッコし、並みのコーディネーターを超えるエドやレナ、教官とエース級がそろい、バッテリー機で核機を落とすなどしたスウェンとかもいる
改造人間いらなくね…?あれ?何でこんな事してんだろ…
>>915 最近はやる夫スレ荒らしてるみたいだ>三人目
>>923 まあぶっちゃけ
「パート2じゃ悪役に回った地球軍が頭の緩い強化人間娘作って
主役(一応)との悲恋と戦いの末に死別させる」
という記号トレス以上の意味はなかったと思うよ>PP三人組
>>925 つまり「フォウ・ムラサメに該当キャラ」以外は「オマケ」か
>>920 『コーディネーターはナチュラルと混血して緩やかに消えていくべきだ』
……と考えていた事になっているシーゲル・クラインも、
思想分類上は、穏健派ブルーコスモスなんだぜ?
組織としてのブルーコスモスには参加していなかったけどな。
つーか、あの大量殺戮者は、娘に輪をかけて行動と思考がチグハグで、
何考えてるのか全くわかりゃしないんだが……。
ブルコスは基本環境保護運動で、ジブリールみたいな絶滅派を除いては、
プラントに所属している=コーディネーターを積極的に増やそうとしている連中以外は、
基本親のエゴの被害者って考え方らしい。
なにせ、あの盟主王ですら自分のとこの会社のMS開発に在地球コーディネーター使ってるから。
928 :
一尉:2009/07/03(金) 19:38:11 ID:???
ジャン・キャリーにも在地球コーディネーター人だよ。
盟主王時代なら連合ルートはできるかもしれんなぁ
エヴォリュダーの凱や不思議な力を宿した護を見ればコーディネーターに対するコンプレックスが解消するかもしれないし(某NTの出会いのように
いっそゴルドランで連合ルートとかw
そういえば、凱とムルタが表面上は会う度に互いに罵り合ってるんだけど、内面では固い信頼関係で結ばれてるスパロボSSを見たことがあるな
タイトルすら碌に覚えてないけど
>>929 むしろ凱の代わりに盟主王がエヴォリュダー化する方向で
ま た ア ズ ラ イ ガ ー か
アズライガーは作品によってはガチで本家より格好良いから困る
ジブリールはアズラエルに比べると華・魅力・カリスマが足りない
それこそアズラエルと比べるのが可哀想になるほど。
NTは人の延長だから、コンプレックスの解消は出来ると思うけど
エヴォリュダーとか護は根本的には、言い方は悪いけど
地球人とは別の生物だから、コンプレックスの解消にはならないと思う。
むしろ二人の遺伝子調べたり、子供作らせたりとかモルモット扱いしそう。
アズラエル=原種、ジブリール=遊星主、って感じ
さらに細分化すると…
盟主王…腕原種、ジブリール…ピーヴァータ、ペチュルオン他モブ遊星主
って感じだよなぁ、少なくともパルパレーパやポルタンにはなれない
複数の勇者系を同時展開ってのも面白そうじゃね?
ベースは種でザフトの変わりに侵略系異星人との共同戦線で宇宙が勇者王やゴルドラン、
地球でファイバードとかバーンガーンなんかをシンやマユとかで展開してくとか
それは種の世界でブレイブサーガって事かい?
つべのMADで『勇者シリーズでスパロボ』を思い出した
てかなにもクロス作品は一つだけって制限はないしな
ダイノ様もマイトガインが参戦してるわけだし
逆に勇者シリーズの世界にシンや刹那が来ても面白いかも
デスティニーやダブルオーが心を持ちシンや刹那と融合合体ですね解りますw
945 :
一尉:2009/07/04(土) 14:27:05 ID:???
但し、ジェイデッカーにも00の世界なら面白い思うよ。
倉庫にあるジェイ種運命(仮)の続きも拝読したいところ。
ダイノ作者氏にはゆっくりでもいいから書いていただきたい。
>>944 パイロットの相棒としての勇者だと性格はどうなるんだ?似た者同士になるか正反対でお互いを補う感じになるのか…
もうすぐ次スレだな
>>948 そういや、種・00以外のガンダムの世界も入れたいとかはどうするの?
とりあえず新シャア板でも問題ないみたいってレスはあったけど、ろくに論議されないまま、
「次のテンプレに入れればいいんじゃね」で結論になった気がするんだが
>>944 デスティニーは理知的でシンをたしなめるタイプ(氷竜みたいな感じ?)
ダブルオーは刹那同様寡黙だけど内には熱い勇気を持っているイメージがする
951 :
一尉:2009/07/05(日) 13:40:45 ID:???
ところで超竜神達は。
ジェイ種運命でも、冴島総監の事だから核動力ほか危険との理由で廃棄予定の
運命とインジャスに代わり、それぞれ外見をある程度模し、超AIを搭載した
BP新メンバー二人というのを作らせそうな気が…
>>952 もしくは表向きは廃棄したことにして動力部のみ入れ替えて超AI搭載してしまいそうな気もする
954 :
一尉:2009/07/06(月) 21:10:52 ID:???
とりあえず、ジェイ種運命を続きにしてくれよ。
ジェイデッカーは勇太の可愛さにやられたな。
1話の「助けてデッカード!」にクラッと来た。
今考えると、お姉ちゃんsとかレジーナとか萌え要素が多いぜ。
最大の燃えポイントは、どちらかが消えてしまうとか言われてるのに
合体したデッカードとデュークが格好良かったぜ。
あくまでも個人的には、だがマイトガインのオチがあんまりだったので、
もうシリーズ見限りも視野に入れてほとんど惰性で見た第一話で
一発KOされ、さらに監督が同一人物と聞いて更に驚愕したのもいい思い出だ。
957 :
一尉:2009/07/07(火) 19:38:08 ID:???
たがら、ドリルは外せ言ったのにがいい思い出です。
俺はゴルドランの最終回に吹き、ダグオンの最終回で泣き、
勇者王は所々(ピッツァ消滅、弾丸X発動、撃龍神誕生、超竜神特攻・帰還、マイクブラザーズ全滅、
キングジェイダー自爆、無印最終決戦、破壊神降臨、遊説主vs勇者ロボ軍団、ゴルクラ、FAINALラスト等)で魂を震わせまくったなぁ…
勇者王多すぎるw
まぁ同意だが
ちなみに幻龍神、強龍神とザ・パワー無双を忘れているぜ
超竜神の化石にはさすがに吹かざるを得なかったw
護きゅんの涙で復活とか狙いすぎだろjkと紫が愚痴ってた
一番感動するのはやっぱりエクスカイザーのマリオの主役回でしょ。
でも、エクスカイザーで一番萌えるのはガイスターズだから困る
なんであいつらあんなに可愛いんだ
>>959 やべ、抜けてた。後はレプリ勇者軍団、彼らの最期は泣ける。
>>962 四バカの愛らしさは異常w
このスレにいるホーンガイストは全然愛らしくないけどなw
ふと思ったが勇太とか護の二人は、警察官とGGG隊員だから公務員だよね。
給料とか貰ってたんだろうか?
特に勇太はBPのボスなんだから、
西部警察や太陽にほえろの裕次郎と同じポジションだよね。
小学生に大金与えても仕方ないから、口座つくって親に管理してもらうのが一番なんだが・・・
護は終盤まで親に内緒でGGGやってたんだっけ・・・
親に預けたお年玉は無くなるんだよ。
使うときには渡すからと言われて返ってこない。
うちの場合、その場では預かるとはいうものの「家計が苦しいからよこせ」ってハッキリ言われてたTT
>967
それは宇宙の真理だ
護の場合は特別隊員だがあくまで協力者的な扱いだから
ちゃんとした給料は貰ってないんじゃね?
護はかなり特殊な立場だから、月賦では貰ってないと思う。
ゾンダーとの戦いが起きる度に何らかの報酬が発生して、それを長官辺りが管理してるってのが一番近いのでは?
普段は仕事って言うより保護とかの意味合いのほうが強い。
まだDVDが発売されてなかった頃は上映会がちょくちょくあったが、
ある時各シリーズからチョイスしたよろず上映会にて、最初は随時歓声やツッコミ等
ユルくまったり進行してたものの、目玉演目のファイヤージェイデッカー六部作が始まるや
皆固唾を飲んで軽口なぞ誰一人叩けなくなり、一挙上映の予定が三話目が終わった所で
緊張感に耐え切れなくなるやつが続出して一旦中断、リラックス休憩を挟んで
やっと続きを…ということがあった。
作品に引き込まれる、呑まれる感覚としてあれを凌ぐ体験はそうそうなかった。
録画を何度となく見返していた自分でさえそうだったんだから、
手元にないもしくは見逃してて初見だった人の衝撃たるや想像を…
973 :
一尉:2009/07/08(水) 17:45:52 ID:???
・・・・・・・・、そんな事あったかよ。
勇太は貰ってるで決まりか、日本の公務員だし。
警察の課長クラスって手取りで30万位はいくのか?
>>972 町内会の上映会で流されたのは、裸足のゲンとか蛍の墓とかだったぜ。
なにその羨ましい環境。
田舎の一上映会の話だけどね、
そのくらい空気が張り詰めたのは誇張抜きの事実だよ。
自分も勇者シリーズの同人誌即売会兼上映会にはよく行ったものだが,あるとき主催者さん
にエクスカイザーの最終回はやってくれないのですかと聞いてみたところ
みんな,しんみりとしてしまうので出来ないと言われた。
上映会なんてやってたのか?
やっぱり90年代?
ビデオ用意したの?
>>974 ウィキペディアで調べたら、勇太の階級は警部だった。
これを元に調べたら、
http://keisatu.seesaa.net/というサイトで >警視庁作成の警察官モデル年収によりますと、35歳巡査部長(残業手当なし・妻・子ども2人がいるケース)で月給40万円、年収では660万円となっています。
>45歳警部補(同)で月給50万円・年収830万円、50歳警部(同)では月給55万円・年収930万円です。
と出た。
だいたい50歳警部で55万だけど、扶養手当とか勤続年数とかがついて、この金額だろうから、
勇太の賃金は、もっと少ないんじゃないか。
危険なこともする職業だからもっと高いのかと思ってたぜ。
それともやばい仕事をこなすと危険手当とかもつくのかね?
危険手当か…警察の危険手当ってどれくらいだろう?
自衛隊の危険手当は不発弾処理でも500円って聞いた事があるが…。
>>980 下手すりゃ死ぬのに500円なのか…
そう言えば警察の金一封も一律5000円になったんだよな…
情報dクス、でも小学生には大金だろうね。
搾取される光景しか浮かばないけど。
勇太「わーい、お給料だー」
あずき「無駄使いしないように、預かりますわ」
くるみ「わたし、欲しい服があるのよ」
レジーナ「指輪が欲しいなー、ねユータ」
勇太「うわーん、デッカードー」
デッカード「勇太・・・(涙)」
てか小学生だと5000円や1万円でも大金だしな
10万+危険手当ぐらいだと思う