早くバレスレの次スレお立てろ6

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128通常の名無しさんの3倍
第4クール中盤辺りを想定。
ザフト軍、地球連合軍が入り混じった戦場で戦うミネルバとアークエンジェル。
カガリはストライクルージュで出撃。
シンはデスティニーで強力な敵機と交戦中。
奮戦するシンだが、二機を相手に苦戦してしまう。
ビームライフルを失い、隙を衝かれたデスティニーに、
敵のビーム砲がターゲットロック、コクピットに向かって放たれる。

「――――直撃!?」
敵モビルスーツの放ったビームが、コクピットを明確に狙っていた。
そのコースから、直撃だと感知するシン。
だが回避が間に合わない。やられる――――と思った瞬間。
「シン!!」
無線回線から聞こえてきた声。
と同時に、シンの視界に一機のモビルスーツが現れる。
紅い色をした機体が、敵のビームを阻んだ。
シールドを構えて防いだものの、敵との戦闘で傷ついていたカガリの機体は、
完全にはビームを跳ね返せない。大きく被弾するストライクルージュ。
ビームの威力に押されて飛ばされるのを、シンのデスティニーが受け止める。
「………っ!」
機体がぶつかる衝撃に歯を食いしばるシン。
だが、ストライクルージュの姿を見て息を呑んだ。
フェイズシフトが落ちて、あちこちが熔解している。
シールドを持っていた右腕は、完全に失われていた。
この分では、コクピットもかなりひどいことになっているだろう。
呆然としているシンだが、敵の攻撃は続いている。
敵モビルスーツがサーベルを振り回して襲い掛かってきた。
ストライクルージュを抱えるデスティニーは、即座に応戦できない。
絶対的不利な状況で覚悟を決めたシンだが、
そこへ八時方向から援護のビームが発射された。
フリーダムが駆けつけ、敵機とシンたちの間に入る。
「キラさん!」
「シン、ここは僕に任せて。カガリをアークエンジェルへ」
短く言葉を交わすと、フリーダムは敵モビルスーツへ突進していく。
「…でもオレは!」
躊躇うシンに、キラは敵へ照準を合わせながら告げた。
「カガリは僕の姉弟なんだ。死なせたくない。だから…頼む」
さらりと語られた事実に、ストライクルージュへ驚きの眼差しを向ける。
姉弟…きょうだい。それがどれほど大切な存在かは、シンが最もよく知っている。
「――――判りました」
まだ複雑な感情が心に蟠っているものの、ここでじっとしていたらただの的だ。
シンはカガリのストライクルージュをしっかり捕まえると、
加速Gに気を使いながらも急いでアークエンジェルへ向かった。
129通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:04:03 ID:???
左舷カタパルトから、シンとカガリの機体が収容される。
モビルスーツデッキに到着すると、ストライクルージュを固定させた。
既にアークエンジェルのメカニックたちが集まっていて、
すぐさまコクピットを外から開け始める。
シンは、自分の機体から降りると即座にコクピットを出て、
デスティニーを反動の足場に使い、ストライクルージュへ舞い降りていった。
大破した機体のコクピットでカガリは、ぐったりとシートにもたれかかっている。
ヘルメットにはひびが入り、頭部からの流血が見えていた。
メカニックたちを押しのけて、シンはルージュのコクピットへ。
「おい」
動揺する心を抑えながら、カガリに呼びかける。
だが返事はない。おそるおそるカガリに手を伸ばした。
身体を揺すり再度声をかけると、カガリの眉が動く。
「…っ」
苦しそうな様子に、シンはヘルメットのバイザーを上げてやった。
「おい、アンタ」
声が聞こえるように、顔を近づけて言う。
すると、カガリはゆっくりと目蓋を開けた。
「………シン?」
ぼんやりした瞳で空を見ていたカガリだが、視線を動かすと
シンの顔が思いがけなく近くにあったので驚いてしまう。
「ここは…?私は、どうしたんだ?」
頭を打って記憶が混乱しているのか、不確かな口調で呟いた。
「…ここはアークエンジェルだ。アンタがオレを庇って被弾したから………」
視線を逸らして告げるシンの表情には、苦渋が滲んでいる。
「…そうか、そうだったな」
一言発するだけでも胸を大きく上下させることから、
内臓もダメージを受けているかもしれない。
「…なんで…っ」
シンは震える拳をギュッと握り締めた。
「なんで、アンタがオレを庇ったりするんだよ!?」
自分はアスハの人間を憎んでいた。
家族を奪うことになった決断を下した、アスハを憎んでいた。
この女も、それを知っていたはずなのに…どうして自分を庇ったりしたのだろう。
シンの胸中では、入り乱れる想いが交錯している。
130通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:04:33 ID:???
荒らしここに来てるよ…
131通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:04:51 ID:???
「シン…」
微苦笑して答えようとしたカガリだが、突然喀血して言葉を詰まらせた。
シンの背後では、メカニックたちが「医療班を!」と右往左往している。
「オレは!アンタに庇ってなんかもらわなくたって、大丈夫だったんだ。
 あんな攻撃、オレの機体なら直前で避けられた。
 それを勝手に割り込んできて――――」
「…邪魔をしたなら、済まなかった、な」
カガリに対するモヤモヤとした感情が、シンに強がりを言わせた。
そんな思いさえ察しているという風にカガリは微笑う。
「何だよ!何なんだよ!?オレがアンタを嫌いなことくらい、知ってるだろ!?
 アンタに庇ってもらったって、嬉しくなんかないんだよ!!
 それとも、オレに礼でも言って欲しかったのかよ?
 アンタがオレを庇う理由なんて、何一つ…!」
「――――あるさ」
自分の中にある気持ちを認められずに、罪悪感から逃れようと、
必死に言葉を捲くし立てるシン。けれど虚勢は滑稽だと自覚していた。
ジレンマに陥るシンに、カガリは穏やかな声で諭す。
「あるさ。お前を庇う理由なんて…助けたいと思う理由なんて………」
喋ることだけでも苦しそうな容態だが、
言わなければならないことだと、カガリは息を切らせながら口を開いた。
「…死んで欲しくない。もう誰にも、死んで欲しくないんだ。
 ナチュラルでも、コーディネーターでも…そんなことは関係ない。
 生命には、区別なんか…ない。生命は、同じ生命の筈だろう?
 ……誰の生命も、等しく大切なものなんだ。
 ――――それを守ろうとして…何が、悪い」
「けど!自分の身を挺してまで…!」
今、シンの心には、かつて自分がカガリに浴びせた言葉が思い返される。
本当に何も判っていなかったのは自分の方なのに…
ひどいことを言ったのに、それでも自分を助けてくれた。
コーディネーターの自分を、ナチュラルのカガリが救ってくれた。
そんな区別は関係なく、同じ生命だと言ってくれる。
「私の生命も、同じ一つの生命だ。おまえの…家族と同じ――――
 私の生命と、おまえの家族の生命も、同じ…等しく大切なものなんだ。
 誰かにとっては、かけがえのない、生命だから
 勿論、シン…おまえ自身の、生命も………」
「……――――」
132通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:05:37 ID:???
カガリの言葉に、シンは目を見開いた。
「…やっぱり、アンタはバカだ」
他にどう言っていいか判らず、ボソッと呟くシン。
カガリはそのぶっきらぼうな物言いも、彼らしいと思った。
「…ありがとう、シン」
「何が、だよ?」
唐突に礼を言われ、シンは戸惑う。
「おまえがここに…アークエンジェルに、連れてきてくれたんだろう?」
「それは…『頼む』って言われたから。アンタの弟にさ」
「え?」
弟と言われ、カガリは一瞬首を傾げた。
「――――キラさん。とてもアンタの『弟』には見えないけどね」
「ああ、キラが…そうか」
戦場で最も強く、最も優しいキラを、この世でただ一人、
同じ血が通ったきょうだいを想い、カガリは微笑する。
コクピットの外では、医療班の担架が用意された。
シンは、カガリをコクピットから出そうと声をかける。
「おい、動けるか?外に担架が…」
シンが促すと、カガリは自分の身体をシートから起こそうとするが、
同時に全身を走った激痛に、脱力してしまった。
それでも歯を食いしばって動こうとするけれど、身体は言うことを聞かない。
その姿を見かねて、シンはカガリをそっと抱き上げた。
「―――――!」
驚いて声を上げるカガリ。
だが自分の声さえも、今の傷だらけの身体には苦痛になる。
「…嫌だろうけど、少しの間だ。我慢しろよ?」
シンは照れ臭いのか、視線を合わせないままポツリと言った。
これはシンなりの気遣いや優しさらしい。
そう理解したカガリは、強張る身体から緊張を解き、シンに体重を預けた。
133通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:06:23 ID:???
「嫌だなんて…それは、おまえの方じゃないのか?」
「オレは別に――――怪我で動けない人間を放ってはおけないだろ。それに…」
「それに?」
「アンタに何かあったら、アスランさんが悲しむからさ」
ストライクルージュのコクピットから出ると、待機していた担架へと運ぶ。
シンが担架へとカガリを下ろした時、切ない声が耳元に響いた。
「アスラン…」
と同時に、再び激しい喀血。
「カガリ!」
咄嗟に名前を呼んだシン。
カガリは苦しそうに呼吸を整えながら、シンに笑みを見せる。
「…初めて、名前を…呼んでくれたな」
「……――――」
「シン…。ミネルバに、戻ったら…アスランに、これを――――」
途切れ途切れになりながらも、必死で告げるカガリ。
パイロットスーツの襟元から頼りない手でペンダントチェーンを引きずり出すと、
鎖を切ってシンに手渡した。ペンダントには指輪が付いている。
「これは…」
シンはその指輪がどういうものか、即座に察した。
「済まないと…伝えてくれ」
「何を…!」
ひどく弱々しい科白に、シンは憤る。
「誰もが、認め合える世界……それが、理想だとしても…
 私は――――見たかった。父上の…描いた、世界を」
「…………」
「父上が、言ったんだ。…想いを継ぐ者なくば…それで、終わりだと。
 だけど…私は、終わらせたくない……。
 …頼む。私の想いを、継いで…くれないか」
苦痛が滲む瞳が、それでもシンをまっすぐに捉えていた。
134通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:07:15 ID:???
そして、ゆっくりと手をシンに差し出す。
「シン…。おまえに、私の生命を…想いを、繋げて………
 今度こそ、本当に戦いを…終わらせて―――――」
「〜〜〜カガリ!!」
差し出された手を、シンは咄嗟に握った。
細く途切れそうなカガリの生命を、必死に繋ぎ止めるように。
グローブ越しに握った手は、思いがけないほどか弱くて、
それでもカガリはこんな手で戦ってきたんだと、改めて実感した。
「私の生命を、吸って…。おまえと、一緒に…戦わせて、くれ。
 それが、私の――――」
微かにシンの手へ届いた、握り返した手の感触。
そして、自らの想いを切実に訴えかけるカガリの瞳。
もう意識を保っていることすら耐え難いことなのに、
それでもカガリは気力を振り絞り、想いを伝える言葉をシンに紡ぐ。
想像するだけで顔が歪むような、ひどい苦痛に苛まれているはずなのに、
カガリは静かに優しい笑みを浮かべて、告げた。
「――――最期の、願い…だ」
「……―――――」
強い意志の力、それがシンの身体に溶け込む。
まるで、カガリの生命を吸収しているように。
温かい、何かに包まれているような感覚を覚えた。
これが…人と人とが繋がっているということなんだろう。
その瞬間、シンの中で総てが融合した。
家族の死、これまでの戦闘、奪った生命、失ったものも。
自分の悲しみ、怒り、憎しみが解けて、総てと混ざり合う。
人はみんな同じ…大切なんだ。
みんな、迷ったり、悩んだり、苦しんだり、道を間違ったりしながら生きている。
誰も同じなんだ。みんな、世界に足掻きながら生きている。
それが、そんな簡単なことが、今になってようやく理解できた。
傷つけられたら、奪われたら、痛くて哀しくてどうしようもなくて。
そう自分が思うんだから、誰でも同じなんだ。
それがナチュラルでも、敵でも、自分を撃とうとする者でも。
…自分の家族の仇でも。
135通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:07:47 ID:???
2008年10月5日より毎週日曜午後5時
MBS・TBS系列全国28局ネットで放送開始!

その再生を破壊する───
http://www.gundam00.net/

・ギア腐、マクロス厨、ねっちょり、ハム子、ウン子、カリカリ、腐女子、売り上げ厨、コテ立ち入り禁止
・荒れてきたらIDオープン(メール欄に何も入れない)進行
・自分語り禁止、また、ここは 全 年 齢 板 です
・宣伝、他スレの愚痴、スレヲチ報告、マッチポンプ、スレ違いの活動はよそでやってね!
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・アンチ・蔑称・マンセー・キャラ話・カプ話・ペット話・同人話・論争・人気話・コスプレ話・声優話・一般サイト晒し・キャラソン話・ビリーの自演厳禁
・確定バレが出たものをなるべく貼ること
・次スレは基本的に>>900が。無理な場合は取らない、代わりを指名
・次スレが立つまでレス自重
・このスレにはあらゆるネタを使いまわして荒らしてくる粘着アンチが居ます。構っても無駄なのでスルー遵守
・俺たちがガンダムだ a

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■バレまとめスレ
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■避難所っぽいもの
早くバレスレの次スレお立てろ6
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1219926660/

機動戦士ガンダム00 ネタバレ雑談スレPart1
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1211648762

■有志設置のアレハン絵チャット
http://www.takamin.com/oekakichat/user/oekakichat3.php?userid=356533

■声優の話はこっちで
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■前スレ
機動戦士ガンダム00ネタバレスレ Part.1327
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1220443831/
136通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 23:08:01 ID:???
自分が家族を大切に思っていたように、『誰か』は『誰か』の家族に思われてる。
大切だと、かけがえのない存在だと。
人はみんな、自分と他人が『同じもの』であると知ろうとしない。
知っていたとしても、認めようとしない。
それが敵を作ってしまう原因だったのに。
同じであることを認め合えたら、きっと戦争なんて起こらなかったのに。
どうして、今までこんな簡単なことに気付かないでいたんだろう?
今、シンの心は澄み渡り、憎しみや怒りの気配は消えた。
何も恐れない強い心が、静かに息衝いていて。
シンはカガリにコクッと頷いた。
もう憎悪に精神を蝕まれることのない、力強さを感じる。
シンの意志の伴った眼差しに、カガリは安堵の笑みを浮かべた。
そして全力で繋いでいた意識の糸が途切れ、意識を失う。
身体から生気が抜けたような気配に、顔色を変えるシン。
まさか…と思いつつ、カガリの手をしっかり握り締めた。
「カガリ!!」
傍で怒鳴っても、カガリは表情一つ動かさない。
全身から血が引いていくような感覚、家族の時と同じような。
震えて、身体がいうことを利かない。
「――――死ぬな!!死ぬなよ、カガリ!!死んじゃダメだ!!
 アンタが、そう簡単にくたばる訳ないだろ!?
 寝たフリなんかしてないで、さっさと目を覚ませよ!
 アンタには、まだやらなくちゃいけないことが沢山あるだろ!?
 アスランさんに会わなきゃいけないだろ!?
 オレは…っ、オレは…――――
 …まだ、アンタに言ってやりたいことがたくさんあるんだ!
 だから、死んだりするなよ!目を覚ませ!カガリ!!
 冗談はやめてくれ…。頼むよ、オレは…。
 アンタに死んでほしくないって…本気で思ってるんだよ!
 カガリ…頼むから……生きてくれよ」
必死で怒鳴り、懇願しても、カガリは重く目蓋を閉ざしたまま。
シンは唇をかみ締めながら、握った手の温かさを確かめる。
この温もりをシンは記憶に留めた。
自分に大切なことを教えてくれた、カガリ・ユラ・アスハの体温を。