1 :
通常の名無しさんの3倍:
3ヶ月ルールで落ちてたんで、立てました。
注意書きは
>>2以降の人に任せます。
で
>>1乙
3ヶ月ルールか、そんなものあったのか……3日ルールしか知らなかったわ
>>1乙
今後のために、誰かルールについて教えてほしいのですが。
>>4 三ヶ月以内に1000いかないとdat落ちする
6 :
4:2008/08/24(日) 22:50:06 ID:???
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| ムウはドミニオンの攻撃で死んだんだと思っていたら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ ネオって野郎の仮面の下から現れやがった
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何を言ってるのか分からない…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ 実は生きていましたとか奇跡の力で蘇ったとか
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
あの最後が格好よかっただけに出てきた時はショックだったな。
せめてアヴドゥルの一度目並にあっさりしてれば良かったのに。
ネオは登場した時から声優でムウっぽかったけど、
何のひねりも無しに本人の記憶喪失ってくだらない結果だったのにはまいった。
脚本家の腐女子の友人から復活希望のプッシュがあったとか…
それと、このスレ初めて来たんでルールとか詳しく知らないんですが、
この板スレ立てて3日の内に30までいってなくても落ちるって聞いた事あるんで
30まで埋めておいた方がいいと思いますよ。
そーなのか、あと2日くらいあるな
埋めとこ
もっかい
ボロサワの腐女子仲間が
「ムゥ殺すとか訳わかんない!生き返らせないと絶交くぁs笑でfrtgyふじkぉ;p@:「」!!!!!!!!」
と言ったから復活らしいなw
腐女子には男の価値がわからないんだろ
でも俺、ナタルさんやステラが生き返ったら喜んでしまいそうで、あまり腐を馬鹿にできない
つか個人的に、男の死に様は燃えるんだけど、女の死に様については全く燃えずに哀しさだけを覚えてしまうんだよなあ…俺だけだろうか
何のひねりもなく、生きてたからダメだったんじゃないか?
遺伝子を使ったクローンとか、ちょっとひねってたら印象も違ったのに
空気を読まない発言で申し訳ないが、
キングクリムゾンって能力的にはワールドを超える凶悪な能力だと思うんだけど
キラに撃たれてる人も時間をふっとばされているんだろうか?
2部ジョセフや、シュトロハイム、アヴドゥルはなぜ生きていられたかの説明はあった(無理があるとしても)が、ムウの場合は説明の一つもなかったのが問題だと思う。生きていた理由も、ファントムペインで働いていた理由もまるでわからんもの。
もう何か種と種死のMSは生存率が高すぎないかと。
戦場ではMS破壊された兵士同士が地上で雑談でもしてるんじゃね?
>>17 質問の意図がわからん
>>19 フルバーストの時、動きが止まるとか言われてるからスタンドっぽいな〜
と思って無理やり種と結びつけただけ
>>13 一方、荒木は「泣いてやるぅ」「先生のカバッ」と言われてもストレイツォを復活させなかった。
>>21 でもアヴさんは復活したぜ。
確か編集の圧力だっけか?
だから二度目は復活できない殺され方したんだと思うけど。
ムウさんは「ブルーコスモスの科学力は宇宙一ィイイイイイ!」で復活すればよかったと思う。
せっかく仮面つけてるのに、はがしても額に傷がだけとか、がっかり過ぎる。
仮面で思い出したが、クルーゼの素顔を本編で出さなかったのは何故なんだろ?
後半でキラ&ムウと銃撃戦やってる時とか素顔を晒せばインパクトがあるし、
クルーゼの行動への説得力が出てくると思うんだが
素顔といえば、JoJoの第3部でも素顔出さないキャラいたよな
本体が女のスタンドの奴
スタンド自体はそれなりに活躍したのに本体の顔が出てこないってのもある意味悲惨だw
第三部の格ゲーが出てなければ彼女の素顔は分からないままだったろーな
>>23 「エルガイム」最終回のアマンダラ・カマンダラとかのイメージかな。
どうせ嫁の事だからジジイ面を描写したくなかったとかそんなとこでしょ。
つか無印のスペエディで普通に素顔出てくるよクルーゼ
嫁が設定ガン無視したおかげで、実に若々しい美形だった
マジで死ね、あの糞アマ
>嫁が設定ガン無視したおかげで、実に若々しい美形だった
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
>>27 見た事あるがレイと似た感じだったよな、クローンだから似てて当然なんだが
設定無視も何ももともと素顔の設定なんか無かったんだからどう描写しようが嫁の勝手だよな。
美形になったせいで顔隠す必要なかったんじゃないかとは思うが。
小説版では顔の上半分だけ皺くちゃジジイだったんだよな>クルーゼの顔
種デスの時は小説版ライターさんも苦労したらしいが
>>31 見えている所だけ若いで思い出したが、車から見える右手だけゴツイ
スタンド使いもいたんだよな、名前忘れたけど車のスタンドだったような…
運命の車輪(ホウィール・オブ・フォーチュン)だな
本体はズィー・ズィー
JoJoに詳しい人がいて助かるゎ〜
C.Eで役に立ちそうなスタンド能力って何がある?
ほとんどの能力が役に立ちそうだけど
役に立つかどうかという趣旨から外れてはいるが
コーディがトニオさんの料理食べたらどうなるんだろ?
例えば男が精力絶倫になったり女性が妊娠しやすい状態になる料理とか
むしろ手を加えられた遺伝子が修復されてナチュラル化するとか
もしそうだったら盟主王とシーゲルが大喜びだなw
ジブリとズラパパはトニオさんの抹殺を企てそうだが
>>34 戦闘が多いからサバイバーがかなり役に立ちそう。
しかもあれって電気信号にまぎれるスタンドだから、ビームとかで遠距離までばら撒けたり・・・
霧のロンドンでサバイバー……
密閉空間で水を循環させてるコロニー……
水中MSと潜水母艦にサバイバー……
キケンってレベルじゃネーゾ!!
コロニーサバイバー…マジで怖すぎwwwww
サバイバーってこんなに強かったっけ?wwwww
>>40 閉鎖空間内のサバイバーは、ある意味、世界やキンクリ以上に危険です。
しかも、人一人が潜入すればいいので、バイオテロ以上に簡単でお得です。
まさにスタンドは適材適所
ゴミスタンドな奴らでも使い方次第+命を棄てる覚悟があれば恐ろしい武器に成るな
・コロニーの宇宙港でチープトリック
・コロニーの水循環装置にサバイバー
・コロニーの水循環装置にFF
・ビクトリアの大虐殺後にリンプ・ピズキッド
>>41 サバイバーそのものはほんの僅かな電気刺激で接触した人間を怒りっぽくさせる。
その程度のスタンド。
しかし怒りのボルテージは刺激を受けた人間の中で際限無く跳ね上がっていき、
肉体ダメージを認識出来るようになったり、殴り飛ばした衝撃で飛んだ歯が石を
貫く程の怪力を発揮したり、しかもそれが無差別且つ超広範囲で展開されるため、
文字通りの生き残り戦を引き起こすスタンド。
あのDIOですら殆ど制御出来ず、持て余すが故に最弱と定義付け、DISC(発動不可能)な
状態にしてプッチ神父に預けていたのだが、正確に敵陣の中でだけ発動させられるのなら
ノトーリアスBIGと並んで最強最悪のスタンドと言えるだろう。
>>42 >コロニーの宇宙港でチープトリック
見た瞬間吹いたwwww
が、確かに恐怖だな……。
一人また一人背中を引き裂いて死んでいく人々。
次は誰なのか?誰の背中についているのか?
脱出途中で出会った生存者の背中にはいないのか?
これはサバイバーとは別の無差別殺人が起きそう。
>>43 そうか、最弱って使い道がないって事だったんだな。
と思ったが、本体を守る事も出来ないという弱点がある。
ノトなら死んで発動だからいいけど、サバイバーは本体が巻き込まれたら終わり。
ああ、でもコロニーなら脱出はわりと簡単か。
「力」は宇宙「船」は能力の範囲内なのかな
>>44 確かサバイバーは本体巻き込まれないはず
DIOは部下に使わせる前提で話してたから手に余るって言ったけど
他人なんてどうでも良い俺様万歳な奴が目覚めたら最凶最悪のスタンドだったな
プラントでの使用を考えたら、グリーン・ディも恐ろしい事になると思う。
あれって本体が離れてもカビは勝手に広がるんじゃなかったっけ?
>>47 下ってどっち?
遠心力が働いているほう?
チョコ先生が生きてる限り、死体を媒介に増え続けるからなぁ……
チョコ先生が解除すれば消えるんだろうが凶悪極まりない
あとコロニーの全エネルギーを吸い取ってレッド・ホット・チリ・ペッパー無双とか
>>50 NJとやってる事の何が違う?>レッドホットチリペッパー
全世界の電力を集め、落下するユニウスセブンに向かうレッドホットチリペッパーだと、
一転どこの正義の味方?になるけどな。
NJ::無関係の人や非戦闘員まで殺す悪鬼の所業
RHTP無双:敵の施設のエネルギーを吸ってMSやパイロット、敵要人をぶち殺すだけですが何か?
レッチリって電気と一体化してるスタンドだから一般人とかレーダーでも見えそうな気がする。
まあ、MSの中に入ればそのまま主導権奪えそうだけど。
新スレになって初の投下をします。
今まで出てきたジョジョキャラ一覧
1部・スピードワゴン、ダイアー、切り裂きジャック
2部・シュトロハイム、ストレイツォ
3部・ポルナレフ、アヴドゥル、イギー、グレーフライ、ンドゥール、デーボ
4部・虹村形兆、吉良吉影、重ちー、辻彩
5部・ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャ、リゾット、プロシュート、メローネ、ホルマジオ、ギアッチョ、チョコラータ、セッコ
6部・ウェザー、フー・ファイターズ、ヴェルサス、ケンゾー
7部・フェルディナンド博士、リンゴォ・ロードアゲイン
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 28:SEED』
ブチャラティたちが、ミネルバの潜入に成功した後も、海上では戦争が続いていた。
時間を稼ぐために、守りを重点においた戦い方をする連合軍を相手に、シンたちは攻めあぐねていた。量産機は何体か落とせたが、主力であるガンダムや指揮官機のウィンダムは健在である。
「くそっ、タイミングがつかめない!」
水中から攻撃を続けるアビスに対し、シンは苛立ちのままに吐き捨てた。
インパルスの装備では水中の敵を効率的に攻撃することはできない。できるチャンスとすれば、攻撃のために一瞬水面に現れるときだけだが、その一瞬を捉えるのは想像以上に難しい。避けるので精一杯だ。
どちらも攻撃を与えられない。しかし相手をしなければ、アビスはミネルバを落としに向かうし、インパルスは別の主力MSや空母を攻撃に向かうだろう。決着がつかないとわかっていても、相手をするしかない情勢。
(教官たちの支援はあてにできないしな……)
ポルナレフは嘘のように元気だが、一応ンドゥールと戦ってからほとんど時間がたっておらず、怪我も治りきっていない。こちらにまで気を回す余裕はさすがになかろう。量産型MSの大群を相手にしている、ウェザーとFFも同様だ。
「やってみるか……」
そこでシンは、いちかばちかの賭けに出ることに決めた。
インパルスが空中で動きを止める。シンは敵の攻撃を誘い、かつ、その攻撃をギリギリまで避けないつもりなのだ。それによる生命の危機が、彼のSEEDを発動させるだろう。
(あの力なら、たとえ水中の敵をも感じ取れると確信できる。しかし避けきれなければ……)
酷い博打だ。だがこれからの戦いのためにも、ここでSEEDの感覚を掴みきっておかねばならない。今でもSEEDの解放まで、あと一息というところまできている感触がある。それでもSEED覚醒とは雲泥の差だ。
この実戦で覚醒させれば、完全にこの力をものにできるだろう。
(………来る!)
海面に波とは異なる揺らぎが一瞬生まれ、アビスの砲口が覗く。だが、その口からビームが発射されることはなかった。
爆発が起き、アビスのビーム砲が破壊された。それから更に、ビーム砲だけでなく、強力な武器のほぼすべてが破壊された。だがそれはシンの放ったものでも、他の味方からのものでもなかった。
インパルスにもビームが放たれていたが、神経を研ぎ澄ませていたシンはそれを間一髪でさける。しかし、SEEDの発動は感じられない。今のシンにとって、SEEDは命の危機を引き金とする力。今のビームは命の危機をもたらすものではないと、シンは悟っていたのだ。
「あれは……っ!」
シンはビーム発射の犯人を視界に捕らえた。彼方の空から、陽光を浴びて飛来した乱入者。連合軍のウィンダム部隊の武装を次々と破壊し、戦闘不能にしていく、その存在は、
「フリーダムッ!!」
シンは堪えきれない忌々しさを込めて、その名を口にした。
『両軍、即時戦闘を中断してほしい!』
キラ・ヤマトの言葉が、その場の全通信機に送られる。
『そして、ザフトはカガリ・ユラ・アスハ、アスラン・ザラ、ミリアリア・ハウを解放し、こちらに帰してくれ!』
その通信を聞き、シンは失笑してしまった。
(まだそんなことを言っているなんて、もう怒るを通り越してお笑い種だ)
インパルスが翻り、フリーダムに向けて動く。
「いいかげんに、しやがれっ!」
滑らかにビームサーベルを抜き放ち、そして斬り付ける。
『っ! なぜ話を聞いてくれないんだ!』
キラは攻撃をかわすと、自分もサーベルを構える。
『アスランも、カガリまで、なんでこんな戦争を続けようとするんだっ! 前の戦いで、わかったはずなのにっ!』
―――――――――――――――――――――――
時間を少しさかのぼり、アークエンジェル側で起こったことについて記す。
キラはカガリに蹴り倒され、意識を失った後、様子を見に来たバルトフェルドによって介抱された。カガリたちが逃げたことは期待通りだったものの、キラが大事な部分に手酷い仕打ちを受けるのは予想外だったバルトフェルドは、慌てて医務室に運び込んだのだった。
その後、ヴェルサスとンドゥールが帰還。連合軍のデータを手に入れたものの、同様に調査に来たザフト兵に見つかり、戦闘の結果、傷を負ったと報告された。同時にヴェルサスはカガリの逃走やキラの負傷を聞かされたが、さすがに慣れたのかそれほどは驚かなかった。
ただ、キラの負傷が肉体的欠損にまで至るほどではないことに、内心とても残念ではあったが。
「それにしても、これからどうしたものかしら」
マリューがため息と共に漏らす。
「どうもこうも、カガリは自由意志でここを離れたんだ。どうすることもできないさ。俺たちはまあ、ほとぼり冷めるまでどこかに隠れているのが妥当だろう」
バルトフェルドが意見を述べる。
カガリという重大な『人質』がいない以上、オーブもザフトも遠慮なくこちらを攻撃できるようになったが、そのかわり、アークエンジェルの優先順位も下がった。大人しくしていれば、しばらくは積極的に探してはこないだろう。
「ですが、その戦争を放っておくわけにはいきません」
ラクスが責めるような声を出す。
「逃げるわけじゃない。今は情報収集に徹するんだ。デュランダル議長の目的とやらも、まるでわかっていないんだからな」
完全に手を引くわけでないことを示し、ラクスを納得させようとするバルトフェルド。ヴェルサスも、クライン派の情報網はこれからも使えるので反対する理由はない。バルトフェルドに賛同する。マリュー以下、アークエンジェルのクルーも、反対はしなかった。
「……わかりました。では、私はキラのお見舞いに行ってきます」
ラクスは、やや肩を落としながらブリッジを出て行った。
「キラ。お加減はいかが?」
「ラクス……うん、心配ないよ」
キラは弱々しい微笑みを浮かべる。アスランが自分と道を違え、カガリが自らの意思でアークエンジェルを離れたことが、精神的痛手となっているのだろう。
「もう体には何の問題もないってさ」
「ですが……目に見えないところの傷は、体の傷より治しにくいものです」
ラクスは神妙に言う。
「アスランやカガリさんがわかってくれなかったのは悲しいことです。けれど、彼らはデュランダル議長に惑わされているだけ。きっと、本道に立ち返ってくれるはずですわ」
「うん……ありがとうラクス」
何の根拠があるわけでもないことだが、ラクスの自信に満ちたよく通る声で言われると、すんなり心に差し込まれ、本当にそうだと思えてしまう。
「みんなはこれから、どうしようと言ってるの?」
「……今は身を隠すことにしようとしています。慎重になるべきだと」
「そう……」
ただ戦争を見ているだけになるのかと思い、キラは俯いてつらそうな声を出す。
「ですが、それは間違っています」
「え?」
キラが顔を上げると、決然としたラクスの表情が目に入った。
「今は動かなくてはなりません。まず決めて、そしてやり通す。それが物事を達成するためのただ一つの道。ここでその道を曲げてしまっては、いけません」
「だけど……」
「慎重に時間をかけるべきだという、バルトフェルドさんの意見もわかります。しかし、今は時間をかけることのプラス面より、マイナス面の方が大きいのです。すぐにでも動かねばなりません。けれど、皆さんを説得する時間さえありません」
ラクスは、つらそうに表情を歪めた。
「すでに、連合軍は新たな布陣をクレタにしいて、ザフト戦艦を待ち構えています。再戦が行われるに違いありません。もう時間は残されていないのです」
その情報にキラは顔色を変える。キラが何かを言う前に、ラクスは要求を伝えた。
「キラ。またフリーダムで出てください。そして、カガリさんとアスランを助けて、連れ戻してきて欲しいのです」
ラクスの表情は、愛する人を戦場へ送り出すことを求める苦しみの表れであった。カガリやアスランを、無理矢理さらってくることへの後ろめたさはまったくなかった。元々、さらうのではなく、騙されている人間を救出するのだと考えているのだから当然だが。
「そんな! 勝手にフリーダムを動かすなんて!」
「非常の時には非常の手段を。正しいことが、多数の意思によって行えないなら、多数の意思に反して行われるまでです!」
キラは、息を呑んで沈黙した。しばし、ラクスの気迫に押されたように呆然としていたが、やがて覚悟を決めたように頷いた。
「わかったよラクス……」
キラは両手でラクスの手を取り、痛みを与えない程度に強く、握り締める。
「行ってくる」
見た目美しい男女が手を取り合い、誓いを立てる。その様は、映画の1シーンのように綺麗だった。しかし別の言い方をすれば、映画の1シーンのように作り物めいていた。
彼らには彼らなりの正義があり、理屈があり、善意があり、信念があった。しかし、それらは現実的な熱さも痛みも伴ってはいなかった。知ってはいても理解していない。教科書を読んで憶えたように、空虚なものを感じさせた。
彼らとて、かつての戦いで現実をその心身に刻んだであろうに、なぜこうなのだろうと、バルトフェルドなどは頭を悩ませているだろう。あるいは、あまりに現実を見すぎたがゆえに、今は無意識に現実から目をそむけるようになってしまったのかもしれないが。
どうあれ確かなのは、この二人の行動がほとんどの人間において、歓迎できないものとなることであった。
―――――――――――――――――――――――
その後、キラは無断でフリーダムを発進させ、今に至る。
「あいにくだったなっ! 隊長もアスハももう一人も、三人とももうここにはいないっ! 別行動でオーブに戻った!」
『なっ!』
キラはシンの告げた事実に声をあげる。
「あんた……いい加減迷惑だよっ!!」
迫り来る剣を、動揺しながらもキラは鮮やかに避ける。同時に放たれたビームが、インパルスの右手を撃ち抜く。
「さすがにっ、腕はいいなっ!」
だがシンは残った左手でもう一本のビームサーベルを抜くと、速やかに戦闘を続行する。
(アスラン隊長との模擬戦と比べりゃ、全然怖くはない!)
キラの操縦能力は確かに上手い。シンはおろか、アスランよりも上だ。だが、それでもなお、シンの心に恐怖は無い。
『それならせめて、この戦いだけでもやめさせるっ!』
当初の目的を達成不可能と悟ったキラは、まずインパルスの動きを止めようと行動する。
『こんなふうに、敵味方で物事を分けていちゃ駄目なんだ! そんなふうに自分の立場を決めて、向かい合った相手を自分たちとは違うものだと断じてしまうから、分かり合うことができなくなってしまうんだ!!』
「あんただって分かり合おうとしてないだろ! 敵味方で分けないって言いながら、要するに、敵味方関係無く無差別攻撃してるだけじゃないか!!」
フリーダムは現れてから、既にアビス、FFのムラサメ、ネオのウィンダム、他無数の連合MSの武装を破壊していた。
『君たちが、殺し合いをやめないからだっ!』
フリーダムは加速し、インパルスの頭上から押し潰すように斬撃を繰り出す。インパルスは海面スレスレまで下がり、攻撃を避ける。一歩間違えれば海に水没するところを、見事にこなしきる。
『君らの言うこともわかるけど、わかるけどっ!』
キラは言葉を続けながら、インパルスを追う。
『連合が間違っていると、僕も思う。けれど、だからってプラントは正しいというの!?』
シンはその瞬間、キラの内面で何かが弾けたのを感じた。おそらくはそれがキラのSEED。シンは自分の奥底で弾けるSEEDを視覚的に表現するなら、熱く滾る血のように『赤』い、小さな種のような自分の意識が、閃光のごとく弾け広がるようなものと感じていた。
アスランのSEEDは喩えるなら、落ち着いたイメージの『緑』の種。だがそこから弾けるのは光ではなく、シンより遥かに激しく爆発し、漆黒に燃え盛る炎。絶望的な暗黒ではなく、アスランの生命と精神を結集させ、絞り込んだような強い黒だ。
そして今、キラから感じたのはシン自身同様、弾ける光。しかしその種の色は、赤とも青ともはっきりしない、不安定な『紫』だった。それが、シンが感じるキラの印象の表れなのだ。
『正しい戦争なんてあるものか! 片方が間違っているから、もう一方は正しいなんて、そんなことがあるものか!』
「……ミネルバ、チェストフライヤーとソードシルエットを」
シンはキラの言葉を聞きながらも、冷静にミネルバへ要求を発する。直後、メイリンの了解が聞こえ、戦艦の中央カタパルトより『チェストフライヤー』――インパルスの上半身構成機――と、『ソードシルエット』――インパルスの近距離専用装備――が射出される。
『戦争は戦争だ! どちらも間違ってる!』
「じゃああんたは正しいっていうのか? 同じ戦場に立ち、同じように戦って、同じように殺したあんたが!?」
シンはシルエット交換の時間を得るために、フリーダムとの距離をとろうとする。
『僕にも本当に正しい行動が何か、なんてわからない! ただ……ただ僕は、世界が間違っていくのを、黙って見てなんていられない!! だから僕は、僕に出来ることを貫くんだ!!』
「こんな大それたこと、そんなあやふやな態度でやってんのかよ! あんたって人は!!」
通信を傍受していたポルナレフがため息をつく。
「……こりゃ、アスランが頭を抱えるわけだ」
迷いは誰でも抱えているだろう。間違っているかもしれないと考えているだろう。だが、間違っていたとしても、それは自分で責任を背負う覚悟がある。だが、キラからはどうもそんな覚悟が感じられない。
間違っているかもしれないとポーズをとり、それで他者の意見を受け入れる気があると見せているのではないか。それでいて、実際は自分に賛成しない意見を聞く気などないのではないか。もっとも、キラ自身の意見というのも、はっきりしないことこの上ない。
これだけ、『こんな戦争は間違っている』と叫んでおきながら、結局どうやって戦争を納めるかの具体的方法は出してはいない。まったく無知な子供の我侭そのものだ。
(自分の中身もない相手に、いい加減シンも限界というとこか)
ポルナレフはシンがシルエットを交換する時間を稼ぐために、ビームライフルの引き金を引いた。フリーダムがネオのウィンダムを戦闘不能にした分、行動に余裕ができたのだ。キラの行動が、キラ自身の邪魔をすることとなった。
ほんの数秒、ビームに気を取られたキラが行動を止める。その間に、シンは装備の交換を行った。右腕を失った上半身が交換され、中距離戦用のシンプルなフォースシルエットから、巨大な斬艦刀を二本装備した紅いソードシルエットへと変貌する。
「そんなにわからないのなら……あんたのやってる偽善ごっこじゃない、『戦闘』ってやつを味あわせてやる!! ブチのめして、その機体から引きずり出してから、またブチのめしてやる!!」
シンがそう言い放ったとき、
プッツ〜〜〜〜〜ン!!
彼の脳裏で『SEED』が赤い戦意を伴って弾けた。命の危機であると、シンは感じていなかった。ただ、この馬鹿を相手にするために、SEEDの力が欲しいと、自然に求めたとき、SEEDもそれに答えるように弾けたのだ。
(そうか。アビスとの戦いは、ステラの友と戦うという迷いがあった。だが、今は心から力を望んだ。だからか)
ステラの友を殺したくはないと思っていた。それでもシンは、戦う覚悟をしていた。共に戦う友のためにも、負けるわけにはいかなかった。だが迷いは捨てきれない。その迷いがSEEDの発動を邪魔していたのだ。
今、ようやくシンは、『SEED』を己のものとした。今ならたとえ、アビスやカオスと戦っていてもSEEDを発動できる。けれど、アスランにはまだ及ばないのが実感できる。いまだ迷いを越えきれない自分は、『光の道』には遠い。
「それでも、あんた相手には充分だっ!!」
そして、インパルスは巨大なレーザー対艦刀『エクスカリバー』を振りかざす。この時代においても最高位の技量を持ちながら、まったく畏怖にも尊敬にも値しない敵へと、今までになく速く力強い動きを見せて、繰り出した。
To Be Continued……
以上です。
GJ!!!!
相変わらずラクスが邪悪すぎるwwww
何かラクスが話してるシーンの後ろのゴゴゴゴゴゴゴゴという効果音が見えた気がするwwww
そしてこのSSの、
SEEDと
STANDは
似ている気がする…。
心の力がって所が。
待ってました!GJ!!
シンの成長ぶりが凄いな〜!
ますます今後が気になる展開。期待してます。
/::::::::::: ::∨ト、
:::::::::: :: レ'ノ
:::::::::::::: ::: レ'⌒ヽ
ヽ-───i===i─-}ァ' ノ
、` ー-===-゚---゚==‐' /
、`¨フ>;''ニニゞ,;アニニY´; )
_、;;)¨´,ニ=゚='" ,.ヘ=゚:く {ッリ'
i1(リ r;:ドヽ K
ヾ=、 に二ニヽ `|; ) こいつぁクセェー
_,ノ| i. {⌒゙'^ヽ.{ i;; ヽ ドブ以下の臭いがプンプンするぜー
_,ノ!i ヽ、 ヾ二ニソ ,';;; ;;冫=:、
_;(|.!. \ ‐っ /!;;; ;;/ 、''"\__
'ト、\. ,ゝ、.二..イリ\ / ー1\'ニゝヽ_
:ヽ `ニア ,. -┴‐‐' ー-:l :=ゞ=ソ」=ヽ
:::::\ ニ=ト、.i___`ー-┴-、ノ . l __l| ,ニト、くヽ
l::::::::::\ー:ト __}/ト、゙ ー-‐| ,ニ|ゞ=ハ `¨´ー-
;ニ=ー:::::::ヾト、._  ̄ ノ|::ヽ ニ._‐-ゞ=' .ノ ::|:::::::::::
65 :
64:2008/08/29(金) 04:09:35 ID:???
このキラとラスクに捧げます
さてどうなるか、流石にまだ勝つことは出来ないだろうし
せめて一矢報いてほしいものだが……
だが空虚で幼稚な、そう・・・「淵」の如き敵との戦いは!
これまでジョジョキャラの誰も経験した事がないのではないか!?
誰かが不意に淵の怪物に呑まれそうな恐怖もあるぜ・・・
今回も興奮した!次回をゴージャスアイリーン立ちで待つ!!
ジョジョのボスキャラは、吐き気をもよおす『邪悪』
とか言われるが『迷い無き信念』が存在するけど
キラの場合は『漆黒の迷い』と『ドブ以下の精神』でおk?
まあキラがこうなった理由としては
旧友を敵に回し、コーディということで周りから強い疎外感を感じていた
避難民を守りきれなかった
1stを例えにだせばアムロにとってのリュウ・ホセイのような良き先輩がいなくて
シャアやランバ・ラルのような超えたいと思えるような敵もいなかった
最初に好きになった相手がよりによって地雷女でしかも勢いで寝取っちゃった
電波女に見込まれた
……こうして挙げて行くと正直同情せざるを得ない気がしてくるのは俺だけ?
>最初に好きになった相手がよりによって地雷女でしかも勢いで寝取っちゃった
これは明らかに自業自得では。
向こうからモーションがあったけどさ。
人間関係や生い立ち的な意味では歴代ガンダムの主役キャラでもっとも不遇なキャラかもしれん
(初恋の相手がコーディー嫌いなのと、自分の本当の親がMADで自分はその産物ってのもきつい)
まあ一番決定的なのがラクスに洗脳されたことなんだろーけど……
まあ、単純にキラより過酷な生い立ちの主人公もいるにはいるけど、そういう連中は大抵ずっとそんな環境だったから耐性が出来てるんだよな。
だから過酷な状況に大して、悪く言えば平和ボケしてる精神が追いつけてなんじゃないかと
Xなんて酷いってレベルジャネーゾw
ジョジョで言うなら、DIOの思惑通りに腑抜けてしまったジョナサンか刑務所ででも甘ったれたままの徐倫みたいなものなのかな>キラ
GJでした、しかし、
>ヴェルサスはカガリの逃走やキラの負傷を聞かされたが、
>さすがに慣れたのかそれほどは驚かなかった。
とあるけど今回の無断独断出撃にいたっては…
何というか実はラクシズ行動に対するキレ具合が楽しみのひとつじゃあったけど、
もうそろそろ脳卒中にでもなりやしないかと心配になってくるw
>>75 きっと帰ってきたキラをお茶でも飲もうかとラウンジに呼び出すんですよ。
勿論、ヴェルサスが入れたお茶を。
_.. - ―‐ - ._
, '" \
/"レ'/ /\_. へ、 ∧lヽ
/ /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′ ',
/ / // ノ´ ヽ ', l
| / // : ', l |
| l| l / .:: ,,l !l |
|l |l | ド==、、:: ,r='"-| ! |
ノ|| |l l |t‐t・ッテ, ィrt・ッラ|l |
≦ノノll│ | |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | | l:. ゙:. ′゙ ,'|l l|ヽヾニ=‐
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(フl」<) ', ノ } }
なんかヴェルサスはもう最終的には
「酒!飲まずにはいられないッ!」
とかなってある意味でDIOに近づくんじゃなかろうか?w
人間やめたくなるだろうなwww
レクイエム発動できるくらいに精神的成長するかも知れんぜw
レクイエムはレクイエムでも、宇宙で反射砲の方のレクイエムを掘り出すよ
大地の記憶を掘り出すスタンドだから、月の土じゃないと掘り出せないんじゃないか?
土っぽいもの一握り分からでも記憶を掘り出せるなら、廃棄コロニーの一部でもいいという理屈が通じそう
いともたやすく行われる、えげつなくない保守
保守して完結
保守のついでに近接パワー型のスタンドが好きだと言っておこうかな
保守のついでにバカになってエスプレッソコーヒー入れます
今日って…
えっとなんだっけェェ
エヘへへへへへへへへへへへへヘヘ
ヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ
へへへへへへへへへへへへへへへ
へへへへへへへへへへへ
(´-ω-`人)<Domenico スースー
投下します。
数を減らしたウィンダム部隊の相手をしながらも、FFはシンとキラの戦いを気にかけていた。
「あれがキラか……今までに会ったことねえタイプだな」
人の話を聞かない人間や、思考が理解できない人間には、免疫があると思っていた。そんな中でトップに立つ理解不能人間は、ロクに話したこともない女性と、一方的に結婚するから、祝福しろと言ってくる男だったのだが、若干、修正の必要があるようだ。
「何をやりたいのか、自分でもよくわかってないみたいだな。これじゃこっちも、何をしてやったらいいのかわかんねえじゃねえか。安請け合いしたのは失敗だったかな」
だが、ミリアリアの期待をふいにするわけにもいかない。
「なんにしても今は様子見かな」
FFは戦局を見守る。彼女の見たところ、この戦いにシンの勝ち目は……ほとんど無かった。
エクスカリバーが凶暴な速度で振るわれる。長大な剣が、視認するのがやっとという速さだ。しかし、その攻撃を、フリーダムは緩やかとさえ思える動きでかわす。最小限の動きにより、紙一重の差でインパルスの攻撃をさばき続ける。
(なんて……強さだ!)
SEEDを発動させたシンは、キラに勝てる気がまったくしなかった。むしろ覚醒したことで相手との力の差が、より鮮明に読み取れた。
『もうやめるんだ。君では僕には勝てない!』
キラからの通信どおり、技術力、判断力、瞬発力、すべてにおいて勝ち目が無い。アスランの言った通り、キラの強さは別格だった。勝てる部分は本当に精神力くらいしかない。酷く不確かな、そのような力くらいしか。
「それでも……勝ち目が見えるなら、くいついてやる!」
本来、精神力をあてにして、戦おうなどというのは愚の骨頂だ。戦いは理論的に、現実的に行わなくてはならない。考えに入れるべきは、物量、性能、地の利、時間、心理といった、計算や推測の成り立つシロモノである。
精神力で、物理法則や生体機能は変えられない。心の強い方が勝つなど、物語の中でだけの話だ。普通は、そう考えられる。
だがシンは知っている。精神力は物理法則を超えられるし、生体機能も変化させられる。手も触れ知れずして物質を破壊できるし、人間を恐竜に変えることもできる。そして精神的に諦めれば、1%ある勝ち目もゼロになる。
現実的に見れば、やはり勝ち目は薄いことも理解している。それでもなお、諦めはしない。
「いくぜオラオラ!!」
インパルスのビームブーメランが投げ放たれる。だがフリーダムは回転するそれをいとも容易く掴み、投げ返す。インパルスはブーメランをかわし、更にエクスカリバーをもう一本抜き、両手に一本ずつ斬艦刀を構えた、二刀流で攻めかかる。
『まだわからないのか!』
今までただ攻撃を避けていたキラが、攻撃に転じ、インパルスとの距離を詰める。
『それなら僕は……君を撃つ!』
フリーダムのビームサーベルが輝く。
「おおおおおおお!!」
右手のエクスカリバーがフリーダムの頭上から振り下ろされる。キラは向かって左へと攻撃をかわす。シンは左手のエクスカリバーを横薙ぎに振るう。その斬撃がフリーダムの胴にたどり着く前に、インパルスの左腕が斬り飛ばされる。
「くっ!」
『はあああああああっ!!』
キラは更に加速しながら剣を振るう。インパルスの四肢を斬り砕き、コクピットを残して、機体を再起不能になるまでバラバラにするために。その鬼神の如き攻撃にさらされながら、
「………ニヤリ」
シンは笑みを浮かべた。
フリーダムの刃がインパルスの頭部に迫ったとき、シンはインパルス飛行のための機能をストップさせた。スラスター等が停止し、重量63.54トンのインパルスは、重力のはたらきによって落下する。
その回避行動により、ビームサーベルはわずかにインパルスの右側の角を2本、切り落としただけであった。
そして、落下したインパルスの向こう側から、さっきフリーダムが投げ返したビームブーメランが反転し、すぐそこまで返って来ていた。
「っ!!」
キラは敵パイロットの狙いを悟った。自分はまんまとここまで引きつけられたのだ。
その間にシンは、海に落ちる前にエクスカリバーを納め、スラスターを吹かし、飛行を再開する。フリーダムの股下をくぐり、背中を狙って下方から、残された右手でビームライフルを構える。
今ならフリーダムは目前に迫ったブーメランに対応するために、インパルスのビームにまで手が回らないと、シンは考えた。だが、撃つ直前にライフルに何かが激突し、ライフルが右手から弾き飛ばされた。
「なっ! サーベルを!」
キラが行ったのはビームサーベルの投擲だった。高速で回転し、前後を反転させ、その勢いでサーベルを投げつけて、ライフル発射を阻止。そのまま動きの勢いを止めることなく一回転し、直撃まで0.1秒ほどまでに迫ったブーメランを難なくキャッチした。
思考する間もない奇襲に対する、完全なる対応。
そして、新しいビームサーベルを抜き、インパルスへと飛来する。今度こそ敵機を完全破壊するために。
「野郎!!」
それでもシンは吠えて、フリーダムを睨みつけ、納めていたエクスカリバーを抜き直す。その瞳に絶望は無いが、はっきり言って、勝算は無かった。
(このパイロット、予想以上に油断ならない!)
キラは歯を食いしばる。今のは危うかった。頭で考えるより先に体が勝手に反応し、危機を回避することはできた。
むしろ策にまったく気がつかなかったから、出来た芸当であろう。気付くのがもう少し早く、考えて回避行動を取ろうとしていたら、間に合わずにやられていただろう。
今の策を考え付いたのは、キラがブーメランを投げ返した瞬間か、はたまた投げ返すことも予想済みだったのか。何にせよ、戦況に応じて臨機応変に行動できる柔軟さ、この位置にキラを移動させる駆け引きの妙……戦士としての力。
(操縦技術では僕が上だけど……戦闘技術はあるいは僕よりも……!)
キラ・ヤマトは多くの欠点を抱えてはいるが、無能ではない。特にMS戦においては。シンの実力を見抜き、シンを倒すために適切な手段を取る。
(長く戦い続けていると、思わぬ隙を突かれるかもしれない。全力で素早く片をつける!!)
片腕のインパルスに、本気のキラが迫る。そして二つの機体が交差し、光の刃がMSの装甲を切り刻んだ。
キラは愕然として、その光景を見ていた。
突如フリーダムとインパルスの間に、MSが割り込んだ。
いきなりのことで、キラは攻撃を止められず、そのMSに斬りつけた。MSの左腕、両足が薙ぎ払われる。
斬撃がコクピットを破壊しなかったのは、単に運の問題であった。もしも運が悪ければ、一人の命が失われ、キラが最も恐れる罪がかぶさっていたことだろう。
だがそのMSのパイロットは、九死に一生を得たことを気にもせず、残った右腕にサーベルを持ち、フリーダムに斬りかかった。フリーダムは動いたが、かわしきれずに右肩に刃が食い込む。右腕が切断され、そのまま突き抜けて、右足も切り落とした。
この戦争で、フリーダムが受けた最初の損傷であった。
あっけなく海へと落ちていくフリーダムの右腕と右足。短い期間の間に、多くの無意味な破壊を繰り広げた右腕に、逆襲をなしたMSは、しかしフリーダムから受けたダメージが限界に達し、その機能をダウンさせつつあった。
「ちぇっ、これで精一杯か」
そのMS、ムラサメのパイロット、FFはちょっと不満そうに呟いた。
ただ戦闘に割り込んだだけなら、一矢報いることはできなかっただろう。フリーダムの相手をしていたのが、アスランの薫陶を受け、SEEDに目覚めたシンであったから、キラも他からの攻撃を悟れないほどに、目の前の敵に集中せざるをえなかったのだ。
とりあえず、右腕を修復するまでは、キラも下手な真似はしないだろう。戦場に出てこなければ、殺さずともよくなる。根本的な解決にはならないが、面と向かって話すこともできない今は、これが精一杯。
「次はこの程度じゃないけどな」
FFは海に落ちていきながら、フリーダムに向けて中指を立てた。
To Be Continued……
今回は以上です。
投下乙です
あくまでミリアリアとの約束を果たそうとするFFは男前だな
しかしシンは駆引きというか小技が上手くなったなw
微妙に夜叉になりつつあるキラに好感度がやや回復した!
FFが漏れないか若干心配ですがw
次回まで待つ!!
人がいないなぁ保守
28話GJ!
最近発見して1話から読んで来たのですが、もうたまらないほど面白いです!
JOJOで一番好きな「明日って今さ」というセリフが出てきたときには泣きそうになりました。
これからも応援しています。
真の保守
キラークイーンの爆弾は空気の無い場所では爆発しないから、宇宙空間では不向き。保守
あれは空気を急激に圧縮して爆発を抑制してるものだと思ってたけど。
あと一定の方向に固めて飛ばせる空気塊そのものを爆弾にする事も
出来るんだぜ。保守
いやまて、コロイド粒子を爆弾にできるぞ。それに爆発や爆風もスタンドだから真空でも問題なく標的を粉砕できる
今更GJ!
最後のFFが格好よすぎる!!
シンの成長というか、主人公ップリもベネ!!
時にFFは海水平気なんだろうか?人の汗やコーヒーは平気だったから平気かな?
という事は、巨大FF誕生・・・の予感wwww
第28話の最後を投下。
FFのムラサメが落下を始めたのと、ミネルバから赤いザクが飛び出してきたのは、ほぼ同時であった。
「ルナマリア?」
何の連絡も無しに出てきたルナマリアのザクに、シンはいぶかしげな声をあげる。その疑問に答えるように、メイリンからの連絡が入る。
『今、ミネルバから発進したザクウォーリアに乗っているのは、潜入した連合の部隊です! 捕虜であるステラ・ルーシェを連れ戻されました!』
報告と共に、侵入者をカメラで写した画像や、彼らと共にあるステラの姿が送信される。
「!! ステラが!?」
その一瞬、戦闘やフリーダムのことさえ、シンの思考から消える。素人同然の隙だらけな動きで、連合軍空母に向かって飛ぶザクに機体の向きを合わせる。
だがそこで動きが止まる。ザクに乗っているのはステラであり、ステラを連れ戻すために命がけでやって来た仲間たちだ。自分は彼らにどのような感情を向け、どのように行動すればいいのか。
思いふける間にも、ザクは既にシンの手が届かない空域まで行ってしまった。
ザクのコクピットは非常に狭苦しい状況だった。元々一人用のところに、無理矢理四人が乗っているのだから無理も無い。
スティッキー・フィンガーズのジッパーで空間をつくり、少しは広くして何とか入っているが、それでもナランチャなどはダイアーの巨体に潰され声も出せないほどだ。ステラも苦しそうに眉をしかめている。
ただ、ブチャラティの重苦しい表情は、物理的な苦しさのためではなく、ザフトの少女が口にした、哀しい声が胸に刺さっていたためだ。
そこに、何者かが通信を入れてきた。通信コードはザフトのものであった。
『よう。久しぶりだな……ブチャラティ、ナランチャ』
開口一番、その男は二人の名をあげた。
「えっ? 今、こいつ俺の名前呼んだ?」
「……何者だ。なぜ俺たちの名を?」
ナランチャが戸惑い、ブチャラティが慎重に問いかける。通信と共に送られてきた、髪を逆立てた陽気そうな男の顔に、心当たりは無かった。
『つれないこと言うなよ。確かに短い付き合いじゃあったが、忘れがたい出会いだったと自負しているんだぜ? あのコロッセオでの対面は』
ブチャラティの目つきが更に鋭くなる。
「どういう意味だ。貴様一体……!」
コロッセオ。西暦75年から80年にかけて建造された、円形闘技場の跡地。『コロッセオが滅びる時、ローマは滅び、その時世界も滅ぶ』とまで謡われた、ローマの誇る遺跡の一つ。そして、ブチャラティとナランチャにとって、忘れることのできない場所。
彼らにとって、『最後の戦い』の始まった場所であった。
『そんな怖い声出すなよ。まあ、あのときの俺は……【亀】だったけどな』
「……亀?」
ステラがキョトンと首を傾げる。ダイアーもなんのこっちゃという顔であった。だが、ブチャラティとナランチャは納得と驚きを顔に表していた。
「まさか、あんたはポルナレフか? 矢の力を教えてくれた……」
「あの喋る亀かよ!?」
『ああ。これが俺の本当のハンサム顔だ』
ポルナレフは得意そうに笑った後、
『まさかこうしてお前たちと出会うとはな……。お前たちは今、何をしているんだ』
ブチャラティは、その問いに躊躇い無く答える。
「正しいと思えることを」
『後悔の無い道か』
「ああ」
『……そうか、俺もだ』
「だろうな」
『投降する気はないか? 待遇はよくするぜ?』
「生憎、待ち人がいるんでね。そっちがこちらに来るのはどうだ?」
『残念ながら、手のかかる奴が多くてほっとけないんだよ』
「じゃあ仕方ないな」
『そうだな』
すでにザクは空母に着艦しようとしており、周囲は連合のMS群に守られ、手を出せなくなっていた。
MSじゃ勝てないなwww<巨大FF
『じゃあ次に遭った時は、手加減はしないぜ』
「ああ、俺たちもだ」
「望むトコだぜ」
ポルナレフ、ブチャラティ、ナランチャは、これから殺しあう相手に、清々しささえ感じられる言葉を交し合う。
『ああそれともう一つ』
「?」
『ジョルノは勝ったぜ。ミスタとトリッシュも生き延びた』
「……そうか。黄金の夢は叶えられたか」
ブチャラティは心から安心したと、優しい微笑みを浮かべる。
「教えてくれてありがとう。俺もまた夢を叶えるとしよう。こんなことを言うのもおかしいが、貴方の夢も叶えられることを祈ろう。アリーヴェデルチ(さよならだ)」
「じゃあな亀のオッサン。アリーヴェデルチ(またなっ)」
『アリーヴェデルチ(あばよ)』
こうして、かつて真紅の帝王と共に戦った者たちの、異世界での再会はようやく成され、遂げられたのだった。本当に、爽やかに。
ザクの着艦が終わると、連合軍は次第に引き始めた。彼らの目的、捕虜の奪還が遂行されたからだろう。一方、フリーダムもまた、戦線を離脱しようとしていた。
(戦闘は終わるようだ。もう、ここにいる理由もない……!)
戦闘不能に追い込まれた屈辱からは思考を背け、キラはアークエンジェへの帰路についた。
「あいつっ!」
シンはそれを見逃さなかった。今のこの距離なら、残ったビームブーメランを投げればフリーダムを突き刺し、撃墜できるかもしれない。瞬間、シンはブーメランを構え、振りかぶる。だが、
(だが……ここであいつを殺したら)
キラは自分が正しいと信じたまま死ぬ。自分を悪いと思わず、シンという分からず屋の悪人により、理不尽な死を遂げると考えながら、滅ぶ。それで、いいのだろうか?
(理不尽な奴が、理不尽なまま、何の償いもせずに、消えていく……そんな終わり方でいいのか?)
仲間たちの死、ポルナレフの怒り、アスランの悲痛、そしてカガリの涙。それらが、何も満たされないまま終わることが、本当に正しい終わり方なのか?
(だが、それでもここで終わらせれば、奴の理不尽な混乱は終結する……!)
自分の勝手な感情で、キラを逃していいのか?
「俺は……!!」
そのとき、シンの心に、一つの言葉が浮かび上がった。
『一つだけアドバイスだよ、お兄ちゃん』
それはどことも知れぬ、闇の中での言葉。
『もしも心迷った時は……』
大切な家族からの言葉。
『撃つべきじゃないよ』
シンは、腕を下ろし、ブーメランをしまった。
「……そうだな。こんな半端な気持ちのまま、撃つべきじゃない。そうだろマユ」
いずれ、本当に正しいことをなせる時が訪れる。そんな、理不尽ならざる運命をつかめる日を信じて、シンは刃を納めるのだった。
一つの戦いが終わりを告げる。
ザフトにとっても、連合軍にとっても、戦略的にほとんど実りの無い戦いであった。
だがザフトは捕虜を失い、敵の目的を叶わせるという敗北を味わいながらも、一人の戦士の大きな成長を得ることができた。
連合軍は幾多の兵士の命を失いながらも、捕虜を奪還し、目的達成による勝利を得た。
誰もが敗者であり、誰もが勝者としてそこにあった。だがただ一人、キラだけはどちらでもなかった。最初から戦いの場に立つ資格も無い彼には、勝敗という結果を得ることもできないからだ。
そしてキラ・ヤマトだけは、何一つ得られぬままに帰還する。帰還した先に待つものを知らぬままに。
To Be Continued……
以上です。
あ…あれ?おかしいな目から汗が…
GJ!!!!!!!投下乙です!
GJ!!!
ポルポルとブチャの再開が何というか清々しいというか、ベタベタじゃなくて、
凄くジョジョっぽかったし、読んでで妙な感動を覚えた。
昔の友が敵に居る苦痛や悲しみではなく、どちらも正しいと思う事をやっていて尚、再開できた喜びというか、
とにかくGJ!!!!
>>111 おいおい、何言ってるんだ
俺なんて目と鼻が洪水だぜ?
>>109 GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJ
……Good Job!
「アリーヴェデルチ」
「アリーヴェデルチ」
異世界において敵として現れた味方同士が一瞬の再開を祝っている頃、その真下では…
「く、今度はどこがぼがぼがぼ。ここは…まさか海のど真ん中!!俺は溺れ死ぬというこがぼがぼがぼ」
一人の男がもがき苦しみやがて海に沈んでいった…
それでもまだ死の体験は終わらない……。
カーズの方がまだマシだよなぁ。
>>115 CEに来ても死に続けてるのか真紅の帝王w
ポルポルのハンサム顔発言に吹いたw
>>109 >(理不尽な奴が、理不尽なまま、何の償いもせずに、消えていく……そんな終わり方でいいのか?)
これってキラの改心フラグというか、シンによる説得もとい説教フラグが立ったと見るべきだろうか?
>>115 誰か、ボスinCE世界とか書いてくれないかなwww
死にゲープレイ日記化するだけかとww
死亡プラグが倒せない〜。
GJ!
何気にマユが聖人ですか。何て言ってたんだろうとは疑問に思ってましたが、こうくるとは!
そういや作者様的には7部ってどういう扱いなんでしょう。ボヘミアンラプソディーの影響を受けているとしたら、1部以前の時代という解釈なんだろうか。
まあ、深く考えない方が楽しめるってもんです。
GJ!!
シンもポルの旦那もカッコイイな……というかシンはジョニィっぽいなートカゲ退治もしたし(まあアスランもだが)。
キラがこの先どうなるかも楽しみですね。
>>121 いっそのこと宇宙空間か海の底で「やがて考えることをやめた……」的になってほしいと思う。
もうすでにやめてるけど
待つのもやめたらウェカピポだな
死ぬかどうかは置くとして、
>そしてキラ・ヤマトだけは、何一つ得られぬままに帰還する。
>帰還した先に待つものを知らぬままに。
からすると、ヴェルサスからキッツイお仕置を食らわされた上で
そのまた次の出番からは「サーフィス」の間田並みに頭身が半分くらいに
圧縮されてたりしてそうだ…
暗殺チームの皆さんが待ち構えてたりしてw
ペッシと合流した兄貴登場で愛と憎悪のスタンピングとか?
ほしゅ
そういえばキラの身体能力ってどの程度なんだろ?
常人以上波紋の戦士以下ぐらいか?
カガリに腕相撲負けるくらいだし常人以下なんじゃね
ただ『鍛えれば』常人以上になるが……鍛えないよなニートするし
砂漠編では反射神経よさそうだったような
スピードB 精密動作性B パワーCって所か?
>>124 正直ヴェルサスに仕置きが出来るとは思えない訳で
お仕置きといえば、花京院ってCEに来てるんだっけ
うんこご飯・・・・・・
>>133 すっかり忘れてたw
ブ男と犬みたく地上のどこかで新しい人生送ってるんだろうな、多分。
いや花京院は現時点ではまだ出てきてないのでは?
今まとめ確認してきたけど、俺は見つけられなかった
うん、まだ出てないね
これから出るかも分からないし
花京院ならかなり冷静にMSを操縦できそうだ。
しかも300m以内に入れればハイエロで相手のパイロット乗っ取れそうだしwwww
MSに乗りながらスタンドでも攻撃できる奴ってどの位いるかな?
一番MSと相性がいいのはタワーオブグレーだったと思うけど。
現在MS操縦しながらスタンド使ってるのはウェザーとブチャラティあたりだよな
ウェザーは攻撃じゃなくて充電、ブチャラティは操縦の補助やスキマ作るのに使ってるけど
メローネの情報処理能力ってどんなもんだ
BFって何かしながらスタンド攻撃をするなら割りとうってつけのような気がするんだが
弾丸に化けたベイビィフェイスの子供をばら撒いて撤退ですね、分かります
「ピストルズ!しっかりぶち抜けよ!」
「ミスタ〜、ミサイルはさすがに無理だぁ〜」
ミスタは死んでないけどさ
短いですが投下します。続きもだいぶ書けているので、次回投下は早くできると思います。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 29:続く命』
そこは海の底に鎮座する戦艦アークエンジェルのブリッジ。
バルトフェルドは自分の表情がどうなっているのか、想像する事ができなかった。いまだかつてこの種類の感情を、これほど強く抱いたのは初めてであったから、この大きな感情を表現している表情がどんなものかわからなかったのだ。
だが、隣のマリューや、他のクルーたちの顔を見れば、自分もそんなふうな表情をしているのだろうと思う。この複雑な感情を、どういったらいいのか……。怒りもあるし、驚きもある。焦りもあるし、虚脱感や投げやりな気分もある。
まあしいていうなら……『うんざり』というものだろうか。
「どうするべきか……」
バルトフェルドはこれからのことを考える。
キラを追うか、静観するか。
ここでキラを手助けしてしまうと、そのままズルズルとラクスに引き摺られて、また無茶なことをさせられてしまいそうだ。
ちなみにラクスはこの場にはいない。キラをそそのかしたのは彼女らしいので、とりあえず独房に押し込めてある。その待遇にラクスは文句を言う事はなかった。ただ少し悲しそうに微笑み、
『本当に正しい行動が何か、気づいてくださると信じています』
そんな確信に満ちた言葉を残して、独房に入っていった。
「このままほっといて、死なれたら取り返しがつかないしな……」
「キラ君が、負けると思う?」
マリューが言う。以前は両軍を圧倒したキラのフリーダム。そう簡単に死ぬとは思えない。
「どうかな……アスランなら技量は匹敵する。それに勝負は何が起こるかわからないしね。最悪の事態を考えておくにこしたことはない」
バルトフェルドは髪の毛を掻き毟り、ため息をついて決断する。
「仕方ない。俺が連れ戻しに行こう」
時間的に見て、既に戦場に乱入してしまっているだろうが。せめて少しでも被害が少ないうちに連れ戻さなくてはならない。しかしアークエンジェルそのものを動かしたくはない。キラ一人のために、艦全体を動かすことを当然のこととしてはならない。
今までは、この艦はキラとラクスを中心として動いてきた。だがもはやキラを特別扱いにするわけにはいかない。キラ一人のために動くのは、バルトフェルド一人で充分すぎる。そのことを示すことにしよう。
「MSの準備の連絡を入れておいてくれ。すぐに準備する」
マリューが頷いたのを認め、かつて砂漠の虎と呼ばれた男は立ち上がった。
キラ・ヤマト、無断出動。
その報はもちろんヴェルサスにも告げられた。ヴェルサスは現在、情報入手のために、また陸地に上がっていた。いつもなら彼への報告役は直属の部下とされているンドゥールなのだが、彼は電撃を身に浴びて療養中のため、今回はアーノルド・ノイマンが行った。
「そういうことで、バルトフェルド大佐が出動することになっています」
ノイマンは額に汗を浮かべ、相手の反応をうかがった。以前、キラが戦闘に乱入した時の剣幕を覚えていたからだ。脳の血管が切れて死んだりされたらどうしようかと、半ば本気で心配する。
「プッ!」
しかし
「ウッ、クックックックックックッ、クックッフヒヒヒ」
ヴェルサスの反応は予想とは異なった。
「フッフッフッフッフッ、ホハハハ、フフフフ、フホホアハハハ!!」
「ヴェルサスさん……?」
「フハハッ! クックックッ、ヒヒヒヒヒ、ケケケケ、ノォホホノォホ!!」
顔面を異様に歪め、奇妙な笑い声をたてるヴェルサス。
「ちょっ……!! き、気を確かに持ってください! ヴェルサスさん!?」
「ウヒヒヒヒヒヒヒ!! ハハハハハハハハーッ!!」
ヴェルサスは腹を抱えて笑い続ける。ノイマンは顔を蒼ざめさせ、怯えの表情をつくった。完全に狂ってしまったのだろうか。ノイマンが助けを求めて誰かを呼びに行こうとする直前、
「ウク、ハハハハハハ、違う違う、俺は正気さノイマン君」
そうして笑いを納めて、ヴェルサスがノイマンに目を向ける。こちらを安心させるための、宥める様な口調。
だが、彼の目を見たノイマンは、まるで安心できなかった。彼の目は、確かに現実に背を向け、思考放棄をした狂人のそれとは違うようだったが、それとはまた別の種類の、狂気を孕んでいる様に思えてならなかった。
「うん、バルトフェルドに任せるさ。彼なら間違いなくやってくれるだろう。俺も俺で忙しいんでね。そっちはそっちでやってくれ」
キラ・ヤマト(そんなこと)などかまってられないというように、ヴェルサスは言った。ノイマンは、ただ通信を切りたい一心で、その言葉に頷いた。そしてヴェルサスの顔を映さなくなったモニターの前で、ノイマンは唾を飲み込む。
あのヴェルサスは、あんなふうだっただろうか。
何がどう変わったかと言われても、説明できないが、彼は何か変わった。
ンドゥールが負傷して帰ったあの日以来、ザフトの兵士に遭遇し戦ったというあの日以来、ヴェルサスは何かが変わった。
ノイマンは、その変化がよい方向のものであるとは、どうしても思えなかった。
To Be Continued……
今回はこれまでです。
おお!GJ!!
ヴェルサスwwマジに狂ったかと一緒に心配したwwwwwwww
そして何を企んでいるのか?次回に期待っす
投下乙です
ひょっとしてヴェルサスの方針がキラとラクスを始末する方向に変わったのか?
それともキラがシンにボコられてるのを想像して笑ってたのだろうか?
保守
スパロボZをプレイする前に言っておくッ!
おれは今AA組の馬鹿げた能力をほんのちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは自軍のマジンガ―Zなどで、フリーダムを撃墜したと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思ったら【ド根性】(HP全回復)を使いやがった』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ クレイジー・ダイヤモンドだとかバイツァ・ダストだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ネタがわからん人用に説明すると、キラたちは原作どうり自軍と敵軍の戦闘に乱入してくるんだけど、
キラ含むAA組全員(虎・魔乳も)は、撃墜してもHP満タンになって復活してくるんだ。
だから普通にプレイする人はキラは無視したほうがいいですよ。
>>144-146 「総員平和の使者症候群のラクシズにあってほぼ唯一、乱入行脚をある程度
客観的に省みてホントにこれでいいのかと悩み、あるいは落し処を模索する虎」
という構図は他のSSでも散見されるが、この時点の魔乳はじめAAブリッジクルーまで
キラクスをもてあましてウンザリしかかってるというのはて初めて読んだかも。
ヴェルサスもなんか突き抜けちまったポイし、キラはひょっとしてさきの戦いで
シンに墜とされて正義の味方を自認したまま死んでた方がむしろ幸せだったという事にも…?
>>151 うわぁ・・・多分撃墜される前に発動で戦い損扱いだよね?
ネットとかの行動制限特殊武器が欲しくなるなぁ。
そんなキラもロドニアでの対決で誇りの門前に立ったシン、外道として戦うに相応しい
ヒーローを見出したヴェルサスに完全に喰われつつある。虎に抵抗して造反の口実を
作られるかも。
一回目の撃墜は経験値と資金が貰えるからそこまで戦い損ではないかと、
ただ二回目からは強制的に手加減状態になってHPが10残るその後ど根性で全回復
……なんでラクシズに敵対している側が不殺をしなきゃいけないんだ。
ああ、そこで強制「手加減」うんぬんの話になるのね。
スパロボにはよくある事だが、いちいち回復されるのがイラ☆と来るなww
撃墜後に復活して常にマップにいる状態なら資金稼ぎが出来るんだが
一回だけだからな
スパロボはファミコン以来やってないので話しについて行けない…。
JOJOキャラがスパロボZ世界に来たらとか誰か書いてくれんかなw
ニュータイプ連中だとスタンドの攻撃を見えなくても避けそうに思える俺
NTが思念を感知する=思念の塊であるスタンドのパンチが直撃
ニュータイプと波紋使いはどっちが上だろうか?
肉体の反応速度の差で波紋使いが上なんでねぇのか?
生身の殴り合い的な意味合いで
波紋使いは脳のリミッターが取れた吸血鬼と互換以上に渡り合う肉体とそれに見合うだけの
高潔な精神を身に付けた人間、
ニュータイプは宇宙の広がりの中で孤独や争いに囚われないように、先読み同然の勘のよさや
電波飛ばせるくらいの思いやりを持ったりした人間、と捉える事が出来る。
それぞれ違った強さ≠ェあるし、よっぽどの悪意がない限り両者が出会ってもまず共闘しかすまい。
それでもシルベスタ・スタローンとジャン・クロード・ヴァンダムどっちが強い的に聞かれると
やはり肉体強度の上がる波紋使いの方が殴り合いは得意だろうな。
逆襲のシン・アスカスレが妙な流れになってたんで貼ってみるw
69 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 04:22:23 ID:???
シンがキャンディーをセツコにあげるシーンで和んだ。(セツコ的にはあれだけど……)
甘いもの好きそうじゃないから、意外だったな。
シンの食べ物の好みとかどうなんだろう?
74 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 08:17:10 ID:???
>>70 「ハァハァおじちゃんの棒キャンディーを舐めないかい?」ですねわかりたく無か
77 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 09:53:00 ID:???
シンがアメを常備してると考えると、急に妙に微笑ましくなるような。
アメちゃんとか呼び出すと一気におばさんくさくなるのだが。
78 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 09:54:14 ID:???
シンがキャンディ持ってるシーンがまるで想像できないんだが…!セツコにあげるって事は、
自分用に何個かいつもキープしてるって事か?w
79 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 10:06:59 ID:???
マユが好きだった飴を、時々袋で買ってるとかならありそうだよな、シンなら……。
80 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 10:37:58 ID:???
なんでだろう・・・
「セツコにアメをあげる」という文字を読むと
チョコラータという単語が頭に思い浮かぶんだ・・・
82 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 11:33:44 ID:???
軍人が糖分とるためにアメやらチョコやら持っててもおかしくないとマジレス
レーションにも嗜好品入ってるし
>>80 角砂糖かよwww
84 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/09/29(月) 13:11:35 ID:???
>>80 シン 「良お〜〜〜〜しよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし!立派に勝てたぞ!セツコ 」
セツコ「うああ、おっうおっ、おおーッ!」
シン 「そうだ、すまない忘れてた。 ごほーびをやるぞ良く働いたごほーびだ。2個でいいか?」
セツコ「うあああっ、うおっ、おおおっ」
シン 「3個か!?甘いの3個ほしいのか?」
セツコ「うおおう、うおっ」
シン 「3個・・・イヤしんぼめ!!」
たしかにセツコみるとゲスがあたまに浮かぶwwww
蛍の墓の「それお弾きや!」のセリフは冗談にしか聞こえなくなったしwww
セッコ:チョコラータ一緒に無差別殺人な邪悪
節子:兄の身勝手で餓え殺された悲劇の妹
セツコ:スパロボZのリアル編主人公、不幸属性持ちらしい
>>165 人に不幸をばら撒く奴と不幸を背負う奴。
という事は、この三人が一緒に暮らせば丁度良くね?
アクセス規制がなかなかとけないので、避難所の方に投下しときます。
代理投下します。
169 :
代理:2008/10/01(水) 23:24:01 ID:???
190 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:11:27 ID:???
「まったく……どう言ったらわかってくれんだろうな」
バルトフェルドはこれからキラに、どういう態度を取るかを考える。これまでは説教だけだったが、いい加減ぶん殴っておいたほうがいいかもしれない。今までのやり方では、キラたちを成長させられないことはよくわかった。
そんなことを考えながら、更衣室でパイロットスーツへと着替え、虎柄の奇抜なヘルメットを手に取る。
(………?)
その手にかかった重みに、バルトフェルドは違和感を覚えた。何か感触や重さがいつもと違うような……。
パゴッ
バルトフェルドの左腕、ショットガン内臓の義手が、音を立てて割れた。一つまみほどの立方体にカットされ、サイコロステーキのように分断されていく。見る見るうちに欠片となって崩れ落ち、手にしたヘルメットへと呑み込まれて行く。
「な………?」
両手で挟まれ、支えられていたヘルメットが、左の支えを失って落下する。ガツンと床に当たってバウンドしたヘルメットが、今度はバルトフェルドの左足に当たった。
直後、今度は左足が、子型ミサイル内臓の義足が切断され、積み木細工が崩れるように壊れていく。そしてまたも、ヘルメットに吸収されていく。片足を失ったバルトフェルドは、バランスを崩して右側を上にして横向きに倒れる。
この異常事態に、さしものバルトフェルドも頭が真っ白になる。彼の思考が状況に追いつく前に、状況は更なる変化を見せた。
「武器は奪った……ディ・モールト簡単にな……」
虎柄のヘルメットが、さきほどの義手義足同様、立方体に分断されていく。そして、それらは再び組みあがり、新たな形と大きさへと変わっていった。
「では……尋問を開始するぜ」
170 :
代理:2008/10/01(水) 23:24:29 ID:???
191 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:12:40 ID:???
組みあがってできたものは、小学生ほどの背丈の『人型』であった。肉食魚の様に凶暴な面構えと牙を持ち、頭頂部にはモヒカンのように、鋭い棘が生えている。胴体と腰はワイヤーの束のようなもので繋がっていた。
およそ自然にはありえないその存在の正体に、バルトフェルドは容易く思い当たった。
「スタンド……!」
「知ってるんだな……スタンドを。じゃあ質問だ」
そいつは手を伸ばし、ろくに動けないヴェルサスの髪の毛を掴み、引き上げる。
「ギアッチョを殺した奴のことを、教えろ」
髪の毛を引っ張られる痛みに、呻きを漏らすバルトフェルドに、まったく容赦することなくそのスタンドは命令した。
「……ギアッチョ?」
「オーブで貴様らを襲撃したコーディネイターの部隊。そいつらに雇われていたスタンド使い。すべてを凍りつかせる能力者だ」
「……ああ、キラを襲った奴のことか」
バルトフェルドはヴェルサスが現れたときのことを思い出す。あの時、フリーダムを動けなくした相手がそのギアッチョと言う奴だろう。
「お前たち、何者だ」
「質問をしてんのはこっちだ!! 舐めた態度をとるんじゃねえッ!!」
スタンドが汚く唾を飛ばして怒鳴る。醜い顔がバルトフェルドの鼻の先に突きつけられる。
「だがちょっとだけ教えてやる。俺は『ベイビィ・フェイス』。能力は『物質や生物をバラバラに刻んで、組み替える』こと。てめえの義手をバラしたように……いつだっててめえ自身もバラバラにできる」
「ぐ、くううう……」
「さて……ギアッチョを殺した奴は誰だ?」
ベイビイ・フェイスが牙をむき出しにして凄む。
「……ドナテロ・ヴェルサス」
「どんな外見をしている?」
「歳は20代前半。そんなに悪い顔ではないが、どこか暗く捻くれている漢字がある。長いモミアゲに、髪の毛を後ろで短いツインテールにしている。身長181センチ、服のサイズは52号……」
「今、そいつはどこにいる?」
「今ここにはいない。情報収集に出ている」
「どんな能力だ?」
「知らない」
「仲間は何人いる?」
「俺が知っているのは、ンドゥールとセッコの二人だけだ」
そうして幾つもの質問と回答がなされた。
171 :
代理:2008/10/01(水) 23:25:03 ID:???
192 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:13:36 ID:???
「……ディ・モールト(すげえ)あっさり答えるな。仲間じゃあないのか」
「いい印象はないんでね。あっちはこっちを利用するつもりでいるみたいだし、信頼しあってるわけじゃない……だから」
こちらの反応を怪しむベイビィ・フェイスに、バルトフェルドをニヤリとした笑みを浮かべて言う。
「なんなら、協力するよ。俺は、あいつを危険だと思ってる。いつ利用し尽くされて、切り捨てられるかわかったもんじゃない。標的がヴェルサスだけだというなら、彼を引き渡してもいい」
「……………」
その提案に、ベイビィ・フェイスはしばし沈黙する。だがやがて首を振り、
「いや、やっぱ駄目だな。会ったばかりのてめえを、信用する気にはならねえ。それに復讐は俺たちだけでやる。てめえの手は借りねえ」
「……そうかい。じゃあ交渉は決裂だね」
バルトフェルドは、いきなり右手を自分の『左目』に鋭く突き込んだ。
「んなっ!?」
ベイビィ・フェイスは突然の行動に驚きの声をあげる。
ビチッ、ブチッ、ビキキキキッ!
左目が抉り出され、血が噴き出す。その左目は人工物で構成された義眼であった。義手や義足同様、かつての戦争での負傷によるものだ。
血に塗れた義眼を抜き取った彼は、ベイビィ・フェイスの顔を残った右目で見つめると、
「どうせ動けなくするなら、両腕を奪うべきだったね」
彼の手からカチリという音がした。
「………? ッ! てめえ!!」
「ちょっと遅かったね」
バルトフェルドは義眼を軽く放り投げる。
バルトフェルドが見たところ、このスタンドはスタンド使いではない自分の目でも見ることができることや、あえて自分の武器を取り去ったことから考え、前に戦った呪いのデーボのエボニー・デビル同様、物理的に破壊可能なタイプだと考えた。
だが素手で破壊できるほど柔とは思わない。そこで、彼は最後の手段を使うことにした。
(左腕はショットガン、左足はミサイル、そして左眼は……)
次の瞬間、更衣室が熱と力に制圧され、ドアが吹き飛び、向こう側の壁に激しく叩きつけられた。
172 :
代理:2008/10/01(水) 23:25:38 ID:???
194 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:15:33 ID:???
「く……くそっ! なんてことだ!」
デスクについた男は、変わった形のパソコンのモニターを見ながら、激昂する。その格好は奇抜で、右肩と右脇腹を露出した服を着て、目に妙な飾りを巻いている。右側の髪を長く伸ばして、耳や右目も隠れていた。
男の名はメローネ。バルトフェルドを襲ったベイビィ・フェイスの本体だ。
『コゲコゲコゲコゲコゲコゲ……』
パソコンのモニターにはそんな字が羅列している。その文字はベイビィ・フェイスからのメッセージだ。どうやらバルトフェルドが起こした爆発で、完全に破壊されてしまったらしい。
しかし、普通のスタンド使いと違い、メローネはスタンドを倒されても影響がない。なぜならバルトフェルドを襲撃した人型のベイビィ・フェイスは、本体に影響を及ぼさない『遠隔自動操縦型』のスタンドだからである。
スタンド使いではない人間でも見ることができるし、物理的な攻撃も通用する。メローネの思い通りにコントロールすることもできないなどの欠点もあるが、何度でも生み出し、何度でも攻撃できる。それも自分は安全な場所からだ。
「ちっ! バルトフェルドの義眼が爆弾だったなんて聞いてないぞ!!」
メローネは、バルトフェルドの情報を彼らに渡した者に、文句を言う。
「ふん……まあいい。収穫はあった。ヴェルサスとか言う奴の身体的特徴などは知れたしな。探す手がかりは増えた」
メローネはパソコンを操作し、手に入れた情報を仲間たちの下に送信する。
「しかしバルトフェルドという男……あれほどの覚悟と実行力があったとは。申し出を受けてもよかったかもしれないな……」
少なくとも、あの男よりは信用できたと思える。
みすぼらしい格好をした、全身傷だらけの男。メローネら暗殺チームに遜色ないほどの殺気を放つ、その道のプロ。
名を、『呪いのデーボ』といった。
彼はラクス暗殺にギアッチョと共に雇われ、やはりヴェルサスに裏切られたのだという。その怨みから、復讐を果たすために、ギアッチョのチームであるメローネたちの存在を探り当て、情報を持って、協力を申し出てきたのだ。
しかし、メローネたちは総じて彼を信用していない。あまりに都合が良すぎる。情報は受け取ったものの、直接協力は拒否し、チームには入れなかった。自分たちの居場所についても教えていない。
「だが情報は正しかった……」
情報が罠であるという可能性から、倒されても問題のないベイビィ・フェイスに行かせたのだが、アークエンジェルの場所やバルトフェルドたち、クルーの情報も、ほぼ正確だった。
あるいはこれもまたヴェルサスの罠かとも思ったが……
173 :
代理:2008/10/01(水) 23:26:04 ID:???
195 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:17:18 ID:???
「罠というのは考えすぎだったか?」
「いいや。それで正解だ」
ドンッ!
背後からの突然の声に、振り向いたメローネの頬を銃弾が撃ち抜く。
「ごぼっ!?」
右頬から、口内の舌をちぎり飛ばしながら、左頬に銃弾は抜けていく。奇跡的に致命傷を負うことはなかった。
「運のいい……だがそこまで」
ドドンッ!!
二回連続で引き金が引かれる。一発が喉に、一発が右肩に命中する。
「うぐおあっ!!」
メローネの手から、デスクの引き出しから出そうとした拳銃が零れ落ちる。
「遠隔自動操縦のスタンドを持つ者は、『逆襲される時は無防備』! それがリスクだ」
そして最後に額に弾丸が突き刺さり、メローネはその意識を途絶えさせた。
「……計画通り」
自分の作り出した死体を前に、ドナテロ・ヴェルサスは静かに言った。
「これで、奴らのチームに探索のできる奴はいない。さて、あとは『呪いのデーボ』を連れて、アークエンジェルに戻るか……」
すべてはヴェルサスのはかりごと。ギアッチョのチームが復讐のためにヴェルサスを探していることを知り、この計画を練り上げた。
彼らチームの能力は、『過去を掘り起こす能力』で調べ、おおむね探りをつけていた。その中で最もヴェルサスが危険視したのは、索敵と殺傷性に優れるメローネの能力であった。できれば早めに始末しておきたい。
そこでまず、ラクス襲撃の時、ンドゥールに話させて、既にこちら側の味方につけていた『呪いのデーボ』に、情報をもたらさせる。
その情報があれば、安全性を考えてベイビィ・フェイスがアークエンジェルに向かうというのは予想がついた。
そしてベイビィ・フェイスを傍から離し、無防備となったメローネをも始末する。メローネの居場所は、またアンダー・ワールドで過去を掘り起こせば、探すのは難しいことではない。
結果として、まるで型に嵌ったように計画通りにことは運んだ。バルトフェルドから、幾つかの情報が向こうに知られてしまったようだが、大した損失ではない。
「ん……考えてみりゃ、俺、自分で人を殺したのって、今のが始めてか……?」
ヴェルサスは手の中の銃を見る。今まで、他人に命令して殺させたり、罠や掘り起こした過去によって、死に追いやったりしたことはあったが、自分の手を直接汚したことはなかった。
「……けど思っていたよりなんてことはないな」
拍子抜けしたように肩をすくめ、ヴェルサスはスタンドで掘った穴を通り、その場を去ったのだった。
174 :
代理:2008/10/01(水) 23:26:31 ID:???
196 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:18:46 ID:???
キラは悄然として、アークエンジェルに帰還した。結局、カガリたちを連れ戻すことはできず、フリーダムも損傷させてしまった。無駄な戦闘は止められたが、実りがあったと胸を張ることはできそうにない。
そして、この後のことを考える。キラは自分のやったことを正しいと信じているが、前回のことを怒っていたバルトフェルドらが、今回の行動を容認するとは思えない。
「でももう一度話せば、わかってくれるかも……」
呟きながら、彼はフリーダムを降りて、格納庫の床に立つ。そんな彼を待ち構えていた人間がいた。
「キラ君!」
マリューはキラの名を叫んだ。その手は強く握り締められ、目はきつく吊り上り、必死の形相を浮かべている。
「マ、マリューさん、ぼ、僕は」
あまりの剣幕にキラは一歩引く。それでも自分の正義を主張するために口を開こうとする。
「話している場合じゃないの! 急いでついて来て!!」
マリューはキラの手を握り締め、手を引いて駆け出す。
「え! ど、どうしたんですかマリューさん!?」
いつも大らかで優しい女艦長の、通常と違う行動に、キラは面食らう。
「早く!! 間に合わないかもしれない!!」
有無を言わせぬ迫力でキラを黙らせると、
「すぐにこの海域を移動するわ! 前もって決めていた場所へ!」
何かトラブルがあり、潜伏場所を変えなくてはならなくなったとき、どこへ移動するかあらかじめ決めてある。今ここにいないヴェルサスも、ここにアークエンジェルがなかった場合は、その場所に来ることになっている。
キラはその移動理由が自分の出動にあるのかと思ったが、どうもマリューを含め、周囲の人々の様子がおかしい。誰もが焦燥と苦悩を浮かべ、せきたてられるように、わき目も振らず動いている。見たくないものから目を背けるかのように。
「早くキラ君!!」
そしてキラが連れて来られたのは、男性用の更衣室……だったところであった。
「こ、これは!?」
更衣室は見る影も無かった。ドアは吹き飛び、壁はそこら中黒焦げになり、ロッカーもズタズタに破壊され、あるいは熱で融解していた。
そんな滅茶苦茶になった部屋の中央辺りに、人が集まっていた。中にはラクスやンドゥールの姿もあった。
「キラ!」
ラクスがキラの姿を見つけて呼ぶ。その表情は、少なくとも見た目は強い悲痛に満ちていた。
175 :
代理:2008/10/01(水) 23:26:58 ID:???
197 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:19:28 ID:???
「ラクス! この有様は一体! 何が……!?」
キラは人の集まる場所に近寄り、人々の輪の中心にあったものを見た。初めはそれが何かはわからなかった。
黒焦げになった、2メートルほどの細長い物体。茶色や赤や黒で彩られていたが、どの色も気分を良くはさせない、嫌な色だった。形は妙に釣り合いが取れておらず、いびつな印象を受けた。
白い布が巻かれており、細いチューブが数本、取り付けられ、その先には何らかの薬品が入った容器があった。
「……来たか……キラ」
物体の端の方から、音が漏れた。いや、もはやそれは物体とはいえない。キラとて、それは理解できた。だが、理解したくなかった。
「バルト……フェルド……さん?」
四肢が引きちぎれ、全身を焼け爛れさせ、鼻も耳も唇も潰れ、頭髪も失い、もはや以前の外見的特長をほとんど失いながらも、彼がバルトフェルドであることがわかった。
奇跡的に、傷つかず残ったその右の瞳は、いつもキラたちを見守っていた、愛に溢れた瞳だったから。
176 :
代理:2008/10/01(水) 23:27:55 ID:???
198 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:21:20 ID:???
「間に合って……よかった……」
途切れ途切れの声は、酷くかすれていたが、しっかりとキラの耳に届いた。
「バルトフェルドさん! い、一体これは!!」
「敵が……潜入した…だが…それは………今はいい」
虎は最後の咆哮をあげんと、残された力を振り絞る。
「義眼に備えた……爆弾を……発動させ……た。敵は、倒したが……俺も、助かるまい……」
「そ、そんな……」
首を横に振りながらも、キラにも悟ることができてしまった。彼の命が、みるみるうちに消えようとしているのを。
「見ろ……これが……『死』だ………」
「死………」
「そう……忘れていたんじゃ………ないか? 思い……出せ……人は、死ぬ。生きて、死ぬと、いうことを……」
最後に燃え上がる命の限り、せめて自分の祈りをキラに伝えようと。
「醜い……よな。臭いも酷い……。見ていたく……ないだろう? それでも……見てくれ。俺の死を……そして、俺の命を……」
誰もが見ていた。バルトフェルドの最期を。彼の死を。彼の人生の集大成を。
「キラ……今の君の戦い方は………殺していないと、いうだけだ……。君は……もう、二度と失いたくないから……死を見たくないから………そうしているのだろう? けど、それは逃げだ……。そうしていては、自分自身さえ……見失ってしまう……」
言葉を話し、それによって体が揺れるたびに、焦げた肉体が少しずつ崩れ落ちる。
「殺せと……言っているんじゃあない……。だが……殺さなければ、それでいいのでは、ない……。殺さないことと……生かすことは違う……。死んでいないことと……生きていることとは……違うんだ」
酷く爛れた体に、どれほどの激痛が走っているのか想像もつかない。それでも男は語り続ける。
「今の君は……死んでいないだけだ……。自分の意思と……意見を持って………生きていない。死から目を背けることは……命から……目を背けるのと……同じだ……。
見て、考えて、受け止めてくれ………その腕で、胸で………命を……そうすれば……また前の君に……グ、グフッ」
そこで、バルトフェルドの口から血が吐き出される。内臓にまで強いダメージが与えられていたのだ。
「バルトフェルドさん!!」
キラは目に涙を浮かべ、その命を繋ぎ止めようという様に、名を叫ぶ。その目は、確かにバルトフェルドの生命を見ていた。
「そう……その目だ……。その目の君でいてくれ……。哀しまなくていい……俺は……命の限りに生きた……。そして、君らが、俺の思いを受け継いでくれるなら……俺の命は……どこまでも続いていくのだから……」
これまで幾つもの戦場を歩き、幾つもの哀しみを知り、それでも愛を失わずに生きてきた男、アンドリュー・バルトフェルドは、安心したように、その愛に満ちた瞳と、人生を閉ざした。
177 :
代理:2008/10/01(水) 23:28:30 ID:???
199 名前:『PHASE 29:続く命』[sage] 投稿日:2008/10/01(水) 22:23:12 ID:???
「そうか……そいつは誤算だったな」
ヴェルサスはンドゥールからの通信で、バルトフェルドの最期がキラに影響を与えた旨を知らされた。
「今更まともに更正されても困るんだがな……」
これまで散々苦労させられたのだ。ようやっと開き直って、その無茶苦茶さも含めて利用してやる覚悟を決めたというのに、これで大人しくなられては収まりがつかないというものだ。
「仕方ない。もう一度ラクス・クラインと話してみるか。キラ・ヤマトもまだ彼女の言うことは重く受け止めるだろうしな」
キラの操縦をするには、ラクスをうまく使うことが効果的だと、ヴェルサスは理解していた。そのことは今回、ラクスがキラを説得して出撃させた件で、証明されている。
「試しにやってみたのが、こうも簡単に成功するとは……報告を聴いたときには思わず笑っちまったぜ」
そう。ラクスに、キラをマリューたちに無断で出撃させることを進言したのは、ヴェルサスなのだ。このままではよくないと、ラクスに忠言し、そそのかしたのはヴェルサスだったのだ。
ラクスは人を操る才能があるが、逆に操りやすくもある。今まで他人を自分の都合のいいように動かせた分、警戒心というものが鈍いのだろう。
「キラの方も、バルトフェルドの死でショックを受けている今なら、付け入る隙もあるだろう」
ヴェルサスは陰惨に笑う。少し前の彼はこうではなかった。以前も他者を利用して、目的を遂げようとはしていたが、こうも大胆かつ巧みに他者を操るなど、できはしなかった。それが可能となったのは、精神的な変化の影響だろう。
もちろん彼は決して大物ではなく、子悪党の部類に入れられる存在であることに変わりはない。だが、小物が大物以上のことを成し遂げられないと、誰が決めたわけではない。
「バルトフェルド。実に見事な死を遂げたもんだよ。だが俺はお前の死を踏み躙る。お前が試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のように、必死こいて伝えようとしたその想いを……すべて無駄にしてやる」
敵対者。その存在は時に、互いを成長させる最も大きな力となる。
ジョースター一族と邪悪なる敵たちが、互いに成長しあってきたように。
今までこの世界には、ドナテロ・ヴェルサスの敵がいなかった。だが今はいる。ヴェルサスの能力を見せ付けられてなお、怯まずに立ち向かってきた男が。黄金の精神を胸に、漆黒の殺意を瞳に宿して、運命に挑む戦士が。
か、覚醒したァーーーー!支援
支援
足場がある限りこの男、無敵か!?どうやって戦うよ?!
支援!
DIOの系譜はチート能力だな支援!
誰か避難所にいって代理投下を。
自分は携帯なんで無理。
183 :
代理:2008/10/02(木) 00:18:35 ID:???
200 :『PHASE 29:続く命』:2008/10/01(水) 22:24:44 ID:???
シン・アスカ。
取るに足らないただの人間のくせに、彼の『魔の血統』の運命に宿る宿敵たちを思わせる、忌むべき敵。
彼を相手にすることを考えたら、キラやラクスなど所詮は利用すべき駒。今まで彼らの暴走に頭を悩ませていたのが馬鹿みたいだ。暴走するというのなら、むしろ積極的に暴走してもらおうではないか。
「お膳立てをしてもらわないといけない……。この俺と、シン・アスカの、決闘の舞台は、お前らにつくってもらわねばならんのだから……だから、もう後戻りはさせねえぜ? グフッ、フヘッ、フハハハハハ、クックックックック、ヒャハハハハハーーー!!」
ヴェルサスは笑い続ける。
ここで笑う自分という命が存在することを、世界に見せつけるかのように。
命が散る中で、命は残り、そして命を次へと繋げ、そうして、命は続き続ける。命は運ばれ続ける。
命が命を運ぶ流れ、すなわち運命と呼ばれる、大いなる営みの中で、誰もが、命を燃やし続ける。
To Be Continued……
201 :221 ◆OmAfLE8R1Q:2008/10/01(水) 22:31:14 ID:???
以上です。
バルトフェルドの臨終での言葉は、種運命のエンディング曲、『Life Goes On』(訳すと、【人生は続く】)を元にしました。
ああ・・・っ!!ギアッチョに続きメローネまで・・・
正史では生き残った虎も死んでしまったし最早なにが起こっても不思議ではないぜ
代理の人も乙
ある意味ジョースターVSDIOみたいな構図になってきた か も
精神的な意味でだけど
携帯で打ち込んでおります。
代理投下をしてくださった方、ありがとうございました。
221氏&代理の人GJ!
虎がここで死ぬとは完全に予想外だった
キラは虎の死から何かを感じ取ったみたいだが、ヴェルサスの暗躍もあるし更正は難しいかもな・・・
>>183の代理を担当したら・・・
完全にヴェルサスがキラを見ていない事に戦慄した。
SEEDのクロスオーバーに相応しい逆転劇はあるのか!?
次回を待つ!
神父が来たら、
とりあえず一巡させそうで怖い。
周りの人が対処してくれなかったら、覚悟をもてない人間には地獄。
GJ!
やはり悪役はどす黒く輝いてこそ。
ヴェルサスの能力って改めてチートじゃないかと思えてきた。
追跡にも罠にも逃亡にも使えるし、掘り出されたら機密情報なんてただ漏れだし。
>ラクスがキラの姿を見つけて呼ぶ。その表情は、
>少なくとも見た目は強い悲痛に満ちていた。
>少なくとも見た目は
>少なくとも見た目は
>少なくとも見た目は
ラクスは誰がどう死のうと本質的に動かされる事はなさそうっぽいな。
虎がこんな形で死ぬのも異例なら、いっそ改心したキラの方から
袂を分かって出奔するというウルトラCもアリかな…?
>>192 ……流石にキラが出て行ったり死んだりしたら悲しむよな?
阿部さんスレで似たような展開があったんだが、洗脳から解き放たれたキラに振られそうになって
泣きながらキラの服の裾を掴むラクスにはちょっと萌えた
>>193 フン・・・まぁ、分からないでも無いがな
キラ・ヤマトがラクス・クラインの最愛の存在であるのは言うまでもない。
しかし、キラ・ヤマトは唯一無二の存在ではない―――――
という噺も過去にはあってですな
確かにスパコディはもう一人いるが、カナードは関係ないだろうしなあ
何かもうラクスが何をやりたいのか判らなくなって来た。
ヤンデルことはわかるが。
>>195 今のキラは大体3人目くらいのクローンなワケですねわかります
オリジナル→無印でアスランに殺された
2代目→ヤキン戦で死亡
3代目→本編ではシンに撃墜された…がこのスレではどうなるか分からない
こうですね分かります
きら・やまと一号…記憶回路ニ異常…失敗、廃棄
きら・やまと二号…きゃらくたー構造ニ歪ミ有リ…失敗、廃棄
きら・やまと三号…感情回路ヲ与エタモノノ振幅ガ大キク失敗、廃棄…
ガルーダ乙。
でも正式採用体にも全て搭載されてるような気がするのは…
ラクスならベィビィフェイスのDISC入りそうだなwww
というか、キラよりフェイスの方が使えそうだしwwww
保守……ただのそれしかしない。以上で終わりだ。
205 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/11(土) 23:52:17 ID:9EeAmdoz
そういえばアヌビス紳やストレングスの様な形問わず物体に取り付くスタンドはやっぱMSか何かに取り付くのかな
アヌビス神が取り付いた対艦刀とか
>>205 キャラバンサライが作らなきゃ無理じゃね
アヌビス神を対艦刀に練り込めば……
材料にされてあちちなアヌビス神見たいな……
むしろガーベラだろ…
ロウ+アヌビス神とか、マジ洒落にならん
リジェネイド相手に「 覚 え た ぞ ッ ! ! 」か……
マジで洒落にならん
盾や装甲も素通り出来るしな。
211 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/12(日) 20:33:02 ID:OotVsWxI
パイロットだけ斬れば宇宙とかならそのまま無傷で鹵獲できるな
突如現れた味方と同型の無人戦艦、その正体はストレングス&エンプレス。調査に訪れたシン達に危機が訪れる。みたいな展開はおもしろそうだな。
213 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/14(火) 21:21:32 ID:FI4yw0iL
規制開け上げ
もしボスキャラがCE世界に現れていたら、どういった展開になっただろうか。たとえばディアブロなら、ロゴスに入って、ジブリールと反目し合いながらのし上がっていくとか。
>>214 本日のボス、ユニウスセブンへの核攻撃で死亡
本日のボス、NJの影響で凍死
本日のボス、ヘリオポリス崩壊に巻き込まれ死亡
本日のボス、バナディーヤで地雷を踏み死亡
本日のボス……
>>214 とりあえず221氏の作品の最初に吉良出てきたけど、ウェザーにあっという間に殺されてたな…
>>215 おおっと! 「コペルニクスで連合首脳を狙った爆弾テロに巻き込まれ死亡」と「S2インフルエンザ大流行に巻きこまれ死亡」と
後「ビクトリア大虐殺に巻き込まれ死亡」が抜けているぜwww
>>216 もしユウナとウェザーが吉良の殺人現場に居合わせなかったらどうなってたんだろ?
そのままオーブに居ついて平穏を楽しむ吉良だが
チョコ先生のグリーンディに巻き込まれて狙いをつけてた『彼女』をカビだらけにされ怒りに震える
そして吉良は平穏を乱すチョコ先生と対決! という展開があったかもw
220 :
通常の名無しさんの3倍:2008/10/16(木) 21:45:31 ID:pwIN8eLn
>>219 吉良はそうそう激昂したりしないだろう。
周囲が大変な事になっててもあまり自分じゃあ動かないと思う。
逆に死体が多ければ人を殺すチャンスと考える か も
sage忘れスマン
吉良は平穏に生きることを望んでるんだぜ?
ただの殺人鬼じゃないんだ、だからこその怖さなんだが
人を殺すチャンス!とか思わないよ、間違いなく
たぶん一般人に擬態して大人しく解決を待つか
のこのこやってきたチョコ先生を爆殺して終わりだろ
女「誰かああああ!誰か助けてええええ!体が!体が崩れてえええ!!!」
吉良「おや?…お嬢さんどうかしたんですか?そんなに叫んだりして」
女「た、助けてください!その段差を降りたら突然体が崩れて動けなくなったんです!!」
吉良「う〜ん、確かに君の体はカビの様なものに覆われて崩れているね…。とても苦しそうだし気の毒だ…。酷い状態だよ全く…
だが、君の手はまだ綺麗なままだよ…。私に出来る手助けはこの程度だ…。『手助け』か…クックック。さあ行こうかお嬢さん。
君と一緒にいたら、無差別攻撃にあっている私の不安も少しは和らぐからな」
機会があれば絶対殺すと思う。
そりゃ恋人(手)がなかったら一人くらいはそうなるかもしれんがな
吉良は基本的に手コレクターでも殺人狂でもないからなぁ
そりゃ吉良はきれいな女の人のきれいな手が好きなだけだもんな
女をとっかえひっかえするみたいなノリで今までにたくさん殺してるだけで別に殺人狂じゃないよな
ただ実績が殺人鬼と呼ばれる部類なだけで
どっちにしてもグリーンデイの方は無差別だし、偶然カビに襲われる事になったら戦わざるをえないだろうね
静かな暮らしを乱すものは殺すだろうなぁ。
しかしグリーンディVSキラークイーンだとまず吉良がチョコ先生を見つけないと勝負にならないな
仮に見つけて爆弾を投げても爆風に巻き込むだけではチョコ先生死にそうにないし
チョコ先生を爆弾にして吹っ飛ばしでもしないと
シアーハートアタックは無敵
いざとなったらバイツァダスト
>>229 そういや無差別攻撃の中で体温もって動き回ってるのは本体だけだもんな。
こりゃチョコ先の方が分が悪い。
チョコ「私の関節にドラグーン兵器の端末を埋め込んだ!!これでオールレンジ
攻撃が可能になる!!」
どこのターンXだろうか
ラクスにはエリナ婆ちゃんが付いてみっちり教育してくれればいいと思うんだ。
エリナお婆ちゃん&岸辺露伴監修の生ハム兄貴、ヤンデレ由花子、リサリサによるラクス教育とな?
投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 30:天使の悪夢』
戦闘が終わった後、ザフトの戦女神『ミネルバ』は当初の予定どおり、ジブラルタル基地への航路を進んでいた。
勝利を得ることはできず、しかも折角の捕虜を失った一行の士気は高いとは言えなかった。捕虜を奪還された件については、これまでの功績を鑑みて、処罰は無しということで済んだものの、みすみす敵に潜入されたことに、タリアたちのプライドは傷ついていた。
シンはそれほど落ち込んではいなかった。今後、またステラと戦う可能性ができたが、そのことに向かい合う覚悟はできている。キラとの戦闘で、シンも一皮剥けたのだ。たとえどのような事態を前にしても、逃げずに立ち向かう覚悟が、今の彼にはある。
今までになかったというわけではないが、覚悟無き者との戦いによって、改めて覚悟の価値を実感し、より強く深いものとしたのだ。
(たとえステラと戦うことになったとしても……俺が心迷わせず、正しくあろうと覚悟すれば……正しい結果にたどりつくはずだ。『光の道』……それを信じよう)
シンはすべてを覚悟し、進む意志を定め、そしてそれが報われることを祈った。何に対して祈るべきかはわからなかったが、ただこの無情な運命の中にも、救いの奇跡があることを。
シンは前を見据えることができていたが、それができない者もいた。このミネルバで、最も傷つき、心折れていた人物。その名はルナマリア・ホークと言った。
戦闘後、彼女は医務室で目を覚まし、やがて自分の身に何が起こったかを思い出し、それが夢でないことを実感した後―――泣いた。
幼子のように、傍で看病していた妹、メイリンの目を気にする余裕もなく。どこにこんなに溜まっていたのか思えるほどに涙を流し、聞く者の胸を痛ませる叫びをあげ続けた。泣き声が止まったのは、ルナマリアが泣き疲れて意識を眠らせたときであった。
その後、再度目覚めたルナマリアは、医務室を出て日常業務をこなしてはいた。だが、その動きには張りが無く、目も死んだように虚ろだった。熱意の欠片もなく、事務的に作業する様は、まるで機械のようで、いつもの彼女とはかけ離れていた。
多くのクルーが心配したが、彼女がそうなってしまった原因を誰も知らなかったので、どうにもできなかった。ただ一人、その原因に気付いていたメイリンも、姉の身に降りかかった残酷な運命をいかにすればいいか、何も思い浮かばなかった。
ただ、姉の絶望的な心境を感じ、表情を暗くするばかりだった。
もう一つの艦、アメリカ独立戦争の英雄である海軍指揮官の名をとった、『J.P.ジョーンズ』では、また別の光景があった。
二つのグラスが触れ合い、澄んだ音をたてる。揺れる琥珀色の液体には、周囲の風景が映っていた。
喜び騒ぎ、飲んで食らい、歌い踊り、笑い喋り、時に罵り殴り合う、何人もの男たち。彼らは連合の軍人たちであり、誰もが今回の作戦の成功を、祝い尽くそうと励んでいた。
「楽しんでいるようだな」
グラスの縁に口をつけ、ブチャラティが呟く。
「久々の勝利だからな。おかげで我らのお姫様は無事取り戻せた」
既にグラスを空にし、新たに酒を注ぐネオは、騒ぎの中心で歓迎を受けているステラを見つめる。
ステラの前のテーブルには、荒くれ者どもから献上されたケーキやフルーツの山ができている。まさにお姫様扱い、あるいは、愛娘扱いだ。
時折酔っ払い、調子に乗ってステラに抱きついたりする奴が現れるが、漏れなくスティングにボコボコにされ、隅っこに転がされる。そのたびに、スティング相手に何分持つか、賭けが行われて盛り上がっていた。
他にも、ダイアーがグラスを逆さにしても酒を零さないという芸をしたり、ナランチャとアウルが食べ比べをしたりして、座を盛り上げていた。
そんな騒ぎの外で、ネオとブチャラティは静かに酒を酌み交わす。
「次の命令がくるまでは、この空母『J.P.ジョーンズ』にとどまることになってる」
「居心地は悪くないからそれはいいが……」
ブチャラティはサラミをつまみながら言う。彼は短期間のうちに、この空母に乗る多くの船員の心を掴んでいた。さすがの人望というべきだろう。
「次の命令まで戦線が持つかな」
「確かに。全体的な戦局を見れば、相変わらずこちらに分が悪い。大西洋連邦から離れる国はますます増えるし……」
「シュトロハイム大佐からの情報によると、ロシア平原に動きがあるらしい。地上空母ボナパルトが送られるそうだ。最新のMSまで搭載してな」
ブチャラティの言葉に、ネオはすぐにその意味を理解する。
「……ロシア。反連合勢力が多く、ザフトの駐留軍もいるユーラシア地域の最北端。それより西側はすでにザフトが陣を張っている。攻め込むとなると、相当激しい戦いになるだろうな」
「『普通』に激しいだけですめば、まだいいが……ジブリールの性格からして、ただの戦争では終わりそうにない」
自分に従わない人間に、一分の尊厳も認めないのがジブリールという男だ。非戦闘員の多くいるプラントにも核兵器を打ち込もうとした彼ならば、連合から離反しようとする都市の一般市民など気にもかけまい。
「一方的な虐殺……か」
「可能性は大いにある。動くべき時かもしれないな」
そこに、
「おおーい! 何二人でしんみりしてんだよ!」
「ネオ〜〜! ブチャラティ〜〜! 音楽かけるから踊ろうぜ〜〜!!」
ナランチャとアウルが二人に呼びかける。ステラ、スティング、ダイアー、他の軍人たちも、みんなそろって、二人を見ていた。幾つもの目が二人を誘っていた。
ブチャラティはネオに目配せし、ネオはそれに頷いた。
「そうだな。華麗な脚さばきを見せるとしようか」
「俺はジャズが好きなんだが、マイルス・デイビスなんかはあるか?」
まだまだ血みどろの戦いは続く。だがせめて、今ひと時だけは楽しむとしよう。
二人は宴の中に入っていった。
そして、三番目の艦。戦闘に直接介入しなかったものの、三つの艦の中で最大の損失をこうむった艦。
今や片翼をもがれた大天使となった『アークエンジェル』は、スカンジナビア王国、ノルウェー地方のフィヨルドから、新たな潜伏場所である、アイスランド西側の海に沈んでいた。
安全な場所に隠れた直後、マリューたちは今後についての方針を決めるため、会議を始めた。艦にヴェルサスがいない今が、いい機会だ。
ちなみにラクスはいない。彼女がいると、結局彼女の意見が通ってしまうことが、経験上わかっているからだ。ラクスはバルトフェルドの死に、さすがにショックを受けたらしく、大人しく部屋にこもっている。
「私の考えとしては、オーブに連絡をとろうと思うわ。ザフトも連合も敵にまわした今、話を聞いてくれそうなのはオーブくらいでしょうし」
最初にマリューがそう発言した。
「ラクスさんを襲ったのがデュランダル議長の企みだというのは、もともとヴェルサスからの情報。物的証拠は無いわ。アークエンジェルを発進させ、オーブを離れたのはあくまで緊急避難……。
ラクスさんに説得されて動いてしまったけど、戦争に介入する必要は無かった。これ以上、軽挙をしてはならないわ。本当に、今更だけれど」
自責の念に、表情を曇らせてマリューが呟く。
「何度もバルトフェルド隊長はやめさせようとしてくれていたのに……こんなことに」
そこまで口にし、建設的でない無駄な後悔をしていることに気付く。
「もう彼はいなくなってしまったけれど、最後の最後まで、彼は私たちのために行動し、私たちに想いを残してくれた。それを無駄にしないためにも、私たちは道を正すべきだわ」
たとえオーブ政府に許されず、処罰されることになっても、そうしなければ。道を間違えたままでは、何も成せない。
「しかし本当にラクスさんは狙われていないのでしょうか?」
ノイマンが問題提起をする。
「アスラン君が言っていたようだけど、デュランダル議長が犯人だとすれば、取り逃がした後、何も対処しないのはおかしい。議長を警戒させる、ヴェルサスの自作自演と考えた方が、確かに納得はいくな」
チャンドラU世が、その疑問に答えた。マリューが続ける。
「デュランダル議長への疑いが完全に払拭されたわけではないけど、このまま行けば、ヴェルサスに最後まで利用されてしまうかもしれない。その危険を考えれば、無駄に逃げるより、オーブ政府に調べてもらった方がいいと思うわ」
それに、おそらくカガリはまだ自分たちを仲間と思ってくれている。卑しい考えかもしれないが、それは確実だと思う。処罰は許されるかもしれない。何かを手伝わせてくれるかもしれない。
別に今更処罰を恐れているわけではない。死刑でもまったく文句は言えないところだ。だがそうなるにしても、せめて何かの役にたっておきたいのだ。
情けない自分たちを生かすために、自分を犠牲にした彼の死を無駄にしないためにも、死をもって罪を浄化するより、生きて少しでも償いたかった。たとえそれが我侭であっても、周囲から自分勝手だと罵られても、そうしたかった。
それが彼らの意志であり、覚悟であった。今の彼らに、状況に流され、ラクスに振り回されていたときの弱さは無かった。その強さを得るために流れた時間はあまり多く、犠牲はあまりに大きかったが。
最終的に、オーブに連絡することが満場一致で決定した。
「ヴェルサスが帰ってくる前に、連絡しましょう。彼の帰還報告はまだ来ていないから、間に合うわ」
アークエンジェルに帰還するには、連絡をしてハッチを開けてもらわなければ入れない。したがって、誰にも知られずに帰ってくることはできないのだ。ンドゥールやセッコにも見張りをつけて、怪しい行動はすぐ報告するようにしてある。
「そうですね……。ところで、キラ君はどうしているんですか?」
「一人で部屋にいるわ」
心配そうに問うノイマンに、マリューもまた心配そうに答えた。
キラが、バルトフェルドの死に受けた衝撃は誰より強く、ラクスとさえ話そうとせず、一人で閉じこもっている。だが、バルトフェルドの想いが届かなかったわけではないと、マリューは思っていた。
しかし、このままでは悲しみと苦しみで押し潰されてしまうかもしれない。
(後で、話をしに行った方がいいかもしれないわね)
そのときの考えを、マリューは後悔することになる。後で、ではなく、すぐに、いやいや、会議の前に話を済ませておくべきだったと。だが結局のところは、会議をしている時点で、既に遅かったのだという残酷な現実を、彼らはすぐに知ることになる。
キラは明かりもついていない暗い部屋の中、ベッドの上で座り込み、うつむいていた。
「バルトフェルドさん………」
名を呼ぶ。だがその名に答える者は、もうこの世にはいない。自分に想いを託していった彼のことを思い出すたびに、その想いの重さに、潰されてしまいそうだった。
何もかも投げ出してしまいたい。彼の死に、何もできなかった自分に、彼の想いを背負うなどできない。それは、マリューたちに任せてしまいたい。だが、バルトフェルドの想いを裏切れないという気持ちが、それを押しとどめていた。
もしもこのとき、マリューが相談にのっていれば、正しく立ち直ることができたかもしれない。だが、現実にその時、そこに現れたのは、
「随分と、暗いじゃないですか」
パチリと明かりがつく。思わず顔をあげたキラの目に、いつの間にか部屋に入り込んでいた、男の姿が映った。ドアを開けた音さえ、しなかった。
「随分……早かったですね」
驚く余裕さえ無いほどに精神を沈ませたキラは、無感情に淡々と言う。男は笑顔で応えた。
「知らせを受けてイタリアから直接飛んできましたので」
もしもキラがもっと精神的に落ち着いていたら気付いただろう。その目はキラを見下し、その笑みはキラを嘲っていることに。
「少し……話をしようじゃあ、ありませんか?」
ここにはまだいるべきでない男、ドナテロ・ヴェルサスはそう言った。
To Be Continued……
以上です。割といきあたりばったりで書いているので、つじつま合わせに手間取りました。でもまあ何とかなるもんです。
おおおおおおおGJ!!!!!
ヴェルサスの能力はマジで反則的だなwwwww
情報収集がトップクラスで潜入能力まであるとはwww
さすがDIOの息子www
ルナは可愛そうだが立ち直って強くなってほしいな。
あと愛娘扱いされてるステラで和んだw
とにかくGJ!!!!!
GJ!!
待ってました!
各艦の対比が非常に面白い。特にファントムペイン側の盛り上がりが。
これからキラはどうなってしまうのでしょうか。他に類を見ないほどの堕ちっぷりが待っているような気がします。
それではまた続きも楽しみにしています。
GJ
GJ!!!なんかもうひたすらGJ!!!!!!
GJ!!!毎回感動するぜ!!!
GJ!
これからキラがゲス化するかがなんだか楽しみになってきたw
GJです
これで「いきあたりばったり」とか……またまたご冗談をってレベルだw
250 :
314:2008/10/22(水) 22:14:19 ID:???
GJ!
しかし、ブチャがマイルス好きとかマイナーな設定出してきたなぁw
この設定見たときめちゃくちゃ納得した覚えがある
どわ、名前が付いたまんまだった。失礼
キラにもいつか成長か救済を…という気持ちと、むしろ開き直るなり人間やめるなりして、
最終的には3〜7レス分書き込み容量フルに詰め込んだオラオララッシュで完全撃破されるほどの
悪の道を極める様を見てみたいという気が両立してしまってて困る。
まあどう転んでも作者氏なら納得いく内容にしてくれると確信してはいるが。
赤石仮面を使って永遠のニートと化すキラ
ハイネ「T・Mrevolution!!」
スタンド能力:こわれあうからうごけなくなる
深い鼓動の先に運命が見える
JPジョーンズ盛り上がりすぎだろwww
スティング相手に何分持つか賭けるってのが海兵っぽくて好きだ
で、AA側はひどい状況だな。クルー達がまともな方法に向かってるのが嬉しいとこだが
最後のヴェルサスが凄いラスボスっぽい
保守
投下します。
「いろいろと大変な中、留守にしてすみませんね」
ゆっくりとした足取りで、ヴェルサスはキラに近寄る。
「いえ……そんな……別に」
「気にしないでくれと? ふむ、まあそうでしょうね」
話を聞くことさえおっくうそうに、視線をそらすキラに、
「あなたも留守にしていたんでしたね。バルトフェルドが襲われていたときに」
優しい声音で、そう言った。
「………っ!」
キラの肩がビクリと跳ね、目が見開かれて、顔色がよりいっそう蒼ざめる。
「つらいですよね……守れなかったなんて」
ヴェルサスはキラと触れ合うか触れ合わないかの距離までくると足を止め、そのまま見下ろす。
「貴方には、力があったはずなのに、それを使えなかった」
「う……うう………」
「誤解しないでください。責めているのでは、ありません。ただね……私はもう、このようなことが繰り返されて欲しくはない。そう考えているだけなのです。『貴方のため』に」
頭に両手を置き、激しい頭痛を抑えるかのように、背を丸め込ませて唸るキラに、あくまで優しく穏やかに、ヴェルサスは語り掛ける。
「もう、失いたくはないでしょう? かけがえのないものを。なら貴方は、こんなふうに閉じこもっていてはいけない」
「……無理、です……僕………なんか、何も……できな…………」
蚊の鳴くような声を出し、自らを否定する。今までの自信に満ち、他の意見を押し退けて我が道を歩いてきた彼とも思えなかった。
おそらくはこれが地なのだろう。他者の言葉に耳を傾けない姿勢は、そうでもしなければ自分を保っていることができない、弱さの表れ。所詮、彼は寿命の4分の1も生きていない子供に過ぎない。
そのことを多少なりとも感じ取っていたのは、この艦ではバルトフェルドくらいだったろう。
そして仮面が剥がされた後に残されたのは、これから起こることへの不安に怯え、自らに圧し掛かる責任に苦しむ、どこにでもいる普通の青年がただ一人。
「ですが……このままだと、残された者たちも、『彼ら』のようになってしまいますよ?」
ヴェルサスがそう言ったと同時に、
「キラ……」
どこからともなく、キラの名を呼ぶ声が、聞こえ始めた。
「なんだって……?」
「どうかしましたか?」
「何か……聞こえない?」
「キラ……」
「キラ……」
「キラ……」
「僕のこと……呼んでる」
キラは、周囲を見回すが、音源は発見できない。
「キラ」
「!」
真下から声がした。だが、下はベッドだ。ベッドの下に誰かいるのか……
「キラ」
手首を、掴まれた。
「!?」
キラが座る、ベッドの中。どう見てもベッドは平らなままで、人がいるような盛り上がりはない。人が潜り込めるような空間があるはずのない、掛け布団の隙間から、その白い手は伸ばされていた。
だが何よりもキラを怯えさせたのは、その声が知っているものだと気付いたからだった。
「そん……な、この声は……」
そしてベッドの中でそれは蠢き、顔を見せた。
「大丈夫って、言ったじゃない」
覗いたのは赤く長い髪の、少女。ややきつくも見えるが、美しい顔立ち。おそらく一生忘れることなどできない、かつて、キラが焦がれた相手。
「フレイ………!?」
「なんでパパの……船を守ってくれなかったの……」
その表情は、かつて見た表情だった。怒りと悲しみで涙を流し、キラを責めるその顔は、かつてキラが、彼女の父を守りきれなかったときに見せた、あの顔だ。悪鬼のような、修羅のような、絶望に満ちた憎しみの貌。
「ひ、ひいい……!?」
「うそつきぃぃぃぃぃッッ!!」
顔は飛び上がり、喉笛に噛みかかるかのように口を広げ、キラに迫った。
「ああああああああああああああっ!!!」
絶叫が響き、キラはベッドから転がり落ちる。床に倒れるキラを、ヴェルサスが抱き起こす。
「どうしました?」
「フっ、フレイ、フレイがっ!!」
何も見ていなかったかのように訊ねるヴェルサスに顔を向けながら、フレイのいた場所を指で指し示す。
「ベッドがどうかしたのですか?」
「え……?」
平然と言われて前を見ると、そこには何もなかった。あれほどの存在感が、煙のように掻き消え、いつの間にか、握られていた手首の感触もなくなっていた。
「あ……いや……確かに見たんだっ! フレイがそこにッ!!」
「何もありませんよ。疲れで、幻覚でも見たのでは?」
「げん、かく……?」
「ええ……ところで、フレイとは誰ですか?」
その問いに、キラは今度は針を飲んだような表情になった。
「フ、フレイ、は……僕の、友達で」
恋人とは言えなかった。そう言ってもおかしくないような関係でもあったが、その単語では彼女との関係は言い表せないと思えた。ゆえに一番無難な単語で、自分との関係を表す。
「守りたい、娘で……」
憎まれた。愛された。恐れた。好いた。救われた。異常なまでに複雑な関係だったけど、今思い返すと、幸せだった記憶と、それが哀しく終わったことだけが回想される。
「守れ、なかった……死んで、しまった……」
フレイ・アルスター。キラとは同じカレッジでの仲間であり、前大戦で共にアークエンジェルに乗り、戦場を渡った。父を戦争で失い、コーディネイターを恨み、キラを利用して復讐を果たそうとした少女。
それでも彼女からかけられた優しさは、たとえ偽りであったとしても、キラにとって救いであった。だから彼女を守りたかった。それが間違いであったとしても、そうしたかった。そのときの彼は、それでもなお、守り戦うという覚悟があった。
だがそんな彼女は、キラの目の前で爆発の中に消えていった。あるいはそのとき、彼の覚悟もまた、砕けてしまったのかもしれない。
涙が滝のようにこぼれる。バルトフェルドが死んだとき、たくさん泣いたはずなのに。涙というのは、尽きることがないのか。
「やっぱり、僕には、何もできない……前も、今も……!!」
自分自身に絶望し、キラは泣き続けた。
「そうですね……確かにこのままでは、何もできない。あなた一人では、無理だ」
その宣告に、キラはまた震える。
その震える姿を見つめながら、ヴェルサスはゆったりと語る。騙る。
「でもね……あなたは一人ではない」
「え………?」
「正義をなすために、多くのものを守るためには、あなた一人だけでは無理だ。でも、あなたには信頼できる人がいるでしょう?」
ゆっくりと顔を上げたキラの目を見つめ返し、ヴェルサスは甘い言葉をつむぎ続ける。
「ラクス・クライン」
そして、この世界において、最も甘く、危険な存在の名を口にした。
「彼女と、彼女を支持するクライン派の力があれば、あなたはもっと多くのことができる。もっと多くの人を守れる」
「そ、れは………」
キラの震えが止まる。やはりキラにとって、ラクスの存在は特別だということだ。アスランとの殺し合いの果て、自分の存在を否定したキラ・ヤマト。そのキラを肯定してくれた、命と心の救い手、ラクス・クライン。それは半ば神格化された、絶対的な女性。
それには死んだバルトフェルドや、親友のアスランでさえ比較し得ない。今聞いた、フレイという少女だったらあるいは比肩するかもしれないが、死者でには何もできない。
その想いはヴェルサスには想像がつく。彼が、父DIOを想うのも似たようなものだ。人生の拠り所。存在理由の主柱。なればこそ、『それ』を利用して取り入ることもできる。
「およばずながら、私も協力します。助言をします。共闘します。力を合わせればきっと、何もかもうまくいきますよ」
「ヴェルサス、さん……」
内心では、自分の吐く言葉に怖気が走りそうであったが、そんな様子は露ほども見せず、ヴェルサスは言い募る。その甲斐あって、キラの目には、ヴェルサスへの感謝と依存が宿っていた。だが正念場はここからだ。
「ただ……そのためには邪魔、というか……そのことに反対する人たちがいます」
「邪魔……?」
「マリュー艦長ら……旧アークエンジェルのクルーたちです。彼らを艦から降ろすなり、拘束するなりしなければなりません」
「なっ?」
キラが驚愕の声をあげる。その精神的動揺が収まらないうちに、ヴェルサスが畳み掛ける。
「彼らが悪いというわけではありません。しかし……彼らはあなたや、ラクスが行動することに反対するでしょう。彼らは、あなたたちがこれ以上、危険に踏み込むことをよしとしない」
「ああ……」
その説明にキラも納得する。マリューたちを悪人に仕立て上げようとするなら、納得はしなかったろう。が、キラたちの身を案じているがゆえに、その行動を縛ろうとしているという説明は受け入れられた。
「彼らは優しい。しかし、優しさだけではできないこともある……バルトフェルドも言っていたそうではないですか? 『逃げるな』と」
「言った……そう言っていた……死から、逃げるなと」
「ここで逃げて、戦場から背を向ければ、確かにここにいる人々の命は守れます。けれど、あなたには、この艦以外の場所にも大切なものがあるでしょう? ならば逃げてはなりません。それは……バルトフェルドの死を無駄にすることになる。それでもいいのですか?」
死者の言葉さえ利用して、バルトフェルドの遺志を歪めてまで、ヴェルサスはそそのかす。
「バルトフェルドさんの……それは駄目だ……絶対」
キラは歯を噛み締めて、首を左右に振る。だが、そこに深い思考はない。ただ感覚的に反応しているだけで、何がどう駄目なのかまで考えが及んでいない。
「あの人の死が、無駄になるなんて、そんな……」
「……では、戦いなさい。バルトフェルドやフレイといった犠牲を、繰り返さないために」
そして、ヴェルサスはとどめを投げかけた。
「たた、かう……僕が、戦えば、みんなを……守れる……バルトフェルドさんの願いを……叶えられる……」
その言葉の響きは虚ろで、目には光がなかった。自分の言っていることを、正常に理解できているかさえ怪しい。まるで、ブチャラティたちと出会う前のステラたち、エクステンデッド(人間兵器)のようだった。
「わかった……僕は、戦う……」
他者に誘導されて吐き出された言葉には、覚悟も重みもなかったが、ヴェルサスは満足げに頷き、部屋のドアを開けた。
「話はつきました。あとはお任せしますよ……ラクスさん」
そしてピンクの髪の少女が、微笑みと共に、部屋に足を踏み入れた。
「ラクス……」
「キラ……」
ラクスはキラの傍に近寄り、そのまま両手を彼の背にまわし、抱きついた。キラはとまどったように、床に座り込んだまま言う。
「良かった……あなたが立ち直って」
「僕は……守れるのかな」
「勿論です。諦めないでくださいキラ。私たちがついてますから……」
「ん………ありがとう、ラクス……ありがとう、ヴェルサスさん……」
ラクスの許諾を聞き届けると、キラは安らかな表情で瞳を閉じ、ラクスの胸にもたれかかりながら、眠りについた。バルトフェルドが死んでから、まったく眠れていなかったのだろう。
「今は、ゆっくり休んでください。キラ」
聖母のような表情で、キラに膝枕をし、髪を撫ぜるラクス。ただそのまま見れば、実に美しく、絵になる光景であった。
「それでは、邪魔者は退散します。マリュー艦長とは、私が話をつけますので」
「はい。ありがとうございました。ヴェルサスさん。キラを立ち直らせてくれて」
「いえ、大したことでは……それより、マリュー艦長がうんと言ってくれなかった場合は」
「わかっております。地上のクライン派の方々に協力を要請し、新規クルーとなっていただきます」
そうすれば、マリューたちがいなくても、とりあえずアークエンジェルは動く。扱い慣れた者たちでない分、弱体化は避けられないが。
ヴェルサスは頷き、キラの部屋を後にする。二人に背を向けた裏側の顔には、邪悪な喜びは張り付いていた。
そしてドアを閉め、部屋の外で待っていたンドゥールを確認し、声をかけた。
「こちらは何もかも上手くいった……そちらは?」
「こちらもだ。アークエンジェルのクルーは全員、気絶させておいた。今、セッコが独房に運んでいる。さすがに全員は押し込められんので、適当な部屋を代わりにする必要があるが、まあそこはどうにでもなる」
「そうか。キラは戦うことを選んだ。ただし、俺の手の上でな」
このときを持って、天使の船は完全に堕ち、悪魔の所有物となった。
To Be Continued……
以上です。キラが本編のシンのようになりました。フレイについてはあまり深く書くことはないと思います。
GJです
いやいやTV版のシンでもここまで酷い堕ち方はしてないからw
しかし見事に力関係逆転したなあ
GJ!
なんというどす黒い悪だヴェルサス
だが悪のカリスマ・DIO様は超えられるのか!?
キラはTVで勝ち組になったとはいえ結局は所詮人形である事に終始した訳だから
ベクトルが多少ずれたもののこの展開もありだとは思う。
あとは利用しているつもりのラクスに逆に飲み込まれないかどうかがポイントだ。
ヴェルサス頑張れ超頑張れ。
アンダーワールドって本当に恐ろしいスタンドだわ
情報つーか心的外傷を掘り出し放題www
なんつうかgdgdだ。
五部はとくに敵味方がはっきりしていて慣れ合うことがなかったんだが種世界の空気にあてられてるのかな。
殺さず退場させずにいつまで無意味に生かしてるんだ?成長がないならどうせ断罪するしかないだろうに。
ジョジョキャラ同士も無意味に小競り合うだけで話を引き延ばす以上の意味があるように見えん。
終盤で在庫処分の皆殺しセールをやりそうな予感。
>>269 「キラキュンとラクス様をワルモノにすんなー荒らすぞブヒィーーーー!」まで読んでやった。
GJ!
面白かった。ヴェルサスが輝いて見えるw
アンダーワールドの能力は本当に怖いな・・・w
ジョジョだと原作でアッサリ死んだキャラでも以外に強い奴がいるから面白いww
>>269が書く作品にも期待
>>271 アッサリ死んだけど強キャラってーっと
マンインザミラーの人かなぁ。
鏡の中じゃスタンドもってこれなかったし
三部だと、
タワーオブグレー
ストレングス
ホイールオブフォーチュン
ハイプリエステス
ジャスティス
サン
ティナーサックス
このあたりが高スペックであっさりやられてる
特にティナーの実感のある幻覚は強いはずなんだが。
四部は高スペックの奴は少ないが、
バッドカンパニー
ハーヴェスト
ハイウェイスター
ボーイUマンが強い。
五部は死闘が多いけど、
ブラックサバス
ソフトマシーン(擬似即死系+隠密という事で)
クラフトワーク
マンミラ
ビーチボーイあたりが強い割りに簡単に倒されたと思う
あ、あとパープルヘイズ・・・
六部は
グーグードールズ(射程内の奴を一瞬で縮小化)ぐらいしか思いつかん。
>>273 三部に関しては、そこに挙げられた連中のほとんどが承太郎に瞬殺されてるのに気付いた
しかもギリギリの知略戦とかじゃなくて、ほとんどがスタプラのチートパワーでw
本当、あの頃の承りはパネぇわ
確かにハイプリとジャスティスはかなりの力押しだったw
ストレングスもな
そういえばスターフィンガー途中から使わなくなったな
あれ地味にかなりの反則技なのに
>>269のおかげで意外とジョジョキャラが生き残ってることに気付いた
メローネが瞬殺されたのがわりと最近にあったから
「吉良といいギアッチョといい、この作者けっこう遠慮なく殺すなあ」と思ってたもんだが、それでもまだけっこう残ってるんだよね
ちょっと数えてみた
数え漏れもあると思うけどだいたい28人中6人が死亡してるっぽい>ジョジョキャラinCE世界
>>277 チャリオッツのアーマーテイクオフのこともたまには思い出してやってください
二回目のアヌビス戦もアレ使ってりゃ勝てたような気がするんだが
投下します。
キラは、バルトフェルドが願った『死について深く考える』ことをする前に、行動することにしてしまった。
前にも増して何もわからないまま、このままではすべてを失うという強迫観念に急き立てられて、ヴェルサスに言われるがままに、すべきことを決めてしまった。
もはやキラは『守れない』という恐怖に囚われ、戦うことしか考えられない、無惨な操り人形だ。
「つまりは、より融通が利いて、使いやすい『道具』になってくれたわけだ」
「そう、上手くいくのか本当に? 今までの行動を見ると、そうは思えないが」
「いかないかもしれないな。けど別にいかなくてもいい。今までどおりだっていいんだ。戦場から離れなければ、それでな」
そのために、ヴェルサスはアークエンジェルに戻ると、艦に報告せずに、潜水服で潜伏地点まで潜った。
通信を送らずとも、ンドゥールが用心していれば艦外の音も聴き取れる。そしてセッコの能力で艦の壁を泥化してもらい、壁から潜り込んで直接艦内に入った。
アンダー・ワールドで穴を開けたら、海の水が入ってしまうため、物質を硬いまま柔らかくすることのできる、オアシスの力を使ったのだ。
ンドゥールやセッコに見張りがついていても関係無い。ヴェルサスが艦のどこから入るつもりかは、バルトフェルド死亡の報告を聴いたときに既にンドゥールとセッコに教えたし、ンドゥールはヴェルサスが来たことを身振りで合図すればいい。
そうすればセッコは決められた場所の壁に手を触れ、こっそりと泥化するだけだ。口にしなければ、見張りも怪しいとは判断できない。
帰ることができたヴェルサスは、まずラクスを説得した。それは簡単だった。バルトフェルドの死にショックは受けていたようだったし、その遺言にも心動かされる部分はあったようだったが、だからこそ、上手くいった。
ラクスは今まで挫折を受けたことがない少女だ。ゆえに、一度挫折したら立ち直れるかどうかわからない、弱い人間である。それを本能的に知っているため、彼女はバルトフェルドから自分たちが間違っていると言われ、それを認めることができないでいた。
それを認めることは挫折に繋がる。だからヴェルサスに、自分は間違っていないと言われ、そのことを喜んで受け入れた。そして、自分に賛同するクライン派のみで、この艦を埋める計画にも。そうすれば挫折せずにすむから。
そして、自分は間違っていないと言ってくれるヴェルサスを、ラクスは信頼し、重用することになる。自分より先に、キラを立ち直らせる役目を任せるほどに。
「傲慢で、身勝手で、無茶苦茶な行動も、すべては自分を守る本能的行動か。ある意味、哀れだな」
言うほどに同情していない口調で、ンドゥールはコメントした。確かに不幸といえば不幸だ。彼女を挫折させ、成長させてくれる人間や出来事が、今まで誰もいなかったということは。だが、そんな彼女に振り回される周囲の方が、より不幸であろう。
「まあそれはいいさ。最終的には……ちゃんと挫折させてやるつもりだしな。カハハハ」
その言葉に、ンドゥールは、
(変わったな……)
そう思う。今までのヴェルサスには無い余裕がある。本質的なところは変わらないが、今までのように状況に振り回されず、自分を保っていられる。
(おそらくはあの日の戦いのためだろうが……まあいい。奴は強い方が望ましい。俺の目的を達成するまで、奴に倒れられては困る。それに……仮にもDIO様の息子を名乗る以上は、強くなくてはならない)
ンドゥールは内心を言葉にすることはせず、別のことを口にする。
「キラとラクス。両方を手のひらの上に置いたというわけか」
それは完全な支配ではないし、いつヴェルサスの正体が露見するとも知れない、不安定な立場。だがそれで充分だ。ヴェルサスの目的のためには、それで充分。
「あと危険なものがあるとすれば……やはりポルナレフやブチャラティたちだな。下手に正面から接触されれば、キラたちを正道に戻してしまうかもしれない」
それだけの影響力がある。あの正義を生きるためのエネルギー源にしているような奴らには。
「そういえば、ブチャラティはどうしているんだったか……? セッコが暗殺に失敗してから忘れてた。いろいろそれどころじゃなかったからなぁ」
ヴェルサスは脳からブチャラティについての情報を掘り起こし、彼や彼の率いる部隊が、様々な人物と接触し、順調に力をつけていっていることを思い出す。地位や権力を高めるためには自然な行動だが、ブチャラティはそういうものを求めるタイプの男ではない。
「奴が前の世界で、極悪なギャングのボスに反旗を翻していたという、セッコの話から考えて、奴が狙っているのはクーデターってとこか。戦争を終わらせるために、戦争を起こしている上層部を乗っ取ってしまおうという腹だろう」
ブチャラティの目的をそう推理し、その処遇を結論づける。
「今はほっておくことにしよう。連合の敵は多い方がいい」
連合の施設、エクステンデッド養成所でヴェルサスが手に入れた情報。彼が目的としていた、最も欲していた情報だった。ある存在が、連合にあるという証明。
だがその存在の場所まではつかめなかった。いかにアンダー・ワールドが過去を掘り起こせるといえど、何時の何処に存在していたか、曖昧にさえわからないのでは、掘り出しようがない。
それを手に入れるには、それが動くときを待たねばならない。それが動くときは、連合が、ロード・ジブリールが、致命的な危機に陥ったとき、逆転するために動かされるときだ。
その状況を生み出すためには、ジブリールの敵は多い方がいい。ザフト、ブチャラティ、そしてラクス・クライン。これだけの敵がいれば、彼は確実に追い詰められる。そして、『アレ』を使うだろう。
そのときが来たら、すぐ動いたことがわかるように、クライン派の情報網が絶対必要なのだ。
「それで、これからどうするんだ?」
そういったヴェルサスの目的に、さほど興味のないンドゥールは、熱の無い声で問う。
「とりあえず、アークエンジェルの指揮権は任せてもらった。まずは補充のクルーが来るまで少し待ちだ。気絶してるクルーの中には、ラクスに狂信的なまでの感情を抱いているやつもいるから、そいつらはこれまでどおり働いてもらう。
今のうちに、待機中の『駒』に連絡をとっておくか。それとラクスは、宇宙に飛ぶ」
「宇宙に?」
「宇宙にはクライン派の同士がいる。彼らと協力して、デュランダルのことについて調べるそうだ。他にも兵器工場ターミナルで開発中の新兵器を見に行くとか、いろいろやることあるらしい」
「今更か。まあ、いい厄介払いだがな」
「無論、監視はつけるがな。で、キラの方だが、アンダー・ワールドで更にトラウマを掘り起こし、徹底的に精神を痛めつけてから、そこに付け込ませてもらったからな。以前よりは扱いやすくなるだろう」
海中で、大地の記憶を掘り起こすアンダー・ワールドを使えるかはわからなかったが、どうにか成功した。他者を傷つけるなどの物理的影響を与えることはできないが、人間から過去を掘り起こし、見せることくらいはできた。
これも、ヴェルサスの成長によって、能力が進化したためかもしれない。だが、それでも事前にキラの過去についての情報を『知って』いなかったら、こう上手く掘り出せたかどうか。
「思ったよりは、『奴』の存在も役立ったな」
協力者であるスタンド使い、新興宗教結社の教祖ケンゾーによって見つけられ、現在、ヴェルサス預かりとなっている男のことを考える。彼と対面したのは、シンと戦った後でのことだ。
ケンゾーがもてあましていたのを、恩を売るために、とりあえず受け取っただけだった。しかし話を聞いてみると、彼は実に特別な存在だったのだ。
彼は、本当に多くのことを知っていた。キラやラクス、マリュー、バルトフェルド、更にはシンやアスランたちの、性格や経歴、能力を。彼から聞いた知識をもとに、今回、キラの精神を追い詰める計画をたてたのである。
『守れない恐怖』を突いて、その行動を操るというやり方も、彼が知る知識の一つであり、もともとはあるクローンの少年が、家族を目の前で失った少年に対し、行ったものだった。
「奴の知識からすると、ラクスが宇宙へ行くのも本来あるべき筋書きだな。更にこの後、ベルリンが火の海になり、そこにキラの奴が乗り込むはずだが、さてどうしたものかな。ひとまず連絡がてらもう一度話を聞くか」
知りえないはずの未来の情報を、過去を操る男が口にする。
「既に相当な変化が起きている以上、そうあてになるとも思えぬが」
「それはそうだが、個々の登場人物に影響はあっても、舞台設定そのものはまだ崩れているわけじゃねえ。知ってりゃ少しは余裕が持てるさ。デストロイ、レクイエム、デスティニー、ストライクフリーダム……」
ンドゥールの疑問に答え、ヴェルサスは知識の一部を羅列する。
「まだそこそこには使えるぜ? この『原作知識』って奴はなぁ! クフヒヒヒ」
―――――――――――――――――――――――
ある部屋に、一人の男が閉じこもって、スナック菓子をかじりながらテレビを見ていた。画面にはアニメのキャラクターが動いている。
男がぼんやりとそれを眺めていると、ドアがノックされた。男は返事をしなかったが、ノックの主は勝手にドアを開け、室内に入る。
「またアニメとやらを見ているのか……」
ノックの主が呆れたように言うと、アニメを見ていた男はゆっくりと振り向いた。目は大きいが焦点があっていないようだった。鼻は低く、半開きの口からは、並びの悪い歯が覗いている。どうにも貧相な男である。
「ジャパニメーションとは比べ物にもならねえが、他の番組よりゃマシだ……。それより何の用だよぉ。ここにいてやる代わりに、好きなことしていていいってぇ約束だぜ〜? ストレイツォさんよ」
なんとなく人をいらつかせる口調だったが、ノックの主、ストレイツォは感情を抑えて言った。
「ヴェルサスからの連絡でな。もう一度、詳しく話を聞きたいそうだ」
「ちぇっ、めんどくせえなぁ。わかったよ。このアニメが終わったらな」
舌打ちする男に、ストレイツォは眉をしかめ、
「……毎日毎日この部屋に篭りっきりだが、外に出ようとは思わないのか?『ここ』は貴様が望んだ世界なのだろう? グッチョよ」
グッチョ。そう呼ばれた男は右耳をほじくりながら、
「けっ、こんなの全然、俺の望みどおりじゃねえよ。俺はキラ・ヤマトみてえに、かっこよく、いいトコ取りの人生を送りたかったのによっ!」
彼こそは、最も弱く、最も扱いづらいスタンド、『サバイバー』の使い手であり、この世界に、多くの死せるスタンド使いたちが集結する、切欠となった男であった。
「かっちょいいガンダムを乗り回してよ〜、向かうとこ敵なしでよ〜、どんなことやったって咎められなくてよ〜、かわいい彼女もいてよ〜、最高だよなぁ。キラってよぉ」
彼がかつて視聴して、とびきり気に入った、とある古いテレビアニメがあった。
かつてストレイツォやグッチョが生きて、そして死んだ世界で、スタンド『ボヘミアン・ラプソディー』の能力が発動したとき、グッチョの魂が入り込んだのが、そのテレビアニメの世界であり、すなわちここだった。
スタンド使いであるグッチョに引かれ、他のスタンド使いの魂や、それらの魂のいくつかと運命によって深く結びついたスタンド使いならざる者の魂までもが、この世界へと引きずり込まれた。
この最弱のスタンド使いこそが、すべての始まりであったのだ。
「俺だったらラクスだけじゃなくてよ、他の女キャラともやっちまうんだけどな。マリューとかミリアリアとか、カガリだっていいじゃん。別に血が繋がってたってさぁ」
下卑た表情で一人盛り上がるグッチョに、ストレイツォは表情を歪めた。
(確かこいつは、向こうじゃ刑期5年の囚人で、罪状は婦女暴行と窃盗だったな……。ふん、見下げ果てずにいる理由は微塵もないな)
ストレイツォは容赦なくグッチョを見下してから、
「さっさと来い」
グッチョの首根っこを掴んで引っ張る。
「うおっ、何すんだ……!」
文句を言おうとしたグッチョだったが、ストレイツォの冷たい視線に睨まれた途端、あっさりと抵抗をやめ、大人しく部屋から引きずり出された。
こうしてヴェルサスは今や、この世界における過去、現在、果ては未来の行く末の知識さえも得ることになったのだ。
ヴェルサスはボヘミアン・ラプソディーが原因であることを知っていたがゆえに、この世界がフィクションの世界であると推理はできていたが、この世界の元となった作品については詳しく知らなかった。
それが今、埋められた。これらの情報を上手に扱いきれるかは、ヴェルサスの器量次第だが、それでも彼の持ち駒が、増えたことは確かであった。
To Be Continued……
以上です。
>>279 今回までに登場したジョジョキャラ32人中7人の死者が出ているはず。無駄な死に方はあまりさせたくないので、割と生きているのが多いです。しかし物語はまだ中盤なので、お楽しみ(?)はこれからです。
GJッ!
ここでグッチョとは意外!
しかも、全ての始まりと来たもんだ…。
種、種氏の性質を考えれば…なるほど、こういう人間が当たるだろうなw
しかし、人生そんな旨い話があると思うか…(ry
という流れに行きますが、はてさて…。
ふと思ったがグッチョが死亡したら、この世界はどうなるんだ?
本来の使い手が再起不能以上のダメージを受けなければ、
解除されない訳だが、いろいろと奇跡が重なって、
とんでもない事になってる世界だしな…。
もし、この世界が無くなったら……。
今度は00の世界だったりして。
大丈夫なのか?この設定……
ある意味マイトガインとかビッグオーより危険な領域に踏み込んだ気がするんだが。
とはいえ、乙でした
ボヘミアンラプソディーの能力が原因で、この奇妙な世界が誕生したってのはかなり前からの設定だよ
まあ確かにメタ的な要素を含んだ作品ってのは賛否両論あるだろうけど、
個人的には「原作で死亡したジョジョキャラが何故CEに現れたのか?」という普通なら大して問題にしない部分に説明つけたのは良かったと思う
GJ!!
意外ッ!それはグッチョ!!
まさかのグッチョにはスタンドが月まで吹っ飛ぶこの衝撃wwww
そしてある意味この世界に一番馴染みそうなスタンドな気がしますwwwww
ここでまだ中盤とは・・・続きが楽しみw
乙&GJ
そういやDIOの日記に書いてあった天国到達の条件を満たすための一環として使われたんだよなサバイバー
ファイトクラブがあり徐倫が承太郎を心で理解して緑の赤ん坊が現れて…と繋がってきてるんだから、確かにきっかけと言えばそうだな
分かっているがお前(グッチョ)のツラが気に食わない
ってやつだけど
サバイバー自体はジョジョでも結構有名なスタンドだから二次創作でも良く注目されるけど、グッチョの方を扱った話は初めて見た
それもグッチョの罪状なんて誰も気にも留めてなさそうな設定まで話に取り入れるとは、作者のジョジョマニア度マジパネェ
こ・・・これはすごいことになってきたな
確かにストーンオーシャンの舞台は2011年あたりだから既に種死の放映は終わってるし、
だからこそ知っていてるヤツが一人はいてもおかしくない
おかしくはないが・・・なんか釈然としないなw
ヴェルサスが成り上がるためには何だって使うのはいいんだが、
今のヴェルサスは「知識に使われている」ような気がするんだよね
今の強気も原作情報に拠ってるとこが強いようにも思えるし、
そうなるとヴェルサスが果たしてラスボスの器なのか? ということに疑問が浮かぶわけで・・・
プッチはDIOの日記(の記憶)に使われ捲ってたぞw
でもTV版種死を把握しているなら、同時に現在のアスランやシンやPPが
既に大幅に改善成長している事もわかるはず。ラクシズを都合よく動かすだけ
動かした上で決戦の際にはガチンコで戦いを挑む…のなら大丈夫だと思うけど。
連合が持っているというヴェルサスが欲しがりそうなもの……。
カーズか!
当たってなければ理想だけどな!
エピデンス01の代わりにカーズの化石が発見されたCE…
DIOのミイラヘッドとかエイジャの赤石とか?
ダジャレの流法(モード)の使い手、サンタナとか
サンタナは死亡描写も記述もなしだから駄目じゃね?
1)ジョセフの生還が確認された時点でさっさと波紋で処分してしまった
2)紫外線照射装置小型化&量産化の過程の実験で既に処分済
3)いつまた同類が出てくるかわからず研究は必要として以後60年以上いまだ保存中
考えられるのはこんなところ?
ジョセフが動けないサンタナを殺すとはちょっと思えないな。
石仮面が無ければ早々有害な生き物じゃないし、どっかで飼ってるとか?
考えるのをやめているカーズ様は死んでるのと同じかな?
「死にたいと思っても死ねないので」ってあるから、死んではいないと思う
でも、究極生物でも餓死とかするのかな?
一巡前のカーズ様が考えるのをやめた挙句悠久の時間を越えて特異点もついでに越えて、一巡後の世界に突入して
やがて完全に鉱物化した挙句地球に飛来したのが、弓と矢の鏃に使われているスタンド能力を引き出す宇宙隕鉱石の正体なんだよッ!!!
_,,.-‐-..,,_ _,,..--v--..,_
/ `''.v'ν Σ´ `、_,.-'""`´""ヽ
i' / ̄""''--i 7 | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ ヽ
. !ヘ /‐- 、u. |' |ノ-、 ' ` `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、 |
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
. ,`| u ..ゝ! ‖ .j (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
_,,..-<:::::\ (二> / ! _`-っ / | 7  ̄ u |i'/
. |、 \:::::\ '' / \ '' /〃.ヽ `''⊃ , 'v>、
!、\ \. , ̄ γ/| ̄ 〃 \二-‐' //`
な、なんだってー!
>>307 そして、そっから一巡した世界で鉱物化して弓と矢の鏃として使われたのが
マジェント・マジェントなんだよ!
よし、じゃあ次はアンジェロだな!
『PHASE 30:天使の悪夢』のラスト、投下します。
―――――――――――――――――――――
炎が燃え盛り、建物が崩れ落ちようとしている。
黒煙が空に昇り、火の粉が舞い散る。
その周囲には、少数の消防士と、多数の野次馬が詰め掛けていた。
「………」
その人ごみの中で、男はきびすを返し、火事から遠ざかっていく。同時に、ひときわ巨大な音が轟いた。ついに天井が焼け落ちたのだ。もしも中に人がいたら、焼け死なず、窒息死せずとも、圧死してしまったに違いない。
だが、足を進めるその男は、その建物に一人の人間もいないことを知っていた。
そのうえで、彼は建物に火をつけたのだ。
(これで、痕跡は消えた……)
男は心中で呟く。炎が消えた後、警察は焼け跡の中から、一人の男性の死体を見つけるだろう。だが、それがどのように死んだのかはわからないはずだ。その身元も不明に終わるに違いない。
(墓もつくれないとは……因果だがな)
そんな感傷が無いわけではないが、今は埋葬する時間も惜しい。死体を警察等の公式機関や『公式でない』機関に知られ、余計なことを調べられる前にてっとりばやく『処理』するには、こうしなければならなかった。
彼も、メローネもわかってくれるだろう。
(仇はとる……ギアッチョの分も含めて)
願わくば、ただ殺すのではなく、百日ほど時間をかけて、じっくりじっくり殺してやりたいところだと、その男、リゾットは憎悪をつのらせた。
リゾットの手が握り締められ、持っていたものがきしみをあげる。そのことに気付いて、彼は慌てて力を抜いた。それは大切なものだったから。
(メローネが送信した情報によると、ドナテロ・ヴェルサスという男。中々侮れない策士であるようだ)
こちらの動きは操作され、みすみすメローネを殺されてしまった情けなさに、自分と相手の双方に対して憤りながらも、リゾットは微笑した。
(だが……つめは甘い)
彼の手にあったのは、一個のマイクロチップだった。その中にはメローネが死の直前まで集めたデータが、まとめて保存されている。ヴェルサスはただメローネを殺しただけで、周辺の機具にまでは手をつけなかった。
まだ大した情報は得られていないはずだと考えていたのだろうし、実際そうであったが、それでもヴェルサスは火をかけるくらいはするべきだった。
(そうすれば……あれも燃えてしまっていただろうにな)
『あれ』とは、メローネが最後に残した情報。銃で撃たれながらも、最後まで彼は情報を集めていた。ヴェルサスが、メローネの取った拳銃にのみ注意を払っていたとき、メローネのスタンド『ベイビー・フェイス』もまた、動いていたのだ。
ベイビー・フェイスの『子』は、バルトフェルドに倒されたが、本体である『親』はメローネの傍にあった。パソコンに顔と手足をつけたような格好のスタンドは、『子』を女性に産ませる以外の力はなく、パワーもスピードも大したものではない。
だがそれでも、近くに置かれたカメラに手を伸ばし、角度を調整して、スイッチを押すくらいのことはできたのだ。そしてひっそりと、映像と音声は保存された。
そしてそれをリゾットが見つけた。メローネが殺され、ヴェルサスが部屋から消えるまでのすべてを記録したそれを。
(ドナテロ・ヴェルサス……貴様の声も姿も……すべて知ったぞ……!!)
この情報は有力だ。今まではアークエンジェルを追いかけることでヴェルサスを追っていたが、これからはヴェルサス本人を目標にすることができる。
(だが、メローネが死んだ以上、俺たちだけでは難しいかもな……)
復讐心に燃えつつも、決して冷静さを失わない資質。それが、リゾットが一癖も二癖もある殺し屋たちのリーダーを務められる理由の一つだ。そして彼は冷静に、自分たちの現状をかえりみて、力不足を実感する。
(どこかに協力を求めるべきか……)
手を組めそうな相手。すなわち、ヴェルサスが利用しているらしい、ラクス・クライン一派を敵としている相手。
だが幸いと言っていいのかわからないが、そんな相手には不自由しそうになかった。あれがオーブを発って、大した時間も経っていないというのに、既に世界の半分以上を敵にまわしているのだから、ある意味たいしたものだ。
(それに、ザフトにしても、連合軍にしても、スタンド使いを知っている……)
そのことは、この戦争の中で流布している噂を聞けばわかる。
曰く、ユニウスセブン落下を止めようとしたザフトのパイロットが、コクピット内で見えない何かに襲われ、肉体を破壊されて殺された。
曰く、オーブを機械では観測できない謎の生物兵器が襲った。
曰く、ある戦場で、時間が巻き戻った。
曰く、どんな傷を負っても死なない、不死身のテロリストがいる。全身黒尽くめで、ヘルメットを被り、肌の露出は一切無いそうだ。
曰く………
とにかく、そんな噂は絶えない。
(スタンド使いの利用価値も知っている以上、手を組みやすくはあるだろうが……)
この世界に来る前、さんざん利用された経験上、他者に使われるのは強い拒否感がある。それでも仲間の仇を討つためには矜持を曲げるべきだろうか……。
(……これ以上は、俺だけの考えで決められることではないな)
リゾットは首を振り、仲間の一人であるホルマジオとの合流を急ぐ。
どれほどの犠牲があり、苦難が多く、何も得るものがないとしても、その足取りは強く、復讐を諦めることを知らない。
かけがえのない仲間(チーム)を、大切な家族(ファミリー)を奪った者たちに、しかるべき報いを。
「必ず」
そこで初めてリゾットは、心中に収めきれない思いを言葉として口にした。
―――――――――――――――――――――
支援
オーブ連合首長国は、熱気に包まれていた。
「カガリ様、万歳!」
「オーブ、万歳!」
壇上で微笑む少女に、国民は歓喜の声を浴びせた。誘拐され、消息不明になっていた国家元首カガリ・ユラ・アスハが、祖国に帰ってきたのだ。そして彼女を救ったのは、ザフトの英雄としてオーブにも名高い、アスラン・ザラ。
攫われた姫君と、姫を救い出した英雄。神話や伝説の物語の様なその事実は、国民を魅了するに充分であった。
ただ一点、誘拐犯が、かつてオーブのために戦ったフリーダムであったということが、国民を混乱させていたが(オーブ政府も誘拐の理由がさっぱりわからなかったため、公式発表も理由不明としかされていない)。
それもカガリが戻ってきたという事実の前に、概ねうやむやになっている。
それほどの熱狂を、ユウナは感心して見ていた。カガリの人気に、改めて驚かされる。
(確かに彼女の政治的能力は大したものではない……だが、そのカリスマ、国民の意思を纏め上げる資質は、誰も勝てないものがあるな)
羨ましいと思いながら、空恐ろしくもある。そういった人物の行動を止めることはそうそうできることではない。カガリが暴走し、国や民を滅ぼすような行動に出ようとも、人々は喜んで後に続くだろう。
(以前の彼女は何でも一人で背負って、空回りしている傾向があったし、改善されたといえ、もともと行動タイプだからいつどこへ突っ走っていくかわかったもんじゃない。まあ僕らも目を光らせていくつもりだけど……)
国民に対して、心配をかけたことへの詫びと、これからの努力を約束するカガリ。その左手の薬指には、指輪の宝石が輝いていた。
それが彼女の指に、いつ、どのようにつけられたのかユウナは知らない。だが彼がセイバーから降りた彼女を出迎えたときには、既につけられていた。その後、カガリとアスランの間には時々、見ている側がむず痒くなるような空気が漂うようになった。
思えば、共にセイバーから降りてきたミリアリアは、酷くぐったりとした様子であった。相当あてられたのだろう。同情を禁じえない。
(ま、それはともかく、しっかり支えてやってくれよアスラン。2年も同棲していてようやく覚悟を決めたんだ。そのくらいの期待はしてもいいだろう?)
そして盛大な拍手によって、カガリの帰還記念式典は締めくくられる……直前、
「青き清浄なる世界のために!!」
雄叫びの如き声と共に、一発の銃弾が放たれた。
「っ!!」
弾丸が放たれる一瞬前に、護衛を務めていたアスランが駆け寄り、カガリを抱き倒してかばう。しかし結果的にはその行為も無用のものとなった。
弾丸は壇上に到達するより前に、灼熱の炎によって消し炭となったのだから。
「なっ? ふげふっ!?」
銃を撃った男はその光景を理解する前に、きつい一撃によって張り倒された。一連の出来事を見ていた周囲の人々は、なぜ男が吹っ飛んだのかまったくわからなかった。見えない大きな手によって張り手されたようだとしか、思えなかったのだ。
直後、男は飛んできたオーブ兵士によって担架に乗せられていった。
「しかしあれだ。式典を開いている暇があったのか?」
カガリ、アスラン、ユウナの三人は、並んで廊下を歩いていた。
「君が健康無事であることを、国民に知らしめなければいけないからね。それに戦争中だからこそ、息抜きになるようなめでたい催しは重要なのさ。しかし普通は自分が撃たれたことについて聞かないか?」
首をひねるカガリに、ユウナが呆れたように言う。次にアスランが、
「そうそれだ。カガリを撃った男はどうなったんだ?」
「あいつはブルーコスモスの一員だったらしい。組織による作戦ではなく、個人によるスタンドプレイだったようだね。大した情報は得られそうにない」
オーブにもブルーコスモスは存在する。ユウナやウナトも以前は、利益のためにブルーコスモスとは懇意にしていたのだ。そしてプラントと手を結んで以降、かつてのカガリ暗殺未遂をかわきりに、ブルーコスモスによるテロ行為は少なくない。
しかし行動を起こすたびに逮捕者がでており、いまや人数も少なく、もはや組織立った行動を取れるほどの力は持っていないというのが、政府の見解だ。
「それでもまだどこかに潜んでいるんだろうけどね……。とりあえず、彼らに礼を言ってやってくれ」
「彼ら?」
「今まで僕らも彼らも忙しくて、紹介する暇がなかったんだが、新しく雇用した人員さ。今回の暗殺者逮捕の功労者でもある」
そしてユウナが自室のドアを開く。ソファーに座って待っていたのは一人の男と、ミリアリアだった。そのミリアリアの膝の上では、一匹の犬が気持ちよさそうにブラッシングを受けている。
「あなたは! インド洋での戦いの時の!」
アスランが目を見開いて驚きを表す。
「また会ったな。あのときは世話になった」
男は左手の人差し指を立てて、力強い笑みを浮かべる。犬の方はアスランをちらりと見ただけだった。
「アスランは知っているそうだけど、カガリもいるし改めて紹介しよう……。ウェザーが留守の間、僕らのボディーガードを務めてくれる。名前は……」
ユウナが紹介する前に、アスランが呼んだ。
「モハメド・アヴドゥルと、イギー!!」
「YES! I,AM!!」
男は右手を腰につけ、左手を振り下ろす。鮮烈なポーズを決めるアヴドゥルと対照的に、イギーはあくまで面倒くさそうに、あくびをしただけだった。
To Be Continued……
以上です。
>>295 >ヴェルサスが果たしてラスボスの器なのか?
このように見てもらえたのは、実は成功です。なぜなら、私はヴェルサスを、まさに『器の小さなラスボス』として書こうと思っているからです。
何度か作品内でも書きましたが、どんなに成長しても、ヴェルサスは基本的に小物です。薄っぺらな藁の家です。調子に乗るし、慢心するし、隙も多く、卑劣漢でカリスマもなく、力に振り回されることもあります。人間そんな簡単に変われたら苦労しません。
しかし、そんな小悪党であっても、小悪党なりに努力し、利用し、成長し、虎の威を借り、目的を叶えるために、あらゆる手を使って進んでいく。そんなジョジョにはいなかったタイプの(ホル・ホースがやや近い?)悪役を書きたいと思っているわけです。
GJ !
アヴドゥルとイギー本格参戦キター。
リゾット&ブチャラティの元パッショーネ組が協力する展開も有りか?
先が読めなくて楽しみ過ぎます実にGJでした。
投下乙です
早く花京院出てこないかな……出ますよね?
GJ!!
何だかニヤニヤが止まらないw
メローネは死んだが初めて格好良い『男』として見えたし、リゾットの冷静さと熱い復讐心も良い。
そして銃弾が消し炭になった所で興奮が最高潮に!
ポルポル君早く来ないかな〜と。
リゾットはこのままどこに行くのかも気になります。
>『器の小さなラスボス』
なるほど、これは中々面白そう。
このままDIO化するのかと思ってましたけど、ヴェルサスは所詮ヴェルサス。されどヴェルサスw
確かにDIOやカーズの様な(人格的に)圧倒的なラスボス種死には似合わないかもしれませんしね。
是非この素晴らしい作品を完結させてください!
確かにヴェルサスは圧倒的なものは持ってないけど案外侮れない
むかつく小物ではあるけど憎みきれないキャラクターなので展開が読めない
つまり何処でうっかりを発動させるかが楽しみって事です。
>『器の小さなラスボス』
種死世界では適切なラスボスだと思います。
これがDIO様(歴代ボスではやはり最強の精神の持ち主でしょう)が出た日にはバランスが完全崩壊します。
というか黄金の血族がいないこの世界では、打倒は不可能でしょう。
それにしてもつくづくJoJoキャラの精神の強靭さはすさまじいです。
他のガンダム世界でも圧倒的な輝きを見せてしまうでしょう。
とくにDIO様にいたってはシャアもハマーンもギンガナム霞んでしまいます。
歴代ラスボスの中でも小物と名高いディアボロの場合、比較対象がDIO様な上に顔見せした後にすぐカリスマ崩壊したのがネックなだけだよな…多分
個人的には吉良が一番小物っぽい気がする
キングクリムゾンは性能的には最強のボススタンドだと思うが、DIO閣下とワールド
の組み合わせなら互角だろうか?判断に悩むな……。
>>328 ヒント・時間系スタンドの強さ議論はスレを一つ二つ潰しても結論が出ない上に荒れることで定評がある
少なくともボスや吉良も小悪党じゃあないよなぁ、実績的に
>>327 吉良は逆に自らひたすら小物を目指してたから格好よかった。
>>331 天才でありながら、その能力をひたすらに「目立たず、静かに生きること」だけに
費やしたのがストイックだ
後はあの異常性癖さえなければ、彼の望みは叶ったろうに…
>>332 逆にあのストイックさはそこらの世界征服とか考えている俗物(無論DIO閣下は例外)よりもはるかに恐ろしいと思う。
小物というより人間とは違う異形の存在だと吉良は思う。
結局吉良も「自分の心を満足させる為には手段を選ばない」という点で他のボス達に勝るとも劣らない奴だったからな。
むしろプッチやディアボロより大物に見える場面もあるし(重ちーの所で自分の事を詳細に語りだした部分とか、ただし今日だけだと言ったところとか)。
変態さなら歴代ボス一番だと思う俺
つーか性癖的に考えると間違いなく童貞じゃね?
いや、女性とデートしているときは云々、って解説があったから
多分非童貞
むしろ童貞疑惑はプッチでは?
カトリックの場合高確率で童貞だろうな。
キリスト教全体で結婚以外で性交しちゃいけない事になってるし、カトリックは神父が結婚しちゃいけないと教えてる。
だから
女とセックスするのは罪→なら少年ならいいんじゃね?
って事になってしまった訳だが。
嘆かわしい事だ。
吉良の場合逆に童貞の方が変態度が上がる気がする・・・
イメージとしては手首にナニ握らせてハアハアしてるって感じが……
殺した女の手使ってオナニー死姦してる時だけナニがおっ立つわけですね
さっぱりわかりません!!!!
ある意味全く理解できない世界だから吉良を格好良いと思えるんだろうな。
これが手首好きじゃなくて幼女好きとか男好きだったら…。
普通に引くわ
>>341 そもそも、手首好きじゃないとキラークイーンを発現できそうにないしな
ウィンウィンウィンよりはマシだよ
キラークイーン発現の切欠って、犯罪の証拠などを完璧に消し去りたいって、
願望からだっけ?
特に言われてないはず
シアーは自分を追うものを抹殺したい→でも自分では嫌だという願望からだと思う。
と、考えるとバイツァまで発現したし吉良の精神てジョジョ中かなりハイスペックじゃないだろうか?
バイツァダストってレクイエムの一種ってことになるのかね?
矢を受けて発現したからな
でも矢を取り込んでないから完全じゃなかった可能性が高い
ていうか、矢を取り込んじゃうGEレクイエムみたいなのがむしろ例外なんじゃない?
チャリオッツは取り込んでなかったし。矢を持ってはいたけど、その理由は本編でポルナレフが語ってる
バイツァの後、矢って回収されたっけ?
親父と一緒に吹っ飛んだんじゃね?
もしキラが吉良みたいに自分の性癖に前向きだったら。
「うん すごく好きなんだ ・・・・・・寝取り」
キラ「フフフ……昔ね、近所のお姉さんが婚約した時……
なんというか……そう、下品なんですが……勃起、しちゃいましてね」
こんなんか?
逆に考えて、種キャラが杜王町に住んでたらってのも面白いかも。
あー、なんかこう心の中で康一を見下しているキラが見える
ラクスには錠前が効きそうにないな
あー
サバイバーとかハイウェイトゥヘルみたいな巻き込み系が発現しちゃって孤独になったピンク髪が見える
キラがラクスに会う前に康一君と会えればいい奴になりそうな気がする。
間田と康一君と一緒に露伴先生の家を訪ねる所想像してもあんまり違和感がない。
その代わり間田と康一とセットになるとSD化されてしまう罠
あの殺人鬼の次の標的はマユ!!幼い少女に邪悪な魔の手が迫る。
みたいな感じか。
シンがポルナレフ化するかしげちー化するか
>>359 間田や錠前の人のSD化は意図してやったことらしいぞ
何でも4部ってのは「康一の目から見た世界」なんだと
んで、最初は康一にとってこいつらは恐い存在だったから大きく見えたけど
再登場したときは恐くもなんともない(寧ろ舐めてる?)から小さく見えるようになったんだと
ソースは某ジョジョ立ちサイトの管理人が直接荒木先生に聞いた奴
だから、実は露伴先生とかもっとちっちゃい可能性もある
マユは既に幽霊化してシンを守っているのはどうだろう?
で、シンは女の子の手を切り取らずには居られない性を持っていて・・・
>>361 確かにある意味器はちっちゃいけどさw
山買って破産して自分ちに転がり込んできた露伴先生見たら康一君どう思うかなぁ・・・
前よりも図々しくそそり立つ壁に見えるんじゃね?
あの人は
「ふうん…この岸辺露伴が、君の親友が困り果てて君を頼ってきたというのに…君は生死を
共にした仲間をそんな風に見捨てるのか…ふん!いいとも!精々君は会社で頑張って働いて
上司に褒められ出世するがいいさ!」
ぐらい言いそうだよ
露伴対ラクスってちょっと見てみたいな。
どっちも自分勝手さでは同格っぽいしwww
367 :
通常の名無しさんの3倍:2008/11/20(木) 20:28:17 ID:EFeIab2S
>>365 そんな事より聞いてくれ康一くん、実は魚が…魚が…
公 害 汚 染 で 絶 滅 し た !!
それ以来丸三日水とプランクトンしか口にしていない…
だ か ら 食 べ 物 を !!
ジャッジャージャカジャー
デンデロデンデロデンデロデンデン
デンデロデンデロデンデロデンデン
デンデロデンデロデンデロデンデン
デンデロデンデロデンデロデンデン
まあそれはそれとして、やっぱりダイアーさんの活躍を見ていると、波紋はスタンドに比べれば地味だけど実に使える技術だと思う。
回復、攻防、持久力に大きなアドバンテージあると思う。スタンドさえ視認できれば第1部や第2部クラスの波紋使いならスタンド使いにもかなり対応できた気がする。
第3部が終わってから見られなくなったのは実に惜しい……。
だからスティールで鉄球が生かして見えるのだと思う。
今更このことを言うのは危険だけど、SBRの設定からすると
波紋使いのダイアーさんってスタンド見えるはずだよな?
SBRではスタンド使いorスタンド使いの素質があるものがスタンドを見ることが出来る。
ダイアーさんは波紋の修行をしててもスタンドの素質は無いかもしれない。
逆に、波紋や鉄球と全く無関係どころか一般人より下の障害者であるジョニィには素質があった。
>>372 そういうことじゃなくて、波紋と鉄球って、SBRで「スタンドに近づくための同系統の技術」って明言されたじゃん。
実際、スタンドに目覚める前のジャイロとジョニイは
ジャイロにはスタンドが見えたけどジョニィには見えてなかったし、
非スタンド使いのウェカピポにも20thセンチュリーボーイは見えてた
ジョニィに見えてなかった場面なんてあったっけ?
鉄と磁力を操る三人家族(名前忘れた)と戦ったときに、
長男のビジョンが見えたときジャイロは「あれは何だ!?」みたいな感じで驚いてたけど、
ジョニイは「?」ってなってた。
そろそろ3ヶ月ルールが発動する頃だな。
だから150日に変更されたと(ry
>>373 ケンゾーみたいに風水極めてスタンド使いになった奴もいるぐらいだし
ある分野で極めたらスタンドが目覚めるのかもしれないな
もちろん波紋や鉄球の方がたどり易いだろうけど
辻彩・露伴・ケンゾーの3人だっけ、ある分野を極めることでスタンド発現したのって
トニオさんを忘れるとは
あと露伴は矢に射られて発現したはず
スタープラチナ系の近距離スタンド+「波紋」なスタンドがあったらマジでバランスブレイカになりそう……。
殴り合いなr確かに強かろう
だが、単純な強さで計れないのがスタンド
「時間を止める」ていうチート能力ですら作中で狙撃系の能力には弱いことを露呈してるし
全漫画最強すら狙えるんじゃないか?つーGEレクイエムですら
自分に対して悪意が向かわない攻撃には発動しない可能性だってあるしな
投下いたします。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 31:疾走する時代』
ディオキアの基地は、常ならぬ興奮に沸き立っていた。
一人の少女を見送るために。
少女の名はラクス・クライン。この戦争の中、兵士たちの慰問のためにコンサート活動を行ってきた彼女が、いよいよ宇宙に帰るのだ。
本来ならもっと早くに活動を終え、プラントへ戻るはずだったのだが、ある宗教団体によるものと思われるテロ活動が発生し、そちらの捜査に人員が裂かれ、ラクス帰還のための人員が足りなくなったため、帰還は延長となっていたのである。
基地のロビーではラクスが兵士たちに囲まれ、笑顔を浮かべて色紙にサインを書いている。その隣にはサングラスをかけたスーツ姿の男が立っていた。ラクスのマネーシャーという話であるが、髪型にも特徴が無く、外見的にはあまり目立たない。
しかし言葉遣いはなまりがきつく、かなり印象的だった。
「まぁだシャトルの準備はできへんのか? 急いどるゆうたやろ!」
苛立った声に、係官は恐縮した様子で、
「も、申し訳ありません。なにぶん、予定よりも早いおつきでしたので」
「予定が狂うとるときでも、上手くこなすのがおたくらの役目やろ! 言い訳はええからさっさとしい!」
怒声に急き立てられて、どうにか通常よりも早く、宇宙へ昇るシャトルの用意は整った。
「ご苦労さん! 助かったわ! ラクス様、それではまいりましょう」
「わかりましたわ。では皆様方、これからも平和のために、頑張ってください」
マネージャーが怒りをころりと喜色に変えて、声を張り上げる。ラクスもまたそれに答え、名残惜しそうな兵士たちに向けて手を振り、シャトルの搭乗口へと向かった。
その後姿を見送りながら、ふと係官は疑問を抱いた。
(そういえば……あの付き人の女性、確かサラといったが、彼女はどうしたのかな。母親のようにラクス様の傍にいたあの方が、離れるとも思えないが。まあ予定が変わったという話だから、ラクス様だけ先にご帰還するのかもしれないが……)
そう考えているうちに、彼らはシャトルに乗り込み、ハッチは閉じられた。
そしてマネージャーを名乗っていた男は口を開く。
「では、シャトルジャックと行きましょう」
「お任せいたしますわ」
口調をガラリと変えた男に、ラクスはにこやかに答えた。
派手なピンク色のリムジンが基地についたとき、ラクスの、正確にはラクスを名乗るミーア・キャンベルと言う少女の、付き人兼護衛を務める青年は、違和感を覚えた。
「……おかしいな。出迎えがない」
トップアイドルが来たと言うのに、愛想がなさすぎる。マネージャーのキングや、付き人のサラも怪訝そうだ。
「ちょっと……私が話を聞いてくるわ」
ロビーに来てなお、誰もミーアに気付きもしない。彼女がいるはずがないと思い込んでいるかのように。さすがにおかしすぎると感じたサラが、基地の人間に話を聞きに行く。
あくまで付き人、お世話係りに過ぎないはずの彼女だが、いつのまにかその権限は本当のマネージャーであるキングよりも上になっている。女は強しと言うべきか、母は強しと言うべきか。
「何か……あったのかしら」
いつもなら自分が訪れれば黒山の人だかりができるのに、この閑散とした状況。ミーアは自分が無視されたことに、不機嫌になる前に恐怖を覚える。
ミーアであるべきか、ラクスであるべきか、自分の存在に悩む彼女にとって、ファンにちやほやされることは嬉しくないわけではないが、素直に浮かれて調子に乗れるほど、喜べることでもなかった。
何かまずいことがあったのかと、恐々するミーアの耳に、サラの大きな驚きの声が届いた。
「なんですって!? ラクス・クラインは30分前にここに来ている?」
サラの叫びに、護衛の青年が顔をしかめ、周囲に視線を走らせる。そして滑走路を見下ろせる窓のところで、目を留めた。
「あのシャトルはっ!!」
その形状や外壁に書かれた番号から、滑走路を走り出そうと起動を始めた一機のシャトルが、本来自分たちが乗るはずだったものであると、青年は確認した。
「あのシャトルを止めろ! あれに乗っているのはラクス様ではない……!!」
青年は叫んでからハッとして、声を止めた。見れば、ミーアやサラも顔色を変えている。何も知らない者であれば、今シャトルに乗っているのはラクス・クラインの名を騙る偽者であると思うだろう。
だが、今ここにいるラクス・クラインが本当はミーア・キャンベルであると知っている者ならば、別の可能性を思い浮かべる。
今シャトルに乗っている人物こそが、本物のラクス・クラインであるという可能性を。
「………とにかく止めろ!」
たとえ本物であったとしても、このまま行かせるわけにはいかない。議長からの話によれば、ラクスは今、テロリストの艦と目されるアークエンジェルに乗っている。
つまり、キラの操るフリーダムによる騒乱などは、彼女の指示によるものである可能性が高い。このままラクスを放っておいては、状況は混乱するばかりだ。
青年がそう判断して、シャトルの発進中止を係官に命令する。だが、係官がパイロットに連絡する前に、
「大人しくしていてもらおう」
二人のザフト兵士が動いた。拳銃を抜き、青年とミーアに向ける。
「あのシャトルが無事飛び立つまで、誰も動いてはならない」
「貴様ら……!」
警護の青年が唸る。係官は当惑した顔で、
「お、お前たち一体なんで!?」
「黙れ。彼女たちを宇宙に送り出すことが我々の使命。それを邪魔する愚か者には容赦なく罰を与える」
彼らは簡潔に自分たちの目的を表明する。係官の様子からすると、基地内に潜り込んでザフト兵のふりをしていたわけではなく、本物のザフト兵であるようだ。裏切り者とは判別できない分、偽者よりもたちが悪い。
(しかし『彼女たち』……か。本物のラクス・クラインの部下であるとしたら、呼び方に敬意が足りない。ラクスの部下というわけではないのか?)
警護の青年はしかし、大して動揺することはなく、冷静に分析しながら足を踏み出す。
「! 貴様ッ! 動くと言ったのが聞こえなかったのかぁッ!!」
怒りに顔色を赤く変えた裏切り者が、今にもトリガーを引きそうになる。しかし、青年は裏切り者になんら恐怖心のない足取りで近寄った。
「聞こえなかったんじゃない」
青年が言ったと同時に、裏切り者二人が盛大に吹っ飛ばされた。裏切り者二人が盛大に吹っ飛ばされた。まったく誰の手も触れなかったというのに、大の男がゴムボールのように跳ね飛んだのだ。
「がっ!?」
「うげっ!!」
裏切り者たちは全身に傷を負って倒れ、背後の窓ガラスまで砕け散る。
「聞く必要が無いだけだ」
青年はクールに言った。裏切り者たちは完全に意識を失い、もう起き上がる気配もない。
「な、何をしたの?」
ミーアがその現象に目を白黒させる。しかし青年は説明することなく、
「係官! シャトルに連絡を!!」
「ハ、ハイッ!」
係官が慌ててパイロットに命令したが、まるで応答がない。すでに始末されたか、あるいはパイロットも裏切り者だったか。
「MSを出せ! シャトルを行かせてはならん!」
更なる命令が下され、空戦用に開発された新型MS、AMA−953『バビ』の起動が開始される。だが飛び立つ前に発進できるかわからない。
「サラ! 俺はあのシャトルを追う! ラクス様を頼んだぞ!!」
青年はそれだけ言い放つと、革靴を脱ぎ捨てて、今さっき開いた窓ガラスの大穴から、外に飛び出した。墜落死してもおかしくない高さの階から。
「「「「「ええっ!?」」」」」
係官その他、その場にいた人々の声があがるが、飛び下りた青年は、建物の壁を幾度か蹴り付けて落下速度にブレーキをかけていく。
しかも大地に激突する矢先、見えないクッションに受け止められたかのように、彼の体は空中で静止し、最後にはゆったりと、かすり傷一つなく着地できた。
そして走り行くシャトルを睨むと、その長い脚を作動させた。
「ふっ!!」
一つ息をついたかと思うと、爆発したかのような強烈なスタートを切る。そしてカモシカのように軽く、矢のような速度でシャトルへ迫る。
『シャトルに男が向かった。同志が二人、手も触れずに薙ぎ倒された。どうやら師のおっしゃったスタンド能力者のようだ』
「む……!」
操縦席に座る、キングに変装していた男は、シャトル停止命令の次に、協力者の通信を受け取った。
「なんとか止めろ。いかにスタンド使いとはいえ、お前の乗っているそれなら止められるだろう」
『しかし、私の正体がばれては、この基地内で動ける者がいなくなる』
「それよりも重要なことだと、わかっているだろう。この計画が失敗すれば、ケンゾー師から破門されてしまうかもしれんぞ」
『………わかった。だが、異教徒の貴様が師の御名前を軽々しく口にするな』
協力者であるその男。ケンゾー率いる宗教結社の信者であるザフト兵士は、苦々しくも了解した。
走る青年の前に、進路上に一体のバビが立ち塞がった。青年はそのバビがシャトルを止めるために来たのかと考えたのだが、バビはまだ起動中のはず。既に動いてこの場に来れるのは、命令が下る前から動けるようにしていたからだ。
「こいつも裏切り者かっ!」
青年が相手の正体に気付くのと同時に、バビは右手のMA−M343ビームライフルを彼に向ける。人間一人相手には過剰な威力の攻撃にさらされた青年に、何をすることもできないはずだった。
だが青年はナイフを一振り取り出すと、バビに向けた。まるで象に向けて牙を向ける蟻の如し。バビのパイロットはそう考え失笑を抑えられなかった。
傍から見れば、余りに滑稽な対比であったが、彼は恐怖など微塵も含まない目で、ナイフを振り回した。
直後ビームライフルが一条の烈光を放った。真っ直ぐに青年へと飛び、その姿を塵一つ残さず、消し去らんとする。しかし、破壊なす光は、青年の一歩前の空間で切り散らされ、男に一筋足りと触れることなく、四方八方へと拡散し、消滅した。
『……な、んだとぉっ!!』
青年はビームを防ぐとバビに近づき、更にナイフを振るう。すると、今度はビームライフルがザクザクと、野菜を切り刻むような音をたてて、バラバラになった。
『うわあああああああ!!』
バビのパイロットは恐怖にかられ、性急にバビの右足を動かし、青年を踏み潰そうとする。だが青年は、走り抜けることも、左右に避けることもしなかった。
「はっ!」
なんと彼は、踏み潰そうとする右足に跳び乗り、そのまま脚を駆け上ってきたのだ。そしてナイフを、前方に踏み込まれた右足と逆に、背後に伸ばされて体を支えている左足に向けると、また振るう。それによってバビの左膝の間接部分が破壊された。
『こ、こんな、これほどの!』
超能力を持っているとは聞いていたパイロットだが、MSを破壊できるほどとは考えていなかった。
予想以上の威力に驚愕しているうちに、青年は仰向けに倒れようとするバビの機体を巧みに駆け上り、その途中で腹部や右翼、胸部のアルドール複相ビーム砲などを破壊して、頭部まで到達した。
同時に、バビは完全に仰向けに倒れ込んでいた。倒れた衝撃に対しても振り落とされることなく、青年は冷静にバビの頭部を切り裂き、完全にバビを行動不能にした。破壊能力もさることながら、恐ろしく強靭な脚力だ。
だが、彼はバビの体が邪魔になって見えなくなっていたシャトルの姿を確認し、目を吊り上げて唸る。
シャトルは既に飛び立っていたのだ。それを追うように、ようやく他の、本当に味方のバビが数機、発進した。その光景を見て、青年はどうやらシャトルに追いつくことはできそうだと安堵する。
白い光が、バビを一機、粉砕するまでは。
「なにっ!?」
今にも追いつきそうだったバビの群れが、一機、また一機と落とされていく。それをなしているのは、黄色に塗られたムラサメだ。
「……おのれっ!!」
新たな敵を倒すため、青年は己の能力を発動させる。しかし、そのとき彼は気付いた。ムラサメに撃たれたバビの残骸が、ミーアやサラが待つ建物の方へ落ちていくのを。
「まずい……!!」
青年は大型の拳銃を抜き、落ち行くバビに向ける。
「『イン・ア……」
引き金が引かれ、撃鉄が起き、弾丸に込められた火薬がはじける。そして弾丸が放たれた。
「サイレント・ウェイ』………!!」
青年の背後に、異形がたたずむ。シルエットは人間に酷似。インディアンがつけるような羽飾りを頭につけた、髑髏のような形相。蟹や海老のような硬質な殻をまとう上半身。刺青を施された下半身。
『イン・ア・サイレント・ウェイ』
それがこの力の名。物体が破壊された音などを、形にして対象に送り込むことで、その音が発されたときと同様の現象を、対象に引き起こす。
放たれた弾丸には、『イン・ア・サイレント・ウェイ』の能力により、火薬による爆発音が張り付いた。そして音が張り付いた物体の移動は、ある程度操ることができる。
かつて、音が張り付いた蜂の巣や、ドット・ハーンという男は、本人の意志にかかわり無く、目標に向かって突進していったのだ。弾丸も同様に、墜落するバビに向けて軌道を曲げながら飛んでいく。
そしてバビに弾丸が命中したとき、貼り付けられた爆発の音が発動し、バビの一部を爆発させる。その爆発の勢いで落下の角度を変えた残骸は、建物を破壊することなく、滑走路に落ちた。
「ミーアたちはこれで助けられたが……」
空を見ると、シャトルとムラサメは、既に彼の力も届かないところまで昇っていた。
「くそ……とにかく議長に知らせなくては」
護衛の青年・サンドマンは、二本に編んで垂らした長い前髪を、忌々しそうにかき上げた。
バビを全機破壊した一機のムラサメ。かつてはバルトフェルドの搭乗機であったそれに、今、乗っているのは、最強のMSパイロット、キラ・ヤマトその人だ。
「キラ様がやってくれたようです。ラクス様」
キングに化けていた男は後部座席に座る、本物のラクス・クラインに声をかけた。今回の計画は、ヴェルサスの考案(ヴェルサスは『原作』の知識を流用しただけだが)である。
ラクスはプラントの様子や議長の内面を探るために、宇宙へ上がることを決意したが、そのためには地球の外へと行けるだけの乗り物が必要だ。しかしすぐに調達できるものではない。
そこで、ラクスを演じるミーアが乗るはずだった、このシャトルを奪うということになった。本物を演じる偽者を、更に本物が演じるという奇妙な計画が実行されたのだ。
ただ原作とは状況が違い、現在フリーダムは修理中で動かせない。キラはバルトフェルドが乗っていたムラサメを使ってシャトルを守る手筈にはなっていたが、不安は残る。そこでケンゾーに連絡し、ディオキア基地にいる彼の信者三人を使わせてもらった。
結局信者たちは、足止め程度の役にしかならなかったが、それでも足止めが無ければ今頃追いつかれていただろうことを思えば、充分役立ったといえるだろう。
「しかし……キラ・ヤマトは敵を殺さないと聞きましたが……」
男が見たところ、ムラサメに撃墜されたバビのほとんどは、コクピットまで破壊され、パイロットの命も助からないだろうと思えた。
「……キラは、バルトフェルドさんの死によって思い切ってしまったのです。人を殺めることを。私たちを守るために」
ラクスは哀しげに顔を伏せる。キラは、バルトフェルドの、死から逃げるなという遺言を、半端に受け止めてしまった。死を背負う覚悟を決めぬままに、死をもたらすことを決意してしまったのだ。
「お止め、しないのですか?」
男の言葉にラクスは首を振り、
「今は無理です。世界のために、戦いをやめるわけにはいかないのですから。私にできることは、一刻も早く、キラが戦わなくてもよい世界にするために、宇宙に昇ることだけです」
ラクスはキラが現状情緒不安定であり、他者を殺してでも親しい者を守らなくてはならないという、一種の強迫観念にとりつかれていることはわかっていた。それを無理にやめさせることは、彼の精神を更に傷つけ、闇に押し込めることになることも。
彼女はどれほどの犠牲が出ても、自分の行動を曲げることはない。自分が正しいことをしていると信じきっているために。
しかしかといって、彼女に他者を思いやる愛がないわけではない。その善意が余計なおせっかいであっても、無理矢理押し付けてくる、危険な優しさであることは否めないが、それでもだ。
だからラクスは、恋人であるキラを思いやり、その思いやりを正しいことと考え、キラが犯す殺人も、正しさを貫くための犠牲として受け入れる。
プラントの行いが、正当防衛と言葉を飾っても結局戦争であることに変わりないと、批難するのに、キラの行動は許す。矛盾だらけの思考に思えるが、ラクスはその矛盾に気付いていない。
『ラクス!!』
キラの顔がモニターに映る。そのとき、この空域にいるMSは、ムラサメ一機のみとなっていた。
「キラ!」
ラクスの顔が嬉しそうに輝く。
『ラクス……本当に僕は一緒に行かなくていいのかい?』
「お気持ちは嬉しいですがキラ。あなたが守るべきは、私だけではありません。私が宇宙に行っている間、地上にある、守るべきものを守っていただかなくては……」
以前より、若干生気の薄い顔のキラは、心配そうな表情をつくる。
『けど……』
「わたくしなら大丈夫ですわ。必ず帰ってきます」
『でも君までいなくなってしまったら僕は……』
キラの目に、チラリと狂気の片鱗が覗く。唇が引きつり、体が小刻みに震える。
「任せてください。私が責任を持ってお守りいたします。ヴェルサスさんの依頼ですからね」
男は、以前命の危機を、ヴェルサスに助けてもらったそうだ。そのとき負った怪我は酷かったらしく、今は身体部分の幾つかを機械で代用している。
そのときの恩を返すため、ヴェルサスからのラクス護衛任務依頼を請け負ったとのことだ。
「そういうことです。あなたはあなたのために戦ってください。バルトフェルドさんの分まで」
ラクスが子供をなだめるように言い、ようやくキラは頷いた。
『……わかった。本当に、無理しないでよ』
やがて通信は届かなくなり、シャトルは大気圏外へと脱した。
「さて……連絡しておいたクライン派と合流したら、議長が研究をしていたというコロニー・メンデルの調査、新型MSの開発状況の視察……いろいろとやることはありますな」
男は、ヴェルサスから『原作知識』の情報を聞いていた。これからラクスがどこで何を見つけるのかといったことも少しはわかっている。それでも、この時期のラクスの行動は原作においても描写が少なく、確かなことはわからないので注意せねばならない。
支援
「存じています。確かに課題は山積みですが、世界の平和のために、骨身を惜しんではいられません。ところで……二つほど言いたいのですが」
「何か?」
ラクスは男に質問する。
「もともとこのシャトルに乗っていらっしゃった、パイロットの方々はどうしたのでしょうか?」
「ああ、彼らなら丁重に降りてもらいましたよ」
「あら、何時の間に。ではもう一つは……」
「もう一つは?」
「もう、変装を取ってもよろしいのではないかしら?」
「……ああ。これはうっかりしておりました」
男はかつらを取って、横に放り、顔をぬぐってメイクも落とす。
「ともあれ、私も精一杯務めさせて頂きますよ。ラクス・クライン」
男は嘘を言った。パイロットはシャトルを降りていない。ただ、原型がないほどにグシャグシャになり、ゴミ箱に捨てられてしまっているだけだ。
男は真実を言った。精一杯務めるつもりだ。ヴェルサスからの依頼……ラクスの監視と、後々、邪魔になりそうなクライン派メンバーの排除に。
(さて……いかに殺人と思われぬように殺すかが問題だな)
かつらを取り、触覚を何本も生やしたような髪型に戻った男は、楽しそうに考えをめぐらす。そんな男の思考に気付くこともなく、
「頼りにしていますわ。チョコラータさん」
ラクスは男の名を、にこやかに呼んだのだった。
To Be Continued……
こ、こぇぇぇぇ……
ラクスもチョコ先生も……
GJでした
以上です「PHASE20:絡まる運命」に登場したミーアの護衛の正体判明しました。
微妙に原作に縛られ、振り回されそうになっているヴェルサスにちょっと“小物らしさ”を感じた。
これならどちらにも勝機がある、かな・・・?
護衛の人はてっきりイケメンの人かと思ったけどサンドマンだったか
ところで
>裏切り者二人が盛大に吹っ飛ばされた。裏切り者二人が盛大に吹っ飛ばされた。
ここミスなんじゃ?
>>398 ミスでしたすいません。2回書く必要はありません。
おおおおおGJ!!!
あれ?スタンドで殴った描写が無いな?と思ったらサンドマンで鳥肌!!
最初は、ん?ナランチャ?と思った。でもナランチャにしては何か知的だぞってwww
サンドマンはある意味一番種の世界に似つかわしくない人物ですよねwww
インディアンの暮らしから一転、SFの世界だなんて。秘蔵の白人本の中にHGウェルズの本があって適応したとかwww
が、まさかって感じだがぐっと来たぜ!
生身でMSに上るって、これなんていう東方f(wry
イン・ア・サイレント・ウェイがここまで強力なスタンドとは・・・。
『音』だから『広がる』!!巨大なMSにサンドマンが勝てるのは当然の結果だったッ!
そしてラクスとチョコ先・・・。
自分の狂気に気付かない狂気と、
自分の狂気に前向きな狂気がそろうとどうなるのか・・・?!
これからに期待ですw
GJ!
チョコ先生を頼りにするなんてwwwラクスww
明らかにオワタフラグだよなw
ここは一つチョコ先生にラクスを治療してもらうということで。
ああ、蓮見琢磨よ双葉照彦よ。速く来い来いガンダム世界。
小説版のネタバレはどうなのかと…。
と言いつつ琢馬ならキラを上回るパイロットになれそうな予感w
ネタバレって何時発売された話だと思ってるんだ
でも四部小説とか荒木が書いてないのに結構受け入れられてるよね
やっぱり質がよければ受け入れられるってことなのか
露伴の一人称とか気になるところはあるけど良質だし、ジョジョが好きだってのがよくわかる>4部小説
しかし琢馬のザ・ブックは分かりやすい能力だけど、照彦の能力がいまいち分からん
読み直してくるか
露伴の一人称は結構気になったけど、あれは康一君との差別化のためじゃあないかと思った。
両方とも「ぼく」だからどっちが喋ってるのか判り難いという点で。
ストーリーはジョジョらしくなかったけど、バトルがすごくジョジョらしくてよかった。
すいませんまた波紋の話に戻りますが、第1部、第2部の身体能力はやっぱり凄いと思う。
とくに吸血鬼の筋力は人間をあっさりとぐちゃぐちゃにしていたし……。
スタンドでもあれぐらいのことはできるだろうけど第3部以降はそういう描写はあまり見られなかったのはやっぱり規制か……。
しかし、それに対抗できる波紋は実に便利だよな。
身につけたら持久力と回復力は格段に上がるし、結構色々できるから一定のレベルを身につけていたらかなり有利なのでだからつかわれなくなったんだろうな。
スタンドが出てから
生身でも強い奴があんまり居なくなった
承り、プッツンしたリーゼント、キレたトニオさん、エルメェス兄貴、ポルポルくらいしかいねーよな
ケンゾーは?
暗殺風水のトリッキーぽさが目立つのとドラゴンズ・ドリームの印象が強いせいか、ケンゾー自身が強いって感じがしないような
>>410 単に正面対決が減ったから人間ぐちゃぐちゃが無くなったんじゃない?
規制は無いと思う。むしろグリーンディの方が気持ち悪いし。
一部のジョナサンとか、完全に北斗世界の住人だったな
つか絵柄の変化だから仕方無いけど、3部以降のDIOのジョナサンボディ萎み過ぎ
6部に至っては最早首から下がジョナサンボディって設定を荒木が覚えていないのではと疑ってしまうくらいの細さ
漫画だからいい加減なところがあるのは仕方ないと思います。
実際に第3部のDIO閣下の身体能力が第1部クラスだったら丞太郎たちは負けてたでしょうし……。
DIO閣下の第1部の筋力で投げられたナイフなら鉄板でも仕込まないと間違いなく貫通(少なくとも原作で丞太郎に撃ち込んだ拳銃弾なぞ問題ではないと思う。)されますし少なくとも雑誌など防ぐことは無理かと。
実際のところDIO閣下がスタンドにくわえて岩をも砕くパワーと豹並みのスピード(SWの目測によると)目からビームや気化冷凍法、使い捨てゾンビ軍団+スタンド使いの刺客をフル動員して仕掛けてきたらたまったもんじゃないですし。
ただこれは体が馴染んでいなかったからここまでできなかったという見方もありますが……。
>>416 投げナイフに関しては、一部ディオレベルだと雑誌だけで防ぐのは無理っぽい。
しかし、敵の身体能力が一部レベルでも正面対決じゃあ、スタプラ、チャリオッツ、マジシャン、ハイエロには勝てないよ。
スタプラは弾丸を止める精密動作+スピードと、地面に一撃で大人4人が隠れられる穴を開けるパワーがあり、
チャリオッツは空中の炎とコインが重なった瞬間に刺し通す精密動作性+スピードと、何でもスパスパ切れるサーベルを持ち、
マジシャンは投げられた鉄格子を空中で蒸発させるほどの炎を出せ、
ハイエロは車やエジプトのタワー・時計台を破壊する威力のエメラルドスプラッシュを撃てる。
で、一番なまっちょろいジョセフはというと、波紋が使えるのでゾンビ系にはほぼ即死攻撃が可能。
という事で、DIOがゾンビ軍団を出したところで今よりも弱くなるだけだと思う。
まあ、普通のゾンビはエンヤ婆戦で星の白金に対抗できないのは立証できてるしな
吸血鬼といえばヌケサクとヴァニアがいるが、やはりスタンド能力に依存してるしね・・精々ちょっと頑丈なだけだし
ヌケサクとか、一部でディオに仮面つけられて吸血鬼にされた浮浪者より弱そうw
ヌケサクはどうか知らんが、ヴァニラは確実に一部基準だったら屍生人じゃん
ガルナハンで切り裂きジャックを操ってレイを誘惑したのをはじめ
いろいろ暗躍してたのはストレイツォで間違いないんだよな。
当然とはいえ素顔を晒さず、またポルナレフとの因縁も強調してたから
てっきりヴァニラが偽名使ってるのかと勘違いしかけた事もあったんだが。
しかしDIOへの忠誠や執着という点からすればヴェルサスとの対面も
一度見てみたくはある…
吸血鬼の体液=屍生人エキスでいいんだっけ?
それならヴァニラは確実に屍生人化してるよな
自分で自分の首をはねた後にDIOの血液を注がれてるから
ヴァニラは吸血鬼化したよ。
前にも少し話題にあがったけど、とりあえす
吸血鬼に血を吸われる→屍生人
吸血鬼の血を貰う→吸血鬼
だと思ってる。
たしか『吸血鬼』は波紋の正反対の力なんだよな
だったらツェペリさんの波紋がジョナサンの胎内に残留して花を咲かせたり
ツボを押して一時的に波紋を練れるようにしたみたいに
吸血鬼にすることも出来るんじゃねーの?
柱の男という絶対的に上位の捕食者が居ない状態では、常人にとっての
脅威という点で吸血鬼と屍生人にあまり厳密にな差はないのかも。
屍生人ながら本来の知性や理性をほぼ維持していた黒騎士ブラフォードの例もあれば
第二部でカーズがかき集めた連中のように確かに石仮面で変貌していながらも
能力・品性とも第一部のザコ屍生人と大差ないのもいるし、個人の資質にかかる所も
かなり大きいのでは。
個人的にヴァニラの場合はブラフォードと同じタイプかと推察してるが。
そういやポルポルに串刺しにされても再生しなかったな、ヴァニラ
Dioはあっという間に治ってたのに
結局荒木はあまり細かい事まで気にしてない
重要なのは人間賛歌でおk?
おk。
人間賛歌状態になるとザコのペッシですら超強敵化するからな
だが人質をとっただけで「ゲス野郎の魂に堕ちた」とか散々に言われてしまうペッシ
あそこでのペッシの行動ってチームの任務としては別に間違ってないよな
あれは人質振りかざした瞬間「ブッ殺すブッ殺すと言って自分達を慰めあうフヌケ共」に成り下がったという事ではないだろうか。
ボスの娘諸共暗殺せよという指令ならあの場で亀を釣り上げて叩き潰せば十分に可能だった訳だし
いや、トリッシュは生きてなきゃダメだろ
メローネのベイビィフェイスで使うんだから
ブチャラティに絶望を与える方を優先したからペッシはゲスになっちゃったんじゃなかったかな
悲しいねえ
悲しいねえ
ふと思ったのだがスタンドは一つの能力しかない専門系の異能ですが、たとえば種のようなロボットものやジョジョのようなそうでない作品でも十分に活躍できる対応力があるスタンドはなんだろう?
個人的には、DIO化したヴェルサスも見てみたい気もする。至高の暗黒の血統が気づかれる
さまも見てみたい。
>>437 レッチリ、ウェザー、ハイプリエステス。
他、スピードと精密動作がB以上なら操縦のレベルがあがりそう。
>>439 たしかに、スタンドに操縦させるという発想には凄くやられました。スタプラとかは本気でやったら機体のほうが対応できなくなるでしょう。しかしスタプラとかワールドでもPS装甲はぶん殴って破壊できないだろうな・・・。
光速を超えられるんだから、効きそうな気もするが。
キンクリ&エピタフ
攻撃がまったく当たらない超パイロットボス
ヴァニラアイス
ロボとかそれ以前に無敵の亜空モード
ノトーリアスBIG
撃墜された瞬間戦場が阿鼻叫喚の事態に
エボニーデビル
遠隔操作で一人モビルドール状態
ダイバーダウン
工作員として敵の兵器に細工するのに便利
ザ・ニュー神父
加速状態でMSの接触事故多発
ロリコン猿
MSが巨大化するんじゃねーの?
しかし、種氏の世界でよかった。UC世界ならジョジョキャラの輝きが強すぎて、UC側のキャラがかすんでしまう。
種氏世界ならかすんでしまってもいいよなキャラが多いからいいけど。
まあ、濃さではな
素で強化人間より逝ってる人がいるし
電波度なら神父のが強い……
が、十分霞まないと思うが。種キャラよりもキャラが生きてるし
ストーリーに合わせて動くキャラはまず霞まない。
自分も同感だな
個人的にはジュドーやガロードと若ジョセフのチームとか見てみたいな
気が合いそうだし
アムロやカミーユは花京院とかと相性いいかも
>>442 さすがにクリームは強すぎでした。飛行+無敵防御+無敵攻撃はチートすぎです。
さすがにボス以外でクリームよりも強いといえるスタンドは殆ど無いといっても過言ではありません。
447 :
通常の名無しさんの3倍:2008/12/10(水) 17:41:20 ID:Yl6a7PSa
エコーズは?
エリナ・ジョースターとか、リサリサとか、ホリィ・空条や双葉千帆などの母親キャラは出ないのだろうか。
死んでるか分からない人もいるけど。
>>448 そのメンツで死亡したかがはっきりしてるのはエリナさんだけだよ
あと千帆の母親は死んでない
リサリサは流石に6部の時点では死んでると思うが…
12時ごろ投下しようと思います。
投下できなくなったら、避難所に投下します。
ラクス・クラインのシャトル強奪。この報告はすぐにデュランダルの耳にも届いた。彼とてこの事件は予想外であり、驚きの声を漏らさずにはいられなかった。
「申し訳ありません。私が撃ち落としていれば……」
『いや。君がミーアたちの命を優先した判断は正しい。君の任務はミーアの護衛なのだから』
デュランダルはため息をつきながら、サンドマンを慰める。
『ラクスの調査はこちらでする。君は今までどおりの任務を続けたまえ。今の情勢だと、いずれ別の任務を与えるだろうが……』
「了解しました」
通信は切れ、サンドマンは基地の通信室を出る。現在、基地は墜落したMSによる被害、シャトルの喪失などで、ミーアの帰還もおぼつかない状態だ。それでも明日にはミーアを送り出すようにする手筈だ。このまま地球にいるのは危険すぎる。
ラクスたちに協力し、サンドマンの邪魔をした3人は、捕らえられた後、死んだ。奥歯に仕掛けてあった毒のカプセルを飲んだのだという。彼らの部屋を探したが、特に何も見つからなかった。
ただ状況や言動からして、なんらかの狂信的な組織に所属していたことは確かだった。計画はそれほど緻密ではない。より調べれば、何かつかめるであろうが、それはサンドマンのすることではない。
彼はミーアに割り当てられた客室に戻った。ノックをして中に入ると、ベッドの上に膝を抱えて座るミーアがいた。
「サラたちはどこに?」
「……明日、シャトルに乗れるよう、手続きに」
「そうか」
サンドマンはミーアの隣に座る。そして待った。何十分か経過した頃、
「………サンドマン」
「うん?」
「ラクス様、怒っているよね?」
ミーアが震える。
「私を……偽者の私を、怒っているよね。だから、だからこんなことに……だから、基地の人も死んじゃって……」
その水色の目から、涙がこぼれる。MSのパイロットが殺されたということを知ったミーアは、恐怖と罪悪感に沈んでいた。今までに抱えていた、不安が現実に具現化したことに、震えていた。
「私がいなければ、こんなことには……」
「なんだ、そんなことか」
だがサンドマンはなんでもないように、そう言った。
「そ、そんなことって」
「君に責任がまったくないとは言わない。責任を感じることは、責任を感じないことよりはいいだろう。だが、死んだパイロットたちの命まで、全部君が背負おうと思うのは、さすがに傲慢というものだ」
サンドマンは首を振り、
「彼らは自分たちの意志でMSパイロットとなり、それぞれの理由で戦った。彼らが全員、君のために戦ったと言うのか? 君は、彼ら全員が命を賭けるほどの存在か? 君は自分が世界の中心にでもいるつもりか? この世の死は全部君が原因だとでもいうのか?」
「そ、そんなの、でも、ミーアはそうでなくても、今の私は、ラクスで」
「君が本物のラクス・クラインで、シャトルを強奪したのが実際に偽者であったとしても、同じことだ。ミーアもラクスも、ただ一人のちっぽけな、砂漠の砂粒程度の人間だ」
サンドマンはどうにも腹立たしくてならず、ついつい攻撃的な口調になってしまう。あのラクス・クラインの行いが、ミーアを傷つけていることが、許せないのだ。ラクスを騙ったミーアと、破壊と強奪を行ったラクス、どちらがより正しいかは問題ではない。
正義や善意ではなく、ただの身贔屓で、サンドマンはミーアの味方だった。だからこそ、彼は絶対的にミーアの味方であるともいえる。守りたいもののためなら、悪であっても構わないし、どんな汚名も犠牲も身に受ける。それがサンドマンという男であった。
「……だから、あまり気に留めるな。ドゥワミッシュ族の言葉にこんなのがある。『死は存在しない。生きる世界が変わるだけだ』とな。彼らの死を哀しむより、向こう側での幸せを祈ってやれ」
やや目をそらし、とあるインディアン部族の言葉を引用するサンドマンに、ミーアは目をパチクリさせた。
「あの……ひょっとして慰めてくれてたの?」
「………」
サンドマンは何も言わなかった。照れているらしい。
「くすっ、ありがとう」
ミーアは笑った。そのことにサンドマンは安堵する。
彼は彼女の歌が好きだった。歌う彼女が好きだった。昔、彼はサンドマン(砂男)ではなく、サウンドマン(音をかなでる者)という名であった。だが、故郷も部族も、最愛の姉からも自らの意思で遠く離れ、サウンドマンの名で呼ばれることはなくなってしまった。
今の彼にあるのは、破壊をもたらす音の力、『イン・ア・サイレント・ウェイ』のみ。
だからこそ、人々を楽しませ、元気付けられる音を出せるミーアは、彼にとって尊敬にさえ値した。自分よりもすっと、高貴な音の力を持っている彼女を、守ろうと思った。
親が子を守るように。兄が妹を守るように。―――自分を、姉が守ってくれたように。
「……姉ちゃんなら、もうちょっとうまくやれたんだろうけどな。どうも、俺は自分の考えを他人にわからせるってのが苦手らしくてさ」
サンドマンは他人に理解してもらう前に、一人で突っ走ってしまう欠点がある。人と協調することができないその性格を、よく姉に叱られたものだ。
「あら、お姉さんがいるの?」
「ああ。サラと同じくらい力も気も強い人でさ。頭が上がんないよ」
「ひょっとして、だからサラが苦手なの」
「……否定はしないけどね」
それから二人はサラが戻ってくるまで、とりとめのない会話を続けた。その頃には、ミーアの顔から影も消えていた。
―――――――――――――――――――――――
支援
ラクスが天へ昇っていった頃、ミネルバはジブラルタル基地に到着していた。ここでしばしの補給と休息をとる。そして時期が来たら、おそらくは目と鼻の先にある地球連合軍の最高司令部、アイスランドの『ヘブンズベース』との対決に駆り出されるだろう。
この戦争も煮詰まってきている。それも全体的にはプラント優位で。王手をかける時期も、そう遠くはあるまい。しかし、そうしたことに考えをめぐらす余裕は、ルナマリアには無かった。
「お姉ちゃん。ちゃんと食べなきゃ駄目だよ?」
食堂で、向かいの席に座るメイリンが話し掛ける。
「………食欲、ないの」
運ばれてきてから、少しも手をつけていないミートソース・スパゲッティを前に、ルナマリアは答えた。
「そんなこと言ったって、自室にいるときも全然食べないじゃない。ただでさえ体力のいる仕事なんだから、体持たないよ!」
「……ごめん」
ブチャラティとの衝撃的再会から、ルナマリアは仕事の時間以外はほとんど自室から出ていなかった。ろくにものも食べない彼女を、メイリンは心配して、無理矢理食堂に引っ張ってきたのだが。
「その……お姉ちゃん。ブチャラティさんのことだけど……」
メイリンは、あれから初めて、そのことを切り出した。
「……言わないで」
ルナマリアは短く、しかし完全無比なる拒絶を返す。
「もう、あの人のことは忘れた方が……」
「言わないで」
「想っていたって、あの人は敵で」
「言わないでって言ってるでしょうッ!!」
テーブルを強く叩き、その衝撃でコップが倒れ、水がこぼれる。食堂にいた者たちが、その怒声に驚き、彼女らを見る。
「ひょっとしたら、お姉ちゃんに近づいたのだって、何か情報を聞き出すのが目的で」
「あの人はそんな人じゃない!!」
実際、状況から分析しても、計画的に接触したのでないことは確かだ。けれどルナマリアは理性ではなく、感情によって、妹の言葉を否定した。
「ブローノさんは、ブローノさんは……!!」
目に涙を浮かべて、姉は妹を睨みつける。久しぶりに見る、沈み込んでいた姉の生きた表情だったが、妹は喜べなかった。
「片手で数えられる程度しか会っていない人でしょ! お姉ちゃんがそんなに苦しむ必要ないじゃない!」
今まで姉を案じ続けたストレスのたまっていたメイリンは、ルナマリアの怒りに触発されるように、感情を発散してしまう。
「あなたは人を好きになるってことがわかってないのよ!!」
もう一度テーブルを強く叩き、ルナマリアは妹に背を向ける。メイリンが呼び止める声も無視して、ルナマリアは食堂を出て行った。
その姉妹喧嘩を見ていた人々は、重く気まずい空気に潰されたように、その場を動けずにいた。ただ一人、食べかけのサンドイッチを残し、ルナマリアに続いて食堂を後にした男を除いては。
ルナマリアはこぼれる涙をぬぐいもせず、廊下を歩いていた。その勢いと速さは、走っているというに近く、身にまとう激しい空気に、通りがかる者は皆、振り返りながらも話し掛ける勇気を持てなかった。
「馬鹿……馬鹿……!」
ルナマリアの口からは罵りが流れていた。その罵声は何に対してのものか。
愛する男が敵であったという事実。妹への苛立ち。戦争という時代。そのすべてを内包した世界の全てに、彼女は怒りを向けていた。それは、かつてシン・アスカが抱いたものに、近しいものだった。あまりにままならぬ、無情な運命に怒りを燃やす。
しかし彼女も愚かではない。ただ運命を恨むだけでは、何も解決されないのは理解している。ただ、何をどうすればいいのかわからないだけだ。
(私は……あの人と戦えるの?)
ルナマリアが戦えるようになったのはブチャラティのおかげ。シンにとってのステラとポルナレフを合わせたような存在なのだ。今の自分の支えたる人物を、自ら討つことなどできようか?
(間違いだったの……? 出会いも、想いも、何もかも………!!)
「ルナマリア・ホーク」
彼女の背中に声がかかった。それは、つい最近出会ったばかりの男の声だった。
「……何よ」
つい立ち止まってしまった彼女は、不機嫌な声をよこす。
「話を聞かせてもらおう。少しは助言できるかもしれない」
ウェザー・リポートは、無礼な返答に苛立つこともなく、彼女に手を差し延べた。
ルナマリアは話した。ブチャラティとのことを。なぜ、ろくに知りもしない男に話したのか。
あるいは、ろくに知りもしないからこそだろうか。ともあれ、自分の心理を分析できるほどルナマリアは落ち着いた状態にはなかった。ただ話したら楽になるかもしれないと単純に考えて話した。
話している間、彼女はウェザーの反応を見ず、虚空を眺めながら、心の内をただ吐き出す。その内容は、最初は惚気話に近かったが、最後には自分自身を切りつけ痛めつけているかのようなものになった。
それをウェザーは黙って聞いていた。
「好きだった。愛していた。信じていた。もっと彼のことを知りたかった。………けど、敵だった……」
その言葉を最後に、ルナマリアは口を閉ざした。
「……それで終わりか?」
やはりウェザーの顔も見ずに、ルナマリアは頷いた。
「なるほど……そうか。それで?」
「……それで?」
これ以上何があるというのだろう。最も愛しい人が、自分の敵で、おそらくは自分の同朋を何人も殺した事のある存在であった。この悲劇以外に、何があるというのだろう。
「好きな男が、敵の陣営の存在だった……。許されない恋だった。それはまあわかったが……それで」
ウェザーは、ようやくこちらを向いたルナマリアに、
「それでなぜ……それが間違っていたことになるんだ?」
冬の晴れ空のように、静かで冷静な表情で問いただした。
「なぜって……」
「聞けば、そのブチャラティという男は、狙ってお前に近づいたわけではない。お前がザフトで、彼が連合だったというのはたまたまだ。彼がお前を騙していたというのならともかく……そいつは間違いなく『いい奴』なのではないか?」
ルナマリアは目を見開いて絶句する。ウェザーが、ブチャラティを肯定したことに驚いて。
「お互いの立場は確かに問題だろう。だが本当にそれだけだったら……お前もこんなに苦しんでいないはずだ。お前が苦しんでいるのは……その想いが間違っていないのに、許されないからだろう。
はじめから悪くないものを、正すことはできない。解決できない。だから……苦しむ以外、どうしようもない」
誰も悪くない。それなのに現状は最悪。今更な、どこにでも転がっている理不尽な運命の一欠けら。
「少しはわかる。……俺にも経験はあることだからな」
「じゃあ……どうしたらいいの? この苦しみ、想いを、どうすればいいっていうの!?」
「……忘れるな。報われないかもしれないが、それでもその想いには、想い出には、意味があるはずだ。忘れてしまったら、きっと本当に取り返しのつかないことになる」
ルナマリアの絶叫に、メイリンとは逆のことを言うウェザー。その言葉は、実感と経験に裏づけされていた。
「いずれまた……そのブチャラティとも会うだろう。それほど縁があるのなら。そのときに決着をつけられるだろう。それまでは……耐えろ」
「………耐えられると思う?」
「耐えるだけの強さは、ブチャラティからもらったのだろう?」
ルナマリアはその言葉に、やや悲しく、弱々しいながらも、久しぶりの微笑みを浮かべた。
「………そうね。そうだった」
「あともう一つ忘れるな。他の誰が間違っていると否定しても、この俺だけは否定しない。そういう奴もいるということをな」
ウェザーには否定できない。彼もまた、許されない恋をした者だから。
あのプッチ神父の言葉が正しければ、血の繋がった妹と、知らなかったとはいえ恋に落ちた者だから。もしもあの悲劇が起こる前に、ペルラが自分の妹だと知っていたら、故意を諦めただろうか?
ペルラの意思を確かめようも無い今となっては、わからない。しかも、自分は彼女のことを忘れてしまった。プッチ神父に記憶を奪われ、愛も、苦しみさえも、なくしてしまった。
記憶を奪われたあの虚無感。徐倫に出会うまでの無感動なつらさに比べれば、記憶を取り戻した後の痛みや憎しみの方が、まだ満たされていた。それは、自分と彼女の愛の証明であったから。
ウェザーはルナマリアに助力する術はなかったが、せめて、彼女の幸福を心から祈り、願おうと思った。
「うん………ありがとう。あなた、ブローノさんの次くらいに、いい男だわ」
「光栄だな」
ルナマリアは少しだけ救われた。自分の想いに価値があると、認めてくれる賛同者の存在によって。たとえどんなに先が見えなくても、耐えられる。
ウェザーの言葉どおり、強さはすでにこの手に宿っているのだから。心の温もりと共に。
彼女はそれを思い出していた。
―――――――――――――――――――――――
二人の少女が、共に慰められ、いつもの自分を取り戻そうとしている頃、デュランダル議長はポルナレフと通信を交わしていた。
『こいつは……!!』
モニターに映った映像に、ポルナレフは息を呑む。
そこには一人の男の姿が映されていた。頭に銃創を刻まれ、血を流しながらなお、殺意衰えない眼力を宿した男。長い黒髪をなびかせ、貴公子の如き美麗な顔ながら、口元から覗く鋭い犬歯が、男の異様さを浮き上がらせていた。
「先日、ラクスとアークエンジェルの行方を調べていた部隊が、全滅した。犯人はこの男だ。この映像は、マシンガンでヘルメットをふっとばし、中の頭部にも多少の損傷を与えて、やっとふらつかせることに成功した隙に、撮ることに成功したものだ。
この映像を持ち帰ったのはたった一人。部隊の他の人間は皆殺しにされ、帰った一人も重傷で、昨日、息を引き取った」
『ダボが……!!』
ポルナレフが拳を握り締めて唸る。
「不死身と噂される漆黒のテロリスト。形兆から後に話してもらった話では、レイを勧誘した吸血鬼。今回、調査隊を襲ったところから見て、おそらく、アークエンジェルにいるという謎の邪悪、ヴェルサスとも繋がっているのだろう」
『そんなことはどうでもいい』
ポルナレフは、今にもモニターの映像を切り崩してしまいそうな衝動を抑えていた。
『俺が奴をぶっ殺すことに、変わりは無いんだからな』
「そう……そうだね。それが君がザフトにいる理由なのだからね」
デュランダルは沈痛な表情をつくる。それは人を惹き付ける為の、好意を買う為の演技などではない。友を心配する本物の感情であった。
『ああ……シェリーの仇……必ず』
そいつこそは、かつてポルナレフの友、シェリーを殺した男。
『待ってな……ストレイツォ!!』
ポルナレフは仇の名を胸のうちに刻み込むように、呟いた。
通信を終え、デュランダルは知らず知らずにため息をついていた。
「不確定要素が多すぎる……」
キラやラクスもそうだが、ポルナレフたちも立派な不確定要素だ。
J.P.ポルナレフ、虹村形兆、サンドマン、辻彩……誰もが凄まじい『魂』の持ち主だ。その強靭な精神は、他者にも影響を与え、勇気を与えている。
『彼ら』は、こことは異なる次元から来たはずだ。人間が月に行くのがやっとの科学しか持たない時代から来たはずだ。巨大なロボット兵器など夢物語の世界から来たはずだ。
サンドマンに至っては、ガソリン自動車も生まれたばかりの時代から来たという。にもかかわらず、彼らは立派にこの世界に順応している。いくら人間が状況に慣れる生き物のいっても、その対応力は驚異的だ。
「それが……スタンド使いというものなのかもな」
スタンド使いの条件は強い精神だという。強い精神というのは曖昧で漠然としているが、デュランダルはそれを、状況に流されず、社会に依存せず、己の意思を曲げずに生きるということではないかと考える。
『彼ら』は周囲がどれほど変わっても、その意志や本質を変えようとしない。どれほどの力を得ても、そのことで思い悩んで自分を追い詰めたり、気を狂わせたりしない。ただ状況を受け止め、受け入れ、その上で自らの本質を変えずに、生き続ける。
「どれほど世界が変わっても、どんな能力を持ったとしても、結局のところ、彼らは彼ら……人間は人間。そういうことなのか?」
だとすれば、自分がこの世界を変えたとしても、人間は結局変わらないのだろうか。
それともそもそも、遺伝子によって個人個人の生き方をあらかじめ決めることは、無理だというのか。自分が考えていた以上に、人が思うままに生きようとする意志は強いのではないか。
「……いや、今更迷ってなどいられるものか」
デュランダルは、己の疑問を握りつぶす。長い時間と多くの謀(はかりごと)を費やして、ようやくここまで来たのだ。そのために出してきた多くの犠牲のためにも、こんなところでやめるわけにはいかない。
「『彼ら』のような、我侭な自由意志こそが私の敵だ。自分の意思のままに生きることで秩序を破り、人を傷つけ、最終的に戦争に至る。それこそが私の敵だと、最初から決まっていたことではないか……!!」
人は理不尽なる運命に対抗できない。ならば、最初から抗わなければいい。抗うからこそ、人は不幸になってしまう。最初から運命を知り、それを受け入れれば、何の不安もなく、平和な人生を過ごせる。
「私は……世界を救ってみせる!!」
それほどに自分に言い聞かせなければならないほど、デュランダルの心は揺れていた。
シンたちよりもよほど多く、長く『彼ら』とつきあってきた彼もまた、『彼ら』の魂の輝きに、影響を受ける者の一人だった。
―――――――――――――――――――――――
「もうじきだな」
ロード・ジブリールが赤ワインの入ったグラスを手にする。時が来たらばそれを掲げ、勝利を祝って飲み干すために。
吹雪も激しいユーラシア最北端、ロシア平原で、300メートルの巨体が動いている。地球連合軍の地上空母『ボナパルト』。その中央部に存在するドームには、ロード・ジブリールの黒い野望が鎮座している。
その名は『デストロイ』。単純かつ、非常に正確にその存在の本質を表した名を持つMS。普通のMSの2倍を超える巨体。禍々しい漆黒の怪物。
これから始まるのは、地獄。成功しようと失敗しようと、正気の沙汰ではない。
「さあ、我らの敵の何もかもを、その名の通りに破壊し尽くしてしまえ。デストロイ……!」
本来なら、ネオ指揮下にあるステラ・ルーシェが、能力や相性からいって、デストロイの力を最も発揮できるはずだが、もはやネオはブチャラティと親しすぎて信用ならない。
この作戦が終わったら、ブチャラティもネオも、まとめて『処理』する必要があるだろう。デストロイがあれば、その力を持ってすべて思い通りにできる。ブチャラティを使って、民衆のご機嫌をとるなどということも必要なくなるのだから。
力。それによってすべて支配し、すべて叩き滅ぼせばいい。
「それはそうと……ストレイツォは何をしているのだ?」
彼は自分直属の特殊機関、『ブードゥー・キングダム』の一員の名を口にする。彼らは通常は自由にしており、任務を受けたときのみ動く。ジブリールとて、常人を超えた力を持つ者たちを完全に支配できるとは思っていない。
使いたいときに使えればそれでいい。そう考え、連絡がすぐ取れるようにするという以外、行動の制限も監視もしなかった。しかし、現在ストレイツォとの連絡が取れない。
「……裏切りか?」
彼らとの主従関係は、ただ利害の一致につきる。彼らが望むものをジブリールが与えるから、彼らはとりあえず従っている。
チョコラータには殺戮を。フェルディナンドには、コーディネイターを罰する権利を。リンゴォには決闘の場を。そしてストレイツォには、その吸血鬼の力を、存分に発揮し、味わえる状況を、与えていた。
「しかし……奴らはコーディネイター以上の化け物。信用はならないな。調べる必要があるか……」
裏切りを疑うジブリールだったが、さすがにストレイツォがジブリールの配下になる前に、既にヴェルサスの下についているとまでは予想の範囲外だった。
いずれにせよ、ジブリールは彼らを危険視していた。味方としての『ブードゥー・キングダム』の存在を頼もしく思っていたが、敵とすればこれほどおぞましいものも無いとも、考えていた。
能力もあることながら、その邪悪さは、ジブリールをして鳥肌を立たせるほどのものだ。
しかも話によれば、そんな彼らでさえDIOやディアボロといった者たちの部下であったらしいが、彼らの上に立つ者がどれほどの怪物だったか、考えただけで立っていられなくなるほどだ。
「まあいい……。それでも所詮、私の持つ力には勝てないさ」
スタンド使いも吸血鬼も、所詮は個人。いくら人間離れしていようと、軍隊と兵器を持ってすれば蟻も同然。たとえブルーコスモスの支援者にして黒幕であるロゴスの、財力と権力をもってしても、今の肥大化した武力と暴力を御すことはできない。
そこまで思考し、ジブリールは気付く。
「そうだ……今の私は、ロゴスにも止められないのだ」
そして、陽光届かぬ深海のように、深く暗い、見る者の背筋を寒くするような笑みを浮かべる。
自分の暴走が、もはや誰にも止められないと、確信した笑みを。
To Be Continued……
以上です。『PHASE 31:疾走する時代』終了。
>>422 ストレイツォが最初からヴェルサスの部下として働いていることは、書いてきたつもりだったのですが、
・ PHASE 11「死に埋もれる大地」で、チョコラータを助けたとき、ジブリール以外の雇い主がいると言っている。
・ PHASE 18「闇の道、光の道」でのリンゴォと会話する男の説明に、『ブードゥー・キングダムの一員にしてヴェルサスの部下でもあり、チョコラータの救い手にしてポルナレフの仇でもある、漆黒のパイロットスーツヘルメットの男』と書いている。
・ PHASE 19「黄金の明日」で、黒いパイロットスーツとヘルメット姿のストレイツォを登場させている。
・ PHASE 30「天使の悪夢」で、ヴェルサスが保持しているグッチョを呼びに来るストレイツォの登場。
うまく伝わっていなかったようなので、今回改めて明言しました。
また、この作品では、石仮面の吸血鬼から、エキスを与えられるとゾンビになり、血液を与えられると同じ吸血鬼になるという設定で書いております。
ディモールトブラボー!おお…ブラボー!!
サンドマンが最初はミーアを貶す事を言って、だからこそ責任は無いと言って、慰めてるかと聞かれたら照れる・・・
もしやツンデレ…w
いや、ツンデレより光り輝く黄金の何かだ!
そしてルナを慰めるウェザー。
言ってみれば、知らなかったとはいえルナよ禁忌な恋で悲惨な結果になった人ですね。ウェザー。
こちらはルナの気持ちを受け止め、さらに先へ進めようとする。
ウェザー、流石に大人だ、と思った。でもきっと側で生暖かい息を掛けながら言ってたんじゃないかとwww
後ジブリールがブードゥーキングダムの元上司の事を思い浮かべて震えが来る所はついニヤニヤしてしまったw
確かにあれほどの連中の上に立つものを想像すれば同じ世界にいないことを感謝したくなるだろうなとww
一応自分は、ポルナレフの仇がスト様だとは何となく気付いてました。
確信はありませんでしたが。
吸血鬼設定も了解しました。
とにかくGJ!
投下乙です
自分はブチャラティの知り合いであるポルナレフがルナマリアの慰め役になるかなと思ってた
しかし、ストによくジョセフは勝てたような……。
あれは体が慣れてなかったことやジョセフが実にしたたかでまれに見る強運の持主であったからだろうな。
この世界にDIO閣下やカーズさまがいればどうなっていただろう。
ストレィツオが死んだら…
うわーんスト様死んだー、ポルポルのバカ!
っつー抗議の手紙がくるんだなwww
そういえば連合にはシェトロハイムが居たんじゃなかったっけ
そういや居たな。
そしてシュトロはスト様よりパワーは上のはず。
でもスピードで負けるからずんばらりん
いやサンタナ基準のシュトロハイムが吸血鬼に負けてる部分は無いでしょ
個人的には今のストレイツォのことを
ダイアーさんが知ってしまう時の方が気になる……
一緒にゾンビや吸血鬼と戦った友人が今じゃ吸血鬼とか……
ダイアーさんはその事実を知らないから、波紋の戦士ということで闇討ちされる危険も。
ストがらみでダイアーさんがレイに波紋を伝授す気がして仕方ない。
すなわちレイ(=ジョナサン)、ダイアーさん(=ツェペリさん)という師弟関係ができそう。
しかし、ヴェルサスが探していたのはやはり「天国へ行く方法」だろうか、それとも「矢」だろうか?
「矢」があればプチャラティやポルポルは使い方を知っているからロゴスにも勝てそうな気がするが。
しかし、ヴェルサス自体は小物だけどスタンド能力はマジで恐ろしいな本来知るはずのない重要情報も知ることができるし、場所限定だけど下手なスタンド攻撃よりもはるかに凶悪な一撃を与えることもできる。
矢の真の力を手に入れたらマジでヤバい。
そう言えば、意外にもこのスレは種キャラが波紋修得したり、スタンドに目覚めたりといったネタはまだ無いな
シンが矢に刺されてスタンド使いになるネタは考えたことあるけど、能力が思いつかないんだよな
デザインは、まんま荒木風デスティニーなんだけど
シンはとぅるるるるるるるるって言って妹と会話するのが似合ってる
>>482 まあオリジナルスタンドは色々と難しいから大変です。
ここに出ていない原作スタンドをちょっとアレンジして出せばそれほどバランスをとるのはむずかしくないでしょうけど。
たとえば水から水へテレポートできるクラッシュを影から影へというに変更したりとするとかです。
>483
それ考えると『ギーシュの奇妙な決闘』の『フェンスオブディフェンス』は秀逸だな。
強すぎもせず弱すぎもせず、使い方一つで強力な武器にも役立たずにもなる。
セッカッコー
シンのスタンドだが、インパルスっぽく三タイプに能力値が変化するってのは考えたこと有るな。
文字やフリーズが使えなくて格闘向きなエコーズってかんじで。
ソードはパワーAだが射程が短く精密動作性や持続力が低いとか、ブラストは射程と持続力が延びるが
一発あたりの威力が下がるとか……武装錬金スレのとかぶるが衝撃波を出す能力ってのはどうだろう?
フゥーム……
とりあえず、シンがプラントの本屋でスタンドに関する文献を探すところから考えてみるかな
その本屋でポルポル君がバイトしてるんだな
スタンドの能力を考える上で一番重要な要素がある。
それは『奇妙』である事。
最近の能力バトル系で出てくる奴には、それがない。
逆も真なり!
それがあれば、ジョジョに出てきてもおかしくない『スタンド能力』となる。
さて…ここに『矢』が一本あるんだが、試しにシンに刺していいかな?
別にキラでもラクスでも…それこそ、ルナマリアでもかまわないんだが…。
試して宜しいですね?
キラの精神力で矢の試練に耐え切れるのか?
いや、別に死んでもいいし。
つか、最近薄くなったどこぞこの負債のご加護とかあるから平気でしょう。
失敗しても、スタンドが『害』になって寝たきりなるぐらいにはなるでしょう。
まあ、冗談はさておき。
9割9部の確立で生死の境を彷徨うのは間違いないだろうが、
万が一にも目覚めたら、周囲の人間を『思考』を0にする能力とか得そうで怖い。
主人公のスタンドは『応用が利く事』を重点に考えられているようだけど、
敵スタンドは『奇妙な状況を作り出す事』を重点に考えられてる感じがする。
異常事態発生→こういう能力で起こしました
見たいな感じで。
例:階段を上ったと思ったら降りていた→時を止めて降ろされてました
船が勝手に動いているが敵が見当たらない→船がスタンドでした
いきなり口から剃刀を吐き出した→磁力で血液から作くられました
立禁止になっていた→空間ごと削り取っていました
00関連で刹那のを思いついた。
ガンダムの像が発現するのは間違いないだろうが、
おそらくこんなのだろう。
お、『目覚めやがった』な…おめでとう。
てめえは『スタンド』っていう能力を引き出した。
…なに?『スタンドってなんだ?』だと?俺が知るかよ!
てめえで勝手に考えろ。少なくても『本能』で使い方はわかるからよ!
それとおまけでてめえの『能力』を教えてやる。
発現させるとよ…剣を一本持ったMSみてえな人型が現れる。
そいつの剣が、面白い事にてめえの都合で『変化』するんだ。
ある時は『ダガー』。ある時は『ロングソード』、『ショートソード』…
剣身が光の粒子で出来た奴…『なんとかサーベル』って奴か?
…えーっと、これはなんだ…名前がわからんが、
特徴だけいえば『腕と一体化し折りたたみ式の大剣』か?
正しい名称なんざ、俺は知らねえからこれはてめえで勝手に名前付けるんだな!
変わりに俺がこの能力の名前を付けてやる!
『セブンソード』だ!どうだ、わかりやすくていい名前だろう?
…何?七つも変化しない?特訓して増やせ!!
と、シンプルに出してみるテスト
うむ、奇妙さが足りない。
ラクスのスタンドは『ピンク・フロイト』
そういえばちょっとオリジナルスタンドの話が出たけど。
中2病のやつなら例えばスーツ型スタンドでその能力は某とある魔術師の一方通行なトンデモスタンド造りかねないよな……。
だからほんとうに難しいよな。
能力から考えると中二になりやすいよ。
超スゴイ能力を考えてやろう!ってなるから。
超奇妙な現象を考えよう!→その原因の能力も考えよう。とすればジョジョっぽくなるはず。
中二病スタンド=いともたやすく行われるえげつない行為
その点、ザ・ブックはよくジョジョにマッチしたオリジナルスタンドだと思った。
ザ・ブックを読むとジョジョキャラの応用力や精神力はつくづく凄まじいな、マジで敵に回したくない。
またクレイジーダイヤモンドのパワーの描写もされていたけどやっぱりあれで生身を殴られると対物ライフルに撃たれるのと同じくらい体がぐちゃぐちゃになるっぽいな。
スタプラならオラオラでMBTを破壊できるのだろうか?
ダイヤ並の歯ををへし折るオラオララッシュか……
アレと互角にラッシュできる世界も相当ヤバイな
まあダイヤは斬る力には強いけど、打撃に対しては脆いからな…
あくまでイメージとしてってことだろうけど
UC世界でラスボスを張れるジョジョキャラってだれだろう。
やっぱり神父かDIO閣下かな?
しかも神父なら、ニュータイプ思想を鼻で笑い飛ばし、そんなものは天国の前には無価値だと言いそう。
SBRが完結したら大統領もいけそう
地球を代表する最高権力者だし
ディアボロは所詮影響力ヨーロッパだけだし、カーズは既に異なる生命体
カーズならMSの操縦覚えられるだろうが……ガンダムの趣旨にはあわんなぁ
やはり、神父かDIO閣下ですな。しかし、DIO閣下は死してなおその影響は絶大でしたし。
やはり器は最強でしたな、つくづくザ・ワールドがレクイエム化あるいは天国にいってほしかったです。
それに対抗するためにスタープラチナレクイエム(やはりこれこそ登場してほしかった究極のスタンドです)が登場!!ってのが見たかった……。
>>506 逆に考えるんだ
SPW財団を筆頭にスタンドの驚異を知る組織がいくつもあるから慎重に事を進めていたと考えるんだ
拮抗する相手が居なければ一気に勢力を広げるだろう
つーか純粋に組織の規模だけならナポリ地方の一ヤクザどまりなのに西欧全域に影響力があるって怖くないか?
レクイエム戦以降の一手がほんの少しでも狂ってたらディアボロの天下に戻って更に俗世で絶頂を極めたやもしれん
レクイエムか……
ノトーリアスBIG、ビーチボーイ、クレイジーダイアモンドのレクイエムが個人的に見てみたいな
あとハーヴェストレクイエムとかグリーンデイレクイエムはスーパーチート間違いナシだな
クレイジーD・レクイエムだと死人すら復活させそうな
ウェザーリポートレクイエム……あかん地球が滅亡するかも。
ハーヴェストレクイエムいいなレクイエム化すれば本来の能力もパワーアップするから破壊力レベルアップ、群体の数めちゃくちゃ増える+レクイエム化で防御完璧だめだこんなもの誰が勝てるか!!
でもみたい、しかし、ハーヴェストとても役立つよな。
ある意味、レクイエムを量産しなかった荒木さんは偉いと思う
ほんとインフレを避けるためにパラレルワールドまで誕生させてしまった。
ある一定の枠組みを守ることを死守したのは凄いと思う。
レクイエムはGEが誕生したことによってその役割をおえたとおもうし。GEこそ真のレクイエムだと思う。
メイドインヘブンはあくまで「天国」へ行くための手段だから、「究極」をめざしたGEにはかなわない(というかこれに勝てるやつっていないだろ…)だろうし。
あっハーヴェストレクイエムはSSで出てほしい。
GEは「話を終わらせる」ためだけのスタンドだからな
実質的な戦いは矢の争奪戦であり、最終的にジョルノの手に渡った時点で決着はついてるわけで
しかも幕を引くためだけのスタンドの能力が「何処へも辿り着けない能力」というのがまたエスプリが効いてる
丞太郎や神父が矢の真の力に気付かなかったのは正に「運命」と言えるものだったと思う。
たぶん、あの真使い方を知っているのはジョルノ、ミスタ、トリッシュ、ポルポルだけだろうから、
ポルポルが丞太郎に使い道を教えていれば第6部はなかっただろうし。
実際にあるスレでは第6部はいかに丞太郎を縛るかに苦心していたという意見もあるから。
丞太郎は強キャラ(隙がなさすぎるは精神力が強すぎるは)過ぎるからあまり出しゃばった時点でほかのキャラを喰ってしまう。
第4部は特殊すぎたり相性が悪いスタンドが多かったのとからよかったけど、第6部は癖があまり無いのが多かったのでああいう形で縛るしかなかったと思う。
そういう点からしてもハーヴェストは強すぎるスタンドだよな。第5部や第6部の強力なスタンド相手でも十分渡り合える。
またハーヴェストネタで申し訳ないが、久々に第4部のしげちーの話を読んだけど、本当にハーヴェストは日常生活にも十分役立つ(経済面でも)し、戦闘にも使えるから吉良に殺されなければしげちーの人生は安泰だったろうに不憫だ。
今のキラにとって一番食らいたくないスタンドはシビル・ウォーだな。
あれは罪(殺した者、捨ててきた物)のトラウマで攻撃するから、今のキラにとって鬼門だ。
ふと思ったが、スタンド能力(むろんGEレクイエムは例外)は他の能力者ものでも活躍できるのだろうか?
最近のそういったものはブギーとかはインフレがすごいからな……。
ハーヴェストでリセットに勝てるのか?あるいはスタプラでフォルテシモに勝てるのか非常に気になる。
スティッキーフィンガーズでとある魔術の世界で活躍できるのか非常に気になる。
かなり古いが、閉鎖のシステムはスタンドがあってもかなり追い詰められると思う
ジョジョキャラの精神力が暗闇の中の疑心暗鬼や混乱、誤認や錯覚にどこまで耐えられるか見てみたい
ジョジョキャラは疑心暗鬼に駆られると普通に慎重になる奴が多い。
エコーズ<「信じて!」
>>521 ひぐらしクロススレでも、K1達以上にドツボにはまる奴が結構出てきそうとか言われてたな
その筆頭に仗助が挙げられてたのが何かワロタw
なぁに能力バトル物のインフレの局地はすでにケン・イシカワが虚無戦記で完成させている
一方音石明は自らのスタンドを発光させた
おそらく今年最後の投下を始めます。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 32:悪事と地獄』
カイネギス・スカルミリオーネには夢がある。
人類の敵たる化け物を、一匹余さず駆逐し尽くすという夢が。
「男は死ね! 女も死ね! 老いも若きも誰も彼も! 化け物に味方する者は同じ化け物だ!! せめて俺を楽しませて死ね!! 心地よい悲鳴を聞かせてくれよぉぉぉ!!」
拷問や戦闘に、毒や薬物を好んで使う、卑劣で手段を選ばない性格と、素手でもコーディネイターを殺害できる筋肉質な巨体により、名を知られた男。
デストロイのパイロットに選ばれるだけの能力と、コーディネイターへの敵意を備えたエクステンデッド。
人呼んで『独眼のカイネギス』。
コーディネイターとの初陣で潰されたその右眼に、青き清浄なる世界を映し出し、憎悪と嫌悪のままに自分に与えられた『破壊』を振り回す。何十万、何百万の命を、いともたやすく蹂躙したことに、罪の意識を抱くどころか、たまらない快感を覚えていた。
彼はそれをずっと続けられると思っていた。
この幸福が、コーディネイターどもを滅ぼしきるまで続くと思っていた。
そしてそれは間違っていた。
―――――――――――――――――――――――
「……と、俺の今後はそういうことになるそうだ。まだブチャラティたちには連絡していないが、こうなると本当にもうすぐだろう」
逞しい顔つきのゲルマン人が、唸るように言う。
「フ……やはりな。私の知るジャンク屋ギルドや、ジャーナリストからの情報と照らし合わせても、間違いの無いことだろう」
優雅で美しくも、野獣的な恐さのある女性が、頷いた。
「とりあえずジブリールの行動については予想外のものは無いだろう。ブチャラティの目的に障害となるのは、やはりデュランダルと……」
「ラクス・クライン、そしてキラ・ヤマトか」
ルドル・フォン・シュトロハイムと、ロンド・ミナ・サハクは、同時にため息をついた。
アマゾンでゲリラを潰したシュトロハイムは、現在も南アメリカ合衆国にとどまっていた。予定では、近いうちに大西洋連邦に赴くことになっている。
ロンド・ミナ・サハクは、国家無き社会を目指す『天空の宣言』以降、南アメリカ合衆国やユーラシア西側地域など、地球連合やプラントに属さぬ地域で、『国家無き世界』の理想達成のために活動している。
彼ら以外にも、南米の英雄エドといった者たちがいる、この南アメリカ合衆国は、今やブチャラティ一派の巣窟とさえ言える。
「デュランダルはまだいい。何を企んでいるにせよ、道理が通じる相手だ。問題はクライン派だな。まったく行動が理解できん」
「まったくだな……。『彼』からの情報によると、ラクス・クラインは宇宙に昇ったという話だが、何を目的としたものかは不明だ」
「めんどうだな。まあ、何を考えていようと、俺のやるべきことは正面から叩き潰すこと以外ないのだがな」
「フッ、それを言っては身も蓋もないが、やはり大した男だよ。お前は」
「当然だ。ところで、さっき『彼』と言ったが、奴は今どこにいる?」
「クライン派と懇意の情報機関『ターミナル』に潜入しているところだ。私も詳しい現在位置はわからないね。おそらく、君の故郷……ドイツ近辺だと思うが」
「相変わらず勤勉だな……。少しはイタリア人も見習って欲しいものだ」
「ブチャラティやアバッキオも怠け者ではないと思うが?」
「個人個人ではな。だがあいつらは集団になればなるほど駄目になる妙な奴らで、酒と女にしか本気にならなくて……その上に愛国心というものが欠片もない! さっさと降伏するわ、勝ち馬に寝返るわ!!」
昔の怒りが再燃し、シュトロハイムはテーブルを叩く。その衝撃で叩かれた部分が罅割れた。
「国家に縛られないという点では、私にとって好ましいのだがね。西暦の歴史についての知識は乏しいのだが、君達の時代も中々楽しそうだな。今度勉強してみよう」
ミナが愉快そうにシュトロハイムの激昂を眺めていると、血相を変えた連合軍兵士が駆け込んで来た。
「閣下!! 緊急事態です!!」
「何を慌てている。連合軍人ならばうろたえるんじゃあない」
さきほどの怒りの発露を棚に上げ、兵士をたしなめる。が、兵士の報告を聞いた瞬間、その落ち着きも掻き消えた。
「そ、それが、ユーラシアに連合軍MS部隊が強襲をかけています! 三つの都市が壊滅し、現在、ベルリンが火の海だそうです!!」
「………なんだとぅぅッッッ!!!」
自らの故郷、青春の舞台、民族の中心であった都市。その崩壊を耳にして、彼が平静でいられるはずもなかった。
「とち狂ったか……ジブリール」
ロード・ジブリールの行動に予想外のものはない。そう断言していたミナであったが、ここまでの無茶はさすがに予想外としか言えなかった。
「ここからでは救援に行く事もできん。ザフトの健闘に期待するしかないな」
「く……ッ!!」
ミナの冷静な判断に反論できず、シュトロハイムはただ苛立ちを込めて、テーブルを真っ二つに叩き割った。
―――――――――――――――――――――――
デストロイは誰にも止められなかった。
ただの一撃でMS部隊をまとめて消滅させる、二対のビーム砲『アウフプラール・ドライツェーン』に、周囲360度に一斉攻撃できる二十門の熱プラズマ複合砲『ネフェルテム503』など、過剰なまでの重武装。
更に、生半可なビームなど、雨のように受けてもものともしない、光り輝く盾、陽電子リフレクター『シュナイドシュッツ』。
最強の矛と、無敵の盾を備えたデストロイは、破壊の権化そのものであった。
瞬く間に都市は『地獄』となり、万単位の死が吹き荒れた。
その地球連合軍の暴挙に対し、デュランダル議長を中心とするプラント最高評議会は、ミネルバをベルリンに向かわせていた。ジブラルタル基地で修理と補給は受けていたが、連戦で酷使された戦艦の状態は完全とは言えない。
前回の戦いで、ムラサメをフリーダムに破壊されたFFと、ザクをブチャラティたちに奪われたルナマリアは、今回は艦内で居残りである。こうも早く出陣するとは予想できず、代わりの機体を用意し損ねたのだ。
シン、レイ、ポルナレフ、形兆、ウェザーの5人で、都市駐留軍を全滅させた敵に対抗するしかない。
「大丈夫ですかねぇ。情報によると、敵の新兵器は相当な化け物だという話ですが」
アーサーが情けない声を出す。
ベルリンに到達したミネルバのモニターには、周囲の風景が映し出されていた。燃え盛る炎と、立ち上る黒煙。砕け散らされた都市の残骸。コズミック・イラ以前より名を知られた都市が、無惨に踏み躙られていた。
「大丈夫かどうかなんかわからないわ。けど、私たちがやらなきゃ、他の誰がやるっていうの? 胸を張って、全力で戦うまでよ」
その惨劇を見ても、タリア・グラディスは怯みを見せなかった。
弱気な副長の姿が、グラディス艦長の威厳を引き立て、クルーたちの士気を上げ、精神を安定させる。
なんで副長になれたのかわからないと、クルーの間で噂になっているアーサーであったが、これも適材適所、モッツェレラチーズとトマト並みに、組み合わせの妙なのかもしれない。
ミネルバから射出された5機のMSは、デストロイの姿を認めた。円盤と二対の大砲を背負った、巨大な漆黒のMSが、燃える街の中に傲然と立っていた。
「こいつはもうなんつーか、MSっていうより怪獣だぜ」
シンがデストロイの巨体に呆れ帰ったように言う。
「こいつほど強力なビーム砲となると、ウェザー・リポートで空気を屈折させても防ぎきれない……純粋にMSで対抗するしかないな」
ウェザーは冷静に敵の力を分析する。デストロイの馬鹿げた戦闘力には、ウェザー・リポートによる防御は効果が無い。ウェザーの操縦能力から考えると、デストロイ相手の戦いは無理と見るべきだろう。
「俺は露払いと援護射撃くらいしかできそうにない」
「弱気なことを言うんじゃねー。欠点のない兵器なんて存在しない……こいつにだって弱点はある」
形兆は冷徹な視線をデストロイに向ける。
「デカブツの共通の弱点……小回りが利かないってことだ。精密な動きはできねぇ。それを膨大な火力で、狙いが大雑把でも根こそぎ破壊できるようにしているのは脅威だが……まあよければすむことだ」
「それに、こちらの方が数は多い。全滅した駐留軍よりMSの性能も高い」
小さなバッド・カンパニーで、強力なクレイジー・ダイヤモンドを翻弄した経験に基づく形兆の言葉に、レイが補足する。
「この中で、最も近接戦が上手いのはシンだ。俺たち4人で奴の注意を引きつけ、その間にインパルスで奴の懐に飛び込んで切り倒す。と、いったところだろうな」
「誰か異論は?」
レイの立てた作戦について、ポルナレフが賛否を問う。異論は誰からも出なかった。
「それじゃあ行くぜ。怪獣退治だ!」
ポルナレフの景気いい掛け声と共に、5体のMSがそれぞれ行動を開始した。
四方八方を一度に攻撃できる20門のプラズマ砲、ネフェルテムが発射される。狙い自体は甘いそれを、5機は素早くかわす。
ウェザーのムラサメからビームが放たれるが、それは展開された陽電子リフレクターによって防がれた。
「やはり、遠距離攻撃による破壊は困難のようだな」
レイは呟きながら、デストロイ支援のために飛び回るウィンダムを撃ち貫く。支援部隊の錬度は大したことはないようだ。
「ウィンダムが残り11機……せめてこいつらくらいは片付けとくか」
形兆のザクファントムが放つミサイルが、2機のウィンダムを撃墜する。そのザクファントムに向けて、逆襲するかのように、今度はデストロイがミサイルを放つ。
「……こりゃ、かわせないな」
形兆は冷静に判断を下すと、ビーム突撃銃を放つ。しかし、到底すべては破壊しきれない。だが形兆は恐れなかった。
レイとウェザーによる、援護射撃があることを知っていたからだ。
「チームワーク、というものなのかね……似合わんな。何時の間に他人に頼るようになった?」
破壊されていくミサイルを眺めながら、形兆は複雑な気分でため息をついた。
ポルナレフは高速で飛びまわり、ビームを撃ちまくる『両腕』と追いかけっこしていた。
『シュトゥルムファウスト』と名づけられた武器だ。デストロイの両腕に供えられたビーム砲で、デストロイ本体から分離し、飛行して攻撃してくる。
「昔マンガで見たロケットパンチより厄介だなこりゃ!」
一度ならずビームサーベルで斬りつけてみたが、この腕も陽電子リフレクターを装備しており、攻撃をはじいてしまう。
「ふうん……ならこうだ!」
ポルナレフは背を向けて逃げていたグフチャリオッツを、急激にUターンさせる。デストロイの右腕に向けて突進した。
指から放たれる5本のビームをきりもみ回転しながら避けていき、腕とのすれ違い様に右手に握ったビームサーベルをビーム砲の一つに突き込んだ。
ビーム砲は暴発し、右腕は砕け散る。五枚のコインと炎を、交互に突き貫くほどの視力と精密動作を持つポルナレフならではの技術だ。
「さあて、もう一個いくかい」
ポルナレフは残された左腕を見据えた。
「いける……いけるぞっ!」
シンはデストロイから放たれるビームを、時折かかってくるウィンダムの攻撃を、すべて見切っていた。SEEDの力に目覚めた彼にとっては、どの攻撃も単調で、避けるのに苦労を必要としなかった。
「アスラン隊長や、フリーダムに比べれば……こんなものっ!」
レイ・ザ・バレルは、シンのことを、5人の中で最も近接戦に優れていると評した。しかしそれは正確ではない。アスランに鍛えられ、SEEDを制御した彼のMS戦闘技術は、あらゆる点において突出していた。それは実質、4人による援護も必要ないほどに。
「覚悟しろ!」
非道の限りを尽くした敵へ、怒りを込めてシンは突き進む。
放った両腕が共に破壊されたことを確認し、カイネギスは羽虫の予想外の抵抗に憤怒を抱いた。
「この汚らしい蝿がぁっ!!」
自分が負けるとは微塵も思ってはいなかったが、害虫どもが逃げ回り、踏み潰されることを拒否しているということが、気に触った。害虫は大人しく駆除されればいいというのに、無駄な抵抗をするとは可愛げがない。
たかだか5匹の蝿を片付けられないことに業を煮やした彼は、デストロイの最強装備、『アウフプラール・ドライツェレーン』を起動させる。狙いはちょこまかと煩いMSではなく、戦艦ミネルバだ。
「帰る巣をぶっ潰してやる! 絶望しろ蛆虫めがぁ〜〜」
カイネギスは嗜虐的な笑みを浮かべ、ぬったりとした舌を伸ばし、唇を舐める。
そして殺戮の時を迎える前に、カイネギスの人生は終焉を迎えた。灼熱の光がコクピットを支配し、痛みを感じる間もなく、隻眼の男の肉体は塵と燻りを残して消えたのだった。
爆音をたてて、デストロイが沈む。一太刀で切り裂かれた巨体が、崩れ落ちる。
その瞬間は、誰にも見ることができなかった。嵐のような速さで行われたので。
『彼』はそれを当たり前のように行った。
道に落ちていたゴミをちょいと拾って、くずかごに捨てるような、ごくごく当然のなんてことのない行為。いともたやすく行われたそれが、殺人と称される悪事であることに、『彼』は何の感慨も抱かない。
それは、自分が守れなかった親しき人物が、『逃げるな』と言った行為である。だから『彼』は殺人を受け入れることにした。実際は、その親しい人物の言いたかったのはそんなことではないのだけれど。
都市を四つ、軍の部隊を一つ、半日もかけずに滅ぼした怪物を倒したことも、『彼』にとっては別に恐ろしくも手強くもない、鼻歌でも歌いながら倒せるようなものとしか思えなかった。
ゆえに勝利の達成感を抱くこともない。ただ少し、これで自分の仲間が脅かされる危険が減ったということに、安堵を感じただけだった。
以前はあれほど忌避していた殺人を行ったことに対し、『彼』が感じたのはその程度で、それ以外は『彼』の心は、凪のように静かだった。
もはや余計な感情を抱けるほど、『彼』の心に余裕は無い。乾き、疲れきっていたのだ。
「お前は……」
誰よりも早く驚愕から醒めたシンが、喉から声をもらす。
誰にも気付かれることなく、誰よりも速く、必殺の一撃を行った相手にむけて。
破壊の権化を、いともたやすく破壊した相手に向けて。
その姿はほんの少し前に見たあの頃よりも、ずっと大きく、そして禍々しく見えていた。
機体の色は野晒しになった骨のように不気味に白く、広がる翼は魂を刈り取る鎌のように鋭い。砕かれ爆発するデストロイの惨状を背に、不気味な重圧感を向けている。
「なんだってんだこいつは……!!」
以前見たそれは、確かに強力で、デザイン的にも優れていたとはいえ、MS以上のものではなかった。しかし今のそれは、まるで虚無的で、熱の感じられぬ自動機械のようだ。漂う気配そのものが、以前と違いすぎる。
それは、パイロットの精神が以前と違うがゆえに。以前はまだ自分の意思を持って戦っていたものが、今はもはや、喪失の恐怖を利用され、他人の意を受けて戦う人形にすぎない。強いか弱いかで言えば、今の彼の精神は非常に弱い。
しかし、それは彼が危険ではないということを意味しない。強弱は表裏一体。極めて弱いことは、別の方向からすれば、極めて強いことにもなりうる。
そして、真に恐ろしいものとは、自分の弱さを『攻撃』に変えたもののことを言うのだ。
今の彼には悪い意味で、迷いや加減は存在しない。罪悪感も精神的動揺もない。あるのはただ、大切なものを傷つけるかもしれないものへの徹底的な、盲目じみた殲滅の意思。
「キラ・ヤマト……!!」
不殺の誓いを切り捨てて、捻じ曲げられた遺言に踊らされ、邪悪の血統に魂を握られて、ただ最強の力のみが残された、哀しい戦士の成れの果てがそこにいた。
To Be Continued……
以上です。サブタイトルの『悪事と地獄』は、AC/DCのアルバム『Dirty deeds done dirt cheap(いともたやすく行われるえげつない行為)』の邦題です。
カイネギスはオリキャラですが、ジョジョ一部で名前だけ登場した77のリングの戦士を元にしています。
毒を使うとか卑怯な性格といった特徴は、ゲーム『ファントムブラッド』に登場するカイネギスを元にしています。(ゲームはやってないけど攻略本だけ持ってる)
姓のスカルミリオーネはダンテの『神曲』に登場する悪魔の名で、『毒を持つ者』を意味する。下品な性格。
おおおおおおおおおおおGJGJGJGJGJGJGJ!!!!!!!!!!
カイネギスどこかで聞いた覚えがあると思ったらリングの戦士だったのか!
久々のシュトロハイムもよかったし、ポルチームの連携も凄く格好よかった。
だが、何より…実に不思議なんだが……このキラがなんだか格好良い…w
なんていうか、ブラックサバスを見ているような不気味な感じがするww
という事で、今年一年も色々楽しませて下さってありがとう御座いました!
来年もよろしくお願いします!!!
相変わらずのGJ!!
しかし、ふと思ったがアンダーワールドならデストロイを破壊できるのでは?
広島かビキニ環礁の土を持ってくれば核を再現できるから……何が破壊力なしだと言いたいです。
>>534 >…実に不思議なんだが……このキラがなんだか格好良い…w
理不尽なまでに強大な力を振るうにあたり、態度もそれなりのもの
(開き直って図々しく、あるいは悪一代に徹するとかいずれにせよ徹底的に)
にしていれば逆にダークヒーローアンチヒーローとしての人気も出るというもの。
ディオや吉良がそれを証明しているわけで、TVのキラ=ラクシズが嫌われるのは
あくまでも善良な、もっと言えば状況の被害者ヅラをずっと決め込んでるからというのも
大きいと思う。
逆シンGSC氏第二部の強化人間キラとか「愛の惑星の詩」のブラックK7とか
X運命のオバケとか、一皮剥けたキラは結構好評な事が多いがここではどうなるか…
>スカルミリオーネ
FF4の敵キャラの名前からとったのかなと思ったのは多分俺だけ
俺のサーフィス多すぎワロタ
>>536 変に友達思いで優柔不断という設定にしたりするから訳わからないのであって、
スペック的には初登場から「ありあまる才能を誇るガキ」でもいいんだよな。そこから修正されれば
アンダーワールドそのものは応用力さえあれば下手な戦闘特化系よりも活躍できるし、レクイエム化した場合の汎用性はとてつもなく高いと思う。
こういったロボットものでも大活躍できると思う。
本体がヴェルサスだというのが唯一の弱点なんだよな……。
アンダーワールドの能力を極限まで発揮できるキャラなら某ギアス世界やCE世界くらいなマジで世界を支配できるかも知れん。
ということでアンダーワールドの本体に真にふさわしいキャラは誰だと思いますか、別にジョジョ以外の作品でもOKです。
個人的には皇国の守護者の新城(小物とも違う特異性にあふれたあの精神は驚異)、DIO閣下やブギーのフォルテシモをあげたいです。
>541
チャリオツレクイエムが魂を入れ替える力、GEレクイエムが0に戻す力と、進化前のスタンドの能力とレクイエム後の能力は
関係ないように思えるんだが?
レクイエム化はその時の本体の意思が反映されるからなあ
もし仮に万が一ヴェルサスが矢を支配できたとしても、その時の精神次第ではアンダーワールドはGERみたいなレクイエムになるかもしれない
そういやキラークィーンは"無かったことにしたい"という意思で時を巻き戻していたな
ポルナレフは"矢を奪われたくない"だし
GERが最強無敵であることは間違いないが、あれはジョルノがだれよりもジョースターとDIOの精神の長所を受け継いだから誕生したスタンドだからな、もっともスタンドの本体として最強の精神力を持っていたのは丞太郎だと思う。
丞太郎がレクイエムになったらどんなレクイエム(GERを超えることは間違いない)が誕生したのだろうか?
ただスタプラは日常生活であまり使い道がないよな……むろん仕事とかにはとてつもなく役だつと思うし、でも丞太郎ならスタンドを使わなくてもばりばり仕事できると思う。
日常生活で役立つのならやはりハーヴェストの方が役立つな。
>>545 日常では精密作業の能力の方が役立ちそうだな、スタープラチナ。
珍しいヒトデ見つけた→アスワンツェツェバエの時のように一瞬でスケッチ完了
写真に何か写ってた→アスワンツェツェバエの時のように一瞬で分析完了
海底の砂をすくい取ったので目的のヒトデを選り分けたい→箸で一つ一つつまんで選別完了
船のエンジンがおかしい→きれいにねじを締めて修理
ひよこのオスメス鑑定→100%鑑定
>>545 少なくとも時止めはDIO倒してから杜王町に来るまでの間は一度も使ってないからな
まあ日常生活で5秒だけ時を止める能力って、犯罪にでも使わない限り、役立ちそうで案外使い所の思いつかん力ではあるが
>>541 新城やDIO様やフォルテッシモは、アンダーワールドに限らず、大抵のスタンドは使いこなしそうだ。
掘り起こす現象の歴史的知識が必要というところから、知識が豊富だったり、記憶力の高いキャラが合うんじゃないだろうか。物知り博士のエンポリオとか。
>>547 落ちた物を拾うとか
3秒ルールでも大丈夫 ……多分
>>548 私も同意、DIO様はレクイエムの方法を自分で作ってしまったし、新城は自分のことをよく知っているし、臆病者(あるいは小物)と自覚してそのうえで認めるべき人間は、敵であろうと素直に認めるあるいみ凄いおとこだからな。
フォルテッシモに至っては「呼吸するのと同じレベルで無意識に決して油断しない」という究極のチート能力をもっているから最強でありあのスライダーはその付属物にすぎないというトンデモキャラだからな。
もっともアンダーワールドのような非戦闘系の能力を持っていた方が好戦的にならずに力にも振り回されずに幸福だったかもしれない。
ブギーとか混じってるぞw
只張り詰め過ぎた強さは爆ぜた瞬間とんでもない事になるからなぁ。追い詰められた
心理が平時とさほど変わらないものでない限り、おぞましい力に変貌する可能性が
あるな。
はっきりいうと、この書き込みのテーマはありふれたテーマ――
「新年を祝う」です。
とっ!年が明けたァーーーーーッ
おめでとッ!
まあヴェルサスも冷徹に自分が小物だと素直に認めて、それを認識したうえで成長するための努力を惜しまない男ならしあわせになれたのかもしれん。
今月のウルトラジャンプにSBRが載らないことにガックリしながら、保守。
いとも容易く行われるえげつない休載
富樫じゃないか
UJ読者からすると、冨樫は萩原に比べたら遥かにマシ
保守させていただこう
この板の保守間隔ってどれくらいなんだ?
さあ?とりあえず自分は三日書き込みが無かったら保守してる
しかし、最近はたまに休載しているけど荒木先生は基本的にコンスタントにきちんと進めているよな。
これって何気に凄いような気がする。
荒木先生の休載は計算に入ってるからな。
多分、他の仕事を受ける時にどれだけジョジョを書ける時間を使うかわかるから、
すでに出来てるストーリーと合わせてみて、
切りのいいところでいれてるんだよ。
実際に書くと細かい変更はあると思うけど、
大まかなあらすじはそのままなはずだから、
次月のジョジョが面白く先に進むのは必然かと思います。
確かに、しかしそういうのをさりげなくできるところが荒木先生の凄いところ。
それゆえにぐだぐだにならずに常にクオリティが保たれている。
極端なジョジョは文庫で好きなシリーズだけ集めてもOKだからな……。
某TとかHとかそれができない漫画家がいかに多いことか。
石仮面を被せたり波紋を習得させれば寝ずに仕事ができるよ!
ハ_ハ
('(゚∀゚∩ できるよ!
ヽ 〈
ヽヽ_)
そういえば以前インタビューか何かで荒木先生がいってたが、
漫画家として経験を積んだ結果、絵のクォリティを落とさずにより短時間で描けるようになったらしい。
短時間で描けるから余った時間を休養やアイデア作りに回すことができ、
考える時間があるから作品の展開や敵味方の能力をよく練り込めるってことみたいだね。
やっぱり(特に週刊連載の)漫画家にはスピードも大切なんだなと思ったよ
まあリアル露伴だからな…
週刊連載時代に、朝10時半起床、休日2日とかねーわ
しかも一日8時間と決めておくのは際限なく書き続けるからとか普通じゃ考えられない
波紋で疲れを消しつつメイドインヘブンで加速、更にそこに岸辺露伴並の力量が加わって誕生したのがARAKI
漫画家というか、あらゆる仕事人の鑑と言える。
ヘブンズ=ドアー的に読者を感応させ、
ハイウェイスター的に読者から養分を吸収する。
それが荒木の持つスタンドの能力だ!!
>>565 おいおいそれってまんま露伴先生!!
ジョジョは最初は他の漫画に比べて地味だったのですが、今では国民的レベルの知名度を持つ。
これだけ連載を重ねているのに中弛みもせずにきちんと完成した物語(これだけアベレージが高い漫画も珍しいのでは?)をに書き続けられている作品も珍しい。
もう不世出の天才ですよ……。
某オサレ漫画家が書いてたら、今頃はまだカーズと闘ってるな
つかジャンプ黄金期を築いた漫画家で、今でも全盛期の力を維持し続けてるのが荒木一人しかいないという現実
いやむしろ維持していられるのがスゲエんだけど
>>573 さすがに一人だけってのはいいすぎじゃね?
井上雄彦だってバガボンドやリアル描いてるわけだし
逆に考えるんだ。肉体の全盛期だと考えるんだ
永遠に全盛期なんですね、わかります
……ビーティーの続編を書いてくんないかな、荒木先生
ご無沙汰しております。
自分のパソコンが壊れてしまい、次にいつ投下できるかわかりません。
完結させる意欲なありますので、もう少し待っていただけると嬉しいです。
近況報告乙です
いくらでも待ちますぜ
ご愁傷さまです。
自分にも何回か経験ありますが、失われた文章を再度書き直すのって辛いですよね。
いつまでも待ってますんで頑張ってください。
良いSSを書いてくれる職人方のPCは必ず一度は壊れる法則がここでもorz
>>573 これだけ実力を維持できる漫画家もめったにいませんな。
某こち亀の人もずいぶん(もっともあれだけ連載してればパワーが落ちるのも当然です)・・・ですし。
しかし、スティール氏の黄金の精神ぶりには感動しました。
しかし、スタンドは物量に弱いのが多いな。
軍隊や国といった組織に勝てるようにするにはどれくらいの射程とかいるのだろうか?
兄貴
ウェザーやジャスティスやレッチリやオアシスなら軍隊には勝てそう。
射程無限のノトーリアスBIG、グリーン・ディ
組織瓦解のサバイバー
半径3kmC-MOON
軍隊相手ならメイドインヘブンで切り込んでの攪乱も
軍隊相手なら、威力より効果範囲が大事だな。
あるいはチープトリックなら、次々に乗り移って被害が甚大になりそうだ。
587 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 14:53:23 ID:p+YVJXOU
俺はジャスティスが負けた原因がイマイチ納得いかん。
町を覆い尽くす霧が全部スタープラチナに吸われるって…
アレ?そういえばココって何のスレだっけ?
ジャステスは霧状のスタンドであって霧そのものがスタンドじゃない
多分本体であるエンヤ婆を中心に展開するスタンドなんだろ
あのシーンはスタンドが損傷を受ければ本体もダメージを受けるというルールに沿うなら
スタンドでスタンドを押さえつけられた状態。すなわちスタンド及びエンヤ婆は全方向からの圧力を食らってる状態
ジャスティスはそうたいしたことないダメージでも高齢なエンヤ婆には耐え切れるものじゃない
まあ承太郎にしてみればスタープラチナでも破壊できないスタンドを無力化するための賭けだったんだろうが
「正義」を自称する奴にろくなのはいないといういい例って事か…
まあもっともアスランが大成長を遂げているここでインジャスの扱いが
どうなるかまだわからんけど。
アヌビスも軍隊相手には強くないか?
持ち主が死ぬ、何て美しい刀だで拾うがずっと続くとか。
ジャスティスよりも兄貴の方が厄介だよな。
効果範囲(しかも半径200mのイカサマぶり)にいれば問答無用で老化状態になり瀕死だし。
敵だからいいけど、味方ならあっという間にバランスブレイカー。
それでもアサルトライフルの方が射程がある(M−16は300から400メートルの近距離狙撃には適しているらしい)のが悔しいが……。
ザ・サンもかなりのチート
太陽ビーム強すぎるw
あとデス13も地味にバケモノ
593 :
通常の名無しさんの3倍:2009/01/19(月) 23:18:54 ID:C7W9CnyN
デス13って2度目があったから勝てたんだよなw
もし本体が遊び好きな赤ん坊じゃ無かったら既にやられた訳で…
これってDIOにも勝て…ってアイツは死なないんだったwww
デス13に限らず、スーパーフライやジャンケン小僧とかにもいえるけど、
ある特定の条件下で強さを発揮するスタンドはその条件がわかってしまえばそこで終わりなんだよね
寝る前に倒す、鉄塔に入らない、ジャンケンしない、でもう詰みじゃない
そういったタイプのスタンドって汎用性がないからあんまり強弱を論じても仕方ない気がする
強弱を論じるなら、使ってる奴の知能と、最強時と最弱時の振れ幅にまで言及しなきゃいけなくなるからなぁ
軍隊相手ならシビル・ウォーが最強だろうな。
というか、軍人はシビル・ウォーに勝てないと思う。
シビル・ウォーをDIOや神父相手に発動させたら、病死した母親や自殺した妹が出てくるのかな?
DIOはともかく神父は流石に動揺くらいはしそうだが
母親が死んだのはDIOのせいじゃないし、本人が感じていたのも悲しみや父への怒りであって罪悪感じゃない
だからシビルウォーが発動しても母親は出てこないんじゃないか?
DIOの場合自分の体が襲い掛かってくるwww
エコーズってレクイエムっぽいよね
脱皮するところとか
エコーズはある意味一番特殊な誕生をしたスタンドだと思う。
本来選ばれなかった者が他のスタンドの力で無理やりスタンド使いになったわけだし。
でも、他のスタンドの使いのせいで目覚めたという意味ではジョースター家の面々も同じじゃないか?
2部から5部までの主人公とホリィさんはDIOが矢で貫かれたことによってスタンド使いになったんだし
ジョースター家の人たちはちゃんとスタンド使いになってるが(ホリィさん除く)、
康一君は最初はスタンド使いには成れなかった。
と思ったが、仗助も同じだよな?最初高熱出してたわけだし。
>>603 仗助の場合、高熱が引いた直後からスタンド使えるようになった描写あったっけ?
時とともに(あるいは「あこがれの人」と出会ったことによって)精神力が成長して、今は既に安定期に入っているんじゃなかろうか。
康一はそれこそ作中で目覚めたばかりなのだから、数々のスタンド使いとの出会いによるスタンドの成長が描写されたんじゃないかと思う。
>>603 仗助はまだ子供だったから仕方ないんじゃないかと思ったけど、それよりも年下なジョルノは特に弊害なく
スタンドを使えてるのはやはりDIOの息子だからだろーか?
(それとも、比較的幸せな生活を送っていた幼少仗助やホリィさんとは異なり、周囲からのいじめや虐待を受けていた結果
歪んだ形ではあるが強い精神力を持っていたとか)
しかしデス13の赤ん坊なんかどんだけ強い精神力を持ってるんだw
天才で煙草もすえるからな、デス13本体はw
Dioの息子達は何気に生き残ってるよな
まぁスタンド適正のある奴以外は死んでるのかもしれんし
残りの4人も3人は薬中、パニック障害、ギャングと出会わなければ腐った人格確定だったしなぁ
ジョルノ・・・
良いヤツだったぜ・・・
最初、アイツは「相手の能力をそのまま相手に跳ね返す能力」だったのになぁ・・・
中盤ぐらいからはアドバイザー兼回復役になりやがって・・・(つд`)
俺、当時はジョルノってそこまで主役喰われてたとは思ってなかったんだよな
確かにブチャのが目立ってたのは否めないが、要所要所でしっかりキメてたし
無重力だと
CMOONとかグリーンディとか
重力とか上下とかが能力に重要なスタンドは
弱体化しそう。
ああっそういえば、確かに第5部はジョルノも存在感があったけど、よく考えたらプチャラティの方が主役っぽかったです。第4部も結局、丞太郎が仗助よりも主役に感じたから・・・。
第5部でも丞太郎が本編に出張っていたら、ジョルノ達の影が圧倒的に少なくなったろうな……それでスタプラがレクイエム化しただろうし。
蛙を殴ってフルボッコな承りと申したかw
いや4部の承太郎は出番自体は少ないよ
康一は5部でも引き続きジョルノにくっついていってメインキャラになるのかと思いきや、実にあっさり居なくなった
荒木は前の部でどんなに人気出たキャラでも、それに安易に頼ることはない
このキャラに対するバランス感覚は絶妙だと思った
>>612 それだからこそ、ああも輝いてられるんでしょう。
一応言っておくと、5部はブチャとジョルノのダブル主人公だぞ
ソースは文庫版の後書き
文庫版って買ってないんだよなあ
単行本すでに全部初版で持ってるし、文庫版は一部の修正が気に入らなくて
一度買ったけど諸事情で手放す羽目になったんだよなあ、文庫版
後書きで生きなければならなかった人間の悲しみがどうとか書かれてたような気はする
文庫版は後書きだけ立ち読みしたww
文庫は持ってないんだよなー
あとがきがある巻だけ買おうかな
まあこのスレの住人なら大抵はコミックス揃えてそうだからな
この中で、連載1話目が載ってるジャンプ保存してる人っている?
>>619 ストーンオーシャンなら部の開始から終わりまでそのままあるわ
すまん、俺は1部から3部までのジャンプコミックしかもってない
友達に進められて読み始めて、その友達から1〜60巻まで買った。
今はストーンオーシャンを集め終わってSBRを集めている所。
我が友人には大変感謝している。
ツェペリさん、シーザー、重ちー、ブチャラティ
オレの大好きなキャラは皆死んでいく
お久しぶり。1ヶ月ぶりです。
ようやく投下できるようになったので、0時ごろから投下します。
ベルリンの上空を飛ぶアークエンジェルの中で、ヴェルサスはデストロイが切り裂かれた様子を、モニターで眺めながら唇の端を持ち上げる。
「圧倒的ではないですか……フリーダム、そしてキラ・ヤマトは」
「当然だろう。キラ様は我々の英雄、ラクス様の勇者なのだから……。グスッ」
呟くヴェルサスに、隣に立つ男が声をあげた。三つの鋭い剃りこみを入れた髪形をし、着込むのはザフトの軍服。色は黒。白服の副官及び、戦闘艦艦長クラス。
右目の下に、深い傷痕が目立っている。しかし何より異様なのは、手に握ったスコップだった。このスコップは丈夫で錆びない特殊合金製で、彼の愛用品である。寝る時と入浴の時以外は、いつも持ち歩いている。
彼の名は、ルカ・リビコッコ。
「それと言っておくが、キラ様を呼び捨てにするのは駄目だ。グス……ちゃんと敬って、『様』をつけることが必要だ。OK?」
目尻からこぼれる涙をハンカチで拭う。彼は感情の高ぶりによって泣いているわけではない。右目につけられた傷の後遺症で、涙腺が常に活動しており、いつも涙目なのだ。
それゆえに『涙目のルカ』というあだ名がついているが、本人はそんなかわいらしいものではない。ザフトに所属していた頃は白兵戦を得意とし、手にしたスコップで何人もの敵を殴り殺したという。
激しやすい性格で、彼のスコップの洗礼を受けた部下は数多い。連合軍の捕虜を『不慮の事故死』させた数はその数倍だ。
「失礼しました。リビコッコ艦長」
「グスッ、ファーストネームの方でいい。リビコッコって響き嫌いなんだよ。ニワトリの鳴き声みたいで」
ルカはラクスが呼んだクライン派の一人で、このアークエンジェルの新しい艦長となった男である。彼は平和主義者でもないし、ナチュラルへの嫌悪も強いが、ラクス個人への忠誠心は狂信の域。ラクスの為なら何人でも殺せるし、自分の命も捨てられるだろう。
「ラクス様はな、敵からも味方からも恐れられてきた俺に、グス、たった一人お優しく接してくださった方だ。あの方のお役に立てるのなら、グスン、俺は何だってやるぜぇ」
聞いてもいないのに、ラクスへの忠誠を語るルカ。彼にとってラクスへの忠誠は誇りであり、自慢したくてたまらないものなのだろう。
(ラクスがね。まあ彼女は優しくはあるんだろうが、こいつの危険性について、ちゃんと分かった上で優しく接していたかは疑問だな。まあいい。実際、ザフトを裏切り、MSまで奪ってきてくれたのだ。その忠誠に疑う余地はない)
「………聞いてんのかぁ!? てめーーー!!」
スコップをヴェルサスの顎に突きつけ、怒鳴りつける。今にも頭蓋骨をかち割ってきそうな剣幕である。
「聞いてますよ。ラクス様も、貴女のような部下を持てて幸せなことです」
適当にあしらいつつ、ヴェルサスはキラが早く帰ってきてくれることを願う。キラたちからの信頼を強めるため、原作でも行なわれたデストロイによる無差別破壊を止めるという『善行』を提案したが、長居は無用だ。何かの拍子にキラがやられてしまっては困る。
(この後、ザフトから追われることになるらしいが、どうなるか。できればそのイベントは無しにしてえ。逃げ回って時間をかせげば、いずれ連合……ロゴスとの戦闘に力を入れにゃならなくなって、俺たちどころじゃなくなるだろう)
スコップを下ろし、『調子に乗るな』などと言っているルカをよそに、ヴェルサスはこれからのことを企んでいた。
突然の乱入者へどう対応するか。その場の全員が行動に移るより前に、フリーダムは動いていた。
ビームライフルの銃口をまだ撃墜されていないウィンダムへと向け、容赦なく発射した。一発撃つごとに、無駄のない動きで狙いを変え、一発として撃ち漏らすことなく、6機のウィンダムを連続で撃ち砕いた。
「………シューティングゲームじゃねえんだぞ」
ポルナレフが苦い顔をする。今、目の前にしたのは戦いでも殺し合いでもない。ただ一方的に撃ち屠るだけ。遊び(ゲーム)と同じ。やるかやられるかではなく、ただ一方的にやるだけ。恐怖も覚悟もなく、その他の感情さえなく、反応するのみ。
ポルナレフにはそれがわかる。
「……どうしますか? どうやら、こちらを撃つ気は無いようですが」
レイが他の機体、及びミネルバに通信を送る。フリーダムは無差別破壊を行っていた連合軍部隊を殲滅したが、ザフトへの攻撃をしてはこない。こちらをも沈めるつもりなら、既にやっているだろうから、攻撃の意思が無いことは確かだろう。
「私達の任務からすれば、連合軍の進軍が止まりさえすれば言い訳だけど……」
グラディス艦長からの通信が送られる。
「だが……ほっといていいものか? 敵の敵だからといって、味方であるわけでもない。許可無く破壊兵器を所持しているのだから、見過ごすわけにもいかないだろう」
「だが、俺たちにあいつを相手にできるか? はっきり言って、あれに多少なりとも迫れるのはシンくらいだ。シンにしても、五分には届かん」
ウェザーの意見に、形兆が苦言を呈する。
「俺のスタンドでシンを援護すればどうだ? ビーム兵器はある程度しのぐことができる」
「以前までの奴なら、それもいいがな……今の奴は何と言うか、やばいぜ。悪い方向にカッ跳んじまった感じがする」
形兆の話す印象は、その場の全員が感じていることであっただけに、反論もしがたい。フリーダムに対して、最も対抗意識を抱いているシンも沈黙してしまう。だが、ただ一人、思うことがあった者がいた。
「艦長。奴に通信をさせてもらっていいスか?」
J.P.ポルナレフであった。
「通信? 何を?」
タリアの疑問に、彼は答える。
「あいつ、今回は俺たちに何も言ってこなかったですよね。以前の2回では『戦闘をやめろ』とか言ってきたのに。何か心境の変化みたいのがあったようですから……その辺のことについて聞いてみたいと思いまして」
「………いいでしょう。任せます」
許可を得たポルナレフは、フリーダムに向けて全周波による通信を送る。
「あー、あー、聞いているかい、フリーダムのパイロット」
返事は無かった。しかしポルナレフは構わずに話し続ける。
「お前さんの目的はなんだい? 前と同じで戦闘の停止を訴えるのか? にしては、今回は前とちょっと違うねえ。問答無用で、皆殺しとはよ。いくら話が通用しそうにない相手っつっても……今までとはやり方が違いすぎるじゃねえか? なぜだ?」
ストレートに訊くポルナレフ。その言葉には捻りは無いが、そこらの軍人やギャングでは出せないような殺気染みた凄味があった。傍で聞いているだけのシンでさえ、背筋が震えてくる。
「………守るために」
通信が返ってきた。短く、小さな声であったが、はっきりと聞こえた。
「守る?」
「大切なものを守るために………そのためなら、もう、僕は、人を殺すことから逃げない……」
守るという美しい言葉と裏腹に、その口調には決意や覚悟といった『芯』が感じられなかった。以前より希薄な言葉を口にする印象があったが、ここまで空虚な人間ではなかった。その変化にポルナレフは顔をしかめる。
「逃げない……ね。何があったか知らないが、お前さん、前より酷くなってるぜ。自分じゃ気付いていないみたいだが、まるで人形みたいだ」
目的のために手段を選ばない道を選んだのではなく、目的さえもわからずに、与えられた道を歩くだけの機械のようだ。
ポルナレフは今までに様々な人間を見てきた。その中には、自分の意思より主人の意思を優先する盲目的な狂信者や、任務のためならあっさりと自ら死を選ぶような、命を重視しない人間もいた。
だがそれらとも違う。しいて似ているものをあげるならば、かつて訪れた街の人間たちに近い。ある者は自分たちと口を利こうともせず、ある者は死体を目の前にしても、まるで関心を示さずに通りすぎる。そんな、まるで心が無いかのような住人たち。
彼らは本当に『人形』であった。スタンド使い、エンヤ婆が支配する死体。スタンド『正義(ジャスティス)』が動かす操り人形。それが、住人たちの正体であった。
(アレとこいつが似ているのだとすれば……こいつも誰かに操られているのか?)
ポルナレフは半ば本能的に、キラが覚悟を決めたのではなく、ただ精神弱まった間隙を突かれて、他者の言葉に流されているにすぎないことを悟る。しかも、そんな洗脳めいた状態でありながら、自分の意思で正しく行動していると思い込んでいることも。
(おそらくは……アスハ代表も言っていた、ヴェルサスとかいう奴……)
ンドゥールを配下にし、シンを襲ったスタンド使い。シンの話からすると、連合の施設で何かを調べていたらしいが、目的は不明だ。
「お前の言う、守るべきものっていうのは、何だ?」
ポルナレフはキラの現状を知るために会話を続ける。
「みんなだ……。戦わない人。戦えない人。平和に暮らす人たち、みんなだ」
「どうやって守る?」
「僕には、みんなを守りきる力は無い。けれど、ラクスや、ヴェルサスさんの言うとおりにすれば上手くいく……」
(ヴェルサス! やはり!!)
ポルナレフは確信を胸に秘めつつ、更に言う。
「お前らは、何をしようっていうんだ?」
「……前から言っているはずだ。この戦争を止める」
以前は少なからず自己の意志を感じた目標も、今では棒読み同然だった。
「もうすぐ止まるさ。俺たちが、連合軍をぶっ飛ばせばな」
「その後は?」
「何?」
「その後、デュランダルって人は何を企んでいるの? 人々を騙すような人が、正しいことをするとは思えないけど」
その言葉にポルナレフはひやりとする。この会話はシンやミネルバにも届いている。プラントにいるラクスが、実はミーアだということがばれると色々まずい。
「……だから、デュランダルには任せられないということかい。じゃあ、お前たちはどうやって止めるっていうんだ」
「僕にはわからない……けれど、ラクスが帰ってきたら、必ず。だから今は、僕ができる限り守る。守り、戦う」
つまり今回は、兵士でもない一般人を巻き添えにするような相手だったから手を出したということだ。
(つまり、ラクスが帰ってくるまで……どこかに行ったってのか? いやとにかく、時期が来るまで、ザフトと連合が一般人に手を出さない限りは静観するつもりと考えていいのかね? 前のように戦闘に乱入するのはやめたわけか)
そこは少しマシになった……と言っていいのだろうか? 非公式かつ非合法に巨大な武力を所有する無法者という時点で、とんでもなく迷惑なのは変わらない。しかも、いずれはデュランダルにも牙を剥くと、言っているのだ。
宣戦布告も同然だが、キラはそのことを意識してもいないだろう。考えることを放棄しているのだから。
「………イカレてやがるな」
ポルナレフは改めて認識し、ため息をつく。
「もういいかな……もう用は無いし、帰りたいのだけど。もし僕と戦うというのなら、やりますけれど、無駄死にですよ」
どこまでも舐めた口調……それでいて、こちらを侮辱するような含みは無い。機械の音声のように、感情が込められていないのが、余計に聞く人間を苛つかせる。
「そうだな、じゃあもう一つだけだ」
しかしポルナレフは彼にしては珍しく、怒りに声を荒げる事もなく、
「アスランとカガリはどうするつもりだ?」
静かに問い掛けた。
「……………ッ」
息を呑んだ気配を感じた。
「カガリはアスランと共にオーブへ行った。お前たちの行動には賛同せずにだ……。あいつらは、俺達に必死な想いで頼み込んできたぜ。お前たちを止めてくれと。お前たちに馬鹿な真似をさせないで欲しいと。お前らはあいつらをどうする?」
キラは答えない。
「お前にとって、あいつらも親しい、大切な者だろう? 親友と家族なんだろう? けれど、あいつらと戦わずにすませることはすませられねえ。戦う覚悟があるなら、それは俺がどうこう言うことじゃない。迎え撃つだけだ。だが、お前はそのことを考えているのか?」
キラは答えない。
「考えることをやめて楽になりたいんだろうが、生きてる以上すべてから逃げることなんざできねえんだよ」
キラは、
「黙れ」
ビームライフルを放った。
グフチャリオッツが閃光に焼かれ、爆ぜた。
「教官ッ!」
シンが叫ぶ。だが爆炎の中から飛び出てきたのは、追加装甲(アサルトシュラウド)を脱ぎ捨てたグフチャリオッツだった。
「いきなりだなオイ!」
右手に最新型ビームサーベル『ジョワユース』を握る。
「気にしてること聞いちゃったか! けどな、俺を殺したって意味ねえぞ!!」
「黙れッ!!」
フリーダムが飛ぶ。ラケルタ・ビームサーベルが抜かれ、容赦なくグフチャリオッツの右肩から斜めに斬りかかる。
「ちっ!」
かろうじてかわす。間合いをとるが、更にルプス・ビームライフルによって追撃がくる。それらもどうにかしのぎ、体勢を立て直す。
(さっきのデストロイやウィンダムを落とした動きより、無駄がある。相当動揺してやがるな! そうでなきゃとっくに落とされてるか)
それでもこのままではいずれやられると考え、攻勢に移る。
「チャリオォォォッツ!!」
グフチャリオッツは高速で突進する。だがその動きは直線的に過ぎ、キラからすれば容易く捉えられる。
「くらえ」
バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲が発射される。フリーダムが所持する火器の中でも最大威力の一撃が、グフチャリオッツの姿に命中し、そして引きちぎれて掻き消える。
そして消えたグフチャリオッツの真横から、無傷のグフチャリオッツが現れて、突進を続けた。
「……分身?」
敵を翻弄する特殊装備。空中に散布されたミラージュコロイドが、グフチャリオッツの姿を投影し、あたかも分身したかのように見せかける。
「そんなもの!」
しかしそれがわかったからには、もう通用しない。ジョワユースの斬撃が届く前に撃ち落せる。そう考えたキラに、ジョワユースの先端が向けられる。
まだ斬るにも突くにも遠すぎる。
(そう思ってるんだろうが、な!!)
ジョワユースの光の刃が弾けた。揺らぎ、剣としての形が針金のように歪んだかと思うと、次の瞬間、強烈なエネルギーの奔流となって発射された。
これがジョワユースにつけられた特殊機能。
ビームサーベルは、磁場形成理論の応用技術によって、ビームを刃の形に固定したもの。ならばその固定を取り去れば、ビームサーベルはビームとして発射される。ただし、一度使えば、もうビームを固定する機能は壊れ、ビームサーベルは使えなくなる。
まさに『最後の一撃(ラストショット)』。
届かない距離という油断を突いたその一撃は、並みの一流パイロットならばかわせないものだった。しかし、キラ・ヤマトは良くも悪くも並みではなかった。
ビームが放たれる一瞬前に、彼は頭脳ではなく直感で行動し、右方向にわずかに動く。それだけでその一撃を回避した。
そしてそのとき、その場でシンだけが感じ取っていた。
キラが『SEED』を解放したことを。
「ああああああああああああッ!!」
キラが叫び、グフチャリオッツが両断された。
「教官ぁぁぁぁぁぁぁんんッッ!!」
戦闘力を失ったグフチャリオッツに、フリーダムは容赦なく襲いかかった。一瞬もかからずに胴を断ち切られ、上下半身泣き別れとなって落下。大地に激突し、爆発炎上する。
部品は砕け散り、修復不可能なまでに微塵となる。普通に考えて、生存は絶望的だ。
「教官ッ、教官ッ!! き、貴様ァッ!!」
「シン、俺が見に行く!」
レイのザクが墜落場所に下りる。それを聞き届け、シンはフリーダムを睨む。
「おおおおおおおおおッ!!」
プッツ〜〜〜〜〜ン!!
シンは『SEED』を覚醒させ、ビームライフルを撃った。しかしキラはビームがどこを通過するか、事前にわかっているかのような機敏さで、ことごとくを避ける。
「……君も邪魔をするのか」
キラの口調からは、すでに動揺は消え、元の機械じみた平静さを取り戻していた。キラはゆっくりとさえ見える動きで、ライフルを構える。そして冷静に撃ち放った。
続けざまに3度。どうかわしても1発は喰らう、計算し尽くされた弾道だった。
「くっ!?」
「任せろシン」
銃口の向きからそれを事前に悟り、せめてコクピットに損傷を受けない個所でビームを受けようと、インパルスの身をよじらせるシンに、ウェザーからの通信が届く。ビームが命中される前に、『ウェザー・リポート』の雲がビームの射線を歪め、インパルスを護る。
「ふうん……前にもあったっけ。確かオーブでもビームを歪められた。けれど」
ビームサーベルを抜いてかかってくるインパルスを避けながら、キラは高速で指を動かし、キーボードを叩く。数十秒後、キラはインパルスに向けて、更にビームを撃つ。
さっきと同じようにビームの軌道は歪み、
「なら歪みを計算して、撃てばいい」
インパルスの右腕に命中した。
「んなッ……」
シンは砕け散るインパルスの右腕を呆然と見つめる。
シンが信じられない思いで見るそれも、キラにとってはかつて行ったことの焼き直しであった。
前大戦の頃、砂漠での戦闘中、熱対流によってビームの照準が歪んでしまった時、戦闘中に熱対流のパラメータをインプットして、その歪みを修正したことがある。それの応用。
とはいえキラも少し前であればできなかっただろう。能力の有無ではなく、認識の問題だ。
正体もわからず、熱対流以上に不規則な、スタンドによる防御陣。それを計算するという行為は、普通できるわけはないと、人は考える。実際、初めてウェザー・リポートによるビーム防御を見たキラもそう思った。
けれど今のキラはそうは考えなかった。すでに彼は、できるかできないかなど考えていない。普通の人間が考えるようなことは放棄している。人であることを放棄している。まさしく機械。機械はできるかできないかなど考えず、ただできることを実行するのみ。
今のキラは精神的な負い目や迷い、奢りなどなく、自分の能力を完全に把握、認識、制御していた。キラにとって今行ったことは、空気を吸って吐くことのように、HBの鉛筆をへし折ることのように、当たり前のことであった。
しかしシンはその神業に、怒りや悔しさを感じる前に驚愕し、一瞬操縦する手までが止まる。
致命的な隙ではあったが、キラは追撃することはなくきびすを返し、彼方へと飛んでいく。その後姿に躊躇いはまるで見られない。デストロイは倒し、五月蝿いポルナレフも落とした以上、用は無いということなのだろう。
「ま、待てっ!」
シンは追おうとしたが、
「追うなシン!」
レイからの通信がそれを止める。
「もう追いつけない。フリーダムは速度もずば抜けているし、下手に追えば今度こそやられる」
「けどっ!」
レイの冷徹であるが正しい判断に、シンは反発する。
「ポルナレフ教官がやられたってのに、このままみすみす……!」
「教官は生きている!」
「………え?」
シンはポカンと口を開け、反射的にカメラを下に向ける。そこに意識を失っているらしく、あお向けに横たわるポルナレフと、その傍らに膝をつき、脈を診ているレイの姿があった。
「本当、か? あんなやられ方すれば普通は」
「普通は死ぬだろうが、彼は普通とは少し違うからな」
珍しく冗談めいたことを言うレイに、シンは体から力を抜いて小さく笑う。
「そうか……。生きてるのか。まったく不死身だな、教官は」
安堵と呆れが入り混じった表情をつくり、シンはキラが飛び去った方角を見つめる。
「しょうがない。今回は見逃すか」
そう言いながらも、自分の力ではキラを倒せないことはわかっていた。さきほどはポルナレフが殺されたと思った怒りにまかせ、それでも追おうとしたが、自殺行為であったことは認識している。
今のキラは以前のキラと違うことが肌で感じられた。ただ強くなったというのではない、もっと異質なものに成り果ててしまったという感触が。
まるで人間であることをやめたかのように。
(まだ足りない……。もっと力をつけなくては)
今はまだ未熟だ。アスランの言う、『光の道』も見えてはいない。だが必ず見る。自分はもっと強くなれる。
人間は怪物のような強さはない。だが人間は成長できる。
シンはそれをすでに教わっていた。
To Be Continued……
うおおーーーーーーーーーGJ!!
しかし、やはりキラはヤバいな、丞太郎がいれば……ないものねだりをしても仕方ないが、もっとも丞太郎がでたらヴェルサスもDIO化しないとあっという間にバランスブレイクだろうな……。
これはプチャとリゾットが手を組まないと不味いな……。
以上です。ポルナレフがどうやって生き延びられたのかは次回に書きます。
アークエンジェル新艦長、ルカ・リビコッコのモデルは、第5部の涙目のルカ。それにしてもジョジョは、作品の展開に関係ないキャラの癖に、印象的なのばっかりだ。血管針の4ゾンビとか鋼線のベックとかフィリップス上院議員とかワニの人形持った刑務所長とか。
リビコッコはスカルミリオーネ同様、神曲に登場する悪魔。『意地の悪い者』『癇癪持ち』を意味します。
このSSを読んでいると純粋な戦闘型のスタンド(キング・クリムゾンやスタプラなら別だろうが)よりも辻さんのような特殊型の方が権力に強いだろうなと納得してしまう。
となると権力者にも強くて戦闘でも頼れるスタンドなんだろう?まあ純粋な戦闘型で本体がD17(わかる人いるかな?)やカーズのような反則存在の組合わせなら問題ないだろうけど。
涙目のルカだとぉ――意外なんてもんじゃねぇキャラ出しやがってGJ
涙目のルカワロタw
スコップを得意武器とする軍人って普通に考えたらかなり恐ろしいな
能力を持たない人間同士だと無茶苦茶強そう
なんかキラがニュータイプとでもガチでやりあえるくらいの強さになってるな
キラはどんなSSでも大抵本編より強く見える
なにしろ本編が設定倒れな上に描写もショボく、マンセーされてるにしては全く強そうに見えないから
しかし今のキラはスピードワゴン、ひいてはツェペリさんに言わせれば
所詮ノミと同類になりさがった状態という事になるのかな。
いずれ再会した時どうなるか…
権力にも戦闘にも強い万能スタンドっていうとヘブンズ・ドアーじゃないかな。
一度本にしてしまえば、相手の記憶を読むことで情報収集できるし、どんな無茶な命令だって実行させることができる。
仮に一国の最高指導者を本にしたら、核弾頭を発射させたりコロニーを地球に落としたり好き勝手できる。
ある意味では一番恐ろしいスタンドだよね
しかも本に描かれた線のスタンドだしな
おおおおおおおおGJ!!!
負けたけどポルポルカッコイイ!!!
オリジナルMS最高!!!!!
原作どおり半身を失うかと思ったけど、とりあえず無事でよかったああああああああ!!
キラの不気味さも、動揺のしかたもいい!!
覚悟ではなく、恐怖によって突き動かされている感がディモールト出ている!!
ポルポルが助かったのはあれですね、寝たままの姿勢でチャリオッツで飛び出したんですね。わかります。
次も待ってます!
>>642 確かに、ヘヴンズドアーはやりようによっては無敵だもんな。
つーか大概のスタンドは、自分の土俵に引きずり込めば無敵だと思う。
逆に作者自身が史上最強と認める承太郎でも、あらゆるスタンドをパワーと時間停止だけで
粉砕できるわけじゃない。
いくら承りでもチョコ&セッコを相手にしたらやばいもんな
虫食い相手に溶かされかけてたし
時を止めれば、
カビの成長も止まるんじゃないか?
数秒だけカビの成長止めても意味ねーだろ
時間停止が終わるまでに接近して確実に再起不能にしない限りは
650 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/04(水) 04:48:41 ID:nLZUUTYx
でも練習したら長くなるんじゃないの。ディオがそうだったし。
練習する前に殺されるよ
それこそ常日頃から暇さえあれば時止めしとくくらいじゃないと
人に苦手な人、付き合いやすい人、相性がいい人…とあるように、
戦いやすいスタンド、ハマりやすいスタンド、お互いを引き上げるスタンド…などございまして…。
スタープラチナはスタンダードゆえに、誰でも戦える反面、
特に有利というのがありません。
時止めは強力な能力ですが、馬鹿の一つ覚えではせっかくの能力が台無しになります。
ましてや、カビを止める為に時間止めなどとても、とても……。
あとスーパーフライが地味に天敵
「スタープラチナと相性が悪い」でも
「承太郎が相性と悪い」とは限らんしな
655 :
通常の名無しさんの3倍:2009/02/05(木) 00:41:11 ID:tzSCcWc9
まぁでもチョコが見えるところにいたら
時を止める
→なんかブン投げる(DIO様でいうナイフ)
→そして時は動き出す
これでチョコは何されたかわからずに脂肪だろ
脳天に銃弾+クワガタギチギチを喰らってもしぶとく生きてたチョコ先生が即死とかありえん(笑
髪型が髪型だけに、薬用石鹸を投げられたら即死しそうだなwwww
時間を支配しても、空間はどうしようもない。
写真に閉じ込められたら、脱出出来ないし、
加速しても、距離は変わらない。
>>657 トラサルディーの厨房にカビ繁殖させて、怒り狂ったトニオさんに薬用石鹸で撲殺されるチョコ先生が脳裏に浮かんできたw
でも、チョコは承太郎にとってそれほど相性の悪い相手ではないよな
時を止めれば、繁殖されずに下に降りられるから。数呼吸置けば又止められるし
>>660 いや、荒木ならそうはしないと思う。
承太郎「ば…バカなッ!時を止めたのにカビが生える?!…ま、まさか!こいつは…!
オレの…下に降りるという行動自体が攻撃の引き金になっている!!」
こんな感じで承太郎の動きを封じると思う。そっからが逆転劇の始りだけど。
>>658、661
そこの塩梅の巧さが荒木先生の凄さだと思う。とくに空間をうまく使った(刑務所のなかだったからこそ仕えた手)ストーンの最後の逆転劇は最高です!!
チョコは丞太郎でもマジで危険な相手でしょう。極端な話、数キロ先の盆地とかから丞太郎を狙えば時間と止めても近づけない。
普通の漫画家は結果を重視する。
主人公と悪役、どっちを勝たせるか決めた後、勝敗へたどり着く過程はかなり自由度が高い。
つまり『最初負けてたけど怒りでパワーアップしたから勝ち』とか『新しい必殺技を考えたほうが勝ち』とか『仲間が助けに来たから勝ち』とか。
荒木さんは逆に結果云々より、そこへたどり着く過程をちゃんと説明しようとしてると思う。
『何が、何を、何したから勝ち』と。
6部は無茶苦茶で強引なのが多いって聞くけど、
それでも、「あ、主人公覚醒しましたから勝ちね」って展開より遥かに無理がないと思う。
>>663 激しく同意。過程を重視しているから主人公サイドがインフレをするのを防げているともいえます。
スタンドという能力は過程を描きやすい能力でもありますな。
>>664 基本的に単一能だからな。
万能じゃない分、自然と応用で展開を考える事になる。
それでも作者の力量が無ければ限界突破か唐突な助っ人になっちまうがなっ!
重ちーのチートすぎるハーヴェストが
キラークィーンの本体狙いの100円玉爆弾攻撃で倒した時は本気で恐ろしかった
歴代ボスの中でも吉良が一番ヤヴァイ
ボスやDioとは別な意味でヤバイ
>>666 吉良は間違いなくジョジョで「最悪」のラスボスだったと思う。
実際に、スタープラチナでも勝つのは難しいチートスタンドに成長したし。
まともにやりあったらキングクリムゾンのような敵の手の内を完全に読めるやつでないと完全に勝つのは無理。
短いですが、投下します。
―――――――――――――――――――――――
モニターにはベルリンの光景が映し出されていた。蹂躙され、燃え盛る都市の様子が鮮明に浮かび上がり、その中心にはその元凶となったデストロイの……残骸があった。
フリーダムとザフトMSの争いも見られたが、それはその映像を見ていた者たちにとっては、重要ではなかった。
モニターの電源が切れ、映像が消える。そして、モニターを見ていた男の一人が口を開いた。その物腰からすると、特殊な訓練を受けた軍人の類であろう。
「残念ですが……失敗に終わりましたな」
軍人は振り向き、背後に座る不機嫌そうな男の顔を見る。その男、ロード・ジブリールはデスクの上に両肘をつき、両手の指を絡み合わせたポーズを取り、映像の消えたモニターを睨んでいた。その周囲には、やはり軍人らしき男たちが二十人ほど立っている。
ここはユーラシア西部にある、ジブリールの自宅である。
「この失敗をもって、あなたの地位も権利も、一切を剥奪させていただきます。ロード・ジブリール殿」
軍人の宣言と共に、ロード・ジブリールのブルーコスモス盟主の肩書きには、『元』の字が書き足されることとなった。
「……それで、私をどうしようと言うのだ?」
しかしジブリールは冷静を保ったままに問うた。
「これからプラントとの和平交渉を進めるためには、プラントの憎しみを一手に引き受ける生贄が必要なのです。あなたにはこの戦争を引き起こした罪がある。あなたは国際法廷にて裁かれることになるでしょう」
「化け物どもに媚を売るために、私に全責任を押し付けようというわけか。世界の政治と経済を裏から操り続けたロゴスも、落ちぶれたものだな」
神経質そうな顔に、軽蔑の表情を浮かべるジブリール。軍人の男は気を悪くもせず、
「何とでもお言いください。どんな態度を取ろうと、あなたの取れる道は二つしかない。自ら進んで我々に従うか、あるいは」
右手を上げて周囲に合図を送る。すると、彼の部下たちがサブマシンガンを構え、ジブリールへと向ける。
「痛い目にあってから我々に従うか。その二つだけです」
丁寧な口調でありながら、優越感がにじみ出るのは隠せない。
「言っておきますが、あなたを今ここで殺すわけにはいかないといえど、腕の一本や二本は吹き飛ばす許可は得ています。裁判を経て、刑が執行されるまでの間、せめて五体満足でありたいでしょう?」
「……私からも、君らに言うことがある」
ジブリールはいつ機関銃から火が吹くとも知れぬ状況で、まったく動じていなかった。
「ほう、聞いておくだけは聞いてあげますが?」
軍人が許可を出し、ジブリールは言い放った。
「私の下について、私と共にここを脱出し、コーディネイターどもとの決戦に参加するつもりはないか? そうすれば、プラントを殲滅し、私が更なる権力を握ったあかつきには、君らに相当の地位を与えてやるがね」
言葉が途切れ、一瞬の間の後に、笑いが巻き起こった。
「クハハハハハハハハッ! ま、まさかあなたにそんなジョークの才能がおありとは、思いませんでしたよ。フッハハハハ!!」
「その反応からすると、従う気はないようだな」
ジブリールはさも残念だというように首を振ると、
「仕方ない。もう君たちはおしまいだ」
「ハハハ、余裕ぶっても無駄です。ご自慢のファントムペインも、ブードゥーキングダムとやらも、ここにはいないということは確認しています」
軍人はジブリールの態度をただのハッタリと受け取り、相手にしなかった。
「確かにここにいるのは私だけだ。だがね、私も丸腰というわけではない」
ジブリールは、軍人たちからは死角となっているデスクの影から、一つの武器を取り出した。
「…………フ、フハッ、ブアッハッハッハハハハハハ!!」
それを見て、軍人たちは再度、笑い声をあげた。その武器は、軍人たちの手にしたサブマシンガンに比べてあまりにも原始的で貧弱なものであったからだ。
「アッハハハーーー!! つくづく面白い、愉快な方ですね貴方は。そんな玩具で何をすると言うのです?」
「………こうするんだよ。バカめが」
軍人たちの目には、何が起こったか認識できなかった。次の瞬間、ジブリールと対話していた男の両腕が、胴体から外れて床に落ちる。一瞬の間を置いて、肩口から血が噴出した。
「……………何?」
男は痛みを感じる前に呆気に取られていた。何が起きているのか、理解が及ばない。そして理解する前に、今度は男の首が落ちた。
「えっ、あっ、た、隊長?」
「う、うう? う、うわああああああ!!」
「ひっ、ひいっ!?」
周囲の部下たちはようやく、今ここで何が起こっているのか認識できた。しかし、認識できたからといって彼らの運命が変わることもなかった。
一人、また一人と、血を噴き出しながら倒れていく。防弾着もヘルメットも、何の役にも立たなかった。
何人かが機関銃を乱射するが、ジブリールには一発として当たることなく、気がつけば鋼鉄の機関銃そのものがバラバラになっていた。機関銃を構えていた腕ごとに。
軍人たちは命が消えるその直前、奇妙な哄笑をその耳に焼付け、死んでいった。
《カハハハハハハハハハ―――――ッ!!》
………………
ジブリールの部屋から、ジブリール以外の人間がいなくなるまでに、五分とかかりはしなかった。
「……ふう」
白いスーツを赤い血で、グッショリと濡らしながらたたずみ、ジブリールは満足げにため息をついた。
「いい気分だ。思えば、私はずっとこうしたかったのかもしれない」
彼は心からすっきりしたという表情で、安らかに言う。
「我が部下として迎え入れた者たちから、私は聞き、知った。この世ならざる王者たちの存在を」
ストレイツォたちから聞いた、世界を支配しようとした人ならざる怪物の王。
ブチャラティたちから聞いた、一国を左右する権力を持った犯罪組織のボス。
「そんな彼らの話を聞き、私はこう思うようになった」
惨殺死体に囲まれて、言葉を紡ぎ続ける。
「彼らのようになりたい。とね」
誰よりも高みにありたい。誰よりも優位に立ちたい。その欲望のままに、彼は動く。
その行動は、以前の彼とさほど変わりは無い。しかし目的が違う。
「正義の名の下に、ロゴスの後ろ盾に急きたてられるように、私は行動してきた。だがロゴスなんて黒幕はもういらない。奴らが私を切り捨てるというなら良い機会だ。こちらから捨ててやる。そして、この私が表立って世界を支配してやろう」
かつては正義のため。遺伝子の化け物どもを駆逐し、清浄に生まれ変わった新世界を管理し、愚かな民衆を導くという正義。
それは自らの支配欲を隠すための言い訳であったかもしれないが、以前の彼は言い訳を必要とした。言い訳を必要とするということは、悪事と呼べる行為を恥じる心があったということだ。人間というものは、自分を悪であることを認めたくはないものだから。
だが今の彼は自らが悪であることを肯定していた。知ってしまったからだ。悪であることを恥じることなく、黒い栄光を掴もうとしている者たちの存在を。多くの異界の悪たちと交わるうちに、ジブリール自身の悪もまた、開花しつつあったのだ。
「この世界には、『神(ディオ)』の名を持つ吸血鬼も、『悪魔(ディアボロ)』の名を持つ首領もいない。ならばこの世の支配者に相応しいのは、『天使(ジブリール)』の姓と、『王侯(ロード)』の名を持つ、この私だろうよ」
ジブリールはその部屋の出入り口へと足を進める。これから自宅を出て、連合軍の最高司令部、ヘブンズベースへ向かう。ロゴスが立てるであろう、新たなブルーコスモスの盟主よりも前に、連合の最強戦力を抑えておかねばならない。
ロゴスはこれからプラントと和平を結ぼうとするようだが、そんなことは望まない者も多くいる。そういった者たちを味方につければ、まだ自分は戦える。
ただ、逃げる前にシャワーくらいは浴びておかねば。この格好ではさすがに行動できない。
浴室に入る前に、彼はその手に握っていた武器を放す。
「……今回は歯応えがなかったが、次に吸うことになる血は、より甘美なものだ。期待していろ。まだまだお前が殺すべきものは多い」
最新兵器で武装した軍人たちを皆殺しにした武器。サブマシンガンに比べれば、あまりに前時代的に見える、その武器。
「『聖剣(デュランダル)』の名を持つ男の首を、斬り落とすまでにはな」
その武器は、黒塗りの鞘に納められた、一振りの刀剣であった。
To Be Continued……
今回は以上です。『PHASE 32:悪事と地獄』終了。次回は『PHASE 33:終わりの始まり』の予定です。
乙です
この剣はまさか……
まさかANUBIS……?
>>675 そうやって言うと空間転移する超兵器っぽいからヤメレw
スタプラのオラオラも覚えた後だと、真っ向からやり合えるスタンドなんて存在しないある意味最悪の敵だな
アロンダイトやソードと一体化したら最強じゃないか?あぬびす
なんか仮面被った後っぽいが・・・
たしかにアヌビス神は、欠片さえ残ってれば自前で再生できる
近接戦闘タイプじゃ最強クラスのスタンドだが
たしか原作じゃ本体は500年前に死んでる、
いわば遠隔自動操縦型じゃなかったっけ
いや仮面は被ってないだろ
吸血鬼になると行動が制限されてしまうし、何よりオラオラまで覚えたアヌビスに比べれば、ただの吸血鬼の戦闘力なんてカスみたいなものだろうから、必要がない
ふと思ったが、素敵指ならあっさり刀を折れそうだな
刀じゃなくても持ち主の腕や指を切り離せば無力化できるし
アヌビスは遠隔自動と言うかノトーリアスBIGの同類だろ
それにしてもオラオラを覚えた後だとかなり無敵だな
本体狙いで戦うか、ガオンするしか勝てそうにない
・スティッキーで持ち主の腕切り落とす
・マジ赤やエアロスミスで本体ごと丸焼き
・CEに来てないぽいけどクリームとかでガオン
・グリーンデイ+オアシスで下げて腐らせる
こんなところでもなきゃオラオラ習得アヌビスには勝てなさそうだ
ウェザーで雷落として丸焦げ、生ハム兄貴で持久戦に持ち込んでじわじわと老化も入れてくれ
本体が刀である以上ウェザーの能力で錆びさせたりメタリカの磁力で刀に砂鉄引き寄せるのもありかも
MSと戦闘して覚えられたら、GF級の戦闘力になりそうだな
しかもこいつにPS装甲や陽電子リフレクターなどの防御兵器は一切無効
そもそもアヌビス神は、刀のスタンドじゃなくて刀に取り付いている狗面獣人(神話のアヌビスそのもの)の姿をした
悪霊みたいな奴だから
MSに取り付かせることも出来るかもしれん・・・・マジ時間に干渉するスタンドじゃないと勝てないんじゃ・・
だとしたら、そのスタンドは死んだ刀鍛冶の残留思念のようなものだから、
むしろ刀鍛冶が作ったその刀に執着するんじゃなかろうか。他のものに乗り移れるなら、
500年も休眠期間があったんだからやっていてもおかしくはない。
床屋を操ってポルにかみそりで切りつけたりとかしてたから、一時的に他の刃物を操らせたりは出来るのかな。
キャラバン・サライが打った刀が、ガーベラストレートみたいなMS用の剣だったらマジ無敵すぎるところだ
おおGJ!!
ここでアヌビスとは!!
何かジブリールもすご味が付いて格好よくなってきたし、続きが気になる!!
>>688 、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
/⌒` 三ミヽー-ヘ,
__,{ ;;,, ミミ i ´Z,
ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
_) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
>';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了
_く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ さらに考えるんだ
) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:}
{ .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ 「アヌビス神を混ぜたMS用の剣を作っちゃえばいいや」
ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´
,/´{ ミ l /゙,:-…-…、 ) | と 考えるんだ
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `……´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
′ / ! ヽ
あのジブリールがこんなにもカッコイイ悪になるとは!戦慄した!
今さらだが、第5部はある意味スタプラのオラオラよりも強力な破壊力を持ったスタンドが多いよな、例えば素敵指はどんな物質も切断して、なおかつゲートや倉庫につかえるし。
グリーンデイのカビも生物には絶大な威力があるし。
単純な破壊力や殺傷力ならオラオラより上のスタンドは何体もある
だがオラオラの恐ろしいところは、一撃一撃がトラックを余裕で吹き飛ばす程の拳が、至近距離からライフル並の速度でダースになって飛んでくるところだ
しかも精密機械のような正確さで
これを覚えてしまったアヌビスに、真っ向勝負で勝てるのはそれこそ時間操作系ぐらいのものだろう
素敵指はクリームの劣化版にジッパー機能が付いた物だからな
素敵指とクリームどっちのスタンドが欲しいか聞かれたら、素敵指と即答するけどな。
汎用性が高いのは魅力
個人的には素敵指とクレイジーDとハーヴェストが欲しいスタンドトップ3
>>695 素敵指は移動にも戦闘にも使える上に、物資とかも体一つで物凄く保管(原作でも他人の体に入り込んでも相手は平気で動けましたし)できる凶悪に「便利」なスタンドですからチートですね……。
丞太郎でも通常の接近戦はしたくないでしょう。
便利さでいえば天国扉が一番かと
>>697 最近ではものすごく進化していてタイマンだとほとんど無敵かも。
時速300キロ以上のクレイジーダイヤモンドの拳より、本人の手の動きのが速いとかねーわw
そういえば天国扉を金栗の未来視で見たら効果があるのだろうか?悩むな……。
露伴の高い能力あってこそのヘブンズドアーだと思う
他の人間だと初期レベル(それでも十分なんだが)からなかなか進化できないな
パールジャムも普通の料理人だとあそこまで劇的な効果は得られまい
>>699 2011年時点だと、加速してる世界でも一人だけ原稿あげられるくらい成長してますからw
>>702 そりゃ、露伴先生がチートそのものですから、あの時点での先生はたぶん、徐綸たち(丞太郎は除く)よりも遥かに強いでしょう。
一度、露伴先生VSトニオさんとか見てみたいw
>>704 次週から露伴先生の新連載が料理漫画になるw
荒木と板垣
この2人が描く料理漫画はマジに読んでみたい
化粧師みたいな料理人VSトニオさんか……
凄く見たいなw
モニュモニュ…vsズビズバー!
上手い漫画家の書く料理漫画は美味い。
コレは小説でもかわんねぇ
トニオさんのイタリア料理も
烈海王の中華料理も
どっちもヨダレズビッ!な感じに旨そうだから困る
トニオさんはどんな漫画でも最強の料理人だろう。
すいませんが訂正。
>>671 > 軍人たちは命が消えるその直前、奇妙な哄笑をその耳に焼付け、死んでいった。
>
>《カハハハハハハハハハ―――――ッ!!》
↓
> 軍人たちは命が消えるその直前、奇妙な絶叫をその耳に焼付け、死んでいった。
>
>《ウッシャアアアアアアアア―――――ッ!!》
なんというアヌビス笑いw
ジブが「絶対に絶(中略)負けんのだァ〜〜〜ッッ!!」と叫ぶ姿を想像するだけでwktkする
中の人の声が素晴らしく良いだけに
> ウッシャアアアアアアアア―――――ッ!!
うん、こっちの方が断然いいwwwwww
アヌビスがDIOに従っていたのは、時を止められたら覚えられないからだろうか。
>>716 たぶんね。
もし覚えることが出来たら、時を止め返すことも可能になってしまう。
ジブリールのアヌビス神が、現時点で有する能力を漫画を参考にあげると。
触れた生き物を操る。(触れさせるために誘惑もする)
切断する対象を選ぶことが可能。
スタープラチナ以上のパワーとスピードと精度。
シルバーチャリオット以上の剣さばき。
ここまでが承太郎に倒された時点で有している能力。
でここに時止めの能力が加わると……なにこのボスキャラ。
レクイエムじゃねーと勝てねーだろ、それw
アヌビスもレクイエムになれるのか?
>>714 中の人的に考えれば、「アヌビスに同じ技は二度通用しない。 もはやこれは常識。」だろうw
「お前のスピードは見せてもらった。ならば、それよりも上を行けばいいだけの話だ」
無茶苦茶な台詞だが、アヌビスだと可能なんだから恐ろしい
アヌビス持ったままMSに乗ればキラを超えられるんじゃね?
レクイエムって銀も金も
精神に影響を与える能力だったから
皆精神に影響を与える能力になるんじゃないか?
表現されてないけど、さすがに生物の限界があるんじゃない?
子供の体でも凄まじい力を発揮できても、アギーに邪魔されたりするとかのアクシデントには対応しずらいようだし
うっかり透過能力使っちゃうと言うドジもしてしまう精神的な隙も結構ある
MSに載せても、下手すりゃ空中分解するって落ちも・・・
今頃ジブリールは全身筋肉痛で寝込んでるだろうな
せっかく生前縁があったポルナレフがいるんだし、
花京院にならって「アヌビス神を克服した二刀流ポルナレフ」を見てみたい気もする。
恐怖と違って乗っ取りは能力だからな、いくら精神力が強くなっても無理だろ
例えるなら精神力が強くなればポルナレフは『静止した時間の中で動けるようになるのか?』クラスだぜ
支配できると思いなしゃれっ!
鉛筆をへし折るようにっ!「出来て当然」と思うのですじゃっ!
だからな…凄まじい精神力があれば理論的には可能な気がする。
もう人間には到達不能な領域の精神が必要かもしれんが。
エコーズの文字が剥がれるレベルなら……
アヌビスってネズミの脳も乗っ取れるなら、MSのコンピュータも普通に乗っ取れる気がしない?
あの世界ならネズミぐらいのコンピュータできてるだろうし。
逃げて! ハチとルージュとグリーンフレームとスターゲイザーのAI逃げてー!!!
まさか・・・・まあへブンズ戦で無双やらかしシンに勝つか負けるか・・・取りも直さず期待したいところだ
実際種死お戦争の結果って公式に判明してないんだよな・・・あるいはまだ継続中である可能性がある
連合はロゴス潰してラクシズとの関係を構築してるけど、ザフトは旧ザラ派が復権するなど不確定要素が満載だあ
そういやさ
物質透過が出来るアヌビスって防御に徹すればマジ赤とかの特殊攻撃系以外には無敵じゃね
そういえば皇帝などの飛び道具を使うスタンドに対してはどうかね・・・
まあ、上記のジブリ無双を見る限りサブマシンガン程度なら余裕でかわせそうだが
アヌビスだと節制やホワルバの絶対防御でも透過できそうだから、攻撃面では最強だな
というか、ロゴス壊滅で経済混乱、デュランダルがその隙をついで世界を先導する立場に躍り出るが
ラクシズがクーデターを起こしデュランダルを殺害、その後は表現されてないけど
アフターでラクシズが凄い権力持ってるのが多いが実際、北斗の拳やらアフタウォークラスの状態になってる可能性大だよな…
>>733-735 一応、チャリ乙戦やスタプラ戦を見るとスタンドは通過できないっぽい。
通過出来るなら、本体が死ぬのも構わず攻撃すればいいわけだし。
アヌビスの天敵はセッコ
切ろうとすると溶かされると言う
後イギーも地味に天敵だろう。
あれは直接的な力じゃ勝てないし
まあ見切ったーって叫んで砂ごとイギーをぶった切る事が出来ないっていえないのがアヌビスの力だよな
イギーに限らず、ンドゥールやアクアネックレスのような液体型、イエローテンパランスのような軟体・粘体型と相性悪いだろうな。
あと群体型も、ハーヴェストとかなら、ハーヴェスト集団で運んで水に落とすとかで対処できるな。
そーいえば天国扉って漫画が視界に入ることが条件だから盲目の人間相手には無力だよな。
ンドゥールには絶対勝てないだろうし。
…そういえばアヌビスが天国扉食らったらどうなるんだろう?
刀が本になるのか、それとも操られてる生物が本になるのか?
「見切ったぞ」
露伴に匹敵するスピードで脱稿始めるアヌビス。
なんてのは無理か。
第四部後半でちゃんとスタンドとして実体化(変な言い方だが)してるんで、スタンドが触れば本に出来るぞ
スタンドが触れたら、じゃなくてスタンドを見たら、じゃないの?
ヘブンズドアーはあくまで露伴の漫画の世界に引き込まれて本化させるわけだし。
だからこそ視界に入っていながらも目に入っていないジョースケには通用しなかったわけで。
でも再登場したときには指で描くだけで具現化してたし、通用するんじゃない?
そういえば、あの名台詞『だが、断る!』が出た回で、
ハイウェイスターから逃がす為、じょう助にヘブンズドアーを仕掛けて、
ハイウェイスターより早い速度で吹っ飛ばしたんだよな。
つまり、漫画の魅力で魂が敗北(=面白い)と思わせたら、
本化するっていう能力が、指差しする事によって強制的に本に出来る能力まで力を付けたわけだ。
逆にいえば、漫画力がグレードアップしてるって事にもなるわけか。
ダサい人間にも『面白い!』と言わせてみせる!って露伴なら思ってそうだ。
その結果の枡能力なんだと思う。
>>746 『だが断る』 だ!
二度と間違えるな!
あの名言は『だが断る』というんだ!
『だが、断る』でも『だが断る!』でもない!
後、スタンドが見えない一般人のチンピラと早人にも、スタンドが指差しただけで効果があった。
刹那「おいオメー、さっきからうるせえぞ。『狙い撃つ』『狙い撃つ』ってよォ〜〜。
どういうつもりだてめー、そういう言葉は、オレたちの世界にはねーんだぜ…そんな、弱虫の使う言葉はな……。
『狙い撃つ』…そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に相手を撃っちまって、もうすでに終わってるからだッ!だから使った事がねェーッ。
ライル、オマエもそうなるよなァ〜〜〜、オレたちの仲間なら…わかるか?オレの言ってる事…え?
『狙い撃った』なら、使ってもいいッ!」
刹那スレにも書いたんだが、今回の00見て咄嗟に思い浮かんでしまった
それにしても荒木先生はなんでこんなに執筆ペースが安定しているのだろうか?
某ハルヒとかはこのまま打ち切りっぽいのに、だからファンは安心してよめるのですが。
ここまで執筆ペースが安定しているの作家もいないと思う。
ジョジョはどんな場合でもこれまでのところだいたい20巻くらいで終わりますが、
決して人気があるからと言って風呂敷を広げないスタンスがプラスになっているのでしょうか?
ARAKIのスタンドは無敵だな
>>750 作家として能力は本当にARAKIというチートぶりなのが困る。
あの若々しさといい本当に波紋を使えry.
STBもすでに第1話を書いた時点で結末も大まかな骨格も決めていると思われるのだから、他の作家は涙目ですな。
おおざっぱな構成なら、素で『俺のジョジョ脚本はよ〜すでに!108部分はあるぜ〜』と、言われても納得しそうなのが怖いww
多分加速してる。
老けないのもそのせい。
息の長い漫画家を見ると、「ああ衰えてるな〜」とか、「すっかり安定期に入っちゃったな〜」とか思うことが多いけど、
荒木さんだけは常に進化し続けている所がすごい。
いつの時代の絵を見ても、その絵の中に「良さ」がある漫画家ってほとんど居ないっていうか、他に知らない。
他は高橋葉介か安彦良和くらいかね・・・
>>754 各部ごとに好き嫌いはあるけど「劣化した」とはまるで思わないからな
鰤とかヌルポとか、40巻そこらでもう見てられないほど腐ったものもあるというに
ここでヴェルサス=ARAKI説
アシスタントはときわ荘の皆さんを地面から呼び出して手伝ってもらっております
肥溜めに落ちたのも能力の一片だったんだwwwwwww
>>754 各部の違いは単に「味付けが変わった」だけであり、質は全く変わっていないのは他の漫画家から見れば涙目ですな。
連載のペースもジャンプにいたころに比べて落ちた(いや今までが凄すぎただけ)とはいえ、月刊では相当に早い方でしょう……。
某強殖装甲の人とかに荒木先生の半分の執筆力があればorz。
どうしても遅筆の作家さんを見ると荒木先生と比較して勝手に不満を垂れてしまう自分がいます。
週刊ペースで月刊誌を描く荒木先生がスゴすぎるだけだw
後、アジもマジ優秀。
荒木先生んとこも有限会社化してた気がするが、詳しい人kwsk
有限会社だかの体裁を取ってるのは税金対策だと聞いたことがある
>>760 確かに……確かSTBは2004年からだから、実質4年で16巻おいおい、ちょっと遅い週刊誌ペースというか週刊ヤングジャンプの単行本のペースと大して変わらねぇw。
「これでもジャンプの時よりもだいぶ楽なりました。」って言ってたから、本当に波紋は実在するのか……。
>>759 むしろ同じUJ連載陣(もうこの言葉自体使っていいものかどうか)の遅筆王H氏に
荒木先生の執筆力の100分の1でもいいから分けてやってほしいよ。
というかあいつの場合、季刊連載してた頃の自分を思い出してくれ。
完全版だか何だか知らんが、昔の単行本直してる場合じゃないだろうに……
>>762 なんか月あたりの枚数は週刊時代より少ないとか締切が月4回から月1回になったとかで楽になったらしいが
「楽になった」という言葉の微妙な意味とか次元とかが違うような気がしてくる
>>764 「楽になった」間違いなく一般的に使われているのと意味が違いますよ……。
他の漫画家からは、週刊少年紙から週刊青年誌変わった(微妙にページ数が青年誌の方が少ない)だけだって悲鳴が出そう。
真のプロっていうか、もはや人間を超越している。
他に同じようなことができる漫画家っているのだろうか?
>>765 荒木先生は大先輩の秋本治先生を見習って、そういうペースで仕事してるらしいが、
秋本先生自身は無理だろうな。作品が週刊で一話完結で作られてるから、月刊誌の長さの話作りには対応できないだろう。
>>766 こち亀連載中でも、まれに今は亡き月刊ジャンプで『ミスタークリス』を描いてたよ。
連続でやれるかは微妙だが、一応月刊誌用のサイズで連載してた。
こち亀で出来ない事をやれるから、結構楽しんでやってたそうな。
その秋本先生がTVで出てたんだが、ネームをファミレスで描いてたな。
この辺のシーンを何ページ分書いて、オチは何ページだなどとまさに『漫画の設計図』だったよ。
基本的にネーム(秋本先生流)はページオーバーを気にせずに終わりまで書いて、
そこから削るらしいから、月刊だと付けたしとかが多いかもね。
で、ここでさっきの話につながるんだが、荒木先生が秋本先生に習って描いてるならば、
おそらくは週刊誌時代から、膨大なネーム数になりがちで、
しょうがないから、コマを小さくしたり、大幅にカットしたりとかりして工夫してた。
で、月刊誌になってページ数が増えたから、削るのが楽になって、
締め切りも一回だけになり、ついでに表現の自由度が上がったから、
精神的にも楽になってるのではないかと予想。
ダイエットが要らなくなったってことか。
荒木先生のペースの凄さは他の月刊漫画と比較してみるとよくわかる。
例えば喰霊という2005年から連載している角川の漫画は月刊誌なんだけど、現在単行本は8巻まで出ている。
それに対して2004年から連載しているSLBの単行本は16巻……ちょっと待て、たった一年しか違わないのにこの差は一体何!?
落ち着け
それじゃスティールボールランじゃなくてどっかの悪魔の砲撃だ
避難所に投下しておきます。
代理投下します
204 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:39:37 ID:???
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』
ベルリンから離れたアークエンジェルは、フリーダムを収納すると、また潜伏地に戻るために飛行を続けていた。
その中でキラはセッコの相手をしていた。
「欲しいのかい? 甘いの3個欲しいのかい? 3個……いやしんぼだな」
「うあああっ、うおっ、おおおっ」
キラはどこか擦り切れたような印象のある微笑を浮かべて、3個の角砂糖を手に取り、1個を真正面に、1個を真上に、1個を真後ろに向けて力強く放り投げた。
「うおっ!」
セッコは風を切って真正面に投げられた角砂糖に追いつき、逃げる小魚を後ろから喰らう鮫のように、口でキャッチする。
そのままの勢いで壁まで進み、壁を弾力のある物体に変えた。リングロープの反動を利用するレスラーのように、弾んでこんどは逆方向へと突進する。
「おおおおおっ!」
突進コースの軌道に重なる、真上に投げられて落ちてきた2個目の角砂糖をキャッチして更に突進。真後ろに投げられた角砂糖の落下地点に、落ちる前に到着し、落ちてくる角砂糖を、口を開けて待ち構える。そして3個目の角砂糖もキャッチすると、
「ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ」
3個を一気に噛み砕いたのだった。
その異様な光景をヴェルサスは眺めていた。キラは笑顔を浮かべているように見えるが、本心はいまだに機械の様に固まったままだろう。
もっともっととせがむセッコを押し止めると、キラは自室に閉じこもりにいってしまった。
(ラクス・クラインなら『よしよし』と頭でも撫でるんだろうが……まあ男が男の頭撫でてるとこなんて見たくはねえが)
そういえばラクスはどうしているだろう。チョコラータをつけておいたから、原作の様にザフトに見つかるような下手は起こさないと思いたいが。
「そのときは原作どおり、キラを差し向ければいいとして……」
原作どおりならこの後、ザフトからの攻撃をくらうはずだ。
デュランダルの放送で、ロゴスの存在が公表された後、オーブを心配して様子を見にいこうとするところを、待ち伏せされて襲撃を受けると言うのが設定である。
205 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:40:43 ID:???
(もはやそれとは状況がかなり異なる。待ち伏せできるほど、こちらの行動を予測できることはないだろうが……警戒はさせておこう)
そこはルカの能力に任すしかない。もし襲撃されても、今のキラであれば苦もなく返り討ちにできるから、そこは心配いらない。
それよりも問題なのはンドゥールである。彼は今、アークエンジェルを離れている。
ヴェルサスが望んだものを見つけるために。
ヴェルサスがグッチョからこの世界の設定を聞き、新たに欲した、とあるものを。
(ケンゾーに占いを依頼したときは、駄目でもともとという気であったが……)
本当に発見できるとは思っていなかった。設定で明確にされているわけではないにしても、描写上では完全に消滅しているはずの存在であったから。ただ、この世界は描写を超えた現象がしばしば起こっているらしいので、あるいはと思っただけだ。
助かるはずのない者が助かったり、いなかったはずの者がいたり、あったはずのものがなくなったり……。そんな曖昧なこの世界でなら、あるいはと、思っただけであったのだが……。
「本当に、見つかるとはなぁ」
ヴェルサスは凄まじい笑みを浮かべる。狂気さえ滲む、喜びの笑み。
これは、偶然か? それとも、ご都合主義というものか?
否。違う。これは『運命』というものだ。今このとき、世界の運命の流れは、自分を中心にして動いていると確信する!
「間違いなく、この世界は、俺を望んでいる!」
力と力は引かれ合い、大いなる何かに導かれるように出会う。ヴェルサスはそれを実感していた。
しかし彼は失念している。その導きが、彼に幸運ばかりをもたらすわけではないことを。
―――――――――――――――――――――――
夜の闇に、いまだに消えない炎がそこかしこで揺れている。人々に安心感を与える太陽の姿は、まだ見えない。巨大な連合のMSによって蹂躙された大都市は、腹を引き裂かれ臓物をさらけ出された動物のように、無惨な姿を見せていた。
その中を、一人の男が歩いていた。
言わずと知れた、J.P.ポルナレフである。
206 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:46:05 ID:???
キラにやられた後、気絶したポルナレフはミネルバに運び込まれ、目を覚ましてから状況を聞いた。それによるとミネルバは、今夜はベルリンにとどまるということだった。
まだ安静にしておくように言われたが、ポルナレフにじっとしていることを望むのは、少々無理がある。
破壊された建造物の下には、まだ生きたままに閉じ込められた者がいるかもしれない。
瓦礫の影には、かろうじて死神の鎌から逃れおおせた者が息を潜めているかもしれない。
ポルナレフは、そう思うと大人しく寝てもいられず、ベッドを無断で抜け出して、廃墟と化した街を歩き回っていた。
しかしンドゥールとの戦いの傷もまだ残ったまま、キラによって撃墜された衝撃を身に受けて、そのコンディションは到底、救助活動を行えるようなものではなかった。
「ちっ、やっぱタリア艦長の言うとおり、朝には来るっていう増援部隊を待つしかねえのか……」
二時間ほど歩き回っても、一人も救助できないまま、ポルナレフは情けなく思いながらも諦めて、ミネルバに戻ることにした。
「朝まではもうちょいかな……。しかし、グフチャリオッツはもう直せないだろうしなー、どうすっかなー」
キラに破壊されたMSのことを思い出して、ポルナレフはため息をつく。
墜落したあの時、爆発に襲われたポルナレフは、シルバー・チャリオッツの剣さばきによって、その爆風と縛炎を切り裂き、刎ね飛ばして、その威力を半減させることに成功した。
そのように爆発の破壊力を最小限に抑えた後、シルバー・チャリオッツに体を持ち上げさせて、半壊したコクピットから素早く脱出したのだ。
地面に無事着地したものの、墜落の衝撃とスタンドパワーの使いすぎで意識を失ってしまったが。
「また新しいMS貰えるってのは甘いか? 新型のMS造ってるって話だが……ッ!!」
そこまでぼやくように呟いていると、途端ポルナレフの背筋が強張った。反射的に彼はその場から数メートルも飛び退き、スタンドを出現させ、いつでも切り払える体勢に身構えていた。
そうしていると、夜闇の中から黒い男が現れた。
207 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:47:47 ID:???
「さすがだポルナレフ……その反応速度、向ける鋭い殺気……どれをとっても」
黒いヘルメットとパイロットスーツで身を包んだ、長身の男。
ポルナレフはその男を知っていた。
「貴様………ッ!!」
男はヘルメットを取る。すると中から、黒く長い髪が溢れ出る。そして貴公子と言っても言い過ぎではないというほどの美麗な顔が露わになった。しかしその美しい容姿に、弱さは微塵もなく、冷たい猛々しさが放たれていた。
「期待どおりだ。さあ、どうするポルナレフ」
ポルナレフは男の名を呼んだ。
「ストレイツォ!!」
友の仇の憎き名を。
「ようやく会えたな。今までも割りと近いところまでは来ていたのだが、すれ違いばかりであった」
ストレイツォは不敵に笑い、
「そろそろ熟成もピークというところだと思い、一思いに飲むことにしたよ。せいぜい、楽しませてくれ。この力を存分に振るわせてもらいたい」
ポルナレフの復讐心を、ワインか何かのように言う。人の生き血を吸う吸血鬼にとっては、人間はまさにワイン同様のものなのだろう。
「楽しませはしねえ……悪酔いの上に、中毒でおっ死にな」
「言ってくれる」
ポルナレフの烈火のごとき覇気を前にしても涼しげな顔で、無造作に近づいていく。そして右手をゆっくりと上げ、余裕のままに、大岩をも粉々に砕く鉄拳を叩き込んでやることにした。
208 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:49:14 ID:???
「このストレイツォ、容赦……!!」
口から出ようとする言葉を途中で切り、彼は背後に跳んでいた。直後、足元でドサリという音がした。ストレイツォが反射的に足元を見ると、そこには一本の右腕が落ちていた。
「……………?」
一体、いつ、誰の右腕がこんな所に?
それが誰のものであるかわかったのは、ストレイツォが自分の右肩に視線を向けたときだ。彼は、肩から先の部分が綺麗に消失していることを発見した。
「なにィッ!」
「何を驚いてんだぁ? アホレイツォッ!!」
ポルナレフが迫ってくる。
「う、うおおおおおっ!!」
ストレイツォは素早く右腕を拾って、更に跳び退く。しかしその体は、既に浅くではあるが、切り裂かれていた。血が飛び散り、ストレイツォの顔が歪む。
吸血鬼に痛覚はないが、受けたダメージは無視できるものではない。
「そ……そんなバカな!」
ストレイツォは更に跳んで、ポルナレフと20メートルほどの距離を取った。
(甘く見ていた……!! ポルナレフの力がこれほどとは)
たとえポルナレフがスタンド使いであったとしても、波紋戦士として修行し、吸血鬼となってその五感をより鋭敏なものとした自分であれば、圧倒できると考えていた。
たとえスタンドが視認できないとしても、気配を読んで、対応できると考えていた。
だが、実際はそうはいかなかった。気配を読めなかったわけではない。殺気や呼吸、微妙な空気の揺らぎを感じ取れたからこそ跳び退き、右腕一本ですませられたのだ。そうでなければ、首を落とされていたことだろう。
(気配を読んでも間に合わない……それほどの速度と破壊力……!!)
吸血鬼の不死性を持ってすれば、一回や二回、スタンドの攻撃を喰らったところで、構わずに本体を打ち倒せることができるはずだった。実際、初めてポルナレフと出会ったときは、切り刻まれてなおポルナレフを倒すことができた。
だが、今回のポルナレフは以前と違う。多少切り裂いただけでは手を緩めない。こちらの不死身さを理解しているがゆえに、油断なく、徹底的に切り裂くだろう。
(ポルナレフのスタンドの射程距離は、精神状態にもよるが、およそ2メートル。俺が奴に拳なり蹴りなりを叩き込む前に、私の体はバラバラにされている!)
気配だけで見切れる攻撃ではない。見聞きできないことには、吸血鬼の身体能力をもってしてもどうにもできない。自分から姿をさらしておいて、どうしようもなく無様な事態。
「こんなことが……!」
ストレイツォは斬られた右腕の切断面を繋ぎ合わせ、くっつける。ストレイツォにとってこの程度の傷は数秒で治る。
(だが脳を剣先で掻き回されたら、いかに吸血鬼とて死ぬ)
もはや余裕などない。捕食者として人間より圧倒的に優位に立っていたはずのストレイツォは、もはや狩られる弱者へと立場を急激に落としていた。
ズッ、ズッ、ズッ……
足音を立ててポルナレフが迫る。口数の多い彼が、今は無言の威圧感をともなってストレイツォに刃を向ける。
「ぬ、ぬううううう」
ストレイツォは苦しげに相手を睨み、眼に力を込める。
支援
支援
209 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:51:02 ID:???
「空裂眼刺驚(スペースリパー・スティンギーアイズ)!!」
ストレイツォの瞳に穴が開き、そこから光線のように鋭く細い弾丸が発射された。その弾丸の正体は、強い圧力をかけられたストレイツォの体液。大理石でさえバターのように滑らかに切り裂く威力。
「……チャリオッツ!」
しかしその必殺の攻撃も、シルバー・チャリオッツが一振りした剣によって、あえなく叩き落された。
「もう終わりか? 何かするなら、しといた方がいいぜ。すぐに、何もできなくなるんだからな」
ポルナレフの表情には、一片の慈悲も無い。
「我が友、シェリーの魂の名誉のために……この俺が貴様を絶望の淵にブチ込んでやる!!」
ビタリと右人差し指をストレイツォに向けて突き出し、宣言を下す。ポルナレフの間合いまで、あと数歩に迫っていた。
「……ポルナレフ」
ストレイツォが口を開いた。
「お前は、人命救助のためにこの夜の廃墟をうろついていたのだろうが……なぜ一人として出会わなかったのだと思う?」
「……何?」
思わぬ言葉に、ポルナレフは足を止める。
「なぜ……このストレイツォがこのベルリンにいたのだと思う?」
そしてストレイツォは、見る者に嫌悪感をもたらすような笑みを浮かべ、
「私の身分は、ブルーコスモスのテロリスト。となれば、今、私がここにいるのもブルーコスモスの盟主、ジブリールの差し金だ。では、私が与えられた任務とは何か?」
その時、ポルナレフは背後に気配を感じ、剣を振るった。
「グオバァアアァァ!!」
異様な叫び声をあげて、気配の主が倒れた。ポルナレフが振り向くと、そこには頭から股にかけて両断されて、なおも蠢く男がいた。
「うううおぉぉおおおお!! よ、よぐもごの野郎―!」
だがそれは人間ではない。吸血鬼のエキスを注入され、怪物となったもの。肉体的には死んでいて、なお動き、人を襲う化け物。
屍生人(ゾンビ)。
「これは……てっめえ!!」
ストレイツォの方に視線を戻したとき、彼は既に高く跳び上がり、崩れて半壊したビルの上に乗っていた。高さは地表からざっと7メートル。人の身では、すぐに追いつけるような場所ではない。
210 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:52:09 ID:???
「おいー! 余所見してんじゃねえぞ」
「筋張って肉が固そうだが、腹へってるから贅沢は言えねえな」
「ゲヒヒヒヒ、オイラが一番先に食うんだぁ」
その間にも、砕かれた建築物や、マンホールの中などの物陰からわらわらと屍生人が這い出てくる。その数、およそ50体。
「私の任務。それは救援作業に訪れたザフト部隊に、更なる恐怖をもたらすこと。すなわち、屍生人たちに襲わせることによってだ。今まではさすがに自重していたやり方だが、ジブリールも本気で追い詰められているようだ」
「待ちやがれ!!」
「そうはいかない。死にたくはないのでな。屍生人にした者たちすべてをここに集めたから、いかにお前でも突破は骨だろう。次に会うまでに、お前への対抗策は考えておく……その時まで、さらばだポルナレフ」
そしてストレイツォは現れた時とは逆に、溶け込むように闇夜に消えていった。
「くそ……!!」
舌打ちして唸るポルナレフだが、逃げに徹したストレイツォには、もう追いつけそうにない。今は諦め、この状況を何とかすることにしよう。
「屍生人どもが数十体、か。ちくしょう」
ほんの少し前までは、連合軍の暴挙の被害者であった人々は、今や邪悪の業によって、理性無き悪鬼となって、ポルナレフを囲んでいた。顔は崩れ、体つきも歪み、その心同様、肉体も不自然で凶悪で、醜悪な形となっている。
誰もが下卑た笑みを浮かべ、ポルナレフを引き裂き喰らう欲望に、その眼を爛々と輝かせていた。
「………許せよ」
神妙な面持ちで、救うことができなかった人々に言葉を投げる。そして気持ちを切り替え、ミネルバへの帰路を睨み、走り出した。逃がすまいと群がる屍生人に、白刃が向く。
「シルバー・チャリオッツ!!」
一薙ぎごとに二、三体の屍生人の首や腕が切り裂かれていく。屍生人の頑強な筋肉もものともせず、銀の戦車は敵の群れをさばいていく。
「ぎいいぃえええぇぇ!!」
「ドギャーーーーー!!」
「腕ぇぇぇ! 俺ッちの腕がぁぁぁぁ!!」
情けはかけない。かけたところで、彼らが人に戻れる可能性は皆無。それどころかまた別の人間を襲い、その人までも屍生人に変えてしまうという罪を犯すことになる。それを考えれば、むしろこうして滅ぼしてやる方が情けというものだ。
211 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:55:23 ID:???
(とはいえ……腕の2本や3本じゃ怯みもしねえからな。この数を相手にするのは、やばいかも)
じきに太陽が昇る時刻ではあるが、それまで無事に持つかどうか。
「やるしかないか……! チャリオォォォッツ!!」
雄叫びと同時に、シルバー・チャリオッツの鎧が分離する。軽量化により速度を急激に上昇させたスタンドは、本体の周囲を高速で回り始める。その速度は分身を生み、ポルナレフを囲む円陣を組んだ。
円陣を組んだチャリオッツは、襲い掛かる屍生人たちを片っ端から切り飛ばしていく。
「オオオオオオオオオオオッ!!」
30体近くを切り裂き、ようやく囲みを抜けられると思えたとき、ポルナレフの足が強く引っ張られた。
「なっ!?」
急ブレーキをかけられたポルナレフはつんのめり、たまらず倒れ込んだ。転げた痛みに呻きながら、振り向いて足を見ると、マンホールの隙間から爬虫類じみた醜い腕が伸び、彼のズボンの裾を掴んでいた。
「やっりぃ!! 止まったぜぇ!!」
「もうお終いだぁ!!」
ポルナレフはすぐにその腕を切り裂き、束縛から逃れたが、そこに屍生人たちが圧し掛かってくる。反応の遅れたポルナレフに、その襲撃への対抗はできない。
「くそっ! こんなところでっ!」
屍生人の爪が、ポルナレフの皮膚を切り裂こうとする直前、
ドドン!! ドンドンドン!!
緑色の光が奔り、屍生人たちを吹き飛ばした。
「!!」
ポルナレフはその輝きを知っていた。鮮烈で美しく、そして凶悪なまでに強力な、その光のことを知っていた。
ドンドンドンドンドン!!
乱入してきた破壊に、屍生人は身構えるが、光は次々と放たれて、容赦なく彼らを打ちのめしていく。筋肉をえぐり、骨を砕き散らす。
ポルナレフは呆然と起き上がり、緑の弾丸が放たれた方角を見る。そこには、彼が思い浮かべたとおりの男がいた。
「お、お前は……」
「やあポルナレフ。久しぶりだが……どうもまったく変わっていないようだな」
その男は、ポルナレフの記憶どおりに笑みを浮かべた。多くの女の子がうっとりとするような、甘いマスク。前髪を長めに伸ばして垂れさせた独特の髪型。眼の辺りには、かつて敵によってつけられた傷跡がまだ残っている。
支援
212 :『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』:2009/02/27(金) 22:56:37 ID:???
ポルナレフは肩をすくめ、
「お前もな……こんなスペースオペラの世界に来てまで、その格好はどうよ。もう卒業じゃねえか。年齢的に言っても」
軽そうに言うが、その目じりには喜びの涙がにじんでいた。
ポルナレフの目は、涙に歪みながらも、男の姿を映していた。男はすらりと長い手足の体を、このコズミック・イラでは見られなくなった服が包んでいる。『学ラン』と呼ばれる衣服で、ポルナレフにしてみれば世界で最も無様な民族衣装だ。
しかし海中でも砂漠でも、彼ともう一人の仲間は、その格好で通していたものだ。
「さすがにこのご時世では学生はやっていられませんが……思い出の服だから、今でも着てるんですよ」
「確かに、なんだかんだ言っても似合っちゃいるけどな。まったく、美味しいトコで出てきてくれるぜ」
危機感を完全に失った二人の会話が流れる。
「な、舐めやがってぇえぇ!!」
ついに最後の一体となった屍生人が、やけくそになったように学ランの男へと突進する。が、そいつの前に、一体の怪人が立ち塞がる。怪人は緑に光り輝き、全身に走る筋状の模様が植物を思わせる。顔は昆虫のような目と、マスクをしたような口元で、表情がない。
それが男のスタンド。タロットカード大アルカナの5番。慈悲、支援、協力、救い、宗教といった、人が人として生きる上で重要な存在を象徴する『法皇』を暗示する。その名も、
「『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』!!」
そのスタンドが両手の平をその屍生人へと向ける。そして両手の平から緑に光り輝く液体が溢れ、次の瞬間、液体の雫は、宝石のような緑の弾丸となり、高速で発射された。それこそ、破壊のエネルギーを収束させて撃ち出す、ハイエロファント・グリーン最強の必殺技。
「エメラルド・スプラッシュ!!」
光り輝く弾丸は屍生人の頭蓋骨を粉砕し、その機能をすべて停止させた。
「久しぶりに見るが、やっぱ大した威力だぜ」
変わらぬ力に感心して言うポルナレフは、改めて戦友の姿を懐かしげに見やる。
「元気そうだな。ハハッ、こんなふうに言える日が来るなんて、思わなかったぜ」
「僕もだ。けどこうして会えたからには、素直に再会を喜ぶとしようじゃないか」
「違いない」
そして二人は笑いあう。
J.P.ポルナレフと……花京院典明。
かつて命を賭して世界を救った英雄二人は、ようやく再会を果たしたのだ。
詩篇
そうだよな、花京院もいるはずだったんだよな……!支援
うおおおおーーーーーー花京院キターーーーー!!
よっしゃ!!よっしゃ!!
しかし、花京院の法皇の緑も冷静に考えれば相当強いスタンドだよな……っていうか第4部以降に法皇がいればだいぶ楽なったと思う。
射程が300mくらいだったかな?でエメラルドスプラッシュという飛び道具まであり、結界も可能だからうわーーーかなりチートかも。
スタプラなら苦手なスタンドも法皇なら得意という敵も結構いたような気がする。
しかし、ジョジョにはない一昔前の特撮ものでよくあった多量雑魚キャラをなぎ倒す光景もというのも新鮮でいいなやっぱり。
規制くらったらしいので続きいくぜ
名前:『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』 投稿日: 2009/02/27(金) 22:57:32 ID:???
「それで、その貴方の旧友が、なぜ一般人絶対立ち入り禁止である軍艦にいるのかしら?」
タリア・グラディスは、静かに、しかし底知れぬ冷たい怒りを伴った視線と声を、ポルナレフに浴びせた。艦長室に呼び出されたポルナレフは冷や汗をかきつつ、
「いやさ、こいつがどうしてもミネルバのグラディス艦長とコンタクトをとりたいっつーから」
「なぜ私と?」
「いやその理由については、会って直接話すっていうから」
「理由も知らずに連れてきたの?」
タリアの視線が更に冷たくなる。墓穴を掘り進めているポルナレフを見かね、傍らの花京院が声をあげた。
「そう怒らないでやってください。グラディス艦長」
「そもそもの原因が言える台詞ではないのではなくて? ミスター・カキョーイン」
やや異質な発音で名を呼ばれ、花京院は苦笑しながら、
「まあ待ってください。そろそろですから」
「そろそろ?」
時は朝7時。外は既に夜が明け、太陽が輝きを見せている。救援部隊も到着し、救助活動の準備を進めているところだ。
「何がそろそろだというの?」
「公表の、時間がです」
意図がわからず、タリアが形のいい眉をひそめた時、
「艦長! 大変です!」
ノックも無しに飛び込んできたアーサーの大声が響いた。
「……なぁに、アーサー?」
タリアは億劫そうに副官を見やる。彼はよく些細なことで大騒ぎをしているので、この反応も無理からぬことだった。しかし今回ばかりは本当に大変なことであったのだ。
「地球連合から、プラントに向けて、和解の申し入れがあったそうです!!」
一瞬、タリアの思考が真っ白になった。
「どういう、意味?」
「つ、つまり、和平を、戦争の終わりを、望んでいるということでは」
「これだけのことをした矢先に?」
同じナチュラルの同胞を、味方でなくなるからというだけの理由で、明確な敵となったわけでもないのに無差別に虐殺したブルーコスモス盟主、ロード・ジブリールが、そんな行動を取るというのか。
214 名前:『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』 投稿日: 2009/02/27(金) 22:58:44 ID:???
「信じられないわね」
「そ、それが、ジブリールは盟主を解任され、別の人間がブルーコスモス盟主の座についたとかで」
「……別の人間?」
それなら多少はわかる。おそらくジブリールを裏から支援していた者たち、ディランダルの言うロゴスは、ジブリールの行動を座して見ていられなくなったのだろう。暴走としか言いようのない行動に、危機感を抱いても不思議ではない。
戦況も連合に不利と言える今を潮時と見て、戦争を終わらせる手筈を整えてきたのだ。
「その新しい盟主っていうのは、どういう人物なの?」
理由はともかく、和平の申し込みが本当らしいと思えたタリアは、より詳しい情報を求める。
「それは……今ちょうど、全世界に向けて発表されているはずです。モニターに映します」
アーサーがモニターを操作し、その重大発表の放送を映し出した。
『諸君……』
モニターに現れたのは、壇上に威風堂々と立つ一人の男。
『この私が、新たなるブルーコスモス盟主を任じる……』
ゲルマン系の白人で、その漲る自信、ビシリとした姿勢は、軍人のものであると連想させた。彼は全世界に向けて、力強く名乗りをあげた。
『ルドル・フォン・シュトロハイムである!!』
「始まった……」
誰もがモニターを見つめる中で、花京院が小さく呟いていた。
To Be Continued……
以上、『代理投下した』ぜッ!
乙!
意外!それはシュトロハイムッ!……でもないか。ナチだし
いーのか・・・?まあ、最強の強化人間ではあるが・・・もしムルタが存命ならどんな反応をするだろう・・・
うおおおおお!!
GJ!!GJ!!GJ!!!
花京院が出てくるとは、「チャンプ」っつー映画見たときより涙が出たぜ!
GJ
ニューってそういう意味か。
花京院の登場は嬉しいけど、ヴェルサスは一体何見つけたんだろ?
設定で明確にされているわけではないにしても、描写上では完全に消滅しているはずの存在……
まさかアレか?
そういえば『眠れる奴隷』のメンバーで独自に行動している奴がいるという会話をミナとアバッキオがしてた記憶があるんだが
あれって花京院のことだったんだろうな、多分
んでブチャからポルナレフの事を聞いてザフトの高官と接触するために来たと
しかし、このSSもきちんと定期的に更新してくれてうれしいです。
荒木先生はとても安定した執筆ペースで仕事しているので、当たり前だがプロとしてとても大事だと思う。
遅筆の作家というのはどうもファンに甘えているというか、独りよがりのこだわりでプロとして自覚が足りないとさえ思ってしまう。
荒木先生の漫画家として仕事ぶりを見るとマジで思う。
荒木先生のように仕事する必要は全くない(青年週刊誌ペースで月間連載しているリアルチート超人なので)が、
月刊誌の漫画を月刊誌ペースで連載してほしい、T屋YKとかS籐D介とか荒木先生の爪の垢でも飲んでほしい。
>設定で明確にされているわけではないにしても、描写上では完全に消滅しているはずの存在……
羽根の付いた鯨とかGG作った人たちとかマルキオとか
やはり羽鯨か?だとしてそれがなんの役に立つのだろうか?
むしろ矢があれば、ポルポルにはいいだろう。でもレクイエム化は花京院のほうがいいだろうな。
羽鯨+カーズって結構恐ろしいかも知れん。
宇宙空間を克服し、自由に動き回れるカーズ……
対要塞兵器を駆使しないと殲滅が難しそう。
法皇の緑きた、これで勝つる!!!
あと、盟主がシュトロハイムだとおおおおお!!!
もう何からつっこめばいいのかわからん!!
あと、ポルポル愛している。
最後に作者GJ!!
ガンダムの復讐は辛気くさいったらありゃあしねえ
ルイスの側にこそポルポルやエルメェス兄貴が必要だったな
こうか?
ルイス「パパとママを殺した……あの時のガンダムゥッッ!!」
ポル「おいルイス…この場合! そういうセリフをはくんじゃねえ
いいか…こういう場合! かたきを討つ時というのは
いまからいうようなセリフをはいて たたかうんだ…
『我が名はJ・P・ポルナレフ』
『我が友ルイスの両親の魂の名誉のために!』
『貴様らの武力介入で殺された人々の心の安らぎのために…』
『この俺が貴様を絶望の淵へブチ込んでやる』
ネーナ・トリニティ……
こう言って決めるんだぜ」
畜生、かっこいいじゃねぇか
ルイスの場合、いろいろと無理してた部分がデカイからなぁ…。
元は普通の女の子だし、矢を撃ち込んでもスタンドは覚醒しない程度の精神力だろう。
心の隙間にリボンズが入り込んだってところもあるしね。
なかなか黄金の精神で復讐は出来ないだろう。
しかし、ガンダムで復讐達成したのは意外となかったりする。
それだけに数少ない復讐達成者の精神崩壊は辛いものがあったな…。
やっぱり、スタンドを発現できるほどの精神力は半端じゃねえって事か…。
そうでないと、復讐は達成しても空しさで壊れる諸刃の剣だ…。
精神が弱い人間にはお勧めできないぜ…。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!
花京院の登場に涙を流したのはポルポルだけじゃねーぜ!!!
この展開を紡ぎ出した作者に敬意を評する!!
まさか!ここでまさかの花京院にはグッと来たぜ!!
面白すぎるッ!このッ!SS!!!
そしてシュトロハイムがジブリールの代わりとはッ!?
ある意味、かなり的を得た人選!!
次回がすげー楽しみだぜ!!!!!
>>807 復讐だけを胸に生きても、復讐を終えた瞬間にカラッポの人間が残るだけだからな…
ポルポルやエルメェスの兄貴も強い精神力とまっすぐな芯がなければ、復讐の相手を殺した
瞬間に燃え尽きてしまって、それ以降の活躍はなかったかもしれん
そういえば数少ない復讐達成者である赤い人も、復讐を終えてから(1st最終回以降)はヘタレだったなぁ……
(まあララァを失ったのもあるんだろうけど)
漫画かアニメか小説かは忘れたけど
復讐とは過程であり結果であってはならないって言葉があったな
復讐を自分の結果にすると先が無いが過程とするなら未来があるからとかあったはず
シャアは結果ではなく過程になったけど結局パイロットの意地にすがり付いて隕石を落とすとか
そんな正規の迷惑男になっちまったなぁ…
祝!!SBR17巻発売!!ってもう17巻とは……。「月刊連載」4年で17巻……執筆ペースがリアルに「時は加速する」を実践している。
荒木先生はもう別格として、きちんとしたペースで連載を続けている人はやっぱり立派だと思う。
秋元先生も全盛期に比べて下がってしまったけど一つの漫画を3,40年も書いていればそりゃ衰えもしますよ。
それに、一度も休んでいないのも立派だと思う。
>813
つか、週間連載ペースなんですが・・・執筆ペースが落ちただと・・・・・?ウソつけ!!!
週あたりの量が減った結果、相対的にはペースが落ちてるとかそういう理屈なんじゃないかと
ながれをきるがもしSBRからヴァレンタイン大統領が来たらどうなるか
秋元先生は常に10回分くらいのストックを溜めてるので1ヶ月位なら休んでも問題ないとか聞いたことがある
>>816 むろん大統領無双でしょう。といか種氏の連中では大統領の相手は荷が重すぎる。
でもジョジョはほんと毎回上手に風呂敷をまとめていると思う。
これができない作家が多すぎる。
>>819 単行本派なんで、大統領の能力に関わることなら、できれば……
sageは半角ね
>820
とりあえず反則技とだけ言っておこう
そんな超人作家である荒木先生が尊敬する秋本先生の特集が某情熱大陸であったが、
あれを見たらこれは荒木先生が尊敬するのも無理はないと思う。
っていうかT樫やH原は秋本先生の爪の垢を飲めと言いたい。
仕事に対する姿勢が違いすぎるwww。
秋本先生が凄いのは判るが
初期頃の方のノリが好きな俺としては劣化してるように感じれけどな
まぁ編集の方針でそうなったのかも知れんが
面白いモノを描き続けられるかは、また別問題だからな。
仕事を毎週仕上げられる秋本先生が尊敬に値するが、
内容が毎回キレがいいかと言われると、残念だけど衰えたというしかない。
それでも、毎週欠かさず描こうっていうところに漢を感じるけどな。
今年になって、またあれこれと内容を上げようと頭をひねって足掻いてるのが見える。
だから、まだまだジャンプで頑張って欲しいなと思えるんだ。
特に最近まで可笑しくなってた派出所周辺の人間関係がよくなってるのが好印象。
時代は変わっていっても絆が大事。
理解しあってるからこそ、両さんが毒と思える笑いをやっても、
読者が暖かく笑えるんだって個人的には思ってるし。
33年も一つの作品を書いてたら、どうしてもマンネリ化して劣化スレでしょう(笑)。
それは仕方ないです。もともとこち亀は新聞の4コマのような扱いですし。
それでも仕事を毎週仕上げられるし、色々と頑張ろうとあがいているだけでも作家としては立派ですよ。
いつからここはこち亀スレになった
ということで話を戻すが、チョコレートディスコってMS戦でも結構使えるスタンドだよな
でもあれ空中に展開できないっぽいしちょっと難しいかもね
空中に升目が出ると見た目格好いいのにw
単行本派なので、よくわかりませんが、大統領のスタンドはMSというか巨大ロボットが闊歩する戦場でも使えるものなんでしょうか?
YESかNOで回答していただければありがたいです。
YES、YES、YES。
理由は能力を見れば、思いつくと思う。
ザ・サンって対艦攻撃のできるスタンドじゃね?
ってか要塞に篭っていればほぼ無敵じゃね?
ザ・サンにもスタンドのダメージは本体にもって理屈が有効ならぜんぜん無敵じゃない
ただしスタンドは上空にあり、近づく敵は熱線の嵐に遭うわけだからほぼ無敵だと思う。
あのチート軍団星屑十字軍ですら近づけないからなぁ
>>836 そういえば確かに星屑十字軍は確かに戦力的には歴代最強かも・・・・・・。
ジョセフ(索敵+波紋による回復担当というかあの傷の回復具合は波紋に違いない!!)
花京院(長射程の探索と潜入と色々できる万能型)というかハーミットはまじで優秀なスタンド。
アブも優秀。
丞太郎に至っては言わずもがな。
投下します。規制があったら避難所に投下しておきます。
―――――――――――――――――――――――
大西洋連邦に用意された会場の中、シュトロハイムは多くの記者、マスコミ、地球連合軍人、政府関係者、その他様々な職に就く、何百人ものブルーコスモスの前で講壇に立ち、語り始めた。
「私はこれよりブルーコスモスを代表し、地球連合にプラントへの和平申し入れを要請する所存だ。双方にとって、何を今更という思いはあるだろう。だが……これを見てほしい」
シュトロハイムの背後に準備されたスクリーンに、昨日の戦闘の様子が現れる。蹂躙される都市。焼き裂かれる建物。薙ぎ殺される人々。
「これは昨日、ユーラシア中央から西側地域の都市に向け、我が軍の新型巨大兵器『デストロイ』が侵攻したときの様子だ。断っておくが、軍の正式な行動ではなく、一部の人間の愚劣な暴走によるものだ。その暴走を引き起こした者の名は、ロード・ジブリール!」
かつてのブルーコスモス盟主であった男の名は、今や、この戦争における最大の犯罪者となった。
「彼はコーディネイターを憎むあまり、勝利をものにできないことを焦るあまり、敵でさえない者たちを、一方的に攻撃するようにしむけた。この暴走を引き起こしたことにより、ジブリールはブルーコスモス盟主の座を追われ、逃亡中だ。彼のことは現在捜査中である。
この戦争を最も望んだ者がそのようになった今、これ以上、戦争を続ける理由も無いとして、ブルーコスモスはこの戦争の終焉を望む。勝手な話であるという自覚はあるが、それが現在のブルーコスモスの総意である!」
総意と言っても、実際に会議を開いたというわけではない。ただ盟主の言葉はそのまま、ブルーコスモスの総意であるという認識ができあがっているのが現状だ。
ロゴスにとっては、これで終わりとするつもりであった。いずれは知られるデストロイ侵攻を報道管制によって隠すよりも、こちらから公表し、戦争におけるすべての罪をジブリールに押し付け、もはや儲けの期待できない戦争を終わらせる。
今後の処理や、和平反対派の矢面に立たされるのは、ロゴスと関係の無いシュトロハイムだ。戦後処理に失敗しても、シュトロハイムを切るだけでよく、ロゴスに傷は残らない。
それで終わらせるつもりだった。
「………と、いう筋書きであるが、ことは今の発表以上の裏があるのだ」
シュトロハイムがその言葉を口にするまでは。
「私は諸君たちに教えねばならない。この戦争の原因を。ユニウスセブンが落ち、地球に多大な被害が生じた時期に、なぜ地球連合がプラントとの戦争に踏み切ったのか」
シュトロハイムは話しながら、今頃ロゴスの面々は顔を蒼ざめさせているであろうと考え、愉快になる。
「煽動した者たちがいる。戦争を望んだ者たちがいる。陳腐な陰謀論に聞こえるかもしれんが、事実だ。そいつらは軍需産業複合体、『ロゴス』という存在だ」
スクリーンに、9人の人間の顔写真と、それぞれの素性の簡単なデータが映し出される。
アダム・バーミリヤー、エルウィン・リッター、グラハム・ネレイス、セレスティン・グロード、ダンカン・L・モッケルバーグ、ブルーノ・アズラエル、ラリー・マクウィリアムズ、ルクス・コーラー、そしてロード・ジブリール。
「こいつらだ! 表向きは国際的企業の経営者どもだが、その経済力でもって各国首脳を脅迫し、戦争を起こす流れを生んだ。兵器を売りさばくことで、金儲けをするために!!
このブルーコスモスとて、ナチュラルとコーディネイターの戦争を生み出しやすくするためにこいつらが創り出した組織だ! ロゴスは遺伝子の身勝手な改変に反対する、諸君たちの思想さえも汚し、利用してきたのだ!!」
声音を強め、叩きつけるように語るシュトロハイム。
「ジブリールもまたロゴスの一員であったが、奴が民間人の住む都市を無差別に攻撃するという暴挙に出たことで、奴らはジブリールの首を切り、あろうことかこの私に、次の盟主となるよう要請してきた。
そして私はブルーコスモス盟主となることにした。奴らの操り人形になるためではなく、逆に奴らを白日の下にさらけ出し、一掃してやるためにだ。
聴衆たちは、シュトロハイムの迫力と、言葉の内容による衝撃に、疑問も不平も言えず、沈黙を保っていた。
「私はここに、ロゴスへの宣戦布告を行なう!!」
広い会場内を満たす沈黙を、たった一人で突き破るかのように、シュトロハイムは今までで最大の音量を発揮した。
「既に、大西洋連邦のコープランド大統領を始め、各国重鎮も、ロゴス征伐に賛同してくださっている。
今までは国を、国民を守るため、ロゴスに心ならずも膝を折ってきた首脳陣も、今回の暴挙を見るにして、ついに決起の意志を固めたのだ!」
実際は首脳たちも、ロゴスからの甘い汁を吸っていた共犯であるのだが、そこは目をつぶって褒め称える。気分は良くないが、彼らの協力がなければロゴスに対抗できないのだ。
「私は軍人だ。軍人として国家の命令には従う。戦場に立つことを拒みはしない。人を殺し、殺される覚悟もしている。
それにはっきり言って、俺はコーディネイターが嫌いだ。絶滅させたいと思うほど憎んではないが、戦うことに躊躇いはない! だがそれはあくまで、俺の意思によって、そうあるべきだ! 他人に踊らされて、傀儡となるなど、とうてい認められるものではない!」
シュトロハイムは腕を振るい、台を叩き、身振り手振りも交えて演説する。
「そこで、俺は各国にロゴスを討つための協力を申し入れる。無論、今までの敵であった、プラント、オーブに対しても。反発はあって当然。憎みあい、傷つけあった事実をすぐに忘れるなど、双方にとってできることではない。
ただ、ロゴスを討つまでは棚に上げてほしい。ロゴスを討った後でなお、やはり相手を許せないというのなら、また戦争になっても構わん。だが命を賭して戦うからには、せめて操られてではなく、自らの意志で戦いたいではないか!」
自らを示す言葉が途中で『私』から『俺』に変わる。言葉に込める感情が強まってきている証拠だ。
「断っておくが、俺はすべてがロゴスの責任だとは言わん! 人は常に平和を望む……そんな綺麗な生き物だと、俺は思ってはおらん!
煽動されたのは、俺たちの心に戦争を望む心があったからだ! ユニウスセブンを落としたコーディネイターを憎み嫌う思いがあったからだ! そこから目を逸らすな! 俺たちは望んで、誇りに思いながら、戦い、殺し、殺された!!」
演説するシュトロハイムの脳裏に、ブチャラティと出会い、このロゴスのことを聞いた時の会話が浮かび上がる。
………………………………………………………………
―――『なるほど、貴様の言うことに嘘はないだろうとは思う。しかし……そのロゴスを倒したとして……本当に戦争はもう起こらなくなるのか?』
『……いや、そうはならないだろうな。悪党が一つ二つ消えた程度で、すべてがうまくいくなら苦労は無い』
『では劇的に変わらんにしても、少しは良い世界になるか?』
『……望み薄だな。国際的な企業を潰すんだ。経済をはじめ、あらゆる方面で大打撃だろう。よほどうまく戦後処理ができねば、戦争をするよりも酷い被害が出ても不思議ではない』
シュトロハイムはやや戸惑う。戦いに勝っても確実に掴めるものがないのなら、目の前の男は何を求めているのか。
『ならばなぜ、ロゴスを倒そうとする? 貴様にとって何の得にもならんだろう?』
『そうだな……確かに』――――――
………………………………………………………………
「罪は我々にもある。人間が人間である以上、ロゴスがなくなったところで、何も変わらないかもしれん! また新たにロゴス同様の存在が現れて、同じことをするかもしれん! だが俺は……」
………………………………………………………………
―――『だが俺は……ロゴスが許せない。吐き気を催す邪悪とは、何も知らぬ無知なる者を利用することだ。自分の利益のために利用することだ……。何も知らぬ人々を、自分の都合だけで!』――――――
………………………………………………………………
「この世界に、人々をそそのかし、自分たちは安全な場所で、血に汚れることなく、戦争を生み出している奴らがいる……。俺はそんな卑怯者は許せない! 俺たちが戦場に出る勇気が、殺し殺される恐怖を耐える意志が、奴らに汚されているのだ!!
『人間の偉大さは、恐怖に耐える誇り高き姿にある』……。ギリシアの史家ブルタルコスの言葉だ。恐怖とは縁遠い場所で、人々の命を踏み躙っているロゴスは、人間の偉大さと最もかけ離れた連中だ! ほっておくなど我慢ならん!!」
支援
シュトロハイムとて、捕虜を人体実験にかけるなどの非道を行った男である。ブチャラティと違い、他者を利用したということではロゴスを悪し様に言う資格も、言うつもりもない。だが、ロゴスの在り方は彼には我慢ならない。
彼は自分が軍人であることに誇りを持っている。国と国民のために戦うことを、生きがいとしている。人類を守るため、サンタナやカーズに挑んだ。祖国を守るため、スターリングラード戦線を戦い抜いた。
その誇りを、金儲けなどという矮小なことで汚そうとするロゴスは、決して許せはしない。自分の人生と、共に戦ってきた戦友や部下の誇りさえ汚す、不倶戴天の敵だ。
しかし、それだけがロゴスと戦う理由ではない。
………………………………………………………………
―――『……では貴様は、高尚な思想や、気高い理想のためではなく、ちっぽけで個人的な正義感で動いているというのか? ハハッ、なんというか、馬鹿だな、貴様は』
シュトロハイムは笑いながら、それでいてブチャラティをまったく侮蔑していなかった。
シュトロハイムはブチャラティほど優しくはない。名誉欲が強く傲慢でもあり、力が無い者が利用されて死ぬということに、さほど同情することもない。
しかし、彼は優秀で、強い精神を持つ者には、敵味方の分け隔てなく敬意を表する男であり、ブチャラティは充分、敬意に値した。世界を動かす巨悪に、個人的な想いから戦いを挑む無茶無謀とさえ思える闘志と勇気に。
正道ならざる道に堕ちてなお優しく、正義の心を燃やすブチャラティと、祖国や守るべきもののためならば邪悪な行為も、命を散らすこともいとわぬシュトロハイム。
決して気が合うとは言えない二人。ともすれば敵として殺しあっていてもおかしくない二人が、手を結べたことは実に幸運な奇跡であった。
笑うシュトロハイムに、ブチャラティは更に言葉を重ねる。
『馬鹿か……。そうだろうな。だが一つだけ偉そうなことを言わせてもらおう』―――――――――
………………………………………………………………
「一つ、偉そうなことを言わせてもらう……。賢者は正義のための戦いなどない。ただの殺人の応酬にすぎないと言う。識者は正義と悪の戦いなどなく、ただ勝者が敗者を虐げ、悪に仕立てるだけだと言う。だが飾っても仕方がないので、言い切っておこう」
シュトロハイムは、ブチャラティの言葉を借り、自らの心を世界に告げる。
「この戦いにおいて……俺は自分が、正義であると思っている! 正しいことをしていると思っている! だからこうしてここに立ち、こんなことを言っている。後悔は無い! こんな世界ではあるが……俺は自分が信じられる道を歩いていたい……!!」
かつて彼が所属していたナチスドイツは、歴史の中で悪として定義された。だが彼は、自分がナチスに身を置いていたことを後悔していないし、いまだに誇りも抱いている。誰が何と言おうと、あの頃の自分の正義は、決して偽物ではなかった。
特にあの、忌々しいイギリス人と共に戦ったあの頃は。
………………………………………………………………
―――『イタリア人のくせに……性格も全然違うように思えるのに、その正義、その内に秘めた激情……。どこか、あの忌々しいイギリス野郎と似ている。フフフ……。
いいだろう。今度戦争する時は、イタリア抜きでと思っていたが……考えを改めるとしよう。お前を信じ、俺はお前と……盟を結ぶ』―――
………………………………………………………………
シュトロハイムはロゴスと戦う。
それは戦士としての誇りのためであり、ロゴスへの怒りのためである。
ブチャラティの言う、無力な人々のためというのも、まったくないわけではない。
だが、一番の理由は結局のところ、ブチャラティという男を気に入った。シュトロハイムが最も強く熱くあった時代に、肩を並べて戦ったイギリス人を思い起こさせる男を気に入った。それだけのことなのであり……そしてそれだけでいいのだ。
「俺と同じ道を歩くことに賛同してくれる者は、共に来てくれ!! 自分の意志で! 俺がそうしようと言ったからではなく、流れに身を任せてでもなく、自分の責任において、決定してくれ!
拒む者、ロゴスに味方する者、あくまでコーディネイターと相容れないと言う者は、来なくてもかまわない! 敵となり、銃を向けてきてもかまわない! だが、やるからには、やられる覚悟もしておくがいい!!
今ここで俺の言いたいことはそれだけだ。……いや最後に一つ、叫ばせてもらう! これは俺の故郷で、勝利を約束する言葉だ!!」
そしてシュトロハイムは、力と魂を込めて、指先まで真っ直ぐ伸びた右腕を、肩より斜め上に突き出し、叫んだ。
「ジークハイル!!」
演説が終わり、会場が沈黙で満ちる。誰もが、シュトロハイムの演説内容の深刻さに戸惑っていた。
自分たちが利用されていたのだという事実。この戦争が、ただ一部の人間が利益を得るために引き起こされた、茶番であったという真実。そして、自分たちを利用していたものたちを倒そうと言う決意。
すべてが予想外で、急激で、すぐには受け入れられなかった。
しかしやがて、一人の若い軍人が腕を伸ばし、シュトロハイムを眩しいものを見るように見つめながら、彼の言葉を繰り返した。
「ジークハイル!」
次に、年配の政治家が、
「ジークハイル!」
IT企業の重役が、
「ジークハイル!」
運送会社の配達員が、
「ジークハイル!」
機械工学の権威である女性が、
「ジークハイル!」
ホテルの料理人が、
「ジークハイル!」
その言葉は連鎖的に広まっていく。誰もが唱える。誓いの言葉を。勝利の誓いを。かつて月面基地で起きたように。
「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」「ジークハイル!」………
後の世で、この大戦における『ビギニング・オブ・ジ・エンド(終わりの始まり)』として位置づけられる就任式は、このようにして締めくくられたのだった。
―――――――――――――――――――――――
その響きを聞きながら、会場の裏手にある部屋で、男が苦笑する。
「流されるなと言っても、結局かなりの奴が流されてるんじゃないのか? サクラも結構混じってるんだろう?」
「ズルと言えばズルだけど、仕方ないわ。遊びではないのだから」
女は答える。
二人の周囲には、手足を拘束された人間が何人も転がっていた。全員、口をふさがれて喋ることもできずにいる。
「これでひとまずはブチャラティの計画通り……か」
「ここまでは、だけどね。最後に勝たねば意味がない」
ロゴスを倒すために、ブチャラティたちはまず、ロゴスに関わるロード・ジブリールに接触し、軍事的な立場と権力を手に入れた。そして内部から、ロゴスに反感を持っている者。ロゴスの真実を知れば、共に戦ってくれるであろう者を探していった。
そのように時間をかけて力をつけていこうとしていたが、ユニウスセブン落下、戦争の勃発により事態は急変した。この大きな流れを乗りこなせれば、早々にロゴスを討つことができるかもしれないと考え、ブチャラティたちは賭けに出た。
今まで接触していなかったシュトロハイムと話し、コープランド大統領に働きかけた。そして彼らの協力を取り付けることに成功したことで、一つの計画を打ち立て、計画実行のチャンスを待った。ジブリールがロゴスの邪魔者となる、その時を。
ジブリールがロゴスにとって害となることは、早かれ遅かれ起こると予測された事態であった。ロゴスが金儲けという冷徹な目的を持っているのに対し、ジブリールの目的はコーディネイターの抹殺という感情的なもの。
相容れぬ二つの目的は、いつか両者の関係を破綻させる。いずれはそうなると読んでいた。ロゴスにおいて変動が起こるその時、ロゴスに付け入る隙が生まれるはずだと。
ジブリールの立場が揺らいだ時、コープランドに、盟主の首の挿げ替えを進言させ、新盟主の候補としてシュトロハイムを進めさせる。ロゴスの部外者であるシュトロハイムが正式に選ばれるかどうかは賭けの要素が強かったが、何とか通った。
ロゴスについて知らない方が、操り人形にしやすいと考えたのかもしれない。彼らの思惑はどうあれ、シュトロハイムは新盟主に選ばれ、世界中の注目が集まるこの就任式において、ロゴスの全貌を公表し、打倒を呼びかけた。
もみ消しようのない発表。無差別虐殺により、世界中の人々の怒りが燃え上がっている現状。ロゴス憎しの火を焚きつけるには、最高のタイミングであった。
しかも都合のいいことに、この会場にいる者の多くは、ブルーコスモスの穏健派である。ロゴスの当初の目的は戦争を終わらせること。その目的に反対するだろう過激派を、新盟主就任式に呼んで、トラブルが起こることは避けたかったのだ。
それが返って、シュトロハイムのロゴス打倒をやりやすくした。どうあってもコーディネイターを憎む過激派がいたら、こう簡単にプラントと協力し合うなどという提案が、受け入れられるはずもなかっただろう。
それでも、ロゴスの監視役はちゃんといた。その監視役たちを無力化するために、ブチャラティももちろん手は打ってあった。スリーピング・スレイブの人員を裂き、監視役を拘束する役目を与えた。
その人員の指揮をし、見事役目を遂行したのが、語り合う二人の男女だった。
その男、レオーネ・アバッキオと、その女、レナ・イメリア。
二人は、ユニウスセブン落下の日と同じ、打ち倒された人間たちの中で喋るという状況にいた。始まりの時と同じような舞台で、終わりの始まりを迎えていたのだった。
「それにしても綿密とはお世辞にも言えない、行き当たりばったりな計画が、よくもこう上手くいったものだ。コープランドや誰かが裏切れば終わり。シュトロハイムが計画に乗らなければ終わり。ジブリールが盟主の座を追われなければ終わり。穴だらけだ」
何かが上手くいかなければ、その時はまた別のやり方を用意してはいたが、ここまでの成功は収められなかっただろう。
「別に不思議ではないわ」
「ほう?」
レナの言葉に、アバッキオが興味を目に宿して彼女の方を向く。
「正義は勝つ……。そういうものでしょ?」
かつてレナは、弟をコーディネイターとの紛争で亡くし、コーディネイターを区別なく憎んでいた時期があった。
そんな自分を止めたのは、憎しみのためでなく、祖国と人々を守るために戦った、彼女の教え子であった。
止まった自分を、また歩き出させたのは、死をも恐れずに正しいと思えることのために戦える、勇気ある男だった。
そうして彼女は何となく、理解した。
「ドス黒い憎悪や我欲なんてものに、黄金の如き正義の意志が、負けるはずがないのよ」
アバッキオは肩をすくめ、
「……そんな簡単なものでもねーと思うが」
「ええ。これは単なる私の希望。でも、そうあってほしいと思うわ」
「………まあな」
しかし二人とも、本当のところはわかっていた。勝つか負けるかは真に重要なことではない。ブチャラティと共にありたい。それだけが望みなのだと。
To Be Continued……
以上です。ストーリーはあまり進んでなくて申し訳ない。この公表による、デュランダルやジブリールの反応はまた次回に。いよいよ種運命小説版でいう、第4巻の部に入ります。ここまで随分長かった。でもまだ先は長いと思います。
GJ!!GJ!!GJ!!
うおおおーーーーージョジョキャラなら実にやりそうなことをやってくれる!!
まさにこの輝きはジョジョそのものだ!!
このような光輝くキャラを描き続ける荒木先生の偉大さにはつくづく尊敬します。
GJ!
今回の読んでて思ったけど、この世に正義も悪も無いだとか、物の見方次第で幾らでも変わるだとか、効いた風な事言ってるだけの風潮がまかり通ってるが、やっぱそーじゃないよな
「正義」と「悪」は間違いなく存在してて、そこから目を背けちゃいけないんだってジョジョは教えてくれる
そういうのから目を背けたがるヤツほど、したり顔で善悪の基準について禅問答をしたがるんだろうと思うよ
GJッ!!!
うわっ面だけの邪悪は滅び、真実から出た「誠の行動」がついに輝きだした
そうなるとこのSSのラクスとキラは滅ばずにはいられるのか・・・?
ディ・モールト続きが気になります
キラは悪ですらないからな・・・ツェッペリンさんいうところノミに毛が生えた程度だし・・・
ジィイイイイイイイイクハァアアアアアアアアアアアアアイルッ!!!!!!!!!!!!!!
格好いいぜシュトロハイム!!!!
漫画に出てきたナチ公の中で一番格好いい!!!
だがここでキラクスがどう出るのかが気になる。
ヴェルサスがこのままおとなしくしてるとも思えないし。
つかもう「設定」通りには行ってないんだよな、ステラ生きてるし
個人レベルではかなり変わってるけど、大局としてはまだそんなに変わってない
ステラが乗らなかったけどデストロイによるベルリン破壊は行われたし、ラクスは宇宙へ行き、ロゴス打倒宣言もなされた
宣言をしたのが連合側というのが大きいけど、ジブリールはまだ生きてるし、レクイエムが実行される可能性は依然としてある
>>854 設定か…このことを種キャラが知ったらどうなるんだろう?
まあ、これはヴェルサス側だけでとどまりそうな情報だけど。
というかジョジョ側でさえアホかと思うよな普通、しかし真実だから困る……。
保守がてら質問、ここのSSに合いそうな曲ってなんだろ。種、種死
関連でも関係ないやつでも可ってことで
とりあえず、スタンドと同じ名前の曲とかを聞いとけ
>>857 『PHASE 29:続く命』は種運命のエンディング曲、『Life Goes On』。
理由は
>>183。
『二度と失いたくない』とか『自分自身さえ見失ってしまう』、『その腕で、胸で』など、歌詞と共通する単語があることが分かる。
860 :
通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 00:55:06 ID:NBuhn/x+
いともたやすく行われるえげつない保守
今にも落ちてきそうなスレを保守って。
保守保守だぜ…
無礼を承知で一つ問いたい
シュトロハイム閣下の覚悟と誇りをひしひしと伝わってくる演説
俺も心が奮えた
>>850に共感できる
でもこれだけ先手を打たれると、ラクス達の語る上っ面の理想や行動
を正当化する『敵役』を何処に押し付けるのだろう?今後の展開にwktk
連合がプラントに和平を申し込むと宣言した現状、どちらに矛先を向けても平和の
妨げにしかならない……はず
それとも様々な要素を跳ね除けることができる程の凄まじいカリスマを
ラクスはもっているのだろうか?
長々と書いてしまったがGJ
ラスクはコーディ限定!それもチャンネルが合いそうな奴だけ。マリュー以下AA組は連合からの監視を逃れるため、若しくはラクス監視を連合から請け負う見返りに種の罪状を免除される。故にラクスに付いている
>ラスクはコーディ限定!それもチャンネルが合いそうな奴だけ
殆どのコーディがチャンネル合ってるんじゃね?
ソウキスの遺伝子提供元のグゥド・ヴェイアに効いてるしな
あいつメンデル産の戦闘用コーディだろ連合のプロジェクトの
何がヤバいって、あいつの未完成の服従遺伝子が強制起動してる所がヤバい
連合の戦闘用コーディは基本ナチュラルに対して服従だったり、闘争本能が服従遺伝子を上回るからまだいいけど
本来の意味で普通コーディに効いたらヤベェよ
ラクスは神父的な確信犯
>グゥド・ヴェイア
ラクスの歌を聴くと精神が安定する。という公式設定
なにこの音波ドラッグ
>>863 まあ今更ラクシズがどんな論理破綻をきたそうが驚きゃしないがなww
論理が破綻していなかった事などあったのだろうか
CEにおける論破ってのは「論理が破綻」の略なんじゃなかろうか
是非ラクスとプッチの会話を見てみたい物だ。
プッチがうまいこと誘導しそうだな。なんにしろ周りは迷惑だがw
短いですが投下します。
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「なんてことだ……!」
デュランダルが歯を噛み締めて唸る。握り締められた拳は、精神的動揺を表すかのように震えていた。
ロゴスの存在の公表。各国へのロゴス打倒の呼びかけ。それは、デュランダルがやるべきことであったはずなのに。
先を越された。今から何を言っても、シュトロハイムほどのインパクトある演説は不可能だ。今や実質的な世界のリーダーはシュトロハイムと言っても過言ではない。ロゴスを討った後、世界を作り直す権限は彼にある。
(これでは、デスティニープランを実行に移すだけの権力を得られない……!)
今までにない計画破綻の危機に、さしものデュランダルも焦燥を隠せない。しかし世界を相手取る決意を固めた陰謀家は、流石と言える精神力を持って心を沈め、次なる行動を模索する。
(まずは……シュトロハイムと手を取り合うことだ)
唯一無二の世界の導き手の地位は得られなかったが、今ならまだシュトロハイムと肩を並ぶくらいにはなれる。ミネルバに接触してきたというエージェント、花京院を通して彼と手を組み、共にロゴスを倒し、その後は……。
(シュトロハイムを利用するか、あるいは暗殺も考えなければ……)
とにかく今はシュトロハイムという人間を知らねばならない。今まで彼が描いていたはずの計画に、誰が何処まで筆を加えているのか。その全体像と細部の両方を知らなければ……。
「いかん、まだ動揺している……。今はまだそこまで考えている余裕はない。まずは、シュトロハイムと共にロゴスに立ち向かうことを、いかに劇的に演説し公表し、人々の心を掴むかだ……」
そうして、演説内容について思考を回転させる。今までにない苦難に立ち、彼はなおも進もうとしていた。
―――――――――――――――――――――――
「ふふっ、これはこれは、老人たちはさぞかし震え上がっていることだろうな」
デュランダルとは対照的に、ジブリールは黒猫を撫でながら余裕の笑みを浮かべる。すでにこの地球連合軍最高司令部ヘブンズベースまでたどり着いていた彼には、充分な戦力があった。
「しかしシュトロハイムの裏には、間違いなくブチャラティがいるな……」
ロゴスに頼れなくなった彼は、独自の戦力を集めるためにスリーピング・スレイブにも連絡をこころみたが、返信はなかった。それどころか彼らはシュトロハイムを支持し、ロゴス打倒を各地で呼びかけているそうだ。
「この絵を描いたのは奴と見ていい。今までも色々と工作をしている気配はあったが、勝負に出たな」
ブチャラティが敵にまわるということは、ネオも裏切ると考えた方がいい。
「相手にとって不足はない。帝王たらんとするならば、奴らごときに負けてはいられない」
こちらも準備は行っている。デストロイを含めた強力兵器は揃えているし、残りのブードゥー・キングダムも駆けつけられる分は集めておいた。
ただストレイツォは召集していない。さきほどまで連絡が取れなかったので裏切りを疑っての処置だ。その確証は得られなかったが、行動が怪しいことには変わりない。
ただ丁度ベルリンの近くにいたので、ベルリンを屍生人だらけにするようにしむけたが、さほど意味はない。嫌がらせ程度の思惑だ。
(まだ決戦には早い。もっと多くの戦力を集めるため、布告を出さねば。コーディネイターどもと手を結ぶなどと言う、唾棄すべき行為をこばむ同志たちが集ってくるだろう)
シュトロハイムもジブリールも、今は志しを同じくする者たちを集める時間だ。誰がどの陣営につくかはっきりさせておき、戦いが終わった後で、彼らの処遇を決めやすくする。
かつてのオーブのように、曖昧な姿勢ではいられないこの状況で、世界の情勢が定まりきったとき、最終決戦(ラグナロク)が始まる。
「そして勝者は私だ……!!」
ジブリールは自らが座る椅子の横に立てかけた、一振りの『死神』を見つめ、この戦争が始まって以来、最も自信と覇気に満ちた笑みを浮かべた。
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蒼穹を切り裂き、白雲を千切り貫き、MAが飛んでいく。MSに変形するわけではない、通常のMA。しかし速さは確かなものだ。
操縦しているのはJ.P.ポルナレフ。向かうはオーブ連合首長国。
「あーあー、戦線離脱かよ」
思わず口からぼやきが漏れる。旧友との再会も束の間、彼は新たな任務を与えられていた。
専用機グフチャリオッツが完全破壊された今、彼が実力を十全に発揮できる機体の用意には時間がかかる。それまでの時間、ポルナレフを遊ばせておくのも惜しい。
そこで、来るべき最終決戦のためにオーブとの連携を更に密にするという目的で、彼がオーブに飛ぶことになった。
デュランダルとしては、世界情勢の主導権をシュトロハイムに横からさらわれた今、オーブの援護だけは確保しておきたい。アスランやカガリの友人でもあるポルナレフならば、エージェントとして最適だ。
そしてオーブの後は、スリーピング・スレイブのブチャラティたちへの使者となる予定である。
スリーピング・スレイブの隊長、プラントの最高評議会議長、オーブの首脳といった者たちから厚い信頼を受けている彼は、いまや戦士として以上に、それぞれの橋渡し役として非常に重要な人物なのである。
「柄じゃないんだけどよぉ。親善使節なんて」
予想外の立場にちょいと困惑しながらも、ポルナレフはそれほど時間も経っていないのに久しぶりのように思える、アスランたちとの再会を楽しみにするのだった。
向かう先に、かつて自分を救って命落とした仲間との、更なる奇跡の再会があるとは知らず。
そして、更なる戦いが、牙の並ぶ口を開けて待っているということも知らずに。
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アークエンジェルの自室でモニターを眺めながら、ヴェルサスは腕組みをして呟いた。
「こいつはまいったな……」
連合側、ブルーコスモス側からのロゴス公表、そして討伐宣言。原作とはあまりにも違う、まったく逆といえる状況。
「さすがに原作知識が通用しなくなるか……。だがまあ、ロゴスとそれ以外が互いを殲滅しあうという状況は変わらない。ジブリールも危険になれば『例のもの』を使うかもしれないし……まだこのままいけるか」
そう言いつつも、アレコレとこれからを予測し、チャンスを逃さないように対策を考えていく。
「ケンゾーの部下を、ヘブンズベースに潜り込ませられねえかな……」
しかし彼は失念していることがある。
『……クルー諸君に告ぐ、グスッ』
ルカの声が通信となって、艦内全域に放送されはじめた。
『本艦はこれより、オーブへと向かい、政権を奪取する!』
………。
「なに?」
ヴェルサスはわけがわからなくなった。
『現状、オーブは姑息にもラクス様の偽者を使って、グス、人々を騙す卑怯なデュランダルに踊らされ、戦争に参加している。
更に、グス、シュトロハイムという男が現れた。正義の戦いなどといっているが、奴のやってることは、ロゴスが今までしていた……人々に憎しみを植え付け、操り、戦争に駆り立てることと変わらない。
彼ら二人が手を組み、ロゴスを倒した暁には、グス、世界はあの二人の思うままになってしまう。それを阻止するために、グス、オーブは世界の最後の希望となるため、彼らの策略の渦から解放されねばならない』
ルカの泣き混じりの声が流れる。
『グスッ、カガリ殿、アスラン殿は、哀しいことにまたも過ちを犯そうとしている。戦いの道を進もうとしている。彼らに更なる罪を犯させないためにも、我らは敢えてオーブに弓引かねばならない。
カガリ殿たちを一時、拘束することになろうとも、政治権力を手に入れなければならない……。すべてはオーブを、ひいては世界を救うために。グス、これがラクス様の願いである!!』
だんだん、理解したくもない事実が、ヴェルサスの脳内に染み込んできた。
『戦艦一つで一国に勝利する。無謀な挑戦に聞こえる。しかし恐れることはない! 我々にはキラ様がいらっしゃる! あの方がフリーダムを操る限り、いかなる敵にも負けることはないのだぁ! グスッ、では……これより任務を開始する!』
放送が、終わった。
「なん……だと……?」
ヴェルサスは忘れていたことを、改めて思い知る。
ラクス・クラインという少女が、どこまでも常識というものから外れているということを。
To Be Continued……
『PHASE 33:ザ・ニュー盟主!!』終了です。
>>863 どんな正論に対しても、難癖つけるだけなら幾らでもできます。
ということで、次回はオーブがまたも戦場に。新たなジョジョキャラも登場予定。
GJっ!
またしても斜め下回るラクス思考にワロタwwwww
ヴェルサスの胃が再び危険に晒されてるわwwwww
あー、今週の00で最後までアリーだったように、
トランザムバーストでもラクスはラクスだろうなぁ…。
ここまで捻じ曲がってるともう無理wwww
GJ!!!
ジブリールが格好いい!!
やっぱりどんな思想を持とうが確固たる意志と目標がある奴は輝いているッ!!
対するキラクスは・・・・・・あんまり近所に住んで欲しくない夫婦って感じwwww
とりあえず、ヴェルサス
つ【胃薬】
あと、新ジョジョキャラ大いに期待!
GJ.
ジブさんがギルバートより格上っぽい。
それとラクスの暴走は止まらない!!
ヴェルサスはそろそろ疲れて火星に移住したくなるんじゃないか?
GJ!
本当にキラとラクスは救いようがないというかなんというか
しかし新たなジョジョキャラとはとは一体・・・?
今後も目が離せないです
次回はラクシズVSオーブか
果たしてアスランは今のキラに勝てるのか?
というか負けちゃったらオーブが連中に乗っ取られて、セイラン一族は皆殺しになりかねん……
お互い吹っ切れてるといっても今のアスランとキラじゃ戦う理由の格が違うから
そうそう遅れは取らないと思いたいが…
あとオーブ編となればSPWと重ちーも久々に登場か、
さらにポルナレフの再会云々ということはアブドゥルとイギーもオーブへ?
そこに加えて新規ジョジョキャラまで来訪とはなんと贅沢な展開かとwktk
ヴェルサスの唖然とした表情が目に浮かぶ…
その辺の原理主義者もビックリ仰天させるラクシズの本領発揮ですな
オーブにもラクシズ教信者が居るだろうから、それをカガリとセイラン一家が如何に抑え
オーブ軍をアスラン、カガリがどう対処するかでオーブ簒奪戦の行方が決まるな
ヴェルサスがウズミでも召喚して混乱させようとしても今のカガリとアスラン、セイラン一家なら逆に輝きを増しそうだ
スパロボKのそれなりに頭の良い馬鹿カガリクラスに落ち着くのか、誇りと責任と義務をしっかり理解したカガリなのか
興味深くwktkしてますw
スピードワゴンが今のキラを見たら、南米で悪に走ったストレイツォを思い出すかな
(まあキラはあれほど故意犯で歪んだわけじゃないけど)
それでアスカガにもSPWにも重ちーにも協力断られてさらにいじけて、
しかし戦闘能力だけは一段とアップするという悪夢の連鎖が…
GJ!!オーブでキラVSアスランとなるのか、漆黒の殺意を身につけたアスラン
ならそう後れはとらないと思いたい
連合とザフトが和解したから…シンとステラは殺しあわなくてすむわけで。
ブチャさんの三角関係で直接対決が見られそうだ。
誤射VS乱れ桜
果たして巻き込まれるブチャラティの運命やいかに!!
冬のナマズのように大人しく保守
う…うろたえるんじゃあないッ! ジョジョ紳士はうろたえないッ!(保守)
広い広い大草原の小さな保守
ふと思ったがブラックモアのスタンドってMS戦で有効だろうか?
固定した雨の硬度によるんだろうが
滅茶苦茶有効だと思うが。
雨の硬度は人間を容易に切り裂くほどだからかなり高いと予想。
というか、『無限の硬度』なんじゃないか?蒸発はするが。
そうなってくると出て欲しいなブラックモア。意外といいキャラしてるし
>>897 PS装甲相手には効かなさそうだな
鉄球の回転の熱で蒸発しちまうんだから、絶えず帯電してるPSに触れたらその瞬間に蒸発するだろ
ともあれかなりエネルギーを消費させられるんじゃないかな
装甲自体が帯電してるわけねーだろw
地面に立った途端バッテリーダウンしちまうぞwww
あと水や金属に触れるとショートしたりスパークが出たりするかもなwww
電圧かけてるだけだしな、PS装甲は
SBRの単行本を読んで思ったのですが、UJではマジで毎月あの分厚い話数(3ヶ月で単行本一冊)で連載しているのですか?
いえ単行本派なのでよくわからないのですが。だとしたらなんと凄い偉業なのだろうか……。
ARAKI曰く
週間ペースはきつくなったから月間に移った
だそうで
こち亀も常に1〜3ヶ月分の話のストックがあるとか
今のペースでも下手な週間漫画より枚数書いてるけどなw
>>903 荒木は吸血鬼・・・・。
後はわかるな?
そして波紋使いである・・・だから何時までも若い
つまり究極生命体ってことか
しかし考えることはやめない。
それどころか考え続けている。
さらにスタンド能力まで備えている
イチローだって胃潰瘍になるんだから、荒木が月間ペースにシフトしたって驚かないよ。
…夏と冬しか仕事しなくなったら失望するけど。
でも、ページ数は丸々一冊ジョジョになるんですね?わかります。
隔季刊ジョジョの奇妙な冒険
>>913 いいえ、BTとアイリーンとJOJOが三分の一ずつです
読み切りも追加で
なんだ、この流れはww
一日8時間・週休2日の区切りがないと描き続けてしまうというのはどこまで本当なのだろうか
終わりがないのが終わり
究極生物で常に波紋呼吸
更にスタンドはレクイエム化済み
無敵すぎw
ARAKIに勝てるやつはいないなw
そういえば、娘さんがもう中二だっけ?
スタンド使いなのか、鉄球使いなのか、波紋戦士なのか?>娘さん
娘が通っているから青大での講演を引き受けたって聞いたことある
ってことは成人してる娘もいるわけか?
た・・食べごろじゃあ〜ん
保守
保守するぜ
3つだ!3つだけ保守してやる!!
保守4個欲しいのか。いやしんぼめ
ミスタ「No5,保守するんだ!!」
お久しぶりです。少しばかり投下します。
支援するぜ!
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 34:混沌の使者』
その日もオーブ政府は会議を開いていた。
議題は、先日公表されたシュトロハイムの演説の内容に対し、オーブはいかなる態度を取るべきか。
ロゴス打倒の為とはいえ、自分たちの国土を攻撃し、未知の生物兵器によって多くの死傷者を生んだ相手と、手を取り合っていいものか。ロゴスを討ったとしても、その後で連合は、疲弊したオーブを叩くつもりなのではないか。
そのような反対意見も出たものの、同盟相手であるプラントのデュランダル議長が、シュトロハイムとの和議に同意したこともあり、ひとまずは連合と手を結ぶ方向で意見がまとまりつつあった。
休憩時間、カガリ・ユラ・アスハはソファーにどっかりと腰を落とし、背伸びをし、肩を回した。
「まったく、決まるのによくもこう時間がかかるものだ」
彼女は飽き飽きしたといったふうに、傍に立つアスラン・ザラに聞こえるように言う。
「父上が代表であった頃は、もっと早くすんだものだがな」
「あの頃とは情勢が違うんだ。仕方ないさ。会議制、民主主義というものはどうしても時間がかかる。話し合い、意見をまとめる時間がいるからな。独裁的な君主主義ならリーダーの鶴の一声で決まるが、それではそれこそジブリールが率いていた連合と同じだ」
「ジブリールか……奴はヘブンズベースに陣取っているということだが、まだ諦めないつもりだろうか」
シュトロハイムの宣言の後、ジブリールはヘブンズベースからあくまで反プラントとコーディネイター廃絶の立場から徹底抗戦を唱え、賛同者を募る演説を行った。それによって、連合軍の一部から脱走者が出て、ヘブンズベースに入ったらしい。
「死ぬまで諦めないだろうな。だがロゴスのメンバーは既に五人まで逮捕したと、情報が入っている。中にはジブリールに助けを求めた者もいたらしいが、ジブリールに自分をクビにした相手を助けてやるほどの慈悲深さはなかったようで、叩き返されたということだ」
「そう、か。世界を裏から操り続けた組織といっても、白日の下に晒されたら最後、脆いものだな」
ロゴス自体は、もはや戦い以前に滅んだようなものだ。
財力は既に使うことはできず、利益を得るためにやってきた犯罪的行為の証拠は大西洋連合をはじめとする多くの国家から提出されてしまっている。武力や、軍内の反コーディネイター派への権力はジブリールに握られ、ロゴスメンバーにはもう何も残されていない。
戦争の火種を育てた元凶は、戦争が鎮火される前に滅び去り、炎は最後の燃え上がりを見せている。
「そういえばポルナレフはどうしたんだ?」
カガリはプラントからの使者のことを思い出す。
「ユウナのところだ。正確にはアヴドゥルさんとイギーのところかな。積もる話もあるんだろう」
「戦友なんだそうだな……それも、最初は敵としてあったのだとか」
「そうらしいな……」
二人を思い出さずにはいられない。特にアスランにとっては、かつて友であり、そして敵になり、その後に友として手を取り合って、今はまた……心離れてしまった相手。
キラ・ヤマト。そして、ラクス・クライン。
「また会えるかな……」
「会えるさ。いつか。その時はきっと……」
そう話す二人は思いもしなかった。その時が、すぐそこまで迫っているということを。
―――――――――――――――――――――――
アークエンジェルは、そのデッキからオーブの陸地が視認できるまでに近づいていた。オーブからもその機影は見えており、警告の通信が送られてきている。しかしルカ・リビコッコは通信を無視し、手にしたスコップでガツンと床を叩いた。
それは、彼が凶暴性を発揮するときの仕草であった。
「ローエングリン、ぐすっ、発射準備」
ルカは、ワーグナーのオペラの主人公、アーサー王伝説に登場する『白鳥の騎士』の名を持つ陽電子破城砲の、発射を命令する。
「……宣戦布告もなしでか?」
ヴェルサスは期待せずに、一応言う。
「正義のためだ。手段を選んでいる場合じゃない。グス、口出しをするんじゃねぇ。この艦の指揮権は俺にある。貴様は俺の命令を聞いてりゃいい」
涙に濡れながらも、充分に鋭く凶悪な視線をヴェルサスに向ける。
「このオーブを、ラクス様に捧げるのは……このルカだ」
「………邪魔をするつもりはない。ご自由に」
ヴェルサスは敬意の感じられない言葉を口にし、身を退いた。
(けっ、そんなこと言ったところで、結局一番危険な任務は俺たちにやらせるんだろうが。自分は楽して手柄を得る気か。別に欲しくはねえけどよ、こんな手柄)
内心大いに不満ながらも、ヴェルサスは反対意見を述べることも、任務を辞することもなかった。この作戦が成功しようと失敗しようと構わないが、まだ得るべきものを得ていない以上、ラクスの意向を無視するわけにはいかなかったのである。
(手駒は僅かなりとも集められたが、クソ、こんな馬鹿げたことで消費するなんてな。だが出し惜しみをしていたら、この俺が死ぬかもしれねえ。あとちょっとだってのに、死んでたまるかよ)
これからヴェルサスは、敵陣に入り込まねばならない。常人相手であれば負ける気はしないが、オーブ内のスパイからの情報では、スタンド使いがオーブ首脳陣の護衛にあたっているとのことだ。
護衛の外見から判断するに、そいつはまずモハメド・アヴドゥルに違いない。
(聞いた話じゃ、質実剛健にして、炎を操る強力なスタンド使い。よりにもよって……チクショウ! しかもポルナレフまで来てるって話だ! ラクス・クラインめ。どこまでこの俺の計画を乱しやがるッ!!)
今は空の果てにいる歌姫へと、何度目かわからない殺意を抱きながら、それでもヴェルサスはこの危機的状況を是が非でも乗り越える意思を固めるのだった。
そして、ヴェルサスの心のうちなど知らずに、ルカは命令をくだす。
「ローエングリン! 撃てぇぇぇ―――――ッ!!」
光線が真っ直ぐに迸り、攻撃に備えていたオーブのMSを巻き込みながら、正面の港に炸裂した。灼熱と衝撃波の嵐が荒れ狂う。炎などという生易しいものではない、超高熱の光がオーブの地を走り、そこに居合わせた人間をすべて、影も残さず焼き殺した。
天を焦がす勢いで膨れ上がった爆発は、直後に大量の煙を生み、一帯の視界を閉ざした。
それが後に、『大天使事件』『テロリズム・フューリー』などと呼称される、戦いの序曲であった。
―――――――――――――――――――――――
アスランきたあああ支援
オーブ首脳部にアークエンジェル襲来の報が伝えられたのは、ローエングリンが火を吹いた直後であった。
当然といえば当然のことながら、連絡を聞いた彼らは大いに動揺した。
「一体どういうことだ! なぜアークエンジェルが!」
「またカガリ様を誘拐しようというのか?」
「誘拐? これはもはやそんな生易しいものではないぞ! 戦争だ!」
「宣戦布告はおろか、なんの主張も要求もないでは、彼らの目的もわからない。どう対応すればいいんだ?」
「前の大戦を終わらせた英雄が、なぜこのような」
「不沈艦アークエンジェル、それにまだ姿を見せてはいないが、フリーダムもいるんだぞ」
「もともと我が国は連合軍と戦い通してきて疲弊している。対応を誤れば、オーブは軍艦一機分の戦力で堕ちることになる」
「どうする?」
「どうする?」
もともとが宰相ウナト・エマ・セイランに牛耳られていた、能力が高いとはいえない者たちである。予想だにしないアークエンジェルの攻撃に、慌てふためきながら結論を出すことができない。
しかし無理もない。前大戦で、オーブの味方として共に戦ってくれたアークエンジェルとフリーダム。それが式典に乱入しカガリを誘拐にはじまり、戦争に謎の介入をし続けると言う狂気めいた行動を起こしている。理解不能なだけに、なおさら恐ろしい。
その混乱の中、テーブルを強く叩く音が響き、閣僚たちの不毛な会話が途切れた。
「……少し落ち着け」
一泊の間を空けて、カガリ・ユラ・アスハの声が通った。
「いいか。お前たちは相手がアークエンジェルということでうろたえているようだが、相手が何者であれ、どれだけの戦力を持っている相手であれ、問答無用で攻撃してくる以上は、ただのテロリスト、犯罪者と同じだ。迎え撃ち、返り討ちにすればいい」
厳しく、容赦ない言葉を、きっぱりと言い放った。
「………よろしいのですね?」
ユウナ・ロマ・セイランが問いかける。彼女の覚悟を、この場の全員に伝えさせるために。
「軍部はすでにアークエンジェル撃退に向けて、そのように、動いている。とはいえ、我々が混乱していては、軍の士気に影響する。態度を決めろ。たとえ彼らが、最強の戦闘能力を誇る英雄だろうと、かつて共に戦った戦友だろうと」
そして彼女の兄弟であろうと。
「今はただ、このオーブを乱す『悪』だ」
そして、カガリ・ユラ・アスハは正義を背負う。正義も悪も、人の数だけ存在する曖昧な価値観にすぎないと言われるこの世界で、自分が選び信じた正義を、貫く覚悟を身に刻む。間違えであったとしても、やり直しはきかない。それでも、彼女は立ち止まらない。
たとえその握り締めた拳が、兄弟を想う悲しみに震えているとしても。
支援支援ゥ!
その覚悟に感化されたように、閣僚たちも腹を据えたとみえて各々強く頷いた。
「私は軍の総司令部に向かう。ユウナ、貴君もだ。戦況がいち早くわかるところにいねばならん」
「了承しました。代表」
ユウナの返答に頷きを返すと、カガリは行政府を出発した。
そのとき、アークエンジェルがオーブの大地の上空まで侵入を果たしていた。迎撃に放たれたムラサメを中心としたMSの中隊を全滅させたうえで。そしてその7割は、かつてこの国のために戦った少年によって落とされたのだ。
『破壊(デストロイ)』を破壊し、『戦車(チャリオッツ)』に勝利したMSは、今なお自由に戦場を舞い踊っていた。
―――――――――――――――――――――――
アスランはセイバーのコクピットで出撃のときを迎えていた。報告によると、先に出た部隊はすでに一人の生き残りも無く壊滅したらしい。
ほんの僅かな時間でこれほどの損害を受けたことに、アスランは驚きに言葉を失った。相手が、そのくらいのことは『できる』だけの力があるとは知っていた。だが、その相手がそれを『する』とは思っていなかった。
「キラ……!」
ポルナレフから、彼が最後に出会ったときよりもなお、悪い方向に変わってしまったことを聞いていたが、こうも怪物的な存在になっているとは予想できなかった。
「くそ……止めてやる。お前は俺が、止めてやる!」
それが、友として自分がしなければならないことだと、アスランも覚悟を決める。毅然としてかつての仲間へと立ち向かう態度をとりながら、心の内で血涙を流し、慟哭を続ける、愛しい彼女のためにも。
オペレーターの声が、出撃の準備が調ったことをアスランに知らせる。
「アスラン・ザラ、セイバー、出る!」
真紅の機体が戦場へと飛び立つ。場違いなまでに青く澄み通った空を睨むパイロットの目には、漆黒の炎が燃えていた。
―――――――――――――――――――――――
空で砲火の応酬が行われている頃、地上では静かに二人の男が歩いていた。
彼らはアークエンジェルから地上に降り立った別働隊である。その目的は、オーブ政府の要所である、行政府と総司令部の占拠にあった。要するにアークエンジェルは囮であり、本命はこちらと言える。以前、連合がチョコラータを送り込んだのと同様の手だ。
オーブ内のクライン派には、すでに連絡がいっている。彼らと合流、協力して行動する予定である。ただ少なくとも、この二人の片側は、この任務に熱心とは言いがたかった。
その男にとって、心底願っていた屈辱を晴らす機会が。ほんの一週間も経たずに訪れたのだ。任務よりそちらの方が優先される。
胃薬支援w
「今度は、前のようにはいかん。待っていろ……ポルナレフ」
漆黒の怪人、ストレイツォは嬉しそうに呟いた。
ベルリンでの戦闘後、彼はスタンドに対抗する準備を早くも済ませていた。ポルナレフへの再戦を挑みにいこうとしていたところを、アークエンジェルにオーブ戦の戦力として拾われ、渋々ながらここまで来た。
しかし内通者からの報告で、ポルナレフがプラントからの使者としてこのオーブに来ているというではないか。ストレイツォは小躍りせんばかりの喜びを抱いた。
これはまさに悪魔の采配というものだ。運命は是が非でも自分とポルナレフを戦わせたいらしい。
ストレイツォはそう思い、軽い足取りで目的地へと進んでいた。
一方、もう一人は無言のままに歩き続けていた。
「おい! お前たち! この非常時にのんびり歩きおって! 怪しいぞ!」
その二人を呼び止める者がいた。民間人の避難の指揮を執っていたオーブ軍人の一人だ。
ストレイツォは面倒そうに振り返る。そして彼が目にしたのは、左胸を貫かれ、血を流して絶命するオーブ軍人の姿だった。軍人は自分の身に何が起きたのかも、わからないままにこの世を去った。
それはストレイツォがやったことではない。もう一人の方の仕業だ。
「ほう……大した早業だな」
「別に……そっちの反応が遅いんだ」
男はストレイツォの素直な賛辞を、大したことじゃないと意に介さなかった。ストレイツォは少々気分を害したが、こんなところで争っても仕方が無いと、それ以上言葉を紡ぎはしなかった。
ストレイツォと彼とは初対面だ。もう一方の男が何者なのか、どのような能力の持ち主なのか、ストレイツォも知らない。確かなことはスタンド使いであることくらいだ。だがその鋭くも暗い眼光に、只者ではないという印象を受けた。
吸血鬼ストレイツォと、彼も一目置くスタンド使い。彼らが勝利するか敗北するか、それはわからない。確かなことは、彼らの行く手がどこであれ、そこには血の雨が降るということだ。
To Be Continued……
942 :
2:2009/04/17(金) 00:59:42 ID:???
以上です。
久しぶりだと言うのにあまり筆が進まず、すみません。ひとまず状況を書き連ねてみた感じです。次回はなるべく早くしたいと思います。
>>942 名前書き込みきる前に投下してしまいました。すいません。
GJGJGJGJGJGJ!!!!
生投下に出会えたのは運命なのか!!?
相変わらず読んでいく事の楽しさと共に、読み終わってしまう事の寂しさを感じる素晴らしい文章力!!
アスランとカガリの苦悩は凄まじい物だと思うが、それを乗り越える覚悟がベリッシモ良い!!
カガリが机を叩くシーンとか、漆黒の炎を宿らせたアスランとか、もう自動で荒木絵で浮かんでしまう!
「今はただ、このオーブを乱す『悪』だ」この台詞で生まれて初めて文章にシビレタ!!!
アヴドゥルとポルポルとイギーの話も気になるが、新手のスタンド使い・・・胸を貫く?単純なパワータイプ?
見当もつかない・・・。
次回も楽しみに待ってます!!!
GJ!
相変わらずのクオリティの高さは流石です
カガリとアスランの苦悩、ポルナレフとアヴ、イギーの再開、そして新たなスタンド使いの存在、目が離せないッ!
GJ!
これは・・・来ちゃうのか、ボス!?
時間操作系に来られると歯が立たないぞ
(マンダムやバイツァ・ダストのように制約が多いならなんとかなるが)
>>946 それは自分も期待したが、最初出た吉良以外でラスボス勢は出さないって明言されてんだよなw
まだ出てないパワー型スタンド使いでアナスイしか思い出せない自分に絶望した
そうなるとだれだ?案外覚醒ペッシか?
覚醒ペッシはヤバイな
老いてパワーダウンしてるとは言え
近接パワータイプのブチャラティを軽々とぶん回し
時計の針やウォークマン、心臓の音の様な小さい音でも感知し
列車先頭から中程まで糸を伸ばしても余裕があったりと
スゲーチートだからなぁ
保守
ほ
もう少しゆっくりでもいいんじゃあないかな
>>970あたりとか
ほしゅ
ゆっくりしていってね!
保守した!
959 :
通常の名無しさんの3倍:2009/04/29(水) 00:48:06 ID:FR1p8l66
ほす
ほ
し
の
せ
ん
い
き
そこは“ち”だろ……
少しですが投下します。
―――――――――――――――――――――――
カガリたちが離れた後、行政府では残された要人たちが各国への連絡や、民間人の非難指示など、彼らのするべき義務を混乱しながらもどうにか果たしていた。
その中心には車椅子に座るウナト・エマ・セイランの姿がある。連合軍による謎のバイオ兵器(とされている)散布によって右足を失い、全身を深く侵食され、今まで入院していたが、この危機に無理矢理起き出し、閣僚の中心として指示を飛ばしていた。
「プラントは応援をよこしてくれそうか?」
ウナトの言葉に、閣僚の一人タツキ・マシマが沈鬱な表情で答える。
「残念ながら、すぐにはとても……」
「そうか……そうだろうな」
ヘブンズベースとの戦いのため、ザフトの主力はヘブンズベースのすぐ近くにあるジブラルタル基地に集められている。オーブ周辺の残存戦力は大したものではなく、助けは期待できない。
「やはり、私たちで何とかするしかない。か……」
そう呟く彼の背後から、オーブ兵士の一人が声をかけた。
「セイラン様……ご報告があります」
「なんだ。報告は率直に、いちいち断るな。そんな呑気な事態ではない」
「はっ……実は、その報告とは」
兵士は一礼し、顔を上げると同時に、腰に下げた拳銃を抜き放っていた。
「今日が、あなたの命日になるという報告でございます」
「なッ!?」
額に銃口を向けられたウナトは反射的にのけぞる。兵士はそんなウナトに冷酷な視線を浴びせながら、引き金を引いた。だが、今度は兵士の方が声をあげた。
「な、なっ?」
カチカチと音が鳴るばかり、まったく弾丸は出ない。
「セ、セーフティ・ロック(安全装置)は外したはず!」
焦る兵士を、
「グウッ!?」
駆けつけた別の兵士が殴り倒した。そのまま床に転がる裏切り者は、取り押さえられる。
「ご無事ですか閣下」
「う、うむ」
「どうやら、内部に何人か裏切り者がいるようです。人数は不明ですが……」
連行されていく裏切り者を見送りながら、ウナトは安堵の息をつく。
「助かった。感謝しよう」
「いえ、これは私の手柄ではなく、この行政府に配置された兵士全体の指揮者である方の手柄です。私も、彼の人の指示に従ったからこそ、閣下をお助けすることができたのです」
「指揮者……その辺りはユウナの管轄だったが、誰だね?」
「礼のバイオ兵器事件を解決した一人ですよ。この銃の安全装置も、ひょっとしたら彼らのおかげかもしれませんよ」
さきほどウナトに向けられ、さきほど取り上げられた拳銃を見て、兵士は言う。彼らには見えなかったが、その拳銃のグリップには、小さい虫のようなナニカが、自分の手柄を威張るように胸を張っていた。
「シシシ……オラノオカゲダ、ゾ!」
裏切り者を取り押さえた兵士から、警備本部である部屋に連絡が入った。
「……どうやら事なきをえたようだな」
連絡を受けた指揮官が笑みを浮かべ、隣にいた少年に声をかける。
「ちゃんと拳銃の安全装置もかかっていたそうだ。よくやってくれたな重ちー」
「シシシッ、この程度は朝飯前なんだど!」
褒められて機嫌をよくした少年が、鼻の下を指でこすりながら言う。
「だが油断するなよ? この行政府で、誰がどう動いているか、不審な動きをしている者はいないか、それを見つけられるのはお前だけだ。ここの警備はお前にかかっているんだ」
彼らがこの行政府の警備の指揮官にして責任者。
依頼と報酬があれば、どんなきつい仕事でも請け負う、何でも屋。
その名はスピードワゴンと重ちー。
チョコラータとの戦いの傷がある程度癒えた彼らは、ユウナの依頼を幾度か受けていた。オーブ軍人への指導、訓練や要人警護、ブルーコスモス過激派の調査、発見、拘束などである。今回の警備もユウナの依頼だ。
行政府を離れる前に、最も信頼でき、かつ、警備する兵士たちからも信頼されている人物に指揮を任せたのだ。
警備にあたっている兵士たちの半数は、スピードワゴンたちのことを見知っている。スピードワゴンたちが以前受けた幾つもの任務に、関わった者たちである。彼らと触れ合った者たちは誰もが、彼らのことを信頼していた。
「ユウナの言うとおり、オーブのクライン派が動いているようだしな。注意してし過ぎるってことはないぜ」
ユウナたちはカガリ暗殺事件以降、ブルーコスモスの調査を行っていた。そのとき行った国民の身辺調査によって、ブルーコスモスとは別のこともわかった。クライン派の存在と、彼らの強い忠誠心である。
アークエンジェル襲来の報を受け、ユウナが心配したのはオーブ内のクライン派の動向であった。それほど人数は多くないようだが、ラクスのためならばどんなことでもするであろう者たちばかり。
前回のカガリ誘拐のときも、多少の情報を流していたことがわかっていた。そんな者たちが軍部に紛れ込んでいると、対処は難しい。そこで役に立つのが、広範囲に渡って目を光らせることができる重ちーのスタンド、ハーヴェストである。
ハーヴェスト自体の調査能力、精密動作性は低いが、ハーヴェストを行政府中に配置し、所定の位置にいない者、人がいてはおかしなところにいる者などを大雑把に調べ、他の兵士に連絡をとって、詳細に調べてもらうという手段がとれる。
拳銃の安全装置程度ならいじくることも可能だ。しかし、彼らにしても守れるのは行政府だけだ。
「しかしモルゲンレーテから貰ったクライン派の資料によると、どうも司令部にいる連中にも裏切りそうな奴がいるんだよな……。そこは任せるしかないが」
スピードワゴンの得意先であるモルゲンレーテ社もまたクライン派といっていい。その中で仕事をし、ラクスともよく会っていたスピードワゴンは、ラクスの奇妙な影響力も知っていた。
ただモルゲンレーテ社もさすがに、今のラクスにはついていけないと感じたらしく、手は切って、ユウナたちに資料を提出するなど、積極的に協力している。ただしそれは上層部の話であって、下の社員がどうかはわからないが。
「それにしても重ちーよ」
「なんだど?」
「あの坊ちゃん嬢ちゃん、一体どうする気なんだろうな?」
「……知らないど。『キラ』ってのはどいつもこいつも何考えてんのかわかんねーど」
「悪意ねー分、余計にたちが悪いよな……」
二人は知人たちの顔を思い浮かべてため息をついた。国際的犯罪者となってなお、キラとラクスに対して受ける印象は『邪悪』ではなかったし、嫌いにはなっていなかった。ただとことん『迷惑』ではあったが。
「『悪の化身』ってほど大物じゃあないよな。あいつら」
「つまり子供なんだど。大人の分別ってもんを身につけてほしいもんだど」
「……おめーより年上なんだけどな。まあ、その通りだが」
「んッ……54番の兵士が怪しいど。持ち場にいないみたいだど」
「了解」
おしゃべりは中断され、仕事の続きが始められた。
総司令部では、モニターを見るカガリの剣呑な表情が、更にしかめられていた。
「あれは、ザフトのMS……?」
アークエンジェルから飛び出してきた8体のMSは、間違いなくザフトのザクであった。それらはフリーダムと共にオーブ軍へと向かっていく。その練度は中々に高く、まず一流といって差し支えないだろう。
それでいて無理にムラサメ部隊に攻撃をかけることはなく、アークエンジェルを護り、牽制するにとどまっている。
「ア、アークエンジェルにザフトが協力しているのでしょうか?」
オーブ軍人の一人が漏らした言葉を、ユウナはすぐさま否定する。
「そんなわけない。彼らは確かにザフトだろうが、ザフト全体が彼らに協力するなどありえない。ザフトのクライン派……おそらく脱走兵だろう」
「あれだけの兵力が脱走だと? 一体どこの部隊だ?」
カガリは口にしながら、軍人に軍を裏切らせるほどのラクスの影響力に、内心脅威を感じていた。
「ザフトに連絡して調べてもらいましょう。向こうの戦力の予測が立てば、これから取る行動の判断材料にもなります」
ソガ一佐が意見を出す。
「彼らの取る行動を予測する……ってのはかなり無理なような気がするが……ま、ザフトには連絡しておこう。脱走兵や盗まれた兵器については、彼らの責任であるわけだし」
ユウナは傍らの兵に、ザフトへの連絡を指示し、また目の前の戦場に意識を集中させる。
戦場はいよいよ本番を迎えようとしていた。蒼穹を我が物顔で貫き飛び来るアークエンジェルとフリーダムの前に、紅いMSが立ちはだかったからだ。
「さあ、主役同士の戦いだ。もちろん僕はセイバー(救世主)に賭けさせてもらうがね」
ダーダネルスでの戦いでは、彼らが直接ぶつかりあうことはなかった。
クレタでの戦いでは、すでにアスランはミネルバを離れていた。
意外にも、キラとアスランが剣を交えるのは、この戦争が始まって以来、初めてのことであった。
その戦いの結果に起こる事態から無関係の者ならば、この戦いは手に汗握る極上の試合(ゲーム)であろう。当事者であるオーブ軍人たちでさえ、キラとアスランのどちらが勝つかという問いの答えに、注目する想いはあった。
しかし、彼らはすぐにこの戦いを悠長に見ているわけにはいかなくなった。
「……? 何か聞こえないか?」
兵士の一人が、訝しげに言った。確かに司令部の外から、妙に騒がしい雑音が聞こえ、それが近づいてくるようだった。その音の正体はそれからすぐにわかった。いきなり総司令部のドアが激しい音を立てて破られ、
「全員、手を上げろ! 妙な動きをするものは即、射殺する!」
重武装の兵士たちが、軽機関銃を向けて命令を叩きつけてきたが為である。
「なんだ!」
「これは一体」
「お前たち、何の真似だ!」
司令部の面々が口々に叫ぶ。だがその驚きように、銃を突きつける側は薄笑いを浮かべていた。二十人ほどの乱入者のうち、一人が言葉を紡ぐ。
「ラクス様のため、あなた方には大人しくしてもらいます。カガリ様もです」
「私にまだ『様』をつけてくれるとはね。嬉しいよ。裏切り者諸君」
カガリは指の動き一つで命を永遠に失う状況下に落ち、それでも恐怖をまったく見せなかった。恐くないわけではない。しかし、この乱入者たちに怯えた姿を見せるなど、彼女のプライドが許さなかった。
「申し訳ありません……。しかし、私たちは裏切り者ではありません。これはオーブを救うために必要なことなのです。このままでは、オーブはデュランダルの企みに乗せられてしまう。それを避けるためには、あなたに良からぬ考えを植え付ける……」
自分に酔ったように語る兵士は、一度言葉をきって、銃口の向きを移動させた。
「セイランを討たねばならないのです」
ユウナの額へと。
「丁度いいので、今ここで始末をつけてしまいましょう」
兵士は狂気染みた笑みをネタリと浮かべ、引き金を、
ボジュッ
引くことはできなかった。
「は?」
兵士は呆然として、消し炭になった自分の右手と、熔け落ちた合金製の機関銃の残骸を見ていた。自分が右手と武器を失ったことに気付く前に、兵士は、彼の目には見えない一撃をくらって吹っ飛び、気絶した。
「さて……ボディガードとしては、見過ごしては置けないな」
これまでまったく口を開かず、アークエンジェルとの戦いを見守っていた男が初めて動く。荒鷲のように鋭い目で敵を睨み、激しく強い動作で、人差し指を裏切り者たちに突きつけていた。
「HELL 2U(地獄を、貴様に)!!」
魔法使いを使う者が、彼の舞台において戦いを開始した。そしてその足元には、しょうがねーから付き合ってやるぜ、と言わんばかりの小犬が、裏切り者たちへ牙を剥いていた。
しかし彼らはまだ気付いていない。裏切り者たちの影で、必殺の爪を研ぎながら潜んでいる、スタンド使いの存在に。
To Be Continued……
すみませんが、今回はこれだけです。本格的なバトルは次回に。
ブ男キター!!
投下乙!
次なる敵のスタンド使いは一体誰だ!?
大火力が相手だが、小回りがきくタイプ…か?
投下乙です
どうもアヴさんの死亡フラグっぽく見えるのは気のせいだろうか
あと重ちーが言いたい放題言ってるけど、俺もその意見に賛成だwww
>>976 そういえばストレイツオも一緒だったから
重ちー&スピードワゴンVSストレイツオ
アヴドゥル&イギーVS謎のスタンド使い
の組み合わせかな?
ポルもいるけど、アークエンジェルの方をアスランだけに任すわけにもいかんからそっちの援護かな
乙です。アヴさんとイギーの活躍に期待しつつ新手のスタンド使いはだれなのか
>>979 コンビ組んでる+早業=ホル・ホースあたりか?
ホルホル死んでないぜ
スト様と一緒にいたのと生前コンビプレーしてたかは別問題だと考えてよさそうだよな
高スピード高パワーみたいだし、やはり近距離パワー型スタンドか?