クルーゼ生存で種死書き直そうぜ

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1通常の名無しさんの3倍
落ちたので建て直し

〜条件〜
・クルーゼがヤキン・ドゥーエ後生きてる事
・主役はシン(←ここ重要)
2通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 15:53:37 ID:ZL4ZfAJJ
3通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 15:57:41 ID:???
4通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 16:07:28 ID:???
4だ
5通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 16:16:40 ID:???
レイがクルーゼなんだとずっとそう思ってました
6通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 17:06:58 ID:???
>>5
レイはクルーゼの年違いの一卵性双生児みたいなもんだろ。
7通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 18:12:23 ID:???
30レスルールなんてものもあるんだな
8通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 19:54:51 ID:???
即死判定ってやつか。忘れてた。
9通常の名無しさんの3倍:2008/07/26(土) 07:55:10 ID:???
朝から暑い
10通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 04:10:24 ID:???
隊長は暑いの苦手そう
11通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 07:10:12 ID:???
ノースリーブだから大丈夫だよ
12通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 11:35:43 ID:???
これ保管庫あるの?
13通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 15:44:19 ID:???
14通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 17:28:54 ID:???
thx
15通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 00:43:22 ID:???
作者の安否が気になる
16通常の名無しさんの3倍:2008/07/30(水) 09:28:37 ID:???
ほしゆ
17通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 17:41:09 ID:???
>>15
夏だし、またどっかでかけてるん出ないの?
18通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 11:20:13 ID:???
保守
19383:2008/08/02(土) 17:22:23 ID:???
ファイル開けてみたらこれだけ書いてあったので、貼っときます。


『デスティニーが無事に彼の手に渡ったのは、重畳だな。あの事件でこちらもどうしたも
のかと悩んだものだ』
「恋に恋する少年のままでは、正直困るのだがね」
 ハンガーの通信室で、アレッシィはデュランダル議長といかにも親しげに会話していた。
「で、レジェンドはいつくるのだ?」
『ドラグーンファンネルの調整にあと三日はかかるそうだ』
「ふむ、宇宙用の武器とはいえ、今整備しておかねばつぎいつ徹底的な整備ができるかわ
からんしな」
 それは戦争が激しくなるとこの二人は読んでいることの証左だった。
 たしかにユーラシアで暴れている<でか物>は、この地球の政治のバランスさえ変えそう
だ。ユーラシアと雪解けを迎えて敵を減らしたザフトとしては、もういちどユーラシアが
大西洋連邦の下に入るのは絶対に避けたい。ただ情報部の調べではあの <でか物>はブルー
コスモスの息がかかっているらしい。過激派のブルーコスモスの目的は、コーディネー
ターの完全殲滅であるから、プラントとしては己の生存権のためにも戦わなければならな
い。
 それと同時に宇宙の戦況もある。
 軍部から上がってくる連合の月基地攻略作戦を、デュランダルはまだ止めている。たし
かに月はプラントののど元だが、作戦が失敗した場合、国としての存亡が危うくなる。何
か地球で大きな戦果をあげて軍事的に優位な立場に立たないことには、和平への道筋がつ
かない。それにデスティニープランを発表する時期もある。勝利の直後こそが望ましい。
「あの紫のウィンダムだが……」
 アレッシィの全身の細胞が悲鳴を上げた。常人なら気絶する痛みの中、彼はポケットか
らピルケースを取り出し青と白のカプセルを水なしで嚥下した。
20通常の名無しさんの3倍:2008/08/03(日) 17:52:32 ID:???
お?久しぶりです
後で読みます
21通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 00:06:09 ID:???
>>19
お元気そうで何よりです
続きの方、楽しみにしております
22通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 16:33:50 ID:???
wktk
23通常の名無しさんの3倍:2008/08/05(火) 19:29:45 ID:FMKBKVsU
age
24通常の名無しさんの3倍:2008/08/06(水) 01:20:23 ID:???
ドラグーンファンネル、って響きは良いな
25通常の名無しさんの3倍:2008/08/07(木) 19:52:20 ID:???
語呂がいいよね
26通常の名無しさんの3倍:2008/08/09(土) 02:32:15 ID:???
作者氏ちょうど今ロシアかその周辺に行ってたりしてないだろうね…
27通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 01:13:44 ID:???
ほしゅ
28通常の名無しさんの3倍:2008/08/14(木) 10:42:41 ID:???
あづい
29通常の名無しさんの3倍:2008/08/16(土) 20:18:20 ID:???
保守
30通常の名無しさんの3倍:2008/08/18(月) 20:35:11 ID:???
30
31通常の名無しさんの3倍:2008/08/20(水) 20:28:23 ID:???
今日も待つ
32通常の名無しさんの3倍:2008/08/22(金) 12:38:47 ID:???
涼しい
33通常の名無しさんの3倍:2008/08/25(月) 14:25:13 ID:Bhv75W48
あげ
34通常の名無しさんの3倍:2008/08/26(火) 20:39:37 ID:???
保守
35通常の名無しさんの3倍:2008/08/29(金) 12:42:22 ID:???
待ち
36通常の名無しさんの3倍:2008/09/01(月) 19:55:11 ID:???
保守
37通常の名無しさんの3倍:2008/09/03(水) 15:19:11 ID:???
秋晴れ
38通常の名無しさんの3倍:2008/09/06(土) 22:18:27 ID:???
ほす
39通常の名無しさんの3倍:2008/09/09(火) 20:19:08 ID:???
40通常の名無しさんの3倍:2008/09/11(木) 16:17:50 ID:???
90日ルールがなくなったってホント?
41通常の名無しさんの3倍:2008/09/11(木) 22:33:54 ID:???
150日になったらしい
42通常の名無しさんの3倍:2008/09/14(日) 00:12:51 ID:???
mati
43通常の名無しさんの3倍:2008/09/19(金) 14:36:20 ID:???
ageてみる
44通常の名無しさんの3倍:2008/09/23(火) 20:49:04 ID:???
ho
45通常の名無しさんの3倍:2008/09/23(火) 21:25:47 ID:???
ル・クルーゼ、この秋の限定色はワサビ色
46通常の名無しさんの3倍:2008/09/24(水) 20:29:47 ID:???
わさび色の食器…?
一体なんの料理盛りつけりゃ良いのかわからん
47通常の名無しさんの3倍:2008/09/24(水) 21:53:59 ID:???
鍋じゃね?
48通常の名無しさんの3倍:2008/09/27(土) 17:02:03 ID:???
食器もあったぞ
49通常の名無しさんの3倍:2008/09/30(火) 21:16:05 ID:???
秋雨保守
50通常の名無しさんの3倍:2008/09/30(火) 22:40:33 ID:???
食器見た
ワサビじゃなくてキウイって書いてあったぞw
51通常の名無しさんの3倍:2008/10/03(金) 00:06:58 ID:???
52通常の名無しさんの3倍:2008/10/03(金) 23:21:09 ID:???
                                 ,/  _,
                          _ , - ‐-<´||゙;、//二´__
                      __/  _,ィ´ ̄⌒>/、     _二二二ニ=─
                       l'||/_/´`´    ,rくニ !ヽ.\_ ̄`ー─── - _
                  ,ク ハ\l\.ハ\  、、`、\ \ 二‐_____二ニ= 、
                / /   \i`ー、i\ヽ.ヽノ\\ `ー          ` ─ 、
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                  !| ∧丶ト ィfz、 `  `´  乂‐┘\\. \_     ` 、         ヽ
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                / _`一'  ハ   ',  __  __ノ ./\ 丶  、 ヽ ノ   |/ ノ.ノ
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              | l   l|、:::
              | `‐-'l |:::
フレイと共に苦難を乗り越えていくスレ578
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1222873554/
53通常の名無しさんの3倍:2008/10/05(日) 01:11:02 ID:???
>>51
トン、雑誌で見た宣伝より色あわいな。
54通常の名無しさんの3倍:2008/10/05(日) 21:50:37 ID:???
55通常の名無しさんの3倍:2008/10/06(月) 21:44:18 ID:???
わさび色の仮面
56通常の名無しさんの3倍:2008/10/08(水) 09:52:33 ID:???
ツーンとしそう
57通常の名無しさんの3倍:2008/10/09(木) 21:24:01 ID:???
新作マダー?
58通常の名無しさんの3倍:2008/10/10(金) 00:05:37 ID:???
>>57
一瞬ル・クルーゼ社のかと思ったw
59通常の名無しさんの3倍:2008/10/11(土) 20:46:06 ID:???
派手な鍋
60通常の名無しさんの3倍:2008/10/12(日) 21:25:52 ID:???
保守
61通常の名無しさんの3倍:2008/10/16(木) 20:49:35 ID:???
ほっしゅ
62通常の名無しさんの3倍:2008/10/20(月) 15:48:16 ID:???
63通常の名無しさんの3倍:2008/10/23(木) 21:15:52 ID:???
64通常の名無しさんの3倍:2008/10/24(金) 04:46:33 ID:???
65通常の名無しさんの3倍:2008/10/25(土) 23:42:01 ID:4wjccMK/
あげ
66通常の名無しさんの3倍:2008/10/26(日) 19:30:11 ID:1LpjbAFK
メサイア戦 
シン「くそっ!!フリーダム!!」
デスティニー右足切断。その時何処からかビームが放たれる!
クルーゼ「つくづく厄介な奴だよ君は!!」
シン「レジェント!?いや、レイじゃない!?」  
キラ「あなたは!!?」
『プロディデンスマークU』はストフリを行動不能にする。
シン「いまだあぁぁぁ!!」
アロンダイトで突き刺しキラ死亡。
これにより勢いのついたシン、レイ、ルナマリアはラクシズを全滅させる。
そしてオーブにレクイエム発射。議長の望む世界になる。


劇場版ガンダムSEED
「逆襲のラクス」

67通常の名無しさんの3倍:2008/10/26(日) 19:36:05 ID:???
おわり。
68通常の名無しさんの3倍:2008/10/29(水) 16:54:28 ID:???
秋晴れ保守
69議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/02(日) 21:13:48 ID:???
放送後保守
70議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/07(金) 22:11:42 ID:???
ほす
71議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/08(土) 01:04:34 ID:WRASIlrm
週明けに一仕事終わりそうなのでage
72議論スレにて1001変更案を相談中:2008/11/10(月) 19:42:02 ID:???
待ち
73通常の名無しさんの3倍:2008/11/16(日) 00:57:51 ID:???
74通常の名無しさんの3倍:2008/11/21(金) 23:10:48 ID:???
しゅ
75通常の名無しさんの3倍:2008/12/01(月) 02:10:01 ID:???
まとめの一気に読んだ

アスランとかイザーク好きには辛い物があったが、面白かった
続き期待
76通常の名無しさんの3倍:2008/12/03(水) 02:12:29 ID:???
レイとシンの童貞宣言に燃えた
77通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 01:48:53 ID:???
ネオがちゃんと悪役やっててよかった
78通常の名無しさんの3倍:2008/12/04(木) 02:41:59 ID:???
383さんが最後に来たのは八月三日か
その前はいつだったんだろ
79通常の名無しさんの3倍:2008/12/05(金) 16:28:56 ID:WE0we2y+
もし見捨ててなきゃスレに顔は出して欲しいな
80383:2008/12/11(木) 15:06:41 ID:???
明後日から一か月イタリアで休暇。休暇中は仕事しないんで、これの原稿書くかもしれません。
書けたらうpります。シンとステラ、ネオとレイの件、さっさと書いてしまいたい。もうネタが醗酵しすぎてる感じで。
81通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 21:20:14 ID:???
wktk
82通常の名無しさんの3倍:2008/12/11(木) 23:43:31 ID:???
>>80
おk、期待してます
83通常の名無しさんの3倍:2008/12/12(金) 03:59:04 ID:???
キター!!!!!!!!!!!!!!!!!

イタリアで休暇とかすげぇ…
84通常の名無しさんの3倍:2008/12/13(土) 16:52:42 ID:???
ぼんじょるの
85通常の名無しさんの3倍:2008/12/17(水) 17:59:30 ID:???
ぼなせーら。だっけ?
86通常の名無しさんの3倍:2008/12/25(木) 22:28:50 ID:???
ぼーのなら知ってる
87host92-145-static.14-79-b.business.telecomitalia.it:2008/12/29(月) 03:07:54 ID:wQmbnC9l
ふしあなさんでage保守。
これから夕ごはん。
88通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 03:41:51 ID:PvkvL0ay
金じょーるの
89通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 06:06:49 ID:Urek8yzy
ドラグーンって、Iフィールド無し?
それすら応用しないんだったら、雑魚!
90通常の名無しさんの3倍:2008/12/29(月) 07:55:26 ID:ZuIpmRnD
シン(笑)
91通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 16:12:45 ID:???
age保守
92通常の名無しさんの3倍:2009/01/06(火) 16:35:41 ID:???
>>89
そもそも種世界にはIフィールドどころかミノフスキー粒子もありません
93通常の名無しさんの3倍:2009/01/13(火) 22:22:59 ID:???
ほしゅ
94通常の名無しさんの3倍:2009/01/21(水) 22:56:24 ID:???
95通常の名無しさんの3倍:2009/01/25(日) 21:02:51 ID:???
ほしゅ
96通常の名無しさんの3倍:2009/01/28(水) 22:14:27 ID:???
                                         , ---- ,,_
                                       , -'´      「 ̄`丶、
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                                  / ̄/イ:イ{⌒ヽ: :\ ,、  ヽ:::;ィ:l:/  さっ、次スレに移動するわよっ!
                                  r'"T  ̄ ̄`=ニ゙_: :}、{ムフ´:「 ル'
                             _,,..-‐''´:,ィ⌒ヽ、      }:ノイi::::::::i!:|
                            /: :,--イ/ | : : : : \    /:」  `i:}:::/i/
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       _/ 人: : : /        ,.-‐'´ _..-_‐''7         ヽ.   \⊃
    ⊂ニ. __ ̄,ィ ト/      ,.-''´ _.. ニ_// /          l ト、  ト.ヽ
    ⊂ニィ// U       _∠ニ,ニ-  ̄ ∠....ニ_‐- 、_      U lヽ ',',」
      ゙"´      , - '´  <7ゝ......__     /``ヽ丶、      'l `゙"
             < ̄ ̄ ̄ ̄ /    ヽ`丶、__∠   `ヽヽ、    |
                \ .     /     ヽ|    \   /ヽヽ.  |
                  /     !      ヽ}      ゝ、/// ヽヽ |
              └ 、   .|         /      \ /   ヽヽ.|
                 ` ー1      /          ヽ    ヽ」
                   j´ ̄`丶、/          ゝ、__  {
                    l:::::::::::::::::::ゝー-、_         /   _>'
                      l::::::::::::::::::/:::::::::::::::`ヽ、   / ̄ ̄
                        l:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::ヽ /
                   l:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::∨
                   |::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
                   .」:::::::::::::}:::::::::::::::::::::::::::::; '
               ,、 -‐┘__::::::::/::::::::::::::::::::::::::; '
           _.. -‐''´ ヽ、::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::/    
フレイと共に苦難を乗り越えていくスレ651
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1233061903/
97通常の名無しさんの3倍:2009/02/06(金) 13:46:00 ID:???
保守AGE
98383:2009/02/15(日) 04:30:55 ID:kwbxtI4z
現在これまでの文を読み直し中。
長いじゃねーかとあきれてる。
99通常の名無しさんの3倍:2009/02/19(木) 10:33:34 ID:???
保守
100通常の名無しさんの3倍:2009/02/28(土) 00:07:40 ID:???
100
101383:2009/03/05(木) 15:16:10 ID:5C5/4c/e
『デスティニーが無事に彼の手に渡ったのは、重畳だな。あの事件でこちらもどうしたも
のかと悩んだものだ』
「恋に恋する少年のままでは、正直困るのだがね」
 ハンガーの通信室で、アレッシィはデュランダル議長といかにも親しげに会話していた。
「で、レジェンドはいつくるのだ?」
『ドラグーンの調整にあと三日はかかるそうだ』
「ふむ、宇宙用の武器とはいえ、今整備しておかねばつぎいつ徹底的な整備ができるかわ
からんしな」
 それは戦争が激しくなるとこの二人は読んでいることの証左だった。
 たしかにユーラシアで暴れている<でか物>は、この地球の政治のバランスさえ変えそう
だ。ユーラシアと雪解けを迎えて敵を減らしたザフトとしては、もういちどユーラシアが
大西洋連邦の下に入るのは絶対に避けたい。ただ情報部の調べではあの <でか物>はブルー
コスモスの息がかかっているらしい。過激派のブルーコスモスの目的は、コーディネー
ターの完全殲滅であるから、プラントとしては己の生存権のためにも戦わなければならな
い。
 それと同時に宇宙の戦況もある。
 軍部から上がってくる連合の月基地攻略作戦を、デュランダルはまだ止めている。たし
かに月はプラントののど元だが、作戦が失敗した場合、国としての存亡が危うくなる。何
か地球で大きな戦果をあげて軍事的に優位な立場に立たないことには、和平への道筋がつ
かない。それにデスティニープランを発表する時期もある。勝利の直後こそが望ましい。
「あの紫のウィンダムだが……」
 アレッシィの全身の細胞が悲鳴を上げた。常人なら気絶する痛みの中、彼はポケットか
らピルケースを取り出し青と白のカプセルを水なしで嚥下した。
「――すまない、見苦しいところを」
『かまわないが、ほんとうにいいのか、あの計画、レイで』
「あたりまえだ」
 心配そうに聞く友人を黙らせた。自分のためなら、敵の上級士官を捕虜にするのが前提
の計画などたてない。
「次に狙われそうな街は、ベルリン。もう郊外に避難し始めている民衆もいると聞く」
『そこがデスティニーの初陣であり、あの<でか物>の墓場になるということだな』
「ああ」
 彼らはそれほどデスティニーの性能とシンの能力、相性の良さに信をおいていた。
102通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 15:16:35 ID:???
「おい、捕虜逃がした奴が新型機って」
「新型機ごと連合に亡命でもされたらどうするつもりなんだ、上は」
「赤服のエリートさんは、おいたをしてもご褒美がもらえるなんていいもんだ」
「っていうか、ふざけすぎだろう」
 議長の人事ということが知れ渡っても、デスティニーを受領したシンへのジブラルタル
基地の反感は消えなかった。ミネルバの中にさえ、『?』という空気があるのだから。シ
ンはさすがに周囲をはばかってて、外のPXには行かなくなった。
 ただセッティングを終えてミネルバに運び込まれたデスティニーは、整備班を狂喜乱舞
させた。セカンドシリーズより二歩は進んだ設計思想だ。核動力ということは、地球から
無理を言われているという意識の強いプラント人には問題にならない。
 ヨウランとケントは、この新型機の整備に名乗りを上げたが、班長にあっけなく却下さ
れた。
「宇宙からこの機体についてきた者と、うちのベテランでやらせる」
 さらに続けた。
「生き続けていれば、あの機体に触れるようになるだろうさ」
 確かに、ベテランもはじめは新米だったのだ。初年兵で実戦経験を最新鋭艦で積んでい
るというのだけでも、周囲からはうらやましがられているのだ。
 そうして宇宙からレジェンドがおりてくる予定の前日だった。
 ジブラルタル基地に警報が鳴り響く。
「敵モビルスーツ、ベルリン近郊に出現、<でか物>です」
 アビーの声にアーサーは驚いて、休憩中の艦長を呼び出した。緊急発進の可能性もある。
この基地で艦として一番すぐれた性能を持ち、一番すぐれたモビルスーツ隊を持っているのだから。
 走りこんできたグラディス艦長が基地の司令部とやり取りをする。
 結論は早かった。
「ミネルバ緊急発進。外に出ている人間を大至急艦に入れて。1時間以内に出発するわ」
 目的地を彼女は言い忘れたが、わからない者はいなかった。操舵士はコンピュータに
『Berlin』と入力した。
 目的地へと飛んでる間に次々と情報が入ってきた。<でか物>は郊外を焼き払い、歴史的
な建造物の多く残る市街地に入ろうとしていると。
 タリアはパイロットルームのアレッシィに連絡をとった。
「燃料に心配の要らないデスティニーだけ先行させられないかしら」
 こういう頼む口調にならざるを得ないのが不満だったが、仕方がない。アレッシィはデ
スティニーのことを知って、パイロットの配置換えをおこなったのだろう。タリアは基地
につくまでデスティニーの存在すらしらなかった。いまでは彼から伝えられて、もう一台
の新型機のことも知っているが。
『それはこちらも考えていた。デスティニーに先行させるのは上策だと思います』
そういうやりとりがあって、シンはデスティニーのコクピットに入った。ミネルバより先
にベルリンにつける。現地のザフト、ユーラシア軍と協力して<でか物>にあたる。
 願ってもない初陣だ。
「シン・アスカ、デスティニー行きます!」
 黒と赤の翼を持つモビルスーツが勇躍と飛翔していった。
103通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 15:17:00 ID:???
 シンがベルリンを目視した時には、もう退廃文化で一世を風靡した都市は炎をあげて燃
えていた。すさまじい勢いで高エネルギー砲を発射し、ビルをがれきの山に変えていく。
「す、すごい……」
 ひどいとか思う前に圧倒的なパワーに言葉を失い。倒れていくビルに人がいて、たくさ
んの命が消えていこうとしていることを忘れさせるほど、一種美しい光景だった。
 我に返ってシンは現地のザフト軍に連絡を入れ、戦線に介入した。
懐に入れれば勝機は十分あると思う。あれの腕よりデスティニーは機敏に動ける。
 ただそれまでに高エネルギー砲、熱プラズマ複合砲、相列位相エネルギー砲など高出力
武器のデパートともいえる<でか物>に防がれてしまう。
(デスティニー一機ではきついのか?)
 シンはそう思ったが、彼が近くを飛び回ることで、<でか物>の被害は少なくなっていた。
パイロットの注意がデスティニーに向いている証拠である。普通ならここで地上から陽電
子砲を使えばいいのだが、この化け物は陽電子リフレクターまで備えているのだ。
 シンは夕軍のバビが爆発したその煙に隠れて、<でか物>の懐に入ることに成功した。
アロンダイトで切りつけると、その部分の装甲は切れた。相手が激しく動いたため、離脱
しなければならなかったが、このやりかたならいけると自信をもった。そして時間通りな
ら、ミネルバ隊が来るはずだ。
 インパルス、セイバー、バビの三機体が飛んできた。
『シン・アスカ、今のやり方でいい。援護はこちらでする。相手の注意が切れる一瞬を探
してデスティニーは突っ込め』
「はい! 隊長」
 自分のやり方が正しいといわれると嬉しくなる。そのあたりシンはまだ本当に子供なの
だった。
 ミネルバ隊の援護が来て、シンのチャンスは明らかに増えた。一撃離脱で<でか物>を切
りつけ続ける。そんな戦闘の中で、逃げ遅れ親にはぐれた地元の子供が救おうとしたザフ
トの兵仕事ビームで蒸発したりと、街には被害が出続けていた。
 シンの攻撃は、相手にモビルアーマーに変形できない程度の損害は与えていた。
 グラディス艦長はアレッシィ隊長と話をし、それからシンに通信を入れた。
104通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 15:17:20 ID:???
『陽電子砲をつかいます』
「え!?」
『わかっているわ。これは陽動。相手が陽電子リフレクターを外した直後、短時間だけど
火器が使えない時間ができるわ。その間にデスティニーが突っ込んで』
「コクピットを破壊するんですね」
『そういうこと。頼んだわよ』
 シンにしても、あの<でか物>のパイロットが連合の強化人間だろうと察しはついている。
ステラの仲間。でもあれは倒さなければならない。モスクワからこっち、人を殺しすぎた。
戦争にはルールがありそれを破ったものは、どんなに強くてもいてはいけないものだとシ
ンは思った。
 計画通りミネルバの陽電子砲が発射されるのを待つ。相手の紫のウィンダムが阻止しよ
うとミネルバに向い隊長のセイバーがそれを阻止するのが見えた。
 ミネルバの陽電子貯蓄は多いので、敵の予想より早く臨界を迎えた。
「てー!」
 タリアの命令とともに、ミネルバの主砲が火を吹いた。
 当然予測されていたそれは陽電子リフレクターで無力化されたが、その次の瞬間、アロ
ンダイトを構えたデスティニーが最大戦速で突進をかけていた。
「行けぇー! デスティニー!!」
 アロンダイトが<でか物>のコクピットを直撃した。
 手ごたえはあったとシンは思う。
 シンが大剣を抜くと、<でか物>はゆっくりと膝をついた。
「やった!」
 シンは身をひるがえしながら、敵のコクピットを見た。シールドがめくれて、中の人が
見える。
 金髪? ヘルメットもかぶっていないなんてありえない。シンはカメラをクローズアッ
プさせた。
「ス、ス……テ…ラ?」
105通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 15:18:52 ID:???
お久しぶりです。これから週一回くらいの更新できると思います。
クリスマスからずっとイタリアにいたんですが、アレッシィのチーズおろしを買ってきました。
とてもいいデザインで使いやすいです。
106通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 15:23:57 ID:???
リアルタイム遭遇&週一更新宣言キタキタキターーーー!!!
おかえりなさい、っつうかこないだはロシア滞在だか言ってたし
アンタハイッタイナンナンダーーーー!?GJ!!
107通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 17:51:07 ID:???
何気にステラを自分の手で殺した(?)シンのSSは初めてじゃね?
108通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 19:08:58 ID:???
「ジェネシスで地球、核ミサイルでプラント撃って双方相打ちにしても
 人類全滅にはなりませんよ」
「なに??」
「マーシャンとかいうのが火星に住んでるそうです」
「聞いてねえ〜〜〜!」
109通常の名無しさんの3倍:2009/03/05(木) 20:06:34 ID:???
続き来たー! 嬉しい
ただ、ちょっと気になったんだが、多分>>102
>ヨウランとケントは、この新型機の整備に名乗りを上げたが、班長にあっけなく
ってところは、ヨウランとヴィーノの間違いだと思う
(整備士コンビは色黒の方がヨウラン・ケント、赤メッシュがヴィーノ・デュプレ)

あと、今のまとめサイトの続きログも含めてクロスオーバー倉庫に
移管するという話は、結局どうしたらいいんだろう
自分は過去ログを持ってないんで、まとめサイトの続きが読み直せないのが
地味に悲しいんだが
110通常の名無しさんの3倍:2009/03/06(金) 00:39:24 ID:???
( *"゚ω゚"*)φ゙
111通常の名無しさんの3倍:2009/03/08(日) 00:37:06 ID:7Unuk7fm
「デストロイが!!」
 ネオは歯噛みしたが、二機の勝負はついていた。いまならリモートコントロールで
自爆させられる。そばにいるザフトの新型機も無事では済まないはずだ。
 そういうことに気が向いて、彼は一瞬周囲に気を配るのを怠った。
 そこを見逃すアレッシィではなく、セイバーはあっという間もなくウィンダムをダルマ
にして地に落としていた。
「地上部隊へ。紫のウィンダムのパイロットを至急捕虜にしろ。最優先事項だ」
 フェイスからの命令とあって、一部隊が至急ネオの機体に向かった。
 そしてシンに指示を出す。
「よくやった、シン・アスカ。爆散の可能性があるから至急<でか物>から離れろ」
 あの機体はほしいが、簡単に渡してくれるほど連合も甘くはないだろう。どこかに自爆
装置を握っている人間がいるはずだ。
『ステラ、ステラーーーーーーーー!!』
 通信機から涙にまみれたシンの声が聞こえた。あのめくれたコクピットハッチから中の
パイロットが見えたのだろう。アレッシィにしても強化人間の中でも死にかけていたあの
少女が使われているとは意外だった。とはいえ、自分を慕ってくれる男に突かれて死んだ
のだから幸せなのではないかなどと、癖になっている皮肉さで考えた。どうせあの少女に
は戦場で死ぬか、ベッドの上で苦しみぬいて死ぬか、ふたつしか選択肢はなかったのだか
ら。
「ルナマリア・ホーク、デスティニーを戦場から離脱させろ。シン・アスカは混乱してい
る」
『りょ、了解しました』
「レイ・ザ・バレル、カオスの動きはどうだ。加勢に行く」
『ありがとうございます、隊長』
 今日はいつもついているイージス改の姿がない。ミネルバ隊はデスティニーが入った分
パワーアップしていたが、相手の戦力はこれまでより劣っていた。
 インパルスがデスティニーに近づき、腕を取って離れようとする。
『ステラが……俺がステラを……』
『ここは戦場なのよ、甘ったれたこと言ってんじゃないわよ。あんたの命より大事なデス
ティニーに何かあったらどうするの!』
 ルナマリアはわざとシンを挑発しているようだった。無線を聞きながら、女というやつ
はこういうときに悪賢いとアレッシィは思う。
「レイ・ザ・バレル、カオスを囲んで落とす。パイロットは捕虜にしたい」
『了解』
 レイにはこれが、カオスのパイロット――生きたエクステンンディッド――を手に入れ
るためだとわかるだろう。確認されている連合のエクステンディッドは三人、一人手には
いればいいのだ。
 二機でカオスを挟み撃ちにしたところで、巨大な爆音が轟いた。
 <でか物>が自爆したのだ。その爆風にこちらの三機もあおられたが体勢を立て直し、セ
イバーとバビで攻撃を仕掛ける。手足や頭を狙った攻撃はうまく功を奏した。もしかする
と仲間の強化人間の敗北にパイロットがショックを受けていたのかもしれない。思ったよ
り簡単にカオスを落とすことができた。アレッシィはすかさず本部に連絡を入れた。
「カオス撃墜。中のパイロットは連合の強化人間だと推測される。速やかに捕獲を。ウィ
ンダムのパイロットともども、ジブラルタルへ運ぶ」
 これで獲物は手に入った。本部が欲しがっている『生きたエクステンディッド』のおま
け付きだ。心のケアをしてやらなければならないパイロットが一人いるが、それは医務室
が何とかするだろう。彼に言えるのは、どうせ死ぬのだから自分の手で殺せて幸せだと思
えくらいだった。
112通常の名無しさんの3倍:2009/03/08(日) 00:37:36 ID:???


 インパルスに引っ張られてミネルバに帰還したデスティニーは、<でか物>を倒したパイ
ロットを祝そうとたくさんのクルーに囲まれたが、シンは下りてこなかった。
「ふむ、一時間たって降りてこなければ引きずり出せ」
 アレッシィはこう命令したので、なにか事情があるのかと、整備兵以外は散っていった。
「デスティニー、すごい機動性だな」
「次にくるレジェンドってのもその辺りは同じくらいの性能なんだろうな。すげーぜ。俺、
絶対モビルスーツ設計者になる」
「俺だって。今度整備士の一級を取って、戦争が終わったら大学院行ってドクターとって。
先は長いな」
「まず、戦争が終わんないとなあ」
 ヨウランとヴィーノが言い合う。班長にさぼらず働けといわれ、二人は受け持ちのモビ
ルスーツのもとへ向かった。
 デスディニーのもとではルナマリアとレイがシンを待っていた。
「ステラがっていってたわよね」
「ああ」
「ステラって、あなたたちが逃がした連合のエクステンディッドの名前よね」
「ああ」
 ルナマリアは口をつぐんだ。シンは、命をかけて敵に返した少女を自分の手で殺してし
まったかもしれないのだ。彼女はまだ恋を知らなかったが、たとえばシンやレイが敵に洗
脳されて戦うはめにでもなったら、戦える自信がない。それだけの強い心は持ってないと
自覚している。レイはそれができる心を持っているだろう。シンは? 彼は自分とと同じかそれ以上に情に流される心の主だ。ルナマリアは、隊長がシンにあの子を偲ぶ時間を一
時間くれたのだと思った。
「わたし、シンが出てくるまで待ってる。レイは?」
「俺もここにいる。あのエクステンディッドの少女を逃がした共犯だからな」
 彼女はレイの言葉ににじみ出るものを覚えて、ギュッとその手を握ったら、驚かれた。
「別に襲ったりしないんだからね」
113通常の名無しさんの3倍:2009/03/08(日) 00:38:02 ID:???


「ス…ステラ」
 ヘルメットをとったシンは、滂沱とあふれ出る涙を拭いもせず、コクピットでぼおっと
していた。倒れ伏した金髪は確かにステラのものだった。あの男、ネオ・ノアローク大佐
はステラを受け取ったとき、優しくてあったかい世界に戻すと約束してはくれなかった。
でも、あれだけ弱って死にかけていたステラが<でか物>のパイロットだとは夢にも思わな
かった。ステラの仲間の、ディオキアで会った少年のうちどちらかだと思っていたし、
連合にいじくられたエクステンディッドだとしても、モスクワからの殺戮は度を過ぎてい
たと思う。だから気に病むことなく、敵を倒すことに集中できたのだ。それなのに、あれ
に乗っていたのがステラだったなんて。コクピットのコンソールに飛び散った血をシンは
見た。それは彼が剣で切りつけて出た血だ。
 ステラは死んでしまった。シンが殺した。
 シンはそれが認められなくて、コクピットから動けなかった。
 そして心の奥底で気付いていること。彼がステラをあの金髪の士官に返さなかったら、
ユーラシアを襲った<でか物>の被害はなかったかもしれない。自分は、モスクワからの1
000万人を超える死者を出すのに協力したのだと、自覚する。そうするとステラのため
に泣く資格などなくて、民間人の犠牲者のために泣かなければならないと感じる。でもシ
ンの真紅の瞳から流れ落ちる涙は、ただステラだけに捧げられていた。
114383:2009/03/08(日) 00:40:49 ID:???
>>109 ご指摘ありがとうございました。自分のテキストは修正しますた。
で、倉庫の話ですが私はよくわからないので、わかる方にお任せします。
109さんやほかの方が必要でしたら、ここまでのテキストファイル(40字で改行)
をどこかのうpローダーにあげますけど。
115通常の名無しさんの3倍:2009/03/08(日) 12:43:52 ID:???
>>383

お疲れ様です。何と賞賛していいのかわかりません。

更新されてないスレといえど、覗いてみるもんですね・・・・
116通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 12:36:27 ID:???
保守
117通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 14:10:25 ID:???
>>114
おくればせながら、ぜひテキストうpをお願いします。
今見られるまとめサイトだと途中までで途切れてますので…
118通常の名無しさんの3倍:2009/03/10(火) 15:28:49 ID:???
>>117
ttp://www.hsjp.net/upload/src/up59477.txt
うpりました。今載せてる分までです。
まとめ読みしたら、感想ください。
119通常の名無しさんの3倍:2009/03/13(金) 01:18:20 ID:???
続編
「ガンダムSEEDレクイエム」

主人公は元オーブ軍中佐21才、今のところ名前はない、ラクシズの専横に憤りを感じ退役、現在はしがないジャンク屋

前大戦で破壊された破損パーツをかき集め運命ガンダムを修復。

ゲリラ戦を展開しつつ各地でラクシズの非道を説いて回り支持基盤を増やし、旧ザフト軍、地球連合残党を糾合し軍備を整える。

その中にはラクスの口パクに対抗するため、MS乗りでありながら「歌で新時代への覚醒を待つ!」とワケわからない事を話すニシカーワ少佐の姿もあった、搭乗機は専用ドムレロ。「グフとは違うのだよ!グフとは!」
完成度80%で足がない
洗脳されたシン、ルナマリアを救い出したがその際、搭乗機運命ガンダムを和田キラに「やめてよね」と言いつつ三秒で大破される。
しかしすんでのところをシンに救われる。回復した彼は再びMSを製作。新鋭MS、ガンダムレクイエムを完成させた。

果たしてレクイエムはその名の通り、ラクシズへの鎮魂歌となるのか・・・戦いは終わらない
120383:2009/03/14(土) 17:42:25 ID:4VEXhuoz


 捕虜となったネオ・ノアローク大佐は自殺防止のために拘束服を着せられ、薬物で意識
を奪われてミネルバの捕虜となった。カオスも回収され、中のエクステンディッドは医務
室でベッドに拘束されている。ジブラルタルまでは近いしステラの件で強化人間の基礎
データはあったので、必要最低限の状態を保つための薬物はわかっていた。
「あなたはシンとレイの失態で失った、生きた連合のエクステンディッドを捕獲したわけ
ね」
 会議室でタリアが冷たい声で言う。
「あれはあなたの捕虜にしてもらって結構。私は紫のウィンダムに乗っていた男の方に興
味がある。彼は、ブルーコスモス直属の高級士官のようなのでね」
 アレッシィはものをあげるかのように、エクステンディッドの所有権を艦長に渡した。
タリアにしてみれば、強化人間の方が高級士官よりザフトにとって重要に思えるが、上層
部はそこまでブルーコスモスの情報が欲しいのだろうかと思う。面倒で嫌なことだけれど、
自分はギルバートやアレッシィといった中枢部の人間の手足でしかない。エクステンディ
ッド捕獲の功をうやうやしく頂くしかないのだ。彼女は形のいい唇をきりりと噛んだ。
 アレッシィと別れて艦橋へ行き、やっと一息ついた。
 ここは完全に彼女の場所だ。フェイスであるアレッシィはここにも自由に出入りする権
利があるが、環境に来たことはなかった。タリアとの打ち合わせは他人に聞かれて問題な
いような些細なものでも、会議室を使う。あの男も彼なりに気を使っているのかもしれな
いと思った。でも今は勝利して基地に凱旋する途中だから、自分の気持が高揚して、冷静
な判断ができなくなっているのかもしれない。アレッシィはギルバートと同じくらい、彼
女の心をかき乱す男だった。
 副長のアーサーが言う。
「デスティニーが<でか物>を倒して、シンは軍の信頼を取り戻したし、新しいエクステン
ディッドも捕獲できたし、今度の作戦は100点でしたね」
「ミネルバの戦果としてはね」
 タリアは声を厳し目に変えた。
「ベルリンの死者は数百万人、中にはザフトの軍人が数千人いると思われるわ。残りはい
ま救援作業にあたっているようだけど、プラントにとって大きな痛手だわ」
「そ、そうでした」
 アーサーが本当にすまなそうに答える。艦橋全体の空気が重くなった。人口1000万
の、地球にいくつもある大都市のひとつ分の規模しかないプラントにとって、数千人の訓
練された軍人が戦死したというのは、人的資源の意味で非常につらい。連合の基地を陥と
したならともかく、戦果はモビルスーツ三台しかなかったのだから。
 でもジブラルタルでは派手な出迎えが待っているだろう。ザフトには英雄が必要だった
し、そのシンボルたる戦艦も必要だ。
 まあ今落ちた気分が、基地についたら上がるのでちょうどよくなると、タリアは思った。
121通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 17:42:53 ID:???


 結局一時間たってもシンは降りてこず、整備班にコクピットから引きずり出された。
 涙でぐちゃぐちゃな顔、紅い瞳に負けないくらい赤くなった白目。力ないシンは同僚の
レイとルナマリアに預けられた。
「レイ、シンをお風呂に入れてあげて。優しく、お母さんみたいにね。私はスタンバイに
はいるから」
 そうルナマリアに頼まれたレイは、自分たちの部屋にはシャワーしかないので、共用の
バスルームにあるバスタブに湯を張って、パイロットスーツその他を脱がせたシンを入れ
た。備品のバスソルトもリラックス用というのを入れた。ラベンダーとベルガモット――
紅茶好きのレイは、この香りになじみがあった――の香りがする。
「……いい、匂いだな」
「ゆっくりしていろ、俺がついている」
「ありがとう。マユが好きだった入浴剤を思い出したよ――ステラはどんな香りが好きだ
ったんだろう? 香水の匂いはしなかった、俺が撃ったあとは血の匂いがした。俺が殺し
た、ステラ……」
 シンの真っ赤になった眼からまた涙がこぼれおちる。
 レイの知識に、好きな女の子を殺してしまって傷ついた少年への対処というものはなか
ったが、このままシンがつぶれでもしたら大変だし、個人的にも友人には立ち直ってほし
い。
「誰かがあの<でか物>を止めなければならなかった。それができるのはデスティニーとお
前だけだった」
「それは、わかってるよ。ステラの仲間がパイロットだろうってことも、わかってた。で
も、ステラだなんて、思いもしなかった!!」
「あの状態から持ち直したにしても、モビルスーツパイロットとして働けるとは到底思え
なかったからな」
 レイはシンがステラを医務室から強奪したところを見ている。痩せこけて、顔は頭蓋骨
の形がはっきりみえるほどだった。内臓も脳も同じようなダメージを負っていただろう。
「そう、だから……ステラはベッドの上で生きてるって、俺は思って」
 シンの嗚咽がバスルームに響いた。
「でも、ステラを、あったかくて優しい世界どころか、冷たい死の世界に送りこんでしま
った。あんなに、死ぬのを怖がってたのに、ステラ……」
 落ち込んでいるシンに、レイはこれだけは言いたかった。
「彼女の命はどうやっても残り少ないものだった。ひと時でも好きあったお前に殺されて、
彼女はいま幸せに天国にいると俺は思う」
 わかるけど、シンはかっとしてばしゃっと湯をレイに引っかけた。
「そんな宗教屋みたいなことをいうな! ステラは死んだ、もう戻ってこないんだ!!」
 さらに激しく泣き始めたシンに、レイはもう言葉もかけずにバスルームを出た。
 シンは自分を可哀想だと思っている。前の対戦で家族を亡くし、今度は恋人を己が手に
かけた。でも不幸な人は今の時代人類のほとんどで、シンの家族もステラもなんら特権的
な死ではないのだ。湯が冷める頃にはそれに思い至るだろうとレイは思った。
122通常の名無しさんの3倍:2009/03/14(土) 17:44:01 ID:???
ちと短いですが、今回はここまで。
レイがベルガモットになじみがあるのは、アールグレイの香りづけに使われているから(ネタバレ)
123通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 13:29:58 ID:???
GJ!
124通常の名無しさんの3倍:2009/03/15(日) 17:57:38 ID:???
専ブラからみると、dat落ちになっていた。
保守する。
125通常の名無しさんの3倍:2009/03/17(火) 07:10:36 ID:???
毎回楽しみにしてます。続き待ってます。
126通常の名無しさんの3倍:2009/03/22(日) 04:09:22 ID:???
保守
127通常の名無しさんの3倍:2009/03/28(土) 15:03:44 ID:???
シンが打ちのめされてますなぁ、いい意味で
128通常の名無しさんの3倍:2009/03/29(日) 23:07:09 ID:???
保守
129383:2009/04/02(木) 02:52:21 ID:/oia1Db4
 ジブラルタル基地に到着したミネルバは、盛大な歓迎を受けた。基地司令が艦の横まで
来てグラディス艦長と握手するところを、カメラに撮らせた。司令は<でか物>を倒したパ
イロットとの絵も求めたが、タリアは彼はスタンバイ中であると言って断った。
「英雄を甘やかさないとは、さすがに議長の肝いりの船ですね、ミネルバは」
 こう言われたが、実際はシンは人前に出せる状態ではない。
 風呂が水になったあと自室に戻ってこもりきりだ。レイからの報告でシンが逃がした少
女が<でか物>のパイロットだったと知った。戦争の悲劇と言ってしまえば一言だが、哀れ
なことだ。こうしてシンとエクステンディッドの少女を憐れめるのも、新しい生きたエク
ステンディッドが手に入って心理的に余裕ができたからだ。タリアは仕事と感情にはきっ
ちり優先順位をつけていた。愛する息子だけがすべてを超越する存在であった。
 英雄たるシンはと言えば、部屋でだらしなく横になっていた。赤い瞳から、時々ぽろり
と白桃の頬に涙がこぼれる。
(ステラ……君が殺した、ユーラシアの人たちへの責任を、俺は取らなきゃいけないよう
なきがする。どうやって? 死んでしまった人は生き返らない、マユも父さん母さんも、
ステラ、君も)
 自分が戦災孤児なので、軍隊が太刀打ちできずに蹂躙された市街に住んでいた人たちの
ことを思うと、心が痛む。だから最悪相討ちでも仕留める覚悟でデスティニーに乗り込ん
だ。ステラを特別視してはいけないと理性はいう。しかし彼の感情は、初めて恋した少女
を己が手にかけたという事実に苛まれ、壊れそうだ。
 そんなときレイが帰ってきた。下着一枚のシンを見て、服を出して着せてやり、髪の毛
にドライヤーまで当ててくれた。
 シンはこういうことをされてもいいほど、レイに気を許していた。同室だし、同じパイ
ロットだし、レイは無駄口は叩かないし必要なことだけをする。
「俺は今晩は基地に泊まることになった。隊長と一緒だ。新型が届いたのかもしれない。
明日には戻る。ヨウランとヴィーノにお前を夕食と朝食に連れ出すよう言っておいた。辛
くても食事はとれ、それもパイロットの仕事だ」
 もうレイに抗う気力も尽きていたシンはこくりと頷いた。
 ステラを殺したこと、ステラがたくさんの人を殺戮したこと、自分がステラを連合に返
したこと、ディオキアの洞窟。すべて消えてしまった過去のことだ。しかし記憶が渦にな
ってシンの頭を苦しめる。
 自分がステラを返したから、ユーラシアの人々がたくさん死んだ。
 この思いを頭から振り払おうとするが、なかなか果たせない。
 ステラじゃなくたって他の強化人間が<でか物>に乗ったはずだ。連合の作戦はパイロッ
ト一人で狂うようなものではない。わかっていても、罪の意識は消えてくれない。シンの
思考は深く落ち込んでいった。
130通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 02:53:05 ID:???
 一方のレイは指令本部を訪ねた。アレッシィ隊長についてのことでもあり、何かありそ
うな予感がした。自信ありげな足取りで進んでいく隊長についていって入った部屋には、
まだ宇宙にいるはずのプラント議長、ギルバート・デュランダルが立っていた。
「ギル!」
 シンのことで沈んだ面持ちだったレイの頬に朱が差した。
 子供のころからしていたように、長身の学者政治家に抱きついた。
「聞いていた予定と違う」
「敵を欺くにはというじゃないか。秘密裏に今日到着した。ミネルバ隊の活躍はモニター
で見させてもらった。彼らにはこれからの作戦も期待したい」
「はい、ご期待に添えるように精進します」
 敬礼するレイがかわいくて、ギルバートの頬が緩んだ。レイの気まじめな性格は、彼の
好みだった。甥のように育てた子供がこういう少年で好ましい。ただ彼の遺伝子には大き
な欠陥があって、それは近いうちに命にかかわるものになる予定だ。
「レイ、時間がないので、まずこちらへ」
 ギルバートの案内で三人は地下に降りた。
 手術室のような部屋に金髪の男性が寝かされているのが目に入った。
「ネオ・ロアノーク大佐、レイ・ザ・バレル、君の新しい体だ」
 サングラスを外しながらアレッシィが言った。
 レイは言葉が耳に入らないくらい驚いて、立ちすくんだ。
「ラ…ラウ……」
 大戦で死んだはずのラウ・ル・クルーゼの顔だった。ただ一年で目のあたりは数年分年
をとったようだ。皺が多い。
「ラウは君のためにこのボディを手に入れようと、尽力してくれた。君との遺伝子適合性
に問題はない。遺伝子上、あのボディは君の息子になる」
 ギルバートが続けた。
 だがレイの耳には入っていなかった。
 もしかしたらと、思っていた。しかし感じるものがラウとは異なっていたし、宇宙空間
でモビルスーツが大破して生きているとは思えなかった。ただプラントを皮肉っていた彼
が、プラントのために戦って死んだのはレイの進路を決めることになった。
「あ、あなたが――」
 ぽろぽろと涙が出る。自分と同じもの、年違いの双子の兄が生きていたなんて。自分は
もう一人ぼっちじゃない。一人で運命におびえる必要はないのだと思い、レイはラウに飛
びついた。
「泣き虫だな、お前は」
「だって……」
131通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 02:53:13 ID:???
「それで、私とギルバートの言ったことはわかったか? あの男の体にお前の脳を移植す
る。そうすればお前は私よかなり長く、脳の寿命の限界まで生きられる。普通人にしては
若死にになるだろうが、あの痛みからも解放される」
「え!?」
 レイの肩に二人の手が乗った。
「君はあの男の体で生まれ変わる」
「そして地球のナチュラルとして、普通の生活を送る、何十年か」
 やっとレイは理解した。ラウとギルは彼の脳だけあの男の体に移植して、長生きできる
体をプレゼントするつもりなのだと。
「あ、あ……あなたたちは」
 レイは二人を凝視した。捨てられたラボの実験動物だった自分を助け出してくれて、名
前を付けてくれて、育ててくれた二人。でも――
「あなたたちはおれの気持ちなんか、ちっともわかっちゃいない!」
 レイは叫んだ。
「クローンだから寿命が短い? そんなこと承知の上で生きてる。どうして俺が他人を犠
牲にして長生きしたいだろうなんて考えるんですか。俺はあなたたちに、そんなわがまま
な人間に育てられたつもりはありません!!」
 レイの叫びは二人にとって意外だった。おとなしい性格の子だし、クローンの運命から
逃れられるなら喜ぶはずだと思っていたのだ。
「レイ」
「自分たちが命をもてあそんでいると、メンデルで俺を作った連中と同じことをしようと
していると、気付いてください!」
 二人ともそれは理解していた。ただ彼らは命は平等ではないと思っており、レイに適合
する肉体があれば、その男の人生くらい消し去るのになんの痛痒も感じないだけで。
 その表情を見て、レイはさっと身を翻すとエレベーターに向かった。
132通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 02:54:07 ID:???
何年前に張った伏線だが。いっぺんに沢山はかけそうにないのですが、もうちょっと
まめに書きたいと思います。これから山場です。
133通常の名無しさんの3倍:2009/04/02(木) 12:00:33 ID:???
ここに来てアレッシイの正体を知って、しかし同時に反抗期フラグとは予想外!
凸が元からザフトに居ない分まさかレイが脱走あるいは離反するのか…?
(でもどこへ、という問題が。ここのラクスは借金返済ドサ回りのはずだし…)
134通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 00:32:26 ID:???
連載最初に言及されていて、ずっとこの部分が気になってた。
脳だけは「テロメアが短いから寿命が…」という呪縛から抜け出せる
(383氏独自の)設定なのか?と。
自分は、自分の短命という運命は変えられないからこそ、世界をよくする
願いをレイはシンへと託した、という部分が好きなんだ。
もしもこの案に乗るレイだったら、今まで書かれていたここのレイの
イメージとも違ってくるが…作者は絶対とはいえ、受け入れようとする
レイを描かれたら、イメージ崩壊で読み進められなくなる、と怖かった。
でも、レイがレイらしくてよかった。
135通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 00:53:40 ID:???
うわ〜いい!
規制されてるので解除されたら感想書きます
136通常の名無しさんの3倍:2009/04/03(金) 15:31:22 ID:???
なんかいい感じだ
137通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 08:33:02 ID:???
支援。うん、やっぱいい。
138383:2009/04/04(土) 14:28:56 ID:???


 シンはヴィーノに誘われて夕食をとった。アカデミーで初めてできた友人は、ほとんど
食べずにうつむいているシンになにかと言葉をかけてくれた。
 ただそんな言葉も彼の頭をすりぬけていく。
(俺が、殺した? ユーラシアの何千万人という人も、ステラも?)
 この想いにとらわれているシンには、食事――ジブラルタルの海の幸のブイヤベース―
―も、友人の声も遠い世界のものに思われた。
 シンの様子が尋常ではないので、食事の後医務室に連れていかれた。医師に今思ってる
ことを正直に話したら、「そういうのは運命のいたずらだから、気にしないように」とい
われて精神安定剤と睡眠薬を処方され、基地のカウンセラーへの予約を取ってくれた。プ
ラントは人口が少ないから、精神的に参った兵士を後方に下げるのはよほどの時だけだ。
薬とカウンセリングで戦える状態に持っていく。そうしないと地球と戦争なんて象に蟻が
挑むようなことはできないのだ。
 シンは部屋に帰って薬を飲んだ。
 ベッドに入ったが眠れない。自分が手にかけたステラの血まみれの金髪、そしてベルリ
ンの破壊しつくされた光景が思い出される。<でか物>の背中から放射状に出るビームに焼
かれていくザフトのモビルスーツ、巨大な足に踏みつけられる戦車。
 本人はいっぱしの軍人のつもりでいたが、まだまだ情に甘い子供なのだとシンは思った。
でも今の自分を変えることなんてできなくて、ステラが悪いなんて思えなくて……。
 自分が殺した、ステラを、ユーラシアの市民たちを――。
 ずっとこれだけを考えていたら、不意に部屋から出たくなった。部屋は息苦しい。シン
は部屋を出て足の向くまま、モビルスーツデッキの二階部分に立った。15メートルのこ
こからは、下で働く整備班が小さく見える。
(ここから飛び降りたら、ステラに会える)
 不意によぎった思いだった。
 手すりを握る手が震えた。ここから飛び降りて受け身の姿勢を取らなければ、コーディ
ネーターの中でも身体能力の高いシンとはいえ、死に至る怪我を負うだろう。下は金属の
板だ。
 これまで自殺という選択肢を考えたことがなかったので、頭がぱあっと晴れたような気
がした。ステラにも、両親やマユにも会えるのだ。
 死の願望に取りつかれたシンが顔を上げると、そこにはデスティニーの顔があった。
 赤と黒の翼、両目から流れる血の涙――。
(あっ……)
 デスティニーが泣いている。初陣で愛する少女を殺したことを悔やんで泣いている。シ
ンはそう思った。そして、あのモビルスーツが泣かなくてよい世界を作るために自分は戦
うと誓ったはずだと思いだした。また自分がフリーダムのパイロットを憎んでいるように、
モスクワから始まってベルリンにいたってやっとやってきたミネルバ隊、特にエースのデ
スティニーを恨んでいる人がいるだろうということに思い当った。モスクワ戦は無理でも
サンクトペテルブルグ戦に間に合っていれば、死者は1/3ほどで済んだのだ。
 自分が憎まれるという感覚は、不愉快なものではなかった。なんであれ他人から必要と
されているという気持ちがシンには必要だった。
(俺はデスティニーと共に戦う。ステラのクローンがもし出てきたとしてもだ。そしてあ
の<でか物>に家族を奪われた子供たちに、『なんでもっと早く来てくれなかったんだ』と
殴られよう)
 愛機を見つめてそう決意したシンは、部屋に戻って夢も見ずに泥のように眠った。
139通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 14:30:18 ID:???


「レイが私たちに逆らうとはね」
 デュランダルは冷えたシェリーのグラスを親友に渡した。
 大西洋に沈む夕日の見える部屋だ。
「君より私の方がショックだ。考えてみたまえ。君に一卵性双生児の弟がいたとして、彼
によかれとしてとった行動を否定されたらどう思う?」
「それは、心理的にも専門的にも厳しいな。同じ遺伝子を持っていても生育環境の違いで
性格が大きく異なることもあまり異ならないこともある。これはC.E.以前からの双子の研
究で知られている。君とレイの性格の違いも知っていたつもりだ。ただああいう反発、拒
否にあうとは思ってもみなかった。肉体の寿命より脳の寿命は長い。新しい、テロメアの
正常な肉体にレイの脳を移植すれば、脳の寿命の限界まで生きられるし、脳に痛覚はない
から、君たち特有のあの痛みからも解放される。非常にハンサムで才能にあふれたナチュ
ラルとして地球で穏やかに暮らせれば、彼のためになると思った」
「それを傲慢だと、あの子は蹴飛ばしたな」
 ラウはグラスを干した。プラントでは手に入らない酒だ。
「傲慢なのは承知の上の計画だった。レイは、私たちが思っている以上に独立した人格を
持つに至っていたのだな」
「戦いに出るようになってからも、君や私を恋しがっていたように感じたが」
「親離れされた、ということだろう。で、あれはどうする? 君のボディにも使えるが」
「前にも言っただろう。私はいらないと」
 ギルバートは小さく笑った。
「やはり似ているのだな、君たちは。では普通に捕虜として情報を吐かせよう。ブルーコ
スモス直属の大佐なら、地球側の汚い所をかなり知っているだろうからな」
「ふむ、ずっと追い続けて狩ったわりには詰まらんな」
「へヴンズべースをはじめとする連合の基地や戦力の情報だけでもかなりのものがあるだ
ろう。君は戦果を誇っていいと思うが」
「おかわりをもらおう」
 ラウの尊大な言葉に、デュランダルは従った。
140通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 14:31:10 ID:???


 自分を見出して育ててくれた二人の男から逃げ出したレイは、海の方に吸い寄せられた。
波の音を聞いているだけでも、ささくれ立った心が落ち着いてくる。
 ラウもギルも世間一般の基準でいう善人ではないと、わかっていたはずではないか。い
やでも……結局自分を無視して話を進められたことが一番不快なのだ。アル・ダ・フラガ
に息子がもう一人いて、その体に自分の脳を移植すれば脳の寿命まで長生きできる以前か
らといわれていたら? もちろんレイは断っただろう、それはラウの権利だと。自分は生
まれこそ実験動物だったが、ラウとギルが愛してくれた。ラウの心の中にはレイがどんな
に愛を向けても答えてくれない部分があり、彼がオリジナルの自分を殺してからラウ・
ル・クルーゼになるまでの期間に考えたり体験したりしたことがそこに詰まっているのだ
ろう。だからレイも、ラウの思想は表面しか知らない。
 それを話してくれる相手でもないと、自分の性格から類推し、暮らしてきた。ただ、ラ
ウが地球のナチュラルから、プラントのコーディネーターに自分を変えた理由はレイにも
想像がつかなかった。レイ自身、子供の時からコーディネーターとして育って、身心面頭
脳面で苦労したことはない。遺伝子操作を受けなくても、操作済みのプラント人がうらや
む資質と美貌を持っていた、ナチュラルだったので。
 遺伝子の話を教えてくれたギルバートの意見によると、優れている遺伝子を集めてコー
ディネーターを作るのは、人工的に優良な遺伝子が集めているだけだから、実際的に人類
としてコーディネーターとナチュラルに違いはないのだということだった。まあ免疫面や
低重力に適応して骨からカルシウムが抜けにくくするなど、ジョージ・グレンの基本セッ
トがコーディネーターの最低条件と一応はされていた。ただそれもナチュラルから適正な
遺伝子を選び出して作り上げたもので、C.E.30年代以降の自由にコーディネーターが作ら
れた時代に、さまざまな人類の変種といえる遺伝子をもったコーディネーターが生まれた
のだと。そのジョージ・グレン時代に比べての変異性の高さから、より環境保護団体ブ
ルーコスモスに標的とされるようになった。
 あの男は、ブルーコスモスだった。
 レイは海辺で身を固くした。
 彼も自分の遺伝子の優秀性には自信を持っていただろう。遺伝子上の父親に当たる自分
が、ザフト――コーディネーター――のエリートたる赤服なのだから。
 そんなことを考えこんでいるうちに夕日が暮れて、あたりは真っ暗になった。
 基地の端まで来すぎたかとレイは思ったが、ミネルバに戻る気にはなれなかった。
母艦では英雄のシン・アスカが悶え苦しんでいるだろうが、今のレイに他人を思いやるほ
どの余裕はない。自分の命の価値という、彼が自分の運命を認知して以来の悩みと向き合
うしかなかったのだから。ラウがああいう状態ならば、自分の寿命が急に尽きることはな
いと思われる。死ぬのが怖いのではない。十代の兵士の身で、突然死を意識しなければな
らない自分がみじめなだけで。
 不意に声が掛けられた。
「ブロンドのお嬢さん、日が暮れましたから一人歩きは危ないですよ」
 記憶にある声だった。振り向くと、ハイネ・ヴェステンフルスが立っていた。
「いえ、お嬢さんではありませんから」
「でも君ほどの美人はめったにいないから。夕食を一緒にいかが? フェイスと将官以上
しか入れない食堂があるけど」
 明日まで帰らないと同室のシンに告げてきた。
 レイはハイネの言葉に同意の返事を返した。
141通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 14:32:30 ID:???
シンとレイは、意識して少女マンガっぽく書いてます。
苦手な方はすまん。
142通常の名無しさんの3倍:2009/04/04(土) 16:07:04 ID:???
く わ な い か ? ですか? GJ!
最近は間隔が短くなってありがたいっス。
143通常の名無しさんの3倍:2009/04/07(火) 15:56:49 ID:/JqXCf8A
あげ
144383:2009/04/10(金) 04:43:06 ID:nmGOGoAz


 ジブラルタルはいい朝だった。
 シンはすっきりした顔でスタンバイにはいり、外泊してきた隊長とレイはいつもよりま
じめに敬礼し合ったようだった。そんな同僚上司を見て、ルナマリアはほっとした。一番
心配だったシンが調子を上げているのが嬉しい。彼はミネルバだけでなくザフト地上軍の
エースなのだから、あのステラの件があっても、いつまでも落ち込んでいては困るのだ。
不意にプラントに帰ったメイリンを思い出す。両親からのメールによると、日常生活は問
題なく営めるようになっているらしいが、街でカップルや赤ん坊を見るのを恐れていて、
家に引きこもりがちだと。
 シンも立ち直ったように見えて、まだ心に傷を負っているのだろう。自分がケアできる
ところはケアしてあげないとと、思うルナマリアだった。
 レイと隊長はどこか似ていると思っていた彼女だが、今朝からそれは確信に変わった。
血縁の従兄弟くらいではないのか?と思うが、ザフトの資料では隊長は北米からの移民一
世で、レイはヨーロッパからの移民二世だ。
 まあ、噂されているへヴンズべース攻略戦に向けて、デスティニーの兄弟機も到着した
ことだし、余計なことを考えるより、プラントがとにかく独立を守れるように頑張ろうと
ルナマリアは思った。
 レイは、アレッシィ隊長からの呼び出しを受けたとき一瞬心臓が縮んだが、話題になっ
ていた新型機のことだろうと納得して、声を抑えた。
「ZGNMF-X666SSレジェンド、レイ・ザ・バレル、君の新しい機体だ」
 ラウから改めてフルネームを呼ばれ、上司と部下の関係に戻ったと悟った。
「光栄であります」
「いそいでセットアップをするように。この機体は、プロヴィデンスの後継機だ。扱いや
すくなっている。期待しているぞ」
 さっそく整備班と話をして乗り込んでみると、最大の特徴は宇宙でドラグーンを使える
ことだが、地上戦でも核動力なぶん、セイバーより素早い対応が可能だという。レイは、
ラウからプロヴィデンスの後継機だと言ってもらえてうれしかった。彼も自分も、不完全
なテロメアを持つクローン人間だが、普通の人間に劣ることなく自分の思想のために、国
のために戦うことができるのだ。自分でプラントを選んだラウと違って、レイは自分とい
うものを意識させられた時にはプラント人だった。そしてナチュラルでありながら、コー
ディネーターとして生きている。プラントから降りてきて地球を見た彼には、ナチュラル
とコーディネーターの完全和解は不可能で、共存できる区域が地上と宇宙に保たれればい
いなというものだった。こういう話は地球生まれのシンはともかく、プラント生まれの友
人たちにはしにくい。彼らの卑俗な遺伝子信仰をギルバートのデスティニープランは破壊
してくれるだろうと、レイは思った。
145通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 04:43:34 ID:???


 連合軍大佐ネオ・ロアノークからはデュランダルが思っていた以上の情報が絞りとれた。
ブルーコスモスの息のかかった基地や士官から、直属部隊に至るまで。ラウの息子という
遺伝子の主だけあって、記憶はきちんと整理され階層を作っていて、読む方には読みやす
かったらしい。特にエクステンディッドに関しては研究者並みの知識を擁していて、ミネ
ルバがもらたした『生きたエクステンディッドのサンプル』をいかに機能を保ったまま生
かし続けるかに重要なプラス要素をもたらしてくれた。またへヴンズべースは連合の主力
基地であるばかりか、ブルーコスモスのメンバーが何かあったときの退避所としても使う
と。へヴンズべース攻略に向かうザフトにとっては、有益な情報だった。
 ザフトの現有地上勢力だけで、あの島は落とせない。宇宙からの降下作戦と地球のナチ
ュラルの軍隊との同盟。ユーラシアで暴れていた<でか物>――正式名称はGFAS-Z1デスト
ロイ――をザフトの新鋭モビルスーツが倒したというのは大きい。兵器開発競争で巨大化
に手を出した連合に対して、通常の大きさのままで性能で上回ったのだ。無論1Gの地上
と宇宙空間では動きは違ってくるだろうが、デストロイも180度攻撃はできても360度攻撃
はできない。とりつきやすさは宇宙での方が上だろう。デスティニーの勝利は、宇宙での
戦いの趨勢を左右するものになるかも知れなかった。
 そのデスティニーのパイロットのもとに帰ったレイは、シンが思いもかけず一枚剥けた
顔をしているのに驚いた。そして、シンからも自分がそう見えているといいと思った。彼
らは二人とも兵士として人間として大きく成長したのだし、それを実感していた。
 レジェンドがミネルバに搬入され、整備班はまた忙しくなった。ドラグーンシステムが
あるので、地上用と宇宙用の二種類のセッティングを今のうちに作っておかないといけな
い。プラントの開発班がその基礎は構築していたので、それに乗せる形でパイロットのレ
イと相談しながらセッティングを固めていく。今回レジェンドの整備班に抜擢されたヨウ
ランは、レイのドラグーン対応値をみながら、これでは簡易型の意味がないかもと思った。
レイはプロヴィデンスでも適応できるだけの空間認知能力があった。遺伝学には特に興味
のないヨウランは、これはどういう遺伝子改造によるものか、それともナチュラルに受け
継がれた血なのか少し悩んだ。プラント生まれのコーディネーターとしては、優れた資質
は遺伝子改造によりもたらされたというほうが、耳に心地よい。しかしいったん地上に降
りて、地球にさまざまな才能あふれるナチュラルがいるということを知った今は、レイの
空間認知能力がナチュラル起源のものであれば、それはそれでかっこいいと思うのだった。
 ルナマリアはやっとシンが普通に戻って、前よりなんかたくましくなった感じで好まし
いし、レイは隊長と本部に行ったひと晩で少し影を背負った美少年になってきて、まあ、
どっちも見てて楽しいという感じであった。自分もインパルスに乗るようになってパイロ
ットとしての技量は上がったし、その分たくさんの敵兵士を殺しているんだという現実に
も直面している。噂されているへヴンズべース攻略戦では、命の保証もないし、失敗した
らプラントの独立も危うい。議長や上層部はそのあたりをどう考えているんだろうと思う。
連合のけた外れの物量というのは、あの、デストロイという機体に象徴されている。シン
が好きだった少女が操縦していて、シンがその女の子を殺した。でも、モスクワからの死
の行進には数千万人の民間人の死者が出て……。プラント全人口の数倍だ。ルナマリアが
本当に地球の大きさとナチュラルの人口の多さを感じたのはこの時であった。
 プラントの独立を守るのにはどうすればいいのだろうか?
 これまではそういうことは政治家が考えることで、自分はプラント成人として選挙で支
持できる人を選ぶのと、軍人としての働きで国を守るのが役目だと思って悩みもしなかっ
た。しかし、プラント人は自分の国を守るために何ができるかをもっと深く考える時期に
来ていると、ベルリン戦を終えた彼女には思えた。
146通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 04:43:54 ID:???


「ハイネ、用意はできているかね」
「はい、回線関係オールグリーンです。議長、全世界生放送ですから、もう少しヘアメイ
クに気を使ってください。あなたの肌の色が白すぎて死人の色だと、地球では評判が悪い
ようです」
 ギルバートは苦笑した。
「プラントの本音を伝える放送だ。この骨の色の肌もオレンジの眼も、コーディネーター
という地球から排斥される人間の要素だよ」
「同情を買うおつもりですか?」
「いや、素を見せるだけだ。コーディネーターに同情する人としない人は、もう別れかけ
ているからね」
「了解しました」
 議長の素の顔なんて見たことないけどと、ハイネは思った。
147通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 04:47:04 ID:???
このあとすこし録画を見直さないといけないですね。資料は小説版が便利なんだけど、
行方不明で。次回は久しぶりにオーブのお二人も書く予定です。
148通常の名無しさんの3倍:2009/04/10(金) 15:54:20 ID:???
乙でした。
オーブの二人というとカガリとユウナですかね?
この二人の政治問答…今の所はユウナからのレクチャーに留まってますが
対等な論争が成立するくらいのカガリの成長も楽しみです。
ところでキラは……依然リタイア状態でつかorz
149通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 11:18:03 ID:???
いつもお疲れ様です。ああ、このスレを布教する相手が欲しい。
150通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 14:06:45 ID:???
くまさん以来の神降臨
151通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 17:18:52 ID:???
くまさんってこの場合なんだっけ…
152通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 23:12:39 ID:???
ヘブンズベースが地球での天王山になるとしたら、総力結集という事で
PPのアスランの部隊も駆り出されてミネルバ組と戦う事になるのだろうか。
レイが議長や、遂に正体を知ったクルーゼに対しても物事の是非をキチッと
物申すほど人間的に成長したのに対し、シンは全く別のルートからとはいえ
奇しくも直接の面識のないアスランと同じ、強烈な贖罪意識から自分を顧みない
死して屍拾う者無しの戦闘機械になりかかってるように見えるんだが。
このシンとアスランの対決は空恐ろしい事になりそう。
153通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 23:45:59 ID:???
クルーゼは基本傍観者で導いてくれる人があんまりいない状況なのに
ミネルバ隊がみんな成長していってるよね
154通常の名無しさんの3倍:2009/04/12(日) 23:56:04 ID:???
レイは(それがわかりにくかっただけで)元々こういうキャラだと
思っているが、本編とは全く違う状態になったアスラン、そして
ユウナの妻として、オーブの長としての責務を果たしているカガリが
どんな風に絡むのかは気になる所
個人的には、ルナの心情がきちんと触れられていたので嬉しかった
155通常の名無しさんの3倍:2009/04/16(木) 13:34:08 ID:???
保守
156383:2009/04/20(月) 22:00:36 ID:iayQeVM1
『私はプラント最高会議議長、ギルバート・デュランダルです。今日は地球と宇宙に住む
すべての人類に話をさせていただきたいと思っています』
 この言葉で始まった放送は、地球から宇宙までをカバーした。もちろん月軌道までは時
差ができるわけだが。ユーラシア時間の夜の放送は、人類最大の国家大西洋連邦の昼に当
たる。アジア圏はこの戦争にできるだけ触れないようにしているので、狙いを大西洋の両
側に絞った時間設定であった。
 とはいえ政治に携わる者には大変なできごととて、オーブのカガリとユウナの夫婦も護
衛官にたたき起こされた。
 なかなか起きないカガリは、キサカ一佐に一喝された。
「オーブの危機かもしれんぞ、カガリ」
「なんだと」
 顔に枕の皺のあとをつけて、カガリが叫ぶ。
 とりあえずユウナと二人でガウンを着て居間に移ってテレビをつけたが、うちの奥さん
に『優美』という言葉が似合うようになるのはいつのことだろうと考える夫であった。
 同時刻、夕食を終えてレクルームに集まっていたシンたちも、音楽ビデオから急に議長
の映像に切り替わったのに、びっくりしていた。
 レイ以外はデュランダルが地球に降りていることも知らないから、みなプラントからの映像と思った。
「議長、いったい何で」
「講和、じゃないわよね」
 デストロイを破壊したのはザフトの大きな勝利だが、講和に持ち込めるほど連合が甘い
とはだれも思わない。連合の裏にコーディネーター全滅をもくろむブルーコスモスという
勢力がいるのを、彼らはよく知っていた。
『現在プラントと地球連合は戦争状態にありますが、人類の未来のため、早急に解決した
いと思っています。そして、みなさんに知っていていただきたいことがあります。私の説
明を聞いた上で、一緒に考えてください』
 バックに先日のベルリン戦が映し出された。
 シンにとっては見るのがつらい映像だったが、議長の言葉が聞きたかった。
 デストロイの巨体と攻撃力は映像で見ても圧倒的だった。通常のモビルスーツが小人に
見える。
「これはモスクワから都市を破壊してきたモビルスーツ、ザフトが入手した情報によりま
すと、名前をデストロイ」
 <破壊>、そのものの名前のモビルスーツだったのかと、テレビを見ていた人はみな思っ
た。シンもその名を聞いて、手が震えた。コンソールのようなコクピットに倒れていたス
テラ。あのモビルスーツはステラをも破壊してしまった。
157通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 22:00:59 ID:???
「これだけの巨大で高性能なモビルスーツを作るには、従来のように一社で開発していて
はとても無理です。各兵器メーカーから、分野ごとのエキスパートが集まらないと。普段
はライバル同士でもいざという時には協力し合う、地球の兵器産業はそうやって生きてき
ました。戦いがない時には戦いを起こす火種をまくことまでして」
 デュランダルの落ち着いた声に、カガリの怒号がかぶった。
「ロゴスのことを話そうというのか、この男は!」
 軍需産業の大手モルゲンレーテを国営企業として持つオーブにとって、ロゴスは微妙な
距離をもって付き合わなければならない相手だ。そして国民にその存在を知られてはなら
ない。どの兵器会社も等しくライバルでなければ、市場経済の法則に反するからだ。オー
ブの上層部が国民に秘密にしているさまざまなことの一つだ。
「黙って、カガリ」
「‘ロゴス’と呼ばれる兵器関連企業が作るゆるやかなネットワークは、互いに情報を融
通しあい、いまはブルーコスモスと手を結んでコーディネーターという敵を作り上げまし
た。われわれプラントは兵器は自国生産しますから、市場に入り込めないという点で、ロ
ゴスに敵視されるに十分でした。プラントの原住民であるコーディネーターを滅ぼして、
地球からナチュラルを移民させ、ロゴスも一緒にプラントに進出する。おそらく彼らはそ
ういう青写真を描いているでしょう。そしてまた宇宙と地球の戦争を起こせばいいと。
 彼らは人種差別もしますが、それより儲けることの方が好きなのです。ある国で内乱が
おこれば、政府側にも反政府側にもロゴスから武器が流れる。我々人類は、産業革命以来
ずっと彼らに乗せられて戦いを続けてきました。そろそろその流れを切る時期が来ている
のではないでしょうか?
 私の眼はオレンジ色をしていますが、これは母親が受精卵の段階でコーディネートされ
たものの遺伝です。コーディネーターといっても、ナチュラルな受精卵に別の遺伝子を組
み込んだだけの人間です。たとえば私は運動が苦手です。地球のナチュラルの方は、コー
ディネーターはみんな100mを8秒台で走ると信じていたりするそうですが、私は学生
時代に15秒かかりました」
 笑いを求めるかのように、デュランダルは周囲に目を配った。
「議長って、運動音痴なのね」
 10秒台で走るルナマリアが呟いた。
「しかし、ナチュラルは議長に親しみを持つだろう。頭はいいだろうけど、身体能力は普
通の人間なのだと」
「それだと、歴史にたくさんいる天才の一人だもんな」
 レイとヴィーノが言い合った。
 シンは背景の画面をじっと見つめていたが、デスティニーが巨大なデストロイを突き刺
すように襲いかかるところで目を閉じてしまった。
 仲間や地球、プラントの人たちにとっては、何回見てもかっこいいし胸がすく場面だろ
うが、シンには違う。この手で、幸せにしたいと願った少女を殺した。でもその少女が侵
させられた罪も自分で背負うと決めた以上、目をそらせていてなならないのだ。
『連合軍はこの巨大モビルスーツに、一般のパイロットではなくエクステンディッドと呼
ばれる、人体を強化したナチュラルを乗せています。デストロイの自爆とともにこの機体
に乗せられていたパイロットは死亡しました。残骸の調査によりますと、脳とモビルスー
ツを直接つなぐような構造になっています。なんという、非人道的なことでしょうか?』
 議長の言葉が切れると、映像がロドニアのラボに切り替わった。モザイクだらけだが、
凄惨な光景だというのは察しがつく。レイは今回はこれに耐えた。彼はひとつ乗り越えた
のだから。自分やこのラボの子供たちのような命をおもちゃにされた人間の尊厳のために
戦うと。
158通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 22:01:17 ID:???
 見かけは優男だが世の中の裏もよく知っているユウナですら、ラボの映像には軽い吐き
気を催した。隣のカガリは真っ赤になって怒っている。
「人体実験だと。この子供たちを、モビルスーツのパーツにしようとしていたのか、連合
は!?」
 仁王立ちして叫んだが、世界中で同じ思いにとらわれた人間は何億人もいただろう。地
球ではコーディネーターが作成されたことにより、肌の色によるナチュラル同士の差別は
ほとんどなくなった。新たな差別対象が生まれたからだが、ゆえにナチュラルの子供が実
験動物として扱われるのは我慢できないのだ。
 プラントでは、だからナチュラルは野蛮なのだ、同じ人種の人間を実験動物扱いなんて
コーディネーターなら絶対にしないという意見になる。
『そして彼らはプラントのコロニー、アーモリーワンで初めて実戦に出たと思われます』
 シンが隊長に頼んで見せてもらったあの映像だった。ハンガーのパトロールフィルム。
三人の少年少女がザフト兵を打倒し切り殺し、モビルスーツを強奪する一部始終が映って
いた。
『この襲撃で我々は最新型のモビルスーツ三機を奪われました。いまやっとベルリンで二
機目を捕獲することができました。もちろんその間、もともとザフトのものだったモビル
スーツによって大勢の兵士が殺されました』
 ミネルバはもともとこの三機が搭載されるはずだった艦で、運命のいたずらで幾度も干
戈を交えた。ルナマリアたちにとっては、最後のアビスも取り返してやるという気持ちな
のだが、シンはアビスとは本音では戦いたくない。カオスに乗っていたエクステンディッ
ドのパイロットは、基地の研究所に入ってどうされているのかシンごときには想像もつか
ない。ただザフトでも実験動物扱いされると思うのだ、ステラの時の艦長たちの対応を見
ると。仕方がない、もうあんな目に合う子供たちが出ないようにと思っているが、いま戦
場にいるエクステンディッドはどうしてもステラとかぶる。
『いまザフトが捕虜にしている、連合のエクステンディッド、名前をスティング・オーク
レー』
159通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 22:01:31 ID:???
 画面にベッドに拘束された少年が映る。シンがディオキアで会った少年だ。
『プラントのコーディネーター用の医学では、彼を生かしておくだけで精いっぱいです。
わたしは一人の人間として、呼びかけたい。連合でエクステンディッド開発に携わったか
た、身柄はこちらが保証します。彼を生かすために、元の普通のナチュラルの少年に戻す
ために協力してください』
 デュランダルは頭を下げた。
「あのデュランダル議長が……」
 プライドの高い人物だとカガリは感じた。それに戦争中の元首がとる態度としては、柔
弱ではないか。
 いっぽうユウナは別の感想をもった。
「彼は根っからの政治家だねえ。いっきにかわいそうな少年を助けようとするのが敵の親
玉だなんて、連合の正義はどこへいったのか?という方向に世論を持っていったよ」
「お前はそんなことを考える前に、人間の尊厳への義憤を持て!」
「そういう気持ちはもちろんあるけど、君が先に爆発するからねえ」
『そしてわたしは宣言します。この愚かな戦争を終わらせるために、連合の主力基地であ
るヘブンズベースを落とすと。もう一度、地球の皆さんにお願いします。戦争を終わらせ
るための戦争、人間の愚かさの象徴です。しかし未来をつかむために、武器商人に操られ
て戦争する時代に終止符を打つために、協力していただける国家であれ武装勢力であれ、
ザフトは同盟を組む用意があります』
 プラントがナチュラルと同盟? ユーラシアでザフトが受け入れられている状況を見て
きたシンとレイですら、無謀なことだと思った。軍隊同士の交流ならともかく、国家単位
での同盟とは話が大きすぎる。レイは、ギルは表向きは静観だが軍隊が勝手に動いたとい
うシナリオを何カ国かと作り上げているのだろうと思った。
160通常の名無しさんの3倍:2009/04/20(月) 22:04:17 ID:???
週一更新はちょっと無理かな。先週末フィギュアスケートの国別選手権があって、
うちのPPコーディネーター部隊のタニスとステファンのビジュアルモデルと名前をとった
人まで合わせて四人来日してました。タニスは美人でアゴストはうさんくさくてエロいです。
女子シングルが人気ですが、機会があったらアイスダンスも見てください。美女の宝庫です。
161通常の名無しさんの3倍:2009/04/22(水) 23:00:59 ID:???
乙!
このスレから読ませて貰ってるがおもしろいっす。
できればテキストデータの再うp希望。
前挙げてくれたのもう消えてたので。
162通常の名無しさんの3倍:2009/04/25(土) 20:57:04 ID:???
いつもありがとうございます。
続きがすごい楽しみです。
応援してます。
163通常の名無しさんの3倍:2009/04/30(木) 14:41:31 ID:???
保守
164通常の名無しさんの3倍:2009/05/20(水) 23:38:21 ID:???
保守
165通常の名無しさんの3倍:2009/05/24(日) 20:06:29 ID:???
久しぶりに来たら更新いっぱいキテルー
鈍足議長www
166通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 21:37:47 ID:???
ネオ捕縛後はレイに麻酔ぶち込んで手術強行をすると予想してたけど
あらかじめ打ち明けてからことをしようとしていたのが以外だった
ましてレイに拒否されると考えていなかったっていうのもある意味ものすごいな
167通常の名無しさんの3倍:2009/05/25(月) 22:04:15 ID:???
レイ親離れの心が芽生えたのか
保守
168通常の名無しさんの3倍:2009/05/27(水) 08:38:44 ID:???
終末論やハルマゲドン論者
のクルーゼ
自殺志願者や病人など苦しむ人のアイドル
169383:2009/05/29(金) 23:43:35 ID:???
例によって海外旅行。今は乗り換えの空港。
まだ続きはかけてないけど、書けたらうpします。
170通常の名無しさんの3倍:2009/05/30(土) 01:22:02 ID:???
おk、待ってます
くれぐれも身体にお気を付けて
171383:2009/06/05(金) 00:23:38 ID:q/hbU7OQ

ー 世界は真っ二つに分かれつつあった。
 地球人の誇りを守りコーディネーターに敵対するもの、コーディネーターを含めた人間
の尊厳を優先するもの。
 愛機のセッティングの空き時間にジブラルタルの海を見にでたシンとレイは、諸外国の
艦隊が続々と入港してくるのを目の当たりにした。
「すごいな、議長の演説がこんな効果があるなんて」
「根回しはしていたんだろうが、地球人にはエクステンディッドのことは不快だっららし
い。まだ連合で研究にかかわっていたという人間からの申し出はないが、高名な医学者が
何人か基地に入ったとか」
「じゃあ、あのスティングってヤツ、助かるんだ」
 シンがすがるように言う。
「助かる可能性が増した、だな」
「そうか」
 レイの冷静な言葉、そして連合側について動かない故国オーブ。ヘヴンズベースをぶち
壊せば、世界はいっぺんに和平へと流れるのだろうか? シンは戦いに疲れることなどな
い戦士だったが、その裏で無駄死にしていく兵士が増えていくのは気に食わない。今の戦
争が高性能の兵器に高性能の兵士を乗せて戦わせるものだというなら、SFにあるように
国を代表する戦士だけで戦って、優劣をつければいいのにと思うことすらある。
「宇宙の戦いは、今のところザフトが必要な制宙圏を押さえている」
「エターナルのストライクフリーダムとインフィニットジャスティスは、核搭載機でいい
戦果を挙げてるってな」
「前大戦でラクス・クラインに奪われた船をザフトの主力艦として使うことは、テロリス
トの悪夢を振り払うことに通じる。まだ残っているかもしれない、心情的にラクス・クラ
インを応援する人間には不愉快だろう」
「そんな人間がいるなんて!?」
 シンは怒りのあまり頬を真っ赤に染めた。ラクス・クラインの反逆のおかげで、オーブ
は戦火に巻き込まれ、彼女が窃盗の手引きをしたフリーダムがシンの家族を殺したのだ。
「ラクス・クラインは地球で自分のファン、そして信者となるべき人間を作ろうとしたが
失敗した。プラントではほとんどのファンが他のアイドルに行ってしまったが、ごく少数
ながら、彼女を支持する細胞は残っているようだ」
「だったら、逮捕するとか」
「特定のアイドル歌手を死ぬほど好きだからか?」
 レイの冷ややかな声にシンは黙った。レイ本人がラクス・クラインをよく思っていない
のがひしひしと伝わってきた。そうだ、彼の兄はヤキン・ドゥーエで戦死したのだ。
「・・・・・・感情的になりすぎた、ごめん」
「いや、俺もだ」
 確かにレイの声の裏には感情の波があった。ジブラルタルに入港してから、そういう感
じを受けることが増えたよなあと、シンは思う。
 と、コールがあって、二人は車を埠頭からミネルバのいるドックへと戻した。 
 ミネルバの黒髪と金髪のコンビはすっかり有名人であり、基地の中を車を走らせている
だけでも「ヘヴンズベスがんばれよ」という声がかかるほどであった。
172通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:24:09 ID:???

 ミネルバに帰ってセッティング作業に入ろうとした二人に、情報通のヨウランが、言っ
た。
「聞いたか? 今度の作戦、議長がミネルバに乗るってさ」
「議長の御座艦かあ。名誉なことだな」
「確かにな」
 シンはレイの反応が少なすぎると思った。個人的な知り合いのようだったが、なにか仲
たがいでもしたのだろうか。
 まあそんなこと、前線の一兵士には問題にもならなかった。
 一方戦争を起こすも止めるも彼の判断にかかっているという男は、集まってく艦船を眺
めながら、傍らの白服の友人に声をかけた。
「今回に限り、ミネルバを離れて連合艦隊の指揮を執ってはくれないか、ラウ」
「お断りだ。君との契約にそんなことは入っていない。ただ、ミネルバのモビルーツ隊は
君の予想以上に働かせて見せるが」
 ラウ・ル・クルーゼ、前大戦のザフトのエースは名誉の戦死を遂げたと思われていたが、
国に殉じるほど甘くない狡猾な性格で生き延びていた。今回の戦争に参加しているのは、
年の離れた双子の弟に当たるレイ・ザ・バレルを見守るためと、ギルバートからSEED
因子を持つというシン・アスカの観察を頼まれたからだ。レイはすでに彼らの手を離れた。
残るはシンの、本人に言わせると『頭がすうっと澄み渡って、いつもより感覚が10倍く
らい鋭くなるんです』というSEED因子の解明だ。ラウは自分を安売りすることはしな
いし、たった一人の友人に無駄な希望を持たせる気もなかった。
「大体、君がプラント最高議長なのだから、少しは苦労したまえ。地球に下りてきて檄を
飛ばして、あとはミネルバにこもったままでは支持率が下がるぞ」
「そうだな、プラント人はオールマイティーが好きで困る。で、随員や護衛を何人くらい
ミネルバに同乗させられるのかね?」
「それはあの女に聞け」
 人数が少なければ、グラディス艦長は議長を歓迎してないか、議長の参謀より自分の意
見をいれてほしいということになる。ラウはもともと彼女が嫌いだったなとギルバートは
思った。
173通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:24:30 ID:???

「どうなっているんだ、ジブリール」
「プラントはわれわれロゴスとほとんど関係がないから、ああいうことが出来る。前大戦
のときに滅ぼしておくべきだったよ」
「とはいえ、今は今、あちらはヘヴンズベース攻略の意図を表した。あそこに何かあれば、
連合の地上勢力は大打撃だ」
 たくさんのモニターに映るロゴスの面々を前にして、ロード・ジブリールは苦虫を噛み
潰していた。手元の猫をなでるのもおろそかになるくらい。
 ロゴスの存在社会の上層部だけが知るもので、軽々しく他人に口外しない。その伝統を
破って、あのコーディネーターは全人類にその存在を知らしめたのだ。
「みなさん、落ち着いてください。あの男がロゴスに何を言ったとしても、証拠はないの
です。ただの陰謀論で世界を騙そうとしている詐欺師にすぎません」
「しかし、政府上層部は知っているし、ロゴスは本当に実在する秘密結社なのだよ、わか
るだろう」
「われわれはこれまで地球を武器の力で支配してきたが、今は狩られる側なのだ、ジブ
リール」
 ジブリールはぎりりと奥歯をかんだ。なんという負け犬たちなのだ、この老人たちは。
自分たちのたくらみが暴露されたとしても、あんな荒唐無稽な話は信じない人のほうが多
いはずだ。平民どもは、最終的にしばらくの平和を与えてやれば満足する。コーディネー
ターを殲滅し、ナチュラルの手で宇宙開発を行う。これでロゴスも民も潤うというものだ。
そして汚らわしい遺伝子組み換え人間が絶滅すれば、ブルーコスモスの勝利でもある。
ヘヴンズベースは難攻不落だし、連合軍から上がっている計画なら、物量に劣るザフトな
ど蹴散らせる。
「ジブリール、屋敷の前にデモ隊がきた。私はヘヴンズベースに退避させてもらう」
「うちには脅迫状の山だ。あんなもの信じやしないが、もっとも安全なところに行かせて
もらおう」
「「「ヘヴンズベースへ」」」
 数人の男の声が唱和した。
174通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:24:50 ID:???
(ヘヴンズベース、大きな戦いになるんだろうな。コーディネーターもナチュラルもたく
さんの人が死ぬ)
 キラ・ヤマトは外出できるようになってきたので、週三回をめどに近所のスポーツクラ
ブに通っていた。バイク漕ぎをしながらテレビを見ていると、連合にザフトが挑戦状をた
たきつけたというニュースばかりだ。
(プラント人はなんであんなに戦争好きなんだろう。人口で圧倒的に負けてるのに、なに
かあったらすぐ戦争。平和を祈るラクスの歌声は、プラントでも地球でも受け入れられな
い)
 負荷を最大にまで上げて30分こいだら、さすがに滝の汗が出た。引きこもり生活で体
がなまっていたのだ。しかし低重力下で運動ができない状態でも体の機能を出来るだけ維
持するように遺伝子改良されたコーディネーターであるおかげで、引きこもっていてもナ
チュラルより体の衰えは少なかったし、また回復も早かった。
 だがキラはそのことについては考えたくなかった。自分がコーディネーターだから、前
大戦でたくさんの人を殺した。ナチュラルの学生なら、カガリを助けたあたりで殺されて
いたはずなのに。
「大きな戦争になりそうねえ」
 顔なじみの主婦が声をかけてきた。午前中は主婦と学生がメインで割と気楽だ。
「これで終戦してほしいですね」
「ほんとうに」
 会話に若い男が一人入ってきた
「君、運動能力すごく高いけど、なにかスポーツやってたの?」
「いえ、運よく運動神経に恵まれたんですよ。両親に感謝ですね」
 キラはこう答えた。「コーディネーターだからです」といえるようになればいいのに。
オーブですらいえない軟弱な自分、親友のアスランはたぶん差別を受けながらも連合軍の
兵士として己の信ずるもののために戦っているのに。
(けっきょく僕の心は弱いままだ。コーディネーター、それも父親の妄執から生まれた
スーパーコーディネーターの自分がこわくて、外に出られない。ああ、すべてがいやになる・・・・・・)
 キラはいつもは水泳もするのだが、その日はシャワーを浴びて家に帰った。
175通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:25:36 ID:???
 連合のプロパガンダ番組で、『地球のために戦うコーディネーター兵士』という特集が
組まれた。シンたちはレクルームに集まって、番組を見た。
 アスラン・ザラ中尉とタニス・ヴァーチャー少尉の紹介、地球の秩序を乱すザフトと戦
って名誉の戦死を遂げたスティーブン・アゴスト少佐(戦死により二階級昇進)。
『いま地球環境は危機に瀕しています。コーディネーターは何でも科学の力で変えられる
と思っていますが、そんなことはありません。自分はユニウス7で母親を失いましたが、
そのことでだれも恨んではいません。それより母の墓標を地球に落とそうとしたコーディ
ネーター達が憎いです』
『わたしは地球生まれのコーディネーターです。地球でコーディネイトが禁じられてから
生まれたので、闇の手法で生まれました。出生からして呪われていたのです。そんな私を
救ってくれたのはナチュラルの人たちです。対コーディネーター戦に最前線の兵士として
参戦できることが、どれほど名誉なことか。地球には大勢のプラント人でないコーディ
ネーターがいます。あなたがたに問いたい。プラントに移民しないのは、地球が好きだか
らでしょう。ならば連合軍に参加してください。仕事はいくらでもあります』
 作り物とはいえ、彼らの端麗な容姿は役に立つとプロデューサーは思った。
 そして次に、コーディネーター兵士の活躍と身体能力を示した。
 ミネルバで見ていたシンたちは、アスランの機体がイザークを撃破するのを見た。ルナ
マリアは少し身を硬くした。
「連合はコーディネーターの兵士をとことん宣伝に使うつもりだな」
 アスランたちの部隊は創設されたときも大げさに広報番組に流された。あの時、ザフト
の兵士は海に投げ出されたものまで掃討されたのだ。
 それから、アスランとタニスの二人の体力テスト。100メートル走、走り高跳びなど
で次々とナチュラルの世界記録を更新していく。
「あれくらい俺だって出来るし、議長みたいに苦手な人だっているってこっちはいったの
に」
「そうだ。シンは兵士向きの能力を持っているし、議長にはそれはない」
「でも議長には他にとりえがあるだろ」
 と大人しくしていたヴィーノがいう。彼はスポーツではアカデミーで中の下だった。
176通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:25:43 ID:???
「遺伝学者として高名だし、政治家としても、今までのところは優秀だと思う」
「そうよね、なんで連合はこんな番組流すのかしら」
 ルナマリアはわかりかねるというように頭を振った。
「地球人の大半は、コーディネーターを見たことがない。プラントに移民していったし、
容認しているオーブにしても人口比は0.1%だ。前の大戦までは0.3%だったらしいが」
 レイはちらりとシンを見た。
「地球のナチュラルにとって、コーディネーターは化け物ってことか」
「ひでえなあ、俺たちだってふつうにお袋の腹からおぎゃあって生まれてくるのに」
 ヨウランが茶化した。
「だから怖いんだろう。同じ人間なのに遺伝子操作されて優れた特質を持たされたコーデ
ィネーターが」
「でも万能じゃないっていうのはこないだ議長が」
「この放送を見た人は、コーディネーターはエースパイロットになれる頭脳と体力、そし
てその体力は世界記録を上回ると記憶する。彼らは運動能力に優れたコーディネーターだ
とは思わない。誰もが、100メートル8秒台で走ると思いこむ」
「でも、そのスピードで走れるのって、ここだとシンとレイだけだろ。俺は11秒だし、
ヨウランだって10秒台だ」
 ルナマリアが呟いた。
「たった二人のサンプルで信じ込んでしまうほど、地球の人は愚かなの?」
「コーディネーターが怖いというか、不気味なんだよ」
 シンの声には実感がこもっていた。
177通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 00:27:11 ID:???
まだヘヴンズベース手前です。戦闘は苦手なので、まああまり期待せず待っててください。
「おーい、フィレンツェはいいところだぞーーーーー」とロラン気分で。
178通常の名無しさんの3倍:2009/06/05(金) 22:34:18 ID:/fv52nyD
旧シャアへどうぞ
179通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 19:24:39 ID:???
面白かったです。
続き待ってますよ〜
180通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 20:21:15 ID:???
死種の脚本家がこのスレの職人さんだったら死種を最後まで見てDVDも全巻買ったのに…。
181通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 22:00:27 ID:???
アスランには規制がかかるなw
182通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 22:15:43 ID:???
これでいらん旅行報告がなかったらな…。
183通常の名無しさんの3倍:2009/06/06(土) 23:42:50 ID:???
>>182
スルースキルを磨け。
俺は書き手の人間性にも興味あるから、旅行好きだなあと思って読んでるが。
184383:2009/06/07(日) 05:16:01 ID:???
 部屋に帰ったレイは、アスラン・ザラのヴィデオをリプレイしていた。
「なんであんなやつばっか見るんだよ。女はなかなかの美人だったじゃん」
「そういうことでなくて、お前、アスラン・ザラを見て違和感を感じないか?」
「違和感・・・・・・?」
 シンは赤い目を大きく見開いた。
「彼は俺たちより二つ年上だ。ザフトに所属していたときのデータがこれだ」
 レイが示すデータは、シンやレイと体格がよく似ていて、身体能力はシンと互角か、そ
れより上かというものだった。
「今日のヴィデオで示された能力」
 レイは新しいウィンドウを開いた。
「あ、変わってない」
「そうだ、成長期だというのに成長していない。そして彼の体格も年齢にしては細い」
 示されたアスラン・ザラの全身図は慎重は普通だが高飛び系の選手のようだ。兵士のも
のとしては幅が足りない。
「――レイ、彼の股間の辺りをアップにしてくれ」
「わかった」
 レイも同じことを考えていたのだろう。
「ない、んじゃないか?」
「おそらく」
 二人の少年は沈黙した。レイにいたってはついこないだ脳移植手術を受けさせられると
ころだったのだ。人間は欲望のためにはなんでもする、それがたとえ思いやりであっても。
「アスラン・ザラは去勢されているのか。だから身体能力が発達していないってことか」
「そういうことなんだろうな。ブルーコスモスにとって、生殖能力のあるコーディネー
ターは必要ない。彼らは操作された遺伝子を殲滅することを目的としている。身内に抱き
込むなら、断種は前提だろう」
「でも、なんでそこまでして。オーブでいい暮らしをしていたって聞くぜ」
 シンが捨てた故郷。オーブはラクス派をとり、コーディネーター、ナチュラルの多くの
民を見捨てたのだ。
「さあな。遺伝子改造や人工子宮を認めないブルーコスモスにどうして彼が身を投じたか、
俺たちにはわからない。ただアスラン・ザラの親友でコーディネーター一世、人工子宮か
ら生まれたから遺伝子改造図のままに生まれた、キラ・ヤマトという青年は、オーブの軍
隊を除籍したあと、普通に暮らしているらしい」
「そいつって、フリーダムのパイロットで、カーペンタリア戦のときにまどろっこし戦い
してたやつ? 海に落としたのに、生きてた?」
 シンは心底驚いた。
「らしい。今は引きこもりの学生らしいから、戦場で会うことはないな」
「あいつは俺が殺してやる」
「民間人を殺すのか?」
 レイの冷ややかな声に、シンは黙った。そして、
「じゃ、おかまのアスラン・ザラは俺の獲物だ。オーブの禄を食んだ奴は許さない!」
「熱くなりすぎるなよ」
 まあ人のことは言えないがとレイは思った。
185通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 05:17:03 ID:???
追加です。アスランが去勢されてどうなったか、覚えてない方がいらっしゃるようなので。
186通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 08:33:48 ID:???
プククク…、あの凸が去勢…!!
嫁が見たら火病を起こしそうですな。
187通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 14:36:17 ID:ulmRhhd6
おまえら気持ち悪い
188通常の名無しさんの3倍:2009/06/07(日) 21:33:52 ID:???
>>186
嫁はキラアスだから、凸の穴さえあればいいだろ
189通常の名無しさんの3倍:2009/06/12(金) 22:34:25 ID:???
>>185
いえ・・・忘れようにも忘れられない、この作品を記憶に刻みつけたエピソードでした・・・・
190383:2009/06/14(日) 00:38:03 ID:sLSpfUlr
 ジブラルタルには他国からの舞台も到着し「ザフトとロゴス討伐同盟軍」という名前が
付けられていた。ザフトでは内部の配置換えも盛んに行われていて、何かと忙しい。セカ
ンドシリーズ運用艦という明確な任務を持ったミネルバにも、新たなモビルスーツが運び
込まれる。
「あれ、ハイネのモビルスーツ」
「議長の御座艦だから、警備に彼が乗っても不思議はない」
 シンとレイは言い合ったが、こういうことはアレッシィ体調にちゃんと教えておいてほ
しいものだと思う。ハイネはほんとうあけっぴろげな性格だが、隊長は秘密主義だ。ハイ
ネがミネルバに乗ることも含めて、シンたちはこの戦いを知っておきたかった。
 そしてミネルバの一角で、ルナマリアはメイリンへの手紙をしたためていた。0と1に
分解できるメールと違い、アナログな手紙を書くことでたった一人の妹への愛を伝えよう
としたのだ。この手紙が無事に着くかどうかわからない。ヘヴンズベース戦に敗北するこ
とがあれば、宇宙まで一気に連合の色に染まる可能性がある。それだけの降下部隊が投入
されると、彼女レベルでも知っていた。だから、ザフトが負けてしまったら、メイリンに
は永遠に届かないだろう手紙。
 さっぱりしていてセンチメンタルとは縁のない気性のルナマリアだが、さすがにプラン
トの運命を決める戦いとなると、緊張する。それに彼女はインパルスのパイロットだ。シ
ンの活躍で有名になったインパルスの後継パイロットはどれだけできるのか、みなが注目
している。
 しかし彼女は心をプラントの妹の下に飛ばした。近頃は日常生活は他人の援助なしに出
来るようになり、両親に料理を振舞ったりしているらしい。新しい彼氏でも作ればいいの
にと思ったりするが、そういうことは禁句だそうだ。まあ自分にも彼氏はいないし、手近
に条件のいいエリートはいるが、それだけで人を好きになれはしない。いや、好感は持て
ても肌を重ねようとは思わない、というところか。
 もともと用件をまとめて書くメールは得意だが、自筆で、それも感情をこめた手紙とい
うと難しくて、ルナマリアは下書きに直しをたくさん入れ、過剰だと思われる部分を削除
して、清書に取り掛かった。使うのは何か意味があるとメイリンが言っていた緑のインク、
さらさらと書いていくうちに、あのかわいくてちょっとお馬鹿な妹がいないのがこんなに
寂しいのかとしみじみ彼女の心を浸した。書き上げたあとインクが乾いたら、宛名書きを
した封筒に入れた。そしてシンとレイがドイツ出張で買ってきてくれたお土産の印蝋を使
い、赤い蝋をたらしそこに複雑な印章をぐいっと押した。少女趣味のメイリンは、こうい
う趣向を喜んでくれるだろう。ルナマリアは部屋を出ると配送室へ向かった。
 その帰りに、今は入港中で常時待機体制ではないパイロットルームを覗いたら、オレン
ジの紙の青年がいた。
191通常の名無しさんの3倍:2009/06/14(日) 00:38:35 ID:???
「ハイネさん」
 ドアを開けて部屋に入りながら、ルナマリアは親愛の情に満ちた声をかけた。
「ハイネ、だっていったろ、ルナマリア」
 とはいえ彼はフェイス、議長直属で、たとえるならこの船に乗っていても館長の命令を
利く必要がない。
 服の色でアレッシィ隊長が格上とはいえ、隊長にしても命令できる存在ではない。
「ハイネ、もしかして今度のヘヴンズベース戦、この艦に乗るんですか?」
「ああ、議長の護衛。といってもモビルスーツで出撃しちゃうけど」
 彼女はひとしきり笑ってから言った
「みんな、呼びますね、喜びますよ」
 運よくシンとレイは部屋にいたのですぐに呼び出せた。
 パイロットルームに入ってくるシンの顔色が真っ青なのに、彼女は気づいた。どうして?
「おひさしぶりです、シン・アスカです」
「レイ・ザ・バレルであります」
 硬い挨拶のあと、シンはハイネに土下座し、レイは深々と頭をたれた。
「ハイネのお祖父さんお祖母さんがベルリンに住んでるって聞いてたのに、精一杯戦った
のに・・・・・・申し訳、ありませんでした・・・・・・」
 ベルリン戦はシンにとって特別な戦いということで、涙と鼻水で次が続かない。
「ハイネの御祖父母は死亡者リストにありました。われわれはデストロイを倒しましたが、
街は崩壊、市民の犠牲者はGPSを付けていなかった人の分がまだ未確定です」
 レイが後を引き取った。
「お前らはまじめすぎる。祖父母は仕方なかった。プラントから地球に戻ったときに大き
な運命が分かれた。人間一人ひとりの生も死も、特別なもんじゃない。さらに戦争なんて
やってたら。立てよ、シン。お前はザフトの兵士として今度の戦いでもたくさん人を殺す
んだ。それがお前の選んだ運命だし、俺たち全員の選んだ運命だろ」
 ハイネは手を差し伸べてシンを立たせ、次にレイ、ルナマリアと握手した。ルナマリア
はシンは身近な人の不幸に弱いというのは育成状況からわかっていたが、彼女が思う以上
にもろい少年だ。だが彼とデスティニーが先陣を切らなければ、ザフトの勝利はありえな
いのだった。
192通常の名無しさんの3倍:2009/06/14(日) 00:38:57 ID:???
『ヘヴンズベースの連合軍の諸君、われわれザフトザフトとロゴス討伐同盟軍の最高司令
官として、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは、貴基への攻撃の意図を
明らかにするとともに、8時間の攻撃猶予を与えることを宣言する。貴軍が無駄に血を流
さず、和平への道を選んでくれることを切に願う』


 ミネルバの艦橋で宣言を発したギルバートは、まあ、形式だがねといった。
「どうもこちらの作戦を上回るものをあちらは持っている気がしてならん。降下部隊に気
をつけととしかいえんが」
 アレッシィが議長の耳元で囁く。こういうやりとりとみるのはグラディス艦長にとって
不愉快だった。
「君のカンが外れた事はない。だから司令官を受けてくれなかったのかね?」
「そうかもしれんし、うちのモビルスーツ隊の働きが雌雄を決するような気がしたのも事
実だ」
 珍しくアレッシィが殊勝なことを言う。
「ハイネは作戦上君の下に?」
「いや、彼の仕事は君を守ることが最優先だから、うちのフォーメーションに入れない、
遊軍扱いだ」
 それはアレッシィがデュランダルの選んだフェイスに最大限の敬意を払っているという
ことに等しい。
 待ちの体制に入ったザフト軍と違い、ヘヴンズベースではロゴスの幹部を中心に話し合
いが行われていた。
「このヘヴンズベースを落とすのはあの戦力では不可能。宇宙での戦いは、核ミサイルの
誤射によって、プラント壊滅ということに」
 上品そうな老人が恐ろしいことを口にする。
「そうですね、そして、青く美しい地球を守るために、研究機関としての宇宙コロニーを
作って、ノアの箱舟のように生命のプールを作らなければ」
 ジブリールはいっそう柔らかく、猫の毛をなでた。
「で、デュランダルの回答期限まで待ってやるのかね?」
「いいえ、私は紳士ですが、それはナチュラルに対してだけです。汚らわしいコーディ
ネーターと約束などする気はありません。グングニルにエネルギー注入開始、めどが立っ
たら、ミサイル攻撃開始だ、よいな、司令官」
「はっ」
 この基地の最高司令官が立ったままジブリールの横で敬礼した。彼はロゴスとつながり
のない、珍しい高級士官だったが、自分たち軍人は将軍と呼ばれる地位になっても、命令
に動かされる兵だ。しかしこういう命令は、出来ればコープランド大統領から受けたかっ
た。
193通常の名無しさんの3倍:2009/06/14(日) 00:42:14 ID:???
やっとヘヴンズベースですが、こないだ見返したんですけど、戦闘がホントに短かった。
間に入るAAはうっとうしいし。AAという第三勢力が出るから楽しみにしててね、といわれながら
ザフトと連合の天下分け目の決戦かかれても詰まんない。
三つ巴にするならもっと上手く脚本演出してほしかったものです。
194通常の名無しさんの3倍:2009/06/14(日) 05:24:28 ID:???
待ってましたー
195通常の名無しさんの3倍:2009/06/16(火) 15:46:33 ID:???
三つ巴っつうと三国志
196通常の名無しさんの3倍:2009/06/16(火) 19:33:18 ID:???
                 __,,,,、、、、,,,,,__  ゙!ヽト、
            ,、-''"´   _,,、-‐   `ソ .! ゙i
          /     /::     ,ノ  ノ l\
         /.:     /:::::    _/ ;/  /   ヽ
       /.:     /:::::    _/ ;/  /     ヽ
      / ..::: .:  .:  :j:::: .: i //,.イ /     :  ゙、   
     i ..::::i:::::::: i::i:..::l l:i::::::::::|;:   ───゙i .:: .:::  ゙!
     | i:::::|:::::::::l::l:::::|-゙!ヽ::i;:l,ヽ| ̄ ̄ ̄| ノ:::::;ィ:::  jl !  
     ゙i.|::::|;::::i:::|::l'ヽ! ゙ ヽぃ:、|┬┴ ト|///;ハ:::. / i   
     :.!゙!::|ヽ、-、ヽ!       \/__ノ  \/ ̄ト.|      
      Y::ヽ:!\\          ̄ ノ   \ ̄ ̄ヽ      
      j:i::::l´iヾ| |         /  __ノ    ) 
     :/::l:::::::j:::::゙!        /────-フ /l    
     __,ノ::::_/:::::::| 、       \二二二/ /:: .!    
     ,;/レ' ::::::j、_ ゙ヽ    \ し    /:::  |    ホモホモ〜☆
     :::::/  .::/:/  ゙゙゙̄''''-   \__/ /::  /      キラアスシンレイ萌え〜♥ホモホモ〜〜〜☆☆
    :::::/  .::/:/       ゙゙゙''''-───-/::::: ./:j    
   / /:::/            し   //:::::;ィ//       ハァハァハァ…☆☆ホモホモ〜〜〜〜〜〜〜☆☆☆
                     し 

           嫁       降       臨
197通常の名無しさんの3倍:2009/06/17(水) 02:15:04 ID:???
>>185

よーわからんけど「去勢」が出る時点で規制掛かるんじゃないかと俺も思うけど?

どうなったか以前の問題とちゃいまっか?
198通常の名無しさんの3倍:2009/06/17(水) 02:54:49 ID:???
>>197
あんた、ばーか?
199383:2009/06/22(月) 03:09:17 ID:Aqv/lxOQ
「やあ、タニス。食事、一緒にどうだい」
「ありがとう、アスラン」
 柔らかく微笑むタニスは、ふっくらとして女性らしく、より美しくなったと思う。いま
はアスランが上官ということになっているので、誘いやすい。彼はみかけによらず不器用
なメカオタクで、人と付き合おうと思ったときには相手を亡くしてしまったこともあった。
 彼はもともと端正な顔立ちだったし、今は男性ホルモンが減少したおかげで、丸坊主さえなければ女と見まごう美形である。
 目立って美しい二人は、ナチュラルの配膳係に大きく頭を下げて感謝を示し、「サンキ
ューヴェリィマッチ、サー!」とよく響く美しい声で唱和した。
 食堂の隅が彼らの定席になっている。
 汚らわしいコーディネーターの座った席に座りたいと思うナチュラルは、ここにはいな
い。
「今度の作戦、僕たちの部隊も参加することになったそうだ」
「それは素晴らしいわ。私たち二人は機体もパワーアップしたし、十分に働ける。大佐が
落とされてから、どこか寂しげな部隊にも活気が戻ってくる」
 その通りだった。ネオ・ロアノーク隊長はまめに部下に姿を見せるタイプではなかった
が、この第81機甲師団を象徴する男だったと、アスランは思う。何よりあの完璧な男ぶ
りと頭脳、厳しいがそのまま放置することはしない優しさもあり、熱狂的に支持されてい
た。アスランは、最上級の遺伝子を持つナチュラルとはああいうものかと思ったことがあ
る。なるほど彼なら遺伝子改造の必要を認めないだろうと。
 その大佐に心酔している代理指揮官のエルドリッジ少佐は、タニスの憧れの的である。
彼女いわく、少佐にはナチュラルの美しさがすべて詰まっているという。漆黒の皮膚は大
地との一体感を、張り出した長頭と小さすぎるくらいの顔は人間の縦横比の限界を、大き
な目と横に張り出した鼻、分厚い唇は自然によるデフォルメだし、きつい体臭は人間が雑
食動物であるしるしだという。彼女のプロポーションが素晴らしいのは、アスランも完全
に同意するところだったが、それ以外のところは理解しかねた。素晴らしい金髪と青い目
を隠している彼女が、少佐は自分より美女だと思っていると知ったときは、おもわずカト
ラリーを取り落としてしまったほどだ。
 アスランは宇宙生まれ宇宙育ちだから、狭い宇宙船で作業するのに体臭の強い人間は向
かない、だからジョージ・グレンは白人の見掛けを持ちながら腋臭ではなかったと聞いて
いた。基本的に宇宙用の人類として作られたコーディネーターだから、それは当たり前だ
し、月にもプラントにも肌の黒い人は少数派だった。いても他人種との混血を感じさせる
髪や目の色をしていて、エルドリッジ少佐が、アスランが始めて目の当たりにした純血種
の黒人だった。コーディネーターとまったく違う価値観に基づく美しさにタニスが惹かれ
るのはわかるし、どうにも自分には受け入れられないのも理解できた。以前好きな女性の
タイプをタニスに聞かれたとき、『うーん、白い肌、目は青がいいな・・・・・・ピンクの髪』
ここでビンタガ飛んできた。『あなたとの友情にかけて、このことは口外しない。でも私
はあなたが許せないわ。あなたはまだ、いまだにプラントのお坊ちゃんなのよ』
 あれから時間がたったが、今度の作戦であのデストロイを破ったモビルスーツを倒すこ
とができれば、ザフトの英雄アスラン・ザラと決別できるように思うのだった。
 そのための出撃の時間が迫ってきている。
200通常の名無しさんの3倍:2009/06/22(月) 03:09:43 ID:???
「あと五時間か。連合が降伏勧告に応じるなんてありえない。また多くの命が・・・・・・」
 カガリがつぶやいた。彼女の夫が応えて言う。
「ただここで勝った方が膠着した宇宙も押さえるだろうね」
「連合は敗北したとしても有利な講和条約を結べるだろうが、プラントは、独立をうばわ
れてしまうのか」
 前対戦でオーブも独立のともし火が消えかかったことがあった。それは彼らの親の世代
――富めるオーブを作った者たち――の働きで、種火は保管され、連合の同盟国という名
の属国であっても自主独立は保っている。
「連合はプラントの独立自体認めていない。東アジアは手を引いた感じだし、ヨーロッパ
は実質的にプラントを認めた。プラント理事国は一国になり、連合は生き残ったコーディ
ネーターを奴隷のようにこき使って、宇宙開発、兵器開発をして、宇宙から自分たちに従
わない国に制裁を与えるシステムでも作るのかな」
「プラントの市民の人権はどうなる!?」
 カガリは思わず叫んだ。
「ナチュラルとは区別された人権が与えられるんじゃないのかな」
「差別を区別と言い換えるな!」
「そこは政治的配慮。あれだけのオーブ国民の血を流して、今回の出兵は免れたんだから、
僕たちは戦後、連合が勝とうが、プラントが優位に立とうが、この国の平和を、国民を守
っていかなければならない。市民運動家には、プラントに協力してロゴスを倒せとかもい
て、けっこう大変なんだよ」
 ユウナはげんなりしたように頬をなでた。
「でも、オーブはそれが言える自由な国だ、そうだな、ユウナ」
「んー、言論の自由は君が思っているほどないけどね。君にはあるが、一般大衆には制限
されているって感じなんだろうなあ。でも近は民主化運動が盛ん。オーブの政治も変わる
時期が来てるのかも」
「あとお義父さまだが、個人的な連合のつながりに引きずられることはないのか?」
 カガリが猫のような顔に心配そうな色を浮かべた。セイラン家はオーブの外政を司り、
なかでもワシントンには長期間全権大使として赴任していて、あちらの政財界に顔が広い。
カガリは以前連合に行ったとき、コープランド大統領夫妻とブルーコスモスの盟主だとい
う男には反感を持ったが、セイランの義父母の友人だという人たちは社交に不慣れなカガ
リを受け入れてくれた。
「父は情に引きずられるには政治家すぎると思うけどねえ・・・・・・ん、ヘヴンズベースに動
きが!?」
 カガリがモニターに目をやると、アイスランドを丸ごと軍事基地化した地球最大の要塞、
内部で武器を製造し戦いに出すことが可能だという難攻不落の基地のミサイルランチャー
が角度を変えていた。
「ああっ!!!!」
201通常の名無しさんの3倍:2009/06/22(月) 03:10:34 ID:???
「回答はなしか!」
 ミネルバの艦橋でデュランダルは叫んだ。
「なんてこと、応戦しますか?」
 あまりに多すぎて冗談ではないかと思うほどのミサイルと魚雷が、ザフト連合軍に浴び
せられた。戦闘待機状態であっても、先にミサイルを撃たれては対空砲火が間に合うはず
もない。この先制攻撃で、全軍の2割が戦闘不能になった。
「全軍攻撃態勢、モビルスーツを発進させろ」
 新型のグフは空を飛べるから対ミサイルには効果を発揮する。
 モビルスーツが空に、海に散っていったが、連合は二の手を用意していた。
 山腹から姿を現した巨大な灰色の殺戮マシン、デストロイ。モスクワからベルリンまで
死の行進で数千万の民間人が殺された。最後はミネルバ隊の活躍でなんとか倒したものの、
あれが、五機。ここの工場で量産していたのだ。
 シンは奇襲の報にあわててデスティニーに乗り込みながら、あれにはステラやジブラル
タルにいるのと同じエクステンディッドが乗っているのだと思った。ステラを迎えに来た
かわいい顔の少年、アウルといったか、彼とあと4人。あの強化人間たちを救いたい、し
かしデストロイの強さとこの巨大な戦場で彼らを助けるなんて、馬鹿なヒロイズムに酔っ
た奴だけだ。自分はデストロイがこれ以上人間を殺さないために、デストロイを倒す。シ
ンはそう心に誓った。
 デストロイの強大なビームと複列位相エネルギー砲、熱プラズマ複合砲は一騎で100機
のモビルスーツを相手に出来そうだった。ミネルバから陽電子砲を撃つにしても、相手は
シールドを備えている。
 ミネルバの艦橋では宇宙からの降下部隊との時間のすりあわせにオペレーターがかかり
きりだった。一刻も早く降下させたいが、ザフトの計画の最後のほうのパターンに当たっ
たので、モビルスーツを降下ポイントまで持っていくのに時間がかかってしまう。
 ザフト連合軍は何とか体勢を立て直しながら、宇宙からの降下部隊を待っていた。
「出撃命令はまだか!」
 デストロイに紙のように燃やされていく友軍を見ながら、シンが叫ぶ。
 レイの相変わらず冷静な声が戻ってくる。
「ミネルバは議長の御座艦だ。そのモビルスーツ隊が戦闘のはじめから出撃するのはあり
えない」
「レイ・ザ・バレルの判断が正しい。しかし戦況がいつ動くかわからん。デストロイを倒せ
るのはミネルバのモビルスーツだけだからな」
 ルナマリアは隊長が艦橋にいかず、ずっと彼らと行動しているのに少々驚いた。やはり
グラディス艦長が好きじゃないからかなと思う。
「ミネルバ隊じゃないけど、敵はとらせてもらいますよ」
 ハイネの声に、若いパイロットたちは彼がベルリンで祖父母を亡くしたことを思い出し
た。
 長い時間がすぎたように思えたが、降下部隊は一時間でずれを修正した。
 宇宙からモビルスーツ降下ポットが降ってくる。いきなり上陸できるのがとりえなので、
飛行能力はなくとも重火器を備えたモビルスーツがメインだ。
202通常の名無しさんの3倍:2009/06/22(月) 03:11:15 ID:???

「ふん、能無しのコーディネーターが。ニーベルング、発射!」
 山が動いた。死火山であろう山がぱっくりと二つにに割れて、そこには巨大な噴火口な
らぬ、砲台が上を向いていた。
 空に向けて放たれた直径数キロはあろうという陽電子砲、ザフトの降下部隊は何が起こ
ったのかもわからず消滅していった。
「な、なんなの?」
「なんてことだ」
 ミネルバの艦橋からは光の柱が島の中央から立ち上ったように見えた。あれだけの陽電
子を作るエネルギー、アイスランドの地下のマグマから発電したの違いない。
 そんなことより・・・・・・。
「降下部隊、全滅」
 オペレーターの声がむなしくブリッジに響く。
「こんなことって! 出撃させてください!!」
 シン・アスカの若い顔と血気に満ちた表情が映った。
「そうだな、どうだい、アレッシィ隊長」
「今がチャンスだ。行ってあのデストロイ五機を倒せば、戦力は逆転する」
「では、そうしてくれ。ハイネ、君はどうする」
「行動をミネルバ隊とともにするかはわかりませんが、出撃します」
「武運を祈る」
 フェイスと言っても、ギルバートは甘やかしすぎではないかしらとタリアは思う。
 そんな思いをよそに発進シークエンスが行われ、ミネルバもビルスーツ隊とハイネの髪
と同じオレンジ色のグフが発進していった。世界中で戦況を見つめている100億の瞳が、
デストロイを倒したモビルスーツが発進したのを確認した。
 子供たちは無邪気に剣で相手を切りつけるまねをして、デスティニーを応援した。
 戦場は思ったより乱れていた。
 彼らはデストロイと反対側にイージス改とやけに動きのいい銀色のウィンダムを見つけ
た。
「あっちは俺が相手するから、デストロイは必ず倒せよ」
 ハイネはこういい捨てて、進路を変えた。
203通常の名無しさんの3倍:2009/06/22(月) 03:11:39 ID:???
「アスラン・ザラか。会ったことはないが、優秀だという評判だったな」
 裏切ったからと言ってなめる気はない。ただこの少年の生き方の迷走する理由が、心が
まっすぐなハイネには理解できない。ナチュラルとコーディネーターが共存できる世界が
一番いいに決まってるのに、たぶん自分を含めてコーディネーターを皆殺しにしようとし
ている。
「ま、なんか虫が好かないね」
 二機が上手くパートナーを組んで戦っているので、まずは弱いほうを狙う。ザフトの僚
機には組んで戦えるほどの手練れはいなかったので、イージス改を足止めして置くように
命じた。
 一対一でグフとウィンダムならグフが有利だが、このウィンダムは改造済みのようで、
普通の機体より反応がいい。パイロットはコーディネーターだ。ハイネが知るところ、こ
のコーディネーター部隊とエクステンディッド部隊は同じ所属になっているそうだ。ベル
リンで捕虜にしたのがこの部隊の指揮官である大佐で、彼の脳から情報が搾り出されたよ
うだ。
 ビームサーベルでやりあううちに、やっと隙を見つけスレイヤーウィップで相手のサー
ベルを叩き落した。
 ライフルを出されたが、迷わず間合いに入る。腕を一本切り落としたところで、背後か
らイージス改のスキュラが飛んできた。牽制に出た連中はもうやられてしまったと見える。
「裏切り者だが、腕は確かだな」
 さて、二機相手にするのは正直荷が重い。早くウィンダムは片付けてしまおう。普段の
明るくて飄々としたハイネを知る人は、驚くかもしれない。闘志をあからさまにし、黄緑
の瞳は狩をする山猫のように光っている。
 グフの動きはますますすばやくなり、イージス改の攻撃を避けながら、ウィンダムにヒ
ットアンドウェイで攻撃を仕掛ける。破損部分が増えれば動きも悪くなる。すいとすれ違
ったとき、ハイネのビームサーベルがウィンダムを二つに切り裂いた。
「さて、次はあいつか」
 山猫が舌なめずりした。
204通常の名無しさんの3倍:2009/06/22(月) 03:14:23 ID:???
ニーベルングのことをグングニルだと思い込んでいた。
たとえると、佐藤、佐藤の槍なわけで、武器の名前としては後者がいいよなあと。
種シリーズって北欧神話とワーグナーから、脈絡なく武器の名前を持ってきてるのがなあ。
まあ、中二受けするんでしょうね。
205通常の名無しさんの3倍:2009/06/24(水) 00:33:43 ID:???
話が進むと、戦死者も出ますなあ。南無南無。
206通常の名無しさんの3倍:2009/06/24(水) 20:54:39 ID:???
連合とハイネがものっそ強い
アスランの種割れくるー?
207通常の名無しさんの3倍:2009/06/26(金) 15:37:14 ID:???
アスランって変わらない男だね、いや、本編がそうだからこれで正しいのか。
208383:2009/06/27(土) 07:40:36 ID:suAouIfE

「タニスーーー!!」
 アスランは声を限りに叫んでいた。あのオレンジのグフは強い、でもタニスなら相手に
できないことはないと思ったし、自分は敵の相手に追われていた。
 でも、自分なら彼女を守ってやることができたのでは・・・・・・傲慢といわれようとこの思
いは二度目だ。
 タニスとの思い出が頭をめぐる。初対面で一喝されたこと、アゴストを中心に友人にな
れたころ、彼を亡くして互いに殻にこもっていたころ、やっとアスラン・ザラとタニス・
ヴァーチャーの友情ができてきたところで、失ってしまったのか、彼女を。
 ファントムペインの中で腹を割って話が出来る唯一のコーディネーターの同僚、いつも
彼女の美貌を隠れて賞賛していたが、一度でいいから、傷も青あざもない白い肌で、生ま
れながらの金髪と青い目の彼女に会いたかった。
 モビルアーマー形態をとって、オレンジのグフを撃ちまくる。簡単に交わされてアスラ
ンはショックを受けた。確かにスーパーエース級のパイロットなければ、タニスを落とせ
はしなかっただろう。
 オレンジ――確かハイネ・ヴェステンフルスとかいう赤服のパーソナルカラーだ。アス
ランたちより年上で、議員の息子でないので、クルーゼ隊では話に上ったことはほとんど
なかった。自分がもっとザフトにいたとき情報を収集していれば、こちらが有利に戦えた
かもしれないのに、子供特有の傲慢さでアスランは誰もライバルと思わなかったし、誰の
ことを知りたいとも思わなかった。この幼稚な性格!
 対して、いける、とハイネは思った。アスランは予想以上に動揺している。ここで接近
戦に持ち込んでモビルスーツ形態で戦えば、あとは腕次第だ。
「いくぜーーー!」

209通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 07:41:21 ID:???


 一方のミネルバ隊は、防衛網を縫って戦略兵器デストロイへと向かっていた。モビル
アーマー形態のアレッシィ機が殿をとり、あとの三機が突入しやすいように後ろを守って
いる。ルナマリアもずいぶんとインパルスを扱えるようになってきた。丁度三人とも伸び
盛りの年齢に、最高の機体を与えられているのだ。伸びてもらわなければ困ると、アレッ
シィは思う。またレイの寿命がいつどういうかたちで来たとしても、それは彼自身の責任
だ。
 射程内にすばやくもぐりこんで剣で戦うのが、デストロイへの戦術だ。ただ高速であの
ビームの強襲を交わしつつ懐に飛び込めるのがあの三機くらいなもので。
 アレッシィは戦場に目を配り、ハイネのグフがイージス改と対しているのに気がついた。
ギルバートのお気に入りだけあってモビルスーツ戦の腕も確かと見える。
 自分の部下に目を戻す。まっしぐらに向かっていくデスティニー、周囲を警戒している
レジェンド、そして機体にまだ振り回されている感のあるインパルス。
 アロンダイトがはやくもデストロイの片腕を切り落とした。今日のシンは冴えている。
隣ではレジェンドがビームサーベルで奮戦していた。
「ルナマリア! ソードに換装しろ。こいつには実剣が利く、レイにも」
 なかなか言うようになったなと思う。彼のセイバーではモビルアーマー形態での一撃離
脱法になるので、あまり大きな効果は挙げられない。シンの言葉通り、デストロイの欠点
はあの大きな体を切り刻まれることだ。連合の開発陣はザフトの対艦刀の威力とモビル
スーツの機動性を甘く見ていたようだ。対艦刀を持つのは特別なモビルスーツだけだが、
それ一機で戦艦や空母を落とす力を持っているから装備できるのだ。
 シンとレイが一機ずつ倒し、三機目にルナマリアがかかっている。レイも実剣を受け取
ったし、もう連合のデストロイ部隊の行く末は決まったと、アレッシィは思った。
 同時刻に先頭の行方を見切った人物がいた。ロード・ジブリールそのひとである。愛猫
を抱いて、崩れ落ちるデストロイに悲嘆の声を上げるロゴスの老人たちを背に、用意して
おいた潜水艦に乗り込んだのだ。
 ルナマリアが三機目を倒した。
「やるじゃないか、ルナマリア」
「わたしだって、インパルスのパイロットなのよ!」
 こういう軽口がレイから出るほどだった。シンは自分が切り殺すエクステンディッドた
ちが天国で幸せになれるように願いながら、戦った。彼らは自分が何者でなぜ戦うのかも
わかっていないか、刷り込まれただけなのだ。死ぬのが怖かったステラ、自分が殺してし
まったステラ・・・・・・。
 だからこうして、戦場に出てきたエクステンディッドは殺すしかないじゃないか、すで
に兵器としかみなされない人間なら。
 ハイネはイージス改の周囲のモビルスーツが簡単に落とされるのに、どうしようかと悩
んだ。確かに強力だが戦場のバランスを変えるほどの力はない、だからほおって置くのも
手。フェイス権限で近くの部隊を寄せ集めて落とすのも手。一対一の勝負を仕掛けるのも
手。
(話が早いのはサシで勝負か、アスラン・ザラ!?)
ハイネが決めるより早く、スキュラの一撃が見舞われた。
210通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 07:42:05 ID:???
(あれをくらったら、一発でお釈迦だな)
「それなら接近戦だってね」
 ビームサーベルを抜いて接近していく。イージス改は明らかに前のデータより性能が強
化されているが、グフに勝るものではない。ただ以前の状態でもグフを落としているし、
こちらの機体性能は読まれているだろう。
 すかすかとビームサーベルが干渉しあう光がおこり、二機がくんずほぐれつするように
動き回る。連合軍はもちろん、ザフトも手は出せなかった。
 ふと、視界にインパルスがデストロイに一撃受けているのが見えた。あとのミネルバ
チームには援助に回る暇はなさそうだ。
「レディには優しいんだぜ、俺はな」
 イージス改をほおって、ハイネのグフはインパルスに向かった。
「無事か? ルナマリア、今から援護する」
「ハイネ! いえ、その必要は」
「もう向かってるんだから、そのデストロイ、二人で倒そう」
 その言葉通り、インパルスに立ち直る隙を与えたハイネは、デストロイの片腕を切り取
った。そしてコクピットにルナマリアがエクスカリバーを突き立てる。
「後は任せたぜ」
「はい!」
 戻ろうとするハイネにスキュラが浴びせられる。よけながら連合のウィンダム編隊のに
対した。これはありがたい壁だ。対デストロイ戦をはじめとして戦いはザフトに有利に進
んでいる。連合は最初に巨大兵器を出したが、今では蟻に食い荒らされる砂糖の山だ。地
上部隊が上陸しているから、あと戦闘が続くのは知れた時間だ。あのイージス改を倒して
おきたかったが、それはまた別のパイロットに譲ろう。
 ハイネが適当に前方のウィンダムの相手をしていたとき、グフの右手が持っていかれた。
(あいつ、友軍ごと?)
 落ちていくウィンダムがいる。アスラン・ザラは友軍に向けてスキュラを発射したのだ。
なんと非道なことを。ハイネが怒りを燃え立たせるまもなく第二射が来て、ハイネ・ヴェ
ステンフルスのグフは破壊された。
「アスカ機、デストロイ撃墜。デストロイ隊5機全滅させました」
「ヴェステンフルス機、シグナルロスト、撃墜されたものと思われます」
 ギルバートは一瞬頬を紅潮させ、次の瞬間に青白い骨色の肌に戻った。
 まだ、白旗は揚がっていないのだ。
211通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 07:43:08 ID:???
これでやっと戦闘終わり。次はオーブ戦。
いろんな人が入り乱れるはず。
212通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 12:29:24 ID:???

次がオーブならブルコス凸とキラカガ再会に期待
そしてタニスとハイネに黙祷
213通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 21:33:05 ID:???
名だたるエースのハイネを墜としたのはいいとして、友軍つまりナチュラルを
巻き添え死させて大丈夫なのか禿。
214通常の名無しさんの3倍:2009/06/27(土) 21:49:14 ID:???
>>213
それもある意味すごく、アスランらしいです…
215通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 10:11:05 ID:???
次回オーブ戦では戦局を混乱させた双子のどちらかの戦死を望む
216通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 10:43:28 ID:jduQ7IGR
>213
地の文からしてイラッ☆となる卑屈さに耐えた挙句
帰還後リンチにあって再起不能、とかだったら泣く。
217通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:16:52 ID:???
カガリとユウナの問答は解説者とか狂言回し的な面もあるから
二人は最後まで残ると思う。
ユウナもきれいかどうかはともかくかなりクレバーな部類なので
ジブ公をタダですんなり匿ったり逃がしたりするかどうか…
218383:2009/06/28(日) 13:19:21 ID:7V9VyGDT
「降伏勧告を出しましょうか?」
 参謀の声に、デュランダルは首を横に振った。最初の奇襲攻撃、巨大陽電子砲、5体の
デストロイ部隊、次の矢がないとは限らない。非道なようだが、相手が根を上げるまで殲
滅戦を続けるというのが、プラントトップとしての判断だった。
 ザフトの圧倒的な攻勢が続き、連合軍は数を減らし、島中央部の建物にまで爆撃が及ん
だ。
 デュランダルは苛立つ気持ちを出さないように努力したが、白旗と降伏勧告の放送が流
れたときには、心底ほっとした。地球まで下りてきて勝てなかったら議長引責辞任、次の
議長が立って方針を打ち出すまで、ザフトは対処療法しか取れない。これで一気に和平に
持って生きたい、しかし和平の条件には連合の月からの撤退が譲れないとなると、宇宙で
ももうひとつ戦いが必要になるか。とにかくこの基地にどの程度の実力者がいるか、捕虜
の質にかかっている。捕虜といえば、レイのボディ用の士官、情報はすべて脳から吸い出
した。強化人間の研究など、いまでは映像で伝わっているもの、デストロイの全容など、
もう情報が古い。今回の捕虜交換でザフト兵と交換してしまおう。プラントにはとにかく
マンパワーが大事なのだから。
219通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:20:34 ID:???
 連合の兵器が封印され、捕虜にされた上級将校の名前がモニターを流れる。
 そこにはっきり兵器産業界の大物の名前を見たとき、デュランダルの目が光った。彼ら
を手に入れるための戦争でもあったのだ。しかし、捕獲の最優先であるブルーコスモスの
ロード・ジブリールがいない。卑しいコーディネーターに触れられることを拒んで自害で
もしたのかと思ったが、特殊部隊はそんなことを許すほど間抜けではない。では――いな
かったのか、それとも、脱出したのか? 一番可能性があるのは本国。とにかく連合に潜
入している諜報員にはこれまで以上にジブリールの所在を洗わせなければ。あとは、連合
の同盟国に逃げ失せていないか、たとえば、海に囲まれ宇宙に出やすいオーブなど。
 白旗を確認して母艦からの指令を受け、シンたちはミネルバに戻った。デストロイ五機
破壊、連合の戦意をくじく結果を挙げたのだ。三人はハンガーでハイタッチしあった。
そこに、ヴィーノが、
「ハイネさんが、撃墜されたらしい」
「「「!?」」」
 三人ともに驚愕した。
「ハイネが!?」
「余裕を持っているように見えたが、戦場は運も左右するからな」
「あ、あたしのこと助けてくれたりしたから?・・・・・・」
 ルナマリアはびっくりしてぺたんと座り込んでしまった。
 そこにレイの厳しい声が降る。
「ヒロイン気取りをしても、死んだ人間は帰ってこない」
「わかってるわよぉ、そんなこと!!」
「とにかく立て、ルナ。で、相手は誰だ、ハイネを落とせる奴がまだ連合にいたとは」
 立派な先輩だと尊敬していたから、悲しいのはシンも一緒だったが、ほのかな恋愛感情
を感じていたのかもしれないルナマリアには負けるから、自然と大人しくなる。
「イージス改、アスラン・ザラだ。友軍機ともども、スキュラ一発だった」
「卑怯よ、ザフトを裏切って、連合も裏切るの、あの男!」
「そういう下種な奴なんだ、な、ルナ、お茶でも飲もう」
 パイロットルームにはレイが待っていてくれる。シンは信じていた。
 そのとおりさっさと着替えた礼が、癒される地球の海のディスクを流して待っていてく
れた。
「ルナマリア、飲みのもは?」
「・・・・・・ココア」
「あ、おれも」
「シンは自分でいれろ」
 レディファーストという古い習慣が、今のルナマリアには心地よい。
「これで講和できるの?」
「早く戦争が終わればいいのに」
「連合にとってプラントは勝手に独立宣言をした植民地に過ぎない。プライドから講和は
ないだろう」
220通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:20:46 ID:???
 レイの予想にルナマリアが言う。
「じゃ、次は宇宙で?」
「ああ、連合の月勢力は強力だからな」
「プラントの目と鼻の先だからな。連合はなんでもする。一般人だってコロニーごと殺す
のはユニウスセブンでわかっている」
「連合にとってはプラントを奴隷化するまで戦争は終わらないだろう。そしてそれだけの
物量が、彼らにはある」
 シンとルナマリアは落ち込んでしまった。
 事務的なことは官僚に任せて、ミネルバはジブラルタルに帰港した。タリアはギルバー
トがレイをハイネの後釜に連れて行くつもりかと思ったが、普通にミネルバの三人のパイ
ロットにネビュラ勲章が与えられた。シンには二つ目になる、ザフト最高の勲章であった。
同時に戦死したハイネ・ヴェステンフルスの二階級特進とネビュ勲章受賞も称えられた。
ただ、ハイネの両親は自分の両親に続いて息子まで失ってしまったのだと、シンは思った。
どれだけ自慢の息子だったろう。自分が死んでも悼んでくれる親族はいない――ひどく空
虚な思いに駆られたが、それに飲み込まれてはいけないのだ。家族がいないなら、結婚し
て子供を作って、小さいマユを幸せに育ててやらねば。そのためには、プラントが独立を
誰もが認めるものにし、月の制空権を取ることが大事だった。
221通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:21:12 ID:???


 大きな、大人用のカプセルに一人の男らしきものが入っている。体中をチューブでつな
がれ、特徴的なのは首に巻かれた首輪から伸びる多くのチューブだった。
「これで、彼はコーディネーターでありながらエクステンディッドという、初めての存在
になるわけですね」
 エルドリッジ少佐が冷ややかな声で言った(ごみ屑がっ)。
「ロボトミー手術は必要ない?」
「薬でコントロールできます。実際彼の前頭葉は現在活動を停止しています。作戦時にの
み、意思や言語などの機能を戻しますが、彼は一生このカプセルの中で薬でコントロール
されて暮らします。生体CPUとして。簡単な実験をしましたが、非常に上手くいきまし
た。彼のパイロットとしての反射神経は保存されているようです」
「そう。ナチュラルの兵士を殺して生き延びた極悪コーディネーターですから、死刑より
一生自分の同胞を殺し続けるのが似合うでしょう」
「法的には?」
「死刑が執行されたことになっています。これは生きている死体。性能を上げるためなら、
何をしてもよろしい」


 ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールの行方は依然として定かではなかった。ヘヴン
ズベースにいたのは事実だが、ひっそりと潜水艦で逃げ出したらしい。戦闘時の水中音の
データをザフト連合の各潜水艦と照らし合わせた結果、4台目のデストロイが落ちたころ
に発進して沈降した潜水艦があったとのこと。おそらく三機目がやられるのを見て、勝負
は決したと考えたのだろう。逃げ足の速い男だ。
 連合のコープランド大統領には、ジブリールの身柄の引渡しをヘヴンズベース降伏の条
件に入れてあるが、ロゴスやブルーコスモスに押されて今の地位についた彼が、パトロン
を売るとは考えにくかった。
 今回の敗北のせいで、北米ではコーディネーター差別がいっそうひどくなっているのだ。
宇宙に行かず地球しか知らない老人たちが、コーディネーターだという理由でリンチにあ
い、西部劇時代のように町の入り口には処刑台が立てられた。
 ジブリールの野望がコーディネーターの全滅なら、いまさら連合などでなく宇宙へ向か
うだろう。
 そう思っていたら、やはり、というニュースがもたらされた。
『ロード・ジブリール、オーブ入港』
222通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:21:48 ID:???
 裏でも戦争は進むもので、捕虜交換も行われ、両軍多数の兵士が自軍に戻った。もとも
と人数の少ないザフトでは、本当に一兵とて大切だ。今回は同数を連合に返したが、ヘヴ
ンズベースの大勝からいけばもっと数を絞って当然だったろうが、プラントには膨大な捕
虜に食わせる金はなかった。
 ネオ・ロアノーク大佐も高級士官は待遇画が面倒という表向きの理由で、捕虜交換に出
された。実際の理由は自分の頭のなかをすべてコピーされたから、肉体はいらないのだと
悟っている。今時拷問だの自白剤だのははやらない。脳から記憶を抽出する薬、それを発
展させて強化人間を作ることに成功したのだから。
 とりあえず連合の基地の高級士官用の部屋に入れられた。どうやら食事などはすべて運
んでくるらしい。自分と他の人間の接触を避けているのか?
 危険な情報を持っていた元捕虜など、表に出したいものでもない。彼の指揮下でさまざ
まな違法行為が行われてきたのだから。
 ブルーコスモスの誓いは血の誓いだ。失敗を犯したものにはそれなりの厳罰を・・・・・・。
 夕食を終え、バーボンウィスキーを飲みながら待っていると、こつこつと扉を叩く音で
わかった。
「入りたまえ、スウェン中尉」
「失礼します、ロアノーク大佐」
 後出にドアを閉めて、銀髪の表情のない青年が入ってきて、二人は敬礼を交わした。
「待っていたよ」
「この時間帯での連合ニュースが終わるのを待っておりましたので」
 いつもはネオも見ていたが、さすがに今日は見る気になれなかった。生まれ故郷のうま
い酒のほうがいいじゃないか。
「なにか引き継ぎ事項はおありでしょうか」
「いや、エルドリッジ少佐は優秀だ。ファントムペインがどういう形になろうとも、彼女
なら上手く指揮を取るだろう」
「では、そのように少佐にお伝えします」
 エルドリッジ少佐がロアノーク大佐に片恋しているというのは有名な話なので、この氷
のような青年も聞き及んでいるはずだが。
 まあ、現世のことはもういい。死んで自然に返るのが楽しみだ。
 スウェンがコンバットナイフを取り出した。頚動脈にぴたりと当てられるのがわかる。
するりとナイフが滑り込む、驚いたことに、自分の頚椎を切られている間もネオは意識が
あった。もちろん意識を失いたいほどの激痛に襲われたが。対拷問訓練などが利いたのだ
ろう。ぐるりと金髪の頭が切り取られ、テーブルに載せられた。
 青い両目はまだ澄んでいた。スウェンが閉じようとすると反発してあいたが、2,3分
のうちに自然に目蓋がおりた。
 スウェンは入って来たときと同じように、敬礼をして去っていった。
223通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 13:23:30 ID:???
次は所要がありまして、10日後がめどになると思います。
今回は結構陰惨な内容でしたが、必要なので、グロ嫌いな人はごめん。
224通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 15:18:03 ID:rx+5EIMV
やあ (´・ω・`) ようこそ
君の名をデスノートに書いたから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
死神の顔も三度までって言うしね、謝って許してくれと言っても許すつもりはない。

取り消す方法はただ一つ
↓このスレに行き
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamestg/1246113143/
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamestg/1223603257/



童貞オナニー∀厨は何度も種派に論破されてるのに諦めが悪いな
勝手な歴史改竄とヒゲ機械人形だけの駄作アニメを名作とか言ってる程度のヲタ感性では、
SEEDこそ万人の認める宇宙的人気アニメであることを理解出来ないのは確定的に明らか



と書くことなんだ。しかも書けば書く程効果アップ
じゃあ、他の注文を聞こうか。
225通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 16:48:47 ID:???
スーパーエクステンデットの誕生(((((゜Д゜;))))))
ネオとスウェンの意外な再会ってこういうことだったのかぁ
226通常の名無しさんの3倍:2009/06/28(日) 23:23:58 ID:???
毎回・・・・ヘコませていただいてます。
まあ、ネオも原作みたいになって生き延びるよりは・・・

って、あれ?この作品ではネオとムウは完全に別人でしたか?
実家に対する認識は、植え付けられた記憶だとばかり思ってました。
227通常の名無しさんの3倍:2009/06/29(月) 10:56:52 ID:???
>>226
別人
228383:2009/06/30(火) 01:31:49 ID:???
クロス倉庫に登録しようとしたんですが、失敗の連続。
かわりにやっていただけるかた、いらっしゃいませんでしょうか?
もちろんtxtデータはこちらが用意します。
229通常の名無しさんの3倍:2009/06/30(火) 01:35:12 ID:???
クロスでなくIFじゃないかな
230通常の名無しさんの3倍:2009/06/30(火) 09:27:52 ID:???
>>229
専用まとめサイトが無いスレのSSはたいてい、
クロスオーバーWIKIにまとめられてんのよ。
231通常の名無しさんの3倍:2009/06/30(火) 12:14:57 ID:???
>>228
途中までまとめた。
あとはあなた方でやってください
232383:2009/06/30(火) 16:02:23 ID:???
>>231
ありがとうございます。残りはぽつぽつやっていきます。
233通常の名無しさんの3倍:2009/07/01(水) 03:57:51 ID:???
途中読みたかったから助かる

今から読んでくるノシ
234383:2009/07/05(日) 07:15:59 ID:dhOoIA+I


「次はオーブ戦!」
 ジブラルタル基地を話が駆け巡った。オーブが故郷のシンにしてみれば複雑な気分だっ
たが、カーペンタリアの戦力と宇宙からの降下部隊で制圧できるだろう。ロード・ジブ
リールは法的には大西洋連邦の一市民なので、彼を守るために多数の戦力を出すというの
もおかしな話になる。外交交渉で素直にオーブがジブリールを差し出せば、戦争にすらな
らない。ただし、自国を頼って逃げ延びてきた有力者でオーブの裏側も知ってそうな男だ
し、オーブの国際社会での面子もあるから、一戦交えずにジブリールを渡すことはないだ
ろう。
 そういったことをレクルームでレイから講釈を受けたが、シンは国の面子を保つために
戦うという考え方がいやだった。だって軍人も、巻き込まれて民間人も死ぬのだ。政治家
は死者の数が少なくてよかったといっていればいいが、家族の悲しみはどこへ行けばいい。
 同じことを考えている青年たちは、オーブにもいた。オーブの民主化運動を進める青年
たちだ。
 ジャーナリスト志望のミリアリア・ハウが一枚の写真をテーブルに出した。
 銀髪の風変わりな禁欲的な服を着た青年が猫を抱いて、車に乗り込む写真だ。
「あたしにだってこれが撮れたんだから、プロのザフト諜報部はもっと確実な証拠を押さ
えてるはずよ」
 仲間が増えたが、代表であり続けるサイ・アーガイルが穏やかに言う。
「オーブでの戦いは避けられない。政府は何より面子が大事だ。連合との同盟を守るため
に何人死んだか。それで結局ザフトに攻められる。政府は民衆の意思を完全に無視してい
る」
「確かに。国民は盾となって死ね。ブルーコスモスの盟主は守りますって?」
「取引材料にするんじゃないか、あのお姫様でも」
「結局あのお姫様がこの国一の権力者っていうのが間違いなのよ。彼女は為政者となるべ
き教育も受けずに、世襲で権力を継承した。忌むべき存在だわ」
 いちおう言論の自由が守られていて、不敬罪がないというのはオーブの取柄といえるだ
ろう。とはいえ、スカンジナビア王国は完全な立憲君主制で、王は国の元首であり誇り高
きバイキングの血を引く象徴であるのだが。
「われわれにできることは?」
「反戦デモ、政庁前の座り込み、署名運動だな。僕たちに武力はない。しかし人の心はモ
ビルスーツより強い。それを誰かが示さなければ、この乱れた世の中の戦いの連鎖は止ま
らない」
 そのためのオーブ青年共和主義連盟だと、皆が言った。
 彼らの理想主義的な言葉は置くとして、オーブの民は戦争に飽いていた。二年前にオー
ブの財産を、それを作り上げた人たちが一緒に連れて自爆してしまった。だからといって、
敵に攻められなかったわけではない。結局そのときの敵と同盟を結んでその力で復興して、
やっと地中海出兵で借りを返した気分なのだ。ヘヴンズベースの戦いはザフトの勝利でこ
のまま戦場は宇宙へ移り、宇宙軍を持たぬオーブは高みの見物と一般庶民は思っていた。
235通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 07:16:49 ID:???
 しかしここに、吼える姫君がいる。
「ぬわんだとぉーーーーーーー!!!! ロード・ジブリールがセイラン家の保護下にはいっ
たぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「父上が失敗したんだよ。信頼してた二重スパイが実は三重スパイだったんだ。彼にはか
なりの仕事を任せていたから、潜水艦の一隻くらい入港させられたんだよ」
「その、二重スパイとか、三重スパイとか、暑っ苦しい言葉は使うな。結局、ウナトは裏
切られたんだな」
 金色の瞳を燃え上がらせてカガリが言う。ああ、こういう女豹のように野生的な奥さん
が好きだなあと思うユウナだったが、そういう状況ではない。
「そう。セイランの屋敷じゃ両親が人質状態」
「お義母様も・・・・・・」
「二人とも政治の道をこれだけ長く生きてきたから、覚悟はしてると思うけどね」
 ひょろりとユウナは言う。カガリにとってはウナト夫婦はためになるアドバイスをたく
さんしてくれるが、理想の嫁にはなれないという関係で、義両親を慕っているのだ。
「ユウナ、お前って奴は」
 首を締め上げながら
「うちの両親とロード・ジブリール、プラントには後者にだけ用がある。高く売れるよ」
「親不孝者、連合が攻めてきたらどうする、また同盟だからって、あんな差別主義者のた
めにオーブ人が命を落とすのか!?」
「く・・・くるしいから、カガリ。でも、セイランの屋敷が乗っ取られていてブルーコスモ
スと連合のパイプが太いのは事実だから」
「私があの議長に、武器を使わせることになるというのか?」
 プラントをおとなったとき、『このコロニーで作られる兵器でたくさん人を殺すんだろ
う』と今にして思えば不躾な発言をしてしまった。そして現状では、カーペンタリア基地
にザフトの地球勢力は集まりつつある。コーディネーターの国プラントにとって、コーデ
ィネーター排斥をとなえ、実際にユニウス7というコロニーひとつ破壊したブルーコスモ
スは実際の力以上に脅威であろう。旧世界とともに滅びた宗教にも似て、人々を熱狂させ
るものだから。
「で、プラントから申し入れがあった場合のオーブの返答は?」
「一回目は知らぬ存ぜず、二回目でロード・ジブリールの滞在を認めてオーブも困ってい
ると匂わせて、ザフトの特殊部隊がセイラン邸に突入」
「そこまでうちとプラントは仲がよくない!」
「ジブリールを守るための戦争を言うのは、ひどくねじれていて嫌なんだけど、同盟関係
にある以上、ワシントン次第だね」
「オーブは独立国なのに自分の意思で罪人の一人も上げられないのか?」
「二年前に瓦礫の山だったオーブに手を差し伸べてくれたのは大西洋連邦。プラントは人
材だけ吸収した」
 まあ、確かにそうだとカガリも思う。モルゲンレーテのコーディネーター科学者たちの
半分は移民してしまった。もともとオーブが移民の国である以上、不満があれば出て行く
人もいると頭では理解していても、精神的にカガリはオーブと同化しすぎていた。自分の
考えることが、オーブにとってよいと思い込みすぎていたきらいがある。
236通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 07:17:30 ID:???


「オーブへ行くことになるなんて」
 ルナマリアがシンの顔色を伺いながら言う。
「宇宙に帰れると思ってたのになあ」
「オーブ戦より宇宙のほうが重要だよなあ」
 ヨウランとヴィーノが言い合う。
「ブルーコスモスの盟主、ロード・ジブリールが人々を先導してコーディネーター狩りや
コーディネーターを殲滅するまで戦争を続ける方向に世論を持っていくのが、危ないっ
て」
 シンの言葉にみんなびっくりした。
「あ、レイの受け売り」
 スタンバイに入っているレイのいうことなら信用できる。ヘブンズベースの勝利でヨー
ロッパからオーストラリアにかけてはザフトの制空権になった。行きに海を戦いながら進
んだ道を空をひとっ飛びして帰るというのは気持ちがいい。
 シンは気持ちは決めていた。
 オーブが二度目の過ちを犯すなら、配慮せずに戦うと。
 宇宙に帰ったデュランダル議長から、オーブに対し、オーブ軍港に入港する連合軍の潜
水艦、そこから下りてセイラン家の紋章の入った車に乗り込むロード・ジブリールの動画
が流された。
『“ロゴス”のメンバーによると、オーブに入国したブルーコスモスの盟主ロード・ジブ
リールはコーディネーターを全滅させるためなら、核ミサイルでもなんでも使う人物だと
のこと。もともと環境保護団体のブルーコスモスが地上で核兵器を使うとは、私にはにわ
かに信じられませんが、狂信者にはそうした一面もあるのでしょう。私はヘヴンズベース
戦の勝者の代表として、オーブ連邦首長国にロード・ジブリールの引渡しを要求するもの
であります。もちろん、プラントの名誉にかけて人道的な扱いは保障します』
 相変わらずきれいごとをとカガリは思う。でも綺麗事が通る世の中のほうがいいのでは
ないか? 国防本部の前に民主化運動の連中のデモ隊が出ている。「ロード・ジブリール
を引き渡し、平和なオーブを作るために民主化を」。あの反政府主義者たち。若者ならば
軍へ行って祖国を守ろうと思わないのか。思想かぶれして、カガリやユウナをオーブの欠
点のように主張する。確かにまだ未熟だ。でも一生懸命やっているし、まだ国は戦渦に巻
き込まれていない。でもユウナに言わせると、民主主義では未熟な支配者は許されないそ
うだ。成長を見守らず、結果のみを求める。カガリに言わせれば、浅ましい考えだ。孤児
院ひとつ私費で運営していないものに、国民の幸せの何がわかるというのだ。
 ただ今現在カガリとユウナがおかれているのはとても苦しい立場で、ザフトの出方によ
っては国を失う可能性すらある。
237通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 07:17:50 ID:???
 ユウナの言っていた、一回目のブラフをかますべきだろうか? コーディネーターの居
住を認める国家を、プラントも大事にしたいだろうとカガリは思った。ただし彼女は気づ
いていなかったが、いまや大西洋連合以外の国は、コーディネーターにナチュラルと同じ
市民権を与えるようになり、『隠れコーディネーター』がカミングアウトしている状況な
のだ。コーディネーターの居場所がプラント、月の自由都市、オーブしかない時代はもう
終わったのだ。
 カガリはキサカや側近のものと協議して――ユウナは全権をカガリに預けて実家との対
応に当たっていた――ロード・ジブリールはオーブにいないという返答を出すことにした。
オーブで要人を人質にとって立てこもり中という案もあったが、ザフトが特殊部隊を送り
込んできたら、オーブの主権が損なわれるので非とされた。オーブ全土は臨戦態勢に入り、
民間人は防空壕に退避命令が出た。
 カガリはぱりっと首長服を着て苦手だがメイク係にベージュに金のハイライトをいれた
化粧をされた。こうすると自分の顔が少女っぽくない。大人の政治家の顔だ。ここまで含
めて政治なんだと、カガリは悟り、メイク係をねぎらった。
 テレビカメラの前、用意された原稿が彼女の目の前を大きな文字で通り過ぎるテストと、
ライトでなくカメラを見据える練習を10分ほどしてから、カガリの政治家としての世界
デビューが始まった。
『私はオーブ連邦首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ。このたびのプラント、ギルバー
ト・デュランダル最高評議会議長による、わが国への仮想捕虜引渡しは、当のロード・ジブ
リールが存在しないことから無理であると返答差し上げるほかはない。繰り返す。ロー
ド・ジブリールはオーブ領内に存在しない。デュランダル議長が流した映像は合成映像と
判断した。なぜならわが国に連合の潜水艦は一艘も存在しないからである。オーブ代表と
しての公式コメントはこれで終わる』
238通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 07:18:22 ID:???


 その一時間後には。
「ザフト艦隊領海内に進入!」
「主力はオノゴロ島へ向かっています」
「なんだと、返答もなしか」
 カガリは驚きに言葉を失った。あの柔和を装うのが好きそうな議長は一度は返答を返し
てきて、そこから本音の交渉と思っていたのだが、一気に王手をかけてきた。
「ザフトモビルスーツ隊、目標は政庁と軍本部、セイラン家と思われます」
「あ・・・ああ・・・・・・」
 キサカが代理に命令を出した。
「全軍戦闘配備、ザフトからオーブを守れ!――カガリ、お前はこちらに」
「私は逃げない」
「逃げるのではない、オーブの新たな力をお前に、ウズミ様から」
 最後は小声でキサカが言った。
「お父さま・・・・・・が?」
 とにかくカガリはキサカについて、軍本部の地下に連れて行かれた。カガリも知らない
ほど深いところへ。そこにはすこほこりのかぶった板が張られていた。
「『この扉が開けられぬことを祈る ウズミ・ナラ・アスハ』って、お父さま!」
「これがウズミ様からの遺言、受け取る勇気がお前にはあるか」
「あたりまえだ。お父さまが私に悪いものを託されるはずがない」
 巨大なドアが開いた。キサカがバッテリーを上げると、そこにはなんと、黄金に輝くモ
ビルスーツが・・・・・・。
「暁という。ウズミ様はこの扉が開かぬことを祈ってらしたが、カガリが開いた以上、使
うも使わぬも、お前の自由だ」
「お・・・お父さ・・・ま」
 カガリの頬を滂沱たる涙が流れる。あれだけ我儘した馬鹿娘にこんなたいそうな贈り物
などして、だからこそ、この暁の力を引き出してオーブの独立を守らねば。
「乗るか、カガリ」
「いや、キラ・ヤマトを連れてくるように。私が知る限りもっとも腕の立つパイロットで、
オーブ人だ」
239通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 07:21:02 ID:???
今回を書くためにオーブ戦あたりを見返したのだけれど、脚本が・・・・・・。
もともと構成がぼろぼろだったんだろうけど、書きたいことを見つけられないで苦しんでるようで、
お気の毒ですと思ってしまった。まあ、その泥をかぶったのは現場の人たちなわけですが。
次回はデスティニーVS暁。
240通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 13:03:35 ID:???
GJです。
更新頻度が上がって嬉しい限りですが、ご無理なさらぬよう。

>暁
何で2年前に使わなかったんだと、小一時間説教を・・・。
カガリやキサカも、有難がっちゃう所がねぇ。
お父様マンセーを外したらカガリじゃない、と云えばその通りかも。
241通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 21:58:34 ID:???
そういえばサイってここではそんなことやってる設定でしたね。
両者の言い分の対比がうまいなあ、と思いつつ。

アカツキが用意されていてありがたいと思う構図は、まあどうにもこうにも
フォローのしようがないですけど、それをキラにというのはこれまで出番の
なかったこちらならでは。
はたしてキラはきちんとアカツキを操縦出来るのか!?

次も楽しみにしてます。
242通常の名無しさんの3倍:2009/07/05(日) 22:01:25 ID:???
コーディ絶滅主義のジブリールの身柄を守るために
少なくともスペック上は最強スパコディのキラが戦うとかもうねw
これほどイビツな笑い噺はそうそうないわwww
(絶賛してるんですよ念の為)
しかし今のキラって使いものになるのかな…今のシンに仇としれたらどうなるやら。
243通常の名無しさんの3倍:2009/07/06(月) 22:46:42 ID:???
GJでした
でも、こういう民主運動家と専制君主の言い分の対比ってアニメだと難しいよね
244通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 02:54:39 ID:???
オーブが君主制ってのは、一歩間違ってたらキラは王子様だったのが
やりたかっただけではないだろうか。
245通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 10:44:27 ID:???
読み返してみると、キラは一応最悪のヒッキー状態からは脱しているみたい、
しかしガンダムタイプを乗りこなすほどまで回復してるかどうか?
またTVではオーブ侵攻に際してPPは介入しなかったが、こちらだとひょっとして
生体CPU凸のテストか何かで割り込んできてキラと同じ戦場に立ち…
ある意味TVでのジブ公を逃がすために颯爽とデビューした和田&無限の図
(いわばレクイエム大虐殺の引き鉄でもある)を痛烈に皮肉ることになるのかな?
246通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 20:22:56 ID:???
カガリの最後の台詞がオーブ崩壊決定打にしか…
247383:2009/07/07(火) 21:46:49 ID:kPVDHUEL


「どうしたの、カガリ、非難シェルターからいきなり呼び出して」
 キラ・ヤマトは入ってくるなりわがままな姉に文句をいい、彼女の目線が自分に向かな
いので、その視線を追った。
 モビルスーツのハンガーに似ていると思ったが、本当にそうだったとは。金色に輝く機
体はどうみてもワンオフ機だ。カガリとモルゲンレーテがひそかに開発したとでも言うの
だろうか?
「この、モビルスーツ」
「・・・・・・暁、という。お父さまがオーブの守護神として作られた機体だ」
「ウズミさんが――」
 オーブを愛し、娘を愛し、しかし何より誇りに命をかけた人だった。尊敬していた。し
かしこのごろ少し見方が変わった。二年前のオーブ戦はこの人のエゴだったんじゃないか
と思ってしまう。共鳴しているわけではないが、サイやミリアリアのいう『国を私物化す
ること』をやってしまった人だと。
「キラ、乗ってくれるな」
 カガリが起き上がりキラの手を握り締めた。結婚指輪がはめられた小さな白い手。オー
ブ元首でもある彼女が戦場に出るなんて、あってはならない。
「ま、待って、カガリ。じゃ、このモビルスーツのパイロットとして僕を呼んだの?」
「お前しかこの暁にふさわしいパイロットはいない!」
「OSはGUNDAMシリーズ、コーディネーター用はここにある」
 キサカ一佐がディスクを掲げた。
「そんな、そんな・・・・・・勝手なこと、言われたって・・・・・・」
 今度はキラが膝を突いた。
「僕は、僕は・・・・・・」
「お前は私が知っている最強のパイロットだ」
 カガリは弟の肩を抱いた。
「ちがう、僕は、ただの学生で、いま、休学中で、ニートみたいなもんだよ。モビルスー
ツに乗るのはもうやめたんだ」
「海に落とされて、死ぬ思いをしたらもう戦えないか。腑抜けだな」
 キサカが言ったが、キラは反応しなかった。
「その通りです。僕は人を殺し殺される軍人の世界では生きていけない。二年前の悪夢は、
いまだに僕を苦しめる。軍人にも、モビルスーツパイロットにもなりたくなかった。あの
時は生きるために戦ったけど、もうごめんだ。僕の避難所が爆撃を受けるなら僕はみんな
と一緒に焼け死ぬよ」
248通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:49:50 ID:???
 カガリはびっくりしていた。彼女の頼みには首を縦に振ると思っていたのに、オーブを
守るためにも戦いたくないいうなんて。
「それなら私が乗る」
 止められるのを期待した言葉だった。
「やめたほうがいい。オーブ軍で一番のエースパイロットを乗せるんだ。暁が一番力を発
揮できるし、ウズミさんも才能だけの僕なんかより、才能の上に努力を重ねている、規律
正しい軍人に乗ってほしいと思っているだろう」
「バカーーーーーーーーー!!!!」
 カガリはキラに鉄拳を食らわすと、キサカに命じた。
「オーブ軍一のパイロットを連れて来い!」
「なら、ここにいる」
「キサカ!?」
「実戦経験は少ないが、シミュレーションではオーブ軍トップだ。いま前線に出ているパ
イロットを呼び戻すわけにはいかんからな」
「では、カガリ・ユラ・アスハが命じる。オーブを守れ!」
「はっ」
 暁に乗り込むキサカ一佐を、キラはぼおっと見送った。
 この暁の建造費はムラサメ20機分だ。それだけの働きをしないとコストパフォーマン
スが悪いことになる。ザフトのエースパイロットたちはヘヴンズベースでも見せたように
機体にかかった金の分は働いている。自分にそれができるか、屈強な軍人とはいえナチュ
ラルの自分に――キサカは己に問いかけた。
 発進シークエンスが始まり、キラは外に引きずり出された。
 暁の発進を見送ったあとキラが発したのは、
「避難所まで送ってくれるよね」
だった。


 政庁、国防本部、セイラン邸の三つの攻撃目標攻略は順調に進んで行った。ザフト軍の
司令官は目的がジブリール捕獲である以上、モビルスーツや歩兵戦力をセイラン邸に集中
させた。それは正しい戦術であったが、すでにそこにジブリールはいなかった。予想外の
手、盲目の導師マルキオの手引きによって、邸から姿を消していたのだ。
「シャトルの用意ができております。月まで一週間、じっくりあなたと話し合いたいもの
ですね」
「・・・・・・SEED理論とやらで善男善女をたぶらかす宗教家か」
「宗教ではありません。理解を求めているのです」
 どうあれこの男にすがるしかない。ジブリールは口をつぐんだ。
 ハッチが次々に開放され、暁が黄金に輝く雄姿をオーブの空に見せた。
「キサカ一佐である。モビルスーツ隊は自分の指揮に入れ」
「「「「はい!」」」」
「「「了解であります」」」
 兵に慕われているキサカだけあって、士気があがった。
 ミネルバのモビルスーツデッキでも驚きの声が上がっていた。セカンドステージくらい
の動きをしていること、後信じられないが、あの装甲はビームを跳ね返すのだ。
「レイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホーク、あの金色を落として来い。シン・アスカは
オーブが三の手を使ってくるときのために待機」
「隊長、俺、行きます。行かせてください」
「シン」
249通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:50:33 ID:???
 ルナマリアだけでなくレイもシンの顔を覗き込んだ。
「生意気な言い方ですが、俺がザフトのエースパイロットと呼ばれるためには、このオー
ブ戦で戦って勝たなければならないと思うんです」
「それで自分の中でケリがつくのか?」
「はい!」
「いいだろう、ルナマリア・ホークと交代しろ」
 レイとシンは愛機に乗り込み、南国の空に駆けていった。
「あれか」
 シンは挨拶代わりにビームを打ち込んだ。それが反射して戻ってきて、やはりびっくり
する。
「わざわざ遊ぶな」
「遊んだんじゃない。自分で確かめたかったんだよ。なら」
 シンはアロンダイトを抜いた。
 そこにアレッシィから連絡が入る。
「あの金色のモビルスーツの装甲を調べたいので、爆散させずに陸地か浅瀬に落とせ。そ
のあとレイ・ザ・バレルは空を、シン・アスカは艦艇を掃討しろ」
「了解!」
 三人ともあの、ザフトのモビルスーツを何機も落としている金のモビルスーツの撃墜を
前提として会話している。あの装甲にしてもビームを使わなければいいだけ、パイロット
の腕はいいほうだが、戦場に何人もいるレベルだ。
 シン・アスカとデスティニーに目標と定められた時点で、あの金色のモビルスーツとパ
イロットの運命は決まっているのだ。
 避難命令を無視して政庁や軍本部の前で座り込みをしていた民主化運動の青年たちは、
突然の新型もビルスーツの出現に驚いたが、「あんなものを作る予算は下りてないぞ」「政府、いやアスハの秘密主義は二年前から変わっちゃいない」と、応援されはしなかっ
た。暁に望みを託してくれそうな一般市民は、みな避難所の中で政府の広報テレビを見て
いた。
 まっしぐらに暁に向かうデスティニーを、レジェンドが援護する。暁の周囲の空間がぽ
っかり開くのに時間はかからなかった。
「うむ・・・ザフトの新型か」
 ヘヴンズベースであの巨大なデストロイを切り刻んでいった姿は、強烈に印象に残って
いる。いくら暁の装甲が普通でないとは言っても、実剣やレールガンに対する効力はスト
ライクあたりと代わりがないのだ。もうビームは使ってこないだろうデスティニー相手に、
キサカはビームサーベルを抜いた。これであの巨大な剣を落とす。それしか道はない。
 しかし。それこそ一閃だった。暁の右手首がビームサーベルごと海に落ちた。
「むう」
 オオワシからビームを浴びせるが、ことごとく避けられる。コーディネーターの最高レ
ベルのパイロットには、ビームを跳ね返すヤタノカガミすら不要だというように。
 シンは隊長の命令どおり金色のモビルスーツ浅瀬においやり――陸地にはまだ民間人が
残って移送で怖かった――両手両足を断ち切り、胴体ごと海に落とし、コクピットにレー
ルガンを打ち込んだ。
「シン、空のモビルスーツは俺に任せて、隊長の命令どおり艦艇を」
「了解した!」
 ウズミの希求を託したモビルスーツは新型のデスティニーとオーブ出身のコーディネー
ターの前に、一分と持たなかった。
250通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:51:07 ID:???
 シンはアロンダイトでオーブの軍艦を切っていった。対艦刀、インパルスのエクスカ
リバーと相性の良かったシンのために作られた新しい刀、アロンダイト。艦橋を潰しては
次の艦に飛び移るデスティニーは、オーブ軍にとっては悪魔が空を飛んでいるようにしか
見えなかった。
 もう艦載機も尽きた空母にたどり着いたのは、さすがのシンも疲れを感じる時間だった。
さっさと白旗を揚げてジブリールを差し出せば、無駄な人殺しをしなくていいのに。
 タケミカヅチと書いてある空母のブリッジを破壊し、空中のレイと合流する。
「隊長から、マスドライバーを見に行くようにとの指示だ」
「宇宙へ逃げる気か!?」
「とにかく急ごう」
 そんな会話を交わしたとき、磁力を使って物を加速するごおおおおという音が響いた。
一台のシャトルがマスドライバーを進んでいく。あっという間に空中に飛び出し、さらに
加速する。
「ああ!!」
 隊長から通信が入った。
「インパルスを出した。あのシャトルを追撃する」
「俺たちも」
「君たちもできるだけ追ってくれ。あれを宇宙に放すと、プラントが滅ぶかもしれない」
 そう、相手はコーディネーター根絶主義者なのだ。プラントの市民は彼にとって処刑対
象でしかない。核動力を限界まで使って加速しながら、シャトルとルナマリアを追った。
三機の中で射撃が一番得意なのはインパルスだが、射撃が一番苦手なのはルナマリアなの
だ。高度上昇中のシャトルは起動計算さえすれば、オートの射撃でも当たる。
 ルナマリアは一発目を発射した。外れた。手動で撃っているのだ。
「オートに切り替えろ、ルナマリア!」
「えっ?」
 相当混乱している。
 シンとレイは自機に計算させてみたが、距離がほぼ絶望的だった。ただ撃たなければ相
手は秒速10キロを超えるスピードで飛んでいくのだ。
 結局彼らの努力は徒労に終わった。
 下を見るとオーブの政庁と軍本部に白旗が揚がっていたが、ザフトがほしいのはあの我
儘姫の打ちひしがれた顔などでなく、ロード・ジブリールだったというのに。
「まだ地球軌道を出るときに捕まえられる」
「あ、あたしが焦って撃ち損じたから・・・・・・」
「もう、終わったこといってもしょうがないだろ。これで地球での戦いは終わったんだ」
 三機はミネルバへ帰還した。
251通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:51:39 ID:???


「あっ・・・うっうっ・・・・・・」
 キサカが死んでからというもの、カガリは何の命令も発することができなかった。子供
のころから影に日向に守ってくれた。キサカなら自分のために死んで当然だとも思った。
しかしあんなにあっさりと、元オーブ人の少年に殺されてしまった。
「カガリ、白旗を揚げたから戦争は終わった。どういうわけか、ロード・ジブリールはう
ちからマルキオ導師の手引きでアスハのシャトルを使って脱出した。オーブはただ損をし
ただけ。君と僕でどれだけ責任が取れるというか、国民が納得するか。とにかく政庁へ。
プラントの特使が来るはずだ」
 ユウナはカガリを医者に見せるように言いつけた。とにかく人前に『国家元首』として
出せる見た目にしなければ。
 戦争の原因がいなくなったので、町には避難所から出てきた人でいっぱいだった。
 カガリとユウナの車が通ると、ひそひそ言うもの、あからさまに顔を背けるもの、小石
を投げつけるものまでいた。そういう暴力的行為ややめようと、オーブ青年民主主義連合
が拡声器で声を出す。南国の平和な楽園オーブも、一皮向けばほかの国と同じだ。いやそ
んなことわかっていたはずなのに。この繁栄だってロゴスと取引しているモルゲンレーテ
の存在なしにはありえなかった。
 二人は政庁に入って、敗者としてプラントの特使とザフトの士官を迎えた。
 議長の署名の入った書状には『無条件降伏』の文字が躍っていた。
「む、無条件降伏ってそんな。そちらの目当てのロード・ジブリールはうちの屋敷を乗っ
取って、年老いた両親を脅していたんです。オーブはプラントに対し、ひとつも含むとこ
ろはない」
「ユウナ・ロマ・セイランはそうおっしゃいますが」
 特使は一枚の写真を渡した。
「アスハ家のシャトルに乗り込むジブリールです。現在衛星軌道上で追尾中ですが、地上
で捕まえられなかったのはあなた方の責任です」
「そ・・・そんなこと、わたしは知らない」
「知ってようがいまいが、かまいません。無条件降伏さえ飲んでいただければ」
「猶予は?」
「1分です」
 敗者とはここまで惨めなものなのかとカガリは思う。それなら即答だ。
252通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:52:03 ID:???
「よろしい。カガリ・ユラ・アスハはオーブ連邦首長国の元首として、プラント共和国へ
の無条件降伏を受け入れる」
 カガリは涙をこらえて署名した。
 オーブの軍港にザフト兵が上陸してくる。オーブ国防軍の兵器はべて封印された。政庁
にもプラントの官僚が入ってきて、居場所のなくなったカガリにユウナが一枚の書類を渡
した。
「離婚届。これで責任が取れるとは思わないけど、僕の気持ち。君がサインして役所に出
すだけだから」
 そういって彼女の夫は去っていった。ジブリールをセイランがかくまった罪に巻き込ま
ないために、体力のないひょうろくだまだったが、子供のころから婚約者だったし、結婚
してからは新しい発見がいくつもあった。ただ、ふたりでがんばった宴の後が、無条件降
伏なのだ。
 カガリにはもうマーナしか残っていなかった。車を久しぶりにアスハの屋敷に向けさせ
る。車は群集にぼこぼこにされながら進んだ。
 アスハの屋敷にも、群衆は押しかけていた。
 使用人たちがおびえる中、ラクスが一人門の前に出た。
「わたくしはラクス・クラインと申します。カガリさんの居候です」
 周囲がざわつく。
「こないだの大戦でザフトを裏切ってうちの馬鹿姫と組んだ嬢ちゃんじゃねえか」
「プラント人はオーブから出て行け!」
 ラクスは気おされることもなく答えた。
「カガリさんはオーブの元首としてこの二年間、たくさんのことをなさりました。オーブ
のすべての島に慰問に回られ、戦争で二度と国土が荒れぬよう努力すると誓われました。
そのカガリさんの努力があって、ブレイク・ザ・ワールドからの戦いの渦にオーブ本土が
巻き込まれずに来たのです。人間、誰もが万能ではありません。今日、ザフトによりオー
ブは蹂躙されました。でもカガリさんを非難できる人間がこのオーブにいるでしょう
か?」
 ラクスは透明でよく響く声で語った。なかには彼女に説得されたものもいたが、ほとん
どは怒号を持って答えた。
「オーブの一納税者として、元首を非難するね。これは権利だ」
「あの姫様がわがままを言ってプラントまで出かけていったのに、結果はこれだ。無能な
んだよ、あの小娘は」
 こういった意見が大勢を占めた。ラクスは沈黙し特徴のあるピンク色の髪を翻し、邸内
に消えた。これ以降、ラクス・クラインの名前が公になることはない。
 屋敷に戻ったカガリはマーナに子供のときのように風呂に入れられ、ベッドに叩き込ま
れた。
「姫様には明日がございます」といって。
253通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 21:53:55 ID:???
ひさびさにあの胡散臭い人登場。宇宙で何をするのでしょうか?
キャラを減らしていく時期なんで、今回はちょっと寂しかったりします。
254通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 22:42:26 ID:???
GJでした
選挙ではなく血統による専制君主が税金とって国を守れませんでしたって結果じゃあ責められて当然なんだがな
ラクスの政治感覚もよくわからんな
今のままだとキラとラクスの喧嘩がはじまりそうだ
255通常の名無しさんの3倍:2009/07/07(火) 22:51:54 ID:???
つ…つーかそもそも搭乗からして拒否www
まあ、キラ本来の器量から考えればむしろこの方が自然なのかも。
ラクスも生の民意にあっさり全否定か、この世界には秘密結社としての
ターミナルやファクトリーは無いんだったっけ?
そして諸悪の根源はどうやら糞坊主らしいな、次回までにジブ公がすっかり洗脳されてたりしてw
256通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 00:07:18 ID:???
キラさんがマトモすぎてワロタ
あと、デスティニーにレールガンは無い
257通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 00:21:37 ID:???
>次回はデスティニーVS暁。
・・・うん、シンVSキラって、書いてないもんな。
作者のめちゃんこ良い笑顔が、文章から見えるのは、俺の気のせいだよな。

負債の加護を外すと、キラもラクスもこんなものかもしれんね。

>「避難所まで送ってくれるよね」
下種って言葉が、即に浮かんだ。
258通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 00:30:45 ID:???
GJです。
アニメ版は、どうしてそういう行動をするのか、何故そこで話し合わない、
あの決意はなんだったんだ、などなど自分には理解できない部分が
多すぎて辛かったです。
でもこちらは登場人物一人一人が理解できるので読んでて楽しいです。
続き待ってます。

キラは、心のあり方や覚悟とかを変えてくれる出会いなどがあれば、
違った行動をとったのかもしれませんが、そういうのが無かった場合と
してはすごく納得いきました。
MSを上手く動かせるのと人を殺し殺される世界に行けるというのは、
やはり全然違うことなのだろうな、と。
259通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 00:47:47 ID:???
>>257
「避難所が爆撃されて焼け死ぬならそれもよし」
とまで言ってるわけだから一概に下種とも言い切れないんじゃない?
自分の器を知ってる分テレビよりはましかと…
260通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 06:22:42 ID:???
ぶっちゃけカガリを見ててイラッとする
前から思ってたけど、男はともかく女の描き方が微妙
嫁も同じだけどね
261通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 12:34:09 ID:???
>>260
カガリは原作からしてイラっとくる女だと思う。
嫁と同じくあなたにとってここの咲く品の、女の描き方が微妙なら、
種死の二次としてよくできてるということでは?
262通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 14:00:51 ID:???
中途半端な801咲く品
263通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 15:27:23 ID:???
四馬鹿がそれぞれアレだから荒らし信者がわくかと思ったら案の定。
ホント虫並の神経してんね。
まあ確かに腐災版に比べれば「801分が薄い」てのは少なくとも
間違いないわけだが。
264通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 16:39:40 ID:???
>>263
四馬鹿コンプのシン厨うぜー
シンが去勢して火病起こせばいいのにw
265通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 19:10:59 ID:???
>>264
263が図星だったんだね…
266通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 20:06:22 ID:???
荒らすくらいなら、気の合う仲間のところに居ればいいのに。
267通常の名無しさんの3倍:2009/07/08(水) 22:34:36 ID:???
http://www.b-ch.com/concept/
アスカガ公認北
268通常の名無しさんの3倍:2009/07/09(木) 02:31:59 ID:???
宇宙に出てからのハードゲイの活躍が楽しみ
269383:2009/07/10(金) 00:30:04 ID:4r6JQuez


 オーブの戦場の混乱が収まったころ、ミネルバの三人のパイロットは隊長室に呼ばれた。
いつもと同じ表情を隠すサングラス、冷ややかな声。
「オーブから発進したアスハ家のシャトルは、衛星軌道上のザフトの包囲網をすり抜けた」
「えっ!?」
「だって?」
「マスドライバーから射出されたシャトルの起動は確実に計算できますし、衛星軌道上の
艦艇がオートで射撃すれば失敗は万に一つもないと思います」
「ふむ、レイ・ザ・バレルの言うことは正しい。問題は、アスハ家のシャトルが上がって
こなかったということだ」
 シンは気がせいて言った。
「じゃ、それ以前になんらかの擬装工作を?」
「おそらくな。あのあたりにはジャンクを拾うジャンク屋組合とかいう輩が徘徊している。
彼らは自由を旨にしているが、オーブよりなのは否めない」
 三人とも知っていた。戦場でのジャンクはすべて拾ったもののものというむちゃくちゃ
な法案を通させた連中。地球やプラントの政治家にも、よほど顔が利くのだろう。特にこ
の時期にザフトの包囲網をすり抜けるとは、プラントの議員クラスの手が働いているとし
か思えなかった。
「本艦はカーペンタリアに帰頭後、セイバーを下ろし、宇宙へ出発する」
「了解しました!」
 三人はそろって隊長室から出た。ルナマリアは空元気を見せて笑っているが、少し笑顔
が硬い。
「宇宙に出ちゃったのか、ブルーコスモスが」
 ルナマリアの目蓋の裏には、ユニウス7が核攻撃で破壊された姿がある。彼女の父親は
コロニー公社の仕事で、あの血のヴァレンタインの前日、ユニウス7を訪れていたのだ。
「航路を変更したら燃料を使う。普通のシャトルには予備の燃料はあまり積まない。どこ
かで補給がある。バックについているのがジャンク屋組合だとしたら、どういう動きをと
るか予想がつくだろう」
「でも、その情報を流す人間がザフトに・・・・・・」
 シンは氷のように冷たい声で言った。愛する少女を手にかけ、生まれ故郷を焼く覚悟を
して戦いに臨んだ。だがプラントには自分の利益のために敵をかばう人間が存在するのだ。
これではプラントも馬鹿姫のオーブと変わらないではないか。
 部屋に帰ってレイにぶちまけた。
 彼はいつも通り冷静聞いていてくれた。
「適切でない人物が、重要な地位についているからだ。オーブしかり、プラントしかり」
「この戦争の発端にも、汚職政治家が絡んでたよな」
 もう戦争の原因すら忘れてしまった。シンたち兵士は講和という明日に向かって戦うだ
けなのだ。プラントに民間人への死刑はないので、結果といして数十万人の兵士を殺した
議員は刑務所で平穏な日々を送っているはずだ。
「じゃ、レイはどういう人物が重要な地位に就くのがいいと思う?」
「いわゆる重要な地位だけでなく、すべての職業が重要だ。そう思わないか? ミネルバ
だって清掃班や医療班、厨房班といった非戦闘員ががんばっているから強いのだと」
「うん、それは思う。俺色々世話かけちゃったけどみんな良くしてくれた」
「だから、俺が思うには、職業というのは適正と経験だ」
270通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 00:30:49 ID:???
 ものすごく当たり前の答えが返ってきて、シンは逆にびっくりした。
「正確に言えば、遺伝子と経験だな」
「・・・・・・遺伝子」
「たとえばお前の遺伝子はモビルスーツパイロットに向いている。経験を積んでエースパ
イロットになった、ということだ」
「まあ、そういわれると納得かなあ。反射神経とか好戦的な性格とかは遺伝子が決めてる
んだよな」
「性格は後天的要素も大きいが、お前の場合、家族を失ったことが戦う理由になった」
「うん」
 飼い主の説教を聞く犬のようにおとなしくシンが答える。
「でも子供のころから、喧嘩っ早い性格で運動神経は並外れてよかったんじゃないか?」
「まあ、そう」
 喧嘩が元で親に怒られたことは数知れず。コーディネーターの家庭では、子供を大事に
するので喧嘩をする子供は嫌われるのだ。まあ、大学にはいって、そういう悪い癖も治ま
ったところで戦争だった。
271通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 00:31:01 ID:???
「だからお前は遺伝子的にモビルスーツパイロットになって正解だったと思う」
「お前を営倉にみちづれにしたこともあったぞ」
「そんなこともうないだろう。お前は精神的に成長した」
「レイは? モビルスーツパイロットもだけど参謀本部勤務も向いてたと思うけど、あ、
大丈夫か」
 友人がいきなり咳き込み始めたので、シンは狼狽した。いや、前にもあったではないか。
しかし慣れられるものではない。前線の兵士が突然発作を起こすような病を抱えていては
使い物にならない。かといって医務室に事実を告げるのは親友を売るようで嫌だ。
 レイは苦しみながらも錠剤を何錠か嚥下し、苦しげにベッドのシーツを握っていた。
「何かできることないか?」
 背中をさすったシンの手は払いのけられた。レイは周囲から親友といわれているシンに
も、最後の一歩は許さない。
 レイの白い額がびっしょりと汗にぬれていた。シンはバスルームに行ってタオルを絞っ
たのを手渡した。
 素直にレイが受け取ったのに、それほど苦しかったんだろうと思う。人工子宮から生ま
れたことによる卵の発達ミスだとレイは前に言っていたが、それなら自分の遺伝子に従っ
て前線を去るべきではないのか?
 レイの呼吸が穏やかになるのを待って聞く。
「レジェンドに乗ってるとき、発作が起こったらどうする。宇宙戦は360度だぞ。お前
の体が万全でなければ、ドラグーンも反応しまい」
 レイと肩を並べて戦うのが好きだが、彼はもう、前線を退いたほうがいいとシンは思っ
た。後方でだって頭脳を生かした仕事はいくらでもある。
「・・・・・・俺は賭けをしている。前線で生き延びられれば、俺の願いはかなう。死んでしま
えば、未来は見えない」
「無責任だ。レジェンドはザフトの科学技術陣が精魂こめたモビルスーツだし、建造費は
プラントのみんなの税金だ。子供が飴を買うのにかけられた税金が使われてるんだぞ」
 シンは顔を真っ赤にして怒った。
 対するレイは急に険のとれた、子供のような表情になった。
「ああ、確かにそうだな。俺はわがままだ――俺は、俺を作り出した人間の悪意と思い上
がりを叩き潰すために戦う。プラントの愛国者というわけでなくてすまんな」
「まあ、わかっているなら」
 シンはレイに甘い。というかアカデミーに入って見た本当の完璧なコーディネーターだ
ったから、少しながら憧れがあるのだ。それに気づいているから、レイは今日もいつか話
そうと思っていることを話せなかった。誰にも自分の真実を知られずに死ぬのは寂しい、
彼が選んだのはシン・アスカであるのだが。
272通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 00:31:31 ID:???


「エルドリッジ少佐、『スーパーコーディネーター』の件ですが、お耳に入れたいこと
が」
 元アスラン・ザラであった生物は特定の波長が脳に入ると、反射神経や視覚が数割鋭く
なるとのこと。
「それをこちらでコントロールできるようになるのでしょうね」
「そのように実験しています。といっても脳が消耗しきっては困りますので、少々時間は
かかりますが」
「これの目標はきまっています、ザフトの核動力と思われるモビルスーツの破壊。そのた
めなら少々の負荷は問題ありません。実験を続けてください」
 それが『SEEDを割る』と一部の人に言われている現象だとは、ファントムペインの者は
知らなかった。彼らの盟主は、SEEDの存在を知らされ、否定していたが。
273通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 00:31:59 ID:???


「ねえ、サイ。オーブが降伏していちおう戦争は終わったわけだけど、これからどうす
る?」
「僕は法学部に学士入学する」
「ええっ? 工学の博士号まであとちょっとじゃない」
 ミリアリアは心底驚いた。
「法学の勉強をして、オーブがプラントから独立するときの憲法の起草者の一人になれた
らと思って」
 サイの少しはにかんだような顔に、ミリアリアはまったく優等生はねーと思い、少しま
ぶしい思いをした。
「ミリアリアはジャーナリストを続けるんだろ」
「うん、取材したいことは一杯あるし。でもプラント統治下でどの程度言論の自由が保障
されるか」
「でも、オーブにこれまで言論の自由があったことって?」
「ないわね。首長国時代は、首長の悪口はいえない世界だったから。プラントの総督の悪
口が書けるように祈るわ」
「混乱はあっても、僕たちがいい国にしていかなければね」
「そうね、でも落ちぶれたもんよね。たった二年前は宇宙コロニーまで持ってる先進国だ
ったのに、いまじゃプラントの占領地」
「僕たちが立て直せばいいじゃないか。オーブの国民は勤勉で優秀だ」
「サイ、大人になったわねえ」
「民主化運動を始めたときに、お坊ちゃんとはお別れしたのさ」
 いっぽうオーブの元お姫様といえば、国璽をプラント特使に手渡したのちは、政庁の執
務室に一切手を触れることを許されずに屋敷に返された。屋敷はザフト兵が警備に当たっ
ていたが、生垣に荒らされた跡があったり、門が少し崩れていたり、民衆に襲撃を受けた
のがありありと見て取れた。
 屋敷にはユウナから『セイラン家はスカンジナビア王国に亡命する予定で、プラント執
政部と交渉中』と連絡が入っていた。言外に「君は?」と聞かれているのだが、オーブの
獅子ウズミ・ナラ・アスハの子は何があろうとオーブを守ると誓った以上この地を離れる
ことはない。プラントが自分の首がほしいというならくれてやる。連合とプラントの戦い
に巻き込まれて滅んだオーブという島国があったことを、世界の人が覚えていてくれたら
それでいい。オーブは何があっても、国の大義は曲げなかった。
 無条件降伏の署名は屈辱だったが、民は守ったのだ。カガリは自分が間違ったことをし
たとは思わなかった。父の遺産の暁がやられてしまったところで、オーブへ命運が尽きた
のだ。ただオーブに止めを刺したのが元オーブ人の少年で二年前の大戦の戦災孤児だとい
うのは皮肉だった。アスハのせいで!今度の戦いでもアスハのせいで家族が死んだと思う
子供が出るのだろうか。市街地の被害はほとんどなかったが、ゼロではない。
 テレビをつけると、討論番組をやっていて、カガリが見たこともない政治評論家たちが
これからの『プラント領オーブ』のあり方について語っていた。
 首長制は過去のものなのだ。カガリは始めて実感した。自分がオーブの特別な地位を占
め姫様と呼ばれる身から、ただの金持ちの女になった。そういうことだ。まずはマーナに
姫様でなくお嬢様と呼ばせるように命じなくては。カガリが考えた新しいオーブの第一歩
だった。
274通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 00:32:28 ID:???
801成分、増量してみました。
275通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 01:41:49 ID:???

でも遺伝子と経験だけで最適の職業が解る訳ないよなぁ
インスピレーションだって必要だし、その有無が遺伝子検査で解る訳もないし
大体、「キミの最適の職業は刺身にタンポポを乗せる仕事だ」って言われたら泣くぞ俺
276通常の名無しさんの3倍:2009/07/10(金) 19:26:03 ID:???

肉体を使う仕事なら遺伝子や素質の意味はあるけど、教育職などの精神面が大きい仕事だと遺伝子ってあまり意味無いよな
277通常の名無しさんの3倍:2009/07/11(土) 14:02:54 ID:???
現実基準で考えるなよ
種世界の遺伝子検査なんだからw
278通常の名無しさんの3倍:2009/07/12(日) 01:33:29 ID:???
そもそもあの世界、普通なら(現代世界なら)そう突っ込まれる所が
ラクス達ですら「遺伝子で最適なものがわかる」事自体は否定してないんだ

ということは、そういう世界なんだよ
279通常の名無しさんの3倍:2009/07/12(日) 08:49:36 ID:???
シンレイハァハァ(; ´Д`)
280通常の名無しさんの3倍:2009/07/12(日) 12:16:15 ID:???
>>278
平和になること自体も否定してなかったよなw
281通常の名無しさんの3倍:2009/07/12(日) 12:18:06 ID:???
>>279
どっちかっていうとシンレイよりレイシンだろ
282383:2009/07/14(火) 16:25:26 ID:nEBcQSbK
 修復なったアーモリーワンにエターナルは入港した。以前のピンク色ではなくザフトカ
ラーのグリーンに塗られている。地上戦は大西洋連邦の同盟国がロゴスの存在を許さず
次々に離反、残った同盟国のオーブも陥落した。政治ラインでは講和に向けて動いている
はずだが、まだ月の制空権をめぐって一悶着あるというのが、兵士たちの感想だった。
 エターナルの兵士たちは、デュランダルが遺伝子適性によって選んだ兵士たちである。
最新鋭モビルスーツの運用艦に配属されるにしては、パイロットからして場違い感があっ
たが、いまではストライクフリーダムとインフィニットジャスティスの二機がザフト宇宙
軍のスーパーエースであることを認めないものはない。
 現在兵器工場であるアーモリーワンを連合が狙っているという噂まである。
 月に基地を二つ持つ連合はプランと本土と反対にあるこのコロニーを潰せば圧倒的に有
利になる。
 ストライクフリーダムのパイロットはハンガーで整備される愛機を見ながら呟いた。
「これに、俺が乗ってるんだよなあ」
「私も思うわよ」
 インフィニットジャスティスのパイロットだ。
「パイロットとしての腕は上の下くらいだし、ただ、この子とは相性がいいのよ」
「そう、シミュレーションでインフィニットジャスティスやってみたけど、ぜんぜんだし。
まあ、地球から上がってくるスーパーエース君たちは、赤服で16歳でネビュラ勲章もら
ってる超エリートみたいだけど」
「ストライクフリーダムを一番動く動かせるのはあなた。そう思っていればいいのよ」
283通常の名無しさんの3倍:2009/07/14(火) 16:25:59 ID:???
 クレオパトラ・イッサリオティスが特徴のあるおかっぱを揺らしながら口を開いた。
「今のところエターナルの実験は順調ですが、プラントにデスティニープランを導入する
にしても、データが少なすぎます。あなたにはピアニストは向いてませんとか、プログラ
マに向いていますとかしか結果は出せません」
「エターナルが特殊なことは重々承知だ。ただこの戦争が終わる前に、デスティニープラ
ンの可否を問いたいのだ」
 デュランダル議長はまずい合成コーヒーを口に運んだ。オーブを手に入れたので、地球
の産物の輸入は増えるだろう、ありがたいと正直思った。
「急いでらっしゃると、私には思えてなりませんが」
 デュランダルは一枚のディスクを取り出した。
「これがあれば、職業安定所の人員を5分の1くらいに減らせるはずだ」
「――戦争だけでなく、ご自分の研究もなさってたわけですね。それは私がお預かりして
よろしい?」
「君に渡すために持ってきたんだ。検討してくれたまえ」
「了解しました」
 彼女は有能だが化粧と香水がきついのが欠点だと、デュランダルは思った。遺伝子によ
って職業適性を判断し、社会構造が許す限りその職につかせる。閉鎖空間のプラントでは
自分に向いた仕事をすることでストレスをためないことも大事だ。エリート主義の競争社
会、ピラミッドの頂上だけを目指すような社会では、少子化もあり、50年後にはこの国
は滅びるだろう。優秀な精子を求めて精子バンクに大金を払う女、子供が赤服でないから
ザフトのアカデミーを優秀な成績で出たのに従軍させず大学にやっている議員、戦死した
息子を悼むあまり精神状態が不安定になっている戦争の原因を作った元議員。
 プラントは構造的に狂っている。とげとげしくて、人を見るときに「コーディネートに
いくらかけたのか」という探るような目で見る。
 意外やデュランダルは彼なりに平等主義者であった。遺伝子が与えてくれる能力以上に
無理をする必要はないのだというのが、彼の本音だった。しかし彼の遺伝子検査の結果は、
生物学系の学者に強い適性があり、政治家は適性がある程度だった。だからデスティニー
プランを発想するのはよくても、実行するだけの器が自分にあるか、それは賭けだと思っ
ている。だから戦争で人心が乱れているときに実行しようとしているのだ。
(ずいぶんと気が小さい)
 金髪の友人がいたら、あざ笑われるだろう。皮肉な笑みと同時に宇宙での新機体を頼ま
れていたことを思い出して、指令を出した。ミネルバはカーペンタリアで休暇を取った後、
月軌道上に配属される。
284通常の名無しさんの3倍:2009/07/14(火) 16:26:26 ID:???


「わ、隊長の新しいモビルスーツ、来たんだ。プロヴィデンスザクかあ。特殊な空間把握
能力をもった人間にしか扱えない機体、だっけ?」
「そうだ。レジェンドの簡易式ドラグーンとそこが違う。ただ人を選ぶ分、ドラグーンの
精度は高くなるらしい」
「ふーん、隊長って何でもできるんだな」シンは素直に賞賛を表し、話題を変えた。
「PX行かないか? 地球の食べ物も食べ収めだし」
 シンは厨司長に、何をどれくらい積み込むのか、牛肉と子羊と海老をたくさん積んでく
れと直談判したいくらいなのだ。
「悪いが部屋で休む」
「あっ、そうしたほうがいい」
 軍医に言ってしまおうかと思うこともあるのだが、レイはレイの思いを持って戦ってい
る。自分が私怨丸出しで戦ってきて、こないだのオーブ戦でやっと吹っ切れた以上、戦い
に己の感情を持ち込む人間を責めることはできなかった。
 ルナマリアと買い物に出かけたシンは地球のお菓子やドライフルーツ、100%ジュー
スなどを個人の持ち物の限界まで買い込んだ。
「あんたそんなお菓子ばっかり買って。ミネルバのエースなんだから、もっとぱりっとし
なさいよ」
「ぱりっとって、髪の毛とか?」
「ほんと、子供なんだから」
 ちかごろシンとルナマリアは一緒に行動をとることが多くて、ミネルバ内のみならず基
地中ででひそかに噂になっているのだが、二人とも鈍くてそんなことは知らなかった。
 ミネルバは何事もなくカーペンタリアを後にし、月軌道艦隊に合流した。 
 シンはもう二度と地球には降りられないかもしれないと、食料や飲み物を見て悲しく思
った。
 アルザッヘルとダイダロスの二つの基地が健在である以上、月をめぐっての戦いは五分
五分だった。地球戦はロゴスの実態などで民意を連合から離すことができたが、宇宙では
ただ軍人同士が戦うだけだ。月の自由都市はいつどちらにも付けるように画策しているし、
戦況は地球より厳しかった。
「お客さん扱いは疲れるわね。最初はこの艦隊に編入されるはずだったのが、アクシデン
トで地球に下りただけだったのに」
 旗艦に挨拶に行ってきたグラディス艦長が言う。
「でも、地球、長かったですからね」
「その間にこの艦隊の仲間意識は出来上がってしまって、ミネルバは異分子の様子見って
ところかしら」
 トライン副長は暢気に言った。
「いじめがあるわけじゃなし、気にすることないですよ」
 確かにタリアは議長と寝て艦を手に入れた女の噂がついて回るので、いやみや陰口を言
われることが多い。地球での戦果もミネルバより艦載モビルスーツの働きだという見方も
ある。それは決して否定できないが、ミネルバは敵の支配水域を1隻で通り抜けた優秀な
船だと、タリアは自分に言い聞かせた。
285通常の名無しさんの3倍:2009/07/14(火) 16:27:45 ID:???


「目標、アーモリーワン、ドック」
「『スーパーコーディネーター』の調子は?」
「カプセルの中で目を覚ましたところです。彼は生体CPUの域を超えていますから、デ
ストロイの指の一本を1ミリまで完璧にコントロールします。これまでのわれわれの研究
の成果として、すばらしい出来だと思います」
「なら、成果を挙げてもらわなければ」
 エルドリッジ少佐は元アスラン・ザラのことを思った。彼の自我は消滅し、命令に従い
もビルスーツを動かすことだけ考えるように再構成された。モビルスーツのパイロットと
して理想的ではないか? その素体になったのがコーディネーターだというのは、不満だ
ったが。『スーパーコーディネーター』というあだ名はもちろん皮肉だ。エクステンディ
ッド(強化人間)というのはあくまでナチュラルであるという、ブルーコスモスの信念だ。
しかしそれに値する結果を出したら――捕虜のパイロットの生体CPU化を上申するべき
なのだろう。
 JPジョーンズから宇宙仕様のデストロイが発進する。0Gから1/6Gで戦うことを考
慮し、地上よりさらに強く重い装甲を使っている。あのミネルバのモビルスーツの対艦刀
でも傷がつく程度の強力さだ。
 強烈に加速し目標に向かうデストロイは、彼女の目にも頼もしく映った。
 対するアーモリーワンでは、地球で恐怖を巻き散らした巨大モビルスーツの接近にあわ
てて対処していた。この天秤型コロニーの欠点は中央の無重力の港部分を破壊されると、
コロニーが左右に分かれ飛んでいくという点であり、つまり住民の死を意味した。迎撃用
のモビルスーツが緊急発進する。対艦刀を装備できる機体はあわてて装備した。今のとこ
ろあのデストロイの攻略法はスピードで飛び込んで切り刻むしかない。ビーム勝負では相
手にならないし、対陽電子砲シールドまで装備しているので戦艦を出しても意味がない。
地球では負担だった重量も宇宙では気にする必要がない。動きは地球よりよくなっている
だろうと、出撃を命じられたストライクフリーダムのパイロットは思った。
「ストライクフリーダム、発進します」
「インフィニットジャスティス、発進します」
 アーモリーワンの上層部としては、この核動力機二機があのでか物を倒してくれないと、
コロニーが失われるという事態だ。ここはその名の通り、軍事工廠であり、ここで兵器を
生産できるからプラントは戦争を続けられるのだ。
 発進した二機は、デストロイのビームを交わしながらビームブーメランやレールガンで
応戦したが、あちらは一度に高エネルギー砲4門、プラズマ複合砲20門を撃ってくるか
ら、ほとんど隙がない。パイロットは宇宙戦にもなれているらしく、360度にビームの
幕を張る。
「二機でビームサーベルで接近戦を仕掛ける」
「了解」
 最大戦速で接近するストライクフリーダムとインフィニットジャスティスに、デストロ
イは両手にビームサーベルを構えることで答えた。
「あの火器管制をしながら、ビームサーベルを両手だなんて」
 接近戦が器用なパイロットで、ビームサーベルを両手に持つパイロットはごくまれにい
るが、その場合はサーベルのみに集中する。
286通常の名無しさんの3倍:2009/07/14(火) 16:27:57 ID:???
 とにかくビームサーベルに切りかかり、相手の腕にサーベルを当てたが、表面に傷がつ
いた様子もない。近距離からのビームジャベリンやビームブーメランも、全部はじかれて
しまう。ストライクフリーダムはドラグーンを出して、相手のコクピットを狙わせたが、
それもうまく行かず、逆にドラグーンの数が減らされていく。
(装甲を強化したのか? これでは手も足も出ない)
 パイロットが弱気になるのをかぎつけたかのように、直撃が来た。ストライクフリーダ
ムは両足を持っていかれた。
「大丈夫?」
「足なんて宇宙じゃおまけだろ」
 インフィニットジャスティスがリフターをコクピットに投げつけたら、一瞬反応が止ま
ったので、その隙に二機は腕の関節部分にビームサーベルをつきたてた。
 これは効果があったが、デストロイのパイロットを怒らせたのか、急に動きがよくなっ
た。インフィニットジャスティスが巨大な手につかまれて、手足をもがれて、胴体を握り
つぶされた。
 一緒に戦ってきた戦友だから残念だが、特に敵討ちをしなければならない理由もないの
で、ストライクフリーダムのパイロットは本部に撤退の意思を伝えた。しかし返ってきた
答えは否。徹底抗戦せよ。ここを突破されれば、アーモリーワン自体が破壊されかねない
のだから、特別なモビルスーツだといって、贔屓はできない。その代わりにミーティアが
射出された。これで火力では対抗できるが、そのかわり小回りが利かなくなる。
 先ほど傷つけた肩を狙うが、ことごとく外される。そしてこちらが大きくなった分、
ビームがかすったり、ミーティアの端に直撃を受けてしまう。
 そうこうしているうちに、デストロイのスーパースキュラがストライクフリーダムを直
撃し、宇宙最強と呼ばれたモビルスーツはジャンクになった。
 アーモリーワンの港では、出港する船がラッシュとなっていた。あの恐ろしいモビル
スーツを止めるためもあるし、機密事項を載せてプラント本土へ向かう船もある。
しかし迎撃に出たモビルスーツや戦艦を蚊トンボのごとく落として、デストロイは火力を
アーモリーワンの港に集中した。コロニーの弱点である。
 バランスを少しでも崩すだけで、慣性の法則にしたがって、砂時計は折れていく。
 その光景を見ながら、こんなコロニーを作ったジョージ・グレンは馬鹿だとエルドリッ
ジ少佐は思った。従来のシリンダー型より住みやすいのが売りだが、堅牢性がない。フ
ァーストコーディネーターからして、コーディネーターは見かけにこだわる馬鹿だったと
いうわけだ。
 デストロイに引き上げ命令を出し、折れ曲がったアーモリーワンがゆっくり――実際は
すごいスピードで――円錐ごとぶつかっていくのを見守った。これでザフトは兵器製造の
拠点をひとつとかなりの人員を失った。ブルーコスモスと連合軍にとって喜ばしいことだ。
「デストロイが戻ったら、『スーパーコーディネーター』の戦闘中の分析を急いでほしい」
「はい。脳に刺激を与えたら戦闘力が上がりましたから、そのあたりをじっくりと」
 元アスラン・ザラの生体CPUとしての初戦は上出来だった。
287通常の名無しさんの3倍:2009/07/14(火) 16:29:32 ID:???
どのモビルスーツも、武器が一杯ついていて違いが理解できません。
プラントのコロニーって、1G得るために回転するだけで折れるよなあと思います。
288通常の名無しさんの3倍:2009/07/15(水) 12:49:07 ID:???
アスラン、強くなったけど、たぶん本人も望んでたんだろうけど、哀れだな。
戦いを捨てて被害者になる道を選んだキラと対照的すぎる。
289通常の名無しさんの3倍:2009/07/15(水) 13:40:23 ID:???
グラハムと狂うぜが出会ったら
290通常の名無しさんの3倍:2009/07/15(水) 21:12:38 ID:???
この職人はアスランヘイト? それともゆがんだ愛がアスランに向いてる?
291通常の名無しさんの3倍:2009/07/16(木) 03:51:51 ID:???
投下乙です
クロスオーバー倉庫に保存されるようになってから読み始めたけど
ストーリーだけでなくて生活関連の細かい描写(特に食べ物)が多くて読んでいて楽しい
その分SUN値の上がる展開が際立つな
292通常の名無しさんの3倍:2009/07/16(木) 19:37:16 ID:???
GJです
このままアスランとの戦いがラストバトルかな
ガンダム名物、問答しながらの戦闘にはならなさそうなのが、少し残念だけど
293通常の名無しさんの3倍:2009/07/16(木) 20:59:04 ID:???
生体CPU化した凸を擁するエルドリッジ指揮のPP強し、ミネルバ危うし!
というところへジブリールも到着しいよいよ事態は最悪に…と思いきや、
一週間かけて完全にマルキオに洗脳改造されててTVの三隻同盟と同じ
お花畑頭になっているとか…
294通常の名無しさんの3倍:2009/07/17(金) 08:26:53 ID:???
凸トロイやばすぎだろ…
スクラップアンドスクラップ
295通常の名無しさんの3倍:2009/07/22(水) 19:46:56 ID:ZbdlLvkh
保守
296383:2009/07/23(木) 20:06:02 ID:A9Z6CKaK


「アーモリーワンが!」
「繰り返します。連合軍のモビルスーツ、デストロイとの交戦のためアーモリーワン全壊、
避難中の艦艇にの近くに連合の艦艇はいない模様」
 アビー・ウィンザーのいつもの落ち着いた声音がこころもち上ずっているように思うの
は、自分の気のせいだろうか?とグラディス艦長は思った。
 アーモリーワンからカオス、アビス、ガイアの三機を強奪した部隊がデストロイの運用
も行っているようだが、打つ手が早すぎる。ミネルバはいつも後手後手に回っってしまっ
ている。あちらは独立部隊でブルーコスモスの直属、現場がトップと直接つながっている
わけだから話が通るのも早いというものだ。タリアは少しその立場をうらやましく思った
が、すぐに打ち消した。ザフトはナチュラルの軍隊に比べ風通しのよい組織なのだ。
「あのデストロイ、これまでのものとは中も外も違う」
 いきなり背中からアレッシィの声がしてびっくりした。彼がブリッジに来るとは青天の
霹靂だ。
「どう違うのですか? アレッシィ隊長」
「まず構造からして、足が小さい。1Gでの運用を考えていない宇宙型ということでしょ
う。そしてストライクフリーダム、インフィニットジャスティスとの戦いを見ると明らか
に装甲が強化されている。そしてパイロットは、アスラン・ザラ」
「アスラン・ザラ!!」
 確かに彼はこの、ファントムペインという部隊のパイロットだ。ヘヴンズベースでハイ
ネ・ヴェステンフルスを斃すという戦果を挙げていた。強化人間しか乗れないという情報
があるデストロイだが、強化人間自体ナチュラルをコーディネーターに近づける実験だっ
た。高性能のコーディネーターであるアスラン・ザラなら、デストロイの性能を100%引き
出すパイロットとなりうる。
「遭遇したとして、これまでのようには行きますまい。戦術は私からパイロットに指示を
出すので、あとはよろしく」
 タリアは一瞬むかっとしたが心を静めた。なんのかんの言っても、モビルスーツ隊の優
秀さは認めている。ほかの戦艦の艦長にうちとあなたのモビルスーツ隊を交換しましょう
といったら、断るものはおるまい。ただ彼らのおかげで、新米女艦長がうまくやっているといわれるのも事実であり、タリアのプライドを傷つけているのだが。あのアレッシィは
タリアのプライドなどに何の配慮も払ったことはないし、必要も認めていない。それが彼
女には不愉快でたまらなかった。
 アレッシィは部下のパイロットたちにも同じことを伝えた。
「ハイネを殺したやつが・・・・・・」
「宇宙だと、デストロイのあの重量がなくなるわけですから、地上よりずっと稼働時間や
ビームの使用時間が延びるんですね」
「その分スピードも増して、今までのように切り刻めばいいというわけではないと。機体
もパイロットも性能が上がっている、そうですね?」
 三人はハイネを殺した裏切り者のコーディネーターの顔を思い浮かべていた。といって
も、連合のニュースに流れたずいぶん前のアスラン・ザラのよく日に焼けた顔だったが。
「今のところ、こちらはドラグーン搭載機が二機と実剣装備機が二機、ドラグーンで小さ
い傷をたくさん作れるかにかかってくるな。レイ・ザ・バレル、ドラグーンを使っての実
戦の初陣がデストロイ相手になるかもしれん。シミュレーションしておけ」
「了解しました」
297通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 20:06:42 ID:???


「ああ、SEEDの力がまた戦いに、こんなに強い力なら、人々を救う力になるでしょうに」
「世迷いごとはやめろ。わがブルーコスモスの兵器の力を見たか、ハハハ」
 勝ち誇るロード・ジブリールに、マルキオ導師は言った。
「あなた方も、戦うだけでなく手を取り合って生きる道を考えなければ」
「馬鹿な。あんな化け物と一緒に暮らせるものか。毒蛇と同じベッドで寝ろといわれているようなものだ」
「そこまで・・・・・・」
「だから私をダイダロス基地へ連れて行け。宗教屋が見返り云々抜かすでないぞ」
 大げさな身振りでジブリールは言ったが、マルキオは盲目だった。
「あなたと私の人類への見解は平行線をたどるのみですから、このシャトルがコペルニク
スについたら、後はご自由にどこなりとお行きください」
 ため息交じりの導師の声だったが、ジブリールは笑い飛ばした。
「自然に反したコーディネーターには生きる資格がないのです。この戦争は、コーディ
ネーターを全滅させるために愚かなコーディネーターが起こした結果なのです」
 マルキオにしてもオーブでさえ、ナチュラルとコーディネーターは分かれて住み別々の
コミュニティを作っていたと知っている。人間誰にでも生まれつきの能力差はあるものだ
が、それが母体に戻される受精卵の時点ではっきりと優劣がついているというのが、ナチ
ュラルがコーディネーターを同属として受け入れない元だ。
「私はコーディネーターを滅ぼしてみせる。奴らの自慢の遺伝子をすべて灰にする。さて、
私を自由にさせろ。お前はジャンク屋組合などという下賎な組織を持っているようだが、
私は連合軍の実質的な統帥権を持っている」
 これだけのことを言わせるバックボーンが、確かにジブリールにはあった。コープラン
ド大統領はロゴスの支持の元に選挙に勝ったのだから。
「――分かり合えなかったのは残念ですが、あなたの道を開きましょう」
298通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 20:07:36 ID:???
 月軌道上のシャトルでそんなやり取りが行われていたころ、デュランダル議長は最後の
ヴィデオチェックを行っていた。これだけ重要な発表なので自信家の彼でも生は遠慮した。
何度も直して、クレオパトラからのチェックも受け入れて、修正に修正を重ねたデスティ
ニープラン説明ヴィデオだ。この放送で、プラントの余剰人員が自分のための仕事を探し
にきてくれればという思いが、彼にはある。生物はある程度の割合は働かずにすごすもの
だが、プラントの人口と敵対する相手を考えると無職人口はできるだけ減らしたい。なの
で本意ではないが、無職の人間、大学、大学院在学中の人間に自分にあった仕事を遺伝子
で見つけて働くように導く。
 そのヴィデオが放送される時間を、デュランダル珍しく額に汗をかいて待った。皮肉屋
の友人がいれば、『キミの覚悟はその程度か』と嘲笑われるだろうが。
 時間ぴったりに女子アナウンサーの美しい声で「一時間後から、デュランダル議長によ
る特別番組が放送されます。局のオンデマンドでもご覧になれますので、途中から番組に
参加なさる方も心配は要りません」
 放送局自体が詳しい内容を知らないのだから、この程度しかアナウンスの仕様がない。
デュランダルにしろ、デスティニープラン――運命計画――という言葉がこの計画にそぐ
うとは思ってはいない。ただ最初に思いついた言葉だから、強烈な強制的なインパクトを
持っている言葉を残した。だがこの計画の名前を受けたモビルスーツのパイロットは、好
きになった敵の少女を己の手で殺すという兵士の運命に従った。基本は職業の向き不向き
を判断するものだが、突き詰めれば兵士の覚悟までさぐれるということ。ただストライク
フリーダムとインフィニットジャスティスがデストロイに破壊されたというニュースは、
彼を驚かせた。
 遺伝子で選ばれた二人のパイロットは、これまでの戦場ではモビルスーツの性能とそれ
を生かす相性もあり、無敵だった。それが力押しで敗れたという。
 デストロイのパイロットはアスラン・ザラだとの情報がはいっている。彼の遺伝子とデ
ストロイの相性を見るほどのデータはないが、インフィニットジャスティスなら選ばれた
パイロット以上の適性だった。遺伝子改造を嫌っているブルーコスモスが、宇宙用のデス
トロイをアスランの遺伝子にあわせて改造したとは考えられない。よほど、はまったのだ
ろうと推測する。彼もザフトの誰もが、アスラン・ザラが強化人間にされ、コクピットの
薬品の海の中を漂う存在だとは知らなかった。
 ちょうど時間が来て、プラント全土とプラント領オーブへのデュランダル議長の演説が
開始された。数秒れて連合に届くのも計算のうちである。
『プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルであります。本日はプラントが抱
える偏った職業構成についてお話したいと思います』
 デュランダルが見守る中で、モニターの彼が話し始めた。
299通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 20:08:04 ID:???
「あなたは今の仕事に満足していますか?」
「この仕事は自分に向いていないと思って落ち込んだりすることが、多い人はいません
か? わたしはプラントの最高議長として国民が最もストレスの少ない状態で、仕事をし
たり教育を受けたりしてほしいと思っています」
「そのために、皆さんが登録している遺伝子の力を借りたいと思っています。スポーツの
才能がある、コンピュータの才能がある、文学の才能がある、料理の才能がある、整理整
頓の才能がある、熱心にひとつのことを毎日できる才能がある。こういうのはすべて皆さ
んの遺伝子情報から読み取れることです。誰にも色々な才能があって進路を決めているの
ですが、すべて上手く行くとは限りません。たとえば今、われわれは戦争していますが、
ザフトに志願した青年で運動能力に優れているからと前線に出したとしても、心が優しく
引き金が引けなければ、その青年は無駄に戦死させられてしまいます。それより後方勤務
で実力を発揮するか、それも向いていなければ、民間で適性にあった仕事を紹介する」
「そういうシステムをこのプラントに構築したいと、私は考えます。
デスティニープランと私は呼んでいますが、最適な人材を最適な職業に付けることによっ
て、この国の人口の少なさを補い、労働者には働く喜びを味わってもらいたい」
「これからご覧いただくヴィデオが簡単な例です」
 画像はアニメーションに切り替わっていた。


「あ、あたしにも、何ができるかもしれない。前線に出ることだけが戦いじゃない。この
議長ののプランで遺伝子判断してもらう」
 まだふさぎがちだったメイリン・ホークの頬に朱が差した。

300通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 20:09:30 ID:???
最後までのプロット立ててたら遅くなりました。
あと8月中旬から9月中旬までお休みします。
301通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 23:28:26 ID:???
>>300

お疲れ様です。お待ちしていますのでごゆっくり。
302通常の名無しさんの3倍:2009/07/23(木) 23:56:01 ID:???
>>300
またまた海外出張か何かでござんすか?
ところでTVだともう残り話数もほとんどない頃だと思いますが
今プロットを立てられて8月中旬までに完結しそうにないということは
まだまだかなりのドンデン返しや予想外の展開もアリって事でしょうか。
いずれにせよ楽しみにしています。
303通常の名無しさんの3倍:2009/07/24(金) 16:35:20 ID:???
801成分が足りません(; ´Д`)ハァハァ
304通常の名無しさんの3倍:2009/07/25(土) 03:29:52 ID:???
そんな物は要りません
305通常の名無しさんの3倍:2009/07/26(日) 00:37:49 ID:???
シンレイのドイツ出張みたいなお話がまた見たいです
306383:2009/07/28(火) 05:53:49 ID:8hd1PRt6


「あ・・・・・・あの、議長の言ってたことって、こないだレイが言ってた『遺伝子と経験』の
施行案なのか」
 シンは議長がレイの保護者だったことも知っているので、そのあたりは色々草案を聞い
て育ったのだろうと思う。レイの規律正しく、常に正解を求めていく姿勢は、『遺伝子と
経験』のデスティニープランのモデルにふさわしい。
「『デスティニープラン』、遺伝子適性により最もあった、ストレスの少ない職を紹介し
ようというものだ」
「でも、遺伝子だけで適性チェックされたら、俺みたいな性格が荒くて復讐のためにモビ
ルスーツに乗りたいなんてのは、弾かれるんじゃないか?」
 実戦で成長したという自負がシンにはある。家族の死も、ステラを殺したことも乗り越
えて、戦いのない世界を作るために自分はデスティニーの一部になって戦うと。
「性格がどう育つかは幾通りもシミュレーションをして、可能性を出す。まあ、お前のよ
うに傑出した才能がなければ、モビルスーツパイロットにはなれないかもしれないが、そ
の性格では」
「才能か。インパルスのパイロットに選ばれたときから、自分にはパイロットの才能があ
ると信じ続けて、今では自信を持って俺にはモビルスーツパイロットの才能がありますと、
言えるようになったかなあ」
「その半年間の迷いを軽減するためのデスティニープランだ。いまでもプラントでは幼児
教育で才能のある分野を見つけて、そこに親が進ませる。デスティニープランは本人が気
がつかない才能、適性を見つけるためのものでもある。たとえば、お前が保父に向いてい
るかもしれない」
「えーっ、子供ってうざったいじゃん」
「でも面倒みるの好きだろ」
 シンは胸をぐさりと刺された気がした。マユ、一瞬にして右手を残して炭になってしま
った少女。シンは保育園から帰るとベビーシッターを手伝うつもりで邪魔をしながら、可
愛い妹を育てた。あの子の笑顔を曇らせるものには、オーブの台風にだって向かっていっ
たものだ。
「まあ、妹の面倒は大好きだった」
「妹は君と親の次に遺伝子的に近いから利己的遺伝子論からいって、当たり前だと思うか?」
「いや、もし養子で血のつながらない弟か妹がいたとしても可愛がったと思う」
「なら、保父に向いているかもしれないのは嘘じゃないな」
「まあ、そうだ」
 可愛い子供に擦り寄られる図というのは、シンを幸せにするものだった。
「レイは、モビルスーツパイロットより参謀本部勤務とかの方が向いてると思ったけど―
―あのこともあるし」
「それは・・・・・・実を言うとギル、議長に直訴した。モビルスーツパイロットになりたいと。
コネでセイバーを、レジェンドを手に入れたわけだ」
「そういう言い方よせよ。議長はレイを信頼してパイロットにしたんだろ。たぶん辛いな
ら止めるようにって」
 レイは少々驚いた。ギルバートから「君の体に負担なら、すぐに配置換えするから」と
いわれてのミネルバ配属だった。
 一緒に暮らしているとなんとなく感情が通じ合うというのはこういうものか。それとも
シンが持っているというSEED因子なるものの作用なのだろうか。それでも被観察者である
友人の心遣いがありがたい。周囲から自分とシンが親友と見られているのも根拠がないわ
けじゃないとレイは思った。
307通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 05:54:41 ID:???


「冗談じゃない、遺伝子の適性で仕事を決めるだと!」
 オーブの首長を追われて以来、実家の屋敷にこもっていたカガリは、ウィスキーグラス
をテレビに投げつけた。
「まあ、ひめさ、いえ、お嬢様。そんな乱暴はおよしください。アスハ家のレディらしく
ございません」
「マーサ、お前は知っているだろう。わたしにはオーブ一の名家アスハ家の血など一滴も
流れていないことを。みな、お父様が身分違いの女性との間に作った子供だと思っていた
ようだが、そんなのはお父様が巻いた噂だ」
 カガリは瓶から一気飲みして続けた。
「遺伝子の適性による職業判断だと? 偉大なウズミ・ナラ・アスハの遺伝子をまったく
持たぬ私がオーブの元首だったから、オーブはプラントに敗れたとでもいいたいのか、こ
の男は!!」
 ウズミの実の子でないというのは、カガリの根深いコンプレックスだった。偉大なお父
様。自分を強く優しく見守ってくれるお父様、しかしそれは赤の他人で、ウズミが子供を
作れば奪い去られるものなのだと。女らしい格好を好まず、あえて男っぽく振舞ってきた
のも自分がアスハ家の嫡子であると確認するためであった。
「――でも、いまはプラント領オーブ、身分差別のない平等な国だったな」
 むかしユウナがいっていた『世襲で権力を受け継ぐことが理解できない人々』がこれか
らこのオーブに生まれ育っていくし、敗戦処理はカガリが思ってもみなかったほどあっさ
りとすんだ。国民を食べさせるのが一番とはいえ、軍部ですら何の抵抗もなくザフト軍
オーブ防衛隊に組み入れられたのには、正直驚いた。
 結局、身分や権力があったからカガリにしたがっていただけで、彼女と信念を同じくす
るものはいなかったということだ。国民がすべて亡きウズミの行為を賞賛し、その娘の自
分に期待していると思っていた。それが独り相撲だったと知らされた。歴史は民衆の意志
で動く、カガリ・ユラ・アスハの意思ではこの屋敷一つしか動かせないのだった。
308通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 05:55:21 ID:???
 同じころ彼女の双子の弟は、ベッドにもぐりこんで震えていた。
「キラ、今日は実験があるっていってたのに、大学にいく用意しなくていいの?」
 義母のカリダに声をかけられて、ちょっとだけ頭を出した。
「さ、さっき、テレビでやってた、プラントの新しい政策・・・・・・遺伝子で職業を決めるっ
て」
「遺伝子により、向いた仕事を斡旋するって感じみたいよ。お母さん、興味あるのよ。政
治や行政の仕事がしたいとずっと思ってて、もし適性があれば下っ端でも採用してもらえ
るかもって」
 キラは自分が若くて優れた遺伝子を持っているから、プラントの軍人に身柄を拘束され
るのではないかと思った。しかし母は、平凡な主婦から働く女性への転進を夢見ているら
しい。自分を引き取ったから、義父母にはずいぶん迷惑をかけたのだろう。夫婦が不妊だ
ったとしても、不妊治療で子供を持たなかったのはたぶんキラがいたから。マッドサイエ
ンティストの理想の遺伝子を持つコーディネーター。でもまだ一人前にもなれず、大学を
飛び級してさっさと社会に出る気力も努力もしない。戦争で人を殺した自分が罪を償うた
めにはと入りなおした医学部だが、あまり向いている気がしなくてまじめに勉強してない
から、成績は上の中だ。キラは人を救うより、まだ救われたいのだ。それはもう甘えでし
かないとわかっていても。そして実父がそういう性格に自分を作ったんだから、自分のせ
いじゃないとか思い悩んでは沈み込むの繰り返しだった。
「キラは今の医学部が本当にやりたいことなの?」
「あ・・・・・・その――」
 キラは口ごもり、カリダに背中を向けて呟いた。
「僕は・・・・・・なにもしたくない。特に、学校へ行ってみんなしゃべってとか、いやだ」
 声がだんだん涙声になる。情けないけど、本音なんだよ、わかって、母さん。
「別に大学中退でもかまわないわ。デスティニープランがあなたでもできる仕事を紹介し
てくれると思うの」
「僕でも、できる仕事・・・・・・」
「キラは身なりをちゃんとすれば人当たりがいいから、接客業とかね」
 キラはハンバーガーショップの帽子をかぶっている自分を想像して、小さく笑った。
オーブに帰ってから、アルバイトができる状態でなかったから、そういう自分を想定した
ことはなかった。自分ならワインの味と香りと名前を覚えるなんて簡単だから、ソムリエ
にもなれる。カリダの言葉でキラは悪夢から覚めた気がした。
309通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 05:56:09 ID:???


『高貴なナチュラルから、下賎なコーディネーターへのレクイエムをお楽しみに』
 マルキオ導師にこういってダイダロス行きのシャトルに乗り込んだジブリールも、デュ
ランダルの放送を見ていたが気にも留めなかった。明日の今頃には情勢は一変している。
そう、『プラント』などという国が存在しなくなるのだ。一足早い乾杯をあげたいところ
だが、1/6Gではよほど慎重に飲まないとグラスから飲み物は飲めない。宇宙で一般的に使
われるストロータイプの飲料ケースや真空トイレ、酸素マスクを付けての入浴は彼には苦
痛だったし、人間が宇宙に住むべきではないというブルーコスモスの主張を裏付けるもの
だった。
 ダイダロスの基地司令官は熱心なブルーコスモスだ。多額の寄付金の謝礼をいい、さっ
そくレクイエムの全容について聞いた。彼のようなブルーコスモス主義者の寄付金でこの
基地は作られたのだ。
「あとは照準を定め、スイッチを押すだけです」
「それは重畳。汚らわしい化け物の住処ごと焼き払ってやりましょう」
「さすがですな、盟主。近頃の政治家は腑抜けでいけません」
「しょせん有権者の顔しか見てない政治家に、高邁な理想が実現できるでしょうか? 私はそうは思いません。ブルーコスモスこそ、ナチュラルの理想を具現化した団体なのです」
 当たり前ながら、ふたりともブルーコスモスが強化人間を作るために数多くのナチュラ
ルの子供を犠牲にしたことは知っているが、彼らにとってはそれは未来への尊い犠牲であ
り、無理な人体実験の結果などではけしてないのだ。
 そのころミネルバは本土防衛のためにプラント近くにやってきていた。アーモリーワン
が破壊されて、この戦争で失われたプラントのコロニーは二つになった。両方とも特殊な
目的のコロニーで、住居用のものに比べれば人的被害は少ないが、連合が本気になってコ
ロニーをつぶしにかかるとなると、宇宙を本拠とするザフトに伍する戦力がある。さらに
月基地からの砲撃も予想されていた。人類がナチュラルもコーディネーターもなく平和に
暮らすことを理想としたジョージ・グレンが設計しただけあって、砂時計型コロニーは非
常にもろい。平和な世の中ならシリンダー型コロニーより暮らしやすいだろうが、戦争に
は不利だ。
「で、目標は?」
「化け物の首都、アプリリウスにきまっている」
「デュランダル議長はザフトの宇宙要塞に移ったようですが」
「デュランダルは小物だ、それよりコーディネーターの繁栄の象徴となっているコロニー
郡を落とさねばな」
「確かに、雑魚の数を減らすのも大事です。レクイエム、照準、アプリリウス!」
 オペレーターが反射に使うコロニーの角度の微調整をした。先ほどから廃棄コロニーが
動いているのに気がついたか、ザフト軍の攻撃が始まっている。
「準備完了、トリガー、渡します」
 ロード・ジブリールは大きなトリガーを右手に握り、重いスイッチを迷わず押した。
「宇宙の化け物たちよ、レクイエムの音色に乗って滅びよ」
 プラントからみて月の裏側のダイダロス基地からビームがプラントに届いたのは瞬き一
回する間もない時間だった。ヤウアリウス市とディッセンベル市に崩壊コロニー多数。中
には隣のコロニーが被害を受けて軌道を外れてぶつかったために破壊されたものもあった。
310通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 05:56:35 ID:???
「なんという・・・・・・」
 宇宙要塞メサイアで、さすがのデュランダルも息を呑んだ。月に二つある連合の基地の
うち、プラントに近いアルザッヘルに意識がいっていて、反対側のダイダロスにはあまり
興味がなかったのは事実だ。先日のアーモリーワンへの襲撃もダイダロスとは無関係の部
隊だった。アルザッヘルと本土防衛決戦、これで引き分けて講和というプラント上部の思惑の裏をかかれた。側近にしても、魂の抜けたようなったデュランダルの顔ははじめた見
たほどだ。
「早急に被害をまとめろ。第二射までの時間を計算できるか?」
「誤差が5分ほど出るなら、ダイダロスのエネルギーと粒子貯蓄の設備、今の発射で見ら
れたビームの太さと発射時間から計算できます」
「早急に頼む。それから、月起動艦隊のミネルバを至急ダイダロス基地に向かわせるよう
に。目標はあの反射ビーム破壊だ」
 ミネルバでは兵士たちがコロニー破壊という一般人への蛮行に、怒りを燃やしていた。
「あ、ヤウアリヌスが・・・・・・」
「お母さん!」
 自分の故郷が、家族の住まいがビームに切り裂かれ、コロニーとしての機能を失ってい
く。シンたちもたまたま一番大きなレクリエーションルームでこの光景に遭遇した。
「――ブルーコスモス、ジブリールだな」
 レイがこんなときでも冷静な声で言う。
「あ、あたしが逃がしたから」
「おい、レイ」
「だが彼が宇宙に上がったのは事実だ。そしてブルーコスモスのシンパは連合のどこにで
もいる。俺たちはオーブで彼を止めるべきだった」
「それは、わかる。宇宙に出しちゃいけない奴だったんだ」
「でもそれはルナマリアにシャトル追撃を任せた隊長の責任でもある」
「それはそうだ」
 シンはうなずいた。三人の中で一番射撃が下手なルナマリアに、加速中のシャトルを狙
い撃ちしろというのは、なかなか難しい話だ。
「つまり隊長をフェイスに任命した議長の責任でもある」
「うん」
「だから次はあいつを落とせ、プラントのために、ルナマリア」
「わかった。基地に潜入して暗殺でもやってやるわよ」
 そんな間にも、ミネルバには特別回線で指令がはいっていた。
 アビー・ウィンザーがめずらしくあせったような声でブリッジに告げる。
「ダイダロス基地、反射衛星砲破壊せよ、という命令です」
「作戦はこちらに任せる、ということね。会議室にアレッシィ隊長を呼んで。アーサーあ
なたも来なさい。艦は低空飛行でダイダロスへ全速前進」
 タリアは第二射までに間に合うのか不安だったが、とにかく作戦が必要だった。
311通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 06:02:46 ID:???
今回はレクイエム、何だけど録画を見ていたら、レクイエムが屈折に使ったコロニーが、
フォーレにチェルニー。三大レクイエムといわれるのがフォーレ、モーツアルト、ヴェルディ。
チェルニーもレクイエムは書いてるけど、練習曲の人だしねえ。もう少しつりあいを考えてほしかった。
種、種死はネーミングセンスがすごく半端。私はクラオタではないけど、失笑するし、ミリオタの人なんか
大笑いなのではと思う。なんで人気があったのかな、ラクシズがよかったんだろうか。謎は深い。
312通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 11:20:27 ID:???
現実を知り精神的にどん底をはいずり、しかし以外にもDPによって
呪縛から抜け出られた?キラにはささやかに幸あれとさえ
言いたくなってくるから不思議だ。
アレッシィ=クルーゼがこの顛末を知ったらどう思うやら。
313通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 19:50:45 ID:???
GJでした
小市民やってるキラってのは新鮮ですね。このキラだと応援したくなる不思議
ネーミングセンスに関しては格好よく聞こえれば、それでOKなのでしょう
真剣に突っ込んだら負けですよw
314通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 21:45:06 ID:???
キラの遺伝子適正は戦闘マシンでしかないような気が・・・
315通常の名無しさんの3倍:2009/07/28(火) 22:22:35 ID:???
キラが主人公の話が読みたくなってきた
316通常の名無しさんの3倍:2009/07/29(水) 00:28:49 ID:???
キラのお仕事絵日記とか? 才能がありすぎて、ハンバーガーショップのアルバイトから
社長になるまで二年、そのあと建築家になって世界中にヤマトスタイルといわれる建造物がたくさん立つとか。
317通常の名無しさんの3倍:2009/07/29(水) 10:39:58 ID:???
そもそもTVでも、ほぼ被害妄想と思い込みに基づく乱入行脚から世界征服まで
やらかしたりしてなければ、ニートバカップル生活に徹してようが
起業してセレブに成り上がろうが別に構わなかったのにという事だな。
318通常の名無しさんの3倍:2009/07/29(水) 19:43:44 ID:???
キラたちが勝つこと事態、議長の遺伝子による優劣を肯定することになるしな
319通常の名無しさんの3倍:2009/07/30(木) 18:09:32 ID:???
キラとアスランの戦闘能力の遺伝子は折り紙つきだと思うが、
ラクスとカガリの政治家としての資質は・・・・・・だろ?
320通常の名無しさんの3倍:2009/07/30(木) 19:29:56 ID:???
ラクスの場合、勝利によって確定するのは扇動家としての能力だな
321通常の名無しさんの3倍:2009/07/30(木) 21:02:47 ID:???
ラクスの適職 宗教の教祖
カガリの適職 珍獣ハンター
322通常の名無しさんの3倍:2009/07/30(木) 21:19:59 ID:???
>>321
絶対「シンが明るく〜」スレみてたなw
323383:2009/08/01(土) 03:40:48 ID:Ft4z3TWD


(コロニーが割れた。汚らわしいコーディネーターが宇宙の塵になった。これを繰り返せ
ば、地球と宇宙は青き正常な世界に戻る。俺の役目が来るまで、青く清浄なる世界をまど
ろんでいよう)


「第二射までに、あの巨大ビーム砲の発射孔をつぶせばいい、ということでしょう」
 いかにも簡単そうにいうアレッシィにタリアは少し腹が立った。プラントの何百万人と
いう民間人が死亡したのだ。そう、運が悪ければタリアのたった一人の愛息までが。ただ
アレッシィに情で訴えかけても無駄なのはわかっている。この男は、特別に愛するものな
どなく、数字と確率をそろえて生きていくタイプの人間だ。正しいのに、何か不安――ギ
ルバートと付き合っていたときに感じたものをずっと強くしたような。
「そのために敵に見つからないよう、低空で全速前進しているわ、アーサー」
「はい、ダイダロス基地まで一時間半です」
「では一時間後にデスティニーとレジェンドをを出そう」
 核動力の二機は、パイロットの限界までの起動が可能だ。数分とはいえこの二機が先行
していれば、基地との戦いがずいぶん楽になる。
 タリアは軍人としてドラグーンの働きも見てみたかった。アレッシィが宇宙用にプロヴ
ィデンスザクを選んだくらいだから、無重力の宇宙で飛び交うドラグーンは使い手にとっ
て有利な武器なのだろう。レイもシミュレーションでは完璧にドラグーンをコントロール
している。とにかく月では地平線がすぐそこなこととか、無重力用の武器とか、地球ボケ
したタリアには頭に叩き込まねばならぬことがたくさんあった。
 アレッシィはパイロットたちを自室に集めた。
 月の地図を表示させ、ダイダロス基地を示す。
「53分後にデスティニーとレジェンド発進。ミネルバに一歩先行して、敵基地の防御を
落とせ。インパルスと私のプロヴィデンスザクはミネルバが基地に近づいたところで発進。
インパルスには敵ビーム発射孔の破壊を任せる」
 ルナマリアだけでなくシンとレイも息を飲んだ。
「相手は動かん。一番元気のあるインパルスが適任だ」
「――了解しました!」
324通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:41:13 ID:???
 ルナマリアの決意をこめた顔に引きずられて、二人も敬礼で命令に従うことを示した。
 とはいえ、いらぬ節介を焼いてしまうのもシンらしい。
「相手の発射時刻もわからないんだから、一番危険な任務なんだぞ。ほんとにできるの
か? なんなら俺代わって」
「黙りなさい、シン・アスカ」
 これまで見たこともない真剣な表情で、ルナマリアが言った。
「プラントを守るために、一番合理的な作戦よ。あたしの心配するより、先行して基地を
相手に戦う自分たちの心配してなさい」
 ひらひらとミニスカートを揺らしてルナマリアが歩いていく。
「発進まで時間がない。行くぞ」
「あ、あの、レイは今の作戦」
「隊長が示したものは最善だな。次が追いついてきたインパルスとレジェンドが入れ替わ
ってドラグーンを使って発射孔をつぶす。一機で大軍を止める能力があるデスティニーを
ビーム砲破壊に使うのは、理に合わない」
「まあ、確かに」
 戦闘は長くなる可能性があるから、一回シャワーを浴びて汗を流して粉をはたいてパイ
ロットスーツに着替えよう。着替えたら最後、体のどこが痒くても「かく」ということは
できないのだ。そういう点で、アトピー持ちで宇宙服がきられないナチュラルが、アト
ピーの遺伝子を修正されたコーディネーターを嫌っていると聞いたことがある。こういう
いのって、便利な遺伝子改変だと思うけどなあと、パイロットスーツに着替えながらシン
は思った。
「シン・アスカ、目標連合軍ダイダロス基地、発進します」
「レイ・ザ・バレル、同じく、発進します」
 愛機をメンテナンスしてくれる仲間たち、ミネルバ一隻にはきつい任務だが、やり遂げ
てみせる。そのためにユニウス条約違反のモビルスーツが二機も配属されているのだ。後
の二機はデストロイにやられた。月軌道におけるザフトの優位をそ二機と母艦で保ってい
たそうなので、後釜にミネルバが入らなければいけない。プラントは小さい国家だから、
常に英雄、シンボルをほしがるのだとシンも学習していた。
「英雄に、なってやろうじゃないか、俺が!」
 敵基地からの迎撃隊に向けて、シンは吼えた。
325通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:41:44 ID:???


 レイ・ザ・バレルはドラグーンを射出しながら、この作戦が終わったらすべてをシンに話
そうと思っていた。自分が死んでも覚えていてくれる友人がほしい、そう思うようになっ
たのは実戦配備されてからで、シンしかいないと心定めたのはエクステンディッドの件だ
った。コーディネーターの遺伝子的ヒエラルキーの中で上部にいながら、命は平等とおご
らずに行動する少年だから。プラントでレイの能力を誉めそやした人々は、彼の素性を知
れば去っていくだろう。シンはそんなことはしない。一生ものの友達だと思っている。ギ
ルのSEED因子とやらへのこだわりのためにシンに近づいたのだが、他のアカデミーの生徒
だったらこれほど親しくはなれなかっただろう。
 余計なことを考えるのを止めて、ドラグーンの操作に気を向ける。相手はウィンダムだ
から、ドラグーンの火力でもコクピットを狙えば一撃で落とせる。そのほかにも地上で見
たモビルアーマーも出てきたが、陽電子リフレクターはモビルスーツのビーム砲やビーム
サーベルには無力だから、出力の差で簡単に乗り切った。シンも得意のアロンダイトを振
り回して進んでいるようだった。レジェンドに対して、デスティニーは近接戦闘向きの機
体だが、もうシンは自分の間合いまで敵をひきつけて討つレベルに達している。互いに自
分の得意な範囲で戦い、そのフォローもできる関係だった。


「コープランド大統領が地球を出発したと!?」
 盲目のマルキオ導師が確認の声をあげた。
「はい、ダイダロス基地からのプラント攻撃の直後だそうです」
「彼はそういうかたちで、ブルーコスモスとは違う自分の正義を見せようとしているので
しょう。しかしもうプラント本土は破壊されてしまった。プラントの首脳たちは大統領の
行いをスタンドプレイ、実質は戦争を長引かせるため受け取るでしょうね」
 導師はため息をつき、椅子に腰を下ろした。
 ロード・ジブリールからデストロイのパイロット、アスラン・ザラの情報を受け取った
ばかりだというのに。彼の地上の部下が知らしてきた情報では、SEED因子の持ち主のうち、
ラクス・クラインはアスハ邸に引きこもったきり、カガリ・ユラ・アスハはアルコールに逃
避中、キラ・ヤマトは久しぶりに外に出て、デスティニープランに登録したとか。マルキ
オの立場は、デスティニープランに否定的賛成、である。仕事が見つからず浮浪者になろ
うとしている人が、デスティニープランで自分にあった職業を見つけ職業訓練を受けて職
に就くのはいいことである。ただ、その施政下で自分のような『導師』というあいまいな
職業はありるのだろうか? 既存の宗教が滅んだ社会においては、宗教の教祖さえデステ
ィニープランで選ばれるのか?
326通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:42:10 ID:???
 多少稚拙な考えと思うが、キラ・ヤマトに期待を砕かれたことがショックなのだ。彼が
こんなにすんなりと自分の遺伝子を受け入れるなら、前大戦からしばらくの間引き取って
いた自分はなにも影響を与えることができなかったのかと。
 これは他人の知らぬマルキオのエゴであった。
 そんな間にもダイダロス基地の防衛軍はデスティニーとレジェンドに襲い掛かり、二機
の威力に数を減らし、道をミネルバのために空ける羽目になっていた。
「ルナマリア・ホーク、私のドラグーンが援護するから、一気に射出孔に飛び込め」
「了解しました! 隊長」
 その一方基地では「レクイエムエネルギー充填38%」
「アプリリウスを沈めるだけでいい。屈曲用コロニーがザフトに動かされている。撃つだ
けなら、何パーセントあればいい!?」
「50%です。それまでお待ちを」
 司令は熱心なブルーコスモス主義者だったが、実際のロード・ジブリールはテレビで見
るのよりずいぶんと心の小さい人間に見えた。
 発射孔のそばにいたモビルスーツがあっという間にばたばた倒れたかと思うと、その間
をトリコロールのザフトのモビルスーツがすり抜けていった。
「シャトルの準備を。アルザッヘル基地に移る。指令、君はどうする?」
 ジブリールの人の悪い笑顔に圧倒され、また命も惜しかったため、指令は部下を見捨て
た。
 ルナマリアのブラストインパルスは発射孔の中に入ると、エネルギー充填されている危
険な兵器に向かって、高エネルギービーム砲を二門全開で打ち出した。ここまでくるのに
要するエネルギーを僚機が補ってくれたので、100%の出力で射撃ができた。手ごたえを確
かめた後は、急いで離脱する。あのエネルギーが内部に向かって放出されればいいのだが、
外に出てくるとモビルスーツなどひとたまりもない。
 レクイエムが爆発を起こす前、基地の端から飛び立ったシャトルに、レイ・ザ・バレルは
気がついた。あれにロード・ジブリールが乗っている。オーブで見送ったシャトルと同じ
気配だ。レイは複数のドラグーンを送ってそのシャトルを粉々に破砕した。
327通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:42:35 ID:???


 シンたちパイロットはミネルバに戻って休養を与えられた。ミネルバ自体、月に着陸し
てかなりの戦闘員を休息に回した。宇宙に上がってからほとんどの時間スタンバイ状態に
あったので、コーディネーターとはいえ疲れは蓄積する。政治しだいだが、まだ大きな戦
いがあると艦の上層部は思っているし、そのときにはモビルスーツ隊が鍵を握る。だから
エイブス班長の下、整備兵は機体の整備に汗を流した。
 メサイアではデュランダルがダイダロス基地、特にレクイエムとそれに使うコロニー早
急に掌握、工兵による修理の指示を出していた。ザフトはアーモリーワン失ってから月の
反対側に拠点がない。とにかく連合の目障りな基地を再利用して、月の制空権を握らねば
ならない。レクイエムと似たビーム砲がアルザッヘルにあったら、いまごろプラントは壊
滅しているのだから。
「ネオ・ジェネシスの具合はどうだ?」
「はい、議長のご指示があれば、いつでも発射できる状態です」
「ダイダロスのレクイエムが使えるようになるには?」
「それには二日ほどかかります」
「では、コープランド大統領と話すのはその後だな」
 武器を二つ備えねば、アルザッヘルの宇宙艦隊を持つ連合とはもう事を構えたくなかっ
た。ダイダロスのことはブルーコスモスの暴走だとあちらは言い訳するだろう。ただレク
イエムで数百万人のプラント人が死んだこと、ダイダロスから逃げようとしたロード・ジ
ブリールが死んだことは事実だった。
「ところで、君たち第81独立機甲部隊だが、ブルーコスモスの盟主ロード・ジブリール
が戦死された以上、この基地の指令に従ってもらう」
「了解しました。地球で新しい盟主が決まるまでは、そうさせていただきます」
 エルドリッジ少佐が敬礼をしながらいった。司令には扱いにくい女と思われてもかまわ
ない。ブルーコスモスであることに誇りを持たねば。それに、あの宇宙仕様デストロイと
一体になったアスラン・ザラの強さは、月軌道を制圧していたザフトの二機をひねり潰し
たことで証明された。次はあのミネルバのモビルスーツ隊が相手だ。基地で煙たがられて
いるのは承知だが、戦力としてあてにされてもいるのだ。勝って青き清浄なる世界を実現
しなければ、亡くなられたロアノーク大佐に顔が立たないと思った。
 レクイエムの中継コロニーでも工兵隊の工事が始まり、護衛の任につく者を残してモビ
ルスーツ隊は母艦に引き上げた。
「あれは・・・・・・ミネルバ、か」
 しばし考えた末ディアッカ・エルスマンは電池のエネルギーを放出させてぎりぎりに見
せかけて、巨大な戦艦に向かって降下を始めた。
 もちろん友軍のモビルスーツが電池切れで困っているところをつれなくするなどありえ
ない。ディアッカはミネルバのモビルスーツデッキに愛機のガナーザクウォリアーを置い
て、艦長に挨拶に向かった。
「ミネルバ艦長、タリア・グラディスです。ようこそ。しかし電池切れなんて、前大戦を
経験しているパイロットとは思えないわね」
「ディアッカ・エルスマンです。よろしくお願いします。しかしお美しい艦長さんですね。
戦いの後に見る花ほど美しいものはないというじゃないですか」
 白々しいせりふにみんな笑ったが、しっかりとタリアの心に食い込んだ。男性に「きれ
いだね」と言われたのはもう何年前?
 タリアの表情を見てディアッカは第一関門クリアと呟いた。
328通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:43:12 ID:???


 二日後、旧ダイダロス基地の部分的復興とともにミネルバも目を覚ましたが、タリアが
ディアッカの収容を彼の母艦に頼むと、現在地と移動方向から見て受け入れは難しいので
ミネルバで使ってくれとあちらの艦長から言われてしまった。
 しかたなくアレッシィ隊長にしばらくの間部下として使ってくれと頼む。
『正直言って不要だが、使いどころを見繕いましょう、艦長のご希望なら』
 最後の言葉がねっとりとしていたようで、不愉快な気分になる。あの男は非常に人の心
を読むのが上手い。そういう部分でギルバートとウマが合うのだろう。
「これからエネルギーチャージに二時間だっけ?」
「ああ、時間はかかるがワシントンを狙える兵器だ。守らねばな」
 こんどは大西洋連合の人間が、宇宙から降ってくるビームにおびえる番だ。そこで和平
交渉にはいるだろうとレイが言っていたので、シンもそのように思っていた。別に地球の
人を殺したいわけではない。戦いをなくしたいだけなのだ。
 自動ドアが開いて、
「よっ、諸君」
 という調子のいい声が響いた。
「あんた、だれ?」
「ディアッカ・エルスマン。事情は知りませんが、今の挨拶は我々に非礼です」
「ん? ディアッカ・エルスマン! 前大戦でアークエンジェルに味方した裏切り者!!」
 シンのまだ細い声がパイロットルームにこだまする。
「出てけよ、ここから、ミネルバから」シンは自分より背の高いディアッカを吊り上げた。
彼はアークエンジェルの反乱の罪が、士官だけが処刑で以下のものはオーブの国民の権利
を得たという判決に強い不服を持っており、アークエンジェルに組しながら降格のみであ
ったディアッカ・エルスマンへの気持ちも同じであった。
「シン、無駄に力を使うな」
 レイに分けられたが、シンの赤い目は憤怒に染まっていた。
「ごめん、遅れちゃって。今着替えてくる」
 ルナマリアの声にほっとしたのもつかの間、
「女の子の赤服ってかわいいねえ。俺の同期は女の子いなくてさ。今度デートしない?」
「なに、これ・・・・・・」
 おびえた顔のルナって格好かわいいとシンは思い、レイはディアッカを紹介した。
「あ、あんた、イザーク・ジュールと親友でって奴でしょ。汚いからこっちよらないでよ
ね。着替えてくるけど、あいつがあたしの半径三メートル以内に入らないようにガードし
て」
329通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:43:24 ID:???
 シンとレイは勝手に任務を押し付けられたが、もちろんルナマリアを不快な目にあわせ
るつもりはなかった。イザーク・ジュールもう忘れていたが、メイリンを妊娠させた男だ。
その親友となれば、下半身はゆるいだろうし、ハイネに告白しなかったことを少し後悔し
てるとシンにこぼしたルナマリアは絶対に守ってみせる、
 着替えたルナマリアが入ってくると、「女の子のパイロットスーツっていいねえ」
とディアッカが言ったのでシンはすかさず「セクハラだぞ」と応じた。
「大人の部隊じゃ当たり前だぜ」
 といい終える前にアレッシィ隊長が入ってきた。
「揃っているな。これはディアッカ・エルスマン、電池切れを起こしてしばらく預かるこ
とになった」
「隊長、彼はすでにルナマリア・ホークにセクシャルハラスメントをしていますが」
「では人事評定に書き込んでおこう」
 レイと隊長の声は何度聞いても似ている、とシンが思ったとき。
「隊長さん、クルーゼ隊長と声そっくり。金髪もそっくり。驚いたぁ」
 ラウ・ル・クルーゼといえば、前大戦でフリーダム一騎打ちを繰り広げ惜しくも敗れた
ザフトのトップエースである。アレッシィが似ているという噂はあったが、本人の前でこ
れだけはっきり言われたのははじめてだろう。シンはレイが緊張したのに気づいた。
「君は上官に対する礼儀、同僚にたいする礼儀を襲っていないようだな。父親が高い地位
にあって、それに甘えた男の行く末だ。みな、よく見ておくように。とりあえず君の居場
所はミネルバのモビルスーツ隊にはない。あてがわれている部屋に戻るように」
 氷のような声で、アレッシィが言った。
330通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 03:46:30 ID:???
まあ、冷酷で狡猾な人登場です。
前回の話ですが、ラクスの遺伝子的な天職は、泥棒だと思ってます。
彼女は物を盗むことに罪悪感もなくいいわけもしないですからね。
転生の泥棒とは、ああいうキャラを言うんだなと思って、ちょっと感心。
331通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 08:41:23 ID:???
ルナがレイポされる鬱展開きそうだな・・・・・・
332通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 11:39:53 ID:???
痔悪化がクルーゼにレイポされる神展開きそうだな・・・・・・
333通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 13:23:56 ID:???
いい男の肉色MSがアップを始めたようです…てのは冗談として
ひょっとして二次創作でさえ案外ほとんど実例のない、
本当に狡猾で残忍な痔というのが見られるのかな?
ジュール隊が解体されてイザークの末路があのザマだとすると
元隊員というか相棒としては現体制化での将来は真っ暗だろうし
何かをしでかすか加担するというのは十分に考えられる事だ。
たしかシホもイザークの件でミネルバ隊に逆怨みの節があるようだし
ジブ公をあっさり片付けたと思った所でとんだ獅子身中の虫が涌いてきたか…?
334通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 16:51:02 ID:???
>>333
>ひょっとして二次創作でさえ案外ほとんど実例のない、
>本当に狡猾で残忍な痔というのが見られるのかな?
うん、確かに「迂闊で残念」なチャーハンばっかだもんな。
同人テレビ版も二次創作も。
これは期待大。

この作品、
公式設定+本編行動(特に人物性格)−負債の加護
って感じで、本編史の流れに沿いつつも、登場人物が本編と違う行動とり、
でもそれに違和感がないのが、すごい。

ちょっとSAN値がキツい描写もあるけど、383氏、GJです。

335通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 20:01:21 ID:???
タリアが、韓流にハマるオバちゃんになっとる。
女はいつまでも「きれい」と言われたい・・・どこのスイーツだよ。
336通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 20:36:16 ID:???
いつまでも綺麗と言われたい=韓流にハマるおばちゃん
すまん俺にはこの方程式理解できないわ
337通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 20:45:12 ID:???
魔乳がスイーツなら違和感ないんだけどな…
スイーツなのがあの人の良さであるし。
338通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 21:46:59 ID:???
いつまでも綺麗と言われたいのはスイーツでなくとも韓流おばちゃんでなくとも
割と普通の反応なのでは?
339通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:06:04 ID:???
老人ホームとかでも枯れた感じのおばあさんに
化粧粧をしてあげると表情がいきいきするっていうしな
340通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:43:35 ID:???
自分のこと言われて、脊髄反応する奴多いな。

うちのオカンとそのご友人方(アラフォー女子仲良し組だそうだ)と、
タリアが被ってみえたので、上記書き込みだったんだが。

韓流好きなおばさんほど、自分磨きと自分へのご褒美に精は出し、
髪型や化粧を変えたら、亭主子供に賛美を要求するが、
亭主へのフォローはなしなので。
(オカンのお友達ブロクをいくつか覗き見したら、泣けてきたよ)

皆そうなのかと将来に悲観して、他のブログも見たら・・・、
あら、結構まとも。

じゃあ、うちのオカンの周りだけか、と「韓流」で検索、内容確認。
・・・世代的に田島陽子の洗脳を受けてるのかな?
女の権利は主張するけど、義務はいやだ・・・って感じが多すぎる。

しかし、老人ホームのばあちゃんがって・・・、しかもそれを肯定できるとは。
男から見た女の賞味期限と、女から見た自分の賞味期限が、全く違うことがよく判ったよ。

スレ違い、長文、失礼。
341通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:46:52 ID:???
自覚してんなら二度と来んなよカス
342通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:47:05 ID:???
誰だって褒められれば嬉しい
そこに性別も年齢の差もない
もちろん韓流の有無も関係無かろう
343通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:55:10 ID:???
しかしタリア艦長は枕営業との陰口がついてまわるが故に
より常に軍人らしくあろうと律してるもんだと思っていたが。
まあここではさらにアレッシィという歩くプレッシャー源もいるだけに
息抜きを求める気持ちもわからんじゃないが、それでも痔はいくらなんでも
役者不足じゃないかとも思うが…
344通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 22:59:15 ID:???
>>341
落ち着いてくれ、自分のこと云われて、悔しいのはよく判るから。

>>342
うん、その通り。
でも韓流を貶すと必ずくる反論(?)、「韓流だけがそうじゃない、他も見ろ」という奴と同じなんだが。

「これだから寒流ババァは」と云われないように、他人に迷惑掛けないファン活動を希望する。
345通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 23:12:53 ID:???
>>344
ここは韓流スレじゃねぇぞ夏厨
顔真っ赤にして書き込むなっての
346通常の名無しさんの3倍:2009/08/01(土) 23:40:55 ID:???
一人で勝手に韓流とか持ち出して発狂してる奴がいると聞いて。
それとも新手のラクシズ厨か?
347通常の名無しさんの3倍:2009/08/02(日) 00:37:15 ID:???
冒頭のモノローグは誰のだろう
348通常の名無しさんの3倍:2009/08/02(日) 00:43:57 ID:???
>>340=344が
自分の事言われたと思って脊髄反射してしまった韓流ババアなのは間違いないw
349通常の名無しさんの3倍:2009/08/02(日) 01:00:24 ID:???
>>347
出番まで寝てるというからには凸じゃないの?
350通常の名無しさんの3倍:2009/08/02(日) 03:17:13 ID:???
>>349
あいつ自我があったのか
351383:2009/08/04(火) 06:43:26 ID:qBlLoRYG


「ふーん、第二関門は最悪ってところかあ」
 部屋で寝転びながら、ディアッカは呟く。この艦にくれば何か大きな山があるような情
報があったのだが、前途多難そうだ。彼はコーディネーターである前にユダヤ人として育
てられたので、儲け話には危険を冒さないとならないことが多い、そのためには冷静に狡
猾に立ち回ることとしつけられている。今回のターミナル――ナチュラル、コーディネー
ターを問わぬユダヤ人の秘密結社――からの情報は、ミネルバで何かが見つかるという曖
昧なものだった。議長の愛人説があるおばさん艦長は干からびかけてるし、モビルスーツ
隊の隊長はクルーゼ隊長そっくりだが、誰もそれを言わないのがザフトのお約束になって
いるようだから、こっちのほうがなにかありそうだ。ただクルーゼ=アレッシィとして、
手ごわい人間には変わりないし、今度は弟くらいのそっくりな赤服までいる。
 攻めるとしたら、デスティニーのパイロットくんか。あの子は感情が顔に出て、単純な
のが一目でわかる。迫害されたユダヤとちがって、幸福な民族の出なんだろう。
 レクイエムのエネルギーチャージが完了し、アルザッヘル基地に焦点が向けられ、メサ
イア要塞のネオジェネシスの照準がワシントンを捉えたとき、デュランダル議長は宇宙に
上がってくる大西洋連合コープランド大統領にコンタクトを取った。
「お久しぶりです、大統領。宇宙にこられるのでしたら事前にご一報くだされば、歓待の
用意をいたしましたものを」
「心にもないことを! 私は条件によっては和平条約を結ぶ時期だと考え、シャトルに乗
ったまでだ」
「レクイエムがプラントを吹き飛ばしていれば、その宙域を領土とし勝利を宣言するため
にですか? いま、レクイエムはアルザッヘルを、こちらのネオジェネシスはワシントン
を狙っています。帰る家がなくなるかもしれないのは、あなたです。『条件によっては和
平条約』などと言える立場ではないと思いますが」
 コープランドの額に汗が浮かんだ。レクイエムが使われるとも、奪われるとも思ってい
なかったので、地球で立てたプランは8割がた連邦優位のものばかりだ。現状ではプラン
トへの損害賠償、オーブのプラント領化に加えて、月からの基地の撤退まで条件として突
きつけられるだろう。月からの撤退は絶対に応じる気がないが、地球にプラントの基地で
なく領地をもたれるのはきつい。彼もロゴスの後ろ盾を得て大統領になった以上、ナチュ
ラルとコーディネーターはコーディネーターが滅びるまで戦う相手という固定観念がある。
352通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 06:44:06 ID:???
「この二回の大戦で地球もプラントも疲弊しました。そろそろ戦争のない時代を作りませ
んか?」
「戦争の・・・ない世界・・・・・・」
 コープランドはデュランダルに会談の舵を握られていた。
「ええ、先日プラントに導入したデスティニープランもそのための政策のひとつです。人
間に適職を見つけ、社会不安をなくすという」
「そんなことより、ワシントンへの攻撃準備はやめるように願いたい。首都とはいえ民間
人のたくさん住む大都市だ」
「ヤウアリウスやディッセンベルは首都でもなく、普通の市民が暮らす居住コロニーでし
たが、何か?」
 光るオレンジ色の目に、コープランドは気分が悪くなった。宇宙の砂のようなコロニー
に住みながら、地球の最高実力者を脅してくるとは、なんというやつらだろう。ただこう
いうコーディネーターを軽く見る考えが、これまでのテロと戦争の歴史につながっている
との認識はある。それをやめさせなければ――。
「シャトルがアルザッヘルに到着し次第、直接の会談を望みたい、デュランダル議長」
「それは私も望むところです。場所はこのメサイアで」
「アルザッヘルだ、それは譲れん」
「私もアルザッヘルには行きません。おいやならレクイエムで破壊して差し上げるが」
「脅す気か、大西洋連合の大統領を」
「冷静にいい場所を選んでいるだけです。では、月面の自由都市、コペルニクスでいかが
かな?」
 コープランドは言葉に詰まった。コペルニウスはオーブとプラントの資本が強い都市で、
現在では実質上プラント配下と思っていい。ただデゅランダルをアルザッヘルに呼び寄せ
るカードが手元にない。先日アーモリーワンと二機のザフトのエース機を落としたが、民
間人にこれだけ被害が出た以上、相手の決意も桁が違ってくる。
 せめて自信満々に答えた。
「ではアルザッヘルに付き、準備を整え次第、コペルニクスで会談を持とう」
「アルザッヘルにいらっしゃる必要はない。情報はコペルニクスで十分手に入るはずです。
直接コペルニクスへ。会議場の手配はこちらでいたします」
 デュランダルはこう言って、通信を切った。
「コープランド大統領のシャトルか通信が入っていますが」
「丁重にお断りしろ。コペルニクスでお会いする日を楽しみにしているとな」
「了解しました」
 護衛兼雑用係に取り上げた赤服の青年だが、ハイネに比べると反応が鈍い。ああいう有
為な青年を死なせる戦争は、不毛だし動物として惨めだ。
「私は三時間休むのでそのように」
「はい」
 司令室が和した。月と地球の距離は縮めようもなく、コープランドは焦燥感にさいなま
れながら、あと三日の旅程に耐えるのだ。それを気の毒とは、誰も思わなかったが。
353通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 06:45:04 ID:???


 ミネルバは旧ダイダロス基地の護衛の任についていた。ただ首脳会談の予定が発表され
たので、艦の中ではようやくこの戦争も終わるという空気が漂っていた。
 シンとルナマリア、ヴィーノの三人が時間が合ったので食事に行く途中、ディアッカ・
エルスマンと出会った。シンは頬をこわばらせて声もかけずに行き過ぎようとしたが、ル
ナマリアが
「こんにちは」
 と挨拶したら、
「こっちからもご挨拶」
 とスカートの中、下着の中にまで手を入れられた。他人の手の触れたことのない部分を
荒々しく触られて、ルナマリアは悲鳴を上げるのも忘れて口をパクパクさせた。
「てめえ、何しやがる!」
 ディアッカを引き剥がしたシンは、そのまま馬なりになって、褐色の肌の男を殴り続け
た。小柄であっても、コーディネーターとしての筋肉の質はシンのほうが上らしい。
「・・・・・・ルナマリア」
 肩に手を置こうとしたヴィーノは拒否された。しかたなく彼らの上司のアレッシィ隊長
を探した。
 すぐさま隊長室にパイロット三人と証人としてヴィーノが呼ばれた。アレッシィはスタ
ンバイ中だったのでパイロットスーツのままだ。
「ディアッカ・エルスマンがルナマリア・ホークの同意なく下着の中に手を入れたと君た
ちは言うわけだ」
 シンは顔を真っ赤にしながらぶんぶんと頷いた。
「異議があるかね、エルスマン」
「あります。ルナマリアのスカート、襲ってくださいといわんばかりじゃないですか。俺
がついふらっと来たのはあの女が売女にしか見えない格好してるからです。だいたい、ち
ょっとさわられらだけで自分の男に相手をたこ殴りにさせる女なんて、ろくなもんじゃな
いと思います」
「あ、あんた、自制心って言葉知らないの、豚!」
「豚とは何だよ、この売女!!」
 コーディネーターであるよりユダヤ人として育てられたディアッカにとっては、『豚』
ほどひどい罵倒語はない。この女は石打ち刑にしても足りないくらいだ。
「黙れ」
 氷河が砕けそうな声だった。
「ルナマリアにディアッカがわいせつ行為をしたのは事実と認定する。エルスマンの指か
ら採取した粘液からルナアリア・ホークのDNAが出ている。ディアッカ・エルスマン、君
の母艦に戻るまで営倉入りを命じる」
 アレッシィは警備兵を呼んだ。
「ルナマリア・ホーク、君は通常の軍服を着るように。風紀が乱れたのは事実だ」
「・・・・・・了解、しました」
 ディアッカは営倉送りとなり、ルナマリアは12時間の休暇を願い出て部屋にこもった。
シンは部屋にいてもスタンバイにはいっていても、ルナマリアのことが気になってしょう
がなかった。シンは奥手だったし同室のレイにいたっては性欲があるのか気になるほどス
トイックだから、普段は「ミーア・キャンベルって、プロポーションはぐっとくるけど顔
がなあ」「顔にも体にも歌にも興味はない」という会話になる。
 同僚で現在彼らにとって一番近しい女性であるルナマリアが、艦内で痴漢に合ってそれ
をシンが捕まえて処分が決まったという状況で、彼はまだ興奮していた。
354通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 06:46:22 ID:???
「よくあんなことできるな、下劣な」
「男が女を襲うには、パターンが二つある。ひとつは純粋に性欲からのもの。もうひとつ
はその行為により何かが手に入る場合、宝とか情報とか」
 レイが沈着冷静に言った。
「ディアッカ・エルスマン、あの男、なにか目的――漠然としたものであっても――があ
ってミネルバに来たようにしか思えん。電池切れからして不自然だし、客分の割りに目立
つ行動をとる。軍人のありようからは外れている」
「じゃ、何かほしいものがあって、ルナマリアにあんなこと・・・・・もっと殴ってやればよ
かった」
「十分ジャガイモのような顔になっていた」
 悔し涙を浮かべるシンの涙をレイは指でぬぐった。
「お前は優しいな。だが優しいだけでは勝てない、愛するものを守れない」
 シンの目の前をマユがステラが駆けぬけていく。
「ああ、だから戦場では容赦しない。アーモリーワンを落としたデストロイに乗っている
のが、もう人間とは呼べないほど強化、改造されているかわいそうな子供だったとして
も」
「いい覚悟だ。そんなお前になら、言えそうだ」
 レイは顔を引き締めた。
 人工子宮から生まれて遺伝子に欠陥があるという話は前に聞いたが、まだ秘密があるの
だろうか?
「俺はコーディネーターではない。ナチュラルだ、正確には、人工子宮から生まれたナチ
ュラルのクローン体だ」
 シンはほうけたような顔をした。
「お前がナチュラルって――それよりクローンってずっと前から法律で禁じられて」
「そうだ。あるナチュラルの男が自分の跡継ぎに不満を持ち、莫大な報酬でメンデルの天
才科学者に自分のクローンを依頼した。自分のクローンなら同じ能力を持つから跡継ぎと
して不満はないということだ。天才科学者は金がかかるばかりの人体実験をしていたから、
俺の本体の申し出を受けた。そして複数のクローン胚が作られ、ひとつが仮の母体から生
まれた。しかしそのクローン胚は失敗だった。テロメアが短かった。老人の長さしかもっ
ていなかった。そしてその十数年後、人工子宮のテストに冷凍されていたクローン胚が使
われ、俺が生まれた。俺は兄とギルが来てくれるまで、実験動物扱いで声をかけてくれる
人もなく、餌を食らって生きていた」
「そんな・・・・・・だから議長とはあんなに親しく」
 兄が戦死した以上、レイにとって頼るべき人、自分の本当を知っている人は議長しかい
ない。レイが議長の考えを代弁するようなことをよくするのも、得心が行った。しかしな
んと言う運命だろう、ナチュラルの不完全なクローンがコーディネーターの中でも最上ク
ラスの能力を持つというのは。議長のデスディニープランというのは、オーブではコーデ
ィネーターに有利だと思ったが、そうでもなさそうだ。人間の可能性の高さをレイとその
兄で知っているから、遺伝子に信ををおいているのかもしれない。
「レイ、知らなかった。辛かったろうな」
 ふわりとシンはレイの首に腕をかけて抱きしめた。流れる金髪からいい匂いがする。
「俺がいるから、一緒に戦うから」
「・・・・・・ああ、そうだな」
 『戦う』という言葉でしか友情を示せないシンも、かわいそうな子供だとレイは思った。
355通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 06:46:49 ID:???
「戦争が終わったら俺は軍人しか能がないからザフトに残る。でもプラントに帰ったとき、
ザフトの単身量が家じゃやだ。お前の家に下宿させてくれ」
「ピアノの音がうるさいぞ」
「かまわない。家事も手伝う。二人で平和な家にしよう」
 シンの気持ちが痛いほど伝わる。
「俺の命が尽きるまで・・・・・・」
「俺と議長が面倒見る」
「なら遺言状を書き換えておく。俺の財産をお前に譲るように」
 実を言うと家はシンに譲ると入隊のときに書いた遺言状にあるのだが、ギルは形見の品
をもらってくれるかどうかだから、未来のあるシンが遣えばいい、ラウ・ル・クルーゼが
フラガ家の呪われた能力を使って手に入れた財産など。


「しばしの静寂ですね、宇宙も」
「はい、導師様」
「しかしアスラン・ザラがSEEDの力を戦うためだけに解放したとは、驚きです」
 共の者は頭をたれた。
「彼は悩み苦しんでいたがゆえに、戦いを捨てる道を模索するのではないかと思っていた
のですが、ブルーコスモスの薄っぺらな思想に乗せられモビルスーツと一体になる道を選
ぶとは・・・・・・本来、こういう若者を苦悩から救うのがSEED因子だと思ってきましたが、
戦いの役にしか立たないのでしょうか」
 ジャンク屋組合の船を借りたマルキオ導師は、アルザッヘル基地の近くで呟いた。
356通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 06:49:49 ID:???
801成分大盛でお届けします。
今回ターミナルが出てきたので、本編の要素は大体消化したかな?っ手感じです。
大河遠未来SFのデューンシリーズにも、大離散から帰ってきたユダヤ人の集団が
出てきますから、ユダヤ人は根強いということで。
357通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 11:07:07 ID:???
持ち上げるキャラと貶めるキャラの落差が激しいね。
358通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 11:22:15 ID:???
>>357
嫁には敵わないっすよ
359通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 11:32:58 ID:???
>358
下を見てどうする。
360通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 15:53:16 ID:???
いやまあ、ここのディアッカはユダ公の思想を上手くトレースしちゃってると思うよ
361通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 18:53:01 ID:???
遺作といい凸といいこういうキャラの描写に妙に力入れるから
寧ろ痔は好かれてると思う
362通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 21:29:06 ID:???
遺作のことでミネルバに潜入したのかと思ったら…なんという狡猾
363通常の名無しさんの3倍:2009/08/04(火) 22:40:39 ID:???
セクハラでボコられて独房入りって…なんという迂闊
364383:2009/08/05(水) 07:37:31 ID:+f73TpOQ


「入ってろ、よそ者」
 と入れられた営倉で、ディアッカはひたすら便意が来るのを待った。二回の食事のあと、
やっと便意があり、その中からドリンカブルコンピュータとでも言うべき小型コンピュー
タを探し当てた(大変くさい作業だたが)。見えないくらい小さくダビデの星が入ってい
るこれは、ターミナル構成員の持ち物であった。生態電流でも動作、通信が可能で、月近
くのコロニーにいたときこれに『ミネルバ、宝』という二つの単語浮かび上がったのだ。
ミネルバの乗員にも何人かユダヤ系はいたし、ターミナルの構成員も一人いた。材料工学
が専門のコンスタンチン・スルツキー博士。先の大戦のPS装甲から始まって、モビル
スーツや戦艦の装甲は半年で古くなるといわれるほどの分野だ。これは今採りに行かない
と損を見ると判断したディアッカは、ミネルバに降りると、ちょっとした奇行をして――
ルナマリアへの痴漢は趣味だが――営倉にたどり着いた。
 ちまちまとドリンカブルコンピュータをいじっていると30分ほどで波長が合った。ス
ルツキー博士もこの営倉にいるのだ。(グレイトォ)と内心呟いて、会話を始めた。
『ミネルバ、宝、という言葉に惹かれてきました、ディアッカ・エルスマンです』
『エルスマン元議員のご子息か。彼はターミナルに忠実な人物だ。それなら信用できるだ
ろう』
 ディアッカは脱走しようとしてつかまったスルツキー教授に現在の状況を説明した。後
三日で議長と大統領の和平会談が始まるということ。
『私が持っている情報をターミナルが連合に売るとすると、その三日以内に交渉を決めな
ければならない』
 焦らされてディアッカは聞いた。
『ミネルバのお宝ってなんなんです?』
『先のオーブ戦でオーブが奇妙なモビルスーツを出してきたのは聞いているだろう』
『金ぴかでビームをはじくって言う』
『そうだ。そのモビルスーツのパーツは全てザフトが持ち去ったが、ミネルバの研究室に
も少量が残された。それ分析し、作り出すのに成功した』
『それをターミナルを通して連合に売れば、莫大な金になる』
『そうだ。技術を金に買える専門家は地球にいるからな――で、だ。君はここまで来た以
上私の情報を地球に届けてくれる覚悟があるのか?』
『ある。でなければ原隊から離れたりしない』
 ディアッカは前大戦でザフトを裏切ったように、確固たる忠誠心をもてない男と馬鹿に
されていたが、ユダヤ人に対する忠誠心には絶大なものがあった。遺伝子がいじられてい
ようとも流れる血は神と契約したユダヤの血だ。エヴィデンス01のおかげでキリスト教や
イスラム教といった後だし宗教がほとんど影響力を持たなくなり、神の前に跪くのが再び
ユダヤ人だけになったのはありがたいことだ。大体彼らは、地球外に知的生命体がいたら
しいからといって、どうして信仰を捨てられるのか? 全能なる神は宇宙鯨の一つや二つ、
おつくりになっても不思議はないだろうに。
『それではデータを君に託そう。神とターミナルのために』
 とまあここまで話すのに丸一日かかったわけだ。で、データ転送に半日かかった。あと
はディアッカが実行するしかない。ディアッカはなんとか人質をとろうと、ドリンカブル
コンピュータで艦内図を表示させたが、すぐに不正アクセスでひっかかってしまった。
(しまった!)覚えているのは艦長室くらいだ。
「ああ、腹が痛い・・・・・・頭が割れるようだ」
 苦しむ芝居で床をのた打ち回った。余談だがコーディネーターに盲腸はない。
365通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 07:37:45 ID:???
「なんだ、静かにしろよ」
 たるんだ警備兵の声。
「頼む・・・よお。医者につれてってくれ」
「軍医もいまは一休み中。あーあ、こんな暇なときにお客があるなんて、そんな役回りだ
ぜ」
 引き上げようとする警備兵にスルツキー教授も声をかけた。
「病人がうるさい。感染症だったらどうしてくれる。私の頭脳を大切にしないとは」
「おっさん、ほんとにすごい頭脳なら、本土の研究所に引き抜かれるだろ」
 とはいえ警備兵も彼が軍事機密を持って逃げようとしたというのは知っていたので、少
し本気にした。
 艦内電話を取って医務室につなぐ。
『はい、医務室です』
 看護師兼薬剤師兼臨床心理士のヴァェンティナ・コストナーがにこやかに答え、すぐに
行くと言った。
(女か、楽だな)と思いながら、ディアッカは体調不良の芝居を続けた。
 しばらくして白衣のヴァレンティナがやってきた。
「とりえず営倉の中に入って、医務室に移したほうがいいか判断しますね」
 営倉の電磁ロックが開いた瞬間、ディアッカは一応エースパイロットといわれた体力で
彼女を吹き飛ばし、さらに警備兵から自動小銃を奪うと、階上に駆け出していた。さっき
の艦内図で覚えた一転に向かって進んでいく。艦自体が開店休業という中、一匹の獣が走
る。向かう先は艦長室。警備兵と銃撃戦を繰り返し、弾も受けたが、目的地にたどり着き、
ロックナンバー――これは博士がハックしてくれた――を入力する。
(やった! 神の加護は俺にあるぜ)
 ベッドの中のドット柄のパジャマの女性を抱き上げると、頚動脈を押して気絶させた。
「おい、艦長を人質に取ったぞ。脱出用のシャトルを用意しろ」
 ディアッカの声が艦内に響いた。
366通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 07:38:38 ID:???


「いいんですか、隊長、あいつ、艦内で始末しなくて」
 シンの声には私情が混じっている。
「それは副長の判断しだいだな。タリア・グラディスも、本人に自覚があればなんとかす
るだろう」
「何より我々が現在レクイエム準備中の宙域にいますし、ここで何かあっては」
 レイは先はわかっているでしょうといいたげだ。
「ルナマリア・ホーク、追撃隊に志願します!」
 ルナマリアは制服をミニスカートからユニセックスなパンツに替えていた。シンから見
ればこれも新鮮だし、何を着てもルナマリアは美人でプロポーション抜群だった。
「その元気は買うが、シャトルが外へ出た場合、モビルスーツでの追撃はドラグーンを使
う」
 二人がレイを見たが、
「私が一人で迎撃に向かい、ディアッカ・エルスマンを撃墜し、可能ならばグラディス艦
長を救出する」
「隊長が!?」
 モビルスーツ隊にとっては、隊長が出てまで艦長を助けなくても問題ないんじゃないか
というのが本音だ。グラディス艦長が議長の愛人だったとしても、無理して助ける義理は
ないだろう。シンにしても個人的感情で行動しまくった挙句、こういう感情になっている。
大体隊長は、議長に気に入られるためにおべっかを使う立場でも性格でもない。
 嫌がらせだと見抜いたのは、同じ遺伝子を持つレイだけだった。自分はシンの未来の恋
人に、けしていやがらせや恩着せがましい行いはするまいと誓った。その日まで命があれ
ばの話だが。
 ディアッカ・エルスマンは傷を負いながらもモビルスーツを奪うことに成功したらしい。
しかしプラントの議員まで勤めた父を持つ男がなぜ? どこに逃げようとしてるのか。モ
ビルスーツの電池で行けるのはプラント本国か月面の裏のアルザッヘル基地くらいだ。何
かたくらみをもって、グラディス艦長を謀反人に仕立て上げるつもりなのか、アルザッヘ
ルに亡命するつもりなのかシンたちには想像がつかなかった。
 ディアッカのザクを追って、アレッシィ隊長が出撃して行った。一番よく見える展望室
にパイロット三人組は集まった。
「隊長はドラグーンで一気に勝負を決めるつもりだ」
 吐く銀色に輝く機体を見つめながら、レイが言う。
「空間認識力に優れた人間だけが操れるビーム兵器」
 シンの言い方は教科書を読むようだった。
367通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 07:39:10 ID:???
「どんな感じするの? レイ」
「――前頭葉を研ぎ澄ますような感じかな」
「それって、戦場の意識や感情がスパッと見えて、自分が一段上になったような感覚と似
てる?」
「似ていないと思う。シンの感覚は、議長が言うところのSEED因子のもたらすものだ
ろうから」
「え、ちょっと待って、レイ。シンが化け物みたいに強くなるのはそれが原因ってこと」
「おい、お喋りしてると見そびれるぞ」
 三人はスクリーンと強化ガラスに注目した。
 ブレイズザクファントムの手足が、何の前兆もなく落とされていく。
「これがドラグーン・・・・・・」
 実際の戦場ではディアッカがパニックに陥っていた。
「なんだよ、あの、キラッと光るのは、うわ」
 メインカメラ、頭をやられた。でも、まだまだだ。胴体だけになって逆にバランスがよ
くなった。人質もいることだし、上手く交渉すれば。
「ディアッカ・エルスマン、投降するか、ここで不名誉な処刑を受けるかどちらかを選
べ」
 嘘は受け付けぬというクルーゼの声だった。
「へん、どっちも嫌だね、ラウ・ル・クルーゼ隊長さんよお。俺は偉そうにしてる奴は大
嫌いなんだよ」
 ドラグーンが前後からコクピットの周囲を打ち抜き、ゆっくりとコクビットブロックが
月の台地に落ちた。
 コクピットの奥で、猿轡されたタリアがうめく。
(うざってえばあさんだな。人質の効果も、思ったほどなさそうだが)
「引けよ、引かなければこのばあさんの首きって殺すぜ」
 ナイフをタリアの首に押し付けて血の玉を作った。
「議長の女だろ、フェイスだからって勝手に殺していいのか?」
「投降か、処刑か後三秒で選べ」
「だから、人質がいるんだぜ!!」
「一、二、三。処刑する」
「俺、知ってるんだぜ。あんたがナチュ」ここですさまじい爆発音が入った。コクピット
の中は加圧されているので、音がするのだ。
 ドラグーンが飛び交って、コクピットブロックは完全に破壊された。
「えっ、艦長が・・・・・・」
「彼女も覚悟はしていただろう。だいたい、一兵卒が上位のものを人質にとったからと言
って自由に動けるような軍では困る」
「かん・・・ちょう」
 別に親しく話したことはないが、ルナマリアは涙を浮かべた。ミネルバにやってきた悪
魔のような男、自分にあんな辱めをし、艦長を人質にして一緒に死ぬなんて。彼女に子供
がいるのを知っている艦員は、すべてその子の幸せを願った。
 ただレイは不思議だった。隊長の腕なら、艦長をコクピットから引きずり出すこともで
きたはずだ。それをしなかったのはやはり、ターミナルの持っている情報が脅威だったと
いうことか。
「グラディス艦長は名誉の戦死を遂げられた。アーサー・トライン副長、艦長代理として
任につくように」
 アレッシィの声は冷静そのものだった。
368通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 07:39:53 ID:???
ちょっと短いですが。
アーサーが有能だといいですね。
369通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 08:16:49 ID:???
朝からテンション下がる血の気が引く展開ですね
370通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 08:47:30 ID:???
グレイトォ!ちょうどカレーを食ってるときに更新が来てる!!
371通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 10:35:28 ID:???
やっぱり迂闊で残念な男だったな
372通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 11:17:53 ID:???
クルーゼ相変わらず容赦ねえなw
373通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 11:51:08 ID:???
クルーゼの方が二回り以上は狡猾で残忍だからしょうがない
374通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 12:05:40 ID:???
ここで脱走劇がくるとは。
痔は狡猾で残忍な遺作への復讐劇の役者じゃなくて、只のコソ泥だったと。
なんと云うワンポイントリリーフ。

アーサーは大丈夫だと思う。
だって比較対象がタリアでしょ、可もなく不可もなくにできればOK。
白服同士の張り合い、議長を間に挟んだ鞘当てもないんだし、
淡々とNo2を引き受けるんじゃないかね。
・・・タリアを名誉の戦死にした隊長を、逆恨みする捩れた忠誠心がなければ。



375通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 13:56:26 ID:???
なんというくそみそテク(違
…しかし、ギルと艦長の仲は承知してるだろうに遠慮なしだなあラウ。
これでこれまでの鉄壁の連携に隙が生じるなんて事にならなきゃいいが
376通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 16:45:16 ID:???
これディアッカである意味あったのか?
377通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 18:14:23 ID:???
>>376
肩すかしという意味であったと思う。
遺作関連の前振り、狡猾で残忍な痔への期待、女性陣との愛執w、
ときて、艦長と一緒にあっさり退場。

俺、自由VS運命の時もやられたし。
作者は絶対Sだ。
378通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 18:21:59 ID:???
本編でもザフト裏切るんだなら、意味あるのでは?
ディアッカにとってザフトは大して大事じゃないという。
379通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 18:35:52 ID:???
本編でもこの痔の計算高さがひと欠片でもあったらな
380通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 22:14:04 ID:???
作者はシンとレイに対してはMだよね
381通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 22:46:14 ID:???
>>380
つかシンとレイで801したいのを我慢しているだけかと。
382通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 22:57:37 ID:???
正直、俺にはシンの未来の恋人=レイにしか見えない
383通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 22:57:43 ID:???
宇宙でコクピットあけられても死なないってことは宇宙服を着てるんだよな
わざわざ人質にも着せたのか
でもならなぜ首元にナイフを当てて血が出るのか
血が出るほど刺したら宇宙服に穴があく
刺す以前に死ぬのではないか

とここまで考えて、トリィが飛べる種世界の宇宙は
我々の知ってる宇宙とは違うのかもしれないということに気づいた
無駄なことを考えてしまった
384通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:08:30 ID:???
>>383
コックピットを破損しないようにコックピットの周りのパーツを器用にそぎ落としたんだと思われ
…隊長の技量すげー
そしてタリアはパジャマで死んだのか、ザフトの芋インナーですらなく
あまりにも予想外の退場の仕方だった
議長どう思うんだろ
385通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:20:32 ID:???
>>382
レイ本人は、お兄ちゃんの行いから、よい姑としての心得を胸に刻んだようだよ。
386通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:35:20 ID:???
>>385
おい姑かよw
旦那議長、嫁艦長、姑隊長という構図を想像した
嫁いびりする姑面白いなww
387通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:37:48 ID:???
>>384
アニメの議長なら何もかも投げそうな気がする
好きとか嫌いとか関係無くかなり執着してたように感じたから
ここの議長はどうだろうね
二次創作では議長が死んでタリアが残されるor決別するってのを良く見るが
逆はあまり見かけないので楽しみな展開ではある
何事もなくスルーされそうな気もしなくもないがw
388通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:38:20 ID:???
>375
>…しかし、ギルと艦長の仲は承知してるだろうに遠慮なしだなあラウ。
レイの
>自分はシンの未来の恋人に、けしていやがらせや恩着せがましい行いはするまいと誓った。
っていう感想から考えて、ギルの愛人だからこそ容赦してないんだと思うぞ。
大人げねぇなぁw

ところでちょっと話は戻るんだけど

>モビルスーツ隊の隊長はクルーゼ隊長そっくりだが、
>誰もそれを言わないのがザフトのお約束になっているようだから
念を入れて変装していたはずなのに、
みんなしてツッコミかねていただけで、実はバレバレだったんかい。
389通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:45:41 ID:???
ここの議長タリアは不謹慎な関係は結んでなさそうだったな
タリアのほうがやたら議長に執着ありそうだったが
390通常の名無しさんの3倍:2009/08/05(水) 23:49:01 ID:???
ここのギルは重要度は絶対
ラウ・レイ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>タリア
だよなw
391通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:00:16 ID:???
議長と隊長が見せた親バカぶりはガチ

それにしてもここの議長、何でタリアをミネルバ艦長にしたんだろ
制御しやすい人材だったのかな
392通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:04:06 ID:???
最初からアーサーにしておいても何の問題もなかったのにな…
393通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:07:21 ID:???
いや、そこは一応本編との兼ね合いもあるんじゃ
アーサーが最初から艦長だと全然違ってきそうだし
394通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:09:35 ID:???
>>392
タリアは死んでも何とも思わないがアーサーが死ぬのは悲しい
ミネルバ最後の良心だからな
395通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:13:48 ID:???
ここまでルナマリアの話題無し
396通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 00:48:52 ID:???
ち●ぽこの付いていないキャラには興味ないわ
すまんな
397通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 01:33:06 ID:???
でもアスランはがんばってるお
398通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 01:36:50 ID:wldUTjq5
痔があまりにも早く退場してしまったな。
もう少し動いて、戦場をかき回してほしかったけど。
ちょっと主人公サイドが上向きなんで、混沌とした展開にならんかなと。
399通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 01:37:16 ID:???
>391
ネオの件でレイに反抗されて、ふたりして「え?え?」となってたのは可愛かった。
欲を言うと、もうちょっとこの話題(特にアレッシイ側の心理)掘り下げて欲しかったんだけど
あっさり終了しちゃったんだよなー。
400通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 02:42:19 ID:???
ルナも退場して「ウホッ男だらけのガンダムSEED」になったら神
401通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 02:44:50 ID:???
>>399
でも隊長の心理描写が長いと、なんか暑っ苦しい。
クールに見えて熱い男だから。
402通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 03:12:28 ID:???
熱いってか今回の話では狂気すら感じた。
ここまで来ると、隊長とは対照的な生き方をしそうなレイの今後が気になる。
403通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 04:12:44 ID:???
いやいや、ここの場合シンやレイさえもいつさりげなくプツッと逝っても
不思議じゃない気がしてきたぞ。
たとえ『主役はシン(ここ重要)』と明言されてるとは言え
主役が死ぬ物語なんてちっとも珍しくもないんだし。
(小説ファーストのアムロはもとより、カミーユも小説Ζでは結局死んでなかったっけ?)
404通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 04:46:23 ID:???
最近ここのSSはリバイバルを彷彿とさせるな。
特に四馬鹿の扱いとか。
405通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 05:22:50 ID:???
>>404
リヴァは最初しか読んでないんだが、あれって四馬鹿が支配する世界じゃなかったっけ?
これはカガリ以外一般人からのスタートだが。似てるの?
406通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 08:41:20 ID:???
>>405
諸悪の根源四馬鹿が統率する世界をレジスタンスを統率した英雄シンが打ち滅ぼす話。
ちとヘイトぎみな所が似てる。
407通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 09:17:15 ID:???
ヘイト?
軍人が脱走、裏切りをしたら、本来は許されることではない
というのを淡々と描いてるだけじゃないのか?
408通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 11:23:04 ID:???
>>406
むしろそういう話だったら頓挫しなかったと思うんだけど、途中からラクシズの側にも一応の正義があって、レジスタンスとの双方の正義をさらに第三者の視点から見るとかハードルが高すぎる方向にシフトしていったせいで暗礁に乗り上げた
409通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 14:26:45 ID:???
まあ他作品の話はわからんが、ここのキラはストライク乗るまえの普通の学生に戻ったと思う。
410通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 16:47:09 ID:???
俺は406じゃないけど
>407
>軍人が脱走、裏切りをしたら
そこに至るまでの過程が問題、てのもあるけど
今の時点じゃ、裏切った場合の描写を入れるためだけに
裏切り者を出しました、って風に見えるから
作品の流れや完成度より、原作への不満をぶちまけることを優先してるように見える。

今後の展開で、今回のエピソードがどう機能するか見えてくれば
また印象変わるかもしれんがな。
411通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 17:55:22 ID:???
タリアを殺したかっただけなんじゃないの?
ディアッカは作者に白羽の矢立てられた貧乏くじキャラ
412通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 18:32:28 ID:???
ディアッカは本編で裏切るから、ここで裏切らせとこう。
ついでにタリアもうざいから殺してしまおう(プラントに戦災孤児が生まれるし)くらいでは。
413通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 18:48:09 ID:???
ここの痔は狡猾でも何でもない
本編に輪をかけて空気読めない唯の無謀馬鹿
414通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 19:20:41 ID:???
まあ、2chでネタ人気のキャラだからこんなこと言われてるんだろうな
アーサーもそうだけど、本編だけだったらそれほど思い入れが出るキャラではない
415通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 19:58:53 ID:???
まあ夫妻補正がない場合金銀は裏切ったくせに何故か事実上不問、
よくもまだ在籍してやがる…と思われても仕方ないからな。
裏切者がどうなるか淡々…てのはこの場だけの話じゃないって事では。
416通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 20:35:13 ID:???
痔やタリアの扱いを見ると、凸って作者に愛されているんだろうなって思った。
歪んだいびつな愛ではあるけれども…。
417通常の名無しさんの3倍:2009/08/06(木) 23:32:32 ID:???
ディアッカがクルーゼがナチュラルだと知ってたのは
種死に入ってからターミナル経由でだよな?

自分の元上司でザフトのトップエースがナチュと聞いたときはどんな風に感じたんだろう
ターミナル構成員にはクルーゼがナチュラルだと知る人間がきっと複数いるよな
どういうきっかけでバレたのかね、無印時代にネオみたいに部屋に侵入されて髪の毛盗まれたか

アレッシィ=クルーゼが知られない限り意味ない情報だけど、ディアッカが
ターミナルにアレッシィの正体を漏らしたらいろいろ面白いことになったかもしれない

クルーゼ&レイのナチュバレ晒し上げ展開こないかなあ
418通常の名無しさんの3倍:2009/08/07(金) 00:57:03 ID:???
ターミナルがユダヤ人の秘密結社だと、種死でラクスに援助しないのも納得。

ナチュラルばれは燃えるし萌えるけど、作者さんが萌え尽きそうだからなあ。
419通常の名無しさんの3倍:2009/08/07(金) 09:00:46 ID:???
ナチュバレした場合のクルーゼ&レイの今後を予想
ナチュバレ→シンを伴ってオーブ回帰→カガリと共同戦線
420通常の名無しさんの3倍:2009/08/07(金) 12:12:01 ID:???
>>419 に釣られてみる
いくらなんでもいまさらオーブはありえないだろ
カガリと共同戦線 ってカガリもう隠居して誰とも戦ってないぞ
せっかくアスハから解放されて民主化に進むオーブ国民をシンが邪魔する理由も無い

ナチュバレ
遺伝子至上主義のプラント人にはかなりの衝撃を与え、多少の弾圧はあるも
議長が、ナチュでもその遺伝子適正を活かせば〜とか演説ぶっ放して
地球圏の運命計画推進のための話の種にされそうだ

レイがクルーゼは脅威と感じてるかもしれないと思う描写があったし
どこにでも構成員が潜んでそうなユダヤ人の秘密結社が
今後の展開にどう関わってくるのかwktk
421通常の名無しさんの3倍:2009/08/07(金) 23:37:13 ID:???
やっぱドラグーン好きだファンネルのパクリといわれても
無印の自由VS天帝は燃えた
422通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 00:00:20 ID:???
Xアストレイも好き
423383:2009/08/08(土) 09:41:36 ID:VkNx7049


 コペルニクス市は蜂の巣をつついたような有様だった。
 ナチュラルとコーディネーターの戦争を終わらせる和平交渉が、行われるのだ。ここは
ナチュラル、コーディネーターが共存する都市で地球からの宇宙への輸出物の集積地であ
り、資源衛星を取りに行くのも盛んな産業だった。ただとにかく『コペルニクスの悲劇』
を繰り返してはならないと、会談場所のホテルは細菌の一つとして入れないように封鎖さ
れ、連合とプラントがすべて対等な状況を持つように――たとえばデュランダル議長はガ
ラスの飾り気のないコップにプラントの水道水、コープランド大統領はロッキー山脈の湧
き水のガラスボトルとステューベングラスのウォーターグラス――、一事が万事で、役人
もホテルマンも、会議を前に疲れ果てていた。
 この会談で和平締結しないと、自由都市コペルニクスのジリ貧が続く。そういう意味も
あって、カズンズ市長以下全市民が力を注いでいた。
 コペルニクスの人口比はナチュラル6対コーディネーター4といったところで、カズン
ズ市長はコーディネーター初、ついでにゲイをカミングアウトした初の市長だった。自由
と独立の風紀を重んじる都市では、遺伝子の問題も、性的嗜好の問題も人物評価につなが
らないという、独立独歩の気風の高い市民たちの選択だった。
 メサイアのデュランダル議長の下にはこの三日間の幕間劇のレポートが数多く来ていた。
優先順位が高いのはフェイスのアレッシィからのものだ。ミネルバは戦力的にも、彼のSE
ED因子研究のためにも重要な船だ。プラント本国のクレオパトラからは、デスティニープ
ランで選ばれた二人のパイロットが操縦する核動力機が、なぜ巨大とはいえ電池式のモビ
ルスーツに敗れたのかの詳細はまだ来ていない。デュランダルから見るとザフトが優位だ
ったのは無限動力だけで、パイロット、機体ともにあの宇宙用デストロイに負けていたか
ら、しかたがないのだ。しかし彼女はもっとうがった見方をして、デスティニープランの
欠点があればそれを指摘するだろう。このあと戦いがなければ、じっくりと研究してもら
いたいところだが。
 アレッシィからの書類をディスプレイに表示し、パスワードを入力する。
 『ディアッカ・エルスマンが暁の装甲構造の作成法を持ち出そうとした顛末』
 あっさりしたタイトルだが、ギルバートはタッド・エルスマンの心を思った。ナチュラ
ルと融和派で、クライン議長とは親しい仲だったが、娘のラクスの主張にはついていけな
かったと見える。まあ、ラクス・クラインの主張というか妄言についていける人間はどれ
だけいるのだろう。今は居候になっているアスハ邸にこもりきりだというが、プラント入
国禁止の彼女がプラント領オーブにいられるのも長いことではなかろう。
 ラウからの報告書に目を通す。
424通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 09:43:13 ID:???
 相変わらず要点しか書いてない。この極端なミニマリストぶりも彼の本質のひとつだ。
 そして、『逃亡を図ったディアッカ・エルスマンの人質とされていたタリア・グラディ
ス艦長ともどもモビルスーツコクピットとともに死亡させる』
 あ・・・・・・一瞬ブラックアウトしたが、すぐにデュランダルは自分を取り戻した。
 タリアは前線の軍人だし、反逆者が人質とするに最高の位を持っている。暁のビームを
跳ね返すという性質は連合軍に知られているが、サンプルはすべてザフトが確保したし、
作成法の成功報告は数十の研究所からもまだないのだ。ラウの報告書によると、ミネルバ
のスルツキー博士の製造法は量産はともかく製造はできるというものだとか。
 むかし柔らかいばら色のスーツを着て、とても美しかったタリア。でもその赤い唇から
は「あなたを愛しているけど、私は子供がほしいの」去っていく影に立っていた男。自分
もだがタリアも随分と演劇型の女だった。ビームを反射する材質の製造法がターミナルか
ら連合へ伝わることがなくなり、ザフトの機密が守られた。その前には一艦長の命など無
にも等しいものであった。
 そう思いながら、デュランダルは涙を流していた。自分を捨て、離婚すると同時に再び
気のあるそぶりを見せた女を思って。
 彼は心を落ち着けるとスルツキー博士のプラント本国での保護と、ターミナルおよびユ
ダヤ系のザフト軍人のピックアップを命じた。ユダヤ系とターミナルの構成員の違いを見
分けるのは難しいのだが、少数だが諜報部には専門家がいる。ただターミナルの人間を議
員にしてしまうような無能な連中だが。まあタッド・エルスマンの元にはそれなりの人物
が行ってているだろうから、問題ない。プラント人よりユダヤ人であることを優先したら
どうなるか、彼の息子が証明している。
 ただ、自分がタリア・グラディスを愛していたのかどうか、その検証に30分の時間を割
いた。


 とうとう首脳会談の日がやってきた。コープランド大統領のシャトルがついて、一週間
の無重力から1/6Gになれずにふらついている姿が世界中に放送された。デュランダル議長
は前日にコペルニクス入りして、重力に体を慣らしていた。もともと重力変化には強い
コーディネーターでもある。後からはいって旧宗主国のプライドを見せるという作戦は、
見事失敗に終わった。
 ホテルの会議場に場所を移して、会談が始まった。連合は連合に有利な戦争のヴィデオ
を上映しようとしたが、「そのようなこと、この場の人間はみな承知しています。連合も
ザフトも非道な戦争をしてきて、今に至るわけですから。早く講和の話を始めませんか?
コープランド大統領」
「デュランダル議長はそのようにおっしゃるが、この戦争でわが連邦の捕虜が不当に残虐
に扱われたり、差別されたりしたのは事実だ」
「ザフトの兵士もコーディネーターだということで色々な暴力にあっています。それをや
めるためにわれわれは会談を持ったのでは?」
 スクリーンに黒や青の内出血に覆われた兵士の裸体、睾丸を切り取られた男性兵士、卵
巣を除去された女性兵士などが映し出される。
「われわれは人間として生きていく権利を求めているだけですが、ナチュラルの一部のか
たはコーディネーターを家畜程度にしか認識していない。汚らわしいからと、彼らがわれ
われを食べないのが唯一の救いです」
 ブルーコスモスの盟主が死んだことを踏まえて、デュランダルは強気に出る。
「趣味の悪い冗談は、ご遠慮願いたい。それより、われわれの戦局を終わりに導くための
相談をいたしましょう」
425通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 09:44:08 ID:???
「あなたが聡明な方でありがたい。プラントとしては、プラントの完全独立、いまでも法
律上プラント理事国が持っている権利の放棄、がまず第一。プラント領オーブの成立、そ
して――大西洋連合のアルザッヘルとダイダロスの基地の放棄および、月に軍事基地を連
合、プラントとともに作らないこと。そしてコーディネーター、ナチュラルともに居住区
を限定されないこと。今のプラントのコーディネーターと一親等以内のナチュラルという
文言を廃します。プラントはプラント領オーブとともに、遺伝子によって人を差別しない
国になります」
 デュランダルは世界中で見ている人のために、ゆっくりとわかりやすく言い切った。
 あの『デスティニープラン』とやらがコーディネーターとナチュラルと差別するシステ
ムだとコープランドのブレインたちは、言い切っていた。遺伝子で差別するシステム、
コーディネーターに頭脳労働を、ナチュラルに肉体労働をさえる世界だと。
 たとえばこのコペルニクスを見てもわかる。コーディネーターの若者が月面や宇宙空間
で肉体作業につき、ナチュラルの平凡な人間が町を支える流通や小売の仕事をしている。
 コーディネーターは頭脳も肉体も優れた超人類で、というのは一部のナチュラルの思い
込みなのだ。確かに免疫面で遺伝子をいじってある分、病死の確率は低いが、宇宙空間の
事故の死亡は多く、まだコーディネーター第一世代の統計が出たわけではないが、コーデ
ィネーターのほうがナチュラルより短命というのが今の数字だ。
「と、おっしゃられたも、コーディネーターの存在はナチュラルの若者に脅威をもたらし
ます。共同生活はもはや不可能。限られた区域でのみ共生が適当かと思われます」
 大統領の背後に現れたのは大きなバイクに乗った不良グループ、彼らがリンチの末ぼろ
ぼろになった少女を杭に縛り付けて火をつける。
「コーディネータ狩りは大西洋連合ではありふれたことです。コーディネーター製造禁止
以降にも、体外受精のふりをして生まれたコーディネーターが統計に表れない数字でいま
す。彼らは生まれたときから一種の詐欺で大西洋連邦の市民のふりをしています。不正に
教育を受け、権利のない職業をナチュラルから強奪しています。だからこうして、善良な
ナチュラルに狩られるのです」
「ではあなたは、コーディネーター狩りは法律的にも人道的にも適切だと?」
 デュランダルは一歩踏み込んで聞いた。
「もちろんです」
 コープランド大統領は、一拍置いて大きく頷いた。
「わが大西洋連合において、コーディネーターの生存権は保障されません。野良犬以下、
というところですな」
「ふむ、プラント生まれの私はあまり犬には馴染みがないのですが」といって、デュラン
ダルは二つのスイッチを取り出した。赤と青のスイッチは小学生の夏休みの宿題のようだ
った。
「赤は旧ダイダロスからアルザッヘル、青はメサイアからワシントンD.Cです」
 デュランダルの骨色の顔が微笑んだ。
426通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 09:44:45 ID:???
「そ、そのような恫喝など・・・・・・紳士のなさることではない!」
「恫喝ではありません。こういうこともあると知っていただきたいだけです」
 連合にしてアルザッヘルに艦隊を戦闘配備しているのは承知だ。ただデュランダルが一
歩前へ出ただけだ。ダイダロスを落とした以上、連合に大量破壊兵器はない、あっても核
ミサイル数発。プラント本国の防衛は対ミサイル防御に力を裂いている。推力を持ち目標
を目指す核ミサイルは、プラントにとってもっとも恐ろしいものであった。議長がここへ
来る前の会議でもそれは多くの議員から指摘された。レクイエムのような大砲より、一発
の核ミサイルの連射を恐れる議員にデュランダルは深く同意し、こういう議員を選んだ有
権者に感謝した。
「あなたのお国がコーディネーターに紳士的どころか人間として扱わない以上、わたしは
恫喝などせず、実力を行使します」
「それがさらなるコーディネーター排斥につながってもですか!?」
「ユーラシア、アフリカ、南アメリカ、オセアニア、全てコーディネーターの人格を認め、
居住権を認める声明を出しています」
「黙れ、黙れ! ああいった国は強きものになびくものだ。コーディネーターに一番迷惑
をかけられているのはわが国だというのに」
「それをいうなら、ナチュラルに迷惑をかけられているのはわが国です」
「親を貶すようなことを・・・・・・」
「私が申し上げた条件、呑んでいただけませんか?」
「まったく認められん」
 ここでコープランド大統領は少し感情的になってしまったことに気づいた。いまデュラ
ンダルが強気で来てるなら、少しずつ譲歩しながら自分に有利な講和ポイントに持ってい
くべきだったが、あちらが連合と対等以上の立場で会議を始めたために、プランが狂った。
「それなら」
 デュランダルのペンより重いものは持ったことなさそうな骨ばった指が、赤いボタンを
押した。


 ダイダロス近くで警戒に当たっていたミネルバの面々は、基地から伸びる太いビームが
コロニーの磁場で曲げられてアルザッヘル基地に飛んでいくのを見た
 いよいよアルザッヘルの残党との最後の戦いだ。
427通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 09:46:11 ID:???
ここでしばらくお休みか後一回書いてお休みか、です。
ラウとターミナルの接触は、番外編「青春の彷徨」に出てきますが、地球でのことです。
428通常の名無しさんの3倍:2009/08/08(土) 10:56:35 ID:???
おつです
ついにレクイエム発射で物語もクライマックスか
429通常の名無しさんの3倍:2009/08/09(日) 10:23:22 ID:???
笑うところじゃないんだろうけど
夏休みの宿題のくだりが旬で笑ってしまった
ここのコープランドさんは結構好きだな
アニメじゃほぼ描写されてないから、好きにも嫌いにもなれんが
430通常の名無しさんの3倍:2009/08/10(月) 22:56:48 ID:???
議長思いっきりダメージ受けてますね、ぶっ壊れやしないだろうか
そして凸デストロイ再登場の悪寒
コーディネーターの捕虜もCPUにって言うのも実行されてしまっているんだろうか?
凸は特別強いんだろうがストフリ隠者のやられ方が絶望的だったからなぁ
431383:2009/08/11(火) 00:27:21 ID:refaJ1mq


 アーサー・トラインは艦長席で震えを押さえ切れなかった。いまは「どうしましょう」
と泣きつく相手がいない立場なのだ。アレッシィ隊長からは「君が命令しなければこの船
は動かない、砲撃もできない。それだけ覚えておきたまえ」と言われた。確かに艦長の判
断の元各砲撃主が狙いを付けて引き金を引くわけだ。最初の指令、そして大事な最後の撤
退の指令、これを出すことと結果に全責任を負うことが艦長の一番の仕事と心した。
「艦長代理、艦隊指令よりミネルバは本体と合流してアルザッヘルへという命令が入りま
した」
 アビーの物静かな声にちょっと落ち着いたアーサーは、艦長代理として初の命令を下し
た。
「ミネルバ発進、アルザッヘルへ向かう艦隊へ合流」
 こういっったら、肺から息が抜けてしまったようだ。ただアビーがちらりとこちらを見
た。
「あ・・・・・・総員第一種戦闘配置につけ」
 敵は基地を失って必死でくるぞと付け加えたかったが、柄でないのでやめておいた。ま
あこの艦で一番えらいのはアレッシィ隊長なのは前と変わってないんだから、船の操艦と
射撃、防御だけ考えよう、とアーサーが考えている間にも、ダイダロスを出た艦隊とプラ
ント本土から来た艦隊が合流しようとしていた。
(すごい―ー)
 ミネルバは長く地球をさまよっていたので宇宙空間での大艦対戦ははじめてだ。若いク
ルーが多いので、前大戦のそれを経験してないものも多い。
 一方プラント本土では、ザフトの艦隊に激しい歓声が上がっていた。アルザッヘルは連
合がプラントののど元にに押し付けたナイフであり、激しく嫌われていた。その基地が消
滅し、ヤヌアリウス、ディッセンベルで虐殺された同胞たちも天国というものがあれば、
そこで喜んでいてくれるだろう。
 見ず知らずの者たちが、お互いに抱き合ってアルザッヘルの壊滅と残存連合艦隊との戦
いに臨むザフト艦隊を祝福していた。
 黒衣の独立宣言以後に移民してきたものも多く、そういったものたちはプラントでの戦
時下の生活しか知らないのだ。どうみても外交カードもプラントに有利なものがそろった
し、この艦隊戦で負けなければ、完全独立とアルザッヘル基地の放棄は最低でも認められ
るだろう。とにかくデュランダル議長はアルザッヘルを撃つことによって、プラントの覚
悟と矜持を示した。それがプラント人たちを高揚させているのだ。
 その高揚は民間人より軍人のほうが強く、兵士たちは顔を高潮させ、指揮官は自分を落
ち着かせるためにラテン語の活用を呟いたりしていた。
432通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 00:27:51 ID:???
 ミネルバ、そういう高揚感とは一切無縁なアレッシィ隊長は、ブリーフィングルームで
話をしていた。
「指令とも話した結果、ミネルバのモビルスーツ隊4機がかりで連合の宇宙用デストロイ
を倒す。二機がドラグーン運用機なのでドラグーンで相手の見えないところから攻撃を仕
掛け、ビームと実剣でデスティニーとインパルスが挑む。そういうことだ。先日の事件が
なければ、デスティニートインパルスのコクピット部分にオーブの金色のビームを跳ね返
す操行を貼れたかもしれんが、後の祭りだ。デストロイのビームは非常に強力であり、こ
こは宇宙空間だ。ビームがかすった反動で飛ばされたりもする。気をつけて、少々の損傷
でも、ミネルバに戻って修理交換するように」
「あの、隊長。あのデストロイに弱点ってないんでしょうか?」
 ルナマリアが初心に戻って聞く。
「そうだな。あれはブルーコスモスの部隊が運用する機体だ。パイロットは強化人間。連
合の他モビルスーツはあれに救援はしないだろう、それくらいか?」
 シニカルにアレッシィが言うのに、シンはこれまでのブルーコスモスのやり口を思い出
して歯噛みした。アーモリーワン、ステラ、ロドニアの子供たち・・・・・・。
「パイロットは機体にて発進準備。デスティニーとレジェンドには先行してもらうかもし
れない」
「「「了解しました」」」
 してもらうかもしれない、こんなあいまいな言葉を使う人ではないのだがと、レイはい
ぶかしんだ。もしかしてあの宇宙型デストロイが量産化されていてというのを、心配して
いるのだろうか? ただロゴスがああいう状況で、強化人間として育てられていた子供た
ちが保護されている以上、機体もパイロットもないのではないかと思った。
433通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 00:28:28 ID:???


「うふふ、これからジャンクが一杯できるよ」
「でも平和になっちまったら、商売相手が宇宙海賊くらいになっちまう」
 ジャンク屋組合の宇宙船の中で、マルキオ導師はくつろいでいた。もう政治には興味が
ない。この戦いでSEEDが人類の新たな光を見せてくれれば。昔ニュータイプと呼ばれた空
間認識能力と感性の共有能力に優れた人間はもう滅びかけている。バイロイトでSEED因子
の主とニュータイプが一緒に行動していたのには、少々驚いたが。
 彼とジャンク屋組合の仲はビジネスライクなものである。彼らは人類の革新に興味がないし――それより火星旅行をしたい連中だ――導師も戦争をジャンクの元と見る人間は哀
れだと思っていた。
 コペルニクスでは、両首脳が自室に引き取り、司令部と連絡を取り合っていた。この戦
いの趨勢で、和平の条件が決まる。ザフトはコロニーを守る艦隊を極限まで少なくしてこ
の艦隊に力を注いだ。司令部の判断であるが、市民の意思でもあるだろう。
 完全独立と月起動圏からの連合勢力の排除を求めるには、この戦いで、何が何でも「勝
った」という結果を残さなければならない。幸いアルザッヘル残存艦隊はザフト艦隊より
少数だ。
 どちらも相手艦隊を分裂させる策でモビルスーツを運用してくるだろう。
 先に動いたのは連合だった。
 あの、宇宙用デストロイを二機出してきたのだ。
 ガーティー・ルーの艦橋でエルドリッジ少佐は、出撃していく二台のデストロイを見守っていた。アスラン・ザラの機体は問題ない。しかしもう一台は機体も組み上げただけに
等しいし、生体CPUは施設が暴徒に襲われる前に運び出した10人の子供の脳を並列に組
んだものだ。テストには一応合格したが、実際使い物になるかすら定かではない。
 二台のデストロイはモビルアーマー形態をとって、高エネルギー砲を撃ちまくる。二機
で8台の火力に、ザフトの艦が穴だらけになって月に落ちていく。
434通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 00:28:54 ID:???
「くっ、間に合わなかったか」
「だがまだ被害は少ない。最後に立っているのが俺たちならばいい」
 ミネルバから先行を命じられたシンとレイだった。こういうモビルスーツの運用は定石
ではないのだが、相手が邪道で来るのだからこちらも対応せねばならない。
 レイはドラグーンを射出すると、デストロイの一機に向けて飛ばした。
「やっぱりあのほうが少し動きが鈍いよな」
「ああ。慣熟飛行とかやっていられる状態ではないからな」
「では俺らから見て右のほうに集中攻撃だ」
 レジェンドのドラグーンは上下左右でデストロイを囲んだ。相手のパイロットは空間認
識力は持ってないようで、有効だった。これならデスティニーを誤射することなく攻撃で
きる。ドラグーンの欠点は誤射がありがちなことであり、レイはまだ二度目のドラグーン
搭載機での出撃であった。
 相手がモビルアーマー形態であるので、地上用より細い足を狙い打つ。下から股関節を
狙った射撃は効果があり、一瞬煙が上がった。
「レイ、もう一度頼む。ダメージを与えた隙に片足切り取る」
「承知した」
 こうしている間にももう一台のデストロイにザフトの艦船やモビルスーツがやられたい
る。ただそれの対策を考えるのは司令部の役目で、シンたち一兵卒の仕事ではなかった。
 レイが三度ドライしたら目標を射抜いた、すかさず下からアロンダイトが一閃してつい
でとばかりに両足を切り取った。
 これだけのことに、ザフト艦隊は沸いた。この会戦はじめての戦果だ。
「もうこの機体はモビルスーツに変形できない」
「というと、あの背中の円形に出るビームは」
「使えない」
「あとお前のドラグーンで同じ場所を二回やられた」
「そうだ、これに乗っているパイロットは頭がよくない」
「――不良品扱いの強化人間・・・・・・ってか」
「そんなところだろう」
「なら、俺が天国の仲間の下へ送ってやる!」
 もう二度とあんな悲惨な目にあわない天国へ。
「レイ、援護頼む!」
 シンは真っ向からアロンダイトを振りかざして向かっていった。足がないので、もう三
倍の大きさの違いはない。
(やれやれ)
 レイはドラグーンの操作に専念しながら、もう一機のデストロイを観察した。こちらと
連携をとるつもりはまったくないようで、自分の目の前をなぎ払っている。このままでは
ザフト艦隊の足並みが乱れるので、こちらは早くかたを付けたい。
 ドラグーンの直撃にあたふたしているようでは、本気になったシンの敵ではない。右腕
を肘から落とすとそのままコクピットを貫いた。
「ごめん、でも・・・・・・俺はこうすることしかできない」
435通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 00:29:30 ID:???


 アレッシィ隊長とルナマリアが到着し、陣容が整った。他の部隊からもプロヴィデンス
ザクが二機、回されてきた。量産期ではあの宇宙型デストロイのスピードについていけな
いので、遠距離操作の可能なドラグーンは有為な武器足りうる。
 シンはデストロイが緑色のうっすらとした炎のようなものに包まれているのを見た。セ
ンサーで確認すると熱源も光源もない。気のせいだろうか? こんな大事なときに幻覚な
んて――。
 頭を振って気合を入れなおす。
『シン・アスカ、君に会いたいと思っていた。俺はアスラン・ザラと呼ばれていたものだ』
 頭の中で声がして、デスディニーのコクピットが真っ赤になってそこからデストロイに
赤と緑の糸が絡まってつながっている。
「ぎゃーーーーーーーーー」
 シンは恐慌状態に陥った。
436通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 00:31:39 ID:???
凸トロイ登場。最終決戦らしくなってきましたが13日から9月上旬にかけて、
これは書けないので、次回の更新は9月中旬?という感じです。
437通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 01:23:20 ID:???
な、なんちゅー所でお預けしやがってくれやがりますかアンタはーーーッ!!
アスランにゃ自我残ってる?しシンは「ぎゃーーーーーーーーー」って…
438通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 01:25:54 ID:???
これはシンのニュータイプ化フラグ?
439通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 02:16:53 ID:???
GJ!

凸トロイってw
シンが可哀想な感じで、一時停止ですかい。

1ヶ月も保守修行か・・・
大丈夫、383氏のおかげでM気に目覚めたので、放置プレイを楽しむさ。

・・・お願いします、ちゃんと戻ってください、ご主人様。

440通常の名無しさんの3倍:2009/08/11(火) 10:30:35 ID:???
アスランリサイタルシンの脳内でのみ絶賛開催中なのですね
そりゃ叫びたくもなる

アーサー超頑張れ
441通常の名無しさんの3倍:2009/08/12(水) 00:07:50 ID:???
今回はいつにも増して続きが待ち遠しいです。
ニュータイプの生き残りとか、原作者が果たして覚えているかも怪しい裏設定(?)がここに来るとは
マルキオはレイの生い立ちを見透かすようなことを言ってたのも気になります。

あと外伝も楽しみにしてます。
442383:2009/08/14(金) 19:54:43 ID:???
原稿書けないといってもここにこれないわけではないので、
お暇な方はこれまでの(全体でもいいですし、部分的でも結構です)感想ください。
それによって、ラストが変わるかも・・・・・・しれません。
443通常の名無しさんの3倍:2009/08/14(金) 20:32:00 ID:???
艦長の判断の元

艦長の判断の下

とりあえず「ぎゃーーーーー」に笑ったw
444通常の名無しさんの3倍:2009/08/14(金) 23:21:42 ID:???
戦争やってるんだから当たり前だけども
いろいろな意味で原作よりもキャラが悲惨な目にあっているので
最後はハッピーエンドで終わって欲しいです
初代スレからずっと読んでます
445通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 07:42:20 ID:???
ハッピーエンド=アスカガ結婚式
446通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 08:56:11 ID:???
おいおいこんなところにもいるのかよゴリ腐
447通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 11:11:57 ID:???
ってか、こんな凸でいいのかゴリ腐w
448通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 11:24:28 ID:???
うーん、ラストはやっぱり書き手である383さんが決めるべきじゃないかな?
アスランにしろ最後はそれぞれに救いがあると嬉しいけど
ここまで書きあげたんだから意見に左右されずに書ききって欲しいというのもある
449通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 13:22:46 ID:???
リアル禿+去勢のハゲに救いがあるとは思えん
450通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 19:56:58 ID:???
あのアスランでは「出来るモノ」がないわけだし、普通の結婚生活は無理だな
でも、(性的には)何も出来なくても、誰か心安らげる存在を得られる状態に
可能ならばしてほしいと、ここのアスランには思う
(本編の裏切り凸には存在しない魅力がここのアスランにはあったから)

レイについては、本当にシンがレイの救いになってる様が細かく書かれて、嬉しい
二人の会話シーンは最近のも昔のも、色々考えされられることも多くて好きだ

他には・・・肌を本当にオリーブ色にされたコーディネイターに出会った時の話とか
そういうこともあり得るなと感心した
コープランドとデュランダルのやりとりも、政治家のやりとりだなと思わず唸った

マルキオやラクスがどう最終的に調理されるのかわからないなどの要素が
あるけれど、最後まで応援してます
451通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 20:32:37 ID:???
本編と違って、世界の破滅を望んでいるようには見えないクルーゼが
レイに親離れされながら何を最後に望むのかはとても楽しみです

あとこの作品のレイがとても好きなので幸せになって欲しいです
452通常の名無しさんの3倍:2009/08/15(土) 23:02:52 ID:???
ウホッシンレイ結婚式ウッホッホ
453通常の名無しさんの3倍:2009/08/16(日) 00:06:48 ID:???
ルナ、ルナに幸せを!
ユダ公にマ○コいじられたのが最大の見せ場は酷すぎるw
454通常の名無しさんの3倍:2009/08/16(日) 08:36:39 ID:???
ジャンク屋協会の連中がヒャッハ〜〜〜!!な連中になっているのが何となく納得。
そんくらい戦場で国家の兵器やら部品を漁るということが犯罪紛いの行為だというのがわかるな
455通常の名無しさんの3倍:2009/08/16(日) 08:41:34 ID:???
本編のクルーゼも、種運命でのデュランダルの回想からすると
積極的に世界の破滅を望んでいたわけではない感じだと思えるけど
その彼がここではレイに見当違いなお節介を焼こうとしていた、というのは
面白かった

描写が足りなかっただけで、(特に本編とあまり立場が違う状態になってない場合)
本編の彼の心情もこうだったのでは、と思えるキャラ達の描き方だと思う
456通常の名無しさんの3倍:2009/08/16(日) 16:35:04 ID:???
強いて書いて欲しい事と言えば運命計画で決まったキラの職と働きぶりを・・・
457通常の名無しさんの3倍:2009/08/16(日) 16:42:31 ID:???
戦闘マシーン以外思い浮かばない
458通常の名無しさんの3倍:2009/08/17(月) 02:00:45 ID:???
>442
あと一息、がんばってください。
出来るなら、レイと隊長のほのぼのなごなごシーンを追加希望。

見せ場のあるキャラが非常に偏ってるのが残念だけど
初期の頃の、3人組がご当地料理を前に相談してる下りとか好きだったな。
職人さん自身が旅行好きらしいから、それが反映されてるのかな?
459通常の名無しさんの3倍:2009/08/17(月) 12:37:00 ID:???
作者氏の考えたストーリー展開がいいな
容赦のなさが面白いから
460通常の名無しさんの3倍:2009/08/17(月) 21:09:18 ID:???
ひたすらにストイック殺伐路線を希望
461通常の名無しさんの3倍:2009/08/18(火) 00:15:56 ID:???
続きが気になるぜ…。
オカマ生体CPUに成り下がった凸は一体シンに何を話すのだろうか…。
つーか、まだ自我残ってたんだ(笑)
他のキャラがこの物語の凸のような扱い受けていたら「ひでえぜ…」と思うが凸だから「いいぞ!!もっとやれ!!」と思う。
本編で凸がこのぐらいやっていたらほんの少しだけ凸を褒めてやれたのだが…
462通常の名無しさんの3倍:2009/08/19(水) 21:37:07 ID:???
アスランは、信念貫いてるからそのために体を犠牲にしていて
かっこいいとさえ思える。
463通常の名無しさんの3倍:2009/08/19(水) 23:30:03 ID:???
ズラどころかツルッパゲでちんぽすらなくて、でもかっこいいと言ってもらえるアスランは果報者だな
464通常の名無しさんの3倍:2009/08/19(水) 23:54:14 ID:???
連合に志願して以来信念が一貫してて裏切ってないからねえ。
ハイネの巻き添えで連合兵何人か殺しちゃいるけど
465通常の名無しさんの3倍:2009/08/20(木) 07:39:30 ID:???
これこそアスランだと思ったよ>味方ごとハイネ撃墜

隊長とレイは頭の中で二重に思考(作業)を展開させるのがそっくりだな
466通常の名無しさんの3倍:2009/08/20(木) 13:43:40 ID:???
ラウがレイを育てたわけだし。ラウとギルに育てられた割に、レイって素直ないい子だな。
467通常の名無しさんの3倍:2009/08/21(金) 13:45:36 ID:???
目的のためには手段を選ばない男二人に育てられて・・・・・・学校教育がいいんだよ、プラント。
468通常の名無しさんの3倍:2009/08/22(土) 00:16:05 ID:???
ここのSSだけは先行きが全く予想付かない・・・・・

383氏の紡ぐこの物語が読みたかったですが、
放送終了からここまでですでに無理を重ねておられるでしょうから、
これ以上無理も言えませんね。

希望は色々あるんですが、最後まで書き上げていただければ
もう喝采をもって。拍手は禁止とかないですよね?
469通常の名無しさんの3倍:2009/08/22(土) 01:43:07 ID:???
何を言いたいのかは知らんが現在383氏は夏終わりあたりまで出張中のはずだぞ
470383:2009/08/24(月) 01:00:48 ID:G27LmdoJ
繰り返される停戦と難航する和平交渉。
戦場では命が火花になって散っていく。
青い地球を汚さぬために同族を撃つものもいる。
反対する少年の叫びが、宇宙にこだまする。
「遺伝子が改造されてるのがよかろうが悪かろうが、俺たちは生きてる、
それでもほしい明日があるんだよ!!」

9月上旬再開予定!
471通常の名無しさんの3倍:2009/08/24(月) 21:11:06 ID:???
これは良い予告


本編のレイがかわいそうだったから、レイはほのぼのと幸せに生きてほしい
472通常の名無しさんの3倍:2009/08/24(月) 21:41:51 ID:???
> 本編のレイがかわいそうだったから、
あれはあれで幸せだと思うけどな
死によってしか解決出来ないこともある
ガンダムでいうと強化人間とかがそう
生きていても苦しいことしか無いのなら死によって解放してやるべき…と考えちまう
(強化人間やクローンは普通の人間とは違い、どう足掻いても苦しみからは遠ざかれ無いからね)
レイの場合はさらに望んでいた(であろう)家族からの無償の愛に包まれながら逝けたのだから
他の奴らよりまだマシな死にざまだったと思ってる

が、レイは「生きてればそれだけで幸せ」って言ってるんだよな
やっぱ不幸な結末なのかな
なんか泣けてきた
473通常の名無しさんの3倍:2009/08/24(月) 22:15:38 ID:???
レイ以上にシンは嫁補正で親の敵と和解させられて生き地獄だぞ
474通常の名無しさんの3倍:2009/08/24(月) 22:26:36 ID:???
>>470
最後はアスカガ勝利
是非お願いします!!!!!!
475通常の名無しさんの3倍:2009/08/24(月) 22:55:17 ID:???
外伝でプロヴィデンスが復活します!
もちろんパイロットもあの方です!
とうとう死者すら用意に蘇らせるストーリーが始まります!!
476通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 10:11:39 ID:???
あの嫁によるレイプが幸せだと…?
477通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 13:48:32 ID:???
嫁にレイプされていない主要キャラはいない
478通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 16:26:32 ID:???
>>474
アスラン「この馬鹿野郎っ!」
479通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 19:28:08 ID:???
>>475
こんなパーツを無理矢理組み替えただけの天帝なんぞいらんわ
ttp://zip.2chan.net/2/src/1251068570663.jpg
480通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 20:26:44 ID:???
>>475
ち ょ っ と ま て !
ざけんな、本編否定するのもいい加減にしろとしか言えないんだが
本編が好き勝手にやるのはともかく、外伝の分際で・・・!
481通常の名無しさんの3倍:2009/08/25(火) 20:37:02 ID:???
つかこのライブラリアンとかいうのが新しい組織の名前なのか

>>475
死者の復活なんて本編がとっくに通過した場所だろ
ムウごときが復活できるならクルーゼが復活できない道理はない
482通常の名無しさんの3倍:2009/08/26(水) 05:30:57 ID:???
>>481
なんか説得力あるなw
483通常の名無しさんの3倍:2009/08/26(水) 12:57:37 ID:???
>>481
なんだこの説得力w
484通常の名無しさんの3倍:2009/08/26(水) 22:49:30 ID:???
>>475
外伝は未着手だったからびっくりしてググってしまった。
485通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 11:03:56 ID:???
kwsk
486通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 11:29:27 ID:???
フレイ生存で種死書き直そうぜ
487通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 14:27:42 ID:???
>>453
退役後、政界入り
国家社会主義プラント労働党を旗揚げ
党首自らと選び抜かれた美女の親衛隊が身を包むミニスカ制服で人気を集め
政権を奪取後、ユダ豚を狩立てます
488通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 18:14:53 ID:???
>>487
ジーク・ルナマリア!ジーク・ルナマリア!
489通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 22:53:39 ID:???
美少女政治家ってカガリとキャラ被るくね?
490通常の名無しさんの3倍:2009/08/27(木) 23:29:05 ID:???
美少女?
491通常の名無しさんの3倍:2009/08/28(金) 00:05:23 ID:???
美少女??
492通常の名無しさんの3倍:2009/08/28(金) 00:09:10 ID:???
君はゴリラが美少女に見えるのか?
493通常の名無しさんの3倍:2009/08/28(金) 00:56:22 ID:???
・今は離婚したけどちゃんと名実共にユウナと結婚済みのカガリ
・全部大事な所を切られた上にスキンヘッド、ラクスが好みだと語ってたアスラン

こんな設定だったらカガリファンがこの話を読むわけが無いと思ってた自分は、
最近時たま書かれるコメントに驚くばかりだ

・・・というか、本当に読んでるんだろうか?
494通常の名無しさんの3倍:2009/08/28(金) 08:20:28 ID:???
>本当に読んでるんだろうか
何をいまさらw
495通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 00:22:12 ID:???
カガリが美少女に見える目も腐ってるし
カガリがゴリラに見える目も腐っている
496通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 02:47:47 ID:???
>>495
でも、腕力的には割とゴリラ
497通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 13:54:41 ID:???
141 :通常の名無しさんの3倍:2009/08/22(土) 20:25:05 ID:???
バッカじゃないwww?アンタ達www見当外れもいいトコwww

>>133
アタシ、本当に未成年だし〜ww
友達からも顔はギアスのカレン似で声が釘宮に似てるって言われてるの!!
勝手な想像押し付けんなよ!!このキモデブス!!

>>138
だ〜れが、あんなキンニクだけの脳無し不細工ケンなんか選ぶかよ!!バ〜カwww
あははははは♪ 本当にアンタ達バカね〜wwww
北斗からならカガリに会うのは南斗のレイ様かな〜☆ZAFTのキモ過ぎレイとは偉い違いwww

でもやっぱりカガリにはロックオン、アスラン、ルルーシュ、デュオかな〜でも南斗のレイもいいかも〜
女だとネーナとティファと千歌音ちゃんとフェイトかな〜…あ〜カガリと似合うのは絶対美男美女だよね〜


これがゴリ腐
498通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 14:04:18 ID:???
うんそうだね
で、それがどうかしたの?
499通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 14:21:39 ID:???
ゴリ生存しちゃってるけど種死書き直そうぜ
500通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 14:30:24 ID:???
>>497
あいつらはソース顔が好みなのか
501通常の名無しさんの3倍:2009/08/29(土) 22:53:29 ID:???
そーっすか
502通常の名無しさんの3倍:2009/08/30(日) 00:17:21 ID:???
しょーゆー反応はやめろよ…
503通常の名無しさんの3倍:2009/08/31(月) 00:04:25 ID:???
もしも外伝で本当にクルーゼinプロヴィデンスが復活したらどーする?
504通常の名無しさんの3倍:2009/08/31(月) 01:13:18 ID:???
ニコルパパが自殺してないどころか凸の蝙蝠人生をほめて和解してる…
などという糞公式後付を採用してる二次書きはいないのと同じで関係ないだろう。
仮に実現してもどうせゴミに決まってるし。
505通常の名無しさんの3倍:2009/08/31(月) 11:37:54 ID:???
>>504
二次創作として楽しむよ(^-^)
久々ですね隊長〜って気分で。
え?だってあれ同人誌でしょ?
506通常の名無しさんの3倍:2009/09/03(木) 07:21:34 ID:???
保守
507通常の名無しさんの3倍:2009/09/05(土) 02:40:03 ID:???
そういやもう九月上旬なんだよな、
よし全裸……いや去勢待機!!
508383:2009/09/06(日) 02:09:19 ID:6UjchOYU


『お前は優秀なザフトの兵士で、優れたコーディネーターだ。しかし考えてみてくれ、コーディネーターがなんのために生み出されたか。人類が宇宙に進出するのに便利な遺伝
子を寄せ集めて作られたのが、ファーストコーディネーター、ジョージ・グレンだ。彼の
誕生までにどれだけの胎児や受精卵が廃棄処分されたかまで俺は知らないが、相当な数だ
っただろう。その当時地球環境は疲弊し、宇宙移民を早急に行わないと母なる地球が耐え
られなくなるところまで来ていた。ジョージ・グレンは自分が‘造られたもの’であるこ
とを公言し、遺伝子配列を公開した。それに基づいて非合法に遺伝子操作された、ジョー
ジ・グレンタイプとでもいうべき初期のコーディネーターたち、俺の父親もその一人だ。
一人の遺伝子をモデルに遺伝子操作を行った結果、初期のコーディネーターたちは兄弟と
言ってもいい近い遺伝子を持つにいたった。それはコーディネートの技術が花開き、宇宙
で必要な無重力への耐性、たとえば骨からカルシウムが溶け出しにくいとか、宇宙酔いを
しないとか、そういった基礎の上に髪の毛や瞳の色、容姿をいじっていくようになった。
お前は知らないだろうが俺の髪は藍色だ。お前の眼は赤い。こんなものはアクセサリーに
すぎない。本質的に、コーディネーターは宇宙開発用の労働奴隷として生みだされたこと
を忘れないでほしい。コーディネーターを働かせて宇宙コロニーを作ったあとは、地球か
らナチュラルが移住する予定だった。しかしS2インフルエンザの流行により、地球のナチ
ュラルの人口は激減し、宇宙に移住する余剰人口はいなくなった。その間にコーディネー
ターたちはコロニーを乗っ取りプラント理事国にはむかって、独立国家の顔をし始めた。
お前はコーディネーター二世代目の繁殖率が低い理由を知っているか? もともとジョー
ジ・グレンというひとりだけのアダムから人為的に発生したコーディネーターは遺伝子の
変異性に欠け、二世代目で既に近親相姦の様相を呈しているんだよ。ただそれも計画通り
だ。コーディネーターは子孫を残せず自然に滅ぶ。今頃は木星の探査を本格的に行う予定
だったが、コーディネーターはいっぱしの人間のつもりでプラントを不法占拠していた。
本来なら今、コーディネーターは生きて帰るものが何人残るかという木星への旅に出、
コーディネーターが開拓した月周辺の宇宙をナチュラルが手に入れることになっていた。
S2インフルエンザで計画が狂ったが、俺はコーディネーターをすべて殺し、最終的に自分
も死ぬことで創造主にして純粋なるナチュラルへの恩を返す。だから俺はお前を、ザフト
を殲滅する!』
509通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 02:10:18 ID:???


 緑色の意志の糸がデスティニーに絡まっているようだった。この感覚はバイロイトの舞
台を見ていた時、登場人物の感情の流れや動きが色の糸で感じられたのに似ている。
 しかし、一瞬の間にアスランの思惟を強制的に脳に送り込まれたシンは叫び声をあげ、
同僚および上司から報告を求められた。
「シン!」
「どうした、シン!!」
 そのあとに隊長から、
「精神が持たんならミネルバへ帰還しろ、シン・アスカ」
 と平静きわまりない声で言われた。
 これまで戦ってきて、妙な超常現象だか幻覚だかを見たからと言って戦えないなどあり
得ない。隊長だってそれをわかって言ってるはずだとシンは思った。
「問題ありません。デスティニー、完璧に起動していますし、俺が唯一のパイロットで
す」
「それなら、誇りを持って戦うのだな」
「了解しました!」
 アスラン・ザラのたわごとは本当なのかもしれない。コーディネーター三世を産むには、
遺伝子適性の壁がある。四世となるといまよりもっと交配出来る相手は限られるだろう。
もしコーディネーターが滅びゆく遺伝子改造の仇花であったとしても、シンにはプライド
があった。親から伝えられたコーディネーターの優秀な遺伝子が自分の体を支えていると
いう。それにナチュラルの労働奴隷としてコーディネーターが作られたなど、信じたくな
い。人間はナチュラルでありコーディネーターであり一つの命として平等であり、ナチュ
ラルが『作った』からといって、コーディネーターは人間であり家畜ではないのだ。
 ただあのアスラン・ザラという前大戦のエースパイロットは、創造主であるナチュラル
に服従するのがコーディネーターの務めだと思っているようだ。
(変な奴、おれたちが倒してやる)
 さすがにさっきのデストロイとは動きが違い、レイのドラグーンで1/3、隊長でも半分
ほどしか当てることができない。それでも装甲に軽微なへこみはできるし、数が多くなれ
ばモビルスーツ全体の動きにも影響する。
 シンとルナマリアは必死にビームをかいくぐり、ドラグーンで損傷を受けた個所に切り
つけようとするが、これがなかなかうまくいかない。だいたいデストロイに近づいた時点
で体勢が崩れているから、入る力も入らない。
510通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 02:10:26 ID:???
 戦場は膠着し、多くのモビルスーツが電池切れの不安を感じ始めたころ、両軍に停戦命
令が発せられた。首脳会談を再開する運びになったのだろう。
 戦士が転職ともいえるシンにしても、無駄に戦って人をたくさん殺すのは嫌だった。こ
ういうとき、政治家が活躍して和平をまとめ上げてくれる軍であれば安心して働ける。
 ミネルバに帰還するすがら考えて、怖気をふるったのだが、あの、アスラン・ザラと名
乗る声はなんなのだろう? プラントを裏切って連合に入ったコーディネーターとして連
合のニュースで名前と容姿は見たことあるが、顔は知らない。そんなやつに『お前』なん
て呼ばれる筋合いはないし、一方的な自説だけを他人の頭に焼き付けていった。でも彼は
なぜそんなことができるのだろう。あのデストロイから伸びてきた緑色の光の糸にデステ
ィニーが巻き込まれたから? デスティニーからも赤い糸がデストロイに伸びていた。と
いうことは、こちらからもあの上から目線の傲慢な男に話しかけることができるのだろう
か? それではSFだ。今いるのは実際の戦場で、この戦いに艦隊が敗北するようなことが
あれば、プラントの一般市民はアスランの言うとおりナチュラルの奴隷にされてしまうか
もしれない。オーブでもコーディネーターとナチュラルは別々の住宅地に住んでいたし、
仕事で必要な時以外付き合いはなかった。シンは大学の研究室のナチュラルを何人か知っ
ていたが、個人的な話をしたのは世話焼きの女子学生くらいだった。
 とにかくミネルバに帰って、いつまで続くかわからない停戦のあいだにシャワーでも浴
びよう。本当は医務室のヴァレンティナに相談したいところだったが、正直に話したら強
制入院させられてしまう。
 ミネルバモビルスーツ隊は無事に帰還し、整備班がモビルスーツに取り掛かった。

511通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 02:11:15 ID:???


「お久しぶりです」
 会談の席に入ったデュランダルは言った。
「1時間47分ぶりだね」
 答えるコープランドに、「強靭な精神力をお持ちだ。さすが地球一の大国の元首です
ね」とプラント議長は滑るような皮肉を言った。
「プラントからの和平条件書だが、君たちはなにか勘違いをしていないか? 我々プラン
ト理事国はプラントの独立さえ正式に認めていないということを思い出したまえ」
「なら、同時にサインしてくださって結構です」
「な……小面憎い物言いを」
「お互い現実を認める時間は十分にあったと思いますが? どちらかが臍を曲げるたびに
開戦して兵士たちを殺すようでは、我々は無能な為政者です。私は子供のころから、無能
という言葉は嫌いでして」
「わたしもだ。ではプラントは独立宣言を出したし、前大戦の成果で独立したとしよう。
いまは地球連合とプラント共和国の対等な独立国同士の戦争だと」
 コープランドは現実路線に出た。地球のロゴスは壊滅状態だし、ブルーコスモスの新た
なる最高指導者が決まるのを待っている時間はない。スポンサーより部下が大事だ。
「連合の月基地の再建、それだけはプラントとして許せません」
「月の調査には必要だ」
「民間人の住むコロニーを破壊する兵器を配備するためにですか? 私は月は自由都市を
増やし、将来的に独自の自治体に育つべきだと考えます」
「それは実質的にプラントの植民都市を造るということにしかならん。月の1/6Gの生活
は、ナチュラルにとっては苦労が多すぎる」
「コーディネーターが居住することと、プラントと友好関係を持つことがイコールになら
ないことは、地球でナチュラル同士の外交をこなしていらした大統領にはよくおわかりで
は?」
 これは論理的にはデュランダルの言を認めなければならない。みな自分の国家、自治体
の利益のために動くのであって、連合は相手がナチュラルの国だからといって手加減など
したことはない。プラントもそういう『人間的』な外交をすると。
「ナチュラルの方々は我々を『宇宙の化け物』扱いなさいますが、遺伝子的には同じホ
モ・サピエンスだということをお忘れなく。化け物でない代わりに、万能でもないのです。
ファ−ストコーディネーター、ジョージ・グレンはナチュラルの少年に暗殺されましたが、
老いたコーディネーターより若いナチュラルのほうが俊敏なのだと思いませんか?」
「民族の話を個体差に持っていかないでくれたまえ。君たちは無重力、低重力に適応して
いるが、われわれはそうではない」
「宇宙進出がしたいのなら、地球でのコーディネーター作成禁止の法律を廃止すべきです。
実際体外受精を隠れ蓑に子供をコーディネーターにしている人たちはかなりいるようです。
容姿をいじらなければ怪しまれませんから。レオナルド・ダ・ヴィンチ、万能の人ですら、
田舎の村の公証人と村娘の間に生まれたのですから」
 コープランドは苦虫を噛んだような顔になった。
512通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 02:11:20 ID:???
「プラント領オーブでは、以前と変わらずナチュラルとコーディネーターが一緒に暮らし
ています。彼らの生活は融合してはいませんが、確実に重なる部分があります」
「その、プラント領オーブという言葉はまだ国際法で認められていない。プラントが武力
統治しているところのオーブ連邦首長国だ」
「オーブではザフトは嫌われたいない占領軍です。アスハ家独裁体制に疑問を持っていた
市民が、オーブのための政策をどんどんだしてきます。それにはナチュラルもコーディ
ネーターもありません」
 デュランダルはふと、アーモリーワンに乗り込んできた金色の目をしたお姫様を思い出した。
夫は離婚して亡命し、彼女はひとりで生まれ育った屋敷にいるという。金色の目と
気性が女豹を思わせたが、やはり甘やかされた猫だったようだ。彼女の遺伝子的にはかな
り離れた双子の弟のキラ・ヤマトも占領統治下の一市民として生活しているという。ヒビ
キ博士は人間の精神をつかさどる遺伝子には弱かったのかもしれない。実際明らかな欠陥
遺伝子を取り除く以外、精神面のコーディネートは進んでいない。SEED因子も同様に
未知の分野だ。そろそろ研究生活に戻りたいものだと、デュランダルは思った。
「連合としては、アルザッヘル基地の再建、プラントがオーブを占領から解くことは譲れ
ん」
 月に基地があるから、プラントを牽制できる。それにプラント――コロニー国家――が
地球に領土をもつなど、認められるわけもなかった。コープランドは寂れている連合所属
のコロニーの存在を忘れていた。住んでいるもの好きな人間も、連合への帰属意識は薄い
だろう。
「プラントとしては、連合の月からの完全撤退、プラントによるオーブ領有は譲れない項
目です」
「そんなに戦いたいのかね、君は」
 コープランドがデュランダルをねめつけた。
「未来のプラント市民のためです。妥協はできません」
「ならば、戦争再開だ」
 二人の国家元首は立ち上がった。
513通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 02:13:24 ID:???
うちの母親は宇宙のニュースを見るとカルシウムが溶けるから、あんなところ行きたくないといいます。
私は行きたいけれど、骨密度は平均以下です。
でも姉は年齢平均骨密度の三倍の数値を誇る鉄骨女です。こういう鉄骨遺伝子をつかって、
コーディネーター作ったのかなと思うと楽しいです。
514通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 07:38:34 ID:???

>「ならば、戦争再開だ」
おいwww
やっぱり無理だったか
まあ話し合いで終わってちゃ物語的に楽しくないからな…悲しいけど
515通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 10:28:53 ID:???
最後のシーンに少佐がいたww
516通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 13:53:17 ID:???
よろしい、ならば戦争だ
517通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 14:12:20 ID:???
アスランの電波演説、そういう演出だとは思うが
読みにくい。
518通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 15:04:18 ID:???
>>517
餓鬼じゃねえんだから駄々こねんなよ
519通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 15:41:02 ID:???
投下乙です
スレ開いた瞬間文字の塊が見えてぞっとした
こんなんが頭の中に直接送られてきたらシンも絶叫するなあと納得
登場人物それぞれの考え方やスタンスがある上で、プラント対連合っていう
大きな流れになっているからわかりやすいし読んでて楽しい
シンもアスランの主張を受けてもぶれないし
コーディは奴隷!だから抹殺!ていう主張に影響受けてたまるか!って感じもするがw
520通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 17:05:11 ID:???
言語明瞭意味不明瞭なのだけは、どこに宗旨変えしようがナニちょんぱしようが
生体部品になろうがブレないのなw
521通常の名無しさんの3倍:2009/09/06(日) 19:38:45 ID:???
>>513
乙です。
て、鉄骨女・・・・wwwww
522383:2009/09/09(水) 13:44:57 ID:ku+p8DJv


「エターナルはミーティアを一機失いながら善戦。ミネルバはモビルスーツ隊にすべてを
任せて、陽電子砲を使いもせずですか。どう思われます、ミズ・テッサオリティス」
 部下の言に少し返答に詰まる。
「エターナルクルーの適性に応じた尽力と、ミネルバを前線に出さない艦隊司令の弱腰は
事実として認識しなければ。ただミネルバのモビルスーツ隊の戦い方はとても利口だった
と思わない?」
 クレオパトラはプラントの軍本部の一室で、真っ赤に塗った唇に皮肉な笑みを浮かべた。
「同意します。ただ、デスティニープランの実験船として、エターナルは最適な船だった
と思うだけです」
「そうね。ミネルバではデュランダル議長は他の実験をしているの。そしてそれもうまく
いっているようだわ。彼はプラント議長としての目的と科学者としての目的と、どちらが
大事なのでしょうね」
 戦線を整える間、デュランダルはフェイス専用回線で入っていたアレッシィからの進言
を読んだ『ミネルバを艦隊前面に出せ』。
 短い文面だったが、ミネルバの陽電子砲を使え、リフレクターを持つデストロイはモビ
ルスーツ隊が片を付けるという意味がこもっている。プラントに移民してきたラウと知り
合った日を思い起こし、自分は親友に甘えているなと唇をかんだ。


 時間や疲労度の問題もあり、シンとレイはパイロットの着替え室に隣接するシャワー
ルームで、全裸になって、顔と両手足を冷却マッサージ効果のあるシャワーで洗った。そ
れから頭の地肌を清涼成分が入っているペーパータオルで拭く。
「シン、なにかあったのか?」
「いや、ちょっと……。それよりレイのほうは大丈夫か? ドラグーンって相当神経使う
んだろ。疲れなかったか?」
「大丈夫だ、出撃前に薬を飲むことにしているからな」
 勇敢で愚かな親友は、薬に発作の予防効果があると思っていることだろう。あれは頓服
でしかないと知っているのは、この宇宙で三人きりだった。
 同じく一戦闘したあとのリフレッシュをすませたルナマリアと合流する。彼女の髪から
漂う香りに気を惹かれて聞いてみる。
「ああ、ペーパータオルに地球で買ったローズマリーのエッセンシャルオイルを一滴垂ら
したの。天然の香料の効き目って、すごくない?」
「うん、でもそんな趣味があったなんて思わなかった」
 くるりとルナマリアが振り向いて大きい瞳を見開いて言う。
「わたしだって女なの。男と女は違う個性を持っているって、ちゃんと認めなさいよ。赤
服のパイロットだから同等というのはザフトの基準だけど、私は私の個性を持って表現す
るために生きてる。あなたも自分を憐れむことを卒業したのなら、自分に誇りを持つこと
を覚えなさいよ」
523通常の名無しさんの3倍:2009/09/09(水) 13:45:31 ID:???
「俺だって」
 とは言ってみたものの、プラント人になったとはいえザフトにしか棲みかを見つけられ
ていないのは事実だ。プラント名物エヴィデンス01を見たことがあるくらいで、プラント
の生活はザフトのフィルターをかけられたものだけだった。シンには、プラントのコロ
ニーに守りたいものはなにもないのだ。形でなく精神としてのコーディネーターの自主独
立、そして苦楽を共にしてきたミネルバの面々が生き残ること――艦長の死のあっけなさ
はシンに改めてモビルスーツという兵器の恐ろしさを教えた――が大切だった。
「ルナマリア、言いたいことはわかるが言い方が厳しい。俺もシンと同じく、プラントに
守るべき家族を持たない」
「あ、……ごめんなさい」
 プラントでは両親と子供二人という標準的な家庭が、全所帯数の10%にも満たないこ
とを忘れていた。
「準備はいいかね」
 室温を二度下げるような隊長の声が響いた。ただ、もうシンもルナマリアもこの隊長が
大好きであったが。
「10分後に出撃だ。ミネルバは艦隊前面に出るので、その間はコクピットにて待機」
「「「了解」」」
 アレッシィは要観察者のシン・アスカと分身のレイ・ザ・バレルに少し気をやるような
視線を見せたが、条件がどうあれ贔屓だの特別扱いだのはきらいなので、すぐに忘れた。
一瞬、前大戦の面倒な部下たちの顔が脳裏をよぎったが、そのまますいと脳のゴミ箱に捨
ててしまった。


 次々とモビルスーツが発艦する中、艦長代理アーサー・トラインは手のひらの汗を隠せ
ずにいた。プラント艦隊最前線へとの命令を受けた時、軽く脳貧血をおこしたと彼は確信
している。これまで一隻で敵と当たることが多かったので、前線で命のやり取りをするの
には慣れているつもりだったが、艦隊戦で前列に出て陽電子砲を撃ちまくれという指令は
アーサーには少々刺激的だった。
「陽電子砲、チャージ始めます」
 艦隊の編成がおこなわわれている間に、初手の一発をチャージする。先ほどの指示の後、
陽電子砲のチャージ時間とその間は通常のビームとミサイルで応戦のプログラムを砲術士
官が書き上げていた。アクシデントがなければ、ミネルバは敵艦隊左翼を壊滅させるシミ
ュレーションが彼のモニターに映し出されていた。
 ミネルバの乗組員は非戦闘員を含めて、軽い興奮状態にあった。地球のヘヴンズベース
戦で議長の御座艦だったとはいえ、プラントの本拠地である宇宙での艦隊戦で切り込み役
をやるというのは、ほとんどが宇宙生まれのクルーにとって特別なことなのだ。
 この会戦で有利に運べなければもうプラントには後がないと、兵士も市民も分かってい
る。最低でも独立を守る、本音は月に連合の人間を入らせたくない。地球人が領土や領海
を意識するようにプラント人は領宙権とでもいうべきものを持っていた。プラントを中心
に月の半分までの全球あたりが、その感覚だろうか。だからアルザッヘル基地は非常に嫌
われ、憎まれていた。
524通常の名無しさんの3倍:2009/09/09(水) 13:46:31 ID:???
「モビルスーツ隊、発艦します」
 アビーの声が響いた。4機のモビルスーツがミネルバから離れて10秒で陽電子砲発射
だ。それはプログラミングされていて、最初のデスティニーが発艦すると同時に作動し始
めるのだ。
 モニターに主砲発射までの秒数があらわされる。目標は敵の前衛艦だ。
 ミネルバおよびザフト艦隊の皆が見守る中、予定通り主砲から陽電子砲が発射され、敵
前衛艦隊を崩すことに成功した。一隻に命中するとその艦はコントロールを失い、慣性の
法則のまま自軍の艦にぶつかってしまう。それが連鎖反応を起こすと、一回の主砲で10隻
以上の艦を戦闘不能にできる。無重力での戦闘では、戦艦やモビルスーツの破片一つが命
取りになることもある、非常にシビアなものであった。
 その戦闘開始を楽しげに見ているジャンク屋たちと感じているマルキオ導師。
 さきほどアスラン・ザラがシン・アスカに接触した気配が伝わってきた。あの二人を戦
わせる運命にしか導けなかった己を恥じるところもある。アスラン・ザラはオーブで立ち
直ったと思っていたのだ。自然と融和し戦う男の道を選んだと。しかし情報ではすでにヒ
トの姿をとどめぬ生体CPUだという。培養液につけられて、脳と直結した電線を通してモ
ビルスーツを操るだけの存在になったと。それも彼にとっては、自然、人も地球や宇宙も
含めたナチュラルを守るためなのだろうが……。マルキオはSEED因子が人類に革変をもた
らし、デミウルゴスの支配から抜け出せるのではと思ってきたが、アスランは完全に道を
誤った。彼の≪破壊≫というモビルスーツは、本当に破壊するだけだ。敵だけでなくパイ
ロットを。アスランはこの戦いを終えて命があれば、地球のコーディネーターの虐殺を始
めるのだろうとマルキオは思った。
 ミネルバの4機の行く手にはデストロイが漂っていた。電池の消費を攻撃に回したいの
だろう、無駄な加速はしないと見える。
 さきほど隊に合流したプロヴィデンスザクは一機になっていた。破片をよけ損ねてドラ
グーンが使えない状態になったという。
 向かってきた破片を落とせないとは二流のドラグーン使いだなとアレッシィは思ったが、
口では健闘をたたえた。もともとあまり期待していない。アレッシィの他者への評価は氷
山のごとく冷たいのだ。
 艦隊のビームが飛び交い始めると同時に、先行したレイのドラグーンがデストロイを囲
んだ。そこにアレッシィのドラグーンが絶妙なタイミングで中へ入り込む。
 シンはデストロイの四肢を切り刻むこれまでの戦法が有効だと思っていたが、この相手
なら、一か八か頭――メインカメラ――を落としてしまいたいと思った。パイロットが一
番頼るところでもあるし、精神的ダメージも大きい。インパルスの場合だとデュートリオ
ンが受けられなくなるから、ルナマリアならパニックになるだろう。
 その旨を隊長に願い出て、支援を受けることになった。ドラグーンの動きは素早く鋭角
的で非常に読みにくい。もう一機のプロヴィデンスザクのものと全く違う。隊長とレイの
能力に感謝しつつ、全幅の信頼を置いてデスティニーは光の翼をきらめかせた。
(やった!)
 シンはヘルメットの中で声をあげた。相手はいきなり頭を狙われるとは思っていなかっ
たようだ。確かにメインカメラだけであとはバルカンが付いているくらいだから、狙われ
ると思っていなかっただろう。
525通常の名無しさんの3倍:2009/09/09(水) 13:46:48 ID:???


(うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎぎゃあ)
 デストロイのコクピットでアスランの脳が電気信号を発した。デストロイと一体化して
いる彼には、機体に与えられたダメージが直接痛みとして伝わるのだ。先ほどの戦いのよ
うなものだと、少し血を流すとそこがより敏感になるという程度のものだったが、このよ
うに頭を持っていかれるとは想像だにしていなかったのだ。
 矛盾する表現だが、アスランの脳内では自分の頭が剣で切り離されているのだ。その痛
みに神経が悲鳴を上げ、する必要のない呼吸ができないとの思いに襲われた。
 しかしブルーコスモスの理想、青き清浄なる世界のためにコーディネーターを鏖にする
という約定のために、空想上のアスランは手で頭を引きもどし、首に付けた。そしてデス
トロイ得意の全方位射撃を行う。この間約0.01秒。
 体中からビームをまき散らすデストロイに、多くの戦艦とモビルスーツが貫かれていっ
た。ミネルバ隊でもシンは右足をレイは左腕、ルナマリアは両足を失って換装する羽目に
なった。ただ隊長だけは白いプロヴィデンスザクを完全に保っていたが。
 ミネルバは直撃はそれたが、かなりの破片を浴び、機体のコントロールにブリッジはか
かりきりになり、陽電子砲発射のプログラムを一時止めなくてはならなかった。
 ザフトの宇宙軍はアーモリーワンに続いて、再びデストロイに恐怖した。
526通常の名無しさんの3倍:2009/09/09(水) 13:48:05 ID:???
私はアスランファンかもしれない。
あ、ラベンダーとティーツリー以外のエッセンシャルオイルは、直接肌につけないで希釈します。
コーディネーターは頭皮も丈夫だろうということで。
527通常の名無しさんの3倍:2009/09/09(水) 14:09:24 ID:???
本編のアスランは頭皮が丈夫じゃなかったようです( ´・ω・`)
ともあれGJ
528通常の名無しさんの3倍:2009/09/10(木) 01:17:33 ID:???
イメージ上とは言えもげた首を繋ぐとは……
あるいみ恐ろしい精神力だ。
529通常の名無しさんの3倍:2009/09/10(木) 04:29:01 ID:???
投下乙です
思わず、結構前から思ってましたとつっこみかけたw >アスランファンかもしれない
ここのルナマリアは本当にかわいいなあ
自分に自信を持ってる魅力的な子って感じ
較べてデストロイとアスランのおぞましさの表現がすごい
続きが気になる
530通常の名無しさんの3倍:2009/09/10(木) 16:20:39 ID:???
>>526
>私はアスランファンかもしれない。
で、首チョンパ・・・
愛が重すぎます。

追伸
お帰りなさいませ、ご主人様。
531通常の名無しさんの3倍:2009/09/10(木) 20:41:05 ID:???
元々オーブ出身で、ナチュラルに対する差別心なんか始めからないシンに
こんな事言っても無意味だよな
せっかくDOMEもどきの能力を手に入れたのに、やっぱり的外れなこと
やっちゃう凸がなんだか愛おしいw
532通常の名無しさんの3倍:2009/09/10(木) 23:04:04 ID:???
>一瞬、前大戦の面倒な部下たちの顔が脳裏をよぎったが、そのまますいと脳のゴミ箱に捨
ててしまった。
正しい判断です隊長w

しかし、改めてクルーゼ隊って全員死んだんだなぁと今更ながら実感する
533通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 12:33:40 ID:???
>>532
凸は一応生きてるよ

痔の死に方面白かったなぁ
534383:2009/09/11(金) 20:22:47 ID:aQoaNnWJ


「なんと、一機のモビルスーツがあれだけの力を……」
 デュランダルの隣で軍事担当の議員がうめいた。彼が言いたかったが口をつぐんでいた
言葉を出してくれて、緊張が溶けた。彼は最高司令官である以上、こういうときに驚いた
顔や言葉は出してはいけないのだ。
「被害の報告を」
 いつもと同じ声だったと思う。指令室はキーボードを叩く音と艦隊からの入電で埋め尽
くされた。
「艦隊左翼、損傷率70%、うち40%は戦闘不能」
 連鎖反応に艦隊が弱いとはいえ、ここまでとは。
 デュランダルは首をかける覚悟を固めた。
「ネオ・ジェネシスの照準をあのモビルスーツに」
 指令室の空気が凍りついた。それはあのモビルスーツごと敵艦隊だけでなく、味方の大
部分も焼き払うことだ。
「は……はい。ネオ・ジェネシス、最小出力で敵モビルスーツデストロイに照準固定しま
す」
 首のとれたモビルスーツは宇宙に溶け込んで、一層不気味に見えた。
 パイロットのアスラン・ザラはメインカメラを壊されたことなど、気にしていなかった。
目を閉じていてもSEEDを解放した彼の脳には戦場の一部始終が三次元で浮かび上がる。
 彼の脳の状態はJPジョーンズに転送されていたが、研究者たちはメインカメラを失った
デストロイがここまで動けるのに驚愕していた。
「これは、分析してみないと理由がわかりません」
「彼のコーディネーターとしての力、エクステンディッドとしての力を超えています。今
の彼は、計算外のモンスターです」
「でも、命令は通じるのでしょう?」
 エルドリッジ少佐が質問する。
「はい、服従関連の脳波には異常ありません」
「なら、コーディネーターの殲滅を」
 地球のブルーコスモス本部では新盟主を決める会議に入っている。それが終われば、ブ
ルーコスモスは青き清浄なる世界を目指す組織としてもう一度再生することができる。今
は頭を押さえる存在がいないから、コープランドはいい気になっているようだが、誰が飼
い主か知らせてやらねばなるまい。
「あいつ、メインカメラがないのに……」
「焦るな。サブカメラに目を配れば同じくらい動ける。お前だってそのくらいできるだろ
う」
「――はい!」
 シンは隊長の言葉に元気を取り戻した。相手のほうが技量が上なら、こちらはチーム
ワークで戦うだけだ。さっきの一撃だって、ドラグーンの強力な援護がないとアロンダイ
トの届く距離まで行けなかった。
535通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 20:23:16 ID:???
 アレッシィはネオ・ジェネシスが照準を変えつつあるのに気がついた。確かに味方を犠
牲にしても葬らなければならない敵だろう。だが、電池切れまで持っていけばこちらの勝
ちだ。デュランダルにしてもそこまで勝ちを焦らないだろうと、アレッシィは推測した。
 それはみごとに当たっていて、
「これがブラフとして利いてくれるといいのだが」
 とデュランダルはメサイヤの指令室で呟いていた。
 ただ当のアスランはコーディネーターを滅殺ことしか頭にないので、ネオ・ジェネシス
の照準変更はどうでもよかった。あのガンマ線レーザーが撃たれたら、ザフト軍も多くが
道連れになるのだから。
 連合、ザフトの両艦隊司令部は息をのんでいた。
 あれだけの兵器をまだ持っていたプラントにさらに警戒感を強める連合。
 ザフトはプラントとしては一番大事な資源である人間を犠牲にしても、政府はこの会戦
を勝利で終わりたいのだと理解した。
 だが同じ人類であり、コーディネーター二世同士とコーディネーターとナチュラルのカ
ップルを比較するなら、後者のほうが圧倒的に子孫を残せる率が高いというのに、時代遅
れの民族差別に踊り戦うのだろう。アレッシィのような、どちらにも本質的に感情移入で
きないものには異様な光景だった。ただ彼はザフトの軍人であり、その責務は十全に果た
すと決めているが。
『聞こえるか、シン・アスカ』
 シンは大きく深呼吸した。頭で『アスラン・ザラだな』と考えると、また赤い糸がデス
トロイに伸びていった。どうやらこの不思議な緑の糸と赤い糸でアスラン・ザラと会話が
できるらしいと、シンも飲み込んだ。しかし先ほどの思考の奔流はなんだ。レイプされた、
と思う。頭の中に勝手に印を刻みつけられたようで不愉快極まりない。
『お前の力があればオレと一緒にザフトとプラントを全滅させることもできる』
『俺はザフトの軍人だし、お前のようなコーディネーター否定論者じゃない』
 戦いが再開していた。
 シンはアロンダイトで連合の艦隊を切り裂きながら、デストロイの隙を窺っていた。
『コーディネーターは悪魔として作られた生物だ。生きていてはいけないんだ、どうして
わからない、シン!』
『コーディネーターとネチュラルの遺伝子なんて、たいして変わってるもんじゃない。ど
うしてブルーコスモスは、そんなにコーディネーターを憎むんだ。ナチュラルよりちょっ
と宇宙生活向きの体をしてるだけだ!!』
 アスランとの会話方式を不本意ながら飲み込んだシンは、言いたいことをぶつけた。彼
だって好きでナチュラルを殺しているわけではない。彼の初恋はナチュラルの、知的障害
があって、エクステンディッドにされて戦うことしかできない少女だった。
『あんたに俺がどんな気持ちでステラを殺したかわかるか? プラント議長のぼっちゃん
に!』
 シンの何げない言葉は、アスランのコンプレックスを直撃した。
 またデストロイの全方位攻撃が行われたが、今度は位置が悪くさしたる被害は出なかっ
た。
『お前に何がわかる。父の政治的な野心のために、月に捨てられるようにして育ったオレ
の気持ちが!?』
『そんな昔のこと知るか、ボケ! 家族と一緒に暮らしたかったら親に泣きつきゃいいじ
ゃん。うちの親なんて逆に、俺がヘリオポリスの工業カレッジに行きたいっつったら、子
供だから駄目だといいやがった』
536通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 20:23:42 ID:???
 ただ親のわがままもおかげでヘリオポリス崩壊に巻き込まれずにすんだし、最後まで家
族四人でいられた。あのビームで焼け焦げたマユの右腕。蒸発して地面に人型を残した両
親。絶望して涙を流した夜のことはけして忘れない。自分の子供――コーディネーターか
ハーフコーディネーターかわからないが――にも語り継ぐ。無責任な政治は、民間人を殺
すと。
 赤い光の糸を伝って、シンの人生がアスランに流れ込んだ。またその逆も。
『お前ってやつは――父親に認められたいからなんて甘ったれた理由で、戦場に。裏切り
者がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
 デスティニーのアロンダイトが、デストロイの首があった場所にめり込んだ。
『ブルーコスモスの啓示を受けて生まれ変わる前のオレはオレじゃない。父も母も悪しき
コーディネーターだ。オレは前大戦で正しいことをした。そしてブルーコスモスの光を見
つけたんだ』
『かまってくれなかった父親へのコンプレックスだろうが。ダッドが可愛がってくれなか
った、ダッドに政治の道具として婚約させられたって、そんなにお前は不幸かよ。プラントは食っていくのがやっとだし、地球には想像もつかないようなぜいたくな生活もあれば、
一日1アースダラー以下で生きてる人も山ほどいるんだ』
 ずぶずぶとアロンダイトがデストロイに切り込んでくる。
 デスティニーの核分裂がもたらす大出力が利いているのだ。
 カガリのような金持ちがいる一方、オーブにも貧民はいた。しかしそのことをいやしい
コーディネーターに指摘されるほど、不愉快なことはなかった。地球は様々な問題を抱え
ている。その一つで最も大きい問題が『コーディネーター』の存在だと、なぜ気がつかな
いのか?
 コーディネーターの遺伝子が全滅すれば、青き清浄なる地球には貧民などいなくなる。
アスランはそう信じていた。
『その貧富の差すら、オレたちコーディネーターの責任だ!』
『お前は……狂ってる。人間だれだって明日がほしいんだ。でもお前が望む明日は、間違
ってる!!』
 シンは自分の赤い糸をひっこめたが、コクピットに入り込んだアスランの緑の糸を処分
する方法は思いつかなかった。
「いけえぇぇ、デスティニー!!」
 動力炉を最大にあげて、デストロイを縦に真っ二つにする。シンはそのことに集中した。
 コクピットを緑糸の糸が跳ねまわる。頭の中で、アスラン・ザラのごちゃごちゃする声
がしたが、それはきっぱりと遮断した。
537通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 20:24:28 ID:???


 あの分からず屋は、いったい自分が何様だと思っているのだろうか?
 卑しいコーディネーターの生きる道を教えてやろうとしている先達に向かって、剣を振
り上げて。だからコーディネーターは野蛮だ、汚らわしい。アスランの脳は混乱し、デス
トロイのまだ生きている部分からさまざまな色のビームが飛び出ていく。しかしさっきま
でつながっていたシン・アスカの赤い糸はない。オレとあいつがいれば、全宇宙のコーデ
ィネーターを始末できるのに。アゴストやタニスではダメだ。あの赤い瞳の少年でなけれ
ば……。


 アロンダイトがコクピットに達した。
 シンは奇妙なものを見た。コンソール型のステラのデストロイのコクピットと違って、
ガラスの大きなカプセル。そこに浮遊する禿頭の人間の形をしたもの。
 ガラスが敗れる瞬間、緑色の双眸がぎろりとデスティニーの中の自分を睨みつけたよう
な気がして、寒くもないのにぞくりとした。
 あれが生体CPUの末路。
 デストロイを切り裂きながら、シンは人間を機械の一部にする強化人間というシステム
への怒りを新たにした。モビルスーツのパーツとしてしか生きられない人間、そんなもの
を作るブルーコスモスと連合への怒りがある。
 戦況はかわり、ザフトが優位に立っていた。
 シンがデストロイを相手にしている間にレジェンドとインパルスが先頭に立って艦隊戦
に持ち込んだのだ。シンは同僚の活躍を見てほっとした。いい悪いは別にして『人間の戦
争』だ。シンは連合が強化人間の研究を中止するよう強く願った。
 爆散するデストロイから逃げるように、ミネルバの親友に合流する。一番効率よく敵艦
を戦闘不能にできるのはレイのドラグーンだ。
 連合軍も対モビルスーツ戦のエースはデスティニーだが、対艦隊戦ならレジェンドだと
見てとったらしく、レジェンドに砲火が集中する。
 隊長のドラグーンが援護に回った。
「援護は必要ありません」
 きっぱりとした冷静な声。
「ならば停戦まで生き延びろ」
 レイと隊長は考え方も声も似ていると、シンはいはっとした。レイの前大戦で死んだ年
の離れた兄とはもしかして……。あれだけの実力のある軍人なのに、隊長の身元は議長し
か知らない。生き延びたが何か理由があって、名前を変えて生きているのだろうか。
538通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 20:24:34 ID:???
「シン、右側がお留守!」
 ルナマリアの声に我に戻った。レイは親友だし、隊長は尊敬する上司だ。今はそれでい
い。
(そろそろかな)
 指令室でデュランダルは平静を装っていた。しかし指令室には熱気が戻り、戦いの趨勢
が決まったとだれもが思っている。彼にしてもこの状況でコープランドがごねるとは思わ
ない。ブルーコスモスより巨大なスポンサー、有権者の存在を思えば大統領の意地で死者
を増やすのは避けねばならぬ。彼の任期はまだ二年あったし、再選も狙うつもりだ。
 こちらは連合軍の旗艦のコープランド。苦虫をかみつぶしたような顔で戦場を見守って
いる。
「――デュランダル議長にホットラインを」
 この屈辱はいつか返して見せる。しかし今日は負けだ。
 二人の首脳が停戦交渉を始めた。
 そして、レジェンドが敵モビルスーツの直撃を受けた。
539通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 20:25:33 ID:???
もう残り少なくなりました。エピローグも書いてしまったし、なんからくーーな気分です。
感想いつもありがとうございます。楽しみにしています。
540通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 21:51:00 ID:???
乙です

アスラン逝ったか・・・
541通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 22:10:59 ID:???
乙です。

>そして、レジェンドが敵モビルスーツの直撃を受けた。
さ、最後の一文がすごい不吉なんですが・・・
542通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 22:19:54 ID:???
最後の一行で眠れなくなったですやん
543通常の名無しさんの3倍:2009/09/11(金) 23:40:46 ID:???
クルお「よーし、地球とプラント相打ちにすれば人類が滅びて
    愚かな争いの歴史は終わるお!」」
千葉 「つ マーシャン」
クルお「!!!!!」
544通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 01:02:14 ID:???
キャラがぶれずに書かれているから、このまま想像通りに進んでも
本編と違って受け入れられる
望むのは、生き残ったキャラが亡くなったキャラのことを大切な相手
として想い出す描写を、ということだけだ
(それが本編では一切無かったことが、一番悔しかったことだから)
545通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 09:59:14 ID:???
アスラン逝ったのか?
546通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 10:47:16 ID:???
これで生きてりゃ坊主は廃業ですな、GJ!
547通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 12:52:15 ID:???
最後の一行でレイが最悪の事態になったら、シンが精神崩壊してしまわないか心配
548通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 13:20:27 ID:???
いやむしろ議長と隊長が…
549通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 16:17:07 ID:???
>なんからくーーな気分です。
ラスト一行で、スレ住民を固まらせといて・・・いつもながら、このドS!

大丈夫、直撃っていっても手足に当たっただけさ、だけさ、だけさ・・・っていってよ、お願いだから。

悪いけど、アスラン退場が霞んでしまった。
まぁ、最後まで電波だったから、いいか。


550通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 16:47:07 ID:???
アスカガにならないのならシンカガでお願いします!!!!!!!
551通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 18:55:48 ID:???
・・・まさかそうくるとはw
いや、悪いが本気でここのアスランでもいいと思ってたのか?と謎だった

エピローグでいきなりくっついてたら(過程がないから)嫌だなと思う
多分そんなことにしないとは思うけど、作者さん
552383(最終回だよ):2009/09/12(土) 20:06:30 ID:AiOJfxXl


 首脳二人の合意により、停戦命令が出された。


 レイは心臓がぐわっと大きくなり、胸を圧迫するような思いのあと、全身の神経が悲鳴
を上げるのを感じた。いつかこの時が来ると思っていたが……。
 レジェンドを操る四肢の動きが一瞬止まった。この混戦状態では命取りだ。
 シン、ルナマリア、ミネルバのみんな。友達よありがとう。
 ラウ、ギル、俺が帰るのはメンデルのラボじゃない。『人間』の天国か地獄だ。
 そう思えるようにさせてくれて本当にありがとう……。
 レジェンドの美しい機体とともに、レイ・ザ・バレルの人生は終わった。


「レイ――!!!!!」
 シンが叫んで、近くの敵機を片づけたが、レジェンドのいた場所にはジャンクと空間が
あるだけだった。
「レジェンド、シグナルロストです」
 アビーの声に、アーサー始めブリッジがざわめいた。ミネルバのモビルスーツ隊は強い
い。あのデストロイ以外に傷をつけられるとも考えていなかった。
 10秒ほどおいて、停戦信号が入り、音声で自動的に全艦に流れた。
「あ……あとちょっとだったのに」
 つい艦長代理は口に出してしまった。管理職としては情けない行為だが、人間らしいと
アビーは思った。
 シンは停戦信号を聞いてもう何もする気になれず、月の重力にデスティニーを任せた。
 ゆっくりと荒涼たる灰色の大地に降下していく。地球の両アメリカ大陸がきれいに見え
ている。
(今日は満地球だったんだ)
 戦いに追われ、そんな暦に気がつかない日々も終わる。
 しかしそこには苦楽を共にした親友がいない。ぽろりぽろりと涙がこぼれる。
 とん、とデスティニーが月に腰を下ろした。足が一本ないから立つことはできない。
 シンがそのまま漆黒の宇宙に浮かぶ地球を見ていたら、目の前にインパルスが降りてき
た。
「ルナ……」
 シンはコクピットを開けると低重力を利用してぽんぽんとモビルスーツの上を飛び歩き、
地上に大きな砂煙をあげて立った。
 インパルスからルナマリアが降りてくる。二人は何も言わずに抱き合った。シンが押し
倒した形になって重なり、結局ルナマリアの膝にシンのヘルメットが来るところで止まっ
た。泣いて泣いて、シンのヘルメットの中はぐちゃぐちゃだ。前が見えない。頭の後ろを
ルナマリアがなでてくれていると思うと安心するところはある。だから、言ってしまう。
「ちきしょう! あと30秒だったんだ。停戦があと30秒早ければレイは、レイは――
し、死なないですんだのに」
 はき捨てるように言って赤子のように泣いた。
553通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:07:28 ID:???
 ルナマリアもしゃくりあげているのがわかる。
 これまでの三人組はもう戻ってこないのだ。戦争が終わるというのにやるせなさを感じ
るルナマリアだった。シンとほとんど同じ体格だったレイ。シンの震えている肩はこれか
ら大きく男らしくなっていくだろうが、レイは思い出のなか、華奢で綺麗な少年のまま永
遠にのこるのだ。メイリンはイザークを失った時、なにを思ったのだろう。プラントの家
に帰ったら聞いてみよう。その資格が自分にもできたように感じた。
 しばらくは、こうしてシンを慰めていよもよいだろう。シンの悲しみは純粋で、伝わっ
てくる苦しみを共有していても辛くない。欠けてしまった三角形は、一生彼ら二人の心を
苛むだろう。幸せな家庭で育ったルナマリアにとって、初めての身近な人間の死だった。


「では、終戦条約の内容の話し合いに移りましょう」
 デュランダル議長はコープランド大統領に、プラントからの案を示した文書をさしだし
た。大統領は無言で書類をめくり、ところどころで苦い顔をした。ただ戦争で勝ったのは
プラントであるから、ここでごねると本当にネオ・ジェネシスが本土を焼くことになる。
本土攻撃を受けたことのない超大国の人々が、もしワシントンD.C消滅ということになっ
たら、コープランド罷免のための国民投票でも最悪リンチでもするのは間違いなかった。
・プラントの完全独立をプラント理事国すべてが承認、賠償金は0
・連合の月基地の放棄、ただし月面調査権を与える。その行使にはプラントと月面自由都
市の許可を要する
・被害にあったプラントのコロニーへの賠償金、1兆アースダラー
・旧オーブ連合首長国のプラント領化
・連合領地でのコーディネーター作成の再開
・連合領地内でのコーディネーターの人権確保
 等々(デスティニープランの施行検討という項目は、コープランドには目に入らなかっ
た)。連合にとって有利なことといえば、戦争を終えて国に帰れることだけだ。コープラ
ンドは歯噛みしつつ、『連合軍領地でのコーディネーター作成の再開』だけは断固として
拒否した。これを認めたら、この戦争で死んだ兵士たちはまったくの無駄死にではないか。
コーディネーターが宇宙に住むことは認める。オーブはいずれナチュラルが取り返す。そ
のためにもコーディネーターの人口を増やすような条項は受け入れられない。
 プラント側も受け入れられるとも無理やり受け入れさせるまで戦いを続ける意思は、
元々なかったようだ。正式な文書はプラントと連合の法務省がやり取りすることとなり、
一ヶ月後にコペルニクスで調印と決まった。
 コクピットの中でヘルメットを脱いでぐしゃぐしゃの顔を拭いたシンは、ルナマリアと
連れだって、ようやくミネルバに帰還した。遅れを責める者はいなかった。
 隊長が「報告書は二時間以内に」と言った声にいつもより張りがなく、顔色が青白いよ
うに見えたのは気のせいだろうか? しかし立ち去っていく背中は、強さと誇りをまとっ
た男の背中だった。
 ミネルバの母港だったアーモリーワンは消滅してしまった。同様の母港を持たない艦は
他の港に割り振られ、ミネルバはアプリリウスの軍事港に入った。条約違反機であるデス
ティニーの核動力部をデュートリオンに置き換える予定はあったが、メカニックにはもっ
と優先すべき仕事があったので後回しとなっていた。
 レジェンドのないハンガーはさみしかったし、一人の部屋はもっとさみしかった。レイ
は自分から口を開くタイプではなかったが、同じ部屋に親友がいるぬくもりを与えてくれ
た。コンピュータに入っているメールにざっと目を通す。
 知らない弁護士からのものがあって、開けてみた。
 そこには、「依頼人レイ・ザ・バレル氏の遺言執行人として、相続人シン・アスカ氏に
連絡差し上げます」とあった。
554通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:08:06 ID:???


 マルキオはこの会戦に絶望しか感じなかった。アスランはSEEDを完全に解放したと思わ
れるが、薬物の力を借りてのことである。
 もう一方のシン・アスカはSEEDを戦いと対話に使ったようだが、内省に欠けていたのはアスランと変わらない。
 SEED因子を持つものが精神的に人間世界に影響を及ぼす日は、いつか来る。彼はじっと
それを待とうと決めた。


 条約締結のスケジュールがほぼ固まりかけたころ、シンはデュランダル議長から呼び出
しを受けた。自分の悲しみに溺れていたが、彼も、いや彼のほうがずっとレイを失ったこ
とが応えているだろう。兄と一緒に俺を実験動物から助け出してくれた人だ語るレイは、
すこし嬉しそうだった。
 行政府で議長の執務室に案内される。
 久しぶりに会った議長は忙しさが全く応えていないように見受けられた。プライドの高
い人だなと、改めて思う。
「今日は君にこれをと思って」
 差し出されたのは箱に入ったフェイスの徽章。
「え、あ、その、自分に、でありますか?」
 議長以外の命令に従わない特権を持つフェイス。己を強く律し、プラントのために行動
する者のなかでもっとも優れた軍人の象徴だ。
「君以外にだれがふさわしい? 君はこの大戦でモビルスーツパイロットとしてだけでは
なく人間として成長した。これは君のさらなる成長への期待だ」
「……ありがたくお受けします」
「さっそく初仕事を頼みたい。条約締結に際しての私の護衛だ」
「了解しました」
 デュランダルは立ち上がると、シンの襟に徽章をつけた。シンは本当はここにもう一人、
金髪の少年がいるはずだったのだと思った。
 シンは軍服をクリーニングに出してブーツを磨いたが、ルナマリアがフェイス特権を利
用して新品を申請させた。
「歴史に残る公式の場に出るんだから。シンの軍服、もう小さくなってるし、体に合った
のでないといざというとき動きにくいでしょ」
 確かにそうだ。地球からブルーコスモス残党がコペルニクスに潜入しているという噂も
ある。
 厳戒態勢の中、デュランダル議長とコープランド大統領が条約に署名し、握手する両者
を多くのカメラが撮影した。これで本当に戦争が終わったのだ。
 シンは議長とともに引き上げ、月用の縦長で半分蓋のついたコップに入った冷たい水を
手渡した。たぶん以前はハイネの仕事だったのだろう。周囲からシンに任された仕事だ。
まるでお小姓みたいだと思ったりする。
555通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:08:31 ID:???
「これで私の議長としての仕事は終わりだ」
「え? まさか退任なさるんですか」
「ああ、政治家はやめたよ。遺伝子学者に戻ることにした。プラントのためには二世同士
の出生率を上げるのが急務だ。今の技術ではコーディネーター同士の受精卵はさらにコー
ディネートできない。だから致死性の遺伝子が残ってしまう。もう一度コーディネートで
きるように鍵をはずす研究が私を待っている」
 デュランダルの顔にはシンが初めて見る表情が浮かんでいた。政治家の顔から研究者の
顔に戻ったのだ。
「すごい研究ですね」
「君は好きな人類の女性なら、誰とでも子供を作れるようになる。約束しよう」
 大きな骨ばった手で握手を求められ、シンは頬を赤らめながら応じた。
 世の中はこうして変わっていくのだ。
 変わっていくといえば、ニノ・ディ・アレッシィ隊長は条約締結日、あの場には印象的
な姿を見せていたのだがそのあとどこでも見かけたものはなく、ザフトの記録もすべて抹
消されていたという。


 シンは予想以上に多かったレイの遺産のうち、家を相続し、あとの金融資産はデュラン
ダル博士の研究と、戦災孤児のための育英基金に寄付をした。そしてレイがしていたよう
に、いつだれが帰ってきてもいいように、庭と家をクリーニングする契約を業者と更新し
た。



                                 ≪  了  ≫
556通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:09:07 ID:???


≪エピローグ≫
 シン・アスカとルナマリア・ホーク(正式にはルナマリア・ホーク・アスカ)は、7年
ぶりに地球に降り立った。プラント領オーブに建設されたばかりの軌道エレベーターで降
りてきたのだ。大気圏突入のGもなく地球に降りられるとあって、プラントの熟年コーデ
ィネーター一世カップルに地球旅行ブームが起きている。
 彼ら二人にとっては少々贅沢だし、仕事で地球関連の部署に就く可能性だってあるのだ
が、あのミネルバの辛く苦しい旅を新しい思い出に置き換えようと、新婚旅行に地球一周
を選んだのだ。
 オーブ、カーペンタリア、ジブラルタルは新婚旅行だということでザフトの施設のス
イートルームを抑えたが、ルナマリアが一生の思い出だからと主張して、他の国でも高級
ホテルのスイートを取らされてしまった。
 シンはモビルスーツ隊の隊長を務める白服士官でフェイス、ルナマリアは戦争のあとは
デスティニープランを受けてデスクワークに移り予算管理の仕事をして、優秀だという評
価を得ているいる。
(だけど、自分の予算は削らないんだよなあ)
 シンはぼやきたくなった。シンの未来設計では子供は男の子と女の子一人ずつ、名前は
レイとマユ。ピアノを習わせて、兄妹で連弾させるのが夢だ。
 ザフトのリムジンが海に面したレストランにするりと横付けされた。
 礼を言って車から降りる。大胆に背中を見せた金色のスリップドレスのルナマリアを美
しい、いとしいと思う。エスコートする自分も堂々としてないとと心掛けて――内心ひと
つ年下を気にしているのだ――シンは新妻の手をとってレストランに入った。
 一番新しくミシュランの三つ星をとったレストラン≪ヒビキ≫、オーブの南国調のイン
テリアに古いヨーロッパの蝋燭のシャンデリア、テーブル一つを占領する巨大な銀のワイ
ンクーラーに差し込まれたシャンパンや白ワイン、ミネラルウォーター。やっぱり地球は
豊かだなあとシンは思い、この星に生まれたことを誇りに思った。
 まずバーに案内され、食前酒を勧められた。コーディネーターに飲めない体質の人間は
いないので、ふたりでシャンパンを頼み、乾杯した。
「俺たちの結婚に」
「私たちの新しい生活の門出を祝って」
 この会話を聞いて、バーテンダーが
「新婚のお客様ですか。そうとは存じず失礼しました。こちらは当店からのサービスにさ
せてくださいませ」
 といい対応をしてくれたので、二人は思わず笑顔になった。久しぶりの地球、コーディ
ネーターが1/3弱とはいえナチュラルのほうが多いオーブ、プラントにもサービス業に向
いた人はたくさんいるのだが、まだ地球に比べると文化そのものが貧弱なので、実力を発
揮できない状態だ。プラントのアプリリウスの一等地にこの店を建て、同じ値段で同じ料
理、サービスを提供しても店は続けられないだろう。簡単に言おう。プラントは戦争に勝
ったものの、地球の先進国より貧しいのだ。
557通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:09:16 ID:???
「あ、あれ、カガリなんとかアスハ……」
 ルナマリアが呟いた。シンの赤い眼の先に、金髪の着飾った女性が見える。一緒にいるのはピンクの髪を結いあげた美女で、シンはあの女はレズビアンだったのかと思った。
「と――ラクス・クライン!」
 忍び声でルナマリアが叫んだ。戦争のあとアスハの屋敷に居候しているという情報だっ
たが、状況に変化はないようだ。
「老けたな」
 ラクスのアイドル時代を信奉していないシンの感想は厳しかった。
 彼女らはバーを通らず直接席に案内されていた。
「そうかしら。オーブがプラント領になったっていうのに、賠償金を一ダラーも払おうと
もせず、お金持ちのお友達に居候なんて、いい御身分」
「でも、誇り(ディグニティー)がない」
 ディグニティーはシンの今の愛機の名前であり、ヨウランとヴィーノ(メイリンとほの
ぼの恋愛中)が設計した機体にその名を選んだのは彼本人だった。
 ルナマリアは大きく青い目を見開いた。
「そうね、私たちは自分で働いてここにきてる。あなたも私も、自分の人生に責任と誇り
を持ってるわよね」
 といって、ついばむようなキスをした。
「ようこそおいでくださいませ、アスカ夫妻。当店のオーナーシェフのキラ・ヤマトと申
します。本日はお楽しみいただけますよう。では、お席にご案内します」
 まだ30になっていない天才シェフがびしっとコックコートを着こなして、シンとルナマ
リアを先導した。軍事訓練を受けた歩き方だと、シンは思った。
 海の上のテラス席、向かいの島の明かりがよく見える。
 シェフのキラからメニューとワインリストを手渡されて、今日のディナーは予算を無視
して食べたい物を食べ、飲みたいものを飲もうとシンは思った(ルナマリアは三つ星レス
トランに予約を入れたときから、当然そのつもりだった)。
558通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:13:47 ID:???
最終回です。書き落としはないと思うんですが……。
残るは「ラウ・ル・クルーゼ若き日の彷徨」wwwですが、これは長い気分でお待ちください。
この話では、ラウはニノ・ディ・アレッシィというイタリア語の偽名(キッチン用品メーカー)だったわけですが、
実は私、ちかごろイタリアのキッチン用品ではグッチーニが大好きなんです。
書き始める時期が違っていたら、隊長はフランチェスコ・ディ・グッチーニなんて名前だったかもしれません。
感想乞食なんで、感想よろしくお願いしまーす。
559通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:21:09 ID:???
シン厨だが人気のないシンルナだなんてorz
560通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:34:55 ID:???
普通シンステだろjk
裸糞が乞食婆に成り下がったことだけ評価してやる
561通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:45:56 ID:???
もうキラはあのままフェードアウトかと思ってたんで最後のところで驚いた
本編の二人を鑑みるとこの出会いは感慨深いね


作者氏、ありがとうございました。
完結おめでとうございます。
562通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:51:31 ID:???
このSSでは情けなかったキラも最後は明日を手に入れることができていてなによりでした
さすがにスパコディは伊達じゃなかったかな
563通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:54:48 ID:???
シェフキラはDプランの結果なんじゃないかな
戦争行為とは一切関係ない平和な資質持ちだった訳だ
おそらくスーパーなコーディネートとも関係ない、キラ本来の資質かと
564通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:54:59 ID:???
いや、シンルナOKス。GJ!
565通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:57:09 ID:???
>>564
豚厨うざ
566通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 20:57:19 ID:???
クルーゼがあっさり行方不明な事とかマルキオ関連が投げっぱとか
色々不満もあるけどキラも立派に立ち直れたしハッピーエンドで終われたのはいいね
外伝の方も引き続き期待させていただきます。
567通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:11:37 ID:???
まずはGJを
いやあ、正直言って完結を拝めるとは全く思っていませんでした
一時期長期中断したときはこのまま更新停止だと
最後はあっさりだったけど、ラストまで楽しめました、ありがとう
568通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:22:01 ID:???
>>567 この程度の駄文、バカでもチョンでも書けるだろうが
569通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:44:33 ID:???
はい、じゃあ君が次書いてねw
570通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:45:55 ID:???
勇者スレ、アムロスレでも追い出されて今度はここか?
引越し大変ですねw
571通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:47:03 ID:???
最後まで書き上げられましたことに敬意を表します。
お疲れ様でした!
572通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 21:47:30 ID:???
長期中断した時は、自分も完結を見れないと思ってました
最近はかなりの頻度でUPされていたけど、正直もっと完結まで
時間がかかるかと思ってたから、今回が最終回ということに驚きました
(外伝は楽しみだけど、今は終わってしまった寂しさで心に穴が)

シンルナが幸せそうでよかったです&キラの天職が見れて何よりでした
レイとシンをきちんと描いて下さって、本当にどうもありがとうございました
573通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 22:06:01 ID:???
こういう余韻がある終わり方って良いよなぁ
お疲れ様です
574通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 22:21:05 ID:???
長期に渡る執筆お疲れ様でした。
旧まとめのほうで読んでいたため、そこの更新が中断して以来寂しく思っていたのですが
今年に入ってクロスのまとめサイトに掲載されるようになって初めて新シャアにスレがあること自体に
気付いたまぬけな読者です。 大人がきちんと大人の役割を果たし、説得力のある展開が大好きでした。 
若かりしころのラウの話だけでなく、その後のラウも気になります
羽を伸ばしたあと、もし気が向いたらそちらの外伝もお願いできたらうれしいです。 

>563 色々なことを同時平行で考え数学的正確さと視覚的美的センスに加え
新しいインスピレーションを求められるシェフって最高のコーディネーターに相応しい
職業かもしれないとも思いました 
575通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 23:07:24 ID:???
長期連載お疲れ様でした
レイが亡くなったのは無念ですが、シン(とルナ)が幸せを掴めたのは嬉しい結末でした
ところでオクレ兄さんは?
576通常の名無しさんの3倍:2009/09/12(土) 23:37:15 ID:???
そういや虎とおっぱいがどうなったかって出てたっけ?
577通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 01:07:32 ID:???
アンチの荒らしラクシズ厨は同時にネトウヨでもあったと。
下衆がまた別の下衆を兼ねてたとはさもありなんだな。
>>576
虎はよくわからないが、魔乳はじめAAの士官クラスは
ヘリオ組含む下士官以下を生かすためにAAの返却とセットで連合に出頭して
銃殺刑に処された上、事実上の見せしめとして処刑シーン映像の流出が
放置されてたような。
578通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 05:13:58 ID:???
完結おめでとうございます。

長々と追っかけてた物語がこれで終わりかと思うと寂しくもありますが、
次回作にも期待させていただきます。ゆっくりお休みください。
579通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 07:09:31 ID:???
完結お疲れさま
少し急ぎすぎていたのかもな
尺不足というか所々唐突過ぎたって感じだ
いつの間にくっついたのやらw
マルキオ関連は投げっぱなのが少々残念な気もするが
いい最終回でした
580通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 07:16:51 ID:???
>>577=チョンゴリ
581通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 16:42:28 ID:???
完結お疲れさん。
キラの最後はアニメと対照的でよかったよ。
ただ、シンルナはアニメ同様いつの間にかくっ付いて唐突感があるのが否めない。
最後は普通にレイの墓参りをするシンの話等でまとめてもよかったかな?と思う。
582通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 17:33:23 ID:???
7年たてばシンが誰とくっつこうと問題ないと思うのだが。
カプ厨ってやつ?
583通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 17:48:55 ID:???
>>581
最後の一文読み返したほうがいいと思う。シンは、レイが兄が帰ってくるのを待ってたように、
レイが帰ってくるのを待つって意味。
584通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 18:01:14 ID:???
カプ話じゃないんだから、くっついた過程は蛇足だろう
元々仲間で親友で、という二人がくっついたことに説明が必要とは思わない
各自脳内補完するってことでいいじゃないか
(もし、別の相手とくっついていたら説明必須だけどな)

キラとの最後の出会いの為には7年程度の時を経ることが必要、
だから一番無理が無くて幸せなまとめ方だったと思う
585通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 18:24:48 ID:???
レイというよりクルーゼの帰りだと思う。薄々アレッシィの正体は気付いてた様だし
クルーゼにとってシンの印象がいいパイロット止まりなのが残念
TVの凸より全然良い上司だったのにもう少し深く絡むかと思ってた
586通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 18:32:13 ID:???
最後の最後に、隊長の出番が欲しかったな
7年後だとさすがに寿命かもしれなが
587通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 18:33:39 ID:???
本編ではラクスの道具に終わったキラが自分の道を見つけられたのはいいことだ
588通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 19:00:09 ID:???
7年後もカガリとラクスの状況が変わってなかったら一番出世しちゃったしな>キラ
DPが上手くいった数少ない作品だと思う
589通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 19:38:11 ID:???
>>577
魔乳達が処刑されてものうのうと生きて高級レストラン通っているカガリとラクスって何?
590通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 19:44:40 ID:???
>>589
魔乳は連合の軍人で、カガリとラクスはオーブとプラントの民間人だったからじゃね?
まあ、プラント領オーブではふたりとも公民権停止くらいはくらってそうだ。
591通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 22:09:53 ID:???
四馬鹿はキラは三ツ星シェフ、アスランは自分の主義に殉じてラスボスとして戦死。
女性二人は最終的にアスハ家の財産頼りか。でもこの二人が何かしたら話壊れそうだしな。
シンの今の愛機がディグニティーってことは、ガンダムSEEDDignityあり?
ラスボスはラクスで。
592通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 22:44:39 ID:???
本編で見たかったシンとアスハの和解の可能性もまだあり????
593通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:08:55 ID:???
いい加減しつこい
594通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:20:20 ID:???
結局ストーリーや文章じゃなくて、キャラなんだね。中断する書き手が多いのも納豆。
595通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:32:22 ID:???
そうそう、キャラキャラ。
ぶっちゃけこれ、別にクルーゼが生存していようがしていなかろうが
大差ない話なんじゃね?
完走にはおめでとう乙!と言いたいが
正直生存クルーゼ肩すかし
596通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:41:59 ID:???
クルーゼはアスランと違ってシンを成長させる役目を果たしたと思う
種本編でも前線で活躍するキャラでもなかったし
597通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:55:38 ID:???
シンの成長させる役目…
クルーゼはクルーゼ自身の為に生存していて欲しかったなあ…
598通常の名無しさんの3倍:2009/09/13(日) 23:59:45 ID:???
でもクルーゼと議長が好き勝手やったら、話にならないし。
クルーゼ優先して議長ないがしろにしたら、本編と同じじゃないか?
599通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 01:02:17 ID:???
出遅れたけど、完結おめでとう。
やり遂げたってだけでも凄い。

で、ちょっと聞きたいんだけども。
スレタイから、無印種時代のクルーゼの行いは基本本編どおりだと思って読んでいたんだが
>ただ彼はザフトの軍人であり、その責務は十全に果たすと決めているが。
……スピットブレイクの情報リーク、この話では無かったことになってますか?

>595-596
正直な感想として、アレッシィがクルーゼである理由がほとんどなかったな、と。
ネオ死亡の遠因になったぐらい?
600通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 01:39:41 ID:???
クルーゼである意味がないって言ってる人たちは何を期待してたんだろう?

議長と生身で会話してしていること、レイとの関わりなど、クルーゼじゃないと
出来ないことがあっただろうに、と思うのだが
601通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 02:07:27 ID:???
クルーゼが八面六臂の大活躍をして、申し訳程度に主人公のシンがいて、
ラストクレジットでクルーゼがトップに来る、主役交代話が読みたい人が多いんだろ。
自分で書くか、従順な職人連れてこいよな。
602通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 02:56:10 ID:???
サイは政治家になれたろうか?
もしやバーテンダーの正体はサイかミリと考えたら夢が広がるな
603通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 06:21:27 ID:???
>>601
シン厨調子に乗るなよw
604通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 08:20:11 ID:???
結末の受容にまだまだ時間がかかりそうだわ自分…

完結本当にお疲れさまでした。
自分にとってはこの話が本編です。
605通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 08:50:36 ID:???
>>603
ラクシズ厨は巣に帰れよ
606599:2009/09/14(月) 16:48:15 ID:???
>600
今読み返し中だから序盤の記憶はだいぶあやふや。それを割り引いて欲しいんだが
ルナの台詞を借りれば、クルーゼがクルーゼとしての個性を発揮して
なおかつ話として成り立っているものだな。
元があれだけ強烈なキャラにしては、アレッシィはおとなしすぎた。
強さや誇り高さが魅力って男じゃなかろう。
いつ被った猫を脱ぎ捨ててくれるかと楽しみにしていたんだけどな。
完結した今となっちゃ、書き手の考えた理想の上官キャラに
表面上の設定をくっつけただけに見えん。

やっとレイに正体明かしたと思ったら反抗期に直面して、
さてどうなる?と期待したら以後ろくに触れられもせず。
ディアッガ死亡の時にネタ振りされた素性バレやナチュばれも投げっぱなし。
タリア死亡もとことん無意味なまま終わった。
残念だが、>410の感想が覆ることはなかったな。
607通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 17:10:07 ID:???
> 「君は好きな人類の女性なら、誰とでも子供を作れるようになる。約束しよう」
タリアについてはここで回収されたような気もしなくもない
少なくとも議長はそのことを悔いてて、だからこそこの発言に繋がった
と自分は解釈した
608通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 18:21:31 ID:???
シンが主人公だと思ってる人と、クルーゼが主人公だと思ってる人の温度差激しすぎ。作者さんにとっては主人公はシンでクルーゼは脇役だろう。
609通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 19:37:41 ID:???
スレの名前からしてクルーゼが主人公だと思うのは当たり前だと思うが
610通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 19:39:44 ID:???
スレの1にはこう書いてあるぞ。

〜条件〜
・クルーゼがヤキン・ドゥーエ後生きてる事
・主役はシン(←ここ重要)
611通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 19:41:50 ID:???
今見ると>>1の条件からしてシン厨の臭いがするな

と言うと何故か俺がラクシズ厨かゴリ腐ということにされるのがいつものパターンだがw
612通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 19:53:51 ID:???
>>606
正直言って、あのレイの当然の反応を「反抗期」と捉える方が変だと思う
それまで描かれていたレイの心理を読んでいて、あんな計画を肯定する
キャラに見えたのか?
そちらが本編を見て思い描いていたレイは、議長に盲目的で何も考えない
キャラだったのかもしれないが、ここのレイはそんなキャラではなかった
(自分は本編のレイをここと似た形で解釈している立場だ)

クルーゼに関しては、種運命で描かれたデュランダルとの対話、交流から
類推したら「種当時の印象」とは違って当然だと思う
その方向ではないことに難癖付けるのもお門違いだろう
それから、クルーゼとターミナルの関係は外伝でやるつもりだと書いてある

もっとじっくり読んでみたかった部分もあるし、駆け足になってた面が
あることは否定出来ない気がするものの、何から何まで描写する必要はない
出来た物に文句言うだけなら誰でも出来るが、一文にもならない話を
文庫本2冊分?も楽しませてくれた職人にその言い方はないだろう

外伝をやるつもり=まだ終わっていないのに、やる気を削ぐようなコメで
続きが読めなくなったら冗談じゃないぞ、読みたいのに
613通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 20:47:30 ID:???
>>611
>>603だが俺もラクシズ厨認定されたぞwwww
属性を敢えて言うなら、隊長やレイが好きなメンデル厨
悪いがシンは大して興味がない
614通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 20:48:55 ID:???
まあ永遠にキラキュンの尻でも追っかけてろってこった
615通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 20:55:26 ID:???
何を勘違いしているんだシン厨?
ゴリ腐みたいに皆からモテモテシンきゅん困っちゃう的な妄想でもしてんのかよ
きめえよ
616通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 20:58:46 ID:???
とりあえず383氏には拍手を送るが
隊長が主人公の種死も見てみたいな
本編とはだいぶ違うルートをたどりそうだが
617通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 21:07:16 ID:???
ドイツ出張話みたいな種キャラによる世界旅行話が見たいッス
618通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 21:14:21 ID:???
クルーゼ生存で種の続き作ろうぜ、というスレ立てればいいと思う。
619通常の名無しさんの3倍:2009/09/14(月) 21:27:27 ID:???
世界旅行話なら隊長・レイはおフランスなイマゲ
620通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 00:44:34 ID:???
スレの1周智のためage
621通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 01:03:42 ID:???
>外伝をやるつもり=まだ終わっていないのに、やる気を削ぐようなコメで
>続きが読めなくなったら冗談じゃないぞ、読みたいのに

いやそれが目的というかノルマなんだからある意味当然。
622599:2009/09/15(火) 01:39:33 ID:???
>607
>タリアについてはここで回収されたような気もしなくもない
タリアが死んでいないと出てこない発言、ではない。
そういう観点から無意味と言わせてもらった。
少なくとも、ディアッガをああいう形で使ったことに見合うほどの
インパクトはなかったと思う。

>608
SSの主役はシンでも、このスレの主役はクルーゼだろ?
準主役級の扱いは期待するぞ。グラサン大尉のポジなんだし。

>612
>正直言って、あのレイの当然の反応を「反抗期」と捉える方が変だと思う
ああ、自分もあの拒否反応を文字通り反抗期によるものだと思っているわけではないよ。
そこは婉曲に過ぎたな。謝罪する。
しかし、それまで互いに自分の分身と見なしていた相手との断絶が表面化したんだ。
関係性の変化について、もっと丁寧に追って欲しかったな。
読者じゃなく、アレッシィが「レイはあんな計画を肯定するキャラじゃない」ことに気づいてなかった。
これってかなりの重要ポイントだと思うんだけどなぁ。

>「種当時の印象」とは違って当然だと思う
もうちょっと種当時の面影が残っていることを期待してた。
あとは種死を書き直す、というコンセプトの解釈の違いかな。
自分は、種運命の本放送自体がなかった扱いで考えてたから。
種最終話の後に続けてこのSSの内容が(多少マイルドになって)放映されたとして
アレッシイ=クルーゼに納得できるか?と考えると、少なくとも自分は無理だ。

>それから、クルーゼとターミナルの関係は外伝でやるつもりだと書いてある
外伝は過去のエピソードなんじゃないのか?
読めなくなるって心配は全くしてないな。批判一色って訳でもないし。
書き手が自分から感想欲しいと言ってるからには、変に気は回さない。
623通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 04:29:22 ID:???
あんまクルーゼっぽくなかったような気がする
クルーゼは結局のところ…ってのもある
回収も唐突過ぎる感あるし

ここら辺は外伝での補完か?
624通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 07:44:03 ID:???
作者は感想が欲しいんだろう
耳障りの良いものだけが感想ではないと思うが
率直な感想を難癖呼ばわりするのはいかがなものか

>>1
今の今まで忘れてたw
625通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 08:05:01 ID:???
某所のぼやきはおそらくここの職人だ
その勘が当たっていれば、読めなくなる可能性は充分ある

感想と批判は違う物ってのが、作品を書かない奴には
わからないんだろうな
626通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 09:09:15 ID:???
>>622
君の書き込みには感想は一切無い。ただの八つ当たりだけ。
内容に対する感想はなく、質問という形をかりた
自分の思うとおりの展開じゃなかった不満をぶつけているだけで
見ていて大変に不快

駄目なところ、気にくわないところを声高に指摘するのが
感想だと思っている人なんだろうね

冷静に自分の書き込みを見て、自分が383さんの立場だったら
外伝を書こうという気持ちになるかどうか、同じ心ある人間として
少しでもいいから想像してみたらいいと思う
627通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 09:09:23 ID:???
連載終わって、急にクルーゼの出番がとか存在意義がとか言ってるのは何でだろ?
連載中にいえば、書き手も考えてクルーゼにもっとスポット当てたかもしれないのに。
628通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 09:54:07 ID:???
う〜ん、最初は>>622も感想だったと思う
客観的に見て、

皆がなんだかんだと突っ込む→自分に考えを書き込む→批判認定

自分と違うからって人の感想に文句つけるのやめればいいんじゃね?
現状は作者にもこれから感想言う人にもいい事ないと思う
629通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 10:37:00 ID:???
某所見てきたけど
どんな作品にも誰にだって好みのキャラはそれぞれいるだろ
ソレがまぎれてる感想は見たくないってんだったら
最初からそう書いとけば?
「キャラに関する感想お断り」って
そんなので感想になるのかどうか知らんけど
630通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 11:11:00 ID:???
俺この383、リアで知ってるけど、躁鬱病のきちがい女だぜ
631通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 12:11:20 ID:???
一見もっともらしい批判のつもりで始めても
すぐに語彙が尽きて下品な中傷しかできなくなる、
だからラクシズ厨はネトウヨ並といわれて決して説得力を持ち得ないんだよ。
632通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 14:37:57 ID:???
ラクシズか。
アスランは最初の思想で間違っちゃったけど、裏切らずにまっすぐに生きてかっこよかった。
ブルコスの怖さもよく伝わったし。
キラは紆余曲折を経て、エピローグでおいしい役回りだったな。苦悩した分むくわれたね。
カガリは、頭が固いままだったな。まあウズミが実質的にオーブ滅ぼしてるから、よくやったかも。
ラクスは、作者は彼女には思想がないと思ってるんだろう。
633通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 16:47:18 ID:???
スウェンだのエルドリッジ大佐だのブルコスPPのヤバイ連中は終戦の時点で
生き残ってたようだが、それでも七年後はそこそこ平穏に見える。
例えば、事実上の敗戦の結果としての戦犯扱いを見越して地下に潜ったPPと
これまたプラントから姿を消したクルーゼとの暗闘といったものでもあったのかも?
634通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 17:59:17 ID:???
虎さんも出てないような
死んだっけ?
635通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 18:06:39 ID:???
ラクスの付き添いで空港で凸と擦れ違って以降は出てこんな
オーブで講師でも続けてるんじゃね?>虎
636通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 19:48:17 ID:???
カガリのコネで就職したとか、書いてなかったっけ。
まあ、どっちにしろ端役だからな、虎。
637612:2009/09/15(火) 19:50:02 ID:???
>>606>>622>>133じゃないか?
その直後(>>139-140)、ちゃんとクルーゼと議長のその件に対する感想、
レイの心情が描かれているのだから、それで必要充分だと思う

本編あっての二次だし、職人あっての楽しみだ
スレタイと>>1の条件を満たして書かれた作品であることは確か

作品の中で描かれていた人物像が悪かったら、不満を持つことは
仕方ないかもしれない
が、ここのルナマリアはシンとレイのかけがえのない仲間として
きっちり描かれていたキャラなのに、完結してすぐの書き込みで
シンルナへの不満が書かれたってのはなんなんだ、とも思った
638通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 20:17:36 ID:???
シンルナで思い出したが、最終決戦後、月でルナマリアの膝枕で泣きまくるシンがよかった。
本編と絵としては同じだけど、理由がまったく違うところが。
二次創作の楽しみだなあと。

クルーゼは種の「私には人類を滅ぼす資格がある」が好きな人が多いようだね。
でも種死のクルーゼは「私は人類を滅ぼしたいが、それはチェスの駒を動かすようなものではないだろう」
って感じがした。
383氏のクルーゼは種死のクルーゼだと思う。
種のクルーゼが好きな人は、レイの存在を知らず、デュランダルと知り合いでない野望に燃えるクルーゼ
で、シン主人公で書き直してみると面白いと思う。
639通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 20:28:54 ID:???
>>632
本編のラクスはこんな思想か?と考えてみても
それを話に取り入れるかどうかはまた別だと思うんだ
彼女が種でやったことはこの作中できっちり糾弾されている
彼女らが表に出ていたことこそが、種運命の失敗の原因だと思う
シンを主役に、ブルコスとプラント側の思想を丁寧に描くという
(おそらくこの作者の)目標から考えれば、ラクスをこれ以上の
扱いで書けないだろう
この2つの陣営に的を絞って掘り下げて書けば
種運命はきちんと話になったに違いないと思えた見本じゃないかな
640通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 21:00:13 ID:???
シンルナに文句垂れてるのはどう考えてもシンのキャラスレ荒らしてる奴なのでスルー推奨
641通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 21:39:42 ID:???
>>637
シンルナ叩きはどうせ棒狙いのゴリ腐だからスルー
642通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 22:40:21 ID:???
種のクルーゼのままだと思ってなかったので、作者さんのクルーゼで違和感なかった。
本当に楽しかったから終わりの方はさびしかったよ。
それにしても過疎スレだったのに書き込みでにぎやかなんてすごいよな

自分のクルーゼのイメージだけど383さんとそう遠くない
自分の持てるもの全てを費やして勝負に出て、そして負けたクルーゼが、
それでもまだ同じ執念を持ち続けるとは全く思えない。
自分の想像では、キラに負けてジェネシスが地球を撃たなかった時点で
憑き物が落ちたように人類に対する復讐というものはきれいさっぱりなくなったろうと思う
今回の話では、友人の一世一代の賭けを特等席で楽しんで眺めよう、
くらいの気楽さだったんじゃないか
643通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 23:24:23 ID:???
面白くても中途で放棄されて残念な作品の多い中、
383氏はちゃんと完結させてくれただけでも
個人的には恩の字なんですが。
これだけ書く労力を考えると、俺は何も言えないな。

とりあえず双方、荒らす気がないのなら、相手を○○厨とか腐って呼ぶのは避けませんか。
644通常の名無しさんの3倍:2009/09/15(火) 23:37:25 ID:???
1スレ目で383氏が連載はじめてから、完結まで丸3年。
645通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 17:43:51 ID:???
383氏、長い間お疲れ様でした。
このスレを見るためだけに2chにきてました。
個人的には、エピローグのシンルナ結婚が残念、キラがイキイキ働いているのが嬉しかったです。
クルーゼ外伝期待してますので、お待ちしております
646通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 18:44:40 ID:???
シンがステラ殺さないで、シンステ展開になったいたら、うれしい読者が多かったんだろうか。
自分はシンがしっかりステラに始末付けたとこが好きだが。
647通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 19:19:57 ID:???
本編シンの最大の汚点と言っていいからな、そこ
死んだステラのことばかり気にして、ベルリンの被害は無視してフリーダム憎し
648通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 19:21:24 ID:???
シンがきちんとステラを殺して、それを背負った、という所が肝なのに
それにステラがもし生きてたとしても、シンステが結婚する形にはならないと思うぞ
(初恋という表現にはされていたが、シンの伴侶にはなり得なかっただろう)
649通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 20:58:26 ID:???
そこでシンカガ
650通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 21:11:54 ID:???
「自分の人生に責任と誇りを持ってる」、同じ価値観のルナマリアを選んだ
これがここのシン

カプ厨うざいってのに
651通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 21:25:41 ID:???
シンは遊びでゲリラやったり、戦場に乱入したりするカガリは嫌いだと思う。
652通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 22:00:08 ID:???
つーかカガリ厨はなんでこの作品に粘着するんだ
この作者さんならカガリを優遇してくれるとでも思ったのか?
それともシンルナになったことへの嫌がらせか?
653通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 23:03:52 ID:???
ユウナとセットでカガリの扱いわりとよかったから、最後で姫じやなくなったのとかショックなのかも。
でもシンと接点ないのになあ。
654通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 23:10:42 ID:???
君は家族の仇と結ばれる気になるかい?
シンカガってのはそういうもん
655通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 23:24:46 ID:???
でもそんな設定の古文というか小説というかがあったような
恋愛は混じってないけど
親の敵と思って殺そうとした相手と紆余曲折あって共同生活した結果実はいい人で、情が移って殺せなくなったとかそんなの
656通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 23:32:44 ID:???
>>653
ああ、自分、ここのカガリはユウナとセットで好きだったんだ
離婚したのが残念で、でもアスランとなにかあるからなのかなと思ってた
そういう意味では、もし自分が元々カガリ中心のファンで読んでいたとしたら
アスカガにならずに終わったことから考えても、悲しくなったと思う

ただだからといって、シンカガを希望ってのはなあ…
ユウナとやり直してればそれが一番幸せな気がするけど
(ユウナって結局、スカンジナビアに亡命したんだろうか?)
657通常の名無しさんの3倍:2009/09/16(水) 23:49:15 ID:???
この作品の世界はデスティニープランを施行したみたいだけど、誰とでも結婚できるという明るい未来を議長が示したからには、さらに広い世界でのシンたちの未来が見たかったなと思う。
メンバーの中でこぢんまりと収まってしまう結婚エンディングになんかがっかりした
658通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 00:04:02 ID:???
ここまで書いたのにどうしてその結論にしてしまったのか、
文句の出にくいハッピーエンドにする為だったのか、
と残念な点があるんだ
でも多分、自分だけが残念な点だろうからな…
659通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 01:07:39 ID:???
ああ、ここのユウナはすきだった

メンデル厨の自分だが、ここのキャラの中ではユウナが一番好きだ
660通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 01:10:03 ID:???
ごめん
変換ミスであげてしまったorz
661通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 01:34:09 ID:???
結局、カガリとラクスがニートになったんだな。
DP受けようとしなかっただろうし。彼女たちの天職が知りたいww
662通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 02:18:27 ID:???
>>647
あの場合救助や復興までMSパイロットの仕事ってわけじゃないでしょ。
被害を拡大するファイトスタイルはフリーダムの方だし
デストロイほったらかしてフリーダムに執着したわけでもなく
エンジェルダウン作戦は正式な軍事行動だし何がどう汚点と?
>>654-656
そのへん徹底的に突き詰めて、その上でシンカガ成立させる話というのも
理屈の上ではありえるだろうし実際誰か書いてなさるかもしれんが、
少なくとも今回のここのテーマじゃなかったって事ね
>>657
わからんでもないけど、いきなりエピローグで新登場の知らない人と、
というのもしっくりくるかというと…
663383:2009/09/17(木) 02:51:32 ID:???
飲みながら続編考えた。酔っ払いのたわごとだからね。
タイトルは「起動戦士ガンダムシードディグニティ」

プラントから煙たがられなが上流ニート生活を送っているのは、見せ掛けだった。
カガリとラクスは「オーブ首長国連合」(実際はカガリ独裁のオーブ王国)を建国するために、
資金の調達、人材のオルグに勤めてきたのだった。

一方サイ・アーガイルたちの「オーブ共和国を作ろう」という独立勢力もあり、オーブ民衆はどちらかというと
こっちの見方。

地球への橋頭堡と起動エレベーターを死守したいプラント。エースとして戦うシンにカガリとの出会いが・・・・・・。

そして、余生は南の島で王様として豪勢に暮らしてやる、と仮面を脱ぎ捨てて日のあたる場所に出てきた
ラウ・ル・フラガ。

4つ巴の戦いが始まる。
664通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 12:25:15 ID:???
>>662
神視点でみりゃステラを返さなくてもオクレなりその他なり誰かがデストロイに乗せられて
同じことしたんだろうけど
それを知らないシンがベルリンの惨禍について何も考えてないのは明らかにキャラ崩壊だろ
シンは民間人の犠牲に関しては人一倍敏感なんだから
665通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 13:52:25 ID:???
ステラを返さなくても同じことは起きただろう、とシンが知ってたとしても
「結果は同じなんだからステラ返した俺には責任ないよね」と
一人で納得しちゃうようなクソ野郎じゃないでしょ。
看護婦殴り倒してまで軍機に背いて敵兵逃がしたって事実に対しても反省しなかったし。
あまつさえその結果がベルリンの悲劇じゃあ「全部フリーダムが悪い!!」とはいかんだろう。
666通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 13:57:24 ID:???
他所でやれ
667通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 17:02:39 ID:???
>>664
あんたは本当に鬱陶しいからどっかいけ
668通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 17:57:19 ID:???
突っ込まれたら「どっか行け」かよw
自分が出ていったら?
669通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 18:31:07 ID:???
スレ違いなんだってわかれよ馬鹿
670通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 19:19:50 ID:???
なら別のネタを振るとかしろよボケ
スレに関係あるネタをよ
671通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 19:57:04 ID:???
ラクシズ厨かシンアンチか知らんが、身勝手は御家芸…というか躾の賜物だな。
『親の顔が見たい』とはまさにこんな時の為の言葉だ。
672通常の名無しさんの3倍:2009/09/17(木) 21:40:38 ID:???
喧嘩両成敗
相手にすんな
673通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 12:10:23 ID:???
>>671
「シンがシンらしくない言動してるのが嫌だな」
と書いたらなんでシンアンチとかラクシズ厨になるんだ?
頭悪いの?
ちなみにその原作での豚負債の糞展開をここのSSでは上手い事処理してるつて
話なんだからスレ違いではないだろ
674通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 12:31:23 ID:???
>>663 是非読みたいです
クルーゼがフラガの名をあえて名乗る理由やら、何をバックにというか
何を率いて4つ巴の一角になるのかとか、興味深々、wktkします
675通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 12:41:34 ID:???
勇者と定時巡回乙
一人たりとも賛同者なんか出てこないのに粘着する気力はやはり信仰ゆえ?
676通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 18:20:33 ID:???
お前みたいなスルー出来ない幼稚な奴が構ってくれるのを待ってるんじゃないかな
677通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 19:20:20 ID:???
職人が筆を折ってからその台詞を吐いてみろ
それが三■目の目的だぞ
678通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 20:06:36 ID:???
ならアク禁でもなんでも頼めば?
正直これを相手にしてる連中も同じくらいウザいよ
679通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 21:49:45 ID:???
シン厨はすぐ感情的になるから落ち着け
680通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 22:36:00 ID:???
なんでも厨扱いすればいいとでも思ってるのかい?
しかもシンに関わる発言してないのにシン厨とか
681通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 22:51:48 ID:???
いまさらw
気に入らないレスは「厨呼ばわり」
昔からそうだったじゃん
だからもうほっとけって
682通常の名無しさんの3倍:2009/09/18(金) 22:59:28 ID:???
すぐにラクシズ厨呼ばわりするもんなシン厨は
683通常の名無しさんの3倍:2009/09/19(土) 00:22:27 ID:???
>>674
酔っ払いのたわごとにレスありがとう。
7年後はこれまで目的のためにストイックであったクルーゼが、箍をはずして快楽主義者として
世界征服を目指すという18禁のお話です。隊長、長生きしそうだし。

若き日のほうは、クルーゼがなぜ「クローン人間の自分には人類を滅ぼす資格がある」と思うにいたるか
がテーマ。テレビで見たときからどうしてもわからないんです、実は。なんで若き日のラウの気持ちになって
考えていこうかなあっと。
684383:2009/09/19(土) 00:23:13 ID:???
683でした。
685通常の名無しさんの3倍:2009/09/20(日) 00:16:37 ID:???
隊長がストイックだったとしたら、それは目的のためではなく
異常に強い自己否定の念から至った結果なのではないかと思った
あ、でもクルーゼ=アレッシならそんな感じなのかな
686通常の名無しさんの3倍:2009/09/20(日) 01:07:53 ID:???
>>673
お前が思う「シンらしさ」についてkwsk
687通常の名無しさんの3倍:2009/09/20(日) 02:49:19 ID:???
>>686
人に聞くときはまず自分からという名セルフを知らないのかよ
まずは自分がこう思うということを相手に言えば答えやすいだろうからおまえ
全力で自分の思うシンらしさについて語っていいぞ
688383:2009/09/20(日) 11:29:32 ID:???
>>685
ラウ・ル・フラガ→ラウ・ル・クルーゼ→ニノ・ディ・アレッシィと名前を変えていると同時に、
生きる目的も人格も変えてるだろうと。
ラウと隊長は体は同じだけど、人格は別、でもラウ・ル・クルーゼも素のままの彼ではないという感じ。
689通常の名無しさんの3倍:2009/09/20(日) 13:06:49 ID:???
道楽で世界征服を企むラスボスねぇ、スパロボZのラスボスを思い出すな
690685:2009/09/20(日) 13:47:26 ID:???
>>688
話が噛み合ってないみたいだけど
「種での隊長がストイックであったとしたら」ってこと
あの時点での隊長の心理の捉え方に対して書いただけ
二次作品中でちゃんとした背景の元でキャラの思想が変わってくことを云々言うつもりはないよ
691通常の名無しさんの3倍:2009/09/20(日) 14:38:26 ID:???
>>686
>>664

最初から書いてるだろ
692通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 04:18:02 ID:???
>>691
お前は匿名掲示板で何を言っているんだ?
693通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 04:46:51 ID:???
>>692
お前こそ何を言ってるんだ?
この掲示板には俺とお前しかいないんだが・・・













いや嘘です、俺もいるんで少なくとも三人いるかw
694通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 14:44:29 ID:???
キャラ談義に興味がない、SS読みに来てるのもここに居ますが。

どこかの誰かの、作品の形に纏まってない単発キャラ解釈は
専用のキャラスレですればいいんじゃないかな?
695通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 14:48:48 ID:???
シンが原作と違うと言う奴はここの作品で原作以上に状況に揉まれまくってるのを忘れてんじゃないか?
それといい上司も居て原作より丸くなってるというのも
696通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 20:09:54 ID:???
質問に質問返しで上から目線って所は本当にラクスそっくりだな種厨は
697通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 20:12:44 ID:???
ガルドスか?
698通常の名無しさんの3倍:2009/09/21(月) 23:38:29 ID:???
ハイハイ
マンセーマンセー
699通常の名無しさんの3倍:2009/09/22(火) 03:09:24 ID:???
>>695
文句言ってるんならともかく「原作と違っててよかった」と言ってるんだから
そんなわけないだろ
700通常の名無しさんの3倍:2009/09/23(水) 00:48:48 ID:???
えらい遅くなりましたが、383氏、完結お疲れ様でした。

本人が満足して旅立っていったのに、何ですが、勝ち取った未来を見届けてから逝ってほしかった。
アーサーさんの言葉に、100%共鳴して涙が・・・。

えぇ、ルナ相手に「あなた、うちのシンに相応しいと思っているんですか」と結婚前のお約束をw
・・・あ、嫁いびりはしないって、誓ってたんだっけ。

外伝楽しみにしてます。
701383業務連絡:2009/09/23(水) 09:14:22 ID:???
まとめwikiに最終話までうpりました。
702通常の名無しさんの3倍:2009/09/23(水) 19:26:24 ID:???
「そうね、私たちは自分で働いてここにきてる。あなたも私も、自分の人生に責任と誇り
を持ってるわよね」
耳が痛いです。
乙でした。外伝もお願いします。
703通常の名無しさんの3倍:2009/09/27(日) 05:22:34 ID:???
おもしろかったwww
704通常の名無しさんの3倍:2009/09/29(火) 16:34:48 ID:???
あの時とあの時とあの時の台詞が最後に繋がってて心臓が石になりそうだ
705通常の名無しさんの3倍:2009/10/09(金) 10:23:50 ID:???
新しい職人さん募集、あげ!
706通常の名無しさんの3倍:2009/10/09(金) 11:23:06 ID:???
自分で書けよ
707通常の名無しさんの3倍:2009/10/09(金) 14:04:34 ID:???
やだね、一文にもならないSSなんぞ誰が書くか。
708通常の名無しさんの3倍:2009/10/10(土) 12:15:06 ID:???
書かないんじゃなくて書けないの間違いだろ。
709通常の名無しさんの3倍:2009/10/11(日) 13:58:20 ID:???
不特定多数に向けたレスに対して該当もしないのにわざわざレスするのも一文の得にもならんぞ池沼w
710通常の名無しさんの3倍:2009/10/11(日) 15:44:05 ID:???
メクソvsハナクソ
ワラタ
711通常の名無しさんの3倍:2009/10/17(土) 20:40:40 ID:???
そもそも多少の文才や創作性を持っているなら
最初から種厨にはならんだろJK
712通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 01:37:03 ID:???
>>711
【えっ?】
713通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 05:28:59 ID:???
383氏は主役シン、準主人公レイ、脇役クルーゼだったから、
準主役クルーゼで書いてくれる職人さん希望。
住人の意見を入れてくれれば、文章力も創造性もいりません。
714通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 09:16:04 ID:???
>>713
そう思ったら自分で書くんだよ
715通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 12:42:38 ID:???
>>714
僕にはアイデアはたくさんありますが、SSなんて書いている暇はありません。
種厨にたくさんいるニートが僕のようなまともな人間の意を汲んで、書くべきではないでしょうか?
716通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 13:09:55 ID:???
>>715
デカイ釣り針だな
おまえのような奴はクズ中のクズだ
717通常の名無しさんの3倍:2009/10/18(日) 16:53:16 ID:???
>>715
お前が2chでアンチスレやシンスレを荒らし、キラスレや売上スレでマンセー書いてる時間を執筆に当てれば
どんな大長編だって書けるし、作家にすらなれるぞマジで
718通常の名無しさんの3倍:2009/10/25(日) 01:21:29 ID:???
>>715
是非そのアイデアを箇条書きでいいから書き出してくれ
719通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 11:52:47 ID:???
1.クルーゼがプロヴィデンスで大活躍

2.ユニウスセブンで地球滅亡

3.ミネルバは月軌道で、生き残ったナチュラルの艦隊と最終決戦

4.最終的にクルーゼの手により、宇宙の人類も滅ぶ
720通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 21:43:08 ID:???
面白い要素が一個もねぇ……
721通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 21:54:37 ID:???
シンたんを巡って宇宙大戦争
最終的にシンたんとラウしかいきのこらない
722通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 22:20:44 ID:???
その昔、腐女子のSSサイトでは
クルーゼがキラに惚れて人類絶滅を諦めたり
マユとステラをアスランが助けて、女キャラ全員がシンを憎んでズタボロにし、全員でアスランの子供を孕むとか
ラクスの神々しさに自らの罪を悔い、拳銃自殺するシンを笑顔で見つめ魂を天に返すラクスとか
キラを裏切って人類抹殺を企てるシンを、ストライクフリーダムカスタムで残酷に瞬殺する話とか

探せば色々あるから、2chのSSスレに粘着するより、そう言うサイトを見に行けば良いんじゃないかな?
723通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 22:24:47 ID:???
正直、個人サイトの方が自由だな。
ここは批判が多すぎて結局無難な改変しかないのが実情
724通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 22:32:26 ID:???
批判でギャアツク騒いでるのは、だいたい種厨だったりするわな
あと、種厨が書いたキラマンセーモノとか
725通常の名無しさんの3倍:2009/10/26(月) 22:34:33 ID:???
>>724
その、キラマンセ―モノ書いたらぼろくそに批判されたんだが……
726通常の名無しさんの3倍:2009/10/27(火) 00:52:18 ID:???
クルーゼが女キラに惚れて人類滅亡とかどーでもいいや
ってなる作品はよかった
残念なのは導入部分で終わったことだ
727通常の名無しさんの3倍:2009/10/27(火) 03:46:37 ID:???
>>726
kwsk
728通常の名無しさんの3倍:2009/10/27(火) 10:33:32 ID:???
>>725
そりゃそうだ。本編の異常マンセーが原因でアンチされてんだから
むしろキラ語るスレでやった方が良いぞ
729通常の名無しさんの3倍:2009/10/28(水) 20:50:48 ID:???
>>727
見かけたのが種死始まった辺りだから行き方忘れちまった
730通常の名無しさんの3倍:2009/10/28(水) 22:47:54 ID:???
>>729
内容だけでもkwsk
731383:2009/11/02(月) 12:40:02 ID:???
2チャンネルおよびクロスオーバー倉庫の作者の権利保護に疑問がありますので、
消去しました。番外編も、もう書きません。さようなら。
732通常の名無しさんの3倍:2009/11/02(月) 13:17:03 ID:???
人違いでしたら謝るけど
383氏=クジラの人?
733通常の名無しさんの3倍:2009/11/02(月) 19:35:15 ID:???
最近まで半信半疑だったがやはりか
最初は分かんなかったけど
734通常の名無しさんの3倍:2009/11/04(水) 14:51:30 ID:???
>383氏
残念です。
また読み返したいので、どこかに公開して頂けたら嬉しいのですが・・・。
735通常の名無しさんの3倍:2009/11/04(水) 18:37:47 ID:???
てゆうか、勝手に編集しまくってる戦犯が名乗り出ないのはどういう事よ?
736通常の名無しさんの3倍:2009/11/04(水) 22:12:02 ID:???
>>730
パトリックに付き添いでオーブに行ったら色々合った
ヘリオポリスの時点でクルーゼがキラ孕ませてアスラン唖然としてた
しか覚えてない
737通常の名無しさんの3倍:2009/11/05(木) 01:46:13 ID:???
>>735
荒らしだから名乗り出るわけないよ

残念だけどまた一人職人さんが荒らしに屈してしまったんだね
何も悪い事をしていないただの読者にも何とも嫌な感情を残してしまい
荒らしに負けるって本当に色々と残念だよね
738通常の名無しさんの3倍:2009/11/05(木) 06:30:31 ID:???
他で読めない感じの作品だったんで、とても残念です。


>>737

何も悪い事をしてないのは職人さんも同じだろう。
739通常の名無しさんの3倍:2009/11/06(金) 22:52:31 ID:???
この人の作品が編集されたわけじゃないし、荒らしは関係ない。
職人の語り場で「編集される可能性があること」に対して
「嫌だ」と言ったこの人に「堅いこというなよ、俺たちは
プロじゃないのに」と別の職人が返していた。
返答した職人の態度は「2chという場では」普通のことだが、
この人はそれが嫌だったから飛び出した。
職人あっての楽しみではあるが、読者あっての作品ということを
忘れる職人に非がないとは言えないな。
740通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 00:04:42 ID:???
なんか今回やたら騒いでんなあ
氏は旧まとめで原文のまま掲載してくれるよう注文つけたら叩かれた経緯があったからね
思うところがあったんだろう
741通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 00:14:25 ID:???
>>740
他の職人のSS編集の話ががきっかけで自作の編集(改行らしいが詳細は不明)に
怒り出して自作を削除、職人スレや語りのスレをプロ意識をふりかざして荒らして
自演臭い書き込みもありなら騒ぐだろJK
思うところもあったんだろうけど、ここが2chでまとめがwikiだってことを完全に忘れてる
自称プロならも少しプロらしく振舞って欲しかった
742通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 00:29:33 ID:???
プロの人は別の編集された人じゃないの?
743通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 00:33:31 ID:???
同一人物だと思う
744通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 00:51:42 ID:???
>>741
事情はわかったから詰め所なりに帰ってくんない?
745通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 01:01:00 ID:???
>>744
何様wwww
746通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 01:03:23 ID:???
>>745
本人様か?
747通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 01:04:49 ID:???
>>745ゴメン、
>>744が本人ってこと、アンカーミスった。
748745:2009/11/07(土) 01:08:00 ID:???
>>747
気にするな
俺は気にしてないw
749通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 01:32:09 ID:???
消された作品静かに語れる場所くらい残して欲しいんだが
750通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 09:09:52 ID:???
理想郷あたりに再うpでおk
751通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 11:28:52 ID:???
どうだろうねえ
お気に入りのシーンはある程度脳内再生出来るけど
752通常の名無しさんの3倍:2009/11/07(土) 20:01:33 ID:???
クジラの方は最初ここのと被ってる箇所がちらほら見えて
影響受けた別人が描いてるのかと思った
異常なテンポの良さと内容の濃さが本人ぽかったけど
こっちと文章の雰囲気が違いすぎていまいち確信なかったな
まぁ本人とわかってやっぱりと思うと同時に驚きもあったけど
753通常の名無しさんの3倍:2009/11/10(火) 21:54:53 ID:???
このスレの最初でテキストうpしてくれたし、あとはこのスレで間に合うだろ。
それを持ってなければ、●買ってスレ1から全部読めば言い訳で、読者の権利とか
仰々しく騒ぐほどのもんじゃない。つか、手に入れられるだろ?
754通常の名無しさんの3倍:2009/11/10(火) 22:41:46 ID:???
続きが読みたかったんだよ、外伝の…
それが最初から予定されてなかったなら、完結ということでいいんだけどな
それに、出来れば「これから興味を持つ人」がずっと読める状態にして欲しかった
再放送だのゲームだので、「ガンダム」の場合は常に一定数の「新規読者」を
獲得出来る可能性がある作品だからこそ、余計に残念だ
755通常の名無しさんの3倍:2009/11/10(火) 23:10:41 ID:???
本編完結してるだけましだろ。ガンクロには未完の長編がゴロゴロしてる。
756通常の名無しさんの3倍:2009/11/12(木) 02:02:02 ID:???
>>750
本当に理想郷に再うpされてたよ
757通常の名無しさんの3倍:2009/11/12(木) 03:02:13 ID:???
ホントだ…
まあ結果的に再び世に出て、おいおい外伝やクジラも最後まで読めるなら
それに越したことはないんだが、2chや倉庫からの跡濁しがアレだったせいか、
感想掲示板では本当に本人か、も含めてのっけから厳し目の意見が寄せられてるな。
またつむじ曲げて投げ出さなきゃいいけど
758通常の名無しさんの3倍:2009/11/12(木) 19:43:30 ID:???
2ちゃんはともかく、倉庫は誰でも編集できるんだから、勝手に編集しただけで問題なしだろ?
759通常の名無しさんの3倍:2009/11/13(金) 14:11:26 ID:???
素人に添削されたくないんだったら、素人が気付くような誤字や内容の誤りを修正してから再うpすりゃあ良いのに…と思った
760通常の名無しさんの3倍:2009/11/13(金) 16:19:34 ID:???
>>757
2chで問題起こして落ち延びた先に選んだのが理想郷とかもうね……
あそこの住人っていろんな所に根を張ってるし、サイトに問題持ち込みそうな奴が大嫌いだからな。
下手につむじ曲げて小火騒ぎでも起こしたら、問答無用で叩き潰されてあちこちに回覧回されてSS作家人生終了になるぞ。
761383:2009/11/13(金) 20:11:51 ID:???
ああしろこうしろ、うるさい人たちですね。
自分は本来SS作家ではないので、SS作家人生終了しても痛くもかゆくもありません。
762383 ◆PnqS0Odl32 :2009/11/13(金) 20:13:46 ID:???
本人ですwww
763通常の名無しさんの3倍:2009/11/13(金) 20:18:43 ID:???
撤退したのに未練がましい奴だなw
メンヘラだからってまわりに迷惑かけんなよ。
764 ◆PnqS0Odl32 :2009/11/13(金) 22:35:38 ID:???
どうやら今年の一月には既にトリが割れてたっぽいんだが……
ほんとに本人か?
765通常の名無しさんの3倍:2009/11/14(土) 22:29:33 ID:???
コイツダメすぎるな。
で、理想郷にはもう投下しないんですか?

まぁ投下しても自サイトでやったら?と言われるだけだし
盗作として削除されるだろうけど。
766通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 14:33:02 ID:???
ひぐらし厨にろくなのが居ないって事がまたも実証されてしまいました。
767通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 14:55:27 ID:???
あんだけ絶賛してたのに掌返しっぷりが凄いなお前ら
768通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 15:00:34 ID:???
支持してきたのに関係ないとこが発端で掌返したように裏切られたら傷つくだろうに
769通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 16:36:05 ID:???
ウィキの特徴とはいえ安易に改行とかしてた者が百歩譲って軽率だったとしても、
ほかの大多数の読み手はどれだけ長期中断してようが専用スレを維持し続けて
投下にはGJしてきたのに、その辺一顧だにせず消去だの出奔だのされたんじゃ…ねえ。
ここやifスレで「加工とかしないでね」と一言言っててくれればきっと従っていたのに。
理想郷での拒絶反応で今頃、ここの住人のお人好しさに気付いてくれてるかもね。
経緯がどうあれ今でも外伝2話以降やクジラの続きが読みたいのはホントなんだが。
770通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 17:03:08 ID:???
その改行云々なんだが、そのまま掲載して単にブツ切れ段落になったのを
勝手に改行されたっつってブチ切れたって落ちじゃないよな?
771通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 17:05:10 ID:???
そんな落ちだったら泣くに泣けない
復元させてないからわからんが
772通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 18:39:13 ID:???
今日の削除でクルーゼ消えた。
本人確認が出来ない以上盗作扱いになったんだろうな。

これでなろう辺りに行ったら典型的なダメ作品移行パターンだw
773通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 21:48:25 ID:???
さすがになろうには行かないだろ
サイト作ったらここに宣伝に来るとは思うけど
774通常の名無しさんの3倍:2009/11/15(日) 23:14:13 ID:???
素人でもわかる誤字脱字をしてなければなあ、と思った
2chではそんなの気にしちゃいけないんだろうと思って、
意味が変わってしまう間違いだけ時々指摘に留めてたけどさ
775通常の名無しさんの3倍:2009/11/16(月) 07:17:38 ID:???
>>767
擁護したくとも黙りこくるしかない状況になるんだもんよ
776通常の名無しさんの3倍:2009/11/16(月) 13:19:31 ID:???
スルーされてることに気づかないのも、哀れなモンだな
777通常の名無しさんの3倍:2009/11/21(土) 23:06:58 ID:???
アスカガにしなかったから罰が当ったのさ
778通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 13:29:13 ID:???
だがお前……あんなアスランだぞ?
779通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 13:30:44 ID:???
作品に罪はないさ。
780通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 16:36:15 ID:???
>>778
どんな話だろうと設定だろうとアスカガは必須
劇種でアスカガは絶対蘇る
いや俺達の力で蘇らせてみせる
781通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 20:05:33 ID:???
アスカガ(笑)

あぁ、本編が勘違いの末破局に終わったから
二次創作でカップル成立を求めているんですね
782通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 21:58:56 ID:???
俺達とか言ってんじゃねーよ気色悪いな
いい年したおばさんのくせに男のふりすんな
783通常の名無しさんの3倍:2009/11/23(月) 22:07:16 ID:???
アスカ×蛾
アスカガ
784通常の名無しさんの3倍:2009/11/25(水) 01:41:42 ID:???
アスラン×カガチか……恐ろしい……
785通常の名無しさんの3倍:2009/11/29(日) 08:09:24 ID:???
作者がメンヘラだったからしょうがない
786通常の名無しさんの3倍:2009/12/02(水) 03:25:48 ID:HFcbaIWc
腐女子はほっといて、男の新作まだあ?
クルーゼ好きなら書くよなあ、そうだろ?
787通常の名無しさんの3倍
お前男なんだろ?
クルーゼ好きなら書くよなあ、そうだろ?