【アストレイ】千葉智宏の気持ち悪さは異常2【00P】

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85通常の名無しさんの3倍
スターゲイザーのDVDを見ていて
2007-01-25 Thu
※今回の話は、製品版のみの話です。
ネット配信や、レンタル版ではありません。

「スターゲイザー」をあらためて見る。
打ち合わせで、西澤監督が言われていた「演出論」が随所に見られる。
監督が特に拘っていたのは、 「ユニスウセブンによる被害」、
「ファントムペインによる洗脳教育」、 「子供を使うテロリスト」 などなど。
夕方6時のテレビには、向かないが、現在の戦争を考えた時に避けては通れない部分の演出だ。

もちろん、テレビ本編のSEEDも、 それらがまったくなかった訳ではない。
それどころか(時間帯を考慮して見た場合)過度なまでに入っていたとも言えるだろう。

ただ、「残酷描写」とい単純な言葉でくくった時には同じものでも、
両者の演出意図が大きく違うのは、見れば分かると思う。

そして、製品版DVDにのみ特別収録された「ASTRAY」。
「スターゲイザー」のあとにこれを見て、当時、谷田部監督が「ASTRAY」のアニメ化を強く熱望してくれた理由を思い出した。
「人が死なないガンダムにしたい」
監督は、そこに拘っていた。
「ASTRAY」は、模型の宣伝用のアニメだ。
もっとも重要なのは、店頭でこのアニメを見た人が、すぐにお店でプラモデルを買いたくなること。
そのためのかっこよさが必要で、人が死ぬことは必要ない。
当時の企画書のキャッチフレーズはこうだ。
「オレはジャンク屋だ。人殺しはしない」
※このセリフは、作中でも挿入した。

人が死ぬアニメと死なないアニメ。
どちらが正しいということはない。
あるとすれば、「演出として成功しているか、失敗しているか」
もしくは「作品の持つ役割上、その人殺しは必要か、不要か」
というだけのことだ。

奇しくも「人が死ぬ」ということに関して、両極端の作品が1枚のディテスクに収められたことで、少し考え深くなった。

追伸
この文章は、どちらの作品についても批判していない。
これを読んだ後、みなさんの中で、改めて作品をみる機会があったら、
「千葉はそんなこと言ってたな」 と思い出して、新たな視点をもって作品を見て欲しい。
「好み」はたぶんにあるだろうが、そうやって製作者側の考えを知ってから作品を見ると、違ったものが見えるはずだ。
そうした発見は、(もしあなたが業界人を目指すなら)新たな作品作りに役立つと思う。
86通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 10:00:51 ID:???
2007/1/27 土曜日
コズミック・イラを考える
Filed under: アストレイ — chiba @ 13:59:37
ガンダムという作品は、それぞれが大河シリーズとなりうる可能性を持つ。
その中でも、特に長大な世界観と、作品群を持っているのは、言わずとしれた「宇宙世紀」だ。
おそらく人気もこれが一番だし、ガンダムの「元祖」としての揺るがない地位を確立している。

そしてこれに続く長大さを持つのが、
コズミック・イラなのだ。
テレビシリーズで2作、オリジナルビデオ2作(アストレイ含む)
さらに映画が予定されている。
映像以外にも外伝コミック、外伝小説、MSVを持つ。
これだけの作品があるガンダムは、宇宙世紀モノ以外ではない。

外伝スタッフとして、製作に係わってきた者として今思う
このままこのシリーズを終わりにせず、さらに大切に育てて行けたら……。

先日ブログに書いた「スターゲイザー」と「アストレイ」の作品観が
両極端でありながら成立していることからも、コズミック・イラの
作品が持つ振り幅も、大きいことが分かる。
まだまだ、新しい作品を作れる可能性は十分になるのだ。

ただし、そのためには必要なことも多い。
そろそろ設定の整理はやった方がいい。
外伝の方でも映画に歩調を合わせながら、出来る所からやるつもりだ。
まずは、MSVを含めたモビルスーツの系統図。
技術的なものも含め整理し、どこかでキッチリ発表したいと思っている。

そうすることが作品の信頼につながり、
コズミック・イラへの支持を強めるのではないだろうか?

皆さんの支持、応援、これからもお願いしたい。

87通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 10:05:17 ID:???
2006/4/30 日曜日
ガンダムエース(無印)4話
Filed under: アストレイ — chiba @ 1:22:05
アクタイオン再び登場!
人が死ぬことが少ない「アストレイ」では、同じ悪役も何度も出てくる。
結果として、悪役にもキャラが立ってくる。

冒頭で、アクタイオンが雇う傭兵。実は、この回が初登場ではない。
時系列では後のエピソードになるのだが、スニーカー3話で、劾を罠に掛けて、風花の操縦するブルーフレームに撃たれてしまう傭兵。それが、コイツなのだ。

民間宇宙ドック「バーナクル」とは、フジツボの意味。
単行本14、15ページは連載時にはなかった。
ゴールドフレームの腕についてガンダムエース版では、あまり触れてなかったので、ときた先生が追加してくれた。

ジャンク屋マリーンにレッドフレームを盗まれたロウ。
奪い返すためにキメラで攻撃するが、その攻撃があたった時に
「ちゃんと避けろ、キズが付くだろ!」と言う。
これが、この回で、もっともロウらしいセリフ。
取り返すために、自分で攻撃しておいて、傷が付くと文句を言う。
このアタリから、ロウが「自分の価値観に忠実で、他人から見るとワガママともとれる」という基本スタンスが確立しはじめている。

ロウが、宇宙服もなしで、キメラからレッドフレームに乗り移るシーン。
読者から、「非科学的です。人体が破裂します」「目玉が飛び出ます」
「宇宙は寒いので凍り付きます」
などなど、いろんなクレームをもらった。
だが、実際には、人間の体は風船と違い、真空でもすぐに爆発したりしない。
ましてや、短時間なら宇宙空間は熱を伝える物質がないので、急激な温度変化もないのだ。
つまり大丈夫。
※このシーンのためにNASAの資料を調べました。
あと、ソ連の動物実験もかなり詳しい。

ただ、現実に合っているのと、読者が納得するのは別なので、このシーンを入れるに当たっては、ときた先生とも相談した。
「まあ、『逆襲のシャア』でクエスもやってるから大丈夫でしょう」
ということでGOになったが、結局、クレームは来てしまった。

レッドフレームの手からでる新技は、この段階では名前がない。
あとあとゲームで必要になって、つけることになる。
(技のアイデアは、阿久津さんの設定画にあった)

8が「哈哈哈哈(はははは)」と笑うのは、担当編集さんのアイデアだったと記憶している。

最後にマリーンの正体が明かされ(テレビキャラの変装)、エリカ・シモンズが登場する。
このシーン、アストレイではじめてテレビ用のキャラが、テレビより早く登場したシーンだ。
88通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 10:07:09 ID:???
2006/4/29 土曜日
文化祭の思い出、あるいはストーカーたち
Filed under: 業界で働く — chiba @ 0:10:25
スタジオオルフェでは、数年前、某有名大学の文化祭のイベントに出たことがある。
アニメ関係者をあつめて、トークショーをしたのだ。
大学のアニメ研究会が、企画を持ち込んできたのだ。
この某有名大学が、かなりの大学で、
『ドラゴン桜』がない時代に学生だった私には、ぜったい入れないような学校だ。
「高卒と、大学中退の学歴者の集団であるオルフェとしては、
この大学からの挑戦は受けざるを得まい。
いや、『あんたたち、アニメなんかに構ってないで、日本の将来のために勉強しろ』と言うためにも、ぜひ乗り込もう」
ということで引き受けた。
私も社長なので、参加した。
まあ、内容がどうだったかは、ここでは重要でないのでパスする。

トークショーが終わり、社員たちやゲストはみんな打ち上げにいくことになった。
私は、仕事があったので、そのまま直帰することにした。

イベント会場を出て、まずトイレによった。
小で用をたしていると、突然後ろから声を掛けられた。
「スタジオオルフェの千葉社長ですよね?」
とまどう私。
だって、まさかこんな瞬間に声をかけられるなんて、夢にも思ってない。
生まれて初めてのことだ。
よほどの緊急事態か!?
「会場の裏で隠れて酒を飲んで、泥酔した社員が、暴れたか?」
一瞬、悪い予感が走る。
私は、なんとか、膀胱力(?)を全開にして、通常の三倍の早さで用を終わらせた。
そして、声を掛けてきた人の方を振り向くと、
「ボク、オルフェに入りたいんです」
と言ってきた。
そのセリフを聞いて、全身の力が抜けました。
この人には、「常識がない人は、当社では必要ありません」
と断った。

89通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 10:07:22 ID:???
さて、大学を出て、帰りの電車に乗り込んだ私。
大学から離れ、かなり安心しはじめていた。
頭の中では、締め切りが目の前(というか、ちょっと過ぎてしまった)仕事のことで考えをめぐらせていた。
ふと、視線を反対側のイスに座った人に向けると、
なんと、その人は当社の社員が執筆した小説を手にして居るではないか!
あまりに不自然。
偶然の可能性は、かなり低い。
その本は、特に新刊という訳ではないのだ。
私は、見なかったことにした。
だが、私が、視線を外したことに気づいたその人は、
これ見よがしに、「おもしれぇ、これおもしれぇ」などと言い出す始末。
私は、はじめて「衝動殺人が起こる理由」を身をもって体験したが、
こんなヤツのために人生棒に振るのはいやだったので、我慢した。
やがて、電車は私の降りる駅に到着してしまった。
ヤツのターゲットが私なのは、ほぼ間違いない。
「降りて、自宅の最寄り駅を知られるのは危険か?」
とも思ったが、
敵が、話しかけてくるなどの積極的戦術をとってこなかったので、
ここは、電車を降ることにした。
(降りれば、ヤツと別れられるかもしれないという、甘い誘惑に負けたのだ)
だが、私が電車を降りると、ヤツも降りてきてしまった。
そして、「スタジオオルフェの千葉社長ですよね?」
と、話しかけてきた。
「そうですが」
「ボク、アニメに詳しんです」
「へ〜、で?」
「アニメのことなら、誰にも負けません」
「そうなんだ。で?」
「ですから……」
「用がないなら、急いでますので」
私は、その場を走り去ってしまった。
ヤツは、追ってくる気配はなかったが、まっすぐ家に帰るのは危険なので、
30分ほど遠回りして帰った。

さらに、家に帰ってからメールをチェックすると、
一度だけバイトで使って、あまりに使えないので、クビにした男から
メールが来ていた。
「今日、私も、オルフェのトークショーを拝見させていただきました。
客席から手を振ったんですが、気づきませんでしたか?
トークの内容で言われていた、●●と●●は、ダメでしょう。
ところで、あれから時間もたち、私もレベルアップしました。
もう一度、作品を見て頂けませんか?
オルフェで使って頂けなくても、もう少しレベルの低い会社を紹介していただければ、幸いです」
あまりの内容に返事をする気力もなく、
ましてや「締め切りをやや過ぎた仕事」をやる気力も奪われていた。
結局、その日は、ふて寝してしまった。
90通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 10:11:09 ID:???
蘊奥と伝八(犬)が操縦するバクゥは、第一次地球降下作戦時に、
大気圏突入前に破壊された船につまれていたモノ。
だから、宇宙なのにバクゥが存在しているのだ。

このバクゥの操縦法について、オートを最初検討していたが、
「現段階で人を介さない操縦を示すのは危険」というサンライズの判断が下り、
今のような「直進するだけなので、犬がレバーを押さえている」という形になった。

回想シーンで登場する蘊奥専用ジンだが、
「ナチュラルでも、簡単な動作ならモビルスーツを操縦出来る」というサンライズの話に基づいて乗せている。
蘊奥は、まっすぐに刀を振り下ろす動作のみで、敵と戦っていたと思われる。
(なお、テレビでは、より分かりやすくするため、
「ナチュラルは操縦できない」という大きなくくりで統一されている。
だが1話でマリューが操縦したように、動かすことは無理ではないのだ。
彼女は、パイロットでもなく、平時でもない状態での操縦だったことを忘れてはならない)